生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B1)_導電性高分子及び導電性高分子の製造方法
出願番号:2014121484
年次:2015
IPC分類:C08G 61/12,C07D 495/14,C07D 495/04


特許情報キャッシュ

高橋 敦 JP 5688868 特許公報(B1) 20150206 2014121484 20140612 導電性高分子及び導電性高分子の製造方法 竹本油脂株式会社 000210654 入山 宏正 100081798 高橋 敦 20150325 C08G 61/12 20060101AFI20150305BHJP C07D 495/14 20060101ALN20150305BHJP C07D 495/04 20060101ALN20150305BHJP JPC08G61/12C07D495/14 AC07D495/04 101 C08G 61 C07D CAplus/REGISTRY(STN) 特開2013−185077(JP,A) 特開2013−213180(JP,A) Synthetic Metals,2006年,156,p.124-128 Synthetic Metals,2006年,156,p.1073-1077 Polymer Journal,2002年,34(10),p.727-735 J.Org.Chem.,1972年,37(11),p.1712-1717 STN File Registry [Online],1984年,RN(CAS登録番号):33527-30-9 STN File Registry,1984年,RN:268-22-4 4 9 20140618 堀 洋樹 本発明は導電性高分子及び導電性高分子の製造方法に関する。導電性高分子はコンデンサ、タッチパネル、帯電防止用途等を中心に利用されており、今後も2次電池電極や有機EL、太陽光発電等、幅広い様々な分野での応用が期待されている。本発明はかかる導電性高分子及び導電性高分子の製造方法に関する。 従来、前記のような導電性高分子としては、当初はポリアセチレンが使用されていたが、現在では耐久性等、諸物性にバランスのとれたポリアニリン、ポリピロール、ポリエチレンジオキシチオフェンが使用されている(例えば、特許文献1〜3参照)。 しかし、導電性高分子として従来使用されているポリアニリン、ポリピロール及びポリエチレンジオキシチオフェンには導電性が不充分という問題がある。特開平1−313521号公報特開2009−46687号公報特表2009−508341号公報 本発明が解決しようとする課題は、従来のポリアニリン、ポリピロール及びポリエチレンジオキシチオフェンよりも導電性に優れた導電性高分子及びかかる導電性高分子の製造方法を提供する処にある。 しかして本発明者らは、前記の課題を解決するべく研究した結果、特定の縮合複素環化合物から形成された単位を構成単位として有する導電性高分子が好適であることを見出した。 すなわち本発明は、下記の化1で示される縮合複素環化合物から形成された単位を構成単位として有する導電性高分子に係る。また本発明は、化1で示される縮合複素環化合物を、又は該縮合複素環化合物とこれと共重合可能な他のモノマーとを、溶媒及びドーパント化合物の存在下に、電解酸化反応及び/又は化学酸化反応により酸化重合することを特徴とする導電性高分子の製造方法に係る。 先ず、本発明に係る導電性高分子(以下、本発明の導電性高分子という)について説明する。本発明の導電性高分子は、下記の化1で示される縮合複素環化合物から形成された単位を構成単位として有するものである。 化1において、 X1,X2:CH2又はO 化1中のX1及びX2は、メチレン基又は酸素原子である。 化1で示される縮合複素環化合物は、例えば、1)2,5−ジカルボキシ基を有するチオフェン等の5員複素環化合物をQ.Peiらの方法(Q.Pei, G.Zuccarello, M.Ahiskog, and O.Inganas著、「Polymer」誌、35巻、1347頁、1994年)に準じて合成し、ジブロモエタンの代わりに3,4−ジブロモチオフェン等の複素環化合物を作用させて求核置換反応を行った後、前記文献に記載の方法で脱炭酸反応を行い合成する方法、2)3,4−位に脱離基を有するチオフェン等の5員複素環化合物と3,4−ジヒドロキシチオフェン等の5員複素環化合物を作用させて求核置換反応を行い合成する方法(尚、前記ヒドロキシ基をメルカプト基やアミノ基等と置き換えても同様に合成できる)、3)化1で示される化合物中のX1及びX2を有する6員複素環化合物を先に形成し、硫化水素を用い5員複素環形成を行った後、酸化剤で脱水素反応を行い合成する方法、等により得ることができる。 