生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋
出願番号:2014035081
年次:2015
IPC分類:G01N 31/00,G01N 31/22,G01N 21/77


特許情報キャッシュ

齋藤 俊 JP 2015161515 公開特許公報(A) 20150907 2014035081 20140226 酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋 凸版印刷株式会社 000003193 齋藤 俊 G01N 31/00 20060101AFI20150811BHJP G01N 31/22 20060101ALI20150811BHJP G01N 21/77 20060101ALI20150811BHJP JPG01N31/00 LG01N31/22 121CG01N31/22 121NG01N21/77 A 4 1 OL 8 2G042 2G054 2G042AA01 2G042BB09 2G042CA10 2G042CB01 2G042DA03 2G042DA08 2G042FB07 2G042FC02 2G042FC07 2G042HA07 2G054AA01 2G054CA08 2G054CE02 2G054EA06 2G054GA03 2G054GB04 2G054GE06 本発明は酸素の有無を検出することのできる酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋に関する。 従来より食品、医薬・医療、電子材料などの分野で、酸素による酸化が品質を劣化させることが懸念されるような内容物に対して、酸素吸収剤を包装袋内に同梱するなどして包装袋内を無酸素状態に保ち、酸素の影響を排除することが広く行われている。その際酸素吸収剤の能力や包装体のピンホール、シール不良などによる酸素の侵入を検知するために酸素インジケーターが包装袋に投入されている。 また酸素インジケーターは広く用いられている錠剤型のほか用途に応じて、インキタイプ、液状タイプ、シートタイプ、ペーパータイプなどさまざまな形態のものが開発されている。さらに酸素吸収剤と一体化したもの、さらには包装袋を構成する包装材料と一体化させたものなども開発されている。 このような開発の結果、酸素インジケーターの包装袋内への投入作業の省力化や、検知の容易化、誤飲食の回避などを目的にそれぞれの用途に応じた商品設計がなされるようになっている。インキタイプの酸素インジケーターを用いる印刷型の酸素インジケーターはそれらの課題解決を図ろうとする目的に適している。 また印刷型の酸素インジケーターは以下のような特徴を有する。(1)外から見える位置に印刷できるため、酸素インジケーターを探すことなく目視確認が容易にできる。(2)包材に直接印刷されているので入れ忘れることがない。(3)内容物と混同する恐れがなく誤飲の危険性がない。(4)開封後の分別廃棄などの必要がない。(5)充填時の設備増設の必要がない。(6)充填時、位置がずれてシール部へまきこまれるなどの不良が防げる。(7)充填時、錠剤型に比べて充填効率改善ができる。 実際に印刷型の酸素インジケーターが利用される例としては以下の事例がある。医薬・医療分野において輸液バックに用いられる一次容器は体内に直接薬剤を注入することから無添加のプラスチック容器が用いられることが多く、また酸素バリア性がない輸液バックに充填された薬剤は大気中の酸素で変質する恐れがある。 そのため近年輸液バックを酸素バリア性の高い包装材料で二次包装し、酸素吸収剤を同梱することが行われている。その際に酸素吸収剤の能力や包装材料のピンホール、シール不良などによる酸素の侵入を検知するために酸素インジケーターが用いられることが多いが、錠剤型の場合には個々に投入する手間が必要であるため、省力化や検知の容易化を目的として印刷型のものが開発されている。 酸素インジケーターはメチレンブルーなどの酸化還元色素の、還元状態と酸化状態とで呈する色相の違いを利用するものである。すなわちメチレンブルーは有酸素下においては酸素によって酸化され青色を呈し、無酸素下においては還元剤の働きで無色となる。今日酸化還元色素と、還元剤、バインダー樹脂等を組み合わせてなる多くの酸素インジケーターが商品化されている。 一方メチレンブルーを含む酸化還元色素は、光による分解もしくは反応により退色を起こしやすいことが知られている。内容物が見えるタイプの包装材料に、光による分解もしくは退色を起こす酸化還元色素を有する酸素インジケーターが内包されている場合には、包装材料を透過した太陽光や室内の照明光等に長時間曝されることによって色素が退色し、酸素インジケーターの機能が発現しなくなる恐れがある。 また安全衛生性や還元力の観点からは、還元糖類や還元性ビタミン類が還元剤として選択されることがほとんどであるが、経時でビタミン類の分解や反応が進むことにより変色して赤みを帯びてくることがある。この場合、還元剤の変色が本来の酸素インジケーターの色素の色相変化に影響して判別をしにくくする恐れがある。特開2003−227797号公報 本発明は、印刷型の酸素インジケーターが太陽光や室内の照明光等に長時間曝されることによって色素が退色し、酸素インジケーターの色相変化による酸素の検知機能が劣化し損なわれる問題を解決しようとするものである。同時に還元剤の経時による分解や反応により酸素インジケーターの色相が赤みを帯びることが影響して、酸化還元色素の色相変化がわかりにくくなることの問題を解決しようとするものである。