タイトル: | 公開特許公報(A)_テトラゾール化合物又はその塩、接着剤組成物及び接着テープ |
出願番号: | 2014088277 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | C07D 257/04,C09J 201/00,C09J 11/06,C09J 7/02 |
林 聡史 利根川 亨 杉田 大平 福岡 正輝 JP 2015078170 公開特許公報(A) 20150423 2014088277 20140422 テトラゾール化合物又はその塩、接着剤組成物及び接着テープ 積水化学工業株式会社 000002174 特許業務法人 安富国際特許事務所 110000914 林 聡史 利根川 亨 杉田 大平 福岡 正輝 JP 2013090625 20130423 JP 2013107021 20130521 JP 2013189734 20130912 C07D 257/04 20060101AFI20150327BHJP C09J 201/00 20060101ALI20150327BHJP C09J 11/06 20060101ALI20150327BHJP C09J 7/02 20060101ALI20150327BHJP JPC07D257/04 EC09J201/00C09J11/06C09J7/02 Z 9 OL 42 4J004 4J040 4J004AA17 4J004AB04 4J004AB07 4J004CA03 4J004CA04 4J004CA06 4J004CC02 4J040HB03 4J040HB14 4J040HB43 4J040JB02 4J040JB07 4J040KA17 4J040LA08本発明は、耐熱性に優れ、かつ、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性に優れるテトラゾール化合物又はその塩、該テトラゾール化合物又はその塩を含有する接着剤組成物、接着テープに関する。テトラゾール化合物又はその塩は、光を照射することにより気体(窒素ガス)を発生する一方、200℃程度の高温化でも分解しない高い耐熱性を発揮するという特異な性質を有する。近年、テトラゾール化合物のこのような性質を利用した種々の製品が検討されている。例えば、特許文献1には、接着剤成分と、特定の一般式で表されるテトラゾール化合物又はその塩とを含有する接着剤組成物が記載されている。接着剤成分を含有する接着剤組成物は、接着剤、シーリング剤、塗料、コーティング剤等のバインダー剤、粘着テープ又は自立テープ等の粘着剤等に広く用いられている。これらの接着剤組成物に求められる性能はその用途により様々であるが、用途によっては、必要な間だけ接着性を示すがその後は容易に剥がせることが要求されることがある。例えば、半導体チップの製造工程において、高純度なシリコン単結晶等から切り出した厚膜ウエハを所定の厚さにまで研磨して薄膜ウエハとする工程等において、厚膜ウエハを支持板に接着して補強することにより、効率よく作業を進めることが提案されている。また、所定の厚さに研削された薄膜ウエハを個々の半導体チップにダイシングする際にも、ダイシングテープと呼ばれる粘着テープが用いられる。このような半導体の製造工程に用いる接着剤組成物には、工程中には強固に接着する一方で、工程終了後には得られた薄膜ウエハや半導体チップ等を損傷することなく剥離できること(以下、「高接着易剥離」ともいう。)が求められる。次世代の技術として、複数の半導体チップを積層させてデバイスを飛躍的に高性能化、小型化したTSV(Si貫通ビヤ/Through Si via)を使った3次元積層技術が注目されている。TSVは、半導体実装の高密度化が可能であり、アクセススピードが飛躍的に速く、使用中に発生する熱の放出にも優れる。このようなTSVの製造では、研削して得た薄膜ウエハをバンピングしたり、裏面にバンプ形成したり、3次元積層時にリフローを行ったりする等の200℃以上の高温処理プロセスを行うことが必要となる。従って、TSVの製造工程に用いる接着剤組成物には、高接着易剥離に加えて、250℃程度の高温化でも接着性を維持できる耐熱性が求められる。特許文献1においては、高い接着力を有する一方で容易に剥離でき、かつ、耐熱性にも優れる接着剤組成物として、テトラゾール化合物又はその塩とを含有する接着剤組成物を開示している。特許文献1において用いられる、特定の一般式で表されるテトラゾール化合物又はその塩は、光を照射することにより気体(窒素ガス)を発生する一方、200℃程度の高温化でも分解しない高い耐熱性を有する。そして、これらの化合物と接着剤成分とを併用した接着剤組成物は、高い接着力を有する一方で容易に剥離でき、かつ、TSVの製造工程に用いることが可能な程度に耐熱性にも優れる。国際公開第2001/118506号パンフレット特許文献1において用いられた特定の一般式で表されるテトラゾール化合物又はその塩は、光を照射することにより気体(窒素ガス)を発生する一方、200℃程度の高温化でも分解しない高い耐熱性を有する。しかしながら、これらの従来のテトラゾール化合物は、耐熱性の点では極めて優れるものの、光反応性の点では問題があった。とりわけ、従来のテトラゾール化合物は、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性が低く、紫外線を照射しても充分な量の気体(窒素ガス)が発生しなかったり、発生したとしても非常に長時間の紫外線照射を要したりするという問題があった。