タイトル: | 公表特許公報(A)_チロシンキナーゼ阻害薬の組合せおよびその使用 |
出願番号: | 2015504647 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 45/06,A61P 43/00,A61P 35/00,A61K 31/5025,A61K 31/53,A61K 31/506 |
ティート,ラルフ バックラー,アラン ハービンスキ,フレッド サンガヴィ,スネハ ジェフリー,ダグラス ウィルソン,クリストファー JP 2015512447 公表特許公報(A) 20150427 2015504647 20130401 チロシンキナーゼ阻害薬の組合せおよびその使用 ノバルティス アーゲー 504389991 小林 浩 100092783 大森 規雄 100120134 星川 亮 100149010 鈴木 康仁 100104282 ティート,ラルフ バックラー,アラン ハービンスキ,フレッド サンガヴィ,スネハ ジェフリー,ダグラス ウィルソン,クリストファー US 61/619,502 20120403 A61K 45/06 20060101AFI20150331BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150331BHJP A61P 35/00 20060101ALI20150331BHJP A61K 31/5025 20060101ALI20150331BHJP A61K 31/53 20060101ALI20150331BHJP A61K 31/506 20060101ALI20150331BHJP JPA61K45/06A61P43/00 111A61P43/00 121A61P35/00A61K31/5025A61K31/53A61K31/506 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2013034759 20130401 WO2013151913 20131010 50 20141125 4C084 4C086 4C084AA20 4C084MA02 4C084MA52 4C084MA55 4C084MA60 4C084NA05 4C084NA15 4C084ZB261 4C084ZC202 4C084ZC751 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC50 4C086CB05 4C086GA07 4C086GA12 4C086MA02 4C086MA04 4C086MA52 4C086MA55 4C086MA60 4C086NA05 4C086NA15 4C086ZB26 4C086ZC20 4C086ZC75 発明の概要 本発明は、増殖性疾患の治療において共同で活性である(i)MET阻害薬および(ii)FGFR阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはそのプロドラッグからなる医薬組合せ、対応する医薬製剤、使用、方法、プロセス、コマーシャルパッケージ、ならびに関連する発明の実施形態に関する。 発明の背景 癌原遺伝子cMET(MET)は、チロシンキナーゼ活性を有し、胚発生および創傷治癒に必須であるタンパク質、肝細胞成長因子受容体(HGFR)をコードする。肝細胞成長因子(HGF)の刺激で、METは、侵襲性成長につながる複数の生物学的応答を誘発する。異常なMET活性化は、腎臓、肝臓、胃、乳房、および脳の癌を包含する様々な種類の悪性病変において、腫瘍成長、新たな血管の形成(血管新生)、および転移の引き金を引く。いくつかのMETキナーゼ阻害薬が既知であり、それとは別に、HGF誘発MET(=HGFR)活性化の阻害薬が既知である。正常な組織および癌などのヒト悪性病変におけるc−MET(またはc−METシグナル伝達経路)の生物学的機能は、よく記録されている(Christensen, J.G.ら、Cancer Lett. 2005、225(1):1〜26; Corso, S.ら、Trends in Mol. Med. 2005、11(6):284〜292)。 今までのところ、チロシンキナーゼ活性を有する複数の別個の膜FGFRが、脊椎動物において同定されており、それらはすべて、チロシンキナーゼスーパーファミリーに属する:FGFR1(=CD331、線維芽細胞成長因子受容体1も参照されたい);FGFR2(=CD332、線維芽細胞成長因子受容体2も参照されたい);FGFR3(=CD333、線維芽細胞成長因子受容体3も参照されたい);FGFR4(=CD334、線維芽細胞成長因子受容体4も参照されたい);およびFGFR6。 疫学的研究によって、ヒト癌におけるFGF/FGFRの遺伝子変異および/または異常発現が報告されている:FGFR1キナーゼの構成的活性化をもたらすFGFR1の他の遺伝子への転座およびそれとの融合は、8p11骨髄増殖性障害の原因である(MacDonald D & Cross NC, Pathobiology 74:81〜8 (2007))。遺伝子の増幅およびタンパク質過剰発現は、乳房腫瘍においてFGFR1、FGFR2、およびFGFR4について報告されている(Adnane Jら、Oncogene 6:659〜63 (1991); Jaakkola Sら、Int. J. Cancer 54:378〜82 (1993); Penault-Llorca Fら、Int. J. Cancer 61: 170〜6 (1995); Reis-Filho JSら、Clin. Cancer Res. 12:6652〜62 (2006))。FGFR2の体細胞活性化変異は、胃癌(Jang JHら、Cancer Res. 61:3541〜3 (2001))および子宮内膜癌(Pollock PMら、Oncogene (2007年5月21日))において知られている。14q32での免疫グロブリン重鎖スイッチ領域への4p16の反復染色体転座は、多発性骨髄腫においてFGFR3の調節解除された過剰発現をもたらし(Chesi Mら、Nature Genetics 16:260〜264 (1997); Chesi Mら、Blood 97:729〜736 (2001))、受容体のリガンド非依存性構成的活性化につながるFGFR3の特異的ドメインにおける体細胞変異は、膀胱癌腫および多発性骨髄腫において同定されている(Cappellen Dら、Nature Genetics 23:18〜20 (1999); Billerey Cら、Am. J. Pathol. 158(6):1955〜9 (2001); van Rhijn BWGら、Eur. J. Hum. Genet. 10: 819〜824 (2002); Ronchetti Cら、Oncogene 20: 3553〜3562 (2001))。 発明の一般的な説明 METまたはFGFRのいずれかに元々は依存している癌細胞を使用すると、意外にも、代替の受容体チロシンキナーゼ(RTK)のリガンド媒介活性化を介する依存性のバイパスが観察された。対応する選択的阻害薬でMETまたはFGFR依存系を処置し(すなわち、MET依存系はMET阻害薬で、かつFGFR依存系はFGFR阻害薬で)、かつ同時に、様々な分泌タンパク質をコードするcDNAをトランスフェクトした細胞からの上清を加えた場合に、バイパス機構が発見された。METおよびFGFRのRTKは、阻害による他方の機能喪失を補償することができ、したがって、これらのRTKのうちの一方のみが適切な薬物によって阻害されても、増殖中の細胞の「レスキュー」につながることが示され得た。このことによって、FGFRおよびMET阻害薬の組合せによって、METの活性がFGFRの阻害を補償し、かつ/またはFGFRの活性がMETの阻害を補償する疾患を有効に治療することが可能となるはずであるという一般的な概念および教示を導き出すことが許される。 したがって、特に、METおよびFGFRのRTKが両方とも活性であり、本発明によって、それらが同時に、または共同で逐次的に阻害され得る場合には、これらのRTKの組合せ阻害は相乗的抗癌活性につながり得ることが見出された。 発明の具体的な説明 本発明は、第1の実施形態によれば、(i)MET阻害薬および(ii)FGFR阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはそれぞれそのプロドラッグと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組合せに関する。 本発明のさらなる実施形態は、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌に対して共同で治療上有効である量の(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩と、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む組合せを提供する。 さらなる実施形態は、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための本発明の組合せの使用に関する。 さらなる実施形態は、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための医薬品または医薬製品を製造するための、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩の組合せの使用に関する。 さらなる実施形態は、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩の組合せで治療する方法に関する。 さらなる実施形態は、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための方法であって、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬を含む組合せまたは組合せ製品の有効量を、それを必要とする対象、例えば、温血動物、特にヒトに投与することを含む方法に関する。 本発明のなおさらなる実施形態は、特に、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌の治療において使用するための医薬製品またはコマーシャルパッケージであって、本明細書に記載の本発明による組合せを、それをFGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌の治療におけるそれらの同時使用、個別使用または逐次使用のための(特に共同で活性であるための)指示書と特に一緒に含む、医薬製品またはコマーシャルパッケージに関する。 本発明のさらなる実施形態は、本発明による組合せ製品を調製するための、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩の使用に関する。 WO2011/018454は、METチロシンキナーゼ阻害薬を開示している。