生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_線維芽細胞増殖因子21タンパク質
出願番号:2015517297
年次:2015
IPC分類:C07K 19/00,C07K 14/50,C12N 15/09,C12N 5/10,C12P 21/02,C07K 16/00,A61K 38/00,A61P 3/04,A61P 3/06,A61P 3/10


特許情報キャッシュ

ダーリン,ライアン ジェームス ディキンソン,クレイグ デュアン ドライバー,デイビッド アルバート ゴンシャルツ,マルゴジャータ ドナタ JP 2015527974 公表特許公報(A) 20150924 2015517297 20130605 線維芽細胞増殖因子21タンパク質 イーライ リリー アンド カンパニー 594197872 小林 浩 100092783 大森 規雄 100120134 大賀 沙央里 100162617 鈴木 康仁 100104282 ダーリン,ライアン ジェームス ディキンソン,クレイグ デュアン ドライバー,デイビッド アルバート ゴンシャルツ,マルゴジャータ ドナタ US 61/658,104 20120611 US 61/777,386 20130312 C07K 19/00 20060101AFI20150828BHJP C07K 14/50 20060101ALI20150828BHJP C12N 15/09 20060101ALI20150828BHJP C12N 5/10 20060101ALI20150828BHJP C12P 21/02 20060101ALI20150828BHJP C07K 16/00 20060101ALI20150828BHJP A61K 38/00 20060101ALI20150828BHJP A61P 3/04 20060101ALI20150828BHJP A61P 3/06 20060101ALI20150828BHJP A61P 3/10 20060101ALI20150828BHJP JPC07K19/00C07K14/50C12N15/00 AC12N5/00 102C12P21/02 HC07K16/00A61K37/02A61P3/04A61P3/06A61P3/10 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2013044190 20130605 WO2013188181 20131219 31 20141211 4B024 4B064 4B065 4C084 4H045 4B024AA01 4B024BA21 4B024BA53 4B024CA04 4B024DA02 4B024EA04 4B024GA14 4B024HA03 4B064AG02 4B064AG27 4B064CA10 4B064CA19 4B064CC06 4B064CC12 4B064CC15 4B064CC24 4B064CD30 4B064CE10 4B064CE11 4B064CE12 4B064DA01 4B065AA90X 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065BA03 4B065BB11 4B065BB12 4B065BB32 4B065BC03 4B065BC07 4B065BD14 4B065CA24 4B065CA44 4C084AA02 4C084AA07 4C084BA01 4C084BA41 4C084BA50 4C084CA53 4C084NA14 4C084ZA701 4C084ZC331 4C084ZC351 4H045AA10 4H045AA11 4H045AA20 4H045AA30 4H045BA10 4H045BA41 4H045DA01 4H045DA76 4H045EA20 4H045FA74 4H045GA21 4H045GA22 4H045GA23 4H045GA26 本発明は、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)タンパク質、FGF21タンパク質を含む医薬組成物および2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法に関する。 FGF21は、グルコースおよび脂質ホメオスタシスの重要な代謝調節剤として機能するホルモンである。FGF21は、インスリンの機序とは異なる機序であるGLUT1発現をアップレギュレートすることにより脂肪細胞内へのグルコース取込みを促進する。糖尿病性齧歯類およびサルでは、ヒトFGF21は空腹時血清グルコース濃度を低下させ、トリグリセリド、インスリンおよびグルカゴンの空腹時血清濃度を減少させた。さらに、食餌性肥満の齧歯類モデルでは、FGF21の投与は用量依存法で累積的体重減少を引き起こした。そこでFGF21には、糖尿病、肥満症、脂質異常症およびメタボリックシンドロームの治療における潜在的有用性がある。 FGF21タンパク質は、国際公開第2010/042747号、国際公開第2010/285131号および国際公開第2009/149171号に記載されている。 ヒト野生型FGF21および公知のFGF21タンパク質に関連する問題は、分子のインビボ(in vivo)半減期が短いこと、効力が低いこと、および/または医薬的に不安定なことである。そこで、長時間にわたり有効で、効力が高い、および/または安定性である代替FGF21タンパク質に対する必要が依然としてある。 本発明は、代替FGF21タンパク質を提供する。本発明の所定のFGF21タンパク質は、ヒト野生型FGF21および当分野において開示されている公知のFGF21タンパク質に比した利点を有する。これらの利点には、延長された半減期、改良された効力および/または改良された医薬的安定性を有することが含まれる。 改良された効力に加えて、本発明の所定のFGF21タンパク質は、インビボでのタンパク質分解の低下、酸化に対する感受性の減少、高濃度で凝集する傾向の低下、哺乳動物細胞系における産生中の翻訳後修飾およびタンパク質分解のレベルの低下、および/または改良された化学的安定性を含む、効率的製造および/または治療用タンパク質としての製剤にとって有用である1つ以上の有益な安定性特性を有する。さらに、本発明のFGF21タンパク質は、2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療するために潜在的に有用である。 本発明は、アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドはIgG4 Fc部分を含み、該Fc部分は抗体のヒンジ領域、CH2およびCH3定常領域ドメインからなり、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合しているFGF21タンパク質を提供する。 さらに、本発明は、アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を有するIgG4 Fc部分を含み、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合しているFGF21タンパク質を提供する。 本発明は、アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を有するIgG4 Fc部分を含み、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端に配列番号11のアミノ酸配列を有するリンカーを介して融合しているFGF21タンパク質をさらに提供する。 本発明は、アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE(配列番号5)であるFGF21タンパク質を提供する。 上述の配列番号5のFGF21タンパク質は、配列番号14のIgG4 Fc部分配列、ボールド体で特定した配列番号11のリンカー配列(GGGGSGGGGSGGGGSA)および下線を付した配列番号1のFGF21タンパク質を含んでいる。 さらに、本発明は、アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREX1LX2EDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLX3SPSFX4X5(配列番号15)であり、 X1はLもしくはDである、X2はLもしくはKである、X3はRもしくはLである、X4はLもしくはEである、およびX5はGもしくは非存在であるFGF21タンパク質を提供する。本発明は、X1はDである、X2はLもしくはKである、X3はLである、X4はLである、およびX5はGである配列番号15のFGF21タンパク質をさらに提供する。さらに、本発明は、X1はLもしくはDである、X2はLもしくはKである、X3はRである、X4はEである、およびX5は非存在である配列番号15のFGF21タンパク質を提供する。 本発明は、FGF21タンパク質が配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群から選択される、配列番号15のFGF21タンパク質を提供する。本発明は、FGF21タンパク質が配列番号8および配列番号9からなる群から選択される、配列番号15のFGF21タンパク質をさらに提供する。さらに、本発明は、FGF21タンパク質が配列番号5、配列番号6および配列番号7からなる群から選択される、配列番号15のFGF21タンパク質を提供する。最も好ましいFGF21タンパク質は、配列番号5である。 