生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_消臭組成物
出願番号:2014122345
年次:2014
IPC分類:A61K 8/66,A61L 9/01,A23L 1/30,A61K 8/97,A61Q 11/00,A61Q 15/00,A61Q 5/12,A61Q 5/02,A61Q 19/00


特許情報キャッシュ

▲高▼瀬 貴仁 成瀬 敦 桜井 孝治 JP 2014185166 公開特許公報(A) 20141002 2014122345 20140613 消臭組成物 株式会社ロッテ 307013857 岡部 讓 100094112 臼井 伸一 100096943 高梨 憲通 100102808 小林 恒夫 100128646 齋藤 正巳 100128668 本田 亜希 100136799 ▲高▼瀬 貴仁 成瀬 敦 桜井 孝治 A61K 8/66 20060101AFI20140905BHJP A61L 9/01 20060101ALI20140905BHJP A23L 1/30 20060101ALI20140905BHJP A61K 8/97 20060101ALI20140905BHJP A61Q 11/00 20060101ALI20140905BHJP A61Q 15/00 20060101ALI20140905BHJP A61Q 5/12 20060101ALI20140905BHJP A61Q 5/02 20060101ALI20140905BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140905BHJP JPA61K8/66A61L9/01 RA23L1/30 BA61K8/97A61Q11/00A61Q15/00A61Q5/12A61Q5/02A61Q19/00 5 1 2010041489 20100226 OL 15 4B018 4C080 4C083 4B018LB01 4B018MD61 4B018MD90 4B018ME14 4B018MF02 4C080AA03 4C080BB02 4C080CC05 4C080CC12 4C080CC13 4C080HH03 4C080JJ01 4C080KK08 4C080LL04 4C080MM31 4C080MM34 4C080NN01 4C080NN15 4C080QQ03 4C083AA111 4C083AA112 4C083AD471 4C083AD472 本発明は、ラッカーゼとマテ茶抽出物とを含有することを特徴とする消臭組成物、及びそれを含有する飲食品に関する。 従来より、悪臭の消臭および脱臭方法として、芳香性物質によるマスキングや、酸化剤、中和剤、固定剤等による化学的消臭、あるいは活性炭等による吸着により悪臭を除去する方法が用いられてきた。しかし、これらの方法はいずれも使用目的により著しい制約を受ける場合が多い。特に食品分野においては、摂取した際に人体に安全な物質を使用することが必要である。 かかる問題点を解決した消臭効果の優れた消臭剤として、副作用がなく安全性が高く古来より利用されている生薬及びハーブ等の天然物抽出物が注目され、その中でもマテ茶に消臭効果があることが知られている(特許文献1−7、非特許文献1−3)。特に、非特許文献2には、マテ茶の主成分であるクロロゲン酸とポリフェノールオキシダーゼ効果を有するリンゴ抽出物との併用による消臭効果が記載されている。 しかし、弱酸性条件下では、マテ茶抽出物の消臭効果が著しく低下してしまうという欠点を有している。弱酸性条件下での飲食品中のマテ茶抽出物の消臭効果を高めるためには、マテ茶抽出物を通常の適用量よりもはるかに多く使用することが必要となり、その結果消臭組成物が高価なものとなる。