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タイトル:公表特許公報(A)_置換された酢酸セルロースおよびその使用方法
出願番号:2014554782
年次:2015
IPC分類:C09K 8/10,A61K 8/73,A61Q 5/06,C09D 7/12,C09D 201/00,C09D 101/12,A23L 1/05,A23L 1/30


特許情報キャッシュ

コームス、マイケル・ティー ギャレット、トーマス・エス JP 2015511253 公表特許公報(A) 20150416 2014554782 20130123 置換された酢酸セルロースおよびその使用方法 セラニーズ アセテート,エルエルシー 506099834 山崎 行造 100071010 赤松 利昭 100118647 尾首 亘聰 100138438 奥谷 雅子 100138519 内藤 忠雄 100123892 今井 千裕 100169993 小原 正信 100131082 逢坂 敦 100185535 コームス、マイケル・ティー ギャレット、トーマス・エス US 13/359,568 20120127 C09K 8/10 20060101AFI20150320BHJP A61K 8/73 20060101ALI20150320BHJP A61Q 5/06 20060101ALI20150320BHJP C09D 7/12 20060101ALI20150320BHJP C09D 201/00 20060101ALI20150320BHJP C09D 101/12 20060101ALI20150320BHJP A23L 1/05 20060101ALI20150320BHJP A23L 1/30 20060101ALI20150320BHJP JPC09K8/10A61K8/73A61Q5/06C09D7/12C09D201/00C09D101/12A23L1/04A23L1/30 Z AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2013022616 20130123 WO2013112495 20130801 28 20140926 4B018 4B041 4C083 4J038 4B018LB01 4B018LB08 4B018LB10 4B018MD01 4B018MD35 4B018ME14 4B018MF02 4B041LC03 4B041LD02 4B041LD10 4B041LH11 4B041LK01 4B041LP04 4C083AD261 4C083CC01 4C083CC32 4C083DD31 4J038BA052 4J038EA011 4J038HA166 4J038HA266 4J038HA446 4J038HA506 4J038HA536 4J038HA546 4J038KA06 4J038KA07 4J038KA08 4J038MA08 4J038MA10 4J038MA15 4J038NA02 本発明は、合成ポリマー、特に、置換された酢酸セルロース、およびその使用方法に関する。 酢酸セルロースは、β−D−グルコースモノマー単位を含む天然に存在するバイオポリマーであるセルロースの酢酸エステル誘導体であり、様々な消費者製品をつくるために広く使用されている。天然に存在するセルロースは、水およびほとんどの有機溶媒に不溶性である。しかし、セルロース中の各グルコースモノマー単位の3つの結合していないヒドロキシル基は、ある特性、たとえばある溶媒中への溶解度を変更するために誘導体化されることができる。酢酸セルロースは、セルロースの最も工業的に有用な誘導体の一つであると考えられ、その特有の物理的および化学的性質は、グルコースモノマー単位の3つの結合していないヒドロキシル基への酢酸エステル残基(アセテート)による置換度に大きく依存する。 その最初の合成以来、酢酸セルロースは、とりわけ、写真撮影におけるフィルムベース、接着剤の成分およびシガレットフィルターの製造に使用される原材料として使用されてきた。酢酸セルロースの重要な属性の一つは、その用途の所望に応じて、様々な形状および形式、たとえばフィルム、トウ、フレーク、繊維および固形物へと加工されることができることである。たとえば、酢酸セルローストウは、シガレットフィルターの製造に主として使用される。 最も典型的には、セルロースの誘導体化は、高められた反応温度において酸性触媒を使用して実施される。酢酸セルロースの合成は、木材パルプから通例得られるセルロースを、無水酢酸および酸の存在下にアセチル化することを含む。酢酸および硫酸は、アセチル化反応の間、通常存在する2つの酸である。この反応では、無水酢酸が主要なアセチル化剤の役割をし、酢酸は主として希釈剤として使用され、少量の硫酸は触媒として使用される。一般に、セルロースのモノマー単位は、置換に、たとえば、アセチル化による置換に容易に利用できる3つのヒドロキシル基を有する。両端にあるモノマー単位も追加のヒドロキシル基を有するが、これは典型的には糖間結合に関与する。 アセチル化反応の生成物は、高い濃度レベルのアセテートを通常含有する第一次酢酸セルロースであり、言いかえれば、アセテートの高い置換度(DS)を有する。本明細書で使用される「アセテートの置換度」とは、一般にグルコースモノマー単位当たりのアセテートの平均個数をいう。酢酸セルロースの構造は、アセテートの置換度を特定することによって一般に特性付けられることができる。完全にアセチル化されたセルロースは一般に三酢酸セルロースと呼ばれ、米国連邦取引委員会のガイドラインによれば、ヒドロキシル基の少なくとも92%がアセチル基で置換されている。たとえば、セルロースモノマー単位当たり少なくとも約2個のアセチル基(すなわち、約2のDS)が存在すると、これらのアセチル基のうちの少なくとも一部が化学的または酵素的加水分解によって除かれない限り、該アセチルセルロースは、生分解性が有意に低下することがある。アセテートの低減されたDSを有するアセチル化セルロースは、三酢酸セルロースの制御された加水分解によって調製されることができる。 次に、この第一次酢酸セルロースは、酢酸および硫酸の存在下に加水分解されて、該第一次酢酸セルロースのアセテートのDSが低減される。得られた加水分解生成物は通常、ほぼ約2.4〜約2.6の程度のDSを有する酢酸セルロースフレークである。 酢酸セルロースフレークが得られると、その酢酸セルロースを所望の形態へと加工するために、それはさらなる処理に付されることができる。たとえば、この酢酸セルロースフレークをアセトン中に溶解し、酢酸セルロース溶液を一連のロ過工程に通し、そして紡糸口金の微小な孔を通してアセトンドープを乾式紡糸することによって、酢酸セルローストウが形成されることができる。酢酸セルロースがこの押出工程を通り抜けると、酢酸セルロースフィラメントが収集される。これらのフィラメントは典型的には、束ねられ、それから捲縮されて、トウバンドとしての一体性とともに所望の嵩が確保される。この結果得られるものは酢酸セルローストウであり、これは、捲縮によって緩く結合された数千のフィラメントから構成された本質的に連続バンドである。酢酸セルローストウフィラメントは、通常非常に薄く、堅く詰め合わされてフィルターを形成することができる。本明細書で使用される「酢酸セルローストウ」とは一般に、酢酸セルロースフィラメントの合成後に加工された束をいう。 酢酸セルロースはまた、それが再生可能資源である木材パルプから主としてつくられた容易に分解可能な材料であるという点で環境にも優しい。アセテートのDSが様々である酢酸セルロースは構造的には類似しているけれども、このアセテートDSの違いは酢酸セルロースの生分解性にある影響を与えることがある。より高いアセチル置換度においては、天然に存在するセルロースまたはより少ないアセチル置換を有するセルロースに比較して、生分解速度が有意に低減することがある。より低いアセテートDSを有する酢酸セルロースは、より高いアセテートDSを有する酢酸セルロースよりも容易に生分解する。この傾向は、より低いアセテートDS値では次第に小さくなると考えられる。というのは、その材料は水に不溶性になるからである。一例として、1.85、2.07および2.57のDS値を有する酢酸セルロースの生分解速度が、それらの生分解性として試験された(図1)。1.85のDSを有する酢酸セルロースは最も高い生分解速度を示し、他方、2.57のアセチル値を有する酢酸セルロースは最も遅い生分解速度を示した。 酢酸セルロースは、多くの商業用途を有する多目的な組成物であるけれども、特定の酢酸セルロース誘導体の特性は完全には研究されて来なかった。