タイトル: | 公表特許公報(A)_新規組成物および方法 |
出願番号: | 2015505973 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 31/4985,A61K 31/5383,A61P 25/00,A61P 25/14,A61P 25/16,A61P 25/28,A61P 25/24,A61P 31/00,A61P 43/00,A61K 45/00,A61K 31/473,A61K 31/27,A61K 31/445,A61K 31/55,A61K 31/13 |
シャロン・メイツ ロバート・デイビス キンバリー・バノーバー ローレンス・ウェノグル JP 2015514135 公表特許公報(A) 20150518 2015505973 20130414 新規組成物および方法 イントラ−セルラー・セラピーズ・インコーポレイテッド 507401225 INTRA−CELLULAR THERAPIES, INC. 山田 卓二 100101454 青山 葆 100062144 松谷 道子 100106518 岩崎 光隆 100067035 落合 康 100156144 シャロン・メイツ ロバート・デイビス キンバリー・バノーバー ローレンス・ウェノグル US 61/624,293 20120414 US 61/624,292 20120414 US 61/624,291 20120414 US 61/671,723 20120714 US 61/671,713 20120714 A61K 31/4985 20060101AFI20150421BHJP A61K 31/5383 20060101ALI20150421BHJP A61P 25/00 20060101ALI20150421BHJP A61P 25/14 20060101ALI20150421BHJP A61P 25/16 20060101ALI20150421BHJP A61P 25/28 20060101ALI20150421BHJP A61P 25/24 20060101ALI20150421BHJP A61P 31/00 20060101ALI20150421BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150421BHJP A61K 45/00 20060101ALI20150421BHJP A61K 31/473 20060101ALI20150421BHJP A61K 31/27 20060101ALI20150421BHJP A61K 31/445 20060101ALI20150421BHJP A61K 31/55 20060101ALI20150421BHJP A61K 31/13 20060101ALI20150421BHJP JPA61K31/4985A61K31/5383A61P25/00A61P25/14A61P25/16A61P25/28A61P25/24A61P31/00A61P43/00 111A61P43/00 121A61K45/00A61K31/473A61K31/27A61K31/445A61K31/55A61K31/13 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2013036515 20130414 WO2013155506 20131017 22 20141204 4C084 4C086 4C206 4C084AA19 4C084NA05 4C084ZA021 4C084ZA022 4C084ZA121 4C084ZA122 4C084ZA151 4C084ZA152 4C084ZA161 4C084ZA162 4C084ZA181 4C084ZA182 4C084ZB311 4C084ZC202 4C084ZC411 4C084ZC412 4C084ZC422 4C084ZC751 4C084ZC752 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086CB09 4C086CB22 4C086DA25 4C086MA01 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA05 4C086NA14 4C086ZA02 4C086ZA12 4C086ZA15 4C086ZA16 4C086ZA18 4C086ZB31 4C086ZC41 4C086ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA29 4C206HA24 4C206MA02 4C206MA04 4C206NA05 4C206NA14 4C206ZA02 4C206ZA11 4C206ZA12 4C206ZA15 4C206ZA16 4C206ZA18 4C206ZC75関連出願の相互引用 本出願は、米国仮特許出願第61/624,293号、第61/624,292号および第61/624,291号(全て2012年4月14日出願);および米国仮特許出願第61/671,723号および第61/671,713号(共に2012年7月14日出願)の優先権を主張しており、それぞれの内容は、引用することによって、その全体が組み込まれる。技術分野 本発明は、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の本明細書に記載する特定の置換ヘテロ環縮合γ−カルボリンの使用、および、これらを所望により1種以上の薬物と組み合わせて含む、1種以上の認知症に関連する障害、特に認知症に罹患している患者における障害の中でも行動障害または気分障害(例えば激越/攻撃性)、精神病、鬱病および/または睡眠障害を予防または処置するための医薬組成物に関する。本発明の背景 認知症は、記憶、理性、判断および行動に影響する認知能力の喪失によって特徴付けられる障害である。認知症の初期段階で、個人の年齢や教育に基づいて予測されるものを超えるが、日常活動を妨げるほどには顕著ではない認知機能障害である、軽度認知障害(MCI, 初発認知症または孤立性記憶障害としても知られる)を経験する人もいる。この者は、年間約10%〜15%の割合で、推定アルツハイマー病まで進行する傾向があることが、研究により示唆された。アルツハイマー病は、認知症の最も一般的なタイプであり、記憶、知覚、理性、判断、情報処理、感情的行動、人格ならびに社会的および職業的機能を破壊する、不可逆進行性神経変性疾患である。現在、540万人のアメリカ人がアルツハイマー病を有していると考えられ、そして、全世界で約3600万人がアルツハイマー病または他の認知症を有していると考えられる。 現在、認知症の治療法または標準的処置は存在しない。利用可能な処置は、対症療法であり、事実上症候性であり、疾患の認知症状を管理し、その進行を遅らせる目的のものである。米国で承認されたアルツハイマー病処置用薬物は、一般的に認知症を処置するためにも使用され、当該薬物は、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤(例えばタクリン、リバスチグミン(イクセロン)、ドネペジル(アリセプト)およびガランタミン(ラザダイン、後にレミニールと呼ばれる))およびNMDA受容体アンタゴニスト(例えばメマンチン(ナメンダ))を含む。これらの薬物は、精神的機能(例えば記憶、注意力、社会的相互行為、論理的能力、言語能力および日常生活活動実行能力)を改善するが、しばしば、胃の不調、下痢、悪心、嘔吐、筋痙攣、疲労、入眠困難または睡眠困難、過剰な眠気、鬱病、徐脈および他の副作用を含む副作用を生じる。さらに、これらの薬物は、認知症に一般的な情動症状および/または他の行動障害、例えば気分変動、激越、好戦的/攻撃的行動、および妄想性障害を処置しない。事実、アルツハイマー病の承認薬であって認知症にもよく使われるメマンチンは、一般的に、精神神経機能に対して、特に激越/攻撃性、妄想または幻覚に対して幾らかの副作用を有し得ることが、幾つかの研究で示されている。これらの処置されない、時々悪化する行動障害は、しばしば、患者が社会に戻るのを阻み、さらに介護者を悩ませ、最終的に患者の施設収容に至る。認知症、特にアルツハイマー病における攻撃性および精神病を制御するために、抗精神病薬が用いられる。しかし、抗精神病薬、例えばハロペリドール、リスペリドンおよびクエチアピンは、錐体外路副作用(アキネジアまたはアカシジア)、骨髄抑制、発作、起立性低血圧症、不眠、鎮静、傾眠および体重増加を含む深刻な副作用に関連している。