本発明の導電性高分子は、化1で示される縮合複素環化合物を、又は該縮合複素環化合物とこれと共重合可能な他のモノマーとを、電解酸化反応及び/又は化学酸化反応により酸化重合することによって得ることができる。化1で示される縮合複素環化合物と共重合可能な他のモノマーとしては、ピロールやエチレンジオキシチオフェン等が挙げられるが、なかでもエチレンジオキシチオフェンが好ましい。また化1で示される縮合複素環化合物と他のモノマーとを共重合する際には、本発明の導電性高分子としては、化1で示される縮合複素環化合物から形成された単位を全構成単位中に5質量%以上有するものが好ましく、10質量%以上有するものがより好ましい。 次に、本発明に係る導電性高分子の製造方法(以下、本発明の製造方法という)について説明する。本発明の製造方法は、本発明の導電性高分子について前記したように、化1で示される縮合複素環化合物を、又は該縮合複素環化合物とこれと共重合可能な他のモノマーとを、電解酸化反応及び/又は化学酸化反応により酸化重合して、導電性高分子を製造する方法である。かかる酸化重合は、溶媒及びドーパント化合物の存在下にて行なう。 本発明の製造方法において、溶媒としては、1)メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール、デカノール、ベンジルアルコール等の脂肪族アルコールや芳香族アルコール、2)エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール、3)N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド系溶媒、4)1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、5) アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、6)ジメチルスルホキシド、及び7)水等が挙げられる。 またドーパント化合物としては、1)フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、沃化物イオン等のハロゲン化物イオン、2)過塩素酸イオン、テトラフルオロ硼酸イオン、六フッ化ヒ酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオン、チオシアン酸イオン、六フッ化ケイ酸イオン、3)燐酸イオン、フェニル燐酸イオン、六フッ化燐酸イオン等の燐酸系イオン、4)酢酸イオン、エタン酸イオン、プロパン酸イオン、ブタン酸イオン、デカン酸イオン、エタン二酸イオン、プロパン二酸イオン、ブタン二酸イオン、ペンタン二酸イオン、ヘキサン二酸イオン、リンゴ酸イオン、酒石酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、安息香酸イオン、サリチル酸イオン、フタル酸イオン、イソフタル酸イオン、トリメリット酸イオン、ピロメリット酸イオン、ナフタル酸イオン等のカルボン酸イオン、5)ベンゼンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、キシレンスルホン酸イオン、エチルベンゼンスルホン酸イオン、ジエチルベンゼンスルホン酸イオン、プロピルベンゼンスルホン酸イオン、ジプロピルベンゼンスルホン酸イオン、ドデシルベンゼンスルホン酸イオン、クレゾールスルホン酸イオン、クレゾールジスルホン酸イオン、テトラリンスルホン酸イオン、テトラリンジスルホン酸イオン、スルホ安息香酸イオン、ジスルホ安息香酸イオン、スルホイソフタル酸イオン、ジスルホイソフタル酸イオン、スルホサリチル酸イオン、ジスルホサリチル酸イオン、フェノールスルホン酸イオン、フェノールジスルホン酸イオン、クロロベンゼンスルホン酸イオン、クロロベンゼンジスルホン酸イオン、ジクロロベンゼンスルホン酸イオン、ジクロロベンゼンジスルホン酸イオン等のベンゼンスルホン酸系イオン、6)ナフタレンスルホン酸イオン、メチルナフタレンスルホン酸イオン、ジメチルナフタレンスルホン酸イオン、エチルナフタレンスルホン酸イオン、ジエチルナフタレンスルホン酸イオン、プロピルナフタレンスルホン酸イオン、ジプロピルナフタレンスルホン酸イオン、ブチルナフタレンスルホン酸イオン、ジブチルナフタレンスルホン酸イオン、ナフトールスルホン酸イオン、ナフトールジスルホン酸イオン、ジヒドロキシナフタレンスルホン酸イオン、ジヒドロキシナフタレンジスルホン酸イオン、スルホナフタル酸イオン、ジスルホナフタル酸イオン等のナフタレンスルホン酸系イオン、7)メタンスルホン酸イオン、エタンスルホン酸イオン、プロパンスルホン酸イオン、ブタンンスルホン酸イオン、デカンスルホン酸イオン、ドデカンスルホン酸イオン等のアルカンスルホン酸イオン、8)ポリアクリル酸イオン、ポリメタクリル酸イオン、ポリアクリル酸イオンメタクリル酸イオン共重合物、ポリビニルスルホン酸イオン、ポリスチレンスルホン酸イオン、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)イオン、ナフタレンスルホン酸イオンホルマリン縮合物、フェノールスルホン酸イオンホルマリン縮合物、リグニンスルホン酸イオン等の高分子イオンが挙げられる。