生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_低感受性のネイルラッカー組成物
出願番号:2014125952
年次:2015
IPC分類:A61K 8/85,A61K 8/87,A61K 8/86,A61Q 3/02


特許情報キャッシュ

パオ‐ミン チャン チン‐ハオ チャン ユン‐チン チャン JP 2015131791 公開特許公報(A) 20150723 2014125952 20140619 低感受性のネイルラッカー組成物 株式会社グルーブ 500337495 谷田 龍一 100129540 杉本 丈夫 100082474 パオ‐ミン チャン チン‐ハオ チャン ユン‐チン チャン US 14/151,256 20140109 A61K 8/85 20060101AFI20150630BHJP A61K 8/87 20060101ALI20150630BHJP A61K 8/86 20060101ALI20150630BHJP A61Q 3/02 20060101ALI20150630BHJP JPA61K8/85A61K8/87A61K8/86A61Q3/02 11 OL 9 4C083 4C083AC472 4C083AC772 4C083AC892 4C083AD091 4C083AD092 4C083CC28 4C083EE07 4C083EE10 本発明は、刺激性で反応性の(メタ)アクリレートモノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及びエチルメタクリレート(EMA)、を含有しないネイルコーティング組成物、殊にジェルラッカー組成物に関する。とりわけ、本発明は、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低刺激性アクリレートモノマー及び光重合開始剤(photo initiator)を含有するネイルコーティング組成物に関する。 ネイルポリッシュ(nail polish)は、爪甲(nail plate)を装飾及び保護するための人の指又はつま先の爪に適用されるラッカー(lacquer)である。ネイルポリッシュには3種類あり、ベースコートは透明又は乳白色のポリッシュ処方(polish formula)であり、爪にネイルポリッシュを適用する前に特別に使用される。その目的は、爪の強度向上、爪の水分を回復、及び/又は爪に対するポリッシュ接着性の支援である。トップコートは、透明なポリッシュ処方であり、爪にネイルポリッシュを適用した後に特別に使用される。トップコートは、爪に硬いバリヤを形成し、欠け(chipping)、引っかき傷(scratching)及びはがれ(peeling)を抑える。ジェルネイルラッカー(gel nail lacquer)は紫外線で硬化するポリッシュであり、女性の天然の爪の強度を向上させ、女性がマニキュアを塗る頻度を最小限に抑えるための、普及した手段である。 ジェルポリッシュ(Gel polish)は、長時間持続するタイプのネイルポリッシュである。ジェルポリッシュは、通常のポリッシュのように爪に塗られ、紫外線又はLEDランプの下で「定着(set)」するまでは乾燥しない。ジェルポリッシュ組成物は、欠けることなく2週間持ちこたえることが可能であり、ネイルポリッシュを再塗布する貴重な時間を省く。通常のネイルポリッシュが、代表的には、欠けが生ずるまで2〜7日間持ちこたえる一方で、ジェルポリッシュは、大抵、約2週間持ちこたえる。しかし、ジェルポリッシュは、通常のネイルポリッシュより除去が面倒であり、通常、爪をアセトンに5〜10分間浸した後、こすり落とす。非アセトン系のネイルポリッシュリムーバーでジェルポリッシュを除去することができない。最も普及したタイプのネイルポリッシュリムーバーは揮発性有機化合物のアセトンを含有する。アセトンは、強力かつ効果的であるが、皮膚及び爪に苛酷であり、これらをもろくさせる。非アセトン系のネイルポリッシュリムーバーの有効成分で、子供に対する毒性がより低いのは酢酸エチルであり、イソプロピルアルコールを含むことがしばしばある。酢酸エチルは、それ自身、ネイルポリッシュの一般的な溶剤である。 特許文献1は、接着性及び除去性の向上した重合組成物をもたらす、反応性モノマー及び/又はオリゴマー及び/又はポリマーを含む液状組成物を開示した。特許文献1の開示において、前記反応性モノマー及び/又はオリゴマー及び/又はポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、エチルメタクリレート(EMA)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)、ピロメリット酸二無水物ジ(メタ)アクリレート、ピロメリット酸二無水物グリセリルジメタクリレート、ピロメリット酸ジメタクリレート、メタクロイロキシエチルマレエート(methacroyloxyethyl maleate)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/スクシネート(2-hydroxyethyl methacrylate/succinate)、1,3−グリセロールジメタクリレート/スクシネートアダクト(1,3-glycerol dimethacrylate/succinate adduct)、フタル酸モノエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEMA)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される(メタ)アクリレートである。 