タイトル: | 公表特許公報(A)_グルカゴン様ペプチド−2組成物およびその作製法および使用法 |
出願番号: | 2014526254 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C12N 15/09,A61K 38/00,A61P 1/04,A61P 3/02,A61P 1/00,A61P 1/12,A61P 3/04,A61P 3/10,A61P 37/06,A61P 1/18,A61P 37/08,A61P 31/04,A61P 15/08,C07K 14/605,C12P 21/02,C12N 1/15,C12N 1/19,C12N 1/21,C12N 5/10 |
シェレンバーガー, フォルカー シルバーマン, ジョシュア ステマー, ウィレム ピー. ワン, チア−ウェイ ギーティング, ネイサン スピンク, ベンジャミン JP 2014526254 公表特許公報(A) 20141006 2014529994 20120912 グルカゴン様ペプチド−2組成物およびその作製法および使用法 アムニクス オペレーティング インコーポレイテッド 511188819 山本 秀策 100078282 森下 夏樹 100113413 シェレンバーガー, フォルカー シルバーマン, ジョシュア ステマー, ウィレム ピー. ワン, チア−ウェイ ギーティング, ネイサン スピンク, ベンジャミン US 61/573,748 20110912 C12N 15/09 20060101AFI20140909BHJP A61K 38/00 20060101ALI20140909BHJP A61P 1/04 20060101ALI20140909BHJP A61P 3/02 20060101ALI20140909BHJP A61P 1/00 20060101ALI20140909BHJP A61P 1/12 20060101ALI20140909BHJP A61P 3/04 20060101ALI20140909BHJP A61P 3/10 20060101ALI20140909BHJP A61P 37/06 20060101ALI20140909BHJP A61P 1/18 20060101ALI20140909BHJP A61P 37/08 20060101ALI20140909BHJP A61P 31/04 20060101ALI20140909BHJP A61P 15/08 20060101ALI20140909BHJP C07K 14/605 20060101ALI20140909BHJP C12P 21/02 20060101ALI20140909BHJP C12N 1/15 20060101ALI20140909BHJP C12N 1/19 20060101ALI20140909BHJP C12N 1/21 20060101ALI20140909BHJP C12N 5/10 20060101ALI20140909BHJP JPC12N15/00 AA61K37/02A61P1/04A61P3/02A61P1/00A61P1/12A61P3/04A61P3/10A61P37/06A61P1/18A61P37/08A61P31/04A61P15/08C07K14/605C12P21/02 CC12N1/15C12N1/19C12N1/21C12N5/00 101 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BN,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PA,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC US2012054941 20120912 WO2013040093 20130321 255 20140502 4B024 4B064 4B065 4C084 4H045 4B024AA01 4B024BA01 4B024CA06 4B024DA06 4B024EA01 4B024EA04 4B024GA11 4B024HA01 4B024HA20 4B064AG15 4B064CA19 4B064CC24 4B064CE11 4B064DA01 4B065AA26X 4B065AA90Y 4B065AA93Y 4B065AB01 4B065AC14 4B065BA02 4B065BD14 4B065CA24 4B065CA44 4C084AA02 4C084AA07 4C084BA44 4C084DB35 4C084NA14 4C084ZA661 4C084ZA681 4C084ZA701 4C084ZA811 4C084ZB081 4C084ZB131 4C084ZB351 4C084ZC351 4H045AA10 4H045AA20 4H045AA30 4H045BA41 4H045CA40 4H045DA30 4H045EA25 4H045FA74 4H045GA23 関連出願への相互参照 この出願は、2011年9月12日に出願された米国仮出願第61/573,748号への優先権の利益を主張し、この出願は、その全体が参考として本明細書に援用される。 グルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)は、ヒトにおいて、関連するグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)も遊離させるプロセスであるプログルカゴンの翻訳後タンパク質切断により、33アミノ酸のペプチドとして生成する内分泌ペプチドである。GLP−2は、腸内分泌L細胞によって栄養依存式で産生され、分泌される。GLP−2は、陰窩の細胞の増殖および腸細胞アポトーシスの減少の刺激を介して腸粘膜上皮の栄養に関する。GLP−2は、特異的なGLP−2受容体を通じてその効果を発揮するが、腸における応答は、受容体が上皮では発現しないが腸ニューロンで発現するという点で間接的な経路によって媒介される(非特許文献1)。 GLP−2の効果は多数あり、それらとして、腸管吸収および栄養素の同化の増大をもたらす腸栄養効果(intestinaltrophic effect)(非特許文献2);抗炎症活性;粘膜の治癒および修復;腸透過性の低下;ならびに腸間膜血流の増大(Bremholm, L.ら、Glucagon−like peptide−2 increases mesenteric blood flow in humans. Scan. J. Gastro.(2009年)44巻(3号):314〜319頁)が挙げられる。外因的に投与されたGLP−2はヒトおよびげっ歯類においていくつもの効果を生じ、それらとしては、胃内容排出の緩慢化、腸の血流および腸の成長/粘膜の表面積の増大、腸機能の増強、骨破壊の減少および神経保護が挙げられる。GLP−2は、内分泌的に作用して、腸の成長および代謝と栄養摂取とを結びつけることができる。しかし、炎症を起こした粘膜では、GLP−2の作用は抗増殖性であり、炎症促進性サイトカインの発現が減少する一方でIGF−1の発現が増大し、炎症を起こした粘膜の治癒が促進される。 多くの患者で、結腸直腸癌、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、および外傷を含めた広範囲の状態に対して小腸または大腸の外科的除去が必要である。末端空腸瘻造設(end jejunostomy)され結腸がない短腸症候群(SBS)患者では、分泌性L細胞が除去されているので、食事に応答したGLP−2の放出が減少する。活動性のクローン病または潰瘍性大腸炎の患者では内在性血清GLP−2濃度が上昇しており、これにより、粘膜傷害に対する正常な適応応答の可能性が示唆される(Buchman, A. L.ら、Teduglutide, a novel mucosally active analog of glucagon−like peptide−2 (GLP−2) for the treatment of moderate to severe Crohn’s disease. Inflammatory Bowel Diseases、(2010年)16巻:962〜973頁)。 外因的に投与されたGLP−2およびGLP−2類似体は、動物モデルにおいて、げっ歯類における小腸切除後の栄養吸収の増強および完全非経口栄養誘導性形成不全の軽減、ならびにインドメタシン誘導性腸炎、デキストラン硫酸誘導性大腸炎および化学療法誘導性粘膜炎などの動物モデルにおける死亡率の低下および疾患に関連する組織病理の改善の実証を含め、腸上皮の成長および修復を促進することが実証されている。したがって、GLP−2および関連する類似体は、短腸症候群、過敏性腸症候群、クローン病、および他の腸の疾患に対する治療になり得る(Moor, BAら、GLP−2 receptor agonism ameliorates inflammation and gastrointestinal stasis in murine post−operative ileus. J、pharmacol Exp Ther.(2010年)333巻(2号):574〜583頁)。しかし、ネイティブなGLP−2の半減期は、ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP−IV)によって切断されることに起因して、およそ7分である(Jeppesen PBら、Teduglutide (ALX−0600)、dipeptidyl peptidase IV resistant glucagon−like peptide 2 analogue, improves intestinal function in short bowel syndrome patients. Gut.(2005年)54巻(9号):1224〜1231頁;Hartmann Bら(2000年)Dipeptidyl peptidase IV inhibition enhances the intestinotrophic effect of glucagon−like peptide−2 in rats and mice. Endocrinology 141巻:4013〜4020頁)。2位のアラニンをグリシンで置き換えることによってGLP−2配列を修飾することにより、DPP−IVによる分解が遮断され、それにより、テデュグルチド(teduglutide)と称される類似体の半減期が0.9〜2.3時間延長されることが決定されている(Marier JF, Population pharmacokinetics of teduglutide following repeated subcutaneous administrations in healthy participants and in patients with short bowel syndrome and Crohn’s disease. J Clin pharmacal.(2010年)50巻(1号):36〜49頁)。しかし、短腸症候群の患者にテデュグルチドを利用する最近の臨床試験では、臨床的利益を実現するためにGLP−2類似体を毎日投与することを必要とした(Jeppesen PB, Randomized placebo−controlled trial of teduglutide in reducing parenteral nutrition and/or intravenous fluid requirements in patients with short bowel syndrome. Gut(2011年)60巻(7号):902〜914頁)。 治療用タンパク質を化学修飾することにより、そのin vivoにおけるクリアランス速度およびそれに続く半減期を改変することができる。一般的な修飾の1つの例は、ポリエチレングリコール(PEG)部分を付加すること、一般には、アミン基(例えば、リシンの側鎖またはN末端)と反応するPEGのアルデヒド基またはN−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)基を介してタンパク質にカップリングすることである。しかし、コンジュゲーションステップにより、分離する必要がある不均一な産物混合物が形成され、それにより産物が著しく損失し、製造が複雑になり、完全に化学的に均一な産物がもたらされない可能性がある。また、その結合部位の付近にあるアミノ酸の側鎖がペグ化プロセスによって修飾されている場合、薬理学的に活性なタンパク質の薬理的機能が妨害される可能性がある。他の手法としては、Fcドメインと治療用タンパク質の遺伝子融合が挙げられ、これにより、治療用タンパク質のサイズが増大し、したがって、腎臓を通じたクリアランスの速度が低下する。さらに、Fcドメインにより、FcRn受容体に結合し、リソソームから再利用される能力が付与され、その結果、薬物動態半減期が増大する。Fcと融合したGLP−2の形態は、手術後イレウスに付随する胃腸炎のマウスモデルにおいて評価されている(Moor, BAら、GLP−2 receptor agonism ameliorates inflammation and gastrointestinal stasis in murine post−operative ileus. J、pharmacol Exp Ther.(2010年)333巻(2号):574〜583頁)。残念ながら、Fcドメインは組換え発現の間に効率的に折り畳まれず、封入体として公知の不溶性沈殿物を形成する傾向がある。これらの封入体は可溶化しなければならず、また、誤って折り畳まれた凝集体から機能性タンパク質を再構成しなければならず、時間のかかる非効率的で費用のかかるプロセスである。Redstone, HAら、The Effect of Glucagon−Like Peptide−2 Receptor Agonists on Colonic Anastomotic Wound Healing. Gastroenterol Res Pract.(2010年);2010:Art.ID:672453Lovshin, J.およびD.J. Drucker、Synthesis, secretion and biological actions of the glucagon−like peptides. Ped. Diabetes(2000年)1巻(1号):49〜57頁 したがって、より少ない頻度で投与することができ、より安全であり、作製の複雑さおよび費用がより少ない、GLP−2に関連付けられる状態および疾患に対する予防および/または治療レジメンの一部として投与した際、半減期が増大し、活性および生物学的利用能が保持されるGL−2組成物および製剤の考慮すべき必要性が残っている。本発明は、この必要性に対処し、その上関連する利点も提供する。本発明は、新規のGLP−2組成物およびその使用に関する。具体的には、本発明で提供される組成物は、特に、胃腸の状態を処置または改善するために使用される。一態様では、本発明は、組換えグルカゴン様タンパク質−2(「GLP−2」)および1つまたは複数の延長組換えポリペプチド(「XTEN」)を含む融合タンパク質の組成物を提供する。対象XTENは、一般には、生じる融合タンパク質の性質が増強されるという点でGLP−2ペプチドに対する融合パートナーとして有用な非反復配列および非構造化コンフォメーションを有するポリペプチドである。一実施形態では、1つまたは複数のXTENをGLP−2またはその配列変異体と連結し、その結果GLP−2−XTEN融合タンパク質(「GLP2−XTEN」)が生じる。本開示は、融合タンパク質を含む医薬組成物およびGLP−2に関連する状態を治療するためのその使用も提供する。一態様では、GLP2−XTEN組成物は、XTENと連結していない組換えGLP−2と比較して薬物動的性質および/または物理化学的性質が増強されており、それにより、より都合のよい投薬が可能になり、胃腸の状態に関連する1つまたは複数のパラメータが改善される。本明細書に開示されている実施形態のGLP2−XTEN融合タンパク質は、本明細書において詳述されている通り、改善された性質および/または実施形態の1つまたは複数、またはその任意の組み合わせを示す。いくつかの実施形態では、本発明のGLP2−XTEN組成物は、ポリエチレングリコール(PEG)、アルブミン、抗体、および抗体断片からなる群より選択される構成成分を有さない。 一実施形態では、本発明は、XTENを含む組換えGLP−2融合タンパク質であって、XTENが、a)XTENが少なくとも36、または少なくとも72、または少なくとも96、または少なくとも120、または少なくとも144、または少なくとも288、または少なくとも576、または少なくとも864、または少なくとも1000、または少なくとも2000、または少なくとも3000アミノ酸残基を含むこと、b)グリシン(G)残基、アラニン(A)残基、セリン(S)残基、トレオニン(T)残基、グルタミン酸(E)残基およびプロリン(P)残基の合計がXTENの全アミノ酸残基の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%を構成すること、c)XTENが実質的に非反復性であり、したがって、(i)XTENが、アミノ酸がセリンでない限り、同一のアミノ酸を3つ連続して含有しない、(ii)XTEN配列の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%が重複していない配列モチーフからなり、配列モチーフのそれぞれが、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される3種、4種、5種または6種のアミノ酸からなる約9〜約14アミノ酸残基、または約12アミノ酸残基を含み、いかなる2つの連続したアミノ酸残基も、重複していない配列モチーフのそれぞれにおいて2回を超えて出現しない、または、(iii)XTEN配列の部分配列(subsequence)スコアが10未満であること、d)XTENが、GORアルゴリズムによって決定したところ90%超、または95%超、または99%超のランダムコイル形成を有すること、e)XTENが、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ2%未満のアルファへリックスおよび2%のベータシートを有すること、f)XTENが、TEPITOPEアルゴリズムによって解析した場合、予測T細胞エピトープを欠き、前記アルゴリズムによる前記予測についてのTEPITOPE閾値スコアの閾値が−9であり、前記融合タンパク質が、サイズ排除クロマトグラフィーまたは同等の方法によって測定した場合に少なくとも約4、または少なくとも約5、または少なくとも約6、または少なくとも約7、または少なくとも約8、または少なくとも約9、または少なくとも約10、または少なくとも約11、または少なくとも約12、または少なくとも約15、または少なくとも約20の見かけの分子量率(apparent molecular weight factor)を示し、治療有効量を用いて被験体に投与すると腸栄養効果を示すことを特徴とする組換えGLP−2融合タンパク質を提供する。前述の実施形態では、XTENは、要素(a)〜(d)のいずれか1つまたは(a)〜(d)の任意の組合せを有してよい。前述の別の実施形態では、融合タンパク質の見かけの分子量は、少なくとも約200kDa、または少なくとも約400kDa、または少なくとも約500kDa、または少なくとも約700kDa、または少なくとも約1000kDa、または少なくとも約1400kDa、または少なくとも約1600kDa、または少なくとも約1800kDa、または少なくとも約2000kDa、または少なくとも約3000kDaである。前述の別の実施形態では、融合タンパク質は、被験体に投与すると、約24時間、または約30時間、または約48時間、または約72時間、または約96時間、または約120時間、または約144時間長い終末相半減期を示し、前記被験体はマウス、ラット、サルおよび人間から選択される。一実施形態では、融合タンパク質のXTENは、XTEN配列の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%が重複していない配列モチーフからなることを特徴とし、モチーフは、表3から選択される。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のXTENは、アスパラギン残基とグルタミン残基の合計がXTENの全アミノ酸配列の10%未満、または5%未満、または2%未満であることをさらに特徴とする。他の実施形態では、融合タンパク質のXTENは、メチオニン残基とトリプトファン残基の合計がXTENの全アミノ酸配列の2%未満であることをさらに特徴とする。さらに他の実施形態では、融合タンパク質のXTENは、XTENの有する正電荷を持つアミノ酸残基が5%未満であることをさらに特徴とする。一実施形態では、投与された融合タンパク質の腸栄養効果は、同等の用量を用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果である。一実施形態では、腸栄養効果はマウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される被験体において現れる。前述の実施形態では、前記投与は皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である。別の実施形態では、腸栄養効果は、1用量、または3用量、または6用量、または10用量、または12用量またはそれより多くの用量の融合タンパク質を投与した後に決定される。別の実施形態では、腸栄養効果は、腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、潰瘍の減少、腸管癒着の減少、および腸機能の増強からなる群より選択される。 一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質を投与することにより、小腸の重量が少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%増大する。別の実施形態では、投与により、小腸の長さが少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%増大する。 一実施形態では、融合タンパク質のGLP−2配列は、最適にアラインメントすると、表1の配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する。別の実施形態では、融合タンパク質のGLP−2はヒトGLP−2を含む。別の実施形態では、融合タンパク質のGLP−2は、ヒト以外の種起源のGLP−2、例えば、ウシGLP−2、ブタGLP−2、ヒツジGLP−2、ニワトリGLP−2、およびイヌGLP−2などを含む。いくつかの実施形態では、融合タンパク質のGLP−2はAla2の代わりにアミノ酸置換を有し、置換はグリシンである。さらに別の実施形態では、融合タンパク質のGLP−2は配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する。 GLP2−XTEN融合タンパク質の一実施形態では、XTENは、GLP−2のC末端と連結している。XTENがGLP−2のC末端と連結している、GLP2−XTEN融合タンパク質の別の実施形態では、融合タンパク質は、GLP−2構成成分およびXTEN構成成分と連結した1〜約50アミノ酸残基のスペーサー配列をさらに含む。一実施形態では、スペーサー配列は単一のグリシン残基である。 GLP2−XTEN融合タンパク質の一実施形態では、XTENは、(a)全XTENアミノ酸残基が少なくとも36〜約3000、または約144〜約2000、または約288〜約1000アミノ酸残基であること、および、(b)グリシン(G)残基、アラニン(A)残基、セリン(S)残基、トレオニン(T)残基、グルタミン酸(E)残基およびプロリン(P)残基の合計が、XTENの全アミノ酸残基の少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%を構成することを特徴とする。 GLP2−XTEN融合タンパク質の一実施形態では、融合タンパク質は、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つから選択される同等の長さの配列と比較して少なくとも80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または配列同一性を有する1つまたは複数のXTENを含む。別の実施形態では、融合タンパク質は、配列が表4のAE864であるXTENを含む。別の実施形態では、融合タンパク質の配列は、図28に記載の配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列を有する。 一実施形態では、GLP−2およびXTENを含む融合タンパク質は、in vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイすると、GLP−2受容体に約30nM未満、または約100nM未満、または約200nM未満、または約300nM未満または約370nM未満、または約400nM未満、または約500nM未満、または約600nM未満、または約700nM未満、または約800nM未満、または約1000nM未満、または約1200nM未満、または約1400nM未満のEC50で結合する。別の実施形態では、融合タンパク質は、in vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイすると、XTENと連結していない対応するGLP−2の効力の少なくとも約1%、または約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約10%、または約20%、または約30%を保持する。本段落で前述した実施形態では、GLP2R細胞はヒト組換えGLP−2グルカゴンファミリー受容体カルシウム最適化細胞または当技術分野で公知のGLP2Rを含む別の細胞であってよい。 単一のGLP−2が1つまたは2つのXTENと連結した融合タンパク質の非限定的な例は表13および表32に示されている。一実施形態では、本発明は、表13または表33の配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、表13または表33の配列と比較して少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%の配列同一性を有する融合タンパク質組成物を提供する。しかし、本発明は、表1のGLP−2配列のいずれかによる表33の配列のGLP−2の置換、および表4の任意のXTEN配列による表33の配列のXTENの置換も提供する。いくつかの実施形態では、GLP−2およびXTENは、GLP−2構成成分およびXTEN構成成分と連結した1〜約50アミノ酸残基のスペーサー配列をさらに含み、スペーサー配列は、場合によって、内在性哺乳動物のプロテアーゼを含めたプロテアーゼによって切断可能な切断配列を含む。そのようなプロテアーゼの例としては、これだけに限定されないが、FXIa、FXIIa、カリクレイン、FVIIIa、FVIIIa、FXa、トロンビン、エラスターゼ−2、グランザイムB、MMP−12、MMP−13、MMP−17またはMMP−20、TEV、エンテロキナーゼ、ライノウイルス3Cプロテアーゼ、およびソルターゼA、または表6から選択される配列が挙げられる。一実施形態では、切断配列を有する融合タンパク質組成物は、表34の配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、表34の配列と比較して少なくとも約81%,82%,83%、84%、85%、86%、87%、88%,89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%の配列同一性を有する配列を有する。しかし、本発明は、表1のGLP−2配列のいずれかによる表34の配列のGLP−2の置換、および表4の任意のXTEN配列による表34の配列のXTENの置換、および表6の任意の切断配列による表34の配列の切断配列の置換も提供する。対象切断配列がXTENと連結している実施形態では、プロテアーゼによって切断配列が切断されることにより、XTENが融合タンパク質から放出される。XTENとGLP−2を連結している切断配列を含む融合タンパク質のいくつかの実施形態では、GLP−2構成成分は、切断配列が切断されることによってXTENから放出されると生物学的に活性になるまたはGLP−2受容体に結合する能力が増大し、生じた切断されたタンパク質の活性は、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%である。前述の一実施形態では、切断配列は表6のプロテアーゼによって切断可能である。別の実施形態では、融合タンパク質は、表6の配列であってよい異なるプロテアーゼによって切断可能な2つの異種性切断配列によってGLP−2と連結したXTENを含む。前述の一実施形態では、切断されたGLP2−XTENはGLP−2受容体に結合する能力が増大している。 本発明では、上記の通り特徴付けられるGLP−2およびXTENを含む実施形態の融合タンパク質組成物は種々のN末端からC末端への配置であってよいと規定される。GLP2−XTEN組成物の一実施形態では、本発明は、式Iの融合タンパク質を提供する: (GLP−2)−(XTEN) I (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列を含めた本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または類似体であり、XTENは、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つからの同等の長さの配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%の配列同一性を示す配列を含めた、本明細書で定義されている延長組換えポリペプチドである)。一実施形態では、XTENはAE864である。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、式IIの融合タンパク質を提供する: (XTEN)−(GLP−2) II (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列を含めた本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または類似体であり、XTENは、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つからの同等の長さの配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%の配列同一性を示す配列を含めた、本明細書で定義されている延長組換えポリペプチドである)。一実施形態では、XTENはAE864である。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式IIIの融合タンパク質を提供する: (XTEN)−(GLP−2)−(XTEN) III (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または類似体(例えば、表1の配列を含めた)であり、XTENは、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つからの同等の長さの配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%の配列同一性を示す配列を含めた、本明細書で定義されている延長組換えポリペプチドである)。一実施形態では、XTENはAE864である。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式IVの融合タンパク質を提供する: (GLP−2)−(XTEN)−(GLP−2) IV (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または類似体(例えば、表1の配列を含めた)であり、XTENは、例えば、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つからの同等の長さの配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%の配列同一性を示す配列を含めた、本明細書で定義されている延長組換えポリペプチドである)。一実施形態では、XTENはAE864である。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式Vの融合タンパク質を提供する: (GLP−2)−(S)x−(XTEN)y V (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列を含めた本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または類似体であり、Sは、場合によって切断配列または制限部位と適合するアミノ酸を含んでよい、1〜約50アミノ酸残基を有するスペーサー配列であり、xは0または1のいずれかであり、XTENは、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つからの同等の長さの配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%の配列同一性を示す配列を含めた、本明細書で定義されている延長組換えポリペプチドである)。一実施形態では、XTENはAE864である。式Vの実施形態では、切断配列を含むスペーサー配列は、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、MMP−12、MMP13、MMP−17およびMMP−20からなる群より選択される哺乳動物のプロテアーゼによって切断可能な配列である。式Vの融合タンパク質の一実施形態では、GLP−2はヒトGLP−2を含む。式Vの融合タンパク質の別の実施形態では、GLP−2は、ヒト以外の種起源のGLP−2、例えば、ウシGLP−2、ブタGLP−2、ヒツジGLP−2、ニワトリGLP−2、およびイヌGLP−2を含む。式Vの融合タンパク質の別の実施形態では、GLP−2はAla2の代わりにアミノ酸置換を有し、置換はグリシンである。式Vの融合タンパク質の別の実施形態では、GLP−2は配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する。式Vの融合タンパク質の別の実施形態では、融合タンパク質は、グリシン残基であるスペーサー配列を含む。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式VIの融合タンパク質を提供する: (XTEN)x−(S)x−(GLP−2)−(S)y−(XTEN)y VI (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または類似体(例えば、表1の配列を含めた)であり、Sは、場合によって切断配列または制限部位と適合するアミノ酸を含んでよい、1〜約50アミノ酸残基を有するスペーサー配列であり、xは0または1のいずれかであり、yは0または1のいずれかであり、x+y≧1であり、XTENは、例えば、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つからの同等の長さの配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約99%の配列同一性を示すものを含めた、本明細書で定義されている延長組換えポリペプチドである。一実施形態では、XTENはAE864である。式VIの実施形態では、切断配列を含むスペーサー配列は、これだけに限定されないが、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、MMP−12、MMP13、MMP−17およびMMP−20を含めた哺乳動物のプロテアーゼによって切断可能な配列である。 いくつかの実施形態では、治療有効用量の式I〜VIのうちの1つの融合タンパク質をそれを必要とする被験体に投与することにより、融合タンパク質が治療域内にある時間を、同等の用量で被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍以上増大させることができる。他の場合では、治療有効用量の式I〜VIの実施形態の融合タンパク質をそれを必要とする被験体に投与することにより、治療有効用量レジメンを維持するために必要な連続投薬間の時間を、XTENと連結していない対応するGLP−2を同等の用量で投与することと比較して少なくとも48時間、または少なくとも72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約7日、または少なくとも約14日、または少なくとも約21日増大させることができる。 本明細書に記載の実施形態の融合タンパク質組成物を、任意の適切な本明細書に開示されているin vitroアッセイ(例えば、表32のアッセイまたは実施例に記載のアッセイ)を用いて活性の保持について評価して(任意の組み入れられたXTENを放出させる切断部位の切断後を含めて)、GLP−2因子に関連する状態の治療において治療剤として使用するための配置の適性を決定することができる。一実施形態では、融合タンパク質は、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約2%、または少なくとも約5%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%の活性を示す。別の実施形態では、GLP−2構成成分およびXTEN構成成分と連結している組み入れられた切断配列の酵素による切断によって融合タンパク質から放出されたGLP−2構成成分は、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%の生物学的活性を示す。 いくつかの実施形態では、融合タンパク質はGLP−2および1つまたは複数のXTENを含み、被験体に投与すると、融合タンパク質はXTENと連結していないGLP−2と比較して薬物動態的性質の増強を示し、性質の増強としては、これだけに限定されないが、終末相半減期が長くなること、曲線下面積が大きくなること、血中濃度が治療域内にとどまる時間が増大すること、治療域内の血中濃度をもたらす連続投薬間の時間が増大すること、連続投与した場合のCmax血中濃度とCmin血中濃度の間の時間が増大すること、および投与するために必要な経時的な累積用量がXTENと連結していないGLP−2と比較して減少するが、それでも治療域内の血中濃度がもたらされることが挙げられる。GLP−2−XTEN組成物を投与する被験体は、これだけに限定されないが、マウス、ラット、サルおよびヒトを含んでよい。いくつかの実施形態では、被験体に投与された融合タンパク質の終末相半減期は、対応するXTENと連結していない組換えGLP−2を被験体に同等の用量で投与した場合、対応するGLP−2と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍、または少なくとも約8倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約20倍、または少なくとも約40倍、または少なくとも約60倍、または少なくとも約100倍、またはさらに長く増大する。他の実施形態では、被験体に投与された融合タンパク質の終末相半減期は、少なくとも約12時間、または少なくとも約24時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約144時間、または少なくとも約21日またはそれを超える。他の実施形態では、薬物動態的性質の増強は、XTENと連結していない対応するGLP−2を被験体に同等の用量で投与した場合、対応するGLP−2と比較して少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍、または少なくとも約8倍、または少なくとも約10倍長い、または少なくとも約20倍、または少なくとも約40倍、または少なくとも約60倍、または少なくとも約100倍長い期間にわたって融合タンパク質の血中濃度が治療域内にとどまるという事実により反映される。半減期および治療域内にある時間が増大することにより、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して、被験体に投与する融合タンパク質の投薬の頻度を少なくすること、およびその量(nmol/kg単位の当量)を減少させることが可能になる。一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質を、治療有効用量レジメンを用いてそれを必要とする被験体に3回以上投与することにより、融合タンパク質の血中レベルについての少なくとも2つの連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフ間の時間が、同等の用量レジメンを用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも6倍、または少なくとも8倍、または少なくとも10倍、または少なくとも約20倍、または少なくとも約40倍、または少なくとも約60倍、または少なくとも約100倍以上増大する。一実施形態では、治療有効量を用いてそれを必要とする被験体に投与したGLP2−XTENでは、GLP2−XTEN融合タンパク質の血中濃度が、少なくとも約24時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約144時間にわたって、少なくとも約500ng/ml超、少なくとも約1000ng/ml超、または少なくとも約2000ng/ml超、または少なくとも約3000ng/ml超、または少なくとも約4000ng/ml超、または少なくとも約5000ng/ml超、または少なくとも約10000ng/ml超、または少なくとも約15000ng/ml超、または少なくとも約20000ng/ml超、または少なくとも約30000ng/ml超、または少なくとも約40000ng/ml超にとどまる。別の実施形態では、適切な用量で被験体に投与したGLP2−XTENでは、単回投薬後にGLP2−XTEN融合タンパク質の濃度の曲線下面積が少なくとも100000hr*ng/mL、または少なくとも約200000hr*ng/mL、または少なくとも約400000hr*ng/mL、または少なくとも約600000hr*ng/mL、または少なくとも約800000hr*ng/mL、または少なくとも約1000000hr*ng/mL、または少なくとも約2000000hr*ng/mLになる。一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、同等の用量で投与した、XTENと連結していないGLP−2のレジメンと比較して、治療有効用量レジメンを維持するために必要な連続投薬間の時間を少なくとも48時間、または少なくとも72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約7日、または少なくとも約14日、または少なくとも約21日増大させる終末相半減期を有する。 一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、融合タンパク質およびXTENが欠如している対応するGLP−2をnmol/kg単位の当量で同等の被験体にそれぞれ投与すると、融合タンパク質ではXTENが欠如している対応するGLP−2と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い、被験体における終末相半減期が達成されることを特徴とする。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、XTENが欠如している対応するGLP−2およびnmol/kg単位でその2分の1、または3分の1、または4分の1、または5分の1、または6分の1の量の融合タンパク質を胃腸の状態を有する同等の被験体にそれぞれ投与すると、融合タンパク質により、XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の、被験体における治療効果が達成されることを特徴とする。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、融合タンパク質を、同等の被験体に、その他の点では等価なnmol/kg量を用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2の投薬間隔と比較して少なくとも約2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い投薬間隔を用いて連続的に被験体に投与すると、融合タンパク質ではXTENが欠如している対応するGLP−2と同様の、被験体における血中濃度が達成されることを特徴とする。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、同等の被験体に、その他の点では同等のnmol/kg量を用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2の投薬間隔と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い投薬間隔を用いて融合タンパク質を連続的に被験体に投与すると、融合タンパク質により、XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の、被験体における治療効果が達成されることを特徴とする。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、本段落の前述の特性の任意の組合せ、またはその全てを示す。本段落の実施形態では、対象組成物を投与する被験体は、これだけに限定されないが、マウス、ラット、サル、およびヒトを含んでよい。一実施形態では、被験体はラットである。別の実施形態では、被験体はヒトである。 一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与することにより、XTENと連結していない対応するGLP−2で見られる効果と比較してより大きな治療効果がもたらされる。別の実施形態では、有効量の融合タンパク質を投与することにより、同等の被験体に同等のnmol/kg量を用いて投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較してより大きな、腸炎の被験体における治療効果がもたらされる。前述では、被験体は、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される。前述の一実施形態では、被験体はヒトであり、腸炎はクローン病である。前述の別の実施形態では、被験体はラット被験体であり、腸炎はインドメタシンを用いて誘導される。本段落の前述の実施形態では、より大きな治療効果は、体重増加、小腸の長さ、小腸組織のTNFα含有量の減少、粘膜の萎縮の減少、穿孔性潰瘍の発生率の低下、および絨毛の高さからなる群より選択される。一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与することにより、小腸の重量が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する。GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与する別の実施形態では、投与により、小腸の長さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する。GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与する別の実施形態では、投与により、体重が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する。GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与する別の実施形態では、投与により、TNFα含有量の減少が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して小腸組織1g当たり少なくとも約0.5ng、または少なくとも約0.6ng、または少なくとも約0.7ng、または少なくとも約0.8ng、または少なくとも約0.9ng、または少なくとも約1.0ng、または少なくとも約1.1ng、または少なくとも約1.2ng、または少なくとも約1.3ng、または少なくとも約1.4ng、またはそれを超える。GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与する別の実施形態では、投与により、絨毛の高さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約11%、または少なくとも約12%大きく増大する。本段落の前述の実施形態では、融合タンパク質を、1回、または2回、または3回、または4回、または5回、または6回、または10回、または12回またはそれを超える連続用量で投与し、投与量は少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである。 一実施形態では、GLP2−XTEN組換え融合タンパク質は、これだけに限定されないが、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、MMP−12、MMP−13、MMP−17およびMMP−20を含めた哺乳動物のプロテアーゼによって切断可能な切断配列を介してXTENと連結したGLP−2を含み、切断配列における哺乳動物のプロテアーゼによる切断により、XTEN配列からGLP−2配列が放出され、放出されたGLP−2配列は、切断されていない融合タンパク質と比較して少なくとも約30%の受容体結合活性の増大を示す。 本発明は、GLP2−XTEN融合タンパク質を作製する方法を提供する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の延長組換えポリペプチド(XTEN)と融合したGLP−2を含む融合タンパク質を作製する方法は、本明細書に記載の実施形態のいずれかの融合タンパク質をコードする組換え核酸を含む宿主細胞を提供するステップと、宿主細胞を、融合タンパク質の発現を可能にする条件下で培養するステップと、融合タンパク質を回収するステップとを含む。該方法の一実施形態では、宿主細胞は原核細胞である。該方法の別の実施形態では、宿主細胞はE.coliである。該方法の別の実施形態では、融合タンパク質を、宿主細胞の細胞質から実質的に可溶性の形態で回収する。該方法の別の実施形態では、組換え核酸分子は、最適にアラインメントすると、表13に記載のDNA配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する配列、またはその相補配列を有する。 本発明は、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする単離された核酸、ベクター、ならびにベクターおよび核酸を含む宿主細胞を提供する。一実施形態では、本発明は、表13から選択されるDNA配列に対して少なくとも70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する核酸配列、またはその相補配列を含む単離された核酸を提供する。別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の融合タンパク質実施形態のいずれかの融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列またはその相補配列を提供する。別の実施形態では、本発明は、発現ベクターまたは本段落の前述の実施形態の核酸を含む単離された宿主細胞を提供する。別の実施形態では、本発明は、前述の発現ベクターを含む宿主細胞を提供する。 さらに、本発明は、本明細書に記載の前述の実施形態のいずれかの融合タンパク質および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を提供する。さらに、本発明は、被験体における胃腸の状態の治療において使用するための本明細書に記載の前述の実施形態のいずれかの融合タンパク質を含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、胃腸の状態を有する被験体に治療有効量の医薬組成物を投与することにより、融合タンパク質の血中濃度が、被験体に同等量を投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも3倍長く融合タンパク質の治療域内で維持される。別の実施形態では、胃腸の状態を有する被験体に医薬組成物を治療有効用量レジメンを用いて3回以上投与することにより、融合タンパク質の血中レベルについて少なくとも2つの連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフ間の時間が、同等の用量レジメンを用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも4倍増大する。別の実施形態では、少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgの融合タンパク質を含む医薬組成物を被験体に静脈内投与、皮下投与、または筋肉内投与することにより、融合タンパク質の血中レベルが少なくとも72時間にわたって1000ng/ml超に維持される。本段落の前述の実施形態では、胃腸の状態は、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性(neonatal feeding intolerance)、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足(nutritional insufficiency)、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される。本段落の前述の実施形態では、被験体は、マウス、ラット、サルおよびヒトから選択される。 別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載の胃腸の状態を処置するための医薬品の調製において使用するための本明細書に記載の実施形態のいずれかによるGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。 本発明は、被験体に治療有効量の融合タンパク質を投与することを含む被験体における胃腸の状態を処置する方法において使用するための、本明細書に記載の実施形態のいずれかによるGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。一実施形態では、胃腸の状態は、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される。被験体における胃腸の状態を処置する方法において使用するための融合タンパク質の別の実施形態では、被験体に、治療有効用量レジメンを用いて2回またはそれより多くの連続用量の融合タンパク質を投与することにより、GLP−2に対して確立された治療有効用量レジメンを用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2と比較して、融合タンパク質の血中レベルについての連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフの間の時間が引き伸ばされる。被験体における胃腸の状態を処置する方法において使用するための融合タンパク質の別の実施形態では、XTENが欠如している対応するGLP−2と比較してnmol/kg単位でより少量の融合タンパク質を被験体に投与することにより、その他の点では等価な用量レジメンの下で被験体に投与した場合、融合タンパク質により、XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の治療効果が達成される。前述では、治療効果は、GLP−2の血中濃度、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強または刺激、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの最小化、緩和、または予防、外科手術後の腸の回復の増強、刺激または加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持からなる群より選択される。 本発明は、被験体における胃腸の状態を処置するための医薬レジメンにおいて使用するための本明細書に記載の実施形態のいずれかによるGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。一実施形態では、医薬レジメンは、GLP2−XTEN融合タンパク質を含む医薬組成物を含む。別の実施形態では、医薬レジメンは、被験体における治療効果を達成するために必要な医薬組成物の量を決定するステップをさらに含み、治療効果は、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの予防、外科手術後の腸の回復の加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持からなる群より選択される。別の実施形態では、医薬レジメンは、有効量の医薬組成物を2回以上連続して被験体に投与することを含み、投与により、胃腸の状態に関連する少なくとも1つ、2つ、または3つのパラメータが、同等のnmol/kg量を用いて投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して少なくとも5%、または10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%大きく改善される。前述の一実施形態では、改善されるパラメータは、GLP−2の血中濃度の上昇、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの予防、外科手術後の腸の回復の加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持から選択される。別の実施形態では、医薬レジメンは、治療有効量の医薬組成物を7日、または10日、または14日または21日、または28日またはそれより多い日数ごとに1回投与することを含む。前述のある実施形態では、有効量は少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである。レジメンの実施形態では、投与は皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である。 本発明は、被験体における胃腸の状態を処置する方法を提供する。いくつかの実施形態では、該方法は、前記被験体に本明細書に記載のGLP2−XTEN融合タンパク質を含む医薬組成物を含む組成物を有効量で投与することを含む。該方法の一実施形態では、有効量は少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである。該方法の別の実施形態では、医薬組成物の投与は皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である。該方法の別の実施形態では、有効量を投与することにより、融合タンパク質が被験体において約30時間超の終末相半減期を示し、前記被験体は、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される。前述の実施形態では、胃腸の状態は、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される。該方法の別の実施形態では、該方法を用いて、例えば、これだけに限定されないが、5−FU、アルトレタミン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クリサンタスパーゼ(crisantaspase)、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、リポソーム化ドキソルビシン、ロイコボリン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ストレプトゾシン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、チオテパ、チオグアニン、チオグアニン、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンなどの化学療法剤に起因する小腸損傷を有する被験体を処置する。該方法の別の実施形態では、医薬組成物を投与することにより、前記被験体において腸栄養効果がもたらされる。該方法のさらに別の実施形態では、医薬組成物を投与することにより、前記被験体において腸栄養効果がもたらされ、腸栄養効果は、同等の用量を用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果である。前述の一実施形態では、腸栄養効果は、1用量、または3用量、または6用量、または10用量、または12用量またはそれより多くの用量の融合タンパク質を投与した後に決定される。前述の別の実施形態では、腸栄養効果は、腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、および腸機能の増強からなる群より選択される。 別の実施形態では、本発明は、本明細書に記載のGLP2−XTEN融合タンパク質を含む医薬組成物を含む包装材料および少なくとも第1の容器、ならびに医薬組成物を再構成し、かつ/または被験体に投与するための説明書を含むキットを提供する。 以下は本発明の非限定的な例示的実施形態である: 項目1.グルカゴン様タンパク質−2(GLP−2)および延長組換えポリペプチド(XTEN)を含む組換え融合タンパク質であって、XTENが、 (a)XTENが少なくとも36アミノ酸残基を含むこと、 (b)グリシン(G)残基、アラニン(A)残基、セリン(S)残基、トレオニン(T)残基、グルタミン酸(E)残基およびプロリン(P)残基の合計がXTENの全アミノ酸残基の約80%超を構成すること、 (c)XTENが実質的に非反復性であり、したがって、(i)XTENが、アミノ酸がセリンでない限り、同一のアミノ酸を3つ連続して含有しない、(ii)XTEN配列の少なくとも約80%が重複していない配列モチーフからなり、配列モチーフのそれぞれがグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6アミノ酸からなる約9〜約14アミノ酸残基を含み、いかなる2つの連続したアミノ酸残基も重複していない配列モチーフのそれぞれにおいて2回を超えて出現しない、または、(iii)XTEN配列の部分配列スコアが10未満であること、 (d)XTENがGORアルゴリズムによって決定したところ90%超のランダムコイル形成を有すること、 (e)XTENが、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ2%未満のアルファへリックスおよび2%のベータシートを有すること、および (f)XTENが、TEPITOPEアルゴリズムによって解析した場合、予測T細胞エピトープを欠き、前記アルゴリズムによる前記予測についてのTEPITOPE閾値スコアの閾値が−9であり、前記融合タンパク質が少なくとも約4の見かけの分子量率を示し、治療有効量を用いて被験体に投与した時に腸栄養効果を示すことを特徴とする組換え融合タンパク質。 項目2.腸栄養効果が、XTENと連結していない対応するGLP−2を同等の用量を用いて被験体に投与した場合に、対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果である、項目1に記載の組換え融合タンパク質。 項目3.被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、項目1に記載の組換え融合タンパク質。 項目4.前記投与が皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目5.1用量、または3用量、または6用量、または10用量、または12用量またはそれより多くの用量の融合タンパク質を投与した後に腸栄養効果を決定する、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目6.腸栄養効果が、腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、および腸機能の増強からなる群より選択される、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目7.投与により、小腸の重量が少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%増大する、項目6に記載の組換え融合タンパク質。 項目8.投与により、小腸の長さが少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%増大する、項目6に記載の組換え融合タンパク質。 