生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_エストロゲン関連疾患を治療するまたは予防するための方法
出願番号:2015104414
年次:2015
IPC分類:A61K 45/06,A61P 15/08,A61P 35/00,A61P 15/02,A61P 25/06,A61P 5/30,A61P 43/00,A61K 31/325,A61K 31/5685,A61K 9/20,A61K 9/48,A61K 9/06,A61K 9/02,A61K 9/107


特許情報キャッシュ

フェルナンド・ラブリ JP 2015147809 公開特許公報(A) 20150820 2015104414 20150522 エストロゲン関連疾患を治療するまたは予防するための方法 アンドルシェルシュ・インコーポレイテッド 511305645 村山 靖彦 100108453 実広 信哉 100110364 フェルナンド・ラブリ US 61/355,465 20100616 A61K 45/06 20060101AFI20150724BHJP A61P 15/08 20060101ALI20150724BHJP A61P 35/00 20060101ALI20150724BHJP A61P 15/02 20060101ALI20150724BHJP A61P 25/06 20060101ALI20150724BHJP A61P 5/30 20060101ALI20150724BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150724BHJP A61K 31/325 20060101ALI20150724BHJP A61K 31/5685 20060101ALI20150724BHJP A61K 9/20 20060101ALI20150724BHJP A61K 9/48 20060101ALI20150724BHJP A61K 9/06 20060101ALI20150724BHJP A61K 9/02 20060101ALI20150724BHJP A61K 9/107 20060101ALI20150724BHJP JPA61K45/06A61P15/08A61P35/00A61P15/02A61P25/06A61P5/30A61P43/00 121A61K31/325A61K31/5685A61K9/20A61K9/48A61K9/06A61K9/02A61K9/107 23 2013514503 20110616 OL 69 4C076 4C084 4C086 4C206 4C076AA01 4C076AA09 4C076AA17 4C076AA36 4C076AA53 4C076BB01 4C076BB29 4C076BB30 4C076CC01 4C076CC17 4C076CC27 4C076CC30 4C084AA24 4C084MA02 4C084MA28 4C084MA31 4C084MA35 4C084MA37 4C084MA52 4C084MA60 4C084NA05 4C084NA14 4C084ZA081 4C084ZA811 4C084ZA812 4C084ZB261 4C084ZC111 4C084ZC412 4C084ZC751 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA09 4C086MA28 4C086MA31 4C086MA35 4C086MA37 4C086MA52 4C086MA60 4C086NA05 4C086NA14 4C086ZA08 4C086ZA81 4C086ZB26 4C086ZC11 4C086ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206JA71 4C206MA48 4C206MA51 4C206MA55 4C206MA57 4C206MA72 4C206MA80 4C206NA05 4C206NA14 4C206ZA08 4C206ZA81 4C206ZB26 4C206ZC11 4C206ZC75関連出願の相互参照 本出願は、その内容がすべて、参照によって本明細書に組み込まれる、2010年6月16日に提出された米国仮特許出願第61/355,465号の優先権を主張する。 本発明は、ヒトを含む感受性の温血動物において、新規な併用療法を使用して、子宮内膜症を含むエストロゲン関連(たとえば、エストロゲンによって悪化する)疾患を治療するまたはそれをもたらす可能性を低下させるための方法に関する。特に、ある併用は、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)の投与およびたとえばLHRHアゴニストまたはアンタゴニストの投与による、卵巣分泌物の阻害を含む。いくつかの実施形態では、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール(5-ジオール)、およびアンドロステンジオンまたはこれらのうちの1つに変換される化合物から成る群から選択される、性ステロイドの前駆物質もまた、投与される。 子宮内膜症は、かなりの割合の不妊症ならびに高い発生率の月経困難症および骨盤痛、腹痛、または腟痛の原因となる、頻発する婦人科疾患である。発生率の点では、子宮内膜症は、35歳を超える女性の20%において見られる(Conley and Lacey 1984)、平滑筋腫に次いで、第2に頻発する婦人科障害である(Jones and Jones 1981)。子宮内膜症は、「子宮内膜の組織学的構造および機能を有する異所性組織の存在」として定義される(Sampson 1921)。これは、初経から閉経までの女性を冒し得る消耗性の疾患である。(Kistner 1979)は、子宮内膜症を有する女性の30〜40%が不妊であると推定した。 子宮内膜組織がその成長および増殖のためにエストロゲンを必要とするので、低エストロゲン症の状態は、女性においておよび実験動物において、自然のおよび外科手術上の閉経の後に観察されるように、子宮内膜症の萎縮および後退をもたらす(Dizerega, Barber et al. 1980)。後に議論されるように、卵巣エストロゲンの除去は、子宮内膜症の組織において、すべてのエストロゲンを除去するとは限らないが、エストラジオール、とりわけアロマターゼを生成するための酵素がない正常なヒト子宮内膜では、それによってエストロゲンがすべて除去される。 偽妊娠およびプロゲスチン療法は、子宮内膜症を改善することが報告されており、患者の80%超において、骨盤痛および月経困難症を軽減するが、多くの場合一時的である(Kistner 1959; Riva, Wilson et al. 1961; Kistner 1962; Moghissi and Boyce 1976)。同様の観察が、アンドロゲンで報告された:メチルテストステロンは、月経困難症および腹痛を軽減するのに部分的に有効であったが、より高い投薬量が使用された場合、重大な雄性化の徴候が現れた。さらに、排卵は、持続的に阻害されず、アンドロゲンを用いる治療は、女性胎児の男性化または尿生殖器催奇形性の可能性を高めた(Kistner 1979)。 GnRH-a(LHRHアゴニストとも呼ばれる)療法の最初の研究は、子宮内膜症を有する患者の間で主観的および客観的な改善を示し(Lemay, Maheux et al. 1984; Erickson and Ory 1989)、比較対照研究(controlled comparative study)は、ダナゾールと比較して、GnRH-aについて、同様の効能およびよりよい耐用性を実証した(Henzl, Corson et al. 1988; Rock, Truglia et al. 1993)。したがって、LHRHアゴニストによって誘発されるエストロゲン欠乏は、子宮内膜症において臨床的有用性を示すことが十分に確証されている(Meldrum, Chang et al. 1982; Lemay, Maheux et al. 1984)。 上述の有用性にもかかわらず、子宮内膜症におけるGnRH-a療法の広い適用は、血管運動性の症状、腟乾燥、情緒不安定、不眠症、および骨塩密度(BMD)の減少などのような、低エストロゲンの副作用によって制限されてきた。これらの副作用、特にBMDの減少の長期的な影響に関する懸念により、ほとんどの婦人科の障害のためのGnRH-a療法による治療の期間が6か月に制限されてきた(Surrey 1995)。 LHRHアゴニストの慢性投与が、卵巣のLH受容体の減少(Auclair, Kelly et al. 1977a; Auclair, Kelly et al. 1977b; Auclair, Ferland et al. 1978)によって特徴付けられる卵巣の機能の阻害および雄のラットにおけるステロイド合成の遮断(Belanger, Auclair et al. 1979; Rivier, Rivier et al. 1979; Belanger, Labrie et al. 1980)に至ったという発明者らの最初の観察の後に、雌動物における卵巣ゴナドトロピン受容体の同様の減少の可能性を調査することが興味深いものとなった。実際、発情間期IでのLHRHアゴニストの8ngの単回注射は、卵巣LH受容体の著しい低下(30%)に至る(Kledzik, Cusan et al. 1978)。卵巣LH受容体の最大に近い阻害(60%)は、40ngの用量で見られ、阻害効果は、25μgの用量まで同様の規模のままである。卵巣LH受容体の減少には、予期される発情前期の朝に測定されるように、子宮湿重量、子宮内体液、および血漿プロゲステロン濃度の著しい低下が伴うが、血清LHおよびFSHレベルは、変わらない(Kledzik, Cusan et al. 1978)。 実際、エストロゲン欠乏は、骨量減少および骨粗しょう症を引き起こすことが知られており、したがって、子宮内膜症および子宮筋腫の治療のための、他の場合には効率的であるLHRHアゴニストの使用を制限している。このことから、子宮内膜症の治療にLHRHアゴニストの単一の6か月コースを使用する提案に至った(Fogelman 1992)。そのような治療スケジュールには、一般に、子宮内膜症の細胞の不十分な細胞死のために、LHRHアゴニスト治療の停止に際しての子宮内膜症の再発が伴う。 GnRH-aとの様々な作用物質の組み合わせである「Add-back」ホルモン補充療法(HRT)は、治療効果を維持し、GnRH療法の可能性のある有害事象を低下させる手段として推奨されてきた。このアプローチの論理的根拠は、ある濃度範囲内のエストロゲンが、子宮内膜病変の成長を刺激せずに、骨量減少を部分的に予防し得ることを規定するエストロゲン閾値仮説(estrogen threshold hypothesis)に由来する(Barbieri 1992)。したがって、LHRH-A療法と関連する骨量減少を予防するために、低用量エストロゲンの追加(add-back療法)が研究されてきた。しかしながら、子宮内膜症に対する最大の効果がadd-backエストロゲン療法により達成される可能性は少ない。 プロゲストーゲン酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)が6か月間、LHRHアゴニストとともに使用された場合、近位および遠位前腕において著しいBMD変化は見出されなかった(Friedman 1989)。GnRH-a療法と組み合わせた酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)(Lemay, Dodin et al. 1989; Cedars, Lu et al. 1990)またはノルエチンドロン(Riis, Christiansen et al. 1990; Eldred, Haynes et al. 1992; Surrey and Judd 1992)の形態をしたプロゲストーゲン療法は、いくつかの小さな研究において評価されてきた。両方の療法は、GnRH-a療法と関連する血管運動性の症状およびBMD減少をなくすように思われるが、MPAの連続的な投与は、GnRH-aの有益な効果を逆転させるように思われ、ノルエチンドロンは、脂質プロファイルに対する副作用を有する(Surrey 1995)。 しかしながら、MPAは、乳がんの危険性の増加を示した(Women's Health Initiative 2002)。 エストロゲン受容体アンタゴニストもまた、子宮内膜症の組織増殖の刺激の原因となるエストロゲンを遮断するのに有用となり得る。使用されることとなるエストロゲン受容体アンタゴニストは、フルベストラント、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、アルゾキシフェン、LY 335563(デスメチルアルゾキシフェン)、LY 335124、LY 326315、CHF-4227、ナフォキシジン、ラソフォキシフェン、LY-2066948、LY-2120310、オスペミフェン、シビフェン(A-007)、TAS-108、酢酸バゼドキシフェン(1-{4-[2-(アゼパン-1-イル)エトキシ]ベンジル}-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-1H-インドール-5-オールアセテート)、ERA-923、アフィモキシフェン、(Z)-4-ヒドロキシタモキシフェン、エンクロミフェン、フィスペミフェン、アコルビフェン、EM-652、EM-800、ドロロキシフェン、イドキシフェン、GW 5638、TAT-59、GW-7603、セントクロマン、レボルメロキシフェン、ICI-164384、BL-3040、CH-4893237、SR 16158、SR 16137、Rad-1901、SERM 3471(PSK-3471)、HMR 3339、HMR 3656、CC 8490、11β-フルオロ-7α-[5-(メチル3-[(4,4,5,5,5-ペンタフルオロペンチル)スルファニル]プロピルアミノ)ペンチル]エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール(SH 646、WO1998/007740を参照されたい)、11β-フルオロ-17α-メチル-7α-5-[メチル(8,8,9,9,9-ペンタフルオロノニル)アミノ]ペンチルエストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17β-ジオール(WO2003/045972を参照されたい)、または(+)-3-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(2-ピペリジン-1-イルエトキシ)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)-2H-クロメン-7-オール(WO2001/68634を参照されたい)とすることができる。 ステロイド系および非ステロイド系抗エストロゲン(選択的エストロゲン受容体調節因子)は、米国特許第5,395,842号、米国特許第5,393,785号、および米国特許第5,204,337号において、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患の治療において開示されている。他の選択的エストロゲン受容体調節因子もまた、WO 97/04763;UK 2 303 628 A;WO 96/09040;WO 96/09041;EP 0 652 005 A1;EP 0 731 093 A1;米国特許第5,484,797号;EP 0 761 669 A2;米国特許第5,567,828号;EP 0 729 951 A1;およびEP 0 703 228 A1;WO 2004/009086;WO 2004/259915;WO 2005/073190;WO 2005/073205;WO 2005/073206;ならびにWO 2005/073244において、子宮内膜症の治療について開示されている。エストロゲン感受性の疾患の治療のための併用療法は、米国特許第5,550,107号において開示されている。 