タイトル: | 公開特許公報(A)_コラーゲン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤及びセラミド合成促進剤 |
出願番号: | 2014106463 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 36/00,A61P 43/00,A61P 17/00,A61P 17/16 |
神谷 智康 八尋 衣里奈 高垣 欣也 大石 祐一 JP 2015221759 公開特許公報(A) 20151210 2014106463 20140522 コラーゲン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤及びセラミド合成促進剤 株式会社東洋新薬 398028503 羽鳥 修 100076532 松嶋 善之 100101292 神谷 智康 八尋 衣里奈 高垣 欣也 大石 祐一 A61K 36/00 20060101AFI20151113BHJP A61P 43/00 20060101ALI20151113BHJP A61P 17/00 20060101ALI20151113BHJP A61P 17/16 20060101ALI20151113BHJP JPA61K35/78 BA61P43/00 107A61P43/00 105A61P17/00A61P17/16 6 OL 15 特許法第30条第2項適用申請有り 第68回日本栄養・食糧学会大会講演要旨集(平成26年4月30日、公益社団法人日本栄養・食糧学会発行) 4C088 4C088AB03 4C088AC06 4C088BA07 4C088BA08 4C088BA11 4C088MA52 4C088NA14 4C088ZB21 4C088ZB22 4C088ZC21 本発明は、コラーゲン、ヒアルロン酸及びセラミドの合成促進剤並びにこれらの成分の合成に関与する遺伝子の発現促進剤に関する。 コラーゲンは、生体たんぱく質の約30%を占める生体骨格の主たる構造たんぱく質である。コラーゲンは、生体の支持組織として構造維持に重要な役割を果たしているほか、皮膚、血管、腱、骨、歯など体内の殆どの組織に存在して細胞を保護し、細胞間因子として細胞の結合など重要な生理的役割を果たしている。体内に存在するコラーゲンのうち、特に皮膚に存在するコラーゲンについては、これまで美容や皮膚疾患や皮膚傷害の治療との関連から多く研究されている。皮膚は表皮と、表皮の下部に存在する真皮より構成され、真皮は皮膚の中でも最も領域の広い部分である。その真皮の90%以上を細胞外マトリックスが占めるところ、コラーゲンはこの細胞外マトリックスを構成する主要成分である。皮膚に存在するコラーゲンとしてはI型コラーゲンやIII型コラーゲンが挙げられ、I型コラーゲンは、大人の真皮に存在する全コラーゲンの80%を占めるといわれている。I型コラーゲンは、2つのα1鎖と1つのα2鎖からなり、骨や皮膚を形成し、弾力性をもたせる役割を有するといわれている。このα1鎖をコードする遺伝子として、COL1A1が知られている。また、III型コラーゲンは、3本の同一のα1(III)鎖を含むホモ三量体コラーゲンである。III型コラーゲンは、比較的細い繊維で、細網線維と呼ばれる細い網目状の構造を形成し、細胞などの足場を作っているほか、組織に柔軟性を与えるとされる。このα1(III)鎖をコードする遺伝子としてCOL3A1が知られている。 ヒアルロン酸は、皮膚における表皮及び真皮、軟骨、関節液などに存在する高分子多糖類であり、細胞間隙への水分の保持、組織内にジェリー状のマトリックスを形成することに基づく細胞の保持、組織の潤滑性と柔軟性の保持、機械的障害等の外力に対する抵抗、および細菌感染の防止など、多くの機能を有している。ヒアルロン酸は、コラーゲンと共に皮膚、特に真皮中の細胞外マトリックスに多量に存在し、水分を保持する能力が非常に高く、肌のみずみずしさ、ハリ、弾力性に深く関わっている。ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸合成酵素により生成される。哺乳類のヒアルロン酸合成酵素としては、Has1、Has2及びHas3が存在することが知られている。Has2はヒトの真皮における主要なヒアルロン酸合成酵素であり、保湿力の高い高分子ヒアルロン酸の合成に関与するといわれている。Has3はヒトの表皮における主要なヒアルロン酸合成酵素とされている。また、Has3は低分子ヒアルロン酸を合成するところ、この低分子ヒアルロン酸は免疫機構で機能していることが予想され、人工換気による肺障害等との関係が知られている。 セラミドは、表皮の中でも、最も外側に位置する角質層における角質間細胞脂質の主要成分であり、体内の水分の蒸発を抑える役割を担っている。