生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_動物用飼料添加物
出願番号:2013549854
年次:2015
IPC分類:A23K 1/16,A61K 36/00,A61K 47/44,A61K 36/18,A61K 36/896,A61K 36/53,A61K 31/05,A61K 31/11,A61K 31/4525,A61P 3/02,A61P 37/02,A61P 31/04,A61P 33/00,A61P 43/00,A61K 31/191,A61K 31/19,C12Q 1/68


特許情報キャッシュ

パブロス ペレス,エンリケ JP 2015508278 公表特許公報(A) 20150319 2013549854 20120120 動物用飼料添加物 ノレル,エセ.ア 513183636 清原 義博 100082072 パブロス ペレス,エンリケ ES 201130070 20110121 A23K 1/16 20060101AFI20150220BHJP A61K 36/00 20060101ALI20150220BHJP A61K 47/44 20060101ALI20150220BHJP A61K 36/18 20060101ALI20150220BHJP A61K 36/896 20060101ALI20150220BHJP A61K 36/53 20060101ALI20150220BHJP A61K 31/05 20060101ALI20150220BHJP A61K 31/11 20060101ALI20150220BHJP A61K 31/4525 20060101ALI20150220BHJP A61P 3/02 20060101ALI20150220BHJP A61P 37/02 20060101ALI20150220BHJP A61P 31/04 20060101ALI20150220BHJP A61P 33/00 20060101ALI20150220BHJP A61P 43/00 20060101ALI20150220BHJP A61K 31/191 20060101ALI20150220BHJP A61K 31/19 20060101ALI20150220BHJP C12Q 1/68 20060101ALN20150220BHJP JPA23K1/16 304CA23K1/16 301FA23K1/16 305AA61K35/78A61K47/44A61K35/78 CA61K35/78 VA61K35/78 QA61K31/05A61K31/11A61K31/4525A61P3/02A61P37/02A61P31/04A61P33/00A61P43/00 121A61K31/191A61K31/19C12Q1/68 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN ES2012070029 20120120 WO2012098282 20120726 25 20130919 2B150 4B063 4C076 4C086 4C088 4C206 2B150AA03 2B150AA05 2B150AA10 2B150DA32 2B150DD37 2B150DD38 2B150DD42 2B150DD56 2B150DJ03 4B063QA01 4B063QQ42 4B063QR32 4B063QR62 4B063QS25 4C076AA99 4C076BB01 4C076BB35 4C076BB36 4C076CC07 4C076CC21 4C076CC32 4C076CC34 4C076EE58H 4C076FF04 4C076GG16 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC21 4C086GA02 4C086GA12 4C086MA03 4C086MA05 4C086MA52 4C086NA05 4C086NA14 4C086ZB22 4C086ZB35 4C086ZB38 4C086ZC21 4C086ZC61 4C086ZC75 4C088AB11 4C088AB38 4C088AB81 4C088AB85 4C088BA02 4C088MA02 4C088MA52 4C088NA05 4C088NA14 4C088ZB07 4C088ZB22 4C088ZB35 4C088ZB38 4C088ZC21 4C088ZC61 4C088ZC75 4C206AA01 4C206AA02 4C206CB05 4C206DA03 4C206DA07 4C206MA03 4C206MA05 4C206MA72 4C206NA05 4C206NA14 4C206ZB07 4C206ZB22 4C206ZB35 4C206ZB38 4C206ZC21 4C206ZC61 4C206ZC75 本発明は、植物性脂肪および/または植物油で一緒にコーティングされた、植物由来の活性成分と組み合わされた有機酸塩に基づく動物用飼料添加物に言及する。