本発明は、上記現状に鑑み、耐熱性に優れ、かつ、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性に優れるテトラゾール化合物又はその塩、該テトラゾール化合物又はその塩を含有する接着剤組成物、接着テープを提供することを目的とする。本発明は、分子量が800以下で、かつ、下記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物又はその塩である。式(1)中、nは2以上の整数を表す。R1は、下記式(2−1)〜(2−9)で表される基のいずれかを表す。R2〜Rn−1は、下記式(3−1)〜(3−85)で表される基のいずれかを表し、それぞれ同一であってもよいし異なっていてもよい。Rnは、下記式(2−1)〜(2−9)、(4−1)〜(4−54)で表されるいずれかを表す。式中、R、R’は、水素、炭素数1〜7のアルキル基、アルキレン基、フェニル基、メルカプト基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、グリシジル基、ベンズアミド基、p−エポキシフェニル基、ニトロ基、アセトアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、アミノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、アセトアミド基、アセトキシ基、スルホン酸基、アルデヒド基、アセチル基、又は、シラノール基を表す。Xは、炭素、窒素、酸素、りん、珪素、硫黄を表す。以下に本発明を詳述する。本発明者らは、鋭意検討の結果、分子量が800以下で、かつ、上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物は、耐熱性に優れ、かつ、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性にも優れることを見出し、本発明を完成した。これは、構造中に光感受性に優れるフェニル基、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フェナントレン骨格のうち一つ以上の構造を有し、かつ、フェニル基、ナフタレン骨格、アントラセン骨格、フェナントレン骨格のような剛直性の高い分子構造を選択して化合物が剛直化したことにより、耐熱性と光反応性とを両立できたためと考えられる。なかでも、より分子量が小さいテトラゾール化合物が好適である。なぜなら、分子量が小さいと同量のテトラゾール化合物を配合した場合に、気体を発生する官能基の総量が多くなり、結果的にガス発生量が多くなるからである。また、総じて分子量が小さいテトラゾール化合物の方がシンプルで合成が容易である。分子量が800以下で、上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物の塩もまた、本発明に含まれる。このような塩も、上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物に由来する骨格を有することから、高い耐熱性と波長300nm以上の紫外線に対する反応性とを有する。分子量が800以下で、上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物の塩は特に限定されず、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩、亜鉛塩、銅塩、リチウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、セシウム塩等が挙げられる。このようなテトラゾール化合物の塩は、分子量が800以下で、上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物と塩基性化合物とを容器中で混合するだけで、複雑な合成経路を経ることなく簡単に調製することができる。上記塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、アミン、ヒドラジン化合物、水酸化四級アンモニウム塩、ホスフィン化合物等が挙げられる。上記アミンは特に限定されず、一級アミン、二級アミン及び三級アミンのいずれをも用いることができる。上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物又はその塩のなかでも、波長300〜400nmにおけるモル吸光係数の最大値が100L/mol・cm以上であるテトラゾール化合物又はその塩がより好適である。波長300〜400nmにおけるモル吸光係数の最大値が100L/mol・cm以上であるテトラゾール化合物又はその塩は、紫外線や白色光等の比較的出力の小さい光源を用いて光を照射した場合でも、容易に気体(窒素ガス)を発生させることができる。また、一般的にUV光源としてよく使用される水銀灯は、310nm付近に大きなエネルギーを有する光を発するため、波長305〜400nmにおけるモル吸光係数の最大値が100L/mol・cm以上であることがより好ましい。本明細書において上記モル吸光係数とは、濃度約3〜5×10−3mol/Lのテトラゾール化合物のジメチルホルムアミド溶液を調製し、分光光度計(例えば、日立製作所製U−3000)を用いて下記式に従い200〜600nmの波長域の吸収スペクトルを測定し、得られた吸収スペクトルにおける吸光度を用いて、下記式により計算して得た値を意味する。 ε=A/c×d式中εはモル吸光係数を表し、Aは吸光度を表し、cはモル濃度を表し、dはセル厚みを表す。