生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_点眼剤
出願番号:2014224987
年次:2015
IPC分類:A61K 31/714,A61K 47/18,A61P 27/02,A61K 47/34


特許情報キャッシュ

島村 佳久 櫻井 俊輔 高田 洋平 宮本 幸治 坂元 伸行 JP 2015147759 公開特許公報(A) 20150820 2014224987 20141105 点眼剤 日油株式会社 000004341 酒井 一 100081514 蔵合 正博 100082692 島村 佳久 櫻井 俊輔 高田 洋平 宮本 幸治 坂元 伸行 JP 2014001422 20140108 A61K 31/714 20060101AFI20150724BHJP A61K 47/18 20060101ALI20150724BHJP A61P 27/02 20060101ALI20150724BHJP A61K 47/34 20060101ALI20150724BHJP JPA61K31/714A61K47/18A61P27/02A61K47/34 1 OL 12 4C076 4C086 4C076AA11 4C076BB24 4C076CC10 4C076DD21 4C076DD23 4C076DD30 4C076DD49 4C076DD51 4C076DD57 4C076EE12 4C076EE17 4C076FF39 4C076FF61 4C076FF70 4C086AA01 4C086AA02 4C086DA39 4C086MA02 4C086MA05 4C086NA20 4C086ZA33 本発明は、ソフトコンタクトレンズに対してシアノコバラミンの吸着を抑制するコンタクトレンズ用点眼剤に関する。 近年、情報処理などのIT(情報技術)技術革新により、職場でのVDT(Visual Display Terminals)作業時間が急速に増大している。また、テレビゲームやスマートフォン、タブレット端末等の携帯電子端末の普及により、一般的な生活環境の中でもVDT作業時間が増加している。VDT作業者はディスプレイを長時間見続けるために毛様体筋の収縮が継続し、眼精疲労を引き起こし易くなる。そのため、近年、眼精疲労を訴える人が急増している。 眼精疲労を改善する効果を付与することを目的として、ビタミンB12類が点眼剤に使用される。その中でもビタミンB12類の一種であるシアノコバラミンが一般用点眼剤にも広く使用されている。 また、点眼剤には、微生物汚染を防ぐために防腐剤が配合される。しかし、防腐剤は角膜障害等の眼障害を引き起こす原因にもなりうるため、防腐剤の種類とその配合量には細心の注意を払う必要がある(非特許文献1)。このような防腐剤による角膜細胞への悪影響を低減させるために、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体を点眼剤等に配合する検討もなされている(特許文献1、2)。 点眼剤に配合される防腐剤として、例えば、塩化ベンザルコニウム、パラベン類、式(1)で示される化合物又はその塩が知られており、この式(1)で示される化合物は、その慣用名の一つとしてポリヘキサメチレンビグアニドと称されている(以下、式(1)で示される化合物をポリヘキサメチレンビグアニドと称することがある)。[式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、1〜40の整数である。] 前記ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩は、塩化ベンザルコニウムやパラベン類などの防腐剤よりも角膜細胞への毒性が顕著に低いことが知られ(非特許文献2、3)、点眼剤やソフトコンタクトレンズ用消毒剤等に使用されている。 ところで、VDT作業時間の増加に伴い近視患者も増加し、視力矯正の手段としてソフトコンタクトレンズを装用する人が増加している。そのため、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼できる製剤のニーズが高まっている。 しかし、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼可能な点眼剤には、「各種ソフトコンタクトレンズへの使用が適切であることを立証する資料、点眼剤の配合成分、特に添加物(防腐剤など)の吸着、濃縮又は取込み、放出によるソフトコンタクトレンズの物性(色、形、固さ、もろさなど)に及ぼす影響がないことを示す資料及び装着時の安全性に関する資料」によってソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼可能であることを立証することが求められている(非特許文献4)。