これらの有機酸塩は、動物の成長の促進剤または刺激薬として、免疫反応の調節物質として、および、殺菌剤として用いられる。したがって、本発明は、動物の生産の分野、とりわけ、動物の飼料および健康の分野である。(最先端技術) 近年、ヨーロッパにおける動物用飼料の動向は、農場主の生産と経済的収量を改善するために、動物の飼料のニーズをカバーするだけでなく、その健康状態を強化し、薬物を使用することなく病理学的問題を減らす、食餌を探すことであった。動物の健康と免疫を制御する1つの方法は、腸管細菌叢の制御による。 添加物の使用は、生産量を改善し、健康状態を改善し、食品のより効率的な利用を達成する目的で、動物の食餌では一般的なやり方であった。ヨーロッパ連合で成長促進物質としての抗生物質の使用が禁止されたため(指令 1831/2003/CEE)、抗生物質そのものと比べても生産を改善することがしばしば実証された添加物が必要とされた(特許文献1)。近年行なわれた様々な研究によって、有機酸が優れた代替案であることが分かってきた。それらの作用様式は、一方では、病原菌の進行を制限してタンパク質の消化を助ける胃のpHの低下にあり、他方では、細菌に入ってその代謝を阻害するこれらの有機酸のいくつかの能力にある。この意味において、ブタン酸としても知られている酪酸は何年間も研究されており、ブタ、家禽、反芻動物などの複数の種や魚でも、有益な効果が観察されている。酢酸およびプロパン酸と一緒に、酪酸は、短鎖の揮発性脂肪酸(VFA)のグループに属する。短鎖VFAは、腸内細菌科の細菌のグループ(サルモネラ、大腸菌など)(特許文献2)の成長を阻害することができる。この阻害は、揮発性脂肪酸の溶解していない形状が細菌膜を超えて、細菌代謝に干渉し、死に至らしめることがあり得るという事実のために生じる。酸性陰イオンは細菌の遺伝子転写にも干渉し、細菌が再生産したり、感染を引き起こしたりするのを防ぐ。酪酸は他のVFAよりも優れた拡散係数を有しているため、他の酸よりも容易に細菌の壁を超える。 抗菌効果に加えて、酪酸には独特な別の効果がある。例えば、酪酸は、膵液分泌を刺激する(特許文献3、特許文献4)、電解質の吸収を改善する、下痢の発生率を低下させる、腸内の微絨毛の再生産を増加させる、その長さを増加させる(特許文献5、特許文献6)と同時に、腸吸収面積を増やすことで家禽の平均体重を増加させて、優れた食物変換をもたらす。したがって、これらの研究はすべて、栄養面と健康面の両方で、酪酸が畜産農家には有益であることを実証している。 酪酸の遊離形態は、腐食しやすく揮発性が高いため、取り扱いが難しいということを指摘しなければならない。この問題を解決するために、酪酸の様々な形態:酪酸の塩、マイクロカプセル化された酪酸の塩、および、植物性脂肪と植物油のマトリックス内で保護された酪酸の塩が開発されてきた。これらは、活性成分の一部を保護し、この天然の成長促進物質の徐放を達成し、結果として、様々な徐放性の天然の成長促進剤に生成物を含めるために、その成長を促すとともに動物の消化管の殺菌作用を保証すると同時に、可能な限り最も高い保護濃度を提供する。この保護された酸性塩は、Gustor BP−70(norel、sa、spain)の名で売られている。以降、本発明では、これをBP−70と呼ぶ。 植物油および/または植物性脂肪を含む酪酸の塩の部分的な保護により、酪酸ナトリウムは動物の消化管の全体にわたって有効に作用することができ、消化管の最初の部分からもっとも遠い部分へと活性成分を確実に行き渡らせ、天然の成長促進剤としてだけでなく、免疫反応の調節物質および殺菌剤としても作用し、病原性菌による感染の可能性を少なくする。Gustor BP−70の有効性は、保護されていない酪酸の塩が作用しない領域(盲腸/糞便)や、カプセル化形状のこれらの塩がまだ作用することができない領域(素嚢)で実証されており、ニワトリの栄養摂取における細菌感染に対する、とりわけ、腸炎菌に対する戦いにおいて、Gustor BP−70を完全で有効な生成物と至らしめている(特許文献7)。 