具体的には、セラミドは、皮膚の最外層を覆う角層細胞間脂質の主成分として特異的に存在し、皮膚本来がもつ生体と外界とのバリア膜としての機能維持に重要な役割を果たしている。角層の構造はレンガとモルタルに例えられ、約15層ほどに積み重なった角層細胞を細胞間脂質が繋ぎ止める形で強固なバリア膜を形成している。角層細胞は、アミノ酸を主成分とする天然保湿因子を細胞内に含有することによって水分を保持し、一方、角質細胞間脂質は、約50%のセラミドを主成分とし、コレステロール、脂肪酸等の両親媒性脂質から構成されており、疎水性部分と親水性部分が交互に繰り返される層板構造、いわゆるラメラ構造を特徴としている。セラミドは、表皮細胞の角化の過程において、セリンとパルミトイル−CoAを基に、セラミド合成の律速酵素として知られるセリンパルミトイルトランスフェラーゼをはじめとした酵素の働きにより生成される。 コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドについては、加齢や紫外線暴露、乾燥、酸化等の様々な原因により減少することが知られている。例えば皮膚中のI型コラーゲンが低減することは、皮膚や骨等の強度を低減させ、III型コラーゲンが低減することは皮膚の水分を低減させる等といわれている。皮膚においてI型コラーゲン及びIII型コラーゲンが低減することは、皮膚のシワやタルミの原因となることが知られている。また、皮膚中のヒアルロン酸が減少することは、皮膚の乾燥、皮膚のハリの衰え、弾性の低下、皺の原因となるほか、関節の機能異常等に関係することが知られている。また、セラミドについても、角質層の間における脂質(つまり、角質間細胞脂質)としてセラミドの分泌が損なわれると皮膚が水分を保てなくなり、アトピー性皮膚炎など、水分不足に起因して様々な皮膚疾患を発症するといわれている。 また近年、高脂肪食の摂取により、皮膚のI型コラーゲンやヒアルロン酸の量がその構成遺伝子又は合成酵素の遺伝子発現量と共に低減することが報告されており(非特許文献1)、皮膚の萎縮や創傷治癒の遅れ、床ずれの悪化等との関係が指摘されている。 コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドの産生を促進する作用を有する組成物としてこれまでに様々なものが提案されている。例えばコラーゲン産生促進作用を有するものとして、特許文献1には、シスタチン及び/又はシスタチン分解物が記載されており、特許文献2には、TGF−β及び/又はTGF−β分解物が記載されており、特許文献3には、リンゴンベリー(Vaccinium vitis-idaea)とアムラ(Phyllanthus emblica又はEmblica officinale)の植物体又はその抽出物が記載されており、特許文献4には、グリセロリン脂質が記載されている。またヒアルロン酸産生促進作用を有するものとして、特許文献5には、ヒアルロン酸またはその薬学的に許容される塩が記載されており、特許文献6には、乳塩基性タンパク質画分及び/又は乳塩基性タンパク質画分分解物が記載されており、特許文献7には、卵殻膜が記載されている。また、セラミド産生促進作用を有するものとして、特許文献8には、スフィンゴイド類が記載されている。特開2012−077019号公報特開2012−167021号公報特開2013−014561号公報特開2013−060476号公報特開2013−180989号公報特開2013−234129号公報特開2014−040402号公報特開2012−092032号公報Mol. Nutr. Food. Res. 2010, 54, S53-S61 本発明の課題は、皮膚等におけるコラーゲンの合成の促進に有効な剤を提供することにある。また本発明の課題は、皮膚等におけるヒアルロン酸の合成の促進に有効な剤を提供することにある。また本発明の課題は、皮膚等におけるセラミドの合成促進に有効な剤を提供することにもある。 本発明は、松樹皮処理物を含有することを特徴とする、コラーゲン合成促進剤を提供する。 本発明は、松樹皮処理物を含有することを特徴とする、コラーゲン遺伝子COL1A1又はCOL3A1の発現促進剤を提供する。 本発明は、松樹皮処理物を含有することを特徴とする、ヒアルロン酸合成促進剤を提供する。 本発明は、松樹皮処理物を含有することを特徴とする、ヒアルロン酸合成酵素であるHas2又はHas3の遺伝子発現促進剤を提供する。 本発明は、松樹皮処理物を含有することを特徴とする、セラミドの合成促進剤を提供する。 本発明は、松樹皮処理物を含有することを特徴とする、セラミド合成酵素であるSPTの遺伝子発現促進剤を提供する。 本発明によれば、皮膚等におけるコラーゲンの合成の促進に有効な剤が提供される。本発明によれば皮膚等におけるヒアルロン酸の合成の促進に有効な剤が提供される。