生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_神経保護のためのカンナビジオールと低体温法との相乗的治療法
出願番号:2015515588
年次:2015
IPC分類:A61K 31/05,A61P 25/00,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

マルティネス‐オルガド,ホセ ガイ,ジェフリー JP 2015518875 公表特許公報(A) 20150706 2015515588 20130610 神経保護のためのカンナビジオールと低体温法との相乗的治療法 ジーダブリュー・ファーマ・リミテッド 508368987 GW PHARMA LIMITED 奥山 尚一 100099623 有原 幸一 100096769 松島 鉄男 100107319 河村 英文 100114591 中村 綾子 100125380 森本 聡二 100142996 角田 恭子 100154298 田中 祐 100166268 徳本 浩一 100170379 渡辺 篤司 100161001 児玉 真衣 100179154 水島 亜希子 100180231 増屋 徹 100184424 マルティネス‐オルガド,ホセ ガイ,ジェフリー GB 1210142.4 20120608 A61K 31/05 20060101AFI20150609BHJP A61P 25/00 20060101ALI20150609BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150609BHJP JPA61K31/05A61P25/00A61P43/00 121A61P43/00 125 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,KM,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC GB2013051519 20130610 WO2013182862 20131212 17 20150205 4C206 4C206AA01 4C206AA02 4C206CA19 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA14 4C206ZA02 4C206ZC54 4C206ZC71 4C206ZC75 4C206ZC80 本発明は、神経保護に有用な他の療法と組み合わせて、植物由来カンナビノイドのカンナビジオール(CBD)(phytocannabinoid cannabidiol (CBD))を使用することに関する。好ましくは、他の療法は、低体温法である。さらなる実施形態では、低体温法とCBDとの組合せの治療は、神経保護に有用な更なる療法を追加的に含んでもよい。この療法には、抗てんかん薬、キセノン、N−アセチルシステイン、エリスロポエチン、およびメラトニンが含まれる。好ましくは、神経保護療法は、低酸素性虚血性脳症(HIE)の治療に使用され、より好ましくは、HIEは新生児低酸素性虚血性脳症(NHIE)、脳卒中または心停止である。 新生児低酸素性虚血性脳症(NHIE)をもたらす周産期仮死は、正期産の新生児1000人当たり2から9人に生じている。早産児は更に高い割合で(早産の新生児1000人当たり60人)、この周産期仮死に罹患する。直接的な脳損傷を被ることに加えて、急性の脳機能異常に至り、さらには、こうした障害によって脳の発達が妨げられ、長期の病的状態が決定づけられる可能性がある。 全世界で毎年、NHIEが原因で約200万人の乳幼児が死亡するか、又は長期にわたる疾病のまま生存している。 近年の新生児学および周産期医学における継続的な進展にもかかわらず、前述の数値は実質的に変化していない。したがって、NHIEは依然として、全世界の乳幼児の後天性新生児神経障害の主要な原因となっている。 NHIEの管理は、この疾患の複雑な病態生理学によって決定される。低酸素虚血の間の早期のエネルギー低下後に、神経細胞のイオンポンプの機能不全により、細胞内カルシウムの中毒性上昇が生じ、分解酵素を活性化する。