生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_非ビール系アルコール飲料のフローズン発泡体飲料
出願番号:2014134896
年次:2015
IPC分類:C12G 3/00


特許情報キャッシュ

川久保 武 廣田 徹 岩崎 健太郎 加藤 治人 JP 2015128409 公開特許公報(A) 20150716 2014134896 20140630 非ビール系アルコール飲料のフローズン発泡体飲料 キリン株式会社 311002447 廣田 雅紀 100107984 小澤 誠次 100102255 東海 裕作 100096482 松田 一弘 100188352 堀内 真 100131093 山内 正子 100150902 藤本 昌平 100177714 園元 修一 100141391 川久保 武 廣田 徹 岩崎 健太郎 加藤 治人 JP 2013249560 20131202 C12G 3/00 20060101AFI20150619BHJP JPC12G3/00 7 OL 10 本発明は、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料のフローズン発泡体、該フローズン発泡体をフロートした非ビール系アルコール飲料、及びその製造方法に関する。 従来より、飲料原料を冷却・製氷・撹拌し、飲料原料と氷の混合したシャーベット状のフローズン飲料を提供する方法、及び、該フローズン飲料を製造・提供するための円筒状の冷却器及び攪拌機等を備えたフローズン飲料ディスペンサ等が知られている(特開平11−169091号公報、特開平11−169093号公報、特開2000−163651号公報)。また、凍結させたビール等の飲料を、細かく砕いて、ビールに乗せて提供するフローズン含有ビール等の飲料も開示されている(特表2003−514553号公報)。該開示のものは、ビールのような発泡性飲料の液の上に、凍結した飲料固体、或いは、該飲料液と凍結した飲料固体の混合物を浮遊させた状態のものであるが、該凍結した飲料固体はソフトな泡沫を形成したものではない。更に、ビールやサイダーのような飲料において、冷却した飲料を、フリーザーを用いて、飲料の冷却液/凍結粒子を含有する雪解け状の硬さ(slush consistency)の状態で提供するディスペンス方法及びそのための装置が開示されている(WO2009/037446)。この方法のものも、該凍結した飲料固体はソフトな泡沫を形成するものではない。 昨今、ビール系飲料で、飲料液を、フローズン飲料ディスペンサにより、−8〜−2.5℃で冷却及び撹拌し、体積膨張率が2〜3.5である発泡体とすることにより、細かい泡と氷の一体的なクリミーな食感を有するフローズン発泡体を有するビール系飲料が開示されている(特許第4959018号公報、特許第5000020号公報、特開2013−14382号公報)。この開示のものは、ビール系飲料を、フローズン装置(冷却攪拌装置)で処理することにより、細かい氷と細かい泡が一体化した、一般的な発泡氷菓であるアイスクリームやソフトクリームよりも体積膨張率の高い、クリミーで氷の食感がある、優れた食感と泡持ちを有したフローズン発泡体(発泡氷菓フローズン)を形成したものであるが、特にアルコールを含有するビール系飲料に対して、適用されているものである。 上記のとおり、従来から、フローズン飲料や、その提供のためのディスペンサ等について、各種の方法及び装置が開示されているが、該方法や装置を、非ビール系アルコール飲料や清涼飲料に適用して、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高いフローズン発泡体(発泡氷菓フローズン)を提供したものは開示されていない。例えば、上記ビール系飲料で開示されているフローズン飲料の製造方法を、非ビール系アルコール飲料に適用して、フローズン装置で処理しても、体積膨張率の低いシャーベット状のものか、或いは、場合により、大きな氷が発生して、体積膨張率の大きい、クリミーで氷の食感があるフローズン泡(フローズン発泡体)を得ることはできないという技術上の制約がある。 したがって、非ビール系アルコール飲料においても、その嗜好上の要求から、ビール系飲料のような体積膨張率の高い、クリミーで氷の食感があるフローズン泡(フローズン発泡体)を有する飲料が求められるところではあるが、今までに、該フローズン飲料を製造し、提供する方法は開示されていないのが現状である。特開平11−169091号公報。特開平11−169093号公報。特開2000−163651号公報。特表2003−514553号公報。特開2013−14382号公報。WO2009/037446。特許第4959018号公報。特許第5000020号公報。 本発明の課題は、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料のフローズン発泡体、該フローズン発泡体をフロートした非ビール系アルコール飲料、及びその製造方法を提供することにある。 本出願人は、先に、非ビール系アルコール飲料又は清涼飲料を、飲料液として用いて、該飲料液をフローズン装置で処理して、細かい泡と氷の食感が一体となった、体積膨張率の高いフローズン発泡体を形成する要因について鋭意検討する中で、非ビール系アルコール飲料又は清涼飲料の飲料液に、飲料用泡剤及び凝固点降下剤を添加して、該飲料液の凝固点を特定の範囲に調整し、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理により、200%以上370%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体とすることにより、非ビール系アルコール飲料又は清涼飲料の細かい泡と氷の食感が一体となった、体積膨張率の高いフローズン発泡体を形成することができることを見出し、該発明について特許出願を行った(特願2013−146638号)。