選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)または抗エストロゲンとのLHRHアゴニストまたはアンタゴニストの併用は、EP 1424080 A1、米国特許第7,309,691 B2号、US 2001/0041672 A1、およびWO 02/056903 A2において、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患の治療において開示されている。子宮内膜症のLHRHアゴニスト療法の間に骨格を保護するためのクロミフェンの使用が、示唆されている(Goulding and Fisher 1991)。 DHEA、DHEA-S、5-ジオール、およびアンドロステンジオンは、細胞組織内分泌学(intracrinology)の方法によって、エストロゲンおよび/またはアンドロゲンに、細胞および組織特異的な様式で変換され得る(Labrie, Belanger et al. 1988; Labrie 1991; Labrie, Luu-The et al. 2005 and Labrie 2007)。 本発明は、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患を治療するための新しい方法を記載する。WO1998/007740WO2003/045972WO2001/68634米国特許第5,395,842号米国特許第5,393,785号米国特許第5,204,337号WO 97/04763UK 2 303 628 AWO 96/09040WO 96/09041EP 0 652 005 A1EP 0 731 093 A1米国特許第5,484,797号EP 0 761 669 A2米国特許第5,567,828号EP 0 729 951 A1EP 0 703 228 A1WO 2004/009086WO 2004/259915WO 2005/073190WO 2005/073205WO 2005/073206WO 2005/073244米国特許第5,550,107号EP 1424080 A1米国特許第7,309,691 B2号US 2001/0041672 A1WO 02/056903 A2PCT/CA96/00097WO 96/26201米国特許第6,710,059 B1号JP10036347WO 97/32837米国特許第5,889,042号WO 97/25034WO 97/25035WO 97/25037WO 97/25038WO 97/25036EP 0802183A1欧州特許第0279982号米国特許第5,162,037号米国特許第5,154,922号米国特許第5,135,480号米国特許第4,666,441号米国特許第4,624,665号米国特許第3,742,951号米国特許第3,797,444号米国特許第4,568,343号米国特許第5,064,654号米国特許第5,071,644号米国特許第5,071,657号英国特許出願第2185187号欧州特許出願EPA 58,481米国特許第4,100,274号米国特許第4,024,248号米国特許第4,118,483号米国特許第4,481,190号Kitawaki, J., T. Noguchi et al, (1997) "Expression of aromatase cytochrome P450 protein and messenger ribonucleic acid in human endometriotic and adenomyotic tissues but not in normal endometrium" Biol. Reprod. 57(3): 514-19.Balun, S.E, S.Yang et al, (2001) "Role of aromatase in endometrial disease" J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 79(1-5): 19-25Fang, Z., S. Yang et al (2002) "Genetic or enzymatic disruption of aromatase inhibits growth of ectopic uterine tissue," J. Clin. Endocrin. Metab. 87(7): 3460-6Women's Health Initiative, JAMA 288: 321-333, 2002Luo et al., Endocrinology 138: 4435-4444, 1997Labrie et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 82: 3498-3505, 1997Koller and Buri, S.T.P. Pharma 3(2), 115-124, 1987LHRH and its Analogues (B.H. Vickery et al., editors at page 3-10 (J.J. Nestor), 11-22 (J. River et al.), and 23-33 (J.J. Nestor et al.)Gynecological Endocrinology 13 (Suppl. 1) 1999:GnRH antagonist (T-98475), p.8, abst. #015 本発明は、したがって、望ましくない副作用を最小限にしながら、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患のための治療の有効な方法を提供することを目的とする。 他の目的は、上記の疾患をもたらす危険性を低下させるための方法を提供することである。 他の目的は、上記の方法において使用するのに適したキットを提供することである。 一実施形態では、本発明は、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患を治療するまたはそれをもたらす危険性を低下させるための方法であって、当該治療または当該低下を必要とする患者において、治療有効量のLHRHアゴニストまたはアンタゴニストを投与するステップを含み、併用療法の一部として、当該患者に、治療有効量の選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)を投与するステップをさらに含む、方法に関する。 他の実施形態では、本発明は、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患を治療するまたはそれをもたらす危険性を低下させるための方法であって、当該治療または当該低下を必要とする患者において、治療有効量のLHRHアゴニストまたはアンタゴニストを投与するステップを含み、当該患者に、治療有効量の選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)ならびにデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、4-アンドロステン-3,17-ジオン、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール(5-ジオール)、in vivoにおいていずれかに変換される化合物(プロドラッグ)、およびその塩から成る群から選択される、治療有効量の性ステロイド前駆物質を投与するステップをさらに含む、方法に関する。 本明細書において使用されるように、抗エストロゲンは、直接またはその活性代謝物を通して、エストロゲン受容体を遮断し、他の場合にはこれらの受容体を活性化することができるエストロゲン化合物をそれらが利用できないようにする化合物である。選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)は、直接またはその活性代謝物を通して、子宮内膜組織および乳房組織においてエストロゲン受容体アンタゴニスト(「抗エストロゲン」)として機能し、なお、骨組織および血清コレステロールレベルに対してエストロゲン様の効果をもたらす(つまり血清コレステロールを低下させる)化合物である。in vitroにおいて、ヒト乳がん細胞系において、またはヒト乳がんのin vivoモデルにおいて、エストロゲン受容体アンタゴニストとして機能する非ステロイド系化合物(とりわけ、化合物が、ヌードマウスにおいて、異種移植片として成長中のヒト乳がん細胞において抗エストロゲンとして作用する場合)は、SERMとして機能するであろう。逆に、ステロイド系抗エストロゲンは、それらが骨に対していかなる有益な効果も示さない傾向があるので、SERMとして機能しない傾向がある。SERMとして機能することが発明者らによって発見されたまたは文献において報告された非ステロイド系抗エストロゲンは、EM-800、EM-652・HCl(アコルビフェン)、ラロキシフェン、LY 335563、LY 353381(アルゾキシフェン)、イドキシフェン、GW 5638、タモキシフェン、(Z)-4-ヒドロキシタモキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、ドロロキシフェン、ラソフォキシフェン、バゼドキシフェン(TSE-424)、およびピペンドキシフェン(ERA-923)を含むが、これらの化合物に限定されない。本発明に従うSERMは、これらの化合物が、乳がん治療においてまたは乳がんもしくは骨粗しょう症の発症の危険性の低下のために使用される場合、当技術分野において知られているのと同じ投薬量で投与されてもよい。 本明細書において使用されるように、子宮内膜症という用語は、腹膜疾患、卵巣子宮内膜症、および直腸膣疾患を含むが、これらに限定されない。それは、子宮または子宮内膜の内層を含む、任意の部位での子宮内膜組織の成長を含む。 他の実施形態では、本発明は、子宮筋腫、子宮平滑筋腫、子宮体がん、子宮がん、子宮平滑筋肉腫、卵巣がん、乳がん、多嚢胞性卵巣症候群、機能性子宮出血、腟出血、月経過多、月経前症候群、片頭痛、子宮頸部上皮内腫瘍、腺筋症、およびアルツハイマー病のような他のエストロゲン関連疾患を治療するまたはそれをもたらす危険性を低下させるための方法であって、当該治療または当該低下を必要とする患者において、治療有効量のLHRHアゴニストまたはアンタゴニストを投与するステップを含み、当該患者に、治療有効量の選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)ならびに任意選択で、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、4-アンドロステン-3,17-ジオン、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール(5-ジオール)、in vivoにおいていずれかに変換される化合物(プロドラッグ)、およびその塩から成る群から選択される、治療有効量の性ステロイド前駆物質を投与するステップをさらに含む、方法に関する。 本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する、好ましい実施形態についての以下の非限定的な説明から明らかになるであろう。年齢と血清DHEAの段階的な減少の略図である。閉経時に、血清DHEAは、既に60%減少しており、減少はその後継続する。同様の減少は、総アンドロゲン量(total androgen exposure)について観察される。正常な女性の年齢30〜40歳および50〜75歳の血清DHEAレベルの広い多様性についての図である。データは、個々にならびに平均および5%〜95%パーセンタイルによって示す(Labrie et al.、非公開データ)。血清DHEAが、その数をX軸に示すサンプルにおいて、42〜74歳の、卵巣を摘出された閉経後女性と比較して、無傷の閉経後女性では22.3%高いことを示す棒グラフである。閉経後女性における性ステロイド、すなわちDHEAの特有の供給源についての略図である。閉経後、エストロゲンおよびアンドロゲンはすべて、副腎(80%)または卵巣(20%)DHEAから末梢標的細胞内分泌組織において局所的に生成される。全生涯の間に、アンドロゲンは、もっぱら、副腎および卵巣DHEAから誘導される。末梢標的組織において生成される性ステロイドの量は、それぞれの組織において特異的に発現されるステロイド形成酵素のレベルに依存する。ラットにおける血清トリグリセリド(A)およびコレステロール(B)レベルに対する、9か月間の、単独でのまたは組み合わせてのDHEA(10mg、経皮的、毎日1回)またはEM-800(EM-652・HCl(アコルビフェン)からも誘導される、EM-652の前駆物質)(75μg、経口的、毎日1回)による治療の効果を比較する棒グラフである。データは、平均±SEMとして表現する。**:P<0.01 実験対それぞれの対照。卵巣切除されたラットにおける海綿骨量に対する、単独でのまたはフルタミドもしくはEM-800と組み合わせたデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)による12か月の治療の効果を比較する棒グラフである。無傷の動物が、さらなる対照として追加されている。データは、平均±SEMとして示す。** p<0.01 対OVX対照。卵巣切除されたラットにおける骨梁数に対する、単独でのまたはフルタミドもしくはEM-800と組み合わせたデヒドロエピアンドロステロン(DHEA)による12か月の治療の効果を比較する棒グラフである。無傷の動物が、さらなる対照として追加されている。データは、平均±SEMとして示す。** p<0.01 対OVX対照。無傷の対照(A)、卵巣切除された対照(B)、およびDHEA(C)のみによりまたはフルタミド(D)もしくはEM-800(E)と組み合わせて治療した卵巣切除されたラット由来の近位脛骨骨幹端を示す。卵巣切除された対照動物(B)における海綿骨の量(T)の低下およびDHEA投与(C)後に誘発される海綿骨量(T)の著しい増加に注目されたい。DHEAに対するフルタミドの追加は、海綿骨量(D)に対するDHEAの効果を部分的に遮断したのに対して、DHEAおよびEM-800の組み合わせは、卵巣切除に関連する骨量減少に対して完全な保護をもたらした。修飾三色Masson-Goldner、倍率×80。T:骨梁、GP:成長板。閉経のパラメーターに対する標準的なHRT(エストロゲン)および選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)の効果の比較を示す。閉経のパラメーターに対する標準的なHRT(エストロゲン)およびデヒドロエピアンドロステロンの効果の比較を示す。閉経のパラメーターに対する、SERM(アコルビフェン)およびDHEAの併用効果を示す。負の効果は、予期されない。 略式形式で本明細書において引用される参考文献をすべて列挙する表を、下記に記載する。概要 正常な子宮内膜においてDHEAのエストラジオールへの変換を可能にするアロマターゼはないが、アロマターゼは、子宮内膜症において発現される。Kitawaki, J., T. Noguchi et al, (1997) "Expression of aromatase cytochrome P450 protein and messenger ribonucleic acid in human endometriotic and adenomyotic tissues but not in normal endometrium" Biol. Reprod. 57(3): 514-19.; Balun, S.E, S.Yang et al, (2001) "Role of aromatase in endometrial disease" J. Steroid Biochem. Mol. Biol. 79(1-5): 19-25; Fang, Z., S. Yang et al (2002) "Genetic or enzymatic disruption of aromatase inhibits growth of ectopic uterine tissue," J. Clin. Endocrin. Metab. 87(7): 3460-6を参照されたい。