生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_安定な飲料の製造
出願番号:2015536674
年次:2015
IPC分類:C12C 5/02,A23L 2/02,C12G 1/00,A23L 2/70


特許情報キャッシュ

ムツアーアース, ジョアンナ ヘンリカ ガーディナ マリア エデンス, ルポ ハイネ, ウィルバート ハーマン マリー JP 2015536674 公表特許公報(A) 20151224 2015546057 20131210 安定な飲料の製造 ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ. 503220392 池田 成人 100107456 清水 義憲 100128381 酒巻 順一郎 100162352 ムツアーアース, ジョアンナ ヘンリカ ガーディナ マリア エデンス, ルポ ハイネ, ウィルバート ハーマン マリー EP 12196433.2 20121211 C12C 5/02 20060101AFI20151201BHJP A23L 2/02 20060101ALI20151201BHJP C12G 1/00 20060101ALI20151201BHJP A23L 2/70 20060101ALN20151201BHJP JPC12C5/02A23L2/02 AC12G1/00A23L2/00 K AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US EP2013076087 20131210 WO2014090803 20140619 15 20150715 4B017 4B017LC07 4B017LG04 4B017LG13 4B017LK23 4B017LP05 4B017LP06 本発明は、長期間安定な飲料の方法製造に関する。[背景] ヘイズは飲料工業ではよく知られている現象である。ヘイズは、ビール、ワインおよびフルーツジュース中に存在し得る。ヘイズの生成は、醸造プロセスの種々の段階で起こり得る。T.NagodawithanaおよびG.Reed編「Enzymes in food processing」、3rd edition,Academic press Inc.,San Diego,Chapter V,p.448−449では、ビール中のヘイズはビールタンパク質とポリフェノール性プロシアニジンの相互作用の結果であると提唱している。ビールでは、ヘイズはビール冷却時によく生成すると言われている。ビールは、発酵、熟成、低温安定化され、最後に、容器に詰められるが、これは低温条件下で行われることが多い。透明性を得るために、ビールは冷たいうちに濾過されることが多い。濾過されたにもかかわらず、容器に詰められ、消費者のもとへ配送され、そして給仕される前に再度冷やされると、ビールは曇ることがよくある。ビールを冷却せずとも、あるいは冷却をやめても、いつかはビール中にヘイズが生成され、おりが堆積し得る。ヘイズの生成により起こる曇りは、望ましくない微生物の腐敗によって生成する曇りと似ているため、ヘイズの生成は、特に明るい色のビールで望ましくない。 国際公開第2002/046381号パンフレットは、プロリン特異性エンドプロテアーゼを飲料に加えることにより、飲料中のヘイズを低減させる方法を開示している。国際公開第2002/046381号パンフレットは、さらに、プロリン特異性エンドプロテアーゼでヘイズを低減させても、ポリフェノールなどの抗酸化剤が高い含有率で飲料中に依然含まれることを開示している。抗酸化剤であるこれらのポリフェノールは、健康増進成分として有用であると考えられている。 国際公開第2003/104382号パンフレットは、プロリン特異性エンドプロテアーゼを添加して飲料中のヘイズを低減させることに加えて、エキソプロテアーゼおよび/またはエンドプロテアーゼを飲料に補助的に添加することによって、ペプチドの溶解性を増大させることができ、このことにより、残留ポリペプチドとポリフェノールとの相互作用が一層抑制されると仮定されることを開示している。 タンパク質とは別に、ポリフェノールもヘイズの生成に関与していると考えられている。タンパク質の沈殿が、少量のポリフェノールによって促進されると考えられている(Minussi et al.,Trends in Food Science and Technology 2002,Vol.13,p.205−216)。米国特許第4,411,914号明細書は、ポリフェノールオキシダーゼを添加してポリフェノールを酸化させ、生じた沈殿物をその後除去することにより、ビールのコロイド安定性を改善できることを開示している。 