生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_結晶ボルテゾミブの方法
出願番号:2015536342
年次:2015
IPC分類:C07F 5/02,A61K 38/00,A61P 35/00


特許情報キャッシュ

シェラワット,ビマル クマール ラフュディーン シン,ビノッド クマール チャトルベディ,アクシャイ カント JP 2015536342 公表特許公報(A) 20151221 2015542415 20131112 結晶ボルテゾミブの方法 シルパ・メディケア・リミテッド 507044952 SHILPA MEDICARE LIMITED 葛和 清司 100102842 シェラワット,ビマル クマール ラフュディーン シン,ビノッド クマール チャトルベディ,アクシャイ カント IN 4780/CHE/2012 20121116 C07F 5/02 20060101AFI20151124BHJP A61K 38/00 20060101ALI20151124BHJP A61P 35/00 20060101ALI20151124BHJP JPC07F5/02 CA61K37/02A61P35/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IR,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SA,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US IN2013000694 20131112 WO2014076713 20140522 24 20150625 4C084 4H048 4C084AA07 4C084BA10 4C084BA14 4C084BA33 4C084ZB261 4H048AA01 4H048AA02 4H048AB20 4H048AD15 4H048BB17 4H048BB31 4H048BC51 4H048VA32 4H048VA75緒言 ボルテゾミブ(I)は、[(lR)−3−メチル−l−[[(2S)−1−オキソ−3−フェニル−2−[(ピラジニルカルボニル)アミノ]プロピル]アミノ]ブチル]ボロン酸として化学的に知られており、構造式Iによって表される。 ボルテゾミブは、修飾されたジペプチジルボロン酸であり、N保護ジペプチドとして表すことができ、Pyz−Phe−boro−Leuとして記載されてもよく、これは、ピラジン酸、フェニルアラニンおよびカルボン酸の代わりのボロン酸基を有するロイシンを表す。それは、生物におけるプロテアソーム阻害剤であり、哺乳動物細胞における26Sプロテアソームのキモトリプシン様活性の可逆的な阻害剤として機能すると考えられる。26Sプロテアソームは、ユビキチン化されたタンパク質を分解する大きなタンパク質複合体である。ユビキチン−プロテアソーム経路は、特定のタンパク質の細胞内濃度を調節する役割を果たし、細胞内のホメオスタシスを維持する。26Sプロテアソームの阻害によって、この標的されたタンパク質分解が防止され、それは、細胞内の複数のシグナリングカスケードに影響し得る。正常な恒常性維持機構のこの崩壊によって、細胞死がもたらされ得る。 ボルテゾミブは、in vitroで様々な癌細胞タイプに対して細胞毒性であり、多発性骨髄腫を含む非臨床腫瘍モデルにおけるin vivoでの腫瘍増殖の遅れを引き起こす。ボルテゾミブは、現在、多発性骨髄腫、再発した多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫の処置のためにアメリカで承認されている。様々な併用療法は多発性骨髄腫を処置するために調査されており、ここでボルテゾミブは1種または2種以上の他の生物学的に活性な物質、例えばレナリドミド、デキサメタゾン、メルファラン、プレドニゾン、サリドマイド、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、カルムスチン、ポマリドミド、ボリノスタット、タネスピマイシンおよびペリホシンと共に投与される。アミロイドーシスの処置を含むボルテゾミブの他の潜在的な使用はまた、報告されている。 それは、商標名「VELCADETM」の下で注射剤の形態において市場において入手可能である。各バイアルは、3.5mgのボルテゾミブを無菌の凍結乾燥された粉末として含む。Summary Basis of Approval for Bortezomibの化学調査セクション(NDA 21−602)は、薬物質、製剤および再構成した製剤が3種の異なる分子形態を有することを述べている。PS−34l(ボルテゾミブ)薬物質は、固体状態において三量体ボロキシン(boroxine)として存在する。水に曝露した際に、ボロキシンは、モノマーボロン酸PS−341に加水分解される。凍結乾燥されたPS−341製剤の構造は、対称的なマンニトールエステルであると決定されている。0.9%NaCl溶液によって再構成される間、再構成されたPS−341製剤は、マンニトールエステルとPS−341ボロン酸との間の平衡からなる。 Adams et alは、US5780454において、ボルテゾミブ、その薬学的に許容し得る塩、医薬組成物および哺乳動物におけるプロテアソーム機能を阻害するにあたっての使用を開示した。