タイトル: | 公表特許公報(A)_混晶アゴメラチン(VIII型)、その調製方法及び使用、並びにこれを含有する医薬組成物 |
出願番号: | 2014500244 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C07C 235/34,C07C 231/24,A61K 31/165,A61P 43/00,A61P 25/20,A61P 25/22,A61P 25/24,A61P 25/18,A61P 9/00,A61P 1/00 |
ファン,ユ ロン,チン ジュ,シュエヤン シャン,ハンビン ユアン,ジェドン ユ,ション JP 2014516921 公表特許公報(A) 20140717 2014500244 20120322 混晶アゴメラチン(VIII型)、その調製方法及び使用、並びにこれを含有する医薬組成物 上海医薬工業研究院 510027560 Shanghai Institute of Pharmaceutical Industry レ ラボラトワール セルヴィエ 500287019 特許業務法人 津国 110001508 津国 肇 100078662 柳橋 泰雄 100131808 伊藤 佐保子 100119079 小澤 圭子 100135873 三宅 俊男 100116528 小國 泰弘 100122736 田中 洋子 100122747 生川 芳徳 100132540 柴田 明夫 100146031 塩見 敦 100173912 ファン,ユ ロン,チン ジュ,シュエヤン シャン,ハンビン ユアン,ジェドン ユ,ション CN 201110070634.0 20110323 C07C 235/34 20060101AFI20140620BHJP C07C 231/24 20060101ALI20140620BHJP A61K 31/165 20060101ALI20140620BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140620BHJP A61P 25/20 20060101ALI20140620BHJP A61P 25/22 20060101ALI20140620BHJP A61P 25/24 20060101ALI20140620BHJP A61P 25/18 20060101ALI20140620BHJP A61P 9/00 20060101ALI20140620BHJP A61P 1/00 20060101ALI20140620BHJP JPC07C235/34C07C231/24A61K31/165A61P43/00 111A61P25/20A61P25/22A61P25/24A61P25/18A61P9/00A61P1/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN CN2012072818 20120322 WO2012126386 20120927 34 20131119 4C206 4H006 4C206AA01 4C206AA02 4C206AA03 4C206KA16 4C206MA01 4C206MA04 4C206NA03 4C206ZA05 4C206ZA12 4C206ZA18 4C206ZA66 4C206ZC41 4H006AA01 4H006AA02 4H006AA03 4H006AB20 4H006AD15 4H006BC51 4H006BV22 4H006BV53技術分野 本発明は、アゴメラチン、N−[2−(7−メトキシ−1−ナフチル)エチル]アセトアミドの混晶形、それの調製方法、適用及び医薬組成物に関する。先行技術 N−[2−(7−メトキシ−1−ナフチル)エチル]アセトアミドという化学名及びValdoxanという商品名を持つアゴメラチンは、以下の化学構造(I):を有する。 これは、二重効果を有しており、メラトニン作動系受容体のアゴニストとして作用するだけでなく、5HT2C受容体のアンタゴニストとしても作用する。これの特性は、これが、中枢神経系において、特に重度の鬱病、季節性情動障害、睡眠障害、心血管疾患、消化器系疾患、ジェットラグによって起こる不眠症及び疲労、摂食障害並びに肥満症の処置において活性であることを意味する。アゴメラチンは、初めてのメラトニン作動性抗鬱薬であり、そして性機能には影響を及ぼさないが、鬱病の処置及び睡眠パラメーターの改善において有効である。 