なお、本明細書において、波長300〜400nmにおけるモル吸光係数の最大値が100以上であるとは、波長300nm〜400nmの間のいずれかの波長におけるモル吸光係数の値が100以上であればよく、波長300nm〜400nmの間にモル吸光係数のピークが存在する必要はない。上記一般式(1)で表されるテトラゾール化合物又はその塩のなかでも、熱天秤を用いて測定した120℃から200℃に加熱したときの重量残存率(以下、単に「重量残存率」ともいう)が85%以上であるテトラゾール化合物は、きわめて耐熱性に優れるため好適である。好ましくは重量残存率が90%以上であり、より好ましくは95%以上である。上記重量残存率は、例えば、熱天秤(例えば、SII社製TG/DTA6200)のアルミパンに5〜10mgのテトラゾール化合物を秤量し、空気雰囲気中(流量200mL/分)、昇温速度5℃/分の条件でまず常温(30℃)から120℃まで昇温し60分保持する。引き続き同じ昇温速度条件で120℃から200℃まで昇温したときの重量減少率を測定することにより得ることができる。なお、ここで「120℃から」としたのは、テトラゾール化合物に吸着した水の影響を排除するためである。本発明のテトラゾール化合物又はその塩としては、具体的には、下記式(A)〜(G)で表されるテトラゾール化合物又はその塩が挙げられる。本発明のテトラゾール化合物又はその塩を製造する方法としては特に限定されず、例えば、目的とするテトラゾール化合物に対応する構造を有するシアノ基を有する分子にアジ化ナトリウムを加え、加熱して本発明のテトラゾール化合物を得る方法等が挙げられる。接着剤成分と、本発明のテトラゾール化合物又はその塩とを含有する接着剤組成物もまた、本発明の1つである。上記接着剤成分は特に限定されず、非硬化型の接着剤、硬化型の接着剤のいずれを含有するものであってもよい。上記接着剤成分が非硬化型の接着剤を含有する場合には、本発明の接着剤組成物に光を照射することにより、含有される本発明のテトラゾール化合物又はその塩から気体が発生し、発生した気体により柔らかい接着剤成分の全体が発泡して表面に凹凸が形成されることにより剥離応力が発生し、また被着体との接着面積が減少して剥離する。上記非硬化型の接着剤は特に限定されず、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、ビニルアルキルエーテル系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ウレタン系接着剤、スチレン・ジエンブロック共重合体系接着剤等が挙げられる。上記接着剤成分が硬化型の接着剤を含有する場合には、本発明の接着剤組成物に光を照射することにより、含有される本発明のテトラゾール化合物又はその塩から気体が発生し、発生した気体は硬化した接着剤成分から被着体との界面へと放出され、その圧力によって被着体の少なくとも一部が剥離する。なかでも、糊残りを生ずることなく確実な剥離を行うことができることから、刺激により弾性率が上昇する硬化型の接着剤を含有することが好ましい。上記硬化型の接着剤は特に限定されないが、例えば、重合性ポリマーを主成分として、光重合開始剤や熱重合開始剤を含有する光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤が挙げられる。このような光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤は、光の照射又は加熱により接着剤の全体が均一にかつ速やかに重合架橋して一体化するため、重合硬化による弾性率の上昇が著しくなり、接着力が大きく低下する。また、弾性率の上昇した硬い硬化物中で上記一般式(1)〜(3)で表されるテトラゾール化合物又はその塩から気体を発生させると、発生した気体の大半は外部に放出され、放出された気体は、被着体から粘着剤の接着面の少なくとも一部を剥がし接着力を低下させる。上記重合性ポリマーは、例えば、分子内に官能基を持った(メタ)アクリル系ポリマー(以下、官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーという)をあらかじめ合成し、分子内に上記の官能基と反応する官能基とラジカル重合性の不飽和結合とを有する化合物(以下、官能基含有不飽和化合物という)と反応させることにより得ることができる。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、常温で粘着性を有するポリマーとして、一般の(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様に、アルキル基の炭素数が通常2〜18の範囲にあるアクリル酸アルキルエステル及び/又はメタクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、これと官能基含有モノマーと、更に必要に応じてこれらと共重合可能な他の改質用モノマーとを常法により共重合させることにより得られるものである。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は通常20万〜200万程度である。上記官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有モノマーや、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル等のヒドロキシル基含有モノマーや、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有モノマーや、アクリル酸イソシアネートエチル、メタクリル酸イソシアネートエチル等のイソシアネート基含有モノマーや、アクリル酸アミノエチル、メタクリル酸アミノエチル等のアミノ基含有モノマー等が挙げられる。