生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カルボスチリルとカルニチンの組み合わせ医薬
出願番号:2014089474
年次:2014
IPC分類:A61K 31/4709,A61K 31/205,A61P 9/00,A61P 9/10,A61P 25/00,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

卜部 貴夫 上野 祐司 折戸 謙介 大野 啓 JP 2014159458 公開特許公報(A) 20140904 2014089474 20140423 カルボスチリルとカルニチンの組み合わせ医薬 大塚製薬株式会社 000206956 鮫島 睦 100100158 田村 恭生 100068526 品川 永敏 100126778 森本 靖 100150500 卜部 貴夫 上野 祐司 折戸 謙介 大野 啓 JP 2008065448 20080314 JP 2008118289 20080430 A61K 31/4709 20060101AFI20140808BHJP A61K 31/205 20060101ALI20140808BHJP A61P 9/00 20060101ALI20140808BHJP A61P 9/10 20060101ALI20140808BHJP A61P 25/00 20060101ALI20140808BHJP A61P 43/00 20060101ALI20140808BHJP JPA61K31/4709A61K31/205A61P9/00A61P9/10 101A61P9/10A61P25/00A61P43/00 105 5 2010550400 20090313 OL 42 4C086 4C206 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC62 4C086GA07 4C086MA02 4C086MA04 4C086NA05 4C086ZA01 4C086ZA36 4C086ZB21 4C086ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206FA59 4C206MA02 4C206MA04 4C206NA05 4C206ZA01 4C206ZA36 4C206ZB21 4C206ZC75 本発明は、閉塞性および/または虚血性血管障害、特に閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤に関する。さらに詳しくは、一般式(1)[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤に関する。 前記一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩ならびにその製法は、特公昭63−20235号公報および特開昭55−35019号公報に記載されており、それが血小板凝集抑制作用、ホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害作用、抗潰瘍作用、降圧作用及び消炎作用を有し、抗血栓症剤、脳循環改善剤、消炎剤、抗潰瘍剤、降圧剤、抗喘息剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤などとして有用であることが知られている。前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)は慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善の効能効果で上市されている。 カルニチンはビタミンBTとも呼ばれており、肝・腎で必須アミノ酸のリジンとメチオニンから生合成され、比較的細胞膜を透過しやすく、各組織に分布するほか尿中に排泄される。カルニチンとしては、L−カルニチン、塩化カルニチン、塩化レボカルニチン、アセチルカルニチンなどが知られており、特に塩化レボカリニチンはプロピオン酸血症、メチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善の効能・効果で上市されており(商品名:エルカルチン錠)、また下肢循環不全に対する有用性も指摘されている。さらに、L-カルニチンは食品素材として認められている。 閉塞性の末梢動脈疾患としては、急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、間歇性跛行などが挙げられる。 急性動脈閉塞症というのは動脈が何らかの原因で急激に閉塞してしまう疾患で、突然の疼痛、冷感、蒼白、しびれなどの症状がみられる。 閉塞性血栓血管炎は四肢の末梢動脈、とくに足に好発する血管炎であり、それによる慢性動脈閉塞症でありビュルガー病、或いはバージャ病として知られている。また、閉塞性血栓血管炎は、厚生労働省により特定疾患治療研究対象疾患に定められている。 閉塞性動脈硬化症は四肢の動脈が動脈硬化により狭窄・閉塞し、血行障害を起こす疾患である。 腰部脊柱管狭窄症は腰椎部の脊柱管が何らかの原因により狭窄され、その中の神経組織が圧迫される病態である。 間歇性跛行は末梢動脈疾患の最も一般的な症状で、脚の動脈が徐々に狭くなるために起こる。痛み、けいれん、筋肉の疲労感がみられ、運動中に一定の間隔で起こり、 痛みは休むことによって治まり、また歩き続けることができるが、それまでに歩いた距離と同じ距離を歩くと再び痛みが出る。急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症が原因となって間歇性跛行を起こす場合も多い。 脳血管障害としては、脳の血管(血流)に異常が発生し、出血による炎症・圧排または虚血による脳組織の障害により発症する障害であり、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死などがあげられる。また、脳梗塞は、動脈の閉塞・狭窄のため、虚血を来たし、脳組織が壊死、または壊死に近い状態になる事をいう。 したがって、シロスタゾールに代表される前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体は、閉塞性の末梢動脈疾患に対する治療薬及び脳梗塞の再発防止に対する治療薬として広く用いられ有効ではあるが、本発明者らは、更に治療効果が高い治療剤を求めて研究を重ねていた。 本発明者らは、種々研究を重ねるうちに、前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)またはその塩と、カルニチンまたはその塩を併用あるいは合剤として投与した場合に、飛躍的に閉塞性の末梢動脈疾患治療剤に増強効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。特に本発明者らは、併用することによって、従来のシロスタゾール単独投与より治療効果が相乗的に顕著に増強しうることを見出した。しかも、これらの併用又は合剤により速効性があり、毒性も少なく、長期に渡って投与することができることを見出した。本発明は安全面の上で有効な末梢動脈疾患治療剤である。 