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タイトル:公表特許公報(A)_ダサチニブと、選択された共結晶形成剤とを含んでなる多成分結晶
出願番号:2015516734
年次:2015
IPC分類:C07D 417/12,A61K 31/506,A61P 35/02,A61K 47/10,A61K 47/14,A61K 47/22,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

ティツィアナ キオード アンドレアス ハーフナー トビアス ヒンターマン ベアーテ ザルヴァドール マーティン シェラギエヴィチ フリッツ ブラッター ベアント ズィーベンハール マークス フォッセン JP 2015525227 公表特許公報(A) 20150903 2015516734 20130613 ダサチニブと、選択された共結晶形成剤とを含んでなる多成分結晶 ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア 508020155 BASF SE アインゼル・フェリックス=ラインハルト 100114890 久野 琢也 100099483 ティツィアナ キオード アンドレアス ハーフナー トビアス ヒンターマン ベアーテ ザルヴァドール マーティン シェラギエヴィチ フリッツ ブラッター ベアント ズィーベンハール マークス フォッセン US 61/659,997 20120615 EP 12172172.4 20120615 C07D 417/12 20060101AFI20150807BHJP A61K 31/506 20060101ALI20150807BHJP A61P 35/02 20060101ALI20150807BHJP A61K 47/10 20060101ALI20150807BHJP A61K 47/14 20060101ALI20150807BHJP A61K 47/22 20060101ALI20150807BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150807BHJP JPC07D417/12A61K31/506A61P35/02A61K47/10A61K47/14A61K47/22A61P43/00 121 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC IB2013054832 20130613 WO2013186726 20131219 35 20150212 4C063 4C076 4C086 4C063AA01 4C063BB09 4C063CC62 4C063DD29 4C063EE01 4C076AA36 4C076AA99 4C076BB01 4C076CC27 4C076DD37 4C076DD40 4C076DD45 4C076DD59 4C076DD60 4C076FF01 4C076FF33 4C076FF34 4C076FF63 4C076GG50 4C086AA01 4C086AA02 4C086AA03 4C086AA04 4C086BC82 4C086GA07 4C086GA10 4C086GA12 4C086GA15 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA07 4C086MA08 4C086MA09 4C086MA10 4C086NA02 4C086NA03 4C086NA11 4C086NA14 4C086ZB27 4C086ZC75 BMS-354825としても公知であるダサチニブは、国際公開第00/62778号及び米国特許第6,596,746号明細書に開示されていた。ダサチニブ、化学的には、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−[[6−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]−2−メチル−4−ピリミジニル]アミノ]−5−チアゾールカルボキサミドは、次の構造:により表される。 ダサチニブは、Bristol-Myers Squibbにより製造される医薬であり、かつ商品名Sprycel(登録商標)(これは活性成分としてダサチニブ一水和物を含有する)で販売されている。ダサチニブは、イマチニブ処置後の慢性骨髄性白血病(CML)及びフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の患者において使用することが認可された、経口のデュアルBCR/ABL及びSrcファミリーチロシンキナーゼ阻害剤である。 本発明は、式1で示される化合物(INN(国際一般名):ダサチニブ)と、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール又はバニリン、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールから選択される、第二化合物とを含んでなる、多成分結晶系(共結晶)に関する。 ダサチニブはアキラルな化合物である、それというのもキラル中心を有していないからである。第二化合物は、共結晶形成剤とも呼ばれる。 本発明に関連して、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、ニコチンアミド、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、エチルマルトール、バニリン、(1R,2S,5R)−(−)−メントール及びメントールは、周囲温度で固体である、共結晶形成剤である(第二成分が周囲温度で液体でありうる、溶媒和物とは異なる)。ゆえに、本発明の多成分結晶系は、共結晶とみなすことができる。本明細書において、多成分結晶又は多成分結晶相又は結晶組成物という用語は、Viertelhaus et. al., Cryst. Growth & Design, 2009, 9 (5), 2220-2228に定義されるような共結晶という用語と同義である。しかしながら、本発明の共結晶は、ダサチニブと共結晶形成剤との多様なモル比で存在することができる。 本発明に関連して、周囲温度は、室温であり、その際に、好ましくは20〜30℃及び最も好ましくは20〜25℃である。 好ましくは、本発明に関連して、メントールは、好ましくは(1R,2S,5R)−(−)−メントール又はその鏡像異性体(1S,2R,5S)−(+)−メントールである。 本発明の一実施態様は、ダサチニブと、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール又はバニリン、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールとの多成分結晶系であり、該系は、単結晶相を形成している。本発明は更に、前記系を含んでなる薬剤学的製剤に関する。更に、本発明は、前記多成分系及び/又は結晶相を製造する方法にも関する。