タイトル: | 公開特許公報(A)_抗肥満薬の効果を向上させる組成物 |
出願番号: | 2014080531 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 36/18,A61K 36/00,A61K 31/202,A61K 45/00,A61P 3/04,A61P 43/00 |
福光 聡 川久保 誠 間 和彦 前田 和久 竹入 沙知 JP 2015199687 公開特許公報(A) 20151112 2014080531 20140409 抗肥満薬の効果を向上させる組成物 日本製粉株式会社 000231637 国立大学法人大阪大学 504176911 辻居 幸一 100092093 熊倉 禎男 100082005 箱田 篤 100084663 浅井 賢治 100093300 山崎 一夫 100119013 市川 さつき 100123777 秋澤 慈 100156982 福光 聡 川久保 誠 間 和彦 前田 和久 竹入 沙知 A61K 36/18 20060101AFI20151016BHJP A61K 36/00 20060101ALI20151016BHJP A61K 31/202 20060101ALI20151016BHJP A61K 45/00 20060101ALI20151016BHJP A61P 3/04 20060101ALI20151016BHJP A61P 43/00 20060101ALI20151016BHJP JPA61K35/78 CA61K35/78 XA61K31/202A61K45/00A61P3/04A61P43/00 121 7 OL 12 特許法第30条第2項適用申請有り 2013年12月10日 「一般社団法人日本統合医療学会事務局」及び「第17回日本統合医療学会運営事務局」発行 「第17回日本統合医療学会プログラム・抄録集」 第154頁における公開 2013年12月22日 「第17回日本統合医療学会組織委員会」主催 「第17回日本統合医療学会」における発表 4C084 4C088 4C206 4C084AA19 4C084MA02 4C084MA52 4C084NA05 4C084NA14 4C084ZA70 4C084ZC75 4C088AB12 4C088AC04 4C088BA07 4C088BA08 4C088BA19 4C088MA02 4C088MA52 4C088NA05 4C088NA14 4C088ZA70 4C088ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206DA05 4C206MA03 4C206MA04 4C206MA72 4C206NA05 4C206NA14 4C206ZA70 4C206ZC75 本発明は抗肥満薬の抗肥満作用促進効果を有する、アマニリグナンを有効成分として含む組成物に関する。 肥満症の治療には、食事療法及び運動療法が行われるが、それで十分な改善が見られない場合は、抗肥満薬による薬物療法も行われる。抗肥満薬の中でも中枢神経性抗肥満薬は、食欲中枢への直接作用や脳内でのアドレナリン、ドパミン、セロトニン等のモノアミンの神経細胞による再取り込み抑制などの機序により、消費エネルギーを促進するとともに食欲を抑制する。中枢神経性抗肥満薬は肥満症の治療において基礎となる食事療法及び運動療法の導入並びにそれらを習慣として維持、継続するための動機づけに非常に有用であるとされている。しかしながらその有効性の反面、非常に短期間で依存性や精神疾患への影響、耐性が発現するという問題点がある。 マジンドール(Mazindol)は、現在、中枢神経性抗肥満薬としては日本で唯一承認されている薬剤である。マジンドールは臨床において高い有効性を示す反面、上記のような中枢神経性抗肥満薬特有の問題点から、連続投与の期間は最長で12週間と限定され、BMI(ボディマス指数、体重(kg)/(身長(m)×身長(m)))=35以上の高度肥満患者にのみ保険適用可とされるなど、使用に制限がある。 リグナンは植物に含まれている化合物群の一種であり、エストロゲン様作用を示すことから植物エストロゲンとも呼ばれる。リグナンは他にも抗がん作用、抗酸化作用、脂質代謝改善作用などを示すことが知られており(例えば特許文献1参照)、その健康機能への多大な効用が着目されている。 