本発明によれば、皮膚等におけるセラミドの合成の促進に有効な剤が提供される。図1は、実施例及び参考例におけるコラーゲン遺伝子COL1A1発現量を示すグラフである。図2は、実施例及び参考例におけるコラーゲン遺伝子COL3A1発現量を示すグラフである。図3は、実施例及び参考例におけるヒアルロン酸合成酵素Has2の遺伝子発現量を示すグラフである。図4は、実施例及び参考例におけるヒアルロン酸合成酵素Has3の遺伝子発現量を示すグラフである。図5は、実施例及び参考例におけるセラミド合成酵素SPTの遺伝子発現量を示すグラフである。 以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき説明する。本発明は松樹皮処理物を含有するコラーゲン合成促進剤、コラーゲン遺伝子の発現促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子の発現促進剤、セラミドの合成促進剤及びセラミド合成酵素遺伝子の発現促進剤に関するものである。好ましくは、松樹皮処理物を有効成分として含有し、より好ましくは、松樹皮抽出物を有効成分として含有する。以下、これらの剤を総称して本発明の剤ともいう。以下の説明は、特に断らない限り、本発明の剤のいずれにも当てはまる。 本発明の剤に用いる松樹皮処理物の原料松としては、フランス海岸松(Pinus Martima)、ニュージーランドマツ、フィンランドマツ、エキナタマツ、カラマツ、クロマツ、アカマツ、ヒメコマツ、ゴヨウマツ、チョウセンマツ、ハイマツ、ストローブマツ、サトウマツ、リュウキュウマツ、スラッシュマツ、カリビアマツ、リギダマツ、テ−ダマツ、ダイオウショウ、タイワンアカマツ、バンクスマツ、ウツクシマツ、ダイオウマツ、シロマツ、カナダのケベック地方のアネダ等が挙げられる。中でも、フランス海岸松、ニュージーランドマツ、フィンランドマツの樹皮処理物が好ましく、特に、フランス海岸松が好ましい。 フランス海岸松は、南仏の大西洋沿岸の一部に生育している海洋性松をいう。このフランス海岸松の樹皮は、フラボノイド類であるプロアントシアニジン(proanthocyanidin)を主要成分として含有する他に、有機酸ならびにその他の生理活性成分等を含有している。この主要成分であるプロアントシアニジンには、活性酸素を除去する強い抗酸化作用があることが知られている。 松樹皮処理物としては、松の樹皮を粉砕して得られる松樹皮粉砕物、水及び/又は有機溶媒で抽出して得られる松樹皮抽出物を挙げることができる。これらは単独、混合のいずれでも使用できる。中でも、上述するプロアントシアニジンやその他生理活性成分による使用時の効果の顕著性や品質の安定性の観点から松樹皮抽出物を用いることが好ましい。松樹皮抽出物を得るに当たり、水を用いる場合には温水、または熱水が用いられる。抽出に用いる有機溶媒としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、ブタン、アセトン、ヘキサン、シクロヘキサン、プロピレングリコール、含水エタノール、含水プロピレングリコール、エチルメチルケトン、グリセリン、酢酸メチル、酢酸エチル、ジエチルエーテル、ジクロロメタン、食用油脂、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1,2−トリクロロエテン等の食品あるいは薬剤の製造に許容される有機溶媒が好ましく用いられる。これらの水、有機溶媒は単独で用いてもよいし、組合わせて用いてもよい。特に、熱水、含水エタノール、含水プロピレングリコール等が好ましく用いられる。 松樹皮抽出物を得るための松樹皮からの抽出方法は特に制限はないが、例えば、加温抽出法、超臨界流体抽出法等が用いられる。 超臨界流体抽出法とは、物質の気液の臨界点(臨界温度、臨界圧力)を超えた状態の流体である超臨界流体を用いて抽出を行う方法である。超臨界流体としては、二酸化炭素、エチレン、プロパン、亜酸化窒素(笑気ガス)等が用いられるが、二酸化炭素が好ましく用いられる。 超臨界流体抽出法では、目的成分を超臨界流体によって抽出する抽出工程と、目的成分と超臨界流体を分離する分離工程とを行う。分離工程では、圧力変化による抽出分離、温度変化による抽出分離、吸着剤・吸収剤を用いた抽出分離のいずれを行ってもよい。 また、エントレーナー添加法による超臨界流体抽出を行ってもよい。この方法は、抽出流体に、例えば、エタノール、プロパノール、n−ヘキサン、アセトン、トルエン、その他の脂肪族低級アルコール類、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類を2〜20W/V%程度添加し、この流体を用いて超臨界流体抽出を行うことによって、目的とする抽出物の抽出溶媒に対する溶解度を飛躍的に上昇させる、あるいは分離の選択性を増強させる方法であり、効率的な松樹皮抽出物を得る方法である。 