本発明者らは、プロリン特異性エンドプロテアーゼまたはポリフェノールオキシダーゼのいずれかを単独で添加した後、長期貯蔵したビールなどの飲料には、ヘイズが依然生成され得ることを見出した。 本発明の目的は、安定な飲料を製造することにある。[発明の概要] 本発明は、飲料の製造方法であって、飲料にプロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼを添加する工程と、飲料を調製する工程とを含む方法に関する。 有利なことに、酵素の一方を単独使用して製造した飲料と比べて、プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼで処理したビールなどの飲料では、長期貯蔵後も、ヘイズの生成がより少ないことがわかった。[詳細な説明] 本開示は、飲料の製造方法であって、飲料にプロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼを添加する工程と、飲料を調製する工程とを含む方法に関する。 本明細書では、「飲料」という用語は、それを製造する全ての段階における飲料を含む。飲料は、すぐに消費できる飲料だけでなく、飲料の任意の中間形態でもあり得る。飲料の中間形態は、完全に液体ではないこともあり得る。例えば、ビールの製造に使用する麦汁は、「飲料」という用語に包含される。 一実施形態では、飲料はビールである。本明細書で開示する方法のビールは、モルトにしていない穀物のマッシュおよびモルトにした穀物のマッシュから、またはモルトにした穀物とモルトにしていない穀物の混合物から作られたマッシュにより製造されるビールであり得る。ビールを製造することができる穀物の例としては、オオムギとコムギが挙げられる。さらに、ビールは、トウモロコシ、コメまたはキャッサバなどの付加物とともに製造することができる。本明細書では、ビールは全ての可能なアルコール含有率、例えば、1〜10体積%または2〜8体積%など、0〜12体積%の含有率を有することができる。ビールを製造する方法は極めて多様であり、それらは当業者に知られている。通常、ビールを製造する方法は、マッシュを製造し、マッシュから麦汁を分離する段階、発酵段階、熟成段階、および安定化段階を含む。ビールを製造する方法のいくつかは、ビールを濾過する段階を含む。いくつかの方法では、発酵は一次発酵として知られている。発酵段階は、酵母を添加して、利用可能な糖をアルコールに発酵させようとするビール醸造段階である。熟成段階はまた、二次発酵としても知られ、ジケトンなどの望ましくないフレーバー成分をより良好な味見成分に変換しようとするものである。安定化はポリフェノール−タンパク質凝集体の生成を促進し、沈殿可能にするものである。ビール製造方法は、任意選択により、例えば、安定化後に濾過する工程を含む。通常、ビールは、安定化および/または濾過後、例えば、ビン、カンまたは樽に詰められる。 一般に、ビール醸造中、多くのパラメータをチェックし得る。発酵段階の終了は、例えば、製造中のビールの密度を測定することにより決定し得る。発酵段階の終了は、一般に、熟成段階の開始と考えられる。熟成段階の終了、およびそれによる安定化段階の開始は、ビール中に存在するダイアセチルの含有量を測定することにより決定し得る。しかしながら、実際には、ダイアセチル含有量は、目的とするビールの種類により変わり得る。 他の実施形態では、本明細書で開示する方法の飲料は、ワインまたはフルーツジュースである。ワインは、通常、ブドウから製造される。フルーツジュースは、例えば、レッドベリー、イチゴ、リンゴ、ナシ、トマト、柑橘類、野菜などから得られるジュースであり得る。 プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼは、飲料製造の任意の適切な段階で飲料に添加し得る。プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼは、同時に添加する必要はなく、飲料製造の異なる段階で添加することができる。ポリフェノールオキシダーゼは、活性のために酸素を必要とするから、飲料製造の少なくともある段階で飲料中に酸素が存在していることが必須である。飲料がビールの場合、プロリン特異性プロテアーゼおよび/またはポリフェノールオキシダーゼは、ビール製造プロセスの発酵段階で添加し得る。あるいは、プロリン特異性プロテアーゼおよび/またはポリフェノールオキシダーゼは、ビール製造プロセスの発酵段階より前に添加し得る。