アマニはリグナン源として最も知られている植物のひとつであり、アマニリグナンとしてセコイソラリシレジノールグルコシドが多量に含まれている他、マタイレシノール、ピノレシノール、イソラレシレジノール及びこれらの配糖体などが少量含まれている。 アマニリグナンは女性ホルモンバランスの乱れを原因とする諸症状、例えば、閉経期における更年期障害や閉経後の骨粗鬆症、高血圧症、高脂血症、肥満症、鬱、ほてりなどに対して有効であることが知られている(例えば特許文献2参照)。 アマニリグナンの効果として脂肪蓄積抑制作用、例えば、動物において高脂肪食と同時に摂取させると同時摂取しない群と比較して脂肪の蓄積を抑制することが出来ることが知られているが(例えば特許文献3参照)、一旦蓄積された脂肪の代謝を促進し、その量を減らす蓄積脂肪低減促進作用、すなわちすでに肥満の状態にあるものの体重を軽減させる効果については報告がない。また、既知の抗肥満薬との併用に関する報告もされていない。 また、アマニはα-リノレン酸源としても良く知られている植物であり、アマニ油中の脂肪酸含量としては50〜60%がα-リノレン酸である。α-リノレン酸の効果は、炎症改善、脂質代謝改善、美容効果などが知られている(例えば非特許文献1及び2参照)。特開平9-208461号公報国際公開第03/075686号パンフレット特開2007-308469号公報Nutrition Res., 32(2012)921-927Skin Pharmacol. Physiol., 24(2011)67-74 近年、肥満は糖尿病、高血圧症、動脈硬化、脂肪肝、癌などに代表される生活習慣病の主要な原因とされていることにより、肥満症の治療薬の開発が望まれている。しかしながら上記のように現在使用可能な肥満症治療薬は限られ、さらにその使用にも制限がある。 また一旦蓄積した脂肪の代謝を促進する蓄積脂肪低減促進作用を有するような有効な治療薬は報告されていない。従ってより有効でかつ安全な抗肥満症薬の開発、既存の抗肥満薬の効果を促進するための補助薬の開発が望まれている。 本発明者等は、アマニリグナンが抗肥満薬の抗肥満作用を促進する効果を有すること、具体的には抗肥満薬の投与期間中にアマニリグナンを有効成分として含む組成物を投与することで、より高い体重減少効果を示すこと及び抗肥満薬単独治療における抗肥満作用耐性を軽減することができること、抗肥満薬の投与期間後にアマニリグナンを有効成分として含む組成物を投与することで、抗肥満薬による治療の中止後のリバウンド現象を防ぐことができることを見出し、本発明を完成するにいたった。 すなわち本発明は以下の通りである。(1)アマニリグナンを有効成分として含む、抗肥満薬の抗肥満作用を促進するための組成物。(2)抗肥満薬の投与期間中に投与されることにより、蓄積された脂肪の低減を促進する、前記(1)に記載の組成物。(3)抗肥満薬の投与期間中に投与されることにより、抗肥満薬の投与による抗肥満作用耐性を軽減する、前記(1)に記載の組成物。(4)抗肥満薬投与期間後のリバウンド現象を抑制する、前記(1)に記載の組成物。(5)1日あたり、成人に対し10〜6000mgの量のアマニリグナンが摂取されるように投与される、前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の組成物。(6)少なくとも1週間にわたり投与される、前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の組成物。(7)さらにα‐リノレン酸を含む前記(1)〜(6)のいずれか一項に記載の組成物。 本発明の組成物により、抗肥満薬の抗肥満作用を促進することが出来る。 具体的には、抗肥満薬の投与期間中に本発明の組成物を投与することにより、より高い体重減少効果を示すことが出来る。また、抗肥満薬の投与期間中に本発明の組成物を投与することにより、抗肥満薬単独治療における抗肥満作用耐性を軽減することができる。さらに抗肥満薬の投与期間後に本発明の組成物を投与することにより、抗肥満薬による治療の中止または中断後のリバウンドを防ぐことができる。マジンドールとアマニ成分サプリメントの投与プロトコルの一例を示す。 アマニ(亜麻仁)は、欧州の地中海地方原産の自生植物である亜麻科植物アマ(亜麻、学名:Linum usitatissimum)の種子(仁)のことであり、英名 Flax Seed (フラックスシード)、学名 Linum Usitatissimumと呼ばれる。 