また、マテ茶は強い苦味と渋味を有し、製品化の際には添加量及びフレーバーの制限を受けやすい。そのため、消臭効果を高めるためにマテ茶抽出物を多く使用することは、実用的な使用の観点からは望ましくないとされてきた。特許公開2007−215831号公報特許公開2007−000508号公報特許公開平8−127514号公報特許公開平7−124469号公報特許第3341008号公報特許公開2008−088102公報特許公開平6−135848公報特許公開2009−190990公報根岸「苦丁茶の成分と機能性」:日本食生活学会誌、vol.18、No.1、25−31Negishi et al., ”Deodorization withKu-ding-cha Containing a Large Amountof Caffeoyl Quinic Acid Dericatives” : J. Agric. Food Chem,. Vol 52, No 17, 5513-5518 (2004)宮本ら「植物抽出物による消臭作用」:Fragr.j.,No.65,82−85(1984) 本発明は、マテ茶抽出物を用いた消臭組成物であり、弱酸性下においても高い消臭効果を有する組成物に関する。 本発明者らは鋭意研究の結果、マテ茶抽出物とラッカーゼとを併用することにより、弱酸性下の条件でも高い消臭効果が認められることを発見した。 すなわち、本発明は、マテ茶抽出物とラッカーゼとを含有する消臭組成物に関する。 本発明の消臭組成物は、従来のマテ茶抽出物による消臭組成物においては消臭効果が低下していた弱酸性下の条件でも高い消臭効果を有する。弱酸性条件下におけるマテ茶水抽出物の消臭効果を、ラッカーゼを添加した場合と添加しない場合とで比較した図である。マテ茶及び甜茶水抽出物のそれぞれの消臭効果を示す図である。マテ茶抽出物の抽出条件による呈味評価の違いを示す図である。マテ茶及びクロロゲン酸のそれぞれの消臭効果を示す図である。 本発明の消臭組成物は、マテ茶抽出物を主原料とする。 マテ茶とはモチノキ科の常緑喬木、イェルバ・マテの葉や小枝から作られる茶で、ブラジル、アルゼンチン、パラグアイ、ウルグアイを中心に広くコーヒーや茶と同様の嗜好品として飲用されている。ミネラルやポリフェノールを多く含むことから「飲むサラダ」とも言われ、野菜の栽培が困難な南米の一部の地域では重要な栄養摂取源の一つとなっている。食経験も豊富で、記録的には15世紀末からパラグアイ国を中心として計画的栽培が行われており、現在ではその生産量は、ブラジル約20万t、アルゼンチン約17万t、パラグアイ約4万tにも及ぶ。 マテ茶抽出物は、マテ茶の果皮、葉、果肉、果実、材、樹皮、根、好ましくはその葉を乾燥させたものを使用する。本発明の有効成分である上記植物の抽出物を得る方法については特に限定しないが、上記植物を適当な粉砕手段で粉砕し、二段階抽出を含む溶媒抽出等の方法により抽出物を調製する。抽出溶媒としては、水及びメタノール、エタノール、n−プロパノール並びにn−ブタノール等の低級アルコール、エーテル、クロロホルム、酢酸エチル、アセトン、グリセリン、プロピレングリコール等の有機溶媒の1種または2種以上を混合して使用するが、好ましくは水または親水性の有機溶媒を使用する。また、本発明の抽出物は、飲食品として用いられることが多いことを考慮すると、抽出溶媒としては安全性の面から水とエタノールとの組み合わせを用いるのが好ましい。さらに好ましくは90%以下のエタノールで抽出し、さらに好ましくは60%以下のエタノールで抽出し、さらに好ましくは30%以下のエタノールで抽出し、最も好ましくは水で抽出する。 また、マテ茶抽出物は2段階で抽出すると、呈味が改善されるため好ましい。 