特に有用であるのは、下式を有する名称(E)−2−(1−(3−((7−フルオロキノリン−6−イル)メチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキサミド(以下では、化合物Aとも呼ばれる)の化合物:であり、WO11 018454の実施例1を参照されたい。 WO2008/064157は、METチロシンキナーゼ阻害薬を開示しており、特に有用であるのは、下式を有する名称2−フルオロ−N−メチル−4−[(7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(本明細書において下記では化合物Bとも称される)の化合物:であり、WO2008/064157の実施例7を参照されたい。 他のMET阻害薬、薬学的に許容されるそれらの塩、およびそれらのプロドラッグ(HGFに対して活性な化合物または抗体も包含される)は以下のとおり例示される: 下式を有するクリゾチニブ(Pfizer)(aka PF02341066): 下式を有するカボザンチニブ(Exelixis)(aka XL−184): 下式を有するチバチニブ(tivatinib)(ArQule、daiichi、Kyowa)(aka ARQ−197): 下式を有するホレチニブ(Exelixis、GlaxoSmithKline)(aka XL−880): 下式を有するMGCD−265(MethylGene): 下式を有するAMG−208(Amgen)(WO2008/008539も参照されたい): AMG−337(Amgen); 下式を有するJNJ−38877605(Johnson & Johnson)(aka BVT051、WO2007/075567も参照されたい): 下式を有するMK−8033(Merck & Co): 下式を有するE−7050(Eisai): EMD−1204831(Merck Serono); 下式を有するEMD−1214063(Merck Serono、WO2007/019933も参照されたい): 下式を有するアムバチニブ(SuperGen、aka MP−470): LY−2875358(Eli Lilly); 下式を有するBMS−817378(BristolMyersSquibb、Simcere): DP−3590(Deciphera); ASP−08001(Suzhou Ascepion Pharmaceuticals); HM−5016504(Hutchison Medipharma); 下式を有するPF−4217903(Pfizer、US2007/0265272も参照されたい):もしくは 下式を有するSGX523(SGX、WO2008/051808も参照されたい):または抗体もしくは関連分子、例えば: HGFに対するフィクラツズマブ(AVEO)モノクローナル抗体;METに対するオナルツズマブ(Roche)モノクローナル抗体;HGFに対するリロツズマブ(rilotuzumab)(Amgen)モノクローナル抗体;HGFに対するTak−701(Takeda)モノクローナル抗体);METに対するLA−480(Eli Lilly)モノクローナル抗体;および/またはMETに対するLY.2875358(Eli Lilly)モノクローナル抗体。 WO2006/000420は、FGFRチロシンキナーゼ阻害薬を開示しており、特に式(II)の化合物、およびその塩、エステル、N−オキシド、またはプロドラッグは、特定の実施形態である。特に好ましいのは、下式を有する3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−{6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−1−メチル−尿素(BGJ398、化合物Cとも称される):であり、WO2006/000420の実施例145を参照されたい。 他のFGFRチロシンキナーゼ阻害薬または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグには、これだけに限定されないが: 下式を有するAZD−4547(AstraZeneca): 下式を有するPD173074(Imperial College London)(N−[2−[[4−(diエチルアミノ)ブチル]アミノ−6−(3,5−ジメトキシフェニル)ピリド[2,3−d]ピリミジン−7−イル]−N’−(1,1−ジメチルエチル)尿素:またはより低い特異性のFGFRチロシンキナーゼ阻害薬、例えば、次の式のインテダニブ(intedanib)、ドビチニブ、ブリバニブ(特にアラニナート)、セジラニブ、マシチニブ、オランチニブ、ポナチニブ、およびE−7080:または例えば、HGS1036/FP−1039(Human Genome Science/Five Prime)(J. Clin. Oncol. 28:15s、2010も参照されたい):複数のFGFリガンドを封鎖および結合し、複数のFGF受容体の活性をロックするように設計された、ヒト免疫グロブリンG1(IgG1)のFc領域に連結しているヒトFGFR1の細胞外ドメインからなる可溶性融合タンパク質;MFGR1877S(Genentech/Roche):モノクローナル抗体;AV−370(AVEO):ヒト化抗体;GP369/AV−396b(AVEO):FGFR−IIIb特異的抗体;およびHuGAL−FR21(Galaxy Biotech):モノクローナル抗体(FGFR2)からなる群から選択される抗体もしくは関連分子が包含される。 本発明による有用な化合物はまた、中間体または最終化合物中に出現する原子の同位体すべてを包含し得る。同位体には、同じ原子番号を有するが、異なる質量数を有する原子が包含される。本発明の化合物に組み込むことができる同位体の例には、それぞれ2H、3H、11C、13C、14C、15N、18F31P、32P、35S、36Cl、125Iなどの水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、および塩素の同位体が包含される。 本発明の実施形態はまた、本明細書に記載の本発明により有用な化合物の薬学的に許容される塩を包含する。本明細書で使用する場合、「薬学的に許容される塩」は、既存の酸または塩基部分がその塩形態に転換されることによって親化合物が修飾されている開示されている化合物の誘導体を指す。薬学的に許容される塩の例には、これだけに限定されないが、アミンなどの塩基性残基の無機酸塩または有機酸塩;カルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩;などが包含される。本発明の薬学的に許容される塩には、例えば非毒性の無機酸または有機酸から形成される親化合物の従来の非毒性塩が包含される。本発明の薬学的に許容される塩は従来の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含有する親化合物から合成することができる。一般的には、これらの化合物の遊離の酸または塩基の形態を化学量論的量の適切な塩基または酸と、水もしくは有機溶媒中、またはこれら2種の混合物中で反応させることによって、そのような塩を調製することができる。一般的に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリルなどの非水性媒体が好ましい。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences、第17版、Mack Publishing Company、Easton, Pa.、1985、p. 1418およびJournal of Pharmaceutical Science、66、2 (1977)において見出され、それらはそれぞれその全体が、参照により本明細書に組み込まれる。 語句「薬学的に許容される」は、本明細書では、適正な医学的判断の範囲内において、合理的なベネフィット/リスク比に相応して、過度の毒性、刺激、アレルギー性応答、または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、ヒトおよび動物の組織と接触させて使用するために適している化合物、材料、組成物、および/または剤形を指すために使用される。 本発明は、本発明により有用な化合物のプロドラッグも包含する。本明細書で使用する場合、「プロドラッグ」は、哺乳類対象に投与されると、活性な親薬物を放出する任意の共有結合担体を指す。その修飾が常套的な操作またはインビボのいずれかで切断されて、親化合物になるように、化合物中に存在する官能基を修飾することによって、プロドラッグを調製することができる。プロドラッグには、ヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基が、哺乳類対象に投与した場合に切断されて、それぞれ遊離のヒドロキシル、アミノ、スルフヒドリル、またはカルボキシル基を形成する任意の基に結合している化合物が包含される。プロドラッグの例には、これだけに限定されないが、本発明の化合物中のアルコールおよびアミン官能基のアセタート、ホルマート、およびベンゾアート誘導体が包含される。プロドラッグの調製および使用は、T. HiguchiおよびV. Stella、「Pro-drugs as Novel Delivery Systems」、Vol. 14 of the A.C.S. Symposium SeriesならびにBioreversible Carriers in Drug Design、Edward B. Roche編、American Pharmaceutical Association and Pergamon Press、 1987において検討されており、これらは両方ともその全体が、参照によって本明細書に組み込まれる。 本発明により有用な化合物、さらには、それらの薬学的に許容される塩またはプロドラッグは、互変異性体、N−オキシド、または溶媒和物、例えば水和物としても存在し得る。本発明の組合せ製品、例えばFGFRチロシンキナーゼ阻害薬および/またはMETチロシンキナーゼ阻害薬中に包含される化合物が上述されている場合には、これらの変種すべて、さらには、任意のそのうちの単一種、または2種以上からそのような変種すべてよりは少ない種類の組合せが本明細書に内包され、読み取られるべきである。 本発明は、上記および下記で述べた第一の実施形態によれば、上述の組合せパートナーと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組合せ、特に医薬組合せ製品に関する。 「組合せ」は、組み合わせて使用するための指示書を備えているか、もしくは備えていない個別のパートナーからなる製剤、または組合せ製品を指す。したがって、組合せパートナーは、特に以下で定義されるとおりに共同で活性であるための同時使用または逐次使用のための、それらを組み合わせて使用するための正当な指示がパッケージ備品、例えば、リーフレットなどで、または他の情報(例えば、口頭伝達、筆記伝達など)で、例えば、医師および医療スタッフに対して提示されている、互いに独立して販売もされる完全に別個の医薬剤形または医薬組成物であることができる。 