本発明におけるアマニリグナンとしてはアマニから公知の方法で抽出したアマニ抽出物を用いても良く、更に、精製して得たものを用いても良い。さらにアマニリグナンを多く含有するアマニをそのまま又は加工して使用してもよい。例えばアマニには、10gあたり約100mgのアマニリグナンが含まれるので、これを粉砕して組成物に添加することが出来る。 本発明において、アマニは、国内産、外国産などの産地や栽培用、搾油用の品種を問わず使用でき、焙煎、非焙煎の処理の有無に関係なく原料として使用できる。また、搾油工程で産生するアマニ粕を原料としてもよい。 アマニリグナンのアマニからの抽出方法としては、例えばまずアマニをミキサー、ホモジナイザーなどの粉砕機で粉砕する。粉砕物をn−ヘキサン等の脂溶性有機溶媒で油分を除去し、脱脂物としてもよい。次に得られた粉砕物又は脱脂物をアマニリグナンを抽出可能な低級アルコール(エタノール、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなど)、またはその含水アルコールで抽出し、必要であればケン化処理、中和を行い、吸着剤としてオクタデシルシリカ(ODS)、シリカゲルなどを使用して、分画、精製することができる。 本発明において、抗肥満薬としては、マジンドール、フェンフルラミン、シブトラミン等の中枢性抗肥満薬、オルリスタット、セチリスタット等の膵リパーゼ阻害薬、β3作動薬、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等のペプチド性食欲抑制薬、ロルカセリンなどのセロトニン受容体作動薬、リンチトリプト等のコレシストキニン受容体作動薬が挙げられる。 本発明において、抗肥満薬は中枢神経性抗肥満薬であることが好ましい。中枢神経性抗肥満薬としては、食欲中枢への直接作用や脳内でのアドレナリン、ドパミン、セロトニン等のモノアミンの神経細胞による再取り込み抑制などの機序により抗肥満効果を有する薬物であれば特に限定されないが、例えばマジンドール、フェンフルラミン、シブトラミン、デクスフェンフルアミン、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、フェニルプロパノールアミン、クロベンゾレックス、フルオキセチンが挙げられる。最も好ましくはマジンドールである。 抗肥満薬の投与量及び投与方法は各抗肥満薬の種類によって異なるが、例えば抗肥満薬がマジンドールである場合、一般的には1日あたり0.5〜1.5mgを2〜3回に分けて食前に経口投与する。連続投与は12週間を限度とし、12週間の連続投与による治療期間を1クールとする。各クール間には1週間〜3ヶ月の休薬期間を設ける事が一般的である。 本発明において「抗肥満薬の投与期間中に投与する」とは、抗肥満薬の投与期間中に、抗肥満薬と本発明の組成物とを同時又は順次のいずれかで実質的に同時期に組み合わせ投与することを意味する。例えば、抗肥満薬の連続投与が認められている12週間のうち、抗肥満薬の投与後2週間目から本発明の組成物の投与を開始し、その後8〜10週間にわたって抗肥満薬と本発明の組成物の組み合わせ投与を行う事が出来る。組み合わせ投与の期間は少なくとも1週間にわたることが好ましく、2週間を超えることがより好ましく、4週間を超えることがさらに好ましく、8週間を超えることがもっとも好ましい。 ここで「抗肥満薬による治療による抗肥満作用耐性」とは、12週間の連続投与を1クールとする抗肥満薬による治療期間を1回又は複数回行うことにより、有意な体重減少が得られなくなることをいう。 本発明の組成物は抗肥満薬の投与期間中に投与されることにより、抗肥満薬による治療による抗肥満作用耐性を軽減することが出来る。例えば、抗肥満薬による治療を数クール経験した患者に対して、新たなクールとしてマジンドールの投与後2週間目から本発明の組成物の投与を開始しその後8〜10週間にわたって抗肥満薬と本発明の組成物を組み合わせ投与することで、そのクールにおいて有意な体重減少を得ることが出来る。組み合わせ投与の期間は少なくとも1週間にわたることが好ましく、2週間を超えることがより好ましく、4週間を超えることがさらに好ましく、8週間を超えることがもっとも好ましい。 