出願人は、本明細書で、卵巣ホルモン分泌物の阻害との併用療法として、子宮内膜症組織において局所的に生成されるエストロゲンの作用を遮断するために選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)を提供することを提唱する。いくつかの実施形態では、SERMの存在は、以下に示す外因性性ステロイド前駆物質の効能を得るために、DHEAなどのようなそのような外因性性ステロイド前駆物質のさらなる投与を可能にする。SERMの有益な効果 本発明のSERMであるアコルビフェンは、乳がんの治療のために、純粋な抗エストロゲンとして最初に開発されたベンゾピラン誘導体である(Gauthier, Caron et al. 1997; Luo, Martel et al. 1997a; Luo, Martel et al. 1997b; Luo, Sourla et al. 1997; Simard, Labrie et al. 1997; Simard, Sanchez et al. 1997; Tremblay, Tremblay et al. 1997; Couillard, Gutman et al. 1998; Couillard, Labrie et al. 1998; Luo, Labrie et al. 1998; Luo, Stojanovic et al. 1998; Tremblay, Tremblay et al. 1998a; Tremblay, Tremblay et al. 1998b; Tremblay, Tremblay et al. 1999)。EM-800は、無傷の細胞においておよびin vivoにおいて、活性化合物であるEM-652に定量的に変換される不活性前駆物質である。アコルビフェン(EM-1538)は、EM-652の塩酸塩である。 この経口的に活性な抗エストロゲンは、ラット、サル、およびマウスにおける乳腺および子宮内膜上皮において(Luo, Martel et al. 1997b; Sourla, Luo et al. 1997)ならびにin vitroにおけるヒト乳房および子宮内膜のヒト乳がん癌細胞(Gauthier, Caron et al. 1997; Simard, Labrie et al. 1997)およびヌードマウスにおけるin vivoにおける異種移植片(Couillard, Gutman et al. 1998)において、純粋な抗エストロゲン活性を示す。 EM-800の活性代謝物であるEM-652およびアコルビフェンは、ヒトエストロゲン受容体に対して最も高い既知の親和性を有する化合物である。したがって、EM-652は、ヒト乳がんおよび正常な子宮組織においてエストロゲン受容体から[3H]エストラジオールを解離させるのに、17β-エストラジオールおよびジエチルスチルベストロールよりも1.5〜3.0倍強力である。結合アッセイにおいて、EM-652は、タモキシフェンの活性代謝物であるヒドロキシタモキシフェンよりも5倍強力であり、タモキシフェンそれ自体よりも200倍強力である。結合アッセイの条件に依存して、EM-652は、ヒト乳がんエストロゲン受容体について競合する際に、ステロイド系抗エストロゲンICI 182 780よりも10〜140倍強力であり、ICI 164 384よりも20〜85倍強力であり、トレミフェンよりも100〜1500倍強力である。ヒトエストロゲン受容体に対するEM-652の親和性のKi値は、0.05nMという非常に低い値であり、したがって、エストロゲン受容体に対する、任意の化合物についてこれまで知られている最も高い親和性を示す。 上記に言及されるように、EM-800(EM-652)は、ヒト子宮内膜Ishikawa癌細胞において純粋な抗エストロゲン活性を示す(Simard, Sanchez et al. 1997)。ラロキシフェン、アルゾキシフェン、ドロロキシフェン、イドキシフェン、トレミフェン、オスペミフェン、およびタモキシフェンが、ヒト子宮内膜Ishikawa癌細胞において、エストロゲン感受性パラメーターであるアルカリホスファターゼを、程度は様々であるが、刺激することが言及されるべきである(Gauthier, Caron et al. 1997; Simard, Sanchez et al. 1997; Labrie, Martel et al. 2010)。 抗エストロゲンのベンゾチオフェンシリーズから誘導される化合物であるラロキシフェン(Black, Sato et al. 1994)は、骨量減少に対して保護効果を及ぼし、かつ血清脂質に対して有益な効果を有することが報告されている(Black, Sato et al. 1994; Draper, Flowers et al. 1996)。 EM-652は、ヒト乳房および子宮の細胞の両方において純粋な抗エストロゲン活性を有するという点でSERMの中でも、特有である(Gauthier, Caron et al. 1997; Simard, Labrie et al. 1997; Simard, Sanchez et al. 1997; Couillard, Gutman et al. 1998)。上記に言及されるように、EM-652は、ラットにおける、骨塩密度の減少の予防および血清コレステロールの阻害剤において最も強力なSERMであるように思われる。 上記に概説されるように、乳腺および子宮内膜において純粋な抗エストロゲン活性を有する唯一の化合物であるにもかかわらず、EM-652は、骨および血中脂質に対するその有益な効果により、ラロキシフェンについて最初に提唱されたように、選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)として分類することができる(Draper, Flowers et al. 1995; Kauffman and Bryant 1995)。実際、EM-800は、ラットにおいて卵巣除去後に骨吸収を阻害することが示され、最大の効果は、ラロキシフェンについての0.1mg/kgと比較して、0.01mg/kgで既に達成される(Martel, Sourla et al. 1998)。血清コレステロールに対するEM-800(EM-652)の同様の高い効力は、ラットにおいて見出されている(Martel, Sourla et al. 1998)。さらに、閉経後女性における、2週間の5、10、20、および40mgの毎日の経口用量で、EM-800(EM-652)は、総血清コレステロールの10%の減少を引き起こし、血清トリグリセリドレベルの15%の減少は、1週間で既に観察される(Labrie et al.、非公開データ)。性ステロイド前駆物質の有益な効果 ヒトは、他のいくつかの霊長動物とともに、多量の不活性前駆物質ステロイドであるDHEA、とりわけDHEA-Sを分泌する副腎を有するという点で動物種の中で特有であり、これは、末梢組織において強力なアンドロゲンおよび/またはエストロゲンに変換される。血漿DHEA-Sレベルは、成人の男性においてテストステロンのレベルよりも200〜1000倍高く、成人の女性においてエストラジオールのレベルよりも5000〜25000倍高く、したがって、アンドロゲンおよび/またはエストロゲンの形成のための大量の基質を提供する。上記に言及されるように、末梢標的組織における性ステロイドの局所的な合成および作用は、細胞組織内分泌学と呼ばれ、選ばれた例として、DHEAおよびアンドロステンジオンが含まれた(Labrie, Belanger et al. 1988; Labrie 1991)。年齢による血清DHEAの変化および高い多様性 DHEAの分泌は、30歳の年代から著しく減少し、平均60%の減少が、閉経の時に既に観察される(Labrie, Belanger et al. 2006; Labrie, Luu-The et al. 2005; Labrie, Luu-The et al. 2003; Labrie, Belanger et al. 1997b)。加齢の間の副腎によるDHEAの分泌のこの著しい低下(Labrie, Belanger et al. 1997b)は、末梢標的組織におけるアンドロゲンおよびエストロゲンの形成における同様の低下をもたらし、この状態は、閉経の一連の医学的問題(インスリン抵抗性(Coleman, Leiter et al. 1982)、脂肪蓄積(Tchernof, Despres et al. 1995)、骨量減少、筋肉減少、2型糖尿病、膣萎縮、および皮膚萎縮(Labrie, Luu-The et al. 2005; Simon 2009; Diamond, Cusan et al. 1996; Labrie, Diamond et al. 1997; Labrie 2007)、記憶喪失および認知(Ruttimann 2008)、ならびに他と関連すると考えられる。閉経後に十分に認識されるこれらの問題のいくつかはまた、閉経前にも明らかになり得、骨量減少、腟乾燥、および顔面潮紅は、その例である。図1は、年齢によるDHEAレベルの減少を示す。 年齢による著しい減少に加えて、DHEAの血清レベルは、非常に多様であり、一部の女性は、性成熟年齢の間でさえ低いDHEAレベルを有する。図2を参照されたい。著しい量のDHEAが、ヒト卵巣によって分泌される 最も重大な最近の観察は、卵巣が著しい量のDHEAを分泌するということである。したがって、本発明の一部としてLHRHアゴニストまたはアンタゴニストの使用によって達成される、卵巣のエストロゲン分泌を停止する治療もまた、全身循環への卵巣からのDHEAの分泌を減少させ、したがって、30歳を超える女性において性ステロイド活性の欠乏を増加させるはずである(図1)。さらに、発明者らの最近のデータは、女性におけるアンドロゲンはすべて、DHEAに由来し、ヒト卵巣は、女性における正常な内分泌生理機能にとって重大なアンドロゲンを直接分泌しないことを示す(Labrie, Martel et al. 2011)。実際、女性は、男性の約40%のアンドロゲンを有する(Labrie 2007)。 ステロイドの血清濃度が低い場合に、DHEAの分泌を増加させるためのフィードバックメカニズムがないので、DHEAの分泌速度が低い女性は、外因性のDHEAを用いる補充療法がなければ、彼女らの残りの人生は、性ステロイドが不足したままとなる。 データは、46〜74歳の442人の無傷の閉経後女性(平均:59.9歳;中央値:60.5歳)、42〜72歳の、以前に両側の卵巣切除を受けた71人の閉経後女性(平均:60.6歳;中央値:62.0歳)、および30〜39歳の47人の閉経前の正常な周期の女性(平均および中央値:33歳)から得られた。ステロイドレベルは、様々な臨床試験に参加している女性からスクリーニング時にまたは1日目に採取された血液試料において測定された。試料はすべて、いかなる治験薬の投与にも先立って採取された。女性は、IRBの承認および書面のインフォームドコンセントを行った後に臨床試験に参加した。 血液試料は、血清調製のために処理し、ステロイドの測定まで-20℃以下で凍結保存した。DHEA、DHEA-S、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール(5-ジオール)、アンドロステンジオン(4-ジオン)、テストステロン(testo)、ジヒドロテストステロン(DHT)、エストラジオール(E2)、エストロン(E1)、硫酸エストロン(E1-S)、アンドロステロングルクロニド(ADT-G)、アンドロスタン-3α,17β-ジオール-3-グルクロニド(3α-ジオール-3G)、および3α-ジオール-17Gの血清ステロイドレベルは、以前に記載されたように、質量分析法によって測定した(Labrie, Belanger et al. 2006; Labrie, Belanger et al. 2007; Labrie, Cusan et al. 2009)。アッセイの性能ならびに精度および感度に関する詳細は、(Labrie, Belanger et al. 2006)および(Labrie, Cusan et al. 2008)において見出すことができる。 Table 1(表1)において示される記述統計は、SASソフトウェアを使用して実行された。無傷の閉経後女性と卵巣切除された閉経後女性の間の平均ステロイドレベルの比較に基づく統計的有意差は、SASソフトウェア内のt検定を使用して決定された(Table 1(表1))。 Table 1(表1)において示されるように、このデータは、閉経後の卵巣が、この年齢群における総DHEAのおよそ18%を分泌することを示す。本研究において観察される無傷の閉経後女性と比較した、OVXにおけるDHEAのより低い血清レベルは、卵巣による循環への、その相当する量のDHEAの分泌によって最も説明することができる。次いで、卵巣起源のこのDHEAは、副腎起源のDHEAと同じ細胞内分泌メカニズムを受ける。 血清DHEAが低い場合に、DHEA分泌を増加させる調節メカニズムがないので、この不足を補正する唯一の手段は、DHEA分泌のフィードバック制御の不在を補うために外因性のDHEAを供給することであるように思われる。OVX女性において見出される18%、同様のより低い血清レベルのDHEAならびにE2およびテストステロンを含むそのすべての代謝物質(図3)は、閉経後の卵巣が、42〜74歳の年齢群において総DHEAの18%を分泌し、卵巣によって直接分泌される有意な量のE2またはテストステロンはないことを示唆する(図4)。 循環DHEAの総プールに対する閉経後の卵巣の著しい寄与の状態(〜18%)が、閉経前に、より低いであろうと考える理由はない。 発明者らは、細胞組織内分泌学と称される末梢標的組織におけるアンドロゲンおよびエストロゲンの形成および作用についての理解の増加(Labrie 1991; Labrie, Simard et al. 1992a; Labrie, Simard et al. 1992b; Labrie, Durocher et al. 1995; Luu-The, Dufort et al. 1995; Labrie, Simard et al. 1996; Labrie, Belanger et al. 1997a; Labrie, Belanger et al. 1997b; Labrie, Diamond et al. 1997; Labrie, Luu-The et al. 1997)ならびにラットにおける卵巣切除後の骨量減少の予防におけるエストロゲンの役割に対するアンドロゲンの有力な役割を示す発明者らの最近の観察(Martel, Sourla et al. 1998)および閉経後女性における同様の状態の観察(Labrie, Diamond et al. 1997)が、性ステロイド補充療法の分野における、時を得た、可能性として非常に著しい進歩のための道を開いたと思っている。そのような可能性は、閉経後女性において観察されるDHEAの一連の有益な効果に対する、発明者らの観察および他の観察(Morales, Nolan et al. 1994; Diamond, Cusan et al. 1996; Labrie, Diamond et al. 1997; Labrie 2007, 2010; Labrie, Archer et al. 2009a, 2009b, 2009c)、子宮内膜症の治療のためのLHRHアゴニストまたはアンタゴニストによって誘発される内科的去勢に類似する状態によって十分に支持される。 DHEAの有効性および安全性の非常に説得力のある実証は、膣萎縮に罹患している閉経後女性が3か月間、膣内にDHEAまたはプラセボを毎日受けた、検証的(pivotal)フェーズIII、プラセボ対照無作為臨床試験において最近得られた。膣萎縮のすべての症状および徴候の急速で、非常に著しい改善が観察され、循環エストラジオールまたはテストステロンにおける変化はなかった。エストロゲンにより見られないさらなる有用性は、性機能不全のすべての領域、すなわち欲望、覚醒、オルガスム、および満足の著しい改善の発見であった(Labrie, Archer et al. 2009a, 2009b)。