2段階抽出に使用する溶媒としても上記抽出溶媒を使用することができるが、はじめに100%エタノールで抽出した後に、水あるいは0〜15%のエタノールで抽出することが好ましい。 抽出条件としては、高温、室温、低温のいずれかの温度で抽出することが可能であるが、50〜90℃で1〜5時間程度抽出するのが好ましい。2段階で抽出するときは、はじめに50〜90℃で1〜5時間程度一段階目の抽出をした後に、50〜90℃で1〜5時間程度二段階目の抽出をするのが好ましい。得られた抽出物は、濾過し、抽出溶媒を留去した後、減圧下において濃縮または凍結乾燥してもよい。また、これらの抽出物を有機溶剤、カラムクロマトグラフィ等により分画精製したものも使用することができる。 また、本発明の消臭組成物は、安全性が高いことから、例えば、含そう剤、練り歯磨き、消臭スプレー等の消臭組成物、或いはチューインガム、キャンディ、錠菓、グミゼリー、チョコレート、ビスケット、スナック等の菓子、アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓、飲料、パン、ホットケーキ、乳製品、ハム、ソーセージ等の畜肉製品類、カマボコ、チクワ等の魚肉製品、惣菜類、プリン、スープ並びにジャム等の飲食品に配合し、日常的に利用することが可能である。口中に入れる製品以外にも本発明の消臭組成物を石鹸、シャンプー、リンス、クリーム、化粧水、ペット消臭剤、室内消臭剤、室内洗浄フィルター、トイレ消臭剤等に配合すれば消臭活性に優れた酸性の製品を作ることが可能である。 その配合量としては、種々の製造条件によって変わり得るが、消臭組成物に対して、マテ茶抽出物を0.01重量%以上2.0重量%以下、好ましくは0.01重量%以上1.0重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以上0.4重量%以下、ラッカーゼの添加量はラッカーゼ製剤の力価によって異なるが0.01重量%以上1.0重量%以下、好ましくは0.015重量%以上0.12重量%以下配合させることが好適である。 また、上記ラッカーゼの添加量を力価で示すと消臭組成物100gに対してラッカーゼ5.90×102U以上5.9×104U以下、好ましくは3.0×103U以上2.4×104U以下配合させることが好適である。 ここで、ラッカーゼの力価は、37℃において、該ラッカーゼが触媒する、クロロゲン酸の酸化縮合反応により生成される縮合物の420nmにおける吸光度を30秒間に0.001増加させる酵素活性を1U単位とする。1U単位は、酵素溶液(0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0))500μl中に、100μlの50mMクロロゲン酸溶液(0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.0))を加えて、37℃で5分間反応を行った。その後 500μlの0.1N硫酸を加えて反応を停止し、420nmの吸光度を測定した。反応開始30秒後の420nmの吸光度を0.001増加させる酵素活性を1U単位と定義した。 本発明による消臭組成物は、従来の消臭組成物において消臭効果が著しく低下する、弱酸性の条件化でも消臭効果を奏する。すなわち、摂取後の唾液中のpHが4.0以上7.0以下の範囲でも、本発明の消臭組成物は消臭効果を有する。 また、本発明は従来より利用されていたマテ茶を使用しているため、体内に摂取してもその安全性については問題ない。 以下に、実施例を用いて本発明についてさらに説明するが、これらの実施例はなんら本発明の範囲を限定するものではない。各種茶葉抽出物にラッカーゼを添加した場合の消臭効果比較 茶葉抽出物にラッカーゼを添加した場合の消臭効果を、以下の手順により比較した。(実施例1−1) 試薬 メチルメルカプタンナトリウムは東京化成工業株式会社製を使用した。