動物と人に影響する主な病原性菌の1つであるので、殺菌剤としての酪酸ナトリウムの機能は主に、サルモネラ菌性腸炎の処置で使用されてきた。病原性菌のなかには細菌ウェルシュ菌があり、それは、様々な毒素の産生の結果として壊疽性腸炎を引き起こし、腸粘膜の壊死を結果としてもたらし、主として鶏、七面鳥、アヒルおよび野鳥に影響を与える。ウェルシュ菌(C.perfringens)は腸内で自然に生じ、特定の状況下、例えば、食事の変化によって、とりわけ、動物がバランスの取れていない食事または質の悪い生の原料を含む食事を摂る際に頻繁に現われる過度の未分解および未消化の栄養素、飼料を製粉化した結果としての腸上皮の過剰な損耗による腸管関連リンパ組織(GALT)の貧弱な免疫反応、マイコトキシン、コクシジウムなどの存在、腸の微生物叢の不均衡、および、それ以外の条件によって増殖する。1972年には、抗コクシジウム薬モネンシンが販売され、ウェルシュ菌による感染のケースは現れなくなったかのように思われたが、成長促進剤としての抗生物質を除去し、抗コクシジウム薬を食事に加える傾向にあるなか、この疾患が再発する傾向は強まっている。 したがって、食用に太らせる動物の感染症の増加という拡大しつつあるこの問題を解決するために、かつ、これらの動物の成長を改善するために、本発明は、植物性脂肪および/または植物油で一緒に部分的にコーティングした、天然由来の活性成分、好ましくは精油と、有機酸、好ましくは酪酸の塩とを含む、新しい動物用飼料添加物を開発した。この添加物は、細菌、とりわけグラム陽性菌とコクシジウムの増殖を阻害することができ、さらに、腸上皮の状態を改善し、処置を施された動物の体重を改善する。この動物用飼料添加物の活性成分、つまり、有機酸塩と精油を、植物由来の脂肪および/または油で部分的にコーティングすることで、胃の消化からこれらの活性成分を保護するが、動物の胃腸管の全体にわたってそれらを活性化することができる。なぜなら、活性成分のこの部分的なコーティングを通じて、動物の胃腸管の異なる点で消化され、ゆえに放出される様々な量の脂肪(0%−50%の脂肪)を含む生成物の相が生成され得るからである(脂肪によって保護されない部分は放出され、小腸に至るまでの、胃腸管の最初の部分で効果がある。脂肪によって保護される部分は、脂肪が膵リパーゼの作用によって消化され出すまで放出されない)。脂肪の消化が遅いと仮定すると、インビトロ研究によると、活性成分の一部は胃腸管のもっとも遠い部分に達し、そこで作用を働かせることがあることが明らかになった。 本発明に記載される飼料添加物は腸上皮の進行を強化することもでき、本発明の例に記載される動物で誘発された壊疽性腸炎の結果、その数と大きさを減らす腸絨毛の成長を促す。さらに、腸上皮の進行の増加は、食物の吸収の改善を促し、それによって、添加物を与えられた動物の成長と肥育の上昇を引き起こす。本発明に記載される飼料添加物は、免疫反応の調整作用と、ウェルシュ菌およびサルモネラ菌を含む病原菌に対する殺細菌作用のおかげで、壊疽性腸炎などの細菌性疾患、または、腸炎菌によって引き起こされる細菌性疾患の発生率を低下させることもできる。植物油および/または植物性脂肪で一緒に部分的にコーティングされた、有機酸塩と植物精油との併用は、その殺菌効果を強化することに加えて、例えば、腸絨毛の進行において、上記のような酪酸塩の生理的な促進剤効果を強化することができる。 有機酸塩との組み合わせに含まれる他の好ましい活性成分は、精油である。栄養上の視点から見た精油の有機酸塩との主要な相乗作用は、微生物叢のバランスと制御を促すため、消化率の刺激物としての作用である。相乗作用は、免疫の刺激物、抗菌特性および抗酸化特性の刺激物としての作用にも重要である。 さらに、本発明では、動物用飼料添加物として、ともに植物由来の油および/または脂肪で保護されたこれらの有機酸塩および精油の組み合わせの使用が記載されており、殺菌剤および免疫調節物質と同様に天然の成長促進剤として作用するこの飼料添加物は、病原菌、特にウェルシュ菌およびサルモネラ菌の値を下げることができ、動物が細菌感染から保護される免疫反応を改善している。