更に、本発明者らは、非ビール系アルコール飲料をフローズン飲料ベース液とするフローズン発泡体の製造について鋭意検討する中で、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加して、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度を所定の範囲とし、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理を行うことにより、160%以上400%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。 すなわち本発明は、非ビール系アルコール飲料において、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加して、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度を0.01〜1.0w/v%の範囲とし、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理により、160%以上400%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造することを特徴とする非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法からなる。本発明において、体積膨張率(%)は、[フローズンの体積/元の液体の体積×100]の値として定義される。 先に、非ビール系アルコール飲料(例えば、シードル、チューハイ等)や、清涼飲料をフローズンマシンで処理しても体積膨張率の低いシャーベットを与えるだけであり、糖度が低い飲料のような場合には、大きな氷が発生して装置が凍りついてしまい、ビール系飲料の場合のように、高い体積膨張率を持ち、かつ泡が安定したフローズンを製造することができないことを確認した。また、凝固点降下剤をいれた氷菓であっても、氷の食感があり、ソフトクリームよりも体積膨張率の大きい泡と氷の食感にすぐれたフローズンを製造することは困難であることを確認した。 そこで、この問題を解決すべく検討する中で、グリセリン、糖などの飲食品用の嗜好性の高い凝固点降下剤と、更に大豆多糖類、サポニンのような起泡力と泡持ちを有した泡素材との組み合わせを選択し、飲料液の凝固点を特定の範囲に調整することにより、非ビール系アルコール飲料や、清涼飲料のような飲料においても、細かい氷を発生させ、かつ泡持ちのよいフローズンを安定的に製造することが可能であることを見出した(特願2013−146638号)。そして、更に、非ビール系アルコール飲料をフローズン飲料ベース液とするフローズン発泡体の製造について検討する中で、非ビール系アルコール飲料においては、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加することにより、氷の食感があり、ソフトクリームよりも体積膨張率の大きい泡と氷の食感にすぐれたフローズンを製造することができることを見出した。 本発明の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法において、添加される飲料用乳化剤としては、キラヤサポニン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ユッカサポニン、大豆サポニン、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルを挙げることができる。また、本発明の果汁含有アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法において、添加される増粘剤としては、大豆多糖を挙げることができる。 本発明の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造に用いる非ビール系アルコール飲料としては、果汁含有アルコール飲料及び無果汁アルコール飲料のような非ビール系アルコール飲料を挙げることができ、特に好ましい例示としては、シードルを含有する果汁含有アルコール飲料を挙げることができる。 本発明は、本発明の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法によって製造された細かい泡と氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体自体の発明を包含する。また、本発明は、該非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体を、飲料にフロートした非ビール系アルコール飲料自体の発明を包含する。 