さらに、それは、ボルテゾミブおよびその類似体の製造方法を開示している。 Gupta et alは、US6713446において、ボルテゾミブエステルの凍結乾燥された処方物を開示した。この特許は、US5780454に記載されている方法によって製造したボルテゾミブが白色の非結晶質粉末であることを述べている。 US4525309は、ボロンエステル(boronic ester)を中間体ボロ「ネート」(boron "ate")複合体のルイス酸触媒の存在下での転位によって同族体化して(homologation)、転位反応を促進し、かつα−炭素原子のエピマー化を最小化するプロセスを開示した。 Pickersgill et alは、US77l4l59において、ボロンエステル化合物であるボルテゾミブおよびその中間体を製造する方法を開示している。US'159には、式IIIで表される中間体化合物の、式Xで表されるボロ「ネート」複合体のルイス酸で促進された転位による製造のための以前に報告された方法が、テトラヒドロフラン、水と混和性であり、厳密に乾燥した装置を必要とするエーテル溶媒、溶媒およびルイス酸試薬を使用し、かかる反応が高価であり、スケールアップするのが困難であることが開示されている。 さらに、’159特許によれば、従来技術方法の試みられたスケールアップの結果、しばしば、生成物をハロゲン化物イオンに反応混合物の濃縮の間に曝露してテトラヒドロフラン溶媒を除去し、それを水不混和性溶媒と交換するために、またはその後の水の洗浄の間にテトラヒドロフランを完全に除去することに失敗するために、ボロンエステル化合物のジアステレオマー比率におけるさらなる悪化に至る。 US'159は、ボロ「ネート」複合体の転位を、水および配位性共溶媒(coordinating co-solvent)との低い混和性を有するエーテル溶媒中で行うことにより従来技術の問題に取り組んでいると見られる。当該プロセスにおいて使用するためのUS'159出願において同定された低い水混和性のエーテル溶媒の非限定的例は、tert−ブチルメチルエーテル、tert−ブチルエチルエーテル、tert−アミルメチルエーテルおよびジイソプロピルエーテルを含む。 さらに、US'159出願には、ボルテゾミブの製造方法であって、以下のこと:(i)式IXで表される中間体ボロンエステル化合物、有機ボロン酸受容体、低級アルカノール、C5〜8炭化水素溶媒および水性鉱酸を含む二相混合物を提供すること;(ii)二相混合物を撹拌してボルテゾミブを得ること;(iii)溶媒層を分離すること;および(iv)ボルテゾミブまたはそのボロン酸無水物を有機溶媒中に抽出することを含む、前記方法が開示されている。 生成物の純度を増強するために、ステップ(iii)の後に得られた水層を洗浄して、ステップ(iv)における抽出の前に中性の有機不純物を除去する。かかるプロセスは、以下のステップを含む:1)溶媒層を分離すること;2)水層を塩基性pHに調整すること;3)水層を有機溶媒で洗浄すること;および4)水層を約6未満のpHに調整すること。 したがって、US'159に開示されている方法は、酸性および塩基性条件下での複数回の有機溶媒洗浄、これに続く化合物の有機溶媒中への抽出、生成物の単離および増強された純度のボルテゾミブを得るためのさらなる再結晶を含む。 ボルテゾミブの水性塩基性溶液への曝露によってボルテゾミブの純度が低下することが、見出された。特に、かかるプロセスを大規模で行う場合、ボルテゾミブの水性塩基性条件へのより長い時間にわたる曝露は、回避するのが困難であり、したがってこのプロセスは、工業的規模における使用について容易にはできない場合がある。 W02008075376Alには、ボルテゾミブの結晶形態IおよびIIならびにそれらの製造方法が開示されている。ボルテゾミブの形態Iは、溶媒、例えばアセトン、CHCl3、CH2Cl2またはニトリルおよび希釈剤、例えばジイソプロピルエーテル、第三ブチルメチルエーテル、n−ヘキサンおよびn−ヘプタンを使用することにより製造される。ボルテゾミブの形態IIは、酢酸エチルの高温溶液から製造される。当該出願はまた、形態Iおよび形態IIが上に記載した溶媒を使用することにより可換であることを開示している。 Palle et alは、US2010/0226597において、ボルテゾミブの製造方法、その中間体ならびにボルテゾミブのAおよびB形態として指定した結晶形態のためのプロセスを開示している。 重要な抗癌治療薬であるボルテゾミブ、ボルテゾミブおよびその新たな固体結晶の形態を製造する付加的であり、改善された方法は、薬学科学および癌患者のヘルスケアに計り知れない価値を有し得る。したがって、商業的にスケールアップ可能であり、実行可能であり、取り扱うのがより安全であり、より多大な時間を必要とせず、かつより良好であり、一貫性のある品質パラメーターを有し得る、新たな安定なボルテゾミブ形態および経済的に実行可能なプロセスの開発における必要性が存在する。 本発明者らは、形態SBとして指定したその安定な結晶一水和物形態としてのボルテゾミブ(Ia)およびその製造方法を見出した。発明の概要 本出願の特定の観点は、結晶ボルテゾミブ(Ia)の製造方法(単数または複数)に関する。 本出願は、プロセス関連不純物が実質的に生じない、ボルテゾミブ(Ia)および形態SBとして指定したその安定な結晶多形相の製造方法に関する。