生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_抗癌剤
出願番号:2014547009
年次:2015
IPC分類:A61K 31/198,A61K 33/14,A61P 35/00,A61P 43/00,A61K 45/00


特許情報キャッシュ

山口 慶枝 平野 栄一 井上 慎二郎 小林 巧 山口 俊平 森永 哲夫 JP 5747183 特許公報(B2) 20150522 2014547009 20131113 抗癌剤 株式会社日本生物製剤 597044704 長谷川 芳樹 100088155 清水 義憲 100128381 木元 克輔 100126653 山口 慶枝 平野 栄一 井上 慎二郎 小林 巧 山口 俊平 森永 哲夫 JP 2012251324 20121115 20150708 A61K 31/198 20060101AFI20150618BHJP A61K 33/14 20060101ALI20150618BHJP A61P 35/00 20060101ALI20150618BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150618BHJP A61K 45/00 20060101ALI20150618BHJP JPA61K31/198A61K33/14A61P35/00A61P43/00 121A61K45/00 A61K 31/198 A61K 33/14 A61K 45/00 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) 必須アミノ酸研究,日本,1999年 1月,Vol.154,P.27-30 必須アミノ酸研究,日本,1996年11月,No.146,P.84-87 12 JP2013080712 20131113 WO2014077289 20140522 15 20141023 中尾 忍 本発明は、抗癌剤に関する。 腫瘍成長及び/又は転移の予防的及び/又は治療的処置のための医薬又は栄養剤の製造における、グリシン、アラニン及びセリンから成る群から選択される少なくとも1つのアミノ酸又は生理学的に許容されるその塩の使用について報告されている(特許文献1)。特表2000−515874号公報 本発明は新たな抗癌剤を提供することを目的とする。 上記目的を達成するため、本発明者らが鋭意研究を重ねた結果、グルタミン酸及びアスパラギン酸を有する混合物が癌細胞増殖抑制作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち、本発明は以下の[1]〜[16]を提供する。[1]グルタミン酸及びアスパラギン酸を有効成分として含有する抗癌剤。[2]各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸=1〜10:1〜10である、[1]に記載の抗癌剤。[3]各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸=1〜2:1〜2である、[1]に記載の抗癌剤。[4]グルタミン酸の濃度が1〜120mM、かつ、アスパラギン酸の濃度が1〜120mMの液剤である、[1]に記載の抗癌剤。[5]グルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩を有効成分として含有する抗癌剤。[6]ナトリウム塩は塩化ナトリウムである、[5]に記載の抗癌剤。[7]各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜10:1〜10:4〜40である、[5]又は[6]に記載の抗癌剤。[8]各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜2:1〜2:4〜8である、[5]又は[6]に記載の抗癌剤。[9]グルタミン酸の濃度が1〜7mM、アスパラギン酸の濃度が1〜7mM、かつ、ナトリウム塩の濃度が1.5〜18mMの液剤である、[5]又は[6]に記載の抗癌剤。[10]グルタミン酸、アスパラギン酸、ナトリウム塩、及び、カルシウム塩を有効成分として含有する抗癌剤。[11]ナトリウム塩は塩化ナトリウムであり、カルシウム塩は塩化カルシウムである、[10]に記載の抗癌剤。[12]各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜10:1〜10:4〜40:1〜10である、[10]又は[11]に記載の抗癌剤。[13]各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜2:1〜2:4〜8:1〜2である、[10]又は[11]に記載の抗癌剤。[14]グルタミン酸の濃度が1〜7mM、アスパラギン酸の濃度が1〜7mM、ナトリウム塩の濃度が1.5〜18mM、かつ、カルシウム塩の濃度が0.3〜3000μMの液剤である、[10]又は[11]に記載の抗癌剤。