多くの非定型抗精神病薬はまた、心不全のリスクが高い。従って、抗コリンエステラーゼ阻害剤またはNMDA受容体アンタゴニストと組み合わせたこれらの抗精神病薬の使用は、望ましくない。 行動障害および気分障害に加えて、多くの認知症患者、特に疾患のより深刻な段階にある患者はまた、一般的に睡眠障害を経験し、患者は、入眠困難または睡眠維持困難の何れかを有するか、または睡眠−覚醒サイクル/パターンの変化を経験する。これらの患者はまた、午後遅くや早朝に、不穏や激越を感じることがある(しばしば“日暮れ時兆候”と呼ばれる)。事実、視交叉上核(SCN)神経細胞集団の喪失が、アルツハイマー患者の認知症の段階と一致しているという証拠が、研究により示された。このSCN神経細胞集団の喪失は、併発する睡眠障害の根底にあるメラトニンリズムの観察された撹乱の原因のようである。テマゼパム(レストリル)、ゾルピデム(アンビエン)またはザレプロン(ソナタ)などの薬物または鎮静抗鬱剤、例えばトラゾドン(デジレル、モリパキシン)は、不眠症を管理するのに有用であるかもしれないが、これらの薬物によって引き起こされる眠気や精神運動機能低下による関連するリスクに加えて、これらの薬物が睡眠の質を改善できないことから、これらの薬物は、認知症、特にアルツハイマー病の患者に望ましくない。 認知症およびそれに関連する障害の予防または処置のための、特に認知症に罹患している患者における行動障害/気分障害(例えば激越、好戦的/攻撃的行動)および睡眠障害を緩和するための、有効な治療レジメンについて、依然として緊急の必要性がある。 置換ヘテロ環縮合γ−カルボリンは、中枢神経系障害の処置における、5−HT2受容体、特に5−HT2Aおよび5−HT2C受容体のアゴニストまたはアンタゴニストであることが知られている。これらの化合物は、米国特許第6,548,493号;第7,238,690号;第6,552,017号;第6,713,471号;米国再発行特許第39680号および米国再発行特許第39679号において、5−HT2A受容体調節に関連する障害、例えば肥満、不安症、鬱病、精神病、統合失調症、睡眠障害、性障害、片頭痛、頭部痛に関連する状態、社会恐怖症および胃腸障害、例えば胃腸管運動障害の処置に有用な新規化合物として開示された。PCT/US08/03340および米国特許第7,081,455号はまた、置換ヘテロ環縮合γ−カルボリンの合成方法、および、中枢神経系障害、例えば嗜癖行動および睡眠障害の制御および予防に有用なセロトニンアゴニストおよびアンタゴニストとしてのこれらのγ−カルボリンの使用を開示している。国際公開第2009/145900号は、精神病またはパーキンソン病を有する患者における、精神病と鬱病性障害の組み合わせ、ならびに睡眠障害、鬱病性障害および/または気分障害を処置するための、具体的な置換ヘテロ環縮合γ−カルボリン化合物の使用を開示している。しかしながら、これらの参考文献は、認知症に関連する障害、特に認知症に関連する行動障害または気分障害、例えば激越、焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発、および、精神病および睡眠障害を処置または予防するための使用について教示していない。本発明の概要 本発明の化合物(すなわち下に記載する式Iの化合物)は、低用量で、完全に5−HT2A受容体を飽和することを見出した。セロトニン機能の変化は、攻撃性の病態生理に密接に関係する。動物モデルにおいて、5−HT2Aアンタゴニストは、攻撃的行動および衝動的行動を減弱させる。ヒト血小板5−HT2Aレベルは、人格障害患者では攻撃性に関連しているが、健康なコントロール対象では関連していない。また、死後研究により、前頭前皮質領域での5−HT2A受容体発現は、自殺する対象の寿命攻撃性と正の相関性があることが示されている。現在身体的攻撃性を有する患者において、眼窩前頭の5−HT2A受容体利用可能性は、現在身体的攻撃性のない患者や健康なコントロール対象よりも大きい。5−HT2A受容体の特定の遺伝的多型は、攻撃性や衝動性と関連している。これらの化合物はまた、行動障害、例えば激越や易怒性、ならびに睡眠障害および鬱病や精神病の症状の軽減に有効性を示す。非特異的受容体相互作用が小さいため、本発明の化合物は、鎮静、認知機能障害、運動障害を軽減し、転倒のリスクを減らす。そのため、下記の式Iの化合物は、錐体外路副作用、精神運動鎮静、認知機能障害またはQTc時間延長のような心血管安全性の問題を有さないで、5−HT2A関連障害の処置に有効である。この発見は、本発明の化合物を、現在上市されている薬物ではしばしば処置されない状態である1種以上の認知症に関連する障害、特に行動障害または気分障害、例えば激越、焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発および睡眠障害、ならびに認知症患者における精神病および鬱病性障害の処置または予防に、特に有用なものとする。 従って、第1の局面において、本発明は、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺(parasupranuclear palsy)、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害を予防または処置する方法(方法I)であって、それを必要とする患者に、治療有効量で、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式I:[式中、Xは、−N(H)−、−N(CH3)−または−O−であり;Yは、−C(=O)、−C(H)(OH)または−C(H)(OR1)であり;R1は、−C(O)−C1−21アルキル(例えば−C(O)−C1−5アルキル、−C(O)−C6−15アルキルまたは−C(O)−C16−21アルキル)であり、好ましくは、当該アルキルは直鎖であり、所望により飽和または不飽和であり、所望により1個以上のヒドロキシまたはC1−22アルコキシ(例えばエトキシ)基で置換されており、例えば、R1は、−C(O)−C6アルキル、−C(O)−C7アルキル、−C(O)−C9アルキル、−C(O)−C11アルキル、−C(O)−C13アルキルまたは−C(O)−C15アルキルである。ここで、当該化合物は、加水分解して、天然または非天然飽和または不飽和脂肪酸の残基を形成する。例えば、当該化合物は、加水分解して、一方がヒドロキシ化合物を、他方がオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸を形成する。]の化合物を投与することを含む方法を提供する。 さらなる態様において、本発明は、下記の式を提供する:1.1 式Iの化合物中のXが−N(H)−、−N(CH3)−または−O−である、方法I;1.2 式Iの化合物中のXが−N(H)−である、方法Iまたは式1.1;1.3 式Iの化合物中のXが−N(CH3)−である、方法Iまたは式1.1;1.4 式Iの化合物中のXが−O−である、方法Iまたは式1.1;1.5 式Iの化合物中のYが−C(=O)、−C(H)(OH)または−C(H)(OR1)である、方法Iまたは式1.1〜1.4の何れか;1.6 式Iの化合物中のYが−C(=O)である、方法Iまたは式1.1〜1.4の何れか;1.7 式Iの化合物中のYが−C(H)(OH)である、方法Iまたは式1.1〜1.4の何れか;1.8 式Iの化合物中のYが−C(H)(OR1)である、方法Iまたは式1.1〜1.4の何れか;1.9 R1が−C(O)−C1−21アルキル(例えば−C(O)−C1−5アルキル、−C(O)−C6−15アルキルまたは−C(O)−C16−21アルキル)であり、好ましくは当該アルキルが直鎖であり、所望により飽和または不飽和であり、所望により1個以上のヒドロキシまたはC1−22アルコキシ(例えばエトキシ)基で置換されており、例えば、R1が−C(O)−C6アルキル、−C(O)−C7アルキル、−C(O)−C9アルキル、−C(O)−C11アルキル、−C(O)−C13アルキルまたは−C(O)−C15アルキルであり、ここで、当該化合物が、加水分解して、天然または非天然飽和または不飽和脂肪酸の残基を形成し、例えば、該化合物が、加水分解して、一方がヒドロキシ化合物、他方がオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸またはヘキサデカン酸を形成する、方法Iまたは1.8;1.10 R1が−C(O)−C6−15アルキル、例えば−C(O)−C9アルキルである、方法Iまたは1.8;1.11 R1が−C(O)−C1−5アルキル、例えば−C(O)−C3アルキルである、方法Iまたは1.8;1.12 化合物が、である、方法Iまたは式1.1〜1.5または1.7の何れか;1.13 化合物が、である、方法Iまたは式1.1〜1.5または1.7の何れか;1.14 化合物が、である、方法Iまたは式1.1〜1.5または1.7の何れか;1.15 化合物が、である、方法Iまたは式1.1、1.3、1.5または1.7の何れか;1.16 化合物が、である、方法Iまたは式1.1、1.3、1.5または1.6の何れか;1.17 化合物が、である、方法Iまたは式1.1、1.3、1.5、1.8または1.9の何れか;1.18 化合物が、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形のである、方法Iまたは式1.1、1.3、1.5、1.8または1.9の何れか。 