本発明のプロセスによって得られたボルテゾミブ(Ia)の結晶多形相は、癌、特に多発性骨髄腫、再発した多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫の、組成物中の化合物を投与することによる処置のための医薬組成物における活性医薬成分として有用である。本出願の種々の観点を、本明細書中に以下に個々に要約する。 本出願の1つの観点において、それは、3.5〜6.0%w/wの範囲内の含水量ならびに、5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°のXRPDピークの組から選択された特徴的な2θ°ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークが分割されておらず、100%強度ピークが5.6±0.20 2θ°で存在することにより特徴づけられる、ボルテゾミブ一水和物(Ia)結晶形態SBに関する。 前記ボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBは、さらに、a.ピーク1−45〜60℃b.ピーク2−175〜185℃の間に及ぶ2つの吸熱ピークを含むDSC等温線により特徴づけられる。 本発明のボルテゾミブ(Ia)は、約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1で、cm−1において表現した特性ピークを有するIR吸収スペクトルならびに約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1で、cm−1において表現した特性ピークを有するラマン吸収スペクトルを有する。 本発明の別の観点において、ボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBは、さらに、実質的に図lによるX線粉末回折パターン、実質的に図2によるDSC等温パターン、実質的に図3によるIR吸収スペクトルおよび実質的に図4によるラマンスペクトルによって特徴づけられる。 本発明の尚別の観点において、それは、5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°の特性2θ°ピークを含み、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークは分割されておらず、100%強度ピークは5.6±0.20 2θ°で存在するX線粉末回折パターン、45〜60℃(ピーク1)および175〜185℃(ピーク2)にわたる吸熱ピークを含むDSC等温線ならびに約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1でのIR吸収特性ピークならびに約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1での特性ピークを有するラマン吸収によって特徴づけられるボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBの製造方法であって、当該方法が−a. ボルテゾミブを脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒または脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒および水の混合物と合わせることb. 温度を約40〜70℃まで上昇させることc. 溶液を同一の温度で15〜60分の時間まで撹拌することd. 脂肪族C6〜C7炭化水素溶媒と合わせることe. 任意に混合物を10〜60分間維持することf. 混合物を約10〜40℃まで冷却することg. 結晶物質を単離することのステップを含む、前記方法に関する。 本発明の個々のステップを、明細書の関連するセクションにおいて表した非限定的例と共に、明細書のさらなるテキストにおいて詳述する。 さらなる観点において、本出願による方法(単数または複数)によって得られたボルテゾミブ一水和物(Ia)の結晶形態SBを、過剰増殖性障害、例えば癌の処置において有用な粉末、溶液、カプセル、錠剤、丸剤または顆粒の形態における注射可能な、または経口の投与のための組成物として処方してもよい。本発明のさらなる観点を、詳細な説明のセクションおよび例において例証する。図1は、例3に従って製造したボルテゾミブ一水和物−形態SBのX線粉末回析(XRPD)パターンの例示である。図2は、例3に従って製造したボルテゾミブ一水和物−形態SBの示差走査熱量測定(「DSC」)曲線の例示である。図3は、例3に従って製造したボルテゾミブ一水和物−形態SBのIRスペクトルの例示である。図4は、例3に従って製造したボルテゾミブ一水和物−形態SBのラマンスペクトルの例示である。詳細な説明 本明細書中に述べた本発明の態様において、本発明は、ボルテゾミブ一水和物(Ia)の結晶多形相SB、その製造方法および過剰増殖性障害、例えば癌の処置において有用な形態SBの医薬組成物を提供する。本発明の個々の態様を、本明細書中で以下に別個に詳述する。 本出願の1つの態様において、それは、3.5〜6.0%w/wの範囲内の含水量ならびに、XRPDピークの組5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°から選択された特性2θ°ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークは分割されておらず、100%強度ピークは5.6±0.20 2θ°で存在することにより特徴づけられた、ボルテゾミブ一水和物(Ia)結晶形態SBを提供する。 