[15]癌が、肝癌、大腸癌、又は膵癌である、[1]〜[14]に記載の抗癌剤。[16](A)[1]〜[14]に記載の抗癌剤と、(B)油性造影剤と、を含む、肝動脈化学塞栓療法用キット。 本発明の抗癌剤は、副作用が少なく、かつ、有効な抗癌作用を示す。各種アミノ酸のHepG2に対する癌細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。アミノ酸濃度を一定とし塩化ナトリウム及び塩化カルシウムの濃度を変化させた場合の、肝癌細胞及び正常肝細胞に対する細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。EDSCA及び既存の抗癌剤(MMC、5−FU、CDDP)の肝癌細胞及び正常肝細胞に対する細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。EDSCAのヒト肝癌細胞及びその他のヒト癌細胞に対する癌細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。EDSCAの各種癌細胞に対する癌細胞増殖抑制活性をSRBアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。EDSCAのin vivoにおける癌細胞増殖抑制活性をWinn assay法により測定した結果を示したグラフである。1〜3群のVX2肝臓担癌家兎に対照物質又は被験物質を投与後7日目の各群の肝腫瘍増殖率を示したグラフである。 以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。 本発明の一実施形態に係る抗癌剤は、グルタミン酸及びアスパラギン酸を含有する。 グルタミン酸としては、グルタミン酸及び/又はその塩を用いることができる。グルタミン酸は公知の化合物で、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。また、グルタミン酸の塩としては、薬理学的又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような塩として具体的には、無機塩基との塩[例えば、アンモニウム塩;アルカリ金属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(カルシウム、マグネシウム等)、アルミニウム等の金属との塩]、有機塩基との塩[例えば、メチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、ピペラジン、ピロリジン、トリピリジン、ピコリン等の有機アミンとの塩]が挙げられる。 なお、グルタミン酸及び/又はその塩には、水和物の形態のものも含まれる。また、グルタミン酸及び/又はその塩は、D体、L体及びDL体のいずれであってもよい。 これらのグルタミン酸及び/又はその塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。この中でも、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、グルタミン酸及び/又はその塩として、L体のグルタミン酸及び/又はその塩を好適に用いることができる。 本実施形態に係る抗癌剤が液剤である場合において、グルタミン酸の濃度は特に限定されず、使用されるグルタミン酸の種類、併用されるアスパラギン酸の種類及び濃度、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。 液剤におけるグルタミン酸の濃度としては、生体内で癌細胞の増殖を有効に抑制し、かつ副作用を少なくするという観点から、1〜120mMであることが好ましく、1〜100mMであることがより好ましく、15〜30mMであることがさらに好ましい。 アスパラギン酸としては、アスパラギン酸及び/又はその塩を用いることができる。アスパラギン酸は公知の化合物で、公知の方法により合成してもよく市販品として入手することもできる。また、アスパラギン酸の塩としては、薬理学的又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このような塩としては、上記グルタミン酸の塩と同様のものを挙げることができる。 なお、アスパラギン酸及び/又はその塩には、水和物の形態のものも含まれる。また、アスパラギン酸及び/又はその塩は、D体、L体及びDL体のいずれであってもよい。 これらのアスパラギン酸及び/又はその塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。この中でも、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、アスパラギン酸及び/又はその塩として、L体のアスパラギン酸及び/又はその塩を好適に用いることができる。 