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タイトル:特許公報(B1)_サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、ゲル形成剤
出願番号:2015501992
年次:2015
IPC分類:A61K 31/722,A61K 31/635,A61K 9/14,A61P 17/02,A61P 17/00,A61P 43/00,A61J 1/05


特許情報キャッシュ

園尾 美子 JP 5766379 特許公報(B1) 20150626 2015501992 20141222 サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、ゲル形成剤 株式会社グリーンエバー 513325306 特許業務法人 津国 110001508 津国 肇 100078662 三宅 俊男 100116528 柴田 明夫 100146031 膝舘 祥治 100145104 田中 聖 100146422 園尾 美子 JP 2013265620 20131224 20150819 A61K 31/722 20060101AFI20150730BHJP A61K 31/635 20060101ALI20150730BHJP A61K 9/14 20060101ALI20150730BHJP A61P 17/02 20060101ALI20150730BHJP A61P 17/00 20060101ALI20150730BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150730BHJP A61J 1/05 20060101ALI20150730BHJP JPA61K31/722A61K31/635A61K9/14A61P17/02A61P17/00 171A61P43/00 121A61J1/00 313D A61K 31/00−33/4 A61J 1/05 A61K 9/00−48 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN) 特開2003−062057(JP,A) 特開平04−139131(JP,A) 米国特許出願公開第2011/0319805(US,A1) 英国特許出願公開第02327344(GB,A) 特表2012−523449(JP,A) 特表2010−540573(JP,A) 特表2004−501956(JP,A) 特表2011−500955(JP,A) 日本農芸化学会誌,2004年,Vol.78, No.9,p.847-850 Biophilia,2006年,Vol.2, No.1,p.20-26 キチン・キトサン研究,2001年,Vol.7, No.3,p.268-272 家畜診療,2002年,No.474,p.757-767 J Vet Med Sci,1995年,Vol.57, No.5,p.851-854 J Therm Anal Calorim,2013年 3月,Vol.111, Issue 3,p.2149-2155 化学と教育,2001年,Vol.49, No.8,p.496-499 30 JP2014083954 20141222 23 20150128 上條 のぶよ 本発明は、サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、ゲル形成剤、特には体液漏出患部を保護するためのゲル形成剤、さらに特には創傷を治療するためのゲル形成剤に関する。また、本発明は、ゲル形成剤を含むキット、およびゲル形成剤を適用する工程を含む対象の患部にゲルを形成するための方法、特には体液漏出患部を保護する方法、さらに特には創傷を治療方法も提供する。 臨床の状況においてみられる創傷は、創傷を有する対象に対して厳しい身体的、情動的および財政的な負担を負わせ得る。ヒトを含む動物において、不十分な創傷治療は細菌感染症のリスクを上昇させる。細菌による感染症にかかると、創傷部には膿瘍、蜂巣炎、滲出液などの症状が出現し、組織が破壊され治癒が遷延する。また、創傷面は変色して不良肉芽を形成し、疼痛、発赤、臭気などの症状が出現する。 創傷における感染症を予防・治療するために、古くからサルファ剤が使用されてきた。サルファ剤は、スルホンアミド基を持つ合成化合物の総称である。サルファ剤は、葉酸合成経路の必須酵素ジヒドロプテロイン酸合成酵素の基質であるパラアミノ安息香酸と拮抗阻害する。その結果、サルファ剤は、細菌中の葉酸合成および葉酸を必要とするDNA/RNA合成を阻害し、抗菌作用を示す。 また、サルファ剤は炭酸脱水酵素を阻害することにより、重炭酸イオンの生成を防ぎ、血液pH低下作用を示す。このことにより、創傷部のpHを細菌の増殖至適pHよりも下げ、抗菌作用を示す。 キトサン剤も、創傷治療によく用いられている。D−グルコサミン重合体を主成分とするキトサン剤は、創傷部に適用すると、繊維芽細胞を誘導し、肉芽形成を促し、創傷治癒を促進させる。 サルファ剤とキトサン剤を含む、皮膚を回復させると共に細菌性皮膚感染を治療するための医薬クリーム剤が知られている(特許文献1)。国際公開第2010−119369号 サルファ剤は、水に難溶であり、すぐに乾燥してしまうので、創傷治療剤として用いるにはクリーム剤の剤型を取る必要があった。