メチルメルカプタン標準液(ベンゼン溶液)は和光純薬株式会社製を使用した。ラッカーゼ(EC1.10.3.2)は大和化成株式会社製の「ラッカーゼ ダイワY120」(商標名)を使用した。(実施例1−2) 供試植物 以下の乾燥植物を供試した。マテ茶(Ilex paraguariensis)の葉、紅茶の葉、ウーロン茶の葉、甜茶(Rubus suavissimus)の葉は日本緑茶センター株式会社から入手した。緑茶の葉は株式会社南山園から入手した。(実施例1−3) 植物抽出方法 それぞれの乾燥植物につき、粉末50gに抽出溶媒(水または含水エタノール)1 Lを加えて、90℃で1時間還流抽出を行った。抽出液を濾過し、減圧濃縮後、凍結乾燥して抽出物を得た。(実施例1−4) メチルメルカプタンに対する消臭活性評価方法i)GC装置及び分析条件 メチルメルカプタンの検量線作成及び定量のためのGC分析条件は以下の装置と条件で行った。・GC装置 : Agilent 7890A GC System(アジレント・テクノロジー株式会社)・カラム : HP-5(10 m × 0.53 mm、2.65 μm、アジレント・テクノロジー株式会社)・カラム流量 : He、10 ml / min・スプリット比 : 15:1・注入口 : スプリット、200℃・オーブン温度 : 50℃・検出器 : FPD検出器、200℃ii)検量線作成 メチルメルカプタン標準液(ベンゼン溶液)をベンゼンで希釈し、これをGCに一定量注入して、得られたメチルメルカプタンのピーク高さをもとに検量線を作成した。iii)消臭活性評価方法 内容量30mlのバイアル瓶中で試料を0.2Mリン酸緩衝液(pH4.5)900μlに溶解した後(コントロールは緩衝液のみ)、同じく0.2Mリン酸緩衝液(pH4.5)に溶解させた10mg/mlラッカ−ゼ溶液を100μl加え、さらに25ppmメチルメルカプタンナトリウム水溶液を500μl加えて、直ちにテフロン(登録商標)コートされたゴム栓で栓をして攪拌し、37℃の水浴で5分間振とうさせた。振とう後、ヘッドスペースガス50μlをGCにして、試料を添加した時のメチルメルカプタン量(MS)と無添加時のメチルメルカプタン量(MB)を求め、次式によりメチルメルカプタン消臭率を算出した。 メチルメルカプタン消臭率(%)=(MB−MS)/MB×100(実施例1−5) 消臭効果比較 抽出条件を変えて抽出した各種茶葉抽出物50μgにラッカーゼを添加しなかったときと添加した時のメチルメルカプタンに対する消臭効果を比較して表1に示す。他の茶葉抽出物と比較して、マテ茶抽出物の消臭効果は極めて高く、最も強い消臭活性を示したのはマテ茶の水抽出物とラッカーゼの組合せだった。(実施例1−6) pHとマテ茶水抽出物の消臭効果 マテ茶の水による抽出物について、反応溶液のpHを変えて異なるpHにおけるメチルメルカプタン消臭率を(実施例1−4)と同様に測定した。 結果を図1に示す。pH4〜7までの弱酸性下では、ラッカーゼの添加によりマテ茶水抽出物の消臭率が顕著に増加した。マテ茶と甜茶との消臭効果の比較 公知の、バラ科キイチゴ属の甜茶抽出物とラッカーゼとを含有する消臭組成物(特許文献8)との消臭効果を比較するため、(実施例1−3)で抽出したマテ茶の水による抽出物と甜茶の水による抽出物を用いて以下の実験を行った。(実施例2−1) 50%効果濃度(EC50)の測定 マテ茶と甜茶の水による抽出物について、試料濃度を変えた以外は実施例1と同様にして各濃度における消臭率を求めた。その後、試料濃度の対数を横軸、消臭率を縦軸としたグラフを作成し、50%の消臭率を得られる濃度(EC50)を求めた。 作成したグラフを図2に示し、マテ茶と甜茶水抽出物との消臭効果を表2に示す。 