「組合せ製品」は特に、1個の投薬単位形態に固定された組合せか、またはFGFRチロシンキナーゼ阻害薬およびMETチロシンキナーゼ阻害薬(および場合によってなお、さらなる組合せパートナー(例えば、以下で説明するとおりの、「同時作用薬」とも称される他の薬物))を独立に同時刻に、または別個に、組合せパートナーが協調(=共同(joint))効果、例えば、相乗効果を示すことが可能な時間間隔内で投与することができる併用投与のためのキットオブパーツかのいずれかを指す。本明細書において利用するとおりの用語「同時投与」または「併用投与」などでは、それを必要とする単一の対象(例えば患者)への選択された組合せパートナーの投与を内包することが意味され、作用薬を必ずしも同じ投与経路によって、かつ/または同時に投与するものではない治療レジメンを包含することが意図されている。 したがって、用語「組合せ製品」は、本明細書で使用する場合、1種超の活性成分を混合するか、または組み合わせることから生じる医薬製品を意味し、これには、固定および非固定の両方の活性成分(組み合わされていてもよい)の組合せが包含される。 用語「固定の組合せ」は、活性成分、例えばFGFRチロシンキナーゼ阻害薬およびMETチロシンキナーゼ阻害薬の両方を、単一の実体または投薬の形態で、患者に同時に投与することを意味する。言い換えると、活性成分は、1個の剤形、例えば1個の錠剤または1個のカプセル剤で存在する。 用語「非固定の組合せ」は、活性成分の両方を、患者に別個の実体として、同時に、並行してまたは逐次的に、具体的な時限を設けずに投与することを意味し、その際、そのような投与は、治療上有効なレベルの2種の化合物を患者の身体に提供する。後者はまた、カクテル療法に、例えば、3種以上の活性成分の投与に当てはまる。したがって、用語「非固定の組合せ」は、特に、本明細書において定義するとおりの組合せパートナー(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬(ならびに、存在する場合には、さらに1種または複数の同時作用薬)を互いに独立に、または識別される量の組合せパートナーを含む異なる固定の組合せを使用することによって、すなわち、同時に、または異なる時点で、投薬することができるという意味において、「キットオブパーツ」を定義しており、その際、組合せパートナーを、互いに独立して販売もされている完全に別個の医薬剤形または医薬製剤として使用してもよく、かつそれらを組み合わせて使用する可能性についての正当な指示がパッケージ備品、例えば、リーフレットなどにおいて提示されているか、または他の情報において、例えば、医師および医療スタッフに対して提示されている。次いで、独立した製剤またはキットオブパーツのパーツは例えば、同時に、または、キットオブパーツのいずれのパーツについても別個の時点に、等しいか、もしくは異なる時間間隔で時間経過に従って交互に投与することができる。まさに好ましくは、パーツを組み合わせて使用する際の治療される疾患に対する効果が、組合せパートナー(i)および(ii)のいずれか一方のみを使用することによって得られるであろう効果よりも大きく、したがって、共同で活性であるように、時間間隔を選択する。例えば、治療される患者の亜個体群の必要性または患者の年齢、性別、体重などによって異なる必要性が存在し得る単一の患者の必要性に対処するために、組合せ製剤で投与される組合せパートナー(i)と組合せパートナー(ii)との全量の比は様々であってよい。 本発明はまた、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療する方法において組み合わせて使用するための、(i)MET阻害薬および(ii)FGFR阻害薬、または薬学的に許容されるその塩に関する。 さらなる実施形態では、先行するパラグラフに従って使用するためのMET阻害薬およびFGFR阻害薬は、次のとおりに選択される:METチロシンキナーゼ阻害薬は、(E)−2−(1−(3−((7−フルオロキノリン−6−イル)メチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキサミドおよび2−フルオロ−N−メチル−4−[(7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b]トリアジン−2−イル]ベンズアミド、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグからなる群から選択され、FGR−Rチロシンキナーゼ阻害薬は、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−{6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−1−メチル−尿素、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである。 いずれの本発明の実施形態における組合せパートナー(i)および(ii)も好ましくは、製剤化されるか、または共同で(予防的に、または特に治療的に)活性であるように使用される。これは特に、少なくとも1つの有益効果、例えば、組合せパートナー(i)および(ii)の効果の相互増強、特に相乗効果、例えば、相加以上の効果、追加の有利な効果(例えば、単独の化合物のいずれについても見出されないさらなる治療効果)、より少ない副作用、組合せパートナー(i)および(ii)の一方または両方が有効でない投薬量である場合の組合せ治療効果、ならびに非常に好ましくは、組合せパートナー(i)および(ii)の明らかな相乗効果が存在することを意味する。 例えば、用語「共同で(治療的に)活性な」は、好ましくは、治療される温血動物、特にヒトにおいて、(好ましくは、相乗的)相互作用(共同治療効果)をなお示すような時間間隔で、化合物を別個にまたは逐次的に与えることができる(長期的にわたって交互に、特に配列特異的に)ことを意味し得る。特に、血中レベルを追跡して、少なくとも一定の時間間隔の間、両方の化合物が、治療されるヒトの血液中に存在することを示すことによって、共同治療効果を決定することができるが、これは、血液中に同時には存在しないものの、化合物が共同で活性である場合を除外するものではない。 したがって、本発明は、同時使用、個別使用または逐次使用のための組合せ製品、例えば、組合せ製剤もしくは固定の医薬組合せ、またはそのような製剤および組合せの併用に関する。 本発明の併用療法では、同じか、または異なる製造者が、本発明により有用な化合物を製造および/または製剤化することができる。さらに、組合せパートナーを、(i)組合せ製品を医師に譲渡する前に(例えば、本発明の化合物および他の治療薬を含むキットの場合);(ii)投与の直前に医師自身によって(または医師の指示のもとに);(iii)患者自身において、例えば、本発明の化合物および他の治療薬を逐次投与している間に一緒にして、併用療法にしてもよい。 ある種の実施形態では、上記の方法のいずれも、1種または複数の他の(例えば第3の)同時作用薬、特に化学療法薬をさらに投与することを伴う。 したがって、さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩と、少なくとも1種の第3の治療的に活性な作用薬(同時作用薬)、例えば、別の化合物(i)および/もしくは(ii)、または異なる同時作用薬を含む組合せ製品、特に、医薬組成物に関する。追加の同時作用薬は好ましくは、抗癌薬;および抗炎症薬からなる群から選択される。 この場合には他にも、本発明による対応する製品を形成する組合せパートナーを混合して、固定の医薬組成物を形成してもよいか、またはそれらを別個に、もしくは対で(すなわち、他の薬物物質(複数可)の前に、それと同時に、もしくはその後に)投与してもよい。 本発明による組合せ製品は、その他にも、またはそれに加えて、特に癌の療法のために化学療法、放射線療法、免疫療法、外科的介入、またはこれらの組合せと組み合わせて投与することができる。上記のとおり、他の治療ストラテジの状況における補助療法と同様に、長期療法が可能である。他の可能な治療は、腫瘍退縮の後の患者の状態を維持するための療法、またはさらには例えばリスクのある患者における化学予防療法である。 同時作用薬として可能な抗癌薬(例えば、化学療法のための)には、これだけに限定されないが、アロマターゼ阻害薬;抗エストロゲン;トポイソメラーゼI阻害薬;トポイソメラーゼII阻害薬;微小管活性化合物;アルキル化化合物;ヒストンデアセチラーゼ阻害薬;細胞分化プロセスを誘発する化合物;シクロオキシゲナーゼ阻害薬;MMP阻害薬;mTOR阻害薬;抗新生物代謝拮抗薬;白金化合物;タンパク質または脂質キナーゼ活性を標的化/低下させる化合物;抗血管新生化合物;タンパク質または脂質ホスファターゼの活性を標的化、低下、または阻害する化合物;ゴナドレリンアゴニスト;抗アンドロゲン;メチオニンアミノペプチダーゼ阻害薬;ビスホスホナート;生物学的応答調節薬;抗増殖性抗体;ヘパラナーゼ阻害薬;Ras発癌性アイソフォームの阻害薬;テロメラーゼ阻害薬;プロテアソーム阻害薬;血液悪性疾患の治療において使用される化合物;Flt−3の活性を標的化、低下、または阻害する化合物;Hsp90阻害薬;キネシンスピンドルタンパク質阻害薬;MEK阻害薬;ロイコボリン;EDG結合薬;抗白血病化合物;リボヌクレオチドレダクターゼ阻害薬;S−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ阻害薬;血管新生抑制ステロイド;コルチコステロイド;他の化学療法用化合物(以下で定義するとおり);光増感性化合物が包含される。 さらに、別法では、または加えて、本発明による組合せ製品を、外科手術、電離放射線、光線力学的療法、埋め込み注射剤を包含する他の腫瘍治療手法と、例えば、コルチコステロイド、ホルモンと組み合わせて使用することができるか、またはそれらを、放射線増感剤として使用することができる。 用語「コマーシャルパッケージ」は、本明細書で使用する場合、特に、上記および下記で定義しているとおりの成分(a)METチロシンキナーゼ阻害薬および(b)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬と、場合によって、さらなる同時作用薬とを、独立に、または識別量の成分(a)および(b)を含む異なる固定の組合せを使用することによって、すなわち、同時に、または異なる時点で投薬することができるという意味での「キットオブパーツ」を定義する。さらに、これらの用語は、活性成分として成分(a)および(b)を、増殖性疾患の進行遅延または治療における、それらの同時使用、逐次使用(長期にわたって交互に、時間特異的な配列で)または個別使用のための指示書と一緒に含む(特には組み合わせている)コマーシャルパッケージを含む。