項目9.GLP−2配列が、最適にアラインメントした時に、表1の配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目10.GLP−2がヒトGLP−2を含む、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目11.GLP−2が、ウシGLP−2、ブタGLP−2、ヒツジGLP−2、ニワトリGLP−2、およびイヌGLP−2からなる群より選択される、項目9から項目11のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目12.GLP−2がAla2の代わりにアミノ酸置換を有し、置換がグリシンである、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目13.GLP−2が配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する、項目1から項目9のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目14.XTENがGLP−2のC末端と連結している、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目15.GLP−2構成成分およびXTEN構成成分と連結した1〜約50アミノ酸残基のスペーサー配列をさらに含む、項目14に記載の組換え融合タンパク質。 項目16.スペーサー配列がグリシン残基である、項目15に記載の組換え融合タンパク質。 項目17.XTENが、 (a)全XTENアミノ酸残基が少なくとも36〜約3000アミノ酸残基であること、 (b)グリシン(G)残基、アラニン(A)残基、セリン(S)残基、トレオニン(T)残基、グルタミン酸(E)残基およびプロリン(P)残基の合計がXTENの全アミノ酸残基の少なくとも約90%を構成することを特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目18.XTENが、アスパラギン残基とグルタミン残基の合計がXTENの全アミノ酸配列の10%未満であることを特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目19.XTENが、メチオニン残基とトリプトファン残基の合計がXTENの全アミノ酸配列の2%未満であることを特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目20.XTENが、最適にアラインメントした時に、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つから選択される同等の長さの配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目21.XTENが、最適にアラインメントした時に、表4のAE864配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目22.融合タンパク質の配列が、図28に記載の配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列を有する、項目1から項目9までまたは項目13のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目23.被験体に投与した時に、少なくとも約30時間の終末相半減期を示す、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目24.融合タンパク質が、in vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイした時に、約30nM未満、または約100nM未満、または約200nM未満、または約300nM未満、または約370nM未満、または約400nM未満、または約500nM未満、または約600nM未満、または約700nM未満、または約800nM未満、または約1000nM未満、または約1200nM未満、または約1400nM未満のEC50でGLP−2受容体に結合し、GLP2R細胞がヒト組換えGLP−2グルカゴンファミリー受容体カルシウム最適化細胞である、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目25.融合タンパク質が、in vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイした時に、XTENと連結していない対応するGLP−2の効力の少なくとも約1%、または約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約10%、または約20%、または約30%を保持し、GLP2R細胞が、ヒト組換えGLP−2グルカゴンファミリー受容体カルシウム最適化細胞である、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目26.(a)nmol/kg単位の当量の融合タンパク質およびXTENが欠如している対応するGLP−2を同等の被験体にそれぞれ投与すると、融合タンパク質ではXTENが欠如している対応するGLP−2と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い、被験体における終末相半減期が達成されること、 (b)XTENが欠如している対応するGLP−2およびnmol/kg単位でその2分の1、または3分の1、または4分の1、または5分の1、または6分の1の量の融合タンパク質を胃腸の状態を有する同等の被験体にそれぞれ投与すると、融合タンパク質により、XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の、被験体における治療効果が達成されること、 (c)融合タンパク質を、被験体に、同等の被験体に、その他の点では等価なnmol/kg量を用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2の投薬間隔と比較して少なくとも約2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い投薬間隔を用いた連続用量で投与すると、融合タンパク質ではXTENが欠如している対応するGLP−2と同様の、被験体における血中濃度が達成されること、または、 (d)融合タンパク質を、被験体に、同等の被験体に、その他の点では等価なnmol/kg量を用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2の投薬間隔と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い投薬間隔を用いた連続用量で投与すると、融合タンパク質ではXTENが欠如している対応するGLP−2と同等の、被験体における治療効果が達成されることを特徴とする、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目27.被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、項目26に記載の組換え融合タンパク質。 項目28.被験体がラットである、項目27に記載の組換え融合タンパク質。 項目29.投与により、XTENと連結していない対応するGLP−2で見られる効果と比較してより大きな治療効果がもたらされる、項目26から項目28のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目30.有効量の融合タンパク質を投与することにより、XTENと連結していない対応するGLP−2を同等の被験体に同等のnmol/kg量を用いて投与した場合に、対応するGLP−2と比較してより大きな、腸炎の被験体における治療効果がもたらされる、項目26から項目29のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目31.被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、項目26から項目30のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目32.被験体がヒトであり、腸炎がクローン病である、 項目31に記載の組換え融合タンパク質。 項目33.被験体がラット被験体であり、腸炎がインドメタシンを用いて誘導される、項目31に記載の組換え融合タンパク質。 項目34.より大きな治療効果が、体重増加、小腸の長さ、小腸組織のTNFα含有量の減少、粘膜の萎縮の減少、穿孔性潰瘍の発生率の低下、および絨毛の高さからなる群より選択される、項目29から項目33のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目35.投与により、小腸の重さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する、項目34に記載の組換え融合タンパク質。 項目36.投与により、小腸の長さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する、項目34に記載の組換え融合タンパク質。 項目37.投与により、体重が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する、項目34に記載の組換え融合タンパク質。 項目38.TNFα含有量の減少が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して小腸組織1g当たり少なくとも約0.5ng、または少なくとも約0.6ng、または少なくとも約0.7ng、または少なくとも約0.8ng、または少なくとも約0.9ng、または少なくとも約1.0ng、または少なくとも約1.1ng、または少なくとも約1.2ng、または少なくとも約1.3ng、または少なくとも約1.4ng、またはそれを超える、項目34に記載の組換え融合タンパク質。 項目39.絨毛の高さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約11%、または少なくとも約12%高い、項目34に記載の組換え融合タンパク質。 項目40.1回、または2回、または3回、または4回、または5回、または6回、または10回、または12回またはそれを超える連続用量で投与される、項目29から項目39のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目41.有効量が少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである、項目30から項目40のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目42.GLP−2がXTENに、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、MMP−12、MMP13、MMP−17およびMMP−20からなる群より選択される哺乳動物のプロテアーゼによって切断可能な切断配列を介して連結しており、切断配列における哺乳動物のプロテアーゼによる切断により、XTEN配列からGLP−2配列が放出され、放出されたGLP−2配列が、切断されていない融合タンパク質と比較して少なくとも約30%の受容体結合活性の増大を示す、前記項目のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目43.1つまたは複数の延長組換えポリペプチド(XTEN)と融合したGLP−2を含む融合タンパク質を作製する方法であって、 (a)項目1から項目41のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする組換え核酸を含む宿主細胞を提供するステップと、 (b)宿主細胞を、融合タンパク質の発現を可能にする条件下で培養するステップと、 (c)融合タンパク質を回収するステップとを含む、方法。 項目44.(a)宿主細胞が原核細胞である、または (b)融合タンパク質を、宿主細胞の細胞質から実質的に可溶性の形態で回収する、項目43に記載の方法。 項目45.組換え核酸分子が、最適にアラインメントした時に、表13に記載のDNA配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する配列、またはその相補物を有する、項目43に記載の方法。 項目46.(a)表13から選択されるDNA配列に対して少なくとも70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する核酸配列、またはその相補物、または (b)項目1から項目41のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列、またはその相補物。を含む単離された核酸。 項目47.項目43から項目46のいずれか一項に記載の核酸を含む発現ベクターまたは単離された宿主細胞。 項目48.項目47に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。 項目49.項目1から項目41のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。 項目50.式V:(a)(GLP−2)−(S)x−(XTEN)(V)に従って構成された、項目1に記載の組換え融合タンパク質(式中、各出現に対してそれぞれ独立に、(b)GLP−2は、最適にアラインメントした時に、表1の配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する配列であり、(c)Sは、場合によって表6の切断配列または制限部位と適合するアミノ酸を含んでよい、1〜約50アミノ酸残基を有するスペーサー配列であり、(d)xは0または1のいずれかである)。 項目51.GLP−2がヒトGLP−2を含む、項目50に記載の組換え融合タンパク質。 項目52.GLP−2が、ウシGLP−2、ブタGLP−2、ヒツジGLP−2、ニワトリGLP−2、およびイヌGLP−2からなる群より選択される、項目50に記載の組換え融合タンパク質。 項目53.GLP−2がAla2の代わりにアミノ酸置換を有し、置換がグリシンである、項目51または項目52に記載の組換え融合タンパク質。 項目54.GLP−2が配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する、項目50に記載の組換え融合タンパク質。 項目55.グリシン残基であるスペーサー配列を含む、項目50から項目54のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目56.XTENが、最適にアラインメントした時に、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つから選択される同等の長さの配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、項目50から項目55のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目57.XTENが、最適にアラインメントした時に、表4のAE864配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、項目50から項目55のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目58.胃腸の状態を有する被験体に治療有効量の医薬組成物を投与することにより、融合タンパク質の血中濃度が、被験体に同等量を投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも3倍長く融合タンパク質の治療域内で維持される、項目49に記載の医薬組成物。 項目59.胃腸の状態を有する被験体に、医薬組成物を治療有効用量レジメンを用いて3回以上投与することにより、融合タンパク質の血中レベルについての少なくとも2つの連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフ間の時間が、同等の用量レジメンを用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも4倍増大する、項目49に記載の医薬組成物。 項目60.胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される、項目59または項目60に記載の医薬組成物。 項目61.少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgの融合タンパク質を含む医薬組成物を被験体に静脈内投与、皮下投与、または筋肉内投与した後、融合タンパク質の血中レベルが少なくとも72時間にわたって1000ng/ml超で維持される、項目49に記載の医薬組成物。 項目62.被験体がマウス、ラット、サルおよびヒトから選択される、項目61に記載の医薬組成物。 項目63.胃腸の状態を処置するための医薬品の製造において使用するための、項目1から項目41のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目64.胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、虚血、および脳卒中からなる群より選択される、項目63に記載の組換え融合タンパク質。 項目65.被験体に治療有効量の融合タンパク質を投与することを含む、被験体における胃腸の状態を処置する方法において使用するための、項目1から項目41のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目66.胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、虚血、および脳卒中からなる群より選択される、項目65に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 項目67.被験体に、治療有効用量レジメンを用いて2回またはそれより多くの連続用量の融合タンパク質を投与することにより、GLP−2に対して確立された治療有効用量レジメンを用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2と比較して融合タンパク質の血中レベルについての連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフの間の時間が延長される、項目65に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 項目68.XTENが欠如している対応するGLP−2をその他の点では等価な用量レジメンの下で被験体に投与することと比較して、nmol/kg単位でより少量の融合タンパク質を被験体に投与し、融合タンパク質によりXTENが欠如している対応するGLP−2と同等の治療効果が達成される、項目65に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 項目69.治療効果が、GLP−2の血中濃度、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強または刺激、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの最小化、緩和、または予防、外科手術後の腸の回復の増強、刺激または加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持からなる群より選択される、項目68に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 項目70.被験体における胃腸の状態を処置するための、項目1から項目41のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物を含む医薬レジメンにおいて使用するための組換え融合タンパク質。 項目71.医薬レジメンが、被験体における治療効果を達成するために必要な医薬組成物の量を決定するステップをさらに含み、治療効果が、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの予防、外科手術後の腸の回復の加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持からなる群より選択される、項目70に記載の組換え融合タンパク質。 項目72.胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、虚血、および脳卒中からなる群より選択される、項目70に記載の組換え融合タンパク質。 項目73.胃腸の状態を有する被験体を処置するための医薬レジメンが、医薬組成物を被験体に2回以上有効量で投与することを含み、投与により、同等のnmol/kg量を使用して投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して、胃腸の状態に関連する少なくとも1つ、2つ、または3つのパラメータが少なくとも5%、または10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%大きく改善される、項目70に記載の組換え融合タンパク質。 項目74.改善されるパラメータがGLP−2の血中濃度の上昇、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの予防、外科手術後の腸の回復の加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持から選択される、項目73に記載の組換え融合タンパク質。 項目75.レジメンが、治療有効量の項目49に記載の医薬組成物を7日、または10日、または14日、または21日、または28日またはそれより多い日数ごとに1回投与することを含む、項目70に記載の組換え融合タンパク質。 項目76.有効量が少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである、項目75に記載の組換え融合タンパク質。 項目77.前記投与が皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である、項目73から項目76のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 項目78.被験体における胃腸の状態を処置する方法であって、前記被験体に、項目49に記載の医薬組成物を有効量で含む組成物を投与することを含む、方法。 項目79.有効量が少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである、項目78に記載の方法。 項目80.融合タンパク質が前記被験体において約30時間超の終末相半減期を示す、項目79に記載の方法。 項目81.胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、虚血、および脳卒中からなる群より選択される、項目78から項目80のいずれか一項に記載の方法。 項目82.胃腸の状態がクローン病である、項目81に記載の方法。 項目83.被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、項目78から項目82のいずれか一項に記載の方法。 項目84.前記投与が皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である、項目78から項目83のいずれか一項に記載の方法。 項目85.前記投与により、前記被験体において腸栄養効果がもたらされる、項目78から項目84のいずれか一項に記載の方法。 項目86.腸栄養効果が、同等の用量を用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果である、項目85に記載の方法。 項目87.1用量、または3用量、または6用量、または10用量、または12用量またはそれより多くの用量の融合タンパク質を投与した後に腸栄養効果を決定する、項目85または項目86に記載の方法。 項目88.腸栄養効果が、腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、および腸機能の増強からなる群より選択される、項目85から項目87のいずれか一項に記載の方法。 具体的には、組換えGLP2−XTEN融合タンパク質は、本明細書に開示されている性質の1つまたは複数、またはその任意の組合せを示し得ることが意図されている。 参照による組み込み 本明細書において言及されている全ての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許、または特許出願が、具体的にかつ個々に参照により組み込まれることが示されたのと同じ程度に参照により本明細書に組み込まれる。 例示的な実施形態が記載されている以下の発明の詳細な説明および添付図を参照することにより、本発明の特徴および利点をさらに説明することができる。図1は、アルゴリズムSegScoreの論理的フローチャートの概略図である。この図では、以下の説明が適用される:i、j−配列全体にわたって実行される制御ループに使用されるカウンターである;HitCount−この変数は、部分配列がブロック内で同一の部分配列と何回遭遇するかを記録するカウンターである;SubSeqX−この変数は、重複性が確認された部分配列を保持する;SubSeqY−この変数は、SubSeqXが再度確認された部分配列を保持する;BlockLen−この変数は、使用者により決定されたブロックの長さを保持する;SegLen−この変数は、セグメントの長さを保持する。プログラムは、長さ3、4、5、6、7、8、9、および10の部分配列に対してスコアが生じるようにハードコードされている;Block−この変数は、長さBlockLenの文字列を保持する。この文字列はインプットXTEN配列からの文字で構成され、iカウンターの位置によって決定される;SubSeqList−これは、生じた部分配列スコアの全てを保持する一覧である。図2は、反復性を決定するための11アミノ酸の仮定XTENへのアルゴリズムSegScoreの適用を示す図である。Nアミノ酸からなるXTEN配列を長さS(この場合S=3)のN−S+1部分配列に分ける。全ての部分配列のペアワイズ比較を実施し、同一の部分配列の平均数を算出し、その結果、この場合、部分配列スコア1.89が生じる。図3は短縮XTEN配列を作製するためのドナーXTEN配列の使用を例示する図である。図3AではAG864の配列が提供され、AG576配列を生成するために使用した配列に下線が引かれている。図3は短縮XTEN配列を作製するためのドナーXTEN配列の使用を例示する図である。図3BではAG864の配列が提供され、AG288配列を生成するために使用した配列に下線が引かれている。図3は短縮XTEN配列を作製するためのドナーXTEN配列の使用を例示する図である。図3CではAG864の配列が提供され、AG144配列を生成するために使用した配列に下線が引かれている。図3は短縮XTEN配列を作製するためのドナーXTEN配列の使用を例示する図である。図3DではAE864の配列が提供され、AE576配列を生成するために使用した配列に下線が引かれている。図3は短縮XTEN配列を作製するためのドナーXTEN配列の使用を例示する図である。図3EではAE864の配列が提供され、AE288配列を生成するために使用した配列に下線が引かれている。図4は、XTENの組立て、作製および評価における代表的なステップの概略フローチャートである。図5は、融合タンパク質をコードするGLP2−XTENポリヌクレオチド構築物の組立てにおける代表的なステップの概略フローチャートである。個々のオリゴヌクレオチド501をアニーリングして12アミノ酸モチーフ(「12−mer」)などの配列モチーフ502にし、それを、ライブラリー由来の追加的な配列モチーフとライゲーションして、所望の長さのXTEN504を包含するプールを創出するとともに、より低濃度の、BbsI制限部位、およびKpnI制限部位を含有するオリゴ503にライゲーションする。生じたライゲーション産物のプールをゲル精製し、XTENの所望の長さのバンドをカットし、ストッパー配列505を有する単離されたXTEN遺伝子をもたらす。XTEN遺伝子をスタッファーベクターにクローニングする。この場合、ベクターは、任意選択のCBD配列506およびGFP遺伝子508をコードする。次いで、BbsI/HindIIIを用いた消化を行って、507および508を除去し、終止コドンを置く。次いで、生じた産物を、BsaI/HindIIIで消化した、GLP−2をコードする遺伝子を含有するベクターにクローニングし、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする遺伝子500をもたらす。図6は、GLP−2およびXTENを含む融合タンパク質をコードする遺伝子の組立て、その融合タンパク質としての発現および回収、ならびにその候補GLP2−XTEN産物としての評価における代表的なステップの概略フローチャートである。図7は、例示的なGLP2−XTEN融合タンパク質の概略図であり(図7A〜H)、全てN末端からC末端への方向で示されている。図7Aは、それぞれが単一のGLP−2およびXTENを含むGLP2−XTEN融合タンパク質(100)の2つの異なる配置を示し、第1の配置ではXTEN分子(102)がGLP−2(103)のC末端に付着しており、第2の配置ではXTEN分子がGLP−2(103)のN末端に付着している。図7Bは、それぞれが単一のGLP−2、スペーサー配列およびXTENを含むGLP2−XTEN融合タンパク質(100)の2つの異なる配置を示し、第1の配置ではXTEN分子(102)がスペーサー配列(104)のC末端に付着しており、スペーサー配列がGLP−2(103)のC末端に付着しており、第2の配置ではXTEN分子がスペーサー配列(104)のN末端に付着しており、スペーサー配列がGLP−2(103)のN末端に付着している。図7Cは、それぞれが単一のGLP−2の2つの分子およびXTENの1つの分子を含むGLP2−XTEN融合タンパク質(101)の2つの異なる配置を示し、第1の配置ではXTENが第1のGLP−2のC末端と連結しており、そのGLP−2は第2のGLP−2のC末端と連結しており、第2の配置は方向が逆であり、XTENが第1のGLP−2のN末端と連結しており、そのGLP−2は第2のGLP−2のN末端と連結している。図7Dは、それぞれが単一のGLP−2の2つの分子、スペーサー配列およびXTENの1つの分子を含むGLP2−XTEN融合タンパク質(101)の2つの異なる配置を示し、第1の配置ではXTENがスペーサー配列のC末端と連結しており、スペーサー配列が第2のGLP−2のC末端と連結した第1のGLP−2のC末端と連結しており、第2の配置は方向が逆であり、XTENがスペーサー配列のN末端と連結しており、スペーサー配列が第1のGLP−2のN末端と連結しており、そのGLP−2は第2のGLP−2のN末端と連結している。図7Eはそれぞれが単一のGLP−2の2つの分子、スペーサー配列およびXTENの1つの分子を含むGLP2−XTEN融合タンパク質(101)の2つの異なる配置を示し、第1の配置ではXTENが第1のGLP−2のC末端と連結しており、第1のGLP−2が第2のGLP−2分子のC末端と連結したスペーサー配列のC末端と連結しており、第2の配置では配置が逆であり、XTENがスペーサー配列のN末端と連結した第1のGLP−2のN末端に連結しており、今度はそれがGLP−2の第2の分子のN末端と連結している。図7Fは、それぞれがGLP−2の1つの分子およびGLP−2のN末端およびC末端と連結したXTENの2つの分子を含むGLP2−XTEN融合タンパク質(105)の配置を示す。図7Gは、2つのXTENと連結した単一のGLP−2の配置(106)を示し、第2のXTENはスペーサー配列によってGLP−2と隔てられている。図7Hは、2つのXTENと連結した2つのGLP−2の配置(106)を示し、第2のXTENは、第1のGLP−2のC末端、および、GLP2−XTENのC末端にある第2のGLP−2のN末端と連結している。図8は、図7の対応するGLP2−XTENポリペプチドをコードするGLP2−XTEN遺伝子の例示的なポリヌクレオチド構築物の概略図であり(図8A〜H)、全て5’から3’への方向で示されている。これらの例示的な実施例では、遺伝子は、1つのGLP−2およびXTEN(200);または1つのGLP−2、1つのスペーサー配列および1つのXTEN(200);2つのGLP−2および1つのXTEN(201);または2つのGLP−2、スペーサー配列および1つのXTEN(201);1つのGLP−2および2つのXTEN(205);または2つのGLP−2および2つのXTEN(206)を有するGLP2−XTEN融合タンパク質をコードする。これらの描写では、ポリヌクレオチドは以下の構成成分:XTEN(202)、GLP−2(203)、および切断配列(204)を含んでよいスペーサーアミノ酸をコードし、全ての配列がインフレームで連結している。図9は、プロセシング戦略が異なるGLP2−XTEN発現ベクターの設計の概略図である。図9Aは、GLP−2をコードする配列の3’末端と融合したXTENをコードする例示的な発現ベクターを示す。このベクター内に追加的なリーダー配列は必要ないことに留意されたい。図9Bは、CBDリーダー配列およびTEVプロテアーゼ部位を有する、GLP−2をコードする配列の3’末端と融合したXTENをコードする発現ベクターを示す。図9Cは、CBDおよびTEVプロセシング部位が最適化されたN末端リーダー配列(NTS)と置き換えられた発現ベクターを示す。図9Dは、NTS配列、XTEN、GLP−2をコードする配列、次にXTENをコードする第2の配列をコードする発現ベクターを示す。図10は、XTENをコードする遺伝子のコンビナトリアル遺伝子組立てプロセスを例示する図である。この場合、遺伝子は6つの基本断片から組み立てられ、各断片は、4つの異なるコドン型(A、B、CおよびD)で利用可能である。これにより、12アミノ酸モチーフの組立てにおいて4096の理論的多様性が可能になる。図11は、融合タンパク質GLP2−2G_AE864の特徴付けデータを示す図である。図11Aは、実施例16に記載のGLP2−2G−XTEN_AE864ロットAP690のSDS−PAGEゲルである。ゲルは、示されている通り、分子量標準物質および2μgまたは10μgの標準品のレーンを示す。図11Bは、667kDa、167kDa、44kDa、17kDa、および3.5kDaの分子量標準物質と比較した、実施例16に記載のGLP2−2G−XTEN_AE864ロットAP690のサイズ排除クロマトグラフィー分析の結果を示す。図12は、実施例16に記載のGLP2−2G−XTEN_AE864ロットAP690のESI−MS分析を示す図である。83,142Daに、全長のインタクトなGLP2−2G−XTENを示す主要なピークがあり、総タンパク質量の5%未満のdes−His GLP2−2G−XTENを示す83,003Daの追加的な副次的なピークが検出された。図13は、実施例17に記載のGLP−2受容体結合アッセイの結果を示すグラフである。図14は、皮下(SC)投与後のC57BL/6マウスにおけるGLP2−2G−XTEN_AE864の薬物動態の結果を示すグラフである。試料を融合タンパク質濃度について分析した。これは実施例18に記載の通り抗XTEN/抗XTENサンドイッチELISAおよび抗GLP2/抗XTENサンドイッチELISAの両方によって実施したものであり、両方のアッセイについての結果がプロットされている。図15は、実施例19に記載の通り抗XTEN/抗XTENサンドイッチELISAおよび抗GLP2/抗XTENサンドイッチELISAの両方によって実施した、2つの異なる投与量レベルをSC投与した後のWistarラットにおけるGLP2−2G−XTEN_AE864の薬物動態の結果を示すグラフであり、両方のアッセイについての結果がプロットされている。図16は、雄のカニクイザルにおける、融合タンパク質を単一の投与量レベル(2mg/kg)で皮下投与(四角)または静脈内投与(三角形)した後のGLP2−2G−XTEN_AE864の薬物動態の結果を示すグラフである。試料を融合タンパク質濃度について分析し、これは実施例20に記載の通り抗GLP2/抗XTEN ELISAによって実施した。図17は、実施例20に記載の通りヒトにおける240時間の予測半減期を予測するために使用した3つの種のGLP2−2G−XTENの半減期のアロメトリックスケーリングの線形回帰を示すグラフである。図18は、実施例21に記載の、ビヒクル群および処置群のラットにおける小腸の重量および長さの結果を示すグラフである。図19は、実施例21に記載の、ビヒクル、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)またはGLP2−2G−XTENで処置した群を用いた、マウスデキストラン硫酸ナトリウム(DSS)モデルにおける体重の変化の結果を示すグラフである。図20は、実施例21に記載の、ビヒクル回腸(図20A)および空腸(図20B)ならびにGLP2−2G−XTEN回腸(図20C)および空腸(図20D)からのDSSモデルマウスの代表的な病理組織検査切片を示す写真である。図21は、実施例21に記載の、ビヒクル、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)またはGLP2−2G−XTENで処置した群を用い、アッセイしたインドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルの試験1の結果を示すグラフである。図21Aは、実験終了時の体重の結果を示す。図21Bは、各群からの小腸の長さの結果を示す。図21Cは、各群からの小腸の重量の結果を示す。図21Dは、各群からの潰瘍の長さおよび小腸における潰瘍の百分率の結果を示す。図21Eは、各群からの小腸における接着およびトランス潰瘍形成(transulceration)のスコアの結果を示す。図21Fは、各群からの小腸の炎症の長さおよび百分率の結果を示す。図21Gは、各群からの小腸のTNFαアッセイの結果を示す。図21は、実施例21に記載の、ビヒクル、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)またはGLP2−2G−XTENで処置した群を用い、アッセイしたインドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルの試験1の結果を示すグラフである。図21Aは、実験終了時の体重の結果を示す。図21Bは、各群からの小腸の長さの結果を示す。図21Cは、各群からの小腸の重量の結果を示す。図21Dは、各群からの潰瘍の長さおよび小腸における潰瘍の百分率の結果を示す。図21Eは、各群からの小腸における接着およびトランス潰瘍形成(transulceration)のスコアの結果を示す。図21Fは、各群からの小腸の炎症の長さおよび百分率の結果を示す。図21Gは、各群からの小腸のTNFαアッセイの結果を示す。図21は、実施例21に記載の、ビヒクル、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)またはGLP2−2G−XTENで処置した群を用い、アッセイしたインドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルの試験1の結果を示すグラフである。図21Aは、実験終了時の体重の結果を示す。図21Bは、各群からの小腸の長さの結果を示す。図21Cは、各群からの小腸の重量の結果を示す。図21Dは、各群からの潰瘍の長さおよび小腸における潰瘍の百分率の結果を示す。図21Eは、各群からの小腸における接着およびトランス潰瘍形成(transulceration)のスコアの結果を示す。図21Fは、各群からの小腸の炎症の長さおよび百分率の結果を示す。図21Gは、各群からの小腸のTNFαアッセイの結果を示す。図21は、実施例21に記載の、ビヒクル、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)またはGLP2−2G−XTENで処置した群を用い、アッセイしたインドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルの試験1の結果を示すグラフである。図21Aは、実験終了時の体重の結果を示す。図21Bは、各群からの小腸の長さの結果を示す。図21Cは、各群からの小腸の重量の結果を示す。図21Dは、各群からの潰瘍の長さおよび小腸における潰瘍の百分率の結果を示す。図21Eは、各群からの小腸における接着およびトランス潰瘍形成(transulceration)のスコアの結果を示す。図21Fは、各群からの小腸の炎症の長さおよび百分率の結果を示す。図21Gは、各群からの小腸のTNFαアッセイの結果を示す。図22は、実施例21に記載の、ビヒクル、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)またはGLP2−2G−XTENで処置した群を用い、アッセイしたインドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルの試験2の結果を示すグラフである。図22Aは、各群からの小腸のトランス潰瘍形成スコアを示す。図22Bは、各群からの小腸の接着スコアを示す。図23は、実施例21に記載の、ビヒクル−インドメタシンなし処置群(図23A)、ビヒクル−インドメタシン処置群(図23B)およびGLP2−2G−XTEN処置群(図22C、D)からのインドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルの試験2からの代表的な病理組織検査切片を示す写真である。図24は、実施例21に記載の、疾患にかかっているラット、ビヒクルで処置したラット、GLP2−2Gペプチドで処置したラット、およびGLP2−2G−XTENで処置したラットからの、小腸の長さ(図24A)、絨毛の高さ(図24B)および粘膜の萎縮、潰瘍形成、浸潤の測定値の病理組織検査スコアリング(図24C)の結果を示すグラフである。アスタリスクは、ビヒクル(疾患にかかっている)対照群との統計的有意差がある群を示す。図25は、実施例25に記載の、分子量が既知のタンパク質標準物質と対照して測定したグルカゴン−XTEN構築物試料(示されている通り)のサイズ排除クロマトグラフィー分析の結果を示す、吸収対保持容量として出力されたグラフである。グルカゴン−XTEN構築物は、1)グルカゴン−Y288;2)グルカゴンY−144;3)グルカゴン−Y72;および4)グルカゴン−Y36である。結果は、XTEN部分の長さが増大するのに伴って見かけの分子量が増大することを示す。図26は、実施例26に記載の、さまざまな長さの非構造化ポリペプチドと連結したGFPの種々の組成物を皮下または静脈内のいずれかに単回投与した後のカニクイザルにおける薬物動態プロファイル(血漿中濃度)を示すグラフである。組成物は、GFP−L288、GFP−L576、GFP−XTEN_AF576、GFP−Y576およびXTEN_AD836−GFPであった。注射後の種々の時間に血液試料を分析し、血漿中のGFPの濃度を、捕捉用にGFPに対するポリクローナル抗体、および検出用に同じポリクローナル抗体のビオチン化調製物を使用したELISAによって測定した。結果は血漿中濃度対投薬後の時間(時間)として示されており、具体的には、XTENの配列の長さが最長の組成物であるXTEN_AD836−GFPについて半減期が相当に増大したことが示されている。配列の長さが最も短い構築物であるGFP−L288は半減期が最も短かった。図27は、XTEN_AE864がGFPのN末端と融合した融合タンパク質の安定性試験の試料のSDS−PAGEゲル(実施例27を参照されたい)を示す写真である。GFP−XTENを、カニクイザル血漿およびラット腎臓溶解物中、37℃で最大7日間インキュベートした。さらに、カニクイザルに投与したGFP−XTENも評価した。0日目、1日目および7日目に試料を取り出し、SDS PAGEによって分析し、その後、GFPに対する抗体を用いたウェスタン分析を用いて検出した。図28は、GLP2−2G_AE864のアミノ酸配列を示す図である。 本発明の実施形態を説明する前に、そのような実施形態は、単に例として提供されていること、および本明細書に記載の本発明の実施形態に対する種々の代替を、本発明の実施において使用することができることが理解されるべきである。当業者は、本発明から逸脱することなく多数の変形、変化および置換をすぐに思いつくであろう。 特に定義されていなければ、本明細書において使用される全ての技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと同様または等価である方法および材料を本発明の実施または試験において用いることができるが、適切な方法および材料が下に記載されている。矛盾する場合は、定義を含めた特許明細書に支配される。さらに、材料、方法および実施例は単に例示的なものであり、それに限定されるものではない。当業者は、本発明から逸脱することなく多数の変形、変化および置換をすぐに思いつくであろう。 定義 本出願に関しては、以下の用語は特に指定のない限りそれらに帰する意味を有する。 本明細書および特許請求の範囲において使用される場合、単数形「a(1つの)」、「an(1つの)」および「the(その)」は、文脈によりそうでないことが明確に規定されない限り、複数の参照対象を包含する。例えば、「a(1つの)細胞」という用語は、それらの混合物を含めた複数の細胞を包含する。 「ポリペプチド」、「ペプチド」および「タンパク質」という用語は、本明細書では互換的に使用され、任意の長さのアミノ酸のポリマーを指す。ポリマーは、直鎖状であっても分岐状であってもよく、修飾されたアミノ酸を含んでよく、また、非アミノ酸が割り込んでいてよい。この用語は、例えば、ジスルフィド結合の形成、グリコシル化、脂質付加、アセチル化、リン酸化、または標識用構成成分とのコンジュゲーションなどの任意の他の操作によって修飾されたアミノ酸のポリマーも包含する。 本明細書で使用される場合、「アミノ酸」という用語は、これだけに限定されないが、D型光学異性体またはL型光学異性体の両方、およびアミノ酸の類似体およびペプチド模倣薬を含めた、天然アミノ酸および/または非天然アミノ酸もしくは合成アミノ酸のいずれかを指す。アミノ酸を示すために、標準の1文字または3文字のコードが使用される。 「天然L−アミノ酸」という用語は、グリシン(G)、プロリン(P)、アラニン(A)、バリン(V)、ロイシン(L)、イソロイシン(I)、メチオニン(M)、システイン(C)、フェニルアラニン(F)、チロシン(Y)、トリプトファン(W)、ヒスチジン(H)、リシン(K)、アルギニン(R)、グルタミン(Q)、アスパラギン(N)、グルタミン酸(E)、アスパラギン酸(D)、セリン(S)、およびトレオニン(T)のL型光学異性体を意味する。 「天然に存在しない」という用語は、配列に適用される場合、および本明細書で使用される場合、哺乳動物に見いだされる野生型配列または天然に存在する配列に対する対応物を有さない、それと相補的でない、またはそれに対する相同性の程度が高くないポリペプチドまたはポリヌクレオチド配列を意味する。例えば、天然に存在しないポリペプチドまたは断片は、適切にアラインメントすると、天然の配列と比較して99%以下、98%以下、95%以下、90%以下、80%以下、70%以下、60%以下、50%以下またはさらに低いアミノ酸配列同一性を共有し得る。 「親水性」および「疎水性」という用語は、物質が水に対して有する親和性の程度を指す。親水性の物質は水に対して強力な親和性を有し、水中に溶解する、水と混ざる、または水で湿る傾向があるが、疎水性の物質は水に対する親和性が実質的に欠如しており、水を寄せつけず、水を吸収しない傾向があり、また、水に溶解しない、または水と混ざらない、または水で湿らない傾向がある。アミノ酸は、それらの疎水性に基づいて特徴付けることができる。いくつもの尺度が開発されてきた。その例は、Levitt, Mら、J Mol Biol(1976年)104巻:59頁によって開発された尺度であり、これはHopp, TPら、Proc Natl Acad Sci U S A(1981年)78巻:3824頁に列挙されている。「親水性アミノ酸」の例は、アルギニン、リシン、トレオニン、アラニン、アスパラギン、およびグルタミンである。特に興味深いのは、親水性アミノ酸であるアスパラギン酸、グルタミン酸、およびセリン、およびグリシンである。「疎水性アミノ酸」の例は、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、およびバリンである。 「断片」とは、タンパク質に適用される場合、治療活性および/または生物学的活性の少なくとも一部分を保持する、ネイティブな生物学的に活性なタンパク質の短縮型である。「変異体」とは、タンパク質に適用される場合、生物学的に活性なタンパク質の治療活性および/または生物学的活性の少なくとも一部分を保持する、ネイティブな生物学的に活性なタンパク質に対して配列相同性を有するタンパク質である。例えば、変異体タンパク質は、参照の生物学的に活性なタンパク質と比較して少なくとも70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%または99%のアミノ酸配列同一性を共有してよい。本明細書で使用される場合、「生物学的に活性なタンパク質部分」という用語は、例えば部位特異的突然変異誘発、コードする遺伝子の合成、挿入によって意図的に、または、突然変異を通じて偶発的に修飾されたタンパク質を包含する。 「配列変異体」という用語は、それらのネイティブな配列または元の配列と比較して、1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失、または置換によって修飾されたポリペプチドを意味する。挿入は、タンパク質のどちらかの末端または両方の末端に位置してよく、かつ/またはアミノ酸配列の内部領域内に位置づけられていてよい。非限定的な例は、生物学的に活性なペイロードタンパク質の配列へのXTEN配列の挿入である。欠失変異体では、本明細書に記載のポリペプチドの1つまたは複数のアミノ酸残基が除去される。したがって、欠失変異体はペイロードポリペプチド配列の全ての断片を含む。置換変異体では、ポリペプチドの1つまたは複数のアミノ酸残基が除去され、代替の残基と置き換えられる。一態様では、置換は天然に保存されており、この種類の保存された置換は当技術分野で周知である。 本明細書で使用される場合、「内部XTEN」とは、GLP−2の配列に挿入されたXTEN配列を指す。内部XTENは、2つの近接するアミノ酸の間に挿入することによってXTEN配列をGLP−2の配列に挿入することによって、またはXTENが、GLP−2の部分的な内部の配列と置き換わる場合に構築することができる。 本明細書で使用される場合、「末端XTEN」とは、GLP−2のN末端もしくはC末端に、もしくはその中に、またはGLP−2のN末端もしくはC末端においてタンパク質切断配列に融合したXTEN配列を指す。末端XTENはGLP−2のネイティブな末端に融合することができる。あるいは、末端XTENでGLP−2の末端配列を置き換えることができる。 「XTEN放出部位」という用語は、哺乳動物のプロテアーゼが認識し、切断することができ、それによりXTENまたはXTENの一部がGLP2−XTEN融合タンパク質から放出される、GLP2−XTEN融合タンパク質内の切断配列を指す。本明細書で使用される場合、「哺乳動物のプロテアーゼ」とは、哺乳動物の体液、細胞または組織に通常存在するプロテアーゼを意味する。XTEN放出部位は、種々の哺乳動物のプロテアーゼ(「XTEN放出プロテアーゼ」としても公知である)、例えば、FXIa、FXIIa、カリクレイン、FVIIIa、FVIIIa、FXa、FIIa(トロンビン)、エラスターゼ−2、MMP−12、MMP3、MMP−17、MMP−20など、または被験体において融合タンパク質に近接して存在する任意のプロテアーゼによって切断されるように工学的に操作することができる。定義済みの切断部位を認識することができる他の同等のプロテアーゼ(内在性または外因性)を利用することができる。切断部位は、利用されるプロテアーゼに対して調節し、それに合わせて調整することができる。 「内部に(within)」という用語は、第2のポリペプチドと連結した第1のポリペプチドについて言及する場合、第1のポリペプチドまたは第2のポリペプチドのN末端を、それぞれ第2のポリペプチドまたは第1のポリペプチドのC末端と接続する連結、ならびに第2のポリペプチドの配列内への第1のポリペプチドの挿入を包含する。例えば、XTENがGLP−2ポリペプチドの「内部に(within)」連結している場合、XTENは、GLP−2ポリペプチドのN末端、C末端と連結していてもよく、任意の2つのアミノ酸の間に挿入されていてもよい。 本発明の目的に関して「活性」とは、融合タンパク質の構成成分の、対応するネイティブな生物学的に活性な融合タンパク質のタンパク質構成成分と一致する作用または効果を指し、「生物学的活性」とは、これだけに限定されないが、受容体結合性、アンタゴニスト活性、アゴニスト活性、細胞応答または生理的応答、またはペイロードGLP−2に関して当技術分野で公知の効果を含めた、in vitroまたはin vivoにおける生物学的機能または効果を指す。 本明細書で使用される場合、「ELISA」という用語は、本明細書に記載の、または別なふうに当技術分野で公知の酵素結合免疫吸着検定法を指す。 「宿主細胞」とは、対象ベクターに対するレシピエントになり得る、またはレシピエントになっている個々の細胞または細胞培養物を包含する。宿主細胞とは、単一の宿主細胞の後代を包含する。後代は、天然の、偶発的な、または意図的な突然変異に起因して、必ずしも元の親細胞と完全に同一であるとは限らない可能性がある(総DNA相補配列の形態またはゲノムにおいて)。宿主細胞としては、in vivoにおいて本発明のベクターでトランスフェクトされた細胞を包含する。 「単離された」とは、本明細書に開示されている種々のポリペプチドを説明するために使用される場合、同定され、その天然の環境の構成成分から分離および/または回収されたポリペプチドを意味する。その天然の環境の混入構成成分は、一般には、ポリペプチドの診断または治療への使用に干渉する材料であり、それらとしては、酵素、ホルモン、および他のタンパク質性または非タンパク質性の溶質を挙げることができる。当業者には明らかである通り、天然に存在しないポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはその断片は、「単離」してその天然に存在する対応物と区別することを必要としない。さらに、「濃縮された」、「分離された」または「希釈された」ポリヌクレオチド、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、抗体、またはその断片は、体積当たりの濃度または分子の数が一般にその天然に存在する対応物よりも大きいという点で、その天然に存在する対応物から区別可能である。一般に、組換え手段によって作出し、宿主細胞において発現させることができるポリペプチドは、「単離された」と考えられる。 「単離された」核酸とは、同定され、通常核酸の天然の供給源中に付随する少なくとも1つの混入核酸分子から分離された核酸分子である。例えば、単離されたポリペプチドコード核酸分子は、それが天然に見いだされる形態または状況にあるもの以外のものである。したがって、単離されたポリペプチドコード核酸分子は、天然の細胞に存在する場合と同様の特定のポリペプチドコード核酸分子とは区別される。しかし、単離されたポリペプチドコード核酸分子は、例えば、核酸分子が天然の細胞とは異なる染色体内の場所または染色体外の場所にある場合、通常ポリペプチドを発現する細胞に含有されるポリペプチドコード核酸分子を包含する。 「キメラ」タンパク質とは、天然に存在するものとは異なる配列内の位置にある少なくとも1つの領域を含む少なくとも1つの融合ポリペプチドを含有する。領域は、通常は別々のタンパク質に存在し、融合ポリペプチドにおいて一緒にされてもよく、通常は同じタンパク質に存在するが、融合ポリペプチドにおいて新しい並びに置かれてもよい。キメラタンパク質は、例えば、化学合成によって、またはペプチド領域が所望の関係でコードされているポリヌクレオチドを創出し、翻訳することによって創出することができる。 「コンジュゲートした」、「連結した」「融合した」および「融合」は、本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、2つ以上の化学元素、配列または構成成分を、化学的コンジュゲーションまたは組換え手段を含めた何らかの手段によってつなぎ合わせることを指す。例えば、プロモーターまたはエンハンサーは、配列の転写に影響を及ぼす場合、コード配列に作動可能に連結している。一般に、「作動可能に連結した」とは、連結しているDNA配列が連続しており、読み取り相にあることまたはインフレームであることを意味する。「インフレームの融合」とは、2つ以上のオープンリーディングフレーム(ORF)を、元のORFの正しい読み枠が維持されるようにつないで、継続的なより長いORFを形成することを指す。したがって、生じた組換え融合タンパク質は、元のORFによりコードされるポリペプチドに対応する2つ以上のセグメントを含有する単一のタンパク質である(セグメントは天然では通常そのようにつながっていない)。 ポリペプチドに関しては、「直鎖状配列」または「配列」とは、ポリペプチド内のアミノ酸の、アミノ末端からカルボキシル末端方向への順序であり、配列内で互いに近隣する残基がポリペプチドの一次構造で連続している。「部分配列」とは、一方の方向または両方向に追加的な残基を含むことが公知のポリペプチドの一部の直鎖状配列である。 「異種性」とは、比較されている残りの実体とは遺伝子型が別個の実体に由来することを意味する。例えば、ネイティブなコード配列から取り出され、ネイティブな配列以外のコード配列に作動可能に連結したグリシンリッチ配列は、異種性グリシンリッチ配列である。「異種性」という用語は、ポリヌクレオチド、ポリペプチドに適用される場合、ポリヌクレオチドまたはポリペプチドが、それが比較されている残りの実体とは遺伝子型が別個の実体に由来することを意味する。 「ポリヌクレオチド」、「核酸」、「ヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」という用語は互換的に使用される。これらの用語は、デオキシリボヌクレオチドまたはリボヌクレオチドのいずれかの任意の長さのポリマーの形態のヌクレオチド、またはその類似体を指す。ポリヌクレオチドは任意の三次元構造を有してよく、公知または未知の任意の機能を果たしてよい。以下は非限定的なポリヌクレオチドの例である:遺伝子または遺伝子断片のコード領域または非コード領域、連鎖解析によって定義された複数の遺伝子座(単一の遺伝子座)、エクソン、イントロン、メッセンジャーRNA(mRNA)、転移RNA、リボソームRNA、リボザイム、cDNA、組換えポリヌクレオチド、分枝ポリヌクレオチド、プラスミド、ベクター、任意の配列の単離されたDNA、任意の配列の単離されたRNA、核酸プローブ、およびプライマー。ポリヌクレオチドは、メチル化されたヌクレオチドなどの修飾されたヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含んでよい。存在する場合、ヌクレオチド構造に対する修飾は、ポリマーを組立てる前、またはその後に付与することができる。ヌクレオチドの配列には、非ヌクレオチド構成成分が割り込んでいてよい。ポリヌクレオチドは、重合後に、例えば、標識用構成成分とコンジュゲーションすることによってなどでさらに修飾することができる。 「ポリヌクレオチドの相補配列」という用語は、参照配列と比較して相補的な塩基配列および逆方向を有し、したがって、参照配列と完全な忠実度でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチド分子を意味する。 「組換え」とは、ポリヌクレオチドに適用される場合、そのポリヌクレオチドが、クローニング、制限および/またはライゲーションステップを含んでよい組換えステップ、ならびに宿主細胞における組換えタンパク質の発現がもたらされる他の手順の種々の組合せの産物であることを意味する。 「遺伝子」および「遺伝子断片」という用語は、本明細書では互換的に使用される。これらの用語は、転写され、翻訳された後に特定のタンパク質をコードすることができる少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含有するポリヌクレオチドを指す。遺伝子または遺伝子断片は、ポリヌクレオチドが 少なくとも1つのオープンリーディングフレームを含有する限りは、ゲノムDNAであってもcDNAであってもよく、コード領域全体またはそのセグメントを包含してよい。「融合遺伝子」とは、連結した少なくとも2つの異種ポリヌクレオチドで構成される遺伝子である。 「相同性」または「相同な」または「配列同一性」とは、2つ以上のポリヌクレオチド配列間または2つ以上のポリペプチド配列間の配列類似性または互換性を指す。2つの異なるアミノ酸配列間の配列同一性、類似性または相同性を決定するためにBestFitなどのプログラムを使用する場合、初期設定を用いることもでき、適切なスコアリング行列、例えば、blosum45またはblosum80などを選択して、同一性、類似性または相同性スコアを最適化することもできる。相同なポリヌクレオチドとは、本明細書で定義されているストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、その配列と比較して少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、より好ましくは少なくとも90%、より好ましくは95%、より好ましくは97%、より好ましくは98%、およびなおより好ましくは99%の配列同一性を有するポリヌクレオチドであることが好ましい。相同なポリペプチドの配列同一性は、少なくとも70%、好ましくは少なくとも80%、なおより好ましくは少なくとも90%、なおより好ましくは少なくとも95〜99%、最も好ましくは100%同一であることが好ましい。 「ライゲーション」とは、2つの核酸断片または遺伝子の間にリン酸ジエステル結合を形成し、それらを連結するプロセスを指す。DNA断片または遺伝子をライゲーションするためには、DNAの末端が互いと適合しなければならない。いくつかの場合には、末端は、エンドヌクレアーゼ消化によって直接適合する。しかし、まず、一般にエンドヌクレアーゼ消化後に生じる付着末端を平滑末端に変換して、ライゲーションを調整することが必要な場合がある。 「ストリンジェントな条件」または「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」という用語は、ポリヌクレオチドが、他の配列よりも検出可能に大きな程度(例えば、バックグラウンドの少なくとも2倍)でその標的配列とハイブリダイズする条件を指すことを包含する。一般に、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーは、部分的に、洗浄ステップを行う温度および塩濃度に関して表される。一般には、ストリンジェントな条件は、塩濃度がpH7.0〜8.3で約1.5M未満のNaイオン濃度、一般には、約0.01〜1.0MのNaイオン濃度(または他の塩)であり、温度が、短いポリヌクレオチド(例えば、10〜50ヌクレオチド)については少なくとも約30℃、長いポリヌクレオチド(例えば、50ヌクレオチド超)については少なくとも約60℃である条件になる。例えば、「ストリンジェントな条件」は、50%ホルムアミド、1MのNaCl、1%SDS中、37℃でのハイブリダイゼーション、および0.1×SSC/1%SDS中、60℃〜65℃で各15分3回の洗浄を含んでよい。あるいは、約65℃、60℃、55℃、または42℃の温度を用いることができる。SSC濃度は約0.1〜2×SSCで変動してよく、SDSは約0.1%で存在する。そのような洗浄温度は、一般には、定義済みのイオン強度およびpHにおける特異的な配列の熱的融点よりも約5℃〜20℃低くなるように選択される。Tmとは、標的配列の50%が完全に一致するプローブとハイブリダイズする温度である(定義済みのイオン強度およびpHの下で)。核酸ハイブリダイゼーションのためのTmおよび条件を算出するための方程式は周知であり、Sambrook, J.ら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001年に見いだすことができる。一般には、非特異的なハイブリダイゼーションを遮断するために遮断試薬を使用する。そのような遮断試薬としては、例えば、せん断し変性させたサケ精子DNA、約100〜200μg/mlが挙げられる。約35〜50%v/vの濃度のホルムアミドなどの有機溶媒も、RNA:DNAのハイブリダイゼーションなどの特定の状況下で使用することができる。これらの洗浄条件の有用な変形は当業者には容易に明らかになろう。 「パーセント同一性」、「配列同一性の百分率」、および「%同一性」という用語は、ポリヌクレオチド配列に適用される場合、標準化アルゴリズムを使用してアラインメントした少なくとも2つのポリヌクレオチド配列間の一致する残基の百分率を指す。そのようなアルゴリズムにより、2つの配列間のアラインメントを最適化し、したがって、2つの配列のより意味のある比較を実現するために、比較される配列内に、標準化され、再現性のあるやり方でギャップを挿入ことができる。