本発明はまた、前記多成分系及び/又は結晶相と、薬剤学的に許容されるキャリヤーとを含んでなる組成物、及び前記多成分系又は結晶相を、疾病を治療するために用いる方法に関する。 ダサチニブは、60種近い固体形で存在することが公知である:一水和物、US7491725B2、US2006/0004067A1、US7973045B2、及びWO2010/067374に記載され、かつそれらの中でN−6、T1H1−7、B、及びI形と呼ばれる、4種の無水形及び不溶媒和形。更に、非晶形及び52種の溶媒和物が、WO2007/035874、US2006/0004067A、WO2009/053854A2、US8067423B、WO2010/062715、及びCN102030745から公知である。特に、WO 2010/062715の特許出願公開明細書は、溶剤イソソルビドジメチルエーテル、N,N´−ジメチルエチレン尿素及びN,N´−ジメチル−N,N´−プロピレン尿素を含む。イソソルビドジメチルエーテルは、化粧用製剤及び薬剤学的製剤において使用される。 フルクトース及びラクトースとの共結晶形成(1:1及び1:2共結晶)は、WO 2010/081443の特許出願公開明細書に述べられているが、しかしその形成に関して特定の情報は与えられてもおらず、それらの存在を確認しうるあらゆる特性データが提示されてもいない。前記共結晶を再現する全ての試みはうまくいかなかった。 薬剤学的に有用な化合物の新規結晶形の発見は、薬剤学的製品の性能プロフィールを改善する機会を到来させる。材料の蓄積が広がると、調合科学者は、改善された特性を有する医薬の新規剤形を設計するのに利用することができるようになる。ダサチニブのような薬剤学的活性成分の最も重要な特性の1つは、生物学的利用性であり、これは水への溶解度によりしばしば決定される。 ダサチニブのような化合物は、融点、X線回折パターン、赤外スペクトル、ラマンスペクトル、及び固体NMRスペクトルのような、明瞭な結晶構造及び物理的特性を有する多様な結晶形を生じうる。一方の結晶形は、他方の結晶形とは異なる熱的挙動を生じうる。熱的挙動は、多形の形態を区別するために使用されてきた、毛管による融点、熱重量分析(TGA)、及び示差走査熱量測定法(DSC)並びに該結晶形中の溶剤の含量のような技術により、実験室において測定することができる。 ダサチニブの既存の固体形にはなお、物理的特性並びに生物学的特性の改善の余地がある、それというのも、ダサチニブ一水和物の水への溶解度は、極めて乏しいからである。その他の固体形、特に結晶形の、N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−[[6−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]−2−メチル−4−ピリミジニル]アミノ]−5−チアゾールカルボキサミドを提供する必要性が存在する。他の目的は、製造、調合、安定性、及び生物学的効率を最適化する材料を提供することである。 1つの理由は、前記化合物の大いに複雑な多形の状況であり、かつそれに関連した、残留溶剤を本質的に含まないダサチニブを含んでなる単結晶形及び純粋な無水結晶形を製造する困難性である。 発明の要約: 本発明は、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンを含んでなる、ダサチニブの新規な多成分結晶系(共結晶)及び、その結果として、これらの共結晶を含有する新規な薬剤学的製剤を提供する。本発明は更に、それらの製造方法を提供し、かつ疾病を処置するために前記多成分系又は結晶相を用いる方法を具体化する。 ダサチニブと、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、ニコチンアミド、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、エチルマルトール、メントール、(1R,2S,5R)−(−)−メントール又はバニリンからなる群から選択される、相応する共結晶形成剤とのモル比は、一般的に、7:1〜1:1の範囲内である。 発明の詳細な説明: 本発明は、式1で示される化合物(INN:ダサチニブ)と、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール又はバニリン、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールから選択される、第二化合物とを含んでなる多成分結晶系(共結晶)に向けられている。 第二化合物である4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール又はバニリン、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールは、共結晶形成剤とも呼ばれる。 本発明は、ダサチニブが、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンと一緒になって単結晶相を形成する(すなわち共結晶を形成している)ことができることを見出した。 好ましくは、式1の化合物と、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、メントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンとのモル比は、7:1〜1:1の範囲である。より好ましくは、式1の化合物と該共結晶形成剤とのモル比は4:1〜2:1であり、よりいっそう好ましい比は3.5:1〜2.5:1である。更に好ましい実施態様において、該モル比は3:1である。 本発明の多成分結晶系は、ゆえに、好ましくは、本質的にダサチニブ(すなわち式1の化合物)と、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸プロピル、又は没食子酸メチル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンとからなる。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤が4−ヒドロキシ安息香酸メチルであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の6.0、6.9、12.0、12.4、13.2、24.3で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図1に示されている。 