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タイトル:公表特許公報(A)_タンパク質連結用クリックケミストリーハンドルを設置するためのソルターゼの使用
出願番号:2014519003
年次:2014
IPC分類:C07K 19/00,C07K 16/46,C12P 21/08,C12P 21/02,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

プローグ,ヒディー エル ウィッテ,マーティン ディー ヨダー,ニコラス シー JP 2014525904 公表特許公報(A) 20141002 2014519003 20120628 タンパク質連結用クリックケミストリーハンドルを設置するためのソルターゼの使用 ホワイトヘッド・インスティテュート・フォー・バイオメディカル・リサーチ 502168404 Whitehead Institute for Biomedical Research 柳田 征史 100073184 佐久間 剛 100090468 プローグ,ヒディー エル ウィッテ,マーティン ディー ヨダー,ニコラス シー US 61/502,237 20110628 US 61/624,114 20120413 C07K 19/00 20060101AFI20140905BHJP C07K 16/46 20060101ALI20140905BHJP C12P 21/08 20060101ALI20140905BHJP C12P 21/02 20060101ALI20140905BHJP C12N 15/09 20060101ALN20140905BHJP JPC07K19/00C07K16/46C12P21/08C12P21/02 BC12P21/02 CC12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA US2012044584 20120628 WO2013003555 20130103 115 20140227 4B024 4B064 4H045 4B024AA03 4B024BA43 4B024CA02 4B024DA06 4B024EA04 4B024GA11 4B064AG01 4B064AG27 4B064CA02 4B064CA19 4B064CA21 4B064CB06 4B064DA20 4H045AA10 4H045AA11 4H045AA20 4H045AA30 4H045BA10 4H045BA41 4H045CA40 4H045DA76 4H045DA89 4H045EA60 4H045FA33 4H045FA70 4H045FA74関連出願の説明 本発明は、2011年6月28日出願の米国特許仮出願第61/502,237号(発明の名称「タンパク質連結のためにクリックケミストリーハンドルを設置するためのソルターゼの使用」)と、2012年4月13日出願の米国特許仮出願第61/624,114号(発明の名称「ソルターゼ修飾VHHドメイン及びその使用」)とに基づく米国特許法第119条(e)による優先権を主張し、これらの出願は引用によりそれぞれ本明細書に取り込まれる。 本発明は、タンパク質工学に関し、具体的には、標的タンパク質上にクリックケミストリーハンドルを設置するための方法及び試薬に関する。 政府による支援 本発明は、米国国立衛生研究所グラントR01 U54 AI057159、R01 AI033456及びR01 AI087879による米国政府の支援で完成された。米国政府は本発明につき一定の権利を有する。 タンパク質工学はタンパク質生化学の多くの領域で広く用いられるツールになってきている。1つの工学的方法は、タンパク質連結の制御である。本来の化学的なタンパク質連結は、合成ペプチドエステルの効率的な調製に依存するが、これは多くのタンパク質について調製が技術的に困難な場合がある。あるタンパク質のC末端を別のタンパク質のN末端と繋げるタンパク質−タンパク質融合体を生成するために組換え技術が利用される場合がある。インテインを利用するタンパク質連結システムもタンパク質を繋げるために利用できる。このインテインを介する連結方法の前提条件は、標的タンパク質がインテインと正しくフォールディングされた融合体タンパク質として発現することであるが、これはしばしば困難である。従来の本来の連結技術及び組換え連結技術の困難さがタンパク質連結の応用を著しく制限している。 ソルターゼによって触媒されるペプチド転移反応は、さまざまなタイプの修飾でタンパク質を誘導体化するための一般的な方法として浮上してきた。従来のソルターゼ修飾のためには、標的タンパク質はそのC末端近傍にソルターゼ認識モチーフ(LPXT)を含むように加工される。1個以上のN末端グリシン残基を含む合成ペプチドと組換えソルターゼとをインキュベーションするとき、これらの人工的なソルターゼ基質はアシル基転移反応を起こして合成オリゴグリシンペプチドのスレオニン残基のC末端側の残基との交換をもたらし、結果的にタンパク質のC末端が前記合成ペプチドのN末端と連結される。 本発明の一部の局面は、ソルターゼを介するタンパク質修飾、特に、タンパク質配列上への反応性官能基、例えば、クリックケミストリーハンドルの設置(installation)に関する。タンパク質上への反応性官能基の設置のための方法及び試薬と、修飾されたタンパク質、例えば、C末端又はN末端のクリックケミストリーハンドルを含むタンパク質とが提供される。さらに、本発明の局面にしたがって修飾される2つのタンパク質をコンジュゲートする方法が提供される。かかる方法は単量体タンパク質を2量体化し、異種の単一タンパク質の特徴を組み合わせるキメラタンパク質、例えば、キメラ抗体、二重特異性抗体を生成するのに有用である。 本発明の一部の局面は、ソルターゼのアシル転移反応を利用してタンパク質のN末端又はC末端にクリックケミストリーハンドルを付加するための方法、組成物および試薬を提供する。本発明の一部の局面は、C末端近傍にソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXT)を含むタンパク質のC末端又はその近位側にクリックケミストリーハンドルを設置するための方法を提供する。本発明の一部の局面は、1個以上のN末端グリシン残基を含むタンパク質のN末端にクリックケミストリーハンドルを設置するための方法を提供する。 例えば、一部の実施態様は、標的タンパク質をC末端クリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションする方法を提供する。一部の実施態様では、前記方法は、C末端ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXT)を、例えば、C末端融合体として、前記標的タンパク質に提供することを含む。一部の実施態様では、前記方法は、1−10個のN末端グリシン残基か、N末端アルキルアミン基と、前記クリックケミストリーハンドルとを含む試薬、例えば、ペプチド、タンパク質又は化合物と前記標的タンパク質との接触をさせることをさらに含む。一部の実施態様では、前記接触は、ソルターゼ酵素の存在下、該ソルターゼが、前記クリックケミストリーハンドルを含むペプチドと前記標的タンパク質とのアミド転移をして、前記標的タンパク質を前記クリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションするのに適当な条件下で行われる。 一部の実施態様は、N末端クリックケミストリーハンドルに標的タンパク質をコンジュゲーションする方法を提供する。一部の実施態様では、前記方法は、1−10個のN末端グリシン残基か、N末端アルキルアミン基かを、例えば、N末端融合体として前記標的タンパク質に提供することを含む。一部の実施態様では、前記方法は、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXT)を含むペプチドと前記標的タンパク質との接触をさせることをさらに含む。一部の実施態様では、前記接触は、ソルターゼ酵素の存在下、該ソルターゼが前記標的タンパク質と前記ペプチドとのアミド転移をして、前記標的タンパク質を前記クリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションするのに適当な条件下で行われる。 本明細書に説明される方法を用いて、いかなる原子団でもタンパク質上に設置できる。本発明の一部の局面にしたがう特に有用なのはクリックケミストリーハンドルである。クリックケミストリーハンドルは、クリックケミストリー反応に参加できる反応性官能基を提供する原子団である。クリックケミストリー反応と、クリックケミストリー反応に適する官能基は、当業者に周知で、末端アルキン、アジド、ひずみを持つアルキン、ジエン、親ジエン体、アルコキシアミン、カルボニル、ホスフィン、ヒドラジド、チオール及びアルケンを含むが、これらに限られない。例えば、一部の実施態様では、アジド及びアルキンがクリックケミストリー反応に利用される。 本発明の一部の局面は、修飾タンパク質、例えば、C末端又はN末端にクリックケミストリーハンドルを含むタンパク質を提供する。かかるタンパク質は、該タンパク質のクリックケミストリーハンドルと反応できる原子団を含む他の分子、例えば、タンパク質、核酸、ポリマー、脂質又は低分子とコンジュゲーションできる。一部の実施態様では、前記修飾タンパク質は、抗体、例えば、ラクダ抗体、単一ドメイン抗体、VHHドメイン、ナノボディ又はScFvの抗原結合ドメインか、その抗原結合断片かを含む。 本発明の一部の局面は、クリックケミストリーにより2つのタンパク質分子のコンジュゲーション又は連結のための方法を提供する。一部の実施態様では、第1のクリックケミストリーハンドルは第1のタンパク質に設置され、第2のクリックケミストリーハンドルは第2のタンパク質に設置され、第1のクリックケミストリーハンドルが第2のクリックケミストリーハンドルと共有結合を形成できる。例えば、一部の実施態様は、翻訳後に2つのタンパク質をコンジュゲーションしてキメラタンパク質を形成する方法を提供する。一部の実施態様では、前記方法は、第1のクリックケミストリーハンドルが第2のクリックケミストリーハンドルと反応するのに適当な条件下で、第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされた第1のタンパク質を第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされた第2のタンパク質に接触させて、共有結合でこれら2つのタンパク質を含むキメラタンパク質を生成することを含む。本発明に提供される方法は、タンパク質のN末端のN末端へのコンジュゲーションと、C末端のC末端へのコンジュゲーションとの精製を可能にするが、これらは、組換えの手段(例えばタンパク質融合体の発現)によっては達成できない。例えば、一部の実施態様では、第1のクリックケミストリーハンドルは第1のタンパク質のN末端とコンジュゲーションされ、第2のクリックケミストリーハンドルは第2のタンパク質のN末端にコンジュゲーションされ、キメラタンパク質は、これら2つのタンパク質のN末端のN末端へのコンジュゲーションである。別の実施態様では、第1のクリックケミストリーハンドルは第1のタンパク質のC末端にコンジュゲーションされ、第2のクリックケミストリーハンドルは第2のタンパク質のC末端にコンジュゲーションされ、キメラタンパク質はこれら2つのタンパク質のC末端のC末端へのコンジュゲーションである。一部の実施態様では、例えば、組換え技術で融合タンパク質を作製することの代替策として、クリックハンドルが第1及び第2のポリペプチドのC末端及びN末端を結合するために用いられる。例えば、融合タンパク質が非常に大きいか、精製困難か、クローン化が困難な核酸配列にコード化されるか、クローン化を回避するためかの場合には、これは特に有用である。 本発明の一部の実施態様は、キメラタンパク質、例えば、本発明の局面にしたがう2つのタンパク質の翻訳後コンジュゲーションにより生成されたキメラタンパク質を提供する。一部の実施態様は、クリックケミストリーによりコンジュゲーションされる2つの抗原結合タンパク質、例えば、単一ドメイン抗体を含むキメラ二重特異性抗体を提供する。一部の実施態様は、ソルターゼ認識配列を含む第1の抗体又は抗原結合抗体断片と、ソルターゼ認識配列を含む第2の抗体又は抗原結合抗体断片とを含む二重特異性キメラ抗体を提供し、第1及び第2の抗体又は抗原結合断片はクリックケミストリーによりコンジュゲーションされる。 本発明は抗原結合タンパク質コンジュゲーションに限られず、適当なクリックケミストリーハンドルを含むか、かかるハンドルが本明細書に説明される方法又は当業者に知られた方法にしたがって設置できる、いかなる分子とコンジュゲーションがいかなるタンパク質でもできることに留意すべきである。したがって、一部の実施態様は、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXT)を有する標的タンパク質と、該タンパク質にクリックケミストリーでコンジュゲーションされる第2の分子とを含むキメラタンパク質を提供する。一部の実施態様では、前記キメラタンパク質は、前記標的タンパク質上にクリックケミストリーハンドルを翻訳後に設置すること、及び、前記標的タンパク質のクリックケミストリーハンドルと反応できる第2のクリックケミストリーハンドルを含む第2の分子に、該クリックケミストリーハンドルを含む標的タンパク質を接触させることによって生成される。 一部の実施態様は、修飾タンパク質、例えば、ソルターゼ認識モチーフ(例えば、LPXT)と、例えば、該ソルターゼ認識モチーフのアミノ酸の1つに直接か、リンカーを介してかでコンジュゲーションされるクリックケミストリーハンドルとを含むタンパク質を提供する。一部の実施態様では、前記修飾タンパク質は、抗原結合ドメイン、例えば、抗体又は抗原結合抗体断片を含む。代表的には、本発明に提供される修飾タンパク質は、ラクダ抗体又はその抗原結合断片、VHHドメイン、単一ドメイン抗体、ナノボディ、scFv、アフィボディ、アンチカリン、DARPin又はアドネクチンを含むが、これらに限られない。一部の実施態様では、クリックケミストリーハンドルはタンパク質のC末端に配置されるが、他の実施態様では、クリックケミストリーハンドルはタンパク質のN末端に配置される。一部の実施態様では、クリックケミストリーハンドルは、末端のアルキン、アジド、ひずみのあるアルキン、ジエン、親ジエン体、アルコキシアミン、カルボニル、ホスフィン、ヒドラジド、チオール及びアルケンからなる群から選択される。 本発明の一部の実施態様は、本発明に提供される方法を実施するのに有用な1種類以上の試薬を含むキットを提供する。例えば、一部の実施態様では、本発明は、1−10個のグリシン残基か、第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされる末端アルキルアミンを含む第1のペプチドと、第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされるソルターゼ認識モチーフを含む第2のペプチドとを含み、第1及び第2のペプチドのクリックケミストリーハンドルが反応可能である、キットを提供する。一部の実施態様では、前記キットは、1−10個のグリシン残基か、第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされる末端アルキルアミンかを含む第1のペプチドと、1−10個のグリシン残基か、第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされる末端アルキルアミンかを含む第2のペプチドとを含み、第1及び第2のペプチドのクリックケミストリーハンドルが反応可能である。一部の実施態様では、前記キットは、第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされるソルターゼ認識モチーフを含む第1のペプチドと、第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされるソルターゼ認識モチーフを含む第2のペプチドを含み、第1及び第2のペプチドのクリックケミストリーハンドルは互いに反応可能である。一部の実施態様では、前記キットは、ソルターゼ酵素をさらに含む。一部の実施態様では、前記キットは、使用指示書、触媒、例えば、金属触媒、及び/又は、反応バッファーをさらに含む。 以上の概要は本発明の一部の局面にわたる概説を行うことを意図するものであって、いかなるやり方であれ、本発明の限定するものと解釈されるべきではない。本発明のさらなる局面、利点及び実施態様は本明細書に説明され、さらなる実施態様は本開示に基づいて当業者には自明であろう。上記及び本明細書に引用される全ての文献の全内容は引用により本明細書に取り込まれる。ソルターゼ及びクリックケミストリーを利用するC−Cタンパク質2量体及びN−Nタンパク質2量体の生成。上のパネルでは、「LEPTGG」との文言はソルターゼ認識モチーフを指す。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。ソルターゼで触媒されるアシル転移反応代表的なクリックケミストリーハンドルと、コンジュゲーションされたタンパク質の生成に適する反応抗体1及び2へのC末端ハンドルA及びBの設置抗体1及び2の2量体化。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。クリックケミストリーを利用してタンパク質に取り込まれる場合がある、代表的な追加の官能基PEG化二重特異性抗体及びタンパク質3量体の合成N末端標識ユビキチン類似体を利用するクリックケミストリーの最適化。A)クリックハンドルによるG3Ub−VMEの標識。B)形成されたコンストラクトの活性測定。UbVME単量体及び2量体がUCHL3とインキュベーションされた。DUBの標識は分子量のシフトをもたらした。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。ユビキチンをモデルタンパク質として用いるN末端ソルタギング。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。ユビキチンをモデルタンパク質として用いるN末端ソルタギング。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。ユビキチンをモデルタンパク質として用いるN末端ソルタギング。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。ユビキチンをモデルタンパク質として用いるN末端ソルタギング。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。アジド−Ub及びシクロオクチン−UbのクリックケミストリーN−N2量体化の反応速度論抗β2M抗体及び抗GFP抗体のC−C2量体化の模式図。「LEPTGG」との文言はソルターゼ認識モチーフを指す。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。サイズ排除クロマトグラフィーによる精製サイズ排除クロマトグラフィーによる精製抗GFPナノボディのソルタギング抗GFPナノボディのソルタギングインターフェロンアルファ及び抗GFP(抗eGFP)ナノボディのソルタギング。37:C末端アジド;57:C末端シクロオクチン;40:N末端シクロオクチン;41:N末端アジド;LPETGG:配列番号1。INFA及び抗GFPのソルタギング。LPETGG:配列番号1。本アプローチの概念図。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。ユビキチン2量体化の要件 概念的アプローチユビキチン2量体化の要件 ユビキチンは1又は2で3時間ソルタグ化され、LC/MSで解析される。ユビキチンの2量体化。アジド修飾ユビキチン(2nmol)が13μLのH2O中でシクロオクチン付加ユビキチン等モルとインキュベーションされる。2量体は15%SDS−PAGEで分離され、タンパク質はクーマジー染色により検出された。ユビキチンの2量体化。アジド修飾ユビキチン(2nmol)が13μLのH2O中でシクロオクチン付加ユビキチン等モルとインキュベーションされる。2量体は15%SDS−PAGEで分離され、タンパク質はユビキチンについて免疫ブロッティングにより検出された。表示された時間DIBACユビキチン(0.1nmol)とインキュベーションされたアジドユビキチン(0.1nmol)は、TRIS/トリシンゲルで分離され、クーマジー染色され、得られたタンパク質はImageJにより定量化された。単量体及び2量体のレーンあたりの相対量は以下のとおり決定された。2量体の相対量=(2量体の吸光度)/(全吸光度)、単量体の相対量=(単量体の吸光度)/(全吸光度)。ユビキチン又はUbVMEのいずれかでのUCHL3の標識。左のパネル:クーマジー染色ゲル、右のパネル:his6タグについての免疫ブロッティング。配列は上から下に、それぞれ、配列番号XX−XXに対応する。N−N融合タンパク質の合成。使用されるN末端プローブ1及び2の構造。2量体UbVMEによるhisタグ化UCHL3の標識。トリス−トリシンゲルのクーマジーブリリアントブルー染色。2量体UbVMEによるhisタグ化UCHL3の標識。抗His抗体を用いる免疫ブロッティング。Ub−UbVME*:単一のUCHL3に結合したユビキチンUbVME。UbVME2*:単一のUCHL3分子に結合した2量体UbVME。UbVME2**:2個のUCHL3分子に結合した2量体UbVME。C−Cホモ2量体抗体 プローブ3及び4の構造。抗GFPの2量体化両方の抗GFPがGFPと結合することを実証するサイズ排除クロマトグラフィー実験。赤色の線:抗GFP2量体、緑色の線:GFP、淡青色の線:抗GFP2量体+2.5μLGFP、濃青色の線:抗GFP+10μLGFP、黒色の線:抗GFP2量体+20μLGFP(過剰)。プローブ4でソルタグ化された抗GFPの精製プローブ4で標識された精製抗GFPのクーマジーブリリアントブルー染色ゲル。プローブ4で標識された精製抗GFPの質量分析波形図。aGFP−3及びaGFP−4の2量体化。 TIS(50mM、pH7.4、150mM NaCl)中のaGFP−3(2.5μM、0.17nmol)が、表示された時間室温で等モル量のaGFP−4とインキュベーションされた。2量体化産物はTRIS/トリシンSDS−PAGEで単量体から分離された。タンパク質は、蛍光撮影(λex=532、λem=580、左パネル)と、クーマジーブリリアントブルー染色(中央パネル)とにより可視化され、定量された(右パネル)。2量体に対する単量体の相対量は、ユビキチンについて説明されたとおり決定された。Superdex(商標)75 10/30による抗GFP2量体の精製濃縮精製タンパク質の15%SDS−PAGEによる解析GFP存在下及び非存在下でインキュベーションされた単量体抗GFP−3及び抗GFP−4のSuperdex(商標)200 10/30溶出プロフィール30μLのGFPとインキュベーションされた抗GFP2量体の12.5mL(1)及び15.5mL(2)での溶出ピークが濃縮され、非変性ポリアクリルアミドゲルに懸架された。蛍光抗GFP−3とVHH7−3との2量体化及び精製非蛍光GFP−4とVHH7−5との2量体化及び精製プローブ5抗MHC II抗GFP抗体によるマウスリンパ節細胞のFACS解析。上のパネル:野生型細胞での解析結果。下のパネル:NHCクラスII欠損細胞の解析結果。GFPの生体内送達。マウスは50μLの二重特異性抗体が注射され、50μgのGFPが、直接腹腔内か、1時間後に静脈内にかのいずれかで投与された。染色された細胞はフロー・サイトメトリー法で解析された。抗MHC II−抗GFP抗体によるマウスリンパ節細胞のFACS解析。上のパネル:野生型細胞での解析結果。下のパネル:MHCクラスII欠損細胞での解析結果。VHH7、IL2及びIFNαと抗GFPとのヘテロ2量体の作製 定義 具体的な官能基及び化学術語の定義は以下により詳しく説明される。本発明の目的には、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics第75版表紙裏の元素周期律表CAS版にしたがって同定され、具体的な官能基は当該書籍に説明のとおり一般的に定義される。さらに、有機化学の一般原理と、具体的な官能基及び反応性とは、Organic Chemistry, Thomas Sorrell, University Science Books, Sausalito, 1999と、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry, 5th Edition, John Wiley & Sons, Inc., New York, 2001と、Larock, Comprehensive Organic Transformations, VCH Publishers, Inc., New York, 1989と、Carruthers, Some Modern Methods of Organic Synthesis, 3rd Edition, Cambridge University Press, Cambridge, 1987とに説明される。 本明細書で用いられる用語「脂肪族」は、飽和及び不飽和の両方の、非芳香族の直鎖(すなわち、非分岐型)、分岐型、非環状型、環状型(すなわち、炭素環)炭化水素を含み、任意的に1個以上の官能基で置換される。当業者は理解するであろうが、「脂肪族」は、本明細書では、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、及びシクロアルキニル基を含むが、これらに限定されないことを意図する。したがって、本明細書で用いられる用語「アルキル」は、直鎖型、分岐型及び環状型のアルキル基を含む。類似のやり方が、「アルケニル」、「アルキニル」等の他の一般的な用語にも適用される。さらに、本明細書に用いられる用語「アルキル」、「アルケニル」等は、置換基及び非置換基の両方を含む。本明細書で用いられる一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−20個を有する(環状型、非環状型、置換型、非置換型、分岐型又は非分岐型の)脂肪族基(C1−20脂肪族)を示すのに用いられる。一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−10個を有する脂肪族基(C1−10脂肪族)を示すのに用いられる。一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−6個を有する脂肪族基(C1−6脂肪族)を示すのに用いられる。一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−5個を有する脂肪族基(C1−5脂肪族)を示すのに用いられる。一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−4個を有する脂肪族基(C1−4脂肪族)を示すのに用いられる。一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−3個を有する脂肪族基(C1−3脂肪族)を示すのに用いられる。一部の実施態様では、「脂肪族」は、炭素原子1−2個を有する脂肪族基(C1−2脂肪族)を示すのに用いられる。脂肪族基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「アルキル」は、1個ないし20個の間の炭素原子を含む炭化水素原子団から1個の水素原子を除去することにより誘導される、飽和、直鎖又は分岐鎖の炭化水素ラジカルを指す。一部の実施態様では、本発明に用いられるアルキル基は、1−20個の炭素原子を含む(C1−20アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−15個の炭素原子を含む(C1−15アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−10個の炭素原子を含む(C1−10アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−8個の炭素原子を含む(C1−8アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−6個の炭素原子を含む(C1−6アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−5個の炭素原子を含む(C1−5アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−4個の炭素原子を含む(C1−4アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−3個の炭素原子を含む(C1−3アルキル)。別の実施態様では、前記アルキル基は、1−2個の炭素原子を含む(C1−2アルキル)。アルキルラジカルの例は、1個以上の置換を含む場合がある、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、sec−ペンチル、イソペンチル、tert−ブチル、n−ペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、sec−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−デシル、n−ウンデシル、ドデシル等を含むが、これらに限定されない。アルキル基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。本明細書に用いられる用語「アルキレン」は、本明細書に定義されるとおり、アルキル基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。アルキレン基は、環状型又は非環状型、分岐型又は非分岐型、置換型又は非置換型の場合がある。アルキレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素2重結合を有する直鎖型又は分岐鎖型炭化水素原子団から1個の水素を除去することにより誘導される1価の官能基を指す。一部の実施態様では、本発明に用いられるアルケニル基は2−20個の炭素原子を含む(C2−20アルケニル)。一部の実施態様では、本発明に用いられるアルケニル基は2−15個の炭素原子を含む(C2−15アルケニル)。別の実施態様では、本発明に用いられるアルケニル基は2−10個の炭素原子を含む(C2−10アルケニル)。さらに別の実施態様では、前記アルケニル基は2−8個の炭素原子を含む(C2−8アルケニル)。また別の実施態様では、前記アルケニル基は2−6個の炭素原子を含む(C2−6アルケニル)。また別の実施態様では、前記アルケニル基は2−5個の炭素原子を含む(C2−5アルケニル)。また別の実施態様では、前記アルケニル基は2−4個の炭素原子を含む(C2−4アルケニル)。また別の実施態様では、前記アルケニル基は2−3個の炭素原子を含む(C2−3アルケニル)。また別の実施態様では、前記アルキニル基は2個の炭素原子を含む(C2アルケニル)。アルケニル基は、例えば、1個以上の置換体を含む場合がある、エテニル、プロペニル、ブテニル、1−メチル−2−ブテン−1−イル等を含む。アルケニル基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。本明細書に用いられる用語「アルケニレン」は、本明細書に定義されるアルケニル基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。アルケニレン基は、環状型又は非環状型、分岐型又は非分岐型、置換型又は非置換型の場合がある。アルケニレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「アルキニル」は、少なくとも1個の炭素−炭素3重結合を有する直鎖型又は分岐鎖型炭化水素原子団から1個の水素を除去することにより誘導される1価の官能基を指す。一部の実施態様では、本発明に用いられるアルキニル基は2−20個の炭素原子を含む(C2−20アルキニル)。一部の実施態様では、本発明に用いられるアルキニル基は2−15個の炭素原子を含む(C2−15アルキニル)。別の実施態様では、本発明に用いられるアルキニル基は2−10個の炭素原子を含む(C2−10アルキニル)。さらに別の実施態様では、前記アルキニル基は2−8個の炭素原子を含む(C2−8アルキニル)。また別の実施態様では、前記アルキニル基は2−6個の炭素原子を含む(C2−6アルキニル)。また別の実施態様では、前記アルキニル基は2−5個の炭素原子を含む(C2−5アルキニル)。また別の実施態様では、前記アルキニル基は2−4個の炭素原子を含む(C2−4アルキニル)。また別の実施態様では、前記アルキニル基は2−3個の炭素原子を含む(C2−3アルキニル)。また別の実施態様では、前記アルキニル基は2個の炭素原子を含む(C2アルキニル)。代表的なアルキニル基は、1個以上の置換体を含む場合がある、エテニル、2−プロピニル(プロパルジル)、1−プロピニル等を含むが、これらに限定されない。アルキニル基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。本明細書に用いられる用語「アルキニレン」は、本明細書に定義されるアルキニレン基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。アルキニレン基は、環状型又は非環状型、分岐型又は非分岐型、置換型又は非置換型の場合がある。アルキニレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「炭素環」又は「カルボシクリル(carbocyclyl)」は、3−10個の炭素環原子を含む環状脂肪族基(C3−10炭素環)を指す。炭素環基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「ヘテロ脂肪族(heteroaliphatic)」は、飽和及び不飽和の両方の、非芳香族、直鎖型(すなわち非分岐型)、分岐型、非環状型、環状型(すなわち複素環型)又は多環式の炭化水素を含み、任意的に1個以上の官能基で置換され、炭素原子の間に1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン又はシリコン原子)をさらに含む。一部の実施態様では、ヘテロ脂肪族原子団は、そのうちの水素原子1個以上が1個以上の置換基で独立に入れ替わることにより置換される。当業者は理解するであろうが、「ヘテロ脂肪族」は、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル及びヘテロシクロアルキニル原子団を含むが、これらに限定されない。したがって、用語「ヘテロ脂肪族」は、用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」等を含む。さらに、本明細書で用いられる用語「ヘテロアルキル」、「ヘテロアルケニル」、「ヘテロアルキニル」等は、置換基及び非置換基の両方を含む。本明細書に説明されるとおり、一部の実施態様では、「ヘテロ脂肪族」は、1−20個の炭素原子と、1−6個のヘテロ原子とを有する(環状型、非環状型、置換型、非置換型、分岐型又は非分岐型の)ヘテロ脂肪族基(C1−20ヘテロ脂肪族)を示すために用いられる。