Dipeolu et al,2005Van Immerseel et al,2004Katoh and Tsudo,1984Sano et al,1995Galfi and Bokori 1990Lesson et al,2005Fernandez−Rubio c et al,2009 本発明は、動物の成長の天然の促進剤として作用するとともに、天然由来の活性成分、好ましくは精油と組み合わせた有機酸塩を含む、新しい動物用飼料添加物について記載している。この組み合わせは、植物性脂肪および/または植物油の部分的なコーティングによって、胃での消化から部分的に保護される。この部分的なコーティングは、胃腸管全体にわたって上記の活性成分の作用(もっとも遠い部分への事象)を妨げない。 成長促進剤または刺激物との用語は、動物の食餌の不可欠な一部を形成するとともに、動物の一日当たりの体重増加(DWG)と、消費される食料の変換とを改善する機能を果たす、上記のような添加物に与えられる。本発明では、成長促進剤または刺激物は、移植物中の注射によって、または、動物の食餌中の添加物として、異なる通路によって投与することができる。本発明では、成長の効果は体重の増加として測定される。 本発明の目的のために、有機酸という用語は、化学式中に1つ以上のカルボン酸基(COOH)を含有する化合物、つまり、ヒドロキシ酸、ケト酸、芳香族酸、複素環式化合物、および、アミドやラクトンなどの様々な官能基を有し得るプロトン供与体を指す。本発明で使用される有機酸は、好ましくは揮発性脂肪酸であり、好ましくは短鎖であり、次のものから選ぶことができる:酪酸、プロピオン酸、ギ酸、乳酸、クエン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、酢酸など。本発明に記載の動物用飼料添加物中の有機酸の比率は、総生成物の湿重量の30%〜70%の間で変動してもよく、好ましくはその比率は50%である。 本発明で使用される有機酸の塩は、好ましくはナトリウム塩、第二銅塩、カリウム塩、カルシウム塩などである。本発明に記載の動物用飼料添加物中の有機酸塩の比率は、総生成物の湿重量の30%〜70%の間で変動してもよく、好ましくは、その比率は60%である。 本発明では、上に列挙された酸の塩のいずれが使用されても構わないが、酪酸(酪酸ナトリウム)のナトリウム塩の使用が好ましい。 本発明の目的のために、植物由来の活性成分との用語は、それが加えられると生物に有益な効果を及ぼすことが可能な、適切な活性が起因し得る、植物由来の任意の材料を指す。本発明で使用される植物由来の活性成分は、好ましくは精油である。本発明の目的のために、精油という用語は、様々な分類の化合物、例えば、炭化水素、エステル、アルコール、アルデヒド、いくつかの酸、フェノールおよびその誘導体、ラクトンなど、植物二次代謝産物と呼ばれる植物生合成からのすべての長鎖生成物、に属する揮発性有機物質を指す。精油という用語は、コールタールから調製された同様の合成物質、および、天然の精油から調製された半合成物質にも当てはまる。本発明で使用される精油は、以下のリスト:ショウガ、ピペリン、オレガノ、ニンニク、チモール、カルバクロール、シンナムアルデヒドなどから選択することができる。本発明に記載の動物用飼料添加物中の植物由来の活性成分の比率は、総生成物の湿重量の1%〜20%の間で変動してもよく、好ましくはその比率は最終生成物の10%である。 本発明の目的のために、植物性(vegetableまたはplant)脂肪および/または植物油との用語は、種子から、または、エネルギー源として組織に蓄積する植物の他の部分から得られた有機化合物を指す。有機酸塩と、天然由来の活性成分、好ましくは精油との組み合わせをコーティングするために本発明で使用される植物性脂肪および/または植物油は、パームステアリン(パーム油を留分した後に得られたより固体の部分)と、パーム油脂肪酸(パーム脂肪酸留出物、PFAD)のカルシウム石鹸(パーム脂肪酸のカルシウムによる鹸化)から選ぶことができる。本発明で記載される、有機酸塩および精油をコーティングするこれらの植物性脂肪および/または植物油の比率は、総生成物の湿重量の30%〜60%の間で変動してもよく、好ましくはその比率は30%である。 さらに、本発明は、免疫反応調節物質として、または、殺菌剤として、動物の生産的なパラメーターを改善する(例えば、体重を増加させる)ことに加えて、この添加物、天然の成長促進剤の使用について記載しており、これは、例えば、家禽の壊疽性腸炎などのこれらの動物における細菌性疾患の発生率を低下させることができ、さらに、例えば、サルモネラ菌性腸炎、大腸菌、カンピロバクター菌種などの他のタイプの細菌性疾患や、例えば、ウサギ、ブタなどの他の動物でも使用されてもよい。 