| タイトル: | 公開特許公報(A)_固形化粧料 |
| 出願番号: | 2014007932 |
| 年次: | 2015 |
| IPC分類: | A61K 8/23,A61Q 1/00,A61K 8/29,A61K 8/891,A61K 8/37,A61Q 1/10 |
市野 愛弓 根本 正樹 JP 2015137228 公開特許公報(A) 20150730 2014007932 20140120 固形化粧料 紀伊産業株式会社 000158781 八木 敏安 100120019 市野 愛弓 根本 正樹 A61K 8/23 20060101AFI20150703BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20150703BHJP A61K 8/29 20060101ALI20150703BHJP A61K 8/891 20060101ALI20150703BHJP A61K 8/37 20060101ALI20150703BHJP A61Q 1/10 20060101ALI20150703BHJP JPA61K8/23A61Q1/00A61K8/29A61K8/891A61K8/37A61Q1/10 2 OL 10 4C083 4C083AB152 4C083AB172 4C083AB211 4C083AB212 4C083AB231 4C083AB232 4C083AB241 4C083AB242 4C083AB361 4C083AB362 4C083AB431 4C083AB432 4C083AC011 4C083AC012 4C083AC341 4C083AC342 4C083AD022 4C083AD151 4C083AD152 4C083BB13 4C083BB25 4C083CC12 4C083CC14 4C083DD21 4C083EE06 4C083EE07本発明は、硫酸カルシウム2水和物、フッ素化合物処理粉末及び液状油を含有し、該液状油を高配合する固形化粧料を提供するものである。更に詳しくは、コンパクトケースに収納することができるため持ち運びに便利である、ケーキングを生じにくい、皮膚への伸び広がりが良好である、保湿感・皮膚への密着性が高い、べたつきがない、化粧持続性に優れる、等の種々の優れた性能を有する固形化粧料に関するものである。固形化粧料としては、化粧料粉末を中容器(金皿、樹脂皿等)に充填し、圧縮成型固化して得られる剤型が汎用されている。このようなものとして具体的には、コンパクトケースに収納され使用されるパウダーファンデーション等が一般的である。そのような化粧料の殆どは、主として粉末と油剤からなり、油剤が5〜15質量%配合されている。しかし、このような化粧料は、皮膚に塗布した際、化粧料自体が皮脂を吸収し、かさつきや粉っぽさを感じるなどの問題を生じやすい。このような問題を改善するため、化粧料中の油剤を増やし、密着性や保湿感を高めた化粧料について検討されている。しかし油剤の配合量が多くなるに従い、伸びが悪くなる等の感触の悪化が生じてしまう。更に、粉末同士の凝集性が強まるために、パフやスポンジなどの小道具によって化粧料を移しとろうとする際、化粧料がとれなくなるケーキング現象が生じてしまう。このため、油剤の配合量を増やしても、満足のいく性能を得ることは困難であった。一方、さらに油剤の配合量を増やし、化粧料中の油分が連続層になる油性化粧料が上市されている。この剤型では油剤や保湿成分を多量に配合できるため、容易に保湿感を高めることが可能である。しかし、べたつきやテカリ等を生じ、すべてを満足できるものには至っていない。このような問題点を解決するために、特定の多孔質シリカ(0.1〜20質量%)を含む粉体成分(60〜75質量%)とセラミド、セラミド類似構造物質、コレステロール、コレステリルエステル及びコレステリルイソステアレートから選ばれる保湿成分(0.1〜15質量%)を含む油分(25〜40質量%)とを配合した固形化粧料が提案されている(特許文献1)。しかしながら、特許文献1の化粧料は、油性化粧料特有のべたつきやテカリ等は生じないものの、使用感触と、保湿感という点で満足できるものではなかった。ほかにも、多孔質粉体を含む粉体(30〜60重量%)と油剤(40〜70重量%)を含有し、加熱しても流動性を帯びないことを特徴とした固形化粧料(特許文献2)や、粉体(40〜75重量%)と1気圧、25℃の条件下で流動性を有する油剤(20〜50重量%)を含有するファニキュラー領域の固形化粧料が提案されている(特許文献3)。これらの固形化粧料も、伸びが重くて均一な化粧塗膜が得られにくく、べたつきを生じ、テカっているように見える仕上がりで、化粧持続性に満足できるものではなかった。