アゴメラチンの調製法及び治療上の使用は、欧州特許EP0447285に報告されている。 該化合物の薬学的有用性を考慮すると、これが、医薬製剤に有利であるよう、かつ温度、光、湿度又は酸素レベルに関して特定の要件を定めることなく、長期保存のために充分に安定であるように、良好な再現性をもって高純度で安定な結晶形を得ることは重要である。 中国特許CN200510071611.6、CN200610108396.7、CN200610108394.8、CN200610108395.2、CN200910047329.2、CN200910245029.5は、アゴメラチンの種々の結晶形、更には調製方法を公開している。 これらの中で、CN200910047329.2において、酢酸と水の再結晶の工程により得られる公表されたVI型結晶は、存在する大部分の公表された結晶形よりも優れた可溶性を有しており、ひいては医薬製剤におけるその性質に関して独自の価値を持つ。しかし、VI型結晶を過酷条件(60℃の高温)下に10日間置くと、少量の結晶転移が起こりうる。 研究者らは、可溶性に関して妥協することなく高い安定性を持つ結晶形又は混晶形の探索に焦点を合わせた。 有利には、種々の調製工程の調査及び安定性の比較により、本発明者らは、過酷条件下に置くときVI型結晶よりも優れた安定性を示す混晶形を見出した。該混晶は、VI型結晶の卓越した可溶性を損なうことなく、高い安定性を獲得している。これは、その調製工程において高い再現性を示し、そして過酷条件下で高い安定性を示すことにより、医薬製剤の実現可能性を大きく上昇させる。発明の範囲 本発明の目的は、アゴメラチンの混晶形である、VIII型を提供することであり、その一方で調製工程を提供することである。VI型結晶と比較すると、該VIII型は、高温下で高い安定性を示す。更に、これは有用な医薬製剤の性質を示す。 本発明におけるアゴメラチンのVIII型混晶は、メラトニン作動系の疾患、睡眠障害、ストレス、不安、季節性情動障害、重度の鬱病、心血管疾患、消化器系疾患、ジェットラグによって起こる不眠症及び疲労、統合失調症、恐怖症、並びに鬱病の処置において使用することができる。 本発明はまた、その操作が単純であり、かつ良好な再現性を示す、アゴメラチンのVIII型の調製方法を提供することを目的とする。 本発明の更に別の目的は、本発明のアゴメラチンのVIII型混晶、更には薬学的に許容しうる補助剤又は賦形剤を包含する、医薬組成物を提供することである。 該医薬組成物は、特に経口投与又は注射による投与のいずれかが行われるとき、様々な適用経路で使用されるように構成することができる。 病気の性質及び重症度により、処置では、患者の年齢及び体重に基づき調節される用量が投与される。用量は、1日に0.1mgと1gの間で変化させることができ、1回だけか又は数回で投与される。 本発明のアゴメラチンのVIII型のX線回折図の下記の例では、結晶面間隔d、ブラッグ角2θ及び相対強度(I%)を使用して示す: 本発明の結晶化を測定するためにX線回折を使用するとき、時には測定装置又は試験条件のために、測定ピークは、測定においてわずかな偏差を示す;更に具体的には、例えば、2θ値の測定におよそ±0.2の偏差が存在する場合があり;たとえ極めて正確な装置を使用しても、およそ±0.1の偏差は見られるかもしれない。結果として、それぞれの結晶構造を決定するとき、この偏差を考慮に入れる必要がある。本発明の該アゴメラチンVIII型のためのXRD試験条件: 機器モデル:Bruker D8 ADVANCE X線回折計 実験パラメーター: 検出器:LynxEye検出器 光源:CuKα 40kV 40mA モノクロメータ:Niフィルターディスク 発散スリット:1° DivH.L.スリット:1.0mm プローブ: LynxEyeプローブ 走査方法:θ−θ連続走査 走査範囲:3°〜45° ステップ幅:0.02° 走査速度:8.0°/分 走査時間:5分間 走査温度:室温 本発明の該アゴメラチンVIII型のDSCの熱吸収変化図の試験条件: 機器モデル:NETZSCH DSC 204F1 実験条件: るつぼタイプ:標準的アルミニウムるつぼ(有孔) シールドガス:高純度窒素 20ml/分 スイープガス:高純度窒素 60ml/分 昇温速度:10℃/分 温度範囲:室温〜140℃ 本発明のDSCの熱吸収変化図の吸熱ピークのオンセット値は、以下を特徴とする:オンセット値範囲は97〜98℃であり、吸熱ピーク面積は90%以上であり、好ましい比は95〜99%である。 