また、本発明者らは、前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)またはその塩と、カルニチンまたはその塩を併用あるいは合剤として投与した場合に、飛躍的に脳血管障害に増強効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明者らは、併用することによって、従来のシロスタゾール単独投与より治療効果が相乗的に顕著に増強しうることを見出した。特に併用あるいは合剤とすることによって、酸化ストレスを減らし、オリゴデンドロサイト細胞数を増加し、アポトーシスを増長させることにより、脳血管障害治療に有効に働くことを見出した。しかも、これらの併用又は合剤により速効性があり、毒性も少なく、長期に渡って投与することができることを見出した。本発明は安全面の上で有効な脳血管障害治療剤である。 また、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)またはその塩と、カルニチンまたはその塩を併用あるいは合剤として投与することは、今までに知られていない。 本発明によれば、一般式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む組み合わせ医薬を提供する。 また本発明によれば、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む組み合わせ医薬を提供する。 本発明によればまた、一般式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤を提供する。 また本発明によれば、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤を提供する。 本発明によれば、上記組み合わせ医薬の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、閉塞性の末梢動脈疾患および/または脳血管障害の治療方法を提供する。 本発明によれば、上記治療剤を製造するための上記組み合わせ医薬の使用を提供する。 また本発明によれば、閉塞性の末梢動脈疾患が急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、または間歇性跛行である上記治療剤または治療方法を提供する。また、閉塞性の末梢動脈疾患が間歇性跛行である上記治療剤を提供する。 また本発明によれば、脳血管障害が急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である上記治療剤または治療方法を提供する。 本発明によれば、末梢動脈疾患治療用および/または脳血管障害治療用の上記組み合わせ医薬を含む組成物を提供する。 本発明によれば、カルボスチリル誘導体(1)、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩と、カルニチンまたはその塩との組み合わせ医薬は、効果的に末梢動脈疾患に対する治療および予防効果があり、効果的に脳血管障害に対する治療および予防、再発防止効果があり、また広く脳保護作用を有する。反復投与開始直前(0日目)、7、14、21、28日目後のトレッドミル上でラットの歩様異常を呈するまでの距離に及ぼすシロスタゾール、L−カルニチンおよびこれらの併用の効果を示した。**は、Bonferroniの多重比較で有意差があることを示す(<0.01)。各投与群におけるGST−pi染色(/0.25cm2)によるGST−pi陽性細胞数の経時変化を示す。各投与群における8−OHdG染色による8−OHdG陽性細胞数の経時変化を示す。各投与群におけるHNE染色によるHNE陽性細胞数の経時変化を示す。各投与群におけるss−DNA染色によるss−DNA陽性細胞数の経時変化を示す。 本発明の合剤の1つの成分として含有される、またはカルニチンまたはその塩と併用して用いられるカルボスチリル誘導体は、式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体またはその塩である。 上記式(1)において、シクロアルキル基には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルのようなC3〜C8シクロアルキル基が含まれる。好ましいシクロアルキル基はシクロヘキシルである。低級アルキレン基には、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ブチレンおよびペンチレンのようなC1〜C6アルキレン基が含まれ、好ましいのはテトラメチレンである。 好ましいカルボスチリル誘導体は、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルであり、抗血小板薬としてシロスタゾールの商品名で市場に出ている。 本発明のカルボスチリル誘導体(1)は医薬的に許容される酸を作用させることによって容易に塩を形成し得る。該酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることができる。 これらのカルボスチリル誘導体(1)およびその塩、並びにその製造方法については、特開昭55−35019号公報(対応米国特許第4,277,479号)に開示されている。 もう一つの活性成分であるカルニチンは、L-カルニチン、塩化カルニチン、塩化レボカルニチン、アセチルカルニチンなどが挙げられるが、特にL−カルニチン、塩化レボカルニチンが好ましい。本発明のカルニチンは医薬的に許容される酸を作用させることによって容易に塩を形成し得る。該酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることができる。 これらの活性成分、カルボスチリル誘導体(1)またはその塩、およびカルニチンまたはその塩は、一緒に投与してもよく、または同時にもしくは別の時に別々に投与してもよい。これらの成分は通常、従前の医薬製剤形に用いてもよい。そして、これらの成分は、単一製剤形または分離した製剤形での医薬製剤に調製してもよい。 上記式(1)のカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む本発明の治療剤は、閉塞性の末梢動脈疾患、例えば、急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、間歇性跛行などに対して有効な治療効果を示すが、特に間歇性跛行に対してより有効な治療効果を示す。 上記式(1)のカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む本発明の治療剤は、脳血管障害、例えば、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死に対して有効な治療効果を示し、また広く脳保護作用を有する。 脳血管障害としては、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害、脳神経細胞死などが挙げられる。脳梗塞は、動脈の閉塞・狭窄のため、虚血を来たし、脳組織が壊死、または壊死に近い状態になる事をいう。