更にいっそう好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤が4−ヒドロキシ安息香酸メチルであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の6.0、6.9、12.0、12.4、13.2、13.8、15.3、16.8、21.0、24.3、24.8、26.7で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図1に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がニコチンアミドであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.4、5.9、6.9、12.4、13.2、24.4で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図2に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がニコチンアミドであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.4、5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、13.8、15.1、16.8、17.7、21.2、24.4、24.9で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図2に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤が没食子酸エチルであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.9、6.9、12.4、13.2、16.7、21.1、24.4で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図3に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤が没食子酸エチルであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.9、6.9、12.4、13.2、13.8、16.7、17.2、21.1、21.8、24.4、24.9、27.8で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図3に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がエチルマルトールであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、16.8で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図4に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がエチルマルトールであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、13.8、14.9、16.8、24.3、24.9で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図4に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がバニリンであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.9、6.9、12.4、13.2、16.7、24.4で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。PXRDパターンは図5に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がバニリンであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.9、6.9、11.2、12.4、13.2、13.8、16.7、17.2、17.7、24.1、24.4、24.9、27.8で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図5に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤が没食子酸メチルであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の6.0、6.8、12.0、13.1、15.5、24.9で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図6に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤が没食子酸メチルであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の6.0、6.8、12.0、12.3、13.1、13.7、15.5、16.7、18.0、21.8、24.3、24.9で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図6に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がメントール及び好ましくは(1R,2S,5R)−(−)−メントールであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.8、6.8、11.7、13.7、14.9で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図7に示されている。 更に好ましい実施態様において、該多成分結晶系(共結晶)は、該共結晶形成剤がメントール及び好ましくは(1R,2S,5R)−(−)−メントールであることにより特徴付けられている。この共結晶は、次の5.8、6.8、11.7、12.3、13.1、13.7、14.9、16.5、16.7、17.6、21.3、23.9で位置したピークから選択される、少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有する明瞭なPXRDパターンを示し;典型的にはこれらのピークの全てを示す。それぞれのPXRDパターンは図7に示されている。 ダサチニブ及び4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンは、同じ固相中に上記で示されたような量で、均質な固相として存在し、すなわち共結晶を形成している。 好ましい新規結晶形は一般的に、特性X線粉末回折パターンを示す。 本発明による多成分結晶系は、慢性骨髄性白血病(CML)、好ましくはイマチニブ処置後の慢性骨髄性白血病(CML)及び/又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の処置において使用することができる。 本発明の他の目的は、該結晶組成物を取得する方法であり、該方法は、次の工程を含んでなる:a)適した溶剤又は溶剤の混合物中の式1で示される化合物(INN:ダサチニブ)を用意する工程;b)4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はエチルマルトール又はバニリンを工程a)の混合物に添加する工程;c)任意に、工程b)の組成物を濃縮する工程;d)結晶化する工程;e)任意に、工程d)で得られた懸濁液を、蒸発乾固させる工程又は平衡化させる工程;及びf)得られた沈殿を単離する工程。 