第一の局面のさらなる態様において、本発明は、下記の通りの方法Iを提供する:2.1 認知症に関連する障害が、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病に関連する障害である、方法Iまたは1.1〜1.18の何れか;2.2 認知症に関連する障害が、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症および血管性認知症を含む、軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害である、方法Iまたは1.1〜1.18の何れか;2.3 認知症に関連する障害が、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症および血管性認知症に関連する障害である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1の何れか;2.4 認知症に関連する障害が、アルツハイマー病に関連する障害である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1の何れか;2.5 認知症に関連する障害が、軽度認知機能障害に関連する障害である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1の何れか;2.6 処置される認知症に関連する障害が、認知症、特にアルツハイマー病に罹患している患者における、(1)行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発;(2)精神病;(3)鬱病;および(4)睡眠障害からなる群から選択される、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.5の何れか;2.7 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における精神病である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.6の何れか;2.8 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における鬱病である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.7の何れか;2.9 式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物の投与量が10〜100mgである、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.8の何れか;2.10 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.9の何れか;2.11 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における睡眠障害である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.10の何れか;2.12 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における睡眠維持障害、高頻度覚醒、および、起きた時のすっきりしていない感覚である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.11の何れか;2.13 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における睡眠維持障害である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.12の何れか;2.14 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における睡眠相前進症候群である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.12の何れか;2.15 処置される障害が、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者における睡眠相後退症候群である、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.12の何れか;2.16 式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物の投与量が1〜10mgである、方法Iまたは1.1〜1.18、2.1〜2.6または2.10〜2.15の何れか;2.17 認知症、特にアルツハイマー病の予防または処置に有用な1種以上の治療薬をさらに投与することを含む、方法Iまたは1.1〜1.18または2.1〜2.16の何れか;2.18 認知症、特にアルツハイマー病の予防または処置に有用な治療薬が、遊離形または薬学的に許容される塩形のコリンエステラーゼ阻害剤(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)またはN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストである、方法Iまたは1.1〜1.18または2.17の何れか;2.19 コリンエステラーゼ阻害剤(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)が、遊離形または薬学的に許容される塩形のタクリン、リバスチグミン(イクセロン)、ドネペジル(アリセプト)およびガランタミン(ラザダイン、後にレミニールと呼ばれる)からなる群から選択される、方法Iまたは1.1〜1.18または2.17〜2.18の何れか;2.20 コリンエステラーゼ阻害剤(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)が、遊離形または薬学的に許容される塩形のドネペジルである、方法Iまたは1.1〜1.18または2.17〜2.19の何れか;2.21 NMDA受容体アンタゴニストが、遊離形または薬学的に許容される塩形のメマンチンである、方法Iまたは1.1〜1.18または2.17〜2.18の何れか;2.22 認知症、特にアルツハイマー病の予防または処置に有用な治療薬が、遊離形または薬学的に許容される塩形のコリンエステラーゼ阻害剤(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)およびN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストの組み合わせである、方法Iまたは1.1〜1.18または2.17〜2.18の何れか;2.23 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な1種以上の治療薬が、遊離形または薬学的に許容される塩形のドネペジルおよびメマンチンの組み合わせである、方法Iまたは1.1〜1.18または2.22の何れか;2.24 遊離形または薬学的に許容される塩形の抗鬱化合物、GABA活性を調節する(例えばGABA活性を亢進する、GABA伝達を促進する)化合物、GABA−Bアゴニスト、5−HTモジュレーター(例えば5−HT1Aアゴニスト、5−HT2Aアンタゴニスト、5−HT2Aインバースアゴニストなど)、メラトニンアゴニスト、イオンチャネルモジュレーター(例えばブロッカー)、セロトニン−2アンタゴニスト/再取り込み阻害剤(SARI)、オレキシン受容体アンタゴニスト、H3アゴニスト、ノルアドレナリンアンタゴニスト、ガラニンアゴニスト、CRHアンタゴニスト、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアゴニスト、エストロゲン、エストロゲンアゴニスト、ニューロキニン−1薬、および抗精神病薬、例えば非定型抗精神病薬から選択される1種以上の治療薬をさらに投与することを含む、方法Iまたは前述の方法。 