上記共重合可能な他の改質用モノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン等の一般の(メタ)アクリル系ポリマーに用いられている各種のモノマーが挙げられる。上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーに反応させる官能基含有不飽和化合物としては、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基に応じて上述した官能基含有モノマーと同様のものを使用できる。例えば、上記官能基含有(メタ)アクリル系ポリマーの官能基がカルボキシル基の場合はエポキシ基含有モノマーやイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がヒドロキシル基の場合はイソシアネート基含有モノマーが用いられ、同官能基がエポキシ基の場合はカルボキシル基含有モノマーやアクリルアミド等のアミド基含有モノマーが用いられ、同官能基がアミノ基の場合はエポキシ基含有モノマーが用いられる。上記光重合開始剤は、例えば、250〜800nmの波長の光を照射することにより活性化されるものが挙げられ、このような光重合開始剤としては、例えば、メトキシアセトフェノン等のアセトフェノン誘導体化合物や、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインエーテル系化合物や、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジエチルケタール等のケタール誘導体化合物や、フォスフィンオキシド誘導体化合物や、ビス(η5−シクロペンタジエニル)チタノセン誘導体化合物、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、クロロチオキサントン、トデシルチオキサントン、ジメチルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシメチルフェニルプロパン等の光ラジカル重合開始剤が挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記熱重合開始剤としては、熱により分解し、重合硬化を開始する活性ラジカルを発生するものが挙げられ、例えば、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエール、t−ブチルハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。ただし、本発明の接着剤組成物が高い耐熱性を発揮するためには、上記熱重合開始剤は、熱分解温度が200℃以上である熱重合開始剤を用いることが好ましい。このような熱分解温度が高い熱重合開始剤は、クメンハイドロパーオキサイド、パラメンタンハイドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。これらの熱重合開始剤のうち市販されているものとしては特に限定されないが、例えば、パーブチルD、パーブチルH、パーブチルP、パーペンタH(以上いずれも日油社製)等が好適である。これら熱重合開始剤は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。上記光硬化型接着剤や熱硬化型接着剤は、更に、ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することが好ましい。ラジカル重合性の多官能オリゴマー又はモノマーを含有することにより、光硬化性、熱硬化性が向上する。上記多官能オリゴマー又はモノマーは、分子量が1万以下であるものが好ましく、より好ましくは加熱又は光の照射による粘着剤層の三次元網状化が効率よくなされるように、その分子量が5000以下でかつ分子内のラジカル重合性の不飽和結合の数が2〜20個のものである。上記多官能オリゴマー又はモノマーは、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート又は上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。その他、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、市販のオリゴエステルアクリレート、上記同様のメタクリレート類等が挙げられる。これらの多官能オリゴマー又はモノマーは、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。本発明の接着剤組成物における本発明のテトラゾール化合物又はその塩の含有量は、上記接着剤成分100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が50重量部である。本発明のテトラゾール化合物又はその塩の含有量がこの範囲内であると、波長300mn以上の長波長紫外線を照射したときに充分な窒素ガスが発生して剥離を行うことができ、かつ、接着剤組成物の接着力を損なうこともない。本発明のテトラゾール化合物又はその塩の含有量のより好ましい下限は10重量部、より好ましい上限は30重量部である。本発明の接着剤組成物は、光増感剤を含有してもよい。上記光増感剤は、本発明のテトラゾール化合物又はその塩への光による刺激を増幅する効果を有することから、より少ない光の照射により気体を放出させることができる。