生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_エステトロール中間体を製造するための方法
出願番号:2014513214
年次:2014
IPC分類:C07J 1/00,C07F 7/18,C07C 69/157,C07C 67/28,C07B 61/00


特許情報キャッシュ

パスカル ジャン−クロード JP 2014518199 公表特許公報(A) 20140728 2014513214 20120601 エステトロール中間体を製造するための方法 エステトラ エス アー 513302019 特許業務法人サンクレスト国際特許事務所 110000280 パスカル ジャン−クロード EP 11168561.6 20110601 US 61/492,300 20110601 C07J 1/00 20060101AFI20140701BHJP C07F 7/18 20060101ALI20140701BHJP C07C 69/157 20060101ALN20140701BHJP C07C 67/28 20060101ALN20140701BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140701BHJP JPC07J1/00C07F7/18 AC07C69/157C07C67/28C07B61/00 300 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA EP2012060447 20120601 WO2012164096 20121206 27 20140128 4C091 4H006 4H039 4H049 4C091AA01 4C091BB03 4C091BB04 4C091BB06 4C091BB20 4C091CC01 4C091DD01 4C091EE03 4C091EE05 4C091FF01 4C091GG01 4C091HH01 4C091JJ01 4C091KK01 4C091LL01 4C091MM03 4C091NN01 4C091PA02 4C091PA09 4C091QQ01 4C091RR09 4H006AA02 4H006AC41 4H006BE23 4H039CA62 4H039CC90 4H049VN01 4H049VP01 4H049VQ17 4H049VR23 4H049VR41 4H049VU06 4H049VU36 4H049VW02 本発明は、エステトロールの合成における重要な中間体を合成するための新規な方法に関する。 エストロゲン性物質は、ホルモン補充療法(HRT)の方法および女性の避妊法に、一般的に使用される。エステトロールは、ヒトの妊娠中に胎児肝臓により内生的に生成される生体エストロゲンである。最近、エステトロールについて、HRTに使用するためのエストロゲン性物質として、有効であることが見出されてきた。エステトロールの他の重要な用途は、避妊、自己免疫疾患の治療、乳房腫瘍および大腸腫瘍の予防および治療、性欲の増強、スキンケア、ならびに、傷の治療の分野においてである。 エステトロールおよびその誘導体の合成は、当該分野において公知である。Verhaar M.Tら(国際公開第2004/041839号パンフレット)は、3−A−オキシ−エストラ 1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン(ここで、AはC1−C5アルキル基またはC7−C12ベンジル基である)から開始するエステトロールの調製方法を記載している。この文献では、3−A−オキシ−エストラ 1,3,5(10),15−テトラエン−17−オール(Aはベンジル基である)が、エストロンから6つの工程で調製される。前記工程には、ベンジル基による3−OH基の保護と、その後の17−ケト基の17,17−エチレンジオキシ誘導体への変換が含まれ、17,17−エチレンジオキシ誘導体は、過臭化臭化ピリジニウムを使用して、C16位がハロゲン化されている。脱ハロゲン化水素が、カリウムt−ブトキシド(potassium terbutoxyde)を使用することにより、ジメチルスルホキシド中で行われる。17−ケト基の脱保護が、p−トルエン−スルホン酸一水和物を使用して含水アセトン中で行われる。17−ケト基の還元により、17−オール誘導体が得られる。 国際公開第2004/041839号パンフレットに記載の方法の欠点の1つは、3−OH官能基の保護が、前記エステトロールの合成の最終工程において、触媒としてPd/Cを使用する水素化によってのみ除去し得るベンジル基によることである。さらに、最終的な薬剤原料中のこの触媒のレベルは、ICHガイドラインにより決定され、適合しなければならない。 国際公開第2004/041839号パンフレットに記載の合成における別の欠点は、15−16二重結合を生成させるための、17−ケト官能基の保護/脱保護の2工程である。 3−保護−オキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールの合成について改善の必要性が残っている。 したがって、本発明の目的は、従来技術の少なくとも1つの欠点を克服する、3−保護−オキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールの調製方法を提供することにある。 本発明者は、添付の特許請求の範囲に規定された方法を使用することにより、この目的が達成されうることを見出した。 本発明の第1の観点によれば、式(I)の化合物(3−P1−オキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オール)の調製方法が提供され、 前記方法は、 a)式(II)の化合物を、アシル化剤またはシリル化剤と反応させて、式(III)の化合物を製造する工程と、(式(III)中、P1およびP2は、それぞれ独立して、R1CO−またはR2−Si−R3R4から選択される保護基であり、R1は、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)であり;R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、C1−6アルキルまたはフェニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)である。) b)式(III)の化合物を、酢酸パラジウムまたはその誘導体の存在下で反応させて、式(IV)の化合物を製造する工程と、 c)式(IV)の化合物を、還元剤と反応させて、式(I)の化合物を製造する工程とを含む。 本発明は、好ましくは、式(I)の化合物の調製方法を包含し、前記方法が、 a)式(II)の化合物を、アシル化剤またはシリル化剤と反応させて、式(III)の化合物を製造する工程(式(III)中、P1およびP2は、それぞれ独立して、R2−Si−R3R4またはR1CO−から選択される保護基であり、R1は、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)であり;R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、C1−6アルキルまたはフェニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)である。)