このように、キットオブパーツのパーツは例えば、同時に、または長期的わたって交互に、すなわち、キットオブパーツの任意のパーツについて異なる時点で、かつ等しいまたは異なる時間間隔で投与することができる。まさに好ましくは、パーツを組み合わせて使用する際の治療される疾患に対する効果が、組合せパートナー(a)および(b)のいずれか一方のみを使用することによって得られるであろう効果よりも大きいように(標準的な方法に従って決定できるとおり、時間間隔を選択する。例えば、治療される患者の亜個体群の必要性または患者の特定の疾患、年齢、性別、体重などによって異なる必要性が存在し得る単一の患者の必要性に対処するために、組合せ製剤で投与される組合せパートナー(a)と組合せパートナー(b)との全量の比は、様々であってよい。好ましくは、少なくとも1つの有益効果、例えば、組合せパートナー(a)および(b)の効果の相互増強、特に、組み合わせることなく個々の薬物のみで治療する場合に許容され得る用量よりもそれぞれ低い用量の各組合せ薬物で達成され得る相加以上の効果が存在し、その際、追加の有利な効果、例えば、組合せパートナー(成分)(a)および(b)の一方または両方の有効でない投薬量でのより少ない副作用または組合せ治療効果、およびまさに好ましくは、組合せパートナー(a)および(b)の強い相乗効果がもたらされる。 成分(a)および(b)の組合せを使用する場合、ならびにコマーシャルパッケージを使用する場合のいずれにおいても、同時使用、逐次使用および個別使用の任意の組合せも可能であり、これは、成分(a)および(b)を1つの時点で同時に投与し、続いて、後の時点で、一方の成分のみをより低いホスト毒性で長期にわたって、例えば、毎日の投薬を3〜4週間超にわたって、かつさらに遅い時点(最適な効果のための後続の薬物併用治療コースで)などで、他方の成分を、または両方の成分の組合せを投与することができることを意味している。 本発明による組合せ製品は、それぞれFGFRおよび/またはMETチロシンキナーゼの活性によって媒介される、特にはそれらに依存している様々な疾患を治療するために適している。したがってそれらは、FGFRチロシンキナーゼ阻害薬およびMETチロシンキナーゼ阻害薬によって治療され得るいずれの疾患を治療する際にも使用することができる。 用語「FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患」は特に、一方または両方のキナーゼの活性が、両方のキナーゼの一方を包含する調節経路の異常な活性につながっている、特に、キナーゼの一方または両方が、例えば、細胞中の他の調節経路の過剰発現、変異、または活性の相対的な喪失によって過剰活性である、例えば、先行または後続調節要素の増幅、構成的活性化、および/または過剰活性化が存在する疾患を指す。 FGFR阻害薬は例えば、FGFR活性の阻害に応答する1種または複数の疾患、特に新生物または腫瘍疾患、特に充実性腫瘍、より特には、乳癌、胃癌、肺癌、前立腺の癌、膀胱癌、および子宮内膜癌を包含するFGFRキナーゼが関係している癌の治療において有用である。さらなる癌には、腎臓、肝臓、副腎、胃、卵巣、結腸、直腸、膵臓、膣、または甲状腺の癌、肉腫、神経膠芽細胞腫、および頭頚部の多数の腫瘍、さらに、白血病および多発性骨髄腫が包含される。FGFR阻害薬はまた、線維芽細胞成長因子受容体によって媒介される障害、特に、8p11骨髄増殖性症候群(EMS)、下垂体腫瘍、網膜芽細胞腫、滑膜肉腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脂漏性角化症、肥満、糖尿病および関連障害、常染色体優性低リン血症性くる病(ADHR)、X染色体性低リン血症性くる病(XLH)、腫瘍誘発骨軟化(TIO)、ならびに骨の線維性形成異常(FD)を有する温血動物を治療する際に有用であり、さらに、限局性新生軟骨形成(neochondrogenesis)を促進する方法、さらに、肝細胞癌腫、肺癌、特に肺腺癌、口腔扁平上皮細胞癌、もしくは食道扁平上皮細胞癌、または2種以上のそのような疾患の任意の組合せを治療する方法に有用である。 MET阻害薬は例えば、MET関連疾患、特に、遺伝子増幅、活性化変異、同族RTKリガンドの発現、活性化を示す残基でのRTKのリン酸化を包含するMETおよびFGFRの同時活性化の証拠を示す癌の治療において有用であり、例えばその際、癌は、脳癌、胃癌、性器癌、泌尿器系癌(urinary cancer)、前立腺癌、膀胱癌(表在性および筋肉侵襲性)、乳癌、子宮頸癌、結腸癌、結腸直腸癌、膠腫(神経膠芽細胞腫、未分化神経膠星状細胞腫、乏突起性細胞腫、乏突起神経膠腫を包含)、食道癌、胃癌、胃腸癌、肝臓癌、小児期HCCを包含する肝細胞癌(HCC)、頭頚部癌(頭頚部扁平上皮細胞癌腫、上咽頭癌を包含)、ヒュルトレ細胞癌、上皮癌、皮膚癌、黒色腫(悪性黒色腫を包含)、中皮腫、リンパ腫、骨髄腫(多発性骨髄腫を包含)、白血病、肺癌(非小細胞肺癌(すべての組織学的亜型:腺癌、扁平上皮細胞癌、気管支肺胞癌、大細胞癌、および腺扁平上皮混合型を包含)、小細胞肺癌を包含)、卵巣癌、膵臓癌、前立腺癌、腎臓癌(これらに限られないが、乳頭状腎細胞癌を包含)、小腸癌、腎臓細胞癌(遺伝性および散在性乳頭状腎臓細胞癌I型およびII型、ならびに明細胞腎臓細胞癌を包含);肉腫、特に骨肉腫、明細胞肉腫、および軟部組織肉腫(肺胞および(例えば胎児性)横紋筋肉腫、胞状軟部肉腫を包含);甲状腺癌腫(乳頭状および他の亜型)からなる群から選択される。 MET阻害薬は例えば、癌が胃、結腸、肝臓、性器、尿路、黒色腫、または前立腺のものである癌の治療においても有用である。特定の実施形態では、癌は、肝臓または食道のものである。 MET阻害薬は例えば、例えば肝臓における転移を包含する結腸癌および非小細胞肺癌の治療においても有用である。 MET阻害薬は例えば、遺伝性乳頭状腎臓癌(Schmidt, L.ら、Nat. Genet. 16、68〜73、1997)、および変異(JeffersおよびVande Woude. Oncogene 18、5120〜5125、1999;およびそこで挙げられている参照文献)または染色体再編成(例えばTPR-MET;Cooperら、Nature 311、29〜33、1984;Park.ら、Cell 45、895〜904、1986)によってc−METが過剰発現または構成的に活性化される他の増殖性疾患を治療する際に使用することもできる。 本発明の組合せ製品は特に、FGFRまたはMet阻害薬治療に反応する上述の任意の癌、特に、腺癌(特に乳房、またはより特には肺の腺癌)、横紋筋肉腫、骨肉腫、膀胱癌、および膠腫から選択される癌を治療するために適している。 本発明の化合物についての用語「治療有効量」は、対象の生物学的もしくは医学的応答、例えば、酵素もしくはタンパク質活性の低下もしくは阻害を誘発するか、または症状を寛解するか、病態を緩和するか、疾患の進行を減速もしくは遅延させるか、または疾患を防止するなどの本発明の化合物の量を指す。非限定的な一実施形態では、用語「治療有効量」は、対象に投与した場合に、(1)(i)cMetによって媒介され、かつ/もしくはFGFR活性によって媒介されるか、または(ii)cMetおよび/もしくはFGFRの活性(正常か、または異常な)によって特徴付けられる病態または障害または疾患を少なくとも部分的に緩和、阻害、防止、および/または寛解すること;あるいは(2)cMetおよび/またはFGFRの活性を低下または阻害すること;あるいは(3)cMetおよび/またはFGFRの発現を低下または阻害することに対して有効である本発明の化合物の量を指す。別の非限定的実施形態では、用語「治療有効量」は、細胞または組織または非細胞生物学的材料または培地に投与した場合に、cMetおよび/もしくはFGFRの活性を少なくとも部分的に低下もしくは阻害すること;またはMETおよび/もしくはFGFRの発現を少なくとも部分的に低下もしくは阻害することに対して有効である本発明の化合物の量を指す。 本明細書で使用する場合、用語「対象」は動物を指す。典型的には、動物は哺乳類である。対象はまた、例えば、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウス、サカナ、トリなどを指す。ある種の実施形態では、対象は霊長類である。まだ他の実施形態では、対象はヒトである。 「および/または」は、リストの成分または特徴のそれぞれ一方もしくは両方またはすべてが可能なバリアントであることを、特に代替的に、または累積的に、そのうちの2種以上を意味する。 本明細書で使用する場合、用語「阻害する」、「阻害」、または「阻害すること」は、所与の病態、症状、もしくは障害、もしくは疾患の低減もしくは抑制、または生物学的活性もしくはプロセスの基線活性の有意な低下を指す。 本明細書で使用する場合、任意の疾患または障害についての用語「治療する」、「治療すること」、または「治療」は一実施形態では、疾患または障害の寛解(すなわち、疾患またはその臨床症状の少なくとも1つの発生の減速または停止または低減)を指す。別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、または「治療」は、患者が識別し得ないパラメーターを包含する少なくとも1つの身体的パラメーターを緩和または寛解することを指す。まだ別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、または「治療」は、身体的に(例えば、識別可能な症状の安定化)、生理学的に(例えば、身体的パラメーターの安定化)、またはそれら両方において、疾患または障害を変調することを指す。まだ別の実施形態では、「治療する」、「治療すること」、または「治療」は、疾患または障害の発症または発展または進行の防止または遅延を指す。 用語「治療」は例えば、疾患を治癒させるか、または疾患の退縮もしくは疾患の進行の遅延に作用を及ぼすことを目的として、組合せパートナーを、そのような治療を必要とする温血動物、好ましくはヒトに予防的に、または特に治療的に投与することを含む。 本明細書で使用する場合、対象は、そのような対象が生物学的に、医学的に、または生活の質において、そのような治療から利益を得るであろう場合に、治療を「必要とする」。 本明細書で使用する場合、本発明の文脈で(特に、特許請求の範囲の文脈で)使用される用語「a」、「an」、「the」、および同様の用語は、本明細書において別段に示されていないか、または文脈によって明確に否定されていない限り、単数形および複数形の両方をカバーしていると解釈されるべきである。 本発明による組合せは、それ自体知られている手法で調製することができ、治療有効量の少なくとも1種の薬理学的に活性な組合せパートナーを単独で、または1種もしくは複数の薬学的に許容される担体と組み合わせて含み、ヒトを包含する哺乳類(温血動物)に経口または直腸などの腸内投与および非経口投与するために適しているもの、特に腸内または非経口適用に適しているものである。本発明の一実施形態では、活性成分のうちの1種または複数を経口投与する。 