パーセント同一性は、定義済みのポリヌクレオチド配列全体の長さにわたって測定することもでき、それよりも短い長さ、例えば、より大きな定義済みのポリヌクレオチド配列から取得した断片、例えば、少なくとも45個、少なくとも60個、少なくとも90個、少なくとも120個、少なくとも150個、少なくとも210個または少なくとも450個の連続した残基の断片の長さにわたって測定することもできる。そのような長さは単に例示的なものであり、本明細書の表、図または配列表において示されている配列に支持される任意の断片長を用いて、百分率同一性を測定することができる長さを説明することができることが理解される。配列同一性の百分率は、2つの最適にアラインメントされた配列を比較のウィンドウにわたって比較し、一致する位置(両方のポリペプチド配列において同一の残基が出現する位置)の数を決定し、一致する位置の数を比較のウィンドウ内の位置の総数(すなわち、ウィンドウサイズ)で割り、その結果に100を掛けて配列同一性の百分率をもたらすことによって算出する。長さが異なる配列を比較する場合、最も短い配列によって比較のウィンドウの長さが規定される。配列同一性を算出する際には保存された置換は考慮しない。 「パーセント(%)配列同一性」とは、本明細書において同定されるポリペプチド配列に関しては、配列をアラインメントし、必要であれば、最大のパーセント配列同一性を実現するためにギャップを導入し、また、いかなる保存された置換も配列同一性の一部として考えず、それにより、最適なアラインメントがもたらされた後の、第2の、参照ポリペプチド配列またはその部分のアミノ酸残基と同一である、クエリ配列内のアミノ酸残基の百分率と定義される。パーセントアミノ酸配列同一性を決定するためのアラインメントは、当技術分野の技術の範囲内の種々のやり方で、例えば、BLAST、BLAST−2、ALIGNまたはMegalign(DNASTAR)ソフトウェアなどの公的に入手可能なコンピュータソフトウェアを使用することによって実現することができる。当業者は、比較される配列の全長にわたる最適なアラインメントを実現するために必要な任意のアルゴリズムを含めた、アラインメントを測定するための適切なパラメータを決定することができる。パーセント同一性は、定義済みのポリペプチド配列全体の長さにわたって測定することもでき、それよりも短い長さ、例えば、より大きな、定義済みのポリペプチド配列から取得した断片、例えば、少なくとも15個、少なくとも20個、少なくとも30個、少なくとも40個、少なくとも50個、少なくとも70個または少なくとも150個の連続した残基の断片の長さにわたって測定することもできる。そのような長さは単に例示的なものであり、本明細書の表、図または配列表において示されている配列によって支持される任意の断片長を用いて、百分率同一性を測定することができる長さを説明することができることが理解される。 ポリヌクレオチド配列に関して使用される「反復性」とは、配列の内部の相同性の程度、例えば、所与の長さの同一のヌクレオチド配列の発生頻度などを指す。反復性は、例えば、同一の配列の頻度を分析することによって測定することができる。 「ベクター」とは、挿入核酸分子を宿主細胞内および/またはその間に運ぶ、適切な宿主において自己複製することが好ましい核酸分子である。この用語は、DNAまたはRNAの細胞への挿入に関して主に機能するベクター、DNAまたはRNAの複製に関して主に機能するベクターの複製、およびDNAまたはRNAの転写および/または翻訳に関して機能する発現ベクターを包含する。上記の機能の2つ以上をもたらすベクターも包含される。「発現ベクター」とは、適切な宿主細胞に導入すると、ポリペプチド(複数可)に転写し、翻訳することができるポリヌクレオチドである。「発現系」とは、通常、所望の発現産物がもたらされるように機能することができる発現ベクターを含む適切な宿主細胞を含む。 「血清分解抵抗性」とは、ポリペプチドに適用される場合、一般には血清または血漿中のプロテアーゼを伴う血液またはその構成成分における分解に抵抗するポリペプチドの能力を指す。血清分解抵抗性は、タンパク質を、一般には、種々の日数(例えば、0.25日、0.5日、1日、2日、4日、8日、16日)にわたって、一般には約37℃でヒト(または、必要に応じてマウス、ラット、サル)の血清または血漿と合わせることによって測定することができる。これらの時点での試料をウェスタンブロットアッセイにかけ、抗体を用いてタンパク質を検出することができる。抗体はタンパク質のタグになり得る。タンパク質がウェスタンにおいて単一のバンドを示す場合、タンパク質のサイズは注入したタンパク質のサイズと同一であり、したがって分解は生じていない。この典型的な方法では、ウェスタンブロットまたは同等の技法によって判断したところタンパク質の50%が分解された時点が、タンパク質の血清分解半減期または「血清半減期」である。 「t1/2」、「終末相半減期」、「排出半減期」および「循環半減期(circulating half−life)」という用語は、本明細書では互換的に使用され、本明細書で使用される場合、ln(2)/Kelとして算出される終末相半減期を意味する。Kelは、対数濃度対時間曲線の終末直線部分の線形回帰によって算出される終末排出速度定数である。半減期とは、一般には、生きている生物体内に蓄積した投与された物質の分量の半分が正常な生物学的プロセスによって代謝または排除されるのに必要な時間を指す。 「活性なクリアランス」とは、タンパク質が、濾過による以外で循環から除去される機構を意味し、細胞、受容体、代謝、またはタンパク質の分解に媒介される循環からの除去を包含する。 「見かけの分子量率」および「見かけの分子量」とは、特定のアミノ酸またはポリペプチド配列によって示される見かけの分子量の相対的な増大または減少の基準に関する関連用語である。見かけの分子量は、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)または同様の方法を用い、球状タンパク質標準物質と比較することによって決定され、「見かけのkDa」単位で測定される。見かけの分子量率とは、見かけの分子量と実際の分子量の比であり、後者は、アミノ酸組成に基づいて、組成内のアミノ酸の各種類の算出された分子量を足すことによって、またはSDS電気泳動ゲルにおいて分子量標準物質に対する比較から推定することによって予測される。代表的なタンパク質の見かけの分子量および見かけの分子量率のどちらの決定についても実施例に記載されている。 「流体力学的半径」または「ストークス半径」という用語は、溶液中の分子が溶液を通じて体を移動し、溶液の粘度の抵抗を受けると仮定することによって測定される、その分子の有効な半径(Rh、nM)である。本発明の実施形態では、XTEN融合タンパク質の流体力学的半径は、より直観的な基準である「見かけの分子量率」と相関する。タンパク質の「流体力学的半径」は、水溶液中でのその拡散の速度ならびに巨大分子のゲル内を移動するその能力に影響を及ぼす。タンパク質の流体力学的半径は、その分子量によってだけでなく、形状および緻密さを含めたその構造によっても決定される。流体力学的半径を決定するための方法は当技術分野で周知であり、例えば、米国特許第6,406,632号および同第7,294,513号に記載の通り、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を用いることによる。大部分のタンパク質が、タンパク質が最小の流体力学的半径を有し得る最も緻密な三次元構造である球状構造を有する。いくつかのタンパク質は、無作為かつ開いた、非構造化、または「直鎖状の」コンフォメーションをとり、その結果として、同様の分子量の典型的な球状タンパク質と比較してはるかに大きな流体力学的半径を有する。 「生理的条件」とは、温度、塩濃度、pHを含めた、生きている被験体の条件を模倣する、生きている宿主におけるこれらの一連の条件ならびにin vitroにおける条件を指す。in vitroアッセイにおいて使用するための生理的に関連する条件の宿主が確立されている。一般に、生理的緩衝液は、生理的濃度の塩を含有し、約6.5から約7.8まで、好ましくは約7.0から約7.5までにわたる中性のpHに調整される。種々の生理的緩衝液がSambrookら(2001年)に列挙されている。生理的に関連する温度範囲は、約25℃から約38℃まで、好ましくは約35℃から約37℃までにわたる。 「反応性基」とは、第2の反応性基とカップリングすることができる化学構造である。反応性基の例は、アミノ基、カルボキシル基、スルフヒドリル基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、アジド基(azide group)である。いくつかの反応性基は、活性化して、第2の反応性基とのカップリングを容易にすることができる。活性化の非限定的な例はカルボキシル基とカルボジイミドの反応、カルボキシル基の活性化エステルへの変換、またはカルボキシル基のアジド官能基への変換である。 「制御放出作用剤」、「緩慢放出作用剤」、「デポ製剤」および「持続放出作用剤」とは、本発明のポリペプチドの放出の持続時間を、作用剤の不在下でポリペプチドを投与した場合の放出の持続時間と比較して延長することができる作用剤を指すために互換的に使用される。本発明の異なる実施形態は異なる放出速度を有してよく、その結果、治療量が異なる。 「抗原」、「標的抗原」および「免疫原」という用語は、本明細書では互換的に使用され、抗体断片または抗体断片に基づく治療薬が結合するまたは特異性を有する構造または結合の決定因子を指す。 「ペイロード」という用語は、本明細書で使用される場合、生物学的活性または治療的活性を有するタンパク質またはペプチド配列;小分子のファルマコフォアの対応物を指す。ペイロードの例としては、これだけに限定されないが、サイトカイン、酵素、ホルモン、血液凝固因子、および増殖因子が挙げられる。ペイロードは、化学療法剤、抗ウイルス化合物、毒素、または造影剤などの遺伝子融合したまたは化学的にコンジュゲートした部分をさらに含んでよい。これらのコンジュゲートした部分は、切断可能であっても切断不可能であってもよいリンカーを介して残りのポリペプチドとつながっていてよい。 「アンタゴニスト」という用語は、本明細書で使用される場合、本明細書に開示されているネイティブなポリペプチドの生物学的活性を部分的にまたは完全に遮断する、阻害する、または中和する任意の分子を包含する。ポリペプチドのアンタゴニストを同定するための方法は、ネイティブなポリペプチドを候補アンタゴニスト分子と接触させるステップと、通常ネイティブなポリペプチドに付随する1つまたは複数の生物学的活性の検出可能な変化を測定するステップとを含んでよい。本発明に関しては、アンタゴニストは、生物学的に活性なタンパク質の効果を減少させるタンパク質、核酸、炭水化物、抗体または任意の他の分子を含んでよい。 「アゴニスト」という用語は、最も広範な意味で使用され、本明細書に開示されているネイティブなポリペプチドの生物学的活性を模倣する任意の分子を包含する。適切なアゴニスト分子として、具体的には、アゴニスト抗体または抗体断片、ネイティブなポリペプチドの断片またはアミノ酸配列変異体、ペプチド、小有機分子などが挙げられる。ネイティブなポリペプチドのアゴニストを同定するための方法は、ネイティブなポリペプチドを候補アゴニスト分子と接触させるステップと、通常ネイティブなポリペプチドに付随する1つまたは複数の生物学的活性の検出可能な変化を測定するステップとを含んでよい。 「阻害定数」、または「Ki」は、互換的に使用され、酵素−阻害剤複合体の解離定数、または阻害剤の酵素に対する結合親和性の逆数を意味する。 本明細書で使用される場合、「治療する(treat)」または「治療すること(treating)」または「和らげること」または「向上させること」は、互換的に使用され、治療的利益を実現するため、現存する状態を治癒するもしくはその重症度を低下させるため、または、発症の可能性もしくは状態の発生の重症度について、それに対する予防的利益を実現する、それを予防する、もしくはそれを低下させるために、薬物または生物製剤を投与することを意味する。治療的利益とは、治療されている基礎をなす状態または基礎をなす状態に伴う生理的症状のうちの1つまたは複数が根絶または向上し、したがって、被験体はなお基礎をなす状態を患っている可能性があるが、それでも被験体において改善が観察されることを意味する。 「治療効果」または「治療的利益」とは、本明細書で使用される場合、これだけに限定されないが、ヒトまたは他の動物における疾患の緩和、向上、または予防を含めた生理的効果、または、他の点では、生物学的に活性なタンパク質に保有される抗原エピトープに対する抗体の産生を誘導する能力以外に本発明の融合タンパク質を投与することによって生じるヒトまたは動物の身体的または精神的なウェルビーイングの増強を指す。予防的利益のために、組成物を、特定の状態を発症する危険性がある被験体、または、診断(例えば、クローン病)されていない場合があるにもかかわらず状態の生理的症状のうちの1つまたは複数を訴えている被験体に投与することができる。 「治療有効量」および「治療有効用量」という用語は、本明細書で使用される場合、1回投薬または反復投薬で被験体に投与すると、単独でまたは融合タンパク質組成物の一部としてのいずれかで、病態または状態の任意の症状、態様、測定パラメータまたは特性に対する任意の検出可能な有益な効果を有することができる量の薬物または生物学的に活性なタンパク質を指す。そのような効果は、絶対的に有益である必要はない。治療有効量の決定は、特に本明細書において提供される詳細な開示を踏まえて、十分に当業者の能力の範囲内である。 「治療有効用量レジメン」という用語は、本明細書で使用される場合、単独でまたは融合タンパク質組成物の一部としてのいずれかの生物学的に活性なタンパク質の、継続的に投与する複数回投薬(すなわち、少なくとも2回以上)のためのスケジュールを指し、用量は病態または状態の任意の症状、態様、測定パラメータまたは特性に対する持続性の有益な効果をもたらすための治療有効量で示されている。 I)一般的な技法本発明の実施では、別段の指定のない限り、当技術分野の技術の範囲内である免疫学、生化学、化学、分子生物学、微生物学、細胞生物学、ゲノミクスおよび組換えDNAの従来の技法を用いる。その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sambrook, J.ら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、2001年;「Current protocols in molecular biology」、F. M. Ausubelら編、1987年;「Methods in Enzymology」シリーズ、Academic Press、San Diego、CA.;「PCR 2: a practical approach」、M.J. MacPherson、B.D. HamesおよびG.R. Taylor編、Oxford University Press、1995年;「Antibodies, a laboratory manual」、Harlow, E.および,Lane, D.編、Cold Spring Harbor Laboratory、1988年;「Goodman & Gilman’s The pharmacological Basis of Therapeutics」、第11版、McGraw−Hill、2005年;およびFreshney, R.I.、「Culture of Animal Cells: A Manual of Basic Technique」、第4版、John Wiley & Sons、Somerset、NJ、2000年を参照されたい。 II)グルカゴン様−2タンパク質 本発明は、一部、GLP2−XTEN融合タンパク質組成物をもたらすGLP−2および1つまたは複数の延長組換えポリペプチド(XTEN)を含む融合タンパク質組成物に関する。 「グルカゴン様タンパク質−2」または「GLP−2」とは、集合的に、本明細書では、ヒトGLP−2の種ホモログであるヒトグルカゴン様ペプチド−2、および、例えば、これだけに限定されないが、成熟配列の2位のアラニンがグリシンで置換された変異体(「2G」)ならびに2位のアラニンがVal、Glu、Lys、Arg、LeuまたはIleで置換された変異体などの変異体を含めた成熟GLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分を有する非天然の配列変異体を意味する。GLP−2または配列変異体は、米国特許第5,789,379号;同第5,834,428号;同第5,990,077号;同第5,994,500号;同第6,184,201号;同第7,186,683号;同第7,563、770号;米国特許出願第20020025933号;および同第20030162703号に記載の通り、単離され、合成され、特徴付けられ、またはクローニングされている。 ヒトGLP−2は、小腸および大腸の上皮の腸内分泌細胞からGLP−1と一緒に分泌される33アミノ酸ペプチドである。プログルカゴン遺伝子の180アミノ酸産物が翻訳後に膵臓のA細胞および腸のL細胞において組織特異的な様式でプロセシングされて、33アミノ酸のGLP−2になる(Orskovら、FEBS Lett.(1989年)247巻:193〜196頁;Hartmannら、Peptides(2000年)21巻:73〜80頁)。膵臓のA細胞では、主要な生理活性ホルモンはPCSK2/PC2によって切断されたグルカゴンである。腸のL細胞では、PCSK1/PC1により、GLP−1、GLP−2、グリセンチンおよびオキシントモジュリンが遊離する。GLP−2は、粘膜の成長および栄養吸収の促進、腸の恒常性、胃の運動性の調節、胃酸分泌および腸のヘキソース輸送、腸透過性の低下および腸間膜血流の増大を含む、広範囲にわたる効果を有する多面的な腸栄養性ホルモンとして機能する(Estall JL、Drucker DJ(2006年)Glucagon−like peptide−2. Annual Rev Nutr 26巻:391〜411頁)、(Guan Xら(2006年)GLP−2 receptor localizes to enteric neurons and endocrine cells expressing vasoactive peptides and mediates increased blood flow. Gastroenterology 130巻:150〜164頁;Stephens Jら(2006年)Glucagon−like peptide−2 acutely increases proximal small intestinal blood flow in TPN−fed neonatal piglets. Am J、Physiol Regul Integr Comp、Physiol 290巻:R283〜R289頁;Nelson DWら(2007年)Localization and activation of GLP−2 receptors on vagal afferents in the rat. Endocrinology 148巻:1954〜1962頁)。GLP−2に媒介される効果は、腸内(Bjerknes M, Cheng H(2001年):Modulation of specific intestinal epithelial progenitors by enteric neurons. Proc Natl Acad Sci USA 98巻:12497〜12502頁)および迷走神経(Nelsonら、2007年)、上皮下筋線維芽細胞(Orskov Cら(2005年)GLP−2 stimulates colonic growth via KGF, released by subepithelial myofibroblasts with GLP−2 receptors. Regul Pept 124巻:105〜11頁)、および腸上皮細胞のサブセット(Thulesen Jら(2000年)Potential targets for glucagon−like peptide 2 (GLP−2) in the rat:distribution and binding of i.v. injected (125) IGLP−2. Peptides 21巻:1511〜1517頁)に位置するグルカゴン/セクレチンGタンパク質−共役受容体スーパーファミリーのメンバーであるGLP−2受容体の結合およびその活性化によって誘発される。さらに、GLP−2は、炎症促進サイトカインの効果の向上を含めた、炎症性事象の間の腸の適応、修復および保護において重要な役割を果たす(Sigalet DLら(2007年)Enteric neural pathways mediate the anti−inflammatory actions of glucagon−like peptide 2. Am J、Physiol Gastrointest Liver、Physiol 293巻:G211〜G221頁)。GLP−2により、短腸症候群(SBS)のげっ歯類またはヒトにおける栄養吸収および消化管適応も増強される(Jeppesenら、(2001年)Gastroenterology 120巻:806〜815頁)。 一態様では、本発明は、ネイティブなヒトGLP−2の生物学的活性または生物学的機能の少なくとも一部分を保持する、例えば、ヒト、非ヒト霊長類、哺乳動物(家畜動物を含める)由来のものなどの天然の配列であるGLP−2配列に対して相同性を有する配列であるヒトGLP−2と同一であるGLP2−XTEN融合タンパク質組成物内のGLP−2配列を含めることを意図している。一実施形態では、GLP−2は、対応するネイティブなGLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分を保持する非天然のGLP−2配列変異体、断片、または天然の配列の模倣物、例えば、これだけに限定されないが、成熟GLP−2ペプチド配列の2位のアラニンのグリシンでの置換(「GLP−2−2G」)などである。別の実施形態では、融合タンパク質のGLP−2は、配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する。GLP−2に対して相同性を有する配列は、NCBI BLASTなどの標準の相同性検索技法によって、またはChemical Abstracts Services Databases(例えば、CAS Registry)、GenBank、The Universal Protein Resource(UniProt)などの公共のデータベースおよびGcnScq(例えば、Derwent)などの会員制提供データベースにおいて見いだすことができる。 表1は、本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質に包含されるGLP−2のアミノ酸配列の非限定的な一覧を提供する。融合タンパク質組成物に組み入れられるGLP−2配列または相同な誘導体はいずれも個々の突然変異を表1の配列のアミノ酸内およびその間にシャッフリングすることによって、または表1の配列のアミノ酸を置き換えることによって構築することができる。生じたGLP−2配列を活性について評価することができ、ネイティブなGLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分を保持するものが、本発明の融合タンパク質組成物に含めるために有用であり得る。いくつかの実施形態では、GLP2−XTENに組み入れることができるGLP−2としては、表1から選択されるアミノ酸配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%,82%、83%、84%、85%、86%,87%,88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有するタンパク質が挙げられる。 対象組成物のGLP−2は、ネイティブな、全長のGLP−2ポリペプチドに限定されないが、配列変異体、またはその断片を有する組換え型ならびに生物学的かつ/または薬理学的に活性な形態も包含する。例えば、GLP−2において種々のアミノ酸の欠失、挿入および置換を行って、野生型GLP−2の1つまたは複数の生物学的活性または薬理的性質を示す変異体を創出することができることが理解されよう。ポリペプチド配列内のアミノ酸に対する保存された置換の例が表2に示されている。本明細書に開示されている特異的な配列と比較したGLP−2の配列同一性が100%未満であるGLP2−XTENの実施形態では、本発明では、所与のGLP−2の所与のアミノ酸残基の他の19種の天然L−アミノ酸のいずれかによる置換が意図されており、これは、近接するアミノ酸残基を含めたGLP−2の配列内の任意の位置におけるものであってよい。いくつかの実施形態では、GLP2−XTENに組み入れられたGLP−2変異体では、成熟ペプチドの2位のアラニン(A)がグリシン(G)、バリン(V)、グルタミン酸(E)、リシン(K)、アルギニン(R)、ロイシン(K)またはイソロイシン(I)で置換されている。そのような置換により、ジペプチジルペプチダーゼ−4(DPP−4)に対する抵抗性を付与することができる。一実施形態では、GLP−2配列の2位のアラニンがグリシンで置換されている。いずれか1つの置換により、生物学的活性に望ましくない変化がもたらされる場合には、代替のアミノ酸のうちの1つを使用することができ、また、構築物タンパク質は、本明細書に記載の方法(例えば、表32のアッセイ)によって、または、例えば、米国特許第5,364,934号(その内容全体が参照により組み込まれる)に記載されている保存された突然変異および保存されていない突然変異に対する技法およびガイドラインのいずれかを用いて、または当技術分野で公知の方法を用いて評価する。さらに、変異体は、例えば、ネイティブなペプチドの生物学的活性;例えば、GLP−2受容体に結合する能力および/またはGLP−2受容体を活性化する能力の全てではないにしてもいくらかを保持するGLP−2の全長のネイティブなアミノ酸配列のN末端またはC末端において1つまたは複数のアミノ酸残基が付加または欠失しているポリペプチドを含んでよい。 GLP−2の配列変異体としては、対応する野生型GLP−2と実質的に同じまたはそれよりも良い生物学的活性を示すものであろうと、あるいは野生型GLP−2と比較して実質的に改変されたまたは低下した生物学的活性を示すものであろうと、限定することなく、野生型GLP−2の配列とは1つまたは複数のアミノ酸の挿入、欠失、または置換によって異なるアミノ酸配列を有するポリペプチドが挙げられる。そのようなGLP−2変異体は、全てが参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7,186,683号または米国特許第5,789,379号、同第5,994,500号に記載されているものを含め、当技術分野で公知である。 III)延長組換えポリペプチド 一態様では、本発明は、GLP−2配列と連結し、かつ/またはそれに組み入れ、それによりGLP2−XTEN融合タンパク質をもたらすための融合タンパク質パートナー(複数可)として有用なXTENポリペプチド組成物を提供する。XTENは、一般に、生理的条件下で二次構造または三次構造の程度が低い、またはそれを有さない、天然に存在しない実質的に非反復性の配列を有するポリペプチドである。XTENは、一般には約36〜約3000アミノ酸を有し、その大部分または全体は小さな親水性アミノ酸である。本明細書で使用される場合、「XTEN」とは、全抗体または抗体断片(例えば、単鎖抗体およびFc断片)を明確に排除する。XTENは、GLP−2タンパク質と連結してGLP2−XTEN融合タンパク質を創出した場合に種々の役割を果たし、特定の望ましい薬物動態的性質、物理化学的性質および薬学的性質を付与するという点で、融合タンパク質パートナーとしての有用性を有する。そのようなGLP2−XTEN融合タンパク質組成物の性質は、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して増強されており、それにより、以下により詳細に記載されている通り特定の胃腸の状態の治療において有用なものになる。 生物学的に活性なタンパク質と融合するためのXTENの選択の判断基準は、一般には、次に融合タンパク質組成物の性質を増強させるために使用するXTENの物理化学的性質およびコンフォメーション構造の属性に関する。XTENの非構造化特性および物理的/化学的性質は、部分的に、XTENポリペプチドの4〜6個の親水性アミノ酸に不釣り合いに限定された全体的なアミノ酸組成、数量化できる非反復設計におけるアミノ酸の連結、および長さによってもたらされる。XTENには一般的であるが、ポリペプチドには珍しい有利な特徴では、本明細書に開示されているXTENの性質は、種々の長さの範囲内で同様の性質を保有し、その多くが実施例において実証されている表4の例示的な配列の多様性によって証明されるように、絶対的な一次アミノ酸配列に縛られない。本発明のXTENは以下の有利な性質の1つまたは複数を示す:コンフォメーションが柔軟であること、二次構造が低下または欠如していること、水溶性の程度が高いこと、プロテアーゼ抵抗性の程度が高いこと、免疫原性が低いこと、哺乳動物の受容体への結合性が低いこと、電荷の程度が規定されていること、および流体力学的(またはストークス)半径が増大していること;それらを融合タンパク質パートナーとして特に有用なものにする性質。次に、XTENと融合したGLP−2を含む融合タンパク質の性質の増強の非限定的な例としては、全体的な溶解度および/または代謝安定性が増大すること、タンパク質分解の受けやすさが低下すること、免疫原性が低下すること、皮下または筋肉内に投与された際の吸収の速度が低下すること、腎臓によるクリアランスが低下すること、基質との相互作用が増強されること、および薬物動態的性質が増強されることが挙げられる。本発明のGLP2−XTEN組成物の薬物動態的性質の増強としては、終末相半減期が長くなること(例えば、2倍、3倍、4倍またはそれ以上)、曲線下面積(AUC)が増大すること(例えば、25%、50%、100%またはそれ以上)、分布容積が低下すること、皮下または筋肉内に注射した後の吸収が遅くなり(同様の経路で投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して)、したがってCmaxが低下することが挙げられ、それにより今度はGLP−2の有害作用が低下し、それにより、集合的に、被験体に投与されるGLP2−XTEN組成物の融合タンパク質により治療的活性がもたらされる時間が増大する。いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN組成物は、生物学的に活性なGLP−2の持続放出を可能にする切断配列(下でより詳細に記載されている)を含む。そのような切断配列を有するGLP2−XTENは、皮下または筋肉内に投与された際にデポ剤としての機能を果たし得る。具体的には、本開示の対象GLP2−XTEN融合タンパク質は、本明細書に開示されている改善された性質の1つまたは複数、またはその任意の組合せを示し得ることが意図されている。いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN組成物により、同等に投与したXTENと連結していないGLP−2と比較してより頻度の少ない投薬が可能になる。そのようなGLP2−XTEN融合タンパク質組成物は、本明細書に記載の特定のGLP−2に関連する疾患、障害または状態を治療するために有用である。 本発明のXTENを含む組成物などのタンパク質の物理化学的性質を決定するための種々の方法およびアッセイは当技術分野で公知である。そのような性質としては、これだけに限定されないが、二次構造または三次構造、溶解度、タンパク質凝集、融解性、コンタミネーションおよび含水量が挙げられる。そのような方法としては、分析的遠心分離、EPR、HPLC−イオン交換、HPLC−サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)、HPLC−逆相、光散乱、キャピラリー電気泳動、円偏光二色性、示差走査熱量測定、蛍光、HPLC−イオン交換、IR、NMR、ラマン分光法、屈折率測定、およびUV/可視分光法が挙げられる。追加的な方法は、Arnauら、Prot Expr and Purif(2006年)、48巻、1〜13頁に開示されている。 GLP2−XTENのXTEN構成成分(複数可)は、ポリマーの長さが延長されているにもかかわらず、生理的条件下で変性したペプチド配列のように挙動するように設計する。「変性した」とは、ペプチド骨格のコンフォメーションの自由度が大きいことを特徴とする溶液中のペプチドの状態を説明する。大部分のペプチドおよびタンパク質は、高濃度の変性剤の存在下でまたは温度上昇時に変性したコンフォメーションをとる。変性したコンフォメーションにあるペプチドは、例えば、特徴的な円偏光二色性(CD)スペクトルを有し、また、NMRによって決定された通り、長距離の相互作用が欠如していることを特徴とする。「変性したコンフォメーション」および「非構造化コンフォメーション」は本明細書では同義に使用される。いくつかの実施形態では、本発明は、生理的条件下で、二次構造を大きく欠く変性した配列と類似したXTEN配列を提供する。他の場合では、XTEN配列は生理的条件下で二次構造を実質的に欠く。この場合で使用される「大きく欠く」とは、本明細書に記載の手段によって測定または決定したところ、二次構造に寄与するXTEN配列のXTENアミノ酸残基が50%未満であることを意味する。この場合に使用される「実質的に欠く」とは、本明細書に記載の方法によって測定または決定したところ、XTEN配列のXTENアミノ酸残基の少なくとも約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%、または少なくとも約99%が二次構造に寄与しないことを意味する。 所与のポリペプチドにおける二次構造および三次構造の存在または不在を見分けるための種々の方法が当技術分野において確立されている。具体的には、二次構造は、分光光度的に、例えば、「遠UV」スペクトルの領域(190〜250nm)で円偏光二色性分光法によって測定することができる。アルファヘリックスおよびベータ−シートなどの二次構造エレメントは、それぞれ、形状および大きさが特徴的なCDスペクトルを生じさせる。二次構造は、ポリペプチド配列に関して、米国特許出願公開第20030228309A1に記載の通り、特定のコンピュータプログラムまたはアルゴリズム、例えば周知のChou−Fasmanアルゴリズム(Chou, P. Yら(1974年)Biochemistry、13巻:222〜45頁)およびGarnier−Osguthorpe−Robsonアルゴリズム(「Gorアルゴリズム」)(Garnier J、Gibrat JF、Robson B.(1996年)、GOR method for predicting protein secondary structure from amino acid sequence. Methods Enzymol 266巻:540〜553頁)などを使用して予測することもできる。所与の配列について、アルゴリズムにより、いくつかの二次構造が存在するかまたは二次構造が全く存在しないかを予測することができ、例えば、アルファヘリックスもしくはベータシートを形成する配列の残基の総計および/もしくは百分率、またはランダムコイル形成(二次構造が欠如している)が生じることが予測される配列の残基の百分率として表される。ポリペプチド配列は、例えば、fasta.bioch.virginia.edu/fasta_www2/fasta_www.cgi?rm=misc1におけるワールドワイドウェブ上のサイトを使用するChou−Fasmanアルゴリズム、および、npsa−pbil.ibcp.fr/cgi−bin/npsa_automat.pl?page=npsa_gor4.htmlのGorアルゴリズムを使用して(どちらも2012年9月5日にアクセスした)分析することができる。 一実施形態では、対象融合タンパク質組成物に使用するXTEN配列のアルファヘリックスの百分率は、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ、0%から約5%未満までにわたる。別の実施形態では、融合タンパク質組成物のXTEN配列のベータ−シートの百分率は、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ、0%から約5%未満までにわたる。いくつかの実施形態では、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ、融合タンパク質組成物のXTEN配列のアルファヘリックスの百分率は0%から約5%未満までにわたり、ベータ−シートの百分率は0%から約5%未満までにわたる。一実施形態では、融合タンパク質組成物のXTEN配列のアルファヘリックスの百分率は約2%未満であり、ベータ−シートの百分率は約2%未満である。GORアルゴリズムによって決定したところ、融合タンパク質組成物のXTEN配列のランダムコイルの百分率は高程度である。いくつかの実施形態では、GORアルゴリズムによって決定したところ、XTEN配列のランダムコイルは少なくとも約80%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約91%、より好ましくは少なくとも約92%、より好ましくは少なくとも約93%、より好ましくは少なくとも約94%、より好ましくは少なくとも約95%、より好ましくは少なくとも約96%、より好ましくは少なくとも約97%、より好ましくは少なくとも約98%、最も好ましくは少なくとも約99%である。一実施形態では、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ、融合タンパク質組成物のXTEN配列のアルファヘリックスの百分率は0%から約5%未満までにわたり、ベータシートの百分率は0%から約5%未満までにわたり、ランダムコイルは、GORアルゴリズムによって決定したところ、少なくとも約90%である。別の実施形態では、融合タンパク質組成物のXTEN配列のアルファヘリックスの百分率は約2%未満であり、ベータ−シートの百分率は約2%未満であり、ランダムコイルは、GORアルゴリズムによって決定したところ、少なくとも約90%である。 1.非反復配列 GLP2−XTEN実施形態のXTEN配列は実質的に非反復性であることが意図されている。一般に、反復性アミノ酸配列は、コラーゲンおよびロイシンジッパーなどの天然の反復配列によって例示されている通り、凝集する、または高次構造を形成する傾向を有する。これらの反復性アミノ酸は、接触して、結晶構造または偽結晶構造を形成する傾向もある。対照的に、非反復配列は凝集する傾向が低いことにより、そうでなければ、配列が反復性の場合には凝集する可能性がある荷電アミノ酸の頻度が比較的低い長い配列のXTENを設計することが可能になる。対象XTENの非反復性は、以下の特徴の1つまたは複数を評価することによって観察することができる。一実施形態では、「実質的に非反復性の」XTEN配列は、配列内に、アミノ酸がセリンでない限り、アミノ酸の種類が同一であるアミノ酸を3つ連続して有さず、その場合、3つ以下の連続したアミノ酸はセリン残基である。別の実施形態では、下により詳しく記載されている通り、「実質的に非反復性の」XTEN配列は、9〜14アミノ酸残基のモチーフを含み、モチーフは、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される3種類、4種類、5種類、または6種類のアミノ酸からなり、いかなる1つのモチーフ内のいかなる2つの連続したアミノ酸残基の配列も、配列モチーフ内で3回以上繰り返されない。 ポリペプチドまたは遺伝子の反復性の程度は、コンピュータプログラムまたはアルゴリズムによって、当技術分野で公知の他の手段によって測定することができる。本発明によると、XTENなどの特定のポリペプチドの反復性の程度の算出に使用するアルゴリズムは、本明細書に開示されており、アルゴリズムによって解析される配列の例が提供される(下の実施例を参照されたい)。一実施形態では、所定の長さのポリペプチドの反復性は、方程式1:(式中、m=(ポリペプチドのアミノ酸長)−(部分配列のアミノ酸長)+1であり、Counti=配列i内の唯一の部分配列のそれぞれの出現の累積数である)によって示される式によって算出することができる(以下「部分配列スコア」)。 XTENなどのポリペプチドの反復性を定量化するために、「SegScore」と称されるアルゴリズムを展開して前述の方程式を適用し、それにより部分配列スコアをもたらした。所定のアミノ酸長の配列を、設定された長さ内で現れる長さ「s」の唯一の部分配列の回数(「カウント」)を決定し、所定の配列の長さ内の部分配列の絶対数で割ることによって反復性について解析した。図1は、SegScoreアルゴリズムの論理的フローチャートを示し、図2は、11アミノ酸および3アミノ酸残基の部分配列長を有する仮XTENについての部分配列スコアがどのように導かれるかの概略図を示す。例えば、200アミノ酸残基の所定のポリペプチドの長さは、192の重複している9アミノ酸部分配列および198の3mer部分配列を有するが、任意の所与のポリペプチドの部分配列スコアは唯一の部分配列の絶対数および唯一の部分配列(異なるアミノ酸配列を意味する)のそれぞれが所定の配列の長さにおいてどのくらいの頻度で現れるかに左右される。 本発明に関しては、「部分配列スコア」とは、累積的なXTENポリペプチドの200個の連続したアミノ酸にわたる唯一の3mer枠のそれぞれの出現の合計を、200アミノ酸配列内の唯一の3mer部分配列の絶対数で割ったものを意味する。反復性ポリペプチドおよび非反復性ポリペプチドの200個の連続したアミノ酸から導かれたそのような部分配列スコアの例は実施例30において示されている。一実施形態では、本発明は、1つのXTENを含むGLP2−XTENであって、XTENの部分配列スコアが12未満、より好ましくは10未満、より好ましくは9未満、より好ましくは8未満、より好ましくは7未満、より好ましくは6未満、最も好ましくは5未満であるGLP2−XTENを提供する。別の実施形態では、本発明は、2つ以上のXTENを含むGLP2−XTENであって、少なくとも1つのXTENの部分配列スコアが10未満、または9未満、または8未満、または7未満、または6未満、または5未満、またはそれ以下であるGLP2−XTENを提供する。さらに別の実施形態では、本発明は、少なくとも2つのXTENを含むGLP2−XTENであって、36アミノ酸以上の個々のXTENの部分配列スコアが10未満、または9未満、または8未満、または7未満、または6未満、または5未満、またはそれ以下であるGLP2−XTENを提供する。本段落の実施形態では、XTENは、実質的に非反復性であると特徴付けられる。 一態様では、本発明のXTENの非反復特性は、絶対的な一次配列ではなく、XTENにおいて優性である特定の種類のアミノ酸と共に、GLP2−XTEN融合タンパク質の物理化学的性質および生物学的性質のうちの1つまたは複数を増強する。これらの性質の増強としては、反復配列を有するポリペプチドを含む融合タンパク質と比較して、宿主細胞における融合タンパク質の発現の程度が高いこと、XTENをコードする遺伝子の遺伝的安定性が高いこと、溶解度の程度が高いこと、凝集する傾向が低いこと、および生じたGLP2−XTENの薬物動態が増強されていることが挙げられる。これらの性質の増強により、より効率的な製造、低費用の商品が可能になり、かつ/またはいくつかの場合には100mg/mlを超える、非常に高濃度のタンパク質を含有するXTENを含む医薬調製物の製剤化が容易になる。いくつかの実施形態では、実施形態のXTENポリペプチド配列は、哺乳動物に投与すると免疫原性を低下させるまたは実質的に排除するために、内部の反復性の程度が低くなるように設計する。グリシン、セリンおよびグルタミン酸などの3つのアミノ酸のみに大きく限定される短い、繰り返しモチーフで構成されるポリペプチド配列は、これらの配列には予測T細胞エピトープが存在しないにもかかわらず、哺乳動物に投与すると比較的高い抗体力価をもたらす可能性がある。これは、タンパク質凝集体、架橋した免疫原、および反復性炭水化物を含めた繰り返しエピトープを有する免疫原は免疫原性が高く、それにより、例えば、B細胞活性化を引き起こすB細胞受容体の架橋がもたらされることが示されているので、ポリペプチドの反復性によって引き起こされる可能性がある。(Johansson, J.ら(2007年)Vaccine、25巻:1676〜82頁;Yankai, Z.ら(2006年)Biochem Biophys Res Commun、345巻:1365〜71頁;Hsu, C. T.ら(2000年)Cancer Res、60巻:3701〜5頁);Bachmann MFら、Eur J Immunol.(1995年)25巻(12号):3445〜3451頁)。 2.例示的な配列モチーフ 本発明は、多数の短い配列の単位、またはモチーフを含み、モチーフのアミノ酸配列が実質的に非反復性である、融合パートナーとして使用するXTENを包含する。非反復性は、多量体化してXTEN配列を創出する配列モチーフのライブラリーを使用する「構成単位」手法を用いてさえも満たされる。モチーフ自体は一般に非反復性アミノ酸配列からなるのでXTEN配列はわずか4つの異なる種類の配列モチーフの多数の単位からなり得るが、その一方で、XTEN配列全体は、配列が実質的に非反復性になるように設計する。 一実施形態では、XTENは、約36〜約3000超、または約100〜約2000超、または約144〜約1000超、またはさらに長いアミノ酸残基の実質的に非反復性の配列を有し、XTEN配列の少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または約100%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれは約9〜36アミノ酸残基を有する。本明細書で使用される場合、「重複していない」とは、個々のモチーフがアミノ酸残基を共有するのではなく、他のモチーフまたはアミノ酸残基と直鎖状に連結していることを意味する。他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または約100%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれは9〜14アミノ酸残基を有する。さらに他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または約100%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれは12アミノ酸残基を有する。これらの実施形態では、配列モチーフが実質的に(例えば、90%以上)または排他的に小さな親水性アミノ酸で構成され、したがって、配列全体は構造化されていない柔軟な特性を有することが好ましい。XTENに含まれるアミノ酸の例は、例えば、アルギニン、リシン、トレオニン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、アスパラギン酸、グルタミン酸、セリン、およびグリシンである。一実施形態では、XTEN配列は、長さが約36〜約3000超、または約100〜約2000超、または約144〜約1000超のアミノ酸残基である実質的に非反復性の配列に並んだグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)またはプロリン(P)から選択される4〜6種類のアミノ酸を有することが優勢である。いくつかの実施形態では、XTEN配列は、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)またはプロリン(P)からなる群より選択される4種類、5種類、または6種類のアミノ酸で構成される。いくつかの実施形態では、XTENは、約36〜約1000超、または約100〜約2000超、または約400〜約3000超のアミノ酸残基の配列を有し、配列の少なくとも約80%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれは9〜36アミノ酸残基を有し、モチーフのそれぞれの少なくとも90%、または少なくとも91%、または少なくとも92%、または少なくとも93%、または少なくとも94%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または100%は、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6種類のアミノ酸からなり、全長のXTEN内の1種のアミノ酸の含有量はいずれも30%以下である。他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約90%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれは9〜36アミノ酸残基を有し、モチーフはグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6種類のアミノ酸からなり、全長のXTEN内の1種のアミノ酸の含有量はいずれも40%以下、または約30%以下、または約25%以下である。他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約90%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれはグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6種類のアミノ酸からなる12アミノ酸残基を有し、全長のXTEN内の1種のアミノ酸の含有量はいずれも40%以下、または30%以下、または約25%以下である。さらに他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%〜約100%は重複していない配列モチーフからなり、モチーフのそれぞれはグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)からなる12アミノ酸残基を有する。 さらに他の実施形態では、XTENは、約36〜約3000超のアミノ酸残基の実質的に非反復性の配列を含み、配列の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%は9〜14アミノ酸残基の重複していない配列モチーフからなり、モチーフはグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6種類のアミノ酸からなり、いかなる1つのモチーフ内のいかなる2つの連続したアミノ酸残基の配列も、配列モチーフ内で3回以上繰り返されない。他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%は12アミノ酸残基の重複していない配列モチーフからなり、モチーフはグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6種類のアミノ酸からなり、いかなる1つの配列モチーフ内のいかなる2つの連続したアミノ酸残基の配列も、配列モチーフ内で3回以上繰り返されない。他の実施形態では、XTEN配列の少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%は12アミノ酸残基の重複していない配列モチーフからなり、モチーフは、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)からなり、いかなる1つの配列モチーフ内のいかなる2つの連続したアミノ酸残基の配列も、配列モチーフ内で3回以上繰り返されない。さらに他の実施形態では、XTENは12アミノ酸配列モチーフからなり、アミノ酸は、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択され、いかなる1つの配列モチーフ内のいかなる2つの連続したアミノ酸残基の配列も、配列モチーフ内で3回以上繰り返されず、全長のXTEN内の1種のアミノ酸の含有量はいずれも30%以下である。前述の実施形態は、実質的に非反復性のXTEN配列の例である。さらなる例は下で詳説されている。 いくつかの実施形態では、本発明は、1つ、または2つ、または3つ、または4つ、5つ、6つまたはそれ以上の、約36〜約1000アミノ酸残基、または累積的に約100〜約3000アミノ酸残基の非反復性XTEN配列(複数可)であって、配列の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%〜約100%が、表3のアミノ酸配列から選択される4つ以上の重複していない配列モチーフの多数の単位からなり、配列全体は実質的に非反復性のままであるXTEN配列を含むGLP2−XTEN組成物を提供する。いくつかの実施形態では、XTENは、配列の約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%または約100%が、表3から選択される単一のモチーフファミリーから選択される重複していない配列の多数の単位からなり、ファミリー配列が提供される、重複していない配列モチーフを含む。モチーフに適用されるファミリーとは、XTENが、表3のモチーフカテゴリー;すなわち、AD、AE、AF、AG、AM、AQ、BC、またはBDから選択されるモチーフを有すること、およびモチーフファミリー由来ではないXTEN内の任意の他のアミノ酸が、必要とされる性質、例えば、コードしているヌクレオチドによる制限部位の組み込み、切断配列の組み込みを可能にすることなどを実現するため、またはGLP2−XTENのGLP−2構成成分へのより良い連結を実現するために選択されることを意味する。XTENファミリーのいくつかの実施形態では、XTEN配列は、ADモチーフファミリー、またはAEモチーフファミリー、またはAFモチーフファミリー、またはAGモチーフファミリー、またはAMモチーフファミリー、またはAQモチーフファミリー、またはBCファミリー、またはBDファミリーの重複していない配列の多数の単位モチーフを含み、生じたXTENは、上記の相同性の範囲を示す。XTENファミリーの他の実施形態では、所与のファミリーの各XTENは表3の同じファミリーの少なくとも4つの異なるモチーフ;例えば、ADまたはAEまたはAFまたはAGまたはAMの4つのモチーフなどを有する。他の実施形態では、XTENは、下でより詳細に記載されているモチーフのアミノ酸組成によって付与することができる正味の電荷、二次構造の欠如、または反復性の欠如などの性質を含めた、所望の物理化学特性を実現するために選択される表3のモチーフファミリーのうちの2つ以上由来のモチーフ配列の多数の単位を含む。本段落の上文に記載されている実施形態では、XTENに組み入れるモチーフまたはモチーフの部分を、本明細書に記載の方法を用いて選択し組み立てて、約36、約42、約72、約144、約288、約576、約864、約1000、約2000〜約3000アミノ酸残基、または任意の中間の長さのXTENを実現することができる。対象GLP2−XTENに組み込むために有用なXTENファミリー配列の非限定的な例は表4に示されている。表4に関して言及される指定の配列は表4に記載されている配列を有することが意図されているが、AE144配列への全般的な言及は、例えば、144アミノ酸残基を有する任意のAE配列、例えば、AE144_1A、AE144_2Aなどを包含するものとする、またはAG144配列への全般的な言及は、例えば、144アミノ酸残基を有する任意のAG配列、例えば、AG144_1、AG144_2、AG144_A、AG144_B、AG144_Cなどを包含するものとする。 他の実施形態では、GLP2−XTEN組成物は、約36〜約3000アミノ酸残基または約144〜約2000アミノ酸残基または約288アミノ酸残基または約1000アミノ酸残基の非反復性XTEN配列を1つまたは複数を含み、配列の少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%〜約100%は、ファミリー配列として、またはモチーフが2つ以上のモチーフのファミリーから選択される場合のいずれかで、表8〜11のポリペプチド配列のうちの1つまたは複数から選択される重複していない36アミノ酸配列モチーフからなる。 GLP2−XTEN融合タンパク質のXTEN構成成分のアミノ酸の100%未満がグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6アミノ酸からなる、または配列の100%未満が表3の配列モチーフまたは表4および表8〜12の配列からなる、または表4のXTENと比較して100%未満の配列同一性を有する実施形態では、他のアミノ酸残基は、任意の他の14種の天然L−アミノ酸から選択されるが、優先的に、親水性アミノ酸から選択され、したがって、XTEN配列は、少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の親水性アミノ酸を含有する。グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)ではないXTENアミノ酸は、XTEN配列全体を通して分散しており、配列モチーフ内またはその間に位置する、またはXTEN配列の短いひと続きの1つまたは複数に集中している。GLP2−XTENのXTEN構成成分が、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)以外のアミノ酸を含む場合では、アミノ酸は疎水性残基ではなく、またXTEN構成成分の二次構造を実質的に付与しないはずであることが望ましい。XTENの構築においてあまり好ましくない疎水性残基としては、トリプトファン、フェニルアラニン、チロシン、ロイシン、イソロイシン、バリン、およびメチオニンが挙げられる。さらに、XTEN配列を、以下のアミノ酸を5%未満または4%未満または3%未満または2%未満または1%未満含有するまたは全く含有しないように設計することができる:システイン(ジスルフィドの形成および酸化を回避するため)、メチオニン(酸化を回避するため)、アスパラギンおよびグルタミン(アミド分解(desamidation)を回避するため)。したがって、いくつかの実施形態では、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)に加えて他のアミノ酸を含むGLP2−XTEN融合タンパク質のXTEN構成成分は、Chou−Fasmanアルゴリズムによって測定したところアルファヘリックスおよびベータシートに寄与している残基が5%未満であり、GORアルゴリズムによって測定したところランダムコイル形成が少なくとも90%、または少なくとも約95%またはそれを超える配列を有する。 3.配列の長さ 別の態様では、本発明は、GLP2−XTEN組成物に組み込むためのさまざまな長さのXTENを提供し、XTEN配列(複数可)の長さは、融合タンパク質において実現されるべき性質または機能に基づいて選択される。意図された性質または機能に応じて、GLP2−XTEN組成物は、担体としての機能を果たすことができる短いまたは中間の長さのXTENおよび/またはより長いXTEN配列を含む。限定するものではないが、XTENまたはXTENの断片としては、短いセグメントの約6〜約99アミノ酸残基、中間の長さの約100〜約399アミノ酸残基、およびより長い長さの約400〜約3000アミノ酸残基が挙げられる。したがって、対象GLP2−XTENは、長さが約6アミノ酸残基、または約12アミノ酸残基、または約36アミノ酸残基、または約40アミノ酸残基、または約100アミノ酸残基、または約144アミノ酸残基、または約288アミノ酸残基、または約401アミノ酸残基、または約500アミノ酸残基、または約600アミノ酸残基、または約700アミノ酸残基、または約800アミノ酸残基、または約900アミノ酸残基、または約1000アミノ酸残基、または約1500アミノ酸残基、または約2000アミノ酸残基、または約2500アミノ酸残基、または約3000アミノ酸残基に至るまでの長さのXTENまたはXTENの断片を包含する。他の場合では、XTEN配列は、約6〜約50アミノ酸残基、または約100〜150アミノ酸残基、約150〜250アミノ酸残基、約250〜400アミノ酸残基、約400〜約500アミノ酸残基、約500〜900アミノ酸残基、約900〜1500アミノ酸残基、約1500〜2000、または約2000〜約3000アミノ酸残基の長さであってもよい。XTENの正確な長さは、GLP2−XTEN組成物の生物学的活性に悪影響を及ぼすことなく変動させることができる。一実施形態では、本明細書に開示されているGLP2−XENに使用するXTENのうちの1つまたは複数は、36アミノ酸、42アミノ酸、144アミノ酸、288アミノ酸、576アミノ酸、または864アミノ酸の長さであり、XTENファミリー配列、すなわち、AD、AE、AF、AG、AM、AQ、BCまたはBDのうちの1つから選択することができる。別の実施形態では、本発明において使用するXTENのうちの1つまたは複数は、XTEN_AE864、XTEN_AE576、XTEN_AE288、XTEN_AE144、XTEN_AE42、XTEN_AG864、XTEN_AG576、XTEN_AG288、XTEN_AG144、およびXTEN_AG42または表4の他のXTEN配列からなる群より選択される。GLP2−XTENの実施形態では、1つまたは複数のXTENまたはXTEN配列の断片は、個々に、表4から選択されるモチーフまたはXTEN、または長さが同等であるその断片と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を示す。いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、第1のXTEN配列および少なくとも第2のXTEN配列を含み、XTEN配列内の残基の累積長は約100〜約3000超または約400〜約1000超のアミノ酸残基であり、XTENは、配列または長さが同一であってもよく、異なってもよい。本明細書で使用される場合、「累積長」とは、2つ以上のXTENがGLP2−XTEN融合タンパク質に組み入れられている場合、アミノ酸残基の全長を包含するものとする。 下により詳しく記載されている通り、被験体に投与される融合タンパク質に標的半減期または他の物理化学的性質が付与されるようにXTENの長さを選択することによってGLP2−XTENを設計する方法が開示されている。XTENを担体として使用する場合、本発明では非反復性の非構造化ポリペプチドの長さが増大することにより、XTENの非構造性が増強され、それに対応して、XTEN担体を含む融合タンパク質の生物学的性質および薬物動態的性質が増強されるという発見を活用する。一般に、約400残基よりも長いXTEN累積長を融合タンパク質組成物に組み入れると、短い累積長、例えば、約280残基未満と比較して半減期が長くなる。実施例においてより詳細に記載されている通り、XTENの長さが比例的に増大することにより、単一のファミリー配列モチーフ(例えば、表3の4つのAEモチーフ)の繰り返し序列によって創出されたものであっても、より短いXTENの長さと比較して、GORアルゴリズムによって決定したところランダムコイル形成の百分率がより高い、またはChou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところアルファヘリックスまたはベータシートの含有量が減少した配列が提供される。さらに、非構造化ポリペプチド融合パートナーの長さが増大することにより、実施例に記載の通り、配列の長さが短い非構造化ポリペプチドパートナーを有する融合タンパク質と比較して終末相半減期が不均衡に増大した融合タンパク質がもたらされる。 XTENが主に担体としての役割を果たすいくつかの実施形態では、本発明は、1つまたは複数のXTENを含むGLP2−XTEN組成物を包含し、融合タンパク質(複数可)の累積的なXTEN配列の長さは約100超、約200超、約400超、約500超、約600超、約800超、約900超、または1000〜約3000アミノ酸残基であり、融合タンパク質は、被験体に投与すると、同等の用量で投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して薬物動態的性質の増強を示す。前述の一実施形態では、1つまたは複数のXTEN配列は、表4から選択される配列に対して少なくとも約80%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、または98%またはそれ以上の同一性を示し、もしあれば、担体配列(複数可)の残りは少なくとも90%の親水性アミノ酸を含有し、配列全体の約2%未満は疎水性アミノ酸または芳香族アミノ酸またはシステインからなる。XTENと連結していないGLP−2と比較したGLP2−XTENの薬物動態的性質の増強は下により詳細に記載されている。 別の態様では、本発明は、より長い「ドナー」XTEN配列から、長さが短いまたは中間のXTENを創出するための方法であって、より長いドナー配列をN末端またはC末端において短縮することによって創出する、またはドナー配列の内部から断片を創出し、それにより、長さが短いまたは中間のXTENをもたらす方法を提供する。非限定的な例では、図3A〜Cに概略的に示されている通り、864アミノ酸残基のAG864配列を短縮して、144残基を有するAG144、288残基を有するAG288、576残基を有するAG576、または他の中間の長さをもたらすことができ、一方、AE864配列(図3D、Eに示されている)を短縮して、AE288またはAE576または他の中間の長さをもたらすことができる。