急性期にその症状は最も強く、フリーラジカルを抑制することが予後向上に繋がるとの報告もある。また、脳梗塞の既往がある人の脳梗塞再発率は高い。一過性脳虚血性発作は脳の循環障害により一過性に脳局所症状を呈する発作で、多くは数分−数時間で回復する。脳出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳のなかに出血した状態をいう。くも膜下出血は脳脊髄液に出血し、死亡率が非常に高い疾患である。硬膜下血腫は頭蓋骨の内側で脳を包んでいる硬膜の機膜と、脳の間に出血がたまって血腫になったものである。大脳皮質障害を生じると、大脳皮質の機能障害が生じ、痴呆や認知障害をもたらす要因となる。脳神経細胞死には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、加齢による大脳機能障害(アルツハイマー、老年性記憶障害等)によって起こるものや、脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死を挙げることができる。 これらの活性成分の用量は、特定の範囲に制限されない。カルボスチリル(1)またはその塩は、成人(体重50kg)で50〜200mg/日の量で用いてもよく、1日1回または1日2回〜数回に分けて投与される。カルニチンは、成人(体重50kg)で50〜1000mgを通常1日1〜3回に分けて投与する。これらの成分が単一の製剤で調製される場合、カルボスチリル誘導体(1)またはその塩の1重量部あたりカルニチンが0.1〜100重量部、好ましくは1〜20重量部の比率で混合される。また、合剤の製剤においては、これに限らないが、例えばその活性成分の和がその製剤の組成物に対して0.1〜70重量%含まれている。 本発明の合剤あるいは併用して用いる場合のそれぞれの製剤の形態としては、例えば、特開平10−175864号公報に挙げられている製剤が挙げられ、その代表的なものとして、錠剤、カプセル剤などの経口固形剤、シロップ剤、エリキシル剤などの経口液剤、注射剤など非経口投与用製剤、並びに吸入剤などが挙げられる。 錠剤、カプセル剤、経口液剤のような製剤は、常法によって製造できる。錠剤は、活性成分を、ゼラチン、デンプン、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガムなどのような通常の医薬担体と混合することで製造してもよい。カプセル剤は、医薬的に不活性な充填剤または希釈剤と混合し、硬ゼラチンカプセルまたは軟カプセルに充填することで製造してもよい。シロップ剤またはエリキシル剤のような経口液剤は、活性成分と、甘味料(例えば、ショ糖)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、着色料、香料などとを混合して製造される。非経口投与用製剤もまた、常法、例えば、本発明の活性成分を無菌の水性担体(好ましくは水または生理食塩水)に溶かして調製してもよい。非経口投与に適した好ましい液剤は、上述の活性成分の1日用量を水および有機溶媒に溶かし、更に分子量300〜5000を有するポリエチレングリコールに溶かして、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールのような潤滑剤と混ぜて製造される。上記の液剤は好ましくは更に、殺菌剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、チメロサール)、殺真菌剤、および更に適宜等張剤(例えば、ショ糖、塩化ナトリウム)、局所麻酔剤、安定剤、および緩衝剤などと混合してもよい。安定性を維持する観点から、非経口投与用製剤をカプセルに充填し、続いて通常の凍結乾燥技術で水溶媒を除いてもよく、使用に際しては、水溶媒に溶かして液剤に戻される。吸入剤は常法に従って製造される。すなわち、活性成分化合物を粉末または液状にして、吸入噴射剤および/または担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。また上記活性成分化合物が粉末の場合は通常の機械的粉末吸入器を、液状の場合はネブライザー等の吸入器をそれぞれ使用することもできる。さらに吸入剤には、必要に応じて従来より使用されている界面活性剤、油、調味料、シクロデキストリンまたはその誘導体等を適宜配合することができる。 上記で挙げられた添加剤の具体的な例示、調製方法等については、これに制限されないが、特開平10−175864号公報に開示されているものが挙げられる。間歇性跛行モデルラットにおけるシロスタゾールとL−カルニチン併用の下肢循環不全改善効果 シロスタゾール単独投与と、L−カルニチン単独投与に対し、両剤を併用した場合の下肢循環改善効果について、間歇性跛行モデルラットの歩様改善効果を指標に追求した。方法(1)薬物溶液の調製 シロスタゾール(大塚製薬より供与)は、6mg/mlとなるように5%アラビアゴムで懸濁し、5ml/kgでラットに投与した。L−カルニチンHCl(シグマ)は、300mg/mlとなるように蒸留水に溶解し、1ml/kgでラットに投与した。(2)トレッドミル走行実験 Orito et al. (J Pharmacol Toxicol Methods 49, 25 - 29, 2004) の方法に準じて実験を行った。即ち、雄性SDラット(9週齢、SLC)をトレッドミル上で持続的に走行するように4日間訓練し、6日目にエーテル麻酔下で開腹し、腸骨動脈を遠位部で結紮した。結紮して3日後より4日間トレッドミル上で走行させ、その後歩様異常を呈するまでの距離の測定を開始した。4日間トレッドミル上で走行の試行の最終日のデータを参考にランダムになるよう以下の4群に分けた。各群のラットに各々所定の反復投与を行った。なお1群は9匹とした。第1群:5%アラビアゴム 5ml/kg(コントロール)2回/日経口投与第2群:シロスタゾール 30mg/kg 2回/日経口投与第3群:L−カルニチン 300mg/kg 2回/日経口投与第4群:シロスタゾール 30mg/kg + L−カルニチン 300mg/kg 2回/日経口投与 投与開始3日後に、トレッドミル試験を5日間続けて実施し、その後投与だけを2日間行った。さらにその後、連続5日間投薬とトレッドミル試験を行い、連続2日間投与だけを行うことを繰り返した。結局これを全部で4週間行った。トレッドミル試験においては、投与約1時間後に行い、トレッドミル上で歩様異常を呈するまでの距離を測定した。統計処理 反復投与開始直前(0日目)、7、14、21および28日目のラットを用いて、歩様異常を呈するまでの距離を測定し、各群間に差が認められるか否かをBonferroniの多重比較法を用いて解析した。p<0.05にて有意差ありと判断した。 反復投与0、7および14日目では、各群間に有意な差は認められなかったが、21日目では、シロスタゾール+L−カルニチン併用群でコントロール群に比べ有意に異常歩様を呈するまでの距離が延長していた(図1)。さらに反復投与28日目では、併用群の距離がコントロール群のみでなく、シロスタゾール単独投与群、L−カルニチン単独投与群と比べても有意に延長していた(図1)。 以上の結果より、シロスタゾールとL−カルニチンの併用は、シロスタゾール単独に比べ、少なくとも投与21日目以降に虚血改善効果を増強することが示唆された。 