しかしながら、メチルメタクリレートは既知の皮膚の刺激物及び感作物である。それは、強くて不快な臭気を有し、その気化物は有毒で目を刺激する。モルモットにおいて、HEMA、イソプロピリデンジフェニルビスグリシジルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートは強い感作物質(sensitizer)であることが知られている。ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート及びウレタンメタクリレートは中程度の感作物質であること、及びヒドロキシプロピルメタクリレートが弱い感作物質であること、が知られている。しかし、PEG−4ジメタクリレート及びトリエチレングリコールジメタクリレートは感作物質ではない。非特許文献1参照。米国特許第8,541,482号International Journal of Toxicology 24(Suppl 5): 53-100, 2005.このため、刺激性のない反応性(メタ)アクリレートモノマーを含有し、優れた接着性を有し、木製又は金属製の棒(stick)で除去が容易な、ジェルラッカー組成物の開発が求められている。 したがって、一つの側面として、本発明は、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低刺激性アクリレートモノマー及び光重合開始剤を含有するジェルラッカー組成物に関する。本発明の一つの態様において、ジェルラッカー組成物は、20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマー、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー及び2〜11重量%の光重合開始剤を含有する。 いくつかの態様において、ジェルラッカー組成物は、濃縮着色剤(concentrated colorant)の含量が6重量%を超える場合、さらに芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーを2〜10重量%で含有する。 好ましくは、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーは分子量が800〜15,000ダルトンで2〜15個のアクリル官能基を有する。任意の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーの分子量は好ましくは800〜15,000ダルトンで2〜6個のアクリル官能基を有する。 ポリエステルアクリレートオリゴマーは、塗料及び被覆物の製造用樹脂として使用され、通常、分子量が800〜15,000ダルトンで2〜6個のアクリル官能基を有する。硬化速度を高めるために、ジェルラッカー組成物中に、さらに、超分岐ポリエステル(hyperbranched polyester)アクリレートを含むことが好ましい。超分岐ポリエステルアクリレートの含有量は、全組成の2〜20重量%とすることができる。超分岐ポリエステルアクリレートは、好ましくは、800〜15,000ダルトンの分子量で、8〜18個のアクリル官能基を備え、球状又は樹状に分岐している。 本発明の一つの特徴は、刺激性の反応性(メタ)アクリレートモノマーをジェルラッカー組成物中に含まないことである。このため、本発明においては低刺激性又は非刺激性アクリレートモノマーが適切に使用される。このようなアクリレートモノマーの例は、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(G3.5POTA)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、エトキシ化フェノキシルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA(メタ)ジアクリレート(2〜15EO)、ポリエチレングリコール(200〜600)(メタ)ジアクリレート及びエトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)トリアクリレート(3〜15EO)である。ジェルラッカー組成物においてTEGDMAとIBOAの組み合わせをアクリレートモノマーとして使用することが好ましい。TEGDMAとIBOAの組み合わせは、好ましくは、TEGDMAを10〜40重量%、IBOAを10〜40重量%含む。 ジェルラッカー組成物には、硬化速度増加のために、任意で、チオールモノマーが加えられる。本発明において適切に使用されるチオールモノマーには、ペンタエリスリトールの(3−メルカプトブチレート)エステルのような、2〜4個のメルカプト官能基を有するチオールモノマーが包含される。チオールモノマーの含有量は、全組成の5重量%未満、好ましくは1〜4.5重量%である。