特許3526426号公報特許3308175号公報特開2006−1883号公報本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、油剤を高配合しても使用性、官能特性、化粧持続性等に優れた固形化粧料及びその製造方法を提供することを目的とするものである。本発明は、次の成分(a)〜(c);(a)硫酸カルシウム2水和物5〜40重量%(b)フッ素化合物処理粉末 5〜70重量%(c)液状油 20〜40重量%を含有し、圧縮成型して得られたものであることを特徴とする固形化粧料である。上記成分(c)は、成分(c)全量に対してシリコーン油を20重量%以上含有するものであることが好ましい。本発明により、コンパクトケースに収納し持ち運びに便利で、ケーキングを生じず、皮膚への伸び広がりが良好であり、保湿感・皮膚への密着性が高く、べたつきのない化粧持続性に優れた固形化粧料を提供できる。以下本発明を詳細に説明する。従来、固形化粧料における油剤配合量を増やすと、密着性やしっとり感は得られるものの、伸びやとれが悪化するという問題があった。本発明の固形化粧料は、油剤を高配合しつつ、伸びやとれも良好であり、かつ優れた化粧持続性を有するという効果を有するものである。本発明は、成分(a)硫酸カルシウム2水和物と成分(b)フッ素化合物処理粉末とを特定量含有することにより、上述の効果を得ることを見出したものである。上記成分(a)は、油性成分を多量に保持することができる成分である。これによって、保湿感を高めつつ、粉末の凝集を抑制し、所謂ケーキング現象を防いで小道具へのとれを良好にすることができる。さらには、皮膚に塗布した際の伸び、広がりを良好にし、ムラなく均一に塗布することができる。上記成分(a)としては特に限定されず、一般的な市販の化粧料用の硫酸カルシウム2水和物を使用することができる。成分(a)の含有量は、固形化粧料総量に対して5〜40重量%である。上記下限は、好ましくは10重量%であり、上記上限は好ましくは35重量%である。含有量が5重量%未満では小道具へのとれが不十分でありケーキングを起こしやすい。また40重量%を超えて含有すると、必要以上にとれ過ぎて皮膚に塗布した際の使用感、仕上り感を悪化させる場合がある。本発明に用いられる成分(b)は、化粧持続性を向上させることを目的で含有する。また、粉末の凝集も抑制し、ケーキングを防止することもできる。成分(b)のフッ素化合物処理粉末としては、通常公知の粉末を通常化粧料に用いられるフッ素化合物で表面処理した粉末を使用することができる。成分(b)の基材となる粉末としては、特に限定されず、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄等の無機着色顔料、雲母チタン、ベンガラ被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機粒子等の化粧品において汎用される材料を使用することができる。上記フッ素化合物処理としては特に限定されず、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル・ジエタノールアミン塩、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロオクチルトリエトキシシラン、フルオロ(C9−15)アルコールリン酸等のフッ素化合物によって処理したものを挙げることができる。具体的には、大東化成工業社製のPF(パーフルオロアルキルリン酸エステル・ジエタノールアミン塩)処理、FHS(パーフルオロオクチルトリエトキシシラン)処理、FOTS(パーフルオロアルキルリン酸エステル・ジエタノールアミン塩、トリエトキシカプリルシラン)処理等のフッ素化合物処理が施された粉末を挙げることができる。上記成分(b)は、1種又は2種以上を組合せて使用することができる。成分(b)の含有量は、固形化粧料総量に対して5〜70重量%で、好ましくは10〜65重量%である。含有量が5重量%未満では、皮膚に塗布した際に十分な化粧持続性を満たすことが出来ず、ケーキングも生じやすい。また70重量%を超えて含有すると化粧料の成形性が悪くなり、皮膚への密着性も低下する。