タイトル: | 公開特許公報(A)_統合型の保健データ取得および分析システム |
出願番号: | 2014237464 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | G01N 33/68,G01N 33/48,G01N 33/53,G01N 33/573,G06Q 50/22 |
エリザベス エー. ホームズ イアン ギボンズ ダニエル エル. ヤング セス ジー. マイケルソン JP 2015045658 公開特許公報(A) 20150312 2014237464 20141125 統合型の保健データ取得および分析システム セラノス, インコーポレイテッド 510089007 山本 秀策 100078282 森下 夏樹 100113413 飯田 貴敏 100181674 石川 大輔 100181641 山本 健策 230113332 エリザベス エー. ホームズ イアン ギボンズ ダニエル エル. ヤング セス ジー. マイケルソン US 61/253,015 20091019 G01N 33/68 20060101AFI20150213BHJP G01N 33/48 20060101ALI20150213BHJP G01N 33/53 20060101ALI20150213BHJP G01N 33/573 20060101ALI20150213BHJP G06Q 50/22 20120101ALI20150213BHJP JPG01N33/68G01N33/48 ZG01N33/53 VG01N33/53 XG01N33/53 PG01N33/573 AG06Q50/22 130G06Q50/22 1 12 2012535283 20101018 OL 127 2G045 2G045AA25 2G045CA25 2G045CA26 2G045CB03 2G045CB04 2G045CB07 2G045CB14 2G045DA20 2G045DA36 2G045DA44 本出願は、米国仮出願第61/253,015号(出願日:2009年10月19日)の恩恵を主張する。本明細書中、同出願全体を参照により援用する。 大規模領域(例えば、大陸または全世界)に伝染病が流行した場合、社会にとって大きな損失をもたらし得る。このような流行を挙げると、インフルエンザ、天然痘、結核、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、および重症急性呼吸器症候群(SARS)の流行がある。2008年の世界銀行による推計によれば、インフルエンザの大流行に起因するコスト損失は3兆ドルになり得、国内総生産(GDP)低下は約5%になり得る。また、世界銀行のさらなる推計によれば、深刻な流行病に起因して、世界中において7千万を越えるの人々が死亡し得る。他の推計によれば、インフルエンザの大流行は米国において経済後退をもたらし得、短期的損失は、少なくと5000億〜6750億ドルとなり得る。2003年、アジア太平洋地域における旅行、貿易および職場においてSARSによる大混乱が発生し、この地域におけるコスト損失は約400億ドルである。このSARSの流行は6ヶ月間継続し、25ヶ国において感染した8,000人のうち少なくとも1,000人が死亡した。カナダのトロントにおいては、航空交通が数週間にわたって停止し、大きな経済損失が発生した。 2009年春のインフルエンザシーズンはわずか数週間であったのにも関わらず、コスト損失は数十億ドルになった。2009〜2010年の冬のインフルエンザシーズンについては、8月下旬に開始し、2010年春まで続くと予測される。有効なワクチンが利用可能であっても、そのようなワクチンの供給量には制限があることが予測され、また、インフルエンザを数ヶ月間止められるとは考えられない。有効な抗ウイルス投与および対象を絞った隔離を可能とする先行スクリーニングを通じてインフルエンザを封じ込めることができれば、経済損失を最小にすることが可能になる。 「回避行動」に起因する経済損失は、インフルエンザ患者の治療コストよりもさらに高い。「回避行動」コストを挙げると、飛行機旅行の低減、インフルエンザに感染した目的地への旅行の回避、サービス消費(例えば、公共交通機関の利用、外食、ショッピングなど)の低減がある。世界銀行によれば、インフルエンザ流行が1918年から1919年のインフルエンザと同様の2.5%の死亡率に近付いた場合、回避行動による1つの地域における損失は、死亡率または欠勤に起因する損失の5倍を越える。 よって、伝染病(例えば、インフルエンザ)が発生した場合に当該伝染病の拡散を軽減するためのインフラストラクチャが早急に必要とされている。本発明は、リアルタイムサンプリング、モデル化、分析、および/または推奨される介入を提供する統合システムを通じて、この必要を満たす。前記システムは、高リスクの場所(例えば、学校または人通りの多い商業地域)における先行サンプリングを通じて大発生のアクティブ事例を特定することができ、その周囲のケースのサンプリングおよび隔離により、大発生の撲滅を支援することができる。前記システムはまた、不足している資源の配備のために適切な応答を提案し、死亡率および罹患率ならびに経済的影響の低減の双方に関して、このような軽減による影響を予測することができる。さらに、本発明のシステムは、高精度であり、より信頼性がありかつタイムリーな情報を政府が提供することを支援することができる。この情報により、不要な回避行動を低減し、数十億ドルの低減が可能となり得る。 一態様において、本発明は、1つの集団における疾病進行をモデル化するシステムを提供する。前記システムは、前記疾病および/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、前記集団および個々の対象に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素内のデータをモデル化することにより前記集団における疾病をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素とを含む。前記疾病は、伝染病または慢性疾病であり得る。 いくつかの実施形態において、病原体またはその分析物は、以下を含む:アデノウイルス、百日咳、クラミジア肺炎、クラミジアトラコマチス、コレラ毒素、コレラ毒素β、カンピロバクタージェジュニ、サイトメガロウイルス、ジフテリア毒素、エプスタインバーNA、エプスタインバーEA、エプスタインバーVCA、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス(HBV)コア、B型肝炎ウイルス(HBV)エンベロープ、B型肝炎ウイルス(HBV)表面(Ay)、C型肝炎ウイルス(HCV)コア、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3、C型肝炎ウイルス(HCV)NS4、C型肝炎ウイルス(HCV)NS5、A型肝炎、D型肝炎、E型肝炎ウイルス(HEV)orf2−3KD、E型肝炎ウイルス(HEV)orf2−6KD、E型肝炎ウイルス(HEV)orf3−3KD、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1p24、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1gp41、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1gp120、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルスHSV−1/2、単純ヘルペスウイルスHSV−1gD、単純ヘルペスウイルスHSV−2gG、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)−1/2、インフルエンザA、インフルエンザAH3N2、インフルエンザB、ドノバンリーシュマニア、ライム病、おたふく風邪、肺炎マイコプラズマ、結核菌、パラインフルエンザ1、パラインフルエンザ2、パラインフルエンザ3、ポリオウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、風疹、麻疹、ストレプトリジンO、破傷風毒素、梅毒トレポネーマ15kd、梅毒トレポネーマp47、クルーズトリパノソーマ、トキソプラズマ、または水痘帯状疱疹。 他の実施形態において、前記疾病は、以下を含む伝染病である:微生物、細菌、ウイルス、バクテリア、古細菌、原生動物、原生生物、真菌または微小植物。前記ウイルスは、インフルエンザまたはHIVを含み得る。前記バクテリアは、ヒト型結核菌を含み得る。前記原生動物は、マラリアを含み得る。 さらに他の実施形態において、前記疾病は、以下を含む慢性的な疾病または状態である:糖尿病、前糖尿病、インスリン耐性、代謝異常、肥満、または心血管疾患。 本発明の静的データベース構成要素は、集団中の個人に関する情報を含み得る。前記集団中の個人に関する情報は、年齢、人種、性別、場所、遺伝因子、単一ヌクレオチド多型(SNP)、家族歴、病歴または治療歴のうち1つ以上を含み得る。 前記静的データベース構成要素は、疾病に関する情報も含み得る。前記疾病に関する情報は、病原性、伝染性、感染形態、治療有効性、ワクチン有効性、死亡率、回復期間、治療コスト、感染性、感染速度、突然変異率、および過去の大発生のうち1つ以上を含み得る。 いくつかの実施形態において、前記動的データベース構成要素中のデータは、リアルタイムで更新される。いくつかの実施形態において、前記動的データベース構成要素中のデータは、集団中の個人の病態の表示を含む。前記個人の病態の表示は、バイオマーカー、生理学的パラメータまたはこれらの組み合わせの測定により、決定され得る。 本発明によって監視される疾病がインフルエンザである場合、前記バイオマーカー(単数または複数)は、ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼを含む。ヘマグルチニンは、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15およびH16からなる群から選択することができ、ノイラミニダーゼは、N1、N2、N3、N4、およびN5からなる群から選択することができる。いくつかの実施形態において、ヘマグルチニンはH1を含み、ノイラミニダーゼはN1を含む。いくつかの実施形態において、ヘマグルチニンはH5を含み、ノイラミニダーゼはN1を含む。 本発明によって測定さえるバイオマーカーは、ホスト抗体であり得る、例えば、前記バイオマーカーは、疾病マーカーに対するIgM抗体、IgG抗体またはIgA抗体であり得る。 いくつかの実施形態において、前記バイオマーカーは、炎症マーカーを含む。このような炎症マーカーは、サイトカインまたはC反応性タンパクであり得る。前記炎症マーカーはまた、IL−1β、IL−6、IL−8、IL−10またはTNFαであり得る。 いくつかの実施形態において、前記バイオマーカーは、前記個人からの体液サンプル中において測定される。例示的な体液を非限定的に挙げると、血液、血漿、血清、痰、尿、糞便、精液、粘液、リンパ液、唾液、または鼻洗浄液がある。 いくつかの実施形態において、本発明によって測定される生理学的パラメータは、体重、体温、心拍、血圧、可動性、水分補給、ECG、または飲酒のうちの1つ以上を含む。 前記バイオマーカーまたは生理学的パラメータは、ポイントオブケア機器を用いて決定することができる。前記ポイントオブケア機器は、前記コンピュータモデル化構成要素によって決定された指示に従って、配備することができる。前記ポイントオブケア機器は、カートリッジアッセイ、リアルタイムPCR、迅速抗原検査、ウイルス培養および免疫アッセイのうち1つ以上を非限定的に行い得る。前記ポイントブケア機器は、2つ以上のバイオマーカーの測定を、標準的方法の精度および/または精密度よりも30%を越えて向上した精度および/または精密度で行うことができる。いくつかの実施形態において、前記システムは、複数のポイントオブケア機器を含む。前記ポイントブケア機器は、以下のうちの1つ以上に配置することができる:学校、職場、ショッピングセンター、コミュニティセンター、宗教法人、病院、診療所、モバイルユニットまたは家庭。 前記ポイントオブケア機器は、ポータブル器具を含み得る。例えば、前記ポイントオブケア機器は、ポータブルカートリッジを含み得る。いくつかの実施形態において、前記カートリッジは、バイオマーカー(単数または複数)を測定するための試薬を受容するように構成される。前記バイオマーカー(単数または複数)は、前記コンピュータモデル化構成要素から通信されたプロトコルに従って測定され得る。いくつかの実施形態において、前記カートリッジは、複数の体液サンプルからの1組のバイオマーカを測定するように構成される。 本発明のポイントオブケア機器は、データ入力のために構成されたグラフィカルユーザインターフェースを含み得る。 いくつかの実施形態において、前記ポイントオブケア機器は、バイオマーカーまたは生理学的パラメータ測定結果を記コンピュータモデル化構成要素へと通信するように、構成される。前記通信は、無線通信、有線通信またはこれらの組み合わせを含み得る。無線通信を非限定的に挙げると、WiFi、ブルートゥース、ジグビー、セルラー、衛星および/またはWWANがある。前記通信は、セキュアなインターネット通信を介して行われ得る。いくつかの実施形態において、前記ポイントオブケア機器は、前記コンピュータモデル化構成要素との双方向通信を行うように、構成される。 本発明のシステムのいくつかの実施形態において、更新された動的データが利用可能となったとき(例えば、前記コンピュータモデル化構成要素が更新された情報をポイントオブケア機器から受信した後)、モデル化結果がリアルタイムで更新される。 前記コンピュータモデル化構成要素は、医療専門家、政府機関および個々のヒト対象のうち1人以上へモデル化結果を提示するように構成することができる。前記コンピュータモデル化構成要素はまた、前記モデル化結果に基づいて1つ以上の行動指針を予測するように構成することができる。前記1つ以上の行動指針は、ランク付けパラメータ(例を非限定的に挙げると、経済的理由、罹患する個人の数、質調整生存年(QALY)、および/または経済的損失あたりの質調整生存年(QALY)に従ってランク付けされる。 前記1つ以上の行動指針は、病害拡大を抑制するための戦略を含む。前記病害拡大を抑制するための戦略は、家庭内隔離、個人隔離、地理的隔離、社会距離戦略、入院、学校閉鎖、職場閉鎖、旅行制限、公共輸送閉鎖、治療または介入、予防的治療または介入、ワクチン接種、保護衣の提供、マスクの提供、およびさらなるポイントオブケア検査のうち1つ以上を含み得る。前記病害拡大を抑制するための戦略は、有リスク個人または罹患した個人への行動修正についてのカウンセリング、複数回のバイオマーカー測定および/または生理学的測定、および前記個人に対する報酬のうち1つ以上をさらに含み得る。さらに、前記病害拡大を抑制するための戦略は、患者トリアージ推奨、資源管理、各戦略における有効性期待係数、各戦略のコスト、各戦略における投資利益のうち1つ以上を含み得る。前記病害拡大を抑制するための戦略は、的を絞った予防、一括予防、的を絞った抗生予防、一括抗生予防、的を絞った抗ウイルス予防、一括抗ウイルス予防、的を絞ったワクチン接種、および一括ワクチン接種のうち1つ以上であり得る。前記的を絞った予防またはワクチン接種は、1歳〜4歳の子ども、5歳〜14歳の子ども、妊婦、15歳〜30歳の若者、第一線の医療従事者、高死亡危険性が判明している個人、または高齢の個人を対象とする予防またはワクチン接種であり得る。 本発明のいくつかの実施形態において、前記コンピュータモデル化構成要素は、前記モデル化結果に基づいて監視戦略を推定するように構成される。前記監視戦略は、ポイントオブケア機器を用いて、個人または個人のグループの状態を決定することを含み得る。疾病に罹患した個人が検出された際、前記監視戦略を更新することができる。いくつかの実施形態において、前記更新された戦略は、疾病に罹患した個人を含む家庭を検査すること、疾病に罹患した個人を含む学校を検査すること、疾病に罹患した個人を含む職場を検査することのうち1つ以上を含む。前記更新された戦略は、さらに隔離、予防または入院のうち1つ以上であり得る。 いくつかの実施形態において、前記コンピュータモデル化構成要素は、ユーザにモデル化結果を表示するためのグラフィカルインターフェースを含む。 前記コンピュータモデル化構成要素は、複数の非線形常微分方程式および/または複数のパラメータを含み得る。いくつかの実施形態において、前記コンピュータモデル化構成要素は、前記静的データおよび/または動的データが更新された際に前記複数のパラメータを更新する学習機械を含む。 前記データのモデルは、複数の状態を含むように構成され得る。いくつかの実施形態において、前記複数の状態は、以下のうち1つ以上を含む:感染しやすい個人、早期に曝露された個人、後期に曝露された個人、早期に感染した個人、後期に感染した個人、回復した個人、感染および/または関連する合併症に起因して死亡した個人、無症状の個人、治療が施された個人、治療が施されかつ隔離された個人、予防的治療が施された個人、ワクチン投与された個人、ワクチン接種によって保護された個人、早期に感染した個人のうち入院した個人、後期に感染した個人のうち入院した個人、感染しやすい個人のうち家庭内隔離された個人、早期に曝露された個人のうち家庭内隔離された個人、後期に曝露された個人のうち家庭内隔離された個人、早期に感染した個人のうち家庭内隔離された個人、後期に感染した個人のうち家庭内隔離された個人、無症状の個人のうち家庭内隔離された個人、感染しやすい個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、早期に曝露された個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、後期に曝露された個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、早期に感染した個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、後期に感染した個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、無症状の個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、利用可能な治療薬剤の投与量、前記目標集団に対して利用可能な抗ウイルス剤および/または抗生剤の量、ワクチン投与されかつ家庭内隔離された個人、家庭内隔離されかつワクチン接種によって保護された個人、家庭内隔離されかつ回復した個人、感染しやすい個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、早期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、後期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、無症状の個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、早期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、後期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、予防治療が施された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、ワクチン投与された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、保護された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、回復した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、感染しやすい個人のうち治療が割り当てられた個人、早期に曝露された個人のうち治療が割り当てられた個人、後期に曝露された個人のうち治療が割り当てられた個人、無症状の個人のうち治療が割り当てられた個人、早期に感染した個人のうち治療が割り当てられた個人、後期に感染した個人のうち治療が割り当てられた個人、感染しやすい個人のうち監視が割り当てられた個人、早期に曝露された個人のうち監視が割り当てられた個人、後期に曝露された個人のうち監視が割り当てられた個人、無症状の個人のうち監視が割り当てられた個人、早期に感染した個人のうち監視が割り当てられた個人、後期に感染した個人のうち監視が割り当てられた個人、予防対象となる個人のうち監視が割り当てられた個人、ワクチン投与された個人のうち監視が割り当てられた個人、保護された個人のうち監視が割り当てられた個人、近隣全体隔離内の感染しやすい個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の早期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の後期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の無症状の個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の早期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の後期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の予防治療が施された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、治療投与量の累積数、投与された抗ウイルス剤および/または抗生剤の累積数、家庭内隔離された無症状の個人の累積数、家庭内隔離されかつ症状を示す個人の累積数、感染した個人の合計累積数、感染した個人のうち隔離されていない個人の累積数、感染した個人のうち何らかの措置がとられた個人の累積数、入院した個人の累積数、および死亡累積数。 別の態様において、本発明は、集団内におけるインフルエンザの流行を抑制するシステムを提供する。前記システムは、前記インフルエンザおよび/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内の前記インフルエンザの発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素とを含む。 さらに別の態様において、本発明は、集団内におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の流行を抑制するためのシステムを提供する。前記システムは、前記HIVおよび/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内のHIVの発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素とを含む。 さらに別の態様において、本発明は、集団内における肝炎の流行を抑制するシステムを提供する。前記システムは、前記肝炎および/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内における前記肝炎の発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素とを含む。 態様において、本発明は、集団内における糖尿病の拡散を制御するためのシステムを提供する。前記システムは、前記糖尿病に関連する静的データおよび/または前記集団を含む静的データベース構成要素と、前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内における前記糖尿病の発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素とを含む。本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。(項目1) 集団内における疾病進行をモデル化するためのシステムであって、(a)前記疾病および/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、(b)前記集団および個々の対象に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、(c)前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化し、それにより前記集団内における前記疾病をモデル化するするように構成されたコンピュータモデル化構成要素と、を含む、システム。(項目2) 前記疾病は、伝染病または慢性疾病である、項目1に記載のシステム。(項目3) 前記病原体またはその分析物は、アデノウイルス、百日咳、クラミジア肺炎、クラミジアトラコマチス、コレラ毒素、コレラ毒素β、カンピロバクタージェジュニ、サイトメガロウイルス、ジフテリア毒素、エプスタインバーNA、エプスタインバーEA、エプスタインバーVCA、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス(HBV)コア、B型肝炎ウイルス(HBV)エンベロープ、B型肝炎ウイルス(HBV)表面(Ay)、C型肝炎ウイルス(HCV)コア、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3、C型肝炎ウイルス(HCV)NS4、C型肝炎ウイルス(HCV)NS5、A型肝炎、D型肝炎、E型肝炎ウイルス(HEV)orf2−3KD、E型肝炎ウイルス(HEV)orf2−6KD、E型肝炎ウイルス(HEV)orf3−3KD、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1p24、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1gp41、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1gp120、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルスHSV−1/2、単純ヘルペスウイルスHSV−1gD、単純ヘルペスウイルスHSV−2gG、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)−1/2、インフルエンザA、インフルエンザAH3N2、インフルエンザB、ドノバンリーシュマニア、ライム病、おたふく風邪、肺炎マイコプラズマ、結核菌、パラインフルエンザ1、パラインフルエンザ2、パラインフルエンザ3、ポリオウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、風疹、麻疹、ストレプトリジンO、破傷風毒素、梅毒トレポネーマ15kd、梅毒トレポネーマp47、クルーズトリパノソーマ、トキソプラズマ、または水痘帯状疱疹を含む、項目0に記載のシステム。(項目4) 前記疾病は、微生物、細菌、ウイルス、バクテリア、古細菌、原生動物、原生生物、真菌または微小植物を含む伝染病である、項目0に記載のシステム。(項目5) 前記ウイルスは、インフルエンザまたはHIVを含む、項目4に記載のシステム。(項目6) 前記バクテリアはヒト型結核菌を含む、項目4に記載のシステム。(項目7) 前記原生動物はマラリアを含む、項目4に記載のシステム。(項目8) 前記疾病は、慢性疾病であるか、または、糖尿病、前糖尿病、インスリン耐性、代謝異常、肥満または心血管疾患を含む状態である、項目0に記載のシステム。(項目9) 前記静的データベース構成要素は、前記集団中の個人に関する情報を含む、項目1に記載のシステム。(項目10) 前記集団中の個人に関する情報は、年齢、人種、性別、場所、遺伝因子、単一ヌクレオチド多型(SNP)、家族歴、病歴または治療歴のうち1つ以上を含む、項目9に記載のシステム。(項目11) 前記静的データベース構成要素は、前記疾病に関する情報を含む、項目1に記載のシステム。(項目12) 前記疾病に関する前記情報は、病原性、伝染性、感染形態、治療有効性、ワクチン有効性、死亡率、回復期間、治療コスト、感染性、感染速度、突然変異率、および過去の大発生のうち1つ以上を含む、項目11に記載のシステム。(項目13) 前記動的データベース構成要素中のデータは、リアルタイムで更新される、項目1に記載のシステム。(項目14) 前記動的データベース構成要素中のデータは、前記集団中の個人の病態の表示を含む、項目1に記載のシステム。(項目15) 個人の病態の表示は、バイオマーカー、生理学的パラメータまたはこれらの組み合わせの測定によって決定される、項目14に記載のシステム。(項目16) 前記疾病はインフルエンザであり、前記バイオマーカーは、ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼを含む、項目15に記載のシステム。(項目17) 前記ヘマグルチニンは、H1、H2、H3、H4、H5、H6、H7、H8、H9、H10、H11、H12、H13、H14、H15、およびH16からなる群から選択され、前記ノイラミニダーゼは、N1、N2、N3、N4およびN5からなる群から選択される、項目16に記載のシステム。(項目18) 前記ヘマグルチニンはH1を含み、前記ノイラミニダーゼはN1を含む、項目17に記載のシステム。(項目19) 前記ヘマグルチニンはH5を含み、前記ノイラミニダーゼはN1を含む、項目17に記載のシステム。(項目20) 前記バイオマーカーはホスト抗体を含む、項目15に記載のシステム。(項目21) 前記バイオマーカーは、疾病マーカーに対するIgM抗体、IgG抗体またはIgA抗体を含む、項目20に記載のシステム。(項目22) 前記バイオマーカーは、炎症マーカーを含む、項目15に記載のシステム。(項目23) 前記炎症マーカーは、サイトカインまたはC反応性タンパクを含む、項目22に記載のシステム。(項目24) 前記炎症マーカーは、IL−1β、IL−6、IL−8、IL−10またはTNFαを含む、項目23に記載のシステム。(項目25) 前記バイオマーカーは、前記個人からの体液サンプル中において測定される、。項目15に記載のシステム。(項目26) 前記体液は、血液、血漿、血清、痰、尿、糞便、精液、粘液、リンパ液、唾液または鼻洗浄液を含む、項目25に記載のシステム。(項目27) 前記生理学的パラメータは、体重、体温、心拍、血圧、可動性、水分補給、ECGまたは飲酒のうち1つ以上を含む、項目15に記載のシステム。(項目28) 前記バイオマーカーまたは生理学的パラメータは、ポイントオブケア機器を用いて決定される、項目15に記載のシステム。(項目29) 前記ポイントオブケア機器は、カートリッジアッセイ、リアルタイムPCR、迅速抗原検査、ウイルス培養および免疫アッセイのうち1つ以上を行う、項目28に記載のシステム。(項目30) 前記システムは、複数のポイントオブケア機器を含む、項目28に記載のシステム。(項目31) 前記ポイントオブケア機器は、学校、職場、ショッピングセンター、コミュニティセンター、宗教法人、病院、診療所、モバイルユニットまたは家庭のうちの1つ以上に配置される、項目28に記載のシステム。(項目32) 前記ポイントオブケア機器はポータブル器具を含む、項目28に記載のシステム。(項目33) 前記ポイントオブケア機器はポータブルカートリッジを含む、項目28に記載のシステム。(項目34) 前記カートリッジは、バイオマーカーを測定するための試薬を受容するように構成される、項目33に記載のシステム。(項目35) 前記カートリッジは、前記コンピュータモデル化構成要素から通信されたプロトコルに基づいて前記バイオマーカーを測定するように構成される、項目33に記載のシステム。(項目36) 前記カートリッジは、複数の体液サンプルからの1組のバイオマーカーを測定するように構成される、項目28に記載のシステム。(項目37) 前記ポイントオブケア機器は、2つ以上のバイオマーカーの測定を標準的方法よりも30%を越えてより高い精度および/または精密度で行う、項目28に記載のシステム。(項目38) 前記ポイントオブケア機器は、データを入力するように構成されたグラフィカルユーザインターフェースを含む、項目28に記載のシステム。(項目39) 前記ポイントオブケア機器は、前記バイオマーカーまたは生理学的パラメータ測定結果を前記コンピュータモデル化構成要素へと通信するように構成される、項目28に記載のシステム。(項目40) 前記通信は、無線通信、有線通信、またはこれらの組み合わせである、項目39に記載のシステム。(項目41) 前記無線通信は、WiFi、ブルートゥース、ジグビー、セルラー、衛星、および/またはWWANを含む、項目40に記載のシステム。(項目42) 前記通信は、セキュアなインターネット通信を含む、項目39に記載のシステム。(項目43) 前記ポイントオブケア機器は、前記コンピュータモデル化構成要素との双方向通信を行うように構成される、項目28に記載のシステム。(項目44) 前記ポイントオブケア機器は、前記コンピュータモデル化構成要素によって決定された命令に従って配備される、項目28に記載のシステム。(項目45) 更新された動的データが利用可能となった場合、前記モデル化結果がリアルタイムで更新される、項目1に記載のシステム。(項目46) 前記コンピュータモデル化構成要素は、医療専門家、政府機関および個々の対象者のうち1つ以上に対して前記モデル化結果を提示するように構成される、項目1に記載のシステム。(項目47) 前記コンピュータモデル化構成要素は、前記モデル化結果に基づいて1つ以上の行動指針を予測するように構成される、項目1に記載のシステム。(項目48) 前記1つ以上の行動指針は、ランク付けパラメータに従ってランク付けされる、項目47に記載のシステム。(項目49) 前記ランク付けパラメータは、経済的理由、影響を受ける個人の数、質調整生存年(QALY)および/または経済的損失単位あたりの質調整生存年(QALY)を含む、項目48に記載のシステム。(項目50) 前記1つ以上の行動指針は、病害拡大を抑制するための戦略を含む、項目47に記載のシステム。(項目51) 前記病害拡大を抑制するための戦略は、家庭内隔離、個人隔離、地理的隔離、社会距離戦略、入院、学校閉鎖、職場閉鎖、旅行制限、公共輸送閉鎖、治療または介入、予防的治療または介入、ワクチン接種、保護衣の提供、マスクの提供、およびさらなるポイントオブケア検査のうち1つ以上を含む、項目50に記載のシステム。(項目52) 前記病害拡大を抑制するための戦略は、有リスクの個人または罹患した個人のための行動修正のためのカウンセリング、複数回のバイオマーカー測定および/または生理学的測定、および前記個人に対する報酬のうち1つ以上を含む、項目50に記載のシステム。(項目53) 前記病害拡大を抑制するための戦略は、患者トリアージ推奨、資源管理、各戦略の有効性期待係数、各戦略のコスト、各戦略における投資リターンのうち1つ以上を含む、項目50に記載のシステム。(項目54) 前記病害拡大を抑制するための戦略は、的を絞った予防、一括予防、的を絞った抗生予防、一括抗生予防、的を絞った抗ウイルス予防、一括抗ウイルス予防、的を絞ったワクチン接種、および一括ワクチン接種のうち1つ以上を含む、項目50に記載のシステム。(項目55) 的を絞った予防またはワクチン接種は、1歳〜4歳の子ども、5歳〜14歳の子ども、妊婦、15歳〜30歳の若者、第一線の医療従事者、高死亡危険性が判明している個人、または高齢の個人に的を絞った予防またはワクチン接種を含む、項目54に記載のシステム。(項目56) 前記コンピュータモデル化構成要素は、前記モデル化結果に基づいて監視戦略を推定するように構成される、項目1に記載のシステム。(項目57) 記監視戦略は、個人または個人のグループの疾病状態をポイントオブケア機器を用いて決定するステップを含む、項目56に記載のシステム。(項目58) 疾病に罹患した個人が検出された際、前記監視戦略が更新される、項目56に記載のシステム。(項目59) 前記更新された戦略は、前記疾病に罹患した個人を含む世帯を検査すること、前記疾病に罹患した個人を含む学校を検査すること、および前記疾病に罹患した個人を含む職場を検査することのうち1つ以上を含む、項目58に記載のシステム。(項目60) 前記更新された戦略は、隔離、予防または入院のうち1つ以上を含む、項目58に記載のシステム。(項目61) 前記コンピュータモデル化構成要素は、ユーザにモデル化結果を表示するためのグラフィカルインターフェースを含む、項目1に記載のシステム。(項目62) 前記コンピュータモデル化構成要素は、複数の非線形常微分方程式を含む、項目1に記載のシステム。(項目63) 前記データの前記モデルは、複数のパラメータを含む、項目1に記載のシステム。(項目64) 前記コンピュータモデル化構成要素は、前記静的データおよび/または動的データが更新された際、前記複数のパラメータを更新する学習機械を含む、項目63に記載のシステム。(項目65) 前記データのモデルは、複数の状態を含む、項目1に記載のシステム。(項目66) 前記複数の状態は、感染しやすい個人、早期に曝露された個人、後期に曝露された個人、早期に感染した個人、後期に感染した個人、回復した個人、感染および/または関連する合併症に起因して死亡した個人、無症状の個人、治療が施された個人、治療が施されかつ隔離された個人、予防的治療が施された個人、ワクチン投与された個人、ワクチン接種によって保護された個人、早期に感染した個人のうち入院した個人、後期に感染した個人のうち入院した個人、感染しやすい個人のうち家庭内隔離された個人、早期に曝露された個人のうち家庭内隔離された個人、後期に曝露された個人のうち家庭内隔離された個人、早期に感染した個人のうち家庭内隔離された個人、後期に感染した個人のうち家庭内隔離された個人、無症状の個人のうち家庭内隔離された個人、感染しやすい個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、早期に曝露された個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、後期に曝露された個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、早期に感染した個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、後期に感染した個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、無症状の個人のうち近隣全体単位で隔離された個人、利用可能な治療薬剤の投与量、前記目標集団に対して利用可能な抗ウイルス剤および/または抗生剤の量、ワクチン投与されかつ家庭内隔離された個人、家庭内隔離されかつワクチン接種によって保護された個人、家庭内隔離されかつ回復した個人、感染しやすい個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、早期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、後期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、無症状の個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、早期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、後期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、予防治療が施された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、ワクチン投与された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、保護された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、回復した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、感染しやすい個人のうち治療が割り当てられた個人、早期に曝露された個人のうち治療が割り当てられた個人、後期に曝露された個人のうち治療が割り当てられた個人、無症状の個人のうち治療が割り当てられた個人、早期に感染した個人のうち治療が割り当てられた個人、後期に感染した個人のうち治療が割り当てられた個人、感染しやすい個人のうち監視が割り当てられた個人、早期に曝露された個人のうち監視が割り当てられた個人、後期に曝露された個人のうち監視が割り当てられた個人、無症状の個人のうち監視が割り当てられた個人、早期に感染した個人のうち監視が割り当てられた個人、後期に感染した個人のうち監視が割り当てられた個人、予防対象となる個人のうち監視が割り当てられた個人、ワクチン投与された個人のうち監視が割り当てられた個人、保護された個人のうち監視が割り当てられた個人、近隣全体隔離内の感染しやすい個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の早期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の後期に曝露された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の無症状の個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の早期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の後期に感染した個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、近隣全体隔離内の予防治療が施された個人のうち軽減方針アクションが割り当てられた個人、治療投与量の累積数、投与された抗ウイルス剤および/または抗生剤の累積数、家庭内隔離された無症状の個人の累積数、家庭内隔離されかつ症状を示す個人の累積数、感染した個人の合計累積数、感染した個人のうち隔離されていない個人の累積数、感染した個人のうち何らかの措置がとられた個人の累積数、入院した個人の累積数、および死亡累積数のうち1つ以上を含む、項目65に記載のシステム。(項目67) 集団内におけるインフルエンザの流行を抑制するシステムであって、 (a)前記インフルエンザおよび/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、 (b)前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、 (c)前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内の前記インフルエンザの発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素と、を含む、システム。(項目68) 集団内におけるヒト免疫不全ウイルス(HIV)の流行を抑制するためのシステムであって、 (a)前記HIVおよび/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、 (b)前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、 (c)前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内における前記HIVの発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素と、を含む、システム。(項目69) 集団内における肝炎の流行を抑制するためのシステムであって、 (a)前記肝炎および/または前記集団に関連する静的データを含む静的データベース構成要素と、 (b)前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、 (c)前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内における前記肝炎の発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素と、を含む、システム。(項目70) 集団内における糖尿病の拡散を抑制するためのシステムであって、 (a)前記糖尿病に関連する静的データおよび/または前記集団を含む静的データベース構成要素と、 (b)前記集団に関する動的データを含む動的データベース構成要素と、 (c)前記静的データベース構成要素および前記動的データベース構成要素中の前記データをモデル化することで、前記集団内における前記糖尿病の発生をモデル化するように構成されたコンピュータモデル化構成要素と、を含む、システム。 参照による援用 本明細書中、本明細書中において言及される全ての公開文献、特許および特許出願を、各個々の公開文献、特許または特許出願が参考のため援用されるべきものとして具体的かつ個々に記載されているかのように、参照により援用する。 本発明の新規な特徴を、添付の特許請求の範囲において詳細に明記する。以下の本発明の原理が用いられる例示的実施形態を明記する詳細な説明および以下の添付図面を参照すれば、本発明の特徴および利点のより深い理解が得られる。簡潔なモデル表現を示す。多様な状態および状態間の遷移を考慮したモデル表現を示す。4つの異なる構成におけるサンドイッチ複合体を用いたH1N1抗原のアッセイを示す。ホスト抗ウイルス抗体のアッセイを示す。ホスト抗H1N1抗体向けのスパイク回復アッセイを示す。図示のバージョンにおいては、α−H1/α−N1構成が用いられている。サンドイッチ複合体を示すα−H1N1抗体向けの直接アッセイを示す。本発明において用いることが可能な例示的な機器を示す。前記例示的な機器は、アッセイユニット、試薬ユニットおよび他のモジュール式構成要素を含む。本発明において用いることが可能な例示的機器の2つの側部が切り欠かれた図を示す。前記例示的な機器は、アッセイユニット、試薬ユニットおよびサンプル先端部を収容するような形状にされた前記機器のハウジング内の空洞を含む。小型先端部または管状形成部を含む例示的なアッセイユニットを示す。本明細書中において記載されるようなサンプル先端部の一例を示す。カップを含む試薬ユニットの1つの例を示す。カップを含む試薬ユニットの1つの例を示す。液体の排出時および別の液体の吸引時における前記先端部内の薄膜(例えば、汚染物)を示す。1つの機器および流体移動機器を含むシステムの一例を示す。温度制御のための加熱ブロックおよび検出器を含む本発明の例示的なシステムを示す。患者が血液を機器へと送達した後、前記機器が読取器内へと挿入される、例示的システムを示す。患者の医学的状態を評価するためのシステムを構築するためのプロセスフローを示す。血漿分離方法の一例を示す。この方法において、全血サンプルをサンプル先端部内に吸引し、磁気試薬を前記サンプルと混合および懸濁し、その後、前記全血サンプルおよび磁気試薬混合物へ磁界を付加する。その後、分離された血液血漿サンプルを機器のウェル内に分配することができる。血漿分離方法の一例を示す。この方法において、全血サンプルをサンプル先端部内に吸引し、磁気試薬を前記サンプルと混合および懸濁し、その後、前記全血サンプルおよび磁気試薬混合物へ磁界を付加する。その後、分離された血液血漿サンプルを機器のウェル内に分配することができる。血漿分離方法の一例を示す。この方法において、全血サンプルをサンプル先端部内に吸引し、磁気試薬を前記サンプルと混合および懸濁し、その後、前記全血サンプルおよび磁気試薬混合物へ磁界を付加する。その後、分離された血液血漿サンプルを機器のウェル内に分配することができる。血漿分離方法の一例を示す。この方法において、全血サンプルをサンプル先端部内に吸引し、磁気試薬を前記サンプルと混合および懸濁し、その後、前記全血サンプルおよび磁気試薬混合物へ磁界を付加する。その後、分離された血液血漿サンプルを機器のウェル内に分配することができる。血漿分離方法の一例を示す。この方法において、全血サンプルをサンプル先端部内に吸引し、磁気試薬を前記サンプルと混合および懸濁し、その後、前記全血サンプルおよび磁気試薬混合物へ磁界を付加する。その後、分離された血液血漿サンプルを機器のウェル内に分配することができる。本明細書中に記載のような、既知の量の対照分析物を含む対照アッセイの例示的方法を示す。ヘルスシールドユーザインターフェースの例示的な実施形態を示す。ヘルスシールド用インターフェースの別の例示的な実施形態を示す。2009年のLaGloria大発生時における、ヘルスシールド軽減方針を用いた場合およびヘルスシールド軽減方針を用いない場合のシミュレーションを示す。糖尿病リスク予測の視覚化を示す。ポイントオブケア機器を用いたH1N1ウイルス粒子の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いた臨床サンプル中のH1N1ウイルス粒子の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いたホスト抗体の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いたホスト抗体の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いたホスト抗体検出のダイナミックレンジを示す。