これは点眼剤に配合される成分がソフトコンタクトレンズへ吸着・蓄積することで、かえって目のかゆみや不快感が生じたり、眼障害等を引き起こしたりする可能性があるため、点眼剤に配合される成分はソフトコンタクトレンズへの吸着・蓄積が少ないほうが好ましいと考えられるためである。 シアノコバラミンは赤色を呈する原薬であり、その水溶液の性状は赤色澄明である。このため、ソフトコンタクトレンズを装用したまま赤色に呈しているシアノコバラミン配合点眼剤を点眼した場合、シアノコバラミンがソフトコンタクトレンズに吸着・蓄積し、視認性を害することが確認されている。シアノコバラミンのソフトコンタクトレンズへの吸着を抑制する検討は、これまで様々なアプローチで検討されていたが(特許文献3、4)、シアノコバラミンとポリヘキサメチレンビグアニドを同時に含有するソフトコンタクトレンズ用点眼剤の例はない。特開2003−128553号公報特開平7−166154号公報特開2011−111420号公報国際公開第2011/096513号パンフレット大橋裕一編,「眼科New Insight2 点眼薬−常識と非常識−」,メジカルレビュー,pp. 36-43,1994年G. Muller and A. Kramaer, J. Antimicrob. Chemother., 61, 6, 1281-1287(2008)N. O. Hubner, Skin Pharmacol. Physiol., 23, 17-27(2010)一般社団法人レギュラトリーサイエンス学会監修、一般用医薬品製造販売承認基準2012、じほう。 本発明の課題は、シアノコバラミンがソフトコンタクトレンズに吸着することなく、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼可能で、眼への安全性が極めて高いシアノコバラミン配合ソフトコンタクトレンズ用点眼剤を提供することにある。 本発明によれば、(A)シアノコバラミンを0.004〜0.02w/v%、及び(B)式(1)に示される化合物又はその塩を0.00005〜0.0001w/v%を配合することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用点眼剤が提供される。[式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、1〜40の整数である。] なお、式(1)の化合物は、下記式(2)のように表すこともでき、式(1)と式(2)は実質的に同一の化合物を表す。 なお、上記各成分の配合量を示す単位であるw/v%は、重量体積%を表し、単位体積当たりに含有される各成分の重量を百分率で表したものである。 本発明のソフトコンタクトレンズ用点眼剤(以後、単に点眼剤と称することもある)は、シアノコバラミン及びポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩をある特定の範囲で配合しているので、ソフトコンタクトレンズを装着した状態で点眼しても視認性を阻害せず、かつ眼への安全性も極めて高いという優れた効果を有する。 以下、本発明を更に詳細に説明する。 本発明の点眼剤は、(A)成分としてシアノコバラミンと、(B)成分として式(1)に示すポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩を含有する。 本発明の点眼剤に用いる(A)成分のシアノコバラミンは、従来から医療用及び一般用点眼剤の成分として利用されているものであって、日本薬局方適合品であれば何れも公知のものを使用できる。 上記(A)成分の点眼剤中における配合量は、0.004〜0.02w/v%、好ましくは0.01〜0.02w/v%である。配合量が0.004w/v%未満であると、眼精疲労を改善する効果が弱く、また、0.02w/v%を超えても、添加量に見合った効果を得られないおそれがある。 本発明の点眼剤に用いる(B)成分は、式(1)に示す化合物で表されるポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩である。ここで、kは繰り返し単位を示す数字で、1〜40の整数である。kの値は、ポリヘキサメチレンビグアニドの重量平均分子量から、下記式(3)により平均値として算出される。なお、各元素の原子量は、日本薬局方に記載の炭素:12.0107、水素:1.00794、窒素:14.0067を用いた。 