間歇性跛行は、下肢筋肉の代謝異常と血流不全が相まって起こると考えられている。本実験の結果より、カルニチンは前者下肢筋肉の代謝異常に効果があり、一方シロスタゾールは後者血流不全に効果があることで、これら2剤を併用することにより、相乗的に間歇性跛行に効果があったものと考えられる。特筆すべきは、ここでの効果は、投与を長期に続けることではじめて得られた相乗的な改善効果であり、しかもその効果は非常に顕著であり、予想をはるかに超えるものであった。慢性虚血モデルにおけるシロスタゾールの脳保護作用についての検討 脳血管性痴呆のモデル動物として、ラット慢性脳虚血動物モデルを用い、酸化ストレスおよびグリア細胞による炎症反応に対するシロスタゾールの脳保護作用について検討した。方法 Wister種ラット(雄、7〜8週齢、体重150〜200g)を用い、ワキタらの方法(Wakita et al., Acta Neuropathol (Berl). 87, 484-492, 1993)によりラットの両側内頸動脈を二重結紮し、慢性脳虚血モデルを作成する。生理学的評価として、作成前後でラットの体温および体液検査を測定し、ドプラー測定器を用いた脳血流測定を行う。ベヒクル、L−カルニチン、シロスタゾール、およびL−カルニチン・シロスタゾール併用の各投与群のラットに、虚血作成後より最終評価目標日まで自然経口摂取にて各所定の投与を連日行う。虚血後7日目、14日目、21日目、30日目に、各投与群のラットを4%PFAで灌流固定し、病理組織学(免疫組織学)的評価を行う。ラットの脳実質を20μmに薄切した後、HE、KB染色と各種免疫染色を行う。各投与量は、L−カルニチンが600mg/kg/日、シロスタゾールが50mg/kg/日で行う。 グリア細胞に関しては、アストロサイトはGFAPの抗体、ミクログリアはIba−1の抗体、オリゴデンドロサイトはグルタチオンS−トランスフェラーゼπ+(GST−pi)の抗体を用い、酸化ストレスの評価は抗4−ヒドロキシ−2−ノネナール(HNE)抗体を用いて評価する。 また、空間認識の記憶学習を測定する方法であるモリスらの方法(227. R.G.M. Morris, Spatial localization does not require the presence of local cues. Learn. Motiv. 12, pp. 239-260, (1981))に基づいて、各群においての検討を行う。結果 図2に示すように、脳梁におけるGST−pi陽性オリゴデンドロサイトは、両側総頸動脈結紮(LBCCA)後7日から14日目にかけて上昇傾向を示し、14日目以降は減少した。カルニチンやシロスタゾール投与群は、ベヒクル群に比して、オリゴデンドロサイト数が高値を示し、特にカルニチン・シロスタゾール併用群では7日目と21日目に有意差が認められた(P<0.05)。 図3に示すように、過酸化細胞障害を示す8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG)陽性細胞は、ベヒクル群では、LBCCA後7日目から28日目にかけて経時的に上昇傾向を示したが、カルニチン群、シロスタゾール群、カルニチン・シロスタゾール併用群では、いずれも有意に陽性細胞の減少が認められた(P<0.01)。 図4に示すように、過酸化代謝産物を示すHNE染色では、陽性細胞はベヒクル群に比して、カルニチン群、シロスタゾール群、カルニチン・シロスタゾール併用群は、いずれも有意な陽性細胞の減少傾向を示した(P<0.01)。14、21日目ではカルニチン・シロスタゾール群はカルニチン群に比して低値を示した(P<0.05)。 図5に示すように、アポトーシスのマーカーであるss−DNA染色では、カルニチン群では14日目、シロスタゾール群では14、21、28日目、カルニチン・シロスタゾール群では7、14、21、28日目において、ベヒクル群より有意に、陽性細胞数の減少を認めた(P<0.01)。また、薬剤投与群間では、カルニチン・シロスタゾール群は、7、21日目においてカルニチン群より、21、28日目においてシロスタゾール群より細胞数は減少した(P<0.05)。 一般式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む組み合わせ医薬。 カルボスチリル誘導体が6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩である、請求項1の組み合わせ医薬。 請求項1または2の組み合わせ医薬を含む、閉塞性の末梢動脈疾患治療剤。 カルニチンがL−カルニチン又は塩化レボカルニチンである請求項3に記載の治療剤。 閉塞性の末梢動脈疾患が急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、または間歇性跛行である請求項3または4に記載の治療剤。 閉塞性の末梢動脈疾患が間歇性跛行である請求項5の治療剤。 請求項1または2の組み合わせ医薬を含む、脳血管障害治療剤。 カルニチンがL−カルニチン又は塩化レボカルニチンである請求項7に記載の治療剤。 脳血管障害が急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である請求項7または8に記載の治療剤。 閉塞性の末梢動脈疾患の治療剤を製造するための請求項1または2の組み合わせ医薬の使用。 閉塞性の末梢動脈疾患が急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、または間歇性跛行である請求項10に記載の使用。 脳血管障害の治療剤を製造するための請求項1または2の組み合わせ医薬の使用。 脳血管障害が急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である請求項12に記載の使用。 請求項1または2の組み合わせ医薬の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、閉塞性の末梢動脈疾患の治療方法。 閉塞性の末梢動脈疾患が急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、または間歇性跛行である請求項14に記載の治療方法。 請求項1または2の組み合わせ医薬の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、脳血管障害の治療方法。 脳血管障害が急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である請求項16に記載の治療方法。 【課題】従来使用されているカルボスチリル誘導体による閉塞性の末梢動脈疾患に対する治療薬及び脳梗塞の再発防止に対する治療薬よりも更に治療効果が高い治療剤の提供。【解決手段】式(1)で表わされるカルボスチリル誘導体、好ましくは、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびカルニチンを含む脳血管障害の治療剤。【選択図】なし20140423A16333全文3 6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびL−カルニチンまたは塩化レボカルニチンを有効成分として含む組み合わせ医薬を含む、脳血管障害の治療剤。 