超臨界流体抽出法は、比較的低い温度で操作できるため、高温で変質・分解する物質にも適用できるという利点、抽出流体が残留しないという利点、溶媒の循環利用が可能であるため、脱溶媒工程等が省略でき、工程がシンプルになるという利点がある。 また、松樹皮抽出物を得るための松樹皮からの抽出方法は、上述の抽出法以外に、液体二酸化炭素回分法、液体二酸化炭素還流法、超臨界二酸化炭素還流法等の方法によって行ってもよい。 松樹皮抽出物を得るための松樹皮からの抽出方法は、複数の抽出方法を組み合わせてもよい。複数の抽出方法を組み合わせることにより、種々の組成の松樹皮抽出物を得ることが可能となる。 松樹皮からの抽出物は、限外濾過、あるいは吸着性担体(ダイヤイオンHP−20、Sephadex−LH20、キチン等)を用いたカラム法またはバッチ法などにより、精製を行うことが安全性の面から好ましい。また、必要に応じて、減圧濃縮、凍結乾燥などの方法により濃縮または乾燥して、液状、ペースト状、または粉末状(抽出物粉末)、細粒状、顆粒状としてもよい。松樹皮抽出物等の松樹皮処理物は、粉末状、細粒状、顆粒状であることが好ましい。 本発明に用いられる松樹皮処理物は、主な成分の一つとして、プロアントシアニジンを含有することが好ましい。プロアントシアニジンは、フラバン−3−オールおよび/またはフラバン−3,4−ジオールを構成単位とする重合度が2以上の縮重合体からなる化合物群をいう。プロアントシアニジンは、植物が作り出す強力な抗酸化物質であり、植物の葉、樹皮、果実の皮および種に集中的に含まれている。なお、このプロアントシアニジンは、ヒトの体内では生成することができない物質である。 松樹皮処理物に含有するプロアントシアニジンとしては、特に、重合度が低い縮重合体が多く含まれるプロアントシアニジンが好ましい。重合度の低い縮重合体としては、重合度が2〜30の縮重合体(2〜30量体)が好ましく、重合度が2〜10の縮重合体(2〜10量体)がより好ましく、重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)がさらに好ましい。重合度が2〜4の縮重合体(2〜4量体)のプロアントシアニジンは、特に体内に吸収されやすい。本明細書では、重合度が2〜4の重合体を、オリゴメリック・プロアントシアニジン(oligomeric proanthocyanidin、以下「OPC」と称する)という。 本発明に用いられる松樹皮処理物は、OPCを10質量%以上、好ましくは15質量%以上、より好ましくは20質量%以上の割合で含有する抽出物であることが望ましい。 松樹皮は、プロアントシアニジンの中でもOPCに富むため、プロアントシアニジンの原料として好ましく用いられる。しかし、松樹皮には、プロアントシアニジンだけでなく、プロアントシアニジン以外の成分も含まれている。例えば、松樹皮処理物が抽出物である場合、プロアントシアニジンを植物体より抽出する工程により、様々な有機酸やフラボノイドも抽出される。そのような有機酸やフラボノイドは、プロアントシアニジン以外の成分である。そのような有機酸やフラボノイドとしては、例えば、カフェー酸、フマル酸、キナ酸、没食子酸、バニリン酸、フェルラ酸、並びにカテキン類などが挙げられる。 松樹皮抽出物を得るための松樹皮からの抽出方法について、具体的に好ましい態様としては、以下の方法を挙げることができる。ただしこの方法に限定されるものではない。 フランス海岸松の樹皮1kgを、塩化ナトリウムの飽和溶液3Lに入れ、100℃にて30分間抽出し、抽出液を得る(抽出工程)。その後、抽出液を濾過し、得られる不溶物を塩化ナトリウムの飽和溶液500mLで洗浄し、洗浄液を得る(洗浄工程)。この抽出液と洗浄液を合わせて、松樹皮の粗抽出液を得る。 次いで、この粗抽出液に酢酸エチル250mLを添加して分液し、酢酸エチル層を回収する工程を5回行う。回収した酢酸エチル溶液を合わせて、無水硫酸ナトリウム200gに直接添加して脱水する。その後、この酢酸エチル溶液を濾過し、濾液を元の5分の1の量になるまで減圧濃縮する。濃縮された酢酸エチル溶液を2Lのクロロホルムに注ぎ、攪拌して得られる沈殿物を濾過により回収する。この沈殿物を酢酸エチル100mLに溶解した後、再度1Lのクロロホルムに添加して沈殿させる操作を2回繰り返す洗浄工程を行う。この方法により、例えば、OPCを20質量%以上含有する松樹皮抽出物を得ることができる。 本発明の剤は、上記に説明した松樹皮処理物を含有するものである。 