生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_修飾ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸組成物
出願番号:2014547454
年次:2015
IPC分類:A61K 38/00,A61K 9/16,A61K 9/127,A61K 47/42,A61K 47/44,A61K 48/00,A61K 47/28,A61K 47/24,A61K 47/02,A61K 47/22,A61K 47/18,A61K 47/16,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

ドゥ フジェローレ、アントニン ウッド、クリスティ エム. エルバシール、セイダ エム. アフェヤン、ヌバール ビー. バレンシア、ペドロ シュラム、ジェイソン ピー. JP 2015501844 公表特許公報(A) 20150119 2014547454 20121214 修飾ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸組成物 モデルナ セラピューティクス インコーポレイテッド 513084469 MODERNA THERAPEUTICS,INC. 恩田 誠 100105957 恩田 博宣 100068755 本田 淳 100142907 ドゥ フジェローレ、アントニン ウッド、クリスティ エム. エルバシール、セイダ エム. アフェヤン、ヌバール ビー. バレンシア、ペドロ シュラム、ジェイソン ピー. US 61/576,705 20111216 US 61/618,957 20120402 US 61/648,244 20120517 US 61/681,712 20120810 US 61/696,381 20120904 US 61/709,303 20121003 US PCT/US2012/058519 20121003 US 61/712,490 20121011 A61K 38/00 20060101AFI20141216BHJP A61K 9/16 20060101ALI20141216BHJP A61K 9/127 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/42 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/44 20060101ALI20141216BHJP A61K 48/00 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/28 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/24 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/02 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/22 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/18 20060101ALI20141216BHJP A61K 47/16 20060101ALI20141216BHJP C12N 15/09 20060101ALI20141216BHJP JPA61K37/02A61K9/16A61K9/127A61K47/42A61K47/44A61K48/00A61K47/28A61K47/24A61K47/02A61K47/22A61K47/18A61K47/16C12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2012069610 20121214 WO2013090648 20130620 390 20140730 4B024 4C076 4C084 4B024AA01 4B024CA12 4B024DA02 4B024DA03 4B024EA10 4B024FA20 4B024GA11 4B024HA17 4C076AA17 4C076AA19 4C076AA31 4C076BB13 4C076BB15 4C076BB16 4C076BB21 4C076BB24 4C076BB27 4C076DD09A 4C076DD21 4C076DD49A 4C076DD52A 4C076DD59A 4C076DD60A 4C076DD63A 4C076DD70 4C076EE08A 4C076EE23A 4C076EE24A 4C076EE30A 4C076EE41A 4C076EE51A 4C076FF63 4C076GG45 4C084AA02 4C084AA13 4C084BA02 4C084MA21 4C084MA24 4C084MA56 4C084MA58 4C084MA63 4C084MA66 4C084NA03 本発明は、修飾ヌクレオシド、ヌクレオチドおよび核酸組成物に関する。 一般に、細胞に導入された外来性非修飾核酸分子、特にウイルス核酸は、サイトカインとインターフェロン(IFN)の生成と最終的には細胞死をもたらす自然免疫反応を誘発する。治療剤、診断、試薬にとって、また、生物学的アッセイにとって、自然免疫反応の代わりに核酸の細胞内翻訳およびコードされたタンパク質の生成をもたらすように、核酸、例えばリボ核酸(RNA)を細胞に送達できることは大きな関心事である。 したがって、自然免疫反応を生成することなしに標的細胞への核酸のインビボ送達を有効に促進できる送達剤を含む製剤された組成物を開発する必要がある。 本開示は、特に、タンパク質、タンパク質前駆体、またはタンパク質もしくはタンパク質前駆体の部分的もしくは全体的加工型をコードし得る修飾核酸分子を含む製剤された組成物を提供する。製剤された組成物は、修飾核酸分子および送達剤をさらに含み得る。本発明は、細胞の官能基および/または活性を修飾できるポリペプチドをコードするのに有用な核酸をさらに提供する。 一態様では、哺乳動物細胞または組織における目的のポリペプチドを生成する方法が記述される。方法は、哺乳動物細胞または組織を目的のポリペプチドをコードする修飾mRNAを含む製剤と接触させることを含む。製剤は、限定ではなく、ナノ粒子、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)マイクロスフェア、リピドイド、リポプレックス、リポソーム、ポリマー、(単糖を含む)炭水化物、カチオン性脂質、フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、フィブリン糊、フィブリンシーラント、フィブリノゲン、トロンビン、速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNP)およびそれらの組合せであり得る。修飾mRNAは、精製されたIVT転写物を含み得る。 1つの実施形態では、修飾mRNAを含む製剤は、少なくとも1つの脂質を含み得るナノ粒子である。脂質は、限定ではなく、DLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMGおよびペグ化脂質から選択され得る。別の態様では、脂質は、限定ではなく、DLin−DMA、DLin−D−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMAおよびDODMAなどのカチオン性脂質であり得る。 製剤中の脂質の修飾mRNAに対する比は、10:1から30:10であり得る。ナノ粒子製剤の平均サイズは、60から225nmの修飾mRNAを含み得る。修飾mRNAを含むナノ粒子製剤のPDIは、0.03から0.15である。脂質のゼータ電位はpH7.4で−10から+10であり得る。 修飾mRNAの製剤は、融合性脂質、コレステロールおよびPEG脂質を含み得る。製剤は、50:10:38.5:1.5〜3.0(カチオン性脂質:融合性脂質:コレステロール:PEG脂質)のモル比を有し得る。PEG脂質は、限定ではなくPEG−c−DOMG、PEG−DMGから選択され得る。融合性脂質は、DSPCであり得る。 哺乳動物細胞または組織は、限定ではなく、シリンジポンプ、内部浸透圧ポンプおよび外部浸透圧ポンプなどのデバイスを使用して接触され得る。 修飾mRNAの製剤は、サイズが4から20μmのPLGAマイクロスフェアであり得る。修飾mRNAは、48時間内に製剤から50%未満放出され得る。PLGAマイクロスフェア製剤は、血清中で安定であり得る。安定性は、製剤されていない修飾mRNAに対し90%で決定され得る。 PLGAマイクロスフェア中修飾mRNAの充填重量パーセントは、少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%、少なくとも0.4%または少なくとも0.5%であり得る。PLGAマイクロスフェア中修飾mRNAの封入効率は、少なくとも50%、少なくとも70%、少なくとも90%または少なくとも97%であり得る。 本発明の脂質ナノ粒子は、限定ではなく、フィブリンシーラントなどのシーラント中で製剤され得る。 哺乳動物細胞または組織は、限定ではなく、静脈内、筋肉内、硝子体内、くも膜下腔内、腫瘍内、肺および皮下などの投与経路により接触され得る。哺乳動物細胞または組織は、分割投与スケジュールを使用して接触され得る。哺乳動物細胞または組織は、注入により接触され得る。注入は、皮内スペース、表皮、皮下組織および筋肉からなる群より選択される組織に対し行われ得る。目的のポリペプチドは、接触場所から全身に位置する細胞または組織において産生され得る。 目的のポリペプチドは、接触後最高72時間まで血清中に検出され得る。目的のポリペプチドのレベルは投与前のレベルよりも高くなり得る。目的のポリペプチドのレベルは、男性対象の血清中よりも女性対象の血清中のほうが高い場合がある。 修飾mRNAの製剤は、2以上の修飾mRNAを含み得る。製剤は、2または3つの修飾mRNAを有し得る。 修飾mRNAを含む製剤は、脂質ナノ粒子(reLNP)、融合性脂質、コレステロールおよびPEG脂質をモル比50:10:38.5:1.5(reLNP脂質:融合性脂質:コレステロール:PEG脂質)で含み得る速やかに排出されるreLNP脂質を含み得る。融合性脂質は、DSPCであり得、PEG脂質はPEG−c−DOMGであり得る。reLNP脂質内部もしくは末端エステルを含むDLin−DMA内部もしくは末端エステルを含むDLin−MC3−DMAであり得る。全脂質の修飾mRNAに対する重量比は、10:1から30:1であり得る。 修飾mRNAを含む製剤は、フィブリンシーラントを含み得る。 修飾mRNAを含む製剤は、脂質がC12−200と98N12−5からなる群より選択されるリピドイドを含み得る。 修飾mRNAを含む製剤はポリマーを含み得る。ポリマーは、ヒドロゲルまたは外科用シーラントの層でコーティングされ得、囲包され得、取り囲まれ得、封入され得、またはそれを含み得る。ポリマーは、PLGA、エチレン酢酸ビニル、ポロクサマーおよびGELSITE(登録商標)からなる群より選択され得る。 目的のポリペプチドは、哺乳動物細胞または組織において、哺乳動物細胞または組織を目的のポリペプチドをコードする修飾mRNAを含む緩衝製剤と接触させて産生され得る。緩衝製剤は、限定ではなく、生理食塩水(slaine)、リン酸緩衝食塩水および乳酸リンゲル液から選択され得る。緩衝製剤は、1から10mMのカルシウム濃度を含み得る。緩衝製剤中の修飾mRNAは、精製されたIVT転写物を含み得る。 霊長類において、該霊長類を製剤された目的のポリペプチドをコードする修飾mRNAを含む組成物と接触させることで薬理効果が生じ得る。修飾mRNAは、精製されたIVT転写物を含み得、かつ/またはナノ粒子、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)マイクロスフェア、リピドイド、リポプレックス、リポソーム、ポリマー、(単糖を含む)炭水化物、カチオン性脂質、フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、フィブリン糊、フィブリンシーラント、フィブリノゲン、トロンビン、速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNP)およびそれらの組合せ中で製剤され得る。薬理効果は、薬理効果を生じることが知られている治療剤および/または組成物に関する該薬理効果よりも高くなり得る。組成物は、製剤されたまたはされていない修飾mRNAを含み得る。薬理効果は、疾患、障害、病状または感染症の治療上有効な結果をもたらし得る。そのような治療上有効な結果には、限定ではなく、治療、1つ以上の症状の改善、診断、予防および発症の遅延が含まれ得る。薬理効果には、限定ではなく、細胞数の変化、血清化学の改変、酵素活性の改変、ヘモグロビンの増加およびヘマトクリットの増加が含まれ得る。 1つの実施形態では、本開示は、修飾核酸分子と送達剤を含む製剤された組成物を提供する。修飾核酸分子は、DNA、相補的DNA(cDNA)、RNA、メッセンジャーRNA(mRNA)、RNAi誘導剤、RNAi剤、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、触媒的DNA、三重らせん体形成を誘導するRNA、アプタマー、ベクターおよびそれらの組合せからなる群より選択され得る。修飾核酸分子がmRNAである場合、mRNAはcDNAに由来する。 1つの実施形態では、修飾核酸分子は、少なくとも1つの修飾と1つの翻訳可能領域を含み得る。いくつかの例では、修飾核酸は、少なくとも2つの修飾と1つの翻訳可能領域を含み得る。修飾は、核酸分子の主鎖および/またはヌクレオシドに位置し得る。修飾は、ヌクレオシド結合と主鎖結合の両方に位置し得る。 1つの実施形態では、修飾は修飾核酸分子の主鎖結合に位置し得る。主鎖結合は、1つ以上の酸素原子の置換で修飾され得る。主鎖結合の修飾は、少なくとも1つのホスホジエステル結合のホスホロチオエート結合での置換を含み得る。 1つの実施形態では、修飾は修飾核酸分子のヌクレオシドに位置し得る。ヌクレオシドの修飾は、前記ヌクレオシドの糖に位置し得る。ヌクレオシドの修飾はヌクレオシドの2’位で生じ得る。 ヌクレオシド修飾は、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、5−アザ−ウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオウリジン、4−チオ−シュードウリジン、2−チオ−シュードウリジン、5−ヒドロキシウリジン、3−メチルウリジン、5−カルボキシメチル−ウリジン、1−カルボキシメチル−シュードウリジン、5−プロピニル−ウリジン、1−プロピニル−シュードウリジン、5−タウリノメチルウリジン、1−タウリノメチル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウリジン、1−タウリノメチル−4−チオ−ウリジン、5−メチル−ウリジン、1−メチル−シュードウリジン、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、ジヒドロウリジン、ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−メトキシウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、5−アザ−シチジン、シュードイソシチジン、3−メチル−シチジン、N4−アセチルシチジン、5−ホルミルシチジン、N4−メチルシチジン、5−ヒドロキシメチルシチジン、1−メチル−シュードイソシチジン、ピロロ−シチジン、ピロロ−シュードイソシチジン、2−チオ−シチジン、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−チオ−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−シュードイソシチジン、4−メトキシ−1−メチル−シュードイソシチジン、2−アミノプリン、2、6−ジアミノプリン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノプリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチルアデノシン、N6−メチルアデノシン、N6−イソペンテニルアデノシン、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン、N6−グリシニルカルバモイルアデノシン、N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、2−メチルチオ−N6−スレオニルカルバモイルアデノシン、N6,N6−ジメチルアデノシン、7−メチルアデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−メトキシ−アデニン、イノシン、1−メチル−イノシン、ワイオシン、ワイブトシン、7−デアザ−グアノシン、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−グアノシン、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−メチルイノシン、6−メトキシ−グアノシン、1−メチルグアノシン、N2−メチルグアノシン、N2,N2−ジメチルグアノシン、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、1−メチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシンおよびN2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシンからなる群より選択される化合物を含み得る。別の実施形態では、修飾は、5−メチルシトシン、シュードウリジンおよび1−メチルシュードウリジンからなる群より独立して選択される。 1つの実施形態では、修飾は修飾核酸分子の核酸塩基に位置し得る。核酸塩基の修飾は、シトシン、グアニン、アデニン、チミンおよびウラシルからなる群より選択され得る。核酸塩基の修飾は、デアザ−アデノシンとデアザ−グアノシンからなる群より選択され得、リンカーが前記デアザ−アデノシンまたはデアザ−グアノシンのC−7またはC−8位で結合され得る。修飾核酸塩基は、シトシンとウラシルからなる群より選択され得、リンカーが修飾核酸塩基にN−3またはC−5位で結合され得る。核酸塩基に結合されるリンカーは、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、テトラエチレングリコール、二価アルキル、アルケニル、アルキニル部分、エステル、アミドおよびエーテル部分からなる群より選択され得る。 1つの実施形態では、核酸分子の2つの修飾が修飾核酸分子のヌクレオシドに位置し得る。修飾ヌクレオシドは、5−メチルシトシンとシュードウリジンより選択され得る。 1つの実施形態では、修飾核酸分子の2つの修飾がヌクレオチドまたはヌクレオシドに位置し得る。1つの実施形態では、本開示は、限定ではなく、配列番号6、配列番号7、配列番号9および配列番号10などの核酸分子と送達剤を含む製剤を提供する。核酸分子は、長さ約160ヌクレオチドのポリAテールを含み得る。さらに、核酸分子は、限定ではなく、キャップ0、キャップ1、ARCA、イノシン、N1−メチル−グアノシン、2’フルオロ−グアノシン、7−デアザ−グアノシン、8−オキソ−グアノシン、2−アミノ−グアノシン、LNA−グアノシンおよび2−アジド−グアノシンなどの少なくとも1つの5’末端キャップを含み得る。 1つの実施形態では、本開示は、配列番号6の核酸、キャップ1である5’末端キャップ、長さ約160ヌクレオチドのポリAテールおよび送達剤を提供する。 1つの実施形態では、本開示は、配列番号7の核酸、キャップ1である5’末端キャップ、長さ約160ヌクレオチドのポリAテールおよび送達剤を提供する。 1つの実施形態では、本開示は、配列番号9の核酸、キャップ1である5’末端キャップ、長さ約160ヌクレオチドのポリAテールおよび送達剤を提供する。 1つの実施形態では、本開示は、配列番号10の核酸、キャップ1である5’末端キャップ、長さ約160ヌクレオチドのポリAテールおよび送達剤を提供する。 1つの実施形態では、送達剤は、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNP)、ポリマー、リポプレックス、ペプチド、タンパク質、ヒドロゲル、シーラント、化学修飾、コンジュゲーション、細胞およびエンハンサーからなる群より選択される、送達を向上させる少なくとも1つの方法を含む。送達剤として使用され得るリピドイド、脂質ナノ粒子および速やかに排出される脂質ナノ粒子は、C12−200、MD1、98N12−5、DLin−DMA、DLin−K−DMA、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMA、PLGA、PEG、PEG−DMG、ペグ化脂質およびそれらの類似体からなる群より選択され得る脂質を含み得る。速やかに排出される脂質ナノ粒子は、脂質鎖の末端にエステル結合を有し得るか、またはエステル結合は脂質鎖の飽和炭素の右側または左側に位置する内部結合であり得る。送達剤として使用され得る速やかに排出される脂質ナノ粒子は、限定ではなく、DLin−MC3−DMAとDLin−DMAであり得る。 1つの実施形態では、脂質ナノ粒子は、PEGおよび少なくとも1つの、限定ではないがコレステロール、カチオン性脂質および融合性脂質などの成分を含み得る。 1つの実施形態では、脂質ナノ粒子は、PEG、コレステロール、カチオン性脂質および融合性脂質のうち少なくとも1つを含み得る。 1つの実施形態では、融合性脂質は、ジステロイルホファチジルコリン(disteroylphophatidyl choline)(DSPC)である。別の実施形態では、PEG脂質は、PEG−DMGである。さらに別の実施形態では、カチオン性脂質は、限定ではなく、DLin−DMA、DLin−MC3−DMA、C12−200、98N12−5およびDLin−KC2−DMAであり得る。 1つの実施形態では、脂質ナノ粒子組成物は、50mol%カチオン性脂質、10mol%DSPC、1.5〜3.0mol%PEGおよび37〜38.5mol%コレステロールを含み得る。 1つの実施形態では、修飾核酸はPLGAとともに製剤されて徐放製剤を形成し得る。別の実施形態では、修飾核酸はPLGAおよび他の活性および/または不活成分と共に製剤されて徐放製剤を形成し得る。1つの実施形態では、修飾核酸分子は、限定ではなく、配列番号9と配列番号10を含み得る。 1つの実施形態では、徐放製剤は、徐放マイクロスフェアを含み得る。徐放マイクロスフェアは、直径が約10から約50μmであり得る。別の実施形態では、徐放マイクロスフェアは、少なくとも1つの修飾核酸分子の約0.001から約1.0重量パーセントを含み得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸は、3’非翻訳領域(UTR)の前に少なくとも1つの終止コドンを含み得る。終止コドンは、TGA、TAAおよびTAGから選択され得る。1つの実施形態では、本発明の修飾核酸は、終止コドンTGAおよび1つの追加の終止コドンを含む。さらなる実施形態では、追加の終止コドンはTAAであり得る。別の実施形態では、本発明の修飾核酸は、3つの終止コドンを含む。 1つの実施形態では、本開示は、目的のポリペプチドをコードし得る修飾核酸を含む放出制御製剤を提供する。修飾核酸は、送達剤中に封入されているか、実質的に封入されていてよい。送達剤は、ポリマー、ヒドロゲルおよび/または外科用シーラントの層でコーティングされ得、囲包され得、取り囲まれ得、封入され得、またはそれを含み得る。さらなる実施形態では、放出制御製剤は、ポリマー、ヒドロゲルおよび/または外科用シーラントの第2層を含み得る。 1つの実施形態では、放出制御製剤の送達剤は、限定ではなく、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、速やかに排出される脂質ナノ粒子、リポプレックスおよび自己会合脂質ナノ粒子を含み得る。 放出制御製剤において使用され得るポリマーは、限定ではなく、PLGA、エチレン酢酸ビニル、ポロクサマーおよびGELSITE(登録商標)を含み得る。放出制御製剤において使用され得る外科用シーラントは、限定ではなく、フィブリノゲンポリマー、TISSEELL(登録商標)、PEG系シーラントおよびCOSEAL(登録商標)を含み得る。 1つの実施形態では、放出制御製剤の送達剤は、脂質ナノ粒子または速やかに排出される脂質ナノ粒子送達剤を含む。一態様では、脂質ナノ粒子または速やかに排出される脂質ナノ粒子は、ポリマー、ヒドロゲルおよび/または外科用シーラントの層でコーティングされ得、実質的にコーティングされ得、囲包され得、実質的に囲包され得、取り囲まれ得、実質的に取り囲まれ得、封入され得、実質的に封入され得、またはそれを含み得る。別の態様では、送達剤は、PLGAの層でコーティングされ得、実質的にコーティングされ得、囲包され得、実質的に囲包され得、取り囲まれ得、実質的に取り囲まれ得、封入され得、実質的に封入され得、またはそれを含み得る、脂質ナノ粒子であり得る。 上記および他の目的、特徴および利点は、添付の図面(全図面を通じて同じ参照文字は同一部分を指す)に示されるような、以下の本発明の特定の実施形態の記述から明らかになろう。図面は必ずしも一定尺度ではなく、代わりに本発明の様々な実施形態の原理を示す強調がなされている。本発明において有用な従来技術の脂質構造を示す図である。98N12−5(TETA5−LAP)、DLin−DMA、DLin−K−DMA(2,2−ジリノレイル−4−ジメチルアミノメチル−[1,3]−ジオキソラン)、DLin−KC2−DMA、DLin−MC3−DMAおよびC12−200の構造が示されている。本明細書で教示されるIVT反応において有用な代表的プラスミドの図である。プラスミドは、発明者らが設計したインサート64818を含んでいる。PLGAマイクロスフェア内に封入された修飾mRNAのゲルプロファイルの図である。 細胞への核酸送達は、不正確な発現レベル、子孫および近隣細胞への核酸の有害な伝搬および突然変異を引き起こす大きなリスクをもたらし得る、標的細胞ゲノムへの核酸の組込を含む、多くの望まれない問題を有する。本開示の修飾核酸分子は、それらが導入される細胞集団の自然免疫活性を低下させることができるので、その細胞集団におけるタンパク質産生効率が高まる。さらに、本開示の核酸およびタンパク質の1つ以上の追加の有利な活性および/または特徴が本明細書に記載される。 さらに、本明細書では、疾患、障害および/または病状を有するか有すると思われる対象を治療する方法が提供され、方法は、そのような治療を必要とする対象に、本明細書に記載の組成物を、該疾患、障害および/または病状を治療するのに十分な量投与することを含む。 本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、特に断らない限り、本発明が属する分野の当業者が一般的に理解するものと同じ意味を有する。本発明が特徴とする方法の実施または試験において、本明細書に記載のものと同様かまたは同等の方法および材料が使用され得るが、適切な方法と材料を以下に記載する。 修飾核酸分子 本開示は、本明細書に記載されるような1つ以上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチド(「修飾核酸分子」、「修飾mRNA」または「修飾mRNA分子」と称される)を含む、mRNAなどのRNAを含む核酸を提供する。本発明の核酸分子の修飾は、限定ではないが修飾mRNAが導入される細胞の自然免疫反応の大幅な低下またはその実質的誘導の欠如を含む有用な特徴を有し得る。修飾核酸分子は、非修飾核酸分子と比べて、タンパク質産生の効率増、核酸の細胞内保持および被接触細胞の生存性を示し得、ならびに低い免疫原性を有し得る。 1つの翻訳可能領域と、1、2もしくは3以上の2つのヌクレオシド修飾を含む修飾核酸分子が提供される。本開示で使用される例示的核酸は、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ロックド核酸(LNA)またはそれらのハイブリッドを含む。好ましい実施形態では、修飾核酸分子は、メッセンジャーRNA(mRNA)を含む。本明細書に記載されるように、本開示の修飾核酸分子は、修飾mRNAが導入される細胞の自然免疫反応を実質的に誘導しないかもしれない。別の実施形態では、修飾されていない核酸と比べて、修飾核酸分子は、修飾核酸分子が導入される細胞において分解の低減を示すかもしれない。 「核酸」という用語は、オリゴヌクレオチド鎖に組み込まれるかまたは組み込まれ得るあらゆる化合物および/または物質を含む。本開示にしたがい使用される例となる核酸には、限定ではないが、1つ以上のDNA、cDNA、メッセンジャーRNA(mRNA)を含むRNA、それらのハイブリッド、RNAi誘導剤、RNAi剤、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、触媒的DNA、三重らせん体形成を誘導するRNA、アプタマー、ベクターなどが含まれる。 ある特定の実施形態では、細胞に導入された修飾核酸分子を細胞内で分解することが望ましい。例えば、タンパク質産生の精密なタイミングが望ましい場合は、修飾核酸分子の分解が望まれよう。したがって、本開示は、細胞内で定方向の作用を受けることができる、分解ドメインを含む修飾核酸分子を提供する。 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子は、糖、核酸塩基(例えば核酸塩基の5’位で)またはリン酸基の主鎖(例えばリン酸をチオリン酸などの別の部分で置換)上で化学修飾され得る。いくつかの実施形態では、修飾は、結果として、自然免疫反応に貢献し得る、主溝結合パートナーの相互作用を撹乱し得る。いくつかの実施形態では、製剤された組成物は、対象に投与されると、送達剤を含まない修飾核酸分子の投与に対し、修飾核酸分子の生物学的利用能、治療濃度域または分布量が向上する結果となり得る。いくつかの実施形態では、本発明の修飾核酸分子の修飾ヌクレオシドとヌクレオチドは、その全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012138530号に記載のO保護化合物を用いて合成され得る。 ある特定の実施形態では、修飾核酸分子はmRNAを含み得る。特定の実施形態では、修飾mRNA(mmRNA)は、cDNAに由来し得る。ある特定の実施形態では、mmRNAは、少なくとも2つのヌクレオシド修飾を含み得る。1つの実施形態では、ヌクレオシド修飾は、5−メチルシトシンとシュードウリジンから選択され得る。別の実施形態では、ヌクレオシド修飾のうち少なくとも1つは5−メチルシトシンおよび/またはシュードウリジンではない。ある特定の実施形態では、送達剤は、mmRNAの局所および全身送達のための製剤を含み得る。修飾核酸分子および/またはmmRNAの製剤は、限定ではないがリピドイド、リポソームおよび脂質ナノ粒子、速やかに排出される脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、ペプチドおよびタンパク質、少なくとも1つの化学修飾およびコンジュゲーション、エンハンサー、および/または細胞から選択され得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子は、3’非翻訳領域(UTR)の前に少なくとも2つの終止コドンを含み得る。終止コドンは、TGA、TAAおよびTAGから選択され得る。1つの実施形態では、本発明の核酸は、終止コドンTGAおよび1つの追加の終止コドンを含む。さらなる実施形態では、追加の終止コドンはTAAであり得る。別の実施形態では、修飾核酸分子は、3つの終止コドンを含み得る。 核酸の他の成分は、修飾核酸分子においては任意であるが、これらの成分はいくつかの実施形態では有利であり得る。 非翻訳領域(UTR) 遺伝子の非翻訳領域(UTR)は転写されるが翻訳されない。5’UTRは転写開始部位から始まり開始コドンへと続くが、開始コドンは含まない。それに対して3’UTRは、終止コドンの直後から始まって転写終結シグナルまで続く。核酸分子の安定性と翻訳という点で、UTRが果たす調節的役割に関する根拠が強くなっている。UTRの調節的特徴は、分子の安定性を増大させるために本発明の修飾mRNA分子に組み込まれ得る。特定の特徴は、望まれない器官の部位に誤って向けられた場合に転写の発現低下の制御を確保するために組み込んでもよい。 5’UTRと翻訳開始 天然の5’UTRは、翻訳開始において役割を果たす特徴をもつ。それらは、リボソームが多くの遺伝子の翻訳を開始するプロセスに関与することが一般に知られているコザック配列に似た特徴を有する。コザック配列は、CCR(A/G)CCAUGG(配列番号1)の配列を有し、ここでRは、別のGが続いている開始コドン(AUG)上流のプリン(アデニンまたはグアニン)の3つの基である。5’UTRは、伸長因子の結合に関与する二次構造を形成することでも知られている。 特定の標的器官の大量に発現した遺伝子に典型的に見出される特徴を操作することで、本発明の修飾mRNA分子の安定性とタンパク質産生を増大することができる。例えば、アルブミン、血清アミロイドA、アポリポプロテインA/B/E、トランスフェリン、αフェトプロテイン、エリスロポエチンまたは第VIII因子などの肝臓に発現するmRNAの5’UTRの導入は、肝細胞株または肝臓においてmmRNAなどの修飾核酸分子の発現を増大させるのに使用され得る。同様に、他の組織特異的mRNAの5’UTRを使用してその組織における発現を向上させることが、筋肉(MyoD、ミオシン、ミオグロビン、ミオゲニン、ハーキュリン(Herculin))、内皮細胞(Tie−1、CD36)、骨髄系細胞(C/EBP、AML1、G−CSF、GM−CSF、CD11b、MSR、Fr−1、i−NOS)、白血球(CD45、CD18)、脂肪組織(CD36、GLUT4、ACRP30、アディポネクチン)および肺上皮細胞(SP−A/B/C/D)において可能である。 他の非UTR配列を、本発明の修飾核酸分子の5’UTR(または3’UTR)に組み込んでもよい。例えば、イントロンまたはイントロンの一部の配列を本発明の修飾mRNAの隣接領域に組み込んでもよい。イントロン配列の組込みは、mRNAレベルならびにタンパク質産生を増加させ得る。 3’UTRとAUリッチ領域 3’UTRは、そこに埋め込まれたアデノシン(A)とウリジン(U)の配列を有することが知られている。これらのAUに富む特徴は、代謝率の高い遺伝子に特によく見られる。配列特徴と機能特性に基づき、AUリッチ領域(ARE)は3つのクラスに分類できる(Chenetal, 1995):クラスIのAREはUリッチ領域内にAUUUAモチーフのいくつかの分散した複製を含む。C−MycとMyoDは、クラスIのAREを含む。クラスIIのAREは、2つ以上の重複するUUAUUUA(U/A)(U/A)(配列番号2)九量体を有する。このタイプのAREを含む分子は、GM−CSFとTNF−aを含む。クラスIIIのAREはあまり記述されていない。これらのUリッチ領域はAUUUAモチーフを含んでいない。c−Junとミオゲニンはこのクラスのよく研究された2例である。AREに結合するほとんどのタンパク質がメッセンジャーを不安定化させることがわかっているが、ELAVファミリーのメンバーは、もっとも特記すべきはHuRであるが、mRNAの安定性を増加させることが記載されている。HuRは、全て3つのクラスのAREに結合する。HuR特異的結合部位を核酸分子の3’UTR内に設計すると、HuR結合がもたらされ、インビボでのメッセージが安定しよう。 3’UTR AUリッチ領域(ARE)の導入、除去または修飾は、本発明の修飾mRNAの安定性を調節するのに使用され得る。特定の修飾mRNAを設計する際、AREの1つ以上の複製が導入され得、本発明の修飾mRNAの安定性が低下し、それによって翻訳が削減され、得られるタンパク質の産生が減少する。 同様に、AREは、細胞内の安定性を増加させるために特定され、除去または変異され得るので、得られるタンパク質の翻訳と産生が増加する。トランスフェクションの実験が、本発明の修飾mRNAを用いて適切な細胞株において実施でき、タンパク質産生がトランスフェクション後の様々な時点でアッセイできる。例えば、細胞は、異なるARE操作分子を用いて、関連のタンパク質に対しELISAキットを使用し、トランスフェクション後6時間、12時間、24時間、48時間および7日で産生されるタンパク質をアッセイすることで、トランスフェクションされ得る。 マイクロRNA結合部位の組込み マイクロRNA(またはmiRNA)は、19〜25ヌクレオチド長の非翻訳RNAであり、核酸分子の3’UTRに結合し、核酸分子の安定性を低下させるかまたは翻訳を阻害することのいずれかにより遺伝子発現を低下させる。本発明の修飾mRNAは、1つ以上のマイクロRNA標的配列、マイクロRNA配列またはマイクロRNAシードを含み得る。そのような配列は、その全容が参照として本明細書に組み込まれる米国特許公報第2005/0261218号および米国特許公報第2005/0059005号に教示されているような、あらゆる既知のマイクロRNAに対応し得る。 マイクロRNA配列は、「シード領域」すなわち成熟マイクロRNAの2〜8位の領域の配列を含み、この配列は、miRNA標的配列に対し完璧なワトソン−クリック相補性を有する。マイクロRNAシードは、成熟マイクロRNAの2〜8または2〜7位を含み得る。いくつかの実施形態では、マイクロRNAシードは、7ヌクレオチド(例えば成熟マイクロRNAの2〜8のヌクレオチド)を含み得、対応するmiRNA標的内のシード相補部位はマイクロRNAの1位の反対のアデニン(A)に隣接している。いくつかの実施形態では、マイクロRNAシードは、6ヌクレオチド(例えば成熟マイクロRNAの2〜7のヌクレオチド)を含み得、対応するmiRNA標的内のシード相補部位はマイクロRNAの1位の反対のアデニン(A)に隣接している。たとえば、いずれもその全容が参照により本明細書に組み込まれる、Grimson A, Farh KK, Johnston WK, Garrett−Engele P, Lim LP, Bartel DPおよびMol Cell. 2007 Jul 6;27(1):91−105を参照されたい。マイクロRNAシードの塩基は標的配列と完全な相補性を有する。目的のマイクロRNAが入手可能であれば、マイクロRNA標的配列を本発明の修飾mRNAの3’UTRに設計することで、分子を分解または翻訳低下の標的にできる。このプロセスは、核酸分子送達後のオフターゲット効果の危険性を低減させよう。マイクロRNA、マイクロRNA標的領域およびそれらの発現パターンと生物学における役割の特定が報告されている(Bonauer et al., Curr Drug Targets 2010 11:943−949; Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171−176; Contreras and Rao Leukemia 2012 26:404−413 (2011 Dec 20. doi: 10.1038/leu.2011.356); Bartel Cell 2009 136:215−233; Landgraf et al, Cell, 2007 129:1401−1414; 全てその全容を参照により本明細書に組み込む)。 例えば、修飾核酸分子が修飾mRNAであって、肝臓への送達は意図しなかったにも関わらず肝臓に送達されてしまった場合、肝臓に多いマイクロRNAのmiR−122は、miR−122の1つ以上の標的部位が修飾mRNAの3’UTRに設計されれば、目的の遺伝子の発現を阻害できる。異なるマイクロRNAへの1つ以上の結合部位の導入は、修飾核酸分子および/または修飾mRNAの寿命、安定性およびタンパク質翻訳をさらに減少させるように設計できる。 ここでは、「マイクロRNA部位」という用語は、マイクロRNA標的部位もしくはマイクロRNA認識部位、またはマイクロRNAが結合または会合する任意のヌクレオチド配列を指す。「結合」は、伝統的なワトソン−クリックのハイブリダイゼーション規則にしたがい得、またはマイクロRNAと標的配列のマイクロRNA部位での、またはそれに隣接しての任意の安定な結合を反映し得ることを理解すべきである。 反対に、本発明の修飾mRNAの目的のためには、特定の組織におけるタンパク質発現を増加させるために、マイクロRNA結合部位はそれらが自然に生じる配列の外側に設計され得る(すなわち配列から除去される)。例えば、miR−122結合部位を除去して肝臓におけるタンパク質発現を増加させてよい。複数の組織における発現の調節は、1またはいくつかのマイクロRNA結合部位の導入または除去を通じて達成できる。 マイクロRNAがmRNAを調節することでタンパク質発現が調節されることがわかっている組織の例には、限定ではなく、肝臓(miR−122)、筋肉(miR−133、miR−206、miR−208)、内皮細胞(miR−17−92、miR−126)、骨髄系細胞(miR−142−3p、miR−142−5p、miR−16、miR−21、miR−223、miR−24、miR−27)、脂肪組織(let−7、miR−30c)、心臓(miR−1d、miR−149)、腎臓(miR−192、miR−194、miR−204)および肺上皮細胞(let−7、miR−133、miR−126)が含まれる。マイクロRNAは、血管新生(miR−132)などの複雑な生物学的過程も調節できる(Anand and Cheresh Curr Opin Hematol 2011 18:171−176;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。本発明の修飾mRNAにおいては、そのような過程に関与するマイクロRNAの結合部位は除去または導入され得、修飾mRNAの発現を生物学的に適切な細胞タイプまたは適切な生物学的過程のコンテクストに合わせる。 最後に、異なる細胞タイプにおけるマイクロRNAの発現パターンの理解を通じ、修飾mRNAを、特定の細胞タイプにおいて、または特定の生物学的条件下のみで、より標的化して発現するように設計できる。組織に特異的なマイクロRNA結合部位の導入を通じて、修飾mRNAは、組織におけるタンパク質の発現または生物学的条件のコンテクストにおいて最適になるよう設計され得る。 トランスフェクションの実験は、適切な細胞株において、操作された修飾mRNAを用いて実施でき、トランスフェクション後の様々な時点でタンパク質産生がアッセイできる。例えば、細胞は、異なるマイクロRNA結合部位操作修飾mRNAを用いて、関連のタンパク質に対しELISAキットを使用し、トランスフェクション後6時間、12時間、24時間、48時間、72時間および7日で産生されるタンパク質をアッセイすることで、トランスフェクションされ得る。インビボの実験は、製剤された修飾mRNAの組織特異的発現の変化を検査するために、マイクロRNA結合部位操作分子を用いて実施することもできる。 5’キャッピング mRNAの5’キャップ構造は核酸搬出に関与し、mRNAの安定性を増加させ、mRNAキャップ結合タンパク質(CBP)に結合するが、これはCBPとポリ(A)結合タンパク質の結合を通じて細胞内のmRNA安定性と翻訳能力を担い、成熟環状mRNA種を形成する。キャップは、mRNAのスライシングの間、5’近位イントロンの除去をさらに補助する。 内因性mRNA分子は、5’末端にキャップされ得、mRNA分子の末端グアノシンキャップ残基と5’末端転写センスヌクレオチドの間に5’−ppp−5’−三リン酸結合が生じる。この5’−グアニル酸キャップは次にメチル化されてN7−メチル−グアニル酸残基を生成し得る。mRNAの5’末端の末端および/または末端前(anteterminal)の転写ヌクレオチドのリボース糖も所望により2’−O−メチル化されていてよい。グアニル酸キャップ構造の加水分解と切断による5’キャップ除去は、mRNA分子などの核酸分子を分解の標的にし得る。 本発明の修飾mRNAに対する修飾は、キャップ除去を回避する加水分解抵抗性のキャップ構造を生成し得るので、mRNAの半減期が延長される。キャップ構造の加水分解には5’−ppp−5’ホスホロジエステル結合の切断が必要なので、キャッピング反応の間修飾ヌクレオチドが使用され得る。例えば、New England Biolabs(マサチューセッツ州イプスウィッチ)のワクチニアキャッピング酵素をα−チオ−グアノシンヌクレオチドとともに製造者の指示に従い使用して、5’−ppp−5’キャップ内にホスホロチオエート結合を形成してよい。α−メチル−ホスホネートおよびセレノ−リン酸ヌクレオチドなどの追加の修飾グアノシンヌクレオチドを使用してもよい。 追加の修飾には、限定ではなく、糖環の2’−ヒドロキシル基のmRNAの5’末端および/または5’末端前のヌクレオチドのリボース糖の2’−O−メチル化(上述のとおり)が含まれる。複数の異なる5’キャップ構造が、mRNA分子などの核酸分子の5’キャップを生成するのに使用され得る。 キャップ類似体は、本明細書では合成キャップ類似体、化学キャップ、化学キャップ類似体または構造的もしくは機能的キャップ類似体とも呼ばれ、キャップ機能を保持しながら、その化学構造は天然の(すなわち内因性、野生型または生理学的)5’−キャップとは異なる。キャップ類似体は、化学的(すなわち非酵素的)または酵素的に合成され、および/または核酸分子に結合され得る。 例えば、アンチリバースキャップ類似体(ARCA)キャップは、5’−5’−三リン酸基で連結された2つのグアニンを含み、一方のグアニンは3’−O−メチル基のほかにもN7メチル基を含む(すなわち、N7,3’−O−ジメチル−グアノシン−5’−三リン酸−5’−グアノシン(m7G−3’mppp−G;同じく3’O−Me−m7G(5’)ppp(5’)Gとも呼ばれる)。他方の非修飾グアニンの3’−O原子は、キャッピングされた核酸分子(例えばmRNAまたはmmRNA)の5’末端ヌクレオチドに連結される。N7−および3’−O−メチル化グアニンは、キャッピングされた核酸分子(例えばmRNAまたはmmRNA)の末端部分を与える。 別の例となるキャップはmCAPであり、ARCAに似ているが、2’−O−メチル基をグアノシン上に有する(すなわち、N7,2’−O−ジメチル−グアノシン−5’−三リン酸−5’−グアノシン、m7Gm−ppp−G)。 キャップ類似体はインビトロ転写反応において核酸分子の同時キャッピングを可能にするが、転写物の最高20%がキャッピングされていないままであり得る。このことと、内因性の細胞転写機構により産生された核酸の内因性5’キャップ構造とのキャップ類似体の構造的差異は、翻訳能力の低下と細胞安定性の低下につながり得る。 本発明の修飾mRNAは、より真正な5’キャップ構造を生成するために、転写後にも酵素を用いてキャッピングされ得る。ここでは「より真正」という語句は、構造的または機能的に内因性または野生型の特徴をよく反映または模倣した特徴を指す。つまり、「より真正」な特徴は、従来技術の合成の特徴または類似体などと比べて内因性、野生型、天然または生理学的な細胞機能および/または構造の良好な代表であるか、または1つ以上の点において対応する内因性、野生型、天然または生理学的な特徴よりも性能がよい。本発明のより真正な5’キャップ構造の非限定的な例は、とりわけ、当技術分野で既知の合成の5’キャップ構造(または野生型、天然または生理学的5’キャップ構造)と比べてキャップ結合タンパク質の結合の増加、半減期の延長、5’エンドヌクレアーゼに対する感受性低下および/または5’キャップ除去の低減を有するものである。例えば、組換えワクチニアウイルスキャッピング酵素および組換え2’−O−メチルトランスフェラーゼ酵素は、mRNAの5’末端ヌクレオチドとグアニンキャップヌクレオチドの間に正準の5’−5’−三リン酸結合を生成でき、ここでキャップグアニンはN7メチル化を含み、mRNAの5’末端ヌクレオチドは2’−O−メチルを含んでいる。このような構造をキャップ1構造と称する。このキャップは、例えば当技術分野で既知の他の5’キャップ類似体と比べて、高度な翻訳能力と細胞安定性および細胞の炎症促進性サイトカインの活性化の低下をもたらす。キャップ構造は、限定ではなく、7mG(5’)ppp(5’)N,pN2p(キャップ0)、7mG(5’)ppp(5’)NlmpNp(キャップ1)、および7mG(5’)−ppp(5’)NlmpN2mp(キャップ2)を含む。 修飾mRNAは転写後キャッピングされ得、また、このプロセスはより高効率なので、ほぼ100%の修飾mRNAがキャッピングされ得る。このことは、キャップ類似体がインビトロの転写反応の間にmRNAに連結される場合のおよそ80%と対照的である。 本発明によれば、5’末端キャップは内因性キャップまたはキャップ類似体を含み得る。本発明によれば、5’末端キャップは、グアニン類似体を含み得る。有用なグアニン類似体には、限定ではなく、イノシン、N1−メチル−グアノシン、2’フルオロ−グアノシン、7−デアザ−グアノシン、8−オキソ−グアノシン、2−アミノ−グアノシン、LNA−グアノシンおよび2−アジド−グアノシンが含まれる。 ウイルス配列 限定ではないがオオムギ黄萎ウイルス(BYDV−PAV)の翻訳促進配列などの追加のウイルス配列が設計され本発明の修飾mRNAの3’UTRに挿入され得、mRNAの翻訳をインビトロとインビボで刺激し得る。トランスフェクション実験は、適切な細胞株において実施され得、タンパク質産生はELISAでトランスフェクション後12時間、24時間、48時間、72時間および7日目にアッセイされ得る。 IRES配列 さらに、配列内リボソーム進入部位(IRES)を含み得る修飾mRNAが提供される。最初に特徴的ピコルナウイルスRNAとして同定されたIRESは、5’キャップ構造の非存在下でタンパク質合成開始における重要な役割を果たす。IRESは、唯一のリボソーム結合部位として作用し得るか、またはmRNAの複数のリボソーム結合部位の1つとして働き得る。2以上の機能リボソーム結合部位を含む修飾mRNAは、リボソームにより独立して翻訳されるいくつかのペプチドまたはポリペプチドをコードし得る(「複数シストロン核酸分子」)。修飾mRNAにIRESが与えられると、さらに所望により第2翻訳可能領域が与えられる。本発明にしたがい使用され得るIRES配列の例には、限定ではなく、ピコナウイルス(例えばFMDV)、ペストウイルス(CFFV)、ポリオウイルス(PV)、脳心筋炎ウイルス(ECMV)、口蹄疫ウイルス(FMDV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ブタコレラウイルス(CSFV)、マウス白血病ウイルス(MLV)、サル免疫不全ウイルス(SIV)またはコオロギ麻痺ウイルス(cricket paralysis viruses)(CrPV)由来のものが含まれる。 ポリAテール RNAプロセスの間、安定性を増加させるために、アデニンヌクレオチドの長鎖(ポリAテール)が修飾mRNA分子などの修飾核酸分子に付加され得る。転写直後、転写物の3’末端が切断され3’ヒドロキシルを離し得る。次いでポリAポリメラーゼがアデニンヌクレオチドの鎖をRNAに付加する。このプロセスはポリアデニル化と呼ばれ、例えば、およそ100から250残基長であり得るポリAテールを付加する。 特定のポリAテールの長さが本発明の修飾mRNAに特定の利点を与えることが発見されている。 一般に、本発明のポリAテールの長さは、30ヌクレオチドよりも長い。別の実施形態では、ポリAテールは、35ヌクレオチドよりも長い(例えば、少なくとも約35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500および3,000ヌクレオチドであるか、これらよりも長い)。いくつかの実施形態では、修飾mRNAは、約30から約3,000のヌクレオチド(例えば、30から50、30から100、30から250、30から500、30から750、30から1,000、30から1,500、30から2,000、30から2,500、50から100、50から250、50から500、50から750、50から1,000、50から1,500、50から2,000、50から2,500、50から3,000、100から500、100から750、100から1,000、100から1,500、100から2,000、100から2,500、100から3,000、500から750、500から1,000、500から1,500、500から2,000、500から2,500、500から3,000、1,000から1,500、1,000から2,000、1,000から2,500、1,000から3,000、1,500から2,000、1,500から2,500、1,500から3,000、2,000から3,000、2,000から2,500および2,500から3,000)を含む。 1つの実施形態では、ポリAテールは、修飾mRNA全体の長さに対し設計される。この設計は、コード領域の長さ、特定の特徴または領域の長さ(隣接領域など)または修飾mRNAから発現される最終生成物の長さに基づき得る。 このコンテクストでは、ポリAテールの長さは、修飾mRNA、その領域または特徴よりも10、20、30、40、50、60、70、80、90または100%長くてよい。ポリAテールは、それが属する修飾mRNAの断片として設計してもよい。このコンテクストでは、ポリAテールは、分子の全長または分子の全長からポリAテールを引いたものの10、20、30、40、50、60、70、80または90%以上であり得る。さらに、ポリA結合タンパク質のための修飾mRNAの操作結合部位とコンジュゲーションは、発現を増加させ得る。 さらに、複数の別個の修飾mRNAが、ポリAテールの3’末端の修飾ヌクレオチドを利用して、3’末端を介してPABP(ポリA結合タンパク質)に結合し得る。トランスフェクション実験を、適切な細胞株において実施することができ、タンパク質産生はELISAでトランスフェクション後12時間、24時間、48時間、72時間および7日目にアッセイされ得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾mRNAは、ポリA−Gカルテットを含むように設計されている。Gカルテットは、4つのグアニンヌクレオチドの環状水素結合アレイであり、DNAとRNAの両方でGリッチ配列により形成され得る。この実施形態では、GカルテットはポリAテールの末端で組み込まれている。得られたmmRNA分子は、様々な時点で、安定性、タンパク質産生および半減期を含む他のパラメータについてアッセイされる。ポリA−Gカルテットは、120ヌクレオチドのポリAテールのみを使用したものの少なくとも75%に相当するタンパク質産生をもたらすことが見出されている。 修飾 本発明の修飾核酸と修飾mRNA(mmRNA)は、1、2、またはそれより多くの異なる修飾を含み得る。いくつかの実施形態では、修飾核酸とmmRNAは、1、2、またはそれより多くの異なるヌクレオシドまたはヌクレオチド修飾を含み得る。いくつかの実施形態では、細胞に導入された修飾核酸またはmmRNA(例えば1つ以上のmmRNA分子を有する)は、非修飾核酸またはmmRNAと比べると、細胞内での分解の低減を示す。 修飾核酸とmmRNAは、あらゆる有用な修飾、例えば、糖、核酸塩基など上の修飾(例えば、核酸塩基の1つ以上の修飾、例えば、ピリミジン核酸塩基の1個の原子を所望により置換アミノ、所望により置換チオール、所望により置換アルキル(例えば、メチルまたはエチル)、またはハロ(例えば、クロロまたはフルオロ)で置き換えまたは置換、またはヌクレオシド間結合(例えば、ホスホジエステル主鎖への1つ以上の修飾)を含み得る。ある特定の実施形態では、修飾は、糖とヌクレオシド間結合の両方に存在する(例えば、リボ核酸(RNA)、デオキシリボ核酸(DNA)、トレオース核酸(TNA)、グリコール核酸(GNA)、ペプチド核酸(PNA)、ロックド核酸(LNA)またはそれらのハイブリッドに存在するような1または修飾)。さらなる修飾が本明細書に記載される。 本明細書に記載されるように、本発明の修飾核酸とmmRNAは、mRNAが導入される細胞の自然免疫反応を実質的に誘導しない。ある特定の実施形態では、細胞に導入された修飾核酸分子または修飾核酸分子を細胞内で分解することが望ましい場合がある。例えば、タンパク質産生の精密なタイミングが望ましい場合は、修飾核酸分子または修飾mRNAの分解が好ましい場合がある。したがって、いくつかの実施形態では、本発明は細胞内で定方向の作用を受けることができる、分解ドメインを含む修飾核酸分子を提供する。別の態様では、本開示は、主溝相互作用たとえば結合パートナーの核酸との結合を破壊し得るヌクレオシドまたはヌクレオチドを含む核酸を提供する(たとえば、修飾ヌクレオチドの主溝相互作用パートナーへの結合親和性が、非修飾ヌクレオチドと比べて低下している)。 修飾核酸とmmRNAは、所望により、他の剤(例えば、RNAi誘導剤、RNAi剤、siRNA、shRNA、miRNA、アンチセンスRNA、リボザイム、触媒的DNA、tRNA、三重らせん体形成を誘導するRNA、アプタマー、ベクターなど)を含み得る。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、1つ以上のメッセンジャーRNA(mRNA)と、1つ以上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチド(例えば、mmRNA分子)を含み得る。これらの修飾核酸とmmRNAを以下に詳述する。 修飾核酸 本発明の修飾核酸またはmmRNAは、目的のポリペプチドをコードする連結ヌクレオシドの第1領域、第1領域の5’末端に位置する第1隣接領域、および第1領域の3’末端に位置する第2隣接領域を含み得る。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(Ia)または式(Ia−1):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 Uは、O、S、N(RU)nuまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキルであり;は、単結合かまたは存在せず; R1’、R2’、R1”、R2”、R1、R2、R3、R4とR5はそれぞれ、存在する場合は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは不存在であり;ここでR3とR1’、R1”、R2’、R2”またはR5のうち1つ以上との組合せ(例えばR1’とR3の組合せ、R1”とR3の組合せ、R2’とR3の組合せ、R2”とR3の組合せ、またはR5とR3の組合せ)は、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し得、それらが結合している炭素とともに、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、二環、三環または四環ヘテロシクリル)を提供し;ここで、R5とR1’、R1”、R2’またはR2”のうち1つ以上との組合せ(例えばR1’とR5の組合せ、R1”とR5の組合せ、R2’とR5の組合せ、またはR2”とR5の組合せ)は、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し得、それらが結合している炭素とともに、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、二環、三環または四環ヘテロシクリル)を提供し;ここでR4とR1’、R1”、R2’、R2”、R3またはR5のうち1つ以上との組合せは、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し得、それらが結合している炭素とともに、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、二環、三環または四環ヘテロシクリル)を提供し; m’とm’’はそれぞれ、独立して、0から3の整数(例えば、0から2、0から1、1から3または1から2)であり; Y1、Y2およびY3はそれぞれ、独立して、O、S、Se、−NRN1−、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンであり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアリールまたは不存在であり; 各Y4は独立して、H、ヒドロキシ、チオール、ボラニル(boranyl)、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; 各Y5は独立して、O、S、Se、所望により置換されているアルキレン(例えば、メチレン)または所望により置換されているヘテロアルキレンであり; nは1から100,000の整数であり; Bは、核酸塩基(例えばプリン、ピリミジンまたはその誘導体)であり、ここでBとR1’の組合せ、BとR2’の組合せ、BとR1”の組合せ、またはBとR2”の組合せは、それらが結合している炭素とともに、所望により二環基(例えば二環ヘテロシクリル)を形成し得、またはここでB、R1”とR3の組合せ、またはB、R2”とR3の組合せは、所望により、本明細書の式(IIo)〜(IIp)などにある三環基または四環基(例えば三環または四環ヘテロシクリル)を形成し得る)。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは修飾リボースを含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(Ia−2)〜(Ia−5)を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(Ib)または式(Ib−1):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここで Uは、O、S、N(RU)nuまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキルであり;は、単結合かまたは存在せず; R1、R3’、R3”およびR4はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは不存在であり;ここでR1とR3’の組合せまたはR1とR3”の組合せは、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し得(例えばロックド核酸を産生する); 各R5は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは不存在であり; Y1、Y2およびY3はそれぞれ、独立して、O、S、Se、−NRN1−、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンであり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、または所望により置換されているアリールであり; 各Y4は独立して、H、ヒドロキシ、チオール、ボラニル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; nは1から100,000の整数であり; Bは核酸塩基である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(Ic):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 Uは、O、S、N(RU)nuまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキルであり;は、単結合かまたは存在せず; B1、B2およびB3はそれぞれ、独立して、核酸塩基(例えばプリン、ピリミジン、または本明細書に記載されるようなその誘導体)、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり、ここでB1、B2とB3のうち1つだけが核酸塩基であり; Rb1、Rb2、Rb3、R3およびR5はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり; Y1、Y2およびY3はそれぞれ、独立して、O、S、Se、−NRN1−、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンであり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、または所望により置換されているアリールであり; 各Y4は独立して、H、ヒドロキシ、チオール、ボラニル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; 各Y5は独立して、O、S、Se、所望により置換されているアルキレン(例えば、メチレン)または所望により置換されているヘテロアルキレンであり; nは1から100,000の整数であり; ここでUを含む環は1つ以上の二重結合を含み得る。 特定の実施形態では、Uを含む環は、U−CB3Rb3の間またはCB3Rb3−CB2Rb2の間に二重結合をもたない。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(Id):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 Uは、O、S、N(RU)nuまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキルであり; 各R3は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり; Y1、Y2およびY3はそれぞれ、独立して、O、S、Se、−NRN1−、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンであり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、または所望により置換されているアリールであり; 各Y4は独立して、H、ヒドロキシ、チオール、ボラニル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; 各Y5は独立して、O、S、所望により置換されているアルキレン(例えば、メチレン)または所望により置換されているヘテロアルキレンであり; nは1から100,000の整数であり; Bは、核酸塩基(例えばプリン、ピリミジン、またはその誘導体)である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子または修飾mRNAは、式(Ie):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 U’とU”はそれぞれ、独立して、O、S、N(RU)nu、またはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキルであり; 各R6は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり; 各Y5’は独立して、O、S、所望により置換されているアルキレン(例えば、メチレンまたはエチレン)であるか、または所望により置換されているヘテロアルキレンであり; nは1から100,000の整数であり; Bは、核酸塩基(例えばプリン、ピリミジン、またはその誘導体)である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(If)または(If−1):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 U’とU”はそれぞれ、独立して、O、S、N、N(RU)nuまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキルであり(例えば、U’はOでありU”はNである);は、単結合かまたは存在せず; R1’、R2’、R1”、R2”、R3およびR4はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは不存在であり;ここでR1’とR3の組合せ、R1”とR3の組合せ、R2’とR3の組合せまたはR2”とR3の組合せは、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し得(例えばロックド核酸を産生する);m’とm”はそれぞれ、独立して、0から3の整数(例えば、0から2、0から1、1から3または1から2)であり; Y1、Y2およびY3はそれぞれ、独立して、O、S、Se、−NRN1−、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンであり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアリールまたは不存在であり; 各Y4は独立して、H、ヒドロキシ、チオール、ボラニル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; 各Y5は独立して、O、S、Se、所望により置換されているアルキレン(例えば、メチレン)または所望により置換されているヘテロアルキレンであり; nは1から100,000の整数であり; Bは、核酸塩基(例えばプリン、ピリミジン、またはその誘導体)である。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、(Ia)〜(Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、Uを含む環は1つか2つの二重結合を有する。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、存在する場合は、R1、R1’およびR1”はそれぞれHである。さらなる実施形態では、存在する場合は、R2、R2’およびR2”はそれぞれ、独立して、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシである。特定の実施形態では、アルコキシアルコキシは、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’であり、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、R’はHまたはC1〜20アルキルである)。いくつかの実施形態では、s2は0であり、s1は1または2であり、s3は0または1であり、R’はC1〜6アルキルである。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、存在する場合は、R2、R2’およびR2”はそれぞれHである。さらなる実施形態では、存在する場合は、R1、R1’およびR1”はそれぞれ、独立して、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシである。特定の実施形態では、アルコキシアルコキシは、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’であり、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、R’はHまたはC1〜20アルキルである)。いくつかの実施形態では、s2は0であり、s1は1または2であり、s3は0または1であり、R’はC1〜6アルキルである。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、R3、R4およびR5はそれぞれ、独立して、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシである。特定の実施形態では、R3はHであり、R4はHであり、R5はHであり、またはR3、R4およびR5は全てHである。特定の実施形態では、R3はC1〜6アルキルであり、R4はC1〜6アルキルであり、R5はC1〜6アルキルであり、またはR3、R4およびR5は全てC1〜6アルキルである。特定の実施形態では、R3とR4はいずれもHであり、R5はC1〜6アルキルである。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、R3とR5は、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し、それらが結合している炭素とともに、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、トランス−3’,4’類似体などの二環、三環または四環ヘテロシクリル)を与え、ここでR3とR5は、一緒に、ヘテロアルキレン(例えば、−(CH2)b1O(CH2)b2O(CH2)b3−、ここでb1、b2およびb3はそれぞれ、独立して、0から3の整数である)を形成する。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、R3とR1’、R1”、R2’、R2”またはR5のうちの1つ以上が、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し、それらが結合している炭素とともに、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、二環、三環または四環ヘテロシクリルを与え、R3とR1’、R1”、R2’、R2”またはR5のうちの1つ以上が、一緒に、ヘテロアルキレン(例えば、−(CH2)b1O(CH2)b2O(CH2)b3−、ここでb1、b2およびb3はそれぞれ、独立して、0から3の整数である)を形成する。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、R5とR1’、R1”、R2’またはR2”のうちの1つ以上が、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し、それらが結合している炭素とともに、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、二環、三環または四環ヘテロシクリルを与え、R5とR1’、R1”、R2’またはR2”のうちの1つ以上が、一緒に、ヘテロアルキレン(例えば、−(CH2)b1O(CH2)b2O(CH2)b3−、ここでb1、b2およびb3はそれぞれ、独立して、0から3の整数である)を形成する。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、各Y2は、独立して、O、Sまたは−NRN1−であり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリールである。特定の実施形態では、Y2はNRN1−であり、ここでRN1はHまたは所望により置換されているアルキルである(例えばメチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルなどのC1〜6アルキル)。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、各Y3は、独立して、OまたはSである。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、R1はHであり;各R2は、独立して、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシ(例えば、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6、または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6、または1から10)であり、R’はHまたはC1〜20アルキルであり、たとえばここでs2は0であり、s1は1または2であり、s3は0または1であり、R’はC1〜6アルキルである);各Y2は、独立して、Oまたは−NRN1−であり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリール(例えば、ここでRN1はHまたは所望により置換されているアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルなどのC1−6アルキル)である)であり;各Y3は、独立して、OまたはS(例えば、S)である。さらなる実施形態では、R3は、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシである。さらなる実施形態では、各Y1は、独立して、Oまたは−NRN1−であり、ここでRN1は、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリール(例えば,ここでRN1はHまたは所望により置換されているアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルなどのC1〜6アルキル)である)であり;各Y4は、独立して、H、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノである。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜(Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、各R1は、独立して、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシ(例えば、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6、または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6、または1から10)であり、R’はHまたはC1〜20アルキルであり、たとえばここでs2は0であり、s1は1または2であり、s3は0または1であり、R’はC1〜6アルキルである);R2はHであり;各Y2は、独立して、Oまたは−NRN1−であり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリール(例えば、ここでRN1はHまたは所望により置換されているアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルなどのC1〜6アルキル)である)であり;各Y3は、独立して、OまたはS(例えば、S)である。さらなる実施形態では、R3は、H、ハロ(例えば、フルオロ)、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシ)または所望により置換されているアルコキシアルコキシである。さらなる実施形態では、各Y1は、独立して、Oまたは−NRN1−であり、ここでRN1は、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリール(例えば,ここでRN1はHまたは所望により置換されているアルキル(例えば、メチル、エチル、イソプロピルまたはn−プロピルなどのC1〜6アルキル)である)であり;各Y4は、独立して、H、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは所望により置換されているアミノである。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜(Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、Uを含む環は、β−D(例えばβ−D−リボ)立体配置である。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜(Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、Uを含む環は、α−L(例えばα−L−リボ)立体配置である。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜(Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、1つ以上のBはシュードウリジン(ψ)または5−メチル−シチジン(m5C)ではない。いくつかの実施形態では、約10%から約100%のB核酸塩基がψまたはm5Cではない(例えば、Bのn数の10%から20%、10%から35%、10%から50%、10%から60%、10%から75%、10%から90%、10%から95%、10%から98%、10%から99%、20%から35%、20%から50%、20%から60%、20%から75%、20%から90%、20%から95%、20%から98%、20%から99%、20%から100%、50%から60%、50%から75%、50%から90%、50%から95%、50%から98%、50%から99%、50%から100%、75%から90%、75%から95%、75%から98%、75%から99%および75%から100%がψまたはm5Cではない)。いくつかの実施形態では、Bはψまたはm5Cではない。 修飾核酸またはmmRNAのいくつかの実施形態(例えば、式(Ia)〜(Ia−5)、(Ib)〜(If−1)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr))では、Bがシトシン、グアニン、ウラシルおよびアデンから選択された非修飾核酸塩基である場合、Y1、Y2またはY3の少なくとも1つはOではない。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは修飾リボースを含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIa)〜(IIc):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含む。特定の実施形態では、UはOまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキル(例えば、Uは−CH2−または−CH−である)である。別の本発明では、R1、R2、R3、R4およびR5はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは存在せず(例えば、R1とR2はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり;R3とR4はそれぞれ、独立して、Hまたは所望により置換されているアルキルであり;R5はHまたはヒドロキシである)、は単結合または二重結合である。 特定の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIb−1)〜(IIb−2):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含む。いくつかの実施形態では、UはOまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキル(例えば、Uは−CH2−または−CH−である)である。他の実施形態では、R1とR2はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは存在しない(例えば、R1とR2はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシ、例えば、H、ハロ、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシである)。特定の実施形態では、R2はヒドロキシまたは所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシまたは本明細書に記載されるいずれか)である。 特定の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIc−1)〜(IIc−4):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含む。いくつかの実施形態では、UはOまたはC(RU)nuであり、ここでnuは0から2の整数であり、各RUは、独立して、H、ハロまたは所望により置換されているアルキル(例えば、Uは−CH2−または−CH−である)である。いくつかの実施形態では、R1、R2およびR3はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているヒドロキシアルコキシ、所望により置換されているアミノ、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは存在しない(例えば、R1とR2はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシ、例えば、H、ハロ、ヒドロキシ、アルキルまたはアルコキシであり;各R3は、独立して、Hまたは所望により置換されているアルキルである))。特定の実施形態では、R2は、所望により置換されているアルコキシ(例えば、メトキシまたはエトキシまたは本明細書に記載されるいずれか)である。特定の実施形態では、R1は、所望により置換されているアルキルであり、R2はヒドロキシである。他の実施形態では、R1はヒドロキシであり、R2は所望により置換されているアルキルである。さらなる実施形態では、R3は所望により置換されているアルキルである。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、非環状修飾リボースを含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IId)〜(IIf):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、非環式修飾ヘキシトールを含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIg)〜(IIj):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、収縮または拡大リボース環を有する糖部分を含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIk)〜(IIm):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここでR1’、R1”、R2’およびR2”はそれぞれ、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシまたは不存在であり;ここでR2’とR3の組合せまたはR2”とR3の組合せは、一緒に、所望により置換されているアルキレンまたは所望により置換されているヘテロアルキレンを形成し得る。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、ロックされた修飾リボースを含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIn):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここでR3’はO、Sまたは−NRN1−であり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリールであり、R3”は所望により置換されているアルキレン(例えば、−CH2−、−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−)または所望により置換されているヘテロアルキレン(例えば、−CH2NH−、−CH2CH2NH−、−CH2OCH2−または−CH2CH2OCH2−である)(例えば、R3’はOでありR3”は所望により置換されているアルキレン(例えば、−CH2−、−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−)である)である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIn−1)〜(II−n2):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここでR3’はO、Sまたは−NRN1−であり、ここでRN1はH、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているアリールであり、R3”は所望により置換されているアルキレン(例えば、−CH2−、−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−)または所望により置換されているヘテロアルキレン(例えば、−CH2NH−、−CH2CH2NH−、−CH2OCH2−または−CH2CH2OCH2−)(例えば、R3’はOであり、R3”は所望により置換されているアルキレン(例えば、−CH2−、−CH2CH2−または−CH2CH2CH2−)である)である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、四環系ヘテロシクリルを形成するロックされた修飾リボースを含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、式(IIo):を有するn個の連結ヌクレオシドまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここでR12a、R12c、T1’、T1”、T2’、T2”、V1およびV3は、本明細書に記載されるとおりである。 修飾核酸またはmmRNAの式はいずれも、本明細書に記載される1つ以上の核酸塩基を含み得る(例えば式(b1)〜(b43))。 1つの実施形態では、本発明は、少なくとも1つのヌクレオチド(例えばmmRNA分子)を含む修飾核酸またはmmRNAを調製する方法を提供し、ここで修飾核酸は、ここで定義される式(Ia):を有するn個のヌクレオシドを含み、該方法は、ここで定義される式(IIIa):の化合物をRNAポリメラーゼとcDNA鋳型と反応させることを含む。 さらなる実施形態では、本発明は、少なくとも1つのヌクレオチド(例えばmmRNA分子)を含む修飾核酸またはmmRNAを増幅する方法を提供し、該方法は、ここで定義される式(IIIa)の化合物を、プライマー、cDNA鋳型およびRNAポリメラーゼと反応させることを含む。 1つの実施形態では、本発明は、少なくとも1つのヌクレオチド(例えばmmRNA分子)を含む修飾核酸またはmmRNAを調製する方法を提供し、ここで修飾核酸は、ここで定義される式(Ia−1):を有するn個のヌクレオシドを含み、該方法は、ここで定義される(IIIa−1):の化合物をRNAポリメラーゼとcDNA鋳型と反応させることを含む。 さらなる実施形態では、本発明は、少なくとも1つのヌクレオチド(例えばmmRNA分子)を含む修飾核酸またはmmRNAを増幅する方法を提供し、該方法は、ここで定義される式(IIIa−1)の化合物を、プライマー、cDNA鋳型およびRNAポリメラーゼと反応させることを含む。 1つの実施形態では、本発明は、少なくとも1つのヌクレオチド(例えばmmRNA分子)を含む修飾mRNAを調製する方法を提供し、ここでポリヌクレオチドは、ここで定義される式(Ia−2):を有するn個のヌクレオシドを含み、該方法は、ここで定義される式(IIIa−2):の化合物をRNAポリメラーゼとcDNA鋳型と反応させることを含む。 さらなる実施形態では、本発明は、少なくとも1つのヌクレオチド(例えばmmRNA分子)を含む修飾核酸またはmRNAを増幅する方法を提供し、該方法は、 ここで定義される式(IIIa−2)の化合物を、プライマー、cDNA鋳型およびRNAポリメラーゼと反応させることを含む。 いくつかの実施形態では、反応は1回から約7,000回反復され得る。本明細書のどの実施形態でも、Bは式(b1)〜(b43)の核酸塩基であり得る。 修飾核酸およびmmRNAは、所望により、本明細書に記載される5’および/または3’隣接領域を含み得る。 修飾RNA(例えばmmRNA)分子 本発明は、例えば、修飾リボヌクレオシド、修飾リボヌクレオチドなどの修飾RNA(mmRNA)分子の構成要素も含む。例えば、これらのmmRNAは、本発明の修飾核酸またはmmRNAの調製に有用であり得る。 いくつかの実施形態では、構成要素分子は式(IIIa)または(IIIa−1):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、ここで置換基は本明細書に記載されるとおり(例えば式(Ia)と(Ia−1)の置換基)であり、ここでBがシトシン、グアニン、ウラシルおよびアデニンから選択された非修飾核酸塩基である場合、Y1、Y2またはY3の少なくとも1つはOではない。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(IVa)〜(IVb):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IVa)または(IVb)は、修飾ウラシルと組み合わされる(例えば、式(b1)〜(b9)、(b21)〜(b23)および(b28)〜(b31)のいずれか1つ、たとえば式(b1)、(b8)、(b28)、(b29)または(b30))。特定の実施形態では、式(IVa)または(IVb)は、修飾シトシンと組み合わされる(例えば、式(b10)〜(b14)、(b24)、(b25)および(b32)〜(b36)のいずれか1つ、たとえば式(b10)または(b32))。特定の実施形態では、式(IVa)または(IVb)は、修飾グアニンと組み合わされる(例えば、式(b15)〜(b17)および(b37)〜(b40)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IVa)または(IVb)は、修飾アデニンと組み合わされる(例えば、式(b18)〜(b20)および(b41)〜(b43)のいずれか1つ)。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(IVc)〜(IVk):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IVc)〜(IVk)のうち1つは、修飾ウラシルと組み合わされる(例えば、式(b1)〜(b9)、(b21)〜(b23)および(b28)〜(b31)のいずれか1つ、たとえば式(b1)、(b8)、(b28)、(b29)または(b30))。特定の実施形態では、式(IVc)〜(IVk)のうち1つは、修飾シトシンと組み合わされる(例えば、式(b10)〜(b14)、(b24)、(b25)および(b32)〜(b36)のいずれか1つ、たとえば式(b10)または(b32))。特定の実施形態では、式(IVc)〜(IVk)のうち1つは、修飾グアニンと組み合わされる(例えば、式(b15)〜(b17)および(b37)〜(b40)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IVc)〜(IVk)のうち1つは、修飾アデニンと組み合わされる(例えば、式(b18)〜(b20)および(b41)〜(b43)のいずれか1つ)。 他の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(Va)または(Vb):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。 他の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(IXa)または(IXd):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXa)〜(IXd)のうち1つは、修飾ウラシルと組み合わされる(例えば、式(b1)〜(b9)、(b21)〜(b23)および(b28)〜(b31)のいずれか1つ、たとえば式(b1)、(b8)、(b28)、(b29)または(b30))。特定の実施形態では、式(IXa)〜(IXd)のうち1つは、修飾シトシンと組み合わされる(例えば、式(b10)〜(b14)、(b24)、(b25)および(b32)〜(b36)のいずれか1つ、たとえば式(b10)または(b32))。特定の実施形態では、式(IXa)〜(IXd)のうち1つは、修飾グアニンと組み合わされる(例えば、式(b15)〜(b17)および(b37)〜(b40)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXa)〜(IXd)のうち1つは、修飾アデニンと組み合わされる(例えば、式(b18)〜(b20)および(b41)〜(b43)のいずれか1つ)。 他の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(IXe)〜(IXg):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXe)〜(IXg)のうち1つは、修飾ウラシルと組み合わされる(例えば、式(b1)〜(b9)、(b21)〜(b23)および(b28)〜(b31)のいずれか1つ、たとえば式(b1)、(b8)、(b28)、(b29)または(b30))。特定の実施形態では、式(IXe)〜(IXg)のうち1つは、修飾シトシンと組み合わされる(例えば、式(b10)〜(b14)、(b24)、(b25)および(b32)〜(b36)のいずれか1つ、たとえば式(b10)または(b32))。特定の実施形態では、式(IXe)〜(IXg)のうち1つは、修飾グアニンと組み合わされる(例えば、式(b15)〜(b17)および(b37)〜(b40)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXe)〜(IXg)のうち1つは、修飾アデニンと組み合わされる(例えば、式(b18)〜(b20)および(b41)〜(b43)のいずれか1つ)。 他の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(IXh)〜(IXk):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXh)〜(IXk)のうち1つは、修飾ウラシルと組み合わされる(例えば、式(b1)〜(b9)、(b21)〜(b23)および(b28)〜(b31)のいずれか1つ、たとえば式(b1)、(b8)、(b28)、(b29)または(b30))。特定の実施形態では、式(IXh)〜(IXk)のうち1つは、修飾シトシンと組み合わされる(例えば、式(b10)〜(b14)、(b24)、(b25)および(b32)〜(b36)のいずれか1つ、たとえば式(b10)または(b32))。特定の実施形態では、式(IXh)〜(IXk)のうち1つは、修飾グアニンと組み合わされる(例えば、式(b15)〜(b17)および(b37)〜(b40)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXh)〜(IXk)のうち1つは、修飾アデニンと組み合わされる(例えば、式(b18)〜(b20)および(b41)〜(b43)のいずれか1つ)。 他の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、式(IXl)〜(IXr):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を有し、ここでr1とr2はそれぞれ、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)であり、Bは本明細書に記載されるとおりである(例えば、(b1)〜(b43)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXl)〜(IXr)のうち1つは、修飾ウラシルと組み合わされる(例えば、式(b1)〜(b9)、(b21)〜(b23)および(b28)〜(b31)のいずれか1つ、たとえば式(b1)、(b8)、(b28)、(b29)または(b30))。特定の実施形態では、式(IXl)〜(IXr)のうち1つは、修飾シトシンと組み合わされる(例えば、式(b10)〜(b14)、(b24)、(b25)および(b32)〜(b36)のいずれか1つ、たとえば式(b10)または(b32))。特定の実施形態では、式(IXl)〜(IXr)のうち1つは、修飾グアニンと組み合わされる(例えば、式(b15)〜(b17)および(b37)〜(b40)のいずれか1つ)。特定の実施形態では、式(IXl)〜(IXr)のうち1つは、修飾アデニンと組み合わされる(例えば、式(b18)〜(b20)および(b41)〜(b43)のいずれか1つ)。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、からなる群またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体より選択され得、ここで各rは、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、からなる群またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体より選択され得、ここで各rは、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)であり、s1は本明細書に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態では、核酸(例えば、RNA、mRNAまたはmmRNA)に組み込まれ得る構成要素分子は、修飾ウリジン(例えば、からなる群より選択される)またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり、ここでY1、Y3、Y4、Y6およびrは本明細書に記載されるとおりである(例えば、各rは、独立して、0から5の整数であり、たとえば0から3、1から3、または1から5である))。 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、修飾シチジン(例えば、からなる群より選択される)またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり、ここでY1、Y3、Y4、Y6およびrは本明細書に記載されるとおりである(例えば、各rは、独立して、0から5の整数であり、たとえば0から3、1から3、または1から5である))。たとえば、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり得、ここで各rは、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)である。 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、修飾アデノシン(例えば、からなる群より選択される)またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり、ここでY1、Y3、Y4、Y6およびrは本明細書に記載されるとおりである(例えば、各rは、独立して、0から5の整数であり、たとえば0から3、1から3,または1から5である))。 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、修飾グアノシン(例えば、からなる群より選択される)またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり、ここでY1、Y3、Y4、Y6およびrは本明細書に記載されるとおりである(例えば、各rは、独立して、0から5の整数であり、たとえば0から3、1から3,または1から5である))。 いくつかの実施形態では、化学修飾は、環のC−5のC基(例えば、シトシンまたはウラシルなどのピリミジンヌクレオシド)をNで置換することを含み得る(例えば、C−5の>CH基を>NRN1基で置換し、ここでRN1はHまたは所望により置換されているアルキルである)。例えば、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得るmmRNA分子は、またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり得、ここで各rは、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)である。 別の実施形態では、化学修飾は、シトシンのC−5の水素をハロ(例えば、Br、Cl、FまたはI)または所望により置換されているアルキル(例えば、メチル)で置換することを含み得る。例えば、修飾核酸またはmmRNAに組み込まれ得るmmRNA分子は、またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり得、ここで各rは、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)である。 さらなる実施形態では、化学修飾は、C−4位のNH2とC−5位の炭素原子で形成される縮合環を含み得る。例えば、修飾核酸分子またはmmRNAに組み込まれ得る構成要素分子は、またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体であり得、ここで各rは、独立して、0から5の整数(例えば、0から3、1から3または1から5)である。 糖の修飾 修飾核酸またはmmRNA(例えば、本明細書に記載されるRNAまたはmRNA)に組み込まれ得る修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチド(例えば、構成要素分子)は、リボ核酸の糖上の修飾であり得る。例えば、2’ヒドロキシル基(OH)は、ある数の異なる置換基で修飾または置換され得る。2’位の例となる置換基は、限定ではなく、H、ハロ、所望により置換されているC1〜6アルキル;所望により置換されているC1〜6アルコキシ;所望により置換されているC6〜10アリールオキシ;所望により置換されているC3〜8シクロアルキル;所望により置換されているC3〜8シクロアルコキシ;所望により置換されているC6〜10アリールオキシ;所望により置換されているC6〜10アリール−C1〜6アルコキシ、所望により置換されているC1〜12(ヘテロシクリル)オキシ;糖(例えば、リボース、ペントースまたは本明細書に記載されるいずれか);ポリエチレングリコール(PEG)、−O(CH2CH2O)nCH2CH2OR(ここでRはHまたは所望により置換されているアルキルであり、nは0から20の整数(例えば、0から4、0から8、0から10、0から16、1から4、1から8、1から10、1から16、1から20、2から4、2から8、2から10、2から16、2から20、4から8、4から10、4から16および4から20)である);2’−ヒドロキシルがC1〜6アルキレンまたはC1〜6ヘテロアルキレン架橋により同じリボース糖の4’−炭素に結合している「ロックされた(架橋型)」核酸(LNA)(例示的架橋はメチレン、プロピレン、エーテルまたはアミノ架橋;ここで定義されるアミノアルキル;ここで定義されるアミノアルコキシ;ここで定義されるアミノ;およびここで定義されるアミノ酸を含んだ)を含む。 一般に、RNAは、酸素を有する5員環である糖基リボースを含む。例示的非限定的な修飾ヌクレオチドは、リボース内の酸素の(例えばS、Seまたはメチレンまたはエチレンなどのアルキレンでの)置換;二重結合の付加(例えばリボースをシクロペンテニルまたはシクロヘキセニルで置換);リボース環収縮(例えばシクロブタンまたはオキセタンの4員環を形成する);リボース環拡大(例えば、アンヒドロヘキシトール、アルトリトール、マンニトール、シクロヘキサニル、シクロヘキセニルおよびホスホロアミデート主鎖も有するホルホリノなどの、追加の炭素またはヘテロ原子を有する6または7員環を形成する);多環型(例えば、トリシクロ;および「非ロック」型、たとえばグリコール核酸(GNA)(例えば、R−GNAまたはS−GNA、ここでリボースはホスホジエステル結合に結合したグリコール単位で置換されている)、トレオース核酸(TNA、ここでリボースはα−L−スレオフラノシル−(3’→2’)で置換されている)およびペプチド核酸(PNA、ここで2−アミノ−エチル−グリシン結合がリボースとホスホジエステル主鎖と置き換わっている)を含む。糖基は、リボース内の対応する炭素の立体構造とは反対の立体化学構造を有する1つ以上の炭素も含み得る。したがって、修飾核酸分子またはmmRNAは、例えば、糖としてアラビノースを含むヌクレオチドを含み得る。 核酸塩基の修飾 本開示は、修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドを提供する。