しかしながら、クリーム剤の塗布は、往々にして創傷部に処置者が直接触れることにより行われ、患者に刺激痛を与え、また均一に塗布するのに手技が必要であった。 キトサン剤は、肉芽形成を助長しすぎてしまうこと、またpHが高めであり雑菌の増殖を助長して炎症を悪化させてしまうこともあり、創傷治療剤として用いるには取り扱いが難しいとの問題があった。 また、クリーム剤は、外部からの被毛、衣類、粉の付着を助長させるので、創傷部を清潔に保つのが困難である。その改善策として、接着シート剤も提供されているが、シート剤は関節や凹凸の激しい傷また被毛に大藁田傷には密着しにくい、接着シート剤を接着している皮膚から剥がす際に正常な皮膚や肉芽形成した創傷部を再度傷つける、また剥がす際に患者に刺激痛を与えるなどの問題があった。 本発明者は鋭意研究の末、サルファ剤およびキトサン剤を含む組成物を、散剤の剤型とすることで、上記問題を解決することを見出し、本発明を完成させるに至った。 すなわち、本発明の要旨は以下である[1] サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、ゲル形成剤。[2] 体液漏出患部を保護するための、[1]記載のゲル形成剤。[3] 創傷を治療するための、[1]または[2]記載のゲル形成剤。[4] 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファフェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメトミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される、[1]〜[3]のいずれか記載のゲル形成剤。[5] 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシンまたはその誘導体である、[1]〜[4]のいずれか記載のゲル形成剤。[6] 前記キトサン剤が、高分子キトサンと低分子キトサンとの混合物である、[1]〜[5]のいずれか記載のゲル形成剤。[7] 前記キトサン剤が、キチン質を含む、[1]〜[6]のいずれか記載のゲル形成剤。[8] 前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比20:1〜1:20の割合で混合されていることを特徴とする、[1]〜[7]のいずれか記載のゲル形成剤。[9] 前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比5:1〜1:5の割合で混合されていることを特徴とする、[1]〜[8]のいずれか記載のゲル形成剤。[10] 患部が、切開創、裂傷、擦過傷、刺傷、穿通創、打撲傷、血腫、および挫滅傷からなる群より選択される急性創傷である、[1]〜[9]のいずれか記載のゲル形成剤。[11] 患部が、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、角膜潰瘍、消化器潰瘍、虚血、放射線障害、口内炎および皮膚病に起因する創傷からなる群より選択される慢性創傷である、[1]〜[9]のいずれか記載のゲル形成剤。[12] 対象が、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、または哺乳動物である、[1]〜[11]のいずれか記載のゲル形成剤。[13] 前記対象が、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ウシ、およびヒトからなる群より選択される哺乳動物である、[12]記載のゲル形成剤。[14] サルファ剤とキトサン剤を混合する工程を含む、[1]〜[13]のいずれか記載のゲル形成剤の製造方法。[15] 対象の患部に散剤のキトサン剤と組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用するための散剤のサルファ剤。[16] 対象の患部に散剤のサルファ剤と組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用するための散剤のキトサン剤。[17] [1]〜[13]のいずれか記載のゲル形成剤、[15]記載のサルファ剤または[16]記載のキトサン剤、および放散剤容器を含む、ゲル形成キット。[18] 前記放散剤容器がスポイト形状である、[17]記載のゲル形成キット。[19] 対象の患部にゲルを形成するための方法であって、工程a)対象の患部にそれぞれ散剤のサルファ剤およびキトサン剤を、組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用する工程を含む、方法。[20] 体液漏出患部を保護するための、[19]記載の方法。[21] 創傷を治療するための、[19]または[20]記載の方法。[22] 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファフェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメトミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミン、およびそれらの誘導体からなる群より選択される、[19]〜[21]のいずれか記載の方法。