本発明は、本発明のFGF21タンパク質と、少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物をさらに提供する。 本発明は、患者において2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法であって、該患者に本発明のFGF21タンパク質を投与することを含む方法をさらに提供する。 本発明は、患者において2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法であって、該患者に本発明の医薬組成物を投与することを含む方法をさらに提供する。 さらに、本発明は、療法に使用するための本発明のFGF21タンパク質を提供する。好ましくは、本発明は、2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームの治療に使用するための本発明のFGF21タンパク質を提供する。 さらに、本発明は、2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療するための医薬品の製造における本発明のFGF21タンパク質の使用を提供する。 本発明は、本発明の上述したFGF21タンパク質をコードするポリヌクレオチドにさらに関する。 さらに、本発明は、本発明のFGF21タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供し、FGF21タンパク質のアミノ酸配列は、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドはIgG4 Fc部分を含み、該Fc部分は抗体のヒンジ領域、CH2およびCH3定常領域ドメインからなり、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合している。 本発明は、FGF21タンパク質のアミノ酸配列が第2ポリペプチドに融合した第1ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を有するIgG4 Fc部分を含み、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合している本発明のFGF21タンパク質をコードするポリヌクレオチドをさらに提供する。 さらに、本発明は、FGF21タンパク質のアミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を有するIgG4 Fc部分を含み、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端に配列番号11のアミノ酸配列を有するリンカーを介して融合している本発明のFGF21タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。 さらに、本発明は、本発明のFGF21タンパク質をコードするポリヌクレオチドであって、該FGF21タンパク質のアミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE(配列番号5)であるポリヌクレオチドを提供する。 本発明は、ヌクレオチド配列が配列番号13である本発明のFGF21タンパク質をコードするポリヌクレオチドを提供する。 上述のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、RNAの形態もしくはDNAの形態にあってよく、該DNAはcDNAおよび合成DNAを含む。該DNAは、二本鎖または一本鎖であってよい。本発明のタンパク質をコードするコーディング配列は、遺伝コードの冗長性または縮重の結果として変動する可能性がある。 本発明のタンパク質をコードするポリヌクレオチドは、以下の:該タンパク質についてのコーディング配列のみ、該タンパク質についてのコーディング配列および追加のコーディング配列、例えばリーダーもしくは分泌配列または前駆タンパク質配列;該タンパク質についてのコーディング配列および非コーディング配列、例えば該タンパク質についてのコーディング配列のイントロンもしくは非コーディング配列5’および/または3’末端を含んでいてよい。そこで、用語「タンパク質をコードするポリヌクレオチド」は、該タンパク質についてのコーディング配列だけではなく追加のコーディングおよび/または非コーディング配列、例えば配列番号13もまた含んでいてよいポリヌクレオチドを含んでいる。 本発明のポリヌクレオチドは、配列が発現制御配列に機能的に連結した後に宿主細胞中で発現するであろう。発現ベクターは、典型的には宿主染色体DNAのエピソームもしくは一体部分のどちらかとして宿主生物内で複製可能である。一般に、発現ベクターは、所望のDNA配列で形質転換された細胞の検出を可能にするために、選択マーカー、例えばテトラサイクリン、ネオマイシンおよびジヒドロ葉酸レダクターゼを含有する。 本発明のFGF21タンパク質は、例えばCHO、NS0、HEK293もしくはCOS細胞などの哺乳動物細胞;例えば大腸菌(E.coli)、枯草菌(Bacillus subtilis)もしくは蛍光菌(Pseudomonas fluorescence)などの細菌細胞;または真菌もしくは酵母細胞中で容易に生成できる。宿主細胞は、当分野において周知の技術を使用して培養される。好ましい哺乳動物宿主細胞は、グルタミンシンテターゼ(GS)発現系を含有するCHOK1SV細胞系である(米国特許第5122464号明細書を参照)。 当該のポリヌクレオチド配列(例、FGF21のタンパク質および発現制御配列)を含有するベクターは、細胞宿主のタイプに依存して異なる周知の方法によって、宿主細胞内に転位させることができる。例えば、原核細胞に対しては一般に塩化カルシウム形質転換法が利用されるが、他方他の細胞宿主に対してはリン酸カルシウム処理もしくはエレクトロポレーション法を使用できる。 タンパク質精製の様々な方法を使用することができ、そのような方法は当分野において公知であり、例えば、Deutscher,Methods in Enzymology 182:83−89(1990) and Scopes,Protein Purification:Principles and Practice,3rd Edition,Springer,NY(1994)に記載されている。 本発明は、ホモダイマーを製造する方法であって、該ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号5であり、 i)配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む哺乳動物宿主細胞を、該ポリヌクレオチド配列が発現するような条件下で培養する工程と、 ii)ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるホモダイマーを該宿主細胞から回収する工程とを含む方法をさらに提供する。 本発明のFGF21タンパク質は、哺乳動物細胞中で発現した場合はホモダイマーである。本明細書で使用する「ホモダイマー」は、Fc部分内の非共有結合相互作用および分子間ジスルフィド結合を通して結び付いている同一アミノ酸配列(例えば、配列番号5)を有する本発明の2つのFGF21タンパク質を意味する。 本発明は、アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドはIgG4 Fc部分を含み、該Fc部分は抗体のヒンジ領域、CH2およびCH3定常領域ドメインからなり、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合しているFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。 さらに、本発明は、アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を有するIgG4 Fc部分を含み、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合しているFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。 本発明は、アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、該第1ポリペプチドは配列番号14のアミノ酸配列を有するIgG4 Fc部分を含み、該第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、該第1ポリペプチドのC末端は該第2ポリペプチドのN末端に配列番号11のアミノ酸配列を有するリンカーを介して融合しているFGF21タンパク質のホモダイマーをさらに提供する。 本発明は、アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE(配列番号5)であるFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。 上述の配列番号5のFGF21タンパク質は、配列番号14のIgG4 Fc部分配列、ボールド体で特定した配列番号11のリンカー配列(GGGGSGGGGSGGGGSA)および下線を付した配列番号1のFGF21タンパク質を含んでいる。 さらに、本発明は、アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREX1LX2EDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLX3SPSFX4X5(配列番号15)であり、 X1はLもしくはDである、X2はLもしくはKである、X3はRもしくはLである、X4はLもしくはEである、およびX5はGもしくは非存在であるFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。