ここでは「ヌクレオシド」は、糖分子(例えばペントースまたはリボース)またはその誘導体と有機塩基(例えばプリンまたはピリミジン)またはその誘導体の組合せを含む化合物として定義される。ここでは「ヌクレオチド」はリン酸基を含むヌクレオシドとして定義される。修飾ヌクレオチド(例えば修飾mRNA)は、本明細書に記載されるあらゆる便利な方法で合成され得る(例えば,化学的、酵素的または組替え的に1つ以上の修飾または非天然ヌクレオシドを含む)。 修飾ヌクレオチドの塩基の対合は、標準的なアデノシン−チミン、アデノシン−ウラシルまたはグアノシン−シトシン塩基対のみならず、非標準または修飾塩基を含むヌクレオチドおよび/または修飾ヌクレオチド間に形成されるものも包含し、ここで水素結合ドナーと水素結合アクセプターの配置は、非標準塩基と標準塩基間または2つの相補的非標準塩基構造間での水素結合を許容する。そのような非標準塩基の対合の一例は、修飾ヌクレオチドイノシンとアデニン、シトシンまたはウラシル間の塩基の対合である。 修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、修飾核酸塩基を含み得る。RNA中に見られる核酸塩基の例には、限定ではなく、アデニン、グアニン、シトシンおよびウラシルが含まれる。DNA中に見られる核酸塩基の例には、限定ではなく、アデニン、グアニン、シトシンおよびチミンが含まれる。これらの核酸塩基は、強化された特性、例えば、主溝結合パートナーの結合を破壊することによるヌクレアーゼへの耐性を有する修飾核酸またはmmRNA分子を提供するために、修飾されるかまたは全体的に置換され得る。以下の表1は、各正準ヌクレオチドの化学的面を特定している。円は、各化学領域を構成する原子を特定している。 いくつかの実施形態では、Bは修飾ウラシルである。例示的修飾ウラシルは、式(b1)〜(b5):を有するものまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここでは単結合または二重結合であり; T1’、T1”、T2’およびT2”はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシまたは所望により置換されているチオアルコキシであり、またはT1’とT1”の組合せまたはT2’とT2”の組合せは一緒に(例えばT2のように)O(オキソ)、S(チオ)またはSe(セレノ)を形成し; V1とV2はそれぞれ、独立して、O、S、N(RVb)nv、またはC(RVb)nvであり、ここでnvは0から2の整数であり、各RVbは、独立して、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているハロアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアシルアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニルまたは所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの、本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)であり; R10は、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、ヒドロキシ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキルまたは所望により置換されているカルバモイルアルキルであり; R11はHまたは所望により置換されているアルキルであり; R12aは、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、または所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているカルボキシアルキル(例えば、所望によりヒドロキシで置換されている)、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアミノアルキル、または所望により置換されているカルバモイルアルキルであり; R12cは、H、ハロ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアミノ、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルである。 他の例示的修飾ウラシルは、式(b6)〜(b9):を有するものまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、は単結合または二重結合であり; T1’、T1”、T2’およびT2”はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシまたは所望により置換されているチオアルコキシであるか、またはT1’とT1”の組合せは一緒に(例えばT1のように)またはT2’とT2”の組合せは一緒に(例えばT2のように)O(オキソ)、S(チオ)、またはSe(セレノ)を形成するか、またはT1とT2はそれぞれ、独立して、O(オキソ)、S(チオ)またはSe(セレノ)であり; W1とW2はそれぞれ、独立して、N(RWa)nwまたはC(RWa)nwであり、ここでnwは0から2の整数であり、各RWaは、独立して、H、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり; 各V3は、独立して、O、S、N(RVa)nvまたはC(RVa)nvであり、ここでnvは0から2の整数であり、各RVaは、独立して、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、または所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルまたはスルホアルキルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアシルアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアシル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキル(例えば、所望によりヒドロキシおよび/またはO−保護基で置換されている)、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアミノアルキル、または所望により置換されているカルバモイルアルキル(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)であり、ここでRVaとR12cは、所望により、それらが結合している炭素原子と一緒に、所望により置換されているシクロアルキル、所望により置換されているアリールまたは所望により置換されているヘテロシクリル(例えば5または6員環)を形成し得; R12aは、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているカルボキシアルキル(例えば、所望によりヒドロキシおよび/またはO−保護基で置換されている)、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアミノアルキル、所望により置換されているカルバモイルアルキルまたは不存在であり; R12bは、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアルカリール、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルコキシカルボニルアシル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキル(例えば、所望によりヒドロキシおよび/またはO−保護基で置換されている)、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアミノアルキルまたは所望により置換されているカルバモイルアルキルであり、 ここでR12bとT1’の組合せまたはR12bとR12cの組合せは、一緒に、所望により置換されているヘテロシクリルを形成し得; R12cは、H、ハロ、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアミノ、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルである。 さらなる例示的修飾ウラシルは、式(b28)〜(b31):を有するものまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 T1とT2はそれぞれ、独立して、O(オキソ)、S(チオ)、またはSe(セレノ)であり; RVb’とRVb”はそれぞれ、独立して、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているハロアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルまたはスルホアルキルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアシルアミノアルキル(例えば,本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアシル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキル(例えば、所望によりヒドロキシおよび/またはO−保護基で置換されている)、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアミノアルキル、または所望により置換されているカルバモイルアルキル(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)(例えば、RVb’は、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキルであり、例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルまたはスルホアルキルなどのN−保護基で置換されている)であり; R12aは、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているカルボキシアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルまたはスルホアルキルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり; R12bは、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル(例えば,本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルまたはスルホアルキルなどのN−保護基で置換されている)、 所望により置換されているアルコキシカルボニルアシル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキルまたは所望により置換されているカルバモイルアルキルである。 特定の実施形態では、T1はO(オキソ)であり、T2はS(チオ)またはSe(セレノ)である。他の実施形態では、T1はS(チオ)であり、T2はO(オキソ)またはSe(セレノ)である。いくつかの実施形態では、RVb’は、H、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシである。 他の実施形態では、R12aとR12bはそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニルまたは所望により置換されているヒドロキシアルキルである。特定の実施形態では、R12aはHである。他の実施形態では、R12aとR12bはいずれもHである。 いくつかの実施形態では、R12bのRVb’は、それぞれ、独立して、所望により置換されているアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルまたはスルホアルキルなどのN−保護基で置換されている)、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニルまたは所望により置換されているアシルアミノアルキル(例えば、本明細書に記載されるいずれかの、例えば、トリフルオロアセチルなどのN−保護基で置換されている)である。いくつかの実施形態では、所望により置換されているアミノアルキルのアミノおよび/またはアルキルは、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているスルホアルキル、所望により置換されているカルボキシ(例えば、O−保護基で置換されている)、所望により置換されているヒドロキシ(例えば、O−保護基で置換されている)、所望により置換されているカルボキシアルキル(例えば、O−保護基で置換されている)、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル(例えば、O−保護基で置換されている)またはN−保護基のうち1つ以上で置換されている。いくつかの実施形態では、所望により置換されているアミノアルキルは、所望により置換されているスルホアルキルまたは所望により置換されているアルケニルで置換されている。特定の実施形態では、R12aとRVb”はいずれもHである。特定の実施形態では、T1はO(オキソ)であり、T2はS(チオ)またはSe(セレノ)である。 いくつかの実施形態では、RVb’は、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキルまたは所望により置換されているカルバモイルアルキルである。 特定の実施形態では、R12a、R12b、R12cまたはRVaの所望による置換基は、ポリエチレングリコール基(例えば、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’であり、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、R’はHまたはC1−20アルキルである);またはアミノ−ポリエチレングリコール基(例えば、−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1であり、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、各RN1は、独立して、水素または所望により置換されているC1〜6アルキルである)である。 いくつかの実施形態では、Bは修飾シトシンである。例となる修飾シトシンは、化合物(b10)〜(b14):またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、ここで T3’とT3”はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシまたは所望により置換されているチオアルコキシであり、またはT3とT3”の組合せは、一緒に(例えばT3のように)、O(オキソ)、S(チオ)またはSe(セレノ)を形成し; 各V4は、独立して、O、S、N(RVc)nvまたはC(RVc)nvであり、ここでnvは0から2の整数であり、各RVcは、独立して、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)または所望により置換されているアルキニルオキシ(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの、本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)であり、ここでR13bとRVcは、一緒に、所望により置換されているヘテロシクリルを形成し得; 各V5は、独立して、N(RVd)nvまたはC(RVd)nvであり、ここでnvは0から2の整数であり、各RVdは、独立して、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)または所望により置換されているアルキニルオキシ(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの、本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)であり(例えば、V5は−CHまたはNである); R13aとR13bはそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアシルオキシアルキル、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり、ここでR13bとR14の組合せは、一緒に、所望により置換されているヘテロシクリルを形成し得; 各R14は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているハロアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル(例えば、O−保護基で置換されている)、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているアシルオキシアルキル、所望により置換されているアミノ(例えば、−NHR、ここでRはH、アルキル、アリールまたはホスホリルである)、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキルであり; R15とR16はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニルまたは所望により置換されているアルキニルである。 さらなる例示的修飾シトシンは、式(b32)〜(b35):を有するものまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 T1とT3はそれぞれ、独立して、O(オキソ)、S(チオ)またはSe(セレノ)であり; R13aとR13bはそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアシルオキシアルキル、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり、ここでR13bとR14の組合せは、一緒に、所望により置換されているヘテロシクリルを形成し得; 各R14は、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているハロアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル(例えば、O−保護基で置換されている)、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているアシルオキシアルキル、所望により置換されているアミノ(例えば、−NHR、ここでRはH、アルキル、アリールまたはホスホリルである)、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)、所望により置換されているアミノアルキル(例えば、ヒドロキシアルキル、アルキル、アルケニルまたはアルキニル)、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり; R15とR16はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニルまたは所望により置換されているアルキニル(例えば、R15はHであり、R16はHまたは所望により置換されているアルキルである)である。 いくつかの実施形態では、R15はHであり、R16はHまたは所望により置換されているアルキルである。特定の実施形態では、R14はH、アシルまたはヒドロキシアルキルである。いくつかの実施形態では、R14はハロである。いくつかの実施形態では、R14とR15はいずれもHである。いくつかの実施形態では、R15とR16はいずれもHである。いくつかの実施形態では、R14とR15とR16はそれぞれ、Hである。さらなる実施形態では、R13aとR13bはそれぞれ、独立して、Hまたは所望により置換されているアルキルである。 修飾シトシンのさらなる非限定的な例は、式(b36):の化合物またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 各R13bは、独立して、H、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアシルオキシアルキル、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり、ここでR13bとR14bの組合せは、一緒に、所望により置換されているヘテロシクリルを形成し得; 各R14aとR14bは、独立して、H、ハロ、ヒドロキシ、チオール、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているハロアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル(例えば、O−保護基で置換されている)、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ、所望により置換されているアミノアルコキシ、所望により置換されているアルコキシアルコキシ、所望により置換されているアシルオキシアルキル、所望により置換されているアミノ(例えば、−NHR、ここでRはH、アルキル、アリール、ホスホリル、所望により置換されているアミノアルキルまたは所望により置換されているカルボキシアミノアルキルである)、アジド、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニルまたは所望により置換されているアミノアルキニルであり; R15はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニルまたは所望により置換されているアルキニルである。 特定の実施形態では、R14bは、所望により置換されているアミノ酸(例えば、所望により置換されているリジン)である。いくつかの実施形態では、R14aはHである。 いくつかの実施形態では、Bは修飾グアニンである。例となる修飾グアニンは、式(b15)〜(b17):の化合物またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 T4’、T4”、T5’、T5”、T6’およびT6”はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり、ここでT4’とT4”の組合せ(例えばT4のように)またはT5’とT5”の組合せ(例えば、T5のように)またはT6’とT6”の組合せは一緒に(例えば、T6のように)、O(オキソ)、S(チオ)またはSe(セレノ)を形成し; V5とV6はそれぞれ、独立して、O、S、N(RVd)nvまたはC(RVd)nvであり、ここでnvは0から2の整数であり、各RVdは、独立して、H、ハロ、チオール、所望により置換されているアミノ酸、シアノ、アミジン、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシ、所望により置換されているアルキニルオキシ(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの、本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)、所望により置換されているチオアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; R17、R18、R19a、R19b、R21、R22、R23およびR24はそれぞれ、独立して、H、ハロ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアミノまたは所望により置換されているアミノ酸である。 例となる修飾グアノシンは、式(b37)〜(b40):の化合物またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 T4’はそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアルキルまたは所望により置換されているアルコキシであり、各T4は、独立して、O(オキソ)、S(チオ)またはSe(セレノ)であり; R18、R19a、R19bおよびR21はそれぞれ、独立して、H、ハロ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているチオアルコキシ、所望により置換されているアミノまたは所望により置換されているアミノ酸である。 いくつかの実施形態では、R18はHまたは所望により置換されているアルキルである。さらなる実施形態では、T4はオキソである。いくつかの実施形態では、R19aとR19bはそれぞれ、独立して、Hまたは所望により置換されているアルキルである。 いくつかの実施形態では、Bは修飾アデニンである。例となる修飾アデニンは、式(b18)〜(b20):の化合物またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 各V7は、独立して、O、S、N(RVe)nvまたはC(RVe)nvであり、ここでnvは0から2の整数であり、各RVeは、独立して、H、ハロ、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルケニルオキシまたは所望により置換されているアルキニルオキシ(例えば、所望により、アルキルについて(1)〜(21)から選択されるものなどの、本明細書に記載されるいずれかの置換基で置換されている)であり; 各R25は、独立して、H、ハロ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているチオアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; R26aとR26bはそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているカルバモイルアルキル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアルコキシまたはポリエチレングリコール基(例えば、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、R’はHまたはC1〜20アルキルである);またはアミノ−ポリエチレングリコール基(例えば、−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、各RN1は、独立して、水素または所望により置換されているC1〜6アルキルである)であり; 各R27は、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているチオアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; 各R28は、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、または所望により置換されているアルキニルであり; 各R29は、独立して、H、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているカルバモイルアルキル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているアルコキシまたは所望により置換されているアミノである。 例となる修飾アデニンは、式(b41)〜(b43):の化合物またはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体を含み、式中、 各R25は、独立して、H、ハロ、チオール、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているチオアルコキシまたは所望により置換されているアミノであり; R26aとR26bはそれぞれ、独立して、H、所望により置換されているアシル、所望により置換されているアミノ酸、所望により置換されているカルバモイルアルキル、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているヒドロキシアルキル、所望により置換されているヒドロキシアルケニル、所望により置換されているヒドロキシアルキニル、所望により置換されているアルコキシまたはポリエチレングリコール基(例えば、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、R’はHまたはC1〜20アルキルである);またはアミノ−ポリエチレングリコール基(例えば、−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、各RN1は、独立して、水素または所望により置換されているC1〜6アルキルである)であり; 各R27は、独立して、H、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているチオアルコキシまたは所望により置換されているアミノである。 いくつかの実施形態では、R26aはHであり、R26bは所望により置換されているアルキルである。いくつかの実施形態では、R26aとR26bはそれぞれ、独立して、所望により置換されているアルキルである。特定の実施形態では、R27は所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシまたは所望により置換されているチオアルコキシである。他の実施形態では、R25は所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルコキシまたは所望により置換されているチオアルコキシである。 特定の実施形態では、R26a、R26bまたはR29の所望による置換基は、ポリエチレングリコール基(例えば、−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6,または1から10)であり、R’はHまたはC1−20アルキルである);またはアミノ−ポリエチレングリコール基(例えば、−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1、ここでs1は1から10の整数(例えば、1から6または1から4)であり、s2とs3はそれぞれ、独立して、0から10の整数(例えば、0から4、0から6、1から4、1から6または1から10)であり、各RN1は、独立して、水素または所望により置換されているC1〜6アルキルである)である。 いくつかの実施形態では、Bは式(b21):を有し得、式中X12は、独立して、O、S、所望により置換されているアルキレン(例えば、メチレン)または所望により置換されているヘテロアルキレンであり、xaは0から3の整数であり、R12aとT2は本明細書に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態では、Bは式(b22):を有し得、式中R10’は、独立して、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキルまたは所望により置換されているカルバモイルアルキルであり、R11、R12a、T1およびT2は本明細書に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態では、Bは式(b23):を有し得、式中R10は所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、所望により置換されているフリル、所望により置換されているチエニル、または所望により置換されているピロリル)、所望により置換されているアリール(例えば、所望により置換されているフェニルまたは所望により置換されているナフチル)、または本明細書に記載されるいずれかの置換基(例えばR10について)であり;ここでR11(例えば、Hまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)、R12a(例えば、Hまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)、T1(例えば、オキソまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)およびT2(例えば、オキソまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)は本明細書に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態では、Bは式(b24):を有し得、式中R14’は、独立して、所望により置換されているアルキル、所望により置換されているアルケニル、所望により置換されているアルキニル、所望により置換されているアリール、所望により置換されているヘテロシクリル、所望により置換されているアルカリール、所望により置換されているアルケテロシクリル(alkheterocyclyl)、所望により置換されているアミノアルキル、所望により置換されているアミノアルケニル、所望により置換されているアミノアルキニル、所望により置換されているアルコキシ、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルケニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルキニル、所望により置換されているアルコキシカルボニルアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルコキシ、所望により置換されているカルボキシアルキルまたは所望により置換されているカルバモイルアルキルであり、R13a、R13b、R15およびT3は本明細書に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態では、Bは式(b25):を有し得、式中R14’は、所望により置換されているヘテロシクリル(例えば、所望により置換されているフリル、所望により置換されているチエニル、または所望により置換されているピロリル)、所望により置換されているアリール(例えば、所望により置換されているフェニルまたは所望により置換されているナフチル)または本明細書に記載されるいずれかの置換基(例えば、R14またはR14’について)であり;ここでR13a(例えば、Hまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)、R13b(例えば、Hまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)、R15(例えば、Hまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)およびT3(例えば、オキソまたは本明細書に記載されるいずれかの置換基)は本明細書に記載されるとおりである。 いくつかの実施形態では、Bは、シトシン、グアニン、アデニンおよびウラシルからなる群より選択される核酸塩基である。いくつかの実施形態では、Bは、であり得る。 いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾ウラシルである。修飾ウラシルを有する例となる核酸塩基およびヌクレオシドは、シュードウリジン(ψ)、ピリジン−4−オンリボヌクレオシド、5−アザ−ウリジン、6−アザ−ウリジン、2−チオ−5−アザ−ウリジン、2−チオ−ウリジン(s2U)、4−チオ−ウリジン(s4U)、4−チオ−シュードウリジン、2−チオ−シュードウリジン、5−ヒドロキシ−ウリジン(ho5U)、5−アミノアリル−ウリジン、5−ハロ−ウリジン(例えば、5−ヨード−ウリジンまたは5−ブロモ−ウリジン)、3−メチル−ウリジン(m3U)、5−メトキシ−ウリジン(mo5U)、ウリジン5−オキシ酢酸(cmo5U)、ウリジン5−オキシ酢酸メチルエステル(mcmo5U)、5−カルボキシメチル−ウリジン(cm5U)、1−カルボキシメチル−シュードウリジン、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジン(chm5U)、5−カルボキシヒドロキシメチル−ウリジンメチルエステル(mchm5U)、5−メトキシカルボニルメチル−ウリジン(mcm5U)、5−メトキシカルボニルメチル−2−チオ−ウリジン(mcm5s2U)、5−アミノメチル−2−チオ−ウリジン(nm5s2U)、5−メチルアミノメチル−ウリジン(mnm5U)、5−メチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(mnm5s2U)、5−メチルアミノメチル−2−セレノ−ウリジン(mnm5se2U)、5−カルバモイルメチル−ウリジン(ncm5U)、5−カルボキシメチルアミノメチル−ウリジン(cmnm5U)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオ−ウリジン(cmnm5s2U)、5−プロピニル−ウリジン、1−プロピニル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−ウリジン(τm5U)、1−タウリノメチル−シュードウリジン、5−タウリノメチル−2−チオ−ウリジン(τm5s2U)、1−タウリノメチル−4−チオ−シュードウリジン、5−メチル−ウリジン(m5U、すなわち、核酸塩基デオキシチミンを有する)、1−メチル−シュードウリジン(m1ψ)、5−メチル−2−チオ−ウリジン(m5s2U)、1−メチル−4−チオ−シュードウリジン(m1s4ψ)、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、3−メチル−シュードウリジン(m3ψ)、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、ジヒドロウリジン(D)、ジヒドロシュードウリジン、5,6−ジヒドロウリジン、5−メチル−ジヒドロウリジン(m5D)、2−チオ−ジヒドロウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−メトキシ−ウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、N1−メチル−シュードウリジン、3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)ウリジン(acp3U)、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュードウリジン(acp3ψ)、5−(イソペンテニルアミノメチル)ウリジン(inm5U)、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2−チオ−ウリジン(inm5s2U)、α−チオ−ウリジン、2’−O−メチル−ウリジン(Um)、5,2’−O−ジメチル−ウリジン(m5Um)、2’−O−メチル−シュードウリジン(ψm)、2−チオ−2’−O−メチル−ウリジン(s2Um)、5−メトキシカルボニルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(mcm5Um)、5−カルバモイルメチル−2’−O−メチル−ウリジン(ncm5Um)、5−カルボキシメチルアミノメチル−2’−O−メチル−ウリジン(cmnm5Um)、3,2’−O−ジメチル−ウリジン(m3Um)、5−(イソペンテニルアミノメチル)−2’−O−メチル−ウリジン(inm5Um)、1−チオ−ウリジン、デオキシチミジン、2’‐F‐アラ‐ウリジン、2’‐F‐ウリジン、2’‐OH‐アラ‐ウリジン、5‐(2‐カルボメトキシビニル)ウリジンおよび5‐[3‐(1‐E‐プロペニルアミノ)ウリジンを含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾シトシンである。修飾シトシンを有する例となる核酸塩基およびヌクレオシドは、5−アザ−シチジン、6−アザ−シチジン、シュードイソシチジン、3−メチル−シチジン(m3C)、N4−アセチル−シチジン(ac4C)、5−ホルミル−シチジン(f5C)、N4−メチル−シチジン(m4C)、5−メチル−シチジン(m5C)、5−ハロ−シチジン(例えば、5−ヨード−シチジン)、5−ヒドロキシメチル−シチジン(hm5C)、1−メチル−シュードイソシチジン、ピロロ−シチジン、ピロロ−シュードイソシチジン、2−チオ−シチジン(s2C)、2−チオ−5−メチル−シチジン、4−チオ−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−シュードイソシチジン、4−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、1−メチル−1−デアザ−シュードイソシチジン、ゼブラリン、5−アザ−ゼブラリン、5−メチル−ゼブラリン、5−アザ−2−チオ−ゼブラリン、2−チオ−ゼブラリン、2−メトキシ−シチジン、2−メトキシ−5−メチル−シチジン、4−メトキシ−シュードイソシチジン、4−メトキシ−1−メチル−シュードイソシチジン、リシジン(k2C)、α−チオ−シチジン、2’−O−メチル−シチジン(Cm)、5,2’−O−ジメチル−シチジン(m5Cm)、N4−アセチル−2’−O−メチル−シチジン(ac4Cm)、N4,2’−O−ジメチル−シチジン(m4Cm)、5−ホルミル−2’−O−メチル−シチジン(f5Cm)、N4,N4,2’−O−トリメチル−シチジン(m42Cm)、1−チオ−シチジン、2’‐F‐アラ‐シチジン、2’‐F‐シチジンおよび2’‐OH‐アラ‐シチジンを含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾アデニンである。修飾アデニンを有する例となる核酸塩基およびヌクレオシドは、2−アミノ−プリン、2、6−ジアミノプリン、2−アミノ−6−ハロ−プリン(例えば、2−アミノ−6−クロロ−プリン)、6−ハロ−プリン(例えば、6−クロロ−プリン)、2−アミノ−6−メチル−プリン、8−アジド−アデノシン、7−デアザ−アデニン、7−デアザ−8−アザ−アデニン、7−デアザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−8−アザ−2−アミノ−プリン、7−デアザ−2,6−ジアミノプリン、7−デアザ−8−アザ−2,6−ジアミノプリン、1−メチル−アデノシン(m1A)、2−メチル−アデニン(m2A)、N6−メチル−アデノシン(m6A)、2−メチルチオ−N6−メチル−アデノシン(ms2m6A)、N6−イソペンテニル−アデノシン(i6A)、2−メチルチオ−N6−イソペンテニル−アデノシン(ms2i6A)、N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(io6A)、2−メチルチオ−N6−(シス−ヒドロキシイソペンテニル)アデノシン(ms2io6A)、N6−グリシニルカルバモイル−アデノシン(g6A)、N6−スレオニルカルバモイル−アデノシン(t6A)、N6−メチル−N6−スレオニルカルバモイル−アデノシン(m6t6A)、2−メチルチオ−N6−スレオニルカルバモイル−アデノシン(ms2g6A)、N6,N6−ジメチル−アデノシン(m62A)、N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(hn6A)、2−メチルチオ−N6−ヒドロキシノルバリルカルバモイル−アデノシン(ms2hn6A)、N6−アセチル−アデノシン(ac6A)、7−メチル−アデニン、2−メチルチオ−アデニン、2−メトキシ−アデニン、α−チオ−アデノシン、2’−O−メチル−アデノシン(Am)、N6,2’−O−ジメチル−アデノシン(m6Am)、N6,N6,2’−O−トリメチル−アデノシン(m62Am)、1,2’−O−ジメチル−アデノシン(m1Am)、2’−O−リボシルアデノシン(リン酸)(Ar(p))、2−アミノ−N6−メチル−プリン、1−チオ−アデノシン、8−アジド−アデノシン、2’‐F‐アラ‐アデノシン、2’‐F‐アデノシン、2’‐OH‐アラ‐アデノシンおよびN6‐(19‐アミノ‐ペンタオキサノナデシル)−アデノシンを含む。 いくつかの実施形態では、修飾核酸塩基は修飾グアニンである。修飾グアニンを有する例となる核酸塩基およびヌクレオシドは、イノシン(I)、1−メチル−イノシン(m1I)、ワイオシン(imG)、メチルワイオシン(mimG)、4−デメチル−ワイオシン(imG−14)、イソワイオシン(imG2)、ワイブトシン(yW)、ペルオキシワイブトシン(o2yW)、ヒドロキシワイブトシン(OHyW)、未修飾ヒドロキシワイブトシン(OHyW*)、7−デアザ−グアノシン、ケウオシン(Q)、エポキシケウオシン(oQ)、ガラクトシル−ケウオシン(galQ)、マンノシル−ケウオシン(manQ)、7−シアノ−7−デアザ−グアノシン(preQ0)、7−アミノメチル−7−デアザ−グアノシン(preQ1)、アルカエオシン(G+)、7−デアザ−8−アザ−グアノシン、6−チオ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−グアノシン、6−チオ−7−デアザ−8−アザ−グアノシン、7−メチル−グアノシン(m7G)、6−チオ−7−メチル−グアノシン、7−メチル−イノシン、6−メトキシ−グアノシン、1−メチル−グアノシン(m1G)、N2−メチル−グアノシン(m2G)、N2,N2−ジメチル−グアノシン(m22G)、N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,7G)、N2、N2,7−ジメチル−グアノシン(m2,2,7G)、8−オキソ−グアノシン、7−メチル−8−オキソ−グアノシン、1−メチル−6−チオ−グアノシン、N2−メチル−6−チオ−グアノシン、N2,N2−ジメチル−6−チオ−グアノシン、α−チオ−グアノシン、2’−O−メチル−グアノシン(Gm)、N2−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2Gm)、N2,N2−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m22Gm)、1−メチル−2’−O−メチル−グアノシン(m1Gm)、N2,7−ジメチル−2’−O−メチル−グアノシン(m2,7Gm)、2’−O−メチル−イノシン(Im)、1,2’−O−ジメチル−イノシン(m1Im)、2’−O−リボシルグアノシン(リン酸)(Gr(p))、1−チオ−グアノシン、O6−メチル−グアノシン、2’‐F‐アラ‐グアノシンおよび2’‐F‐グアノシンを含む。 ヌクレオチドの核酸塩基は、プリン、ピリミジン、プリンまたはピリミジン類似体から独立して選択され得る。例えば、核酸塩基は、アデニン、シトシン、グアニン、ウラシルまたはヒポキサンチンからそれぞれ独立して選択され得る。別の実施形態では、核酸塩基は、例えば、ピアゾロ[3,4−d]ピリミジン、5−メチルシトシン(5−me−C)、5−ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2−アミノアデニン、6−メチルおよび他のアデニンとグアニンのアルキル誘導体、2−プロピルおよび他のアデニンとグアニンのアルキル誘導体、2−チオウラシル、2−チオチミンおよび2−チオシトシン、5−プロピニルウラシルおよびシトシン、6−アゾウラシル、シトシンおよびチミン、5−ウラシル(シュードウラシル)、4−チオウラシル、8−ハロ(例えば、8−ブロモ)、8−アミノ、8−チオール、8−チオアルキル、8−ヒドロキシルおよび他の8−置換アデニンおよびグアニン、5−ハロ特に5−ブロモ、5−トリフルオロメチルおよび他の5−置換ウラシルおよびシトシン、7−メチルグアニンおよび7−メチルアデニン、8−アザグアニンおよび8−アザアデニン、デアザグアニン、7−デアザグアニン、3−デアザグアニン、デアザアデニン、7−デアザアデニン、3−デアザアデニン、ピアゾロ[3,4−d]ピリミジン、イミダゾ[1,5−a]1,3,5トリアジノン、9−デアザプリン、イミダゾ[4,5−d]ピラジン、チアゾロ[4,5−d]ピリミジン、ピラジン−2−オン、1,2,4−トリアジン、ピリダジンおよび1,3,5トリアジンを含む、塩基の天然および合成の誘導体も含み得る。ヌクレオチドを省略表記のA、G、C、TまたはUで表す場合、各文字は、それを示す塩基および/またはその誘導体を指し、例えば、Aは、アデニンまたはアデニン類似体例えば、7−デアザアデニンを含む。 ヌクレオシド間結合の修飾 修飾核酸またはmmRNA分子に組み込まれ得る修飾ヌクレオシドとヌクレオチドは、ヌクレオシド間結合(例えば、リン酸主鎖)上に修飾され得る。主鎖のリン酸基は、酸素原子の1つ以上を異なる置換基で置換することで修飾され得る。さらに、修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、非置換リン酸部分の、本明細書に記載される修飾リン酸による大幅な置換を含み得る。修飾リン酸基の例には、限定ではなく、ホスホロチオエート、ホスホロセレネート、ボラノリン酸、ボラノリン酸エステル、水素ホスホネート、ホスホロアミデート、ホスホロジアミデート、アルキルまたはアリールホスホネートおよびホスホトリエステルが含まれる。ホスホロジチオエートは、非結合酸素がいずれも硫黄で置換されている。リン酸リンカーは、結合する酸素を窒素で置換することにより(架橋ホスホロアミデート)、硫黄で置換することにより(架橋ホスホロチオエート)、および炭素で置換することにより(架橋メチレン−ホスホネート)修飾されることもできる。 非天然ホスホロチオエート主鎖結合を通じてα−チオ置換リン酸部分がRNAとDNAポリマーに安定性を供与するために与えられる。ホスホロチオエートDNAおよびRNAは、ヌクレアーゼ耐性が増加し、次いで細胞内環境での半減期が延長される。ホスホロチオエートが結合した修飾核酸またはmmRNA分子は、細胞の自然免疫分子の弱い結合/活性化を通じて、自然免疫反応を低下させることも期待される。 特定の実施形態では、修飾ヌクレオシドは、α−チオ−ヌクレオシド(例えば、5’−O−(1−チオリン酸)−アデノシン、5’−O−(1−チオリン酸)−シチジン(α−チオ−シチジン)、5’−O−(1−チオリン酸)−グアノシン、5’−O−(1−チオリン酸)−ウリジンまたは5’−O−(1−チオリン酸)−シュードウリジン)を含む。 修飾糖、核酸塩基およびヌクレオシド間結合の組合せ 本発明の修飾核酸とmmRNAは、糖、核酸塩基および/またはヌクレオシド間結合への修飾の組合せを含み得る。これらの組合せは、本明細書に記載されるいずれかの1つ以上の修飾を含み得る。例えば、本明細書に記載される式(Ia)、(Ia−1)〜(Ia−3)、(Ib)〜(If)、(IIa)〜(IIp)、(IIb−1)、(IIb−2)、(IIc−1)〜(IIc−2)、(IIn−1)、(IIn−2)、(IVa)〜(IVl)および(IXa)〜(IXr)のいずれかのヌクレオチドを、本明細書に記載される核酸塩基(例えば、式(b1)〜(b43)のものまたはその他本明細書に記載されるいずれか)のいずれかと組み合わせることができる。 修飾核酸とmmRNA分子の合成 本発明により使用する修飾核酸とmmRNA分子は、本明細書に記載されるような任意の便利な技法にしたがい調製され得る。本明細書に開示の修飾核酸およびmmRNA分子の合成に使用される修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドは、容易に入手可能な出発材料から、以下の一般的な方法と手順を用いて、調製できる。典型的なまたは好ましい作業条件(例えば、反応温度と時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が整えば、当業者であればさらなる作業条件の最適化と開発が可能であろう。最適反応条件は、使用される反応物や溶媒により異なり得るが、そのような条件は当業者による日常的な最適化手順により決定され得る。 本明細書に記載される工程は、当技術分野で既知の任意適切な方法にしたがいモニタリングされ得る。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光法(例えば、1Hまたは13C)赤外線分光法、分光測定法(例えば、UV−可視)、または質量分析、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーにより、モニタリングされ得る。 本発明の修飾核酸とmmRNA分子の調製は、様々な化学基の保護と脱保護を含み得る。保護と脱保護の必要性と、適切な保護基の選択は、当業者には容易に決定され得る。保護基の化学については、例えば、その全容が参照として本明細書に組み込まれる、GreeneらのProtective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed., Wiley & Sons, 1991において見出され得る。 本明細書に記載される工程の反応は、有機化学の当業者により容易に選択され得る適切な溶媒中で行われ得る。適切な溶媒は、反応が行われる温度、すなわち溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度で、出発材料(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応が、1種類の溶媒または2種類以上の溶媒の混合物中で行われ得る。特定の反応ステップにより、特定の反応ステップに適した溶媒が選択され得る。 修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチドのラセミ混合物の分割が、当技術分野で既知の数々の方法のいずれかにより行われ得る。方法の例としては、光学活性な塩形成有機酸である「キラル分離酸」を用いての分別結晶が含まれる。分別結晶に適した分離剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸または様々な光学活性カンファースルホン酸のDおよびL型などの光学活性酸である。ラセミ混合物の分割は、光学活性分離剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムで溶出して行われ得る。適切な溶離溶媒組成物は、当業者により決定され得る。 修飾ヌクレオシドおよびヌクレオチド(例えば、構成要素分子)は、それらの全容が参照として本明細書に組み込まれる、Ogata et al., J. Org. Chem. 74:2585−2588 (2009); Purmal et al., Nucl. Acids Res. 22(1): 72−78, (1994); Fukuhara et al., Biochemistry, 1(4): 563−568 (1962);およびXu et al., Tetrahedron, 48(9): 1729−1740 (1992)に記載の合成法にしたがい調製され得る。 本発明の修飾核酸とmmRNAは、分子の全長にわたり均等に修飾されていなくてもよい。例えば、1つ以上または全種のヌクレオチド(例えば、プリンまたはピリミジン、または、A、G、U、Cのいずれかの1つ以上または全て)は、本発明のポリヌクレオチドまたはその所与の配列領域で均等に修飾されていてもされていなくてもよい。いくつかの実施形態では,本発明のポリヌクレオチド(またはその所与の配列領域)の全ヌクレオチドXは修飾されており、ここでXは、A、G、U、Cのいずれかのヌクレオチドか、またはA+G、A+U、A+C、G+U、G+C、U+C、A+G+U、A+G+C、G+U+CまたはA+G+Cの組合せのいずれかであってよい。 異なる糖修飾、ヌクレオチド修飾および/またはヌクレオシド間結合(例えば、主鎖構造)が修飾核酸またはmmRNAの様々な位置に存在し得る。当業者であれば、ヌクレオチド類似体または他の修飾(複数可)が、修飾核酸またはmmRNAの機能が実質的に低下しないように、修飾核酸またはmmRNAのどの位置(複数可)に位置してもよいことを理解されよう。修飾は、5’または3’末端修飾でもよい。修飾核酸またはmmRNAは、約1%から約100%、またはその間のあらゆるパーセンテージ(例えば、1%から20%、1%から25%、1%から50%、1%から60%、1%から70%、1%から80%、1%から90%、1%から95%、10%から20%、10%から25%、10%から50%、10%から60%、10%から70%、10%から80%、10%から90%、10%から95%、10%から100%、20%から25%、20%から50%、20%から60%、20%から70%、20%から80%、20%から90%、20%から95%、20%から100%、50%から60%、50%から70%、50%から80%、50%から90%、50%から95%、50%から100%、70%から80%、70%から90%、70%から95%、70%から100%、80%から90%、80%から95%、80%から100%、90%から95%、90%から100%および95%から100%)の修飾ヌクレオチドを含み得る。 いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、修飾ピリミジン(例えば、修飾ウラシル/ウリジンまたは修飾シトシン/シチジン)を含む。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNA分子内のウラシルまたはウリジンは、約1%から約100%の修飾ウラシルまたは修飾ウリジン(例えば、1%から20%、1%から25%、1%から50%、1%から60%、1%から70%、1%から80%、1%から90%、1%から95%、10%から20%、10%から25%、10%から50%、10%から60%、10%から70%、10%から80%、10%から90%、10%から95%、10%から100%、20%から25%、20%から50%、20%から60%、20%から70%、20%から80%、20%から90%、20%から95%、20%から100%、50%から60%、50%から70%、50%から80%、50%から90%、50%から95%、50%から100%、70%から80%、70%から90%、70%から95%、70%から100%、80%から90%、80%から95%、80%から100%、90%から95%、90%から100%、および95%から100%の修飾ウラシルまたは修飾ウリジン)で置換され得る。修飾ウラシルまたはウリジンは、単一の独自構造をもつ化合物または異なる構造(例えば,本明細書に記載されるような、2、3、4つ以上の独自構造)を有する複数の化合物で置換され得る。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNA分子中のシトシンまたはシチジンは、約1%から約100%の修飾シトシンまたは修飾シチジン(例えば、1%から20%、1%から25%、1%から50%、1%から60%、1%から70%、1%から80%、1%から90%、1%から95%、10%から20%、10%から25%、10%から50%、10%から60%、10%から70%、10%から80%、10%から90%、10%から95%、10%から100%、20%から25%、20%から50%、20%から60%、20%から70%、20%から80%、20%から90%、20%から95%、20%から100%、50%から60%、50%から70%、50%から80%、50%から90%、50%から95%、50%から100%、70%から80%、70%から90%、70%から95%、70%から100%、80%から90%、80%から95%、80%から100%、90%から95%、90%から100%および95%から100%の修飾シトシンまたは修飾シチジン)で置換され得る。修飾シトシンまたはシチジンは、単一の独自構造をもつ化合物または異なる構造(例えば,本明細書に記載されるような、2、3、4つ以上の独自構造)を有する複数の化合物で置換され得る。 いくつかの実施形態では、本開示は、式(Ia−1):を有するn個の連結ヌクレオシドを含む修飾核酸またはmmRNAを合成する方法を提供し、該方法は、 a)式(IV−1):のヌクレオチドを 式(V−1):のホスホロアミダイト化合物と反応させて、 (式中Y9はH、ヒドロキシ、ホスホリル、ピロリン酸、硫酸、アミノ、チオール、所望により置換されているアミノ酸またはペプチド(例えば、2から12アミノ酸を含む)であり;各P1、P2とP3は、独立して、適切な保護基であり;は固体支持体を意味する) 式(VI−1):の修飾核酸またはmmRNAを得るステップと、 b)式(V)の修飾核酸またはmmRNAを酸化または硫化して式(VII−1):の修飾核酸またはmmRNAを得るステップと、 c)保護基を除去して式(Ia)の修飾核酸またはmmRNAを得るステップを含む。 いくつかの実施形態では、ステップa)とb)は、1回から約10,000回反復される。いくつかの実施形態では、方法は、アデノシン、シトシン、グアノシン、およびウラシルからなる群より選択されるヌクレオチド(例えば、構成要素分子)をさらに含む。いくつかの実施形態では、核酸塩基は、ピリミジンまたはその誘導体であり得る。いくつかの実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは翻訳可能である。 修飾核酸およびmmRNAの他の成分は任意であり、いくつかの実施形態では有益である。例えば、5’非翻訳領域(UTR)および/または3’UTRが与えられ、ここで片方または両方が独立して、1つ以上の異なるヌクレオシド修飾を含み得る。そのような実施形態では、ヌクレオシド修飾は、翻訳可能領域にも存在し得る。また、コザック配列を含む修飾核酸およびmmRNAも提供される。 修飾核酸またはmmRNA、例えば、RNAまたはmRNAに組み込まれる修飾ヌクレオチドの例示的合成を、以下スキーム1から11に示す。スキーム1は、修飾ヌクレオシドを含むヌクレオシドのリン酸化の一般的方法を示す。 スキーム1 様々な保護基を使用して反応が制御され得る。例えば、スキーム2は、ヒドロキシル基の2’および3’位ではなく糖の5’位のリン酸化を促進する複数の保護および脱保護ステップの使用を示す。 スキーム2 修飾ヌクレオチドは、あらゆる便利な方法で合成され得る。スキーム3、4および7は、修飾プリン核酸塩基を有する修飾ヌクレオチドを合成する例となる方法を示し、スキーム5と6は、修飾シュードウリジンまたはシュードイソシチジンを有する修飾ヌクレオチドを合成する例となる方法を示す。 スキーム3 スキーム4 スキーム5 スキーム6 スキーム7 スキーム8と9は、修飾ヌクレオチドの例示的合成を示す。スキーム10は、ヌクレオチドを産生する非限定的な生体触媒的方法を示す。 スキーム8 スキーム9 スキーム10 スキーム11は、修飾ウラシルの例示的合成を示し、ここでN1位が他で示したR12bで修飾されており、リボースの5’位がリン酸化されている。T1、T2、R12a、R12bおよびrは本明細書に示されているとおりである。この合成、ならびにその最適化バージョンは、他のピリミジン核酸塩基およびプリン核酸塩基の修飾(例えば、式(b1)〜(b43)を参照)および/または1つ以上のリン酸基の導入(例えば、糖の5’位)にも使用できる。このアルキル化反応は、1つ以上の所望により置換されているアルキル基を、本明細書に記載のあらゆる核酸塩基のあらゆる反応基(例えばアミノ基)に含めるのにも使用できる(例えば、シトシン、ウラシル、アデニンおよびグアニンのワトソン−クリック塩基対面のアミノ基)。 スキーム11 mmRNAにおけるヌクレオチドの組合せ 修飾ヌクレオチドと修飾ヌクレオチドの組合せのさらなる例を以下表2に示す。これらの修飾ヌクレオチドの組合せは、本発明の修飾核酸またはmmRNAを形成するのに使用され得る。特に断らない限り、修飾ヌクレオチドは、本発明の修飾核酸またはmmRNAの天然ヌクレオチドを完全に置き換えてよい。非限定的な例として、天然ヌクレオチドのウリジンは、本明細書に記載される修飾ヌクレオシドで置換されてよい。別の非限定的な例では、天然ヌクレオチドウリジンは、本明細書に開示される修飾ヌクレオシドの少なくとも1つで部分的に(例えば、約0.1%、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%または99.9%)置換されていてよい。 修飾ヌクレオチドの組合せのさらなる例を以下表3に示す。これらの修飾ヌクレオチドの組合せは、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを形成するのに使用され得る。いくつかの実施形態では、少なくとも25%のシトシンが式(b10)〜(b14)の化合物で置換されている(例えば、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%)。 いくつかの実施形態では、少なくとも25%のウラシルが式(b1)〜(b9)の化合物で置換されている(例えば、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%)。 いくつかの実施形態では、少なくとも25%のシトシンが式(b10)〜(b14)の化合物で置換され、少なくとも25%のウラシルが式(b1)〜(b9)の化合物で置換されている(例えば、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%または約100%)。 修飾核酸分子の合成 本開示により使用される修飾核酸分子は、限定ではなく, 化学合成および酵素的合成などのインビトロの転写、または長い前駆物質の酵素的および化学的切断などを含む、任意入手可能な技法により調製され得る。RNAを合成する方法は、当技術分野で既知である(例えば、それらの全容が参照として本明細書に組み込まれるGait, M.J. (ed.) Oligonucleotide synthesis: a practical approach, Oxford [Oxfordshire], Washington, DC: IRL Press, 1984; and Herdewijn, P. (ed.) Oligonucleotide synthesis: methods and applications, Methods in Molecular Biology, v. 288 (Clifton, N.J.) Totowa, N.J.: Humana Press, 2005を参照)。 本明細書に開示される修飾核酸分子は、容易に入手可能な出発材料から、以下の一般的な方法と手順を用いて調製できる。典型的なまたは好ましい作業条件(例えば、反応温度と時間、反応物のモル比、溶媒、圧力など)が整えば、特に断らない限り他の作業条件も使用され得ることが理解される。最適反応条件は、使用される反応物や溶媒により異なり得るが、そのような条件は当業者による日常的な最適化手順により決定され得る。 本明細書に記載される工程は、当技術分野で既知の任意適切な方法にしたがいモニタリングされ得る。例えば、生成物の形成は、分光学的手段、例えば核磁気共鳴分光法(例えば、1Hまたは13C)赤外線分光法、分光測定法(例えば、UV−可視)、質量分析、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーにより、モニタリングされ得る。 修飾核酸分子の調製は、様々な化学基の保護と脱保護を含み得る。保護と脱保護の必要性と、適切な保護基の選択は、当業者には容易に決定され得る。保護基の化学については、例えば、その全容が参照として本明細書に組み込まれる、GreeneらのProtective Groups in Organic Synthesis, 2d. Ed., Wiley & Sons, 1991において見出され得る。 本明細書に記載される工程の反応は、有機化学の当業者により容易に選択され得る適切な溶媒中で行われ得る。適切な溶媒は、反応が行われる温度、すなわち溶媒の凍結温度から溶媒の沸騰温度の範囲であり得る温度で、出発材料(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性であり得る。所与の反応が、1種類の溶媒または2種類以上の溶媒の混合物中で行われ得る。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに適した溶媒が選択され得る。 修飾核酸分子のラセミ混合物の分割は、当技術分野で既知の数々の方法のいずれでも実施され得る。方法の例としては、限定ではなく、光学活性な塩形成有機酸である「キラル分離酸」を用いての分別結晶が含まれる。分別結晶に適した分離剤は、例えば、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸または様々な光学活性カンファースルホン酸のDおよびL型などの光学活性酸である。ラセミ混合物の分割は、光学活性分離剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムで溶出して行われ得る。適切な溶離溶媒組成物は、当業者により決定され得る。 修飾核酸分子は、分子の全長にわたり均等に修飾されていなくてもよい。異なる核酸修飾および/または主鎖構造が核酸の様々な位置に存在し得る。当業者であれば、ヌクレオチド類似体または他の修飾(複数可)が、核酸の機能が実質的に低下しないように、核酸のどの位置(複数可)に位置してもよいことを理解されよう。修飾は、5’または3’末端修飾でもよい。核酸は、最低1%かつ最大100%の修飾ヌクレオチド、または少なくとも5%の修飾ヌクレオチド、少なくとも10%の修飾ヌクレオチド、少なくとも25%の修飾ヌクレオチド、少なくとも50%の修飾ヌクレオチド、少なくとも80%の修飾ヌクレオチドまたは少なくとも90%の修飾ヌクレオチドなどのその間のあらゆるパーセンテージを含み得る。例えば、核酸は、ウラシルまたはシトシンなどの修飾ピリミジンを含み得る。いくつかの実施形態では、核酸中少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%のウラシルが修飾ウラシルで置換され得る。修飾ウラシルは、単一の独自構造を有する化合物で置換され得、または異なる構造(例えば、2、3、4つ以上の独自構造)を有する複数の化合物で置換され得る。いくつかの実施形態では、核酸中少なくとも5%、少なくとも10%、少なくとも25%、少なくとも50%、少なくとも80%、少なくとも90%または100%のシトシンが修飾シトシンで置換され得る。修飾シトシンは、単一の独自構造を有する化合物で置換され得、または異なる構造(例えば、2、3、4つ以上の独自構造)を有する複数の化合物で置換され得る。 一般に、本明細書では「mmRNA」と呼ばれる本開示の修飾mRNAの最短の長さは、ジペプチドをコードするのに十分であり得るmRNA配列の長さであり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、トリペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、テトラペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、ペンタペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、ヘキサペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、ヘプタペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、オクタペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、ノナペプチドをコードするのに十分であり得る。別の実施形態では、mRNA配列の長さは、デカペプチドをコードするのに十分であり得る。 修飾核酸分子配列がコードできるジペプチドの例は、限定ではなく、カルノシンとアンセリンを含む。 さらなる実施形態では、mRNAは30ヌクレオチドを超える長さであり得る。別の実施形態では、mRNAは35ヌクレオチドを超える長さであり得る(例えば、少なくとも約35、40、45、50、55、60、70、80、90、100、120、140、160、180、200、250、300、350、400、450、500、600、700、800、900、1,000、1,100、1,200、1,300、1,400、1,500、1,600、1,700、1,800、1,900、2,000、2,500、3,000、4,000および5,000ヌクレオチドであるか、これらよりも長い)。 修飾核酸分子の例示的特性 主溝相互作用パートナー 本明細書に記載される修飾核酸分子、例えば、修飾mRNA(mmRNA)は、ヌクレオチドまたは核酸の主溝面との相互作用、例えば結合を介してRNAリガンドを検出し応答する認識受容体との相互作用を攪乱し得る。したがって、本明細書に記載される修飾ヌクレオチドまたは修飾核酸分子を含むRNAリガンドは、主溝結合パートナーとの相互作用を低下させ、したがって、自然免疫反応または炎症促進性サイトカインの発現と分泌、またはその両方を低下させる。 主溝相互作用、例えば結合パートナーの例は、限定ではなく、以下のヌクレアーゼとヘリカーゼを含む。膜内で、TLR(Toll様受容体)3,7および8は単鎖および二本鎖RNAに応答できる。細胞質内で、DEX(D/H)ヘリカーゼのスーパーファミリー2のメンバーとATPアーゼは、RNAを検知し、抗ウイルス応答を開始できる。これらのヘリカーゼは、RIG−I(レチノイン酸誘導遺伝子I)とMDA5(黒色腫分化関連性遺伝子5)を含む。他の例は、laboratory of genetics and physiology 2(LGP2)、タンパク質を含むHIN−200ドメインまたはヘリカーゼ−ドメイン含有タンパク質を含む。 修飾核酸分子を用いての自然細胞免疫反応の予防または低減 本明細書に記載される修飾核酸分子、例えば、mmRNAは、細胞内の自然免疫反応を低下させる。「自然免疫反応」という用語は、限定ではないが一般にはウイルスまたは細菌由来の単鎖核酸を含む外因性核酸に対する細胞反応を含み、サイトカイン、特にインターフェロンの発現と放出、および細胞死の誘導を含む。タンパク質合成も自然細胞免疫反応中に低下し得る。細胞内の自然免疫反応を排除することは有利であるが、本開示は、そのような反応全てを除去することなく、インターフェロンシグナル伝達を含む免疫反応を大幅に低下させる修飾mRNAを提供する。いくつかの実施形態では、免疫反応は、対応する非修飾核酸分子に誘導される免疫反応と比べ、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、99.9%または99.9%以上低下し得る。そのような低下は、インターフェロン1型の発現または活性レベル、またはToll様受容体(例えば、TLR7およびTLR8)などのインターフェロンが調節する遺伝子の発現により測定され得る。自然免疫反応の低下は、細胞集団に対する修飾RNAの1回または複数の投与後の細胞死の低下によっても測定され得、たとえば、細胞死は、対応する非修飾核酸分子で観察されるよりも10%、25%、50%、75%、85%、90%、95%または95%以上少ない細胞死頻度である。さらに、細胞死は、修飾核酸分子が接触した細胞の50%、40%、30%、20%、10%、5%、1%、0.1%よりも少ないか、0.01%以下に、影響し得る。 本開示は、標的細胞集団への、たとえばインビトロ、エックスビボまたはインビボでの修飾核酸分子の頻回導入(例えば、トランスフェクション)を提供する。細胞集団との接触ステップは、1回または複数回(たとえば2、3、4、5回または6回以上)繰り返してよい。いくつかの実施形態では、細胞集団を修飾核酸分子に接触させるステップは、その細胞集団において所定のタンパク質翻訳効率が得られるよう十分な回数繰り返してよい。核酸修飾により標的細胞集団の毒性が低下しているので、そのような頻回のトランスフェクションは様々な細胞種において達成可能である。 本明細書で教示される修飾の組合せを含む本発明の修飾核酸は、それらを治療様式としてより適切にする優れた特性を有し得る。 当分野の「全か無か」のモデルは、修飾mRNAの治療的利用に関連づけられる生物学的現象を記述するのにまったく不十分であることが確認されている。発明者らは、タンパク質産生を向上するためには、修飾または修飾の組合せの性質、修飾パーセントを考慮し、2以上のサイトカインまたは測定基準を調査して特定の修飾mRNAの有効性とリスクのプロファイルを決定し得る、と定めている。 本発明の一態様では、修飾mRNAの有効性を非修飾と比較して決定する方法は、本発明の外因性核酸の投与により発現が引き起こされる、1つ以上のサイトカインの測定と分析を含む。これらの値は、非修飾核酸の投与、またはサイトカイン反応、ポリIC、R−848または当技術分野で既知の他の基準などの標準的測定基準と比較される。 本明細書で開発される標準的測定基準の一例は、細胞、組織または生物内で産生される翻訳ポリペプチド(タンパク質)のレベルまたは量と、細胞、組織または生物内で修飾核酸の投与または接触の結果として発現が引き起こされるサイトカインの1つ以上(またはパネル)のレベルまたは量の比率の測定である。そのような比率は、ここでは、タンパク質:サイトカイン比率または「PC」比率と呼ばれる。PC比率が高いほど、修飾核酸は有効である(タンパク質をコードするポリヌクレオチドを測定)。サイトカインに対する本発明の好ましいPC比率は、1より大きい、10より大きい、100より大きい、1000より大きい、10,000より大きい、またはそれよりも大きくてよい。異なるまたは非修飾構築物の修飾核酸よりも高いPC比率を有する修飾核酸が好ましい。 PC比率は、ポリヌクレオチド中に存在する修飾パーセントによりさらに認定される。例えば、100%の修飾核酸に基準化すると、サイトカインの機能(またはリスク)としてのタンパク質産生またはサイトカインプロファイルが決定され得る。 1つの実施形態では、本発明は、化学作用、サイトカインまたは修飾パーセントで、修飾核酸(ポリヌクレオチド)のPC比率を比較することによりあらゆる特定の修飾ポリヌクレオチドの相対的な有効性を決定する方法を提供する。 免疫反応の活性化:ワクチン 本発明の1つの実施形態では、mRNA分子は生物の免疫反応を引き出すかまたは誘発するために使用され得る。送達されるmRNA分子は、免疫原性ペプチドまたはポリペプチドをコードし得、2以上のそのようなペプチドまたはポリペプチドをコードし得る。 さらに、特定の修飾ヌクレオシドまたはそれらの組合せは、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAに導入されると、自然免疫反応を活性化する。そのような活性化分子は、ポリペプチドおよび/または他のワクチンと組み合わせるとアジュバントとして有用である。特定の実施形態では、活性化分子は、ワクチンとして有用なポリペプチド配列をコードする翻訳可能領域を含み、したがって自己アジュバントとなる能力を提供する。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、免疫原をコードし得る。免疫原をコードする修飾核酸分子および/またはmmRNAの送達は、免疫反応を活性化し得る。非限定的な例として、免疫原をコードする修飾核酸分子および/またはmmRNAは、細胞に送達されて複数の自然反応経路をトリガーし得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012006377号を参照)。別の非限定的な例として、免疫原をコードする本発明の修飾核酸分子とmmRNAは、脊椎動物に、その脊椎動物の免疫原となるのに十分な量で、送達され得る(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012006372号と同第2012006369号を参照)。 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、ワクチンのポリペプチド配列をコードし得、さらに阻害剤を含み得る。阻害剤は抗原提示を損ない得、および/または当技術分野で既知の様々な経路を阻害し得る。非限定的な例として、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、抗原提示を損ない得る阻害剤との組合せでワクチンに使用してよい(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012089225号と同第2012089338号を参照)。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、自己複製RNAであり得る。自己複製RNA分子は、RNA送達と囲包された遺伝子産物の発現の効率を高め得る。1つの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、少なくとも1つの本明細書に記載されるおよび/または当技術分野で既知の修飾を含み得る。1つの実施形態では,自己複製RNAは、自己複製RNAが感染性ウイルス粒子の産生を誘発しないように設計され得る。非限定的な例として、自己複製RNAは、それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20110300205号と国際公開第2011005799号に記載される方法で設計され得る。 1つの実施形態では、本発明の自己複製修飾核酸分子またはmmRNAは、免疫反応を生じ得るタンパク質をコードし得る。非限定的な例として、修飾核酸分子および/またはmmRNAは、少なくとも1つの抗原をコードし得る自己複製mRNAであり得る(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20110300205号と国際公開第2011005799を参照)。 1つの実施形態では、本発明の自己複製修飾核酸分子またはmmRNAは、本明細書に記載されるまたは当技術分野で既知の方法を用いて製剤され得る。非限定的な例として、自己複製RNAは、Geallら(その全容が参照により本明細書に組み込まれるNonviral delivery of self−amplifying RNA vaccines, PNAS 2012; PMID: 2290829)に記載される方法により送達用に製剤され得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、両親媒性および/または免疫原性両親媒性ペプチドをコードし得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAの製剤は、両親媒性および/または免疫原性両親媒性ペプチドをさらに含み得る。非限定的な例として、両親媒性および/または免疫原性両親媒性ペプチドを含む修飾核酸分子またはmmRNAは、それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20110250237号ならびに国際公開第2010009277号および同第2010009065号に記載されるように製剤され得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、免疫賦活性であり得る。非限定的な例として、修飾核酸分子およびmmRNAは、プラス鎖またはマイナス鎖RNAウイルスゲノムの全部または一部をコードし得る(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012092569号および米国出願公開第20120177701号を参照)。別の非限定的な例では、本発明の免疫賦活性修飾核酸分子またはmmRNAは、本明細書に記載されるおよび/または当技術分野で既知の賦形剤とともに投与用に製剤され得る(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012068295号および米国出願公開第20120213812号を参照)。 1つの実施形態では、本明細書に記載される方法で製剤されたワクチンの応答は、治療効果を誘発する様々な化合物を加えて増強され得る。非限定的な例として、ワクチン製剤は、MHCII結合ペプチドまたはMHCII結合ペプチドに類似の配列を有するペプチドを含み得る(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012027365号、同第2011031298号および米国出願公開第20120070493号、同第US20110110965号を参照)。別の例として、ワクチン製剤は、対象におけるニコチン残基に対する抗体反応を生成し得る修飾ニコチン化合物を含み得る(それらの全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012061717号および米国出願公開第20120114677号を参照)。 ポリペプチド変異体 修飾核酸分子は、基準ポリペプチド配列と特定の同一性のあるポリペプチド、例えば変異体ポリペプチドをコードする。「同一性」という用語は、当技術分野で知られるように、2以上のペプチドの配列間で配列を比較して決定される関係を指す。当分野では、「同一性」は、2以上のアミノ酸残基の鎖間の一致数により決定されるペプチド同士の配列関連性の度合いも指す。同一性は、特定の数学モデルまたはコンピュータープログラム(すなわち「アルゴリズム」)に指定される、(存在する場合は)ギャップアラインメントを有する2以上の配列の小さい方の間の同一整合のパーセントを測る。関連ペプチドの同一性は、既知の方法で容易に計算できる。そのような方法は、限定ではなく、その全容がすべて参照により本明細書に組み込まれるComputational Molecular Biology, Lesk, A. M., ed., Oxford University Press, New York, 1988; Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D. W., ed., Academic Press, New York, 1993; Computer Analysis of Sequence Data, Part 1, Griffin, A. M., and Griffin, H. G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994; Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987; Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M. Stockton Press, New York, 1991;およびCarillo et al., SIAM J. Applied Math. 48, 1073 (1988)に記載されるものを含む。 いくつかの実施形態では、ポリペプチド変異体は、基準ポリペプチドと同じか類似の活性を有し得る。あるいは、変異体は、基準ポリペプチドと比べて改変された活性(例えば増加または減少)を有し得る。一般に、本開示の特定のポリヌクレオチドまたはポリペプチドの変異体は、本明細書に記載される当業者には既知の配列アラインメントプログラムおよびパラメータにより決定される場合、その特定の基準ポリヌクレオチドまたはポリペプチドと、少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、またはそれ以上の配列同一性を有する。 当業者ならば認識しようが、タンパク質断片、機能タンパク質ドメインおよび相同タンパク質も、本開示の範囲であるとみなされる。例えば、本明細書では、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100または100を超えるアミノ酸長さの、基準タンパク質の任意のタンパク質断片(基準ポリペプチド配列よりも少なくとも1アミノ酸残基だけ短いが他は同一であるポリペプチド配列を意味する)が提供される。別の例では、本明細書に記載されるいずれかの配列と約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%または約100%同一である、約20、約30、約40、約50または約100個のアミノ酸伸長を含む任意のタンパク質が、本開示にしたがい利用され得る。特定の実施形態では、本開示にしたがい利用されるタンパク質配列は、本明細書に提供または参照されるいずれかの配列に示されるような、2、3、4、5、6、7、8、9、10または11以上の突然変異(mutations)を含む。 ポリペプチド−核酸複合体 適切なタンパク質翻訳は、mRNAに関連するある数のポリペプチドと核酸の物理的集合を含む。本開示は、1つ以上のヌクレオシド修飾(例えば、少なくとも2つの異なるヌクレオシド修飾)とmRNAに結合した1つ以上のポリペプチドを有する翻訳可能mRNAを含むタンパク質−核酸複合体を提供する。一般に、タンパク質は、この複合体が導入される細胞の自然免疫反応を回避または低下させるのに有効な量で提供される。 翻訳不可能修飾核酸分子 本明細書に記載されるように、実質的に翻訳不可能な配列を有するmRNAが提供される。そのようなmRNAは、対象に投与される場合ワクチンとして有効であり得る。ワクチンを投与される対象が哺乳動物であり得、より好ましくはヒトであり、最も好ましくは患者であることがさらに提供される。 1つ以上の非コード領域を含む修飾核酸分子も提供される。そのような修飾核酸分子は一般には翻訳されないが、1つ以上の翻訳機構成分、たとえばリボソームタンパク質または転移RNA(tRNA)などに結合し捕捉する能力があるので、細胞内でのタンパク質発現を有効に低下させる。修飾核酸分子は、核小体低分子RNA(sno−RNA)、マイクロRNA(miRNA)、低分子干渉RNA(siRNA)またはPiwi相互作用RNA(piRNA)を含み得る。 医薬組成物 製剤、投与、送達および投薬 本発明は、修飾核酸およびmmRNA組成物ならびに1つ以上の薬剤的に許容可能な賦形剤と組み合わせた複合体を提供する。医薬組成物は、1つ以上の追加の活性物質、例えば治療的および/または予防的活性物質を所望により含んでよい。製剤および/または薬剤の製造における一般的考察は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2005(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に見出され得る。 いくつかの実施形態では、組成物は、ヒト、ヒト患者または対象に投与される。本開示の目的では、「活性成分」という語句は、一般に、本明細書に記載されるような、送達される修飾核酸およびmmRNAを指す。 ここで提供される医薬組成物の説明は主としてヒトへの投与に適した医薬組成物に関するが、当業者であれば、そのような組成物は一般に、他の任意の動物、例えば非ヒト動物、例えば非ヒト哺乳動物への投与に適していることを理解されよう。様々な動物への投与に適した組成物を得るための、ヒトへの投与に適した医薬組成物の修飾は、よく理解されており、通常の技術を有する獣医薬理学者であれば、せいぜい通常の実験をするだけでそのような修飾を設計および/または実施できる。医薬組成物の投与が企図される対象には、限定ではなく、ヒトおよび/または他の霊長類;家畜、ブタ、ウマ、ヒツジ、ネコ、イヌ、マウスおよび/またはラットなどの商業関連の哺乳動物を含む哺乳動物;および/または家禽、ニワトリ、アヒル、ガチョウおよび/またはシチメンチョウなどの商業関連のトリを含む鳥類が含まれる。 本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、あらゆる既知のまたは今後薬理学分野で開発される方法で調製され得る。一般に、そのような調製方法は、活性成分を賦形剤および/または1つ以上の他の副成分と結合させるステップ、次いで必要および/または所望される場合は、製品の分割、成形および/または所望の単回または反復投与単位に包装するステップを含む。 本発明による医薬組成物は、単回単位用量としておよび/または複数の単回単位用量として調製され、包装され、および/または原体で販売され得る。ここでは「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量である。活性成分の量は、一般に、対象に投与され得る活性成分の用量に等しいおよび/またはそのような用量の好都合な画分、例えばそのような用量の半分または3分の1である。 本発明による医薬組成物中の活性成分、薬剤的に許容可能な賦形剤および/または任意の追加成分の相対量は、治療対象が何であるか、そのサイズ、および/または状態により、またさらに組成物の投与経路により異なる。例として、組成物は、0.1%から100%、例えば、0.5から50%、1〜30%、5〜80%、少なくとも80%(w/w)の活性成分を含み得る。 製剤 本発明の修飾核酸およびmmRNAは、1つ以上の賦形剤を用いて製剤され得、(1)安定性が増加する;(2)細胞トランスフェクションが増加する;(3)(例えば、修飾核酸またはmmRNAのデポ剤からの)徐放性または遅効型放出を可能にする;(4)体内分布を変える(例えば、修飾核酸またはmmRNAを特定の組織または細胞種に向ける);(5)コードされたタンパク質のインビボでの翻訳を増加させる;および/または(6)コードされたタンパク質のインビボでの放出特性を変える。溶媒、分散媒、希釈物または他の液体ビヒクル、分散または懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘または乳化剤、保存料のいずれかまたは全てなどの従来からの賦形剤に加えて、本発明の賦形剤は、限定ではなく、リピドイド、リポソーム、脂質ナノ粒子、ポリマー、リポプレックス、コアシェルナノ粒子、ペプチド、タンパク質、修飾核酸またはmmRNAトランスフェクションされた細胞(例えば対象への移植のため)、ヒアルロニダーゼ、ナノ粒子模倣体およびそれらの組合せを含み得る。したがって、本発明の製剤は、1つ以上の賦形剤を、それぞれ、ともに修飾核酸またはmmRNAの安定性を増加させ、修飾核酸またはmmRNAによる細胞のトランスフェクションを増加させ、修飾核酸またはmmRNAにコードされるタンパク質の発現を増加させ、および/または修飾核酸またはmmRNAにコードされるタンパク質の放出特性を変える量で、含み得る。さらに、本発明の修飾核酸およびmmRNAは、自己会合核酸ナノ粒子を用いて製剤してもよい。 本明細書に記載される医薬組成物の製剤は、あらゆる既知のまたは今後薬理学分野で開発される方法で調製され得る。一般に、そのような調製方法は、活性成分を賦形剤および/または1つ以上の他の副成分と結合させるステップを含む。 本開示による医薬組成物は、単回単位用量としておよび/または複数の単回単位用量として調製され、包装され、および/または原体で販売され得る。ここでは「単位用量」は、所定量の活性成分を含む医薬組成物の個別の量を指す。活性成分の量は、一般に、対象に投与され得る活性成分の用量に等しいおよび/またはそのような用量の好都合な画分、例えば、限定ではないが、そのような用量の半分または3分の1であり得る。 本開示による医薬組成物中の活性成分、薬剤的に許容可能な賦形剤および/または任意の追加成分の相対量は、治療されている対象が何であるか、そのサイズ、および/またはの状態により、またさらに組成物の投与経路により異なり得る。例えば、組成物は、0.1%から99%(w/w)の活性成分を含み得る。 いくつかの実施形態では、本明細書に記載される修飾mRNA製剤は、少なくとも1つの修飾mRNAを含み得る。製剤は、1、2、3、4または5つの修飾mRNAを含み得る。1つの実施形態では、製剤は、タンパク質をコードする少なくとも3つの修飾mRNAを含む。1つの実施形態では、製剤は、タンパク質をコードする少なくとも5つの修飾mRNAを含む。 医薬製剤は、ここでは、限定ではなく、あらゆる全ての溶媒、分散媒、希釈物または他の液体ビヒクル、分散または懸濁補助剤、界面活性剤、等張剤、増粘または乳化剤、保存料などを含む、所望される特定の剤形に適した、薬剤的に許容可能な賦形剤を追加で含み得る。医薬組成物を製剤する様々な賦形剤および組成物の調製技法は当技術分野で既知である(その全容が参照により本明細書に組み込まれるRemington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, A. R. Gennaro, Lippincott, Williams & Wilkins, Baltimore, MD, 2006を参照)。一般的な賦形媒体の使用が、いずれかの一般的な賦形媒体も、何等かの望ましくない生物学的効果を生じたり、それ以外にも医薬組成物のいずれかの他の成分(複数可)と有害な相互作用をするなど、物質またはその誘導体と不適合でないかぎり、本開示の範囲内に企図されている。 いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子の粒子サイズは増加および/または減少させてよい。粒子サイズの変化は、限定ではないが炎症などの生物学的反応を阻止するのを補助でき得るか、または哺乳動物に送達された修飾mRNAの生物学的効果を増加させ得る。 医薬組成物の製造に使用される薬剤的に許容可能な賦形剤は、限定ではなく、不活希釈物、界面活性剤および/または乳液、保存料、緩衝剤、滑沢剤および/または油を含む。そのような賦形剤は、本発明の医薬製剤に所望により含まれ得る。 リピドイド リピドイドの合成は広く記載されており、これらの化合物を含む製剤は特に修飾核酸分子またはmmRNAの送達に適している(その全容がすべて参照により本明細書に組み込まれるMahon et al., Bioconjug Chem. 2010 21:1448−1454; Schroeder et al., J Intern Med. 2010 267:9−21; Akinc et al., Nat Biotechnol. 2008 26:561−569; Love et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 107:1864−1869; Siegwart et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 108:12996−3001を参照)。 これらのリピドイドは、げっ歯類と非ヒト霊長類において2本鎖低分子干渉RNA分子を効果的に送達するのに使用されているが(その全容がすべて参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Nat Biotechnol. 2008 26:561−569; Frank−Kamenetsky et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2008 105:11915−11920; Akinc et al., Mol Ther. 2009 17:872−879; Love et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 107:1864−1869; Leuschner et al., Nat Biotechnol. 2011 29:1005−1010を参照)、本開示は、それらの製剤と、1本鎖修飾核酸分子またはmmRNAの送達における使用を記述する。複合体、ミセル、リポソームまたは粒子はこれらのリピドイドを含んで調製され得るので、局所および/または全身投与経路によるリピドイド製剤注入後のコードされたタンパク質の産生により判断すると、修飾核酸分子またはmmRNAが効果的に送達される結果になる。修飾核酸分子またはmmRNAのリピドイド複合体は、限定ではなく、静脈内、筋肉内または皮下経路を含む様々な方法により投与され得る。 核酸のインビボでの送達は、限定ではなく、製剤の組成、粒子のペグ化の性質、ロードの程度、オリゴヌクレオチドと脂質の比率および生物物理学的パラメータ、たとえば限定ではなく粒子サイズを含む多くのパラメータに影響され得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Mol Ther. 2009 17:872−879を参照)。一例として、ポリ(エチレングリコール)(PEG)脂質のアンカー鎖の長さのわずかな変化が、インビボでの有効性に大きな影響を及ぼし得る。限定ではなく、ペンタ[3−(1−ラウリルアミノプロピオニル)]−トリエチレンテトラミンヒドロクロリド(98N12−5として知られるTETA−5LAP;その全容が参照により本明細書に組み込まれるMurugaiah et al., Analytical Biochemistry, 401:61 (2010)を参照)、C12−200(誘導体と変異体を含む)およびMD1を含む異なるリピドイドとの製剤のインビボ活性が試験され得る。 本明細書で「98N12−5」と呼ばれるリピドイドは、Akinc et al., Mol Ther. 2009 17:872−879に開示されており、その全容が参照により本明細書に組み込まれる(図1参照)。 本明細書で「C12−200」と呼ばれるリピドイドは、Love et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 107:1864−1869 およびLiu and Huang, Molecular Therapy. 2010 669−670に開示されており(図1参照)、いずれもその全容が参照により本明細書に組み込まれる。リピドイド製剤は、修飾核酸分子またはmmRNAに加えて3つか4つまたはそれより多くの成分を含む粒子を含み得る。一例として、特定のリピドイドを含む製剤は、限定ではなく98N12−5を含み、42%リピドイド、48%コレステロールおよび10%PEG(C14アルキル鎖長)をさらに含み得る。別の例として、特定のリピドイドを含む製剤は、限定ではなくC12−200を含み、50%リピドイド、10%ジステロイルホスファチジルコリン、38.5%コレステロールおよび1.5%PEG−DMGを含み得る。 1つの実施形態では、全身性静脈内投与用にリピドイドとともに製剤された修飾核酸分子またはmmRNAは、肝臓を標的にし得る。例えば、修飾核酸分子またはmmRNAを用いた、42%98N12−5、48%コレステロールおよび10%PEG−脂質の脂質モル濃度の組成を含み、約7.5対1の全脂質対修飾核酸またはmmRNAの最終重量比を有し、PEG脂質上のアルキル鎖長がC14であり、平均粒子径がおよそ50〜60nmである最終最適化された静脈内製剤は、製剤の分布が肝臓に90%以上となる結果をもたらし得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Mol Ther. 2009 17:872−879を参照)。別の例では、C12−200(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国特許仮出願第61/175,770号および国際公開公報第2010129709号を参照)リピドイドを用いた静脈内製剤は、C12−200/ジステロイルホスファチジルコリン/コレステロール/PEG−DMGのモル比50/10/38.5/1.5を有し得、約7対1の全脂質対修飾核酸またはmmRNAの重量比を有し得、平均粒子径が80nmであり、修飾核酸分子またはmmRNAを肝細胞に送達するのに有効であり得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれるLove et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2010 107:1864−1869を参照)。別の実施形態では、MD1リピドイド含有製剤は、修飾核酸分子またはmmRNAを肝細胞にインビボで有効送達するのに使用され得る。筋肉内または皮下経路の最適化リピドイド製剤の特徴は、標的の細胞種および製剤が細胞外マトリックスを通って血流に拡散する能力により大きく異なり得る。内皮窓のサイズにより、肝細胞への有効送達には150nm未満の粒子径が望ましい場合があるが(その全容が参照により本明細書に組み込まれるAkinc et al., Mol Ther. 2009 17:872−879を参照)、限定ではなく、内皮細胞、骨髄系細胞および筋肉細胞を含む他の細胞種に製剤を送達する場合のリピドイド製剤修飾核酸分子またはmmRNAの使用は、同様にサイズが限定されない可能性がある。siRNAを骨髄系細胞および内皮などの他の非肝細胞にインビボで送達する場合のリピドイド製剤の使用が報告されている(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれるAkinc et al., Nat Biotechnol. 2008 26:561−569; Leuschner et al., Nat Biotechnol. 2011 29:1005−1010; Cho et al. Adv. Funct. Mater. 2009 19:3112−3118; 8th International Judah Folkman Conference, Cambridge, MA October 8−9, 2010を参照)。単球などの骨髄系細胞への有効送達、リピドイド製剤は同様の成分モル比を有し得る。リピドイドと、限定ではなくジステロイルホスファチジルコリン、コレステロールおよびPEG−DMGを含む他の成分の異なる比率が、限定ではなく肝細胞、骨髄系細胞、筋肉細胞などを含む異なる細胞種に送達される修飾核酸またはmmRNAの製剤を最適化するのに使用され得る。例えば、成分モル比は、限定ではなく、50%のC12−200、10%のジステロイルホスファチジルコリン、38.5%のコレステロール、および%1.5のPEG−DMGを含み得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれるLeuschner et al., Nat Biotechnol 2011 29:1005−1010を参照)。皮下または筋肉内送達による、細胞(限定ではなく、脂肪細胞および筋肉細胞など)への核酸の局所送達へのリピドイド製剤の使用は、全身送達に所望される全ての製剤成分を要しないことがあり、リピドイドと修飾核酸分子またはmmRNAだけを含み得る。 異なるリピドイドの組合せは、リピドイドが修飾核酸分子またはmmRNAにより細胞のトランスフェクションを増加させることができ得;および/またはコードされたタンパク質の翻訳を増加させることができ得るので、修飾核酸分子またはmmRNAが指令するタンパク質産生の効率を向上させるのに使用され得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれるWhitehead et al., Mol. Ther. 2011, 19:1688−1694を参照)。 リポソーム、リポプレックスおよび脂質ナノ粒子 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、1つ以上のリポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子を用いて製剤され得る。1つの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAの医薬組成物は、リポソームを含む。リポソームは、人工的に調製される小胞で、主として脂質二重層で構成され得、栄養剤と医薬製剤の投与用の送達ビヒクルとして使用され得る。リポソームは異なる寸法であり得、例えば、限定ではなく、多ラメラ小胞(MLV)は直径が数百ナノメートルであり得、狭い水性コンパートメントで分離された一連の同心二重層を含み得、小単細胞小胞(SUV)は直径50nm未満であり得、大単ラメラ小胞(LUV)は直径50〜500nmであり得る。リポソームの設計は、リポソームの不健康な組織への結合を向上させるか、または限定ではなく飲食作用などのイベントを活性化するため、限定ではなく、オプソニンまたはリガンドを含み得る。リポソームは、医薬製剤の送達を向上させるために低いかまたは高いpHを含み得る。 リポソームの形成は、限定ではなく、封入される医薬製剤およびリポソーム成分、脂質小胞が分散される媒体の性質、封入される物質の有効濃度とその潜在的毒性、小胞の適用および/または送達中に関与するあらゆる追加の工程、最適化サイズ、多分散性および意図される適用での小胞の有効期間、ならびにバッチ間の再現性および安全かつ高効率のリポソーム製品の大規模生産の可能性などの物理化学的特徴により得る。 