子宮内膜症におけるエストロゲン形成 エストロゲン形成に必要とされる酵素、とりわけアロマターゼは、正常なヒト子宮内膜において存在しない(Bulun, Lin et al. 2005; Baxendale, Reed et al. 1981)が、子宮内膜症の組織において、アロマターゼは、高度に発現され、局所的なエストロゲン産生が存在する((Kitawaki, Noguchi et al. 1997; Zeitoun, Takayama et al. 1999; Bulun, Yang et al. 2001; Fang, Yang et al. 2002; Gurates, Sebastian et al. 2002; Yang, Fang et al. 2002)。子宮内膜症の治療におけるアロマターゼ阻害剤の続く導入は、子宮内膜症の組織におけるアロマターゼの存在を強めることに成功した(Takayama, Zeitoun et al. 1998; Ailawadi, Jobanputra et al. 2004)。 子宮内膜症において、基本型の異常は、子宮内膜症の間質細胞構成成分における著しいレベルのStARおよびアロマターゼ活性の存在ならびにタンパク質およびmRNAの発現であるのに対して、StARまたはアロマターゼ発現は、無病の女性の正所性の子宮内膜において存在しなかったまたはかろうじて検出可能であった(Noble, Simpson et al. 1996; Noble, Takayama et al. 1997; Tsai, Wu et al. 2001; Gurates, Sebastian et al. 2002; Sun, Hsiao et al. 2003)。子宮内膜症を有する女性の正所性の子宮内膜は、低いが有意なレベルのアロマターゼmRNAおよび酵素活性を含有し、この疾患の中間状態を示す。逆行性月経および骨盤腹膜表面上へのこの本質的に異常な組織の移植に際して、アロマターゼ発現および酵素活性は、400倍まで増幅するように思われる(Noble, Simpson et al. 1996; Noble, Takayama et al. 1997)。 しかしながら、子宮内膜症から正常な子宮内膜を分けるものは、StARおよびアロマターゼのin vivoにおける欠乏である。これらの生理学的に有意なレベルの遺伝子産物は、正常な子宮内膜組織またはPGE2に刺激された子宮内膜間質細胞において検出されない(Bulun, Lin et al. 2005)。アロマターゼ活性またはmRNAは、無病の女性由来の間質細胞においてPGE2またはcAMPアナログによって誘発させることができなかった(Noble, Takayama et al. 1997)。SERM+性ステロイド前駆物質の組み合わせの有益な効果 DHEAは、ラットにおいて、ジメチルベンズ(a)アントラセン誘発性の乳房腫瘍の発症を予防し、かつその成長を阻害することが知られている(Labrie, Luu-The et al. 2003)。DHEAは、さらに、ヌードマウスにおいてヒト乳がん異種移植片の成長を阻害する(Labrie, Luu-The et al. 2003)。したがって、刺激性の影響を及ぼすエストロゲンおよびプロゲスチンとは対照的に、DHEAは、大多数のヒト乳がん細胞系において実証されるように、女性における乳がんの発症および成長の両方を阻害することが予期される(Labrie, Luu-The et al. 2003; Labrie 2010, 2006; Labrie, Belanger et al. 2006)。 従来のHRTを使用するWHI研究によって例証される問題を回避するために(Women's Health Initiative, JAMA 288: 321-333, 2002)、閉経周辺期および閉経後に組織標的アンドロゲンおよび/またはエストロゲン補充療法と組み合わせた組織特異的抗エストロゲン/エストロゲン(組織に依存)化合物(SERM)を使用することは論理的に思われる。この戦略は、それぞれの組織のそれぞれの細胞においてアンドロゲンおよびエストロゲンの間の生理学的なバランスを維持し、かつ同時に乳がんおよび子宮がんを予防するための、最良のまたはおそらく唯一の方法となり得る。そのような目的は、SERMおよびDHEAを組み合わせることによって可能性として満たすことができる(Labrie, Luu-The et al. 2005; Labrie, Luu-The et al. 2003; Labrie 2007)。 SERMは、骨吸収の阻害に限られる、骨における効果を有するのに対して、DHEAは、そのアンドロゲンまたはアナボリックコンポーネントを介して骨形成を刺激する(Michalska, Stepan et al. 2006; Martel, Sourla et al. 1998)。そのようなアナボリックまたは骨形成効果は、SERM、ビスホスホネート、エストロゲン、またはカルシトニンにより達成することができず、これらは、骨吸収の速度を減少させるだけである。実際、これらの抗吸収療法は、正常な骨量減少、とりわけ微小構造のすべての特徴を改善するとは限らない。骨に対するアコルビフェンの高い効力(ラロキシフェンよりも10倍高い)は、前臨床レベルで示されている(Labrie, Labrie et al. 2001)が、DHEAを用いる治療は、アナボリック作用を通して、閉経後女性において骨形成を増加させることが既に観察されている(Labrie, Diamond et al. 1997)。 骨形成の増加に加えて、DHEAはまた、膣成熟を刺激し、肥満症ならびに血清グルコースおよびインスリンレベルを減少させることも、閉経後女性において示された。いくつかの研究において記載される脂肪およびグルコース代謝に対するDHEAの効果(Diamond, Cusan et al. 1996; Villareal and Holloszy 2004; Morales, Haubrich et al. 1998)は、他の研究において発見されていない(Jankowski, Gozansky et al. 2006; Nair, Rizza et al. 2006)。SERMが、閉経後女性においてさらなる有益な効果を及ぼすこともまた可能性がある。実際、アコルビフェンにより得られた前臨床データは、以下の有益な効果を含む:コレステロールおよびトリグリセリドレベルの低下、脂肪蓄積の低下、およびインスリン感受性の改善(Labrie, Labrie et al. 2001; Labrie 2007)。 SERMおよびDHEAの組み合わせ(図7)はまた、乳がん、子宮がん、卵巣がん、骨および筋肉減少を予防し、脂肪蓄積、2型糖尿病、および血清コレステロールを減少させながら、DHEAのアンドロゲン効果を通して、顔面潮紅を制御することを支援することもできる(Table 2(表2))。 この関連において、正常なヒト子宮内膜に対するDHEAの刺激性の効果がないことにより(Labrie, Diamond et al. 1997)、子宮内膜に対するエストロゲンの可能性のある効果を中和するためにプロゲスチンを投与する必要性が排除されることを示すことは重大である。乳房に関して、DHEAは、ラットにおいて、ジメチルベンズ(a)アントラセン乳房腫瘍の発症を予防し(Luo, Sourla et al. 1997)、かつのその成長を阻害する(Li, Yan et al. 1993)ことが知られている。DHEAは、さらに、ヌードマウスにおいてヒト乳がん異種移植片の成長を阻害する(Couillard, Labrie et al. 1998)。したがって、刺激性の効果を及ぼすエストロゲンおよびプロゲスチンに反して、DHEAは、女性において乳がんの発症および成長の両方を阻害することが予期される。骨生理機能におけるアンドロゲンの役割 慢性の骨粗しょう症において、アナボリックステロイドは、骨量減少の予防を支援することが報告されている(Hennernan and Wallach 1957)。アンドロゲン療法は、デカン酸ナンドロロンにより観察されるように、閉経後女性において椎骨塩密度を増加させることが分かっている(Need, Horowitz et al. 1989)。アンドロゲンは、閉経後女性におけるそれらの特有の作用により、ますます支持を得ているが、男性化作用は、テストステロンの使用により観察される(Burger, Hailes et al. 1984; Studd, Collins et al. 1977)。女性におけるアンドロゲンの他の役割 DHEAから産生されるアンドロゲンが、閉経後女性において複数の有益な効果を有することがますます認識されている。ERTまたはHRTに追加されるアンドロゲンの詳細な効能は、全般的な健康(well-being)、エネルギー、気分、および全般的な生活の質について説明されている(Sherwin and Gelfand 1985; Sherwin 1988)。主な心理的なおよび心身の症状、すなわち短気、神経質、記憶、および不眠症における改善は、エストロゲン補充療法(ERT)へのアンドロゲンの追加後に観察された(Notelovitz, Watts et al. 1991)。 性欲および/または性的満足の減少は、初期の閉経後において共通している。ホルモン補充療法(HRT)へのアンドロゲンの追加は、これらの問題に対して有益な効果を有することが知られている(Leiblum, Bachmann et al. 1983; Sherwin and Gelfand 1987; Sherwin 1988)。さらに、正相関は、性行動およびアンドロゲンの循環レベルの間で閉経後女性において発見されている。さらに、アンドロゲン化合物は、HRTによって頻繁に引き起こされる乳腺痛の治療にとって有益であることが分かっている(Pye, Mansel et al. 1985)。実際、エストロゲン補充療法は、療法の中止に至り得る、重度の乳房痛をもたらし得る。アンドロゲンの追加は、エストロゲンのみによる不十分な結果を有する女性において顔面潮紅を軽減するのに有効であることが分かっている(Sherwin and Gelfand 1984)。DHEAの他の効能 加齢の間の副腎によるDHEAおよびDHEA-Sの形成の70〜95%の低下は、末梢標的組織におけるアンドロゲンおよびエストロゲンの形成の劇的な低下をもたらし、これは、インスリン抵抗性(Coleman, Leiter et al. 1982; Schriock, Buffington et al. 1988)および肥満症(Nestler, Barlascini et al. 1988; MacEwen and Kurzman 1991; Tchernof, Despres et al. 1995)などのような年齢関連性疾患の病因に十分に関与し得る。低循環レベルのDHEA-SおよびDHEAは、乳がんを有する患者において実際見出されており(Zumoff, Levin et al. 1981)、DHEAは、一連の動物モデルにおいて抗腫瘍形成活性を及ぼすことが分かっている(Schwartz, Pashko et al. 1986; Gordon, Shantz et al. 1987; Li, Yan et al. 1993)。DHEAはまた、HIVを含む(Henderson, Yang et al. 1992)、真菌およびウイルス性疾患において(Rasmussen, Arrowood et al. 1992)、in vitro(Suzuki, Suzuki et al. 1991)およびin vivoにおいて、免疫調節効果を有することもまた示されている。他方では、免疫系に対するDHEAの刺激性の効果が、閉経後女性において記載されている(Casson, Andersen et al. 1993)。女性においてDHEAにより得られた以前のデータ 上記に言及されるように、骨粗しょう症は、老齢の女性の間で大問題となっており、主として骨折率の増加を通して、罹病および死亡を引き起こす(Johnston Jr and Epstein 1981)。エストロゲン補充療法の使用は、エストロゲンによって誘発される子宮内膜の増殖を妨げるためにプロゲスチンの追加を必要とするが、エストロゲンおよびプロゲスチンの両方が、乳がんの危険性を増加させ得る(Bardon, Vignon et al. 1985; Colditz, Hankinson et al. 1995)。標準的なエストロゲン(ERT)またはホルモン補充療法(HRT)の限界を回避するために、発明者らは、骨塩密度、骨形成および骨代謝回転のパラメーター、血清脂質、グルコースおよびインスリン、脂肪組織質量、筋肉質量、エネルギー、健康、ならびに膣および子宮内膜の組織構造に対する、12か月間の60〜70歳の高齢の女性へのDHEA投与の効果を研究した(Diamond, Cusan et al. 1996; Labrie, Diamond et al. 1997)。DHEAは、ステロイド前駆物質が肝臓を最初に通過することを回避するために経皮的に投与した。 発明者らは、したがって、60〜70歳の女性(N=15)において、12か月間、毎日1回適用した10% DHEAクリームを用いる長期にわたる補充療法の効果を評価した。人体計測測定値は、12か月で、体重の変化は示さなかったが、皮下脂肪厚における9.8%の減少を示した(p<0.05)(Diamond, Cusan et al. 1996)。骨密度は、股関節部で2.3%、股関節部Ward三角で3.75%、腰椎レベルで2.2%増加した(すべてp<0.05)(Labrie, Diamond et al. 1997)。骨塩密度におけるこれらの変化は、それぞれ、尿ヒドロキシプロリンおよび血漿骨型アルカリホスファターゼにおける38%および22%の12か月での著しい減少を伴った(すべてp<0.05)。対照に対する135%の増加(p<0.05)は、血漿オステオカルシンにおいて同時に観察された。 コンピューター断層撮影による大腿中央部(midthigh)の脂肪および筋肉面積の測定値は、12か月で、大腿部の脂肪の3.8%の減少(p<0.05)および大腿部の筋肉面積の3.5%の増加(p<0.05)を示した(Diamond, Cusan et al. 1996)。腹部脂肪測定値において有意な変化はなかった。体脂肪および筋肉表面積におけるこれらの変化は、空腹時血糖値の12%の減少(p<0.05)および空腹時血漿インスリンレベルにおける17%の減少(p<0.05)と関連した。DHEAによる治療は、脂質またはリポタンパク質プロファイルに対して有害な効果を有していなかった。実際、総コレステロールおよびそのリポタンパク分画において、全体的に3%〜10%減少する傾向があった。血漿トリグリセリドは、影響を与えられなかった。 皮脂分泌の指標は、12か月のDHEA療法後に79%増加し、治療の停止の3か月後に治療前の値に戻った。DHEA投与は、療法の開始時にゼロの成熟度を有した10人のうち8人の女性において膣上皮成熟を刺激したが、刺激はまた、療法前に中間の膣成熟を有した3人の女性においても見られた。最も重要なことには、膣において観察されたエストロゲン刺激性の効果は、子宮内膜において見出されず、12か月のDHEA治療後に、すべての女性において、完全に萎縮性のままであった(Labrie, Diamond et al. 1997)。 本データは、著しい副作用を伴わない、特異的細胞内分泌標的組織におけるアンドロゲンおよび/またはエストロゲンへのその変換を通しての閉経後女性におけるDHEA療法の有益な効果をはっきりと示す。DHEAによる子宮内膜の刺激がないことにより、プロゲスチン補充療法の必要性が排除され、したがって、プロゲスチン誘発性の乳がんの心配が回避される。骨塩密度に対するDHEAの観察される刺激性の効果および骨形成のマーカーである血清オステオカルシンの増加は、骨粗しょう症の予防および治療にとって特に興味深く、骨生理機能、すなわち骨形成に対してDHEAの特有の活性を示すが、ERTおよびHRTは、骨量減少の速度を低下させることができるのみである。LHRHアゴニストまたはアンタゴニストにより治療される女性におけるSERMおよびDHEAの組み合わせの有用性 発明者らは、DHEAが、雌のラット(Luo et al., Endocrinology 138: 4435-4444, 1997)および閉経後女性(Labrie et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 82: 3498-3505, 1997)の両方における骨に対して有益な効果を有することを示した。したがって、無傷の雌のラットにおいて、DHEAによる治療は、全骨格、腰椎、および大腿骨の骨塩密度(BMD)を増加させる(Luo et al., Endocrinology 138: 4435-4444, 1997)。 