たとえば、典型的な合成においては、残留する硫酸基は、熱安定性を改善するために一般には除去される。その結果、典型的な手段によって合成された酢酸セルロースは、約0.005重量%以下のイオウ原子を有することになる。というわけで、酢酸セルロースの多くの消費者用途のために改善された特性を提供することができる酢酸セルロースの潜在的な誘導体が存在する。 本発明は、合成ポリマー、とりわけ、置換された酢酸セルロース、およびその使用方法に関する。 いくつかの実施形態では、本発明はおむつを提供し、該おむつは、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む吸収性材料のコアを含む内層と、外層とを含む。 別の実施形態では、本発明は包帯を提供し、該包帯は、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む吸収性材料の層と、傷に接触している該吸収性材料の層を保持するように構成された細長片とを含む。 さらに別の実施形態では、本発明は鉢植え用土壌組成物を提供し、該鉢植え用土壌組成物は、有機コンポストと、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む吸収性組成物とを含む。 さらに別の実施形態では、本発明は改良された土壌組成物を提供し、該改良された土壌組成は、土壌組成物と、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む保水添加物とを含む。 さらに別の実施形態では、本発明は物品を提供し、該物品は、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースからの繊維を含む不織布層を含む。 さらに別の実施形態では、本発明は、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを準備する工程と、該置換された酢酸セルロースを吸収性物品の中に入れる工程とを含む方法を提供する。 さらに別の実施形態では、本発明は、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む吸収性材料を準備する工程と、該吸収性材料をおむつの中に入れる工程とを含む方法を提供する。 当業者にとって、本発明の特徴および利点は、以下に続く好ましい実施形態の記載を読めば、直ちに明らかになろう。 以下の図は、本発明のある側面を例示するために含められたものであり、限定的な実施形態であると見なしてはならない。ここに開示された主題は、当該技術分野に通じ本開示発明の恩恵を受ける当業者が考えつくであろう、相当な修正、変更ならびに形式および機能における等価物を包含する。様々な置換度を有する酢酸セルロースの生分解度のプロットを示す図である。実施例3に記載された吸水度のデータを示す図である。実施例3に記載された吸水度のデータを示す図である。実施例3に記載された吸水度のデータを示す図である。実施例3に記載された吸水度のデータを示す図である。 本発明は、合成ポリマー、とりわけ、置換された酢酸セルロース、およびその使用方法に関する。 本発明は、多くの有利なおよび/または望ましい特性を有する置換された酢酸セルロースに関する組成物、方法ならびに製造プロセスを提供する。本発明の置換された酢酸セルロースは、多くの消費者製品を含む様々な用途に、とりわけ、吸収性、接着性および/または分解性が有用であり得る用途に使用されることができる。 本明細書で使用される用語「置換された酢酸セルロース」とは、全般としてセルロースポリマーのヒドロキシル基を置換した少なくとも1つの極性置換基を有する酢酸セルロースをいう。本明細書で使用される「極性置換基」とは、非金属(たとえば、 イオウ、リン、ホウ素および塩素)に結合した電気陰性原子(たとえば、酸素)を含む、非アセチルの化学基の部分である。 比較的高い置換度を有する極性置換基に対応する、比較的高い重量割合の少なくとも1つの非金属原子を有する置換された酢酸セルロース組成物が提供されることができることが、驚いたことに本発明によって発見された。そのうえ、この非金属原子の重量割合は、本明細書に記載されたような、置換された酢酸セルロースの様々な特性を生み出しまたはそれを高めるように調節されおよび/または修正されることができることも、驚いたことに発見された。 本発明の置換された酢酸セルロースは、いくつかの実施形態では、用途が広く(すなわち、特徴のある、望ましい多くの化学的および物理的性質を有し)、かつ、環境に優しい(すなわち、再生可能な資源からつくられ、分解性、生分解性であるなどの)多くの消費者製品に使用するのに適した材料である。 本明細書で使用される「分解性」とは、材料がより簡単な部分へと分解しおよび/または崩壊する能力をいう。本明細書で使用される「生分解性」とは、材料が生物の作用によって分解する能力をいう。何に適用するかに応じて、「生分解性」の定義は、標準試験の結果、たとえば経済協力開発機構(OECD)の試験方法の結果に従うことがある。 理論に束縛されるものではないが、極性置換基の非金属原子の重量割合を調節することによって、本発明の置換された酢酸セルロースは新規なまたは高められた化学的および/または物理的特性を提供することができると考えられる。たとえば、ある極性置換基(たとえば、硫酸根(サルフェート)) は、置換された酢酸セルロースの親水性を増加するとともに静電相互作用の電位も増加することができると考えられる。 置換された酢酸セルロース組成物、これはより詳細に以下に説明されるが、存在する非金属原子の重量割合に基づいて付与されまたは高められることができる、ある有利な特性および工業的役割(たとえば、接着剤、化学安定剤、吸収性物質としての役割)を有する。いくつかの実施形態では、非金属原子の重量割合を微調節すると、置換された酢酸セルロースの望ましくない特徴または特性を取り除きまたは低減することができる。 置換された酢酸セルロースは、その極性置換基の濃度によって記述されることができ、これは次に、その極性置換基の置換度(たとえば、グルコースモノマー単位当たりの置換基の平均個数)によって、または該置換された酢酸セルロースの全重量当たり存在する非金属(たとえば、イオウ、リン、ホウ素または塩素)原子の重量割合として、明確にされることができる。実際的な言い方をすると、極性置換基の置換度を変更することは、置換された酢酸セルロース上の非金属原子の重量割合を予測可能な量だけ変更することでもあり、またその逆も成立する。従って、極性置換基の置換度を増加させると、一般に、置換された酢酸セルロース上に存在する非金属原子の重量割合が増加すると推定することができる。反対に、極性置換基の置換度を減少させると、一般に、置換された酢酸セルロース中に存在する非金属原子の重量割合が予測可能な量だけ減少することになる。 理論上、置換された酢酸セルロース中の非金属原子の重量割合は、約0.01%から約25%までの範囲であることができ、この範囲は、ほとんど極性置換基を有しない酢酸セルロース(これは、いくつかの場合には、典型的に調製された酢酸セルロースよりも有意に、かつ、驚くほど多い)から、完全に置換された酢酸セルロースまでの範囲に相当する。本発明は、極性置換基の非金属の重量割合を特定することによって好ましくは実施されるけれども、本発明は、極性置換基の置換度または他の類似した濃度の尺度を特定することによって同等に実施されることもできる。極性置換基の置換度は、約0.005から約3までの範囲であることができる。 本明細書に記載された様々な実施形態は、極性置換基を有する置換された酢酸セルロースを広範な消費者製品に利用する。極性置換基の非金属原子の重量割合を調節することによって、本発明の置換された酢酸セルロース組成物は、数ある用途の中でも、効果的な吸収性材料、接着剤、化学安定剤および膜形成安定剤として使用されることができると考えられる。たとえば、イオウ原子(たとえば、サルフェート置換基のイオウ原子)の重量割合を調節することによって、本発明の置換された酢酸セルロースは、水溶性材料から水膨潤性材料までにわたることができる。いくつかの実施形態では、水膨潤性の置換された酢酸セルロース組成物は、分解性コーティング膜として使用されることができ、たとえば医薬組成物をカプセル封入して、それによって体内での該医薬組成物の放出を遅延させることができる。調節されることができる他の特性には、ある溶媒への溶解度、エマルションを安定化する能力、様々な表面への接着性および生分解性が含まれるが、これらには限定されない。