図2より、マテ茶は甜茶よりも低い濃度でメチルメルカプタンに対する消臭効果を有することが認められた。また、表2より、マテ茶のEC50は20.53μg/mlで、甜茶の3倍以上の消臭効果が認められた。マテ茶の抽出条件と消臭効果 マテ茶の抽出条件による消臭効果の違いを評価するため、以下のように異なる抽出条件によってマテ茶を抽出した以外は上記実施例1と同様にして、メチルメルカプタンに対する消臭活性を評価した。(実施例3−1) 植物抽出方法i)1段階抽出 乾燥植物の粉末50gに抽出溶媒1Lを加えて、90℃で1時間還流抽出を行った。抽出液を濾過し、減圧濃縮後、凍結乾燥して抽出物を得た。抽出溶媒としては、水又は濃度を変えた含水エタノールを使用した。ii)2段階抽出 マテ茶の乾燥粉末50gにエタノール1Lを加えて90℃で1時間還流抽出を行い、抽出液を濾別した。濾別で得られた抽出残渣に水または15%含水エタノール1Lを加えて、90℃で1時間還流抽出を行った。抽出液を濾過し、減圧濃縮後、凍結乾燥して抽出物を得た。(実施例3−2) 消臭効果比較 抽出条件を変えたマテ茶抽出物20μgにラッカーゼを添加した時のメチルメルカプタンに対する消臭効果を表3に示す。1段階の抽出では最も強い消臭活性を示したのはマテ茶15%エタノール抽出物で、続いて水抽出物であり、抽出溶媒が水系の方が消臭活性が高くなる傾向が認められた。また、バラ科キイチゴ属の甜茶の場合には100%エタノールで前処理した後に水抽出する2段階抽出を行うと水だけの1段階抽出物より消臭効果が上がるとの報告(特許文献8)があることから、マテ茶についても100%エタノールの前処理を行う2段階抽出を行って消臭効果を評価した。試験の結果、2段階抽出を行うことで顕著な消臭効果の向上はなかったが、低下は認められなかった。マテ茶抽出条件による呈味の違い マテ茶の抽出条件による呈味の違いを評価するため、上記実施例3において抽出したマテ茶抽出物にラッカーゼを添加したものを用いて、以下の官能検査を行った。(実施例4−1) 官能検査 マテ茶抽出物の官能検査には0.25%(wt/v)水溶液を使用した。検査項目は「苦味」、「渋み」、「後味」、「酸味」、「甘味」とし、パネラー5名で表4に示す評価基準に従って呈味評価を行った。(実施例4−2) 呈味の比較 パネラー5名によるマテ茶抽出物(0.25%水溶液)の呈味評価を図3に示す。抽出溶媒のエタノール濃度が高くなるほど「苦味」、「渋み」のスコアが上昇していく傾向が認められた。また、水抽出物と15%エタノール抽出物に2段階抽出処理を施すと、「苦味」、「渋み」のスコアが低下することが確認できた。マテ茶抽出物の成分組成と消臭効果及び呈味における影響 マテ茶抽出物中の成分組成の呈味における影響を調べるため、上記実施例3において抽出したマテ茶を用いて以下の分析を行い、各抽出条件で抽出したマテ茶に含有されるクロロゲン酸、カフェイン、カフェイン酸の含量を分析した。(実施例5−1) 試薬 メチルメルカプタンナトリウム、クロロゲン酸は東京化成工業株式会社製を使用した。メチルメルカプタン標準液(ベンゼン溶液)、カフェイン、カフェイン酸、ウルソール酸は和光純薬株式会社製を使用した。ラッカーゼ(EC1.10.3.2)商品名「ラッカーゼ ダイワ Y120」は大和化成株式会社製を使用した。アセトニトリル、メタノール、リン酸、酢酸、蒸留水はHPLC用を使用し、その他の試薬は市販特級品を使用した。(実施例5−2) クロロゲン酸、カフェイン、カフェイン酸の定量i)HPLC装置及び分析条件 クロロゲン酸、カフェイン、カフェイン酸の検量線作成及び定量のためのHPLC分析は以下の装置と条件で行った。