具体的には、そのような手法を、本明細書に記載のXTEN実施形態のいずれか、または表4または表8〜12に列挙されている配列のいずれかと共に利用して、所望の長さのXTENをもたらすことができることが意図されている。 4.正味の電荷 他の実施形態では、XTENポリペプチドは、XTEN配列に正味の電荷を持つアミノ酸残基を組み込むこと、および含有される疎水性アミノ酸の割合を低くするまたは疎水性アミノ酸を含有させないことによって付与される非構造化特性を有する。全体的な正味の電荷および正味の電荷密度は、XTEN配列内の、正または負のいずれかの荷電アミノ酸の含有量を改変することによって制御され、一般には、正味の電荷は、反対の電荷を持つ残基によって相殺される残基を越えて荷電した状態に寄与しているポリペプチド内のアミノ酸の百分率として表される。いくつかの実施形態では、組成物のXTENの正味の電荷密度は、+0.1電荷/残基を上回る、または−0.1電荷/残基を下回る。本明細書では、タンパク質またはペプチドの「正味の電荷密度」とは、正味の電荷をタンパク質またはプロペプチド内のアミノ酸の総数で割ったものを意味する。他の実施形態では、XTENの正味の電荷は、約0%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、または約20%またはそれ以上であってよい。いくつかの実施形態では、XTEN配列は、セリンまたはグリシンなどの他の残基によって隔てられた荷電残基を含み、それにより、よりよい発現または精製の挙動が導かれる。正味の電荷に基づいて、いくつかのXTENの等電点(pI)は、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、3.5、4.0、4.5、5.0、5.5、6.0、さらには6.5である。一実施形態では、XTENは1.5から4.5の間の等電点を有し、生理的条件下で正味の負電荷を有する。 ヒトまたは動物における大部分の組織および表面は正味の負電荷を有するので、いくつかの実施形態では、XTENを含有する組成物と種々の表面、例えば、血管、健康な組織、または種々の受容体などとの間の非特異的な相互作用を最小限にするために、XTEN配列を、正味の負電荷を有するように設計する。特定の理論に縛られず、XTENは、個々に正味の負電荷を有し、XTENポリペプチドの配列にわたって分布しているXTENポリペプチドの個々のアミノ酸間の静電気的反発に起因して、開いたコンフォメーションをとることができる。いくつかの実施形態では、セリン、アラニン、トレオニン、プロリンまたはグリシンなどの他の残基によって隔てられた少なくとも90%または95%の荷電残基を有するXTEN配列を設計し、それにより、より均一な電荷の分布、よりよい発現または精製の挙動が導かれる。配列の長さが延長されたXTENにおけるそのような正味の負電荷の分布により、非構造化コンフォメーションが導かれ、今度はそれにより、流体力学的半径が有効に増大し得る。好ましい実施形態では、対象XTENの負電荷は、グルタミン酸残基を組み込むことによって付与される。一般に、グルタミン残基は、XTEN配列にわたって均一の間隔に置かれる。いくつかの場合には、XTENは、20kDaのXTEN当たり約10〜80個、または約15〜60個、または約20〜50個のグルタミン酸残基を含有してよく、それにより、pKaが非常に類似した荷電残基を有するXTENをもたらすことができ、それにより、産物の電荷の均一性を増大させ、その等電点を鮮明にし、生じるGLP2−XTEN融合タンパク質の物理化学的性質を増強し、したがって、精製手順を単純化することができる。例えば、負電荷を持つXTENが望まれる場合、XTENは、AEファミリー配列から単独で選択することができ、それは、組み入れられたグルタミン酸に起因しておよそ17%の正味の電荷を有する、または、所望の程度の正味の電荷をもたらすために表3のグルタミン酸を含有するモチーフを種々の割合で含んでよい。AE XTENの非限定的な例としては、これだけに限定されないが、表4または表9のAE36ポリペプチド配列、AE42ポリペプチド配列、AE48ポリペプチド配列、AE144ポリペプチド配列、AE288ポリペプチド配列、AE576ポリペプチド配列、AE624ポリペプチド配列、AE864ポリペプチド配列、およびAE912ポリペプチド配列、またはその断片が挙げられる。一実施形態では、表4または表9のXTEN配列は、所望の正味の負電荷を実現するために、追加的なグルタミン酸残基を含むように改変することができる。したがって、一実施形態では、本発明は、XTEN配列がグルタミン酸を約1%、2%、4%、8%、10%、15%、17%、20%、25%、さらには約30%含有するXTENを提供する。いくつかの場合には、XTENは、20kDaのXTEN当たり約10〜80個、または約15〜60個、または約20〜50個のグルタミン酸残基を含有してよく、それにより、pKaが非常に類似した荷電残基を有するXTENをもたらすことができ、それにより、産物の電荷の均一性を増大させ、その等電点を鮮明にし、生じるGLP2−XTEN融合タンパク質の物理化学的性質を増強し、したがって、精製手順を単純化することができる。一実施形態では、本発明は、正味の負電荷を実現するために、グルタミン酸に加えてアスパラギン酸残基をXTENに組み込むことを意図している。 特定の理論に縛られず、より高い正味の負電荷を持つGLP2−XTEN組成物のXTENは、種々の負に荷電した表面、例えば、血管、組織、または種々の受容体などとの非特異的な相互作用が少なく、それが、活性なクリアランスの低下にさらに寄与することが予測される。逆に、正味の電荷が低い(またはそれを有さない)GLP2−XTEN組成物のXTENは、腸における炎症過程における食細胞の公知の寄与を考慮すると、関連するGLP−2の生物学的活性を強化し得る表面との相互作用の程度が高いと考えられる。 他の場合では、正味の電荷が望まれない場合、XTENは、例えば、表3のAGモチーフ、または表3のAMモチーフなどの、正味の電荷をほぼ持たないAGファミリーのXTEN構成成分から選択することができる。AG XTENの非限定的な例としては、これだけに限定されないが、表4および表11のAG42ポリペプチド配列、AG144ポリペプチド配列、AG288ポリペプチド配列、AG576ポリペプチド配列、およびAG864ポリペプチド配列、またはその断片が挙げられる。別の実施形態では、XTENは、AEモチーフおよびAGモチーフを種々の割合で含んでよい(所与の使用のために最適であると考えられる正味の電荷を持たせるためまたは所与の物理化学的性質を維持するため)。 本発明の組成物のXTENは、一般には、正に荷電したアミノ酸を有さない、またはその含有量が少ない。いくつかの実施形態では、XTENは、約10%未満の、正電荷を持つアミノ酸残基、または約7%未満、または約5%未満、または約2%未満、または約1%未満の、正電荷を持つアミノ酸残基を有してよい。しかし、本発明は、リシンなどの正電荷を持つアミノ酸を限られた数でXTENに組み入れて、リシンのイプシロンアミンと、GLP−2ペプチドの反応性基、リンカーブリッジ、またはXTEN骨格とコンジュゲートさせるための薬物または小分子の反応性基との間のコンジュゲーションを可能にした構築物を意図している。前述の一実施形態では、XTENは、約1個から約100個の間のリシン残基、または約1〜約70個のリシン残基、または約1〜約50個のリシン残基、または約1〜約30個のリシン残基、または約1〜約20個のリシン残基、または約1〜約10個のリシン残基、または約1〜約5個のリシン残基、あるいは、ただ1つのリシン残基を有する。前述のリシンを含有するXTENを使用すると、XTEN、GLP−2、それに加えてGLP−2に関連する疾患または障害の治療において有用な化学療法剤を含む融合タンパク質が構築され、XTEN構成成分に組み入れる作用剤の分子の最大数は、XTENに組み入れるリシンまたは反応性側鎖を有する他のアミノ酸(例えば、システイン)の数によって決定される。したがって、本発明は、XTEN、GLP−2、それに加えてGLP−2に関連する疾患または障害の治療において有用な化学療法剤を含む融合タンパク質が構築され、XTEN構成成分に組み入れる作用剤の分子の最大数がシステインの数によって決定される、1〜約10個のシステイン残基、または約1〜約5個のシステイン残基、あるいは、ただ1つのシステイン残基を有するXTENも提供する。 疎水性アミノ酸によりポリペプチドの構造が付与されるので、本発明は、一般には、5%未満、または2%未満、または1%未満の疎水性アミノ酸含有量になるXTEN内の疎水性アミノ酸の含有量を提供する。一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質のXTEN構成成分内のメチオニンおよびトリプトファンについてのアミノ酸含有量は一般には、5%未満、または2%未満、最も好ましくは1%未満である。別の実施形態では、XTENは、全XTEN配列の10%未満の、正電荷を持つアミノ酸残基、または約7%未満、約5%未満、または約2%未満の、正電荷を持つアミノ酸残基を有し、メチオニン残基とトリプトファン残基の合計が2%未満であり、アスパラギン残基とグルタミン残基の合計が5%未満である配列を有する。 5.低免疫原性 別の態様では、本発明は、XTEN配列が低程度の免疫原性を有するまたは実質的に非免疫原性である組成物を提供する。XTENの低免疫原性には、いくつかの因子、例えば、非反復配列、非構造化コンフォメーション、溶解度の程度が高いこと、自己凝集の程度が低いことまたはそれが欠如していること、配列内のタンパク質分解部位の程度が低いことまたはそれが欠如していること、およびXTEN配列内のエピトープの程度が低いことまたはそれが欠如していることが寄与する可能性がある。 立体構造エピトープ(conformational epitope)は、多数の不連続なタンパク質抗原のアミノ酸配列で構成されるタンパク質表面の領域によって形成される。タンパク質の正確な折り畳みにより、これらの配列が、宿主体液性免疫系によって「外来」と認識され得る、明確に定義された安定な空間的配置、またはエピトープになり、その結果、タンパク質に対する抗体の産生または細胞媒介性免疫応答の活性化がもたらされる。後者の場合、個体におけるタンパク質に対する免疫応答は、その個体のHLA−DRアロタイプのペプチド結合特異性の機能であるT細胞エピトープ認識の影響を重度に受ける。MHCクラスIIペプチド複合体とT細胞の表面上の同族のT細胞受容体の会合により、CD4分子などの特定の他の補助受容体の架橋結合と共に、T細胞内で活性化された状態を誘導することができる。活性化により、B細胞などの他のリンパ球をさらに活性化するサイトカインが放出されて、抗体が産生される、または完全な細胞性免疫応答としてTキラー細胞が活性化される。 APC(抗原提示細胞)の表面上での提示のために所与のMHCクラスII分子に結合するペプチドの能力は、いくつもの因子、とりわけ、その一次配列に左右される。一実施形態では、低程度の免疫原性は、抗原提示細胞における抗原プロセシングに抵抗するXTEN配列を設計し、かつ/またはMHC受容体に十分に結合しない配列を選択することによって実現される。本発明は、MHCII受容体との結合が低下するとともに、T細胞受容体または抗体が結合するエピトープの形成が回避され、その結果免疫原性の程度が低くなるように設計された実質的に非反復性のXTENポリペプチドを有するGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。免疫原性の回避は、少なくとも部分的に、XTEN配列のコンフォメーションの柔軟性、すなわち、アミノ酸残基の選択および順序に起因した二次構造の欠如の結果に帰することができる。例えば、水溶液中または生理的条件下で、立体構造エピトープがもたらされ得る緻密に折り畳まれたコンフォメーションをとる傾向が低い配列が特に興味深い。従来の治療実務および投薬を用いてXTENを含む融合タンパク質を投与することにより、一般に、XTEN配列に対する中和性抗体は形成されず、GLP2−XTEN組成物内のGLP−2融合パートナーの免疫原性も低下する。 一実施形態では、対象融合タンパク質に利用するXTEN配列は、ヒトT細胞によって認識されるエピトープを実質的に含まなくてよい。免疫原性の低いタンパク質を生成するためにそのようなエピトープを排除することは、以前に開示されている。例えば、参照により本明細書に組み込まれるWO98/52976、WO02/079232、およびWO00/3317を参照されたい。ヒトT細胞エピトープについてのアッセイは記載されている(Stickler, M.ら(2003年)J lmmunol Methods、281巻:95〜108頁)。T細胞エピトープまたは非ヒト配列の生成を伴わずにオリゴマー形成することができるペプチド配列が特に興味深い。これは、これらの配列のダイレクトリピートをT細胞エピトープの存在について、およびヒトのものではない6〜15mer、特に、9merの配列の出現について試験し、次いで、XTEN配列の設計を変更して、エピトープ配列を排除または撹乱することによって実現される。いくつかの実施形態では、MHC受容体に結合することが予測されるXTENのエピトープの数を制限することによってXTEN配列を実質的に非免疫原性にする。MHC受容体に結合することができるエピトープの数が減少すると、同時に、T細胞活性化ならびにT細胞ヘルパー機能の潜在性が低下し、B細胞の活性化または上方制御が低下し、また抗体産生が減少する。低程度の予測T細胞エピトープは、実施例31に示されている通り、TEPITOPE(Sturniolo, T.ら(1999年)Nat Biotcchnol、17巻:555〜61頁)などのエピトープ予測アルゴリズムによって決定することができる。タンパク質内の所与のペプチド枠のTEPITOPEスコアは、Sturniolo, T.ら(1999年)Nature Biotechnology 17巻:555頁)に開示されている通り、そのペプチド枠と多数の最も一般的なヒトMHC対立遺伝子の結合のKd(解離定数、親和性、解離速度(off−rate))の対数である。スコアは、約10〜約−10の少なくとも20log(1×1010Kd〜1×10−10Kdの結合制約に対応する)にわたり、MHC上のペプチド提示の間にアンカー残基としての機能を果たす疎水性アミノ酸、例えば、M、I、L、V、Fなどを回避することによって低下させることができる。いくつかの実施形態では、GLP2−XTENに組み入れられるXTEN構成成分は、TEPITOPE閾値スコア約−5、または−6、または−7、または−8、または−9、またはTEPITOPEスコア−10において予測T細胞エピトープを有さない。本明細書で使用される場合、スコア「−9」は、スコア−5よりもストリンジェントなTEPITOPE閾値になる。 別の実施形態では、対象GLP2−XTEN融合タンパク質に組み入れられたものを含めた本発明のXTEN配列は、XTENの配列由来の公知のタンパク質分解部位を制限し、それによりXTENがMHCII受容体に結合することができる小さなペプチドにプロセシングされることを減少させることによって実質的に非免疫原性にされている。別の実施形態では、XTEN配列は、二次構造を実質的に欠く配列を使用し、それにより、構造のエントロピーが高いことに起因して多くのプロテアーゼに対する抵抗性を付与することによって実質的に非免疫原性にされている。したがって、TEPITOPEスコアを低下させること、およびXTENから公知のタンパク質分解部位を排除することにより、GLP2−XTEN融合タンパク質組成物のXTENを含めたXTEN組成物が、免疫系のものを含めた哺乳動物の受容体と実質的に結合することができなくなる。一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質のXTENは、哺乳動物の受容体に対して>100nMのKdの結合性、または哺乳動物の細胞表面ポリペプチド受容体または循環ポリペプチド受容体に対して500nM超のKd、または1μM超のKdを有する。 さらに、非反復配列および対応するXTENのエピトープの欠如により、B細胞のXTENに結合するまたはXTENによって活性化される能力が限定される。反復配列は、わずかなB細胞によってさえも認識され、それと多価の接触を形成することができ、多数のT細胞非依存性受容体が架橋した結果として、B細胞の増殖および抗体産生を刺激することができる。対照的に、XTENはその延長された配列にわたって多くの異なるB細胞と接触することができるが、配列の反復性が欠如しているので、個々のB細胞は個々のXTENと1つまたは少数の接触しかできない。いかなる理論にも縛られず、XTENは、一般には、B細胞の増殖、したがって免疫応答を刺激する傾向がはるかに低い。一実施形態では、GLP2−XTENの免疫原性はXTENと融合していない対応するGLP−2と比較して低下している。一実施形態では、GLP2−XTENを哺乳動物に最大3回非経口投与することにより、1:100の血清希釈度では検出可能であるが1:1000の希釈度では検出できない抗GLP2−XTEN IgGがもたらされる。別の実施形態では、GLP2−XTENを哺乳動物に最大3回非経口投与することにより、1:1000の血清希釈度では検出可能であるが、1:10,000の希釈度では検出できない抗GLP−2 IgGがもたらされる。別の実施形態では、GLP2−XTENを哺乳動物に最大3回非経口投与することにより、1:10,000の血清希釈度では検出可能であるが、1:1,000,000の希釈度では検出できない抗XTEN IgGがもたらされる。前述の実施形態では、哺乳動物はマウス、ラット、ウサギ、またはカニクイザルであってよい。 反復性の程度が高い配列と比較した非反復配列を有するXTENの追加的な特徴は、非反復性XTENの方が弱い抗体との接触を形成することである。抗体は多価の分子である。例えば、IgGは2つの同一の結合部位を有し、IgMは10個の同一の結合部位を含有する。したがって、反復配列に対する抗体は、そのような反復配列と高い結合活性で多価の接触を形成することができ、これは、そのような反復配列の効力および/または排除に影響を及ぼし得る。対照的に、非反復性XTENに対する抗体により、一価の相互作用がもたらされ、その結果、免疫クリアランスの可能性が低くなり、したがって、GLP2−XTEN組成物が循環中にとどまる時間が長くなり得る。 6.流体力学的半径の増大 別の態様では、本発明は、XTENポリペプチドが高い流体力学的半径を有し、XTENが組み入れられているGLP2−XTEN融合タンパク質にそれに対応する見かけの分子量の増大が付与されるXTENを提供する。実施例25において詳述されている通り、XTENを治療用タンパク質配列と連結することにより、XTENと連結していない治療用タンパク質と比較して流体力学的半径の増大、見かけの分子量の増大、および見かけの分子量率の増大を有し得るGLP2−XTEN組成物がもたらされる。例えば、引き伸ばされた半減期が望まれる治療的適用では、治療用タンパク質を含む融合タンパク質に流体力学的半径が大きいXTENを組み入れる組成物は、組成物の流体力学的半径を、およそ3〜5nmの糸球体の孔径を越えて有効に拡大し(約70kDAの見かけの分子量に対応する)(Caliceti. 2003年、Pharmacokinetic and biodistribution properties of poly(ethylene glycol)−protein conjugates. Adv Drug Deliv Rev 55巻:1261〜1277頁)、その結果、対応して終末相半減期が増大し、他の薬物動態的性質が増強された循環タンパク質の腎臓クリアランスが低下する。タンパク質の流体力学的半径は、その分子量によってだけでなく、形状または緻密さを含めたその構造によっても決定される。特定の理論に縛られず、XTENは、二次構造を付与する可能性が欠如している配列内の特定のアミノ酸によって付与されるペプチドの個々の電荷間の静電気的反発または固有の柔軟性に起因して、開いたコンフォメーションをとり得る。XTENポリペプチドの開いた、延長され構造化されていないコンフォメーションは、配列の長さおよび/または分子量が同等であり、典型的な球状タンパク質などの二次構造および/または三次構造を有するポリペプチドと比較してより大きく比例する流体力学的半径を有し得る。流体力学的半径を決定するための方法は、例えば、米国特許第6,406,632号および同第7,294,513号に記載の通りサイズ排除クロマトグラフィー(SEC)を使用することによるものなど、当技術分野で周知である。実施例25の結果により実証されている通り、長さが増大したXTENを付加することにより、流体力学的半径のパラメータ、見かけの分子量、および見かけの分子量率が比例的に増大し、それにより、GLP2−XTENを所望の特徴的カットオフ見かけの分子量または流体力学的半径に合わせて調整することが可能になる。したがって、ある特定の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質を、融合タンパク質の流体力学的半径が少なくとも約5nm、または少なくとも約8nm、または少なくとも約10nm、または12nm、または少なくとも約15nmになり得るようにXTENを用いて配置することができる。前述の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質内のXTENによって付与される大きな流体力学的半径により、生じた融合タンパク質の腎臓クリアランスの低下がもたらされる可能性があり、それにより、対応する終末相半減期の増大、平均保持時間の増大、および/または腎臓クリアランス速度の低下が導かれる。 GLP2−XTEN融合タンパク質の分子量をサイズ排除クロマトグラフィー分析から導く場合、二次構造の程度が低いことに起因するXTENの開いたコンフォメーションにより、融合タンパク質の見かけの分子量が増大する。いくつかの実施形態では、GLP−2および少なくとも第1のまたは多数のXTENを含むGLP2−XTENの見かけの分子量は、少なくとも約200kDa、または少なくとも約400kDa、または少なくとも約500kDa、または少なくとも約700kDa、または少なくとも約1000kDa、または少なくとも約1400kDaである。したがって、1つまたは複数のXTENを含むGLP2−XTEN融合タンパク質の見かけの分子量は、融合タンパク質の実際の分子量よりも約2倍大きい、または約3倍大きい、または約4倍大きい、または約8倍大きい、または約10倍大きい、または約12倍大きい、または約15倍大きいまたは約20倍大きい。一実施形態では、本明細書に開示されている実施形態のいずれかの単離されたGLP2−XTEN融合タンパク質の見かけの分子量率は、生理的条件下で、約2超、または約3超、または約4超、または約5超、または約6超、または約7超、または約8超、または約10超、または約15超、または約20超である。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質の見かけの分子量率は、生理的条件下で、融合タンパク質の実際の分子量に対して約3〜約20、または約5〜約15、または約8〜約14、または約10〜約12である。 IV).GLP2−XTEN組成物 本発明は、一部において、1つまたは複数のXTENと連結したGLP−2を含む融合タンパク質組成物に関し、融合タンパク質は、被験体に投与すると、現存するGLP−2を置き換えるまたは強化するように作用する。本発明は、それを必要とする被験体に外因的に投与されたGLP−2の終末相半減期を増大させることの長年にわたる必要性に対処する。治療用タンパク質の循環半減期を増大させる1つのやり方は、タンパク質の腎臓クリアランスを確実に低下させることである。循環半減期を増大させるための別のやり方は、受容体、タンパク質の活性な代謝、または他の内在性機構のいずれによって媒介されるにせよ、治療用タンパク質の活性なクリアランスを低下させることである。どちらも、タンパク質をポリマーとコンジュゲートすることによって実現することができ、いくつかの場合にはタンパク質に分子サイズ(または流体力学的半径)の増大を付与すること、したがって、腎臓クリアランスを低下させることができ、他の場合では、タンパク質とクリアランス受容体または代謝もしくはクリアランスに寄与する他のタンパク質との結合に干渉する。したがって、本発明の特定の目的としては、これだけに限定されないが、現在利用可能なGLP−2調製物と比較して、循環半減期または終末相半減期がより長く、GLP−2組成物の必要な投与の回数または頻度が減少し、ネイティブなGLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分が保持され、かつGLP−2に関連する疾患または胃腸の状態を処置する能力が増強し、その結果、臨床症候および全体的なウェルビーイングがより効率的に、より有効に、より経済的に改善され、安全性が高い、改善されたGLP−2分子を提供することが挙げられる。 これらの必要性に応じるために、第1の態様では、本発明は、1つまたは複数のXTENと共有結合で連結した生物学的に活性なGLP−2を含み、それによりGLP2−XTEN融合タンパク質がもたらされる単離された融合タンパク質組成物を提供する。対象GLP−2−XTENは、野生型GLP−2の1つまたは複数の生物学的活性または治療活性を媒介し得る。GLP2−XTENは、組換えによって、またはGLP−2とXTENの化学的コンジュゲーションによって作製することができる。一実施形態では、GLP−2はネイティブなGLP−2である。別の実施形態では、GLP−2は、ネイティブなGLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分を保持する天然の配列の配列変異体である。一実施形態では、GLP−2は、最適にアラインメントすると、表1の配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列である。別の実施形態では、GLP−2は、成熟GLP−2ペプチドの残基番号2のアラニンがグリシンで置換された配列変異体である。一実施形態では、GLP2−XTENは、配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有するGLP−2を含む。一実施形態では、本発明は、1つまたは複数のXTENを含む、N末端および/またはC末端が修飾された形態のGLP−2を含むGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。 対象組成物のGLP−2、特に表1に開示されているものは、それらの対応する核酸およびアミノ酸配列とともに当技術分野で周知であり、Chemical Abstracts Services Databases(例えば、CAS Registry)、GenBank、The Universal Protein Resource(UniProt)などの公共のデータベース、およびGenSeq(例えば、Derwent)などの会員制提供データベースにおいて説明および配列が入手可能である。ポリヌクレオチド配列は、所与のGLP−2(例えば、全長または成熟)をコードする野生型ポリヌクレオチド配列であってもよく、いくつかの場合には、配列は、野生型ポリヌクレオチド配列の変異体(例えば、野生型の生物学的に活性なタンパク質をコードし、DNA配列が、例えば特定の種において発現させるために最適化されているポリヌクレオチド、または野生型タンパク質の変異体、例えば、部位特異的な突然変異体または対立遺伝子変異体などをコードするポリヌクレオチドであってもよい。野生型またはコンセンサスcDNA配列またはGLP−2のコドン最適化配列変異体を使用して、本発明によって意図されているGLP2−XTEN構築物を、当技術分野で公知の方法を用いて、かつ/または本明細書において提供され、実施例においてより詳細に記載されている手引きおよび方法と併せて創出することは、十分に当業者の能力の範囲内である。 いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、ネイティブなGLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分を保持する。本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質は、GLP−2受容体に結合し、それを活性化することができる。一実施形態では、本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質のEC50値は、本明細書に記載のものまたは当技術分野で公知の他のものなどのin vitro GLP−2受容体結合アッセイを用いて評価した場合、約30nM未満、または約100nM未満、または約200nM未満、または約300nM未満、または約400nM未満、または約500nM未満、または約600nM未満、または約700nM未満、または約800nM未満、または約1000nM未満、または約1200nM未満、または約1400nM未満である。別の実施形態では、本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質は、実施例に記載のものまたは当技術分野で公知の他のものなどのin vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイした場合、XTENと連結していない対応するGLP−2の効力の少なくとも約1%、または約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約10%、または約20%、または約30%を保持する。 いくつかの実施形態では、本開示のGLP2−XTEN融合タンパク質は、腸栄養活性、創傷治癒活性および抗炎症活性を有する。いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質組成物は、被験体に投与すると、本明細書に開示されている胃腸に関連するパラメータの1つ、2つ、3つ、またはそれ以上が、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分によって実現されるパラメータ(複数可)と比較して少なくとも約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%、または100%、または120%、または140%、少なくとも約150%大きく改善される。パラメータは、とりわけ、GLP−2の血中濃度、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強または刺激、ナトリウム損失の減少、体重を維持するために必要な非経口栄養の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの最小化、緩和、または予防、外科手術後の腸の回復の増強、刺激または加速、炎症性腸疾患の再発の予防、またはエネルギー恒常性の実現または維持から選択される測定パラメータであってよい。一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質を被験体に投与することにより、腸が外科的に切除された(例えば、短腸症候群)またはクローン病の被験体に投与した場合、同等のnmol/kg用量および用量レジメンで投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して小腸の重量および/または長さを増大させる能力が大きくなる。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、クローン病(自然に獲得されたものか実験的に誘導したもののいずれか)の被験体に投与した場合、同等のnmol/kg用量および用量レジメンで投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または少なくとも約90%大きな、潰瘍形成を減少させる能力を示す。別の実施形態では、融合タンパク質は、クローン病(自然に獲得されたものか実験的に誘導したもののいずれか)の被験体に投与した場合、同等のnmol/kg用量および用量レジメンで投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して少なくとも約20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または少なくとも約90%の炎症性サイトカインを減少させる能力を示す。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、クローン病(自然に獲得されたものか実験的に誘導したもの、例えば、インドメタシンの投与のいずれか)の被験体に投与した場合、同等のnmol/kg用量および用量レジメンで投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または少なくとも約90%大きな、粘膜の萎縮を低下させる能力を示す。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、クローン病(自然に獲得されたものか実験的に誘導したもの、例えば、インドメタシンの投与のいずれか)の被験体に投与した場合、同等のnmol/kg用量および用量レジメンで投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または7%、または8%、または9%、または10%、または11%、または12%、または15%、または少なくとも約20%大きな、腸絨毛の高さを増大させる能力を示す。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、クローン病(自然に獲得されたものか実験的に誘導したもの、例えば、インドメタシンの投与のいずれか)の被験体に投与した場合、同等のnmol/kg用量および用量レジメンで投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して少なくとも約10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または少なくとも約90%大きな、体重を増大させる能力を示す。本段落の前述の実施形態では、被験体は、マウス、ラット、サルおよびヒトからなる群より選択される。 本発明の組成物は、被験体に投与すると、例えば、これだけに限定されないが、潰瘍、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、癌の化学療法に付随する粘膜炎および過敏性腸疾患、回腸嚢炎、虚血、および脳卒中などのGLP−2に関連する胃腸の状態を媒介または予防するまたは向上させるために有用な融合タンパク質を含む。 ネイティブなGLP−2と比較して、薬物動態パラメータの増大、溶解度の増大、安定性の増大、またはいくつかの他の薬学的性質の増強が得られ、それにより、有効性、安全性が増強された組成物、または投薬頻度の低下をもたらし、かつ/または患者の管理を改善するための組成物がもたらされるGLP2−XTEN融合タンパク質組成物が特に興味深い。本明細書に開示されている実施形態のGLP2−XTEN融合タンパク質は、本明細書において詳述されている改善された性質および/または実施形態の1つまたは複数、またはその任意の組合せを示す。したがって、対象GLP2−XTEN融合タンパク質組成物は、例えば、被験体に投与すると、XTENと連結していないGLP−2と比較してin vivoにおける曝露またはGLP2−XTENが治療域内にとどまる長さを増大させることによって生理活性GLP−2の治療効果を改善することを含めて考慮して、種々の目的で設計され、調製される。 一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、単一のXTEN(例えば、上記のXTEN)と連結した単一のGLP−2分子を含む。別の実施形態では、GLP2−XTENは、2つのXTENと連結した単一のGLP−2を含み、XTENは同一であっても異なってもよい。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、第1のXTENおよび第2のXTENと連結した単一のGLP−2分子を含み、GLP−2は、表1から選択されるタンパク質配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列であり、第1のXTENおよび第2のXTENは、それぞれ、表4から選択される1つまたは複数の配列、またはその断片と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列である。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、表33および表34の配列に対して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列を含む。 1.GLP2−XTEN融合タンパク質の配置 本発明は、GLP−2構成成分とXTEN構成成分が特異的なN末端からC末端までの配置で連結したGLP2−XTEN融合タンパク質組成物を提供する。 GLP2−XTEN組成物の一実施形態では、本発明は、式Iの融合タンパク質を提供する: (GLP−2)−(XTEN) I (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または変異体であり、XTENは、これだけに限定されないが、表4に記載されている配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書に記載の延長組換えポリペプチドである)。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、式IIの融合タンパク質を提供する: (XTEN)−(GLP−2) II (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または変異体であり、XTENは、これだけに限定されないが、表4に記載されている配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書に記載の延長組換えポリペプチドである)。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式IIIの融合タンパク質を提供する: (XTEN)−(GLP−2)−(XTEN) III (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または変異体であり、XTENは、これだけに限定されないが、表4に記載されている配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書に記載の延長組換えポリペプチドである)。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式IVの融合タンパク質を提供する: (GLP−2)−(XTEN)−(GLP−2) IV (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または変異体であり、XTENは、これだけに限定されないが、表4に記載されている配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書に記載の延長組換えポリペプチドである)。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式Vの融合タンパク質を提供する: (GLP−2)−(S)x−(XTEN) V (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または変異体であり、Sは、切断配列または制限部位と適合するアミノ酸を場合によって含んでよい、1〜約50アミノ酸残基を有するスペーサー配列であり、xは0または1のいずれかであり、XTENは、これだけに限定されないが、表4に記載されている配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書に記載の延長組換えポリペプチドである)。 GLP2−XTEN組成物の別の実施形態では、本発明は、単離された式VIの融合タンパク質を提供する: (XTEN)x−(S)x−(GLP−2)−(S)y−(XTEN)y VI (式中、各出現に対してそれぞれ独立に、GLP−2は、表1の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書で定義されているGLP−2タンパク質または変異体であり、Sは、切断配列または制限部位と適合するアミノ酸を場合によって含んでよい、1〜約50アミノ酸残基を有するスペーサー配列であり、xは0または1のいずれかであり、yは0または1のいずれかであり、x+y≧1であり、XTENは、これだけに限定されないが、表4に記載されている配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%または100%の配列同一性を有する配列を含めた、本明細書に記載の延長組換えポリペプチドである)。 式I〜VIの実施形態は、長さが約36アミノ酸から3000アミノ酸までにわたる1つまたは複数のXTEN(例えば、表4から選択される配列またはその断片、またはそれに対して少なくとも約90〜95%またはそれ以上の配列同一性を示す配列)がGLP−2のN末端またはC末端と連結しているGLP2−XTENの配置を包含する。式Vの実施形態は、XTENが、制限部位と適合するアミノ酸を場合によって含んでもよく、切断配列(例えば、下でより詳細に記載されている表5および表6の配列)を含んでもよいスペーサー配列を介してGLP−2と連結しており、したがって、制限部位の場合ではXTENコード配列をGLP2−XTEN構築物に組み込むことができ、切断配列の場合では切断配列に適したプロテアーゼの作用によってXTENを融合タンパク質から放出されることができる配置をさらに提供する。式Vの一実施形態では、融合タンパク質は、単一のグリシン残基であるスペーサー配列を含む。 2.スペーサーおよび切断配列を有するGLP2−XTEN融合タンパク質配置 別の態様では、本発明は、組成物に機能性もしくは性質を組み入れるもしくはそれを増強するために、または融合タンパク質組成物の組立てもしくは製造の補助として設計した1つまたは複数のスペーサー配列をXTENに組み入れ、またはそれに近接させて配置したGLP2−XTENを提供する。そのような性質としては、これだけに限定されないが、構成成分の放出を可能にするためのTEVまたは表6の他の切断配列などの切断配列(複数可)を含めること、XTENをコードするヌクレオチドとGLP−2をコードするヌクレオチドの連結を可能にするための、または発現ベクターの構築を容易にするヌクレオチド制限部位と適合するアミノ酸を含めること、およびGLP2−XTEN融合タンパク質の領域内の立体障害を減少させるために設計されたリンカーが挙げられる。 ある実施形態では、GLP−2構成成分がその所望の三次構造を仮定し、かつ/またはその標的受容体と適切に相互作用することができるように、XTEN配列とGLP−2構成成分の間にスペーサー配列を導入して立体的な障害を減少させることができる。スペーサーおよび望ましいスペーサーを同定する方法については、例えば、参照により明確に本明細書に組み込まれるGeorgeら(2003年)Protein Engineering 15巻:871〜879頁を参照されたい。一実施形態では、スペーサーは、1〜50アミノ酸残基の長さ、または約1〜25残基、または約1〜10残基の長さの1つまたは複数のペプチド配列を含む。スペーサー配列は、切断部位を除いて、20種の天然Lアミノ酸のいずれを含んでもよく、1)例えば、これだけに限定されないが、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)、プロリン(P)およびアスパラギン酸(D)などの立体障害のない親水性アミノ酸を含み、2)実質的に非反復性であるという点でXTEN様の性質を有することが好ましい。さらに、スペーサー配列は、T細胞エピトープの導入が回避されるように設計し、この決定は、上および実施例に記載されている。いくつかの場合には、スペーサーはポリグリシンまたはポリアラニンであってよい、またはグリシン残基、セリン残基およびアラニン残基の組合せの混合物であることが優勢である。一実施形態では、スペーサー配列は、切断部位アミノ酸を除いて、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)、およびプロリン(P)から選択されるアミノ酸からなる約1〜10アミノ酸を有し、二次構造を実質的に欠く;例えば、Chou−Fasmanおよび/またはGORアルゴリズムによって決定したところ約10%未満、または約5%未満である。一実施形態では、スペーサー配列はGPEGPSである。別の実施形態では、スペーサー配列は単一のグリシン残基である。別の実施形態では、スペーサー配列は、表6の切断配列と連結したGPEGPSである。 特定の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、融合タンパク質に組み入れられたペイロードGLP−2配列ともう1つのXTENの間の接合部(複数可)で連結した1つまたは複数のスペーサー配列を含み、スペーサー配列は、制限部位をコードするヌクレオチドと適合するアミノ酸を含む。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、融合タンパク質に組み入れられたペイロードGLP−2配列とシグナル配列の間の接合部(複数可)で連結した1つまたは複数のスペーサー配列を含み、スペーサー配列は、発現後にGLP2−XTENを放出させるための切断配列(例えば、TEV)を含む。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、融合タンパク質に組み入れられたペイロードGLP−2配列ともう1つのXTENの間の接合部(複数可)で連結した1つまたは複数のスペーサー配列を含み、スペーサー配列は、制限部位をコードするヌクレオチドと適合するアミノ酸を含み、アミノ酸およびもう1つのスペーサー配列アミノ酸は、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)、およびプロリン(P)から選択される。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、融合タンパク質に組み入れられたペイロードGLP−2配列ともう1つのXTENの間の接合部(複数可)で連結した1つまたは複数のスペーサー配列を含み、スペーサー配列は、制限部位をコードするヌクレオチドと適合するアミノ酸を含み、もう1つのスペーサー配列は表5の配列から選択される。各スペーサー配列の正確な配列は、特定のGLP2−XTEN構築物のために使用する発現ベクター内のクローニング部位と適合するように選択する。単一のXTENがN末端またはC末端に付着している実施形態については、2つの構成成分の接合部の単一のスペーサー配列のみが必要になる。当業者には明らかになる通り、GLP2−XTEN遺伝子全体を、GLP−2をコードする遺伝子およびXTENをコードする遺伝子を使用してライゲーションするのではなく、合成によって生成する場合には、制限部位と適合するアミノ酸を含むスペーサー配列を構築物から省くことができる。 別の態様では、本発明は、切断配列がスペーサー配列に組み入れられたGLP2−XTENの配置を提供する。いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質組成物内のスペーサー配列は、同一であるまたは異なる1つまたは複数の切断配列を含み、切断配列にプロテアーゼを作用させて、XTEN配列(複数可)を融合タンパク質から放出させることができる。一実施形態では、GLP2−XTENへの切断配列の組み込みは、XTEN構成成分から放出されると活性になる、またはより活性になるGLP−2の放出が可能になるように設計する。切断配列は、GLP−2配列の十分近く、一般にはGLP−2配列から18アミノ酸以内、または12アミノ酸以内、または6アミノ酸以内、または2アミノ酸以内に位置し、したがって、切断後にGLP−2に付着している残りの残基はいずれもGLP−2の活性(例えば、GLP−2受容体との結合など)に目に見えるほど干渉せず、なおプロテアーゼが切断配列の切断を行うことができる十分な接近性がもたらされる。いくつかの場合には、切断配列を含むGLP2−XTENは、GLP−2と切断配列の間またはXTENと切断配列の間に、切断配列へのプロテアーゼの接近を容易にするための1つまたは複数のスペーサー配列アミノ酸も含み、スペーサーアミノ酸は、好ましいアミノ酸としてグリシン、セリンおよびアラニンを含めた任意の天然のアミノ酸を含む。一実施形態では、切断部位は哺乳動物の被験体に内在するプロテアーゼによって切断することが可能な配列であり、したがって、被験体に投与した後にGLP2−XTENを切断することができる。そのような場合では、GLP2−XTENは、GLP−2のプロドラッグまたは循環デポ剤としての機能を果たすことができる。前述の特定の構築物では、GLP2−XTENは、N末端および/またはC末端に連結した1つまたは2つのXTENを有し、したがって、XTENを放出させ、それにより活性型のGLP−2を自由にすることができる。前述の構築物の一実施形態では、切断配列が切断されることによって融合タンパク質から放出されたGLP−2は、インタクトなGLP2−XTEN融合タンパク質と比較して少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍、または少なくとも約8倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約20倍の生物学的活性の増大を示す。 本発明によって意図されている切断部位の例としては、これだけに限定されないが、FXIa、FXIIa、カリクレイン、FVIIIa、FVIIIa、FXa、FIIa(トロンビン)、エラスターゼ−2、グランザイムB、MMP−12、MMP−13、MMP−17またはMMP−20から選択される哺乳動物の内在性プロテアーゼによって、またはTEV、エンテロキナーゼ、PreScission(商標)プロテアーゼ(ライノウイルス3Cプロテアーゼ)、およびソルターゼ(sortase)Aなどの非哺乳動物のプロテアーゼによって切断可能なポリペプチド配列が挙げられる。前述のプロテアーゼおよびその他によって切断されることが公知の配列は当技術分野で公知である。本発明によって意図されている例示的な切断配列および配列内のそれぞれのカット部位が表6に示されており、その配列変異体も示されている。したがって、切断配列、特に、炎症の間に存在する内在性プロテアーゼに対して感受性の表6の切断配列により、GLP−2の放出がもたらされ、GLP2−XTENの特定の実施形態では、GLP2−XTENのインタクトな形態から放出されるGLP−2構成成分のより高程度の活性、ならびに被験体に投与される高用量のGLP2−XTENについての追加的な安全域がもたらされる。例えば、メタロプロテイナーゼ(metaloproteinase)の多くがクローン病および炎症を起こした腸において上昇することが実証されている(D SchuppanおよびT Freitag. Fistulising Crohn’s disease: MMPs gone awry. Gut(2004年)53巻(5号):622〜624頁)。一実施形態では、本発明は、切断された際にGLP−2が融合タンパク質から放出されるように動作可能に位置づけられた1つまたは複数の切断配列を含むGLP2−XTENであって、1つまたは複数の切断配列が表6から選択される配列に対して少なくとも約86%、または少なくとも約92%またはそれ以上の配列同一性を有するGLP2−XTENを提供する。別の実施形態では、切断配列を含むGLP2−XTENは、表34から選択される配列と比較して少なくとも約80%、または少なくとも約85%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する。 いくつかの実施形態では、カット部位の両側に隣接している2つまたは3つのアミノ酸(全部で4〜6アミノ酸)のみを切断配列に組み入れ、今度はそれを、該実施形態のGLP2−XTENに組み入れる。他の実施形態では、組み入れられた表6の切断配列は、公知の配列内の任意の1つもしくは2つもしくは3つのアミノ酸について1つもしくは複数の欠失もしくは挿入、または1つもしくは2つもしくは3つのアミノ酸置換を有してよく、欠失、挿入または置換により、感受性が低下するかまたは増強されるが、プロテアーゼに対する感受性はなくならず、その結果、GLP−2がXTENから放出される速度を調整することができる。表6に例示的な置換が示されている。 *スラッシュの前、間または後の多数のアミノ酸の一覧は、その位置で置換することができる代替のアミノ酸を示し、「−」は、中央の列に示されている対応するアミノ酸を置換することができる任意のアミノ酸を示す 。 3.例示的なGLP2−XTEN融合タンパク質配列 N末端またはC末端のいずれかで接合している、1つまたは2つのXTENと連結した単一のGLP−2を含有する融合タンパク質の配列の非限定的な例は表13および表32に示されている。一実施形態では、GLP2−XTEN組成物は、表13または表33から選択されるGLP2−XTENと比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、表13または表33のGLP2−XTENと比較して少なくとも約81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または約100%の配列同一性を有する融合タンパク質を含む。しかし、本発明は、表1のGLP−2配列のいずれかの、表13または表33のGLP2−XTENのGLP−2構成成分による置換、および/または表4の任意の配列の、表13または表33のGLP2−XTENのXTEN構成成分による置換も意図している。好ましい実施形態では、前述の例の生じたGLP2−XTENは、XTENと連結していない対応するGLP−2の生物学的活性、例えば、GLP−2受容体に結合しそれを活性化し、かつ/または腸栄養効果、増殖性効果、または創傷治癒効果をもたらす能力の少なくとも一部分を保持する。本段落の上文に記載されている前述の融合タンパク質では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、1つまたは複数の切断配列、例えば、表6の配列をさらに含んでよく、切断配列はGLP−2とXTENの間に位置する。切断配列(複数可)を含むいくつかの実施形態では、インタクトなGLP2−XTEN組成物を、そのインタクトな形態ではXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して生物学的活性は低いが半減期が長いが、被験体に投与すると、切断配列(複数可)において内在性プロテアーゼによって切断されることによってGLP−2構成成分が融合タンパク質から徐々に放出され、そこでGLP−2構成成分が活性、すなわち、GLP−2受容体に有効に結合する能力を示すように設計する。非限定的な例では、切断配列を有するGLP2−XTENは、表34の配列と比較して約80%の配列同一性を有する、または、表34の配列と比較して約85%、または約90%、または約95%、または約97%、または約98%、または約99%の配列同一性を有する。しかし、本発明は、表1のGLP−2配列のいずれかの、表34のGLP2−XTENのGLP−2構成成分による置換、表4の任意の配列の、表34のGLP2−XTENのXTEN構成成分による置換、および表6の任意の切断配列の、表34のGLP2−XTENの切断構成成分による置換も意図している。いくつかの場合には、本段落の前述の実施形態のGLP2−XTENは、プロドラッグまたは循環デポ剤としての機能を果たし、その結果、XTENと連結していないGLP−2と比較して終末相半減期が長くなる。そのような場合では、活性な循環組成物の割合がより小さいので、より高い濃度のGLP2−XTENを被験体に投与して、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して延長された期間にわたって治療的な血中レベルを維持することができる。 該実施形態のGLP2−XTEN組成物を、生物学的活性について本明細書に記載のアッセイもしくはin vivoパラメータ(例えば、実施例のアッセイまたは表32のアッセイ)を用いて、またはGLP−2欠乏の前臨床モデルにおけるもしくはヒトにおける臨床試験における薬力学的効果についてGLP−2生物学的活性を評価するための実施例に記載の方法または当技術分野で公知の他の方法を用いて評価して、配置またはGLP−2配列変異体の適性を決定することができ、ネイティブなGLP−2配列と比較して少なくとも約40%、または約50%、または約55%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%、または約95%またはそれ以上の生物学的活性を保持するGLP2−XTEN組成物(任意の組み入れられたXTENを放出させる切断部位の切断後を含めて)が、GLP−2に関連する状態の治療において使用するために適しているとみなされる。 V).本発明のGLP2−XTEN組成物の性質 (a)GLP2−XTENの薬物動態的性質 XTENと連結していないGLP−2と比較して薬物動態が増強されたGLP2−XTEN融合タンパク質を提供することは本発明の目的である。所与のXTENとGLP−2を連結することによって増強することができるGLP−2の薬物動態的性質としては、これだけに限定されないが、終末相半減期、曲線下面積(AUC)、Cmax、分布容積、生物学的に活性なGLP2−XTENを、XTENと連結していないGLP−2と比較してより長い期間にわたって最小の有効用量または血液単位濃度を上回る治療域内で維持すること、および生物学的利用能;より頻度の低い投薬または薬理効果の増強を可能にし、それにより、胃腸の状態の治療における有用性を増強する性質が挙げられる。 ネイティブなGLP−2は、ヒトにおける終末相半減期がおよそ7分であることが報告されているが(Jeppesen PBら、Teduglutide (ALX−0600), a dipeptidyl peptidase IV resistant glucagon−like peptide 2 analogue, improves intestinal function in short bowel syndrome patients. Gut.(2005年)54巻(9号):1224〜1231頁;Hartmann Bら(2000年)Dipeptidyl peptidase IV inhibition enhances the intestinotrophic effect of glucagon−like peptide−2 in rats and mice. Endocrinology 141巻:4013〜4020頁)、類似体であるテデュグルチドは、ヒトにおいておよそ0.9〜2.3時間の終末相半減期を示した(Marier JF、Population pharmacokinetics of teduglutide following repeated subcutaneous administrations in healthy participants and in patients with short bowel syndrome and Crohn’s disease. J Clin Pharmacol.(2010年)50巻(1号):36〜49頁)。GLP2−XTEN実施形態の薬物動態的性質はXTENと連結していないGLP−2の同等の形態、すなわち、組換え型のネイティブな配列またはテデュグルチド様類似体と比較するべきであることが当業者には理解されよう。 XTENによって性質が増強された結果として、GLP2−XTENは、本明細書に記載の方法によって組成物に適していることが決定された用量および用量レジメンで使用した場合、GLP2−XTEN融合タンパク質組成物を投与することにより、同等の用量のXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して延長された期間にわたって所望の薬理効果または臨床効果がもたらされる循環濃度を実現することができる。本明細書で使用される場合、「同等の用量」とは、被験体に同等に投与される活性なGLP−2ファルマコフォア(例えば、GLP−2)についてmol/kgが相当する用量を意味する。当技術分野では、GLP2−XTEN融合タンパク質の「同等の投与量」とは、作用剤の重量は大きいが投与される融合タンパク質の用量中のGLP−2のモル当量が基本的に同じであることを示すことが理解されよう。 一実施形態では、本発明は、融合タンパク質のGLP−2構成成分に1つまたは複数のXTENを連結させることによって融合タンパク質の薬物動態が増強されるGLP2−XTENであって、融合タンパク質の見かけの分子量率が少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍、または少なくとも約7倍、または少なくとも約8倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約12倍、または少なくとも約15倍増大し、被験体に投与した時のGLP2−XTENの終末相半減期がXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍、または少なくとも約7倍、または少なくとも約8倍、または少なくとも約10倍以上増大するGLP2−XTENを提供する。前述の実施形態では、融合タンパク質は、GLP2−XTENに組み入れられた少なくとも2つのXTEN分子を含み、XTENは同一であってもよく、配列組成(および正味の電荷)または長さが異なるものであってもよい。XTENは、表4から選択される配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%の配列同一性を有してよい。特定の理論に縛られず、正味の電荷がより高いGLP2−XTEN組成物のXTENは、上記の通り、種々の負に荷電した表面、例えば、血管、組織、または種々の受容体などとの非特異的な相互作用が少なく、それが、活性なクリアランスの低下にさらに寄与することが予測される。逆に、正味の電荷が低い(またはそれを有さない)GLP2−XTEN組成物のXTENは、炎症応答の間の腸内の炎症細胞の公知の関連性を考慮すると、関連するGLP−2の生物学的活性を強化する表面との相互作用の程度がより高いことが予測される。したがって、本発明は、GLP2−XTEN組成物内のXTENの種類および長さを選択し、それを位置づけることによって融合タンパク質の効力の程度、生物学的利用能、および半減期を調整することができるGLP2−XTENを提供する。したがって、本発明は、表1のGLP−2と表4のXTENを、構築物の薬物動態的性質が増強され、全身クリアランスが低下するように、例えば式I〜VIのいずれか1つから選択される配置で組み合わせ、作製した組成物を意図している。本発明は、さらに、会合速度(on−rate)の低下または解離速度の上昇のいずれかの結果としてクリアランス受容体への結合性が低下した特定のリガンドがN末端またはC末端のいずれかの障害の影響を受ける可能性があるという事実を活用し、別の分子であるGLP−2、XTEN、またはスペーサー配列の結合性が低下しようとしまいと、その末端を組成物の別のポリペプチドとの連結に使用する。GLP2−XTEN融合タンパク質の特定の配置の選択を本明細書に開示されている方法によって試験して、クリアランス受容体との結合性の程度を低下させ、活性なクリアランスの速度の低下が実現される配置を確認することができる。 一実施形態では、本発明は、薬物動態的性質が増強されたGLP2−XTENであって、表13、表32または表33のいずれか1つから選択される配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%,84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を有する配列であるGLP2−XTENを提供する。他の実施形態では、薬物動態的性質が増強されたGLP2−XTENは、表4の配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または約99%の配列同一性を有する1つまたは複数のXTENと連結した表1の配列と比較して少なくとも約80%の配列同一性、あるいは、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または約99%の配列同一性を有するGLP−2配列を含む。対象組成物に関して、患者の利便性を改善するため、投薬間の間隔を増大させるため、および持続的効果を達成するために必要な薬物の量を減少させるために、終末相半減期がより長いGLP2−XTENが一般に好ましい。本段落の上文に記載されている実施形態では、融合タンパク質を投与することにより、対象状態を評価するために有用なものとして本明細書に開示されているパラメータ、例えば、血中濃度が維持されること、腸の機能が維持されること、大腸炎、短腸症候群またはクローン病などの胃腸の状態に伴う症状の発症が予防されること、同等の用量または用量レジメンで被験体に投与した、融合タンパク質と連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して低用量の融合タンパク質が使用されることの少なくとも1つ、2つ、3つ以上が改善される。あるいは、本段落の上文に記載されている実施形態では、融合タンパク質を投与することにより、融合タンパク質と連結していない対応するGLP−2構成成分と比較して、同等の用量の融合タンパク質を使用するが、投与間の間隔が2倍、または3倍、または4倍、または5倍、または6倍、または7倍、または8倍、または10倍、または20倍長い用量レジメンを用いて被験体に投与して対象状態を評価するために有用なものとして、本明細書に開示されているパラメータの少なくとも1つが改善される。