プロリン特異性プロテアーゼおよび/またはポリフェノールオキシダーゼはまた、ビール製造プロセスの発酵段階の後、例えば、低温安定化段階またはその後で、ビールに添加し得る。 本明細書で開示する方法の一実施形態では、飲料はフルーツジュースまたはワインである。 フルーツジュースの製造プロセスでは、プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼは、浸漬または脱ペクチン化中に添加し得る。 ワインの製造プロセスでは、プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼは、アルコール発酵中もしくはその後、またはマロラクティック発酵の後で添加することができる。 ヘイズの生成は、ビール、フルーツジュースおよびワインなどの酸性飲料でよく起こるため、プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼが、pH7未満のpHを活性のための最適pHとして有すると有利であるが、これは必須ではない。例えば、プロリン特異性プロテアーゼは、3〜7の最適pHを有する。ポリフェノールオキシダーゼは、4〜7の最適pHを有し得る。プロリン特異性プロテアーゼおよび/またはポリフェノールオキシダーゼ活性の最適pHは、材料と方法の項で概説する手順により測定される。 ビールの製造プロセスでは、発酵段階の開始時点でビールのpHは約5〜6であり得、発酵中にpHは、通常、約pH4に低下する。 飲料に加えるプロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼの量は、広い範囲で変動し得るが、いくつかの因子の中で特に、ビールの場合にはオオムギおよびコムギなどの出発原料に存在する、または、飲料が製造される果物に存在するタンパク質とポリフェノールの量に依存する。プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼの飲料に添加する適切な量は、0.1mg/l〜200mg/l、、例えば0.5mg/l〜100mg/l、例えば1〜50mg/l、0.05mg/l〜10mg/lなどであり得る。 本明細書では、ヘイズ、濁りおよび曇りという用語は、同義語として使用される。ヘイズ、濁りまたは曇りは、タンパク質−ポリフェノールまたはポリフェノール−ポリフェノールの相互作用の結果、生じ得る。 ポリフェノールは、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換された、少なくとも2つの芳香環を有する化学構造の化合物、または少なくとも2つのヒドロキシル基で置換された、少なくとも1つの芳香環を有する化学構造の化合物と定義される。ポリフェノールの例としては、タンニンおよびフラボノイド、例えばカテキン、フラボノールおよびアントシアニンが挙げられる。 ペプチドまたはタンパク質という用語は、本明細書では同義語として使用される。ペプチドまたはタンパク質は、アミノ酸モノマーのポリマーである。 プロリン特異性エンドプロテアーゼは、本明細書では、タンパク質またはペプチドがその鎖の中にプロリン残基を含有する部位で、タンパク質またはペプチドを切断するエンドプロテアーゼと定義される。 国際生化学・分子生物学連合(International Union of Biochemistry and Molecular Biology)(IUBMB)が制定した、全ての酵素に対する分類と命名法に関する、国際的に認められた体系に、プロテアーゼは含まれている。IUBMBのプロテアーゼEC番号に関する最新の説明を、IUBMBのウェブサイトで見ることができる。この体系では、酵素は単一反応を触媒するという事実によって定義されている。この体系では、プロテアーゼはエンドプロテアーゼとエキソプロテアーゼに分類される。エンドプロテアーゼは、内部のペプチド結合を加水分解する酵素であり、エキソプロテアーゼは末端α−アミノ基の隣のペプチド結合を加水分解するか(「アミノペプチダーゼ」)、または末端カルボキシル基と末端から2番目のアミノ酸の間のペプチド結合を加水分解する(「カルボキシペプチダーゼ」)。エンドプロテアーゼは、触媒機構に基づきサブ−サブクラスに分けられる。セリンエンドプロテアーゼ(EC 3.4.21)、システインエンドプロテアーゼ(EC 3.4.22)、アスパラギン酸エンドプロテアーゼ(EC 3.4.23)、メタロエンドプロテアーゼ(EC 3.4.24)およびトレオニンエンドプロテアーゼ(EC 3.4.25)のサブ−サブクラスがある。