[23] 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシンまたはその誘導体である、[19]〜[22]のいずれか記載の方法。[24] 前記キトサン剤が、高分子キトサンと低分子キトサンとの混合物である、[19]〜[23]のいずれか記載の方法。[25] 前記キトサン剤が、キチン質を含む、[19]〜[24]のいずれか記載の方法。[26] 適用される前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比20:1〜1:20の割合であることを特徴とする、[19]〜[25]のいずれか記載の方法。[27] 適用される前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比5:1〜1:5の割合であることを特徴とする、[19]〜[26]のいずれか記載の方法。[28] 適用される前記サルファ剤と前記キトサン剤が、予め混合されている、[19]〜[27]のいずれか記載の方法。[29] 前記適用が、患部に直接適用することである、[19]〜[28]のいずれか記載の方法。[30] 前記適用が、放散剤容器を用いて行われる、[19]〜[29]のいずれか記載の方法。[31] 前記患部が、切開創、裂傷、擦過傷、刺傷、穿通創、打撲傷、血腫、および挫滅傷からなる群より選択される急性創傷である、[19]〜[30]のいずれか記載の方法。[32] 前記患部が、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、角膜潰瘍、消化器潰瘍、虚血、放射線障害、口内炎および皮膚病に起因する創傷からなる群より選択される慢性創傷である、[19]〜[30]のいずれか記載の方法。[33] 前記対象が、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、または哺乳動物である、[19]〜[32]のいずれか記載の方法。[34] 前記対象が、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ウシ、およびヒトからなる群より選択される哺乳動物である、[33]記載の方法。 本発明により、従来のサルファ剤、キトサン剤のみよりも顕著な治療効果を有する創傷治療用組成物が提供される。すなわち、サルファ剤とキトサン剤の両者を含有する散剤とすることにより、創傷部のpHをより治療効果を奏する範囲に保ち、サルファ剤の抗菌作用を示す。また創傷部の湿潤環境が適度に保たれ、肉芽形成が適切になされる。また散剤とすることにより、適切な放散剤容器を用いることによって、処置者が創傷部に直接触れることなく、創傷治療用組成物を散布することができる。さらに、驚くべきことには、散剤が創傷部の体液と接触すると、サルファ剤とキトサン剤の相互作用によるゲル層が形成され、創傷部を保護する役割も果たす。本発明のゲル形成剤による創傷部でのゲル層形成を示す。本発明のゲル形成剤による症例1の創傷部の経過を示す。本発明のゲル形成剤による症例2の創傷部の経過を示す。本発明のゲル形成剤による症例3の創傷部の経過を示す。本発明のゲル形成剤による症例4の創傷部の経過を示す。本発明のゲル形成剤による血液上でのゲル層形成能を示す。本発明のゲル形成剤によるpHの経時的変化を示す。本発明のゲル形成剤によるpHの経時的変化を示す。本発明のゲル形成剤によるイヌ抜歯部の止血効果および保護効果を示す。 本発明は、サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、ゲル形成剤、特には体液漏出患部を保護するためのゲル形成剤、さらに特には創傷を治療するためのゲル形成剤を提供する。 本発明のゲル形成剤は、サルファ剤を含む。本発明において、サルファ剤は、スルホンアミド基を持つ、医薬に用いることが想定され得る任意の合成化合物を指す。具体的には、スルファモノメトキシン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファフェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメトミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミンが挙げられるがこれに制限されない。これらのサルファ剤は、誘導体、例えば銀塩等の塩の形態であってもよい。ある特定の態様では、サルファ剤は、スルファモノメトキシンまたはスルファジメトキシンである。また別の特定の態様では、サルファ剤は、スルファモノメトキシンである。 本発明のゲル形成剤は、キトサン剤を含む。本発明において、キトサン剤は、D−グルコサミンの直鎖型重合体であるキトサンを主成分とする混合物を指す。キトサン剤の重合度、分子量に特に制限はない。ある特定の態様では、本発明のキトサン剤は、高分子キトサン(分子量10,000以上)と低分子キトサン(分子量10,000未満)の混合物である。高分子キトサンと低分子キトサンの混合比に制限はないが、例えば、重量比1:9〜9:1の混合比が挙げられる。 本発明におけるキトサン剤は、さらにキチン質を含んでいても良い。キチン質は、N−アセチルグルコサミンとグルコサミンの直鎖型重合体を指す。キチン質の重合度に特に制限はなく、オリゴ糖(重合度3〜10)であってもよい。本発明のキトサン剤にキチン質が含まれる場合、キチン質の含有量は好ましくは重量割合15%以下である。 