さらに、図5〜図8において例証されるように、発明者らは、性ステロイド前駆物質(DHEA)およびSERM(EM-800)の組み合わせが、骨形成に対するDHEAの刺激性の効果を維持するだけでなく、両方の化合物が組み合わせられた場合に尿ヒドロキシプロリンおよびカルシウム排泄のさらなる減少によって実証されるように、骨代謝回転および吸収に対するSERM(EM-800)のみの阻害効果を強めたことを発見した(Luo, Sourla et al. 1997)。 手短に言えば、上記データは、DMBAによって誘発される乳癌の発症に対するSERM(EM-800)および性ステロイド前駆物質(DHEA)の組み合わせの有益な効果ならびに骨質量および血清脂質に対するそのような組み合わせの保護効果をはっきりと実証する。そのようなデータは、脂質プロファイルを改善し、乳がんおよび子宮体がんを予防しながらの、骨粗しょう症の治療および予防のためのそのような組み合わせのさらなる有益な効果をはっきりと示唆する。 DHEAおよびEM-800の組み合わせが、骨代謝の重大な生化学的パラメーターに対して予期しない有益な効果を及ぼすことを示すことは特に重大である。実際、DHEAのみでは、骨吸収のマーカーである尿ヒドロキシプロリン/クレアチニン比に影響を与えなかった。さらに、DHEAのみの効果は、毎日の尿カルシウムまたはリン排泄に対して検出することができなかった(Luo, Sourla et al. 1997)。他方では、EM-800は、尿ヒドロキシプロリン/クレアチニン比を48%減少させたが、DHEAと同様に、EM-800の効果は、尿カルシウムまたはリン排泄に対して見られなかった。EM-800は、さらに、骨形成のマーカーである血清アルカリホスファターゼ活性に対して効果を有していなかったが、DHEAは、パラメーターの値を約75%増加させた(Luo, Sourla et al. 1997)(Table 2(表2))。 DHEAおよびEM-800の組み合わせの予期しない効果の1つは、したがって、骨吸収のマーカーである尿ヒドロキシプロリン/クレアチニン比に関し、これは、DHEAおよびEM-800の両方が組み合わせられた場合に、69%低下し、この値は、EM-800のみによって達成される48%の阻害とは統計的に異なっているが(p<0.01)、DHEAのみでは、いかなる効果をも示さなかった。したがって、EM-800へのDHEAの追加は、骨再吸収に対するEM-800の阻害効果の50%を増加させる。最も重要なことには、EM-800へのDHEAの追加の他の予期しない効果は、それぞれ、尿カルシウムのおよそ84%の減少(23.17±1.55〜3.71±0.75μmol/24時間/100g(p<0.01)および尿リンの55%の減少(132.72±6.08〜59.06±4.76μmol/24時間/100g(p<0.01)であった(Luo, Sourla et al. 1997) (Table 2(表2))。 ラットにおいて得られる本結果は、DHEAが、EM-800、ラロキシフェンなどのような選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)のみの使用では欠いている有益な効果を提供することができることをはっきりと実証する。SERMは、骨吸収の阻害に対して限られた効果を有するが、DHEAの追加は、骨形成(SERM、エストロゲン、ビスホスホネート、またはカルシトニンにより達成されない効果)を刺激し、EM-652のみにより達成される効果を超えて骨吸収をさらに低下させると考えられる。 重要なことには、12か月間治療された卵巣切除されたラットにおけるEM-800およびDHEAの組み合わせは、骨形態計測に対して有益な効果を有した。海綿骨量は、骨強度にとって、また、骨折を予防するのに特に重大である。したがって、上述の研究において、脛骨の海綿骨量は、DHEAのみにより、卵巣切除されたラットにおける4.1±0.7%から11.9±0.6%(p<0.01)まで増加したが、DHEAへのEM-800の追加は、無傷の対照において見出されるものと同様の値である14.7±1.4%まで海綿骨量をさらに増加させた(図6)。 卵巣切除されたラットにおける1mm当たり0.57±0.08の値から、DHEAによる治療は、卵巣切除された対照と比較して、海綿骨数における137%の増加をもたらした。DHEAの刺激性の効果は、したがって、1mm当たり1.27±0.1に達し、EM-800およびDHEAによる同時の治療は、DHEAのみによって達成されたものと比較して、海綿骨数におけるさらなる28%の増加をもたらした(p<0.01)(図7)。同様に、DHEA治療へのEM-800の追加は、DHEAのみにより達成されるものと比較して、海綿骨剥離(trabecular bone separation)におけるさらなる15%(p<0.05)の減少をもたらし、したがって、無傷の対照において見られるものと異ならない値に至った。 図6および図7において示される数値データに対する補足として、図8は、卵巣切除された対照(B)と比較した、卵巣切除された治療動物(C)におけるDHEAによって誘発される近位脛骨骨幹端における海綿骨量の増加およびDHEA治療へのフルタミドの追加後のDHEAの刺激性の効果の部分的な阻害(D)を例証する。他方では、EM-800と組み合わせたDHEAの投与は、卵巣切除に誘発された骨減少症の完全な予防をもたらし(E)、海綿骨量は、無傷の対照(A)において見られるものと同等であった。 言及される研究(図5〜8)において、DHEAのアンドロゲン刺激性の効果は、研究された骨組織形態計測的パラメーターのほとんどすべてに対して観察された。DHEAは、したがって、海綿骨量および骨梁数における著しい増加をもたらし、一方、それは、骨梁間の面積を減少させた。 より完全なエストロゲン欠乏を達成するために、純粋な抗エストロゲンが、LHRHアゴニストによる治療の最初の2週間の間に卵巣エストロゲン分泌の「拡大」を中和し、また、卵巣アンドロステンジオンならびに副腎および卵巣DHEAから誘導されるエストロゲンの作用を中和するためにも、LHRHアゴニストまたはアンタゴニストに、本研究において追加される(Labrie, Martel et al. 2011)。実際、副腎および卵巣DHEAは、子宮内膜症の組織においてエストロゲンに変換されるが、正常な子宮内膜組織では変換されない。したがって、DHEAから生成される副腎および卵巣起源のエストロゲンは、LHRHアゴニストまたはアンタゴニストによる卵巣エストロゲン分泌の停止後に子宮内膜症の細胞を刺激し続け得る。 正常な子宮内膜は、アロマターゼの不在のために、DHEAからエストロゲンを合成することができないが、子宮内膜症の組織は、DHEAをエストロゲンに変換することができる酵素を有するということについて言及することは重大である(Bulun, Lin et al. 2005)。そのようなデータは、エストロゲンがDHEAから子宮内膜症の組織において局所的に生成され、したがって、子宮内膜症の細胞の増殖を刺激するが、正常な子宮内膜が、エストロゲンの局所的な形成の不在によりDHEAによって刺激されないので、LHRHアゴニストまたはアンタゴニストによる卵巣エストロゲン分泌の遮断が、子宮内膜症の部分的な治療のみとなることを示す。子宮内膜組織において純粋で強力なエストロゲンアンタゴニスト活性を有するSERMの特に高い効力は、子宮内膜症の組織においてDHEAから生成されるいかなるエストロゲンのいかなる活性をも遮断するであろう。そのような完全なエストロゲン遮断により、より完全でより急速なアポトーシスに至り、したがって、療法の停止後に再発性の子宮内膜症の発生率を減少させるはずである。 他方では、EM-652・HClが骨量減少を低下させ、DHEAが骨形成を刺激し、したがって、より効率的に骨機能を保護するが、DHEAの追加は、LHRHアゴニスト治療のみの主な限界である顔面潮紅を予防するはずである。提唱される組み合わせ対HRTにおけるadd-back療法の予期される効果の比較は、図9、10、および11において例証される。 本明細書において議論される任意の徴候のための、本発明の併用療法の態様を容易にするために、本発明は、別々のまたは1つの容器に1つまたは複数のSERMおよび性ステロイド前駆物質を含み、他の容器に卵巣ホルモン分泌の阻害剤を含むキットを提供する。キットは、経口投与のための(たとえば錠剤、カプセル剤、シロップ剤、およびその他同種のもの)、経皮的な投与のための(たとえば軟膏剤、ローション剤、ゲル剤、クリーム剤、徐放性パッチ、およびその他同種のもの)、膣内投与のための(たとえば坐剤、クリーム剤、軟膏剤、錠剤、ゲル剤、およびその他同種のもの)、皮下注射および筋肉内注射のための適切な物質を含んでいてもよい。アコルビフェンおよびDHEAは、膣内に投与することができた。 出願人らは、性ステロイド前駆物質の投与を伴うまたは伴わないSERMおよび卵巣ホルモン分泌の阻害剤の投与が、子宮内膜症および他のエストロゲン関連疾患の治療および/またはその発症の予防において有用性(utility)を有すると考える。 本発明の選択的エストロゲン受容体調節因子は、以下の特徴を有する分子式を有する:a)非置換であるまたはヒドロキシル基もしくはヒドロキシルにin vivoにおいて変換される基もしくはハロゲンもしくはC1〜C6アルキルもしくはC1〜C6アルキルスルホンによって置換されている、1〜2つの介在する炭素原子によって間隔を置かれた2つの芳香環;ならびにb)芳香環および第3級アミン、カルボン酸、もしくはアルコール官能基またはその塩を有する側鎖。 本発明の選択的エストロゲン受容体調節因子の好ましい側鎖は、 から成る群から選択される。 本発明の好ましい選択的エストロゲン受容体調節因子は、ベンゾチオフェン誘導体、トリフェニルエチレン誘導体、インドール誘導体、ベンゾピラン誘導体、クロマン誘導体、ナフタレン誘導体、ジヒドロナフタレン誘導体、テトラヒドロナフタレン誘導体、ベンゾチオピラン誘導体、チオクロマン誘導体、キノリン誘導体、ジヒドロキノリン誘導体、およびテトラヒドロキノリン誘導体から成る群から選択される。 本発明の好ましい選択的エストロゲン受容体調節因子は、以下から成る群から選択される以下の式の1つを有する: 式中、R1およびR2は、水素、ヒドロキシル、ヒドロキシルにin vivoにおいて変換される成分、ハロゲン、C1〜C6アルキル、およびC1〜C6アルキルスルホンから成る群から独立して選択され、R3およびR4は、C1〜C4アルキルまたはそれらが結合する窒素原子と組み合わせて、ピロリジニル、2,2-ジメチルピロリジニル、2-メチルピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミノ、およびモルホリノから成る群から選択される成分から成る群から独立して選択され、Aは、-CO-、-CHOH-、-O-、および-CH2-から成る群から選択され、Bは、フェニレン、ピリジリデン、および-シクロC4H2N2-から成る群から選択され; 式中、Dは、-OCH2CH2N(R3)R4、-OCH2CH2OH、-OCH2CH2OCH2CH2OH、または-CH=CH-COOHであり(R3およびR4は、C1〜C4アルキルまたはそれらが結合する窒素原子と組み合わせて、ピロリジニル、2,2-ジメチルピロリジニル、2-メチルピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミノ、およびモルホリノから成る群から選択される成分から成る群から独立して選択される)、EおよびKは、独立して、水素、ヒドロキシル、ヒドロキシルにin vivoにおいて変換される成分、またはハロゲンであり、Jは、水素またはハロゲンであり、Mは、水素またはC1〜C6アルキルであり; 式中、Dは、-OCH2CH2N(R7)R8、-CH=CH-CO N(R7)R8、-CC-(CH2)n-N(R7)R8から成る群から選択され(R7およびR8は、C1〜C4アルキルまたはそれらが結合する窒素原子と組み合わせて、ピロリジニル、2,2-ジメチルピロリジニル、2-メチルピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミノ、およびモルホリノから成る群から選択される成分から成る群から独立して選択される)、Xは、水素およびC1〜C6アルキルから成る群から選択され、R1、R2、R3、R4、R5、およびR6は、水素、ヒドロキシル、C1〜C6アルキル、ハロゲン、およびヒドロキシルにin vivoにおいて変換される成分から成る群から独立して選択され; 式中、R1およびR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C6アルキルおよびC1〜C6アルキルスルホン、ならびにヒドロキシルにin vivoにおいて変換される成分から成る群から独立して選択され、R5およびR6は、独立して、水素またはC1〜C6アルキルであり、Dは、-OCH2CH2N(R3)R4であり(R3およびR4は、C1〜C4アルキルまたはそれらが結合する窒素原子と組み合わせて、ピロリジニル、2,2-ジメチルピロリジニル、2-メチルピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミノ、およびモルホリノから成る群から選択される成分から成る群から独立して選択される)、Xは、-O-、-CH2-、-S-、-CH=、-N=、および-NR7-から成る群から選択され(R7は水素またはC1〜C6アルキルである)、Yは、-O-および-CH2-、または直接的な結合から成る群から選択され; 式中、R1およびR2は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C6アルキル、およびin vivoにおいてヒドロキシルに変換される成分であり、Zは、-O-、-CH2-、-S-、および-NR7-から成る群から選択され(R7は水素またはC1〜C6アルキルである)、R100は、4〜10の介在する原子によってB-環からLを引き離す二価の成分であり、Lは、-SO-、-CON<、-N<、および-SON<の群から選択される二価または三価の極性成分であり、G1は、水素、C1〜C5炭化水素、G2およびLと組み合わせて5〜7員ヘテロ環式環である二価の成分、ならびにハロまたは前述のものの不飽和誘導体から成る群から選択され、G2は、存在しないまたは水素、C1〜C5炭化水素、G1およびLと組み合わせて5〜7員ヘテロ環式環である二価の成分、ならびにハロもしくは前述のものの不飽和誘導体から成る群から選択され、G3は、水素、メチル、エチル、およびトリフルオロメチルから成る群から選択され: またはその薬学的に許容できる塩、式中、Dは、-OCH2CH2N(R3)R4であり(R3およびR4は、C1〜C4アルキルまたはそれらが結合する窒素原子と組み合わせて、ピロリジニル、2,2-ジメチルピロリジニル、2-メチルピロリジニル、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミノ、およびモルホリノから成る群から選択される成分から成る群から独立して選択される)、R1およびR2は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C6アルキル、およびヒドロキシルにin vivoにおいて変換される成分から成る群から独立して選択され、G3は、水素、メチル、エチル、およびトリフルオロメチルから成る群から選択され: またはその薬学的に許容できる塩、式中、ベンゾピラン誘導体は、炭素2で絶対配置Sを有する大多数のその立体異性体により光学活性であり、実質的に(2R)-鏡像異性体を欠き、R1およびR2は、ヒドロキシル、ハロゲン、C1〜C6アルキル、およびin vivoにおいてヒドロキシルに変換可能な成分から成る群から独立して選択され、R3は、飽和、不飽和、または置換ピロリジニル、飽和、不飽和、または置換ピペリジノ、飽和、不飽和、または置換ピペリジニル、飽和、不飽和、または置換モルホリノ、窒素含有環式成分、窒素含有多環式成分、およびNRaRb(RaおよびRbは、独立して、水素、直鎖状または分岐C1〜C6アルキル、直鎖状または分岐C2〜C6アルケニル、および直鎖状または分岐C2〜C6アルキニルである)から成る群から選択される化学種であり、G3は、メチルおよびトリフルオロメチルから成る群から選択され;酢酸、アジピン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、フマル酸、ヨウ化水素酸、臭化水素酸、塩酸、ヒドロクロロチアジド酸、ヒドロキシ-ナフトエ酸、乳酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、メチル硫酸、1,5-ナフタレンジスルホン酸、硝酸、パルミチン酸、ピバル酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、テレフタル酸、p-トルエンスルホン酸、および吉草酸から成る群から選択される酸の任意選択の塩。 