前記ボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBは、さらに、a)ピーク1−45〜60℃b)ピーク2−175〜185℃の間に及ぶ2つの吸熱ピークを含むDSC等温線により特徴づけられる。 新たな結晶形態SBの特徴および主なピークおよびそれらのd間隔値を、表1中に一覧にする。 観察された2θ°角度値における少数の小さな変化が、分析者の人、使用する特定のXRPD回折計および試料製造手法に基づいて期待され得る。さらなる可能な変化がまた、相対的ピーク強度について予期され得、それは、試料の粒子サイズの不均一性によって大いに影響され得る。したがって、化合物の正確な結晶形態の識別は、主として相対的なピーク強度に帰せられるより小さな重要性を有する観察された2シータ角度に基づいていなければならない。2シータ回折角および対応するd間隔値は、X線粉末回折パターン中の様々なピークの位置を説明する。d間隔値は、観察された2シータ角度および銅Kα波長で、XRPD回折法科学の当業者に周知であるブラッグの式を使用して計算される。 指定する2シータ角度およびd間隔における限界の誤差の可能性の観点において、特定の結晶形態を識別するためにX線粉末回折パターンを比較する好ましい方法は、未知の形態のX線粉末回折パターンを既知の形態のX線粉末回折パターン上に重ね合わせることである。例えば、当業者は、ボルテゾミブの未確認の結晶形態のX線粉末回折パターンを図1上に重ね合わせ、未確認の形態のX線回折パターンが本発明の結晶形態のX線粉末回折パターンと実質的に同一であるか否かを容易に決定することができる。X線粉末回折パターンが図1と実質的に同一である場合には、ボルテゾミブの以前は未知の結晶形態を、本発明の結晶形態SBであると容易かつ正確に確認することができる。 ボルテゾミブの結晶形態SBは、一水和物であると見られ、それは、3.5〜6.0%w/wの範囲内の含水量をもたらす水分決定から明白であり得る。本発明の方法によって製造した結晶ボルテゾミブ形態SBの試料は、〜4.24%w/wまでの含水率を有しており、それによってまた、化合物の一水和物性質が確認された。(一水和物ボルテゾミブについて理論的に計算された含水率値は、約4.47%w/wである)。本出願の発明者らは、ボルテゾミブの中の含水率決定に関する当該発明者らの研究のプロセス中に、水決定のための慣用のカール・フィッシャー(KF)の方法によって、しばしば、変化し得る付加的な量の水を放出するKF試薬自体との見掛けの反応のために、ボルテゾミブについて、誤った、より高い含水量値が得られることを観察した。 また一貫して再現可能であり得る実際の含水量を確認するためのこの分析的な制限を克服するために、ボルテゾミブ中の含水率の決定のための別のプロセスが、本出願の発明者らによって開発された。この方法において、含水率を、KF Thermo prep.でのKF電量滴定を使用することにより決定した。(オーブンパラメーター−温度:140℃、N2または空気ガス流:60mL/分)。含水率決定のこの電量分析法は、一貫して信頼可能な含水率結果を提供する。 本発明がいかなる特定の理論にも限定されない一方、しかしながら、ボルテゾミブ一水和物の結晶形態SBが、化学量論よりわずかに多い含水量に対応して、その一水和物特徴および/またはその一水和物結晶形態SB特性を喪失せずに、追加的な残留の、または結合していない水分を含んでもよいことが、理解されなければならない。しかしながら、当業者は、それらが同一の結晶形態であるか否かを、X線粉末回折パターンの全体的な形状を、任意に他の熱的データ、例えばDSCまたはIR/ラマンの補助によって見ることにより決定することができなければならない。 さらに、本発明のボルテゾミブ結晶形態SBは、cm−1において表現して約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1での特性ピークを有するIR吸収スペクトルならびにcm−1において表現して約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1での特性ピークを有するラマン吸収スペクトルを有する。 ラマンスペクトルのボロン酸化合物についての一般的な文献に沿った詳細な調査によって、1213、1245および1281cm−1での一連のラマン吸収帯がボロン酸面内曲げ方式のOH基に明らかに属するものとみなされることが、提供される。さらに、OH伸長領域における複数のラマンバンドもまた、3206および3249cm−1で観察され、一水和物としての[(1R)−3−メチル−1−({(2S)−3−フェニル−2−[(ピラジン−2−イルカルボニル)アミノ]プロパノイル}アミノ)ブチル]ボロン酸の結晶形態SBの性質に関する考えが得られ、それは、水分子の酸素原子上に存在する電子孤立対(単数または複数)で配位していてもよい。 本発明の態様は、ボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBを包含し、それは、特に実質的に図1によるX線粉末回折パターン、実質的に図2によるDSC等温パターン、実質的に図3によるIR吸収スペクトルおよび実質的に図4によるラマンスペクトルによって特徴づけられる。 