本発明は、X1はDである、X2はLもしくはKである、X3はLである、X4はLである、およびX5はGである配列番号15のFGF21タンパク質のホモダイマーをさらに提供する。さらに、本発明は、X1はLもしくはDである、X2はLもしくはKである、X3はRである、X4はEである、およびX5は非存在である配列番号15のFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。 本発明は、FGF21タンパク質が配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8および配列番号9からなる群から選択される、配列番号15のFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。本発明は、FGF21タンパク質が配列番号8および配列番号9からなる群から選択される、配列番号15のFGF21タンパク質のホモダイマーをさらに提供する。さらに、本発明は、FGF21タンパク質が配列番号5、配列番号6および配列番号7からなる群から選択される、配列番号15のFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。最も好ましいFGF21タンパク質は、配列番号5である。 本発明は、本発明の上述したFGF21タンパク質のホモダイマーをコードするポリヌクレオチドにさらに関する。 本発明は、本発明のFGF21タンパク質のホモダイマーと、少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物をさらに提供する。 本発明は、患者において2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法であって、該患者に本発明のFGF21タンパク質のホモダイマーを投与することを含む方法をさらに提供する。 さらに、本発明は、療法に使用するための本発明のFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。好ましくは、本発明は、2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームの治療に使用するための本発明のFGF21タンパク質のホモダイマーを提供する。 さらに、本発明は、2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療するための医薬品の製造における本発明のFGF21タンパク質のホモダイマーの使用を提供する。 本発明のFGF21タンパク質は、Fc部分内の高度に保存されたN−グリコシル化部位でグリコシル化されてよい。さらに、本発明のFGF21タンパク質は、哺乳動物細胞中で発現した場合はホモダイマーである。本明細書で使用する「ホモダイマー」は、Fc部分内の非共有結合相互作用および分子間ジスルフィド結合を通して結び付いている同一アミノ酸配列、例えば配列番号5を有する本発明の2つのFGF21タンパク質を意味する。 全長ヒト野生型FGF21は、27アミノ酸シグナルペプチドを含有する208アミノ酸ポリペプチドである。成熟ヒト野生型FGF21は、181アミノ酸ポリペプチド(配列番号2)を生じさせる、27アミノ酸シグナルペプチドを含まない全長ポリペプチドを含んでいる。 本発明のFGF21タンパク質のアミノ酸位置における変化は、IgG4 Fc部分およびリンカーを含まない、成熟ヒト野生型FGF21(配列番号2)のポリペプチド内のアミノ酸位置から決定される。例えば、配列番号5のFGF21タンパク質のIgG4 Fc部分は、アミノ酸1〜228を含んでおり、配列番号5のFGF21タンパク質のリンカーはアミノ酸229〜244を含んでおり、配列番号5のFGF21タンパク質のFGF21タンパク質はアミノ酸245〜424を含んでいる。そこで本明細書で「A31C」と記載する置換は、成熟ヒト野生型FGF21の31位での野生型アミノ酸Alaとのアミノ酸Cysの置換を意味する。 特定タンパク質内の1つのアミノ酸残基の置換は該タンパク質全体の特性に影響を及ぼす可能性があること、および全体的作用は薬理学的効力および/または医薬的安定性にとって有益または有害な可能性があることに留意することが重要である。例えば、1つのアミノ酸置換P115WはFGF21タンパク質の効力を増加させる;しかし、P115Wはさらに、凝集を誘発する自己会合の原因になると考えられている。このため、この全体的作用は該タンパク質にとって有害であるので、置換P115Wは本発明のFGF21タンパク質内には含まれない。また別の実施例は、FGF21タンパク質の効力を増加させるアミノ酸置換R175Lに関する。しかし、R175L置換を有するFGF21タンパク質はタンパク質分解に感受性であることが見いだされたので、このためこの全体的作用は有害であった。本発明のFGF21タンパク質を用いて観察されるC末端タンパク質分解に対応するために、180位および181位のアミノ酸(180位のLおよび181位のG)は、180位でアミノ酸Eと置換し、181位のアミノ酸は欠失させる。これらの修飾は、C末端タンパク質分解を実質的に減少させるが、それだけではなくヒト293細胞−βKlotho−SRE lucアッセイにおいて測定するとFGF21タンパク質の薬理学的効力を25分の1に低下させる。驚くべきことに、175位のアミノ酸残基(R175L)を野生型Rに復帰させることにより効力が回復される。このため、この置換(R175L)の全体的作用は該タンパク質にとって有害であるので、置換R175Lは本発明の好ましいFGF21タンパク質内には含まれない。 本発明の所定のFGF21タンパク質は、実施例2および3において配列番号5について証明したように強力な生物活性タンパク質である。本発明の好ましいFGF21タンパク質は、効力を一緒に改良するだけではなく、順に改良された安定性特性および増加したインビボ安定性を提供できる他のアミノ酸変化と適合性であるアミノ酸置換を含有している。効力を改良する本発明の好ましいFGF21タンパク質におけるアミノ酸置換には、D127K、S167RおよびG174Lが含まれる(実施例2および3を参照)。 医薬保存剤、例えばm−クレゾールへのヒト野生型FGF21の濃縮タンパク質溶液の曝露は、本タンパク質が凝集体を形成する傾向を増加させる。追加のジスルフィド結合の導入を通しての構造的安定化は、ヒト野生型FGF21の保存適合性ならびに熱安定性を改良する。本発明のFGF21タンパク質は、生物活性を危険に曝すことなく熱安定性および保存適合性を大きく改良するアミノ酸置換A31CおよびG43Cを組み込んでいる。A31C/G43C置換もまたさらに含む高効力FGF21タンパク質については以前に記載されている。それらの報告されたタンパク質は、野生型FGF21に比較して有意に改良された保存適合性を提示するが、それらは依然として保存剤の存在下で凝集する傾向がある。このタンパク質凝集は、免疫原性のリスクを増加させ、それにより該タンパク質の治療用タンパク質としての受容性を減少させる。 FGF21タンパク質のFc部分への融合は、さらに自己会合をより顕著にさせる。この挙動は、自己相互作用および凝集を安定化させるアビディティをもたらす可能性があるFc融合のホモダイマー構造に起因する可能性がある。 本発明の好ましいタンパク質には、驚くべきことに高濃度で生じる高分子量凝集体形成が有意に低いアミノ酸置換L98DおよびL100Kが含まれる。有益にも、アミノ酸置換L98DおよびL100Kは、該タンパク質の効力を減少させず、有害な凝集問題を最小限に抑える。 本発明のFGF21タンパク質を製造するために好ましい市販の発現系は、哺乳動物CHO−K1細胞系である。しかし哺乳動物細胞系CHO−K1およびHEK293は、179位でのチロシン側鎖の硫酸化を通して成熟ヒト野生型FGF21への翻訳後修飾を誘発する可能性がある。179位および(存在する場合は)180位でのチロシン残基の硫酸化は、効力を減少させるので、産物不均質性の望ましくない原因である。そこで、179位および/または180位でTyrを有するFGF21タンパク質がCHO−K1もしくはHEK293細胞系から発現すると、一部の割合の発現したタンパク質は179位で硫酸化され、その他は180位で硫酸化される可能性があるが、他方その他は両方の位置で硫酸化され、一部はいずれの位置でも硫酸化されない場合がある。これは、効力が低下している、不均質で予測できないタンパク質集団をもたらす。 本発明の好ましいFGF21タンパク質には、この有害な硫酸化を解決したアミノ酸置換が含まれる。そこで、該タンパク質内にはアミノ酸置換Y179Fが組み込まれている。Y179Fは、CHO−K1およびHEK293細胞中での産生の結果として生じる硫酸化を排除する。さらに、アミノ酸置換Y179Fは、本発明の他の好ましいアミノ酸置換と適合性であり、効力に関して中立の変化であると決定されている。 ヒト野生型FGF21は、インビボでのタンパク質分解に感受性である。マウスもしくはカニクイザルへの野生型FGF21の静脈内もしくは皮下注射後の血清から回収された大きなタンパク質分解フラグメントは、171位で終了するフラグメントである。残基1〜171に及ぶFGF21フラグメントは、インビトロ(in vitro)効力アッセイにおいて効力が約100分の1であると決定されている。そこで、このタンパク質分解切断部位を排除すると、活性薬物への曝露を増加させることによって薬物有効性を改良できる。