第二の局面において、本発明は、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害の予防または処置に有用な1種以上の治療薬と組み合わせて、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した、式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物を含む医薬組成物(医薬組成物I)を提供する。 第二の局面のさらなる態様において、本発明は、式2.17〜2.23の何れかに記載された、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害の予防または処置に有用な治療薬が、コリンエステラーゼ阻害剤(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)またはN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト)である、前記医薬組成物Iを提供する。 第二の局面の他の態様において、本発明は、1種以上の認知症に関連する障害の予防または処置に有用な治療薬が、遊離形または薬学的に許容される塩形の抗鬱化合物、GABA活性を調節する化合物(例えばGABA活性を亢進する、GABA伝達を促進する)、GABA−Bアゴニスト、5−HTモジュレーター(例えば5−HT1Aアゴニスト、5−HT2Aアンタゴニスト、5−HT2Aインバースアゴニストなど)、メラトニンアゴニスト、イオンチャネルモジュレーター(例えばブロッカー)、セロトニン−2アンタゴニスト/再取り込み阻害剤(SARI)、オレキシン受容体アンタゴニスト、H3アゴニスト、ノルアドレナリンアンタゴニスト、ガラニンアゴニスト、CRHアンタゴニスト、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアゴニスト、エストロゲン、エストロゲンアゴニスト、ニューロキニン−1薬および抗精神病薬、例えば非定型抗精神病薬から選択される、前記医薬組成物Iを提供する。 第三の局面において、本発明は、方法Iまたは式2.1〜2.24の何れかで開示された老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害の予防または処置に使用するための、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した、式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物を含む医薬組成物または前記医薬組成物Iを提供する。 第四の局面において、本発明は、方法Iまたは式2.1〜2.24の何れかに開示された老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する1種以上の障害の予防または処置のための(医薬の製造における)、式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物の使用を提供する。 第五の局面において、本発明は、方法Iまたは式2.1〜2.24の何れかに開示された老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害の予防または処置のための医薬の製造に使用するための、本明細書に記載の本発明の医薬組成物を提供する。詳細な説明 前記本発明の化合物は、低用量で5−HT2A受容体を完全に飽和し、また、高用量でドーパミン受容体およびセロトニン再取り込みトランスポーター(SERT)に結合する選択的受容体プロファイルを有する。従って、本発明の化合物は、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する1種以上の障害、特に認知症およびアルツハイマー病のための現在上市している薬物によって不適切に処置された行動障害/気分障害(例えば激越、好戦的/攻撃的行動)および睡眠障害を処置するのに有効であり、かつ、認知症に罹患している患者において、精神病および鬱病性障害を処置するのに有効である。本発明の化合物(すなわち前記式Iの化合物)は、前記の認知症または痴呆化する病気、特にアルツハイマー病またはその症状を処置するための他の活性な薬物と、同時に、別個にまたは連続して投与され得る併用治療に用いられてもよい。 遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式Iの化合物は、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の前記式Iの化合物を薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した組成物において投与されてよい。式Iの化合物が併用治療で投与されるとき、組み合わせ剤は、固定化された組み合わせ(複数の治療薬が単一の投与形、例えば前記医薬組成物I中に存在する)であっても、自由な組み合わせ(複数の治療薬が別個の投与形中に存在する)であってもよい。 本発明の方法Iまたは式2.17〜2.24の何れかに記載された認知症、特にアルツハイマー病の予防または処置に有用な前記第2治療薬またはさらなる治療薬は、コリンエステラーゼ阻害剤および/またはN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストを含むが、これらに限定されない。 コリンエステラーゼ阻害剤、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤は、当技術分野で知られており、かつ/または、例えば米国特許第4,895,841号;および米国特許第4,948,807号(それぞれの内容は引用によってその全体が組み込まれる)に記載されている。本発明の化合物と共に用いられるのに好ましいコリンエステラーゼ阻害剤は、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミンおよびタクリンを含む。 NMDA受容体アンタゴニストはまた、当技術分野で知られており、米国特許第5,061,703号(その内容は引用によってその全体が組み込まれる)に記載されている。本発明の化合物と共に用いられるのに好ましいNMDA受容体アンタゴニストはメマンチンである。 ドーパミン受容体アンタゴニストと異なり、式Iの化合物は、前頭前皮質において、脳ドーパミン活性を正常化する。式Iの化合物は、5−HT2AおよびドーパミンD2受容体に結合する。式Iの化合物はまた、既知の抗鬱剤と比較して、SERTについてnMの結合親和性を示す。従って、式Iの化合物は、認知症、特にアルツハイマー病に罹患している患者において、(1)行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発;(2)精神病;(3)鬱病;および(4)睡眠障害の処置に有用である。従って、認知症の処置に有用な治療薬に加えて、前記の本発明の方法は、所望により、遊離形または薬学的に許容される塩形の抗鬱化合物、GABA活性を調節する化合物(例えばGABA活性を亢進する、GABA伝達を促進する)、GABA−Bアゴニスト、5−HTモジュレーター(例えば5−HT1Aアゴニスト、5−HT2Aアンタゴニスト、5−HT2Aインバースアゴニストなど)、メラトニンアゴニスト、イオンチャネルモジュレーター(例えばブロッカー)、セロトニン−2アンタゴニスト/再取り込み阻害剤(SARI)、オレキシン受容体アンタゴニスト、H3アゴニスト、ノルアドレナリンアンタゴニスト、ガラニンアゴニスト、CRHアンタゴニスト、ヒト成長ホルモン、成長ホルモンアゴニスト、エストロゲン、エストロゲンアゴニスト、ニューロキニン−1薬および抗精神病薬、例えば非定型抗精神病薬から選択される、1種以上の治療薬をさらに含んでよい。