1つの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、限定ではなく、1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DODMA)リポソーム、Marina Biotech(ワシントン州ボセル)のDiLa2リポソーム、1,2−ジリノレイルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLin−DMA)、2,2−ジリノレイル−4−(2−ジメチルアミノエチル)−[1,3]−ジオキソラン(DLin−KC2−DMA)およびMC3(その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20100324120号)から形成されるようなリポソーム、および限定ではなくJanssen Biotech Inc(ペンシルバニア州ホーシャム)のドキシル(登録商標)などの低分子薬物を送達し得るリポソームを含み得る。1つの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、限定ではなく、以前記述され、オリゴヌクレオチドのインビトロとインビボでの送達に適していることが示されている安定化プラスミド−脂質粒子(SPLP)または安定化核酸脂質粒子(SNALP)の合成から形成されるものなどのリポソームを含み得る(その全容がすべて参照により本明細書に組み込まれるWheeler et al. Gene Therapy. 1999 6:271−281; Zhang et al. Gene Therapy. 1999 6:1438−1447; Jeffs et al. Pharm Res. 2005 22:362−372; Morrissey et al., Nat Biotechnol. 2005 2:1002−1007; Zimmermann et al., Nature. 2006 441:111−114; Heyes et al. J Contr Rel. 2005 107:276−287; Semple et al. Nature Biotech. 2010 28:172−176; Judge et al. J Clin Invest. 2009 119:661−673; deFougerolles Hum Gene Ther. 2008 19:125−132を参照)。Wheelerらの元々の方法は、界面活性剤透析法であったが、後にJeffsらが改良を加え、自発小胞形成法と呼ばれている。リポソーム製剤は、修飾核酸分子またはmmRNAに加えて3〜4つの脂質成分で構成される。一例として、リポソームは、Jeffsらに記述されるように、限定ではなく、55%のコレステロール、20%のジステロイルホスファチジルコリン(DSPC)、10%のPEG−S−DSGおよび15%の1,2−ジオレイルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(DODMA)を含み得る。別の例としては、特定のリポソーム製剤は、Heyesらに記述されるように、限定ではなく、48%のコレステロール、20%のDSPC、2%のPEG−c−DMAおよび30%のカチオン性脂質を含み得、ここでカチオン性脂質は1,2−ジステアルオキシ−N,N−ジメチルアミノプロパン(1,2−distearloxy−N,N−dimethylaminopropane)(DSDMA)、DODMA、DLin−DMAまたは1,2−ジリノレニルオキシ−3−ジメチルアミノプロパン(DLenDMA)を含み得る。 1つの実施形態では、医薬組成物は、少なくとも1つの免疫原をコードし得るmmRNAを送達するために形成され得るリポソームを含み得る。mmRNAはリポソームに封入され得、および/または水性コアに含まれてからリポソームに封入され得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2012031046号、同第2012031043号、同第2012030901号および同第2012006378号を参照)。別の実施形態では、免疫原をコードし得るmmRNAは、カチオン性の水中油の乳剤中で製剤され得、ここで乳剤粒子は油のコアとmmRNAと相互作用できるカチオン性脂質を含み、分子を乳剤粒子に固定する(その全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012006380号を参照)。さらに別の実施形態では、脂質製剤は、少なくともトランスフェクションを増強し得る脂質であるカチオン性脂質と、脂質部分に連結した親水性頭部基を含む少なくとも1種類の脂質を含み得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2011076807号および米国出願公開第20110200582号を参照)。別の実施形態では、免疫原をコードする修飾mRNAは、官能性脂質二重層間に架橋結合を有し得る脂質小胞内で製剤され得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20120177724号を参照)。 1つの実施形態では、修飾mRNAは、官能性脂質二重層間に架橋結合を有し得る脂質小胞内で製剤され得る。 1つの実施形態では、修飾mRNAは脂質−ポリカチオン複合体内で製剤され得る。脂質−ポリカチオン複合体の形成は、当技術分野で既知の方法で達成され得、および/またはその全容が参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20120178702号に記載されるように達成され得る。非限定的な例として、ポリカチオンは、限定ではなく、ポリリジン、ポリオルニチンおよび/またはポリアルギニンなどのカチオン性ペプチドまたはポリペプチド、およびその全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012013326号に記載されるカチオン性ペプチドを含み得る。別の実施形態では、修飾mRNAは、限定ではなく、コレステロールまたはジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)などの中性脂質をさらに含み得る脂質−ポリカチオン複合体内で製剤され得る。 リポソーム製剤は、限定ではなく、カチオン性脂質成分の選択、カチオン性脂質の飽和度、ペグ化の性質、全成分比およびサイズなどの生物物理学的パラメータに影響され得る。Sempleら(Semple et al. Nature Biotech. 2010 28:172−176;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)による1つの例では、リポソーム製剤は57.1%のカチオン性脂質、7.1%のジパルミトイルホスファチジルコリン、34.3%のコレステロールおよび1.4%のPEG−c−DMAで構成された。別の例として、カチオン性脂質の組成が変化すると、siRNAを細胞を提示している様々な抗原により有効に送達できた(Basha et al. Mol Ther. 2011 19:2186−2200;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。 いくつかの実施形態では、脂質ナノ粒子(LNP)製剤中のPEGの比率は、増加もしくは減少し得、および/またはPEG脂質の炭素鎖の長さは、C14からC18まで修飾されてLNP製剤の薬物動態および/または生体分布を変更し得る。非限定的な例として、LNP製剤は、カチオン性脂質、DSPCおよびコレステロールと比べて1〜5%の脂質モル比のPEG−c−DOMGを含み得る。別の実施形態では、PEG−c−DOMGは、限定ではなく、PEG−DSG(1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)またはPEG−DPG(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール)などのPEG脂質で置換され得る。カチオン性脂質は、限定ではなくDLin−MC3−DMA、DLin−DMA、C12−200およびDLin−KC2−DMAなどの当技術分野で既知の任意の脂質から選択され得る。 1つの実施形態では、カチオン性脂質は、限定ではなく国際公開第2012040184号、同第2011153120号、同第2011149733号、同第2011090965号、同第2011043913号、同第2011022460号、同第2012061259号、同第2012054365号、同第2012044638号、同第2010080724号、同第201021865号および同第2008103276号、米国特許第7,893,302号、同第7,404,969号および同第8,283,333号、ならびに米国出願公開第20100036115号および同第20120202871号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載されるカチオン性脂質から選択され得る。別の実施形態では、カチオン性脂質は、限定ではなく国際公開第2012040184号、同第2011153120号、同第2011149733号、同第2011090965号、同第2011043913号、同第2011022460号、同第2012061259号、同第2012054365号および同第2012044638号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載される式Aから選択され得る。さらに別の実施形態では、カチオン性脂質は、限定ではなく国際公開第2008103276号の式CLI〜CLXXIX、米国特許第7,893,302号の式CLI〜CLXXIX、米国特許第7,404,969号の式CLI〜CLXXXXIIおよび米国出願公開第20100036115号の式I〜VI(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)から選択され得る。非限定的な例として、カチオン性脂質は、(20Z,23Z)−N,N−ジメチルノナコサ−20,23−ジエン−10−アミン、(17Z,20Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17,20−ジエン−9−アミン、(1Z,19Z)−N5N−ジメチルペンタコサ−l6、19−ジエン−8−アミン、(13Z,16Z)−N,N−ジメチルドコサ−13,16−ジエン−5−アミン、(12Z,15Z)−N,N−ジメチルヘンイコサ−12,15−ジエン−4−アミン、(14Z,17Z)−N,N−ジメチルトリコサ−14,17−ジエン−6−アミン、(15Z,18Z)−N,N−ジメチルテトラコサ−15,18−ジエン−7−アミン、(18Z,21Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18,21−ジエン−10−アミン、(15Ζ,18Ζ)−Ν,Ν−ジメチルテトラコサ−15,18−ジエン−5−アミン、(14Z,17Z)−N,N−ジメチルトリコサ−14,17−ジエン−4−アミン、(19Z,22Z)−N,N−ジメチルオクタコサ−19,22−ジエン−9−アミン、(18Z,21Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18,21−ジエン−8−アミン、(17Z,20Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17,20−ジエン−7−アミン、(16Z,19Z)−N,N−ジメチルペンタコサ−16,19−ジエン−6−アミン、(22Z,25Z)−N,N−ジメチルヘントリアコンタ−22,25−ジエン−10−アミン、(21Z,24Z)−N,N−ジメチルトリアコンタ−21,24−ジエン−9−アミン、(18Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−18−エン−10−アミン、(17Z)−N,N−ジメチルヘキサコサ−17−エン−9−アミン、(19Z,22Z)−N,N−ジメチルオクタコサ−19,22−ジエン−7−アミン、N,N−ジメチルヘプタコサン−10−アミン、(20Z,23Z)−N−エチル−N−メチルノナコサ−20,23−ジエン−l0−アミン、1−[(11Z,14Z)−l−ノニルイコサ−11,14−ジエン−l−yl]ピロリジン、(20Z)−N,N−ジメチルヘプタコサ−20−エン−l0−アミン、(15Z)−N,N−ジメチルエプタコサ−15−エン−l0−アミン、(14Z)−N,N−ジメチルノナコサ−14−エン−l0−アミン、(17Z)−N,N−ジメチルノナコサ−17−エン−l0−アミン、(24Z)−N,N−ジメチルトリトリアコンタ−24−エン−l0−アミン、(20Z)−N,N−ジメチルノナコサ−20−エン−l0−アミン、(22Z)−N,N−ジメチルヘントリアコンタ−22−エン−l0−アミン、(16Z)−N,N−ジメチルペンタコサ−16−エン−8−アミン、(12Z,15Z)−N,N−ジメチル−2−ノニルヘンイコサ−12,15−ジエン−1−アミン、(13Z,16Z)−N,N−ジメチル−3−ノニルドコサ−l3,16−ジエン−l−アミン、N,N−ジメチル−l−[(lS,2R)−2−オクチルシクロプロピル]エプタデカン−8−アミン、1−[(1S,2R)−2−ヘキシルシクロプロピル]−N,N−ジメチルノナデカン−10−アミン、Ν,Ν−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ノナデカン−10−アミン、N,N−ジメチル−21−[(lS,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘンイコサン−l0−アミン,Ν,Ν−ジメチル−1−[(1S,2S)−2−{[(lR,2R)−2−ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]ノナデカン−10−アミン,Ν,Ν−ジメチル−1−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘキサデカン−8−アミン、Ν,Ν−ジメチル−[(lR,2S)−2−ウンデシルシクロプロピル]テトラデカン−5−アミン、N,N−ジメチル−3−{7−[(1S,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ヘプチル}ドデカン−1−アミン、1−[(1R,2S)−2−ヘプチルシクロプロピル]−Ν,Ν−ジメチルオクタデカン−9−アミン、1−[(1S,2R)−2−デシルシクロプロピル]−N,N−ジメチルペンタデカン−6−アミン、N,N−ジメチル−l−[(lS,2R)−2−オクチルシクロプロピル]ペンタデカン−8−アミン、R−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、S−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−{2−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−1−[(オクチルオキシ)メチル]エチル}ピロリジン、(2S)−N,N−ジメチル−1−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−3−[(5Z)−オクタ−5−エン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、1−{2−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]−1−[(オクチルオキシ)メチル]エチル}アゼチジン、(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、(2S)−1−(ヘプチルオキシ)−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、Ν,Ν−ジメチル−1−(ノニルオキシ)−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、Ν,Ν−ジメチル−1−[(9Z)−オクタデカ−9−エン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン;(2S)−N,N−ジメチル−1−[(6Z,9Z,12Z)−オクタデカ−6,9,12−トリエン−1−イルオキシ]−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(ペンチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−(ヘキシルオキシ)−3−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、1−[(11Z,14Z)−イコサ−11,14−ジエン−1−イルオキシ]−Ν,Ν−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−[(13Z,16Z)−ドコサ−l3,16−ジエン−l−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2S)−1−[(13Z,16Z)−ドコサ−13,16−ジエン−1−イルオキシ]−3−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、(2S)−1−[(13Z)−ドコサ−13−エン−1−イルオキシ]−3−(ヘキシルオキシ)−N,N−ジメチルプロパン−2−アミン、1−[(13Z)−ドコサ−13−エン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、1−[(9Z)−ヘキサデカ−9−エン−1−イルオキシ]−N,N−ジメチル−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミン、(2R)−N,N−ジメチル−H(1−メトイルオクチル)オキシ]−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、(2R)−1−[(3,7−ジメチルオクチル)オキシ]−N,N−ジメチル−3−[(9Z,12Z)−オクタデカ−9,12−ジエン−1−イルオキシ]プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−(オクチルオキシ)−3−({8−[(1S,2S)−2−{[(1R,2R)−2−ペンチルシクロプロピル]メチル}シクロプロピル]オクチル}オキシ)プロパン−2−アミン、N,N−ジメチル−1−{[8−(2−オクリルシクロプロピル)オクチル]オキシ}−3−(オクチルオキシ)プロパン−2−アミンおよび(1lE,20Z,23Z)−N,N−ジメチルノナコサ−l1,20,2−トリエン−10−アミンまたはその薬剤的に許容可能な塩もしくは立体異性体から選択され得る。 1つの実施形態では、カチオン性脂質は、当技術分野で既知の方法で、および/または国際公開第2012040184号、同第2011153120号、同第2011149733号、同第2011090965号、同第2011043913号、同第2011022460号、同第2012061259号、同第2012054365号、同第2012044638号、同第2010080724号および同第201021865号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載されるように合成され得る。 1つの実施形態では、LNP製剤は、PEG−c−DOMGを3%の脂質モル比で含有し得る。別の実施形態では、LNP製剤は、PEG−c−DOMGを1.5%の脂質モル比で含有し得る。 1つの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000(1,2−ジミリストイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000)を含有し得る。1つの実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000、当技術分野で既知のカチオン性脂質および少なくとも1つの他の成分を含有し得る。別の実施形態では、LNP製剤は、PEG−DMG2000、当技術分野で既知のカチオン性脂質、DSPCおよびコレステロールを含有し得る。非限定的な例として、LNP製剤は、PEG−DMG2000、DLin−DMA、DSPCおよびコレステロールを含有し得る。別の非限定的な例として、LNP製剤は、PEG−DMG2000、DLin−DMA、DSPCおよびコレステロールをモル比2:40:10:48で含有し得る(例えば、その全容が参照により本明細書に組み込まれる、Geall et al., Nonviral delivery of self−amplifying RNA vaccines, PNAS 2012; PMID: 22908294を参照)。 1つの実施形態では、LNP製剤は、その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2011127255号または同第2008103276号に記載される用法により製剤され得る。非限定的な例として、本明細書に記載される修飾RNAは、その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2011127255号および/または同第2008103276号に記載されるように、LNP製剤中に封入され得る。別の非限定的な例として、本明細書に記載される修飾RNAは、その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20120207845号に記載されるような非経口経路で送達されるナノ粒子内で製剤され得る。 1つの実施形態では、本明細書に記載されるLNP製剤は、ポリカチオン組成物を含み得る。非限定的な例として、ポリカチオン組成物は、その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20050222064号の式1〜60から選択され得る。別の実施形態では、ポリカチオン組成物を含むLNP製剤は、本明細書に記載される修飾RNAのインビボおよび/またはインビトロの送達に使用され得る。 1つの実施形態では、本明細書に記載されるLNP製剤は、透過促進分子を追加で含み得る。非限定的透過促進分子は、米国出願公開第20050222064号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。 1つの実施形態では、医薬組成物は、限定ではなくDiLa2リポソーム(Marina Biotech、ワシントン州ボセル)、SMARTICLES(登録商標)(Marina Biotech、ワシントン州ボセル)、中性DOPC(1,2−ジオレオイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン)ベースのリポソーム(例えば、卵巣癌のsiRNA送達(Landen et al. Cancer Biology & Therapy 2006 5(12)1708−1713);その全容が参照により本明細書に組み込まれる)およびヒアルロナンでコーティングされたリポソーム(Quiet Therapeutics、イスラエル)などのリポソーム内で製剤され得る。 ナノ粒子製剤は、炭水化物担体と修飾核酸分子(例えばmmRNA)を含む炭水化物ナノ粒子であり得る。非限定的な例として、炭水化物担体は、限定ではなく無水物−修飾フィトグリコーゲンまたはグリコーゲンタイプの材料、フィトグリコーゲン(phtoglycogen)オクテニルサクシネート、フィトグリコーゲンβデキストリン、無水物−修飾フィトグリコーゲンβデキストリンを含み得る。(例えば、その全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2012109121号を参照)。 脂質ナノ粒子製剤は、カチオン性脂質を速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNP)として知られる生分解性カチオン性脂質で置換することで、改良され得る。限定ではないがDLinDMA、DLin−KC2−DMA、およびDLin−MC3−DMAなどのイオン化できるカチオン性脂質は、時間が経つと血漿および組織内に蓄積することが示されており、潜在的な毒性源であり得る。速やかに排出される脂質の速やかな代謝は、脂質ナノ粒子の忍容性および治療インデックスをラットにおける1mg/kg用量から10mg/kg用量へと、一桁改良し得る。酵素分解されたエステル結合を含むことで、reLNP製剤の活性は維持されたままで、カチオン成分の分解および代謝プロファイルが向上し得る。エステル結合は、脂質鎖内部に位置しても、脂質鎖も末端で末端に位置してもよい。内部エステル結合は、脂質鎖のどの炭素も置換し得る。 1つの実施形態では、内部エステル結合は、飽和炭素のどちら側に配置されてもよい。reLNPの非限定的な例は、を含む。 1つの実施形態では、免疫反応は、ナノ種、ポリマーおよび免疫原を含み得る脂質ナノ粒子の送達により誘発され得る。(米国出願公開第20120189700号および国際公開第2012099805号;その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)。ポリマーは、ナノ種を封入し得るか、または部分的にナノ種を封入し得る。免疫原は、組換えタンパク質、本明細書に記載される修飾RNAであり得る。1つの実施形態では、脂質ナノ粒子は、限定ではないが病原体に対するワクチンでの使用のため製剤される。 脂質ナノ粒子は、操作されて、脂質ナノ粒子が粘膜バリアを貫通できるように、粒子の表面特性を改変され得る。粘液は、限定ではないが口腔(例えば頬内および食道の膜および扁桃組織)、眼、消化器(例えば胃、小腸、大腸、結腸、直腸)、鼻腔、呼吸器(例えば鼻腔、咽頭、気管および気管支の膜)、生殖器(例えば膣、子宮頸部および尿道の膜)などの粘膜組織上に位置する。高薬物封入効率と多くの薬物を徐放性送達する能力に好ましい10〜200nmよりも大きいナノ粒子は、粘膜バリアを通って速やかに拡散するには大きすぎると考えられている。粘液は絶えず分泌され、流れ、排出または消化され、回収されるので、捕捉された粒子のほとんどは数秒または数時間内に粘膜組織から除去され得る。低分子量のポリエチレングリコール(PEG)で密にコーティングされている大きい高分子ナノ粒子(直径200nm〜500nm)の粘液中の拡散率は、水中に拡散した同じ粒子の4〜6倍低いだけであった(Lai et al. PNAS 2007 104(5):1482−487; Lai et al. Adv Drug Deliv Rev. 2009 61(2): 158−171;その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)。ナノ粒子の輸送は、透過速度および/または限定ではなく蛍光退色後回復測定(FRAP)および高解像度の多粒子追跡(MPT)を含む蛍光顕微鏡技法を用いて判定され得る。非限定的な例として、粘膜バリアを貫通できる組成物は、米国特許第8,241,670号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように作製され得る。 粘液を透過するように操作された脂質ナノ粒子は、高分子材料(すなわち高分子コア)および/またはポリマー−ビタミンコンジュゲートおよび/またはトリブロックコポリマーを含み得る。高分子材料は、限定ではなく、ポリアミン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリエステル、ポリカルバメート、ポリウレア、ポリカーボネート、ポリ(スチレン)、ポリイミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリアセチレン、ポリエチレン、ポリエチレンイミン、ポリイソシアネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリアクリロニトリルおよびポリアクリレートを含み得る。高分子材料は、生分解性および/または生体適合性であり得る。高分子材料は、さらに照射され得る。非限定的な例として、高分子材料は、ガンマ照射され得る(例えば、その全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第201282165号を参照)。特定のポリマーの非限定的な例は、ポリ(カプロラクトン)(PCL)、エチレン酢酸ビニルポリマー(EVA)、ポリ(乳酸)(PLA)、ポリ(L−乳酸)(PLLA)、ポリ(グリコール酸)(PGA)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)、ポリ(L−乳酸−co−グリコール酸)(PLLGA)、ポリ(D,L−ラクチド)(PDLA)、ポリ(L−ラクチド)(PLLA)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン)、ポリ(D,L−ラクチド−co−カプロラクトン−co−グリコリド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PEO−co−D,L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド−co−PPO−co−D,L−ラクチド)、ポリアルキルシアノアクラレート、ポリウレタン、ポリ−L−リジン(PLL)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、ポリエチレングリコール、ポリ−L−グルタミン酸、ポリ(ヒドロキシ酸)、ポリ酸無水物、ポリオルトエステル、ポリ(エステルアミド)、ポリアミド、ポリ(エステルエーテル)、ポリカーボネート、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリアルキレン、ポリ(エチレングリコール)(PEG)などのポリアルキレングリコール、ポリアルキレンオキシド(PEO)、ポリ(エチレンテレフタレート)などのポリアルキレンテレフタレート、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルエーテル、ポリ(ビニルアセテート)などのポリビニルエステル、ポリ(ビニルクロリド)(PVC)などのポリビニルハライド、ポリビニルピロリドン、ポリシロキサン、ポリスチレン(PS)、ポリウレタン、誘導体化セルロース、例えばアルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸のポリマー、例えばポリ(メタクリル酸メチル)(PMMA)、ポリ(メタクリル酸エチル)、ポリ(メタクリル酸ブチル)、ポリ(メタクリル酸イソブチル)、ポリ(メタクリル酸ヘキシル)、ポリ(メタクリル酸イソデシル)、ポリ(メタクリル酸ラウリル)、ポリ(メタクリル酸フェニル)、ポリ(アクリル酸メチル)、ポリ(アクリル酸イソプロピル)、ポリ(アクリル酸イソブチル)、ポリ(アクリル酸オクタデシル)およびコポリマーならびにそれらの混合物、ポリジオキサノンとそのコポリマー、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリプロピレンフマレート、ポリオキシメチレン、ポロクサマー、ポリ(オルト)エステル、ポリ(ブチル酸)、ポリ(吉草酸)、ポリ(ラクチド−co−カプロラクトン)、およびトリメチレンカルボネート、ポリビニルピロリドンを含む。脂質ナノ粒子は、限定ではなくブロックコポリマーおよび(ポリ(エチレングリコール))−(ポリ(酸化プロピレン))−(ポリ(エチレングリコール))トリブロックコポリマー(例えば、その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20120121718号および米国出願公開第20100003337号および米国特許第8,263,665号を参照)などのコポリマーでコーティングされるかまたは結合されていてよい。コポリマーは、安全と認められる(GRAS)ポリマーであり得、脂質ナノ粒子の形成は、新規の化学成分が生成しないように行われ得る。例えば、脂質ナノ粒子は、新規の化学成分を生じることなく、尚もヒト粘液を速やかに透過することができる、PLGAナノ粒子をコーティングするポロクサマーを含み得る(Yang et al. Angew. Chem. Int. Ed. 2011 50:2597−2600;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。 ポリマー−ビタミンコンジュゲートのビタミンは、ビタミンEであり得る。コンジュゲートのビタミン部分は、限定ではなくビタミンA、ビタミンE、他のビタミン類、コレステロール、疎水性部分または他の界面活性剤の疎水性成分(例えば、ステロール鎖、脂肪酸、炭化水素鎖およびアルキレンオキシド鎖)などの他の適切な成分で置換され得る。 粘液を透過するように操作された脂質ナノ粒子は、限定ではなくmmRNA、陰イオン性タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン)、界面活性剤(例えばカチオン界面活性剤、例えばジメチルジオクタデシル−アンモニウムブロミド)、糖または糖誘導体(例えば、シクロデキストリン)、核酸、ポリマー(例えば、ヘパリン、ポリエチレングリコールおよびポロクサマー)、粘液溶解薬(例えば、N−アセチルシステイン、ヨモギ、ブロメライン、パパイン、クサギ、アセチルシステイン、ブロムヘキシン、カルボシステイン、エプラジノン、メスナ、アンブロキソール、ソブレロール、ドミオドール、レトステイン、ステプロニン、チオプロニン、ゲルゾリン、チモシンβ4ドルナーゼアルファ、ネルテネキシン、エルドステイン)およびrhDNaseを含む様々なDNaseなどの表面改変剤を含み得る。表面改変剤は、粒子表面に埋め込まれるかまたは巻き込まれているか、または脂質ナノ粒子の表面に(例えばコーティング、吸収、共有結合または他のプロセスにより)配置され得る。(例えば、その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20100215580号および米国出願公開第20080166414号を参照)。 粘液を透過する脂質ナノ粒子は、少なくとも1つの本明細書に記載されるmmRNAを含み得る。mmRNAは、脂質ナノ粒子に封入され得、および/または粒子表面に配置され得る。mmRNAは、脂質ナノ粒子に共有結合され得る。粘液を透過する脂質ナノ粒子の製剤は、複数のナノ粒子を含み得る。さらに、製剤は、粘液と相互作用して周辺粘液の構造的および/または粘性の性質を改変し粘膜付着を低下させ得、粘膜組織への粘液を透過する脂質ナノ粒子の送達を増加させ得る粒子を含有し得る。 1つの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、限定ではなくATUPLEX(商標)系、DACC系、DBTC系および他のSilence Therapeutics(英国ロンドン)のsiRNA−リポプレックス技術、STEMGENT(登録商標)のSTEMFECT(商標)(マサチューセッツ州ケンブリッジ)およびポリエチレンアミン(PEI)またはプロタミンベースの核酸の標的化および非標的化送達の酸などのリポプレックスとして製剤される(Aleku et al. Cancer Res. 2008 68:9788−9798; Strumberg et al. Int J Clin Pharmacol Ther 2012 50:76−78; Santel et al., Gene Ther 2006 13:1222−1234; Santel et al., Gene Ther 2006 13:1360−1370; Gutbier et al., Pulm Pharmacol. Ther. 2010 23:334−344; Kaufmann et al. Microvasc Res 2010 80:286−293Weide et al. J Immunother. 2009 32:498−507; Weide et al. J Immunother. 2008 31:180−188; Pascolo Expert Opin. Biol. Ther. 4:1285−1294; Fotin−Mleczek et al., 2011 J. Immunother. 34:1−15; Song et al., Nature Biotechnol. 2005, 23:709−717; Peer et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 6;104:4095−4100; deFougerolles Hum Gene Ther. 2008 19:125−132;全てその全容が参照により本明細書に組み込まれる)。 1つの実施形態では、そのような製剤は、構築され得るかまたはインビボで受動的または能動的に限定ではなく肝細胞、免疫細胞、腫瘍細胞、内皮細胞、抗原提示細胞および白血球を含む異なる細胞種に向けられるように改変された組成物でもあり得る(Akinc et al. Mol Ther. 2010 18:1357−1364; Song et al., Nat Biotechnol. 2005 23:709−717; Judge et al., J Clin Invest. 2009 119:661−673; Kaufmann et al., Microvasc Res 2010 80:286−293; Santel et al., Gene Ther 2006 13:1222−1234; Santel et al., Gene Ther 2006 13:1360−1370; Gutbier et al., Pulm Pharmacol. Ther. 2010 23:334−344; Basha et al., Mol. Ther. 2011 19:2186−2200; Fenske and Cullis, Expert Opin Drug Deliv. 2008 5:25−44; Peer et al., Science. 2008 319:627−630; Peer and Lieberman, Gene Ther. 2011 18:1127−1133;全てその全容が参照により本明細書に組み込まれる)。製剤の肝臓細胞受動的標的化の1つの例は、アポリポプロテインEに結合し、これらの製剤がインビボで肝細胞に結合し吸収されるのを促進することが示されている、DLin−DMA、DLin−KC2−DMAおよびDLin−MC3−DMAベースの脂質ナノ粒子製剤を含む(Akinc et al. Mol Ther. 2010 18:1357−1364;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。製剤は、限定ではなく葉酸、トランスフェリン、N−アセチルガラクトサミン(GalNAc)および抗体標的化アプローチに例示されるように、それらの表面の異なるリガンドの発現を通じて選択的に標的化することもできる(Kolhatkar et al., Curr Drug Discov Technol. 2011 8:197−206; Musacchio and Torchilin, Front Biosci. 2011 16:1388−1412; Yu et al., Mol Membr Biol. 2010 27:286−298; Patil et al., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst. 2008 25:1−61; Benoit et al., Biomacromolecules. 2011 12:2708−2714; Zhao et al., Expert Opin Drug Deliv. 2008 5:309−319; Akinc et al., Mol Ther. 2010 18:1357−1364; Srinivasan et al., Methods Mol Biol. 2012 820:105−116; Ben−Arie et al., Methods Mol Biol. 2012 757:497−507; Peer 2010 J Control Release. 20:63−68; Peer et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 104:4095−4100; Kim et al., Methods Mol Biol. 2011 721:339−353; Subramanya et al., Mol Ther. 2010 18:2028−2037; Song et al., Nat Biotechnol. 2005 23:709−717; Peer et al., Science. 2008 319:627−630; Peer and Lieberman, Gene Ther. 2011 18:1127−1133;全てその全容が参照により本明細書に組み込まれる)。 1つの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、固体脂質ナノ粒子として製剤される。固体脂質ナノ粒子(SLN)は、平均径が10〜1000nmの球体であり得る。SLNは、親油性分子を溶解できる固体脂質コアマトリックスを有し、界面活性剤および/または乳液で安定化し得る。さらなる実施形態では、脂質ナノ粒子は、自己会合脂質−ポリマーナノ粒子であり得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれるZhang et al., ACS Nano, 2008, 2 (8), pp 1696−1702を参照)。 リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子は、これらの製剤は修飾核酸分子またはmmRNAにより細胞トランスフェクションを増加させることができ得、および/またはコードされたタンパク質の翻訳を増加させることができ得るので、修飾核酸分子またはmmRNAが指令するタンパク質産生の効力を向上させるために使用され得る。そのような1つの例は、脂質封入を用いてポリプレックスプラスミドDNAの有効な全身性送達を可能にすることに関する(Heyes et al., Mol Ther. 2007 15:713−720; その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。リポソーム、リポプレックスまたは脂質ナノ粒子は、修飾核酸分子またはmmRNAの安定性を増加させるのにも使用され得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、放出制御および/または標的化送達用に製剤され得る。ここでは、「放出制御」は、特定の放出パターンにしたがい治療結果をもたらす医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。1つの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、本明細書に記載されるおよび/または当技術分野で既知の送達剤に封入されて放出制御および/または標的化送達され得る。本明細書では「封入する」という用語は、被包する、包囲するまたは包むことを意味する。本発明の化合物の製剤に関しては、封入は、実質的、完全または部分的であり得る。「実質的に封入された」という用語は、少なくとも50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.9%より多くの、または99.999%より多くの本発明の医薬組成物または化合物が送達剤に被包され、囲包され、または包まれ得ることを意味する。「部分的封入」は、10、10、20、30、40、50未満またはより少量の本発明の医薬組成物または化合物が送達剤に被包され、囲包され、または包まれ得ることを意味する。有利にも、封入は、蛍光および/または電子顕微鏡像を用いて本発明の医薬組成物または化合物の漏れまたは活性を測定して決定され得る。例えば、少なくとも1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99または99.99%より多くの本発明の医薬組成物または化合物が送達剤中に封入される。 1つの実施形態では、放出制御製剤は、限定ではなくトリブロックコポリマーを含み得る。非限定的な例として、製剤は、2つの異なるタイプのトリブロックコポリマーを含み得る(国際公開第2012131104号および同第2012131106号;その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)。 別の実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、脂質ナノ粒子または速やかに排出される脂質ナノ粒子中に封入され得、脂質ナノ粒子または速やかに排出される脂質ナノ粒子は次に本明細書に記載されるおよび/または当技術分野で既知のポリマー、ヒドロゲルおよび/または外科用シーラント中に封入され得る。非限定的な例として、ポリマー、ヒドロゲルまたは外科用シーラントは、PLGA、エチレン酢酸ビニル(EVAc)、ポロクサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics, Inc.、フロリダ州アラチュア)、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics、カリフォルニア州サンディエゴ)、外科用シーラント、たとえばフィブリノゲンポリマー(Ethicon Inc.、ジョージア州コーネリア)、TISSELL(登録商標)(Baxter International, Inc、イリノイ州ディアフィールド)、PEGベースのシーラントおよびCOSEAL(登録商標)(Baxter International, Inc、イリノイ州ディアフィールド)であり得る。 別の実施形態では、脂質ナノ粒子は、対象に注入されるとゲルを形成し得る、当技術分野で既知の任意のポリマーに封入され得る。非限定的な例として、脂質ナノ粒子は、生分解性であり得るポリマーマトリックス中に封入され得る。 1つの実施形態では、放出制御および/または標的化送達用の修飾核酸分子またはmmRNA製剤は、少なくとも1つの放出制御コーティングも含み得る。放出制御コーティングは、限定ではなく、OPADRY(登録商標)、ポリビニルピロリドン/ビニルアセテートコポリマー、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、EUDRAGIT RL(登録商標)、EUDRAGIT RS(登録商標)およびエチルセルロース水性分散系(AQUACOAT(登録商標)およびSURELEASE(登録商標))などのセルロース誘導体を含む。 1つの実施形態では、放出制御および/または標的化送達製剤は、少なくとも1つの、ポリカチオン側鎖を含み得る分解性ポリエステルを含み得る。分解性ポリエステルは、限定ではなく、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、およびそれらの組合せを含む。別の実施形態では、分解性ポリエステルは、ペグ化ポリマーを形成するPEGコンジュゲーションを含み得る。 1つの実施形態では、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、治療用ナノ粒子中に封入され得る。治療用ナノ粒子は、本明細書に記載される当技術分野で既知の、限定ではなく国際公開第2010005740号、同第2010030763号、同第2010005721号、同第2010005723号、同第2012054923号、米国出願公開第20110262491号、同第20100104645号、同第20100087337号、同第20100068285号、同第20110274759号、同第20100068286および同第20120288541号、および米国特許第8,206,747号、同第8,293,276号、同第8,318,208号および同第8,318,211号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)などの方法で製剤され得る。別の実施形態では、治療用ポリマーナノ粒子は、米国出願公開第20120140790号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載される方法により同定され得る。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は徐放用に製剤され得る。ここでは「徐放」は、特定の時間にわたりある放出速度にしたがう医薬組成物または化合物を指す。時間は、限定ではなく、時間、日、週、月および年を含み得る。非限定的な例として、徐放ナノ粒子は、限定ではなく、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAなどのポリマーおよび治療剤を含み得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2010075072号および米国出願公開第20100216804号および同第20110217377号および同第20120201859号を参照)。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は、標的に特異的であるように製剤され得る。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、コルチコステロイドを含み得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第WO2011084518号を参照)。1つの実施形態では、本発明の治療用ナノ粒子は、癌に特異的であるように製剤され得る。非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、国際公開第2008121949号、同第2010005726号、同第2010005725号、同第2011084521号および米国出願公開第20100069426号、同第20120004293号および同第20100104655号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載されるナノ粒子内に製剤され得る。 1つの実施形態では、本発明のナノ粒子は、高分子マトリックスを含み得る。非限定的な例として、ナノ粒子は、限定ではなくポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、フマル酸ポリプロピル(polypropylfumerates)、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)またはそれらの組合せなどの2以上のポリマーを含み得る。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子はジブロックコポリマーを含む。1つの実施形態では、ジブロックコポリマーは、PEGを、限定ではなく、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、フマル酸ポリプロピル(polypropylfumerates)、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)またはそれらの組合せなどのポリマーと組合せて含み得る。 非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、PLGA−PEGブロックコポリマーを含む(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20120004293号および米国特許第8,236,330号を参照)。別の非限定的な例として、治療用ナノ粒子は、PEGとPLAまたはPEGとPLGAのジブロックコポリマーを含むステルスナノ粒子である(その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,246,968号を参照)。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は、マルチブロックコポリマー(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる、例えば米国特許第8,263,665号および同第8,287,910号を参照)を含み得る。 1つの実施形態では、本明細書に記載されるブロックコポリマーは、非高分子ミセルとブロックコポリマーを含むポリイオン複合体中に含まれ得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれる、例えば米国出願公開第20120076836号を参照)。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つのアクリルポリマーを含み得る。アクリルポリマーは、限定ではなく、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレートおよびそれらの組合せを含む。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つの本明細書に記載されるおよび/または当技術分野で既知のカチオン性ポリマーを含み得る。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つの、限定ではなくポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、ポリ(β−アミノエステル)(例えばその全容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,287,849号を参照)およびそれらの組合せなどのアミン含有ポリマーを含み得る。 1つの実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つの、ポリカチオン側鎖を含み得る分解性ポリエステルを含み得る。分解性ポリエステルは、限定ではなく、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)およびそれらの組合せを含む。別の実施形態では、分解性ポリエステルは、ペグ化ポリマーを形成するPEGコンジュゲーションを含み得る。 別の実施形態では、治療用ナノ粒子は、少なくとも1つの標的リガンドのコンジュゲーションを含み得る。標的リガンドは、限定ではないがモノクローナル抗体などの当技術分野で既知のいかなるリガンドでもよい。(Kirpotin et al, Cancer Res. 2006 66:6732−6740;その全容が参照により本明細書に組み込まれる。) 1つの実施形態では、癌を標的とするのに使用され得る治療用ナノ粒子は、水溶液中で製剤され得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2011084513号および米国出願公開第20110294717号を参照)。 1つの実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、合成ナノキャリアに封入され、結合されおよび/または会合し得る。合成ナノキャリアは、限定ではなく国際公開第2010005740号、同第2010030763号、同第201213501号、同第2012149252号、同第2012149255号、同第2012149259号、同第2012149265号、同第2012149268号、同第2012149282号、同第2012149301号、同第2012149393号、同第2012149405号、同第2012149411号および同第2012149454、および米国出願公開第20110262491号、同第20100104645号、同第20100087337および同第20120244222号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載されるものを含む。合成ナノキャリアは、当技術分野で既知のおよび/または本明細書に記載される方法を用いて製剤され得る。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、国際公開第2010005740号、同第2010030763号および同第201213501号、および米国出願公開第20110262491号、同第20100104645号、同第20100087337号および同第20120244222号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載される方法を用いて製剤され得る。別の実施形態では、合成ナノキャリア製剤は、国際公開第2011072218号および米国特許第8,211,473号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載される方法により凍結乾燥され得る。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、本明細書に記載される修飾核酸分子および/またはmmRNAを放出するための反応基を有し得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第20120952552号および米国出願公開第20120171229号を参照)。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、免疫賦活剤を含んで合成ナノキャリアの送達から免疫反応を増強し得る。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、免疫系のTh1ベースの反応を増強し得るTh1免疫賦活剤を含み得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2010123569号および米国出願公開第20110223201号を参照)。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、標的化放出用に製剤され得る。1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、修飾核酸分子および/またはmmRNAを特定のpHで、および/または所望の間隔をおいて放出するように製剤される。非限定的な例として、合成ナノ粒子は、修飾mRNA分子および/またはmmRNAを24時間後および/またはpH4.5で放出するように製剤され得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2010138193号および同第2010138194号および米国出願公開第20110020388号および同第20110027217号を参照)。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、本明細書に記載される修飾核酸分子および/またはmmRNAの徐放制御および/または徐放用に製剤され得る。非限定的な例として、徐放性の合成ナノキャリアは、当技術分野で既知の、本明細書に記載される方法により、および/または国際公開第2010138192号および米国出願公開第20100303850号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載されるように製剤され得る。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアはワクチンとして使用されるように製剤され得る。1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、少なくとも1つの抗原をコードする、少なくとも1つの修飾核酸分子および/またはmmRNAを封入し得る。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、少なくとも1つの抗原とワクチン剤形用の賦形剤を含み得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2011150264号および米国出願公開第20110293723号を参照)。別の非限定的な例として、ワクチン剤形は、同じまたは異なる抗原と賦形剤とともに少なくとも2つの合成ナノキャリアを含み得る(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる国際公開第2011150249号および米国出願公開第20110293701号を参照)。ワクチン剤形は、本明細書に記載される、当技術分野で既知の方法および/または国際公開第2011150258号および米国出願公開第20120027806号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載の方法により選択され得る。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、少なくとも1つのアジュバントをコードする、少なくとも1つの修飾核酸分子および/またはmmRNAを含み得る。別の実施形態では、合成ナノキャリアは、少なくとも1つの修飾核酸分子および/またはmmRNAおよびアジュバントを含み得る。非限定的な例として、アジュバントを含む合成ナノキャリアは、国際公開第2011150240号および米国出願公開第20110293700号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載の方法により製剤され得る。 1つの実施形態では、合成ナノキャリアは、ウイルス由来のペプチド、断片または領域をコードする少なくとも1つの修飾核酸分子および/またはmmRNAを封入し得る。非限定的な例として、合成ナノキャリアは、限定ではなく国際公開第2012024621号、同第201202629号、同第2012024632号および米国出願公開第20120064110号、同第20120058153号および同第20120058154号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載のナノキャリアを含み得る。 1つの実施形態では、ナノ粒子は、経口投与用に最適化され得る。ナノ粒子は、少なくとも1つの、限定ではなくキトサンまたはその誘導体などのカチオン性バイオポリマーを含み得る。非限定的な例として、ナノ粒子は、米国出願公開第20120282343号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載の方法により製剤され得る。 ポリマー、生分解性ナノ粒子およびコアシェルナノ粒子 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、天然および/または合成ポリマーを用いて製剤され得る。送達に使用され得るポリマーの非限定的な例は、限定ではなくMIRUS(登録商標)Bio(ウィスコンシン州マディソン)およびRoche Madison(ウィスコンシン州マディソン)のDYNAMIC POLYCONJUGATE(登録商標)(Arrowhead Research Corp.、カリフォルニア州パサデナ)製剤、PHASERX(商標)ポリマー製剤、たとえば限定ではなくSMARTT POLYMER TECHNOLOGY(商標)(ワシントン州シアトル)、DMRI/DOPE、ポロクサマー、VAXFECTIN(登録商標)Vical(カリフォルニア州サンディエゴ)のアジュバント、キトサン、Calando Pharmaceuticals(カリフォルニア州パサデナ)のシクロデキストリン、デンドリマーとポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)のポリマー、RONDEL(商標)(RNAi/オリゴヌクレオチドナノ粒子送達)ポリマー(Arrowhead Research Corporation、カリフォルニア州パサデナ)および限定ではなく、PHASERX(商標)(ワシントン州シアトル)などのpH反応性co−ブロックポリマーを含む。 キトサン製剤の非限定的な例は、正電荷をもつキトサンのコアと、負電荷をもつ基質の外部分を含む(米国出願公開第20120258176号;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。キトサンは、限定ではなくN−トリメチルキトサン、モノ−N−カルボキシメチルキトサン(MCC)、N−パルミトイルキトサン(NPCS)、EDTA−キトサン、低分子量キトサン、キトサン誘導体、またはそれらの組合せを含む。 1つの実施形態では、本発明で使用されるポリマーは、限定ではなく細菌などの不必要な物質のポリマー表面への結合を減ずるおよび/または阻害する処理を受けている。ポリマーは、既知の方法および/または当分野で記載される方法および/または国際公開第2012150467号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている方法により処理され得る。 PLGA製剤の非限定的な例は、限定ではなく、PLGAを66%N−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解させて形成され、残りが水系溶媒とリュープロリドである、PLGA注射デポ剤(例えばELIGARD(登録商標))を含む。注入されると、PLGAとリュープロリドペプチドは皮下スペースに沈降する。 これらのポリマーアプローチの多くは、オリゴヌクレオチドを細胞質にインビボ送達するのに有効であることが示されている(deFougerolles Hum Gene Ther. 2008 19:125−132に概説;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。この場合は低分子干渉RNA(siRNA)での核酸のロバストなインビボ送達を得ている2つのポリマーアプローチは、ダイナミックポリコンジュゲートと、シクロデキストリンベースのナノ粒子である。これらの送達アプローチの第1は、ダイナミックポリコンジュゲートを用い、マウスのインビボでsiRNAを有効送達して肝細胞中の内因性標的mRNAの発現を停止させることが示されている(Rozema et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 104:12982−12887;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。この特定のアプローチは、マルチコンポーネント・ポリマーシステムであり、その主要な特徴は、核酸、この場合はsiRNAが、ジスルフィド結合により共有結合する膜活性ポリマーを含み、PEG(電荷マスキングのため)基とN−アセチルガラクトサミン基(肝細胞の標的化のため)の両方が、pH感受性結合により連結されている(Rozema et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 104:12982−12887;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。肝細胞に結合してエンドソーム内に入ると、ポリマー複合体は低pH環境で分解してポリマーがその正電荷を露出し、エンドソーム脱出とポリマーからのsiRNAの細胞質内放出がもたらされる。N−アセチルガラクトサミン基をマンノース基で置換することで、アシアログリコプロテイン受容体を発現する肝細胞から洞様内皮とクッパー細胞に標的を変えられることが示されている。別のポリマーアプローチは、トランスフェリンを標的とするシクロデキストリンを含有するポリカチオンナノ粒子の使用を含む。これらのナノ粒子は、トランスフェリン受容体を発現するユーイング肉腫腫瘍細胞においてEWS−FLI1遺伝子産物の発現を標的化して停止させることが示されており(Hu−Lieskovan et al., Cancer Res.2005 65: 8984−8982;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)、これらのナノ粒子内で製剤されたsiRNAは非ヒト霊長類において良好に忍容された(Heidel et al., Proc Natl Acad Sci USA 2007 104:5715−21;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。これらの送達戦略はいずれも標的化送達とエンドソーム脱出機構の両方を用いた論理的アプローチを組み込んでいる。 ポリマー製剤は、修飾核酸分子またはmmRNAの徐放または放出遅延(例えば筋肉内または皮下注射後)を可能にする。修飾核酸分子またはmmRNAの改変された放出プロファイルは、たとえば、コードされたタンパク質の長期間にわたる翻訳をもたらし得る。ポリマー製剤は、修飾核酸分子またはmmRNAの安定性を高めるためにも使用され得る。生分解性ポリマーは、以前はmmRNA以外の核酸を分解から保護するのに使用されており、インビボでのペイロードの徐放をもたらすことが示されている(Rozema et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 104:12982−12887; Sullivan et al., Expert Opin Drug Deliv. 2010 7:1433−1446; Convertine et al., Biomacromolecules. 2010 Oct 1; Chu et al., Acc Chem Res. 2012 Jan 13; Manganiello et al., Biomaterials. 2012 33:2301−2309; Benoit et al., Biomacromolecules. 2011 12:2708−2714; Singha et al., Nucleic Acid Ther. 2011 2:133−147; deFougerolles Hum Gene Ther. 2008 19:125−132; Schaffert and Wagner, Gene Ther. 2008 16:1131−1138; Chaturvedi et al., Expert Opin Drug Deliv. 2011 8:1455−1468; Davis, Mol Pharm. 2009 6:659−668; Davis, Nature 2010 464:1067−1070;その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)。 1つの実施形態では、医薬組成物は、徐放製剤であり得る。さらなる実施形態では、徐放製剤は、皮下送達用であり得る。徐放製剤は、限定ではなくPLGAマイクロスフェア、エチレン酢酸ビニル(EVAc)、ポロクサマー、GELSITE(登録商標)(Nanotherapeutics, Inc.、フロリダ州アラチュア)、HYLENEX(登録商標)(Halozyme Therapeutics、カリフォルニア州サンディエゴ)、外科用シーラント、たとえばフィブリノゲンポリマー(Ethicon Inc.、ジョージア州コーネリア)、TISSELL(登録商標)(Baxter International, Inc、イリノイ州ディアフィールド)、PEGベースのシーラントおよびCOSEAL(登録商標)(Baxter International, Inc、イリノイ州ディアフィールド)を含み得る。 非限定的な例として、修飾mRNAは、PLGAマイクロスフェアを可変放出速度(例えば日および週)で、封入工程中修飾mRNAの完全性を維持しながら修飾mRNAをPLGAマイクロスフェア内に封入して調製することで、PLGAマイクロスフェア内に製剤され得る。EVAcは、非生分解性の生体適合性ポリマーであり、前臨床の徐放性埋め込み用途(例えば、持続放出製品の緑内障用ピロカルピン眼内インサートのオクサート(Ocusert)または徐放性プロゲステロン子宮内デバイスのプロゲスタサート(progestasert);経皮的送達システムのテストデルム(Testoderm)、デュラゲシク(Duragesic)およびセレギリン;カテーテル)に広範に使用されている。ポロクサマーF−407NFは親水性の非イオン性界面活性剤であり、5℃未満の温度で低粘度を有するポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレンのトリブロックコポリマーであり、15℃より高い温度で固体ゲルを形成する。PEGベースの外科用シーラントは、1分で調製され得、3分でシールし30日以内に再吸収される送達デバイス中に混合された2つの合成PEG成分を含む。GELSITE(登録商標)と天然のポリマーは、投与部位でのインサイツのゲル化が可能である。それらは、タンパク質およびペプチド薬候補とイオン性相互作用により相互作用して安定化効果をもたらすことが示されている。 ポリマー製剤は、限定ではないが葉酸、トランスフェリンおよびN−アセチルガラクトサミン(GalNAc)に例示されるように、異なるリガンドの発現により選択的に標的化されることもできる(Benoit et al., Biomacromolecules. 2011 12:2708−2714; Rozema et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2007 104:12982−12887; Davis, Mol Pharm. 2009 6:659−668; Davis, Nature 2010 464:1067−1070;その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)。 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、高分子化合物と一緒にまたはその中で製剤され得る。ポリマーは、限定ではなくポリエチレン、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリ(l−リジン)(PLL)、PLLにグラフトされたPEG、カチオン性リポポリマー、生分解性カチオン性リポポリマー、ポリエチレンイミン(PEI)、架橋分枝ポリ(アルキレンイミン)、ポリアミン誘導体、修飾ポロクサマー、生分解性ポリマー、弾性生分解性ポリマー、生分解性ブロックコポリマー、生分解性ランダムコポリマー、生分解性ポリエステルコポリマー、生分解性ポリエステルブロックコポリマー、生分解性ポリエステルブロックランダムコポリマー、マルチブロックコポリマー、線状生分解性コポリマー、ポリ[α−(4−アミノブチル)−L−グリコール酸)(PAGA)、生分解性架橋カチオン性マルチブロックコポリマー、ポリカーボネート、ポリ酸無水物、ポリヒドロキシ酸、フマル酸ポリプロピル(polypropylfumerates)、ポリカプロラクトン、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエーテル、ポリエステル、ポリ(オルトエステル)、ポリシアノアクリレート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン、ポリホスファゼン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリシアノアクリレート、ポリウレア、ポリスチレン、ポリアミン、ポリリジン、ポリ(エチレンイミン)、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、アクリルポリマー、アミン含有ポリマー、デキストランポリマー、デキストランポリマー誘導体またはそれらの組合せなどの少なくとも1つのポリマーを含み得る。 非限定的な例として、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、米国特許第6,177,274号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるように、PLLでグラフトされたPEGの高分子化合物を用いて製剤され得る。製剤は、細胞のインビトロトランスフェクションまたは修飾核酸分子およびmmRNAのインビボ送達に使用され得る。別の例では、修飾核酸分子およびmmRNAは、カチオン性ポリマーを含む懸濁液または媒体中、乾燥医薬組成物中、または米国出願公開第20090042829号および同第20090042825号(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる)に記載されるような乾燥させることが可能な水溶液中に懸濁され得る。 別の非限定的な例として、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、PLGA−PEGブロックコポリマー(その全容が参照によりそれぞれ本明細書に組み込まれる米国出願公開第20120004293号および米国特許第8,236,330号を参照)またはPLGA−PEG−PLGAブロックコポリマー(その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,004,573号を参照)とともに製剤され得る。非限定的な例として、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、PEGとPLAまたはPEGとPLGAのジブロックコポリマーとともに製剤され得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,246,968号を参照)。 ポリアミン誘導体が、核酸分子および/またはmmRNAの送達、または疾患の治療および/または予防、または埋め込みまたは注射デバイスに含まれるように使用され得る(その全容が参照により本明細書に組み込まれる米国出願公開第20100260817号)。非限定的な例として、医薬組成物は、修飾核酸分子およびmmRNAおよび米国出願公開第20100260817号(その全容が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されるポリアミン誘導体を含み得る。非限定的な例として、本発明の修飾核酸またはmmRNAは、限定ではなく炭水化物ジアジドモノマーとオリゴアミンを含むジルキン結合物(dilkyneunite)を組み合わせて調製される1,3−双極子付加重合体を含むポリマーなどのポリアミドポリマーを用いて送達され得る(米国特許第8,236,280号;その全容が参照により本明細書に組み込まれる)。 本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、少なくとも1つのアクリルポリマーとともに製剤され得る。アクリルポリマーは、限定ではなくアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、ポリシアノアクリレートおよびそれらの組合せを含む。 一実施形態では、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、国際公開第2011115862号、国際公開第2012082574号、国際公開第2012068187、および米国特許出願公開第20120283427号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている少なくとも1つのポリマーおよび/またはその誘導体と共に製剤化してよい。別の一実施形態では、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、国際公開第2011115862号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている式Zのポリマーと共に製剤化してよい。さらに別の一実施形態では、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、国際公開第2012082574号または国際公開第2012068187号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている式Z、Z’、またはZ”のポリマーと共に製剤化してよい。本発明の修飾核酸および/または修飾mRNAと共に製剤化されるポリマーは、国際公開第2012082574号または国際公開第2012068187号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている方法で合成してよい。 本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAの製剤には、少なくとも1つのアミン含有ポリマーが含まれてよく、アミン含有ポリマーの例として、ポリリジン、ポリエチレンイミン、ポリ(アミドアミン)デンドリマー、またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 例えば、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、ポリ(アルキレンイミン)、生分解性カチオン性リポポリマー、生分解性ブロックコポリマー、生分解性ポリマー、生分解性ランダムコポリマー、生分解性ポリエステルブロックコポリマー、生分解性ポリエステルポリマー、生分解性ポリエステルランダムコポリマー、直鎖状生分解性コポリマー、PAGA、生分解性架橋カチオン性マルチブロックコポリマー、またはこれらの組み合わせを含む医薬組成物の形で製剤化してよい。直鎖状生分解性コポリマーは、当技術分野で公知の方法および/または米国特許第6,696,038号、米国特許出願公開第20030073619号および第20040142474号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で製造してよい。ポリ(アルキレンイミン)は、当技術分野で公知の方法および/または米国特許出願公開第20100004315号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で製造してよい。生分解性ポリマー、生分解性ブロックコポリマー、生分解性ランダムコポリマー、生分解性ポリエステルブロックコポリマー、生分解性ポリエステルポリマー、または生分解性ポリエステルランダムコポリマーは、当技術分野で公知の方法および/または米国特許第6,517,869号および第6,267,987号(参照により、これらの文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で製造してよい。直鎖状生分解性コポリマーは、当技術分野で公知の方法および/または米国特許第6,652,886号に記載の方法で製造してよい。PAGAポリマーは、当技術分野で公知の方法および/または米国特許第6,217,912号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で製造してよい。PAGAポリマーは、ポリマーと共重合してコポリマーまたはブロックコポリマーを形成してよく、その例としてポリ−L−リシン、ポリアルギン、ポリオルニチン、ヒストン、アビジン、プロタミン、ポリ乳酸、およびポリ(ラクチド−co−グリコリド)が挙げられるが、これらに限定されない。生分解性架橋カチオン性マルチブロックコポリマーは、当技術分野で公知の方法および/または米国特許第8,057,821号または米国特許出願公開第2012009145号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で製造してよい。例えば、マルチブロックコポリマーは、分枝状ポリエチレンイミンと比べて特徴的なパターンを有する直鎖状ポリエチレンイミン(LPEI)ブロックを用いて合成してよい。さらに、組成物または医薬組成物は、当技術分野で公知の方法、本明細書に記載の方法、または米国特許出願公開第20100004315号もしくは米国特許第6,267,987号および第6,217,912号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で製造してよい。 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、少なくとも1つの分解性ポリエステルと共に製剤化してよく、この分解性ポリエステルはポリカチオン性側鎖を含有してよい。分解性ポリエステルの例として、ポリ(セリンエステル)、ポリ(L−ラクチド−co−L−リジン)、ポリ(4−ヒドロキシ−L−プロリンエステル)、およびこれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。別の一実施形態では、分解性ポリエステルがPEGコンジュゲートを含んでペグ化ポリマーを形成してよい。 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、少なくとも1つの架橋性ポリエステルと共に製剤化してよい。架橋性ポリエステルには、当技術分野で公知の架橋性ポリエステル、および米国特許出願公開第20120269761号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の架橋性ポリエステルが含まれる。 一実施形態では、本明細書に記載のポリマーは、脂質終端PEGとコンジュゲートしてよい。非限定的な一例として、PLGAは、脂質終端PEGとコンジュゲートしてPLGA−DSPE−PEGを形成してよい。別の非限定的な一例として、本発明で使用するPEGコンジュゲートは、国際公開第2008103276号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。ポリマーは、リガンドコンジュゲートを用いてコンジュゲートしてよく、リガンドコンジュゲートの例として、米国特許第8,273,363号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載のコンジュゲートが挙げられるが、これに限定されない。 一実施形態では、本明細書に記載の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、別の化合物と共にコンジュゲートしてよい。コンジュゲートの非限定的な例は、米国特許第7,964,578号および第7,833,992号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。別の一実施形態では、本発明の修飾RNAは、米国特許第7,964,578号および第7,833,992号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の式1−122のコンジュゲートと共にコンジュゲートしてよい。本明細書に記載の修飾RNAは、金(ただし金に限定されない)等の金属と共にコンジュゲートしてよい(例えばGiljohann et al. Journ. Amer. Chem. Soc. 2009 131(6): 2072−2073を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。別の一実施形態では、本明細書に記載の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、金ナノ粒子中にコンジュゲートおよび/または封入してよい(国際公開第201216269号および米国特許出願公開第20120302940号;参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 米国特許出願公開第20100004313号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の通り、遺伝子送達組成物に、ヌクレオチド配列およびポロキサマーが含まれてよい。例えば、米国特許出願公開第20100004313号に記載のポロキサマーを伴う遺伝子送達組成物に、本発明の修飾核酸およびmmRNAを使用してよい。 一実施形態では、本発明のポリマー製剤はカチオン性担体を含んでよく、コレステロール基およびポリエチレングリコール基と共有結合し得るカチオン性リポポリマーと接触させることにより、本発明のポリマー製剤を安定化させてよい。ポリマー製剤とカチオン性リポポリマーの接触は、米国特許出願公開第20090042829号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で行うことができる。カチオン性担体の例として、ポリエチレンイミン、ポリ(トリメチレンイミン)、ポリ(テトラメチレンイミン)、ポリプロピレンイミン、アミノグリコシド−ポリアミン、ジデオキシ−ジアミノ−b−シクロデキストリン、スペルミン、スペルミジン、ポリ(2−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、ポリ(リジン)、ポリ(ヒスチジン)、ポリ(アルギニン)、カチオン化ゼラチン、デンドリマー、キトサン、1,2−ジオレオイル−3−トリメチルアンモニウム−プロパン(DOTAP)、N−[1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、1−[2−(オレオイルオキシ)エチル]−2−オレイル−3−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾリニウムクロリド(DOTIM)、2,3−ジオレイルオキシ−N−[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]−N,N−ジメチル−1−プロパンアミニウムトリフルオロアセテート(DOSPA)、3B−[N-(N’,N’−ジメチルアミノエタン)−カルバモイル]コレステロールヒドロクロリド(DC−コレステロールHCl)ジヘプタデシルアミドグリシルスペルミジン(DOGS)、N,N−ジステアリル−N,N−ジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、N−(1,2−ジミリスチルオキシプロパ−3−イル)−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロミド(DMRIE)、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAは、1つ以上のポリマーで出来たポリプレックス中に製剤化されてよい(米国特許出願公開第20120237565号および第20120270927号;参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。一実施形態では、ポリプレックスは2つ以上のカチオン性ポリマーを含む。カチオン性ポリマーは、ポリ(エチレンイミン)(PEI)(例えば直鎖状PEI)を含んでよい。 ポリマー、脂質、および/または他の生分解性薬剤(例えばリン酸カルシウムが挙げられるが、これに限定されない)の組み合わせを用いて、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAをナノ粒子として製剤化してもよい。構成成分をコアシェル、ハイブリッド、および/または多層の構造に組み合わせてよく、これによりナノ粒子の微調整を可能にし、修飾核酸分子およびmmRNAの送達を亢進することができる(Wang et al., Nat Mater. 2006 5:791−796; Fuller et al., Biomaterials. 2008 29:1526−1532; DeKoker et al., Adv Drug Deliv Rev. 2011 63:748−761; Endres et al., Biomaterials. 2011 32:7721−7731; Su et al., Mol Pharm. 2011 Jun 6;8(3):774−87(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる))。非限定的な例として、ナノ粒子は複数のポリマーを含んでよく、このポリマーの例として親水性−疎水性ポリマー(例えばPEG−PLGA)、疎水性ポリマー(例えばPEG)、および/または親水性ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない(国際公開第20120225129号;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 脂質および/またはポリマーと組み合わされた生分解性リン酸カルシウムナノ粒子は、インビボで修飾核酸分子およびmmRNAを送達することが示されている。一実施形態では、脂質をコーティングしたリン酸カルシウムナノ粒子(この粒子はアニスアミド等の標的リガンドを含有してもよい)を用いて、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAを送達してよい。例えば、マウス転移性肺モデルにおいて効果的にsiRNAを送達する目的で、脂質をコーティングしたリン酸カルシウムナノ粒子が使われた(Li et al., J Contr Rel. 2010 142: 416−421; Li et al., J Contr Rel. 2012 158:108−114; Yang et al., Mol Ther. 2012 20:609−615。参照により、これらの文献の全体が本明細書に組み込まれる)。この送達システムは、siRNAの送達を改善する目的で、標的化されるナノ粒子と、エンドソーム回避を亢進する成分であるリン酸カルシウムの両方を組み合わせたものである。 一実施形態では、PEG−ポリアニオンブロックコポリマーを伴うリン酸カルシウムを用いて、修飾核酸分子およびmmRNAを送達してよい(Kazikawa et al., J Contr Rel. 2004 97:345−356; Kazikawa et al., J Contr Rel. 2006 111:368−370;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、PEG電荷変換ポリマー(Pitella et al., Biomaterials. 2011 32:3106−3114)を用いてナノ粒子を形成し、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAに送達してよい。PEG電荷変換ポリマーは、酸性pHで切断されてポリカチオンとなることにより、PEG−ポリアニオンブロックコポリマーを改良でき、これによりエンドソーム回避を亢進できる。 コアシェル型ナノ粒子の使用は、カチオン性架橋ナノゲルコアおよび種々のシェルを高速合成する方法に一層重点を置いている(Siegwart et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 108:12996−13001)。ナノ粒子のコア成分とシェル成分の両方の化学組成を変更することにより、ポリマーナノ粒子の複合体形成、送達、および内部移行を精密に制御できる。例えば、コアシェル型ナノ粒子は、コレステロールをナノ粒子に共有結合させた後、siRNAを効率的にマウス肝細胞に送達することができる。 一実施形態では、PLGA中間層とPEG含有中性脂質外層を含む中空脂質コアを用いて、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAを送達してよい。非限定的な一例として、ルシフェラーゼ発現腫瘍を有するマウスにおいて、脂質−ポリマー−脂質ハイブリッドナノ粒子は、従来のリポプレックスと比べて有意にルシフェラーゼ発現を抑制すると判定された(Shi et al, Angew Chem Int Ed. 2011 50:7027−7031;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、脂質ナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸分子で形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸を保護することができる。 本発明の修飾核酸分子で使用するコアシェル型ナノ粒子は、米国特許第8,313,777号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されており、同第8,313,777号に記載の方法で形成することができる。 一実施形態では、コアシェル型ナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸分子で形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸分子を保護することができる。ペプチドおよびタンパク質 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAによる細胞のトランスフェクションを増加させる目的で、修飾核酸分子およびmmRNAをペプチドおよび/またはタンパク質と共に製剤化することができる。一実施形態では、例えば細胞透過性ペプチド(ただしこれに限定されない)等のペプチドと、細胞内送達を可能にするタンパク質およびペプチドを使用して、医薬製剤を送達してよい。本発明の医薬製剤で使用してよい細胞透過性ペプチドの非限定的な一例として、ポリカチオンと結合して細胞内空間への送達を促進する細胞透過性ペプチド(例えば、HIV由来TATペプチド、ペネトラチン、トランスポータン、またはhCT由来の細胞透過性ペプチド)が挙げられる(例えばCaron et al., Mol. Ther. 3(3):310−8 (2001); Langel, Cell−Penetrating Peptides: Processes and Applications (CRC Press, Boca Raton FL, 2002); El−Andaloussi et al., Curr. Pharm. Des. 11(28):3597−611 (2003); Deshayes et al., Cell. Mol. Life Sci. 62(16):1839−49 (2005)を参照。これらの文献はすべて、参照により本明細書に組み込まれる)。細胞内空間への組成物の送達を亢進する細胞透過性剤(例えばリポソーム)を含むように、組成物を製剤化することもできる。細胞内送達を可能にする目的で、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAを、例えばAileron Therapeutics(マサチューセッツ州ケンブリッジ)およびPermeon Biologics(マサチューセッツ州ケンブリッジ)が提供するペプチドおよび/またはタンパク質と結合させて複合体を形成してよい(Cronican et al., ACS Chem. Biol. 2010 5:747−752; McNaughton et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2009 106:6111−6116; Sawyer, Chem Biol Drug Des. 2009 73:3−6; Verdine and Hilinski, Methods Enzymol. 2012;503:3−33;これらの文献はすべて、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、細胞透過性ポリペプチドは第1ドメインと第2ドメインを含んでよい。第1ドメインは、超荷電ポリペプチド(supercharged polypeptide)を含んでよい。第2ドメインは、タンパク質結合パートナーを含んでよい。本明細書で使用する「タンパク質結合パートナー」という語は、抗体およびその機能性断片、足場タンパク質、またはペプチドを含むが、これらに限定されない。細胞透過性ポリペプチドは、タンパク質結合パートナーのための細胞内結合パートナーをさらに含んでよい。細胞透過性ポリペプチドは、修飾核酸分子またはmmRNAの導入先の細胞から分泌されることも可能である。 ペプチドまたはタンパク質を含む製剤を使用することにより、修飾核酸分子もしくはmmRNAによる細胞トランスフェクションを増加させ、修飾核酸分子もしくはmmRNAの生体内分布を(例えば特定の組織もしくは細胞型を標的化することにより)変化させ、かつ/またはコード化タンパク質の翻訳を増加させることができる(例えば国際公開第2012110636号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。細胞 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAをエキソビボで細胞にトランスフェクトし、続いてこの細胞を対象に移植することができる。非限定的な例として、医薬組成物には、修飾RNAを肝細胞および骨髄細胞に送達するための赤血球、修飾核酸分子およびmmRNAをウイルス様粒子(VLP)にして送達するためのビロソーム、修飾RNAを送達するために電気穿孔処理された細胞、例えばMAXCYTE(登録商標)(メリーランド州ゲーサーズバーグ)やERYTECH(登録商標)(フランス、リヨン)(これらに限定されない)から提供される細胞が含まれてよい。mmRNA以外のペイロードを送達するための赤血球、ウイルス粒子、および電気穿孔処理された細胞の使用例が、文献に記載されている(Godfrin et al., Expert Opin Biol Ther. 2012 12:127−133; Fang et al., Expert Opin Biol Ther. 2012 12:385−389; Hu et al., Proc Natl Acad Sci U S A. 2011 108:10980−10985; Lund et al., Pharm Res. 2010 27:400−420; Huckriede et al., J Liposome Res. 2007;17:39−47; Cusi, Hum Vaccin. 2006 2:1−7; de Jonge et al., Gene Ther. 2006 13:400−411;これらの全文献の全体が参照により本明細書に組み込まれる)。国際公開第2011085231号および米国特許出願公開第20110171248号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で合成された合成VLPの状態にして、修飾核酸分子およびmmRNAを送達してよい。 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAの細胞系製剤を使用することにより、(例えば細胞担体における)細胞トランスフェクションを保証し、修飾核酸分子もしくはmmRNAの生体内分布を(例えば細胞担体を特定の組織もしくは細胞型に標的化することにより)変化させ、かつ/またはコード化タンパク質の翻訳を増加させることができる。細胞への導入 ウイルス介在性および非ウイルス介在性の手法をはじめ、種々の方法が当技術分野において公知であり、核酸を細胞に導入するのに適している。代表的な非ウイルス介在性手法の例として、電気穿孔法、リン酸カルシウム介在性移入、ヌクレオフェクション、ソノポレーション、熱ショック、マグネトフェクション、リポソーム介在性移入、マイクロインジェクション、微小噴出物介在性移入(ナノ粒子)、カチオン性ポリマー介在性移入(DEAE−デキストラン、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコール(PEG)等)、または細胞融合が挙げられるが、これらに限定されない。 ソノポレーションすなわち細胞ソノポレーションの手法とは、細胞原形質膜の透過性を改変するために音響(例えば超音波周波数)を使用することである。ソノポレーション方法は当技術分野で公知であり、例えば米国特許出願公開第20100196983号では細菌との関連で教示され、例えば米国特許出願公開第20100009424号では他の細胞型との関連で教示されている(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 電気穿孔手法も当技術分野で周知である。一実施形態では、実施例8に記載のように、修飾核酸分子またはmmRNAを電気穿孔法で送達してよい。 ヒアルロニダーゼ 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを筋肉内または皮下に局所注射する場合、ヒアルロナンの加水分解を触媒するヒアルロニダーゼを含めてよい。ヒアルロナンの加水分解を触媒することにより、間質バリアの一成分であるヒドロゲナーゼがヒアルロナンの粘性を下げるので、組織の透過性が上昇する(Frost, Expert Opin. Drug Deliv. (2007) 4:427−440;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。トランスフェクトされた細胞が産生するコード化タンパク質を急速に分散させ全身に分布させることは、有用である。あるいは、筋肉内または皮下に投与された本発明の修飾核酸分子またはmmRNAに曝される細胞数を増加させる目的で、ヒアルロニダーゼを使用してもよい。ナノ粒子模倣体 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAを、ナノ粒子模倣体内に封入し、かつ/またはナノ粒子模倣体に吸収させてよい。ナノ粒子模倣体は、送達機能する生体または粒子、例えば病原体、ウイルス、細菌、真菌、寄生体、プリオン、および細胞(ただしこれらに限定されない)を模倣することができる。非限定的な例として、本発明の修飾mRNAを、ウイルスの送達機能を模倣できる非ウイルス性(non−viron)粒子内に封入してよい(国際公開第2012006376号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。ナノチューブ 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを、少なくとも1つのナノチューブに付着等により結合させてよい。ナノチューブの例として、ロゼットナノチューブ、リンカーを伴うツインベースを有するロゼットナノチューブ、カーボンナノチューブ、および/または単一壁カーボンナノチューブが挙げられるが、これらに限定されない。修飾核酸分子またはmmRNAをナノチューブに結合するには、立体性、イオン性、共有結合性等の力(これらに限定されない)、および/または他の力を用いてよい。 一実施形態では、ナノチューブは、1つ以上の修飾核酸分子またはmmRNAを細胞内に放出することができる。体内のナノチューブ間の相互作用を管理するように、かつ/または本明細書に開示される修飾核酸分子もしくはmmRNAに付着もしくは結合させるように、少なくとも1つのナノチューブのサイズおよび/または表面構造を変更してよい。一実施形態では、ナノチューブの寸法および/または特性を調整する目的で、上記少なくとも1つのナノチューブの構成要素、または当該構成要素に結合する官能基を変更してよい。非限定的な例として、正常血管の壁にある穴は通過できないが、腫瘍組織の血管にある比較的大きな穴は通過できる程度に小さいナノチューブとなるように、ナノチューブの長さを変更してよい。 一実施形態では、ポリマー(例えばポリエチレングリコールが挙げられるがこれに限定されない)を含む送達亢進化合物を、少なくとも1つのナノチューブにコーティングしてもよい。別の一実施形態では、少なくとも1つのナノチューブおよび/または修飾mRNAを、薬剤的に許容可能な賦形剤および/または送達ビヒクルと混合してよい。 一実施形態では、修飾mRNAを、付着および/または他の方法により少なくとも1つのロゼットナノチューブに結合させる。ロゼットナノチューブは、当技術分野で公知の方法および/または国際公開第2012094304号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の工程により形成してよい。少なくとも1つの修飾mRNAを、国際公開第2012094304号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の工程により、付着および/または他の方法で少なくとも1つのロゼットナノチューブに結合させてよい。この工程では、少なくとも1つの修飾mRNAを付着または他の方法によりロゼットナノチューブに結合させることができる条件下で、ロゼットナノチューブまたはロゼットナノチューブを形成するモジュールを、少なくとも1つの修飾mRNAと水性媒体中で混合する。 一実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAを、付着および/または他の方法により少なくとも1つのカーボンナノチューブに結合させてよい。非限定的な一例として、修飾核酸分子またはmmRNAを連結剤に結合し、この連結剤をカーボンナノチューブに結合してよい(例えば米国特許第8,246,995号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。カーボンナノチューブは単一壁ナノチューブであってよい(例えば米国特許第8,246,995号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。