本実施形態に係る抗癌剤が液剤である場合において、アスパラギン酸の濃度は特に限定されず、使用されるアスパラギン酸の種類、併用されるグルタミン酸の種類及び濃度、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。 液剤におけるアスパラギン酸の濃度としては、生体内で癌細胞の増殖を有効に抑制し、かつ副作用を少なくするという観点から、1〜120mMであることが好ましく、1〜100mMであることがより好ましく、15〜30mMであることがさらに好ましい。 本実施形態に係る抗癌剤に含まれるグルタミン酸及びアスパラギン酸のモル比率は、特に制限されず、使用されるグルタミン酸及びアスパラギン酸の種類、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。上記抗癌剤に含まれる各有効成分のモル比率としては、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、グルタミン酸:アスパラギン酸=1〜10:1〜10であることが好ましく、グルタミン酸:アスパラギン酸=1〜2:1〜2であることがさらに好ましい。 本発明の別の実施形態に係る抗癌剤は、グルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩を含有する。 本実施形態に係る抗癌剤が液剤である場合において、グルタミン酸の濃度は特に限定されず、使用されるグルタミン酸の種類、併用されるアスパラギン酸の種類及び濃度、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。 液剤におけるグルタミン酸の濃度としては、癌細胞の増殖を有効に抑制し、かつ副作用を少なくするという観点から、1〜7mMであることが好ましく、2〜5mMであることがより好ましく、3〜4mMであることがさらに好ましい。 また、本実施形態に係る抗癌剤が液剤である場合において、アスパラギン酸の濃度は特に限定されず、使用されるアスパラギン酸の種類、併用されるグルタミン酸の種類及び濃度、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。 液剤におけるアスパラギン酸の濃度としては、癌細胞の増殖を有効に抑制し、かつ副作用を少なくするという観点から、1〜7mMであることが好ましく、2〜5mMであることがより好ましく、3〜4mMであることがさらに好ましい。 ナトリウム塩としては、薬理学的又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このようなナトリウム塩としては、例えば、塩化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、クエン酸三ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酒石酸水素ナトリウム、パントテン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルタミン酸ナトリウム、及びアスパラギン酸ナトリウムが挙げられる。これらのナトリウム塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。この中でも、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、ナトリウム塩として、塩化ナトリウムを好適に用いることができる。 本実施形態に係る抗癌剤が液剤である場合において、ナトリウム塩の濃度は、特に限定されず、使用されるナトリウム塩の種類、併用されるグルタミン酸及びアスパラギン酸の種類及び濃度、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。 液剤におけるナトリウム塩の濃度としては、抗癌剤の癌細胞増殖抑制活性を促進させるという観点から、1.5〜18mMであることが好ましく、6〜18mMであることがより好ましく、12〜18mMであることがさらに好ましい。 本実施形態に係る抗癌剤に含まれるグルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩のモル比率は、特に制限されず、使用されるグルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩の種類、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。