アミノ酸置換G170Eは、マウスにおいて切断を有意に緩徐化し、カニクイザルにおいて24時間後に測定すると171位でのタンパク質分解を実質的に排除することが証明されている。G170E置換は効力に影響を及ぼさず、所望の物理化学的安定性プロファイルと適合性である。このため、アミノ酸置換G170Eは、本発明のFGF21タンパク質内に組み込まれている。 ヒト野生型FGF21は、さらにCHO−K1の製造において産生するカルボキシペプチダーゼに感受性であり、アミノ酸置換A180Eおよび181位でのアミノ酸欠失はこのプロセッシングを緩徐化し、これにより発現したタンパク質の長さの不均質性(つまり、該細胞系によって発現した成熟タンパク質内のアミノ酸残基数における不均質性)を減少させる。アミノ酸置換A180Eおよび181位でのアミノ酸欠失は、哺乳動物細胞発現におけるC末端タンパク質分解を排除しないが、本発明のFGF21タンパク質内で見いだされる他の所望のアミノ酸置換の状況における効力を維持しながらタンパク質分解を緩徐化することに極めて有効である。この有利な特性を考慮に入れて、アミノ酸置換A180Eおよび181位でのアミノ酸欠失が本発明の好ましいFGF21タンパク質内に組み込まれている。 本発明のFGF21タンパク質は、免疫グロブリンのFc部分にリンカーを介して融合している。本発明のFGF21タンパク質のために使用されるFc部分は、IgG4 Fc部分に由来する。本発明のFGF21タンパク質が、ヒトIgG4に由来するが野生型ヒト配列に比較して1つ以上の置換を含むFc部分を含有していることがより一層好ましい。本明細書で使用する免疫グロブリンのFc部分は、免疫学の分野においてこの用語に一般に与えられている意味を有する。詳細には、この用語は、抗体からの2つの抗原結合領域(Fabフラグメント)を含有していない抗体フラグメントを意味する。Fc部分は、抗体のヒンジ領域、CH2およびCH3定常領域ドメインからなる。 当分野では、抗体の哺乳動物発現がグリコシル化を生じさせることは周知である。典型的には、グリコシル化は、抗体のFc部分内の高度に保存されたN−グリコシル化部位で発生する。N−グリカンは、典型的にはアスパラギンに付着する。 そこで、本発明のFGF21タンパク質は、本発明のFGF21タンパク質に融合した免疫グロブリンのヒトIgG4 Fc領域に由来する。好ましくは、FGF21タンパク質のFc部分は、配列番号14の配列 ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG(配列番号14)を含んでいる。 本発明のFGF21タンパク質のN末端アミノ酸は、該Fc部分の各重鎖のC末端へLと指名されたグリシンリッチリンカー(G−リッチ)を介して融合しているが、Lのすぐ前にある数字は該Fc部分から該FGF21タンパク質を分離しているリンカー繰り返しユニットの数を意味している。リンカーユニットは、Gly−Gly−Gly−Gly−Ser配列(配列番号10)と規定されている。該リンカーは、場合により、複数のリンカー繰り返しが使用される場合は最終Serに連結したAlaを含有している。 本発明のFGF21タンパク質のFc部分は、好ましくは、1Lと指定されたG−リッチペプチドリンカー−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−(配列番号10)の1つ、2もしくは3つの繰り返しを介して一緒に融合されている。本発明の追加のG−リッチリンカーは、2Lと指定された配列−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Ala(配列番号12)および3Lと指定された−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Ala(配列番号11)を含んでいる。本発明の最も好ましいグリシンリッチリンカーは、リンカー3L、−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Gly−Gly−Gly−Gly−Ser−Ala(配列番号11)である。 IgG4 FcがIgG4抗体の両方の重鎖由来の定常領域から構成されることは理解されている。そこで、本発明のFGF21タンパク質は、各IgG4 Fc部分ポリペプチドの各C末端に同一アミノ酸配列を有する2つのFGF21タンパク質とG−リッチリンカーを介して融合したIgG4 Fc部分から構成される。 本発明のFGF21タンパク質の医薬組成物は、2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療するという一般に企図された目的を達成する当分野において公知の任意の手段によって投与することができる。好ましい投与経路は、非経口である。投与される用量は、レシピエントの年齢、健康状態および体重、存在する場合は併用療法の種類、治療頻度および所望の作用の性質に依存するであろう。典型的な用量レベルは、標準臨床技術を使用して最適化することができ、投与様式および患者の状態に依存するが、当業者であれば決定できる。 本発明のFGF21タンパク質は、医薬上有用な組成物を製造するための公知の方法にしたがって調製される。所望の製剤は、適切な希釈剤または最適の医薬上許容される担体、保存剤、賦形剤もしくは安定化剤を含む高純度の水溶液を用いて再構成される安定性凍結乾燥産物である[Remington,The Science and Practice of Pharmacy,19th edition,Gennaro,ed.,Mack Publishing Co.,Easton,PA 1995]。 本発明のFGF21タンパク質は、医薬上許容されるバッファー、ならびに許容できる安定性および投与のために許容されるpHを提供するために調整されたpHを用いて調製できる。さらに、本発明のFGF21組成物は、例えばバイアル、カートリッジ、ペン型送達器具、シリンジ、静脈内投与用チュービングもしくは静脈内投与用バッグなどの容器内に配置できる。 用語「脂質異常症」は、リポタンパク質過剰産生もしくは欠損症を含むリポタンパク質代謝の障害を意味する。脂質異常症は、血液中の総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロールおよびトリグリセリド濃度の上昇および/または高密度リポタンパク質(HDL)コレステロール濃度の減少によって発現する可能性がある。 用語「メタボリックシンドローム」は、1人の人間における一群のメタボリックリスク因子を特徴とする。これらのリスク因子には、腹部脂肪−大多数の男性において、102cm(40インチ)以上のウエスト;絶食後高血糖−少なくとも110mg/dl(ミリグラム/デシリットル);高トリグリセリド−血流中で少なくとも150mg/dL;低HDL−40mg/dl未満;および/または130/85以上の血圧が含まれる。 用語「肥満症」は、脂肪の少ない体に比して皮下脂肪が過剰な状態であると定義されている(Stedman’s Medical Dictionary 28th edition,2006,Lippincott Williams & Wilkins)。 「患者」は、哺乳動物、好ましくはヒトである。 用語「治療すること」(または「治療する」もしくは「治療」)は、存在する症状、障害、状態または疾患の進行もしくは重症度を緩徐化する、減少させる、または反転させることを意味する。 用語「治療有効量」は、患者への単回もしくは複数回投与後に所望の治療を提供する、本発明のタンパク質の量もしくは用量を意味する。 用語「2型糖尿病」は、インスリンを利用できるにもかかわらず過剰なグルコース産生を特徴とし、循環中グルコース濃度は不十分なグルコースクリアランスの結果として過度に高いままである。 本発明は、以下の実施例を参照することによって実施できる。しかし、これは本発明の範囲を限定すると解釈すべきではない。さらに、実施例に記載および例示した本発明のFGF21タンパク質は、哺乳動物細胞中で発現するので、このためホモダイマーである。 実施例1 CHOK1SV細胞中でのFGF21タンパク質の発現 本発明のFGF21タンパク質は、CHOK1SV細胞を使用して哺乳動物細胞発現系中で産生させる。本発明のFGF21タンパク質をコードする遺伝子をグルタミンシンテターゼ(GS)含有発現プラスミド骨格(pEE12.4をベースとするプラスミド)内にサブクローニングする。本発明のFGF21タンパク質をコードするcDNA配列は、組織培養培地中への所望の産物の分泌を強化するために好ましいシグナルペプチド配列のコーディング配列とインフレームで融合させる。好ましいシグナルペプチド配列は、アミノ酸配列の配列番号3および配列番号4に示したポリペプチドである。 発現は、ウイルス性サイトメガロウイルス(CMV)プロモーターによって駆動される。CHOK1SV細胞は、エレクトロポレーションおよび適切な量の組換え発現プラスミドを用いてトランスフェクトされ、トランスフェクト細胞は、適正な細胞密度で懸濁培養中で維持される。トランスフェクト細胞の選択は、メチオニンスルホキシイミン(MSX)含有無血清培地中での増殖によって実施し、35〜37℃および5〜7%のCO2中でインキュベートする。 クローンに由来する細胞系は、フローサイトメーターを使用して測定または決定する。哺乳動物細胞中でのFGF21タンパク質の発現は、一般に天然N末端配列ESKY、つまりN末端にメチオニン残基を含まない、例えば配列番号5のアミノ酸配列によって示したFGF21タンパク質を産生する。 CHO細胞から培地中に分泌されたFGF21タンパク質は、プロテインAアフィニティークロマトグラフィー、その後に分取的サイズ排除クロマトグラフィー、その後に標準クロマトグラフィー技術によって精製できる。