好ましい態様において、本発明のゲル形成剤は、スルファモノメトキシンおよびキチン質を含むキトサン剤を含む。より好ましい態様においては、キチン質を含むキトサン剤における高分子キトサン:低分子キトサン:キチンオリゴ糖の比が、重量比39:59:2である。 本発明のゲル形成剤において、本発明のサルファ剤とキトサン剤の混合比に特に制限はなく、創傷の種類、程度に応じて自由に設定することが出来る。ある態様において、本発明のサルファ剤とキトサン剤が重量比20:1〜1:20の割合で混合されている。好ましい態様において、サルファ剤とキトサン剤が重量比5:1〜1:5の割合で混合されている。創傷部において出血・滲出度が高い場合や重度感染がみられる場合、肉芽形成が進んでいる場合にはサルファ剤の混合比を高くすることが好ましく、例えばサルファ剤とキトサン剤が重量比21:5で混合されている本発明のゲル形成剤が好ましい。この態様において賦形剤を含む場合、例えばサルファ剤:キトサン剤:賦形剤は重量比21:5:84の割合で混合されている。一方、患部において重度損傷がみられる場合や肉芽形成前である場合には、サルファ剤の混合比を低くすることが好ましく、例えばサルファ剤とキトサン剤が重量比7:15で混合されている本発明のゲル形成剤が好ましい。この態様において賦形剤を含む場合、例えばサルファ剤:キトサン剤:賦形剤は重量比7:15:28の割合で混合されている。 本発明のゲル形成剤は、剤型が散剤である。散剤は、粉末状の剤型のことを指す。散剤の粒径に特に制限はないが、目開き500μmの篩を通過する粒径が好ましい。このような粒径の散剤であれば、例えば放散剤容器を用いて、患部に処置者が直接触れずに均一に本発明のゲル形成剤を適用することができる。散剤の剤型にする方法には、薬学製剤において一般的に行われる方法であれば特に制限は無く、本発明の効果を奏すれば造粒されていても良い。造粒方法としては、例えば解砕造粒、押し出し造粒、流動層造粒、噴霧造粒、転動造粒、撹拌造粒などが挙げられる。 本発明のゲル形成剤が散剤であることにより、患部の位置、形状、状態に制限されることなく、薬剤適用することが可能である。 さらに、本発明のゲル形成剤が散剤であることにより、薬剤が体液漏出患部に適用されて血または唾液や浸出液などの体液と接触すると、サルファ剤とキトサン剤が水分と相互作用してややゲル状である層を形成する。このように体液漏出患部にゲル層が形成されることにより、ゲル形成剤が創傷部に容易に保持され、また同時に保護シートの役割を果たす。シート表面は粘性が低く、創傷部に異物が付着するのを防ぐ。 上記の本発明のゲル形成剤により形成されるゲル層の厚さ、ゲル固形度は、患部の重症度により、自然に調節される。すなわち、創傷が重傷で浸出液が多い場合は本発明のゲル形成剤が厚く付着し、創傷が治癒しつつあり浸出液が少ない場合は本発明のゲル形成剤は薄く付着する。また不要な紛体は生体の動きに伴い自然に剥落する。なお、ゲル層は水や生理食塩水によって、患者に強い疼痛や損傷を伴うことなく容易に除去できる。 本発明のゲル形成剤は、本発明の効果が失われない限り、任意の薬学上許容可能な賦形剤、担体、希釈剤などを含んでいても良い。賦形剤等の具体例としては、乳糖、白糖、トウモロコシデンプン等が挙げられるがこれに限定されない。 本発明のゲル形成剤は、任意の患部に対して用いることが出来る。患部は、皮膚表面、粘膜、口腔内、消化器官内、膀胱内であってもよい。創傷は、具体的には切開創、裂傷、擦過傷、刺傷、穿通創、打撲傷、血腫、および挫滅傷からなる群より選択される急性創傷か、または静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、角膜潰瘍、消化器潰瘍、虚血、放射線障害、口内炎および皮膚病に起因する創傷からなる群より選択される慢性創傷が含まれる。 本発明のゲル形成剤を適用する対象は、創傷を受ける任意の動物である。対象は、具体的には、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、哺乳動物などが挙げられるが、これに限定されない。ある態様において、対象は、哺乳動物であり、例えばイヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ウシ、およびヒトが挙げられる。 本発明のゲル形成剤を患部に適用する方法は、本発明のゲル形成剤の剤型が散剤で有る限り制限はない。ある態様において、本発明のゲル形成剤を、放散剤容器を用いて、創傷部に処置者が直接触れずに適用する。この場合用いられる放散剤容器は、本発明のゲル形成剤を散布することができる任意の容器であり、例えば、点眼用スポイト容器を転用しても良い。 本発明はまた、サルファ剤とキトサン剤と必要に応じて賦形剤とを混合することを含む、本発明のゲル形成剤の製造方法を提供する。 本発明の製造方法において好適に用いられる原料は、本発明のゲル形成剤において例示した各化合物等が挙げられる。 本発明の製造方法において用いられる各原料の入手方法は、特に限定されない。キトサン剤については、キチン質を公知の方法で脱アセチル化することによって得ても良い。 本発明の製造方法における混合方法は、サルファ剤とキトサン剤が散剤の状態で均一に混合されれば特に制限は無い。ある態様において、混合容器に比重の軽いキトサン剤をまず初めにいれ、次に比重の重いサルファ剤を入れて撹拌混合する。この態様によって、より早く均一に混合される。 