本発明の1つの好ましいSERMは、PCT/CA96/00097(WO 96/26201)において報告されるEM-800である。EM-800の分子構造は、 である。 本発明の他の好ましいSERMは、米国特許第6,710,059 B1号において報告されるEM-652・HClである。 EM-652・HCl(EM-1538またはアコルビフェンとも称される)は、強力な抗エストロゲンEM-652の塩酸塩である。EM-800と比較して、EM-652・HClは、合成するのにより単純でより容易な塩である。それはまた、単離し、精製し、結晶化するのが容易であり、好適な固体状態安定性を示す。EM-800またはEM-652・HClは、両方の前駆物質が、活性化合物EM-652の同様の血中レベルに至るので、それらの投与の際に、それは、in vivoにおいて同じ活性を有する同じ活性化合物をもたらす。 他の好ましいSERMは、Wyeth Ayers(USA)によって開発され、JP10036347(American home products corporation)において開示され、閉経後骨粗しょう症の予防についてUSAにおいて承認されているバゼドキシフェン(TSE-424;WAY-TSE 424;WAY 140424;1-[[4-[2-(ヘキサヒドロ-1H-アゼピン-1-イル)エトキシ]フェニル]メチル]-2-(4-ヒドロキシフェニル)-3-メチル-1H-インドール-5-オール,アセテート)およびWO 97/32837において記載されている非ステロイド系エストロゲン誘導体である。本発明の他の好ましいSERMは、タモキシフェン((Z)-2-[4-(1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ]-N,N-ジメチルエタンアミン)(Zeneca、UKから入手可能)、トレミフェン((Z)-2-[4-(4-クロロ-1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシ]-N,N-ジメチルエタンアミン)(商標Farestonの下でOrion、FinlandまたはSchering-Ploughから入手可能)、ドロロキシフェン((E)-3-[1-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-2-フェニル-1-ブテニル]フェノール)およびEli Lilly and Co.、USAからのラロキシフェン([2-(4-ヒドロキシフェニル)-6-ヒドロキシベンゾ[b]チエ-3-イル][4-[2-(1-ピペリジニル)エトキシ]フェニル]-メタノンハイドロクロライド)、LY 335124、LY 326315、LY 335563(デスメチルアルゾキシフェン)(6-ヒドロキシ-3-[4-[2-(1-ピペリジニル)エトキシ]フェノキシル]-2-(4-ヒドロキシフェニル)ベンゾ[b]チオペン(thiopene)ハイドロクロライド)、ならびにアルゾキシフェン(LY 353381、6-ヒドロキシ-3-[4-[2-(1-ピペリジニル)エトキシ]フェノキシル]-2-(4-メトキシフェニル)ベンゾ[b]チオフェンハイドロクロライド)を含む。他の好ましいSERMは、ラソフォキシフェン(CP-336,156)(シス-1R-[4'-ピロリジノエトキシフェニル]-2S-フェニル-6-ヒドロキシ-1,2,3,4-テトラヒドロナフタレンD-(-)-酒石酸塩)(Pfizer Inc.、USA 米国特許第5,889,042号に記載)、イドキシフェン((E)-1-[2-[4-[1-(4-ヨードフェニル)-2-フェニル-1-ブテニル]フェノキシ]エチル]ピロリジン)(SmithKline Beecham、USA)、レボルメロキシフェン(3,4-トランス-2,2-ジメチル-3-フェニル-4-[4-(2-(2-(ピロリジン-1-イル)エトキシ)フェニル]-7-メトキシクロマン)(Novo Nordisk, A/S、Denmark) Shalmi et al. WO 97/25034、WO 97/25035、WO 97/25037、WO 97/25038;およびKorsgaard et al. WO 97/25036において開示)、GW 5638(Willson et al., 1997により記載)、ならびにインドール誘導体(Miller et al., EP 0802183A1により開示)である。Taiho(Japan)からのイプロキシフェン(Iproxifen)(TAT 59;(E)-4-[1-[4-[2-(ジメチルアミノ)エトキシ]フェニル]-2-[4-(1-メチルエチル)フェニル]-1-ブテニル]フェノール二水素ホスフェート)、Orion-Farmos Pharmaceutica、Finlandから入手可能なオスペミフェン(FC 1271;((Z)-2-[4-(4-クロロ-1,2-ジフェニル-1-ブテニル)フェノキシル]エタノール)、Sanofi-Aventis(France)からのSERM 3471、HMR 3339、およびHMR 3656、Wyeth-Ayersによって開発されたピペンドキシフェン(ERA-923)、WO 97/32837において記載されている非ステロイド系エストロゲン誘導体、QuatRx(USA)によって開発されたフィスペミフェン、ならびにUSAのCelgeneによって開発されたCC 8490もまた含まれる。 有効性のために必要とされ、メーカーによって推奨されるように使用される任意のSERMを使用することができる。適切な投薬量は、当技術分野において知られている。市販で入手可能な任意の他の非ステロイド系抗エストロゲンを本発明に従って使用することができる。SERMと同様の活性を有する任意の化合物(例:ラロキシフェン)を使用することができる。 本発明に従って投与されるSERMは、好ましくは、経口的に投与される場合に、1日当たり0.01〜10mg/体重kgの投薬量範囲(好ましくは0.05〜1.0mg/kg)で、1日当たり60mg、とりわけ1日当たり20mgで、平均的な体重の人にとって好ましい1もしくは2の均等に分けられた用量でまたは非経口的に投与される場合に(つまり筋肉内、皮下、もしくは経皮的または膣内投与)、1日当たり0.003〜3.0mg/体重kgの投薬量範囲(好ましくは0.015〜0.3mg/体重kg)、1日当たり20mg、とりわけ1日当たり10mgで、平均的な体重の人にとって好ましい2の均等に分けられた用量で投与される。好ましくは、SERMは、下記に記載される薬学的に許容できる希釈剤またはキャリアと一緒に投与される。 本明細書において推奨される投薬量のすべてに関して、担当の臨床医は、個々の患者の反応をモニターし、それにしたがって投薬量を調節するべきである。 好ましい性ステロイド前駆物質は、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)(Proquina、Mexicoから入手可能)、そのプロドラッグ(Steraloids、Wilton、New Hampshire、USAから入手可能)、5-アンドロステン-3β,17β-ジオールおよびそのプロドラッグ、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール3-アセテート、ならびにアンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオールジヘミスクシネート(Steraloids、Wilton、New Hampshire USAから入手可能)である。アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール3-アセテートアンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオールジヘミスクシネート 本発明の活性成分(SERMであるか、他の前駆物質または卵巣ホルモン分泌の阻害剤であるかにかかわらず)は、様々な様式で製剤され、投与されてもよい。 本発明に従って投与される性ステロイド前駆物質は、好ましくは、(1)膣内に投与される場合に、1日当たり0.5〜100mgの投薬量範囲(好ましくは1日当たり3〜50mg)で、(2)皮膚に投与される場合に、1日当たり15〜200mgの投薬量範囲(好ましくは1日当たり30mg〜100mg)で、(3)経口的に投与される場合に、1日当たり10〜200mgの投薬量範囲(好ましくは1日当たり25mg〜100mg)、たとえば1日当たり75mgで、または(4)非経口的に投与される場合に(つまり筋肉内もしくは皮下)、1日当たり1.0〜25mgの投薬量範囲(好ましくは1日当たり3.25〜20mg)で投与される。 経皮的または経粘膜的投与のための活性成分は、好ましくは、医薬品組成物の総重量に比べて0.5重量%〜20重量%で、より好ましくは0.1〜10%で存在する。その代わりに、活性成分は、当技術分野において知られている構造、たとえば、欧州特許第0279982号において記載されるものなどのような構造を有する経皮的なパッチに置かれてもよい。 軟膏剤、ローション剤、ゲル剤、もしくはクリーム剤またはその他同種のものとして製剤される場合、活性化合物は、ヒト皮膚または粘膜と適合性であり、皮膚または粘膜を通して化合物の経皮的な浸透を増強する適したキャリアと混合される。適したキャリアは、当技術分野において知られており、Klucel HFおよびGlaxal baseを含むが、これらに限定されない。いくつか、たとえば、Glaxal Canada Limited Companyから入手可能なGlaxal baseは、市販で入手可能である。他の適したビヒクルは、Koller and Buri, S.T.P. Pharma 3(2), 115-124, 1987において見出すことができる。キャリアは、好ましくは、活性成分が使用される活性成分の濃度で外気温で可溶性となるものである。キャリアは、それが望ましい臨床効果を引き起こすであろう皮膚または粘膜の局部を通してのおよび血流への前駆物質の実質的な浸透を可能にするのに十分な時間、流失または蒸発を伴わないで、組成物が適用されている皮膚または粘膜の局部で阻害剤を維持するのに十分な粘性を有するべきである。キャリアは、典型的に、いくつかの構成成分、たとえば薬学的に許容できる溶剤および増粘剤の混合物である。有機および無機溶剤の混合物、たとえば水およびエタノールなどのようなアルコールは、親水性および親油性の溶解性を支援することができる。 他の態様では、本発明は、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール、および4-アンドロステン-3,17-ジオンから成る群から選択される性ステロイド前駆物質を含み、様々な部分の相当する部分グリセリドを有する、飽和脂肪酸C12〜C18のトリグリセリド(ハードファット(hard fat)、Witepsol)、バター、オレイン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸の混合トルグリセリド(ココアバター)、部分硬化綿実油(Cotomar)、硬化脂肪族アルコールおよびエステル(Dehydag Base I、Base II、またはBase III、飽和脂肪酸C12〜C16のグリセリドを含有してもよい)、自己乳化モノステアリン酸グリセリンおよびステアリン酸ポリオキシルを有するパーム油、パーム核油、およびヤシ油からのトリグリセリド(Fattibase)、Hexaride Base 95、ヤシ油およびパーム核油の高融解画分(Hydrokote)、再配列した硬化植物油(S-70-XX95およびS-070-XXA)、天然植物油から得られるモノ、ジ、およびトリグリセリドの共融混合物(Suppocire)、Tegesterトリグリセリド、Tween 61、ヤシ油から得られるトリグリセリド(Wecobee)、カカオ脂、半合成グリセリド(Japocire、Ovucire)、飽和脂肪酸のトリ、ジ、およびモノグリセリドの混合物(Massa Estarinum)、ならびに前述のものの組み合わせから成る群から選択される、薬学的に許容できる賦形剤、希釈剤、またはキャリアをさらに含む医薬品組成物を提供する(Allen et al. 2008を参照されたい)。DHEAおよび他の前駆物質が可溶性である液体を含む任意のビヒクルが、本発明によって包含される。 性ステロイド前駆物質は、2.0〜10%のカプリルカプリン酸トリグリセリド(Neobee M-5);10〜20%のヘキシレングリコール;2.0〜10%のジエチレングリコールモノメチルエーテル(Transutol);2.0〜10%のシクロメチコン(Dow Corning 345);1.0〜2%のベンジルアルコールおよび1.0〜5.0%のヒドロキシプロピルセルロース(Klucel HF)を含有するアルコールゲル剤として製剤されることが好ましい。 キャリアはまた、軟膏剤およびローション剤において一般に使用され、美容および医学の技術分野においてよく知られている様々な添加剤を含んでいてもよい。たとえば、芳香剤、酸化防止剤、香料、ゲル化剤、カルボキシメチルセルロースなどのような増粘剤、界面活性剤、安定剤、皮膚軟化剤、着色剤、および他の同様の作用物質が、存在してもよい。全身性疾患を治療するために使用される場合、皮膚上の適用の部位は、活性成分の超過局所濃度ならびに性ステロイド前駆物質のアンドロゲン代謝物質による皮膚および皮脂腺の可能性のある過剰刺激を回避するために変更されるべきである。 経口投与のための医薬品組成物において、DHEAまたは他の前駆物質は、組成物の総重量に比べて、5〜98重量%、より好ましくは50〜98パーセント、とりわけ80〜98パーセントの濃度で存在することが好ましい。DHEAなどのような単一の前駆物質は、唯一の活性成分であってもよく、またはその代わりに、複数の前駆物質および/もしくはそれらの類似体が、使用されてもよい(たとえば、DHEA、DHEA-S、5-ジオールの組み合わせまたはDHEA、DHEA-S、もしくは5-ジオールにin vivoにおいて変換される2つ以上の化合物の組み合わせまたはDHEAまたは5-ジオールおよびin vivoにおいてDHEAもしくは5-ジオールに変換される1つもしくは複数のその類似体の組み合わせ、など)。DHEAの血中レベルは、吸収および代謝における個体差を考慮に入れる適切な投薬量の最終的な基準である。 好ましくは、担当の臨床医は、とりわけ治療の初めに、個々の患者の全体的な反応およびDHEAの血清レベルをモニターし(上記に議論される好ましい血清濃度と比較して)、治療に対する患者の全体的な反応をモニターし、所与の患者の治療に対する代謝または反応が異常である場合に、必要に応じて投薬量を調節するであろう。 本発明に従う治療は、無期限の継続に適している。DHEAおよび/または5-ジオール治療は、閉経前女性において自然に生じるレベルと同様の範囲内にDHEAレベルを単純に維持するであろうということが予期される(1リットル当たり4〜10マイクログラムの血清濃度)。 SERM化合物または性ステロイド前駆物質はまた、経口ルートによって投与することができ、通常の医薬賦形剤、たとえば噴霧乾燥ラクトース、微結晶性セルロース、およびステアリン酸マグネシウムとともに、経口投与のための錠剤またはカプセル剤に製剤されてもよい。 