これらは1種又は2種以上を混合して使用することもできる。 本発明の製造方法においては、本発明の効果を損なわない範囲内で、酸化防止剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、pH調整剤等を使用することもできる。 本発明によれば、従来の導電性高分子と比較して、導電性に優れた導電性高分子を得ることができる。 以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、%は質量%を意味する。 試験区分1(縮合複素環化合物の合成) 縮合複素環化合物(M−1)の合成 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、2,2’−チオジグリコール酸25.0g(0.167mol)、硫酸1.0g及びメタノール320g(10mol)を加え、5時間還流させ、冷却した後、30%水酸化ナトリウム水溶液で中和し、蒸留精製して、2,2’−チオジグリコール酸ジメチルを得た。 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、28%ナトリウムメトキシド145g(0.753mol)を仕込み、10℃以下に冷却した。ここに前記で得た2,2’−チオジグリコール酸ジメチル20.0g(0.112mol)、シュウ酸ジエチル25.9g(0.178mol)及びメタノール(50g)の混合溶液を1.5時間かけて10℃以下に保ったまま滴下した。滴下終了後、0.5時間加熱還流を行った。反応系を冷却した後、吸引ろ過を行い、得られた結晶をメタノールで洗浄し、温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに入れ、希塩酸を酸性になるまで添加し、加熱還流を行ってエステル部位を加水分解した後、精製し、2,5−ジカルボキシ−3,4−ジヒドロキシチオフェンを得た。 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、前記で得た2,5−ジカルボキシ−3,4−ジヒドロキシチオフェン9.2g(0.0452mol)、亜クロム酸銅(II)4.0g(0.0129mol)及びキノリン50gを加え、220℃で5時間加熱した。冷却後、塩酸で中和し、濾液をヘキサンにて抽出した。抽出した有機層を希塩酸で洗浄し、ヘキサンをエバポレータにて除去して粗成生物を得た。この粗成生物をカラム精製して3,4−ジヒドロキシチオフェンを得た。 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、前記で得た3,4−ジヒドロキシチオフェン4.6g(0.04mol)、3,4−ジブロモチオフェン14.5g(0.06mol)、炭酸カリウム8.3g(0.06mol)、塩化銅(I)2.0g(0.02mol)、8−キノリノール2.9g(0.02mol)及び1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン20gを加え、160℃で20時間反応させた。冷却後、キレート樹脂(三菱化学社製の商品名ダイヤイオンCR20)3gを添加し、10分間撹拌後、不溶性の固体を濾過した。濾液を精製し、化1中のX1及びX2が酸素原子である下記の化2で示される縮合複素環化合物(M−1)を得た。 縮合複素環化合物(M−2)の合成 温度計、攪拌機、還流冷却器及び滴下ロートを備えた四つ口フラスコに、公知の手法を用いて合成した1,2,4,5−テトラキス(ヒドロキシメチル)ベンゼン19.8g(0.1モル)、トリエチルアミン1.0g(0.01モル)、N,N−ジメチルスルホキシド10g及びトルエン10gを仕込み、ここにメタンスルホニルクロリド47.0g(0.41モル)をN,N−ジメチルスルホキシド50gに溶かした溶液を−50℃で滴下し、5時間かけて室温まで昇温した。40℃で1時間熟成した後、0℃まで冷却し、ここに硫化ナトリウム17.2g(0.22モル)を懸濁させたN,N−ジメチルスルホキシド20gを滴下し、5時間かけて70℃まで昇温した。