と、 b)式(III)の化合物を、触媒的または準化学量論的な量で存在する酢酸パラジウムの存在下、酸素雰囲気中で反応させて、式(IV)の化合物を製造する工程と、 c)式(IV)の化合物を、還元剤と反応させて、式(I)の化合物を製造する工程とを含む。 本発明は、従来公知の合成によるよりも、顕著に高い収率および/または低コストで、式(I)の3−P1−オキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールを製造する改善された方法を提供する。 第2の観点によれば、本発明は、エステトロールの調製方法であって、本発明の第1の態様による方法により、式(I)の化合物を調製する工程と、さらに、式(I)の化合物を反応させて、エステトロールを製造する工程とを含む方法も包含する。 第3の観点によれば、本発明は、ホルモン補充療法の方法、膣乾燥を治療する方法、避妊法、性欲を増強する方法、皮膚を処置する方法、傷の治癒を促進する方法、ならびに、自己免疫疾患、乳房腫瘍および大腸腫瘍からなる群より選択される障害を治療または予防する方法から選択される方法に使用するための、本発明の第2の態様による方法により直接的に得られるエステトロールも包含する。 本発明の上記および他の特徴、特性および利点は、本発明の原理を例示として説明する後述の詳細な説明から明らかとなるであろう。 また、本願明細書で使用される専門用語は、限定することを意図しておらず、このため、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるであろうことを理解すべきである。 本願明細書で使用されているとき、単数形の「a」、「an」および「the」は、明確に断らない限り、単数および複数の指示対象の両方を含む。 本願明細書で使用されているとき、「含有(comprising)」、「含む(comprises)」および「構成される(comprised of)」の用語は、「含有(including)」、「含む(includes)」または「含有(containing)」、「含む(contains)」と同義語であり、包含的またはオープンエンドであり、更なる、挙げていない部材、要素または方法の工程を排除しない。本願明細書で使用されているとき、「含有(comprising)」、「含む(comprises)」および「構成される(comprised of)」の用語は、「からなる(consisting of)」、「なる(consist)」および「からなる(consists of)」の用語を含むと、理解されるであろう。 終点による数値範囲の列挙は、各範囲内に包含される全ての数および分数、ならびに、列挙された終点を含む。 本願明細書で引用された全ての参考文献は、その全体が参照により、本願明細書に組み込まれる。具体的には、本願明細書で特に参照される全ての参考文献の教示が、参照により組み込まれる。 特に断らない限り、技術的および科学的用語を含む本発明の開示に使用される全ての用語は、本発明の属する当業者により通常理解される意味を有する。更なる指導の手段により、用語の定義が、本発明の教示をより良く理解するのに含まれる。 下記の文章では、本発明の種々の態様がより詳細に明らかにされる。そのように明らかにされた各態様は、明確に反対の記載がない限り、1つ以上の任意の他の態様と組み合わせられてもよい。具体的には、好ましいまたは有利であると示された任意の特性は、好ましいまたは有利であると示された、1つ以上の任意の他の特性と組み合わせられてもよい。 「一実施形態(one embodiment)」または「実施形態(an embodiment)」に対する本願明細書を通しての言及は、その実施形態に関連して記載された特定の特性、構造または特徴が、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。このため、本願明細書を通した様々な箇所における、「一実施形態では」または「実施形態では」の表現の出現は、必ずしも同じ実施形態の全てを参照する必要はないであろうが、そうであってもよい。さらに、特定の特性、構造または特徴は、1つ以上の実施形態における本開示から、当業者に明らかであろう場合には、任意の適切な方法で組み合わせられてもよい。さらに、本願明細書に記載された一部の実施形態が、他の実施形態には含まれない他の特徴の一部を含む場合、種々の実施形態における特性の組み合わせは、本発明の範囲内であること、および、当業者により理解されるであろう種々の実施形態を形成することを意味する。例えば、添付の特許請求の範囲では、クレームされた実施形態のいずれかが、任意の組み合わせに使用され得る。 用語「アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、1から6個の炭素原子、例えば、1から5個の炭素原子、例えば、1から4個の炭素原子、好ましくは、1から3個の炭素原子を有する、炭素−炭素単結合により結合された、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基を意味する。本願明細書では、下付き文字が炭素原子に続けて使用されるとき、該下付き文字は、名付けられた基が含み得る炭素原子の数を意味する。このため、例えば、C1−6アルキルは、1から6個の炭素原子のアルキルを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、2−メチルブチル、ペンチル、iso−アミルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体である。 用語「C3−6シクロアルキル」は、基または基の一部として、約3から約6個の炭素原子を含む飽和環状アルキル基を意味する。単環式のC3−6シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルが挙げられる。 用語「C2−6アルケニル」は、それ自体または別の置換基の一部として、1つ以上の炭素−炭素二重結合を含む、直鎖状または分岐鎖状であり得る不飽和ヒドロカルビル基を意味する。C2−6アルケニル基の例は、エテニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニルおよびその異性体、2−ヘキセニルおよびその異性体、2,4−ペンタジエニル等である。 用語「C6−10アリール」は、それ自体または別の置換基の一部として、単環(すなわち、フェニル)または、互いに融合した多芳香環(例えば、ナフチル)を有するポリ不飽和芳香族ヒドロカルビル基を意味する。または、共有結合され、典型的には、6から10個の炭素原子を含み、少なくとも1つの環が芳香族である、ポリ不飽和芳香族ヒドロカルビル基を意味する。C6−10アリールは、本願明細書に列挙された炭素環式系の、部分的に水素化された誘導体を含むことも意図している。C6−10アリールの非限定的な例としては、フェニル、ナフチル、インダニルまたは1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフチルを含む。 