手短には、採取した培地由来のFGF21タンパク質は、PBS(pH7.4)ランニングバッファーを含むMab Select Protein A(GE社、ニュージャージー州ピスカタウェイ)上に捕捉した;手短には、ランニングバッファーを用いて洗浄して非特異的に結合した物質を除去し;10mMのクエン酸(pH3.0)を用いて溶出した。FGF21タンパク質を含有する分画をプールし、10分の1量の1MのTris(pH8.0)を加えることによって中和する。中和したプールを濃縮し、PBS(pH7.4)移動相を備えるSuperdex 200サイズ排除クロマトグラフィーカラム(GE社、ニュージャージー州ピスカタウェイ)上に装填する。モノマーFGF21タンパク質(共有結合ホモダイマー)を含有する分画をプールし、濃縮して保存する。 または、FGF21タンパク質を含有する無細胞培地を50〜60℃へ2時間まで加熱し、ウイルス不活性化のために洗浄剤(Triton X−100)を用いて処理し、引き続いてMab Select Protein A(GE Healthcare社)カラムに塗布し、非特異的に結合した物質を除去するために塩化ナトリウムを含む、または含まないpH7のTris緩衝液を用いて洗浄することができる。FGF21タンパク質はカラムから20mMのクエン酸(pH3)を使用して溶出し、ウイルス不活性化のために2時間までpH3.4〜3.7で保持する。この溶液は、Trisバッファーおよび塩化ナトリウムを添加することによってpHを4.8〜5.2へ調整し、少なくとも15分間混合する。形成される沈降物は、デプスフィルトレーション(Millipore社)によって除去する。FGF21タンパク質は、樹脂、例えばPoros HS 50(Life Technologies社)またはSP Sepharose HP(GE Healthcare社)などを使用するカチオン交換クロマトグラフィーによってさらに精製する。カチオン交換カラムは、pH5の酢酸ナトリウム緩衝液中で塩化ナトリウムを用いて溶出させる。FGFタンパク質は、Trisバッファーを使用してpHを7から8へ調整する工程、硫酸ナトリウムの添加およびカラムへの適用、その後に硫酸ナトリウムの逆濃度勾配を用いた溶出によって、Phenyl Sepharose HP(GE Healthcare社)上の疎水性相互作用クロマトグラフィーによりさらに精製することができる。精製FGF21タンパク質は、ウイルス保持フィルター、例えばPlanova 20N(旭化成メディカル社)を通過させ、その後に10mMのクエン酸、150mMのNaCl(pH7)中への再生セルロース膜(Millipore社)上でのタンジェンシャル・フロー・フィルトレーションを使用する濃縮/透析ろ過を実施することができる。 実施例2 3T3−L1−βKlotho線維芽細胞グルコース取込みアッセイ 3T3−L1−βKlotho線維芽細胞は、3T3−L1線維芽細胞から野生型βKlothoのコーディング配列およびブラスチシジン耐性マーカーを含有するCMV駆動哺乳動物発現ベクターのレトロウイルス形質導入によって生成する。ブラスチシジン耐性細胞は、15μMブラスチシジンの存在下で14日間にわたる増殖後に選択し、βKlothoタンパク質発現は抗βKlotho抗体を用いた免疫ブロットによって検証する。3T3−L1−βKlotho線維芽細胞は、10%仔ウシ血清および15μMのブラスチシジンを含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)中で実験使用のためにプレーティングするまで保持する。 グルコース取込みのために、3T3−L1−βKlotho線維芽細胞を96プレート中で20,000cells/ウエルでプレーティングし、10%仔ウシ血清を含むDMEM中で48時間にわたりインキュベートする。細胞は、当該のFGF21タンパク質を含む、または含まない0.1%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むDMEM中で3時間にわたりインキュベートし、その後にFGF21タンパク質を含む、または含まない100μMの2−デオキシ−D−(14C)グルコースを含有するクレーブス・リンガー(Krebs−Ringer)リン酸(KRP)バッファー(15mMのHepes(pH7.4)、118mMのNaCl、4.8mMのKCl、1.2mMのMgSO4、1.3mMのCaCl2、1.2mMのKH2PO4、0.1%のBSA)中での1時間のインキュベーションを実施する。非特異的結合は、1mMの2−デオキシ−D−(14C)グルコースを含有するクレーブス・リンガー重炭酸/Hepes(KRBH)バッファー中の選択セルのインキュベーションによって決定する。この反応は、細胞への20μMのサイトカラシンBの添加によって終了させ、グルコース取込みを液体シンチレーションカウンターを用いて測定する。 本質的に上述した通りのプロトコールにしたがうと、3T3−L1−βKlotho線維芽細胞グルコース取込みアッセイにおいて配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーのインビトロ効力(EC50)は、0.070nMであると決定された。 実施例3 ヒト293細胞−βKlotho−SRE lucアッセイ293−βKlotho−SRE lucレポーター細胞の構築: HEK−293細胞(ヒト胚腎細胞)は、ダルベッコの改変イーグル培地中の10%ウシ胎児血清(FBS)を含有する増殖培地(GM)中において37℃、5%のCO2で培養する。細胞はCMVプロモーター駆動ヒトβKlotho発現カセットおよび血清応答エレメント(SRE)駆動ルシフェラーゼ発現カセットを含有するプラスミドを用いてコトランスフェクトする。βKlotho発現プラスミドは、さらにアミノグリコシド抗生物質G418に耐性を付与するためにSV40プロモーター駆動ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ発現カセットもまた含有している。トランスフェクトHEK−293細胞は、トランスフェクトプラスミドがゲノム内に統合されている細胞を選択するために600μg/mLのG418を用いて選択する。選択した細胞は、希釈によってクローニングし、FGF21の添加24時間後にルシフェラーゼ産生の増加について試験する。ルシフェラーゼにおける最大FGF21依存性増加を示しているクローンは、相対FGF21タンパク質活性を測定するために使用する細胞系として選択する。293−βKlotho−SRE luc FGF21活性アッセイ: 293−βKlotho−SRE luc細胞をすすぎ洗い、CD293懸濁培養培地(Invitrogen社)中に配置する。細胞は、懸濁液中において37℃、6%のCO2、125rpmで一晩増殖させる。細胞を計数し、遠心によってペレット化し、0.1%のBSAを含有するCD293培地中に再懸濁させる。細胞は、白色96ウエルプレート内に25,000/ウエルで配置する。100nM〜0.006nMの最終濃度を備える8種の希釈液を生成するためにCD293/0.1%のBSA中での4倍の連続希釈液を各FGF21タンパク質に対して調製する。希釈液を1種当たり3回ずつ細胞に加え、16〜20時間にわたり、37℃、5%のCO2でインキュベートする。ルシフェラーゼ濃度は、同等量のOneGlo(商標)ルシフェラーゼ基質(Promega社)の添加および相対発光の測定によって決定する。データは、曲線を当てはめてEC50を決定するために4パラメーターロジスティックモデル(XLfitバージョン5.1)を使用して分析する。 本質的には上述したプロトコールにしたがうと、ヒト293細胞−βKlotho−SRE Lucアッセイにおいて配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーの平均インビトロ効力(EC50)は0.51nMであると決定される。 実施例4 物理的安定性 R175およびE180の発現不均質性 均質タンパク質産物の産生は、一貫性のある明確に特徴付けられた産物をより良好に保証するので望ましい。産物の不均質性を評価するために、サンプルの10μLアリコートを90μLのDPBSと混合した。サンプルは、液体クロマトグラフィー質量分析法(LC−MS)によって、以下の:移動相Aは0.05%のTFA、移動相Bはアセトニトリル中の0.04%のTFA、カラムはPLRPS 2.1×50mmカラム、注入量は15μLである条件を使用して分析した。 Waters Micromass LCT Premier(商標)質量分析計は、400〜1,990amu(原子質量単位)の質量範囲、極性ES+、キャピラリー3000、サンプルコーン40Vへ設定したが、アパーチャー1は25V、ソース温度は105℃、コーンガス流量は50L/時、脱溶媒時間は150℃、および脱溶媒ガス流量は600L/時であった。 表2には、LC/MS法によって決定される各FGF21タンパク質内で生じる不均質性を報告した。産物1〜425は、配列番号8のFGF21タンパク質および配列番号9のFGF21タンパク質についてのIgG4 Fc部分、リンカーおよびFGF21タンパク質を含有する全長FGF21タンパク質を表している。配列番号8のFGF21タンパク質および配列番号9のFGF21タンパク質は、野生型残基ロイシンを含有する配列番号8のFGF21タンパク質およびアミノ酸残基リシン(L100K)を含有する配列番号9のFGF21タンパク質と100位でのみ相違しており、どちらのタンパク質も同一の末端を有する。これらのタンパク質はどちらもC末端短縮、特に181位でのアミノ酸残基グリシンの除去に感受性であった。