上記抗癌剤に含まれる各有効成分のモル比率としては、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜10:1〜10:4〜40であることが好ましく、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜4:1〜4:2〜16であることがより好ましく、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜2:1〜2:4〜8:1〜2であることがさらに好ましい。 本発明のさらに別の実施形態に係る抗癌剤は、さらに、カルシウム塩を含有していてもよい。 カルシウム塩としては、薬理学的又は生理学的に許容されるものであれば、特に制限されない。このようなカルシウム塩としては、例えば、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、酢酸カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸三カルシウム、リン酸一水素カルシウム、リン酸二水素カルシウム、クエン酸カルシウム、パントテン酸カルシウム、グルコン酸カルシウム、グルタミン酸カルシウム、アスパラギン酸カルシウム、及びレブリン酸カルシウム二水和物が挙げられる。これらのカルシウム塩は、1種単独で使用してもよく、また2種以上を任意に組み合わせて使用してもよい。この中でも、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、カルシウム塩として、塩化カルシウムを好適に用いることができる。 本実施形態に係る抗癌剤が液剤の場合において、カルシウム塩の濃度は特に限定されず、使用されるカルシウム塩の種類、併用されるグルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩の種類及び濃度、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。 液剤におけるカルシウム塩の濃度としては、抗癌剤の癌細胞増殖抑制活性を促進させるという観点から、0.3〜3000μMであることが好ましく、30〜3000μMであることがより好ましく、300〜3000μMであることがさらに好ましい。 本実施形態に係る抗癌剤に含まれるグルタミン酸、アスパラギン酸、ナトリウム塩、及び、カルシウム塩のモル比率は、特に制限されず、使用されるグルタミン酸、アスパラギン酸、ナトリウム塩、及び、カルシウム塩の種類、該抗癌剤の用途、製剤形態、使用方法等に応じて適宜設定される。上記抗癌剤に含まれる各有効成分のモル比率としては、癌細胞の増殖を有効に抑制するという観点から、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜10:1〜10:4〜40:1〜10であることが好ましく、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜4:1〜4:2〜16:1〜4であることがより好ましく、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜2:1〜2:4〜8:1〜2であることがさらに好ましい。 本実施形態に係る抗癌剤は、例えば、肝癌、乳癌、骨髄性白血病、肺癌、大腸癌、膵癌、皮膚癌、結腸直腸癌、前立腺癌、黒色腫、脳腫瘍、リンパ腫、膀胱癌、多発性骨髄腫、腎細胞癌、T細胞リンパ腫、胃癌、子宮癌、子宮頸癌、子宮内膜癌、卵巣癌、食道癌、頭頸部扁平上皮癌、食道癌、小腸癌、甲状腺癌、尿路癌、絨毛癌、咽頭癌、喉頭癌、胸膜腫、及び男性胚腫に適用できる。この中でも、強い癌細胞増殖抑制活性を示すという観点から、本実施形態に係る抗癌剤を、肝癌、乳癌、骨髄性白血病、肺癌、大腸癌、膵癌、又は皮膚癌に適用することが好ましく、肝癌、乳癌、肺癌、大腸癌、皮膚癌、又は膵癌に適用することがより好ましく、肝癌、乳癌、大腸癌、又は膵癌に適用することがさらに好ましい。 本実施形態に係る抗癌剤は、ヒト及び動物に対して、非経口的に安全に投与できる。非経口的投与としては、例えば、静脈注射、動脈注射、筋肉注射、皮下注射、皮内注射、腹腔内注射、脊髄内注射、硬膜外注射、経皮投与、経肺投与、経鼻投与、経腸投与、及び経粘膜投与等が挙げられる。 また、本実施形態に係る抗癌剤の剤形としては、例えば、注射剤(皮下注射剤、皮内注射剤、静脈内注射剤、筋肉内注射剤、及び腹腔内注射剤等)、外用剤(経皮製剤、及び軟膏剤等)、外用液剤(注入剤、湿布剤、及び塗布剤等)、及び徐放性製剤(徐放性マイクロカプセル等)等が挙げられる。 さらに、本実施形態に係る抗癌剤をコラーゲン、ゼラチン、ポリ乳酸、及びポリグリコール酸等の生体吸収性高分子のハイドロゲル又はマイクロカプセル中に封入し、これを皮下、臓器内、筋肉、又は腹腔等の局部に注射又は埋め込む等して用いることも可能である。 本実施形態に係る抗癌剤は、癌細胞の増殖を有効に抑制し、かつ、副作用が少ないことから、動脈化学塞栓療法用の抗癌剤として好適に用いることができる。本実施形態に係る抗癌剤を用いた動脈化学塞栓療法の態様は、特に制限されないが、例えば、腫瘍に関与する動脈にカテーテルを用いて抗癌剤や塞栓物質を注入する態様が挙げられる。 