コンジュゲート 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAには、コンジュゲートが含まれ、例えば、担体もしくはターゲティンググループと共有結合している修飾核酸分子もしくはmmRNA、あるいは、一緒になって融合タンパク質を産生する2つのコード化領域を含む修飾核酸分子もしくはmmRNA(例えば、標的化グループと治療用タンパク質もしくはペプチドを有する)が含まれる。 本発明のコンジュゲートには、天然の物質、例えばタンパク質(例えばヒト血清アルブミン(HSA)、低密度リポタンパク質(LDL)、高密度リポタンパク質(HDL)、グロブリン);炭水化物(例えばデキストラン、プルラン、キチン、キトサン、イヌリン、シクロデキストリン、ヒアルロン酸);または脂質が含まれる。リガンドは、組換え分子または合成ポリマー等の合成分子であってもよく、例えば合成ポリアミノ酸、オリゴヌクレオチド(例えばアプタマー)であってもよい。ポリアミノ酸の例として、ポリリジン(PLL)、ポリL−アスパラギン酸、ポリL−グルタミン酸、スチレン−無水マレイン酸コポリマー、ポリ(L−ラクチド−co−グリコリド(glycolied)コポリマー、ジビニルエーテル−無水マレイン酸コポリマー、N−(2−ヒドロキシプロピル)メタクリルアミドコポリマー(HMPA)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリウレタン、ポリ(2−エチルアクリル酸)、N−イソプロピルアクリルアミドポリマー、またはポリホスファジン(polyphosphazine)が挙げられる。ポリアミンの例として、ポリエチレンイミン、ポリリジン(PLL)、スペルミン、スペルミジン、ポリアミン、シュードペプチド−ポリアミン、ペプチド模倣ポリアミン、デンドリマーポリアミン、アルギニン、アミジン、プロタミン、カチオン性脂質、カチオン性ポルフィリン、ポリアミンの第4級塩、αヘリカルペプチドが挙げられる。 特にRNAに対するポリヌクレオチドコンジュゲートの調製を教示している代表的な米国特許として、米国特許第4,828,979号、第4,948,882号、第5,218,105号、第5,525,465号、第5,541,313号、第5,545,730号、第5,552,538号、第5,578,717号、第5,580,731号、第5,591,584号、第5,109,124号、第5,118,802号、第5,138,045号、第5,414,077号、第5,486,603号、第5,512,439号、第5,578,718号、第5,608,046号、第4,587,044号、第4,605,735号、第4,667,025号、第4,762,779号、第4,789,737号、第4,824,941号、第4,835,263号、第4,876,335号、第4,904,582号、第4,958,013号、第5,082,830号、第5,112,963号、第5,214,136号、第5,082,830号、第5,112,963号、第5,214,136号、第5,245,022号、第5,254,469号、第5,258,506号、第5,262,536号、第5,272,250号、第5,292,873号、第5,317,098号、第5,371,241号、第5,391,723号、第5,416,203号、第5,451,463号、第5,510,475号、第5,512,667号、第5,514,785号、第5,565,552号、第5,567,810号、第5,574,142号、第5,585,481号、第5,587,371号、第5,595,726号、第5,597,696号、第5,599,923号、第5,599,928号、第5,688,941号、第6,294,664号、第6,320,017号、第6,576,752号、第6,783,931号、第6,900,297号、第7,037,646号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。 一実施形態では、本発明のコンジュゲートは、本発明の修飾核酸分子およびmmRNAの担体として機能してよい。このコンジュゲートはカチオン性ポリマーを含んでよく、カチオン性ポリマーの例として、ポリアミン、ポリリジン、ポリアルキレンイミン、ポリエチレンイミン(ポリ(エチレングリコール)とグラフト可能)が挙げられる。非限定的な一例として、コンジュゲートはポリマーコンジュゲートと類似していてよく、このポリマーコンジュゲートの合成方法は米国特許第6,586,524号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。 コンジュゲートは、ターゲティンググループを含んでいてもよい。例えば、細胞もしくは組織のターゲティング薬剤(例えばレクチン、糖タンパク質、脂質)、またはタンパク質(例えば、腎細胞等の特定の細胞型と結合する抗体)を含んでいてもよい。ターゲティンググループは、サイロトロピン、メラノトロピン、レクチン、糖タンパク質、サーファクタントタンパク質A、ムチン炭水化物、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチルガラクトサミン、N−アセチルグルコサミン多価マンノース、多価フコース、グリコシル化ポリアミノ酸、多価ガラクトース、フランスフェリン、ビスホスホネート、ポリグルタミン酸、ポリアスパラギン酸、脂質、コレステロール、ステロイド、胆汁酸、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、RGDペプチド、RGDペプチド模倣体、またはアプタマーであり得る。 ターゲティンググループは、タンパク質(例えば糖タンパク質)、ペプチド(例えば共リガンド(co−ligand)に対する特異的親和性を有する分子)、抗体(例えば癌細胞、内皮細胞、骨細胞等の特定の細胞型に結合する抗体)であり得る。ターゲティンググループには、ホルモンおよびホルモン受容体も含まれ得る。ターゲティンググループには、非ペプチド性の種、例えば脂質、レクチン、炭水化物、ビタミン、補因子、多価ラクトース、多価ガラクトース、N−アセチル−ガラクトサミン、N−アセチル−グルコサミン多価マンノース、多価フコース、またはアプタマーも含まれ得る。リガンドは、例えばリポ多糖、またはp38MAPキナーゼの活性化因子であり得る。 ターゲティンググループは、特定の受容体をターゲティングできる任意のリガンドであってよい。例えば、葉酸、GalNAc、ガラクトース、マンノース、マンノース−6P、アプタマー、インテグリン受容体リガンド、ケモカイン受容体リガンド、トランスフェリン、ビオチン、セロトニン受容体リガンド、PSMA、エンドセリン、GCPII、ソマトスタチン、LDL、およびHDLリガンドが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ターゲティンググループはアプタマーである。アプタマーは非修飾であってよく、あるいは本明細書に開示される修飾の任意の組み合わせを有していてもよい。 一実施形態では、本発明の医薬組成物には、化学修飾、例えば、ロックド核酸に類似した修飾(ただしこれに限定されない)が含まれていてよい。 サンタリスから提供されているロックド核酸(LNA)等のLNAの調製を教示している代表的な米国特許の例として、米国特許第6,268,490号、第6,670,461号、第6,794,499号、第6,998,484号、第7,053,207号、第7,084,125号、および第7,399,845号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。 PNA化合物の調製を教示している代表的な米国特許の例として、米国特許第5,539,082号、第5,714,331号、および第5,719,262号(参照により、これらの各文献は本明細書に組み込まれる)が挙げられるが、これらに限定されない。PNA化合物のさらなる教示は、例えばNielsen et al., Science, 1991, 254, 1497−1500に記載されている。 本発明のいくつかの実施形態は、ホスホロチオエート主鎖を有する修飾核酸またはmmRNA、および他の修飾主鎖を有するオリゴヌクレオシド、特に、上記で参照している米国特許第5,489,677号の−CH2−NH−CH2−、−CH2−N(CH3)−O−CH2−[メチレン(メチルイミノ)またはMMI主鎖と呼ばれる]、−CH2−O−N(CH3)−CH2−、−CH2−N(CH3)−N(CH3)−CH2−、および−N(CH3)−CH2−CH2−[ここで、天然ホスホジエステル主鎖は−O-P(O)2−O−CH2−で表される]、ならびに上記で参照している米国特許第5,602,240号のアミド主鎖を有するオリゴヌクレオシドを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリヌクレオチドは、上記で参照している米国特許第5,034,506号のモルホリノ主鎖構造を有する。 2’位置の修飾も送達に役立ち得る。好ましくは、2’位置の修飾は、ポリペプチドコード配列内(すなわち翻訳可能領域内)に位置しない。2’位置の修飾は、5’UTR、3’UTR、および/またはテール領域に位置してよい。2’位置の修飾には、2’位置のH(すなわち2’−デオキシ);F;O−、S−、もしくはN−アルキル;O−、S−、もしくはN−アルケニル;O−、S−、もしくはN−アルキニル;O−アルキル−O−アルキルのうちの1つ以上が含まれてよい(ここで、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは、C1〜C10のアルキル、またはC2〜C10のアルケニルおよびアルキニルに置換されても置換されなくてもよい)。代表的な適切な修飾の例として、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2).nOCH3、O(CH2)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、およびO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2が挙げられる(式中、nとmは1〜約10である)。他の実施形態では、修飾核酸またはmmRNAは、2’位置に以下のうちの1つを含む:C1〜C10の低級アルキル、置換低級アルキル、アルカリル、アラルキル、O−アルカリルもしくはO−アラルキル、SH、SCH3、OCN、Cl、Br、CN、CF3、OCF3、SOCH3、SO2CH3、ONO2、NO2、N3、NH2、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルカリル、アミノアルキルアミノ、ポリアルキルアミノ、置換シリル、RNA切断基、レポーター基、インターカレーター、薬物動態特性を改良するための基、薬力学特性を改良するための基、類似の特性を有する他の置換基。いくつかの実施形態では、修飾には2’−メトキシエトキシ(2’−O−CH2CH2OCH3、別名2’−O−(2−メトキシエチル)または2’−MOE(Martin et al., Helv. Chim. Acta, 1995, 78:486−504)すなわちアルコキシ−アルコキシ基が含まれる。別の代表的な修飾として、下記実施例に記載の2’−ジメチルアミノオキシエトキシ、すなわちO(CH2)2ON(CH3)2基(下記実施例に記載の通り別名2’−DMAOE、および2’−ジメチルアミノエトキシエトキシ(当技術分野で2’−O−ジメチルアミノエトキシエチル、2’−DMAEOEとも呼ばれる)、すなわち、同様に下記実施例に記載の通り2’−O−CH2−O−CH2−N(CH2)2が挙げられる。他の修飾として、2’−メトキシ(2’−OCH3)、2’−アミノプロポキシ(2’−OCH2CH2CH2NH2)、および2’−フルオロ(2’−F)が挙げられる。他の位置、特に、3’末端ヌクレオチド上または2’−5’連結dsRNA内の糖の3’位置、および5’末端ヌクレオチドの5’位置に、類似の修飾を行ってもよい。本発明のポリヌクレオチドは、ペントフラノシル糖の代わりにシクロブチル部分等の糖模倣体を有してもよい。そのような修飾糖構造の調製を教示している代表的な米国特許の例として、米国特許第4,981,957号、第5,118,800号、第5,319,080号、第5,359,044号、第5,393,878号、第5,446,137号、第5,466,786号、第5,514,785号、第5,519,134号、第5,567,811号、第5,576,427号、第5,591,722号、第5,597,909号、第5,610,300号、第5,627,053号、第5,639,873号、第5,646,265号、第5,658,873号、第5,670,633号、および第5,700,920号が挙げられるが、これらに限定されない(参照により、これらの各文献が本明細書に組み込まれる)。 さらに他の実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAは、細胞透過性ペプチドに共有結合的にコンジュゲートされる。細胞透過性ペプチドはシグナル配列を含んでいてもよい。安定性を高め、細胞トランスフェクションを増加させ、かつ/または生体内分布を(例えば特定の組織もしくは細胞型に標的化することにより)変化させるように、本発明のコンジュゲートを設計することができる。自己組織化ナノ粒子核酸の自己組織化ナノ粒子 自己組織化ナノ粒子のサイズは明確に定義されており、核酸の鎖は容易に再プログラムできるので、自己組織化ナノ粒子のサイズを精密に制御できる。例えば、癌標的化ナノ送達担体の最適粒子サイズは20〜100nmであり、その理由は、20nmを超える直径は腎クリアランスを回避し、透過性および保持の亢進効果により特定の腫瘍への送達を亢進するからである。自己組織化核酸ナノ粒子を使用することにより、サイズおよび形状が均一な単一集団は、癌標的化リガンドの空間定位および密度が精密に制御され、送達が亢進される。非限定的な一例として、短いDNA断片および治療用siRNAの再プログラム可能な自己組織化を用いて、オリゴヌクレオチドナノ粒子が調製された。これらのナノ粒子は分子的に同一であり、粒子サイズおよび標的リガンドの位置と密度が制御可能である。DNA断片およびsiRNAは自己組織化して1ステップの反応物となり、DNA/siRNA四面体ナノ粒子を生成してインビボの標的化送達に使用される(Lee et al., Nature Nanotechnology 2012 7:389−393;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、本明細書に開示される修飾核酸分子およびmmRNAを、自己組織化ナノ粒子として製剤化してよい。非限定的な一例では、核酸を使用してナノ粒子を製造でき、このナノ粒子を、本発明の修飾核酸分子および/またはmmRNAの送達システムで使用してよい(例えば国際公開第2012125987号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、核酸自己組織化ナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸分子またはmmRNAで形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸分子およびmmRNAを保護することができる。ポリマー系自己組織化ナノ粒子 ポリマーを用いて、ナノ粒子へと自己組織するシートを形成してよい。このようなナノ粒子を使用して、本発明の修飾核酸およびmmRNAを送達してよい。一実施形態では、このような自己組織化ナノ粒子は、RNAヘアピンの長いポリマーで形成されたマイクロスポンジであってよい。このポリマーは、結晶性の「プリーツ」シートを形成してからマイクロスポンジへと自己組織化する。このようなマイクロスポンジは、密に充填されたスポンジ様のマイクロ粒子であり、効率的な担体として機能でき、細胞にカーゴ(積荷)を送達する能力を有し得る。マイクロスポンジの直径は1μm〜300mnであってよい。マイクロスポンジは、当技術分野で公知の他の薬剤と複合体を形成して、より大きなマイクロスポンジを形成してよい。非限定的な一例として、マイクロスポンジは、ポリカチオン性ポリエチレンイミン(polycation polyethyleneime)(PEI)等の薬剤と複合体を形成して外層を形成し、細胞取り込みを促進することができる。この複合体は、高温(150℃)時に安定状態を維持できる直径250nmの粒子を形成できる(Grabow and Jaegar, Nature Materials 2012, 11:269−269;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。加えて、このようなマイクロスポンジは、リボヌクレアーゼよる分解に対して並外れた程度の保護を示すことができ得る。 別の一実施形態では、マイクロスポンジ等(ただしこれに限定されない)のポリマー系自己組織化ナノ粒子は、完全にプログラム可能なナノ粒子であってよい。ナノ粒子の幾何学形状、サイズ、および化学量論を精密に制御することにより、修飾核酸分子およびmmRNA等(ただしこれらに限定されない)のカーゴ(積荷)を送達するための最適なナノ粒子を作成できる。 一実施形態では、ポリマー系ナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸分子およびmmRNAで形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸分子およびmmRNAを保護することができる。無機ナノ粒子 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを、無機ナノ粒子中に製剤化してよい(米国特許第8,257,745号;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。無機ナノ粒子には、水膨張性の粘土物質が含まれていてよい(ただしこれに限定されない)。非限定的な一例として、無機ナノ粒子には、単純ケイ酸塩で作られた合成スメクタイト粘土が含まれていてよい(例えば、米国特許第5,585,108号および第8,257,745号を参照。参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、無機ナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸で形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸を保護することができる。半導体性および金属製のナノ粒子 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを、半導体性または金属製の材料を含む水分散性ナノ粒子中に製剤化してよく(米国特許出願公開第20120228565号;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)、あるいは磁性ナノ粒子中に製剤化してよい(米国特許出願公開第20120265001号および第20120283503号;参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。水分散性ナノ粒子は、疎水性ナノ粒子、親水性ナノ粒子のどちらであってもよい。 一実施形態では、半導体性および/または金属性ナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸で形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸を保護することができる。ゲルおよびヒドロゲル 一実施形態では、本明細書に開示される修飾mRNAを封入して、当技術分野で公知の、対象に注入されたときにゲルを形成できるヒドロゲルを形成してよい。ヒドロゲルとは、親水性ポリマー鎖が網状組織となったものであり、水を分散媒とするコロイド状ゲルの形で見られることもある。ヒドロゲルは、吸水性の高い(99%超の水を含有できる)天然ポリマーまたは合成ポリマーである。ヒドロゲルは含水量が高いので、天然組織によく似た一定程度の柔軟性も有する。本明細書に記載のヒドロゲルを使用して、生体適合性、生分解性、および/または多孔性の脂質ナノ粒子を封入してよい。 非限定的な一例として、ヒドロゲルは、アプタマーで官能化されたヒドロゲルであってよい。アプタマーで官能化されたヒドロゲルをプログラムすることにより、核酸ハイブリダイゼーションを用いて1つ以上の修飾核酸分子および/またはmmRNAを放出することができる。(Battig et al., J. Am. Chem. Society. 2012 134:12410−12413;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 非限定的な別の一例として、ヒドロゲルは、逆オパールの形状にされてよい。オパールヒドロゲルは比較的高い膨張比を示し、膨張速度も一桁速い。オパールヒドロゲルの生産方法およびオパールヒドロゲルの説明は、国際公開第2012148684号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。 非限定的なさらに別の一例では、ヒドロゲルは、抗菌性ヒドロゲルであってよい。抗菌性ヒドロゲルは、薬剤的に許容可能な塩または有機物質を含んでよく、例えば、医薬品グレードおよび/または医療グレードの銀塩およびアロエベラゲルもしくは抽出物を含んでよい(ただしこれらに限定されない)(国際公開第2012151438号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、修飾mRNAを脂質ナノ粒子中に封入してから、この脂質ナノ粒子を封入してヒドロゲルにしてよい。 一実施形態では、本明細書に開示される修飾mRNAを封入して、当技術分野で公知の任意のゲルにしてよい。非限定的な一例として、このゲルは、フルオロウラシル注入可能ゲルであってよく、あるいは、当技術分野で公知の化合物および/または薬剤を含有するフルオロウラシル注入可能ゲルであってよい。別の一例では、修飾mRNAを、エピネフリン含有フルオロウラシルゲル内に封入してよい(例えば、Smith et al. Cancer Chemotherapty and Pharmacology, 1999 44(4):267−274を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、本明細書に開示される修飾核酸分子および/またはmmRNAを封入してフィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、またはフィブリン接着剤にしてよい。別の一実施形態では、修飾核酸分子および/またはmmRNAを、脂質ナノ粒子または速やかに排出される脂質ナノ粒子中に製剤化してから、フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、またはフィブリン接着剤へと封入してよい。さらに別の一実施形態では、修飾核酸分子および/またはmmRNAをリポプレックスとして製剤化してから、フィブリンゲル、ヒドロゲル、またはフィブリン接着剤へと封入してよい。フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、およびフィブリン接着剤は、フィブリノゲン溶液と、カルシウムに富むトロンビン溶液という2つの成分を含む(例えば、Spicer and Mikos, Journal of Controlled Release 2010. 148: 49−55; Kidd et al. Journal of Controlled Release 2012. 157:80−85を参照。参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、および/またはフィブリン接着剤の成分の濃度を変更することにより、ゲル、ヒドロゲル、および/または接着剤の特性、網状組織メッシュサイズ、および/または分解特性を変化させることができる。例えば、フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、および/またはフィブリン接着剤の徐放特性を変えることができる(ただしこれに限定されない)(例えば、picer and Mikos, Journal of Controlled Release 2010. 148: 49−55; Kidd et al. Journal of Controlled Release 2012. 157:80−85; Catelas et al. Tissue Engineering 2008. 14:119−128を参照。参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。本発明に開示される修飾mRNAの送達に使用する場合、この特徴は有利であり得る(例えば、Kidd et al. Journal of Controlled Release 2012. 157:80−85; Catelas et al. Tissue Engineering 2008. 14:119−128を参照。参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。陽イオンと陰イオン 本明細書に開示される修飾核酸分子の製剤は、陽イオンまたは陰イオンを含んでよい。一実施形態では、製剤は、Zn2+、Ca2+、Cu2+、Mg+、およびこれらの組み合わせ等(ただしこれらに限定されない)の金属陽イオンを含む。非限定的な一例として、製剤は、ポリマーを含み、金属陽イオンと複合体を形成した修飾mRNAを含む(例えば、米国特許第6,265,389号および第6,555,525号を参照。参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。成形されたナノ粒子およびマイクロ粒子 本明細書に開示される修飾核酸分子および/またはmmRNAを、ナノ粒子および/またはマイクロ粒子中に製剤化してよい。このようなナノ粒子および/またはマイクロ粒子は、任意のサイズ、形状、および化学構造に成形してよい。一例として、LIQUIDA TECHNOLOGIES(登録商標)(ノースカロライナ州モリスビル)が提供するPRINT(登録商標)技術を用いてナノ粒子および/またはマイクロ粒子を作製してよい(例えば、国際公開第2007024323号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。 一実施形態では、成形されたナノ粒子は、本明細書に開示される修飾核酸分子およびmmRNAで形成されたコアと、ポリマーシェルとを含んでよい。ポリマーシェルは、本明細書に記載のポリマーおよび当技術分野で公知のポリマーのいずれで形成されてもよい。さらなる一実施形態では、ポリマーシェルを用いて、コア内の修飾核酸分子および/またはmmRNAを保護することができる。ナノジャケットおよびナノリポソーム 本明細書に開示される修飾核酸分子および/またはmmRNAを、Keystone Nano(ペンシルベニア州ステートカレッジ)が提供するナノジャケットおよびナノリポソーム中に製剤化してよい。ナノジャケットは、体内で天然に存在する化合物(カルシウム、リン酸を含む)で作られ、少量のケイ酸塩を含むこともある。ナノジャケットのサイズは5〜50nmの範囲に及び、修飾核酸分子および/またはmmRNA等(ただしこれらに限定されない)の親水性および疎水性化合物の送達に使用できる。 ナノリポソームは、体内の天然の脂質等(ただしこれに限定されない)の脂質で作られる。ナノリポソームのサイズは60〜80nmの範囲に及び、修飾核酸分子および/またはmmRNA等(ただしこれらに限定されない)の親水性および疎水性化合物の送達に使用できる。一態様では、本明細書に開示される修飾核酸を、セラミドナノリポソーム等(ただしこれに限定されない)のナノリポソーム中に製剤化する。賦形剤 医薬製剤は、薬剤的に許容可能な賦形剤を追加的に含んでよい。本明細書で使用する「賦形剤」には、所望される特定の剤形に適したすべての溶剤、分散媒、希釈剤、その他の液体ビヒクル、分散補助剤もしくは懸濁補助剤、表面活性剤、等張剤、増粘剤もしくは乳化剤、保存剤、固体結合剤、滑沢剤等が含まれるが、これらに限定されない。医薬組成物を製剤化するための種々の賦形剤、および医薬組成物の種々の調製手法が、当技術分野において公知である(Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st Edition, A. R. Gennaro, Lippincott, Williams & Wilkins, Baltimore, MD, 2006を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。望ましくない生物学的効果が生じる等により、医薬組成物の他の成分と有害な方法で相互作用するなどして、従来の賦形剤媒体が物質またはその誘導体と不適合である場合を除き、従来の賦形剤媒体の使用は、本開示の範囲内で企図され得る。 いくつかの実施形態では、薬剤的に許容可能な賦形剤の純度は少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または100%であってよい。いくつかの実施形態では、賦形剤は、ヒトでの使用および動物での使用に承認されたものであってよい。いくつかの実施形態では、賦形剤は、米国食品医薬品局に承認されたものであってよい。いくつかの実施形態では、賦形剤は、医薬品グレードであってよい。いくつかの実施形態では、賦形剤は、米国薬局方(USP)、ヨーロッパ薬局方(EP)、英国薬局方、および/または国際薬局方の基準を満足したものであってよい。 医薬製剤の製造において使われる薬剤的に許容可能な賦形剤の例として、不活性希釈剤、分散剤および/または造粒剤、表面活性剤、および/または乳化剤、崩壊剤、結合剤、保存剤、緩衝剤、滑沢剤、および/または油が挙げられるが、これらに限定されない。このような賦形剤を、医薬製剤中に随意に含めてよい。加えて、医薬組成物にカカオバター、坐剤ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤、および/または香料等の賦形剤を含めてもよい。 代表的な賦形剤として、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、リン酸水素カルシウム、リン酸ナトリウムラクトース、スクロース、セルロース、微結晶性セルロース、カオリン、マンニトール、ソルビトール、イノシトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、コーンスターチ、粉末砂糖等、および/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な造粒剤および/または分散剤の例として、ジャガイモデンプン、コーンスターチ、タピオカデンプン、デンプングリコール酸ナトリウム、粘土、アルギン酸、グアーガム、柑橘パルプ、カンテン、ベントナイト、セルロースおよび木材製品、海綿、陽イオン交換樹脂、炭酸カルシウム、ケイ酸塩、炭酸ナトリウム、架橋ポリ(ビニル−ピロリドン)(クロスポビドン)、カルボキシメチルスターチナトリウム(デンプングリコール酸ナトリウム)、カルボキシメチルセルロース、架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム(クロスカルメロース)、メチルセルロース、アルファ化デンプン(スターチ1500)、微結晶性デンプン、水不溶性デンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、ラウリル硫酸ナトリウム、四級アンモニウム化合物等、および/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な表面活性剤および/または乳化剤の例として、天然乳化剤(例えばアカシア、カンテン、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガント、コンドラクス(chondrux)、コレステロール、キサンタン、ペクチン、ゼラチン、卵黄、カゼイン、羊毛脂、コレステロール、ロウ、レシチン)、コロイド粘土(例えばベントナイト[ケイ酸アルミニウム]、VEEGUM(登録商標)[ケイ酸アルミニウムマグネシウム])、長鎖アミノ酸誘導体、高分子アルコール(例えばステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリン酸トリアセチン、ジステアリン酸エチレングリコール、モノステアリン酸グリセリル、モノステアリン酸プロピレングリコール、ポリビニルアルコール)、カルボマー(例えばカルボキシポリメチレン、ポリアクリル酸、アクリル酸ポリマー、カルボキシビニルポリマー)、カラゲナン、セルロース誘導体(例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、粉末セルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース)、ソルビタン脂肪酸エステル(例えばポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート[TWEEN(登録商標)20]、ポリオキシエチレンソルビタン[TWEEN(登録商標)60]、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート[TWEEN(登録商標)80]、ソルビタンモノパルミテート[SPAN(登録商標)40]、ソルビタンモノステアレート[SPAN(登録商標)60]、ソルビタントリステアレート[SPAN(登録商標)65]、グリセリルモノオレエート、ソルビタンモノオレエート[SPAN(登録商標)80])、ポリオキシエチレンエステル(例えばポリオキシエチレンモノステアレート[MYRJ(登録商標)45]、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエトキシ化ヒマシ油、ポリオキシメチレンステアレート、SOLUTOL(登録商標))、スクロース脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル(例えばCREMOPHOR(登録商標))、ポリオキシエチレンエーテル(例えばポリオキシエチレンラウリルエーテル[BRIJ(登録商標)30]、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ジエチレングリコールモノラウレート、トリエタノールアミンオレエート、オレイン酸ナトリウム、オレイン酸カリウム、オレイン酸エチル、オレイン酸、ラウリン酸エチル、ラウリル硫酸ナトリウム、PLUORINC(登録商標)F68、POLOXAMER(登録商標)188、臭化セトリモニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化ベンザルコニウム、ドクサートナトリウム等、および/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な結合剤の例として、デンプン(例えばコーンスターチ、デンプンのり);ゼラチン;糖類(例えばスクロース、グルコース、デキストロース、デキストリン、糖蜜、ラクトース、ラクチトール、マンニトール);天然ガムおよび合成ガム(例えばアカシア、アルギン酸ナトリウム、アイリッシュモス抽出物、パンワール(panwar)ガム、ガッチ(ghatti)ガム、イサポール皮(isapol husk)の粘液、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶性セルロース、酢酸セルロース、ポリ(ビニル−ピロリドン)、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(VEEGUM(登録商標))、カラマツアラビノガラクタン(arabogalactan));アルギン酸塩;ポリエチレンオキシド;ポリエチレングリコール;無機カルシウム塩;ケイ酸;ポリメタクリル酸;ロウ類;水;アルコール等;およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な保存剤の例として、抗酸化剤、キレート化剤、抗菌性保存剤、抗真菌性保存剤、アルコール保存剤、酸性保存剤、および/または他の保存剤が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な抗酸化剤の例として、αトコフェロール、アスコルビン酸、パルミチン酸アコルビル、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、モノチオグリセロール、メタ重亜硫酸カリウム、プロピオン酸、没食子酸プロピル、アスコルビン酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、および/または亜硫酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。代表的なキレート化剤の例として、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、クエン酸一水和物、エデト酸二ナトリウム、エデト酸二カリウム、エデト酸、フマル酸、リンゴ酸、リン酸、エデト酸ナトリウム、酒石酸、および/またはエデト酸三ナトリウムが挙げられる。代表的な抗菌性保存剤の例として、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、イミド尿素ベンジルアルコール、ブロノポール、セトリミド、塩化セチルピリジニウム、クロルヘキシジン、クロロブタノール、クロロクレゾール、クロロキシレノール、クレゾール、エチルアルコール、グリセリン、ヘキセチジン、イミド尿素、フェノール、フェノキシエタノール、フェニルエチルアルコール、硝酸フェニル水銀、プロピレングリコール、および/またはチメロサールが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な抗真菌性保存剤の例として、ブチルパラベン、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、安息香酸、ヒドロキシ安息香酸、安息香酸カリウム、ソルビン酸カリウム 、安息香酸ナトリウム、プロピオン酸ナトリウム、および/またはソルビン酸が挙げられるが、これらに限定されない。代表的なアルコール保存剤の例として、エタノール、ポリエチレングリコール、フェノール、フェノール化合物、ビスフェノール、クロロブタノール、ヒドロキシベンゾエート、および/またはフェニルエチルアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。代表的な酸性保存剤の例として、ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、βカロチン、クエン酸、酢酸、デヒドロ酢酸、アスコルビン酸、ソルビン酸、および/またはフィチン酸が挙げられるが、これらに限定されない。その他の保存剤の例として、トコフェロール、酢酸トコフェロール、メシル酸デテロキシム(deteroxime mesylate)、セトリミド、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、エチレンジアミン、ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)、ラウリルエーテル硫酸ナトリウム(SLES)、重亜硫酸ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、メタ重亜硫酸カリウム、GLYDANT PLUS(登録商標)、PHENONIP(登録商標)、メチルパラベン、GERMALL(登録商標)115、GERMABEN(登録商標)II、NEOLONE(商標)、KATHON(商標)、および/またはEUXYL(登録商標)が挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な緩衝剤の例として、クエン酸緩衝溶液、酢酸緩衝溶液、リン酸緩衝溶液、塩化アンモニウム、炭酸カルシウム、塩化カルシウム、クエン酸カルシウム、グルビオン酸カルシウム、グルセプト酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、D−グルコン酸、グリセロリン酸カルシウム、乳酸カルシウム、プロピオン酸、レブリン酸カルシウム、ペンタン酸、二塩基性リン酸カルシウム、リン酸、三塩基性リン酸カルシウム、水酸化リン酸カルシウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、グルコン酸カリウム、カリウム混合物、二塩基性リン酸カリウム、一塩基性リン酸カリウム、リン酸カリウム混合物、酢酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、塩化ナトリウム、クエン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、二塩基酸リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム混合物、トロメタミン、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、アルギン酸、発熱物質を含まない水、等張食塩水、リンゲル液、エチルアルコール等、および/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な滑沢剤の例として、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸、シリカ、タルク、麦芽、ベヘン酸グリセリル(glyceryl behanate)、水素化植物油、ポリエチレングリコール、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウム、ロイシン、ラウリル硫酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム等、およびこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 代表的な油の例として、アーモンド油、杏仁油、アボカド油、ババス油、ベルガモット油、ブラックカラント種油、ルリヂサ油、ケード油、カモミール油、キャノーラ油、キャラウェー油、カルナバ油、ヒマシ油、シナモン油、ココアバター、ココナツ油、タラ肝油、コーヒーの油、トウモロコシ油、綿実油、エミュー油、ユーカリ油、月見草油、魚油、アマニ油、ゲラニオール油、ゴード(gourd)油、グレープシード油、ヘーゼルナッツ油、ヒソップ油、ミリスチン酸イソプロピル、ホホバ油、ククイナッツ油、ラバンディン油、ラベンダー油、レモン油、リツェアクベバ油、マカデミアナッツ油、マロウ(mallow)油、マンゴー種子油、メドウフォームシード油、ミンク油、ナツメグ油、オリーブ油、オレンジ油、オレンジラッフィー油、パーム油、パーム核油、桃仁油、ピーナッツ油、ケシの実油、カボチャ種子油、菜種油、米ぬか油、ローズマリー油、ベニバナ油、ビャクダン油、サザンカ(sasquana)油、セイボリー油、シーバックソーン油、ゴマ油、シアバター、シリコーン油、大豆油、ヒマワリ油、ティーツリー油、アザミ油、ツバキ油、ベチバー油、クルミ油、および小麦胚種油が挙げられるが、これらに限定されない。代表的な油の例として、ステアリン酸ブチル、カプリル酸トリグリセリド、カプリン酸トリグリセリド、シクロメチコン、セバシン酸ジエチル、ジメチコン360、ミリスチン酸イソプロピル、鉱物油、オクチルドデカノール、オレイルアルコール、シリコーン油、および/またはこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。 製剤者の判断に従って、ココアバター、坐剤用ワックス、着色剤、コーティング剤、甘味剤、風味剤、および/または香料等の賦形剤が組成物中に存在してよい。送達 本開示は、治療、製薬、診断、または画像化の目的で、薬剤送達の科学研究において想定される進歩を考慮に入れた任意の経路を用いて修飾核酸分子またはmmRNAを送達することを包含している。送達は、「裸」または製剤化した状態で実施してよい。「裸」の状態での送達 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、裸の状態で細胞に送達してよい。本明細書で使用する「裸の状態」という語句は、トランスフェクションを促進する薬剤がない状態で、修飾核酸分子またはmmRNAを送達することを指す。例えば、細胞に送達される修飾核酸分子またはmmRNAは、修飾をまったく含まなくてもよい。裸の状態の修飾核酸分子またはmmRNAは、当技術分野で公知の投与経路または本明細書に記載の投与経路を用いて細胞に送達してよい。製剤化された状態での送達 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、本明細書に記載の方法を用いて製剤化してよい。製剤は、修飾核酸分子または修飾および/もしくは非修飾のmmRNAを含有してよい。製剤には、細胞透過剤、薬剤的に許容可能な担体、送達剤、生分解性または生体適合性のポリマー、溶媒、および徐放性送達デポ剤(ただしこれらに限定されない)をさらに含んでよい。製剤化された状態の修飾核酸分子またはmmRNAは、当技術分野で公知の投与経路または本明細書に記載の投与経路を用いて細胞に送達してよい。 また、当技術分野におけるいくつかの方法のいずれかを用いて、器官または組織に直接送達するように組成物を製剤化してもよい。これらの方法の例として、直接浸漬もしくは直接浴、カテーテル、ゲル、粉末、軟膏、クリーム、ローション、および/または液滴による送達、組成物を被覆または含浸させた布または生分解性材料等の基質の使用等が挙げられるが、これらに限定されない。投与 本発明の修飾核酸分子またはmmRNAは、治療上有効な結果をもたらす任意の経路で送達してよい。具体的な経路として、腸内、経胃腸、硬膜外、経口、経皮、硬膜外(硬膜上)、脳内(大脳に送達)、脳室内(脳室に送達)、皮膚上(皮膚に塗布)、皮内(皮膚自体に送達)、皮下(皮膚の下)、経鼻投与(鼻を通じて送達)、静脈内(静脈に送達)、動脈内(動脈に送達)、筋肉内(筋肉に送達)、心臓内(心臓に送達)、骨髄内注入(骨髄に送達)、髄腔内(脊柱管に送達)、腹腔内(腹膜に注入または注射)、膀胱腔内注入、硝子体内(眼を通じて送達)、陰茎海綿体注射(陰茎の底部に送達)、膣内投与、子宮内、羊膜外投与、経皮(表皮を通じて拡散させ全身に分配)、経粘膜(粘膜を通じて拡散)、ガス注入(吸飲)、舌下、唇下、浣腸、点眼(結膜に送達)、点耳が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、組成物が血液脳関門、血管関門、その他の上皮性関門を通過できる方法で組成物を投与してよい。本発明の修飾核酸またはmmRNAの非限定的な投与経路例を以下に示す。非経口投与および注射剤投与 非経口投与用の液体剤形として、薬剤的に許容可能なエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁液、シロップ剤、および/またはエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。液体剤形は、活性成分に加えて、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。この不活性希釈剤の例として、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。経口組成物の場合、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、風味剤、および/または香料等のアジュバントを含んでいてもよい。非経口投与用の特定の実施形態では、組成物を、CREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、および/またはこれらの組み合わせ等の可溶化剤と混合する。 例えば水性または油性の滅菌注射懸濁液等の注射用調製物を、公知の技術に従って、適切な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁剤を用いて製剤化してよい。滅菌注射用調製物は、毒性がなく非経口用として許容可能な希釈剤および/または溶媒中の、滅菌した注射用液剤、懸濁液、および/またはエマルションであってよい(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)。許容可能なビヒクルおよび溶媒の中でも、特に、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張性塩化ナトリウム溶液を使用してよい。従来、溶媒または懸濁媒体として、滅菌不揮発性油が使われている。この目的で、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性不揮発油を使用してよい。オレイン酸等の脂肪酸を注射剤の調製に使用してよい。 例えば、細菌保持フィルターに通してろ過することにより、および/または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射媒体に溶解もしくは分散させることのできる滅菌性固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、注射製剤を滅菌することができる。 活性成分の効果を長期化させる目的で、皮下注射または筋肉注射された活性成分の吸収を遅らせることが望まれることが多い。このことは、難水溶性の結晶性材料または非晶質材料の懸濁液を用いることによって達成できる。この場合、薬剤の吸収速度は薬剤の溶解速度に依存し、薬剤の溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、油ビヒクル中に薬剤を溶解または懸濁させることにより、非経口投与剤形の吸収を遅らせることもできる。ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中で薬剤のマイクロ封入マトリクスを形成することにより、注射用デポ剤形が製造される。薬剤とポリマーの比率、および使用する特定ポリマーの性質に応じて、薬剤の放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられる。注射用デポ製剤は、生体組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルション中に薬剤を封入することにより調製される。直腸内および膣内投与 直腸内投与または膣内投与用の組成物は、典型的には坐剤である。この坐剤は、周囲温度では固体であるが体温時は液体となり、よって腸腔または膣腔で融解して活性成分を放出する適切な非刺激性賦形剤(例えばココアバター、ポリエチレングリコール、坐剤用ワックス)と、組成物とを混合することにより調製できる。経口投与 経口投与用の液体剤形として、薬剤的に許容可能なエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁液、シロップ剤、および/またはエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。液体剤形は、活性成分に加えて、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。この不活性希釈剤の例として、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物が挙げられる。経口組成物の場合、不活性希釈剤の他に、湿潤剤、乳化および懸濁剤、甘味剤、風味剤、および/または香料等のアジュバントを含んでいてもよい。非経口投与用のある特定の実施形態では、組成物を、CREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、および/またはこれらの組み合わせ等の可溶化剤と混合する。 経口投与用の固体剤形として、カプセル、錠剤、丸剤、散剤、および顆粒が挙げられる。このような固体剤形では、活性成分と、不活性かつ薬剤的に許容可能な少なくとも1つの賦形剤とを混合する。このような賦形剤の例として、クエン酸ナトリウムもしくは二リン酸カルシウムおよび/または充填材もしくは増量剤(例えばデンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、ケイ酸)、結合剤(例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリジノン、スクロース、アカシア)、保湿剤(例えばグリセロール)、崩壊剤(例えばカンテン、炭酸カルシウム、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、炭酸ナトリウム)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば四級アンモニウム化合物)、湿潤剤(例えばセチルアルコール、グリセロールモノステアレート)、吸収剤(例えばカオリン、ベントナイト粘土)、滑沢剤(例えばタルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム)、およびこれらの混合物が挙げられる。カプセル、錠剤、丸剤の場合、剤形に緩衝剤を含めてよい。局所または経皮投与 本明細書に記載の通り、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを含有する組成物は、局所投与用に製剤化してよい。皮膚は容易にアクセスできるので、理想的な送達標的部位であり得る。遺伝子発現が皮膚に制限され、非特異的毒性を回避できる可能性があるだけでなく、皮膚内の特定の層および細胞型にも遺伝子発現が制限される。 送達する組成物の皮膚発現の部位は、核酸の送達経路によって異なる。修飾核酸分子またはmmRNAを皮膚に送達する際に一般に考慮される経路は、次の3つである。(i)局所適用(例えば局所/局部治療用);(ii)皮内注射(例えば局所/局部治療用);(iii)全身送達(例えば、皮膚領域と真皮外領域の両方に影響する皮膚疾患の治療用)。修飾核酸分子またはmmRNAは、当技術分野で公知のいくつか異なるアプローチで皮膚に送達することができる。大部分の局所送達アプローチはDNA送達に有効であることが示されており、このような局所送達アプローチの例として、非カチオン性リポソーム−DNA複合体、カチオン性リポソーム−DNA複合体、粒子介在性(遺伝子銃)、穿刺介在性の遺伝子トランスフェクション、およびウイルス送達アプローチの局所適用が挙げられるが、これらに限定されない。核酸の送達後、数種類の皮膚細胞型(基底角化細胞、皮脂腺細胞、皮膚線維芽細胞、真皮マクロファージが含まれるが、これらに限定されない)で遺伝子産物が検出されている。 一実施形態では、本発明は、本発明の方法を簡便かつ/または効果的に実行するための種々の包帯(例えば創傷包帯)または絆創膏(例えばガーゼ付き絆創膏)を提供する。典型的には、包帯または絆創膏は、使用者が対象に対して複数の処置を実施できるように、十分な量の医薬組成物および/または本明細書に記載の修飾核酸分子もしくはmmRNAを含んでよい。 一実施形態では、本発明は、複数回の注射で送達される修飾核酸分子またはmmRNA組成物を提供する。 一実施形態では、局所および/または経皮投与の前に、組織の少なくとも1つの領域(例えば皮膚)に、透過性を高めることのできる装置および/または溶液を供してよい。一実施形態では、皮膚の透過性を高めるため、組織を剥離装置(abrasion device)に供してよい(米国特許出願公開第20080275468号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。別の一実施形態では、組織を超音波強化装置に供してよい。超音波強化装置の例として、米国特許出願公開第20040236268号、ならびに米国特許第6,491,657号および第6,234,990号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の装置が挙げられるが、これらに限定されない。組織の透過性を増強する方法は、米国特許出願公開第20040171980号および第20040236268号、ならびに米国特許第6,190,315号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。 一実施形態では、本明細書に記載の修飾mRNAの製剤を送達する前に、装置を用いて組織の透過性を強化してよい。皮膚の透過性を測定するには、当技術分野で公知の方法および/または米国特許第6,190,315号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法を使用してよい。非限定的な一例として、米国特許第6,190,315号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の薬剤送達方法を用いて修飾mRNA製剤を送達してよい。 別の非限定的一例では、透過性を強化できる装置に組織を供する前、最中、および/また後に、局所麻酔薬の共融混合物(EMLA)クリームで組織を処置してよい。Katzら(Anesth Analg (2004); 98:371−76;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)が示したところによれば、EMLAクリームと低エネルギーを併用すると、低エネルギー超音波を用いた前処置から5分後という早い時期に表在性皮膚痛覚脱失の発生が見られた。 一実施形態では、組織に透過性強化処置を実施する前、最中、および/または後に、組織に亢進剤(enhancer)を適用してよい。亢進剤の例として、輸送亢進剤、物理的亢進剤、空洞化亢進剤が挙げられるが、これらに限定されない。米国特許第6,190,315号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に、亢進剤の非限定的な例が記載されている。 一実施形態では、本明細書に記載の修飾mRNAの製剤であって、免疫応答を起こす物質をさらに含有し得る製剤を送達する前に、装置を用いて組織の透過性を強化してよい。別の非限定的一例では、免疫応答を起こす物質を含有する製剤を、米国特許出願公開第20040171980号および第20040236268号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で送達してよい。 組成物の局所および/または経皮投与用の剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、粉末、溶液、スプレー、吸入剤、および/またはパッチが含まれ得る。一般に、無菌条件下において、活性成分と、薬剤的に許容可能な賦形剤、および/または保存剤(必要な場合)、および/または緩衝剤(必要な場合)とを混合する。 加えて、本発明は経皮パッチの使用を企図している。経皮パッチは、身体への化合物の送達を制御できるという追加の利点を有する場合が多い。このような剤形は、例えば化合物を適切な媒体に溶解および/または分配することにより調製できる。これに代替または追加して、速度制御膜を設け、かつ/または化合物をポリマーマトリクスおよび/もしくはゲル中に分配することにより、速度を制御してもよい。 局所投与に適した製剤の例として、液体および/または半液体の調製物(例えばリニメント剤、ローション)、水中油および/または油中水エマルション(例えば、クリーム、軟膏、ペースト)、および/または溶液、および/または懸濁液が挙げられるが、これらに限定されない。局所投与可能な製剤は、例えば、約0.1%〜約10%(w/w)の活性成分を含んでよいが、活性成分の濃度は、溶媒中の活性成分の溶解限度と同じ高さの濃度であってもよい。局所投与用製剤は、本明細書に記載の追加成分の1つ以上をさらに含んでいてもよい。デポ剤の投与 本明細書に記載の通り、いくつかの実施形態では、持続放出するように組成物をデポ剤の形で製剤化する。一般に、ある特定の器官または組織(「標的組織」)を投与の標的とする。 本発明のいくつかの態様では、修飾核酸分子またはmmRNAを、標的組織の内部または至近位置に空間的に保持する。本明細書において、組成物を哺乳類対象の標的組織に提供する方法が提供される。この方法は、化合物、特に化合物の核酸成分が実質的に標的組織内に保持されるような条件下で、化合物と標的組織(1つ以上の標的細胞を含む組織)を接触させることにより行う。すなわち、組成物の少なくとも10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99%、または99.99%超が標的組織中に保持される。有利には、1つ以上の標的細胞に進入した組成物中に存在する核酸の量を測定することにより、保持率が決定される。例えば、投与後の一定期間、対象に投与した核酸の少なくとも1、5、10、20、30、40、50、60、70、80、85、90、95、96、97、98、99、99.9、99.99%、または99.99%超が細胞内に存在する。例えば、リボ核酸とトランスフェクション試薬を含有する水性組成物を用いて哺乳類対象に筋肉内注射し、筋細胞内に存在するリボ核酸の量を測定することにより組成物の保持率を決定する。 本発明のいくつかの態様は、哺乳類対象の標的組織に組成物を提供する方法を指向しており、この方法は、組成物が標的組織(1つ以上の標的細胞を含む組織)内に実質的に保持される条件下で、組成物を標的組織に接触させることにより行う。この組成物は、関心のポリペプチドが少なくとも1つの標的細胞内で産生されるように、有効量の核酸分子またはmmRNAを含有する。一般に組成物は、細胞透過剤および薬剤的に許容可能な担体を含有するが、「裸」の核酸(例えば、細胞透過剤等の薬剤を伴わない核酸)も企図されている。 いくつかの状況では、組織内で細胞が産生するタンパク質の量が増加することが好ましい。好ましくは、このタンパク質産生量の増加は、標的組織内の細胞に空間的に制限される。したがって、哺乳類対象の組織内で関心のタンパク質産生を増加させる方法が提供される。修飾核酸分子またはmmRNAを含有する組成物が提供され、この場合、所定体積の標的組織内に含まれる相当な割合の細胞内で関心のポリペプチドが産生されるように、組成物の単位量が決定されていることを特徴とする。 いくつかの実施形態では、組成物は複数の異なる修飾核酸分子またはmmRNAを含み、この修飾核酸分子またはmmRNAの1つ以上が関心のポリペプチドをコードする。組成物の細胞内送達を補助する目的で、随意に組成物に細胞透過剤を含有させてもよい。(一般的には、所定体積の標的組織に隣接する組織、または遠位に位置する組織では、関心のポリペプチドの有意な産生を誘発せずに)所定体積の標的組織内に含まれる相当な割合の細胞内で関心のポリペプチドを産生させるように、組成物の必要用量を決定する。この決定に続いて、決定した用量を哺乳類対象の組織に直接導入する。 一実施形態では、本発明は、複数回の注射または分割用量の注射で送達される修飾核酸分子またはmmRNAを提供する。 一実施形態では、小さな使い捨て型の薬剤リザーバー、パッチポンプ、または浸透圧ポンプを用いて、本発明を標的組織の近くに保持してよい。パッチポンプの非限定的な例として、BD(登録商標)(ニュージャージー州フランクリンレイクス)、Insulet Corporation(マサチューセッツ州ベッドフォード)、SteadyMed Therapeutics(カリフォルニア州サンフランシスコ)、Medtronic(ミネソタ州ミネアポリス)(例えばMiniMed)、UniLife(ペンシルベニア州ヨーク)、Valeritas(ニュージャージー州ブリッジウォーター)、SpringLeaf Therapeutics(マサチューセッツ州ボストン)が製造および/または販売しているパッチポンプが挙げられる。浸透圧ポンプの非限定的な例として、DURECT(登録商標)(カリフォルニア州クパチーノ)が製造している浸透圧ポンプ(例えばDUROS(登録商標)、ALZET(登録商標))が挙げられる。肺内投与 頬側口腔を介する肺内投与に適した医薬組成物を調製し、包装し、かつ/または販売してよい。このような製剤は、活性成分を含む乾燥粉末を含んでよく、この乾燥粉末は、直径が約0.5nm〜約7nmまたは約1nm〜約6nmの範囲にある。このような組成物は、投与用に適切に乾燥粉末の形態にされる。投与するには、粉末を分配するために噴射剤流が向けられる乾燥粉末容器を備える装置を使用し、かつ/または、自己噴射する溶媒/粉末分配容器(例えば、密閉容器内の低沸点噴射剤に溶解および/または懸濁した活性成分を含む装置)を使用する。このような粉末は、粒子の少なくとも98重量%が0.5nm超の直径を有し、粒子の少なくとも95%の数が7mn未満の直径を有する粒子を含む。あるいは、粒子の少なくとも95重量%が1nm超の直径を有し、粒子の少なくとも90%の数が6mn未満の直径を有する粒子を含む。乾燥粉末組成物は、固体の微粉末希釈剤(例えば糖)を含んでよく、簡便には、単位用量形態で提供される。 低沸点噴射剤は、一般に、大気圧時の沸点が65°F未満の液体噴射剤を含む。一般に、噴射剤は組成物の50%〜99.9%(w/w)を構成してよく、活性成分は組成物の0.1%〜20%(w/w)を構成してよい。噴射剤は、追加的な成分、例えば液体非イオン性および/または固体陰イオン性表面活性剤、および/または固体の希釈剤をさらに含んでいてもよい(これらの追加的成分の粒子サイズは、活性成分を含む粒子と同じ桁のサイズであってよい)。 非限定的な一例として、本明細書に記載の修飾核酸分子またはmmRNAを、米国特許第8,257,685号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の方法で肺内投与用に製剤化してよい。 肺内送達用に製剤化された医薬組成物は、活性成分を溶液および/または懸濁液の液滴の形で提供してよい。このような製剤は、活性成分を含む水性および/または希アルコール性の溶液および/または懸濁液として、かつ随意に滅菌状態にして、調製し、包装し、かつ/または販売してよく、簡便に、任意の噴霧装置および/または微粒化装置を用いて投与してよい。このような製剤は、1つ以上の追加的成分をさらに含んでよい。この追加的成分の例として、風味剤(例えばサッカリンナトリウム)、揮発油、緩衝剤、表面活性剤、および/または保存剤(例えばヒドロキシ安息香酸メチル)が挙げられるが、これらに限定されない。この投与経路で提供する液滴の平均直径は、約0.1nm〜約200nmの範囲にあってよい。鼻腔内、経鼻、および口腔投与 肺内投与に有用な本明細書に記載の製剤は、医薬組成物の鼻腔内送達に有用である。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含む粗粉末であり、この粗粉末の平均粒径は約0.2μm〜500μmである。このような製剤は、嗅ぎ薬を摂取する方法で投与する。すなわち、粉末容器を鼻に近づけ、鼻腔を通じて急速に吸入することにより投与される。 経鼻投与に適した製剤は、例えば、わずか0.1%(w/w)から100%(w/w)もの活性成分を含んでよく、本明細書に記載の追加的成分を1つ以上含んでよい。医薬組成物を口腔投与に適した製剤の形で調製し、包装し、かつ/または販売してよい。このような製剤は、例えば、従来の方法で製造された錠剤および/またはトローチ剤の形であってよく、例えば0.1%〜20%(w/w)の活性成分を含んでよく、残りの成分は、口で溶解可能および/または分解可能な組成物を含み、さらに随意に、本明細書に記載の追加的成分の1つ以上を含んでいてもよい。あるいは、口腔投与に適した製剤は、活性成分を含む粉末、ならびに/またはエアロゾル化および/もしくは微粒化した溶液および/もしくは懸濁液を含んでよい。このような粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化した製剤は、散布時点で約0.1nm〜約200nm範囲の平均の粒径および/または液滴直径を有してよく、本明細書に記載の追加的成分の1つ以上をさらに含んでよい。眼内投与 医薬組成物を眼内投与に適した製剤の形で調製し、包装し、かつ/または販売してよい。このような製剤は、例えば点眼薬の形態であってよく、例えば、水性または油性の液体賦形剤中、活性成分が0.1/1.0%(w/w)溶液および/または懸濁液である点眼薬であってよい。このような点眼薬は、緩衝剤、塩類、および/または本明細書に記載の他の追加的成分の1つ以上をさらに含んでよい。他の有用な眼内投与製剤の例として、微結晶形態および/またはリポソーム調製物の形で活性成分を含む製剤が挙げられる。点耳薬および/または点眼薬は、本発明の範囲内にあることが企図されている。眼および/または周囲組織に送達する医薬組成物を格納するための多層薄膜装置を作製してよい。ペイロード投与:検出可能剤および治療剤 本明細書に記載の修飾核酸分子またはmmRNAは、生体標的に物質(「ペイロード」)を送達することが望まれる多数の異なるシナリオで使用できる。例えば、標的を検出するための検出可能物質の送達や、治療薬の送達に使用できる。検出方法の例として、インビトロ、インビボ両方の画像化、例えば、免疫組織化学検査、生物発光画像法(BLI)、磁気共鳴画像法(MRI)、陽電子放射型断層撮影法(PET)、電子顕微鏡法、X線コンピュータ断層撮影、ラマンイメージング、光干渉断層法、吸収画像法、赤外線画像法、蛍光反射画像法、蛍光顕微鏡法、蛍光分子断層画像法、磁気共鳴画像法、X線画像法、超音波画像法、光音響画像法、実験室アッセイ、または、標識/染色/画像化が必要とされる任意の状況が挙げられるが、これらに限定されない。 修飾核酸分子またはmmRNAは、リンカーとペイロードの両方を任意の有用な向きで含むように設計することができる。例えば、2端を有するリンカーを用いて、一方の端をペイロードに結合し、他方の端を核酸塩基(例えば、デアザアデノシンもしくはデアザグアノシンのC−7もしくはC−8位置、またはシトシンもしくはウラシルのN−3もしくはC−5位置)に結合する。本発明のポリヌクレオチドは、1を超える数のペイロード(例えば標識と転写阻害剤)の他、切断可能リンカーを含むこともできる。 一実施形態では、修飾ヌクレオチドは修飾7−デアザ−アデノシン三リン酸塩であり、切断可能リンカーの一方の端は7−デアザ−アデニンのC7位置に結合し、リンカーの他方の端は阻害剤(例えば、シチジン上の核酸塩基のC5位置)に結合し、標識(例えばCy5)はリンカーの中心に結合する(例えば、米国特許第7,994,304号(参照によりこの文献は本明細書に組み込まれる)の図5にあるA*pCp C5 Parg Caplessの化合物1および第9欄と第10欄を参照)。上記の修飾7−デアザ−アデノシン三リン酸塩がコード領域に取り込まれた時点で、得られるポリヌクレオチドは、標識と阻害剤(例えばポリメラーゼ阻害剤)に結合した切断可能リンカーを有している。(例えば、切断可能ジスルフィド部分を有するリンカーを還元するための還元条件により)リンカーが切断すると、標識と阻害剤が放出される。さらなるリンカーおよびペイロード(例えば治療剤、検出可能標識、細胞透過ペイロード)は、本明細書に記載されている。 以下のスキーム12に代表的な修飾ヌクレオチドを示す。ここでは、核酸塩基であるアデニンが、7−デアザアデニンのC−7炭素位置でリンカーと結合している。加えて、スキーム12は、リンカーおよび、mRNAの3’末端に取り込まれたペイロード(例えば検出可能剤)を有する修飾ヌクレオチドを示している。ジスルフィドの切断と、プロパルギルエステルに対するチオール基の1,2−付加反応により、検出可能剤が放出される。残りの構造(例えばスキーム12でpApC5Pargと表示)は阻害剤である。修飾ヌクレオチドの構造の理論的根拠は、係留された阻害剤が、第2の塩基を取り込むポリメラーゼの能力を立体的に妨げることである。したがって重要なことは、係留が、この機能に影響するのに十分に長く、かつ阻害剤が、2番目以降のヌクレオチドがポリヌクレオチド鎖へと成長するのを阻害または禁止する化学立体定位にあることである。スキーム12 例えば、本明細書に記載の修飾核酸分子またはmmRNAを用いて、人工多能性幹細胞(iPS細胞)のリプログラミングを行うことができ、この場合、クラスター内の総細胞と比較して、トランスフェクトされた細胞を直接的に追跡できる。別の例では、リンカーを介して薬剤を修飾核酸分子またはmmRNAに結合でき、蛍光標識可能な薬剤を用いて、インビボ(例えば細胞内)で薬剤を追跡することができる。他の例として、細胞への可逆的な薬剤送達に修飾核酸分子またはmmRNAを使用することが挙げられるが、これに限定されない。 本明細書に記載の修飾核酸分子またはmmRNAを用いて、特定の小器官に対するペイロード(例えば、検出可能剤または治療剤)の細胞内標的化を行うことができる。代表的な細胞内標的の例として、先進のmRNA処理のための核局在化、阻害剤を含有するmRNAに連結した核局在配列(NLS)が挙げられるが、これらに限定されない。 加えて、本明細書に記載の修飾核酸分子またはmmRNAを用いて、(例えば生きた動物の)細胞または組織に治療剤を送達することができる。例えば、癌細胞を死滅させるため、本明細書に記載の修飾核酸またはmmRNAを用いて、高極性の化学療法剤を送達することができる。リンカーを通じて治療剤に結合した修飾核酸分子またはmmRNAが膜透過を促進できるので、治療剤が細胞内に移動して、細胞内標的に到達することができる。 一例では、リボース環の2’位置および/または修飾核酸分子もしくはmmRNAの3’位置および/または5’位置でリンカーが結合する(例えば国際公開第2012030683号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。リンカーは、本明細書に開示される任意のリンカー、当技術分野で公知の任意のリンカー、および/または国際公開第2012030683号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている任意のリンカーであってよい。 別の一例では、修飾核酸分子またはmmRNAを、切断可能リンカー通じてウイルス阻害性ペプチド(VIP)に結合することができる。この切断可能リンカーにより、VIPと色素を細胞内に放出することができる。別の一例では、修飾核酸分子またはmmRNAを、いくつかの細菌毒素(例えばコレラ毒素、ジフテリア毒素、百日咳毒素)の作用に関与するADP−リボシレートにリンカーを介して結合させることができる。これらの毒素タンパク質は、ヒト細胞内の標的タンパク質を修飾するADPリボシル基転移酵素である。例えばコレラ毒素ADPリボシレートGタンパク質は、小腸の内面から大量の体液分泌を起こすことによりヒト細胞を修飾し、結果として生命に関わる下痢を起こす。 いくつかの実施形態では、ペイロードは、細胞毒、放射性イオン、化学療法剤、その他の治療剤等の治療剤であってよい。細胞毒または細胞毒性薬には、細胞に有害であり得る任意の薬剤が含まれる。例としては、タキソール、サイトカラシンB、グラミシジンD、臭化エチジウム、エメチン、マイトマイシン、エトポシド、テニポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、コルヒチン、ドキソルビシン、ダウノルビシン、ジヒドロキシアントラシンジオン、ミトキサントロン、ミトラマイシン、アクチノマイシンD、1-デヒドロテストステロン、グルココルチコイド、プロカイン、テトラカイン、リドカイン、プロプラノロール、ピューロマイシン、マイタンシノイド、例えばマイタンシノール(米国特許第5,208,020号を参照。この文献の全体が本明細書に組み込まれる)、ラシェルマイシン(CC−1065、米国特許第5,475,092号、第5,585,499号、および第5,846,545号を参照。参照により、これらの全文献が本明細書に組み込まれる)、およびこれらの類似体または同族体が挙げられるが、これらに限定されない。放射性イオンの例として、ヨウ素(例えばヨウ素125、ヨウ素131)、ストロンチウム89、リン、パラジウム、セシウム、イリジウム、ホスフェート、コバルト、イットリウム90、サマリウム153、プラセオジムが挙げられるが、これらに限定されない。その他の治療剤の例として、代謝拮抗剤(例えばメトトレキサート、6−メルカプトプリン、6−チオグアニン、シタラビン、5−フルオロウラシルダカルバジン)、アルキル化剤(例えばメクロレタミン、チオテパクロラムブシル、ラケルマイシン(CC−1065)、メルファラン、カルムスチン(BSNU)、ロムスチン(CCNU)、シクロホスファミド、ブスルファン、ジブロモマンニトール、ストレプトゾトシン、マイトマイシンC、cis−ジクロロジアミン白金(II)(DDP)シスプラチン)、アントラサイクリン系薬剤(例えばダウノルビシン(以前のダウノマイシン)、ドキソルビシン)、抗生剤(例えばダクチノマイシン(以前のアクチノマイシン)、ブレオマイシン、ミトラマイシン、アントラマイシン(AMC))、および有糸分裂阻害剤(例えばビンクリスチン、ビンブラスチン、タキソール、マイタンシノイド)が挙げられるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、ペイロードは検出可能剤であってよい。検出可能剤とは、例えば、種々の有機低分子、無機化合物、ナノ粒子、酵素もしくは酵素基質、蛍光物質、発光物質(例えばルミノール)、生物発光物質(例えばルシフェラーゼ、ルシフェリン、エクオリン)、化学発光物質、放射性物質(例えば18F、67Ga、81mKr、82Rb、111In、123I、133Xe、201Tl、125I、35S、14C、3H、99mTc(例えば過テクネチウム酸として(テクネチウム酸(VII)、TcO4))、造影剤(例えば金(例えば金ナノ粒子)、ガドリニウム(例えばキレートGd)、酸化鉄(例えば超常磁性酸化鉄(SPIO)、単結晶酸化鉄ナノ粒子(MION)、極小超常磁性酸化鉄(USPIO))、マンガンキレート剤(例えばMn−DPDP)、硫酸バリウム、ヨウ化造影剤(イオヘキソール)、マイクロバブル、パーフルオロカーボン)である。上記の光学的に検出可能な標識の例として、4−アセトアミド−4’−イソチオシアナトスチルベン−2,2’ジスルホン酸;アクリジンおよび誘導体(例えばアクリジンおよびアクリジンイソチオシアネート);5−(2’−アミノエチル)アミノナフタレン−1−スルホン酸(EDANS);4−アミノ−N−[3−ビニルスルホニル)フェニル]ナフタルイミド−3,5ジスルホネート;N−(4−アニリノ−l−ナフチル)マレイミド;アントラニルアミド;BODIPY;ブリリアントイエロー;クマリンおよび誘導体(例えばクマリン、7−アミノ−4−メチルクマリン(AMC、クマリン120)、7−アミノ−4−トリフルオロメチルクマリン(クマリン151));シアニン色素;シアノシン;4’,6−ジアミニジノ−2−フェニルインドール(DAPI);5’5”−ジブロモピロガロール−スルホナフタレイン(ブロモピロガロールレッド);7−ジエチルアミノ−3−(4’−イソチオシアナトフェニル)−4−メチルクマリン;ジエチレントリアミン五酢酸塩;4,4’−ジイソチオシアナトジヒドロ−スチルベン−2,2’−ジスルホン酸;4,4’−ジイソチオシアナトスチルベン−2,2’−ジスルホン酸;5−[ジメチルアミノ]−ナフタレン−1−スルホニルクロリド(DNS、ダンシルクロリド);4−ジメチルアミノフェニルアゾフェニル−4’−イソチオシアン酸(DABITC);エオシンおよび誘導体(例えば、エオシンおよびエオシンイソチオシアネート);エリスロシンおよび誘導体(例えばエリスロシンBおよびエリスロシンイソチオシアネート);エチジウム;フルオレセインおよび誘導体(例えば5−カルボキシフルオレセイン(FAM)、5−(4,6−ジクロロトリアジン−2−イル)アミノフルオレセイン(DTAF)、2’,7’−ジメトキシ−4’5’−ジクロロ−6−カルボキシフルオレセイン、フルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、X−ローダミン−5−(および−6)−イソチオシアネート(QFITCまたはXRITC)、フルオレサミン);2−[2−[3−[[1,3−ジヒドロ−1,1−ジメチル−3−(3−スルホプロピル)−2H−ベンゾ[e]インドール−2−イリデン]エチリデン]−2−[4−(エトキシカルボニル)−1−ピペラジニル]−1−シクロペンテン−1−イル]エテニル]−1,1−ジメチル−3−(3−スルホルプロピル)−1H−ベンゾ[e]インドリウムヒドロキシド、内塩、n,n−ジエチルエタンアミン(1:1)を有する化合物(IR144);5−クロロ−2−[2−[3−[(5−クロロ−3−エチル−2(3H)−ベンゾチアゾール−イリデン)エチリデン]−2−(ジフェニルアミノ)−1−シクロペンテン−1−イル]エテニル]−3−エチルベンゾチアゾリウムペルクロレート(IR140);マラカイトグリーンイソチオシアネート;4−メチルウンベリフェロンオルトクレゾールフタレイン;ニトロチロシン;パラロザニリン;フェノールレッド;B−フィコエリトリン;o−フタルジアルデヒド;ピレンおよび誘導体(例えばピレン、ピレンブチレート、スクシンイミジル1−ピレン);酪酸量子ドット;リアクティブレッド(Cibacron(商標)ブリリアント・レッド3B−A);ローダミンおよび誘導体(例えば6−カルボキシ−X−ローダミン(ROX)、6−カルボキシローダミン(R6G)、リサミンローダミンB、塩化スルホニルローダミン(Rhod)、ローダミンB、ローダミン123、ローダミンXイソチオシアネート、スルホローダミンB、スルホローダミン101、スルホローダミン101の塩化スルホニル誘導体(テキサスレッド)、N,N,N’,N’テトラメチル−6−カルボキシローダミン(TAMRA)テトラメチルローダミン、テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRITC));リボフラビン;ロゾール酸;テルビウムキレート誘導体;シアニン−3(Cy3);シアニン−5(Cy5);シアニン−5.5(Cy5.5)、シアニン−7(Cy7);IRD700;IRD800;Alexa647;La Jolta Blue;フタロシアニン;ならびにナフタロシアニンが挙げられるが、これらに限定されない。 いくつかの実施形態では、検出可能剤は、活性化時に検出可能となる検出不能前駆体であってよい(例えば蛍光発生テトラジン−フルオロフォア構築物(例えばテトラジン−BODIPY FL、テトラジン−オレゴングリーン488、テトラジン−BODIPY TMR−X)または酵素で活性化可能な蛍光発生薬剤(例えばPROSENSE(登録商標)(ヴィスエンメディカル)))。酵素標識される組成物を使用できるインビトロのアッセイの例として、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)、免疫沈降アッセイ、免疫蛍光法、酵素免疫測定法(EIA)、放射性免疫測定法(RIA)、およびウエスタンブロット解析法が挙げられるが、これらに限定されない。併用 核酸分子またはmmRNAは、1つ以上の他の治療薬、予防薬、診断薬、または造影剤と組み合わせて使用してよい。「〜と組み合わせて」という表現は、上記薬剤を同時に投与しなければならず、かつ/または、一緒に送達するように製剤化されなければならないことを意図していないが、このような送達方法は本開示の範囲内にある。1つ以上の他の所望される治療剤または医療手技と同時またはその前後に、組成物を投与してよい。一般に、各薬剤は、当該薬剤に対して決定される用量および/またはタイムスケジュールに基づいて投与される。いくつかの実施形態では、本開示は、医薬組成物、予防用組成物、診断用組成物、または画像化用組成物を、その生物学的利用能を改善でき、その代謝作用を低下および/または改変でき、その排出を阻害でき、かつ/またはその体内分布を改変できる薬剤と組み合わせて送達することを包含している。非限定的な一例として、核酸分子またはmmRNAを、癌治療または過剰増殖細胞の制御のための医薬品と組み合わせて使用してよい。米国特許第7,964,571号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている固体原発腫瘍または転移腫瘍の併用療法では、インターロイキン−12をコードするDNAプラスミドを含む医薬組成物をリポポリマーと共に使用し、さらに少なくとも1つの抗癌剤または化学療法剤を投与する。さらに、抗増殖性分子をコードする本発明の核酸分子またはmmRNAは、リポポリマーを有する医薬組成物中に存在してよく(例えば、抗増殖性分子をコードするDNAプラスミドおよびリポポリマーを含む医薬組成物をクレームしている米国特許出願公開第20110218231号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)、この組成物を、少なくとも1つの化学療法剤または抗癌剤と共に投与してよい。細胞透過性ペイロード いくつかの実施形態では、例えばRNA、mRNA等の核酸に取り込まれる修飾ヌクレオチドおよび修飾核酸分子は、細胞透過性部分であり得るペイロードや、組成物の細胞内送達を亢進する薬剤を含むこともできる。例えば、組成物に含めてよいものの例として、細胞内空間への送達を促進する細胞透過性ペプチド配列、例えばHIV由来TATペプチド、ペネトラチン、トランスポータン、またはhCT由来の細胞透過性ペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。例えばCaron et al., (2001) Mol Ther. 3(3):310−8; Langel, Cell−Penetrating Peptides: Processes and Applications (CRC Press, Boca Raton FL 2002); El−Andaloussi et al., (2005) Curr Pharm Des. 11(28):3597−611; Deshayes et al., (2005) Cell Mol Life Sci. 62(16):1839−49を参照(参照により、これらの全文献は本明細書に組み込まれる)。細胞内空間への組成物の送達を亢進する細胞透過性剤(例えばリポソーム)を含むように、組成物を製剤化することもできる。生物標的 例えばRNA、mRNA等の核酸に取り込まれる本明細書に記載の修飾ヌクレオチドおよび修飾核酸分子を用いて、特定のリガンドが存在するか特定のリガンドを生成可能な任意の生物標的にペイロードを送達することができる。リガンドは、共有結合または非共有結合により生物標的と結合できる。 生物標的の例として、例えば抗体、核酸(RNA、DNA等)、タンパク質、酵素等のバイオポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。タンパク質の例として、酵素、受容体、イオンチャンネルが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、標的は、組織型または細胞型に特異的なマーカーであってよく、例えば、選択された組織型または細胞型の上に特異的に発現するタンパク質であってよい。いくつかの実施形態では、標的は受容体であってよい。受容体の例として、原形質膜受容体および核内受容体が挙げられるが、これらに限定されない。さらに具体的な例として、Gタンパク質共役受容体、細胞孔タンパク質、輸送タンパク質、表面発現抗体、HLAタンパク質、MHCタンパク質、増殖因子受容体が挙げられるが、これらに限定されない。投薬 本発明は、本発明の修飾mRNAおよびそのコード化タンパク質または複合体を、これを必要とする対象に投与することを含んでなる方法を提供する。核酸、タンパク質、もしくは複合体、またはその医薬組成物、画像化用組成物、診断用組成物、もしくは予防用組成物は、疾患、障害、および/または状態(例えば作業記憶欠損に関連する疾患、障害、および/または状態)を予防、治療、診断、または画像化する上で効果的な、任意の量および投与経路を用いて対象に投与してよい。正確な必要量は、対象の種、年齢、全般的状態、疾患の重症度、個々の組成物、その投与様式、その活性様式等に応じて、対象ごとに異なる。本発明の組成物は、投与を簡易化し用量を均一にする目的で、通常は単位投与剤形で製剤化される。しかし、本発明の組成物の1日の総使用量は、健全な医療判断の範囲内で主治医が決定することが理解されるであろう。ある特定の患者に対する具体的な治療有効投与量、予防有効投与量、または適切な画像化投与量のレベルは、様々な要因によって決まる。こうした様々な要因の例として、治療対象の障害、および障害の重症度;使用する特定の化合物の活性;使用する特定の組成物;患者の年齢、体重、全体的な健康状態、性別、および食事;使用する特定の化合物の投与時間、投与経路、および排出速度;治療期間;使用する特定の化合物と併用または同時使用する薬物;ならびに、医療分野でよく知られている同類の要因が挙げられる。 ある特定の実施形態では、本発明の組成物は、所望される治療効果、診断効果、予防効果、または画像化効果を得る目的で、1日に対象の体重1kgあたり約0.0001〜約100mg、約0.001〜約0.05mg、約0.005〜約0.05mg、約0.001〜約0.005mg、約0.05〜約0.5mg、約0.01〜約50mg、約0.1〜約40mg、約0.5〜約30mg、約0.01〜約10mg、約0.1〜約10mg、または約1〜約25mgを送達するのに十分なレベルの投与量で、1日1回以上投与してよい。所望される投与量を、1日3回、1日2回、1日1回、2日に1回、3日に1回、1週間に1回、2週間に1回、3週間に1回、または4週間に1回送達してよい。ある特定の実施形態では、所望される投与量を、多回投与(例えば2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、またはそれ以上の回数の投与)を用いて送達してよい。 本発明によれば、mmRNAを分割用量投与計画で投与した場合に、哺乳類対象において比較的高いレベルのタンパク質が産生されることが発見されている。本明細書で使用する「分割用量」という語は、単回単位用量または総1日用量を2回以上の用量に分割することを指す(例えば、単回単位用量を2回以上の投与に分割する)。本明細書で使用する「単回単位用量」という語は、1用量/1回/単一経路/単一接点(すなわち単一の投与事象)において投与される治療剤の用量を指す。本明細書で使用する「総1日用量」という語は、24時間の期間に投与または処方される量を指す。総1日用量を単回単位用量として投与してよい。一実施形態では、本発明のmmRNAを分割用量で対象に投与する。mmRNAは、緩衝剤のみで製剤化してもよく、本明細書に記載の製剤形態で製剤化してもよい。剤形 本明細書に記載の医薬組成物は、本明細書に記載の剤形に製剤化してよい。例えば、局所投与、鼻腔内投与、気管支内投与、注射投与(例えば静脈内、眼内、硝子体内、筋肉内、心臓内、腹腔内、皮下投与)用として製剤化してよい。液体剤形 非経口投与用の液体剤形として、薬剤的に許容可能なエマルション、マイクロエマルション、液剤、懸濁液、シロップ剤、および/またはエリキシル剤が挙げられるが、これらに限定されない。液体剤形は、活性成分に加えて、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤を含んでもよい。こうした不活性希釈剤の例として、水または他の溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、およびソルビタン脂肪酸エステル、ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。非経口投与用のある特定の実施形態では、組成物を、CREMOPHOR(登録商標)、アルコール、油、改質油、グリコール、ポリソルベート、シクロデキストリン、ポリマー、および/またはこれらの組み合わせ等の可溶化剤と混合してよい。注射剤 例えば水性または油性の滅菌注射懸濁液等の注射用調製物を、公知の技術に従って製剤化してよく、この注射用調製物には、適切な分散剤、湿潤剤、および/または懸濁剤が含まれていてよい。滅菌注射用調製物は、毒性がなく非経口用として許容可能な希釈剤および/または溶媒中の、滅菌した注射用液剤、懸濁液、および/またはエマルションであってよい(例えば、1,3−ブタンジオール溶液)。許容可能なビヒクルおよび溶媒の中でも、特に、水、リンゲル液、U.S.P.、および等張性塩化ナトリウム溶液(ただしこれらに限定されない)を使用してよい。従来、溶媒または懸濁媒体として、滅菌不揮発性油が使われている。この目的で、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性不揮発油を使用してよい。オレイン酸等の脂肪酸を注射剤の調製に使用してよい。 例えば、細菌保持フィルターに通してろ過することにより、および/または使用前に滅菌水もしくは他の滅菌注射媒体に溶解もしくは分散させることのできる滅菌性固体組成物の形態の滅菌剤を組み込むことにより、注射製剤を滅菌することができる。 活性成分の効果を長期化させる目的で、皮下注射または筋肉注射された活性成分の吸収を遅らせることが望まれる場合がある。このことは、難水溶性の結晶性材料または非晶質材料の懸濁液を用いることによって達成できる。この場合、修飾mRNAの吸収速度は薬剤の溶解速度に依存し、薬剤の溶解速度は、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、油ビヒクル中に修飾mRNAを溶解または懸濁させることにより、非経口投与される修飾mRNAの吸収を遅らせることもできる。ポリラクチド−ポリグリコリド等の生分解性ポリマー中で修飾mRNAのマイクロ封入マトリクスを形成することにより、注射用デポ剤形が製造される。修飾mRNAとポリマーの比率、および使用する特定ポリマーの性質に応じて、修飾mRNAの放出速度を制御することができる。他の生分解性ポリマーの例として、ポリ(オルトエステル)およびポリ(無水物)が挙げられるが、これらに限定されない。注射用デポ製剤は、生体組織と適合するリポソームまたはマイクロエマルション中に修飾mRNAを封入することにより調製してよい。肺投与剤 肺内投与に有用な本明細書に記載の製剤は、医薬組成物の鼻腔内送達にも使用してよい。鼻腔内投与に適した別の製剤は、活性成分を含む粗粉末であってよく、この粗粉末の平均粒径は約0.2μm〜500μmである。このような製剤は、嗅ぎ薬を摂取する方法で投与してよい。すなわち、粉末容器を鼻に近づけ、鼻腔を通じて急速に吸入することにより投与してよい。 経鼻投与に適した製剤は、例えば、わずか0.1%(w/w)から100%(w/w)もの活性成分を含んでよく、本明細書に記載の追加的成分を1つ以上含んでよい。医薬組成物を口腔投与に適した製剤の形で調製し、包装し、かつ/または販売してよい。このような製剤は、例えば、従来の方法で製造された錠剤および/またはトローチ剤の形であってよく、例えば0.1%〜20%(w/w)の活性成分を含有してよく、残りの成分は、口で溶解可能および/または分解可能な組成物を含んでよく、さらに随意に、本明細書に記載の追加的成分の1つ以上を含んでいてもよい。あるいは、口腔投与に適した製剤は、活性成分を含む粉末、ならびに/またはエアロゾル化および/もしくは微粒化した溶液および/もしくは懸濁液を含んでよい。このような粉末化、エアロゾル化、および/またはエアロゾル化した製剤は、散布時点で約0.1nm〜約200nm範囲の平均の粒径および/または液滴直径を有してよく、本明細書に記載の追加的成分の1つ以上をさらに含んでよい。 医薬品の製剤化および/または製造の一般的な考慮事項は、例えばRemington: The Science and Practice of Pharmacy 21st ed., Lippincott Williams & Wilkins, 2005(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。コーティングまたはシェル 錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤、および顆粒剤という固体剤形は、コーティングおよびシェル(例えば腸溶コーティング、その他、医薬製剤分野で周知のコーティング)を用いて調製してよい。このような剤形は、随意に乳白剤を含んでもよく、活性成分だけを放出する組成にすることができ、優先的には、腸管の特定部位で、かつ随意に徐放的に、活性成分だけを放出する組成にすることができる。使用可能な包埋組成物の例として、ポリマー物質およびワックスが挙げられる。ラクトース、乳糖や高分子ポリエチレングリコール等の賦形剤を使用して、類似タイプの固体組成物を軟ゼラチンカプセルおよび硬ゼラチンカプセルの充填材として用いてよい。医薬組成物の特性 本明細書に記載の医薬組成物は、下記の1つ以上の特性で特徴付けることができる。生物学的利用能 修飾核酸分子およびmmRNAは、本明細書に記載の送達剤を用いて組成物に製剤化した場合、本明細書に記載の送達剤がない組成物と比べて、生物学的利用能の上昇を示し得る。本明細書で使用する「生物学的利用能」という用語は、哺乳動物に投与された所定用量の修飾核酸分子の全身利用度を指す。生物学的利用能の評価は、曲線下面積(AUC)を測定するか、哺乳動物に化合物を投与した後に形態が変化していない化合物の最大血清濃度または最大血漿濃度(Cmax)を測定することにより行うことができる。AUCとは、横軸(X軸)に時間を示し縦軸(Y軸)に化合物の血清濃度または血漿濃度を示したグラフの、曲線下の面積を測定するものである。一般に、特定の化合物のAUCは、当業者に対して公知の方法を用いて計算でき、これらの方法はG. S. Banker, Modern Pharmaceutics, Drugs and the Pharmaceutical Sciences, v. 72, Marcel Dekker, New York, Inc., 1996(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。 Cmax値とは、哺乳動物に化合物を投与した後、哺乳動物の血清中または血漿中で達成する化合物の最大濃度である。当業者に公知の方法を用いて、特定の化合物のCmaxを測定することができる。本明細書で使用する「生物学的利用能の上昇」または「薬物動態の改善」という語句は、本明細書に記載の送達剤と同時投与された第1の修飾核酸分子の全身アベイラビリティをAUC、Cmax、またはCminで測定した値が、このような同時投与を行わない場合よりも高いことを意味する。いくつかの実施形態では、修飾核酸分子の生物学的利用能は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%の上昇を示し得る。治療濃度域 本発明の修飾核酸分子およびmmRNAは、本明細書に記載の送達剤と共に組成物に製剤化された場合、本明細書に記載の送達剤がない修飾核酸分子組成物を投与後の治療濃度域と比べて、修飾核酸分子組成物の投与後の治療濃度域の拡大を示し得る。本明細書で使用する「治療濃度域」という用語は、高い確率で治療効果を誘発する作用部位における、血漿濃度範囲または治療的活性物質のレベルの範囲を指す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送達剤と同時投与した場合の修飾核酸分子の治療濃度域は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%、少なくとも約75%、少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または約100%上昇し得る。分布容積 本発明の修飾核酸分子は、本明細書に記載の送達剤と共に組成物に製剤化された場合、本明細書に記載の送達剤がない修飾核酸分子組成物と比べて、分布容積(Vdist)の改善(例えば減少または標的化)を示し得る。分布容積(Vdist)とは、体内の薬物量を、血中または血漿中の薬物濃度と関連付けたものである。本明細書で使用する「分布容積」という用語は、体内の薬物濃度が血中濃度または血漿中濃度と同一であると仮定した場合に、体内薬物総量を含有するのに必要な液量を指す。すなわち、Vdistは、体内薬物量を薬物の血中または血漿中濃度で割った値に等しい。例えば、用量10mgで血漿中濃度が10mg/Lの場合、分布容積は1リットルとなる。分布容積は、血管外組織にどの程度薬物が存在するかを表す。分布容積が大量である場合、化合物が血漿タンパク結合よりも組織成分と結合する傾向があることを表す。臨床環境では、Vdistを使用することにより、定常状態の濃度を達成するための負荷投与量を決定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の送達剤と同時投与した場合の修飾核酸分子の分布容積は、少なくとも約2%、少なくとも約5%、少なくとも約10%、少なくとも約15%、少なくとも約20%、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約35%、少なくとも約40%、少なくとも約45%、少なくとも約50%、少なくとも約55%、少なくとも約60%、少なくとも約65%、少なくとも約70%低下し得る。生物学的効果 一実施形態では、動物におけるタンパク質発現を分析することにより、当該動物に送達した修飾mRNAの生物学的効果を分類してよい。本発明の修飾mRNAを投与した哺乳動物から生体試料を回収し、この試料を分析することにより、タンパク質発現を測定することができる。一実施形態では、哺乳動物に投与した修飾mRNAでコードされる発現タンパク質が少なくとも50pg/mlであることが好適であり得る。例えば、哺乳動物に送達された修飾mRNAがコードするタンパク質の発現が50〜200pg/mlである場合、当該哺乳動物における治療有効量のタンパク質とみなすことができる。マススペクトロメトリーによる修飾核酸の検出 マススペクトロメトリー(MS)(質量分析法)とは、イオンに変換した後の分子に関する構造情報および分子質量/濃度情報を提供できる分析手法である。分子が最初にイオン化されて正または負の電荷を得た後、質量分析器内を通過して、各々の質量電荷(m/z)比に応じて様々な分析器領域に到達する。 マススペクトロメトリーを実施するには質量分析計を用いる。この質量分析計は、分画された試料をイオン化し、その後の分析用に荷電分子を生成するためのイオン源を備える。例えば、試料をイオン化する方法として、エレクトロスプレーイオン化(ESI)、大気圧化学イオン化(APCI)、光イオン化、電子衝撃イオン化、高速原子衝撃(FAB)/液体二次イオン化(LSIMS)、マトリクス支援レーザー脱離/イオン化(MALDI)、電界イオン化、電界脱離、サーモスプレー/プラズマスプレーイオン化、およびパーティクルビームイオン化が挙げられる。当業者であれば、測定対象の分析物、試料の種類、検出器の種類、正モードか負モードかの選択等に基づいてイオン化方法の選択を決定できることを理解するであろう。 試料をイオン化した後、それにより生成された正または負の電荷を持つイオンを分析することにより、質量電荷比(すなわちm/z)を決定できる。質量電荷比を測定するのに適した分析計の例として、四重極型分析計、イオントラップ型分析計、および飛行時間型分析計が挙げられる。いくつかのモードを用いてイオンを検出できる。例えば、選択されたイオンを検出でき(すなわち、選択的イオンモニタリングモード(SIM)を使用)、あるいは、スキャニングモードを用いて、例えば多重反応モニタリング(MRM)または選択反応モニタリング(SRM)を用いてイオンを検出することもできる。 タンパク質を検証する方法として、ペプチド標準の安定同位体標識希釈を連結した液体クロマトグラフィー多重反応モニタリング(LC−MS/MRM)が効果的な方法であることが実証されている(例えばKeshishian et al., Mol Cell Proteomics 2009 8: 2339−2349; Kuhn et al., Clin Chem 2009 55:1108−1117; Lopez et al., Clin Chem 2010 56:281−290を参照。参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)。バイオマーカー発見試験で頻繁に使われる非標的化マススペクトロメトリーと異なり、標的化MS法は、計測器の全分析能力を複合混合物中の選択された数十〜数百個のペプチドに集中させる、ペプチド配列をベースにしたMSモードである。検出および断片化の対象を関心のタンパク質に由来するペプチドに限定することにより、発見モードMS法と比べて、感度と再現性が劇的に改善される。マススペクトロメトリーに基づくこの多重反応モニタリング(MRM)法を用いたタンパク質定量化は、臨床試料の迅速、かつ標的化された多重のタンパク質発現プロファイリングを通じて、バイオマーカーの発見および定量化に劇的な影響を及ぼすことができる。 一実施形態では、本発明の少なくとも1つの修飾mRNAでコードされた少なくとも1つのタンパク質を含有し得る生体試料を、MRM−MSの方法を用いて分析してよい。生体試料の定量化のさらなる例として、内部標準としての同位体標識ペプチドまたはタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。 本発明によれば、対象から取得した生体試料に対して酵素消化を行ってよい。本明細書で使用する「消化」という用語は、より短いペプチドに分断することを意味する。本明細書で使用する「試料を処理してタンパク質を消化する」という語句は、試料中のタンパク質を分解するように試料を操作することを意味する。このような酵素の例として、トリプシン、エンドプロテアーゼGlu−C、キモトリプシンが挙げられるが、これらに限定されない。一実施形態では、本発明の少なくとも1つの修飾mRNAでコードされた少なくとも1つのタンパク質を含有し得る生体試料を、酵素を用いて消化してよい。 一実施形態では、本発明の修飾mRNAでコードされたタンパク質を含有し得る生体試料のタンパク質を、エレクトロスプレーイオン化法を用いて分析してよい。エレクトロスプレーイオン化法(ESI)マススペクトロメトリー(ESIMS)では、電気エネルギーを援用してイオンを溶液から気相に移行させてから、マススペクトロメトリーにより分析する。試料の分析には、当技術分野で公知の方法(例えばHo et al., Clin Biochem Rev. 2003 24(1):3−12;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)を用いてよい。溶液に含まれるイオン種を気相に移行させるには、帯電液滴の細かい霧を散布し、溶媒を蒸発させてイオンを耐電液滴から排出させて、高電荷液滴のミストを生成する方法で行ってよい。少なくとも1つ、少なくとも2つ、少なくとも3つ、または少なくとも4つの質量分析計(例えば四重極型質量分析計が挙げられるが、これに限定されない)を使用して、高電荷液滴のミストを分析してよい。さらに、マススペクトロメトリー法に精製ステップが含まれていてもよい。非限定的な一例として、単一のm/z比を選択するように第1の四極子を設定して、別のm/z比を有する他の分子イオンを除去できるようにしてよい。これにより、MS分析前の複雑で時間を要する試料精製手順を排除することができる。 一実施形態では、本発明の修飾mRNAでコードされたタンパク質を含有し得る生体試料のタンパク質を、直列ESIMSシステム(例えばMS/MS)で分析してよい。非限定的な例として、プロダクトスキャン(もしくはドータースキャン)、プレカーサースキャン(ペアレントスキャン)、ニュートラルロス、または多重反応モニタリングを用いて液滴を分析してよい。 一実施形態では、本発明の修飾mRNAでコードされたタンパク質を含有し得る生体試料を、マトリクス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)マススペクトロメトリー(MALDIMS)を用いて分析してよい。MALDIにより、高分子、低分子の両方(例えばタンパク質)を非破壊的に蒸発させイオン化することができる。MALDI分析では、最初に、分析物を大型モル過剰マトリクス化合物と共結晶化する。また、このマトリクス化合物の例として紫外線吸収弱有機酸が挙げられるが、これに限定されない。MALDIで使用されるマトリクスの非限定的な例は、α−シアノ−4−ヒドロキシケイ皮酸、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシケイ皮酸、および2,5−ジヒドロキシ安息香酸である。分析物−マトリクス混合物をレーザー照射すると、マトリクスと分析物が蒸発し得る。レーザー誘起脱離により、無傷の分析物のイオンが高収率で得られ、化合物の高精度な測定が可能になる。試料の分析には、当技術分野で公知の方法(例えばLewis, Wei and Siuzdak, Encyclopedia of Analytical Chemistry 2000:5880−5894;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)を用いてよい。MALDI分析で使われる質量分析計の非限定的な例として、線形飛行時間型(TOF)質量分析計、TOFリフレクトロン型質量分析計、フーリエ変換型質量分析計が挙げられる。 一実施形態では、乾燥液滴法(dried−droplet method)を用いて分析物−マトリクス混合物を形成してよい。生体試料をマトリクスと混合して、マトリクス対試料の比率が約5000:1の飽和マトリクス溶液を生成する。