本発明で使用される適切なチオールモノマーは米国特許出願公開第2013/0146077A1号に開示されている。 本発明の他の特徴及び利点を、さらに、以下の例で説明及び記述する。本明細書中の例は説明のために使用するものであって、本発明を限定するものではない。 本開示の一つの態様としてのジェルラッカー組成物は、20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、2〜10重量%の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー及び10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマーからなるオリゴマーの組み合わせを含有し、当該オリゴマーの組み合わせは、30〜70重量%のジェルラッカー組成物、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー、2〜11重量%の光重合開始剤及びアクリレートモノマー中に分散した顔料を含む濃縮着色剤を含有する。ジェルラッカー組成物は、ジェルラッカーの固化促進のため、5重量%未満のチオールモノマーをさらに含有することができる。 好ましいジェルラッカー組成物において、低刺激性アクリレートモノマーは10〜40重量%のTEGDMA及び10〜40重量%のIBOAからなる組み合わせを含有することができ、光重合開始剤はTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)であり、チオールモノマーはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)エステルである。 濃縮着色剤に配合されうる適切な顔料は、バリウム、カルシウム又はアルミニウムのレーキ、酸化鉄、クロム酸塩、モリブデン酸塩、カドミウム、金属又は混合金属の酸化物、タルク、カルミン、二酸化チタン、水酸化クロム、フェロシアン化鉄、ウルトラマリン、二酸化チタン被覆雲母板、及び/又はオキシ塩化ビスマスであり、好ましい顔料は、D&C Black No.2、D&C Black No.3、FD&C Blue No.1、D&C Blue No.4、D&C Brown No.1、FD&C Green No.3、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、FD&C Red No.4、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.33、D&C Red No.34、D&C Red No.36、FD&C Red No.40、D&C Violet No.2、Ext.D&C Violet No.2、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、D&C Yellow No.7、Ext.D&C Yellow No.7、 D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、FDA color additives website又はAnnex IV of the Cosmetic Directive 76/768/EEC, Coloring Agents Permitted in Cosmeticsにリストされたその他の顔料である。 本発明のUVジェルポリッシュ組成物は、ネイルポリッシュ組成物の調製において従来使用されている方法によって製造することができる。UVジェルポリッシュ組成物を具現化するためのさまざまな典型的な処方を後述する。結果として得られるUVジェルポリッシュ組成物は、UVランプ(PHILIPS PL−L 18W*2)を2分間又は6W LEDランプを1分間照射した後、迅速に硬化する。硬化したジェルポリッシュは、接着性試験、安定性試験及びタッチドライ(Touch-dry)試験で評価した。本発明の全てのUVジェルポリッシュ組成物が、望ましい平滑性、乾燥性、光沢性及び爪に対する十分な接着性を備えた硬化皮膜をもたらすことが見出された。 [接着性試験] 本発明のUVジェルポリッシュ組成物をさまざまな生活環境にある20人の爪に適用し、標準的な36W UVランプの下で2分間硬化する。頻繁に家事をすることのない人では爪上で皮膜が8〜14日間維持され、ハウスキーパーでは3〜7日後に爪から皮膜が除去される。 [安定性試験] 本発明のUVジェルポリッシュ組成物をネイルポリッシュボトル中に入れ、80℃のオーブンに入れる。硬化しない製品は流動性を保ち、一週間後の粘度と色に変化がなく、UVジェルポリッシュ組成物の保存可能期間が室温で1〜2年間であることを示す。 [タッチドライ試験] 本発明のジェルポリッシュ組成物をスライドガラスに塗布し、標準的な36W UVランプの下で2分間硬化する。紫外線で硬化したジェルポリッシュ皮膜をトイレットペーパーで拭く。ジェルポリッシュ皮膜表面上に紙スティックのくずがないこと、及び拭いた後の表面の平滑性及び光沢性を観察する。 実施例1 実施例2 実施例3 本開示によれば、感作性の反応性(メタ)アクリレートモノマー及び溶剤を含まない、低刺激性又は非刺激性のジェルラッカー組成物が提供される。本発明のジェルラッカー組成物は、爪及び皮膚に対する低刺激性又は非刺激性に加え、優れた接着性も示す。