用語「C6−10アリールC1−6アルキル」は、それ自体または別の置換基の一部として、1つ以上の水素原子が、1つ以上の本願明細書に定義のC6−10アリールにより置換されている、本願明細書に定義のC1−6アルキル基を意味する。アラルキル基としては、例えば、ベンジル、フェネチル、ジベンジルメチル、メチルフェニルメチル、3−(2−ナフチル)−ブチル等が挙げられる。 用語「C1−6アルキルカルボニル」は、基または基の一部として、式:−CO−Raの基を表わし、Raは、本願明細書に定義のC1−6アルキルである。 用語「C3−6シクロアルキルカルボニル」は、基または基の一部として、式:−CO−Rcの基を表わし、Raは、本願明細書に定義のC3−6シクロアルキルである。 用語「C2−6アルケニルC1−6アルカノエート」は、式:Rb−O−CO−Raを有する化合物を意味し、Raは、本願明細書に定義のC1−6アルキルであり、Rbは、本願明細書に定義のC2−6アルケニルである。 用語「C2−6アルケニルC3−6シクロアルカノエート」は、式:Rb−O−CO−Rcを有する化合物を意味し、Rcは、本願明細書に定義のC3−6シクロアルキルであり、Rbは、本願明細書に定義のC2−6アルケニルである。 用語「C1−6アルキレンカルボネート」は、式:Rb−O−CO−O−Raを有する化合物を表わし、Raは、本願明細書に定義のC1−6アルキルであり、Rbは、本願明細書に定義のC2−6アルケニルである。 本発明は、式(I)の3−P1−オキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールの調製方法に関し、(式(I)中、P1は、R1CO−、R2Si−R3R4から選択される保護基であり; R1は、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される、1、2または3つの置換基により置換される)であり;R1は、好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルを含む群から選択され(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される);R1は、より好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシルであり、R1は、さらにより好ましくは、メチルまたはエチルであり; R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、C1−6アルキルまたはフェニルから選択される基であり、前記C1−6アルキルまたはフェニルは、任意選択でフルオロまたはC1−6アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換され;R2、R3およびR4は、好ましくは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチルおよびフェニルを含む群から選択され(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルからそれぞれ独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される);R2、R3およびR4は、好ましくは、それぞれ独立して、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはtert−ブチルおよびフェニルを含む群から選択される(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−2アルキルからそれぞれ独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される)。) 前記方法は、 a)式(II)のエストロンにおけるヒドロキシルおよびケトンを保護して、式(III)の化合物を製造する工程と、(式(III)中、P1は、上記定義の通りであり、P2は、R1CO−、R2−Si−R3R4から選択される保護基である。) b)式(III)の化合物を、酢酸パラジウムまたはその誘導体、例えば、塩化パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)の存在下で反応させて、式(IV)の化合物を、好ましくは酸素雰囲気の存在下で製造する工程と、 c)式(IV)の化合物を、還元剤と反応させて、式(I)の化合物を製造する工程とを含み、 必要であれば、上記反応に使用される任意の保護基が、同時にまたは後に開裂され、 必要に応じて、式(I)の化合物が、官能基の変換に適用可能な常用の方法により、後で別の化合物に変換され、 必要に応じて、このようにして得られた式Iの化合物が、その立体異性体に光学分割される。 実施形態では、P1は、R1CO−であり;好ましくは、P1は、C1−4アルキルカルボニルまたはC4−6シクロアルキルカルボニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される)であり;より好ましくは、P1は、C1−2アルキルカルボニルまたはC5−6シクロアルキルカルボニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−2アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される)であり;例えば、P1は、アセチルまたはシクロヘキシルカルボニルから選択され、P1は、好ましくはアセチルである。 実施形態では、P2は、R1CO−であり;好ましくは、P2は、C1−4アルキルカルボニルまたはC4−6シクロアルキルカルボニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される)であり;P2は、より好ましくは、C1−2アルキルカルボニルまたはC5−6シクロアルキルカルボニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される)であり;例えば、P2は、アセチルまたはシクロヘキシルカルボニルから選択され、P2は、好ましくはアセチルである。 実施形態では、P1およびP2は、それぞれ独立して、R1CO−である。 実施形態では、P1は、R2−Si−R3R4である。P1は、好ましくは、tert−ブチル−ジメチル−シリル、ジフェニル−メチル−シリル、ジメチル−フェニル−シリル、トリメチル−シリル、トリエチル−シリルおよびトリイソプロピル−シリルを含む群から選択され、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される;P1は、より好ましくは、tert−ブチル−ジメチル−シリルである。 実施形態では、工程(a)は、式(II)の化合物におけるヒドロキシルを、シリル化剤で保護して、P1がR2−Si−R3R4である式(IIa)の化合物を製造する工程(a1)と、 式(IIa)の化合物におけるケトンを、アシル化剤の存在下で保護して、P2がR1CO−である式(III)の化合物を製造する工程(a2)とを含む。 