すなわち具体的には本発明は、[1]非ビール系アルコール飲料において、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加して、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度を0.01〜1.0w/v%の範囲とし、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理により、160%以上400%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造することを特徴とする非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法や、[2]飲料用乳化剤が、キラヤサポニン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ユッカサポニン、大豆サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、及び、グリセリン脂肪酸エステルから選択される1又は2以上の乳化剤からなることを特徴とする上記[1]に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法からなる。 また、本発明は、[3]増粘剤が、大豆多糖からなることを特徴とする上記[1]に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法や、[4]非ビール系アルコール飲料が、果汁含有アルコール飲料であることを特徴とする上記[1]〜[3]のいずれかに記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法や、[5]果汁含有アルコール飲料が、シードルを含有する果汁含有アルコール飲料であることを特徴とする上記[4]に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法や、[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法によって製造された細かい泡と氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体や、[7]上記[6]に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体を、飲料にフロートした非ビール系アルコール飲料からなる。 本発明は、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料の嗜好性の高いフローズン発泡体、該フローズン発泡体をフロートする非ビール系アルコール飲料、及びその製造方法を提供する。 本発明は、非ビール系アルコール飲料において、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加して、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度を0.01〜1.0w/v%の範囲とし、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理により、160%以上400%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造することからなる細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体を製造する方法からなる。 本発明の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法の対象となる非ビール系アルコール飲料としては、果汁含有アルコール飲料や、無果汁アルコール飲料のような非ビール系アルコール飲料を挙げることができるが、該果汁含有アルコール飲料としては、果汁を含有するアルコール飲料の種類において、特に限定されないが、特に、好ましい果汁含有アルコール飲料としては、シードルを含む果汁含有アルコール飲料を挙げることができる。無果汁アルコール飲料としては、チューハイ(無果汁のもの)、ハイボール、ジン・トニック、コーラ含有飲料、モヒートなどが挙げられる。 本発明の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法で添加される飲料用乳化剤としては、キラヤサポニン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ユッカサポニン、大豆サポニン、ショ糖脂肪酸エステル及びグリセリン脂肪酸エステルから選択される1又は2以上からなる飲料用乳化剤を挙げることができる。また、本発明の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法で添加される増粘剤としては、大豆多糖を挙げることができる。該大豆多糖類は、「大豆多糖類SM−1200」、(三栄源FFI(株))、「大豆多糖類ソヤファイブS−ZR100」、「大豆多糖類ソヤファイブS−DN」、「大豆多糖類ソヤファイブS−LN」(不二製油(株))の商品名で市販のものから入手することができる。キラヤサポニンは、キラヤの樹皮から抽出したサポニンで、「キラヤ抽出物」或いは「キラヤサポニン」として、「キラヤニンC100」(丸善製薬株式会社)の商品名で市販のものから入手することができる。 本発明のフローズン発泡体の製造方法においては、飲料用泡保持剤を添加することができる。該泡保持剤としては、プルラン、グアーガム、アラビアガム、タラガム、寒天、ゼラチン、キサンタンガム、ペクチン、タマリンドガム、ジェランガム、及び、ローカストビーンガムから選択される1又は2以上の飲料用増粘剤を挙げることができる。 