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タイトル:公開特許公報(A)_カルシウム吸収促進組成物及びカルシウム吸収促進飲食物
出願番号:2008268202
年次:2010
IPC分類:A61K 31/353,A61P 3/14,A23L 1/30,A23L 2/52


特許情報キャッシュ

瀧原 孝宣 一谷正己 JP 2010095474 公開特許公報(A) 20100430 2008268202 20081017 カルシウム吸収促進組成物及びカルシウム吸収促進飲食物 株式会社 伊藤園 591014972 特許業務法人竹内・市澤国際特許事務所 110000707 瀧原 孝宣 一谷正己 A61K 31/353 20060101AFI20100402BHJP A61P 3/14 20060101ALI20100402BHJP A23L 1/30 20060101ALI20100402BHJP A23L 2/52 20060101ALI20100402BHJP JPA61K31/353A61P3/14A23L1/30 BA23L2/00 F 5 OL 10 4B017 4B018 4C086 4B017LC03 4B017LG14 4B017LK01 4B017LK08 4B017LK18 4B017LL09 4B017LP01 4B018LB01 4B018LB02 4B018LB05 4B018LB06 4B018LB07 4B018LB08 4B018LB10 4B018MD59 4B018MD60 4B018ME14 4B018MF01 4C086AA01 4C086AA02 4C086BA08 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA52 4C086NA14 4C086ZA96 4C086ZC21 本発明は、経口摂取することにより、カルシウムの吸収促進を図ることができるカルシウム吸収促進組成物及びこれを配合してなるカルシウム吸収促進飲食物に関する。 カルシウムは、ミネラルの中で最も多く体内に含まれ、体重の1〜2%を占める物質である。そのうちの99%は歯と骨に存在し、残りの1%が血液などの体液や筋肉などの組織に存在する。そして、この1%が止血や神経、筋肉の働きなどに関与し、体内で重要な役割を担っている。 生体には、血中カルシウム濃度を維持するため、腸管からのカルシウム吸収を効率よく行うための調節機構が備わっており、腸管からのカルシウム吸収には2つの異なる機構が配備されている。その一つは、十二指腸から小腸上部において行われる能動輸送であり、もう一つは、小腸下部にかけて行われる拡散輸送である。 前者は、活性型ビタミンDやカルシウム結合蛋白質が関与し、物質が濃度勾配に逆らって輸送されるものである。よって、カルシウム摂取量の増加に伴い吸収量は増加するが、通過する時間や距離が短いこともあり、ある量に達すると頭打ちになる。 これに対し、拡散輸送は、吸収に関わる諸因子のほか、通過時間や距離が長いため、カルシウム摂取量が増加するに従い吸収量は増加する傾向が認められる。 近年の国民健康・栄養調査の結果から、現在の日本人の食生活では十分なカルシウム補給ができないことが指摘されており、食生活の改善が望まれている。しかし、食生活を改善してそれを継続することによって十分なカルシウムを補給することは実際にはとても難しいことである。そこで、摂取したカルシウムがこれまでよりも効率よく吸収することができれば、継続が容易な食習慣として定着させることが可能になる。このような観点から、カルシウムの吸収を促進する物質や組成物の開発が求められている。 従来、カルシウムの吸収を促進する成分として、ビタミンDや乳糖が知られているほか、次に挙げる物質や組成物が開示されている。 例えば特許文献1には、納豆菌の生産するポリアミノ酸の代表例として知られているポリγ−グルタミン酸(分子量約125万)またはその塩を主成分とするカルシウム吸収促進効果を有する健康飲食品が開示されている。 特許文献2には、水溶性キトサンを有効成分とするカルシウム吸収促進性組成物が開示されており、特許文献3には、豆乳およびカゼインを含む、カルシウム吸収促進医薬組成物が開示され、特許文献4には、スケトウタラまたはオキアミ由来のタンパク質をペプシン処理して得られるカルシウム吸収促進性水溶性画分を有効成分とするカルシウム吸収促進性組成物が開示されている。 