k=[(ポリヘキサメチレンビグアニドの重量平均分子量)/183.25408]−1・・・(3) 式(3)において、数値183.25408は、ポリヘキサメチレンビグアニドの構成単位であるジシアノアミンとヘキサメチレンジアミンの分子量を足した値であり、上記原子量から算出した値である。 (B)成分の塩としては、例えば、塩酸塩、ホウ酸塩、酢酸塩、グルコン酸塩、スルホン酸塩、酒石酸塩又はクエン酸塩が挙げられる。その具体例としては、ロンザジャパン株式会社製のCosmocil CQ(登録商標)或いはVantcil IB(登録商標)や、三洋化成工業株式会社製のBG−1が挙げられ、何れも公知のものを使用できる。これらは、1種類を選択して単独で使用しても良く、2種類以上を任意に組み合わせて使用しても良い。市販されているポリヘキサメチレンビグアニドは、式(1)に示す末端基がシアノグアジニノ基以外にもグアジニン基等の置換基の異なる化合物が少量混入しているが、使用の際に制限はなく、何れも公知のものを使用できる。 (B)成分の配合量は、0.00005〜0.0001w/v%、好ましくは0.00006〜0.00009w/v%である。配合量が0.00005w/v%未満であると、シアノコバラミンのソフトコンタクトレンズへの吸着抑制効果を十分に発揮できず、0.0001w/v%を超えると、眼への安全性が低くなるおそれがある。 本発明の点眼剤には、上記(A)及び(B)成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲において或いは他の効果を期待して、その他の成分を、その目的等に応じて適宜、適量配合することができるが、ポリヘキサメチレンビグアニド又はその塩以外の陽イオン性界面活性剤、及び非イオン性界面活性剤は含まないことが好ましい。 その他の成分としては、例えば、多価アルコール、清涼化剤、無機塩、有機酸の塩、酸、塩基、酸化防止剤を挙げることができる。 多価アルコールとしては、例えば、プロピレングリコール、グリセリン、ブドウ糖、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、トレハロースが挙げられる。 清涼化剤としては、例えば、メントール、カンフルが挙げられる。 無機塩としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ砂、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、無水リン酸二水素ナトリウムが挙げられる。 有機酸の塩としては、例えば、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウムが挙げられる。 酸としては、例えば、ホウ酸、リン酸、クエン酸、硫酸、酢酸、塩酸が挙げられる。 塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トロメタモール、モノエタノールアミンが挙げられる。 酸化防止剤としては、例えば、酢酸トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエンが挙げられる。 本発明の点眼剤は、上記(A)及び(B)成分、並びに所望により上記その他の成分を水に溶解させた水溶液形態のものである。水としては、安全性の点で純水、精製水、イオン交換水等が好ましい。 つづいて、本発明の点眼剤の製造方法例について説明する。 本発明の点眼剤は、(A)及び(B)成分、及び所望により上記その他の成分を、室温〜70℃程度の温度下に水中に添加、撹拌して溶解させることにより製造することができる。(A)及び(B)成分は逐次に添加してもよく、あるいは、一括して添加してもよい。また、(A)及び(B)のどちらを先に添加してもよく、その他の成分を配合する場合も、適宜添加すればよい。 以下、本発明について実施例及び比較例により、本発明及びその効果を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。<pH> 各実施例及び比較例の点眼剤のpHは、第16改正日本薬局方 一般試験法 2.54 pH測定法に従い、pH測定計(D−51型、(株)堀場製作所製)を用いて測定した。<浸透圧> 各実施例及び比較例の点眼剤の浸透圧は、第16改正日本薬局方 一般試験法 2.47 浸透圧測定法(オスモル濃度測定法)に従い行った。具体的には、氷点測定法によるオズモメーター(Fiske Model 210 マイクロサンプル・オズモメーター、Advanced Instruments、Inc.製)を用いて測定した。<シアノコバラミンの定量> 各実施例及び比較例のシアノコバラミン吸着量の算出にあたり、高速液体クロマトグラフ装置(東ソー(株)製、8020シリーズ)を用いてシアノコバラミン量を測定した。