生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_ゼオライト触媒を作製するための方法
出願番号:2014558994
年次:2015
IPC分類:B01J 37/04,B01J 29/70,B01J 37/00,B01J 37/08,B01J 35/10,C01B 39/48,C07C 2/66,C07C 15/073,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

ジャン,デン−ヤーン JP 2015513459 公表特許公報(A) 20150514 2014558994 20130408 ゼオライト触媒を作製するための方法 ユーオーピー エルエルシー 598055242 小野 新次郎 100140109 小林 泰 100075270 竹内 茂雄 100101373 山本 修 100118902 中田 尚志 100133765 ジャン,デン−ヤーン US 13/450,296 20120418 B01J 37/04 20060101AFI20150417BHJP B01J 29/70 20060101ALI20150417BHJP B01J 37/00 20060101ALI20150417BHJP B01J 37/08 20060101ALI20150417BHJP B01J 35/10 20060101ALI20150417BHJP C01B 39/48 20060101ALI20150417BHJP C07C 2/66 20060101ALI20150417BHJP C07C 15/073 20060101ALI20150417BHJP C07B 61/00 20060101ALN20150417BHJP JPB01J37/04 102B01J29/70 ZB01J37/00 DB01J37/08B01J35/10 301GC01B39/48C07C2/66C07C15/073C07B61/00 300 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エチレンおよびプロピレンなどの2、3、または4個の炭素原子を有するオレフィン(以降「軽質」オレフィンと称する)によるベンゼンなどの芳香族炭化水素のアルキル化は、商業的に重要なプロセスである。エチルベンゼンの生成は、スチレン生成のための供給原料の提供に用いられ、一方プロピレンによるベンゼンのアルキル化では、イソプロピルベンゼン(クメン)が生成される。クメンは、フェノール、ならびに良好なガソリンブレンド成分を作製するための重要な供給原料である。そのようなアルキル化芳香族炭化水素に対する用途は、その他にも数多く存在する。このようなアルキル化プロセスでは、供給原料の全体としての高い変換率を有し、およびアルキル化ベンゼンの良好な選択性を有する新しい触媒が継続的に求められている。 ゼオライト触媒(以降まとめて「ゼオライト」と称する)は、芳香族炭化水素のアルキル化での使用に特に良好に適することが見出されてきた。ゼオライトは、微孔性であり、頂点共有型のAlO2およびSiO2四面体から形成される結晶アルミノシリケート組成物である。天然および合成によって作製されたいずれのゼオライトも、その数多くが様々な工業的プロセスで用いられている。合成ゼオライトは、適切なSi、Al源、ならびにアルカリ金属、アルカリ土類金属、アミン、および/または有機アンモニウムカチオンなどの構造指向剤(structure directing agents)を用いた水熱合成によって作製される。構造指向剤は、ゼオライトの細孔中に存在し、主として、最終的に形成される特定の構造に関与している。これらの種は、アルミニウムに関連する骨格電荷(framework charge)を相殺するものであり、空間フィラーとしても作用することができる。ゼオライト触媒組成物はまた、通常、アルミノシリケート物質と混合されたフィラーまたはバインダー物質も含み、これは、ゼオライト触媒を所望される形状へと形成する補助となる。