ポイントオブケア機器を用いたヒトサイトカインIL−6の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いた、化学療法を受けている患者中のタンパク質CおよびC反応性タンパク(CRP)の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いた、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)の検出を示す。ポイントオブケア機器を用いた、インスリン前駆体であるC−ペプチドの検出を示す。参照検出システム(Linco)と比較した、カートリッジポイントオブケア機器を用いたC−ペプチドの検出を示す。食物摂取後の三人のヒト対象者中のGLP−1の測定を示す。同一実験経過にわたるC−ペプチドの測定を示す。VEGFR2のアッセイを行うためのアッセイユニットおよび試薬ユニットを相関付ける較正曲線を示す。較正関数を生成するための、アッセイ信号(光子カウント)に対してプロットされたCRP濃度と、5項多項式関数に適合されたデータとを示す。モデルと、本明細書中に記載されるようなパラメータSmax、C0.5およびDの値との間の適合が達成された様子を示す。アッセイ先端において最終濃度を達成するために用いられる希釈のデータを示す。相対希釈:1:1(実線)、5:1(破線)、および25:1(点線)について、正規化されたアッセイ応答(B/Bmax)を正規化log濃度(C/C0.5)に対してプロットした結果を示す。図33と同様の例を異なる正規化濃度で示す。図33と同様の例を異なる正規化濃度で示す。敗血症の個人中のIL−6のスパイクを示す。敗血症の個人中のタンパク質Cの低下を示す。患者(左側パネル)・中のH1N1インフルエンザの負荷増加と共に発生する、個人中のIl−6およびTNF−α(右側パネル)の増加を示す。 1つの実施形態において、本発明は、統合型の保健データ取得、分析および流行病軽減のためのソリューション(本明細書中、ヘルスシールド(HS)と呼ぶ)を提供する。HSは、インフルエンザウイルスおよび風土病または流行病の拡散の原因となり易い他の病原体に起因する感染に対して用いることが可能である。インフルエンザウイルスが大発生した場合、数十億ドルのコスト損失に繋がり、ワクチン接種だけで完全に封じ込めることは現状では不可能である。先行スクリーニングを行うことで、有効な抗ウイルス剤の投与および対象を絞った隔離を行えば、インフルエンザを封じ込めることができ、経済損失も最小化することができる。流行モデルに基づいて本発明のHSを機能させることで、先行サンプリングおよび封じ込めを通じて、ウイルス拡散を(例えば少なくとも50%だけ)低減させることが可能となる。また、HSによりウイルス拡散をリアルタイムで追跡することが可能となるため、不要な回避行動も低減することが可能となる。所望のときに、サーバーで動作しているHSソフトウェアへと検査結果を無線中継することができる。従って、イベントが検出された際、適切な事業体(例えば、地方政府、地域政府および国政府)に警報を通知することで、大発生の可能性の先行管理を行うことが可能となる。 さらなる実施形態において、ヘルスシールドインフラストラクチャにより、戦略的な産業パークおよび商業パークを「安全ゾーン」として提供することが可能となり、これにより、経済的に重要な活動の継続が可能となる。その結果、ウイルスに感染する労働者が少なくなり、ウイルスによって混乱を受ける学校および会社も少なくなる。流行病軽減戦略により、経済成長の動力となる生産性が維持され、パニックによる行動が排除される。 前記システムは、リアルタイムインフォマティックスインフラストラクチャ中に組み込まれる、統合型のサンプリングおよびモデル化技術パッケージソフトを含み得る。長期間にわたり取得されたデータに対してサンプリング、モデル化および学習を行う能力により、疾病のケアおよび管理のための最適な戦略を個人ベースおよび集団ベースにおいて配備することが可能になる。多数の疾病および治療領域に対して、カスタムアプリケーションを構築することが可能となる。前記HSインフラストラクチャを用いれば、伝染病を越えた広範な脅威(例えば、慢性疾病およびバイオテロリズムの脅威)から有る領域を保護することも可能となる。 I.ヘルスシールドインフラストラクチャ ヘルスシールドは、統合型の自動化されかつリアルタイムのサンプリング、モデル化、分析および介入推奨を通じて、伝染病の拡散を封じ込めるシステムを提供する。例えば、前記HSは、(高リスク場所(例えば、学校または人通りの多い商業地域)における先行サンプリングを通じて)大発生のアクティブ事例を特定し、サンプリングおよび防衛手段(例えば、大発生の軽減または根絶のための包囲ケースの隔離)をとることが可能である。HSアルゴリズムにより、森林火災の場合と同様に流行の拡散が特徴付けられ、ここで、THSモデルの軽減方針の目的は、「火災」の発生および拡散前に「ホットスポット」を根絶することおよび/または疾病ホットスポットの周囲に防火帯を生成することである。 いくつかの実施形態において、前記HSは、2つの技術的構成要素、すなわち、現場システム(FS)およびオペレーティングシステム(OS)を含む。保健結果の向上および保健ケアコストの低減を可能とするために、これらの構成要素を慢性疾病の管理に適合させることが可能である。 (a)現場システム(FS) 前記HSの現場システム構成要素は、多様なケアポイント(例を非限定的に挙げると、診療所、公共機関(例えば、学校、コミュニティセンター)、病院、医院または個人宅)において配備させることが可能である。前記FSはまた、疾病を監視するために任意の数のプラットフォーム(例えば、免疫アッセイ、PCRアッセイ、リアルタイムPCR、微生物プレーティングなど)を用いることができる。前記FSは、標準的な医療機器(例えば、体重計、血圧計、温度計、身長計など)も含む。いくつかの実施形態において、前記FS機器は、本明細書中に記載のような、カスタマイズされたポータブルの使い捨てカートリッジを含む。前記FSは、現場での関連データを収集し、前記データを前記OSへと送信する。 いくつかの実施形態において、前記現場システムは、監視対象エリア内において配備される測定機器を含む。いくつかの実施形態において、前記FSは、体液サンプル(例えば、例えば、指先穿刺による血液)をリアルタイムで分析する。前記システムは、感染または疾病の証拠を発見するために、例えば、病原体、核酸、タンパク質、糖タンパク質、脂質、または疾病状態を示すこれらの組み合わせのマーカーの検出により、体液を分析する。いくつかの実施形態において、前記FSは、所与の病原体(例えば、ウイルス株または他の微生物)に対する感染対象者の応答を示す複数のマーカー(例えば、選択された抗原または病原体、前記病原体に向けられた抗体、細胞内または細胞表面のタンパク質または糖タンパク質、およびサイトカインのうち1つ以上)を同時に測定する。前記システムはまた、環境情報、人口学的情報、個人情報および生理学的情報(例えば、温度、血圧)を収集する。いくつかの実施形態において、このような情報は、グラフィカルタッチスクリーンインターフェースを通じて収集される。リモートシステムによって個人化コンテンツを分析することで、軽減戦略をリアルタイムで促進することが可能となる。 いくつかの実施形態において、前記FSは、前記体液に対してアッセイを行うカートリッジを含む。前記機器を非限定的に挙げると非有意リスク機器があり、前記アッセイの検証は、適切なガイドライン(例えば、米国食品医薬品局(FDA)および/または調和国際会議(ICH)から発行されているもの)下において行うことができる。本発明によって用いられるカートリッジについて、米国特許出願第11/389,409号(名称:「POINT−OF−CARE−FLUIDIC SYSTEMS AND USES THEREOF」)、米国特許出願第11/746,535号(名称「REAL−TIME DETECTION OF INFLUENZA VIRUS」)、および米国特許出願第12/244,723号(名称「MODULAR POINT−OF−CAREDEVICES,SYSTEMS,AND USES THEREOF」)中に記載がある。本発明によって用いられるカートリッジについて、以下にさらに詳述する。前記測定システムは自立型であり得、前記システムの作動には、たとえあるとしても、いかなる外部材料もほとんど必要としない。いくつかの実施形態において、FSシステムに対する唯一の要件は、前記器具のための電源である。他の実施形態において、前記電源は、電池、発電機、ソーラー電源または他のポータブル電源の形態で前記FSに提供される。前記カートリッジには所望のアッセイを事前にロードすることができ、前記カートリッジの利用前には準備はほとんど不要であるか全く必要としない。例えば、配備前に一部のまたは全てのアッセイ構成要素を冷蔵庫中に(例えば、約4℃で)保存することができる。 FSプラットフォームは、従来の実験室インフラストラクチャにおいて現在行われている任意の適切なアッセイを実行することができる。新規アッセイを迅速に移し、完全に検証することができる。いくつかの実施形態において、前記HSシステムにとって完全に新規であるアッセイを、約3ヶ月未満、2ヶ月、1ヶ月、3週間、2週間、または約1週間未満の期間内にカスタマイズおよび検証することができる。いくつかの実施形態において、HSシステム上において実行されるアッセイは、FDAICHガイドラインの下で検証される。 前記現場システムは、任意の所望のポイントオブケア(例えば、感染または疾病のリスクがあると疑われるまたは知られている地域)に配置することができる。ポイントオブケア検査(POCT)は、患者近隣検査システムによって規定される。例示的なケアポイントを非限定的に挙げると、家庭、診療所、学校または商業中心地がある。いくつかの実施形態において、前記FSは、モバイルユニット内において配備される。よって、試験を行うために医学的専門家が必ずしも必要されることはないことが理解されるべきである。これを可能にするために、前記FSは、簡単に使用できるように設計することができ、タッチスクリーンでの単純なユーザインターフェースにおいて全ての指示を提供することができる。いくつかの実施形態において、前記システムは、コンピュータの操作能力を持たない個人が自宅で自分自身で検査を行うことができるように、設計される。このような設定において、データをリモートシステム(例えば、以下に記載のようなオペレーティングシステム)へと送ることができ、このシステムを通じて係員などが当該アッセイを監視してプラスの検査結果を知ることが可能となる。いくつかの実施形態において、前記検査およびデータアップロード/分析をリアルタイムで行うことで、封じ込め方策を直ちに開始することができる。 いくつかの実施形態において、前記システムは、公的な場所で配備される。所望であれば、標準的な公衆衛生部門の従業員に訓練を施して、前記検査を実施できるようにすることができる。いくつかの実施形態において、前記システムは、所与の場所における合計訓練時間が最小化できるように、設計される。例えば、現在の配備においては、一箇所あたりの訓練が30分を越えてはならない。しかし、補足的訓練および高度な訓練を必要に応じて行うことが可能である。いくつかの実施形態において、訓練を受けた個人が次に前記システムに関して他者を訓練することも可能である。前記FSは、医学的訓練を受けたことの無い患者が自宅で適切に利用することが可能である。なぜならば、検査は完全自動化設計されており、また、ユーザは、器具上のグラフィカルタッチスクリーンインターフェースを通じて検査プロセスを順に行うことができるからである。いくつかの実施形態において、ユーザに必要なステップは、以下のステップだけである:1)サンプルをカートリッジ中に入れ(例えば、痰またはグルコース監視のために糖尿病管理において用いられるような使い捨てランセットを用いてユーザ自身が実行することが可能な指先穿刺)、次に、2)前記カートリッジを、以下にさらに詳述するような付随する器具に挿入する。 本発明のFSと共に用いられる非限定的なカスタマイズされたカートリッジ機器については、米国特許出願第11/389,409号(名称:「POINT−OF−CARE−FLUIDIC SYSTEMS AND USES THEREOF」)、米国特許出願第11/746,535号(名称)「REAL−TIME DETECTION OF INFLUENZA VIRUS」)、および米国特許出願第12/244,723号(名称:「MODULAR POINT−OF−CARE DEVICES,SYSTEMS,AND USES THEREOF」)で記載される。このような機器について、以下にさらに詳述する。 (b)オペレーティングシステム(OS) 各FS機器から収集されたデータは、ネットワーク接続を通じて(例えば、広帯域、無線、衛星またはセルラーネットワークを介して)、リアルタイムでオペレーティングシステムへとセキュアに送信することができる。当業者であれば、ネットワーク通信は複数のホップを含み得(例えば、FS機器を、広帯域地上通信線を通じてセキュアにワールドワイドウェブへと接続された無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)へと接続することができる)ことを理解する。 いくつかの実施形態において、前記オペレーティングシステムは、当該分野において公知でありかつ市販されている1つ以上のサーバーを含む。このようなサーバーにより、負荷平衡、タスク管理、および前記システムのサーバーまたは他の構成要素のうちの1つ以上の故障時のためにバックアップ容量を提供することが可能となり、これにより、OSの有用性が向上する。当該分野において公知のような記憶ユニットおよびプロセッサユニットの分散ネットワーク上においてサーバーを実行することも可能であり、その場合、本発明によるデータ処理は、ワークステーション(例えば、コンピュータ)上に存在する。OS構成要素のサーバーは、データベースおよびシステムプロセッサを含み得る。データベースは、サーバー内に存在してもよいし、あるいは、前記サーバーからアクセスすることが可能な別のサーバーシステム上に存在してもよい。データベース中の情報はデリケートな情報を含む場合があるため、不正なユーザによるデータベースへのアクセスを防ぐためのセキュリティシステムを実行することができる。 いくつかの実施形態において、前記オペレーティングシステムは、データエンジンを含む。前記データエンジンは、流行または流行病の軽減のための指示を提供するためのデータを所望のソースからインポートする。前記OSは、前記ソースデータを分析に適した標準的フォーマットへと変換することができる。いくつかの実施形態において、前記データエンジンは自己学習型であり、複数の統合されたデータセットをリアルタイムで動的にモデル化する。このOSモデル化アプローチにより、いくつかの恩恵が得られる。例えば、前記モデルを訓練して、多様な計算を行わせることができ、その計算例を非限定的に挙げると、1)個人および集団についての結果の予測、2)提案された介入戦略についての、個人および集団に対する有効性の検討、および2)推奨される介入による社会経済的効果の数値化である。いくつかの実施形態において、前記OSは、リモートインターフェースを介して、遠隔ユーザに利用可能とされる。例えば、前記ユーザは、セキュアなオンラインウェブポータルなどを通じて、前記OSへとアクセスすることができる。 前記OSソフトウェアポータルは、前記ソフトウェアポータルへと送られてくる各新規データポイントから常に学習しているシステムにおける自動モデル化を用いている。これにより、前記システムは、時間と共に予測性を高めていく。いくつかの実施形態において、モンテカルロモデル化アプローチが用いられる。モンテカルロアプローチは、反復ランダムサンプリングに基づいて、結果を演算する。モンテカルロシミュレーションにおいては、確率分布関数のランダムサンプリングをモデル入力としてみなすことで、少数の別個のシナリオの代わりに、数百〜数千の起こりえる結果を検討する。得られた結果から、異なる結果が発生する確率が得られる。いくつかの実施形態において、逆検索および統合パラメータ推定技術を用いることにより、前記ソリューションおよびモデルパラメータセットの再適合/精緻化が達成される。例えば、以下を参照されたい:Sheela,1979−COMPUTER METHODS IN APPLIED MECHANICS AND ENGINEERING19(1979)99−106;Moles,et al.2003−ゲノム Res.200313:2467−2474;Rodriguez−Fernandez,etal.BMC Bioinformatics2006,7:483−500;Barthelmann,etal.2000−Advances in Computational Mathematics12:273-288)。 疫学データのモデル化およびシミュレーションに関する文献は豊富にある。McKendrickモデルの基本となるのは、確率的プロセス(出生プロセス)であり、このプロセスから、制御および疾病拡散についてパラメータ化、調査および最終的に最適化を行うことが可能な一連の微分方程式が得られる。前記プロセスについての適度に簡単明確な分析が、Chiang、C.L.(1978)によって記載されている(An Introduction to Stochastic Processes and Their アプリケーションs.RobertE.Kreiger Publishing Co,Inc.Huntington,NY.p517)。前記プロセスが確率的空間内において確立されかつ適切にパラメータ化された後、集団モーメントおよび/または絶滅確率について陽関数表示を導出することができる。前記プロセスが簡単明快である場合、これらの式をモデル化し、閉形式でまたは数値的に推定することができる。 前記集団が十分に大きく、集団サイズ全体およびシステムダイナミクスと比較して確率的変動が小さい場合、微分方程式系を用いて、病態の拡散および成長をモデル化することが可能となる。例えば、SARSの単純なSIRモデル(感染しやすい、感染した、除去された)が、ChoiおよびPakによって調査されている(JEpidemiolCommunityHealth.2003Oct;57(10):831−5)。曝露を考慮したより複雑なモデルが、特にワクチン接種戦略の最適化について、d’Onofrioによって調査されている(Mathematical Biosciences 179(2002)57-72)。特にインフルエンザについて、Stilianakisら(JInfectDis.1998Apr;177(4):863−73)は、薬剤耐性の成長および病害拡散の特定の局面について検討している。疾病モデル化の他の局面は、拡散動力学(FitzGibbon,et al.,MATHEMATICAL BIOSCIENCES128:131−155(1995))、数学的および数的安定性(Dwyer,et al.,The American Naturalist,150(6):685−707;Inaba,J.Math.Biol.(1990)28:411−434)を含む。 これらの複雑なシステムのソリューションにおいて、シミュレーションは有益なツールである。シミュレーションソリューションに用いられる多数のモデルが存在する。例えば、以下を参照:Longini,etal.,1984,IntJ.Epidemiology.13:496−501;O’Neill,2002.A Tutorial Introduction to Bayesian Inference for Stochastic Models Using Markov Chain Monte Carlo Methods.Math Biosci.180:103−114;Gibson,G.J.1997.Investigating mechanisms of Spatiotemporal Epidemic Spread Using Stochastic Models. Am Phytopathological Society. 87:139−146。特にインフルエンザのシミュレーションについては以下を参照:Timpka,etal.(2005)AMIA2005SymposiumProceedings.729−733。いくつかの実施形態において、流行成長および拡散およびそれに付随するスクリーニングおよび封じ込め戦略のモデルを、費用対効果の保健経済モデル内に埋め込む。例えば、以下を参照:Brandeau,etal.JournalofHealth Economics22(2003)575-598。 本発明による簡潔な例示的なモデル表現を図1に示す。このモデルは、拡散、監視、および軽減と、それに付随する流行/流行病方針管理に関する費用対効果とを記述するように構成することができる。簡潔に言うと、リスクに晒されている集団を多様な状態または状態にセグメント化する(図中、円によって示す)。各状態間のフラックス成分を多様な構成可能なパラメータ(例を非限定的に挙げると、感染速度、監視機構の手段および精度、当面の方針決定)によって変更する。決定プロセスにおいて方針決定者を支援するために、個人負担のコストおよび社会的コスト(例えば、QALY)を前記モデルによって計算し、前記方針決定者に表示することができる。 図1に示すモデルは、決定論的な非線形常微分方程式のシステムを含む。各ノード(または状態)は、表現型特性および疾病特性(例えば、感染度状態)が類似している個人の集団を示す。多様な状態は、異なる場所(例えば、学校、職場、入院、隔離、または家庭内隔離)にいる個人も表すことができる。複数の年齢層(例えば、2歳、3歳、4歳、5歳、6歳、7歳、8歳、9歳、10歳、11歳、12歳、13歳、14歳、15歳、20歳、25歳、30歳、35歳、40歳、45歳、50歳またはこれ以上の年齢層)がモジュール式構造によって表され、これにより、年齢別特性の指定が可能となる。いくつかの一実施形態において、前記モデルにおいては、年齢を離散群内のものとしてではなく連続体内のものとして取り扱う。図1中のノードを接続している図示の矢印は、相互間のフラックスを示す。本明細書中に記載のように、これらのモデルパラメータは、多様なソース(例えば、文献報告、患者データ、以前の大発生)から得られ、データに基づいて所望に推定することができる。モデル予測により、数値化された不確実性に基づいて一定範囲の可能性が得られる。モデル予測が実行される際、前記パラメータは、現場内における実際の結果に応じて連続的にリアルタイムで調整される。例えば、現在の特定の影響を受けている集団に実世界での結果を適用することで、多様な軽減方針の有効性を再評価および調整することができる。 当業者であれば、図1に示すモデルは、任意の数の関連する状態およびパラメータを考慮に入れて拡張することが可能であることを理解する。図2は、より大型のモデル表現を示す。各円は、個人のクラスを示し、各矢印は、1つの状態から別の状態への遷移を示す。1つの状態から別の状態への遷移は、自然の原因または介入(例えば、治療)に起因する変化を示し得る。前記モデルは、病態が関与しない遷移(例えば、多様な群との社会的相互作用の変化)も示し得る。例えば、隔離されている個人は、コミュニティとの関与から、限られた数の個人との関与(例えば、保健ケア従事者または他の介護者のみとの限られた接触)へと遷移し得る。流行発生時におけるモデルパラメータは、最も最近に発生した疾病大発生および最も近い集団学的場所および場所の種類(例えば、都市、農村地域)からのデータから導出することができる。前記モデルは、現在の流行内において収集されたデータによって連続的に精緻化することが可能であり、これにより、漸次的に高精度となる。 図2の上部近隣において、左側から右側のフラックスを、Pi、Si、E1i、E2i、I1i、I2i、RiおよびDiの列によって強調表示している。これらの状態は、疾病拡散モデルを示す。この疾病拡散モデルは、予防的に治療された(例えば、抗ウイルス剤によって治療された)状態(Pi)、感染しやすい個人(Si)の状態、早期に曝露された個人(E1i)の状態、後期に曝露された個人(E2i)の状態、早期症状を示す感染した個人(I1i)の状態、後期症状を示す感染した個人(I2i)の状態、回復したため免疫を保持している可能性のある個人(Ri)の状態、死亡者(Di)の状態を含む。個人は、状態E2iから状態Aiへと遷移し得、これは、当該コミュニティにおける、目前の無症状の感染性部分母集団を示す。あるいは、個人は状態Viへ遷移する場合もある。状態Viは、ワクチン接種を示す。ワクチン投与された状態から、個人は、疑いが晴れかつ免疫を保持している状態Ciに遷移するか、または、無効でありかつ曝露された状態E1iへと遷移し得る。任意の数の個人iを考慮に入れることにより、前記モデルを通じて流行拡散の集団表現を取得することができる。遅延基準E2iおよびI2iは、疾病の時間依存型拡散に対応する。前記疾病拡散モデルの上方のセグメントは、治療方針による影響と、集団の健康および疾病拡散に対する効果とを示し、前記疾病特有拡散の下方のセグメントは、隔離の軽減戦略を示す。前記モデルは、ユーザが規定した能動的監視戦略と、ユーザが規定した軽減戦略と、費用対効果マトリックスとを統合したものであり、意志決定を支援する。いくつかの実施形態において、前記モデルは、次善の疾病軽減を考慮する。例えば、疾病ホットスポットの発生場所が分かった場合でも、当該地域への治療剤の入手のためのロジスティックに遅延が発生し、隔離実行にも遅延が発生する場合がある。これらの遅延に起因して、流行が軽減せずにさらに進行してしまう場合がある。よって、前記モデルは、このような次善の軽減も考慮に入れる。 モデル方程式は、図2中の矢印によって規定する適切にパラメータ化されたフラックス係数で常微分方程式系(ODE)を形成する。前記モデルの基本形態は、ベクトルODEによって以下のように得られる。dX/dt=f(X、t) 式中、Xは、次元化されたベクトルを示し、関数f(X、t)は、図2に示すような混交パラメータのマトリックスおよび機能的相補作用によって示される。図2中のモデルにおいて、前記次元化されたベクトルに対して、80個を越える次元が存在する。当業者であれば、関数fのマトリックスの形式および成分は、図2および本明細書中の説明から得ることが可能であることを理解する。 上記に示した方程式の組は、本明細書中に記載のように、多様な年齢層それぞれに対して繰り返し行われる。7つの年齢層の例について検討してみる。この例において、所与の地理的領域内の各地政学的領域に対して、7組からなる集合体モデルを複製する。その後、このモデルを一般化して、より大きな領域内のより広範な疾病拡散を網羅することができる。例えば、混交マトリックスおよび資源/コスト表をパラメータ化することにより、地域間の移動と、全国レベルの監視および軽減戦略とを考慮に入れることが可能になる。 前記OSによってモデル化され、図1および図2中において示される多様な状態を表1に示す。表1:大発生の記述に用いられる状態の説明および用語体系 本発明のモデルは、監視されている個人、集団および疾病の多数の特性を考慮に入れるように構成することができる。いくつかの実施形態において、前記モデルにおいて、感染力が考慮に入れられる。感染力は、伝播速度とも呼ばれ、疾病が既存の感染した個人から感染しやすい個人へと移っていく速度を指す。いくつかの実施形態において、各感染した個人に対し、2つの属性、すなわち、個人の年齢に基づいた年齢層j、および個人の社会における混交パターンに基づいた混交グループkを付与する。混交パターンを非限定的に挙げると、社会における自由な混交(例えば、学校または職場における混交)、病気などによる欠勤に起因する程度が低下した混交などがある。全集団の年齢層jによる、集団の年齢層にかかる感染力は、以下のように計算することができる。式中、Βは、伝播速度(1日/感染性の個人/感染しやすい個人)θは、異なる年齢層間の混交の乱雑度を規定するパラメータである。:θ=1である場合、相互のやりとりは完全に同類であり、θ=0である場合、相互のやりとりは完全にランダムである。ρiは、年齢層i内における個人の相対感受性である。φ jは、年齢層j内における感染性の個人の相対的感染度である。は、年齢層iの個人と年齢層jの個人ならびに混合グループk間の伝播の原因となる相互やりとりの相対的範囲の差を考慮した重み因子である。は、年齢層jの感染性の個人数である。は、前記集団中の年齢層jおよび混合グループkの個人の合計数である。は、前記集団中の全年齢層の個人の合計数である。 感染力方程式において、相互やりとりの重みを以下に基づいて計算する。1.ある年齢層iの個人が異なる場所(例えば、職場、学校、家庭)において年齢層jおよび混合グループkの個人と共に過ごす時間2. 年齢層jおよび混合グループkの個人のうち、年齢層iの個人との伝播の原因となり得る接触をする個人の数 上記パラメータのうちは、流行の進展、軽減方針の発動またはこれら両方に起因して、時間とともに動的に変化し得る。 前記OSモデルは、大発生に際しての医学的政策決定方針を導く複数の軽減方針を含み得る。これらの方針は、利用可能な資源を最適に利用できるように、各特定の設定(例えば、地理的場所および疾病または病原体)についてモデル化することができる。履歴データから推測可能な現実的な有効性/適合性で、各方針を発動させることが可能である。前記モデルを用いれば、多様な軽減方針を実行した場合の結果を予測することができ、これにより、適切な個人に対して提案応答を提供することができる。例示的な非限定的軽減方針を表2中に列挙する。表2:前記モデル中に示される軽減方針 軽減方針に加えて、前記OSモデルは、多様な異なる技術を用いた監視を行った際に当該現場において得られた結果を取り入れることができる。例を挙げると、本明細書中に記載のカートリッジシステム、迅速な抗原検査、免疫蛍光検査、免疫アッセイ、リアルタイムPCR、ウイルス培養検査、生理学的方策、尿および血液の精密検査などがある。前記モデルは、無症状の個人および症状を示す個人双方からのサンプルについての各検査の感受性および特異度の表現を含む。加えて、異なる検査におけるターンアラウンドタイムも前記モデル中に含めることができる。 各特定のシステムに応じて、多様な形態の監視戦略を前記モデル中に含めることができる。1つの実施形態において、監視は、自主的検査について報告している個人の検査を含む。前記監視は、複数の集団集団に対して行うことができる。複数の集団集団の例を以下に非限定的に挙げる。・1歳〜4歳の子ども・5歳〜14歳の子ども・妊婦・15歳〜30歳の若者・第一線の医療従事者・高死亡危険性が判明している個人・高齢者・30〜60歳の中年の個人 前記検査方法またはこれらの組み合わせのうち任意のものを用いて、これらの集団グループそれぞれを検査することができる。前記モデルにおいて、自主検査についての報告がある無症状の個人および症状を示す個人の異なる比率を考慮することができる。 別の実施形態において、監視は、エンドユーザによって規定されるような任意の監視方針の実行に基づいた検査を含む。前記モデルによって取得される監視方針のカタログは、以下を非限定的に含む。・家庭内監視:兆候確認事例に基づいた、家庭全体の検査・学校監視:兆候確認事例に基づいた、学校の子どもの検査・職場監視:兆候確認事例に基づいた、従業員の検査監視検査の結果特定された確認事例については、適切な対策として隔離、予防または入院の措置をとることができる。 いくつかの実施形態において、前記HSにより、最適なスクリーニングおよび封じ込め戦略を実行するための適切な流行モデルの選択、パラメータ化および/または探索のためのこれらの方法を用いた自動分析が可能となる。前記モデルは、費用対効果についての保健経済モデルに基づいて変更することができる。いくつかの実施形態において、前記モデルは、異種の集団における感染性病原体の拡散を予測するように構成される。前記モデルは、地域人口学的要素および個人リスク要因を考慮することができる。以下にさらに詳述するように、1つの実施形態において、前記モデルにより、非限定的に以下を含む保健ケア軽減方針の評価が可能となる:a)監視/検査戦略、b)入院、家庭内隔離および隔離方針、c)予防ワクチン接種および治療方針(例えば、抗ウイルス治療)、ならびにd)社会距離戦略方策(例えば、学校閉鎖および職場閉鎖)。 感染性大発生の動態に加えて、前記モデルを用いれば、代替的軽減アプローチの比較によって、コスト評価および確保できる質調整生存年(QALY)の評価も可能となる。前記モデルは、非経済的コスト方策も考慮に入れるように構成することができる。前記モデルは、経済コスト、一時的コストまたは他の要素に基づいて、異なる誤りと関連付けられたコストを調整するように構成することができ、これにより、モデルに起因して発生する誤りのコストを最小にすることができる。例えば、前記モデルは、感染した個人の誤診について高コストを割り当てることができ、これにより、軽減戦略の実施が回避される。その後、前記モデルは、このような誤りの回避に重点をおいて調整され得る。同様に、慢性状態の誤診についてのコストはより低い。なぜならば、慢性状態の個人については、疾病が進行するまでに何度も検査を受け得るからである。流行の場合、予測は、個人的事例だけにでなく、異なる地域内の集団にも関連する。大規模な複数組の人口学的データに基づいて、HS分析システムは、治療およびアッセイ送達双方について最適化されたリスクおよびコストを予測するように構成することができる。例えば、予測されるリスクが低い場所については、予測されるリスクがより高い場所よりもよりサンプリング数を少なくすることができる。 前記OSは、特定のイベントが検出された際にトリガされるように構築されたアクションを有する。例えば、感染した個人が検出された際、警報を政府係員へと送ることができる。事例が検出された場合、臨床医へ電話、eメールまたはファックスにより自動通知するように規則を設定することができる。また、前記検出された個人および接触者(例えば、家族、同僚、または前記個人と過去数日間、数週間、数ヶ月間または数年間の期間内において接触したことのある任意の人物)にも通知を出すこができる。アクションを起動させる規則のカスタマイズは、状況の必要性に応じて配備前または監視期間内に行うことができる。 前記OSモデルはまた、前記FSから受信されたデータについてサニティーチェックおよび異常値チェックを行う。いくつかの実施形態において、前記データ中において変動またはノイズが特定された際、アクションがとられる。いくつかの実施形態において、異常値が検出された際、個人のアッセイが繰り返される。 いくつかの実施形態において、前記OSモデルは、個人および集団についての結果を予測することができる。いくつかの実施形態において、前記モデルは、予測(例えば、感染に対する反応、個人または集団に対する最適な治療投薬計画および予測されるウイルス拡散)を実際の履歴データ(例えば、春期インフルエンザシーズンからのデータ)とマッチングを行う。いくつかの実施形態において、前記モデルは、個人および集団に対する介入戦略提案、例えば、先制的な抗ウイルス剤治療の使用、反応性抗ウイルス治療、隔離、入院、目標を絞った閉鎖、ならびに主要ホテル、レストラン、学校、製造工場および他の場所内における「安全ゾーン」の確立の有効性を考慮する。前記モデルはまた、推奨される介入が各事例においてとられた場合における社会経済的効果(例えば、個人負担額、救われる生命、生産性が失われる日数など)を数値化することができる。 いくつかの実施形態において、前記現場システムおよびOSをカスタマイズすることで、多様な設定に合わせたソリューションを提供することができる。これにより、前記システムは、結果の向上およびケアコストの低減を提供することができる。例えば、前記FSおよびOSは、薬剤会社およびバイオテクノロジー会社ならびに消費者に対して保健監視ソリューションを提供することができる。II.ヘルスシールドの配備 いくつかの実施形態において、ヘルスシールドは、完全統合型の診断/患者保健記録/電子医学的記録プラットフォームを含む。配備された現場システム機器はポータブル構成とすることができるため、例を非限定的に挙げると、診療所、公共機関(例えば、学校、コミュニティセンター)、病院、医院または個人宅を含む多様なケアポイントにおいて配備することができる。本明細書中に記載のように、ポータブルFS機器は、ネットワークに無線接続するように構成することが可能であるため、動力確保のために任意選択のケーブルしか必要としない。いくつかの実施形態において、ネットワークがウェブポータルへと接続され、ここで、アッセイデータがリアルタイムで送られる。前記FSシステムは、ケアセンター近隣の都市環境において配備することができ、例えば患者が最近隣の医療診療所から離隔位置に居住している場合でも、同一機器をリモート設定で配備することができる。 前記FSアッセイの性能はアッセイ毎に異なるが、全検査は、(例えば、高特異度および感受性を通じた)高精度を目標として配備される。いくつかの実施形態において、特異度は、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%を越えるかまたは約99%を越える。いくつかの実施形態において、特異度は、100%に近い。いくつかの実施形態において、感受性は、約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%を越えるかまたは約99%を越える。いくつかの実施形態において、感受性は、100%に近い。アッセイの正確な性能は、複数の要素に依存し、それには、限定されないが、検出されたマーカーの性能、ユーザの技能および機器固有のアッセイ性能が挙げられる。いくつかの実施形態において、前記FSシステムは、高度にユーザフレンドリーとなるように設計されているため、有効な動作のための技能はほとんど不要である。アッセイ実施に必要な時間も、配備時の使用状態によって異なる。各システムは、配備目標を達成するように最適にカスタマイズされるため、仕様も全て相応に設定される。いくつかの実施形態において、アッセイはわずか数分間で終了する(例えば、約30分、25分、20分、15分、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分未満または約1分未満)。いくつかの実施形態において、前記HSは、広範囲の検査にわたって、現在の集中型の実験室検査分析よりも高性能である。 本発明のアッセイは、有利にも1組のマーカーを調査することができる。いくつかの実施形態において、前記アッセイは、抗体およびウィルス負荷双方を測定することで、個々の対象の状態をより高精度に評価することができる。前記アッセイはまた、感染および感染反応(例えば、サイトカイン生成レベル)について他のマーカーを測定するように設計することもできるため、疾患深刻度についてのさらなる情報の提供、個人化治療の提案が可能となり、さらには、一次スクリーニング結果がマイナスであった場合にいつ確認検査を受ければよいかについて通知をすることも可能となる。 前記システムはまた、未だ特徴付けられていない突然変異体または他の株との感染を検出するように構成することも可能である。これらの株が特定される前に、炎症マーカー中のスパイクにより、未だ特定されていない株に感染した個人を知ることができ、これにより、迅速な封じ込めと、ウイルスの突然変異の特定とが可能となる。よって、防衛手段(例えば、ワクチン接種への投資)を更新することができる。 このHS技術は、簡単に利用できるように構成可能であり、そうでなければ既存の状況下において必要となるであろうデータサンプリング分析のための複数のステップ(例えば、サンプル収集、搬出、遠隔分析、政策決定)が不要となる。その結果、前記HSにより、リアルタイム現場データを中央監視現場(例えば、政府機関の中央監視現場)へと提供することにより、より高い精度およびより迅速な決定が可能となる。これにより、前記システムにより、最適な保健ケアサポートおよび方向付けを得る機会を提供する。例えば、前記FSシステムはコミュニティが容易に使用できる場所(例えば、薬局、学校、診療所または娯楽センター)に配置することができ、これにより、例えば伝染病(例えば、インフルエンザ)を監視するために、市民を容易に検査しかつ/または望ましい順に治療することができる。加えて、前記機器は携行可能であるため、例えばコミュニティの担当者が老齢者および他の移動ができない者を訪問することができ、あるいはインフルエンザの感染が疑われる場合に家庭を訪問することができる。いくつかの実施形態において、個人および集団双方に基づいた状況について、収集データを分析する。配備されたFS機器によって収集されたこのアッセイデータは、提供者、政府係員、病院などに利用可能とすることができる。 対象領域(例えば、学校、コミュニティセンター、商業中心地、地方、地域、または全国)においてHSが配備された後、前記HSを用いて、有害事象および保健ケア関連流行病の可能性を監視するための安全システムを配備することが可能になる。また、前記FS機器を高スクリーニング戦略において用いることもでき、その場合、多数の個人(例えば、リスクのある個人全員またはリスクの疑いがある個人全員)をへの検査を予防的にまたは大発生への応答として定期的に行うことができる。前記FSによって収集されたデータは前記OSにおいて累積され、その後前記OSはこの累積データを集約し管理する。いくつかの実施形態において、前記システムに必要なのは、例えば、血液の指先穿刺、唾液または痰などのほんのわずかの体液サンプルである。そのため、採血にかかわる多くの安全問題が大幅に低下するかまたは排除される。いくつかの実施形態において、リアルタイムデータを用いて、所与の状況に適した最適なバイオマーカーアッセイを選択する。いくつかの実施形態において、分析物セットは、大量のアッセイメニューからの部分集合として先行して選択される。そのようにして、(抗原検出が強調され得る)流行の早期段階に適した理想的なアッセイセットを、例えば、その後の流行の管理に関連し得るコミュニティ免疫の段階の可能性に関する情報を提供する抗体を調査するために、流行の後期において変更することが可能となる。 伝染病の監視において、前記ヘルスシールド配備戦略により、最小数の初期大発生予測数から導出された有リスク集団についてスクリーニングおよびサンプリングを行うことが可能になる。いくつかの実施形態において、前記システムは、同一範囲の発生事例を前提として、疾病拡散モデル化のための経験的実世界データを提供することができる。 兆候事例は、任意の数の二次個人を感染させている可能性がある。二次個人の数は、兆候事例の任意の数の要因によって異なる(例を非限定的に挙げると、年齢、可動性、生活状況、職場環境、社会化、および地理的場所)。前記HSは、これらの要素などをモデル化することで、所与の大発生の拡散の可能性を推測することができる。非限定的例において、実世界データによれば、典型的な兆候事例は、他の50人の個人への感染を引き起こすことを示す。例示的な感染パターンは、感染者との接触を持った4〜5人の家族の成員ならびに45または46人の同僚、友人および他の人々を含み得る。HS高速応答モデルにおいて、各兆候事例を得る際、当該兆候事例と接触した者が当該ウイルスに感染して当該ウイルスを拡散するのを回避するように、25〜50人分の二次スクリーン(年齢層は問わない)が必要とる。当該兆候事例の特性および感染体に応じて、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100回の二次スクリーンが必要となり得る。いくつかの実施形態において、100回を越える二次スクリーンが兆候事例を得るために必要となり得る。 いくつかの実施形態において、前記HSには、初期数量のFS機器カートリッジ、例えば、予測される兆候事例数の約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、または100倍の数のFS機器カートリッジが備えられる。いくつかの実施形態において、前記システムは、予測される兆候事例数について、約50倍のカートリッジを提供する。各カートリッジを用いて、本明細書中に記載のような体液サンプルの検査を行うことができる。このように豊富な数のカートリッジを備えることで、流行病軽減をオンデマンドで行い、先行封じ込めが可能となる。前記インフラストラクチャが起動すると、前記HSは、さらなるオンデマンド搬出を必要に応じて提供する。このようなスキームにより、兆候事例の周囲に存在する有リスク集団を十分に網羅できるだけのスクリーニングおよびサンプリングが可能となる。 個人への機器の提供は、任意の一般的方法によって例えば薬局において処方薬を供給する際に行うことができる。個人への機器の提供は、学校、職場または他の対象領域において行うことができる。前記機器を保健ケア従事者が自分で分配することも可能である。前記機器を個人に分配する際には、当該個人のそのときの連絡先情報(例を非限定的に挙げると、携帯電話、eメールアドレス、テキストメッセージングアドレス、または他の無線通信手段)を、OS構成要素のデータベースに入力することができ、その内部の個人と関連付けることができる。前記OSシステムは、スクリプトまたは他のプログラムを含み得る。前記スクリプトまたは他のプログラムは、検出機器から検出された信号が例えば所与のタイミングで前記OSシステムへと送られていないことを検出することができる。その後、前記OSシステムは、体液サンプルを検査するよう当該個人に通知する警報を送ることができる。 前記ヘルスシールドのFS構成要素は携行可能でありかつ適切なサイズであるため、疾病および健康障害の可能性の管理のためにHSを毎日の生活の一部として用いることができる。いくつかの実施形態において、前記システムは、家庭および容易に利用可能な場所に配置される。リアルタイムデータ収集およびデータ分析により、迅速な先行保健ケアシステムにより突発的大発生に対応することができる。 HSシステムは、疾病管理のための最適な監視方策を予測することができる。前記HSシステムは、大発生をできるだけ早期に特定することができ、拡散を追跡して封じ込めることができ、これにより、適切かつ迅速な軽減戦略を発動させることができる。最適な監視および軽減戦略を可能とするために、モデルの所与の設定を多様な要因を考慮にいれながら最適化することができる。1つの要素は、リスク要素および症状に基づいた検査の優先順位付けを含み、これには例えば、幼児、子ども、妊婦、医療従事者、高リスク個人および高齢者の検査の優先順位付けを含む。別の要素は、兆候事例との密接な接触の検査を含み、例えば、確認事例および疑義事例がある家庭内、学校および職場に的を絞った検査である。加えて、前記システムは、多様な要因、例えば、感受性、特異度、ターンアラウンド(すなわち、アッセイから結果が得られるまでにかかる時間)に基づいて、別の診断検査による影響を評価する。いくつかの実施形態において、行われるアッセイは、カートリッジアッセイ、リアルタイムPCR、迅速抗原検査、ウイルス培養、および免疫アッセイのうち1つ以上を含む。いくつかの実施形態において、費用最小化のために、より廉価なアッセイを多数の二次アッセイに対して用いることができる。これらのデータに基づいて、より高価であるがよりデリケートかつ特異的なアッセイをより少数だけ用いて、選択された個人を検査することができる。 疑義のある感染した個人がHSによって検出された場合、当該個人が症状を示すかまたは無症状であるかに関わらず、現場においてFSによってアッセイを行うことができ、当該対象者の結果および場所をOSへと中継することができる。前記OSは、例えば中央監視現場にある中央サーバーに設けられる。前記監視現場において、前記結果を表示することができ、適切な場合に警報が登録され、これによりFS構成要素のさらなる配備および検査を含む封じ込め策を開始することができる。いくつかの実施形態において、どこで疾病が拡散する可能性があり、どこで疾病封じ込めのために資源配備が必要があり、さらなる現場内監視が必要であるかが、ソフトウェアに含まれるモデルによって自動的に提案される。前記システムは、例えば、電話、ページャ、ファックス、eメール、テキストメッセージまたは他の高速通信によって、監視に関与する個人(例えば、政府関係者または保健ケア従事者)へ連絡することができる。いくつかの実施形態において、前記HSによって提供されたデータおよび分析は、個人ユーザにではなく係員および医療専門家へと提供される。その結果、医学的政策の適切な決定の確保が支援される。 本明細書中に記載のようなヘルスシールドの1つの利点は、現場システムからのアッセイ結果から恩恵を受け得る任意の第三者へ前記結果を実質的に即時的に連絡することができる点である。例えば、FS機器によって得られた測定結果をOSへと通信した後、分析物濃度を前記オペレーティングシステム構成要素において決定することができ、その後、さらなるアクションをとる必要があり得る個人または医療従事者へとこの濃度を送ることができる。これは、兆候事例の特定を含み得る。このような第三者への通信ステップは、本明細書中に記載のように無線によって行うことができ、前記データを第三者のハンドヘルド機器へと送ることにより、前記第三者への前記アッセイ結果の通知を実質的に任意のタイミングでかつ任意の場所で行うことが可能となる。よって、時間が重要となるシナリオにおいて、緊急の医学的アクションが必要となった場合に患者に即時に連絡をとることが可能となる。 本発明のシステムは、異なる電子保健記録(EHR)システムおよび他の任意の関連データベースの任意の組み合わせとインターフェースをとるように設計することが可能である。さらに、このシステムは、異なるフォーマット存在するデータを1つの標準的フォーマットに自動変換するように構成することが可能である。前記システムがデータをインポートおよび変換を行った後は、前記システムは、前記情報を1つ以上のレポジトリ中に集中配置し、前記インポートされたデータを予測モデルを通じて送ることができる。このようにして、前記システムは、複数のデータソースを編集および有利に利用して、適切な封じ込め応答を最良にモデル化および予測することができる。