本発明の剤においては、上記松樹皮処理物のみからなるものであってもよいが、松樹皮処理物以外に、他の素材を配合することに特に制限はなく、必要に応じて、薬学的に許容される基材や担体を添加して、公知の製剤方法によって、例えば粉末状、粒状、顆粒状、錠状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、液状、飴状、ペースト状、クリーム状、ハードカプセルやソフトカプセルのようなカプセル状、カプレット状、タブレット状、ゲル状、ゼリー状、グミ状、ウエハース状、ビスケット状、クッキー状、チュアブル状、シロップ状、スティック状等の形態にして、これを飲食品や経口剤(医薬品や医薬部外品を含む)として利用することができる。 また、本発明の剤は、松樹皮処理物をティーバッグ状に分包し、お湯に成分を浸出させてから飲むものであってもよい。また、その服用形態としては、水、お湯、牛乳などに溶いて飲むようにしたり、飲食品等に添加して摂取したりしてもよい。 本発明の剤においては、上記成分以外に、他の素材として、例えば、ビタミン類、タンパク質、水溶性食物繊維、オリゴ糖、ミネラル類、ムコ多糖類、乳製品、豆乳製品、植物又は植物加工品、乳酸菌、納豆菌、酪酸菌、麹菌、酵母などの微生物を配合することができる。更に必要に応じて通常食品分野で用いられる、アスコルビン酸、トコフェロール、リボフラビン、β-カロテン、葉酸、ビオチンなどのビタミン類;カルシウム、マグネシウム、セレン、鉄などのミネラル類;タウリン、ニンニクなどに含まれる含硫化合物;ヘスペリジン、ケルセチンなどのフラバノイド類やフラボノイド類;難消化性デキストリン、アルギン酸、キチン、キトサン、グアーガムなどの食物繊維;大豆蛋白、コラーゲンなどのタンパク質;ペプチド;アミノ酸;乳脂肪、ラード、牛脂、魚油などの動物性油脂;大豆油、菜種油などの植物性油脂;オレンジ、レモン、グレープフルーツ、いちごなどの果実およびその果汁Fローヤルゼリー、プロポリス、はちみつ、還元麦芽糖、乳糖、糖アルコール、液糖;これら以外の賦形剤、結合剤、滑沢剤、安定剤、希釈剤、増量剤、増粘剤、乳化剤、着色料、香料、食品添加物、調味料などを挙げることができる。その他の成分の含有量は、本発明の剤の剤形や求められる効果のレベルや内容等に応じて適宜選択することができる。 本発明の剤は上述したように飲食品や経口剤(医薬品、医薬部外品を含む)として用いられていてもよい。例えば、本発明の剤を、松樹皮処理物に加えて脂質を含有させてここでいう飲食品等の形態として用いた場合、脂質の摂取に伴う皮膚のコラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドの減少を、効果的に防止することが可能でありうるため好ましい。この場合、飲食品等の形態である本発明の剤において、脂質100質量部に対し、松樹皮処理物が0.5質量部以上、特に1質量部以上であることが上記の観点から好ましい。 本発明の剤において、上記に説明した松樹皮処理物の含有量は、使用する松樹皮処理物の処理方法、剤の用途や剤形、摂取方法の違いや求められる効果のレベル等によっても異なるが、一般に、本発明の剤において、上記松樹皮処理物が0.001質量%以上50質量%以下であることが好ましく、0.005質量%以上20質量%以下であることが更に好ましい。 本発明において、松樹皮処理物の含有量に特に制限はない。好ましくは、成人1日あたりの摂取量が、松樹皮処理物として1〜5000mg、より好ましくは2〜3000mgとなるように含有することが好ましい。 本発明の剤は、後述する実施例で示すように、これを経口摂取することにより、皮膚におけるI型コラーゲンの構成成分をコードする遺伝子であるCOL1A1及び/又はIII型コラーゲンの構成成分をコードする遺伝子であるCOL3A1の発現を促進することを通じて、コラーゲンの合成を促進するものである。このため、本発明の剤は、コラーゲン合成促進剤としてだけでなく、コラーゲン遺伝子発現促進剤、特に、I型コラーゲン遺伝子及び/又はIII型コラーゲン遺伝子発現促進剤、具体的には、COL1A1及び/又はCOL3A1の発現促進剤としても用いることができる。このような本発明の剤は体内、特に皮膚や骨のコラーゲン減少に伴う様々な障害、疾患、疾病等の機能低下を予防又は改善することができる。例えば、皮膚のターンオーバーを促して皮膚のハリ及び弾力性を改善すると共に潤いを与え、皮膚のたるみ、かさつき、肌荒れ、シワ等の皮膚トラブルを予防又は改善する効果を奏しうる。 また、本発明の剤は、後述する実施例で示すように、これを経口摂取することにより、ヒアルロン酸合成酵素であるHas2及びHas3をそれぞれコードする遺伝子の発現を促進することを通じて、ヒアルロン酸の合成を促進するものである。このため、本発明の剤は、ヒアルロン酸合成促進剤としてだけでなく、ヒアルロン酸合成酵素遺伝子発現促進剤、特に、具体的には、Has2遺伝子及び/又はHas3遺伝子の発現促進剤としても用いることができる。このようにヒアルロン酸合成酵素の遺伝子発現を通じてヒアルロン酸合成促進を図ることにより、本発明の剤は体内、特に皮膚のヒアルロン酸減少に伴う様々な障害、疾患、疾病等の機能低下を防止することができる。