また、特許文献5には、ローヤルゼリーのプロテアーゼによる分解物からなるペプチドを有効成分とすることを特徴とするカルシウム吸収促進剤が開示され、特許文献6には、κ‐カゼイングリコマクロペプチド及び/又はκ‐カゼイングリコマクロペプチドの酵素分解物を有効成分とするカルシウム吸収促進剤が開示され、特許文献7には、高分子量キトサンを有効成分とするミネラル吸収促進用添加剤が開示されている。 さらに、特許文献8には、難吸収性L型アルドン酸、その塩または難吸収性L型アルドン酸ラクトンを含有するカルシウム吸収促進組成物が開示され、特許文献9には、セイヨウネズ又はその抽出物を有効成分とするカルシウム吸収促進剤が開示され、特許文献10には、アンソクコウ又はその抽出物を有効成分とするカルシウム吸収促進剤が開示されている。 そのほか、ガラクトオリゴ糖(特許文献11)、フラクトオリゴ糖(特許文献12)、α−グルコシダーゼ阻害剤(特許文献13)なども、カルシウムの消化管吸収を促進する物質として開示されている。特許3112724号の請求項1及び[0002]特許3393560号の請求項1特許3280420号の請求項1特許3397258号の請求項2特許3408739号の請求項1特許3575724号の請求項1特許4062650号の請求項1特開2006−70028号の請求項1特開2008−74818号の請求項1特開2008−74819号の請求項1特許第3179090号公報特開平7−252156号公報特許第2531273号公報 本発明は、経口摂取することにより、カルシウムの吸収促進を図ることができる、新たなカルシウム吸収促進組成物を提供せんとするものである。 本発明は、カテキン類、中でもエステル型カテキン類を主成分とするカテキン類を有効成分とするカルシウム吸収促進組成物を提案するものである。 従来、カテキン類は、血中の鉄イオン濃度を下げることが知られており、カルシウムなどのミネラルの吸収にはカテキン類は不適だと考えられてきた。しかし、本発明者は、カテキン類を経口摂取することにより、血液へのカルシウムの吸収効率を高めることができる効果を見出し、本発明を想到したものである。 本発明のカルシウム吸収促進組成物は、サプリメントして提供することもできるが、食品や飲料(これらをまとめて「飲食物」という)に添加することにより、カルシウム吸収促進効果を有する飲食物として提供することもできる。また、カルシウムやカルシウムを含む飲食物に配合することにより、さらに好ましいカルシウム吸収促進効果を有する飲食物として提供することもでき、成長期の子供や骨粗鬆症に悩む高齢者まで、また運動などによる失われたミネラルとしてのカルシウム補給に対して好適な製品を提供することが可能となる。発明を実施するための形態 以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明が下記実施形態に限定されるものではない。 本実施形態に係るカルシウム吸収促進組成物(以下「本Ca吸収促進組成物」という)は、カテキン類を有効成分とするものである。 本Ca吸収促進組成物の有効成分であるカテキン類は、(−)カテキン(C)、(−)カテキンガレート(Cg)、(−)ガロカテキン(GC)、(−)ガロカテキンガレート(GCg)、(−)エピカテキン(EC)、(−)エピカテキンガレート(ECg)、(−)エピガロカテキン(EGC)、(−)エピガロカテキンガレート(EGCg)からなる群から選ばれる一種又は二種以上の組み合わせからなる混合物である。 中でも、カルシウム吸収促進効果の観点から、エステル型カテキン類、すなわち(−)カテキンガレート(Cg)、(−)ガロカテキンガレート(GCg)、(−)エピカテキンガレート(ECg)、(−)エピガロカテキンガレート(EGCg)からなる群から選ばれる一種又は二種以上の組み合わせからなる混合物を主成分とするのが好ましい。特に、カテキン類の総量の20〜100質量%、特に40〜100質量%、中でも特に70〜100質量%をエステル型カテキン類が占めるカテキン類を有効成分とするのが好ましい。 上記の中でも、特に(−)エピガロカテキンガレート(EGCg)のカルシウム吸収促進作用が優れているため、EGCgを有効成分として含有するものが好ましい。 なお、前述した各カテキンの誘導体や重合物も同様の効果が期待できるため、これらも各カテキン同様に使用することができるものと考えることができる。