本発明のフローズン発泡体の製造は、果汁含有アルコール飲料の飲料液に、飲料用乳化剤又は増粘剤を、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度が、0.01〜1.0w/v%の範囲、特に好ましくは、0.01〜0.5w/v%となるように添加し、フローズン装置による処理により、160%以上400%以下の体積膨張率、より好ましくは190%以上340%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造することにより行われる。体積膨張率が上記パラメーター以下では、泡感がなくジャリジャリとした食感となり、上記パラメーター以上ではホイップクリームのような食感で氷の食感がない。 飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度は、1.0w/v%を超えると、味が悪くなる。キラヤサポニンを使用するときは、該飲料中の濃度が0.01〜0.1w/v%となるように使用するのが好ましく、0.02〜0.05w/v%がより好ましい。大豆多糖を使用するときは、該飲料中の濃度が0.1〜1.0w/v%となるように使用し、0.2〜0.8w/v%がより好ましい。本発明の方法により、果汁含有アルコール飲料、特に、シードルを含有する果汁含有アルコール飲料のような果汁発酵アルコール飲料において、果汁含有アルコール飲料の細かい泡と氷の食感が一体となった、体積膨張率の高いフローズン発泡体を得ることができる。 本発明のフローズン発泡体の製造方法において、フローズン装置(フローズンマシーン)は、公知のフローズン飲料デスペンス用フローズン装置を用いることができる((特開平11−169091号公報、特開平11−169093号公報、特開2000−163651号公報、特開2013−14382号公報、特許第4959018号公報、特許第5000020号公報)。 本発明のフローズン発泡体の製造に使用する気体は、大気と同一又は大気の組成に近似する気体を使用することが好ましい。 本発明のフローズン発泡体の製造に使用する添加物に制限はなく、通常の食品に用いられる高甘味度甘味料、香料、酸味料等を添加してもよい。 本発明のフローズン発泡体の製造方法で得られる発泡体を凍結固化処理し、凍結固化物とすることもできる。凍結固化する手法は、特に限定されないが、好ましくは成型用容器(プラスチック製のカップ等)に発泡体を入れ、公知の冷凍装置内に静置することにより実施することができる。発泡体を凍結固化する温度は、特に限定されないが、好ましくは−40℃〜−2℃である。 以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 [実施例1−11;比較例1−3]<リンゴ果実酒を用いたフローズン(凍結)発泡体の製造>通常ではフローズン発泡体を生成しない、酒類として、以下の方法で調製したリンゴ果実酒を用いた。透明りんご濃縮果汁(70ブリックス)と砂糖の混合液を所定の糖濃度まで加水し、酵母(サッカロミセス・セレビシエ)を菌濃度が20×10の6乗個/mlとなるように接種し、20℃で発酵を行い、発酵液(アルコール濃度8.1v/v%)を得た。次に、得られた発酵液に、果汁(リンゴ酸含有)、有機酸(乳酸、クエン酸、クエン酸Na)、糖類(砂糖)を添加して各成分の濃度を調整し、更に炭酸水で希釈し、最終アルコール濃度5v/v%のリンゴ果実酒を得た。 凍結発泡体の製造には表1に示す泡剤の配合を用いた。泡剤をリンゴ果実酒に加えて溶解させた事でフローズン(凍結)発泡体製造用のミックスを調製した。次いで、このミックスを飲料フローズン装置(攪拌冷却装置)(ニットク社製 KDI−4000S型)に投入して攪拌速度30rpm、冷却器の温度は−12℃から−15℃で大気下において冷却攪拌することにより凍結発泡体を作製した。大豆多糖類ソヤファイブS−LNは不二製油株式会社製を使用した。キラヤサポニンは丸善製薬株式会社キラヤニンC100を使用した。デカグリセリンラウリン酸エステルは、太陽化学株式会社サンソフトを使用した。 <測定方法>フローズン(凍結)発泡体の物性値は、下記の方法に従って実測し、同表1に示した。[体積膨張率]:体積膨張率は、各凍結発泡体を200mL容メスシリンダーに充填し空洞を除去した後、重量を測りとりフローズン(凍結)発泡体製造用のミックスの比重から体積膨張率を計算した。 <フローズン(凍結)発泡体の官能評価>各凍結発泡体は、装置から注出して5分以内に、官能評価試験に供した。具体的には、良く訓練され、凍結発泡体の評価に熟練したパネリスト3名により、以下の基準で官能評価を行った。○:フワフワとした泡の食感とシャリシャリとした微細な氷の食感があり、かつこの2つの食感の一体感があり満足感が感じられるもの。△:泡の食感、または氷の食感どちらかがやや強く感じられるが2つの食感を同時に感じられ満足感を感じられるもの。×:上記2つの食感を同時に感じられないもの。 <結果>結果を表1(果実酒での結果)に示す。リンゴ果実酒に、泡剤を添加し、本発明の条件に於いてフローズン(凍結)発泡体を製造することにより、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有するフローズン発泡体を製造することができることが確認された。 [実施例12−14;比較例4]<チューハイを用いたフローズン(凍結)発泡体の製造>非ビール系アルコール飲料として、無果汁アルコール飲料(アルコール度数5v/v%、酸味料0.32w/v%、甘味料0.36w/v%、香料0.01w/v%)を用いた。凍結発泡体の製造には表2に示す泡剤の配合を用いた。