例えば、皮膚の保湿を促して皮膚のハリ及び弾力性を改善すると共に潤いを与え、皮膚の肌荒れ、シワ、かさつき等の皮膚トラブルを予防又は改善したり、関節障害、関節軟膏損傷等を予防又は改善する効果を奏しうる。特に本発明の剤は、真皮のヒアルロン酸を合成する主要酵素であり、ヒアルロン酸合成酵素の中でも比較的保湿性の高い高分子ヒアルロン酸を産出するといわれるHas2の発現を促進することで、高い美容効果を奏しうるものである。また、本発明の剤は、Has3の発現を促進することで、表皮のヒアルロン酸の合成を促進するほか、免疫機能を強化し得る。 また、本発明の剤は、後述する実施例で示すように、これを経口摂取することにより、セラミド合成酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラーゼ(SPT)をコードする遺伝子の発現を促進することを通じて、セラミドの合成を促進するものである。このため、本発明のセラミド合成促進剤は、セラミド合成酵素遺伝子発現促進剤、特に、具体的には、SPT遺伝子の発現促進剤としても用いることができる。このようにSPTの遺伝子発現を通じてセラミド合成促進を図ることにより、本発明の剤は皮膚、特に表皮におけるセラミド減少に伴う様々な障害、疾患、疾病等の機能低下を防止することができる。例えば、皮膚の保湿を促して、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎、乾癬など、様々な皮膚症状の予防・改善を効果的に行えるようになることが期待される。 更に本発明の剤は、コラーゲン、ヒアルロン酸、セラミドの各成分の合成を促進することによる相乗効果により、有効な経口摂取用の皮膚改善剤、とりわけシワ又はタルミの防止又は改善剤、皮荒れの予防又は改善剤等に用いることができる。本発明の剤は、ヒト及びヒト以外の動物(哺乳類等)のいずれを対象にしてもよい。 更に、後述する実施例で示すように、本発明の剤は、高脂肪食摂取時においてCOL1A1及び/又はCOL3A1の発現促進することが可能であり、高脂肪食の摂取によるコラーゲンの量の低下を抑制することが可能である。ここでいう高脂肪食の例としては、脂質のエネルギー比率が20%以上の飲食品を挙げることができる。したがって、本発明の剤は、高脂肪食によるコラーゲン量の低下の抑制剤としても用いることができる。 同様に、本発明の剤は、高脂肪食摂取時においてHas2遺伝子及び/又はHas3遺伝子の発現を促進することが可能であり、高脂肪食の摂取によるヒアルロン酸の量の低下を抑制することが可能である。したがって、本発明の剤は、高脂肪食によるヒアルロン酸の低下の抑制剤としても用いることができる。 更に、本発明の剤は、高脂肪食摂取により低下したセラミド量及びSPT遺伝子の発現量を防止することが可能である。したがって、本発明の剤は、高脂肪食によるセラミド量及びセラミド合成酵素遺伝子発現量の低下の抑制剤としても用いることができる。 このような本発明の剤は、特に、例えば高脂肪食下における皮膚の萎縮や創傷治癒の遅れ、床ずれの悪化等の治療等にも有効でありうる。 以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし本発明の範囲はかかる実施例に限定されない。以下、特に断らない場合「%」は質量%、「部」は質量部を表す。 〔参考例1〕 AIN-76Gに準拠した標準食を、参考例1のサンプル食とした。参考食1の脂質のエネルギー比率は12%であった。参考例1のサンプル食の組成を下記表1に示す。 〔参考例2〕 高脂肪食のモデルとして、参考例1のサンプル食において、ショ糖の量を50.0部から30.0部に減らし、また、コーン油5.0部の代わりにラード25.0部を配合して、参考例2のサンプル食とした。参考食2の脂質のエネルギー比率は46%であった。 〔実施例1〕 松樹皮処理物として、松樹皮抽出物(商品名「フラバンジェノール」(登録商標、株式会社東洋新薬製)を、参考例2のサンプル食100部に対し5部添加し、混合して、実施例1のサンプル食とした。 参考例1及び2並びに実施例1のサンプルを以下の<コラーゲン、ヒアルロン酸及びセラミドの合成促進試験>に供した。<コラーゲン、ヒアルロン酸及びセラミドの合成促進試験> 4週齢SD系雄性ラット18匹を参考例1のサンプル食にて、1週間馴化飼育後、6匹ずつ、参考例1のサンプル食の摂取群、参考例2のサンプル食の摂取群、実施例1のサンプル食の摂取群の3群に分けて4週間飼育した。食餌は、午後4時から翌午前10時まで供与し、水は自由摂取とした。 4週間飼育した後、餌抜きし、ソムノペンチルで麻酔後、背部毛を剃った。背部の毛を沿った部分に瞬間接着剤を塗布したスライドグラスを付着させ、脂質を採取した。