一部の実施態様では、前記ヘテロ脂肪族は、1−10個の炭素原子と、1−4個のヘテロ原子とを含む(C1−10ヘテロ脂肪族)。一部の実施態様では、前記ヘテロ脂肪族は、1−6個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C1−6ヘテロ脂肪族)。一部の実施態様では、前記ヘテロ脂肪族は、1−5個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C1−5ヘテロ脂肪族)。一部の実施態様では、前記ヘテロ脂肪族は、1−4個の炭素原子と、1−2個のヘテロ原子とを含む(C1−4ヘテロ脂肪族)。一部の実施態様では、前記ヘテロ脂肪族は、1−3個の炭素原子と、1個のヘテロ原子とを含む(C1−3ヘテロ脂肪族)。一部の実施態様では、前記ヘテロ脂肪族は、1−2個の炭素原子と、1個のヘテロ原子とを含む(C1−2ヘテロ脂肪族)。ヘテロ脂肪族基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「ヘテロアルキル」は、炭素原子の間に1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン又はシリコン原子)を含む、本明細書に定義されるアルキル原子団を指す。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキル基は、2−20個の炭素原子と、1−6個のヘテロ原子とを含む(C2−20ヘテロアルキル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキルは、2−10個の炭素原子と、1−4個のヘテロ原子とを含む(C2−10ヘテロアルキル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキルは、2−6個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C2−6ヘテロアルキル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキルは、2−5個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C2−5ヘテロアルキル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキルは、2−4個の炭素原子と、1−2個のヘテロ原子とを含む(C2−4ヘテロアルキル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキルは、2−3個の炭素原子と、1個のヘテロ原子とを含む(C2−3ヘテロアルキル)。本明細書に用いられる用語「ヘテロアルキレン」は、本明細書に定義されるヘテロアルキル基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。ヘテロアルキレン基は、環状型又は非環状型、分岐型又は非分岐型、置換型又は非置換型の場合がある。ヘテロアルキレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「ヘテロアルケニル」は、炭素原子の間に1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン又はシリコン原子)を含む、本明細書に定義されるアルケニル原子団を指す。一部の実施態様では、前記ヘテロアルケニル基は、2−20個の炭素原子と、1−6個のヘテロ原子とを含む(C1−20ヘテロアルケニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルケニルは、2−10個の炭素原子と、1−4個のヘテロ原子とを含む(C2−10ヘテロアルケニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルケニルは、2−6個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C2−6ヘテロアルケニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルケニルは、2−5個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C2−5ヘテロアルケニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルケニルは、2−4個の炭素原子と、1−2個のヘテロ原子とを含む(C2−4ヘテロアルケニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルケニルは、2−3個の炭素原子と、1個のヘテロ原子とを含む(C2−3ヘテロアルケニル)。本明細書に用いられる用語「ヘテロアルケニレン」は、本明細書に定義されるヘテロアルケニル基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。ヘテロアルケニレン基は、環状型又は非環状型、分岐型又は非分岐型、置換型又は非置換型の場合がある。ヘテロアルケニレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「ヘテロアルキニル」は、炭素原子の間に1個以上のヘテロ原子(例えば、酸素、イオウ、窒素、リン又はシリコン原子)を含む、本明細書に定義されるアルキニル原子団を指す。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキニル基は、2−20個の炭素原子と、1−6個のヘテロ原子とを含む(C1−20ヘテロアルキニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキニルは、2−10個の炭素原子と、1−4個のヘテロ原子とを含む(C2−10ヘテロアルキニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキニルは、2−6個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C2−6ヘテロアルキニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキニルは、2−5個の炭素原子と、1−3個のヘテロ原子とを含む(C2−5ヘテロアルキニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキニルは、2−4個の炭素原子と、1−2個のヘテロ原子とを含む(C2−4ヘテロアルキニル)。一部の実施態様では、前記ヘテロアルキニルは、2−3個の炭素原子と、1個のヘテロ原子とを含む(C2−3ヘテロアルキニル)。本明細書に用いられる用語「ヘテロアルキニレン」は、本明細書に定義されるヘテロアルキニル基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。ヘテロアルキニレン基は、環状型又は非環状型、分岐型又は非分岐型、置換型又は非置換型の場合がある。ヘテロアルキニレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「複素環」、「ヘテロシクル(heterocycles)」、「ヘテロシクリル(heterocyclyl)」は、環状ヘテロ脂肪族基をさす。複素環基は、非芳香族の、部分的に不飽和か、完全に飽和かの3員ないし10員環システムを指し、非芳香族環と融合した芳香族5員又は6員アリール基又はヘテロアリール基を含む場合がある、3個ないし8個の原子のサイズの単環と、2環及び3環システムとを含む。これらの複素環は、酸素、イオウ及び窒素から独立に選択される1個から3個までのヘテロ原子を有するものを含み、該窒素及びイオウヘテロ原子は、任意的に酸化される場合があり、窒素ヘテロ原子は任意的に4級化される場合がある。一部の実施態様では、複素環という用語は、少なくとも1個の環原子が酸素、イオウ及び窒素から選択されるヘテロ原子(該窒素及びイオウヘテロ原子は任意的に酸化される場合がある)であり、残りの環原子は炭素で、ラジカルは前記環原子のいずれかを介して分子の残りに連結される、非芳香族5員、6員又は7員環又は多環式基を指す。複素環基は、酸素、イオウ及び窒素から独立に選択される1個ないし3個のヘテロ原子を有する融合5員、6員又は7員環を含む、2環又は3環式基を含むが、これらに限定されない。ここで、(i)各5員環は0個ないし2個の2重結合を有し、各6員環は0個ないし2個の2重結合を有し、各7員環は0個ないし3個の2重結合を有し、(ii)前記窒素及びイオウヘテロ原子は任意的に酸化される場合があり、(iii)前記窒素ヘテロ原子は任意的に4級化される場合があり、(iv)上記の複素環のいずれかがアリール又はヘテロアリール環と融合する場合がある。代表的な複素環は、アザシクロプロパニル、アザシクロブタニル、1,3−ジアザチジニルピペリジニル、ピペラジニル、アゾカニル、チアラニル、チエタニル、テトラヒドロチオフェニル、ジチオラニル、チアシクロヘキサニル、オキシラニル(oxiranyl)、オキセタニル(oxetanyl)、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロプラニル、ジオキサニル、オキサチオラニル、モルフォリニル、チオキサニル(thioxanyl)、テトラヒドロナフチル等を含み、これらは1個以上の置換基を含む場合がある。置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書に用いられる用語「アリール」は、3−20個の環原子を有し、該環原子の全てが炭素であり、置換型又は非置換型の場合がある、芳香族単環又は多環式システムを指す。本発明の一部の実施態様では、「アリール」は、1個以上の置換基を含む場合がある、フェニル、ビフェニル、ナフチル等を含むが、これらに限定されない、1個、2個又は3個の芳香族環を有する、単環、2環又は3環式のC4−C20芳香族環システムを指す。アリール置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。本明細書に用いられる用語「アリーレン」は、本明細書に定義されるアリール基から2個の水素原子を除去することにより誘導されるビラジカルを指す。アリーレン基は置換型又は非置換型の場合がある。アリーレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。さらにアリーレン基は、本明細書に定義される、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ヘテロアルキレン基、ヘテロアルケニレン基又はヘテロアルキニレン基にリンカー基として取り込まれる場合がある。 本明細書で用いられる用語「ヘテロアリール」は、3−20個の環原子を有する芳香族単環又は多環式システムを指し、該システムの1個の環原子が、イオウ、酸素及び窒素から選択され、0、1又は2個の環原子はイオウ、酸素及び窒素から独立に選択され、残りの環原子は炭素で、本ラジカルは前記環原子のいずれかを介して分子の残りと結合される。代表的なヘテロアリールは、1個以上の置換基を含む場合がある、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピリダジニル、トリジニル、テトラジニル、ピロリジニル(pyyrolizinyl)、インドリル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、シノリニル(cinnolinyl)、キナゾリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノサリニル、チオフェニル、チアナフチニル、フラニル、ベンゾフラニル、ベンゾチアゾリル、チアゾリニル、イソチアゾリル、チアジアゾリニル、オキサゾリニル、イソサゾリル(isoxazolyl)、オキサジアジオリル(oxadiaziolyl)、オキサジアジオリル(oxadiaziolyl)等を含むが、これらに限定されない。ヘテロアリール置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。さらにヘテロアリーレン基は、本明細書に定義される、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、ヘテロアルキレン基、ヘテロアルケニレン基又はヘテロアルキニレン基にリンカー基として取り込まれる場合がある。ヘテロアリーレン基置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書で用いられる用語「アシル」は、置換アルキル基であり、一般式−C(=O)RA、−C(=O)ORA、−C(=O)−O−C(=O)RA、−C(=O)SRA、−C(=O)N(RA)2、−C(=S)RA、−C(=S)N(RA)2、and −C(=S)S(RA)、−C(=NRA)RA、−C(=NRA)ORA、−C(=NRA)SRA、and −C(=NRA)N(RA)2を有する基を指す。ここでRAは、水素、ハロゲン、置換又は非置換ヒドロキシル、置換又は非置換チオール、置換又は非置換アミノ、アシル、任意的に置換された脂肪族、任意的に置換されたヘテロ脂肪族、任意的に置換されたアルキル、任意的に置換されたアルケニル、任意的に置換されたアルキニル、任意的に置換されたアリール、任意的に置換されたヘテロアリール、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、アルキルオキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、モノ又はジ−脂肪族アミノ、モノ又はジ−ヘテロ脂肪族アミノ、モノ又はジ−ヘテロアルキルアミノ、モノ又はジ−ヘテロアルキルアミノ、モノ又はジ−アリールアミノ、又は、モノ又はジ−ヘテロアリールアミノであるか、又は、RA基2個がいっしょになって5員又は6員複素環を形成する。代表的なアシル基は、アルデヒド(−CHO)、カルボン酸(−CO2H)、ケトン、ハロゲン化アシル、エステル、アミド、イミン、炭酸塩、カルバマート及び尿素を含む。アシル置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書で用いられる用語「アシレン」は、置換アルキレン、置換アルケニレン、置換アルキニレン、置換ヘテロアルキレン、置換ヘテロアルケニレン、又は置換ヘテロアルキニレン基のサブセットであり、一般式−R0−(C=X1)−R0−、−R0−X2(C=X1)−R0−又は−R0−X2(C=X1)X3−R0−を有するアシル基を指す。ここで、X1、X2及びX3は、独立に、酸素、イオウ又はNRrであり、ここで、Rrは、水素又は任意的に置換された脂肪族基であり、R0は、本明細書で定義される、任意的に置換されたアルキレン、アルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン基である。R0がアルキレンである代表的なアシレン基は、−(CH2)T−O(C=O)−(CH2)T−; −(CH2)T−NRr(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−O(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=O)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−S(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−NRr(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−S(C=NRr)−(CH2)T−;−(CH2)T−O(C=S)−(CH2)T−;−(CH2)T−(C=S)−(CH2)T−又は−(CH2)T−S(C=O)−(CH2)T−等を含み、これらは1個以上の置換基を含む場合がある。ここでそれぞれのTは、独立に、0なし20の整数である。アシレン置換体は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれかを含むが、これらに限定されない。 本明細書で用いられる用語「アミノ」は、式(−NH2)を指す。「置換アミノ」は、1個だけ置換されたアミン(−NHRh)か、2重置換アミン(−NRh2)かのいずれかを指す。ここで、Rh置換基は、安定的な原子団の形成につながる本明細書に説明される置換体のいずれか(例えば、アミノ保護基:脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール,アシル、アミノ、ニトロ、ヒドロキシル、チオール、ハロ、脂肪族アミノ、ヘテロ脂肪族アミノ、アルキルアミノ、ヘテロアルキルアミノ、アリールアミノ、ヘテロアリールアミノ、アルキルアリール、アリールアルキル、脂肪族オキシ、ヘテロ脂肪族オキシ、ヘテロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、脂肪族チオキシ、ヘテロ脂肪族チオキシ、アルキルチオキシ、ヘテロアルキルチオキシ、アリールチオキシ、ヘテロアリールチオキシ、アシルオキシ等で、これらのそれぞれはさらに置換されたり、されなかったりの場合がある)である。一部の実施態様では、前記2重置換アミン(−NRh2)のRh置換基は、5員ないし6員の複素環を形成する。 本明細書で用いられる用語「ヒドロキシ」又は「ヒドロキシル」は、式(−OH)の基を指す。「置換ヒドロキシル「は、式(−ORi)の基を指し、ここでRiは、安定的な原子団(例えば、ヒドロキシル保護基:脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキル等で、これらのそれぞれはさらに置換されたり、されなかったりする場合がある。)の形成につながるいずれかの置換基の場合がある。 本明細書で用いられる用語「チオ」又は「チオール」は、式(−SH)の基を指す。「置換チオール」は、式(−SRr)の基を指し、ここでRrは、安定的な原子団(例えば、チオール保護基:脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、シアノ、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキル等で、これらのそれぞれはさらに置換されたり、されなかったりする場合がある。)の形成につながるいずれかの置換基の場合がある。 本明細書で用いられる用語「イミノ」は、式(=NRr)の基を指し、ここでRrは、水素又は安定的な原子団(例えば、アミノ保護基:脂肪族、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロ脂肪族、複素環、アリール、ヘテロアリール、アシル、スルフィニル、スルホニル、シアノ、ニトロ、アルキルアリール、アリールアルキル等で、これらのそれぞれはさらに置換されたり、されなかったりする場合がある。)の形成につながるいずれかの置換基の場合がある。 本明細書で用いられる用語「アジ化物」又は「アジゾ」は、式(−N3)の基を指す。 本明細書で用いられる用語「ハロ」又は「ハロゲン」は、フッ素(フルオロ、―F)、塩素(クロロ、―Cl)、臭素(−Br)及びヨウ素(ヨード、―I)から選択される原子を指す。 「脱離基」は、不均等開裂において1対の電子とともに解離する分子の断片を指す当業者に理解される用語である。ここで前記分子の断片はアニオン又は中性の分子である。例えば、Smith, March’s Advanced Organic Chemistry 6th ed. (501−502)を参照せよ。代表的な脱離基は、ハロ(例えば、クロロ、ブロモ、ヨード)と、例えば式−OC(=O)SRaa、−OC(=O)Raa、−OCO2Raa、−OC(=O)N(Rbb)2、−OC(=NRbb)Raa、−OC(=NRbb)ORaa、−OC(=NRbb)N(Rbb)2、−OS(=O)Raa、−OSO2Raa、−OP(Rcc)2、−OP(Rcc)3、−OP(=O)2Raa、−OP(=O)(Raa)2、−OP(=O)(ORcc)2、−OP(=O)2N(Rbb)2又は−OP(=O)(NRbb)2の活性化置換ヒドロキシル基とを含むが、これらに限定されない。ここで、Raaは、任意的に置換された脂肪族、任意的に置換されたヘテロ脂肪族、任意的に置換されたアリール又は任意的に置換されたヘテロアリールであり、Rbbは、水素、か、アミノ保護基、任意的に置換された脂肪族、任意的に置換されたヘテロ脂肪族、任意的に置換されたアリール又は任意的に置換されたヘテロアリールであり、Rccは、水素、任意的に置換された脂肪族、任意的に置換されたヘテロ脂肪族、任意的に置換されたアリール又は任意的に置換されたヘテロアリールである。 本明細書で用いられる用語「Xaa」は、アミノ酸、例えば、以下の表Aの標準的なaaか、表Bの非標準的なアミノ酸かをさす。一部の実施態様では、用語Xaaは、例えば以下の化学式の化合物を指す。 ここで、R及びR’は、独立に、水素、任意的に置換された脂肪族、任意的に置換されたヘテロ脂肪族、任意的に置換されたアリール又は任意的に置換されたヘテロアリールからなる群から選択され、Rdは水素又はアミノ保護基である。上記2つの化学式に含まれるaaは、ポリペプチド及びタンパク質に存在する20種類の一般的な天然のアルファ−アミノ酸(例えば、以下の表Aに記載のA、R、N、C、D、Q、E、G、H、I、L、K、M、F、P、S、T、W、Y、V、標準的なアミノ酸ともよばれる)のD−及びL−異性体のような天然アルファ−アミノ酸と、非標準的なアルファ−アミノ酸(その例は、以下の表Bに記載される)と、ベータ−アミノ酸(標準的又は非標準的、例えば、ベータ−アラニン)とを含むが、これらに限られない。 多くの公知の非天然型アミノ酸が存在し、そのどれもが、本発明のポリペプチドに含まれてもよい。たとえば、S.Hunt、The Non−Protein Amino Acids:In Chemistry and Biochemistry of the Amino Acids、G.C.Barrett、ChapmanおよびHall編集、1985年を参照。非天然型アミノ酸のいくつかの例示として、4−ヒドロキシプロリン、デスモシン、γ−アミノ酪酸、β−シアノアラニン、ノルバリン、4−(E)−ブテニル−4(R)−メチル−N−メチル−L−スレオニン、N−メチル−L−ロイシン、1−アミノ−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−2−フェニル−シクロプロパンカルボン酸、1−アミノ−シクロブタンカルボン酸、4−アミノ−シクロペンテンカルボン酸、3−アミノ−シクロヘキサンカルボン酸、4−ピペリジル酢酸、4−アミノ−1−メチルピロール−2−カルボン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2,3−ジアミノプロピオン酸、2,4−ジアミノ酪酸、2−アミノヘプタン二酸、4−(アミノメチル)安息香酸、4−アミノ安息香酸、オルソ−、メタ−およびパラ−置換フェニルアラニン類(たとえば、−C(=O)C6H5、−CF3、−CN、−ハロ、−NO2、−CH3で置換されたもの)、二置換フェニルアラニン類、置換チロシン類(たとえば、さらに、−C(=O)C6H5、−CF3、−CN、−ハロ、−NO2、−CH3で置換されたもの)およびスタチンがある。 用語「クリックケミストリー」は、スクリプス研究所のK.Barry Sharplessによって導入された化学原理であり、反応性基を含む小さな単位どうしを結合することにより、共有結合を素早く、確実に創り出すように仕立てる化学を言う。クリックケミストリーは、具体的な反応は言わないが、自然界でみられる反応を模倣する反応を含む概念を言う。いくつかの実施形態では、クリックケミストリー反応は、モジュール方式で、範囲が広く、高い化学収率を提供し、生成される副産物には害がなく、立体特性があり、84kJ/molを超える大きな熱力学的駆動力を発揮し、単一反応生成物との反応を有利に行いおよび/または生理的条件下で行うことができる。別の発熱反応は、反応物を「ばね仕掛け」とする。いくつかの実施形態では、クリックケミストリー反応は、高い原子効率を発揮し、簡単な反応条件下で行うことができ、簡単に入手可能な出発原料及び試薬を使用し、毒性のない溶剤を使用しまたは良性もしくは簡単に除去される溶剤(好ましくは水)を使用し、および/またはクロマトグラフではない方法(結晶化または蒸留)による簡単な生成物単離を提供する。 本明細書で使用される用語「クリックケミストリーハンドル」は、クリックケミストリー反応に参加することができる反応物または反応性基を言う。たとえば、ひずみのあるアルキン、たとえばシクロオクチンは、ひずみ促進環化付加に参加することができるので(たとえば、表1参照)、クリックケミストリーハンドルである。一般的に、クリックケミストリー反応には、互いに反応することができるクリックケミストリーハンドルを含む分子が少なくとも2個必要である。本明細書では、互いに反応するそのようなクリックケミストリーハンドルペアを、パートナークリックケミストリーハンドルと言う場合もある。たとえば、アジドは、シクロオクチンまたは他のアルキンに対するパートナークリックケミストリーハンドルである。本発明のいくつかの態様による使用に適切な代表的なクリックケミストリーハンドルを、本明細書、たとえば、表1および2、ならびに図2Bに記載する。他の適切なクリックケミストリーハンドルは、当業者に公知である。 用語「タンパク質」、「ペプチド」および「ポリペプチド」は、本明細書では交換可能に使用され、ペプチド(アミド)結合によって互いに結合するアミノ酸残基のポリマーを言う。該用語は、任意のサイズ、構造または機能のタンパク質、ペプチドまたはポリペプチドを言う。普通、タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドは、少なくとも3個のアミノ酸長さであろう。タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドは、独立したタンパク質またはタンパク質の収集物を言う場合もある。タンパク質、ペプチドまたはポリペプチド中の1個以上のアミノ酸は、たとえば、炭水化物基、水酸基、リン酸基、ファルネシル基、イソファルネシル基、脂肪酸基、コンジュゲーション、官能基化または他の修飾用のリンカーのような化学成分の付加によって修飾してもよい。また、タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドは、単分子であってもよく、多分子複合体であってもよい。タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドは、天然のタンパク質またはペプチドの断片であってもよい。タンパク質、ペプチドまたはポリペプチドは、天然であっても、組換え体または合成物であっても、これらの任意の組合せであってもよい。 用語「コンジュゲーションされた」または「コンジュゲーション」は、直接または間接的な共有または非共有結合反応で結合される方法による、2個の分子、たとえば2個のタンパク質どうしの会合を言う。クリックケミストリーによるコンジュゲーションにおいては、コンジュゲーションは、クリックケミストリーハンドルの反応により形成される共有結合によるものである。ある実施形態では、会合は共有結合であり、成分は、互いに「コンジュゲーションされている」と言われる。いくつかの実施形態ではタンパク質は、該タンパク質が翻訳された後に、およびいくつかの実施形態ではタンパク質が単離された後に、タンパク質と他の分子との間で共有結合を形成することによって、他の分子、たとえば第二タンパク質に、翻訳後にコンジュゲーションされる。いくつかの実施形態では、タンパク質と第二分子、たとえば第二タンパク質との後翻訳コンジュゲーションは、タンパク質上にクリックケミストリーハンドルが設置され、および第二分子上に前記第一クリックケミストリーハンドルに反応することができる第二クリックケミストリーハンドルが設置され、クリックケミストリーハンドルが反応し、タンパク質と第二分子との間で共有結合を形成するクリックケミストリーを行うことによって達成され、このようにしてキメラタンパク質を生成する。いくつかの実施形態では、2個のタンパク質は、それぞれ、それらのC末端でコンジュゲーションされ、C−Cコンジュゲーションされたキメラタンパク質が生成される。いくつかの実施形態では、2個のタンパク質は、それぞれ、それらのN末端でコンジュゲーションされ、N−Nコンジュゲーションされたキメラタンパク質が生成される。 本明細書で使用される「検出可能な標識」は、標識が結合されている、タンパク質、ポリペプチドまたは他の成分のような分子の検出を可能にする原子団に導入されている元素、同位体または官能基の少なくとも1個を有する原子団を言う。標識は、直接結合(すなわち結合によって)することができ、または鎖(たとえば、場合によっては置換されているアルキレン、場合によっては置換されているアルケニレン、場合によっては置換されているアルキニレン、場合によっては置換されているヘテロアルキレン、場合によっては置換されているヘテロアルケニレン、場合によっては置換されているヘテロアルキニレン、場合によっては置換されているアリーレン、場合によっては置換されているヘテロアリーレン、または場合によっては置換されているアシレン、またはこれらの任意の組合せであって鎖を創り出すことができるもの)によって結合することができる。標識は、分子、たとえばタンパク質、ポリペプチドまたは他の成分の任意の位置で、結合または導入してもよいことは理解されるだろう。 一般的に、標識は、5つの群、a)放射性または重同位体であってもよい、同位体原子団を含む標識であって、ここで、該同位体原子団として、2H、3H、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、67Ga、76Br、99mTc(Tc−99m)、111In、123I、125I、131I、153Gd、169Ybおよび186Reが挙げられるが、これらに限定されない、b)免疫性原子団を含む標識であって、ここで、該免疫性原子団は、抗体または抗原であってもよく、また酵素(たとえば、ホースラディッシュパーオキシダーゼ)に結合してもよい、c)着色された、発光性、燐光性または蛍光性原子団(たとえば、蛍光性標識フルオレセインイソチオシアネート(FITC)である標識、d)1個以上の光親和性原子団を有する標識、およびe)1個以上の公知の結合パートナー(たとえば、ビオチン−ストレプトアビジン、FK506−FKBP)用のリガンドである標識のいずれか1つ(またはそれ以上)に分類されうる。ある実施形態では、標識は、放射性同位体、好ましくは、β粒子のような検出可能な粒子を発する同位体を含む。ある実施形態では、標識は、蛍光性原子団を含む。ある実施形態では、標識は、蛍光性標識フルオレセインイソチオシアネート(FITC)である。ある実施形態では、標識は、1個以上の公知の結合パートナーを持つリガンド原子団を含む。ある実施形態では、標識は、ビオチンを含む。いくつかの実施形態では、標識は、蛍光性ポリペプチド(たとえば、GFPまたはその誘導体、たとえば、改良GFP(EGFP))またはルシフェラーゼ(たとえば、ホタル、レニラまたはガウシアルシフェラーゼ)である。ある実施形態では、標識は、適切な基質(たとえば、ルシフェリン)と反応して、検出可能な信号を発生してもよいことが理解されるだろう。蛍光性タンパク質の限定ではない例示として、GFPおよびその誘導体、赤や黄色等の異なる色の光を発する発色団を含むタンパク質、およびシアン蛍光性タンパク質などが挙げられる。代表的な蛍光性タンパク質として、たとえば、シリウス、アズライト、EBFP2、タグBFP、mターコイズ、ECFP、セルリアン、タグCFP、mTFP1、mUkG1、mAG1、AcGFP1、タグGFP2、EGFP、mワサビ、EmGFP、タグYPF、EYFP、トバーズ、SYFP2、ビーナス、シトリン、mKO、mKO2、mオレンジ、mオレンジ2、タグRFP、タグRFP−T、mストロベリー、mルビー、mチェリー、mラズベリー、mKate2、mプラム、mネプチューン、T−サファイア、mアメトリン、mケイマが挙げられる。たとえば、Chalfie,M.およびKain,SR(eds.)Green fluorescent protein:properties,applications,and protocols(Methods of biochemical analysis,第47巻)、Wiley−Interscience,Hoboken,N.J.,2006年および/またはChudakov,DM,ら、Physiol Rev. 90(3):1103−63,2010 for discussion of GFP and numerous other fluorescent or luminescent proteinsを参照。いくつかの実施形態では、標識は、ダーククエンチャー、たとえば、フルオロフォアからの励起エネルギーを吸収し、該エネルギーを熱として散逸する物質を含む。 本明細書で使用される用語「抗体」は、免疫グロブリンスーパーファミリーに属する糖タンパク質を言う。用語「抗体」および「免疫グロブリン」は、交換可能に使用される。例外もあるが、哺乳類の抗体は、主として、それぞれ、2つのH鎖と2つの小さなL鎖を持つ基本構造で造られている。数種の異なるタイプの抗体H鎖、およびそれらが持つH鎖に基づいた異なるアイソタイプに分類される数種の異なる抗体がある。哺乳類においては、5種類の異なる抗体アイソタイプ、IgG、IgA、IgE、IgDおよびIgMが公知であり、これらは、異なる役割を果たし、それらが遭遇する異物の異なるタイプそれぞれに関する適切な免疫応答を直接助ける。いくつかの実施形態では、抗体は、IgG抗体、たとえば、IgG1、2、3または4ヒトサブクラスの抗体である。哺乳類ではない種(たとえば、トリ類、爬虫類、両生類)の抗体も、該用語、たとえば、IgY抗体の範囲内に入る。 抗体の一部だけが、抗原の結合に関与し、抗原結合抗体断片、それらの製造および用途は、当業者に周知である。当該分野で周知のように、抗体分子の小部分、パラトープのみが、抗体のエピトープへの結合に関与する(一般的に、Clark,W.R.(1986年)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley & Sons社、ニューヨーク;Roitt,I.(1991年)Essential Immunology,第7編、Blackwell Scientific Publications,オックスフォードを参照)。たとえば、pFc’およびFc領域は、補体カスケードのエフェクターであるが、抗原結合には関与していない。pFc’領域が酵素的に切断されている抗体、またはpFc’領域なしに生成されている抗体であって、F(ab’)断片(またはF(ab’)2断片)を指定している抗体は、完全な抗体の抗原結合部位の両方を保持する。同様に、Fc領域が酵素的に切断されている抗体、またはFc領域なしに製造されている抗体であって、Fab断片を指定している抗体は、完全な抗体分子の抗原結合部位の1つを保持する。Fab断片は、共有結合型抗体L鎖および抗体H鎖で示されるFdの部分で構成される。Fd断片は、抗体特異性の主な決定因子(単一のFd断片は、代わりの抗体特性のない10個までの異なるL鎖を伴ってもよい)であり、およびFd断片は、単離において、エピトープ結合能を保持する。 