本発明の結晶を測定するためにDSCを使用するとき、時には測定装置又は試験条件のために、測定ピークは、測定においてわずかな偏差を示す;更に具体的には、例えば、オンセット値の測定におよそ±1℃の偏差が存在する場合があり;たとえ極めて正確な装置を使用しても、およそ±0.5℃の偏差は見られるかもしれない。結果として、それぞれの結晶構造を決定するとき、この偏差を考慮に入れる必要がある。本発明のTGA試験条件: 機器モデル:NETZSCH TG 209F1 実験条件: るつぼタイプ:Al2O3 スイープガス:N2 20ml/分;シールドガス:N2 10ml/分 温度範囲:室温〜300℃ 昇温速度:10℃/分 本発明のVIII型の調製方法は、式(II)のアゴメラチン化合物(アゴメラチン−HCl−H2O)を酢酸に溶解し、次いでここに酢酸ナトリウムを加えることを含み、次にこの反応混合物に水を滴下により加え、結晶化をもたらすために7〜13℃の温度で撹拌すると、結晶が溶液から分離してくる。 前述の本発明において、原料を溶解するために充分な量が使用される限り、添加すべき酢酸の量には特別な要件はないが、一方加熱もまた溶解の達成を容易にするために相応に適用することができる。 式(II)のアゴメラチン化合物と酢酸ナトリウムとのモル比は、好ましくは1:1〜1.5、最適には1:1〜1.1程度である。 前述の本発明の調製方法において、酢酸対水の体積比は、1:15〜30である。 本発明のアゴメラチンVIII型の調製方法の好ましい実施態様において、生じた反応混合物の温度が12〜18℃に達するとき、そして特に15℃前後で、結晶化をもたらすために水を滴下により加える。 更に別の好ましい実施態様において、生じた反応混合物に水を滴下により加えるとき、次に10℃前後の温度で撹拌が行われる。これは、結晶化をもたらすために1.5時間前後の期間行うことができる。 別の好ましい実施態様において、酢酸ナトリウムの添加後、反応混合物を40〜80℃に加熱し、次に適切な非固定量の活性炭を加え、続いて撹拌及び濾過する;次に該溶液を放置して冷却させ、そして結晶化をもたらすために水を滴下により加える。 本発明により提供されるアゴメラチンVIII型は、医薬製剤用の薬学的に許容しうる補助剤又は賦形剤と共に使用することができる。 本発明により、VI型結晶と比較して高い安定性を持ち、ひいては安定性に関して生産に有利である、アゴメラチンの新しいVIII型が得られる。 中国特許出願CN 201010126254.Xでは、前述の式(II)のアゴメラチン化合物は、以下の調製方法を利用して製造することができるが、ここで該調製方法は、水和物を形成するために、アゴメラチンを種々の形態のHClと反応させることを含む。この2つの方法は、以下のとおりである:アゴメラチンは、最初に水含有有機溶媒に溶解し、それからHClガスを加え、固体結晶を洗浄して、次に乾燥する;あるいはアゴメラチンは、HClを含有する溶媒に加え、次に固体結晶を洗浄して乾燥する。第1の方法が用いられるならば、HClの過剰により収量が低下するかもしれないが、一方第2の方法では、溶媒中に存在するHClの量は容易に制御される。したがって第2の方法が好ましい。 具体的には、アゴメラチンは、水含有有機溶媒に加え、続いてHClを含有する溶媒を滴下により加える。次に固体結晶を洗浄して次いで乾燥する。 同様に、またアゴメラチンを有機溶媒に加え、続いてHClを含有する水溶液を滴下により加えることもできる。次に固体結晶を洗浄して次いで乾燥する。本出願に引用されるか言及されるかのいずれかの参考文献は、全内容が参照されている。本発明の実施態様1におけるVIII型のX線回折図を示す;本発明の実施態様1におけるVIII型のX線回折図を示す;本発明の実施態様1におけるVIII型のDSCの熱吸収変化図を示す;本発明の実施態様2におけるVIII型のX線回折図を示す;本発明の実施態様2におけるVIII型のX線回折図を示す;本発明の実施態様2におけるVIII型のDSCの熱吸収変化図を示す;本発明の実施態様3におけるVIII型のX線回折図を示す;本発明の実施態様3におけるVIII型のX線回折図を示す;本発明の実施態様3におけるVIII型のDSCの熱吸収変化図を示す;本発明の実施態様5における生成物の熱重量分析TGA曲線を示す。実施態様の詳細 以下の実施態様により本発明を更に説明するが、これは本発明の範囲を限定するものではない。