国際公開第2002/046381号パンフレットは、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)から得られるプロリン特異性エンドプロテアーゼを開示している。プロリン特異性エンドプロテアーゼは、セリンエンドプロテアーゼ(EC 3.4.21)のサブクラスに属する。本発明の方法におけるプロリン特異性エンドプロテアーゼは、酵素分類EC 3.4.21.26に属する。 本発明の方法に好適なプロリン特異性プロテアーゼは、プロリン特異性エンドプロテアーゼまたはプロリン特異性オリゴペプチダーゼ、好ましくはプロリン特異性エンドプロテアーゼであり得る。好適なプロリン特異性エンドプロテアーゼまたはプロリン特異性オリゴペプチダーゼは、例えば、フラボバクテリウム・メニンゴセプティクム(Flavobacterium meningosepticum)、スフィンゴモナス・カプスラータ(Sphingomonas capsulata)、ペニシリウム属(Penicillium sp.)、例えば、ペニシリウム・クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、またはアスペルギルス属(Aspergillus sp.)、例えば、アスペルギルス・ニゲル(A.niger)など、任意の適切な微生物由来のものであり得る。 本発明の方法のポリフェノールオキシダーゼは、E.C.酵素分類のE.C 1.10.3.1(カテコールオキシダーゼ)、EC 1.10.3.2(ラッカーゼ)またはE.C.1.14.18.1(モノフェノールモノオキシダーゼ)に属する。ポリフェノールオキシダーゼは、モノ−もしくはジ−フェノール、またはそれらの誘導体を酸化する酵素群である。ポリフェノールオキシダーゼは、自然界に広く分布しており、植物、細菌および真菌に存在する。本明細書で開示する方法のポリフェノールオキシダーゼは、トラメテス・ベルシカラー(Trametes versicolor)およびトラメテス・ビローサ(Trametes villosa)などのトラメテス属(Trametes sp.)、アガリクス・ビスポルス(Agaricus bisporus)、ストレプトミケス・コエリカラー(Streptomyces coelicolor)、プレウロツス・オストレアツス(P.ostreatus)などのプレウロツス属(Pleurotus sp.)、ピクノポルス(Pycnoporus)、ポリポルス(Polyporus)、ミセリオフトラ・テルモフィリア(Myceliophthora thermophilia)、アスペルギルス属(Aspergillus sp)、ネウロスポラ(Neurospora)、ならびにバチルス属(Bacillus sp)に由来するものであり得る。 本明細書に開示する酵素、プロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼは、当該技術分野で知られている方法に従い、発酵法により製造することができる。生産量を最大にするために、酵素は、バチルス・スブチリス(Bacillus subtilis)、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ペニシリウム・クリソゲヌム(Penicillium chrysogenum)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)またはアスペルギルス・オリザエ(Aspergillus oryzae)などの、バチルス属(Bacillus sp.)、ピキア属(Pichia sp.)またはアスペルギルス属(Aspergillus sp.)などの適切な宿主生物で発現させることができる。酵素は、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈殿法、酸抽出法、またはアニオンもしくはカチオン交換クロマトグラフ法などのよく知られている方法により、培養液から回収することができる。高性能液体クロマトグラフ法(HPLC)を精製に使用してもよい。 一実施形態では、本開示はまた、本明細書に開示した方法により得られる飲料に関する。有利なことに、本発明の飲料は安定である、すなわち、プロリン特異性プロテアーゼまたはポリフェノールオキシダーゼのいずれかを単独で使用して製造した飲料と比較して、貯蔵中のヘイズの生成が少ないことがわかった。6か月まで貯蔵後の、H25散乱角で測定した、20℃のビールのヘイズ。