当該分野では周知のように、抗体の抗原結合部分内には、抗原のエピトープと直接相互作用する、相補性を決定する領域(CDR)と、パラトープの三次構造を維持するフレームワーク領域(FR)とが存在する(一般的に、Clark,W.R.(1986)The Experimental Foundations of Modern Immunology Wiley & Sons社、ニューヨーク;Roitt,I.(1991)Essential Immunology,第7編、Blackwell Scientific Publications、オックスフォード参照)。免疫グロブリンのH鎖Fd断片およびL鎖のどちらにも、それぞれ3つの相補性決定領域(CDR1〜CDR3)によって分離される、4つのフレームワーク領域(FR1〜FR4)が存在する。CDR、特にCDR3領域、さらにはH鎖CDR3が、抗体特異性に大きく貢献する。 哺乳類の抗体の非CDR領域は、始めの抗体のエピトープ特異性を保持しながら、非特異性または異種特異性抗体の類似する領域で置き換えてもよいことは当該分野で定着している。これは、非ヒトCDRを共有結合でヒトFRおよび/またはFc/pFc’領域に結合し、機能的な抗体を生成する「ヒト化」抗体の開発および使用において、最も明確に証明されている。たとえば、米国特許第4,816,567号、第5,225,539号、第5,585,089号、第5,693,762号および第5,859,205号の各明細書参照。 また、完全ヒトモノクローナル抗体も、広範囲のヒト免疫グロブリンHおよびL鎖座に関し、マウスを免疫し遺伝子導入することによって生成することができる。これらのマウス(たとえば、ゼノマウス(Abgenix)、HuMAbマウス(Medarex/GenPharm))の免疫化の後、モノクローナル抗体を、標準のハイブリドーマ技術によって生成することができる。これらのモノクローナル抗体は、ヒト免疫グロブリンアミノ酸配列を有し、したがって、ヒトに投与した時、ヒト抗マウス抗体(HAMA)応答を誘発しないだろう。 したがって、当業者であれば認識するように、本発明は、F(ab’)、Fab、FvおよびFd断片;Fcおよび/またはFRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/またはL鎖CDR3領域が、相同性ヒトまたは非ヒト配列で置き換えられている抗体;FRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/またはL鎖CDR3領域が、相同性ヒトまたは非ヒト配列で置き換えられている抗体;FRおよび/またはCDR1および/またはCDR2および/またはL鎖CDR3領域が、相同性ヒトまたは非ヒト配列で置き換えられている抗体;およびFRおよび/またはCDR1および/またはCDR2領域が、相同性ヒトまたは非ヒト配列で置き換えられている抗体も提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、いわゆる一本鎖抗体(たとえば、ScFv)、(単一)ドメイン抗体、および他の抗体を提供し、いくつかの実施形態では、細胞内抗体が提供される。ドメイン抗体、ラクダおよびラクダ化抗体およびその断片、たとえば、VHHドメインまたはナノボディ、たとえば、Ablynx NVおよびDomantisの特許および特許公開公報に記載されているものも、該用語「抗体」に包含される。本明細書で使用される用語「抗原結合抗体断片」は、パラトープを含む抗体の断片または抗原に結合する抗体の断片を言い、抗体は結合し、完全な抗体のように、類似の特異性および親和性を持つ。 抗体、たとえば完全ヒトモノクローナル抗体は、ファージディスプレイ(または酵母ディスプレイ、リボソームディスプレイ、細菌ディスプレイのような他のディスプレイ方法)を使用して、同定してもよい。ディスプレイライブラリー、たとえば、ファージディスプレイライブラリーは、入手可能であり(および/または当業者により生成することができ)、これをスクリーニングし、たとえば、パニングを使用して、関心のある抗原に結合する抗体を同定することができる。たとえば、Sidhu,S.(ed.)Phage Display in Biotechnology and Drug Discovery(Drug Discovery Series;CRC Press;第1編2005年;Aitken,R.(ed.)Antibody Phage Display:Methods and Protocols(Methods in Molecular Biology)Humana Press;第2編,2009年参照。いくつかの実施形態では、モノクローナル抗体は、適切な宿主細胞、たとえば原核生物または真核生物の宿主細胞中で、組換え方法を使用して生成する。いくつかの実施形態では、微生物の宿主細胞(たとえば、細菌、真菌)を使用する。核酸をエンコードする抗体またはその部分を単離し、それらの配列を決定してもよい。そのような核酸配列は、適切なベクター(たとえば、プラスミド)に挿入し、たとえば、発現用の宿主細胞に導入してもよい。いくつかの実施形態では、昆虫の細胞を使用する。いくつかの実施形態では、哺乳類の細胞、たとえばヒトの細胞を使用する。いくつかの実施形態では、抗体を、それを生成する宿主細胞から分泌し、たとえば、培地から単離してもよい。組換えタンパク質の生成および精製方法は、当業者に周知である。 本明細書で使用される用語「キメラ抗体」は、他の分子、たとえば第二抗体または抗原結合抗体断片にコンジュゲーションする抗体または抗原結合抗体断片を言う。いかなる抗体または抗原結合抗体断片、または抗原結合タンパク質ドメインも、本発明の態様によりキメラ抗体を生成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、キメラ抗体は、2個のコンジュゲーション抗体もしくは抗体断片、または抗体断片にコンジュゲーションする1個の抗体を含み、ここで、前記コンジュゲーション分子の抗原結合ドメインは、異なる抗原または同じ抗原の異なるエピトープに結合する。このようなキメラ抗体は、2個の異なる抗原/エピトープに結合するので、本明細書では、「二重特異性」と言う。 本明細書で使用される用語「リンカー」は、分子、たとえばタンパク質、および化学基または原子団、たとえばクリックケミストリーハンドルに共有結合で結合する化学基または分子を言う。いくつかの実施形態では、リンカーは、2個の基、分子または原子団の間または脇に位置し、共有結合を介してそれぞれに結合し、これにより2つを結合する。いくつかの実施形態では、リンカーは1個のアミノ酸または複数のアミノ酸である。いくつかの実施形態では、リンカーは有機分子、基または化学原子団である。 本明細書で使用される用語「ソルタギング」は、タグ、たとえばクリックケミストリーハンドルを、標的分子、たとえば標的タンパク質に付加するプロセスを言う。なお、該用語は、クリックケミストリーハンドルに限定されるものではなく、他のタグを付加するプロセスも言う。適切なタグの例として、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、核酸、ポリヌクレオチド、糖、炭水化物、ポリマー、脂質、脂肪酸、小分子が挙げられるが、これらに限定されない。他の適切なタグも、当業者には明らかであろう。本発明は、この態様に限定されない。いくつかの実施形態では、タグは、ポリペプチドを精製、発現、可溶化および/または検出するために有用な配列を含む。いくつかの実施形態では、タグは、複数の機能を果たすことができる。タグは比較的小さいものが多く、たとえば、数個のアミノ酸から約100個までのアミノ酸長さの範囲である。いくつかの実施形態では、タグは、100個を超えるアミノ酸長さ、たとえば、約500個までのアミノ酸長さ、またはそれ以上である。いくつかの実施形態では、タグは、いくつかの例を挙げると、HA、TAP、Myc、6XHis、FlagまたはGSTタグを含む。いくつかの実施形態では、タグは、溶解度向上タグ(たとえば、SUMOタグ、NUS Aタグ、SNUTタグ、またはバクテリオファージT7のOcrタンパク質の単量体変異体)を含む。たとえば、Esposito D and Chatterjee DK.Curr Opin Biotechnol.;17(4):353−8(2006年)を参照。いくつかの実施形態では、たとえばプロテアーゼによって、タグは開裂し、これを除去することができる。いくつかの実施形態では、たとえば、タグの機能的部分の隣接するまたは結合するタグ中に、プロテアーゼ開裂部位を含ませることによってこれを行う。代表的なプロテアーゼとして、たとえば、トロンビン、TEVプロテアーゼ、ファクターXa、PreScissionプロテアーゼなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、「自己開裂」タグを使用する。たとえば、国際特許出願第PCT/US05/05763号明細書を参照。 実施形態の詳細な説明標準的な遺伝子学的方法により、ヘッドトゥテイル方法でポリペプチドの融合することによって、タンパク質複合体の生成が可能になる。しかし、いくつかの適用は、残っている遊離末端に生物活性が要求される場合、それらのN末端またはC末端によってタンパク質の部位特異性結合のような遺伝学的に不可能な構造から利益を得るだろう。 キメラタンパク質、たとえば、蛍光性タンパク質による遺伝的融合は、原位置でおよびインビボで、それらの細胞局在化(細胞内局在化)を可視化するために、広く使用される(Lippincott−Schwartz J,Patterson GH(2003年)Development and Use of Fluorescent Protein Markers in Living Cells.Science300:87−91;この文献の全体は、参照によって本明細書に組込まれる)。たとえば、2個の直交性に標識されたキメラの共発現により、タンパク質共局在化および受容体二量体化の動力学の研究が可能になる。さらに、タンパク質融合は、別種の一時的なタンパク質複合体の生物学的関連性を評価するために使用されている。2個以上の相互作用するタンパク質の融合または架橋により、タンパク質複合体を安定化することができ、該融合または架橋は、G−タンパク質結合型受容体(Seifert R,Wenzel−Seifert K,Kobilka BK(1999年)GPCR−G fusion proteins:molecular analysis of receptor−G−protein coupling.Trends Pharmacol Sci20:383−389;およびHan Y,Moreira IS,Urizar E,Weinstein H,Javitch JA(2009年)Allosteric communication between protomers of dopamine class A GPCR dimers modulates activation.Nat Meth5:688−695;これらの各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)、ケモカインおよびサイトカイン(Leong SRら(1997年)IL−8single−chain homodimers and heterodimers:interactions with chemokine receptors CXCR1,CXCR2,and DARC.Protein Sci6:609−617;Nasser MWら(2009年)Differential activation and regulation of CXCR1 and CXCR2 by CXCL8 monomer and dimer.J Immunol 183:3425−3432;およびDrury LJら(2011年)Monomeric and dimeric CXCL12inhibit metastasis through distinct CXCR4 interactions and signaling pathways.P Natl Acad Sci USA108:17655−17660;これら各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)のシグナル伝達および(ヘテロ)二量体化を調査するために使用されている。 キメラタンパク質は、有用な生物化学ツールである他に、癌、自己免疫疾患、リソソーム蓄積症、および脳障害の治療の選択肢としても期待される。(Boado RJら(2008年)Genetic Engineering,Expression and Activity of a Chimeric Monoclonal Antibody−Avidin Fusion Protein for Receptor−Mediated Delivery of Biotinylaylated Drugs in Humans.Bioconjug Chem19:731−739;Lu JZ,Hui EK−W,Boado RJ,Pardridge WM(2010年)Genetic Engineering of a Bifunctional IgG Fusion Protein with Iduronate−2−Sulfatase.Bioconjug Chem21:151−156;Zhou Q−H,Boado RJ,Lu JZ,Hui EK−W,Pardridge WM(2010年)Re−Engineering Erythropoietin as an IgG Fusion Protein That Penetrates the Blood−Brain Barrier in the Mouse.Mol Pharmaceutics7:2148−2155;およびPastan I,Hassan R,FitzGerald DJ,Kreitman RJ(2006年)Immunotoxin therapy of cancer.Nature Reviews Cancer6:559−565;これらの文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。付帯的損害を最少にしつつ腫瘍細胞を殺すために、融合タンパク質により認識される反構造を発現する悪性細胞に負荷量を送達する方法として、毒素が抗体、成長因子、およびサイトカインにコンジュゲーションされている(Pastan I,Hassan R,FitzGerald DJ,Kreitman RJ (2006年)Immunotoxin therapy of cancer.Nature Reviews Cancer6:559−565;Osusky M,Teschke L,Wang X,Wong K,Buckley JT (2008年)A chimera of interleukin2およびbinding variant of aerolysin is selectively toxic to cells displaying the interleukin2receptor.J Biol Chem283:1572−1579;およびRafei Mら(2011年)A MCP1 fusokine with CCR2−specific tumoricidal activity.Molecular Cancer10:121;これらの各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。免疫グロブリンの一本鎖可変断片(scFV)の2本を融合することによって生成される二重特異性抗体は、腫瘍細胞に特異的な抗原結合ドメインを、T細胞に特異的なCD3受容体結合ドメインに結合しうる(Baeuerle PA,Reinhardt C(2009年)Bispecific T−Cell Engaging Antibodies for Cancer Therapy.Cancer Research69:4941−4944;この文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。これにより、T細胞は、局所的に細胞毒性活性またはサイトカイン放出を行い、所望の抗腫瘍応答を起こすことが可能になる。最後に、タンパク質融合方法は、構造的に規定された生体材料を生成するために使用されている(Sinclair JC,Davies KM,Venien−Bryan C,Noble MEM (2011)Generation of Proteinlattices by fusing proteins with matching rotational symmetry.Nature Nanotechnology6:558−562;この文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。 融合タンパク質の生成および精製には、生物工学的な問題が残っている。活性な生成物を得るためには、キメラの両ドメインが、活性が求められる残渣および領域の修飾なしで、自然の折り畳みを取り入れなければならない。融合タンパク質を生成する標準的な方法は、2つのタンパク質またはタンパク質断片の読み取り枠の遺伝的融合によるものである。部分的に折り畳まれたタンパク質および不完全な折り畳み生成物は、普通、融合タンパク質において観察される。 たとえば、連結タグによる、自然に折り畳まれた精製タンパク質の翻訳後のコンジュゲーションにより、この問題の回避が可能になるだろう。そのような方法は、適切に修飾されたタンパク質基質のC末端またはN末端での標識化を利用して、関心のある、対応する遺伝的融合を生成するように正確な付加物を生成する。ソルターゼ触媒アシル基転移反応により、タンパク率のそのような部位特異性標識化、および優れた特異性および定量的に近い収率での、自然条件下のヘッドトゥテイルタンパク質−タンパク質融合物の生成が可能になる(Popp MW,Ploegh HL(2011年)Making and Breaking Peptide Bonds:Protein Engineering Using Sortase.Angew Chem Int Ed 50:5024−5032;Guimaraes CPら(2011年)Identification of host cell factors required for intoxication through use of modified cholera toxin.J Cell Biol195:751−764;およびPopp MW,Antos JM,Grotenbreg GM,Spooner E,Ploegh HL(2007年)Sortagging:a versatile method for protein labeling.Nat Chem Biol3:707−708.;これらの各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。 標準的なソルターゼ連結方法は、二重特異性抗体またはそれらの断片の構築に大きな魅力はあるが、しかしそのような不自然な連結では、遺伝学的に不可能なタンパク質−タンパク質融合(N末端からN末端;C末端からC末端)を得ることはできない。本発明のいくつかの態様は、そのような融合を行うために、化学連結方法に頼らなければならない認識に関する。初期の化学コンジュゲーション方法は、アミンまたはスルフヒドリルによる非特異性架橋に依存していた(Kim JS,Raines RT(1995年)Dibromobimane as a fluorescent crosslinking reagent.Analytical Biochemistry225:174−176;この文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。修飾の部位および化学量論について制御ができないため不均一な生成物の形成となり、この方法の有用性は制限される。部位特異性突然変異誘発、天然型化学連結、インテイン系連結およびアンバー抑制遺伝子ピロリジンtRNA技術と組み合わせた生体直交化学の進歩により、2価および多価抗体の生成に適用する場合、非天然型タンパク質融合の合成が可能になっている(Schellinger JGら(2012年)A general chemical synthesis platform for crosslinking multivalent single chain variable fragments.Org Biomol Chem10:1521−1526;Natarajan Aら(2007年)Construction of di−scFv through a trivalent alkyne−azide1,3−dipolar cycloaddition.Chem Commun:695−697;およびXiao J,Hamilton BS,Tolbert TJ(2010年)Synthesis of N−Terminally Linked Protein and Peptide Dimers by Native Chemical Ligation.Bioconjug Chem21:1943−1947;これら各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。ユビキチン二量体の構造類似体は、インテイン系連結、部位特異性突然変異および銅触媒クリックケミストリーの組合せによって製造した(Weikart ND,Sommer S,Mootz HD(2011年)Click synthesis of ubiquitin dimer analogs to interrogate linkage−specific UBA domain binding.Chem Commun48:296;Weikart ND,Mootz HD(2010年)Generation of Site−Specific and Enzymatically Stable Conjugates of Recombinants with Ubiquitin−Like Modifiers by the Cu I−Catalyzed azide−alkyne cycloaddition.ChemBioChem 11:774−777;これらの各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。プロパルギルオキシフェニルアラニンの部位特異性導入によりGFP二量体の合成が容易になった(Schellinger JGら(2012年)A general chemical synthesis platform for crosslinking multivalent single chain variable fragments.Org Biomol Chem10:1521−1526;およびBundy BC, Swartz JR(2010年)Site−Specific Incorporation of p−Propargyloxyphenylalanine in a Cell−Free Environment for Direct Protein−Protein Click Conjugation.Bioconjug Chem 21:255−263;これらの各文献の全内容は、参照により本明細書に組込まれる)。 それでもなお、二重特異性の合成は、公開されている方法とは関係のない、修飾天然タンパク質への簡単な接近を可能にし、およびタンパク質末端の効率的な非天然型コンジュゲーションを可能にする。さらに、直交方法が利用できることにより、より複雑なもの(たとえば、ヘテロ三量体およびより高次複合体)のタンパク質構造体でさえ、その合成が可能になる。本明細書では、N末端またはC末端でのタンパク質の、他のタンパク質を始めとする(ただしこれに限らない)他のものへのコンジュゲーションが可能となる多目的に利用できる方法に関する試薬および方法を開示する。本明細書に記載されるコンジュゲーション方法には、ソルターゼ触媒ペプチド転移反応を使用する、クリックケミストリーハンドルのタンパク質への付加反応を含むものもある。次いで、得られた修飾タンパク質は、反応性クリックケミストリーハンドルを含む分子にコンジュゲーションすることができる。 本発明のいくつかの態様は、ソルターゼアシル基転移反応により、適切に修飾されたタンパク質のC末端で全種類の置換基を用意に設置できる認識に関する。効を奏するアシル基転移反応に唯一求められるものは、標的タンパク質において、適切に露出されたソルターゼ認識モチーフ、たとえば、LPXTまたはLPXTG(配列番号2)モチーフの存在である。ソルターゼ触媒反応に使用することができる求核試薬の設計は、同様に簡単であり、グリシン残基のショートラン(たとえば、1〜10)またはアルキルアミンでさえ、該反応を進めるのに充分である。標的タンパク質を修飾するために、ソルターゼアシル基転移方法を使用する重要な利点は、合成の容易さ、および生理的条件下で天然タンパク質において反応を実行できることである。 本発明のいくつかの態様は、ソルターゼ反応において使用される求核試薬は、いくつもの修飾、すなわち、ビオチン、検出可能な標識(たとえばフルオロフォア)、脂肪酸、核酸、脂質、放射性同位体、炭水化物、またはグリシン残基の適切に露出したN末端ストレッチを持つタンパク質を含むように修飾することができるという認識に関する。さらに、本発明のいくつかの態様は、求核試薬が、反応性化学原子団、たとえば、クリックケミストリー反応、たとえば、銅を使用しないクリックケミストリー反応に適切な原子団または「ハンドル」を含むソルターゼ反応に使用することができることを提供する。そのような求核試薬、たとえば、1〜10個のグリシン残基を含むペプチド(たとえば、GGG)、またはアルキルアミン基を含む任意の化合物(たとえば、ペプチド)、およびクリックケミストリーハンドルは、C末端ソルターゼ認識モチーフを含む標的タンパク質上ににおいて、C末端クリックケミストリーハンドルを設置するために使用することができる。ソルターゼ認識モチーフは、C最末端に位置する必要はないが、効率的にソルターゼ反応に加わるために、酵素が充分に接近できなければならない。 同様に、クリックケミストリーハンドルは、ソルターゼ認識モチーフおよび目的とするクリックケミストリーハンドルを含むペプチドを使用するソルターゼ反応を行うことによって、短いグリシンランを含むタンパク質、またはアルキルアミン基(たとえば、タンパク質のN末端に)を含むタンパク質または任意の化合物のN末端に設置することができる。したがって、ソルターゼ認識モチーフ、1〜10個のグリシン残基、または末端アルキルアミン基のいずれかを含む任意のタンパク質は、本発明の態様に従い、クリックケミストリーハンドルで誘導体化することができる。標的タンパク質上のクリックケミストリーハンドルの設置により、タンパク質に対するクリックケミストリー反応性が提供される。たとえば、本明細書に記載するようなクリックケミストリーハンドルを含むタンパク質は、第二分子、たとえば、第二クリックケミストリーハンドルを含む第二分子と反応し、共有結合を形成し、そのため、2個の分子をコンジュゲーションすることができる。 いくつかの実施形態では、反応性クリックケミストリーハンドルを有するタンパク質どうしが、それぞれクリックケミストリー反応を行うことによって、互いにコンジュゲーションする。これにより、タンパク質は、共有結合を介して互いにコンジュゲーションすることになる。本発明の方法によれば、タンパク質のC末端またはN末端のいずれかに、クリックケミストリーハンドルを設置することができるので、そのように修飾された2個のタンパク質は、従来のタンパク質融合に酷似した、第一タンパク質のC末端から第二タンパク質のN末端に共有結合を介してコンジュゲーションすることができる。しかし、両標的タンパク質上にC末端反応性クリックケミストリーハンドルを設置することにより、共有結合クリックケミストリー結合を介して、それらのC末端(C末端からC末端、C−C)でコンジュゲーションされたタンパク質が生成可能となり、一方、両標的タンパク質上にN末端反応性クリックケミストリーハンドルを設置することにより、それらのN末端(N末端からN末端、N−N)でコンジュゲーションされたタンパク質が生成可能となる。共有結合C−Cコンジュゲーションも共有結合N−Nコンジュゲーションも、組換えタンパク質融合技術のような従来のタンパク質工学技術によっては行うことができない。クリックケミストリーハンドルのソルターゼ媒介設置 各種ソルターゼ、ソルターゼ媒介アシル基転移反応、及び、タンパク質工学のためのアシル基転移(これはときにはペプチド転移と呼ばれる)におけるそれらの使用が当業者には広く知られている(例えば、Ploegh他、国際特許出願PCT/US2010/000274号、及び、Ploegh他、国際特許出願PCT/US2011/03303号を参照のこと。これらのそれぞれの内容全体が引用により本明細書に組み込まれる)。一般に、ソルターゼによって触媒されるペプチド転移反応は、トランスアミダーゼ認識モチーフを含有する化学種の、1つ又は複数のN末端グリシン残基を有する化学種との連結をもたらす。一部の実施態様において、ソルターゼ認識モチーフは、本明細書中に記載されるソルターゼ認識モチーフである。特定の実施態様において、ソルターゼ認識モチーフはLPXTモチーフ又はLPXTGモチーフ(配列番号2)である。この技術分野では知られているように、当該認識配列のC末端残基を、ソルターゼからいったん遊離した際には不良な求核性を示す成分により置換することは、より効率的な連結に備えるものである。 ソルターゼのアシル基転移反応は、アシルドナーを求核性アシルアクセプターと効率的につなぐための手段を提供する。この原理は、多くのアシルドナー及び数多くの異なるアシルアクセプターに対して広く適用可能である。以前においては、ソルターゼ反応が、タンパク質及び/又はペプチドを相互に連結するために、合成ペプチドを組換えタンパク質に連結するために、レポーター作用分子をタンパク質又はペプチドつなぐために、核酸をタンパク質又はペプチドに接合するために、タンパク質又はペプチドを固体担体又はポリマーにコンジュゲーションするために、また、タンパク質又はペプチドを標識につなぐために用いられた。そのような生成物及びプロセスは、連結生成物の合成に伴う費用及び時間を節約するものであり、かつ、アシルドナーをアシルアクセプターに都合よくつなぐために有用である。 ソルターゼ媒介アシル基転移反応がソルターゼのトランスアミダーゼ活性によって触媒される。トランスアミダーゼは、アシルドナー化合物と、NH2−CH2−成分を含有する求核性アシルアクセプターとの間においてペプチド結合(すなわち、アミド結合)を形成することができる酵素である。一部の実施態様において、ソルターゼはソルターゼA(SrtA)である。しかしながら、本発明はソルターゼAの使用に限定されないので、アシル基転移反応を触媒するソルターゼ又はトランスアミダーゼはどれも本発明の一部の実施態様において使用され得ることには留意しなければならない。ソルターゼは、トランスアミダーゼ活性を有する酵素であり、グラム陽性細菌から単離されてきた。グラム陽性細菌は、それらの細胞壁構造の一部として、ペプチドグリカン、同様にまた、多糖及び/又はテイコ酸を有する。グラム陽性細菌には、下記の属が含まれる:アクチノミセス(Actinomyces)属、バチルス(Bacillus)属、ビフィドバクテリウム(Bifidobacterium)属、セルロモナス(Cellulomonas)属、クロストリジウム(Clostridium)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、ミクロコックス(Micrococcus)、ミコバクテリウム(Mycobacterium)属、ノカルジア(Nocardia)属、スタフィロコックス(Staphylococcus)属、ストレプトコックス(Streptococcus)属及びストレプトミセス(Streptomyces)属。C末端クリックケミストリーハンドルのソルターゼ媒介設置 特定の実施態様において、C末端クリックケミストリーハンドルをタンパク質上に設置するためのソルターゼ媒介アシル基転移反応は、下記構造のトランスアミダーゼ認識配列を含むタンパク質:(式中、 トランスアミダーゼ認識配列は、トランスアミダーゼ酵素によって認識されるアミノ酸配列モチーフである;トランスアミダーゼ認識配列はどれもまた、本明細書中ではソルターゼ認識配列又はソルターゼ認識モチーフとして示される; Xは、−O−、−NR−又は−S−であり、但し、Rは、水素、置換又は非置換の脂肪族、或いは、置換又は非置換のヘテロ脂肪族である; A1は、長さにおいて少なくとも3個のアミノ酸のアミノ酸配列であるか、又は、長さにおいて少なくとも3個のアミノ酸のアミノ酸配列を含む; R1は、アシル、置換又は非置換の脂肪族、置換又は非置換のヘテロ脂肪族、置換又は非置換のアリール、或いは、置換又は非置換のヘテロアリールである)を、下記式の求核性化合物:(式中、 B1は、アシル、置換又は非置換の脂肪族、置換又は非置換のヘテロ脂肪族、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、リンカー及び/又は標識であり、或いは、アシル、置換又は非置換の脂肪族、置換又は非置換のヘテロ脂肪族、置換又は非置換のアリール、置換又は非置換のヘテロアリール、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識エレメント、小分子、脂質、リンカー及び/又は標識を含み、但し、B1はクリックケミストリーハンドルを含む; nは0であるか、又は、1から100までの整数(100を含む)である)と、下記式の化合物:を形成するための好適な条件のもと、トランスアミダーゼ酵素(例えば、ソルターゼ)の存在下で接触させるステップを含む。 クリックケミストリーハンドルは、任意の様式で、かつ、当業者によって想定され得る任意の位置においてB1に組み込まれるかもしれないことが当業者によって理解されるであろう。例えば、B1がアミノ酸(例えば、リシン)を含む場合があり、クリックケミストリーハンドルが、例えば、このアミノ酸の中心の炭素に、このアミノ酸の側鎖に、又は、このアミノ酸のカルボキシル基に、或いは、任意の他の位置に結合される場合がある。クリックケミストリーハンドルをB1に組み込む他の方法が当業者には明らかであろうし、本発明はこの点において限定されない。 B1の性質に依存して、クリックケミストリーハンドルが標的タンパク質のまさにC末端に設置されるかもしれないこと、又は、例えば、B1が、クリックケミストリーハンドルを含む第1のアミノ酸と、多数のさらなるアミノ酸とを含むならば、生じた改変タンパク質はクリックケミストリーハンドルをC末端において直接に含むのではなく、C末端の近くに含むであろうことがさらに理解されるであろう。当業者には明らかであろうが、類似する状況が下記のクリックケミストリーハンドルのN末端設置について存在する。 当業者は、特定の実施態様において、トランスアミダーゼ認識配列のC末端アミノ酸が除かれることを理解するであろう。すなわち、アシル基:により、トランスアミダーゼ認識端列のC末端アミノ酸が置き換えられる。一部の実施態様において、アシル基はである。一部の実施態様において、アシル基はである。 一部の実施態様において、ソルターゼ認識配列又はトランスアミダーゼ認識配列はLPXT(式中、Xは標準的又は非標準的なアミノ酸である)である。一部の実施態様において、Xが、D、E、A、N、Q、K又はRから選択される。一部の実施態様において、認識配列が、LPXT、LPXT、SPXT、LAXT、LSXT、NPXT、VPXT、IPXT及びYPXRから選択される。一部の実施態様において、Xが、天然に存在するトランスアミダーゼ認識配列と一致するように選択される。