また、グルタミン酸などの細胞外の興奮毒性物質が増加して、さらにカルシウム流入を増やす。 再灌流の間、再酸素付加反応(re-oxygenation response)および炎症性反応によって、損傷の二次的徴候が現れ始め、二次的なエネルギー欠損およびDNA損傷をきたし、アポトーシスを活性化する。 熱ショック蛋白質、抗アポトーシス蛋白質、神経系成長因子および内在性カンナビノイドなどの体内物質は、天然の神経保護物質または神経再生物質として作用し得る。しかし、治療法が存在しないことにより、大半の症例は重度の脳損傷または死に至る。 未成熟な脳は、グルタミン酸、サイトカイン、および酸化ストレスに対する感受性が高く、またアポトーシス促進性のメカニズムが優位であるために、低酸素性虚血性損傷に特になりやすい。 低酸素性虚血性(HI)損傷は、胎児発達の様々な段階にある胎児に影響を及ぼす可能性があり、さらに、陣痛および分娩の間ならびに出生後の新生児に影響を及ぼす可能性がある。 妊娠期間中の問題としては、子癇前症、血管疾患を伴う妊娠性糖尿病、先天性胎児感染症、薬物/アルコール乱用、重度の胎児性貧血、心疾患、肺の形成異常、または胎盤への血流に関する問題を含み得る。 陣痛および分娩の間の問題としては、臍帯の閉塞、捻転もしくは脱出、胎盤もしくは子宮の破裂、胎盤からの過剰出血、骨盤位などの胎児の異常位置、陣痛後期の長期化、または母体の過度な低血圧を含み得る。 分娩後の問題としては、重度の未成熟、重度の肺もしくは心疾患、重度の感染症、脳もしくは頭蓋骨への外傷、脳の先天性形成異常、または新生児の過度な低血圧を含み得る。 HI障害と不可逆性の二次的なエネルギー低下との間に「一過性治療可能域(temporary therapeutic window)」があり、これによりHI脳損傷の軽減につながる治療戦略の可能性が決定づけられる。こうした治療戦略は、興奮毒性、酸化ストレスおよび炎症を含むいくつかの因子に作用するものでなければならない。 低体温療法(therapeutic hypothermia)がNHIEの有用な治療法であることは明らかにされており、ヒト新生児における実証された神経保護作用を有する唯一の療法となっている。残念ながら、これらの効果は部分的であり、軽度の症例でのみ成功している。 新生児における最近の臨床試験は、誘導した中等度低体温により、月齢12〜24か月での死亡率と長期にわたる神経発達上の疾病との複合転帰(combined outcome)を減少することが明らかにされている。低体温法を除き、確立された療法は存在しない。 低体温法は損傷した脳を完全に保護するわけではなく、最も重度のHI損傷の新生児は多くの場合、治療が上手くいかない。 神経保護を改善し得る低体温法の間または後には、治療可能域(therapeutic window)を拡大したり、又は長期にわたる相加的もしくは相乗的な保護を行うために、他の療法を追加する必要がある(CilioおよびFerriero、2010)。しかし、新生児期に投与される薬物は、未成熟な脳にとって有毒となる可能性があることを考慮しておくことが重要である。多くの薬物およびそれらの代謝産物の排泄は、低体温によって変わる可能性があり、したがって、HI損傷による肝および腎クリアランスの低下が毒性を高めるおそれがある。 HIEでは、てんかん発作がよく併発することを主な理由として、抗てんかん薬(AED)が低体温法と組み合わせて使用されてきた。AEDであるトピラマート(Topiramate)は、動物モデルにおいてHI発現直後に使用した場合、低体温法と何らかの相乗的作用を示したものの、使用した用量は、小児において、てんかん治療に使用される用量を大幅に上回っていた。 事実、上述したCilioおよびFerrieroは、キセノン、N−アセチルシステイン、エリスロポエチン、メラトニンおよびカンナビノイドなどの薬剤が、低体温からの保護を高め得ることを示唆している。 本願出願人は、カンナビノイドがカルシウム流入やグルタミン酸放出を抑制し、抗酸化物質および抗炎症性物質であり、MAPキナーゼ経路を調整し、低体温を誘発し、神経再生を促進することから、NHIEの治療にカンナビノイドを使用することが可能であることを提案した。