本発明のさらなる態様において、それは、5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°の特性2θ°ピークを含み、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークは分割されておらず、100%強度ピークは5.6±0.20 2θ°で存在するX線粉末回折パターン、45〜60℃(ピーク1)および175〜185℃(ピーク2)にわたる吸熱ピークを含むDSC等温線ならびに約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1でのIR吸収特性ピークならびに約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1での特性ピークを有するラマン吸収スペクトルによって特徴づけられるボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBの製造方法であって−a. ボルテゾミブを脂肪族エステル溶媒または脂肪族エステル溶媒および水の混合物と合わせることb. 温度を約40〜70℃まで上昇させることc. 溶液を同一の温度で15〜60分の時間まで撹拌することd. 脂肪族C6〜C7炭化水素溶媒と合わせることe. 任意に混合物を10〜60分間維持することf. 混合物を約10〜40℃まで冷却することg. 結晶物質を単離することのステップを含む、前記方法を提供する。 ボルテゾミブを脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒または脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒および水の混合物と合わせるステップは、任意のプロセス/任意の形態によって得られたボルテゾミブと、脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒または、1〜10%w/wの範囲内の含水量を有する脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒および水の混合物と混合するかまたは懸濁させるかまたは溶液を作ることを含む。好ましい態様において、脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒および水の混合物中の含水量は、3〜5%の範囲内にある。この態様において、90:10〜99:1 v/vの比率を有する脂肪族エステル溶媒および水の混合物を表すことが本発明の目的のための同一のものを意味することが、理解され得る。溶媒およびボルテゾミブを合わせる温度は、20〜40℃の範囲内にあり得る。 この態様において、使用する脂肪族エステル(C3〜C8)溶媒を、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピルなどから選択してもよい。特別の態様において、酢酸エチルとしての脂肪族エステルを、ボルテゾミブの形態SBを製造するために使用した。既知のプロセスによって得られた粗製の、または純粋なボルテゾミブのあらゆる形態を、形態SBを製造するために使用してもよい。 本発明の態様において、スキームIにおいて表したプロセスを利用して、ボルテゾミブを得た。 プロセスの詳細を詳述し、例セクションにおいて以下に表した例から当業者によって明瞭に理解され得る。当該プロセスによって得られた材料を、本発明の結晶形態SBを得る段階に直接加工してもよい。 温度を約40〜70℃の範囲内に上昇させるステップにおいて、加熱を、15〜60分の範囲内の時間までの同一の温度での溶液の継続された撹拌に続いて徐々に行うのが、好ましい。脂肪族C6〜C7炭化水素溶媒を合わせるステップは重要なステップであり、ここで結晶形態SBは単離される。溶液を、任意に結晶物質の最大の単離を保持するために10〜60分の範囲内の時間にわたって撹拌下に維持してもよい。 混合物を冷却するステップを、結晶物質が分解を伴わずに、または最小の可能な分解を伴って沈殿されるのを実現する必要があるように、約10〜40℃までの混合物について行ってもよい。同時に、また、溶液を、形態SBの特徴を保持し、同時に純粋な結晶の生成を達成するための、連続的なより低い冷却の速度において冷却することが、本質的に要求される。 ボルテゾミブ一水和物の不純物プロフィール中に出現する未反応の中間体、副産物、分解生成物および他の媒体依存性不純物を含むプロセス関連不純物を、本発明の方法によって実質的に除去し、結晶形態SBの生成をもたらすことができる。99.5%より高い純度(HPLCによる)を有する実質的に純粋な生成物を、本発明の方法によって得ることができる。不純物プロフィールコンプライアンスに対する平衡を維持する観点において、当該プロセスは、温度を特にステップb)において40〜70℃まで上昇させる一方頻繁な品質チェックを必要とする。 生成物を反応マス(reaction mass)から、ろ過および任意の乾燥を含む慣用のプロセスによって単離してもよく、それを、結晶多形相特性を保持するための好適な継続時間にわたって室温で行ってもよい。