このような方法において、治療薬は、本発明の化合物に対して補助的であり得る。本明細書で用いられるとき、用語“補助的”は、治療機会を増大させるか、または第1処置の効果を増大させるために、他と組み合わせて用いられる、あらゆる処置をいう。言い換えると、補助的治療は、第1処置を助けるものとして作用する。本発明の組み合わせ剤は、組み合わされた薬物の混合物、および、個々の組成物が患者に同時にまたは異なる時間で共投与される2種以上の薬物の別個の組成物を含んでよい。 本発明に有用な抗鬱剤は、遊離形または薬学的に許容される塩形のアミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロチリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、硫酸フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミンおよびベンラファキシンから選択され得る。特定の態様において、抗鬱剤は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)である。さらなる態様において、SSRI化合物は、遊離形または薬学的に許容される塩形のシタロプラム、エスシタロプラム シュウ酸塩、フルオキセチン、フルボキサミン マレイン酸塩、パロキセチン、セルトラリンおよびダポキセチンからなる群から選択される。 方法Iの式Iの化合物および/または抗鬱剤の投与量は、薬物について承認された投与量、臨床試験または文献の試験の投与量、または、単剤治療として薬物が用いられる投与量と同じかまたはそれより少ない投与量であり得る。例えば、抗鬱剤と組み合わせて投与される式Iの化合物の1日投与量は、約1mg〜約140mgであり、他の態様において約1mg〜約100mgであり、他の態様において約10mg〜約100mgであり、他の態様において約10mg〜約50mgであり、他の態様において約10mg〜約40mgであり、他の態様において約20mg〜約40mgであり、他の態様において約1mg〜約10mgである。式Iの化合物と組み合わせて投与される抗鬱剤の量は、約0.01mg〜約2000mgであり、他の態様において約0.1mg〜約200mgであり、他の態様において約10mg〜約200mgである。特定の態様において、さらなる治療薬、例えば抗鬱剤SSRIはセルトラリンであり、セルトラリンの1日投与量は約20mg〜100mgの間である。 特定の態様において、式Iの化合物および/または第2治療薬の投与量は、単剤治療で用いられる量より少ない。従って、特定の態様において、式Iの化合物の1日投与量は、100mgより少ない量で1日1回であるか、または50mgより少ない、または40mgより少ない、または30mgより少ない、または20mgより少ない、または10mgより少ない量である。他の好ましい態様において、式Iの化合物と抗鬱剤の双方の投与量が、単剤治療として個々の薬物について用いられる投与量より少ない。従って、特定の態様において、例えば、方法Iは、(1)式Iの化合物を100mgより少ない投与量で1日1回、好ましくは50mgより少ない、より好ましくは40mgより少ない、さらにより好ましくは30mgより少ない、さらにより好ましくは20mgより少ない、さらにより好ましくは10mgより少ない投与量で;かつ(2)抗鬱剤、例えばSSRI、例えば遊離形または薬学的に許容される塩形のセルトラリンを、50mgより少ない、より好ましくは20mgより少ない、さらにより好ましくは10mgより少ない、最も好ましくは6mgより少ない1日投与量で、投与することを含む。 用語“GABA”は、γ−アミノ酪酸をいう。GABA化合物は、GABA受容体に結合する化合物であり、ドキセピン、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸塩、ジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、インディプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ガボキサドール、ビガバトリン、チアガビン、EVT 201 (Evotec Pharmaceuticals)またはエスタゾラムの1つ以上を含むが、これらに限定されない。 5HT2Aアンタゴニストは、ケタンセリン、リスペリドン、エプリバンセリン、ボリナンセリン(Sanofi-Aventis, France)、プルバンセリン、ピマバンセリン(ACP-103)、MDL 100907 (Sanofi-Aventis, France)、HY10275 (Eli Lilly)、APD125 (Arena Pharmaceuticals, San Diego, CA)、AVE8488 (Sanofi-Aventis, France)およびピゾチフェンを含む。 5HT1Aアゴニストは、レピノタン、サリゾタン(sarizotan)、エプタピロン、ブスピロンおよびMN-305 (MediciNova, San Diego, CA)を含む。 メラトニン アゴニストは、メラトニン、ラメルテオン(ROZEREM(登録商標), Takeda Pharmaceuticals, Japan)、VEC-162 (Vanda Pharmaceuticals, Rockville, MD)、PD-6735 (Phase II Discovery)およびアゴメラチンを含む。 イオンチャネルブロッカーは、例えばラモトリギン、ガバペンチンまたはプレガバリンである。 オレキシン受容体アンタゴニストは、例えば、オレキシン、1,3−ビアリールウレア、SB-334867-a (GlaxoSmithKline, UK)、GW649868 (GlaxoSmithKline)およびベンズアミド誘導体を含む。 セロトニン−2 アンタゴニスト/再取り込み阻害剤(SARI)は、Org 50081 (Organon -Netherlands)、リタンセリン、ネファゾドン、セルゾンおよびトラゾドンを含む。 ニューロキニン−1薬は、カソピタント(GlaxoSmithKline)を含む。 本発明に有用なさらなる治療薬の具体例は、遊離形または薬学的に許容される塩形の、モダフィニル、アルモダフィニル、ドキセピン、アルプラゾラム、ブロマゼパム、クロバザム、クロナゼパム、クロラゼプ酸塩、ジアゼパム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、ロラゼパム、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、テマゼパム、トリアゾラム、インディプロン、ゾピクロン、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデム、ガボキサドール、ビガバトリン、チアガビン、EVT 201 (Evotec Pharmaceuticals)、エスタゾラム、ケタンセリン、リスペリドン、エプリバンセリン、ボリナンセリン(Sanofi-Aventis, France)、プルバンセリン、ピマバンセリン(ACP-103)、ピゾチフェン、MDL 100907 (Sanofi-Aventis, France)、HY10275 (Eli Lilly)、APD125 (Arena Pharmaceuticals, San Diego, CA)、AVE8488 (Sanofi-Aventis, France)、レピノタン、サリゾタン、エプタピロン、ブスピロン、MN-305 (MediciNova, San Diego, CA)、メラトニン、ラメルテオン(ROZEREM(登録商標), Takeda Pharmaceuticals, Japan)、VEC-162 (Vanda Pharmaceuticals, Rockville, MD)、PD-6735 (Phase II Discovery)、アゴメラチン、ラモトリギン、ガバペンチン、プレガバリン、オレキシン、1,3−ビアリールウレア、SB-334867-a (GlaxoSmithKline, UK)、GW649868 (GlaxoSmithKline)、ベンズアミド誘導体、Org 50081 (Organon -Netherlands)、リタンセリン、ネファゾドン、セルゾン、トラゾドン、カソピタント(GlaxoSmithKline)、アミトリプチリン、アモキサピン、ブプロピオン、シタロプラム、クロミプラミン、デシプラミン、ドキセピン、デュロキセチン、エスシタロプラム、フルオキセチン、フルボキサミン、イミプラミン、イソカルボキサジド、マプロチリン、ミルタザピン、ネファゾドン、ノルトリプチリン、パロキセチン、硫酸フェネルジン、プロトリプチリン、セルトラリン、トラニルシプロミン、トラゾドン、トリミプラミン、ベンラファキシン、クロルプロマジン、ハロペリドール、ドロペリドール、フルフェナジン、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、プロマジン、チオリダジン、チオチキセン、トリフロペラジン、クロザピン、アリピプラゾール、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、ジプラシドンおよびパリペリドン、アセナピン、ルラシドン、イロペリドンおよびカリプラジンを含む。 