実施形態では、P2は、R2−Si−R3R4であり;P2は、好ましくは、tert−ブチル−ジメチル−シリル、ジフェニル−メチル−シリル、ジメチル−フェニル−シリル、トリメチル−シリル、トリエチル−シリルおよびトリイソプロピル−シリルを含む群から選択され、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される;P2は、より好ましくは、tert−ブチル−ジメチル−シリルである。 実施形態では、P1およびP2は、それぞれ独立して、R2−Si−R3R4である。 実施形態では、P1は、R2−Si−R3R4であり;P2は、R1CO−である。P1は、好ましくは、tert−ブチル−ジメチル−シリル、ジフェニル−メチル−シリル、ジメチル−フェニル−シリル、トリメチル−シリル、トリエチル−シリルまたはトリイソプロピル−シリルを含む群から選択され、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される;P1は、より好ましくは、tert−ブチル−ジメチル−シリルであり;また、P2は、好ましくは、C1−6アルキルカルボニルまたはC3−6シクロアルキルカルボニルから選択される基であり、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される;P2は、好ましくは、C1−4アルキルカルボニルまたはC5−6シクロアルキルカルボニルから選択される基であり、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−2アルキルから独立して選択される1、2または3つの置換基により置換される;P2は、より好ましくは、C1−2アルキルカルボニルまたはC5−6シクロアルキルカルボニルであり、例えば、P2は、アセチルまたはシクロヘキシルカルボニルであり、好ましくは、アセチルである。 実施形態では、シリル化剤は、C1−6アルキルシリルクロリド、C1−6アルキルシリルトリフラート、フェニルシリルクロリド、フェニルシリルトリフラート、C1−6アルキルフェニルシリルクロリド、C1−6アルキルフェニルシリルトリフラートを含む群から選択でき、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される。 実施形態では、式(II)のエストロンから、式(I)の3−P1−エストラ 1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールを調製する方法は、スキーム1に示されるように、3工程で行われ得る。ついで、式(I)の化合物は、さらに反応させてエステトロールを調製し得る。 スキーム1では、式(II)のエストロンにおけるヒドロキシルおよびケトンは両方とも保護され(好ましくは1工程で)、式(III)の化合物を製造する。 P1およびP2がそれぞれ独立してR1CO−である実施形態では、エストロンは、アシル化剤と反応する。前記アシル化剤は、好ましくは、C2−6アルケニルC1−6アルカノエートまたはC2−6アルケニルC3−6シクロアルカノエートである。アシル化剤は、好ましくは、C2−6アルケニルプロパノエート、C2−6アルケニルブタノエート、C2−6アルケニルペンタノエート、C2−6アルケニルヘキサノエート、C2−6アルケニルシクロプロパノエート、C2−6アルケニルシクロブタノエート、C2−6アルケニルシクロペンタノエートおよびC2−6アルケニルシクロヘキサノエートを含む群から選択される。アシル化剤は、より好ましくは、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、イソプロペニルブチレート、イソプロペニルイソブチレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、プロプ−2−エニルシクロヘキサンカルボキシレート、エテニルシクロペンタンカルボキシレートおよびビニルシクロヘキサノエートを含む群から選択される。アシル化剤は、より好ましくは、イソプロペニルアセテート、イソプロペニルプロピオネート、イソプロペニルブチレート、イソプロペニルイソブチレート、ビニルアセテート、ビニルプロピオネートを含む群から選択される。 アシル化は、酸の存在下、例えば、硫酸の存在下、または、任意選択で1つ以上のクロロ置換基により置換されたC6−10アリールスルホン酸の存在下で行われ得る。適切な酸の非限定的な例としては、パラ−トルエンスルホン酸および硫酸が挙げられる。 式(II)のエストロンは、例えば、硫酸またはパラ−トルエンスルホン酸の存在下で、イソプロペニルアセテートと反応して、エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3,17−ジオール,3,17−ジアセテートを得ることができる。本反応は、還流下、場合により不活性雰囲気下、例えば、窒素雰囲気下で行われ得る。生成物は、例えば、次の工程に使用され得るか、または、当該分野において公知の技術、例えば、塩化メチレン/ヘキサンまたは酢酸エチル/ヘキサンなどの適切な溶出液による、シリカ上などでのクロマトグラフィー等によりさらに精製され得る。 P1およびP2がそれぞれ独立してR2−Si−R3R4である実施形態では、式(II)のエストロンは、シリル化剤と反応する。シリル化剤は、C1−6アルキルシリルトリフラート、フェニルシリルトリフラート、C1−6アルキルフェニルシリルトリフラート、C1−6アルキルシリルクロリド、C1−フェニルシリルクロリド、C1−6アルキルフェニルシリルクロリドを含む群から選択でき、各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される。 保護されたエストロンシリルエーテルの生成は、例えば、tert−ブチルジメチルシリルトリフラート、ジフェニルメチルシリルトリフラート、ジメチルフェニルシリルトリフラート、トリメチルシリルトリフラート、トリエチルシリルトリフラートまたはトリイソプロピルシリルトリフラートなどのシリル化剤の反応により行われ得る。本反応は、イミダゾール、2,6−ルチジン、コリジン、トリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)などの適切な塩基の存在下で行われ得る。本反応は、室温で行われ得るか、または、還流下で行われ得る。本反応は、適切な溶媒、例えば、ジクロロメタン、トルエンもしくはジメチルホルムアミド、または、それらの混合物の存在下で行われ得る。保護されたエストロンシリルエーテルの生成はまた、例えば、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、tert−ブチルリチウム、ナトリウムもしくはカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(NaHMDS、KHMDS)、または、リチウムテトラメチルピペリジンなどの適切な塩基の存在下で、tert−ブチルジメチルシリルクロリド、ジフェニルメチルシリルクロリド、ジメチルフェニルシリルクロリド、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリドまたはトリイソプロピルシリルクロリドなどのシリル化剤の反応によっても行われ得る。 