このため、爪に対するポリッシュの接着性増強のためのベースコート又はプライマー組成物の事前塗布が不要な、一体型(all-in-one)の爪用UVジェルポリッシュ組成物の適用が容易になる。ジェルポリッシュ組成物は、UV光又はLEDランプ下での硬化後に、爪に対し、輝く、平滑な薄層皮膜を提供できるため、表面輝度の増加のためのトップコート組成物をさらに適用することは不要である。さらに、ジェルポリッシュ組成物の硬化皮膜は、ユーザーの生活環境によるが、3〜14日の間、爪に対する接着性が良好である。20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマー、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー、及び2〜11重量%の光重合開始剤を含有し、前記低刺激性アクリレートモノマーがトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(G3.5POTA)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、エトキシ化フェノキシルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA(メタ)ジアクリレート(2〜15EO)、ポリエチレングリコール(200〜600)(メタ)ジアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)トリアクリレート(3〜15EO)及びこれらの組み合わせからなる群から選択されるものである、ジェルポリッシュ組成物。アクリレートモノマーがTEGDMA及びIBOAの組み合わせを含有する、請求項1に記載のジェルポリッシュ組成物。アクリレートモノマーの組み合わせが10〜40重量%のTEGDMA及び10〜40重量%のIBOAからなる、請求項2に記載のジェルポリッシュ組成物。脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが分子量800〜15,000ダルトンで2〜15個のアクリル官能基を備えるものである、請求項1に記載のジェルポリッシュ組成物。2〜10重量%の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーをさらに含む、請求項1に記載のジェルポリッシュ組成物。芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーが分子量800〜15,000ダルトンで2〜6個のアクリル官能基を備えるものである、請求項5に記載のジェルポリッシュ組成物。1〜4.5重量%のチオールモノマーをさらに含む、請求項1に記載のジェルポリッシュ組成物。チオールモノマーが2〜4個のメルカプト官能基を備えた、ペンタエリスリトールの(3−メルカプトブチレート)エステルである、請求項7に記載のジェルポリッシュ組成物。20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、2〜10重量%の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー及び10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマーからなるオリゴマーの組み合わせを含有し、当該オリゴマーの組み合わせが30〜70重量%のジェルラッカー組成物、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー、2〜11重量%の光重合開始剤、固化促進のための1〜4.5重量%のチオールモノマー、及びアクリレートモノマー中に分散した顔料を包含する濃縮着色剤を含有する、請求項1〜8のいずれかに記載のジェルポリッシュ組成物。低刺激性アクリレートモノマーがTEGDMA及びIBOAの組み合わせであり、光重合開始剤がTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)であり、チオールモノマーがペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)エステルである、請求項7に記載のジェルポリッシュ組成物。アクリレートモノマーの組み合わせが、10〜40重量%のTEGDMA及び10〜40重量%のIBOAを含むものである、請求項10に記載のジェルポリッシュ組成物。 【課題】 刺激性のない反応性(メタ)アクリレートモノマーを含有し、優れた接着性を有し、木製又は金属製の棒(stick)で除去が容易な、ジェルラッカー組成物を提供する。【解決手段】 本発明は、ヒドロキシエチルメタクリレートやエチルメチルアクリレートのような刺激性の反応性(メタ)アクリレートモノマー含有しないことを特徴とするジェルポリッシュ組成物を提供する。本発明において、ジェルポリッシュ組成物は、少なくとも脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリステルアクリレートオリゴマー、低刺激性アクリレートモノマー及び光重合開始剤を含有する。ジェルポリッシュ組成物は、皮膚に対し低刺激性又は非刺激性であり、爪に対する優れた接着性を示し、通常保管状態での長期間保存で安定である。【選択図】 なし