これらのモデルは、各新規データポイントから学習していくため、時間と共により予測的となる。いくつかの実施形態において、前記モデルは、特定の個人の疾病が進展していく様態を予測するパターンを認識する。 パイロットプログラムを用いて、システムパラメータの精緻化を支援することができる。いくつかの実施形態において、初期スクリーニングおよび封じ込めに関する戦略が配備される。その後、HSを配備して、前記モデルを対象領域(例えば、タウンシップ、近隣、病院または商業地区)において試行する。この試行において、前記モデル化策の基盤となる前提のロバストネスを検査することができ、封じ込め戦略を微調整することができる。いくつかの実施形態において、前記微調整を前記OSの学習アルゴリズムによって自動的に行う。例えば、前記モデル化ソフトウェアは、アルゴリズムによる病害拡大の予測を可能にするパターン認識技術を含むため、ソフトウェアポータルへと送られてくる各新規データポイントを用いた前記ソフトウェアの連続的精緻化が可能となる。そのため、前記システムは、時間と共により予測的となる。いくつかの実施形態において、前記システムがパイロット後に配備された後も、これらの精緻化が継続される。 履歴データ、アーカイブされたサンプルおよびさらにはパイロットフェーズを用いてシステムを配備した後、前記システムを戦略的場所に配置して、任意の大発生の拡散の防止を開始することができる。各器具は、所与の対象疾病(例えば、懸念となっているインフルエンザの特定の株)に合わせてカスタマイズすることが可能な異なるカートリッジを処理することができるため、当該株が突然変異した場合でも、同一システムを用いてウイルス拡散を封じ込めおよび防止することが可能となる。いくつかの実施形態において、前記カートリッジは、タンパク質に基づいた検査を含む。この検査は、炎症および感染に対する反応を測定することで、ウイルスが突然変異した場合でも、係員が深刻な感染を認識することを可能にする。そして、係員は、既存のインフラストラクチャおよび器具を通じて、新規ウィルス株についての特定の検査を迅速に実施および配備することができる。加えて、その後、伝染病監視のために配備された同一の器具を用いて、他の健康関連問題(例えば、糖尿病、肥満、心血管疾患および腫瘍関連問題(例えば癌治療))を監視することができる。既に所定位置に配置されたHSシステムの周囲において、ソフトウェアのための異なるカートリッジおよびさらなるモデルをカスタマイズすることができる。入来データからの学習により、各アプリケーションに対する認証データを配備前に実行し、先行調整することができる。 推奨される治療への遵守がなされない場合、本発明の封じ込め戦略の有効性が損なわれ得る。したがって、いくつかの実施形態において、本発明のシステムを用いて、患者の遵守を監視し、前記患者または他の医療従事者に対しこのような不適合について通知することができる。例えば、医学治療計画の一環として薬剤を服用している患者は、本明細書中に記載のようにアッセイされた体液サンプルをとることができるが、代謝濃度(例えば、前記システムによって検出されたもの)が既知のプロファイルよりも高レベルにある場合があり、これは、前記薬剤が複数の投与量服用されたことを示す。前記患者または医療従事者に対するこのような不適合の通知は、本明細書中に記載の任意の方法を介して行うことができる。例を非限定的に挙げると、ハンドヘルド機器(例えば、PDAまたは携帯電話)を介した通知、または、第三者、例えば、前記不適合についての通信を同様に受信した保健ケア従事者を介した通知である。このような既知のプロファイルは、本明細書中に記載の外部機器中に配置および格納しておくことができる。 一実施形態において、前記システムを用いて、治療によって恩恵を受けたかまたは悪影響を受けた患者の亜集団を特定することができる。このようにして、毒性の可能性のある薬剤を、恩恵を受ける者のみに投与することが可能となる。 薬剤に関連する有害事象に関して、前記ヘルスシールドシステムを個人住居に配置することができる。いくつかの実施形態において、前記HSを用いて、急性状態(例えば、衰弱状態または生命の危機にをもたらす疾患)または慢性状態の治療について安全および有効性を監視する。FS構成要素は中心地(例えば、薬局)にも配置することができ、これにより、処方箋発行時に個人を検査することが可能となる。 政府による疾病管理システムおよびヘルスケア企業にからの要求を考慮して、糖尿病、感染、および腫瘍についてケーススタディーが行われている。1つのこのようなケーススタディーは、糖尿病の回避および回復のためのモデルを目的とした。モデル化されたデータは、大幅なコスト低減を示した。このようなコスト低減は、血液および健康情報のデータ分析を得るための集中型インフラストラクチャの代わりに本発明のFSシステムを含むシステムを多様なケアポイント、(例えば、家庭環境)に配置することで可能となった。前記システムによれば、このようなコスト低減は、搬出コストの制限、分析実行に関連する人件費の低減、偽陽性関連コストの低減、結果待機に関連する時間の低減により、部分的に可能となった。多様なモデル化環境において、前記HSシステムを用いれば、関連データ取得における時間の節約に加えて、従来の検査に関連するコストが予測される50%を越えて低減する。5.インフルエンザ大発生の監視 一態様において、本発明のシステムを配備して、疾病大発生の監視および封じ込めを行う。HSは、インフルエンザの場合において特に有益である。なぜならば、初期において大量ワクチン接種プログラムに依存している封じ込め戦略の場合、大発生を有効に封じ込めるには不十分である場合があるからである。インフルエンザAウイルス株は、ウイルス表面上の2つのタンパク質、すなわち、ヘマグルチニン(H)およびノイラミニダーゼ(N)に従って分類される。インフルエンザAウイルスは全て、これらの2つの表面タンパク質を含むが、ウィルスゲノム中の高速突然変異に起因して、これらのタンパク質の構造はウイルス株によって異なる。鳥類においては16Hサブタイプおよび9Nサブタイプが分かっているが、ヒトについては、部分集合、例えば、H1、2および3、およびN1および2のみが通常見出される。株の病原性は、サブタイプによって異なる。例えば、「鳥インフルエンザ」として一般的に知られているH5N1株の場合、鳥が最も罹患するが、アジアにおいてこの株がヒトにおいて大発生し、感染者のうち60%に上る人々が死亡した。 インフルエンザワクチンは拡散防止を支援することができるものの、サブタイプの変化およびインフルエンザの突然変異に起因して、ワクチン接種は部分的なソリューションにしかならななくなる。例えば、一般的に「豚インフルエンザ」と呼ばれるH1N1インフルエンザウイルスは、2009年の流行の原因である。H5N1と同様に、H1N1もヒトに伝染し得る。米国疾病対策センター(CDC)は、2009年のH1N1の流行についての情報をwww.cdc.gov/H1N1FLU/において維持する。CDCの懸念によれば、新規のH1N1インフルエンザウイルスが発生した場合、2009年において、例えば、疾患の広範囲拡散、医者の訪問、入院および死亡を通して、特に深刻なインフルエンザシーズンがとなり得る。初回分のH1N1ワクチンはどんなに早くても10月中旬にならないと利用できず、最もリスクの高い集団の治療のためのワクチン供給さえも、晩秋まで不足する。よって、広範囲の拡散および流行ならびに社会的パニックを回避するための最良の方法は、(特に高リスクの個人への)ウイルスの拡散を回避することにより、ウイルスを制御することである。 政府の中には、発熱症状または呼吸器症状についてのスクリーニングを含む重症急性呼吸器症候群(SARS)に対して有効であったインフルエンザ封じ込め方法を試行している政府もある。しかし、これらの方法は、H1N1の封じ込めに不十分である。1つの問題として、インフルエンザの犠牲者は、少なくとも発熱または他の症状が出てくる一日前の時点において伝染性を持ち得る点がある。いくつかの実施形態において、本発明のヘルスシールドは、症状を示す個人だけでなく、家族メンバーおよび近隣の同僚もシステム的に検査する。従って、感染した個人が感染を拡散する機会を持つ前にこの感染者を治療および隔離することが可能となり、これにより、インフルエンザによる実際の影響および心理的影響が低減する。 患者が検査および治療のために救急処置室に殺到しないようにすれば、2009年秋のインフルエンザの拡散および死亡率は軽減する。高コストを要する救急処置室および病院への訪問の低減、適切な医薬品の使用、および病院内におけるウイルス拡散の低減により、数百から数百万ドルを節約することが可能となる。本発明のHSモデルは、最適な介入戦略および適切な医薬品(例えば、タミフル)を投与するタイミングを特定することができる。これらのステップにより、病院および救急処置室への訪問を低減することが可能になり、人々が仕事を早期に再開することが可能になる。また、このような救急処置室への不要な訪問を無くすことにより、ウイルス拡散の回避および入院および救急処置室関連の出費の低減も支援することが可能となる。 インフルエンザ(例えば、H1N1およびH5N1)の検出は、FSポイントオブケア器具を用いて体液(例えば、血液の指先穿刺、痰、唾液、またはこれらの組み合わせ)から行うことができる。これらの器具は、適切な場所(例えば、家庭、学校、レストラン、一次医療ユニット、家畜施設など)に配置することができ、多数の事例において電源以外の局地的な支持インフラストラクチャなしに配備が可能である。検査は短時間で行うことができ、検査所要時間は例えば約1、2、3、4、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55または60分未満である。いくつかの実施形態において、前記FSからの結果は、中央監視現場のOSへリアルタイムで返送される。血液または唾液に基づいたアッセイによるインフルエンザ検出は、ウイルスそのものの特定のエピトープの高感受性抗体(例えば、ヘマグルチニンおよび/またはノイラミニダーゼ)の免疫検出を含む、いくつかの方法によって行うことができる。前記アッセイにより、特定された多様な種類のインフルエンザ株(例えば、インフルエンザA、インフルエンザB、H5N1、H1N1など)の間の区別を行うことが可能となる。バックグラウンドに異なる株または遺伝的変異が含まれる場合であっても、前記アッセイは、特定のウイルス株の個々の粒子を検出することができる。前記アッセイは、バイオマーカー(単数または複数)、ウィルスタンパク質、外被タンパク質などを検出することができる。 いくつかの実施形態において、前記アッセイは、炎症マーカーおよび免疫反応マーカー(例えば、サイトカイン)を測定する。このようなマーカーにより、臨床医は、対象者の感染深刻度、急性期および/または炎症反応の反応を特定することができる。その結果、例えば、個人に対する適切な治療投薬計画の決定を支援することが可能となる。感染に対する反応を測定することが可能であるため、今まで特性化されていないウイルス株であっても、感染の特性化が可能となる。これらの株が特性化された結果、特定の検査をカスタマイズした後にカートリッジに付加することが可能となる。必要なアッセイに応じて、新規検査を迅速に配備することが可能となり、所要時間も数日間、数週間またはわずか数ヶ月間となる。 現在、座標または不調和調節が臨床的に研究されているサイトカイン/ケモカインは100種類を越えている。本発明のシステムおよび方法において用いることが可能な例示的サイトカインを非限定的に以下に挙げる:BDNF、CREBpS133、CREB合計、DR−5、EGF、ENA−78、エオタキシン、脂肪酸結合タンパク質、FGF−basic、顆粒球コロニー刺激因子(G−CSF)、GCP−2、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子GM−CSF(GM−CSF)、成長関連癌遺伝子ケラチノサイト(GRO−KC)、HGF、ICAM−1、IFN−アルファ、IFN−ガンマ、インターロイキンIL−10、IL−11、IL−12、IL−12p40、IL−12p40/p70、IL−12p70、IL−13、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−1アルファ、IL−1ベータ、IL−1ra、IL−1ra/IL−1F3、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、インターフェロン誘導タンパク質(10IP−10)、JE/MCP−1、ケラチノサイト(KC)、KC/GROa、LIF、リンホタクチン、M−CSF、単球走化性タンパク質−1(MCP−1)、MCP−1(MCAF)、MCP−3、MCP−5、MDC、MIG、マクロファージ炎症(MIP−1アルファ)、MIP−1ベータ、MIP−1ガンマ、MIP−2、MIP−3ベータ、OSM、PDGF−BB、血小板やT細胞由来の好酸球走化性物質(RANTES)、Rb(pT821)、Rb(合計)、RbpSpT249/252、Tau(pS214)、Tau(pS396)、Tau(合計)、組織因子、腫瘍壊死因子−アルファ(TNF−アルファ)、TNF−ベータ、TNF−RI、TNF−RII、VCAM−1、およびVEGF。いくつかの実施形態において、前記サイトカインは、IL−12p70、IL−10、IL−1アルファ、IL−3、IL−12p40、IL−1ra、IL−12、IL−6、IL−4、IL−18、IL−10、IL−5、エオタキシン、IL−16、MIG、IL−8、IL−17、IL−7、IL−15、IL−13、IL−2R(可溶性)、IL−2、LIF/HILDA、IL−1ベータ、Fas/CD95/アポ1、およびMCP−1である。 本発明のシステムおよび方法と共に用いることが可能な炎症マーカーを挙げると、ICAM−1、RANTES、MIP−2、MIP−1−ベータ、MIP−1−アルファ、およびMMP−3がある。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:接着分子(例えば、インテグリンα1β1、α2β1、α3β1、α4β1、α5β1、α6β1、α7β1、α8β1、α9β1、αVβ7、α4β7、α6β4、αDβ2、αLβ2、αMβ2、αVβ3、αVβ5、αVβ6、αVβ8、αXβ2、αIIβ3、αIELbβ7、ベータ−2インテグリン、ベータ−3インテグリン、ベータ−2インテグリン、ベータ−4インテグリン、ベータ−5インテグリン、ベータ−6インテグリン、ベータ−7インテグリン、ベータ−8インテグリン、アルファ−1インテグリン、アルファ−2インテグリン、アルファ−3インテグリン、アルファ−4インテグリン、アルファ−5インテグリン、アルファ−6インテグリン、アルファ−7インテグリン、アルファ−8インテグリン、アルファ−9インテグリン、アルファ−Dインテグリン、アルファ−Lインテグリン、アルファ−Mインテグリン、アルファ−Vインテグリン、アルファ−Xインテグリン、アルファ−IIbインテグリン、アルファIELbインテグリン)、インテグリン関連分子(例えば、ベータIG−H3、Melusin、CD47、MEPE、CD151、オステオポンチン、IBSP/Sialoタンパク質II、RAGE、IGSF8)、セレクチン(例えば、E−セレクチン、P−セレクチン、L−セレクチン)、およびリガンド(例えば、CD34、GlyCAM−1、MadCAM−1、PSGL−1、ビトロネクチン、ビトロネクチン受容体、フィブロネクチン、ビトロネクチン、コラーゲン、ラミニン、ICAM−1、ICAM−3、BL−CAM、LFA−2、VCAM−1、NCAM、およびPECAM。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:サイトカイン(例えば、IFN−α、IFN−β、IFN−ε、−κ、−τ、および−ζ、IFN−ω、IFN−γ、IL29、IL28AおよびIL28B、IL−1、IL−1αおよびβ、IL−2、IL−3、IL−4、IL−5、IL−6、IL−7、IL−8、IL−9、IL−10、IL−11、IL−12、IL−13、IL−14、IL−15、IL−16、IL−17、IL−18、IL−19、IL−20、IL−21、IL−22、IL−23、IL−24、IL−25、IL−26、IL−27、IL−28、IL−29、IL−30、およびTCCR/WSX−1)。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:サイトカイン受容体(例えば、共通ベータ鎖、IL−3Rアルファ、IL−3Rベータ、GM−CSFR、IL−5Rアルファ、共通ガンマ鎖/IL−2Rガンマ、IL−2Rアルファ、IL−9R、IL−2Rベータ、IL−4R、IL−21R、IL−15Rアルファ、IL−7Rアルファ/CD127、IL−1ra/IL−1F3、IL−1R8、IL−1RI、IL−1R9、IL−1RII、IL−18Rアルファ/IL−1R5、IL−1R3/IL−1RAcP、IL−18Rベータ/IL−1R7、IL−1R4/ST2SIGIRR、IL−1R6/IL−1Rrp2、IL−11Rアルファ、IL−31RA、CNTFRアルファ、レプチンR、G−CSFR、LIFRアルファ、IL−6R、OSMRベータ、IFN−アルファ/ベータR1、IFN−アルファ/ベータR2、IFN−ガンマR1、IFN−ガンマR2、IL−10Rアルファ、IL−10Rベータ、IL−20Rアルファ、IL−20Rベータ、IL−22R、IL−17R、IL−17RD、IL−17RC、IL−17BR、IL−13Rアルファ2、IL−23R、IL−12Rベータ1、IL−12Rベータ2、TCCR/WSX−1、およびIL−13Rアルファ1。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:ケモカイン(例えば、CCL−1、CCL−2、CCL−3、CCL−4、CCL−5、CCL−6、CCL−7、CCL−8、CCL−9、CCL−10、CCL−11、CCL−12、CCL−13、CCL−14、CCL−15、CCL−16、CCL−17、CCL−18、CCL−19、CCL−20、CCL−21、CCL−22、CCL−23、CCL−24、CCL−25、CCL−26、CCL−27、CCL−28、MCK−2、MIP−2、CINC−1、CINC−2、KC、CINC−3、LIX、GRO、胸腺ケモカイン−1、CXCL−1、CXCL−2、CXCL−3、CXCL−4、CXCL−5、CXCL−6、CXCL−7、CXCL−8、CXCL−9、CXCL−10、CXCL−11、CXCL−12、CXCL−13、CXCL−14、CXCL−15、CXCL−16、CXCL−17、XCL1、XCL2、およびケマリン。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:ケモカイン受容体(例えば、CCR−1、CCR−2、CCR−3、CCR−4、CCR−5、CCR−6、CCR−7、CCR−8、CCR−9、CCR−10、CXCR3、CXCR6、CXCR4、CXCR1、CXCR5、CXCR2、ChemR23。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:腫瘍壊死因子(TNF)(例えば、TNFα、4−1BBリガンド/TNFSF9、LIGHT/TNFSF14、APRIL/TNFSF13、リンホトキシン、BAFF/TNFSF13B、リンホトキシンベータ/TNFSF3、CD27リガンド/TNFSF7、OX40リガンド/TNFSF4、CD30リガンド/TNFSF8、TL1A/TNFSF15、CD40リガンド/TNFSF5、TNF−アルファ/TNFSF1A、EDA、TNF−ベータ/TNFSF1B、EDA−A2、TRAIL/TNFSF10、Fasリガンド/TNFSF6、TRANCE/TNFSF11、GITRリガンド/TNFSF18、およびTWEAK/TNFSF12。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:TNFスーパーファミリー受容体(例えば、4−1BB/TNFRSF9、NGFR/TNFRSF16、BAFFR/TNFRSF13C、オステオプロテゲリン/TNFRSF11B、BCMA/TNFRSF17、OX40/TNFRSF4、CD27/TNFRSF7、RANK/TNFRSF11A、CD30/TNFRSF8、RELT/TNFRSF19L、CD40/TNFRSF5、TACI/TNFRSF13B、DcR3/TNFRSF6B、TNFRI/TNFRSF1A、DcTRAILR1/TNFRSF23、TNFRII/TNFRSF1B、DcTRAILR2/TNFRSF22、TRAILR1/TNFRSF10A、DR3/TNFRSF25、TRAILR2/TNFRSF10B、DR6/TNFRSF21、TRAILR3/TNFRSF10C、EDAR、TRAILR4/TNFRSF10D、Fas/TNFRSF6、TROY/TNFRSF19、GITR/TNFRSF18、TWEAKR/TNFRSF12、HVEM/TNFRSF14、およびXEDAR。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:TNFスーパーファミリー調節遺伝子(例えば、FADD、TRAF−2、RIP1、TRAF−3、TRADD、TRAF−4、TRAF−1、およびTRAF−6)。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:急性期反応物質および急性期タンパク質。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:TGF−ベータスーパーファミリーリガンド(例えば、アクチビン、アクチビンA、アクチビンB、アクチビンAB、アクチビンC、BMP(骨形成タンパク質)、BMP−2、BMP−7、BMP−3、BMP−8、BMP−3b/GDF−10、BMP−9、BMP−4、BMP−10、BMP−5、BMP−15/GDF−9B、BMP−6、デカペンタプレジック、成長/分化因子(GDF)、GDF−1、GDF−8、GDF−3、GDF−9GDF−5、GDF−11、GDF−6、GDF−15、GDF−7、GDNFファミリーリガンド、アルテミン、ニュールツリン、GDNF、パーセフィン、TGF−ベータ、TGF−ベータ、TGF−ベータ3、TGF−ベータ1、TGF−ベータ5、LAP(TGF−ベータ1)、潜在型TGF−ベータbp1、潜在型TGF−ベータ1、潜在型TGF−ベータbp2、TGF−ベータ1.2、潜在型TGF−ベータbp4、TGF−ベータ2、Lefty、MIS/AMH、Lefty−1、Nodal、Lefty−A、アクチビンRIA/ALK−2、GFRアルファ−1/GDNFRアルファ−1、アクチビンRIB/ALK−4、GFRアルファ−2/GDNFRアルファ−2、アクチビンRIIA、GFRアルファ−3/GDNFRアルファ−3、アクチビンRIIB、GFRアルファ−4/GDNFRアルファ−4、ALK−1、MISRII、ALK−7、Ret、BMPR−IA/ALK−3、TGF−ベータRI/ALK−5、BMPR−IB/ALK−6、TGF−ベータRII、BMPR−II、TGF−ベータRIIb、Endoglin/CD105、およびTGF−ベータRIII。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:TGF−ベータスーパーファミリーモジュレータ(例えば、無羊膜、NCAM−1/CD56、BAMBI/NMA、Noggin、BMP−1/PCP、NOMO、Caronte、PRDC、Cerberus1、SKI、コーディン、Smad1、コーディン様1、Smad2、コーディン様2、Smad3、COCO、Smad4、CRIM1、Smad5、Cripto、Smad7、Crossveinless−2、Smad8、Cryptic、SOST、DAN、潜在型TGF−ベータbp1、デコリン、潜在型TGF−ベータbp2、FLRG、潜在型TGF−ベータbp4、フォリスタチン、TMEFF1/モレグリン−1、フォリスタチン様1、TMEFF2、GASP−1/WFIKKNRP、TSG、GASP−2/WFIKKN、TSK、グレムリン、およびバソリン。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:EGFリガンド(例えば、アンフィレグリン、LRIG3、ベータセルリン、ニューレグリン−1/NRG1、EGF、ニューレグリン−3/NRG3、エピゲン、TGF−アルファ、エピレグリン、TMEFF1/モレグリン−1、HB−EGF、TMEFF2、およびLRIG1。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:EGFR/ErbB受容体ファミリー(例えば、EGFR、ErbB3、ErbB2、およびErbB4)。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:フィブリノーゲン。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:SAA。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:グリアマーカー(例えば、アルファ).1−アンチトリプシン、C反応性タンパク(CRP)、α2−マクログロブリン、グリア細胞繊維性酸性タンパク質(GFAP)、Mac−1、およびF4/80。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:ミエロペルオキシダーゼ。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:補助マーカー(例えば、C3d、C1q、C5、C4d、C4bp、およびC5a−C9)。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:主要組織適合遺伝子複合体(MHC)糖タンパク質(例えば、HLA−DRおよびHLA−A、D、C)。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:ミクログリアマーカー(例えば、CR3受容体、MHCI、MHCII、CD31、CD11a、CD11b、CD11c、CD68、CD45RO、CD45RD、CD18、CD59、CR4、CD45、CD64、およびCD44)。さらなる炎症マーカーを以下に挙げる:アルファ.2マクログロブリン受容体、線維芽細胞成長因子、FcガンマRI、FcガンマRII、CD8、LCA(CD45)、CD18、CD59、ApoJ、クラスタリン、プラスミノーゲンアクチベーターインヒビター2、CD44、マクロファージコロニー刺激因子受容体、MRP14、27E10、4−ヒドロキシノネナール−タンパク質コンジュゲート、IκB、NFκB、cPLA2、COX−2、マトリックスメタロプロテアーゼ、膜脂質過酸化反応、およびATPase活性。HSPC228、EMP1、CDC42、TLE3、SPRY2、p40BBP、HSPC060およびNAB2、またはHSPA1A、HSPA1B、MAPRE2およびOAS1式のダウンレギュレーション、TACE/ADAM17、アルファ−1−酸糖タンパク質、アンジオポイエチン−1、MIF、アンジオポイエチン−2、CD14、ベータ−デフェンシン2、MMP−2、ECF−L/CHI3L3、MMP−7、EGF、MMP−9、EMAP−II、MSP、EN−RAGE、酸化窒素、エンドセリン−1、オステオアクチビン/GPNMB、FPR1、PDGF、FPRL1、ペントラキシン3/TSG−14、FPRL2、Gas6、PLUNC、GM−CSF、RAGE、S100A10、S100A8、S100A9、HIF−1アルファ、P物質、TFPI、TGF−ベータ1、TIMP−1、TIMP−2、TIMP−3、TIMP−4、TLR4、LBP、TREM−1、ロイコトリエンA4、ヒドロラーゼTSG−6、リポカリン−1、uPA、M−CSF、およびVEGF。 各個人の生理学的データを測定して、FS器具またはケアポイントからOSへと通信することができる。このようなデータを非限定的に以下に挙げる:体温、心拍/脈拍、血圧、酸素測定信号、体重、水分貯留、プレチスモグラフィ信号、呼吸速度、脂肪含量、水分含量、血液還流、可動性、姿勢、生体インピーダンス、心電図(ECG)、または電気皮膚反応。 いくつかの実施形態において、前記アッセイを用いて、特定の病原体またはマーカーに対してホスト抗体を検出する。このような抗体の測定の際にあり得る1つの問題として、過去にインフルエンザワクチン接種を受けたことのある個人において発生し得る干渉がある。このような状況においては、血液中の高インフルエンザ抗体力価がアッセイと干渉し得る。インフルエンザウイルスは主に肺中で複製するため、例えば、痰、鼻洗浄液および唾液中において検出することができる。そのため、唾液ベースのサンプルを、確認のためポイントオブケアにおいて処理することができる。インフルエンザ粒子表面上のヘマグルチニン(H抗原)抗原は、標的細胞内への進入において有益であると考えられている。ヘマグルチニンは、赤色細胞に結合し得、適切な状態のいて前記細胞を凝集させる。従って、血液中の赤色細胞は、ウイルスの濃縮剤として機能することができる。この現象を、ウイルスについてのアッセイにおいて利用することができる。なぜならば、赤色細胞を濃縮した後に血液サンプルの分析を行うことができるからである。さらに多くの赤色細胞をアッセイカートリッジ内の適切な表面上において収集(および濃縮)し、これにより、大量のウイルスを分析および検出対象として提供することができる。 任意の医学的スクリーニングまたは診断検査の2つの主要な評価的尺度として、感受性および特異度がある。これらの尺度は、影響を受ける全個人を例外無く高精度に検出しかつ対象疾病に罹患していない個人を誤って含まないように検査が適切に行われているかを示す(予測値)。 真陽性(TP)の結果は、検査が陽性でありかつ当該状態が存在していることを示す。偽陽性(FP)の結果は、検査は陽性であるが当該状態が存在していないことを示す。真陰性(TN)の結果は、検査が陰性でありかつ当該状態が存在していないことを示す。偽陰性(FN)の結果は、検査は陰性であるが当該状態が存在していないことを示す。この文脈において、:感受性=TP/(TP+FN)であり、特異度=TN/(FP+TN)であり、陽性の予測値=TP/(TP+FP)である。 感受性は、検査されている個人の体内の対象疾病を正確に検出する検査能力を示す尺度である。検査の感受性が低い場合、高率の偽陰性、すなわち、特定の疾病に罹患している個人が、当該疾病に罹患していない者として誤って特定されることが発生する。偽陰性に起因する危険性として、疾病に罹患した個人が診断を受けないまま放置され、一定期間の間未治療のままであり、その間当該疾病が進行して次の段階に進んだ結果、治療法があったとしても治療有効性が低くなる可能性がある。低感受性の検査の一例として、タンパク質に基づいたHIV血液検査がある。この種の検査が低感受性である理由として、この検査の場合、疾病が進行して確立し、また多数のウイルスが血流中に侵入した後で初めてウイルスの存在を検出が可能となる点がある。これとは対照的に、高感受性である検査の一例として、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いたウィルス負荷検出がある。高感受性が達成できる理由として、この種の検査の場合、極めて少数のウイルスの検出が可能である点がある。診断を受ける機会を逃すことによる影響が大きい場合、高感受性は特に重要となる。 一方、特異度は、当該病態の無い患者を高精度に特定できる検査能力を示す尺度である。検査の特異度が低い場合、高率の偽陽性、すなわち、当該疾病を持つものとして個人が誤って特定されてしまうことが発生する。偽陽性の欠陥として、患者に不要な医学治療を強制することで、治療付随リスク、感情的ストレスおよび金銭的ストレスを患者に与え、当該患者の健康に悪影響を及ぼし得る点がある。さらなる診断手順またはさらなる医学的介入に関連するコストまたはリスクが極めて高い場合、特異度が重要となる。 いくつかの実施形態において、前記HSは、複数のアッセイを行って、アッセイ感受性および/または特異度を向上させる。例えば、疾病監視の感受性および特異度を向上させることができる。いくつかの実施形態において、個人について、複数の身体サンプルをアッセイする。例えば、インフルエンザワクチン投与を以前受けた者について、唾液に基づいた検査および血液(指先穿刺)に基づいた検査を同時に行うことができる。複数のサンプルを検査することで、感染特定の可能性を増加させることができる。加えて、封じ込めを最大化するためにも、偽陰性の抑制が重要となる。いくつかの実施形態において、本発明では、各検査カートリッジ上において炎症マーカーおよび感染マーカー双方の検査を設けることにより、偽陰性に対処する。インフルエンザ検査結果が陰性であるものの、これらの他のマーカーの結果がインフルエンザの可能性を強く示す場合、当該特定の部分集合に含まれる患者について、確認検査を設けることができる。多様な例示的なマーカーパネル(検査メニューとも呼ぶ)について、本明細書中多様な疾病設定について開示する。当業者であれば、複数のアッセイおよび/または生理学的パラメータを用いることにより感受性の向上が可能であり、かつ/または、特異度はこれらの例示的な実施形態に限定されず、多数の疾病および疾患を監視する際の有効な技術となり得る点を理解する。 いくつかの実施形態において、FSユニットによって可能とされるHSの分散型検出能力により、インフルエンザの確認事例を有する個人の早期特定(すなわち、「兆候事例」)が可能となり、その後、のように特定された個人との接触者全員に対してクエリを送ることができる。このような接触ネットワーク(流行拡散を含む)を考慮すると、理想的には、晒されている集団および/または無症状でありかつ感染している集団における迅速な配備、特定および先制アクションが必要となる。HSを用いれば、これらの活動を実行し、病害拡散を回避するシステムが得られる。 ヘルスシールドシステムは、インフルエンザ大発生の監視および封じ込めのために配備することができる。HSの配備は、多様な設定(例えば、地域レベル、地方レベル国レベル)で行うことが可能である。所与の設定のためのOSにおいて、コンピュータ内でのモデル化を用いることで、インフルエンザまたは他の状態を最大限に封じ込めることができるような多様な配備戦略をシミュレートし、設定に合わせた最適化を行うことが可能となる。いくつかの実施形態において、前記モデルは、予測される大発生および/または封じ込められる大発生をモデル化するための多様な適切なパラメータを含む疫学モデルを含む。いくつかの実施形態において、前記システムにおいて、モンテカルロシミュレーションを用いて、スクリーニング戦略および封じ込め戦略の範囲を確認することができる。その後、これらのスクリーニング戦略および封じ込め戦略は、コスト/恩恵比などについて分析される。例えば、前記システムは、限られた資源(例えば、医療従事者、治療およびワクチン)をどこでどのように配備するかを提案することができる。前記OSモデルに対し、監視対象となる設定として集団および個人特定情報を事前ロードすることができる。これらの要素を以下に非限定的に挙げる:培養時間、感染しやすい集団の接続性、感染様態、ウイルスの病原性、死亡率および入院率、疾病発生、伝播モード、感染率、治療介入結果、ワクチン有効性、および抗ウイルス治療(例えば、タミフル)への抵抗または抗ウイルス治療の有効性。監視対処となる個人についてのパラメータを以下に非限定的に挙げる:年齢、性別、社会的接触(例えば、生活環境、ファミリー、同僚)、疾病既往歴、一般的健康(例えば、他の既存状態)など。システム配備後は、モデルパラメータの更新を連続的に行うことができる。 FS器具は、構成されたOSと関連して作動するように配備される。いくつかの実施形態において、FSからのデータは、ソフトウェアポータルを通じてOSへ提供される。その後、遠隔OSが所望の計算を行うことが可能になる。一般的に、FSシステムは、選択されたホットスポットに対して配備される。いくつかの実施形態において、OSモデルを用いて、前記FS器具の最適な配備を誘導する。最適なおよびホットスポット場所を以下に非限定的に挙げる:人が集まる場所(例えば、商業地域、学校および職場)。病気の人が集まる場所も標的とされ、例を以下に非限定的に挙げる:診療所、薬局および病院。いくつかの実施形態において、FS機器を、本明細書中に記載のような家庭に対して配備する。 FSシステムが配備された後、前記FSシステムを用いて、対象者を検査する。いくつかの実施形態において、このような検査を挙げると、疾病抗原(例えば、ウィルス外被タンパク質)の検査がある。分析物はまた、疾病マーカー(例えば、免疫マーカー(例えば、サイトカイン)および感染進行を示す炎症マーカー)としてのホストタンパク質を含む。病原体の検査ならびに患者の状態および予後の評価においては、複数の分析物を同時に測定できることが望ましい。複数測定が可能になることで、例えば、疾病検出の機会が増加する。なぜならば、任意の単一の分析物が異常レベルで発見されない場合があるからである。また、複数の分析物測定により、ノイズ低減も可能となり、システムの疾病監視精度も向上する。 以下の表は、H1N1ウイルス(豚インフルエンザとしても知られる)の検出のための例示的メニューを示す。表3 上記表において、「Ab:Ag」は、抗体(Ab)と抗原(Ag)との間に形成される複合体を示す。例えば、「IgG抗H1:H1」は、ホストIgG抗H1抗体と、インフルエンザヘマグルチニンH1抗原との間の複合体を示す。異なるインフルエンザ株が監視されるため、前記メニューも相応に調整される。例えば、H1N5ウイルス監視のためのメニューは、N5抗原および抗N5抗体の検出を含む。 IgM対IgGまたはIgA抗体の検出を用いて、個人が対象インフルエンザ粒子へ以前晒されたことがあるかを決定することができる。免疫原への初回曝露への感染後数日間において、IgM抗体が高速発生する。以前晒されたことのある個人が、類似または同一の抗原特性を有する第2の病原体に遭遇した場合、IgG抗体およびIgA抗体が極めて高速に発生する。この二次反応は典型的には、初回のIgM反応よりもずっと高く、より特異的であることが多い。一次感染および極めて深刻な感染の場合、活性ウイルスが血液中に存在する可能性もより高くなり、このようなウイルスを直接検出することが可能となる。二次感染の場合、抗体が存在する場合、抗体が徐々に抗原を上回り、抗原が免疫アッセイ方法に対してマスクされ得る。いくつかの実施形態において、抗原および抗体によって形成される複合体は、サンドイッチ免疫アッセイを用いて検出される。このアッセイにおいて、1つの試薬が前記抗原用に用いられ、その他の試薬がIgG用に用いられる。対象者からIgGおよびIgA抗体が発生した後は、感染が決定されてからずっと後になって、このような抗体を血液中に見つけることが可能となる。 表3に示すように、前記メニューはまた、1つ以上のサイトカインを免疫反応および/または炎症のマーカーとして含み得る。対象サイトカインを非限定的に挙げると、IL−1β、IL−6、IL−8、IL−10およびTNFαがある。上記のようなサイトカインは、ウィルス感染の初期段階において大量に生成され得る。いくつかの事例において、これらのマーカーのレベルは高速に上下する。1つ以上サイトカインの連続測定を行うことにより、患者の状態および予後に関する貴重な情報を得ることができる。例えば、サイトカインレベルの変化を測定することにより、ウィルス性発熱および細菌起源を区別することが可能になる。最近の研究によれば、救急処置室への入室時における血液C反応性タンパクと、発熱開始後の経過時間との間の比として規定される「CRP速度」(CRPv)に基づいて、急性細菌性発熱疾患と、非細菌性発熱疾患とを区別することが可能となる(Paran et al., C−reactive protein velocity to distinguish febrile bacterial infections from non−bacterial febrile illnesses in the emergency department, Crit Care. 2009;13(2):R50)。また、この研究によれば、他の急性期タンパク質(例えば、IL−1、IL−6、およびTNF−α)の血液レベルは、CRPvと相関する。 インフルエンザマーカーの検出レベルを表4に示す。表4:インフルエンザバイオマーカーの閾レベルまたはアクションレベル 表3および表4中の例示的マーカーは、H1N1検出のためのメニューに対応する。特定のマーカーの検出のための閾レベルを表4中に示す。測定が経時的に行われるの時に、マーカー(例えば、サイトカインまたはC反応性タンパク)の増加倍数を検出することができる。ここで、10倍(x)の変化をイベントを示すものとしてみなす。個人の時間経過データが利用できない場合、基準閾値との比較により倍増の変化を決定することができる。例えば、所与のマーカー検出されたレベルと、一般的な健康集団中の前記マーカーの平均レベルと比較することができる。適切な分析方法を用いることで、異なるインフルエンザ株(例えば、H5N1、H3N2など)を検出することが可能となることが理解される。 表5中に、所与のマーカーが検出された場合における、OSによって推奨される一連のインフルエンザ対応のためのアクションを示す。表5:豚インフルエンザ疑義に関するアクションマトリックス 上記のように、表5中の例は、H1N1豚インフルエンザに着目している。適切な分析方法を用いれば、他のインフルエンザ株(例えば、H5N1、H3N2)を検出することが可能であることが理解される。さらに、上記アクションも、複数の要素(例を非限定的に挙げると、予測される病原性、伝播、治療コストなど)に応じて異なる。例えば、伝染力の強い株の流行がより低い深刻度で発生した場合、隔離が必要となり得る。薬剤耐性のための推奨される行動指針は、当該薬剤に応じて異なり得る。インフルエンザの状況においては、オセルタミビル(タミフル(登録商標))への耐性が特に重要となり得る。オセルタミビルは経口抗ウイルス剤であり、ノイラミニダーゼ阻害剤として機能する。この薬剤は、新規ウイルスがホスト細胞との結合を化学的に切断するのを阻止することにより、体内の細胞間におけるインフルエンザ(flu)ウイルスの拡散を遅延させる。この薬剤は、インフルエンザAおよびインフルエンザB双方に対して用いることができる。耐性は、複数の方法(例えば、機能アッセイ(培養)または遺伝子マーカーの特定)により決定することができる。インフルエンザ感染の治療において、ザナミビルも用いられる。 サンドイッチアッセイフォーマットを用いて、特定のインフルエンザウイルス株を検出することができる。複数のアッセイ構成が利用可能である。図3は、H1N1抗原のアッセイを示し、4つの異なるアッセイ型中のサンドイッチ複合体を示す。当業者であれば、類似の設定を用いて他のウイルス株(例えば、H5N1、H2N3など)を検出することが可能であることを理解する。図示されているのは、(各ウイルス粒子上において複数のコピーを有する)H1N1ウイルスの測定のための4つのアッセイ構成における最終反応生成物である。これらののアッセイは、以下を含む:1)サンプル(例えば、血液、血清、唾液または鼻洗浄液)を、前記ウィルス表面抗原(H1、N1)のうちの1つに対する抗体を有する捕捉表面へ付加すること、2)前記表面抗原のうちの1つへ酵素標識抗体を付加すること、および3)前記表面を洗浄して非結合ウイルス粒子を除去すること。異なるアッセイ構成により、様々な粒子を検出することができる。構成α−H1/α−N1およびα−N1/α−H1はH1N1ウイルスを測定し、構成α−H1/α−H1は、H1抗原を有する任意のウイルスを検出し、構成α−N1/α−N1は、N1抗原を有する任意のウイルスを検出する。前記アッセイを検出するためのカートリッジシステムについて、米国特許出願第11/746,535号(出願日:2007年5月9日、名称:「REAL−TIME DETECTION OF INFLUENZA VIRUS」)に記載がある。 また、サンドイッチアッセイを用いて、インフルエンザ株に対するホスト抗体(例えば、H1N1豚インフルエンザに対するヒト抗体)を検出することも可能である。このようなアッセイの第1の実施形態を図4Aに示す。この図において、アッセイ取得フェーズは、固相へ付着したウィルス抗原に対する抗体を有する。ウイルス粒子(抗原)を前記固相によって取得することができ、検出試薬(例えば、ウィルス抗原に対するアルカリホスファターゼ標識抗体)を用いて、前記ホスト抗体を検出することができる。このアッセイは、抗原アッセイとして構成される。抗体検出は、ウィルス抗原をサンプル(例えば、体液(例えば、血液または血漿)にスパイクし、アッセイ応答を付加抗原と共にまたは付加抗原無しで比較することにより、行われる。抗ウイルス抗体の測定は、既知の一定量のウイルスまたはウィルス抗原を患者サンプルへと付加(スパイク)することにより、行うことができる。培養後、前記スパイクされたサンプルを、ウィルス抗原のアッセイ内において用いる。抗体が存在する場合、前記アッセイは、抗原測定値の低下(低スパイク回復)を示す。前記スパイクされた抗原のサンプル希釈または前記レベルを滴定することで、前記抗体の数値を得ることができる。ウィルス抗原に対する抗体が存在する場合、付加された抗原の無い箇所においては、信号がほとんど発生しない。抗原が付加されている場合、抗原がスパイクされた抗原陰性制御サンプルに対する反応と比較して、低減した(またはゼロの)反応がある。換言すれば、抗原「スパイク回復」は低いかまたはゼロである。抗原「スパイク回復」がゼロを越える場合、抗体量を前記スパイク回復から減算することができる。サンプル中の抗体の滴定は、アッセイ応答が得られるまで抗原スパイクを増加させることにより行うこともできる。当業者であれば、前記アッセイは、他のウイルス株(例えば、H5N1)に対するホスト抗体の検出に適合させることが可能であることを理解する。前記方法は、任意の適切な抗原に対する(例えば、他の微生物損傷に対する)ホスト抗体を検出するように適合させることも可能である。 インフルエンザウイルス粒子に対するホスト抗体を検出するための別の構成の模式図を図4Bに示す。これは、直接的検出方法である。この実施形態において、アッセイ取得フェーズは、固相に付着したウィルス抗原を有し、ヒト免疫グロブリンに対するアルカリホスファターゼ標識抗体を含む検出試薬を用いる。本明細書中に記載のように、ホスト抗体のイデオタイプに基づいて、前記ホストが前記抗原(IgM抗体が発見される)に対してナイーブかについてあるいは以前晒されたことがあるか(IgGまたはIgA抗体が発見される)についての決定を下すことができる。免疫グロブリン種に固有の抗体(例えば、IgM、IgG、IgAなど)を用いることにより、抗体の種類を決定することができる。このアッセイは、以下を含む:1)ウイルスおよび/またはウィルス抗原が結合した捕捉表面によってサンプルを培養すること、2)サーファクトを洗浄して、非結合IgGを除去する、3)その後、IgMのIgGのいずれかに対して特異的である酵素標識抗ヒト免疫グロブリンで培養すること、および4)洗浄して、非結合酵素標識抗体を除去すること、ならびに4)、基質で培養すること。図4Bは、第4のステップ後のアッセイ状態を示す。 前記FSシステムを用いて、分析物および他の個人パラメータ(血圧、体温、体重ど)を経時的に監視する。いくつかの実施形態において、個人に対する検査を、設定されたスケジュールに基づいて行う。例えば、1つ以上のアッセイを少なくとも1h、2h、3h、4h、5h、6h、7h、8h、9h、10h、11h、12h、13h、14h、15h、16h、17h、18h、19h、20h、21h、22h、23h、24h、36h、2日、3日、4日、5日、6日、1週、10日、2週、3週、4週、1month、5週、6週、7週、8週、2ヶ月、9週、10週、11週、12週、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月毎、または少なくとも1年毎に行う。検査を行う頻度は、個人間によっても異なり得るし、疾病間によっても異なり得る。例えば、有リスク者としてみなされる者(例えば、学校の子ども、老人、保健ケア従事者および医師に対する検査頻度を高くすることができる。いくつかの実施形態において、前記OSは、アッセイ頻度を指示する。例えば、前記OSは、これらの有リスク者に対し、より高頻度の検査を行うスケジュールを指示し得る。検査のスケジュール決定は、リアルタイムで行うことができるし、あるいはセミリアルタイムで行うことも可能である。例えば、兆候事例が特定された後、前記兆候事例との社会的接触を有する他の個人に対して即時に検査を行った後、これらの個人に対してより高頻度で検査を行うことができる。いくつかの実施形態において、高リスクのホットスポットに対して検査頻度が増加される。いくつかの実施形態において、リスクが低下と共に検査頻度も低減することで、資源を節約する。 上記のように、本発明のシステムおよび方法で、多様な現場機器を用いることが可能である。前記OSは、FS機器の最適な配備を指示することができる。いくつかの実施形態において、脅威の変化と共に、アッセイの種類を経時的に調整する(例えば、異なる分析物の監視へと調整する)。いくつかの実施形態において、脅威の変化と共に、サンプル種類(単数または複数)を経時的に調整する。加えて、PCR技術(例えば、リアルタイムPCR)を用いて、血液中においてウィルス核酸が検出されている。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載のようなマルチサンプル型カートリッジが用いられる。これらのカートリッジにより、2つ以上のサンプル型中の限られた数の分析物(例えば、血液、濃縮赤色細胞、痰、唾液、鼻洗浄液、または他の体液のうち1つ以上の使用)のサンプル処理および分析が可能となる。