これらの特性は、置換された酢酸セルロース中に存在する極性置換基の非金属原子の重量割合を必要に応じて変更することによって、さらに調節されることができる。本発明の多くの実施形態を実施するために、当業者は、必要に応じて非金属の重量割合を変更することができるはずである。 いくつかの実施形態では、アセテートの置換度を変更すると、本発明の置換された酢酸セルロースのある特性を生み出しまたはそれを高めることができる。いくつかの実施形態では、水溶性の置換された酢酸セルロースは、約0.4〜約1の間のアセテートの置換度を有する。いくつかの実施形態では、水膨潤性の置換された酢酸セルロースは、約1〜約2の間のアセテートの置換度を有する。アセテートの置換度が0.05〜3の間で変えられると、適切な溶媒系も変わる可能性がある。いくつかの実施形態では、比較的低いアセテートの置換度では、水が適切な溶媒である。いくつかの実施形態では、比較的高いアセテートの置換度では、有機溶媒が要求される。目標となる最終用途に適切である溶媒系が選択されることができるように、置換度は変えられることができる。 いくつかの実施形態では、極性置換基の置換度は比較的一定に保たれることができ、他方、アセテートの置換度は調節される。いくつかの実施形態では、極性置換基の置換度とアセテートの置換度とを調節することの組み合わせによって、置換された酢酸セルロースに所望の特性がもたらされる。いくつかの実施形態では、極性置換基の置換度の範囲は、置換された酢酸セルロースに所望の特性をもたらすために必要なアセテートの置換度の範囲に影響を及ぼすことがある。いくつかの実施形態では、アセテートの置換度の範囲は、置換された酢酸セルロースに所望の特性をもたらすために必要な極性置換基の置換度の範囲に影響を及ぼすことがある。 本発明の置換された酢酸セルロースの潜在的な商業用途は広範囲にわたっており、家庭用品、たとえばボタン、眼鏡、裏地、ブラウス、衣服、結婚式およびパーティー用衣装、家具・インテリア、カーテン、室内装飾品、ソファー類カバー等を含むが、これらに限定されない。他の商業用途は、シガレットを含むフィルター、インクカートリッジ、トランプカード等、および高吸収性製品、たとえばおむつおよび外科用品を含む。 いくつかの実施形態では、吸収性材料として、本発明の置換された酢酸セルロースは、該置換された酢酸セルロースに存在する非金属原子の重量割合に応じて、その重量の数倍(たとえば、約8倍から約24倍まで)の水性流体(たとえば、水、塩水溶液等)の吸水能力を有する。 いくつかの実施形態では、本発明の置換された酢酸セルロースは、接着剤として有効であることができ、多種多様な基材、たとえば、ボール紙、プラスチック、紙、ガラス、木材、麻繊維、おがくず、複合材(たとえば、繊維補強複合材)、かんな屑等を接着することができるが、これらに限定されない。本発明の置換された酢酸セルロースは、有効な化学/コロイド安定剤であることもでき、様々なエマルション混合物を安定化することができると考えられる。 いくつかの実施形態では、本発明の置換された酢酸セルロースは、所与の混合物の膜の形成を容易にするための膜形成安定剤として使用されることができる。いくつかの実施形態では、この形成された膜は透明であることができる。 本発明の置換された酢酸セルロースは、多くの様々な形態で存在し、多くの様々な様式で使用されることができる。いくつかの実施形態では、該置換された酢酸セルロースは、繊維、織布、不織布、(開繊または非開繊の)トウまたはトウバンド、フレーク、フォーム、エマルション、フィルム、ゲル、分散物、溶液、ペースト、懸濁物またはこれらの組み合わせであることができる。いくつかの実施形態では、該置換された酢酸セルロースは、コーティング材、添加物、フィルム、層材、芯材等として使用されることができる。 いくつかの実施形態では、本発明は、置換された酢酸セルロースを、様々な形状の置換された酢酸セルロース(たとえば、置換された酢酸セルローストウ)へと形成する方法も提供する。これらの方法は、典型的にはある用途に使用されるためのより良い形態に、該置換された酢酸セルロースを変える。たとえば、置換された酢酸セルロースの繊維は、様々な量のある有機化学物質を選択的に吸収し、除去する能力があること;水溶性または水膨潤性であること;広い表面積を有すること;および染料と相容性であること;という特に望ましい特性を有することができる。また、置換された酢酸セルロースの繊維は、カビおよび白カビへの耐性を有することができると考えられる。置換された酢酸セルロースは、織物の用途に特に望ましいことがある。 少なくともいくつかの実施形態は、少なくとも1つの極性置換基を有する酢酸セルロースに関するものであるけれども、少なくとも1つの極性置換基を有する酢酸セルロースの誘導体もまた、本発明のいずれの適合する実施形態にも従って使用されることができる。酢酸セルロースの誘導体は、酢酸セルロースエステル、酢酸セルロース混合エステル等を含むことができるが、これらに限定されない。酢酸セルロースエステルの好適な例は、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート等を含むが、これらに限定されない。酢酸セルロースエステルのエステル化度は、特定の用途に少なくとも一部分は依存し、当業者には明らかである。 本発明の置換された酢酸セルロースは、イオウ、リンおよびホウ素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を有することによって特性付けられることができ、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、非金属は、置換された酢酸セルロースの約25重量%以下の量で存在することができる。理論に束縛されるものではないが、この25重量%の上限は、完全に置換されたセルロース誘導体(たとえば、硫酸エステル)に対応すると考えられる。非金属の重量割合の正確な範囲は、とりわけ、その極性置換基の化学的構成に依存する。 全般に、置換された酢酸セルロースのヒドロキシル基の少なくとも一部は、アセテートによって置換される。いくつかの実施形態では、アセテートの置換度は、約0.05〜約3、好ましくは約0.4〜約2である。いくつかの実施形態では、アセテートの置換度と極性置換基の置換度との比は、本発明の置換された酢酸セルロースの所望の特性を生み出しまたはそれを高めるように調節されることができる。いくつかの実施形態では、アセテートのDSは極性置換基のDSよりも高い。 任意的に、置換された酢酸セルロースは、さらに可塑剤を含みまたはそれと混合されることができる。可塑剤の好適な例は、グリセリン、グリセリンエステル(たとえば、モノ、ジまたはトリアセチルグリセリンおよびモノ、ジまたはトリアセチルグリセリンエステル)、ポリエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジメチルスルホキシド、グリセリントリアセテート、トリエチレングリコールジアセテート、これらの誘導体、これらの組み合わせおよびこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、可塑剤は、飽和二塩基酸のエステル、飽和多価アルコールのエステル、脂肪酸エステル、スルホンアミド樹脂、これらの誘導体およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた可塑剤を含む。可塑剤は、その組成物のガラス転移温度(Tg)および融点を下げるために、該置換された酢酸セルロースに添加されることができる。可塑剤は典型的には、加工を容易にし、最終製品の柔軟性および靭性を増加するように機能する。また、ある可塑剤(たとえば、エーテルエステル、単純なエステルタイプ等)は、シガレットフィルターの有用な特性であるフェノール除去のための、置換された酢酸セルロースフィルターの容量を増加することができると考えられる。 いくつかの実施形態では、極性置換基は、サルフェート、ホスフェート、ボレート、カーボネートおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれることができる。いくつかの実施形態では、極性置換基は、置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.03重量%の量で存在する。いくつかの実施形態では、極性置換基の非金属は、置換された酢酸セルロースの約75重量%以下の量で存在する。極性置換基の重量割合の正確な範囲は、とりわけ、該極性置換基の化学的構成に依存する。 