活性物質(SERM化合物または性ステロイド前駆物質)は、おそらくさらにステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、「Carbowax」、またはポリエチレングリコールなどのような滑沢剤を追加することによって、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、または二リン酸カルシウムなどのような固体粉末キャリア物質およびポリビニルピロリドン、ゼラチン、またはセルロース誘導体などのようなバインダーと混合することによって、錠剤または糖剤コアに組み込むことができる。もちろん、味を改善する物質は、経口投与形態の場合に追加することができる。 さらなる形態として、たとえば硬ゼラチンのプラグカプセル剤(plug capsule)および軟化剤または可塑剤、たとえばグリセリンを含む密閉軟質ゼラチンカプセル剤を使用することができる。プラグカプセル剤は、好ましくは、粒状体の形態をした、たとえば、ラクトース、サッカロース、マンニトール、ジャガイモデンプンもしくはアミロペクチンなどのようなデンプン、セルロース誘導体、または高度に分散したケイ酸などのような増量剤と混合された活性物質を含有する。軟質ゼラチンカプセル剤において、活性物質は、植物油または液体ポリエチレングリコールなどのような適した液体中に好ましくは溶解されるまたは懸濁される。 ローション剤、軟膏剤、ゲル剤、またはクリーム剤は、超過量が明らかに見えることのないように、皮膚に徹底的に塗り広げられるべきであり、皮膚は、ほとんどの経皮的浸透が生じるまで、好ましくは少なくとも4時間、より好ましくは少なくとも6時間、その領域において洗浄されるべきでない。 経皮的パッチは、知られている技術に従って、前駆物質またはLHRHアゴニストもしくはアンタゴニストを送達するために使用されてもよい。それは、ずっと長い期間、たとえば1〜4日の間、典型的に適用されるが、典型的に、より小さな表面積に対して活性成分を接触させ、活性成分のゆっくりとした、一定の送達を可能にする。 開発されており、使用されている多くの経皮的ドラッグデリバリーシステムは、本発明の活性成分(SERM、性ステロイド前駆物質、およびLHRHアゴニストまたはアンタゴニスト)を送達するのに適している。放出の速度は、典型的に、マトリックス拡散によってまたは活性成分の制御膜の通過によって制御される。 経皮的デバイスの機械的な態様は、ラットにおいてよく知られており、たとえば米国特許第5,162,037号、第5,154,922号、第5,135,480号、第4,666,441号、第4,624,665号、第3,742,951号、第3,797,444号、第4,568,343号、第5,064,654号、第5,071,644号、第5,071,657号において説明されており、それらの開示は、参照によって本明細書に組み込まれる。さらなる背景は、欧州特許第0279982号および英国特許出願第2185187号によって提供される。 デバイスは、接着性マトリックスおよびレザバータイプの経皮的送達デバイスを含む、当技術分野において知られている一般的なタイプのいずれかであってもよい。デバイスは、活性成分および/またはキャリアを吸収するファイバーを組み込んでいる、薬剤含有マトリックスを含んでいてもよい。レザバータイプのデバイスにおいて、レザバーは、キャリアおよび活性成分に対して不透過性のポリマー膜によって境界を定められてもよい。 経皮的デバイスにおいて、デバイスは、それ自体、所望の局所的な肌表面に接触した状態で活性成分を維持する。そのようなデバイスにおいて、活性成分のためのキャリアの粘性は、クリーム剤またはゲル剤ほど重要ではない。経皮的デバイスのための溶剤系は、たとえば、オレイン酸、線状アルコールラクテート、およびジプロピレングリコールまたは当技術分野において知られている他の溶剤系を含んでいてもよい。活性成分は、キャリア中に溶解または懸濁されてもよい。 皮膚への付着については、経皮的パッチは、中央に空けられた穴を有する外科用接着剤テープ上に貼り付けられてもよい。接着剤は、好ましくは、使用に先立ってそれを保護するために剥離ライナーによってカバーされる。剥離に適した典型的な物質は、ポリエチレンおよびポリエチレンコーティング紙、好ましくは、分離の容易性のためにシリコーンコーティングされているものを含む。デバイスを適用するために、剥離ライナーは、単純にはがされ、接着剤は、患者の皮膚に付着する。その開示が参照によって組み込まれる米国特許第5,135,480号において、Bannon et al.は、皮膚にデバイスを固定するための非接着性手段を有する代替のデバイスを記載している。 本発明の経皮または経粘膜送達システムはまた、アンドロゲンおよび/またはエストロゲンによる治療に対して有利に反応する子宮内膜症または他の疾患の予防および/または治療のための、新規の改善された送達システムとして使用されてもよい。 LHRHアゴニストまたはアンタゴニストは、非経口的に、つまり、注射もしくは注入によって筋肉内に、皮下に、もしくは静脈内に、点鼻剤によって、または坐剤によって、投与される。LHRHアゴニストまたはアンタゴニストは、生体適合性で生物分解性のポリマー、たとえばポリ(d,1-ラクチド-コ-グリコリド)中にマイクロカプセル化されまたはそれに付着され、30日以上の期間にわたり、LHRHアゴニストまたはアンタゴニストの連続的でゆっくりとした放出をもたらすために、皮下または筋肉内デポーと称される技術によって皮下にまたは筋肉内に注射されてもよい。LHRHアゴニストまたはアンタゴニストの投与の最も好ましいルートは、皮下または筋肉内蓄積注射である。 LHRHアゴニストまたはアンタゴニストは、1日当たり約10〜1500μgで投与されてもよく、LHRHアゴニストについては約250(好ましくは1日当たり50μg〜500μg)、LHRHアンタゴニストについては1日当たり約100〜2000μgが好ましい。 LHRHアゴニストまたはアンタゴニストは、患者の体重にかかわらず、最初の30日間、500μgの1日量で皮下に投与され、その後、250μgの1日量で皮下に投与されてもよい。LHRHアゴニストまたはアンタゴニストが投与される場合、30日の期間ごとに1回が使用され、30日の期間当たりに750〜15,000μgの用量が好ましい。同様の毎日の送達用量は、より長期的な制御放出製剤について使用される。 好ましいLHRHアゴニストは、商標、Abbott Laboratories Ltd.からの「Lupron」、Bayer AGからの「Viadur」、Sanofi-Aventisからの「Eligard」、およびTakeda UKからの「Prostap SR」および「Prostap 3」の下で入手可能な酢酸リュープロリド、商標、AstraZenecaからの「Zoladex」および「Zoladex LA」の下で入手可能な酢酸ゴセレリン、商標、Searle(現在、Pfizerの一部)からの「Synarel」の下で入手可能なナファレリン、商標、Sanofi-Aventisからの「Suprefact」または「Suprefact Depot」およびCinnaGenからの「CinnaFact」の下で入手可能な酢酸ブセレリン、商標、Endo Pharmaceuticalsからの「Vantas」および「Supprelin LA」の下で入手可能な酢酸ヒストレリン、商標、Ipsenからの「Decapeptyl」、Ferring Pharmaceuticalsからの「Diphereline」および「Gonapeptyl」、ならびにWatsonからの「Trelstar」の下で入手可能な酢酸トリプトレリンまたはトリプトレリンパモエートである。任意のLHRHアゴニストまたはアンタゴニストを使用することができる。 LHRHアゴニストまたはアンタゴニストの典型的な医薬品組成物は、LHRHアゴニストもしくはアンタゴニストまたはその薬学的に許容できる酸性塩、ベンジルアルコール、リン酸緩衝剤(pH6.0〜6.5)、および滅菌水を含む。 筋肉内または皮下蓄積注射のためのLHRHアゴニストまたはアンタゴニストは、相分離方法によって、生体適合性で生物分解性のポリマー、たとえばポリ(d,1-ラクチド-コ-グリコリド)中にマイクロカプセル化されてもよく、またはペレットに形成されてもよい。次いで、マイクロスフェアは、注射用の調製物を提供するためにキャリア中に懸濁されてもよく、またはデポーは、ペレットの形態で注射されてもよい。ラクチド-グリコリドコポリマーなどのような生体適合性で生物分解性のポリマーおよびLHRHアゴニスト、たとえばD-Ser-t-BuO6、Azgly10-LHRHを含有する、筋肉内または皮下注射のための液体製剤の皮膚下の注射または移植のための固体の組成物については、1982年8月25日に公開された欧州特許出願EPA 58,481もまた参照されたい。これらの製剤は、ペプチドの制御放出を可能にする。 用語「LHRHアゴニスト」によって、天然黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)の合成類似体、たとえば構造:L-ピログルタミル-L-ヒスチジル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-グリシル-L-ロイシル-L-アルギニル-L-プロリルグリシル-NH2のデカペプチドを意味する。適したLHRHアゴニストは、式:L-ピログルタミル-L-ヒスチジル-L-トリプトフィル-L-セリル-L-チロシル-X-Y-アルギニル-L-プロリル-Zによって示されるノナペプチドおよびデカペプチドを含み、Xは、D-トリプトフィル、D-ロイシル、D-アラニル、イミノベンジル-D-ヒスチジル、3-(2-ナフチル)-D-アラニル、O-tert-ブチル-D-セリル、D-チロシル、D-リシル、D-フェニルアラニル、1-ベンジル-D-ヒスチジル、またはN-メチル-D-アラニルであり、Yは、L-ロイシル、D-ロイシル、Nα-メチルD-ロイシル、Nα-メチル-L-ロイシル、またはD-アラニルであり、Zは、グリシル-NHR1、(アザ)グリシル-NHR1、またはNHR1であり、R1はH、低級アルキル、または低級ハロアルキルである。低級アルキルは、1〜6の炭素原子、たとえばメチル、エチル、プロピル、ペンチルまたはヘキシル、イソブチル、ネオペンチル、およびその他同種のものを有する直鎖状または分枝鎖アルキルを含む。低級ハロアルキルは、ハロゲン置換基、たとえば-CF3、-CH2CF3、-CF2CH3を有する1〜6つの炭素原子の直鎖状および分枝鎖アルキルを含む。ハロゲンは、F、Cl、Br、Iを意味し、Clが好ましい。 好ましいノナペプチドにおいて、Yは、L-ロイシルであり、Xは、トリプトファン、セリン(t-BuO)、ロイシン、ヒスチジン(イミノベンジル)、およびアラニンの光学活性D形態である。 好ましいデカペプチドは、X=D-Trp、Y=L-ロイシル、Z=グリシル-NH2の[D-Trp6]-LHRH、X=D-フェニルアラニル、Y=L-ロイシル、およびZ-グリシル-NH2の[D-Phe6]LHRH、またはX=3-(2-ナフチル)-D-アラニル、Y=L-ロイシル、およびZ=グリシル-NH2である[(3-(2-ナフチル)-D-Ala6]LHRHである[D-Nal(2)6]LH-RHを含む。 本発明の範囲内で有用な他のLHRHアゴニストは、天然LH-RHのα-アザ類似体、とりわけ、(Dutta, Furr et al. 1978)および米国特許第4,100,274号によって開示される[D-Phe6,Azgly10]-LHRH、[D-Tyr(Me)6,Azgly10]-LHRH、および[D-Ser-(t-BuO)6,Azgly10]-LHRHならびに米国特許第4,024,248号および第4,118,483号において開示されるものである。 好ましいLHRHアンタゴニストは、商標、Speciality European Pharmaからの「Plenaxis」の下で入手可能なアバレリックス、Ardanaによって開発されたテベレリクス、商標、Merck Seronoからの「Cetrotide」の下で入手可能な酢酸セトロレリクス、商標、Organon Internationalからの「Antagon」の下で入手可能な酢酸ガニレリクス、商標、Seronoからの「Antide」の下のイツレリックス、Merrion Pharmaceuticalsによって開発されたアシリン、商標、Ferring Pharmaceuticalsからの「Firmagon」の下のデガレリクス、およびOakwood Laboratoriesによって開発されたオルニレリックス(Ornirelix)である。 他のLHRHアンタゴニストは、アザリンB(Salk Institute)、オザレリクス(Ozarelix)(Spectrum Pharmaceuticals)、LXT-101(Department of Pharmaceutical Chemistry、Beijing Institute of Pharmacology and Toxicology)、エラゴリックス(Neurocrine Biosciences)、ならびにTAK-013およびTAK-385(Takeda)である。 典型的な適したLHRHアンタゴニストは、(Erchegyi, Coy et al. 1981)によって開示される[N-Ac-D-p-Cl-Phe1,3, D-Phe3, D-Arg6, D-Ala10]LHRH、(Coy, Horvath et al. 1982)によって開示される[N-Ac-D-p-Cl-Phe1,2, D-Trp3, D-Arg6, D-Ala10]LHRH、(Nestor, Ho et al. 1984)によって開示される[N-Ac-D-(3-(2-ナフチル)-Ala)1, D-p-Cl-Phe2, D-Trp3, D-hArg(Et2)6, D-Ala10]-LHRHおよび[N-Ac-Pro1, D-p-Cl-Phe2, (D-(3-(2-ナフチル(Ala3,6]-LHRH、米国特許第4,481,190号において開示されるLHRHアンタゴニストとして有用なLHRHのノナペプチドおよびデカペプチドのアナログ、高度に制限された環式アンタゴニストのアナログ、(Rivier, Rivier et al. 1984)によって開示される環[Δ3Pro1, D-p-Cl-Phe2, D-Trp3,5, N-Me-Leu7, β-Ala10]LHRH、および(Corbin, Bex et al. 1984)によって開示される[N-Ac-D-(3-(2-ナフチル)-Ala)1, D-p-F-Phe2, D-Trp3, D-Arg6]-LHRHを含む。 他のLHRHアゴニストおよびアンタゴニストアナログは、LHRH and its Analogues (B.H. Vickery et al., editors at page 3-10 (J.J. Nestor), 11-22 (J. River et al.), and 23-33 (J.J. Nestor et al.)ならびにGynecological Endocrinology 13 (Suppl. 1) 1999:GnRH antagonist (T-98475), p.8, abst. #015を参照、において開示されている。他のLHRHアゴニストは、商標、Peptechからの「Ovuplant」の下で入手可能なデスロレリンアセテートである。(実施例)(効率についての実施例)A-材料および方法A.1-動物および治療 治療の開始時におよそ235〜250gの体重の10〜12の週齢雌Sprague-Dawleyラット(Crl:CD(SD)Br)を使用した。120匹のラットを、以下のように、群当たり15匹の無傷の動物の5つの群にランダムに分配した:1)対照;2)LHRH-A(0.002mg/動物);3)LHRH-A+EM-652・HCl(2.5mg/kg);4)LHRH-A+DHEA(100mg/kg);5)LHRH-A+EM-652・HCl+DHEA。EM-652・HCl((S)-(+)-7-ヒドロキシ-3-(4'-ヒドロキシフェニル)-4-メチル-2-(4''-(2'''ピペリジノエトキシ)フェニル)-2H-1ベンゾピランハイドロクロライド)は、3か月間、0.4%メチルセルロース中の懸濁剤(0.5ml/ラット)として経口摂食によって毎日1回投与し、DHEAは、同じ期間、50%エタノール-50%プロピレングリコール中の液剤(0.5ml/ラット)として背側の皮膚上に毎日1回、局所的に適用したが、LHRH-Aは、リン酸緩衝剤中、毎日1回皮下に注射した(0.5ml/ラット)。