よって、特に言及しない限り、カテキン類と表現した場合には、その誘導体や重合物を包含する意図と、より好ましくは誘導体や重合物を包含しないカテキンである意図との両方を包んでいる。 本Ca吸収促進組成物の有効成分としてのカテキン類は、茶抽出物等から単離精製されたカテキン類が好ましいが、カテキン類を高濃度で含有する茶抽出物なども本Ca吸収促進組成物の有効成分として利用することができる。但し、カルシウム摂取不足の人が多量のカフェインを摂取すると骨量が減少するとの研究報告も有り(Harris SSら、Am J Clin Nutr 60: 573-578,1994),さらには子供や妊婦さらにはカフェイン過敏症でカフェインを摂取すると夜眠れない等の症状がみられる方などへの影響を考慮すると、カフェインの含有量が低いものが好ましく、0.5質量%以下であるのが好ましい。 このような観点から、例えば、緑茶を熱水抽出処理して得た抽出物を、水と低・高濃度アルコールを使って吸着カラムにて分離し乾燥させ、茶ポリフェノール濃度を約85〜99.5%に調製してなる緑茶抽出物を好ましく例示することができ、中でも「テアフラン90S(商品名;伊藤園社製)」は好ましい例である。このテアフラン90Sは、カテキン類の総量に対するエステル型カテキン類の量が50〜90質量%であり、EGCgの量がカテキン総量の40〜90質量%であり、カフェイン含有量が同じくカテキン総量に対して0〜2質量%である。 本Ca吸収促進組成物は、経口投与剤として医薬品、医薬部外品、栄養補助食品(サプリメント)して提供することができる。 この際、剤型としては、例えば液剤、錠剤、散剤、顆粒、糖衣錠、カプセル、懸濁液、乳剤、丸剤などの形態に調製することができる。 配合(製剤)について言えば、通常用いられている賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤化剤、崩壊剤、表面活性剤、潤滑剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、溶解補助剤、防腐剤、矯味矯臭剤、無痛化剤、安定化剤などを用いて常法により製造することができる。また、例えば乳糖、果糖、ブドウ糖、でん粉、ゼラチン、炭酸マグネシウム、合成ケイ酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸マグネシウム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースまたはその塩、アラビアゴム、ポリエチレングリコール、シロップ、ワセリン、グリセリン、エタノール、プロピレングリコール、クエン酸、塩化ナトリウム、亜硫酸ソーダ、リン酸ナトリウムなどの無毒性の添加剤を配合することも可能である。 なお、医薬部外品として調製する場合には、例えば瓶ドリンク飲料等の飲用形態、或いはタブレット、カプセル、顆粒等の形態とすることにより、より一層摂取し易くすることができる。 また、本Ca吸収促進組成物を各種飲食物に添加することにより、Ca吸収促進効果を備えた健康食品、健康飲料、特定保健用食品、機能性食品などを調製することができる。 例えば炭酸、賦形剤(造粒剤含む)、希釈剤、或いは更に甘味剤、フレーバー、小麦粉、でんぷん、糖、油脂類等の各種タンパク質、糖質原料やビタミン、ミネラルなどの飲食品材料群から選ばれた一種或いは二種以上と混合したり、或いは、現在公知の飲食品、例えばスポーツ飲料、果実飲料、乳飲料、茶飲料、野菜ジュース、乳性飲料、アルコール飲料、ゼリー、ゼリー飲料、炭酸飲料、チューインガム、チョコレート、キャンディ、ビスケット、スナック、パン、乳製品、魚肉練り製品、畜肉製品、冷菓、乾燥食品、サプリメントなどに添加したりして製造することができる。 本Ca吸収促進組成物は、Caと同時摂取することにより、効果をより一層発揮すると考えられるため、カルシウムや、カルシウムを含む飲食物と混合して配合することにより、さらに好ましいカルシウム吸収促進効果を有する飲食物として提供することができる。 この際、カルシウムとしては、それを可溶化できる状態で供給できるものでよく、例えばクエン酸塩、硫酸塩、グルコン酸塩、乳酸塩、ビス−グリシン酸塩、アミノ酸キレート、炭酸塩、酸化物、水酸化物、塩化物、リン酸塩、ピロリン酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、及びリンゴ酸塩等を挙げることができる。