また、本実施形態に係る抗癌剤を適用する動脈化学塞栓療法としては、特に制限されないが、例えば、肝動脈化学塞栓療法、及び子宮動脈化学塞栓療法が挙げられる。この中でも、癌細胞の増殖を有効に抑制し、かつ、副作用が少ないという観点から、本実施形態に係る抗癌剤を肝動脈化学塞栓療法用の抗癌剤として用いることが好ましい。 なお、肝動脈化学塞栓療法とは、肝臓癌に対して、腫瘍を栄養している肝動脈に抗癌剤、油性造影剤及び塞栓物質を注入し、栄養動脈を塞栓することにより、選択的に肝細胞癌を壊死に導く治療法である。 (A)本実施形態に係る抗癌剤は、(B)油性造影剤を含む、肝動脈化学塞栓療法用キットとして用いることができる。本実施形態に係る抗癌剤は、直接油性造影剤と混合してもよく、一旦水性造影剤に溶解した後に油性造影剤とポンプ法等により混合させてもよい。また、本実施形態に係る抗癌剤と油性造影剤を混合する際にエマルジョン化させてもよい。さらに、上記肝動脈化学塞栓療法用キットには、(A)本実施形態に係る抗癌剤と(B)油性造影剤に加えて、(C)塞栓物質が含まれていてもよい。 本実施形態に用いられる水溶性造影剤としては、例えば、イオヘキソール、イオパミドール、イオキシラン、イオメプロール、イオプロミド、イオベルソール、イオジキサノール、及びイオトロラン等の非イオン性造影剤、イオタラム酸メグルミン、イオタラム酸ナトリウム、及びアミトリゾ酸等のイオン性造影剤が挙げられる。この中でも、リピオドール等の油性造影剤と混合してエマルジョンとした際に安定性が高いという観点から、本実施形態に用いられる水溶性造影剤としては、非イオン性造影剤が好ましく、イオパミドールを用いることがより好ましい。 本実施形態に用いられる(B)油性造影剤としては、例えば、ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルが挙げられる。ヨード化ケシ油脂肪酸エチルエステルとしては、例えば、リピオドールが挙げられる。本実施形態に用いられる油性造影剤としては、肝腫瘍集積性が高く、腫瘍局所に滞留するという観点から、リピオドールが好ましい。 また、本実施形態に用いられる(C)塞栓物質としては、例えば、スポンゼル、ゼルフォーム、ジェルパート等のゼラチンスポンジ、ポリビニルアルコールスポンジ粒子、n−ブチル−2−シアノアクリレート等のシアノアクリレート系材料、金属コイル等のコイル状塞栓物質、及び離脱型バルーンが挙げられる。本実施形態に用いられる塞栓物質としては、一時的な塞栓物質であり、かつ、安全性が高いという観点から、ゼラチンスポンジを用いることが好ましく、その中でもゼルフォーム又はジェルパートを用いることがより好ましい。 本実施形態に係る肝動脈化学塞栓療法用キットには、さらに溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤、安定剤、酸化防止剤等が含まれていてもよい。溶解補助剤としては、特に限定されないが、アルコール(例えば、エタノール、ブタノール等)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、非イオン性界面活性剤(例えば、Tween20、Tween40、Tween60、Tween65、Tween80等)等を用いることができる。また、緩衝剤としては、特に限定されないが、リン酸塩緩衝剤、ホウ酸塩緩衝剤、酢酸ナトリウム緩衝剤などを用いることができる。無痛化剤としては、特に限定されないが、塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等を用いることができ、安定剤としては、特に限定されないが、ベンジルアルコール、ポリエチレングリコール、パラオキシ安息香酸エステル等を用いることができ、酸化防止剤としては、特に限定されないが、アスコルビン酸、ブチル化ヒドロキシトルエン、α−トコフェロール等を用いることができる。[材料]<試薬> マイトマイシンC(ナカライテスク)、シスプラチン(和光純薬工業)、3−(4,5−Dimethylthial−2−yl)−2,5−Diphenyltetrazalium Bromide(MTT)(ナカライテスク)、Sulforhodamine B(SRB)(シグマアルドリッチ)、Trichloroacetic acid(TCA)(ナカライテスク)、L−グルタミン酸(和光純薬工業)、L−アスパラギン酸(和光純薬工業)、塩化ナトリウム(ナカライテスク)、及び塩化カルシウム(ナカライテスク)を用いた。 また、以下でEDSCAとはグルタミン酸(3mM)、アスパラギン酸(3mM)、塩化ナトリウム(12mM)、かつ、塩化カルシウム(3mM)の混合物をいう。