ゼオライトは、触媒の外部表面上に細孔開口部を有すること、高いイオン交換能を有すること、および結晶の内部空隙部全体に分散している吸着相を、恒久的なゼオライト結晶構造を構成するいずれの原子をも大きく置き換えることなく、可逆的に脱着させる能力を有すること、を特徴とする。 ゼオライトは、種々の軽質オレフィンによる種々の芳香族炭化水素のアルキル化に有用であることが示されてきたが、試験により、ゼオライト触媒を用いたアルキル化反応は、拡散律速性が高いことが示された。反応速度が非常に速いために、オレフィンが触媒中へ拡散して全体へ広がり、ゼオライトのすべての活性部位へ到達することが律速段階となっている。触媒内での拡散は、一部、触媒の全体としての多孔度および細孔構造に、ならびに一部、マトリックス全体にわたるゼオライトの分散に依存する。マトリックス全体にゼオライトを分散させるために、混和(mulling)などのプロセスによって機械的な力が加えられる。しかし、圧縮によって、触媒の多孔度が必ず減少し、拡散抵抗性が高まり、従って、触媒活性が低下してしまう。 従って、より良好な拡散特性を有し、従って触媒全体を通してのゼオライトの有用性を改善するゼオライト触媒を作製するための方法を提供することが望ましい。活性部位の利用度に対する、および従って触媒活性に対する拡散抵抗性の影響は、プロピレンおよびエチレンを含むオレフィンによる芳香族アルキル化において特に明らかである。さらに、その他の望ましい特徴および特性は、添付の図面ならびに前述の技術分野および背景技術と合わせて、以下の詳細な記述および添付の特許請求の範囲から明らかとなるであろう。 ゼオライト触媒を作製するための方法、およびそのゼオライト触媒を用いてアルキル化芳香族化合物を作製するための方法が開示される。代表的な実施形態では、ゼオライト触媒を作製するための方法は、ゼオライト物質を、転移相アルミナおよびアルファアルミナを含むフィラー物質、多孔性向上剤(porosity enhancing agent)、ならびに水と混合してペーストを作製すること;ペーストを混和すること;ペーストを押出して、成形された押出し物を作製すること;ならびに、成形された押出し物を乾燥および焼成して、ゼオライト触媒を作製することを含み、ここで、このゼオライト触媒は、0.60mL/gm超の全多孔度、および全細孔体積に対して15%超の550Åから31000Åの範囲の細孔を有する。 別の代表的な実施形態では、アルキル化ベンゼン化合物を作製するための方法は、ゼオライト物質を、転移相アルミナおよびアルファアルミナを含むフィラー物質、多孔性向上剤、ならびに水と混合してペーストを作製すること;ペーストを混和すること;ペーストを押出して、成形された押出し物を作製すること;成形された押出し物を乾燥および焼成して、ゼオライト触媒を作製し、ここで、このゼオライト触媒は、0.60mL/gm超の全多孔度、および全細孔体積に対して15%超の550Åから31000Åの範囲の細孔を有すること;ならびに、ベンゼンおよびオレフィンを含む炭化水素流を、このゼオライト触媒の存在下にて接触させること、を含む。 以降、本発明の方法について、以下の図面と合わせて記載するものであり、ここで、類似の数字は、類似の要素を示す。図1は、1つの代表的な実施形態に従うゼオライト触媒を作製するための方法の単純化したブロック図である。図2は、図1に示す方法に従って作製された代表的な触媒の細孔サイズ分布を示す。図3は、図1に示す方法に従って作製された代表的な触媒を用いたエチレンおよびベンゼンのアルキル化反応における、変換されたエチレンのパーセントを示す。図4は、1つの代表的な実施形態に従うアルキル化ベンゼン化合物を作製するための方法の単純化したブロック図である。図5。 以下の詳細な記述は、単なる代表例の性質のものであり、ゼオライト触媒、ゼオライト触媒の適用および使用、または本明細書で述べるゼオライト触媒の作製方法を限定することを意図するものではない。さらに、前述の背景技術または以下の詳細な記述に提示されるいかなる理論にも束縛されることを意図するものではない。 エチルベンゼンおよびイソプロピルベンゼンなどのアルキルベンゼンは、それぞれ、エチレンおよびプロピレンとベンゼンとの反応によって商業的に生産されている。このプロセスは、安定な生産を維持する目的で、液相、または少なくとも部分的に液相で行われる。