実施態様1: 式(II)のアゴメラチン化合物14gを酢酸55mlに溶解し、次いでここに酢酸ナトリウム4.5gを加える;次にこの混合物を60℃に加熱し、それから活性炭0.5gを加える。2時間撹拌を行い、それから混合物を濾過する;次に15℃の温度で、水1Lを滴下により加える。この溶液は徐々に混濁し、そして〜10℃の温度で1.5時間にわたり撹拌を行い、続いて濾過し、次に一定重量が実現するまで45℃で真空下、濾滓を洗浄及び乾燥することにより、白色の固体9.6gが得られる;(X線回折図については図1を参照のこと;DSCの熱吸収変化図については図2を参照のこと)実施態様2: 式(II)のアゴメラチン化合物140gを酢酸490mlに溶解し、次いでここに酢酸ナトリウム60gを加える;次にこの混合物を60℃に加熱し、それから活性炭1.4gを加える。1時間撹拌を行い、それから混合物を濾過する;次に15℃の温度で、水8.8Lを滴下により加える。この溶液は徐々に混濁し、そして〜10℃の温度で1.5時間にわたり撹拌を行い、続いて濾過し、次に一定重量が実現するまで45℃で真空下、濾滓を洗浄及び乾燥することにより、白色の固体94gが得られる;(X線回折図については図3を参照のこと;DSCの熱吸収変化図については図4を参照のこと)実施態様3: 式(II)のアゴメラチン化合物66gを酢酸230mlに溶解し、次いでここに酢酸ナトリウム21gを加える;次にこの混合物を60℃に加熱し、それから活性炭1.3gを加える。1時間撹拌を行い、それから混合物を濾過する;次に15℃の温度で、水6.9Lを滴下により加える。この溶液は徐々に混濁し、そして〜10℃の温度で1.5時間にわたり撹拌を行い、続いて濾過し、次に一定重量が実現するまで50℃で真空下、濾滓を洗浄及び乾燥することにより、白色の固体49gが得られる;(X線回折図については図5を参照のこと;DSCの熱吸収変化図については図6を参照のこと)実施態様4: アゴメラチンのVI型結晶及びVIII型(実施態様2により得られる)をそれぞれ40℃の温度で温度調節容器に入れて、20日間保存し、高速液体クロマトグラフィーの方法を用いてこれらの試料の安定性を試験する。1.試料の純度測定 クロマトグラフィー条件:オクタデシルシラン化学結合シリカを充填剤として使用する;体積比2:7の10mmol/Lリン酸緩衝液(水酸化ナトリウムでpH7.0に調整)とアセトニトリルとの混合溶液は移動相の役割を果たす;カラム温度40℃;及び検出波長220nm。純度は、内部標準法を用いて測定する。 移動相に、VI型結晶及びVIII型を分配して1mg/mL溶液とし、次にそれぞれ10μLを液体クロマトグラフィーに通して、そのクロマトグラムを記録する。2.試料のアッセイ 標準試料純度測定法を使用したが、測定は外部標準法を用いて行い、結果は表Iに示す。3.水溶性の測定 水溶性を決定するためにHPLC法を使用したが、測定は外部標準法を用いて行った。結果は表IIに示す。4.結晶安定性の決定 局方の安定性評価法を用いて測定した: 1) 影響因子試験(10日間曝露):高温(60℃)、光照射(4500lx)、高湿度(92.5%RH、25℃) 2) 加速試験(6ヶ月間密閉):温度30℃、湿度65%RH 3) 長期試験(12ヶ月間密閉):温度25℃、湿度60%RH 試験結果から分かるとおり、本発明のアゴメラチンVIII型は、VI型結晶と比較すると、高温下での高い安定性及び同等の可溶性を明らかに示す。その調製法は良好な再現性を示す。更に、これは有用な医薬製剤の性質を示す。5.医薬組成物の調製法及び安定性に関する試験(結晶形、純度及び含量) 局方の安定性評価法に付して、影響因子試験(10日間曝露):高温(60℃)、光照射(4500lx)、高湿度(92.5%RH、25℃);加速試験(6ヶ月間密閉):温度30℃、湿度65%RH;長期試験(12ヶ月間密閉):温度25℃、湿度60%RHを受けた。評価結果は、上記条件下で生成物の結晶形、純度又は含量のいずれも何ら変化を受けなかったことを証明している。 結果的に、この生成物の医薬成分及びカプセルの試験結果は、VIII型が医薬品製造において大きな可能性を有することを示している。実施態様5:式(II)のアゴメラチン化合物 アゴメラチン10gを酢酸エチルの100ml溶液に加える。10℃の温度で、HClの水溶液(36%)4.6gをゆっくり滴下により加える。次に1時間撹拌を行い、続いて濾過して、生じた固体を酢酸エチル10ml中で2回洗浄し、次いで40℃の温度で乾燥することにより、純度:99.8%、収率:88.7%で式(II)の白色固体10.2gが得られる。