1つ以上の実施形態では、置換された酢酸セルロースは、極性置換基または非金属原子の濃度を増加させまたは減少させることによって付与されまたは高められることができる特性を有することができる。いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは水溶性であることができる。いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは水膨潤性であることができる。いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは耐水性であることができる。いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは、比較的高いイオウの重量割合および比較的高いアセテートの置換度を有することが望ましいことがある。特に、水膨潤性の材料はしばしば、水を吸収する能力によって特徴付けられ、止水材料、保水材料、補給材料等として使用される。いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは分解性であることができる。いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは生分解性であることができる。 本発明の置換された酢酸セルロースは、多くの消費者用途のための吸収性材料として使用されることができる。本発明は、いくつかの実施形態では、本発明の置換された酢酸セルロースを含む吸収性材料のコアと、外層とを含むおむつを提供する。任意的に、該おむつは、吸収性材料のコアに湿気を移送するように設計された分配層および/または該吸収性材料のコアの少なくとも一部を覆う外側シェルをさらに含むことができる。 いくつかの実施形態では、分配層は、吸収性材料のコアと外層との間に置かれる。いくつかの実施形態では、分配層は防水性であることができる。 いくつかの実施形態では、外層は吸収性材料のコアを取り囲む。いくつかの実施形態では、外層は防水性である。いくつかの実施形態では、外層は吸収性材料のコアの挿入を受け入れるように構成される。外層はまた、着色されまたはそのおむつの視覚的な魅力を増加させる装飾的意匠の特徴を有することができる。いくつかの実施形態では、外層は、吸収性材料のコアの挿入を受け入れるための開口部を備えるように構成される。いくつかの実施形態では、外層は再使用可能であることができる。 いくつかの実施形態では、外層は、ポリエチレン、不織布フィルム、複合材料フィルム、布およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた材料を含む材料からつくられる。 いくつかの実施形態では、おむつは使い捨て可能であることができる。いくつかの実施形態では、おむつの少なくとも一部は再使用可能であることができる。 本発明は、いくつかの実施形態では、本発明の置換された酢酸セルロースを含む吸収性材料の層と、傷に接触している該吸収性材料の層を保持するように構成された細長片とを含む包帯を提供する。任意的に、吸収性材料の層は、抗生物質、鎮痛剤、解熱剤、抗菌剤、防腐剤、抗アレルギー剤、反ニキビ剤、麻酔剤、抗炎症剤、止血剤、化粧品、ビタミン、血管拡張剤、皮膚軟化剤、PH調節剤、かゆみ止め剤、反対刺激剤、抗ヒスタミン剤、ステロイドおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた有効成分をさらに含む。 いくつかの実施形態では、防腐剤は少なくとも1つの遷移金属を含むことができる。遷移金属の好適な例は、アルミニウム、ニッケル、銅、亜鉛、チタン、鉄および銀を含むが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、傷は、切傷、裂傷、擦傷、刺創、貫通創またはこれらの任意の組み合わせである。 いくつかの実施形態では、細長片は伸縮性を有することができる。いくつかの実施形態では、細長片は粘着性であることができる。いくつかの実施形態では、細長片は、織布、不織布、プラスチック、ラテックスおよびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた材料を含む。 いくつかの実施形態では、本発明のシガレットフィルター材料は、本発明の置換された酢酸セルロースを含むセグメント化されたフィルターまたはフィルターの区画を含む。いくつかの実施形態では、本発明のシガレットフィルター材料は、従来型の第二次の二酢酸セルロースをさらに含む。任意的に、シガレットフィルター材料は可塑剤をさらに含む。理論に束縛されるものではないが、本発明の置換された酢酸セルロースは、シガレットフィルター材料の分解性を増加するはずであると考えられる。 シガレットフィルター材料に関連する実施形態に使用する可塑剤の好適な例は、フタレート、アセチルトリエチルシトレート、トリエチルシトレート、アセチルトリブチルシトレート、ジブチルセバケート、トリアセチン、グリセリルトリアセテート、ポリエチレングリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンを含む。 いくつかの実施形態では、本発明の置換された酢酸セルロースはトウであることができる。いくつかの実施形態では、該置換された酢酸セルロースはロッド形状に形成される。 いくつかの実施形態では、本発明の喫煙具は、喫煙に適した物質と、本発明の置換された酢酸セルロースフィラメントを含むシガレットフィルターとを含む。本明細書で使用される「喫煙に適した物質」とは、燃えることができ、かつ、その煙を味わいまたは吸入することができるいかなるもの(たとえば、タバコ)をも含む。タバコは、任意の多数の異なる形式で、たとえば乾燥されたもの、発酵されたもの、保存処理されたもの、刻みタバコ等の形式で使用されることができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、喫煙具はシガー、パイプ、シガレット、ベポライザー等を含むことができる。 いくつかの実施形態では、本発明の被覆された種子は、本発明の置換された酢酸セルロースを含むコーティングで被覆されている種子を含む。任意的に、該被覆された種子は、二次成長促進コーティングをさらに含む。二次成長促進コーティングの好適な例は、主要栄養素、二次栄養素、ホルモン、殺虫剤、農薬、除草剤、紡カビ剤、殺菌剤、色素、バインダー、界面活性剤、流動促進剤およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれることができる。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される主要栄養素の好適な例は、硝安、尿素、リン安、硫安、リン酸尿素、モリブデン酸アンモニウム、硝酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化カリウム、硫酸カリウムおよび塩化カリウムを含むことができるが、これらに限定されない。 二次栄養素の好適な例は、硫酸マグネシウム、硝酸カルシウム、ホウ酸ナトリウム、硝酸マグネシウム;銅、カルシウム、鉄、亜鉛、マグネシウム、マンガンの各キレート錯体;モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、安息香酸およびサリチル酸から成る群から選ばれる。