次に、飽和マトリクス溶液の分注量(約0.5〜2.0μL)を静置して乾燥させ、分析物−マトリクス混合物を形成する。 一実施形態では、薄膜層法(thin−layer method)を用いて分析物−マトリクス混合物を形成してよい。同種のマトリクス膜を最初に形成してから、試料に貼り付ける。マトリクスにより試料が吸収されて、分析物−マトリクス混合物を形成することができる。 一実施形態では、厚膜層法(thick−layer method)を用いて分析物−マトリクス混合物を形成してよい。ニトロセルロースマトリクス添加剤を用いて、同種のマトリクス膜を形成する。均一なニトロセルロースマトリクス層が得られると、試料に貼り付け、試料をマトリクスに吸収させて分析物−マトリクス混合物を形成する。 一実施形態では、サンドイッチ法(sandwich method)を用いて分析物−マトリクス混合物を形成してよい。薄膜層法でマトリクス結晶の薄層を作製した後、水性トリフルオロ酢酸の液滴、試料、およびマトリクスを添加する。次に、試料をマトリクスに吸収させて分析物−マトリクス混合物を形成する。修飾核酸分子の使用治療剤 本明細書に記載の修飾核酸分子、および本明細書に記載の修飾核酸分子から翻訳されたタンパク質は、治療剤として使用することができる。例えば、本明細書に記載の修飾核酸分子を対象に投与することができる。この場合、修飾核酸分子がインビボで翻訳されて、対象内に治療用ペプチドが産生される。したがって、本明細書において、ヒトその他の哺乳動物の疾患または状態を治療または防止するための組成物、方法、キット、および試薬が提供される。本開示の活性治療剤の例として、修飾核酸分子、修飾核酸分子を含有する、または当該修飾核酸分子から翻訳されたポリペプチドを含有する細胞、修飾核酸分子から翻訳されたポリペプチド、および修飾核酸分子を含有する、または当該修飾核酸分子から翻訳されたポリペプチドを含有する細胞と接触する細胞が挙げられるが、これらに限定されない。 ある特定の実施形態では、併用療法剤を提供する。この併用療法剤は、翻訳可能領域を含む1つ以上の修飾核酸分子と、抗体依存性の細胞毒性を誘発するタンパク質を含有してよい。本明細書で使用する「翻訳可能領域」は、対象の免疫を強化し得る単一または複数のタンパク質をコードする。例えば、本明細書において、トラスツズマブおよび顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)をコードする1つ以上の核酸を含有する治療剤を提供する。特に、このような併用療法剤は、トラスツズマブに対する誘導抵抗性が発生しているHer2陽性乳癌患者において有用であり得る(例えば、Albrecht, Immunotherapy. 2(6):795−8 (2010)を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み入れられる)。 本明細書に記載の修飾核酸分子を用いて細胞集団において組換えポリペプチドの翻訳を誘発する方法も、提供される。このような翻訳は、インビボ、エキソビボ、培養下、インビトロのいずれでも可能である。少なくとも1つのヌクレオシド修飾と、組換えポリペプチドをコードする翻訳可能領域とを有する核酸を含有する有効量の組成物に、細胞集団を接触させてよい。核酸が細胞集団の1つ以上の細胞に局在化できる条件下で細胞集団を接触させてよく、この核酸から細胞内で組換えポリペプチドが翻訳され得る。 標的組織、標的細胞型、投与手段、核酸の物理特性(例えばサイズ、修飾ヌクレオシドの範囲)、その他の決定要因に少なくとも部分的に基づいて、有効量の組成物を提供してよい。概して、有効量の組成物により、細胞内で効率的にタンパク質が産生され、好ましくは、対応する非修飾核酸分子を含有する組成物よりも高効率にタンパク質が産生される。効率が上昇したことは、細胞トランスフェクションの増加(すなわち、核酸でトランスフェクトされた細胞の割合の増加)、核酸からのタンパク質翻訳の増加、核酸分解の減少(例えば、修飾核酸分子からのタンパク質翻訳持続時間の増加で実証される)、または宿主細胞の自然免疫反応の減少で実証できる。 本開示のいくつかの態様は、組換えポリペプチドの翻訳を、それを必要とする哺乳類対象においてインビボで誘発する方法を指向している。この場合、少なくとも1つのヌクレオシド修飾と、組換えタンパク質をコードする翻訳可能領域とを有する核酸を含有する有効量の組成物を、本明細書に記載の送達方法を用いて対象に投与してよい。核酸が対象の細胞に局在化される量その他の条件下で核酸を投与してよく、この核酸から細胞内で組換えポリペプチドが翻訳され得る。核酸が局在化される細胞、または細胞が存在する組織を、1ラウンド以上の核酸投与により標的化してよい。 本開示の別のいくつかの態様は、修飾核酸分子を含有する細胞を哺乳類対象に移植することに関する。哺乳類対象への細胞投与は当業者には公知であり、例として、局所的植え込み(例えば局所投与または皮下投与)、器官送達または全身注射(例えば静脈内注射または吸入)、薬剤的に許容可能な担体内での細胞の製剤化が挙げられるが、これらに限定されない。修飾核酸分子を含有する組成物を、筋肉内投与、経動脈投与、腹腔内投与、静脈内投与、鼻腔内投与、皮下投与、内視鏡的投与、経皮投与、または髄腔内投与用に製剤化する。いくつかの実施形態では、組成物を徐放用として製剤化してよい。 治療剤の投与対象としてよい対象は、疾患、障害、もしくは有害な状態を患っているか、または疾患、障害、もしくは有害な状態を発症する危険性がある対象である。臨床診断、バイオマーカーレベル、ゲノムワイド関連解析(GWAS)、および当技術で公知の他の方法を含み得る根拠に基づいて、対象を特定し、診断し、分類する方法が提供される。 ある特定の実施形態では、投与された修飾核酸分子が1つ以上の組換えポリペプチドの産生を指示する。この場合、産生を指示された組換えポリペプチドは、組換えポリペプチドが翻訳され得る細胞内に実質的に欠乏し得る機能活性を提供する。例えば、欠乏している機能活性は、酵素的、構造的、または遺伝子調節的な性質のものであり得る。 他の実施形態では、投与された修飾核酸分子が1つ以上の組換えポリペプチドの産生を指示し、この場合、産生を指示された組換えポリペプチドは、組換えポリペプチドが翻訳され得る細胞内に実質的に欠乏し得るポリペプチド(または複数のポリペプチド)に置き換わる。このような欠乏の原因は、コーディング遺伝子またはその調節経路の遺伝子変異であり得る。あるいは、組換えポリペプチドは、細胞内もしくは細胞表面に存在する内在性タンパク質、または細胞から分泌される内在性タンパク質の活性に拮抗するように機能する。通常、例えば内在性タンパク質の変異の結果、活性が改変されるか局在化するなどの理由で、内在性タンパク質の活性は対象に有害になり得る。加えて、組換えポリペプチドは、細胞内もしくは細胞表面に存在する生物的部分、または細胞から分泌される生物的部分の活性に、直接的または間接的に拮抗するように機能する。拮抗作用を受ける生物的部分の例として、脂質(例えばコレステロール)、リポタンパク質(例えば低密度リポタンパク質)、核酸、炭水化物、低分子毒素が挙げられるが、これらに限定されない。 本明細書に記載の組換えタンパク質は、細胞内(潜在的には、核等の特定の区画内)で局在化するように操作してよく、あるいは、細胞から分泌されるように、または細胞の原形質膜に転位置されるように操作される。 本明細書に記載の通り、本開示の修飾核酸分子の有用な特徴の1つは、外来性核酸に対する細胞の自然免疫反応を減少させる能力を有することである。本明細書において、単一細胞または細胞集団における免疫反応の用量調節、低減、または排除を実施する方法が提供される。いくつかの実施形態では、第1用量の第1外来性核酸(翻訳可能領域と、少なくとも1つのヌクレオシド修飾とを含む)を含有する第1組成物に細胞を接触させ、第1外来性核酸に対する細胞の自然免疫反応のレベルを測定してよい。続いて、第2用量の第1外来性核酸を含む第2組成物に、細胞を接触させてよい。この第2用量は、第1用量より少ない量の第1外来性核酸を含有する。あるいは、第1用量の第2外来性核酸に細胞を接触させてもよい。第2外来性核酸は、第1外来性核酸と同一または異なる1つ以上の修飾ヌクレオシドを含有してよい。あるいは、第2外来性核酸は、修飾ヌクレオシドを含有していなくてもよい。第1組成物および/または第2組成物に細胞を接触させるステップを1回以上繰り返してよい。加えて、細胞内のタンパク質産生(例えばタンパク質翻訳)の効率を随意に測定してもよく、目標とするタンパク質産生効率を達成するまで、細胞への第1組成物および/または第2組成物の再トランスフェクションを繰り返し実施してよい。疾患および状態の治療法 タンパク質活性の欠損または異常を特徴とする疾患症状を、欠損しているタンパク質活性を供給するか、または異常なタンパク質活性を克服することにより治療または予防する方法を、本明細書において提供する。ウイルスDNAベクターと比較して、修飾mRNAは導入後のタンパク質産生が急速に開始するので、本開示の化合物は、急性疾患(例えば敗血症、脳卒中、心筋梗塞)の治療で特に有利である。さらに、本開示の修飾mRNAは転写速度を変更でき、よって遺伝子発現に変化を起こすことができるので、この修飾mRNAを使用すれば、タンパク質の正確な用量調節が達成可能となる。 機能障害性または異常性のタンパク質活性を特徴とする疾患の例として、癌および増殖性疾患、遺伝性疾患(例えば嚢胞性線維症)、自己免疫疾患、糖尿病、神経変性疾患、心血管疾患、代謝疾患が挙げられるが、これらに限定されない。本開示は、本明細書に記載の修飾核酸分子を含有する核酸もしくは細胞に基づく治療剤を導入することにより、対象のこのような状態もしくは疾患を治療する方法を提供する。この場合、本明細書に記載の修飾核酸分子は、対象の細胞に存在する異常なタンパク質活性を拮抗等の方法により克服するタンパク質をコードする。機能障害性タンパク質の具体例として、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)遺伝子のミスセンス変異体(CFTRタンパク質の機能障害性タンパク質変異体を産生して、嚢胞性線維症を引き起こす変異体)が挙げられるが、これに限定されない。 タンパク質活性が欠損している(または、適切なタンパク質機能が発生しないほど実質的に減少している)ことを特徴とし得る、多くの疾患が存在する。このようなタンパク質は不存在であるか、本質的に機能不全であり得る。 したがって、有効量のCTFRポリペプチドが細胞内に存在する条件下で、哺乳類対象の細胞を、機能的CFTRポリペプチドをコードする翻訳可能領域を有する修飾核酸分子と接触させることにより、対象の嚢胞性線維症を治療する方法を提供する。好ましい標的細胞は、肺等の上皮細胞であり、投与方法は標的組織を考慮して決定される。すなわち、肺送達の場合は、吸入投与用にRNA分子を製剤化する。 別の一実施形態では、本開示は、対象の細胞集団に、Sortilin(ゲノム研究により近年特徴付けされたタンパク質)をコードする修飾mRNA分子を導入することにより、対象の高脂血症を治療し、これにより対象の高脂血症を寛解させる方法を提供する。SORT1遺伝子は、Sortilinと呼ばれるトランスゴルジ網(TGN)膜貫通タンパク質をコードする。遺伝学研究により、5人に1人がSORT1遺伝子の1p13遺伝子座に一塩基多型rs12740374を有し、低レベルの低密度リポタンパク質(LDL)および超低密度リポタンパク質(VLDL)を有する傾向があることが示されている。約30%の人々に存在するマイナー対立遺伝子の各コピーがLDLコレステロールを8mg/dL変化させるのに対し、母集団の約5%に存在するマイナー遺伝子の2つのコピーは、LDLコレステロールを16mg/dL低下させる。マイナー対立遺伝子の保有者は、心筋梗塞のリスクが40%低下していることも示されている。マウスにおけるインビボの機能研究では、マウスの肝組織でSORT1を過剰発現させた結果、LDLコレステロールレベルが80%もの有意な割合で低下し、SORT1を発現停止すると、LDLコレステロールが約200%増加したと記されている(Musunuru K et al. From noncoding variant to phenotype via SORT1 at the 1p13 cholesterol locus. Nature 2010; 466: 714−721;参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。細胞性核酸の送達方法 本開示の方法は、細胞集団へのインビボ、エキソビボ、または培養下での核酸の送達を亢進する。例えば、複数の宿主細胞(例えば酵母細胞や哺乳類細胞等の真核細胞)を含有する細胞培養液を、少なくとも1つのヌクレオシド修飾を有し、かつ随意に翻訳可能領域を有する修飾核酸分子を含有する組成物と接触させてよい。また組成物は、一般に、トランスフェクション試薬等、宿主細胞への修飾核酸分子の取り込み効率を高め得る化合物を含有してもよい。修飾核酸分子は、対応する非修飾の核酸分子と比べて、細胞集団における高い保持率を示し得る。修飾核酸分子は、非修飾核酸分子よりも高い保持率を有し得る。いくつかの実施形態では、修飾核酸分子の保持率は、非修飾核酸分子より少なくとも約50%、75%、90%、95%、100%、150%、200%、または200%超高い。そのような保持率の優位性は、修飾核酸分子による1ラウンドのトランスフェクションで達成でき、あるいは、後続の反復ラウンドのトランスフェクションで得ることができる。 いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の核酸と共に、標的細胞集団に修飾核酸分子を送達してよい。このような送達は同時であってもよく、あるいは、修飾核酸分子を送達した後、1つ以上の追加の核酸を送達してもよい。追加の1つ以上の核酸は、修飾核酸分子、非修飾核酸分子のどちらであってもよい。最初に修飾核酸分子が存在することによって、細胞集団の自然免疫反応が実質的に誘発されなくてもよく、さらに、後に非修飾核酸分子が存在することによって、自然免疫反応が活性化されなくてもよいことが理解される。この点で、標的細胞集団内に存在することが所望されるタンパク質が非修飾核酸分子から翻訳される場合、強化された核酸自体が翻訳領域を含む必要はない。標的部分 いくつかの実施形態では、修飾核酸分子を提供することにより、細胞表面にタンパク質結合パートナーまたは受容体が発現する。このパートナーまたは受容体は、細胞の標的を特定の組織空間に向けるか、特定の部分と相互作用するようにインビボまたはインビトロで機能することができる。適切なタンパク質結合パートナーの例として、抗体およびその機能性断片、足場タンパク質、またはペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。加えて、脂質、炭水化物、または他の生物的部分の合成および細胞外局在化を指示する目的で、修飾核酸分子を使用してよい。遺伝子発現の永久停止 哺乳類対象においてエピジェネティック(後成的)に遺伝子発現を停止する、核酸を含む方法。この場合、遺伝子をサイレンシングする目的で、配列特異的なヒストンH3メチル化を指示することのできる単一または複数のポリペプチドを翻訳可能領域がコードして、ヘテロクロマチンの形成を開始し、特定遺伝子周辺の遺伝子転写を減少させる。例えば、ヤヌスキナーゼ2遺伝子における機能獲得型変異は、骨髄増殖性疾患ファミリーの原因である。細胞表面でのリガンドまたは受容体の発現 いくつかの態様および本明細書に記載の態様の実施形態では、修飾RNAを使用して、細胞表面にリガンドまたはリガンド受容体を発現することができる(例えばホーミング部分)。細胞表面にリガンドまたはリガンド受容体部分が結合すると、細胞は、組織または薬剤との間で所望の生物相互作用をインビボで有することが可能になる。リガンドは、抗体、抗体断片、アプタマー、ペプチド、ビタミン、炭水化物、タンパク質もしくはポリペプチド、受容体(例えば細胞表面受容体)、接着分子、糖タンパク質、糖残基、治療薬、薬剤、グリコサミノグリカン、またはこれらの組み合わせであり得る。例えば、リガンドは、癌細胞に特異的な抗原を認識することにより、細胞が腫瘍細胞と優先的に相互作用できるようにして、改変細胞の腫瘍特異的な局在化を可能にする抗体であり得る。好ましいリガンドは治療対象組織の外面にある標的分子と相互作用できるので、リガンドにより、細胞組成物は治療対象組織に蓄積できるようになる。他の組織に対しては限られた交差反応性を有するリガンドが、一般的に好ましい。 いくつかの例では、リガンドは、細胞が特定組織を標的化すること、あるいは細胞が特定リガンドと相互作用することを可能にするホーミング部分として機能できる。このようなホーミング部分の例として、特定の結合ペアの任意のメンバー、抗体、モノクローナル抗体、またはこれらの誘導体もしくは類似体が挙げられ(ただしこれらに限定されない)、その具体例として、Fv断片、単鎖Fv(scFv)断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、単一ドメイン抗体、ラクダ化抗体(camelized antibodies)および抗体断片、ヒト化抗体および抗体断片、ならびに上記の多価バージョン;単一特異性抗体、二重特異性抗体を含む(ただしこれらに限定されない)多価の結合試薬、例えばジスルフィド安定化Fv断片、scFvタンデム((SCFV)2断片)、典型的には共有結合その他の方法で安定化している(すなわちロイシンジッパーまたはヘリックスで安定化している)scFv断片である二重特異性抗体、三重特異性抗体、または四重特異性抗体;その他のホーミング部分(例えばアプタマー、受容体、融合タンパク質)が挙げられる。 いくつかの実施形態では、ホーミング部分は、細胞標的化特異性の調整を可能にする表面結合抗体であってよい。所望される標的部位の関心のエピトープに対して特異性の高い抗体を産生させることができるので、表面結合抗体は特に有用である。一実施形態では、所望の標的に対してそれぞれ異なる特異性を有し得る複数の抗体が細胞表面に発現する。このような方法により、ホーミング相互作用の結合活性と特異性を高めることができる。 当業者であれば、所望される局在化または細胞機能に基づいて任意のホーミング部分を選択できる。例えば、タモキシフェン等のエストロゲン受容体リガンドは、細胞表面のエストロゲン受容体が減少しているエストロゲン依存性乳癌細胞に細胞を標的化することができる。リガンド/受容体相互作用のその他の非限定的な例として、CCRI(例えば、関節リウマチにおける炎症性関節組織もしくは脳、および/または多発性硬化症の治療)、CCR7、CCR8(例えば、リンパ節組織への標的化)、CCR6、CCR9、CCR10(例えば、腸組織への標的化)、CCR4、CCR10(例えば、皮膚への標的化)、CXCR4(例えば、全般的な血管外移動亢進)、HCELL(例えば、炎症、炎症性疾患、骨髄の治療)、Alpha4beta7(例えば、腸粘膜の標的化)、VLA−4/VCAM−1(例えば、内皮への標的化)が挙げられる。概して、標的化(例えば癌転移)に関与する任意の受容体を、本明細書に記載の方法および組成物に利用することができる。細胞死介在物質 一実施形態では、修飾核酸分子組成物を用いて、細胞死受容体、細胞死受容体のリガンド、またはこれらの組み合わせの発現を増加させることにより、細胞(例えば癌細胞)にアポトーシスを誘発することができる。この方法は、所望される任意の細胞に細胞死を誘発する目的で使用でき、細胞が自然のアポトーシスシグナルを回避する癌の治療において特に有用である。 アポトーシスは、多くの独立シグナル経路により誘発でき、これらの独立シグナル経路は最終エフェクター機構に集結する。このエフェクター機能は、腫瘍壊死因子(TNF)受容体/リガンドスーパーファミリーに属するいくつかの「死の受容体」とそのリガンド間の多くの相互作用からなる。最もよく特徴付けられている細胞死受容体は、CD95(「Fas」)、TNFRI(p55)、細胞死受容体3(DR3またはApo3/TRAMO)、DR4、およびDR5(apo2−TRAIL−R2)である。アポトーシスの最終エフェクター機構とは、カスパーゼと命名された一連のプロテイナーゼの活性化であり得る。このカスパーゼが活性化する結果、生命に必要な一連の細胞タンパク質が切断されて、細胞死が生じる。細胞死受容体/リガンドにより誘発されるアポトーシスの分子機構は、当技術分野で周知である。例えば、Fas/FasLが介在するアポトーシスは、3つのFasL分子が結合することにより誘発される。この3つのFasL分子は、C末端デスドメイン(DD)を介してFas受容体の三量体形成を誘発し、このFas受容体は、アダプタータンパク質FADD(デスドメインを有するFas結合タンパク質)とカスパーゼ8を動員する。この三分子複合体Fas/FAIDD/カスパーゼ8がオリゴマーを形成する結果、酵素前駆体カスパーゼ8がタンパク質分解により活性カスパーゼ8へと切断し、この活性カスパーゼ8が、カスパーゼ3を含む他の下流カスパーゼをタンパク質分解で活性化することにより、アポトーシス処理を開始する。デスリガンドは一般に、三量体またはそれ以上の高次構造に形成された場合にアポトーシス性である。単量体としてのデスリガンドは、細胞死受容体との結合で三量体と競合することにより、抗アポトーシス剤として機能できる。 一実施形態では、修飾核酸分子組成物は細胞死受容体(例えばFas、TRAIL、TRAMO、TNFR、TLR等)をコードする。修飾RNAのトランスフェクションにより細胞死受容体を発現するようにされた細胞は、その受容体を活性化するリガンドが誘発する細胞死を受けやすくなる。同様に、(例えば細胞表面に)デスリガンドを発現するようにされた細胞は、トランフェクトされた細胞が標的細胞と接触したとき、受容体を用いて細胞死を誘発する。別の一実施形態では、修飾RNA組成物は、細胞死受容体リガンド(例えばFasL、TNF等)をコードする。別の一実施形態では、修飾RNA組成物はカスパーゼ(例えばカスパーゼ3、カスパーゼ8、カスパーゼ9等)をコードする。癌細胞が非増殖型または制御された増殖型へと適切に分化できないことを頻繁に示す場合、別の一実施形態では、合成の修飾RNA組成物は、細胞死受容体とその適切な活性化リガンドの両方をコードする。別の一実施形態では、合成の修飾RNA組成物は分化因子をコードする。この分化因子は、癌幹細胞等の癌細胞内で発現したとき、癌細胞が非病原性表現型または非自己再生表現型に分化するよう誘発し(例えば、細胞増殖速度の低下、細胞分裂の減少等)、または、癌細胞が休眠細胞期(例えばG0休止期)に入るよう誘発する。 当業者であれば、アポトーシス誘発手法を使用する場合は、修飾核酸分子を適切に(例えば腫瘍細胞に)標的化して、細胞死が不要に広範に拡大するのを防止する必要があることを理解するであろう。したがって、修飾核酸分子が癌細胞だけに発現するようにするため、癌抗原を認識する送達メカニズム(例えば、リガンドまたは抗体の結合、リポソーム標的化等)を使用してよい。キットおよび装置キット 本発明は、本発明の方法を簡便および/または効果的に実施するための種々のキットを提供する。典型的には、キットは、使用者が対象の複数の治療を実施し、かつ/または複数の実験を実施するに足る、十分な量および/または数の構成要素を含む。 一態様では、本発明は、翻訳可能領域を含む第1の修飾核酸分子またはmmRNAを含む、タンパク質産生用キットを提供する。このキットは、包装と説明書、および/または製剤組成物を形成するための送達剤をさらに含んでよい。送達剤は、生理食塩水、緩衝液、リピドイド(lipidoid)、または本明細書に開示される任意の送達剤を含んでよい。 一実施形態では、緩衝液は、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸、および/またはEDTAを含み得る。別の一実施形態では、緩衝液は、生理食塩水、2mMカルシウムを含む生理食塩水、5%スクロース、2mMカルシウムを含む5%スクロース、5%マンニトール、2mMカルシウムを含む5%マンニトール、乳酸リンゲル液、塩化ナトリウム、2mMカルシウムを含む塩化ナトリウム、およびマンノースを含み得る(これらに限定されない)(例えば米国特許出願公開第20120258046号を参照。参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)。さらなる一実施形態では、緩衝液は沈殿または凍結乾燥されていてよい。一定し再現可能な高濃度の生理食塩水または単純な緩衝液配合を実現できるように、各成分の量を変えてよい。また、一定期間中および/または種々の条件下で緩衝液中の修飾核酸分子およびmmRNAの安定性が増すように、成分を変えてもよい。 一態様では、本発明は、翻訳可能領域を含む第1の修飾核酸分子またはmmRNA(その量は、標的細胞に導入された時点で、翻訳可能領域がコードする所望のタンパク質量を産生できる有効量である)と;阻害性核酸を含む第2の修飾核酸分子またはmmRNA(その量は、細胞の自然免疫反応を実質的に阻害できる有効量である)と;包装および説明書と、を含むタンパク質産生用キットを提供する。 一態様では、本発明は、翻訳可能領域を含む修飾核酸分子またはmmRNAと、包装および説明書とを含む、タンパク質産生用キットであって、この核酸は細胞ヌクレアーゼによる分解の減少を示す、タンパク質産生用キットを提供する。 一態様では、本発明は、翻訳可能領域を含む修飾核酸分子またはmmRNAを含む、タンパク質産生用キットであって、この核酸は細胞ヌクレアーゼによる分解の減少を示し、哺乳類細胞は第1核酸の翻訳可能領域による翻訳に適している、タンパク質産生用キットを提供する。装置 本発明は、関心のポリペプチドをコードする修飾核酸分子またはmmRNAを組み込むことのできる装置を提供する。この装置は、上記核酸を必要とする対象(例えばヒト患者)に直ちに送達できる製剤の形で核酸を合成するための、安定した製剤にされた試薬を格納する。上記関心のポリペプチドの非限定的な例として、創傷治癒のための増殖因子および/または血管形成促進因子、感染制御を促進するためのペプチド抗生物質、および、新たに特定されたウイルスに対する免疫反応を急速に刺激するための抗原が挙げられる。 いくつかの実施形態では、この装置は、すべて完備した自立型であり、さらに、合成方法および/または生成された修飾核酸分子もしくはmmRNAの分析方法の説明書を無線リモートアクセスで取得する能力を随意に有していてもよい。この装置は、少なくとも1つの修飾核酸分子またはmmRNA、好ましくは無制限の数の様々な修飾核酸分子またはmmRNAをモバイル合成することができる。ある特定の実施形態では、この装置は、1名または少数の個人により運搬することができる。他の実施形態では、この装置は、卓上または机上に収まるように拡大/縮小される。他の実施形態では、この装置は、スーツケース、バックパック、または類似サイズの物体に収まるように拡大/縮小される。 別の一実施形態では、この装置は、ポイント・オブ・ケア装置またはハンドヘルド型装置であってよい。さらなる実施形態では、この装置は、車両(例えば自動車、トラック、救急車)または軍用車両(例えばタンク、人員運搬車)に収まるように拡大/縮小される。関心のポリペプチドをコードする修飾mRNAを生成するために必要な情報は、装置内に存在するコンピュータ可読媒体内に存在する。 一実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAの形で投与されたタンパク質のレベルを評価する目的で、装置を使用してよい。この装置は、血液検査、尿検査、その他の生物流体試験を含んでよい。 いくつかの実施形態では、この装置は、核酸およびポリペプチド配列のデータベースと通信する(例えば無線で通信する)能力を有する。この装置は、1つ以上の試料容器を挿入するための少なくとも1つの試料ブロックを格納する。このような試料容器は、液体または他の形態の任意の数の材料(例えば鋳型DNA、ヌクレオチド、酵素、緩衝剤、その他の試薬)を収容することができる。また、この試料容器は、試料ブロックと接触することにより加熱および冷却することができる。この試料ブロックは通常、少なくとも1つの試料ブロック用の1つ以上の電子制御ユニットを用いて、装置のベースと連通している。好ましくは、この試料ブロックは加熱モジュールを格納し、この加熱分子(heating molecule)は、約−20C〜約+100Cの温度範囲で試料容器とその内容物を加熱および/または冷却することができる。装置のベースは、電圧源(例えば電池または外部電圧源)と連通している。この装置は、RNA合成用材料を保存し分配する手段も格納する。 この試料ブロックは、合成された核酸を分離するためのモジュールを随意に格納してもよい。あるいは、この装置は、試料ブロックと機能的に連結した分離モジュールを格納してもよい。好ましくは、この装置は、合成された核酸を分析する手段を格納する。上記の分析には、配列同一性(例えば、ハイブリダイゼーションにより実証)、所望されない配列の不存在、合成されたmRNAの完全性測定(例えば、微小流体粘度測定と分光測定法の併用による分析)、修飾RNAの濃度および/または効力(例えば、分光測定法による分析)が含まれる。 ある特定の実施形態では、この装置は、対象から取得した生体材料中に存在する病原体を検出する手段(例えば微生物同定用IBIS PLEX−IDシステム(Abbott、イリノイ州アボットパーク))と組み合わされる。 本発明に記載の皮内投与医薬組成物の送達に適切な装置として、例えば米国特許第4,886,499号、第5,190,521号、第5,328,483号、第5,527,288号、第4,270,537号、第5,015,235号、第5,141,496号、および第5,417,662号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている短針(ショートニードル)装置が挙げられる。皮内投与組成物の投与は、針の有効な皮膚貫通長さを制限する装置(例えば、PCT国際公開第99/34850号(参照により、この文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の装置およびその機能的均等物)により行ってよい。液体噴射式注射器を介して、かつ/または角質層を貫通して真皮に届く噴流を生成する針を介して液体組成物を真皮に送達する噴射式注射器が、好適である。噴射式注射器については、例えば、米国特許第5,480,381号、第5,599,302号、第5,334,144号、第5,993,412号、第5,649,912号、第5,569,189号、第5,704,911号、第5,383,851号、第5,893,397号、第5,466,220号、第5,339,163号、第5,312,335号、第5,503,627号、第5,064,413号、第5,520,639号、第4,596,556号、第4,790,824号、第4,941,880号、第4,940,460号、ならびにPCT国際公開第97/37705号および第97/13537号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載されている。圧縮ガスを用いて粉末形態ワクチンの皮膚外層から真皮への送達を加速するバリスティック粉末/粒子送達装置が、好適である。上記に追加または代替して、古典的な皮内投与マントゥー法において従来の注射器を使用してもよい。 いくつかの実施形態では、この装置はポンプであってよく、あるいは、血液脳関門を通過して本発明の化合物または組成物を投与するためのカテーテルを含んでいてもよい。このような装置の例として、加圧嗅覚送達装置、イオン導入装置、多層微小流体装置等が挙げられるが、これらに限定されない。このような装置は、携帯式、固定式のどちらでもよい。このような装置は、植え込み型であるか、外部から身体に係留されるか、またはこれらの組み合わせであってよい。 投与装置を使用して、本明細書で教示される単回投与、多回投与、または分割投与計画に従って、本発明の修飾核酸分子またはmmRNAを送達してよい。このような装置について、以下に記載する。 本明細書に開示されている方法および組成物と併用される、細胞、器官、および組織に多回投与するための当技術分野で公知の方法および装置は、本発明の実施形態として企図されている。その例として、複数の針を備える方法および装置、例えばルーメンやカテーテルを使用するハイブリッド装置、熱、電流、または放射線で駆動される機構を利用した装置が挙げられる。 本発明によれば、これらの多回投与装置を利用して、本明細書で企図される単一用量、多回用量、または分割用量を送達してよい。 治療剤を固形組織に送達する方法は、Bahramiらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20110230839号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Bahramiによれば、規則的に並んだ針が装置に組み込まれ、各針の長さに沿って、上記固形組織の任意の場所に、実質的に均等量の流体が送達される。 生物組織を通過して生体材料を送達する装置は、Kodguleらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20110172610号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Kodguleによれば、一種以上の金属で製造され、外径が約200ミクロン〜約350ミクロン、長さが少なくとも100ミクロンの複数の中空マイクロ針が装置に組み込まれて、この装置からペプチド、タンパク質、炭水化物、核酸分子、脂質、その他の薬剤的活性成分、またはこれらの組み合わせを送達する。 治療剤を組織に送達するための送達プローブは、Gundayらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20110270184号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Gundayによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置が付属カプセルを作動位置と非作動位置の間で移動させて、カプセルから針を通じて薬剤を排出させる。 頻回注射医療器具は、Assafにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20110218497号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Assafによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置は、1本以上の針に接続したチャンバーを有し、各注射の後にチャンバーに医療流体を連続的に補充する手段を有する。 一実施形態では、修飾核酸分子またはmmRNAを、少なくとも3本の針を介して、同時または60分以内に、3つの異なる部位(隣接部位でもよい)に皮下投与または筋肉内投与する(例えば、同時または60分以内に、4、5、6、7、8、9、または10の部位に投与する)。米国特許出願公開第20110230839号および第20110218497号(参照により、これらの各文献の全体が本明細書に組み込まれる)に記載の装置を使用すると、分割用量を隣接組織に同時に投与することができる。 物質を患者の体内に注射するための少なくとも部分的に植え込み型のシステム、特に陰茎勃起刺激システムは、Forsellにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20110196198号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Forsellによれば、複数の針が装置に組み込まれ、患者の左右の海綿体に隣接した位置に、この装置が1つ以上のハウジングと共に植え込まれる。針を通じて薬剤を供給するためのリザーバーとポンプも植え込まれる。 治療有効量の鉄を経皮送達する方法は、Berensonにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20100130910号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Berensonによれば、複数の針を用いて角質層中に複数のマイクロチャンネルを作成でき、これにより、イオン注入パッチの鉄イオンの経皮送達を亢進することができる。 生物組織を通過して生体材料を送達する方法は、Kodguleらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20110196308号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Kodguleによれば、治療活性成分を含有する複数の生分解性マイクロ針が装置に組み込まれ、この装置から、タンパク質、炭水化物、核酸分子、脂質、その他の薬剤的活性成分、またはこれらの組み合わせが送達される。 ボツリヌス毒素組成物を含む経皮パッチは、Donovanにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20080220020号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Donovanによれば、複数の針がパッチに組み込まれ、血管を破らずに皮膚角質層に突き出た針を通じて、装置から角質層下にボツリヌス毒素が送達される。 約0.2〜15mLの液体製剤を保持できる小型の使い捨てリザーバーまたはパッチポンプを皮膚に配置して、小口径針(small bore needed)(例えば26〜34ゲージ)を用いて連続的に製剤を皮下送達できる。非限定的な例として、このパッチポンプは、30〜34ゲージ針を有するばね付き50mm×76mm×20mm(BD(商標)Microinfuser、ニュージャージー州フランクリンレイクス)、インスリン等の薬剤送達用の2mLリザーバーを有する41mm×62mm×17mm(OMNIPOD(登録商標)、Insulet Corporation、マサチューセッツ州ベッドフォード)、または0.5〜10mLリザーバーを有する43〜60mm径、10mm厚さ(PATCHPUMP(登録商標)、SteadyMed Therapeutics、カリフォルニア州サンフランシスコ)であってよい。さらに、パッチポンプは電池式および/または充電式であってよい。 極低温治療位置に活性薬剤を投与するための凍結探針は、Toubiaにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20080140061号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Toubiaによれば、活性薬剤をチャンバーへと受け取るプローブに複数の針が組み込まれ、このプローブから組織に薬剤が送達される。 炎症を治療もしくは防止し、または健常な関節を促進する方法が、Stockらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20090155186号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Stockによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から、シグナル伝達調節因子化合物を含有する組成物が投与される。 多部位注射システムが、Kimmellらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20100256594号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Kimmellによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から針を通じて角質層に薬剤が送達される。 インターフェロンを皮内区画に送達する方法が、Dekkerらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20050181033号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Dekkerによれば、露出高さ0〜1mmの出口を有する複数の針が装置に組み込まれ、この装置は、0.3mm〜2mmの深さに物質を送達することにより薬物動態と生物学的利用能を改善する。 遺伝子、酵素、および生物剤を組織細胞に送達する方法が、Desaiにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20030073908号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Desaiによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置が体内に挿入されて、これらの針を通じて薬剤流体が送達される。 線維芽細胞で不整脈を治療する方法が、Leeらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20040005295号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Leeによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から組織の局所領域に線維芽細胞が送達される。 磁気的に制御されたポンプを用いて脳腫瘍を治療する方法が、Shacharらにより説明されており、例えば米国特許第7,799,012号(方法)および第7,799,016号(装置)(参照により、これらの文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Shacharによれば、複数の針がポンプに組み込まれ、このポンプから針を通じて制御部位に薬剤が押し出される。 哺乳類の雌における膀胱の機能障害を治療する方法が、Versiらにより説明されており、例えば米国特許第8,029,496号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Versiによれば、規則的に並んだマイクロ針が装置に組み込まれ、この装置から針を通じて治療剤が膀胱三角に直接送達される。 マイクロ針経皮輸送装置が、Angelらにより説明されており、例えば米国特許第7,364,568号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Angelによれば、複数の針が装置に組み込まれ、様々な方向から体表に挿入された針を通じて、物質が体表内に運搬される。このマイクロ針経皮輸送装置は、中実、中空のどちらのマイクロ針システムでもよい。非限定的な一例として、中実のマイクロ針システムは、最大容量が0.5mgで、薬剤を塗布した150〜700μm高さの中実のマイクロ針を1cm2あたり300〜1500本有し得る。このマイクロ針は角質層を貫通して、短時間(例えば20秒〜15分)皮膚に残る。別の例では、中空のマイクロ針システムは最大3mLの容量を有し、約950μm高さのマイクロ針1cm2あたり15〜20本を用いて液体製剤を送達する。このマイクロ針は皮膚を貫通して、液体製剤を装置から皮膚内に流入させる。この中空マイクロ針システムは、製剤の容積と粘度に応じて1〜30分間装着してよい。 皮下注入装置が、Daltonらにより説明されており、例えば米国特許第7,150,726号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Daltonによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から針を通じて皮下組織に流体が送達される。 ワクチンおよび遺伝子治療剤をマイクロカニューレで皮内送達する装置および方法が、Miksztaらにより説明されており、例えば米国特許第7,473,247号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Mitsztaによれば、少なくとも1本の中空マイクロ針が装置に組み込まれ、この装置から、対象の皮膚の0.025mm〜2mmの深さにワクチンが送達される。 インスリンを送達する方法が、Pettisらにより説明されており、例えば米国特許第7,722,595号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Pettisによれば、装置に組み込まれた2本の針の両方が、本質的に同時に皮膚に挿入される。このとき、第1の針は2.5mm未満の深さからインスリンを皮内区画に送達し、第2の針は2.5mm超5.0mm未満の深さからインスリンを皮下区画に送達する。 吸引下の皮膚注射送達が、Kochambaらにより説明されており、例えば米国特許第6,896,666号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Kochambaによれば、互いに比較的近接している複数の針が装置に組み込まれ、この装置から皮膚層の下に流体を注射する。 皮膚を通過して物質を回収または送達する装置が、Downらにより説明されており、例えば米国特許第6,607,513号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Downによれば、長さ約100ミクロン〜約2000ミクロン、約30〜50ゲージの複数の皮膚貫通部材が装置に組み込まれる。 皮膚に物質を送達する装置が、Palmerらにより説明されており、例えば米国特許第6,537,242号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Palmerによれば、規則的に並んだマイクロ針が装置に組み込まれ、この装置は、伸張アセンブリを用いて針と皮膚の接触を亢進し、より均一な物質送達を提供する。 局在性薬物送達用の潅流装置が、Zamoyskiにより説明されており、例えば米国特許第6,468,247号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Zamoyskiによれば、複数の皮下針が装置に組み込まれ、皮下注射器が退縮すると同時に、皮下注射器の内容物が組織に注射される。 マイクロ針とヒト皮膚間の相互作用を改善することにより、薬剤および生体分子が組織を通過して輸送されるのを亢進する方法が、Prausnitzらにより説明されており、例えば米国特許第6,743,211号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Prausnitzによれば、マイクロ針の取り付け先表面の剛性を高め変形性を下げることのできる装置に、複数のマイクロ針を組み込む。 薬剤を器官内投与するための装置、Tingらにより説明されており、例えば米国特許第6,077,251号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Tingによれば、投与を亢進するためのサイド開口部を有する複数の針が装置に組み込まれ、これらの針が針チャンバーから伸張、退縮することにより、薬剤がリザーバーから針に排出され、標的器官に注射される。 複数針のホルダーと皮下マルチチャンネル注入ポート、Brownにより説明されており、例えば米国特許第4,695,273号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Brownによれば、針ホルダーに設けられた複数の針が、注入ポートの隔壁を貫通して挿入され、注入ポート内の隔離チャンバーに通じる。 デュアル皮下注射器が、Hornにより説明されており、例えば米国特許第3,552,394号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Hornによれば、スタイルと長さが異なってよい2本の針が68mm未満の間隔を空けて装置に組み込まれ、深さの異なる注射を可能にする。 複数の針と複数の流体コンパートメントを持つ注射器が、Hershbergにより説明されており、例えば米国特許第3,572,336号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Hershbergによれば、複数の流体コンパートメントを持つ注射器に複数の針が組み込まれ、1つの注射剤へと混合できない複数の不適合性薬剤を同時に投与することができる。 流体を皮内注射するための手術器具が、Eliscuらにより説明されており、例えば米国特許第2,588,623号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Eliscuによれば、複数の針が手術器具に組み込まれ、この器具から流体が皮内に注射されて比較的広く分散する。 物質を複数の乳管に同時送達するための器具が、Hungにより説明されており、例えば欧州特許第1818017号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Hungによれば、複数のルーメンが装置に組み込まれ、この装置が管ネットワークの開口部を通って挿入され、流体を管ネットワークに送達する。 心臓その他の器官の組織に薬剤を導入するためのカテーテルが、Tkebuchavaにより説明されており、例えば国際公開第2006138109号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Tkebuchavaによれば、組み込まれた2本の湾曲針が平らな軌道を描いて器官壁部に入る。 薬剤を送達するための装置が、Mckayらにより説明されており、例えば国際公開第2006118804号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Mckayによれば、各針に複数の開口部が設けられた複数の針が装置に組み込まれ、組織への局所的送達(脊椎円板の内部円板空間等)を促進する。 免疫調節物質を哺乳動物皮膚の皮内空間に直接送達する方法が、Pettisにより説明されており、例えば国際公開第2004020014号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Pettisによれば、複数の針が装置に組み込まれ、針を通じて0.3mm〜2mmの深さに物質が送達される。 全身吸収および薬物動態の改善のため、皮膚内の少なくとも2つの区画に物質を投与する方法および装置が、Pettisらにより説明されており、例えば国際公開第2003094995号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Pettisによれば、約300μm〜約5mm長さの複数の針が装置に組み込まれ、この装置から皮内および皮下組織の複数の区画に同時に送達される。 針とローラーを備えた薬剤送達装置が、Zimmermanらにより説明されており、例えば国際公開第2012006259号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Zimmermanによれば、ローラー内に配置された複数の中空針が装置に組み込まれ、ローラーの回転と当時にリザーバーの内容物が針を通って送達される。 ステント等の薬剤送達装置は当技術分野で公知であり、例えば米国特許出願公開第20060020329号、第20040172127号、および第20100161032号(参照により、これらの文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。本明細書に記載の修飾核酸分子およびmmRNAの製剤は、ステントを用いて送達してよい。加えて、本明細書で使用するステントは、複数の修飾核酸分子および/または製剤を、同時または様々な送達速度で送達することが可能であり得る。ステント製造者の非限定的な例として、CORDIS(登録商標)(フロリダ州マイアミ)(CYPHER(登録商標))、Boston Scientific Corporation社(マサチューセッツ州ネイティック)(TAXUS(登録商標))、Medtronic(ミネソタ州ミネアポリス)(ENDEAVOUR(登録商標))、およびAbbott(イリノイ州アボットパーク)(XIENCE V(登録商標))が挙げられる。カテーテルおよび/またはルーメンを利用した方法および装置 カテーテルおよびルーメンを用いた方法および装置を使用して、本発明のmmRNAを単回投与、多回投与、または分割投与スケジュールで投与してよい。このような方法および装置について、以下に記載する。 損傷した心筋層へのカテーテルを用いた骨格筋芽細胞の送達が、Jacobyらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20060263338号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Jacobyによれば、複数の針が装置に組み込まれ、装置の少なくとも一部分が血管に挿入されて、針を通じて対象の心臓の局所領域に細胞組成物が送達される。 神経毒を用いて喘息を治療するための器具が、Deemらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20060225742号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Deemによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から針を通じて神経毒が気管支組織に送達される。 多重成分治療剤を投与する方法が、Nayakにより説明されており、例えば米国特許第7,699,803号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Nayakによれば、複数の注射カニューレを装置に組み込んでよく、この装置に、治療剤が送達される組織の送達深さを制御するための深さスロットを含めてよい。 チャンネルを除去して少なくとも1つの治療剤を所望の組織領域に送達するための外科装置が、McIntyreらにより説明されており、例えば米国特許第8,012,096号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。McIntyreによれば、複数の針が装置に組み込まれ、チャンネルを囲む組織領域に治療剤が分配される。この装置は、特に経心筋的血行再建術によく適している。 哺乳類の雌における膀胱の機能障害を治療する方法が、Versiらにより説明されており、例えば米国特許第8,029,496号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Versiによれば、規則的に並んだマイクロ針が装置に組み込まれ、この装置から針を通じて治療剤が膀胱三角に直接送達される。 可撓性の生体関門に流体を送達する装置および方法が、Yeshurunらにより説明されており、例えば米国特許第7,998,119号(装置)および第8,007,466号(方法)(参照により、これらの文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Yeshurunによれば、装置に設けられたマイクロ針が可撓性生体関門を貫通して伸長し、中空マイクロ針の穴を通じて流体が注射される。 心外膜面を有する心臓の組織領域に物質を心外膜注射し体幹内に配置する方法が、Bonnerらにより説明されており、例えば米国特許第7,628,780号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Bonnerによれば、装置には細長いシャフトと末端の注射ヘッドが設けられ、これにより、針を組織内へと動かし、針を通じて組織に薬剤を注射する。 穿刺を塞ぐ装置が、Nielsenらにより説明されており、例えば米国特許第7,972,358号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Nielsenによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から穿刺路周辺組織に閉鎖剤が送達される。 筋形成および血管形成の方法が、Chiuらにより説明されており、例えば米国特許第6,551,338号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Chiuによれば、少なくとも1.25mmの最大直径と、6〜20mmの穿刺深さを提供できる有効長さを有する5〜15本の針を装置に組み込み、この装置を心筋近くに挿入する。この装置から、これらの針の少なくとも一部分にある導管を通じて、外来性の血管新生因子または筋原性因子を心筋に供給する。 前立腺組織の治療方法が、Bolmsjらにより説明されており、例えば米国特許第6,524,270号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Bolmsjによれば、装置は、尿道に挿入されるカテーテルを含み、少なくとも1つの中空先端部を有し、この先端部は周辺の前立腺組織内に伸長可能である。この先端部を通じて、収斂薬と鎮痛剤が前立腺組織に投与される。 骨内部位に流体を注入する方法が、Findlayらにより説明されており、例えば米国特許第6,761,726号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Findlayによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置は、軟質材層で覆われた硬い殻の物質を貫通でき、この硬い殻の物質より下の所定距離の位置に流体を送達する。 薬剤を血管壁に注射する装置が、Vigilらにより説明されており、例えば米国特許第5,713,863号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Vigilによれば、装置内の各屈曲性チューブに複数の注射器が取り付けられ、この注射器から薬物流体がマルチルーメンカテーテルを通じて屈曲性チューブに導入され、注射器から血管壁に注入される。 身体通路周辺の組織に治療剤および/または診断剤を送達するカテーテルが、Faxonらにより説明されており、例えば米国特許第5,464,395号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Faxonによれば、少なくとも1本のニードルカニューレがカテーテルに組み込まれ、カテーテルから外に突き出る針を通じて、所望の薬剤が組織に送達される。 治療剤を送達するためのバルーンカテーテルが、Orrらにより説明されており、例えば国際公開第2010024871号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Orrによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置から組織内の様々な深さに治療剤が送達される。別の一態様では、薬剤溶出バルーンを用いて本明細書に記載の薬剤を送達してよい。薬剤溶出バルーンは標的病変適用において使用してよい。その例として、ステント内再狭窄、蛇行血管内病変、分岐部病変、大腿/膝窩病変、および膝より下の病変の治療が挙げられるが、これらに限定されない。 管腔付近に配置された組織に治療剤(例えば、修飾核酸分子またはmmRNA)を送達する装置が、Perryらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20100125239号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Perryによれば、カテーテルに設けられるバルーンは、当技術分野で公知の治療剤またはPerryに記載の治療剤が塗布されていてよい。バルーンが膨張すると、治療剤が周辺組織に接触する。さらに、バルーンに施されたコーティングの温度を変えて組織に治療剤を放出する目的で、この装置は熱源を有していてもよい。電流を利用した方法および装置 電流を利用した方法および装置を使用して、本発明のmmRNAを、本明細書で教示される単回投与、多回投与、または分割投与計画に従って投与してよい。このような方法および装置について、以下に記載する。 電気コラーゲン導入治療装置が、Marquezにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20090137945号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Marquezによれば、複数の針が装置に組み込まれ、これらの針が皮膚を繰り返し突き刺し、先に皮膚に塗布された物質の一部分を皮膚内に導入する。 動電システムが、Etheredgeらにより説明されており、例えば米国特許出願公開第20070185432号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Etheredgeによれば、いくつかのマイクロ針が装置に組み込まれ、この装置は、電流により針を通じて薬剤を標的治療部位に送り込む。 イオン導入装置が、Matsumuraらにより説明されており、例えば米国特許第7,437,189号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Matsumuraによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置は、イオン化可能な薬剤を比較的高速または高効率に生体に送達することができる。 無針注射および電気穿孔法による生物活性薬剤の皮内送達が、Hoffmannらにより説明されており、例えば米国特許第7,171,264号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Hoffmannによれば、1つ以上の無針注射器が電気穿孔装置に組み込まれ、無針注射と電気穿孔法の組み合わせで十分に皮膚内、筋肉内、または粘膜内の細胞に薬剤を導入することができる。 電気透過処理が介在する細胞内送達の方法が、Lundkvistらにより説明されており、例えば米国特許第6,625,486号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Lundkvistによれば、一対の針電極をカテーテルに組み込む。このカテーテルを体管腔内に配置した後、針電極を伸長させ、体管腔周辺の組織内に貫入させる。次に、この装置は、上記針電極の少なくとも一方を通じて薬剤を導入し、上記一対の針電極により電場をかける。これにより、薬剤が細胞膜を通過して治療部位の細胞に到達できる。 経皮免疫化のための送達システムが、Levinらにより説明されており、例えば国際公開第2006003659号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Levinによれば、複数の電極が装置に組み込まれ、この装置が電極間に電気エネルギーをかける。これにより、皮膚内にマイクロチャンネルが生成され、経皮送達が促進される。 RFエネルギーを皮膚内に送達する方法が、Schomackerにより説明されており、例えば国際公開第2011163264号(参照により、この文献の内容全体が本明細書に組み込まれる)に教示されている。Schomackerによれば、複数の針が装置に組み込まれ、この装置は、真空を施すことにより皮膚を引き込んでプレートと接触させる。これにより、プレートに設けられた穴を通って針が皮膚内に挿入され、RFエネルギーが送達される。定義 本明細書の様々な箇所で、本発明の化合物の置換基が、群で、または範囲で開示されている。本開示は、そのような群および範囲の構成要素の個々の別の組み合わせの1つ1つを含むことが具体的に意図されている。たとえば、「C1−6アルキル」という用語は、メチル、エチル、C3アルキル、C4アルキル、C5アルキルおよびC6アルキルが個々に開示されることが具体的に意図される。約:本明細書で使用する「約」という用語は、列挙された値の±10%を意味する。組み合わせて投与される:本明細書で使用する「組み合わせて投与される」または「併用投与」という用語は、2つ以上の剤(たとえば、本明細書に記述される抗微生物ポリペプチド等の抗微生物ポリペプチド(たとえば、抗細菌ポリペプチド)をコードする修飾核酸またはmmRNA、および抗微生物剤(たとえば、抗微生物ポリペプチドまたは本明細書に記述される小分子抗微生物化合物等))を、対象に同時に投与するか、または、患者に各剤の効果が重複しうるような間隔以内で投与することを意味する。いくつかの実施態様において、それらはお互いに約60、30、15、10、5または1分以内に投与される。いくつかの実施形態において、剤の投与は、組み合わせ効果(例えば相乗効果)が得るのに十分に近い間隔を互いに置く。動物:本明細書で使用する「動物」という用語は、動物界の任意の構成員を指す。いくつかの実施態様において、「動物」とは、任意の発達段階にあるヒトを指す。いくつかの実施態様において、「動物」とは、任意の発達段階にある非ヒト動物を指す。ある特定の実施態様において、非ヒト動物は、哺乳類(たとえば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類またはブタ等)である。いくつかの実施態様において、動物とは、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類および昆虫を含むが、これらに限定されない。いくつかの実施態様において、動物は、遺伝子操作された動物であるトランスジェニック動物、またはクローンである。対象抗原または所望の抗原:本明細書で使用する「対象の抗原」または「所望の抗原」という用語には、抗体および断片、突然変異体、変異体および本明細書に記述されるそれらの改変物に免疫特異的に結合される、本明細書に提示されるタンパク質および他の生体分子を含む。対象抗原の例としては、インスリン、インスリン様成長因子、hGH、tPA、サイトカイン類(たとえば、IL−1、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18等のインターロイキン類(IL)、インターフェロン(IFN)α、IFNβ、IFNγ、IFNωまたはIFNτ、TNFαおよびTNFβ、TNFγ、TRAIL等の腫瘍壊死因子(TNF);G−CSF、GM−CSF、M−CSF、MCP−1およびVEGF等)が挙げられるが、これらに限定されない。およそ:本明細書で使用する対象の1つ以上の値へ適用させた「およそ」または「約」という用語は、規定された参照値に類似である値を指す。ある特定の実施態様において、「およそ」または「約」という用語は、他で定義または他で文脈上明らかでない限りは、規定された参照値いずれかの方向(大きいか、小さいか)で、25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%または1%未満以内にある値の範囲を指す(そのような数値が可能値の100%を超える場合を除く)。関連する:本明細書で使用する「関連する」「結合される」「結び付けられる」「付着される」および「繋がれる」という用語は、2つ以上の部分に対して用いられる場合、その部分が物理的に他方と、直接的に関連もしくは結合し、または、結合剤として機能する1つ以上の追加の部分を介して関連もしくは結合し、十分に安定な構造を形成し、その構造が用いられる条件下(たとえば、生理学的条件下)で、物理的にそれら部分が関連したままでいることを意味する。「関連」は、必ずしも直接的な共有化学結合を厳密に介する必要性はない。また、「関連した」実体が物理的に関連したままの状態であるように、十分に安定な結合性に基づいたイオン結合または水素結合またはハイブリダイゼーションを意味しても良い。二機能性:本明細書で使用する「二機能性」という用語は、少なくとも2つの機能を有する、または維持している任意の物質、分子または部分を指す。その機能は、同じ結果をもたらすものでも、異なる結果をもたらすものであってもよい。機能を生み出す構造は、同じであっても異なっていても良い。たとえば、本発明の二機能性に修飾されたRNAは、細胞毒性のペプチドをコードし(第一の機能)、一方で、コードRNAを含有するそれらヌクレオチドは、それ自体で細胞毒性である(第二の機能)。この例において、二機能性に修飾されたRNAの癌細胞への送達は、癌を改善もしくは治療しうるペプチドまたはタンパク質を生み出すだけでなく、ヌクレオチドの細胞毒性ペイロードを運搬し、修飾RNAの翻訳が無くとも、その細胞の分解は必ず発生する。生体適合性:本明細書で使用する「生体適合性」という用語は、損傷、毒性または免疫システムによる拒絶をほとんどもたらさずに、または全くもたらさずに、生細胞、組織、器官またはシステムと適合可能であることを意味する。生分解性:本明細書で使用する「生分解性」という用語は、生物の作用により、無害な産物に分解されることができることを意味する。生物活性のある:本明細書で使用する「生物活性のある」という文言は、生物学的システムおよび/または生命体の中で、活性を有する任意の物質の特性を指す。たとえば、生命体に投与された際に、その生命体に生物学的な影響を与える物質は、生物活性があるとみなされる。特定の実施態様において、修飾核酸または、本発明のmmRNAは、修飾核酸またはmmRNAの部分の一部分に生物活性があれば、または生物学的に関連があるとみなされている活性をミミックすれば、生物活性があるとみなされうる。化学的用語:以下に、「アシル」〜「チオール」までの様々な化学用語の定義を提示する。 本明細書で使用する「アシル」という用語は、本明細書に定義されるカルボニル基を介して、元の分子群に付着する、本明細書に定義される水素またはアルキル基(たとえば、ハロアルキル基)を表し、ホルミル(すなわち、カルボキシアルデヒド基)、アセチル、プロピニル、ブタノイル等に例示される。例となる非置換アシル基は、1〜7炭素、1〜11炭素または1〜21炭素を含む。いくつかの実施形態において、アルキル基はさらに、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基で置換される。 本明細書で使用する「アシルアミノ」という用語は、本明細書に定義されるアミノ基を介して元の分子群に付着される(すなわち、−N(RN1)−C(O)−Rであり、ここで、RはHまたは任意選択的に置換されたC1−6、C1−10またはC1−20アルキル基であり、RN1は本明細書に定義される)、本明細書に定義されるアシル基を表す。例となる非置換アシルアミノ基は、1〜41炭素(たとえば、1〜7、1〜13、1〜21、2〜7、2〜13、2〜21または2〜41炭素)を含む。いくつかの実施形態において、アルキル基はさらに、本明細書に記述されるように1、2、3または4の置換基で置換され、および/または、アミノ基は、−NH2または−NHRN1であり、ここで、RN1は、独立して、OH、NO2、NH2、NRN22、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、アルキルまたはアリールであり、各RN2はH、アルキルまたはアリールであってもよい。 本明細書で使用する「アシルオキシ」という用語は、酸素原子を介して元の分子群に付着される(すなわち、−O−C(O)−Rであり、RはHまたは任意選択的に置換されたC1−6、C1−10またはC1−20アルキル基である)、本明細書に定義されるアシル基を表す。例となる非置換アシルオキシ基は、1〜21炭素(たとえば、1〜7または1〜11炭素)を含む。いくつかの実施形態において、アルキル基はさらに、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基で置換され、および/またはアミノ基は、−NH2または−NHRN1であり、ここで、RN1は、独立して、OH、NO2、NH2、NRN22、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、アルキルまたはアリールであり、各RN2はH、アルキルまたはアリールであってもよい。 本明細書で使用する「アルカリル」という用語は、本明細書に定義されるアルキレン基を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるアリール基を表す。例となる非置換アルカリル基は、7〜30炭素(たとえば、7〜16または7〜20炭素であり、たとえば、C1−6アルク−C6−10アリール、C1−10アルク−C6−10アリール、またはC1−20アルク−C6−10アリール)である。いくつかの実施形態において、アルキレンおよびアリールはそれぞれ、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で、各基がさらに置換されても良い。接頭辞「アルク−(alk−)」が先行する他の基も同様に定義され、「アルク」は、他で言及されない限り、C1−6アルキレンを指し、付着される化学構造は、本明細書に定義される。 「アルクシクロアルキル」という用語は、本明細書に定義されるアルキレン基(たとえば、1〜4炭素、1〜6炭素、1〜10炭素または1〜20炭素のアルキレン基)を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるシクロアルキル基を表す。いくつかの実施形態において、アルキレンおよびシクロアルキルはそれぞれ、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で、各基がさらに置換されても良い。 本明細書で使用する「アルケニル」という用語は、他で特定されない限り、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含有する2〜20炭素(たとえば、2〜6炭素または2〜10炭素)の一価直鎖基または一価分枝鎖基を表し、エチニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル等に例示される。アルケニル類は、シス異性体およびトランス異性体の両方を含む。アルケニル基は、本明細書に定義されるアミノ、アリール、シクロアルキルまたはヘテロシクリル(たとえば、ヘテロアリール)から独立して選択される置換基、または、本明細書に記述される例となるアルキル置換基の任意のものの1、2、3または4つと任意選択的に置換されてもよい。 「アルケニルオキシ」という用語は、他で特定されない限り、式−OR(Rは、C2−20アルケニル基(たとえば、C2−6またはC2−10アルケニル)である)の化学置換基を表す。例となるアルケニルオキシ基は、エテニルオキシ、プロペニルオキシ等を含む。いくつかの実施形態において、アルケニル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基(たとえば、ヒドロキシ基等)でさらに置換されてもよい。 「アルクヘテロアリール」という用語は、本明細書に定義されるアルキレン基を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるヘテロアリール基を指す。例となる非置換アルクヘテロアリール基は、2〜32炭素(たとえば、2〜22炭素、2〜18炭素、2〜17炭素、2〜16炭素、3〜15炭素、2〜14炭素、2〜13炭素または2〜12炭素であり、たとえば、C1−6アルク−C1−12ヘテロアリール、C1−10アルク−C1−12ヘテロアリール、またはC1−20アルク−C1−12ヘテロアリール)である。いくつかの実施形態において、アルキレンおよびヘテロアリールはそれぞれ、本明細書に各基に対して定義されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されても良い。アルクヘテロアリール基は、アルクヘテロシクリル基のサブセットである。 「アルクヘテロシクリル」という用語は、本明細書に定義されるアルキレン基を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるヘテロシクリル基を表す。例となる非置換アルクヘテロシクリル基は、2〜32炭素(たとえば、2〜22炭素、2〜18炭素、2〜17炭素、2〜16炭素、3〜15炭素、2〜14炭素、2〜13炭素または2〜12炭素であり、たとえば、C1−6アルク−C1−12ヘテロシクリル、C1−10アルク−C1−12ヘテロシクリル、またはC1−20アルク−C1−12ヘテロシクリル)である。いくつかの実施形態において、アルキレンおよびヘテロシクリルはそれぞれ、本明細書に各基に対して定義されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されてもよい。 「アルコキシ」という用語は、式−ORの化学置換基を表し、他で特定されない限り、Rは、C1−20アルキル基(たとえば、C1−6またはC1−10アルキル)である。例となるアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ(たとえば、n−プロポキシおよびイソプロポキシ等)、t−ブトキシ等が挙げられる。いくつかの実施形態において、アルキル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基(たとえば、ヒドロキシまたはアルコキシ)でさらに置換されてもよい。 「アルコキシアルコキシ」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルコキシ基を表す。例となる非置換アルコキシアルコキシ基は、2〜40炭素(たとえば、2〜12炭素または2〜20炭素であり、たとえば、C1−6アルコキシ−C1−6アルコキシ、C1−10アルコキシ−C1−10アルコキシ、またはC1−20アルコキシ−C1−20アルコキシ)を含む。いくつかの実施形態において、各アルコキシ基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されてもよい。 「アルコキシルキル」という用語は、アルコキシ基で置換されたアルキル基を表す。例となる非置換アルコキシアルキル基は、2〜40炭素(たとえば、2〜12炭素または2〜20炭素であり、たとえば、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−10アルコキシ−C1−10アルキル、またはC1−20アルコキシ−C1−20アルキル)を含む。いくつかの実施形態において、アルキルおよびアルコキシはそれぞれ、本明細書に各基に対して定義されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アルコキシカルボニル」という用語は、カルボニル原子(たとえば、−C(O)−ORであり、ここで、Rは、Hまたは任意選択的に置換されたC1−6、C1−10またはC1−20アルキル基である)を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるアルコキシを表す。例となる非置換アルコキシカルボニルは、1〜21炭素(たとえば、1〜11炭素または1〜7炭素)を含む。いくつかの実施形態において、アルコキシ基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換される。 本明細書で使用する「アルコキシカルボニルアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されるアルコキシカルボニル基(たとえば、−O−アルキル−C(O)−ORであり、ここで、Rは、任意選択的に置換されたC1−6、C1−10またはC1−20アルキル基である)で置換される、本明細書に定義されるアルコキシ基を表す。例となる非置換アルコキシカルボニルアルコキシは、3〜41炭素(たとえば、3〜10炭素、3〜13炭素、3〜17炭素、3〜21炭素、3〜31炭素であり、たとえば、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルコキシ、C1−10アルコキシカルボニル−C1−10アルコキシまたは、C1−20アルコキシカルボニル−C1−20アルコキシ等)を含む。いくつかの実施形態において、各アルコキシ基は、独立して、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基(たとえば、ヒドロキシ基)でさらに置換される。 本明細書で使用する「アルコキシカルボニルアルキル」という用語は、本明細書に定義されるアルコキシカルボニル基(たとえば、−アルキル−C(O)−ORであり、ここで、Rは、任意選択的に、置換されたC1−20、C1−10またはC1−6アルキル基である)で置換される、本明細書に定義されるアルキル基を表す。例となる非置換アルコキシカルボニルアルキルは、3〜41炭素(たとえば、3〜10炭素、3〜13炭素、3〜17炭素、3〜21炭素、3〜31炭素であり、たとえば、C1−6アルコキシカルボニル−C1−6アルキル、C1−10アルコキシカルボニル−C1−10アルキルまたは、C1−20アルコキシカルボニル−C1−20アルキル等)を含む。いくつかの実施形態において、各アルキル基およびアルコキシ基は、独立して、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基(たとえば、ヒドロキシ基)でさらに置換される。 本明細書で使用する「アルキル」という用語は、他で特定されない限り、1〜20炭素(たとえば、1〜10炭素または1〜6炭素)の直鎖飽和基および分枝飽和基の両方を含む。アルキル基は、メチル、エチル、n−プロピルおよびiso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチルおよびtert−ブチル、ネオペンチル等により例示され、任意選択的に、1、2、3、または2炭素以上のアルキル基の場合には、4の置換基で、置換されてもよく、当該置換基は、独立して、(1)C1−6アルコキシ;(2)C1−6アルキルスルフィニル;(3)本明細書に定義されるアミノ(たとえば、非置換アミノ(すなわち、−NH2)または置換アミノ(すなわち、−N(RN1)2)であり、ここで、RN1は、アミノで定義されている);(4)C6−10アリール−C1−6アルコキシ;(5)アジド;(6)ハロ;(7)(C2−9ヘテロシクリル)オキシ;(8)ヒドロキシ;(9)ニトロ;(10)オキソ(たとえば、カルボキシアルデヒドまたはアシル);(11)C1−7スピロシクリル;(12)チオアルコキシ;(13)チオール;(14)−CO2RA´であり、RA´は、(a)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)、(b)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c)C6−10アリール、(d)水素、(e)C1−6アルク−C6−10アリール、(f)アミノ−C1−20アルキル、(g)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル、(h)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換されたC1−6アルキル、からなる群から選択される;(15)−C(O)NRB’RC’であり、RB´およびRC´のそれぞれは、独立して、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリールおよび(d)C1−6アルク−C6−10アリールからなる群から選択される;(16)−SO2RD´であり、RD´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)C1−6アルク−C6−10アリール、および(d)ヒドロキシ、からなる群から選択される;(17)−SO2NRE´RF´であり、RE´およびRF´のそれぞれは、独立して、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリールおよび(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される;(18)−C(O)RG´であり、ここで、RG´は、(a)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)、(b)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c)C6−10アリール、(d)水素、(e)C1−6アルク−C6−10アリール、(f)アミノ−C1−20アルキル、(g)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル、(h)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換C1−6アルキル、からなる群から選択される;(19)−NRH’C(O)RI’であり、ここで、RH´は、(a1)水素および(b1)C1−6アルキルからなる群から選択され、RI´は、(a2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)、(b2)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c2)C6−10アリール、(d2)水素、(e2)C1−6アルク−C6−10アリール、(f2)アミノ−C1−20アルキル、(g2)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコール(ここで、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル)、(h2)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換されたC1−6アルキル、からなる群から選択される;(20)NRJ´C(O)ORK´であり、ここで、RJ´は、(a1)水素および(b1)C1−6アルキルからなる群から選択され、RK´は、(a2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)、(b2)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c2)C6−10アリール、(d2)水素、(e2)C1−6アルク−C6−10アリール、(f2)アミノ−C1−20アルキル、(g2)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコール(ここで、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル)、(h2)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換C1−6アルキル、からなる群から選択される;および、(21)アミジン、からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記述されるようにさらに置換されてもよい。たとえば、C1−アルカリルのアルキレン基は、オキソ基でさらに置換され、各アリーロイル置換基を放出してもよい。 本明細書で使用する「アルキレン」および接頭辞「アルク−」という用語は、2つの水素原子を除去することにより、直鎖飽和炭化水素または分枝鎖飽和炭化水素から得られる飽和二価炭化水素基を表し、メチレン、エチレン、イソプロピレン等に代表される。「Cx−yアルキレン」および接頭辞「Cx−yアルク−」という用語は、x〜yの炭素を有するアルキレン基を表す。x値の例としては、1、2、3、4、5および6であり、y値の例としては、2、3、4、5、6、7、8、9,10、12、14、16、18または20(たとえば、C1−6、C1−10、C2−20、C2−6、C2−10、またはC2−20アルキレン)である。いくつかの実施形態において、アルキレンは、本明細書でアルキル基に対して定義されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アルキルスルフィニル」という用語は、−S(O)−基を介して元の分子群に付着されるアルキル基を表す。例となる非置換アルキルスルフィニル基は、1〜6炭素、1〜10炭素、または1〜20炭素である。いくつかの実施形態において、アルキル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アルキルスルフィニルアルキル」という用語は、アルキルスルフィニル基により置換される、本明細書に定義されるアルキル基を表す。例となる非置換アルキルスルフィニルアルキル基は、2〜12炭素、2〜20炭素または、2〜40炭素である。いくつかの実施形態において、各アルキル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アルキニル」という用語は、炭素−炭素三重結合を含有する、2〜20炭素原子(たとえば、2〜4炭素、2〜6炭素または2〜10炭素)の一価直鎖基または一価分枝鎖基を表し、エチニル、1−プロピニル等に代表される。アルキニル基は、独立して、本明細書に定義されるアリール、シクロアルキルもしくはヘテロシクリル(たとえばヘテロアリール)、または本明細書に記述される任意の例となるアルキル置換基から選択される1、2、3または4の置換基で任意選択的に置換されても良い。 「アルキニルオキシ」という用語は、式−ORの化学置換基を表し、他で特定されない限り、Rは、C2−20アルキニル基(たとえば、C2−6またはC2−10アルキニル)である。例となるアルキニルオキシ基は、エチニルオキシ、プロピニルオキシ等を含む。いくつかの実施形態において、アルキニル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基(たとえば、ヒドロキシ基)でさらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アミジン」という用語は、−C(=NH)NH2基を表す。 本明細書で使用する「アミノ」という用語は、−N(RN1)2を表し、ここで、各RN1は、独立して、H、OH、NO2、N(RN2)2、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、N−保護基、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリール、アルカリル、シクロアルキル、アルクシクロアルキル、カルボキシアルキル、スルホアルキル、ヘテロシクリル(たとえば、ヘテロアリール)、またはアルクヘテロシクリル(たとえば、アルクヘテロアリール)であり、ここで、これら列挙されたRN1基のそれぞれは、本明細書に定義されるように、各基を任意選択的に置換してもよく;または、2つのRN1を結合させ、ヘテロシクリルまたはN−保護基を形成しても良く、および、各RN2は、独立して、H、アルキルまたはアリールである。本発明のアミノ基は、非置換アミノ(すなわち、−NH2)または置換アミノ(すなわち、−N(RN1)2)であっても良い。好ましい態様としては、アミノは、−NH2または、−NHRN1であり、RN1は、独立して、OH、NO2、NH2、NRN22、SO2ORN2、SO2RN2、SORN2、アルキル、カルボキシアルキル、スルホアルキルまたはアリールであり、各RN2は、H、C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)またはC6−10アリールであっても良い。 本明細書で使用する「アミノ酸」という用語は、側鎖、アミノ基および酸性基(たとえば、−CO2Hのカルボキシ基または−SO3Hのスルホ基)を有する分子を指し、ここで当該アミノ酸は側鎖、アミノ基、または酸性基(たとえば、側鎖)により元の分子群に付着される。いくつかの実施形態において、アミノ酸は、カルボニル基により元の分子群に付着され、ここで、側鎖またはアミノ基は、カルボニル基に付着される。側鎖の例としては、任意選択的に置換されたアルキル、アリール、ヘテロシクリル、アルカリル、アルクヘテロシクリル、アミノアルキル、カルバモイルアルキルおよびカルボキシアルキルが挙げられる。例となるアミノ酸としては、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、ヒドロキシノルバリン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、ノルバリン、オルニチン、フェニルアラニン、プロリン、ピロリシン、セレノシステイン、セリン、タウリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンが挙げられる。アミノ酸基は、1、2、3、または、2以上の炭素のアミノ酸基である場合には4つの置換基((1)C1−6アルコキシ;(2)C1−6アルキルスルフィニル;(3)本明細書に定義されるアミノ(たとえば非置換アミノ(すなわち、−NH2)または置換アミノ(すなわち、−N(RN1)2)で、RN1はアミノに対し定義されたもの);(4)C6−10アリール−C1−6アルコキシ;(5)アジド;(6)ハロ;(7)(C2−9ヘテロシクリル)オキシ;(8)ヒドロキシ;(9)ニトロ;(10)オキソ(たとえば、カルボキシアルデヒドまたはアシル);(11)C1−7スピロシクリル;(12)チオアルコキシ;(13)チオール;(14)−CO2RA´(RA´は、(a)C1−20アルキル(たとえばC1−6アルキル)、(b)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c)C6−10アリール、(d)水素、(e)C1−6アルク−C6−10アリール、(f)アミノ−C1−20アルキル、(g)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコール(ここで、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル)、および、(h)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換されたC1−6アルキル)からなる群から選択される);(15)−C(O)NRB´RC´(各RB´およびRC´は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリールおよび(d)C1−6アルク−C6−10アリールからなる群から独立して選択される);(16)−SO2RD´(RD´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)C1−6アルク−C6−10アリール、および(d)ヒドロキシ、からなる群から選択される);(17)−SO2NRE´RF´(RE´およびRF´のそれぞれは、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリールおよび(d)C1−6アルク−C6−10アリールからなる群から独立して選択される);(18)−C(O)RG´(RG´は、(a)C1−20アルキル(たとえばC1−6アルキル)、(b)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c)C6−10アリール、(d)水素、(e)C1−6アルク−C6−10アリール、(f)アミノ−C1−20アルキル、(g)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコール(ここで、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル)、および、(h)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換されたC1−6アルキル)からなる群から選択される);(19)−NRH’C(O)RI’であり、ここで、RH´は、(a1)水素および(b1)C1−6アルキルからなる群から選択され、RI´は、(a2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)、(b2)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c2)C6−10アリール、(d2)水素、(e2)C1−6アルク−C6−10アリール、(f2)アミノ−C1−20アルキル、(g2)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコール(ここで、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル)、(h2)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換C1−6アルキル、からなる群から選択される、からなる群から選択される;(20)NRJ´C(O)ORK´であり、ここで、RJ´は、(a1)水素および(b1)C1−6アルキルからなる群から選択され、RK´は、(a2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル)、(b2)C2−20アルケニル(たとえば、C2−6アルケニル)、(c2)C6−10アリール、(d2)水素、(e2)C1−6アルク−C6−10アリール、(f2)アミノ−C1−20アルキル、(g2)−(CH2)s2(OCH2CH2)s1(CH2)s3OR’のポリエチレングリコール(ここで、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)で、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、R´は、HまたはC1−20アルキル)、(h2)−NRN1(CH2)s2(CH2CH2O)s1(CH2)s3NRN1のアミノ−ポリエチレングリコールであり、s1は、1〜10の整数(たとえば、1〜6または1〜4)であり、s2およびs3のそれぞれは、独立して、0〜10の整数(たとえば、0〜4、0〜6、1〜4、1〜6または1〜10)であり、および、各RN1は、独立して、水素または任意選択的に置換されたC1−6アルキル、からなる群から選択される;(21)アミジン、からなる群から独立して選択される置換基)で、任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの基の各々は、本明細書に記述されるようにさらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アミノアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されるアミノ基で置換される、本明細書に定義されるアルコキシ基を表す。アルキルおよびアミノはそれぞれ、各基(たとえば、CO2RA´(RA´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)水素、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール(たとえば、カルボキシ)からなる群から選択される))に対して本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アミノアルキル」という用語は、本明細書に定義されるアミノ基で置換される、本明細書に定義されるアルキル基を表す。アルキルおよびアミノはそれぞれ、各基(たとえば、CO2RA´(RA´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)水素、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール(たとえば、カルボキシ)からなる群から選択される))に対して本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されてもよい。 本明細書で使用する「アリール」という用語は、1または2つの芳香族環を有する単環、二環または多環の炭素環系を表し、フェニル、ナフチル、1,2−ジヒドロナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロナフチル、アントラセニル(anthracenyl)、フェナントレニル、フルオレニル、インダニル、インデニル等に例示され、(1)C1−7アシル(たとえば、カルボキシアルデヒド);(2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニル−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、アジド−C1−6アルキル、(カルボキシアルデヒド)−C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル(たとえば、ペルフルオロアルキル)、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ニトロ−C1−6アルキル、またはC1−6チオアルコキシ−C1−6アルキル);(3)C1−20アルコキシ(たとえば、ペルフルオロアルコキシ等のC1−6アルコキシ);(4)C1−6アルキルスルフィニル;(5)C6−10アリール;(6)アミノ;(7)C1−6アルク−C6−10アリール;(8)アジド;(9)C3−8シクロアルキル;(10)C1−6アルク−C3−8シクロアルキル;(11)ハロ;(12)C1−12ヘテロシクリル(たとえば、C1−12ヘテロアリール);(13)(C1−12ヘテロシクリル)オキシ;(14)ヒドロキシ;(15)ニトロ;(16)C1−20チオアルコキシ(たとえば、C1−6チオアルコキシ);(17)−(CH2)qCO2RA´(qは、0〜4の整数であり、RA´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)水素、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される);(18)−(CH2)qCONRB´RC´(qは、0〜4の整数であり、RB´およびRC´は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリール、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から独立して選択される);(19)−(CH2)qSO2RD´(qは、0〜4の整数であり、RD´は、(a)アルキル、(b)C6−10アリール、(c)アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される);(20)−(CH2)qSO2NRE´RF´(qは、0〜4の整数であり、RE´およびRF´は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリール、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から独立して選択される);(21)チオール;(22)C6−10アリールオキシ;(23)C3−8シクロアルコキシ;(24)C6−10アリール−C1−6アルコキシ;(25)C1−6アルク−C1−12ヘテロシクリル(たとえば、C1−6アルク−C1−12ヘテロアリール);(26)C2−20アルケニル;および(27)C2−20アルキニル、からなる群から独立して選択される1、2、3、4または5の置換基で任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記述されるようにさらに置換されてもよい。たとえば、C1−アルカリルまたはC1−アルクヘテロシクリルのアルキレン基は、オキソ基でさらに置換されて、それぞれアリーロイルおよび(ヘテロシクリル)オイル置換基を放出してもよい。 本明細書で使用する「アリールアルコキシ」という用語は、酸素原子を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるアルカリル基を表す。非置換アルコキシルキル基の例としては、7〜30炭素(たとえば、7〜16炭素または7〜20炭素で、たとえば、C6−10アリール−C1−6アルコキシ、C6−10アリール−C1−10アルコキシ、またはC6−10アリール−C1−20アルコキシ等)が挙げられる。いくつかの実施形態において、アリールアルコキシ基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されてもよい。 「アリールオキシ」という用語は式−OR´の化学置換基を表し、ここで、R´は、他で特定されない限り、6〜18炭素のアリール基である。いくつかの実施形態において、アリール基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されてもよい。 本明細書で使用する「アリーロイル」という用語は、カルボニル基を介して元の分子群に付着される、本明細書に定義されるアリール基を表す。例となる非置換アリーロイル基は、7〜11炭素である。いくつかの実施形態において、アリール基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されても良い。 「アジド」という用語は、−N3基を表し、また、−N=N=Nとしても表される。 本明細書で使用する「二環」という用語は、2つの環を有する構造を指し、当該環は、芳香族でも、非芳香族でも良い。二環構造としては、本明細書に定義されるスピロシクリル基、および1つ以上の架橋を共有する2つの環(そのような架橋は、1つの原子または鎖(2、3またはそれ以上の原子を含む)を含むことができる)が挙げられる。例となる二環基としては、二環炭素環基(第一と第二の環は、本明細書に定義される炭素環基である);二環アリール基(第一と第二の環は、本明細書に定義されるアリール基);二環ヘテロシクリル基(第一の環はヘテロシクリル基であり、第二の環は炭素環(たとえばアリール)またはヘテロシクリル(たとえばヘテロアリール)基である);二環ヘテロアリール基(第一の環はヘテロアリール基であり、第二の環は炭素環(たとえばアリール)またはヘテロシクリル(たとえばヘテロアリール)基である)が挙げられる。いくつかの実施形態において、二環基は、シクロアルキル基、ヘテロシクリル基およびアリール基に対して本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されていても良い。 本明細書で使用する「炭素環の」および「炭素環」という用語は、任意選択的に置換されたC3−12単環、二環、または三環を指し、当該環は芳香族または非芳香族であっても良く、炭素原子により環が形成されている。炭素環構造としては、シクロアルキル基、シクロアルケニル基およびアリール基が挙げられる。 本明細書で使用する「カルバモイル」という用語は、−C(O)−N(RN1)2を表し、各RN1の意味は、本明細書に提示される「アミノ」の定義にある。 本明細書で使用する「カルバモイルアルキル」という用語は、本明細書に定義されるカルバモイル基で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を表す。アルキル基はさらに、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基で置換されていてもよい。 本明細書で使用する「カルバミル」という用語は、−NRN1C(=O)ORまたは−OC(=O)N(RN1)2という構造を有するカルバミン酸基を指し、各RN1の意味は、本明細書に提示される「アミノ」の定義にあり、Rは、本明細書に定義されるアルキル、シクロアルキル、アルクシクロアルキル、アリール、アルカリル、ヘテロシクリル(たとえば、ヘテロアリール)またはアルクヘテロシクリル(たとえば、アルクヘテロアリール)である。 本明細書で使用する「カルボニル」という用語は、C(O)基を表し、また、C=Oとしても表される。 「カルボキシアルデヒド」という用語は、−CHOという構造を有するアシル基を表す。 本明細書で使用する「カルボキシ」という用語は、−CO2Hを意味する。 本明細書で使用する「カルボキシアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されるカルボキシ基により置換された、本明細書に定義されるアルコキシ基を表す。アルコキシ基は、本明細書にアルキル基に対して記述されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されていても良い。 本明細書で使用する「カルボキシアルキル」という用語は、本明細書に定義されるカルボキシ基で置換された、本明細書に定義されるように、アルキル基を表す。アルキル基は、本明細書に記述される、1、2、3または4の置換基でさらに置換されていても良い。 本明細書で使用する「シアノ」という用語は、−CN基を表す。 「シクロアルコキシ」という用語は、式−ORの化学置換基を表し、Rは、他で特定されない限り、本明細書に定義されるC3−8シクロアルキル基である。シクロアルキル基は、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されていても良い。例となる非置換シクロアルコキシ基は、3〜8炭素である。 本明細書で使用する「シクロアルキル」という用語は、他で特定されない限り、3〜8炭素の一価の飽和または不飽和の非芳香族環炭化水素基を表し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、ビシクロ[2.2.1.]