次に背部の皮膚を採取し、臀部付近の皮膚から直径18mmの円盤状皮膚を4枚抜き取った。摂取した部分のうち、残りの皮膚からRNAを抽出し、COL1A1、COL3A1、Has2遺伝子、Has3遺伝子、およびSPT遺伝子のそれぞれの発現量(mRNA量)を以下の方法で測定した。また、円盤状の皮膚から以下の方法でコラーゲン量、ヒアルロン酸量およびセラミド量を測定した。<遺伝子発現量の測定> 皮膚切片を液体窒素下で破砕後、SV Total RNA Isolation System (Promega社)を用いてtotal RNAを抽出した。得られたRNAについて濃度測定後、アガロース電気泳動にてRNAが分解されていないことを確認した。このtotal RNAをHigh Capacity cDNA Reverse Transcription Kit (Applied Biosystems社)を用いてcDNA化した後、下記のプライマー及びプローブを用い、real time PCR System (Applied Biosystems社)により、COL1A1、COL3A1、Has2遺伝子、Has3遺伝子及びSPT遺伝子のそれぞれの発現量を測定した。 それぞれの遺伝子の発現量は、β-actinを内部標準として算定した。COL1A1及びCOL3A1の発現量の平均値及び標準誤差の結果を表2並びに図1及び図2に、Has2遺伝子及びHas3遺伝子の発現量の平均値及び標準誤差の結果を表3並びに図3及び図4に、SPT遺伝子の発現量平均値及び標準誤差のを表4及び図5にそれぞれ示す。これらの表及び図において各遺伝子の発現量は、参考例1の摂取群における発現量を1とした場合の相対値として示した。得られた遺伝子発現量について、Kruskal-Wallis-H-testにて検定した後、Student-Newman -Keuls testにて多重比較で確認することにより、有意差の検定を行った。図1〜図5における小文字のアルファベットが異なる場合、有意差があることを示す。 プライマー及びプローブの配列 ラットCOL1A1(Genbank accession number:Z78279) 非特許文献1のTable2に記載のプライマー及びプローブを用いた。 ラットCOL3A1Forward primer: 5’-TTGGGATGCAACTACCTTGGT-3’/配列番号1Reverse primer: 5’-TCCCCACTCCCACACACAT-3’/配列番号2Probe: FAM-TGACATGGTTCTGGCTTCCAGACATCTCT-TAMRA/配列番号3の配列の5’末端を6-FAMで修飾し、3’末端をTAMRAで修飾したもの ラットHas2遺伝子(Genbank accession number:AF008201) 非特許文献1のTable2に記載のプライマー及びプローブを用いた。 ラットHas3遺伝子(Genbank accession number:AF543196) 非特許文献1のTable2に記載のプライマー及びプローブを用いた。 ラットSPT遺伝子Forward primer: 5’-CAGTGCAGCCTGCTTTGCTA-3’/配列番号4Reverse primer: 5’-GCCTTTCGAGGATTCTTTTGATC-3’/配列番号5Probe: FAM-CCAGAAAGGACTACAGGCATCACGCAG-TAMRA/配列番号6の配列の5’末端を6-FAMで修飾し、3’末端をTAMRAで修飾したもの ラットβ−actin遺伝子(Genbank accession number:V01217) 非特許文献1のTable2に記載のプライマー及びプローブを用いた。<I型コラーゲン量の測定> 円盤状の皮膚1枚の重量を測定した。その後、皮膚を解剖バサミで細断後、皮膚重量100mg当たり2.5mlの冷生理食塩水を添加し、ホモジナイズした。皮膚懸濁液を4℃にて20時間振盪後、遠心し、上清を得た。この上清中に含まれるトロポコラーゲンを測定対象であるコラーゲンとした。 コラーゲン量の測定は、ウエスタンブロッティング法を用いて行った。前記で得られた上清を、6%ポリアクリルアミドゲルを用いたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)にかけた。電気泳動後のたんぱく質を、ニトロセルロース膜に移し、一次抗体として抗ヒトI型コラーゲン抗体(Lockland社製)を用い、二次抗体として、HRP-抗rabbit抗体(GE社製)を用いてI型コラーゲン量を測定した。定量は、蛍光・発光画像解析装置LAS-3000(富士フィルム社製)を用いて行った。結果を表2に示す。同表においてI型コラーゲン量は、参考例1のI型コラーゲン量を1とした場合の相対値として示した。<ヒアルロン酸量の測定> 円盤状の皮膚1枚の重量を測定後、アセトンで脱脂し、再度重量を測定した。