式Iの化合物およびその薬学的に許容される塩および塩の結晶は、次の何れかの特許または特許出願:米国特許第6,548,493号;第7,238,690号;第6,552,017号;第6,713,471号;米国再発行特許第39680号;米国再発行特許第39679号;PCT/US08/03340;米国特許出願第10/786,935号:国際公開第2009/114181号および国際公開第2011/133224号(それぞれの内容は引用によってその全体が組み込まれる)に記載され、例示された方法を用いて合成され得る。商業的に利用可能でないならば、これらの方法についての出発物質は、既知の化合物の合成と同一または類似の方法を用いて、化学分野から選択される手順によって合成され得る。本明細書に引用された全ての引用文献は、引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。 単語“処置”および“処置する”は、予防および処置、または、疾患の症状の改善、および/または疾患の原因の処置を含むと理解されるべきである。特定の態様において、単語“処置”および“処置する”は、疾患の症状の予防または改善をいう。 用語“患者”は、ヒトまたは非ヒト患者を含んでよい。 用語“認知症”は、記憶、思考、言語、判断および行動に影響を及ぼす、認知能力の喪失によって特徴付けられる状態または障害をいうことが意図される。認知症の初期症状は、幾分思考を要するタスク(収支バランスをとる、ゲーム(例えばブリッジ)をする)の実行困難;新規情報の学習困難;よく知っている道での迷子;言語障害(よく知っている対象物の名前を見つけるのが困難);以前楽しんだ事に対する興味の喪失;社会的技能の喪失を含み得る。認知症のより重篤な症状は、睡眠パターンの変化、しばしば夜間起床;基本的タスク、例えば歯磨き、食事の準備の実行困難;現在の出来事についての詳細を忘れること;幻覚、暴力行動、妄想、鬱病、激越;読み書き困難;判断力の低下または危険を認識する能力の欠如;家族を認識するまたは言語を理解する能力の欠如を含む。用語“認知症”は、病因にかかわらず、本明細書に記載のあらゆる痴呆化する病気を言い、従って、軽度または重度認知機能障害および痴呆化する病気、例えば老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含むがこれらに限定されない。特定の態様において、認知症は、軽度認知機能障害をいう。他の態様において、認知症は、アルツハイマー病をいう。 用語“認知症に関連する障害”は、認知症に関連する一般的な併存精神障害または状態を意味し、(1)行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発;(2)精神病;(3)鬱病;および(4)睡眠障害を含むが、これらに限定されない。本発明の特定の態様において、認知症に関連する障害は、アルツハイマー病に関連する障害である。 用語“軽度認知機能障害”(mild cognitive impairmentまたはmild cognition impairment, MCI, 初発認知症または孤立性記憶障害としても知られる)は、個人の年齢や教育に基づいて予測されるものを超えるが、日常活動を妨げるほど顕著ではない認知機能障害である。MCIの症状は、一定時間で1つより多い課題を行うこと、問題を解決すること、決定をすることが困難となること、最近の出来事や会話を忘れること、および、より難しい精神活動を行うのにかかる時間がより長くなることを含む。 特記しないならば、または内容から明らかでないならば、下記の用語は、本明細書中で、下記の意味を有する:a. “アルキル”は、本明細書で用いられるとき、特記しない限り、例えば1〜21個の炭素原子鎖長の、直鎖であっても分枝鎖であってもよい(例えばn−ブチルまたはtert−ブチル)、好ましくは直鎖の飽和または不飽和炭化水素部分である。例えば“C1−21アルキル”は、1〜21個の炭素原子を有するアルキルを表す。一つの態様において、アルキルは、所望により1個以上のヒドロキシ基またはC1−22アルコキシ(例えばエトキシ)基で置換されている。他の態様において、アルキルが1〜21個の炭素原子を含み、好ましくは直鎖であり、所望により飽和または不飽和である。例えば、R1は、1〜21個の炭素原子、好ましくは6〜15個の炭素原子、16〜21個の炭素原子を含むアルキル鎖であり、例えば、R1が結合している−C(O)−と一緒に、例えば式Iの化合物から切断されるとき、天然または非天然飽和または不飽和脂肪酸の残基を形成する。 本発明の化合物は、遊離形、塩形またはプロドラッグ形の式1.1〜1.18の何れかを含む、式Iの化合物をいう。例えば、本化合物が酸性置換基を含む時、塩基付加塩形であり、または、本化合物が塩基性置換基を含むとき、酸付加塩形である。本発明の化合物は、医薬としての使用を意図され、従って、薬学的に許容される塩が好ましい。薬学的使用に不適当な塩は、例えば、遊離形または薬学的に許容される塩形の本発明の化合物の単離または精製に有用であるかもしれないため、含まれる。薬学的に許容される塩は、例えば、塩酸塩およびトシル酸塩を含む。塩の投与量が、重量で、例えばmg/日またはmg/単位投与で示されるとき、塩の投与量は、特記しない限り、対応する遊離塩基の重量として示される。 本発明の化合物はまた、幾つかの場合で、プロドラッグ形で存在してよい。プロドラッグ形は、体内で本発明の化合物に変換する化合物である。例えば、本発明の化合物がヒドロキシまたはカルボキシ置換基を含むとき、これらの置換基は、生理的に加水分解可能な許容されるエステルを形成し得る。本明細書で用いられるとき、“生理的に加水分解可能な許容されるエステル”は、生理学的条件下で加水分解されて、酸(ヒドロキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)またはアルコール(カルボキシ置換基を有する本発明の化合物の場合)を生じる、投与されるべき投与量でそれ自体生理的に耐容性である本発明の化合物のエステルを意味する。例えば、式Iの化合物のYが−C(H)(OR1)であり、R1が−C(O)−C1−21アルキル、例えば−C(O)−C3アルキルまたは−C(O)−C9アルキルであるとき、これらの化合物は、生理学的条件下で加水分解されて、一方が、Yが−C(H)(OH)である式Iの化合物、他方が、C1−21アルキル−C(O)OH、例えばC3アルキル−C(O)OHまたはC9アルキル−C(O)OHとなる。従って、認められるときは、該用語は、慣用の薬学的プロドラッグ形を包含する。プロドラッグ(例えばR1が−C(O)−C1−21アルキルである式(I)の化合物)を用いるとき、投与量は、YがC(=O)である遊離塩基形の式(I)の化合物の量に基づいて計算される。 用語“同時に”は、治療的使用についていうとき、2種以上の活性成分を、同時にまたはほぼ同時に、同じ投与経路によって投与することを意味する。 用語“別個に”は、治療的使用についていうとき、2種以上の活性成分を、同時にまたはほぼ同時に、異なる投与経路によって投与することを意味する。 用語“アルツハイマー病に関連する障害”は、アルツハイマー病に罹患している患者における、(1)行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発;(2)精神病;(3)鬱病;および(4)睡眠障害を含むが、これらに限定されない。 本発明を実施するのに用いられる投与量は、例えば、処置される特定の疾患または状態、用いられる特定の本発明の化合物、投与方法および望ましい治療に応じて、当然に変化する。