本発明に用いられる成分(c)は、20℃のとき流動性を有するものであり、通常の化粧料に用いられるものであれば特に制限されず、例えば流動パラフィン、スクワラン、オレフィンオリゴマー等の炭化水素油;オリーブ油、ホホバ油、マカデミアナッツ油、アーモンド油、アボカド油等の油脂;イソステアリン酸等の高級脂肪酸;イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、パルミチン酸エチルヘキシル、エチルヘキサン酸セチル、ジエチルヘキサン酸ネオペンチルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサノイン、乳酸オクチルドデシル、トリイソステアリン酸ポリグリセリル−2、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、ヒドロキシステアリン酸エチルヘキシル、ジ(カプリル酸/カプリン酸)プロパンジオール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、セスキイソステアリン酸ソルビタン、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル等のエステル油;オクチルドデカノール等の高級アルコール;ジメチコン、揮発性環状シリコーン油、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン等のシリコーン系油剤;ポリパーフルオロメチルイソプロピルエーテル、フッ素変性シリコーン等のフッ素系油剤等が挙げられる。これらの液状油は、1種又は2種以上を組合せて用いることができ、含有量は固形化粧料総量に対して20〜40重量%であり、好ましくは25〜35重量%である。含有量が20重量%未満では、保湿効果を充分に得られず、仕上りも粉っぽく浮いた仕上りになる。また40重量%を超えて含有すると、べたつきが生じ、テカっているように見える仕上がりになってしまう。更に、成分(c)は、成分(c)全量に対してシリコーン油を20重量%以上含有することが好ましい。シリコーン油を20重量%以上含有させることで、化粧持続性がより一層向上する。上記シリコーン油としては特に限定されず、例えば、ジメチコン、揮発性環状シリコーン油、フェニルトリメチコン、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、プロピルシルセスキオキサン、ポリエーテル変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フェニル変性シリコーン等が挙げられる。特に粘度が6〜100 mPa・sのジメチコン、シクロペンタシロキサン、シクロヘキサシロキサンが好ましい。上記シリコーン油の含有量の上限は特に限定されない。また、本発明の固形化粧料には成分(c)の他に、必要に応じ、固形油分、半固形油分を併用することも出来る。本発明の固形化粧料は、上記成分(a)及び(b)以外の粉末を含有するものであってもよい。このような粉末としては特に限定されず、下記のようなものが挙げられる。タルク、マイカ、セリサイト、カオリン、合成金雲母、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の体質顔料;酸化亜鉛、酸化チタン等の白色顔料;雲母チタン、酸化チタン被覆フレーク状ガラス等の光輝性粉末;ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化クロム、カーボンブラック、群青、紺青等の無機の着色顔料;法定タール系色素やこれらのレーキ色素、ベニバナ色素やカルミン等の天然色素等の有機の着色顔料;その他の成分として、シリカ、アルミナ、窒化ホウ素、金属石鹸、ナイロンパウダー、シルクパウダー、シリコーンパウダー、セルロースパウダー、アクリル樹脂パウダー、ポリウレタンパウダー、ポリエチレンパウダー等が挙げられる。これらの粉末の形状及び粒径に特に制限はない。本発明で用いる成分(a)及び(b)以外の粉末は、ステアリン酸Alやミリスチン酸Al等の脂肪酸金属石鹸処理;ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等のシリコーン処理;トリエトキシカプリルシラン等のシラン処理;ラウロイルリジンやステアロイルグルタミン酸塩等のアミノ酸処理等の疎水化処理がされていてもよい。これらの疎水化処理剤を用いて疎水化処理する方法は、従来公知の方法を用いればよい。本発明において、上記の各成分以外に、一般に用いられる薬効成分、着香剤、清涼剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、懸濁剤、安定化剤、湿潤剤、抗酸化剤、pH調整剤、粘度調整剤、着色剤、防腐剤等を配合することができる。本発明の固形化粧料の製造方法としては特に限定されず、上記各成分を混合し、通常の圧縮成形を行うことによって製造することができる。本発明の固形化粧料は、例えば、化粧下地、ファンデーション、頬紅、アイシャドウ、アイブロウ、アイライナー、ボディ用化粧料等の化粧料として使用することができる。