皮膚を細断後、脱脂後皮膚重量100mg当たり5mlの50mM Tris/HCl緩衝液(pH7.8)を添加し、20分間煮沸した。得られた煮沸物に等量の2mg/mlアクチナーゼE溶液(科研製薬)を添加し、1週間40℃にて反応させた。反応停止は、冷トリクロロ酢酸水溶液を終濃度10%になるように添加させて行った。遠心後、上清を回収し、アミコンウルトラ30K(ミリポア社)にて1mlに濃縮した。この濃縮液500μlをヒアルロニダーゼ(生化学工業社製)にて18時間60℃にて処理後、マイクロコン30(ミリポア社)にて処理した。マイクロコンの透過液のウロン酸量を測定して、ヒアルロン酸量とした。ウロン酸の測定方法は“Bitter,T,.et al, A modeified uronic acid carbazole reaction. Anal Biochem. 1962, 4,330-334 ”に記載された方法で行った。結果を表3に示す。同表においてヒアルロン酸量は、参考例1のヒアルロン酸量を1とした場合の相対値として示した。< セラミド量の測定> スライドグラスに瞬間接着剤を塗布して採取したラット背部角質層をヘキサン:エタノール(体積比95:5)溶液に浸し、超音波処理で脂質を抽出した。抽出液から窒素ガスにて溶媒を蒸発させ、角質層の脂質を得た。クロロホルムにて脂質濃度を一定にした後、シリカゲルプレート (メルク社、HPTLC Silica gel 60F)にスポッティングし、クロロホルム:メタノール:酢酸(体積比192:7:1)で展開した。展開後、硫酸銅・リン酸溶液(リン酸8gおよび硫酸銅(II)・五水和物15.63gを水に溶解し、100mlにした溶液)を噴霧し、乾燥後、150℃にて10分間加熱し、脂質を発色させた。セラミドのスポットを蛍光・発光画像解析装置LAS-3000(富士フィルム社製)にて数値化した。結果を表4に示す。同表においてセラミド量は、参考例1のセラミド量を1とした場合の相対値として示した。 表2並びに図1及び図2の結果から、松樹皮処理物を含有していない参考例1及び参考例2は、皮膚におけるCOL1A1及びCOL3A1の発現量が低いのに対し、松樹皮処理物を含有している実施例1では、COL1A1及びCOL3A1の発現量が有意に高いことが判る。また表2から、高脂肪食を摂取した参考例2では、普通食を摂取した参考例1よりも皮膚のI型コラーゲン合成量が低減する傾向がみられるところ、実施例1では高脂肪食を摂取しているにも関わらず、普通食である参考例1と同程度に皮膚のI型コラーゲン量が高いことが判る。 表3並びに図3及び図4の結果から、松樹皮処理物を含有していない参考例1及び参考例2は、皮膚におけるHas2及びHas3遺伝子の発現量が低いのに対し、松樹皮処理物を含有している実施例1では、Has2及びHas3遺伝子の発現量が有意に高いことが判る。また表3から、高脂肪食を摂取した参考例2では、普通食を摂取した参考例1よりも皮膚のヒアルロン酸量が低減する傾向がみられるところ、実施例1では高脂肪食を摂取しているにも関わらず、普通食である参考例1以上にヒアルロン酸量が高いことが判る。 表4及び図5の結果から、松樹皮処理物を含有していない高脂肪食を摂取した参考例2は、皮膚におけるSPT遺伝子の発現量が低いのに対し、高脂肪食と共に松樹皮処理物を摂取した実施例1では、SPT遺伝子の発現量が有意に高いことが判る。また表4から、高脂肪食を摂取した参考例2では、普通食を摂取した参考例1よりも表皮のセラミドが低減する傾向がみられるところ、実施例1では高脂肪食を摂取しているにも関わらず、普通食である参考例1以上に表皮のセラミド量が高いことが判る。 松樹皮処理物を含有することを特徴とする、コラーゲン合成促進剤。 松樹皮処理物を含有することを特徴とする、コラーゲン遺伝子であるCOL1A1又はCOL3A1の発現促進剤。 松樹皮処理物を含有することを特徴とする、ヒアルロン酸合成促進剤。 松樹皮処理物を含有することを特徴とする、ヒアルロン酸合成酵素であるHas2又はHas3の遺伝子発現促進剤。 松樹皮処理物を含有することを特徴とする、セラミド合成促進剤。 松樹皮処理物を含有することを特徴とする、セラミドの合成酵素であるSPTの遺伝子発現促進剤。 【課題】有効なコラーゲン合成促進剤、ヒアルロン酸合成促進剤、セラミド合成促進剤を提供すること。【解決手段】本発明のコラーゲン(ヒアルロン酸、セラミド)の合成促進剤は松樹皮処理物を含有する。本発明のコラーゲン合成促進剤は、皮膚におけるCOL1A1及びCOL3A1の発現を促進するものである。また、本発明のヒアルロン酸合成促進剤は、皮膚におけるヒアルロン酸合成酵素であるHas2又はHas3の遺伝子発現を増強させるものである。本発明のセラミド合成促進剤は、セラミドの合成酵素であるSPTの遺伝子発現を増強させるものである。【選択図】なし配列表