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用されるバインダーの好適な例は、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポビドン、コポリビドン、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される界面活性剤の好適な例は、レシチン、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート60、ポリソルベート80、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマー、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される色素の好適な例は、二酸化チタン、酸化鉄、天然色素、天然染料、FD&C着色剤、D&Cレーキ、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される流動促進剤の好適な例は、タルク、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される除草剤の好適な例は、グリホセート、ジカンバ、アランクロール、メオラクロール、オキサベトニリル、チオカルバメート5−エチル−N,N−ジプロピル−チオカルバメート、アセトクロール、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される解毒剤の好適な例は、フルオラゾール、シオメトリニル、N、N−ジアリルジクロロアセトアミド、これらの誘導体またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される防カビ剤、殺菌剤、殺虫剤および農薬の好適な例は、無機銅、有機銅、重金属合成物、プロペン酸、オキシミンエーテル、置換オキシミンエーテル、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される植物ホルモンの好適な例は、オーキシン、ジベレリン酸、サイトカイン、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、本発明の被覆された医薬組成物は、本発明の置換された酢酸セルロースを含むコーティングで被覆されている医薬組成物を含む。 いくつかの実施形態では、本発明のいくつかの実施形態とともに使用される医薬組成物は、鎮痛剤、抗炎症剤、抗不整脈薬、喘息治療薬、抗菌薬、抗ウイルス薬、抗凝血剤、反痴呆薬、抗うつ薬、抗糖尿病薬、抗高血圧薬、抗マラリア薬、抗片頭痛薬、抗ムスカリン薬、抗腫瘍薬、免疫抑制剤、反原虫薬、抗甲状腺薬、鎮咳薬、不安緩解剤、鎮静剤、催眠薬、神経弛緩薬、神経保護剤、ベータブロッカー、強心薬、細胞粘着抑制剤、コルチコステロイド、サイトカイン受容体活動調節剤、利尿薬、抗パーキンソン薬、胃腸薬、ヒスタミンH−受容体拮抗薬、角質溶解剤、脂質調節薬、筋弛緩剤、硝酸塩、抗真菌薬、抗狭心症薬、非ステロイド抗喘息薬、栄養剤、性ホルモン剤、刺激剤、勃起障害治療薬、麻酔薬、抗ヒスタミン剤、充血除去薬、鎮咳薬、粘滑剤、去痰剤、これらの誘導体、これらの組み合わせまたはこれらの混合物を含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、本発明のいくつかの実施形態とともに使用される医薬組成物は、プソイドエフェドリン、フェニルプロパノールアミン、フェニレフリン、エフェドリン、デキストロメトルファン、クロルフェディアノール、カルベタペンタン、カラミフェン、ノスカピン、ジフェンヒドラミン、コデイン、メントール、ヒドロコドン、ヒドロモルフォン、フォミノベン、グリセリルグアヤコレート、抱水テルピン、塩化アンモニウム、N−アセチルシステイン、ブロムヘキシン、アンブロキソール、クロルフェニラミン、ブロムフェニラミン、デキシクロルフェニラミン、デキシブロムフェニラミン、トリポリジン、アザタジン、ドキシラミン、トリペレンアミン、シプロヘプタジン、ヒドロキシジン、エレマスチン、カルビノキサミン、フェニンダミン、ブロモジフェンヒドラミン、ピイラミン、アクリバスチン、AHR−11325、アステミゾール、アゼラスチン、セチリジン、エバスチン、ケトチフェン、ロドキサミド、ロラチジン、レボカバスチン、メキタジン、オキサトミド、セタスチン、タジフィリン、テメラスチン、テルフェナジン、テルブタリン、アトロピン、アミノフィリン、エピネフリン、イソプレナリン、メタプロテレノール、ビトテロール、テオフィリン、アルブテロール、アスピリン、アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセン、フェノール、ベンゾカイン、ヘキシルレゾルシノール、ジクロニン、これらの誘導体、これらの組み合わせ、これらの薬学的に受容可能な塩またはこれらの混合物を含むことができるが、これらに限定されない。 本発明は、本発明の置換された酢酸セルロースを含むコーティングで被覆されたリポーター分子を含む検体を検知するためのキットを提供する。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用されるリポーター分子は、抗体、タンパク質、酵素、ペプチド、核酸、小分子、蛍光色素分子、これらの誘導体またこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、該コーティングは水溶性または水膨潤性である。一般に、該コーティングは、貯蔵の間のリポーター分子の分解(たとえば、変性、開裂)を遅延させまたは防止することができる保護層を提供する。 いくつかの実施形態では、本発明の被覆されたステントは、本発明の置換された酢酸セルロースを含む外側コーティング層と、医薬組成物を含む内側コーティング層とを有するステントを含む。 いくつかの実施形態では、該ステントは形状記憶材料を含む。本発明のいくつかの実施形態とともに使用される形状記憶材料の好適な例は、亜鉛合金、銅合金、金合金、鉄合金、銅−亜鉛−アルミニウム−ニッケル合金、銅−アルミニウム−ニッケル合金およびニッケル−チタン合金を含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、該ステントはポリマーを含む。本発明のいくつかの実施形態とともに使用されるポリマーの好適な例は、フィブリン、ポリ乳酸、シリコーン、ポリウレタン、ポリエステル、ビニルホモポリマー、ビニルコポリマー、アクリレートホモポリマー、アクリレートコポリマー、ポリエーテル、セルロース誘導体、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、医薬組成物は、グルココルチコイド、ヘパリン、ヒルジン、トコフェロール、アンジオペプチン、アスピリン、成長因子、オリゴヌクレオチド、抗血小板薬、抗凝血剤、抗有糸分裂薬、酸化防止剤、代謝拮抗薬、抗炎症剤およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれる。 いくつかの実施形態では、本発明の鉢植え用土壌組成物は、有機コンポストと、本発明の置換された酢酸セルロースを含む吸収性組成物とを含む。任意的に、該鉢植え用土壌組成物は、ローム土、珪藻土成分、パーライト成分およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1つの成分をさらに含むことができる。 いくつかの実施形態では、ローム土は、砂、シルト、粘土およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた成分を含む。 いくつかの実施形態では、珪藻土成分は、珪藻土、リン酸塩、マグネシウム、カリウム、窒素およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1つの成分を含む。 いくつかの実施形態では、本発明の改良された土壌組成物は、土壌組成物と、本発明の置換された酢酸セルロースを含む保水添加物とを含む。任意的に、該改良された土壌組成物は、砂、シルト、粘土、焼成粘土、酸化鉄、乾燥樹脂およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた添加物をさらに含むことができる。 本発明のいくつかの実施形態とともに使用される好適な乾燥樹脂は、アクリルポリマー、ポリ酢酸ビニルポリマー、酢酸ビニルコポリマー、これらの誘導体またはこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、本発明の掘削流体は、ベース流体と、本発明の置換された酢酸セルロースを含む増粘剤とを含む。任意的に、該掘削流体は、流動性制御剤、粘土膨張抑制剤、潤滑剤、増量剤、増粘剤およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた添加物をさらに含むことができる。 いくつかの実施形態では、ベース流体は、水性流体、油性流体、合成流体またはエマルションであることができる。 いくつかの実施形態では、本発明は、本発明の置換された酢酸セルロース由来の繊維を含む不織布の層を含む物品を提供する。 