本発明はまた、ゲルを形成するため、特には体液漏出患部を保護するため、さらに特には創傷を治療するために、対象の患部部に散剤のキトサン剤と組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用するための散剤のサルファ剤を提供する。 本発明の散剤のサルファ剤は、具体的には本発明のゲル形成剤において例示したサルファ剤が挙げられる。 本発明はまた、ゲルを形成するため、特には体液漏出患部を保護するため、さらに特には創傷を治療するために、対象の患部に散剤のサルファ剤と組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用するための散剤のキトサン剤を提供する。 本発明の散剤のキトサン剤は、具体的には本発明のゲル形成剤において例示したキトサン剤が挙げられる。 本発明はまた、本発明のゲル形成剤、キトサン剤と組み合わせて適用するための散剤のサルファ剤またはサルファ剤と組み合わせて適用するための散剤のキトサン剤、および場合により放散剤容器を含む、ゲル形成キットを提供する。 ある態様において、本発明のゲル形成キットは、放散剤容器を含む。放散剤容器は、本発明のゲル形成剤を散布することができる任意の容器であり、例えば、点眼用スポイト容器である。 本発明のゲル形成キットにおいて好適なサルファ剤およびキトサン剤は、本発明のゲル形成剤において例示した各化合物等が挙げられる。 本発明は、対象の患部にゲルを形成するための方法、特には体液漏出患部を保護するための方法、さらに特には創傷を治療するための方法であって、工程a)対象の患部にそれぞれ散剤のサルファ剤およびキトサン剤を、組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用する工程を含む、方法を提供する。 この方法により、従来の治療方法では不十分にしか治癒できなかった創傷も、対象の生活に影響がないほどに治癒することが可能になる。 本発明の方法において、サルファ剤およびキトサン剤は、別々に連続して適用しても良いし、同時に適用しても良い。同時に適用する場合は、両者の混合物として用いることができ、好ましい。 本発明の方法で適用される散剤のサルファ剤およびキトサン剤は、本発明のゲル形成剤において例示した各化合物が挙げられる。 本発明の方法において、ある態様では、患部、特には体液漏出患部または創傷部に散剤が直接適用される。直接適用されるとは、散剤のまま適用することを指す。 本発明の方法において、ある態様では、適用する際に放散剤容器を用いることができる。放散剤容器は、本発明のゲル形成剤を噴霧することができる任意の容器であり、例えば、点眼用スポイト容器である。 本発明の方法において、ある態様では、患部にサルファ剤およびキトサン剤を適用する前に、患部を水、生理食塩水またはサルファ剤を含んだ水若しくは生理食塩水であらかじめ洗浄する工程を含んでいても良い。サルファ剤を含んだ水は、例えば0.02%(w/v)スルファモノメトキシン水などが挙げられる。 本発明の方法における創傷は、本発明のゲル形成剤を適用することできる創傷である。 本発明の方法における対象は、本発明のゲル形成剤を適用することができる対象であって、任意の動物、好ましくは、哺乳動物である。 本発明の方法におけるサルファ剤およびキトサン剤の適用量は、本発明の効果を奏する限り制限はない。適用量は、例えば、本発明のゲル形成剤が患部を覆う程度で十分である。本発明のゲル形成剤は散剤であるので、上記したように、患部に過剰に適用したとしても、余計な量は脱落する。ある態様において、本発明のサルファ剤およびキトサン剤はそれぞれ、患部において1cm2あたり1μg〜30mg保持され得る。 本発明の方法の適用回数および頻度は、本発明の効果を奏する限り制限はない。ある態様において、適用する頻度は、1日に1、2、3、4、5回、または2日に1回、3日に1回、4日に1回、5日に1回、6日に1回、1週間に1回である。 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り以下の実施例に限定されるものではない。[サルファ剤およびキトサン剤を含む合剤散剤(drug combination powder)の調製] サルファ剤としてダイメトン散20%を用いた(Meiji Seikaファルマ、日本)。ダイメトン散は100g中に、スルファモノメトキシン20gを含有する散剤である。 キトサン剤として、高分子キトサン(フローナックH、日本水産株式会社、日本)、低分子キトサン(フローナック C−100M、日本水産株式会社、日本)、キチンオリゴ糖がそれぞれ重量比39:59:2で混合されている紛体を使用した(モリケンショウ、日本)。なお、高分子キトサンおよび低分子キトサンの精製度(脱アセチル化度)は共に約90%であり、脱アセチル化されていないキチン質が約10%含まれていると思われる。 サルファ剤およびキトサン剤を含む合剤散剤を以下のように調整した: 合剤1 体積比1:1 10ml容器 ダイメトン散 3.5g(スルファモノメトキシン0.7g) キトサン剤 1.5g 合剤2 体積比9:1 10ml容器 ダイメトン散 6.3g(スルファモノメトキシン1.26g) キトサン剤 0.3g それぞれの合剤について、10ml点眼瓶にキトサン剤、ダイメトン散を順番に入れ、よく振り混ぜて混合した。 [創傷部への合剤の散布方法] 以下の実施例において、創傷部への合剤の散布は、原則以下のように行った:(1)創傷部周辺を剃毛する。