本明細書で使用する場合、用語「担体」または「薬学的に許容される担体」には、あらゆるすべての溶媒、分散媒体、コーティング、界面活性剤、抗酸化剤、保存剤(例えば、抗菌剤、抗真菌剤)、等張化剤、吸収遅延剤、塩、保存剤、薬物、薬物安定剤、結合剤、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、香味剤、色素など、およびこれらの組合せが包含され、当業者に知られているとおりであろう(例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences、第18版、Mack Printing Company、1990、pp.1289〜1329を参照されたい)。いずれの従来の担体も、活性成分と不適合である場合を除いて、治療用組成物または医薬組成物におけるその使用が企図される。 本発明による医薬組合せ製品(固定の組合せとして、またはキットとして、例えば、固定の組合せと一方または両方の組合せパートナーのための個々の製剤との組合せとして、または組合せパートナーの個々の製剤のキットとして)は、本発明の組合せパートナー(少なくとも1種のMETチロシンキナーゼ阻害薬、少なくとも1種のFGFRチロシンキナーゼ阻害薬、および場合によって1種または複数のさらなる同時作用薬)と、1種または複数の薬学的に許容される担体材料(担体、賦形剤)とを含む。組合せ製品またはそれを構成する組合せパートナーを、経口投与、非経口投与、および直腸投与などの特定の投与経路のために製剤化することができる。加えて、本発明の組合せ製品は、固体形態(限定ではないが、カプセル剤、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、または坐剤を包含する)で、または液体形態(限定ではないが、液剤、懸濁剤、または乳剤を包含する)で作成することができる。組合せ製品および/またはそれらの組合せパートナーを、滅菌などの従来の医薬操作に掛けることができ、かつ/またはそれらは、従来の不活性希釈剤、滑沢剤、または緩衝剤、さらには保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、および緩衝剤などのアジュバントなどを含有することができる。 すべての製剤において、本発明による組合せ製品の一部を形成する活性成分は、対応する製剤(包装材およびリーフレットを含まないそのままの製剤に関して)のうちの0.5〜95重量%、例えば、それぞれ1〜90重量%、5〜95重量%、10〜98重量%、または10〜60重量%、または40〜80重量%の相対量でそれぞれ存在してよい。 本発明の医薬組合せ製品は例えば、約50〜70kgの対象では活性成分(複数可)約1〜1000mg、または活性成分のいずれか1種それぞれで、または特に合計で約1〜500mgもしくは約1〜250mgもしくは約1〜150mgもしくは約0.5〜100mgもしくは約1〜50mgもしくは50〜900mg、60〜850mg、75〜800mgもしくは100〜600mgの単位投薬量であってよい。化合物、医薬組成物、またはその組合せの治療上有効な投薬量は、対象の種、体重、年齢、および個々の病態、治療される障害もしくは疾患、またはそれらの重症度に左右される。通常の技能の医師、臨床家、または獣医師であれば容易に、障害または疾患の進行を防止、治療、または阻害するために必要な活性成分それぞれの有効量を決定することができる。MET−阻害薬(E)−2−(1−(3−((7−フルオロキノリン−6−イル)メチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキサミド(化合物A)が存在する状態での、cMET増幅およびMET依存性成長を伴うMKN−45細胞の一次セクレトームレスキュー(Primary Secretome Rescue)を示す図である。FGFR阻害薬3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−{6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−1−メチル−尿素モノホスファート(BGJ398)が存在する状態での、FGFR3遺伝子増幅およびFGFR3依存性成長を伴うRT−112細胞の一次セクレトームレスキューを示す図である。MET依存性MKN−45細胞における選択的阻害薬を用いてのレスキューの反転を示す図であって、MET阻害薬化合物Bは、BGJ398(FGFR阻害薬)との組合せと同様に活性であるが、BGJ398および(二重Erb2および)EGFR阻害薬ラパチニブは十分ではないことを示す図である。化合物B=2−フルオロ−N−メチル−4−[(7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b]トリアジン−2−イル]ベンズアミド(MET阻害薬)、FGF7=線維芽細胞成長因子7(FGFRの活性化因子)、ラパチニブ=(ErbB2および)EGFR阻害薬、NRG1=ニューレグリン1(ERBB2チロシンリン酸化を増大させる)。MET依存性MKN−45細胞における選択的阻害薬を用いてのレスキューの反転を示す図であって、MET阻害薬化合物Aは、BGJ398(FGFR阻害薬)との組合せと同様に活性であるが、BGJ398および(二重Erb2および)EGFR阻害薬ラパチニブは十分ではないことを示す図である。FGF7=線維芽細胞成長因子7(FGFRの活性化因子)、ラパチニブ=(ErbB2および)EGFR阻害薬、NRG1=ニューレグリン1(EGFR活性化因子)。EGFR依存性RT−112細胞における選択的阻害薬を用いてのレスキューの反転を示す図であって、EGFR阻害薬BGJ398は、化合物Bとの組合せと同様に活性であるが、化合物B単独、さらには(二重ErbB2および)EGFR阻害薬ラパチニブは十分ではないことを示す図である。HGFおよびNRG1は、図3について定義されたとおりである。EGFR依存性RT−112細胞における選択的阻害薬を用いてのレスキューの反転を示す図であって、EGFR阻害薬BGJ398は、化合物Aとの組合せと同様に活性であるが、化合物A単独、さらには(二重ErbB2および)EGFR阻害薬ラパチニブは十分ではないことを示す図である。HGFおよびNRG1は、図3について定義されたとおりである。様々な組合せについての相乗効果を示す図である(一体枠でマーキングされた領域が相乗効果を示している):A)KYM−1単層培養で化合物BおよびBGJ398;B)KYM−1非付着性培養で化合物BおよびBGJ298;C)KYM−1軟寒天培養で化合物BおよびBGJ398;D)MG−63単層培養で化合物BおよびBGJ298;E)M−63軟寒天培養で化合物BおよびBGJ298;F)Hs683単層培養で化合物BおよびBGJ398。上記の通り。上記の通り。上記の通り。上記の通り。上記の通り。Loeweモデルに基づく薬物自己組合せ(drug self combination)に対して、パーセントでの累計有効レベルの点で相乗効果を示すグラフである。マイクロモル、図7においてのとおりのレイアウトでの化合物濃度。原発性肺癌異種移植片モデルにおけるFGFRおよびMET阻害薬の組合せの抗腫瘍活性を示すグラフである。(A)示されているレジメンで処置された腫瘍保有マウス同齢集団における腫瘍成長曲線。矢印は、1日2回から1回へと化合物Bの投薬頻度を減らしたことを示している。1=ビヒクル対照(丸型)、2=10mg/kgの化合物Bを1日2回/1日1回、3=40mg/kgのBGK398を1日1回、4=組合せ。(B)最後の化合物Bを投薬してから2時間後または12時間後の腫瘍における、ELISAによるMETリン酸化の分析。1=ビヒクル対照(丸形)、0=10mg/kgの化合物Bを1日2回、3=40mg/kgのBGJ398を1日1回、4=組合せ。 図の説明も、本発明の開示の一部である。 次の実施例は、本発明を説明するために役立ち、具体的な実施形態を提示するものであるが、しかしながらこれらは、本発明の範囲を制限するものではない。 BCAタンパク質アッセイ=ビウレット反応に基づくアッセイ(還元銅をキレート化して、562nmに強い吸光度を有する紫色複合体を発生させる発色剤としてのビシンコニン酸を含むアルカリ性溶液中での、タンパク質によるCu(II)からCu(I)カチオンへの還元) ECL=強化化学発光(ホースラディッシュペルオキシダーゼおよび過酸化水素によって触媒されてルミノールが酸化する間の発光)。 細胞培養および試薬 MET依存性腺癌系MKN−45、KYM−1横紋筋肉腫系、およびMG−63骨肉腫系は、ヒューマンサイエンス研究資源バンク(Health Science Research Resources Bank)(ヒューマンサイエンス振興財団(Japan Health Sciences Foundation))から入手した。FGFR依存性膀胱癌RT−112は、Leibniz−Institut Deutsche Sammlung von Mikroorganismen und Zellkulturenから入手した。Hs−683膠腫系およびHEK 293T/17細胞、SV40大型T抗原を発現するヒト腎臓系は、American Type Culture Collectionから購入した。化合物A、化合物B、およびBGJ398は、Novartis内で合成した。 セクレトームライブラリの作成 以前に記載された方法と同様に、バイオインフォマティクスパイプラインを構築して、分泌されるタンパク質および単回通過膜貫通タンパク質を同定した(Gonzalez, R.ら、PNAS、2010; Lin, H.ら、Science、2008)。簡単には、すべてのヒトRefSeqタンパク質配列(27,959のタンパク質を含有する2004年6月のバージョン)を、分泌されるものまたは膜貫通として先に注釈するために、データベースSWISSPROTおよびINTERPROでフィルタリングした(Hunter, S.ら、Nucleic Acids Res、2009; O’Donovan, C.ら、Brief Bioinform、2002)。次いで、タンパク質配列を、シグナル配列および膜貫通へリックスを同定するアルゴリズム:TMHMM、SIGNALP、およびPHOBIUSで分析した(Bendtsen, J. D.ら、J Mol Biol、2004; Kall, L.ら、J Mol Biol、2004; Krogh, A.ら、J Mol Biol、2001)。2,803の特有の遺伝子IDを選択し、3,432のクローンにマッピングした;すべてを、Invitrogen Ultimate ORFコレクションから購入し、DNAを、標準的な技術を使用して単離した。pcDNA−DEST40が、すべてのクローンについてのプラスミドベクターであり、すべてのクローンインサートを、全長配列決定によって確認した。 実施例A)セクレトミクスのスクリーニング(図1および図2) 上清の生産:上述のクローンからのDNAを、組織培養処理された透明384ウェルプレートに、4ul/ウェル、7.5ng/ulでスタンプした。