結晶形態SBを、慣用のプロセスによって回収することができ、それは、スクラッピング、ブレーキング、粉末化および所要に応じて慣用の乾燥に限定されない。 本発明に従って得たボルテゾミブ一水和物結晶形態SBを、真空の下で乾燥するものとする;しかしながら、一水和物に対応する含水量は、3.5〜6.0%w/w(存在する場合には残留/水路の水を含む)の範囲内に保持される。 本明細書中に記載したボルテゾミブ一水和物の結晶形態SBは、X線粉末回折パターン(XRPD)およびIR吸収スペクトルおよび熱的手法、例えば示差走査熱量測定(DSC)分析によって特徴づけられる。ボルテゾミブ一水和物結晶形態SBの試料を、XRPDによって、Bruker AXS D8 Advance Diffractometer上で、X線源−Cu Ka放射線を使用して、1.5418Åの波長を使用して分析し、DSC分析を、Perkin Elmer Jade機器上で行い、RAMANスペクトルを、Perkin Elmer Raman Station 400機器上で行った。例において得られたボルテゾミブ一水和物の結晶形態SBについての分析データの例示的な例を、図1〜4に述べる。 本発明のさらなる観点において、本出願による方法(単数または複数)によって得られたボルテゾミブ一水和物(Ia)の結晶形態SBを、過剰増殖性障害、例えば癌の処置において有用な粉末、溶液、カプセル、錠剤、丸剤または顆粒の形態における注射可能な、または経口の投与のための組成物として処方してもよい。 本発明のボルテゾミブ一水和物の結晶形態SBは、無水物または三量体形態としての既知のボルテゾミブと比較して1つまたは2つ以上の有利であり、所望される特性を有し得、それは、より良好な安定性、可溶性および品質パラメーター(改善された純度;>99.5%)に限定されず、改善された寿命、保存および分配がもたらされる。 ボルテゾミブ一水和物結晶形態SB組成物中で、活性生成物を、1種または2種以上の薬学的に許容し得る賦形剤と混合する。薬物質を、経口投与のための注射可能であるか、または固体/液体組成物のための凍結乾燥したかまたは使用できる状態にある組成物として処方することができ、それは、溶液、懸濁液、シロップ、エリキシルおよびエマルジョンを含み、それは、溶媒またはビヒクル、例えば水、ソルビトール、グリセリン、プロピレングリコールまたは流動パラフィンを含む。 非経口投与のための組成物は、溶液、懸濁液、乳剤または水性の、もしくは非水性の無菌溶液であり得る。溶媒またはビヒクルとして、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、特にオリーブオイルおよび注射可能な有機エステル、例えばオレイン酸エチルを、使用してもよい。これらの組成物は、アジュバント、特に湿潤、乳化剤および分散剤を含むことができる。殺菌を、いくつかの方法において、例えば細菌学的フィルターを使用して、滅菌剤を組成物中に包含させることにより、放射により、または加熱により行ってもよい。それらを、無菌の組成物の形態において製造してもよく、それを、滅菌水または任意の他の無菌の注射用媒体において使用する時点において溶解することができる。 本出願のボルテゾミブ一水和物の結晶形態SBを含む組成物において使用する薬学的に許容し得る賦形剤は、希釈剤、例えばデンプン、あらかじめゼラチン化した(pregelatinized)デンプン、ラクトース、粉末セルロース、微結晶性セルロース、リン酸二カルシウム、リン酸三カルシウム、マンニトール、ソルビトール、糖など;結合剤、例えばアカシア、グアーガム、トラガカントゴム、ゼラチン、あらかじめゼラチン化したデンプンなど;崩壊剤、例えばデンプン、ナトリウムデンプングリコレート、あらかじめゼラチン化したデンプン、クロスカルメロースナトリウム(Croscarmellose sodium)、コロイド状二酸化ケイ素など;潤滑剤、例えばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸亜鉛など;流動促進剤、例えばコロイド状二酸化ケイ素など;可溶性または湿潤増強剤、例えばアニオン性またはカチオン性または中性界面活性剤、ろうなどを含むが、それらには限定されない。有用である他の薬学的に許容し得る賦形剤は、フィルム形成剤、可塑剤、着色剤、香味剤、甘味料、粘性増強剤、防腐剤、酸化防止剤などを含むが、それらには限定されない。 本出願のボルテゾミブ一水和物の結晶形態SBから誘導された組成物において使用する薬学的に許容し得る賦形剤はまた、所望の投薬形態製剤において利用するあらゆる箇所において、固体分散体の製造のために使用する薬学的に許容し得る担体を含めるために含んでもよい。 本出願のある特定の観点および態様を、以下の例を参照してより詳細に説明し、それを例示によってのみ提供し、いかなる方法においても本発明の範囲を限定するものと解釈するべきでない。実験的詳細 結晶ボルテゾミブ形態SBの本発明による製造方法は、以下に示す例によって例証され得る。例1:ボルテゾミブの製造 ボルテゾミブの製造は、3つの主な段階を含む−段階1:N−((2S)−1−((3−メチル−l−((3aR)−3a,5,5−トリメチルヘキサヒドロ−4,6−メタノベンゾ[d][1,3,2]ジオキサボロール−2−イル)ブチル)アミノ)−1−オキソ−3−フェニルプロパン−2−イル)ピラジン−2−カルボキサミド(中間体、それを単離せずに次の段階のために使用する)の製造 98mlのMDCを窒素の下で採取し、7gの(S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2カルボキサミド)プロパン酸、3.3gのN−ヒドロキシスクシンイミドおよび6.0gのN,N−ジシクロヘキシルカルボジイミドを加える。