6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を有効成分として含む医薬、およびL−カルニチンまたは塩化レボカルニチンを有効成分として含む医薬を、同時にもしくは別の時に別々に投与することを特徴とする、請求項1に記載の治療剤。 6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を有効成分として含む、脳血管障害の治療剤であって、L−カルニチンまたは塩化レボカルニチンとともに使用される治療剤。 L−カルニチンまたは塩化レボカルニチンを有効成分として含む、脳血管障害の治療剤であって、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩とともに使用される治療剤。 脳血管障害が急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である請求項1〜4のいずれかに記載の治療剤。


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特許公報(B2)_カルボスチリルとカルニチンの組み合わせ医薬

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_カルボスチリルとカルニチンの組み合わせ医薬
出願番号:2014089474
年次:2015
IPC分類:A61K 31/4709,A61K 31/205,A61P 9/00,A61P 9/10,A61P 25/00,A61P 43/00


特許情報キャッシュ

卜部 貴夫 上野 祐司 折戸 謙介 大野 啓 JP 5837128 特許公報(B2) 20151113 2014089474 20140423 カルボスチリルとカルニチンの組み合わせ医薬 大塚製薬株式会社 000206956 鮫島 睦 100100158 田村 恭生 100068526 品川 永敏 100126778 森本 靖 100150500 卜部 貴夫 上野 祐司 折戸 謙介 大野 啓 JP 2008065448 20080314 JP 2008118289 20080430 20151224 A61K 31/4709 20060101AFI20151203BHJP A61K 31/205 20060101ALI20151203BHJP A61P 9/00 20060101ALI20151203BHJP A61P 9/10 20060101ALI20151203BHJP A61P 25/00 20060101ALI20151203BHJP A61P 43/00 20060101ALI20151203BHJP JPA61K31/4709A61K31/205A61P9/00A61P9/10 101A61P9/10A61P25/00A61P43/00 105 A61K 31/4709 A61K 31/205 A61P 9/00 A61P 9/10 A61P 25/00 A61P 43/00 JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) 国際公開第2007/032557(WO,A1) 国際公開第2001/026666(WO,A1) 9 2010550400 20090313 2014159458 20140904 11 20140423 近藤 政克 本発明は、閉塞性および/または虚血性血管障害、特に閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤に関する。さらに詳しくは、一般式(1)[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤に関する。 前記一般式(1)で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩ならびにその製法は、特公昭63−20235号公報および特開昭55−35019号公報に記載されており、それが血小板凝集抑制作用、ホスホジエステラーゼ(PDE)の阻害作用、抗潰瘍作用、降圧作用及び消炎作用を有し、抗血栓症剤、脳循環改善剤、消炎剤、抗潰瘍剤、降圧剤、抗喘息剤、ホスホジエステラーゼ阻害剤などとして有用であることが知られている。前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)は慢性動脈閉塞症に基づく潰瘍、疼痛及び冷感等の虚血性諸症状の改善の効能効果で上市されている。 カルニチンはビタミンBTとも呼ばれており、肝・腎で必須アミノ酸のリジンとメチオニンから生合成され、比較的細胞膜を透過しやすく、各組織に分布するほか尿中に排泄される。カルニチンとしては、L−カルニチン、塩化カルニチン、塩化レボカルニチン、アセチルカルニチンなどが知られており、特に塩化レボカリニチンはプロピオン酸血症、メチルマロン酸血症におけるレボカルニチン欠乏の改善の効能・効果で上市されており(商品名:エルカルチン錠)、また下肢循環不全に対する有用性も指摘されている。さらに、L-カルニチンは食品素材として認められている。 閉塞性の末梢動脈疾患としては、急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、間歇性跛行などが挙げられる。 急性動脈閉塞症というのは動脈が何らかの原因で急激に閉塞してしまう疾患で、突然の疼痛、冷感、蒼白、しびれなどの症状がみられる。 閉塞性血栓血管炎は四肢の末梢動脈、とくに足に好発する血管炎であり、それによる慢性動脈閉塞症でありビュルガー病、或いはバージャ病として知られている。また、閉塞性血栓血管炎は、厚生労働省により特定疾患治療研究対象疾患に定められている。 閉塞性動脈硬化症は四肢の動脈が動脈硬化により狭窄・閉塞し、血行障害を起こす疾患である。 腰部脊柱管狭窄症は腰椎部の脊柱管が何らかの原因により狭窄され、その中の神経組織が圧迫される病態である。 間歇性跛行は末梢動脈疾患の最も一般的な症状で、脚の動脈が徐々に狭くなるために起こる。痛み、けいれん、筋肉の疲労感がみられ、運動中に一定の間隔で起こり、 痛みは休むことによって治まり、また歩き続けることができるが、それまでに歩いた距離と同じ距離を歩くと再び痛みが出る。急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症が原因となって間歇性跛行を起こす場合も多い。 脳血管障害としては、脳の血管(血流)に異常が発生し、出血による炎症・圧排または虚血による脳組織の障害により発症する障害であり、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死などがあげられる。また、脳梗塞は、動脈の閉塞・狭窄のため、虚血を来たし、脳組織が壊死、または壊死に近い状態になる事をいう。 したがって、シロスタゾールに代表される前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体は、閉塞性の末梢動脈疾患に対する治療薬及び脳梗塞の再発防止に対する治療薬として広く用いられ有効ではあるが、本発明者らは、更に治療効果が高い治療剤を求めて研究を重ねていた。 