使用するまで、スタンプを−20Cで凍結保存した。実験日に、スタンプしたcDNAプレートを解凍し、室温と平衡させた。HEK293T/17細胞を、次のとおりに逆トランスフェクトした:Fugene HDをOptimem中で希釈して、4:1(nl Fugene HD:ng DNA)の最終比を達成した。希釈したトランスフェクション試薬を、スタンプしたDNAプレート(10ul/ウェル)に加え、室温で30分間インキュベートした。次いで、HEK293T/17細胞を7,000細胞/50ul/ウェルで加え、標準的な組織培養条件下で4日間インキュベートして、分泌タンパク質を培地上清中に蓄積させた。 MKN−45セクレトームスクリーニング:MKN−45細胞を、組織培養処理された白色384ウェルプレート(Greiner)に3000細胞/DMEM20ul+10%FBS/ウェルで播種し、一晩付着させた。次いで、HEK293T/17単層の攪乱を最小限にするために減速したピペッティング速度で、Biomek FX液体ハンドラー(Beckman Coulter)を使用して、ライブラリトランスフェクトされたHEK293T/17細胞からの上清をMKN−45細胞に30ul/ウェルで移した。陽性対照として、精製タンパク質rhEGFおよびrhNRG1−β1(R&D Systems)を、150ng/mlの最終濃度のために各プレート上の単離ウェルに加え;擬似トランスフェクトされたHEK293T/17ウェルからの上清を、中性対照として移した。上清および精製タンパク質対照を加えた後に、DMEM中で希釈された化合物Aを、100nMの最終アッセイ濃度のために10ul/ウェルで加えた。96時間のインキュベーションの後に、CellTiter−Glo発光細胞生存率アッセイシステム(Promega)を使用して、成長を測定した。簡単には、CellTiter−Glo試薬30ulをすべてのウェルに加え、次いで、室温で15分間インキュベートし、その後、Viewluxプレートリーダー(Perkin Elmer)で発光を読み取った(図1)。 RT−112セクレトームスクリーニング:基本の形式は、MKN−45セクレトームスクリーニングと同一であったが、多少の変更を伴った。RT−112細胞をEMEM+10%中で、組織培養処理された白色384ウェルプレートに1000細胞/20ul/ウェルで播種し、一晩付着させた。ライブラリトランスフェクトされたHEK293T/17細胞からの上清を、MKN−45セクレトームスクリーニングについて上記したとおりに移した。精製タンパク質rhNRG1−β1およびrhTGFαを陽性対照として、150ng/mlの最終濃度で加えた。上清および精製タンパク質対照を加えた後に、DMEM中で希釈されたBGJ398を10ul/ウェルで、100nMの最終アッセイ濃度のために加えた。上記のとおりCellTiter−Gloを使用して、72時間後に細胞生存率を測定した(図2)。 両方のスクリーニングにおいて、以下の式を使用して、データを、ベクターのみの対照に対して正規化した:[式中、Xは、生の値であり、ベクター中央値は、所与のプレートについてのベクター対照ウェルの中央値である]。 精製タンパク質の確認:精製タンパク質を確認するためのアッセイ形式は、HEK293T/17上清の代わりに精製タンパク質を30ul/ウェルで、100ng/mlの最終濃度のために加えたことを除いて、一次スクリーニングのために使用された形式と同一であった。 実施例B) 選択的阻害薬でのレスキューの反転(図3、図4、図5、図6)) MKN−45二重阻害:MKN−45細胞を3000細胞/20ul/ウェルで、384ウェルプレートに播種し、一晩インキュベートした。rhFGF7およびrhNRG−1の溶液をDMEM+10%FBS中で調製し、次いで、30ul/ウェルで加えて、250ng/mlの最終濃度を達成した(処理1つあたり1種の精製タンパク質)。続く一重および二重阻害処理液をDMEM中で調製し、10μL/ウェルで加えた:化合物A、化合物B、BGJ398、ラパチニブ、化合物AおよびBGJ398、化合物BおよびBGJ398、化合物Aおよびラパチニブ、化合物Bおよびラパチニブ。単一または組合せにかかわらず、各化合物の最終濃度は、次のとおりであった:化合物Aおよび化合物Bでは100nM、BGJ398では500nM、およびラパチニブでは1.5uM。96時間後に、細胞生存率を、既に記載したとおりにCellTiter−Gloによって測定した(図3、図4)。 RT−112二重阻害:RT−112二重阻害実験のための形式は、MKN−45について記載した形式と同様であったが、次の変更を伴った。RT−112細胞を、1000細胞/20ul/ウェルで播種した。rhHGFおよびrhNRG−1の溶液を加えて、250ng/mlの最終濃度を達成した。一重および二重阻害条件を次のとおりに準備した:BGJ398、化合物A、化合物B、ラパチニブ、BGJ398および化合物A、BGJ398および化合物B、BGJ398およびラパチニブ。単一または組合せにかかわらず、各化合物の最終濃度は、次のとおりであった:BGJ398では100nM、化合物Aおよび化合物Bでは500nM、およびラパチニブでは1.5uM。96時間後に、細胞生存率を、既に記載したとおりにCellTiter−Gloによって測定した(図5、図6)。 ウェスタンブロット(図示せず) 精製タンパク質(rhFGF7、rhNRG1−β1、またはrhHGF)および/または阻害薬(化合物B、化合物A、BGJ398)が存在する状態または存在しない状態で、MKN−45およびRT−112細胞を6ウェルプレート内で2時間および18時間処理した。氷冷PBSで洗浄した後に、細胞を、ホスファターゼ(Thermo)およびプロテイナーゼ(Roche)阻害薬カクテルを含有するRIPA緩衝液(Thermo)で溶解させた。ビシンコニン酸タンパク質アッセイ(Pierce)によって、全タンパク質を定量化した。20μgのアリコットを電気泳動によって、NuPAGE SDS−PAGE 4〜12%ビス−トリスゲル上で分解し、その後、ニトロセルロース膜に移した。膜を室温で1時間ブロックし、その後、次の一次抗体(源はウサギ、1:1000の最終希釈)と共に、4℃で一晩インキュベートした:抗ホスホ−Akt(Ser473)、抗ホスホ−MET(Tyr1234/1235)、抗ホスホ−MAPK/ERK(1/2)(Thr202/Tyr204)、抗AKT、抗MAPK/Erk(1/2)、および抗α/β−チューブリン。抗METを1:800の最終希釈で調べた。ホスホ−FRS2(Y346)(1:1500の希釈)では、内部抗体を使用した。次いで、膜をPBS+0.1%Tweenで3時間洗浄し、その後、二次抗体であるIRDye 680LTヤギ抗ウサギIgGを希釈1:15000で加えた。室温での1時間の後に、膜を洗浄し、Odyssey Infrared Imagerを使用して、バンドを可視化した。 結果および考察:cDNAトランスフェクションによって、活性なタンパク質が十分な量で産生されるという証明は得られなかったので、スクリーニングの間に観察されるレスキュー効果は、予期された分泌タンパク質によって実際に媒介されることを直交的に実証することを試みた。この目的のために、同じ細胞増殖アッセイにおいて、市販品供給元からの組換えタンパク質を試験した。初めに、MET阻害薬化合物B(データは図示せず)が存在する状態で組換えFGFのパレット、さらにはEGFおよびNRG1−βがMKN−45をレスキューする可能性を試験した。いくつかのFGFおよびEGFファミリーメンバーで、レスキューを確認することができた。追加の実証ステップとして、リガンド効果が、それらの同族RTKの活性化によって媒介されたことを実証することを試みた。この目的のために、特異的阻害薬、すなわち、FGFR1/2/3ではBGJ398、かつHER1/2ではラパチニブを使用して、レスキューを反転させた(図3、4)。これらの実験を、化合物A(図4)および同様に選択的なMET阻害薬化合物Bと両方で行った(図3)。予測したとおり、BGJ398は、FGF7によって媒介されるレスキューを選択的に反転させることができ、ラパチニブは、NRG1によるレスキューを反転させた。共通する下流シグナルが、観察されたレスキュー効果の基礎に有るかどうかを調査するために、MET阻害、リガンド媒介レスキュー、および阻害薬媒介反転の結果をタンパク質リン酸化のレベルで、ウェスタンブロットによって分析した。加えられたリガンドが存在しない状態で、BGJ398またはラパチニブではなく、化合物Aおよび化合物Bのみが、MET増幅細胞系MKN−45において、いくつかのタンパク質(MET、ERK1/2、AKT、FRS2)のリン酸化に対して多大な効果を有した。FGF7の添加は、FRS2リン酸化、FGFRの下流の特異的マーカーを再活性化させ、同時に、AKTリン酸化に対して効果を有さないか、または軽微な効果を有して、ERK1/2リン酸化を部分的に再活性化させた。このレスキュー効果を、ラパチニブではなく、BGJ398によって反転させることができた。NRG1は、より顕著なホスホ−AKT再活性化で同様の効果を誘発したが、これは、ラパチニブに対して特異的に感受性があった。まとめると、タンパク質リン酸化で観察された効果は、細胞増殖に対する効果と一致している。ERKリン酸化の再活性化は、FGF7とNRG1との両方によってさらに堅実に再活性化され、したがって、この細胞系における持続的な細胞成長において、主要な役割を果たしていると考えられる。そこで、本来はFGFR依存性の癌細胞系RT−112に戻り、類似の実証実験を行った。組換えHERリガンド、さらには、HGFは、セクレトームスクリーニングで観察されたレスキュー効果を再現することが見出された。さらに、同族RTKの選択的な阻害は、HGFまたはNRG1によって媒介されるレスキューを反転させることができた(図5、6)。最後に、選択されたタンパク質のリン酸化に対する効果をウェスタンブロットによって評定した。RT−112細胞では、基礎AKTリン酸化は観察されなかった。リガンドが存在しない状態では、化合物AおよびBはMETリン酸化を特異的に阻害し、BGJ398は、FRS2およびERKリン酸化の両方を低減した。HGFの添加は、BGJ398が存在する状態で、ERKリン酸化を再生させたが、化合物AまたはBの同時添加は、このレスキュー効果を防止した。同様に、NGR1は、ERKリン酸化のラパチニブ感受性回復をもたらし、また、AKTのリン酸化を刺激した。この場合も、ERKのリン酸化は、細胞成長と、そしてAKTリン酸化とより良好に相関していると考えられた。 これらの結果は一緒に、それらのRTKのうちの2種が、遺伝的変更または同族リガンドのいずれかによって同時に活性化されるならば、HER、MET、およびFGFR阻害薬を対で組み合わせることが、治療効力には必要であり得ることを示唆している。ここまでに記載した実験では、リガンドを外来源から加えたが、癌患者におけるリガンドは、その腫瘍自体(自己分泌刺激)に、または他の源、例えば腫瘍関連ストロマ(パラ分泌刺激)に由来してもよい。 