また、より広い波長領域の光により気体を放出させることができる。上記光増感剤は、耐熱性に優れるものであれば特に限定されない。耐熱性に優れた光増感剤は、例えば、アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物が挙げられる。なかでも、一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物が好適である。これらの光増感剤は、耐昇華性が高く、高温下で使用することができる。また、アルコキシ基の一部がグリシジル基や水酸基で置換されることにより、上記接着剤成分への溶解性が高まり、ブリードアウトを防止することができる。上記多環芳香族化合物は、アントラセン誘導体が好ましい。上記アルコキシ基は、炭素数1〜18のものが好ましく、炭素数1〜8のものがより好ましい。上記アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物は、例えば、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−メトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9−エトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、9−イソプロポキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジブトキシアントラセン、9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、9−ベンジルオキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、9−(α−メチルベンジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−カルボキシエトキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体等が挙げられる。上記一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物は、例えば、9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(グリシジルオキシ)アントラセン、9−(グリシジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(2−ビニルオキシエトキシ)アントラセン、9−(2−ビニルオキシエトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)アントラセン、9−(3−メチル−3−オキセタニルメメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(p−エポキシフェニルメトキシ)アントラセン、9−(p−エポキシフェニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2−tブチル−9,1−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ(p−ビニルフェニルメトキシ)アントラセン、9−(p−ビニルフェニルメトキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシブトキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−ブトキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−(2−エチルヘキシルオキシ)プロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−アリロキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロポキシ)アントラセン、9,10−ジ(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。上記光増感剤の含有量は、上記接着剤成分100重量部に対する好ましい下限が0.05重量部、好ましい上限が10重量部である。上記光増感剤の含有量が0.05重量部未満であると、充分な増感効果が得られないことがあり、10重量部を超えると、光増感剤に由来する残存物が増え、充分な剥離を行えなくなることがある。上記光増感剤の含有量のより好ましい下限は0.1重量部、より好ましい上限は5重量部である。本発明の接着剤組成物は、粘着剤としての凝集力の調節を図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミン化合物、エポキシ化合物等の一般の粘着剤に配合される各種の多官能性化合物を適宜含有してもよい。本発明の接着剤組成物は、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填剤等の公知の添加剤を含有してもよい。本発明の接着剤組成物は、高い接着力を有する一方、光照射や加熱を行うことにより容易に剥離することができる。とりわけ、波長300nm以上の長波長紫外線を照射した場合にでも、速やかに気体を発生して剥離を行うことができる。また、耐熱性にも優れることから、TSVの製造工程においてウエハを支持板に固定する等の、200℃以上の高温処理を行う用途にも用いることができる。本発明の接着剤組成物は、様々な接着性製品に用いることができる。