中でも、Ca吸収促進効果の観点から、クエン酸リンゴ酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、乳酸カルシウム、乳酸グルコン酸カルシウム、塩化カルシウムなどが好ましい。その中でも、Ca吸収促進効果の観点から、乳酸カルシウムや乳酸グルコン酸カルシウムなどの乳酸を含有するものが好ましい。この際、Ca100質量部に対するカテキン類の量を300〜1100質量部とするのが好ましく、特に400〜900質量部、中でも特に500〜700質量部とするのがさらに好ましい。(必要摂取量及び含有量) 本Ca吸収促進組成物中の有効成分濃度に関しては、有効成分がカテキン類の場合、10〜100質量%であるのが好ましい。中でも70〜100質量%であるのがより好ましい。 また、有効成分がエステル型カテキン類の場合、15〜100質量%であるのが好ましい。中でも60〜100質量%であるのが好ましい。 さらにまた、有効成分がEGCgの場合、10〜100質量%であるのが好ましい。中でも50〜100質量%であるのがより好ましい。 また、摂取するCaの量に対する有効成分量に関しては、有効成分がカテキン類の場合、Caの300〜3000質量%であるのが好ましく、特に300〜2000質量%、中でも特に350〜1000質量%であるのがさらに好ましい。 また、有効成分がエステル型カテキン類の場合、Caの300〜1500質量%であるのが好ましく、特に450〜1050質量%、中でも特に650〜850質量%であるのがさらに好ましい。 また、有効成分がEGCgの場合、Caの300〜1100質量%であるのが好ましく、特に400〜900質量%、中でも特に500〜700質量%であるのがさらに好ましい。 本Ca吸収促進組成物の安全性に関しては、有効成分であるカテキン類は、古くから長年に渡って人類が経口摂取している茶から抽出される成分であるから、安全性は保証されていると言える。(用語の説明) 本明細書において「X〜Y」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り「X以上Y以下」の意と共に、「好ましくはXより大きい」及び「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、その際のX及びYは、四捨五入を考慮した数値である。 また、「X以上」或いは「Y以下」(X,Yは任意の数字)と表現する場合、特にことわらない限り、「好ましくはXより大きい」或いは「好ましくはYより小さい」の意を包含する。また、その際のX及びYは、四捨五入を考慮した数値である。 次に、試験例に基づいて本発明について更に説明するが、本発明が以下に示す実施例に限定されるものではない。<ラットを用いた緑茶カテキンのカルシウム吸収性試験> ラットを用いて、緑茶カテキンとカルシウムの同時摂取におけるカルシウム吸収性に与える効果を調べた。 本試験では、ラット(SPF)Slc:SD雄10週齢(体重311〜341g)を用いて、被験物質投与前日17:00より絶食して試験を実施した。 緑茶カテキンとしては、株式会社伊藤園製テアフラン90S(以下「TF90S」と言う。組成に関しては表1参照)及びエピガロカテキンガレート(EGCG)とを用いた。カルシウム源としては、乳酸カルシウム・5水和物(分子量:308.30)を用いた。表1には、使用したテアフラン90Sの組成を示した。 被験物質は、経口ゾンデ及びシリンジを用いて強制経口投与(10mL/kg体重・単回投与)した。 被験物質はそれぞれ以下の方法で作成し、試料とした。詳しくは、下記表2参照。 TF90S+乳酸カルシウム投与液は、TF90S1740mg及び乳酸カルシウム1170mgをそれぞれ秤量し、それぞれを乳棒及び乳鉢を用いて注射用水で溶解し全量を15mLとし、これをTF90S1160mg/kg+乳酸カルシウム780mg/kgの投与液として調整した。 EGCG+乳酸カルシウム投与液は、EGCG879mg及び乳酸カルシウム1170mgをそれぞれ秤量し、それぞれを乳棒及び乳鉢を用いて注射用水で溶解し全量を15mLとし、EGCG580mg/kg+乳酸カルシウム780mg/kgの投与液として調製した。 乳酸カルシウム投与液は、乳酸カルシウム1170mgを秤量し、乳棒及び乳鉢を用いて注射用水で溶解し全量を15mLとし、この溶液を乳酸カルシウム780mg/kg投与液として調製した。 試験では、被験物質をラットに経口投与し、投与前、投与後0.5、1、2及び4時間経過時に採血し、血液中のCa濃度を測定し、この値からカルシウム吸収性に対する作用を評価した。 