本発明において、「抗肥満薬による治療の中止後のリバウンド」とは抗肥満薬による治療により一旦減少した体重が、抗肥満薬の投与期間の終了後再び増加する現象をいう。リバウンド抑制作用を得るために、本発明組成物は、抗肥満薬の投与期間後に投与される。好ましくは抗肥満薬の投与期間終了時点において抗肥満薬と組み合わせ投与しており、抗肥満薬の投与期間終了後に投与を続けることが好ましい。抗肥満薬の投与期間終了時点での抗肥満薬と本発明の組成物の組み合わせ投与の期間は、少なくとも1週間にわたることが好ましく、2週間を超えることがより好ましく、4週間を超えることがさらに好ましく、8週間を超えることがもっとも好ましい。 本発明の組成物は、助剤とともに任意の形態に製剤化して、経口または非経口投与が可能な医薬品とすることができる。経口用の剤形としては、例えば、錠剤、口腔内速崩壊錠、カプセル、顆粒、細粒などの固形投薬形態、シロップ及び懸濁液のような液体投薬形態で投与される。非経口の剤形としては、注射剤、点眼剤、点鼻剤、貼付剤、坐剤、皮膚外用剤の形態で投与される。なお、医薬品には医薬部外品も含まれる。 固形投薬形態とする場合、一般製剤の製造に用いられる種々の添加剤を適当量含んでいてもよい。このような添加剤として、例えば賦形剤、結合剤、酸味料、発泡剤、人工甘味料、香料、滑沢剤、着色剤、安定化剤、pH調整剤、界面活性剤などが挙げられる。 液体投薬形態とする場合、本発明の組成物は必要に応じてpH調製剤、緩衝剤、溶解剤、懸濁剤等、張化剤、安定化剤、防腐剤などの存在下、常法により製剤化することができる。 皮膚外用剤の形態には、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、パック、分散液、洗浄料、メーキャップ化粧料、頭皮・毛髪用品等の化粧品や、軟膏剤、クリーム剤、外用液剤等の医薬品などとすることができる。上記成分以外に、通常化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、美白剤、保湿剤、各種皮膚栄養成分、紫外線吸収剤、酸化防止剤、油性成分、界面活性剤、増粘剤、アルコール類、色剤、水、防腐剤、香料等を必要に応じて適宜配合することができる。 本発明の組成物の投与量は、投与される患者の年齢、体重、性別、症状の程度、投与形態によって異なるが、成人では1日あたり、アマニリグナンの量として好ましくは10〜6000mg、より好ましくは20〜300mgである。小児では1日あたり、アマニリグナンの量として好ましくは10〜3000mg、より好ましくは20〜150mgである。 本発明の組成物は、さらに任意の成分として公知の脂質代謝改善効果を有する成分を含むことが出来る。このような成分としては、例えばα-リノレン酸、ステアリドン酸、エイコサテトラエン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸等のω3系高度不飽和脂肪酸が挙げられ、好ましくはα-リノレン酸である。これらは単離して単独で配合することも、また、混合物として使用することもでき、さらにこれらを多く含有する油脂をそのまま使用することができる。α-リノレン酸はエゴマ油、アブラナ(キャノーラ)油、ダイズ油、アマニ油などの種油に多く含まれ、好ましくは食用アマニ油として添加される。食用アマニ油は例えば原料のアマニを低温圧搾製法により搾油し、水分、ガム質、遊離脂肪酸、色素、臭い等不純物を取り除く精製工程を経て得ることが出来る。 本発明の組成物は、成人に対し1日あたり、α-リノレン酸が10〜4000mgの量で好ましくは100〜3000mgの量で摂取されるように投与される。またが小児に対し1日あたり、α-リノレン酸が好ましくは10〜3000mg、より好ましくは20〜2500mgの量で摂取されるように投与される。 以下本発明を具体的に説明する為に実施例を示すが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。試験例1:アマニ抽出物の製造例 カナダ産アマニの乾燥種子1kgをホモジナイザーで粉砕した。粉砕物をヘキサンで洗浄して油分を分離し、脱脂物を得た。次に得られた脱脂物に含水アルコールを加えて常法により抽出した。前記抽出物をアルカリでケン化処理し、酸で中和後、吸着剤としてシリカゲルなどの樹脂を使用してアマニリグナンを精製した。精製画分を減圧下に濃縮し、凍結乾燥及び粉砕し、アマニ抽出物粉末を得た。