・HPLC装置 : Alliance HPLC(ウォーターズ)・カラム : Cadenza CD-C18(4.6×250 mm、3 μm、インタクト)・ガードカラム : Cadenza CD-C18(2×5 mm、3 μm、インタクト)・移動相 : A 0.5 %(v/v)酢酸水溶液、B メタノール、C アセトニトリル 0 - 15min A:B:C = 70:30:0 15 - 30min A:B:C = 0:0:100・検出器: UV検出器(274 nm)・温度 : 35℃・流速 : 0.7 ml / min・注入量 : 2 μlii)検量線作成 クロロゲン酸、カフェイン、カフェイン酸をそれぞれ0.5%(v/v)酢酸水溶液に溶解させ、適宜0.5%(v/v)酢酸水溶液で希釈した溶液をメンブランフィルター(0.45μm)で濾過し、HPLCに各標準溶液の一定量を注入して、得られたピーク面積をもとに検量線を作成した。iii)試験溶液の調製 マテ茶抽出物10mgにメタノール5mlを加えて溶解し、0.5%(v/v)酢酸水溶液で10mlに定容した後、メンブランフィルター(0.45μm)で濾過して、濾液を試験溶液とした。iv)定量 得られた試験溶液を用いて上記装置でHPLC分析を行い、検量線をもとにそれぞれの含量を定量した。(実施例5−3) サポニンの定量 マテ茶抽出物のサポニンの定量は酸加水分解後のウルソール酸量を測定し、マテサポニン1に換算して求めた。i)HPLC装置及び分析条件 ウルソール酸の検量線作成及び定量のためのHPLC分析は以下の装置と条件で行った。・HPLC装置 : Alliance HPLC(ウォーターズ)・カラム : Cadenza CD-C18(4.6×250 mm、3 μm、インタクト)・ガードカラム : Cadenza CD-C18(2×5 mm、3 μm、インタクト)・移動相 : A 蒸留水、B アセトニトリル A:B = 10:90・検出器: UV検出器(203 nm)・温度 : 25℃・流速 : 1.0 ml / min・注入量 : 2 μlii)検量線作成 ウルソール酸をアセトニトリルに溶解させ、適宜アセトニトリルで希釈した溶液をメンブランフィルター(0.45μm)で濾過し、HPLCに各標準溶液の一定量を注入して、得られたピーク面積をもとに検量線を作成した。iii)試験溶液の調製・定量 マテ茶抽出物を水に溶解させ、5mg/ml水溶液を調製し、本溶液10mlをねじ口試験管に取り、4M HCl 1.5mlを加えて、ボルテックスでよく攪拌後、110℃で2時間還流させた。還流後、室温で冷まし、クロロホルム抽出を行って(5ml×4回)、減圧乾燥でクロロホルムを完全に飛ばした。乾固させた後、アセトニトリルに溶解し、10mlに定容した後、メンブランフィルター(0.45μm)で濾過して、濾液を試験溶液とした。 得られた試験溶液を用いて上記装置でHPLC分析を行い、得られた試料中のウルソール酸量(Cu)をもとに下記の式に従って、マテサポニン1に換算してサポニン量を求めた。 サポニン含量(%(wt/wt))= Cu ×(MWs/MWu) MWs:マテサポニン1の分子量(MW=913.108) MWu:ウルソール酸の分子量(MW=456.711)(実施例5−4) 成分組成 マテ茶抽出物中における、ポリフェノール成分のクロロゲン酸、呈味成分のカフェイン、カフェイン酸、サポニンの含量を表5に示す。2段階抽出物ではカフェイン含量とサポニン含量が低くなっていることから、呈味評価の「苦味」、「渋み」の項目で改善が認められたと考えられる。マテ茶抽出物の消臭効果におけるクロロゲン酸の寄与 実施例3においてマテ茶抽出物でもっとも活性が強かった15%エタノール抽出物中におけるクロロゲン酸寄与を求めるため、実施例2と同様にしてマテ茶抽出物とクロロゲン酸の50%効果濃度(EC50)を測定し、クロロゲン酸の消臭活性への寄与率を求めた。