(2)創傷部を0.1%ダイメトン懸濁液(水中)で洗浄する。(3)合剤1または合剤2を、創傷部および創傷部周辺が白くなる程度に薄く散布する。(4)(2)および(3)の処置を一日一回行う。 典型的には、図1に示す様に、合剤を処置するとゲル状の層形成がみられた。合剤処置前は、創傷部から排膿、滲出液排出が認められたが(図1A)、合剤処置後は、合剤が滲出液を吸収してゲル化し、層形成が認められた(図1B矢印)。[pH測定] 以下の実施例において、pHの変化は、皮膚pHテスターSKINCHECK(HI 98109、ハンナ インスツルメンツ、米国)を用いて行った。テスターのフラットセンサーを純水で湿らせた後、測定したい部位にフラットセンサーを直接接触させて測定した。[治療例1:ネコにおける咬傷の合剤による処置] 右脇下に咬傷による創傷を有する推定3歳の去勢済み雄ネコを、合剤1により処置した(図2)。受傷後一週間後の初診時は、排膿がみられ、上皮欠損長径は3.3cmであった(図2A)。上述の手順に従い合剤1を創傷部に散布したところ、処置開始1日ですでに排膿が止まり、創傷部全体から肉芽形成が認められた(図2B)。その後も毎日合剤1を処置し続けたところ、処置開始後4日で創傷部が縮小して上皮化が認められ(図2C)、処置開始後6日で創傷部全域に上皮が覆い、損傷皮膚が良好に再生した(図2D)。処置中、創傷部のpH変化を測定していたところ、pH5〜pH7の間を推移していた。また、処置中、洗浄時には上皮形成までわずかに疼痛が認められたが、合剤散布時にネコが疼痛の兆候を示すことは無かった。[治療例2:イヌにおける熱傷皮膚創傷の合剤による処置] 天ぷら油により背部に熱傷が生じた6歳の雄イヌを、合剤1により処置した。熱傷直後から23日間、自宅にてダイメトン散を創傷部に塗布していたが、上皮欠損長は7cmのまま改善が認められず、疼痛、出血、滲出液排出が認められた(図3A)。従って上述の手順に従い合剤1により1日1回処置したところ(開始5日間のみ同時に抗生剤(セファレキシン)内服)、処置開始8日後には、疼痛、出血、滲出液排出は認められなくなり、上皮欠損部全体から肉芽形成が認められた(図3B)。その後も処置を続けたところ、処置開始18日後には、創傷部が縮小した(図3C)。そして、処置開始26日には、創傷部全域に上皮形成が認められるようになった。処置中、洗浄時には上皮形成までわずかに疼痛が認められたが、合剤散布時にイヌが疼痛の兆候を示すことは無かった。[治療例3:ネコにおける熱傷皮膚創傷の合剤による処置] 熱湯により股部に熱傷が生じた8ヶ月の雌ネコを、合剤2により処置した。受傷時は疼痛、熱感、滲出液排出が認められ、創傷部の発赤と脱毛も認められた。熱傷直後から8日間は入院にて創傷部の洗浄と合剤2の散布(同時に静脈点滴と抗生剤も処置)を処置していたところ、滲出液排出は認められるものの、上皮再生が創傷部全体に認められた(図4A)。創傷部の改善がみられたので、退院後は自宅でのダイメトン散の1日1回処置に切り替え経過を見ていたところ、処置を切り替えてから11日(受傷後19日)経過しても左内股のみ上皮化が進行せず、滲出液排出が認められた(図4B矢印)。受傷後約1月経過して引き続きダイメトン処置のみを行っていたが、左内股の上皮化が依然認められず改善がみられなかった(図4C)。そこで受傷後約2月後から合剤2により処置を開始したところ、急速に改善がみられ、合剤処置開始1月(受傷後約3月)経過したときには、左内股がすべて上皮化した(図4D)。処置中、洗浄時には上皮形成までわずかに疼痛が認められたが、合剤散布時にネコが疼痛の兆候を示すことは無かった。[治療例4:ネコにおける断脚処置後の縫合部の合剤による処置] トラバサミにより手根骨骨折を負った推定1歳の雄ネコに断脚処置を施した。負傷後数日経過、損傷部は広範囲に壊死を伴っていたため、従来であれば肩甲関節からの断脚を施すケースであったが、より円滑な自力歩行の可能性を残すため、左肘関節より断脚を行い、断脚部を縫合した。術後5日後(図5A)、縫合部位が開放し、縫合した筋肉組織が露出してきたため(図5B)肩甲関節からの断脚最処置が必要かと思われた。しかしながら、上述の手順で合剤1を縫合部に処置することで経過を観察した(同時に抗生剤(サワシリン)内服)。合剤1処置開始8日(断脚処置13日)後、元縫合部全体に肉芽形成が認められ、元縫合部周辺には上皮化が認められた(図5C)。合剤1処置開始16日(断脚処置21日)後には、創傷部は先端のみとなり、皮膚の再生がみられた(図5D)。その後の経過も順調に進み、ネコは今や外を走れるようになるまで回復した。また、処置中、洗浄時には上皮形成までわずかに疼痛が認められたが、合剤散布時にネコが疼痛の兆候を示すことは無かった。[治療例5:スルファジメトキシンを用いた合剤によるネコの後肢の褥瘡の処置] 両後肢に褥瘡のできた推定13歳のネコを、スルファモノメトキシンではなくスルファジメトキシン(アプシード(末):第一三共株式会社、日本)を用いた以外は合剤2と同じ組成の合剤3によって処置した。猫免疫不全症に罹患しているため全身の皮膚が薄く、床と接触することにより容易に皮膚損傷を起こす状態にあったため、後肢床接触部位にアプシード散を散布しテーピング処置し病態は維持していた。しかし、全身状態の悪化に伴い両後肢の床接触面の皮膚欠損が拡大し、上皮欠損の長径が1.5cm、出血、糜爛を伴うに至った。