実施例C)組合せアッセイ(図7を参照されたい) 化合物B(以下の表中では「B))およびBGJ398(以下の表中では「C」)の組合せ抗増殖効果を、KYM−1、MG−63、およびHs−683細胞において、96ウェルプレートで、以下に示す濃度マトリックスを使用して測定した: 使用濃度: ハイフンで標識されたウェルには、一致する体積の成長培地を充填した。一部の実験では、化合物Aの最大濃度は、1/10倍低かったが、希釈ステップは上記のとおり維持した。 細胞を3種の異なる条件下で成長させた(図7を参照されたい):「単層」と標識された実験は通常の組織培養プレートで行って、細胞を付着させ、最後に単層を形成させた。細胞を1回の実験あたり3つのプレート(3連)に、上記のとおりの標準的な成長培地中、1ウェルあたり5000個の密度で播種した。別のプレート上の6〜8ウェルに播種して、化合物の添加時点での生細胞の量を定量化した。24時間後に各化合物で別個の希釈列を、成長培地中、10mMのDMSO原液から出発して、10倍の最終濃度で調製した。示されているとおり、DMSOのみの対照が包含された。各化合物希釈について10μLのアリコットを、上記で示したマトリックスに従って加えて、100μLの最終体積を生じさせた。同時に、レザズリンナトリウム塩色素の還元の読出し値を使用して、上述の別のプレート上の生細胞を定量化した。具体的には、0.13mg/mL原液10mLを1ウェル当たり加えて、プレートを細胞培養インキュベーター内で2時間インキュベートし、その後、吸収を測定した(励起560nm、発光590nm)。化合物で処理された細胞を72時間インキュベートし、上記のとおりのレザズリンアッセイを続けた。(a)化合物を添加した時点での播種細胞の読出し値を引き、かつ(b)設定 DMSOのみで処理された細胞を0%阻害と設定し、播種された細胞の読出し値を100%阻害に設定することによって、阻害パーセントを計算した。したがって、100%超の値は、化合物と共にインキュベートする過程での細胞死を示唆している。G. R. Zimmermannら、Drug Discovery Today、12巻、No. 1/2、2007、34〜42頁、および特に、J. Leharら、Nature Biotechnology、27巻、No. 7、2009、659〜666頁に記載されている方法を使用して、手短には、各用量マトリックスポイントでのLoewe相加応答ILoewe(X、Y)を単一作用薬の応答曲線から繰り返し計算し、次いで、ILoeweと実験データとの間の差違を合計することによって、相乗効果の定量化を行った。その合計が、ILoeweデータの単なる付加計算からの合計よりも大きい場合に、相乗効果が示されている(X、Yは、それぞれXおよびY軸上の薬物Xおよび薬物Yの薬物濃度である)。 「非付着」と標識されたKYM−1細胞での実験は、Costar(登録商標)超低付着性96ウェル−プレートを使用したことを除いて、同じ方法で行った。これらのプレートでは、細胞は、プラスチックに付着することができず、二次元的凝集で成長した。他の2種の細胞系は、これらの条件下では成長しなかった。 「軟寒天」と標識された実験では、細胞を半固体培地に埋め込んで、三次元的凝集の形成を可能にした。具体的には、アガロースVII型をPBSに2.7%の濃度で溶かした。次いで、播種する直前まで、溶液を50℃に維持し、上記のとおりの2倍体積の細胞系特異的成長培地で希釈した。次いで、希釈したアガロースを、個々の細胞を含有する2倍体積と混合し、3000個の細胞を含有する150μLのアリコットを、Costar超低付着性96ウェルプレート上に迅速に分散させた。したがって、最終アガロース濃度は0.3%であった。この場合も、別のプレート上のウェルに播種して、化合物を添加した時点での細胞の量を定量化した。24時間後に、化合物希釈列を調製して、成長培地中に合計80μLの希釈化合物のオーバーレイ(overlay)が、上記のスキームに示されている最終濃度をもたらし、230μLの全体積が生じるようにした。レザズリン溶液20μLを加え、5時間インキュベートすることによって、播種された細胞を定量化した。化合物で処理された細胞を7〜10日間インキュベートし、コロニーをレザズリンで定量化した。阻害パーセントおよび相乗効果を上記のとおり計算した。 ウェスタンブロット(データは図示せず) 示されている細胞系を6ウェルプレート上に、500000細胞/ウェルの密度で播種し、24時間放置して付着させ、次いで、最終濃度1μMの示されている化合物と共にさらに24時間処理した。次いで、成長培地を除去し、細胞を氷冷PBSで2回洗浄し、50mmol/LのトリスpH7.5、120mmol/LのNaCl、20mmol/LのNaF、1mmol/LのEDTA、6mmol/LのEGTA、1mmol/LのBenzamidin、0.2mmol/LのPMSF、100mmol/Lのバナジン酸ナトリウム、1%のNP−40中で溶解させた。透明溶解産物のタンパク質濃度を、BCAタンパク質アッセイキットで決定した。各試料のタンパク質80μgをNuPage 4〜12%Tris−Bis MidiゲルでのSDS−PAGEによって分離し、PVDF膜に移し、上記で列挙したとおりの抗体で調査した。洗浄し、二次HRP連結抗体と共にインキュベートした後に、ECL検出試薬を使用して、バンドを可視化した。 結果は、遺伝子発現パターンはMETおよびFGFR1の自己分泌活性化を示唆するものであった。 2種のRTKの同時活性は、選択的キナーゼ阻害薬に対する一次または獲得抵抗の原因であり得るであろう。自己分泌ループを介するか、または他の遺伝的変化によるRTKの同時活性化が樹立癌細胞系において見出されるかどうか、かつこのことが、選択的RTK阻害薬に対する応答を変調するかどうかを調査するために、Broad−Novartis Cancer Cell Line Encyclopedia(http://www.broadinstitute.org/ccle/home)と称される癌細胞系の膨大なセットから利用可能な発現およびコピー数プロファイルを分析した。我々の分析の焦点を、受容体1種、リガンド1種で相対的に簡単であるのでMETに、さらに、METとのクロストークの新規の発見によってFGFRファミリーに合わせた。MET(MKN−45においてのとおり)および任意のFGFR(RT−112においてのとおり)の高レベル増幅は相互に排他的であることが見出されたので、注意を潜在的な自己分泌ループに向けた。MET、HGF、FGFR、およびFGFについての発現値を使用する単純な順位序列アルゴリズムを適用することによって、二重自己分泌RTK活性化についての可能性を有する細胞系を同定した。次いで、3種の有望で、実験によって追跡可能な候補を組合せ研究のために選択した(図7)。KYM−1横紋筋肉腫細胞系は、高いMETおよびHGFレベル、さらには、高いFGFR1およびFGF20を発現することが見出された。これらの細胞をインビトロで、複数の実験設定で試験した:初めに、細胞を付着性プレート上で単層で成長させた。次のステップとして、半固体培地が存在する状態または存在しない状態のいずれかで、非付着性プレートを使用した。これらの条件下で、特に半固体培地中では、自己分泌刺激を支持し、かつインビボでの腫瘍に、より緊密に似ている可能性がある、よりクラスター化した状態で細胞は成長した。「チェックボード」レイアウトを使用して、複数の濃度の化合物BおよびBGJ398の組合せと共に、細胞をインキュベートした(図7)。MET阻害だけでは効果を有さなかったが、FGFR阻害は、部分的な成長抑制につながった。重要なことに、両方のRTKの組合せ阻害は、いずれか単一の作用薬よりも多大に、成長を抑制した。細胞がクラスターで成長した場合に、この所見はより顕著であり、RTKの同時活性化が、単一RTKに対する依存性を緩和し得るという仮定を裏付けている。骨肉腫細胞系MG−63(高MET/HGF、高FGFR1/FGF18)において、単層増殖アッセイで同様の組合せ効果が観察された。予期せず、半固体培地において、BGJ398単独での強い成長阻害が観察され、化合物Bとの組合せはむしろ、FGFR1の阻害が不完全であり得る低濃度のBGJ398で有益であった。この結果は、MG−63細胞におけるFGFR1およびMETの同時活性をまだ立証しているが、FGFR1が、成長のための主要な駆動因子であると考えられる。最後に、膠腫細胞系Hs683(高MET/HGF、高FGFR1/FGF7)を試験したところ、両方のRTKを同時に阻害すると、単層アッセイにおいて成長阻害が明らかに増強されることが観察された(図7F)。各化合物は単一の作用薬として、その固有の標的を有効に阻害したが、下方のシグナルトランスデューサーAKTおよびMAPKに対する効果は、あまり明らかではなかったことが見出された。重要なことに、組合せ効果は各細胞系において、ERKリン酸化阻害のレベルでは明らかであったが、AKTリン酸化は影響を受けなかった。非付着性プレート内で成長させたKYM−1細胞において同じ分析を行った場合、薬物組合せで、ERKリン酸化に対するさらにより顕著な組合せ効果と、AKTリン酸化の中程度の低減とが観察された(データは図示せず)。 図8は、Loeweモデルに基づく薬物の自己組合せに対する、パーセントでの相加(または低減)効果レベルを示している。化合物濃度はマイクロモルであり、レイアウトは、図7について記載したとおりである。 実施例D)マウスでのインビボ研究(図8) 患者由来の非小細胞肺癌異種移植片LXFL1121においてインビボ抗腫瘍有効性研究を実施した。異種移植片をヌードマウスの皮下で成長させた。8匹の腫瘍保有マウスをそれぞれ、ビヒクル対照、化合物B単独、BGJ398単独、または組み合わせた薬物両方のいずれかで、示されている用量および頻度で処置した。組合せ群において体重減少が観察された後に、化合物Bの投与頻度を研究14日目に1日2回から1回へと減らしたことに注意されたい。組合せ群では、1匹の動物が、研究7日目の後に死亡し、1匹が研究18日目の後に未知の理由によって死亡した。示されている日に腫瘍体積を測定し、併用処置の相乗効果を、Clarke, R., Breast Cancer Res. Treat.、41997の方法によって評定した。 薬物動態/薬力学的分析では、ビヒクルおよび化合物Bのみの群の動物を研究21日目の後にと殺し、その際、動物を半数ずつ、最終投与の2時間後または12時間後にと殺した。血漿および腫瘍試料を収集した。残りの2つの群における処置を、21日目の後に停止し、薬力学的分析に十分な材料を得るために、腫瘍を再び成長させた。61日目に、BGJ398またはBGJ398/化合物Bの組合せの最終用量を与え、残りのマウスのうちの半数を2時間後にと殺した。第1用量から12時間後に、化合物Bの第2用量を組合せ群に投与し、BGJ398から24時間後=最後の化合物Bの投与から12時間後に、残りの動物をと殺した。 液体窒素で冷却された鋼乳鉢中で、スナップ凍結した腫瘍試料を手動で微粉砕した。次いで、タンパク質抽出物を調製した。ホスホ−MET/全METレベルを定量化するために、製造者の指示に従って、MSD96ウェルMULTI−SPOT Phospho(Tyr1349)/Total MET Assay(Meso Scale Discovery)を使用した。 