血液中のCa測定では、各被験物質投与前、投与後0.5時間、1時間、2時間及び4時間時点で頸静脈より0.5mL採血を行い、採取した血液を4℃、1700×gで15分間遠心分離し、得た血漿についてMXB法により測定した。 各測定値は平均値±標準誤差で表した。各測定項目について、投与前値を対照としてPaired t検定を実施した。 Ca濃度については、A1群とA4群、A4群とA2群及びA4群とA3の2群間で検定を実施した。統計学的手法はF検定により分散に一様性が認められたためStudentのt検定を実施した。A4群、A2群及びA3群の3群間でTukey Type多重比較検定を実施した。有意水準は5%及び1%で表示した。 表2には各試験群の試験条件を示し、表3には各試験群の投与成分を示し、表4には各試験群の投与成分組成(Caとのモル比率、乳酸とのモル比率)を示した。表5には、各試験群ごとに、血液中Ca濃度を経過時間毎に示した。(結果) 全例において試験期間中に死亡及び一般状態異常は認められなかった。カルシウム濃度への影響は以下の通りであった(表5)。 注射用水投与群の血液中Ca濃度は、投与前が9.4mg/dLであったのに対し、投与0.5時間、1時間、2時間及び4時間経過後では、それぞれ8.9、8.6、8.4及び8.6mg/dLであった。投与前値と比較して、投与0.5時間、1時間、2時間及び4時間後の全てにおいて有意な減少が認められた。 TF90S+乳酸カルシウム投与群の血液中Ca濃度は、投与前が9.5mg/dLであったのに対し、投与0.5時間、1時間、2時間及び4時間後では、それぞれ10.0、10.9、9.7及び8.5mg/dLであった。投与前値と比較して、投与4時間後に有意な減少が認められた。乳酸カルシウム投与群と比較して投与1及び2時間後に有意な高値が認められた。 EGCG+乳酸カルシウム投与群の血液中Ca濃度は、投与前が9.4mg/dLであったのに対し、投与0.5時間、1時間、2時間及び4時間後では、それぞれ9.3、10.9、9.8及び8.4mg/dLであった。投与前値と比較して、投与1時間後に有意な増加が認められ、投与4時間後に有意な減少が認められた。乳酸カルシウム投与群と比較して投与1及び2時間後に有意な高値が認められた。 乳酸カルシウム投与群の血液中Ca濃度は、投与前が9.3mg/dLであったのに対し、投与0.5時間、1時間、2時間及び4時間後では、それぞれ9.4、9.5、8.7及び8.3mg/dLであった。投与前値と比較して投与4時間後に有意な減少が認められた。注射用水投与群と比較して投与1時間後に有意な高値が認められた。 以上から、TF90S+乳酸カルシウム投与群及びEGCG+乳酸カルシウム投与群では乳酸カルシウム単独投与群と比較して、投与1時間後及び2時間後のCa濃度に有意な高値が認められ、緑茶抽出物テアフラン90S及びエピガロカテキンガレートはCaの吸収を促進し、血液中のCa濃度を有意に増加させることが明らかとなった。 カテキン類を有効成分とするカルシウム吸収促進組成物。 カテキン類が、カテキン、カテキンガレート、ガロカテキン、ガロカテキンガレート、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレートからなる群から選ばれる1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載のカルシウム吸収促進組成物。 カテキン類が、前記カテキン類の総量の50〜100質量%をエステル型カテキンが占めることを特徴とする請求項2記載のカルシウム吸収促進組成物。 カフェイン含有量が0.5質量%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のカルシウム吸収促進組成物。 請求項1〜4の何れかに記載のカルシウム吸収促進組成物を添加してなるカルシウム吸収促進飲食物。 【課題】経口摂取することにより、カルシウムの吸収促進を図ることができる、新たなカルシウム吸収促進組成物を提供する。【解決手段】カテキン類、中でもエステル型カテキン類を主成分とするカテキン類を有効成分とするカルシウム吸収促進組成物を提案する。カテキン類を経口摂取することにより、血液へのカルシウムの吸収効率を高めることができる。【選択図】なし


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