一部の実施態様において、トランスアミダーゼ認識配列が、LPKT(配列番号48)、LPIT(配列番号49)、LPDT(配列番号50)、SPKT(配列番号51)、LAET(配列番号52)、LAAT(配列番号53)、LAET(配列番号54)、LAST(配列番号55)、LAET(配列番号56)、LPLT(配列番号57)、LSRT(配列番号58)、LPET(配列番号59)、VPDT(配列番号60)、IPQT(配列番号61)、YPRR(配列番号62)、LPMT(配列番号63)、LPLT(配列番号64)、LAFT(配列番号65)、LPQT(配列番号66)、NSKT(配列番号67)、NPQT(配列番号68)、NAKT(配列番号69)及びNPQS(配列番号70)から選択される。一部の実施態様において、例えば、ソルターゼAが使用される特定の実施態様(下記参照)において、トランスアミダーゼ認識モチーフは、アミノ酸配列X1PX2X3(式中、X1は、ロイシン、イソロイシン、バリン又はメチオニンである;X2は任意のアミノ酸である;X3は、トレオニン、セリン又はアラニンである;Pはプロリンであり、かつ、Gはグリシンである)を含む。上記で示されるような具体的な実施態様において、X1はロイシンであり、かつ、X3はトレオニンである。特定の実施態様において、X2は、アスパルタート、グルタマート、アラニン、グルタミン、リシン又はメチオニンである。特定の実施態様において、例えば、ソルターゼBが利用される場合、認識配列は多くの場合、アミノ酸配列NPX1TX2(式中、X1はグルタミン又はリシンである;X2はアスパラギン又はグリシンである;Nはアスパラギンである;Pはプロリンである;Tはトレオニンである)を含む。本発明は、Xの選択が、少なくとも部分的には、所望される性質を、上記認識モチーフを含有する化合物に付与するために基づく場合があるという認識を包含する。一部の実施態様において、Xが、上記認識モチーフを含有する化合物の性質を改変するために選択され、例えば、特定の溶媒における溶解性を増大又は低下させるためなどのために選択される。一部の実施態様において、Xが、上記認識モチーフを含む化合物を合成する際に使用されるための反応条件と適合し得るように選択され、例えば、合成において使用される反応物に対して非反応性であるように選択される。 一部の実施態様において、Xは−O−である。一部の実施態様において、Xは−NR−である。一部の実施態様において、Xは−NH−である。一部の実施態様において、Xは−S−である。 特定の実施態様において、R1は、置換された脂肪族である。特定の実施態様において、R1は、非置換の脂肪族である。一部の実施態様において、R1は、置換されたC1−12脂肪族である。一部の実施態様において、R1は、非置換のC1−12脂肪族である。一部の実施態様において、R1は、置換されたC1−6脂肪族である。一部の実施態様において、R1は、非置換のC1−6脂肪族である。一部の実施態様において、R1はC1−3脂肪族である。一部の実施態様において、R1はブチルである。一部の実施態様において、R1はn−ブチルである。一部の実施態様において、R1はイソブチルである。一部の実施態様において、R1はプロピルである。一部の実施態様において、R1はn−プロピルである。一部の実施態様において、R1はイソプロピルである。一部の実施態様において、R1はエチルである。一部の実施態様において、R1はメチルである。 特定の実施態様において、R1は、置換されたアリールである。特定の実施態様において、R1は、非置換のアリールである。特定の実施態様において、R1は、置換されたフェニルである。特定の実施態様において、R1は、非置換のフェニルである。 一部の実施態様において、A1はタンパク質を含む。一部の実施態様において、A1はペプチドを含む。一部の実施態様において、A1は、抗体、抗体鎖、抗体断片、抗体エピトープ、抗体結合性の抗体ドメイン、VHHドメイン、単一ドメイン抗体、ラクダ抗体、ナノボディ、アフィボディ、アンチカリン、DAPPin又はアドネクチンを含む。一部の実施態様において、A1は、組換えタンパク質、1つ又は複数のD−アミノ酸を含むタンパク質、分岐ペプチド、治療用タンパク質、酵素、多サブユニットタンパク質のポリペプチドサブユニット、膜貫通タンパク質、細胞表面タンパク質、メチル化されたペプチド又はタンパク質、アシル化されたペプチド又はタンパク質、脂質付加されたペプチド又はタンパク質、リン酸化されたペプチド又はタンパク質、或いは、グリコシル化されたペプチド又はタンパク質を含む。一部の実施態様において、A1は、少なくとも3個のアミノ酸を含むアミノ酸配列である。一部の実施態様において、A1はタンパク質を含む。一部の実施態様において、A1はペプチドを含む。一部の実施態様において、A1は抗体を含む。一部の実施態様において、A1は抗体断片を含む。一部の実施態様において、A1は抗体エピトープを含む。一部の実施態様において、A1は緑色蛍光タンパク質を含む。一部の実施態様において、A1はユビキチンを含む。 一部の実施態様において、B1はクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施態様において、B1は、本明細書中に記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施態様において、B1は、表1、表2又は図2Bに記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施態様において、B1は、Kolb,Finn及びSharpless、Angewandte Chemie International Edition(2001)40:2004−2021;Evans、Australian Journal of Chemistry(2007)60:384−395;Joerg Lahann、Click Chemistry for Biotechnology and Materials Science、2009、John Wiley&Sons Ltd、ISBN978−0−470−69970−6;又は、Becer、Hoogenboom及びSchubert、click Chemistry beyond Metal−Catalyzed Cycloaddition、Angewandte Chemie International Edition(2009)48:4900−4908に記載されるクリックケミストリーハンドルを含む(これらのそれぞれの内容全体が引用により本明細書に組み込まれる)。例えば、特定の実施態様において、B1は、末端アルキレン成分、アジド成分、ひずみのあるアルキン成分、ジエン成分、親ジエン体成分、アルコキシアミン成分、カルボニル成分、ホスフィン成分、ヒドラジド成分、チオール成分又はアルケン成分を含む。一部の実施態様において、B1は、表1又は表2に、或いは、図2Bに記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。 特定の実施態様において、nは、0から50までの整数(50を含む)である。特定の実施態様において、nは、0から20までの整数(20を含む)である。特定の実施態様において、nは0である。特定の実施態様において、nは1である。特定の実施態様において、nは2である。特定の実施態様において、nは3である。特定の実施態様において、nは4である。特定の実施態様において、nは5である。特定の実施態様において、nは6である。N末端クリックケミストリーハンドルのソルターゼ媒介設置 ある実施態様では、タンパク質上へのN末端クリックケミストリーハンドルの設置のためのソルターゼ媒介アシル基転移反応は、構造:(式中、nは0又は1〜100の整数であって、両端を含む;そしてB1は、少なくとも3つのアミノ酸残基のアミノ酸配列であるか、又は少なくとも3つのアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む)のタンパク質を構造(式中 トランスアミダーゼ認識配列は、トランスアミダーゼ酵素によって認識されるアミノ酸配列モチーフであり;トランスアミダーゼ認識配列は、本明細書中ではソルターゼ認識配列又はソルターゼ認識モチーフとも称される; Xは、−O−、−NR−、又は−S−であり;ここで、Rは、水素、置換型若しくは非置換型脂肪族、又は置換型若しくは非置換型ヘテロ脂肪族である; A1は、アシル、置換型若しくは非置換型脂肪族、置換型若しくは非置換型ヘテロ脂肪族、置換型若しくは非置換型アリール、置換型若しくは非置換型ヘテロアリール、アミノ酸、ペプチド、タンパク質、ポリヌクレオチド、炭水化物、タグ、金属原子、造影剤、触媒、非ポリペプチドポリマー、認識要素、小分子、脂質、リンカー、及び/又はラベルであるか又はこれらを含み;ここで、A1はクリックケミストリーハンドルを含む;そして R1は、水素、アシル、置換型若しくは非置換型脂肪族、置換型若しくは非置換型ヘテロ脂肪族、置換型若しくは非置換型アリール、又は置換型若しくは非置換型ヘテロアリールである)の分子と、トランスアミダーゼ酵素、たとえばソルターゼの存在下で、式:の化合物を形成するのに適当な条件下で接触させるステップを含む。クリックケミストリーハンドルは、当業者が想定することができる任意の方法及び任意の位置でA1に組み入れることができると当業者は理解するであろう。例えば、A1は、アミノ酸(例えばリジン)を含んでもよく、クリックケミストリーハンドルを例えばアミノ酸の中心炭素、アミノ酸の側鎖、若しくはアミノ酸のアミノ基に、又は任意の他の位置に結合させることができる。クリックケミストリーハンドルをA1に組み入れる他の方法は、当業者には明らかであり、本発明はこの点で限定されない。 ある実施態様では、トランスアミダーゼ認識配列のC末端アミノ酸が除去されることを当業者は理解するであろう。すなわち、アシル基はトランスアミダーゼ認識配列のC末端アミノ酸と置換する。一部の実施態様では、アシル基はである。一部の実施態様では、アシル基はである。 一部の実施態様では、ソルターゼ、又はトランスアミダーゼ認識配列はLPXTであり、ここで、Xは標準的又は非標準的アミノ酸である。一部の実施態様では、Xは、D、E、A、N、Q、K、又はRから選択される。一部の実施態様では、認識配列は、LPXT、LPXT、SPXT、LAXT、LSXT、NPXT、VPXT、IPXT、及びYPXRから選択される。一部の実施態様では、Xは天然に存在するトランスアミダーゼ認識配列と適合するように選択される。一部の実施態様では、トランスアミダーゼ認識配列は:LPKT(配列番号48)、LPIT(配列番号49)、LPDT(配列番号50)、SPKT(配列番号51)、LAET(配列番号52)、LAAT(配列番号53)、LAET(配列番号54)、LAST(配列番号55)、LAET(配列番号56)、LPLT(配列番号57)、LSRT(配列番号58)、LPET(配列番号59)、VPDT(配列番号60)、IPQT(配列番号61)、YPRR(配列番号62)、LPMT(配列番号63)、LPLT(配列番号64)、LAFT(配列番号65)、LPQT(配列番号66)、NSKT(配列番号67)、NPQT(配列番号68)、NAKT(配列番号69)、及びNPQS(配列番号70)から選択される。一部の実施態様では、例えば、ソルターゼAが用いられるある実施態様では(下記参照)、トランスアミダーゼ認識モチーフは、アミノ酸配列X1PX2X3を含み、ここで、X1はロイシン、イソロイシン、バリン又はメチオニンであり;X2は任意のアミノ酸であり;X3はスレオニン、セリン又はアラニンであり;Pはプロリンであり、Gはグリシンである。特定の実施態様では、上記のように、X1はロイシンであり、X3はスレオニンである。ある実施態様では、X2はアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩、アラニン、グルタミン、リジン又はメチオニンである。例えばソルターゼBが利用されるある実施態様では、認識配列は多くの場合アミノ酸配列NPX1TX2を含み、ここで、X1はグルタミン又はリジンであり;X2はアスパラギン又はグリシンであり;Nはアスパラギンであり;Pはプロリンであり、Tはスレオニンである。本発明は、Xの選択が所望の特性を付与するためには、認識モチーフを含有する化合物に少なくとも部分的に基づく可能性があるという認識を包含する。一部の実施態様では、Xは、認識モチーフを含有する化合物の特性を修飾するように、例えば特定の溶媒中の溶解度を増加又は減少させるように選択される。一部の実施態様では、Xは、認識モチーフを含む化合物を合成するのに用いられる反応条件と適合性であるように、例えば、合成で使用される反応物質に対して反応しないように、選択される。 一部の実施態様では、Xは−O−である。一部の実施態様では、Xは−NR−である。一部の実施態様では、Xは−NH−である。一部の実施態様では、Xは−S−である。 ある実施態様では、R1は置換型脂肪族である。ある実施態様では、R1は非置換型脂肪族である。一部の実施態様では、R1は置換型C1−12脂肪族である。一部の実施態様では、R1は非置換型C1−12脂肪族である。一部の実施態様では、R1は置換型C1−6脂肪族である。一部の実施態様では、R1は非置換型C1−6脂肪族である。一部の実施態様では、R1はC1−3脂肪族である。一部の実施態様では、R1はブチルである。一部の実施態様では、R1はn−ブチルである。一部の実施態様では、R1はイソブチルである。一部の実施態様では、R1はプロピルである。一部の実施態様では、R1はn−プロピルである。一部の実施態様では、R1はイソプロピルである。一部の実施態様では、R1はエチルである。一部の実施態様では、R1はメチルである。 ある実施態様では、R1は置換型アリールである。ある実施態様では、R1は非置換型アリールである。ある実施態様では、R1は置換型フェニルである。ある実施態様では、R1は非置換型フェニルである。 一部の実施態様では、B1はタンパク質を含む。一部の実施態様では、B1はペプチドを含む。一部の実施態様では、B1は抗体、抗体鎖、抗体断片、抗体エピトープ、抗原結合抗体ドメイン、VHHドメイン、単一ドメイン抗体、ラクダ抗体、ナノボディ、アフィボディ、アンチカリン、DARPin又はアドネクチンを含む。一部の実施態様では、B1は、組換えタンパク質、1以上のD−アミノ酸を含むタンパク質、分岐型ペプチド、治療用タンパク質、酵素、マルチサブユニットタンパク質のポリペプチドサブユニット、膜貫通タンパク質、細胞表面タンパク質、メチル化ペプチド若しくはタンパク質、アシル化ペプチド若しくはタンパク質、脂質付加ペプチド若しくはタンパク質、リン酸化ペプチド若しくはタンパク質、又はグリコシル化ペプチド若しくはタンパク質を含む。一部の実施態様では、B1は少なくとも3つのアミノ酸を含むアミノ酸配列である。一部の実施態様では、B1はタンパク質を含む。一部の実施態様では、B1はペプチドを含む。一部の実施態様では、B1は抗体を含む。一部の実施態様では、B1は抗体断片を含む。一部の実施態様では、B1は抗体エピトープを含む。一部の実施態様では、B1は緑色蛍光タンパク質を含む。一部の実施態様では、B1はユビキチンを含む。 一部の実施態様では、A1はクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施態様では、A1は、本明細書中で記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施態様では、A1は表1、表2、又は図2Bで記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。一部の実施態様では、A1は、Kolb, Finn and Sharpless Angewandte Chemie International Edition (2001) 40: 2004−2021; Evans, Australian Journal of Chemistry (2007) 60: 384−395); Joerg Lahann, click Chemistry for Biotechnology and Materials Science, 2009, John Wiley & Sons Ltd, ISBN 978−0−470−69970−6; or Becer, Hoogenboom, and Schubert, click Chemistry beyond Metal−Catalyzed Cycloaddition, Angewandte Chemie International Edition (2009) 48: 4900 − 4908;(そのそれぞれの内容全体は、引用により本明細書に組み込まれる)に記載されているクリックケミストリーハンドルを含む。例えば、ある実施態様では、A1は、末端アルキン、アジド、ひずみのあるアルキン、ジエン、親ジエン体、アルコキシアミン、カルボニル、ホスフィン、ヒドラジド、チオール又はアルケン部分を含む。一部の実施態様では、A1は、表1若しくは表2、又は図2Bで記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。 ある実施態様では、nは0〜50の整数であり、両端を含む。ある実施態様では、nは0〜20の整数であり、両端を含む。ある実施態様では、nは0である。ある実施態様では、nは1である。ある実施態様では、nは2である。ある実施態様では、nは3である。ある実施態様では、nは4である。ある実施態様では、nは5である。ある実施態様では、nは6である。好適な酵素及び認識モチーフ ある実施態様では、トランスアミダーゼはソルターゼである。グラム陽性菌から「ソルターゼ」として同定される酵素は、タンパク質を切断し、無傷細胞壁中のプロテオグリカン部分に転座させる。黄色ブドウ球菌から単離されたソルターゼには、ソルターゼA(SrtA)及びソルターゼB(SrtB)が含まれる。したがって、ある実施態様では、本発明にしたがって用いられるトランスアミダーゼは、例えば黄色ブドウ球菌(S. aureus)由来のソルターゼAである。ある実施態様では、トランスアミダーゼは、例えば黄色ブドウ球菌由来のソルターゼBである。 ソルターゼは、配列アラインメント及びグラム陽性菌ゲノムからの61のソルターゼの系統学的分析に基づいて、A、B、C、及びDと指定される4つのクラスに分類されている(Dramsi S, Trieu−Cuot P, Bierne H, Sorting sortases: a nomenclature proposal for the various sortases of Gram−positive bacteria. Res Microbiol.156(3):289−97, 2005)。これらのクラスは、以下のサブファミリー:クラスA(サブファミリー1)、クラスB(サブファミリー2)、クラスC(サブファミリー3)、クラスD(サブファミリー4及び5)に相当し、ソルターゼもComfort及びClubbによってこれらに分類されている(Comfort D, Clubb RT. A comparative genome analysis identifies distinct sorting pathways in gram−positive bacteria. Infect Immun., 72(5):2710−22, 2004)。前記参考文献は、多くのソルターゼ及び認識モチーフを開示する。Pallen, M. J.; Lam, A. C.; Antonio, M.; Dunbar, K. TRENDS in Microbiology, 2001, 9(3), 97−101も参照のこと。当業者は、その配列及び/又はDrami et al.(上出)に記載されているような他の特性に基づいて、ソルターゼを正しいクラスに容易に帰属させることができるであろう。「ソルターゼA」という用語は、本明細書中ではクラスAソルターゼを指すために用いられ、通常、例えば黄色ブドウ球菌由来のSrtAなど、任意の特定の細菌種のSrtAと命名される。同様に、「ソルターゼB」は、本明細書中ではクラスBソルターゼを指すために用いられ、通常、例えば黄色ブドウ球菌由来のSrtBなど、任意の特定の細菌種のSrtBと命名される。本発明は、任意の細菌種又は株由来のソルターゼAに関連する実施態様を包含する。本発明は、任意の細菌種又は株由来のソルターゼBに関連する実施態様を包含する。本発明は、任意の細菌種又は株由来のクラスCソルターゼに関連する実施態様を包含する。本発明は、任意の細菌種又は株由来のクラスDソルターゼに関連する実施態様を包含する。 SrtA及びSrtBのアミノ酸配列並びにそれらをコード化するヌクレオチド配列は当業者に公知であり、本明細書中で記載される多くの参考文献で開示され、その全ての全内容は、引用により本明細書に組み込まれる。黄色ブドウ球菌SrtA及びSrtBのアミノ酸配列は相同性であり、例えば、22%の配列同一性及び37%配列類似性を共有する。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)のアミノ酸配列も、他のグラム陽性菌由来の酵素の配列と実質的な相同性を有し、そのようなトランスアミダーゼは、本明細書中で記載されるライゲーションプロセスで利用することができる。例えば、SrtAに関して、化膿性連鎖球菌(S. pyogenes)オープンリーディングフレームの配列決定された領域全体にわたり最良のアラインメントで約31%配列同一性(及び約44%配列類似性)がある。アクチノミセス・ネスルンディ(A. naeslundii)オープンリーディングフレームの配列決定された領域全体にわたって最良のアラインメントで約28%配列同一性がある。異なる細菌株は特定のポリペプチドの配列において相違を示す可能性があり、本明細書中の配列は代表的であることが理解されるであろう。 ある実施態様では、ソルターゼをコード化する化膿性連鎖球菌、アクチノミセス・ネスルンディ、ストレプトコッカス・ミュータンス(S. mutans)、フェカリス菌(E. faecalis)又は枯草菌(B. subtilis)オープンリーディングフレームと18%以上の配列同一性、20%以上の配列同一性、又は30%以上の配列同一性を有するトランスアミダーゼをスクリーニングすることができ、黄色ブドウ球菌からのSrtA又はSrtBに匹敵するトランスアミダーゼ活性を有する酵素を利用することができる(例えば、相当する活性は場合によってSrtA又はSrtB活性の10%以上である)。 したがって、本発明の一部の実施態様では、ソルターゼはソルターゼA(SrtA)である。SrtAはモチーフLPXTG(配列番号2)を認識し、共通の認識モチーフは、例えばLPKTG(配列番号71)、LPATG(配列番号96)、LPNTG(配列番号97)である。一部の実施態様では、LPETG(配列番号4)が用いられる。しかしながら、このコンセンサスからはずれるモチーフも認識される可能性がある。例えば、一部の実施態様では、モチーフは4位で「T」よりはむしろ「A」を含み、例えばLPXAG(配列番号98)、例えばLPNAG(配列番号99)である。一部の実施態様では、モチーフは5位で「G」よりはむしろ「A」を含み、例えばLPXTA(配列番号100)、例えばLPNTA(配列番号101)である。一部の実施態様では、モチーフは2位で「P」よりもむしろ「G」を含み、例えばLGXTG(配列番号102)、例えばLGATG(配列番号102)である。一部の実施態様では、モチーフは1位で「L」よりはむしろ「I」を含み、例えば、IPXTG(配列番号104)、例えばIPNTG(配列番号105)又はIPETG(配列番号106)である。 トランスアミダーゼ又はソルターゼによって認識される配列に関する用語「認識モチーフ」及び「認識配列」は、同義的に使用されることが理解されるであろう。用語「トランスアミダーゼ認識配列」は、本明細書において「TRS」と略記されることがある。 本発明の一部の実施態様では、ソルターゼは、ソルターゼB(SrtB)、例えば、黄色ブドウ球菌(S.aureus)、炭疽菌(B.anthracis)、又はリステリア菌(L.monocytogenes)のソルターゼBである。Bクラスのソルターゼ(SrtB)によって認識されるモチーフは、コンセンサス配列NPXTX、例えば、NPQTN(配列番号108)又はNPKTG(配列番号109)などのNP[Q/K]−[T/s]−[N/G/s](配列番号107)に含まれることが多い。例えば、黄色ブドウ球菌(S.aureus)又は炭疽菌(B.anthracis)のソルターゼBは、それぞれの細菌におけるIsdCのNPQTN(配列番号110)又はNPKTG(配列番号111)モチーフを開裂する(例えば、Marraffini,L.and Schneewind,O.,Journal of Bacteriology,189(17),p.6425−6436,2007を参照)。クラスBソルターゼの推定基質に見られる他の認識モチーフは、NSKTA(配列番号112)、NPQTG(配列番号113)、NAKTN(配列番号114)、及びNPQSS(配列番号115)である。例えば、リステリア菌(L.monocytogenes)に由来するSrtBは、NAKTN(配列番号116)及びNPQSS(配列番号117)などの、2位にPが欠如した及び/又は3位にQもしくはKが欠如した特定のモチーフを認識する(Mariscotti JF,Garcia−Del Portillo F,Pucciarelli MG.The listeria monocytogenes sortase−B recognizes varied amino acids at position two of the sorting motif.J Biol Chem.2009 Jan 7.[Epub ahead of print])。 一部の実施態様では、ソルターゼは、クラスCソルターゼである。クラスCソルターゼは、認識モチーフとしてLPXTG(配列番号2)を用い得る。 一部の実施態様では、ソルターゼは、クラスDソルターゼである。このクラスのソルターゼは、コンセンサス配列NA−[E/A/S/H]−TG(配列番号118)を有するモチーフを認識することが予測される(Comfort D、上記を参照)。クラスDソルターゼは、例えば、ストレプトマイセス属(Streptomyces spp.)、コリネバクテリウム属(Corynebacterium spp.)、トロフェリマ・ウィッペリ(Tropheryma whipplei)、サーモビフィダ・フスカ(Thermobifida fusca)、及びビフィドバクテリウム・ロングム(Bifidobacterium longum)において見られた。LPXTA(配列番号100)又はLAXTG(配列番号120)は、例えば、それぞれ、サブファミリー4及び5のクラスDソルターゼの認識配列として働くことができ、サブファミリー−4及びサブファミリー−5酵素は、それぞれ、モチーフLPXTA(配列番号100)及びLAXTG(配列番号122)を処理する。例えば、クラスDソルターゼである炭疽菌(B.anthracis)ソルターゼCは、炭疽菌(B.anthracis)BasI及びBasHにおけるLPNTA(配列番号123)モチーフを特異的に開裂することが示されている(Marraffini、上記を参照)。 QVPTGV(配列番号124)モチーフを認識するソルターゼの説明についてはBarnett and Scottを参照されたい(Barnett,TC and Scott,JR,Differential Recognition of Surface Proteins in Streptococcus pyogenes by Two Sortase Gene Homologs.Journal of Bacteriology,Vol.184,No.8,p.2181−2191,2002)。 本発明は、本明細書に及び/又は本明細書に引用される文献(データベースを含む)に記載されるものなどの任意のグラム陽性菌に見られるソルターゼの使用を想定している。本発明は、グラム陰性菌、例えば、コルウェリア・サイクレリスラエ(Colwellia psychrerythraea)、ミクロブルビファー・デグラダンス(Microbulbifer degradans)、ブラディリゾビウム・ジャポニクム(Bradyrhizobium japonicum)、シェワネラ・オネイデンシス(Shewanella oneidensis)、及びシュワネラ・プトレファシエンス(Shewanella putrefaciens)に見られるソルターゼの使用も想定している。これらのソルターゼは、配列モチーフLP[Q/K]T[A/S]T(配列番号121)を認識する。グラム陽性菌に由来するソルターゼの3位における許容される変化に応じて、配列モチーフLPXT[A/S](配列番号119)、例えば、LPXTA(配列番号100)又はLPSTS(配列番号128)が使用され得る。 本発明は、内容が引用により本明細書に取り込まれるhttp://bamics3.cmbi.kun.nl/jos/sortase_substrates/help.html、及び/又は上記の文献のいずれかに挙げられる実験的に確認されたソルターゼ基質又は推定ソルターゼ基質のいずれかに由来するソルターゼ認識モチーフの使用を想定している。一部の実施態様では、ソルターゼ認識モチーフは、LPKTG(配列番号71)、LPITG(配列番号72)、LPDTA(配列番号73)、SPKTG(配列番号74)、LAETG(配列番号75)、LAATG(配列番号76)、LAHTG(配列番号77)、LASTG(配列番号78)、LAETG(配列番号79)、LPLTG(配列番号80)、LSRTG(配列番号81)、LPETG(配列番号4)、VPDTG(配列番号82)、IPQTG(配列番号83)、YPRRG(配列番号84)、LPMTG(配列番号85)、LPLTG(配列番号86)、LAFTG(配列番号87)、LPQTS(配列番号89)から選択され、本明細書のどこかに記載されるように、本発明のさまざまな実施態様では、第5の残基が置換されることが理解される。例えば、使用される配列は、LPXT、LAXT、LPXA、LGXT、IPXT、NPXT、NPXS、LPST(配列番号90)、NSKT(配列番号91)、NPQT(配列番号92)、NAKT(配列番号93)、LPIT(配列番号94)、LAET(配列番号95)、又はNPQS(配列番号70)であり得る。本発明は、本明細書に開示されるか又は当該技術分野において公知の任意のソルターゼ認識モチーフにおける「X」が、任意の標準的な又は非標準的なアミノ酸である実施態様を含む。各変形例が開示される。一部の実施態様では、Xは、生体に見られるタンパク質に最もよく見られる20種類の標準的なアミノ酸から選択される。一部の実施態様では、例えば、認識モチーフが、LPXTG(配列番号2)又はLPXTである場合、Xは、D、E、A、N、Q、K、又はRである。一部の実施態様では、特定の認識モチーフにおけるXは、天然のソルターゼ基質の3位における天然のアミノ酸から選択される。例えば、一部の実施態様では、Xは、LPXTG(配列番号2)又はLPXTモチーフにおけるK、E、N、Q、Aから選択され、ここで、ソルターゼは、ソルターゼAである。一部の実施態様では、Xは、LPXTG(配列番号2)又はLPXTモチーフにおけるK、S、E、L、A、Nから選択され、クラスCソルターゼが使用される。 一部の実施態様では、認識配列は、例えば、N又はC末端に1つ以上のさらなるアミノ酸をさらに含む。例えば、天然のソルターゼ基質における5つのアミノ酸認識配列に対する、N末端、又はC末端近傍に見られるアミノ酸の同一性を有する1つ以上のアミノ酸(例えば、最大で5つのアミノ酸)が組み込まれ得る。このようなさらなるアミノ酸により、認識モチーフの認識を向上させる状況が得られる。 用語「トランスアミダーゼ認識配列」は、マスクされた又はマスクされていないトランスアミダーゼ認識配列を指し得る。マスクされていないトランスアミダーゼ認識配列は、トランスアミダーゼによって認識され得る。マスクされていないトランスアミダーゼ認識配列は、例えば、本明細書に説明されるように、以前にマスクされていたかもしれない。一部の実施態様では、「マスクされたトランスアミダーゼ認識配列」は、トランスアミダーゼによって認識されないが、得られる配列がトランスアミダーゼによって認識されるように容易に修飾され得る(「脱マスキングされる(unmasked)」)配列である。例えば、一部の実施態様では、マスクされたトランスアミダーゼ認識配列の少なくとも1つのアミノ酸が、該当するトランスアミダーゼによる配列の認識を阻害する、例えば、実質的に防止する部分を含む側鎖を有し、この部分の除去により、トランスアミダーゼが配列を認識することができる。マスキングにより、例えば、一部の実施態様では、少なくとも80%、90%、95%、又はそれ以上だけ(例えば、検出不能なレベルまで)認識を減少させることができる。例として、一部の実施態様では、LPXTG(配列番号2)などのトランスアミダーゼ認識配列におけるスレオニン残基がリン酸化され、それによって、このスレオニン残基はSrtAによって認識及び開裂されにくくなる。マスクされた認識配列は、ホスファターゼによる処理によって脱マスキングされ得、それによって、SrtAで触媒されるアミド基転移反応に使用できるようになる。クリックケミストリーハンドルを含む修飾タンパク質 一部の実施態様は、C末端クリックケミストリーハンドル(CCH)を含む修飾タンパク質(PRT)を提供し、ここで、修飾タンパク質は、式(I)で表される構造を含む: PRT−LPXT−[Xaa]y−CCH(I)。 一部の実施態様は、N末端クリックケミストリーハンドル(CCH)を含む修飾タンパク質(PRT)を提供し、ここで、修飾タンパク質は、式(II)で表される構造を含む: CHH−[Xaa]y−LPXT−PRT(II)。式(I)及び(II)中: PRTは、少なくとも3つのアミノ酸のアミノ酸配列であり; それぞれのXaaは、独立に、アミノ酸残基であり; yは、0又は1〜100の整数であり、 LPXTは、ソルターゼ認識モチーフであり; CCHは、クリックケミストリーハンドルである。一部の実施態様では、式(I)又は式(II)で表される構造からなる修飾タンパク質が提供される。クリックケミストリー クリックケミストリーハンドルをそれぞれ含む2つのタンパク質(例えば、求核(Nu)基を提供するクリックケミストリーハンドルを含む第1のタンパク汁及び第1のクリックケミストリーハンドルのNu基と反応し得る求電子(E)基を含む第2のタンパク質)が、クリックケミストリー反応条件下で共有結合的にコンジュゲーションされ得る。クリックケミストリーは、2001年にによって紹介された化学の概念であり、小さい単位を結合することによって迅速かつ容易に物質を生成するように適合された化学を説明するものである(例えば、Kolb,Finn and Sharpless Angewandte Chemie International Edition(2001)40:2004−2021;Evans,Australian Journal of Chemistry(2007)60:384−395を参照)。本発明の局面に係る有用なさらなる代表的なクリックケミストリーハンドル、反応条件、及び関連する方法が、全内容が引用により本明細書に取り込まれるJoerg Lahann,Click Chemistry for Biotechnology and Materials Science,2009,John Wiley & Sons Ltd,ISBN 978−0−470−69970−6に記載されている。 クリックケミストリーは、モジュール式(modular)であり、範囲が広く、高い化学収率を与え、無害な副生成物を生成し、立体特異的であり、生理学的に安定しており、大きい熱力学的駆動力(例えば、単一の反応生成物との反応に有利に働くために84/より大きい)を示し、及び/又は高い原子経済性を有するべきである。