UPLC/MS−MSアッセイによって同時に、血漿および腫瘍均質化物(homogenisate)中での化合物BおよびBGJ398の濃度を決定した。内標準混合物25μl(1μg/ml)を血漿の分析用アリコット(25μl)または腫瘍ホモジネート(100μl)に加えた後に、アセトニトリル200μlを加えることによって、タンパク質を沈澱させた。上清を新たなバイアルに移した。蒸発乾固の後に、試料をアセトニトリル/水(1/1v/v)60μlに再溶解させた。この溶液のアリコット(5μl)を、水中0.1%のギ酸(溶媒A)およびアセトニトリル中0.1%のギ酸(溶媒B)の混合物からなる移動相を用いるACQUITY UPLC BEH C18カラムで分離した。600μl/分の流速で、勾配プログラミングを使用した。95%溶媒Aと平衡させた後に、試料5μlを注入した。0.25分の待ち時間の後に、試料を、0.65分間かけて5〜100%溶媒Bの直線勾配、続く0.35分の保持で溶離した。0.25分かけて出発条件に再平衡させることによって、カラムを次の試料のために準備した。カラム溶離剤を、Masslynx(商標)4.1ソフトウェアによって制御される三重四重極質量分析計TQD(商標)のイオン源に直接導入した。分析物のMS/MS検出のために、エレクトロスプレー陽イオン化(ESI+)多重反応モニタリングを使用した。両方の化合物についての定量下限(LOQ)を、血漿および腫瘍均質化物でそれぞれ2ng/mLおよび1ng/gに設定した(30%未満のCVおよび全バイアス)。退縮分析およびさらなる計算を、QuanLynx(商標)4.1およびExcel(商標)2007を使用して行った。ビヒクルで処置された動物から得られたブランク血漿または組織中でスパイクされた較正試料を使用して構築された較正曲線からの分析物/ISのピーク面積比に基づき、未知の試料の濃度を逆計算した。 結果:高いMETおよびHGF発現と組み合わせて非常に高いFGFR1発現を示す肺癌モデルを同定した。このモデルに由来する異種移植片を保有するマウスを4つの群に無作為化し、次いでこれらの群を、ビヒクル対照、単一作用薬としての化合物B、単一作用薬としてのBGJ398、または薬物両方の組合せで処置した。化合物Bを10mg/kgの用量、1日2回で開始した。BGJ398を40mg/kgの用量で1日1回、経口で与え、薬物両方では同じレジメンを、組み合わせて使用した。組合せ群における体重減少によって、化合物Bの投薬頻度を2週間後に、1日1回に任意に減らした。研究をこの設定で18日目まで継続した。 ビヒクル対照と比較して、化合物B単独は、まさに中程度の統計的に有意でない抗腫瘍効果のみを示した(図8A)。対照的に、単一作用薬としてのBGJ398での処置は強い腫瘍成長阻害につながり、18日間の経過にわたって安定的な疾患(静止または僅かな退縮)をもたらした。両方のRTK阻害薬の組合せは、腫瘍を実質的に退行させることができた。Clarkeの方法を使用しての統計的解析によって、相乗効果が示された。 限られたデータから相互作用を推定することができるClark(2)によって提供された方法を使用して、組合せデータの有意性を評定した。化合物A、B、またはABの組合せについて(対照群Cと共に)、最終値を収集した。計算AB/C>A/C×B/Cの場合には拮抗作用が、AB/C=A/C×B/Cでは相加効果が予測され、A×B/C<A/C×B/Cの場合には相乗的相互作用が生じると予測される。 細胞系MG−63において、同様のインビトロ結果が得られた。 (i)MET阻害薬および(ii)FGFR阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはそれぞれそのプロドラッグと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組合せ。 成分(i)および(ii)の同時使用、個別使用または逐次使用のための、請求項1に記載の医薬組合せ。 固定の組合せの形態である、請求項1に記載の医薬組合せ。 FGFRチロシンキナーゼ阻害薬およびMETチロシンキナーゼ阻害薬が独立に、同時にまたは時間間隔内で、特に、時間間隔が組合せパートナーが共同で活性であることを可能にする場合にはその時間間隔内で個別に投与され得る併用投与のための形態またはキットオブパーツである、請求項1に記載の医薬組合せ。 METチロシンキナーゼ阻害薬が、(E)−2−(1−(3−((7−フルオロキノリン−6−イル)メチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキサミドおよび2−フルオロ−N−メチル−4−[(7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b]トリアジン−2−イル]ベンズアミド、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグからなる群から選択され、 FGR−Rチロシンキナーゼ阻害薬が、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−{6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−1−メチル−尿素、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである、請求項1から4のいずれか一項に記載の医薬組合せ。 さらなる同時作用薬、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の医薬組合せ。 癌の治療において使用するための、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患に対して共同で治療上有効である量を含む、請求項1から6のいずれか一項に記載の医薬組合せ。 組合せ製品の形態である、請求項1から7のいずれか一項に記載の医薬組合せ。 FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療する方法において組み合わせて使用するための、MET阻害薬およびFGFR阻害薬、または薬学的に許容されるその塩。 METチロシンキナーゼ阻害薬が、(E)−2−(1−(3−((7−フルオロキノリン−6−イル)メチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキサミドおよび2−フルオロ−N−メチル−4−[(7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b]トリアジン−2−イル]ベンズアミド、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグからなる群から選択され、 FGR−R阻害薬が、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−{6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−1−メチル−尿素、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである、請求項9に記載の使用のためのMET阻害薬およびFGFR阻害薬。 FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための、請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せまたは組合せ製品の使用。 FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための請求項1から8のいずれか一項に記載の医薬品または医薬製品、特に、組合せまたは組合せ製品を製造するための、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩の組合せ。 FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療する方法であって、必要のある患者に、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩の組合せを投与することを含む方法。 MET阻害薬が、(E)−2−(1−(3−((7−フルオロキノリン−6−イル)メチル)イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル)エチリデン)ヒドラジンカルボキサミドおよび2−フルオロ−N−メチル−4−[(7−キノリン−6−イル−メチル)−イミダゾ[1,2−b]トリアジン−2−イル]ベンズアミド、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグからなる群から選択され、 FGFR阻害薬が、3−(2,6−ジクロロ−3,5−ジメトキシ−フェニル)−1−{6−[4−(4−エチルピペラジン−1−イル)−フェニルアミノ]−ピリミジン−4−イル}−1−メチル−尿素、または薬学的に許容されるその塩もしくはプロドラッグである、請求項13に記載の方法。 FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための方法であって、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬を含む請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せまたは組合せ製品の有効量を、それを必要とする対象、例えば、温血動物、特にヒトに投与することを含む方法。 特に、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌の治療において使用するための医薬製品またはコマーシャルパッケージであって、請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せを、FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌の治療におけるその同時使用、個別使用または逐次使用のための指示書と特に一緒に含む、医薬製品またはコマーシャルパッケージ。 FGFRチロシンキナーゼ活性および/またはMETチロシンキナーゼ活性に媒介される疾患、特に癌を治療するための特に請求項1から8のいずれか一項に記載の組合せを調製するための、(i)FGFRチロシンキナーゼ阻害薬および(ii)METチロシンキナーゼ阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩の使用。 本発明は、(i)MET阻害薬および(ii)FGFR阻害薬、またはそれぞれ薬学的に許容されるその塩もしくはそれぞれそのプロドラッグと、少なくとも1種の薬学的に許容される担体とを含む医薬組合せ製品に関する。