表2に示したように、企図された全長1〜425であるのは、配列番号8のFGF21タンパク質のホモダイマーおよび配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーについての精製産物の50%未満であった;1〜424フラグメントが精製産物の最大部分を構成した。さらに、量は少ないが産物1〜422、1〜411および1〜379もまた検出された。 配列番号5のFGF21タンパク質は、遺伝子構築物において欠失している181位でアミノ酸残基を有しており、アミノ酸残基180は、グルタミン酸(E)に置換されている。これらの変化はCHO発現中の分解からC末端を保護し、100%均質な精製1〜424産物を生じさせる。 実施例5 物理的安定性 高濃度での自己集合 タンパク質凝集および自己集合は、潜在的に望ましくない作用、例えば免疫応答の誘発を増悪させる可能性があるので望ましくない。そこで、該タンパク質をモノマー状態(共有結合ホモダイマー)に維持することが好ましい。FGF21タンパク質が自己集合する傾向について試験するために、タンパク質を表3に列挙したバッファー中に透析し、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって分析して1.0mg/mL溶液の高分子量率(HMW(%))を決定した。HMW(%)は、タンパク質の凝集および自己集合の指標である。 SEC分離法は、東ソー・バイオサイエンス事業部製3000SWXLの30cm×0.78cmの寸法を備える5μカラム上で実施した。移動相は、0.05Mリン酸ナトリウム、175mMのNaCl(pH7)、流量0.5mL/分であった。1.0mg/mLのサンプルは10μLの注入液として適用して吸光波長214nmで監視し、75mg/mLのサンプルは1μL注入液として適用して280nmで監視した。 表3は、全バッファー組成物について、配列番号8のFGF21タンパク質のホモダイマーについては4〜5%のHMWならびに配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーおよび1.0mg/mLで配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーについては<1%のHMWを示している。サンプルは次に、高濃度製剤を模擬するために75mg/mLへ濃縮し、再びSECによって分析してHMW(%)を決定した。配列番号8変異体のFGF21タンパク質のホモダイマーは75mg/mLで13.7〜21.9%のHMWを含有していたが、配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーは2.2〜3.5%しか含有していなかった。配列番号8のFGF21タンパク質と配列番号9のFGF21タンパク質との唯一の差は100位での置換(L100L対L100K)であるので、このデータは、L100KがHMW形成を減少させることを証明している。 配列番号5のFGF21タンパク質は他の変化に加えてL100Kもまた含有しており、このホモダイマータンパク質中ではより低いHMW(%)も観察された。 実施例6 物理的安定性 L100K置換および高分子量率(%) FGF21タンパク質の物理的安定性は以下のように決定した。タンパク質を透析し、10mMのクエン酸(pH7)、150mMのNaCl中の1〜2mg/mL中で調製し、SECによって分析してHMW(%)を決定した(表3:「初期」)。 SEC分離法は、東ソー・バイオサイエンス事業部製3000SWXL、30cm×0.78cmの寸法を備える5μカラム上で実施した。移動相は、0.05Mリン酸ナトリウム、175mMのNaCl(pH7)、流量が0.5mL/分であった。初期低濃度サンプルは10μLの注入液として適用して吸光波長214nmで監視し、50mg/mLのサンプルは1μL注入液として適用して280nmで監視した。 次に、タンパク質を50mg/mLに濃縮し、再び分析した(t=0)。配列番号8のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は、濃縮すると4.5%から9.3%へ増加した。配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は、濃縮すると0.9%から1.4%へ増加した。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は、濃縮すると0.4%から1.4%へ増加した。そこで、配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーおよび配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーはどちらも、配列番号8のFGF21タンパク質のホモダイマーよりもより低い初期HMW(%)およびタンパク質を50mg/mLで調製した場合により低いHMW(%)を有していた。これらのデータは、配列番号9のFGF21タンパク質および配列番号5のFGF21タンパク質中に存在するが配列番号8のFGF21タンパク質中には存在していないL100K突然変異が重要であることを証明していた。 ストレス条件下での長期安定性を評価するために、50mg/mLの製剤を4℃、25℃および40℃で4週間インキュベートした。表4に示したように、再びHMW(%)を4週間後に決定した(t=4週間)。配列番号8のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は、40℃では9.3%から16.0%へ増加した。配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は、40℃では1.4%から5.5%へ増加した。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は、40℃では0.4%から5.4%へ増加した。25℃での4週間後に、HMW(%)のレベルは配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーおよび配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーについては3.3%に過ぎなかったが、他方配列番号8のFGF21タンパク質のホモダイマーについては13.8%であった。これらのデータは、配列番号9のFGF21タンパク質のホモダイマーおよび配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマー中に存在するL100K突然変異を含めることが有益な影響を及ぼすことを証明している。 実施例7 物理的安定性 自己集合 配列番号7の精製FGF21タンパク質(D98Lを有する配列番号5のFGF21タンパク質)および配列番号6の精製FGF21タンパク質(K100Lを有する配列番号5のFGF21タンパク質)を10mMのクエン酸、50mMのNaCl(pH6)バッファー中に透析し、濃度が各々12.9mg/mL、1.0mg/mLおよび0.6mg/mLであると決定した。透析から回収した各サンプルをSECによって分析してHMW(%)を決定した(表5)。HMW(%)は、全回収透析液について<1%であった。次に、10,000分子量カットオフ型4mL Millipore回転式濃縮装置を使用して65〜87mg/mLへ濃縮した。各サンプルについての濃度は、表5に示した。濃縮後、濃縮タンパク質を使用するSECによって再びHMW(%)を決定した。 表5に示したように、配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーについてのHMW(%)は2.3%へ増加したが、これは高濃度で発生した自己集合が低レベルであることを示した。これとは対照的に、配列番号7のFGF21タンパク質のホモダイマー(D98Lを有する配列番号5のFGF21タンパク質)および配列番号6のFGF21タンパク質のホモダイマー(K100Lを有する配列番号5のFGF21タンパク質)についてのHMW(%)は、各々8.0%および14.2%のレベルへ増加した。これらのデータは、配列に野生型L98もしくはL100を含めると望ましくない自己集合の傾向が高くなることを証明している。そこで、L98DおよびL100K置換はどちらも、配列番号5のFGF21タンパク質の自己集合の減少に寄与する。さらに、L98Dの非存在下でのL100Kの存在(つまり配列番号7のFGF21タンパク質)は、自己集合を十分に低く抑えるためには不十分であると結論された。これとは逆に、L100Kの非存在下でのL98Dの存在(つまり配列番号6のFGF21タンパク質)は、自己集合を十分に低く抑えるためには不十分であると結論された。そこで、自己集合の減少に及ぼす最大作用は、L98DおよびL100Kを一緒に必要とする。 濃縮タンパク質を1mg/mLに希釈するとHMW(%)が減少したので、これは自己集合が可逆性であることを証明している。配列番号6のFGF21タンパク質のホモダイマー(K100Lを有する配列番号5のFGF21タンパク質)を1mg/mLへ希釈すると、14.2%から2.0%へのHMW(%)の減少が生じた。配列番号7のFGF21タンパク質のホモダイマー(D98Lを有する配列番号5のFGF21タンパク質)を1mg/mLへ希釈すると、8.0%から1.3%へのHMW(%)の減少が生じた。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマー中にL98DおよびL100Kが一緒に存在する場合、HMW(%)は1mg/mLに希釈すると0.88%へ減少したが、これもまたL98DおよびL100Kが結合した場合により有益な挙動が得られることを証明している。 