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載のような多分析物カートリッジが用いられる。これらのカートリッジは、1つのサンプル種類上に対して多くの分析を行うことができる。双方の種類のカートリッジを、所与の設定において最適と考えられる所与の設定で利用することができる。 配備されたFSシステムを用いて、前記選択されたアッセイを用いて前記選択されたサンプル種類を検査する。得られた結果は、本明細書中に記載のようなOSシステムへと返送される。インフルエンザ感染の可能性について個人を評価する場合、一連の測定を経時的に行うと有利である。早期測定結果に基づいて、理想的な分析物セットを変更することで、アッセイシステムによって収集された情報を最適化することができる。このような長期にわたるの測定を用いることで、疾病過程におけるトレンドを示す分析物レベルのトレンドを計算することが可能となる。いくつかの実施形態において、本発明の長期の測定において、特定の個人からの動的データを、以前の流行において収集された集団情報と共に考慮する。いくつかの実施形態において、前記モデルは、現在の流行に晒されている対象者のコホートからのデータも調整する。 前記OSは、感染について入来データを監視し、感染遭遇時において、推奨される評価および封じ込めを提供する。感染が観測された場合、適切な関係者(例えば、個人、社会的接触者、保健ケア従事者、および政府係員)へ通知する。いくつかの実施形態において、前記OSによって推奨された行動指針を用いて、ウイルス拡散を封じ込める。いくつかの実施形態において、前記行動指針は、感染した個人へ治療を提供することを含む。いくつかの実施形態において、前記感染した個人と接触した者に対し、予防的治療が施される。このような治療は、ワクチン接種を含み得る。いくつかの実施形態において、大発生の深刻度に応じて、感染した個人を隔離することができる。前記感染した個人との接触者も隔離することができる。 前記FSおよびOSは、継続的に全体を監視し、入来情報を用いてOSデータベースを継続的に更新する。いくつかの実施形態において、前記OSは、実世界測定に応答して、前記推奨される行動指針を調整する。このようにして、本発明のヘルスシールドは、検出された大発生に対して動的応答を提供する。大発生の封じ込め後、前記システムのFS構成要素を別のホットスポットなどへと再配置することができる。 6.伝染病の監視 上述のような本発明のシステムを用いれば、インフルエンザの他にも、複数の伝染病の監視を行うことが可能であることが理解される。例えば、前記HSは資源が限られている地域(例えば、農村地域または遠隔地域または発展途上国)における伝染病の拡散を監視および回避するように配備することができる。いくつかの実施形態において、前記HSを用いて、後天性免疫不全症候群(AIDS)、結核(TB)および/またはマラリアを監視する。AIDSは、ヒト免疫系の疾病であり、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)によって引き起こされる。HIVは、粘液膜または血流と、HIVを含む体液(例えば、血液、精液、膣液、尿道球腺液、および母乳)との直接接触を通じて伝染する。疾病拡散は、違法薬物を注射する際に感染注射器を共用した場合にも発生する。AIDSは、免疫系の有効性を漸次的に低下させ、その結果、日和見感染および腫瘍に感染し易くさせる。このような免疫系の脆弱化により、TBおよびマラリアのリスクが悪化する。結核は、一般的かつ死に繋がる伝染病であり、抗酸菌(例えば、ヒト型結核菌)によって引き起こされる。結核はほとんどの場合肺中に存在し、感染した個人が咳、くしゃみまたは唾吐きをした際に空気を通じて拡散する。マラリアはベクター媒介伝染病であり、原生動物の寄生によって発生し、感染性の雌のハマダラカに噛まれた際に拡散する。AIDS、TBおよびマラリアはそれぞれ、多くは発展途上国において年間百万人の死亡原因となっている。これらの病原体に対する治療は利用可能であるものの、治療コストには大きな差がある。すなわち、TB治療およびマラリア治療は比較的廉価である一方、AIDS治療は高コストであり得る。これらの病原体全てにおいて、薬剤耐性が問題となり得る。 いくつかの実施形態において、前記HSシステムを配備して、伝染病(例えば、AIDS、TBおよびマラリア)の拡散を監視および制限する。いくつかの実施形態において、この構成のヘルスシールドを発展途上国において配備する。一般的インフラストラクチャは、インフルエンザについて上述したものと同様のものでよい。モデル中に入力されるデータは、疾病に対して投与される多様な薬剤および薬剤組み合わせに関する薬物動態学/薬力学(PK/PD)データを含み得る。薬剤耐性についてのアッセイをFSシステム中に含めることも可能である。前記システムは、前記個人の薬剤治療適合性についての情報も収集し得る。これにより、前記システムは、各個人に対する最適な治療投薬計画を推定することができる。個人のプロファイルが有れば、疾病進行を積極的に治療および食い止めるための薬剤投薬計画を用いて個人を治療することが可能になる。別の個人に対する治療を、より早期の治癒を達成するには最適とはいえないが適合率はより高い(例えば、より少数の治療(例えば、一日あたりの錠剤数の低減))ため最終的には当該個人に対して長期的によりよい結果を達成するような治療にすることが可能である。 前記FSシステムは、進行中のホットスポットに配置することができる。ホットスポットを挙げると、例えば、感染性蚊が多数存在する地域、または蚊から噛まれないようにするための保護策が不十分な地域がある。いくつかの実施形態において、中央検査ゾーンを前記ホットスポット内に構築することができる。いくつかの実施形態において、電源を用いることができない個人は、必要な資源の揃った中央実験室において血液サンプルを採取し、かつ/または、このサンプルを分析することができる。これらの実験室は、前記ホットスポットまたはその近隣に配置することができる。いくつかの実施形態において、前記中央実験室は、当該個人がいる場所まで移動させることが可能なモバイルユニット内に含まれる。 本発明のHSシステムは、病害拡大の制御のための戦略および推奨事項を提供するように、構成することができる。ホットスポット内の個人および組織または監視エリアに対して、当該疾病について(例えば、原因、治療、および拡散回避方法)の教育を施すことができる。いくつかの実施形態において、OSモデルは、積極的な保護方策を提案する。例えば、前記システムがTBのホットスポットが発生しつつあるのを特定した場合、蚊帳、虫除けスプレー、殺虫剤または抗殺虫剤を当該エリアにおいて追加することができる。ワクチン接種または予防的治療も行うことが可能である。いくつかの実施形態において、前記モデルは、拡散の可能性が最も高いエリアを予測することができ、これにより、これらのエリアにおける早期または先制的ワクチン接種が可能となり、疾病回避が可能となる。感染した個人または個人グループについては、監視下におくかまたは隔離することができる。いくつかの実施形態において、個人を家庭内、病院内または他のケア施設内に隔離する。さらに、感染した個人との接触者(例えば、友人、家族および同僚)を隔離するか、ありは密接な監視下におくかまたは監視することができる。いくつかの実施形態において、前記HSシステムは、保菌者(すなわち、疾病を持っている個人のうち無症状の個人)を特定する。例えば、アフリカの集団のうち約80%における結核検査結果は陽性である。いくつかの実施形態において、保菌者による拡散を低減するための措置がとられる。例えば、保菌者に対し、治療、拡散低減方法(例えば、体液交換の回避または衛生保持方法)についての教育、または必要な場合の隔離を施すことができる。OSシステムは、多様なアクションをとった場合の恩恵およびコスト面での恩恵の全体的分析を推定することができる。 前記FSシステムのアッセイは、疾病または監視されている疾病に特有の分析物を測定するように設計することができる。AIDS、TBおよびマラリアの監視時において測定される分析物の非限定的例を以下に挙げる:HIVウイルス、HIVウィルスRNA、HIVへのIgM抗体、HIVへのIgG抗体、CD4、CD8、および/または薬剤治療。TB監視において測定される分析物の非限定的例を以下に挙げる:感染時において発生し得る、TB抗原、抗TB抗体、マイコバクテリア抗体およびインターフェロンガンマ。マラリア監視において測定される分析物の非限定的例を以下に挙げる:マラリア抗原および抗マラリア抗体。AIDS分析物の検出に際してとることが可能な多様なアクションの例を非限定的に挙げると、表6中に列挙されたアクションがある。表6:AIDSにおける分析物およびアクションマトリックス いくつかの実施形態において、本発明のシステムは、慢性の治療不能の伝染病の監視に用いられる。このような疾病は、感染者の血液および他の体液との接触によって拡散する。AIDSは現在治療不能であるが、HIV患者は、抗ウイルス剤治療の利用を通じて数十年間生存できる場合がある。コンドーム利用、性交渉の相手の制限および禁欲により、ウィルス伝播を80%を越えて低減することが可能である。B型肝炎およびC型肝炎は慢性の肝臓疾病であり、それぞれB型肝炎ウイルスおよびC型肝炎ウイルスへの感染によって発生する。本発明のヘルスシールドを用いて、肝炎患者の健康状態の監視を本明細書中に記載のような他の伝染病の場合と同様に行うことができる、例えば、ホットスポットにおける封じ込め方法を行うことができ、例えば、教育およびコンドーム配布を用いて、性的接触を通じて拡散し得るC型肝炎の拡散を食い止めることができる。個人レベルにおいては、感染者個人の状態が悪化した場合に、当該個人に適切な教育および治療または介入を割り当てることができる。例えば、後期段階の肝炎においては、アルコール濫用によって肝臓の損傷が悪化し得る。感染者個人に対して、このようなアルコールによる悪影響についての教育を施すことができる。肝炎監視において測定される分析物の非限定的例を以下に挙げる:B型肝炎ウィルス抗原、C型肝炎ウィルス抗原、B型肝炎ウィルスDNA、C型肝炎ウィルスDNA、抗B型肝炎表面抗原抗体、抗C型肝炎表面抗原抗体、抗B型C型肝炎コアタンパク質抗体、抗C型肝炎コアタンパク質抗原抗体。肝機能監視において測定される分析物の非限定的例を以下に挙げる:アスパラギン酸トランスアミナーゼ(AST)またはアラニントランスアミナーゼ(ALT)。AST/ALT比は、肝酵素上昇時における肝臓障害の原因を区別する際に有用である場合がある。例えば、この比が2.0を越えた場合、アルコール肝炎が関与する可能性が高く、この比が1.0未満である場合、ウィルス肝炎が関与する可能性が高い。 当業者であれば、前記ヘルスシールドシステムは、本明細書中に記載のような同様のアプローチを用いて任意の数の病原体の監視および封じ込めが可能なように構成および適合可能であることを理解する。本発明は、以下の非限定的病原体およびその分析物の監視を含む:アデノウイルス、百日咳、クラミジア肺炎、クラミジアトラコマチス、コレラ毒素、コレラ毒素β、カンピロバクタージェジュニ、サイトメガロウイルス、ジフテリア毒素、エプスタインバーNA、エプスタインバーEA、エプスタインバーVCA、ヘリコバクターピロリ、B型肝炎ウイルス(HBV)コア、B型肝炎ウイルス(HBV)エンベロープ、B型肝炎ウイルス(HBV)表面(Ay)、C型肝炎ウイルス(HCV)コア、C型肝炎ウイルス(HCV)NS3、C型肝炎ウイルス(HCV)NS4、C型肝炎ウイルス(HCV)NS5、A型肝炎、D型肝炎、E型肝炎ウイルス(HEV)orf23KD、E型肝炎ウイルス(HEV)orf26KD、E型肝炎ウイルス(HEV)orf33KD、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1p24、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1gp41、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)−1gp120、ヒトパピローマウイルス(HPV)、単純ヘルペスウイルスHSV−1/2、単純ヘルペスウイルスHSV−1gD、単純ヘルペスウイルスHSV−2gG、ヒトT細胞白血病ウイルス(HTLV)−1/2、インフルエンザA、インフルエンザAH3N2、インフルエンザB、ドノバンリーシュマニア、ライム病、おたふく風邪、肺炎マイコプラズマ、結核菌、パラインフルエンザ1、パラインフルエンザ2、パラインフルエンザ3、ポリオウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、風疹、麻疹、ストレプトリジンO、破傷風毒素、梅毒トレポネーマ15kd、梅毒トレポネーマp47、クルーズトリパノソーマ、トキソプラズマ、および水痘帯状疱疹。7.慢性疾病および治療有効性の監視 伝染病の監視だけでなく、前記ヘルスシールドを用いれば、個人疾病軌跡および当該個人の治療への反応を理解することも可能である。ヒト種中における固有の遺伝子分散と、個人環境の変動とに基づいて、疾病プロセスにおける最も有益な病態生理学的要素を監視および追跡することが可能となり、これにより、治療有効性を決定することが可能となる。このような監視により、ヘルスケア費用が有効な治療および薬剤に費やされていることを確認することが可能となる。従来の実験室システムの場合、実験室検査の処方箋に適合しない個人は50%に上り、治療処方箋のうち60%もの処方箋が有効では無かった。HSを用いれば、家庭配備を通じてより高い遵守が可能となり、有効性のリアルタイム監視により、薬剤有効性も高くなる。HSではポイントオブケア検査が可能であるため、実験室での検査命令の遵守の向上が支援される。 いくつかの実施形態において、本発明の統合型の技術は、鬱血性心不全などの慢性疾病の管理に用いられる。このような監視により、生活の質の向上を支援することができ、また、先制アクションを通じて、費用の高い入院を回避することができる。糖尿病患者については、前記システムを用いれば、自動カウンセリングを提供することで、ライフスタイルの変更の調整および管理を支援することができ、疾病進行を逆転させ、合併症を回避(および予測)することができる。結果を向上させかつ早期介入を可能にすることで、ヘルスケア関連コストを大幅に削減することが可能となる。いくつかの実施形態において、同一のシステムを用いて、複数の治療を受けている慢性疾病患者における薬剤間の相互作用を監視することができる。このようなことが可能であれば、有害な薬剤反応を回避できるだけでなく、関連合併症のコストも低減でき、また、慢性疾病集団においてより広範に用いられるべき救命薬剤の利用も可能となる。 真性糖尿病(糖尿病)は、体内においてインスリンの生成およびインスリン反応が適切にできなくなった状態を指す。インスリンは、膵臓内において生成されるホルモンであり、細胞がグルコースを吸収してエネルギーに変換することを可能にする。糖尿病においては、体内においてインスリンへ上手く反応できなくなっているか、インスリンへ生成が不十分であるか、またはこれら両方が発生している。その結果、血液中にグルコースが蓄積し、多様な合併症を引き起こす。糖尿病を適切に制御できない場合、急性合併症、例えば、低血糖、糖尿病ケトアシドーシス、または非ケトン性高浸透圧性昏睡が発生し得る。深刻な長期合併症を挙げると、心血管疾患、慢性腎不全、網膜損傷および失明、数種類の神経損傷、および細小血管障害があり、このような合併症に起因して、勃起障害および創傷治癒の遅延が発生し得る。創傷治癒の遅延(特に、脚部の創傷治癒の遅延)が発生した場合、壊疽およびさらには切断に繋がり得る。1型糖尿病または若年性糖尿病においては、体内においてインスリンが生成されない。現在、ほとんど全ての1型糖尿病患者がインスリン注射を必要としている。2型糖尿病(成人発症糖尿病または後期発症糖尿病としても知られる)は、インスリン耐性に起因して発生する。インスリン耐性は、細胞がインスリンを適切に用いることができなくなった状態を指す(これは、相対的インスリン欠乏と関与する)。糖尿病の診断を下されたアメリカ人約90%は、2型糖尿病患者である。2型糖尿病の進行を避けられない多くの人々は、前糖尿病の状態で多数年を過ごす。前糖尿病とは、血液グルコースレベルが通常レベルよりも高いが、2型糖尿病と診断されるには不十分である状態を指す。2009年時点において、前糖尿病状態のアメリカ人は5,700万人いる。 前糖尿病は、「アメリカ最大の健康上の疫病」といわれている(Handelsman,Yehuda,MD.ADoctor’s診断:Prediabetes.PowerofPrevention,Vol1,Issue2,2009)。特に富裕国において、高糖分および高脂肪の食事をきっかけとして、肥満および糖尿病が早期に開始している。若者は高糖分および高脂肪の食事をして肥満となっており、このような状態は、深刻な疾病および疾患(例を非限定的に挙げると、前糖尿病、糖尿病、心臓病)に繋がり得る。多くの環境において、高糖分の炭酸飲料および高脂肪のファストフードが容易に手に入ることに起因して、このプロセスが加速している。 本発明のHSシステムを用いて、糖尿病の拡散への対応を支援することができる。いくつかの実施形態において、前記システムを用いて、高リスクの個人を特定する。いくつかの実施形態において、前記システムは、疾病進行リスクが最も高い場所(例えば、地理的場所、コミュニティ、学校システムまたは学校)を特定することができる。非限定的例において、前記HSを学校において配備する。伝染病について述べた方法と同様の方法で、FSシステムを学校に対して配備する。いくつかの実施形態において、学校従業員(例えば、学校の看護婦)が、アッセイを全学生または一部の学生(例えば、有リスクの学生)に投与する。その後、検査を定期間隔を空けて行うことができる(例えば、少なくとも学年度において毎年1回、少なくともセメスターに毎1回、少なくとも四半期毎に1回、少なくとも毎月、少なくとも3週毎、少なくとも2週毎、または少なくとも毎週)。いくつかの実施形態において、一部の学生を異なる間隔で検査することができる。例えば、学生全員を第1の頻度で検査した後、学生全員うち一部(例えば、多様な要素(例えば、肥満または以前の検査結果)から有リスクと特定された者)を第2の頻度で監視することができる。非限定的例において、第1の頻度は、学年度において少なくとも1回であり得、第2の頻度は、少なくともセメスター毎に1回、少なくとも四半期毎に1回、または少なくとも毎月であり得る。これらの有リスクをより高頻度に検査するための任意の類似のスキームを用いることが可能である。 学校において配備されたFSシステムを用いて、リスクまたは疾病(例えば、ホルモンレベルおよびグルコースレベル)を示す多様な分析物を監視することができる。いくつかの実施形態において、このような分析物は、血液中において測定される。前記FSシステムによって測定することが可能な適切な分析物の非限定的例を以下に挙げる:グルコース、ヘモグロビンA1c、インスリン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド1(GLP−1)、前記インスリン前駆体ペプチド−C、レプチン、アディポネクチン、コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロールおよびトリグリセリド。他の生理学的データ(例えば、体重)をシステムに入力することもでき、その場合、このデータは、個人のリスクおよびグループのリスクの計算の際にHSのOS構成要素によって用いられる。前記システムはまた、投薬計画を個人の健康プロファイルに入力するかまたは前記FSによって薬剤レベルを直接検出することにより、薬剤治療を監視することもできる。いくつかの実施形態において、前記システムは、これらの変数のうち任意のものまたは全ての進行を経時的に監視する。 HSが前糖尿病または糖尿病の進行のリスクのある個人(例えば、学生)または集団(例えば、全学生)を特定した場合、前記システムは、行動指針を推奨することができる。集団の場合、集団発生またはリスク増加が閾レベルを越えている場合、前記システムは、警告および/または推奨アクションを発行することができる。いくつかの実施形態において、前記行動指針は、個人、介護者、または個人のライフスタイルに影響を与え得る他の個人に対するカウンセリングを含み得、これにより、疾病または疾病リスクを軽減する。例えば、親または学校係員に通知することができる。前記システムは、治療または介入(例えば、運動、減量、食事習慣の変更)を推奨することもできる。集団の場合は、推奨事項は、集団制御策を含み得る(例を非限定的に挙げると、高糖分のソフトドリンクの学校現場からの除去、カフェテリアメニューをより健康的なメニューにすること、体育の向上)。 2型糖尿病に対する感受性は、貧困なライフスタイルの選択に起因するだけでなく、他の要素(、例えば、遺伝因子)によっても影響を受ける。米国においては、このような変動(例えば、ネーティブアメリカン集団の変動および先住民を祖先とする集団(例えば、ヒスパニック集団)の変動)のリスクが高まっている。環境要素も、可能性のある要素である。前記OSモデルは、さらなる要素(例を非限定的に挙げると、遺伝子要素および環境要素)を考慮に入れて配備することができる。例えば、前記モデルは、非アッセイリスク測定に基づいた適応サンプリングを含むように、構成することができる。このようなリスク方策を非限定的に以下に挙げる:体重、医学的履歴、血圧、家族歴、活性レベル、遺伝子変動、および飲酒。前記モデルはまた、FSアッセイデータと、地理的データ、ファミリーデータ、人口学的データ、雇用データ、ヘルスケア提供者データおよび他のデータとに基づいた適応サンプリングに合わせて構成することも可能である。同様に、前記システムは、リスクを最良に示す変数に類似していると分析システムが決定した個人および集団についての結果に基づいて、適応治療をモデル化することができる。前記システムは視覚化を取り入れることもでき、これにより、リスク要素およびリスク軽減のための適切なアクション(例えば、治療および/または予防的治療および/または介入、減量、食事法の変更、運動、および他のライフスタイル変更)を医者がユーザに説明および明確化するプロセスが支援される。このような視覚化を挙げると、例えば、決定木またはヒートマップがある。いくつかの実施形態において、前記視覚化は、相加因子からの累積リスクを示す。例4中に、糖尿病のための決定木の例示的使用を示す。これらのアプローチそれぞれは、糖尿病および他の慢性または伝染病のモデルに適用することができる。 別の実施形態において、前記HSのポイントオブケア能力およびリアルタイム監視能力を用いて、臨床試験の効率を向上させることができる。ヘルスシールドによる時間節約量は、製薬会社による従来の検査およびデータ分析に次ぐレベルである。モデル化研究によれば、HSを用いた場合、臨床試験プロセスを数年間短縮する可能性があり、プログラムあたりの節減額も数億ドルであることが分かっている。加えて、生成されたデータからも、患者集団の規定および有害事象の予測的特定による薬剤監視においてより高い成功および結果を得ることができている。 別の実施形態において、治療剤の有効性および/または毒性の評価において有用な2つ以上の薬理学的パラメータを監視する方法が提供される。例えば、1つの治療剤は、治療有用性および/または可能性を有する任意の物質を含み得る。このような物質を以下に非限定的に挙げる:生体化合物または化学化合物(例えば、単純または複雑有機または無機分子、ペプチド、タンパク質(例えば、抗体)またはポリヌクレオチド(例えば、アンチセンス)。多種多様の化合物を合成することが可能である(例えば、ポリマー(例えば、ポリペプチドおよびポリヌクレオチド)、および多様なコア構造に基づいた合成有機化合物)、これらを治療剤として含めることもできる。加えて、多様な自然源から、治療用途の化合物(例えば、植物または動物からの抽出物など)を得ることも可能である。薬剤を単独で用いるかまたは別の薬剤と組み合わせて用いているかを必ずしも明示的に記載していないが、当該薬剤は、本発明によるスクリーンによって特定された薬剤と同一または異なる生物活性を有することが理解されるべきである。これらの薬剤および方法を他の治療と組み合わせることも意図される。例えば、小分子薬剤は、不正確である可能性がある質量分析によって測定されることが多い。ELISA(抗体ベースの)アッセイの方がずっと高精度でありかつ正確である。 本発明による生理学的パラメータを以下に非限定的に挙げる:例えば、温度、心拍/脈拍、血圧、および呼吸速度などのパラメータ。薬力学的パラメータを以下に挙げる:バイオマーカー濃度(単数または複数)(例えば、タンパク質、核酸、細胞、および細胞マーカー)。バイオマーカー(単数または複数)は、疾病を示すかまたは薬剤の作用を示し得る。本発明による薬物動態学的(PK)パラメータを以下に非限定的に挙げる:薬剤および薬剤代謝濃度。サンプル量からリアルタイムでこれらのPKパラメータを特定および数値化することは、薬剤の適切な安全および有効性において極めて望ましい。薬剤濃度および代謝濃度が所望の範囲から外れた場合および/または前記薬剤に対する突発的な反応に起因して突発的な代謝が発生した場合、患者の安全を確保するための迅速なアクションが必要となり得る。同様に、前記薬力学的(PD)パラメータのうちいずれかが治療レジーム時において前記所望の範囲から外れた場合、迅速なアクションが同様に必要となり得る。 単一対象者における分析物濃度またはPDまたはPKパラメータの変化率を経時的に監視できると、あるいは、前記濃度、PDパラメータまたはPKパラメータについてのトレンド分析を(前記濃度が薬剤濃度であるかまたは代謝濃度であるかを問わず)行うと、危険な状況の可能性の回避を支援することができる。例えば、グルコースが対象分析物である場合、所与の時期におけるサンプル中のグルコース濃度と、グルコース濃度の経時的変化率とを有用に用いて、例えば低血糖などを予測および回避することが可能となる。このようなトレンド分析は、薬剤投薬計画において広範かつ有用な影響を有する。複数の薬剤およびその代謝を対象とする場合、トレンド発見能力および先行方策提供能力があると望ましい場合が多い。 本明細書中に記載のHSシステムおよび方法を用いて、多数の他の疾病および状態を監視することができる。例えば、前記システムを用いて、微生物、ウイルス、またはクラミジア科の拡散を監視および制御することができる。例示的な微生物を非限定的に挙げると、バクテリア、ウイルス、菌類および原虫がある。前記方法によって検出することが可能な分析物は、血液感染性病原体も含む。前記血液感染性病原体は、以下からなる非限定的群から選択される:表皮ブドウ球菌、大腸菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、黄色ブドウ球菌、スタフィロコッカスホミニス、大便連鎖球菌、緑膿菌、スタフィロコッカスカピティス、スタフィロコッカスワーネリ、クレブシエラニューモニエ、ヘモフィルスインフルエンザ、スタフィロコッカスシミュランス、肺炎レンサ球菌およびカンジダアルビカンス。 前記方法によって検出することが可能な他の微生物は、多様な性感染性疾病も含む。これらの性感染性疾病は、以下から選択される:淋病(淋菌)、梅毒(梅毒トレポネーマ)、クラミジア(クラミジアトラコマチス)、非りん菌性尿道炎(ウレアプラズマウレアリチカム)、イースト感染(カンジダアルビカンス)、軟性下疳(ヘモフィルスジュクレー)、トリコモナス症(膣トリコモナス)、性器ヘルペス(HSVI型&II型)、HIVI、HIVIIおよびA型B型C型肝炎、G、ならびにTTVに起因するC型肝炎。 前記方法による検出が可能なさらなる微生物は、多様な呼吸器病原体を含む。前記呼吸器病原体を非限定的に以下に挙げる:緑膿菌、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MSRA)、クレブシエラニューモニエ、ヘモフィルスインフルエンザ、黄色ブドウ球菌、ステノトロホモナスマルトフィリア、ヘモフィルスパラインフルエンザ、大腸菌、大便連鎖球菌、セラチア菌、ヘモフィルスパラヘモリチカス、エンテロバクタークロアカエ、カンジダアルビカンス、モラクセラカタラーリス、肺炎レンサ球菌、シトロバクターフロインディ、エンテロコッカスフェシウム、クレブシエラオキシトカ、シュードモナスフルオレッセンス、髄膜炎菌、化膿レンサ球菌、ニューモシスチスカリニ、肺炎桿菌レジオネラニューモフィラ、肺炎マイコプラズマ、およびヒト型結核菌。 任意の数のバイオマーカー(単数または複数)を、配備されたヘルスシールド内において検出することができる。以下に、本発明によるさらなる例示的なマーカーを列挙する:テオフィリン、CRP、CKMB、PSA、ミオグロビン、CA125、プロゲステロン、TxB2、6−ケト−PGF−1−アルファ、およびテオフィリン、エストラジオール、黄体形成ホルモン、トリグリセリド、トリプターゼ、低密度リポタンパク質コレステロール、高密度リポタンパク質コレステロール、コレステロール、IGFR。 例示的な肝臓マーカーを非限定的に以下に挙げる:LDH、(LD5)、(ALT)、アルギナーゼ1(肝臓型)、アルファ−フェトプロテイン(AFP)、アルカリホスファターゼ、アラニンアミノトランスフェラーゼ、乳酸脱水素酵素、およびビリルビン。 例示的な腎臓マーカーを非限定的に以下に挙げる:TNFa受容体、シスタチンC、リポカリン型尿中プロスタグランジンD、合成酵素(LPGDS)、肝細胞成長因子受容体、ポリシスチン2、ポリシスチン1、フィブロシスチン、ウロモジュリン、アラニン、アミノペプチダーゼ、N−アセチル−β−D−グルコサミニダーゼ、アルブミン、およびレチノール結合タンパク質(RBP)。 例示的な心臓マーカーを以下に非限定的に挙げる:トロポニンI(TnI)、トロポニンT(TnT)、CK、CKMB、ミオグロビン、脂肪酸結合タンパク質(FABP)、CRP、Dダイマー、S−100タンパク質、BNP、NT−proBNP、PAPP−A、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)、グリコーゲンホスホリラーゼアイソザイムBB(GPBB)、トロンビン活性化線溶阻害因子(TAFI)、フィブリノーゲン、虚血改質アルブミン(IMA)、カルジオトロフィン−1、およびMLC−I(ミオシン軽鎖−I)。 例示的な膵臓マーカーを以下に非限定的に挙げる:アミラーゼ、膵炎関連タンパク質(PAP−1)、および再生タンパク質(REG)。 例示的な筋組織マーカーを非限定的に挙げると、ミオスタチンがある。 例示的な血液マーカーを非限定的に挙げると、エリスロポエチン(EPO)がある。 例示的な骨マーカーを非限定的に挙げると、1型コラーゲン架橋N−テロペプチド(NTx)カルボキシ末端I型骨コラーゲン架橋テロペプチド、リシルピリジノリン(デオキシピリジノリン)、ピリジノリン、酒石酸抵抗性酸ホスファターゼ、プロコラーゲンIC末端プロペプチド、プロコラーゲンI型Nプロペプチド、オステオカルシン(骨gla−タンパク質)、アルカリホスファターゼ、カテプシンK、COMP(軟骨オリゴマー基質タンパク質)、オステオクリン、オステオプロテゲリン(OPG)、RANKL、sRANK、TRAP5(TRACP5)、オステオブラスト特定因子1(OSF−1、プレイオトロフィン)、可溶性細胞接着分子、sTfR、sCD4、sCD8、sCD44、およびオステオブラスト特定因子2(OSF−2、ペリオスチン)。 いくつかの実施形態において、本発明によるマーカーは、疾患特異的である。例示的な癌マーカーを非限定的に挙げると、PSA(前立腺特異抗原)、クレアチニン、前立腺酸性フォスファターゼ、PSA複合体、前立腺特異遺伝子−1、CA12−5、癌胎児性抗原(CEA)、アルファフェトプロテイン(AFP)、hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)、インヒビン、CAAOvarianC1824、CA27.29、CA15−3、CAABreastC1924、Her−2、Pancreatic,CA19−9、CAApancreatic、神経特異エノラーゼ、アンギオスタチンDcR3(可溶性デコイレセプター3)、エンドスタチン、Ep−CAM(MK−1)、自由免疫グロブリン軽鎖カッパ、自由免疫グロブリン軽鎖ラムダ、ハースタチン、クロモグラニンA、アドレノメデュリン、インテグリン、表皮成長因子受容体、表皮成長因子受容体−チロシンキナーゼ、プロアドレノメデュリンN末端20ペプチド、血管内皮成長因子、血管内皮成長因子受容体、幹細胞因子受容体、c−kit/KDR、KDR、およびミッドカイン。 例示的な伝染病状態を非限定的に挙げると、:ウイルス血症、菌血症、敗血症、およびマーカー:PMNエラスターゼ、PMNエラスターゼ/α1−PI複合体、サーファクタントタンパク質D(SP−D)、HBVc抗原、HBVs抗原、抗HBVc、抗HIV、Tサプレッサー細胞抗原、T−細胞抗原比、Tヘルパー細胞抗原、抗HCV、パイロゲン、p24抗原、ムラミルジペプチド。 例示的な糖尿病マーカーを非限定的に以下に挙げる;C−ペプチド、ヘモグロビンA1c、糖化アルブミン、糖化最終産物(AGE)、1、5−アンヒドログルシトール、消化管抑制ポリペプチド、グルコース、ヘモグロビン、ANGPTL3および4。 例示的な炎症マーカーを以下に非限定的に挙げる:TNF−α、IL−6、IL1β、リウマトイド因子(RF)、抗核抗体(ANA)、急性期マーカー(例えば、C反応性タンパク(CRP)、クララ細胞タンパク質(ウテログロビン))。 例示的なアレルギーマーカーを非限定的に挙げると、総IgEおよび特異IgEがある。 例示的な自閉症マーカーを非限定的に挙げると、セルロプラスミン、メタロチオネイン、亜鉛、銅、B6、B12、グルタチオン、アルカリホスファターゼ、およびアポアルカリホスファターゼの活性化がある。 例示的な凝固疾患マーカーを非限定的に挙げると、b−トロンボグロブリン、血小板因子4、フォンヴィレブランド因子がある。 いくつかの実施形態において、マーカーは、治療特異的であり得る。COX阻害剤を非限定的に挙げると、TxB2(Cox−1)、6−ケト−PGF−1−アルファ(Cox2)、11−デヒドロ−TxB−1a(Cox−1)がある。 本発明の他のマーカーを非限定的に挙げると、レプチン、レプチン受容体、およびプロカルシトニン、脳S100タンパク質、物質P、8−Iso−PGF−2aがある。 例示的な高齢者マーカーを非限定的に挙げると、神経特異エノラーゼ、GFAP、およびS100Bがある。 栄養状態の例示的なマーカーを以下に非限定的に挙げる:プレアルブミン、アルブミン、レチノール結合タンパク質(RBP)、トランスフェリン、アシル化刺激タンパク質(ASP)、アディポネクチン、アグーチ関連タンパク質(AgRP)、アンジオポイエチン様タンパク質4(ANGPTL4、FIAF)、C−ペプチド、AFABP(Adipocyte脂肪酸結合タンパク質、FABP4)、アシル化刺激タンパク質(ASP)、EFABP(表皮脂肪酸結合タンパク質、FABP5)、グリセンチン、グルカゴン、グルカゴン様ペプチド−1、グルカゴン様ペプチド−2、グリレン、インスリン、レプチン、レプチン受容体、PYY、RELMs、レジスチン、およびsTfR(可溶性トランスフェリン受容体)。 例示的な脂質代謝マーカーを以下に非限定的に挙げる:アポリポタンパク質(数種)、アポA1、アポB、アポC−CII、アポD、アポE。 例示的な凝固状態マーカーを以下に非限定的に挙げる:因子I:フィブリノーゲン、因子II:プロトロンビン、因子III:組織因子、因子IV:カルシウム、因子V:プロアクセレリン、因子VI、因子VII:プロコンベルチン、因子VIII:、抗溶血因子、因子IX:クリスマス因子、因子X:スチュアートプロワー因子、因子XI:血漿トロンボプラスチン前駆体、因子XII:ハーゲマン因子、因子XIII:フィブリン安定化因子、プレカリクレイン、高分子キニノーゲン、タンパク質C、タンパク質、Dダイマー、組織プラスミノーゲン活性化因子、プラスミノーゲン、a2抗プラスミン、プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤1(PAI1)。 例示的なモノクローナル抗体を挙げると、EGFR、ErbB2、およびIGF1Rのモノクローナル抗体がある。 例示的なチロシンキナーゼ阻害剤を以下に非限定的に挙げる:Ab1、Kit、PDGFR、Src、ErbB2、ErbB4、EGFR、EphB、VEGFR1−4、PDGFRb、FLt3、FGFR、PKC、Met、Tie2、RAF、およびTrkA。 例示的なセリン/トレオニンキナーゼ阻害剤を以下に非限定的に挙げる:AKT、AuroraA/B/B、CDK、CDK(pan)、CDK1−2、VEGFR2、PDGFRb、CDK4/6、MEK1−2、mTOR、およびPKCベータ。 GPCR標的を以下に非限定的に挙げる:ヒスタミン受容体、セロトニン受容体、アンギオテンシン受容体、アドレノ受容体、ムスカリン性アセチルコリン受容体、GnRH受容体、ドーパミン受容体、プロスタグランジン受容体、およびADP受容体。 HSは、さらなるアッセイを迅速に行えるように適合され得る一連の統合型技術を含むので、本システムにより、現在利用可能な他のシステムとは異なるカスタマイズ可能な技術パッケージが可能となる。例えば、特定技術/アプリケーションに着目したシステムの場合、全疾病における結果向上およびヘルスケア費低減を目標として広範に適用することは困難である。8.現場システムカートリッジシステム(a)現場システム機器 本発明のFSと共に用いられる、カスタマイズされたカートリッジ機器について、米国特許出願第11/389,409号(出願日:2006年3月24日、名称:「POINT−OF−CARE−FLUIDIC SYSTEMS AND USES THEREOF」)、米国特許出願第11/746,535号(出願日:2007年5月9日、名称:「REAL−TIME DETECTION OF INFLUENZA VIRUS」)、および米国特許出願第12/244,723号(出願日:2008年10月2日、名称:「MODULAR POINT−OF−CARE DEVICES,SYSTEMS,AND USES THEREOF」)中に記載がある。本明細書中、さらなる詳細について記載する。 1つの実施形態において、本発明と共に用いられるFS機器は、体液サンプル中の分析物の自動検出機器を含む。前記機器は、アドレス可能なアッセイユニットのアレイを含む。前記アレイは、前記分析物の存否を示す検出可能信号を発生させる化学反応を実行するように、構成される。いくつかの実施形態において、前記機器は、アドレス可能な試薬ユニットのアレイをさらに含む。前記アドレス可能な試薬ユニットのアレイはそれぞれ、前記機器中の1つ以上のアドレス可能なアッセイユニットに対応するようにアドレス指定され、これにより、個々の試薬ユニットを前記対応するアッセイユニット(単数または複数)に基づいて較正することができ、その後前記アレイを前記機器上に組み付ける。いくつかの実施形態において、前記アッセイユニットのうち少なくとも1つと、前記試薬ユニットの少なくとも1つとは、前記機器内において相互に移動可能であり、これにより、前記化学反応の実行のための試薬が前記アッセイユニット中の体液サンプルと自動的に接触させられる。アッセイユニットまたは試薬ユニットのアレイは、前記構成されたアッセイユニットによって実行される化学反応に応じて、アドレス指定することができる。 1つの実施形態において、前記機器は自立型であり、複数のアッセイを並行して行うために必要な全ての試薬、液体試薬および固相試薬を含む。所望であれば、前記機器は、少なくとも2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、20回、30回、40回、50回、100回、200回、500回、1000回またはこれ以上のアッセイを行うように構成される。所望であれば、前記機器内に1つ以上の対照アッセイを設けて、並行に実行することが可能である。 前記アッセイは、定量的免疫アッセイであり得、短時間で行うことができる。他のアッセイ型も、本発明の機器と共に実行することが可能である(例を非限定的に挙げると、核酸配列の測定および代謝産物(例えば、コレステロールおよび酵素(例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ)コレステロールおよび酵素(例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ))の測定がある。いくつかの実施形態において、前記アッセイは、2時間未満で完了し、好適には30分未満、15分未満、10分未満または5分未満で完了する。他の実施形態において、前記アッセイは、5分未満内に行われる。そのため、アッセイ検出の継続時間は、本発明の機器と共に実行すべきアッセイの種類に合わせて調整することができる。例えば、アッセイをより高い感受性で行うことが必要な場合、アッセイの培養を2時間以上または2日間まで行うことができる。いくつかの例において、長時間を必要とするアッセイは、臨床POC設定においてよりも、他のPOC用途(例えば、家庭用途)においてより実際的であり得る。 対象分析物を含有するものとして疑義のある任意の体液を、本発明のシステムまたは機器と共に用いることができる。一般的に用いられる体液を以下に非限定的に挙げる:血液、血清、唾液、尿、胃液および消化液、涙、排泄物、精液、膣液、腫瘍組織から導出された間隙液、および脳脊髄液。 体液は、患者から抽出し、機器に多様な方法で送ることができる(例を非限定的に挙げると、ランシング、注射、またはピペット操作)。本明細書中用いられるような「対象者」および「患者」という用語は、本明細書中において同義に用いられ、脊椎動物(好適にはほ乳類、より好適にはヒト)を指す。ほ乳類を非限定的に挙げると、ネズミ、サル、ヒト、家畜、競技動物、およびペットがある。1つの実施形態において、ランセットによって皮膚を穿孔し、次に、例えば、重力、毛管現象、吸引または真空力を用いてサンプル収集を行う。前記ランセットは、前記機器の一部であってもよいし、システムの一部であってもよいし、あるいは独立した構成要素であってもよい。必要な場合、前記ランセットの起動を、多様な機械的、電気的、電気機械的または他の任意の公知の起動機構あるいはこのような方法の任意の組み合わせによって行うことができる。起動機構の無い別の実施形態において、患者は短に体液を前記機器へと送る(例えば、唾液サンプルの場合)。収集された流体は、前記機器内のサンプル収集ユニット内に配置され得る。さらに別の実施形態において、前記機器は、皮膚を穿孔する少なくとも1つの極微針を含む。 機器と共に用いられる液体量は、一般的には約500マイクロリットル未満であり、典型的には約1〜100マイクロリットルである。所望であれば、1〜50マイクロリットル、1〜40マイクロリットル、1〜30マイクロリットル、1〜10マイクロリットルまたはさらには1〜3マイクロリットルのサンプルを用いて、前記機器を用いた分析物検出を行うことができる。 一実施形態において、前記機器またはシステムを用いた分析物検出に用いられる体液量は、1滴の流体である。例えば、指先穿刺によって得られた1滴の血液から体液サンプルを得て、本明細書中に記載の機器、システムまたは方法によって分析することができる 本明細書中に以下の記載のように、体液サンプルを対象者から収集し、本発明の機器へと送達することができる。 一実施形態において、アッセイおよび試薬ユニットのアレイを、1組のミックスアンドマッチ構成要素として構成する。アッセイユニットは、体液サンプルからの分析物と反応し得る少なくとも1つの捕捉表面を含み得る。前記アッセイユニットは管状先端部であり得、前記先端部内に捕捉表面が設けられる。本発明の先端部の例を本明細書中に記載する。試薬ユニットは典型的には、所与の分析物を検出するアッセイの実行に必要な液体または固体試薬を保存する。各個々のアッセイおよび試薬ユニットは、アッセイ機能が得られるように、独立して構成することができる。機器を組み立てるには、前記ユニットをジャストインタイムの様態で組み立てることができ、その後統合型のカートリッジとして用いることができる。 別個の成分(すなわち、液体および固相の双方)を得ることが可能であり、その後性能について検査して、保存する。一実施形態において、前記機器の組み立ては、製造場所においてオンデマンド様式で行われる。前記機器はモジュール式とすることができ、構成要素(例えば、全アッセイを包括するハウジング、アッセイユニット(例えば、先端部)、および試薬ユニット(例えば、液体試薬を封入するための、多様な壊れやすいかまたは器具による操作が可能なコンテナ))を含む。いくつかの場合において、その後、組み立てられた機器を検査して、較正(既知の分析物レベルに対するシステム応答の関係)を規定および/または確認する。アッセイ機器は、事前製造されかつ較正された要素のライブラリからオンデマンドで組み立てることができる。いくつかの実施形態において、機器内の流体経路を単純にすることができ、これにより、泡閉じ込めの可能性を事前に排除でき、過剰試薬アッセイ(例えば、ELISA)における過剰な標識試薬を効率的に洗浄除去する方法が可能となる。 本発明のFS機器のハウジングは、ポリスチレンまたは別の成形可能なまたは機械加工可能なプラスチックによって構成することができ、アッセイユニットおよび試薬ユニットを受容する規定場所を含み得る。一実施形態において、前記ハウジングは、先端部またはアッセイユニットを拭き取って過剰液体を除去するための手段を有する。前記拭き取り手段は、多孔性膜(例えば、酢酸セルロース)またはピース吸湿性材料(例えば、フィルターペーパー)であり得る。 いくつかの実施形態において、前記機器の構成要素のうち少なくとも1つは、ポリマー材料によって構成され得る。ポリマー材料の非限定的例を以下に挙げる:ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスルホン、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、アクリロニトリル‐ブタジエン‐スチレン(ABS)、およびガラス。 前記機器の機器またはサブ構成要素は、多様な方法によって製造することができる。製造方法の例を非限定的に以下に挙げる:スタンピング、射出成形、エンボス加工、鋳造、ブロー成形、機械加工、溶接、超音波溶接、および熱接合。一実施形態において、機器は、射出成形、熱接合および超音波溶接によって製造される。前記機器のサブ構成要素の相互固定は、以下の方法によって行うことができる:熱接合、超音波溶接、摩擦嵌め(押圧嵌め)、接着材、または特定の基質の場合、例えば、ガラス、または半硬質および非硬質のポリマー基質、前記2つの構成要素間の自然接着。 本明細書中に記載のような例示的な機器を図5に示す。本明細書中、機器100のことをカートリッジ100と呼ぶ場合もある。機器100は、ハウジング130を含む。ハウジング130は、アッセイユニット121および試薬ユニット103、122、124および125を収容するための場所を含む。図5の例示的な実施形態において、アッセイユニット121が、機器100のハウジング130の中央列を占有している。アッセイユニット121は、少なくとも1つの較正ユニット126を必要に応じて含み得る。一例において、アッセイユニット121はピペット先端部と類似しており、アッセイ先端121と呼ばれる。較正ユニット126は、本明細書中において較正先端部126と呼ばれる。しかし、アッセイユニット121は、本明細書中に記載のような機器100によって広範に収容されるような任意の形状およびサイズであってもよい。アッセイユニット121および較正ユニット126は、例示的なアッセイユニット121であり、本明細書中においてより詳細に説明する。図5中のアッセイユニット121は、捕捉表面を含み得、例えば化学反応(例えば、核酸アッセイおよび免疫アッセイ)を行うことができる。命令またはユーザがサンプルに対して検査を行うことを望んでいるアッセイに従って、アッセイユニット121を前記ハウジング内に組み立てることができる。 図5に示すように、機器100のハウジングは、サンプル収集ユニット110を含み得る。サンプル収集ユニット110は、サンプルを含むように構成される。サンプル(例えば、血液サンプル)をサンプル収集ユニット110内に配置することができる。サンプル先端部111(例えば、本明細書中により詳述するような流体移動機器へと連結するピペット先端部)は、ハウジング130の別の部分を専有し得る。アッセイを行う前に、サンプル先端部111は、サンプルを前処理試薬ユニットまたは前処理ユニット103、104、105、106および107、またはアッセイユニット121へと分配する。例示的な前処理ユニット103、104、105、106および107を非限定的に以下に挙げる:混合ユニット107、希釈剤または希釈ユニット103および104、ならびに血漿除去または回復ユニット105および106(ただし、サンプルが血液サンプルである場合)。前処理ユニット103、104、105、106および107は、同一種類のユニットであってもよいし、あるいは、異なる種類のユニットであってもよい。当業者が本開示を読めば理解するように、化学反応の実行の際に必要なものと同様の他の前処理ユニット103、104、105、106および107を機器100内において用いることができる。ユニット103、104、105、106および107は、多様な量の試薬または希釈剤を含み得、現在のカートリッジ100上におけるアッセイ実行において必要となるもの全てに対して柔軟である。 しばしばアッセイユニット121は、ハウジング130と別個に製造することができ、ピックアンドプレース方法によりハウジング130に挿入することができる。