好ましくは、工程a)における式1の化合物と、工程b)の、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンとのモル比は、7:1〜1:1の範囲内である。 工程b)は通常、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンを固体形で、又はメタノール中の溶液として、又はアルコール、ケトン、アセタート、又は任意に水を含有する溶剤の混合物中の溶液として、用意することを含んでなる。 好ましくは、工程a)において使用される溶剤は、水混和性有機溶剤、例えばアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)又は非プロトン性極性有機溶剤、例えばDMSO、DMF、又はNMP、又はそれらの混合物である。 工程a)及び/又はb)による溶液又は懸濁液は好ましくは、濃縮溶液である。好ましくは、該溶剤は、水混和性有機溶剤、例えばアルコール(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール)及び/又は非プロトン性極性有機溶剤、例えばDMSO、DMF、又はNMP、又はそれらの混合物である。好ましくは、工程a)及び/又は工程b)において使用される溶剤はメタノールである。 更に好ましい実施態様において、工程d)及び/又はe)において、種晶が添加される。 工程a)におけるダサチニブの濃度は、0.1〜約300mg/ml溶剤、好ましくは5〜200mg/mlにわたっていてよい。工程b)における共結晶形成剤の濃度は、0.1〜約300mg/ml溶剤、好ましくは5〜200mg/mlにわたっていてよい。 該方法は、好ましくは、15〜90℃の温度範囲内で実施される。好ましい方法において、工程a)、b)及び/又はc)は、50〜70℃の範囲内の温度で実施される。好ましくは、該懸濁液は、温度調節され、次いで冷却されてから、工程f)が実施される。好ましい方法において、工程d)及び/又はe)は、約20〜60℃の温度での所望の形のダサチニブ共結晶の結晶でのシード添加(例えば1〜10質量%)を伴う。更に好ましい方法において、工程e)の懸濁液からの溶剤は、完全に蒸発される。 任意に、該結晶組成物は、該結晶をろ別し、例えば真空中、不活性ガス流中又は双方で、周囲温度で、又は約90℃までの高められた温度で乾燥させることにより、単離される。 本明細書に記載される多成分結晶は、良好な速度論的及び熱力学的な安定性を示す。更に、本発明の多成分結晶(共結晶)は、溶媒和物又は水和物の形成をしにくい。 該多成分結晶系は、1〜50μm、好ましくは1〜10μmのメディアンサイズを有する典型的な粒度分布を有する微細粉末として一般的に得られる。この粒度範囲は、速い溶解プロフィールを保証し、他方でその調合プロセスにおける好都合な取扱い性を維持する。 しかしながら、本発明の共結晶系の最も重要な利点は、劇的に高められた水への溶解度である。該ダサチニブ一水和物の水への溶解度は、該多成分結晶(共結晶)の溶解度と同じ条件下で同じプロトコルに従って測定された。 ダサチニブ一水和物(遊離塩基)の水への溶解度の測定は、1ミリリットル当たり0.36マイクログラム(0.36μg/mL)の水への溶解度の結果となった。この値は、Fish et. al., Journal of Pharmaceutical Innovation, 2009 (4) 165-173からの結果と一致している。しかしながら、本発明の多成分結晶は、ダサチニブの一水和物形の溶解度よりも少なくとも5倍多い、水への溶解度を示す(第1表)。Roy et. al., Cryst. Growth & Design, 2012 (12), 2122-2126は、ダサチニブ一水和物遊離塩基に対する無水ダサチニブ遊離塩基の平衡溶解度の比が約2.4であると評価しており;すなわち;無水ダサチニブは、該一水和物よりも2.4倍より可溶であるとみなされる。ゆえに、本発明の最も可溶性の低い多成分結晶(共結晶)は、無水ダサチニブよりも少なくとも2倍より可溶である(第1表)。 第1表:新規な多成分結晶系の溶解度と比較した、ダサチニブ一水和物の水への溶解度(遊離医薬物質の有効溶解度に校正)。2時間の平衡化時間後に測定。* Roy et. al., Cryst. Growth & Design, 2012 (12), 2122-2126に基づいて評価された値。 ダサチニブ遊離塩基の欠点は、水和物、幾つかの多形、及び製薬工業における製造プロセス条件に関係している本質的に全ての有機溶剤との多くの溶媒和形を含む、60よりも多くの異なる結晶形の形成である。 本発明の共結晶は、既に公知のダサチニブのその他の形態と同じように薬剤学的組成物中で使用されてよい。付加的に、当該共結晶系は、純粋な活性成分を製造するための中間体又は出発物質として使用されてよい。 本発明の更なる態様は、本発明の多成分結晶系と、任意に1種以上の薬剤学的に許容される賦形剤とを含んでなる薬剤学的組成物である。更に、該薬剤学的組成物は更に、活性成分としてイマチニブを含んでいてよい。 N−(2−クロロ−6−メチルフェニル)−2−[[6−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]−2−メチル−4−ピリミジニル]アミノ]−5−チアゾールカルボキサミドの本発明の固体の多成分結晶系(共結晶)の量は、製剤のタイプ及び投与期間中の所望の投薬養生法に依存する。各経口製剤中の量は、0.1〜200mg、好ましくは20〜100mgであってよい。 経口製剤は、固体製剤、例えばカプセル剤、錠剤、丸剤及びトローチ剤、又は液状懸濁製剤であってよい。 本発明による結晶組成物は、粉末(微粉化粒子)、顆粒、懸濁液として直接使用されてよく、又はそれらは、その他の薬剤学的に許容される成分と共に合一され、該成分を混合し、かつ任意にそれらを微粉砕し、次いで、例えば硬質又は軟質ゼラチンから構成されるカプセルに充填するか、錠剤、丸剤又はトローチ剤に圧縮するか、又は懸濁液中に懸濁されてよい。コーティングは圧縮後に適用されて、丸剤を形成してよい。 薬剤学的に許容される成分は、多様なタイプの製剤に周知であり、かつ例えば、バインダー、例えば天然又は合成のポリマー、賦形剤、崩壊剤、潤滑剤、界面活性剤、甘味剤及びその他の香味剤、コーティング材料、防腐剤、色素、増粘剤、補助剤、抗微生物剤及び多様な製剤のタイプのためのキャリヤーであってよい。 バインダーの例は、トラガカントゴム、アラビアゴム、デンプン、ゼラチン、及び生物学的に分解可能なポリマー、例えばジカルボン酸のホモポリエステル又はコポリエステル、アルキレングリコール、ポリアルキレングリコール及び/又は脂肪族ヒドロキシルカルボン酸;ジカルボン酸のホモポリアミド又はコポリアミド、アルキレンジアミン、及び/又は脂肪族アミノカルボン酸;相応するポリエステル−ポリアミド−コポリマー、ポリ無水物、ポリオルトエステル、ポリホスファゼン及びポリカーボネートである。該生物学的に分解可能なポリマーは、線状、分枝鎖状又は架橋されていてよい。