本方法における工程(b)は、式(III)の化合物を、酢酸パラジウムまたはその誘導体、例えば、塩化パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)、好ましくは、酢酸パラジウムまたは塩化パラジウム、より好ましくは、酢酸パラジウムの存在下で反応させて、式(IV)の化合物を製造する工程を含む。 実施形態では、前記酢酸パラジウムまたはその誘導体は、化学量論的な量で存在し得るか、または、準化学量論的な触媒の量で存在し得る。 工程(b)の反応は、例えば、化学量論的な量の酢酸パラジウム、塩化パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、好ましくは、化学量論的な量の酢酸パラジウムを使用して、好ましくは適切な溶媒、例えば、アセトニトリル、ベンゾニトリルまたはジメチルスルホキシド、好ましくはベンゾニトリル中で行われ得る。 この反応は、室温で行われ得る。 別の例では、前記工程(b)は、準化学量論的な触媒の量の酢酸パラジウム、塩化パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、好ましくは、準化学量論的な触媒の量の酢酸パラジウムを使用して、アリルカルボネートなどのC1−6アキレンカルボネートの存在下、および、触媒としての有機スズ化合物の存在下で行われ得る。上記有機スズ化合物は、好ましくはトリ−ブチルスズメトキシドである。上記C1−6アキレンカルボネートは、好ましくはアリルメチルカルボネートである。本反応は、還流条件下、場合により、不活性雰囲気、例えば、窒素またはアルゴンの雰囲気下で行われ得る。 別の例では、前記工程(b)は、準化学量論的な触媒の量の酢酸パラジウムを使用して、酸素雰囲気下で行われ得る。別の例では、前記工程(b)は、準化学量論的な触媒の量の塩化パラジウムを使用して、酸素雰囲気下で行われ得る。別の例では、前記工程(b)は、準化学量論的な触媒の量のトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムを使用して、酸素雰囲気下で行われ得る。 前記酸素雰囲気は、好ましくは、純粋な分子酸素または大気酸素(空気または循環空気または再生可能空気)である。 好ましくは、工程(b)において、酢酸パラジウム、塩化パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムの量は、式(III)の化合物の当量あたり、最大で0.50当量、好ましくは最大で0.40当量、より好ましくは最大で0.30当量、さらにより好ましくは最大で0.2当量、さらにより好ましくは最大で0.10当量、さらにより好ましくは最大で0.05当量、さらにより好ましくは最大で0.03当量である。 好ましい実施形態では、工程(b)は、式(III)の化合物の当量あたり、最大で0.10当量、好ましくは最大で0.05当量、好ましくは最大で0.03当量の酢酸パラジウムで、純粋な分子酸素または大気酸素の存在下で行われる。 本方法における次の工程は、式(IV)の化合物を、還元剤により還元して、式(I)の化合物を製造することを含む。前記還元剤は、好ましくは、金属ヒドリド化合物である。金属ヒドリド化合物は、例えば、LiAlH4、NaBH4、NaBH(OAc)3、ZnBH4およびNaBH4/CeCl3を含む群から選択され得る。好ましくは、前記還元剤は、NaBH4/CeCl3である。 例えば、前記還元は、適切な溶媒またはその混合物、例えば、テトラヒドロフラン、またはメタノールとテトラヒドロフランとの混合物の中で行われ得る。本反応は、15℃未満などの低温、例えば、10℃未満で行われ得る。 実施形態では、式(IV)の化合物は、単離されず、前記還元剤を使用して、アルコールに直接還元される。この実施形態では、工程(b)および(c)は、ワンポットで行われる。このワンポット/ツーステップの手法は、式(I)の化合物を得るために表記される最も短い化学経路である。 本方法は、式(I)の化合物における17−ヒドロキシ官能基も、保護基、例えば、アシル基、より好ましくは、6工程でのエステトロールの合成には決して記載されていない、3−保護基、例えば、3−アセチル、好ましくは、3−アセトキシ基を提供するのと同時に除去され得るアセチル基により保護され得るという利点を提供する。式(I)の化合物の17−ヒドロキシ官能基も、シリル基により保護され得る。該シリル基は、6工程でのエステトロールの合成には決して記載されていない、3−シリル保護基を提供するのと同時に除去され得る。 別の実施形態によると、工程(a)は、2工程で行われることができ、式(II)の化合物におけるヒドロキシルを、シリル化剤を使用して保護して、式(IIa)の化合物を製造する工程(a1)と、(式(IIa)中、P1は、R2−Si−R3R4である。) 式(IIa)の化合物におけるケトンを、アシル化剤の存在下で、そのエノールエーテルに変換して、式(III)の化合物を製造する工程(a2)とを含む。 この実施形態により、式(I)の3−P1−エストラ 1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールを、式(II)のエストロンから調製するための方法は、スキーム2に示されるように行われ得る。 この実施形態では、スキーム2に示されるように、P1は、独立して、R2−Si−R3R4であり、P2は、CO−R1であり、式(II)のエストロンは、シリル化剤と反応して、式(IIa)の化合物を製造する。シリル化剤は、C1−6アルキルシリルクロリド、フェニルシリルクロリド、C1−6アルキルフェニルシリルクロリドを含む群から選択され得る(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)。 保護されたエストロンシリルエーテルの生成は、例えば、tert−ブチルジメチルシリルクロリド、ジフェニルメチルシリルクロリド、ジメチルフェニルシリルクロリド、トリメチルシリルクロリド、トリエチルシリルクロリドまたはトリイソプロピルシリルクロリドなどのシリル化剤の反応により行われ得る。本反応は、塩基、例えば、イミダゾール、2,6−ルチジン、コリジン、トリエチルアミンまたは1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)の存在下で行われ得る。 次の工程は、式(IIa)の化合物におけるケトンを、アシル化剤の存在下で変換して、P2がアシルである式(II)の化合物(式(IIIa)の化合物)を製造する工程を含む。適切なアシル化剤および条件は、本願明細書において前述した通りである。 スキーム2の方法における次の工程は、式(IIIa)の化合物を、酢酸パラジウムまたはその誘導体、例えば、塩化パラジウムまたはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(Pd2(dba)3)の存在下で反応させて、P1がR2−Si−R3R4である式(IV)の化合物(式(IVa)の化合物)を製造する工程を含む。この反応は、本願明細書において前述した通りに行われ得る。 本方法の次の工程は、式(IVa)の化合物を、還元剤により還元して、P1がR2−Si−R3R4である式(I)の化合物(式(Ia)の化合物)を製造する工程を含む。この反応は、上記本願明細書に記載の通りに行われ得る。 