しかし、これらの効果の多くが、CB1受容体の活性化によるものである。未成熟な脳では、CB1受容体の過活性化がアポトーシスを増やすことが知られている。したがって、CB1作用薬はNHIEにおける神経保護にとって適切ではない。 非向精神性カンナビノイドのカンナビジオール(CBD)は、その作用がCB1−非依存性であることから非常に注目されている。事実、CBDは、NHIEのin vivoモデルおよびin vitroモデルにおいて、組織学的および生化学的な脳損傷を抑制することが示されている(Alvarezら、2008)。このカンナビノイドはまた、HI発現後、少なくとも3日間、有益な効果をもたらすことが示されている(Lafeunteら、2011)。 さらに、英国特許第2434312号明細書には、CBD植物抽出物の神経保護的特性について記載されている。 現在、低体温療法の効果を高めるために有用な治療薬が存在しないことは、社会全体およびNHIEを患う新生児を抱えた家族に対して、相当の経済的および生涯にわたる個人的な負担を強いることを意味する。したがって、このような小児らの転帰を改善する差し迫った必要性が存在する。 驚くべきことに、NHIEの動物モデルにおいて、低体温療法とカンナビノイドCBDとを組み合わせることで、HI損傷後の神経保護に相乗的効果があることが示された。これは、NHIEに対する有益な治療の選択肢を提供するものである。 本発明の第一の態様によれば、低酸素性虚血の治療に使用するための、植物由来カンナビノイドのカンナビジオール(CBD)と低体温療法との組合せを提供するものである。 好ましくは、CBDは植物抽出物の形態である。又は、好ましくは、CBDは純粋な形態または単離された形態である。 好ましくは、治療対象となる低酸素性虚血は、新生児低酸素性虚血性脳症(NHIE)である。 代替として、治療対象となる低酸素性虚血は、脳卒中または心停止である。 以下の添付の図面を参照して、本発明の実施形態を更に説明する。HI損傷後に処置を行った仔ブタの脳の組織学的所見(histology)を示す図である。HI損傷後のラットにおける脳損傷の比較を示す図である。HI損傷後のラットの神経運動機能(neurobehavioural performance)を示すグラフである。 後述する例1は、従来技術を説明し、2つの異なるモデルにおけるCBDの神経保護特性について詳述するものである。CBDは、HI損傷後の脳組織の修復を可能にすることが明らかにされている。 例2は、低体温療法とCBDとの相乗的な神経保護作用を明らかにするものである。[例1:低酸素性虚血(HI)後のカンナビジオール(CBD)の神経保護特性][材料および方法] 上述したAlvarezら、2008に記載されているように、HIの仔ブタモデルを使用した。麻酔を施した1〜3日齢の仔ブタの左右頸動脈を閉塞し、吸入される酸素を30分間にわたり21%から10%まで低減することで、一時的にHI障害の誘発を行う。 HIからの回復の30分後に、試験化合物を静脈内経路により投与した。試験化合物は以下の通りであった。・ビヒクル・CBD(1mg/kg)・CBD(1mg/kg)と、CB2拮抗薬であるAM630(1mg/kg)・CBD(1mg/kg)と、5HT1A拮抗薬であるWAY100635(0.1mg/kg)・CBD(1mg/kg)と、アデノシン受容体の非特異的拮抗薬であるカフェイン(10mg/kg) 血流力学(Hemodynamic)パラメーター(心拍出量、血圧、心拍数および血管外肺水分量(extravascular lung water content))、体温、呼吸(respiratory)パラメーター(肺コンプライアンス(lung compliance)、気道抵抗、酸素化指数(oxygeneration index))を、HIの終了後6時間にわたり記録した。 1時間毎に血液サンプルを採取し、尿も回収した。脳の活動を振幅統合型EEG(amplitude-integrated EEG)により記録した。 実験の終了時に、仔ブタを安楽死させ、脳の摘出を行う。一方の半球を直ちに−80℃で凍結保存し、他方を4%パラホルムアルデヒド中に保存した。凍結した脳のサンプルを取り、陽子磁気共鳴分光法(H+−MRS)を行った。