試料濃度の対数を横軸、消臭率を縦軸としたグラフを図4に、マテ茶抽出物とクロロゲン酸の50%効果濃度(EC50)及びクロロゲン酸の寄与率を表6に示す。寄与率は、それぞれのEC50から以下の式により計算して求めた。 寄与率=(マテ茶のEC50/クロロゲン酸のEC50)×(マテ茶中のクロロゲン酸含量(%)/100) 表6より、クロロゲン酸の寄与率は12.3%と低いことから、クロロゲン酸以外のポリフェノール成分も活性に関与していると考えられる。マテ茶抽出物、クエン酸、ラッカーゼ入りチューインガムの試作 調製した甜茶抽出物にラッカーゼ、クエン酸を含む下記処方例記載の原料を混合し、常法によりチューインガムを得た。 また、対照例として、調整した甜茶抽出物のみを含む下記処方例記載の原料を混合し、常法によりチューインガムを得た。試作ガムのニンニク臭抑制効果(ヒト試験)(実施例8−1)官能評価法 官能評価値は、下記表8に従い評価し、5名のパネラーの値を平均化し、数値化した。試験10分前に被験者の口臭を採取したあと、餃子6個を2分間で摂取し、実施例7及び対照例のガム摂取(5分間咀嚼)、もしくはうがい(20mlの水で2回洗浄)を行ない、摂取直後の呼気を臭い袋にて採取し、口臭の程度を評価した。結果を表9に示す。実施例7のガムは摂取後も最も強くニンニク臭を抑えることが確認された。なお、実施例7のガムを摂取した後の唾液pH は約6.0だった。 実施例1−3で示した方法により調製した抽出物を用いて、以下の処方により、キャンディ、グミゼリー、トローチを製造した。(実施例9−1)キャンディの処方砂糖 50.0重量% 水あめ 34.0クエン酸 2.0マテ茶抽出物 0.2ラッカーゼ製剤 0.1香料 0.2水 残 100.0(実施例9−2)グミゼリーの処方ゼラチン 60.0重量%水あめ 21.0砂糖 8・5植物油脂 4.5マンニトール 3.0リンゴ酸 2.0マテ茶抽出物 0.2ラッカーゼ製剤 0.2香料 0.6 100.0 (実施例9−3)トローチの処方ブドウ糖 72.3重量%乳糖 15.0アラビアガム 6.0香料 1.0モノフルオロリン酸ナトリウム 0.7マテ茶抽出物 2.0ラッカーゼ製剤 1.0乳酸 2.0 100.0 マテ茶の果皮、葉、果肉、果実、材、樹皮、根あるいは葉に、100%エタノールを加えて抽出を行い、その抽出残渣から、水あるいは0−15%含水エタノールで抽出することを特徴とする、マテ茶抽出物とラッカーゼとを含有する消臭組成物の製造方法。 請求項1によって製造されるマテ茶抽出物とラッカーゼとを含有する消臭組成物。 前記消臭組成物摂取後の唾液中のpHが4.0以上7.0以下の範囲であることを特徴とする請求項2に記載の消臭組成物。 前記マテ茶抽出物の消臭組成物中の含有量が0.01重量%以上2.0重量%以下であり、前記ラッカーゼの消臭組成物中の含有量が0.01重量%以上1.0重量%以下である請求項2乃至3に記載の消臭組成物。 請求項2乃至4に記載の消臭組成物を含むチューインガム、キャンディ、タブレット、またはグミゼリー。 【課題】マテ茶抽出物を用いた消臭組成物は、天然由来の抽出物であるため副作用がなく安全性が高いという利点を有するが、一方で弱酸性下においてその消臭効果が著しく低下してしまうという欠点をも有している。そのため本発明は、マテ茶抽出物を含有する消臭組成剤であり、弱酸性下においても高い消臭効果を有する消臭組成物を提供することを課題とする。【解決手段】マテ茶抽出物とラッカーゼとを併用することにより、従来のマテ茶抽出物による消臭組成物においては消臭効果が低下していた弱酸性下の条件でも高い消臭効果が認められる。また、マテ茶抽出物を二段階で抽出することにより、マテ茶の有する強い苦味と渋味を抑えることができる。【選択図】図1


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