実施例1−1 実施例1−1用の点眼剤を以下のようにして調製した。 精製水70gを50℃に昇温し、ホウ酸0.4g、水酸化ナトリウム0.0076g、塩化ナトリウム0.55g、塩化カリウム0.1g、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム水和物0.1g、シアノコバラミン0.02g、タウリン0.1g、Cosmocil CQ(登録商標)0.0004g(20%水溶液であるため、ポリヘキサメチレンビグアニド塩酸塩としては0.00008gを含む。(重量平均分子量は2806であり、換算することにより、繰り返し単位であるkは平均14))、薬添Lipidure−PMB(登録商標)2.0g(5%水溶液であるため、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン・メタクリル酸ブチル共重合体としては0.1gを含む)となるように順次加え、均一になるように攪拌した後、これを全量100mLとなるように精製水を加え、50℃で1時間攪拌した。これを冷却後、ろ過滅菌を行い、無菌の点眼剤とした。この点眼剤の性状は赤色澄明、pHは6.3、浸透圧は283mOsm/kg H2Oであった。結果を表1に示す。試験1:シアノコバラミンのソフトコンタクトレンズへの吸着試験 実施例1−1用に調製した上記点眼剤を用いて以下の試験を実施した。 ソフトコンタクトレンズへの吸着試験には、ソフトコンタクトレンズとして2ウィークアキュビュー(登録商標)(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製)及びアキュビューオアシス(登録商標)(ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社製)を用いた。 以下に、具体的な試験方法を示す。(手順1)コンタクトレンズケースを1つ用意し、調製した点眼剤1mLを入れた。(手順2)点眼剤1mLを入れたコンタクトレンズケースの底にソフトコンタクトレンズを1枚入れ、35℃、65%RHで24時間浸漬させた。(手順3)この後、コンタクトレンズケースからソフトコンタクトレンズを取り出し、液を回収した。(手順4)新しいコンタクトレンズケースを1つ用意し、生理食塩水1mLを入れ、そこに手順3で取り出したソフトコンタクトレンズを入れ、35℃、65%RHで24時間浸漬させた。(手順5)この後、コンタクトレンズケースからソフトコンタクトレンズを取り出し、液を回収した。(手順6)手順3及び手順5で回収した液について、シアノコバラミンの定量を行い、下記式(4)を用いて、点眼剤に配合されるシアノコバラミンのソフトコンタクトレンズへ吸着量を算出した。結果を表3に示す。[シアノコバラミンのソフトコンタクトレンズへの吸着量(g)]=[点眼剤に含まれるシアノコバラミン量(g)]−[(手順3)にて回収した液のシアノコバラミン定量値(g)+(手順5)にて回収した液のシアノコバラミン定量値(g)]・・・・・(4)試験2:SIRC細胞を用いた刺激性評価試験(安全性評価) 実施例1−1用に調製した上記点眼剤を用いて以下の試験を実施した。 以下の文献を参考に、SIRC細胞(ウサギ角膜上皮細胞)を用いて、安全性評価を以下の(a)〜(g)の手順に従い実施した。以下に、具体的な試験方法を示す。 (文献) N. Tani et al、Toxicology in Vitro, 13, 175−187, (1999)。 M. Kitagawa et al, The Journal of Toxicological Science, 31, 4, 371−379, (2006)。 H. Torishima et al, AATEX, 3(1), 29−36, (1995)。(a)あらかじめ培養したSIRC細胞を細胞培養用培地へ懸濁させ、この懸濁液を1×105cells/ウェルとなるように調製し、96ウェルプレートに100μLずつ播種し、24時間培養した。(b)点眼剤の濃度が100%、75%、50%、25%、12.5%、0%となるように調製し、それぞれを試験液(1)、試験液(2)、試験液(3)、試験液(4)、試験液(5)及び試験液(6)とした。(c)(a)でSIRC細胞を培養した96ウェルプレートから細胞培養用培地を除いた。(d)(b)で調製した各試験液、陰性対照として生理食塩液及び細胞培養用培地を96ウェルプレートに100μLずつ添加し、24時間培養した。(e)各試験液、陰性対照及び細胞培養用培地を96ウェルプレートから除き、ニュートラルレッド混合培地(ニュートラルレッドを5mg/mLとなるように精製水で溶解させ、この液を細胞培養用培地で100倍希釈して、ニュートラルレッド混合培地とした。)