<細胞培養> HepG2(肝癌)(理化学研究所;以下RIKENと略記)、HLE(肝癌)(ヒューマンサイエンス研究資源バンク;以下JCRBと略記)、A549(肺癌)(RIKEN)及びMIA PaCa−2(膵臓癌)(JCRB)は10%血清含有DMEM培地、Huh−7(肝癌)(東北大学加齢医学研究所;以下TKGと略す)、MCF−7(乳癌)(TKG)、DLD−1(大腸癌)(JCRB)、及びB16F1(皮膚癌)(RIKEN)は10%血清含有RPMI培地、HL−60(白血病)(TKG)は10%血清含有IMDM培地でそれぞれ培養した。[細胞増殖抑制試験]ヒト肝癌由来細胞 HepG2(1.5×103cells/90μL/well)、Huh−7(4.5×103cells/90μL/well)、HLE(1.0×103cells/90μL/well)を96穴プレートに播種して24時間培養後、被験物質を終濃度10%になるように加え、48時間作用させた後、MTTアッセイ法により被験物質の癌細胞増殖抑制活性を測定した。MTT標識試薬を10μL/well添加し、CO2インキュベーターにて37℃、4時間培養後、テトラゾリウム塩の分解により生じたフォルマザン色素を可溶化し、マルチウェル分光光度計(ELISAリーダー)で570nmの吸光度を測定した。得られる吸光度は生細胞数に比例するため、吸光度から癌細胞の生細胞数を間接的に評価することができる。ポジティヴコントロールにはマイトマイシンC(MMC)を終濃度0.5μg/mLで用いた。ラット正常肝細胞 ラット正常肝細胞の単離はin situコラーゲナーゼ法により行い、単離した細胞を96穴コラーゲンコートプレート(5×104cells/100μL/well)に播種し、5%血清を含むWilliams‘ E培地で一晩培養後、上記と同様の方法で被験物質を作用させ、MTTアッセイ法にて被験物質の細胞増殖抑制活性を評価した。ヒト乳癌、ヒト肺癌、ヒト白血病、ヒト大腸癌、ヒト膵臓癌及びマウス皮膚癌細胞 MCF−7(1.8×103cells/90μL/well)、HL−60(5.0×103cells/90μL/well)、及びA549(1.0×103cells/90μL/well)を96穴プレートに播種し、被験物質を24時間培養後添加し、48時間作用(HL−60のみ96時間)させ、MTTアッセイ法にて評価した。 DLD−1(2.0×103cells/100μL/well)、MIA PaCa−2(2.0×103cells/100μL/well)、及びB16F1(1.5×103cells/100μL/well)を96穴プレートに播種し、上記と同様の方法で被験物質を作用させた後、SRBアッセイ法にて細胞タンパク質含有量に基づき、被験物質の癌細胞増殖抑制活性を測定した。50%TCA溶液を25μL/well添加し、4℃ 1時間インキュベート後、MilliQ水で洗浄・乾燥した。その後0.4%SRB(50μL/well)にて20分染色後、1%酢酸溶液にて洗浄後、10mM Tris溶液にて溶解し、ELISAリーダーで565nmの吸光度を測定した。得られる吸光度は生細胞数に比例するため、吸光度から癌細胞の生細胞数を間接的に評価することができる。<各種アミノ酸のHepG2の癌細胞増殖抑制活性> 図1は、アラニン(Ala)、グリシン(Gly)、グルタミン酸(Glu)、セリン(Ser)、トレオニン(Thr)、及びアスパラギン酸(Asp)をそれぞれ単独でHepG2に加えた場合の癌細胞増殖抑制活性を、MTTアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。上記アミノ酸の濃度を、0.01mM、0.1mM、1mM、2mMとふり、それぞれのアミノ酸の癌細胞増殖抑制活性を測定した。また、ポジティヴコントロールとして、マイトマイシンC(MMC)の濃度を0.5μg/mLとした被験物質をHepG2に加えた場合の癌細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した。 なお、図1の縦軸は、コントロール(Ctr)においてMTTアッセイ法により定量された生細胞の数を基準(100%)として、各種アミノ酸及びマイトマイシンCをHepG2に加えた場合の癌細胞増殖抑制活性を示したものである。 図1から分かるように、特許文献1で腫瘍成長及び/又は転移の予防及び/又は治療措置のために使用されていた、グリシン、アラニン及びセリンには、HepG2に対する癌細胞増殖抑制活性がほとんど認められなかった。これに対し、グルタミン酸、アスパラギン酸を用いた場合には、濃度依存的にHepG2に対して癌細胞増殖抑制活性を示した。<塩化ナトリウム及び塩化カルシウムの濃度と肝癌細胞選択的細胞増殖抑制活性> 図2の範囲Aでは、肝癌細胞(HepG2)及び正常肝細胞に、被験物質のグルタミン酸及びアスパラギン酸の濃度を3mMに固定し、含有させる塩化ナトリウムの濃度を1.5〜18mMまで段階的に変化させて加えた場合の、肝癌細胞及び正常肝細胞に対する細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示している。 