前述の実施形態では、パラメータ(複数可)の改善を実現するために投与されるミリモル/kg単位の総用量は、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分の少なくとも約3分の1、または少なくとも約4分の1、または少なくとも約5分の1、または少なくとも約6分の1、または少なくとも約8分の1、または少なくとも約10分の1である。 XTENを含む融合タンパク質の薬物動態特性に関する実施例においてより詳細に記載されている通り、長さが増大したXTEN配列により、XTENを含む融合タンパク質の終末相半減期の不均衡な増大が付与されることが観察された。したがって、本発明は、XTENを含むGLP2−XTEN融合タンパク質であって、被験体に投与されるGLP2−XTEN組成物に標的化半減期がもたらされるようにXTENが選択されている融合タンパク質を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、XTENを含む単量体GLP2−XTEN融合タンパク質であって、同等の用量で投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して、被験体に投与されるGLP2−XTENの終末相半減期が増大するようにXTENが選択されており、増大が、XTENと連結していないGLP−2と比較して少なくとも約2倍長い、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍、または少なくとも約7倍、または少なくとも約8倍、または少なくとも約9倍、または少なくとも約10倍、または少なくとも約15倍、または少なくとも20倍、または少なくとも40倍またはそれ以上の終末相半減期の増大である、融合タンパク質を提供する。別の実施形態では、治療有効量のGLP2−XTENをそれを必要とする被験体に投与することにより、同等の用量のXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも12時間長い、または少なくとも約24時間長い、または少なくとも約48時間長い、または少なくとも約72時間長い、または少なくとも約96時間長い、または少なくとも約144時間長い、または少なくとも約7日長い、または少なくとも約14日長い、または少なくとも約21日長い終末相半減期がもたらされる。別の実施形態では、治療有効用量のGLP2−XTEN融合タンパク質をそれを必要とする被験体に投与することにより、融合タンパク質の治療的に有効な血中レベルを維持するために必要な連続投薬間の時間が、同等の用量で投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも48時間、または少なくとも72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約7日、または少なくとも約14日、または少なくとも約21日増大し得る。「治療的に有効な血中レベル」を維持するための連続投薬間の時間は、被験体の生理的な状態に応じて著しく変動することが当技術分野では理解され、また、クローン病の患者には、短腸症候群に対して同じ調製物を受けている患者と比較して、GLP−2調製物をより頻繁に、より長く投薬する必要がある場合があることが理解されよう。それにもかかわらず、本発明のGLP2−XTENにより、上記の通り、XTENと連結していないGLP−2と比較してより頻度の少ない投薬が可能になると考えられる。一実施形態では、治療有効量を用いて被験体に投与したGLP2−XTENにより、GLP2−XTEN融合タンパク質の血中濃度が、少なくとも約24時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約144時間にわたって、少なくとも500ng/ml超、または少なくとも約1000ng/ml超、または少なくとも約2000ng/ml超、または少なくとも約3000ng/ml超、または少なくとも約4000ng/ml超、または少なくとも約5000ng/ml超、または少なくとも約10000ng/ml超、または少なくとも約15000ng/ml超、または少なくとも約20000ng/ml超、または少なくとも約30000ng/ml超、または少なくとも約40000ng/mlにとどまる。 一実施形態では、本発明は、同等の用量で被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%、または少なくとも約150%、または少なくとも約200%、または少なくとも約300%、または少なくとも約500%、または少なくとも約1000%、または少なくとも約2000%のAUCの増大を示すGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。別の実施形態では、適切な用量で被験体に投与したGLP2−XTENにより、単回投薬後に、少なくとも100000hr*ng/mL、または少なくとも約200000hr*ng/mL、または少なくとも約400000hr*ng/mL、または少なくとも約600000hr*ng/mL、または少なくとも約800000hr*ng/mL、または少なくとも約1000000hr*ng/mL、または少なくとも約2000000hr*ng/mLのGLP2−XTEN融合タンパク質の濃度の曲線下面積がもたらされる。GLP2−XTENの薬物動態パラメータは、投薬、複数の時間間隔で血液試料を取得すること、およびELISA、HPLC、ラジオアッセイ、または当技術分野で公知のまたは本明細書に記載の他の方法を用いてタンパク質をアッセイし、その後データを標準的に算出して、半減期および他のPKパラメータを導き出すことを伴う標準の方法によって決定することができる。 PKパラメータの増強により、特に胃腸の状態の常套的な予防法または慢性の治療のために投薬を受けている被験体について、GLP2−XTEN組成物の投薬を、XTENと連結していないGLP−2と比較して減少させることが可能になる。一実施形態では、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して約2分の1、または約3分の1、または約4分の1、または約5分の1、または約6分の1、または約8分の1、または約10分の1、またはそれよりも少ないモル当量の融合タンパク質を、対応する量のXTENと連結していないGLP−2と同等の曲線下面積を維持するために必要な用量レジメンの下で投与する。別の実施形態では、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して約2分の1、または約3分の1、または約4分の1、または約5分の1、または約6分の1、または約8分の1、または約10分の1、またはそれよりも少ないモルの融合タンパク質を、対応する量のXTENと連結していないGLP−2と比較して少なくとも約500ng/ml超、少なくとも約1000ng/ml超、または少なくとも約2000ng/ml超、または少なくとも約3000ng/ml超、または少なくとも約4000ng/ml超、または少なくとも約5000ng/ml超、または少なくとも約10000ng/ml超、または少なくとも約15000ng/ml超、または少なくとも約20000ng/ml超、または少なくとも約30000ng/ml超、または少なくとも約40000ng/ml超の血中濃度を少なくとも約24時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも72時間、または少なくとも96時間、または少なくとも120時間にわたって維持するために必要な用量レジメンの下で投与する。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、胃腸の状態を有する被験体を処置するためにより頻度の低い投与を必要とし、用量は、約4日おき、約7日おき、約10日おき、約14日おき、約21日おきに投与される、またはおよそ月に1回の融合タンパク質が被験体に投与され、融合タンパク質ではXTENと連結していない対応するGLP−2と同等の曲線下面積が実現される。さらに他の実施形態では、対応する量のXTENと連結していないGLP−2と比較して約5%、または約10%、または約20%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%少ない、累積的により少ないモル量の融合タンパク質を、治療転帰または臨床的パラメータを実現するために必要な用量レジメンの下で被験体に投与し、それでも融合タンパク質では少なくとも、XTENと連結していない対応するGLP−2と同等の曲線下面積が実現される。累積的により少量とは、少なくとも約1週間、または約14日、または約21日、または約1カ月の期間にわたる測定である。 (b)GLP2−XTENの薬理学的性質および薬学的性質 本発明は、XTENと連結していないGLP−2と比較して性質が増強されている可能性がある、XTENと共有結合で連結したGLP−2を含むGLP2−XTEN組成物、ならびに組成物の2つのGLP−2構成成分のそれぞれの治療的および/または生物学的活性または効果を増強するための方法を提供する。さらに、GLP2−XTEN融合タンパク質により、GLP−2のペグ化構築物などの化学的コンジュゲートを超える有意な利点、特に、組換えGLP2−XTEN融合タンパク質は、宿主細胞の発現系において作出することができ、それにより、製品の研究開発段階および製造段階の両方において時間および費用が減少するとともに、ペグ化コンジュゲートと比較してGLP2−XTENの製品および代謝産物の両方の毒性が低いより均一な定義済みの製品がもたらされるという事実がもたらされる。 治療剤として、GLP2−XTENは、以下の非限定的な性質の増強の1つまたは複数を含めた、XTENを含まない治療薬を超えるいくつもの利点を有する:溶解度の増大、熱的安定性の増大、免疫原性の低下、見かけの分子量の増大、腎臓クリアランスの低下、タンパク質分解の減少、代謝の低下、治療効率の増強、有効な治療量がより低いこと、生物学的利用能の増大、被験体を大腸炎、腸炎、またはクローン病の症状の増大を伴わずに維持することができる投薬間の時間の増大、GLP2−XTEN組成物を静脈内、皮下、または筋肉内に投与することができること、静脈内、皮下、または筋肉内に投与された際の「調整された」吸収の速度、凍結乾燥安定性の増強、血清/血漿安定性の増強、終末相半減期の増大、血流中での溶解度の増大、中和性抗体による結合の減少、活性なクリアランスの減少、副作用の減少、免疫原性の低下、基質結合親和性の保持、分解に対する安定性、凍結融解に対する安定性、プロテアーゼに対する安定性、ユビキチン化に対する安定性、投与の容易さ、他の医薬賦形剤または担体との適合性、被験体における持続、貯蔵における安定性の増大(例えば、貯蔵寿命の増大)、生物体または環境における毒性の低下など。本明細書に開示されている実施形態のGLP2−XTEN融合タンパク質は、本明細書において詳述されている改善された性質および/または実施形態の1つまたは複数、またはその任意の組合せを示す。性質が増強されることの正味の効果は、GLP2−XTEN組成物を使用することにより、XTENと連結していないGLP−2と比較して、治療効果および/または生物学的効果を増強することができ、その結果、より頻度の低い投薬に付随する経済的利益がもたらされる、または、GLP−2に関連する状態を有する被験体に投与した際の患者のコンプライアンスが改善される。 一実施形態では、融合パートナーとしてのXTENにより、GLP−2ペイロードの溶解度が増大する。したがって、GLP−2の薬学的性質または物理化学的性質、例えば、水溶性または安定性の程度などが増強されることが望ましい場合、融合タンパク質に組み入れられるXTEN配列の長さおよび/またはモチーフファミリー組成は、それぞれ、それぞれの融合タンパク質に異なる程度の溶解度および/または安定性が付与され、したがって、GLP2−XTEN組成物の全体的な薬学的性質が増強されるように選択する。GLP2−XTEN融合タンパク質を、本明細書に記載の方法を用いて構築し、アッセイして、物理化学的性質を確認し、必要に応じてXTENを調整して所望の性質をもたらすことができる。一実施形態では、GLP2−XTENの水溶性は、融合タンパク質と連結していないGLP−2と比較して少なくとも約25%大きい、または、融合タンパク質と連結していない対応するGLP−2よりも少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約75%、または少なくとも約100%、または少なくとも約200%、または少なくとも約300%、または少なくとも約400%、または少なくとも約500%、または少なくとも約1000%大きい。 本発明は、XTENと連結していないGLP−2と比較して溶解度が増強されており、回収が容易である発現されたGLP2−XTENを作製し、宿主細胞から回収するための方法を提供する。一実施形態では、該方法は、累積的な配列の長さが約100超、または約200超、または約400超、または約800超のアミノ酸残基である1つまたは複数のXTEN構成成分を有するGLP2−XTENをコードするポリヌクレオチドを用いて宿主細胞を形質転換するステップと、宿主細胞においてGLP2−XTEN融合タンパク質を発現させるステップと、発現された融合タンパク質を可溶性の形態で回収するステップとを含む。前述の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質のXTENは、表4から選択される1つまたは複数のXTENと比較して少なくとも約80%の配列同一性、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%、約100%までの配列同一性を有してよく、GLP−2は、表1から選択されるGLP−2と比較して少なくとも約80%の配列同一性、または約90%、または約91%、または約92%、または約93%、または約94%、または約95%、または約96%、または約97%、または約98%、または約99%、または100%の配列同一性を有してよく、GLP2−XTEN構成成分は、式I〜VIのいずれか1つから選択されるN末端からC末端への配置であってよい。 本発明は、それを必要とする被験体に投与すると、同等の投与量のXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍長い期間にわたってGLP−2構成成分を治療的なレベルで維持することができるGLP2−XTEN組成物を作製するための方法を提供する。「同等の投与量」のGLP2−XTEN融合タンパク質とは、XTENと連結していないGLP−2の用量と比較して作用剤の重量は大きいが、融合タンパク質の用量中のGLP−2のおおよそのモルが同じであり、かつ/またはおおよそのnmol/kg濃度が同じであることを示すことが当技術分野では理解されよう。GLP−2構成成分を治療的なレベルで維持することができる組成物を作製する方法は、所与の用量および用量レジメンを考慮して所望の薬物動態的性質をもたらすためにGLP−2とコンジュゲートするために適したXTENを選択するステップと、本明細書に記載の配置を用いて、GLP2−XTENをコードする発現構築物を創出するステップと、コード遺伝子を含む発現ベクターを用いて適切な宿主細胞を形質転換するステップと、GLP2−XTENを発現させ、それを回収するステップと、GLP2−XTENを被験体に投与し、その後、アッセイして薬物動態的性質、GLP2−XTEN融合タンパク質の活性(例えば、受容体に結合する能力)、および投与された組成物の安全性を検証するステップとを含む。被験体は、マウス、ラット、サルおよびヒトから選択することができる。該方法により、本明細書において提供されるGLP2−XTENにより、増強された期間にわたってGLP−2の循環濃度が治療的なレベルで維持されることによって、投与された組成物の有効性が増大する。 別の態様では、本発明のGLP2−XTEN組成物は、腸栄養効果をもたらすことができる。本明細書で使用される場合、「腸栄養効果」とは、被験体、例えば、マウス、ラット、サルまたはヒトが、GLP−2を含有する組成物を投与した後に以下の少なくとも1つを示すことを意味する:腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、または腸機能の増強。GLP2−XTEN組成物は、内分泌的に作用して、腸の成長および代謝と栄養摂取を結びつけることができる。GLP−2および関連する類似体は、短腸症候群、クローン病、骨粗鬆症に対して、および本明細書に記載の他の胃腸の状態の中でも癌の化学療法の間のアジュバント療法として治療になり得る。一実施形態では、GLP2−XTENは、有効量を用いて被験体に投与すると、少なくとも1つ、または2つ、または3つ以上の腸栄養効果をもたらすことができる。 結果として生じる機能特性または生物学的および薬理学的活性およびパラメータを含めた本発明のGLP2−XTEN組成物の特性は、所望の特性を測定するための当技術分野で公知の任意の適切なスクリーニングアッセイによって決定することができる。本発明は、組成または配置が異なるGLP2−XTEN融合タンパク質をアッセイして、所望の程度の生物学的活性および/または治療的活性、ならびに安全性プロファイルを有するGLP2−XTENをもたらすための方法を提供する。これだけに限定されないが、実施例のアッセイ、表32のアッセイ、炎症性サイトカインレベルの決定、GLP−2血中濃度、ELISAアッセイ、または腸の機能の試験、ならびに臨床的なエンドポイント、例えば、当技術分野で公知のものの中でも、出血、炎症、大腸炎、下痢、糞便の湿重量、体重減少、ナトリウム損失、腸潰瘍、腸閉塞症、瘻孔、および膿瘍、生存などを含めた、特定のin vitroバイオアッセイ、in vivoバイオアッセイおよびex vivo生物検定を用いて、各配置のGLP2−XTENおよび/またはGLP2−XTENに組み入れられるGLP−2構成成分の活性を評価する。前述のアッセイまたはエンドポイントを前臨床的なアッセイにおいて用いて、GLP−2配列変異体を評価する(単一の構成成分として、またはGLP2−XTEN融合タンパク質としてアッセイする)こともでき、ネイティブなヒトGLP−2と比較して、それらの生物学的活性の程度がネイティブなGLP−2またはそのいくつかの画分と同じかどうか、したがって、それらが、GLP2−XTENに含めるために適しているかどうかを決定することができる。一実施形態では、本発明は、同等の用量を用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果を示すGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。 用量最適化は、全ての薬物のために重要である。GLP2−XTENの治療有効用量または治療有効量は、個体の病態、年齢、性別、および体重、ならびに投与される融合タンパク質の、個体における所望の応答を引き出す能力などの因子に応じて変動する。例えば、多様な肺の状態または異常な臨床的パラメータ(例えば、中和性抗体)を示している患者全てに対するGLP−2の標準化された単回投薬が常に有効であるとは限らない。これらの因子の考察は、不十分な効力がもたらされ、したがって臨床的改善が実現されない量に対して治療的または薬理学的に有効な量のGLP2−XTENおよび適切な投薬スケジュールを決定する目的で、十分に、通常の技術を有する臨床医の権限の範囲内である。 本発明の方法は所望のパラメータまたは臨床効果を達成し、かつ/または維持するために十分な期間にわたって、治療有効量のGLP2−XTENを連続して投与することを含み、そのような治療有効量の連続投薬により、GLP2−XTENについての治療有効用量レジメン、すなわち、継続的に投与される融合タンパク質組成物の投薬についてのスケジュールが確立され、用量は、これだけに限定されないが、本明細書に記載のものを含めた、GLP−2に関連する病態または状態の任意の臨床徴候または症状、態様、測定パラメータまたは特性に対する持続性の有益な効果がもたらされる量で示される。予防的に有効な量とは、生理的または臨床的な結果または事象、例えば、腸間膜血流の減少、出血、炎症、大腸炎、下痢、糞便の湿重量、体重減少、ナトリウム損失、腸潰瘍、腸閉塞症、瘻孔、および膿瘍、便通の頻度の変化、ぶどう膜炎、ならびに小児の成長不全を予防するため、または、閾値レベルを上回るGLP−2の血中濃度、例えば、100ng/mlのGLP−2当量(またはおよそ2200ng/mlのGLP−2−2G_XTEN_AE864)または30pmol/Lを維持するために必要な期間にわたって必要になるGLP2−XTENの量を指す。治療方法では、被験体に投与するGLP2−XTENの投薬量は、被験体に対して約0.2mg/kg/用量から500mg/kg/用量(2.5nmol/kg〜6250nmol/kg)まで、または約2mg/kg/用量から300mg/kg/用量(25nmol/kg〜3750nmol/kg)まで、または約6mg/kg/用量〜約100mg/kg/用量(75nmol/kg/用量〜1250nmol/kg/用量)まで、または約10mg/kg/用量から約60mg/kg/用量(125nmol/kg/用量〜750nmol/kg/用量)までにわたる。適切な投与量は、薬物に対する応答に影響を及ぼす可能性がある他の因子にも左右される場合があり、例えば、腸が外科的に切除された被験体には、一般に、過敏性腸症候群と比較して高用量が必要とされる。いくつかの実施形態では、該方法は、1つまたは複数のXTEN配列と連結したGLP−2を含むGLP2−XTEN融合タンパク質組成物および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む医薬組成物を治療有効量でそれを必要とする被験体に投与することを含み、それにより、開示されているパラメータまたは生理的条件の少なくとも1つがより大きく改善される、または、同等の用量で投与した、XTENと連結していないGLP−2を含む医薬組成物を投与することによって媒介されるパラメータ、状態または臨床転帰に対する効果と比較して、より好都合な臨床転帰がもたらされる。前述の一実施形態では、改善は、GLP2−XTEN医薬組成物を治療有効用量で投与することによって実現される。前述の別の実施形態では、改善は、GLP2−XTEN医薬組成物を、治療有効用量レジメン(本明細書で定義されている)を用いて投薬期間の長さにわたって多数回連続して投与することによって実現される。 多くの場合、年齢および疾患の程度が異なる被験体におけるGLP−2の治療的なレベルは、公開された文献において確立されており、利用可能である、または、GLP−2を含有する認可された製品については薬物のラベル上に規定されている。他の場合では、本開示のGLP2−XTEN融合タンパク質を含めた新しい組成物について治療的なレベルを確立することができる。所与の組成物についての治療的なレベルおよび投薬スケジュールを確立するための方法は、当業者に公知である(例えば、Goodman & Gilman’s The pharmacological Basis of Therapeutics、第11版、McGraw−Hill(2005年)を参照されたい)。例えば、標的疾患または状態を有する被験体において用量漸増試験を用いて有効性または望ましい薬理効果、有害事象の出現、および循環血中レベルを決定することによって、所与の被験体または被験体の集団に対する所与の薬物または生物製剤についての治療的な血中レベルを決定することができる。用量漸増試験では、GLP−2に関連する状態に関連付けられる1つまたは複数のパラメータ、または特定の適応症についての有益な転帰に関連する臨床的パラメータについての当技術分野で公知または本明細書に記載の生理的または生化学的なパラメータをモニターする、被験体または被験体の群における代謝試験を通じて、効果のない用量、有害事象、最小の有効用量などを決定するための知見および/または測定パラメータと一緒に、決定または導出された循環血中レベルを確立する薬物動態パラメータの測定値と一緒に、GLP2−XTENの活性を評価することができる。次いで、結果を、前述の決定されたパラメータまたは効果レベルと一致する治療薬の投与用量および血中濃度と相関させることができる。これらの方法により、種々の用量および血中濃度を、最小の有効用量ならびに最大用量および所望の効果が生じる血中濃度、およびそれを維持することができる期間と相関させ、それにより、組成物についての治療的な血中レベルおよび投薬スケジュールを確立することができる。したがって、前述の方法により、それを下回るとGLP2−XTEN融合タンパク質が所望の薬理効果を有さないCmin血中レベルおよびそれを上回ると副作用が起こり得るCmax血中レベルが確立される。 当業者は、本明細書に開示されている手段によって、または当技術分野で公知の他の方法によって、投与されたGLP2−XTENが治療的な血中レベルにとどまり、それでも適切な安全性が保持されていることを確認して(それにより、「治療域」を確立する)、所望の間隔にわたって生物学的活性を維持すること、またはXTENの用量または長さまたは配列の調整を要求することができる。さらに、GLP2−XTENを治療域内に保つための適切な用量および投薬頻度を決定することにより、治療有効濃度を上回ったままの連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフがもたらされ、標的状態に関連する少なくとも1つの測定パラメータが改善される、治療有効用量の融合タンパク質を使用して、それを必要とする被験体に多数回連続して投与するためのスケジュールである治療有効用量レジメンが確立される。一実施形態では、適切な用量で被験体に投与したGLP2−XTENにより、GLP2−XTEN融合タンパク質の血中濃度が、同等の用量で投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約2倍長い期間、あるいは、同等の用量で投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約3倍長い、あるいは、少なくとも約4倍長い、あるいは、少なくとも約5倍長い、あるいは、少なくとも約6倍長い、あるいは、少なくとも約7倍長い、あるいは、少なくとも約8倍長い、あるいは、少なくとも約9倍長い、あるいは、少なくとも約10倍長い、または少なくとも約20倍長いまたはそれよりも長い期間にわたって、所与の活性または効果を維持するための最小有効濃度を上回ったままになる(実施例のアッセイまたは表32によって決定したところ)。本明細書で使用される場合、「適切な用量」とは、被験体に投与すると、望ましい治療効果または薬理効果および/または治療域内の血中濃度がもたらされる薬物または生物製剤の用量を意味する。例えば、GLP−2またはGLP−2を含むXTENを含有する融合タンパク質の血清レベルまたは血漿レベルは、比濁分析、ELISA、HPLC、放射免疫測定法によって、または免疫電気泳動によって測定することができる(Jeppesen PB. Impaired meal stimulated glucagon−like peptide 2 response in ileal resected short bowel patients with intestinal failure. Gut.(1999年)45巻(4号):559〜963頁;実施例18〜21のアッセイ)。GLP−2またはGLP−2変異体の表現型の同定は、等電点電気泳動(IEF)(Jeppssonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、81巻:5690〜93頁、1994年)を含めたいくつもの方法によって、またはDNA解析(Kiddら、Nature. 304巻:230〜34頁、1983年;Braunら、Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem.、34巻:761〜64頁、1996年)によって実現することができる。 一実施形態では、GLP2−XTENを、治療有効用量レジメンを用いて少なくとも2回、または少なくとも3回、または少なくとも4回またはそれ以上投与することにより、同等の用量レジメンで被験体に投与した、XTENと連結していない対応する融合タンパク質の生物学的に活性なタンパク質と比較して、融合タンパク質の血中レベルについての少なくとも2つの連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフ間の時間が少なくとも約3倍長く、あるいは、少なくとも約4倍長く、あるいは、少なくとも約5倍長く、あるいは、少なくとも約6倍長く、あるいは、少なくとも約7倍長く、あるいは、少なくとも約8倍長く、あるいは、少なくとも約9倍長く、または少なくとも約10倍長く増大する。別の実施形態では、GLP−2についての治療有効用量レジメンを用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応する生物学的に活性なタンパク質成分(複数可)と比較して頻度の低い投薬または医薬組成物の融合タンパク質のモル単位で少ない総投与量を用いて、治療有効用量レジメンで投与したGLP2−XTENにより、1つ、または2つ、または3つ以上の測定パラメータの同等の改善がもたらされる。測定パラメータは、本明細書に開示されている臨床的、生化学的、もしくは生理的なパラメータ、または当技術分野で公知の他のGLP−2に関連する状態を有する被験体を評価するためのもののいずれかを含む。GLP2−XTEN融合タンパク質の活性を評価するためにアッセイすることができるパラメータまたは生理的効果の非限定的な例としては、実施例、表32のアッセイまたは腸間膜血流の減少、出血、炎症、大腸炎、下痢、糞便の湿重量、ナトリウム損失、体重減少、腸潰瘍、腸閉塞症、瘻孔、および膿瘍、便通の頻度の変化、ぶどう膜炎、小児の成長不全を検出するため、または閾値レベルを上回るGLP−2の血中濃度、例えば、100ng/mlのGLP−2当量(またはおよそ2200ng/mlのGLP−2−2G_XTEN_AE864)を維持するための試験もしくはアッセイ、ならびに腸炎の実験動物モデルから得られるパラメータ、例えば、体重増加、小腸の長さ、小腸のTNFα含有量の減少、粘膜の萎縮の減少、穿孔性潰瘍の発生率の低下、および絨毛の高さなどが挙げられる。 いくつかの実施形態では、GLP−2構成成分の生物学的活性は、インタクトなGLP2−XTEN融合タンパク質によって現れるが、他の場合では、GLP−2構成成分の生物学的活性は、主に、本明細書に記載の配置および配列を使用してGLP2−XTEN融合タンパク質に組み入れられた切断配列に作用するプロテアーゼの作用によってGLP−2が融合タンパク質から切断され、放出すると現れる。前述では、GLP2−XTENは、GLP−2受容体に対するGLP−2構成成分の結合親和性がXTENと連結している時には低下するが、GLP2−XTEN配列に組み入れられた切断配列(複数可)が切断されることによってXTENから放出されると親和性が回復または増大するように設計する。前述の一実施形態では、本発明は、切断配列によって少なくとも第1のXTENと連結したGLP−2を含む単離された融合タンパク質であって、XTENと連結していないネイティブなGLP−2と比較して、切断前の生物学的活性(例えば、受容体結合性)が10%未満であり、切断配列におけるタンパク質切断によって融合タンパク質から放出されたGLP−2の生物学的活性が少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%活性である融合タンパク質を提供する。 一態様では、本発明は、融合タンパク質の活性なクリアランスが低下し、それにより、被験体に投与されたGLP2−XTENの終末相半減期は増大するが、生物学的活性はなお保持されるように設計されたGLP2−XTEN組成物を提供する。いかなる特定の理論にも縛られることなく、本発明のGLP2−XTENは、非構造化XTENをGLP−2に付加することにより分子の活性なクリアランスが低下することによって実現される、比較的高く、かつ/または持続性の活性を有すると考えられている。GLP−2の取り込み、排除、および不活化は、循環系において、ならびに血管外腔において起こり得る。 VI).GLP2−XTEN組成物の使用 別の態様では、本発明は、GLP−2によって媒介されるまたは向上する、胃腸の状態における有益な効果を達成するための治療を含めた治療方法において使用するためのGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。本明細書で使用される場合、「胃腸の状態」とは、これだけに限定されないが、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸の誘導性虚血を含むものとする。 本発明は、有益な効果を達成し、終末相半減期が比較的短い、反復投与を必要とする、または好ましくない薬剤経済性を有するGLP−2調製物を使用した他の治療方法の不都合および/または限界に取り組むために、GLP−2に関連する疾患、障害または胃腸の状態を有するヒトなどの被験体を処置するための方法において使用するためのGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。GLP−2のネイティブな、組換えまたは合成のタンパク質の半減期が短く、臨床的利益を実現するためには頻繁な投薬が必要であるという事実により、そのような患者の管理が困難になる。 一実施形態では、治療方法は、治療有効量のGLP2−XTEN組成物を、胃腸の状態を有する被験体に投与することを含む。治療方法の別の実施形態では、GLP2−XTEN組成物を投与することにより、胃腸の状態に関連する生化学的、生理的または臨床的なパラメータの1つ、2つ、3つ、またはそれ以上が改善される。前述の方法では、投与されるGLP2−XTENは、表4および表8〜12のいずれか1つから選択されるXTENに対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する少なくとも第1のXTENと連結した表1のGLP−2に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するGLP−2を含む。前述の方法の別の実施形態では、投与されるGLP2−XTENは、表13、表32、または表33の配列に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する配列を有する。一実施形態では、治療方法は、治療有効量のGLP2−XTEN組成物を胃腸の状態を有する被験体に1回または複数回投与することを含み、投与により、状態に関連する生化学的、生理的または臨床的なパラメータの1つ、2つ、3つ、またはそれ以上または治療効果が、同等の量を用いて投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して少なくとも2倍長い、または少なくとも4倍長い、または少なくとも5倍長い、または少なくとも6倍長い期間にわたって改善される。別の実施形態では、治療方法は、治療有効量のGLP2−XTEN組成物をGLP−2欠乏に罹患している被験体に投与することを含み、投与により、臨床的に関連性のあるパラメータまたは症状の発症が予防される、または、臨床的に関連性のある血中濃度がXTENと連結していないGLP−2と比較して少なくとも2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍長い持続時間にわたって降下する。別の実施形態では、治療方法は、治療有効量のGLP2−XTENを胃腸の状態を有する被験体に投与することを含み、投与により、同等のnmol/kg量を使用して投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して、胃腸の状態に関連する少なくとも1つ、2つ、または3つのパラメータが少なくとも5%、または10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%大きく改善される。治療方法の前述の実施形態では、投与は皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である。治療方法の前述の実施形態では、被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される。治療方法の前述の実施形態では、治療効果またはパラメータは、これだけに限定されないが、とりわけ、GLP−2の血中濃度、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強または刺激、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの最小化、緩和、または予防、外科手術後の腸の回復の増強、刺激または加速;炎症性腸疾患の再発の予防;またはエネルギー恒常性の実現または維持を含む。 一実施形態では、治療方法を用いて、例えば、これだけに限定されないが、5−FU、アルトレタミン、ブレオマイシン、ブスルファン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、クリサンタスパーゼ(crisantaspase)、シクロホスファミド、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エトポシド、フルダラビン、フルオロウラシル、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、イダルビシン、イホスファミド、イリノテカン、リポソーム化ドキソルビシン、ロイコボリン、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトキサントロン、オキサリプラチン、パクリタキセル、ペメトレキセド、ペントスタチン、プロカルバジン、ラルチトレキセド、ストレプトゾシン、テガフール−ウラシル、テモゾロミド、チオテパ、チオグアニン、チオグアニン、トポテカン、トレオスルファン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、およびビノレルビンなどの化学療法剤に起因する小腸損傷を有する被験体を処置する。 記載されている方法によって治療を施す前に、胃腸の状態の診断を得ることができる。胃腸の状態は、当技術分野で公知の標準のケア手段によって診断することができる。例えば、潰瘍は、食道、胃、および腸のバリウムX線によって、内視鏡検査によって、血液、呼吸、および胃の組織生検(例えば、Helicobacter pyloriの存在を検出するために)によって診断することができる。吸収不良症候群は、吸収不良症候群の診断に役立つ血液中の栄養分のレベルまたは便中の脂肪のレベルをモニターする血液検査または検便によって診断することができる。セリアックスプルーは、抗筋内膜抗体(IgA)、抗トランスグルタミナーゼ(IgA)、抗グリアジン(IgAおよびIgG)、ならびに総血清IgAについて検査することを含んでよい抗体検査によって診断することができる。内視鏡検査または小腸生検を用いて、セリアックスプルーの診断に役立つ、絨毛が平らになることなどの症状の異常な腸の内層を検出することができる。熱帯性スプルーは、小腸生検または化学療法に対する応答を用いて吸収不良または感染症を検出することによって診断することができる。炎症性腸疾患は、結腸内視鏡検査によって、またはバリウム注腸後のX線によって、臨床症候と組み合わせて検出することができ、結腸壁の炎症、出血、または潰瘍が潰瘍性大腸炎またはクローン病などの炎症性腸疾患の診断に役立つ。 治療方法のいくつかの実施形態では、GLP2−XTENを被験体に投与することにより、生化学的、生理的、または臨床的なパラメータのうちの1つまたは複数が、同じアッセイを用いて、または測定された臨床的パラメータに基づいて決定した、XTENと連結していない対応するGLP−2構成成分の該パラメータよりも大きく改善される。前述の一実施形態では、治療有効量のGLP2−XTEN組成物をそれを必要とする被験体に投与することにより、成人短腸症候群(SBS)の患者における非経口栄養(PN)依存が、同等の量のXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して、投与の2〜7日後の被験体において約10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、またはそれ以上大きく低下する。別の実施形態では、GLP2−XTENをそれを必要とする被験体に治療有効用量レジメンを用いて投与することにより、XTENと連結していない対応するGLP−2の同等の治療有効用量レジメンと比較して、投与開始後7日目、10日目、14日目、21日目または30日目に被験体において10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%またはそれ以上体重が増大する。別の実施形態では、治療有効量のGLP2−XTEN組成物をそれを必要とする被験体に投与することにより、成人短腸症候群(SBS)の患者における糞便の湿重量が、同等の量のXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して、投与の2〜7日後に被験体において約10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、またはそれ以上大きく減少する。別の実施形態では、治療有効量のGLP2−XTEN組成物をそれを必要とする被験体に投与することにより、成人短腸症候群(SBS)の患者におけるナトリウム損失が、同等の量のXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して、投与の2〜7日後に被験体において約10%、または約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、またはそれ以上が大きく低下する。 治療方法のいくつかの実施形態では、(i)その他の点では同じ用量レジメンの下でXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して約2分の1、または約3分の1、または約4分の1、または約5分の1、または約6分の1、または約8分の1、または約10分の1のモル量のGLP2−XTEN融合タンパク質をそれを必要とする被験体に投与し、融合タンパク質ではXTENと連結していない対応するGLP−2と同等の曲線下面積および/または同等の治療効果が達成される;(ii)GLP2−XTEN融合タンパク質を、その他の点では同じ投薬量の下でXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少ない頻度で(例えば、3日おき、約7日おき、約10日おき、約14日おき、約21日おき、またはおよそ月に1回)投与し、融合タンパク質ではXTENと連結していない対応するGLP−2と同等の曲線下面積および/または同等の治療効果が達成される、または(iii)少なくとも約20%、または約30%、または約40%、または約50%、または約60%、または約70%、または約80%、または約90%累積的に少ないモル量の融合タンパク質を、その他の点では同じ用量レジメンの下でXTENと連結していない対応するGLP−2と比較して投与し、GLP2−XTEN融合タンパク質ではXTENと連結していない対応するGLP−2と同等の曲線下面積および/または同等の治療効果が達成される。累積的に少ない量は、少なくとも約1週間、または約14日、または約21日、または約1カ月の期間にわたって測定する。治療方法の前述の実施形態では、治療効果は、これだけに限定されないが、GLP−2の血中濃度、表32のアッセイ、または、GLP−2に関連する状態に関して当技術分野で公知のものの中でも、腸間膜血流の減少、出血、炎症、大腸炎、下痢、糞便の湿重量、体重減少、ナトリウム損失、腸潰瘍、腸閉塞症、瘻孔、および膿瘍、便通の頻度の変化、ぶどう膜炎、小児の成長不全を検出するため、または閾値レベルを上回るGLP−2の血中濃度、例えば、100ng/mlのGLP−2当量(またはおよそ2200ng/mlのGLP−2−2G XTEN_AE864)を維持するためのアッセイを含めた本明細書に記載の測定パラメータのいずれかによって決定することができる。 本発明は、胃腸の状態を有する被験体を処置するための医薬レジメンにおいて使用するためのGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。一実施形態では、レジメンは、本明細書に記載のGLP2−XTEN融合タンパク質を含む医薬組成物を含む。別の実施形態では、医薬レジメンは、被験体における治療効果を達成するために必要な医薬組成物の量を決定するステップをさらに含む。別の実施形態では、胃腸の状態を有する被験体を処置するための医薬レジメンは、有効量の医薬組成物を2回以上連続して被験体に投与することを含み、投与により、同等のnmol/kg量を使用して投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して、胃腸の状態に関連する少なくとも1つ、2つ、または3つのパラメータが少なくとも5%、または10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%大きく改善される。医薬レジメンの別の実施形態では、有効量は、少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kg、または前述の間の任意の量である。別の実施形態では、胃腸の状態を有する被験体を処置するための医薬レジメンは、治療有効量の医薬組成物を、約3日に1回、6日に1回、7日に1回、10日に1回、14日に1回、21日に1回、28日に1回またはそれ以上の日数ごとに1回投与することを含む。別の実施形態では、胃腸の状態を有する被験体を処置するための医薬レジメンは、GLP2−XTEN医薬組成物を投与することを含み、前記投与は皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である。別の実施形態では、胃腸の状態を有する被験体を処置するための医薬レジメンは、治療有効量の医薬組成物を投与することを含み、治療有効量により、同等量を被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して、融合タンパク質の治療域内の融合タンパク質の血中濃度が少なくとも3倍長く維持される。 本発明は、さらに、本明細書において提供される方法に従って使用されるGLP2−XTENを、GLP−2に関連する状態、またはGLP−2が補助的療法であるまたは補助的療法になり得る状態を治療するために有用な他の治療方法および組成物(例えば、ステロイドまたはNSAIDSなどの抗炎症性作用剤)と併せて投与することができることを意図している。 別の態様では、本発明は、GLP−2に関連する状態を治療するための医薬品を調製する方法において使用するためのGLP2−XTEN融合タンパク質を提供する。一実施形態では、医薬品を調製する方法は、表1のGLP−2に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有するGLP−2配列と、表4および表8〜12のいずれか1つから選択されるXTENに対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する少なくとも第1のXTENを連結するステップであって、GLP2−XTENがネイティブなGLP−2の生物学的活性の少なくとも一部分を保持するステップと、GLP2−XTENを少なくとも1つの薬学的に許容される担体とさらに組み合わせるステップとを含む。別の実施形態では、GLP2−XTENは、表13、表32または表33のいずれか1つから選択される配列と比較して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する配列を有する。 別の態様では、本発明は、所望の薬物動態的性質、薬理的性質または薬学的性質が実現されるようにGLP2−XTEN組成物を設計する方法を提供する。一般に、図4〜6に例示されている融合タンパク質および本発明の組成物の設計および作製におけるステップとしては、(1)特定の状態を治療するためのGLP−2(例えば、ネイティブなタンパク質、表1の配列、活性を有する類似体または誘導体)を選択するステップと、(2)生じるGLP2−XTENに所望のPK特性および物理化学特性を付与する(例えば、被験体にGLP2−XTEN組成物を投与することにより、融合タンパク質が、XTENと連結していないGLP−2と比較して長い期間にわたって治療域内に維持される)XTENを選択するステップと、(3)GLP2−XTENの所望のN末端からC末端への配置を確立して、所望の有効性またはPKパラメータを実現するステップと、(4)配置されたGLP2−XTENをコードする発現ベクターの設計を確立するステップと、(5)発現ベクターを用いて適切な宿主を形質転換するステップと、(6)生じた融合タンパク質を発現させ、回収するステップとが挙げられる。半減期の増大または最小有効濃度を上回っている期間の増大が望まれるこれらのGLP2−XTENに関して、組み込むために選択されるXTENは、一般に、少なくとも約288、または約432、または約576、または約864、または約875、または約912、または約923アミノ酸残基を有し、単一のXTENがGLP2−XTENに組み入れられる。別の実施形態では、GLP2−XTENは、前述の長さの第1のXTENと、約36、または約72、または約144、または約288、または約576、または約864、または約875、または約912、または約923、または約1000またはそれ以上のアミノ酸残基の少なくとも第2のXTENとを含む。 別の態様では、本発明は、GLP2−XTEN組成物を作出して、製造の容易さを改善し、それにより、ネイティブなGLP−2と比較して安定性の増大、水溶性の増大、および/または製剤化の容易さをもたらす方法を提供する。一実施形態では、本発明は、GLP−2の水溶性を増大させる方法であって、生理的条件下で、融合していない状態のGLP−2と比較して、生じるGLP2−XTENの可溶性の形態の高濃度を実現することができるようにGLP−2を1つまたは複数のXTENと連結するステップを含む方法を包含する。いくつかの実施形態では、該方法により、水溶性が、生理的条件下で、融合していないGLP−2と比較して少なくとも約20%、または少なくとも約30%大きい、または少なくとも約50%大きい、または少なくとも約75%大きい、または少なくとも約90%大きい、または少なくとも約100%大きい、または少なくとも約150%大きい、または少なくとも約200%大きい、または少なくとも約400%大きい、または少なくとも約600%大きい、または少なくとも約800%大きい、または少なくとも約1000%大きい、または少なくとも約2000%大きいGLP2−XTEN融合タンパク質がもたらされる。融合タンパク質に組み入れた場合にGLP−2の水溶性を増大させるXTENの性質に寄与する因子としては、XTEN融合パートナーの溶解度が高いこと、および溶液中のXTENの分子間の自己凝集(self−aggregation)の程度が低いことが挙げられる。前述の一実施形態では、GLP2−XTENは、少なくとも約36、または約48、または約96、または約144、または約288、または約576、または約864アミノ酸残基を有するXTENと連結したGLP−2を含み、融合タンパク質の溶解度は、生理的条件下で、XTENと連結していない対応するGLP−2の少なくとも3倍である、あるいは、XTENと連結していないGLP−2の少なくとも4倍、または5倍、または6倍、または7倍、または8倍、または9倍、または少なくとも10倍、または少なくとも20倍、または少なくとも30倍、または少なくとも50倍、または少なくとも60倍またはそれを超える。前述の一実施形態では、GLP−2は、表4および表8〜12のいずれか1つから選択されるXTENに対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する少なくとも1つのXTENと連結した表1のGLP−2に対して少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約99%の配列同一性を有する。 別の実施形態では、本発明は、GLP−2の貯蔵寿命を増大させる方法であって、GLP−2を、生じるGLP2−XTENの貯蔵寿命が融合していない状態のGLP−2と比較して延長されるように選択された1つまたは複数のXTENと連結するステップを含む方法を包含する。本明細書で使用される場合、貯蔵寿命とは、溶液中またはいくつかの他の貯蔵製剤中のGLP−2またはGLP2−XTENの機能活性が、活性を過度に失うことなく安定なままである期間を指す。本明細書で使用される場合、「機能活性」とは、受容体もしくはリガンド、または基質に結合する能力、または活性の上方制御を誘発する能力、または当技術分野で公知のGLP−2に付随する1つまたは複数の公知の機能活性を示す能力などの薬理効果または生物学的活性を指す。分解されるまたは凝集するGLP−2は、一般に、溶液中にとどまっているものと比較して機能活性が低下している、または生物学的利用能が低下している。該方法により、融合タンパク質に組み入れた時にGLP−2の貯蔵寿命を延長させることができることに寄与する因子としては、水溶性の増大、溶液中での自己凝集の減少、およびXTEN融合パートナーの熱安定性の増大が挙げられる。特に、XTENが凝集する傾向が低いことにより、より高い薬物濃度のGLP−2を含有する医薬調製物を製剤化する方法が容易になり、また、XTENの熱安定性が、GLP2−XTEN融合タンパク質の、延長された期間にわたって可溶性かつ機能的に活性なままである性質に寄与する。一実施形態では、該方法により、同じ貯蔵および取扱い条件に供された標準物質と比較して大きな活性を示す、貯蔵寿命が「引き伸ばされた」または「延長された」GLP2−XTEN融合タンパク質がもたらされる。標準物質は、融合していない全長のGLP−2であってよい。一実施形態では、該方法は、単離されたGLP2−XTENを、XTENがその非構造化コンフォメーションを保持することができること、およびGLP2−XTENについては対応する融合していないGLP−2を超える期間にわたって製剤中で可溶性のままであることができることを増強する1つまたは複数の薬学的に許容される賦形剤と一緒に製剤化するステップを含む。一実施形態では、該方法は、GLP−2と、表4から選択される1つまたは複数のXTENを連結して、GLP2−XTEN融合タンパク質を創出し、それにより、所与の時点で比較した場合および標準物質と同じ貯蔵および取扱い条件に供した場合に、標準物質の機能活性の約100超%、または標準物質の機能活性の約105%超、約110%超、約120%超、約130%超、約150%超または約200%超を保持し、それにより、その貯蔵寿命が増大している溶液をもたらすことを含む。 貯蔵寿命は、貯蔵を開始した時の機能活性に対して正規化した、貯蔵後に残っている機能活性に関して評価することもできる。引き延ばされたまたは延長された機能活性によって示される通り、貯蔵寿命が引き延ばされたまたは延長された本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質は、同じ期間にわたって同じ条件に供した場合の同等のXTENと連結していないGLP−2の機能活性の約50%超の機能活性、または約60%、70%、80%、または90%超を保持する。例えば、表4から選択される1つまたは複数のXTEN配列と融合したGLP−2を含む本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質は、種々の温度上昇条件下で、最大2週間、または4週間、または6週間、または12週間またはそれよりも長い期間にわたって、溶液中でのその元の活性の約80%以上を保持する。いくつかの実施形態では、GLP2−XTENは、80℃で10分加熱した場合に、溶液中でのその元の活性の少なくとも約50%、または約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、最も好ましくは少なくとも約90%またはそれ以上を保持する。他の実施形態では、GLP2−XTENは、37℃で約7日間加熱または維持した場合に、溶液中でのその元の活性の少なくとも約50%、好ましくは少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、あるいは、少なくとも約90%またはそれ以上を保持する。別の実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質は、約1時間〜約18時間にわたって約30℃〜約70℃の温度に曝露した後、その機能活性の少なくとも約80%以上を保持する。本段落の上文に記載されている前述の実施形態では、保持されるGLP2−XTENの活性は、所与の時点で、XTENと連結していない対応するGLP−2の活性の少なくとも約2倍、または少なくとも約3倍、または少なくとも約4倍、または少なくとも約5倍、または少なくとも約6倍である。 VII).本発明の核酸配列 本発明は、GLP2−XTENキメラ融合タンパク質をコードする単離されたポリ核酸およびその相同な変異形を含めた、GLP2−XTENキメラ融合タンパク質をコードするポリ核酸分子と相補的な配列を提供する。別の態様では、本発明は、GLP2−XTENキメラ融合タンパク質をコードするポリ核酸およびその相同な変異形を含めたGLP2−XTENキメラ融合タンパク質をコードするポリ核酸分子と相補的な配列を作製するための方法を包含する。一般に、また、図4〜6において例示されているように、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を作製し、生じた遺伝子産物を発現させる方法は、GLP−2をコードするヌクレオチドおよびXTENをコードするヌクレオチドを組み立てるステップと、構成成分をインフレームでライゲーションするステップと、コード遺伝子を宿主細胞に適した発現ベクターに組み入れるステップと、発現ベクターを用いて適切な宿主細胞を形質転換するステップと、宿主細胞を、形質転換された宿主細胞において融合タンパク質の発現が引き起こされるまたはそれが可能になる条件下で培養し、それにより、生物学的に活性なGLP2−XTENポリペプチドを作製し、それを当技術分野で公知の標準のタンパク質の精製方法によって単離された融合タンパク質として回収するステップとを含む。分子生物学における標準の組換え技法を用いて、本発明のポリヌクレオチドおよび発現ベクターを作出する。 本発明によると、GLP2−XTENをコードする核酸配列(またはその相補配列)を使用して、適切な宿主細胞においてGLP2−XTEN融合タンパク質の発現を導く組換えDNA分子を生成する。いくつかのクローニング戦略が本発明を実施するために適しており、その多くは、本発明のGLP2−XTEN組成物の融合タンパク質をコードする遺伝子、またはその相補配列を含む構築物を生成するために用いられる。いくつかの実施形態では、クローニング戦略を用いて、少なくとも第1のGLP−2および少なくとも第1のXTENポリペプチドを含む単量体GLP2−XTENをコードする遺伝子、またはそれらの相補配列を創出する。前述の一実施形態では、遺伝子は、GLP−2または配列変異体をコードする配列を含む。他の実施形態では、クローニング戦略を用いて、GLP2−XTEN組成物の融合タンパク質を発現させるために宿主細胞を形質転換するために使用する、少なくとも第1のGLP−2の分子またはその相補配列および第1のおよび少なくとも第2のXTENまたはそれらの相補配列をコードするヌクレオチドを含む、単量体GLP2−XTENをコードする遺伝子を創出する。本段落の上文に記載されている前述の実施形態では、遺伝子は、切断配列(複数可)もコードするスペーサー配列をコードするヌクレオチドをさらに含んでよい。 所望のXTEN配列の設計において、XTENをコードする配列の創出において「構成単位」分子手法を使用したにもかかわらず、本発明の組成物のXTENの非反復性が実現されることが発見された。これは、上記のペプチド配列モチーフをコードするポリヌクレオチドのライブラリーを使用し、次いでそれをライゲーションし、かつ/または多量体化して、XTEN配列をコードする遺伝子を創出することによって実現された(図4、図5、図8、図9および実施例を参照されたい)。したがって、発現された融合タンパク質のXTEN(複数可)は、モチーフ自体は非反復性アミノ酸配列からなるのでわずか4つの異なる配列モチーフの多数の単位からなり得るが、その一方でXTEN配列全体は非反復性になる。したがって、一実施形態では、XTENをコードするポリヌクレオチドは、インフレームで作動可能に連結した非反復配列、またはモチーフをコードする多数のポリヌクレオチドを含み、生じる発現されたXTENアミノ酸配列は非反復性である。 1つの手法では、まず、GLP2−XTEN融合タンパク質に対応するDNA配列を含有する構築物を調製する。哺乳動物のネイティブなGLP−2配列を融合タンパク質に使用するこれらの実施形態では、組織または単離された細胞から標準の方法を用いて調製したcDNAライブラリーから得られる組成物のGLP−2をコードするDNAは、GLP−2 mRNAを保有し、検出可能なレベルで発現されると考えられる。ライブラリーを、例えば、従来の分子生物学技法を用いたハイブリダイゼーションによって対象のGLP−2遺伝子を同定するために設計した約20〜100塩基を含有するプローブを用いてスクリーニングする。プローブの最良の候補は、GLP−2と高度に相同な配列を示すものであり、また、十分な長さであり、偽陽性が最小限になることが十分に明白であるべきであるが、1つまたは複数の位置において変性させることができる。必要であれば、cDNAに逆転写されていない可能性があるmRNAの前駆体およびプロセシング中間体を検出するために、Sambrookら、上記に記載の従来のプライマー伸長手順を用いてコード配列を得ることができる。次いで、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)方法体系を用いて標的のDNAコード配列またはRNAコード配列を増幅して、GLP−2遺伝子を含有するGLP2−XTEN構築物を調製するために十分な材料を得ることができる。次いで、アッセイを行って、ハイブリダイズしている全長の遺伝子が所望のGLP−2遺伝子(複数可)であることを確認することができる。これらの従来の方法により、そのような供給源から調製したcDNAライブラリーからDNAを都合よく得ることができる。GLP−2類似体(1つまたは複数のアミノ酸置換を伴う、例えば、表1の配列など)のこれらの実施形態では、GLP2−XTEN構築物を調製するために、GLP−2をコードする遺伝子(複数可)を、当技術分野で公知の標準の合成手順(例えば、Engelsら(Agnew. Chem. Int. Ed. Engl.、28巻:716〜734頁、1989年)に記載の方法のうちの1つを用いた自動核酸合成)によって、公的に利用可能なデータベース、特許、または参考文献から得られるDNA配列を使用して創出する。そのような手順は、当技術分野で周知であり、科学文献および特許文献において十分に説明されている。例えば、配列は、対象のタンパク質のアミノ酸配列またはタンパク質の断片もしくは変異体のアミノ酸配列を含有するChemical Abstracts Services(CAS)RegistryまたはGenBankデータベースへのエントリーに対応する、ワールドワイドウェブ上でncbi.nlm.nih.govで利用可能なNational Center for Biotechnology Information(NCBI)のウェブサイトを通じて入手可能なCAS登録番号(American Chemical Societyにより公開されている)および/またはGenBank受託番号(例えば、Locus ID、NP_XXXXX、およびXP_XXXXX)モデルタンパク質識別子から入手することができる。本明細書において提供されるそのような配列識別子に関して、これらのCASおよびGenBank受託番号およびGenSeq受託番号のそれぞれに関連する概要頁ならびに引用された学術刊行物(例えば、PubMed ID番号(PMID))は、それぞれ、特に、そこに記載されているアミノ酸配列に関して、その全体が参照により組み込まれる。一実施形態では、GLP−2をコードする遺伝子は、表1のいずれか1つのタンパク質またはその断片もしくは変異体をコードする。 単一のGLP−2を含む発現された融合タンパク質の場合では、対象GLP2−XTENタンパク質のGLP−2部分をコードする遺伝子またはポリヌクレオチドを、次いで、生物系において高レベルのタンパク質を発現させるための適切な転写配列および翻訳配列の制御下にあるプラスミドまたは他のベクターである構築物にクローニングする。後のステップにおいて、XTENをコードする第2の遺伝子またはポリヌクレオチドを、GLP−2をコードする遺伝子(複数可)と近接し、インフレームにある構築物にクローニングすることによって、GLP−2遺伝子のN末端および/またはC末端をコードするヌクレオチドと遺伝子融合する。この第2のステップは、ライゲーションまたは多量体化ステップによって起こる。本段落の上文に記載されている前述の実施形態では、創出される遺伝子構築物は、代わりに、それぞれの融合タンパク質をコードするそれぞれの遺伝子の相補配列であってよいことが理解されるべきである。 XTENをコードする遺伝子は、完全に合成によって、または合成と酵素的プロセスの組合せによってのいずれか、例えば、実施例においてより詳細に記載さている方法を含めた制限酵素媒介性クローニング、PCRおよびオーバーラップ伸長などで、1つまたは複数のステップで作出することができる。