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特許公報(B2)_低感受性のネイルラッカー組成物

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_低感受性のネイルラッカー組成物
出願番号:2014125952
年次:2015
IPC分類:A61K 8/85,A61K 8/87,A61K 8/37,A61K 8/39,A61K 8/46,A61K 8/55,A61Q 3/02


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パオ‐ミン チャン チン‐ハオ チャン ユン‐チン チャン JP 5828529 特許公報(B2) 20151030 2014125952 20140619 低感受性のネイルラッカー組成物 株式会社グルーブ 500337495 谷田 龍一 100129540 杉本 丈夫 100082474 パオ‐ミン チャン チン‐ハオ チャン ユン‐チン チャン US 14/151,256 20140109 20151209 A61K 8/85 20060101AFI20151119BHJP A61K 8/87 20060101ALI20151119BHJP A61K 8/37 20060101ALI20151119BHJP A61K 8/39 20060101ALI20151119BHJP A61K 8/46 20060101ALI20151119BHJP A61K 8/55 20060101ALI20151119BHJP A61Q 3/02 20060101ALI20151119BHJP JPA61K8/85A61K8/87A61K8/37A61K8/39A61K8/46A61K8/55A61Q3/02 A61K 8/85 A61K 8/37 A61K 8/39 A61K 8/46 A61K 8/55 A61K 8/87 A61Q 3/02 CAplus/REGISTRY(STN) 国際公開第2013/076511(WO,A1) 米国特許第06244274(US,B1) 特開2002−161025(JP,A) international journal of toxicology,2005年,vol.24,suppl.5,pp.53-100 9 2015131791 20150723 8 20150526 岩下 直人 本発明は、刺激性で反応性の(メタ)アクリレートモノマー、例えばヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)及びエチルメタクリレート(EMA)、を含有しないネイルコーティング組成物、殊にジェルラッカー組成物に関する。とりわけ、本発明は、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低刺激性アクリレートモノマー及び光重合開始剤(photo initiator)を含有するネイルコーティング組成物に関する。 ネイルポリッシュ(nail polish)は、爪甲(nail plate)を装飾及び保護するための人の指又はつま先の爪に適用されるラッカー(lacquer)である。ネイルポリッシュには3種類あり、ベースコートは透明又は乳白色のポリッシュ処方(polish formula)であり、爪にネイルポリッシュを適用する前に特別に使用される。その目的は、爪の強度向上、爪の水分を回復、及び/又は爪に対するポリッシュ接着性の支援である。トップコートは、透明なポリッシュ処方であり、爪にネイルポリッシュを適用した後に特別に使用される。トップコートは、爪に硬いバリヤを形成し、欠け(chipping)、引っかき傷(scratching)及びはがれ(peeling)を抑える。ジェルネイルラッカー(gel nail lacquer)は紫外線で硬化するポリッシュであり、女性の天然の爪の強度を向上させ、女性がマニキュアを塗る頻度を最小限に抑えるための、普及した手段である。 ジェルポリッシュ(Gel polish)は、長時間持続するタイプのネイルポリッシュである。ジェルポリッシュは、通常のポリッシュのように爪に塗られ、紫外線又はLEDランプの下で「定着(set)」するまでは乾燥しない。ジェルポリッシュ組成物は、欠けることなく2週間持ちこたえることが可能であり、ネイルポリッシュを再塗布する貴重な時間を省く。通常のネイルポリッシュが、代表的には、欠けが生ずるまで2〜7日間持ちこたえる一方で、ジェルポリッシュは、大抵、約2週間持ちこたえる。しかし、ジェルポリッシュは、通常のネイルポリッシュより除去が面倒であり、通常、爪をアセトンに5〜10分間浸した後、こすり落とす。非アセトン系のネイルポリッシュリムーバーでジェルポリッシュを除去することができない。最も普及したタイプのネイルポリッシュリムーバーは揮発性有機化合物のアセトンを含有する。アセトンは、強力かつ効果的であるが、皮膚及び爪に苛酷であり、これらをもろくさせる。非アセトン系のネイルポリッシュリムーバーの有効成分で、子供に対する毒性がより低いのは酢酸エチルであり、イソプロピルアルコールを含むことがしばしばある。