図2の範囲Aのグラフから、含有させるナトリウム塩の濃度を1.5から18mMへと上昇させた場合に、肝癌細胞の細胞増殖が、選択的に、かつ、ナトリウム塩の濃度依存的に抑制されることが分かる。 図2の範囲Bでは、肝細胞癌及び正常肝細胞に、被験物質のグルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩の濃度をそれぞれ3mM、3mM、及び、12mMに固定し、含有させる塩化カルシウムの濃度を0.3〜3000μMまで段階的に変化させて加えた場合の、肝癌細胞及び正常肝細胞に対する細胞増殖抑制活性をMTTアッセイにより測定した結果を示している。 また、図2の範囲Cでは、肝癌細胞及び正常肝細胞に、被験物質のグルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩の濃度をそれぞれ3mM、3mM、及び、18mMに固定し、含有させる塩化カルシウムの濃度を0.3〜3000μMまで段階的に変化させて加えた場合の、肝癌細胞及び正常肝細胞に対する細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示している。 図2の範囲B及びCのグラフから、塩化カルシウムが肝癌細胞の細胞増殖抑制活性を選択的に増強させることが分かる。<EDSCAの癌細胞選択的細胞増殖抑制活性> 図3は、EDSCAの肝癌細胞と正常肝細胞に対する細胞増殖抑制活性と、既存の抗癌剤であるMMC、5−FU、CDDPのそれとを比較したグラフである。ここで、図3の縦軸は、コントロール(Ctr)においてMTTアッセイ法で定量した生細胞の数を基準(100%)として、MMC、EDSCA、5−FU、CDDPの細胞増殖抑制活性を示したものである。 図3から、肝癌細胞に対して、EDSCAはMMC、5−FU、CDDPと比較して優れた癌細胞増殖抑制活性を示すことが分かる。また、CDDPは正常肝細胞に対して、肝癌細胞に対するのと同程度の細胞毒性を有することが分かる。他方、MMC及び5−FUの場合は、正常肝細胞に対する細胞毒性が、肝癌細胞に対する細胞毒性に比べて、若干抑制されていることが分かる。そして、EDSCAでは、正常肝細胞に対する細胞毒性が肝癌細胞に対する細胞毒性と比較してさらに顕著に抑制されていることが分かる。このため、EDSCAによる細胞増殖抑制活性は、MMC、5−FU及びCDDPと比較して、癌細胞選択的に発揮されることが分かる。<各種癌細胞に対するEDSCAの癌細胞増殖抑制活性> 図4は、EDSCAのヒト肝癌細胞(HepG2、Huh−7、及びHLE)、ヒト乳癌細胞(MCF−7)、ヒト前骨髄性白血病細胞(HL−60)、及びヒト肺癌細胞(A549)に対する癌細胞増殖抑制活性をMTTアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。 また、図5は、EDSCAのヒト大腸癌細胞(DLD−1)、ヒト膵癌細胞(MIA PaCa−2)、及びマウス皮膚癌細胞(B16F1)に対する癌細胞増殖抑制活性をSRBアッセイ法により測定した結果を示したグラフである。 図4より、EDSCAはHepG2と同様に分化型のヒト肝癌細胞株であるHuh−7のみならず、未分化型のHLEに対しても、強い癌細胞増殖抑制活性を有することが分かる。また、図4及び図5より、肝癌以外のいずれの癌細胞株においても、EDSCAは癌細胞増殖抑制活性を有することが分かる。その中でも、ヒト乳癌細胞、ヒト肺癌細胞、ヒト大腸癌細胞、マウス皮膚癌細胞、及びヒト膵癌細胞に対して強い癌細胞増殖抑制活性を有することが分かる。[Winn assay] 実験動物は5日間の順化を行ったBalb/c(5週齢、雌)を用いた。また、癌の接種には、マウス大腸癌細胞CT−26をP7まで継代したものを用いた。細胞数が、下記表1に記載の各種薬剤を添加した際に、2.5×105cells/0.1mLになるように調整した。調整した細胞に各種薬剤を添加し懸濁した後、これを剃毛したマウスの腹側面に皮下接種した。癌のサイズは1週間に2回の頻度で縦と横の長さをノギスで測定し、腫瘍の体積を1/2×(長辺×短辺2)として数値化した。 なお、表1中、X×EDSCAとは、グルタミン酸(X×3mM)、アスパラギン酸(X×3mM)、塩化ナトリウム(X×12mM)、かつ、塩化カルシウム(X×3mM)の混合物を意味する。 癌細胞を接種後5日目に、全ての群(比較例及び実施例1〜3)において目視で確認できる程度の癌が形成されたため、週に2回の頻度で癌のサイズを計測した。図6の縦軸は腫瘍の体積として見積もられる癌体積(mm3)の値を示し、横軸は癌接種後の経過日数を示す。癌形成が進むにつれPBS群(比較例)の癌体積は4群の中で最も大きな値を示し、EDSCA投与濃度の上昇に伴って癌体積が小さくなる傾向が確認された(図6)。 各群n=5で3回試験を行い、その結果を併せて各群n=15として統計処理を行った。