を96ウェルプレートに100μLずつ添加し、3時間静置した。(f)96ウェルプレートからニュートラルレッド混合培地を除いた。この後、エタノール/精製水/酢酸=50/49/1の体積比で調製したニュートラルレッド抽出液を96ウェルプレートに100μLずつ添加し、振盪機で5分間攪拌し、SIRC細胞からニュートラルレッドを抽出した。(g)(f)にて抽出した液について540nmにおける吸光度を測定した。得られた吸光度から下記式(I)を用いて、試験液(1)〜(6)の各濃度におけるSIRC細胞の生存率を算出した。続いて、式(I)より算出した試験液(1)〜(6)におけるSIRC細胞の生存率から、下記式(II)を用いて実施例1−1の点眼剤のIC50(SIRC細胞が50%死滅する濃度)を算出した。さらに、上記のIC50から下記式(III)を用いて点眼剤の安全性スコアを算出した。結果を表5に示す。試験液(1)〜(6)のSIRC細胞の生存率(%)=[(試験液(1)〜(6)で試験した吸光度−陰性対照で試験した吸光度)/(細胞培養用培地で試験した吸光度−陰性対照で試験した吸光度)]×100・・・・(I) IC50=10α・・・・(II) ここで、α=(log(A/B)×(50−C)/(C−D)+logB) A:試験液(1)〜(6)の中で細胞生存率50%を挟む試験液のうち高い濃度、 B:試験液(1)〜(6)の中で細胞生存率50%を挟む試験液のうち低い濃度、 C:Bにおける細胞生存率、 D:Aにおける細胞生存率。 安全性スコア=−0.412×(IC50)+3.05・・・・(III) 算出した安全性スコアを以下のように分類した。 <安全性スコアの分類> 0〜1.4:非常に高い安全性、1.5〜2.4:高い安全性、2.5〜3.4:中程度の安全性、3.5以上:低度の安全性実施例1−2〜1−9 表1に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1−1と同様の手順に従って調製し、無菌の点眼剤とした。調製した各実施例用の点眼剤の性状、pH、浸透圧の結果を表1に示す。 また、各点眼剤について、実施例1−1と同様にして、試験1及び試験2を実施した。結果を表3及び5に示す。比較例1−1〜1−3 表2に示す種類及び量の成分を使用した以外は、実施例1−1と同様の手順に従って調製し、無菌の点眼剤とした。調製した各比較例用の点眼剤の性状、pH、浸透圧の結果を表2に示す。 また、各点眼剤について、実施例1−1と同様にして、試験1及び試験2を実施した。結果を表4及び5に示す。 上記の試験結果より、本発明の実施例1−1〜1−9において、2ウィークアキュビュー及びアキュビューオアシスへの吸着量は、配合量に対し約1000分の1でありコンタクトレンズ装用時の視認性に問題を生じなかった。また、安全性スコアは0.7となり非常に高い安全性を示した。すなわち、本発明によって、シアノコバラミンがソフトコンタクトレンズに吸着することなく、眼への刺激性が低い点眼剤が提供されることが明らかとなった。 これに対して、比較例1−1においては、(B)成分の配合量が本発明要件の配合量範囲の下限を下回っているため、安全性スコアは高いものの、シアノコバラミンのソフトコンタクトレンズに対する吸着量が多く、そのためソフトコンタクトレンズがシアノコバラミン由来の赤色に呈してしまい、装用時の視認性を妨げる結果となった。また、比較例1−2及び1−3については、それぞれ安全性スコア:1.6、1.9となり、点眼剤の安全性として不十分な結果となった。 (A)シアノコバラミンを0.004〜0.02w/v%、及び(B)式(1)に示される化合物又はその塩を0.00005〜0.0001w/v%を配合することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用点眼剤。[式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、1〜40の整数である。] 【課題】シアノコバラミンがソフトコンタクトレンズに吸着することなく、ソフトコンタクトレンズを装用したまま点眼可能で、眼への安全性が極めて高いシアノコバラミン配合ソフトコンタクトレンズ用点眼剤を提供する【解決手段】(A)シアノコバラミンを0.004〜0.02w/v%、及び(B)式(1)に示される化合物又はその塩を0.00005〜0.0001w/v%を配合することを特徴とするソフトコンタクトレンズ用点眼剤とする。【化1】[式(1)中、kは繰り返し単位を示す数字で、1〜40の整数である。]【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る