C2−4オレフィンのベンゼンとの反応は、比較的速く、オレフィンの触媒中への拡散が律速段階である触媒の反応領域で行われる。従って、オレフィンの触媒中への拡散を増加させる触媒を用いることで、反応速度が改善される。オレフィンの触媒中への拡散は、高い触媒多孔度、望ましい細孔構造を有し、ゼオライトが触媒バインダーマトリックス中で良好に分散されている触媒を提供することによって改善される。 従って、本明細書で考慮される種々の実施形態は、そのゼオライト成分が触媒マトリックス中にて高度に分散されているゼオライト触媒を作製するための方法に関する。典型的な押出しでは、ゼオライト触媒を作製するための方法は、所望に応じて、ゼオライトのストックバッチをミリングしてゼオライト粒子を得ることで、凝集物を指定の範囲のサイズに低下させることを含む。本明細書で用いられる場合、「粒子サイズ」の用語は、粒子の直径、または平均寸法を意味する。好ましくは、ミリングは、ミリングされたゼオライト粒子の80%超、または例えば90%超が指定の範囲内となるような粒子サイズ分布まで実施される。ミリングは、公知のいかなる方法を用いて行われてもよい。1つの例では、タンブラー装置中にて、乾式または湿式ボールミリングが行われてよい。別の例では、アイガー(Eiger)のビーズミルに例示されるように、インペラーを用いて撹拌される耐熱ビーズを入れたチャンバー中にゼオライトスラリーを通すことによって、湿式ミリングが行われてよい。 特に図1を参照すると、典型的な方法100は、ゼオライト(所望に応じてミリングされてよい)をバインダー(またはフィラー)物質と組み合わせる、または混合すること(101)、およびゼオライト粒子がさらにサイズ低下されて、バインダー中に均一に分散される混和工程(102)を含む。しかし、ゼオライト凝集物を分解するために導入される力は、機械的圧縮によって触媒の多孔度も低下させる。多孔度が低下すると、拡散抵抗が増加し、触媒ペレット中のゼオライトの利用度が下がってしまう。良好なゼオライト分散を達成するが機械的圧縮は緩和する目的で、所望に応じて行ってよい水の量の増加と共に、種々の有機添加剤が製剤中に組み込まれる。そのような手法は、一般的に、導入される圧縮が最小限となることで、圧縮の緩和を補助し、適度に高い多孔度を与えるものであるが、相互連結する小および大細孔から構成される有効細孔構造を得るのに有用ではない。 予想外なことに、ゼオライト作製方法100が、バインダーマトリックス全体にわたるゼオライトの均一な分散、およびオレフィンを触媒全体へ送達させるために所望される有効細孔構造の両方を達成することが見出された。具体的には、そのような特性は、ゼオライトの混合物のムーリングによってゼオライト粒子のサイズ低下および分散を行うことにより、または所望に応じてミリングされていてよいゼオライト粒子および、本技術分野にて通常実施されてきたベーマイトおよび擬ベーマイトアルミナなどの典型的なバインダーの代わりとしてのガンマアルミナ粒子により、達成される。ガンマアルミナに加えて、カイ、カッパ、デルタ、イータ、およびシータなどのその他の転移相アルミナが、ガンマアルミナに代わって用いられてもよい。加えて、アルファアルミナも、ガンマアルミナの代わりに用いられてよい。 ガンマおよびその他の転移アルミナ、ならびにアルファアルミナの粉末は、100ミクロン未満の粒子サイズの様々な粒子サイズの範囲にて市販のものを入手することができ、より好ましくは、20ミクロン未満、最も好ましくは、10ミクロン未満である。アルミナの量は、100%固形分ベースで、30重量%などの20重量%から40重量%を例とする10重量%から80重量%の範囲であってよい。ゼオライトの量は、工業的炭化水素反応器で用いられる最終的に作製された触媒に充分な触媒活性をもたらす量であるべきである。例えば、ゼオライトの量は、100%固形分ベースで、70重量%などの60重量%から80重量%を例とする20重量%から90重量%の範囲であってよい。 1つの実施形態では、多孔性向上剤は、有機剤または無機剤として組み込まれてよい。