得られたアマニ抽出物粉末に賦形剤としてαシクロデキストリンを加え、アマニ抽出物含有粉末20gを得た。この粉末は、HPLC分析したところ、アマニリグナンを41.3%含むものであった。試験例2:アマニ成分サプリメント(ソフトカプセル剤)の製造例 常法によりソフトカプセル剤皮150mg(ゼラチン95重量%、グリセリン脂肪酸エステル5重量%)に下記成分からなるカプセル内容物250mgを混練してから充填し、1粒400mgのソフトカプセルを得た。配合量は重量%である。なお、本試験例で得られたアマニ成分サプリメント3粒あたりアマニリグナンが100mg含まれる。(カプセル内容物組成)アマニ抽出物含有粉末 34%食用アマニ油 60%ビタミンE含有植物油 1%ミツロウ 1%乳化剤 4% 100%試験例3:肥満外来通院中の肥満患者における評価試験例2で製造したアマニ成分サプリメントを用いて以下の試験を行った。 なお、以下の試験においてアマニ成分サプリメントは1日3粒(アマニリグナン100mg含有)、特に時間を決めずに経口投与した。また抗肥満薬としてマジンドールを使用し、マジンドールは1日あたり0.5〜1.5mgの投与量を1日2〜3回食前に経口投与した。[アマニ成分サプリメント単独投与] 肥満外来通院中の肥満患者5名について、アマニ成分サプリメントを上記投与量で投与し、8週間後体重及びBMI値の変化を評価した。表1に結果を示す。 n=5 平均±SD この結果、アマニ成分サプリメント単独投与では患者の体重変化に有意差はなかった(p>0.5)。[マジンドール単独投与] 肥満外来通院中の肥満患者8名(男性4名、女性4名)について、マジンドールを上記投与量で投与し、12週間の連続投与を1クールとし、2クールにわたる投与を行い、各クールにおいて4週ごとの体重及びBMI値の変化を評価した。被験者の年齢は34歳から61歳であった。表2及び表3に結果を示す。なお表中、変化率は各クール開始時の体重に対する各クール終了後に変化した体重の%を示す。 n=8 平均±SD P*<0.5、P**<0.1、P***<0.05 n=8 平均±SD P*<0.5、P**<0.1、P***<0.05 この結果から、マジンドール単独投与により、第1クール開始時に対し、第1クール終了時における体重の変化率は平均で-4.6%であり有意な減少を示した(p<0.05)。 またマジンドール単独投与により、第2クール開始時に対し第2クール終了時における体重の変化率は平均で-1.1%であり、有意な減少(p<0.5)を示したが、第1クールにおける変化率よりも少なかった。[マジンドール及びアマニ成分サプリメントの組み合わせ投与](1)第1クールのみ組み合わせ投与した場合 肥満外来通院中の肥満患者5名(男性2名、女性3名)について、マジンドールを上記投与量で投与し、マジンドールの投与開始後2週間後から10週間、マジンドールとアマニ成分サプリメントの組み合わせ投与を行った(図1(a)参照)。マジンドールの投与開始から2週後、6週後、10週後及び12週後の体重及びBMI値の変化を評価した。被験者の年齢は31歳から70歳であった。表4に結果を示す。なお表中、変化率は第1クール開始時の体重に対する第1クール終了後に変化した体重の%を示す。 n=5 平均±SD P*<0.5、P**<0.1、P***<0.05 マジンドールの投与期間中にアマニ成分サプリメントを投与することにより、第1クール開始時に対し、第1クール終了時における体重の変化率は平均で-6.5%であり、有意な減少を示した(p<0.05)。またマジンドールを単独投与した第1クールの結果よりも大きい変化率を示した。(2)第1クールにおいてマジンドール単独投与した後、第2クールにおいて組み合わせ投与した場合 肥満外来通院中の肥満患者5名(女性5名)について、マジンドールを上記投与量で12週間の連続投与し(第1クール)、第2クールのマジンドール投与開始から2週間後から4名については10週間、1名については8週間、マジンドールとアマニ成分サプリメントとの組み合わせ投与を行った(図1(b)参照)。被験者の年齢は43歳から67歳であった。表5及び表6に結果を示す。なお表中、変化率は各クール開始時の体重に対する各クール終了後に変化した体重の%を示す。 