従って上記の手順に従い、合剤3により1日1回処置した後テーピング処置を行ったところ、次の日には出血はなく、糜爛は改善し、皮膚欠損部に被膜を形成した。その後も数日おきに同様の処置を行い、衰弱死に至るまでの半年間、悪化をすることなく維持できた。処置中、テープを取る際にアプシード0.1%懸濁液で洗い流しながら剥がすと、ネコが強い疼痛の徴候を示すことはなかった。また、合剤散布時にネコが疼痛の徴候を示すことはなかった。[血液による合剤のゲル層形成効果] サルファ剤、キトサン剤、および合剤1の、体液接触後の変化について検討した。2枚重ねた不織布ガーゼ(15cm×15cm)に生理食塩水10mlを滴下し、ガーゼ全体を浸潤させた。その後、ネコの血液0.5mlを直径約5cmになるように、ガーゼ上に滴下した。薬包紙で直径約4cmの穴をくりぬいた型紙を作成した。型紙を、滴下したネコの血液による円の真ん中に穴が来るように、ガーゼに被せた。点眼瓶を用いて、ダイメトン散、キトサン剤、合剤1をそれぞれ穴に散布した。これによりネコの血液と接触したそれぞれの薬剤の、散布後2時間後の性状を観察した。 その結果、ダイメトン散は2時間後も紛体の状態でガーゼ表面に留まっており(図6A)、ガーゼを傾けて払うとかなりの量が脱落した。 一方、キトサン剤は、散布すると同時に溶け出し、2時間後にはゲル化した(図6B)が、このゲルはかなり柔らかく、ガーゼに指を接触させると変形し、また粘性を帯びていた。 一方、合剤1は、白みを帯びた、ややゲル状である層を形成した(図6C)。この層はある程度固さを有しており、ガーゼを傾けて払っても容易には脱落せず、指を接触させても変形度は少なかった。また接触感はやや乾燥していた。 散剤である合剤による上記のゲル層形成能により、合剤が患部に適度に保持され、保護機能および長時間の処置効果を同時に示すものと思われる。なお、合剤は水や生理食塩水で洗浄することにより容易に脱落する。[合剤によるpH変化の測定] サルファ剤、キトサン剤、および合剤1の、体液接触後の変化について検討した。2枚重ねた不織布ガーゼ(15cm×15cm)に生理食塩水10mlを滴下し、ガーゼ全体を浸潤させた。その後、ネコの血液0.5mlを直径約5cmになるように、ガーゼ上に滴下した。薬包紙で直径約4cmの穴をくりぬいた型紙を作成した。型紙を、滴下したネコの血液による円の真ん中に穴が来るように、ガーゼに被せた。点眼瓶を用いて、ダイメトン散(◆)、キトサン剤(■)、合剤1(▲)をそれぞれ穴に散布した。各ガーゼ中心部のpHの経時的変化を観察した。(図7A)また、対照として、上記条件でネコの血液を滴下せずに薬剤のみを散布した場合のpHの経時的変化を観察した(図7B)。その際、生理食塩水(×)のみの場合のpHも測定した。 その結果、血液上に各薬剤を散布した場合、ダイメトン散の散布ではpHは8.0で平衡状態となった。一方、キトサン剤の散布ではpHが8.5付近まで上昇した。ところが、合剤散布ではダイメトン散の場合と同じpH8.0で平衡状態に達した。生理食塩水上に合剤を散布した場合には、キトサン剤単体よりもpHが低いものの、ダイメトン散を散布した場合よりもpHがより高い値で平衡状態になった(図7B)。 血液中での合剤散布によるpH値がサルファ剤散布によるpH値とほぼ同じであるという上記結果は、合剤としたことにより、サルファ剤の血液との反応によるpH低下作用がキトサン剤によるpH上昇の弊害を押さえていることを示唆する。この合剤によるpH管理能により、創傷治療効果が促進されるものと考えられる。[治療例6:合剤によるイヌ抜歯部の止血] 上記合剤1をイヌ抜歯部に散布した。散布直後に抜歯部の止血効果が奏され、ゲル化が始まり、5分後には適度にゲル状の保護層が形成され保護効果が得られた。結果を図8に示す。 サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、創傷治療剤 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファフェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメトミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミン、およびその他のスルホンアミド基を持つ合成化合物からなる群より選択される、請求項1記載の創傷治療剤。 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシンまたはスルファジメトキシンである、請求項1または2記載の創傷治療剤。 前記キトサン剤が、分子量10,000以上である高分子キトサンと分子量10,000未満である低分子キトサンとの混合物である、請求項1〜3のいずれか一項記載の創傷治療剤。 前記キトサン剤が、キチン質を含む、請求項1〜4のいずれか一項記載の創傷治療剤。 前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比20:1〜1:20の割合で混合されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の創傷治療剤。 前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比5:1〜1:5の割合で混合されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項記載の創傷治療剤。 