ビールは、プロリン特異性エンドプロテアーゼ(Brewers Clarex(商標))、ポリフェノールオキシダーゼ(Laccase M120)、Brewers ClarexおよびLaccase M120の存在下に、または酵素を添加せずに(対照)製造した。6か月まで貯蔵後の、H90散乱角で測定した、20℃のビールのヘイズ。ビールは、プロリン特異性エンドプロテアーゼ(Brewers Clarex(商標))、ポリフェノールオキシダーゼ(Laccase M120)、Brewers ClarexおよびLaccase M120の存在下に、または酵素を添加せずに(対照)製造した。6か月まで貯蔵後の、H25散乱角で測定した、0℃のビールのヘイズ。ビールは、プロリン特異性エンドプロテアーゼ(Brewers Clarex(商標))、ポリフェノールオキシダーゼ(Laccase M120)、Brewers ClarexおよびLaccase M120の存在下に、または酵素を添加せずに(対照)製造した。6か月まで貯蔵後の、H90散乱角で測定した、0℃のビールのヘイズ。ビールは、プロリン特異性エンドプロテアーゼ(Brewers Clarex(商標))、ポリフェノールオキシダーゼ(Laccase M120)、Brewers ClarexおよびLaccase M120の存在下に、または酵素を添加せずに(対照)製造した。[実施例][材料および方法][アスペルギルス・ニゲル(A.niger)からのプロリン特異性エンドプロテアーゼ] アスペルギルス・ニゲル(A.niger)からのプロリン特異性エンドプロテアーゼの商品サンプル、Brewers Clarex(商標)(5PPU/g製品)を使用した。プロリン特異性エンドプロテアーゼの活性を、pH4.6のクエン酸塩/リン酸水素二ナトリウム緩衝液中、37℃で合成ペプチドZ−Gly−Pro−pNAについて測定した。405nMで分光光度的に反応生成物を監視した。1単位(1PPU)は、これらの試験条件で毎分1μmolのp−ニトロアニリドを放出する酵素の量と定義される。[ポリフェノールオキシダーゼ] Laccase M120(108,000POU/g製品以上)は、Amano Enzyme(Chipping Norton、英国)から入手したポリフェノールオキシダーゼである。 ラッカーゼの活性は、Amanoの使用説明書(E211:The assay method for laccase activity=P−4AA method)に従い、この分析条件におけるキノンイミン染料による505nmの吸収増加を監視することにより測定した。4−アミノ−アンチピリン+フェノール+O2→キノンイミン染料+H2O。1ラッカーゼ単位(POU)は、この分析条件で反応混合物の吸収が毎分0.1の割合で増加するときの、反応混合物1ml中に含まれる酵素の量と定義される。[濁度の測定] HaffmanのVOS Rota 90/25二角度式濁度計、または同等の装置を用いて、濁度、すなわちヘイズを測定した。2つの角度、90および25度は、H90およびH25と表される。 Analytica EBC方法9.29に従い、AEPA−1標準液を使用して、装置の較正を行った。ヘイズの測定結果は、EBC単位で表した。[実施例1:プロリン特異性エンドプロテアーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、およびこれらの2つの酵素の組み合わせにより処理したビール中のヘイズの生成] ビールをパイロットプラント規模で製造する。全ての実験で、マッシング手順は全く同じである。発酵開始時点で酵素を加える。対照として、Brewers Clarex(商標)およびポリフェノールオキシダーゼを単独で使用する。さらに、Brewers Clarex(商標)とポリフェノールオキシダーゼの併用を試験する。全ての実験を、12ppmの麦汁中標準酸素濃度、および24ppmの、2倍の酸素濃度で行う。発酵後、低温の熟成/安定化、およびその後の濾過を行う。その後、PVPPまたはシリカを用いずに、ビールをビンに詰め、摂氏20度で貯蔵する。 ビールのヘイズを、20℃および0℃で測定し、60℃で6日間の加速試験を行い、続いて終夜0℃に冷却した後で測定する。 実時間貯蔵寿命は、数か月間にわたる20℃での貯蔵および0℃での24時間冷却の後、実時間貯蔵寿命を測定する。 ビールの濁度は、上で示したように測定する。 加速試験後、プロリン特異性エンドプロテアーゼ(Brewers Clarex)とポリフェノールオキシダーゼとを併用して製造したビールは、プロリン特異性エンドプロテアーゼまたはポリフェノールオキシダーゼのいずれかを単独で用いて製造したビールと比べて、より低い濁度を有する。