泡剤を無果汁アルコール飲料に加えて溶解させた事でフローズン(凍結)発泡体製造用のミックスを調製した。次いで、このミックスを、飲料フローズン装置(攪拌冷却装置)(ニットク社製 KDI−4000S型)に投入して攪拌速度30rpm、冷却器の温度は−12℃から−15℃で大気下において冷却攪拌することにより凍結発泡体を作製した。泡剤として、大豆多糖は、大豆多糖類ソヤファイブS−LN(不二製油株式会社製)を使用した。キラヤサポニンは丸善製薬株式会社キラヤニンC100を使用した。 <測定方法>フローズン(凍結)発泡体の物性値は、前記実施例と同様の下記の方法に従って実測し、同表2に示した。[体積膨張率]:体積膨張率は、各凍結発泡体を200mL容メスシリンダーに充填し空洞を除去した後、重量を測りとりフローズン(凍結)発泡体製造用のミックスの比重から体積膨張率を計算した。 <フローズン(凍結)発泡体の官能評価>フローズン(凍結)発泡体の官能評価は、前記実施例と同様に、次の方法で実施した:各凍結発泡体は、装置から注出して5分以内に、官能評価試験に供した。具体的には、良く訓練され、凍結発泡体の評価に熟練したパネリスト3名により、以下の基準で官能評価を行った。○:フワフワとした泡の食感とシャリシャリとした微細な氷の食感があり、かつこの2つの食感の一体感があり満足感が感じられるもの。△:泡の食感、または氷の食感どちらかがやや強く感じられるが2つの食感を同時に感じられ満足感を感じられるもの。×:上記2つの食感を同時に感じられないもの。 <結果>結果を表2に示す。チューハイに、泡剤(大豆多糖)を添加し、本発明の条件に於いてフローズン(凍結)発泡体を製造することにより、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有するフローズン発泡体を製造することができることが確認された。 本発明は、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料の嗜好性の高いフローズン発泡体、該フローズン発泡体をフロートする果汁含有アルコール飲料、及びその製造方法を提供する。 非ビール系アルコール飲料において、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加して、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度を0.01〜1.0w/v%の範囲とし、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理により、160%以上400%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造することを特徴とする非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法。 飲料用乳化剤が、キラヤサポニン、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ユッカサポニン、大豆サポニン、ショ糖脂肪酸エステル、及び、グリセリン脂肪酸エステルから選択される1又は2以上の乳化剤からなることを特徴とする請求項1に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法。 増粘剤が、大豆多糖からなることを特徴とする請求項1に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法。 非ビール系アルコール飲料が、果汁含有アルコール飲料であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法。 果汁含有アルコール飲料が、シードルを含有する果汁含有アルコール飲料であることを特徴とする請求項4に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法。 請求項1〜5のいずれかに記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体の製造方法によって製造された細かい泡と氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体。 請求項6に記載の非ビール系アルコール飲料フローズン発泡体を、飲料にフロートした非ビール系アルコール飲料。 【課題】細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有するリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料のフローズン発泡体、該フローズン発泡体をフロートした非ビール系アルコール飲料、及びその製造方法を提供すること。【解決手段】非ビール系アルコール飲料において、該飲料に、飲料用乳化剤又は増粘剤を添加して、該飲料中の乳化剤又は増粘剤の濃度を0.01〜1.0w/v%の範囲とし、該フローズン飲料ベース液を、フローズン装置による処理により、160%以上400%以下の体積膨張率を有するフローズン発泡体を製造する。本発明は、細かいクリミーな泡と微細な氷の一体的な食感を有し、体積膨張率の高い爽快な食感を有する非ビール系アルコール飲料の嗜好性の高いフローズン発泡体、該フローズン発泡体をフロートする非ビール系アルコール飲料、及びその製造方法を提供する。【選択図】なし


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