HIを受けていない同様に管理された仔ブタを対照群とした。 CBD処置された仔ブタの血液サンプルを使用して、血清CBD濃度を求めた。 Fernandez−Lopezら、2007に記載されているように、HIのラットモデルを使用した。麻酔下で、7〜10日齢のウィスターラットの左頸動脈に電気凝固を施した後、10%の酸素に120分間曝露させることによって、一時的にHI障害の誘発を行う。 HIの終了後、仔ラットをビヒクル0.1mL皮下またはCBD(1mg/kg)単回投与で処置した。 低酸素に曝露させていない仔ラットに擬似手術を行い、これらを対照群とし、上述したビヒクルまたはCBDで処置した。処置後、仔ラットを母親のもとへ戻した。 35日目に、ラットに神経運動(neurobehavioral)試験、すなわち、ロータロッド(協調性を評価)、シリンダー(一側性障害(unilateral deficits)を評価)、および新奇物体選好(novel object preference)(記憶障害を評価)を行った。 その後、ラットを安楽死させ、脳を摘出し、4%パラホルムアルデヒド中に保存した。当該脳に対して磁気共鳴画像法を行い、損傷領域を調べた。一部のラットについては、HIの7日後にMRI検査を行った。[結果][子ブタモデル] 図1のAおよびBは、低酸素虚血(HI)の終了後6時間に採取した脳組織を示したものである。図1のAは、擬似手術を行った仔ブタ群の脳切片をニッスル染色したものを、HIを受けた後にビヒクルもしくはCBD1mg/kg i.v.単独、またはCBD(1mg/kg)とCB2拮抗薬であるAM630(AM)とを併用、CBD(1mg/kg)と5HT1A拮抗薬であるWAY100635(WAY)とを併用、およびCBD(1mg/kg)とアデノシン拮抗薬であるカフェイン(CAF)とを併用処置した仔ブタ群のそれぞれについて採取した脳切片をニッスル染色したものと比較している。 この図から明らかなように、CBDによって、皮質と海馬の両方において壊死組織の割合が減少している。CBDによって誘発される神経細胞死の減少は、カフェインによる場合を除き、AM、WAYのいずれによっても鈍くなっている。 図1のBは、マイクロアレイで求めた脳組織内のインターロイキン1の濃度を示す。ここでもやはり、CBDはIL−1の産生を抑制するが、WAYまたはカフェインを除き、AMではIL−1の産生の抑制は鈍くなっている。[ラットモデル] 図2は、ラットの脳の磁気共鳴画像(MRI)を示すものであり、この画像によると、HI後から7日目のHI+VEHおよびHI+CBDの損傷の容積は同様であることが明らかになり、脳損傷の重症度は両群ともに同様に高度であることが示唆された。 1カ月後(P37)、HI+VEHでは脳の容積は同様のままであったが、CBDにより有意に減少した。 図3は、ラットの損傷の容積だけではなく、神経運動機能も含んだCBDによる保護効果を示すものである。CBD投与により、運動機能(シリンダーリア(cylinder rear)試験)、協調性(ロータロッド)および記憶(新奇物体認識))の各種試験の正常化がもたらされたが、一方、処置なしのラット群については、神経運動試験の結果は芳しいものではなかった。[結論] 仔ブタモデルにおいて、CBDを用いることで、HIによって引き起こされる脳の壊死領域の量を減少させることが可能であることが示された。 ラットモデルでは、CBDには神経保護作用があることを示し、さらにこの作用に加えて、1カ月後には脳損傷の減少が確認された。このカンナビノイドCBDは神経修復を促しているのである。[例2:低酸素性虚血(HI)後の低体温療法とカンナビジオール(CBD)の相乗的投与][材料および方法] 鎮静状態で人工呼吸器につながれた仔ブタ(日齢1〜2)に、HI脳損傷を経験させた(低酸素−FiO2 10%+両側頸動脈を30分間圧迫)。 正常体温(NT)の仔ブタは、温めたエアブランケットを使用して37〜38℃に維持した。 低体温(HT)の仔ブタは、冷水マットレスにより33〜34℃に冷却した。 HI後30分に仔ブタにビヒクル(VEH)またはCBD(1mg/kg)のいずれかをi.v.経路により投与した。 