この概念に適合するいくつかの反応が特定されている:(1)ヒュスゲン1,3−双極性環状付加反応(例えば、単に「クリック反応」と呼ばれることが多い、Cu(I)で触媒される段階的な変異(stepwise variant);例えば、Tornoe et al.,Journal of Organic Chemistry(2002)67:3057−3064を参照)。銅及びルテニウムが、この反応によく使用される触媒である。触媒として銅を使用すると、1,4−位置異性体が形成される一方、ルテニウムを使用すると、1,5−位置異性体が形成される;(2)ディールス・アルダー反応などの他の環状付加反応;(3)エポキシド及びアジリジンのような小さいひずみのある環への求核付加;(4)活性化カルボニル基への求核付加;及び(5)炭素−炭素二重結合又は三重結合への付加反応。クリックケミストリーハンドルを介したタンパク質のコンジュゲーション クリックケミストリーを介してコンジュゲーションされる2つのタンパク質では、タンパク質のクリックケミストリーハンドルは、例えば、クリックケミストリーハンドルのうちの1つの反応性部分が第2のクリックケミストリーハンドルの反応性部分と反応して、共有結合を形成し得る点で、互いに反応性である必要がある。クリックケミストリーハンドルのこのような反応性の対は、当業者に周知であり、表Iに記載されるものを含むが、これらに限定されない:表I: 代表的なクリックケミストリーハンドル及び反応。式(I)および(II)にしたがって、それぞれのR1、R2は、独立に、PRT−LPXT−[Xaa]y−、または−[Xaa]y−LPXT−PRTである。 一部の好ましい実施態様では、金属触媒の非存在下で反応して共有結合を形成し得るクリックケミストリーハンドルが使用される。このようなクリックケミストリーハンドルは、当業者に周知であり、Becer,Hoogenboom,and Schubert,click Chemistry beyond Metal−Catalyzed Cycloaddition,Angewandte Chemie International Edition(2009)48:4900−4908に記載されるクリックケミストリーハンドルを含む。表2: Becer, Hoogenboom, and Schubert, Click Chemistry beyond Metal−Catalyzed Cycloaddition, Angewandte Chemie International Edition (2009) 48: 4900−4908からの代表的なクリックケミストリーハンドル及び反応。 本明細書に説明されるタンパク質コンジュゲーションの方法に使用するのに適したさらなるクリックケミストリーハンドルが、当業者に周知であり、このようなクリックケミストリーハンドルは、[1]H.C.Kolb,M.G.Finn,K.B.Sharpless,Angew.Chem.2001,113,2056−2075;Angew.Chem.Int.Ed.2001,40,2004−2021.[2]a)C.J.Hawker,K.L.Wooley,Science 2005,309,1200−1205;b)D.Fournier,R.Hoogenboom,U.S.Schubert,Chem.Soc.Rev.2007,36,1369−1380;c)W.H.Binder,R.Sachsenhofer,Macromol.Rapid Commun.2007,28,15−54;d)H.C.Kolb,K.B.Sharpless,Drug Discovery Today 2003,8,1128−1137;e)V.D.Bock,H.Hiemstra,J.H.van Maarseveen,Eur.J.Org.Chem.2006,51−68.[3]a)V.O.Rodionov,V.V.Fokin,M.G.Finn,Angew.Chem.2005,117,2250−2255;Angew.Chem.Int.Ed.2005,44,2210−2215;b)P.L.Golas,N.V.Tsarevsky,B.S.Sumerlin,K.Matyjaszewski,Macromolecules 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reaction.[34]a)H.L.Holmes,R.M.Husband,C.C.Lee,P.Kawulka,J.Am.Chem.Soc.1948,70,141−142;b)M.Lautens,W.Klute,W.Tam,Chem.Rev.1996,96,49−92;c)K.C.Nicolaou,S.A.Snyder,T.Montagnon,G.Vassilikogiannakis,Angew.Chem.2002,114,1742−1773;Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,1668−1698;d)E.J.Corey,Angew.Chem.2002,114,1724−1741;Angew.Chem.Int.Ed.2002,41,1650−1667.[35]a)H.Durmaz,A.Dag,O.Altintas,T.Erdogan,G.Hizal,U.Tunca,Macromolecules 2007,40,191−198;b)H.Durmaz,A.Dag,A.Hizal,G.Hizal,U.Tunca,J.Polym.Sci.Part A 2008,46,7091−7100;c)A.Dag,H.Durmaz,E.Demir,G.Hizal,U.Tunca,J.Polym.Sci.Part A 2008,46,6969−6977;d)B.Gacal,H.Akat,D.K.Balta,N.Arsu,Y.Yagci,Macromolecules 2008,41,2401−2405;e)A.Dag,H.Durmaz,U.Tunca,G.Hizal,J.Polym.Sci.Part A 2009,47,178−187.[36]M.L.Blackman,M.Royzen,J.M.Fox,J.Am.Chem.Soc.2008,130,13518−13519.[37]It should be noted that trans−cyclooctene is the most reactive dienophile toward tetrazines and seven orders of magnitude more reactive than cis−cyclooctene.[38]N.K.Devaraj,R.Weissleder,S.A.Hilderbrand,Bioconjugate Chem.2008,19,2297−2299.[39]W.Song,Y.Wang,J.Qu,Q.Lin,J.Am.Chem.Soc.2008,130,9654−9655.[40]W.Song,Y.Wang,J.Qu,M.M.Madden,Q.Lin,Angew.Chem.2008,120,2874−2877;Angew.Chem.Int.Ed.2008,47,2832−2835.[41]A.Dag,H.Durmaz,G.Hizal,U.Tunca,J.Polym.Sci.Part A 2008,46,302−313.[42]a)A.J.Inglis,S.Sinnwell,T.P.Davis,C.Barner−Kowollik,M.H.Stenzel,Macromolecules 2008,41,4120−4126;b)S.Sinnwell,A.J.Inglis,T.P.Davis,M.H.Stenzel,C.Barner−Kowollik,Chem.Commun.2008,2052−2054.[43]A.J.Inglis,S.Sinwell,M.H.Stenzel,C.Barner−Kowollik,Angew.Chem.2009,121,2447−2450;Angew.Chem.Int.Ed.2009,48,2411−2414に記載されるクリックケミストリー反応相手、基、及びハンドルを含むが、これらに限定されない。上記に引用される全ての文献は、本明細書に提供される本発明の概念及び方法に係るタンパク質における設置に適したクリックケミストリーハンドルの開示のために、引用により本明細書に取り込まれる。 例えば、一部の実施態様では、クリックケミストリーハンドルとしてC末端のひずみのあるアルキン基、例えば、C末端シクロオクチン基を含む第1のタンパク質が提供され、クリックケミストリーハンドルとしてC末端アジド基を含む第2のタンパク質が提供される。2つのクリックケミストリーハンドルは、共有結合を介してコンジュゲーションされた第1及び第2のタンパク質をもたらすひずみ促進環状付加を行い得るため、高いに反応性である。この例では、タンパク質の2つのC末端は、互いにコンジュゲーションされ、それは、C−C又は炭素間(C to C)コンジュゲーションともよばれる。 一部の実施態様では、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHから選択される求核性のクリックケミストリーハンドル(Nu)を含む第1の分子、例えば、第1のタンパク質が、求電子性の相手クリックケミストリーハンドル(E)を含む第2の分子、例えば、第2のタンパク質にコンジュゲーションされて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基とともにキメラタンパク質が形成される。一部の実施態様では、求核性のクリックケミストリーハンドルNuは−SHであり、Zb9は−S−である。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。一部の実施態様では、Rb6は、水素、任意的に置換された脂肪族、又は任意的に置換されたヘテロ脂肪族である。一部の実施態様では、Rb6は、水素又はC1−6アルキルである。一部の実施態様では、Rb6は、水素又は−CH3である。一部の実施態様では、Rb8は水素である。一部の実施態様では、Rb8はアミノ保護基である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。一部の実施態様では、Rb6は、水素、任意的に置換された脂肪族、又は任意的に置換されたヘテロ脂肪族である。一部の実施態様では、Rb6は、水素又はC1−6アルキルである。一部の実施態様では、Rb6は、水素又は−CH3である。一部の実施態様では、Rb11は水素である。一部の実施態様では、Rb11は酸素保護基である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、−CO2Rb6、−COXb7であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。一部の実施態様では、Rb6は、水素、任意的に置換された脂肪族、又は任意的に置換されたヘテロ脂肪族である。一部の実施態様では、Rb6は、水素又はC1−6アルキルである。一部の実施態様では、Rb6は、水素又は−CH3である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である(チオール−イン反応)。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、Rb5は水素である。一部の実施態様では、Rb6は、水素、任意的に置換された脂肪族、又は任意的に置換されたヘテロ脂肪族である。一部の実施態様では、Rb6は、水素又はC1−6アルキルである。一部の実施態様では、Rb6は、水素又は−CH3である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である(チオール−イン反応)。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である(チオール−イン反応)。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である(チオール−イン反応)。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。 一部の実施態様では、Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHであり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:(式中、Zb9は、−S−、−O−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Nuは−SHであり、Zb9は−S−である(チオール−イン反応)。一部の実施態様では、Nuは−OHであり、Zb9は−O−である。一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−NH−NHRb5であり、Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Zb9は−N=N−である。 一部の実施態様では、Nuは−N=NHであり、Eは−CHOであり、2つの分子はコンジュゲーションされて、式(III)のホモ2量体又はヘテロ2量体ポリペプチドが形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:のコンジュゲーションされた基が形成される。 一部の実施態様では、Nuは−NHRb5であり、Rb5は水素であり、Eは−CHOであり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:のコンジュゲーションされた基が形成される。 一部の実施態様では、Nuは−NH−N(Rb5)−であり、Rb5は水素であり、Eは−CHOであり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質はコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:のコンジュゲーションされた基が形成される。 一部の実施態様では、Nuは、であり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質は、ディールス・アルダー反応を介してコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:のコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Rb10は水素である。一部の実施態様では、Rb6は、水素又は任意的に置換された脂肪族、例えば、アシルである。 一部の実施態様では、Nuは−N3であり、Eは、であり、2つの分子、例えば、2つのタンパク質は、ヒュスゲン1,3−双極性環状付加反応を介してコンジュゲーションされて、キメラ分子、例えば、キメラタンパク質が形成され、ここで、Nu及びEは、結合されて、式:又はのコンジュゲーションされた基が形成される。一部の実施態様では、Rb6は、水素、任意的に置換された脂肪族、又は任意的に置換されたヘテロ脂肪族である。一部の実施態様では、Rb6は、水素又はC1−6アルキルである。一部の実施態様では、Rb6は、水素又は−CH3である。一部の実施態様では、Rb6は水素である。 一部の実施態様では、クリックケミストリーハンドルNu(ここで、各Nuは、独立に、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、又は−N=NHである)をそれぞれ含む2つのタンパク質は、2つのポリペプチドを、式(式中、Xb7は脱離基であり、W3は、任意的に置換されたアルキレン;任意的に置換されたアルケニレン;任意的に置換されたアルキニレン;任意的に置換されたヘテロアルキレン;任意的に置換されたヘテロアルケニレン;任意的に置換されたヘテロアルキニレン;任意的に置換されたアリーレン;又は任意的に置換されたヘテロアリーレンからなる群から選択される)のビス求電子剤と反応させて、式:(式中、Zb9は、−O−、−S−、−N(Rb5)−、−NH−N(Rb5)−、又は−N=N−である)のコンジュゲーションされた基を得ることによって、コンジュゲーションされる。一部の実施態様では、各Nuは−SHであり、各Zb9は−S−である。一部の実施態様では、各Nuは−OHであり、各Zb9は−O−である。一部の実施態様では、各Nuは−NHRb5であり、各Zb9は−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、各Nuは−NH−NHRb5であり、各Zb9は−NH−N(Rb5)−である。一部の実施態様では、各Nuは−N=NHであり、各Zb9は−N=N−である。一部の実施態様では、W3は、任意的に置換されたアルキレンである。一部の実施態様では、W3は、任意的に置換されたアリーレンである。一部の実施態様では、W3は、任意的に置換されたヘテロアリーレンである。2個のNu基と2個のXb7基とのさまざまな組合せが考えられる。一部の実施態様では、2個のNu基、ひいては2個のZb9基は同じである。一部の実施態様では、2個のNu基、ひいては2個のZb9基は異なる。一部の実施態様では、2個のXb7基は同じである。一部の実施態様では、2個のXb7基は異なる。 W3が、任意的に置換されたアルキレンである一部の実施態様では、ビス求電子剤は、式:のものである。 例えば、ビス求電子剤が、式:のものである場合、得られるコンジュゲーションされた基は、式:のものである。 W3が、任意的に置換されたヘテロアリーレンである一部の実施態様では、ビス求電子剤は、式:のものである。 例えば、ビス求電子剤が、式:のものである場合、得られるコンジュゲーションされた基は、式のものである。 一部の実施態様では、クリックケミストリーハンドルE(ここで、各Eは、独立に、脱離基、−CHO、−CO2Rb6、−COXb7、から選択される)をそれぞれ含む2つのタンパク質は;2つのポリペプチドを、ビス求核剤Nu−−W4−−Nu(ここで、各Nuは、−SH、−OH、−NHRb5、−NH−NHRb5、−N=NH、−N=C、−N3、又はであり、W4は、独立に、任意的に置換されたアルキレン;任意的に置換されたアルケニレン;任意的に置換されたアルキニレン;任意的に置換されたヘテロアルキレン;任意的に置換されたヘテロアルケニレン;任意的に置換されたヘテロアルキニレン;任意的に置換されたアリーレン;任意的に置換されたヘテロアリーレン;又はそれらの組合せを表す)と反応させて;コンジュゲーションされたポリペプチドを得ることによって、コンジュゲーションされる。W4にコンジュゲーションされた2個のE基は、独立に、上述され、以下にも挙げられるコンジュゲーションされた基のいずれかに対応する:2個のE基のさまざまな組合せが考えられる。一部の実施態様では、2個のE基は同じである。一部の実施態様では、2個のE基は異なる。一部の実施態様では、2個のNu基、ひいては2個のZb9基は異なる。一部の実施態様では、2個のXb7基は同じである。一部の実施態様では、2個のXb7基は異なる。キメラタンパク質及びその使用 本発明のいくつかの実施態様は、キメラタンパク質、例えばソルターゼ認識モチーフを含み、クリックケミストリーを介して第2分子にコンジュゲーションしたタンパク質を提供する。いくつかの実施態様では、キメラタンパク質は、抗体又は抗体断片、例えばナノボディを含む。いくつかの実施態様では、抗体又は抗体断片は、治療用抗体又は抗体断片、例えば治療標的抗原に結合する抗体又は抗体断片である。本発明はこの点において限定的でないため、いくつかの実施態様は、当業者に公知のあらゆる治療用抗体を包含している。さらに、治療用抗原、例えば治療用抗原の同一又は異なるエピトープに結合する公知の治療用抗体としての任意の抗体又は抗体断片は、例えば本明細書で説明されるキメラ抗体の生成のために、本発明のいくつかの実施態様で使用してよい。いくつかの実施態様は、本明細書で説明する方法により、このような治療用抗体の誘導体化の結果として生成されるキメラ抗体、又は治療用抗原に結合する抗体を提供する。 いくつかの実施態様では、キメラタンパク質は、細胞集団、組織、生物又は被検体内の特定の抗原、細胞型又は部位を標的にする。例えば、いくつかの実施態様では、キメラ二重特異性抗体が提供されており、これは標的部位(例えば、器官、細胞又は細胞型(例えば腫瘍細胞等の疾患状態の細胞)、組織又は疾患部位)に抗体を向ける第1抗原結合ドメインと、例えば治療的機能等の機能を提供する第2抗原結合ドメインとを含む。このような治療的機能は、毒素により、又は標的部位に対して特異的な細胞若しくは細胞型を引きつける分子により提供できる。いくつかの実施態様では、キメラタンパク質が提供され、これは、例えばある被検体における特異的な細胞、細胞型、組織又は部位を標的にする抗体を含み、この抗体はクリックケミストリーを介して、治療薬、例えば小型分子又は治療用ポリペプチドにコンジュゲーションされる。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される治療用タンパク質は、標的抗原としての腫瘍抗原に結合する。いくつかの実施態様では、本明細書で提供される治療用タンパク質は、公知の、あるいは可能性のある病原体(例えばウイルス、細菌、真菌又は寄生生物)の抗原に結合する。 本明細書で提供されるキメラポリペプチド及びタンパク質は、クリックケミストリーハンドルを含むか、又はそれに結合可能ないずれの治療薬も含んでよいことを当業者に理解されたい。 いくつかの実施態様では、本明細書で説明される方法及び試薬は、固体若しくは半固体の支持体又は表面、例えば粒子(場合により磁性)、微粒子、ナノ粒子、ビーズ、スライド、フィルター又はウェル(例えばマルチウェル/マイクロタイタープレート)に標的タンパク質を付着させるために使用する。 いくつかの実施態様では、本明細書で説明される方法及び試薬並びに修飾タンパク質、例えば本明細書で説明されるキメラタンパク質又はキメラ抗体を、研究、検出、スクリーニング、診断アッセイ又は治療用途のために、インビトロ、インビボで使用する。代表的な非限定的治療用途には、感染症治療、癌治療及び代謝性疾患治療が挙げられる。本発明はこの点において限定的でないため、他の治療用途は当業者にとって明らかであろう。選択された標的タンパク質 いずれの場合においても本発明を限定することなく、本項では特定の標的タンパク質について述べる。一般的に、本明細書で提供される方法により、いずれのタンパク質又はポリペプチドを、クリックケミストリーハンドルを運ぶように修飾する、及び/又はクリックケミストリーを介して別の分子にコンジュゲーションすることができる。いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、自然発生タンパク質又はポリペプチドと、少なくとも80%又は少なくとも90%、例えば少なくとも95%、86%、97%、98%、99%、99.5%又は100%一致するポリペプチドを含むか、又はそれのみから構成される。いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、わずか1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10個のアミノ酸が自然発生配列と異なっている。いくつかの実施態様では、自然発生タンパク質は、例えばヒト起源の哺乳動物タンパク質である。いくつかの実施態様では、タンパク質は、抗体、抗体断片又は抗原結合ドメインを含むタンパク質である。いくつかの実施態様では、自然発生タンパク質は、サイトカイン、例えばI型サイトカインである。特定の関心対象であるいくつかの実施態様では、標的タンパク質は、4ヘリックス束タンパク質、例えば4ヘリックス束サイトカインである。代表的な4ヘリックス束サイトカインとしては、例えば特定のインターフェロン(例えばI型インターフェロン、例えばIFN‐α)、インターロイキン(例えばIL‐2、IL‐3、IL‐4、IL‐5、IL‐6、IL‐7、IL‐12)及びコロニー刺激因子(例えばG‐CSF、GM‐CSF、M‐CSF)が挙げられる。IFNは、例えばインターフェロンアルファ2a又はインターフェロンアルファ2bであってよい。特定のこれらサイトカインの詳細な説明は、例えばMott HR and Campbell ID. “Four-helix bundle growth factors and their receptors: protein-protein interactions.” Curr Opin Struct Biol. 1995 Feb;5(1):114-21と;Chaiken IM, Williams WV. “Identifying structure-function relationships in four-helix bundle cytokines: towards de novo mimetics design.” Trends Biotechnol. 1996 Oct;14(10):369-75及び;Klaus W, et al., “The three-dimensional high resolution structure of human interferon alpha-2a determined by heteronuclear NMR spectroscopy in solution”. J Mol Biol., 274(4):661-75, 1997を参照されたい。 いくつかの実施態様では、サイトカインは、前述のサイトカインの1種以上に類似した構造を有する。例えば、サイトカインは、白血病抑制因子(LIF)又はオンコスタチンM等のIL‐6クラスサイトカインであってよい。いくつかの実施態様では、サイトカインは、本来、GP130シグナル伝達サブユニットを含む受容体に結合するものである。他の関心対象の4ヘリックス束タンパク質としては、成長ホルモン(GH)、プロラクチン(PRL)及び胎盤性ラクトゲンが挙げられる。いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、赤血球産生刺激剤、例えば4ヘリックス束サイトカインでもあるエリスロポエチン(EPO)である。いくつかの実施態様では、赤血球産生刺激剤は、EPO変異体、例えば新赤血球産生刺激タンパク質(NESP)とも呼ばれるダーベポエチンアルファであり、これはN結合炭水化物鎖を5つ含むように操作されている(これは組み換えHuEPOより2つ多い)。いくつかの実施態様では、タンパク質は、5つのヘリックスを含む。例えば、タンパク質は、インターフェロンベータ、例えばインターフェロンベータ1a又はインターフェロンベータ1bであってよく、これは(認識されているように)4ヘリックス束サイトカインとして分類されることが多い。いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、IL‐9、IL‐10、IL‐11、IL‐13又はIL‐15である。特定のサイトカインについては、例えばHunter, CA, Nature Reviews Immunology 5, 521-531, 2005を参照されたい。また、Paul, WE (ed.), Fundamental Immunology, Lippincott Williams & Wilkins; 6th ed., 2008も参照されたい。参照により全てが本明細書に組み込まれている、本明細書で引用された引用文献に記載のタンパク質は、すべて標的タンパク質として使用できる。 いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、米国食品医薬品局(又は欧州医薬品審査庁等の同等の監督機関)に認可されたヒトの疾患又は障害の治療に使用するためのタンパク質である。このようなタンパク質は、PEG化型が臨床検査にて試験され、及び/又は市販認可されているタンパク質であるか、そうでなくてよい。 いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、神経栄養因子、すなわち神経系細胞(神経前駆細胞、ニューロン、グリア細胞、例えば星状膠細胞、乏突起膠細胞、ミクログリア等の本明細書で使用されている用語)の生存期間、発達及び/又は機能を促進する因子である。例えば、いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、神経突起伸長を促進する因子である。いくつかの実施態様では、タンパク質は、毛様体神経栄養因子(CNTF;4ヘリックス束タンパク質)又はアクソカイン(Axokine)等のその類似体であり、そしてC末端で15アミノ酸がトランケートされて2つのアミノ酸が置換されたヒト毛様体神経栄養因子の修飾型であり、これはインビトロ及びインビボのアッセイにおいてCNTFより3〜5倍強力であり安定特性が向上されている。 いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、ホモ2量体又はヘテロ2量体(又は、4量体等の、2個を越えるサブユニットを含むホモ若しくはヘテロオリゴマー)を形成するものである。特定の実施態様では、ホモ2量体、ヘテロ2量体又はオリゴマー構造は、第1サブユニットの末端が第2サブユニットの末端に極めて接近しているような構造である。例えば、第1サブユニットのN末端は、第2サブユニットのC末端に極めて接近している。特定の実施態様では、ホモ2量体、ヘテロ2量体又はオリゴマー構造は、第1サブユニットの末端及び第2サブユニットの末端が受容体との相互作用に関与しないような構造をしており、これにより、生物活性に重大な影響を及ぼすことなく、非遺伝的にコードされたペプチド要素を介して末端を結合できる。いくつかの実施態様では、ホモ2量体、ヘテロ2量体又はオリゴマーの2つのサブユニットの末端は、本明細書で説明される方法を用いてクリックケミストリーによりコンジュゲーションされ、それにより、少なくとも2つのサブユニットが共有結合している2量体(又はオリゴマー)が生成される。例えば、神経栄養性神経成長因子(NGF);脳由来神経栄養因子(BDNF);ニューロトロフィン3(NT3);及びニューロトロフィン4(NT4)は、約50%の配列同一性を有して2量体形態で存在する2量体分子である。例えばRobinson RC, et al., “Structure of the brain-derived neurotrophic factor/neurotrophin 3 heterodimer.”, Biochemistry. 34(13):4139-46, 1995と、Robinson RC, et al., “The structures of the neurotrophin 4 homodimer and the brain-derived neurotrophic factor/neurotrophin 4 heterodimer reveal a common Trk-binding site.” Protein Sci. 8(12):2589-97, 1999、及びその文献にある引用文献を参照されたい。いくつかの実施態様では、2量体タンパク質は、サイトカイン、例えばインターロイキンである。 いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、酵素、例えば代謝又は他の生理学的過程に重要な酵素である。当技術分野で公知の通り、酵素又は他のタンパク質が欠乏すると様々な疾患が誘引される可能性がある。このような疾患には、炭水化物代謝、アミノ酸代謝、有機酸代謝、ポルフィリン代謝及びプリン又はピリミジン代謝等の代謝不全に関連する疾患や、リソソーム蓄積症、血液凝固等が挙げられる。例としては、ファブリー病、ゴーシェ病、ポンペ病、アデノシンデアミナーゼ欠損症、アスパラギナーゼ欠損症、ポルフィリン症、血友病及び遺伝性血管浮腫が挙げられる。いくつかの実施態様では、タンパク質は、凝固又は凝血因子(例えば因子VII、VIIa、VIII又はIX)である。他の実施態様では、タンパク質は、炭水化物代謝、アミノ酸代謝、有機酸代謝、ポルフィリン代謝、プリン又はピリミジン代謝及び/又はリソソーム蓄積に役割を担う酵素であり、ここでは、酵素の外因性投与は少なくとも部分的に疾患を緩和する。 いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、受容体又は受容体断片(例えば細胞外ドメイン)を含む。いくつかの実施態様では、受容体はTNFα受容体である。特定の実施態様では、標的タンパク質は尿酸酸化酵素を含む。 本明細書で説明されるタンパク質の配列は、当業者に理解されるものとする。制限ではないが、特定の標的タンパク質の配列は、例えば、米国特許出願第10/773,530号;同第11/531,531号; 同第11/707,014号; 同第11/429,276号; 同第11/365,008号の各明細書に示されている。いくつかの実施態様では、標的タンパク質は表3に収載されている。本発明は、本明細書で説明される任意のタンパク質及び当業者に公知の任意のタンパク質に独創的な方法を適用することを含む。 いくつかの実施態様では、本発明は、任意の標的タンパク質の修飾型を提供し、修飾型は(i)N末端のグリシン等の1つ以上の求核性残基(例えば1〜10残基)、任意で切断認識配列、例えば求核性残基(単数又は複数)を遮蔽するプロテアーゼ切断認識配列を含むか;又は(ii)C末端上若しくは近傍にあるソルターゼ認識モチーフを含む。いくつかの実施態様では、標的タンパク質は、(i)及び(ii)の両方を含む。このような修飾タンパク質を、本明細書で説明されるタンパク質コンジュゲーションの方法に用いてよい。 特定のタンパク質、例えば分泌された真核生物(例えば哺乳動物)のタンパク質が細胞内処理(例えば分泌前の分泌シグナルの切断、及び/又は生物活性に必要でない他の部分(単数又は複数)の除去)されて成熟形態を生成することが高い頻度であることは当業者に理解されるものとする。このように成熟した標的タンパク質の生物学的活性型は、本発明の特定の実施態様に使用される。 多数の前述のタンパク質及び異なる哺乳動物種由来の配列に関し、大量の構造/機能情報が利用可能であり、これは大幅な生物活性(例えば、自然発生タンパク質活性の少なくとも25%、75%、90%以上)を保持する自然発生配列の変形型を設計するために使用できることを理解されたい。例えば、多様なタンパク質の結晶構造又はNMR構造は、任意で対応する受容体と組み合わせて使用可能である。また、天然構造では、自然発生N及びC末端が互いに極めて接近していなければ、末端が近接するように、例えば柔軟なペプチドスペーサーによりN末端及び/又はC末端において自然発生配列を伸長できることを理解されたい。 様々な実施態様では、抗体は関心対象の抗原に結合する。関心対象の抗原は、例えばポリペプチド、多糖、炭水化物、脂質、核酸又はこれらの組合せであるか、又はこれらを含み得る。様々な実施態様では、抗原は天然発生体又は合成体であり得る。いくつかの実施態様では、病原体、感染細胞又は新生細胞(例えば癌細胞)に遺伝子的にコードされるポリペプチド又はペプチドによって、抗原が自然に生成される及び/又は抗原がそれらを含んでいる。いくつかの実施態様では、抗原は、自己抗原(「自家抗原」)又は自己免疫反応を開始する若しくは促進する能力を有する作因である。いくつかの実施態様では、抗原は、いくつかの実施態様では病原因子である、ウイルス、細菌、真菌若しくは寄生生物に生成されるか、又はこれらに遺伝的にコードされる。少なくとも1種の哺乳類種又は鳥類種、例えばヒト、非ヒト霊長類、ウシ、ヒツジ、ウマ、ヤギ及び/又はブタ種において、いくつかの実施態様では、作因(例えばウイルス、細菌、真菌、寄生生物)が疾患を感染させ、いくつかの実施態様では、作因が疾患を発症させる。