本明細書に開示されている方法を用いて、例えば、XTENをコードするポリヌクレオチドの短い配列をライゲーションして、所望の長さおよび配列のより長いXTEN遺伝子にすることができる。一実施形態では、該方法により、約9〜14アミノ酸、または約12〜20アミノ酸、または約18〜36アミノ酸、または約48〜約144アミノ酸、または約144〜約288またはそれよりもより長いXTENモチーフまたはセグメント配列、または前述の範囲のモチーフまたはセグメントの長さの任意の組合せをコードするコドン最適化オリゴヌクレオチドを2つ以上ライゲーションする。 あるいは、開示されている方法を用いて、XTENをコードする配列を多量体化して、より長い、所望の長さの配列にする。例えば、XTENの36アミノ酸をコードする遺伝子を二量体化して、72アミノ酸をコードする遺伝子にし、次いで144アミノ酸をコードする遺伝子にし、次いで288アミノ酸をコードする遺伝子にすることなどができる。多量体化を用いてさえも、形質転換された宿主におけるコード遺伝子の組換えを減少させ安定性を増大させることができる、使用される最も短い単位のモチーフに選択されるコドンを設計することを通じて、XTENをコードする遺伝子の反復性が低いまたは実質的に非反復性になるようにXTENポリペプチドを構築することができる。 非反復配列を有するXTENをコードする遺伝子は、遺伝子合成の標準の技法を用いてオリゴヌクレオチドから組み立てる。遺伝子設計は、コドンの使用およびアミノ酸組成を最適化するアルゴリズムを使用して実施することができる。本発明の1つの方法では、比較的短いXTENコードポリヌクレオチド構築物のライブラリーを創出し、次いで、上記の通り組み立てる。次いで、生じた遺伝子を、図5および図8において例示されている通り、GLP−2またはGLP−2の領域をコードする遺伝子を用いて組み立て、生じた遺伝子を使用して宿主細胞を形質転換し、GLP2−XTENを、本明細書に記載の通り、その性質を評価するために作製し、回収する。 いくつかの実施形態では、GLP2−XTEN配列を、最適化された発現のために、当技術分野で公知のリーダー配列を使用するのではなく、N末端配列(NTS)XTENを含めることによって設計する。一実施形態では、NTSを、融合タンパク質をコードする遺伝子とつないだ際に最適化された発現がもたらされるように決定されたXTEN遺伝子にコードヌクレオチドを含めることによって創出する。一実施形態では、発現されるGLP2−XTENのN末端XTEN配列は、例えば、これだけに限定されないが、CHO、HEK、酵母、および当技術分野で公知の他の細胞型などの真核細胞において発現させるために最適化されている。 ポリヌクレオチドライブラリー 別の態様では、本発明は、所望の長さおよび配列のXTENをコードする遺伝子を組み立てるために使用する、XTEN配列をコードするポリヌクレオチドのライブラリーを提供する。 ある特定の実施形態では、XTENをコードするライブラリー構築物は、長さが固定されたポリペプチドセグメントをコードするポリヌクレオチドを含む。最初のステップとして、9〜14アミノ酸残基のモチーフをコードするオリゴヌクレオチドのライブラリーを組み立てることができる。好ましい実施形態では、12アミノ酸のモチーフをコードするオリゴヌクレオチドのライブラリーを組み立てる。 XTENをコードする配列セグメントを二量体化または多量体化して、より長いコード配列にすることができる。二量体化または多量体化は、ライゲーション、オーバーラップ伸長、PCR組立てまたは当技術分野で公知の同様のクローニング技法によって実施することができる。このプロセスを、生じたXTENをコードする配列が配列の組織化および所望の長さに到達するまで多数回繰り返し、XTENをコードする遺伝子をもたらすことができる。理解される通り、例えば、12アミノ酸モチーフをコードするポリヌクレオチドのライブラリーを二量体化し、かつ/またはライゲーションして、36アミノ酸をコードするポリヌクレオチドのライブラリーにすることができる。長さが異なるモチーフ、例えば、9〜14アミノ酸モチーフをコードするライブラリーにより、本発明により意図されている27〜42アミノ酸のライブラリーがもたらされる。今度は、27〜42アミノ酸、好ましくは36アミノ酸(実施例に記載の通り)をコードするポリヌクレオチドのライブラリーを段階的に二量体化して、連続的に長さが長くなる、本明細書に開示されているGLP2−XTEN融合タンパク質をコードする遺伝子に組み込むための所望の長さのXTEN配列をコードするポリヌクレオチドを含有するライブラリーにすることができる。 XTENをコードするDNA配列を最適化するためのより効率的なやり方は、コンビナトリアルライブラリーに基づく。XTENをコードする遺伝子は、各セグメントについて多数のコドン型が得られるように、セグメントに設計し、合成することができる。これらのセグメントを無作為に組み立てて遺伝子のライブラリーにすることができ、したがって、各ライブラリーメンバーは同じアミノ酸配列をコードするが、ライブラリーメンバーは多数のコドン型を含む。そのようなライブラリーを、高レベルの発現および/または切断産物の存在量が少ないことをもたらす遺伝子についてスクリーニングすることができる。コンビナトリアル遺伝子組立てのプロセスは図10に例示されている。図10の遺伝子は6つの基本断片から組み立てられ、各断片は、4つの異なるコドン型で利用可能である。これにより、4096種の理論的多様性が可能になる。 いくつかの実施形態では、特異的な配列XTENファミリー、例えば、表3のAD配列、AE配列、AF配列、AG配列、AM配列、またはAQ配列に限られているアミノ酸をコードするポリヌクレオチドのライブラリーを組み立てる。他の実施形態では、ライブラリーは、表3のモチーフファミリー配列の2つ以上をコードする配列を含む。36merをコードする、ライブラリーの代表的な非限定的なポリヌクレオチド配列の名称および配列が表8〜11に示されており、それらを創出するために用いる方法はそれぞれの実施例においてより詳細に記載されている。他の実施形態では、XTENをコードするライブラリーを、無作為の順番で連結した、アミノ酸をコードするポリヌクレオチドコドンのセグメントから構築し、コドンの少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%は、グリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)アミノ酸のコドンからなる群より選択される。今度は、そのライブラリーを段階的な二量体化またはライゲーションに使用して、例えば、48アミノ酸、72アミノ酸、144アミノ酸、288アミノ酸、576アミノ酸、864アミノ酸、875アミノ酸、912アミノ酸、923アミノ酸、1318アミノ酸、または全長の約3000アミノ酸に至るまで、ならびに中間の長さのXTEN配列をコードするポリヌクレオチド配列ライブラリーを実現することができ、コードされるXTENは、GLP2−XTEN融合タンパク質の構成成分として発現された際に、本明細書に開示されている性質のうちの1つまたは複数を有し得る。いくつかの場合には、ポリヌクレオチドライブラリー配列は、下でより詳細に記載されている、「配列決定島(sequencing island)」として使用される追加的な塩基も含んでよい。 図5は、代表的な、本発明の実施形態における、XTENポリヌクレオチド構築物およびGLP2−XTENポリヌクレオチド構築物の組立ての非限定的なステップの概略フローチャートである。個々のオリゴヌクレオチド501をアニーリングして12アミノ酸モチーフ(「12−mer」)などの配列モチーフ502にし、それを、ライブラリー由来の追加的な配列モチーフとライゲーションして、所望の長さのXTEN504を包含するプールを創出するとともに、より低濃度の、BbsI制限部位、およびKpnI制限部位を含有するオリゴ503にライゲーションする。生じたライゲーション産物のプールをゲル精製し、XTENの所望の長さのバンドをカットし、ストッパー配列505を有する単離されたXTEN遺伝子をもたらす。XTEN遺伝子をスタッファーベクターにクローニングする。この場合、ベクターは、任意選択のCBD配列506およびGFP遺伝子508をコードする。次いで、BbsI/HindIIIを用いた消化を行って、507および508を除去し、終止コドンを置く。次いで、生じた産物を、BsaI/HindIIIで消化した、GLP−2をコードする遺伝子を含有するベクターにクローニングし、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする遺伝子500をもたらす。XTENおよび前駆体をコードするポリヌクレオチド配列の網羅的ではない一覧が表7〜12において提供される。 XTENをコードする遺伝子のライブラリーを、当技術分野で公知の1つまたは複数の発現ベクターにクローニングすることができる。十分に発現されているライブラリーメンバーの同定を容易にするために、レポータータンパク質との融合物としてライブラリーを構築することができる。適切なレポーター遺伝子の非限定的な例は、緑色蛍光タンパク質、ルシフェラーゼ(luciferace)、アルカリホスファターゼ、およびベータガラクトシダーゼである。スクリーニングすることにより、選択された宿主生物体において高濃度で発現させることができる短いXTEN配列を同定することができる。その後、無作為なXTEN二量体のライブラリーを生成し、高レベルの発現についてスクリーニングを繰り返すことができる。その後、生じた構築物を、発現のレベル、プロテアーゼ安定性、または抗血清との結合性などのいくつもの性質についてスクリーニングすることができる。 本発明の1つの態様は、融合タンパク質の構成成分をコードするポリヌクレオチド配列を提供することであり、配列の創出にはコドン最適化が行われている。ポリペプチド組成物の発現を改善する目的、および産生宿主におけるコード遺伝子の遺伝的安定性を改善する目的でのコドン最適化が特に興味深い。例えば、コドン最適化には、グリシンに富むまたはアミノ酸配列が非常に反復性であるXTEN配列に対して特定の重要性がある。コドン最適化は、コンピュータプログラム(Gustafsson, C.ら(2004年)Trends Biotechnol、22巻:346〜53頁)を使用して実施し、そのいくつかにより、リボソーム休止(ribosomal pausing)(Coda Genomics Inc.)が最小限になる。一実施形態では、ライブラリーの全てのメンバーが同じアミノ酸配列をコードするが、コドンの使用は変動するコドンライブラリーを構築することによってコドン最適化を実施することができる。そのようなライブラリーを、XTENを含有する製品を大規模生産するために特に適した、高度に発現されており、遺伝的に安定なメンバーについてスクリーニングすることができる。XTEN配列を設計する際、いくつもの性質を考慮することができる。コードDNA配列の反復性を最小限にすることができる。さらに、産生宿主によってめったに使用されないコドン(例えば、E.coliではアルギニンコドンであるAGGおよびAGAおよび1つのロイシンコドン)の使用を回避するまたは最小限にすることができる。E.coliの場合では、2つのグリシンコドン、GGAおよびGGGは高度に発現されるタンパク質においてめったに使用されない。したがって、XTENをコードする遺伝子配列のコドン最適化が非常に望ましい場合がある。グリシンのレベルが高いDNA配列はGC含量が高い傾向があり、それにより、不安定になるまたは発現レベルが低くなる。したがって、可能な場合には、XTENをコードする配列のGC含量が、XTENを製造するために使用する産生生物体に適するようにコドンを選択することが好ましい。 場合によって、全長のXTENをコードする遺伝子は、1つまたは複数の配列決定島を含む。この場合、配列決定島とは、XTENライブラリー構築物配列とは別個であり、全長のXTENをコードする遺伝子には存在しないまたは存在することが予測されない制限部位を含む短いひと続きの配列である。一実施形態では、配列決定島は配列5’−AGGTGCAAGCGCAAGCGGCGCGCCAAGCACGGGAGGT−3’である。別の実施形態では、配列決定島は配列5’−AGGTCCAGAACCAACGGGGCCGGCCCCAAGCGGAGGT−3’である。 一実施形態では、ライブラリーの全てのメンバーが同じアミノ酸配列をコードするが、配列内のそれぞれのアミノ酸のコドンの使用は変動するポリヌクレオチドライブラリーを、開示されている方法を用いて構築する。そのようなライブラリーを、XTENを含有する製品を大規模生産するために特に適した、高度に発現されており、遺伝的に安定なメンバーについてスクリーニングすることができる。 場合によって、ライブラリーに配列をクローニングして、望ましくない配列を含有する単離体を排除することができる。最初の短いXTEN配列のライブラリーでは、アミノ酸配列にいくらかの変動が許容される。例えば、いくつもの親水性アミノ酸が特定の位置に出現し得るように、いくつかのコドンを無作為化することができる。反復的な多量体化のプロセスの間に、生じたライブラリーメンバーを、高レベルの発現についてスクリーニングすることに加えて、溶解度またはプロテアーゼ抵抗性のような他の特性についてスクリーニングすることができる。 所望の長さおよび性質のXTENをコードする遺伝子を選択したら、それを、所望の場所で、GLP−2をコードする遺伝子と近接し、インフレームである構築物、あるいは、末端XTENと連結したスペーサー/切断配列をコードするヌクレオチドとインフレームである構築物にクローニングすることによって、GLP−2遺伝子(複数可)をコードするヌクレオチドと遺伝子融合する。本発明は、コードされるGLP2−XTENに応じて、前述の種々の順列を提供する。例えば、上記の式IIIによって具体化されるものなどのGLP−2および2つのXTENを含むGLP2−XTEN融合タンパク質をコードする遺伝子では、遺伝子は、GLP−2をコードするポリヌクレオチド、および、組成および配列の長さが同一であっても異なってもよい2つのXTENをコードするポリヌクレオチドを有する。前述の非限定的な一実施形態では、GLP−2ポリヌクレオチドはネイティブなGLP−2をコードし、C末端XTENをコードするポリヌクレオチドはAE864をコードし、N末端XTENをコードするポリヌクレオチドはAE912をコードする。GLP−2遺伝子をXTEN構築物にクローニングするステップは、図5において、GLP2−XTENポリヌクレオチド構築物の組立ての代表的なステップの概略フローチャートに示されている通り、ライゲーションまたは多量体化ステップを通じて起こり得る。個々のオリゴヌクレオチド501をアニーリングして12アミノ酸モチーフ(「12−mer」)などの配列モチーフ502にし、それを、多量体化することができるライブラリー由来の追加的な配列モチーフとライゲーションして、所望の長さのXTEN504を包含するプールを創出するとともに、より低濃度の、BbsI制限部位、およびKpnI制限部位を含有するオリゴ503にライゲーションする。モチーフライブラリーは、特異的な配列XTENファミリー、例えば、表3のAD配列、AE配列、AF配列、AG配列、AM配列、またはAQ配列に限定することができる。図5において例示されているように、XTENポリヌクレオチドはこの場合は36アミノ酸残基の長さをコードするが、それよりも長い長さを、このプロセスによって実現することができる。例えば、多量体化は、ライゲーション、オーバーラップ伸長、PCR組立てまたは当技術分野で公知の同様のクローニング技法によって実施することができる。生じたライゲーション産物のプールをゲル精製し、XTENの所望の長さのバンドをカットし、ストッパー配列505を有する単離されたXTEN遺伝子をもたらす。XTEN遺伝子をスタッファーベクターにクローニングすることができる。この場合、ベクターは、任意選択のCBD配列506およびGFP遺伝子508をコードする。次いで、BbsI/HindIIIを用いた消化を行って、507および508を除去し、終止コドンを置く。次いで、生じた産物を、BsaI/HindIIIで消化した、GLP−2をコードする遺伝子を含有するベクターにクローニングし、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする遺伝子500をもたらす。当業者には明らかになる通り、該方法は、代替の配置にあり、XTENの長さが変動する構築物の創出に適用することができる。 GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする構築物は、構成成分であるXTEN、GLP−2、およびスペーサー配列の種々の配置、例えば、図8に示されているものなどで設計することができる。一実施形態では、構築物は、以下の順序(5’から3’)、GLP−2およびXTENの構成成分の単量体ポリペプチドと相補的なポリヌクレオチド配列、またそれをコードするポリヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、構築物は、構成成分がXTENおよびGLP−2の順序(5’から3’)にある単量体ポリペプチドと相補的なポリヌクレオチド配列、またそれをコードするポリヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、構築物は、構成成分がXTEN、GLP−2、および第2のXTENの順序(5’から3’)にある単量体ポリペプチドと相補的なポリヌクレオチド配列、またそれをコードするポリヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、構築物は、構成成分がGLP−2、スペーサー配列、およびXTENの順序(5’から3’)にある単量体ポリペプチドと相補的なポリヌクレオチド配列、またそれをコードするポリヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、構築物は、構成成分がXTEN、スペーサー配列、およびGLP−2の順序(5’から3’)にある単量体ポリペプチドと相補的なポリヌクレオチド配列、またそれをコードするポリヌクレオチド配列を含む。スペーサーポリヌクレオチドは、切断配列をコードする配列を場合によって含んでよい。当業者には明らかになる通り、前述の他の順列または多量体が可能である。 本発明は、(a)表7のポリヌクレオチド配列、または(b)(a)のポリヌクレオチドと相補的な配列と比較して配列同一性の百分率が高い、XTENをコードするポリヌクレオチド変異体を含むポリヌクレオチドも包含する。配列同一性の百分率が高いポリヌクレオチドとは、前述の(a)または(b)と比較して少なくとも約80%の核酸配列同一性、あるいは、少なくとも約81%、あるいは、少なくとも約82%、あるいは、少なくとも約83%、あるいは、少なくとも約84%、あるいは、少なくとも約85%、あるいは、少なくとも約86%、あるいは、少なくとも約87%、あるいは、少なくとも約88%、あるいは、少なくとも約89%、あるいは、少なくとも約90%、あるいは、少なくとも約91%、あるいは、少なくとも約92%、あるいは、少なくとも約93%、あるいは、少なくとも約94%、あるいは、少なくとも約95%、あるいは、少なくとも約96%、あるいは、少なくとも約97%、あるいは、少なくとも約98%、あるいは、少なくとも約99%の核酸配列同一性を有するポリヌクレオチド、または標的ポリヌクレオチドまたはその相補配列とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドである。 ヌクレオチド配列またはアミノ酸配列の相同性、配列類似性または配列同一性は、BestFitまたはGapペアワイズ比較プログラム(GCG Wisconsin Package,Genetics Computer Group、575 Science Drive、Madison、Wis.53711)などの公知のソフトウェアまたはコンピュータプログラムを使用することによって慣習的に決定することもできる。BestFitでは、2つの配列間の同一性または類似性の最良のセグメントを見つけるためにSmithおよびWatermanの局所相同性アルゴリズム(local homology algorithm)(Advances in Applied Mathematics. 1981年、2巻:482〜489頁)が使用される。Gapでは、NeedlemanおよびWunschの方法(Journal of Molecular Biology. 1970年、48巻:443〜453頁)を用いて、1つの配列の全てと別の同様の配列の全てのグローバルアラインメントが実施される。配列相同性、類似性または同一性の程度を決定するためにBestFitなどの配列アラインメントプログラムを使用する場合、初期設定を用いることもでき、適切なスコアリング行列を選択して、同一性、類似性または相同性スコアを最適化することもできる。 「相補的な」核酸配列とは、標準のワトソン−クリックの相補性規則に従って塩基対合することができる核酸配列である。本明細書で使用される場合、「相補配列」という用語は、上記と同じヌクレオチド比較によって評価することができる、または、GLP2−XTEN配列をコードするポリヌクレオチドと、本明細書に記載のものなどのストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができると定義される、実質的に相補的な核酸配列を意味する。 次いで、生じたGLP2−XTENキメラ融合タンパク質をコードするポリヌクレオチドを個々に発現ベクターにクローニングすることができる。核酸配列を種々の手順によってベクターに挿入する。一般に、DNAは、当技術分野で公知の技法を使用して適切な制限エンドヌクレアーゼ部位(複数可)に挿入する。一般に、ベクター構成成分としては、これだけに限定されないが、シグナル配列、複製開始点、1つまたは複数のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、および転写終結配列のうちの1つまたは複数(図9)が挙げられる。これらの構成成分のうちの1つまたは複数を含有する適切なベクターの構築には、当業者に公知の標準のライゲーション技法を用いる。そのような技法は、当技術分野で周知であり、科学文献および特許文献において十分に説明されている。 種々のベクターは公的に入手可能である。ベクターは、例えば、組換えDNA手順に都合よく供することができるプラスミド、コスミド、ウイルス粒子、またはファージの形態であってよく、ベクターの選択は、多くの場合、それを導入する宿主細胞に左右される。したがって、ベクターは、複製が染色体複製とは独立している自己複製性ベクター、すなわち、染色体外実体として存在するベクター、例えば、プラスミドであってよい。あるいは、ベクターは、宿主細胞に導入すると、宿主細胞のゲノム内に組み込まれ、それが組み込まれた染色体(複数可)と一緒に複製されるものであってよい。 本発明は、宿主細胞と適合し、それによって認識され、また、GLP2−XTEN融合タンパク質の発現を制御するためにGLP2−XTEN遺伝子に作動可能に連結した複製配列および制御配列を含有するプラスミドベクターの使用を提供する。ベクターは通常、複製部位、ならびに形質転換された細胞において表現型の選択をもたらすことができるタンパク質をコードする配列を有する。そのようなベクター配列は、種々の細菌、酵母、およびウイルスに関して周知である。使用することができる有用な発現ベクターとしては、例えば、染色体DNA配列、非染色体DNA配列および合成DNA配列のセグメントが挙げられる。「発現ベクター」とは、適切な宿主における融合タンパク質をコードするDNAの発現に影響を及ぼすことができる適切な制御配列に作動可能に連結したDNA配列を含有するDNA構築物を指す。ベクターは選択された宿主細胞において複製可能であり、生存可能であることが必要である。低コピー数ベクターまたは高コピー数ベクターを所望の通りに使用することができる。 適切なベクターとしては、これだけに限定されないが、SV40およびpcDNAの誘導体および公知の細菌性プラスミド、例えば、col EI、pCR1、pBR322、pMal−C2、pET、Smithら、Gene 57巻:31〜40頁(1988年)に記載されているpGEX、pMB9およびそれらの誘導体など、RP4などのプラスミド、NM989などのファージIの多数の誘導体などのファージDNA、ならびにM13および繊維状一本鎖ファージDNAなどの他のファージDNA;酵母プラスミド、例えば、2ミクロンプラスミドまたは2mプラスミドの誘導体、ならびにセントロメアおよび組み込み酵母シャトルベクターなど;昆虫または哺乳動物の細胞において有用なベクターなどの真核細胞において有用なベクター;プラスミドDNAとファージDNAの組合せから得られるベクター、例えば、ファージDNAまたは発現制御配列を使用するように改変されたプラスミドなどが挙げられる。同様に本発明において用いることができる酵母発現系としては、これだけに限定されないが、非融合pYES2ベクター(Invitrogen)、融合pYESHisA、pYESHisB、pYESHisC(Invitrogen)、pRSベクターが挙げられる。 ベクターの制御配列としては、転写に影響を及ぼすためのプロモーター、そのような転写を制御するための任意選択のオペレーター配列、適切なmRNAリボソーム結合部位をコードする配列、ならびに転写および翻訳の終結を制御する配列が挙げられる。プロモーターは、選択された宿主細胞において転写活性を示す任意のDNA配列であってよく、宿主細胞に対して相同または異種性のいずれかのタンパク質をコードする遺伝子から得ることができる。 哺乳動物の細胞においてGLP2−XTENをコードするDNAの転写を導くための適切なプロモーターの例は、SV40プロモーター(Subramaniら、Mol. Cell. Biol. 1巻(1981年)、854〜864頁)、MT−1(メタロチオネイン遺伝子)プロモーター(Palmiterら、Science 222巻(1983年)、809〜814頁)、CMVプロモーター(Boshartら、Cell 41巻:521〜530頁、1985年)またはアデノウイルス2型主要後期プロモーター(KaufmanおよびSharp、Mol. Cell. Bioi、2巻:1304〜1319頁、1982年)である。ベクターは、UCOE(遍在性クロマチンオープニングエレメント(ubiquitous chromatin opening element))などの配列も有してよい。 糸状菌宿主細胞において使用するための適切なプロモーターの例は、例えば、ADH3プロモーターまたはtpiAプロモーターである。他の有用なプロモーターの例は、A.oryzaeのTAKAアミラーゼ、Rhizomucor mieheiのアスパラギン酸プロテイナーゼ、A.nigerの中性α−アミラーゼ、A.nigerの酸安定性α−アミラーゼ、A.nigerまたはA.awamoriのグルコアミラーゼ(gluA)、Rhizomucor mieheiのリパーゼ、A.oryzaeのアルカリ性プロテアーゼ、A.oryzaeのトリオースリン酸イソメラーゼまたはA.nidulansのアセトアミダーゼをコードする遺伝子に由来するプロモーターである。TAKA−アミラーゼおよびgluAプロモーターが好ましい。同様に本発明において用いることができる酵母発現系としては、これだけに限定されないが、非融合pYES2ベクター(Invitrogen)、融合pYESHisA、pYESHisB、pYESHisC(Invitrogen)、pRSベクターなどが挙げられる。 原核生物宿主を用いて、発現ベクターにおいて使用するために適したプロモーターとしては、β−ラクタマーゼおよびラクトースプロモーター系[Changら、Nature、275巻:615頁(1978年);Goeddelら、Nature、281巻:544頁(1979年)]、アルカリホスファターゼ、トリプトファン(trp)プロモーター系[Goeddel, Nucleic Acids Res.、8巻:4057頁(1980年);EP36,776]、およびtacプロモーターなどのハイブリッドプロモーター[deBoerら、Proc. Natl. A cad. Sci. USA、80巻:21〜25頁(1983年)]が挙げられ、これらは全て、GLP2−XTENポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結している。細菌系において使用するためのプロモーターは、GLP2−XTENポリペプチドをコードするDNAに作動可能に連結したシャイン−ダルガーノ(S.D.)配列も含有してよい。 本発明は、例えば、バキュロウイルスの発現系を含めた他の発現系を、例えば、これだけに限定されないが、pVL941(Summersら、Virology 84巻:390〜402頁(1978年))、pVL1393(Invitrogen)、pVL1392(Summersら、Virology 84巻:390〜402頁(1978年)およびInvitrogen)およびpBlueBacIII(Invitrogen)などの非融合移入ベクターと、例えば、これだけに限定されないが、pAc700(Summersら、Virology 84巻:390〜402頁(1978年))、pAc701およびpAc70−2(pAc700と同じ、読み枠が異なる)、pAc360 Invitrogen)などの融合移入ベクターの両方を用いて使用することを意図しており、また、pBlueBacHisA、pBlueBacHisB、pBlueBacHisC(Invitrogen)を使用することができる。 GLP2−XTENをコードするDNA配列は、必要であれば、適切なターミネーター、例えば、hGHターミネーター(Palmiterら、Science 222巻、1983年、809〜814頁)またはTPI1ターミネーター(AlberおよびKawasaki、J. Mol. Appl. Gen. 1巻、1982年、419〜434頁)またはADH3(McKnightら、The EMBO J. 4巻、1985年、2093〜2099頁)などに作動可能に接続されていてもよい。発現ベクターは、アデノウイルスから得たスプライス部位を含めた、プロモーターの下流かつGLP2−XTEN配列自体の挿入部位の上流に位置するRNAスプライス部位のセットも含有してよい。挿入部位の下流に位置するポリアデニル化シグナルも発現ベクターに含有される。特に好ましいポリアデニル化シグナルとしては、SV40に由来する初期ポリアデニル化シグナルまたは後期ポリアデニル化シグナル(KaufmanおよびSharp、ibid.)、アデノウイルス5Elb領域由来のポリアデニル化シグナル、hGHターミネーター(DeNotoら、Nucl. Acids Res. 9巻:3719〜3730頁、1981年)が挙げられる。発現ベクターは、プロモーターとRNAスプライス部位の間に位置するアデノウイルス2型3連リーダーなどの非コードウイルス性リーダー配列、ならびに、SV40エンハンサーなどのエンハンサー配列も含んでよい。 一実施形態では、GLP2−XTEN融合タンパク質組成物をコードするポリヌクレオチドは、発現宿主系に適したN末端シグナル配列のC末端側に融合している。シグナル配列は、一般には、転座および分泌プロセスの間にタンパク質からタンパク質分解により除去され、定義済みのN末端が生成する。細菌系、酵母系、昆虫系、および哺乳動物系を含めた大部分の発現系に対して多種多様なシグナル配列が記載されている。各発現系についての好ましい例の非限定的な一覧はこの後に続く。E.coliでの発現のために好ましいシグナル配列は、OmpA、PhoA、およびDsbAである。酵母での発現に好ましいシグナルペプチドは、ppL−アルファ、DEX4、インベルターゼシグナルペプチド、酸性ホスファターゼ シグナルペプチド、CPY、またはINU1である。昆虫細胞での発現のために好ましいシグナル配列は、タバコスズメガの脂質動員ホルモン前駆体、CP1、CP2、CP3、CP4、TPA、PAP、またはgp67である。哺乳動物での発現のために好ましいシグナル配列は、IL2L、SV40、IgGカッパおよびIgGラムダである。 別の実施形態では、十分に発現される独立したタンパク質ドメインを潜在的に含むリーダー配列を、プロテアーゼ切断部位によって隔てられたGLP2−XTEN配列のN末端と融合することができる。設計されたタンパク質分解部位における切断を阻害しない任意のリーダーペプチド配列を使用することができ、好ましい実施形態では、配列は、安定な、十分に発現された配列を含み、したがって組成物全体の発現および折り畳みが著しく悪影響を受けず、また、発現、溶解度、および/または折り畳み効率が有意に改善されることが好ましい。多種多様な適切なリーダー配列が文献に記載されている。適切な配列の非限定的な一覧は、マルトース結合性タンパク質、セルロース結合ドメイン、グルタチオンS転移酵素、6×Hisタグ、FLAGタグ、赤血球凝集素(hemaglutinin)タグ、および緑色蛍光タンパク質を含む。リーダー配列は、特にATG開始コドンに続く第2のコドンの位置における、文献および上で十分に説明されている方法によるコドン最適化によってさらに改善することができる。 GLP2−XTENをコードするDNA配列、プロモーターおよび場合によってターミネーターおよび/または分泌シグナル配列をそれぞれライゲーションするため、およびそれらを、複製に必要な情報を含有する適切なベクターに挿入するために使用される手順は当業者に周知である(例えば、Sambrook, J.ら、「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」、第3版、Cold Spring Harbor Laboratmy Press、2001年を参照されたい)。 他の実施形態では、本発明は、翻訳の開始を促進して、ヘルパードメインの存在を伴わずにタンパク質のN末端におけるXTEN融合物の発現を可能にするためにXTEN担体コード配列のN末端に含めることができる、XTEN特性を有する少なくとも約20〜約60アミノ酸をコードする発現させるために最適化されたポリヌクレオチド配列を含む(言い換えれば、20〜60個のコードされる最適化されたアミノ酸をコードするポリヌクレオチドがGLP−2のN末端側にあるXTEN構成成分をコードするポリヌクレオチドとインフレームで連結している)構築物および構築物を作出する方法を提供する。前述の利点では、配列は、その後の切断を必要とせず、それにより、XTENを含有する組成物を製造するためのステップの数が減少する。実施例においてより詳細に記載されている通り、最適化されたN末端配列は非構造化タンパク質の属性を有するが、翻訳の開始を促進する能力および発現の増強について選択されるアミノ酸をコードするヌクレオチド塩基を含んでよい。前述の一実施形態では、最適化されたポリヌクレオチドは、AE912と比較して少なくとも約90%の配列同一性を有するXTEN配列をコードする。前述の別の実施形態では、最適化されたポリヌクレオチドは、AM923と比較して少なくとも約90%の配列同一性を有するXTEN配列をコードする。前述の別の実施形態では、最適化されたポリヌクレオチドは、AE48と比較して少なくとも約90%の配列同一性を有するXTEN配列をコードする。前述の別の実施形態では、最適化されたポリヌクレオチドは、AM48と比較して少なくとも約90%の配列同一性を有するXTEN配列をコードする。一実施形態では、最適化されたポリヌクレオチドNTSは、から選択される配列またはその相補配列と比較して少なくとも約80%、少なくとも約85%、少なくとも約90%、少なくとも約91%、少なくとも約92%、少なくとも約93%、少なくとも約94%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、または少なくとも約99%、配列同一性を示す配列を含む。 このように、単量体GLP2−XTEN融合タンパク質をコードするキメラDNA分子を生成する。場合によって、このキメラDNA分子を、より適切な発現ベクターである別の構築物に移行またはクローニングすることができる。この時点で、キメラDNA分子を発現することができる宿主細胞を、キメラDNA分子で形質転換することができる。対象のDNAセグメントを含有するベクターを、細胞宿主の種類に応じて、周知の方法によって宿主細胞に移行することができる。例えば、原核細胞に対しては塩化カルシウムトランスフェクションが一般に利用され、一方、他の細胞宿主に対しては、リン酸カルシウム処理、リポフェクション、または電気穿孔を用いることができる。哺乳動物の細胞を形質転換するために用いられる他の方法としては、ポリブレン、プロトプラスト融合、リポソーム、電気穿孔、およびマイクロインジェクションの使用が挙げられる。一般に、Sambrookら、上記を参照されたい。 発現ベクターなどの担体を利用して、または利用せずに、形質転換を起こすことができる。次いで、形質転換された宿主細胞を、GLP2−XTENをコードするキメラDNA分子を発現させるために適した条件下で培養する。 本発明は、本明細書に開示されている単量体融合タンパク質組成物を発現させるための宿主細胞も提供する。本発明において使用するための哺乳動物の細胞系の例は、COS−1細胞(ATCC CRL1650)、COS−7細胞(ATCC CRL1651)、BHK−21細胞(ATCC CCL10))およびBHK−293細胞(ATCC CRL1573;Grahamら、J. Gen. Virol. 36巻:59〜72頁、1977年)、BHK−570細胞(ATCC CRL10314)、CHO−K1(ATCC CCL61)、CHO−S(Invitrogen11619−012)、および293−F(Invitrogen R790−7)である。tk−ts13BHK細胞株もATCCから受託番号CRL1632の下で入手可能である。さらに、Rat HepI細胞(ラット肝細胞癌;ATCC CRL1600)、Rat HepII細胞(ラット肝細胞癌;ATCC CRL1548)、TCMK細胞(ATCC CCL139)、ヒト肺細胞(ATCCHB 8065)、NCTC1469細胞(ATCC CCL9.1)、CHO細胞(ATCC CCL61)およびDUKX細胞(UrlaubおよびChasin、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 77巻:4216〜4220頁、1980年)を含めたいくつもの他の細胞株を本発明の範囲内で使用することができる。 適切な酵母宿主細胞の例としては、Saccharomycesの種またはSchizosaccharomycesの種、具体的には、Saccharomyces cerevisiae株またはSaccharomyces kluyveri株の細胞が挙げられる。他の酵母としては、Schizosaccharomyces pombe(BeachおよびNurse、Nature、290巻:140頁[1981年];1985年5月2日公開のEP139,383);Kluyveromyces宿主(米国特許第4,943,529号;Fleerら、Bio/Technology、9巻:968〜975頁(1991年))例えば、K.lactis(MW98−8C、CBS683、CBS4574;Louvencourtら、J. Bacteriol.、737巻[1983年])、K.fragilis(ATCC12,424)、K.bulgaricus(ATCC16,045)、K.wickeramii(ATCC24,178)、K.waltii(ATCC56,500)、K.drosophilarum(ATCC36,906;Van den Bergら、Bio/Technology、8巻:135頁(1990年))、K.thermotolerans、およびK.marxianus;yarrowia(EP402,226)など;Pichia pastoris(EP183,070;Sreekrishnaら、J. Basic Microbiol.、28巻:265〜278頁[1988年]);Candida;Trichoderma reesia(EP244,234);Neurospora crassa(Caseら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、76巻:5259〜5263頁[1979年]);Schwanniomyces、例えば、Schwanniomyces occidentalisなど(1990年10月31日公開のEP394,538)が挙げられる。本発明ではメチロトローフ(methylotropic)酵母が適しており、それらとしては、これだけに限定されないが、Hansenula、Candida、Kloeckera、Pichia、Saccharomyces、Torulopsis、およびRhodotorulaからなる属から選択される、メタノール上で成長することができる酵母が挙げられる。適切な酵母細胞のさらなる例は、HansenulaなどのKluyveromycesの株、例えば、H.polymorpha、またはPichiaの株、例えば、P.pastoris(Gleesonら、J. Gen. Microbiol. 132巻、1986年、3459〜3465頁;米国特許第4,882,279号を参照されたい)である。このクラスの酵母の例である特定の種の一覧は、C. Anthony, The Biochemistry of Methylotrophs、269巻(1982年)において見いだすことができる。酵母細胞を異種DNAで形質転換し、それに異種ポリペプチドを産生させるための方法は、例えば、その全体がこれによって参照により組み込まれる、米国特許第4,599,311号、米国特許第4,931 ,373、米国特許第4,870,008号、同第5,037,743号、および米国特許第4,845,075号、に記載されている。 他の真菌細胞の例は、糸状菌の細胞、例えば、Aspergillusの種、Neurosporaの種、Fusariumの種またはTrichodermaの種、具体的には、A.oryzae株、A.nidulans株またはA.niger株である。タンパク質を発現させるためのAspergillusの種の使用は、例えば、EP272 277、EP238 023、EP184 438に記載されている。F.oxysporumの形質転換は、例えば、Malardierら、1989年、Gene 78巻:147〜156頁に記載されている通りに行うことができる。Trichodermaの種の形質転換は、例えば、EP244 234に記載の通りに実施することができる。 本発明において使用することができる他の適切な細胞としては、これだけに限定されないが、原核宿主細胞株、例えば、Escherichia coli(例えば、DH5−α株)、Bacillus subtilis、Salmonella typhimurium、またはPseudomonas属、Streptomyces属およびStaphylococcus属の株などが挙げられる。適切な原核生物の非限定的な例としては、Actinoplanes属;Archaeoglobus属;Bdellovibrio属;Borrelia属;Chloroflexus属;Enterococcus属;Escherichia属;Lactobacillus属;Listeria属;Oceanobacillus属;Paracoccus属;Pseudomonas属;Staphylococcus属;Streptococcus属;Streptomyces属;Thermoplasma属;およびVibrio属が挙げられる。 形質転換された細胞を、選択マーカー、一般には薬物抵抗性または特定の栄養分、例えば、ロイシンの不在下で成長する能力によって決定される表現型によって選択する。酵母において使用するための好ましいベクターは、米国特許第4,931,373号に開示されているPOT1ベクターである。GLP2−XTENをコードするDNA配列の前には、例えば、上記の通り、シグナル配列、および場合によってリーダー配列があってよい。哺乳動物の細胞をトランスフェクトし、その細胞に導入されたDNA配列を発現させる方法は、例えば、KaufmanおよびSharp、J. Mol. Biol. 159巻(1982年)、601〜621頁;SouthernおよびBerg、J. Mol. Appl. Genet. 1巻(1982年)、327〜341頁;Loyterら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 79巻(1982年)、422〜426頁;Wiglerら、Cell 14巻(1978年)、725頁;CorsaroおよびPearson、Somatic Cell Genetics 7巻(1981年)、603頁、Grahamおよびvan der Eb、Virology 52巻(1973年)、456頁;およびNeumannら、EA1BOJ. 1巻(1982年)、841〜845頁に記載されている。 クローニングされたDNA配列を、例えば、リン酸カルシウム媒介性トランスフェクションによって(Wiglerら、Cell 14巻:725〜732頁、1978年;CorsaroおよびPearson、Somatic Cell Genetics 7巻:603〜616頁、1981年;GrahamおよびVan der Eb、Virology 52d巻:456〜467頁、1973年)、多くの市販の試薬、例えば、FuGENEG Roche Diagnostics、Mannheim、Germany)またはリポフェクタミン(Invitrogen)などを用いたトランスフェクションによって、または電気穿孔によって(Neumannら、EMBO J. 1巻:841〜845頁、1982年)、培養した哺乳動物の細胞に導入する。外因性DNAを発現する細胞を同定し、選択するために、一般に、選択可能な表現型(選択マーカー)を付与する遺伝子を、対象の遺伝子またはcDNAと一緒に細胞に導入する。好ましい選択マーカーとしては、薬物、例えば、ネオマイシン、ハイグロマイシン、ピューロマイシン、ゼオシン、およびメトトレキセートに対する抵抗性を付与する遺伝子などが挙げられる。選択マーカーは、増幅可能な選択マーカーであってよい。好ましい増幅可能な選択マーカーは、ジヒドロ葉酸レダクターゼ(DHFR)配列である。選択マーカーのさらなる例は、当業者には周知であり、それらとして、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、ベータガラクトシダーゼ(β−gal)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などのレポーターが挙げられる。選択マーカーは、Thilly(Mammalian Cell Technology, Butterworth Publishers, Stoneham, Mass.、参照により本明細書に組み込まれる)によって概説されている。当業者は、適切な選択マーカーを容易に選択することができる。遺伝子産物をコードする核酸と同時に発現させることができる限りは、任意の公知の選択マーカーを用いることができる。 選択マーカーは、別々のプラスミド上の細胞に対象の遺伝子と同時に導入することもでき、同じプラスミド上に導入することもできる。同じプラスミド上では、選択マーカーと対象の遺伝子は、異なるプロモーターの制御下にあってもよく、同じプロモーターの制御下にあってもよく、後者の並びでは、ジシストロン性メッセージ(dicistronic message)が生じる。この種類の構築物は当技術分野で公知である(例えば、LevinsonおよびSimonsen、米国特許第4,713,339号)。「担体DNA」として公知の追加的なDNAを細胞に導入する混合物に追加することも有利である場合がある。 細胞がDNAを取り込んだ後、細胞を適切な成長培地で、一般には1〜2日成長させて、対象の遺伝子の発現を開始させる。本明細書で使用される場合、「適切な成長培地」という用語は、細胞を成長させ、対象のGLP2−XTENを発現させるために必要な栄養分および他の構成成分を含有する培地を意味する。培地は、一般に、炭素源、窒素源、必須アミノ酸、必須糖、ビタミン、塩、リン脂質、タンパク質および増殖因子を含む。ガンマ−カルボキシル化タンパク質を作製するためには、培地は、ビタミンKを、好ましくは約0.1μg/ml〜約5μg/mlの濃度で含有する。次いで、薬物選択を適用して、選択マーカーを安定に発現している細胞の成長について選択する。増幅可能な選択マーカーをトランスフェクトした細胞については、薬物濃度を上昇させて、クローニングされた配列のコピー数の増大について選択し、それにより、発現レベルを上昇させることができる。次いで、安定にトランスフェクトされた細胞のクローンを、対象のGLP−2ポリペプチド変異体の発現についてスクリーニングする。 次いで、形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を、GLP2−XTEN融合タンパク質の発現を可能にする適切な栄養培地条件下で培養し、その後、生じたペプチドを培養物から回収することができる。細胞を培養するために使用する培地は、適切な補助物質を含有する最小培地または複合培地などの、宿主細胞を成長させるために適した任意の従来の培地であってよい。適切な培地は、商業的な供給者から入手することも可能であり、公開されたレシピ(例えば、American Type Culture Collectionのカタログにおいて)に従って調製することもできる。培養条件、例えば、温度、pHなどは、以前から発現のために選択されている宿主細胞に対して用いられているものであり、当業者には明らかになろう。 遺伝子発現は、例えば、mRNAの転写を定量化するための従来のノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA、77巻:5201〜5205頁(1980年)]、ドットブロッティング(DNA解析)、またはin situハイブリダイゼーションによって、本明細書において提供される配列に基づいて適切に標識したプローブを使用して、試料中で直接測定することができる。あるいは、DNA二重鎖、RNA二重鎖、およびDNA−RNAハイブリッド二重鎖またはDNA−タンパク質二重鎖を含めた、特異的な二重鎖を認識することができる抗体を使用することができる。今度はその抗体を標識することができ、二重鎖を表面に結合させ、したがって、表面上で二重鎖が形成されると、二重鎖に結合した抗体の存在を検出することができるアッセイを行うことができる。 あるいは、遺伝子発現は、遺伝子産物の発現を直接定量化するための細胞または組織切片の免疫組織化学的染色および細胞培養物または体液のアッセイまたは選択マーカーの検出などの蛍光免疫学的方法によって測定することができる。試料流体の免疫組織化学的染色および/またはアッセイのために有用な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであってよく、任意の哺乳動物において調製することができる。ネイティブな配列GLP−2ポリペプチドに対する、または本明細書において提供されるDNA配列に基づく合成ペプチドに対する、またはGLP−2と融合しており、特異的な抗体エピトープをコードする外因性の配列に対する抗体を調製することができることが都合よい。選択マーカーの例は、当業者に周知であり、それらとして、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、ベータガラクトシダーゼ(β−gal)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などのレポーターが挙げられる。 発現されたGLP2−XTENポリペプチド産物(複数可)は、当技術分野で公知の方法によって、または本明細書に開示されている方法によって精製することができる。ゲル濾過、アフィニティー精製(例えば、抗GLP−2抗体カラムを使用する)、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト吸着クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーおよびゲル電気泳動などの手順を用いることができ、それぞれ、それぞれの宿主細胞によって産生される融合タンパク質を回収し、精製するために調整する。高速液体クロマトグラフィーなどの従来の化学的精製手段によって追加的な精製を実現することができる。いくつかの発現されたGLP2−XTENは、単離および精製の間にリフォールディングを必要とする場合がある。精製の方法は、Robert K. Scopes, Protein Purification:Principles and Practice, Charles R. Castor(編)、Springer−Verlag 1994年、およびSambrookら、上記に記載されている。多ステップ精製分離はBaronら、Crit. Rev. Biotechnol. 10巻:179〜90頁(1990年)およびBelowら、J. Chromatogr. A. 679巻:67〜83頁(1994年)にも記載されている。治療目的では、本発明のGLP2−XTEN融合タンパク質は実質的に純粋であることが好ましい。したがって、本発明の好ましい実施形態では、本発明のGLP2−XTENを少なくとも約90〜95%の均一性、好ましくは少なくとも約98%の均一性にまで精製する。純度は、例えば、ゲル電気泳動、HPLC、およびアミノ末端アミノ酸配列決定によって評価することができる。 VIII).医薬組成物 本発明は、GLP2−XTENを含む医薬組成物を提供する。一実施形態では、医薬組成物は、本明細書に開示されているGLP2−XTEN融合タンパク質および少なくとも1つの薬学的に許容される担体を含む。本発明のGLP2−XTENポリペプチドは、薬学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従って製剤化することができ、それにより、ポリペプチドを、薬学的に許容される担体ビヒクル、例えば、水溶液、緩衝液、溶媒など、および/または薬学的に許容される懸濁剤、乳剤、安定剤または賦形剤と組み合わせて混和物にする。非水系溶媒の例としては、プロピルエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよび植物油が挙げられる。医薬組成物の製剤は、貯蔵するために、Remington’s Pharmaceutical Sciences 第16版、Osol, A.編(1980年)に記載の通り、所望の程度の純度を有する活性なGLP2−XTEN成分と任意選択の生理的に許容される担体、賦形剤(例えば、塩化ナトリウム、カルシウム塩、スクロース、またはポリソルベート)または安定剤(例えば、スクロース、トレハロース、ラフィノース、アルギニン、カルシウム塩、グリシンまたはヒスチジン)と混合することによって、凍結乾燥製剤または水溶液の形態で調製する。 一実施形態では、医薬組成物は、投与する前に再構成するための凍結乾燥粉末として供給することができる。別の実施形態では、医薬組成物は、患者に直接投与することができる液体の形態で供給することができる。別の実施形態では、組成物は、組成物を投与するための充填済みシリンジに入った液体として供給される。別の実施形態では、組成物は、ポンプに組み入れることができる充填済みバイアルに入った液体として供給される。 医薬組成物は、皮下、注入ポンプによる皮下、筋肉内、静脈内、または肺経路を介するものを含めた、任意の適切な手段または経路によって投与することができる。好ましい経路は、疾患およびレシピエントの年齢、ならびに治療されている状態の重症度により変動することが理解されよう。 一実施形態では、液体の形態または再構成後(凍結乾燥した粉末として供給された場合)のGLP2−XTEN医薬組成物は、XTENと連結したGLP−2を含み、組成物により、GLP−2関連活性を、GLP−2医薬組成物を必要とする被験体に投与した後、少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約7日、または少なくとも約10日、または少なくとも約14日、または少なくとも約21日にわたって、正常な血液中のGLP−2血漿レベルの少なくとも10%まで上昇させることができる。別の実施形態では、被験体に投与した、液体の形態または再構成後(凍結乾燥した粉末として供給された場合)のGLP2−XTEN医薬組成物により、GLP2−XTEN濃度を、GLP−2医薬組成物を必要とする被験体に投与した後、少なくとも約24時間、または少なくとも約48時間、または少なくとも約72時間、または少なくとも約96時間、または少なくとも約120時間、または少なくとも約144時間にわたって、少なくとも500ng/ml、または少なくとも1000ng/ml、または少なくとも約2000ng/ml、または少なくとも約3000ng/ml、または少なくとも約4000ng/ml、または少なくとも約5000ng/ml、または少なくとも約10000ng/ml、または少なくとも約15000ng/ml、または少なくとも約20000ng/ml、または少なくとも約30000ng/ml、または少なくとも約40000ng/mlに上昇させることができる。本段落の前述の実施形態の医薬組成物は、静脈内経路または皮下経路または筋肉内経路による投与と適合することが当技術分野で公知の1つまたは複数の賦形剤、緩衝液または他の成分を含むように製剤化することができることが明確に意図されている。したがって、本段落の上文に記載されている実施形態では、医薬組成物を皮下、筋肉内、または静脈内に投与する。 本発明の組成物は、種々の賦形剤を使用して製剤化することができる。適切な賦形剤としては、微結晶セルロース(例えば、Avicel、PH102、Avicel、PH101)、ポリメタクリレート、ポリ(アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、トリメチルアンモニオエチルメタクリレートクロライド(trimethylammonioethyl methacrylate chloride))(例えば、Eudragit RS−30Dなど)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Methocel K100M、Premium CR Methocel K100M、Methocel ES、Opadry(登録商標))、ステアリン酸マグネシウム、タルク、クエン酸トリエチル、エチルセルロース水分散液(Surelease(登録商標))、および硫酸プロタミンが挙げられる。緩慢放出作用剤は、担体も含んでよく、担体は、例えば、溶媒、分散媒、コーティング、抗細菌剤および抗真菌剤、等張化剤(isotonic agent)および吸収遅延剤を含んでよい。これらの緩慢放出作用剤には、薬学的に許容される塩、例えば、塩酸塩、臭化水素酸塩、リン酸、または硫酸塩などの無機塩類、ならびに、酢酸塩、プロピオン酸塩、マロン酸塩、または安息香酸塩などの有機酸の塩も使用することができる。組成物は、水、生理食塩水、グリセロール、およびエタノールなどの液体、ならびに湿潤剤、乳化剤、またはpH緩衝剤などの物質も含有してよい。リポソームも担体として使用することができる。 別の実施形態では、本発明の組成物を、有益な活性薬剤を長時間にわたって制御された様式で送達することにおける有用性が実証されているリポソームに封入する。リポソームは、水性容積が封入された閉じた二分子膜である。リポソームは、単一の膜二分子層またはそれぞれが水層を保有する単層小胞で次の膜二分子層と隔てられた多数の膜二分子層を有する多重膜小胞(multilamellar vesicle)であってもよい。生じる膜二分子層の構造は、脂質の疎水性(非極性)の尾部が二重層の中心に向き付けられ、親水性(極性)の頭部が水性相に向き付けられるようにする。一実施形態では、リポソームを、単核食細胞系の器官、主に肝臓および脾臓による取り込みを回避する柔軟な水溶性ポリマーでコーティングすることができる。リポソームを取り囲むための適切な親水性ポリマーとしては、限定することなく、その内容全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第6,316,024号;同第6,126,966号;同第6,056,973号;同第6,043,094号に記載されている、PEG、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリジメチルアクリルアミド、ポオリヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリアスパルトアミドおよび親水性のペプチド配列が挙げられる。 リポソームは、当技術分野で公知の任意の脂質または脂質の組み合わせで構成されていてよい。例えば、小胞形成性脂質は、米国特許第6,056,973号および同第5,874,104号に開示されているホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジン酸、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、およびスフィンゴミエリンなどのリン脂質を含めた、天然に存在する脂質であっても、合成脂質であってもよい。小胞形成性脂質は、同じく米国特許第6,056,973号に開示されている糖脂質、セレブロシド、またはカチオン性脂質、例えば、1,2−ジオレイロキシ−3−(トリメチルアミノ)プロパン(DOTAP);N−[1−(2,3,−ジテトラデシロキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド(DMRIE);N−[1[(2,3,−ジオレイロキシ)プロピル]−N,N−ジメチル−N−ヒドロキシエチルアンモニウムブロマイド(DORIE);N−[1−(2,3−ジオレイロキシ)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド(DOTMA);3[N−(N’,N’−ジメチルアミノエタン)カルバモイル]コレステロール(DC−Chol);またはジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDAB)などであってもよい。米国特許第5,916,588号および同第5,874,104号に開示されている通り、小胞に対する安定性与えるためにコレステロールも適切な範囲内で存在してよい。 追加的なリポソーム技術は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,759,057号;同第6,406,713号;同第6,352,716号;同第6,316,024号;同第6,294、191号;同第6、126,966号;同第6,056,973号;同第6,043,094号;同第5,965,156号;同第5,916,588号;同第5,874,104号;同第5,215,680号;同第および4,684,479号に記載されている。これらには、リポソームおよび脂質でコーティングした微小気泡、ならびにそれらを製造するための方法が記載されている。したがって、当業者は、本発明の開示およびこれらの他の特許の開示の両方を考慮して、本発明のポリペプチドの放出を延長するためのリポソームを作製することができる。 液体製剤に関して、所望の特性は、製剤を、静脈内投与、筋肉内投与、関節内投与、または皮下投与するために25ゲージ、28ゲージ、30ゲージ、31ゲージ、32ゲージの針を通過させることができる形態で供給することができることである。別の実施形態では、所望の特性は、製剤が、吸入療法のために、霧状にして適切な粒度のエアロゾルにすることができる形態で供給されることである。 錠剤、丸剤、カプセル剤または埋め込み型デバイスの形態の緩慢放出作用剤として浸透性ポンプを使用することができる。浸透性ポンプは、当技術分野で周知であり、当業者は、放出が延長された薬物送達のための浸透性ポンプを提供する経験のある会社から容易に入手可能である。例は、ALZAのDUROS(商標);ALZAのOROS(商標);Osmotica、PharmaceuticalのOsmodex(商標)system;Shire LaboratoriesのEnSoTrol(商標)system;およびAlzet(商標)である。浸透性ポンプ技術が記載されている特許は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,890,918号;同第6,838,093号;同第6,814,979号;同第6,713,086号;同第6,534,090号;同第6,514,532号;同第6,361,796号;同第6,352,721号;同第6,294,201号;同第6,284,276号;同第6,110,498号;同第5,573,776号;同第4,200,0984号;および同第4,088,864号である。当業者は、本発明の開示およびこれらの他の特許の開示の両方を考慮して、本発明のポリペプチドの放出を延長するための浸透性ポンプを作製することができる。 シリンジポンプも緩慢放出作用剤として使用することができる。そのようなデバイスは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第4,976,696号;同第4,933,185号;同第5,017,378号;同第6,309,370号;同第6,254,573号;同第4,435,173号;同第4,398,908号;同第6,572,585号;同第5,298,022号;同第5,176,502号;同第5,492,534号;同第5,318,540号;および同第4,988,337号に記載されている。当業者は、本発明の開示およびこれらの他の特許開示の両方を考慮して、本発明の組成物の放出を延長するためのシリンジポンプを作製することができる。 IX).医薬キット 別の態様では、本発明は、GLP2−XTENポリペプチドの使用を容易にするためのキットを提供する。キットは、本明細書において提供される医薬組成物、医薬組成物を識別するラベル、ならびに医薬組成物の貯蔵、再構成および/または被験体への投与のための説明書を含む。