冷却後、飽和硫酸ナトリウム溶液とヘキサンで分液し、油層を希塩酸と飽和硫酸ナトリウム溶液で洗浄後、エバポレータにて溶媒を除去し、反応粗生成物を得た。 得られた前記の反応粗生成物をジクロロメタン10gに溶かした後、0℃まで冷却した。ここに2,3‐ジクロロ−5,6−ジシアノ−p−ベンゾキノン22.7g(0.1モル)をジクロロメタン50gに溶かした溶液を1時間かけて滴下した後、2時間かけて室温まで昇温した。反応液の溶媒留去後、カラム精製を行い、化1中のX1及びX2がメチレン基である下記の化3で示される縮合複素環化合物(M−2)を得た。 試験区分2(導電性高分子の製造) 実施例1 50mLバイアルに試験区分1で得た縮合複素環化合物(M−1)0.5g、p−トルエンスルホン酸Na0.5g、過硫酸アンモニウム3.0g及び水6gを仕込み、窒素置換した後、0℃下で48時間撹拌し、導電性高分子を合成した。合成した導電性高分子をフィルタで濾取し、20回繰り返し純水洗浄した後、真空中で12時間乾燥して、実施例1の導電性高分子を得た。 実施例2〜7、10、11及び比較例1〜3 実施例1の導電性高分子の合成と同様にして、表1に示す条件で、実施例2〜7、10、11及び比較例1〜3の導電性高分子を得た。 実施例8 200mLビーカーに試験区分1で得た縮合複素環化合物(M−1)0.5g及びp−トルエンスルホン酸Na0.5gを加え、合計200gとなるように50%イソプロピルアルコール水溶液を加えて窒素置換した。2枚のステンレス板を挿入し、0℃でステンレス板間に2Vの電圧を1時間かけ、陽極板上に導電性高分子を合成した。合成した導電性高分子を掻き落とした後、フィルタで濾取し、20回繰り返し純水洗浄した後、真空中で12時間乾燥して、実施例8の導電性高分子を得た。 実施例9 50mLバイアルに試験区分1で得た縮合複素環化合物(M−1)0.5g、p−トルエンスルホン酸鉄5g及びエタノール20gを仕込み、窒素置換した後、0℃で48時間撹拌し、導電性高分子を合成した。合成した導電性高分子をフィルタで濾取し、20回繰り返し純水洗浄した後、真空中で12時間乾燥して、実施例9の導電性高分子を得た。 試験区分3(導電性高分子の評価) 試験区分2で得られた導電性高分子0.5gを測り取り、プレス機にて直径20mmのペレット状にプレスして評価サンプルとした。各評価サンプルの電気伝導度をロレスタGP MCP−T610型(三菱化学アナリテック社製)を用い、JIS−K7194に準じて四探針法で測定して算出し、下記の評価基準にて評価した。評価結果を表1に示した。 評価基準(電気伝導度) ◎:電気伝導度が40S/cm以上であり、導電性が優れている。 ○:電気伝導度が25S/cm以上40S/cm未満であり、導電性が良好である。 △:電気伝導度が10S/cm以上25S/cm未満であり、導電性が劣る。 ×:電気伝導度が10S/cm未満であり導電性が悪い。 表1において、 M−1,M−2:試験区分1で合成した縮合複素環化合物 M−3:3,4−エチレンジオキシチオフェン M−4:ピロール TSNa:p−トルエンスルホン酸ナトリウム PSNa:フェノールスルホン酸ナトリウム TSFe:p−トルエンスルホン酸鉄(重合添加剤兼酸化剤) APS:過硫酸アンモニウム C:化学酸化反応による酸化重合 E:電解酸化反応による酸化重合 縮合複素環化合物等の割合(%):全構成単位中におけるM−1〜M−4から形成された単位の割合(質量%) 表1の結果からも明らかなように、本発明によると、従来の導電性高分子よりも導電性に優れた導電性高分子を得ることができる。 下記の化1で示される縮合複素環化合物から形成された単位を構成単位として有することを特徴とする導電性高分子。 (化1において、 X1,X2:CH2又はO) 化1で示される縮合複素環化合物から形成された構成単位を全構成単位中に5質量%以上有する請求項1記載の導電性高分子。 コンデンサ用のものである請求項1又は2記載の導電性高分子。 請求項1記載の化1で示される縮合複素環化合物を、又は該縮合複素環化合物とこれと共重合可能な他のモノマーとを、溶媒及びドーパント化合物の存在下に、電解酸化反応及び/又は化学酸化反応により酸化重合することを特徴とする導電性高分子の製造方法。【課題】従来のポリアニリン、ポリピロール及びポリエチレンジオキシチオフェンよりも導電性に優れた導電性高分子を得ることができる導電性高分子用モノマー及びそのような導電性高分子を提供する。【解決手段】導電性高分子用モノマーとして、重合反応点を有する2個の複素環を分子中に有する特定の縮合複素環化合物を用いた。【選択図】なし


ページのトップへ戻る

生命科学データベース横断検索へ戻る