次に、本発明を実施例及び比較例を挙げてさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、配合量はすべて重量%である。実施例に先立ち、本発明で用いた試験法、評価法を説明する。評価方法:使用感(とれの良さ、ケーキングしない、伸びの良さ、滑らかさ、べたつきのなさ、密着性、保湿感)、仕上り感(粉っぽく浮いて見えない、テカって見えない、均一な仕上がり)について化粧品評価専門パネル20名に実施例および比較例の化粧料を使用してもらい、各項目で各自が以下の基準に従って5段階評価し、化粧料毎に評点を付し、さらに全パネルの評点の平均点を以下の4段階の判定基準に従って判定した。尚、化粧持続性については、化粧料塗布直後の状態と塗布後5時間(日常生活)の状態を比較し下記の基準で評価した。(評価基準)評価結果 : 評点非常に良好 : 5点良好 : 4点普通 : 3点やや不良 : 2点不良 : 1点(判定基準)評点の平均点 : 判定4.5以上 : ◎3.5以上〜4.5未満 : ○1.5以上〜3.5未満 : △1.5未満 : ×(実施例1〜9及び比較例1〜6)表1及び2に示した各原料を用いて以下に示す製法に従って固形化粧料を製造した。(製法)実施例1〜9および比較例1〜6A. 粉末成分1〜11をミキサーで均一に分散する。B. Aをアトマイザーで粉砕する。C. Bに油性成分12〜15を添加し、ニーダーで混練りする。D. Cを金皿に適量充填した後、プレス成形し固形ファンデーションを得た。表1から明らかなように、本発明の固形ファンデーションは、使用感(とれの良さ、ケーキングしない、伸びの良さ、滑らかさ、べたつきのなさ、密着性、保湿感)、仕上り感(粉っぽく浮いて見えない、テカって見えない、均一な仕上がり)及び化粧持続性において優れたものであった。以下の処方にて、上記実施例と同様の方法で化粧料を得た。得られた化粧料は、上記実施例1〜9と同様の優れた性能を有するものであった。実施例10:コンシーラー(1)硫酸カルシウム2水和物 25.0(2)フッ素化合物処理タルク 注13 19.6(3)着色剤 5.4(4)シリコーン処理酸化チタン 注14 25.0(5)ジメチコン 18.0(6)イソノナン酸イソノニル 注12 2.0(7)オレフィンオリゴマー 注15 5.0注13 FOTS−52タルクJA−46R(大東化成工業社)注14 SAチタンCR−50(80%)(三好化成社)注15 ノムコートHP−100(日清オイリオ社)(製法)実施例1と同様の方法でコンシーラーを得た。実施例11:アイシャドウ(1)硫酸カルシウム2水和物 15.0(2)フッ素化合物処理セリサイト 注16 5.0(3)硫酸バリウム 11.7(4)窒化ホウ素 5.0(5)着色剤 11.3 (6)雲母チタン 10.0(7)ホウケイ酸(Ca/Al) 10.0(8)ジメチコン 25.0(9)イソノナン酸イソノニル 注12 2.0(10)オレフィンオリゴマー 注15 5.0注16 PF−5セリサイトFSE(大東化成工業社)(製法)実施例1と同様の方法でアイシャドウを得た。 実施例10、11の化粧料は、使用感(とれの良さ、ケーキングしない、伸びの良さ、滑らかさ、べたつきのなさ、密着性、保湿感)、仕上り感(粉っぽく浮いて見えない、テカって見えない、均一な仕上がり)及び化粧持続性において優れたものであった。本願発明の固形化粧料は、油剤を高配合してもケーキングを生じず、皮膚への伸び広がりが良好であり、保湿感・皮膚への密着性が高くて、べたつきがなく、化粧持続性に優れ、頬紅、アイシャドウ、アイライナー、サンケア、ボディ用化粧料等のメイクアップ化粧料に好適に使用することができる。次の成分(a)〜(c);(a)硫酸カルシウム2水和物5〜40重量%(b)フッ素化合物処理粉末 5〜70重量%(c)液状油 20〜40重量%を含有し、圧縮成型して得られたものであることを特徴とする固形化粧料。前記成分(c)は、成分(c)全量に対してシリコーン油を20重量%以上含有するものである請求項1記載の固形化粧料。 【課題】硫酸カルシウム2水和物、フッ素化合物処理粉末及び液状油を含有し、該液状油を高配合する固形化粧料を提供するもので、更に詳しくはコンパクトケースに収納し持ち運びに便利な上、ケーキングを生じず、皮膚への伸び広がりが良好であり、保湿感・皮膚への密着性が高く、べたつきのない化粧持続性に優れた固形化粧料に関するものである。【解決手段】次の成分(a)〜(c);(a)硫酸カルシウム2水和物5〜40重量%(b)フッ素化合物処理粉末 5〜70重量%(c)液状油 20〜40重量%を含有し、圧縮成型して得られたものである固形化粧料。【選択図】なし