アッセイユニット121は、ハウジング130内にぴったりと嵌めることもできるし、あるいは、ハウジング130内に緩く嵌めること可能である。いくつかの実施形態において、ハウジング130は、例えば搬出時またはカートリッジ操作時において試薬ユニット103、122、124および125ならびに/またはアッセイユニット121をぴったりと所定位置に保持できるように、製造される。図5に示す試薬ユニット103、122、124および125は、コンジュゲート試薬122(例えば、免疫アッセイと共に用いられるもの)と、洗浄試薬125(例えば、コンジュゲートを捕捉表面から洗浄するためのもの)と、基質124(例えば、酵素基質)とを含む。図5中の例の機器100および構成要素の他の実施形態について、本明細書中に記載する。試薬ユニット103、122、124および125は、ハウジング130と別個に製造および充填することができ、その後ハウジング130内に配置することができる。このようにして、カートリッジ100をモジュール内に構築することができ、これにより、多様なアッセイに用いられるカートリッジ100の柔軟性が高まる。試薬ユニット103、122、124および125中の試薬は、実行すべきアッセイに応じて選択することができる。例示的な試薬およびアッセイについて、本明細書中に記載する。 図5に示すような機器は、化学反応実行に必要となり得る他の特徴も含み得る。例えば、アッセイユニット121が本明細書中に記載のようなアッセイ先端121である場合、前記機器は、先端タッチオフパッド112を含み得る。先端タッチオフパッド112は、流体移動後に過剰なサンプルまたは試薬アッセイを先端121またはaサンプル先端部111から例えば本明細書中に記載のようなシステムによって除去するためのものである。ハウジング130はまた、ユニットまたはエリア101および102を機器100内に含み得る。ユニットまたはエリア101は、例えばサンプル先端部111またはアッセイユニット121の二次汚染を回避するために、使用済みの先端部またはユニットを配置するためのものである。図5において、機器100は、サンプル先端部111を含む。サンプル先端部111は、機器100のユニット間においてサンプルを移動させるためのものである。図5に示すような機器100は、前処理先端部113も含む。前処理先端部113は、機器100のユニット前処理後サンプルを機器100内の他のユニットへと移動させて、化学反応を行うためのものである。例えば、サンプル先端部111を用いて血液サンプルをサンプル収集ユニット110から除去した後、前記血液サンプルを上記したような前処理ユニット103、104、105、106および107へと移動させることができる。前処理ユニット103、104、105、106および107中の血液サンプルから赤色細胞を除去することができ、その後前処理先端部113を用いて、血液血漿を前処理ユニット103、104、105、106および107から収集し、前記血液血漿を別の前処理ユニット(例えば、希釈剤ユニット)103、104、105、106および107および/または少なくとも1つアッセイユニット121へと移動させることができる。一実施形態において、サンプル先端部111は、サンプル収集ユニット110である。別の実施形態において、サンプル収集ユニット110は、ウェルと類似しており、ユーザによって受容されるようなサンプルを含むように構成される。 図5に示すようなアッセイユニット121ならびに試薬ユニット103、122、124および125は、カートリッジ100上のユニットの場所を指示するようにアドレス指定することができる。例えば、図5に示すようなカートリッジ100のカラムによりアッセイユニット121を収容して、C反応性タンパクを検出するように構成されたアッセイを実行することができ、前記カラムにより、同一カラム中の当該アッセイのための対応する試薬ユニット103、122、124および125を収容することができる。前記ユニットは、相互にアドレスされる。例えば、前記アドレスをコンピュータシステム中に入力および保存することができ、カートリッジ100にラベル(例えば、バーコード)を付与することができる。カートリッジ100のバーコードが使用のために走査されると、コンピュータシステムは、前記ユニットのアドレス(例えば、本明細書中に記載のようなもの)をシステムへと送ることができ、これにより、前記コンピュータ中に入力されたアドレスに従って流体を移動させ、反応を実行することができる。前記アドレスは、前記システムの作動のために送られたプロトコルの一部であり得る。前記アドレスは、任意の構成をとり得、必要な場合に変更して、アッセイ実行プロトコルを変更することができる。その結果、従来技術のPOC機器においては典型的には利用不可能であったカートリッジのユーザに対して、アッセイプロトコルまたはステップの変更が可能となる。いくつかの実施形態において、ハウジング130およびユニットは、図5に示すような6×8アレイのユニットにおいて構成される。前記ユニットのレイアウトは、任意のフォーマットでよい(例えば、矩形アレイまたはランダムレイアウト)。カートリッジ100は、任意の数のユニットを含み得る(例えば、1〜約500個)。いくつかの実施形態において、カートリッジ100は、5〜100個のユニットである。図5中に一例として示すように、カートリッジ100は48個のユニットを有する。 図5の例示的機器200の2つの側部が切り欠かれた図を図6Aおよび図6Bに示す。キャビティを機器のハウジング220中に形成することができ、これにより、アッセイユニット(例えば、アッセイ先端)201を垂直方向(ハウジングは水平)において収容することができ、その際、そのボスは機器200の上部に向かっている。図6に示すように、キャビティは、試薬ユニット210および212またはサンプル収集ユニットまたはt先端202を収容するような形状にすることもできる。前記ユニットを高精度に取得して確実に保持するためのフィーチャを、ハウジング220内に設けることができる。このようなフィーチャは、先端部を移動させるための機構(例えば、ピックアップおよびドロップオフ)と共に動作するように設計することも可能である。別の実施形態において、前記サンプル収集ユニットは、屈曲可能であるかまたは破壊可能である要素を含む。この要素は、小型の収集チューブを搬出時において保護し、プランジャ機器を毛細管内の所定位置に保持する機能をする。また、図6A中に、本明細書中に記載のような試薬ユニット210および212の2つの例示的な実施形態が図示されている。ハウジング220の下部は、廃液(例えば、ハウジング220中の穴部を通じて下部へと戻ってきた使用後の洗浄試薬)を収集するように構成することができる。ハウジング220は、廃液を収集するための吸収パッドを含み得る。アッセイユニット201およびサンプルユニット202は、機器200のハウジング220のキャビティを通じてはまり込み、内側支持構造を越えて延びるように、配置することができる。試薬ユニット210および212は、図6に示すように前記ハウジング内にぴったりと嵌められ、前記内側支持構造を越えて延びない。ハウジング220と、アッセイユニット201ならびに試薬ユニット210および212の保持および配置が可能なエリアとは、多様なパターンをとり得る。 いくつかの実施形態において、各先端部は、単一のアッセイを提供し、適切な試薬(例えば、指定アッセイを行うために必要な試薬)と組み合わされるかまたはこのような試薬に対応し得る。いくつかの先端部は、対照アッセイユニットを提供し、既知の量の分析物を有する。この分析物は、製造プロセス時においてまたはアッセイの実行時において、その捕捉表面に結合する。対照アッセイユニットの場合、前記ユニットは、対照アッセイを比較のために実行するように構成される。前記対照アッセイユニットは、例えば、捕捉表面と、固体状態または液体状態にある分析物とを含む。 多くの実施形態において、前記機器は、アッセイに必要な試薬および液体全てを保持する。例えば、ルミノジェニックELISAアッセイの場合、前記機器内の試薬は、サンプル希釈剤、捕捉表面(例えば、3つの取得抗体)、検出器コンジュゲート(例えば、3つの酵素標識抗体)、洗浄液、および酵素基質を含み得る。さらなる試薬も必要に応じて提供することができる。 いくつかの実施形態において、サンプル前処理が可能なように、試薬を機器内に配置することができる。前処理試薬の例を非限定的に以下に挙げる:白色cellysis試薬、赤色cellysis試薬、赤色細胞除去試薬、サンプル中の結合因子から分析物を遊離させるための試薬、酵素、および洗浄剤。前記機器内に含まれる希釈剤に前処理試薬を付加することも可能である。 個々の試薬ユニットは、可動アッセイユニットを受容するように構成することができる。いくつかの実施形態において、前記個々のアッセイユニットは、捕捉表面および反応キュベットを含む開口型の中空の円筒形要素を含む。本明細書中、円筒形アッセイユニットをアッセイ先端と呼ぶ場合がある。いくつかの実施形態において、前記個々のアッセイユニットは、免疫アッセイを実行するように構成される。小型先端部または管状形成部を含むアッセイユニット301を図7Aに示す。いくつかの場合において、先端部301は、内部円筒形捕捉表面311と、機器のハウジングと係合することが可能なボス321とを提供するように構成される。いくつかの場合において、ボス321および先端部301は、先端部301を移動させる機構(例えば、本明細書中に記載のようなシステムまたは例えば流体移動機器)と係合するように構成される。図7Aに示すようなアッセイ先端301は、先端部下部において開口部331を含み得る。開口部331は、流体または試薬アッセイユニット301の内外に移動させる際に利用することができる。一実施形態において、上述のようなアッセイユニット301またはアッセイユニット301における向上と同様のピペット先端部と同様のアッセイユニット301は、サンプル中の分析物を検出するように構成された捕捉表面311を含む。 先端部301は、射出成形プロセスによって製造することができる。一実施形態において、先端部301は、化学発光アッセイにおいて用いるために透明ポリスチレン製である。図7Aに示すように、例示的な先端部301は、ボス(先端部301のより大きな上部半分として示す)を含む。このボスは、ハウジングと係合することができ、例えば流体移動機器および/またはピペット操作機器のテーパー要素と係合して気密シールを形成することができる。また図7Aに示すように、例示的な先端部301は、より小型の円筒形部を含む。多くの実施形態において、より小型の円筒形部内にアッセイ捕捉表面が含まれる。アッセイ捕捉表面は、先端部301内の任意の場所または先端部301の外部に設けることができる。先端部301の表面は、多数の幾何形状をとり得る(例を非限定的に挙げると、管状、立方体、またはピラミッド形)。化学発光および蛍光に基づいたアッセイにおいて、先端部301は、アッセイ生成物をアッセイ光学素子へと提供するための簡便な手段として機能することができる。 図7Bは、サンプル先端部302を含む例示的なサンプル収集ユニット302を示す。図7Bに示すようなサンプル先端部302は、サンプル収集ユニット302から別個に設けてもよく、その場合、サンプル先端部302を用いて、サンプルをサンプル収集ユニットから本明細書中に記載のような機器上の他のユニットへと移動させることができる。図7Bに示すようなサンプル先端部は、本明細書中に記載のようなボス322を含む。ボス322は、先端部302を機器のハウジングおよび流体移動機器へと連結するために用いられる。サンプル先端部302はまた、開口部332を含む。開口部332は、流体を移動させ、サンプル先端部内外においてサンプルを移動させるために用いられる。いくつかの実施形態において、サンプル先端部302は、アッセイ先端301と同一形状である。他の実施形態(例えば、、図7Aおよび図7Bに示すような実施形態)において、サンプル先端部302は、アッセイ先端301と異なる形状を有する。 一実施形態において、先端部の1つの機能として、サンプルおよび液体試薬と、アッセイユニットの捕捉表面とを接触させる機能がある。このような動きは、多様な手段によって発生させることができる(例を非限定的に挙げると、毛管現象、吸引、およびポンピング制御)。前記先端部は小型であるため、化学反応に必要な温度の迅速な制御が可能となる。熱移動および/またはメンテナンスについては、前記先端部を温度制御されたブロックまたはチャンバ内に配置するだけで行うことが可能である。 いくつかの実施形態において、前記先端部は、約1〜40マイクロリットルの流体を含むことができる。さらなる実施形態において、前記先端部は、約5〜25マイクロリットルの流体を含むことができる。一実施形態において、前記先端部は、20マイクロリットルの流体を含む。いくつかの場合において、先端部は、1マイクロリットル以下の流体を含むことができる。他の場合において、先端部は、100マイクロリットルまでの流体を含むことができる。 所望であれば、前記先端部の端部を吸収性材料(例えば、使い捨てカートリッジにおいて用いられているもの)で拭き取った後、次のアッセイ構成要素を導入することができる。このようにすることで、少量のサンプルおよび/または試薬の汚染が回避される。物理的力に起因して、対象先端部内へと引き込まれた任意の液体は、任意の所望の場所に保持することができ、その際の液体流出のリスクは、垂直方向保持の場合であっても最低である。 アッセイユニット(例えば、アッセイ先端)をアッセイ取得試薬でコーティングした後、アッセイにおけるような同様の流体工学(例えば、毛細管制御または機械的吸引)を用いる。 捕捉表面(本明細書中、反応サイトとも呼ぶ)は、結合抗体あるいはアッセイユニットに共有結合しているかまたは吸収により結合している他の取得試薬により、形成することができる。その後、アッセイ内における使用時まで、前記表面を乾燥させ、乾燥状態で保持する。一実施形態において、各測定対象分析物に対して反応サイトが設けられる。 一実施形態において、前記アッセイユニットを移動させて、試薬ユニットおよび/またはサンプル収集ユニットと流体連通させることができ、これにより、試薬またはサンプルが反応サイトと相互作用することができ、ここで、結合プローブが体液サンプル中の対象分析物を検出することができる。その後、反応サイトは、対象分析物の存在または濃度を示す信号を提供する。その後、この信号は、本明細書中記載の検出機器によって検出され得る。 いくつかの実施形態において、反応サイトの場所および構成は、アッセイ機器における重要要素である。全てではないにしろ、ほとんどの使い捨て免疫アッセイ機器の構成においては、機器との一体部分として捕捉表面を設けている。 1つの実施形態において、成形プラスチックアッセイユニットが市販されている。あるいは、成形プラスチックアッセイユニットを射出成形によって正確な形状およびサイズで形成することも可能である。例えば、特徴的寸法は、直径が0.05〜3mmであり得、長さが3〜30mmであり得る。このユニットは、取得試薬でコーティングすることができる。このコーティングにおいて用いられる方法は、マイクロタイタープレートのコーティングに用いられる方法と類似の方法であるが、試薬のバルク処理が可能であるという利点を有する。このようなバルク処理においては、試薬を大型容器に入れ、コーティング試薬を付加し、篩、ホルダなどを用いて処理することで構成成分を回復させ、必要に応じて洗浄する。 アッセイユニットは、反応物質を固定することが可能な、剛性を有する支持を提供することができる。アッセイユニットはまた、光との相互作用について適切な特性が得られるように、選択される。例えば、アッセイユニットを構成することが可能な材料を挙げると、機能性ガラス、Si、Ge、GaAs、GaP、SiO2、SiN4、変性シリコン、あるいは様な種類のゲルまたはポリマー(例えば、(ポリ)テトラフルオロエチレン、(ポリ)ビニリデンジフルオリド、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PMMA、ABS、またはこれらの組み合わせ)のうちの任意の1つがある。一実施形態において、アッセイユニットは、ポリスチレンを含む。本発明に従って、他の適切な材料も利用され得る。透明な反応サイトを用いると有利であり得る。加えて、光学的透過性窓部を通じて光検出器への光到達が可能である場合、表面を不透明にしかつ/または選択的に光散乱型にすると、有利であり得る。 捕捉表面において固定された反応物質は、体液サンプル中の対象分析物の検出において有用な任意のものであり得る。例えば、このような反応物質を以下に非限定的に挙げる:特定の分析物と反応する核酸プローブ、抗体、細胞膜受容体、モノクローナル抗体および抗血清。多様な市販の反応物質(例えば、特定の分析物に対して特異的に開発された多数のポリクローナル抗体およびモノクローナル抗体)を利用することができる。 当業者であれば、反応発生場所である支持物上に多様な反応物質を固定する方法が多数存在することを理解する。この固定は、リンカー部分を介して共有結合性または非共有結合性であり得、あるいは、反応物質を固定部分に拘束する。核酸またはタンパク様分子(例えば、固体支持部に対する抗体)を結合させるための非限定的例示的な結合部分を以下に挙げる:ストレプトアビジンまたはアビジン/ビオチン連結、カルバメート連結、エステル連結、アミド、チオールエステル、(N)−機能性チオ尿素、機能性マレイミド、アミノ、ジスルフィド、アミド、ヒドラゾン連結など。加えて、当該分野において公知の方法を用いて、シリル部分を核酸に直接基質(例えば、ガラス)に取り付けることができる。表面固定化は、ポリ−Lリジン鎖を介して達成することもでき、その場合、表面に対する電荷間結合が可能となる。 捕捉表面を用いた最終ステップの後、アッセイユニットを乾燥させることができる。例えば、乾燥は、乾燥雰囲気への受動的曝露によって行ってもよいし、あるいは、真空マニホルドの利用および/またはマニホルドを通じた清浄空気の付加を介して行ってもよい。 多くの実施形態において、アッセイユニットは、前記ユニットを大量の高速製造プロセスにおいて製造できるように、設計される。例えば、先端部を大規模アレイ内に取り付けることで、先端部内または先端部上への捕捉表面のバッチコーティングが可能となる。別の例において、先端部を移動ベルトまたは回転テーブル内に配置することで、連続処理が可能となる。さらに別の例において、先端部からなる大型アレイを真空および/または圧力マニホルドに接続することで、単純処理が可能となる。 一実施形態において、アッセイユニットは、流体移動機器に動作可能に連結することができる。流体機器の作動は、人間とのやりとり無しで自動制御下で行うことができる。先端部を含むアッセイユニットにおいて、使い捨て液体先端部の取付高さの制御は、先端部から液体ディスペンサへへのテーパー干渉取付に依存する。流体移動機器は、前記先端部と係合することができる。いくつかの場合において、制御不能であり得る先端部外部との液体接触を最小化するために、移動対象となる液体中の先端部の浸漬長さを知る必要がある。先端部を流体移動機器へと連結または接着するために、ディスペンサノズルと係合するテーパーコネクタの下部において、硬質停止部を成形することができる。気密シールをoリングにより構成することができる。このoリングは、前記テーパーの途中まで上昇するか、または、前記ノズルの平坦下部内に設けられる。前記先端部の密閉機能を前記先端部の制御された高さから分離することにより、両者を別個に調整することが可能となる。このモジュール式機器および流体移動機器により、多数のアッセイを並行に行うことが可能になる。 機器の試薬ユニットは、所与の対象分析物を検出すするための化学反応を得るために必要な試薬を保存することができる。液体試薬は、小型カプセル中に分配することができる。これらの小型カプセルは、多様な材料(例を非限定的に挙げると、プラスチック(例えば、ポリスチレン、ポリエチレン、またはポリプロピレン))から製造することができる。いくつかの実施形態において、前記試薬ユニットは、円筒形カップである。カップを含む試薬ユニット401および402の2つの例を、図8Aおよび図8Bに示す。所望であれば、ユニット401および402は、機器のハウジング内のキャビティ内にぴったりと嵌められる。ユニット401および402は、開口表面上に密閉することができ、これにより、基質上の試薬411および412がこぼれるのを回避する。いくつかの実施形態において、前記シールはアルミめっきプラスチックであり、熱接合によって前記カップにシールすることができる。ユニットは、試薬の収納に必要な任意の形状でよい。例えば、円筒形形状の試薬ユニット401を図8Aに示す。この試薬ユニットは、液体試薬411を含む。異なる形状の試薬ユニット402が同様に液体試薬412を含む様子を図8Bに示す。例示的な試薬ユニット401および402はどちらとも、上面近隣において任意選択の若干の改変を含んでおり、これにより、ユニット401および402は、本明細書中に記載のような機器のハウジング内ににぴったりと嵌められる。 本発明の多くの実施形態において、試薬ユニットはモジュール式である。すなわち、大量生産が可能な高速製造プロセスにおいて製造できるように、試薬ユニットが設計されている。例えば、多数の試薬ユニットを大規模プロセス内に充填および密閉するプロセスを同時に行うことができる。試薬ユニットの充填は、アッセイの種類または機器によって行われるアッセイに応じて行うことができる。例えば、或るユーザが別のユーザと異なるアッセイを望む場合、試薬ユニットの製造を各ユーザの選択に従って製造することができ、その際、機器全体を製造する必要は無い。別の例において、試薬ユニットを移動ベルトまたは回転テーブル内に配置して、連続処理を行うことができる。 別の実施形態において、試薬ユニットは、機器のハウジング内のキャビティ内に直接収容される。この実施形態において、前記ユニットを包囲しているハウジング領域上にシールを作製することができる。 本発明による試薬を以下に非限定的に挙げる:洗浄緩衝液、酵素基質、希釈緩衝液、コンジュゲート、酵素標識コンジュゲート、DNA増幅液、サンプル希釈剤、洗浄液、サンプル前処理試薬(添加物(例えば、洗浄剤を含む))、ポリマー、キレート剤、アルブミン結合試薬、酵素阻害剤、酵素、抗凝血剤、赤色細胞凝集剤、抗体、または機器上のアッセイ実行に必要な他の材料。酵素標識コンジュゲートは、酵素により標識化されたポリクローナル抗体またはモノクローナル抗体であり得、適切な基質と反応すると、検出可能信号を発生させることができる。このような酵素の非限定的例を挙げると、アルカリホスファターゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼがある。いくつかの実施形態において、前記試薬は、免疫試薬アッセイを含む。一般的に、試薬(特に、液体と混合された場合に比較的不安定となるもの)は、機器内の規定領域(例えば、試薬ユニット)内に別個に配置する。 いくつかの実施形態において、試薬ユニットは、約5マイクロリットル〜約1ミリリットルの液体を含む。いくつかの実施形態において、前記ユニットは、約20〜200マイクロリットルの液体を含み得る。さらなる実施形態において、前記試薬ユニットは、100マイクロリットルの流体を含む。一実施形態において、試薬ユニットは、約40マイクロリットルの流体を含む。試薬ユニット中の液体量は、実行されるアッセイの種類または用いられる体液サンプルによって異なり得る。一実施形態において、試薬量は事前決定する必要は無いが、既知の最低量を超えている必要がある。いくつかの実施形態において、試薬は初期において乾燥状態で保存され、その後、機器上でのアッセイ開始時において溶解される。 一実施形態において、試薬ユニットへの充填は、サイフォン、じょうご、ピペット、注射器、針またはこれらの組み合わせを用いて行うことができる。試薬ユニットへの液体充填は、充填路および真空引き路を用いて行うことができる。試薬ユニットへの充填は、個人が行ってもよいし、あるいは、バルク製造プロセスの一部として行ってもよい。 一実施形態において、個々の試薬ユニットは、試薬を相互に隔離する手段として、異なる試薬を含む。また、試薬ユニットを用いて、洗浄液または基質を含むこともできる。加えて、試薬ユニットを用いて、ルミノジェニック基質を含むことができる。別の実施形態において、複数の試薬が試薬ユニット内に収容される。 いくつかの場合において、機器の構成は、本機器の使い捨て部を組み立てる前に、アッセイユニットおよび試薬ユニットの事前較正を行なうことができる。 一態様において、本発明のFSシステムは、アッセイユニットと、試薬(液体試薬および固相試薬双方を含む)を含む試薬ユニットとを含む機器を備える。いくつかの実施形態において、機器全体、アッセイユニット、試薬ユニットまたはこれらの組み合わせのうち少なくとも1つは、使い捨て型である。本発明のシステムにおいて、機器による分析物検出は、器具によって操作される。ほとんどの実施形態において、器具、機器および方法は、自動検出システムを提供する。自動検出システムは、ユーザからシステムへと提供された規定されたプロトコルまたはプロトコルに基づいて自動化される。 一態様において、体液サンプル中の分析物の自動検出のためのシステムは、機器またはカートリッジと、検出アセンブリまたは検出器とを含む。前記検出アセンブリまたは検出器は、前記分析物の存否を示す検出可能信号を検出する。 一実施形態において、ユーザは、サンプル(例えば、測定された血液サンプルまたは測定されていない血液サンプル)を前記機器へと付加し、前記機器を器具挿入する。全ての後続ステップは自動であり、前記器具(ハードウエアによって)、ユーザ、遠隔ユーザまたはシステム、または識別子(例えば、前記機器上のバーコードまたはRFID)に基づいた器具動作の改変のいずれかによってプログラムされる。 本発明のシステムを用いて実行することが可能な異なる機能の実施例を以下に非限定的に挙げる:サンプル希釈、サンプルの一部(例えば、赤色血液細胞(RBC))の除去、アッセイユニット中のサンプルとの反応、液体試薬のサンプルおよびアッセイユニットへの付加、サンプルおよびアッセイユニットからの試薬の洗浄、および前記機器の使用時および使用後における液体収容。試薬は、試薬ユニット中の機器または試薬ユニット中に内蔵され得、前記機器上に組み立てられ得る。 自動システムは、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により、生物サンプル(例えば、血液)中の特定の分析物を検出することができる。前記システムは、多重化に対応可能であり、少量の全血サンプル(例えば、20マイクロリットル以下)中に存在する対象分析物を検出するのに特に適している。前記システムは、異なる希釈率の単一のサンプル中の分析物を検出することもでき、これにより、所望であれば、異なる感度を同一機器上で検査することが可能である。全ての試薬、供給物および廃棄物を、前記システムの機器上に収容することができる。 使用時において、対象者からのサンプルを組み立てられた機器へと付加し、前記機器が器具内に挿入される。一実施形態において、器具は、赤色細胞(血液サンプル)の除去、前記サンプルの希釈、および前記サンプルの前記アッセイユニットへの移動の何らかの組み合わせにより、前記サンプルの処理を開始し得る。多重アッセイを用いた実施形態において、複数のアッセイユニットが用いられ、前記サンプルのうち一部が順次または並行に個々のアッセイユニットへと移動される。その後、培養および捕捉表面への試薬の付加を制御された順序で行うことにより、アッセイを実行することができる。 例示的な流体移動機器は、高精度の流体移動を行うことが可能な任意の構成要素を含む。構成要素の例を非限定的に以下に挙げる:高精度の既知の流体量を前記機器のウェルまたはユニットから吸引および出射するためのポンプ、システム内における移動の精密度および精度を向上させるための、少なくとも1つの並進ステージ。前記システムは、検出器も含む。前記検出器は、アッセイユニット中の信号生成器から生成された信号(例えば、基質と接触した酵素)を検出する。検出器を挙げると、PMT、ダイオード、CCDなどがある。吸光または蛍光ベースのアッセイの場合、光源が用いられる。ルミネセンスベースのアッセイの場合、システム器具内の光源は不要であり、PMTまたはアバランシェフォトダイオード検出器を用いることができる。所望であれば、前記器具に温度調整を設けることで、アッセイ培養のための温度環境を調整することができる。本発明の実施形態において、前記器具は、機器温度を制御する。さらなる実施形態において、前記温度は、約30〜40℃の範囲内である。いくつかの実施形態において、前記システムによる温度制御は能動冷却を含み得る。いくつかの場合において、前記温度範囲は約0〜100℃である。例えば、核酸アッセイの場合、温度は100℃までにすることができる。一実施形態において、前記温度範囲は約15〜50℃である。前記システムの温度制御ユニットは、熱電機器(例えば、ペルチェ機器)を含み得る。 本明細書中に記載のようなカートリッジ、機器およびシステムを用いれば、既存のPOCシステムまたは統合型の分析システムでは利用することが不可能な多数の機能が得られる。例えば、多くのPOCカートリッジの場合、少量の液体を効率的に取り扱うために、閉流体システムまたはループに依存している。一方、本明細書中に記載のカートリッジおよび流体機器の場合、カートリッジのユニット間において開流体動きが可能である。例えば、試薬をユニット、サンプル収集ユニット中のサンプル、希釈剤ユニット中の希釈剤内に保存することができ、捕捉表面をアッセイユニット内に配置することができ、ここで、1つの状態のカートリッジにおいて、その他のユニットのうち任意のユニットと流体連通しているユニットは無い。本明細書中に記載のような流体移動機器またはシステムを用いれば、アッセイユニットを相互に流体連通させる必要が無くなる。これは、特定の設定において有利となり得る。なぜならば、各アッセイの化学的性質が他のアッセイと物理的または化学的に相互作用しないためアッセイクロストークに起因する干渉が無くなるからである。前記ユニットは相互に移動可能であり、これにより、特定のユニットが流体連通状態におかれる。例えば、流体移動機器は、ヘッドを含み得る。前記ヘッドは、アッセイユニットと係合して、前記アッセイユニットを試薬ユニットと流体連通させる。 本明細書中の機器およびシステムは、対象者からの体液中に存在する分析物の高スループットおよびリアルタイム検出を可能にする有効な手段を提供することができる。前記検出方法は、多様な状況において用いることができる(例えば、特定の生物プロセス、生理学的状態、疾患または疾患段階と関連する分析物の特定および数値化)。そのため、前記システムは、広範な分野において有用である(例えば、薬剤スクリーニング、疾病診断、系統分類、親および犯罪者の特定、発病および再発、治療対集団ベースの個人応答、および治療監視)。本機器およびシステムは、前臨床段階および臨床段階の治療開発の促進、患者遵守の向上、処方薬剤に関連するADRの監視、個人化医療の開発、中央実験室から家庭への血液検査のアウトソーシングまたは処方箋ベースの血液検査、規制認可後または臨床試験時の治療剤の監視においても特に有用である。前記機器およびシステムは、個人化医療に合った柔軟なシステムを提供する。プロトコルまたは前記システムのプログラマブルプロセッサへの命令とともに、同一システムを用いて、機器を変更または交換すして、上述のような広範なアッセイを行うことができる。本明細書中のシステムおよび機器は、デスクトップ用のまたはより小型の自動器具内の実験室設定において、多数の機能を提供する。これらの機能により、前記機器は、本発明のHSシステムのためのFS機器としての配備に特に適している。 いくつかの実施形態において、HSによる監視対象となる個人に対し、多様な分析物の検出のための複数の機器が提供される。個人は、例えば、同じ週の異なる曜日において異なる流体機器を用い得る。いくつかの実施形態において、識別子とプロトコルとを関連付ける外部機器上のソフトウェアは、例えば現在の日付と、臨床試験に基づいて流体機器を用いるべき日付とを比較するプロセスを含み得る。別の実施形態において、前記個人に対し、機器ハウジング内に交換可能な様態で取り付けられ得る異なる試薬ユニットおよびアッセイユニットが提供される。さらに別の実施形態において、上述のように、前記個人は、各日の検査において新規機器を用いる必要は無く、その代わりに、新規命令を例えば外部機器(例えば、サーバー)からダウンロードすることにより、前記システムをプログラムまたは再プログラムすることができる。例えば、前記2つの曜日間が同じではない場合、前記外部機器は、本明細書中に記載の方法また当該分野において公知の方法のうちいずれかを用いて、前記個人に対して通知を無線送信して、前記システムに適した機器および/または命令を前記個人に通知することができる。この例はひとえに例示であり、例えば、流体機器が1日のうちの正しい時間に用いられていない旨を対象者に通知するなど、拡張が簡単である。これらの方法を用いて、疾病監視時において、FS機器を迅速に調整することができる。例えば、OSは、兆候事例と接触した個人についてアッセイを即時行うようにFSに命令し得る。 1つの実施形態において、図5に示すようなカートリッジは、多様なアッセイユニットおよび試薬ユニットを含む。アッセイユニットは、検出対象分析物に応じたa捕捉表面を含み得る。その後、アッセイユニットを前記機器の残り部分とジャストインタイム様態で組み立てることができる。多数の従来技術のPOC機器においては、捕捉表面は機器と一体化されており、そのため、当該捕捉表面が不正確または不適切に形成されていた場合、機器全体の機能が不適切となる。一方、本明細書中に記載のような機器を用いれば、捕捉表面および/またはアッセイユニットを、機器の試薬ユニットおよびハウジングから独立した様態で、個人に対して品質管理しかつカスタマイズすることができる。 試薬ユニット内への多様な試薬の充填も、同様にジャストインタイム様態で行うことができる。そのため、機器がカスタマイズ可能であるという柔軟性が得られる。加えて、機器安定性または機器内で行われるべき化学反応へ影響を与えることなく、試薬ユニット内に異なる量の試薬を充填することが可能である。流体移動機器に関連して上述のシステムと共に、本明細書中に記載の機器およびユニットを用いれば、行われるべきアッセイの方法およびプロトコルにおいて柔軟性が得られる。例えば、HSによる監視対象となっているコミュニティに対し、同一試薬を含む複数の類似の機器を一括して渡すことが可能である。一定期間の監視後、前記OSは、記サンプルの希釈レベルおよびアッセイユニットへ提供される試薬量の変更により前記アッセイが最適化することが可能であることを確認する。本明細書中に記載のように、前記アッセイは、流体移動機器のプログラマブルプロセッサへの命令を変更するだけで、変更または最適化することが可能である。例えば、患者プール中の複数のカートリッジ全てについて、前記カートリッジ上へ付加されている希釈剤が多すぎた場合、新規プロトコルにより、前回のプロトコルよりも4倍多い希釈剤を要求する。本明細書中記載される方法およびシステムにより、プロトコルを中央OSサーバーにおいて変更することができ、前記方法を前記機器によって行うための全システムへと送ることができ、よって、新規機器を患者プールに提供する必要は無い。換言すれば、本明細書中に記載のようなPOC機器およびシステムを用いれば、過剰な試薬および頻繁な過剰サンプルが利用可能である、標準的な実験室における実務において、高い柔軟性が得られる。このような柔軟性は、POC検査シナリオの有利性または少量のサンプルをアッセイする能力に妥協を来すことなく、達成することが可能である。 カートリッジのユニットが別個であるいくつかの場合において、機器およびシステムにより、本明細書中に記載のシステムの構造において柔軟性が得られる。例えば、アッセイユニットのアレイおよび試薬ユニットのアレイを用いて8個のアッセイを実行するように、カートリッジを構成することができる。本明細書中に記載のようなカートリッジの特徴により、同一ハウジングまたは同一設計のハウジングを用いて、前回のカートリッジと異なる8個までのアッセイと共にカートリッジを製造することが可能となる。このような柔軟性は、多数の他のPOC機器設計においては、閉システムおよび流体路に起因して達成困難であるため、機器をモジュール式にすることができないか、または、上述のような容易な組み立ては不可能である。 現在、広範囲に異なる濃度範囲で分析物が存在する場合において、2つ以上の分析物を検出する必要が存在している(例えば、1つの分析物がpg/ml濃度範囲内であるのに対し、別の分析物はμg/ml濃度範囲内である場合)。非限定的例において、ウィルス抗原をpg/ml範囲内において検出することができ、前記抗原に対するホスト抗体をμg/ml範囲内において検出することができる場合がある。表4を参照されたい。本明細書中に記載のようなシステムは、同一サンプル中に広範な濃度範囲で存在する分析物を動じアッセイする能力を有する。異なる濃度の分析物を検出することが可能なことにより別の利点として、これらの分析物の濃度比を、患者に投与される複数の薬剤の安全性および有効性に関連付けることが可能な点がある。例えば、突発的な薬剤間相互作用は、薬物有害反応の一般的原因となり得る。異なる分析物測定をリアルタイムかつ同時実行することが可能な測定技術があれば、薬剤間の有害な相互作用に起因する悲惨な結果の可能性の回避を支援することができる。このような技術があれば、大発生を制御するために薬剤を高速配備する場合において有用である。 単一の対象者内の分析物濃度および/またはまたは薬力学的(PD)または薬物動態学的(PK)マーカーの濃度変化速度を一定期間にわたって監視できる能力、または、前記濃度あるいはPDまたはPKのマーカーを(薬剤または代謝の濃度を示すかに関係無く)についてのトレンド分析を行う能力があれば、危険な状況の可能性を回避を支援することができる。例えば、糖尿病監視にHSが用いられ、グルコースが対象分析物である場合、所与の時期におけるサンプル中のグルコース濃度および前記グルコース濃度の一定期間にわたる変化速度が分かれば、例えば低血糖などの予測および回避において極めて有用である。このようなトレンド分析は、投薬計画において広範囲で有用であることが分かっている。複数の薬剤およびその代謝が懸念される場合、トレンド発見能力および先行方策提供能力があると望ましい場合が多い。 従って、本流体機器およびシステムの使用によって得られたデータを用いて、対象者中の分析物濃度についてのトレンド分析を行うことができる。 同一カートリッジ上において複数のアッセイを行うには、異なる希釈または前処理が必要になることが多い。希釈範囲は、アッセイ間においてかなり広くあり得る。多数の現在のPOC機器の場合、希釈範囲が限られているため、POC機器上において実行可能なアッセイ数も限られる。しかし、本明細書中に記載のようなシステムおよび/またはカートリッジの場合、システムによってサンプルの連続希釈することが可能であるため、広い希釈範囲が可能である(例えば、1:2〜1:10,000)。そのため、アッセイのための検出器または読み出し器具を改変する必要無く、多数の可能なアッセイを単一のカートリッジまたは複数のカートリッジ上において行うことができる。 一例において、本明細書中に記載のようなシステムは、複数の(例えば、5個以上の)異なる対象分析物の検出アッセイを行うように構成される。期待される分析物濃度を、本明細書中に記載されかつPOC分野において一般的に用いられている免疫アッセイの検出範囲内に持ってくるためには、サンプルの希釈を例えば、3:1、8:1、10:1、100:1および2200:1で行って、前記5個のアッセイそれぞれを実行する必要がある。前記流体移動機器は前記機器内において流体を保持および移動することが可能であるため、連続希釈を本明細書中に記載のようなシステムによって行って、これら5つの異なる希釈を達成し、これら5つの異なる対象分析物を検出することができる。上述のように、アッセイを行うためのプロトコルは、前記機器または前記システムの改変の必要無く調整することも可能である。 従来のピペット操作を用いた実験室設定においては、POC設定よりも大量のサンプルが用いられることが多い。例えば、実験室は、患者の腕からミリリットル範囲で吸引された血液サンプルを分析し得る。POC設定においては、多数の機器およびユーザは、プロセスを迅速、容易かつ/または最低の侵襲度で行うことを望んでいるため、小量サンプル(マイクロリットル範囲台の量)(例えば、指先穿刺によって得られるようなサンプル)がPOC機器によって分析されることが多い。サンプル中には差があるため、現在のPOC機器は、実験室設定において可能なアッセイ実行における柔軟性を失い得る。例えば、1つのサンプルから複数のアッセイを実行するには、分析物の高精度検出を可能にするために各アッセイについて特定の最低量が必要となり得、そのため、POC設定の機器に一定の制限がかかる。 別の例において、本明細書中に記載のようなシステムおよび/または流体移動機器は、高い柔軟性を提供する。例えば、前記流体移動機器は、アッセイユニット、アッセイ先端または空のピペットを前記機器の1つのユニットから前記機器の別のユニットへと自動的に移動させることができる。上記のユニット間は流体連通していない。いくつかの場合において、このような構成により、上述のように機器のユニットの二次汚染を回避することが可能となる。他の場合において、上述のような機器内の数種の流体をプロトコルまたは命令に従って相互に接触させるという柔軟性が可能となる。例えば、8個の異なる試薬ユニット中にセットされた8個の異なる試薬を含むカートリッジをアドレス指定し、プロトコルによって指定されたような任意の順序または組み合わせで流体移動機器によって係合させることができる。そのため、前記機器上で行われる任意の化学反応を得るために、多数の異なる順序を実行することができる。カートリッジ中の試薬量または前記カートリッジ中の試薬の種類を変更する必要無く、アッセイプロトコルの変更または改変を(第2のカートリッジまたは第2のシステムを必要とすることなく)行うことができる。 例えば、FS作業員は、サンプル中の分析物(例えば、C反応性タンパク(CRP))の検出のためのアッセイを実行するために、特定の種類の捕捉表面および特定の種類の試薬を含むカートリッジを注文する。前記FS作業員が当初予定していたプロトコルは、2回の洗浄ステップおよび3回の希釈ステップを必要とし得る。前記FS作業員が前記機器およびシステムを受領した後、OS現場にいるFS機器配備の責任者は、前記プロトコルにおいて5回の洗浄ステップおよび1回のみの希釈ステップを行うべきであると判断する。本明細書中の機器およびシステムを用いれば、このようなプロトコル変更を柔軟に行うことが可能であり、前記機器または前記システムの再構成は不要である。この例において、OS構成要素からFSシステムのプログラマブルプロセッサまたは前記流体移動機器へと送ることが必要なのは、新規のプロトコルまたは1組の命令のみである。 別の例において、本明細書中に記載のようなシステムは、5個の異なる対象分析物検出アッセイを実行するように構成され、この場合、各アッセイを異なる温度で培養する必要がある。多数の従来技術のPOC機器の場合、複数のアッセイを異なる温度で培養するのは困難である。なぜならば、前記複数のアッセイはモジュール式ではないため、捕捉表面を加熱機器に対して移動させることができないからである。一方、本明細書中に記載のようなシステムにおいては、個々のアッセイユニットは化学反応を実行するように構成され、個々のアッセイユニットを別個の加熱ユニット中に配置することができる。いくつかの実施形態において、システムは、複数の加熱ユニットを含む。いくつかの場合において、システムは、少なくともアッセイユニットと同数の多数の加熱ユニットを含む。よって、複数のアッセイを複数の温度で実行することができる。 また、本明細書中に記載のようなシステムおよび機器は、多数の従来技術のPOC機器の場合では不可能であった多様な品質管理策を可能にする。例えば、機器はモジュール式であるため、アッセイユニットおよび試薬ユニットを相互に別個に品質管理することができかつ/またはハウジングから別個に品質管理するかつ/またはシステムまたは流体移動機器から別個に品質管理することができる。本明細書中に記載のシステムおよび機器の品質管理の例示的な方法およびシステムについて説明する。 上述のような本発明と共に用いられるFSシステムは、体液サンプルから検出されている分析物と無関係に、多様なアッセイを実行することができる。機器の識別情報に依存するプロトコルを、前記プロトコルを格納することが可能な外部OS構成要素から、読取器アセンブリへと送ることができ、これにより、前記読取器アセンブリが前記特定のプロトコルを前記機器に対して行うことができる。いくつかの実施形態において、前記機器は、識別子(ID)を有する。この識別子(ID)は、本明細書中に記載の識別子検出器によって検出されるかまたは読み取られる。前記識別子検出器は、コントローラを介して通信アセンブリと通信することができる。前記コントローラは、前記識別子を外部機器へと送る。所望であれば、前記外部機器は、前記識別子に基づいて、前記外部機器上に格納されているプロトコルを前記通信アセンブリへと送る。前記システム上において実行されるべきプロトコルは、プロトコル(例を非限定的に挙げると、実行すべき特定のアッセイおよび実行すべき検出方法)を前記システムのコントローラに行わせるための命令を含み得る。前記システムによって前記アッセイが行われた後、前記体液サンプル中の分析物を示す信号が、前記システムの検出アセンブリによって生成および検出される。その後、前記検出された信号を通信アセンブリへと送ることができ、ここから外部機器へと送ることができ、処理(例を非限定的に挙げると、サンプル中の分析物濃度の計算)を行うことができる。 いくつかの実施形態において、前記識別子は、一連の黒色および白色または反射ラインまたはブロックを用いたバーコード識別子であり得、識別子検出器(例えば、バーコード読取器)によって読み出すことができる。このような識別子検出器は、周知であるか、または、適切な検出器を用いた無線自動識別(RFID)タグである。他の識別子として、一連のアルファベットや数値の、色、隆起部、または機器上に配置することが可能でありかつ識別子検出器による検出または読み出しが可能な他の任意の識別子がある。識別子検出器はLEDであってもよく、その場合、識別子検出器から出射された光が識別子と相互作用することができる。この識別子は、光を反射し、識別子検出器によって測定されて、これにより、機器の識別情報が決定される。いくつかの実施形態において、前記識別子は、格納またはメモリ機器を含み得、識別情報検出器へと情報を送ることができる。いくつかの実施形態において、技術の組み合わせが用いられ得る。いくつかの実施形態において、前記検出器は、光源(例えば、LED)によって較正される。 一例において、体液サンプルを機器へと送ることができ、前記機器をシステムに挿入することができる。いくつかの実施形態において、前記機器は、手動で部分的に挿入された後、読取器アセンブリ内の機械スイッチが前記機器を前記システムの内部に自動的に適切に配置する。ディスクまたはカートリッジをシステムに挿入するための、当該分野において公知の他の任意の機構も利用可能である。いくつかの実施形態において、手動挿入が必要になる場合がある。 いくつかの実施形態において、システム上において実行すべきプロトコルを自動選択する方法は、識別子検出器および識別子を含む機器を提供することと、前記識別子を検出することと、前記識別子を本発明のシステムの外部OS構成要素へと送ることと、前記システム上において実行すべきプロトコルを、前記識別子と関連付けられた外部OS構成要素上の複数のプロトコルから選択することとを含む。 1つの実施形態において、体液サンプル中の複数の分析物の自動検出のための本発明のFSシステムは、流体機器(例えば、本明細書中に記載のもの)を含む。前記流体機器は、前記体液サンプルを含むように構成されたサンプル収集ユニットと、アッセイユニットのアレイであって、前記アッセイユニットのアレイの個々のアッセイユニットは、化学反応を実行するように構成され、前記化学反応から発生する信号は、検出された前記複数の分析物の個々の分析物を示す、アッセイユニットのアレイと、試薬ユニットのアレイであって、前記試薬ユニットのアレイの個々の試薬ユニットは試薬を含む、試薬ユニットのアレイとを含む。前記システムは、流体移動機器をさらに含む。前記流体移動機器は、複数のヘッドを含む。前記複数のヘッドにおいて、前記複数のヘッドのうち個々のヘッドは、前記個々のアッセイユニットと係合するように構成され、前記流体移動機器は、プログラマブルプロセッサを含む。前記プログラマブルプロセッサは、前記サンプル収集ユニットからの前記体液サンプルと、前記個々の試薬ユニットからの前記試薬とを前記個々のアッセイユニット内へと流体移動させるように、構成される。例えば、個々のアッセイユニットは、試薬を含み、前記試薬との化学反応を発生させるように構成される。 いくつかの場合において、前記流体移動を指示するプロセッサの構成により、アッセイユニットのアレイ中の体液サンプルの一定レベルの希釈が可能となり、これにより、検出可能範囲内において検出された複数の分析物を示す信号が発生し、その結果、前記複数の分析物が前記システムによって検出可能となる。一例において、前記体液サンプルは、少なくとも2つの分析物を含む。前記少なくとも2つの分析物は、少なくとも1桁、2桁、3桁、4桁、5桁、6桁、7桁、8桁、9桁、10桁、15桁、50桁または100桁だけ異なる濃度で存在する。一例において、前記体液サンプルは、一滴分の血液である。一実施形態において、サンプル中に存在する少なくとも2つの分析物の濃度は、10桁までの範囲で異なる(例えば、第1の分析物は0.1pg/mLで存在し、第2の分析物は500μg/mLで存在する)。