本発明による方法は、従来の方法、例えば、参照により本願明細書に組み込まれる、コッポラ,ジー.エム.(Coppola,G.M.) オーガニック プレパレーションズ アンド プロスィージャーズ インターナショナル(Org Prep Proced),2007,39(2),199−292に記載のような、フッ化物イオン、例えば、テトラ−n−ブチルアンモニウムフッ化物よるシリル保護基の除去や、参照により本願明細書に組み込まれる、タネムラ,ケイ.(Tanemura,K.) ジャーナル オブ ザ ケミカル ソサイエティー,パーキン トランスアクションズ 1(J Chem Soc,Perkin Trans 1) 1992,(22),2997−2998に記載のような、2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノンを使用するシリル保護基の除去、により合成の最後にイン・サイチュ(in situ)で保護基が除去され得るという利点を有する。 本方法は、式(I)の3−P1−オキシ−エストラ 1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールと、その後のエステトロールとが、従来の方法と比較して工程数を減らしてエストロンから入手され得るという利点を有し、経済的および工業的な合成のためにより都合が良い。 本発明は、エステトロールの調製方法でもあり、この方法は、本発明の方法を使用して式(I)の化合物を調製する工程と、さらに、式(I)の化合物を反応させてエステトロールを製造する工程とを包含する。 本発明は、薬学的組成物の製造のための、好ましくは、ホルモン補充療法の方法、膣乾燥を治療する方法、避妊法、性欲を増強する方法、皮膚を処置する方法、傷の治癒を促進する方法、ならびに、自己免疫疾患、乳房腫瘍および大腸腫瘍からなる群より選択される障害を治療または予防する方法から選択される方法における使用のための、本発明の方法により直接的に得られるエステトロールの使用も包含する。 本発明は、下記の実施例により説明されるが、それに限定されものではない。 実施例1:本発明の実施形態による、P1がアセチルである式(I)の化合物の調製 工程1:エストラ−1,3,5(10),16−テトラエン−3,17−ジオール,3−17−ジアセテート 100gの3−ヒドロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン(0.370モル)を、500mlのイソプロペニルアセテートおよび10gのパラ−トルエン−スルホン酸に注いだ。混合物を、還流した。温度が98℃に達するまで、アセトンおよびイソプロペニルアセテートを連続的に蒸留した。その後、混合物を0℃に冷却し、K2CO3を添加した。 0℃で1時間後、混合物をろ過し、得られたろ液を濃縮し、ジイソプロピルエーテルを添加した。沈殿物をろ過により収集し、乾燥させた。重量は111.5g(収率:85%)であった。1HNMR(CDCI3)δ0.90(s,3H,CH3 at C−18),1.30−1.50(m,11H),2.20(s,3H,CH3 acetate),2.30(s,3H,CH3 acetate),2.30−2.50(m,2H),5.54(broad s,1H)),6.80(broad s,1H,H4),6.82(dd,1H,H2),7.27(d,1H,H1)mp=148.3℃ 工程2:3−アセトキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オン 115.5g(0.315モル)のエストラ−1,3,5(10)−テトラエン−3,17−ジオール,3,17,ジアセテートの1500mlアセトニトリル溶液に、30.4g(0.095モル)のトリ−n−ブチルスズメトキシド、11.2g(0.05モル)の酢酸パラジウム(II)、および、20mlの炭酸アリルメチルを添加した。混合物を、2時間還流し、ついで室温に冷却し、シリカゲルのパッドを通してろ過した。ついで、反応物を、水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。最初の量の3分の1に濃縮した後、1000mlのジイソプロピルエーテルをゆっくり添加した。沈殿物を、ろ過により収集し、ジイソプロピルエーテルで洗浄して、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。1HNMR(CDCI3)δ1.10(s,3H,CH3 at C−18),1.30−2.60(m,9H),2.30(s,3H,CH3 3−acetate),2.90−3.00(m,2H),6.00−6.15(m,1H,H15),6.80(broad s,1H,H4),6.85(dd,1H,H2),7.29(d,1H,H1),7.60(d,1H,H16),mp:177.7℃ 工程3:3−アセトキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オール 収集した材料を300mlのテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、塩化セシウム七水和物(123g、0.33モル)のメタノール溶液(300ml)を添加した。混合物を0℃に冷却し、5℃未満に温度を保ちながら、ホウ素化水素ナトリウム(17.8g、0.47モル、1.5当量)を一部ずつ添加した。添加の最後に、混合物を1時間攪拌し、ついで、2N HCl溶液(100ml)の添加により反応を停止させた。溶液をそのまま部分的に蒸発させ、水(4L)を添加した。沈殿物をろ過により収集し乾燥させた。エタノール/ジイソプロピルエーテルから(form)の結晶化後、3−アセトキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オールを、75%の収率で単離した。1HNMR(CDCI3)δ0.85(s,3H,CH3 at C−18),1.20−2.50(m,8H),2.30(s,3H,CH3 3−acetate),2.80−3.05(m,2H),4.40(broad s,1H,H17),5.75(broad s,1H),6.04(broad s,1H),6.80(broad s,1H,H4),6.84(broad s,1H,H2),7.29(d,1H,H1),mp:120.7℃ 実施例2:本発明の実施形態による、P1がt−ブチルジメチルシリルである式(I)の化合物の調製 工程1:3,17−ジ−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−16−テトラエン−17−オール エストロン(50g、0.185モル)および2,6−ルチジン(62g、0.58モル)の400mlジクロロメタン溶液に、t−ブチル−ジメチルシリル−トリフラート(102.6g、0.39モル)を滴下した。溶液を、室温で6時間攪拌した。水(300ml)を添加し、有機層を炭酸ナトリウムの希釈溶液で洗浄した。ジクロロメタン溶液を部分的に蒸発させ、酢酸エチルを添加した。ジイソプロピルエーテルをこの溶液に添加した。混合物を0℃で2時間攪拌した。沈殿物をろ過により収集し、乾燥させた。83gの表題の化合物を得た(収率90%)。