[実施例2:プロリン特異性エンドプロテアーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、およびこれらの2つの酵素の組み合わせにより処理したビール中のヘイズの生成] 標準の醸造手順に従い、パイロットプラント規模でビールを製造した。2013年収穫のWeyermann(登録商標)Pilsner Maltを100%使用した。この麦芽は高品質麦芽を代表するものである。製粉後、麦芽をマッシュにする変換槽に移した。下記に示す標準のマッシング手法により麦芽を抽出する: 62℃で5分間、 66℃で30分間、 72℃で20分間、 78℃で5分間のマッシュオフ。マッシュオフ後、続いて、マッシュをLautertunにより濾過し、得られた麦汁を煮沸した。30BUと計算されるHopsteiner(登録商標)Polaris Pellets type 90を使用した。煮沸後、麦汁を冷却した。酵母を加えるべき麦汁の濃度は12°Pであった。酸素濃度を、12°Pの麦汁には標準の濃度である12ppmとした。標準の醸造用酵母を加え、発酵を開始させた。発酵を12℃で、見かけの糖分量が≦3.5%になるまで続けた。その後、ダイアセチルレストのために2〜3日間、ダイアセチルの濃度が<0.1mg/lになるまで、温度を室温にまで上昇させた。その後の熟成段階は、0℃で1週間とした。その後、ビールを濾過し、カーボネーションを行い、ビンに詰め、殺菌した。以下の試験を行った。 1.酵素を添加しない対照 2.3g/HlのBrewers Clarex 3.0.3g/HlのLaccase M120 4.3g/HlのBrewers Clarexと0.3g/HlのLaccase M120酸素添加後、酵母を加えるべき麦汁に酵素を加えた。ビンを20℃で貯蔵し、毎月、20℃および0℃でビール中のヘイズを測定した。0℃の測定では、ビンを最初に0℃で24時間貯蔵した。全てのヘイズ測定は、上述のようにHaffmanのVOS Rota 90/25二角度式濁度計を使用して行った。図1〜4に示すように、結果は、Brewers ClarexまたはLaccaseを単独で用いて製造したビールのヘイズ値と比べると、Brewers ClarexおよびLaccase M120を用いて製造したビールは、長期間にわたってより低いヘイズ値を有することを示している。[実施例3:プロリン特異性エンドプロテアーゼ、ポリフェノールオキシダーゼ、およびこれらの2つの酵素の組み合わせにより処理したビール中のポリフェノール。] ビールはパイロットプラント規模で製造する。全ての実験で、マッシング手順は全く同じである。発酵開始時に、プロリン特異性エンドプロテアーゼとポリフェノールオキシダーゼの酵素の組み合わせを加える。対照として、プロリン特異性エンドプロテアーゼまたはポリフェノールオキシダーゼを単独で発酵に加える。全ての実験を、12ppmの麦汁中標準酸素濃度、および24ppmの、2倍の酸素濃度で行う。発酵後、低温熟成、およびその後の濾過を行う。 ビールのポリフェノールを分析する。 Brewers Clarexおよびポリフェノールオキシダーゼを併用して製造したビールは、最終ビールでより低いポリフェノール含有量を示す。 飲料の製造方法であって、前記飲料にプロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼを添加する工程と、前記飲料を調製する工程とを含む方法。 前記飲料がビールである請求項1に記載の方法。 前記飲料がワインまたはフルーツジュースである請求項1に記載の方法。 前記プロリン特異性プロテアーゼおよび/またはポリフェノールオキシダーゼを、発酵段階の前、途中、または後に添加する請求項2に記載の方法。 前記ポリフェノールオキシダーゼを、前記発酵段階の前に添加する請求項4に記載の方法。 前記プロリン特異性プロテアーゼは、アスペルギルス属(Aspergillus sp.)、好ましくは、アスペルギルス・ニゲル(A.niger)由来のものである請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。 請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法により得られる飲料。 本発明は、飲料の製造方法であって、飲料にプロリン特異性プロテアーゼおよびポリフェノールオキシダーゼを添加する工程と、飲料を調製する工程とを含む方法、ならびに、本発明の方法により得られる飲料に関する。【選択図】なし


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