別の例において、いくつかのタンパク質分析物は、100mg/mLを越える濃度で発見され、この場合、対象範囲が約12桁まで延び得る。 体液サンプルの希釈レベルにより、前記少なくとも2つの分析物が前記検出可能範囲内であることを示す信号が発生し得る。多くの場合において、システムは、検出器(例えば、光電子増倍管(PMT))を含む。光電子増倍管により、例えば前記検出器の検出可能範囲を1秒あたり約10〜約1千万カウントにすることができる。各カウントは、単一の光子に対応する。いくつかの場合において、PMTの効率は100%ではなく、観察されるカウントレートは、単位時間あたりに検出器に到達する実際の光子数と若干異なり得るが、それでもこの実際の光子数に近い数値である。いくつかの場合において、カウントは、約1秒あたり10回の間隔で測定され、結果は平均化される。いくつかの実施形態において、検出器としてPMTを用いる場合、アッセイ範囲は1000〜1,000,000カウント/秒である。いくつかの場合において、カウントレートは100/秒と低く、10,000,000という高いカウントレートが測定可能である。PMTの線形応答範囲(例えば、カウントレートが光子数/単位時間に直接比例する範囲)は、約1000〜3,000,000カウント/秒であり得る。一例において、アッセイは、下端において約200〜1000カウント/秒および上端において約10,000−2,000,000カウント/秒で検出な可能信号を有する。タンパク質バイオマーカー(単数または複数)についてのいくつかの場合において、カウントレートは、捕捉表面に結合したアルカリホスファターゼに直接比例し、分析物濃度に直接比例すする。他の例示的な検出器を挙げると、アバランシェフォトダイオード、アバランシェフォトダイオードアレイ、CCDアレイ、過冷却CCDアレイがある。他の多数の検出器からの出力もデジタル形式であり、検出器に到達する光子に概して比例する。例示的な検出器の検出可能範囲は、用いられている検出器に適切であり得る。 流体移動機器の個々のヘッドは、個々のアッセイユニットに密着するように構成することができる。流体移動機器は、ピペット(例えば、空気置換ピペット)であり得る。流体移動機器は、自動であり得る。例えば、流体移動機器内にプログラマブルプロセッサと通信するモータをさらに設けることができ、プログラマブルプロセッサからのプロトコルに基づいて、このモータにより複数のヘッドを移動させることができる。上述のように、個々のアッセイユニットは、ピペット先端部であり得る(例えば、捕捉表面または反応サイトを備えるピペット先端部)。 POC機器(例えば、本明細書中に記載のシステムおよび機器)において、希釈係数を推測および合理的な範囲で高精度な必要が往々にしてある。例えば、専門家ではないユーザが操作するシステムを環境では、サンプルの正確な希釈を保証する方法が必要である。 本明細書中に記載のように、流体移動機器は、高精度のアッセイ結果を得るようにサンプル希釈レベルに影響を与え得る。例えば、プログラマブル流体移動機器は、サンプルの希釈または連続希釈ならびにサンプルおよび希釈剤の混合を行うために、複数のヘッドを含み得る。流体移動機器は、POC機器中の流体動きも提供し得る。 上述のように、本明細書中のシステムおよび機器を用いることで、POC環境内における実験室設定において、多数の柔軟性が得られる。例えば、テーブル面のサイズまたはこれよりも小型の機器またはシステムにおいて、サンプルの収集および操作を自動的に行うことが可能である。POC機器における共通問題は、複数のアッセイを行う際に異なる希釈範囲を達成することであり、前記アッセイの感受性または特異度が大きく異なる場合がある。例えば、1つのサンプル中に2つの分析物が存在するが、そのうち1つの分析物が高濃度であり、そのうち他方の分析物が極めて低濃度である場合がある。ここで提供されるように、本明細書中のシステムおよび機器は、双方の分析物を検出するために、サンプルの希釈を大きく異なる希釈レベルまで行うことができる。例えば、当該分析物が高濃度である場合、サンプルを適切な検出範囲になるまで連続希釈することができ、その後検出対象として捕捉表面へと送ることができる。同一のシステムまたは機器において、低濃度の分析物を含むサンプルは希釈する必要がない場合がある。このようにして、本明細書中に記載のPOC機器およびシステムのアッセイ範囲を、多数の現在のPOC機器よりも拡張することができる。 流体移動機器は、ベンチトップ器具であるシステムの一部であり得る。流体移動機器は、複数のヘッドを含み得る。検出サンプル中の複数の分析物の検出に必要な任意の数のヘッドが、本発明の流体移動機器において想定される。一例において、流体移動機器は、約8個のヘッドを有する。前記約8個のヘッドは、直線状に取り付けられ、距離を空けて分離される。一実施形態において、これらのヘッドはテーパーノズルを有し、それらは多様な先端部(例えば、本明細書中に記載のようなアッセイユニットまたはサンプル収集ユニット)と押圧嵌めによって係合する。これらの先端部に設けられたフィーチャにより、上述のように使用後にこれらの先端部を器具によって自動的に取り外し、機器のハウジングへと配置することが可能となる。一実施形態において、これらのアッセイ先端は透明であり、キュベットに類似する形状をしている。そのため、これらのアッセイ内において行われたアッセイは、光検出器(例えば、光電子増倍管)によって検出され得る。 一例において、FSシステムのプログラマブルプロセッサは、命令またはコマンドを含み得、移動液体サンプルに対する命令に従って、流体移動機器を作動させることができる。流体移動機器の作動は、ピストンを(液体吸引のために)引き出すかまたはピストンを(液体排出のために)閉鎖空間内に押し込むことにより、行われる。例えばプログラマブルプロセッサにより、移動空気量および動き速度の双方を高精度に制御することができる。 サンプル(または試薬)と、希釈剤(または他の試薬)との混合を行うには、混合対象成分を共通チューブ中に吸引した後記混合液体の有意の部分を先端部内まで繰り返し吸引する。チューブ中で乾燥された試薬の溶解は、類似の方法で行うことができる。液体サンプルおよび試薬と、取得試薬(例えば抗体)が結合された捕捉表面との培養は、適切な液体を先端部内へと吸引し、この液体を前記先端部内において所定時間保持することにより、達成することができる。サンプルおよび試薬の除去を行うには、上述のように前記液体を機器中のリザーバまたは吸収パッド内に排出する。その後、プログラマブルプロセッサからの命令またはプロトコルに従って、別の試薬を前記先端部内に吸引することができる。 図9に示すような一例において、端部1101内に有った液体1111が排出されると、先端部1101内に薄膜1113が残留する。そのため、システムは、次の液体1112の先頭(例えば、最上)部分の作用を用いて、前回の液体1111を先端部1101から洗い落とすことができる。前回存在していた液体1113によって汚染された後続液体の部分は、先端部1101の上部内に保持することができる。先端部1101の上部において、この液体部分は、捕捉表面1102と継続的に相互作用しない。捕捉表面1102は、先端部1101の規定領域内に設けることができ、これにより、例えば図9に示すように、前回の液体1111が捕捉表面1102と反応しないようになっている。捕捉表面1102は、先端部のボスまでは延びていない、先端部1101の円筒形部の規定部を占有する。多くの場合において、培養時間は短時間(例えば、10分間)であり、汚染液体ゾーンの分離は比較的大きい(>1mm)。そのため、培養時において、液体1113の汚染部分の活性成分の拡散は、捕捉表面1102と反応するほど高速では発生しない。多数の高感度アッセイにおいて、1つの試薬の除去または捕捉表面(例えば、アッセイ信号生成器で標識された検出器抗体)の洗浄の要求がある。一例において、本明細書中に記載のシステムの流体移動機器は、(例えば、洗浄試薬を用いた)流体移動のさらなる除去サイクルおよび吸引サイクルを付加することにより、洗浄を可能とする。一例において、4つの洗浄ステップを行った所、捕捉表面と接触している非結合の検出器抗体が106倍を越えて低減した。この洗浄プロセスにおいて、前記捕捉表面に非特異的に結合した(極めて望ましくない)検出抗体も全て除去することが可能である。 アッセイ範囲の拡張は、サンプルの希釈によって達成することができる。希釈剤を含む使い捨てカートリッジを用いたPOCアッセイシステムにおいて、希釈範囲には実際には制限がある場合が多い。例えば、指先穿刺によって得られた小量の血液サンプル(例えば、約20マイクロリットル)を希釈し、チューブ内に配置することが可能な希釈剤の最大量は、250マイクロリットルである場合、サンプル全体の希釈の実際的限度は約10倍である。本明細書中の一例において、システムによってより小量のサンプル(例えば約2マイクロリットル)を吸引することが可能であり、その結果、最大希釈係数は約100倍となる。多数のアッセイにおいてはこのような希釈係数は受容可能であるものの、(本明細書中において上述のような例における)CRPなどのアッセイにおいては、サンプルの希釈度を大幅に上げる必要がある。分離ベースのELISAアッセイの場合、(例えば、典型的なタンパク質分析物の希釈サンプル中の約数百ng/mlに相当する)分析物に結合する捕捉表面の容量において固有の制約がある場合がある。特定の分析物は、数百ミクログラム/mlで血液中に存在する。このような分析物の場合、たとえ100倍希釈した場合でも、分析物濃度は較正範囲を超え得る。本明細書中のシステム、機器および流体移動機器の例示的な実施形態において、個々のアッセイユニットまたはサンプル収集ユニット内への希釈剤の複数の流体移動を行うことにより、複数の希釈を達成することができる。例えば、上述のようにサンプル中の分析物濃度が極めて高い場合、前記分析物濃度が受容可能な検出範囲内に収まるまで、前記サンプルを複数回希釈することが可能である。本明細書中のシステムおよび方法によれば、分析物の処理前濃度を計算するために、高精度の測定または希釈レベルの推定が可能となる。 一実施形態において、本明細書中に記載のようなFSシステムは、液体サンプルおよびアッセイユニットを移動させることができる。システムは、加熱ブロックおよび検出器を含み得る。液体サンプルを移動させるために、システムは、吸引アクション、注入アクションまたはピペットアクションを提供し得る。例示的な実施形態において、液体サンプルを移動させるための流体移動機器は、ピペットおよびピペットヘッドシステムである。システムに必要なピペット機器数は、検出対象分析物の種類および実行されているアッセイ数に従って調整することができる。前記ピペットシステムによって行われるアクションは、自動的に行われるかまたはユーザによって手動で操作される。 図10は、本明細書中に記載のような流体移動機器520およびシステム500の一例を示す。前記流体移動機器システムは、8個の異なるヘッド522を用いて、8個の異なるまたは同一の量の液体を同時に移動させることができる。例えば、カートリッジ(または本明細書中に記載のような機器)510は、8個のアッセイユニット501を含む。個々のアッセイユニット501は、ユニット501内において実行されるべきアッセイの種類に従って構成される。個々のアッセイユニット501は、特定量のサンプルを必要とし得る。個々のヘッド522を用いて、適切な量のサンプルを個々のアッセイユニット501へと分配することができる。この例において、各ヘッド522は、アドレスされた個々のアッセイユニット501に対応する。 流体移動機器機構520を用いて、前記試薬ユニットからの試薬を分配することもできる。異なる種類の試薬を挙げると、コンジュゲート溶液、洗浄液および基質溶液がある。自動システムにおいて、機器510が載置されたステージ530を移動させて、図10に示すようなアッセイを完了するために必要なステップに従って、機器510をアッセイユニット501およびヘッド522の位置決めに相対して移動させることができる。あるいは、ヘッド522および先端部501あるいは流体移動機器520を機器510の位置に相対して移動させることもできる。 いくつかの実施形態において、アッセイ時において、乾燥状態の試薬を提供し、水分補給および/または溶解を行う。乾燥形態を挙げると、表面上に被覆去れ密着した凍結乾燥材料および膜がある。 FSシステムは、前記アッセイユニットまたは先端部を移動させるための保持器または係合器を含み得る。係合器は、アッセイユニット先端のボス内にぴったりと嵌まるように設計された真空アセンブリまたはアセンブリを含み得る。例えば、先端部を移動させるための手段を、流体移動機器ヘッドと同様の様態で移動させることができる。係合器または保持器の位置に応じて、前記機器をステージ上において移動させることもできる。 一実施形態において、先端部を移動させるための器具は、一定量のサンプルを移動させるための器具(例えば、本明細書中に記載のような流体移動機器)と同一である。例えば、サンプル収集先端部上のボスに従って、前記サンプル収集先端部をピペットヘッド上に取り付けることができる。その後、前記収集先端部を用いて、液体を前記機器およびシステム全体に分配することができる。液体分配後、前記収集先端部を廃棄することができ、アッセイユニット上のボスに従って、前記ピペットヘッドを前記アッセイユニット上に取り付けることができる。その後、アッセイユニット先端部を試薬ユニット間において移動させることができ、ピペットヘッドによって提供される吸引アクションまたはピペットアクションに応じて、試薬をアッセイユニット上に分配することができる。前記ピペットヘッドは、収集チップ、アッセイユニットまたは試薬ユニット内における混合も吸引アクションまたは注入アクションによって行うことができる。 FSシステムは、加熱ブロックを含み得る。前記加熱ブロックは、アッセイまたはアッセイユニットの加熱および/またはアッセイ温度の制御を行う。アッセイ反応の培養ステップにおいて熱を用いて、反応を促進し、培養ステップにかかる時間を短縮することができる。システムは、アッセイユニットを受容するように構成された加熱ブロックを含み得る。前記加熱ブロックは、本明細書中に記載のような機器からの複数のアッセイユニットを受容するように構成される。例えば、8個のアッセイを機器上において実行することが望まれる場合、前記加熱ブロックは、8個のアッセイユニットを受容するように構成することができる。いくつかの実施形態において、前記アッセイユニットを移動させる手段を用いて、アッセイユニットを移動させて加熱ブロックと熱接触させることができる。前記加熱は、当該分野において公知の加熱手段によって行うことができる。 本明細書中に記載のような例示的なFSシステム600を図11に示す。システム600は、並進ステージ630を含む。並進ステージ630上において、機器610(またはこの例においてカートリッジ)が手動または自動あるいはこれらの組み合わせによって配置される。システム600は、加熱ブロック640も含む。加熱ブロック640は、機器610のアッセイユニット611と整列させることができる。図11に示すように、機器610は、一連の8個のアッセイユニット611と、複数の対応する試薬ユニット612とを含む。加熱ブロック640はまた、少なくとも8個のユニットを同時に加熱するための領域641を含む。加熱領域641はそれぞれ、実行されているアッセイの種類または検出されている分析物の種類に応じて、同一または異なる温度を各個々のアッセイユニット611へと提供することができる。システム600はまた、検出器(例えば、光電子増倍管)650を含む。この検出器は、アッセイユニット611からの信号を検出する。この信号は、サンプル中の分析物の検出を示す。 一実施形態において、アッセイが検出された際に検出器に対するアッセイユニットを位置特定するセンサが設けられる。 一実施形態において、前記検出器は、読取器アセンブリであり、機器上の少なくとも1つアッセイから発生した信号を検出する検出アセンブリを収容する。前記検出アセンブリは、前記機器の上方に配置してもよいし、あるいは、例えば行われているアッセイの種類および用いられている検出機構に基づいて、前記機器に対して異なる方向において配置してもよい。前記検出アセンブリを移動させて前記アッセイユニットと通信させることもできるし、あるいは、前記アッセイユニットを移動させて前記検出アセンブリと通信させることもできる。 多くの場合において、光検出器が設けられ、検出機器として用いられる。非限定的例を挙げると、フォトダイオード、光電子増倍管(PMT)、光子カウント検出器、アバランシェフォトダイオードまたは電荷結合素子(CCD)がある。いくつかの実施形態において、ピンダイオードが用いられ得る。いくつかの実施形態において、ピンダイオードを増幅器に連結して、PMTに匹敵する感度を有する検出機器を得る。いくつかのアッセイは、本明細書中に記載のようなルミネセンスを生成する。いくつかの実施形態において、化学発光が検出される。いくつかの実施形態において、検出アセンブリは、複数の光ファイバーケーブルを含み得る。前記複数の光ファイバーケーブルは、束状にCCD検出器またはPMTアレイへと接続される。前記光ファイバー束は、別個のファイバーとして構成してもよいし、あるいは、固体束を形成するように相互溶接された多数の小型ファイバーとして構成してもよい。このような固体束は市販されており、CCD検出器とのインターフェースを容易にとる。 検出器は、光源も含み得る(例えば、電球または発光ダイオード(LED))。この光源は、結果を検出するために、アッセイを照射することができる。例えば、前記アッセイは、核酸アッセイと共に一般的に用いられているような蛍光アッセイまたは吸光アッセイであり得る。前記検出器は、光源をアッセイへと送達するための光学素子も含み得る(例えば、レンズまたはファイバー光学素子)。 いくつかの実施形態において、前記検出システムは、非光検出器または被験体の特定のパラメータを検出するセンサを含み得る。このようなセンサは、酸化または還元される化合物(例えば、O2、H2O2、およびI2または酸化可能な/還元可能な有機化合物)についての温度信号、伝導度信号、電位差信号および電流測定信号を含み得る。 製造後、機器およびシステムは、一括してまたは個別にエンドユーザへと搬出することができる。本発明の機器またはシステムは、ユーザマニュアルまたは使用命令と共に包装することができる。一実施形態において、本発明のシステムは、異なる機器上において実行されるアッセイの種類に対して包括的である。前記機器の構成要素をモジュール式にすることができるため、ユーザは、1つのシステムのみ、および複数のアッセイをポイントオブケア環境内において行うための多様な機器またはアッセイユニットまたは試薬ユニットを必要とするだけであり得る。この文脈において、システムは、複数の機器と共に繰り返し用いることができ、例えば搬出時においてこのような変化を検出するためには、前記機器および前記システム双方にセンサを設置することが必要となり得る。搬出時において、圧力変化または温度変化に起因して、本システムの複数の構成要素の性能に影響が発生し得、そのため、前記機器またはシステムのいずれかに設置されたセンサは、これらの変化を例えば外部機器へと中継することができ、これにより、較正時または前記外部機器上におけるデータ処理において調整が可能となる。例えば、流体機器の温度が搬出時において特定レベルまで変化した場合、前記機器上に設けられたセンサがこの変化を検出し、ユーザが前記機器を前記システムに挿入した際に前記センサがこの情報を前記システムへと伝達することができる。前記システム内にさらなる検出機器を設けることでこれらのタスクを行わせることができ、あるいは、このような機器を別のシステム構成要素内に組み入れることも可能である。いくつかの実施形態において、情報を前記システムまたは外部機器(例えば、本発明のOS構成要素)または局地的に配置されたパーソナルコンピュータへと伝送することができる。この伝送は、有線接続および/または無線接続を含み得る。同様に、前記システム中のセンサは、類似の変化を検出することができる。いくつかの実施形態において、搬出パッケージ中に、システム構成要素の代わりにまたはシステム構成要素に加えてセンサを含めることが望ましい場合があり得る。例えば、アッセイカートリッジまたはシステムの無効状態の原因となる感知可能な悪い状態を挙げると、許容可能な最大温度を超えた温度への曝露またはカートリッジ完全性の侵害(例えば、水分の侵入)がある。 一実施形態において、前記システムは、通信アセンブリを含む。前記通信アセンブリは、外部機器(例えば、本発明のOS構成要素)からの無線で送られてきた情報を送受信することができる。このような無線通信においては、非限定的に、Wifi技術、ブルートゥース技術、ジグビー技術、衛星技術、セルラー技術またはRTM技術を用いることができる。多様な通信方法が利用可能である(例えば、モデムを用いたダイヤルアップ有線接続、直接リンク(例えば、T1、ISDN)、またはケーブル線)。いくつかの実施形態において、例示的な無線ネットワーク(例えば、セルラー、衛星、またはページャネットワーク、GPRS、またはローカルデータ伝送システム(例えば、Ethernet(登録商標)またはローカルエリアネットワークを介したトークンリング)を用いて、無線接続が確立される。いくつかの実施形態において、情報は、暗号化された後に送信される。いくつかの実施形態において、前記通信アセンブリは、情報を送受信するための無線赤外線通信構成要素を含み得る。前記システムは、情報表示を促進するための一体型グラフィックカードを含み得る。 いくつかの実施形態において、前記通信アセンブリは、メモリまたは記憶デバイスを含み得る(例えば、局所RAM)。前記メモリまたは記憶デバイス中において、収集された情報を保存することができる。例えばネットワークへの無線接続が一時的に不可能となる場合などにおいて所定のタイミングでの情報送信ができない場合において、記憶デバイスが必要となり得る。前記情報は、前記記憶デバイス中の機器識別子と関連付けられ得る。いくつかの実施形態において、一定時間経過後、前記通信アセンブリは、前記保存された情報の送信を再試行し得る。 いくつかの実施形態において、外部機器(例えば、本発明のOSポータル構成要素)は、読取器アセンブリ内の通信アセンブリと通信する。外部機器は、FSシステムと無線通信または物理的通信することができるが、第三者(例を非限定的に挙げると、個人、医療従事者、臨床医、実験室の人員、または他のヘルスケア企業の人)と通信することもできる。 例示的な方法およびシステムを図12に示す。図12の例において、患者が血液サンプルを本明細書中に記載のような機器へと送達した後、前記機器が読取器へと挿入される。前記読取器は、デスクトップシステムであり得、前記血液サンプル中の分析物を読み出すことができる。前記読取器は、本明細書中に記載のようなシステムであり得る。前記読取器は、ベンチトップシステムまたはデスクトップシステムであり得、本明細書中に記載のような複数の異なる機器を読み取ることができる。前記読取器またはシステムは、化学反応および検出または前記化学反応の結果の読み出しを行うことができる。図12中の例において、読取器は、外部機器(例えば、ユーザインターフェースを含むサーバー)から送られてきたプロトコルに従った自動型である。また、読取器は、化学反応の検出結果をサーバーおよびユーザインターフェースへと送ることもできる。例示的システムにおいて、ユーザ(例えば、医療従事者(例えば、医師または研究者は、前記結果を視認および分析し、前記システムの自動化に用いられるプロトコルの決定および開発を行うことができる。結果は、局所的に(前記読取器上に)または前記サーバーシステム上に保存することもできる。前記サーバーは、ホスト患者記録、患者日記、および患者集団データベースを提供する。 図13は、本明細書中に記載のHSシステムの実施形態に従って個人の医学的状態を評価するシステムを構築するためのプロセスフローを示す。患者は、個人データおよび/あるいは機器、読取器および/または本明細書中に記載のようなシステムからの測定値を、サーバー(例えば、前記OS構成要素)上に存在するようなデータベースへと入力する。FSシステムは、前記個人データを患者ステーションディスプレイ上に表示するように構成することができる。いくつかの実施形態において、前記FSステーションディスプレイは双方向性であり、前記個人は、入力されたデータを変更することができる。OSデータベースは、ヘルスシールドによって監視されている個人からのデータを含む。HSデータベースは、公的機関または私的機関からの履歴として収集された、その他の個人からのデータを含み得る。いくつかの実施形態において、他の個人からのデータは、臨床研究からの内部データである。 図13は、読取器収集データからのデータの流れも示す。前記読取器収集データは、公的ネットワークを介して接続されたサーバーへの対象者からのデータを含む。前記サーバーは、前記データを操作することができるか、または、単に前記データをユーザステーションへと提供することができる。患者データは、データベース中に保存されている医学的状態に関するデータとは別個に前記サーバーに入力することもできる。図13はまた、ユーザステーション表示と、医療従事者またはユーザへの情報の流れとを示す。例えば、図13の例示的なプロセスフローを用いて、自宅にいる患者が本明細書中に記載のような本発明のカートリッジに体液サンプルを入れて、このカートリッジを本明細書中に記載のようなシステムまたは読取器に入れることができる。前記患者は、システムからのデータを患者ステーションディスプレイにおいて視認および/または変更するか、新規データをプロセスフローに入力することができる。その後、前記患者からのデータは、公的ネットワーク(例えば、インターネット)を介して例えば暗号化様態でサーバーへと送ることができる。前記サーバーは、ネットワークインターフェースおよびプロセッサを含む。前記サーバーは、中央演算ハブまたは臨床試験センターに配置される。前記サーバーは、医学的状態データを用いて、前記ユーザからのデータを操作および理解することができ、その後、結果を上述のような公的ネットワークを介してユーザステーションへと送る。前記ユーザステーションは、医院または実験室内に設けられ得、ユーザステーションディスプレイを有する。前記ユーザステーションディスプレイは、アッセイ結果の表示と、医療従事者へ送られてきた患者データの操作とに用いられる。この例において、前記医療従事者は、患者が別の場所(例えば、患者の自宅)で行った検査結果のサンプルを受け取ることができる。システムおよびシステム構成要素の他の実施形態および例について、本明細書中において説明する。 HSシステムのOS構成要素は、FSシステム上において実行されるべきプロトコルを格納することができる。前記FSシステムに挿入された機器を示す識別子をOSが受信した後、前記プロトコルは、FSシステムの通信アセンブリへと送ることができる。いくつかの実施形態において、プロトコルは、機器識別子に依存し得る。いくつかの実施形態において、前記OS構成要素は、各現場機器について2つ以上のプロトコルを格納する。他の実施形態において、外部機器上の患者情報は、2つ以上のプロトコルを含む。いくつかの場合において、前記OS構成要素は、数学的アルゴリズムを格納する。前記数学的アルゴリズムは、通信アセンブリから送られてきた光子カウントの処理と、いくつかの実施形態における体液サンプル中の分析物濃度の計算とを行うためのものである。 システムのFS構成要素およびOS構成要素をネットワーク接続を通じて統合することにより、多数の利点が得られる。例えば、オペレーティングシステムから送られてきた情報を、FS読取器アセンブリにだけでなく、他の関係者または他の外部機器(例を非限定的に挙げると、PDAまたは携帯電話)に返送することができる。このような通信は、本明細書中に開示のような無線ネットワークを介して達成することができる。いくつかの実施形態において、計算された分析物濃度または他の患者情報を例えば医療従事者または患者へ(ただし、これに限らない)と送ることができる。非限定的例において、隔離通知を、感染した個人と、隔離措置を行うことができる医療従事者との双方に送ることができる。 いくつかの実施形態において、本機器およびシステムの利用によって生成されたデータを用いて、対象者中の分析物濃度についてのトレンド分析を行うことができる。 本明細書中に記載のような別の利点として、結果を得ることによる恩恵を受け得る任意の第三者に対し、アッセイ結果を実質的に即時に通信することが可能である点がある。例えば、分析物濃度がオペレーティングシステム構成要素によって決定された後、さらなるアクションをとる必要を持ち得る患者または医療従事者へと前記分析物濃度を送ることができる。この濃度は、兆候事例の識別情報を含み得る。このような第三者への通信ステップは、本明細書中に記載のように無線的に行うことができ、前記データを第三者のハンドヘルド機器へ送ることにより、前記第三者に対するアッセイ結果の通知を実質的に任意のタイミングおよび場所で行うことができる。よって、時間が重要となるシナリオにおいて、緊急の医学的アクションが必要となり得るときに即時に患者に連絡をとることが可能となる。 システムは、FSシステムに流体機器が挿入された後に前記流体機器と関連付けられた識別子に基づいて機器検出を行うことにより、流体機器特定のプロトコルを外部機器(例えば、OS構成要素)からダウンロードおよび実行することができる。いくつかの実施形態において、OS構成要素は、システムと関連付けられた複数のプロトコルまたは特定の個人または個人のグループと関連付けられた複数のプロトコルを格納することができる。例えば、識別子が前記OS構成要素へと送られると、前記OS構成要素上のソフトウェア(例えば、データベース)が前記識別子を用いて、前記識別子と関連付けられたデータベース中に格納されているプロトコルを特定することができる。前記識別子と関連付けられたプロトコルが1つだけである場合、例えば、データベースは、外部機器上の前記プロトコルおよびソフトウェアを選択した後、前記プロトコルを前記システムの通信アセンブリへと送ることができる。機器と特異的に関連付けられたプロトコルを用いることが可能であることにより、本発明の機器の任意の構成要素を単一システムと共に用いることが可能となり、よって、実質的に任意の対象分析物を単一システムで検出することが可能となる。 いくつかの実施形態において、複数のプロトコルが、単一の識別子と関連付けられ得る。例えば、同一個人から或る分析物を週1回および別の分析物を週2回検出すると有用である場合、識別子と関連付けられた外部機器上のプロトコルを1週間のうち異なる曜日と関連付けることもでき、これにより、前記識別子が検出された場合、前記外部機器上のソフトウェアは、その週の曜日と関連付けられた特定のプロトコルを選択することができる。このような最適化された検査により、最適化されたスケジュールに従うアッセイのみを行うことにより、HSシステムのコストを低減することが可能となる。 いくつかの実施形態において、多様な分析物を検出するための複数の機器が、個人に対して提供される。その場合、前記個人は、例えば、1週間のうち異なる曜日において異なる機器を用いることができる。いくつかの実施形態において、識別子とプロトコルとを関連付けるオペレーティングシステム上のソフトウェアは、前記現在の曜日と、例えば臨床試験に基づいて用いられるべき機器上の曜日とを比較するプロセスを含み得る。例えば、2つの曜日が同じではない場合、オペレーティングシステムは、本明細書中に記載の方法のうち任意の方法または当該分野において公知の方法を用いて、通知を無線的に対象者へと送って、誤った機器がシステム内に入っている旨を前記対象者へと通知し、また、その日に用いるべき正しい機器についても通知する。この例はひとえに例示であり、例えば機器が使用される時間が間違っている旨を対象者へ通知するように拡張することも可能である。 システムは、対象者の医学的状態を評価するためのネットワーキング方法も用いることができる。情報通信システムは、対象者データを読み出すための読取器を含んでもよいし、含まなくてもよい。例えば、バイオマーカーデータがマイクロ流体ポイントオブケア機器によって取得された場合、異なる個人バイオマーカー(単数または複数)に割り当てられた値を機器そのものによってまたは別個の機器によって読み出すことができる。読取器の別の例としはバーコードシステムであり、電子医学的記録または医師チャート中に入力されている対象者データを走査する。読取器のさらなる例は、対象者データを通信ネットワークを介して容易に得ることができる電子患者記録データベースであろう。このようにして、特定薬剤の有効性をリアルタイムで決定することができ、これにより、異なる軽減戦略をとるべきか否かについての決定を支援することができる。 (b)現場システム方法 本明細書中に記載のFS機器は、対象者からの体液中に存在する分析物のリアルタイム検出の有効な手段を提供する。従って、一実施形態において、本発明は、体液サンプル中の分析物を検出する方法を用いる。前記方法は、血液サンプルをFS機器へ提供することと、前記機器の少なくとも1つのアッセイユニット内において前記サンプルを反応させることと、前記血液サンプル中の前記分析物から発生した検出可能信号を検出することとを含む。 図5は、少なくとも1つアッセイユニットと、少なくとも1つの試薬ユニットとを含むFS機器の例示的な実施形態を示す。アッセイユニット(例えば、図5中にサンプル先端部および較正器先端部として図示されているもの)は、捕捉表面を含み得る。前記試薬ユニットは、例えば、コンジュゲート、洗浄剤および基質等を含み得る。図5中に例示する機器は、全血サンプル収集先端部、血漿サンプル収集先端部、血液投入ウェル、ビーズウェルまたは血漿分離ウェル、先端部タッチオフまたは拭き取りパッド、希釈ウェル、希釈血漿サンプルウェルまたは血漿希釈剤ウェル、収集先端部廃棄領域を含む。 一実施形態において、方法は、酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)を行うことを含む。一例において、本明細書中に記載のような機器のサンプル収集ユニットへサンプルが提供される。その後、前記機器は読取器システムに挿入される。読取器システムは、挿入されたカートリッジまたは機器の種類を検出する。その後、前記読取器システムは、外部機器(例えば、HSシステムのOS構成要素)と通信して、1組の命令またはプロトコルを受信することができる。前記1組の命令またはプロトコルにより、前記読取器システムは、前記カートリッジの所望のアッセイまたはアッセイを行うことができる。前記プロトコルは、前記読取器システムの流体移動機器のプログラマブルプロセッサへと送ることができる。一例において、流体移動機器は、前記カートリッジのサンプル先端部と係合し、特定量のサンプルをサンプル収集ユニットから採集し、前記サンプルを前処理ユニットへと移動させる。前記前処理ユニットにおいて赤血球が除去される。その後、前記サンプルの血漿が、前記流体移動機器によって前記プロトコルに従って血漿先端部または任意のアッセイ先端内へと吸引され得る。その後、前記血漿を収容している端部は、希釈剤を取得して、前記サンプルを希釈することができる。このサンプル希釈は、アッセイ実行に必要なだけ行われる。前記サンプルの連続希釈を用いることにより、多数の異なる希釈を実行することができる。例えば、各アッセイ先端またはアッセイユニットは、異なる希釈のサンプルを含み得る。前記サンプルが前記流体移動機器によってアッセイユニット内へと吸引された後、前記アッセイユニットは前記サンプルと共に培養され、その結果、存在する任意の対象分析物が捕捉表面に付着する。この例において上述のような培養は、システムまたは室温において任意の期間(例えば、10分間)放置しておくこともできるし、あるいは、本明細書中に記載のようなシステムの加熱機器中に放置しておくこともできる。アッセイユニットは、試薬ユニットと係合することができる。前記試薬ユニットは、アッセイのための捕捉表面を有する各個々のアッセイユニット内において実行されるべきアッセイに対応する試薬がアドレス指定されている。この例において、第1の試薬は、ELISAの検出器溶液である(例えば、検出器抗体(例えば、捕捉表面と異なる標識抗タンパク質抗体を含むもの)。その後、前記検出器溶液はアッセイユニットから吸引除去され、その後洗浄液を前記アッセイユニット内へと吸引して、過剰な検出器溶液を全てを除去することができる。複数の洗浄ステップが用いられ得る。付加すべき最終試薬は、酵素基質である。この酵素基質により、結合した検出器溶液が化学発光する。いくつかの実施形態において、前記先端部がアッセイ生成物を収容している状態において、アッセイ結果がシステムの検出器によって読み取られる。他の実施形態において、前記酵素基質が前記アッセイユニットから排出され、アッセイ結果が前記システムの検出器によって読み取られる。上述のような各ステップにおいて、本明細書中に記載のように必要に応じて培養を発生させることができる。この例において、カートリッジをシステムに挿入した後のプロセス全体は、プログラマブルシステムに対するプロトコルまたは1組の命令に基づいて、自動的に行われる。 1つの例示的な方法において、血液サンプルを血液入力ウェル内へと送達するステップが行われる。その後、前記サンプルは収集先端部によって採取され、血漿分離ウェル内へと挿入され得る。あるいは、血液分離器を含むウェル中に血液を直接入れることも可能である。例えば、血漿分離を本明細書中に記載のような多様な方法によって行うことができる。この例において、血漿分離は、磁化可能なビーズおよび抗体を用いて行われ、これにより、血漿以外の血液成分が除去される。その後、血漿は血漿収集先端部によって収集され、これにより、サンプルが全血収集先端部によって汚染されることが無くなる。この例において、前記血漿収集先端部は、所定量の希釈剤を取得し、血漿サンプルを希釈することができる。その後、前記希釈された血漿サンプルはアッセイユニット(サンプル先端部)へと分配され、捕捉表面に結合する。アッセイユニットを培養することにより、取得反応を行うことができる。その後、アッセイユニットを用いてコンジュゲートを収集して、アッセイユニット中の反応と結合させることができる。前記コンジュゲートは、検出器(例えば、光検出器)による対象分析物の検出を可能とする物質を含み得る。コンジュゲートが前記アッセイユニットに付加された後、反応を培養することが可能となる。図5の例示的な機器を用いた例示的な方法において、その後、アッセイユニット(サンプル先端部)がコンジュゲート用の洗浄剤を含む試薬ユニットにアクセスして、任意の分析物検出と干渉し得る任意の過剰なコンジュゲートを除去する。過剰コンジュゲートを洗浄した後、検出のために基質が前記アッセイユニットへと付加され得る。加えて、図5の例およびこの方法において、較正器先端部のアッセイユニットを用いて、サンプルの収集および分配を除く本段落中に記載の方法全てを実行することができる。前記較正器先端部のアッセイユニットによる検出および測定を用いて、サンプルからの分析物の検出および測定を較正することができる。この例において用いられたプロセスおよび方法に類似する他のプロセスおよび方法について、本明細書中において後述する。 対象分析物を含むものとして疑いのある任意の体液を、本発明のシステムまたは機器と共に用いることができる。例えば、図5の例中の入力ウェルまたはサンプル収集ユニットは、任意の種類の一般的に用いられる体液(例を非限定的に挙げると、血液、血清、唾液、尿、胃液および消化液、涙、排泄物、精液、膣液、組織サンプルから抽出された腫瘍組織液体から得られた間隙液、および脳脊髄液)を含み得る。一実施形態において、前記体液は血液であり、指先穿刺によって得ることができる。一実施形態において、体液サンプルは血液血漿サンプルである。別の実施形態において、前記体液サンプルは、修正されていない血液サンプルである。 体液を患者から吸引し、限定されないが、ランシング、注射、またはピペット操作を含む多様な方法で機器に分配する。1つの実施形態において、ランセットにより皮膚を穿刺し、例えば、重力、毛管現象、吸引または真空力を用いてサンプルを機器へと送る。前記ランセットは、前記機器上に設けてもよいし、あるいは、読取器アセンブリの一部であってもよいし、あるいは独立した構成要素であってもよい。必要な場合、前記ランセットは、多様な機械的、電気的、電気機械的、または他の任意の公知の起動機構またはこのような方法の任意の組み合わせによって起動することができる。起動機構が不要である別の実施形態において、個人は、例えば唾液サンプルの場合のように体液を機器に提供するだけでよい。前記収集された流体は、前記機器の収集ウェルまたはユニット内へと配置され得る。いくつかの実施形態において、ユーザによって起動されたランセットおよびサンプル収集毛細管が前記機器内に設けられる。 本明細書中に開示される方法または機器と共に用いられる体液量は、一般的には約500マイクロリットル未満であり、さらには約1〜100マイクロリットルであり得る。所望であれば、1〜50マイクロリットル、1〜40マイクロリットル、1〜30マイクロリットル、1〜10マイクロリットルまたはさらには1〜3マイクロリットルのサンプルを、対象者流体機器を用いた分析物検出において用いることができる。一実施形態において、サンプルは20マイクロリットルである。アッセイに必要な量以外に若干の多めのサンプルが収集され得る(例えば、例えば、1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、12%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、95%または100%多めのサンプル)。いくつかの実施形態において、100%を越える過剰なサンプル量が収集される。例えば、アッセイに必要なサンプル量が例えば15μLである場合、システムが用いる量の範囲は範囲16〜50μLであり得る。 一実施形態において、現場内の分析物検出に用いられる体液量は、1滴の流体である。例えば、指先穿刺による1滴の血液から、本発明によって分析されるべき体液サンプルを得ることができる。 いくつかの実施形態において、体液は、体液中に存在する分析物の検出において直接的に用いられ、さらなる処理は不要である。しかし、所望であれば、体液に前処理を施した後、機器による分析を行ってもよい。選択すべき前処理は、用いられる体液の種類および/または調査対象の分析物の特性によって異なる。例えば、体液サンプル中において分析物が低レベルで存在する場合、分析物濃縮のための任意の従来の手段を介して、前記サンプルを濃縮することができる。分析物濃縮方法を非限定的に挙げると、乾燥、蒸発、遠心分離、沈降、沈殿および増幅がある。分析物が核酸である場合、付随する製造業者からの指示に従って、拡散の抽出を多様な溶解酵素溶液または化学溶液を用いてまたは核酸結合樹脂を用いて行うことができる。血液サンプルまたは血漿サンプルについては、前記サンプルを抗凝血剤(例えば、EDTAまたはヘパリン)と混合することができる。これらの薬剤は、乾燥形態で簡便に付加することが可能となる。分析物が細胞上または細胞中に存在する分子である場合、溶解剤(例を非限定的に挙げると、抗凝血剤(例えば、EDTAまたはヘパリン)、変性洗浄剤(例えば、SDS)または非変性洗浄剤(例えば、Thesit(登録商標))、デオキシコール酸ナトリウム、tritonX−100、およびtween−20)を用いて抽出を行うことができる。 一実施形態において、ユーザは、体液サンプルを注射器を用いて収集する。前記サンプルは、毛細管チューブを通じて前記注射器内へと入る。一実施形態において、血液サンプル中の分析物を測定する際、被験者は指先穿刺を行い、血液に対する前記ガラス毛細管の外端部を触り、その結果、血液が毛管現象によって吸引され、一定量が前記毛細管内に吸引されるようにする。いくつかの場合において、サンプル量は既知である。いくつかの実施形態において、サンプル量は、約5〜20マイクロリットルの範囲または本明細書中に記載のような他の量範囲内である。 別の実施形態において、血液サンプルから実質的に赤血球をを含まない血漿サンプルを得るための方法およびシステムが提供される。アッセイ実行時において、血液血漿中に分析物が含まれる場合が往々にしてあり、赤血球は反応と干渉する場合がある。 血液サンプル測定時において、対象分析物は血清または血漿中に存在する場合が多い。臨床目的のために、複数の血液検査における最終報告濃度と、血液血清の濃度または希釈サンプル中の血液血漿とを関連付ける必要があることが多い。多くの場合において、血液血清または血液血漿は、実験室において検査媒体として選択される。その場合、アッセイ実行前において、希釈および赤血球除去という2つの作業を行う必要があり得る。血液サンプル量に占める赤色細胞の比率は、大幅に異なる(すなわち、ヘマトクリット値が約20〜60%の範囲で変動する)。また、アッセイシステムが非専門家によって動作されるポイントオブケア環境(例えば、個人の自宅において配備された機器がヘルスシールドによって監視される環境)において、得られたサンプルの量が意図される量と異なる場合があり得る。その場合、変化量が認識できないと、分析物濃度の報告における誤差に繋がり得る。 関連するが別個の実施形態において、本発明は、混合血液サンプルを含む血液サンプルから血漿を取り出す方法を用いる。前記方法は、サンプル収集ユニット中で磁化可能な粒子の存在下で血液サンプルを混合することを含む。前記磁化可能な粒子は、前記血液サンプルの非血漿部分へ結合する抗体捕捉表面を含む。前記方法において、血漿収集領域上の磁界を前記混合血液サンプルへと付加して、前記血漿収集領域上の前記血液サンプルの非血漿部分を懸濁させ、これにより、血液サンプルから血漿を取り出す。 血液サンプルの処理のために、本発明の機器またはシステムは、赤色細胞に結合し、血漿からの赤色細胞の磁気除去を可能とする磁気試薬または物質を含み得る。試薬は、凍結乾燥形態で用いることができるが、分散液形態で用いることもできる。磁化可能粒子(例えば、サイズが約1マイクロメートルのもの)を含む試薬を、赤色細胞抗原に対する抗体または特定のアダプター分子に対する抗体でコーティングすることができる。いくつかの実施形態において、前記試薬は、赤色細胞表面抗原に対する非結合抗体も含み得る。前記非結合抗体は、標識しなくてもよいし、あるいは、アダプター部分(例えば、ビオチン、ジゴキシゲニン、またはフルオレセイン)で標識してもよい。血液サンプルを分析する実施形態において、希釈されたサンプル中の赤血球は、液相抗体による支援により、前記磁化可能な粒子と共に共同凝集する。あるいは、赤色細胞表面の糖質を認識するレクチンを共同凝集剤として用いることも可能である。場合によっては、赤色細胞凝集剤の組み合わせが用いられる。あるいは、本発明の機器は、血液フィルタ(例えば、ガラスファイバー製パッド)を含み得、これにより、サンプルからの赤血球分離を支援する。 血液が磁気試薬と混合された場合、共同凝集が発生し得、全てではないにしろ多数の赤色細胞と、磁化可能な粒子とのとの混合凝集物が発生する。試薬を溶解および混合するプロセスは、本発明の先端部または収集先端部またはピペット様先端部を用いた反復吸引によって駆動される。前記磁化可能な塊の形成後、血漿が先端部から出て行く間に前記塊を所定位置に保持するように磁石を用いることにより、前記塊を血液血漿から分離させることができる。一実施形態において、前記血漿は、前記磁石が前記塊を所定位置に保持している間、重力によって垂直方向に前記先端部から出て行く。別の実施形態において、前記血漿は、前記塊が前記先端部内に保持されている間、真空または圧力手段によって前記先端部から出て行く。前記血漿は、ウェル、別の収集先端部、または本明細書中に記載のようなアッセイユニット内に配置することができる。 本発明の血漿分離方法の一例を図14A〜図14Eに示す。図14Aにおいて、全血サンプル901が、例えば約20マイクロリットルの量だけ本明細書中に記載のようなサンプル先端部910内へと吸引される。その後、全血サンプル901を分離ウェル920内へと配置する(例えば、例示的機器の磁気ビーズまたは粒子を含むウェル)。図14Bは、分離ウェル中の全血サンプル902中の磁気試薬(例えば、磁気ビーズ粒子および自由結合分子)を懸濁および混合する方法を示す。図14Cは、10マイクロリットルの空気スラグ930を示す。この空気スラグ930を用いて、先端部910からの損失を回避することができる。混合された全血サンプルおよび磁気試薬902の培養を数秒間(例えば、60〜180秒間)行って、凝集反応を起こさせる。 図14Dは、全血細胞および磁気試薬混合物902への磁界940の付加を示す。磁界940の付加は、磁気カラー942によって行うことができる。磁気カラー942は、システムにおいて組み込まれている、または当該分野において公知の任意の磁気手段において用いられる。前記磁気試薬に付着している任意の粒子が、磁界940へと引き寄せられる。このようにして、前記磁気試薬に付着していない血漿903を、全血サンプルの非血漿部分から分離することができる。 図14Eは、本明細書中に記載の磁気試薬から分離された血液血漿サンプル903を、本明細書中に記載のような機器のウェルまたはユニット950内へと分配する方法を示す。血液血漿サンプル903は、収集先端部またはアッセイユニットおよび当業者に公知の他の任意の種類のアッセイ機器へ分配することもできる。図14Eにおいて、磁界940が先端部910と共に移動することで、血液血漿サンプル903が分配されている様子が図示されている。この例において、5〜8マイクロリットルの血漿が、20マイクロリットルの全血サンプルから除去されている。全血サンプルのうち1〜99%は、本明細書中に記載の方法を用いて分離された血漿であり得る。一実施形態において、全血サンプルの量のうち25〜60%は、分離可能な血漿である。 上述のような方法の他の例示的なステップを完了することができる。