上記接着性製品としては、例えば、本発明の接着剤組成物をバインダー樹脂として用いた接着剤、粘着剤、塗料、コーティング剤、シーリング剤等、又は、本発明の接着剤組成物を粘着剤として用いた片面粘着テープ、両面粘着テープ、ノンサポートテープ(自立テープ)等の粘着テープ等が挙げられる。基材の一方の面に、本発明の接着剤組成物からなる接着層を有する接着テープもまた、本発明の1つである。基材の両面に、本発明の接着剤組成物からなる接着層を有する接着テープもまた、本発明の1つである。本発明の接着テープは、例えば、半導体ウエハを加工する際のバックグラインドテープ、ダイシングテープや、極薄ガラス基板等の脆弱部材、プラスチックスフィルム、コアレスFPC基板等の反り易い部材の支持用テープ等に好適に用いることができる。上記基材は、例えば、アクリル、オレフィン、ポリカーボネート、塩化ビニル、ABS、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ナイロン、ウレタン、ポリイミド等の透明な樹脂からなるシート、網目状の構造を有するシート、孔が開けられたシート等が挙げられる。本発明の接着テープは、例えば、半導体ウエハに薬液処理、加熱処理、又は、発熱を伴う処理を施す際に、半導体ウエハを保護する目的で支持板を貼り合わせる際に用いることができる。これらの処理を終えた後には、光を照射することにより容易に半導体ウエハから支持板を剥離することができる。本発明の接着テープを用いて半導体ウエハと支持板とを貼り合わせる工程と、支持板に貼り合わせた状態で上記半導体ウエハに薬液処理、加熱処理、又は、発熱を伴う処理を施す工程と、上記処理後に、上記接着テープに光を照射して接着層中のテトラゾール化合物から気体を発生させる工程と、上記半導体ウエハから上記支持板と接着テープとを剥離する工程とを有する半導体ウエハの処理方法もまた、本発明の1つである。本発明の接着テープは、例えば、半導体ウエハに電極を有する貫通孔を形成させる際に、半導体ウエハを保護する目的で支持板を貼り合わせる際に用いることができる。これらの処理を終えた後には、光を照射することにより容易に半導体ウエハから支持板を剥離することができる。本発明の接着テープを用いて溝部を有する半導体ウエハと支持板とを貼り合わせる工程と、上記半導体ウエハの上記支持板に接着した側とは反対の面を研削して、溝部を貫通させて貫通孔を形成する工程と、上記半導体ウエハの貫通孔の周辺に電極部を作製する工程と、上記電極部作製後に、上記接着テープに光を照射して接着層中のテトラゾール化合物から気体を発生させる工程と、上記半導体ウエハから上記支持板と接着テープとを剥離する工程とを有するTSVウエハの製造方法もまた、本発明の1つである。本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性に優れるテトラゾール化合物又はその塩、該テトラゾール化合物又はその塩を含有する接着剤組成物、接着テープを提供することができる。以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。(実施例1)(1)式(A)で表されるテトラゾール化合物の調製原料として下記式(A’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、上記式(A)で表されるテトラゾール化合物を得た。(2)接着剤組成物及び接着テープの製造温度計、攪拌機、冷却管を備えた反応器を用意し、この反応器内に、2−エチルヘキシルアクリレート94重量部、アクリル酸1重量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート5重量部、ラウリルメルカプカプタン0.01重量部と、酢酸エチル180重量部を加えた後、反応器を加熱して還流を開始した。続いて、上記反応器内に、重合開始剤として1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン0.01重量部を添加し、還流下で重合を開始させた。次に、重合開始から1時間後及び2時間後にも、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンを0.01重量部ずつ添加し、更に、重合開始から4時間後にt−ヘキシルパーオキシピバレートを0.05重量部添加して重合反応を継続させた。そして、重合開始から8時間後に、固形分55重量%、重量平均分子量60万のアクリル共重合体を得た。得られたアクリル共重合体を含む酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、2−イソシアナトエチルメタクリレート3.5重量部を加えて反応させ、更に、反応後の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、光重合開始剤(エサキュアワン、日本シイベルヘグナー社製)0.1重量部、ポリイソシアネート系架橋剤(コロネートL45、日本ポリウレタン社製)2.5重量部を混合し接着剤の酢酸エチル溶液を調製した。接着剤の酢酸エチル溶液の樹脂固形分100重量部に対して、得られた上記式(A)で表されるテトラゾール化合物10重量部、光増感剤として9,10−ジグリシジルオキシアントラセン1重量部を混合して、接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物を、両面にコロナ処理を施した厚さ50μmの透明なポリエチレンテレフタレートフィルムの片面上に、乾燥皮膜の厚さが30μmとなるようにドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。