具体的な例は、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、及びポリ−d,l−ラクチド/グリコリドである。ポリマーのその他の例は、水溶性ポリマー、例えばポリオキサアルキレン(ポリオキサエチレン、ポリオキサプロピレン及びそれらの混合ポリマー)、ポリアクリルアミド及びヒドロキシルアルキル化ポリアクリルアミド、ポリマレイン酸及びそのエステル又はアミド、ポリアクリル酸及びそのエステル又はアミド、ポリビニルアルコール及びそのエステル又はエーテル、ポリビニルイミダゾール、ポリビニルピロリドン、及び天然ポリマー、例えばキトサン、カラゲナン又はヒアルロン酸である。 賦形剤の例は、ホスファート、例えばリン酸二カルシウムである。 崩壊剤の例は、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、グリコール酸デンプンナトリウム又はアルギン酸である。 界面活性剤は、アニオン性、カチオン性、両性又は中性であってよい。界面活性剤の例は、レシチン、リン脂質、硫酸オクチル、硫酸デシル、硫酸ドデシル、硫酸テトラデシル、硫酸ヘキサデシル及び硫酸オクタデシル、オレイン酸Na又はカプリン酸Na、1−アシルアミノエタン−2−スルホン酸、例えば1−オクタノイルアミノエタン−2−スルホン酸、1−デカノイルアミノエタン−2−スルホン酸、1−ドデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸、1−テトラデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸、1−ヘキサデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸、及び1−オクタデカノイルアミノエタン−2−スルホン酸、及びタウロコール酸及びタウロデオキシコール酸、胆汁酸及びそれらの塩、例えばコール酸、デオキシコール酸及びグリココール酸ナトリウム、カプリン酸ナトリウム又はラウリン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、硫酸化ひまし油及びジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ココアミドプロピルベタイン及びラウリルベタイン、脂肪アルコール、コレステロール、グリセリンモノステアラート又はグリセリンジステアラート、グリセリンモノオレアート又はグリセリンジオレアート及びグリセリンモノパルミタート又はグリセリンジパルミタート、及びポリオキシエチレンステアラートである。 甘味剤の例は、スクロース、フルクトース、ラクトース又はアスパルテームである。 香味剤の例は、ペパーミント、ウインターグリーン油又はフルーツフレーバー、例えばチェリー又はオレンジフレーバーである。 コーティング材料の例は、ゼラチン、ワックス、セラック、糖又は生物学的に分解可能なポリマーである。 防腐剤の例は、メチルパラベン又はプロピルパラベン、ソルビン酸、クロロブタノール、フェノール及びチメロサールである。 補助剤の例は、香料である。 増粘剤の例は、合成ポリマー、脂肪酸及び脂肪酸の塩及びエステル及び脂肪アルコールである。 固体キャリヤーの例は、タルク、粘土、マイクロクリスタリンセルロース、シリカ、アルミナ等である。 本発明による製剤は、等張剤、例えば糖類、緩衝液又は塩化ナトリウムを含有してもよい。 本発明の多成分結晶系は、発泡錠又は発泡粉末として調合されてもよく、これは水性環境中で崩壊して、飲用溶液を提供することができる。 最も好ましい経路は、経口投与である。その投薬量は、好都合には単位剤形で提示されてよく、かつ薬学の分野において周知であるいずれかの方法により調製されてよい。 カプセル剤形はもちろん、ゼラチン又はその他の常用のカプセル化材料製であってよいカプセル内に固体組成物を含有する。錠剤及び粉末は、コーティングされてよい。錠剤及び粉末は、腸溶コーティングでコーティングされてよい。腸溶コーティングされた粉末形態は、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタラート、ポリビニルアルコールフタラート、カルボキシメチルエチルセルロース、スチレンとマレイン酸とのコポリマー、メタクリル酸とメタクリル酸メチルとのコポリマー、及び類似の材料を含んでなるコーティングを有してよく、所望の場合には、それらは、適した可塑剤及び/又は増量剤と共に使用されてよい。コーティングされた錠剤は、該錠剤の表面上にコーティングを有してよいか、又は腸溶コーティングを有する粉末又は顆粒を含んでなる錠剤であってよい。 本発明の多成分結晶系及びその製剤はそれぞれ、所定の状態を処置する及び/又は併用療法を提供するのに効果的である、その他の治療剤との組合せで投与されてもよい。好ましくは、本発明の多成分結晶系は更に、活性成分としてイマチニブを含んでなる。 本発明の多成分結晶系及び本発明による薬剤学的組成物は、BCR/ABL及びSrcファミリーチロシンキナーゼを阻害する必要性と関連した疾患の効果的な処置に有用である。本発明の多成分結晶系及びそれぞれの薬剤学的組成物は、慢性骨髄性白血病の処置、しかし進行した前立腺がんの処置にも、有用である。 本発明の多成分結晶系及び本発明による薬剤学的組成物は、哺乳動物においてAblチロシンキナーゼ阻害効果を生じさせるために、そのような治療を必要とする哺乳動物に投与することを含んでなる、治療方法において使用することもできる。 本発明の多成分結晶系は、単一成分として、又は結晶質又は非晶質であってよいその他の固体形との混合物として、使用されてよい。ダサチニブ―4−ヒドロキシ安息香酸メチル共結晶の粉末X線回折パターン。ダサチニブ―ニコチンアミド共結晶の粉末X線回折パターン。ダサチニブ―没食子酸エチル共結晶の粉末X線回折パターン。ダサチニブ―エチルマルトール共結晶の粉末X線回折パターン。ダサチニブ―バニリン共結晶の粉末X線回折パターン。ダサチニブ―没食子酸メチル共結晶の粉末X線回折パターン。ダサチニブ―(1R,2S,5R)−(−)−メントール共結晶の粉末X線回折パターン。 注記されない場合には、室温は、18〜23℃の範囲の温度を表し;百分率は、他に示されていない場合には質量により与えられる。 省略形:DMSO ジメチルスルホキシドHPLC 高圧液体クロマトグラフィーNMR 核磁気共鳴TG−FTIR フーリエ転換赤外分光法を接続した熱重量測定法r.h. 相対湿度(他に示されていない場合、空気)TGA 熱重量測定法v/v 体積/体積PXRD 粉末X線回折。 機器粉末X線回折:その測定を、ブラッグ−ブレンターノ反射ジオメトリーにおけるCuKα線を用いてBruker D8 Advance粉末X線回折計で実施した。一般的に、それらの2θ値は、±0.1〜0.2°の誤差の範囲内で正確である。それらの相対ピーク強度は、同じ結晶形の異なる試料について、該結晶の異なる優先配向のために、かなり変わりうる。該試料を、平らな表面を得るために少しの圧力を適用する以外の特殊な処理を行うことなく、製造した。一般的に、0.1mm深さのシリコン単結晶試料ホルダーを使用した。