前記血液血漿サンプルを別のウェルまたはユニットへと移動させるために、(ロボットシステムまたは本発明の他の任意のシステムによって操作可能な)毛細管血漿収集先端部は、血液血漿サンプルの収集を毛細管力および吸引力によって行う。別のステップは、前記血漿サンプルを希釈剤中に分配するステップを含み得、その後、前記サンプルを前記希釈剤によって希釈することができる。その後、希釈された血液血漿サンプルを所定量だけ収集先端部によって収集することができる。その後、前記希釈された血液血漿サンプルを混合し、機器のウェルまたはユニット内へと分配して、その後前記機器のウェルまたはユニットを本発明の機器の1つまたは複数のアッセイユニットへと分配する。前記サンプルを他の任意の種類の機器内に分配することも可能である(例えば、当業者に公知のマイクロタイタープレート)。 図14A〜図14Eに示す例示的プロセスは、他の機器およびシステム(例えば、本明細書中に記載のFS機器のうち任意のもの)と共に用いることができる。例えば、流体移動先端部は凝集塊を含み得、血漿をマイクロタイタープレート内に堆積させることができる。当業者に明らかでであろう他の機器およびシステムを用いて、本明細書中に開示されるような例示的な血液血漿分離を行うことが可能である。 体液サンプルの希釈は、他の多様な方法によって行うことも可能である(例えば、希釈を行うことが可能なサンプル収集機器を用いる)。サンプル収集機器のハウジングは、チューブを含み得る。前記チューブ内において、2つの可動シールが、一定量の希釈剤を含み得る。好適な実施形態において、希釈剤の量は所定の量である(例えば、約50マイクロリットル〜1ミリリットルの範囲、好適には約100マイクロリットル〜500マイクロリットルの範囲)。 1つの実施形態において、本発明のFS機器は、体液サンプル中の複数の分析物の自動検出方法において用いられる。前記方法は、前記体液サンプルを流体機器へ提供することを含む。前記流体機器は、前記体液サンプルを含むように構成されたサンプル収集ユニットと、アッセイユニットのアレイであって、前記アッセイユニットのアレイの個々のアッセイユニットは、化学反応を実行するように較正され、前記化学反応により、検出された前記複数の分析物の個々の分析物を示す信号が発生する、アッセイユニットのアレイと、試薬ユニットのアレイであって、前記試薬ユニットのアレイの個々の試薬ユニットは試薬を含む、試薬ユニットのアレイとを含む。前記方法はまた、流体移動機器を用いて前記個々のアッセイユニットを係合させることを含み得る。前記方法を継続して行ない、前記流体移動機器を用いて前記体液サンプルを前記サンプル収集ユニットから前記個々のアッセイユニットへと移動させることができる。前記個々の試薬ユニットからの前記試薬を前記個々のアッセイユニットへと移動させることができ、これにより、前記試薬と前記体液サンプルとを反応させることで、検出された前記複数の分析の前記個々の分析物を示す信号を発生させる。いくつかの実施形態において、前記流体移動機器は、複数のヘッドを含む。前記複数のヘッドにおいて、前記複数のヘッドの個々のヘッドは、前記個々のアッセイユニットと係合するように構成される。前記流体移動機器は、プログラマブルプロセッサを含む。前記プログラマブルプロセッサは、前記サンプル収集ユニットからの前記体液サンプルの流体移動と、前記個々の試薬ユニットから前記個々のアッセイユニット内への前記試薬とを方向付けるように構成される。 いくつかの場合において、例えばユーザ、個人または製造業者により、命令が前記プログラマブルプロセッサへと提供される。命令は、外部機器(例えば、パーソナル電子機器)からまたは好適にはヘルスシールドシステムのOS構成要素から提供することができる。前記命令は、前記体液サンプルを前記個々のアッセイユニットへと移動させるステップを指示し得る。例えば、前記体液サンプルを移動させるステップに起因して、前記個々のアッセイユニット中の体液サンプルの一定レベルの希釈に影響が発生し得、その結果、検出可能範囲内において検出された前記複数の分析物の前記個々の分析物を示す信号が発生する。いくつかの例において、前記体液サンプルの希釈レベルに起因して、本明細書中に記載のような検出可能範囲内における前記少なくとも2つの個々の分析物を示す前記信号が発生する。 パターン認識技術を用いて、本明細書中に記載のような方法による分析物または複数の分析物の検出が特定範囲内に入っているか否かを決定することができる。例えば、報告可能な範囲を越えた検出可能信号を拒否することが可能である。前記特定の範囲は、流体機器および前記試薬およびアッセイユニットの較正時において確立することができる。例えば、機器がジャストインタイム様式で組み立てられた際、前記範囲が確立される。 いくつかの場合において、分析物の検出可能信号がより低い希釈係数で検出された場合または一定の希釈レベルがより高い希釈係数のレベルを超えた場合、前記より低い希釈結果を、定量的結果の計算には不十分な結果として特定することができる。ほとんどの場合において、異なる希釈レベルのサンプルからの信号から得られたサンプル中の分析物の濃度は、希釈レベルの上昇と共に低下する。このような低下が発生した場合、アッセイ結果を確認することができる。本明細書中に記載のFS機器により、品質管理規則における柔軟性(例えば、多数のPOC機器の場合は不可能であるとの記載がある柔軟性)が可能となる。記載のFS機器を用いれば、実験室設定において期待されるような品質管理フィーチャのうち多数を実現することができる。 一実施形態において、高感受性および低感受性アッセイをどちらとも満足する比率でサンプルを希釈する。例えば、サンプルと希釈剤との間の希釈比は、約1:10,000〜1:1の範囲であり得る。前記機器により、サンプルを別個の場所または範囲で希釈することが可能となる。また、前記機器により、サンプルの連続希釈を行うことも可能となる。連続希釈の使用と、PMTによるルミネセンス検出における広範囲の動的範囲との併用により、分析物の定量化を約1000,000,000倍の範囲で行うことが可能となる。例えば、タンパク質バイオマーカー(単数または複数)の場合、前記範囲は、約1pg/mL〜1000μg/mLであり得る。 実施形態において、検出すべき分析物を含むサンプルを、吸引アクション、注入アクションまたはピペット型アクションにより、第1の場所から第2の場所へと移動させることができる。前記サンプルは、毛管現象または大気圧低下により、前記反応先端部内へと吸入することができる。いくつかの実施形態において、前記サンプルは、多数の場所へと移動される(例えば、本発明の機器のアッセイユニットのアレイおよび本発明の機器のハウジング中の異なるウェル)。前記サンプルを移動させるプロセスは、本明細書中に記載のような本発明のシステムによって自動化することができる。 サンプルを含むアッセイユニットおよび/または収集先端部も、第1の場所から第2の場所へと移動させることができる。アッセイユニットまたは収集先端部を移動させるプロセスは、自動化することが可能であり、ユーザが規定したプロトコルによって実行することができる。 一実施形態において、前記アッセイユニットを移動させて、本発明の試薬ユニットからの試薬を収集する。多くの実施形態において、アッセイユニットの動きは自動である。吸引アクション、注入アクションまたはピペット型アクションを用いて、試薬ユニットからの試薬をアッセイユニット内に収集することができる。 捕捉表面を含むアッセイユニットへサンプルが付加された後、前記ユニット全体を一定期間培養することで、前記サンプルと、前記アッセイユニットの捕捉表面との間の反応を起こさせることができる。前記反応の培養において必要な時間の長さは、実行されているアッセイの種類によって異なることが多い。前記プロセスは、本発明のシステムによって自動化することができる。一実施形態において、前記培養時間は、30秒〜60分である。別の実施形態において、前記培養時間は10分間である。 アッセイユニットは、高温で培養することもできる。一実施形態において、前記アッセイユニットの培養は、約20〜70℃の温度範囲で行われる。アッセイユニットを加熱ブロック内に挿入することで、前記アッセイユニットおよび/または前記アッセイユニットの内容物の温度を上昇させることができる。 本発明のFS方法の実施形態において、前記ユニットへのサンプル付加の後、コンジュゲートを前記アッセイユニットへと付加する。前記コンジュゲートは、前記アッセイユニットの捕捉表面によって取得された分析物を標識する分子を含み得る。コンジュゲートおよび捕捉表面の例については、本明細書中後述する。前記コンジュゲートは、試薬ユニット内に含まれる試薬であり得る。前記コンジュゲートの前記アッセイユニットへの分配は、吸引アクション、注入アクションまたはピペット型アクションによって行うことができる。コンジュゲートをアッセイユニットへと分配した後、前記アッセイユニットを培養することで、前記コンジュゲートと、前記アッセイユニット内の分析物とを反応させることができる。培養時間は、アッセイの種類または検出される分析物によって決定することができる。培養温度は、反応に適した任意の温度でよい。 別の実施形態において、体液サンプル中の分析物の自動検出のための機器を較正する方法が、本発明のFS機器と共に用いられる。機器は、アドレス可能なアッセイユニットのアレイと、アドレス可能な試薬ユニットのアレイとを含み得る。前記アドレス可能なアッセイユニットのアレイは、前記分析物の存否を示す検出可能信号を発生させる化学反応を起こすように構成される。前記アドレス可能な試薬ユニットのアレイはそれぞれ、前記機器中の1つ以上のアドレス可能なアッセイユニットに対応するようにアドレスされ、これにより、個々の試薬ユニットは、アッセイ機器全体に組み込まれるアッセイユニット(単数または複数)にを参照して較正される。その後、前記較正された構成要素を用いて最終多重機器を組み立てることができ、その結果、前記機器および前記機器を使用する方法及びシステムをモジュール式構成要素とする。いくつかの実施形態において、多重アッセイの較正は、上記のように多重アッセイ機器において全てのアッセイを同時に用いて行われる。 試薬アッセイ(例えば、コンジュゲート)の性能を測定することにより、較正を事前確立することができる。その後、アッセイユニットおよび試薬ユニットを本発明の機器内に組み立てる。較正情報およびアルゴリズムは、アッセイシステムに無線的に連結されたサーバー上に格納することができる。較正は、事前に行ってもよいし、あるいは、別個の場所における反復システムにおいて行われるアッセイを用いることによりまたはアッセイシステムが用いられる際に得られる情報を用いることにより、過去に遡って行ってもよい。 一態様において、対照材料を機器またはシステム内において用いることにより、体液サンプルの希釈範囲を測定または確認することができる。例えば、固相ベースのアッセイ(例えば、ELISA)の別の問題として、アッセイにおいて用いられる固相試薬の場合、当該試薬の機能を破壊せずに品質管理を行うことが困難である点がある。本明細書中のシステムおよび方法によれば、使い捨て機器を自動混合および/または希釈と共に用いて、POCシステムにおいて達成される希釈を決定する方法が得られる。 一実施形態において、方法は、例えばOS構成要素を用いて、結果報告を行う前に、データ分析をリアルタイム分析することにより、過去に遡る分析を提供する。例えば、アッセイを行うことができ、前記アッセイと並行して対照アッセイを実行することができる。前記対照アッセイにより、前記サンプルの予期される希釈の測定が可能となる。いくつかの例において、前記対照アッセイは、前記サンプルの希釈を確認することができるため、前記システム内において実行されるアッセイまたは複数のアッセイのためのサンプル希釈を正確であるとみなすことができる。 液体サンプル量を測定する方法は、液体サンプル中の既知の量の対照分析物と、試薬とを反応させて、前記対照分析物を示す検出可能信号を発生させることと、前記検出可能信号の強度と、前記検出可能信号の予測強度とを比較することであって、前記信号の前記予測強度は、前記液体サンプルの予測量を示し、前記比較により、測定されている前記液体サンプルの量の測定が可能となる、こととを含み得る。多くの場合において、前記対照分析物は、検出可能な量では前記液体サンプル内に含まれていない。 一実施形態において、方法は、前記サンプル量の測定が前記液体サンプルの予測量の約50%内であった場合、前記液体サンプルの量を確認することをさらに含み得る。 例えば、本明細書中に記載のFS機器を用いた方法は、以下をさらに含み得る:対象分析物を含む体液サンプルと、試薬とを反応させて、前記対象分析物を示す検出可能信号を発生させることと、前記対象分析物および前記液体サンプル量の測定を示す前記検出可能信号の強度を用いて、前記体液サンプル中の前記対象分析物の数量を測定すること。前記液体サンプルおよび前記体液サンプルは、同一サンプルであり得る。いくつかの実施形態において、前記対照分析物は、前記体液サンプル中の前記対象分析物と反応せず、そのため、前記対象分析物の検出と相互作用しない。 いくつかの場合において、(対照として用いられる)液体サンプルと、体液サンプルは、対象分析物を含む異なる液体サンプルである。例えば、制御液体は、例えば、既知の対照分析物レベルを含む対照溶液である。この種の対照により、アッセイの化学的反応が適切に機能していることが保証される。 サンプルの正しい希釈を確認するために用いられる対照分析物を非限定的に挙げると、フルオレセイン標識アルブミン、フルオレセイン標識IgG、抗フルオレセイン、抗ジゴキシゲニン、ジゴキシゲニン標識アルブミン、ジゴキシゲニン標識IgG、ビオチン化タンパク質、非ヒトIgGがある。他の例示的な対照分析物は、当業者にとって自明であり得る。一実施形態において、前記対照分析物は、ヒト体液サンプル中においては発生しない。いくつかの実施形態において、前記対照分析物は、液体形態または乾燥形態でサンプルへと付加される。 サンプル内の複数の分析物を検出するように構成された、本明細書中に記載のようなPOCシステムにおいて、前記システムは、液体の希釈および混合を行うことができる。多くの場合において、自動システムまたはユーザは、対照アッセイを用いて、実際に達成された希釈と、システム較正において用いられた希釈係数とを測定することができる。例えば、対象サンプル中において対照分析物が発見できず、前記対照分析物が試薬ユニット中において乾燥している場合がある。前記乾燥した対照分析物の量は知ることができ、試薬ユニット中のサンプルと混合状態であり得る。分析物濃度は、サンプル容量および前記サンプルに対して行われる任意の希釈を示すように測定できる。 免疫アッセイのための対照分析物の例を以下に非限定的に挙げる:フルオレセイン標識タンパク質、ビオチン化タンパク質、フルオレセイン標識、Axlexa(登録商標)標識、ローダミン標識、Texas Red標識、免疫グロブリン。例えば、少なくとも2つのハプテンをタンパク質分子毎に結合させることにより、標識付けを達成することができる。いくつかの実施形態において、1〜20個のハプテンをタンパク質分子毎に結合させる。さらなる実施形態において、4〜10個のハプテンをタンパク質分子毎に結合させる。多数のタンパク質は、ハプテンを結合させることができる自由アミノ基を多数含む。多くの場合において、ハプテン変性タンパク質は、安定しかつ可溶性である。また、例えば、フルオレセインおよびTexas Redのようなハプテンは、十分に大きくかつ硬質であるため、高親和性の抗体を生成することができる(例えば、ハプテンは、抗体結合サイトを充填するくらいに十分に大きい)。いくつかの実施形態において、例えば、ルオレセインイソチオシアネート、およびフルオレセインカルボン酸NHSエステルなどの試薬を用いてハプテンをタンパク質に結合させることができ、アッセイシステムによって認識される部分がハプテンである対照分析物内を生成することができる。 いくつかの実施形態において、方法において、乾燥状態の対照分析物が用いられる。いくつかの例において、乾燥状態の対照分析物により、サンプルの希釈が回避され、また、対照分析物をより安定させることができる。乾燥状態の対照分析物を、液体サンプルと接触した際、迅速に溶解しかつ/または完全に溶解するような形態にするように生成することができる。いくつかの実施形態において、対照分析物は、抗体が高親和性である分析物であり得る。いくつかの場合において、対照分析物は、任意の内因性サンプル成分と交差反応を起こさない分析物であり得る。さらに、例えば、前記分析物は、廉価でありかつ/または作製が容易である。いくつかの実施形態において、前記対照分析物は、本明細書中に記載の機器またはシステムの寿命にわたって安定している。共有結合しているハプテンを有する分析物を生成するのに用いられる担体をには、タンパク質(例を非限定的に挙げると、アルブミン、IgG、およびカゼイン)が挙げられる。共有結合しているハプテンを有する新規な分析物を生成する際に用いられる例示的なポリマー担体には、限定されないが、デキストラン、ポリビニルピロリドンが挙げられる。対照分析物の生成および安定化に用いられる例示的な賦形剤には、限定されないが、スクロース、塩および緩衝液(例えば、リン酸ナトリウムおよびトリスクロリド)が挙げられる。 本明細書中に記載のような対照分析物および方法は、本明細書中に記載の例などの多様な様態において、用いることができる。例えば、1つの方法において、一定容量のサンプルを測定することができる。いくつかの実施形態において、方法において、サンプルの希釈または希釈係数または希釈レベルが測定される。いくつかの場合において、方法により、サンプル中の対照分析物の濃度が得られる。分析物を検出するための、本明細書中に記載のシステムまたは機器において、本明細書中の対照分析物を用いた方法からの測定を用いて、対象分析物の測定を確認または記述することができる。例えば、複数のヘッドを備えた流体移動機器を用いて、制御ユニットを含む複数のアッセイユニット内に液体を分配することができる。いくつかの場合において、複数のユニット内に分配される液体量は、個々のユニット間において同一または類似していると仮定することができる。いくつかの実施形態において、明細書中に開示される対照分析物を用いた方法を用いて、正しい量のサンプルが機器またはシステム内において収集または利用されていることを確認することができる。別の実施形態において、方法において、正しい体積の希釈剤がサンプルに付加されていることを確認する。また、希釈係数または希釈レベルを確認することも可能である。さらに別の実施形態において、対照分析物を用いた方法により、正しい量の希釈サンプルが複数のユニットへ分配されていることを確認する。 図15は、本明細書中に記載のような、既知の量の対照分析物を含む対照アッセイの例示的方法を示す。カートリッジ内に組み込まれる前の状態のユニット1010に、既知の質量の対照分析物1002を含む溶液1001を充填することができる。前記溶液の液体を乾燥させると、対照分析物1002がユニット1010内に残る。その後、ユニット1010を機器内に挿入し、使用のために輸送することができる。ユニット1010が用いられ、サンプルまたは希釈剤1003を受容した場合、サンプル1003は期待される体積で送達され、ユニット1010内において乾燥状態の対照分析物1002と混合され、その結果、期待される濃度の対照溶液1004が得られる。対照溶液1004は、任意選択的に希釈することができる。一実施形態において、対照分析物1002は、機器中の対象分析物と同様の方法で検出することができる。対照溶液1004中の対照分析物濃度を測定する。前記濃度測定を用いて、対照溶液1004を得るために付加されるサンプル1003の体積を計算することができる。このようにして、ユーザは、サンプル1003の測定体積と、サンプル1003の予測体積とを比較することができる。 一例において、血液サンプルから赤血球を除去することができる。しかし、いくつか赤血球が残った場合または血液サンプルから赤血球が除去されていない場合、対照分析物を用いた方法により、前記血液サンプル中の赤血球からの影響について修正を行うことができる。ヘマトクリット値は大きく変動する場合がある(例えば、サンプル合計量のうち20〜60%)ので、固定量または予測量(v)の血液中の分析物の量をヘマトクリット値の関数とすることができる(記載中のHは、小数)である。例えば、血漿中の濃度Cの分析物の量は、C*v*(1−H)である。したがって、ヘマトクリット値が0.3であるサンプルの量は、ヘマトクリット値が0.5であるサンプルの1.4倍である。例示的な実施形態において、未希釈血液を上述のように機器に分配し、赤色細胞を除去することができる。その後、血漿画分中の対照分析物濃度を測定することで、サンプル血漿体積を推定し、ヘマトクリット値を決定することが可能となる。 いくつかの実施形態において、非結合コンジュゲートを反応サイトから洗浄して、非結合コンジュゲートが不正確な検出をもたらさないようにする必要があり得る。多数の免疫アッセイの制限的ステップとして、洗浄ステップがある。最小キャリーオーバーおよび高感受性における妥協が起こるかどうかは、非結合コンジュゲートの洗浄除去に依存している。この洗浄ステップは、洗浄液体を(例えば自動手段によって)ウェルから除去することが困難であること起因して、マイクロタイタープレートフォーマットにおいて大きく制限される場合がある。アッセイユニット機器の場合、液体の取扱様態において多数の利点がある。1つの利点として、アッセイの信号/ノイズ比が向上する点がある。 例えば多めの洗浄液が無いことに起因してコンジュゲートが機器のアッセイユニットの縁部に付着している場合、コンジュゲートの除去が困難になる場合がある。コンジュゲートの洗浄は、洗浄液を上方から押圧するかまたはサンプルのロード時と同様に洗浄液を上方に吸引して液体を排出することにより、行うことができる。洗浄は、必要な回数だけ繰り返すことができる。 アッセイ中において洗浄緩衝液を用いる場合、機器は、洗浄緩衝液を試薬ユニット中に保存することができ、アッセイユニットをこの洗浄剤と流体連通させることができる。一実施形態において、洗浄試薬は、アッセイユニットから非結合試薬を約99.99.9%または99.999%だけ洗浄除去することができる。一般的に、高洗浄効率が得られる、不要なバックグラウンド信号の高レベル低減が好適である。洗浄効率は典型的には、所与のアッセイからの信号と、洗浄ステップが無い場合にアッセイによって発生する信号の合計量との間の比によって規定され、日常の実験によって容易に決定することができる。一般的には、所与のアッセイからの信号を犠牲にすることなく、洗浄溶液量および培養時間を増加することが好適である。いくつかの実施形態において、約50μl〜約5000μlの洗浄緩衝液(好適には、約50μl〜約500μlの洗浄緩衝液)で洗浄を約10〜約300秒間行う。 さらに、洗浄液を用いない期間によって分けられた小量の洗浄液の数回のサイクルを用いることが有利であり得る。このような一連の処理により分散洗浄が可能となり、その結果、標識抗体が緩く結合しているアッセイユニットの保護部分(例えば、縁部または表面)から標識抗体を経時的にバルク洗浄液中に拡散させた後、洗浄液の反応サイトからの除去時において前記標識抗体を除去することが可能となる。 多くの実施形態において、最後のステップは、光手段または電気的手段によってコンジュゲートを検出するための酵素基質を分配するステップである。本明細書中、以下において基質の例について説明する。 例えば、本明細書中の機器の個々の試薬ユニットの試薬は、免疫アッセイのための酵素基質であり得る。別の実施形態において、前記個々の試薬ユニットから基質試薬を移動させるステップを取得サイトにおける反応後に繰り返すことができる。例えば、酵素基質を反応サイトへと移動させ、培養する。発生したアッセイ信号を測定した後、使用済基質を除去し、新規基質と交換し、アッセイ信号を再測定する。本明細書中に記載のようなシステムを基質の第1の側および第2の側双方から用いて、検出されている個々の分析物を示す信号を検出することができる。第2の基質は、元の基質と同一であることが多い。一実施形態において、第2の基質を、本明細書中の機器の第2の試薬ユニットから反応サイトへと移動させる。別の実施形態において、第2の基質を、元の基質と同一の試薬ユニットから反応サイトへと移動させる。第2の基質の移動により第2の反応が発生し、その結果、個々の分析物を示す第2の信号が発生する。前記元の信号の強度および前記第2の信号の第2の強度を比較することで、個々の分析物を示す信号の最終強度と、アッセイが適切に行われたかとを計算することができる。 一実施形態において、複数の信号の強度をアッセイにおける品質管理に用いることができる。例えば、信号間の差が20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%またはこれ以上である場合、アッセイ結果を破棄することがあり得る。 一実施形態において、本明細書中に記載のような方法は、サンプルおよび/または検出器コンジュゲート(酵素標識抗体)および/または酵素基質およびサンプルを再ロードして、アッセイ信号の調整または確認あるいはまたは内部制御として用いることを含む。例えば、上述のようなアッセイ先端またはユニットの再利用を用いて、機能の確認および/または第2の信号を得るためのさらなるサンプルまたは制御材料の付加を行うことができる。 いくつかの場合において、本明細書中に記載のようなシステムの液体サンプルおよび試薬をアッセイユニット内へと自動的に移動させることができる能力により、基質を酵素ユニットへと再ロードする方法が可能となる。いくつかのアッセイの場合、システムによる結果送達を即時的またはスケジュール通りに行う必要が無いため、上述のような制御方法により、結果信頼性を向上させる機会がもたらされる。酵素基質の付加の繰り返し後の応答を用いて、初期応答の確認またはスパイク回復の計算が可能となる。 実験によれば、第2のアリコートの酵素基質をアッセイユニットへと付加することにより、結果再現性を維持することができる。いくつかの実施形態において、制御方法により、アッセイユニットを用いた反復分析を行った結果、予測よりもずっと低い応答が得られた。 本明細書中に記載の任意の制御方法の利用により、制御方法を実行することにより、多考慮され得る、または前提とし得る多数の誤差があり得る。例示的なアッセイ誤差を非限定的に挙げると、アッセイユニットまたは機器の不適切な製造、サンプルおよび/または1つ以上の試薬の不適切な吸引、検出時における光電子増倍管に対するアッセイユニットの不適切な配置、機器またはシステム内におけるアッセイユニットの喪失がある。 いくつかの実施形態において、本機器またはシステムを用いて個人の医学治療の遵守を自動監視する方法が、FS機器を用いて提供される。前記方法は、体液サンプルと機器中の試薬アッセイとを反応させて、前記サンプル中の分析物の存在を示す検出可能信号を発生させることと、前記機器を用いて前記信号を検出することと、前記信号と、医学治療と関連付けられた既知のプロファイルとを比較して、前記医学治療を遵守しているか否かを決定することと、前記個人または関連する個人(例えば、地方のヘルスケア業者)に対して前記遵守または不遵守について通知を行うこととを含む。これは、本発明のHSシステムとって重要であり得る。なぜならば、推奨される治療が守られなかった場合、軽減方針の有効性が低くなるからである。いくつかの実施形態において、不遵守イベントがOSシステムへと報告される。不遵守を考慮に入れて、モデルを更新することができる。OSモデル化結果を監視している係員も、アクションをとるように地方係員に連絡することができる。 別の実施形態において、本発明のシステムおよび方法は、バイオマーカーレベルおよび日々の患者日報情報のトレンドを経時的に特定することができる。このようなトレンドを用いて、特定の患者への薬剤投与量を最適なレベルに調整することができる(例えば、適応的投与量決定)。 いくつかの実施形態において、不遵守は、限定されないが、複数の用量またはゼロの用量を含む不適切な薬剤投与量を含み得るか、あるいは、不適切に薬剤を混ぜ合わせることを含み得る。好適な実施形態において、患者は、信号と既知のプロファイルとの比較の後に実質的に即時、通知を受ける。 ヘルスシールドによる監視対象となっている個人が、本明細書中に記載のような分析のための体液サンプルを採取することを失念する場合がある。いくつかの実施形態において、本明細書中に記載のような機器を用いて体液サンプルを検査せよとの旨の警告を個人に対して発行する方法は、前記機器上において実行されるべきプロトコルを提供することであって、前記プロトコルはOS構成要素から通信され、前記個人と関連付けられ、前記体液サンプルを検査すべき時間および日付を含む、ことと、前記サンプルが検査されていない場合、前記時間および日付に前記体液を検査せよと前記個人に通知することとを含む。いくつかの実施形態において、個人への通知は、本明細書中に記載のように(例えば、無線接続を介して)行うことができる。ディスプレイ上のプロンプトの利用および患者からの応答の(例えばタッチスクリーンを介した)取得により、治療方式の遵守を向上させることができる。 1つの実施形態において、前記システムは、複数の複合体アッセイに必要なFS要素を搬出を確実に行い易い形態でパッケージする簡便な方法を含む。例えば、アッセイ要素は、ハウジング内にカチリと嵌められる。(c)現場システムアッセイ 本明細書中に記載の流体機器上において多様なアッセイを行って、サンプル中の対象分析物を検出することができる。多様な標識が当該分野において利用可能であり、対象者アッセイの実行において利用可能である。いくつかの実施形態において、標識の検出は、分光手段、光化学手段、生化学手段、電気化学手段、免疫化学手段または他の化学手段によって行うことができる。例えば、有用な核酸標識を挙げると、放射性同位体32P、35S、C14、H3、I125およびI131、蛍光染料、高電子密度試薬、および酵素がある。生物成分の標識付けに適した多様な標識が公知であり、科学文献および特許文献において広く報告されており、一般的には生物成分の標識付けのために本発明に適用することが可能である。適切な標識を以下に挙げる:放射性ヌクレオチド、酵素、基質、補因子、阻害剤、蛍光部分、化学発光部分、バイオルミネセンス標識、比色分析標識またはレドックス標識。アッセイ特異度を規定する試薬を任意選択的に挙げると、例えば、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、タンパク質、核酸プローブまたは他のポリマー(例えば、親和性マトリックス、糖質または脂質)がある。様な公知の方法(例えば、分光光度または放射性マーカー、蛍光マーカー、または発光マーカーによる光追跡)あるいはサイズ、電荷または親和性に基づいて分子追跡を行う他の方法のうち任意のものを用いて、検出を行うことができる。検出可能部分は、検出可能な物理的特性または化学的適特性を持つ任意の物質でよい。このような検出可能標識は、ゲル電気泳動、カラムクロマトグラフィー、固体基質、分光技術などの分野において十分に開発されており、一般的に、このような方法において有用な標識を本発明に適用することが可能である。したがって、標識は、非限定的に、分光、光化学、生化学、免疫化学、核酸プローブベース、電気的、光熱または他の化学手段にる検出が可能な任意の組成を含む。 いくつかの実施形態において、前記標識は、当該分野において公知の方法に従って、検出対象分子(例えば、生成物、基質、または酵素)へと直接的または間接的に結合する。上述のように、多様な標識が用いられ、標識の選択は、必要な感受性、前記化合物の共役容易性、安定性要求、利用可能な器具構成、および廃棄可能性に基づいて決定される。非放射性標識も、間接的手段によって取り付けられることが多い。一般的に、分析物に対して特異的な受容体が信号発生部分に結合する。場合によっては、分析物受容体は、アダプター分子(例えば、ビオチンまたはアビジン)に連結し、試薬アッセイセットは、記アダプターおよび分析物に結合する結合部分(例えば、ビオチン化試薬またはアビジン)を含む。前記分析物は、反応サイト上の特異的受容体に結合する。標識試薬は、分析物が中央に位置するサンドイッチ複合体を形成し得る。試薬はまた、前記反応サイト上の受容体に対して分析物と競合するか、分析物によって占有されていない反応サイト上の空の受容体に結合し得る。標識は、本質的に検出可能であるか、または、信号システム(例えば、検出可能酵素、蛍光化合物、化学発光化合物、または化学ルミネセンスエンティティ(例えば、ルミノジェニック基質を含む酵素))へと結合する。多数のリガンドおよび抗リガンドが利用可能である。リガンドが自然抗リガンドを有する場合、このリガンドを標識、抗リガンドと共に用いることができる。例示的なリガンド-抗リガンド対を非限定的に挙げると、ビオチン−アビジン、チロキシン-抗t4、ジゴキシゲニン-抗ジゴキシン、およびコルチゾール-抗コルチゾールがあり、あるいは、任意のハプテンまたは抗原化合物を抗体と組み合わせて用いることも可能である。 いくつかの実施形態において、前記標識は、例えば酵素またはフルオロフォアとのコンジュゲートにより、信号を発生する化合物へと直接コンジュゲートすることも可能である。標識として用いられる対象酵素は、主にヒドロラーゼ(特にホスファターゼ、エステラーゼおよびグリコシダーゼ)またはオキシドレダクターゼ(特にペルオキシダーゼ)である。蛍光化合物を挙げると、フルオレセインおよびその誘導体、ローダミンおよびその誘導体、ダンシル基およびウンベリフェロンがある。化学発光化合物を挙げると、ジオキセタン、アクリジニウムエステル、ルシフェリン、および2、3−ジヒドロフタラジンジオン(例えば、ルミノール)がある。 標識の検出方法は、当業者にとって周知である。そのため、例えば標識が放射性である場合に用いられる検出手段を挙げると、オートラジオグラフィーにおけるようなシンチレーション計測または写真用フィルムがある。標識が蛍光である場合、前記標識を適切な波長の光を用いた蛍光色素励起によって検出し、例えば顕微鏡法、視認検査、写真用フィルムの使用、電子検出器(例えば、デジタルカメラ、電荷結合素子(CCD)または光電子増倍管およびフォトチューブ、または他の検出機器)により、その結果得られた蛍光をおよび検出することによって検出することができる。同様に、酵素標識は、酵素に適した基質を提供し、その結果得られた反応生成物を検出することにより、検出することができる。最後に、単に標識と関連付けられた色(すなわち、吸光)を観察することにより、単純比色分析標識が往々にして検出される。例えば、コンジュゲートした金はピンク色であることが多く、多様なコンジュゲートしたビーズはビーズ色で現れる。 いくつかの実施形態において、検出可能信号は、ルミネセンスソースによって提供され得る。ルミネセンスとは、温度上昇以外の任意の理由に起因する物質からの発光を示す際に一般的に用いられる用語である。一般的に、原子または分子は、励起状態からより低エネルギー状態(通常は基底状態)から移動する際、電磁気エネルギー(例えば、光)の光子を発出する。励起要因が光子である場合、ルミネセンスプロセスをフォトルミネセンスと呼ぶ。励起要因が電子である場合、ルミネセンスプロセスをエレクトロルミネセンスと呼ぶことができる。より詳細には、エレクトロルミネセンスは、電子の直接注射および除去により電子正孔対が形成され、その後、前記電子正孔対が再度組み合わされて光子が出射されることによりもたらされる。化学反応に起因するルミネセンスは、化学発光と呼ばれることが多い。生物によって生成されるルミネセンスを通常バイオルミネセンスと呼ぶ。フォトルミネセンスは、スピンが可能な遷移(例えば、一重項‐一重項遷移、三重項ー三重項遷移)に起因して発生する場合、フォトルミネセンスプロセスは通常蛍光と呼ばれる。典型的には、蛍光発光は、現存の理由が無くなった後に無くなる。なぜならば、このようなスピンに起因する遷移を通じて励起状態が急速に低下し、励起が短命化するからである。フォトルミネセンスがスピンが禁止された遷移(例えば、三重項ー一重項遷移)に起因して発生した場合、フォトルミネセンスプロセスは通常リン光と呼ばれる。典型的には、リン光発光は、現存の理由が無くなった後も長時間継続する。なぜならば、このようなスピンが禁止された遷移に遭遇した場合のみに励起状態が低下するため、励起状態が長命であるからである。ルミネセンス標識は、上述した特性のうち任意の1つを持ち得る。 適切な化学発光源を挙げると、化学反応によって電子的に励起される化合物がある。このような化合物は、その後発光し、この光は、検出可能信号として機能するかまたはエネルギーを蛍光アクセプタへ提供する。多様な数の化合物ファミリーが、多様な状態下における化学発光を提供することが分かっている。1つの化合物ファミリーとして、2、3−ジヒドロ−1、4−フタラジノンがある。頻繁に用いられる化合物としてルミノールがあり、ルミノールは5−アミノ化合物である。前記ファミリーの他の成員を挙げると、5−アミノ−6、7、8−トリメトキシおよびジメチルアミノ[ca]ベンゼン類似体がある。これらの化合物は、アルカリ性過酸化水素または次亜塩素酸カルシウムおよび塩基によって発光させることができる。別の化合物ファミリーとして、2、4、5−トリフェニルイミダゾールがあり、ロフィンという共通の名称で用いられている。化学発光類似体を挙げると、パラジメチルアミノ置換基およびメトキシ置換基がある。化学発光は、シュウ酸塩(通常はオキサリル活性エステル)(例えば、p−ニトロフェニル)および過酸化物(例えば、過酸化水素)によって塩基性条件下において得ることもできる。他の有用な公知の化学発光化合物を挙げると、−N−アクリルアクリジニウムエステルおよびジオキセタンがある。あるいは、ルシフェリンをルシフェラーゼまたはルシゲニンと共に用いることで、バイオルミネセンスを得ることもできる。 本明細書中用いられるような「分析物」という用語を非限定的に挙げると、薬剤、プロドラッグ、薬剤、薬剤代謝、バイオマーカー(単数または複数)(例えば、発現タンパク質および細胞マーカー)、抗体、血清タンパク質、コレステロールおよび他の代謝、多糖、核酸、生物分析物、バイオマーカー(単数または複数)、遺伝子、タンパク質、またはホルモン、または任意のこれらの組み合わせがある。分析物は、ポリペプチド、糖タンパク質、多糖、脂質および核酸の組み合わせがあり得る。 特に興味深いのは、特定の疾病または特定の疾病ステージと関連するバイオマーカー(単数または複数)である。このような分析物を非限定的に挙げると、伝染病、自己免疫疾病、肥満、高血圧、糖尿病、神経変性疾および/または筋肉変性疾病、心臓病、内分泌疾患、代謝異常、炎症、心血管疾患、敗血症、血管形成、癌、アルツハイマー病、筋肉合併症、およびこれらの任意の組み合わせと関連する分析物がある。 他に興味深いものとして、身体組織(例えば、心臓、肝臓、前立腺、肺、腎臓、骨髄、血液、皮膚、嚢、脳、筋肉、神経、および多様な疾病(例えば、異なる種類の癌(悪性または非転移性のもの)、自己免疫疾病、炎症または変性疾病)による影響を受ける選択された組織のうち1つ以上中に異なる濃度で存在するバイオマーカー(単数または複数)がある。 (参考文献) Brandeau,M.L.,G.S.Zaric,andA.Richter.2003.Resource Allocation for Control of Infectious Disease in Multiple Independent Populations:Beyond Cost−Effectiveness Analysis.J.HealthEcon22:575−598 Chiang,C.L.1978.An Introduction to Stochastic Processes and Their Applications.Kreiger.517pgs. Choi,BCKandAWPPak.2003.A simple approximate mathematical model to predict the number of severe acute respiratory syndrome cases and deaths.JEpidemiolCommunityHealth.57(10):831−5[00407] D’Onofrio,A.2002.Stability Properties of Pulse Vaccination Strategy in SEIR Epidemic Model.Math. Biosci.179:52−72. Dwyer,G. J.S.Elkinton, and J.P. Buonaccorsi.1997.Host heterogeneity in Susceptibility and Disease Dynamics:Tests of a mathematical Model. Am Naturalist.150:685−707 FitzGibbon, W.E., M.E.Parrot, and G.F. Webb. 1995. Diffusion Epidemic Models with Incubation and Crisscross Dynamics. Math. Biosci. 128:131−155. Gibson, G.J. 1997. Investigating mechanisms of Spatiotemporal Epidemic Spread Using Stochastic Models.Am Phytopathological Society. 87:139−146 Inaba, H.1990.Threshold and Stability Results for an Age−structured Epidemic Model. J Math Biol.28:411−434. Longini, I.M., S.K. Seaholm, E Ackerman, J.S. Koopman, and A.S. Monto.1984.Simulation Studies of Influenza Epidemics: Assessment of Parameter Estimation and Sensitivity. Int J Epidemiology. 13: 496−501 McKendrick, A.1926. Applications of Mathematics to Medical Problems. Proc Edin. Math. Soc. 44:98−130. O’Neill, P.D. 2002. A Tutorial Introduction to Bayesian Inference for Stochastic Models Using Markov Chain Monte Carlo Methods. Math Biosci. 180:103−114. Stilianakis, A.I, A.S. Perelson, and F.G. Hayden. Emergence of Drug resistance During an Influenza Epidemic: Insights From a Mathematical Model. J. Infect Dis. 177:863−873. Timpka, T., M. Morin, J. Jenvald, H. Eriksson, and E.A. Gursky. 2005. Towards a Simulation Environment for Modeling Local Influenza Outbreaks. AMIA 2005 Symposium Proc. 729−733 (実施例) 実施例1.国のインフルエンザヘルスケア監視システム この例において、ヘルスシールドシステムは、国の疾病制御機関のためにカスタマイズされ、国のヘルスシールドとして配備される。このプログラムの第1の目的は、流行をもたらし得るインフルエンザなどの疾病の封じ込めおよび先行管理のためのシステムをカスタマイズすることである。前記システムは、最も早い感染段階において、インフルエンザ大発生の拡散および顕著な「突然変異体」株(例えば、抗ウイルス剤薬剤に対する耐性を有するものまたはこれらの病原性の高いもの)の特定、追跡および封じ込めを行うように設計され、これにより、疾病回避および応答を向上させる。オペレーティングシステム(OS)のモデル化のための入力を用いて、インフルエンザに対する最適なサンプリングおよび封じ込め戦略を決定する。 本システムの第2の目的は、慢性疾病(例えば、、糖尿病)の進行をより良好に管理および回避することによる結果向上およびヘルスケアコストの低減である。糖尿病の回避および逆転のみによって結果の向上およびヘルスケアコストの大幅低減が可能となることにより、年間の保健関連出費を10億ドル削減することができる。インフルエンザおよび糖尿病に対して配備されるHSシステムは、鬱血性心不全(CHF)などの他の慢性疾病の回避およびより良好な管理が可能となるようにカスタマイズすることも可能である。 現場システム構成要素は国レベルで配備され、初期配備においては、地理的場所および/または有リスクと考えられる集団に着目する。FSシステムは、部分的に中央実験室内において実行されるロボット自動アッセイとして配備される。前記システムは、結果の信頼性向上のための自動オンボード制御を有する。モバイル現場システムも、病院、診療所、医院、および公的な場所(例えば、学校、薬局、空港など)などの複数のケアポイントにおいて配備される。FS構成要素は、ヘルスケアインフラストラクチャが限られている農村地域内の家庭においても配備され、これにより、診療所または病院へ出向く必要が無く、これらの領域内の個人が遠隔検査を受け、必要に応じてび保健専門家と無線的に通信することができる。 H1N1インフルエンザ(「豚インフルエンザ」)を監視するためには、FSにおいて、血液サンプルおよび唾液中のH1N1に対する抗原および抗体を測定する。前記血液および唾液サンプルは、2つの別個のカートリッジ上において検査される。これらの血液検査は、感染に対する身体反応を測定するサイトカインの組み合わせについての検査と多重化される。 H1N1の場合、これらのFSカートリッジは、6つのアッセイおよび2つの対照(例えば、H1N1抗体および抗原ならびに感染に対する身体反応を測定する4つのサイトカインアッセイ)を実行するようにカスタマイズされる。アッセイ多重化は、特定のFS構成に応じて、90分未満の時間、または30分未満の時間にわたって実行される。特定のFS構成に応じて、血液カートリッジおよび唾液カートリッジは別個に処理されるかまたは一括処理される。新規ウイルス株が発生した場合、さらなるアッセイが既存のパネルに追加される。例えば、前記H1N1アッセイは、H5N1(鳥インフルエンザ)抗体および抗原のアッセイとさらに多重化される。さらに、大量読取器システムが単一のサンプル読取器へと付加される。この大量読取器は、数十個のサンプルを同時に実行するように構成することができる。 検査結果は、患者記録から情報を抽出する器具タッチスクリーンまたはOSウェブポータルソフトウェアを通じて収集された他の臨床関連患者データと共に、セキュアな高速ネットワークを介して集中型政府オペレーティングシステムへとリアルタイムで送られる。これらの統合されたデータセットは、個人の疾病状態の評価および他の異常の確認のために、パターン認識アルゴリズムを経る。前記統合された分析システムは、データ変動の原因を確認および特定するように構築された対照を有する。データの変動またはノイズが特定された際にとられるアクションが、配備前に政府組織のために設定されたカスタマイズされた規則に基づいて、システムの警報能力に組み込まれる。これらの規則は、アクション可能なイベントが検出された際、臨床医、患者および/または患者への連絡を自動的に電話、eメールまたは類似の電子通信によって通知する時期および方法を指定する。 インフルエンザの封じ込め戦略の実施において、偽陰性を制御するようにシステムのパラメータが設定される。配備戦略は、不確実性を考慮して重み付けされる。モンテカルロモデル化を用いて、不確実性の数値化により、前記戦略のロバストネスを推定する。 以下の表7は、インフルエンザ監視フェーズのロールアウトを配備するための構成およびパイロット計画を詳述する。この表中のタスクは、スケジュール加速にも対応できるように、並行に完了させることができる。表7:インフルエンザ監視フェーズの展開 このプログラムにおける2つの配備シナリオを示す。 シナリオA:いくつかの場所における多数の測定を用いたヘルスシールドを配備するための小型パイロットプログラム(封じ込め領域内における5〜7箇所のセンター/高リスク場所において監視されている人間および/または動物内における、100,000回のアッセイ測定)。このプログラムは、6ヶ月間継続する。ステップ:a.政府要求に応じた、ヘルスシールドのカスタマイズb.100,000回の測定および100個の読取器を用いて実行されるパイロットプログラム実施c.5〜7箇所のセンター/高リスク場所の訓練d.結果および健康関連コストにおいて最も有効な封じ込めおよび回避戦略を特定するためのモデル化およびシミュレーションe.多様な検査結果に基づいてとられるべき最も有効な警報および推奨されるアクションを特定するためのモデル化およびシミュレーション シナリオB:封じ込め領域および封じ込めのための周囲の高リスク場所における配備提供と、感染者の治療向上と並行して行われるインフルエンザの流行の回避とを行う。シナリオAにおいて必要な測定および場所(25〜30箇所のセンター/高リスク場所における人間および/または動物における500,000回の測定)よりもより多数の測定および場所を用いた地域内およびその周囲における包括プログラムを通じて、ヘルスシールドによりインフルエンザ大発生の有効封じ込めが可能でありかつウイルス拡散の回避が可能であることを実証する。前記プログラムは、6ヶ月間継続する。ステップ:a.政府要求に応じた、ヘルスシールドのカスタマイズb.500,000回の測定および500個の読取器を用いて実行されるパイロットプログラムc.封じ込め領域内およびその周囲における25〜30箇所のセンターの訓練d.