本発明者らは、種々研究を重ねるうちに、前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)またはその塩と、カルニチンまたはその塩を併用あるいは合剤として投与した場合に、飛躍的に閉塞性の末梢動脈疾患治療剤に増強効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。特に本発明者らは、併用することによって、従来のシロスタゾール単独投与より治療効果が相乗的に顕著に増強しうることを見出した。しかも、これらの併用又は合剤により速効性があり、毒性も少なく、長期に渡って投与することができることを見出した。本発明は安全面の上で有効な末梢動脈疾患治療剤である。 また、本発明者らは、前記一般式(1)で表されるカルボスチリル誘導体、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)またはその塩と、カルニチンまたはその塩を併用あるいは合剤として投与した場合に、飛躍的に脳血管障害に増強効果があることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明者らは、併用することによって、従来のシロスタゾール単独投与より治療効果が相乗的に顕著に増強しうることを見出した。特に併用あるいは合剤とすることによって、酸化ストレスを減らし、オリゴデンドロサイト細胞数を増加し、アポトーシスを増長させることにより、脳血管障害治療に有効に働くことを見出した。しかも、これらの併用又は合剤により速効性があり、毒性も少なく、長期に渡って投与することができることを見出した。本発明は安全面の上で有効な脳血管障害治療剤である。 また、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリル(シロスタゾール)またはその塩と、カルニチンまたはその塩を併用あるいは合剤として投与することは、今までに知られていない。 本発明によれば、一般式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む組み合わせ医薬を提供する。 また本発明によれば、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む組み合わせ医薬を提供する。 本発明によればまた、一般式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤を提供する。 また本発明によれば、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む閉塞性の末梢動脈疾患治療剤および/または脳血管障害治療剤を提供する。 本発明によれば、上記組み合わせ医薬の治療上の有効量を治療が必要な患者に投与することを特徴とする、閉塞性の末梢動脈疾患および/または脳血管障害の治療方法を提供する。 本発明によれば、上記治療剤を製造するための上記組み合わせ医薬の使用を提供する。 また本発明によれば、閉塞性の末梢動脈疾患が急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、または間歇性跛行である上記治療剤または治療方法を提供する。また、閉塞性の末梢動脈疾患が間歇性跛行である上記治療剤を提供する。 また本発明によれば、脳血管障害が急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である上記治療剤または治療方法を提供する。 本発明によれば、末梢動脈疾患治療用および/または脳血管障害治療用の上記組み合わせ医薬を含む組成物を提供する。 本発明によれば、カルボスチリル誘導体(1)、特に6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩と、カルニチンまたはその塩との組み合わせ医薬は、効果的に末梢動脈疾患に対する治療および予防効果があり、効果的に脳血管障害に対する治療および予防、再発防止効果があり、また広く脳保護作用を有する。反復投与開始直前(0日目)、7、14、21、28日目後のトレッドミル上でラットの歩様異常を呈するまでの距離に及ぼすシロスタゾール、L−カルニチンおよびこれらの併用の効果を示した。**は、Bonferroniの多重比較で有意差があることを示す(<0.01)。各投与群におけるGST−pi染色(/0.25cm2)によるGST−pi陽性細胞数の経時変化を示す。各投与群における8−OHdG染色による8−OHdG陽性細胞数の経時変化を示す。各投与群におけるHNE染色によるHNE陽性細胞数の経時変化を示す。各投与群におけるss−DNA染色によるss−DNA陽性細胞数の経時変化を示す。 本発明の合剤の1つの成分として含有される、またはカルニチンまたはその塩と併用して用いられるカルボスチリル誘導体は、式:[式中、Aは低級アルキレン基、Rはシクロアルキル基、カルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は一重結合または二重結合を示す]のテトラゾリルアルコキシ−ジヒドロカルボスチリル誘導体またはその塩である。 上記式(1)において、シクロアルキル基には、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルのようなC3〜C8シクロアルキル基が含まれる。好ましいシクロアルキル基はシクロヘキシルである。低級アルキレン基には、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン、テトラメチレン、ブチレンおよびペンチレンのようなC1〜C6アルキレン基が含まれ、好ましいのはテトラメチレンである。 好ましいカルボスチリル誘導体は、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルであり、抗血小板薬としてシロスタゾールの商品名で市場に出ている。 本発明のカルボスチリル誘導体(1)は医薬的に許容される酸を作用させることによって容易に塩を形成し得る。該酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることができる。 これらのカルボスチリル誘導体(1)およびその塩、並びにその製造方法については、特開昭55−35019号公報(対応米国特許第4,277,479号)に開示されている。 もう一つの活性成分であるカルニチンは、L-カルニチン、塩化カルニチン、塩化レボカルニチン、アセチルカルニチンなどが挙げられるが、特にL−カルニチン、塩化レボカルニチンが好ましい。本発明のカルニチンは医薬的に許容される酸を作用させることによって容易に塩を形成し得る。該酸としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸等の有機酸を挙げることができる。 これらの活性成分、カルボスチリル誘導体(1)またはその塩、およびカルニチンまたはその塩は、一緒に投与してもよく、または同時にもしくは別の時に別々に投与してもよい。これらの成分は通常、従前の医薬製剤形に用いてもよい。