代表的な実施形態では、多孔性向上剤(pore enhancing agent)は、水不溶性有機剤であり、例えば、SOLKA−FLOC(登録商標)の商品名にてインターナショナルファイバーコーポレーション(International Fiber Corporation),ノーストナウォンダ,ニューヨーク州,米国、から販売されている粉末セルロース繊維化合物である。別の代表的な多孔性向上剤は、チロース粉末である。さらなる代表的な実施形態では、多孔性向上剤は、水溶性有機剤であり、例えば、Methocel(登録商標)の商品名にてダウケミカルカンパニー,ミッドランド,ミシガン州,米国、から販売されているセルロース由来ポリマーである。多孔性向上剤は、100%固形分ベースで、4または6重量%などの4重量%から8重量%を例とする2重量%から10重量%の量で押出し可能混合物へ提供されてよい。 混合物を所望される触媒形状に押出すことができるように、充分な量の水が添加されるべきである。例えば、水の含有量が、固形分の50重量%から70重量%を例とする、固形分の30重量%から85重量%の範囲となるような量の水が添加されてよい。この押出し可能混合物は、ドウ(dough)の形態であってよい。 既に記載のように、本開示に従うゼオライト触媒を作製するための方法は、押出し可能混合物を混和する工程を含んでよい。混和は、ドウ混合物中にてゼオライト粒子を分散させるように作用し、このことによって、触媒中の拡散を高めることができる。しかし、混和は、通常、混合物を圧縮することによって混合物の密度を増加させ、それによって、得られた触媒中の拡散を制限し得るものである。しかし、本発明で述べる代表的な方法では、混和は、そのような典型的な圧縮効果を持たず、それは恐らく、触媒配合中にてベーマイトアルミナをガンマアルミナに置き換えたことによる可能性が非常に高い。述べたように、得られた触媒は、均一なゼオライト分散を示し、同時に、小および大細孔から構成される有効細孔構造が得られた。さらに、触媒は、良好な物理的強度を示した。 代表的な方法100は、さらに、混合物を押出して、成形された触媒とすること(工程103)を含む。種々の形状が本技術分野にて公知であり、例えば、概略球形状および概略円柱形状である。触媒を押出して多葉形状、例えば三葉形状とすることにより、どのような径においても触媒の表面積が増加し、従って、触媒活性部位への反応体のアクセスが改善されることが見出され、このことは、拡散抵抗性の適用において特に有益であることが見出された。代表的な三葉状押出し触媒形状の周囲長は、0.1インチから0.8インチの範囲であり、例えば、0.15から0.55インチなど、0.12インチから0.7インチである。そのような三葉状触媒の直径は0.1インチから0.4インチの範囲であり、例えば、0.120から0.24インチである。触媒の長さのその直径に対する比は、2:1から4:1の範囲であってよい。触媒の外部表面のその体積に対する比は、80インチ−1よりも大きい。 実施形態では、押出し物は、乾燥および焼成され(104)、次に、アンモニウム交換されてナトリウム含有量が低減される(105)。例えば、押出し物は、キルン中、500℃から700℃の温度にて、20分間から90分間の時間にわたって乾燥および焼成されてよい。その後、触媒は、焼成工程後に、アンモニウム含有水性浴中で洗浄されて、ナトリウムが除去される。例えば、アンモニウム含有浴は、60℃を例とする30℃から100℃の温度にて、硝酸アンモニウムまたは硫酸アンモニウムを含んでよい。触媒は、2時間を例とする0.5時間から6時間の時間にわたって洗浄される。硝酸アンモニウム溶液の場合、代表的な洗浄溶液は、1グラムの触媒あたり1グラムの硝酸アンモニウムおよび5から10グラムの水を含む。その他の適切な洗浄浴組成は、当業者に公知である。 前述の代表的な方法に従って作製されたゼオライト触媒は、触媒バインダーマトリックス中における比較的高いゼオライト粒子の分散を有し、それによって、反応化合物が利用可能となるゼオライトの量が高められることが実証された。さらに、前述の代表的な方法に従って作製された触媒は、大サイズ細孔の割合が比較的高く、それによって、触媒中における反応化合物の微粒子内拡散が改善されることも実証された。理論に束縛されるものではないが、ゼオライト粒子の分散の改善は、ゼオライトとは異なるモルホロジーを有するバインダー物質を用いることに起因するものと仮定される。