次いで、ポリエチレンナフタレートの他方の面上に、乾燥皮膜の厚さが30μmとなるように接着剤組成物をドクターナイフで塗工し、110℃、5分間加熱して塗工溶液を乾燥させた。その後、40℃、3日間静置養生を行い、両面に接着剤層を有する接着テープを得た。(実施例2)原料として下記式(B’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、上記式(B)で表されるテトラゾール化合物を得た。得られた上記式(B)で表されるテトラゾール化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及び接着テープを製造した。(実施例3)原料として下記式(C’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、上記式(C)で表されるテトラゾール化合物を得た。得られた上記式(C)で表されるテトラゾール化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及び接着テープを製造した。(実施例4)原料として下記式(D’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、上記式(D)で表されるテトラゾール化合物を得た。得られた上記式(D)で表されるテトラゾール化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及び接着テープを製造した。(実施例5)原料として下記式(E’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、上記式(E)で表されるテトラゾール化合物を得た。得られた上記式(E)で表されるテトラゾール化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及び接着テープを製造した。(実施例6)原料として式(F’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、式(F)で表されるテトラゾール化合物を得た。得られた式(F)で表されるテトラゾール化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及びテープを製造した。(実施例7)原料として式(G’)で表される化合物を準備し、これにアジ化ナトリウムを加えて加熱することにより、式(G)で表されるテトラゾール化合物を得た。得られた式(G)で表されるテトラゾール化合物を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及びテープを製造した。(実施例8)実施例6で得られた式(F)で表される化合物に水酸化ナトリウムを反応させることにより、式(F*)で表されるテトラゾール化合物の塩を得た。得られた式(F*)で表されるテトラゾール化合物ナトリウム塩を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及びテープを製造した。(実施例9)実施例7で得られた式(G)で表される化合物に水酸化ナトリウムを反応させることにより、式(G*)で表されるテトラゾール化合物の塩を得た。得られた式(G*)で表されるテトラゾール化合物ナトリウム塩を用いた以外は実施例1と同様にして接着剤組成物及びテープを製造した。(比較例1)上記式(A)で表されるテトラゾール化合物20重量部の代わりに、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)20重量部、9,10−ジグリシジルオキシアントラセン1重量部の代わりにジエチルチオキサントン3重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物及び接着テープを得た。(比較例2)上記式(A)で表されるテトラゾール化合物20重量部の代わりに、ビステトラゾール・ナトリウム塩20重量部を配合した以外は、実施例1と同様にして接着剤組成物及び接着テープを得た。(評価)実施例及び比較例で用いたテトラゾール化合物、及び、実施例及び比較例で得られた接着テープについて、以下の方法により評価を行った。結果を表1に示した。(1)波長300nm未満の紫外線に対する反応性の評価実施例、比較例で得られたテトラゾール化合物(又はAIBN)の0.1%DMSO溶液を調製し、その溶液を1cm角の石英セルに入れた。石英セルの横から波長254nmの紫外線を照射可能なスポットUVランプの紫外線照射機(朝日分光社製REX−1000)を用いて、波長254nm、照度50mW/cm2の強度で5分間紫外線照射を行った。目視にて観察して、石英セル中に気泡が発生した場合を「○」、石英セル中に気泡が発生しなかった場合を「×」と評価した。(2)波長300nm以上の紫外線に対する反応性の評価実施例、比較例で得られたテトラゾール化合物(又はAIBS)の0.1%DMSO溶液を調製し、その溶液を1mLを2枚の石英板で挟み密閉した。超高圧水銀ランプの紫外線照射機に300nm以下の波長をカットするフィルターを取り付け、波長365nm、照度50mW/cm2の強度で5分間紫外線照射を行った。目視にて観察して、石英板間に気泡が発生した場合を「○」、石英板間に気泡が発生しなかった場合を「×」と評価した。(3)耐熱性の評価直径20cmの円形に切断した接着テープを、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付けた。