1HNMR(CDCI3)δ0.20(s,12H,(CH3)2−Si−),0.90(s,3H,CH3 at C−18),0.95(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.00(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.20−2.40(m,11H),2.75−2.95(m,2H),4.48(m,1H,H16),6.58(broad s,1H,H4),6.62(dd,1H,H2),7.12(d,1H,H1),mp:97.6℃ 工程2:3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−15−テトラエン−17−オン 83g(0.166モル)の3,17−ジ−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−16−テトラエン−17−オールの400mlアセトニトリル溶液に、3.8g(0.017モル)のPd(OAc)2を酸素雰囲気下で添加した。混合物を40℃で12時間攪拌し、ついで、セライトのパッドを通してろ過した。炭酸ナトリウムの希釈溶液を添加し、混合物を、酢酸エチルで抽出した。 濃縮後、ジイソプロピルエーテルを添加し、混合物を、0℃で1時間攪拌した。生成物(54.7g、収率86%)をろ過により収集し、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。1HNMR(CDCI3)δ0.20(s,6H,(CH3)2−Si−),1.00(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.13(s,3H,CH3 at C−18),1.20−2.70(m,11H),2.80−3.00(m,2H),6.10(dd,1H,H15),6.58(broad s,1H,H4),6.62(dd,1H,H2),7.11(d,1H,H1),7.63(dd,1H,H16),mp:165℃ 工程3:3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10),−15−テトラエン−17−オール 収集した材料(54.7g、0.143モル)を300mlTHFに溶解し、塩化セシウム七水和物(53.3g、0.143モル)のメタノール溶液(300ml)を添加した。混合物を0℃に冷却し、9℃未満に温度を保ちながら、ホウ素化水素ナトリウム(8.12g、0.213モル、1.5当量)を一部ずつ添加した。添加の最後に、混合物を1時間保存し、ついで、2N HCl溶液(100ml)の添加により、反応を停止させた。溶液をそのまま部分的に蒸発させ、水(4L)を添加した。沈殿物を、ろ過により収集し、乾燥させた。エタノール/ジイソプロピルエーテルからの結晶化後、生成物を、ろ過により収集し、乾燥させた。重量は、46.6g(収率85%)であった。1HNMR(CDCI3)δ0.20(s,6H,(CH3)2−Si−),0.89(s,3H,CH3 at C−18),1.00(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.20−2.40(m,10H),2.75−2.95(m,2H),4.40(broad s,1H,H17),5.65−5.75(m,1H),5.95−6.10(m,1H),6.57(broad s,1H,H4),6.60(dd,1H,H2),7.13(d,1H,H1)mp:107.5℃ 実施例3:本発明の実施形態による、P1がt−ブチルジメチルシリルである式(I)の化合物の調製 工程1:3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オン エストロン(100g、0.37モル)の400mlジクロロメタン溶液に、イミダゾール(50.36g、0.74モル)、および、t−ブチル−ジメチルシリルクロリド(61.3g、0.41モル)を添加した。溶液を、室温で24時間攪拌した。ついで、水(200ml)を添加した。有機層を部分的に蒸発させ、ジイソプロピルエーテルを添加した。形成された白色の固形物をろ過により収集し、乾燥させた。重量は135.2g、収率は95%、mpは172℃であった。1HNMR(CDCI3)δ0.20(s,6H,(CH3)2−Si−),0.90(s,3H,CH3 at C−18),1.00(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.20−2.60(m,13H),2.75−2.95(m,2H),5.65−5.75(m,1H),6.58(broad s,1H,H4),6.63(dd,1H,H2),7.12(d,1H,H1)mp:171.6℃ 工程2:3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−16−テトラエン−17−アセテート 135g(0.351モル)の3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−トリエン−17−オンを、600mlのイソプロペニルアセテート、および、12gのパラ−トルエン−スルホン酸に注いだ。混合物を還流した。内部温度が98℃に達するまで、アセトンおよびイソプロペニルアセテートを連続的に蒸留した。ついで、混合物を0℃に冷却し、炭酸カリウムを添加した。0℃で1時間後、混合物をろ過した。得られた溶液を部分的に濃縮し、ジイソプロピルエーテルを添加した。沈殿物をろ過により収集し、酢酸エチルとヘプタンとの混合物から結晶化した。生成物をろ過により収集し、乾燥させた。重量は119.5g(収率80%)であった。 工程3:3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−15−テトラエン−17−オン 119.5g(0.280モル)の3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−16−テトラエン−17−アセテートのアセトニトリル(1500ml)溶液に、27.2g(0.085モルのトリブチルスズメトキシド、11.2g(0.05モル)の酢酸パラジウム、および、64ml(0.560モル)の炭酸アリルメチルを添加した。混合物を2時間還流し、ついで室温に冷却し、シリカゲルのパッドを通してろ過した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。最初の量の3分の1に濃縮した後、ジイソプロピルエーテルを添加し、溶液を0℃で1時間冷却した。 生成物を、ろ過により収集した。重量は91g(収率85%)であり、更なる精製をすることなく、次の工程に使用した。1HNMR(CDCI3)δ0.20(s,6H,(CH3)2−Si−),1.00(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.13(s,3H,CH3 at C−18),1.20−2.70(m,11H),2.80−3.00(m,2H),6.10(dd,1H,H15),6.58(broad s,1H,H4),6.62(dd,1H,H2),7.11(d,1H,H1),7.63(dd,1H,H16),mp:165℃ 工程4:3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−15−テトラエン−17−オール 還元工程を、実施例2の工程3と同様にして行った。