いくつかの実施態様では、病原体は、その寿命の少なくとも一部の期間、細胞内部に存在する。いくつかの実施態様では、病原体は細胞外部に存在する。様々な実施態様では、例えば抗原を使用する目的で、例えばそれに対する抗体を同定、生成、試験又は使用するために、特定の産生源由来の抗原をこのような産生源から同定し、又は適切な手段を使用して(例えば組み換え、合成等により)生成できることを理解されたい。抗原は例えば、別の分子又はエンティティ(例えばアジュバント)へのコンジュゲーション、化学的又は物理的変性等により修飾される。いくつかの実施態様では、抗原は、エンベロープタンパク質、カプシドタンパク質、分泌タンパク質、構造タンパク質、細胞壁タンパク質若しくは多糖、カプセルタンパク質若しくは多糖、又は酵素である。いくつかの実施態様では、抗原は毒素、例えば細菌性毒素である。 代表的なウイルスとしては、例えば、レトロウイルス科(例えばHIV‐Iといったヒト免疫不全ウイルス等のレンチウイルス);カリシウイルス科(例えば胃腸炎の原因である株);トガウイルス科(例えば馬脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス科(例えばデング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱ウイルス、C型肝炎ウイルス);コロナウイルス科(例えばコロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば水疱性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えばエボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えばパラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器多核体ウイルス);オルトミクソウイルス科(例えばインフルエンザウイルス);ブニヤウイルス科(例えばハンタンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス及びナイロビヒツジ病ウイルス);アレナウイルス科(出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えばレオウイルス、オルビウイルス及びロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウイルス);アデノウイルス科;ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1型及び2型、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)、EBV、KSV);ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);及びピコルナウイルス科(例えばポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス)が挙げられる。 代表的な細菌類としては、例えば、ヘリコバクター・ピロリ、ボレリア・ブルグドルフェリ、レジュネラ・ニューモフィラ、マイコバクテリア(例えばM.ツベルクローシス、M.アビウム、M. イントラセルラーレ、M.カンサシ、M.ゴルドナエ)、黄色ブドウ球菌、淋菌、髄膜炎菌、リステリア・モノサイトゲネス、化膿レンサ球菌(A群レンサ球菌)、ストレプトコッカス・アガラクチア(B群レンサ球菌)、レンサ球菌(ビリダンス群)、大便レンサ球菌、ストレプトコッカス・ボビス、レンサ球菌(嫌気性菌種)、肺炎レンサ球菌、カンピロバクター種、エンテロコッカス種、クラミジア種、インフルエンザ桿菌、炭疽菌、コリネバクテリウム・ジフテリエ、ブタ丹毒菌、ウェルシュ菌、破傷風菌、エンテロバクター・エロゲネス、肺炎桿菌、パスツレラ・マルトシダ、バクテロイデス種、フソバクテリウム・ヌクレアタム、ストレプトバシラス・モニリフォルミス、トレポネーマ・パリダム、トレポネーマ・ペルテニュ、レプトスピラ、ウシ放線菌及び野兎病菌が挙げられる。 代表的な真菌類としては、例えば、黄色こうじ菌、アスペルギルス・フミガータス及び黒色こうじ菌等のアスペルギルス属;ブラストミセス・デルマチチジス等のブラストミセス属;カンジダ・アルビカンス、カンジダ・グラブラタ、カンジダ・ギリエルモンジィ、カンジダ・クルセイ、カンジダ・パラシローシス及びカンジダ・トロピカリス等のカンジダ属;コクシジオイデス・イミチス等のコクシジオイデス属;クリプトコッカス・ネオフォルマンス等のクリプトコッカス属;エピデルモフィトン属;フサリウム属;ヒストプラズマ・カプスラーツム等のヒストプラズマ属;癜風菌等のマラセジア属;ミクロスポルム属;ムコール属;南アメリカ分芽菌等のパラコクシジオイデス属;ペニシリウム・マルネッフェイ等のペニシリウム属;ピキア・アノマラ及びピキア・ギリエルモンジィ等のピチア属;ニューモシスチス・カリニ等のニューモシスチス属;シュードアレシェリア・ボイジイ等のシュードアレシェリア属;リゾプス・オリーゼ等のリゾプス属;ロドトルラ・ルブラ等のロドトルラ属;スケドスポリウム・アピオスペルムム等のスケドスポリウム属;スエヒロタケ等のスエヒロタケ属;スポロトリックス・シェンキィ等のスポロトリクス属;毛瘡白癬菌、紅色白癬菌、トリコフィトン・ベルコースム及び紫色白癬菌等の白癬菌属;トリコスポロン・アサヒ、トリコスポロン・クタネウム、トリコスポロン・インキン(Trichosporon inkin)及びトリコスポロン・ムコイデス等のトリコスポロン属が挙げられる。 代表的な寄生生物としては、例えば、プラスモジウム種(例えば熱帯熱マラリア原虫、四日熱マラリア原虫、P.ヨエリ、P.ベルゲイ)、エントアメーバ種(例えば赤痢アメーバ)、ジアルジア種(例えば腸鞭毛虫、G.デュオデナリス(G.duodenalis)ランブル鞭毛虫、ネズミジアルジア、G.アジリス、G.アルダエ(ardae)及びG.シッタシ)、トキソプラズマ種(例えばトキソプラズマ原虫)、クリプトスポリジウム種(例えば小型クリプトスポリジウム(C.parvum)、ネズミクリプトスポリジウム(C.muris)、ネコクリプトスポリジウム(C.felis)、モルモットクリプトスポリジウム(C.wrairi)、ニワトリクリプトスポリジウム(C.baileyi)、シチメンチョウクリプトスポリジウム(C.meleagridis)、ヘビクリプトスポリジウム(C.serpentis)及び魚類クリプトスポリジウム(C.nasorum))、シクロスポラ種(例えばC.カイエタネンシス)、ネグレリア種(例えばネグレリア・フォーレリ)、アカントアメーバ種、リーシュマニア種(例えば大型リーシュマニア、熱帯リーシュマニア、エチオピアリーシュマニア、メキシコリーシュマニア、ブラジルリーシュマニア、ドノバンリーシュマニア、小児リーシュマニア、シャーガスリーシュマニア)、シストソーマ種(例えばマンソン住血吸虫)並びにトリパノソーマ種(例えばT.アンビストマ、T.アビウム、T.ブルセイ、T.クルーズ、T.コンゴ、T.エクイヌム、T.ルイス、T.タイレリ及びT.ビバックス)が挙げられる。 いくつかの実施態様では、抗原は腫瘍抗原(TA)である。一般的に、腫瘍抗原は、腫瘍細胞に生成されるいずれの抗原性物質(例えば腫瘍原性細胞、又はいくつかの実施態様では癌間質細胞、例えば癌関連線維芽細胞等の腫瘍関連細胞)であってよい。多くの実施態様では、腫瘍抗原は、非腫瘍細胞によるものとは異なり、腫瘍細胞により発現する分子(又はその一部)である。腫瘍抗原には、例えば、通常はごく少量で生成されて腫瘍細胞では大量に発現するタンパク質、通常は発達の特定の段階でのみ生成されるタンパク質、構造(例えば配列若しくは翻訳後修飾(単数又は複数))が腫瘍細胞の変異により改変されるタンパク質、又は免疫系とは隔絶された(正常状態下)正常タンパク質が挙げられる。腫瘍抗原は、例えば腫瘍細胞を同定又は検出する際(例えば診断する目的、及び/又は例えば再発を試験するために腫瘍で治療を受けた被検体をモニタリングする目的のため)、及び/又は多様な薬剤(例えば治療薬)を腫瘍細胞に向ける目的において有用であると考えられる。例えば、いくつかの実施態様では、キメラ抗体が提供されており、これは腫瘍抗原に結合する抗体断片の抗体を含み、クリックケミストリーを介して治療薬、例えば細胞毒性薬にコンジュゲーションされている。いくつかの実施態様では、TAは、突然変異遺伝子、例えば癌遺伝子若しくは突然変異腫瘍抑制遺伝子、過剰発現若しくは異常発現細胞タンパク質、発癌ウイルス(例えばHBV;HCV;EBSやKSV等のヘルペスウイルスファミリーメンバー;パピローマウイルス等)にコードされた抗原、又は癌胎児性抗原の発現産物である。癌胎児性抗原は、通常は胚発生の初期段階で生成され、免疫系が完全に発生する時までに大部分が消失又は完全に消失する。例としてはアルファフェトプロテイン(AFP、例えば生殖細胞腫瘍及び肝細胞癌に見られる)及び癌胎児抗原(CEA、例えば腸癌、場合により肺癌又は乳癌に見られる)が挙げられる。チロシナーゼは、通常はごく少量で生成されるが、その生成が特定の腫瘍細胞(例えばメラノーマ細胞)で大量に増加するタンパク質の例である。他の代表的なTAとしては、例えば、CA‐125(例えば卵巣癌に見られる);MUC‐1(例えば乳癌に見られる);上皮性腫瘍抗原(例えば乳癌に見られる);メラノーマ関連抗原(MAGE;例えば悪性メラノーマに見られる);前立腺酸性ホスファターゼ(PAP、前立腺癌に見られる)が挙げられる。いくつかの実施態様では、TAは、少なくとも部分的に腫瘍細胞の細胞表面で露出している。いくつかの実施態様では、腫瘍抗原は、異常に修飾されたポリペプチド又は脂質、例えば異常に修飾された細胞表面糖脂質又は糖タンパク質を含む。TAは、特定のタイプの腫瘍のサブセット及び/又は腫瘍内細胞のサブセットにより発現し得ることを理解されたい。 本明細書で提供される方法によるキメラ抗体又はタンパク質の生成に有用である代表的な治療用抗体としては、限定するものではないが、下記の抗体が挙げられる(抗体の標的は、代表的な非限定的治療の適応症と共に括弧内に収載している): アブシキシマブ(糖タンパク質IIb/IIIa;心血管疾患)、アダリムマブ(TNF‐α、多様な自己免疫疾患、例えば関節リウマチ)、アレムツズマブ(CD52;慢性リンパ性白血病)、バシリキシマブ(IL‐2Rα受容体(CD25);移植片拒絶)、ベバシズマブ(血管内皮増殖因子A;様々な癌、例えば結腸直腸癌、非小細胞肺癌、神経膠芽腫、腎癌、滲出型加齢関連黄斑変性)、カツマキソマブ、セツキシマブ(EGF受容体、様々な癌、例えば結腸直腸癌、頭頸部癌)、セルトリズマブ(例えばセルトリズマブペゴール)(TNFアルファ;クローン病、関節リウマチ)、ダクリズマブ(IL‐2Rα受容体(CD25);移植片拒絶)、エクリズマブ(補体タンパク質C5;発作性夜間血色素尿症)、エファリズマブ(CD11a;乾癬)、ゲムツズマブ(CD33;急性骨髄性白血病(例えばカリチアマイシンと併用する))、イブリツモマブチウキセタン(CD20;非ホジキンリンパ腫(例えばイットリウム90又はインジウム111と併用する))、インフリキシマブ(TNFアルファ;様々な自己免疫疾患、例えば関節リウマチ)、ムロモナブ‐CD3(T細胞CD3受容体;移植片拒絶)、ナタリズマブ(アルファ‐4(α4)インテグリン;多発性硬化症、クローン病)、オマリズマブ(IgE;アレルギー関連喘息)、パリビズマブ(RSVFタンパク質のエピトープ;呼吸器多核体ウイルス感染)、パニツムマブ(EGF受容体;癌、例えば結腸直腸癌)、ラニビズマブ(血管内皮増殖因子A;滲出型加齢関連黄斑変性)、リツキシマブ(CD20;非ホジキンリンパ腫)、トシツモマブ(CD20;非ホジキンリンパ腫)、トラスツズマブ(ErbB2;乳癌)及びこれらの任意の抗原結合断片。 いくつかの実施態様では、同じ疾患の治療に有用な治療用モノクローナル抗体と第2処置薬剤とを、本明細書で説明する独創的アプローチを用いてコンジュゲーションする。いくつかの実施態様では、第2処置薬剤はポリペプチド、ペプチド、小分子又は第2抗体を含む。 いくつかの実施態様では、モノクローナル抗体とサイトカイン、例えばインターフェロン、例えばインターフェロンアルファとを本明細書で説明する独創的アプローチを用いてコンジュゲーションする。場合により、モノクローナル抗体及びサイトカインは両方とも同じ疾患の治療に有用である。 いくつかの実施態様では、本明細書で説明する独創的アプローチ用いて、多サブユニットタンパク質の2つ(以上)のサブユニット(例えば分離したポリペプチド鎖)をコンジュゲートする。いくつかの実施態様では、多サブユニットタンパク質は、受容体(例えば細胞表面受容体)である。いくつかの実施態様では、多サブユニットタンパク質は酵素である。いくつかの実施態様では、多サブユニットタンパク質はサイトカインである。いくつかの実施態様では、多サブユニットタンパク質はチャネル又は輸送体である。いくつかの実施態様では、このような結合により、多サブユニットタンパク質の適切な折り畳みが容易になる(例えば折り畳みが促進されるか、又は正しく折り畳まれた機能性タンパク質の割合が増加する)。 いくつかの実施態様では、標的タンパク質又はポリペプチドは、タンパク質形質導入ドメインを含む。独創的アプローチを用いて、タンパク質形質導入ドメインを関心対象のポリペプチドに結合させてよい。 いくつかの実施態様では、本明細書で説明する独創的アプローチを用いて、ワクチン、例えば1価又は多価ワクチンを生成する。例えば、独創的アプローチを用いて2種以上の抗原(例えば1種以上の上述したような病原因子又は腫瘍抗原)を結合してよい。いくつかの実施態様では、得られた薬剤は、例えば、任意で好適な担体(単数又は複数)又は賦形剤(単数又は複数)を含む、適当な組成物に含ませて被検体に投与してよい。いくつかの実施態様では、得られた薬剤をエクスビボで使用して、例えば、免疫系細胞、例えばドナーから事前に得たT細胞、抗原提示細胞(例えば樹状細胞)を刺激するか、又はその細胞に取り込ませる。いくつかの実施態様では、細胞を後に投与する被検体がドナーである。いくつかの実施態様では、ワクチンは、病原体又は腫瘍に対して哺乳動物又は鳥類被検体を免疫化するために、例えば病原体(若しくは病原体に感染した細胞)又は腫瘍に対する免疫応答を、誘発するか、又は促進するために使用するワクチンである。 いくつかの実施態様では、本明細書で説明する独創的アプローチを用いて抗原及びサイトカインをコンジュゲーションし、ここで、サイトカインは場合により、例えばT細胞(例えば細胞毒性細胞、ヘルパー細胞、制御細胞又はナチュラルキラー細胞に属すT細胞)、B細胞、マクロファージ等の、免疫系細胞の刺激、増殖、分化、及び/又は少なくとも活性を調節する。 いくつかの態様では、本発明は本明細書で説明する方法による生成した薬剤、及びこのような薬剤から成る組成物を含むことを理解されたい。いくつかの態様では、本発明は例えば、本明細書で説明する1つ以上の目的又は他の目的のためにこのような薬剤を使用する方法を含むことを理解されたい。医薬組成物 いくつかの実施態様では、本発明は、本明細書で説明する修飾タンパク質、例えばクリックケミストリーハンドルを担持するように修飾されたタンパク質、又はクリックケミストリーを介して第2分子、例えば別のタンパク質にコンジュゲーションしたキメラタンパク質のいずれかを含む医薬組成物を提供する。いくつかの態様では、タンパク質は、クリックケミストリーを介してポリマー、例えばPEGにコンジュゲーションされる。 医薬組成物は、様々な薬学的に許容可能な担体を含む場合がある。薬学的に許容可能な担体は、当技術分野で周知であり、例えば、水、5%デキストロース、若しくは生理学的緩衝食塩水等の水溶液、又は他の溶媒、又はグリコール、グリセロール等のビヒクル、オリーブオイル等の油、又はヒト若しくは非ヒト被検体への投与に適した注射用有機エステルが挙げられる。例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition; Lippincott Williams & Wilkins, 2005を参照されたい。いくつかの実施態様では、薬学的に許容可能な担体又は組成物は無菌である。医薬組成物は、活性剤以外に、例えばバルク剤、充填剤、可溶化剤、安定化剤、浸透圧剤、摂取促進剤等として作用する薬学的に許容可能な化合物を含んでよい。薬学的に許容可能な化合物としては、例えばグルコース、スクロース、ラクトース等の炭水化物;デキストラン;マンニトール等のポリオール;アスコルビン酸若しくはグルタチオン等の抗酸化剤;保存料;キレート剤;バッファー;又は他の安定化剤若しくは賦形剤が挙げられる。薬学的に許容可能な担体(単数又は複数)及び/又は薬学的に許容可能な化合物(単数又は複数)は、例えば、活性薬剤の性質、例えば組成物の溶解性、適合性(通常の使用状況下で医薬組成物の薬理学的効果を実質的に低下させるような様式で相互作用する組成物中に複数の物質が共存可能であることを意味する)及び/又は投与経路に応じて選択できる。医薬組成物は、液体、ゲル、ローション、タブレット、カプセル、軟膏、クリーム、経皮パッチ等の形態としてよい。医薬組成物は、例えば非経口投与等の様々な経路により被検体に投与することが可能である。代表的な投与経路としては、静脈内投与;呼吸投与(例えば吸引)、筋肉内投与、鼻孔投与、腹腔内投与、経口投与、皮下投与及び局所投与が挙げられる。経口投与には、タブレット、錠剤、糖衣剤、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液等としての薬学的に許容可能な担体と共に化合物を処方してよい。いくつかの実施態様では、化合物は標的組織に直接投与してよい。直接投与は例えば、注射、又は組織内への徐放性植込み剤の移植により達成できる。当然ながら、徐放性植込み剤は好適な部位であれば何処でも移植可能である。いくつかの実施態様では、徐放性植込み剤は癌再発リスクを持つ被検体の予防的処置に特に適していると考えられる。いくつかの実施態様では、徐放性植込み剤は、少なくとも30日間、例えば少なくとも60日間、例えば最大で3〜6カ月間以上、治療レベルの活性薬剤を送達する。当業者は患者の体重、全身健康状態、治療対象である特有の状態等の要素を考慮して、効果的な用量及び投与の用法を選択できる。代表的な用量は、インビトロでの試験によって選択し、当技術分野で標準であるように、動物モデル及び/又はヒト臨床試験で検査してもよい。 本発明の態様による修飾タンパク質を含む医薬組成物は、効果的量で送達してよく、この量は、例えばある疾患又は状態の1つ以上の症状又は兆候を軽減する関心対象の生物学的応答を達成するために十分な量を意味する。正確な必要量は、被検体の種類、年齢、体重、性別及び全身状態、疾患又は障害の重症度、特定の化合物及びその活性、その投与法、併用療法等の因子により被検体間で異なり得る。いくつかの実施態様では、化合物、例えばタンパク質は、投与のしやすさ及び用量の均一性を促進するために用量単位で処方し、本明細書で使用するこの用語は、患者を治療するために適切な、物理的に別個である薬剤の単位を意味する。しかし合計日用量は、妥当な臨床的判断の範囲内で主治医により決定されることは理解されるものとする。いくつかの実施態様では、例えばPEGをコンジュゲーションしたタンパク質を投与する際、非PEG化型の好適な用量についての入手可能な情報は、任意でインビトロ活性データと合わせられ、前臨床試験及び/又は臨床用途に適した用量を選択する際のガイドラインとして使用できる。 多様な異なる疾患及び障害を治療するために、医薬組成物を使用できる。いくつかの実施態様では、医薬組成物を使用し、例えば当該非修飾タンパク質が有用ないずれの疾患又は状態を治療する。したがって本発明は、独創的なタンパク質を、それを必要とする被検体に投与する工程を含む治療法を提供する。被検体は典型的には、哺乳動物被検体、例えばヒトである。いくつかの実施態様では、被検体はヒトに影響を及ぼす疾患又は障害のモデルとして有用な非ヒト動物である。動物モデルは、例えば有効性の評価及び/又は好適な用量の決定のための前臨床試験等に使用できる。 いくつかの実施態様では、独創的タンパク質を、例えば疾患又は障害の兆候又は症状を示さない被検体(なお、障害を発症するリスクを有するか、又は疾患若しくは障害を発症すると予測される被検体)に予防的に投与する。いくつかの実施態様では、疾患又は障害の1つ以上の兆候又は症状を発症した被検体、例えば疾患又は障害を有すると診断された被検体に独創的タンパク質を投与する。場合により、当該方法は、当該タンパク質が適切な治療となる疾患又は障害に被検体が罹患していることを診断する工程を含む。例えばインターフェロンには、自己免疫疾患(例えば多発性硬化症)及び感染症(例えば、フラビウイルスファミリー、例えばHBV、HCVに属すウイルスによる感染等のウイルス感染;細菌感染、真菌感染、寄生生物)の治療における多様な用途がある。代表的なウイルスとしては、例えばC型肝炎ウイルス、黄熱病ウイルス、西ナイルウイルス、日本脳炎ウイルス、デングウイルス、ウシウイルス性下痢症ウイルス等のフラビウイルス科ファミリーのウイルス;例えばB型肝炎ウイルス等のヘパドナウイルス科ファミリーのウイルス;例えば脳心筋炎ウイルス、ヒトライノウイルス及びA型肝炎ウイルス等のピコルナウイルス科ファミリーのウイルス;例えばヒト免疫不全ウイルス、サル免疫不全ウイルス、ヒトT‐リンパ球好性ウイルス及びラウス肉腫ウイルス等のレトロウイルス科ファミリーのウイルス;例えばSARSコロナウイルス等のコロナウイルス科ファミリーのウイルス;例えば狂犬病ウイルス及び水疱性口内炎ウイルス等のラブドウイルス科ファミリーのウイルス、例えば呼吸器多核体ウイルス及びパラインフルエンザウイルス等のパラミクソウイルス科ファミリーのウイルス、例えばヒトパピローマウイルス等のパピローマウイルス科ファミリーのウイルス、並びに例えば単純ヘルペスウイルス等のヘルペスウイルス科ファミリーのウイルスが挙げられるが、これらに限定されるものではない。 多種の癌の治療としてインターフェロン療法(化学療法及び放射線照射と併用することが多い)が利用されており、この用語は固形腫瘍(癌腫、肉腫)及び白血病を包含するものとして本明細書で使用されている。いくつかの実施態様では、腫瘍は腺癌である。いくつかの実施態様では、腫瘍は肉腫である。いくつかの実施態様では、腫瘍は胸部、リンパ節、前立腺、腎臓、膀胱、肺、肝臓、消化管、結腸、精巣、胃、膵臓、甲状腺、皮膚、卵巣、子宮、頸部、皮膚、神経、骨及び神経系(例えば脳)から選択される器官又は器官系に影響を及ぼす。いくつかの実施態様では、インターフェロンを、血液悪性腫瘍、例えば白血病又はリンパ腫、例えばヘアリー細胞白血病、慢性骨髄性白血病、結節性リンパ腫、皮膚T細胞リンパ腫を治療するために使用する。いくつかの実施態様では、IFN、例えばIFN‐α2bを用いてメラノーマを治療する。 EPO等の赤血球産生刺激剤は、多様な原因から起こる貧血を治療するために使用する。例えば、貧血は、慢性疾患の貧血、薬物療法(例えば癌化学療法)、放射線照射、腎疾患(例えば糖尿病)、感染疾患又は失血に関連する貧血であり得る。G‐CSF、GM‐CSF及び/又はM‐CSF等のコロニー刺激因子は、例えば薬物療法(例えば癌化学療法)、放射線照射、感染疾患又は失血により起こり得る白血球減少症、例えば好中球減少症及び/又はリンパ球減少症を治療するために使用できる。 神経栄養因子タンパク質は、例えば神経変性疾患(例えば筋萎縮性側索硬化症、ハンチントン病、アルツハイマー病、パーキンソン病)、中枢又は末梢神経系損傷を治療するために使用できる。 成長ホルモンは、例えば小児成長障害及び成人成長ホルモン欠乏症を治療するために使用できる。 インターロイキンは、多様な目的の免疫応答を調節するため、例えば感染因子又は癌に対する免疫応答を刺激するために使用される。いくつかの実施態様では、インターロイキンは免疫系細胞を刺激し、並びに/又は、自然免疫応答及び/若しくは適応免疫応答の強度及び/若しくは持続期間を促進する。当技術分野で公知のように、特定のインターロイキンは、先天的及び/又は後天的な免疫応答の強度及び/又は持続期間が限定されやすくなる。このようなインターロイキンの投与は、異常な又は過剰な活性免疫応答が有害になり得る自己免疫疾患、敗血症又は他の状態を治療する際に利用できる。 自己免疫疾患としては、I型糖尿病(例えば若年発症型糖尿病)、多発性硬化症、強皮症、強直性脊椎炎、サルコイド、尋常性天疱瘡、重症筋無力症、全身性エリテマトーデス、関節リウマチ、若年性関節炎、ベーチェット症候群、ライター病、ベルジェ病、皮膚筋炎、ウェゲナー肉芽腫症、自己免疫性心筋炎、抗糸球体基底膜抗体病(グッドパスチャー症候群等)、拡張型心筋症、甲状腺炎(例えば橋本甲状腺炎、グレーブス病)、及びギランバレー症候群が挙げられる。 グラム陽性又はグラム陰性細菌、マイコバクテリア、カンジダ又はアスペルギルス等の真菌、蠕虫等に起因する疾患は特定の実施態様における関心対象である。代表的な細菌及び真菌としては以下の群内に該当するものが挙げられる:放線菌目(例えばコリネバクテリウム、マイコバクテリウム、ノカルジア)、アスペルギルス、バチルス科(例えば炭疽菌、クロストリジウム)、バクテロイデス科、ブラストミセス、ボルデテラ、ボレリア、ブルセラ、カンジダ、カンピロバクター、コクシジオイデス、クリプトコッカス、皮膚真菌、腸内細菌科(クレブシエラ、サルモネラ、セラチア、エルシニア)、エリシペロスリクス、ヘリコバクター、レジオネラ、レプトスピラ、リステリア、マイコプラズマ目、ナイセリア科(例えばアシネトバクター、髄膜炎菌)、パスツレラ科(例えばアクチノバチルス、ヘモフィルス、パスツレラ)、シュードモナス、リケッチア科、クラミジア科、トレポネーマ及びブドウ球菌。 いくつかの実施態様では、修飾した、例えばPEG化したタンパク質は、非修飾形態と比較して有効性が増加し、及び/又は同等の有効性を達成しつつ用量が少なくなるか、若しくは投与回数が減り(投与間隔が広がる)、及び/又は毒性が低減され(副作用が低減され、耐容性及び安全性が増加する)、及び/又は利便性と適性が高い投与経路での投与が可能になる。 なお、本発明は、上述の代表的なクリックケミストリーハンドルと追加的なクリックケミストリーハンドル、反応性クリックケミストリーハンドルペアに限定されるものではなく、このようなクリックケミストリーハンドルペアの反応条件は当業者にとって明らかである。 以下の実施例は本明細書で提供する方法、試薬及び組成物の代表的な実施化を説明することを意図したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。実施例1: クリックケミストリーをソルターゼ触媒アシル転移と組み合わせることにより創生されたN対N及びC対Cタンパク質融合物の生成 タンパク質融合物は有用な生化学ツールである。遺伝子コンストラクトを用いて、GFPに融合させた種々のタンパク質が発現されている。しかしながらタンパク質融合技術の主要な欠点の1つは、あるタンパク質のC末端が別のタンパク質のN末端に融合されているCN連結タンパク質融合物のみを得ることができる点である。このことにより、そのようなタンパク質融合物の範囲は占有されていない、又は融合されていないN又はC末端を必要としないものに限定される。例えば、抗体のN末端は抗原認識のために必要であり、従って、二重特異性抗体はタンパク質融合技術を含む従来の組み換え技術を用いて生成することはできない。ユビキチンのような別のタンパク質は正常な活性のために未修飾のC末端を必要とする。 本発明の一部の局面はソルターゼ反応とクリックケミストリーとの組み合わせを用いたN対N及びC対Cタンパク質融合物の調製のための方法及び試薬を提供する。ソルターゼ触媒アシル転移は適切に修飾されたタンパク質のC末端における置換基の全ての態様の容易な設置を可能にする。良好なアシル転移反応のための唯一の必要条件は標的タンパク質における適切に露出されたLPXTG(配列番号2)モチーフの存在である。ソルターゼ触媒反応において使用できる親核物質の設計も同様に単直であり:グリシン残基、更にはアルキルアミンのショートランのみで反応進行に十分である。クリックケミストリーハンドルのソルターゼ媒介設置とその後のクリックケミストリー反応を介したC−C及びN−Nコンジュゲーションされたタンパク質の形成に関する代表的なスキームに関しては、図1を参照する。クリックハンドルであるアジド及びシクロオクチンはそれぞれN3及び8角形で示す。 ソルターゼ反応を介したタンパク質上へのクリックケミストリーハンドルの設置の重要な利点はソルターゼ反応に必要な親核物質の合成及び生理学的条件下の非変性タンパク質に対する反応の実施が容易な点である(図2A)。ソルターゼ反応で以前に使用されていた親核物質は以下の修飾、即ちビオチン、蛍光団、脂肪酸、核酸、脂質、放射性同位体、炭水化物、また更には適切に露出したグリシン残基N末端ストレッチ(例えば1〜10G残基)を有するタンパク質の何れかを包含していた。 本発明の一部の局面はクリック反応のためのハンドルを提供する親核物質の合成を介した広範なタンパク質修飾を可能にする。このことにより自身のC末端で融合されたタンパク質の創生が可能になる。この目的のために使用できる何れかの型のバイオ直交型クリック反応及び適用できる一部の例は、銅触媒クリック反応、(無痕跡型)シュタウディンガーライゲーション、ひずみ促進型クリック反応、チオ・エン反応、(逆電子要請)ディールス・アルダー反応、オキシムライゲーション及び非変性化学ライゲーションであるが、これらに限定されない(表I及び図2B参照)。一部の実施態様においては、これらの官能性は天然アミノ酸の側鎖上に、或いは非天然アミノ酸の取り込みにより導入される。 本発明の一部の局面は二重特異性のキメラ抗体の形成のための方法及び試薬を提供する。一部の実施態様において、2つの抗体はそれらのC末端においてクリックケミストリーを介してコンジュゲーションされることによりキメラ抗体を形成する。C−C末端コンジュゲーションにより、コンジュゲーションされた抗体の抗原結合N末端は、それらの抗原結合特性を保持できるようになる。そのようにコンジュゲーションされた2つの抗体が異なる抗原に結合すれば、その結果生じるキメラ抗体は二重特異性となる。 本発明の一部の局面は本発明の一部の実施態様に従った二重特異性抗体の調製のための方策を提供する。一部の実施態様において、ソルターゼ認識配列、例えばC末端LPXTGG(配列番号3)配列を含有する抗体が提供される。一部の実施態様において、抗体は更にC末端タグ、例えばヘキサヒスチジン(His6)タグを含む。このような抗体は組み換え方法を介して、そして当該分野で良く知られている試薬を用いて得ることができる。 一部の実施態様において、ソルターゼ反応のための親核物質、例えばクリックケミストリーハンドルを含むGGG−ペプチドは標準的な固相ペプチド合成を用いて合成される。 一部の実施態様において、C末端ソルターゼ認識モチーフを含む第1の抗体は第1のクリックケミストリーハンドル(例えばハンドルA、図2B参照)を含む親核物質の存在下、ソルターゼ触媒反応により修飾される。ソルターゼ認識モチーフを含む第2の抗体、例えば第1の抗体とは異なる抗原に結合する抗体は、第2のクリックケミストリーハンドル(例えばハンドルB、図2B参照)を含む親核物質の存在下、ソルターゼ触媒反応により修飾される。2つのクリックケミストリーハンドル(例えばハンドルA及びB)は典型的には、それらがクリックケミストリー反応において反応することにより共有結合を形成できることを意味するクリック「パートナー」である。一部の代表的なクリック反応及びパートナークリックハンドルは表1及び図2Bに記載するとおりである。ソルターゼ反応の結果として、C末端クリックケミストリーハンドルが設置されている抗体が得られる(図2C)。 一部の実施態様において、ソルターゼ修飾抗体は例えばHisタグ精製、サイズ排除クロマトグラフィー及び/又はイオン交換クロマトグラフィーを用いて単離又は精製される。一部の実施態様において、第1及び第2のソルターゼ修飾抗体はそれぞれのクリック反応が起こるために適した生理学的条件下で混合される。例えばクリック反応が生理学的条件下で起こるために銅のような触媒が必要であれば、反応が起こるために適する条件は、クリック反応を触媒するために有効な量の銅触媒の準備を包含する。 一部の実施態様において、クリック反応は例えば反応の終了を判定するためにLC/MS及びゲルクロマトグラフィーを用いて追跡される。一部の実施態様において、反応が終了したらC対C融合タンパク質は例えば上記した方法により単離又は精製される(図2D)。実施例2:ソルターゼ反応を介した非クリック官能性の設置 ソルターゼ反応のために親核物質中に取り込むことのできる官能性はクリックケミストリーハンドルに限定されない。ソルターゼ親核物質はソルターゼ反応で以前に使用されていた官能性の何れかを装備していてよい(図3A)。例えば、一部の実施態様においては、修飾タンパク質、例えばソルターゼ修飾抗体の可視化、精製及び4量体化を可能にするビオチンが、ストレプトアビジンを用いて取り込まれる。一部の実施態様において、タンパク質2量体の可視化を可能とする蛍光団、例えば蛍光タンパク質又は蛍光部分が取り込まれる。これは特に二重特異性抗体の場合にFACS及び顕微鏡実験においてそれらを使用可能とする有用な特徴である。更に、適合性のあるクリックハンドルの組み合わせを、更に複雑な構造、例えばタンパク質3量体及びPEG化タンパク質2量体の合成のために使用してよい(図3B)。 固相合成により可能となる柔軟性を考慮すれば、更に別の官能性を縫合部に包含させることによりそのようなキメラタンパク質に付与される特性の範囲を更に拡大することができる。例えば、合成重合体、例えばPEG部分のソルターゼ媒介設置はペプチド及びタンパク質の半減期を延長することができ、例えばそのような修飾はサイトカインの循環系中半減期を延長する。検出可能な標識、例えば、蛍光団、蛍光タンパク質、染料、バイオルミネセント酵素及びプローブ、又は放射性同位体の取り込みは、全ての一般的に使用されている画像化様式の利用機会を与える。実施例3:二重特異性キメラ抗体の形成 クリックケミストリーハンドルのソルターゼ媒介設置の代表的な方策を適用することにより、ラクダ抗体に典型的なVHHドメインの使用に基づいて二重特異性抗体フラグメントを形成した。他の哺乳類の種とは異なり、ラクダは別のクラスの抗体を保有しており、その結合部位はVHドメインのみから構築されている。これらのドメインをいわゆるナノボディとして細菌中で発現できる。これらは小型であり、そして操作が容易であるため、治療薬の構築のための魅力的な標的となっている。特に単一の試薬の中に2つの異なる認識特異性を組み合わせることが可能である点は、いわゆる二重特異性抗体の構築を有望とする。 VHHフラグメントをナノボディとしてE・コリ中で発現させた。VHHフラグメントはGFPに対してビクーナ中で作成した抗体及び2−マイクログロブリンに対してラマ中で作成した抗体に基づくものとした。両方のナノボディにはLPXTG(配列番号:2)モチーフを装備することによりそれらがソルタギング反応に対応できるようにした。親核物質の設計においては、一方のナノボディ上へひずみのあるシクロオクチン、そして他方のナノボディ上へはアジドを設置することにより、銅非存在下にクリック反応が進行できるようにした。 クリック反応のための最適条件は、適切に修飾されたユビキチン(Ub、図4、スキーム)、ユビキチンビニルメチルエステル(UbVME)、ユビキチン特異的プロテアーゼを共有結合修飾する親電子Ub誘導体に対して実施したN末端標識反応を用いることにより樹立した。この反応のために、UbVMEの(Gly)3伸長型を選択した。