酢酸エチルは、それ自身、ネイルポリッシュの一般的な溶剤である。 特許文献1は、接着性及び除去性の向上した重合組成物をもたらす、反応性モノマー及び/又はオリゴマー及び/又はポリマーを含む液状組成物を開示した。特許文献1の開示において、前記反応性モノマー及び/又はオリゴマー及び/又はポリマーは、ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、エチルメタクリレート(EMA)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)、ピロメリット酸二無水物ジ(メタ)アクリレート、ピロメリット酸二無水物グリセリルジメタクリレート、ピロメリット酸ジメタクリレート、メタクロイロキシエチルマレエート(methacroyloxyethyl maleate)、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/スクシネート(2-hydroxyethyl methacrylate/succinate)、1,3−グリセロールジメタクリレート/スクシネートアダクト(1,3-glycerol dimethacrylate/succinate adduct)、フタル酸モノエチルメタクリレート、アセトアセトキシエチルメタクリレート(AAEMA)及びこれらの組み合わせからなる群から選択される(メタ)アクリレートである。 しかしながら、メチルメタクリレートは既知の皮膚の刺激物及び感作物である。それは、強くて不快な臭気を有し、その気化物は有毒で目を刺激する。モルモットにおいて、HEMA、イソプロピリデンジフェニルビスグリシジルメタクリレート、ラウリルメタクリレート及びトリメチロールプロパントリメタクリレートは強い感作物質(sensitizer)であることが知られている。ブチルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート及びウレタンメタクリレートは中程度の感作物質であること、及びヒドロキシプロピルメタクリレートが弱い感作物質であること、が知られている。しかし、PEG−4ジメタクリレート及びトリエチレングリコールジメタクリレートは感作物質ではない。非特許文献1参照。米国特許第8,541,482号International Journal of Toxicology 24(Suppl 5): 53-100, 2005.このため、刺激性のない反応性(メタ)アクリレートモノマーを含有し、優れた接着性を有し、木製又は金属製の棒(stick)で除去が容易な、ジェルラッカー組成物の開発が求められている。 したがって、一つの側面として、本発明は、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、ポリエステルアクリレートオリゴマー、低刺激性アクリレートモノマー及び光重合開始剤を含有するジェルラッカー組成物に関する。本発明の一つの態様において、ジェルラッカー組成物は、20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマー、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー及び2〜11重量%の光重合開始剤を含有する。 いくつかの態様において、ジェルラッカー組成物は、濃縮着色剤(concentrated colorant)の含量が6重量%を超える場合、さらに芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーを2〜10重量%で含有する。 好ましくは、脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーは分子量が800〜15,000ダルトンで2〜15個のアクリル官能基を有する。任意の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーの分子量は好ましくは800〜15,000ダルトンで2〜6個のアクリル官能基を有する。 ポリエステルアクリレートオリゴマーは、塗料及び被覆物の製造用樹脂として使用され、通常、分子量が800〜15,000ダルトンで2〜6個のアクリル官能基を有する。硬化速度を高めるために、ジェルラッカー組成物中に、さらに、超分岐ポリエステル(hyperbranched polyester)アクリレートを含むことが好ましい。超分岐ポリエステルアクリレートの含有量は、全組成の2〜20重量%とすることができる。超分岐ポリエステルアクリレートは、好ましくは、800〜15,000ダルトンの分子量で、8〜18個のアクリル官能基を備え、球状又は樹状に分岐している。 本発明の一つの特徴は、刺激性の反応性(メタ)アクリレートモノマーをジェルラッカー組成物中に含まないことである。このため、本発明においては低刺激性又は非刺激性アクリレートモノマーが適切に使用される。