反応溶液を、20分間、室温で、および連続的なN2パージの下で撹拌する。 (R)ボロロイピナンジオールトリフルオロ酢酸を9.8gおよび7.0mlのトリエチルアミンを投入し、撹拌を、約4時間、室温で、および連続的なN2パージの下で継続する。マスをろ過し、ケークを20mlの二塩化メチレン(MDC)で洗浄する。MDC層を採集し、IN HCl 200ml、続いて200mlの重炭酸ナトリウムの飽和溶液で洗浄する。 MDC層を、乾燥硫酸ナトリウムで乾燥する。MDCを真空下で40℃より低温で蒸留し、98mlのメタノールを加え、再び蒸留する。再び、98mlのメタノールを加え、真空下で45℃で再び蒸留して、段階1中間体材料を残留物として得る。段階2:段階l残留物をin-situで粗製のボルテゾミブ、つまり((3−メチル−l−((S)−3−フェニル−2(ピラジン−2−カルボキサミド)プロパンアミド)ブチル)ボロン酸に変換すること 255mlのメタノールを、段階I中間体残留物(in situ材料)に加え、約255mlのn−ヘプタンを、室温で加える。3.0gのボロン酸イソブチルおよび255mlの新たに製造した1N HCI aq.溶液を、投入する。マスを、室温(20〜30℃)で約90分間撹拌する。n−ヘプタン有機層を、分離する。再び255mlのn−ヘプタンを投入し、RTで60分間撹拌し、n−ヘプタン層を分離する。同一のプロセスを、もう1回繰り返す。 メタノールをaq.層から、マスが真空下で45℃より低温で濁るまで蒸留して除去する。溶液をRTに冷却し、生成物を255ml×3回MDCで抽出する。MDC層を採集し、MDC層を128mlの重炭酸ナトリウムの飽和溶液、続いて128mlのブライン溶液で洗浄する。前記MDC層を硫酸ナトリウムで乾燥し、MDCを、真空の下で45℃より低温で完全に蒸留して除去する。128ml×2回の酢酸エチルを加え、真空の下で45℃より低温で蒸留して除去する。25mlの酢酸エチルを45℃で投入し、溶液を約20〜25℃にゆっくり冷却する。 約95mlまでのトルエンをゆっくり加え始め、RTで約2時間、材料結晶のために撹拌を継続する。マスを吸引乾燥(suck drying)によりろ過し、物質をトルエン中の5%酢酸エチル128mlで洗浄し、続いてRTで真空下で乾燥する。収量=4.2g純度=98.8%(HPLCによる)段階3:純粋な((3−メチル−l−((S)−3−フェニル−2−(ピラジン−2−カルボキサミド)プロパンアミド)ブチル)ボロン酸一水和物の製造1. 12mlのメタノールをRTでRBフラスコ中に投入し、段階2材料(4.0g)をRTで加える。2. 溶液をRTで、完全な溶解のために撹拌する。3. 12mlの水を、ゆっくり約30〜60分において投入し、RTで2時間撹拌する。4. マスをろ過し、6mlのメタノール+6mlの水混合物で洗浄し、続いて吸引乾燥し、脱負荷する。5. 脱負荷した材料を、40〜45℃で真空下で乾燥する。乾燥重量(収量)=3.5g。純度=99.65%(HPLCによる)例2:結晶ボルテゾミブ一水和物(形態SB)の製造 3.5gmの段階3材料(例1の)を、87.5容量の酢酸エチルに40℃〜45℃で溶解し、ろ過する。87.5mlのn−ヘプタンの添加を、40〜45℃でゆっくり開始する。溶液マスを、25〜30℃にゆっくり冷却する。撹拌を停止し、約4時間維持する。ろ過し、真空下で40℃で乾燥して、ボルテゾミブを得る。乾燥重量(収量=3.0〜3.2g)純度=99.7%(HPLCによる)例3:結晶ボルテゾミブ一水和物(形態SB)の製造a) 清潔なRBフラスコ中に、50mlの酢酸エチル:水(95:5)の混合物を投入する。b) 2.0gのBortezomib-Pharmaを加え、溶液を25〜30℃で10〜15分間撹拌する。c) 混合物の温度を40〜45℃にゆっくり上昇させて、透明な溶液を得る。d) 上記のステップにおいて得られた透明な溶液を、膜紙を通してろ過する。e) 透明な濾液中に、50mlのn−ヘプタンを、30分において40〜45℃で滴加した。f) 反応混合物を10〜15℃にゆっくり冷却し、この混合物を同一の温度で約2時間維持する。g) 分離した固体をろ過し、4mLのn−ヘプタン(冷却)で洗浄する。h) 材料を、40℃より低温で真空下で12時間乾燥する。収量=1.45gクロマトグラフィー純度(HPLCによる)=99.91%含水量=〜4.24%w/w(KF電量滴定による)XRPD 図lのように;DSC 図2のように;IRスペクトル 図3のように、およびラマンスペクトル 図4のように。 例示によって提供する上に述べた例は、いかなる方法においても、本発明の範囲を、使用するパラメーター(単数または複数)、成分(単数または複数)および量に関して限定するものと解釈するべきでない。 