HI脳を組織学的検査のために採取し、HI損傷から6時間後の頭頂皮質内の神経細胞(ニッスル染色(Nissl))、星状膠細胞(GFAP)および小膠細胞(mGC)(IBA−1)の数を定量した。 GFAP−免疫反応性プロセスまたはIBA−1−免疫反応性プロセスと神経細胞本体(cell bodies)(ImageJ)の面積率を細胞数で除することで、星状膠細胞またはmGCの平均サイズを求めた。 同様に、HI障害のない被験動物を対照群とした(擬似処置群、SHM)。[結果] 神経保護は、CBDと低体温とを組み合わせて処置した動物群で、最も良好であることがわかった(P<0.05)。 特に低体温で処置した動物群において、CBDは、HIによって誘発される星状膠細胞数の減少を防止した。 特にCBDと低体温との組合せにおいて、CBDは星状膠細胞の活性を高めた(増大したプロセスは、増大した平均サイズに等しい)。 低体温処置により、小膠細胞の数は減少したが、ビヒクル処置動物群とCBD処置群との間に差異はみられなかった。 表2.1は、HI損傷後の小膠細胞の平均サイズを示したものである。 上記の表から明らかなように、HI後、小膠細胞は活性化し、そのサイズを増大させたが、これは、正常体温とビヒクルで処置した、ピクセルのサイズが102ピクセルから134ピクセルへと32ピクセル増大している動物群において示されている。CBDと低体温による処置は、CBD単独(102ピクセルから127ピクセルへと25ピクセル増大)および低体温単独(164ピクセルから219ピクセルへと55ピクセル増大)に比べ、164ピクセルから176ピクセルへとわずか12ピクセルの増大にとどまり、その程度が最も小さかった。 表2.2は、被験動物の皮質内で確認された壊死神経細胞の割合を詳しく示したものである。 この表から明らかなように、低体温とCBDとを組み合わせた処置は、低体温単独(13.2%)およびCBD単独による処置(8.4%)に比べて、壊死神経細胞の割合が最も低かった(4.5%)。[結論] HI後のCBD投与により、神経細胞および星状膠細胞が保護され、小膠細胞の活性化が調整される。 さらに、CBDは、低体温よりもわずかに有効であるものの、両療法を組み合わせて使用した場合、統計的に有意な神経保護効果が生じる。 この相乗性(synergy)は、NHIEに罹患している新生児に有用な治療の選択肢を与えるものである。さらに、このような治療法は、低酸素性虚血の発現、または脳卒中もしくは心停止などの疾患に罹患している他のヒトの患者の治療においても有効に用いることができるであろう。[参考文献]CILIO and FERRIERO, Synergistic neuroprotective therapies with hypothermia, Semin Fetal Neonatal Med. October 2010; 15(5): 293-298. 神経保護または星状膠細胞保護の治療に使用するための、植物由来カンナビノイドのカンナビジオール(CBD)と低体温療法との組合せ。 治療対象となる神経保護または星状膠細胞保護が低酸素性虚血である請求項1に記載の組合せ。 前記CBDが植物抽出物の形態である請求項1に記載の組合せ。 前記CBDが純粋な形態または単離された形態である請求項1に記載の組合せ。 治療対象となる神経保護または星状膠細胞保護が新生児低酸素性虚血性脳症(NHIE)である請求項1〜4のいずれか一項に記載の組合せ。 治療対象となる神経保護または星状膠細胞保護が脳卒中である請求項1〜5のいずれか一項に記載の組合せ。 治療対象となる神経保護または星状膠細胞保護が心停止である請求項1〜6のいずれか一項に記載の組合せ。 本発明は、神経保護または星状膠細胞保護の治療に使用するための、植物由来カンナビノイドのカンナビジオールと低体温療法との組合せに関する。 20150209A16333全文3 新生児低酸素性虚血性脳症(NHIE)の治療に使用するための、植物由来カンナビノイドのカンナビジオール(CBD)と低体温療法との組合せ。 前記CBDが植物抽出物の形態である請求項1に記載の組合せ。 前記CBDが純粋な形態または単離された形態である請求項1に記載の組合せ。


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