いくつかの実施形態では、該不織布の層は、おむつ、生理用品、おしぼり、包帯、使い捨てタオル、使い捨てスリッパ、隔離衣、手術衣、外科用カーテンおよびカバー、外科用手術着、帽子、フィルター(たとえば、HEPAフィルター;水、コーヒー、紅茶の紙バッグ; 液体カートリッジ)、真空バッグ、ジオテキスタイル、たとえばジオメンブレン、カーペット裏地、または封筒を含むことができるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、本発明は、置換された酢酸セルロースのトウを製造する方法を提供し、該方法は、二酢酸セルロースおよび本発明の置換された酢酸セルロースならびに溶媒の溶液を含むドープを紡糸する工程;該紡糸された置換された酢酸セルロースのフィラメントを巻き取る工程;該置換された酢酸セルロースのフィラメントからトウを形成する工程; 該トウを捲縮する工程;該捲縮されたトウを条件調整する工程; 該捲縮され、乾燥されたトウをベールにする工程を含む。任意的に、この方法は、該置換された酢酸セルロースのフィラメントに潤滑剤を添加する工程をさらに含むことができる。 いくつかの実施形態では、溶媒は、水、アセトン、メチルエチルケトン、塩化メチレン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール、氷酢酸、超臨界CO2、上記ポリマーを溶解することができる任意の適当な溶媒またはこれらの任意の組み合わせである。非限定的な例として、酢酸セルロースのための溶媒はアセトン/メタノール混合物であることができる。 いくつかの実施形態では、置換された酢酸セルロースは、紡糸口金で紡糸される。いくつかの実施形態では、紡糸口金は孔を備える。これらの孔は、本発明の1つ以上の実施形態に適合する任意の形状のものであることができる。紡糸口金の構造および/または紡糸パラメーターは、フィラメントから溶媒が蒸発する速度に影響を与え、この速度はフィラメントの寸法、断面形状、強さおよび加工性に影響を与えることがある。いくつかの実施形態では、紡糸口金は、少なくとも0.070インチ(1.78mm)の間隔で配置された複数の孔を備えることができる。いくつかの実施形態では、本発明とともに使用される紡糸口金は、ドーナツ状に配置された複数の押出孔を備えることができる。本明細書で使用される「ドーナツ状配置」とは、中央に空所を有する任意の形状(環状、玉子状、多角形、三角形等)であって、該空所に押出孔がないものをいう。本明細書で使用される用語「孔」および「押出孔」は、紡糸口金の構造に関連して使用されるときは、ドープが押出される開口部を一般的に指して、互換的に使用されることができる。いくつかの実施形態では、押出孔は、毛細管状出口を有する先細り形状、たとえば、皿穴形状であることができる。先細り形状は、一定の角度または2つ以上の角度によるものであることができる。いくつかの実施形態では、1つの紡糸口金内の押出孔は、様々な先細り角度を有することができる。いくつかの実施形態では、押出孔および/または毛細管状出口は、所望のフィラメント断面形状を生み出す断面形状を有することができる。押出孔および/または毛細管状出口の断面形状の例は、円形、実質的に円形、玉子形、実質的に玉子形、三日月形、多葉形、多角形(たとえば、等しい長さまたは様々な長さの辺を有する、三脚形、四脚形、星形、三角形、正方形、台形、五角形、六角形等のようなもの)、端を丸められた多角形およびこれらの任意の混成物を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、紡糸口金は、少なくとも2つの異なる断面形状をした押出孔および/または毛細管状出口を備えることができる。いくつかの実施形態では、紡糸口金は、少なくとも2つの異なる大きさの押出孔および/または毛細管状出口を備えることができる。いくつかの実施形態では、押出孔の大きさおよび/または断面形状は、対応する毛細管状出口のそれらと異なっていてもよい。 いくつかの実施形態では、紡糸パラメーターは、約0.7から約1.6までの範囲のドローダウン比(繊維出口速度と引き取り速度との比)でフィラメントを押出すことを含むことができる。 当業者は、押出とはフィラメントを製造する単一の方法または動作を意味せず、それは少なくとも紡糸、吐出等と置き換えられることができることを理解しなければならない。 いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明の置換された酢酸セルロースを準備する工程、および該置換された酢酸セルロースを吸収性物品の中に配置する工程を含む。いくつかの実施形態では、該吸収性物品は、吸収性材料を利用することができる任意の物品(たとえば、衣料、ゲル、1個の家具等)であることができる。吸収性物品の好適な例は、おむつ、失禁用衣料、包帯、タンポン、温療法および寒冷療法用パック、ウォーターベッド、人工雪ならびにこれらの組み合わせを含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、吸収性物品は使い捨て可能および/または分解性であることができる。 いくつかの実施形態では、本発明の置換された酢酸セルロースは、吸収性物品の内側部分に配置されることができる。いくつかの実施形態では、該置換された酢酸セルロースは、吸収性物品の外側部分に配置されることができる。いくつかの実施形態では、該置換された酢酸セルロースは、吸収性物品の外側部分の一部であることができる。用語「配置」には、本発明を何らかの特定の動作様式に限定する意図はない。 いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明の置換された酢酸セルロースを含むコーティングで種子を被覆することを含む。任意的に、このコーティングは、可塑剤、バインダー、ワックス、安定剤および着色剤から成る群から選ばれた少なくとも1つの成分をさらに含んでいてもよい。 いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明の置換された酢酸セルロースを含むコーティングで医薬組成物を被覆することを含む。任意的に、このコーティングは、可塑剤、応力緩和剤、乳化剤、乳化安定剤およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた添加物をさらに含んでいてもよい。 いくつかの実施形態では、該応力緩和剤は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、メチルエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、これらの誘導体およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた水溶性高分子を含む。 いくつかの実施形態では、本発明の方法は、本発明の置換された酢酸セルロースを含む接着剤を準備する工程と、該接着剤を表面に施与する工程とを含む。いくつかの実施形態では、この表面は、木材、プラスチック、紙、ガラス、ボール紙およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれることができる。いくつかの実施形態では、この接着剤は分散物である。任意的に、この接着剤は溶媒および/または添加物をさらに含んでいてもよい。 いくつかの実施形態では、該溶媒は水性であることができる。いくつかの実施形態では、該溶媒は混合物、たとえば有機/水溶媒であることができる。いくつかの実施形態では、該溶媒は、該接着剤の約40重量%〜約99重量%の量で存在することができる。 いくつかの実施形態では、該添加物は、多価の塩(たとえば、炭酸ジルコニウムのようなジルコニウム塩)、ポリアミドエピクロルヒドリン樹脂、アルデヒド(たとえば、グリオキサル、グルテルアルデヒド、ヒドロキシアジプアルデヒド)、ホルムアルデヒド架橋剤(たとえば、零ホルムアルデヒド架橋剤、低ホルムアルデヒド架橋剤)、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリスチレン、ポリ乳酸、これらの誘導体およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた添加物を含む。 いくつかの実施形態では、本発明は塗料組成物を提供し、該塗料組成物は、色素と、本発明の置換された酢酸セルロースを含む塗膜形成安定剤とを含み、該塗料で表面を被覆する。任意的に、該塗料は、溶媒、フィラー、不凍剤添加物、触媒、増粘剤、接着促進剤、紫外線安定剤、艶消し剤、殺生物剤およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1つの要素をさらに含んでいてもよい。 溶媒の好適な例は、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、アルコール、ケトン、炭化水素、エステル、石油蒸留物、水、これらの誘導体およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。 