患部が、切開創、裂傷、擦過傷、刺傷、穿通創、打撲傷、血腫、および挫滅傷からなる群より選択される急性創傷である、請求項1〜7のいずれか一項記載の創傷治療剤。 患部が、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、角膜潰瘍、消化器潰瘍、虚血、放射線障害、口内炎および皮膚病に起因する創傷からなる群より選択される慢性創傷である、請求項1〜7のいずれか一項記載の創傷治療剤。 対象が、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、または哺乳動物である、請求項1〜9のいずれか一項記載の創傷治療剤。 前記対象が、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、ウシ、およびヒトからなる群より選択される哺乳動物である、請求項10記載の創傷治療剤。 サルファ剤とキトサン剤を混合する工程を含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の創傷治療剤の製造方法。 対象の患部に散剤のキトサン剤と組み合わせて適用するための散剤のサルファ剤。 対象の患部に散剤のサルファ剤と組み合わせて適用するための散剤のキトサン剤。 請求項1〜11のいずれか一項記載の創傷治療剤、請求項13記載のキトサン剤と組み合わせて適用するためのサルファ剤、または請求項14記載のサルファ剤と組み合わせて適用するためのキトサン剤、および放散剤容器を含む、創傷治療キット。 前記放散剤容器がスポイト形状である、請求項15記載の創傷治療キット。 ヒト以外の対象の創傷を治療するための方法であって、工程a)対象の患部にそれぞれ散剤のサルファ剤およびキトサン剤を、組み合わせて、別々に連続してまたは同時に適用する工程を含む、方法。 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシン、アセチルスルファメトキサゾール、サラゾスルファピリジン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、スルファジメトキシン、スルファチアゾール、スルファフェナゾール、スルファメトキサゾール、スルファメトキシピリダジン、スルファメトピラジン、スルファメトミジン、スルファメチゾール、スルファメラジン、スルフイソキサゾール、スルフイソミジン、スルフイソミジンナトリウム、ホモスルファミン、およびその他のスルホンアミド基を持つ合成化合物からなる群より選択される、請求項17記載の方法。 前記サルファ剤が、スルファモノメトキシンまたはスルファジメトキシンである、請求項17または18記載の方法。 前記キトサン剤が、分子量10,000以上である高分子キトサンと分子量10,000未満である低分子キトサンとの混合物である、請求項17〜19のいずれか一項記載の方法。 前記キトサン剤が、キチン質を含む、請求項17〜20のいずれか一項記載の方法。 適用される前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比20:1〜1:20の割合であることを特徴とする、請求項17〜21のいずれか一項記載の方法。 適用される前記サルファ剤と前記キトサン剤が重量比5:1〜1:5の割合であることを特徴とする、請求項17〜22のいずれか一項記載の方法。 適用される前記サルファ剤と前記キトサン剤が、予め混合されている、請求項17〜23のいずれか一項記載の方法。 前記適用が、患部に直接適用することである、請求項17〜24のいずれか一項記載の方法。 前記適用が、放散剤容器を用いて行われる、請求項17〜25のいずれか一項記載の方法。 前記患部が、切開創、裂傷、擦過傷、刺傷、穿通創、打撲傷、血腫、および挫滅傷からなる群より選択される急性創傷である、請求項17〜26のいずれか一項記載の方法。 前記患部が、静脈性潰瘍、糖尿病性潰瘍、褥瘡性潰瘍、角膜潰瘍、消化器潰瘍、虚血、放射線障害、口内炎および皮膚病に起因する創傷からなる群より選択される慢性創傷である、請求項17〜26のいずれか一項記載の方法。 前記対象が、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、またはヒト以外の哺乳動物である、請求項17〜28のいずれか一項記載の方法。 前記対象が、イヌ、ネコ、ウマ、ヒツジ、およびウシからなる群より選択される哺乳動物である、請求項29記載の方法。 本発明は、サルファ剤およびキトサン剤を含み、剤型が散剤である、ゲル形成剤に関する。また、本発明のゲル形成剤を含むキットおよび本発明のゲル形成剤を適用する工程を含む方法も提供する。本発明により、従来のサルファ剤、キトサン剤のみよりも顕著な治療効果を有するゲル形成剤、特には体液漏出患部を保護するためのゲル形成剤、創傷を治療するためのゲル形成剤が提供される。すなわち、散剤であるサルファ剤とキトサン剤を組み合わせて適用することにより、患部pHをより治療効果を奏する範囲に保ち、サルファ剤の抗菌作用を示す。また患部湿潤環境が適度に保たれ、肉芽形成が適切になされる。また散剤とすることにより、適切な放散剤容器を用いることによって、処置者が患部に直接触れることなく、ゲル形成剤を散布することができる。


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