Cl元素分析: 理論計算値:Cl含量 11.91重量% 測定値:Cl含量 11.86重量%式(II)のアゴメラチン化合物の結晶水含量の決定: C15H17NO2・HCl・H2Oの計算された理論結晶水含量は、6.06重量%である。5.1 フィッシャー法(Chinese Pharmacopoeia 2010 edition, appendix VIII M) 実施態様5により得られた生成物は、上記のフィッシャー法により測定して、記録された結晶水含量は6.15重量%であった。5.2 熱重量分析(Chinese Pharmacopoeia 2010 edition, appendix VIII Q) 実施態様5により得られた生成物は、上記の熱重量分析により測定して、記録された結晶水の減量は、6.67重量%であった、即ち、元の生成物の結晶水含量は、6.67重量%であった。TGA曲線については、図7を参照のこと。 アゴメラチンの混晶形であって、そのX線回折図が、下記のブラッグ角2θの値:を有する混晶形(ピーク回折角が上記の2θ±0.2°以内である結晶を包含する)。 アゴメラチンの混晶形であって、そのX線回折図が、下記の結晶面間隔d、ブラッグ角2θ及び相対強度の値:を有する混晶形(ピーク回折角が上記の2θ±0.2°以内である結晶を包含する)。 請求項1又は2に記載のアゴメラチンの混晶形であって、オンセット値範囲が97〜98℃であり、吸熱ピーク面積が90%以上であり、好ましい比が95〜99%である、そのDSCの熱吸収変化図を特徴とする混晶形。 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゴメラチンの混晶形の調製方法であって、式(II):のアゴメラチン化合物を酢酸に溶解し、次いでここに酢酸ナトリウムを加え、続いてこの反応混合物に水を滴下により加え、次に結晶化をもたらすために7〜13℃の温度で撹拌すると、結晶が溶液から分離される方法。 式(II)のアゴメラチン化合物と酢酸ナトリウムとのモル比が、1:1〜1.5、最適には1:1〜1.1程度である、請求項4に記載の調製方法。 酢酸対水の体積比が、1:15〜30である、請求項4又は5に記載の調製方法。 生じた反応混合物の温度が12〜18℃に達するとき、そして特に15℃のとき、結晶化をもたらすために水を滴下により加える、請求項4〜6のいずれか1項に記載の調製方法。 生じた反応混合物に水を滴下により加え、次に結晶化をもたらすために10℃の温度でこれを撹拌する、請求項4〜7のいずれか1項に記載の調製方法。 酢酸ナトリウムの添加後、反応混合物を40〜80℃に加熱し;次に該溶液を放置して冷却させ、そして結晶化をもたらすために水を滴下により加える、請求項4〜8のいずれか1項に記載の調製方法。 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゴメラチンの混晶形及び薬学的に許容しうる補助剤又は賦形剤を包含する、医薬組成物。 医薬の調製に使用される、請求項10に記載の医薬組成物であって、この医薬が、メラトニン作動系の疾患を処置するために使用される組成物。 医薬の調製に使用される、請求項10に記載の医薬組成物であって、この医薬が、睡眠障害、ストレス、不安、季節性情動障害、重度の鬱病、心血管疾患、消化器系疾患、ジェットラグによって起こる不眠症及び疲労、統合失調症、恐怖症、又は鬱病を処置するために使用される組成物。 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゴメラチンの混晶形の医薬製剤であって、該医薬製剤が、メラトニン作動系の疾患の処置に関する製剤。 請求項1〜3のいずれか1項に記載のアゴメラチンの混晶形の医薬製剤であって、該医薬製剤が、睡眠障害、ストレス、不安、季節性情動障害、重度の鬱病、心血管疾患、消化器系疾患、ジェットラグによって起こる不眠症及び疲労、統合失調症、恐怖症、又は鬱病の処置に関する製剤。 本発明は、混晶アゴメラチン(VIII型)、その調製方法及び使用、並びにこれを含有する医薬組成物を提供するが、ここで、この混晶は、主としてアゴメラチンVI型結晶を含有する。この混晶は、安定でありかつ良好な再現性を有しており、そして安定性試験により安定性に関してVI型結晶よりも優れていることが見出された。したがって、本発明のVIII型は、調製に関して有利である。