このようなアクリレートモノマーの例は、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート(TMP3EOTA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、プロポキシ化グリセリルトリアクリレート(G3.5POTA)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CTFA)、エトキシ化フェノキシルアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート、エトキシ化ビスフェノールA(メタ)ジアクリレート(2〜15EO)、ポリエチレングリコール(200〜600)(メタ)ジアクリレート及びエトキシ化トリメチロールプロパン(メタ)トリアクリレート(3〜15EO)である。ジェルラッカー組成物においてTEGDMAとIBOAの組み合わせをアクリレートモノマーとして使用することが好ましい。TEGDMAとIBOAの組み合わせは、好ましくは、TEGDMAを10〜40重量%、IBOAを10〜40重量%含む。 ジェルラッカー組成物には、硬化速度増加のために、任意で、チオールモノマーが加えられる。本発明において適切に使用されるチオールモノマーには、ペンタエリスリトールの(3−メルカプトブチレート)エステルのような、2〜4個のメルカプト官能基を有するチオールモノマーが包含される。チオールモノマーの含有量は、全組成の5重量%未満、好ましくは1〜4.5重量%である。本発明で使用される適切なチオールモノマーは米国特許出願公開第2013/0146077A1号に開示されている。 本発明の他の特徴及び利点を、さらに、以下の例で説明及び記述する。本明細書中の例は説明のために使用するものであって、本発明を限定するものではない。 本開示の一つの態様としてのジェルラッカー組成物は、20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、2〜10重量%の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー及び10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマーからなるオリゴマーの組み合わせを含有し、当該オリゴマーの組み合わせは、30〜70重量%のジェルラッカー組成物、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー、2〜11重量%の光重合開始剤及びアクリレートモノマー中に分散した顔料を含む濃縮着色剤を含有する。ジェルラッカー組成物は、ジェルラッカーの固化促進のため、5重量%未満のチオールモノマーをさらに含有することができる。 好ましいジェルラッカー組成物において、低刺激性アクリレートモノマーは10〜40重量%のTEGDMA及び10〜40重量%のIBOAからなる組み合わせを含有することができ、光重合開始剤はTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)であり、チオールモノマーはペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)エステルである。 濃縮着色剤に配合されうる適切な顔料は、バリウム、カルシウム又はアルミニウムのレーキ、酸化鉄、クロム酸塩、モリブデン酸塩、カドミウム、金属又は混合金属の酸化物、タルク、カルミン、二酸化チタン、水酸化クロム、フェロシアン化鉄、ウルトラマリン、二酸化チタン被覆雲母板、及び/又はオキシ塩化ビスマスであり、好ましい顔料は、D&C Black No.2、D&C Black No.3、FD&C Blue No.1、D&C Blue No.4、D&C Brown No.1、FD&C Green No.3、D&C Green No.5、D&C Green No.6、D&C Green No.8、D&C Orange No.4、D&C Orange No.5、D&C Orange No.10、D&C Orange No.11、FD&C Red No.4、D&C Red No.6、D&C Red No.7、D&C Red No.17、D&C Red No.21、D&C Red No.22、D&C Red No.27、D&C Red No.28、D&C Red No.30、D&C Red No.31、D&C Red No.33、D&C Red No.34、D&C Red No.36、FD&C Red No.40、D&C Violet No.2、Ext.D&C Violet No.2、FD&C Yellow No.5、FD&C Yellow No.6、D&C Yellow No.7、Ext.D&C Yellow No.7、 D&C Yellow No.8、D&C Yellow No.10、D&C Yellow No.11、FDA color additives website又はAnnex IV of the Cosmetic Directive 76/768/EEC, Coloring Agents Permitted in Cosmeticsにリストされたその他の顔料である。 本発明のUVジェルポリッシュ組成物は、ネイルポリッシュ組成物の調製において従来使用されている方法によって製造することができる。UVジェルポリッシュ組成物を具現化するためのさまざまな典型的な処方を後述する。結果として得られるUVジェルポリッシュ組成物は、UVランプ(PHILIPS PL−L 18W*2)を2分間又は6W LEDランプを1分間照射した後、迅速に硬化する。