そして、これらの成分は、単一製剤形または分離した製剤形での医薬製剤に調製してもよい。 上記式(1)のカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む本発明の治療剤は、閉塞性の末梢動脈疾患、例えば、急性動脈閉塞、閉塞性血栓血管炎、閉塞性動脈硬化症、腰部脊柱管狭窄症、間歇性跛行などに対して有効な治療効果を示すが、特に間歇性跛行に対してより有効な治療効果を示す。 上記式(1)のカルボスチリル誘導体またはその塩、およびカルニチンまたはその塩を含む本発明の治療剤は、脳血管障害、例えば、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害又は脳神経細胞死に対して有効な治療効果を示し、また広く脳保護作用を有する。 脳血管障害としては、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、脳出血、くも膜下出血、硬膜下血腫、大脳皮質障害、脳神経細胞死などが挙げられる。脳梗塞は、動脈の閉塞・狭窄のため、虚血を来たし、脳組織が壊死、または壊死に近い状態になる事をいう。急性期にその症状は最も強く、フリーラジカルを抑制することが予後向上に繋がるとの報告もある。また、脳梗塞の既往がある人の脳梗塞再発率は高い。一過性脳虚血性発作は脳の循環障害により一過性に脳局所症状を呈する発作で、多くは数分−数時間で回復する。脳出血とは脳内の血管が何らかの原因で破れ、脳のなかに出血した状態をいう。くも膜下出血は脳脊髄液に出血し、死亡率が非常に高い疾患である。硬膜下血腫は頭蓋骨の内側で脳を包んでいる硬膜の機膜と、脳の間に出血がたまって血腫になったものである。大脳皮質障害を生じると、大脳皮質の機能障害が生じ、痴呆や認知障害をもたらす要因となる。脳神経細胞死には、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病、加齢による大脳機能障害(アルツハイマー、老年性記憶障害等)によって起こるものや、脳梗塞などの虚血性脳機能障害の予後に起きる脳神経細胞死を挙げることができる。 これらの活性成分の用量は、特定の範囲に制限されない。カルボスチリル(1)またはその塩は、成人(体重50kg)で50〜200mg/日の量で用いてもよく、1日1回または1日2回〜数回に分けて投与される。カルニチンは、成人(体重50kg)で50〜1000mgを通常1日1〜3回に分けて投与する。これらの成分が単一の製剤で調製される場合、カルボスチリル誘導体(1)またはその塩の1重量部あたりカルニチンが0.1〜100重量部、好ましくは1〜20重量部の比率で混合される。また、合剤の製剤においては、これに限らないが、例えばその活性成分の和がその製剤の組成物に対して0.1〜70重量%含まれている。 本発明の合剤あるいは併用して用いる場合のそれぞれの製剤の形態としては、例えば、特開平10−175864号公報に挙げられている製剤が挙げられ、その代表的なものとして、錠剤、カプセル剤などの経口固形剤、シロップ剤、エリキシル剤などの経口液剤、注射剤など非経口投与用製剤、並びに吸入剤などが挙げられる。 錠剤、カプセル剤、経口液剤のような製剤は、常法によって製造できる。錠剤は、活性成分を、ゼラチン、デンプン、乳糖、ステアリン酸マグネシウム、タルク、アラビアガムなどのような通常の医薬担体と混合することで製造してもよい。カプセル剤は、医薬的に不活性な充填剤または希釈剤と混合し、硬ゼラチンカプセルまたは軟カプセルに充填することで製造してもよい。シロップ剤またはエリキシル剤のような経口液剤は、活性成分と、甘味料(例えば、ショ糖)、保存剤(例えば、メチルパラベン、プロピルパラベン)、着色料、香料などとを混合して製造される。非経口投与用製剤もまた、常法、例えば、本発明の活性成分を無菌の水性担体(好ましくは水または生理食塩水)に溶かして調製してもよい。非経口投与に適した好ましい液剤は、上述の活性成分の1日用量を水および有機溶媒に溶かし、更に分子量300〜5000を有するポリエチレングリコールに溶かして、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ポリビニルピロリドンおよびポリビニルアルコールのような潤滑剤と混ぜて製造される。上記の液剤は好ましくは更に、殺菌剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール、チメロサール)、殺真菌剤、および更に適宜等張剤(例えば、ショ糖、塩化ナトリウム)、局所麻酔剤、安定剤、および緩衝剤などと混合してもよい。安定性を維持する観点から、非経口投与用製剤をカプセルに充填し、続いて通常の凍結乾燥技術で水溶媒を除いてもよく、使用に際しては、水溶媒に溶かして液剤に戻される。吸入剤は常法に従って製造される。すなわち、活性成分化合物を粉末または液状にして、吸入噴射剤および/または担体中に配合し、適当な吸入容器に充填することにより製造される。また上記活性成分化合物が粉末の場合は通常の機械的粉末吸入器を、液状の場合はネブライザー等の吸入器をそれぞれ使用することもできる。さらに吸入剤には、必要に応じて従来より使用されている界面活性剤、油、調味料、シクロデキストリンまたはその誘導体等を適宜配合することができる。 上記で挙げられた添加剤の具体的な例示、調製方法等については、これに制限されないが、特開平10−175864号公報に開示されているものが挙げられる。間歇性跛行モデルラットにおけるシロスタゾールとL−カルニチン併用の下肢循環不全改善効果 シロスタゾール単独投与と、L−カルニチン単独投与に対し、両剤を併用した場合の下肢循環改善効果について、間歇性跛行モデルラットの歩様改善効果を指標に追求した。方法(1)薬物溶液の調製 シロスタゾール(大塚製薬より供与)は、6mg/mlとなるように5%アラビアゴムで懸濁し、5ml/kgでラットに投与した。L−カルニチンHCl(シグマ)は、300mg/mlとなるように蒸留水に溶解し、1ml/kgでラットに投与した。(2)トレッドミル走行実験 Orito et al. (J Pharmacol Toxicol Methods 49, 25 - 29, 2004) の方法に準じて実験を行った。即ち、雄性SDラット(9週齢、SLC)をトレッドミル上で持続的に走行するように4日間訓練し、6日目にエーテル麻酔下で開腹し、腸骨動脈を遠位部で結紮した。結紮して3日後より4日間トレッドミル上で走行させ、その後歩様異常を呈するまでの距離の測定を開始した。4日間トレッドミル上で走行の試行の最終日のデータを参考にランダムになるよう以下の4群に分けた。各群のラットに各々所定の反復投与を行った。なお1群は9匹とした。第1群:5%アラビアゴム 5ml/kg(コントロール)2回/日経口投与第2群:シロスタゾール 30mg/kg 2回/日経口投与第3群:L−カルニチン 300mg/kg 2回/日経口投与第4群:シロスタゾール 30mg/kg + L−カルニチン 300mg/kg 2回/日経口投与 投与開始3日後に、トレッドミル試験を5日間続けて実施し、その後投与だけを2日間行った。さらにその後、連続5日間投薬とトレッドミル試験を行い、連続2日間投与だけを行うことを繰り返した。結局これを全部で4週間行った。