その結果、担癌接種後20日目の時点でPBS投与群に比べ10×EDSCA投与群において癌の増殖が遅延する傾向が認められ、5%水準の有意差があった。このことから、EDSCAがin vivoにおいて癌細胞増殖抑制活性を有することが確認された。[VX2肝臓担癌家兎を用いた抗癌試験]1.材料及び方法<試薬> 生理食塩液(株式会社大塚製薬工場)、リピオドール480注10mL(テルモ株式会社)、Tween20(ナカライテスク株式会社)、注射用水(株式会社大塚製薬工場)を用いた。<動物の準備> Slc:JW/CSKウサギ(日本エスエルシー株式会社、SPF)の雌を14週齢で入荷し、7日間馴化した。15週齢で一般状態に異常のないことを確認した動物を腫瘍(VX2癌細胞)の移植に供した。また、腫瘍移植時から2週間後に一般状態に異常がなく体重の減少が見られないことが確認された動物を群分けに供した。<試験群の構成> 腫瘍の大きさが1〜2cmの動物を下記の通り群分けした(表2)。<投与液の調製> 生理食塩液又は被験物質、リピオドール及びTween20溶液を下記の通り混合した。混合したものを、さらにミキサーによる1分間の撹拌及び超音波による5分間の処理を2回繰り返すことにより1〜3群の投与液を調製した。 陰性対照物質:生理食塩液185μLと、リピオドール1015μLと、Tween20の最終濃度が0.03v/v%となるように調製したTween20溶液24μLとを混合したものを陰性対照物質とした。 被験物質A:アスパラギン酸及びグルタミン酸の最終濃度がそれぞれ30mMとなるように調製した溶液185μLと、リピオドール1015μLと、Tween20の最終濃度が0.03v/v%となるように調製したTween20溶液24μLとを混合したものを被験物質Aとした。 被験物質B:アスパラギン酸及びグルタミン酸の最終濃度がそれぞれ15mMとなるように調製した溶液185μLと、リピオドール1015μLと、Tween20の最終濃度が0.03v/v%となるように調製したTween20溶液24μLとを混合したものを被験物質Bとした。 群分け後、肝動脈内に、各投与液の0.1mL/匹を単回投与した。<体重> 群毎の投与時から解剖時までの体重変化量と体重変化率を表3に示した。 全群で投与後の体重減少が見られたが、1群と2群及び3群との間に統計学的に有意な差は認められなかった。<腫瘍増殖率> 1〜3の各群の平均腫瘍体積、平均腫瘍増殖率を表4に示した。 1群の腫瘍増殖率は355.3%であった。これに対し、2群では全例、3群では3例中2例における腫瘍増殖率がマイナスであった。腫瘍増殖率は2群では−33.9%、3群では−26.3%であった(図7)。 2群及び3群で腫瘍の増殖抑制が認められ、1群と2群及び3群との間に統計学的に有意な差が認められた(**p<0.01)。 腫瘍増殖率について陰性対照である1群と2群及び3群との間に統計的な有意差が認められたことから、被験物質A及びBは、生体内の腫瘍細胞の増殖を抑制する作用を有することが確認された。 グルタミン酸、アスパラギン酸、及び、ナトリウム塩を有効成分として含有する抗癌剤。 ナトリウム塩は塩化ナトリウムである、請求項1に記載の抗癌剤。 各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜10:1〜10:4〜40である、請求項1又は2に記載の抗癌剤。 各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩=1〜2:1〜2:4〜8である、請求項1又は2に記載の抗癌剤。 グルタミン酸の濃度が1〜7mM、アスパラギン酸の濃度が1〜7mM、かつ、ナトリウム塩の濃度が1.5〜18mMの液剤である、請求項1又は2に記載の抗癌剤。 グルタミン酸、アスパラギン酸、ナトリウム塩、及び、カルシウム塩を有効成分として含有する抗癌剤。 ナトリウム塩は塩化ナトリウムであり、カルシウム塩は塩化カルシウムである、請求項6に記載の抗癌剤。 各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜10:1〜10:4〜40:1〜10である、請求項6又は7に記載の抗癌剤。 各有効成分のモル比率が、グルタミン酸:アスパラギン酸:ナトリウム塩:カルシウム塩=1〜2:1〜2:4〜8:1〜2である、請求項6又は7に記載の抗癌剤。 グルタミン酸の濃度が1〜7mM、アスパラギン酸の濃度が1〜7mM、ナトリウム塩の濃度が1.5〜18mM、かつ、カルシウム塩の濃度が0.3〜3000μMの液剤である、請求項6又は7に記載の抗癌剤。 前記癌が、肝癌、大腸癌、又は膵癌である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗癌剤。 (A)請求項1〜10のいずれか一項に記載の抗癌剤と、(B)油性造影剤と、を含む、肝動脈化学塞栓療法用キット。


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