n=5 平均±SD P*<0.1、P**<0.05、P***<0.01 n=5 平均±SD P*<0.5、P**<0.1、P***<0.05 この結果より、第1クール及び第2クール共にマジンドール単独投与群では、第1クールにおいて有意な体重減少を示しても第2クールで有意な減少を示さなかったところ、第1クールにおいてマジンドール単独投与した後、第2クールにおいてマジンドールとアマニ成分サプリを組み合わせ投与したところ第2クール終了時における体重の変化率は平均で-5.6%であり、有意な減少を示した(p<0.05)。 従って、マジンドールの投与期間中にアマニ成分サプリメントを投与すると、マジンドールによる治療による抗肥満作用耐性を軽減することが示された。[マジンドールを休薬した場合のリバウンドへのアマニ成分サプリメントの影響] マジンドール投与期間後もアマニ成分サプリメントの投与を続けた場合と何も投与しなかった場合について体重のリバウンドへの影響を観察した。(1)マジンドールの投与期間終了時にアマニ成分サプリメントの投与を終了した場合 肥満外来通院中の肥満患者4名(男性2名、女性2名)について、マジンドールを上記投与量で12週間の連続投与し、マジンドール投与開始から2週間後から10週間、マジンドールとアマニ成分サプリメントの組み合わせ投与を行った(図1(c)参照)。マジンドール投与開始から2週間、10週間、12週間、18週間、22週間、26週間における体重及びBMIの変化を評価した。表7に結果を示す。なお表中、変化率はマジンドール投与開始時の体重に対する各時点において変化した体重の%を示す。 n=4 平均±SD この結果から、マジンドールの投与開始から12週後にマジンドール及びアマニ成分サプリメントの投与を終了した後も18週までは投与終了時の体重よりもさらに体重が減少することが観察されたが、22週後は投与終了時の体重よりも体重が増加することが観察され、26週において開始時の体重に対する平均変化率は-2.8%にまで減少した。(2)マジンドールの投与期間終了後もアマニ成分サプリメントを継続投与した場合 肥満外来通院中の肥満患者3名(女性3名)について、マジンドールを上記投与量で12週間の連続投与し、マジンドール投与開始から2週間後から10週間、マジンドールとアマニ成分サプリメントの組み合わせ投与を行った(図1(d)参照)。マジンドールの投与開始から12週間以降はアマニ成分サプリメントの単独投与を行い、マジンドール投与開始から2週間、10週間、12週間、18週間、22週間、26週間における体重及びBMIの変化を評価した。表8に結果を示す。なお表中、変化率はマジンドール投与開始時の体重に対する各時点において変化した体重の%を示す。 n=4 平均±SD マジンドールの投与開始から12週後にマジンドールの投与を終了した後もアマニ成分サプリメントを継続投与した場合、18週から26週後においていずれも投与終了時の体重よりもさらに体重が減少することが観察され、26週において開始時の体重に対する平均変化率は-12.5%であった。 以上より、マジンドールの投与期間後に、何も投与しなかった場合、体重の増加(リバウンド)が観察されたのに対し、マジンドールの投与期間後もアマニ成分サプリメントの投与を続けた場合、さらなる体重の減少が認められ、本発明の組成物はマジンドールによる治療の中止後のリバウンドを抑制する事が示された。 アマニリグナンを有効成分として含む、抗肥満薬の抗肥満作用を促進するための組成物。 抗肥満薬の投与期間中に投与されることにより、蓄積された脂肪の低減を促進する、請求項1に記載の組成物。 抗肥満薬の投与期間中に投与されることにより、抗肥満薬の投与による抗肥満作用耐性を軽減する、請求項1に記載の組成物。 抗肥満薬投与期間後のリバウンド現象を抑制する、請求項1に記載の組成物。 1日あたり、成人に対し10〜6000mgの量のアマニリグナンが摂取されるように投与される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。 少なくとも1週間にわたり投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。 さらにα‐リノレン酸を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。 【課題】抗肥満薬の抗肥満作用を促進するための組成物を提供する。【解決手段】アマニリグナンを有効成分として含有することで上記課題を解決する。【選択図】なし