特記しない限り、本発明の化合物の投与量は(遊離塩基形として投与されるのであっても塩形として投与されるのであっても)、遊離塩基形の本発明の化合物の量に基づいて記載される(すなわち量の計算は遊離塩基の量に基づく)。プロドラッグ(例えばR1が−C(O)−C1−21アルキルである式(I)の化合物)を用いるとき、投与量は、遊離塩基形のYがC(=O)である式(I)の化合物の量に基づいて計算される。本発明の化合物は、経口、筋肉内、皮下、非経腸または経皮を含む、あらゆる適当な経路によって投与されてよいが、好ましくは、経口で投与される。本発明の化合物は、経口、非経腸または経皮を含むあらゆる適当な経路によって投与されてよいが、好ましくは経口で投与される。 一般的に、方法Iおよび式2.1〜2.23の何れかについて、上に示した通り、認知症、特にアルツハイマー病に罹患した患者において、認知症に関連する種々の障害、例えば行動障害、例えば好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発;睡眠障害;気分障害、例えば激越/焦燥;鬱病;および/または精神病の少なくとも1つの組み合わせの処置または予防のために、約1mg〜l00mg〜140mgのオーダーの投与量で1日1回以上の経口投与で、好ましくは2.5mg〜60mg、例えば2.5mg、5mg、l0mg、20mg、30mg、40mg、50mgまたは60mgの遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物を1日1回、好ましくは経口投与によって投与することで、満足のいく結果が得られることが示される。方法Iおよび式2.1〜2.24について、認知症、特にアルツハイマー病を有する患者(精神病の症状がない患者)において、睡眠障害および/または行動障害または気分障害、例えば好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的、感情的爆発、または、激越/焦燥の処置のために、約1〜10mgのオーダーの投与量の経口投与で、例えば2.5mg〜5mg、例えば2.5mg、3mg、4mg、5mgまたは10mgの遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式Iまたは式1.1〜1.18の何れかの化合物を1日1回、好ましくは経口投与によって投与することで、満足のいく結果が得られることが示される。 併用治療において、当業者は、副作用を減らして効果を増強するために、認知症、特にアルツハイマー病で見られる重症度や段階および/または症状のレベルに基づいて、組み合わせを設計できる。処置される症状/障害が、行動障害/気分障害、例えば好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発および/または激越/焦燥であるか;または睡眠障害であるが精神病を有しない患者であるとき、本発明の化合物を、低用量で、例えば約1〜10mg、例えば2.5mg〜5mg、例えば2.5mg、3mg、4mg、5mgまたは10mgの遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式Iまたは式1.1〜1.18の化合物で、1日1回以上で、好ましくは、経口投与によって投与してよい。処置される症状/障害が、精神病および行動障害/気分障害、例えば好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発および/または激越/焦燥;または睡眠障害であるとき、本発明の化合物を、高用量で、例えば約1mg〜l00mg〜140mgで1日1回、好ましくは2.5mg〜60mg、例えば20mg〜60mg、20mg〜40mg、例えば2.5mg、5mg、l0mg、20mg、30mg、40mg、50mgまたは60mgで1日1回以上、例えば1日当たり20mgより多く、好ましくは経口投与によって、投与してよい。 認知症の予防または処置、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な第2治療薬またはさらなる治療薬、例えば、コリンエステラーゼ阻害剤、例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤、またはNMDA受容体アンタゴニストの投与量は、当業者に既知の範囲で変えられる。投与量は約1mg〜100mgの範囲であり得る。特定の態様において、本発明の化合物を、下記の通りに、認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な第2治療薬またはさらなる治療薬と組み合わせてよい。すなわち、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の前記本発明の化合物と組み合わせた、i) 約5mg、10mgまたは23mgの投与量の遊離形または薬学的に許容される塩形のドネペジル;および/またはii) 約1.5mg、2mg、3mg、4.5mg、4.6mg、6mgまたは9.5mgの遊離形または薬学的に許容される塩形のリバスチグミン;および/またはiii) 約4mg、8mg、12mg、16mgまたは24mgの遊離形または薬学的に許容される塩形のガランタミン;および/またはiv) 約2mg、5mg、7mg、10mg、14mg、21mgまたは28mgの遊離形または薬学的に許容される塩形のメマンチン。 誤解を避けるために、数値範囲のあらゆる記載は、例えば“Xまで”の量は、上限の数値Xを含むことを意図される。従って、“60mgまで”という記載は、60mgを含むことを意図される。 本発明の医薬組成物は、慣用の希釈剤または添加物および製薬業界で既知の方法を用いて製造され得る。従って、経口投与形は、錠剤、カプセル剤、溶液、懸濁液などを含み得る。実施例1: 反復ストレスが原因である社会的隔離の回復に対する化合物Aの効果 Berton et al., Science (2006) 311:864-868 (その内容を言及することによって組み込む)に記載された通りに、社会的挫折/居住侵入パラダイムにおいて、攻撃的居住侵入マウスに反復暴露した後(1日1回、10日間)、社会的隔離行動について、マウスを試験する。マウスに、ビークル(5% DMSO/5% Tween-20/15% PEG400/75% 水, 6.7ml/kg 容積)またはビークル溶液中の化合物A(1mg/kg, ip)の何れかを、1日1回、30日間、長期間投与する。最後の薬物またはビークル処置後、マウスを、居住侵入マウスの存在下で、オープン・フィールドに置き、当該動物の行動をビデオテープで10分間記録する。10分間のうち、各マウスが特定のオープン・フィールドの四分円内で過ごした合計時間を記録する。居住侵入マウスの近くの相互作用領域または侵入マウスから距離のあるコーナー領域において各薬物処置群のマウスが過ごした合計時間(秒)を、平均値(±SEM)として表す。 結果:社会的機能減退は、現存の抗精神病薬でほとんど対処できない統合失調症の“陰性”症状の基本的特徴である。社会的挫折/居住侵入モデルは、齧歯類の社会的隔離行動を測定するために用いることができる。このモデルを用いて、フルオキセチンを含む強力なSERT活性を有する抗鬱剤の長期間投与後に隔離行動が回復することが示されている(Berton et al., Science (2006) 311:864-868)。抗鬱剤の短期間投与またはクロルジアゼポキシドのような抗不安薬による長期間処置は何れも、このパラダイムで同様に有効でない(Berton et. al., Science (2006) 311:864-868)。このため、社会的隔離行動、例えば反復ストレスが原因である社会的隔離行動に対処する化合物を同定するために、このモデルが提案されている。従って、このアッセイは、社会的隔離行動の回復を証明するために用いられる。 上記実験または同様に記載された実験において、Berton et al., Science (2006) 311:864-868に記載された通りに、マウスを社会的挫折/居住侵入パラダイムに暴露する。次いで、ビークルまたはビークル中の化合物A(1mg/kg, IP)の何れかを、1日1回、30日間、マウスに長期間投与する。最後の薬物またはビークル処置後、マウスを、居住侵入マウスの存在下で、オープン・フィールドに置き、10分間で各マウスが特定のオープン・フィールドの規定の四分円内で過ごした合計時間を測定する。予想通り、攻撃的マウスへの暴露により、侵入者の近くで過ごす居住マウスの時間は著しく減少した(p<0.05, ビークルと比較)。