硬化したジェルポリッシュは、接着性試験、安定性試験及びタッチドライ(Touch-dry)試験で評価した。本発明の全てのUVジェルポリッシュ組成物が、望ましい平滑性、乾燥性、光沢性及び爪に対する十分な接着性を備えた硬化皮膜をもたらすことが見出された。 [接着性試験] 本発明のUVジェルポリッシュ組成物をさまざまな生活環境にある20人の爪に適用し、標準的な36W UVランプの下で2分間硬化する。頻繁に家事をすることのない人では爪上で皮膜が8〜14日間維持され、ハウスキーパーでは3〜7日後に爪から皮膜が除去される。 [安定性試験] 本発明のUVジェルポリッシュ組成物をネイルポリッシュボトル中に入れ、80℃のオーブンに入れる。硬化しない製品は流動性を保ち、一週間後の粘度と色に変化がなく、UVジェルポリッシュ組成物の保存可能期間が室温で1〜2年間であることを示す。 [タッチドライ試験] 本発明のジェルポリッシュ組成物をスライドガラスに塗布し、標準的な36W UVランプの下で2分間硬化する。紫外線で硬化したジェルポリッシュ皮膜をトイレットペーパーで拭く。ジェルポリッシュ皮膜表面上に紙スティックのくずがないこと、及び拭いた後の表面の平滑性及び光沢性を観察する。 実施例1 実施例2 実施例3 本開示によれば、感作性の反応性(メタ)アクリレートモノマー及び溶剤を含まない、低刺激性又は非刺激性のジェルラッカー組成物が提供される。本発明のジェルラッカー組成物は、爪及び皮膚に対する低刺激性又は非刺激性に加え、優れた接着性も示す。このため、爪に対するポリッシュの接着性増強のためのベースコート又はプライマー組成物の事前塗布が不要な、一体型(all-in-one)の爪用UVジェルポリッシュ組成物の適用が容易になる。ジェルポリッシュ組成物は、UV光又はLEDランプ下での硬化後に、爪に対し、輝く、平滑な薄層皮膜を提供できるため、表面輝度の増加のためのトップコート組成物をさらに適用することは不要である。さらに、ジェルポリッシュ組成物の硬化皮膜は、ユーザーの生活環境によるが、3〜14日の間、爪に対する接着性が良好である。20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマー、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー、2〜11重量%の光重合開始剤、及び1〜4.5重量%のチオールモノマーを含有し、前記低刺激性アクリレートモノマーがトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)とイソボルニルアクリレート(IBOA)の組み合わせである、ジェルポリッシュ組成物。アクリレートモノマーの組み合わせが10〜40重量%のTEGDMA及び10〜40重量%のIBOAからなる、請求項1に記載のジェルポリッシュ組成物。脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマーが分子量800〜15,000ダルトンで2〜15個のアクリル官能基を備えるものである、請求項1又は2に記載のジェルポリッシュ組成物。2〜10重量%の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーをさらに含む、請求項1から3のいずれかに記載のジェルポリッシュ組成物。芳香族ウレタンアクリレートオリゴマーが分子量800〜15,000ダルトンで2〜6個のアクリル官能基を備えるものである、請求項4に記載のジェルポリッシュ組成物。チオールモノマーが2〜4個のメルカプト官能基を備えた、ペンタエリスリトールの(3−メルカプトブチレート)エステルである、請求項1から5のいずれかに記載のジェルポリッシュ組成物。チオールモノマーが、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)エステルである、請求項1から5のいずれかに記載のジェルポリッシュ組成物。20〜70重量%の脂肪族ウレタンアクリレートオリゴマー、2〜10重量%の芳香族ウレタンアクリレートオリゴマー及び10〜50重量%のポリエステルアクリレートオリゴマーからなるオリゴマーの組み合わせを含有し、当該オリゴマーの組み合わせが30〜70重量%のジェルラッカー組成物、10〜50重量%の低刺激性アクリレートモノマー、2〜11重量%の光重合開始剤、固化促進のための1〜4.5重量%のチオールモノマー、及びアクリレートモノマー中に分散した顔料を包含する濃縮着色剤を含有し、前記低刺激性アクリレートモノマーがトリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)とイソボルニルアクリレート(IBOA)の組み合わせである、請求項1〜7のいずれかに記載のジェルポリッシュ組成物。光重合開始剤がTPO(2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド)であり、チオールモノマーがペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)エステルである、請求項1から8のいずれかに記載のジェルポリッシュ組成物。


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