色素の好適な例は、粘土、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、タルク、二酸化チタン、これらの誘導体およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれた色素を含む。 フィラーの好適な例は、珪藻土、タルク、石灰、バライト、粘土、これらの誘導体およびこれらの組み合わせから成る群から選ばれたフィラーを含む。 いくつかの実施形態では、本発明は、色素と、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、該非金属は該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む塗膜形成安定剤とを含む塗料を準備し、そして該塗料で表面を被覆する方法を提供する。 本発明の方法は、本発明の置換された酢酸セルロースを含む塗膜形成安定剤を準備する工程、および該塗膜形成安定剤をエマルションに添加する工程を含む。エマルションの好適な例は、化粧用品、ヘアスタイリング剤、写真用フィルム、切削油、皮膚軟膏、ペースト、香油、油、ワックス、洗剤、飲料およびこれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない。 本発明の方法は、本発明の置換された酢酸セルロースを含む増粘剤を準備する工程、および該増粘剤を食品組成物に添加する工程を含む。好適な食品組成物は、スープ、グレイビー、デザート、ゼリー、キャンディー等を含むことができるが、これらに限定されない。 本発明のよりよい理解を容易にするために、好ましい実施形態についての以下の実施例が示される。以下の実施例は、本発明の範囲を限定するように、または画定するようには決して読まれてはならない。 本発明の置換された酢酸セルロースを含むいくつかの接着剤組成物が、それらの接着特性に関して様々な基材上で、たとえば木材またはボール紙上で重ねせん断試験法を使用して試験された。これらの結果が、市販の接着剤(たとえば、ELMER’S GLUE ALL(商標))と比較された。この結果のまとめが下の表1Aおよび1Bに示される。表1A 重ねせん断試験の結果表1B 重ねせん断試験の結果 本発明の1つ以上の実施形態に従う、高いイオウ分を有する置換された酢酸セルロース(酢酸セルロース接着剤のバッチ1−5)が調製され、木材用接着剤としてインストロン(商標)(モデル3366)重ねせん断試験法を使用して試験された。その結果が、溶液中のイオウの量(イオウ1kg当たりのイオウmg)を含めて、上記の表1aおよび1bにまとめられている。2つの小さな木材ブロックが、該接着剤の10%水溶液を使用して貼り合わされ、放置乾燥された。得られたブロックは分離するのが困難であった(すなわち、どのブロックも、用いられた引張試験手順において破壊されなかった)。ブロックを分離するのに十分な力がかけられると、木材繊維が破壊され、このことは置換された酢酸セルロース接着剤が木材繊維と同程度に強いことを示唆している。置換された酢酸セルロース接着剤は、ボール紙を貼り合わせるのにも使用された。該ボール紙もまた分離するのが困難であった。置換された酢酸セルロース接着剤は、光学的に透明であり高い光沢を有しており、これらは商業用途において望ましいものであり得る。置換された酢酸セルロース接着剤は、環境条件において30分間未満で乾燥した。 この実施例は、とりわけ、高いイオウ分を有する置換された酢酸セルロースが様々な基材の接着剤として有効であることを示す。 この実施例は、本発明の、サルフェートで置換された酢酸セルロースの合成を説明する。最初の工程で、セルロースが、無水酢酸および硫酸の存在下にアセチル化された。セルロース、酢酸、無水酢酸および硫酸の準備は、標準的な第2次酢酸セルロースである二酢酸セルロースの製造に係わる準備と同様である。次に、これらの試薬が一緒にされて、アセチル化反応が開始された。この反応は完了に達するまで放置され、それからあり得る過剰の無水物が水を添加されて反応された。反応速度および温度が、厳密に監視され変えられて、特定のポリマー特性が調節されることができる。 次に、アセチル化されたセルロース(すなわち、酢酸セルロース)は、酢酸の存在下に、沈降およびその後の再溶解工程なしに加水分解された。この反応は、反応温度および時間を注意深く制御することによって、酢酸セルロースを目標のアセテートDSレベルにまで下げた。ポリマー溶解度を維持するのに必要な程度に、水が添加された。これによって、予想外の、かつ驚くほど高いイオウ分を有する、サルフェートで置換された酢酸セルロース生成物が製造された。 最後に、適当な賦形剤を使用して溶媒系から、固体が沈降させられた。この製品は、過剰の溶媒を除くのに必要な程度に洗われ、そして所望の固形分レベルまで乾燥された。 この実施例では、水膨潤性の酢酸セルロース(低いイオウ分)および置換された酢酸セルロース(高いイオウ分)が、熱重量分析(TGA)を使用してそれらの水を吸収する能力について試験された。各サンプルが、TGA装置に入れられ以下の温度に付された。これらのサンプルは、20℃/分で110℃まで昇温された。温度が110℃に30分間保持された。この温度はそれから20℃/分で650℃まで昇温された。その後、サンプルガスが空気に切り替えられ、温度が650℃に30分間保持された。各試験の実施では、酢酸セルロースサンプルは100mg未満に制限された。 図2〜5は、高サルフェート置換酢酸セルロースおよび低サルフェート置換酢酸セルロースの吸水度を測定した、様々なTGA分析の実施を示す。 図2は、水で飽和した水膨潤性の酢酸セルロース(WSCA) 1036 RT−16の乾燥サンプルのTGA分析を示す。WSCA 1036 RT−16は、高サルフェート置換酢酸セルロースの微粒子のサンプルであり、該酢酸セルロースの重量当たり約0.5%のイオウを含有している。温度が上げられ110℃に保持されると、水が蒸発するとともに、該水で飽和したサンプルの全重量は減少する。それからTGA装置の温度が上げられて650℃に保持され、このようにして該高サルフェート置換酢酸セルロースは分解するように放置された。WSCA 1036 RT−16は、乾燥サンプル当たり約1440重量%の水、すなわちその重量の14倍超の水を吸収することができた。 図3は、2つのWSCA 1037 RT−16乾燥サンプルについてのTGAの繰り返し実施を示す。WSCA 1036 RT−16と比較して、このWSCA 1037 RT−16は、低イオウ置換酢酸セルロース(アセテートのDSは同程度)である。2つのサンプルの検出された吸水量は76.91%および81.31%であり、これらはそれぞれ、水と乾燥WSCAとの比3.35および4.37に相当する。 図4は、塩水(約0.9%)で飽和した2つのWSCA 1036(高サルフェート)RT−16サンプルについてのTGAの繰り返し実施を示す。該2つのサンプルは、87.05%および92.14%の塩水を含有しており、これらはそれぞれ、水と乾燥WSCAとの比7.48および13.6に相当する。 図5は、塩水(約0.9%)で飽和したWSCA 1037 RT−16サンプルについてのTGAの繰り返し実施を示す。該2つのサンプルは、78.31%および83.91%の塩水を含有しており、これらはそれぞれ、水と乾燥WSCAとの比3.72および5.46に相当する。 この実施例は、とりわけ、高いイオウ分を有する、置換された酢酸セルロースが、その重量の数倍の水(脱イオン水および塩水の双方)を吸収することができることを示す。低い硫黄分を有する置換された酢酸セルロースと比較して、高イオウ置換酢酸セルロースは、優れた吸水性(DI(脱イオン水)および塩水の双方)を示した。 様々な添加物が、本発明の置換された酢酸セルロースを含むいくつかの接着剤組成物に加えられた。得られた組成物は、木材基材(1/4インチ(6.4mm)厚さ1.5インチ(38.1mm)幅の松の細片)へのその接着特性についてインストロン(商標)(モデル3366)重ねせん断試験法を使用して試験された。結果のまとめが下の表2および3に示される。表2 酢酸セルロース接着剤6(620mg/kgのイオウ分)*6つの繰り返しの平均**1.5インチ(38.1mm)×1インチ(25.4mm)の接着面の重ねせん断力表3 酢酸セルロース接着剤 7〜8 表2に示されたように、ジルコニウムを添加すると、酢酸セルロース接着剤組成物(高いイオウ分を有する置換された酢酸セルロース)によって形成された接着を破壊するのに必要な力を増加することができる。