収集した材料をTHFに溶解し、塩化セシウム七水和物(1当量)のメタノール溶液を添加した。混合物を0℃に冷却し、9℃未満に温度を保ちながら、ホウ素化水素ナトリウム(1.5当量)を一部ずつ添加した。添加の最後に、混合物を1時間保存し、ついで、2N HCl溶液の添加により、反応を停止させた。溶液をそのまま部分的に蒸発させ、水を添加した。沈殿物を、ろ過により収集し、乾燥させた。エタノール/ジイソプロピルエーテルからの結晶化後、生成物を、ろ過により収集し、乾燥させた。1HNMR(CDCI3)δ0.20(s,6H,(CH3)2−Si−),0.89(s,3H,CH3 at C−18),1.00(s,9H,(CH3)3−C−Si−),1.20−2.40(m,10H),2.75−2.95(m,2H),4.40(broad s,1H,H17),5.65−5.75(m,1H),5.95−6.10(m,1H),6.57(broad s,1H,H4),6.60(dd,1H,H2),7.13(d,1H,H1)mp:107.5℃ 実施例4: 実施例1の工程2を、表1に示した種々の試薬および反応条件によって繰り返した。3−アセトキシ−エストラ−1,3,5(10),15−テトラエン−17−オンを得た。収率および変換率を、表1に示す。THF:テトラヒドロフラン;ACN アセトニトリル;RT:室温;DMSO:ジメチルスルホキシド;ND 未決定 実施例5: 実施例2の工程2を、表2に示した種々の試薬および反応条件によって繰り返した。3−t−ブチルジメチルシロキシ−エストラ−1,3,5(10)−15−テトラエン−17−オンを得た。収率および変換率を、表2に示す。THF:テトラヒドロフラン;ACN アセトニトリル;RT:室温;DMSO:ジメチルスルホキシド;ND 未決定 本発明による実施形態を提供するために、好ましい実施形態および/または材料を検討してきたが、本発明の範囲および趣旨を逸脱することなく、様々な改良または変更がなされてもよいことが、理解されるべきである。 式(I)の化合物の調製方法であって、 a)式(II)の化合物を、アシル化剤またはシリル化剤と反応させて、式(III)の化合物を製造する工程と、(式(III)中、P1およびP2は、それぞれ独立して、R2−Si−R3R4またはR1CO−から選択される保護基であり、R1は、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)であり;R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、C1−6アルキルまたはフェニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)である。) b)式(III)の化合物を、酢酸パラジウムまたはその誘導体の存在下で反応させて、式(IV)の化合物を製造する工程と、 c)式(IV)の化合物を、還元剤と反応させて、式(I)の化合物を製造する工程とを含む、方法。 P1が、R1CO−である請求項1に記載の方法。 P1が、R2−Si−R3R4である請求項1に記載の方法。 P2が、R2−Si−R3R4である請求項3に記載の方法。 P2が、R1CO−である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。 工程(a)は、式(II)の化合物におけるヒドロキシルを、シリル化剤で保護して、式(IIa)の化合物を製造する工程(a1)と、(式(IIa)中、P1は、請求項3に定義したものと同様の意味を有する。) 式(IIa)の化合物におけるケトンを、アシル化剤の存在下で保護して、式(III)の化合物を製造する工程(a2)と、を含む請求項5に記載の方法。 アシル化剤が、C2−6アルケニルC1−6アルカノエートまたはC2−6アルケニルC3−6シクロアルカノエートである、請求項1〜3、5および6のいずれかに記載の方法。 シリル化剤は、C1−6アルキルシリルクロリド、C1−6アルキルシリルトリフラート、フェニルシリルクロリド、フェニルシリルトリフラート、C1−6アルキルフェニルシリルクロリド、C1−6アルキルフェニルシリルトリフラートを含み、各基が任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換されている、群から選択される、請求項1、3〜7のいずれかに記載の方法。 工程(b)は、C1−6アルキレンカルボネートおよび有機スズ化合物の存在下で行われる、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。 前記酢酸パラジウムが、化学量論的な量で存在する、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 前記反応は、触媒的または準化学量論的な量で存在する酢酸パラジウムで行われ、前記反応は、好ましくは酸素雰囲気中で行われる、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。 工程(c)における還元剤が、金属ヒドリド化合物の群から選択される、請求項1〜11のいずれかに記載の方法。 金属ヒドリド化合物が、NaBH4/CeCl3、LiAlH4、NaBH4、NaBH(OAc)3およびZnBH4を含む群から選択される、請求項12に記載の方法。 エステトロールの調製方法であって、 請求項1〜13のいずれかに記載の方法により、式(I)の化合物を調製する工程、および、さらに、式(I)の化合物を反応させてエステトロールを製造する工程を含む、方法。 ホルモン補充療法の方法、膣乾燥を治療する方法、避妊法、性欲を増強する方法、皮膚を処置する方法、傷の治癒を促進する方法、ならびに、自己免疫疾患、乳房腫瘍および大腸腫瘍からなる群より選択される障害を治療または予防する方法から選択される方法に使用するための、請求項14に記載の方法により直接的に得られるエステトロール。 本発明は、式(I)の化合物の調製方法であって、a)式(II)の化合物をアシル化剤またはシリル化剤と反応させて、式(III)の化合物を製造する工程(式(III)中、P1およびP2は、それぞれ独立して、R2−Si−R3R4またはR1CO−から選択される保護基であり、R1は、C1−6アルキルまたはC3−6シクロアルキルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)であり;R2、R3およびR4は、それぞれ独立して、C1−6アルキルまたはフェニルから選択される基(各基は、任意選択でフルオロまたはC1−4アルキルから独立して選択される1つ以上の置換基により置換される)である。)と、b)式(III)の化合物を酢酸パラジウムまたはその誘導体の存在下で反応させて、式(IV)の化合物を製造する工程と、c)式(IV)の化合物を還元剤と反応させて、式(I)の化合物を製造する工程とを含む、方法に関する。【選択図】なし


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