例えば、UZM−8ゼオライトなどの特定のゼオライトは、「プレート様」のモルホロジーを有する。従って、未処理ベーマイトなどのやはりプレート様のモルホロジーを有するバインダーを用いることは、プレートの「積み重なり(stacking)」または混合物の高密度化に有利となる。対照的に、本明細書で提示される方法によると、ベーマイトが焼成されてガンマアルミナが形成されてよく、これは、焼結されて、プレート様ゼオライトとは異なる形状を有する大粒子とされたものである。従って、ガンマアルミナが用いられる場合、プレート状のゼオライトおよびベーマイトアルミナの積み重なりによって引き起こされる高密度化が最小限に抑えられる。その結果、良好に分散されたゼオライトおよび有効細孔構造を有し、従って拡散特性が向上された多孔性触媒が得られる。 以下は、本明細書にて考慮されるゼオライト触媒の代表的な実施形態である。これらの実施例は、単に説明のための目的で提供されるものであり、いかなる形であっても、ゼオライト触媒を作製するための方法の種々の実施形態を限定することを意図するものでもない。 上記表1中の実施例1〜5の5種類の代表的な触媒は、以下のようにして作製した。触媒実施例1、2、および3は、上記で示した代表的な方法に従って作製した。触媒実施例4および5は、参照比較用として、従来から公知の方法を用いて作製した。実施例1〜5の各々に関して、UZM−8物質のゼオライトストックを、シングルパスミリングの手順を用いてミリングし、粒子の少なくとも80%が10ミクロンから100ミクロンの範囲内である粒子分布を得た。ミリングしたゼオライトを、バインダーとして作用するアルミナフィラー物質と、ゼオライトのアルミナに対する比率70:30で混合した。実施例1〜3では、ガンマアルミナを用い、これにより、上記で考察したように、ゼオライト粒子とガンマアルミナ粒子との形状の相違に起因して、ゼオライト触媒のより高い分散が得られる。実施例4〜5では、ベーマイトを用い、これは、上記で考察したように、ミリングされたゼオライトに類似のプレート様形状を有する。多孔性向上剤を各混合物に加えた。実施例1〜3では、固形分の4重量%のMethocel(登録商標)を用いた。実施例4では、固形分の6重量%のSOLKA−FLOC(登録商標)を用いた。実施例5では、固形分の6重量%のチロースを用いた。充分な量の水を、固形分の65重量%の量で添加し、押出し可能ペーストまたはドウを形成した。実施例1〜3では、この混合物を混和したが、実施例4〜5では、混合物の混和は行わなかった。次に、ペーストを三葉形状のダイスを通して押出したが、実施例1だけは、円柱形状を用いた。その後、押出し触媒を、乾燥し、焼成し、上述した代表的な方法に従うアンモニウム水溶液で洗浄した。 次に、実施例1〜5の触媒を、公知の水銀圧入法を用いて分析して、細孔サイズ分布を測定した。図2は、実施例1〜5に対する累積細孔サイズ分布を示す(細孔サイズ範囲600Åから31000Å(大細孔)の細孔体積と共に、各代表的触媒の全細孔体積に関するデータも上記表1に示す)。これらから分かるように、代表的な方法に従って作製された触媒(実施例1〜3)は、直径600Å(第一の点線で示す)から31000Å(第二の点線で示す)の範囲において、非常により高い多孔度を示し、全細孔に対するこの範囲のパーセントがより大きい。特に、代表的な方法に従って作製された触媒は、Hg圧入による全細孔度が0.60mL/gm超であり、550Åから31000Åの範囲が全細孔体積の15%超であった。 次に、実施例2〜5の触媒を、試験スケールの反応器にて、エチレンによるベンゼンのアルキル化に用いた。反応は、入り口部温度215℃、ベンゼンのオレフィンに対するモル比20、および圧力550psigで行った。図3に示すように、代表的な方法に従って作製された触媒(実施例2および3、実施例1は試験せず)は、より高いオレフィン変換率を示した。この結果は、高い全細孔度および直径600Åから31000Åの範囲の細孔の高い割合が有益であることを示している。 代表的な実施形態に従う、上述のゼオライト触媒を用いてアルキル化ベンゼン化合物を作製するための方法400について、図4を参照して記載する。