シリコンウエハに貼り付けた面と反対の面に、直径20cm、厚さ1mmのガラス板を貼りつけた。この積層体を、200℃、1時間加熱した後、室温に戻した。加熱後の表面を目視にて観察して、剥離が認められた面積が全体の5%以下であった場合を「○」と、5%を超えて10%以下であった場合を「△」と、10%を超えた場合を「×」と評価した。(4)紫外線照射後の気体発生性及び剥離性の評価直径20cmの円形に切断した接着テープを、直径20cm、厚さ約750μmのシリコンウエハに貼り付けた。シリコンウエハに貼り付けた面と反対の面に、直径20cm、厚さ1mmの石英板を貼りつけた。次いで、石英板側から超高圧水銀灯を用いて、波長300nm以上の紫外線を石英板表面への照射強度が365nm換算で80mW/cm2となるよう照度を調節して4、6、8、10分間照射した。各時間照射した場合において、気体発生性及び剥離性を以下の基準で評価した。(気体発生性の評価基準)石英板側から目視にて観察したときに、気体が発生している面積が全体の90%以上であった場合を「○」と、気体が発生している面積が全体の80%以上、90%未満であった場合を「△」と、気体が発生している面積が全体の80%未満であった場合を「×」と評価した。(剥離性の評価基準)石英板が上面になるようにシリコンウエハを吸着台に設置した後、石英板端部を吸盤で引っ張り、剥離できた場合を「○」と、剥離できなかった場合を「×」と評価した。(5)モル吸光係数の測定実施例、比較例で得られたテトラゾール化合物(又はAIBN)0.03〜0.05mmolを秤量し、10mLのジメチルホルムアミドに溶解し、得られた溶液について日立製作所製U−3000を用いて吸収スペクトルを測定した。得られた吸収スペクトルにおける吸光度を用いて、下記式に従いモル吸光係数を求めた。 ε=A/c×d式中εはモル吸光係数を表し、Aは吸光度、cはモル濃度を表し、dはセル厚みを表す。波長300〜400nm及び波長305〜400nmの範囲内においてモル吸光係数を求め、モル吸光係数の最大値が100L/mol・cm以上であった場合を「○」と、100L/mol・cm未満であった場合を「×」と評価した。(6)重量残存率の測定熱天秤(SII社製、TG/DTA6200)のアルミパンに実施例、比較例で得られたテトラゾール化合物(又はAIBS)を5〜10mg秤量し、空気雰囲気中(流量200mL/分)、昇温速度5℃/分の条件で120℃から200℃まで昇温したときの重量減少率を測定した。重量残存率が95%以上であった場合を「◎」と、85%以上、95%未満であった場合を「○」と、85%未満であった場合を「×」と評価した。本発明によれば、耐熱性に優れ、かつ、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性に優れるテトラゾール化合物又はその塩、該テトラゾール化合物又はその塩を含有する接着剤組成物、接着テープを提供することができる。分子量が800以下で、かつ、下記一般式(1)で表されることを特徴とするテトラゾール化合物又はその塩。式(1)中、nは2以上の整数を表す。R1は、下記式(2−1)〜(2−9)で表される基のいずれかを表す。R2〜Rn−1は、下記式(3−1)〜(3−85)で表される基のいずれかを表し、それぞれ同一であってもよいし異なっていてもよい。Rnは、下記式(2−1)〜(2−9)、(4−1)〜(4−54)で表されるいずれかを表す。式中、R、R’は、水素、炭素数1〜7のアルキル基、アルキレン基、フェニル基、メルカプト基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、グリシジル基、ベンズアミド基、p−エポキシフェニル基、ニトロ基、アセトアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、アミノフェニル基、ヒドロキシフェニル基、シアノ基、メトキシ基、エトキシ基、アセトアミド基、アセトキシ基、スルホン酸基、アルデヒド基、アセチル基、又は、シラノール基を表す。Xは、炭素、窒素、酸素、りん、珪素、硫黄を表す。分子量が800以下で、かつ、一般式(1)で表されるテトラゾール化合物は、下記式(A)〜(G)で表されるテトラゾール化合物又はその塩であることを特徴とする請求項1記載のテトラゾール化合物又はその塩。接着剤成分と、請求項1又は2記載のテトラゾール化合物又はその塩とを含有することを特徴とする接着剤組成物。接着剤成分は、刺激により弾性率が上昇する硬化型の接着剤を含有することを特徴とする請求項3記載の接着剤組成物。光増感剤を含有することを特徴とする請求項3又は4記載の接着剤組成物。光増感剤は、アルコキシ基を少なくとも1つ以上有する多環芳香族化合物であることを特徴とする請求項5記載の接着剤組成物。光増感剤は、一部がグリシジル基又は水酸基で置換されたアルコキシ基を有する置換アルコキシ多環芳香族化合物であることを特徴とする請求項5記載の接着剤組成物。基材の一方の面に、請求項3、4、5、6又は7記載の接着剤組成物からなる接着層を有することを特徴とする接着テープ。基材の両面に、請求項3、4、5、6又は7記載の接着剤組成物からなる接着層を有することを特徴とする接着テープ。 【課題】耐熱性に優れ、かつ、波長300nm以上の長波長紫外線に対する反応性に優れるテトラゾール化合物又はその塩、該テトラゾール化合物又はその塩を含有する接着剤組成物、接着テープの提供。【解決手段】分子量が800以下で、かつ、テトラゾール化合物又はその塩。上記化合物は、テトラゾール環を少なくとも1つ以上有する。具体例として、下記の(A)で例示される化合物が挙げられる。【選択図】なし