その管電圧及び電流は、それぞれ40kV及び40mAであった。該X線回折計は、LynxEye検出器を備えている。可変発散スリットを、3°ウィンドウで使用した。そのステップサイズは、37秒のステップ時間で0.02 °2θであった。該試料を、該測定中に0.5rpsで回転させた。 赤外分光法を接続した熱重量測定法(TG−FTIR):FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、与えられた試料の加熱の際の質量損失を監視する一方で、赤外分光法によりその揮発性物質を同定することができる、周知の方法である。ゆえに、TG−FTIRは、溶媒和物又は水和物を同定するのに適した方法である。 TG−FTIRを、Netzsch Thermo-Microbalance TG 209で実施し、これはBruker FT−IR分光計 Vector 22又はIFS 28に接続されている。その測定を、ミクロなピンホールを有するアルミニウムるつぼを用い、窒素雰囲気下で及び10℃/分の加熱速度で25〜250℃の範囲にわたって実施した。 1H−NMR:1H−NMRスペクトルを、Bruker DPX 300分光計で記録した。溶剤:重水素化−DMSO。 溶解度測定:溶解度測定を、純水中で25±2℃で実施した。水0.5mL中の共結晶約10mgを有する懸濁液を製造し、2時間平衡化してから、その溶液相をろ別し、HPLCにより試験した。 HPLC:HPLCを、UV−vis検出ユニットを備えたAgilent 1100 HPLCクロマトグラフで実施した。該方法は、Mhaske, D.V.及びDhaneshwar, S.R., Chromatographia 2007, 66(1/2), 95-102に記載されている。使用されるカラムタイプは、Waters XTerra MS C18、250×4.6mm、5μm(FK-CC14)であった。上記で参照されるような方法は、水性酢酸アンモニウム/酢酸及びメタノールを55/45の比で用いるイソクラティック法である。適用される流量は、毎分1.0mLであり、その注入体積は20マイクロリットルであり、かつその検出波長は321nmであった。 溶剤:全ての実験のために、標準グレードの溶剤を使用する。 次の実施例は本発明を説明する。 例1:4−ヒドロキシ安息香酸メチルとの共結晶(モル比3:1)の製造。ダサチニブ(一水和物形)127.0mg及び4−ヒドロキシ安息香酸メチル(Sigma-Aldrich No. 54750)12.8mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で0.5時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約1.5時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約112mg。H−NMR分光法は、ダサチニブと4−ヒドロキシ安息香酸メチルとの3:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でも、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第2表に示されるようなピーク位置を有する図1におけるようなPXRDパターンを示す、無水の、溶媒和されない固体形であることを示す。 第2表:ダサチニブ―4−ヒドロキシ安息香酸メチル共結晶(P013)のd面間隔値 例2:ニコチンアミドとの共結晶(モル比3:1)の製造ダサチニブ(一水和物形)127.2mg及びニコチンアミド(Fluka No. 72345)10.1mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で0.25時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約2時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約107mg。H−NMR分光法は、ダサチニブとニコチンアミドとの3:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でも、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第3表に示されるようなピーク位置を有する図2におけるようなPXRDパターンを示す、溶媒和されない固体形であることを示す。 第3表:ダサチニブ―ニコチンアミド共結晶(P026)のd面間隔値 例3:没食子酸エチルとの共結晶(モル比3:1)の製造ダサチニブ(一水和物形)127.3mg及び没食子酸エチル(Aldrich No. 48640)16.7mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で0.5時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約1.5時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約124mg。H−NMR分光法は、ダサチニブと没食子酸エチルとの3:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でも、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第4表に示されるようなピーク位置を有する図3におけるようなPXRDパターンを示す、溶媒和されない固体形であることを示す。 第4表:ダサチニブ―没食子酸エチル共結晶(P169)のd面間隔値 例4:エチルマルトールとの共結晶(モル比4:1)の製造ダサチニブ(一水和物形)126.9mg及びエチルマルトール(SAFC No. W348708)12.4mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で0.5時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約1.5時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約119mg。H−NMR分光法は、ダサチニブとエチルマルトールとの4:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でも、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第5表に示されるようなピーク位置を有する図4におけるようなPXRDパターンを示す、溶媒和されない固体形であることを示す。 第5表:ダサチニブ―エチルマルトール共結晶(P171)のd面間隔値 例5:バニリンとの共結晶(モル比3:1)の製造ダサチニブ(一水和物形)126.9mg及びバニリン(Fluka No. 94752)13.0mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で1時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約2.5時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約120mg。