クリック反応の実施によりUbVME2量体が得られ、その官能性はユビキチンC末端ヒドロラーゼUCHL3の修飾により評価した(図4、ゲル画像)。使用する化学的特徴の重要な局面はこの反応における基質であるタンパク質に対して損傷を与える可能性のある過酷な条件の回避である。全ての変換は中性pHの水性環境中で実施される。 N及びC末端ソルタギング反応は同等の効率(図5)で進行することが観察され、そしてそのため、ここで使用するスキームはC対CのみならずN対N融合も可能にし、その双方とも従来の組み換え技術では達成不可能であった。ソルターゼ反応の反応体(例えば投入ナノボディ)並びに反応で使用されるソルターゼにタグ、例えばHis6タグは装備されている一部の実施態様においては、適切な結合剤、例えばNiNTAアガロース上への吸着がこれらの反応体を効果的に枯渇させ、これにより所望の「ソルタギングされた」産物の1段階精製が可能となる。 アジド修飾Ub及びシクロオクチン修飾Ubの2量体化反応の速度論的特徴を調べた(図6)。N3−Ubとシクロオクチン−Ubの何れかのみを含む試料中では2量体化は観察されなかった。しかしながら共にインキュベーションした場合、30分のインキュベーションの後には2量体化が検知可能となり、そして1時間のインキュベーション時間で飽和状態に達した。反応はN3−及びシクオオオクチン−Ubの種々の混合比において効率的であった。 2つのナノボディをUbに関して決定された最適反応条件下においてそれぞれクリックケミストリーハンドル、アジド及びシクロオクチンのソルターゼ媒介設置に付した(反応条件については実施例4参照、図7)。これにより得られる各々適切なクリックハンドルを含むナノボディをサイズ排除クロマトグラフィーで精製することにより未取込のソルターゼ反応親核物質が存在する場合はそれらを除去した(図8)。精製されたナノボディはユビキチン2量体化と同様のクリックケミストリー反応を介してコンジュゲーションすることができる。コンジュゲーションされた産物はS75カラム上のサイズ排除クロマトグラフィーにより精製することができ、所望の産物をSDS−PAGE及びMS/MSで特性化することによりC対Cナノボディ融合産物のアイデンティティを確認できる。 粗製の反応混合物を調製し、共にE・コリ中で発現された標的抗原であるベータ−2−マイクログロブリン及びeGFPの飽和量と共にインキュベーションすることができる。サイズ排除クロマトグラフィーとその後のSDS−PAGE及び個々の画分の銀染色により、それらの予測されるストークス半径における未結合抗体の同定並びに各々その同属体抗原と複合体化した別個のナノボディの同定が可能となる。N対N及びC対Cタンパク質コンジュゲーションの例によれば、標準的な遺伝子的方法では到達できないキメラタンパク質も本明細書に記載した方法及び試薬を用いれば良好な収率で得られる場合があることがわかる。 図9は抗GFPナノボディのソルタギングを示す。図10はインターフェロンアルファ(INFA)及び抗GFP(抗eGFP)ナノボディのソルタギングを示す。37:C末端アジド;57:C末端シクロオクチン;40:N末端シクロオクチン;41:N末端アジド。図11はINFA及び抗GFPのソルタギングを示す。実施例4:材料及び方法ソルターゼ反応ペプチドの固相ペプチド合成 Rinkアミド樹脂をNMP中に溶媒和させ、NMP中20%ピペリジンで樹脂を処理することによりFmoc基を除去した後、樹脂にローディングし、連続工程を用いて伸長した。(I)樹脂をNMP(3x)、CH2Cl2(3x)及びNMPで洗浄した。(II)Fmoc−保護アミノ酸(市販品又は自家製)をHOBt(3当量)、PyBOP(3当量)及びDiPEA(6当量)の存在下に濃縮した。(III)樹脂を工程(I)と同条件を用いて再度洗浄した。(IV)カイザー試験を用いてカップリングをモニタリングし、そして終了後(V)NMP中20%ピペリジンを用いてFmoc−保護基を除去した。 最後に、3時間95%TFA、2.5%TIS、2.5%H2Oの存在下に樹脂を攪拌することにより樹脂からペプチドを切断した。氷冷Et2Oを切断溶液に添加し、形成した沈殿は、4℃で30分間溶液を遠心分離することによりペレット化した。粗製のペプチドは逆相HPLC精製により精製した(使用バッファー:A:H2O、B:ACN、C:H2O中10%TFA)。C末端ペプチドH2N−GGGK(アジドヘキサン酸)−CONH2 Rinkアミド樹脂(100mg、50μmol)をFmoc−Lys(Mtt)−OHと共にローディングし、一般的方法に記載される通り、Fmoc−GGG−OHと共に伸長した。CH2Cl2で樹脂を洗浄した後、30分間(又は黄色が完全に消失するまで)CH2Cl2中1%TFA、1%TISで2回樹脂を処理することによりMtt保護基を除去した。樹脂をCH2Cl2(5x)、NMP(5x)及び5等量のDiPEAを含有するNMPで洗浄した。アジドヘキサン酸(31mg、200μmol)をPyBOP(104mg、200μmol)及びDiPEA(70μL、400μmol)を用いて縮合した。2時間振とうした後、カイザー試験によると完全な変換が明らかになった。N末端Fmoc基を除去し、一般的方法に記載される通りペプチドを樹脂から切断した。逆相HPLC精製(12分にわたり15〜24%B(3CV)、Rt=8分)により標題化合物(15.4mg、33μmol、67%)をオフホワイトの固体として得た。H2N−GGGC(DBCO)−CONH2 Rinkアミド樹脂(167mg、100μmol)をFmoc−Cys(Trt)−OHと共にローディングし、Fmoc−GGG−OHと共に伸長し、そして一般的方法に記載の通り樹脂から切断することにより、粗製のH2N−GGGC−CONH2(配列番号129)を定量的収率で得た。このペプチド(38mg、83μmol)をPBS(0.25mL)中に溶解し、そしてこれにDMF(0.25mL)中DBCO−マレイミド(17mg、40μmol)を添加した。反応物を一晩攪拌し、TFAで酸性化し、RP−HPLC(20分にわたり20〜35%B(5CV))で精製することによりにより標題化合物(15.3mg、22μmol、27%)を白色固体として得た。N末端ペプチドアジドヘキサン酸−LPETGG−CONH2 Rinkアミド樹脂(60μmol)をFmoc−Glyc−OHと共にローディングし、適切に保護されたアミノ酸と共に伸長し、そして一般的方法に記載の通り樹脂から切断した。最終カップリングのためにアジドヘキサン酸を使用した。RP−HPLC(12分にわたり26〜35%B(3CV))により標題化合物(9.5mg、13μmol、13%)を白色固体として得た。DBCO−LPETGG−CONH2 リンクアミド樹脂をFmoc−Glyc−OHと共にローディングし、適切に保護されたアミノ酸と共に伸長し、そして一般的方法に記載の通り樹脂から切断した。Et2Oから沈殿させることにより粗製のH2N−LPETGG−CONH2(配列番号132)(17.9mg、31.3μmol)を得て、これをDMF(0.5mL)中に溶解した。DBCO−OSu(14mg、20μmol)を添加し、反応物を一晩攪拌した。溶液を希釈した後、RP−HPLC(12分にわたり25〜34%B(3CV))により精製し、標題化合物をオフホワイトの固体として得た。ユビキチンのソルタギング ソルターゼ(7.2μL、700μM)及びプローブ(10μL、5mM)を100μLのソルターゼバッファー(50mMTris、pH7.4、150mMNaCl、10mMCaCl2)中のユビキチン(58μM)に添加した。得られた混合物を2時間37℃でインキュベーションした。次に溶液を酸性化し、逆相HPLCで精製した。得られた精製タンパク質を真空下に濃縮し、H2Oに再溶解し、ゲル電気泳動で定量した。ナノボディのソルタギング ソルターゼ(7.2μL、700μM)及びプローブ(10μL、5mM)を100μLのソルターゼバッファー(50mMTris、pH7.4、150mMNaCl、10mMCaCl2)中のナノボディ(15μM)に添加した。得られた混合物を37℃で一晩インキュベーションした。次に溶液をEt3NHOAc(pH5)で希釈し、サイズ排除クロマトグラフィーで精製した。得られた精製タンパク質を真空下に濃縮し、H2Oに再溶解し、ゲル電気泳動で定量した。ユビキチンの2量体化 アジド修飾ユビキチン及びDBCO修飾ユビキチンを1:1の比で混合し、37℃で0.5〜7時間インキュベーションした。2量体化産物への変換はゲル電気泳動を用いて分析した。活性の検定 アジド修飾UbVME及びDBCO修飾UbVMEを1:1の比で混合し、37℃で一晩インキュベーションした。2量体化の後、試料をTrisバッファー(7μL)で希釈し、UCHL3(2μL、UbVMEに対して5倍過剰)を添加した。得られた混合物を2時間インキュベーションし、試料バッファー(4x)で変性し、15%ゲル上にローディングした。タンパク質をPVDF膜に転移させた。膜をPBS/Tween(0.1%)中4%ミルクでブロッキングした。ウサギポリクローナル抗ユビキチン(1:100)を添加し、膜を室温で30分間攪拌した。膜をPBS中0.1%Tweenで4回洗浄した後、二次抗体(HRPヤギ抗ウサギ、1:25000)を添加した。室温で30分間振とうした後、膜をPBS中0.1%Tween(x4)で洗浄し、タンパク質を、ECLplusを用いて可視化した。実施例5:非天然N−N及びC−Cタンパク質融合物の調製 本明細書に記載した方策を用いることにより融合パートナーの生物活性を完全に保持しつつ連結タンパク質に対して化学的損傷をもたらすことなくN対N及びC対Cタンパク質融合物を生成した。ソルターゼAを用いて必要な修飾を目的タンパク質のN又はC末端上に設置することにより、ひずみ促進銅非含有ヒュスゲン環化付加を実施した。ここではタンパク質−タンパク質融合物に適用すれば、記載した方法を用いて如何なるタンパク質も目的の如何なる物質ともコンジュゲーションすることができる。材料及び方法 一般的実験。全ての化学薬品は商業的供給源のものであり、入手した状態で使用した。Fmoc−Lys(Mtt)−OH、Fmoc−Gly−OH、Fmoc−Thr−OH、Fmoc−Pro−OH、Fmoc−Glu−OH、Fmoc−Leu−OH、O−ベンゾトリアゾール−N、N、N’、N’−テトラメチル−ウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBOP)はEMD Biosciences/Novabiochemより購入した。リンクアミド樹脂はAdvanced Chemtechより購入した。シクロオクチン試薬はClick Chemistry Toolsより購入した。生物学的操作において、又は反応溶媒として使用した水はMilliQ精製システム(Millipore)を用いて精製した。DriSolv(登録商標)無水CH2Cl2、DriSolv(登録商標)無水MeOH、DriSolv(登録商標)無水DMFはEMD Chemicalsから購入した。再蒸留した無水N、N’−ジイソプロピルエチルアミン(DiPEA)、トリフルオロ酢酸(TFA)、トリイソプロピルシラン(TIS)N−メチルピロリドン(NMP)はSigma−Aldrichより入手した。 質量スペクトル分析。LC−ESI−MS分析はMicromassLCT質量分析器(Micromass(登録商標)MS Technologies、USA)及びHTC PALオートサンプラー(Michrom BioResources、USA)及びWaters Symmetry5μmC8カラム(2.1x50mm、MeCN:H2O(0.1%ギ酸)勾配移動相、150μL/分)を装備したParadigm MG4HPLCシステムを用いて実施した。 HPLC/FPLC。以下に示す通り、Waters Delta Pak15μm、100ÅC18カラム(7.8x300mm、MeCN:H2O勾配移動相、3mL/分)を装備したAgilent 1100 Series HPLCシステムを用いてHPLC精製を行った。サイズ排除及びカチオン交換クロマトグラフィーはHiLoad16/60Superdex75カラム(Amersham)又はMonoS5/50GLカラム(Amersham)をそれぞれ装備したPharmacia AKTA Purifierシステム上で実施した。 UV−vissスペクトル分析。UV−visスペクトル分析はNanodrop ND−1000分光光度計(Thermo Scientific、USA)上にて実施した。 In−gel蛍光。蛍光ゲル画像はTyphoon9200Variable Mode Imager(GE Healthcare)を用いて獲得した。 プローブの固相ペプチド合成に関する一般的操作法。Rinkアミド樹脂をNMP中に溶媒和させ、NMP中20%ピペリジンで樹脂を処理することによりFmoc基を除去した後、樹脂をローディングし、連続工程を用いて伸長した。 (I)樹脂をNMP(3x)、CH2Cl2(3x)及びNMPで洗浄した。(II)Fmoc−保護アミノ酸をHOBt(3当量)、PyBOP(3当量)及びDiPEA(6当量)の存在下に縮合した。(III)樹脂を工程(I)と同条件を用いて再度洗浄した。(IV)カイザー試験を用いてカップリングをモニタリングし、そして終了後(V)NMP中20%ピペリジンを用いてFmoc−保護基を除去した。最終工程において、3時間95%TFA、2.5%TIS、2.5%H2Oの存在下に樹脂を攪拌することにより樹脂からペプチドを切断した。氷冷Et2Oを切断溶液に添加し、形成した沈殿は、4℃で30分間溶液を遠心分離することにより収集した。粗製のペレットは逆相HPLC精製により精製した(使用バッファー:A:H2O、B:ACN、C:H2O中10%TFA)。N末端プローブ アジドヘキサン酸−LPETGG−CONH2(1)。Rinkアミド樹脂(60μmol)をFmoc−Glyc−OHと共にローディングし、適切に保護されたアミノ酸と共に伸長し、一般的方法に記載の通り樹脂から切断した。最終カップリングのためにアジドヘキサン酸を使用した。RP−HPLC(12分にわたり26〜35%B(3CV))により標題化合物(9.5mg、13μmol、13%)を白色固体として得た。LC/MS:Rt6.34分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS: m/z = 711.1 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.65 (dd, J = 10.0, 4.4 Hz, 1H), 4.42 (dd, J = 8.4, 6.0 Hz, 1H), 4.35 (dd, J = 9.2, 5.2 Hz, 1H), 4.30−4.24 (m, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.96 (s, 2H), 3.91−3.84 (m, 4H), 3.70−3.64 (m, 1H), 2.48 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 2.26 (t, J = 7.6), 2.24−1.96 (m, 6H), 1.78−1.70 (m, 1H), 1.69−1.56 (m, 7H), 1.44−1.38 (m, 3H), 1.21 (d, J 6.4 Hz, 3H), 0.97 (t, 6.4 Hz, 6H)。 DIBAC−LPETGG−CONH2(2)。リンクアミド樹脂をFmoc−Glyc−OHと共にローディングし、適切に保護されたアミノ酸と共に伸長し、そして一般的方法に記載の通り樹脂から切断した。Et2Oから沈殿させることにより粗製のH2N−LPETGG−CONH2(配列番号132)(17.9mg、31.3μmol)を得て、これをDMF(0.5mL)中に溶解した。DIBAC−OSu(14mg、20μmol)を添加し、反応物を一晩攪拌した。溶液を希釈した後、RP−HPLC(12分にわたり25〜34%B(3CV))により精製し、標題化合物(13.1mg、12.3μmol、39%)をオフホワイトの固体として得た。LC/MS:Rt9.42分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS: m/z =1066.14 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 7.65 (dd, J =13.2, 7.2 Hz, 1H), 7.46−7.28 (m, 7H), 5.05 (d, J = 14.4 Hz, 1H), 4.72−4.65 (m, 1H), 4.60−4.50 (m, 1H), 4.48−4.38 (m, 2H), 4.36 (d, J = 4 Hz, 1H), 4.26−4.23 (m, 1H), 4.04−3.87 (m, 5H), 3.73−3.62 (m, 2H), 3.52−3.38 (m, 1H), 3.10−2.92 (m, 1H), 2.82−2.67 (m, 1H), 2.56−2.39 (m, 5H), 2.34−2.09 (m, 6H), 2.07−1.98 (m, 4H), 1.94−1.85 (m, 2H), 1.72−1.52 (m, 6H), 1.50−1.40 (m, 1H), 1.20 (d, J = 6.0 Hz, 3H), 0.98−0.90 (m, 6H)。C末端プローブ H2N−GGGK(N3)K(TAMRA)−CONH2(3)。Rinkアミド樹脂(60μmol)をFmoc−Lys(Mtt)−OHと共にローディングし、一般的方法に記載の通りFmoc−アジドリジン−OH及びFmoc−GGG−OHと共に伸長した。CH2Cl2で樹脂を洗浄した後、30分間(又は黄色が完全に消失するまで)CH2Cl2中1%TFA、1%TISで2回樹脂を処理することによりMtt保護基を除去した。樹脂をCH2Cl2(5x)、NMP(5x)及びDiPEAを含有するNMP(43.5μL、250μmol、5等量)で洗浄した。5(6)−カルボキシテトラメチルローダミン(77mg、180μmol、3当量)をPyBOP(94mg、180μmol、3当量)及びDiPEA(65μL、370μmol、6当量)を用いて縮合した。16時間振とうした後、カイザー試験によると完全な変換が明らかになった。N末端Fmoc基を除去し、一般的方法に記載される通りペプチドを樹脂から切断した。逆相HPLC精製(12分にわたり25〜34%B(3CV))により標題化合物(41.4mg、50.5μmol、81%)を紫色固体として得た。LC/MS:Rt5.50及び6.10分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS: m/z = 883.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 8.78 (d, J = 1.6 Hz, 1H), 8.28 (dd, J = 7.6, 1.6 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 8.0 Hz), 7.14 (d, J = 9.6 Hz, 2H), 7.06 (dd, J = 9.6, 2.4 Hz, 2H), 6.98 (d, J = 2.4 Hz, 2H), 4.34 (dd, J = 9.2, 5.2 Hz, 2H), 3.98 (d, 14.8 Hz, 1H), 3.96 (s, 2H), 3.82 (d, 18.4 Hz, 1H), 3.80 (s, 2H), 3.54−3.46 (m, 2H), 3.32−3.28 (m, 14H), 1.94−1.45 (m, 12H)。 H2N−GGGC(DIBAC)−CONH2(4)。Rinkアミド樹脂(167mg、100μmol)をFmoc−Cys(Trt)−OHと共にローディングし、Fmoc−GGG−OHと共に伸長し、一般的方法に記載の通り樹脂から切断することにより、粗製のテトラペプチドH2N−GGGC−CONH2(配列番号129)を定量的収率で得た。このペプチド(38mg、83μmol、2当量)をPBS(0.25mL)中に溶解し、そしてこれにDMF(0.25mL)中のDIBAC−マレイミド(17mg、40μmol、1当量)を添加した。反応物を一晩攪拌し、TFAで酸性化し、RP−HPLC(20〜35%Bin20min(5CV))で精製することにより標題化合物(15.3mg、22μmol、27%)を白色固体として得た。LC/MS:Rt6.90分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS: m/z = 719.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, M) δ ppm 7.66 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 7.55−7.51 (m, 1H), 7.48−7.45 (m, 3H), 7.38 (dt, J =7.6, 1.4 Hz, 1H), 7.37−7.33 (m, 1H), 7.28 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 5.14 (d, J =14 Hz, 1H), 4.69−4.64 (m, 1H), 4.01−3.85 (m, 6H), 3.77 (d, J = 4.8 Hz, 1H) 3.73 (s, 1H), 3.70 (s, 1H), 3.67−3.63 (m, 2H), 3.39 (ddd, J = 14.0, 5.2, 2.8 Hz, 1H), 3.27−3.05 (m, 5H), 2.97 (ddd, J =14, 8.4, 5.2 Hz, 1H), 2.48−2.41 (m, 3H), 2.33−2.87 (m, 2H) 2.08−1.99 (m, 1H)。 H2N−GGGK(アジドヘキサン酸)−CONH2(5)。Rinkアミド樹脂(100mg、50μmol)をFmoc−Lys(Mtt)−OHと共にローディングし、一般的方法に記載されるとおり、Fmoc−GGG−OHと共に伸長した。CH2Cl2で樹脂を洗浄した後、30分間(又は黄色が完全に消失するまで)CH2Cl2中1%TFA、1%TISで2回樹脂を処理することによりMtt保護基を除去した。樹脂をCH2Cl2(5x)、NMP(5x)及びDiPEAを含有するNMP(43.5μL、250μmol、5等量)で洗浄した。アジドヘキサン酸(31mg、200μmol、4当量)をPyBOP(104mg、200μmol、4当量)及びDiPEA(70μL、400μmol、8当量)を用いて縮合した。2時間振とうした後、カイザー試験によると完全な変換が明らかになった。N末端Fmoc基を除去し、一般的方法に記載される通りペプチドを樹脂から切断した。逆相HPLC精製(12分にわたり15〜24%B(3CV))により標題化合物(15.4mg、33μmol、67%)をオフホワイトの固体として得た。LC/MS:Rt2.77分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS: m/z = 456.3 [M+H]+. 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.35 (dd, J = 9.2, 4.8 Hz, 1H), 3.98 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.97 (s, 2H), 3.86 (d, J = 16.8 Hz, 1H), 3.78 (s, 2H), 3.29 (t, J = 6.8 Hz, 2H), 3.17 (dt, J =6.8, 2.0 Hz, 2H), 2.20 (t, J = 7.2 Hz, 2H), 1.86−1.81 (m, 1H), 1.73 (ddd, J = 18.4, 9.4, 5.0 Hz, 1H), 1.67−1.57 (m, 4H), 1.55−1.47 (m, 2H), 1.43−1.38 (m, 4H)。 タンパク質のクローニング及び発現。N末端Hisタグとその後のトロンビン切断部位(MGSSHHHHHHSSGLVPRGGGSH、配列番号130)にN末端融合したユビキチンをpET28ベクター中にクローニングした。ベクターをBL21(DE3)pLysS内に形質転換した。スターター培養物をLB中に生育させた。発現培養を0.2のOD600において開始した。培養物が0.6〜0.8のOD600に到達した時点で、細菌を1mMのIPTGで誘導し、37℃で6時間培養した。細菌を15分間6000Gで遠心分離することにより収集し、ペレットを溶解バッファー(20mMTrispH8.0、150mMNaCl、10mMイミダゾール、50μg/mLDNAseI(Roche)及び1錠/25mLの完全プロテアーゼ阻害剤(Roche))に再懸濁し、そして超音波処理した。溶解物を遠心分離により澄明化した。可溶性タンパク質をNi−NTA(Qiagen)により精製した。トロンビン配列を、トロンビンCleanCleaveキット(sigma Aldrich)を用いて除去した。 N末端でトロンビン切断部位とその後のGGG(MGSSHHHHHHSSGLVPRGGG、配列番号131)と融合し、C末端でインテリンに融合したユビキチン(1−75)をpTYB2内にクローニングした。ベクターをBL21(DE3)pLysS内に形質転換した。構築されたユビキチン−インテリンを発現させ、精製し、HAタグ付UbVMEに関して前記したとおりUbVMEに変換した。トロンビンCleanCleaveキットを用いてN末端グリシン残基を露出させた。 C末端LPETGG(配列番号1)を含有する抗GFPの合成型をpET28A+ベクター内にサブクローニングした。ベクターをE・コリBL21(DE3)pLysS内に形質転換した。スターター培養物(250mL、LB培地)を37℃で飽和するまで一晩生育させた。OD600=0.2(2L、コウボ/トリペプトン(2YT)培地)で開始した発現培養をOD600=0.6となるまで37℃で生育させた。細菌をIPTG(1mM)で誘導し、25℃で16時間生育させた。15分間6000Gで遠心分離することにより細菌を収集し、それらを溶解バッファー(20mMTrispH8.0、150mMNaCl、10mMイミダゾール、50μg/mLDNAseI(Roche)及び1錠/25mLの完全プロテアーゼ阻害剤(Roche))中で超音波処理することにより溶解した。溶解物を遠心分離により澄明化した。可溶性タンパク質はNi−NTA(Qiagen)とその後のSuperdexTM75上のサイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。 C末端LPETGGHHHHHH(配列番号45)を含有するVHH7を、pelBリーダー配列にN末端で先導されたpHENベクター内にクローニングした。ベクターをE・コリWK6内に形質転換した。開始培養物(250mL)を37℃で飽和するまで2YT中で一晩生育させた。発現培養を0.2のOD600において開始した。培養物がOD600=0.7に到達した時点で、タンパク質の発現を1mMIPTG添加により誘導した。細菌を37℃で一晩培養した。4℃で1時間1容量の1xTESバッファー(Tris0.2M、EDTA0.65mM、Sucrose0.5M)中で細菌ペレットをインキュベーションすることによりペリプラズム画分を単離し、その後、2容量の0.25xTESバッファーを添加した。得られた懸濁液を4℃で一晩攪拌した。溶液を遠心分離により澄明化し、アミコンウルトラ3Kスピン濃縮器を用いて濃縮し、タンパク質をNi−NTAに付した。サイズ排除クロマトグラフィーによりタンパク質を更に精製した。 リーダー配列を有さず、C末端において配列GGLPETGGHHHHHH(配列番号46)に融合されたヒトインターロイキン−2をpET28a+ベクター(Novagen)中にクローニングした。ベクターをE・コリBL21(DE3)pLysS内に形質転換し、スターター培養物を37℃で一晩生育させた。スターター培養物を発現培養物(3L、2YT)に添加し、OD600が0.6に到達するまで生育させた。発現を誘導するために1mMIPTG(終濃度)を添加し、細菌を4時間37℃で生育させた。細菌を4℃で15分間6000Gで遠心分離することにより収集した。細菌を溶解バッファー(50mMTrispH7.4、150mMNaCl、50μg/mLDNAseI(Roche)及び1錠/25mLの完全プロテアーゼ阻害剤(Roche))中で超音波処理によって溶解した。封入体を遠心分離(4℃で15分間12000xg)により収集した。50mMTris、pH7.4、150mMNaCl、6Mグアニジニウム中に溶解する前に、封入物をまずペレット溶解バッファー(1x)、n−ブタノール(1x)、及び50mMTrispH7.4、150mMNaCl、1MグアニジニウムHCl(2x)再懸濁とその後の遠心分離により洗浄した。 未折畳のタンパク質(6mg/mL、0.7mL)をTCEP(1mM)で前処理し、その後、25℃の再折畳バッファー(200mL、50mM Tris pH7.4、150mMNaCl、10%グリセロール、5mMグルタチオン、0.5mM酸化グルタチオン)に添加した(0.1mL/h)。反応物を2日間攪拌し、Ni−NTAカラム上で濃縮し、その後サイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。 S・アウレウスのソルターゼA及びヒトIFNα2aを文献に従って発現させ、精製した(Popp, M. W.; Dougan, S. K.; Chuang, T.−Y.; Spooner, E.; Ploegh, H. L. P Natl Acad Sci Usa 2011, 108, 3169−3174; and Popp, M. W.; Antos, J. M.; Ploegh, H. L. Current Protocols in Protein Science; Coligan, J. E.; Dunn, B. M.; Speicher, D. W.; Wingfield, P. T., Eds. John Wiley & Sons, Inc.: Hoboken, NJ, USA, 2001; これらは参照により全体が本明細書に組み込まれる)。 N3−LPETGG(1)及びDIBAC−LPETGG(2)によるユビキチンの修飾。ユビキチンをUbVMEに関して記載したとおり1及び2で修飾した。N3−Ub:Rt7.17分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=9542(M+H)+。DIBAC−Ub:Rt7.37分;直線勾配10分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=9898(M+H)+。 ユビキチンの2量体化。アジド修飾ユビキチン(5μL、4μg/μL)及びDIBAC修飾ユビキチン(8μL、2.5μg/μL)を混合(終濃度はタンパク質170μM)し、37℃で0.5〜7時間インキュベーションした。2量体化産物への変換はゲル電気泳動を用いて分析した。 N末端ソルタギング.S・アウレウスのソルターゼA(150μM終濃度、50mMTris、pH7.4、150mMNaCl中4.5×保存液)及びプローブ1又は2(0.5mM終濃度、10×保存液)をソルターゼバッファー(50mMTris、pH7.4、150mMNaCl、10mMCaCl2)中のUbVME(58μM終濃度)に添加した。得られた混合物を3時間37℃でインキュベーションした。次に、溶液をH2O中1%TFAで酸性化し、逆相HPLC(20分にわたり30→45%B、3mL/分)により精製した。得られた精製タンパク質を飽和水性NaHCO3で中和し、真空下に濃縮し、H2Oに再溶解し、ゲル電気泳動で定量した。タンパク質をLC/MSで分析した。N3−UbVME:Rt7.70分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=9714(M+H)+。DIBAC−UbVME:Rt7.54分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=9360(M+H)+。 C末端ソルタギング.S・アウレウスのソルターゼA(150μM終濃度、50mMTris、pH7.4、150mMNaCl中4.5×保存液)及びプローブ(0.5mM終濃度、10×保存液)をソルターゼバッファー(50mMTris、pH7.4、150mMNaCl、10mMCaCl2)中のVHH(15μM終濃度)に添加した。得られた混合物を一晩25℃でインキュベーションした。タンパク質をSuperdexTM75上のサイズ排除により精製した。得られた精製タンパク質を遠心フィルターユニット中で濃縮し、ゲル電気泳動及びLC/MSで分析した。抗GFP−3:Rt6.02分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=14330(M+H)+。抗GFP−4:Rt7.90分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=14170(M+H)+。VHH7−3:Rt7.20分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=15549(M+H)+。VHH7−5:Rt7.00分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=15139(M+H)+。 2量体UbVMEコンストラクトの合成。アジド修飾UbVME(42.5μL、80μM)及びシクロオクチン修飾UbVME(42.5μL、70μM)の混合物を一晩インキュベーションし、その後、逆相HPLC(20分にわたり30→45%B、3mL/分)で精製した。精製後、溶液を飽和水性NaHCO3で中和し、真空下に濃縮した。反応性ビニルメチルエステル1つのみを含有する2量体ユビキチンコンストラクトは、アジド修飾ユビキチン(42.5μL、80μM)をシクロオクチン修飾UbVME(42.5μL、70μM)と共に、又はアジド修飾UbVMe(42.5μL、80μM)をシクロオクチン修飾ユビキチン(42.5μL、70μM)と共にインキュベーションすることにより得られた。2量体化の後、タンパク質を前述の通り精製して操作した。 2量体UbVMEコンストラクトによるUCHL3の標識。精製された2量体コンストラクト(0.5μg、24.5pmol)をUCHL3(94pmol)の存在下又は非存在下に20μLTrisバッファー(20mM、pH8、100mMNaCl、0.1mMTCEP)中に希釈した。得られた混合物を2時間インキュベーションし、ラエムリ試料バッファー(4×)で変性し、TRIS−トリシンゲル上にローディングした。タンパク質はクーマジーブリリアントブルー染色により直接分析するか、又は、PVDF膜に転移させた。膜をPBS/Tween(0.1%v/v)中4%BSAでブロッキングした。ペンタHisHRP(1:12500)を添加し、膜を室温で30分間攪拌した。膜をPBS中0.1%v/vTweenで4回洗浄し、その後、タンパク質を、ECLplusを用いて可視化した。 ナノボディの2量体化。ホモ2量体抗GFOナノボディ抗GFP−3(100μL、80μM)及び抗GFP−4(100μL、85μM)室温で一晩インキュベーションすることにより調製した。ヘテロ2量体VHH7−3−抗GFP−4及びVHH7−5−抗GFP−4は25℃で一晩VHH7−3(20μM溶液200μL)又はVHH7−5(60μM溶液200μL)を抗GFP−4(100μLの120μM溶液)と反応させることにより得た。2量体ナノボディはSuperdexTM75上のサイズ排除により精製した。画分を収集し、遠心フィルターユニット中で濃縮した。