すなわち耐光性に優れると同時に、還元剤の経時による色相変化の影響を受けることなく酸化還元色素の色相変化を見やすくすることのできる酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋を提供することを課題とする。 上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、ガスバリア性を有する基材の上に、着色したアンカーコート層を部分的に設け、酸素インジケーター層を順次積層し、さらに接着剤層を介してシーラント層を設けたことを特徴とする酸素インジケーターである。 また、請求項2に記載の発明は、基材の側を外側として、外光が酸素インジケーター層に到達する光の透過率が、350nm〜600nmの波長域において60%未満であることを特徴とする請求項1に記載の酸素インジケーターである。 また、請求項3に記載の発明は、アンカーコート層の着色が赤色であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸素インジケーターである。 また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の酸素インジケーターを用い、基材を外側とし、シーラント層同士を重ね、製袋したことを特徴とする包装袋である。 本発明によって、印刷型の酸素インジケーターが太陽光や室内の照明光等に長時間曝されることによって色素が退色し、酸素インジケーターの色相変化による酸素の検知機能が劣化し損なわれる問題を解決すること可能になる。同時に還元剤の経時による分解や反応により酸素インジケーターの色相が赤みを帯びることが影響して、酸化還元色素の色相変化がわかりにくくなることの問題を解決することが可能になる。 すなわち本発明によって耐光性に優れると同時に、経時による還元剤の色相の変化の影響を受けることなく、酸化還元色素の色相変化を見やすくすることのできる酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋を提供することができた。本発明に係る一実施態様の部分断面模式図である。 以下本発明を実施するための形態について、図1を参照しながら詳細に説明する。基材(1)にはガスバリア性を有するフィルム、またはガスバリア性を有するフィルムを他のプラスチックフィルムに貼り合せたものを用いる。基材(1)に、遮光性を付与したアンカーコート層(2)を設け、さらにその上に酸素インジケーター層(3)を設ける。アンカーコート層(2)および酸素インジケーター層(3)は印刷法によって設けるとよい。印刷はグラビア印刷法、オフセット印刷法、シルクスクリーン印刷法などを用いて行うことができる。 アンカーコート層(2)は樹脂成分および溶剤に着色剤を加え着色したものを印刷インキとして用いる。従来の黄色の着色剤を加えることがあったが、黄色に比べて赤色のほうが体光性において優れ安定しているため、赤色の着色を用いることが望ましい。また酸素インジケーター層(3)に含まれる還元剤が分解や反応を起こして赤みを帯びた場合でも、酸素インジケーター層(3)の色相変化への還元剤の変色の影響をできるだけ排除してより見やすくしようとするものである。 酸素インジケーター層(3)の色相変化を外観目視においてより容易に確認できるように、あらかじめ包材外側から見て赤味の外観にしておくことによって、還元剤が赤みを帯びることによる影響を目立たなくすることを目的としてアンカーコート層(2)は赤色に着色する。すなわち還元剤の変色に合わせた着色とすればよい。 またアンカーコート層(2)の着色によって包材外側(7)からの入射光のうち酸素インジケーター(3)に到達する光を、350nm〜600nmの波長域においての透過率が60%以下になるようにアンカーコート層(2)の着色の濃度を調整する。 酸素インジケーター層(3)を形成するためのインキの主成分は、バインダー、溶剤、還元剤および酸化還元色素としてメチレンブルーを使用することができる。 さらにシーラント層(5)を接着剤層(4)を介して包材内側(6)になるよう設けることによって酸素インジケーター(10)を得ることができる。シーラント層(5)を設けることにより、酸素インジケーター(10)を製袋加工によって包装袋にすることが可能となる。 以下に本発明の具体的実施例を説明する。 <実施例1>(基材および層構成)延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、ガスバリアフィルムをこの順に積層ラミネートし、ガスバリアフィルム側にアンカーコート層(赤色)、酸素インジケーター層を順次印刷して設けた。さらに酸素インジケーターの側に、接着剤を介して押し出し機を用いた低密度ポリエチレンのシーラント層を設けた。(アンカーコート層のインキ組成)ウレタン樹脂、希釈溶剤、水溶性樹脂、赤色インキ。(透過率)基材の側を外側として、外光が酸素インジケーター層に到達する光の350nm〜600nmの波長域においての透過率を島津製作所製分光光度計(UV−2450)を用いて測定した。透過率=10〜60%(酸素インジケーター層のインキ組成)メチレンブルー、Lアスコルビン酸、バインダー樹脂、グリセリン、合成シリカ、水、メタノール。(製袋)上記積層体をシーラント同士が接触するように重ね、加熱・加圧による製袋加工によって包装袋を作成した。 以下に本発明の比較例を説明する。 <比較例1>実施例1と比べてアンカーコート層のインキ組成のみが異なる。