結果および健康関連コストにおいて最も有効な封じ込めおよび回避戦略を特定するためのモデル化およびシミュレーションe.多様な検査結果に基づいてとられるべき最も有効な警報および推奨されるアクションを特定するためのモデル化およびシミュレーションf.任意のインフルエンザ大発生および他の慢性疾病の管理のための疾病封じ込めのための機能を得るために、読取器を起動する 統合型のソフトウェア構成要素が、FSシステムおよびOSシステムに合わせて開発される。そのユーザインターフェースを図16および図17に示す。この統合型のソフトウェア構成要素は、2つのアプリケーションからなる。図16中に示す1つのアプリケーションは、個人患者データの収集と、FSによって収集された患者およびアッセイデータから収集された情報に基づいた治療についての特定の推奨とを行うために、地域および地方のトリアージセンターにおいて用いられる。中央事務局構成要素において、現行の現状を記述する国データおよび地域データをOSモデルに供給するためのデータが付加される。この定期更新されるデータを用いてモデルを精緻化して、予測精度を向上させる。収集されたデータおよび地域センターにおいてとられたアクションについての報告が生成される。 図17に示すアプリケーションは、中央または国の事務局において用いられる。このアプリケーションは、ユーザインターフェースは、モデルの実行と、モデルの出力として生成された報告の生成とを行うためのものである。ここで、ユーザは、「もし〜だったらどうなるか」シナリオに関与することで、流行に対する適切なアクションおよび軽減を決定することができる。 突然変異しているインフルエンザ株の拡散を検出しかつ先行して封じ込めることが可能であるため、既存の方法を用いた場合にできなかった、生命を救済しかつ経済を保護することが可能となる。これらの恩恵は、最適なヘルスケアを容易に入手できない分散した場所および遠隔場所において、特に重要である。慢性疾病のための先行健康管理戦略を推定することで、現在のヘルスケアコストを今日の出費の1/3〜1/2だけ低減することができ、また、一貫しかつ均一な高レベルのヘルスケアを全個人が確実に得ることができる。 実施例2.LaGloria大発生において軽減方針を用いた場合および軽減方針を用いない場合のシミュレーション 図18は、メキシコのLaGloriaにおいて2009年2月〜5月に発生したインフルエンザ大発生に基づいた、実世界対シミュレーション結果を示す。LaGloriaは、メキシコのベラクルス州にある集団約3,000人の町である。数百人の人が呼吸器疾患と診断された(豚インフルエンザ(H1N1)およびより一般的なH2N3インフルエンザ変異体についての検査結果が陽性であったことを含む)。図18は、実際の大発生データ(円)と、HS軽減を用いないモデル(実線)との比較を示す。HS軽減を用いないモデルは、実際のデータに密接に対応している。HS監視および軽減方針を用いたモデルを破線で示す。このモデルは、前記実際の大発生の図2のモデルへの反復あてはめを最適な適合が得られるまえ行うことにより、決定される。HSを用いた場合、大発生の深刻度および敏捷度が大幅に低減すると予測される。このような予測される向上は、軽減策を用いない場合の大発生と、HSシステムおよび感染したことが分かっている者の家庭内隔離を用いて推定した場合の結果を予測するためのモデルとについて決定されるようなモデルパラメータに基づく。重要モデルパラメータ:基本再生産数R0=2.2平均世代時間(日)Tg=2.0潜在型(未感染)の世代時間の一部fL=1/3;大発生が軽減しない場合・監視は行われなかった。・感染した集団に対してアクションは行われなかった。図示の軽減について、・前記症状を示す者(感染が疑われる者)のうち60%が自主検査を報告・結果が陽性の対象者を(アッセイ感受性0.8(80%)にもとづき)家庭内隔離した 実施例3.糖尿病の回避および逆転 糖尿病およびその合併症(例えば、腎臓疾患および心血管疾患)のいて、政府プログラムおよび私的プログラム双方を通じて、ヘルスシールドのコスト面において有用な関係が定量化される。これらのプログラムは、HSシステムを用いた個人化およびリモートに送達されるライフスタイル修正治療を通じた疾病進行の回避、遅延および逆転により、2型糖尿病(T2DM)のコストを大幅に低減するように設計される。 T2DMおよび伴うことの多い肥満(「肥満病」という造語として知られる)がある場合、心臓血管合併症、代謝合併症、眼科系合併症、神経合併症および腎臓合併症ならびに心臓血管罹患率および死亡率の上昇の大きな原因となり得る。T2DMに起因して、ヘルスケアシステムへの経済的負担が大きくなる。米国において、成人のうち30パーセントが糖尿病であり、160万人がまたは意図し糖尿病と診断されている。米国における2007年における糖尿病にかかる推定コストは、1,740億ドルであり、2007年における284,000の死亡例が糖尿病に起因している(American Diabetes Association,Diabetes Care31,596(March1,2008)を参照)。 アメリカ合衆国軍も、肥満病と無縁であるわけではない。例えば、USAFにおいて、140,000人の糖尿病患者が治療を受けている。糖尿病患者が毎年余計に支出する平均額は、6,649ドルである。そのため、糖尿病患者のうち20%だけでも遅延または逆転できれば、毎年の節減可能額は186,172,000ドルに上る。五年間だけでも、節減額は、10億ドルに上ると期待される。コストのかかる小血管合併症および大血管合併症の発症を遅らせるためのコストについては、さらに大きな節減が期待される。(前出) ライフスタイル介入により、糖尿病進行リスクを58%まで低減できると実証されている(J.Tuomilehtoetal.,NEnglJMed344,1343(May3,2001);W.C.Knowler etal.,NEnglJMed346,393(Feb7,2002))。大規模な疫学集団研究によれば、インスリン耐性およびメタボリックシンドロームパラメータがある場合、T2DMおよび心臓血管および脳血管イベントを発症するリスクが高くなることが分かっている(P.W.Wilson,R.B.D’Agostino,H.Parise,L.Sullivan,J.B.Meigs,Circulation112,3066(Nov15,2005);C.Lorenzo,M.Okoloise,K.Williams,M.P.Stern,S.M.Haffner,DiabetesCare26,3153(Nov,2003))。心臓血管についての研究からだけでも、65年間における10個の新規糖尿病症例のうち9つの発症が5つのライフスタイル因子に起因していることがわかっている。よって、このようなライフスタイルを向上できれば、糖尿病リスクが89%まで大幅に低下する(D.Mozaffarianet al.,ArchInternMed169,798(April27,2009)。これらの因子を挙げると、身体活動、食事、喫煙、飲酒および肥満がある。糖尿病予防プログラム(DPP)において、ライフスタイル介入を行えば、T2DMの進行が11年遅延しかつ糖尿病の絶対発生が20%だけ低下すると推定されている(P.Lindgrenet al.,IntJTechnolAssessHealthCare23,177(Spring,2007))。 従って、国の健康を向上させるための有望な先制戦略をとして、T2DM発症のリスクが高い個人に対する早期介入が挙げられる。空腹時血糖値の異常(IFG)および/または耐糖能異常(IGT)によって規定されるような前糖尿病集団は、正常血糖の場合よりもT2DMを発症するリスクがより高い。しかし、個々の対象のレベルにおいて変換を行う速度および時期を予測することは困難である。これらの重大な疫学的発見に基づいて前進するために、ヘルスシールドは、新規な診断および治療パラダイムを提供する。このパラダイムは、動的収集および生理学的測定の分析を用いて、個々の対象に着目することができる。このアプローチにより、T2DM発症およびその後の心臓血管、代謝、眼科系、神経および腎臓イベントについての対象者のリスクおよび軌跡をより早期に検出および予測する。同時に、ヘルスシールドにより、各患者個人化に対し、必要なライフスタイル変更を行うためのツールおよび戦略が送られる。HSにより、これらのライフスタイル変更による影響についての生理学的関連情報を各個人/家族ベースで提供することにより、ユーザへと送られる関連保健メッセージが強化される。 T2DM対象者の管理は、包括ヘルスケアチーム(HCT)によって行われる。包括ヘルスケアチーム(HCT)は、医師、ナースプラクティショナー、医師助手、看護師、栄養士、薬剤師、および精神医療専門家を含む。さらに、糖尿病を患う個人は、自身のケアにおいて積極的な役割を負い、包括的な糖尿病自己管理についての教育を受ける。ヘルスシールドにより、柔軟なポイントオブケア検査(POCT)およびフィードバック技術を通じて、このような教育および管理が支援される。 糖尿病およびその合併症については、各タイムポイントにおいて6つの検査が行われ、その所要時間は30分未満である。腎臓および心血管疾患についてはさらなるカートリッジが提供される。各カートリッジはさらなる6つの検査を含み、これらの検査を15分以下で処理して、心臓血管イベントまたは腎不全イベントの発症リスクを検出し、病院訪問の必要性を評価する。その結果、高コスト救急処置室に出向く必要が出てくるレベルまで疾病が進行する前に、患者の治療を行うことが可能となる。 POCTは、患者近隣検査システムとして規定され、長年利用可能となっている。POCTは、ベンチトップおよびハンドヘルド機器に依存する。診断ツールおよび臨床決定支援ツールとしてのPOCTは、今や、外来診療、一次医療、緊急診療および手術室におけるヘルスケア送達の一部である。説得力のある例として、妊娠糖尿病時における血液グルコースの監視があり、これにより、母親および赤ちゃんの合併症率が低下する。 例えば、以下の送達によって、ヘルスシールドは、前糖尿病集団へPOCT資源を提供する。1.循環している多様な血液マーカーのうち、インスリン耐性、メタボリックシンドローム、炎症および心臓血管リスクを動的に最良に数値化できる血液マーカーの評価を連続的かつ簡便にかつリアルタイムで行うポイントオブケアシステム。機器はモバイルヘルスケアシステム(以下アイテム3)に対するインターフェースとしても用いられる。2.所与の対象者がT2DMおよび関連合併症を発症するリスクを早期に特性化および数値化する数学的/統計学的学習エンジン。前記学習エンジンからの成果物は、糖尿病発症を最良に予測する1組の生物マーカーと、この予測能力を用いたモデルである。この種の分析は典型的には、カプランマイヤー統計によって規定されるような競合生存曲線に基づいてかつコックス比例ハザード分析の文脈において、統計学的モデルの構築実施時において開発される。本明細書中に記載の学習エンジンは、サンプリングを十分な高頻度で行うことにより、最も有益なマーカーパターンを最も経済的なマーカー部分集合中において確立するために、この確率ランドスケープを利用する。このマーカーパターンから、コホート中の各個々の対象についての動的ハザード/リスク空間が導出される。モデル中において考慮する相補的な共変量は、年齢、喫煙状態、飲酒、ボディマスインデックス(BMI)、食事習慣、運動レベル、グルコース、血圧および脂質レベルである。さらなるデータが前記モデルにとって利用可能となるにつれ、前記システムは、各対象者コホートおよびその調整についてのより包括的学習を適切に行うように、確率パターンを向上させる。3.上記の統合型のデータ、アルゴリズムおよびモデルと対象者との相互作用と共に用いることで、行動修正の支援と、食事、運動および治療の厳守の向上とを得るためのモバイルヘルスケアシステム。機器タッチスクリーンまたはネットワーク統合型のモバイル機器(例えば、携帯電話またはPDA)を通じて対象者と相互作用することにより、前記システムは、以下を行う。・対象者への質問時における状況および気分の評価・質問による、主要指標の入手・ユーザの行動修正を支援するための、真に個人化されかつ文脈に特有の内容の機器タッチスクリーンまたはモバイル機器/電話への送信。 前記個人化内容は、集団知能技術、例えば、機器からの対象者測定データおよび他の提供されたデータ、対象者への質問への回答、使用できるならば、内臓GPSによって可能とされるような地理的発信場所に対する規則ベースの推論により、決定される。 応答データを統合および分析することにより、前記学習エンジンは、ライブラリから前記対象者の気分、状況および場所に関連する特定アイテムを選択することにより、対象者に特定のフィードバックを提供する。提供されるアイテムを挙げると、栄養アドバイス、運動アドバイス、一般的ライフスタイルアドバイス、心理学的カウンセリング、対象者の近隣におけるレストランの選択、当該レストランにおいて推奨されるメニューアイテム、食物の電子クーポンおよびライフスタイル製品、栄養または運動データの集まり、および健康目標達成への進展についての補強/奨励がある。 これらのツールと、臨床医へ返送されてくるデータとを用いることにより、HCTから各個々の対象に対し、個別に調整された早期治療ライフスタイル変更を通知でき、これにより、T2DMおよび死に至るような合併症を回避できる。実施例4.糖尿病リスク予測の視覚化およびモデル 糖尿病と分かっていない187人の調査において、対象者に対し、経口的ブドウ糖負荷試験検査(OGTT)を行った。OGTT実行時において、事前に対象者に14時間絶食してもらい、水のみを摂取してもらった。この検査の開始時において、前記個人に所与の血糖検査を行い、ベースライン数を決定した。その後、糖溶液を経口投与した。その後血液を再度経時的に検査した。糖尿病の場合、検査から2時間以内に重要数値が現れる。低血糖の個人の場合、血糖は4〜6時間の間低下しない場合がある。 さらなる情報が、以下においてオンラインで利用可能である。diabetes−diagnosis.suite101.com/article.cfm/the_glucose_tolerance_test#ixzz0SWaqWbQr グルコースおよびホルモンGLP−1の一連の測定を行った。先ず、空腹時グルコースレベルを測定し、その後いくつかのタイムポイントを測定し、その後、グルコースを摂取した。測定された変数を以下に挙げる。・グルコース溶液摂取の5分前、グルコース溶液摂取から10分後、20分後、30分後、60分後、90分後および120分後における、活性GLPおよび総GLP・基本的プロファイルデータ:年齢、身長、体重、性別、体脂肪(%)・クレアチニン濃度・遺伝子マーカー:12個の異なるSNP場所における単一ヌクレオチド多型性の変動(SNP)の識別情報・空腹時検査および摂取後の検査の耐糖能診断(通常時または空腹時の血糖値の異常、通常または耐糖能障害または糖尿病) グルコース耐性検査は、多数の対象者は、糖尿病または耐糖能異常(IGT)を有することを示す。残りの対象者は、通常のグルコース耐性(NGT)を有する。図19に示す分類および回帰ツリー(CART)を用いた再帰分割および得られた再帰分割ツリーにより、GLP−1結果と、集団学的情報(年齢、性別、身長)と、12SNPの決定とについて評価する。このツリーは、グルコース耐性と相関しかつ/またはグルコース耐性を予測するように、設計される。CARTについては、以下に記載がある:Breiman,Friedman,Olshen,and Stone in Classification and Regression Trees,Chapman&Hall/CRC;1st edition(January1,1984)。上記および類似の技術により、前記データを最も高精度に分離する指針に従ってデータを再帰分割することにより、モデルが開発される。例えば、この例において、問題となるのは、患者の糖耐性状態の分類である。多数の予測因子のうち、「年齢」という変数は検査基準が66.5年(すなわち、年齢が67歳以上の者?)により、前記検査を記述するモデルにおける分類誤差が最小になる分け目が可能となる。各分割において得られた部分集団それぞれについて、次に最も有効な分け目が特定される。前記モデルおよび検査の残り部分の適合のために前記データの一部のみを用いることにより、前記アルゴリズムにより、「訓練」データの過剰適合が回避される。 前記分析により、調査した集団において、以下の5つの因子により、対象者のカテゴリー分けが得られることが分かった:(1)年齢、(2)グルコース投与後120分後において決定されたGLP−1(活性)レベル、(3)身長、(4)体脂肪(身長および重みから計算したもの)、および(5)SNP:rs10305420。 視覚化は、複数の目的を有する。例えば、医師は、前記ツリーを用いて、糖尿病のリスク因子を患者に説明することができる。例えば、葉(末端l)ノードを左から右に数えることにより、医師は、患者が現在の葉ノード#4(「IGT(2/11/1)」)内にあることを患者に説明することができる。また、患者の加齢と共に、患者身長に応じて葉ノード#1または#2のいずれかに到達して終了する。身長のより低い患者の場合、これは、糖尿病発症のリスクが極めて深刻であることを示し、治療介入(例えば、ライフスタイル変更および/または治療)を受けるように患者にアドバイスすることができる。 前記ツリーを用いて、異なる集団を糖尿病のリスクについて調査することもできる。前記分け目基準はそれぞれ、より大きな集団を部分集団へと分割するための異なる種類のリスクおよび異なる機構を示す。その結果、各分け目設定基準による効果を因果関係について調査することができる。加えて、誤って糖尿病患者として分類された患者を、例えば、疾病に貢献し得る大きなリスク因子に基づいて相応に分類することができる。そのため、このグループを調査して、リスクを軽減し得る他の因子を決定する価値がある。長期の長期間調査開発において、ツリーを用いて疾病進行を調査することができる。状態が未だNGTまたはIGTであるがリスクが高まっている(例えば、それぞれIGTまたはDMとして誤分類されるリスク)患者を選択することにより、研究者は、これらの患者を経時的に追跡して、部分母集団のうち悪化する者および悪化しない者を確認することができ、これにより、耐糖能障害リスク因子による影響およびその原因を理解することができる。同様に、前記ツリーを用いて、部分母集団の患者の比較分析を行うことができる。 重み(または集団カウント)をより大型の集団サンプルに割り当てて、異なるサンプリング戦略に起因し得るリスクを評価することができる。このような再帰分割モデルのために、異なる地理的領域内におけるリスクを評価することができ、このようなツリーまたはCART(分類および回帰ツリー)および他の方法(例えば、カーネル方法および類似性測定、一般的化された線形モデル、多様な非パラメトリック方法およびパラメトリックベイジアン方法などを用いた他の方法)の組み合わせによってSIRパラメータを計算することができる。 実施例5.コストマトリックスが調整された混同行列 本発明のモデルは、モデルに起因する誤りのコストを最小限にするために、経済コスト、一時的コストまたは他の因子に基づいて、異なる誤りに関連するコストについて調整することができる。この実施例は、上記実施例に記載したデータを用いたコスト分析を示す。結果を表8に示す。表8 上記表において、予測される患者カテゴリーと、OGTTに基づいた診断とを比較する。この表は、誤りのコストを考慮せずに構築されたものである。 該分野の専門家が推奨した誤分類のコストに基づいた重み付けを取り入れたモデルが開発された場合の、類似の予測マトリックスを以下に示す。ここで、規則によれば、DMが患者にとって正しい状態である場合にNGTを予測すると、コストがより高くなる。この論拠は、特定の種類の誤りは、他の誤りよりもずっと悪い結果を招くからである(例えば、糖尿病患者家庭に健康証明書を送る最終的コスト対糖尿病として誤分類された患者に対するフォローアップ検査のコスト)。表9 表9を得るために付加されたコストを用いたこのような重みの例を以下の表10に示す。糖尿病患者がNGTとなると予測された場合、ペナルティとして100が評価され、IGT患者が糖尿病であるとの予測については、ずっと低いペナルティとして10が評価される。すなわち、二次検査およびライフスタイル変更のコストは、糖尿病の医学的ケアのコストほど高額にならない。これらのコストは、他の文脈のための予測モデルを最適化するように変更することができる。表10実施例6.感染および敗血症の発症の予測ならびにより早期の治療可能化 感染について、文民集団および軍民集団におけるヘルスシールドプログラムの1つの目標として、負傷集団/火傷集団/重症集団における結果を向上させ、このような重篤者への早期介入/治療(〜36〜24時間)の効果を数値化することがある。 小量の要求によって可能とされるより高頻度のサンプリングと、無線的に統合された分析モデル化エンジンとを通じて、ヘルスシールドシステムを用いて、臨床診断の前の36時間前までに、敗血症の発症を予測することができる。 この例において、急性骨髄性白血病のための化学療法を受けている入院患者について、炎症マーカーIL−6、IL−1β、および凝固制御に関与するタンパク質であるタンパク質Cについて監視する。敗血症となった患者(N=4)においては、敗血症まで進行していない患者(N=11)においては発生しないイベントの組み合わせが発生している。これらのイベントを以下に挙げる:1)>=38Cまでの温度スパイク、2)(<12時間の間隔で発生する)急速スパイクでの>5ng/mLへのIL−6の上昇、3)タンパク質Cの<1μg/mLへの低下、および4)>100pg/mLまでのIL−1βの上昇。個々のイベントは、敗血症の発生を示す。Il−6は、敗血症となった全対象者において約10,000pg/mLを越えてピークになっている(図36A)。感染した全対象者において、タンパク質Cが最低約1.3μg/mLまで低下している(図36B)。 しかし、発熱スパイクは、敗血症を予測しない。情報(温度、IL−6、タンパク質CおよびIL−1β)を組み合わせることで、敗血症の有効な予測が可能となる。 イベントの組み合わせは、以下であった:温度低下が>38であるかまたはタンパク質低下がC>30%であり、かつその後IL−6が>5ng/mLとなるかまたはIL−1βが>100pg/mLとなった場合、当該患者は敗血症に進行する。 表11は、上で定義した敗血症進行の兆候から、敗血症へと進行した患者の診断までの時間の経過を示す。これらのイベント組み合わせにより、治療が開始可能な診断の前に有意な窓が得られる。表11 敗血症は、体全体が炎症状態となり、血液感染を伴う。敗血症に罹患した場合、敗血性ショックにつながり得る。敗血性ショックの致死率は約50%である。敗血症および敗血性ショックは、救命医療において大きな問題となっており、集中治療室における主な死因となっている。米国においては、敗血症は750,000人に発生しており、敗血性ショックに起因する死亡例は約215,000件である。血流感染(BSI)の増分コストは、20,000ドルに近いと計算されている(M.Kilgore,S.Brossette,AmJInfectControl36,S172e1(Dec,2008))。集中治療室(ICU)によってBSIに感染した患者に起因して、ICU滞留日数の平均増加長さが大幅に増加する(15.5対12日)。また、ICU感染BSIの無い患者と比較して、病院ケアの平均コストも増加する(85,137ドル対67,879ドル)。(前出)Id. 早期に治療を開始することで、敗血性に関連する死亡率を低下させることができる。前記HSによって提供される柔軟で、簡便でありかつおよびインテリジェントな1組のツールにより、より良好かつより早期のケアをより低コストで提供することが可能となる。本システムの顕著な特徴として、容易な使用と、個人患者およびHCTによる直接的かつ活発な参加とがある。救われた生命数が25%向上することは、死亡していたはずの患者のケアにかかるコストが25%低下することと相関する。加えて、これらのコスト低減は、生存しているが長期かつ高価な治療を必要とする患者の低下も意味し、このような患者に対し、HSシステムを用いればより迅速な治療が可能でありよって保健センターにおけるコストも低下する。感染管理においてHSによって可能となる米国におけるコスト低減の総額は、50%を越えるかまたは75億ドルを超えると推測される。 HSを用いて、感染および敗血症発症の予測特徴を特定することができる。類似の特徴を、多様なインフルエンザ株に感染した者における感染の存在および感染に対する身体反応を検出することができ、これにより、治療を同様にカスタマイズし、早期に行うことが可能となる。 実施例7.インフルエンザ監視:疾病検出アッセイ ウイルス粒子検出.図20Aは、H1:N1粒子に応答するH1抗原の検出を示す。H1抗原のアッセイは、PCT特許公開文献WO/2009/046227(出願日:2008年10月2日、名称:「MODULARPOINT−OF−CARE DEVICES AND USES THEREOF」)中に記載のように行う。既知の濃度のH1N1抗原を含むサンプルと、検出抗体とを混合し、取得抗体でコーティングされた384ウェルマイクロタイタープレートウェル内において前記混合物を30分間培養する。これらのウェルを緩衝液の反復吸引によって洗浄し、その後酵素基質を付加する。10分後、前記マイクロタイタープレートをM5照度計内において読み出す。前記取得抗体は、基質に拘束されたモノクローナル抗H1抗体である。前記検出抗体は、APaseを用いたポリクローナル抗H1抗体標識である。前記分析物は、微粒子調整物であり、H1およびN1抗原双方を示す。緩衝液内にスパイクされた多様な量の分析物スパイクを図20においてX軸上に示す。 鼻サンプル内のH1N1のアッセイ。綿球採取により得られた鼻サンプルを、試薬および市販のプロトコルキット(Quickvue)を用いて抽出する。緩衝液溶液と、H1N1抗原を付加した鼻抽出物およびH1N1抗原を付加していない鼻抽出物とを上記プロトコルにしたがってアッセイする(4回の反復測定/サンプル)。その結果、以下の結果が得られた。表12 抗原が付加されていないサンプルに対するアッセイ応答は本質的に陰性であり、抗原が付加されたサンプルと、抗原が付加されていない抗原との間に明確な差が見られた。 臨床サンプルを用いた類似の例において、H1の各アッセイに対する同じ「先端部」が設けられた各多重カートリッジ上において、2つのアッセイを行う。結果を図20Bに示す。図中、「先端部1および2」の場合、1つの抗体対に対して平均信号(カウント)が得られており。「先端部3および4」の場合、異なるアッセイ対に対するカウントが得られている。8個のインフルエンザA−陰性サンプルからおよび112009インフルエンザ陽性(H1N1)サンプルからのの鼻綿球採取サンプルのアッセイをPCR方法を用いて行う。その結果、点線を識別のために用いた(カットオフ)双方のアッセイからのデータを用いることによって提示されたサンプルについて、陽性サンプルと陰性サンプルとの結果の間に明確な差がみられる。これを閾値として用いると、8個が真陰性であり、2つが偽陰性であり、9個が真陽性であり、0個が偽陽性である。感受性(TP/TP+FN)は81%であり、特異度(TN/TN+FP)は100%である。いずれかのアッセイを単独で用いた場合の差は、双方のアッセイ結果を組み合わせた場合よりも有効性が低い。 ホスト抗体.インフルエンザ粒子に対するホスト抗体を本発明に従って検出することができる。このような抗体の存在は、個人の疾病に至る活性感染の可能性がより低いことを示す。図21に示すアッセイは、FSカートリッジ中のホスト抗体を検出するように設計される。この例において、取得試薬は代理抗原であり、固相に結合した様態で測定される抗体の抗イディオタイプを含む。検出試薬は、アルカリホスファターゼで標識された抗ヒトIgG抗体である。精製されたヒト化モノクローナル抗体(分析物)を既知の濃度でX軸に示すようなヒト血清に付加する。ウィルス抗原H1に対する抗体でコーティングされたマイクロタイタープレートウェルを、H1に対するアルカリホスファターゼ標識抗体と混合された希釈サンプル(ヒト血液、血漿または血清)で室温で30分間培養する。その後、ウェル緩衝液で洗浄し、化学発光アルカリホスファターゼ基質に10分間曝露させ、その後、光子生成速度をM5照度計(分子機器)で読み取った。インフルエンザ抗体の測定は、固相に結合したインフルエンザ抗原を用いた同一方法により行うことができる。 別の1組の実験において、H1N1に対するホスト抗体を直接検出する。捕捉表面をウィルス抗原でコーティングする。抗体が陽性である血清サンプルを10倍で希釈し、捕捉表面と共に10分間培養した後、APase標識抗ヒトIgGによる培養を10分間行う。前記捕捉表面を洗浄した後、酵素基質を付加し、10分後にアッセイ信号(光子発生)を測定する。結果を図22Aに示す。図から分かるように、前記表面上への抗原負荷と共に信号が増加し、抗原が約1000ng/mLとなったときにプラトーレベルに到達している。 図22Bは、異なるレベルで希釈された抗体陽性サンプルを用いた、上記のように行われたアッセイの結果を示す。図から分かるように、約10倍希釈において、アッセイ応答を最大レベルまで滴定する。特異度制御として、0および500ng/mLコーティングウィルス抗原コーティング濃度において測定を並行して行う。抗原が存在していない任意のサンプル希釈において、応答は実質的に無い。 炎症マーカー.炎症マーカー(例えば、免疫マーカー(例えば、サイトカイン))のスパイクは、現在の抗原アッセイによって特定されていないかまたは医学的支援が必要な別の急性過程を経ている最中であるインフルエンザ株への感染を示す。図23は、本発明によるFSカートリッジ機器を用いたヒトサイトカインIL−6のアッセイ結果を示す。この例において、取得試薬は、ヒトIL−6に対するモノクローナル抗体であり、検出試薬は、アルカリホスファターゼで標識されたポリクローナル抗ヒトIL−6抗体である。精製IL−6を、ヒト血漿へと付加する。このヒト血漿は、図23のX軸上に示すように初期においてはほとんどIL−6を含まず、その後異なる量でIL−6を含む。これらの血漿サンプルをFSシステム内においてアッセイした結果を示す。 別の例において、豚インフルエンザに罹患した疑いのある入院対象者の監視をHSシステムによって行う。2つの異なるカートリッジ種類を、前記対象者から収集された一連の鼻サンプルに対して用いる。1つのカートリッジ種類は、H1N1抗原に対する(異なる抗体対を用いた)3つの異なる多重アッセイであり、他方の種類カートリッジ種類は、ア前記炎症マーカーであるIl−6およびTNF−αに対するアッセイである。図37に示すように、(アッセイのカウントレートによって測定されるような)抗原レベルは、増監視期間のうち6〜10日目において数倍増加する。同一間隔において、どちらのサイトカインレベルもスパイクしており、急性炎症プロセスを示している。 実施例8.敗血症マーカーアッセイ 敗血症は、深刻な医学的状態であり、全身の炎症状態と、既知のまたは疑義のある感染の存在とによって特徴付けられる。敗血症に起因して、敗血性ショック、多臓器不全症候群および死亡に繋がり得る。タンパク質Cは、主要な生理学的抗凝血剤である。タンパク質C経路の鍵酵素がタンパク質Cによって活性化されると、生理学的な抗血栓症活性が得られ、抗炎症および抗アポトーシス活性がみられる。ドロトレコギンアルファ(活性状態)は、組み換え活性化タンパク質Cであり、深刻な敗血症および敗血性ショックの治療において用いられる。C反応性タンパク(CRP)は、血液中にみられるタンパク質であり、急性炎症においてC反応性タンパク(CRP)のレベルが上昇する。CRPは、主に炎症マーカーとして用いられ、疾病進行または治療有効性の測定において用いられ得る。 図24は、敗血症の経時的監視の結果を示す。タンパク質CおよびC反応性タンパク(CRP)のための試薬を、多重現場システムカートリッジ内に組み立てた。アッセイシステムを用いて、化学療法を受けているヒト患者から得られた血液サンプル中のこれらの分析物を測定した。以下において、治療開始時からの時間に対して結果をプロットする。この患者に対して約6日目において敗血症が診断され、集中治療を施した。回復後のICUからの退院後、前記患者は約18日目において再度敗血症となった。タンパク質Cの低下は敗血症が認められる約1日前にみられた。敗血症に対する炎症応答の深刻度は、CRPの極めて大きい増加によって示される。 実施例9.糖尿病監視:GLP−1およびC−ペプチドアッセイ 図25は、本発明によるFSカートリッジシステムを用いたアッセイをGLP−1について行った様子を示す。GLP−1はホルモンであり、グルコース代謝の調整に関与している。この例において、取得試薬は、GLP−1に対するモノクローナル抗体であり、検出試薬は、アルカリホスファターゼで標識されたモノクローナル抗ヒトGLP−1抗体である。これらのサンプルは、GLP−1を含まないヒト血漿であり、図25中のY軸に示すように、多様な濃度のGLP−1でスパイクした。 図26は、C−ペプチドについてのアッセイを示す。C−ペプチドは、プロインスリンがインスリンおよびC−ペプチドに分かれる際に発生するペプチドである。インスリン量と、発生したC−ペプチド量との間には1:1の比がある。この例において、取得試薬は、C−ペプチドに対するモノクローナル抗体であり、検出試薬は、アルカリホスファターゼで標識されたモノクローナル抗ヒトC−ペプチド抗体である。これらのサンプルは、図26中のX軸に示すように緩衝液中に多様な濃度でスパイクされたC−ペプチドを含む。 図27は、本発明に従ってFSカートリッジシステムを用いてC−ペプチドを測定した場合と、参照の方法を用いてC−ペプチドを測定した結果との比較および相関を示す。この例において、血漿サンプルを、FSカートリッジシステムおよび参照の方法(Linco)を用いて分析する。これら2つのアッセイからの結果を比較した結果、前記アッセイの報告可能な範囲全体において良い相関を示す。 血液中のGLP−1およびC−ペプチドの濃度は、カロリー摂取に応答して変化する。図28は、これらの分析物の食事負荷テストに対する応答についての臨床研究結果を示す。この研究において、ヒト対象者の監視を約1日行う。3つ人の対象者は、タイムポイント0の後に食事を摂る。収集チューブ内に収集された血液サンプルに対し、グラフ上に示すタイムポイントにおいてGLP−1タンパク質分解の阻害剤を補充する。これらのサンプルからの血漿を、多重アッセイカートリッジ内のシステムにおいて分析する。この多重アッセイカートリッジは、GLP−1(図28A)およびC−ペプチド(図28B)を同時測定するように構成される。図28に示すように、対象者は、GLP−1およびC−ペプチド双方に対して、ホルモン応答の動態および大きさが極めて異なる。 実施例10.臨床試験時におけるコスト削減 臨床試験における要求は、とりわけ困難である。なぜならば、分析要求および厳正な調整要求に巨額のコストがかかるからである。本発明者らの、実務の多くが、実際の臨床実務よりもより厳格である(例えば、相当する検査においてより高コストである)、臨床試験からのフィードバックによれば、本発明によるヘルスシールドを用いれば、大きなコスト削減に繋がることが示唆される。 以下のような一連のステップを通じて、参照される削減が累積する。1) サンプル収集2) サンプル搬出3) サンプル分析4) データ収集5) データ統合6) 結果送信7) フォローアップ検査およびサイクル全体の再開 ステップ1〜4は、全てHSシステムによって行われ、これにより、多数の人間に起因する誤り段階が無くなる。インフラストラクチャの低減により、さらなるコスト低減が実現される。ヘルスシールドシステム上における試薬コストは、量と共に増減し、所与の検査のボリュームの増加と共に、試薬コストが大幅に低下する。以下に示すコストは、既知のHSシステムコストと、従来の検査の典型的コストとを示す。ヘルスシールド対従来のインフラストラクチャTheranosを用いたアッセイあたりのコスト 従来のインフラストラクチャを用いた場合のアッセイあたりのコスト採血 $0 採血 $5サンプル調製 $0 サンプル調製 $10搬出/保存 $0 搬出/保存 $7試薬アッセイ $59 試薬アッセイ $10実験室作業 $0 実験室作業 $25データ分析 $0 データ分析 $10対象者補償 $0 対象者補償 $10オーバーヘッド 0% オーバーヘッド 25%合計 $59 合計 $96 実施例11.データ通信 この例は、配備されたヘルスシールドシステムのデータ通信の効率および信頼性を示す。本明細書中に記載のように、本発明のヘルスシールドシステムは、2つの構成要素、すなわち、現場システム(FS)およびオペレーティングシステム(OS)を含む。FSユニットは、現場内において配備され、中央に配置されたOSシステムとの通信を無線通信などによって行うことができる。通信チャンネルにより、双方向通信が可能となる。例えば、アッセイプロトコルを前記OSから前記FS器具に送り、アッセイ結果を前記FS器具から以下のために前記OSへと送る:(1)較正アルゴリズムを用いた解釈、および(2)分析物値およびさらなる分析の製薬会社スタッフ、医師、患者を含む指定担当者へのルーティング。前記通信システムの信頼性を評価するために、FS器具をいくつかの場所において配備し、FS器具からOSサーバーへのデータ送信を記録する。器具を4ヶ国および研究所および患者の家庭に配置した。数百個のサンプルを分析し、結果の100%成功した。いくつかの事例において、いくつかの機器は初回試行時において通信しない(成功率がおよそ92%)が、再試行後に通信が成立する。通信が成功するまで、試行を継続する。表13.データ通信の効率および信頼性 1:グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ 実施例12.VEGFR2のアッセイ この例において、現場システムカートリッジ機器を用いて、ヒト可溶性VEGFR2についてアッセイを行う。この例は、癌治療監視のためにポイントオブケアにおいて実行することが可能なある種のアッセイを示す。1つの顕著な新種の抗癌剤として、血管形成阻害剤があり、細胞表面VEGFR2上におけるVEGFの作用と干渉する。そのため、VEGFおよびその受容体であるVEGFR2のアッセイは、興味深い。アッセイユニットの捕捉表面を以下のようにして取得試薬でコーティングする。前記アッセイユニットの射出成形ポリスチレン製の内面に対し、吸引および空気排出により連続的にコーティング試薬を施す。20マイクロリットルの各コーティング試薬をアッセイユニット内に吸引し、室温で10分間培養する。この例において用いられるコーティング試薬は、順番に用いらて、カーボネート−Biカーボネート緩衝液(pH9)中のニュートラアビジン(20ug/mL)、Tris緩衝生理食塩水(pH8)中のビオチン化「取得抗体」(VEGFR2向けの20ug/mLのモノクローナル抗体)、およびTris−緩衝生理食塩水中の3%ウシ血清アルブミンを含む「固定可能」試薬である。順次コーティングの後、前記アッセイユニットを乾燥空気にさらして乾燥させ、乾燥状態で保存する。アッセイユニットおよび他の試薬をハウジング内において組み立て、本システムの器具におけるサンプル分析において用いる。 分析対象サンプルを前記アッセイユニットへと分配する。前記アッセイユニットは、ウシ血清アルブミンおよび等張スクロースを含む50mMtris緩衝液(pH8)の溶液において20分間希釈される。コンジュゲートを含む試薬ユニットにおいて、VEGFR2へ向けられる(捕捉表面の抗体に対する異なるエピトープに結合)アルカリホスファターゼ溶液(ウシの腸)標識モノクローナル抗体を、250ng/mLにおいて安定化試薬中においてBiostabから前記アッセイユニットへと10分間提供する。前記コンジュゲートと、前記捕捉表面に結合した前記分析物の複合体とを結合させた後、前記アッセイユニットを、試薬ユニット中に含まれる溶液(アッセイ設計からの市販の洗浄緩衝液)で洗浄する。アッセイユニットを5回洗浄する。その後、前記アッセイユニットを移動および収集して、異なる試薬中の別の試薬(アルカリホスファターゼ(KPLPhosphaglo)のための市販のルミノジェニック基質の溶液)と混合し、10分間培養する。前記アッセイユニット中のアッセイの反応を、本発明の検出器アセンブリによって検出する。 図29は、前記例の方法を用いたVEGFR2アッセイ応答を示す。x軸のスケールはVEGFR2濃度(pg/mL)であり、y軸スケールは相対ルミネセンス(カウント)を示す。曲線を用いて、モジュール式アッセイユニットおよび試薬ユニットを較正する。 実施例13.血漿中の分析物の検出 磁化可能なビーズは、直径1.3μmのBioMag磁気粒子である(Bangs Laboratories)。ビーズを(製造業者により)抗ウサギIgG.ビーズでコーティングする。ビーズを14mg/mLのtris緩衝スクロース(あるいはtris緩衝液生理食塩水)中に分散させる。この緩衝液は、3%ウシ血清アルブミンおよびウサギ抗ヒト赤血球IgG、(CedarLane)を>=1.15mg/mLで含む。アリコート(10μL)のこの分散を円錐チューブ内に分配し、凍結乾燥させる(液体N2中において凍結させ、凍結乾燥を−70℃においておよそ24時間行う)。その後、前記カートリッジハウジング内のスロットに挿入する。前記ウサギ抗体は、前記赤色細胞および前記抗ウサギIgGコートビーズ双方に結合し、ビーズおよび赤色細胞の共同凝集を形成する。 20μLの全血を追加した後に吸引および円錐チューブ内への分配を8回行う(1.5分間)ことにより、凍結乾燥された磁化可能なビーズペレットを再度懸濁する。 先端部を(垂直方向において)強い水平方向磁界内に配置することにより、血液を分離する。典型的には、8μLの本質的に赤色細胞を含まなずかつ溶血観察もみられない血漿を20μl血液サンプルから回収する(70%の血漿収率)。分析物の回収は(磁気分離が施されていない血漿と比較して)タンパク質C、VEGF、PlGF、インスリン、GIPおよびGlP−1について100%に近い。実施例14.C反応性タンパク質 分析物の分析のためのサンプル連続希釈を、本明細書中に記載のようなシステムによって行うことができる。C反応性タンパク質(CRP)は、急性期マーカーである。通常のレベルは、高ng/mL〜低μg/ml範囲である。任意の急性疾病プロセスにおいて、ヒトの肝臓はCRPを生成し、血液中レベルが数百μg/mlまで増加する。CRPは、測定対象分析物のダイナミックレンジが広い(>105倍)ため、従来技術のPOC分析システムにおいて問題となっている。 本明細書中に記載の開発されたFSカートリッジシステムは、流体移動機器と、アッセイおよび試薬ユニットのアレイを備えたカートリッジまたは機器とを含む。内面に結合したモノクローナル抗CRPを有するアッセイ先端と、検出器抗体溶液(アルカリホスファターゼ標識モノクローナル抗CRP(エピトープ特異度が先端部と異なる)、洗浄液および化学ルミネセンスアルカリホスファターゼ(PhosphaGLO(登録商標))基質(KPL)とを共にカートリッジ内に取り付ける。 CRPをアッセイするために、前記カートリッジに、さらなる希釈を用いていない事前希釈CRP溶液を付加する。前記カートリッジをFS機器によって処理する。順次、CRP溶液(10μL)、検出器抗体(12μL)を、10分間34℃で培養された前記先端部内に吸引する。その後、前記先端部を取り外す。前記先端部を20μL洗浄液による4回の吸引によって洗浄した後、15μL基質を前記先端部内に吸引する。37℃で10分間放置した後、発光を前記器具によって5秒間測定する。CRP濃度をアッセイ信号(光子カウント)に対してプロットし、データを以下に示すような5項多項式関数に適合させる。その結果、図30に示すような較正関数が得られる。 本明細書中に記載のようなシステムおよび機器において、高濃縮分析物を含むサンプルの連続希釈を用いて実験を行って、明確なアッセイ応答を得た。CRP溶液(20μL)をカートリッジ内に付加し、(1:50、250、750および1500倍の希釈までそれぞれ)前記器具によって連続希釈した。希釈溶液を上記のように処理した。前記希釈CRP濃度が前記アッセイの較正範囲の上限(300ng/mL)を越えた場合、下方応答がみられる(例えば、以下に示すような、2つの器具からのデータ)。 図31に示すような応答は、スキャッチャード結合等温線(S/Smax=C/(C+C0.5)の修正によってモデル化することができる。この修正は、この例におけるように(データは図示せず)アッセイ応答が検出器抗体の濃度に直線的に比例していることを前提とする。前記希釈されたサンプル中のCRPが次の試薬(検出器抗体)中に少しでもキャリーオーバーした場合、このキャリーオーバーはすぐに前記試薬と反応し、その結果、固相抗体に結合した抗原に結合できなくなる。有効濃度の低下は、前記CRPキャリーオーバーに比例して低下し、因子(D-C*f)/Dで考慮する。 そのため、S=Smax*(C/(C+C0。5))*(D-C*f)/Dであり、ここで、Sはアッセイ信号であり、Smaxは最大信号(これは、ゼロのキャリーオーバーに対応する)、Cは分析物濃度であり、C0.5は最大半量信号の濃度(キャリーオーバーなし)であり、Dは検出器抗体濃度であり、fは部分キャリーオーバーである。 データへの適合に用いられた値を、以下の4つのパラメータそれぞれの最適化によって導出する。この導出は、前記データと前記モデル適合との間の最小二乗差の最小化技術を用いて行われる。図31に示すように、優れた適合が達成され、パラメータ値Smax、C0.5およびD(表14を参照)は、到達した最大信号、観測されたC0.5および既知の検出器抗体濃度から推定可能な値に近い。このモデルによれば、キャリーオーバー程度は0.034%(小数3.83E−04)であると推定される。表14:二相性CRPアッセイ応答を記述するモデルに対する最適パラメータ その後、各アッセイ先端内の最終濃度の達成に用いられた希釈に従って、データを確認することができる。各希釈レベルについて、応答が同一応答に適合しており、図32に示すように前記希釈は高精度であることが分かる。 本明細書中に記載のようなモデルを用いて、任意の所与の希釈および設定アルゴリズムについての応答を計算することができ、これにより、分析物濃度が較正範囲内で先端部のみから計算されていることが保証される。データ表示のためのグラフィック手段を図33に示す。図33において、相対希釈が:1:1(実線)、5:1(破線)、および25:1(点線)である場合の正規化アッセイ応答(B/Bmax)を正規化log濃度(C/C0.5)に対してプロットする。図34および図35は、図33と同様の例を示すが、正規化濃度において図33と異なる。単純パターン認識アルゴリズムを用いて、高濃度サンプルのデータを特定することができる。例えば、ほとんどの投与量応答において、信号は希釈と共に低下する。任意の希釈レベルの信号が次のより高い希釈の信号と同じか上回る場合、より低い希釈結果は排斥される。別の例において、上に示す較正関数を用いることによって得られた濃度は、あるシステムの不正確さの範囲で既知の希釈に対応するはずである。低希釈についての計算濃度が、より高い希釈に対応するであろう計算濃度よりも低い場合、前記より低い希釈結果が排斥され得る。 アッセイ投与量応答が最大に近づくと、信号に対する濃度の傾き(ΔC/ΔS)が増加する。信号の相対変動(ΔS/S)が実質的に一定であるアッセイ(例えば、上述のようなシステムのいくつかの場合)において、これは、より高濃度において濃度計算結果の変動が大きくなることを意味する。本明細書中記載のように、サンプルの希釈または連続希釈により、空白の(分析物がゼロの)信号よりもずっと高い(例えば、>10倍)信号レベルであるが最大信号に近くない(例えば<0.3*Max.信号)信号レベルにおいて、所望の濃度精密度(例えば<10%CV)を得ることができる。連続希釈により、任意の適切なサンプル濃度において、アッセイ信号をこの範囲内に移動させることができる。 異なる希釈からの分析物濃度のいくつかの推定を行うことにより、平均値を得ることができる。平均値は、単一の希釈レベルで反復測定を行うことによっても得ることができる。いくつかの場合において、本明細書中に記載の方法、システムおよび機器によって可能となるような連続希釈アプローチにより、(例えば)サンプルからのマトリックス効果に起因する希釈の非線形性に起因する誤差を排除することが可能となる。 本発明の好適な実施形態について本明細書中図示および記載してきたが、当業者にとって、このような実施形態はひとえに例示的なものであることが明らかである。よって、当業者であれば、本発明の範囲内の多数の改変、変更および代替を想起する。本明細書中に記載の本発明の実施形態の多様な代替を本発明の実行において用いることができることが理解されるべきである。以下の特許請求の範囲が、本発明の範囲を規定するものであり、これらの特許請求の範囲内の方法および構造ならびにその均等物もこの特許請求の範囲によって網羅されるべきであることが意図される。明細書に記載された発明。 【課題】統合型の保健データ取得および分析システムの提供。【解決手段】本発明は、統合型のヘルスケア監視および監視システムを提供する。前記システムは、リアルタイムサンプリング、モデル化、分析、および推奨される介入を提供する。前記システムを用いて、感染性疾病および慢性疾病を監視することが可能である。病原体(例えば、インフルエンザウイルス)の大発生に遭遇した際、前記システムは、高リスク場所(例えば、学校または人通りの多い商業地域)における先行サンプリングを通じて、アクティブ事例を特定することができる。イベントが検出された場合、前記システムは、適切な事業体(例えば、地方政府、地域政府および国政府)に通知することができ、これにより、大発生の可能性を先行管理することが可能となる。前記システムはまた、不足している資源の配備についての最良の応答を予測する。【選択図】図12