トレッドミル試験においては、投与約1時間後に行い、トレッドミル上で歩様異常を呈するまでの距離を測定した。統計処理 反復投与開始直前(0日目)、7、14、21および28日目のラットを用いて、歩様異常を呈するまでの距離を測定し、各群間に差が認められるか否かをBonferroniの多重比較法を用いて解析した。p<0.05にて有意差ありと判断した。 反復投与0、7および14日目では、各群間に有意な差は認められなかったが、21日目では、シロスタゾール+L−カルニチン併用群でコントロール群に比べ有意に異常歩様を呈するまでの距離が延長していた(図1)。さらに反復投与28日目では、併用群の距離がコントロール群のみでなく、シロスタゾール単独投与群、L−カルニチン単独投与群と比べても有意に延長していた(図1)。 以上の結果より、シロスタゾールとL−カルニチンの併用は、シロスタゾール単独に比べ、少なくとも投与21日目以降に虚血改善効果を増強することが示唆された。 間歇性跛行は、下肢筋肉の代謝異常と血流不全が相まって起こると考えられている。本実験の結果より、カルニチンは前者下肢筋肉の代謝異常に効果があり、一方シロスタゾールは後者血流不全に効果があることで、これら2剤を併用することにより、相乗的に間歇性跛行に効果があったものと考えられる。特筆すべきは、ここでの効果は、投与を長期に続けることではじめて得られた相乗的な改善効果であり、しかもその効果は非常に顕著であり、予想をはるかに超えるものであった。慢性虚血モデルにおけるシロスタゾールの脳保護作用についての検討 脳血管性痴呆のモデル動物として、ラット慢性脳虚血動物モデルを用い、酸化ストレスおよびグリア細胞による炎症反応に対するシロスタゾールの脳保護作用について検討した。方法 Wister種ラット(雄、7〜8週齢、体重150〜200g)を用い、ワキタらの方法(Wakita et al., Acta Neuropathol (Berl). 87, 484-492, 1993)によりラットの両側内頸動脈を二重結紮し、慢性脳虚血モデルを作成する。生理学的評価として、作成前後でラットの体温および体液検査を測定し、ドプラー測定器を用いた脳血流測定を行う。ベヒクル、L−カルニチン、シロスタゾール、およびL−カルニチン・シロスタゾール併用の各投与群のラットに、虚血作成後より最終評価目標日まで自然経口摂取にて各所定の投与を連日行う。虚血後7日目、14日目、21日目、30日目に、各投与群のラットを4%PFAで灌流固定し、病理組織学(免疫組織学)的評価を行う。ラットの脳実質を20μmに薄切した後、HE、KB染色と各種免疫染色を行う。各投与量は、L−カルニチンが600mg/kg/日、シロスタゾールが50mg/kg/日で行う。 グリア細胞に関しては、アストロサイトはGFAPの抗体、ミクログリアはIba−1の抗体、オリゴデンドロサイトはグルタチオンS−トランスフェラーゼπ+(GST−pi)の抗体を用い、酸化ストレスの評価は抗4−ヒドロキシ−2−ノネナール(HNE)抗体を用いて評価する。 また、空間認識の記憶学習を測定する方法であるモリスらの方法(227. R.G.M. Morris, Spatial localization does not require the presence of local cues. Learn. Motiv. 12, pp. 239-260, (1981))に基づいて、各群においての検討を行う。結果 図2に示すように、脳梁におけるGST−pi陽性オリゴデンドロサイトは、両側総頸動脈結紮(LBCCA)後7日から14日目にかけて上昇傾向を示し、14日目以降は減少した。カルニチンやシロスタゾール投与群は、ベヒクル群に比して、オリゴデンドロサイト数が高値を示し、特にカルニチン・シロスタゾール併用群では7日目と21日目に有意差が認められた(P<0.05)。 図3に示すように、過酸化細胞障害を示す8−ヒドロキシデオキシグアノシン(8−OHdG)陽性細胞は、ベヒクル群では、LBCCA後7日目から28日目にかけて経時的に上昇傾向を示したが、カルニチン群、シロスタゾール群、カルニチン・シロスタゾール併用群では、いずれも有意に陽性細胞の減少が認められた(P<0.01)。 図4に示すように、過酸化代謝産物を示すHNE染色では、陽性細胞はベヒクル群に比して、カルニチン群、シロスタゾール群、カルニチン・シロスタゾール併用群は、いずれも有意な陽性細胞の減少傾向を示した(P<0.01)。14、21日目ではカルニチン・シロスタゾール群はカルニチン群に比して低値を示した(P<0.05)。 図5に示すように、アポトーシスのマーカーであるss−DNA染色では、カルニチン群では14日目、シロスタゾール群では14、21、28日目、カルニチン・シロスタゾール群では7、14、21、28日目において、ベヒクル群より有意に、陽性細胞数の減少を認めた(P<0.01)。また、薬剤投与群間では、カルニチン・シロスタゾール群は、7、21日目においてカルニチン群より、21、28日目においてシロスタゾール群より細胞数は減少した(P<0.05)。 6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む組み合わせ医薬を含む、閉塞性/虚血性血管障害の治療、予防または再発防止のための薬剤。 閉塞性/虚血性血管障害が、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、一過性脳虚血性発作、大脳皮質障害又は脳神経細胞死である、請求項1に記載の薬剤。 閉塞性/虚血性血管障害が、急性脳梗塞、慢性脳梗塞、または一過性脳虚血性発作である、請求項1に記載の薬剤。 有効成分が、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩と、カルニチンまたはその塩のみからなる、請求項1〜3のいずれかに記載の薬剤。 カルニチンまたはその塩が、L−カルニチンまたは塩化レボカルニチンである、請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤。 カルニチンまたはその塩が、L−カルニチンまたは塩化レボカルニチンから選択される1種のみからなる、請求項1〜4のいずれかに記載の薬剤。 6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を有効成分として含む医薬、およびカルニチンまたはその塩を有効成分として含む医薬を、同時にもしくは別の時に別々に投与することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の薬剤。 6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩を有効成分として含む、閉塞性/虚血性血管障害の治療、予防または再発防止のための薬剤であって、カルニチンまたはその塩とともに使用される薬剤。 カルニチンまたはその塩を有効成分として含む、閉塞性/虚血性血管障害の治療、予防または再発防止のための薬剤であって、6−[4−(1−シクロヘキシル−1H−テトラゾール−5−イル)ブトキシ]−3,4−ジヒドロカルボスチリルまたはその塩とともに使用される薬剤。


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