(基材および層構成)延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、ガスバリアフィルムをこの順に積層ラミネートし、ガスバリアフィルム側にアンカーコート層(無色)、酸素インジケーター層を順次印刷して設けた。さらに酸素インジケーターの側に、接着剤を介して押し出し機を用いた低密度ポリエチレンのシーラント層を設けた。(アンカーコート層のインキ組成)ウレタン樹脂、希釈溶剤、水溶性樹脂。(透過率)基材の側を外側として、外光が酸素インジケーター層に到達する光の350nm〜600nmの波長域においての透過率を島津製作所製分光光度計(UV−2450)を用いて測定した。透過率=80〜90%(酸素インジケーター層のインキ組成)メチレンブルー、Lアスコルビン酸、バインダー樹脂、グリセリン、合成シリカ、水、メタノール。(製袋)上記積層体をシーラント同士が接触するように重ね、加熱・加圧による製袋加工によって包装袋を作成した。 <比較例2>実施例1と比べてアンカーコート層の組成のみが異なる。(基材および層構成)延伸ポリプロピレンフィルム、延伸ナイロンフィルム、ガスバリアフィルムをこの順に積層ラミネートし、ガスバリアフィルム側にアンカーコート層(黄色)、酸素インジケーター層を順次印刷して設けた。さらに酸素インジケーターの側に、接着剤を介して押し出し機を用いた低密度ポリエチレンのシーラント層を設けた。(アンカーコート層のインキ組成)ウレタン樹脂、希釈溶剤、水溶性樹脂、黄色インキ。(透過率)基材の側を外側として、外光が酸素インジケーター層に到達する光の350nm〜600nmの波長域においての透過率を島津製作所製分光光度計(UV−2450)を用いて測定した。透過率=30〜80%(酸素インジケーター層のインキ組成)メチレンブルー、Lアスコルビン酸、バインダー樹脂、グリセリン、合成シリカ、水、メタノール。(製袋)上記積層体をシーラント同士が接触するように重ね、加熱・加圧による製袋加工によって包装袋を作成した。 (実験1)実施例1、比較例1、比較例2において製袋加工した包装袋に脱酸素材を封入し無酸素状態にする。次に蛍光灯の光で長期間さらされる場合を想定した促進試験をキセノンアーク光源(60W/m2波長域300nm〜400nm)を用いて6時間照射し、開封とともに有酸素色への色の変化を観察した。表1に無酸素状態および開封後一日放置した時の有酸素状態の色を示す。 表1の結果から下記の結論を得た。アンカーコートが遮光性を有する実施例1と比較例2はいずれも有酸素色を示したがアンカーコートが無色で遮光性を有さない比較例1は有酸素色を示さなかった。アンカーコート層中の添加インキが特定の波長をカットすることで、酸化還元色素の劣化を抑制することが可能であることを検証することができ、耐光性に優れる酸素インジケーターを得ることができた。 (実験2)実施例1、比較例1、比較例2において製袋加工した包装袋に脱酸素材を封入し無酸素状態にするその後、長期保管試験として40℃・75%の環境で3ヶ月間保管し、経時による色の変化を確認した。長期保管試験前後の色相の違いを観察し表2に示す。 表2の結果から下記の結論を得た。アンカーコートに赤色のインキを添加した実施例1のみが、長期保管試験前後での酸素インジケーター自体の色の変化が見られなかった。還元剤の分解や反応による色の変色は赤みを帯びる方向に進むため、アンカーコート層をあらかじめ赤色に着色しておくことで、酸素インジケーターの色相変化への影響を排除することができることを検証でき、酸素インジケーターの色相変化の確認がより容易になる酸素インジケーターを得ることができた。 実験1および実験2の結果から、本発明によって耐光性に優れると同時に、還元剤の経時による色相変化の影響を受けることなく酸化還元色素の色相変化を見やすくすることのできる酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋を実現することができた。1・・・基材2・・・アンカーコート層3・・・酸素インジケーター層4・・・接着剤層5・・・シーラント層6・・・包材内側7・・・包材外側10・・・酸素インジケーター ガスバリア性を有する基材の上に、着色したアンカーコート層を部分的に設け、酸素インジケーター層を順次積層し、 さらに接着剤層を介してシーラント層を設けたことを特徴とする酸素インジケーター。 基材の側を外側として、外光が酸素インジケーター層に到達する光の透過率が、350nm〜600nmの波長域において60%未満であることを特徴とする請求項1に記載の酸素インジケーター。 アンカーコート層の着色が赤色であることを特徴とする請求項1または2に記載の酸素インジケーター。 請求項1〜3のいずれかに記載の酸素インジケーターを用い、 基材を外側とし、 シーラント層同士を重ね、製袋したことを特徴とする包装袋。 【課題】耐光性に優れると同時に、還元剤の経時による色相変化の影響を受けることなく酸化還元色素の色相変化を見やすくすることのできる酸素インジケーターおよびそれを用いた包装袋を提供することを課題とする。【解決手段】ガスバリア性を有する基材の上に、着色したアンカーコート層を部分的に設け、酸素インジケーター層を順次積層し、さらに接着剤層を介してシーラント層を設けたことを特徴とする酸素インジケーターである。また基材の側を外側として、外光が酸素インジケーター層に到達する光の透過率が、350nm〜600nmの波長域において、60%未満であることを特徴とする請求項1に記載の酸素インジケーターである。【選択図】図1


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