ヘプチル等に例示される。当該シクロアルキル基が1つの炭素−炭素二重結合を含む場合、当該シクロアルキル基は、「シクロアルケニル」基と呼称されてもよい。例となるシクロアルケニル基としては、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられる。本発明のシクロアルキル基は、(1)C1−7アシル(たとえば、カルボキシアルデヒド);(2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニル−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、アジド−C1−6アルキル、(カルボキシアルデヒド)−C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル(たとえば、ペルフルオロアルキル)、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ニトロ−C1−6アルキル、またはC1−6チオアルコキシ−C1−6アルキル);(3)C1−20アルコキシ(たとえば、ペルフルオロアルコキシ等のC1−6アルコキシ);(4)C1−6アルキルスルフィニル;(5)C6−10アリール;(6)アミノ;(7)C1−6アルク−C6−10アリール;(8)アジド;(9)C3−8シクロアルキル;(10)C1−6アルク−C3−8シクロアルキル;(11)ハロ;(12)C1−12ヘテロシクリル(たとえば、C1−12ヘテロアリール);(13)(C1−12ヘテロシクリル)オキシ;(14)ヒドロキシ;(15)ニトロ;(16)C1−20チオアルコキシ(たとえば、C1−6チオアルコキシ);(17)−(CH2)qCO2RA´(qは、0〜4の整数であり、RA´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)水素、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される);(18)−(CH2)qCONRB´RC´(qは、0〜4の整数であり、RB´およびRC´は、(a)水素、(b)C6−10アルキル、(c)C6−10アリール、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から独立して選択される);(19)−(CH2)qSO2RD´(qは、0〜4の整数であり、RD´は、(a)C6−10アルキル、(b)C6−10アリール、(c)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される);(20)−(CH2)qSO2NRE´RF´(qは、0〜4の整数であり、RE´およびRF´は、(a)水素、(b)C6−10アルキル、(c)C6−10アリール、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から独立して選択される);(21)チオール;(22)C6−10アリールオキシ;(23)C3−8シクロアルコキシ;(24)C6−10アリール−C1−6アルコキシ;(25)C1−6アルク−C1−12ヘテロシクリル(たとえば、C1−6アルク−C1−12ヘテロアリール);(26)オキソ;(27)C2−20アルケニル;および(28)C2−20アルキニル、で任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記述されるようにさらに置換されてもよい。たとえば、C1−アルカリルまたはC1−アルクヘテロシクリルのアルキレン基は、オキソ基でさらに置換され、それぞれアリーロイルおよび(ヘテロシクリル)オイル置換基を放出しても良い。 「ジアステレオマー」という用語は、互いに鏡像ではなく、および重ね合わせることができない立体異性体を意味する。 本明細書で使用する剤の「有効量」という用語は、有益なまたは所望された結果(たとえば、臨床結果)をもたらすのに十分な量であり、「有効量」は、それが適用される状況に依存する。たとえば、癌の治療剤の投与という状況では、剤の有効量は、その剤の投与が無い場合の反応性と比較して、本明細書に定義されるような癌の治療を得るのに十分な量である。 本明細書で使用する「光学異性体」という用語は、本発明化合物のそれぞれ光学的に活性な形態を意味し、少なくとも80%(すなわち、1つの光学異性体が少なくとも90%で、他の光学異性体が最大で10%である)、好ましくは少なくとも90%、およびより好ましくは少なくとも98%の鏡像体過剰率または光学純度(当分野の標準法で測定)を有する。 本明細書で使用する「ハロ」という用語は、臭素、塩素、ヨウ素またはフッ素から選択されるハロゲンを表す。 本明細書で使用する「ハロアルコキシ」という用語は、ハロゲン基(すなわち、F、Cl、BrまたはI)で置換された、本明細書に定義されるアルコキシ基を表す。ハロアルコキシは、1つ、2つ、3つ、またはアルキル基が2以上の炭素の場合には、4つのハロゲンで置換されても良い。ハロアルコキシ基としては、ペルフルオロアルコキシ類(たとえば、−OCF3)、−OCHF2、−OCH2F、−OCCl3、−OCH2CH2Br、−OCH2CH(CH2CH2Br)CH3、および−OCHICH3が挙げられる。いくつかの実施形態において、ハロアルコキシ基は、本明細書でアルキル基に対して記述されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されていても良い。 本明細書で使用する「ハロアルキル」という用語は、ハロゲン基(すなわち、F、Cl、BrまたはI)で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を表す。ハロアルキル基は、1つ、2つ、3つ、またはアルキル基が2以上の炭素である場合、4つのハロゲンで置換されても良い。ハロアルキル基としては、ペルフルオロアルキル類(たとえば、−CF3)、−CHF2、−CH2F、−CCl3、−CH2CH2Br、−CH2CH(CH2CH2Br)CH3および、−CHICH3が挙げられる。いくつかの実施形態において、ハロアルキル基は、本明細書でアルキル基に対して記述されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されていても良い。 本明細書で使用する「ヘテロアルキレン」という用語は、構成炭素原子のうちの1つまたは2つがそれぞれ、窒素、酸素または硫黄で置き換えられている、本明細書に定義されるアルキレン基を指す。いくつかの実施形態において、ヘテロアルキレン基は、本明細書でアルキレン基に対して定義されるように、1、2、3または4の置換基で、さらに置換されていても良い。 本明細書で使用する「ヘテロアリール」という用語は、本明細書に定義されるヘテロシクリルのサブセットを表し、それらは芳香族である(すなわち、4n+2パイ電子を単環または多環系内に含有する)。例となる非置換ヘテロアリールとしては、1〜12炭素(たとえば、1〜11、1〜10、1〜9、2〜12、2〜11、2〜10、2〜9)のものが挙げられる。いくつかの実施形態において、ヘテロアリールは、ヘテロシクリル基に対して定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されている。 本明細書で使用する「ヘテロシクリル」という用語は、他で特定されない限り、5−、6−、または7−員環を表し、窒素、酸素、および硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3または4のヘテロ原子を含有する。5員環は、0〜2の二重結合を有し、6員環および7員環は、0〜3の二重結合を有する。例となる非置換ヘテロシクリル基としては、1〜12(たとえば、1〜11、1〜10、1〜9、2〜12、2〜11、2〜10、2〜9)炭素のものが挙げられる。「ヘテロシクリル」という用語はまた、架橋された多環構造を有する複素環化合物を表し、1つ以上の炭素および/またはヘテロ原子が、単環の2つの非隣接員を架橋する(たとえば、キヌクリジニル基)。「ヘテロシクリル」という用語は、二環、三環および四環基を含み、上述の任意の複素環が、1、2、または3の炭素環に縮合されている(たとえば、アリール環、シクロヘキサン環、シクロヘキセン環、シクロペンタン環または他の単環複素環(たとえば、インドリル、キノリル、イソキノリル、テトラヒドロキノリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル等))。縮合複素環の例示としては、トロパン類および1,2,3,5,8,8a−ヘキサヒドロインドリジンが挙げられる。複素環としては、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピペリジニル、ホモピペリジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、オキサゾリジニル、イソキサゾリル、イソキサゾリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、チアゾリル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、イソチアゾリジニル、インドリル、インダゾリル、キノリル、イソキノリル、キノキサリニル、ジヒドロキノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、フタラジニル、ベンジミダゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、フリル、チエニル、チアゾリジニル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサジアゾリル(たとえば、1,2,3−オキサジアゾリル)、プリニル、チアジアゾリル(たとえば、1,2,3−チアジアゾリル)、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、ジヒドロインドリル、ジヒドロキノリル、テトラヒドロキノリル、テトラヒドロイソキノリル、ジヒドロイソキノリル、ピラニル、ジヒドロピラニル、ジチアゾリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル等(それらのジヒドロ体およびテトラヒドロ体を含み、1つ以上の二重結合が還元され、水素で置き換えられている)が挙げられる。さらに他の例となる複素環としては、2,3,4,5−テトラヒドロ−2−オキソ−オキサゾリル;2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−イミダゾリル;2,3,4,5−テトラヒドロ−5−オキソ−1H−ピラゾリル(たとえば、2,3,4,5−テトラヒドロ−2−フェニル−5−オキソ−1H−ピラゾリル);2,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ジオキソ−1H−イミダゾリル(たとえば、2,3,4,5−テトラヒドロ−2,4−ジオキソ−5−メチル−5−フェニル−1H−イミダゾリル);2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−1,3,4−オキサジアゾリル(たとえば、2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾリル);4,5−ジヒドロ−5−オキソ−1H−トリアゾリル(たとえば、4,5−ジヒドロ−3−メチル−4−アミノ 5−オキソ−1H−トリアゾリル);1,2,3,4−テトラヒドロ−2,4−ジオキソピリジニル(たとえば、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,4−ジオキソ−3,3−ジエチルピリジニル);2,6−ジオキソ−ピペリジニル(たとえば、2,6−ジオキソ−3−エチル−3−フェニルピペリジニル);1,6−ジヒドロ−6−オキソピリジミニル;1,6−ジヒドロ−4−オキソピリミジニル(たとえば、2−(メチルチオ)−1,6−ジヒドロ−4−オキソ−5−メチルピリミジン−1−イル);1,2,3,4−テトラヒドロ−2,4−ジオキソピリミジニル(たとえば、1,2,3,4−テトラヒドロ−2,4−ジオキソ−3−エチルピリミジニル);1,6−ジヒドロ−6−オキソ−ピリダジニル(たとえば、1,6−ジヒドロ−6−オキソ−3−エチルピリダジニル);1,6−ジヒドロ−6−オキソ−1,2,4−トリアジニル(たとえば、1,6−ジヒドロ−5−イソプロピル−6−オキソ−1,2,4−トリアジニル);2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−インドリル(たとえば、3,3−ジメチル−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−インドリルおよび2,3−ジヒドロ−2−オキソ−3,3’−スピロプロパン−1H−インドール−1−イル);1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソ−インドリル;1,3−ジヒドロ−1,3−ジオキソ−2H−イソ−インドリル;1H−ベンゾピラゾリル(たとえば、1−(エトキシカルボニル)−1H−ベンゾピラゾリル);2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンゾイミダゾリル(たとえば、3−エチル−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−1H−ベンゾイミダゾリル);2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾキサゾリル(たとえば、5−クロロ−2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾキサゾリル);2,3−ジヒドロ−2−オキソ−ベンゾキサゾリル;2−オキソ−2H−ベンゾピラニル;1,4−ベンゾジオキサニル;1,3−ベンゾジオキサニル;2,3−ジヒドロ−3−オキソ,4H−1,3−ベンゾチアジニル;3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3H−キナゾリニル(たとえば、2−メチル−3,4−ジヒドロ−4−オキソ−3H−キナゾリニル);1,2,3,4−テトラヒドロ−2,4−ジオキソ−3H−キナゾリル(たとえば、1−エチル−1,2,3,4−テトラヒドロ−2,4−ジオキソ−3H−キナゾリル);1,2,3,6−テトラヒドロ−2,6−ジオキソ−7H−プリニル(たとえば、1,2,3,6−テトラヒドロ−1,3−ジメチル−2,6−ジオキソ−7H −プリニル);1,2,3,6−テトラヒドロ−2,6−ジオキソ−1H−プリニル(たとえば、1,2,3,6−テトラヒドロ−3,7−ジメチル−2,6−ジオキソ−1H−プリニル);2−オキソベンズ[c,d]インドリル;1,1−ジオキソ−2H−ナフト[1,8−c,d]イソチアゾリル;および、1,8−ナフチレンジカルボキサミドが挙げられる。さらなる複素環としては、3,3a,4,5,6,6a−ヘキサヒドロ−ピロロ[3,4−b]ピロール−(2H)−イルおよび、2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル、ホモピペラジニル(または、ジアゼパニル)、テトラヒドロピラニル、ジチアゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチエニル、オキセパニル、チエパニル、アゾカニル、オキセカニル、およびチオカニルが挙げられる。複素環基としてはまた、式:(ここで、E´は、−N−および−CH−からなる群から選択され、F´は、−N=CH−、−NH−CH2−、−NH−C(O)−、−NH−、−CH=N−、−CH2−NH−、−C(O)−NH−、−CH=CH−、−CH2−、−CH2CH2−、−CH2O−、−OCH2−、−O−、および−S−からなる群から選択され、G´は、−CH−および−N−からなる群から選択される)の基も挙げられる。本明細書に言及されるの任意の複素環基は、(1)C1−7アシル(たとえば、カルボキシアルデヒド);(2)C1−20アルキル(たとえば、C1−6アルキル、C1−6アルコキシ−C1−6アルキル、C1−6アルキルスルフィニル−C1−6アルキル、アミノ−C1−6アルキル、アジド−C1−6アルキル、(カルボキシアルデヒド)−C1−6アルキル、ハロ−C1−6アルキル(たとえば、ペルフルオロアルキル)、ヒドロキシ−C1−6アルキル、ニトロ−C1−6アルキル、またはC1−6チオアルコキシ−C1−6アルキル);(3)C1−20アルコキシ(たとえば、ペルフルオロアルコキシ等のC1−6アルコキシ);(4)C1−6アルキルスルフィニル;(5)C6−10アリール;(6)アミノ;(7)C1−6アルク−C6−10アリール;(8)アジド;(9)C3−8シクロアルキル;(10)C1−6アルク−C3−8シクロアルキル;(11)ハロ;(12)C1−12ヘテロシクリル(たとえば、C2−12ヘテロアリール);(13)(C1−12ヘテロシクリル)オキシ;(14)ヒドロキシ;(15)ニトロ;(16)C1−20チオアルコキシ(たとえば、C1−6チオアルコキシ);(17)−(CH2)qCO2RA´(qは、0〜4の整数であり、RA´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)水素、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される);(18)−(CH2)qCONRB´RC´(qは、0〜4の整数であり、RB´およびRC´は、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリール、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から独立して選択される);(19)−(CH2)qSO2RD´(qは、0〜4の整数であり、RD´は、(a)C1−6アルキル、(b)C6−10アリール、(c)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から選択される);(20)−(CH2)qSO2NRE´RF´(qは、0〜4の整数であり、RE´およびRF´はそれぞれ、(a)水素、(b)C1−6アルキル、(c)C6−10アリール、および(d)C1−6アルク−C6−10アリール、からなる群から独立して選択される);(21)チオール;(22)C6−10アリールオキシ;(23)C3−8シクロアルコキシ;(24)アリールアルコキシ;(25)C1−6アルク−C1−12ヘテロシクリル(たとえば、C1−6アルク−C1−12ヘテロアリール);(26)オキソ;(27)(C1−12ヘテロシクリル)イミノ;(28)C2−20アルケニル;および(29)C2−20アルキニルからなる群から独立して選択される1、2、3、4または5の置換基で、任意選択的に置換されてもよい。いくつかの実施形態において、これらの基のそれぞれは、本明細書に記述されるようにさらに置換されても良い。たとえば、C1−アルカリルまたはC1−アルクヘテロシクリルのアルキレン基は、オキソ基でさらに置換され、それぞれおアリーロイルおよび(ヘテロシクリル)オイル置換基を放出しても良い。 本明細書で使用する「(ヘテロシクリル」イミノ」という用語は、イミノ基を介して元の分子群に付着された、本明細書に定義されるヘテロシクリル基を表す。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されても良い。 本明細書で使用する「(ヘテロシクリル)オキシ」という用語は、酸素原子を介して元の分子群に付着された、本明細書に定義されるヘテロシクリル基を表す。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されても良い。 本明細書で使用する「(ヘテロシクリル)オイル」という用語は、カルボニル基を介して元の分子群に付着された、本明細書に定義されるヘテロシクリル基を表す。いくつかの実施形態において、ヘテロシクリル基は、本明細書に定義されるように、1、2、3または4の置換基で置換されても良い。 本明細書で使用する「炭化水素」という用語は、炭素原子と水素原子のみからなる基を表す。 本明細書で使用する「ヒドロキシ」という用語は、−OH基を表す。 本明細書で使用する「ヒドロキシアルケニル」という用語は、1〜3のヒドロキシ基で置換された、本明細書に定義されるアルケニル基を表すが、ただし、アルキル基の1つの炭素原子にヒドロキシ基は1つのみ付着し、ジヒドロキシプロペニル、ヒドロキシイソペンテニル等に例示される。 本明細書で使用する「ヒドロキシアルキル」という用語は、1〜3のヒドロキシ基で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を表すが、ただし、アルキル基の1つの炭素原子にヒドロキシ基は1つのみ付着し、ヒドロキシメチル、ジヒドロキシプロピル等に例示される。 本明細書で使用する「異性体」という用語は、本発明の任意の化合物の、任意の互変異性体、立体異性体、光学異性体またはジアステレオマーを意味する。本発明の化合物は、1つ以上のキラル中心および/または二重結合を有し、ゆえに、立体異性体(たとえば、二重結合異性体(すなわち、幾何E/Z異性体)またはジアステレオマー(たとえば、光学異性体(すなわち、(+)または(−))またはシス/トランス異性体)等)として存在しうることが認識される。本発明に従い、本明細書に描写される化学構造および、ゆえに本発明の化合物は、すべての対応する立体異性体を包含し、すなわち、立体異性的に純粋な形態(たとえば、幾何異性体的に純粋、光学異性体的に純粋、またはジアステレオマー的に純粋)、および光学異性体および立体異性体の混合物(たとえば、ラセミ体)の両方を包含する。本発明の化合物の光学異性体および立体異性体の混合物は、たとえばキラル相ガスクロマトグラフィー、キラル相高速液体クロマトグラフィー、キラル塩複合体としての化合物の結晶化、またはキラル溶媒中での化合物の結晶化等の公知の方法により、通常、光学異性体成分または立体異性体成分へと分解することができる。光学異性体および立体異性体はまた、公知の不斉合成方法により、立体異性的または光学異性体的に純粋な中間体、試薬および触媒から得ることができる。 本明細書で使用する「N−保護アミノ」という用語は、本明細書に定義される、1つまたは2つのN−保護基が付着した、本明細書に定義されるアミノ基を指す。 本明細書で使用する「N−保護基」という用語は、合成手順の間、アミノ基を望ましくない反応から保護することを意図した基を表す。広く用いられているN−保護基は、Greene, “Protective Groups in Organic Synthesis,” 3rd Edition (John Wiley & Sons, New York, 1999)(参照により本明細書に援用される)に開示されている。N−保護基としては、アシル基、アリーロイル基またはカルバミル基(たとえば、ホルミル)、アセチル、プロピニル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、2−クロロアセチル、2−ブロモアセチル、トリフルオロアセチル、トリクロロアセチル、フタリル、o−ニトロフェノキシアセチル、α−クロロブチリル、ベンゾイル、4−クロロベンゾイル、4−ブロモベンゾイル、4−ニトロベンゾイル、およびキラル補助基(たとえば、アラニン、ロイシン、フェニルアラニン等の保護もしくは非保護D、LまたはD、L−アミノ酸等);スルホニル含有基(たとえば、ベンゼンスルホニル、p−トルエンスルホニル等);カルバマート形成基(たとえば、ベンジルオキシカルボニル、p−クロロベンジルオキシカルボニル、p−メトキシベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル、2−ニトロベンジルオキシカルボニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニル、3,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、2,4−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、2−ニトロ−4,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、3,4,5−トリメトキシベンジルオキシカルボニル、1−(p−ビフェニルイル)−1−メチルエトキシカルボニル、α,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジルオキシカルボニル、ベンズヒドリルオキシカルボニル、t−ブチルオキシカルボニル、ジイソプロピルメトキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニル、エトキシカルボニル、メトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、フェノキシカルボニル、4−ニトロフェノキシカルボニル、フルオレニル−9−メトキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル、フェニルチオカルボニル等)、アルカリル基(たとえば、ベンジル、トリフェニルメチル、ベンジルオキシメチル等)およびシリル基(たとえば、トリメチルシリル等)が挙げられる。好ましいN−保護基は、ホルミル、アセチル、ベンゾイル、ピバロイル、t−ブチルアセチル、アラニル、フェニルスルホニル、ベンジル、t−ブチルオキシカルボニル(Boc)およびベンジルオキシカルボニル(Cbz)である。 本明細書で使用する「ニトロ」という用語は、−NO2基を表す。 本明細書で使用する「オキソ」という用語は、=Oを表す。 本明細書で使用する「ペルフルオロアルキル」という用語は、本明細書に定義されるアルキル基であって、アルキル基に結合された各水素ラジカルが、フッ化物ラジカルで置き換えられているアルキル基を表す。ペルフルオロアルキル基は、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル等に例示される。 本明細書で使用する「ペルフルオロアルコキシ」という用語は、本明細書に定義されるアルコキシ基であって、アルコキシ基に結合された各水素ラジカルがフッ化物ラジカルで置き換えられているアルコキシ基を表す。ペルフルオロアルコキシ基は、トリフルオロメトキシ、ペンタフルオロエトキシ等で例示される。 本明細書で使用する「スピロシクリル」という用語は、両末端が元の基の同じ炭素原子に結合し、スピロ環基を形成するC2−7アルキレンジラジカルを表し、および、両端が同じ原子に結合しているC1−6ヘテロアルキレンジラジカルもまた表す。スピロ環基を形成するヘテロアルキレンラジカルは、窒素、酸素および硫黄からなる群から独立して選択される1、2、3または4のヘテロ原子を含有することができる。いくつかの実施形態において、スピロ環基は、1〜7の炭素(ジラジカルが付着している炭素原子を除く)を含む。本発明のスピロ環基は、シクロアルキルおよび/またはヘテロシクリル基に対する任意選択的な置換基として本明細書に提示される1、2、3または4の置換基で、任意選択的に置換されても良い。 本明細書で使用する「立体異性体」という用語は、全ての可能性のある異なる異性体、ならびに化合物が有し得る立体配座型(たとえば、本明細書に記述される任意の化学式の化合物)を指し、特に、全ての可能性のある立体化学的異性体型および立体配座的異性体型、すべてのジアステレオマー、光学異性体および/または基本の分子構造の配座異性体を指す。本発明の一部の化合物は、異なる互変異性型で存在しても良く、後者のものはすべて本発明の範囲内に含まれる。 本明細書で使用する「スルホアルキル」という用語は、−SO3Hのスルホ基で置換された、本明細書に定義されるアルキル基を表す。いくつかの実施形態において、アルキル基は、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されても良い。 本明細書で使用する「スルホニル」という用語は、−S(O)2−基を表す。 本明細書で使用する「チオアルカリル」という用語は、化学式−SRの化学置換基を表し、Rは、アルカリル基である。いくつかの実施形態において、アルカリル基は、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されても良い。 本明細書で使用する「チオアルクヘテロシクリル」という用語は、化学式−SRの化学置換基を表し、Rは、アルクヘテロシクリル基である。いくつかの実施形態において、アルクヘテロシクリル基は、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されても良い。 本明細書で使用する「チオアルコキシ」という用語は、化学式−SRの化学置換基を表し、Rは、本明細書に定義されるアルキル基である。いくつかの実施形態において、アルキル基は、本明細書に記述されるように、1、2、3または4の置換基でさらに置換されても良い。 「チオール」という用語は、−SH基を表す。化合物:本明細書で使用する「化合物」という用語は、すべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体および描写される構造の同位体を含むことが意図される。 本明細書に記述される化合物は、非対称(たとえば、1以上の立体中心を有する)であっても良い。他で示唆されない限り、すべての立体異性体(たとえば光学異性体およびジアステレオマー等)が意図される。非対称で置換された炭素を含有する本開示の化合物は、光学的に活性な状態またはラセミ体で単離することができる。光学的に活性な開始材料から光学的に活性な型を調製する方法は、当分野で公知であり、たとえば、ラセミ混合物の分解または立体選択的合成などによるものがある。オレフィン、C=N二重結合等の多くの幾何異性体もまた、本開示の化合物中に含まれ、そのような安定な異性体はすべて、本開示で予期されるものである。本開示化合物のシスおよびトランス幾何異性体が記述され、異性体の混合物として単離または、分離異性型として単離されても良い。 本開示の化合物には、互変異性型もまた含まれる。互変異性型は、一重結合と隣接する二重結合とを交換する(プロトンの移動が伴う)ことにより得ることができる。互変異性型は、同じ実験式および総荷電を有する異性体プロトン化状態である、プロトトロピー互変異性体(prototropic tautomer)を含む。プロトトロピー互変異性体としては、ケトン−エノール対、アミド−イミド酸対、ラクタム−ラクチム対、アミド−イミド酸対、エナミン−イミン対、およびプロトンが複素環の2つ以上の位置を占める場合(たとえば、1H−および3H−イミダゾール、1H−、2H−および4H−1,2,4−トリアゾール、1H−および2H−イソインドール、ならびに、1H−および2H−ピラゾール等)の環状形態を含む。互変異性型は、平衡状態にあってもよく、または適切な置換により、1つの形態に立体的に固定されていても良い。 本開示の化合物にはまた、中間体または最終化合物に発生する原子の同位体のすべてが含まれる。「同位体」とは、同じ原子番号を有するが、核の中性子数が異なるために、異なる質量数を有する原子を指す。たとえば、水素の同位体として、トリチウムと重水素が挙げられる。 本開示の化合物および塩は、常法により溶媒または水分子との組み合わせで調製され、溶媒和物および水和物を形成することができる。保存された:本明細書で使用する「保存された」という用語は、ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列のヌクレオチドまたはアミノ酸のそれぞれで、比較される2以上の配列の同じ位置で変化せずに存在するものである。相対的に保存されたヌクレオチドまたはアミノ酸とは、配列の他の場所に現れるヌクレオチドまたはアミノ酸よりも、多くの関連配列中で保存されているものである。 いくつかの実施形態において、もし2以上の配列が互いに100%同一である場合、それらは「完全に保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2以上の配列が互いに少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、それらは「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2以上の配列が、互いに約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合、「高度に保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2つ以上の配列が、互いに少なくとも30%同一、少なくとも40%同一、少なくとも50%同一、少なくとも60%同一、少なくとも70%同一、少なくとも80%同一、少なくとも90%同一、または少なくとも95%同一である場合、「保存された」と言われる。いくつかの実施形態において、2以上の配列が、互いに約30%同一、約40%同一、約50%同一、約60%同一、約70%同一、約80%同一、約90%同一、約95%同一、約98%同一、または約99%同一である場合、「保存された」と言われる。配列の保存は、オリゴヌクレオチドもしくはポリペプチドの全体の長さに対して適用しても良く、またはそれらの部分、領域もしくは特性に対して適用しても良い。放出制御:本明細書で使用する「放出制御」とは、特定の放出パターンに従い、治療結果をもたらす医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。環状の、または環化:本明細書で使用する「環状の」という用語は、連続的なループの存在を指す。環状分子は、ただ連結し、サブユニットの切れ目のない鎖を形成するものであり、必ずしも円形である必要は無い。たとえば本発明の操作されたRNAまたはmRNA等の環状分子は、単一ユニットもしくは多量体であっても良く、または1つ以上の成分の複合体または高次構造を含有しても良い。細胞増殖抑制:本明細書で使用する「細胞増殖抑制」とは、細胞(たとえば、哺乳類細胞(たとえば、ヒト細胞))、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、寄生虫、プリオンまたはそれらの組み合わせの増殖、分裂または繁殖を阻害、減少、抑制することを指す。細胞毒性:本明細書で使用する「細胞毒性」とは、細胞(たとえば、哺乳類細胞(たとえば、ヒト細胞))、細菌、ウイルス、真菌、原生動物、寄生虫、プリオンまたはそれらの組み合わせに対する、殺傷効果もしくは有害作用、毒性効果もしくは死に至る作用を指す。送達:本明細書で使用する「送達」とは、化合物、物質、実体、部分、カーゴ(積荷)、またはペイロードを送達させる作用または方法を指す。送達剤:本明細書で使用する「送達剤」とは、修飾核酸またはmmRNAの標的細胞へのインビボ送達を、少なくとも部分的に促進する任意の物質を指す。不安定化:本明細書で使用する「不安定な」「不安定にする」または「不安定化領域」という用語は、開始時、野生型または同じ領域もしくは分子の天然型よりも安定性に欠ける領域または分子を意味する。検出可能標識:本明細書で使用する「検出可能標識」とは、当分野公知の方法(X線撮影、蛍光、化学発光、酵素活性、吸光等を含む)により容易に検出可能な、他の実体に付着される、組み込まれる、もしくは結合される、1以上のマーカー、シグナルまたは部分を指す。検出可能標識としては、放射性同位体、フルオロフォア、クロモフォア、酵素、色素、金属イオン、リガンド(たとえば、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジンおよびハプテン等)、量子ドット等が挙げられる。検出可能標識は、本明細書に記述されるペプチドまたはタンパク質の任意の部位に位置しても良い。それらは、アミノ酸、ペプチドもしくはタンパク質内、または、N末端もしくはC末端に位置しても良い。消化:本明細書で使用する「消化」という用語は、小さな小片または成分にバラバラに壊すことを意味する。ポリペプチドまたはタンパク質に関する場合、消化により、ペプチドがもたらされる。遠位:本明細書で使用する「遠位」という用語は、対象の点または領域から離れた位置、または中心から離れた位置を意味する。用量分割因子(DSF):総1日用量または単回単位用量のPUDで割られた、用量分割処置のPUDの比率。値は、投与レジメン群の比較から得られる。封入:本明細書で使用する「封入」とは、囲包する、囲む、包み込むことを意味する。操作された:本明細書において、本発明の実施態様が、開始時点、野生型もしくは天然型分子から変化した特性または性質(構造的または化学的のいずれでも)を有する様に設計される場合、それらは「操作されている」。エキソソーム:本明細書で使用する「エキソソーム」は、哺乳類細胞から分泌される小胞である。発現:本明細書において、核酸配列の「発現」とは、以下の事象の1つ以上を指す:(1)DNA配列からのRNA鋳型産生(たとえば、転写による);(2)RNA転写物のプロセッシング(たとえば、スプライシング、エディティング、5´キャップの形成および/または3´末端のプロセッシング等);(3)ポリペプチドまたはタンパク質へのRNAの翻訳;および(4)ポリペプチドまたはタンパク質の翻訳後修飾。特性:本明細書で使用する「特性」とは、特徴、性質または独特の要素を指す。製剤:本明細書で使用する「製剤」には、少なくとも修飾核酸またはmmRNAおよび送達剤が含まれる。断片:本明細書で使用する「断片」とは、部分を指す。たとえば、タンパク質の断片には、培養細胞から単離された全長タンパク質の消化により得られたポリペプチドが含有されても良い。機能的:本明細書で使用する「機能的」な生体分子は、それが特徴付けられる特性および/または活性を示す形態にある生体分子である。相同性:本明細書で使用する「相同性」という用語は、高分子の間(たとえば、核酸分子(たとえば、DNA分子および/またはRNA分子)の間、および/または、ポリペプチド分子の間)の全体的な関連性を指す。いくつかの実施形態において、複数の高分子配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一または類似である場合、それらは互いに「相同性である」とみなされる。「相同性である」という用語は、必然的に、少なくとも2つの配列(ポリヌクレオチド配列またはポリペプチド配列)の間の比較を指す。本発明に基づくと、ポリヌクレオチドがコードするポリペプチドが、少なくとも約20アミノ酸の少なくとも1つの連続配列に対し、少なくとも約50%、60%、70%、80%、90%、95%またはさらに99%である場合、2つのポリヌクレオチド配列は、相同性であるとみなされる。いくつかの実施形態において、相同なポリヌクレオチド配列は、少なくとも4〜5の独自の特定アミノ酸の連続配列をコードする能力により特徴付けられる。60ヌクレオチド未満の長さのポリヌクレオチド配列に対しては、相同性は、少なくとも4〜5の独自の特定アミノ酸の連続配列をコードする能力により決定づけられる。本発明に基づくと、2つのタンパク質が少なくとも約20アミノ酸の少なくとも1つの連続配列に対して少なくとも約50%、60%、70%、80%または90%同一である場合、その2つのタンパク質配列は、相同であるとみなされる。同一性:本明細書で使用する「同一性」という用語は、高分子の間(たとえば、オリゴヌクレオチド分子(たとえば、DNA分子および/またはRNA分子)の間、および/または、ポリペプチド分子の間)の全体的な関連性を指す。2つのポリヌクレオチド配列の同一性パーセントの算出は、たとえば、最適比較の目的で2つの配列を並べることにより行うことができる(最適並列のために、たとえば、ギャップを第一および第二の核酸配列のうちの1つまたは両方に導入することができ、非同一の配列は、比較対象に対し無視することができる)。ある実施態様において、比較目的のために並べられた配列の長さは、参照配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%または100%である。次いで、対応するヌクレオチドの位置でヌクレオチドが比較される。第一の配列の位置が、第二の配列の対応する位置と同じヌクレオチドで占められている場合、その分子はその位置で同一である。2つの配列の間の同一性パーセントは、配列により共有されている同一の位置数の関数であり、2つの配列の最適配列のために導入する必要のあった各ギャップの長さ、およびギャップの数を考慮している。配列の比較および2つの配列の間の同一性パーセントの決定は、数学アルゴリズムを用いて得ることができる。たとえば、2つのヌクレオチド配列の間の同一性パーセントは、たとえばComputational Molecular Biology, Lesk, A. M., ed., Oxford University Press, New York, 1988;Biocomputing: Informatics and Genome Projects, Smith, D. W., ed., Academic Press, New York, 1993;Sequence Analysis in Molecular Biology, von Heinje, G., Academic Press, 1987;Computer Analysis of Sequence Data, Part I, Griffin, A. M., and Griffin, H. G., eds., Humana Press, New Jersey, 1994;および、Sequence Analysis Primer, Gribskov, M. and Devereux, J., eds., M Stockton Press, New York, 1991(これらはそれぞれ参照により本明細書に援用される)に記述されている方法を用いて決定することができる。たとえば、2つのヌクレオチド配列の間の同一性パーセントは、PAM120残基重量表(weight residue table)、12のギャップ長ペナルティ(gap length penalty)および4のギャップペナルティを用いたALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれたMeyersとMillerのアルゴリズム(CABIOS, 1989, 4:11−17)を用いて決定することができる。あるいは、2つのヌクレオチド配列の間の同一性パーセントを、NWSgapdna.CMP matrixを用いたGCGソフトウェアパッケージのGAPプログラムを用いて決定することができる。配列間の同一性パーセントを決定するために普遍的に用いられている方法としては、Carillo, H., and Lipman, D., SIAM J Applied Math., 48:1073 (1988)(参照により本明細書に援用される)に開示されている方法が挙げられるが、これに限定されない。同一性決定の技術は、公的に利用可能なコンピュータープログラムにおいて体系化されている。2つの配列の間の相同性を決定するためのコンピューターソフトウェアの例としては、GCG program package, Devereux, J., et al., Nucleic Acids Research, 12(1), 387 (1984)、BLASTP、BLASTNおよび、FASTA Altschul, S. F. et al., J. Molec. Biol., 215, 403 (1990)が挙げられるが、これらに限定されない。 遺伝子の発現阻害:本明細書で使用する「遺伝子の発現阻害」という文言は、遺伝子の発現産物の量の減少をもたらすことを意味する。発現産物は、遺伝子から転写されたRNA(たとえば、mRNA)または遺伝子から転写されたmRNAから翻訳されたポリペプチドであっても良い。典型的には、mRNAレベルの減少により、それらから翻訳されるポリペプチドレベルの減少ももたらされる。発現レベルは、mRNAまたはタンパク質を測定する標準的な技術を用いて決定されてもよい。インビトロ:本明細書で使用する「インビトロ」という用語は、生物体(動物、植物、微生物)内ではなく、たとえば、試験管中または反応槽中、細胞培養中、ペトリ皿の中等、人工的な環境で発生する事象を指す。インビボ:本明細書で使用する「インビボ」という用語は、生物体(たとえば、動物、植物もしくは微生物またはそれらの細胞もしくは組織)内で発生する事象を指す。単離された:本明細書で使用する「単離された」という用語は、関連構成要素(天然または実験上の設定のいずれでも)の少なくとも一部から分離された物質または実体を指す。単離された物質は、それらが関連していた物質に対して、純度レベルが変化していてもよい。単離された物質および/または実体は、それらが当初関連していた他の構成要素の少なくとも約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%かそれ以上から分離されても良い。いくつかの実施形態において、単離された剤は、約80%、約85%、約90%、約91%、約92%、約93%、約94%、約95%、約96%、約97%、約98%、約99%、または約99%超の純度である。本明細書において、実質的に他の成分が無い場合、その物質は、「純粋」である。実質的に単離された:「実質的に単離された」とは、成分が、それが形成された、または検出された環境から実質的に分離されていることを意味する。部分的分離には、たとえば、本開示の化合物が富化された組成物を含むことができる。実質的な分離には、本開示の化合物、またはその塩を少なくとも約50重量%、少なくとも約60重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約99重量%含有する組成物を含むことができる。化合物およびその塩を単離する方法は当分野の日常的な作業である。リンカー:本明細書において、リンカーは、たとえば10〜1,000原子の原子群を指し、原子または群(たとえば、限定されないが、炭素、アミノ、アルキルアミノ、酸素、硫黄、スルホキシド、スルホニル、カルボニルおよびイミン等)から構成されることができる。リンカーは、第一の末端で核酸塩基もしくは糖鎖部分上の修飾ヌクレオシドまたはヌクレオチドに付着することができ、第二の末端で検出可能な剤または治療剤等のペイロードに付着することができる。リンカーは、核酸配列への組み込みに干渉しないような長さのものであってもよい。リンカーは、たとえばmmRNA多量体の形成(たとえば、2以上の修飾核酸分子またはmmRNA分子の結合を介する)、またはmmRNAの形成、ならびに本明細書に記述されるペイロードの投与等の任意の有用な目的のために用いられても良い。リンカーに組み込むことができる化学基の例としては、限定されないが、アルキル、アルケニル、アルキニル、アミド、アミノ、エーテル、チオエーテル、エステル、アルキレン、ヘテロアルキレン、アリールまたはヘテロシクリル(それらは各々、本明細書に記述されるように任意選択的に置換されることができる)が挙げられる。リンカーの例としては、限定されないが、不飽和アルカン類、ポリエチレングリコール類(たとえば、エチレンまたはプロピレングリコール単量体(たとえば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、またはテトラエチレングリコール等))、およびデキストランポリマー類ならびにそれらの誘導体が挙げられる。他の例としては、限定されないが、リンカー内の開裂可能な部分(たとえば、ジスルフィド結合(−S−S−)またはアゾ結合(−N=N−)(それらは、還元剤または光分解により開裂することができる))が挙げられる。選択的開裂可能な結合の非限定的な例示としては、たとえばトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン(TCEP)または他の還元剤および/もしくは光分解の使用により開裂することができるアミド結合、ならびに、たとえば酸性加水分解または塩基性加水分解により開裂することができるエステル結合が挙げられる。マイクロRNA(miRNA)結合部位:本明細書において、マイクロRNA(miRNA)結合部位は、少なくともmiRNAの「シード」領域に結合する核酸転写物のヌクレオチド位置または領域を表す。修飾された:本明細書で使用する「修飾された」とは、変化した本発明の分子構造または状態を指す。分子は、化学的、構造的および機能的を含む、様々な状態で修飾されうる。一実施態様において、本発明のmRNA分子は、非天然ヌクレオシドおよび/またはヌクレオチドの導入により修飾されている。粘液:本明細書で使用する「粘液」とは、粘性で、ムチン糖タンパク質を含有する天然物質を指す。天然の:本明細書で使用する「天然の」とは、人工的な補助無しに、自然に存在していることを意味する。非ヒト脊椎動物:本明細書で使用する「非ヒト脊椎動物」には、ホモサピエンスを除くすべての脊椎動物が含まれる(野生種および家畜化された種も含まれる)。非ヒト脊椎動物の例としては、限定されないが、たとえば、アルパカ、バンテン、バイソン、ラクダ、ネコ、ウシ、シカ、イヌ、ロバ、ガヤル、ヤギ、モルモット、ウマ、リャマ、ラバ、ブタ、ウサギ、トナカイ、ヒツジ、水牛およびヤク等の哺乳類が挙げられる。オフ−ターゲット:本明細書で使用する「オフ−ターゲット」とは、任意の1つ以上の標的、遺伝子、または細胞転写物に対する任意の意図されない効果を指す。オープンリーディングフレーム:本明細書で使用する「オープンリーディングフレーム」または「ORF」とは、所与のリーディングフレーム中に、終止コドンを含まない配列を指す。操作可能に結合された:本明細書で使用する「操作可能に結合された」という文言は、2以上の分子、構築物、転写物、実体、部分等の間の機能的な結合を指す。パラトープ:本明細書で使用する「パラトープ」とは、抗体の抗原結合部位を指す。患者:本明細書で使用する「患者」とは、治療を求める可能性のある対象、もしくは治療を必要とする可能性のある対象、治療を必要とする対象、治療を受けている対象、治療を受けるであろう対象、または特定の疾患または状態に対して訓練された専門家によるケアを受けている対象を指す。ペプチド:本明細書で使用する「ペプチド」は、50の長さ以下のアミノ酸(たとえば、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50の長さのアミノ酸)である。薬剤的に許容可能な:「薬剤的に許容可能な」という文言は、本明細書において、妥当な医学的判断の範囲内で、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応または他の問題もしくは合併症を伴うことなく、合理的な利益/リスク比に見合った、ヒトおよび動物の組織に接触する使用に適した化合物、物質、組成物および/または剤型を指すために用いられる。薬剤的に許容可能な賦形剤:本明細書で使用する「薬剤的に許容可能な賦形剤」とは、本明細書に記述される化合物以外の任意の構成要素(たとえば、活性化合物を懸濁または溶解することができる媒体)を指し、患者に実質的に非毒性および非炎症性である特性を有する。賦形剤としては、たとえば、抗接着剤、抗酸化剤、結合剤、コーティング剤、圧縮補助剤、崩壊剤、色素(染料)、皮膚軟化剤、乳化剤、増量剤(希釈剤)、塗膜形成剤またはコーティング剤、香味料、香料、流動促進剤(流量増強剤)、潤滑剤、保存料、印刷用インク、吸着剤、懸濁剤または溶解剤、甘味料および水和水を含めても良い。例となる賦形剤としては、限定されないが、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム(二塩基)、ステアリン酸カルシウム、クロスカルメロース、架橋ポリビニルピロリドン、クエン酸、クロスポビドン、システイン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸マグネシウム、マルチトール、マンニトール、メチオニン、メチルセルロース、メチルパラベン、微晶質セルロース、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポビドン、α化澱粉、プロピルパラベン、パルミチン酸レチニル、セラック、二酸化シリコン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、クエン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、ソルビトール、澱粉(トウモロコシ)、ステアリン酸、スクロース、滑石、二酸化チタニウム、ビタミンA、ビタミンE、ビタミンCおよびキシリトールが挙げられる。薬剤的に許容可能な塩:本発明には、本明細書に開示される化合物の薬剤的に許容可能な塩もまた含まれる。本明細書で使用する「薬剤的に許容可能な塩」とは、本開示化合物の誘導体を指し、既存の酸または塩基部分が塩の形態に転換されることにより(たとえば、遊離塩基と適切な有機酸を反応させることにより)、元の化合物が修飾されている。薬剤的に許容可能な塩としては、限定されないが、アミン等の塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、カルボン酸等の酸性残基のアルカリ塩または有機塩等が例示される。代表的な酸付加塩としては、酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、樟脳スルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコヘプトン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプトネート、ヘキサノエート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、トルエンスルホン酸塩、ウンデカノエート、吉草酸塩等が挙げられる。代表的なアルカリ塩またはアルカリ土類金属塩としては、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等、ならびに、非毒性のアンモニウム、4級アンモニウムおよびアミンカチオン(限定されないが、アンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン等が挙げられる)が挙げられる。本開示の薬剤的に許容可能な塩としては、たとえば、非毒性の無機酸または有機酸から形成された、元の化合物の従来的な非毒性塩が挙げられる。本開示の薬剤的に許容可能な塩は、従来的な化学法により、塩基性部分または酸性部分を含有する元の化合物から合成することができる。一般的に、そのような塩は、これらの化合物の遊離酸型または遊離塩基型と、水もしくは有機溶媒またはその2つの混合物(通常、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノール、またはアセトニトリル等の非水性溶媒が好ましい)に溶解した適切な塩基または酸の化学量論量とを反応させることにより調製することができる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 17th ed., Mack Publishing Company, Easton, Pa., 1985, p. 1418, Pharmaceutical Salts: Properties, Selection, and Use, P.H. Stahl and C.G. Wermuth (eds.), Wiley−VCH, 2008、および、Berge et al., Journal of Pharmaceutical Science, 66, 1−19 (1977)に記載されている(これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に援用される)。薬剤的に許容可能な溶媒和物:本明細書で使用する「薬剤的に許容可能な溶媒和物」という用語は、適切な溶媒分子が結晶格子中に組み込まれている本発明の化合物を意味する。適切な溶媒は、投与される用量で生理学的に耐容できるものである。たとえば、溶媒和物は、結晶化、再結晶化、または、有機溶媒、水もしくはそれらの混合物を含む溶液からの沈殿により調製されてもよい。適切な溶媒の例としては、エタノール、水(たとえば、モノ−、ジ−、およびトリ−水和物)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、N,N´−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N´−ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMEU)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2−(1H)−ピリミジノン(DMPU)、アセトニトリル(ACN)、プロピレングリコール、酢酸エチル、ベンジルアルコール、2−ピロリドン、安息香酸ベンジル等が挙げられる。水が溶媒の場合、溶媒和物は、「水和物」と呼称される。薬物動態:本明細書で使用する「薬物動態」とは、生物体へと投与された物質の運命の決定に関連する、分子または化合物の任意の1つ以上の特性を指す。薬物動態は、吸収、分布、代謝および排出の比率および程度を含む、数種の領域に分けられる。これは通常、ADMEと呼ばれており、(A)吸収は、血液循環に入る物質のプロセスである;(D)分布は、身体の組織および体液を巡る物質の分散または伝達である;(M)代謝(または、生体内変化)は、親となる化合物の、娘の化合物への不可逆的な変化である;(E)排出(または除去)は、身体からの物質の除去、を指す。稀なケースとして、一部の薬物は、身体組織中に不可逆的に蓄積する。薬理作用:本明細書で使用する「薬理作用」は、外因的な物質に生命体またはシステムが接触または曝された後に発生する、生命体またはシステムの中の、計測可能な生物学的な現象である。薬理作用は、たとえば、治療、1つ以上の症状の改善、診断、予防、および疾患、障害、疾病もしくは感染の発生の遅延等の、治療上有効な結果をもたらすものであっても良い。そのような生物学的な現象の測定は、定量的、定性的、または他の生物学的現象と相対的なものであってもよい。定量的測定は、統計的に有意なものであっても良い。定量的な測定は、程度または種類によるものであっても良く、少なくとも、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%またはそれ以上の差であっても良い。それらは存在または非存在、より良いまたはより悪い、多いまたは少ない、として観察可能なものであっても良い。薬理作用に言及する場合の外因的な物質とは、生命体またはシステムに対して、全体的または部分的のいずれでも、異物である物質である。たとえば、野生型の生体分子に対する修飾は、構造的なものであれ化学的なものであれ、外因的な物質を生み出すであろう。同様に、天然には生命体またはシステム中に見出されない化合物、分子または物質中への野生型分子への組み込み(もしくは野生型分子との組み合わせ)もまた、外因的な物質を生み出すであろう。本発明の修飾mRNAは、外因的な物質を含有する。薬理作用の例としては、限定されないが、好中球、網状赤血球、顆粒球、赤血球(赤色血液細胞)、巨核球、血小板、単球、結合組織マクロファージ、表皮ランゲルハンス細胞、破骨細胞、樹状細胞、ミクログリア細胞、好中球、好酸球、好塩基球、肥満細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞もしくは網状赤血球の増加または減少等の、細胞数の変化が挙げられる。薬理作用には、血液化学所見、pH、ヘモグロビン、ヘマトクリット、酵素(たとえば、限定されないが肝臓酵素のASTおよびALT)のレベルの変化、脂質プロファイルの変化、電解質、代謝マーカー、ホルモンまたは、当業者に公知の他のマーカーもしくはプロファイルにおける変化も含まれる。物理化学:本明細書で使用する「物理化学」は、物理的な、および/または化学的な特性に関連すること、またはそのような特性を意味する。予防:本明細書で使用する「予防」という用語は、感染、疾病、障害および/または疾患の発生の部分的または完全な遅延;特定の感染、疾病、および/または疾患の1つ以上の兆候、特性または臨床症状の発生の部分的または完全な遅延;特定の感染、疾病、障害および/もしくは疾患の1つ以上の兆候、特性または症状の発生の部分的または完全な遅延;ならびに/または、感染、疾病、障害および/もしくは疾患に関連した症状発生リスクの減少を指す。プロドラッグ:本開示には、本明細書に記述される化合物のプロドラッグもまた含まれる。本明細書で使用する「プロドラッグ」とは、化学的または物理的変化により治療剤として振る舞う物質、分子または実体の基礎となる形態にある任意の物質、分子または実体を指す。プロドラッグは、何らかの方法で共有結合または隔離されていても良く、および哺乳類対象への投与の前に、投与により、または投与の後に、活性薬剤部分を放出、または活性薬剤部分へと変化するものであってもよい。プロドラッグは、化合物中に存在する官能基を修飾することにより調製されても良く、その修飾物は、日常的な操作またはインビボのいずれかで、元の化合物へと開裂される。プロドラッグには、ヒドロキシル基、アミノ基、スルフヒドリル基またはカルボキシル基が、哺乳類対象に投与された際に、それぞれ遊離ヒドロキシル基、遊離アミノ基、遊離スルフヒドリル基または遊離カルボキシル基を形成するように開裂する任意の基に結合している化合物が含まれる。プロドラッグの調製および使用については、T. Higuchi and V. Stella, “Pro−drugs as Novel Delivery Systems,” Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、および、Bioreversible Carriers in Drug Design, ed. Edward B. Roche, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987(それら両方とも、参照により、その全体で本明細書に援用される)において考察がなされている。増殖:本明細書で使用する「増殖」という用語は、速やかに成長、拡大もしくは増加する、または、成長、拡大もしくは増加をもたらすことを意味する。「増殖性」とは、増殖することが出来る能力を有することを意味する。「抗増殖性」とは、増殖特性とは逆または、増殖特性とは適合しない特性を有することを意味する。対象のタンパク質:本明細書で使用する「対象のタンパク質」または「所望のタンパク質」という用語には、本明細書に提示されるもの、ならびに、それらの断片、変異体、突然変異体および変化物が含まれる。隣接:本明細書で使用する「隣接」という用語は、対象の点または領域に対して、または対象の中心に対してより近い場所に位置づくことを意味する。シュードウリジン:本明細書において、シュードウリジンは、ウリジンヌクレオシドのC−グリコシド異性体を指す。「シュードウリジンアナログ」は、シュードウリジンの任意の修飾体、変異体、異性体または誘導体である。たとえば、シュードウリジンアナログには、限定されないが、1−カルボキシメチル−シュードウリジン、1−プロピニル−シュードウリジン、1−タウリノメチル−シュードウリジン、1−タウリノメチル−4−チオ−シュードウリジン、1−メチル−シュードウリジン(m1Ψ)、1−メチル−4−チオ−シュードウリジン(m1s4Ψ)、4−チオ−1−メチル−シュードウリジン、3−メチル−シュードウリジン(m3Ψ)、2−チオ−1−メチル−シュードウリジン、1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、2−チオ−1−メチル−1−デアザ−シュードウリジン、ジヒドロシュードウリジン、2−チオ−ジヒドロシュードウリジン、2−メトキシウリジン、2−メトキシ−4−チオ−ウリジン、4−メトキシ−シュードウリジン、4−メトキシ−2−チオ−シュードウリジン、N1−メチル−シュードウリジン、1−メチル−3−(3−アミノ−3−カルボキシプロピル)シュードウリジン(acp3Ψ)、および2´−O−メチル−シュードウリジン(Ψm)が含まれる。精製された:本明細書で使用する「精製する」、「精製された」、「精製」は、不用な構成要素、汚染物質、混合物または欠陥物から実質的に純粋にする、またはそれらを清浄化することを意味する。試料:本明細書で使用する「試料」または「生物学的試料」という用語は、その組織、細胞または構成成分(たとえば、限定されないが、血液、粘液、リンパ液、滑液、脳脊髄液、唾液、羊水、臍帯血、尿、膣液、および精液を含む体液等)のサブセットを指す。試料はさらに、生命体全体、またはその組織、細胞もしくは構成成分、またはその分画もしくは部分(限定されないが、たとえば、血漿、血清、髄液、ならびに、リンパ液、皮膚、呼吸器、腸管および尿生殖器の外部断片、涙、唾液、乳、血液細胞、腫瘍、器官等を含む)から調製された、ホモジネート、溶解物または抽出物を含んでも良い。さらに、試料は、たとえば栄養成分を含む培養液(broth)またはゲル(たとえばタンパク質または核酸等の細胞成分を含有しても良い)等の培地を指す。シグナル配列:本明細書で使用する「シグナル配列」という文言は、タンパク質の運搬または局在性を指示することができる配列を指す。単回単位用量:本明細書で使用する「単回単位用量」という語は、1用量/1回/単一経路/単一接点(すなわち単一の投与事象)において投与される治療剤の用量を指す。類似性:本明細書で使用する「類似性」という用語は、高分子の間(たとえば、ポリヌクレオチド分子(たとえば、DNA分子および/またはRNA分子)の間、および/または、ポリペプチド分子の間)の全体的な関連性を指す。高分子の、他の高分子に対する類似性パーセントの算出は、同一性パーセントの算出と同じような方法で行うことができる(当分野で理解される、保存的置換を考慮する類似性パーセントの算出は除く)。分割用量:本明細書で使用する「分割用量」という語は、単回単位用量または総1日用量を2回以上の用量に分割することを指す安定:本明細書で使用する「安定」とは、有用な程度の純度までの、反応混合物からの単離の間、存在し続けるのに十分に頑健である化合物、および、好ましくは有効な治療剤へと製剤化することができる化合物を指す。安定化した:本明細書で使用する「安定化する」、「安定化した」、「安定化領域」という用語は、安定にする、または安定になることを意味する。対象:本明細書で使用する「対象」または「患者」という用語は、たとえば実験目的で、診断目的で、予防目的で、および/または治療目的で、本発明に従う組成物が投与されうる任意の生物体を指す。典型的な対象としては、動物(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類およびヒト等)および/または植物が挙げられる。実質的に:本明細書で使用する「実質的に」という用語は、対象の特徴または特性を、全てもしくはほぼ全ての程度または範囲で示す定性的な状態を指す。生物学分野の当業者であれば、生物学的現象および化学的現象は、あったとしても、めったに完了までいかない、および/または、完了もしくは達成にまでは進展しない、または、完全な結果を回避することを理解するであろう。それゆえ、「実質的に」という用語は、本明細書において、多くの生物学的現象および化学的現象において、本来的に、完全性が欠落している可能性を捉えるために用いられる。実質的に同等:本明細書においては、投与の間の時間差に関しており、この用語は、+/− 2%を意味する。実質的に等しい:本明細書において、複数回投与に関連しており、この用語は2秒以内を意味する。罹患している:疾病、障害および/または疾患に「罹患」している個々人は、疾病、障害および/または疾患の1つ以上の兆候を示しているか、またはそれにより診断される。罹患しやすい:疾病、障害および/または疾患に対して「罹患しやすい」個々人は、疾病、障害および/または疾患の兆候を示していない、および/または、それで診断されていないが、疾患またはその兆候を発現する傾向を有している。いくつかの実施形態において、疾病、障害および/または疾患(たとえば、癌)に罹患しやすい個々人は、以下の1つ以上で特徴づけられてもよい:(1)疾病、障害および/または疾患の発現に関連した遺伝的変異;(2)疾病、障害および/または疾患の発現に関連した遺伝的ポリモルフィズム;(3)疾病、障害および/または疾患の発現に関連した、タンパク質および/もしくは核酸の発現ならびに/または活性の増加ならびに/または減少;(4)疾病、障害および/または疾患の発現に関連したライフスタイルおよび/または習慣;(5)疾病、障害および/または疾患の家族歴;(6)疾病、障害および/または疾患の発現に関連した微生物への露出および/または感染。いくつかの実施形態において、疾病、障害および/または疾患に罹患しやすい個々人は、疾病、障害および/または疾患を発症する。いくつかの実施形態において、疾病、障害および/または疾患に罹患しやすい個々人は、疾病、障害および/または疾患を発症しない。徐放:本明細書で使用する「徐放」という用語は、特定の期間にわたる放出率に従う医薬組成物または化合物の放出プロファイルを指す。合成:本明細書で使用する「合成」という用語は、ヒトの手により生産、調整および/または製造されたことを意味する。本発明のポリヌクレオチドまたはポリペプチドまたは他の分子の合成は、化学的または酵素的であっても良い。標的細胞:本明細書で使用する「標的細胞」とは、対象の1つ以上の任意の細胞を指す。細胞は、インビトロ、インビボ、インサイツまたは生命体の組織または器官中で見いだされても良い。生命体は、動物であっても良く、好ましくは哺乳類、より好ましくはヒト、最も好ましくは患者であってもよい。治療剤:「治療剤」という用語は、対象に投与された際に、治療的効果、診断的効果および/もしくは予防的効果を有する任意の剤、ならびに/または、望ましい生物学的作用および/もしくは薬理学的作用を引き起こす任意の剤を指す。治療有効量:本明細書で使用する「治療有効量」という用語は、疾病、障害および/または疾患に罹患した、または罹患しやすい対象に投与された際に、疾病、障害および/もしくは疾患の症状を、治療ならびに/または改善する、ならびに/または、疾病、障害および/もしくは疾患の発現を診断する、予防する、ならびに/または遅延させるために十分である、送達される剤(たとえば、核酸、薬剤、治療剤、診断剤、予防剤等)の量を意味する。治療上有効な結果:本明細書で使用する「治療上有効な結果」は、疾病、障害および/または疾患に罹患している、または罹患しやすい対象において、疾病、障害および/もしく疾患の症状を、治療ならびに/または改善する、ならびに/または、疾病、障害および/もしくは疾患の発現を診断する、予防する、ならびに/または遅延させるために十分である結果を意味する。総1日用量:本明細書で使用する「総1日用量」という語は、24時間の期間に投与または処方される量を指す。総1日用量を単回単位用量として投与してよい。転写因子:本明細書で使用する「転写因子」という用語は、たとえば転写の活性化または抑制によって、DNAのRNAへの転写を制御するDNA結合タンパク質を指す。一部の転写因子は、単独で転写制御に作用する一方で、他は、他のタンパク質と協調して作用する。一部の転写因子は、ある条件下で、転写活性化または転写抑制の両方を行うことができる。通常、転写因子は、標的遺伝子の制御領域中の特定のコンセンサス配列に高度に類似した配列、または特定の標的配列に結合する。転写因子は、単独で、または他の分子と複合体化して、標的遺伝子の転写を制御してもよい。治療:本明細書で使用する「治療」という用語は、完全にまたは部分的に、特定の感染、疾病、障害および/または疾患の1つ以上の症状または特性の発生を減少させること、それらの重篤度を減少させること、それらの進行を阻害すること、ならびに/または、それらの発現を緩和、改善、好転、軽減および/もしくは遅延させること、を指す。たとえば、癌の「治療」は、腫瘍の存続、増殖および/または核酸を阻害することを指し得る。治療は、疾病、障害および/または疾患と関連した病理の発現リスクを減少させる目的で、疾病、障害および/または疾患の兆候を示していない対象に投与されてもよく、および/または、疾病、障害および/もしくは疾患の早期兆候のみを示している対象に投与されてもよい。非修飾:本明細書で使用する「非修飾」とは、形はどうあれ、変化する前の任意の物質、化合物または分子を指す。常にではないが、非修飾とは、野生型または天然型の生体分子を指す。分子は、一連の修飾を受けるかもしれず、それによって、各修飾分子は、次なる修飾のための「非修飾」開始分子として供される可能性もある。均等および範囲 当業者であれば、日常的な実験を超えることなく、本明細書に記述される本発明に従う特定の実施態様に対する多くの均等物を認識または確認するであろう。本発明の範囲は、上記の記述に限定される意図は無く、添付のクレームに明記される。 クレームにおいて、たとえば、「1つの(a、an)」および「その(the)」等の冠詞が、逆のことが示唆されない限り、または文脈から明らかでない限り、1つ以上を意味し得る。群の1つ以上のメンバーの間に「または」を含むクレームまたは明細書は、逆のことが示されない限り、または文脈から明らかでない限り、群のメンバーの1つ、1つ以上、またはすべてが、所与の産物もしくはプロセス中に存在、または用いられ、または関連する場合、条件を満たしたとみなされる。本発明は、正確に群の1つのメンバーが所与の産物またはプロセスに存在、用いられ、または関連する実施態様を含む。本発明は、群のメンバーの2つ以上またはすべてが、所与の産物またはプロセスに存在、用いられ、または関連する実施態様を含む。 「含有する」という用語は、開かれた表現であることが意図されており、追加の要素または工程が含有されてもよいこともまた、注意されたい。 範囲が与えられる場合、端点が含まれる。さらに、他で示されるか、または文脈および当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表される値は、任意の特定の値または、本発明の異なる実施態様で述べられた範囲内の副次的な値を、文脈上、他で明確に規定されない限り、範囲の低限の単位の10分の1まで取ることが可能である。 さらに、先行技術の範囲内にある本発明の任意の特定の実施態様は、任意のクレームの1つ以上から明確に除外され得る。たとえ本明細書において除外を明確に説明していなくとも、そのような実施態様は当業者に対し公知であると判断され、それらは除外されうる。本発明の組成物の任意の特定の実施態様(たとえば、任意の核酸またはそれによりコードされるタンパク質;任意の製造方法;任意の使用方法等)は、先行技術の存在と関連しようがしまいが、何らかの理由により、任意のクレームの1つ以上から除外することができる。 すべての引用の出展元(たとえば、参考文献、公表文献、データベース、データベースの登録物)および本明細書に引用された技術は、たとえ明白に引用中に述べられていなくとも、参照により本出願に援用される。引用の出展元と本出願の記述が矛盾する場合、本出願の記述が優先される。 項目および表の見出しは、限定を意図していない。 以下の実施例において、本発明をさらに説明するが、それらはクレームに記述される本発明の範囲を限定しない。実施例1.修飾mRNAの産生 本発明に従う修飾mRNA(mmRNA)は、標準的な実験法および材料を用いて作製されてもよい。対象遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF)は、強力なKozak翻訳開始シグナルを含有しうる5´非翻訳領域(UTR)に隣接していてもよく、および/または、ポリAテールの鋳型付加のためのoligo(dT)配列を含み得るα−グロビン3´UTRに隣接していてもよい。修飾mRNAは、細胞性自然免疫反応を減少させるために修飾されていても良い。細胞性応答を減少させるための修飾には、シュードウリジン(Ψ)および5−メチル−シチジン(5meCまたはm5C)を含んでも良い(Kariko K et al. Immunity 23:165−75 (2005)、Kariko K et al. Mol Ther 16:1833−40 (2008)、Anderson BR et al. NAR (2010)(それらは各々、参照により本明細書にその全体で援用される)を参照のこと)。 ORFは、様々な上流または下流の付加(たとえば、限定されないが、β−グロビン、タグ等)を含有しても良く、および、たとえば限定されないがDNA2.0(Menlo Park,CA)等の最適化サービスに発注しても良く、および、XbaI認識を有するマルチプルクローニングサイトを含有しても良い。プラスミドDNAを受け取ると、再構成され、化学的にコンピテントな大腸菌へと形質転換されうる。 本発明に対し、NEB DH5−α コンピテント大腸菌を使用する。形質転換は、100ngのプラスミドを使用し、NEBの説明書に従って実施する。プロトコールは以下である:1.氷上で10分間、NEB 5−α コンピテント大腸菌のチューブを溶かす。2.1pg〜100ngのプラスミドDNAを含有する1〜5μlを、細胞混合物に添加する。注意深くチューブを4〜5回弾き、細胞とDNAを混合する。ボルテックスを行ってはいけない。3.混合物を氷上に30分間静置する。混合してはいけない。4.正確に30秒間、42℃でヒートショックを与える。混合してはいけない。5.氷上に5分間、静置する。混合してはいけない。6.950μlの室温のSOCをピペットで取り、混合物に入れる。7.60分間、37℃で静置する。強く揺する(250rpm)か、回転させる。8.選択プレートを37℃まで温める。9.チューブを弾き、転倒混和することで完全に細胞を混合する。 各希釈の50〜100μlを選択プレート上に撒き、37℃で一晩、インキュベートする。あるいは、24〜36時間、30℃でインキュベートするか、または48時間、25℃でインキュベートする。 次いで、シングルコロニーを用いて、適切な抗生物質を用いたLB増殖培地5mlに接種し、次いで、5時間、増殖させる(250RPM、37℃)。次いで、これを用いて、200mlの培養培地に接種し、同一条件下で一晩、増殖させる。 プラスミドを単離するために(850μgまで)、メーカーの説明書に従いInvitrogen PURELINK(登録商標)HiPure Maxiprep Kit(カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、マキシプレップ(maxi prep)を行う。 インビトロ転写(IVT)のcDNA生成のために、プラスミド(図2に示される実施例)を、たとえばXbaI等の制限酵素を用いて、最初に直線化する。典型的なXbaIを用いる制限酵素消化は、以下を含有する:プラスミド1.0μg;10×緩衝液 1.0μl;XbaI 1.5μl;dH2Oで10μlにする;1時間、37℃でインキュベート。実験規模(<5μg)で実施する場合、InvitrogenのPURELINK(登録商標) PCR Micro Kit(カリフォルニア州カールスバッド)を、メーカーの説明書に依って用いて、反応物をクリーンアップする。より大きな規模での精製は、より大きな負荷容量を有する、たとえばInvitrogenの標準PURELINK(登録商標) PCR Kit(カリフォルニア州カールスバッド)等の製品で行う必要がある可能性がある。クリーンアップの後、直線化したベクターは、NanoDropを用いて定量し、アガロースゲル電気泳動を用いて直線化を分析して確認する。 修飾mRNAを作製するための本明細書記述の方法は、長い分子を含む、全てのサイズの分子の作製に用いても良い。記述される方法を用いた修飾mRNAは、グルコシダーゼ,α;酸(GAA)(3.2kb)、嚢胞性線維症膜コンダクタンス制御因子(CFTR)(4.7kb)、VII因子(7.3kb)、リソソーム酸リパーゼ(45.4kDa)、グルコセレブロシダーゼ(59.7kDa)およびイズロン酸2−スルファターゼ(76kDa)を含む、異なるサイズの分子に対し作製される。 非限定的な例示として、G−CSFが対象ポリペプチドを代表しても良い。実施例1〜5に概要が説明されるステップに用いられる配列を、表4に示す。開始コドン(ATG)は、表4の各配列中に下線が引かれていることに注意されたい。実施例2:cDNA産生のためのPCR cDNA調製のためのPCR手順は、Kapa Biosystems(マサチューセッツ州ウォーバーン)の2×KAPA HIFI(登録商標)HotStart ReadyMixを用いて行う。このシステムには、2×KAPA ReadyMixは12.5μl;フォワードプライマー(10uM)は0.75μl;リバースプライマー(10uM)は0.75μl;鋳型cDNAは100ng、含まれ、dH20で25.0μlに希釈される。反応条件は、95℃で5分、および98℃で20秒、次いで58℃で15秒、次いで72℃で45秒を25サイクル、そして72℃で5分、そして4℃で終了である。 本発明のリバースプライマーには、mRNA中のpoly−A120に対するpoly−T120が組み込まれている。より長い、またはより短いpoly(T)系を有する他のリバースプライマーを用いて、mRNAのポリ(A)テールの長さを調製することもできる。 反応物は、InvitrogenのPURELINK(登録商標)PCR Micro Kit(カリフォルニア州カールスバッド)(5μgまで)を、メーカーの説明書に従い用いて、クリーンアップする。より多量の反応物には、より大きな容量の製品を用いてクリーンアップする必要がある。クリーンアップの後、cDNAを、NANODROP(登録商標)を用いて定量し、アガロースゲル電気泳動で分析して、cDNAが予測サイズであることを確認する。次いで、インビトロの転写反応へと進む前に、cDNAの配列解析を行う。実施例3.インビトロ転写 インビトロ転写反応により、修飾ヌクレオチドまたは修飾RNAを含有するmRNAが生成される。入力ヌクレオチド三リン酸(NTP)ミックスを、天然NTPおよび非天然NTPを用いて組織内で作製する。 典型的なインビトロ転写反応は以下を含む:1.鋳型cDNA 1.0 μg2.10×転写緩衝液 (400mM Tris−HCl pH8.0、190mM MgCl2、50mM DTT、10mMスペルミジン) 2.0μl3.カスタムNTP(各々25mM) 7.2μl4.RNase阻害剤 20U5.T7 RNAポリメラーゼ 3000U6.dH20 最大20.0μl。そして、7.37℃で3〜5時間インキュベーション。 粗IVTミックスを、翌日のクリーンアップのために、4℃で一晩保存しても良い。次いで、1UのRNaseフリーのDNaseを用いて、元のテンプレートを消化する。37℃、15分間のインキュベーションの後、mRNAを、AmbionのMEGACLEAR(登録商標)Kit(テキサス州オースティン)を用いてメーカーの説明書に従い精製する。このキットは、500μgまでのRNAを精製することができる。クリーンアップの後、RNAを、NanoDropを用いて定量し、アガロースゲル電気泳動により分析して、RNAが適正なサイズであり、RNAの分解が発生していないことを確認する。実施例4.mRNAの酵素的キャッピング mRNAのキャッピングは、以下のように実施する:混合物には以下を含む:IVT RNA60〜180μgおよびdH2Oで72μlまで。混合物を、65℃で5分間インキュベートし、RNAを変性させ、次いで、直ちに氷へと移す。 次いで、プロトコールは以下である。10×キャッピング緩衝液(0.5M Tris−HCl(pH 8.0)、60mM KCl、12.5mM MgCl2)(10.0μl);20mM GTP(5.0μl);20mM S−アデノシルメチオニン(2.5μl);RNase阻害剤(100U);2′−O−メチルトランスフェラーゼ(400U);ワクシニアキャッピング酵素(グアニリルトランスフェラーゼ)(40U)を混合し、dH20(28μlまで);および、37℃で30分間、60μgのRNAをインキュベーション、または2時間まで180μgのRNAをインキュベーション。 次いで、mRNAをAmbionのMEGACLEAR(登録商標)Kit(テキサス州オースティン)を用いてメーカーの説明書に従い精製する。クリーンアップの後、RNAを、NANODROP(登録商標)(ThermoFisher、マサチューセッツ州ウォルサム)を用いて定量し、アガロースゲル電気泳動により分析して、RNAが適正なサイズであり、RNAの分解が発生していないことを確認する。RNA産物はまた、逆転写PCRを実行し、配列解析のためのcDNAを生成することにより、配列解析されてもよい。実施例5.ポリAテール反応 cDNAにはpoly−Tが無いので、最終産物精製の前にポリAテール反応を必ず実施しなければならない。これは、キャップ化IVT RNA(100μl);RNase阻害剤(20U);10×Tailing緩衝液(0.5M Tris−HCl(pH 8.0)、2.5M NaCl、100mM MgCl2)(12.0μl);20mM ATP(6.0μl);ポリAポリメラーゼ(20U)を混合し、dH20で123.5μlまで、37℃で30分間インキュベートすることにより行う。もしポリAテールがすでに転写物にある場合、tail反応は飛ばして、直接、AmbionのMEGACLEAR(登録商標)キット(テキサス州オースティン)(500μgまで)での精製へと進んでも良い。ポリAポリメラーゼは、酵母で発現された組換え酵素が好ましい。 本明細書に記述および実施された試験に対して、ポリAテールは、IVT鋳型にコードされ、160ヌクレオチドの長さを含有する。しかしながら、ポリAテール反応の処理能力または完全性は、常に正確に160ヌクレオチドをもたらすものではないことを理解されたい。それゆえ、およそ160ヌクレオチドのポリAテール(たとえば、約150〜165、155、156、157、158、159、160、161、162、163、164または165等)もまた本発明の範囲内にある。実施例6.天然5´キャップおよび5´キャップ類似体 修飾RNAの5´キャッピングは、5´−グアノシンキャップを生成するための以下の化学的RNAキャップ類似体をメーカーのプロトコールに従い用いて、インビトロ転写反応の間に同時に完了させても良い:3´−O−Me−m7G(5’)ppp(5’)G[ARCAキャップ];G(5’)ppp(5’)A;G(5’)ppp(5’)G;m7G(5’)ppp(5’)A;m7G(5’)ppp(5’)G(New England BioLabs、マサチューセッツ州イプスウィッチ)。修飾RNAの5´−キャッピングは、「キャップ0」構造:m7G(5’)ppp(5’)G(New England BioLabs、マサチューセッツ州イプスウィッチ)を生成するためのワクシニアウイルスキャッピング酵素を用いて、転写の後で完了させても良い。キャップ1構造は、ワクシニアウイルスキャッピング酵素および、m7G(5’)ppp(5’)G−2′−O−メチルを生成するための2´−Oメチルトランスフェラーゼの両方を用いて生成しても良い。キャップ2構造は、2´−O−メチルトランスフェラーゼを用いた5´−終わりから3番目のヌクレオチドの2´−O−メチル化により、キャップ1構造から生成されてもよい。キャップ3構造は、2´−Oメチルトランスフェラーゼを用いた5´−終わりから4番目のヌクレオチドの2´−O−メチル化により、キャップ2構造から生成されても良い。酵素は、組換え物質由来のものが好ましい。 哺乳類細胞へのトランスフェクションの場合は、修飾mRNAは、12〜18時間または18時間超(たとえば、24、36、48、60、72時間か72時間以上)の間の安定性を有する。実施例7.キャッピング A.タンパク質発現アッセイ ARCA(3´O−Me−m7G(5’)ppp(5’)G)キャップ類似体またはキャップ1構造を含有するヒトG−CSF(配列番号5に示されるcDNA;およそ160ヌクレオチドの長さのポリAテール(配列は示さず)を有する、各シトシンで5−メチルシトシンに完全に修飾、および各ウリジン部位でのシュードウリジン置換で完全に修飾されたmRNA配列を配列番号6に示す)をコードする合成mRNAは、等濃度で、ヒト初代角化細胞へとトランスフェクションすることができる。トランスフェクション後、6、12、24、36時間で、培養培地中に分泌されるG−CSFの量を、ELISAで分析することができる。培地中に高レベルのG−CSFを分泌する合成mRNAは、高度に翻訳的に有能なキャップ構造を有する合成mRNAに対応する。 B.純度分析合成 ARCAキャップ類似体またはキャップ1構造粗合成産物を含有する、ヒトG−CSF(配列番号5に示されるcDNA;およそ160ヌクレオチドの長さのポリAテール(配列は示さず)を有する、各シトシンで5−メチルシトシンに完全に修飾、および各ウリジン部位でのシュードウリジン置換で完全に修飾されたmRNA配列を配列番号6に示す)をコードする合成mRNAは、変性アガロース−尿素ゲル電気泳動またはHPLC分析を用いて、純度を比較することができる。電気泳動で、単一の、確固としたバンドを有する合成mRNAは、複数のバンドまたは縞状のバンドを有する合成mRNAと比較して、高純度の産物に対応する。単一のHPLCピークを有する合成mRNAもまた、高純度の産物に対応する。高効率でのキャッピング反応により、より純粋なmRNA群がもたらされる。 C.サイトカイン分析 ARCAキャップ類似体またはキャップ1構造を含有する、ヒトG−CSF(配列番号5に示されるcDNA;およそ160ヌクレオチドの長さのポリAテール(配列は示さず)を有する、各シトシンで5−メチルシトシンに完全に修飾、および各ウリジン部位でのシュードウリジン置換で完全に修飾されたmRNA配列を配列番号6に示す)をコードする合成mRNAは、複数の濃度で、ヒト初代角化細胞へとトランスフェクションすることができる。トランスフェクション後、6、12、24、36時間で、たとえばTNFαおよびIFNβ等の培養培地中へと分泌された炎症性サイトカインの量を、ELISAにより分析することができる。培地中へ高レベルの炎症性サイトカインを分泌する合成mRNAは、免疫活性化キャップ構造を含有する合成mRNAに対応する。 D.キャッピング反応効率 ARCAキャップ類似体またはキャップ1構造を含有する、ヒトG−CSF(配列番号5に示されるcDNA;およそ160ヌクレオチドの長さのポリAテール(配列は示さず)を有する、各シトシンで5−メチルシトシンに完全に修飾、および各ウリジン部位でのシュードウリジン置換で完全に修飾されたmRNA配列を配列番号6に示す)をコードする合成mRNAは、キャップ化mRNAヌクレアーゼ処置の後、LC−MSによりキャッピング反応効率を分析することができる。キャップ化mRNAのヌクレアーゼ処理により、LC−MSで検出可能な、遊離ヌクレオチド、そしてキャップ化5´−5−三リン酸キャップ構造の混合物が得られる。LC−MSスペクトル上で、キャップ化産物の量は、反応物由来の総mRNAのパーセントとして表され、キャッピング反応効率に対応する。高いキャッピング反応効率を伴うキャップ構造は、LC−MSによるキャップ化産物をより多量に有する。実施例8.修飾RNAまたはRT PCR産物のアガロースゲル電気泳動 個々の修飾RNA(20μl体積中で、200〜400ng)または逆転写PCR産物(200〜400ng)を、非変性1.2%アガロースE−ゲル(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)上のウェル内にロードし、メーカーのプロトコールに従い、12〜15分間、泳動する。実施例9.リピドイド(Lipidoids)を用いた修飾mRNAの製剤化 修飾mRNA(mmRNA)は、細胞に添加する前に、規定の比率でリピドイドとmmRNAを混合することにより、インビトロ実験に対して製剤化される。インビボの製剤は、身体中の循環を促進するための、追加成分の添加を必要し得る。これらのリピドイドのインビボでの作用に適した粒子形成の能力を検証するために、siRNAリピドイドに用いられる標準処方プロセスを、開始点として用いた。当初のmmRNA−リピドイドの製剤は、42%リピドイド、48%コレステロールおよび10%PEGから構成される粒子からなり得、可能性のある比率の最適化をさらに行っても良い。粒子の形成の後、mmRNAを添加し、複合体と結合させる。封入効率は、標準的な色素排除アッセイを用いて測定する。実施例10〜14の材料と方法 A.脂質合成 6つの脂質(DLin−DMA、DLin−K−DMA、DLin−KC2−DMA、98N12−5、C12−200およびDLin−MC3−DMA)が、修飾RNAとの製剤化のために、当分野で概説される方法により合成された。DLin−DMAおよび前駆体は、Heyes et. al, J. Control Release, 2005, 107, 276−287に記述されるように合成した。DLin−K−DMAおよびDLin−KC2−DMAおよび前駆体は、Semple et. al, Nature Biotechnology, 2010, 28, 172−176.に記述されるように合成され、98N12−5および前駆体は、Akinc et. al, Nature Biotechnology, 2008, 26, 561−569に記述されるように合成した。 C12−200および前駆体を、Love et. al, PNAS, 2010, 107, 1864−1869に概説される方法に従い合成した。2−エポキシドデカン(5.10g、27.7mmol、8.2eq)を、Amine200(0.723g、3.36 mmol、1eq)および攪拌棒を含有するバイアルに添加した。バイアルを密封し、80℃まで加熱した。反応物を、80℃で4日間、攪拌した。次いで、混合物を、純粋ジクロロメタン(DCM)〜DCM:MeOH 98:2の勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。標的化合物を、RP−HPLCでさらに精製し、所望の化合物を得た。 DLin−MC3−DMAおよび前駆体を、WO2010054401(参照によりその全体で本明細書に援用される)に記述される手順に従い合成した。DMF10mLに溶解したジリノレイルメタノール(1.5g、2.8mmol、1eq)、N,N−ジメチルアミノ酪酸(1.5g、2.8mmol、1eq)、DIPEA(0.73mL、4.2mmol、1.5eq)およびTBTU(1.35g、4.2mmol、1.5eq)の混合物を、室温で10時間攪拌した。次いで、反応混合物をエーテルで希釈し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗生成物を、DCM〜DCM:MeOH 98:2の勾配を用いたシリカゲルクロマトグラフィーで精製した。次いで、標的化合物を、追加のRP−HPLC精製に供し、YMC−Pack C4カラムを用いて行われ、標的化合物を得た。 B.修飾RNAナノ粒子の製剤化 合成脂質、1,2−ジステアロイル−3−ホスファチジルコリン(DSPC)(Avanti Polar Lipids、アラバマ州アラバスター)、コレステロール(Sigma−Aldrich、ドイツ、タウフカーシェン)、およびα−[3’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパノキシ)−カルボキサミド−プロピル]−ω−メトキシ−ポリオキシエチレン(PEG−c−DOMG)(NOF、ベルギー、Bouwelven)の溶液を、エタノール中で、50mMの濃度で調製し、−20℃で保存した。脂質を、モル比が50:10:38.5:1.5(脂質:DSPC:コレステロール:PEG−c−DOMG)となるように組み合わせて、エタノールで最終脂質濃度25mMまで希釈した。水に溶解した1〜2mg/mL濃度の修飾mRNAの溶液を、50mMのクエン酸ナトリウム緩衝液(pH3)で希釈し、修飾mRNA原溶液を形成した。脂質および修飾mRNAの製剤は、合成脂質溶液と修飾mRNA溶液を、総脂質対修飾mRNA重量の比率が、10:1、15:1、20:1および30:1になるように組み合わせて調製した。脂質エタノール溶液を、水性修飾mRNA溶液に速やかに注入し、33%エタノールを含有する懸濁液を得た。溶液を、手動(MI)またはシリンジポンプの補助(SP)(Harvard Pump 33 Dual Syringe Pump Harvard Apparatus マサチューセッツ州ホリストン)のいずれかで注入した。 エタノールを除去し、緩衝液交換を行うために、製剤を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS、pH7.4)に対し、初期産物の200倍の体積で、Slide−A−Lyzer cassettes (Thermo Fisher Scientific Inc. イリノイ州ロックフォード)を用いて、分子量カットオフ(MWCO)は10kDで、2度、透析した。最初の透析は、室温で3時間行い、次いで、製剤を4℃で一晩透析した。得られたナノ粒子懸濁液を、0.2μmの滅菌フィルター(Sarstedt,ドイツ、ニュームブレヒト)を介してろ過してガラスバイアルに入れ、圧着閉鎖で密封した。 C.製剤の特徴付け Zetasizer Nano ZS (Malvern Instruments Ltd, Malvern, イギリス、ウスターシャー)を用いて、修飾mRNAナノ粒子の粒子サイズ、多分散性インデックス(PDI)およびゼータ電位を測定した(粒子サイズ測定には1×PBSに溶解、ゼータ電位測定には15mMPBSに溶解)。 紫外線−可視光分光法を用いて、修飾mRNAナノ粒子製剤の濃度を測定した。1×PBSに溶解した希釈製剤の100μlを、メタノールとクロロホルムの4:1(v/v)混合物 900μLに加えた。混合した後、溶液の吸光スペクトルを、DU 800分光光度計(Beckman Coulter, Beckman Coulter, Inc.,カリフォルニア州ブレア)で、230nmと330nmの間で記録した。ナノ粒子製剤中の修飾RNA濃度は、製剤中に用いられた修飾RNAの減衰係数および、260nmの波長での吸光度と330nmの波長でのベースライン値の間の差異に基づき算出された。 QUANT−IT(登録商標)RIBOGREEN(登録商標)RNAアッセイ(Invitrogen Corporation カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、ナノ粒子による修飾RNAの封入を評価した。試料を、TE緩衝液(10mM Tris−HCl、1mM EDTA、pH7.5)中でおよそ5μg/mLの濃度まで希釈した。希釈試料50μLを、ポリスチレンの96ウェルプレートに移し、次いで、50μLのTE緩衝液か、50μLの2%Triton X−100溶液のいずれかを加えた。37℃の温度で15分間、プレートをインキュベートした。RIBOGREEN(登録商標)の試薬を、TE緩衝液で1:100に希釈し、この溶液100μLを各ウェルに加えた。蛍光強度を、蛍光プレートリーダー(Wallac Victor 1420 Multilablel Counter; Perkin Elmer, マサチューセッツ州ウォルサム)を用いて、励起波長約480nm、発光波長約520nmで測定した。試薬ブランクの蛍光値を、各試料の値から差し引き、遊離修飾RNAの割合を、生の試料(Triton X−100の添加がないもの)の蛍光強度を破壊試料(Triton X−100の添加により破壊されたもの)の蛍光値で割ることにより測定した。 D.インビトロインキュベーション ヒト胚腎上皮細胞(HEK293)および肝細胞癌上皮細胞(HepG2)(LGC standards GmbH, ドイツ、ヴェーゼル)を96ウェルプレート(Greiner Bio−one GmbH, ドイツ、フリッケンハウゼン)上に播種し、HEK293細胞のプレートは、1型コラーゲンで前もってコートした。HEK293細胞を、30,000細胞/ウェルの密度で、100μlの細胞培養培地で播種し、HepG2細胞を、35,000細胞/ウェルの密度で、100μlの細胞培養培地で播種した。HEK293細胞に対しては、細胞培養培地は、DMEM、10%FCS(2mM L−グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウム、および1×非必須アミノ酸(Biochrom AG, ドイツ、ベルリン)および1.2mg/ml炭酸ナトリウム(Sigma−Aldrich, ドイツ、ミュンヘン)の添加)で、HepG2に対しては、細胞培養培地は、MEM(Gibco Life Technologies,ドイツ、ダルムシュタット)、10%FCS(2mM L−グルタミン、1mM ピルビン酸ナトリウムおよび1×非必須アミノ酸(Biochrom AG, ドイツ、ベルリン)の添加)であった。mCherry mRNA(mRNA配列は、配列番号7に示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示さない;5´キャップ、キャップ1)を含有する製剤を、細胞播種の後に、直接、四重で加え、インキュベートした。インビトロ転写(IVT)で用いられた、T7プロモーター、5´非翻訳領域(UTR)および3´UTRを有するmCherry cDNAを、配列番号8に示す。mCherry mRNAは、各シトシンで5meCで修飾され、各ウリジン部位で、シュードウリジン置換で修飾された。 培養培地上清を、96ウェルのPro−Bind U底プレート(Beckton Dickinson GmbH, ドイツ、ハイデルベルク)へと移すことで細胞を回収した。細胞を、2分の1量のトリプシン/EDTA(Biochrom AG, ドイツ、ベルリン)でトリプシン処理し、各上清でプールし、1体積のPBS/2%FCS(両方ともBiochrom AG, ドイツ、ベルリン)/0.5%ホルムアルデヒド(Merck, ドイツ、ダルムシュタット)を加えることにより固定した。次いで、試料を、LSRIIサイトメーター(Beckton Dickinson GmbH, ドイツ、ハイデルベルク)にて、532nm励起レーザーおよび610/20フィルター(PE−Texas Redに対する)で、フローサイトメーター測定に供した。すべてのイベントの平均蛍光強度(MFI)および4つの独立したウェルの標準偏差を、分析された試料に対し示す。実施例10.ナノ粒子製剤の精製 HEK293およびHepG2中の、DLin−KC2−DMAおよび98N12−5のナノ粒子製剤を、修飾RNAに対する脂質の比率および/または精製に平均蛍光強度(MFI)が依存していたかを測定するために検証した。3つのDLin−KC2−DMA製剤および、2つの98N12−5製剤を、表5に記述される仕様でシリンジポンプを用いて製造した。精製試料は、SEPHADEX(登録商標)G−25 DNAグレード(GE Healthcare, スウェーデン)で精製した。精製前後(aP)の各製剤を、24ウェルプレート中の修飾RNA250ng/ウェルの濃度で検証した。各製剤およびバックグラウンド試料に対するフローサイトメーターで分析した際の、FL4チャンネルに対するマーカーが陽性である細胞の割合(%FL4−陽性)、ならびに、各製剤およびバックグランド試料のFL4チャンネルに対するマーカーのMFIを表6に示す。精製された製剤は、精製前に検証した製剤よりも、やや高いMFIであった。実施例11.濃度応答曲線 98N12−5(NPA−005)および、DLin−KC2−DMA(NPA−003)のナノ粒子製剤を、様々な濃度で検証して、FL4またはmCherry(mRNA配列は、配列番号7に示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)のMFIを用量の範囲にわたり測定した。検証された製剤の概要を表7に示す。98N12−5のナノ粒子製剤の最適濃度を決定するために、修飾RNAの製剤の様々な濃度(100ng、10ng、1.0ng、0.1ngおよび0.01ng/ウェル)を、HEK293の24ウェルプレートで検証し、得られた各用量のFL4 MFIの結果を表8に示す。同様に、DLin−KC2−DMAのナノ粒子製剤の最適濃度を決定するために、修飾RNAの製剤の様々な濃度(250ng、100ng、10ng、1.0ng、0.1ngおよび0.01ng/ウェル)を、HEK293の24ウェルプレートで検証し、得られた各用量のFL4 MFIの結果を表9に示す。DLin−KC2−DMAのナノ粒子製剤はまた、修飾RNAの製剤の様々な濃度(250ng、100ngおよび30ng/ウェル)を、HEK293の24ウェルプレートで検証され、得られた各用量のFL4 MFIの結果を表10に示す。98N12−5に対する1ng/ウェルの用量、およびDLin−KC2−DMAに対する10ng/ウェルの用量は、バックグラウンドのFL4 MFIに似ていることが見出された。 どのくらい近くまでその濃度がバックグラウンドに似ているかを測定するために、mCherry発現の検出のための最適化フィルターセットを備えたフローサイトメーターを使用したところ、バックグラウンドレベルと比較して感度が増加した結果を得るこことができた。25ng/ウェルの用量、0.25ng/ウェルの用量、0.025ng/ウェルの用量、および0.0025ng/ウェルの用量を、98N12−5(NPA−005)およびDLin−KC2−DMA(NPA−003)に対して分析し、mCherryのMFIを決定した。表11に示されるように、0.025ng/ウェルの濃度およびそれより低い濃度は、mCherryのバックグラウンドMFIレベルに類似している(約386.125)。実施例12.手動注入およびシリンジポンプ処方 DLin−KC2−DMAおよび98N12−5の2つの製剤は、手動注入(MI)およびシリンジポンプ注入(SP)により調製され、バックグラウンド試料と共に分析し、異なる製剤のmCherry(mRNA配列は、配列番号7に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)のMFIと比較した。表12に、同じ脂質および脂質/RNA比率の手動注入製剤と比較して、シリンジポンプ製剤がより高いMFIを有していたことを示す。実施例13.LNP製剤 DLin−DMA、DLin−K−DMA、DLin−KC2−DMA、98N12−5、C12−200およびDLin−MC3−DMAの製剤を、60ng/ウェルまたは62.5ng/ウェルの濃度(HEK293細胞のプレート)、および62.5ng/ウェルの濃度(HepG2細胞のプレート)で、24時間、インキュベートして、各製剤に対するmCherry(mRNA配列は、配列番号7に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)のMFIを測定した。検証された製剤の概要を以下の表13に示す。60ng/ウェルに対する表14、および、62.5ng/ウェルに対する表15、16、17および18に示されるように、NPA−003およびNPA−018の製剤が、もっとも高いmCherryのMFIを有し、NPA−008、NPA−010およびNPA−013の製剤が、バックグラウンド試料のmCherryのMFIの値ともっとも類似している。実施例14. インビボ製剤試験 げっ歯類(n=5)に、少なくとも1つの修飾mRNAおよび脂質を含有する製剤の単回用量を、静脈内、皮下、筋肉内に投与する。げっ歯類に投与される修飾mRNAは、G−CSF(mRNA配列は、配列番号6に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、エリスロポエチン(EPO)(mRNA配列は、配列番号9に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、IX因子(mRNA配列は、配列番号10に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)またはmCherry(mRNA配列は、配列番号7に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)から選択される。インビトロ転写(IVT)で用いられた、T7プロモーター、5´非翻訳領域(UTR)および3´UTRを有するエリスロポエチンcDNAは、配列番号11および配列番号12に示す。 各製剤はまた、DLin−DMA、DLin−K−DMA、DLin−KC2−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、 reLNP、ATUPLEX(登録商標)、DACC、およびDBTCのうちの1つから選択される脂質も含有する。げっ歯類は、修飾されたmRNAの製剤の100μg、10μgまたは1μgを注入され、試料は、特定の時間間隔で採取される。 ヒトG−CSF修飾mRNAを含有する製剤を投与されたげっ歯類からの血清は、特定のG−CSF ELISAにより測定され、ヒトIX因子修飾RNAを投与されたマウスからの血清は、特定のIX因子 ELISAまたは発色アッセイにより分析される。mCherry修飾mRNAを投与されたマウス由来の肝臓および脾臓は、免疫組織化学法(IHC)または蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)により分析される。対照として、製剤を何も注入されていないマウス群およびそれらの血清および組織が、採取され、ELISA、FACSおよび/またはIHCにより分析される。A.経時的変化 げっ歯類は、投与された製剤に対するタンパク質発現の経時的変化を試験するために、少なくとも1つの修飾mRNAを含有する製剤を投与される。