H−NMR分光法は、ダサチニブとバニリンとの3:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でも、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第6表に示されるようなピーク位置を有する図5におけるようなPXRDパターンを示す、溶媒和されない固体形であることを示す。 第6表:ダサチニブ―バニリン共結晶(P173)のd面間隔値 例6:没食子酸メチルとの共結晶(モル比3:1)の製造ダサチニブ(一水和物形)127.3mg及び没食子酸メチル(Aldrich No. 274194)15.5mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で0.5時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約1.5時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約123mg。H−NMR分光法は、ダサチニブと没食子酸メチルとの3:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でもなく、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第7表に示されるようなピーク位置を有する図6におけるようなPXRDパターンを示す、溶媒和されない固体形であることを示す。 第7表:ダサチニブ―没食子酸メチル共結晶(P288)のd面間隔値 例7:(1R,2S,5R)−(−)−メントールとの共結晶(モル比3:1)の製造ダサチニブ(一水和物形)127.0mg及び(1R,2S,5R)−(−)−メントール(Sigma-Aldrich No. M278-0)19.7mgを60℃でメタノール10mL中に溶解させ、60℃で0.5時間撹拌する。該溶剤を、乾燥窒素流を用いて60℃で約2時間かけて蒸発させ、乾燥した試料を60℃で1時間保持する。該試料を冷却し、室温で一晩にわたって貯蔵する。収量:約120mg。H−NMR分光法は、ダサチニブとメントールとの3:1のモル比を示す。該固体材料を、PXRD及びTG−FTIRにより更にキャラクタリゼーションする。FT赤外分光法を接続した熱重量測定法は、得られる材料が、溶媒和物でも、水和物でもないことを示す。この結果は、得られる共結晶が、第8表に示されるようなピーク位置を有する図7のようなPXRDパターンを示す、溶媒和されない固体形であることを示す。 第8表:ダサチニブ―(1R,2S,5R)−(−)−メントール共結晶(P292)のd面間隔値 式1で示される化合物(INN:ダサチニブ)と、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はバニリン、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールから選択される第二化合物とを含んでなる、多成分結晶系(共結晶)。 式1の化合物と第二化合物とのモル比が、7:1〜1:1の範囲である、請求項1記載の多成分結晶系。 第二化合物が、4−ヒドロキシ安息香酸メチルであり、かつ該多成分結晶系が、6.0、6.9、12.0、12.4、13.2、24.3°;特に6.0、6.9、12.0、12.4、13.2、13.8、15.3、16.8、21.0、24.3、24.8、26.7°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物がニコチンアミドであり、かつ該多成分結晶系が、5.4、5.9、6.9、12.4、13.2、24.4°;特に5.4、5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、13.8、15.1、16.8、17.7、21.2、24.4、24.9°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が没食子酸エチルであり、かつ該多成分結晶系が、5.9、6.9、12.4、13.2、16.7、21.1、24.4°;特に5.9、6.9、12.4、13.2、13.8、16.7、17.2、21.1、21.8、24.4、24.9、27.8°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物がエチルマルトールであり、かつ該多成分結晶系が、5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、16.8°;特に5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、13.8、14.9、16.8、24.3、24.9°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物がバニリンであり、かつ該多成分結晶系が、5.9、6.9、12.4、13.2、16.7、24.4°;特に5.9、6.9、11.2、12.4、13.2、13.8、16.7、17.2、17.7、24.1、24.4、24.9、27.8°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が没食子酸メチルであり、かつ該多成分結晶系が、6.0、6.8、12.0、13.1、15.5、24.9°;特に6.0、6.8、12.0、12.3、13.1、13.7、15.5、16.7、18.0、21.8、24.3、24.9°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が(1R,2S,5R)−(−)−メントールである、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が(1R,2S,5R)−(−)−メントールであり、かつ該多成分結晶系が、5.8、6.8、11.7、13.7、14.9°;特に5.8、6.8、11.7、12.3、13.1、13.7、14.9、16.5、16.7、17.6、21.3、23.9°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1、2又は9記載の多成分結晶系。 慢性骨髄性白血病(CML)、好ましくはイマチニブ処置後の慢性骨髄性白血病及び/又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の処置における使用のための、請求項1から10までのいずれか1項記載の多成分結晶系。 請求項1から10までのいずれか1項記載の結晶組成物を取得する方法であって、a)適した溶剤又は溶剤の混合物中の式1で示される化合物(INN:ダサチニブ)を用意する工程;b)4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はエチルマルトール、又はバニリンを工程a)の混合物に添加する工程;c)任意に、工程b)の組成物を濃縮する工程;d)結晶化させる工程;e)任意に、工程d)で得られた懸濁液を蒸発乾固させるか又は平衡化する工程;及びf)得られた沈殿を単離する工程を含んでなる、請求項1から10までのいずれか1項記載の結晶組成物を取得する方法。 