実施例8 ob/obマウスモデルにおけるグルコース低下 雄性ob/obマウスおよび年齢を適応させたob/m(痩身)コントロールは、到着時には7週齢であり、治療開始時の年齢は8〜9週齢であった。到着後、全マウスは1匹ずつ収容し、治療開始時まで1〜2週間順化させた。マウスはPurina社製齧歯類飼料5015で飼養し、自動給水装置から水道水を随意に与えた。マウスは、24℃(75°F)に設定した周囲温度を用いて12時間明暗周期で収容した。治療開始1〜2日前に、血液サンプルを尾部からの出血によって採取した。血中グルコース濃度はAccu−Check Avivia血糖計(Roche社)を使用して測定し、Meso Scale社製マウス/ラット用インスリンアッセイキットを使用するインスリンアッセイのために血清サンプルを収集した。治療開始日(第0日)に、治療前体重、血糖および血清インスリンに基づいてマウスを群にソーティングした(BRATソーティング・ソフトウエア)。第0日および第3日に、マウスに10mL/kgの用量で配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマー0.1〜30nmol/kgをSQ(皮下)投与した。投与ビヒクルは、0.03%のマウス血清アルブミン(MSA;Sigma A3139)を含有する無菌PBS(HyClone DPBS/改質−カルシウム−マグネシウム)であった。血糖を7日間にわたり毎日測定し、AUCを決定した。血糖降下についてのED50計算は、AUCに基づいた。犠死時に肝ホモジネートを収集し、肝トリグリセリドは日立社製Modular P臨床分析装置上で測定した。 第7日に、ビヒクル処理マウスは387±63.0mg/dl(平均値±SEM)と測定された平均血糖値を備えて高血糖性であったが、他方ob/m痩身コントロールマウスは162±9.0mg/dlの血糖値(平均値±SEM)を有していた。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーは、ob/m痩身コントロールに匹敵する値へ血糖値を降下させた。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーのED50は、2.796nmol/kg(95%信頼区間=1.1〜7.0)であった。配列配列番号1−FGF21タンパク質HPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE配列番号2−野生型FGF21(ホモサピエンス(Homo Sapiens))HPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTEAHLEIREDGTVGGAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFRELLLEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGNKSPHRDPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLSMVGPSQGRSPSYAS配列番号3−ヒトトランスフェリン(hTrf)シグナルペプチドMRLAVGALLVCAVLGLCLA配列番号4−ヒト線維芽細胞増殖因子結合タンパク質1(hFGFP−1)シグナルペプチドMKICSLTLLSFLLLAAQVLLVEG配列番号5−FGF21タンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE配列番号6−FGF21タンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLLEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE配列番号7−FGF21タンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFRELLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE配列番号8−FGF21タンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLLEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLLSPSFLG配列番号9−FGF21タンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLLSPSFLG配列番号10−リンカー(L)GGGGS配列番号11−リンカー(3L)GGGGSGGGGSGGGGSA配列番号12−リンカー(2L)GGGGSGGGGSA配列番号13−FGF21タンパク質の(DNA)GAGTCCAAATATGGTCCCCCATGCCCACCCTGCCCAGCACCTGAGGCCGCCGGGGGACCATCAGTCTTCCTGTTCCCCCCAAAACCCAAGGACACTCTCATGATCTCCCGGACCCCTGAGGTCACGTGCGTGGTGGTGGACGTGAGCCAGGAAGACCCCGAGGTCCAGTTCAACTGGTACGTGGATGGCGTGGAGGTGCATAATGCCAAGACAAAGCCGCGGGAGGAGCAGTTCAACAGCACGTACCGTGTGGTCAGCGTCCTCACCGTCCTGCACCAGGACTGGCTGAACGGCAAGGAGTACAAGTGCAAGGTCTCCAACAAAGGCCTCCCGTCCTCCATCGAGAAAACCATCTCCAAAGCCAAAGGGCAGCCCCGAGAGCCACAGGTGTACACCCTGCCCCCATCCCAGGAGGAGATGACCAAGAACCAGGTCAGCCTGACCTGCCTGGTCAAAGGCTTCTACCCCAGCGACATCGCCGTGGAGTGGGAAAGCAATGGGCAGCCGGAGAACAACTACAAGACCACGCCTCCCGTGCTGGACTCCGACGGCTCCTTCTTCCTCTACAGCAGGCTAACCGTGGACAAGAGCAGGTGGCAGGAGGGGAATGTCTTCTCATGCTCCGTGATGCATGAGGCTCTGCACAACCACTACACACAGAAGAGCCTCTCCCTGTCTCTGGGTGGTGGTGGTGGCTCCGGAGGCGGCGGCTCTGGTGGCGGTGGCAGCGCTCACCCCATCCCTGACTCCAGTCCTCTCCTGCAATTCGGGGGCCAAGTCCGGCAGCGGTACCTGTACACCGACGACGCCCAGCAGACCGAGTGCCACCTGGAAATCCGGGAGGACGGCACCGTGGGCTGTGCCGCCGACCAGTCCCCTGAGTCCCTGCTGCAGCTGAAGGCCCTGAAGCCTGGCGTGATCCAGATCCTGGGCGTGAAAACCTCCCGGTTCCTGTGCCAGAGGCCTGATGGCGCCCTGTACGGCTCCCTGCACTTCGACCCTGAGGCCTGCTCCTTCCGGGAGGACCTGAAGGAAGATGGCTACAACGTGTACCAGTCCGAGGCTCACGGCCTGCCTCTGCATCTGCCTGGCGACAAGTCCCCCCACCGGAAGCCTGCTCCTAGGGGCCCTGCCAGATTCCTGCCACTGCCTGGCCTGCCTCCAGCTCTGCCTGAGCCTCCTGGCATCCTGGCCCCTCAGCCTCCAGACGTGGGCTCCTCCGACCCTCTGCGGCTGGTCGAGCCTTCCCAGCTGCGGAGCCCTAGCTTCGAG配列番号14−Fcタンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLG配列番号15−コンセンサスFGF21タンパク質ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREX1LX2EDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLX3SPSFX4X5X1は、LもしくはDである、X2は、LもしくはKである、X3は、RもしくはLである、X4は、LもしくはEである、X5は、Gもしくは非存在である。 アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、前記第1ポリペプチドはIgG4 Fc部分を含み、前記第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、前記第1ポリペプチドのC末端は前記第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合している、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)タンパク質のホモダイマー。 前記IgG4 Fc部分のアミノ酸配列は配列番号14である、請求項1に記載のホモダイマー。 前記リンカーのアミノ酸配列は配列番号11である、請求項1または2のいずれか一項に記載のホモダイマー。 前記アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE(配列番号5)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のホモダイマー。 前記タンパク質のIgG4 Fc部分はグリコシル化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホモダイマー。 