5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°の特性2θ°ピークを含み、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークは分割されておらず、100%強度ピークは5.6±0.20 2θ°で存在するX線粉末回折パターン、45〜60℃(ピーク1)および175〜185℃(ピーク2)にわたる吸熱ピークを含むDSC等温線ならびに約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1でのIR吸収特性ピークならびに約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1での特性ピークを有するラマン吸収によって特徴づけられるボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBの製造方法であって−a. ボルテゾミブを脂肪族エステル溶媒または脂肪族エステル溶媒および水の混合物と合わせることb. 温度を約40〜70℃まで上昇させることc. 溶液を同一の温度で15〜60分の時間まで撹拌することd. 脂肪族C6〜C7炭化水素溶媒と合わせることe. 任意に混合物を10〜60分間維持することf. 混合物を約10〜40℃まで冷却することg. 結晶物質を単離することのステップを含む、前記方法。 脂肪族エステル溶媒がC3〜C8脂肪族エステル溶媒から選択される、請求項1に記載のボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBの製造方法。 脂肪族エステル溶媒および水の混合物が90:10〜99:1 v/vの比率を有する、請求項1に記載のボルテゾミブ(Ia)結晶形態SBの製造方法。 3.5〜6%w/wの含水量;5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°のXRPDピークの組から選択された特性2θ°ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°のピークが分割されておらず、100%の強度ピークが5.6±0.20 2θ°で存在することにより特徴づけられる、一水和物結晶形態SBとしてのボルテゾミブ(Ia)。 さらにa.ピーク1−45〜60℃b.ピーク2−175〜185℃の間に及ぶ2つの吸熱ピークを含むDSC等温線により特徴づけられる、請求項4に記載のボルテゾミブ(Ia)。 さらに、cm−1において表現して約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1での特性ピークを有するIR吸収スペクトルにより特徴づけられる、請求項4に記載のボルテゾミブ(Ia)。 cm−1において表現して約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1での特性ピークを有するラマン吸収スペクトルにより特徴づけられる、請求項4に記載のボルテゾミブ(Ia)。 5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°の特性2θ°ピークを含み、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークは分割されておらず、100%強度ピークは5.6±0.20 2θ°で存在するX線粉末回折パターン、45〜60℃(ピーク1)および175〜185℃(ピーク2)にわたる吸熱ピークを含むDSC等温線ならびに約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1でのIR吸収特性ピークによって特徴づけられる、ボルテゾミブ(Ia)結晶形態SB。 実質的に図1によるX線粉末回折パターン、実質的に図2によるDSC等温パターン、実質的に図3によるIR吸収スペクトルおよび実質的に図4によるラマンスペクトルによって特徴づけられる、請求項8に記載のボルテゾミブ(Ia)結晶形態SB。 3.5〜6.0%w/wの範囲内の含水量を有する、請求項8に記載のボルテゾミブ(Ia)結晶形態SB。 本発明は、結晶形態SB(Ia)として指定され、3.5〜6.0%w/wの範囲内の含水量、5.6、7.5、9.8、10.2、11.3、15.1、18.0、20.5、21.5および23.6±0.20 2θ°のXRPDピークの組から選択された特性2θ°ピークを含み、ここで9.8および11.39±0.20 2θ°でのピークは分割されておらず、100%強度ピークは5.6±0.20 2θ°で存在するX線粉末回折パターン、45〜60℃(ピーク1)および175〜185℃(ピーク2)にわたる吸熱ピークを含むDSC等温線ならびに約3387cm−1、3304cm−1、2953cm−1、2927cm−1、2868cm−1、1627cm−1、1455cm−1、1400cm−1、1201cm−1、1150cm−1、1020cm−1、747cm−1および702cm−1でのIR吸収特性ピークならびに約3066cm−1、1583cm−1、1528cm−1、1281cm−1、1213cm−1、1035cm−1、1022cm−1および1004cm−1での特性ピークを有するラマン吸収スペクトルを有することによって特徴づけられる、その一水和物としての結晶ボルテゾミブ(Ia)の製造方法を提供する。本発明はまた、前記結晶形態SBの、癌の処置のための医薬組成物中の活性医薬成分としての使用を提供する。


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