工程a)における式1の化合物と、工程b)の、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンとのモル比が、7:1〜1:1の範囲内である、請求項12記載の方法。 工程b)において、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンを、固体形で、又はメタノール中の溶液として、又はアルコール、ケトン、アセタート、又は任意に水を含有する溶剤の混合物中の溶液として用意する、請求項12又は13記載の方法。 工程b)において(1R,2S,5R)−(−)−メントールを添加する、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。 工程a)において使用される溶剤が、水混和性有機溶剤であり、好ましくはアルコール及び/又は非プロトン性極性有機溶剤である、請求項12から15までのいずれか1項記載の方法。 工程d)及び/又はe)において、種晶を添加する、請求項12から16までのいずれか1項記載の方法。 請求項1から11までのいずれか1項記載の多成分結晶系と、任意に1種以上の薬剤学的に許容される賦形剤とを含んでなる、薬剤学的組成物。 イマチニブを活性成分として更に含有する、請求項18記載の薬剤学的組成物。 多成分結晶系(共結晶)、その使用並びに前記多成分結晶系(共結晶)を取得する方法が提供される。前記多成分結晶系(共結晶)は、ダサチニブと、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、ニコチンアミド、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、エチルマルトール、バニリン、メントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールから選択される第二化合物とを含んでなる。 20150306A16333全文3 式1で示される化合物(INN:ダサチニブ)と、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はバニリン、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントールから選択される第二化合物とを含んでなる、多成分結晶系(共結晶)。 式1の化合物と第二化合物とのモル比が、7:1〜1:1の範囲である、請求項1記載の多成分結晶系。 第二化合物が、4−ヒドロキシ安息香酸メチルであり、かつ該多成分結晶系が、6.0、6.9、12.0、12.4、13.2、24.3°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物がニコチンアミドであり、かつ該多成分結晶系が、5.4、5.9、6.9、12.4、13.2、24.4°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が没食子酸エチルであり、かつ該多成分結晶系が、5.9、6.9、12.4、13.2、16.7、21.1、24.4°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物がエチルマルトールであり、かつ該多成分結晶系が、5.9、6.9、11.8、12.4、13.2、16.8°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物がバニリンであり、かつ該多成分結晶系が、5.9、6.9、12.4、13.2、16.7、24.4°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が没食子酸メチルであり、かつ該多成分結晶系が、6.0、6.8、12.0、13.1、15.5、24.9°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が(1R,2S,5R)−(−)−メントールである、請求項1又は2記載の多成分結晶系。 第二化合物が(1R,2S,5R)−(−)−メントールであり、かつ該多成分結晶系が、5.8、6.8、11.7、13.7、14.9°で少なくとも1つの特性ピーク(2θ±0.2° 2θ(CuKα線)で表される)を有するPXRDパターンを有する、請求項1、2又は9記載の多成分結晶系。 慢性骨髄性白血病(CML)及び/又はフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の処置における使用のための、請求項1から10までのいずれか1項記載の多成分結晶系。 請求項1から11までのいずれか1項記載の多成分結晶系を製造する方法であって、a)適した溶剤又は溶剤の混合物中の式1で示される化合物(INN:ダサチニブ)を用意する工程;b)4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はエチルマルトール、又はバニリンを工程a)の混合物に添加する工程;c)任意に、工程b)の組成物を濃縮する工程;d)結晶化させる工程;e)任意に、工程d)で得られた懸濁液を蒸発乾固させるか又は平衡化する工程;及びf)得られた沈殿を単離する工程を含んでなる、請求項1から11までのいずれか1項記載の多成分結晶系を製造する方法。 工程a)における式1の化合物と、工程b)の、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンとのモル比が、7:1〜1:1の範囲内である、請求項12記載の方法。 工程b)において、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、又はニコチンアミド、又は没食子酸エチル、又は没食子酸メチル、又は没食子酸プロピル、又はエチルマルトール、又はメントール、又は(1R,2S,5R)−(−)−メントール、又はバニリンを、固体形で、又はメタノール中の溶液として、又はアルコール、ケトン、アセタート、又は任意に水を含有する溶剤の混合物中の溶液として用意する、請求項12又は13記載の方法。 工程b)において(1R,2S,5R)−(−)−メントールを添加する、請求項12から14までのいずれか1項記載の方法。 工程a)において使用される溶剤が、水混和性有機溶剤である、請求項12から15までのいずれか1項記載の方法。 工程d)及び/又はe)において、種晶を添加する、請求項12から16までのいずれか1項記載の方法。 請求項1から11までのいずれか1項記載の多成分結晶系と、任意に1種以上の薬剤学的に許容される賦形剤とを含んでなる、薬剤学的組成物。 イマチニブを活性成分として更に含有する、請求項18記載の薬剤学的組成物。


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