しかし、侵入パラダイムに暴露後、化合物Aで処置したマウスは、侵入者の近くで過ごす時間に有意な減少を示さなかった(NS, 化合物Aのみと比較)。化合物Aのみでの処置は、非処置コントロールマウスと比べて、相互作用領域で過ごす時間に差異は生じなかった。データは、化合物Aが、抗鬱病薬、例えばフルオキセチンによる長期間処置後に見られるものと比べて、社会的挫折行動の回復をもたらすことを示している。この実験は、化合物Aが、反復ストレスが原因である社会的隔離の回復に有効であることを示す。また、この実験は、化合物Aが機能的抗鬱病性活性を有することを示す。 老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺(parasupranuclear palsy)、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害を予防または処置する方法であって、それを必要とする患者に、治療有効量で、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式I:[式中、Xは、−N(H)−、−N(CH3)−または−O−であり;Yは、−C(=O)、−C(H)(OH)または−C(H)(OR1)であり;R1は、−C(O)−C1−21アルキル(例えば−C(O)−C1−5アルキル、−C(O)−C6−15アルキルまたは−C(O)−C16−21アルキル)であり、好ましくは、当該アルキルは直鎖であり、所望により飽和または不飽和であり、所望により1個以上のヒドロキシまたはC1−22アルコキシ(例えばエトキシ)基で置換されており、例えば、R1は、−C(O)−C6アルキル、−C(O)−C7アルキル、−C(O)−C9アルキル、−C(O)−C11アルキル、−C(O)−C13アルキルまたは−C(O)−C15アルキルである。ここで、当該化合物は、加水分解して、天然または非天然飽和または不飽和脂肪酸の残基を形成する。例えば、当該化合物は、加水分解して、一方がヒドロキシ化合物を、他方がオクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、テトラデカン酸、ヘキサデカン酸を形成する。]の化合物を投与することを含む方法。 式Iの化合物が、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形のからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。 認知症に関連する障害が、アルツハイマー病に関連する障害である、請求項1〜2の何れか1項に記載の方法。 認知症に関連する障害が、軽度認知機能障害に関連する障害である、請求項1〜2の何れか1項に記載の方法。 処置される認知症に関連する障害が、(1)行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発;(2)精神病;(3)鬱病;および(4)睡眠障害からなる群から選択される、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。 処置される認知症に関連する障害が、行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発である、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。 遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式Iの化合物の投与量が、約10〜100mgである、請求項1〜6の何れか1項に記載の方法。 処置される認知症に関連する障害が、行動障害または気分障害、例えば激越/焦燥、好戦的/攻撃的行動、怒り、身体的または感情的爆発である、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。 処置される認知症に関連する障害が、睡眠障害である、請求項1〜7の何れか1項に記載の方法。 遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の式Iの化合物の投与量が、約1〜10mgである、請求項8〜9の何れか1項に記載の方法。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な1種以上の治療薬を、さらに投与することを含む、請求項1〜10の何れか1項に記載の方法。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な治療薬が、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤またはN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニストである、請求項11に記載の方法。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な治療薬が、タクリン、リバスチグミン、ドネペジルおよびガランタミンからなる群から選択される、請求項11または12に記載の方法。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な治療薬が、ドネペジルである、請求項11、12または13に記載の方法。 請求項1または2に記載の化合物の投与量が、約1〜10mgであり、遊離形または薬学的に許容される塩形のドネペジルの投与量が約5mg、10mgまたは23mgである、請求項14に記載の方法。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な治療薬が、ドネペジルおよびメマンチンである、請求項11〜15の何れか1項に記載の方法。 認知症に関連する障害の予防または処置に有用な1種以上の治療薬(例えばコリンエステラーゼ阻害剤(例えばアセチルコリンエステラーゼ阻害剤)またはN−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト)と組み合わせた、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した、請求項1または2に記載の式Iの化合物を含む医薬組成物。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な治療薬が、アセチルコリンエステラーゼ阻害剤である、請求項17に記載の医薬組成物。 認知症、特にアルツハイマー病またはその症状の予防または処置に有用な治療薬が、遊離形または薬学的に許容される塩形のドネペジルである、請求項17または18に記載の医薬組成物。 薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した、約1〜10mgの請求項1または2に記載の化合物、および、約5mg, 10mgまたは23mgの遊離形または薬学的に許容される塩形のドネペジルを含む医薬組成物。 請求項1〜16の何れか1項に記載の、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する障害を予防または処置するための医薬の製造における、薬学的に許容される希釈剤または担体と混合した式Iの化合物を含む医薬組成物、または、請求項17〜20の何れか1項に記載の医薬組成物。 請求項1〜16の何れか1項に開示された通りに、老人性認知症、アルツハイマー病、ピック病、前頭側頭型認知症、核上性麻痺、レビー小体型認知症、血管性認知症、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、ダウン症、老人性鬱病、ウェルニッケ・コルサコフ症候群、皮質基底核変性症およびプリオン病を含む、1種以上の認知症に関連する障害、例えば軽度認知機能障害および痴呆化する病気に関連する1種以上の障害を予防または処置するための(医薬の製造における)、請求項1または2に記載の化合物の使用。 本発明は、遊離形、薬学的に許容される塩形またはプロドラッグ形の本明細書に記載する特定の置換ヘテロ環縮合γ−カルボリンの使用、および、これらを所望により1種以上の薬物と組み合わせて含む、1種以上の認知症に関連する障害、特に認知症に罹患している患者における障害の中でも行動障害または気分障害(例えば激越/攻撃性)、精神病、鬱病および睡眠障害を予防または処置するための医薬組成物に関する。