ポリペプチドをコードするDNA分子であって、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるDNA分子。 請求項6に記載のDNA分子で形質転換された哺乳動物宿主細胞であって、前記細胞がホモダイマーを発現することができ、前記ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5である哺乳動物宿主細胞。 ホモダイマーを製造する方法であって、前記ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号5であり、 i)配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む哺乳動物宿主細胞を、該ポリペプチド配列が発現するような条件下で培養する工程と、 ii)各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるホモダイマーを前記宿主細胞から回収する工程とを含む方法。 請求項8に記載の方法によって生成されるホモダイマー。 請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマーと、少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物。 2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法であって、それを必要とする患者に請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマーを投与することを含む方法。 療法に使用するための請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマー。 2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームの治療に使用するための、請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマー。 本発明は、薬理学的に効力があり安定性のヒト線維芽細胞増殖因子21(FGF21)タンパク質、FGF21タンパク質を含む医薬組成物、およびそのようなタンパク質を使用して2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法に関する。【選択図】なし配列表20150107A16333全文3 線維芽細胞増殖因子21(FGF21)タンパク質のホモダイマーであって、前記FGF21タンパク質アミノ酸配列は、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、前記第1ポリペプチドはIgG4 Fc部分を含み、前記第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するタンパク質を含み、前記第1ポリペプチドのC末端は前記第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合している、ホモダイマー。 前記IgG4 Fc部分のアミノ酸配列は配列番号14である、請求項1に記載のホモダイマー。 前記リンカーのアミノ酸配列は配列番号11である、請求項1または2のいずれか一項に記載のホモダイマー。 前記アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE(配列番号5)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のホモダイマー。 前記タンパク質のIgG4 Fc部分はグリコシル化されている、請求項1〜4のいずれか一項に記載のホモダイマー。 ポリペプチドをコードするDNA分子であって、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるDNA分子。 請求項6に記載のDNA分子で形質転換された哺乳動物宿主細胞であって、前記細胞がホモダイマーを発現することができ、前記ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5である哺乳動物宿主細胞。 ホモダイマーを製造する方法であって、前記ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号5であり、 i)配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む哺乳動物宿主細胞を、該ポリペプチド配列が発現するような条件下で培養する工程と、 ii)各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるホモダイマーを前記宿主細胞から回収する工程とを含む方法。 請求項8に記載の方法によって生成されるホモダイマー。 請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマーと、少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物。 療法に使用するための請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマー。 2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームの治療に使用するための、請求項1〜5または9のいずれか一項に記載のホモダイマー。A1633001063 第7日に、ビヒクル処理マウスは387±63.0mg/dl(平均値±SEM)と測定された平均血糖値を備えて高血糖性であったが、他方ob/m痩身コントロールマウスは162±9.0mg/dlの血糖値(平均値±SEM)を有していた。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーは、ob/m痩身コントロールに匹敵する値へ血糖値を降下させた。配列番号5のFGF21タンパク質のホモダイマーのED50は、2.796nmol/kg(95%信頼区間=1.1〜7.0)であった。 以下に、本願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。[1] アミノ酸配列が、融合した第1ポリペプチドおよび第2ポリペプチドからなり、前記第1ポリペプチドはIgG4 Fc部分を含み、前記第2ポリペプチドは配列番号1のアミノ酸配列を有するFGF21タンパク質を含み、前記第1ポリペプチドのC末端は前記第2ポリペプチドのN末端にリンカーを介して融合している、線維芽細胞増殖因子21(FGF21)タンパク質のホモダイマー。[2] 前記IgG4 Fc部分のアミノ酸配列は配列番号14である、[1]に記載のホモダイマー。[3] 前記リンカーのアミノ酸配列は配列番号11である、[1]または[2]のいずれかに記載のホモダイマー。[4] 前記アミノ酸配列が ESKYGPPCPPCPAPEAAGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGGGGGSGGGGSGGGGSAHPIPDSSPLLQFGGQVRQRYLYTDDAQQTECHLEIREDGTVGCAADQSPESLLQLKALKPGVIQILGVKTSRFLCQRPDGALYGSLHFDPEACSFREDLKEDGYNVYQSEAHGLPLHLPGDKSPHRKPAPRGPARFLPLPGLPPALPEPPGILAPQPPDVGSSDPLRLVEPSQLRSPSFE(配列番号5)である、[1]〜[3]のいずれかに記載のホモダイマー。[5] 前記タンパク質のIgG4 Fc部分はグリコシル化されている、[1]〜[4]のいずれかに記載のホモダイマー。[6] ポリペプチドをコードするDNA分子であって、前記ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるDNA分子。[7] [6]に記載のDNA分子で形質転換された哺乳動物宿主細胞であって、前記細胞がホモダイマーを発現することができ、前記ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5である哺乳動物宿主細胞。[8] ホモダイマーを製造する方法であって、前記ホモダイマーの各ポリペプチドのアミノ酸配列は配列番号5であり、 i)配列番号5のアミノ酸配列を有するポリペプチドをコードするポリヌクレオチドを含む哺乳動物宿主細胞を、該ポリペプチド配列が発現するような条件下で培養する工程と、 ii)各ポリペプチドのアミノ酸配列が配列番号5であるホモダイマーを前記宿主細胞から回収する工程とを含む方法。[9] [8]に記載の方法によって生成されるホモダイマー。[10] [1]〜[5]または[9]のいずれかに記載のホモダイマーと、少なくとも1つの医薬上許容される担体、希釈剤または賦形剤とを含む医薬組成物。[11] 2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームを治療する方法であって、それを必要とする患者に[1]〜[5]または[9]のいずれかに記載のホモダイマーを投与することを含む方法。[12] 療法に使用するための[1]〜[5]または[9]のいずれかに記載のホモダイマー。[13] 2型糖尿病、肥満症、脂質異常症および/またはメタボリックシンドロームの治療に使用するための、[1]〜[5]または[9]のいずれかに記載のホモダイマー。


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