いくつかの実施形態では、キットは、(a)それを必要とする被験体に投与すると胃腸の状態を処置するために十分な量のGLP2−XTEN融合タンパク質組成物;(b)ある量の薬学的に許容される担体;ならびに(c)滅菌水、緩衝液、またはブドウ糖を用いて注射または再構成する準備ができた製剤を、GLP2−XTEN薬物ならびに貯蔵および取扱い条件を識別するラベル、ならびに薬物について認可された適応症のシート、認可された適応症の予防および/または治療に使用するためにGLP2−XTEN薬物を再構成および/または投与するための説明書、適切な投与量および安全性情報、ならびにロットおよび薬物の有効期限を識別する情報と一緒に含むことが好ましい。前述の別の実施形態では、キットは、GLP2−XTEN組成物に適した希釈剤を有してよい第2の容器を含んでよく、それを使用することにより、使用者に、被験体に送達するための適切な濃度のGLP2−XTENがもたらされる。 (実施例1) XTEN_AD36モチーフセグメントの構築 以下の実施例には、36アミノ酸のモチーフ配列をコードするコドン最適化した遺伝子の集合の構築が記載されている。第1のステップとして、スタッファーベクターpCW0359をpETベクターに基づいて構築し、これはT7プロモーターを含む。pCW0359は、セルロース結合ドメイン(CBD)およびTEVプロテアーゼ認識部位、それに続くBsaI部位、BbsI部位、およびKpnI部位が隣接するスタッファー配列をコードする。消化後に適合するオーバーハングが生成されるようにBsaI部位およびBbsI部位を挿入した。スタッファー配列の次には短縮型のGFP遺伝子およびHisタグがある。スタッファー配列は、終止コドンを含有し、したがって、スタッファープラスミドpCW0359を保有するE.coli細胞は非蛍光性コロニーを形成する。スタッファーベクターpCW0359を、BsaIおよびKpnIを用いて消化して、スタッファーセグメントを除去し、生じたベクター断片を、アガロースゲル精製によって単離した。この配列を、モチーフのADファミリーを反映させてXTEN_AD36と名付けた。そのセグメントはアミノ酸配列[X]3を有し、Xは、配列:GESPGGSSGSES、GSEGSSGPGESS、GSSESGSSEGGP、またはGSGGEPSESGSSを有する12merペプチドである。リン酸化合成オリゴヌクレオチド対の以下の対をアニーリングさせることによって挿入断片を得た: リン酸化オリゴヌクレオチド3KpnIstopperFor:AGGTTCGTCTTCACTCGAGGGTACと非リン酸化オリゴヌクレオチドpr_3KpnIstopperRev:CCTCGAGTGAAGACGAもアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチド対をライゲーションし、それにより、1つのBbsI/KpnIセグメントとライゲーションした、さまざまな数の12merの反復を示すさまざまな長さの産物の混合物がもたらされた。36アミノ酸の長さに対応する産物を、調製用アガロースゲル電気泳動によって混合物から単離し、BsaI/KpnIで消化したスタッファーベクターpCW0359にライゲーションした。LCW0401と称される生じたライブラリー内のクローンの大部分は誘導後に緑色の蛍光を示し、これは、XTENの配列_AD36がGFP遺伝子とインフレームにライゲーションされたこと、およびXTEN_AD36の大部分の配列が良好な発現レベルを有することを示す。 ライブラリーLCW0401由来の96単離体を、IPTGを含有する寒天プレート上にスタンプすることによって、高レベルの蛍光についてスクリーニングした。同じ単離体をPCRによって評価し、36アミノ酸ならびに強力な蛍光を有するセグメントを含有する48単離体を同定した。これらの単離体について配列決定し、正確なXTEN_AD36セグメントを含有する39クローンを同定した。これらのセグメントについてのヌクレオチド構築物およびアミノ酸構築物のファイル名が表8に列挙されている。 (実施例2) XTEN_AE36セグメントの構築 36アミノ酸長のXTEN配列をコードするコドンライブラリーを構築した。XTEN配列をXTEN_AE36と名付けた。そのセグメントはアミノ酸配列[X]3を有し、Xは、配列:GSPAGSPTSTEE、GSEPATSGSE TP、GTSESA TPESGP、またはGTSTEPSEGSAPを有する12merペプチドである。リン酸化合成オリゴヌクレオチド対の以下の対をアニーリングさせることによって挿入断片を得た: リン酸化オリゴヌクレオチド3KpnIstopperFor:AGGTTCGTCTTCACTCGAGGGTACと非リン酸化オリゴヌクレオチドpr_3KpnIstopperRev:CCTCGAGTGAAGACGAもアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチド対をライゲーションし、それにより、1つのBbsI/KpnIセグメントとライゲーションした、さまざまな数の12merの反復を示すさまざまな長さの産物の混合物がもたらされた。36アミノ酸の長さに対応する産物を、調製用アガロースゲル電気泳動によって混合物から単離し、BsaI/KpnIで消化したスタッファーベクターpCW0359にライゲーションした。LCW0402と称される生じたライブラリー内のクローンの大部分は誘導後に緑色の蛍光を示し、これは、XTEN_AE36の配列がGFP遺伝子とインフレームにライゲーションされたこと、および大部分のXTEN_AE36の配列が良好な発現を示すことを示す。 ライブラリーLCW0402由来の96単離体を、IPTGを含有する寒天プレート上にスタンプすることによって、高レベルの蛍光についてスクリーニングした。同じ単離体をPCRによって評価し、36アミノ酸ならびに強力な蛍光を有するセグメントを含有する48単離体を同定した。これらの単離体について配列決定し、正確なXTEN_AE36セグメントを含有する37クローンを同定した。これらのセグメントについてのヌクレオチド構築物およびアミノ酸構築物のファイル名が表9に列挙されている。 (実施例3) XTEN_AF36セグメントの構築 36アミノ酸長のコドンライブラリーコード配列を構築した。この配列を、XTEN_AF36と名付けた。そのセグメントはアミノ酸配列[X]3を有し、Xは、配列:GSTSESPSGTAP、GTSTPESGSASP、GTSPSGESSTAP、またはGSTSSTAESPGPを有する12merペプチドである。リン酸化合成オリゴヌクレオチド対の以下の対をアニーリングさせることによって挿入断片を得た: リン酸化オリゴヌクレオチド3KpnIstopperFor:AGGTTCGTCTTCACTCGAGGGTACと非リン酸化オリゴヌクレオチドpr_3KpnIstopperRev:CCTCGAGTGAAGACGAもアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチド対をライゲーションし、それにより、1つのBbsI/KpnIセグメントとライゲーションした、さまざまな数の12merの反復を示すさまざまな長さの産物の混合物がもたらされた。36アミノ酸の長さに対応する産物を、調製用アガロースゲル電気泳動によって混合物から単離し、BsaI/KpnIで消化したスタッファーベクターpCW0359にライゲーションした。LCW0403と称される生じたライブラリー内のクローンの大部分は誘導後に緑色の蛍光を示し、これは、XTENの配列_AF36がGFP遺伝子とインフレームにライゲーションされたこと、および大部分のXTENの配列_AF36が良好な発現を示すことを示す。 ライブラリーLCW0403由来の96単離体を、IPTGを含有する寒天プレート上にスタンプすることによって、高レベルの蛍光についてスクリーニングした。同じ単離体をPCRによって評価し、36アミノ酸ならびに強力な蛍光を有するセグメントを含有する48単離体を同定した。これらの単離体について配列決定し、正確なXTEN_AF36セグメントを含有する44クローンを同定した。これらのセグメントについてのヌクレオチド構築物およびアミノ酸構築物のファイル名が表10に列挙されている。 (実施例4) XTEN_AG36セグメントの構築 36アミノ酸長のコドンライブラリーコード配列を構築した。この配列を、XTEN_AG36と名付けた。そのセグメントはアミノ酸配列[X]3を有し、Xは、配列:GTPGSGTASSSP、GSSTPSGATGSP、GSSPSASTGTGP、またはGASPGTSSTGSPを有する12merペプチドである。リン酸化合成オリゴヌクレオチド対の以下の対をアニーリングさせることによって挿入断片を得た: リン酸化オリゴヌクレオチド3KpnIstopperFor:AGGTTCGTCTTCACTCGAGGGTACと非リン酸化オリゴヌクレオチドpr_3KpnIstopperRev:CCTCGAGTGAAGACGAもアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチド対をライゲーションし、それにより、1つのBbsI/KpnIセグメントとライゲーションした、さまざまな数の12merの反復を示すさまざまな長さの産物の混合物がもたらされた。36アミノ酸の長さに対応する産物を、調製用アガロースゲル電気泳動によって混合物から単離し、BsaI/KpnIで消化したスタッファーベクターpCW0359にライゲーションした。LCW0404と称される生じたライブラリー内のクローンの大部分は誘導後に緑色の蛍光を示し、これは、XTENの配列_AG36がGFP遺伝子とインフレームにライゲーションされたこと、および大部分のXTENの配列_AG36が良好な発現を示すことを示す。 ライブラリーLCW0404由来の96単離体を、IPTGを含有する寒天プレート上にスタンプすることによって、高レベルの蛍光についてスクリーニングした。同じ単離体をPCRによって評価し、36アミノ酸ならびに強力な蛍光を有するセグメントを含有する48単離体を同定した。これらの単離体について配列決定し、正確なXTEN_AG36セグメントを含有する44クローンを同定した。これらのセグメントについてのヌクレオチド構築物およびアミノ酸構築物のファイル名が表11に列挙されている。 (実施例5) XTEN_AE864の構築 XTEN_AE864を、XTEN_AE36からAE72、AE144、AE288、AE576およびAE864への連続的な二量体化により構築した。XTEN_AE72セグメントの集合を、37の異なるXTEN_AE36のセグメントから構築した。37の異なる36アミノ酸セグメントを全て有するE.coliの培養物を混合し、プラスミドを単離した。このプラスミドプールを、BsaI/NcoIを用いて消化して、挿入断片として小さな断片を生成した。同じプラスミドプールを、BbsI/NcoIを用いて消化して、ベクターとして大きな断片を生成した。挿入断片とベクター断片をライゲーションし、それにより長さを倍加し、ライゲーション混合物を、BL21Gold(DE3)細胞に導入してそれを形質転換して、XTEN_AE72のコロニーを得た。 このXTEN_AE72セグメントのライブラリーをLCW0406と名付けた。LCW0406由来の全てのクローンを合わせ、上記と同じプロセスを用いて再度二量体化し、XTEN_AE144のライブラリーLCW0410を得た。LCW0410由来の全てのクローンを合わせ、上記と同じプロセスを用いて再度二量体化し、XTEN_AE288のライブラリーLCW0414を得た。2つの単離体、LCW0414.001およびLCW0414.002をライブラリーから無作為に選び取り、配列決定して、同一性を検証した。LCW0414由来の全てのクローンを合わせ、上記と同じプロセスを用いて再度二量体化し、XTEN_AE576のライブラリーLCW0418を得た。ライブラリーLCW0418由来の96単離体を、高レベルのGFP蛍光についてスクリーニングした。PCRによる正しい挿入断片のサイズおよび強力な蛍光を有する8単離体について配列決定し、配列決定および発現のデータに基づいて、2単離体(LCW0418.018およびLCW0418.052)をその後の使用ために選択した。 XTEN_AE864の特異的なクローンpCW0432を、上記と同じ二量体化プロセスを用いてXTEN_AE576のLCW0418.018とXTEN_AE288のLCW0414.002を組み合わせることによって構築した。 (実施例6) XTEN_AM144の構築 XTEN_AE36の37の異なるセグメント、XTEN_AF36の44セグメント、およびXTEN_AG36の44セグメントから出発するXTEN_AM144セグメントの集合を構築した。 125の異なる36アミノ酸セグメントを全て有するE.coliの培養物を混合し、プラスミドを単離した。このプラスミドプールを、BsaI/NcoIを用いて消化して、挿入断片として小さな断片を生成した。同じプラスミドプールを、BbsI/NcoIを用いて消化して、ベクターとして大きな断片を生成した。挿入断片とベクター断片をライゲーションし、それにより長さを倍加し、ライゲーション混合物を、BL21Gold(DE3)細胞に導入してそれを形質転換して、XTEN_AM72のコロニーを得た。 このXTEN_AM72セグメントのライブラリーをLCW0461と名付けた。LCW0461由来の全てのクローンを合わせ、上記と同じプロセスを用いて再度二量体化し、ライブラリーLCW0462をもたらした。ライブラリーLCW0462由来の1512単離体をタンパク質の発現についてスクリーニングした。個々のコロニーを96ウェルプレートに移し、発端培養物として一晩培養した。これらの発端培養物を新鮮な自己誘導培地中に希釈し、20〜30時間培養した。発現を、蛍光プレートリーダーを使用し、395nmにおける励起および510nmにおける放出を用いて測定した。192単離体が高いレベルの発現を示し、それらをDNA配列決定にかけた。ライブラリーLCW0462内の大部分のクローンが良好な発現および同様の物理化学的性質を示し、これは、XTEN_AM36セグメントの大部分の組合せにより、有用なXTEN配列が提供されることを示唆している。LCW0462由来の30単離体を、多数のXTENセグメントを含有する多機能性タンパク質を構築するためのXTEN_AM144セグメントの好ましい集合として選択した。これらのセグメントについてのヌクレオチド構築物およびアミノ酸構築物のファイル名が表12に列挙されている。 (実施例7) XTEN_AM288の構築 ライブラリーLCW0462全体を実施例6に記載の通り二量体化し、それにより、LCW0463と称されるXTEN_AM1288クローンのライブラリーをもたらした。ライブラリーLCW0463由来の1512単離体を、実施例6に記載のプロトコールを用いてスクリーニングした。176の高度に発現されているクローンについて配列決定し、40の好ましいXTEN_AM288セグメントを、288アミノ酸残基を有する多数のXTENセグメントを含有する多機能性タンパク質を構築するために選択した。 (実施例8) XTEN_AM432の構築 XTEN_AM144セグメントのライブラリーLCW0462由来のセグメントとXTEN_AM288セグメントのライブラリーLCW0463由来のセグメントを再度組み合わせることによって、XTEN_AM432セグメントのライブラリーを生成した。この新規のXTEN_AM432セグメントのライブラリーをLCW0464と名付けた。それぞれLCW0462およびLCW0463を有するE.coliの培養物からプラスミドを単離した。ライブラリーLCW0464由来の1512単離体を、実施例6に記載のプロトコールを用いてスクリーニングした。176の高度に発現されているクローンについて配列決定し、39の好ましいXTEN_AM432セグメントを、より長いXTENを構築するため、および432アミノ酸残基を有する多数のXTENセグメントを含有する多機能性タンパク質を構築するために選択した。 並行して、XTEN_AM144およびXTEN_AM288の好ましいセグメントを使用してXTEN_AM432セグメントのライブラリーLMS0100を構築した。このライブラリーをスクリーニングすることにより4単離体を得、それをさらなる構築のために選択した。 (実施例9) XTEN_AM875の構築 スタッファーベクターpCW0359を、BsaIおよびKpnIを用いて消化して、スタッファーセグメントを除去し、生じたベクター断片をアガロースゲル精製によって単離した。 アミノ酸GASASGAPSTGをコードし、内部に制限酵素AscI認識ヌクレオチド配列GGCGCGCCを有する配列決定島A(SI−A)を導入するために、リン酸化オリゴヌクレオチドBsaI−AscI−KpnIforP:AGGTGCAAGCGCAAGCGGCGCGCCAAGCACGGGAGGTTCGTCTTCACTCGAGGGTACと非リン酸化オリゴヌクレオチドBsaI−AscI−KpnIrev:CCTCGAGTGAAGACGAACCTCCCGTGCTTGGCGCGCCGCTTGCGCTTGCをアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチド対を、上で調製したBsaIおよびKpnIで消化したスタッファーベクターpCW0359とライゲーションして、SI−Aを含有するpCW0466をもたらした。次いで、実施例8由来の43の好ましいXTEN_AM432セグメントとpCW0466由来のSI−AセグメントをC末端において、実施例5に記載のものと同じ二量体化プロセスを用いて再度組み合わせることによって、XTEN_AM443セグメントのライブラリーを生成した。この新規のXTEN_AM443セグメントのライブラリーをLCW0479と名付けた。 実施例5に記載のものと同じ二量体化プロセスを用いて、XTEN_AM443セグメントのライブラリーLCW0479由来のセグメントと実施例8由来の43の好ましいXTEN_AM432セグメントを再度組み合わせることによってXTEN_AM875セグメントのライブラリーを生成した。この新規のXTEN_AM875セグメントのライブラリーをLCW0481と名付けた。 (実施例10) XTEN_AM1318の構築 アミノ酸GPEPTGPAPSGをコードし、内部に制限酵素FseI認識ヌクレオチド配列GGCCGGCCを有する配列決定島B(SI−B)を導入するために、リン酸化オリゴヌクレオチドBsaI−FseI−KpnIforP:AGGTCCAGAACCAACGGGGCCGGCCCCAAGCGGAGGTTCGTCTTCACTCGAGGGTACと非リン酸化オリゴヌクレオチドBsaI−FseI−KpnIrev:CCTCGAGTGAAGACGAACCTCCGCTTGGGGCCGGCCCCGTTGGTTCTGGをアニーリングさせた。アニーリングしたオリゴヌクレオチド対を、実施例9において使用したBsaIおよびKpnIで消化したスタッファーベクターpCW0359とライゲーションして、SI−Bを含有するpCW0467を得た。次いで、実施例8由来の43の好ましいXTEN_AM432セグメントとpCW0467由来のSI−Bセグメントを、C末端において、実施例5に記載のものと同じ二量体化プロセスを用いて再度組み合わせることによって、XTEN_AM443セグメントのライブラリーを生成した。この新規のXTEN_AM443セグメントのライブラリーをLCW0480と名付けた。 XTEN_AM443セグメントのライブラリーLCW0480由来のセグメントとXTEN_AM875セグメントのライブラリーLCW0481由来のセグメントを、実施例5の場合と同じ二量体化プロセスを用いて再度組み合わせることによって、XTEN_AM1318セグメントのライブラリーを生成した。この新規のXTEN_AM1318セグメントのライブラリーをLCW0487と名付けた。 (実施例11) XTEN_AD864の構築 実施例1において列挙されているXTEN_AD36のセグメントから出発し、何回かの連続した二量体化を用いてXTEN_AD864配列の集合を組み立てた。これらの配列を実施例5に記載の通り組み立てた。XTEN_AD864由来のいくつかの単離体を評価し、これらが生理的条件下で良好な発現および優れた溶解度を示すことが見いだされた。XTEN_AD576の1つの中間構築物について配列決定した。このクローンをカニクイザルにおけるPK実験で評価し、約20時間の半減期が測定された。 (実施例12) XTEN_AF864の構築 実施例3において列挙されているXTEN_AF36のセグメントから出発し、何回かの連続した二量体化を用いてXTEN_AF864配列の集合を組み立てた。これらの配列を実施例5に記載の通り組み立てた。XTEN_AF864由来のいくつかの単離体を評価し、これらが生理的条件下で良好な発現および優れた溶解度を示すことが見いだされた。XTEN_AF540の1つの中間構築物について配列決定した。このクローンをカニクイザルにおけるPK実験で評価し、約20時間の半減期が測定された。XTEN_AF864の全長のクローンは、カニクイザルにおいて優れた溶解度を有し、60時間を超える半減期を示した。XTEN_AF配列の第2のセットを、実施例9に記載の通り配列決定島を含めて組み立てた。 (実施例13) XTEN_AG864の構築 実施例4において列挙されているXTEN_AG36のセグメントから出発し、何回かの連続した二量体化を用いてXTEN_AG864配列の集合を組み立てた。これらの配列を実施例5に記載の通り組み立てた。XTEN_AG864由来のいくつかの単離体を評価し、これらが生理的条件下で良好な発現および優れた溶解度を示すことが見いだされた。XTEN_AG864の全長のクローンは、カニクイザルにおいて優れた溶解度を有し、60時間を超える半減期を示した。 (実施例14) GLP−2およびAE_XTENを含有するGLP2−XTENを作製し、評価する方法 GLP2−XTEN組成物を作製し、評価するための一般的なスキームが図6に示されており、この実施例の一般的な説明に関する基礎が形成される。GLP−2ペプチドおよび配列変異体は組換えによって調製することができる。GLP−2ペプチドを調製するために用いられる例示的な組換え方法としては、とりわけ、当業者には明らかになる通り、以下が挙げられる。一般には、本明細書において定義され、かつ/または記載されているGLP−2ペプチドまたは配列変異体は、所望のペプチドをコードする核酸を構築し、核酸を、1つまたは複数のXTENをコードする核酸とインフレームで発現ベクターにクローニングし、宿主細胞(例えば、Escherichia coliなどの細菌、Saccharomyces cerevisiaeなどの酵母、または、チャイニーズハムスター卵巣細胞またはベビーハムスター腎臓細胞などの哺乳動物の細胞)を形質転換し、核酸を発現させて、所望のGLP2−XTENを産生させることによって調製する。組換えポリペプチドをin vitroで、および原核宿主細胞および真核宿主細胞で作製し、発現させるための方法は当業者に公知である。例えば、米国特許第4,868,122号、およびSambrookら、Molecular Cloning−A Laboratory Manual(第3版)、Cold Spring Harbor Laboratory Press(2001年)を参照されたい。 開示されている方法および当業者に公知の方法を例示的な実施例で提供される手引きと一緒に用いることにより、当業者は、本明細書に開示されている、またはそうでなければ当技術分野で公知であるXTEN、GLP−2およびGLP−2の変異体を含むGLP2−XTEN融合タンパク質を創出し、評価することができる。したがって、実施例は、ただ単に例示であり、方法をいかなる形でもどんなものでも制限するものではないと解釈されるべきであり、多数の変形が当業者には明らかになろう。本実施例では、モチーフのAEファミリーのXTENと連結したGLP−2を含むGLP2−XTENを創出する。 XTENをコードするポリヌクレオチドを作製するための一般的なスキームが図4および図5に示されている。図5は、本発明の実施形態のうちの1つにおけるXTENポリヌクレオチド構築物の組立てにおける代表的なステップの概略フローチャートである。個々のオリゴヌクレオチド501をアニーリングして12アミノ酸モチーフ(「12−mer」)などの配列モチーフ502にし、それを、多量体化することができるライブラリー由来の追加的な配列モチーフとライゲーションして、所望の長さのXTEN504を包含するプールを創出するとともに、より低濃度の、BbsI制限部位、およびKpnI制限部位を含有するオリゴ503にライゲーションする。モチーフライブラリーは、特異的な配列XTENファミリー、例えば、表3のAD配列、AE配列、AF配列、AG配列、AM配列、またはAQ配列に限定することができる。図5において例示されているように、XTENの長さは、この場合には864アミノ酸残基であるが、それよりも短いまたはそれよりも長い長さを、このプロセスによって実現することができる。例えば、多量体化は、ライゲーション、オーバーラップ伸長、PCR組立てまたは当技術分野で公知の同様のクローニング技法によって実施することができる。生じたライゲーション産物のプールをゲル精製し、XTENの所望の長さのバンドをカットし、ストッパー配列505を有する単離されたXTEN遺伝子をもたらす。XTEN遺伝子をスタッファーベクターにクローニングすることができる。この場合、ベクターは、任意選択のCBD配列506およびGFP遺伝子508をコードする。次いで、BbsI/HindIIIを用いた消化を行って、507および508を除去し、終止コドンを置く。次いで、生じた産物を、BsaI/HindIIIで消化した、GLP−2をコードする遺伝子を含有するベクターにクローニングし、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする遺伝子500をもたらす。当業者には明らかになる通り、該方法は、代替の配置にあり、XTENの長さが変動する構築物の創出に適用することができる。 GLP−2をコードするDNA配列は、適切な細胞性供給源から調製したcDNAライブラリーから、ゲノムライブラリーから、当技術分野で公知の標準の手順によって都合よく得ることもでき、特に配列変異体(例えば、GLP−2−2G)を組み入れる場合には、公的に利用可能なデータベース、特許、または参考文献から得られるDNA配列を使用して合成(例えば、自動核酸合成)によって創出することもできる。本実施例では、GLP−2−2G配列を利用する。次いで、タンパク質のGLP−2部分をコードする遺伝子もしくはポリヌクレオチドまたはその相補配列を、本明細書に記載のものなどの、生物系において高レベルのタンパク質を発現させるための適切な転写配列および翻訳配列の制御下にあるプラスミドまたは他のベクターであってよい構築物にクローニングすることができる。XTEN部分をコードする第2の遺伝子もしくはポリヌクレオチドまたはその相補配列を、ライゲーションまたは多量体化ステップを通じてGLP−2をコードする遺伝子と近接し、インフレームである構築物にクローニングすることにより、GLP−2遺伝子の末端をコードするヌクレオチドと遺伝子融合することができる。このように、GLP2−XTEN融合タンパク質をコードする(またはそれと相補的な)キメラDNA分子を構築物内で生成する。場合によって、第2のXTENをコードする遺伝子を、GLP−2をコードする領域をコードするヌクレオチドの内部にインフレームで挿入し、ライゲーションする。場合によって、このキメラDNA分子をより適切な発現ベクターである別の構築物、例えば、E.coliなどの原核宿主細胞、酵母などの真核宿主細胞、または、CHO、BHKなどの哺乳動物宿主細胞などに適したベクターに移行またはクローニングする。この時点で、キメラDNA分子を発現することができる宿主細胞をキメラDNA分子で形質転換する。目的のDNAセグメントを含有するベクターを、上記の通り、細胞宿主の種類に応じて、周知の方法によって適切な宿主細胞に移行することができる。 GLP2−XTEN発現ベクターを含有する宿主細胞を、プロモーターを活性化するために適するように改変した従来の栄養培地で培養する。温度、pHなどの培養条件は、以前から発現のために選択されている宿主細胞に対して用いられているものであり、当業者には明らかになろう。融合タンパク質を発現させた後、培養液を収集し、細胞集団から分離し、生じた粗抽出物を、融合タンパク質を精製するために保持する。 遺伝子発現は、例えば、従来のサザンブロット法、mRNAの転写を定量化するためのノーザンブロット法[Thomas, Proc. Natl. Acad. Sci. USA、77巻:5201〜5205頁(1980年)]、ドットブロッティング(DNA解析)、またはin situハイブリダイゼーションによって、本明細書において提供される配列に基づいて適切に標識したプローブを使用して、試料中で直接測定する。あるいは、遺伝子発現は、遺伝子産物の発現を直接定量化するための細胞の免疫組織化学的染色などの蛍光免疫学的方法によって測定する。試料流体の免疫組織化学的染色および/またはアッセイのために有用な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれかであってよく、任意の哺乳動物において調製することができる。GLP−2配列ポリペプチドに対する抗体を本明細書において提供される配列に基づく合成ペプチドを使用して調製すること、またはGLP−2と融合しており、特異的な抗体エピトープをコードする外因性の配列に対する抗体を調製することができることが都合よい。選択マーカーの例は、当業者に周知であり、それらとして、高感度緑色蛍光タンパク質(EGFP)、ベータガラクトシダーゼ(β−gal)またはクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)などのレポーターが挙げられる。 GLP2−XTENポリペプチド産物は、当技術分野で公知の方法によって精製する。ゲル濾過、アフィニティー精製、塩分画、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイト吸着クロマトグラフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィーまたはゲル電気泳動などの手順は全て、精製に用いることができる技法である。特定の精製の方法は、Robert K. Scopes、Protein Purification: Principles and Practice、Charles R. Castor編、Springer−Verlag 1994年、およびSambrookら、上記に記載されており、多ステップ精製分離も、Baronら、Crit. Rev. Biotechnol. 10巻:179〜90頁(1990年)およびBelowら、J. Chromatogr. A. 679巻:67〜83頁(1994年)に記載されている。 図6において例示されているように、次いで、単離されたGLP2−XTEN融合タンパク質を、それらの化学的性質および活性について特徴付ける。単離された融合タンパク質を、例えば、配列、純度、見かけの分子量、溶解度および安定性について、当技術分野で公知の標準の方法を用いて特徴付ける。次いで、予測標準物質に見合う融合タンパク質を活性について評価し、これは、in vitroまたはin vivoにおいて、本明細書に記載のGLP−2関連パラメータのうちの1つを、本明細書に開示されている1つまたは複数のアッセイを用いて、または実施例のアッセイまたは表32のアッセイを用いて測定することによって測定することができる。 さらに、実施例18〜21に記載の通り、GLP2−XTEN融合タンパク質を1つまたは複数の動物種に投与して、標準の薬物動態パラメータおよび薬力学的性質を決定する。 GLP2−XTEN構築物の作製、発現、および回収の反復プロセス、その後の、本明細書に開示されている方法または当技術分野で公知の他の方法を用いたそれらの特徴付けによって、当業者は、予測される性質、例えば、溶解度の増強、安定性の増強、薬物動態の改善および免疫原性の低下などを確認し、それにより、対応する融合していないGLP−2と比較して治療的活性を全体的に増強するために、GLP−2およびXTENを含むGLP2−XTEN組成物を作製し、評価することができる。所望の性質を保有しない融合タンパク質については、そのような性質を有する組成物を得るために、異なる配列を構築し、発現させ、単離し、これらの方法によって評価することができる。 (実施例15) GLP2−XTEN遺伝子およびベクターの構築 オリゴヌクレオチドと、設計された相補的なオーバーハング領域を介してアニーリング温度48℃の条件下でタイリングし合わせることによってGLP−2遺伝子全体を組み立てることができるように、オリゴヌクレオチドを設計し、構築した。相補的な領域は一定に保持したが、オリゴヌクレオチドの他の領域は変動させ、したがって、単一のネイティブな遺伝子配列ではなく、約50%が変動する遺伝子のコドンを有するコドンライブラリーを創出した。PCRを実施して、典型的なものと同様に、オリゴヌクレオチドの種々の組合せを含有する組合せ遺伝子ライブラリーを創出し、アガロースゲル上にスメアとして示した。ポリッシングPCRを実施し、正確な末端を有する組立て体を、遺伝子の5’末端および3’末端に相補的な増幅プライマーのセットを使用して増幅した。次いで、このPCRの産物をゲル精製し、予測されるGLP−2最終遺伝子産物の長さである約100bpのバンドのみを取得した。このゲル精製産物を、BsaIおよびNdeIを用いて消化し、同様に消化した、CBDリーダー配列およびAE864 XTENをコードするDNAを含有する構築物にライゲーションして、GLP2−XTEN_AE864遺伝子を作製し、BL21 goldコンピテント細胞に導入し、それを形質転換した。この形質転換によるコロニーを選び取って96ディープウェルプレート中のSBの培養物500μlに入れ、飽和するまで一晩成長させた。これらの培養物の20μlを自己誘導培地500μlに接種した後、これらの培養物を4℃で貯蔵し、これらの培養物を26℃で>24時間成長させた。成長させた後、これらの自己誘導培地での培養物100μlのGFP蛍光を、蛍光プレートリーダーを使用して測定した。GFP蛍光は、作出されたGLP2−XTEN_AE464の分子の数に比例し、したがって、全発現の読み取りである。発現が最も高いクローンを同定し、そのクローンの元の飽和した一晩培養物由来のSB中で新しい1mlの一晩を開始した。これらの新しい培養物を用いてミニプレップを実施し、得られたプラスミドについて配列決定して、正確なヌクレオチド組成物を決定した。E.coli分離株をAC453株と名付け、所望のGLP−2_2G−XTEN_AE864融合タンパク質を産生する株として同定した。予め切断した発現産物(CBDリーダー配列およびTEV切断配列を有する)のDNA配列およびアミノ酸配列、ならびに最終産物GLP−2−2G−XTEN_AE864(TEV切断後)のアミノ酸配列が表13において提供される。 (実施例16) XTEN_AE864と融合したGLP−2−2Gを含む融合タンパク質の発現および精製。 発現用の宿主株AmE025を、K−12バックグラウンドを有し、fhuA遺伝子が欠失しており、ラムダDE3プロファージが染色体に組み込まれている株であるE.coli W3110から得た。宿主細胞は、pCW812(AC453)によりコードされるアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列をコードするプラスミドpCW1010(AC616)を含有した。最終的な構築物は、T7プロモーターの制御下にある、Clostridium thermocellum由来のセルロソームアンカータンパク質粘着領域セルロース結合ドメイン(CBD)(受託番号ABN54273)、タバコエッチ病ウイルス(TEV)プロテアーゼ認識部位(ENLYFQ)、GLP2−2G配列、およびAE864アミノ酸XTEN配列をコードする遺伝子を含んだ。B.Braun Biostat B controllerを備えた、5Lのガラス被覆発酵容器内でタンパク質を発現させた。簡単に述べると、宿主株AmE025の発端培養物を2Lの発酵バッチ培地に接種した。37℃で6時間培養した後、50%グルコースの供給を開始した。20時間培養した後に、温度を26℃まで低下させ、1MのIPTGを添加して発現を誘導した。総計45時間発酵させた後、培養物を遠心分離によって収集して、湿重量約1kgの細胞ペレットを得た。ペレットを、精製を開始するまで−80℃で凍結貯蔵した。 溶解、熱フロキュレーションおよび清澄化 生じた細胞ペーストを、周囲温度で20mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのNaClに、細胞ペースト1g当たり約4mlの比率で再懸濁させた。操作圧800〜900バールでAPV2000ホモジナイザーを2回通過させることによって細胞を溶解させた。溶解後、ホモジネートを熱交換器内で約85℃まで加熱し、20分間保持して、宿主細胞タンパク質を凝固させ、次いで、約10℃まで急速に冷却した。冷却したホモジネートを、Sorvall RC−3C遠心分離機でSorvall H6000Aローターを使用して、4,000rpmで60分遠心分離することによって清澄化した。上清をデカントし、60SP03A Zeta Plus EXTデプスフィルター(3M)を通過させ、次に0.2μmのLifeASSURE PDA滅菌カプセルを通過させ、4℃で一晩貯蔵した。 Toyopearl SuperQ−650M樹脂を使用した初回陰イオン交換捕捉 清澄化された溶解物から、周囲温度で3カラムステップを用いてGLP2−2G−XTENを単離した。負に荷電したXTENポリペプチド尾部を選択し、宿主細胞タンパク質の大部分を除去するToyopearl SuperQ−650M(Tosoh)陰イオン交換樹脂を使用してGLP2−2G−XTENを捕捉した。適切な目盛りが付いたSuperQ−650Mカラムを、5カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのNaClを用いて平衡化し、溶解物を1時間当たり120cmの直線的な流速でカラムにローディングした。次いで、カラムを3カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのNaClおよび3カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、150mMのNaClを用いて、UV吸収がベースラインに戻るまで洗浄した。GLP2−2G−XTENタンパク質を、20mMのNaCl、トリス−HCl、pH7.5中、150mMのNaClから300mMのNaClまでの直線勾配の7カラム体積を用いて溶出した。2〜8℃でプールし、貯蔵するために、全体を通して画分を採取し、SDS−PAGEによって分析した。Super Q捕捉ステップ後の産物の純度は約80%であると決定された。 GE MacroCap Q樹脂を使用した中間陰イオン交換捕捉 生じたSuperQプールを、20mMのトリス−HCl、pH7.5を用いて約4倍に希釈して、伝導率を<10mS/cmまで低下させた。適切な目盛りが付いたMacroCap Q陰イオン交換カラム(GE Life Sciences)により、全長のインタクトなXTENポリペプチド尾部を選択し、内毒素および任意の残留する宿主細胞タンパク質およびDNAの大部分を除去する。カラムを、5カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのNaClを用いて平衡化した。希釈したSuperQプールを1時間当たり120cmの直線的な流速でローディングした。次いで、カラムを、3カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、50mMのNaCl、次いで3カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、150mMのNaClを用いて、UV吸収がベースラインに戻るまで洗浄した。GLP2−2G−XTENタンパク質を、20mMのトリス−HCl、pH7.5中150mMのNaClから300mMのNaClまでの直線勾配の12カラム体積を用いて溶出した。2〜8℃でプールし、貯蔵するために、全体を通して画分を採取し、SDS−PAGEによって分析した。MacroCap Q中間のステップ後の産物の純度は>95%であると決定された。 Toyopearl、Phenyl−650M樹脂を使用した疎水性相互作用クロマトグラフィー(HIC) 適量の固体NaCl塩をMacroCap Qプール中に溶解させて、負荷を4MのNaClに調整し、次いで、0.2μmのフィルターを通して滅菌濾過した。適切な目盛りが付いたToyopearl、Phenyl−650M(Tosoh)カラムにより、GLP2ペイロードの疎水性残基を選択し、残留したXTEN断片および内毒素を除去する。カラムを、5カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、4MのNaClを用いて平衡化した。MacroCap Qプールを1時間当たり60cmの直線的な流速でローディングした。次いで、カラムを3カラム体積の20mMのトリス−HCl、pH7.5、4MのNaClで洗浄した。GLP2−2GXTENタンパク質を、20mMのトリス−HCl、pH7.5中1.2MのNaClまでの漸減勾配を用いて溶出した。溶出ピークを分別し、SDS−PAGEによって分析して、GLP2−2G−XTENの上首尾の捕捉および溶出を確認した。最終的な研磨ステップ後の産物の純度は>95%であると決定された。生じたプールを、30KDaのMWCO Pellicon XL50 Ultrafiltration Cassette(Millipore)を使用して約11mg/mlまで濃縮し、緩衝液を20mMのトリス−HCl、pH7.5、135mMのNaCl製剤緩衝液に交換した。精製されたロットのGLP2−2G−XTENをAP690と名付け、さらに使用するまで−80℃で貯蔵した。 SDS−PAGE分析 SDS−PAGE分析を、2μg、5μgおよび10μgのAP690を使用して行い、NuPAGE4〜12%Bis Tris Gel(Invitrogen)上にローディングし、次いで、200V一定で35分間流した。結果(図11A)により、AP690タンパク質が宿主細胞不純物から離れ、この分子量および組成のペイロード−XTEN融合タンパク質について予測される結果である160kDaマーカーの近くに移動したことが示された。 内毒素含量 ロットAP690の内毒素レベルを、EndoSafe PTS試験カートリッジ(Carles River)を使用して評価し、タンパク質1mg当たり3.5EUであることが決定され、これにより、AP690ロットは薬物動態試験または薬力学試験のために試験動物に注射するために適するものになった。 分析的サイズ排除HPLC ゲル濾過分析を、Phenomenex BioScp−SEC−s4000(7.8mm×600mm)カラムを使用して実施した。AP690 GLP2−2G−XTEN融合タンパク質20μgを、50mMのリン酸、pH6.5、300mMのNaClである移動相を使用し、1分当たり0.5mlの流速で分析した。OD215nmを用いて溶出をモニターした。Phenomenexのサイズ排除確認標準物質を使用し、以下のマーカー:サイログロブリン(670kDa)、IgG(156kDa)、BSA(66kDa)およびオボアルブミン(17kDa)を用いてカラム較正を実施した。結果(図11B)により、実際の重量83.1kDaの融合タンパク質について、見かけの分子量1002kDa、見かけの分子量率12.5が示された。 ESI−MSによるインタクトな質量決定 AP690 GLP2−2G−XTENタンパク質200μgを、Extract−Clean C18カラム(Discovery Sciences)を使用した固相抽出によって脱塩した。0.1%ギ酸、50%アセトニトリル中脱塩タンパク質溶液をQSTAR XL質量分光計(AB Sciex)に1分当たり4μlで注入した。多電荷TOFスペクトルを800〜1400amuの範囲内で獲得した。ゼロ電荷スペクトルをベイズ再構成によって10〜100kDaの範囲内で得た(図12)。全長のインタクトなGLP2−2G−XTENの実験的質量は83,142Daであると決定され、83,003Daの追加的な副次的なピークが検出され、これは、総タンパク質量の<5%のdes−His GLP2−2G−XTENを示す。 (実施例17) カルシウム流効力アッセイによるGLP2−XTEN in vitro受容体結合性の特徴付け GPCRProfilerアッセイ(Millipore)を用いて受容体結合アッセイを実施して、GLP2−2G−XTEN調製物(AP690を含めた)を評価した。このアッセイでは、GLP2 Gタンパク質共役受容体およびGLP2受容体のアゴニズムでカルシウム流を刺激するGアルファタンパク質で安定にトランスフェクトされたChem−11ヒト細胞からなるトランスフェクトされたGLP2R細胞株(Millipore、Cat番号HTS164C)を使用した。GLP2−2G−XTEN、合成GLP2−2Gペプチド(XTENを伴わない)および合成ネイティブGLP2ペプチドの段階希釈物を添加することによってアッセイを実施し、FLIPR TETRA計器(Molecular Devices)により、no wash calcium kit(Molecular devices)を使用してカルシウム流をリアルタイムでモニターした。図13に示されている結果を使用して、GLP2−2G−XTENについて370nMおよびGLP2−2Gペプチドについて7nMのECSO値を導出した。結果により、GLP2−2G−XTENが、GLP2−2Gと比較して約2%の効力でGLP−2受容体に結合し、それを活性化することができたことが示されている。 (実施例18) マウスにおけるGLP2−XTENの薬物動態評価 融合タンパク質GLP2−2G−XTEN_AE864を、皮下(SC)投与後のC57BL/6マウスにおけるその薬物動態的性質について評価した。雌のC57BL/6マウスに、2mg/kg(25nmol/kg)のGLP2−2G−XTEN(ロットAP498A)を0.25mg/mL(8mL/kg)でSC注射した。以下の時点のそれぞれにおいて3匹のマウスを屠殺した:投薬前、投薬後0.08時間、4時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間および120時間。血液試料をマウスから採取し、各間隔で予備冷却(prechill)したヘパリン添加チューブに入れ、遠心分離によって分離して、血漿を回収した。試料を、抗XTEN/抗XTENサンドイッチELISA(AS1405)および抗GLP2/抗XTENサンドイッチELISA(AS1717)の両方によって融合タンパク質濃度について分析し、WinNonLinを使用して結果を解析して、PKパラメータを得た。終末相半減期を24時間から120時間まで当てはめた。結果が表14および図14に示されており、どちらのアッセイによっても基本的に同等の結果が示されており、終末相半減期が31.6〜33.9時間であることが決定された。 (実施例19) ラットにおけるGLP2−XTENの薬物動態評価 融合タンパク質GLP2−2G−XTEN_AE864を、2つの異なる投与量レベルでSC投与した後のwistarラットにおけるその薬物動態的性質について評価した。実験に先立って、雌のwistarラットの頸静脈にカテーテルを外科的に埋め込んだ。カテーテル挿入した動物を、それぞれラット3匹を含有する2つの群に無作為に分けた。融合タンパク質GLP2−2G−XTEN(ロットAP510)を以下の通り各ラットにSC注射によって投与した:1)低用量2mg/kg(25nmol/kg);または2)高用量16mg/kg(200nmol/kg)。投薬前、試験化合物の投与後0.08時間、4時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間および168時間(10時点)に、各ラットから頸静脈カテーテルを通じて血液試料(約0.2mL)を採取して予備冷却したヘパリン添加チューブに入れた。ELISAによる分析のために、血液を遠心分離によって処理して血漿にし、2つの一定分量に分けた。試料を、抗XTEN/抗XTENサンドイッチELISA(AS1602)および抗GLP2/抗XTENサンドイッチELISA(AS1705)の両方によって融合タンパク質濃度について分析し、WinNonLinを使用して結果を解析して、PKパラメータを得た。終末相半減期を48時間から168時間まで当てはめた。結果が表15および図15に示されており、どちらのアッセイによっても基本的に同等の結果が示されており、終末相半減期が37.5〜49.7時間であることが決定され、これは、GLP−2およびGLP2−2Gについて報告されている終末相半減期を著しく超えている。さらに、ラットに25nmol/kgおよび200nmol/kgで単回皮下投与した後のGLP2−2G−XTENの薬物動態プロファイルは用量に比例し、CmaxおよびAUCがほぼ直線的に増大した。 (実施例20) カニクイザルにおけるGLP2−XTENの薬物動態評価 融合タンパク質GLP2−2G−XTEN_AE864を、融合タンパク質を単一の投与量レベルで皮下または静脈内のいずれかに投与した後の雄のカニクイザルにおけるその薬物動態的性質について評価した。時間0において、2mg/kg(25nmol/kg)のGLP2−2G−XTENを、雄のカニクイザル3匹にIV注射し、雄のカニクイザル3匹にSC注射した。試験の第1相については、投薬前および、融合タンパク質の投与後およそ0.083時間(5分)、1時間、2時間、4時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、168時間、216時間、264時間、および336時間に各サルから血液試料を採取して予備冷却したヘパリン添加チューブに入れた。6週間(第1相の最後の採取時点後4週間)にわたって動物に「洗い出し」させ、群をクロスオーバーさせ(SCからIVへ、およびIVからSCへ)、同じ用量のGLP2−2G−XTEN融合タンパク質を再度投薬した。試験の第2相では、投薬前、および投薬後およそ0.083時間(5分)、1時間、2時間、4時間時間、8時間、24時間、48時間、72時間、96時間、120時間、168時間、216時間、264時間、336時間、384時間、432時間、および504時間において血液試料を採取した。ELISAによる分析のために、全ての血液試料を遠心分離によって処理して血漿にし、2つの一定分量に分けた。試料を、抗GLP2/抗XTEN ELISA(AS1705)によって融合タンパク質濃度について分析し、WinNonLinを使用して結果を解析して、PKパラメータを得た。結果が表16および図16に示されており、GLP2−2G−XTEN_AE864融合タンパク質についての終末相半減期がIVに関しては110時間であり、SC投与に関しては120時間であることが決定された。生物学的利用能は96%であり、これは、GLP2−2G−XTENが皮下投与後に急速かつほぼ完全に吸収されたことを実証している。 PK分析の累積的な結果を、3つの種(マウス、ラットおよびサル)からのデータを使用したGLP2−2G_AE864の終末相半減期、クリアランスおよび分布容積のアロメトリックスケーリングを実施するために使用した。70kgのヒトについての薬物動態値を、図17に示されている通り、体重と各薬物動態パラメータの間の対数直線関係を外挿することによって予測した。終末相半減期、分布容積およびクリアランスデータが表17に示されている。予測されたヒトにおける終末相半減期は240時間であり、これは報告されているヒトにおけるテデュグルチドの終末相半減期3.2時間を著しく超える(Marier, J−Fら、Pharmacokinetics, Safety, and Tolerability of Teduglutide, a Glucagon−like Peptide−2 (GLP−2) Analog, Following Multiple Ascending Subcutaneous Administrations in Healthy Subjects.、J Clin, Pharmacol(2008年)48巻:1289〜1299頁)。ヒトにおける終末相半減期は、クリアランス(Cl)および分布容積(Vd)の予測値を使用して、0.693×Vd/Clとして推定することもできる。この式を適用することにより、ヒトにおける終末相半減期は230時間であることが予測され、これは、動物のT1/2データの外挿とよく一致し、ネイティブなGLP−2およびGLP2−2Gについて報告されている終末相半減期を著しく超える。 (実施例21) 動物モデルにおけるGLP2−XTENの薬力学的評価 GLP2−2G−XTEN_AE864融合タンパク質のin vivoにおける薬理活性を、正常なラットにおける腸栄養性成長およびマウスDSS−大腸炎およびラットクローン病における有効性の前臨床モデルを使用して評価した。 正常なラットにおけるGLP2−2G−XTEN−AE864のin vivo評価 GLP2−XTENの腸栄養性を決定するために、ラットにおける小腸の成長を主要な薬力学的エンドポイントとして測定した。GLP2−2G−XTEN−AE864融合タンパク質、GLP2−2Gペプチド、またはビヒクルを200〜220グラムの雄のスプラーグドーリー(Sprague−Dawley)ラットに皮下注射によって投与した(群当たりラット10〜12匹)。GLP2−2Gペプチドを、以前に公開されたレジメンを用い、12.5nmol/kg(0.05mg/kg)を1日2回、12日間投薬した。25nmol/kgのGLP2−2G−XTENを1日1回、12日間投薬した。屠殺後に正中線切開を行い、小腸を取り出し、それらの最大長まで伸ばし、長さを記録した。内腔から糞便材料を洗い流し、小腸の湿重量を記録した。小腸の長さおよび重量のデータを、ペアワイズ比較のためにチューキー/クレーマーポストホック検定をp=0.05の有意性で用いたANOVAモデルを用いて解析した。 結果:GLP2−2Gペプチドで12日間(標準の1日2回投薬レジメンを用いて、12.5nmol/kg/用量)処置することにより、小腸の重量が24%有意に増大した(図???A)。小腸の長さに対する有意な効果はなかった。等モルのGLP2−2G−XTENを12日間の試験にわたって投与すること(25nmol/kg/用量、1日1回)により、同様に、小腸の重量が31%有意に増大した。GLP2−2Gペプチドで見られた結果とは対照的に、GLP2−2G−XTENで処置したラットの小腸では、長さに9%(10cm)の有意な増大が示され、また、ビヒクルで処置した対照動物由来の組織よりも目に見えて厚かった(図18)。 結論:試験の結果により、GLP2−2G−XTENにより、等しいnmol/kg投薬を使用したGLP2−2Gペプチドと同様に良好な、またはそれよりも良好な小腸の成長が誘導されたことが示されている。 マウス急性DSS誘導性大腸炎モデルにおけるGLP2−2G−XTEN−AE864のin vivo評価 GLP2−XTENの有効性を決定するために、腸炎症性大腸炎(intestinal inflammatory colitis)のマウスモデルにおいてGLP2−2G−XTEN−AE864融合タンパク質を評価した。雌のC57BL/6マウス(9〜10週齢)において、マウスに、飲料水に溶解させた4.5%デキストラン硫酸ナトリウム(DSS)を、10日間、約20%の体重減少が観察されるまで与えることによって大腸炎(intestinal colitis)を誘導した。ナイーブな無処置の対照群(群1)には実験の持続時間にわたって普通の飲料水を与えた。DSS処置群(群2〜7)を、ビヒクル(群2)、GLP2−2Gペプチド(XTENなし)(群3)またはGLP2−2G−XTEN(ロットAP5100(群4〜7)を用いてSC処置した。処置用量およびレジメンは以下の表18に概説されており、GLP−2Gペプチドは、1日目〜10日目に1日2回投与し、一方、融合タンパク質については、1日目〜10日目に、1日1回朝に投与し、夜にはビヒクル対照を投与した。測定パラメータは、体重(毎日記録した)、ならびに実験の10日目に決定した以下のターミナルエンドポイントを含んだ:結腸の重量および長さ、小腸の重量および長さ、ならびに胃の重量。組織をホルマリン中に固定し、次いで、染色および病理組織検査のためにエタノールに移した。解剖学的データを、ペアワイズ比較のためにチューキー/クレーマーポストホック検定をp=0.05の有意性で用いたANOVAモデルを用いて解析した。 結果:体重、結腸の長さおよび重量、小腸の重量および長さ、ならびに胃の重量に対する処置の効果を屠殺日に評価した。DSS処置したマウスでは、対照マウスと比較して、体重に予測された有意な減少が示されたが(図19を参照されたい)、GLP2−2Gペプチドで処置したマウスにおいても、GLP2−2GXTENのいずれの用量で処置したマウスの群のいずれにおいても、マウスは実験の間に体重減少の減少の低下を示さなかった。結腸、小腸および胃に対する処置の効果に関して、統計的に有意な変化があったパラメータは、対照群1および対照群2と比較したGLP2−2G−XTEN高用量群(6mg/kg)における小腸の重量の増大、および群1(データは示していない)と比較したGLP2−2G−XTEN中用量群(2mg/kg)における小腸の重量の増大である。目下の試験において、GLP2−2Gペプチドにより、アッセイした組織の有意な成長は誘導されなかった。群2(DSS/ビヒクル処置)および群4(DSS/GLP2−2G−XTEN、6mg/kg、1日1回処置)に対して病理組織検査を実施した。検査の結果により、ビヒクルで処置したマウス由来の小腸試料が、軽度〜中程度の、および顕著な程度の粘膜の萎縮を示したことが示された(図20A、Bを参照されたい)。粘膜は、発育阻止された絨毛(高さの低下)によって低密度に裏打ちされ、粘膜の厚さが減少した。対照的に、1日1回、6mg/kgのGLP2−2G−XTENで処置したマウス由来の小腸試料は、正常な粘膜構成を示し、伸長した絨毛が円柱上皮細胞および杯細胞に高密度に集合していた(図20C、Dを参照されたい)。この結果により、本実験の条件下で、GLP2−2G−XTEN融合タンパク質で処置することにより、腸がDSSの炎症作用から保護され、正常な絨毛および粘膜構成が維持されるという結論が裏付けられる。 ラットクローン病インドメタシン誘導性炎症モデルにおけるGLP2−2G−XTENの有効性とGLP2−2Gペプチドの有効性 単回投薬または1日1回投薬を用いたGLP2−XTENの有効性を決定するために、インドメタシン誘導性小腸炎のクローン病のラットモデルにおいて、3つの別々の試験でGLP2−2GXTEN−AE864融合タンパク質を評価した。 試験1:雄のwistarラット(Harlan Sprague Dawley)80匹において、実験の0日目および1日目にインドメタシンを投与して小腸炎を誘導した。ラットを、表19よる処置のために7つの処置群に分けた。 全ての処置を実験の−3日目に開始し、スケジュールに従って施した。体重を毎日決定した。群3および群5には、1日当たり等モルを投薬した。2日目(2回目のインドメタシン投薬の24時間後)に、動物に対して屠殺および分析の準備をした。潰瘍、および炎症の程度を病理組織検査分析によって可視化するために、屠殺する30分前に、ラットに1%Evans Blue色素1mlを静脈内注射した。ラットに麻酔をかけ(SOP1810)、血液試料を取り出して、抗XTEN/抗GLP2 ELISA法を用いてGLP−2−2G−XTENの濃度を決定した。次いで、ラットを安楽死させ、剖検し、腸の大まかな検査によって癒着の存在に対してスコアをつけた;すなわち、なし=0、軽度=1、中程度=2、または重度=3。小腸を取り出し、それぞれの長さを記録した。各小腸において、縦切開を行い、内部を検査した。潰瘍が形成された領域の程度および長さをスコア;すなわち、なし=0、少数=1、多数=2、または連続的=3として記録した。TNFαを決定するために、腸試料を解凍し、DPBSを用いてホモジナイズして合計20mlにした。上清を室温に対して平衡化し、ELISA(R&D Systems、Cat.RTAOO、ロット281687、有効期限07年9月11日)によってTNFαについてアッセイした。群1についての試料は希釈せずにアッセイした。群2〜7についての試料は1:4希釈した。病理組織検査のために、小腸を生理食塩水で穏やかに洗浄して糞便材料を除去し、過剰な流体を吸い取って除去した。各小腸を秤量し、次いで、炎症の程度;すなわち、.0%=0、1〜33%=1、34〜66%=2、67〜100%=3を定量化するための病理組織検査のために処理した。 結果:体重および種々の小腸パラメータについての値およびスコアは、図21にグラフで示されている。群2の対照動物についてのパラメータおよびスコアの変化と、それに対する群1の健康な対照についてのパラメータおよびスコアの変化により、このモデルが疾患過程を表していることが示される。体重の結果(図21A)により、GLP2−2Gでは疾患対照(群2)と比較して有意な体重の増大がなかったが、GLP−2−2G−XTEN群では有意な増大が実証されたことが示されている。小腸の長さからの結果(図21B)では、GLP−2−2Gペプチド処置とGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質処置のどちらによっても有意な増大が示され、後者では非疾患対照(群1)と等しい長さがもたらされた。小腸の重量からの結果(図21C)では、0.5mg/kgのGLP−2−2Gペプチド群とGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質群のどちらにおいても、疾患対照群2と比較して有意な増大が示された。大まかな小腸の病態スコアリングに基づいて、GLP−2−2Gペプチド処置とGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質処置のどちらによっても、潰瘍形成が有意に減少し(図21D)、6mg/kgの融合タンパク質により、非疾患対照(群1)と有意に異ならないスコアがもたらされた。癒着およびトランス潰瘍形成のスコアリング(図21E)に基づいて、GLP−2−2Gペプチド処置とGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質処置のどちらによっても疾患対照(群2)と比較して有意な減少が示され、2mg/kgおよび6mg/kgの融合タンパク質により、非疾患対照(群1)と有意に異ならないスコアがもたらされた。小腸の炎症のスコアリング(図21F)に基づいて、GLP−2−2Gペプチド処置でもGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質処置でも炎症に対する有意な効果は示されなかった。TNFαアッセイ(図21G)に基づいて、GLP−2−2Gペプチド処置とGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質処置のどちらによっても、疾患対照群2と比較してサイトカインレベルの有意な減少が示された。 結論:試験の結果により、インドメタシン誘導性小腸損傷の改善において、GLP2−2G−XTENにより、等しいnmol/kg投薬を使用したGLP2−2Gペプチドと同様に良好な、またはそれよりも良好な有効性がもたらされたことが示されている。 試験2:雄のwistarラット(Harlan Sprague Dawley)80匹において、実験の0日目および1日目にインドメタシンを投与することによって小腸炎を誘導した。表20による処置のために、ラットを8つの処置群に分けた。 全ての処置を実験の−3日目に開始し、スケジュールに従って施した。体重を毎日決定した。2日目(2回目のインドメタシン投薬の24時間後)に、動物に対して屠殺および分析の準備をした。潰瘍、および炎症の程度を病理組織検査分析によって可視化するために、屠殺する30分前に、ラットに1%Evans Blue色素1mlを静脈内注射した。ラットに麻酔をかけ、血液試料を取り出して、抗XTEN/抗GLP2 ELISA法を用いてGLP−2−2G−XTENの濃度を決定した。次いで、ラットを安楽死させ、剖検し、腸の大まかな検査によって癒着の存在に対してスコアをつけた;すなわち、なし=0、軽度=1、中程度=2、または重度=3。小腸を取り出し、それぞれの長さを記録した。各小腸において、縦切開を行い、内部を検査した。潰瘍が形成された領域の程度および長さをスコア;すなわち、なし=0、少数=1、多数の=2、または連続的=3として記録した。生理食塩水を用いて糞便材料を洗い流し、過剰な流体を吸い取って除去し、各小腸を秤量し、次いで、炎症の程度;すなわち、.0%=0、1〜33%=1、34〜66%=2、67〜100%=3を定量化するための病理組織検査のために処理した。 結果:種々のパラメータについてのスコアが図22にグラフで示されている。ビヒクル陰性対照群では、インドメタシン処置に起因する大まかな病理的変化が回腸および空腸において最も重度であり、この群の評価による総疾患スコアは8.5〜9であった。種々のGLP−2−2Gペプチド処置群およびGLP−2−2G−XTEN処置群のうち、GLP−2−2Gペプチドは1日2回送達し、GLP−2−2G−XTENは1日1回送達し、6mg/kgまたは2mg/kgでのGLP−2−2G−XTENの単回投薬により、インドメタシンで処置したビヒクル対照群と比較してスコアが有意に改善された。トランス潰瘍形成スコアでは、総疾患スコアと同じ処置群が統計的有意性に達した(図22A、星印はビヒクル群と比較した統計的有意差を示す)。癒着スコア分析では、インドメタシンで処置したビヒクル対照群は、最大スコア3に近づいた(図22B)。1日1回GLP−2−2G−XTENで処置することにより、癒着からほぼ完全に保護され、単回の高用量6mg/kgmpGLP−2−2G−XTEN群は、毎日2回投薬したGLP−2−2Gペプチド群と同様に、ビヒクル対照と比較して統計的有意差に達した(図中の星印は統計的有意差を示す)。小腸の長さの分析では(100%に対して正規化したインドメタシン無処置群を用いた)、1日1回GLP−2−2G−XTENで処置した群および毎日2回投薬したGLP−2−2Gペプチド群は、インドメタシンで処置したビヒクル対照群と比較して統計的有意差に達した。病理組織検査の評価所見は、大まかな病態所見と基本的に同様であった。ビヒクル対照群におけるインドメタシン処置に起因する病理組織学的変化は回腸および空腸において最も重度であった。