治療のおよそ3か月後に、血液試料は、Boehringer Mannheim Diagnostic Hitachi 911 Analyzerを使用する総血清コレステロールレベルの測定のために、一晩絶食させた動物の頚静脈で採取した。骨塩密度測定 治療の12週間後に、イソフルランによる麻酔下の個々のラットの全身の骨格および右大腿骨を、二重エネルギーX線吸収法(DEXA;QDR 4500A、Hologic、Waltham、MA)およびRegional High Resolution Scanソフトウェアを使用してスキャンした。全身の骨格、腰椎、および大腿骨の骨塩量(BMC)および骨塩密度(BMD)を決定した。身体組成は、同時に決定した。骨型アルカリホスファターゼ 血清アルカリホスファターゼの総活性は、Boehringer Mannheim Diagnostic Hitachi 911 Analyzer(Boehringer Mannheim Diagnostic Laboratory Systems)を使用して決定した。次いで、血清試料(0.1ml)は、0.1mlのコムギ胚芽レクチン溶液(水中6mg/ml)と混合し、室温で30分間インキュベートし、骨ALPの沈殿のために10000gで3分間遠心分離した。結果として生じる上清におけるALP活性は、Boehringer Mannheim Diagnostic Hitachi 911 Analyzerを使用して決定し、骨ALP活性は、以下のように計算した:骨ALP=総ALP-(2×上清のALP)統計分析 データは、平均±SEMとして表現する。統計的有意差は、Duncan-Kramerの多重範囲検定に従って決定した。(キットの実施例) 限定ではなく例として、好ましい活性SERMアコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538)、好ましい活性性ステロイド前駆物質デヒドロエピアンドロステロン(DHEA、プラステロン)、および好ましいLHRHアゴニスト酢酸リュープロリド(Lupron depot)を利用するいくつかのキットを下記に記載する。本発明の他の化合物またはその組み合わせは、アコルビフェン、デヒドロエピアンドロステロン、および酢酸リュープロリドの代わりに(またはそれに加えて)使用されてもよい。LHRHアンタゴニストは、LHRHアゴニストの代わりに使用することができる。活性成分の濃度は、本明細書において議論される広い範囲にわたり変動してもよい。含まれてもよい他の成分の量およびタイプは、当技術分野においてよく知られている。(実施例A) SERMおよび性ステロイド前駆物質は、同じ製剤(カプセル剤)中でともに経口的に投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。(実施例B) SERMおよび性ステロイド前駆物質は、同じ製剤(錠剤)中でともに経口的に投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。 (実施例C) SERMおよび性ステロイド前駆物質は、同じ製剤(クリーム剤)中でともに経皮的に投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。 (実施例D) SERMおよび性ステロイド前駆物質は、同じ製剤(坐剤または腔坐剤)中で膣内にともに投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。 (実施例E) SERMおよび性ステロイド前駆物質は、経口的に(カプセル剤)投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。 他のSERMは、上記の製剤においてアコルビフェンと置換されてもよく、他の性ステロイド前駆物質は、DHEAと置換されてもよく、他のLHRHアゴニストまたはアンタゴニストは、酢酸リュープロリドと置換されてもよい。1つを超えるSERMまたは1つを超える性ステロイド前駆物質または1つを超えるLHRHアゴニストが、含まれていてもよく、その場合には、総重量パーセンテージは、好ましくは、上記の実施例において示される、単一の性ステロイド前駆物質または単一のSERMまたは単一のLHRHアゴニストの重量パーセントの総重量パーセンテージである。(実施例F) SERMは経口的に投与され、性ステロイド前駆物質は膣内に投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。(実施例G) SERMおよび性ステロイド前駆物質は、膣内に投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。(実施例H) SERMは経口的に投与され、性ステロイド前駆物質は経皮的に投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。または(実施例I) SERMは経口的に(カプセル剤)投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。 (実施例J) SERMは経口的に(錠剤)投与されるが、LHRHアゴニストは、非経口的に投与される。 他のSERM(トレミフェン、オスペミフェン、ラロキシフェン、アルゾキシフェン、ラソフォキシフェン、酢酸バゼドキシフェン(TSE-424)、ERA-923、GW 5638)が、上記の製剤においてアコルビフェンと置換されてもよく、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、4-アンドロステン-3,17-ジオン、およびアンドロスタ-5-エン3β,17β-ジオール(5-ジオール)などのような他の性ステロイド前駆物質が、DHEAと置換されてもよい。他の市販のLHRHアゴニストが、酢酸リュープロリドと置換されてもよい。1つを超えるSERMまたは1つを超える性ステロイド前駆物質または1つを超えるLHRHアゴニストもしくはアンタゴニストが、含まれていてもよく、その場合には、総重量パーセンテージは、好ましくは、上記の実施例において示される、単一の性ステロイド前駆物質または単一のSERMまたは単一のLHRHアゴニストの重量パーセントの総重量パーセンテージである。 本発明は、好ましい実施形態および実施例の点から記載されたが、それによって限定されない。当業者らは、本明細書における特許請求項によってのみ限定される本発明のより広い適用可能性および範囲を容易に認識するであろう。 患者における卵巣ホルモン分泌を阻害することを含む、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮平滑筋腫、子宮体がん、子宮がん、子宮平滑筋肉腫、卵巣がん、乳がん、多嚢胞性卵巣症候群、機能性子宮出血、腟出血、月経過多、月経前症候群、片頭痛、子宮頸部上皮内腫瘍、及び腺筋症から成る群から選択されるエストロゲン関連疾患を治療するまたはそれをもたらす可能性を低下させるための医薬の調製における、(i)LHRHアゴニストまたはアンタゴニストと、(ii)選択的エストロゲン受容体調節因子及び(iii) 性ステロイド前駆物質との使用。 前記エストロゲン関連疾患が、子宮内膜症である、請求項1に記載の使用。 前記エストロゲン関連疾患が、子宮筋腫または子宮平滑筋腫である、請求項1に記載の使用。 前記エストロゲン関連疾患が、子宮体がん、子宮がん、子宮平滑筋肉腫、卵巣がん、または乳がんである、請求項1に記載の使用。 前記エストロゲン関連疾患が、多嚢胞性卵巣症候群、機能性子宮出血、腟出血、月経過多、月経前症候群、片頭痛、子宮頸部上皮内腫瘍、または腺筋症である、請求項1に記載の使用。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子が、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、アルゾキシフェン(LY 353381)、LY 335563(デスメチルアルゾキシフェン)、LY 335124、LY 326315、CHF-4227、ラソフォキシフェン(CP-336,156)、LY-2066948、LY-2120310、オスペミフェン、シビフェン(A-007)、TAS-108、酢酸バゼドキシフェン(TSE-424)、ピペンドキシフェン(ERA-923)、アフィモキシフェン、(Z)-4-ヒドロキシタモキシフェン、クロミフェン、エンクロミフェン、フィスペミフェン、アコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538)、EM-652、EM-800、ドロロキシフェン、イドキシフェン、GW 5638、イプロキシフェン(TAT-59)、GW-7603、セントクロマン、レボルメロキシフェン、PSK-3471、BL-3040、SR 16158、SR 16137、Rad-1901、SERM 3471、HMR 3339、HMR 3656、CC 8490、及び(+)-3-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(2-ピペリジン-1-イルエトキシ)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)-2H-クロメン-7-オールから成る群から選択される、請求項1に記載の使用。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子がアコルビフェンである、請求項1に記載の使用。 前記性ステロイド前駆物質が、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、4-アンドロステン-3,17-ジオン、及びアンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオールから成る群から選択される、請求項1に記載の使用。 前記性ステロイド前駆物質が、デヒドロエピアンドロステロンである、請求項1に記載の使用。 前記患者が、ヒトである、請求項1に記載の使用。 治療有効量の選択的エストロゲン受容体調節因子および治療有効量の少なくとも1つの性ステロイド前駆物質を含む医薬製剤を含有する第1の容器を含み、治療有効量の少なくとも1つのLHRHアゴニストまたはLHRHアンタゴニストを含有する第2の容器をさらに含む、キット。 治療有効量の選択的エストロゲン受容体調節因子を含有する第1の容器、治療有効量の少なくとも1つの性ステロイド前駆物質を含有する第2の容器を含み、治療有効量の少なくとも1つのLHRHアゴニストまたはLHRHアンタゴニストを含有する第3の容器をさらに含む、キット。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子が、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェン、アルゾキシフェン(LY 353381)、LY 335563(デスメチルアルゾキシフェン)、LY 335124、LY 326315、CHF-4227、ラソフォキシフェン(CP-336,156)、LY-2066948、LY-2120310、オスペミフェン、シビフェン(A-007)、TAS-108、酢酸バゼドキシフェン(TSE-424)、ピペンドキシフェン(ERA-923)、アフィモキシフェン、(Z)-4-ヒドロキシタモキシフェン、クロミフェン、エンクロミフェン、フィスペミフェン、アコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538)、EM-652、EM-800、ドロロキシフェン、イドキシフェン、GW 5638、イプロキシフェン(TAT-59)、GW-7603、セントクロマン、レボルメロキシフェン、PSK-3471、BL-3040、SR 16158、SR 16137、Rad-1901、SERM 3471、HMR 3339、HMR 3656、CC 8490、及び(+)-3-(4-ヒドロキシフェニル)-2-[4-(2-ピペリジン-1-イルエトキシ)フェニル]-4-(トリフルオロメチル)-2H-クロメン-7-オールから成る群から選択される、請求項11または12に記載のキット。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子がアコルビフェンである、請求項11または12に記載のキット。 前記性ステロイド前駆物質が、デヒドロエピアンドロステロン、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート、4-アンドロステン-3,17-ジオン、及びアンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオールから成る群から選択される、請求項11または12に記載のキット。 性ステロイド前駆物質が、デヒドロエピアンドロステロンである、請求項11または12に記載のキット。 前記医薬製剤が、丸剤、カプセル剤、錠剤、クリーム剤、ゲル剤、膣坐剤、および膣オビュール剤から成る群から選択される、請求項11に記載のキット。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子が、アコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538)であり、前記性ステロイド前駆物質が、デヒドロエピアンドロステロンである、請求項1に記載の使用。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子が、アコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538)であり、前記性ステロイド前駆物質が、デヒドロエピアンドロステロンである、請求項11または12に記載のキット。 女性における子宮内膜症を治療するまたはそれをもたらす可能性を低下させるための医薬の調製における、(i)LHRHアゴニストまたはアンタゴニストと、(ii)選択的エストロゲン受容体調節因子、即ちアコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538))及び(iii) 性ステロイド前駆物質、即ちデヒドロエピアンドロステロンとの使用。 女性における子宮筋腫または子宮平滑筋腫を治療するまたはそれをもたらす可能性を低下させるための医薬の調製における、(i)LHRHアゴニストまたはアンタゴニストと、(ii)選択的エストロゲン受容体調節因子、即ちアコルビフェン(EM-652・HCl、EM-1538))及び(iii) 性ステロイド前駆物質、即ちデヒドロエピアンドロステロンとの使用。 前記選択的エストロゲン受容体調節因子が、乳房、子宮、または子宮内膜組織に対するエストロゲン活性を有していない、請求項1、20、および21のいずれか一項に記載の使用。 請求項1、20、および21のいずれか一項に記載の使用のための、請求項11または12に記載のキット。 【課題】本発明は、望ましくない副作用を最小限にしながら、子宮内膜症を含むエストロゲン関連疾患のための治療の有効な方法を提供することを目的とする。他の目的は、上記の疾患をもたらす危険性を低下させるための方法を提供することである。他の目的は、上記の方法において使用するのに適したキットを提供することである。【解決手段】子宮内膜症を含むエストロゲン関連(たとえば、エストロゲンによって悪化する)疾患を治療するまたはそれをもたらす可能性を低下させるための方法は、たとえば、LHRHアゴニストまたはアンタゴニストを投与することによる、卵巣分泌物の阻害と組み合わせて、患者に選択的エストロゲン受容体調節因子(SERM)を投与するステップを含む。いくつかの実施形態では、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、デヒドロエピアンドロステロンサルフェート(DHEA-S)、アンドロスタ-5-エン-3β,17β-ジオール(5-ジオール)、およびアンドロステンジオンまたはこれらのうちの1つに変換される化合物から成る群から選択される、性ステロイドの前駆物質もまた、投与される。【選択図】なし


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