この方法は、ゼオライト触媒を提供することを含む(工程401)。ゼオライト触媒は、上述したゼオライト触媒を作製するための種々の実施形態のいずれを用いて形成されてもよい。例えば、1つの実施形態では、ゼオライト触媒は、ゼオライトストック物質、ガンマアルミナフィラー、多孔性向上剤、および水を含む混合物から形成される。この方法はさらに、ベンゼンおよびオレフィンを含む炭化水素流を、ゼオライト触媒の存在下にて接触させることを含む。 少なくとも1つの代表的な実施形態を、上記の詳細な記述に提示してきたが、非常に数多くの変形が存在することは理解されるべきである。また、本明細書で述べる1もしくは複数の代表的な実施形態が、いかなる形であっても、請求される主題の範囲、適用性、または構成を限定することを意図するものではないことも理解されるべきである。そうではなく、上記の詳細な記述は、記載した1もしくは複数の実施形態を実行するために都合の良いロードマップを当業者に提供するものである。請求項によって定められる範囲から逸脱することなく、プロセスに種々の変更を行ってよいことは理解されるべきであり、それには、公知の均等物および本開示の時点で予見可能な均等物が含まれる。 ゼオライト触媒を作製するための方法であって、 ゼオライト物質を、転移相アルミナおよびアルファアルミナを含むフィラー物質、多孔性向上剤、及び水と混合してペーストを作製すること(101); 前記ペーストを混和すること(102); 前記ペーストを押出して、成形された押出し物を作製すること(103);及び 前記成形された押出し物を乾燥および焼成して、ゼオライト触媒を作製すること(104)、を含み、 前記ゼオライト触媒が、0.60mL/gm超の全多孔度、および全細孔体積に対して15%超の550Åから31000Åの範囲の細孔を有する、方法。 前記転移相アルミナが、ガンマ、カイ、カッパ、デルタ、イータ、および/またはシータアルミナである、請求項1に記載の方法。 前記転移相アルミナが、ガンマアルミナである、請求項2に記載の方法。 前記転移相アルミナおよびアルファアルミナが、100ミクロン未満、または20ミクロン未満、または10ミクロン未満の粒子サイズを有する、請求項1に記載の方法。 前記ゼオライトならびに前記転移相アルミナおよびアルファアルミナを、多孔性向上剤と混合することをさらに含み、前記多孔性向上剤が、水溶性有機多孔性向上剤、水不溶性有機大細孔向上剤、またはこれらの混合物である、請求項1に記載の方法。 前記ペーストを押出して成形された押出し物を作製することが、前記ペーストを押出して、外部表面積の体積に対する比が80インチ−1超である三葉形状の押出し物を形成することを含む、請求項1に記載の方法。 前記ゼオライト、転移相アルミナまたはアルファアルミナ、および多孔性向上剤を含む前記混合物が、10から360分間の時間にわたって混和される、請求項1に記載の方法。 前記成形された押出し物を焼成することが、500℃から700℃の温度にて、20分間から240分間の時間にわたって焼成することを含む、請求項1に記載の方法。 前記ストックゼオライトをミリングすることが、前記ストックゼオライトをミリングして、100ミクロンから10ミクロンの範囲の平均粒子サイズを有するミリングされたゼオライトを作製することを含む、請求項1に記載の方法。 前記ゼオライト触媒を、オレフィンを含む炭化水素流と接触させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。 ゼオライト物質を、転移相アルミナおよびアルファアルミナを含むフィラー物質、多孔性向上剤、ならびに水と混合してペーストを作製すること;ペーストをムーリングすること;ペーストを押出して、成形された押出し物を作製すること;ならびに、成形された押出し物を乾燥および焼成して、ゼオライト触媒を作製することを含むゼオライト触媒を作製するための方法であって、ここで、このゼオライト触媒は、0.60mL/gm超の全多孔度、および全細孔体積の15%超の550Åから31000Åの範囲の細孔を有する。【選択図】図1


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