ビヒクル対照群では、重度の粘膜の萎縮、潰瘍形成および浸潤が示された(図23A)。毎日2回のGLP−2−2Gペプチド処置および1日1回のGLP−2−2G−XTEN処置の保護効果は回腸において最も著しかったが、空腸においても見られた。群3では、1匹のラットが基本的に正常な組織を有したが(図23B)、2匹のラットがそれぞれ潰瘍形成および浸潤を示したが萎縮はなく、2匹のラットが、ビヒクル対照疾患群2と同様の病理組織学的変化を有した。群4(図23D)では、保護効果が示され、2匹のラットが基本的に正常な組織を有し、1匹のラットが萎縮または潰瘍形成は示さなかったがわずかな浸潤があり、1匹のラットでは萎縮はなかったがわずかな潰瘍形成および浸潤があり、1匹のラットがビヒクル対照疾患群2と同様の病理組織学的変化を有した。群7では保護効果が示され、1匹のラットが基本的に正常な組織を有し、2匹のラットでは潰瘍形成または浸潤はなかったが筋肉の萎縮を示し、2匹のラットがビヒクル対照疾患群2と同様の病理組織学的変化を有した。群8(図23C)では保護効果が示され、1匹のラットでは潰瘍形成または浸潤がなく、1匹のラットでは潰瘍形成および浸潤が減少し、3匹のラットがビヒクル対照疾患群2と同様の病理組織学的変化を有した。ELISAの結果により、群4および群8の全ての動物、および群7の3匹のラットにおいて、2日目にGLP−2−2G−XTEN融合タンパク質が検出可能であったことが示されている。 この結果により、本実験の条件下で、GLP2−2G−XTEN融合タンパク質で処置することにより、腸がインドメタシンの炎症作用から有意に保護され、2mg/kgを毎日投薬することにより最大の有効性が示され、6mg/kgまたは2mg/kgを単回投薬することにより、いくつかのパラメータにおいて有意な効力が示されるという結論が裏付けられる。 試験3:第3のインドメタシン誘導性炎症試験を実施して、以前の結果を検証し、追加的な用量レジメンについて試験した。雄のwistarラット(Harlan Sprague Dawley)において、表21に従って実験の0日目および1日目にインドメタシンを投与して小腸炎を誘導した。 全ての処置を実験の−3日目に開始し、スケジュールに従って施した。体重を毎日決定した。2日目(2回目のインドメタシン投薬の24時間後)に、動物に対して屠殺および分析の準備をした。小腸を取り出し、それぞれの長さを記録した。試料のサブセットに対して定量的病理組織検査を実施した。ラット小腸試料は、幽門からそれぞれ15cmおよび30cmで採取した近位空腸(proximal jejunum)の3cmの切片および中位空腸(mid−jejunum)の3cmの切片採取からなった。試料を10%の中性緩衝ホルマリン中に固定した。試料の不要な部分を切り取って、病変の存在または不在に対して偏りのない多数の切片にした。これらの切片をカセットに入れ、パラフィンに包埋し、およそ4ミクロンの厚さにミクロトーム処理し、ヘマトキシリン・エオシンで染色した(H&E)。スライドを専門委員会によって認可された動物病理医が顕微鏡レベルで評価し、絨毛の高さならびに浸潤/炎症、粘膜の萎縮、絨毛/陰窩の外観、膿瘍/潰瘍形成についてスコアをつけた。1=最小、2=軽度、3=中程度、4=著しい/重度の1〜4重症度分類尺度を使用し、これは、病理組織学的に見られる細胞の反応の組合せを反映する。小腸の長さを、ペアワイズ比較のためにチューキー/クレーマーポストホック検定をp=0.05の有意性で用いたANOVAモデルを用いて分析した。ノンパラメトリック組織学的検査スコア変数を、全体的なアルファ0.05を創出するためにp値に対してボンフェローニ補正を用いたマン−ホイットニーU検定を用いてビヒクル対照と比較した。 結果:最初の試験において見られるように、GLP2−2G−XTEN処置した疾患にかかっているラットの小腸の長さが、ビヒクルで処置した疾患にかかっているラットと比較して増大した(図24A)。この増大は、絨毛の高さの有意な増大と相関した(図24B)。高用量(総用量125nmol/kg)のGLP2−2G−XTEN処置群および低用量(総用量75nmol/kg)のGLP2−2G−XTEN処置群のどちらにおいても、絨毛の高さの有意な増大が示され、ペプチド処置したラットにおいて見られた絨毛の高さの増大は有意でなかった。高用量のGLP2−2G−XTENで処置したラットおよび低用量のGLP2−2G−XTENで処置したラットのどちらでも、ビヒクルで処置した疾患にかかっているラットよりも有意に低い粘膜の萎縮スコアが示されたので、粘膜の萎縮も有意に減少した(図24C)。GLP2−2G−XTEN処置後およびGLP2−2Gペプチド処置後に粘膜の潰瘍形成の減少および混合細胞の浸潤が示される傾向があったが、これらの結果は、3つの処置群のいずれに対しても有意ではなかった。 結論:病理組織学的結果により、GLP2−2G−XTENにより、インドメタシン誘導性小腸損傷の改善において、GLP2−2Gペプチドと同様に良好なまたはそれよりも良好な有効性がもたらされるという結論が裏付けられる。さらに、75nmol/kgのGLP2−2G−XTENを1回投薬することまたは25nmol/kgのGLP2−2G−XTENを3回投薬することは、12.5nmol/kgのGLP2−2Gペプチドを10回投薬することと有効性が同様である。 (実施例22) GLP−2を含むGLP2−XTENを評価するためのヒト臨床試験設計 実施例18〜20において実証されている通り、XTENをGLP−2−2グリシンのC末端に融合することにより、GLP−2またはGLP−2−2Gペプチドのネイティブな形態として公知のものと比較して半減期が改善され、これにより、そのようなGLP2−XTENを含有する融合タンパク質組成物を用いると、投薬頻度を減少させ、それでもなお臨床的な有効性をもたらすことができると考えられる。GLP2−XTEN融合タンパク質とGLP−2(またはGLP−2−2Gペプチド)製剤を比較するヒトにおける臨床試験を実施して、現行のまたは実験的なモダリティと比較してGLP2−XTEN結合融合タンパク質組成物の有効性および利点を確立する。そのような試験は、3つの相を含む。最初に、成人患者において第I相安全性および薬物動態試験を行って、ヒト(例えば、正常な健康なボランティア被験体)における最大耐量ならびに薬物動態的性質および薬力学的性質を決定するとともに、その後の研究においてネックになる潜在的な毒性および有害事象を定義する。第I相試験は、本明細書に開示されているものなどのGLP2−XTEN組成物を単回漸増投薬で所望の経路によって(例えば、皮下経路、筋肉内経路、または静脈内経路によって)投与し、生化学的パラメータ、PKパラメータ、および臨床的パラメータを定義済みの間隔で測定するとともに有害事象を測定して行う。第Ib相試験は、複数回投薬し、その後に同様に生化学的パラメータ、PKパラメータ、および臨床的パラメータを定義済みの間隔で測定する。これにより、最小の有効用量および最大耐量を決定し、活性成分の治療域を構成する投与量および循環薬物の閾値および最大濃度を確立することが可能になる。この情報から、GLP2−XTEN組成物(XTENと連結していないGLP−2と比較して)をより低頻度で投与し、それでも薬理的応答を保持することが可能になる用量および投薬スケジュールを得る。その後、GLP−2に関連付けられる状態を有する患者において、その投薬条件下でのGLP2−XTEN組成物の有効性および安全性を検証する第II相臨床試験および第III相臨床試験を行う。臨床試験は、ネイティブなGLP−2または所与の状態に対する標準治療により臨床的利益がもたらされ得ることが予測される任意の疾患に罹患している患者において行うことができる。例えば、そのような適応症としては、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、小腸の粘膜の損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、虚血、および脳卒中が挙げられる。試験では、患者を、処置する前、その間またはその後に、それぞれの適応症に関連する生理的パラメータおよび臨床的パラメータ、例えば、体重増加、炎症、サイトカインレベル、疼痛、腸の機能、食欲、熱性エピソード、創傷治癒、グルコースレベル;空腹満腹の増強または加速;プラセボまたは陽性対照群と比較して追跡されるパラメータの変化についてモニターする。標準の統計学的方法を用いて有効性転帰を決定する。毒性および有害事象のマーカーも本試験で追跡して、化合物が、記載されている様式で使用した場合に安全であることを検証する。 (実施例23) 切断配列を有するGLP2−XTEN FXIaによって放出可能なC末端XTEN 図7に示されている通り、GLP−2構成成分とXTEN構成成分の間に位置づけられたXTEN放出部位切断配列を有する、GLP−2のC末端と融合したXTENタンパク質からなるGLP2−XTEN融合タンパク質を創出することができる。例示的な配列が表34において提供される。この場合、放出部位切断配列は、FXIaプロテアーゼ(EC3.4.21.27、Uniprot P03951)によって認識され、切断されるアミノ酸配列を含有するGLP2−XTENに組み入れることができる。具体的には、アミノ酸配列KLTRAETが、その配列のアルギニンの後ろでFXIaプロテアーゼによってカットされる。FXIは、内因性または接触により活性化された凝固経路内のFVIIIの直前に位置する凝血原プロテアーゼである。活性なFXIaはFXIIaによってチモーゲンがタンパク質切断されることによってFXIから生成する。FXIaの生成は、しっかりと制御されており、適切な止血のために凝固が必要である場合にのみ起こる。したがって、KLTRAET切断配列を組み込むことにより、GLP2−XTENに近接する内因性凝固経路の活性化と同時発生的にGLP−2からXTENドメインが取り除かれる。 エラスターゼ−2によって放出可能なC末端XTEN 図7に示されている通り、GLP−2構成成分とXTEN構成成分の間に位置づけられたXTEN放出部位切断配列を有する、GLP−2のC末端と融合したXTENタンパク質からなるGLP2−XTEN融合タンパク質を創出することができる。例示的な配列が表34において提供される。この場合、放出部位は、エラスターゼ−2プロテアーゼ(EC3.4.21.37、Uniprot P08246)によって認識され、切断されるアミノ酸配列を含有する。具体的には、配列LGPVSGVP[Rawlings N.D.ら(2008年)Nucleic Acids Res.、36巻:D320頁]が、その配列内の4位の後ろでカットされる。エラスターゼは、好中球によって構成的に発現され、循環中にいつでも存在するが、特に急性炎症の間に存在する。したがって、長寿命のGLP2−XTENが循環するにしたがい、特に、炎症応答の間(例えば、腸の炎症)に局所的にその画分が切断され、それにより、例えばクローン病における、GLP−2が最も必要とされる炎症部位でより短寿命のGLP−2のプールが創出される。 MMP−12によって放出可能なC末端XTEN 図7に示されている通り、GLP−2構成成分とXTEN構成成分の間に位置づけられたXTEN放出部位切断配列を有する、GLP−2のC末端と融合したXTENタンパク質からなるGLP2−XTEN融合タンパク質を創出することができる。例示的な配列が表34において提供される。この場合、放出部位は、MMP−12プロテアーゼ(EC3.4.24.65、Uniprot P39900)によって認識され、切断されるアミノ酸配列を含有する。具体的には、配列GPAGLGGA[Rawlings N.D.ら(2008年)Nucleic Acids Res.、36巻:D320頁]が、その配列の4位の後ろでカットされる。MMP−12は、全血中で構成的に発現される。したがって、GLP2−XTENが循環するにしたがい、その画分が切断され、それにより、使用されるより短寿命のGLP−2のプールが創出される。本発明の組成物の望ましい特徴では、これにより、予防的な量のGLP−2を絶えず放出し、例えばクローン病における、GLP−2が最も必要とされる炎症応答の間にはより多くの量を放出する、循環プロドラッグデポ剤が創出される。 MMP−13によって放出可能なC末端XTEN 図7に示されている通り、GLP−2構成成分とXTEN構成成分の間に位置づけられたXTEN放出部位切断配列を有する、GLP−2のC末端と融合したXTENタンパク質からなるGLP2−XTEN融合タンパク質を創出することができる。例示的な配列が表34において提供される。この場合、放出部位は、MMP−13プロテアーゼ(EC3.4.24.−、Uniprot P45452)によって認識され、切断されるアミノ酸配列を含有する。具体的には、配列GPAGLRGA[Rawlings N.D.ら(2008年)Nucleic Acids Res.、36巻:D320頁]が、4位の後ろでカットされる。MMP−13は、全血中で構成的に発現される。したがって、長寿命のGLP2−XTENが循環するにしたがい、その画分が切断され、それにより、使用されるより短寿命のGLP−2のプールが創出される。本発明の組成物の望ましい特徴では、これにより、予防的な量のGLP−2を絶えず放出し、例えばクローン病における、GLP−2が最も必要とされる炎症応答の間にはより多くの量を放出する、循環プロドラッグデポ剤が創出される。 MMP−17によって放出可能なC末端XTEN 図7に示されている通り、GLP−2構成成分とXTEN構成成分の間に位置づけられたXTEN放出部位切断配列を有する、GLP−2のC末端と融合したXTENタンパク質からなるGLP2−XTEN融合タンパク質を創出することができる。例示的な配列が表34において提供される。この場合、放出部位は、MMP−20プロテアーゼ(EC.3.4.24.−、Uniprot Q9ULZ9)によって認識され、切断されるアミノ酸配列を含有する。具体的には、配列APLGLRLR[Rawlings N.D.ら(2008年)Nucleic Acids Res.、36巻:D320頁]が、その配列内の4位の後ろでカットされる。MMP−17は、全血中で構成的に発現される。したがって、GLP2−XTENが循環するにしたがい、その画分が切断され、それにより、使用されるより短寿命のGLP−2のプールが創出される。本発明の組成物の望ましい特徴では、これにより、予防的な量のGLP−2を絶えず放出し、例えばクローン病における、GLP−2が最も必要とされる炎症応答の間にはより多くの量を放出する、循環プロドラッグデポ剤が創出される。 MMP−20によって放出可能なC末端XTEN 図7に示されている通り、GLP−2構成成分とXTEN構成成分の間に位置づけられたXTEN放出部位切断配列を有する、GLP−2のC末端と融合したXTENタンパク質からなるGLP2−XTEN融合タンパク質を創出することができる。例示的な配列が表34において提供される。この場合、放出部位は、MMP−20プロテアーゼ(EC.3.4.24.−、Uniprot 060882)によって認識され、切断されるアミノ酸配列を含有する。具体的には、配列PALPLVAQ[Ravvlings N.D.ら(2008年)Nucleic Acids Res.、36巻:D320頁]が、4位の後ろでカットされる(矢印で示されている)。MMP−20は、全血中で構成的に発現される。したがって、GLP2−XTENが循環するにしたがい、その画分が切断され、それにより、使用されるより短寿命のGLP−2のプールが創出される。本発明の組成物の望ましい特徴では、これにより、予防的な量のGLP−2を絶えず放出し、例えばクローン病における、GLP−2が最も必要とされる炎症応答の間にはより多くの量を放出する、循環プロドラッグデポ剤が創出される。 C末端XTENの放出速度の最適化 C末端XTENの放出速度が変更された、実施例の前述の構築物の変異体を創出することができる。XTEN放出プロテアーゼによるXTEN放出の速度は、XTEN放出部位の配列に左右され、XTEN放出部位のアミノ酸配列を変動させることにより、XTEN放出の速度を制御することができる。多くのプロテアーゼの配列特異性は当技術分野において周知であり、いくつかのデータベースにおいて実証されている。この場合、プロテアーゼのアミノ酸特異性を、基質のコンビナトリアルライブラリーを用いて[Harris, JLら(2000年)Proc Natl Acad Sci USA、97巻:7754頁]、または、[Schellenberger, V,ら(1993年)Biochemistry、32巻:4344頁]において例示されている基質混合物の切断に従うことによってマッピングする。代替法は、最適なプロテアーゼ切断配列をファージディスプレイによって同定することである[Matthews, D.ら(1993年)Science、260巻:1113頁]。変異体配列を用いて構築物を作出し、XTENを検出するための標準のアッセイを用いてXTEN放出についてアッセイする。 (実施例24) 大きなXTEN分子の体内分布 長いXTEN融合物を有する構築物が組織中に浸透することができることを検証するために、蛍光タグを付けた3つの構築物、aHer2−XTEN−864−Alexa680、aHer2−XTEN−576−Alexa680、およびaHer2−XTEN−288−Alexa680の体内分布をマウスにおいて蛍光イメージングを用いて試験した。aHer2ペイロードは、Her2抗原との結合に特異的なscFv断片であり、正常な組織では見いだされない(したがって、正常な動物における体内分布に影響を及ぼさないはずである)。この試験は、対照抗体として、蛍光タグを付けたハーセプチン−Alexa680も包含した。マウスに各作用剤を単回静脈内注射した。72時間後に、全群を安楽死させ、肝臓、肺、心臓、脾臓および腎臓をex vivoで蛍光イメージングを用いて画像化した。データが表22に示されている。 結論:全ての構築物がアッセイした全ての組織への有意な浸透を示した。XTEN_576群およびXTEN_288群の全体的な蛍光シグナルが低いことは、72時間の分布時間にわたってより短いXTEN構築物のクリアランスが増大したことに起因する。抗体対照を含めた全群について、総シグナルに対して同様の肺の蛍光の割合が観察され、これにより、これらの条件下で、XTEN融合タンパク質構築物を組織において生物が利用可能であることが裏付けられる。 (実施例25) 多様なペイロードを有するXTEN融合タンパク質の分析的サイズ排除クロマトグラフィー 種々の治療用タンパク質、および長さを次第に増大させた非構造化組換えタンパク質を含有する融合タンパク質に対してサイズ排除クロマトグラフィー分析を実施した。例示的なアッセイでは、TSKGel−G4000SWXL(7.8mm×30cm)カラムを使用し、1mg/mlの濃度の精製グルカゴン融合タンパク質40μgを20mMのリン酸、pH6.8、114mMのNaCl中、1分当たり0.6mlの流速で分離した。OD214nmおよびOD280nmを使用してクロマトグラムプロファイルをモニターした。全てのアッセイについてのカラム較正を、BioRadのサイズ排除較正標準物質を使用して実施し、マーカーは、サイログロブリン(670kDa)、ウシガンマ−グロブリン(158kDa)、ニワトリオボアルブミン(44kDa)、ウマミオグロビン(17kDa)およびビタミンB12(1.35kDa)を含む。グルカゴン−Y288、グルカゴン−Y144、グルカゴン−Y72、グルカゴン−Y36の代表的なクロマトグラフィーのプロファイルは、図25においてオーバーレイとして示されている。データにより、各化合物の見かけの分子量が、付着しているXTEN配列の長さに比例することが示されている。しかし、データにより、各構築物の見かけの分子量が、球状タンパク質について予測される分子量よりも有意に大きいことも示されている(同じアッセイにおいて行った標準タンパク質との比較によって示されている通り)。評価した全ての構築物についてのSEC分析に基づいて、見かけの分子量、見かけの分子量率(見かけの分子量と算出された分子量の比として表される)、および流体力学的半径(RH、nm単位)が表23に示されている。結果により、576アミノ酸以上の種々のXTENを組み込むことにより、融合タンパク質におよそ339〜760kDaの見かけの分子量が付与されること、および864アミノ酸以上のXTENにより、少なくともおよそ800kDaを超える見かけの分子量が付与されることが示されている。実際の分子量に対して見かけの分子量が比例的に増大するという結果は、いくつかの異なるモチーフファミリー、すなわち、AD、AE、AF、AG、およびAM由来のXTENを用いて創出した融合タンパク質に一貫しており、少なくとも4倍の増大および約17倍高い比が伴った。さらに、576アミノ酸以上のXTEN融合パートナーを種々のペイロードを有する融合タンパク質に組み込むこと(および、Y288と融合したグルカゴンの場合では288残基)により、7nm以上の流体力学的半径がもたらされ、これはおよそ3〜5nmである糸球体の孔径を十分に越える。したがって、成長およびXTENを含む融合タンパク質の腎臓クリアランスは低下し、これは、対応する融合していない生物学的ペイロードタンパク質と比較して終末相半減期の増大および治療効果または生物学的効果の改善に寄与することが予想される。 (実施例26) カニクイザルにおけるGFPと融合した延長ポリペプチドの薬物動態 非構造化ポリペプチドの組成および長さのPKパラメータに対する影響を決定するために、GFP−L288、GFP−L576、GFP−XTEN_AF576、GFP−XTEN_Y576およびXTEN_AD836−GFPの薬物動態をカニクイザルにおいて試験した。注射後の種々の時間において血液試料を分析し、血漿中のGFPの濃度を、捕捉用にGFPに対するポリクローナル抗体、および検出用に同じポリクローナル抗体のビオチン化調製物を使用したELISAによって測定した。結果が図26に要約されている。XTEN配列の長さが増大するとともに驚くべき半減期の増大を示す。例えば、GFP−XTEN_L288(XTENに288アミノ酸残基が伴う)について10時間の半減期が決定された。非構造化ポリペプチド融合パートナーの長さを576アミノ酸に倍加することにより、多数の融合タンパク質構築物、すなわち、GFP−XTEN_L576、GFP−XTEN_AF576、GFP−XTEN_Y576について半減期が20〜22時間に増大した。非構造化ポリペプチド融合パートナーの長さを836残基にさらに増大させることにより、XTEN_AD836−GFPの半減期が72〜75時間になった。したがって、ポリマーの長さを288残基から576残基まで288残基増大することにより、in vivo半減期が約10時間増大した。しかし、ポリペプチドの長さを576残基から836残基まで260残基増大させることにより、半減期は50時間超増大した。これらの結果により、非構造化ポリペプチドの長さに、比例的増大を超えるin vivo半減期がもたらさされる驚くべき閾値があることが示されている。したがって、延長した非構造化ポリペプチドを含む融合タンパク質は、長さがより短いポリペプチドと比較して薬物動態が増強された性質を有することが予測される。 (実施例27) XTENの血清安定性 GFPのN末端と融合した XTEN_AE864を含有する融合タンパク質を、サル血漿およびラット腎臓溶解物中、37℃で最大7日間インキュベートした。図27に示されている通り、試料を時間0、1日目および7日目に取り出し、SDS PAGE、その後、ウェスタン分析を用いた検出およびGFPに対する抗体を用いた検出によって分析した。XTEN_AE864の配列では、血漿中で7日かけて無視できる分解の徴候が示された。しかし、XTEN_AE864はラット腎臓溶解物中では3日かけて急速に分解された。血漿試料において融合タンパク質のin vivo安定性を試験し、そこでは、GFP_AE864を免疫沈降させ、上記の通りSDS PAGEによって分析した。注射の最大7日後に取り出した試料に分解の徴候はほとんど示されなかった。この結果により、GLP2−XTEN融合タンパク質の薬物動態的性質の増強の因子である血清プロテアーゼに起因する分解に対するGLP2−XTENの抵抗性が実証される。 (実施例28) XTENと連結することによるペプチドペイロードの溶解度および安定性の増大 物理化学的性質である溶解度および安定性を増強するXTENの能力を評価するために、グルカゴンと長さが短いXTENの融合タンパク質を調製し、評価した。試験物を中性のpHのトリス緩衝生理食塩水中に調製し、逆相HPLCおよびサイズ排除クロマトグラフィーによってGcg−XTEN溶液を特徴付けて、タンパク質が溶液中で均一であり、凝集していないことを確認した。データは表24に示されている。比較のために、同じ緩衝液中の修飾されていないグルカゴンの溶解限度を60μM(0.2mg/mL)で測定し、その結果により、付加した全ての長さのXTENについて、溶解度の相当な増大が達成されたことが実証される。ほとんどの場合、標的濃度が実現されるようにグルカゴン−XTEN融合タンパク質を調製し、所与の構築物についての最大の溶解限度を決定するためには評価しなかったことが重要である。しかし、AF−144XTENと連結したグルカゴンの場合では溶解度の限度を決定し、その結果、XTENと連結していないグルカゴンと比較して溶解度の60倍の増大が実現された。さらに、グルカゴン−AF144 GLP2−XTENを安定性について評価し、冷蔵条件下では少なくとも6カ月にわたって、また、37℃ではおよそ1カ月にわたって液体製剤中で安定であることが見いだされた(データは示していない)。 データにより、長さが短いXTENポリペプチドをグルカゴンなどの生物学的に活性なタンパク質と連結することにより、生じた融合タンパク質によるタンパク質の溶解度が著しく増強され得るともに、より高いタンパク質の濃度での安定性が付与されるという結論が裏付けられる。 (実施例29) 予測アルゴリズムによる二次構造についての配列の解析 二次構造について、特定のコンピュータプログラムまたはアルゴリズム、例えば、周知のChou−Fasmanアルゴリズム(Chou, P. Y.ら(1974年)BioChemistry、13巻:222〜45頁)およびGarnier−Osguthorpe−Robson、または「GOR」法(Garnier J, Gibrat JF, Robson B.(1996年)GOR method for predicting protein secondary structure from amino acid sequence. Methods Enzymol 266巻:540〜553頁)などによってアミノ酸配列を評価することができる。所与の配列について、アルゴリズムにより、二次構造がいくつか存在するか、または全く存在しないかを予測し、例えば、アルファヘリックスまたはベータシートを形成する配列の残基の総計および/または百分率、またはランダムコイル形成をもたらすことが予測される配列の残基の百分率として表すことができる。 XTEN「ファミリー」由来のいくつかの代表的な配列を、これらの配列における二次構造の程度を評価するためのChou−Fasman法およびGOR法用の2つのアルゴリズムツールを用いて評価した。Chou−Fasmanツールは、William R.Pearsonおよびバージニア大学により、2009年6月19日に存在したワールドワイドウェブにあるURL、.fasta.bioch.virginia.edu/fasta_www2/fasta_www.cgi?rm=misc1の「Biosupport」インターネットサイトにおいて提供された。GORツールは、Pole Informatique Lyonnaisにより、2008年6月19日に存在したワールドワイドウェブにあるURL、.npsa−pbil.ibcp.fr/cgi−bin/secpred_gor4.plのNetwork Protein Sequence Analysisインターネットサイトで提供された。 解析の第1のステップとして、単一のXTEN配列を2つのアルゴリズムによって解析した。AE864組成物は、アミノ酸G、S、T、E、P、およびAからなる4つの12アミノ酸配列モチーフの多数のコピーから創出した864アミノ酸残基を有するXTENである。配列モチーフは、12アミノ酸モチーフのいずれの1つにおいても、いずれの2つの連続したアミノ酸の配列も3回以上繰り返されないという点、および全長のXTENの3つの連続したアミノ酸が同一ではないという点で、モチーフ内、および配列全体内での反復性が限定されているという事実を特徴とする。AF864配列の、N末端から連続的に長くした部分を、Chou−FasmanアルゴリズムおよびGORアルゴリズム(後者は、最小長17アミノ酸を必要とする)で解析した。配列を、FASTA形式配列を予測ツールに入力し、解析を実行することによって解析した。解析の結果が表25に示されている。 結果により、Chou−Fasman算出により、AEファミリーおよびAGファミリーの、少なくとも288アミノ酸残基までの短いXTENはアルファヘリックスまたはベータシートを有さないが、GORアルゴリズムによって予測されたランダムコイルの百分率の量は78〜99%で変動することが示されている。504残基のXTEN長さを1300超に増大させると、Chou−Fasmanアルゴリズムによって解析したXTENの予測されたアルファヘリックスまたはベータシートの百分率は0〜約2%であったが、算出されたランダムコイルの百分率は94〜99%に増大した。アルファヘリックスまたはベータシートを有するXTENは、セリン残基が3つ連続する場合が1つまたは複数あり、その結果ベータ−シートの形成が予測される配列である。しかし、これらの配列でさえも、それでもおよそ99%のランダムコイル形成を有した。 本明細書において提供されるデータにより、1)G、S、T、E、P、およびAの多数の配列モチーフから創出したXTEN、および連続したアミノ酸に関して反復性が限定されたXTENは、非常に低い量のアルファヘリックスおよびベータシートを有することが予測されること、2)XTENの長さを増大させることにより、アルファヘリックスまたはベータ−シートが形成される確率は目に見えるほどには増大しないこと、および3)アミノ酸G、S、T、E、P、およびAからなる非反復性の12−merを付加することによってXTEN配列の長さを次第に増大させることにより、ランダムコイル形成の百分率が増大することが示唆される。結果により、さらに、反復性が限定された(任意の1つのモチーフ内に2つ以下同一の連続したアミノ酸を有するものを含む)、本明細書において定義されているXTEN配列(例えば、G、S、T、E、P、およびAの配列モチーフから創出したXTENを含む)は、非常に限定された二次構造を有することが予測されることが示される。表3の配列モチーフの任意の順序または組合せを用いて、二次構造を実質的に欠くXTEN配列をもたらすXTENポリペプチドを創出することができるが、3つの連続したセリンは好ましくない。しかし、3つの連続したセリンの好ましくない性質は、XTENの長さを増大させることによって改善することができる。そのような配列は、本明細書に開示されている本発明のGLP2−XTEN実施形態に記載されている特性を有することが予測される。 (実施例30) 反復性についてのポリペプチド配列の解析 本実施例では、いくつかのXTEN配列を含めた種々のポリペプチドを、アミノ酸配列内の反復性について評価した。ポリペプチドアミノ酸配列は、短い部分配列がポリペプチド全体の中で出現する回数を分量化することによって反復性について評価することができる。例えば、長さ200アミノ酸残基のポリペプチドは合計で165の重複している36アミノ酸「ブロック」(または「36mer」)および198の3mer「部分配列」を有するが、唯一の3mer部分配列の数は、配列内の反復性の量に左右される。解析のために、種々のポリペプチド配列を、以下の方程式を適用することによって得られる部分配列スコアを決定することによって反復性について評価した: 式中、m=(ポリペプチドのアミノ酸長)−(部分配列のアミノ酸長)+1であり、数値i=配列i内の唯一の部分配列のそれぞれの出現の累積数である。 本実施例の解析では、表26のポリペプチドについての部分配列スコアを、図1に示されているアルゴリズムを使用したコンピュータプログラムにおいて前述の方程式を使用して決定し、部分配列長は3アミノ酸に設定した。生じた部分配列スコアは、ポリペプチド内の反復性の程度を反映する。 表26に示されている結果により、2種類または3種類のアミノ酸からなる非構造化ポリペプチドの部分配列スコアは高いが、6種のアミノ酸G、S、T、E、P、およびAの12アミノ酸モチーフからなる非構造化ポリペプチドの内部の反復性は低程度であり、部分配列スコアは10未満、いくつかの場合には5未満であることが示されている。例えば、L288配列は2種類のアミノ酸を有し、短く、反復性の程度が高い配列を有し、その結果、部分配列スコアは50.0になる。ポリペプチドJ288は3種類のアミノ酸を有するが、短い反復配列も有し、その結果、部分配列スコアは33.3になる。Y576も3種類のアミノ酸を有するが、内部の反復を構成せず、これは最初の200アミノ酸にわたる部分配列スコア15.7に反映される。W576は、4種類のアミノ酸からなるが、内部の反復性の程度が高く、例えば、「GGSG」、その結果、部分配列スコアは23.4になる。AD576は、それぞれが4種類のアミノ酸からなる4種類の12アミノ酸モチーフからなる。個々のモチーフの内部の反復性の程度が低いので、最初の200アミノ酸にわたる全体的な部分配列スコアは13.6である。対照的に、それぞれの内部の反復性が低い6種類のアミノ酸を含有する4モチーフからなるXTENの部分配列スコアは低い、すなわち、AE864(6.1)、AF864(7.5)、およびAM875(4.5)であるが、5種類のアミノ酸を含有する4モチーフからなるXTENは中間、すなわち、AE864、スコア7.2であった。 結論:結果により、それぞれ4〜6種類のアミノ酸からなる非反復性の12アミノ酸部分配列モチーフを組み合わせてより長いXTENポリペプチドにすることにより、全体的な平均部分配列スコアが10未満であり、多くの場合5未満であることによって示される通り、配列全体が実質的に非反復性になることが示されている。これは、各部分配列モチーフを配列全体にわたって多数回用いることができるという事実に反する。対照的に、より小数のアミノ酸の種類から創出したポリマーでは、平均部分配列スコアがより高くなり、2種類のアミノ酸からなるポリペプチドのスコアは3種類のアミノ酸からなるポリペプチドのスコアよりも高かった。 (実施例31) TEPITOPEスコアの算出 9merペプチド配列のTEPITOPEスコアを、Sturniolo[Sturniolo, T.ら(1999年)Nat Biotechnol、17巻:555頁]に記載されている通り、ポケットポテンシャル(pocket potential)を加えることによって算出することができる。本実施例では、個々のHLA対立遺伝子について別々のTEPITOPEスコアを算出した。表27には、例として、白人の集団において高頻度で出現するHLA*0101Bについてのポケットポテンシャルが示されている。配列P1−P2−P3−P4−P5−P6−P7−P8−P9を有するペプチドのTEPITOPEスコアを算出するために、表27の対応する個々のポケットポテンシャルを加えた。配列FDKLPRTSGを有する9merペプチドのHLA*0101Bスコアは、0、−1.3、0、0.9、0、−1.8、0.09、0、0の合計である。 長いペプチドについてのTEPITOPEスコアを評価するために、配列の9mer部分配列の全てについてプロセスを繰り返すことができる。他のHLA対立遺伝子によりコードされるタンパク質についてこのプロセスを繰り返すことができる。表28〜31には、白人の集団において高頻度で出現するHLA対立遺伝子のタンパク質産物についてのポケットポテンシャルが示されている。 この方法によって算出されるTEPITOPEスコアはおよそ−10〜+10にわたる。しかし、P1位に疎水性アミノ酸が欠如している9merペプチド(FKLMVWY)については、−1009〜−989にわたるTEPITOPEスコアが算出される。この値は生物学的には無意味であり、疎水性アミノ酸がHLA結合のアンカー残基としての機能を果たし、P1に疎水性残基が欠如しているペプチドは、HLAに結合するものではないと考えられるという事実を反映する。大部分のXTEN配列は疎水性残基が欠如しているので、9mer部分配列の全ての組合せが−1009〜−989にわたるTEPITOPEを有することになる。この方法により、XTENポリペプチドが予測されるT細胞エピトープをほとんどまたは全く有さない可能性があることが確認される。 グルカゴン様タンパク質−2(GLP−2)および延長組換えポリペプチド(XTEN)を含む組換え融合タンパク質であって、前記XTENが、 (a)前記XTENが少なくとも36アミノ酸残基を含むこと、 (b)グリシン(G)残基、アラニン(A)残基、セリン(S)残基、トレオニン(T)残基、グルタミン酸(E)残基およびプロリン(P)残基の合計が前記XTENの全アミノ酸残基の約80%超を構成すること、 (c)前記XTENが実質的に非反復性であり、したがって、(i)前記XTENが、アミノ酸がセリンでない限り、同一のアミノ酸を3つ連続して含有しない、(ii)前記XTEN配列の少なくとも約80%が重複していない配列モチーフからなり、前記配列モチーフのそれぞれがグリシン(G)、アラニン(A)、セリン(S)、トレオニン(T)、グルタミン酸(E)およびプロリン(P)から選択される4〜6アミノ酸からなる約9〜約14アミノ酸残基を含み、いかなる2つの連続したアミノ酸残基も重複していない配列モチーフのそれぞれにおいて2回を超えて出現しない、または、(iii)前記XTEN配列の部分配列スコアが10未満であること、 (d)前記XTENがGORアルゴリズムによって決定したところ90%超のランダムコイル形成を有すること、 (e)前記XTENが、Chou−Fasmanアルゴリズムによって決定したところ2%未満のアルファへリックスおよび2%のベータシートを有すること、および (f)前記XTENが、TEPITOPEアルゴリズムによって解析した場合、予測T細胞エピトープを欠き、前記アルゴリズムによる前記予測についてのTEPITOPE閾値スコアの閾値が−9であり、前記融合タンパク質が少なくとも約4の見かけの分子量率を示し、治療有効量を用いて被験体に投与すると腸栄養効果を示すことを特徴とする組換え融合タンパク質。 前記腸栄養効果が、XTENと連結していない対応するGLP−2を同等の用量を用いて被験体に投与した場合の前記対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果である、請求項1に記載の組換え融合タンパク質。 前記被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、請求項1に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与が皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記腸栄養効果が、1用量、または3用量、または6用量、または10用量、または12用量またはそれより多くの用量の前記融合タンパク質を投与した後に決定される、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記腸栄養効果が、腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、および腸機能の増強からなる群より選択される、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与により、小腸の重量が少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%増大する、請求項6に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与により、小腸の長さが少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%増大する、請求項6に記載の組換え融合タンパク質。 GLP−2配列が、最適にアラインメントすると、表1の配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2がヒトGLP−2を含む、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2が、ウシGLP−2、ブタGLP−2、ヒツジGLP−2、ニワトリGLP−2、およびイヌGLP−2からなる群より選択される、請求項9から11のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2がAla2の代わりにアミノ酸置換を有し、前記置換がグリシンである、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2が配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが前記GLP−2のC末端と連結している、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2と前記XTENとを連結する1〜約50アミノ酸残基のスペーサー配列をさらに含む、請求項14に記載の組換え融合タンパク質。 前記スペーサー配列がグリシン残基を含む、請求項15に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、 (a)全XTENアミノ酸残基が少なくとも36〜約3000アミノ酸残基であること、 (b)グリシン(G)残基、アラニン(A)残基、セリン(S)残基、トレオニン(T)残基、グルタミン酸(E)残基およびプロリン(P)残基の合計が前記XTENの全アミノ酸残基の少なくとも約90%を構成することを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、アスパラギン残基とグルタミン残基の合計が前記XTENの全アミノ酸配列の10%未満であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、メチオニン残基とトリプトファン残基の合計が前記XTENの全アミノ酸残基の2%未満であることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つから選択される同等の長さの配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、最適にアラインメントすると、表4のAE864配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記融合タンパク質の配列が、図28に記載の配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列を有する、請求項1〜9または請求項13のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 被験体に投与すると、少なくとも約30時間の終末相半減期を示す、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記融合タンパク質が、in vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイすると、約30nM未満、または約100nM未満、または約200nM未満、または約300nM未満、または約370nM未満、または約400nM未満、または約500nM未満、または約600nM未満、または約700nM未満、または約800nM未満、または約1000nM未満、または約1200nM未満、または約1400nM未満のEC50でGLP−2受容体に結合し、前記GLP2R細胞がヒト組換えGLP−2グルカゴンファミリー受容体カルシウム最適化細胞である、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記融合タンパク質が、in vitro GLP2R細胞アッセイを用いてアッセイすると、XTENと連結していない対応するGLP−2の効力の少なくとも約1%、または約2%、または約3%、または約4%、または約5%、または約10%、または約20%、または約30%を保持し、前記GLP2R細胞が、ヒト組換えGLP−2グルカゴンファミリー受容体カルシウム最適化細胞である、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 (a)nmol/kg単位の当量の前記融合タンパク質および前記XTENが欠如している対応するGLP−2を同等の被験体にそれぞれ投与すると、前記融合タンパク質では前記XTENが欠如している対応するGLP−2と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い、前記被験体における終末相半減期が達成されること、 (b)前記XTENが欠如している対応するGLP−2およびnmol/kg単位でその2分の1、または3分の1、または4分の1、または5分の1、または6分の1の量の前記融合タンパク質を胃腸の状態を有する同等の被験体にそれぞれ投与すると、前記融合タンパク質により、前記XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の、前記被験体における治療効果が達成されること、 (c)前記融合タンパク質を、被験体に、同等の被験体にその他の点では等価なnmol/kg量を用いて投与した前記XTENが欠如している対応するGLP−2の投薬間隔と比較して、少なくとも約2倍、または少なくとも3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍、または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い投薬間隔を用いた連続用量で投与すると、前記融合タンパク質では前記XTENが欠如している対応するGLP−2と同様の、前記被験体における血中濃度が達成されること、または (d)前記融合タンパク質を、被験体に、同等の被験体にその他の点では等価なnmol/kg量を用いて投与した前記XTENが欠如している対応するGLP−2の投薬間隔と比較して少なくとも約3倍、または少なくとも4倍、または少なくとも5倍、または少なくとも10倍または少なくとも15倍、または少なくとも20倍長い投薬間隔を用いた連続用量で投与すると、前記融合タンパク質では前記XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の、前記被験体における治療効果が達成されることを特徴とする、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、請求項26に記載の組換え融合タンパク質。 前記被験体がラットである、請求項27に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与により、XTENと連結していない対応するGLP−2で観察される効果と比較して、より大きな薬理効果がもたらされる、請求項26から28のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 有効量の前記融合タンパク質を投与することにより、XTENと連結していない対応するGLP−2を同等の被験体に同等のnmol/kg量を用いて投与することと比較して、より大きな、腸炎の被験体における治療効果がもたらされる、請求項26から29のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、請求項26から30のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記被験体がヒトであり、前記腸炎がクローン病である、請求項31に記載の組換え融合タンパク質。 前記被験体がラット被験体であり、前記腸炎がインドメタシンを用いて誘導される、請求項31に記載の組換え融合タンパク質。 前記より大きな治療効果が、体重増加、小腸の長さ、小腸組織のTNFα含有量の減少、粘膜の萎縮の減少、穿孔性潰瘍の発生率の低下、および絨毛の高さからなる群より選択される、請求項29から33のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与により、小腸の重さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する、請求項34に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与により、小腸の長さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する、請求項34に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与により、体重が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約20%、または少なくとも約30%、または少なくとも約40%大きく増大する、請求項34に記載の組換え融合タンパク質。 前記TNFα含有量の減少が、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して小腸組織1g当たり少なくとも約0.5ng、または少なくとも約0.6ng、または少なくとも約0.7ng、または少なくとも約0.8ng、または少なくとも約0.9ng、または少なくとも約1.0ng、または少なくとも約1.1ng、または少なくとも約1.2ng、または少なくとも約1.3ng、または少なくとも約1.4ng、またはそれを超える、請求項34に記載の組換え融合タンパク質。 前記絨毛の高さが、XTENと連結していない対応するGLP−2によるものと比較して少なくとも約5%、または少なくとも約6%、または少なくとも約7%、または少なくとも約8%、または少なくとも約9%、または少なくとも約10%、または少なくとも約11%、または少なくとも約12%高い、請求項34に記載の組換え融合タンパク質。 1回、または2回、または3回、または4回、または5回、または6回、または10回、または12回またはそれを超える連続用量で投与される、請求項29から39のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記有効量が少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである、請求項30から40のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2が前記XTENに、第XIa因子、第XIIa因子、カリクレイン、第VIIa因子、第IXa因子、第Xa因子、第IIa因子(トロンビン)、エラスターゼ−2、MMP−12、MMP13、MMP−17およびMMP−20からなる群より選択される哺乳動物のプロテアーゼによって切断可能な切断配列を介して連結しており、前記切断配列における前記哺乳動物のプロテアーゼによる切断により、前記XTEN配列から前記GLP−2配列が放出され、放出された前記GLP−2配列が、切断されていない前記融合タンパク質と比較して少なくとも約30%の受容体結合活性の増大を示す、前記請求項のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 1つまたは複数の延長組換えポリペプチド(XTEN)と融合したGLP−2を含む融合タンパク質を作製する方法であって、 (a)請求項1〜42のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードする組換え核酸を含む宿主細胞を提供するステップと、 (b)前記宿主細胞を、前記融合タンパク質の発現を可能にする条件下で培養するステップと、 (c)前記融合タンパク質を回収するステップとを含む、方法。 (a)前記宿主細胞が原核細胞である、または (b)前記融合タンパク質を、前記宿主細胞の細胞質から実質的に可溶性の形態で回収する、請求項43に記載の方法。 前記組換え核酸分子が、最適にアラインメントすると、表13に記載のDNA配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する配列、またはその相補配列を有する、請求項43に記載の方法。 (a)表13から選択されるDNA配列に対して少なくとも70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する核酸配列、またはその相補配列、または (b)請求項1〜42のいずれか一項に記載の融合タンパク質をコードするヌクレオチド配列、またはその相補配列を含む単離された核酸。 請求項43から46のいずれか一項に記載の核酸を含む発現ベクターまたは単離された宿主細胞。 請求項47に記載の発現ベクターを含む宿主細胞。 請求項1〜42のいずれか一項に記載の融合タンパク質、および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物。 式V:(GLP−2)−(S)x−(XTEN)(V)に従って構成された、請求項1に記載の組換え融合タンパク質であって、 式中、各出現に対してそれぞれ独立に、 GLP−2は、最適にアラインメントすると、表1の配列からなる群より選択される配列に対して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または約100%の配列同一性を有する配列であり、 Sは、表6の切断配列または制限部位と適合するアミノ酸を場合によって含んでよい、1〜約50アミノ酸残基を有するスペーサー配列であり、 xは0または1のいずれかである、組換え融合タンパク質。 前記GLP−2がヒトGLP−2を含む、請求項50に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2が、ウシGLP−2、ブタGLP−2、ヒツジGLP−2、ニワトリGLP−2、およびイヌGLP−2からなる群より選択される、請求項50に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2がAla2の代わりにアミノ酸置換を有し、前記置換がグリシンである、請求項51または52に記載の組換え融合タンパク質。 前記GLP−2が配列HGDGSFSDEMNTILDNLAARDFINWLIQTKITDを有する、請求項50に記載の組換え融合タンパク質。 グリシン残基を含むスペーサー配列を含む、請求項50から54のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、最適にアラインメントすると、表4、表8、表9、表10、表11、および表12のいずれか1つから選択される同等の長さの配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、請求項50から55のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記XTENが、最適にアラインメントすると、表4のAE864配列と比較して少なくとも90%、または少なくとも約91%、または少なくとも約92%、または少なくとも約93%、または少なくとも約94%、または少なくとも約95%、または少なくとも約96%、または少なくとも約97%、または少なくとも約98%、または少なくとも約99%、または100%の配列同一性を有する、請求項50から55のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 胃腸の状態を有する被験体に治療有効量の前記医薬組成物を投与することにより、前記XTENと連結していない対応するGLP−2を被験体に同等量で投与することと比較して、前記融合タンパク質の血中濃度が少なくとも3倍長く前記融合タンパク質の治療域内で維持される、請求項49に記載の医薬組成物。 胃腸の状態を有する被験体に、治療有効用量レジメンを用いて3回またはそれより多い用量の前記医薬組成物を投与することにより、前記XTENと連結していない対応するGLP−2を被験体に同等の用量レジメンを用いて投与することと比較して、前記融合タンパク質の血中レベルについての少なくとも2つの連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフ間の時間が少なくとも4倍増大する、請求項49に記載の医薬組成物。 前記胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される請求項59または60に記載の医薬組成物。 少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgの前記融合タンパク質を含む前記医薬組成物を被験体に静脈内投与、皮下投与、または筋肉内投与した後、前記融合タンパク質の血中レベルが少なくとも72時間にわたって1000ng/ml超で維持される、請求項49に記載の医薬組成物。 前記被験体がマウス、ラット、サルおよびヒトから選択される、請求項61に記載の医薬組成物。 胃腸の状態を処置するための医薬品の製造において使用するための、請求項1〜42のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される、請求項63に記載の組換え融合タンパク質。 被験体に治療有効量の融合タンパク質を投与することを含む、前記被験体における胃腸の状態を処置する方法において使用するための、請求項1〜42のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 前記胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される、請求項65に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 被験体に、治療有効用量レジメンを用いて2回またはそれより多くの連続用量の前記融合タンパク質を投与することにより、GLP−2に対して確立された治療有効用量レジメンを用いて投与した、XTENが欠如している対応するGLP−2と比較して前記融合タンパク質の血中レベルについての連続したCmaxピークおよび/またはCminトラフの間の時間が延長される、請求項65に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 XTENが欠如している対応するGLP−2をその他の点では等価な用量レジメンの下で被験体に投与することと比較して、nmol/kg単位でより少量の前記融合タンパク質を被験体に投与し、前記融合タンパク質により前記XTENが欠如している対応するGLP−2と同等の治療効果が達成される、請求項65に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 前記治療効果が、GLP−2の血中濃度、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強または刺激、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの最小化、緩和、または予防、外科手術後の腸の回復の増強、刺激または加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持からなる群より選択される、請求項68に記載の使用のための組換え融合タンパク質。 被験体における胃腸の状態を処置するための、請求項1〜42のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物を含む医薬レジメンにおいて使用するための組換え融合タンパク質。 前記医薬レジメンが、前記被験体における治療効果を達成するために必要な医薬組成物の量を決定するステップをさらに含み、前記治療効果が、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの予防、外科手術後の腸の回復の加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持からなる群より選択される、請求項70に記載の組換え融合タンパク質。 前記胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される、請求項70に記載の組換え融合タンパク質。 胃腸の状態を有する被験体を処置するための前記医薬レジメンが、有効量での2回またはそれより多い連続用量の前記医薬組成物を前記被験体に投与することを含み、前記投与により、同等のnmol/kg量を使用して投与した、XTENと連結していないGLP−2と比較して、前記胃腸の状態に関連する少なくとも1つ、2つ、または3つのパラメータが少なくとも5%、または10%、または20%、または30%、または40%、または50%、または60%、または70%、または80%、または90%大きく改善される、請求項70に記載の組換え融合タンパク質。 改善される前記パラメータがGLP−2の血中濃度の上昇、腸間膜血流の増大、炎症の減少、体重増加の増大、下痢の減少、糞便の湿重量の減少、腸の創傷治癒、血漿シトルリン濃度の上昇、CRPレベルの低下、ステロイド療法の必要性の減少、粘膜完全性の増強、ナトリウム損失の減少、腸内への細菌のトランスロケーションの予防、外科手術後の腸の回復の加速、炎症性腸疾患の再発の予防、およびエネルギー恒常性の維持から選択される、請求項73に記載の組換え融合タンパク質。 前記レジメンが、治療有効量の請求項49に記載の医薬組成物を7日、または10日、または14日、または21日、または28日またはそれより多い日数ごとに1回投与することを含む、請求項70に記載の組換え融合タンパク質。 前記有効量が少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである、請求項75に記載の組換え融合タンパク質。 前記投与が皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である、請求項73から76のいずれか一項に記載の組換え融合タンパク質。 被験体における胃腸の状態を処置する方法であって、前記被験体に、請求項49に記載の医薬組成物を有効量で含む組成物を投与することを含む、方法。 前記有効量が少なくとも約5nmol/kg、または少なくとも約10nmol/kg、または少なくとも約25nmol/kg、または少なくとも約100nmol/kg、または少なくとも約200nmol/kgである、請求項78に記載の方法。 前記融合タンパク質が前記被験体において約30時間超の終末相半減期を示す、請求項79に記載の方法。 前記胃腸の状態が、胃炎、消化障害、吸収不良症候群、短消化管症候群、短腸症候群、盲管症候群、炎症性腸疾患、小児脂肪便症、熱帯性スプルー、低ガンマグロブリン血症性スプルー、クローン病、潰瘍性大腸炎、腸炎、化学療法誘導性腸炎、過敏性腸症候群、小腸損傷、癌化学療法に起因する小腸損傷、胃腸傷害、下痢性疾患、腸管機能不全症、酸誘導性腸管傷害、アルギニン欠乏症、特発性精液減少症、肥満症、異化疾病、発熱性好中球減少症、糖尿病、肥満症、脂肪便、自己免疫疾患、食物アレルギー、低血糖症、胃腸関門障害、敗血症、細菌性腹膜炎、熱傷誘導性腸管損傷、胃腸運動の低下、腸管不全症、化学療法に付随する菌血症、腸管外傷、腸管虚血、腸間膜虚血、栄養失調、壊死性腸炎、壊死性膵炎、新生児哺乳不耐性、NSAID誘導性胃腸損傷、栄養不足、胃腸管に対する完全非経口栄養による損傷、新生児栄養不足、放射線誘導性腸炎、放射線によって誘導される腸への傷害、粘膜炎、回腸嚢炎、および胃腸虚血からなる群より選択される、請求項78から80のいずれか一項に記載の方法。 前記胃腸の状態がクローン病である、請求項81に記載の方法。 前記被験体が、マウス、ラット、サル、およびヒトからなる群より選択される、請求項78から82のいずれか一項に記載の方法。 前記投与が皮下投与、筋肉内投与、または静脈内投与である、請求項78から83のいずれか一項に記載の方法。 前記投与により、前記被験体において腸栄養効果がもたらされる、請求項78から84のいずれか一項に記載の方法。 前記腸栄養効果が、同等の用量を用いて被験体に投与した、XTENと連結していない対応するGLP−2と比較して少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%、または少なくとも約60%、または少なくとも約70%、または少なくとも約80%、または少なくとも約90%、または少なくとも約100%または少なくとも約120%または少なくとも約150%または少なくとも約200%の腸栄養効果である、請求項85に記載の方法。 前記腸栄養効果が、1用量、または3用量、または6用量、または10用量、または12用量またはそれより多くの用量の前記融合タンパク質を投与した後に決定される、請求項85または86に記載の方法。 前記腸栄養効果が、腸の成長、絨毛上皮の肥厚の増大、陰窩の細胞の増殖の増大、陰窩および絨毛軸の高さの増大、腸吻合後の治癒の増大、小腸の重量の増大、小腸の長さの増大、小腸上皮アポトーシスの減少、および腸機能の増強からなる群より選択される、請求項85〜87のいずれか一項に記載の方法。 請求項1〜42のいずれか一項に記載の融合タンパク質を含む医薬組成物を含む包装材料および少なくとも第1の容器、ならびに前記医薬組成物を再構成し、かつ/または前記医薬組成物を被験体に投与するための説明書を含む、キット。 本発明は、延長組換えポリペプチド(XTEN)と連結したGLP−2タンパク質またはその変異形を含む組成物、組成物をコードする単離された核酸およびベクターならびにそれを含有する宿主細胞、ならびにGLP−2に関連する状態の処置におけるそのような組成物の作出および使用方法に関する。このXTENは、一般には、生じる融合タンパク質の性質が増強されるという点でGLP−2ペプチドに対する融合パートナーとして有用な非反復配列および非構造化コンフォメーションを有するポリペプチドである。 20140731A16330配列表1配列表