精製した2量体を15%SDS−PAGE上で分析した。(抗GFP)2:Rt10.07分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=28526(M+H2O+H)+。VHH7−3−抗GFP−4:Rt10.91分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=29755(M+H2O+H)+。VHH7−5−抗GFP−4:Rt10.87分;直線勾配20分にわたり5→45%B;ESI/MS:m/z=29329(M+H2O+H)+。 ホモ2量体ナノボディの官能性試験。ホモ2量体抗GFPナノボディ(20μL、25μM)をGFP(80μM溶液2.5μL、10μL及び30μL)と共にインキュベーションした。形成したナノボディ−GFP複合体をSuperdexTM200上のサイズ排除に付した。 ヘテロ2量体ナノボディの官能性試験。リンパ節細胞をC57BL/6(Jackson labs)又はMHCII−欠損マウス(Jackson labs)から採取し、洗浄し、4℃においてVHH7−抗GFP、GFP及びVHH7−抗GFP+GFPと共に10分間インキュベーションした。細胞を遠心分離により収集し、PBSで洗浄し、フローサイトメトリーで分析した。 インビボ送達試験。送達試験のために、BALB/cマウス(Jackson labs)に二重特異性抗体又はGFP(マウスあたり50μg)の何れかを尾静脈内に注射した。二重特異性抗体を投与したマウスには、直接腹腔内投与によりGFP(50μg)を、又は静脈内投与によりGFP(50μL)を1時間後に投与した。5.5時間後、採血し、マウスを屠殺し、リンパ節、胸腺及び脾臓から細胞を単離した。細胞をPBSで洗浄し、4℃で10分間、抗CD19−APC(BD Pharmingen)及び7−AAD(Viaprobe、BD)と共にインキュベーションした。細胞をPBSで洗浄し、フローサイトメトリーで分析した。結果 N対Nタンパク質2量体を構築するために、LPXTGG(配列番号3)ペプチド1及び2を合成し、アジドヘキサン酸又はジベンゾアザシクロオクチン(DIBAC)をN末端に装備した。(25)(図12A)。S・アウレウス由来のソルターゼAを用いて、これらのペプチドを、導入親核物質として機能するために適度に露出したGly残基のショートランによりに基質G3−ユビキチン(G3Ub)のN末端にライゲーションした。ペプチド1及び2はG3−ユビキチン上に効率的にアシル転移された(図13)。修飾タンパク質の保有により2量体化の必要条件が樹立された。アジド修飾ユビキチン(80μM)を混合し、シクロオクチンを装備したユビキチンの化学量論的な量と共に37℃でインキュベーションした。30分後、クーマジーブリリアントブルー染色により、そして抗ユビキチンイムノブロットにおいて明らかにされたとおり、ユビキチン2量体に相当する約18KDaのポリペプチドが観察された(図13)。インキュベーション時間を7時間まで延長することにより、ImageJを用いたSDS−PAGEによる定量によれば約70%の2量体ユビキチンへの変換が起こった。より低濃度(15μM)においては、より緩徐な速度ではあるものの反応はなお進行していた(16時間語に約70%変換)。 連結されたタンパク質がそれらの生物活性を保持しているかどうかを評価するために、ユビキチンビニルメチルエステル(UbVME)の2価の型(N対N融合物)を構築した。UbVMEは多数のユビキチン特異的プロテアーゼ(USP)を共有結合修飾する活性な部位指向性のプローブである(26)。これらの付加物の形成はSDS−PAGEによる分析時の運動性のシフトにより容易に可視化される。UbVMEの2価型によるUSPの修飾は、形成される付加物の分子量の相応の増大を伴って2つのUbVME単位及び2つのUSPコピーを含有する複合体をもたらすはずである。即ち、2量体UbVMEコンストラクトの合成は2つのバイオ直交型反応、即ちビニルメチルエステル部分を担持しているユビキチンのC末端修飾型を得るためのインテリン系非変性ライゲーション(26)及びN末端ソルタギング反応(27)を組み合わせた作用を利用している。記載したとおり調製したG3−UbVMEから出発して、アジド−及びひずみのあるシクロオクチン修飾型を得た。等モル量のアジド−及びシクロオクチン修飾UbVMEを反応させ、その後逆相HPLCにより精製して未反応のUbVME単量体があればそれを除去することにより、2価の付加物を得た。この2価の付加物の反応性を、UbVMEとの複合体としての結晶構造が既知であるユビキチンカルボキシ末端ヒドロラーゼアイソザイムL3(UCHL3)の使用により評価した(28)。対照としてC末端の一方に反応性ビニルメチルエステルを、もう一方に非反応性カルボン酸を装備している2量体コンストラクトを生成した。従って、得られたUbVME−ユビキチンは単一のUCHL3分子を結合することができる。2価のUbVMEを過剰量のN末端Hisタグ付きUCHL3(ビニルメチルエステル当たり2等量)(図14B)と共にインキュベーションすることにより、2つのUCHL3分子(約67kDa)に結合した2価の付加物が得られた。UCHL3を対照であるUbVME−ユビキチンコンストラクト又はUbVMEと共にインキュベーションしたところ、予測された分子量シフト、即ち、UbVME−ユビキチン2量体で修飾されたUCHL3(約47kDa)及びUbVME単量体で修飾されたUCHL3(約37kDa、図13参照)がそれぞれ観察された。His6(図14C)に関するイムノブロットにより新しく形成された付加物が実際に、UCHL3投入材料中に取り込まれたHis6タグを含有していることが確認された。即ち、クリック反応により生成した2価の付加物中の両方のUbVME単位は、意図する標的を共有結合修飾するそれらの能力からわかるとおり完全な活性を保持している。 第2の例を検討した。ラクダ類は重鎖のみよりなる特異な抗体を生産する(29)。それらの可変領域はVHHとしても知られているシングルドメインコンストラクトとして組み換え発現した場合に完全な抗原結合能力を保持している(30)。2価のシングルドメインVHHタンパク質は、複合ソルタギングクリック法を用いてそれらのC末端を介してそれらをコンジュゲーションすることにより合成した。アジド3又はシクロオクチン4を含有するトリグリシンペプチドを合成し(図15A)、そして緑色蛍光タンパク質(GFP)に特異的なラクダVHHの合成型を組み換えにより生産した(31)。このVHHを修飾してソルターゼ基質モチーフとそれに続く(His)6タグを含有させることにより精製を容易にした。25℃で一晩インキュベーション後、SDS−PAGE及びLC/MSによるとクリックハンドルで標識された抗GFP VHHへの良好な変換が達成された。サイズ排除クロマトグラフィーにより過剰なトリグリシン親核物質を除去することによりその後の2量体化反応への干渉を回避した(図16)。これらの修飾されたVHHを使用して、相当するC対C融合ホモ2量体を形成し(図15B)、これをサイズ排除クロマトグラフィーにより均質になるまで精製した(図16)。 VHH単量体及び2量体を標的抗原GFPと共にインキュベーションすることにより複合体の形成を評価した。修飾されたVHHはGFPと共にインキュベーションしたところ、サイズ排除クロマトグラフィー実験において、予測されたストークス半径増大を示した(図17)。次にC対CのVHH2量体を漸増濃度のGFPと共にインキュベーションし、2量体とGFPの間に形成された複合体をサイズ排除クロマトグラフィーにより分析した(図15C)。形成されたVHH2量体は低濃度の添加GFPにおいて単一のGFPで占有される2量体から容易に分割され、後者はより高いGFP濃度において2つのGFP部分により占有される2量体から容易に分割された(図18)。 このデータはこの例では単一のVHHドメインである抗体フラグメントのC対C融合が本発明の局面によるクリックケミストリーと組み合わせてソルターゼを使用して容易に達成できることを示している。良好な変換(約90%)のみならず、得られた産物はそれらの完全な機能を保持している。ソルターゼ反応で使用した親核物質の大部分が水溶性であり、そして過酷及び/又は非選択的反応条件を要する全ての必要な官能基が親核物質の合成の間に導入されるため、この方法は生物活性に影響する可能性のある望ましくない副反応(例えば使用可能なアミノ基のアシル化(18)、タンパク質の変性)を最小限にする。 上記実験を拡張し、自身のC末端を介して抗GFP VVHに連結したアルパカ由来VHHであるマウスクラスII MHC産物に対して特異的なVHH(VHH7)を形成し、ヘテロ二重特異性産物を創生した。2つの付加物、即ち1つは接合部においてテトラメチルローダミン(TAMRA)蛍光団を含有するもの(ペプチド3使用)及び非蛍光コンジュゲート(ペプチド5使用)を調製した。2つの付加物を精製することにより蛍光及び非蛍光の二重特異性VHH調製品(図19)を得て、中に含むB細胞がクラスIIMHC産物に対して均一に陽性であるマウスリンパ節細胞に添加した。細胞を二重特異性蛍光VHHに曝露したところ、TAMRAチャンネル中のB細胞の特異的染色が観察された(図20A)。非蛍光二重特異性抗体では染色は観察されなかった(図20)。次に、二重特異性VHHに曝露した細胞にGFPを添加した。これにより両方の二重特異性物質についてGFPチャンネルの染色が起こった。この結果は本例でもまた融合パートナーの各々がその活性及び特異性を保持していることを示している。MHCクラスIIノックアウトマウスのリンパ節細胞は二重特異性VHHによる染色が起こらず、特異性が明らかになった。 このような二重特異性抗体誘導体の深部組織リザーバーの創生のための使用を明らかにするために(32)、抗GFP−VHH7二重特異性コンストラクトを、この試薬を用いてまず該当細胞集団(B細胞)を標的にすることを目的に、静脈内注射した。組み換えGFP(50μg)の単回ボーラス投与を腹腔内に直接行うか、1時間後に静脈内に行い、5.5時間後に動物を屠殺した。脾細胞を採取し、フローサイトメトリーで分析した(図20B)。大部分のCD19+細胞(B細胞)はGFP+であり、インビボでのGFPの捕獲が成功したことを示していた。二重特異性コンストラクトを投与していない対照動物へのGFPの投与ではCD19+又はCD19−細胞上のGFP染色は観察されなかった。即ち、本実験は、二重特異性コンストラクトをまず目的細胞集団を標的として使用し、次にこれを残りの遊離第2結合部位に対するリガンドで目標とすることができることを示している。この型の二重特異性試薬の構築により、例えば全身インターロイキン−2(IL2)投与の場合に観察されるような急性毒性を回避できるような態様においてターゲティングされた生物薬剤送達が可能になる。 本明細書に提示した方法及び試薬を用いれば、ソルターゼ反応において、そして全ての可能な形状において、基質であることがわかっている如何なる物質も連結することが、ここに可能となる。例えばC末端コンジュゲーションされたヒトIL2及びインターフェロン−αを、本手順を用いて抗GFO及びVHH−7に良好にコンジュゲーションすることができ、これらのツールの全般的適用性が示された。考察 タンパク質をそのN又はC末端を介して融合する能力は、標準的な遺伝子的手段によっては到達できない分子の生産のための直接的機会をもたらす。この態様において連結されたタンパク質はN対N及びC対Cの融合に関して官能性を保持する。説明的な例として、両方の融合パートナーの結合能力を完全に保持しながらC末端融合した二重特異性ラクダ由来VHHコンストラクトを創生する能力が明らかにされている。可能な適用は他の融合にも拡張される。両方のC又は両方のN末端が適切な機能のために利用可能のまま残存することを所望の組み合わせが必要とするような状況に対しては、標準的な遺伝子的手順では不十分である。固相ペプチド合成に適する在庫試薬でもこの種の融合を可能にするペプチドの容易な到達が可能となる段階にまで、クリックケミストリーは発展している。今回はタンパク質−タンパク質融合物に関して明らかにしたが、2つのタンパク質を連結するために使用するクリックハンドルを更に修飾することにより、更に別の官能性、例えば蛍光団、又は薬理学的に活性な小分子の設置も可能になる。目的のタンパク質の修飾が簡単であること、異なる原料の組み換えソルターゼを容易に到達できること、及び標準的ペプチド合成法の使用を介して親核物質設計において柔軟性が得られることは、ソルターゼ媒介アシル転移の汎用性に寄与する。 他の手段では容易に到達できないタンパク質融合は、本明細書に記載した技術を用いれば容易に届く範囲内にある。注目すべきは、Hudak等は同様の目的を達成するためのひずみ促進型クリックケミストリーと組み合わせたアルデヒドタグの使用を記載しており、ヒト成長ホルモン及びマルトース結合タンパク質に融合したhIgGを生産している(33)。この手順は本発明者等のソルタキングの方策と直交しており、Hudak等により開発されたアルデヒドタグクリックケミストリーのような方法を本発明者等により開発された化学酵素的方法と組み合わせることにより、より困難なタンパク質−タンパク質融合物に到達できる可能性があることを直接的に示唆している。引用文献1. 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Angew Chem Int Ed 51:4161-4165. 発明の概要、詳細な説明及び実施例に列挙した全ての参考文献の全体の内容は各々の参考文献が個々に参照により本明細書に組み込まれるように、参照により本明細書に組み込まれる。組み込まれた参考文献と本明細書との間に矛盾がある場合は、本明細書を優先する。 上記した明細書は当業者が本発明を実施するために十分であると考える。実施例は本発明の1つの局面の単一の説明であることを意図しているため、本発明は記載した例により範囲を限定されるものでは無く、そして他の機能的に等価な実施態様は本発明の範囲に包含される。本明細書において示し、そして記載したものに加えて本発明の種々の変更例が上記説明から当業者には明らかであり、それらは添付の請求項の範囲に包含される。本発明の利点及び目的は本発明の各々の実施態様により必ずしも包含されない。等価物及び範囲 当業者であれば本明細書に記載した特定の実施態様の多くの等価物を定型的な実験の範囲内で認識し、或いは確認することができる。本発明の範囲は上記記載により限定されることを意図しておらず、むしろ、添付の請求項に示されるとおりである。 請求項において、特段反する記載があったり、又は別様に内容から明らかでない限り、単数表記は1つか1つより多いことを意味する。群の構成員1つ以上の間に「又は」又は「及び/又は」を含む請求項又は説明は、特段反する記載があったり、又は別様に内容から明らかでない限り、1つ、1つ以上、又は全ての群の構成員が所定の生成物、式、又はプロセスに含まれ、存在し、使用され、又は別様に関連する場合に満たされると考える。本発明は群構成員の厳密に1つが所定の生成物又はプロセスにおいて存在するか、使用されるか、別様に関連する実施態様を包含する。本発明は又、群構成員の1つより多く、又は全てが所定の生成物又はプロセスにおいて存在するか、使用されるか、別様に関連する実施態様を包含する。 更に、1つ以上の請求項又は記載の該当する部分にある1つ以上の限定、要素、節、説明用語等が別の請求項内にも導入される、全ての変形、組み合わせ、及び順列を包含すると理解しなければならない。例えば他の請求項に従属している何れかの請求項は同じ基本請求項に従属する何れかの他の請求項に存在する1つ以上の限定を包含するよう変更することができる。更に、請求項が組成物を指す場合、別様に明示されない限り、又は矛盾や非整合が生じることが通常の当業者に明らかでない限り、本明細書に開示されている目的の何れかのために組成物を使用する方法が包含され、そして本明細書に開示した製造方法の何れか又は当該分野で知られている他の方法に従って組成物を製造する方法が包含される。 例えばマーカッシュグループ様式におけるリストとして要素が提示されている場合、要素の各サブグループもまた開示され、そして何れの要素もグループから除外できると理解しなければならない。「含む」とは開放的表現を意図しており、追加的な要素又は工程の包含を可能とすることに留意すべきである。一般的に本発明又は本発明の局面が特定の要素、特徴、工程等を含むと表記されている場合、特定の本発明の実施態様又は本発明の局面はそのような要素、特徴、工程等よりなるか、又は本質的になる。単純化のためにこれらの実施態様は本明細書中の文章において特に明示していない。即ち、1つ以上の要素、特徴、工程等を含む本発明の各実施態様につき、本発明はこれらの要素、特徴、工程等よりなるか、又は本質的になる実施態様も提供する。 範囲を示す場合、終端は包含される。更に、特段の記載が無い限り、又は別様に内容及び/又は当業者の理解から明らかでない限り、範囲が示される場合、範囲内、並びに、一部の実施態様においては、別様に内容から明らかに推測されない限り、範囲の下限の単位の10分の1までの全ての特定の数値が与えられることを理解すべきである。また特段の記載が無い限り、又は別様に内容及び/又は当業者の理解から明らかでない限り、範囲として表示された数値はその範囲内の何れかの下位範囲を仮定することができ、その場合、下位範囲の終端はその範囲の下限の単位の10分の1と同程度の精度まで表示されると理解しなければならない。 更に、本発明の何れかの特定の実施態様は1つ以上の請求項の何れかから明示的に除外されてよいと理解すべきである。範囲が示される場合、範囲内の何れかの数値又は数値のグループは1つ以上の請求項の何れかから明示的に除外されてよい。本発明の組成物及び/又は方法の何れかの実施態様、要素、特徴、適用又は局面は1つ以上の請求項の何れかから除外できる。簡潔にするため、1つ以上の要素、特徴、目的又は局面が除外される実施態様の全てを本明細書において明示的には示さない。 クリックケミストリーハンドルを標的タンパク質のC末端に設置する方法であって、(a)C末端ソルターゼ認識モチーフを前記標的タンパク質に提供するステップと、(b)ソルターゼ酵素存在下で、該ソルターゼが、前記タンパク質と、前記クリックケミストリーハンドルを含むペプチドとをアミド基転移させて、前記標的タンパク質を前記クリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションさせるのに適する条件下で、1−10個のN末端グリシン残基かN末端アルキルアミン基かと、前記クリックケミストリーハンドルとを含むペプチド又は試薬に前記標的タンパク質を接触させるステップとを含む、方法。 前記標的タンパク質は、該タンパク質のC末端で前記ソルターゼ認識モチーフに融合される、請求項1に記載の方法。 標的タンパク質のN末端にクリックケミストリーハンドルを設置する方法であって、(a)1−10個のN末端グリシン残基か、N末端アルキルアミン基かを前記標的タンパク質に供与するステップと、(b)ソルターゼ酵素の存在下で、該ソルターゼが、前記タンパク質と、ソルターゼ認識モチーフを含むペプチドとをアミド基転移させて、前記標的タンパク質を前記クリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションさせるのに適する条件下で、前記ペプチドと、前記クリックケミストリーハンドルとに前記標的タンパク質を接触させるステップとを含む、方法。 前記標的タンパク質は、該タンパク質のN末端で、前記1−10個のグリシン残基か、N末端アルキルアミン基かと融合される、請求項3に記載の方法。 前記ソルターゼ認識モチーフは、ソルターゼA認識モチーフである、請求項1−4のいずれかに記載の方法。 前記ソルターゼ認識モチーフはLPXT配列を含む、請求項1−5のいずれかに記載の方法。 前記1−10個のグリシン残基は3個のN末端グリシン残基である、請求項1−6のいずれかに記載の方法。 前記ペプチドは、前記1−10個のグリシン残基かN末端アルキルアミン基かと、前記クリックケミストリー基との間か、前記クリックケミストリー基と、前記ソルターゼ認識配列との間かにリンカーを含む、請求項1−7のいずれかに記載の方法。 前記リンカーは1−100個のアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む、請求項8に記載の方法。 前記クリックケミストリーハンドルは、末端アルキン、アジド、ひずみのあるアルキン、ジエン、親ジエン体、アルコキシアミン、カルボニル、ホスフィン、ヒドラジド、チオール、テトラジン及びアルケンから選択される、請求項1−9のいずれかに記載の方法。 前記クリックケミストリーハンドルはシクロオクチン及びアジドからなる群から選択される、請求項10に記載の方法。 前記ソルターゼ認識配列はLPETG(配列番号4)である、請求項1−11のいずれかの方法。 2つのタンパク質を翻訳後にコンジュゲーションさせてキメラタンパク質を形成する方法であって、 第1のクリックケミストリーハンドルが第2のクリックケミストリーハンドルと反応して、共有結合を介して連結される前記タンパク質2つを含むキメラタンパク質を形成するのに適する条件下で、第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされた第1のタンパク質を、第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされた第2のタンパク質に接触させることを含む、方法。 第1のクリックケミストリーハンドルは第1のタンパク質のN末端にコンジュゲーションされ、第2のクリックケミストリーハンドルは第2のタンパク質のN末端にコンジュゲーションされ、前記キメラタンパク質は、第1及び第2のタンパク質のN末端とN末端とがコンジュゲーションされる、請求項13に記載の方法。 第1のクリックケミストリーハンドルは第1のタンパク質のC末端にコンジュゲーションされ、第2のクリックケミストリーハンドルは、第2のタンパク質のC末端にコンジュゲーションされ、前記キメラタンパク質は、第1及び第2のタンパク質のC末端とC末端とがコンジュゲーションされる、請求項13に記載の方法。 第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルは、末端アルキン、ひずみのあるアルキン、ジエン、アルコキシアミン、ホスフィン、ヒドラジン、テトラジン及びチオールからなる群から選択される、請求項13−15のいずれかに記載の方法。 第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルは、アジド、親ジエン体、カルボニル及びアルケンからなる群から選択される、請求項13−16のいずれかに記載の方法。 (i)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルは末端アルキンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドであるか、 (ii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはひずみのあるアルキンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドであるか、 (iii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはジエンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルは親ジエン体であるか、 (iv)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアルコキシアミンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはカルボニルであるか、 (v)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはホスフィンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドであるか、 (vi)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはヒドラジンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはカルボニルであるか、 (vii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはチオールで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアルケンであるか、 (viii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはシクロオクチンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドである、請求項13−17のいずれかに記載の方法。 ソルターゼ認識配列を含む、第1の抗体又は抗原結合断片と、 ソルターゼ認識配列を含む、第2の抗体又は抗原結合断片とを含み、第1及び第2の抗体又は抗原結合断片は、クリックケミストリーを介して一体にコンジュゲーションされる、二重特異性のキメラ抗体。 第1及び第2の抗体又は抗原結合断片は、C末端どうし(C−C)か、N末端どうし(N−N)かで共有結合を介して一体にコンジュゲーションされる、請求項19に記載のキメラ抗体。 第1及び/又は第2の抗体は、単一ドメイン抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項19又は20に記載のキメラ抗体。 第1及び/又は第2の抗体は、ラクダ抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項19−21のいずれかに記載のキメラ抗体。 第1及び/又は第2の抗体は、VHHドメイン又はその抗原結合断片を含む、請求項19−22のいずれかに記載のキメラ抗体。 第1及び/又は第2の抗体は、scFv又はその抗原結合断片を含む、請求項19−23のいずれかに記載のキメラ抗体。 第1及び/又は第2の抗体は、ナノボディ又はその抗原結合断片を含む、請求項19−24のいずれかに記載のキメラ抗体。 第1及び第2の抗体又はその抗原結合断片は、異なる抗原を結合する、請求項19−25のいずれかに記載のキメラ抗体。 第1及び第2の抗体又はその抗原結合断片は、同一の抗原を結合する、請求項19−25のいずれかに記載のキメラ抗体。 第1及び第2の抗体又はその抗原結合断片は、同一の抗原の異なるエピトープを結合する、請求項27に記載のキメラ抗体。 ソルターゼ認識モチーフを有する標的タンパク質と、該タンパク質にクリックケミストリーを介してコンジュゲーションされる第2の分子とを含む、タンパク質。 前記ソルターゼ認識モチーフは配列LPXTを含む、請求項29に記載のタンパク質。 前記タンパク質は、前記標的タンパク質上にクリックケミストリーハンドルを翻訳後に設置して、前記標的タンパク質を第2の分子に接触させることにより生成され、第2の分子は第2のクリックケミストリーハンドルを含み、第2のクリックケミストリーハンドルは、前記標的タンパク質のクリックケミストリーハンドルと反応可能して、適当な条件下で共有結合を形成することができる、請求項29又は30に記載のタンパク質。 第2の分子は、第2のタンパク質、低分子化合物、核酸又は脂質である、請求項27−31のいずれかに記載のタンパク質。 第2のタンパク質はソルターゼ認識モチーフを含む、請求項32に記載のタンパク質。 前記標的タンパク質及び第2のタンパク質は、N末端どうし(N−N)又はC末端どうし(C−C)でクリックケミストリーを介して翻訳後にコンジュゲーションされる、請求項32又は33に記載のタンパク質。 前記標的タンパク質は抗原結合ドメインを含む、請求項29−34のいずれかに記載のタンパク質。 第2の分子は抗原結合ドメインを含む、請求項29−35のいずれかに記載のタンパク質。 前記標的タンパク質及び第2の分子は、それぞれ、抗原結合ドメインを含み、前記標的タンパク質の抗原結合ドメインと、第2の分子の抗原結合ドメインとは異なる、請求項32−36のいずれかに記載のタンパク質。 前記タンパク質の抗原結合ドメインと、第2の分子の抗原結合ドメインとは、異なる抗原を結合する、請求項37に記載のタンパク質。 前記タンパク質及び/又は第2の分子の抗原結合ドメインは、抗体、その抗原結合断片、アドネクチン、アフィボディ、アンチカリン、DARPin又はアプタマーを含み、請求項37又は38に記載のタンパク質。 前記タンパク質及び/又は第2の分子の抗原結合ドメインは、ラクダ抗体、VHHドメイン、単一ドメイン抗体、scFv、ナノボディ又はこれらの抗原結合断片を含む、請求項37−39のいずれかに記載のタンパク質。 第2の分子は合成ポリマーを含む、請求項29に記載のタンパク質。 前記合成ポリマーはPEG原子団を含む、請求項41に記載のタンパク質。 追加の分子は検出可能な標識を含む、請求項29に記載のタンパク質。 前記検出可能な標識は。蛍光発色団、酵素又は放射性同位元素を含む、請求項43に記載のタンパク質。 前記検出可能な標識は、蛍光タンパク質、蛍光色素、ルシフェラーゼ及びペロキシダーゼからなる群から選択される、請求項44に記載のタンパク質。 ソルターゼ認識モチーフと、該ソルターゼ認識モチーフにコンジュゲーションされるクリックケミストリーハンドルとを含む、タンパク質。 前記ソルターゼ認識モチーフは配列LPXTを含む、請求項46に記載のタンパク質。 前記タンパク質は抗原結合ドメインを含む、請求項46又は47に記載のタンパク質。 前記タンパク質は、抗体又はその抗原結合断片を含む、請求項46−48のいずれかに記載のタンパク質。 前記タンパク質は、ラクダ抗体、その抗原結合断片、VHHドメイン、単一ドメイン抗体、ナノボディ、scFv、アフィボディ、アンチカリン、DARPin又はアドネクチンを含む、請求項49に記載のタンパク質。 前記タンパク質は、前記クリックケミストリー基と、ソルターゼ認識モチーフとの間にリンカーを含む、請求項29−50のいずれかに記載のタンパク質。 前記リンカーは1−100個のアミノ酸残基のアミノ酸配列を含む、請求項51に記載のタンパク質。 前記クリックケミストリーハンドルは前記タンパク質のC末端に存在する、請求項46−50のいずれかに記載のタンパク質。 前記クリックケミストリーハンドルは前記タンパク質のN末端に存在する、請求項46−50のいずれかに記載のタンパク質。 前記クリックケミストリーハンドルは、末端アルキン、アジド、ひずみのあるアルキン、ジエン、親ジエン体、アルコキシアミン、カルボニル、ホスフィン、ヒドラジン、チオール及びアルケンからなる群から選択される、請求項46−50のいずれかに記載のタンパク質。 (a)1−10個のグリシン残基か、第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされる末端アルキルアミンかを含む第1のペプチドと、 (b)第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされるソルターゼ認識モチーフを含む第2のペプチドと、 任意的に、(c)ソルターゼ酵素とを含み、 第1及び第2のペプチドのクリックケミストリーハンドルは適当な条件下で反応できる、キット。 (a)第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされる、1−10個のグリシン残基か、末端アルキルアミンかを含む第1のペプチドと、 (b)第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされる、1−10個のグリシン残基か、末端アルキルアミンかを含む第2のペプチドと、 任意的に、(c)ソルターゼ酵素とを含み、 第1及び第2のペプチドのクリックケミストリーハンドルは適当な条件下で反応できる、キット。 (a)第1のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされるソルターゼA認識モチーフを含む第1のペプチドと、 (b)第2のクリックケミストリーハンドルにコンジュゲーションされるソルターゼ認識モチーフを含む第2のペプチドと、 任意的に(c)ソルターゼ酵素とを含み、 第1及び第2のペプチドのクリックケミストリーハンドルは適当な条件下で反応できる、キット。 第1のクリックケミストリーハンドルは、末端アルキン、ひずみのあるアルキン、ジエン、アルコキシアミン、ホスフィン、ヒドラジド及びチオールからなる群から選択される、請求項56−58のいずれかに記載のキット。 第2のクリックケミストリーハンドルは、アジド、親ジエン体、カルボニル及びアルケンからなる群から選択される、請求項56−59のいずれかに記載のキット。 (i)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルは末端アルキンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドであるか、 (ii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはひずみのあるアルキンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドであるか、 (iii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはジエンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルは親ジエン体であるか、 (iv)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアルコキシアミンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはカルボニルであるか、 (v)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはホスフィンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドであるか、 (vi)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはヒドラジンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはカルボニルであるか、 (vii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはチオールで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアルケンであるか、 (viii)第1のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはシクロオクチンで、第2のタンパク質のクリックケミストリーハンドルはアジドである、請求項56−60のいずれかに記載のキット。 触媒、反応バッファー及び/又はキットの使用説明書をさらに含む、請求項56−61のいずれかに記載のキット。 標的タンパク質上にクリックケミストリーハンドルを設置する方法及び試薬と、クリックケミストリーハンドルを含む修飾タンパク質とが提供される。さらに、クリックケミストリーを介してコンジュゲーションされる2つのタンパク質を含む、キメラタンパク質、例えば、二重特異性抗体と、それらの生成方法及び使用方法とが本明細書に開示される。 配列表


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