表3は、アンモニウムジルコニウムカーボネート(Zr0.08%)、分子量140,000のポリ酢酸ビニル(固形分14%)および分子量150,000のポリビニルアルコール(固形分14%)をそれぞれ有する、酢酸セルロース接着剤7および8の重ねせん断試験の結果を示す。酢酸セルロース接着剤6、7および8のイオウ分は、それぞれ620mg/kg、520mg/kgおよび557mg/kgである。 以上のとおりであるから、本発明は、その記載された目的および利点とともに本発明に本来的に備わっているものを達成するのに十分に適合している。本発明は、本明細書の教示の恩恵を受ける当業者には明らかな、異なってはいるが等価の様式で修正され、および実施されることができるのであるから、これまでに開示された特定の実施形態は、例示のためだけのものである。さらにそのうえ、以下の特許請求の範囲に記載された以外に、本明細書に示された構成または構造の詳細には、何らの限定も意図されていない。したがって、これまでに開示された特定の例示的な実施形態は、変更され、組み合わされ、または修正されてもよいことは明白であり、すべてのそのような変化は本発明の範囲および精神内のものと見なされる。本明細書に適切にも例示的に開示された本発明は、本明細書に具体的に開示されていない何らかの要素および/または本明細書に開示された任意的な要素がなくても実施されることができる。組成物および方法は、様々な成分または工程を「含む(comprising)」、「含有する(containing)」、または「包含する(including)」の用語で記載されているけれども、該組成物および方法は、該様々な成分または工程「から本質的に成る」または「から成る」こともできる。これまでに開示されたすべての数および範囲は、ある量だけ変わってもよい。下限および上限を有する数値範囲が開示されているときにはいつでも、該数値範囲内に属する任意の数および任意の包含される範囲が具体的に開示されているのである。特に、本明細書に記載されたすべての数値範囲(「約aから約bまで」または同等の「近似的にaからbまで」または同等の「近似的にa〜b」の形式のもの)は、この、より広い数値範囲内に包含されるすべての数および範囲を記載しているものと理解されなければならない。また、請求項における用語は、特許権者によって明文をもって明確に他様に定義されない限り、その平明な通常の意味を有する。さらに、請求項で使用される不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」は、それが導入する要素のうちの1つ以上を意味すると本明細書では定義される。この明細書中の単語または用語と、参照によって本明細書に取り込まれることができる1つ以上の特許または他の文献中の単語または用語と、の使用法において何らかの矛盾があるならば、この明細書と整合する定義が採用されなければならない。ベース流体;およびイオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、前記非金属は前記置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む増粘剤を含む掘削流体。前記非金属が、前記置換された酢酸セルロースの約25重量%以下の量で存在する、請求項1に記載の掘削流体。前記ベース流体が、水性流体、油性流体または合成流体である、請求項1に記載の掘削流体。前記掘削流体が、流動性制御剤、粘土膨張抑制剤、潤滑剤、増量剤、増粘剤およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた添加物をさらに含む、請求項1に記載の掘削流体。色素;およびイオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、前記非金属は前記置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む塗膜形成安定剤を含む塗料組成物。前記非金属が、前記置換された酢酸セルロースの約25重量%以下の量で存在する、請求項5に記載の塗料組成物。前記色素が、粘土、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、タルク、二酸化チタンおよびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた色素を含む、請求項5に記載の塗料組成物。溶媒、フィラー、不凍剤添加物、触媒、増粘剤、接着促進剤、紫外線安定剤、艶消し剤、殺生物剤およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1つの要素をさらに含む、請求項5に記載の塗料組成物。前記溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、アルコール、ケトン、炭化水素、エステル、石油蒸留物、水、これらの任意の誘導体およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた溶媒を含む、請求項8に記載の塗料組成物。前記フィラーが、珪藻土、タルク、石灰、バライト、粘土、これらの任意の誘導体およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれたフィラーを含む、請求項8に記載の塗料組成物。色素と、イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、前記非金属は前記置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む塗膜形成安定剤とを含む塗料を準備する工程;および前記塗料で表面を被覆する工程を含む方法。前記非金属が、前記置換された酢酸セルロースの約25重量%以下の量で存在する、請求項11に記載の方法。前記色素が、粘土、炭酸カルシウム、マイカ、シリカ、タルク、二酸化チタンおよびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた色素を含む、請求項11に記載の方法。前記塗料が、溶媒、フィラー、不凍剤添加物、触媒、増粘剤、接着促進剤、紫外線安定剤、艶消し剤、殺生物剤およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた少なくとも1つの要素をさらに含む、請求項11に記載の方法。前記溶媒が、脂肪族溶媒、芳香族溶媒、アルコール、ケトン、炭化水素、エステル、石油蒸留物、水およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれた溶媒を含む、請求項14に記載の方法。前記フィラーが、珪藻土、タルク、石灰、バライト、粘土およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれたフィラーを含む、請求項14に記載の方法。イオウ、リン、ホウ素および塩素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を含む、置換された酢酸セルロースであって、前記非金属は前記置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを含む塗膜形成安定剤を準備する工程;および前記塗膜形成安定剤をエマルションに添加する工程を含む方法。前記非金属が、前記置換された酢酸セルロースの約25重量%以下の量で存在する、請求項17に記載の方法。前記エマルションが、化粧用品、ヘアスタイリング剤、写真用フィルム、切削油、皮膚軟膏、ペースト、香油、油、ワックス、洗剤、飲料、食品組成物およびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれたエマルションを含む、請求項17に記載の方法。前記食品組成物が、スープ、グレイビー、デザート、ゼリー、キャンディーおよびこれらの任意の組み合わせから成る群から選ばれる、請求項19に記載の方法。 【解決手段】本発明は、置換された酢酸セルロースおよびその使用方法に関する。本発明の1つの実施形態は、ベース流体と、イオウ、リンおよびホウ素から成る群から選ばれた非金属に共有結合された酸素原子を含む極性置換基を有する、置換された酢酸セルロースであって、該非金属が該置換された酢酸セルロースの少なくとも約0.01重量%の量で存在する置換された酢酸セルロースを有する増粘剤とを有する掘削流体を提供する。【選択図】なし


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