げっ歯類は、タンパク質発現および全血球数を測定するために、修飾mRNA製剤の投与の前後に、特定の時間間隔で採血される。また、試料を、修飾mRNA製剤が皮下および筋肉内に投与されたげっ歯類の投与部位から採取し、その組織内のタンパク質発現を測定する。B.用量応答性 げっ歯類は、各製剤の用量応答性を測定するため、少なくとも1つの修飾mRNAを含有する製剤が投与される。げっ歯類は、タンパク質発現および全血球数を測定するために、修飾mRNA製剤の投与の前後に、特定の時間間隔で採血される。また、げっ歯類を殺処分し、内部組織に対する修飾mRNA製剤の作用を分析する。また、試料を、修飾mRNA製剤が皮下および筋肉内に投与されたげっ歯類の投与部位から採取し、その組織内のタンパク質発現を測定する。C.毒性 げっ歯類は、各製剤の毒性を試験するため、少なくとも1つの修飾mRNAを含有する製剤が投与される。げっ歯類は、タンパク質発現および全血球数を測定するために、修飾mRNA製剤の投与の前後に、特定の時間間隔で採血される。また、げっ歯類を殺処分し、内部組織に対する修飾mRNA製剤の作用を分析する。また、試料を、修飾mRNA製剤が皮下および筋肉内に投与されたげっ歯類の投与部位から採取し、その組織内のタンパク質発現を測定する。実施例15.PLGAマイクロスフェア製剤 PLGAマイクロスフェアの製剤化に用いられたパラメータの最適化により、マイクロスフェア内に封入される修飾mRNAの完全性を維持したまま、高い封入効率および放出率の調節が可能になりうる。たとえば、限定されないが、粒子サイズ、回収率および封入効率等のパラメータを、最適な製剤を得るために、最適化しても良い。A.PLGAマイクロスフェアの合成 ポリラクチックグリコール酸(PLGA)マイクロスフェアが、当分野で公知の水/油/水の二重乳化法を用いて、PLGA(Lactel、Cat# B6010−2、固有粘度0.55−0.75、50:50 LA:GA)、ポリビニルアルコール(PVA)(Sigma、Cat# 348406−25G、MW 13−23k)ジクロロメタンおよび水を用いて、合成された。簡潔に言うと、0.1mlの水(W1)を、ジクロロメタン(DCM)に溶解した2mlのPLGA(濃度範囲は、PLGA50〜200mg/ml)(O1)に、添加した。W1/O1のエマルションを、スピード4(約15,000rpm)で30秒間、ホモジナイズした(IKA Ultra−Turrax Homogenizer、T18)。次いで、W1/O1エマルションに、100〜200mlの0.3〜1%PVA(W2)を加え、様々なスピードで、1分間、ホモジナイズした。製剤を、3時間、攪拌したままにして、次いで、遠心(20〜25分間、4,000rpm、4℃)により洗浄した。上清を棄て、PLGAペレットを、5〜10mlの水に再懸濁し、これを2回繰り返した。各製剤に対する平均粒子サイズ(20〜30の粒子を象徴する)を、洗浄後、顕微鏡により測定した。表19に、PLGA濃度の増加により、より大きなサイズのマイクロスフェアがもたらされたことを示す。200mg/mLのPLGA濃度からは、平均粒子サイズは14.8μm、100mg/mLでは8.7μm、そして50mg/mLのPLGAでは、平均粒子サイズは4.0μmであった。 表20に、ホモジナイゼーションスピードを、5(約20,000rpm)からスピード4(約15,000rpm)にまで減少することにより、粒子サイズが14.8μmから29.7μmに増加したことを示す。 表21に、W2体積を増加することにより(すなわち、W2:O1の比率を、50:1から100:1に増加すること)、平均粒子サイズがやや減少したことを示す。PVA濃度を、0.3から1wt%に変えても、PLGAマイクロスフェアのサイズにほとんど影響はなかった。B.修飾mRNAの封入 修飾G−CSFmRNA(配列番号6。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を、2mg/mlの濃度で水に溶解した(W3)。PLGAマイクロスフェア製剤の3つのバッチを、以下のパラメータで上述のように作製した:2mg/mlで、0.1mlのW3、200mg/mlで1.6mlのO1、1%で160mlのW2。そしてそれらを、第一のエマルション(W3/O1)に対してはスピード4でホモジナイズし、第二のエマルション(W3/O1/W2)に対してはスピード5でホモジナイズした。遠心による洗浄の後、製剤を液体窒素中で凍結させ、次いで、3日間、凍結乾燥させた。製剤の封入効率を検証するために、凍結乾燥材料を、DCM中で6時間、脱製剤化(deformulate)させ、次いで、一晩、水中で抽出した。次いで、試料中の修飾RNA濃度を、OD260により測定した。封入効率は、修飾RNAの実際の量を測り、修飾RNAの開始量で割ることにより算出した。検証した3つのバッチにおいて、封入効率は、59.2、49.8および61.3であった。 C.PLGAマイクロスフェアに封入した修飾mRNAの完全性 修飾IX因子mRNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を、様々な濃度で水に溶解し(W4)、製剤中に含まれる重量パーセントを変え(mg 修飾RNA/mg *100)そして、封入効率を測定した。表22に示すパラメータを用いて、PLGAマイクロスフェア製剤の4つの異なるバッチを作製した(ホモジナイズスピードは、第一のエマルション(W4/O1)に対してはスピード4、第二のエマルション(W4/O1/W2)に対してはスピード5)。 凍結乾燥の後、PLGAマイクロスフェアを2mlのエッペンドルフチューブ中で検量し、修飾RNA約10μgに対応させた。凍結乾燥により、PLGAマイクロスフェアの全体的な構造は破壊されないことが判明した。PLGAマイクロスフェアの含有重量パーセント(wt%)を増加させるために、修飾RNAの量を増加させて試料に加えた。1.0mlのDCMを各チューブに加えることによりPLGAマイクロスフェアを脱製剤化させ、次いで、試料を6時間振とうさせた。修飾RNA抽出のために、0.5mlの水を各試料に加え、その試料を一晩振とうさせ、OD260で試料中の修飾RNAの濃度を測定した。抽出プロセスによる回復を測定するため、未製剤化IX因子修飾RNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)(脱製剤化対照)を、DCM中に入れ、脱製剤化プロセスに供した。表23に、試料の含有量および封入効率を示す。すべての試料封入効率は、脱製剤化対照に対して正規化された。 D.PLGAマイクロスフェア中に封入された修飾mRNAの放出試験 IX因子修飾RNA(配列番号10)で製剤化されたPLGAマイクロスフェアを、上述のように脱製剤化させ、抽出された修飾RNAの完全性を、自動化電気泳動(Bio−Rad Experion)で測定した。抽出修飾mRNAは、非製剤化修飾mRNAおよび脱製剤化対照に対して比較し、封入修飾mRNAの完全性を検証した。図3に示すように、modRNAの大部分は、脱製剤化対照(Deform対照)および非製剤化対照(Unform対照)に対して、バッチ番号A、B、CおよびDで損なわれていなかった。 E.PLGAマイクロスフェア中に封入された修飾mRNAのタンパク質発現 IX因子修飾RNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)で製剤化されたPLGAマイクロスフェアを、上述のように脱製剤化させ、抽出された修飾RNAのタンパク質発現を、インビトロトランスフェクションアッセイにより測定した。HEK293細胞を、三重で、RNAiMAX(Invitrogen)により複合体化させたIX因子修飾RNA(250ng)で逆向きトランスフェクションさせた。 IX因子修飾RNAを、ヌクレアーゼを含有しない水で25ng/μlの濃度まで希釈し、RNAiMAXは、血清フリーのEMEMで13.3倍に希釈した。希釈した修飾RNAおよび希釈したRNAiMAXを等量、共に混合し、室温で20〜30分間、静置させた。次いで、IX因子修飾RNA250ngを含有するトランスフェクションミックス20μlを、30,000個の細胞を含有する細胞懸濁液80μlに添加した。次いで、細胞を加湿した37℃/5%CO2の細胞培養インキュベーター中で16時間、インキュベートして、細胞培養上清を回収した。細胞上清中のIX因子タンパク質発現を、IX因子に特異的なELISAキット(Molecular Innovations, Cat # HFIXKT−TOT)で分析し、表24にタンパク質発現を示す。検証したすべてのPLGAマイクロスフェアバッチにおいて、IX因子修飾RNAは活性状態のままであり、PLGAマイクロスフェア中での製剤化およびその後の脱製剤化の後もIX因子タンパク質を発現した。 F.PLGAマイクロスフェア中に封入された修飾mRNAの放出試験 IX因子修飾RNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)で製剤化されたPLGAマイクロスフェアを、24mg/mlのマイクロスフェア濃度まで水で再懸濁させた。再懸濁の後、150μlのPLGAマイクロスフェア懸濁液を、エッペンドルフチューブへと分注した。試験を行う間、37℃で試料をインキュベートし、振とうさせ続けた。0.2、1、2、8、14および21日目で、三重で試料を得た。PLGAマイクロスフェアから放出された修飾RNAの量を測定するために、試料を遠心し、上清を除去し、上清中の修飾RNA濃度をOD260で測定した。表25に、各試料中の修飾RNA総量に基づき算出された放出割合を示す。31日後、IX因子修飾RNAの96%が、PLGAマイクロスフェアから放出された。 G.PLGAマイクロスフェアの粒子サイズ再現性 IX因子修飾RNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)PLGAマイクロスフェアの3つのバッチを、バッチDに対して上述のものと同一の条件を用いて作製した(4mg/mlで0.4mlのW4、200mg/mlで2.0mlのO1、1%で200mlのW2、および、W4/O1/W2エマルションに対しては、スピード5でホモジナイズ)(表22に示す)。PLGAマイクロスフェア懸濁液の均質性を改善するために、遠心の前にろ過を取り入れた。遠心の前に3時間、攪拌した後、すべての製剤化材料を、100μmのナイロンメッシュろ過器(Fisherbrand Cell Strainer, Cat # 22−363−549)に通して、大きな塊を除去した。洗浄および水での再懸濁の後、PLGAマイクロスフェア試料100〜200μlを用いて、レーザー回析(Malvern Mastersizer2000)により製剤の粒子サイズを計測した。試料の粒子サイズを表26に示す。 ろ過を用いた3つのPLGAマイクロスフェアのバッチの結果を、同一条件下、ろ過無しで作製されたPLGAマイクロスフェアのバッチと比較した。洗浄前のろ過ステップを含めることにより、平均粒子サイズが減少し、3つのPLGAマイクロスフェアのバッチ間の粒子サイズの分布が一定であることが示された。 H.IX因子PLGAマイクロスフェアの血清安定性 緩衝液(TE)もしくは90%血清(Se)に溶解した、IX因子mRNA RNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)または、緩衝液、90%血清もしくは1%血清に溶解したPLGA中のIX因子mRNAを、緩衝液、90%血清または1%血清中で、mRNA濃度50ng/μl(総量は70μl)で、インキュベートした。0、30、60または120分で試料を取り除いた。RNaseは、20分間、55℃で、25ulの4xプロテナーゼK緩衝液(0.4ml 1Mトリス−HCl pH 7.5、0.1ml 0.5M EDTA、0.12ml 5M NaCl、および0.4ml 10%SDS)、および8μlのプロテナーゼK(20mg/ml)を添加することにより、プロテナーゼK消化で不活化させた。IX因子mRNAは、バイオアナライザーによる分析の前に、沈殿(1時間、250μlの95%エタノールを添加し、13k rpmで10分間遠心し、上清を除去し、沈殿物に200μlの70%エタノールを添加し、5分間、13k rpmで再遠心し、上清を除去し、70uμlの水で沈殿物を再懸濁)または、PLGAマイクロスフェアから抽出した(13k rpmで5分遠心し、上清を除去し、1mlの水で沈殿物を洗浄し、13k rpmで5分遠心し、上清を除去し、沈殿物に280μlのジクロロメタンを添加し、15分間振とうし、70ulの水を添加し、次いで、2時間振とうし、水層を除去)。PLGAマイクロスフェアにより、2時間にわたり、90%血清および1%血清中での分解からIX因子修飾mRNAが守られた。90%血清中では、IX因子修飾mRNAは最初の時点で完全に分解される。実施例16.脂質ナノ粒子のインビボ試験 G−CSF(インビトロ転写実験に用いられた、T7プロモーター、5´非翻訳領域(UTR)および3´UTRを有するcDNAを配列番号5に示す。mRNA配列は、配列番号6に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)および、IX因子(インビトロ転写実験に用いられた、T7プロモーター、5´非翻訳領域(UTR)および3´UTRを有するcDNAを配列番号13に示す。mRNA配列は配列番号10に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)の修飾mRNAを、シリンジポンプ法を用いて、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化した。LNPは、最終脂質モル比 50:10:38.5:1.5(DLin−KC2−DMA: DSPC:コレステロール:PEG−c−DOMG)で、修飾mRNAに対する総脂質の重量比 20:1で製剤化された。表27に、製剤の粒子サイズ、ゼータ電位および封入による特徴付けを示す。 LNP製剤を、修飾mRNAの用量は100μg、10μgまたは1μgで、マウス(n=5)に静脈内投与した。投与8時間後で、マウスを殺処分した。心臓穿刺で血清をマウス(G−CSFまたはIX因子修飾mRNA製剤を投与されている)から採取した。タンパク質発現をELISAにより測定した。 G−CSF投与群またはIX因子投与群において、有意な体重減少(<5%)はなかった。G−CSF投与群またはIX因子投与群のタンパク質発現は、標準曲線からELISAにより測定された。血清試料を希釈し(G−CSFに対しては約20〜2,500倍、IX因子に対しては約10〜250倍)、試料が標準曲線の線形範囲内に確実に入るようにした。表28に示されるように、ELISAにより測定されたG−CSFタンパク質発現は、1、10および100ug投与群に対して、それぞれおよそ17、1200および4700ng/mlであった。表29に示されるように、ELISAにより測定されたIX因子タンパク質発現は、1、10および100ug投与群に対して、それぞれおよそ36,380および3000〜11000ng/mlであった。 表30に示されるように、上述のLNP製剤は、同じ用量の修飾mRNAの静脈内(IV)リポプレックス製剤の投与、および、生理食塩水に溶解した同じ用量の修飾mRNAの筋肉内(IM)または皮下(SC)投与と比較して、約10,000〜100,000倍、タンパク質産生を増加させた。表30において用いられている「〜」という記号は、「約」を意味する。実施例17〜22の材料と方法 G−CSF(mRNA配列は配列番号6に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)およびEPO(mRNA配列は配列番号9に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)の修飾mRNAを、シリンジポンプ法を用いて、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化した。LNPは、最終脂質モル比 50:10:38.5:1.5(DLin−KC2−DMA: DSPC:コレステロール:PEG−c−DOMG)で、修飾mRNAに対する総脂質の重量比20:1で製剤化された。表31に、製剤の粒子サイズ、ゼータ電位および封入による特徴付けを示す。実施例17.修飾mRNAを用いた、脂質ナノ粒子のインビボ試験 表31(上述)に示すLNP製剤を、ラット(n=5)に静脈内(IV)、筋肉内(IM)または皮下(SC)に、0.05mg/kgの修飾mRNA単回用量で投与した。ラットの対照群(n=4)には何も処置しなかった。G−CSF修飾mRNA製剤またはEPO修飾mRNA製剤を投与された2時間、8時間、24時間、48時間および96時間以降に、ラットから採血し、ELISAを用いてタンパク質発現を測定した。EPO修飾mRNAを静脈内投与されたラットは、7日目でも採血された。 表32に示すように、修飾EPOmRNAを静脈内投与されたラットにおけるEPOタンパク質発現は、5日目に検出できなくなった。修飾G−CSFmRNAを静脈内投与されたラットにおけるG−CSFは、7日目まで検出可能であった。EPO修飾mRNAの皮下投与および筋肉内投与は、少なくとも24時間まで検出可能であり、G−CSF修飾mRNAは、少なくとも8時間まで検出可能であった。表32において、「OSC」は、標準曲線の外側の値を指し、「NT」は検証していないことを意味する。実施例18.インビボ試験の経時的変化 表31(上述)に示されるLNP製剤を、マウス(n=5)に静脈内(IV)に、0.5、0.05または0.005mg/kgの修飾mRNA単回用量で投与した。G−CSF修飾mRNA製剤またはEPO修飾mRNA製剤を投与された8時間、24時間、72時間および6日後に、マウスから採血し、ELISAを用いてタンパク質発現を測定した。 表33に示されるように、修飾mRNAを静脈内で投与されたマウスにおけるEPOタンパク質発現およびG−CSFタンパク質発現は、修飾mRNAを0.005mg/kgおよび0.05mg/kgで投与されたマウスでは72時間で検出されなくなり、EPO修飾mRNAを投与されたマウスでは、6日で検出されなくなった。表33において、「>」は、「より大きい」を意味し、「ND」は検出されなかったことを意味する。実施例19.げっ歯類におけるLNP製剤のインビボ試験 A.マウスにおけるLNP製剤 表31(上述)に示されるLNP製剤を、マウス(n=4)に静脈内(IV)に、0.05mg/kgまたは0.005mg/kgの修飾mRNA単回用量で投与した。また、未処置の対照マウスの3群(n=4)も用意した。G−CSF修飾mRNA製剤またはEPO修飾mRNA製剤を投与された2時間、8時間、24時間、48時間、および72時間後に、マウスから採血し、タンパク質発現を測定した。G−CSFおよびEPOのタンパク質発現は、ELISAを用いて測定された。 表34に示されるように、マウスにおけるEPOおよびG−CSFのタンパク質発現は、0.005mg/kgの修飾RNA投与を受けたマウスに対しては、少なくとも48時間で検出できなくなり、0.05mg/kgの修飾RNA投与を受けたマウスに対しては少なくとも72時間で検出できなくなった。表34において、「OSC」は、標準曲線の外側にある値を指し、および「NT」は、検証されなかったことを意味する。 B.ラットにおけるLNP製剤 表31(上述)に示されるLNP製剤を、ラット(n=4)に静脈内(IV)に、0.05mg/kgの修飾mRNA単回用量で投与する。また、未処置の対照ラット群(n=4)も用意する。G−CSF修飾mRNA製剤またはEPO修飾mRNA製剤を投与された2時間、8時間、24時間、48時間、72時間、7日および14日後に、ラットから採血し、タンパク質発現を測定する。G−CSFおよびEPOのタンパク質発現を、ELISAを用いて測定する。実施例20.LNPの早期の経時的変化試験 表31(上述)に示されるLNP製剤を、哺乳類に静脈内(IV)、筋肉内(IM)または皮下(SC)に、0.5mg/kg、0.05mg/kgまたは0.005mg/kgの修飾mRNA単回用量で投与する。哺乳類対照群は未処置とする。哺乳類は、修飾mRNA LNP製剤を投与された5分、10分、20分、30分、45分、1時間、1.5時間および/または2時間後に哺乳類から採血し、タンパク質発現を、ELISAを用いて測定する。また、顆粒球レベルおよび赤血球数等の全血球数を測定するために哺乳類から採血する。実施例21.非ヒト霊長類のインビボ試験 表31(上述)に示されるLNP製剤を、非ヒト霊長類(NHP)(カニクイザル)(n=2)に、静脈内ボーラス投与として、およそ30秒間にわたり、皮下注射針(必要であれば、シリンジ/abbocathまたは翼状針に付着されても良い)を用いて投与した。0.05mg/kgのEPOもしくはG−CSF、または0.005mg/kgのEPOを、修飾mRNA単回用量として、0.5mL/kgの投与体積で、NHPに投与した。修飾mRNA LNP製剤の投与の5〜6日前に、NHPから採血し、血清中のタンパク質発現およびベースラインの全血球数を測定した。修飾mRNA製剤の投与後、8、24、48および72時間でNHPから採血し、タンパク質発現を測定した。投与の24時間および72時間後で、NHPの全血球数も測定した。G−CSFおよびEPOのタンパク質発現を、ELISAにより測定した。すべての実験の経過中に、尿もNHPから採取し、臨床的安全性を評価した。G−CSFおよびEPOの修飾mRNA製剤の投与後に、NHPから試料を採取し、ELISAを用いてタンパク質発現を測定した。非ヒト霊長類の臨床化学的所見、血液学的所見、尿検査およびサイトカインもまた分析された。 表35に示すように、0.05mg/kgを投与されたNHPのEPOタンパク質発現は、72時間で検出できなくなり、EPO製剤を0.005mg/kg投与されたNHPは、48時間で検出できなくなる。表35において、「<」は、「より大きい値」を意味する。G−CSFタンパク質発現は、修飾mRNA製剤の投与後、24時間までに見られなくなった。予備的に、修飾mRNA製剤の投与後、NHPにおいて確認された顆粒球と網状赤血球のレベルにおいて、増加があった。実施例22.G−CSFおよびEPOに対する非ヒト霊長類のインビボ試験 表31(上述)に示されるLNP製剤を、静脈内投与(IV)として、非ヒト霊長類(NHP)(カニクイザル)(n=2)に投与した。0.5mg/kg、0.05mg/kgもしくは0.005mg/kgのEPO、またはG−CSFを、修飾mRNA単回IV投与として、0.5mL/kgの投与体積で、NHPに投与した。修飾mRNA LNP製剤の投与前にNHPから採血し、血清中のタンパク質発現と、全血球数のベースラインを測定した。G−CSF修飾mRNA製剤の投与後、8、24、48および72時間で、NHPから採血し、タンパク質発現を測定した。EPO修飾mRNA製剤の投与後、8、24、48、72時間および7日で、NHPから採血し、タンパク質発現を測定した。 G−CSF修飾mRNA製剤またはEPO修飾mRNA製剤を投与された後にNHPから採取された試料を、ELISAにより分析して、タンパク質発現を測定した。好中球数および網状赤血球数もまた、投与前、修飾G−CSF製剤または修飾EPO製剤の投与後24時間、3日、7日、14日および18日で測定された。 表36に示されるように、G−CSFタンパク質発現は、72時間を超えて検出されなかった。表36において、「<39」は、39pg/mlの検出下限値を下回る値を指す。表37に示されるように、EPOタンパク質発現は、7日を超えて検出されなかった。表37において、「<7.8」は、7.8pg/mlの検出下限値を下回る値を指す。 表38に示されるように、すべてのG−CSF群において、投与前のレベルと比較して、好中球の増加があった。 表39に示されるように、投与後3日〜14/18日に、投与後24時間の網状赤血球レベルと比較して、すべてのEPO群において網状赤血球の増加があった。 表40〜42に示されるように、EPO修飾RNAの投与により、ヘモグロビン(HGB)、ヘマトクリット(HCT)および赤血球(RBC)数を含む他の赤血球パラメータが作用を受けた。 表43および44に示されるように、修飾RNAの投与により、アラニントランスアミナーゼ(ALT)およびアスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)を含む血清化学的パラメータが作用を受けた。 表45に示されるように、修飾RNAの投与により、修飾mRNA投与後のサイトカイン、インターフェロンα(IFN−α)の増加がもたらされた。実施例23.非ヒト霊長類における、筋肉内投与および/または皮下投与の試験 修飾EPO mRNA(配列番号9。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)または修飾G−CSF mRNA(配列番号6。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を含有する製剤(生理食塩水に溶解)を、非ヒト霊長類(カニクイザル)(NHP)に、筋肉内(IM)または皮下(SC)投与した。0.05mg/kgまたは0.005mg/kgの修飾mRNA単回用量を、投与体積0.5mL/kgとした。投与の5〜6日前に非ヒト霊長類から採血し、血清タンパク質濃度およびベースラインの全血球数を測定する。修飾mRNA製剤の投与後、8時間、24時間、48時間、72時間、7日および14日で、NHPから採血し、タンパク質発現を測定する。G−CSFおよびEPOのタンパク質発現は、ELISAにより測定される。投与後24時間、72時間、7日および14日で、NHPの全血球数も測定される。NHPから全実験の過程にわたり尿を採取し、臨床的安全性を評価するために分析する。投与部位に近い組織もまた採取し、タンパク質発現を測定するために分析する。実施例24.修飾mRNAの輸送 修飾mRNAの局在および/または輸送を測定するために、以下のように試験を行っても良い。 siRNAおよび修飾mRNAのLNP製剤を、当分野に公知の方法および/または本明細書に記述の方法に従い、製剤化する。LNP製剤は、たとえばG−CSF、EPO、VII因子および/または本明細書に記述される任意のタンパク質等のタンパク質をコードしうる修飾mRNAを少なくとも1つ含んでも良い。製剤は、筋肉内注射または皮下注射を用いて、哺乳類の筋肉内に局所的に投与されても良い。修飾mRNAの用量およびLNPのサイズを変えて、哺乳類体内の輸送に対するその作用を測定、および/または、たとえば、限定されないが炎症等の生物学的反応に対する影響を分析しても良い。哺乳類は、血清中に存在する、投与された修飾mRNAによりコードされるタンパク質の発現、および/または哺乳類の全血球数を測定するために、異なる時点で採血されても良い。 たとえば、肝臓で発現し、血清中に分泌されるVII因子をコードする修飾mRNAは、筋肉内および/または皮下に投与されても良い。修飾mRNA投与の前、または同時に、siRNAを投与し、内因性VII因子をノックアウトする。投与される修飾mRNAの筋肉内注射および/または皮下注射により生じるVII因子は、血液中で測定される。また、VII因子のレベルは、注射部位の近くの組織で測定される。VII因子が、血液中で発現される場合、修飾mRNAの輸送がある。VII因子が組織内で発現され、血液中で発現されない場合、VII因子は局所発現のみである。実施例25.複合的な修飾mRNAの製剤 修飾mRNAのLNP製剤は、当分野に公知の方法および/または本明細書に記述される方法に従い、製剤化される。LNP製剤は、たとえばG−CSF、EPO、トロンボポエチンおよび/または当分野に公知もしくは本明細書に記述の任意のタンパク質等のタンパク質をコードしうる修飾mRNAを少なくとも1つ含んでも良い。修飾mRNAの少なくとも1つは、1、2、3、4または5つの修飾mRNA分子を含んでも良い。修飾mRNAを少なくとも1つ含有する製剤を、単回投与レジメンまたは複数回投与レジメンで、静脈内、筋肉内または皮下に投与されてもよい。たとえば、限定されないが、血液および/または血清等の生物学的試料を、少なくとも1つの修飾mRNA製剤の投与前後の異なる時点で採取および分析してもよい。前記タンパク質をコードする修飾mRNAの少なくとも1つを含有する製剤を哺乳類に投与した後の、50〜200pg/mlの生物学的試料中のタンパク質の発現は、生物学的に有効であるとみなされる。実施例26.ポリエチレングリコール比率の試験 A.PEG LNPの製剤化および特徴付け 脂質ナノ粒子(LNP)を、シリンジポンプ法を用いて製剤化した。修飾G−CSF(配列番号6。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)に対する総脂質の重量比20:1で、LNPが製剤された。製剤のモル比の範囲を表46に示す。 2つのPEG脂質のタイプ、すなわち1,2−ジミリストイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール(PEG−DMG、NOF Cat # SUNBRIGHT(登録商標)GM−020)および、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロール、メトキシポリエチレングリコール(PEG−DSG、NOF Cat # SUNBRIGHT(登録商標)GS−020)を、1.5mol%または3.0mol%で検証した。LNPの製剤化および修飾G−CSFmRNAの封入の後、LNP製剤を、粒子サイズ、ゼータ電位および封入割合で特徴付け、その結果を表47に示す。 B.PEG LNPのインビボスクリーニング 表40に記述されるPEG LNP製剤をマウス(n=5)に0.5mg/kgの用量で静脈内投与した。製剤の投与後、2時間、8時間、24時間、48時間、72時間および8日でマウスから血清を採取した。血清をELISAにより分析し、G−CSFのタンパク質発現を測定し、その発現レベルを表48に示す。PEG−DMGを用いたLNP製剤は、PEG−DSAでのLNP製剤よりもタンパク質発現が大幅に高いレベルにあった。実施例27.カチオン性脂質製剤試験 A.カチオン性脂質ナノ粒子の製剤化および特徴付け 脂質ナノ粒子(LNP)を、シリンジポンプ法を用いて製剤化した。修飾mRNAに対する総脂質の重量比20:1でLNPを製剤化した。カチオン性脂質、DSPC、コレステロールおよびPEG−c−DOMGの最終脂質モル比の範囲の概要を、表49に示す。 エタノールに溶解した25mMの脂質溶液および、50mMクエン酸(pH3)に溶解した修飾RNAを混合して、自然発生の小胞構造を形成させた。エタノールを除去する前に、小胞を、エタノール中で安定化させ、透析による緩衝液交換を行った。次いで、LNPを粒子サイズ、ゼータ電位および封入割合で特徴付けした。表50に、カチオン性脂質としてDLin−MC3−DMA、DLin−DMAまたはC12−200を用いた、EPO修飾mRNA(配列番号9。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)または、G−CSF修飾mRNA(配列番号6。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を封入したLNPの特徴付けを記述する。 B.カチオン性LNP製剤のインビボスクリーニング 表42に記述されるカチオン性脂質製剤の処方を、0.5mg/kgの用量で、マウス(n=5)に静脈内投与した。製剤の投与後、2時間、24時間、72時間および/または7日でマウスから血清を採取した。血清をELISAにより分析し、EPOまたはG−CSFのタンパク質発現を測定し、その発現レベルを表51に示す。 カチオン性脂質C12−200(NPA−075−1およびNPA−076−1)を有するLNP製剤を投与されたマウスにおいて毒性が見られ、毛皮の矮小化、行動の委縮、および10%を超える体重の消失といった症状を示したため、24時間で殺処分された。C12−200は、より毒性があると予測されるが、短期間での高い発現レベルを有した。カチオン性脂質DLin−DMA(NPA−073−1およびNPA−074−1)は、検証した3つのカチオン性脂質のうち最も低い発現を示した。DLin−MC3−DMA(NPA−071−1および、NPA−072−1)は、3日目まで良い発現を示し、EPO製剤に対し7日目までバックグラウンド試料を超えていた。実施例28.タンパク質発現のスクリーニング方法 A.エレクトロスプレーイオン化 対象に投与された修飾RNAによりコードされるタンパク質を含有し得る生物学的試料を調製し、1、2、3または4質量分析器を用いて、エレクトロスプレーイオン化(ESI)のメーカーのプロトコールに従い、分析する。生物学的試料はまた、タンデムのESI質量分析法システムを用いて分析されてもよい。 タンパク質断片のパターン、または全タンパク質は、規定のタンパク質に対する既知の対照と比較され、比較により同定される。 B.マトリックス支援レーザー脱離イオン化 対象に投与された修飾RNAによりコードされるタンパク質を含有し得る生物学的試料を調製し、マトリックス支援レーザー脱離イオン化(MALDI)に対するメーカーのプロトコールに従って、分析する。 タンパク質断片のパターン、または全タンパク質を、規定のタンパク質に対する既知の対照と比較し、比較により同定する。 C.液体クロマトグラフィー−質量分析−質量分析 修飾RNAによりコードされるタンパク質を含有し得る生物学的試料を、トリプシン酵素で処理して、その中に含有されるタンパク質を消化しても良い。得られたペプチドを、液体クロマトグラフィー−質量分析−質量分析(LC/MS/MS)により分析する。ペプチドを、質量分析器で断片化し、コンピューターアルゴリズムを介して、タンパク質配列データベースと合致しうる特徴的なパターンを得る。消化された試料を希釈して、規定のタンパク質に対する開始材料(1ng以下)を得ても良い。単純な緩衝液バックグラウンド(たとえば、水または揮発性塩)を含有する生物学的試料は、溶液内消化を行いやすい;より複雑なバックグラウンド(たとえば、洗剤、非揮発性塩、グリセロール)は、試料分析を促進するための追加のクリーンアップステップを必要とする。 タンパク質断片のパターン、または全タンパク質を、規定のタンパク質に対する既知の対照と比較し、比較により同定する。実施例29.LNP インビボ試験 mCherry mRNA(配列番号14。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を脂質ナノ粒子(LNP)として、シリンジポンプ法を用いて製剤化した。最終脂質モル比 50:10:38.5:1.5(DLin−KC2−DMA:DSPC:コレステロール:PEG−c−DOMG)で、修飾mRNAに対する総脂質の重量比 20:1で、LNPを製剤化した。mCherry製剤の粒子サイズ、ゼータ電位および封入による特徴付けを、表52に示す。 100μgの修飾mRNA用量で、マウス(n=5)にLNP製剤を静脈内投与した。投与の24時間後、マウスを殺処分した。mCherry修飾mRNA製剤を投与されたマウスからの肝臓と脾臓を免疫組織化学法(IHC)、ウェスタンブロットまたは蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)で分析した。 肝臓の組織像は、切片全体で単一のmCherry発現を示した一方で、未処置の動物は、mCherryを発現しなかった。また、ウェスタンブロットを用いて、処置動物におけるmCherry発現を確認したが、未処置の動物においては、mCherryは検出されなかった。対照マーカーとして用いたチューブリンを処置および未処置マウスの両方で検出したことから、肝臓細胞の正常なタンパク質発現は影響を受けなかったことが示唆される。 また、mCherryマウスおよび未処置マウスの脾臓で、FACSおよびIHCを実施した。すべての白血球群は、FACS分析により、mCherry発現が陰性であった。また、IHCにより、mCherry処置マウスと未処置マウスとの間の脾臓に差は認められなかった。実施例30.シリンジポンプ インビボ試験 mCherry修飾mRNAを、シリンジポンプ法を用いて脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化する。最終脂質モル比 50:10:38.5:1.5(DLin−KC2−DMA:DSPC:コレステロール:PEG−c−DOMG)で、修飾mRNAに対する総脂質の重量比 20:1で、LNPを製剤化する。mCherry製剤を粒子サイズ、ゼータ電位および封入で特徴付けする。 10μgまたは100μgの修飾mRNA用量で、マウス(n=5)にLNP製剤を静脈内投与する。投与の24時間後、マウスを殺処分する。mCherry修飾mRNA製剤を投与されたマウスからの肝臓と脾臓を免疫組織化学法(IHC)、ウェスタンブロットおよび/または蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)で分析する。実施例31.インビトロおよびインビボ発現 A.リピドイド製剤を用いたヒト細胞におけるインビトロ発現 インビトロトランスフェクションの検証のために用いられるリピドイドに対するmmRNAの比率を、異なるリピドイド:mmRNAの比率で経験的に検証する。siRNAおよびリピドイドを用いた従前の研究では、2.5:1、5:1、10:1および15:1のリピドイド:siRNA wt:wt比率である。siRNAと比較してmmRNAは長いことを考慮すると、mmRNAに対するリピドイドのwt:wtは低い方が効果的である可能性がある。さらにまた、比較のために、mmRNAをRNAIMAX(登録商標)(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)またはTRANSIT−mRNA(Mirus Bio、ウィスコンシン州マディソン)カチオン性脂質送達ビヒクルを用いて、製剤化する。リピドイド−製剤化ルシフェラーゼ(配列番号15に示されるIVT cDNA配列;mRNA配列は、配列番号16に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1、各シトシンで5−メチルシトシンに完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジンに置換されている)、緑の蛍光タンパク質(GFP)(配列番号17に示されるIVT cDNA野生型配列;mRNA配列は、配列番号18に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない、5´キャップ、キャップ1)、G−CSF(mRNA配列は、配列番号6に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、およびEPO mRNA(mRNA配列は、配列番号9に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)の、所望のタンパク質産物を発現する能力は、ルシフェラーゼ発現に対する発光、GFP発現に対するフローサイトメトリー、ならびにG−CSFおよびエリスロポエチン(EPO)分泌に対するELISAにより確認することができる。 B.静脈内注射後のインビボ発現 限定されないが、98N12−5、C12−200およびMD1を含む、様々な異なるリピドイドを用いて、製剤の静脈内全身投与を行う。 mmRNAを含有するリピドイド製剤は、動物に静脈内注入される。タンパク質がコードされた修飾mRNA(mmRNA)の発現は、血液、および/または、たとえば限定されないが、動物から採取された肝臓および脾臓等の他の器官試料において、分析される。単回用量静脈内試験の実施により、強さ、用量応答性、および所望産物の発現の寿命もまた、分析することができる。 一実施態様において、98N12−5、C12−200、MD1および他のリピドイドのリピドイドベースの製剤を用いて、ルシフェラーゼ、緑の蛍光タンパク質(GFP)、mCherry蛍光タンパク質、分泌型アルカリホスファターゼ(sAP)、ヒトG−CSF、ヒトIX因子、またはヒトエリスロポエチン(EPO)mmRNAを、動物体内へ運搬する。上述のように脂質でmmRNAを製剤化した後、生理食塩水製剤、またはルシフェラーゼ、GFP、mCherry、sAP、ヒトG−CSF、ヒトIX因子、およびヒトEPOから選択される異なるmmRNAのうちの1つを含有するリピドイド製剤のいずれかを投与される群に、動物を分ける。動物への注入の前に、mmRNA含有リピドイド製剤を、PBSで希釈する。次いで、10mg/kgから、1ng/kgという低い用量の範囲(好ましい範囲は、10mg/kg〜100ng/kgであり、mmRNAの用量は動物の体重に依存する(たとえば、20gのマウスは、最大で0.2mlの製剤を投与される(用量は、体重kgあたりmmRNAは無しとしている)))にある製剤化mmRNAの単回用量を動物に投与する。mmRNA−リピドイド製剤の投与後、血清、組織および/または組織溶解物を得て、mmRNAにコードされる産物のレベルを、単回で、および/または時間間隔の範囲で、測定する。リピドイド製剤化ルシフェラーゼ、GFP、mCherry、sAP、G−CSF、IX因子およびEPO mmRNAの、所望のタンパク質産物を発現する能力は、ルシフェラーゼ発現に対しては発光、GFPおよびmCherry発現に対してはフローサイトメトリー、sAPに対しては酵素活性、または、G−CSF、IX因子および/もしくはEPOの分泌に対しては、ELISAにより確認する。 また、複数回用量レジメンに対するさらなる試験を実施して、mmRNAの最大発現を測定、mmRNAによる発現の飽和性の評価(並行して、または順に対照および活性mmRNA製剤を投与する)、および、繰り返しの薬剤投与の実行可能性を測定する(週または月で分けた投与でmmRNAを与え、次いで、発現レベルが、たとえば免疫原性等の因子により影響をうけるかどうかを測定する)。また、たとえばG−CSFおよびEPO等のタンパク質の生理学的な機能分析は、検証された動物由来の試料を分析し、それぞれ顆粒球数および赤血球数の増加を検出することにより、測定する。たとえばIX因子等の、動物体内における発現タンパク質産物の活性は、IX因子の酵素活性(たとえば、活性化部分トロンボプラスチン時間等)および凝固時間への効果の分析を介して、評価することができる。 C.筋肉内注射および/または皮下注射後のインビトロ発現 筋肉内注射の経路または皮下注射の経路を介した、mRNAを含むオリゴヌクレオチドを送達するためのリピドイド製剤の使用について、従前には報告が無いため、評価を行う必要がある。mmRNAの筋肉内注射および/または皮下注射について、mmRNA含有リピドイド製剤が、所望のタンパク質の局所および全身の両方の発現を行うことができるかどうかを決定するために評価を行う。 ルシフェラーゼ、緑蛍光タンパク質(GFP)、mCherry蛍光タンパク質、分泌型アルカリホスファターゼ(sAP)、ヒトG−CSF、ヒトIX因子またはヒトエリスロポエチン(EPO)mmRNAから選択されるmmRNAを含有する98N12−5、C12−200およびMD1のリピドイド製剤を、動物に筋肉内注射および/または皮下注射する。タンパク質がコードされたmmRNAの発現を、筋肉組織内または皮下組織内の両方で、ならびに、血中および他の器官(たとえば肝臓および脾臓等)で全身的に分析する。単回用量試験により、強さ、用量応答性、および所望産物の発現の寿命を分析することができる。 生理食塩水製剤または修飾mRNAを含有する製剤のいずれかの投与をうける群に動物を分ける。注射の前に、mmRNA含有リピドイド製剤をPBSで希釈する。50mg/kgから、1ng/kgという低い範囲(好ましい範囲は10mg/kg〜100ng/kg)にある製剤化mmRNAの単回筋肉内用量を、動物に投与する。マウスに対する筋肉内投与の最大用量は、マウスの後肢への筋肉内注射に対して、およそ1mgのmmRNA〜0.02ngのmmRNAである。皮下投与に対しては、400mg/kg〜1ng/kg(好ましい範囲は、80mg/kg〜100ng/kg)の範囲にある製剤化mmRNAの単回皮下用量を、動物に投与する。マウスに対する皮下投与の最大用量は、およそ8mgのmmRNA〜0.02ngのmmRNAである。 20グラムのマウスに対しては、単回の筋肉内注射の体積は最大で0.025mlであり、単回の皮下注射は最大で0.2mlである。投与されるmmRNAの最適用量は、動物の体重から算出される。mmRNA−リピドイドの投与後の様々な時点で、血清、組織および組織溶解物を得て、mmRNAにコードされる産物のレベルを測定する。リピドイド製剤化ルシフェラーゼ、緑蛍光タンパク質(GFP)、mCherry蛍光タンパク質、分泌型アルカリホスファターゼ(sAP)、ヒトG−CSF、ヒトIX因子またはヒトエリスロポエチン(EPO)mmRNAの所望タンパク質産物を発現する能力は、ルシフェラーゼ発現に対しては発光、GFPおよびmCherry発現に対してはフローサイトメトリー、sAPに対しては酵素活性、ならびに、G−CSF、IX因子およびエリスロポエチン(EPO)分泌に対してはELISAにより確認する。 また、複数回用量レジメンに対するさらなる試験を実施して、mmRNAを用いた最大発現を測定、mmRNAによる発現の飽和性の評価(並行して、または順に、対照および活性mmRNA製剤を投与することにより得られる)、および、繰り返しの薬剤投与の実行可能性を測定する(週または月で分けた投与でmmRNAを与え、次いで、発現レベルが、たとえば免疫原性等の因子により影響をうけるかどうかを測定する)。また、一回で複数回の筋肉内注射または皮下注射の部位を用いる試験を利用して、mmRNA薬剤への露出を増加させ、タンパク質産生の改善を行う。たとえば、GFP、mCherry、sAP、ヒトG−CSF、ヒトIX因子およびヒトEPO等のタンパク質の生理学的な機能分析を、検証された動物由来の試料を分析し、顆粒球数および/または赤血球数の変化を検出することにより、測定する。たとえばIX因子等の、動物体内における発現タンパク質産物の活性を、IX因子の酵素活性(たとえば、活性化部分トロンボプラスチン時間等)および凝固時間への効果の分析を介して、評価することができる。実施例32.リポプレックスを用いたインビボ送達 A.ヒトEPO修飾RNAリポプレックス 修飾ヒトエリスロポエチン(EPO)mRNA(mRNA配列は、配列番号9に示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(EPO;完全に5−メチルシトシン修飾;N1−メチルシュードウリジン)を100μg含有する製剤を、50〜70μL中、30%体積のRNAIMAX(登録商標)(Lipoplex−h−Epo−46;Generation 2またはGen2)でリポプレックス化し、4匹のC57/BL6マウスに筋肉内へ送達した。他の群は、30%体積のRNAiMAX(登録商標)でリポプレックス化された、修飾ルシフェラーゼmRNA100μgを含有する対照として、リポプレックス化修飾ルシフェラーゼmRNA(Lipoplex−luc)(配列番号15にIVT cDNA配列を示す。mRNAの配列は配列番号16に示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5−メチルシトシンで完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換されている)の投与を受けたマウス、または陰性対照として65μglの投与体積で製剤緩衝液の注射を受けたマウスからなる。筋肉内注射の13時間後、血清を各マウスから採取し、ヒトEPO ELISAにより、マウス血清中のヒトEPOタンパク質の量を測定し、表53にその結果を示す。 B.ヒトG−CSF修飾RNAリポプレックス 修飾ヒトG−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。)(G−CSFは、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾され(G−CSF)、または、G−CSFは、5−メチルシトシンおよびN1−メチル−シュードウリジンで完全に修飾されている(G−CSF−N1))の2つのバージョンのうちの1つの100μgを含有する製剤を、30%体積のRNAIMAX(登録商標)でリポプレックス化し、C57/BL6マウスに、150uLで筋肉内送達(I.M)、150μLで皮下送達(S.C)、および225uLで静脈内送達(I.V)した。 3つの対照群には、100μgの修飾ルシフェラーゼmRNA(配列番号15にIVT cDNA配列を示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5−メチルシトシンで完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換されている)を筋肉内(Luc−unsp I.M.)、または、150μgの修飾ルシフェラーゼmRNAを静脈内(Luc−unsp I.V.)、または、150μLの製剤緩衝液を筋肉内(Buffer I.M.)、のいずれかで投与した。製剤の投与6時間後、血清を各マウスから採取し、ヒトG−CSF ELISAによりマウス血清中のヒトG−CSFタンパク質の量を測定し、その結果を表54に示す。 これらの結果より、5−メチルシトシン/シュードウリジン、および、5−メチルシトシン/N1−メチルシュードウリジンでの修飾ヒトG−CSF mRNAの両方が、リポプレックス化製剤で、I.V.経路で投与またはI.M.経路で投与された場合に、血清中のヒトG−CSFタンパク質の特異的発現をもたらすことができることが示される。 C.ヒトG−CSF修飾RNAリポプレックスの比較 5−メチルシトシン(5mc)およびシュードウリジン(Ψ)修飾を有する、RNAIMAX(登録商標)の30%体積でリポプレックス化された修飾ヒトG−CSF mRNA(G−CSF−Gen1−Lipoplex)、生理食塩水に溶解した、5mcおよびΨ修飾を有する修飾ヒトG−CSF mRNA(G−CSF−Gen1−Saline)、N1−5−メチルシトシン(N1−5mc)およびΨ修飾を有する、RNAIMAX(登録商標)の30%体積でリポプレックス化された修飾ヒトG−CSF(G−CSF−Gen2−Lipoplex)、N1−5mcおよびΨ修飾を有する、生理食塩水に溶解した、修飾ヒトG−CSF mRNA(G−CSF−Gen2−Saline)、5mcおよびΨ修飾を有する、RNAIMAX(登録商標)の30%体積でリポプレックス化された修飾ルシフェラーゼ(Luc−Lipoplex)、または、生理食塩水に溶解した、5mcおよびΨ修飾を有する修飾ルシフェラーゼmRNA(Luc−Saline)のいずれか100μgを含有する製剤を、筋肉内注射(I.M.)または皮下注射(S.C.)で投与し、そして、各投与法の対照群は、C57/BL6マウスに製剤緩衝液(F.Buffer)80μLの用量を与えた。注射の13時間後、血清および注射部位からの組織を各マウスから採取し、G−CSF ELISAにより分析して、ヒトG−CSFタンパク質レベルを比較した。筋肉内投与および皮下投与のマウス血清におけるヒトG−CSFタンパク質の結果を、表55に示す。 これらの結果より、5−メチルシトシン/シュードウリジン、および、5−メチルシトシン/N1−メチルシュードウリジン修飾ヒトG−CSF mRNAが、生理食塩水製剤またはリポプレックス化製剤のいずれでも、I.M.投与経路またはS.C.投与経路を介して送達される場合、血清中のヒトG−CSFタンパク質の特異的発現をもたらすことができることが示される。表55に、5−メチルシトシン/N1−メチルシュードウリジン修飾ヒトG−CSF mRNAが、多くの場合、5−メチルシトシン/シュードウリジン修飾ヒトG−CSF mRNAと比較して、ヒトG−CSFタンパク質産生を増加させることを示す。 D.mCherry修飾RNAリポプレックスの比較 筋肉内投与と皮下投与 RNAIMAX(登録商標)の30%体積でリポプレックス化された修飾mCherry mRNA(配列番号7にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、または、生理食塩水に溶解した修飾mCherry mRNAのいずれか100μgを含有する製剤を、マウスに筋肉内投与または皮下投与する。製剤緩衝液をまた、筋肉内または皮下のいずれかで、対照群のマウスに投与する。マウスの注射部位を、切片作成のために注射の17時間後に採取して、タンパク質産生の原因となる細胞型(複数含む)の測定を行っても良い。 硝子体内投与 RNAIMAX(登録商標)でリポプレックス化された修飾mCherry mRNA、製剤緩衝液に溶解した修飾mCherry mRNA、RNAIMAX(登録商標)でリポプレックス化された修飾ルシフェラーゼmRNA、製剤緩衝液に溶解した修飾ルシフェラーゼmRNAのいずれか10μgを含有する製剤を、5μl/目の用量体積で、ラットに硝子体内投与(IVT)で投与することができる。製剤緩衝液はまた、IVTにより、5μl/目の用量体積で、ラットの対照群に投与される。切片作成および溶解のために注射後18時間で処置ラットから目を採取して、mmRNAがインビボで目に効率的に送達されたかどうか、およびタンパク質産生をもたらしたかどうかを測定、またならびに、インビボでタンパク質産生の原因となる細胞型(複数含む)を測定することができる。 鼻腔内投与 RNAIMAX(登録商標)の30%体積でリポプレックス化された修飾mCherry mRNA、生理食塩水に溶解した修飾mCherry mRNA、RNAIMAX(登録商標)の30%体積でリポプレックス化された修飾ルシフェラーゼmRNA、または生理食塩水に溶解した修飾ルシフェラーゼmRNAのいずれか100μgを含有する製剤を、鼻腔内投与する。製剤緩衝液がまた、対照群に鼻腔内投与される。切片作成(mCherry mRNA投与群に対して)またはホモジナイゼーション(ルシフェラーゼmRNA投与群に対して)のために、注射後およそ13時間で肺を採取してもよい。これらの試料を用いて、mmRNAがインビボで肺に効率的に送達されたかどうか、およびタンパク質産生をもたらしたかどうかを測定、またならびに、インビボでタンパク質産生の原因となる細胞型(複数含む)を測定する。実施例33.様々な脂質比を用いたインビボ送達 修飾mRNAを、C57/BL6マウスに送達させ、様々な脂質比および得られるタンパク質発現を評価した。RNAIMAX(登録商標)の10%、30%または50%でリポプレックス化された、修飾ヒトEPO mRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)100μgの製剤、RNAIMAX(登録商標)の10%、30%、または50%でリポプレックス化された、修飾ルシフェラーゼmRNA(配列番号15にIVT cDNA配列を示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5−メチルシトシンで完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換されている)100μgの製剤、または製剤緩衝液を、単回70μlの用量で、マウスに筋肉内投与した。血清を注射後13時間で採取して、ヒトEPO ELISAを行い、各マウスのヒトEPOタンパク質レベルを測定した。表56に示されるヒトEPO ELISAの結果から、異なる割合のRNAIMAX(登録商標)のそれぞれに対し、筋肉内で発現された修飾ヒトEPOが、血清中に分泌されていることが示される。実施例34.哺乳類における、筋肉内および皮下インビボ送達 製剤緩衝液中で製剤化された修飾ヒトEPO mRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を、C57/BL6マウスまたはSprague−Dawleyラットのいずれかに送達させ、ヒトEPO産生の用量依存性を評価した。表57の投与チャートに記載されるように、ラットに、修飾ヒトEPO mRNA(h−EPO)50μl、修飾ルシフェラーゼmRNA(Luc)(配列番号15にIVT cDNA配列を示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5−メチルシトシンで完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換されている)を50μl、または製剤緩衝液(F.Buffer)50μlを筋肉内注射した。 表58の投与チャートに記述されているように、マウスに、修飾ヒトEPO mRNA(h−EPO)、修飾ルシフェラーゼmRNA(Luc)または製剤緩衝液(F.Buffer)の50μlを筋肉内注射、または皮下注射した。注射の13時間後、血液を採取し、血清を分析し、各マウスまたはラットのヒトEPOの量を測定した。ラット試験に対する平均および幾何平均(pg/ml)を表57に示す。実施例35.筋肉内 インビボ送達後の、活性持続期間 製剤緩衝液中で製剤化された修飾ヒトEPO mRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されている)を、Sprague−Dawleyラットに送達させ、用量応答性の持続期間を測定した。表59の投与チャートに記述されているように、修飾ヒトEPO mRNA(h−EPO)、修飾ルシフェラーゼmRNA(配列番号15にIVT cDNA配列を示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5−メチルシトシンで完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換されている)(Luc)または製剤緩衝液(F.Buffer)の50μlを、ラットに筋肉内注射した。筋肉内注射の2、6、12、24、48および72時間後にラットから採血し、所与の時間での血清中のヒトEPO濃度を測定した。また、本試験に対する平均および幾何平均(pg/ml)を、表59に示す。実施例36.投与経路 異なる投与経路を用いた分割投与を調査するための試験を行った。一度に複数の皮下注射部位または筋肉内注射部位を用いた試験を設計し、mmRNA薬剤曝露を増加させ、タンパク質産生を改善する方法を調査した。発現タンパク質産生の検出に加えて、検証された動物由来の試料を分析することで、タンパク質の生理学的機能評価もまた測定された。 驚くことに、単回単位投与または複数回投与スキームによるものよりも、mmRNAの分割投与により、より多くのタンパク質が産生され、表現型応答も強められることが判明した。 緩衝液に単独で溶解、または30% lipoplex(RNAIMAX(登録商標))で製剤化され、投与された、ヒトエリスロポエチン(EPO)mmRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)または、ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)の使用を分割用量実験の設計に含めた。投与媒体(製剤緩衝液)は、150mM NaCl、2 mM CaCl2、2mM Na+リン酸塩(1.4mM リン酸一ナトリウム、;0.6mM リン酸二ナトリウム)、および0.5mM EDTA(pH6.5)から構成された。pHは、水酸化ナトリウムで調製され、最終溶液は滅菌ろ過された。mmRNAは、各シトシンで5meCで修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換で修飾された。 表60の投与チャートに概要されるように、1群につき4匹のマウスが、筋肉内投与(I.M.)、静脈内投与(I.V.)または皮下投与(S.C.)された。すべてのマウスから注射の13時間後に血清を採取し、筋肉内注射群および皮下注射群からは、注射部位の組織を採取し、静脈内投与群からは、脾臓、肝臓および腎臓を採取した。筋肉内注射群からの結果および皮下注射群からの結果を、表61に示す。実施例37.速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNP)の試験 A.修飾RNA reLNPの処方 合成脂質、1,2−ジステアロイル−3−ホスファチジルコリン(DSPC)(Avanti Polar Lipids、アラバマ州アラバスター)、コレステロール(Sigma−Aldrich、ドイツ、タウフカーシェン)、および、α−[3’−(1,2−ジミリストイル−3−プロパノキシ)−カルボキサミド−プロピル]−ω−メトキシ−ポリオキシエチレン(PEG−c−DOMG)(NOF、ベルギー、Bouwelven)の溶液を調製し、−20℃で保存する。合成脂質は、内部エステルを有するDLin−DMA、末端エステルを有するDLin−DMA、DLin−MC3−DMA−内部エステル、および末端エステルを有するDLin−MC3−DMAから選択される。reLNPは、50:10:38.5:1.5(reLNP:DSPC:コレステロール:PEG−c−DOMG)のモル比となるように組み合わされる。reLNPおよび修飾mRNAの製剤は、修飾mRNAに対する総脂質の重量比が10:1、15:1、20:1および30:1で、修飾mRNA溶液と脂質溶液とを混合することにより調製される。 B.製剤の特徴付け Zetasizer Nano ZS(Malvern Instruments Ltd, Malvern, イギリス、ウスターシャー)を用いて、修飾mRNAナノ粒子の粒子サイズ、多分散性インデックス(PDI)およびゼータ電位を測定する(粒子サイズ測定には1× PBSに溶解、ゼータ電位測定には15mM PBSに溶解)。 紫外線−可視光分光法を用いて、修飾mRNAナノ粒子製剤の濃度を測定する。混合の後、溶液の吸収スペクトルを、DU800分光光度計(Beckman Coulter, Beckman Coulter, Inc.,カリフォルニア州ブレア)で、230nmと330nmの間で記録する。ナノ粒子製剤中の修飾RNA濃度は、製剤に用いた修飾RNAの減衰係数ならびに、260nmの波長での吸収および330nmの波長でのベースライン値の間の差異に基づき算出される。 QUANT−IT(登録商標)RIBOGREEN(登録商標)RNAアッセイ(Invitrogen Corporation カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、ナノ粒子による修飾RNAの封入を評価する。試料を、希釈し、ポリスチレン96ウェルプレートに移し、次いで、TE緩衝液または2% Triton X−100溶液のいずれかを加える。プレートをインキュベートし、RIBOGREEN(登録商標)試薬をTE緩衝液で希釈し、この溶液を各ウェルに加える。蛍光強度を、蛍光プレートリーダー(Wallac Victor 1420 Multilablel Counter; Perkin Elmer, マサチューセッツ州ウォルサム)を用いて測定する。試薬ブランクの蛍光値を、各試料から差し引き、遊離修飾RNAの割合を、生の試料の蛍光強度を、撹乱された試料の蛍光値で割ることにより測定する。 C.インビトロインキュベーション ヒト胚腎上皮細胞(HEK293)および肝細胞癌上皮細胞(HepG2)(LGC standards GmbH, ドイツ、ヴェーゼル)を96ウェルプレート(Greiner Bio−one GmbH, ドイツ、フリッケンハウゼン)上に播種し、HEK293細胞のプレートは、I型コラーゲンで前もってコートする。HEK293細胞を、30,000細胞/ウェル・100μl細胞培養培地の密度で播種し、HepG2細胞を、35,000細胞/ウェル・100μl細胞培養培地の密度で播種する。mCherry mRNA(mRNA配列は、配列番号7に示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示さない;5´キャップ、キャップ1)を含有する製剤を、細胞播種の後に、直接加え、インキュベートする。インビトロ転写(IVT)で用いられた、T7プロモーター、5´非翻訳領域(UTR)および3´UTRを有するmCherry cDNAを、配列番号8に示す。 培養培地上清を、96ウェルのPro−Bind U底プレート(Beckton Dickinson GmbH, ドイツ、ハイデルベルク)へと移すことで細胞を回収する。細胞を、2分の1量のトリプシン/EDTA(Biochrom AG, ドイツ、ベルリン)でトリプシン処理し、各上清でプールし、1体積のPBS/2%FCS(両方ともBiochrom AG, ドイツ、ベルリン)/0.5%ホルムアルデヒド(Merck, ドイツ、ダルムシュタット)を加えることにより固定する。次いで、試料を、LSRIIサイトメーター(Beckton Dickinson GmbH, ドイツ、ハイデルベルク)にて、PE−Texas Redに対するフィルターおよび励起レーザーを使用したフローサイトメーター測定に供する。すべてのイベントの平均蛍光強度(MFI)および4つの独立したウェルの標準偏差を、分析された試料に対して示す。 D.インビボ製剤試験 マウスに、修飾mRNAおよびreLNPを含有する製剤の単回用量を静脈内投与する。マウスに投与された修飾mRNAは、G−CSF(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、IX因子(配列番号10にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)またはmCherry(配列番号7にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)から選択される。 マウスに、製剤化修飾mRNAの100μg、10μg、または1μgを注射し、製剤投与の8時間後に殺処分する。ヒトG−CSF修飾mRNAを含有する製剤を投与されたマウス由来の血清は、特定のG−CSF ELISAにより測定され、ヒトIX因子修飾RNAを投与されたマウス由来の血清は、特定のIX因子ELISAまたは発色アッセイにより分析される。mCherry修飾mRNAを投与されたマウス由来の肝臓および脾臓は、免疫組織化学法(IHC)または蛍光活性化細胞ソーティング(FACS)により分析される。対照として、製剤を何も注射されていないマウス群、そして、それらの血清および組織を採取して、ELISA、FACSおよび/またはIHCで分析する。実施例38.インビトロのVEGF−Aのトランスフェクション ヒト血管内皮増殖因子アイソフォームA(VEGF−A)修飾mRNA(配列番号19にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、逆向きトランスフェクションを介して、24マルチウェルプレート中のヒト角化細胞にトランスフェクションした。インビトロ転写(IVT)に用いられたT7プロモーター、5´非翻訳領域(UTR)および3´UTRを有するVEGF−AのcDNAは、配列番号20に示す。ヒト角化細胞は、50〜70%コンフルエンスに達するまで、Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手されるSupplement S7を入れたEPILIFE(登録商標)培地中で増殖させた。Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手されるRNAIMAX(登録商標)と複合体化されたVEGF−Aをコードする修飾mRNA(mmRNA)の0、46.875、93.75、187.5、375、750、および1500ngを、細胞にトランスフェクションさせた。RNA:RNAIMAX(登録商標)複合体は、第一に、室温で10分間、5×体積希釈でサプリメントフリーのEPILIFE(登録商標)培地でRNAをインキュベートすることによって形成された。第二のバイアル中で、RNAIMAX(登録商標)試薬を、室温で10分間、10X体積希釈でサプリメントフリーのEPILIFE(登録商標)培地とインキュベートした。次いで、RNAバイアルを、RNAIMAX(登録商標)バイアルと混合し、細胞を滴下させて加える前に、室温で20〜30分間、インキュベートさせた。 ヒト角化細胞にトランスフェクションされたVEGF−A(配列番号19にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)をコードする完全最適化mRNAは、翻訳の間に、たとえば天然ヌクレオシド三リン酸(NTP)、各ウリジン部位でシュードウリジンおよび各シトシン部位で5−メチルシトシン(シュードU/5mc)、および各ウリジン部位でN1−メチル−シュードウリジンおよび各シトシン部位で5−メチルシトシン(N1−メチル−シュードU/5mC)等の修飾を含んでいた。細胞は、VEGF−AをコードするmmRNAでトランスフェクションされ、培養培地中の分泌されたVEGF−A濃度(pg/ml)を、Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手したELISAキットを用いて、メーカーの推奨する説明書に従い、トランスフェクション後6、12、24、および48時間後に各濃度を計測した。表62に示されるこれらのデータより、VEGF−Aをコードする修飾mRNAは、ヒト角化細胞において翻訳されることができ、VEGF−Aは、細胞の外へ移送され、細胞外環境へと放出されることが示される。実施例39.IX因子のインビボ試験 製剤緩衝液中で製剤化されたヒトIX因子mmRNA(Gen1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、筋肉内注射を介してマウスに送達させた。結果より、IX因子タンパク質は、投与後13時間で計測した際に、血清中で増加していたことが示される。 本試験において、マウス(IX因子に対してはN=5、ルシフェラーゼまたは緩衝液対照に対してはN=3)に、IX因子mmRNA(配列番号10にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、ルシフェラーゼ(IVTに対するcDNA配列は配列番号15に示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5メチルシトシンに完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換)または製剤緩衝液(F.Buffer)を、2×100ug/マウスで、50μlを筋肉内注射した。筋肉内注射の13時間後にマウスから採血し、血清中のヒトポリペプチド濃度(pg/ml)を測定した。結果より、ルシフェラーゼ投与または緩衝液対照投与のいずれかではIX因子は100pg/mL未満であったことと比較して、IX因子mmRNAの投与により13時間で1600pg/mLのレベルに達したことが明らかとなった。実施例40.複数部位への投与:筋肉内および皮下 Gen1またはGen2(5−メチルシトシン(5mc)およびシュードウリジン(Ψ)修飾、G−CSF−Gen1;またはN1−5−メチルシトシン(N1−5mc)およびΨ修飾、G−CSF−Gen2)のいずれかとして修飾され、製剤緩衝液中で製剤化されたヒトG−CSF修飾mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、筋肉内注射(IM)または皮下注射(SC)を介してマウスに送達させた。3日間(24時間隔)、毎日、4回の投与または2×50ug(2つの部位)に注射を行った。4回目の投与が、採血およびCBC分析の6時間前に行われた。ルシフェラーゼ(IVTに対するcDNA配列は配列番号15に示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5メチルシトシンに完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換)または製剤緩衝液(F.Buffer)を対照とした。最初のmRNA注射の72時間後(最後のmRNA投与の6時間後)にマウスから採血し、好中球数におけるmRNAにコードされたヒトG−CSFの作用を測定した。投与レジメン、得られた好中球数(千/uL)を表63に示す。表63において、アスタリスク(*)は、統計的有意差(p<0.05)を示す。 筋肉内注射については、データから、Gen1 G−CSF mRNAは3日目で対照を4倍超える好中球数の増加が示され、Gen2 G−CSF mmRNAは2倍の増加が示されている。皮下注射については、データから、Gen2 G−CSF mRNAは3日目で対照を2倍超える好中球数の増加が示されている。 血中好中球数の特異的な増加により明らかであるように、これらのデータから、5−メチルシチジン/シュードウリジンおよび5−メチルシチジン/N1−メチルシュードウリジン修飾mRNAの両方が、生物学的に活性であることが示される。実施例41.静脈内投与 5−メチルシトシン(5mc)およびシュードウリジン(Ψ)修飾(Gen1)で修飾されたヒトG−CSF修飾mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1);または何も修飾されていないもの、および10%リポプレックス(RNAiMax)で製剤化されたものを、100μlの体積中、50μg RNAの用量でマウスに静脈内(IV)注射で、0、2、および4日目で送達させた。1、5、8日目で好中球を測定した。対照は、非特異的哺乳類RNAまたは製剤緩衝液単独(F.Buffer)とした。1、5および8日目でマウスから採血し、好中球数増加に対するmRNAにコードされたヒトG−CSFの作用を測定した。投与レジメン、得られた好中球数(千/uL;K/uL)を表64に示す。 静脈内投与に対しては、データから、G−CSF修飾mRNAにより5日目で、対照を4〜5倍こえるの好中球数の増加が明らかになったが、非修飾G−CSFmRNAまたは非特異対照では増加は見られなかった。血球数は最後の注射の4日後にベースラインに戻った。白血球群において他の変化は認められなかった。 表64において、アスタリスク(*)は、緩衝液と比較した統計的有意差(P<0.001)を示す。 これらのデータより、リポプレックスで製剤化した5−メチルシチジン/シュードウリジン修飾mRNAは、血中好中球数の特異的増加により明らかなように、I.V.投与経路を介して送達された場合、生物学的に活性であることが示される。他の細胞サブセットには有意な変化はなかった。同様に、非修飾G−CSF mRNAの投与は、好中球数に何も薬理学的な作用は示さなかった。実施例42.生理食塩水製剤:筋肉内投与 A.タンパク質発現 ヒトG−CSF修飾mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)およびヒトEPO mmRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1);G−CSF修飾mRNA(5−メチルシトシン(5mc)およびシュードウリジン(Ψ)で修飾)およびEPO修飾mRNA(N1−5−メチルシトシン(N1−5mc)およびΨで修飾)を、製剤緩衝液(150mM塩化ナトリウム、2mM塩化カルシウム、2mMリン酸塩、0.5mM EDTA(pH6.5))中で製剤化し、100μgの用量で、筋肉内(IM)投与を介してマウスに送達させた。 対照は、ルシフェラーゼ(IVTに対するcDNA配列は配列番号15に示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5メチルシトシンに完全に修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換)または製剤緩衝液(F.Buffer)とした。投与の13時間後にマウスから採血し、血清中のヒトポリペプチドの濃度(pg/mL)を測定した(G−CSF群はマウス血清中のヒトG−CSFを測定し、EPO群はマウス血清中のヒトEPOを測定した)。データを表65に示す。 B.用量応答性 ヒトEPO修飾mRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、製剤緩衝液中で製剤化し、筋肉内(IM)注射を介してマウスに送達させた。 対照は、ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)または製剤緩衝液(F.Buffer)とした。注射の13時間後にマウスから採血し、血清中のヒトポリペプチドの濃度(pg/mL)を測定した。用量および発現は、表66に示す。実施例43.複数用量/複数回投与 一度で複数の筋肉内注射部位を用いる試験を設定し、行った。 単回複数用量実験の設計には、製剤緩衝液に溶解したヒトエリスロポエチン(EPO)mmRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、またはG−CSF(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を用いた投与を含めた。投与媒体(F.Buffer)を対照として用いた。EPOおよびG−CSF mmRNAは、各シトシンで5−メチルシトシンで修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換されていた。 動物(Sprague−Dawleyラット、n=5)に、単回単位投与に対しては、100μgのIM(筋肉内)注射を行った(1か所の大腿部へ投与)。複数回投与に対しては、EPOおよびG−CSF mmRNAの両方に対して、100μgの6回投与が行われた(2か所の大腿部に投与)。対照投与には、単回用量で緩衝液を用いた。ヒトEPO血中レベルは、注射後13時間で評価した。 ヒトEPOタンパク質を、I.M.の13時間後、ラット血清中で測定した。ラットの5群は処置および評価された。結果を表67に示す。実施例44.シグナル配列交換試験 ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)をコードするmmRNAの変異体をいくつか、修飾ヌクレオチドシュードウリジンおよび5−メチルシトシン(シュードU/5mC)を用いて合成した。これらの変異体には、野生型N末端分泌シグナルペプチド配列(MAGPATQSPMKLMALQLLLWHSALWTVQEA;配列番号21)、分泌シグナルペプチド無し、または他のmRNA由来の分泌シグナルペプチド配列のいずれかをコードするG−CSF構築物が含まれた。これらには、野生型GCSFシグナルペプチド配列が、ヒトα−1−抗トリプシン(AAT)(MMPSSVSWGILLLAGLCCLVPVSLA;配列番号22)、ヒトIX因子(FIX)(MQRVNMIMAESPSLITICLLGYLLSAECTVFLDHENANKILNRPKR;配列番号23)、ヒトプロラクチン(Prolac)(MKGSLLLLLVSNLLLCQSVAP;配列番号24)、またはヒトアルブミン(Alb)(MKWVTFISLLFLFSSAYSRGVFRR;配列番号25)のいずれかのシグナルペプチド配列と置換されている配列が含まれた。 各G−CSF変異体をコードする修飾mRNA250ngを、24ウェルプレート中(各ウェルには300,000細胞が含まれる)のHEK293A(表中の293A)、マウス筋芽細胞(表中のMM)(C2C12,CRL−1772,ATCC)およびラット筋芽細胞(表中のRM)(L6株、CRL−1458、ATCC)細胞株へ、1μlのLipofectamine 2000 (Life Technologies)を用いてトランスフェクションした。24時間後に上清を回収し、分泌G−CSFタンパク質を、ヒトG−CSF ELISAキット(Life Technologies)を用いたELISAにより分析した。表68に示されるデータより、アルブミンシグナルペプチドをコードするG−CSF mmRNAでトランスフェクションされた細胞は、その野生型対応型よりも少なくとも12倍超のG−CSFタンパク質を分泌することが明らかとなった。実施例45.サイトカイン試験:PBMC PBMC単離および培養:ナトリウムヘパリンチューブに入った2人のドナー由来のヒト血液50mLを、Research Blood Components(ロットはKP30928およびKP30931)から入手した。各ドナーに対し、血液をプールし、DPBS(SAFC Bioscience 59331C、ロットは071M8408)で70mLまで希釈し、2本の50mLコニカルチューブで均等に分割した。Ficoll Paque (GE Healthcare 17−5442−03、ロットは10074400)の10mLを血液層の下に静かに注入した。チューブを、ゆっくりとした加速およびブレーキで、30分間、2000rpmで遠心した。チューブを取り出し、軟膜PBMC層を静かに、新しい50mLのコニカルチューブへ写し、DPBSで洗浄した。チューブを、10分間、1450rpmで遠心した。 上清を吸引し、PBMCペレットを、50mLのDPBSで再懸濁および洗浄した。チューブを10分間、1250rpmで遠心した。この洗浄ステップを繰り返し、PBMCペレットを、19mLのOptimem I(Gibco 11058、ロットは1072088)で再懸濁し、計数した。細胞懸濁液を、3.0×106細胞/mL生細胞の濃度まで調整した。 次いで、これらの細胞を5つの96ウェル組織培養処理丸底プレート(Costar3799)に、ドナーごとに、50μL/ウェルで播種した。30分以内に、トランスフェクション混合物を各ウェルに50μL/ウェルの量で添加した。トランスフェクションの4時間後、培地に、10μLのウシ胎児血清(Gibco 10082、ロットは1012368)を補給した。 トランスフェクションの準備:ヒトG−CSF(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)((1)天然NTP、(2)5−メチルシチジンおよびシュードウリジンで100%置換、または(3)5−メチルシチジンおよびN1−メチルシュードウリジンで100%置換のいずれかを含有)をコードするmmRNA;ルシフェラーゼ(IVT cDNA配列は配列番号15に示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5−メチルシトシンで完全に置換、および各ウリジン部位でシュードウリジンで置換)((1)天然NTP、または(2)5−メチルシチジンおよびシュードウリジンで100%置換のいずれかを含む)をコードするmmRNA、および、TLRアゴニストR848(Invitrogen tlrl−r848)を、2500μL Optimem Iの最終量で38.4ng/μLまで希釈した。 それらとは別に、432μLのLipofectamine 2000(Invitrogen 11668−027、ロット1070962)を、13.1mLのOptimem Iで希釈した。96ウェルプレートで、135μLの各mmRNAの9つのアリコート、陽性対照(R−848)または陰性対照(Optimem I)を、135μLの希釈Lipofectamine 2000に加えた。トランスフェクションされる材料を含有しているプレートを、20分間、インキュベートした。次いで、50μL/ウェルの各ヒトPBMCプレートにトランスフェクション混合物を移した。次いで、プレートを、37℃でインキュベートした。2、4、8、20および44時間で、各プレートをインキュベーターから取り出し、上清を凍らせた。 最後のプレートを取り出した後、上清を、ヒトG−CSF ELISAキット(Invitrogen KHC2032)およびヒトIFN−α ELISAキット(Thermo Scientific 41105−2)を用いて分析した。各条件は、2重に行われた。 結果:修飾mRNA(mmRNA)および非修飾mRNAの、コードされたタンパク質を産生する能力が、経時的に(G−CSF産生を)分析され、同時に、mRNAが自然免疫認識を引き起こす能力が、インターフェロンα産生により測定された。インビトロでのPBMC培養物の使用は、オリゴヌクレオチドの潜在的な免疫刺激活性を測定する方法として受け入れられている(Robbins et al., Oligonucleotides 2009 19:89−102)。 結果は、4パラメータのロジスティック曲線への当てはめを用いて、各ELISAプレートの標準曲線に対して補間された。特定のELISAにより経時的に測定された、2つの別のPBMCドナー由来のIFNαおよびG−CSF産生の平均を表69および表70に示す。 G−CSF ELISAにおいて、Lipofectamine 2000未処置条件由来のバックグラウンドシグナルを、各時点で差し引いた。データから、天然NTP、5−メチルシチジンおよびシュードウリジン100%置換、または5−メチルシチジンおよびN1−メチルシュードウリジン100%置換を含有するG−CSF mRNAで、ヒト末梢血単核球によるヒトG−CSFタンパク質の明確な産生が示された。G−CSF産生は、非修飾mRNAと比較して、修飾mRNAの使用により有意に増加し、5−メチルシチジンおよびN1−メチルシュードウリジン含有G−CSF mmRNAが、最も高いレベルのG−CSF産生を示した。自然免疫認識に関しては、非修飾mRNAが相当量のIFNα産生をもたらした一方で、修飾mRNAはIFNαの産生を大きく阻害した。5−メチルシチジンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF mRNAは、サイトカインを有意には増加させなかった一方で、5−メチルシチジンおよびシュードウリジンで完全に置換されたG−CSF mRNAは、IFNα、TNFαおよびIP10を誘導した。他の多くのサイトカインは、いずれの修飾でも影響を受けなかった。実施例46.修飾mRNAの化学的修飾範囲 たとえば、限定されないが、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンの化学的修飾等の修飾ヌクレオチドは、哺乳類細胞における自然免疫応答を減少させ、RNAの発現を増加させることが示されている。驚くことに、そして従前には知られていなかったことに、化学的修飾が100%未満である場合、化学的修飾による作用を、漸増させることができる。以前は、化学的修飾の有益な効果を発揮するためには完全な修飾が必要十分条件であり、100%未満のmRNAの修飾はほとんど作用しないと信じられていた。しかしながら、化学的修飾の効果は、完全な修飾ではなくても誘導することができ、その効果は、標的、濃度および修飾に依存するものであることが今回、示された。 A.PBMCにトランスフェクションされた修飾RNA 5−メチルシトシン(5mC)およびシュードウリジン(シュードU)で修飾されたG−CSF mRNAまたは非修飾G−CSF mRNAの960ngを、3人の健常な血液ドナー(D1、D2、D3)由来の末梢血単核球(PBMC)へLipofectamine 2000 0.8uLでトランスフェクションした。G−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)は、5mCおよびシュードUで完全に修飾され(100%修飾)、または5mCおよびシュードUで修飾されず(0%修飾)、または5mCおよびシュードUで部分的に修飾された(mRNAは50%修飾、25%修飾、10%修飾、5%修飾、1%修飾または0.1%修飾を含有)。ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5meCおよびシュードUで完全修飾)の対照試料もまた、G−CSF発現に対して分析された。TNFαおよびIFNαに対しては、Lipofectamine2000、LPS、R−848、ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5meCおよびシュードUで完全修飾)およびP(I)P(C)の対照試料がまた分析された。上清を回収し、トランスフェクションの22時間後にELISAを実施し、タンパク質発現を測定した。G−CSF発現を表71に示し、IFNαおよびTNFα発現は、表72に示す。IFNαおよびTNFαの発現は、G−CSF mRNAトランスフェクションによる二次的な作用である可能性がある。mRNAが完全には修飾されていない場合には、G−CSF、IFNαおよびTNFαの化学的修飾量は漸増し得、その変化の傾向は、各標的で同じではないことが表から示される。 B.HEK293にトランスフェクションされた修飾RNA ヒト胚腎上皮細胞(HEK293)を、100μlの細胞培養培地中、30,000細胞/ウェルの密度で、96ウェルプレートに播種した。RNAiMAX(登録商標)(Invitrogen、カリフォルニア州カールスバッド)で製剤化された修飾G−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)の250ngを、ウェルに添加した。G−CSFは、5mCおよびシュードUで完全に修飾され(100%修飾)、または5mCおよびシュードUで修飾されず(0%修飾)、または5mCおよびシュードUで部分的に修飾されている(75%修飾、50%修飾または25%修飾を含有するmRNA)。対照試料(AK5/2、mCherry(配列番号7にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5mCおよびシュードUで完全に修飾)および未処置)もまた分析した。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF mRNAの半減期は、およそ8〜10時間である。16時間後に上清を回収し、分泌型G−CSFタンパク質をELISAで分析した。表73に、mRNAが完全には修飾していない場合、G−CSFの化学的修飾の量が漸増できることを示す。実施例47:修飾mRNA(mmRNA)のインビボ送達 修飾RNAを、C57/BL6マウスに筋肉内、皮下、または静脈内で送達させ、ルシフェラーゼを用いた修飾RNAの生体分布を評価した。すべての送達法に用いられた製剤緩衝液には、150mM塩化ナトリウム、2mM塩化カルシウム、2mM Na+リン酸塩(1.4mMリン酸一ナトリウムおよび0.6mMのリン酸二ナトリウムを含む)そして0.5mMエチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)を含有し、水酸化ナトリウムを用いて、ろ過および滅菌される前に、最終pH6.5に調節された。1×濃度を、送達緩衝液として用いた。マウスに送達されるリポプレックス化溶液を作製するために、第一のバイアルで、50μgのRNAを、室温で10分間、送達緩衝液中で平衡化させ、第二のバイアルで、10μlのRNAiMAX(登録商標)を、室温で10分間、送達緩衝液中で平衡化させた。平衡化の後、バイアルを組み合わせ、送達緩衝液を、最終体積100μlになるように加え、次いで、室温で20分間、インキュベートした。ルシフェリンを、150mg/kgで、各マウスに腹腔内投与(IP)し、15分〜30分の間、ルシフェリン露出曲線のプラトー層の間に画像撮影を行った。ルシフェリンを作製するために、1gのD−ルシフェリンカリウム塩またはナトリウム塩を、66.6mlの滅菌リン酸緩衝溶液(DPBS)(Mg2+またはCa2+を含有しない)に溶解させ、15mg/mlの溶液を作製した。可能な限り遮光しながら、溶液を静かに混合し、窒素でパージする前に0.2μmのシリンジフィルターを通し、分注し、そして−80℃で凍結させた。投与の日、もしルシフェリンが溶解していなければ、水浴を用いて溶かし、ゆっくりと混合し、氷上に置いた。 投与後2、8、24時間で各マウスの全身像を撮影した。投与後24時間で各マウスから組織画像と血清を採取した。静脈内投与を受けたマウスは、肝臓、脾臓、腎臓、肺、心臓、腎周囲脂肪組織および胸腺の画像を撮影した。筋肉内投与または皮下投与を受けたマウスは、肝臓、脾臓、腎臓、肺、腎周囲脂肪組織および注射部位の筋肉の画像を撮影した。各投与経路および投与レジメンに対し、光子/秒で、全身画像から生物発光を測定した。 A.筋肉内投与 マウスに、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾された修飾ルシフェラーゼmRNA(Naked−Luc)、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全修飾されたリポプレックス化修飾ルシフェラーゼmRNA(リポプレックス−luc)(IVT cDNA配列は配列番号15に示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;各シトシンで5−メチルシトシンで完全に置換、および各ウリジン部位でシュードウリジンで置換)、リポプレックス化修飾顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)(リポプレックス−サイトカイン)、または製剤緩衝液のいずれかを、各製剤に対し、50μgの修飾RNA(50μlの注射体積)の単回用量で、右後肢に、5μgの修飾RNA(50μlの注射体積)の単回用量で、左後肢に、筋肉内(I.M.)投与した。投与後2、8および24時間での各群のルシフェラーゼ発現シグナルの平均生物発光を、表74に示す。5μgおよび50μgの修飾RNA製剤(リポプレックス含有および非含有)の注射部位で、生物発光は陽性シグナルを示した。 B.皮下投与 修飾ルシフェラーゼmRNA(Naked−Luc)、リポプレックス化修飾ルシフェラーゼmRNA(リポプレックス−luc)、リポプレックス化修飾G−CSF mRNA(リポプレックス−G−CSF)または製剤緩衝液のいずれかを、50μgの修飾mRNAの単回用量(各製剤に対し100μlの注射体積)で、皮下(S.C.)投与した。投与2時間、8時間、および24時間後での、各群のルシフェラーゼ発現シグナルに対する生物発光平均を、表75に示す。50μgの修飾mRNA製剤(リポプレックス含有および非含有)の注射部位で、生物発光は陽性シグナルを示した。 C.静脈内投与 修飾ルシフェラーゼmRNA(Naked−Luc)、リポプレックス化修飾ルシフェラーゼmRNA(リポプレックス−luc)、リポプレックス化修飾G−CSF mRNA(リポプレックス−G−CSF)または製剤緩衝液のいずれかを、50μgの修飾mRNAの単回用量(各製剤に対し100μlの注射体積)で、静脈内(I.V.)投与した。投与2時間後での、各群の脾臓におけるルシフェラーゼ発現シグナルに対する生物発光平均を、表76に示す。50μgの修飾mRNA製剤(リポプレックス含有)の脾臓において、生物発光は陽性シグナルを示した。実施例48.分割用量試験 一度に複数の皮下注射または筋肉内注射を用いた試験を設計し、mmRNA薬剤曝露を増加させ、タンパク質産生を改善する方法を調査した。発現タンパク質産生の検出に加えて、検証された動物由来の試料を分析することで、タンパク質の生理学的機能評価もまた測定された。 驚くことに、単回単位投与または複数回投与スキームによるものよりも、mmRNAの分割投与により、より多くのタンパク質が産生され、表現型応答も強められることが判明した。 緩衝液に単独で溶解され、投与された、ヒトエリスロポエチン(EPO)修飾mRNA(配列番号9にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)の使用を、単回単位用量、複数回用量および分割用量実験の設計に含めた。投与媒体(製剤緩衝液)は、150mM NaCl、2mM CaCl2、2mM Na+リン酸塩(1.4mM リン酸一ナトリウム、;0.6mM リン酸二ナトリウム)、および0.5mM EDTA(pH6.5)から構成された。pHは、水酸化ナトリウムで調製され、最終溶液は滅菌ろ過された。mmRNAは、各シトシンで5meC修飾され、各ウリジン部位でシュードウリジン置換された。 単回単位用量(100μg)に対し、動物(n=5)にIM(筋肉内)注射を行った。複数回投与に対しては、100μgの3回投与、100ugの6回投与の2つのスケジュールを用いた。分割投与スキームに対しては、33.3μgのmmRNAの3回投与、16.5μgのmmRNAの6回投与の2つのスケジュールを用いた。対照投与には、緩衝液のみ6回投与を用いた。対照mmRNAには、ルシフェラーゼmmRNA(IVT cDNA配列は配列番号15に示す。配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。各シトシンで5meCで完全に置換、および各ウリジン部位でシュードウリジンで置換)を、100μgで6回投与を用いた。血液および筋肉組織を、投与13時間後に評価した。 ヒトEPOタンパク質を、EPOmmRNA(緩衝液に溶解)を単回、複数回または分割投与した13時間後のマウス血清中で測定された。マウスの7群(1群につきn=5のマウス)を処置し、評価した。結果を表77に示す。 分割係数は、単位薬剤あたりの単回用量産物で割った、単位薬剤あたりの産物として定義される(PUD)。たとえば、処置群2に対しては、0.28の値または単位薬剤(mmRNA)あたりの産物(EPO)が、単位薬剤あたりの単回用量産物(0.14)で割られる。その結果、2となる。同様に、処置群4に対しては、1.1の値または単位薬剤(mmRNA)あたりの産物(EPO)は、単位薬剤あたりの単回用量産物(0.14)で割られる。その結果、7.9となる。結果として、投与分割係数(DSF)を、分割用量レジメンの有効性の指標として用いてもよい。総1日用量の任意の単回投与に対しては、DSFは、1と等しくなるはずである。それゆえ、分割用量レジメンにおいて、この値より大きいDSFはいずれも、有効性が増加したことを示す。 用量応答性の傾向、注射部位の影響、および注射のタイミングの影響を測定するために、試験を実施する。これらの試験において、1μg、5μg、10μg,25μg、50μgおよびその間の値の様々な用量を用いて、用量応答性の結果を決定する。100μgの総用量に対する分割投与には、1.6μg、4.2μg、8.3μg、16.6μgの3回投与または6回投与が含まれ、または、選択された総用量の投与と等しい値と総用量が含まれる。 注射部位は、後肢または注射に適した十分な広さの領域がある任意の体表面から選択される。また、真皮(真皮内)、表皮(表皮内)、皮下組織(SC)または筋肉(IM)を標的とするために、注射の深度の選択も含まれる。注射角度は、標的とした送達部位に基づき変化し、真皮内部位を標的とする注射では皮膚表面の平面から10〜15度、皮下注射に対しては皮膚表面の平面から20〜45度の間、しっかりと筋肉内へ注射する場合には、60〜90度の間の角度である。実施例49.エキソソームの定量化 本発明のmmRNAの量および局在性を、単離エキソソームにおける量(当初、経時的または残留基準)を測定することにより、決定することができる。本試験において、通常、mmRNAはコドン最適化されており、内因性mRNA由来の配列が明らかであるため、GibbingsらのPCT/IB2009/005878(参照によりその全体で本明細書に援用される)の方法を用いて、天然または野生型の内因性mRNAのレベルと比較して、mmRNAのレベルを定量する。 これらの試験において、本法は、最初にエキソソームまたは小胞(好ましくは本発明の修飾mmRNAで従前に治療されたことがある患者の体液由来のもの)を単離し、次いで、前記エキソソーム内の修飾mmRNAのレベルを、mRNAマイクロアレイ、qRT−PCRまたは当分野のRNA測定のための他の方法(適切な抗体または免疫組織化学法によるものを含む)の1つを用いて、測定する。実施例50.修飾mRNAトランスフェクション A.逆向きトランスフェクション コラーゲンコートされた24ウェルの組織培養プレート中での実験実施のために、角化細胞を、1×105の細胞密度で播種する。コラーゲンコートされた96ウェルの組織培養プレート中での実験実施のために、角化細胞を、0.5×105の細胞密度で播種する。トランスフェクションされる各修飾mRNA(mmRNA)のために、修飾mRNA:RNAIMAX(登録商標)を、上述のように調製し、時間内(たとえば、細胞が組織培養プレートに付着する前、細胞播種から6時間)に、マルチウェルのプレート中の細胞と混合する。 B.前向きトランスフェクション コラーゲンコートされた24ウェルの組織培養プレート中では、角化細胞を、0.7×105の細胞密度で播種する。コラーゲンコートされた96ウェルの組織培養プレート中での実験実施のためには、角化細胞を、0.3×105の細胞密度で播種する。角化細胞は、24時間以上で、70%を超えるコンフルエンスの状態にまで増殖する。トランスフェクションされる各修飾mRNA(mmRNA)のために、修飾mRNA:RNAIMAX(登録商標)を、上述のように調製し、細胞播種し組織培養プレートに付着してから24時間後、マルチウェルのプレートの細胞にトランスフェクションする。 C.修飾mRNA翻訳スクリーニング:G−CSF ELISA 角化細胞を、Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手されるSupplement S7を補充したEPILIFE培地中で、70%を超えるコンフルエンスで増殖させる。角化細胞の1セットを、RNAIMAX(Invitrogenから入手)で複合体化された化学的修飾mRNA(mmRNA)の300ngで逆向きトランスフェクションさせた。角化細胞の他のセットは、RNAIMAX(登録商標)(Invitrogenから入手)で複合体化された修飾mRNAの300ngで前向きトランスフェクションさせる。修飾mRNA:RNAIMAX(登録商標)複合体は、最初にRNAを、Supplement無しのEPILIFE(登録商標)培地と、5×の体積希釈で、室温で10分間、インキュベートすることにより形成される。 第二のバイアル中で、RNAIMAX(登録商標)試薬を、Supplement無しのEPILIFE(登録商標)培地と、10×体積希釈で、室温で10分間、インキュベートした。次いで、RNAバイアルを、RNAIMAX(登録商標)バイアルと混合させ、室温で20〜30分間インキュベートし、細胞を滴下させて添加した。培養培地中の分泌型ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)の濃度は、各化学的修飾mRNAに対し、三重で、トランスフェクションの18時間後に測定する。 トランスフェクションされたヒト角化細胞からのヒトG−CSFの分泌を、InvitrogenまたはR&D Systems(ミネソタ州ミネアポリス)から入手されるELISAキットを用いて、メーカーの推奨説明書に従い、定量する。 D.修飾mRNA用量および期間:G−CSF ELISA 角化細胞を、Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手されるSupplement S7を補充したEPILIFE(登録商標)培地中で、70%を超えるコンフルエンスで増殖させる。Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手されるRNAIMAX(登録商標)で複合体化された、修飾mRNAの0ng、46.875ng、93.75ng、187.5ng、375ng、750ngまたは、1500ngのいずれかで、角化細胞を逆向きトランスフェクションする。修飾mRNA:RNAIMAX(登録商標)複合体は上述のように形成される。培養培地中の分泌型ヒトG−CSF濃度は、各修飾mRNAの各濃度に対し、3重で、トランスフェクションの0、6、12、24および48時間後で測定される。トランスフェクションされたヒト角化細胞からのヒトG−CSFの分泌は、InvitrogenまたはR&D Systemsから入手されるELISAキットを用いて、メーカーの推奨説明書に従い、定量する。実施例51.ELISAアッセイを用いた、修飾mRNAに対する細胞性自然免疫応答の検出 インビトロトランスフェクションされたヒト角化細胞から分泌されたヒト腫瘍壊死因子α(TNFα)、ヒトインターフェロンβ(IFNβ)およびヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)に対する酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を、細胞性自然免疫応答の検出のために検証する。角化細胞を、Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)から入手されるヒト角化細胞増殖サプリメントを補充されたEPILIFE(登録商標)中(ヒドロコルチゾンは非存在)で、70%を超えるコンフルエンスで増殖させる。分泌型TNFα角化細胞を、0ng、93.75ng、l87.5ng、375ng、750ng、1500ngまたは3000ngの化学的修飾mRNA(Invitrogenから入手されるRNAIMAX(登録商標)で、複合体化されている)で、上述のように3重で、逆向きトランスフェクションする。Invitrogenから入手されるELISAキットを用いて、メーカーのプロトコールに従い、化学的修飾mRNAのそれぞれに対し、トランスフェクションの24時間後の培養培地中の分泌型TNFαを測定する。 同じ培養培地中の分泌型IFNβは、Invitrogenから入手されるELISAキットを用いて、メーカーのプロトコールに従い、化学的修飾mRNAのそれぞれに対してトランスフェクションの24時間後に測定する。同じ培養培地中の分泌型ヒトG−CSFの濃度は、化学的修飾mRNAのそれぞれに対し、トランスフェクションの24時間後に測定する。トランスフェクションされたヒト角化細胞から分泌されたヒトG−CSFは、InvitrogenまたはR&D Systems(ミネソタ州ミネアポリス)から入手されるELISAキットを用いて、メーカーの推奨説明書に従い、定量する。代表的なI型サイトカインであるTNFαおよびIFNβを測定することにより、修飾mRNA(mmRNA)が、天然のポリヌクレオチドおよび他の化学的修飾ポリヌクレオチドまたは基準化合物と比較して、細胞性自然免疫応答の減少を誘導することができることが、データから示唆される。実施例52.ヒト顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)修飾mRNAにより誘導される細胞増殖の分析 ヒト角化細胞を、24ウェルのコラーゲンコートされたTRANSWELL(登録商標)(Coming, マサチューセッツ州ローウェル)共培養組織培養プレート中で、70%を超えるコンフルエンスで、Invitrogenから入手されるSupplement S7を補充されたEPILIFE(登録商標)培地で増殖させる。Invitrogenから入手されるRNAIMAXで複合体化された、指定の化学的修飾mRNA(mmRNA)の750ngで、上述のように、3重で、逆向きトランスフェクションを行う。修飾mRNA:RNAIMAX:複合体は、上述のように形成される。角化細胞培地は、トランスフェクション後、6〜8時間で交換する。トランスフェクションの42時間後、0.4μm孔の半透過性ポリエステル膜を備えた、24ウェルTRANSWELL(登録商標)プレートインサートを、ヒトGCSF修飾mRNAをトランスフェクションした角化細胞を含有する培養プレート内に静置する。 ヒト骨髄芽球である、Kasumi−1細胞またはKG−1(0.2×105細胞)を、挿入ウェル内に播種し、CyQuant Direct Cell Proliferation Assay(Invitrogen, カリフォルニア州カールスバッド)を用いて、96ウェルプレートの100〜120μl体積中の細胞の増殖を、共培養開始から42時間後に定量する。修飾mRNAがコードしているヒトG−CSFにより誘導された骨髄芽球の細胞増殖は、トランスフェクションされていない角化細胞/骨髄芽球の共培養対照のウェルに対して正規化された細胞増殖のパーセントとして表される。角化細胞および骨髄芽球インサート共培養ウェルの両方における分泌型ヒトG−CSF濃度は、各修飾mRNAに対し、2重で、共培養開始の42時間後に測定される。ヒトG−CSFの分泌は、Invitrogenから入手されるELISAキットを用いて、メーカーの推奨説明書に従い、定量される。 ヒト角化細胞フィーダー細胞およびトランスフェクションされていないヒト骨髄芽球中の、トランスフェクションされたヒトG−CSF修飾mRNAが、RT−PCRにより検出される。試料細胞由来の総RNAが抽出され、RNEASY(登録商標)キット(Qiagen, カリフォルニア州バレンシア)を用いて、メーカーの説明書に従い溶解される。抽出された総RNAは、メーカーのプロトコールに従いPROTOSCRIPT(登録商標)M−MuLV Taq RT−PCRキット(New England BioLabs, マサチューセッツ州イプスウィッチ)を用いた、ヒトG−CSF特異的プライマーでの修飾mRNA−G−CSFの特異的増幅のために、RT−PCRに供される。RT−PCR産物は、1.2%アガロースゲル電気泳動により可視化される。実施例53.緩衝液製剤の試験 緩衝液に溶解した、G−CSF修飾mRNA(配列番号6。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。N1−シュードウリジンおよび5−メチルシトシンで完全に修飾)または、IX因子修飾mRNA(配列番号10。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。N1−シュードウリジンおよび5−メチルシトシンで完全に修飾)を、修飾mRNA用量200ug/ラット、50ulの注射体積で、ラット(n=5)に筋肉内投与する(表78に記述される)。修飾mRNAは、水中で1〜2日間、凍結乾燥される。次いで、以下に列挙される緩衝液中で再構成され、6mg/mlの標的濃度にする。OD260で濃度を測定する。投与の前に、試料を適切な緩衝液で4mg/mlまで希釈する。 修飾mRNAの沈殿のために、3Mの酢酸ナトリウム(pH5.5)および純エタノールを、それぞれ総量の10分の1、修飾mRNAの総量の4倍で、添加する。材料を、最低1時間、−80℃に静置する。次いで、材料を、30分間、4000rpm、4℃で遠心する。上清を除去し、ペレットを遠心し、75%エタノールで3回、洗浄する。最後に、ペレットを緩衝液で再構成し、6mg/mlの標的濃度にする。OD260で濃度を測定する。投与の前に、試料を、適切な緩衝液で4mg/mlまで希釈する。すべての試料は、以下に記述されない限り、凍結乾燥により調製される。 血清試料を、様々な時間間隔でラットから採取し、G−CSFまたはIX因子ELISAを用いて、G−CSFタンパク質発現またはIX因子タンパク質発現に対し分析する。実施例54.複数回用量試験 Sprague−Dawleyラット(n=8、メス4、オス4)に、28日にわたり、8回(週に2回)、静脈内注射する。ラットに、脂質ナノ粒子で製剤化されたルシフェラーゼ修飾mRNAのヒトG−CSF修飾mRNAを0.5mg/kg、0.05mg/kg、0.005mg/kgもしくは0.0005 mg/kg、生理食塩水に溶解したヒトG−CSF修飾mRNAを0.5mg/kg、ヒトG−CSFタンパク質 Neupogenを0.2mg/kg、または、脂質ナノ粒子で製剤化された翻訳不可能なヒトG−CSF修飾mRNAを注射する。血清を、前もって決定された時間間隔の間で採取し、G−CSFタンパク質発現(週の最初の投与の8、24および72時間後)、全血球数および白血球数(週の最初の投与の24および72時間後)ならびに、臨床化学的所見(週の最初の投与の24および72時間後)を評価する。29日目(最後の投与の4日後)で、ラットを殺処分し、全血球数、白血球数、臨床化学所見、タンパク質発現を測定し、組織病理学および解剖により、主要器官への作用を評価する。さらに、抗体アッセイを、29日目でラットに実施する。実施例55.ルシフェラーゼLNP インビボ試験 ルシフェラーゼ修飾mRNA(配列番号16。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。N1−シュードウリジンおよび5−メチルシトシンで完全に修飾)を、シリンジポンプ法を用いて、脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化した。LNPは、修飾mRNAに対する総脂質の重量比20:1、最終脂質モル比50:10:38.5:1.5(DLin−KC2−DMA:DSPC:コレステロール:PEG−DMG)で製剤化された。表79に示されるように、ルシフェラーゼLNP製剤を、粒子サイズ、ゼータ電位および封入で特徴付けた。 表80に概要があるように、ルシフェラーゼLNP製剤を、Balb−Cマウス(n=3)に、筋肉内、静脈内および皮下投与し、PBS中で製剤化されたルシフェラーゼ修飾RNAをマウスに静脈内投与した。 ルシフェラーゼLNPを静脈内および筋肉内に投与されたマウスを、2、8、24、48、120および192時間で画像撮影し、ルシフェラーゼLNP製剤を皮下投与されたマウスは、2、8、24、48および120時間で画像撮影し、表81に示されるように、ルシフェラーゼ発現を測定した。表81において、「NT」は検証しなかったことを意味する。画像撮影の20分前に、マウスに、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgで腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、画像を、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)を用いて得た。生物発光は、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定された。 LNP製剤を静脈内投与された1匹のマウスを、8時間で殺処分し、肝臓および脾臓のルシフェラーゼ発現を測定した。また、LNP製剤を筋肉内投与された1匹のマウスを、8時間で殺処分し、注射部位周辺の筋肉ならびに肝臓および脾臓のルシフェラーゼ発現を測定した。表82に示されるように、発現は、静脈内投与および筋肉内投与後の肝臓および脾臓の両方、ならびに筋肉内注射部位周辺の筋肉で認められた。実施例56.インビトロPBMC試験:修飾% 5−メチルシトシン(5mC)およびシュードウリジン(シュードU)で修飾されたG−CSF mRNA、または非修飾G−CSF mRNAを480ng、0.4μLのLipofectamine2000を用いて、3人の健常な血液ドナー(D1、D2およびD3)由来の末梢血単核球(PBMC)へトランスフェクションした。G−CSF mRNA(配列番号6;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)は、5mCおよびシュードUで完全に修飾され(100%修飾)、または5mCおよびシュードUで修飾されず(0%修飾)、または5mCおよびシュードUで部分的に修飾された(mRNAは75%修飾、50%修飾、または25%修飾を含有)。ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5meCおよびシュードUで完全修飾)の対照試料もまた、G−CSF発現に対して分析された。TNFαおよびIFNαに対しては、Lipofectamine2000、LPS、R−848、ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5meCおよびシュードUで完全修飾)およびP(I)P(C)の対照試料がまた分析された。上清を回収し、トランスフェクションの22時間後にELISAを実施し、タンパク質発現を測定した。G−CSF発現を表83に示し、IFNαおよびTNFαの発現を、表84に示す。IFNαおよびTNFαの発現は、G−CSF mRNAトランスフェクションによる二次的な作用である可能性がある。表83および84より、mRNAが完全には修飾されていない場合、G−CSF、インターフェロンα(IFNα)および腫瘍壊死因子α(TNFα)の化学的修飾の量が徐々に変化し、その変化傾向は、各標的で同じではないことが示される。 上述のように、インビトロアッセイシステムとしてPBMCを用いると、翻訳(この場合は、G−CSFタンパク質産生)とサイトカイン産生(この場合はIFNαタンパク質産生に例示される)の間の相関を確立することが可能である。タンパク質発現の上昇と、自然免疫活性化経路の低誘導は相関し、化学物質の修飾割合は、この比率(表85)に基づいて都合よく判定することができる。表83および84から算出され、表85に示されるように、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾すると、何も修飾しない場合(天然G−CSF mRNA)よりも、タンパク質/サイトカイン産生の比率がかなり上昇することが示されている(IFNαに対しては100倍、TNFαに対しては27倍)。部分的な修飾では、修飾が次第に低下すると直線的な関係性が現れ、タンパク質/サイトカイン比率の低下をもたらすことが示されている。実施例57.PBMCにトランスフェクションされた修飾RNA 5−メチルシトシン(5mC)およびシュードウリジン(シュードU)で修飾されたG−CSF mRNA、または非修飾G−CSF mRNAの500ngを、0.4μLのLipofectamine2000で、3人の健常な血液ドナー(D1、D2およびD3)由来の末梢血単核球(PBMC)へとトランスフェクションした。G−CSF mRNA(配列番号6。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)は、5mCおよびシュードUで完全に修飾され(100%修飾)、または5mCおよびシュードUで修飾されず(0%修飾)、または5mCおよびシュードUで部分的に修飾された(mRNAは50%修飾、25%修飾、10%修飾、5%修飾、1%修飾または0.1%修飾を含有)。mCherry(配列番号7にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5meCおよびシュードUで完全修飾)、および5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF(対照G−CSF)の対照試料もまた、G−CSF発現に対して分析された。腫瘍壊死因子(TNFα)およびインターフェロンα(IFNα)に対しては、Lipofectamine2000、LPS、R−848、ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5meCおよびシュードUで完全修飾)およびP(I)P(C)の対照試料がまた分析された。上清をトランスフェクションの6時間および18時間後に回収し、ELISAを実施して、タンパク質発現を測定した。ドナー1のG−CSF、IFNα、およびTNFαの発現は、表86に示し、ドナー2は表87、ドナー3は表88に示す。 5−メチルシトシンおよびシュードウリジンでの100%完全修飾は、3つのヒトPBMCドナーすべてで、最も高いタンパク質翻訳(G−CSF)および最も低い量のサイトカイン産生をもたらした。修飾量の減少により、よりサイトカインの産生(IFNαおよびTNFα)が増えたことから、サイトカインを減少させ、そしてタンパク質産生を改善するため(G−CSF産生により明らかであるように)には、完全修飾が重要であることがさらに強調されることとなった。実施例58.BJ線維芽細胞における、自然免疫応答試験 A.単一トランスフェクション ヒト初代包皮線維芽細胞(BJ線維芽細胞)を、American Type Culture Collection (ATCC)(カタログ# CRL−2522)より得て、10%ウシ胎児血清を補充したEagle’s Minimum Essential Medium(ATCC、カタログ# 30−2003)中で、37℃、5%CO2下で増殖させた。BJ線維芽細胞を、0.5mlの培養培地中、300,000細胞/ウェルの密度で、24ウェルプレート上に播種した。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾された、修飾G−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(Gen1)、または、キャップ0、キャップ1もしくはキャップの無い、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、修飾G−CSF mRNA(Gen2)の250ngを、Lipofectamin2000(Invitrogen、カタログ# 11668−019)を用いて、メーカーのプロトコールに従い、トランスフェクションした。polyI:C(PIC)、Lipofectamine2000(Lipo)、天然ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)および天然G−CSF mRNAの対照試料もまた、トランスフェクションした。18時間後に細胞を回収し、総RNAを単離し、メーカーのプロトコールに従い、RNeasyマイクロキット(カタログ #74004)を用いて、DNASE(登録商標)で処理した。総RNAの100ngを、メーカーのプロトコールに従い、High capacity cDNA Reverse Transcriptionキット(カタログ #4368814)を用いた、cDNA合成に用いた。次いで、cDNAを、メーカーのプロトコールに従い、Biorad CFX384機器のSybrGreenを用いて、定量リアルタイムPCRにより、自然免疫応答遺伝子の発現に対して分析した。表89に、ハウスキーピング遺伝子HPRT(ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ)と比較した、自然免疫応答転写物の発現レベルを示し、HPRTに対し相対的な誘導の倍数として表す。表において、標準的測定基準のパネルには、以下が含まれる:RIG−Iは、レチノイン酸誘導遺伝子1(retinoic acid inducible gene 1)、IL6は、インターロイキン−6、OAS−1は、オリゴアデニレート合成酵素1(oligoadenylate synthetase 1)、IFNbは、インターフェロン−β、AIM2は、absent in melanoma−2、IFIT−1は、interferon−induced protein with tetratricopeptide repeats 1、PKRは、タンパク質キナーゼR(protein kinase R)、TNFaは、腫瘍壊死因子α、およびIFNaは、インターフェロンαである。 B.反復トランスフェクション ヒト初代包皮線維芽細胞(BJ線維芽細胞)を、American Type Culture Collection (ATCC)(カタログ# CRL−2522)より得て、10%ウシ胎児血清を補充したEagle’s Minimum Essential Medium(ATCC、カタログ# 30−2003)中で、37℃、5%CO2下で増殖させた。BJ線維芽細胞を、0.5mlの培養培地中、300,000細胞/ウェルの密度で、24ウェルプレート上に播種した。修飾していない修飾G−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾された、修飾G−CSF mRNA(Gen1)、または、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、修飾G−CSF mRNA(Gen2)の250ngを、メーカーのプロトコールに従い、5日間、毎日、トランスフェクションした。Lipofectamine2000(L2000)およびmCherry mRNA(配列番号7にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1。5−メチルシチジンおよびシュードウリジンで完全に修飾)の対照試料もまた、5日間、毎日、トランスフェクションした。表90に結果を示す。 非修飾mRNAは、一日後、インターフェロンβ(IFN−beta)およびインターロイキン−6(IL−6)のサイトカイン応答を示した。少なくともシュードウリジンで修飾されたmRNAは、2〜3日後、サイトカイン応答を示したが、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで修飾されたmRNAは、3〜5日後、応答の減少を示した。実施例59.自然免疫応答のインビボ検出試験 メスBALB/Cマウス(n=5)に、5´キャップ、キャップ1を有するG−CSF mRNA(GCSF mRNA unmod)(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない)、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF mRNA(GCSF mRNA 5mc/pU)、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾され、5´キャップを有するG−CSF mRNA(GCSF mRNA 5mc/N1pU)、または5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾され、5´キャップの無いG−CSF mRNA(GCSF mRNA 5mc/N1 pU no cap)、またはR848もしくは5%スクロースのいずれかの対照で、筋肉内注射を行った(表91に記述される)。投与の8時間後で血液を採取し、ELISAを用いてG−CSFおよびインターフェロンα(IFNα)のタンパク質レベルを測定し、その結果を表81に示す。 表91に示されるように、非修飾、5mc/pU、および5mc/N1pU修飾G−CSF mRNAは、マウス血清においてヒトG−CSF発現をもたらした。キャップの無い5mc/N1pU修飾G−CSF mRNAは、血清中のヒトG−CSF発現をもたらさず、このことから、タンパク質翻訳における5´キャップ構造の重要性が強調される。 予想されたように、R848、5%スクロースのみ、および非処置群では、ヒトG−CSFタンパク質は発現されなかった。重要なことは、血清中のマウスIFNαにより測定されたように、サイトカイン産生において有意差が見られたことである。予想されたように、非修飾G−CSF mRNAは、インビボで堅固なサイトカイン応答を示した(R848陽性対照よりも強い)。5mc/pU修飾G−CSF mRNAは、低いが、インビボで検出可能なサイトカイン応答を示した一方で、5mc/N1pU修飾mRNAでは、血清中のIFNαは検出されなかった(媒体または非処置動物でも同様である)。 また、5mc/N1pU修飾mRNAの応答は、キャップの有無にかかわらず、同じであった。これらのインビボでの結果より、1)非修飾mRNAは、はっきりとした自然免疫応答が誘導される、2)5mc/pU修飾の100%組込により、減少はするが、消失はしない、3)5mc/N1pU修飾の組み込みにより、サイトカイン応答は検出されなくなる、という結論が強固なものとなった。 最後に、これらの注射が5%スクロース中に溶解したものであったことを考慮すると(スクロース自身は何の作用もない)、これらの結果は、これらの修飾体の免疫賦活化の可能性を正確に反映しているもののはずである。 データから、N1pU修飾分子がより多くのタンパク質を産生する一方で、IFNα発現にはほとんど作用しない、または作用しないことが明らかである。また、キャッピングがこの化学修飾体のタンパク質産生に対して必要であることが明らかである。非修飾mRNAのタンパク質:サイトカイン比率(PC=9)と比較して、PC比が748であることから、この化学的修飾は、IFNαに関連した生物学的意義または作用に関して、非常に優れたものであることが示唆される。実施例60.修飾RNAのインビボ送達 修飾mRNAのタンパク質産生を、修飾G−CSF mRNAもしくは修飾IX因子mRNAの、メスSprague Dawleyラット(n=6)への送達により評価した。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(G−CSF Gen1)、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF mRNA(G−CSF Gen2)、または、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたIX因子mRNA(配列番号10にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない)(IX因子 Gen1)、を400μg(100μl)、凍結乾燥形態から5%スクロース中で再構成させ、ラットに注射した。注射の8時間後に血液を採取し、血清中のG−CSFタンパク質レベルをELISAにより測定した。表92に8時間後の血清G−CSFタンパク質レベルを示す。 これらの結果より、G−CSF Gen1および、G−CSF Gen2修飾mRNAの両方が、単回筋肉内注射の後、ラットでヒトG−CSFタンパク質を産生することができること、および、ヒトG−CSFタンパク質産生は、Gen1化学物質よりも、Gen2化学物質を用いたときのほうが改善されることが示される。実施例61.修飾RNAの安定性 修飾RNAの完全性を維持するための保存条件をより良く把握するために、安定性実験を実施した。非修飾G−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたG−CSF mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、および5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾され、0.75%体積のRNAIMAX(登録商標)でリポプレックス化されたG−CSF mRNAを、50℃、40℃、37℃、25℃、4℃、または−20℃で保存した。0時間、2時間、6時間、24時間、48時間、5日間および14日間、mRNAを保存した後、そのmRNAを、Bio−Rad EXPERION(登録商標)システムを用いた電気泳動により分析した。また、修飾、非修飾、およびリポプレックス化されたG−CSF mRNAを、RNASTABLE(登録商標)(Biomatrica, Inc. カリフォルニア州サンディエゴ)中で40℃、または、水中で−80℃もしくは40℃で、35日間、保存し、電気泳動により分析した。 安定化剤の無いmRNA試料はすべて、4℃または−20℃での2週間保存の後、安定であった。修飾G−CSF mRNA(リポプレックス化有りまたは無し)は、非修飾G−CSFよりも、25℃で保存された場合(48時間と比べて、5日で安定ではなくなった)、37℃で保存された場合(6時間と比べて、24時間で安定ではなくなった)、および、50℃で保存された場合(2時間と比べて、6時間で安定ではなくなった)において、より安定であった。非修飾G−CSF mRNA、修飾G−CSF mRNA(リポプレックス化有りまたは無し)は、12回の凍結/融解のサイクルに耐容であった。 安定化剤中で、40℃で保存されたmRNAは、水中で−80℃で保存されたmRNA試料と、35日後に同様の安定性を示した一方で、水中で40℃で保存されたmRNAは、18日後、非常に分解が進んでいた。 4℃、25℃、37℃で保存されたmRNA試料を、1×TE緩衝液または製剤緩衝液(150mM塩化ナトリウム、2mM塩化カルシウム、2mMリン酸塩、0.5mM EDTA(pH6.5))中で保存した。4℃で保存されたmRNAは、TE緩衝液および製剤緩衝液の両方で、少なくとも60日は安定であった。製剤緩衝液中、25℃で保存されたmRNAは、14日で安定ではなくなり、TE緩衝液では少なくとも6日で安定ではなくなった。製剤緩衝液中、37℃でのmRNAの保存は、TE緩衝液(たった4日までしか安定ではなかった)と比較すれば、6日まで安定であった。実施例62.製剤化mRNAの発現に対する化学的修飾の影響 5−メチルシトシンおよび2´フルオロウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16。およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、生理食塩水またはDLin−MC3−DMA中で製剤化し、げっ歯類に、0.5mg/kg、0.05mg/kg、0.005mg/kgおよび/または0.0005mg/kgの用量で、静脈内、筋肉内または皮下に投与する。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、DLin−MC3−DMA中で製剤化し、げっ歯類に、0.5mg/kg、0.05mg/kg、0.005mg/kgおよび/または0.0005mg/kgの用量で、筋肉内または皮下に投与する。DLin−MC3−DMA製剤は、投与の前に分析し、平均サイズとゼータ電位を測定する。投与の2時間後、8時間後、24時間後、72時間後、96時間後、144時間後および168時間後にげっ歯類を撮像し、生物発光を、光子/秒で、各製剤および投与経路に対して、測定する。実施例63.PLGA製剤化mRNAの発現 A.ルシフェラーゼPLGAマイクロスフェアの合成および特徴付け 5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16。およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、2−チオウリジンで置換されたウリジンの25%で修飾されたルシフェラーゼmRNA、および5−メチルシトシンで置換されたシトシンの25%で修飾されたルシフェラーゼmRNA、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA、またはシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNAを、1×TE緩衝液中で再構成し、次いで、PLGAマイクロスフェア中で製剤化した。PLGAマイクロスフェアは、PLGAエステルキャップ(Lactel、Cat# B6010−2、固有粘度0.55−0.75、 50:50 LA:GA)、ポリビニルアルコール(PVA)(Sigma、Cat# 348406−25G、MW 13−23k)ジクロロメタンおよび水を用いた、当分野で公知の方法である、水/油/水の二重乳状化法を用いて合成された。簡潔に述べると、TE緩衝液に4mg/mlで溶解したmRNA0.4ml(W1)を、200mg/mlのPLGAの濃度でジクロロメタン(DCM)に溶解したPLGA(O1)を2ml添加した。W1/O1エマルションを、30秒、スピード5(約19,000rpm)でホモジナイズ(IKA Ultra−Turrax Homogenizer、T18)した。次いで、W1/O1エマルションに、250mlの1%PVA(W2)を加え、1分、スピード5(約19,000rpm)でホモジナイズした。製剤を3時間、攪拌し続け、次いで、100μmのナイロンメッシュストレイナー(Fisherbrand Cell Strainer, Cat # 22−363−549)に通して大きな凝集物を除去し、最後に、遠心により洗浄した(10分、9,250rpm、4℃)。上清を棄て、PLGAペレットを、5〜10mlの水に再懸濁し、これを2回繰り返した。洗浄後、水で再懸濁し、100〜200μlのPLGAマイクロスフェア試料を用いて、レーザー回析(Malvern Mastersizer2000)により製剤の粒子サイズを計測した。洗浄された製剤を、液体窒素中で凍結させ、次いで、2〜3日間、凍結乾燥させた。 凍結乾燥後、約10mgのPLGA MSを、2mlのエッペンドルフチューブ内に量り取り、1mlのDCMを加えて、試料を2〜6時間振とうさせることによって、脱製剤化した。mRNAは、0.5mlの水を加え、試料を一晩振とうさせることにより、脱製剤化されたPLGAマイクロスフェアから抽出した。TE緩衝液に溶解した製剤化されていないルシフェラーゼmRNA(未製剤化対照)を、DCM中に注ぎ、脱製剤化プロセスを経させて、トランスフェクションアッセイにおける対照として用いた。封入効率、積載重量パーセント、および粒子サイズを表93に示す。封入効率は、製剤に添加されたmRNAの当初量で割った、PLGAマイクロスフェアの脱製剤化由来のmRNAのmgとして算出された。製剤中の積載重量パーセントは、製剤に添加されたPLGAの当初量で割った、PLGAマイクロスフェアの脱製剤化由来のmRNAのmgとして算出された。 B.PLGAマイクロスフェア中で封入された修飾mRNAのタンパク質発現 トランスフェクションの前日、20,000のHeLa細胞(ATCC no. CCL−2;ヴァージニア州マナサス)を、トリプシン−EDTA溶液(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)での処置により回収して、1ウェルあたり、総量で100μlのEMEM培地(10%FCSおよび1×Glutamaxを補充)の96ウェルの細胞培養プレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)に播種した。細胞を、一晩、5%CO2雰囲気下、37oCで増殖させた。翌日、83ngの脱製剤化ルシフェラーゼmRNA PLGAマイクロスフェア試料、脱製剤化ルシフェラーゼmRNA対照(Deform対照)または、非製剤化ルシフェラーゼmRNA対照(Unfomul対照)を、OPTI−MEM(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)の最終量10ulで希釈した。Lipofectamine 2000 (LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)をトランスフェクション試薬として用いて、0.2μlを、最終量10ulのOPTI−MEM中で希釈した。室温での5分間のインキュベーションの後、両溶液を混合し、さらに室温で15分、インキュベートした。次いで、20μlの混合溶液を、HeLa細胞を含有する細胞培養培地100μlに添加した。次いで、前述のようにプレートをインキュベートした。 18〜22時間のインキュベーションの後、ルシフェラーゼを発現している細胞を、メーカーの説明書に従い、100μlのPassive Lysis Buffer(Promega,ウィスコンシン州マディソン)で溶解した。溶解物のアリコートを、乳白色のポリスチレン96ウェルプレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)へと移し、100ulの完全ルシフェラーゼアッセイ溶液(Promega,ウィスコンシン州マディソン)と混合した。試薬無しのプレートのバックグラウンドシグナルは、1ウェルにつき、約200相対光単位であった。プレートリーダーは、BioTek Synergy H1(BioTek, ヴァーモント州ウィノースキー)であった。 細胞を回収し、各試料に対する生体発光(相対光単位、RLU)を表94に示す。これらの試料のトランスフェクションにより、様々なルシフェラーゼmRNA化学物質が、PLGAマイクロスフェア製剤の後でもルシフェラーゼタンパク質を発現できることが確認された。実施例64. IX因子のインビトロ試験 A.無血清培地 ヒトIX因子mRNA(配列番号10にmRNA配列を示す。およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、無血清培地にトランスフェクションした。細胞培養上清を回収し、ペプチドの2次元HPLC分離を行う前に、トリプシン消化に供した。マトリックス支援レーザー脱離イオン法を用いて、ペプチドを検出した。8つのペプチドが検出され、その検出されたペプチドのうち7つが、IX因子に特有のものである。これらの結果より、無血清培地にトランスフェクションされたmRNAが、完全長のIX因子タンパク質を発現できたことが示唆される。 B.ヒト胚腎(HEK)293A細胞 250ngのコドン最適化ヒトIX因子mRNA(配列番号10にmRNA配列を示す。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、10%FBSの存在下、DMEM中で、Lipofectamine2000を用いて、HEK293A細胞にトランスフェクションした(150,000細胞/ウェル)。トランスフェクション複合体を、トランスフェクションの3時間後、除去した。トランスフェクション後、3、6、9、12、24、48および72時間で、細胞を回収した。総RNAを単離し、cDNA合成に用いた。cDNAを、コドン最適化IX因子特異的プライマーセットを用いた定量リアルタイムPCRによる分析に供した。ヒトヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ1(HPRT)レベルを、正規化に用いた。データは、3時間の時点でのmRNAレベルを100%として考慮して、検出できたmRNAのパーセントとしてプロットした。5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたIX因子修飾mRNAのヒト胚腎293(HEK293)細胞中の半減期は、約8〜10時間である。実施例65.生理食塩水製剤:皮下投与 ヒトG−CSF修飾mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)、およびヒトEPO修飾mRNA(配列番号9にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、生理食塩水中で製剤化し、筋肉内(IM)注射、100ugの用量で、マウスに送達させた。 対照には、ルシフェラーゼ(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)または製剤緩衝液(F.Buffer)を含ませた。注射後13時間でマウスから採血し、血清中のヒトポリペプチドの濃度(pg/mL)を測定した。(G−CSF群は、マウス血清中のヒトG−CSFを測定し、EPO群は、マウス血清中のヒトEPOを測定した。)データを表95に示す。 mRNAは、製剤化無しでは血清中で速やかに分解されることから、システム中でより長く継続するmRNAの最も良い送達方法は、mRNAを製剤化することである。表95に示されるように、mRNAは、緩衝液製剤化のみで、皮下に送達することができる。実施例66.製剤ナノ粒子の安定性 DLin−KC2−DMA、Teta−5−Lap、DLin−DMA、DLin−K−DMA、C12−200、DLin−MC3−DMAの製剤(脂質:mRNA比は20:1)を、安定性に対する、粒子サイズ、多分散性指標および封入効率を、室温で評価した。ほとんどのナノ粒子は、室温で少なくとも1か月、安定である(表96および97に示す)。実施例67.硝子体内送達 生理食塩水中で製剤化された、mCherry修飾mRNA(配列番号7にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)、およびルシフェラーゼ修飾mRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、ラットの硝子体内に送達させた(表98に記述される)。試料は、生理食塩水のみを硝子体内に送達させた対照と比較された。 動物が麻酔されている間に、1日目に、各動物の左目または右目に、製剤を投与する。投与の前の日に、ゲンタマイシン眼軟膏または溶液を、両目に二度、適用する。また、ゲンタマイシン眼軟膏または溶液を、注射のすぐ後、および注射の翌日にも適用する。投与の前に、散瞳点眼薬(1%トロピカミドおよび/または2.5%フェニレフリン)を各目に適用する。 投与の18時間後、mCherryおよび送達緩衝液の投与を受けた眼を摘出し、各目を別々に、10mLの4%パラホルムアルデヒドを含有するチューブ内に、室温で一晩、組織固定のために静置した。翌日、眼を、10mLの30%スクロースを含有するチューブへ別々に移し、処理及び切片作製されるまで、21℃で保存する。異なる切片から作製されたスライドを、F−顕微鏡下で評価した。陽性発現は、mCherry修飾mRNAを投与された眼から作製されたスライドに認められ、対照には何も発現していなかった。実施例68.インビボサイトカイン発現試験 マウスに、200μgのG−CSF修飾mRNA(配列番号6にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない)(5´キャップで修飾されていない、キャップ1(非修飾)、5−メチルシトシンおよびシュードウリジンおよび5´キャップ、キャップ1で完全に修飾された(Gen1)、または5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジン、および5´キャップ、キャップ1で完全に修飾された(Gen2 キャップ)、または、キャップ無し(Gen2 非キャップ))を筋肉内注射した。R−848、5%スクロースおよび非処置マウスの対照もまた分析された。8時間後に血清をマウスから採取し、インターフェロンα(IFNα)発現を分析した。結果を表99に示す。実施例69.VEGF修飾mRNAのインビトロ発現 HEK293細胞を、修飾mRNA(mmRNA)VEGF−A(配列番号19にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)(表100に示される濃度で、Lipofeatamine2000(Invitrogen(カリフォルニア州カールスバッド)より入手)で複合体化されている)でトランスフェクションした。タンパク質発現をELISAにより検出し、タンパク質(pg/ml)を表100に示す。実施例70.HeLa細胞におけるGFPのインビトロスクリーニング トランスフェクションの前日、20,000個のHeLa細胞(ATCC no. CCL−2;ヴァージニア州マナサス)を、トリプシン/EDTA溶液(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)での処理により回収し、1ウェルあたり総量100μlのEMEM培地(10%FCSおよび1×Glutamaxを補充)の96ウェル細胞培養プレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)に播種した。細胞は、37℃、5%CO2雰囲気下で、一晩増殖させた。翌日、表101に記述される化学的修飾を受けた緑蛍光タンパク質(GFP)(配列番号18にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)修飾mRNAの37.5ngまたは75ngを、OPTI−MEM(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)で最終体積10μlに希釈した。Lipofectamine 2000(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)をトランスフェクション試薬として用いて、0.2ulをOPTI−MEMで最終体積10μlに希釈した。室温で5分間のインキュベーションの後、両溶液を混合して、室温でさらに15分インキュベートした。次いで、HeLa細胞を含有する100μlの細胞培養培地に20μlの混合溶液を添加し、室温でインキュベートした。 18〜22時間のインキュベーション後、ルシフェラーゼを発現している細胞を、メーカーの説明書に従い、100μlのPassive Lysis Buffer (Promega, ウィスコンシン州マディソン)で溶解させた。溶解物のアリコートを、乳白色のポリスチレン96ウェルプレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)へと移し、100ulの完全ルシフェラーゼアッセイ溶液(Promega,ウィスコンシン州マディソン)と混合した。メジアン蛍光強度(MFI)を、各化学物質に対し測定し、表101に結果を示す。 これらの結果より、N1−メチルシュードウリジンおよび5−メチルシトシンで完全に修飾されたGFPは、他の化学物質と比較して、HeLa細胞においてより多くのタンパク質を産生することが示される。さらに、より多量のGFPを細胞に投与すると、MFIの値も最も高くなった。実施例71.毒性試験 A.試験設計 Sprague−Dawleyラット(n=8、メス4、オス4)に、修飾ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、表102の投与チャートに概略があるように、注射により投与した。対照群には、製剤緩衝液(F.Buffer)を投与した。7日後、ラットを殺処分した。 B.体重増加および食物摂取 mRNAの投与の前、および投与の7日後にラットの体重を計測した。表103に、性別で分けて検証した群当たりの平均体重増加と体重増加率を示す。すべての動物は体重が増加し続け、振る舞いも正常であった。分析した各群は、試験の経過中、およそ同じ量の食物を摂取した。 C.電解質 7日後、ラットを殺処分し、電解質を測定するために試料を採取した。各群のカルシウム、重炭酸、カリウム、リン、塩素およびナトリウムのレベルを分析した。結果を表104に示す。7日後、ラットの電解質に変化は認められなかった。 D.血液学的所見 7日後、ラットを殺処分し、血液学的レベルを測定するために試料を採取した。赤血球(RBC)、ヘマトクリット(HGT)、平均赤血球容積(MCV)、ヘモグロビン(HGB)、平均赤血球ヘモグロビン(MCH)および平均赤血球ヘモグロビン濃度(MCHC)を、各群に対し測定した。結果を表105に示す。投与の7日後において、血球数または血液凝固因子に変化は無かった。 E.白血球 7日後、ラットを殺処分し、白血球数を測定するために試料を採取した。好中球(分葉核好中球の割合)、単球、好塩基球、リンパ球、好酸球および白血球(WBC)を各群に対し測定した。結果を表106に示す。表106において、「NT」は、検証しなかった子をと意味する。投与の7日後、白血球数の増加は無く、このことから、炎症は無かったことが示唆される。 F.血清化学分析 7日後、ラットを殺処分し、血清化学分析を行うために試料を採取した。アルカリホスファターゼ(ALP)、アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)、アラニントランスアミナーゼ(ALT)およびクレアチニンホスホキナーゼ(CPK)を各群に対して測定した。結果を表107に示す。 G.肝臓タンパク質 7日後、ラットを殺処分し、肝臓タンパク質レベルを測定するために試料を採取した。アルブミン、グロブリンおよび総タンパク質のレベルを各群に対し測定した。結果を表108に示す。修飾mRNAを投与された7日後の肝酵素または肝臓タンパク質に変化は認められなかった。 H.結論 修飾mRNAを投与された7日後のラットの分析より、高用量のmRNAの投与による副作用は発生していない。この分析からは、有効量の30倍もの高用量でも、安全であると思われる。組織病理学的所見からは、注射部位に最小限の炎症が認められたが、注射部位には注射に伴う変化のみが認められ、用量に関連した問題は示唆されない。さらに、筋酵素に変化は無く、筋肉への損傷は無かったことが示唆される。実施例72.修飾RNAの保管条件 A.有機物質 有機的環境に対するmRNAの耐容性を評価するために、ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、室温で、エタノール、メタノールまたはジクロロメタンの溶液中、1mg/mlの濃度で保存した。1時間、6時間、および1日で試料を採取した。試料を水で200ng/μlまで希釈し、ドラフト内で、室温で一晩インキュベートして有機溶媒を蒸発させた。対照試料は、水に溶解したmRNAで平行して行われた(水対照、有機物質)。バイオアナライザーによる試料の測定では、3つの溶液のそれぞれにおいて、1日間、室温でmRNAは安定であった。 B.水性溶媒 ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、3つの異なる緩衝液および水に添加し、mRNA安定性に対する水性溶媒の影響を評価した。mRNAは、クエン酸緩衝液(pH3、100mMクエン酸)、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)緩衝液(pH7.4、6.7mリン酸塩および154mM塩化ナトリウム)、TE緩衝液(pH8、10mM トリス−塩酸および1mMエチレンジアミン四酢酸)または水(pH5.5、注射用水(WFI))に、1mg/mlの濃度で、添加した。1時間、6時間および1日で試料を採取し、水で200ng/ulの濃度まで希釈した。対照試料は、水に溶解したmRNAで平行して行われた(水対照、水性物質)。PBS緩衝液、TE緩衝液、および水でのmRNAのインキュベーションでは、1日後のmRNAの完全性には影響はなかった。クエン酸でインキュベートされた試料は、バイオアナライザーにより検出されなかった。 クエン酸緩衝液をさらに評価する試験を行うため、10mMのクエン酸および1mg/mlのルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を有する、pH2、3および4の各クエン酸緩衝液を評価した。pHが2では、沈殿が視覚的に検出できたが、pHが4を下回るとバイオアナライザーによる検出はできなかった。リン酸緩衝液と比較すると、低いpHで試料中にmRNAは検出されなかったが、pH2のリン酸緩衝液試料中において沈殿が視認できた。 C.pH mRNAの安定性に対するpHの影響を調べるために、ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、pH5.8、6.5または7.2の水性緩衝液中で、室温で保存した。mRNAをpH試料に加えてから1時間後、1日後および1週間後で試料を採取した。採取後、試料を、1mg/mlの濃度でインキュベートし、次いで、凍結およびバイオアナライザーによる分析の前に水で200ng/ulまで希釈した。評価した5.8〜7.2のpH範囲における室温での保管では、mRNAは1週間後でも安定であった。 D.凍結/融解および凍結乾燥 mRNA安定性に対する、凍結/融解サイクルの影響を評価するために、製剤緩衝液に溶解したルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、複数回の凍結/融解サイクルに供した。mRNAは、少なくとも18サイクルの間、安定であることが判明した。 さらに、ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、3ラウンドの凍結乾燥に供し、mRNAの安定性を検証した。mRNAを水に添加し、3ラウンドの各凍結乾燥の後で試料を採取した。乾燥したmRNAを、水で希釈し、1mg/mlの濃度にした。バイオアナライザーによる分析まで、試料は200ng/μlで凍結保存した。対照試料は、mRNAおよび水に製剤で平行して行い、同じ凍結および融解のサイクルを行った。mRNAは、200ng/ulで、バイオアナライザーによる分析を行った際には、3サイクルの凍結乾燥の後でも安定であることが判明した。 E.遠心 mRNAの完全性に対する遠心の影響を評価するために、1mg/mlで水に溶解したルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジン)に、4℃で10分間、10kRPM(13.3k xg)を10サイクル行った。対照試料として、mRNAおよび水の試料を、遠心の間、4℃で保存した。200ng/ulで、バイオアナライザーによる分析を行った際には、10サイクルの遠心の後でもmRNAは安定であることが判明した。 F.保管後のインビトロトランスフェクション トランスフェクションの前日、20,000のHeLa細胞(ATCC no. CCL−2;ヴァージニア州マナサス)を、トリプシン−EDTA溶液(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)での処理により回収して、1ウェルあたり、総量で100μlのEMEM培地(10%FCSおよび1×Glutamaxを補充)の96ウェルの細胞培養プレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)に播種した。細胞を、一晩、5%CO2雰囲気下、37oCで増殖させた。翌日、凍結乾燥、遠心させた製剤由来のルシフェラーゼmRNAの250ng、ならびに、水性溶媒および有機溶媒試料を最終量10μlのOPTI−MEM(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)に希釈した。Lipofectamine 2000 (LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)をトランスフェクション試薬として用いて、0.2μlを、10μlの最終量のOPTI−MEM中で希釈した。室温での5分間のインキュベーションの後、両溶液を混合し、さらに室温で15分、インキュベートした。次いで、20μlの混合溶液を、HeLa細胞を含有する細胞培養培地100ulに添加した。次いで、前述のようにプレートをインキュベートした。 18〜22時間のインキュベーション後、ルシフェラーゼを発現している細胞を、メーカーの説明書に従い、100μlのPassive Lysis Buffer (Promega, ウィスコンシン州マディソン)で溶解させた。溶解物のアリコートを、乳白色のポリスチレン96ウェルプレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)へと移し、100ulの完全ルシフェラーゼアッセイ溶液(Promega,ウィスコンシン州マディソン)と混合した。試薬無しのプレートのバックグラウンドシグナルは、1ウェルあたり、約200の相対光単位であった。プレートリーダーは、BioTek Synergy H1 (BioTek, ヴァーモント州ウィノースキー)であった。 擬似トランスフェクションの対照(試薬のみをトランスフェクション)、水に溶解したルシフェラーゼmRNA対照、および未処置のものも評価した。細胞を回収し、各シグナルに対する平均生体発光(相対光単位、RLU)を表109に示す。これらの試料のトランスフェクションにより、凍結乾燥、遠心、有機溶媒および水性溶媒(クエン酸緩衝液を除く)は、ルシフェラーゼmRNAの活性に影響を与えないことが確認された。クエン酸緩衝液は、トランスフェクション後の活性減少を示した。 実施例73.均質化 異なるルシフェラーゼmRNA溶液(表110に記述。「X」は、その成分を含有する溶液を指す)(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を評価して、異なる溶液の産生率、mRNAの完全性をバイオアナライザーにより検証し、mRNAのタンパク質発現をインビトロトランスフェクションにより検証した。mRNA溶液は、水、1×TE緩衝液中で、表110に示されるように、4mg/mlで調製され、ジクロロメタン(DCM)、または乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)(Lactel、Cat# B6010−2、固有粘度 0.55−0.75、50:50 LA:GA)の200mg/mlを含有するDCMのいずれかに添加し、0.8mg/mlの最終mRNA濃度を得た。均質化を必要とする溶液は、30秒間、スピード5(およそ19,000rpm)(IKA Ultra−Turrax Homogenizer, T18)で均質化した。水、ジクロロメタンおよび乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)に溶解したmRNAは、回復不能(NR)であった。NR試料を除くすべての試料は、バイオアナライザー(Bio−rad Experion)による測定で、mRNAの完全性が維持された。 トランスフェクションの前日、20,000のHeLa細胞(ATCC no. CCL−2;ヴァージニア州マナサス)を、トリプシン−EDTA溶液(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)での処理により回収して、1ウェルあたり、総量で100μlのEMEM培地(10%FCSおよび1×Glutamaxを補充)の96ウェルの細胞培養プレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)に播種した。細胞を、一晩、5%CO2雰囲気下、37℃で増殖させた。翌日、回復可能試料由来のルシフェラーゼmRNAの250ngを、最終量10ulのOPTI−MEM(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)に希釈した。Lipofectamine 2000 (LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)をトランスフェクション試薬として用いて、0.2μlを、最終量10ulのOPTI−MEM中で希釈した。室温での5分間のインキュベーションの後、両溶液を混合し、さらに室温で15分、インキュベートした。次いで、20μlの混合溶液を、HeLa細胞を含有する細胞培養培地100μlに添加した。次いで、前述のようにプレートをインキュベートした。対照ルシフェラーゼmRNA(生理食塩水中で製剤化したルシフェラーゼmRNA)(対照)および未処置細胞(未処置)もまた、評価した。細胞を回収し、各シグナルに対する生体発光平均(光子/秒)(生体発光、(p/s))も表110に示す。分析した際、回復可能試料はすべて、ルシフェラーゼmRNAの活性を示した。 18〜22時間のインキュベーション後、ルシフェラーゼを発現している細胞を、メーカーの説明書に従い、100μlのPassive Lysis Buffer(Promega, ウィスコンシン州マディソン)で溶解させた。溶解物のアリコートを、乳白色のポリスチレン96ウェルプレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)へと移し、100ulの完全ルシフェラーゼアッセイ溶液(Promega,ウィスコンシン州マディソン)と混合した。試薬無しのプレートのバックグラウンドシグナルは、1ウェルあたり、約200の相対光単位であった。プレートリーダーは、BioTek Synergy H1 (BioTek, ヴァーモント州ウィノースキー)であった。 細胞を回収し、各シグナルに対する平均生体発光(相対光単位、RLU)(生体発光、(RLU))を表110に示す。回復可能試料はすべて、分析した際、ルシフェラーゼmRNAの活性を示した。実施例74.TE緩衝液および水の評価 ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を水またはTE緩衝液中で、表111に概略があるように再構成し、次いで、PLGAマイクロスフェア中で製剤化した。PLGAマイクロスフェアは、当分野で公知の水/油/水の二重乳化法を用いて、PLGA(Lactel、Cat# B6010−2、固有粘度0.55−0.75、50:50 LA:GA)、ポリビニルアルコール(PVA)(Sigma、Cat# 348406−25G、MW 13−23k)ジクロロメタンおよび水を用いて、合成された。簡潔に言うと、水またはTE緩衝液に2〜6mg/mlの濃度で溶解したmRNAの0.2〜0.6ml(W1)を、ジクロロメタン(DCM)に100mg/mlのPLGA濃度で溶解したPLGAの2ml(O1)に加えた。W1/O1のエマルションを、スピード5(約19,000rpm)で30秒間、均質化した(IKA Ultra−Turrax Homogenizer、T18)。次いで、W1/O1エマルションを、250mlの1%PVA(W2)に加え、スピード5(約19,000rpm)で、1分間、均質化した。製剤を、3時間、攪拌したままにして、次いで、100μmのナイロンメッシュストレイナー(Fisherbrand Cell Strainer, Cat # 22−363−549)を通して大きな凝集塊を除去し、最後に遠心(10分、9250rpm、4℃)により洗浄した。上清を棄て、PLGAペレットを、5〜10mlの水に再懸濁し、これを2回繰り返した。洗浄された製剤を液体窒素中で凍結させ、次いで、2〜3日間凍結乾燥させた。凍結乾燥後、約10mgのPLGA MSを、2mlのエッペンドルフチューブ内で計量し、1mlのDCMを添加することにより脱製剤化させ、2〜6時間、試料を振とうさせた。0.5mlの水を添加し、一晩試料を振とうすることにより、脱製剤化したPLGAマイクロスフェアからmRNAを抽出した。水またはTE緩衝液に溶解した非製剤化ルシフェラーゼmRNA(脱製剤化対照)を、DCMに加え、脱製剤化プロセスを経て、トランスフェクションアッセイにおける対照として用いた。 トランスフェクションの前日、20,000のHeLa細胞(ATCC no. CCL−2;ヴァージニア州マナサス)を、トリプシン−EDTA溶液(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)での処置により回収して、1ウェルあたり、総量で100ulのEMEM培地(10%FCSおよび1×Glutamaxを補充)の96ウェルの細胞培養プレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)に播種した。細胞を、一晩、5%CO2雰囲気下、37oCで増殖させた。翌日、脱製剤化ルシフェラーゼmRNA試料100ngを、最終量10ulのOPTI−MEM(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)で希釈した。Lipofectamine 2000 (LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)をトランスフェクション試薬として用いて、0.2μlを、10ulの最終量のOPTI−MEM中で希釈した。室温での5分間のインキュベーションの後、両溶液を混合し、さらに室温で15分、インキュベートした。次いで、20μlの混合溶液を、HeLa細胞を含有する細胞培養培地100μlに添加した。次いで、前述のようにプレートをインキュベートした。 18〜22時間のインキュベーション後、ルシフェラーゼを発現している細胞を、メーカーの説明書に従い、100ulのPassive Lysis Buffer(Promega, ウィスコンシン州マディソン)で溶解させた。溶解物のアリコートを、乳白色のポリスチレン96ウェルプレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)へと移し、100μlの完全ルシフェラーゼアッセイ溶液(Promega,ウィスコンシン州マディソン)と混合した。試薬無しのプレートのバックグラウンドシグナルは、1ウェルあたり、約200の相対光単位であった。プレートリーダーは、BioTek Synergy H1 (BioTek, ヴァーモント州ウィノースキー)であった。各製剤由来のルシフェラーゼmRNAの活性を測定するために、各製剤に対する相対光単位(RLU)を、適切なmRNA脱製剤化対照(水またはTE緩衝液に溶解したmRNA)のRLUで割った。表111に、ルシフェラーゼmRNAの活性を示す。PLGAマイクロスフェア製剤中のルシフェラーゼ製剤(Form.)の活性は、水と比較して、TE緩衝液中で製剤化することによりかなり改善された。実施例75.mRNAに対する化学的修飾 トランスフェクションの前日、20,000のHeLa細胞(ATCC no. CCL−2;ヴァージニア州マナサス)を、トリプシン−EDTA溶液(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)での処理により回収して、1ウェルあたり、総量で100μlのEMEM培地(10%FCSおよび1×Glutamaxを補充)の96ウェルの細胞培養プレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)に播種した。細胞を、一晩、5%CO2雰囲気下、37℃で増殖させた。翌日、表112に記述される化学的修飾を受けたルシフェラーゼ修飾RNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)の83ngを、最終量10ulのOPTI−MEM(LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)で希釈した。Lipofectamine 2000 (LifeTechnologies, ニューヨーク州グランドアイランド)をトランスフェクション試薬として用いて、0.2μlを、最終量10μlのOPTI−MEM中で希釈した。室温での5分間のインキュベーションの後、両溶液を混合し、さらに室温で15分、インキュベートした。次いで、20μlの混合溶液を、HeLa細胞を含有する細胞培養培地100μlに添加し、室温でインキュベートした。 18〜22時間のインキュベーション後、ルシフェラーゼを発現している細胞を、メーカーの説明書に従い、100ulのPassive Lysis Buffer(Promega, ウィスコンシン州マディソン)で溶解させた。溶解物のアリコートを、乳白色のポリスチレン96ウェルプレート(Corning,ヴァージニア州マナサス)へと移し、100ulの完全ルシフェラーゼアッセイ溶液(Promega,ウィスコンシン州マディソン)と混合した。溶解物量は、1ウェルあたり2mio相対光単位(RLU)を超えない量まで調整または希釈され、最も強いシグナルを生み出す試料を検出し、検証された各化学物質に対するRLUを表112に示す。プレートリーダーは、BioTek Synergy H1 (BioTek, ヴァーモント州ウィノースキー)であった。試薬無しのプレートのバックグラウンドシグナルは、1ウェルあたり、約200の相対光単位であった。実施例76.修飾mRNAの筋肉内投与および皮下投与 5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾RNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(5mc/pU)、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA(5mC/N1mpU)、シュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA(pU)、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA(N1mpU)または、5−メチルシトシンで置換されたシトシンが25%、および2−チオウリジンで置換されたウリジンが25%で修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA(5mC/s2U)を、PBS(pH7.4)中で製剤化し、2.5mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに筋肉内投与または皮下投与した。筋肉内送達に対しては、2時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間および144時間でマウスを撮像し、皮下送達に対しては、2時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間、および120時間で撮像した。撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光は、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定された。筋肉内投与に対する平均総流量(光子/秒)を表113に示し、皮下投与に対する平均総流量(光子/秒)を表114に示す。バックグラウンドシグナルは、3.79E+05(p/s)であった。筋肉内投与のピーク発現は、全ての化学物質に対して24〜48時間の間で見られ、発現は144時間でもまだ検出された。皮下送達に対しては、ピーク発現は2〜8時間の間に見られ、発現は72時間でも検出された。実施例77.浸透圧ポンプ試験 移植の前に、浸透圧ポンプ(ALZET(登録商標)Osmotic Pump 2001D, DURECT Corp. Cupertino, CA)に0.2mlの1×PBS(pH7.4)をロードし(PBSをロードしたポンプ)、または、1×PBS(pH7.4)に1mg/mlで溶解したルシフェラーゼ修飾mRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)を0.2ml、ロードして(ルシフェラーゼをロードしたポンプ)、一晩、37℃で、1×PBS(pH7.4)中でインキュベートする。 Balb−Cマウス(n=3)に、PBSをロードしたポンプまたはルシフェラーゼをロードしたポンプのいずれかを皮下移植し、2時間、8時間および24時間で撮像する。対照として、PBSをロードしたポンプを皮下に移植し、そのマウスに1×PBSに溶解したルシフェラーゼ修飾mRNAを皮下注射(PBSをロードしたポンプ;SCルシフェラーゼ)、または、浸透圧ポンプを移植せず、そのマウスに1×PBSに溶解したルシフェラーゼ修飾mRNAを皮下注射(SCルシフェラーゼ)する。ルシフェラーゼ製剤の概要を表115に示す。実施例78.外部浸透圧ポンプ試験 外部浸透圧ポンプ(ALZET(登録商標)Osmotic Pump 2001D, DURECT Corp. Cupertino, CA)に、0.2mlの1×PBS(pH7.4)をロードし(PBSをロードしたポンプ)、または、1×PBS(pH7.4)に1mg/mlで溶解したルシフェラーゼ修飾mRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)を0.2ml、ロードし(ルシフェラーゼをロードしたポンプ)、一晩、37℃で、1×PBS(pH7.4)中でインキュベートする。 外部のPBSをロードしたポンプまたはルシフェラーゼをロードしたポンプに連結したカテーテルを用いて、Balb−Cマウス(n=3)に製剤を投与する。2時間、8時間、および24時間でマウスを撮像する。対照として、外部のPBSをロードしたポンプを用いて、マウスに1×PBSに溶解したルシフェラーゼ修飾mRNAの皮下投与(PBSをロードしたポンプ;SCルシフェラーゼ)を、または、外部ポンプを用いずに、マウスに1×PBSに溶解したルシフェラーゼ修飾mRNAの皮下投与のみ(SCルシフェラーゼ)を行う。撮像の20分前に、D−ルシフェリンを150mg/kgでマウスに腹腔内投与する。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行う。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定する。ルシフェラーゼ製剤の概要および平均総流量(光子/秒)を表116に示す。実施例79.フィブリンシーラント試験 たとえばTisseel(Baxter Healthcare Corp., Deerfield,IL)等のフィブリンシーラントは、二連型シリンジ中のフィブリノーゲンおよびトロンビンから構成される。混合すると、フィブリノーゲンはフィブリンに転換され、約10〜30秒でフィブリン塊を形成する。この塊は、身体の自然凝固メカニズムを模すことができる。さらに、フィブリンヒドロゲルは3次元構造であり、徐放性の放出送達に用いることが出来る可能性がある。現在、フィブリンシーラントは、たとえば縫合、結紮、焼灼等の従来的な外科的手技に代わるための、止血およびシーリングへの適用が承認されている。 トロンビンおよびフィブリノーゲン成分を、二連型シリンジ内に別々負荷した。Balb−Cマウス(n=3)に、50μlのフィブリノーゲン、50μlのトロンビンを皮下注射し、また、同じ部位に修飾ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)を注射し(Tisseel+ルシフェラーゼ)、または、50μlのフィブリノーゲンおよび50μlのトロンビンを注射し(Tisseel)、または、修飾ルシフェラーゼmRNAを注射(ルシフェラーゼ)した。フィブリノーゲンおよびトロンビンの注射は、二連型のシリンジを用いて同時に行った。ルシフェラーゼの皮下注射は、フィブリノーゲン/トロンビン注射の15分後に行い、フィブリンヒドロゲルを重合させた(Tisseel+ルシフェラーゼ群)。未処置マウスの対照群もまた評価を行った。5時間および24時間でマウスを撮像した。撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。ルシフェラーゼ製剤の概要および平均総流量(光子/秒)を表117に、平均総流量(光子/秒)を表118に示す。フィブリンシーラントは、画像撮影およびルシフェラーゼ注射に干渉しないことが判明し、Tisseelはルシフェラーゼ発現を示した。実施例80.フィブリン含有mRNAシーラント試験 A.修飾mRNAおよび塩化カルシウム 再構成の前に、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、または、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、塩化カルシウムに加える。次いで、塩化カルシウムを用いてトロンビンを再構成する。フィブリノーゲンは、メーカーの説明書に従い、線維素溶解阻害剤で再構成する。再構成されたトロンビン(修飾mRNAを含有)およびフィブリノーゲンを、二連型シリンジに負荷する。50μlのフィブリノーゲンおよび50μlのトロンビン(修飾mRNA含有)をマウスに皮下注射するか、または、50μlのPBS(等量の修飾ルシフェラーゼmRNAを含有)をマウスに注射する。未処置マウスの対照群もまた、評価する。前もって決定されていた間隔でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を測定する。 B.脂質ナノ粒子製剤化修飾mRNAおよび塩化カルシウム 再構成の前に、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、または、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、脂質ナノ粒子中で製剤化し、塩化カルシウムに加える。次いで、塩化カルシウムを用いてトロンビンを再構成する。フィブリノーゲンは、メーカーの説明書に従い、線維素溶解阻害剤で再構成する。再構成されたトロンビン(修飾mRNAを含有)およびフィブリノーゲンを、二連型シリンジに負荷する。50μlのフィブリノーゲンおよび50μlのトロンビン(修飾mRNA含有)をマウスに皮下注射するか、または、50μlのPBS(等量の修飾ルシフェラーゼmRNAを含有)をマウスに注射する。未処置マウスの対照群もまた、評価する。前もって決定されていた間隔でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を測定する。 C.修飾mRNAおよびフィブリノーゲン 再構成の前に、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、または、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、線維素溶解阻害剤に加える。次いで、線維素溶解阻害剤溶液を用いてフィブリノーゲンを再構成する。トロンビンは、メーカーの説明書に従い、塩化カルシウム溶液で再構成する。再構成されたフィブリノーゲン(修飾mRNAを含有)およびトロンビンを、二連型シリンジに負荷する。50μlのトロンビンおよび50μlのフィブリノーゲン(修飾mRNA含有)をマウスに皮下注射するか、または、50μlのPBS(等量の修飾ルシフェラーゼmRNAを含有)をマウスに注射した。未処置マウスの対照群もまた、評価する。前もって決定されていた間隔でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を測定する。 D.脂質ナノ粒子製剤化修飾mRNAおよびフィブリノーゲン 再構成の前に、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、または、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、脂質ナノ粒子中で製剤化し、線維素溶解阻害剤に加える。次いで、線維素溶解阻害剤溶液を用いてフィブリノーゲンを再構成する。トロンビンは、メーカーの説明書に従い、塩化カルシウム溶液で再構成する。再構成されたフィブリノーゲン(修飾mRNAを含有)およびトロンビンを、二連型シリンジに負荷する。50μlのトロンビンおよび50μlのフィブリノーゲン(修飾mRNA含有)をマウスに皮下注射するか、または、50μlのPBS(等量の修飾ルシフェラーゼmRNAを含有)をマウスに注射した。未処置マウスの対照群もまた、評価する。前もって決定されていた間隔でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を測定する。 E.修飾mRNAおよびトロンビン 再構成の前に、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、または、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、再構成されたトロンビン(メーカーの説明書に従い、塩化カルシウムでトロンビンが再構成された)に加える。次いで、線維素溶解阻害剤溶液を用いて、メーカーの説明書に従い、フィブリノーゲンを再構成する。再構成されたフィブリノーゲンおよびトロンビン(修飾mRNAを含有)を、二連型シリンジに負荷する。50μlのトロンビン(修飾mRNA含有)および50μlのフィブリノーゲンをマウスに皮下注射するか、または、50μlのPBS(等量の修飾ルシフェラーゼmRNAを含有)をマウスに注射した。未処置マウスの対照群もまた、評価する。前もって決定されていた間隔でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を測定する。 F.脂質ナノ粒子製剤化修飾mRNAおよびトロンビン 再構成の前に、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾された、または、N1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、脂質ナノ粒子中で製剤化し、再構成されたトロンビン(メーカーの説明書に従い、塩化カルシウムで再構成された)に加える。次いで、線維素溶解阻害剤溶液を、メーカーの説明書に従い用いて、フィブリノーゲンを再構成する。再構成されたフィブリノーゲンおよびトロンビン(修飾mRNAを含有)を、二連型シリンジに負荷する。50μlのトロンビン(修飾mRNA含有)および50μlのフィブリノーゲンをマウスに皮下注射するか、または、50μlのPBS(等量の修飾ルシフェラーゼmRNAを含有)をマウスに注射した。未処置マウスの対照群もまた、評価する。前もって決定されていた間隔でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を測定する。実施例81.5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジン修飾mRNAのカチオン性脂質製剤 5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、表119に記述されるカチオン性脂質で製剤化した。その製剤を、0.05mg/kgで、Balb−Cマウスに、静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)、または皮下(S.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光は、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の2時間、8時間、および24時間後でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して測定した。バックグラウンドの流量は約4.17E+05 p/sであった。画像撮影の結果を表120に示す。表120において、「NT」は検証しなかったことを意味する。実施例82.脂質ナノ粒子静脈内試験 ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾された)を、表121に記述されるように、50%のDLin−MC3−DMAまたは、DLin−KC2−DMA、ならびに、38.5%のコレステロール、10%のDSPC、および1.5%のPEGを含有する脂質ナノ粒子中で製剤化した。その製剤を、0.5mg/kg、0.05mg/kg、0.005mg/kgまたは0.0005mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)投与した。撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。 DLin−KC2−DMAに対しては、投与の2時間、8時間、24時間、72時間、96時間、および168時間後にマウスを撮像し、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して平均総流量(光子/秒)を測定した。バックグラウンド流量は約3.66E+05p/sであった。画像撮影の結果を表122に示す。器官を8時間目に撮像し、平均総流量(光子/秒)を、肝臓、脾臓、肺および腎臓に対して測定した。各器官に対する対照もまた分析された。その結果を表123に示す。すべての投与レベルに対するピークシグナルは、投与の8時間後であった。また、様々な器官(肝臓、脾臓、肺および腎臓)への配分は、LNP用量の増加または減少により制御できる可能性がある。 DLin−MC3−DMAに対しては、投与の2時間、8時間、24時間、48時間、72時間、および144時間後にマウスを撮像し、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して平均総流量(光子/秒)を測定した。バックグラウンド流量は約4.51E+05p/sであった。画像撮影の結果を表124に示す。器官を8時間目に撮像し、平均総流量(光子/秒)を、肝臓、脾臓、肺および腎臓に対して測定された。各器官に対する対照もまた分析された。その結果を表125に示す。すべての投与レベルに対するピークシグナルは、投与の8時間後であった。また、様々な器官(肝臓、脾臓、肺および腎臓)への配分は、LNP用量の増加または減少により制御できる可能性がある。実施例83.脂質ナノ粒子皮下試験 ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾された)を、表126に記述されるように、50%のDLin−KC2−DMA、ならびに、38.5%のコレステロール、10%のDSPC、および1.5%のPEGを含有する脂質ナノ粒子中で製剤化した。その製剤を、0.5mg/kg、0.05mg/kg、または0.005mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに皮下(S.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光は、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の2時間、8時間、24時間、48時間、72時間、および144時間後にマウスを撮像し、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して平均総流量(光子/秒)を測定した。検出の低限値は約3E+05p/sであった。画像撮影の結果を表127に示す。器官を8時目に撮像し、平均総流量(光子/秒)を、肝臓、脾臓、肺および腎臓に対して測定した。各器官に対する対照もまた分析された。その結果を表128に示す。すべての投与レベルに対するピークシグナルは、投与の8時間後であった。また、様々な器官(肝臓、脾臓、肺および腎臓)への配分は、LNP用量の増加または減少により制御できる可能性がある。高用量では、LNP製剤は皮下注射部位の外側へと移動する(高レベルのルシフェラーゼ発現が肝臓、脾臓、肺および腎臓で検出される)。実施例84.カチオン性脂質ナノ粒子皮下試験 ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾された)を、50%のDLin−MC3−DMA、38.5%のコレステロール、10%のDSPC、および1.5%のPEGを含有する脂質ナノ粒子中で製剤化する。その製剤を、0.5mg/kg、0.05mg/kg、または0.005mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに皮下(S.C.)投与する。 投与の2時間、8時間、24時間、48時間、72時間、および144時間後にマウスを撮像し、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して平均総流量(光子/秒)を測定した。器官を8時間目に撮像し、平均総流量(光子/秒)を、肝臓、脾臓、肺および腎臓に対して測定する。各器官に対する対照もまた分析される。実施例85.リポプレックス試験 5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(5mc/pU)、5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(5mC/N1mpU)、または、5−メチルシトシンで置換されたシトシンが25%、および2−チオウリジンで置換されたウリジンが25%で修飾されたルシフェラーゼmRNA(5mC/s2U)を、リポプレックス化した。その製剤を、0.10mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光は、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の8時間、24時間、および48時間後でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を、各投与経路および化学的修飾に対して測定した。バックグラウンドシグナルは約3.91E+05p/sであった。画像撮影の結果を表129に示す。器官を6時間で撮像し、平均総流量(光子/秒)を、肝臓、脾臓、肺および腎臓に対して測定された。各器官に対する対照もまた分析された。結果を表130に示す。実施例86.修飾mRNAのカチオン性脂質製剤 25%のシトシンが5−メチルシトシンで置換され、25%のウリジンが2−チオウリジンで置換され、修飾された、ルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(5mC/s2U)を、表131に記述されるカチオン性脂質中で製剤化した。その製剤を、0.05mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の2時間、8時間および24時間後でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して測定した。バックグラウンド流量は約3.31E+05 p/sであった。画像撮影の結果を表132に示す。表132において、「NT」は、検証しなかったことを意味する。未処置マウスは、2時間で3.14E+05、8時間で3.33E+05、および24時間で3.46E+05の平均流量を示した。3つすべての検証投与経路に対するピーク発現は、8時間で見られた。DLin−MC3−DMAおよびDODMAが評価した全ての投与経路に対して示した発現よりも、DLin−KC2−DMAは、より高い発現を示している。実施例87.5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジン修飾mRNAの製剤化 5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)を、PBS(pH7.4)中で製剤化した。その製剤を、2.5mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の5分、30分、60分および120分後でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して測定した。バックグラウンド流量は約3.78E+05 p/sであった。画像撮影の結果を表133に示す。ルシフェラーゼの発現は、両方の送達経路で、30分ですでに認められていた。皮下投与のピーク発現は30〜60分の間である。筋肉内発現は、120分でまだ増加していた。実施例88. 化学的修飾mRNAの筋肉内投与および皮下投与 N4−アセチルシチジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、5−メトキシウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA、N4−アセチルシチジンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNA、または、5−メチルシトシンおよび5−メトキシウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼ修飾mRNAを、PBS(pH7.4)中で製剤化し、2.5mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに筋肉内または皮下投与した。撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。2時間、8時間および24時間でマウスを撮像した。筋肉内投与に対する平均総流量(光子/秒)を表134に示し、皮下投与に対する平均総流量(光子/秒)を表135に示す。バックグラウンドシグナルは約3.84E+05(p/s)であった。筋肉内投与に対するピーク発現は、全ての化学物質に対して24〜48時間の間で見られ、120時間でもまだ発現が検出された。皮下送達に対しては、ピーク発現は2〜8時間で見られ、発現は72時間でも検出された。実施例89.インビボ試験 少なくとも1つの化学的修飾を含有するルシフェラーゼ修飾mRNAを、シリンジポンプ法を用いて脂質ナノ粒子(LNP)として製剤化し、その粒子サイズ、ゼータ電位、および封入の特性を明らかにする。 表136に示すように、ルシフェラーゼLNP製剤を、Balb−Cマウスに筋肉内(I.M.)、静脈内(I.V.)または皮下(I.C.)に投与する。PBS中で製剤化される対照ルシフェラーゼ修飾RNAは、マウスに静脈内投与される。 2、8、24、48、120および192時間でマウスを撮像し、生体発光を測定する(マウス全体の総流量(光子/秒)として測定)。8時間または192時間で、肝臓、脾臓、腎臓ならびに、皮下投与および筋肉内投与の注射部位を撮像し、生体発光を測定する。実施例90.化学的修飾mRNAのカチオン性脂質製剤試験 5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(5mC/pU)、またはシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(pU)、またはN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(N1mpU)を、表137に記述されるカチオン性脂質中で製剤化した。その製剤を、0.05mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の2時間、8時間および24時間後でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して測定した。バックグラウンド流量は約4.11E+05 p/sであった。画像撮影の結果を表138に示す。3つすべての検証経路に対するピーク発現は8時間で見られた。実施例91.化学的修飾mRNAの試験 N4−アセチルシチジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)(N4−acetyl)、5−メトキシウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(5meth)、N4−アセチルシチジンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(N4−aceryl/N1mpU)、または、5−メチルシトシンおよび5−メトキシウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(5mC/5−meth)を、表139に記述されるようにDLin−MC3−DMA中で製剤化した。その製剤を、0.05mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)投与した。 撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射した。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行った。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定した。投与の2時間、6時間および24時間後でマウスを撮像し、平均総流量(光子/秒)を、各投与経路およびカチオン性脂質製剤に対して測定した。バックグラウンド流量は約2.70+05p/sであった。画像撮影の結果を表140に示す。実施例92.PLGAマイクロスフェア A.PLGAマイクロスフェアの合成 ポリラクチックグリコール酸(PLGA)マイクロスフェアを、当分野で公知の水/油/水の二重乳化法を用いて、PLGA−エステルキャップ(Lactel、Cat# B6010−2、固有粘度0.55−0.75、50:50 LA:GA)、またはPLGA−酸キャップ(Lactel、Cat#B6013−2、固有粘度0.55−0.75、50:50 LA:GA)、ポリビニルアルコール(PVA)(Sigma、Cat# 348406−25G、MW 13−23k)ジクロロメタンおよび水を用いて、合成した。簡潔に言うと、水に4mg/mlで溶解したmRNA(W1)の0.4mlを、ジクロロメタン(DCM)に50〜200mg/mlのPLGAの濃度範囲で溶解したPLGA(O1)の2mlに添加した。W1/O1のエマルションを、スピード4(約15,000rpm)で30秒間、均質化した(IKA Ultra−Turrax Homogenizer、T18)。次いで、W1/O1エマルションに、250mlの1%PVA(W2)を加え、スピード5(約19,000rpm)で、1分間、均質化した。製剤を、3時間、攪拌させ、次いで、100μmのナイロンメッシュストレイナー(Fisherbrand Cell Strainer, Cat # 22−363−549)を通して、大きな凝集塊を除去し、最後に、遠心(10分間、9,250rpm、4℃)により洗浄した。上清を棄て、PLGAペレットを、5〜10mlの水に再懸濁し、これを2回繰り返した。洗浄された製剤を、液体窒素中で凍結させ、次いで、2〜3日間、凍結乾燥させた。 B.均質化スピードまたはPLGA濃度の減少 PLGAルシフェラーゼマイクロスフェア(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)を、上述の条件を用いて、エステルキャップされたPLGAで作製した。水での洗浄および再懸濁の後、100〜200μlのPLGAマイクロスフェア試料を用いて、レーザー回析(Malvern Mastersizer2000)により製剤の粒子サイズを計測した。200mg/mlのPLGA濃度で、第一のエマルションを第二のエマルションに添加する間の均質化スピードを下げることにより作製されたマイクロスフェアの粒子サイズを、表141に示し、第一のエマルションを第二のエマルションに添加する間の均質化のスピードは5で、ジクロロメタン(DCM)に溶解したPLGAの濃度を下げることにより作製されたマイクロスフェアの粒子サイズを表142に示す。 酸またはエステルキャップ化された、固有粘度0.55〜0.75を有するPLGAを用いて、表143に示されるマイクロスフェアを作製した。マイクロスフェアの粒子サイズおよび放出速度もまた測定し、表143にその結果を示す。 C.PLGAマイクロスフェア中に封入された修飾mRNAの放出試験 ルシフェラーゼ修飾RNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)で製剤化されたPLGAマイクロスフェアを脱製剤化し、抽出された修飾RNAの完全性を、自動化電気泳動(Bio−Rad Experion)により測定した。凍結乾燥の後、約10mgのPLGA MSを2mlのエッペンドルフチューブ内に量り入れ、1mlのDCMを添加し、2〜6時間、試料を振とうさせることにより脱製剤化した。0.5mlの水を添加し、一晩、試料を振とうさせることにより脱製剤化PLGAマイクロスフェアからmRNAを抽出した。水に溶解した非製剤化ルシフェラーゼmRNA(Deform対照)を、DCMに注ぎ、脱製剤化プロセスを経て、対照として用いた。抽出された修飾mRNAを、非製剤化修飾mRNAおよび脱製剤化対照に対して比較し、封入修飾mRNAの完全性を検証した。脱製剤化対照(Deform対照)および非製剤化対照(Unform対照)と比較して、修飾RNAの大部分は、バッチID A、B、C、D、Eに対して損なわれていなかった。 D.PLGAマイクロスフェア中で封入された修飾mRNAの放出試験 ルシフェラーゼ修飾RNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ160ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびシュードウリジンで完全に修飾)で製剤化されたPLGAマイクロスフェアを、2重、または3重で、80mg/mlのPLGAマイクロスフェア濃度まで、TE緩衝液中で再懸濁した。再懸濁の後、試料を、試験を行う間、37℃でインキュベートおよび振とうさせ続けた。各時点(0.04、0.25、1.2、4および7日)で、チューブを遠心し、上清を除去し、ペレットを0.25mlの新しいTE緩衝液中に再懸濁した。PLGAマイクロスフェアから放出された修飾RNAの量を測定するために、上清中の修飾RNA濃度をOD260で測定した。表144に示す放出%は、各試料中の修飾RNAの総量に基づき算出された。mRNA製剤の放出率は、粒子サイズ、PLGA濃度、およびエステル末端キャップ対する酸末端キャップの変化で調整することができる。 E.ルシフェラーゼPLGAマイクロスフェア インビボ試験 5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNA(配列番号16にmRNA配列を示す;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1)、またはN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾されたルシフェラーゼmRNAを含有するPLGAマイクロスフェアを、表145に記述されるように製剤化し、マウスに皮下注射する。撮像の20分前に、D−ルシフェリン溶液を150mg/kgでマウスに腹腔内注射する。次いで、動物を麻酔し、IVIS Lumina II imaging system (Perkin Elmer)で画像撮影を行う。生体発光を、マウス全体の総流量(光子/秒)として測定する。実施例93.緩衝液製剤 修飾mRNAを水ベースの緩衝液中で製剤化してもよい。生物系に類似している緩衝液は、伝統的に等張のものである。そのような緩衝剤および緩衝溶液は、以下のガイドラインに従い調製されてもよい。例となる成分を表146に示す。 いくつかの実施形態において、カルシウムイオンを、製剤のための緩衝溶液に加えてもよい。実施例94.複数の修飾mRNAを含有する脂質ナノ粒子 EPOmRNA(配列番号9;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)、G−CSFmRNA(配列番号6;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)、およびIX因子mRNA(配列番号10;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)を、表147に記述されるようにDLin−MC3−DMA中で製剤化する。その製剤を、0.05mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)に投与する。対照LNP製剤(1つのmRNAのみを含有)もまた、等量を投与する。 製剤の投与後、8時間、24時間、72時間および/または7日でマウスから血清を採取する。血清をELISAで分析し、EPO、G−CSF、およびIX因子のタンパク質発現を測定する。実施例95.5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジン修飾mRNAのカチオン性脂質製剤試験 EPOmRNA(配列番号9;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)、または、G−CSFmRNA(配列番号6;およそ140ヌクレオチドのポリAテールは配列中に示していない;5´キャップ、キャップ1;5−メチルシトシンおよびN1−メチルシュードウリジンで完全に修飾)を、表148に記述されるように、DLin−MC3−DMAおよびDLin−KC2−DMA中で製剤化する。その製剤を、0.05mg/kgの用量で、Balb−Cマウスに静脈内(I.V.)、筋肉内(I.M.)または皮下(I.C.)に投与する。 製剤の投与後、8時間、24時間、72時間および/または7日でマウスから血清を採取する。血清をELISAで分析し、EPOおよびG−CSFのタンパク質発現を測定する。実施例96.シュードウリジンおよびN1−メチルシュードウリジンの指向性SAR 近年、ピリミジンヌクレオシドシュードウリジンに注目が集まり、シュードウリジンまたはN1−メチルシュードウリジンへの修飾を含有するmRNAを調べるための一連の構造活性試験が設計されている。 その試験は、修飾がN1位、C6位、2位、4位およびリン酸主鎖上で作製された場合の鎖長、脂溶性増加、環構造の存在および疎水性または親水性相互作用の変化の影響を研究するよう設計された。安定性もまた調査される。 この目的のために、アルカリ化、シクロアルカリ化、アルキル−シクロアルキル化、アリール化、アルキル−アリール化、アミノ基を伴うアルキル化部分、カルボキシル酸基を有するアルキル化部分、およびアミノ酸電荷部分を含有するアルキル化部分を含む修飾が調査される。アルキル化の程度は、通常、C1−C6である。化学的修飾の例を、表149および表150に列挙する。実施例97.天然のヌクレオシドおよび非天然のヌクレオシドの組み込み 天然のヌクレオシドおよび非天然のヌクレオシドを、対象のポリペプチドをコードしているmRNAへと組み込む。これらの例として、表151および152を示す。ある種の市販ヌクレオシド三リン酸(NTP)を、本発明のポリヌクレオチドで調査する。これらの選択を、表152に示す。次いで、得られたmRNAについて、タンパク質産生、サイトカイン誘導、および/または治療効果を生み出す能力を検証する。実施例98.核酸塩基および炭水化物(糖)への修飾の組み込み 天然のヌクレオシドおよび非天然のヌクレオシドを、対象のポリペプチドをコードしているmRNAへと組み込む。核酸塩基および炭水化物(糖)の両方への修飾を有する市販のヌクレオシドおよびNTPを、mRNAへと組み込まれる能力、タンパク質を産生する能力、サイトカインを誘導する能力、および/または治療効果を生み出す能力に対して検証する。これらのヌクレオシドの例を表153および表154に示す。 表において、「UTP」はウリジン三リン酸を表し、「GTP」はグアノシン三リン酸を表し、「ATP」はアデノシン三リン酸を表し、「CTP」はシトシン三リン酸を表し、「TP」はトリリン酸を表し、「Bz」はベンジルを表す。 用いられている文言は、制限ではなく記述のための文言であり、そして、より広い解釈にある本発明の真の範囲および精神から逸脱することなく、添付のクレームの範囲内で変更がありうることが理解される。 本発明が記述されるいくつかの実施態様に関して、ある程度詳細に、およびある具体性で記述されているが、本発明は、任意のそのような詳細事項もしくは実施態様、または特定の実施態様に限定される意図はなく、先行技術を考慮して、最も広く、可能性のある解釈を提示し、本発明の意図される範囲を有効に包含する、添付のクレームに本発明は準拠するとみなされる。 本明細書において言及されるすべての公表文献、特許出願、特許および他の参考文献は、その全体が参照により援用される。矛盾が生じる場合、本明細書(定義を含む)が優先される。さらに、項目の表題、材料、方法および実施例は、例示説明のみを目的としており、限定の意図は無い。 哺乳動物細胞または組織において目的のポリペプチドを産生する方法であって、前記哺乳動物細胞または組織を目的のポリペプチドをコードする修飾mRNAを含む製剤に接触させることを含み、製剤はナノ粒子、ポリ(酪酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)マイクロスフェア、リピドイド、リポプレックス、リポソーム、ポリマー、(単糖を含む)炭水化物、カチオン性脂質、フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、フィブリン糊、フィブリンシーラント、フィブリノゲン、トロンビン、速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNPs)およびそれらの組合せからなる群より選択される、方法。 修飾mRNAが精製されたIVT転写物を含む、請求項1に記載の方法。 修飾mRNAを含む製剤がナノ粒子であり、前記ナノ粒子は少なくとも1つの脂質を含む、請求項1に記載の方法。 脂質がDLin−DMA、DLin−K−DMA、98N12−5、C12−200、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMA、DODMA、PLGA、PEG、PEG−DMGおよびペグ化脂質からなる群より選択される、請求項3に記載の方法。 脂質がカチオン性脂質である、請求項3に記載の方法。 カチオン性脂質がDLin−DMA、DLin−K−DMA、DLin−MC3−DMA、DLin−KC2−DMAおよびDODMAからなる群より選択される、請求項5に記載の方法。 脂質の修飾mRNAに対する重量比が10:1から30:1である、請求項3に記載の方法。 修飾mRNAを含むナノ粒子製剤の平均寸法が60〜225nmである、請求項7に記載の方法。 修飾mRNAを含むナノ粒子製剤のPDIが0.03〜0.15である、請求項8に記載の方法。 脂質のゼータ電位がpH7.4で−10〜+10である、請求項3に記載の方法。 修飾mRNAを含むナノ粒子製剤が融合性脂質、コレステロールおよびPEG脂質をさらに含む、請求項7に記載の方法。 修飾mRNAを含むナノ粒子製剤がモル比50:10:38.5:1.5〜3.0(カチオン性脂質:融合性脂質:コレステロール:PEG脂質)を有する、請求項11に記載の方法。 PEG脂質がPEG−c−DOMGおよびPEG−DMGから選択され、融合性脂質がDSPCである、請求項12に記載の方法。 接触させることが、シリンジポンプ、内部浸透圧ポンプおよび外部浸透圧ポンプからなる群より選択される装置の使用による、請求項1に記載の方法。 修飾mRNAを含む製剤がポリ(酪酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)マイクロスフェアである、請求項1に記載の方法。 修飾mRNAを含むPLGAマイクロスフェア製剤のマイクロスフェアの寸法が4〜20μmである、請求項15に記載の方法。 修飾mRNAを含むPLGAマイクロスフェア製剤が、48時間で修飾mRNAの50%未満を放出する、請求項15に記載の方法。 修飾mRNAを含むPLGAマイクロスフェア製剤が血清中で安定である、請求項15に記載の方法。 安定性が90%血清中の非製剤の修飾mRNAに対し決定される、請求項18に記載の方法。 負荷重量パーセントが少なくとも0.05%、少なくとも0.1%、少なくとも0.2%、少なくとも0.3%または少なくとも0.4%である、請求項15に記載の方法。 PLGAマイクロスフェア中修飾mRNAの封入効率が少なくとも50%である、請求項15に記載の方法。 PLGAマイクロスフェア中修飾mRNAの封入効率が少なくとも70%である、請求項15に記載の方法。 PLGAマイクロスフェア中修飾mRNAの封入効率が少なくとも90%である、請求項15に記載の方法。 PLGAマイクロスフェア中修飾mRNAの封入効率が少なくとも97%である、請求項15に記載の方法。 前記哺乳動物細胞または組織を接触させることが、静脈内、筋肉内、硝子体内、くも膜下腔内、腫瘍内、肺および皮下からなる群より選択される投与経路により生じる、請求項11に記載の方法。 目的のポリペプチドが、接触後72時間まで、接触前よりも高いレベルで血清中に検出可能である、請求項25に記載の方法。 目的のポリペプチドが、男性対象の血清中よりも高レベルで女性対象の血清中に検出可能である、請求項26に記載の方法。 製剤が第2修飾mRNAをさらに含む、請求項1に記載の方法。 製剤が第3修飾mRNAをさらに含む、請求項28に記載の方法。 修飾mRNAを含む製剤が、速やかに排出される脂質ナノ粒子を含む、請求項1に記載の方法。 速やかに排出される脂質ナノ粒子が、reLNP脂質、融合性脂質、コレステロールおよびPEG脂質をモル比50:10:38.5:1.5(reLNP脂質:融合性脂質:コレステロール:PEG脂質)で含む、請求項30に記載の方法。 融合性脂質がDSPCであり、PEG脂質がPEG−c−DOMGである、請求項31に記載の方法。 reLNP脂質が、内部エステルを有するDLin−DMA、末端エステルを有するDLin−DMA、内部エステルを有するDLin−MC3−DMA、および末端エステルを有するDLin−MC3−DMAからなる群より選択される、請求項31に記載の方法。 全脂質の修飾mRNAに対する重量比が10:1から30:1である、請求項30に記載の方法。 接触させることが、分割投与スケジュールを用いる注入により生じる、請求項1に記載の方法。 注入が、皮内スペース、表皮、皮下組織および筋肉からなる群より選択される組織に対し行われる、請求項35に記載の方法。 修飾mRNAを含む製剤がフィブリンシーラントを含む、請求項1に記載の方法。 修飾mRNAを含む製剤がリピドイドを含み、脂質がC12−200および98N12−5からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。 修飾mRNAを含む製剤がポリマーであり、前記ポリマーは、ヒドロゲルまたは外科用シーラントの層でコーティングされ、被覆され、囲包され、封入され、またはそれを含む、請求項1に記載の方法。 ポリマーがPLGA、エチレン酢酸ビニル、ポロクサマーおよびGELSITE(登録商標)からなる群より選択される、請求項39に記載の方法。 ポリマー、ヒドロゲルまたは外科用シーラントの追加の層をさらに含む、請求項40に記載の方法。 修飾mRNAが、キャップ0、キャップ1、ARCA、イノシン、N1−メチル−グアノシン、2’フルオロ−グアノシン、7−デアザ−グアノシン、8−オキソ−グアノシン、2−アミノ−グアノシン、LNA−グアノシンおよび2−アジド−グアノシンからなる群より選択される少なくとも1つの5’末端キャップを含む、請求項2に記載の方法。 5’末端キャップがキャップ1である、請求項42に記載の方法。 修飾mRNAが少なくとも2つの修飾を含む、請求項43に記載の方法。 少なくとも2つの修飾が、5−メチルシチジン、シュードウリジンおよび1−メチル−シュードウリジンからなる群より独立して選択される、請求項44に記載の方法。 目的のポリペプチドを哺乳動物細胞または組織において産生する方法であって、前記哺乳動物細胞または組織を目的のポリペプチドをコードする修飾mRNAを含む緩衝製剤と接触させることを含む、方法。 緩衝製剤が、食塩水、リン酸緩衝食塩水および乳酸リンゲル液からなる群より選択される、請求項46に記載の方法。 緩衝製剤が、1〜10mMのカルシウム濃度を有する、請求項46に記載の方法。 修飾mRNAが精製されたIVT転写物を含む、請求項46に記載の方法。 前記哺乳動物細胞または組織を接触させることが、静脈内、筋肉内、硝子体内、くも膜下腔内、腫瘍内、肺および皮下からなる群より選択される投与経路により生じる、請求項46に記載の方法。 前記目的のポリペプチドが、接触部位から全身的部位の前記細胞または組織において産生される、請求項25から50のいずれか一項に記載の方法。 投与経路が筋肉内または皮下のいずれかである、請求項51に記載の方法。 脂質ナノ粒子製剤がシーラント内でさらに製剤される、請求項3に記載の方法。 前記シーラントがフィブリンシーラントである、請求項53に記載の方法。 霊長類において薬理効果を生じる方法であって、前記霊長類を製剤された目的のポリペプチドをコードする修飾mRNAを含む組成物と接触させることを含む、方法。 修飾mRNAが精製されたIVT転写物を含む、請求項55に記載の方法。 製剤が、ナノ粒子、ポリ(乳酸−グリコール酸共重合体)(PLGA)マイクロスフェア、リピドイド、リポプレックス、リポソーム、ポリマー、(単糖を含む)炭水化物、カチオン性脂質、フィブリンゲル、フィブリンヒドロゲル、フィブリン糊、フィブリンシーラント、フィブリノゲン、トロンビン、速やかに排出される脂質ナノ粒子(reLNP)およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項56に記載の方法。 薬理効果が、薬理効果を生ずることが知られている治療剤に関連する前記薬理効果よりも高い、請求項57に記載の方法。 薬理効果が、目的のポリペプチドをコードする製剤されていない修飾mRNAを含む組成物が生じる薬理効果よりも高い、請求項57に記載の方法。 薬理効果が、目的のポリペプチドをコードする製剤の非修飾mRNAを含む組成物が生じる薬理効果よりも高い、請求項57に記載の方法。 薬理効果が、疾患、障害、病状または感染の治療上有効な結果をもたらす、請求項57に記載の方法。 薬理効果が、細胞数の変化、血清化学の改変、酵素活性の改変、ヘモグロビンの増加およびヘマトクリットの増加からなる群より選択される、請求項61に記載の方法。 治療上有効な結果が、治療、1つ以上の症状の改善、診断、予防および発症の遅延からなる群より選択される、請求項62に記載の方法。 本開示は、特に、タンパク質、タンパク質前駆体、またはタンパク質もしくはタンパク質前駆体の部分的もしくは全体的加工型をコードし得る修飾核酸分子を含む製剤された組成物を提供する。製剤された組成物は、修飾核酸分子および送達剤をさらに含み得る。本発明は、細胞の官能基および/または活性を改変できるポリペプチドをコードするのに有用な核酸をさらに提供する。 配列表


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る