本発明の目的のために、殺菌剤との用語は、細菌を取り除くまたは死滅させることができる、任意の生成物、薬剤、または、物質として定義される。本発明の目的のために、殺菌効果または作用は、細菌感染によって動物の腸で生じる肉眼で見える変化として測定される。同様に、本発明の目的のために、免疫反応の調節は、サイトカイン、好ましくは、IL−1β、IL−2、CD3δγ、および、TNFSF15をコードする遺伝子の、感染したまたは感染していない、食餌の際に本発明の添加物を受け取らない対照動物に対する遺伝子発現の変化として測定される。グループA=対照と、B=BP−70+実験17日目のショウガおよびピぺリンを受け取った動物の体重。Y軸はグラムでの体重を示す。X軸は日数を示す。*は、感染したが未処置の対照グループと比較した統計的有意差(p<0.05)を示している。BP−70:植物油(湿重量の30%)で保護された酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。添加物に含まれるショウガとピペリンの比率は、5%のショウガおよび5%のピペリンである精油の各々の総生成物の湿重量の10%であった。グループA=対照と、B=BP−70+実験24日目のショウガとピぺリンを受け取った動物の体重。Y軸はグラムでの体重を示す。Xの軸は日数を示す。*は、感染したが未処置の対照グループと比較した統計的有意差(p<0.05)を示す。BP−70:植物油(湿重量の30%)で保護した酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。添加物に含まれるショウガとピペリンの比率は、5%のショウガおよび5%のピペリンである精油の各々の総生成物の湿重量の10%であった。感染したが未処置の対照動物(グループA)で示された肉眼で見える変化と比較した、BP−70+ショウガおよびピペリンの添加物で処置した動物群(グループB)の腸サンプルの肉眼で見える変化の比較。Y軸は、各グループの肉眼で見える変化のスコアを示す。*は、対照グループと比較した統計的有意差(p<0.05)を示す。BP−70:植物油(湿重量の30%)で保護した酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。添加物に含まれるショウガとピペリンの比率は、5%のショウガおよび5%のピペリンである総生成物の湿重量の10%であった。未感染で未処置の動物グループ(グループA)と比較して、BP−70またはBP−70+ショウガおよびピペリンで処置した動物のグループにおける、遺伝子IL−1β、IL−2、IL−8、IL−10、CD3γδ、LITAF、および、RNFSF15の発現の相対的なレベル。BP−70:植物油(湿重量の30%)で保護した酪酸ナトリウム(湿重量の70%)。BP−70+ショウガ+ピペリン:植物脂肪(湿重量の30%)+5%のショウガ+5%のピペリンで保護した酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。ボックスの四角領域は全測定値の50%に及び、ボックス内の水平線はサンプルの平均を表し、垂直線は、ボックスの値の外にあった測定値の50%を表す。星印は、p<0.05の値を備えた統計的有意性を示している。遺伝子発現の相対的なレベルは、グループA内の各遺伝子の発現のレベルと比較した、各遺伝子の発現を示している。グループC(BP−70で処置した未感染動物)対グループA(未感染かつ未処置の動物)における遺伝子の発現の相対的なレベルを示す。グループD(BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した未感染動物)対グループA(未感染かつ未処置の動物)における遺伝子発現の相対的なレベルを示す。グループF(BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した感染動物)対グループA(未感染かつ未処置の動物)における遺伝子発現の相対的なレベルを示す。様々な処置グループでの遺伝子TNFSF15の発現(Y軸)の相対的なレベル:未処置かつ未感染の動物(グループA)と比較して、BP−70(グループCおよびE)またはBP−70+ショウガ+ピペリン(グループDおよびF)。BP−70:植物油(湿重量の30%)で保護した酪酸ナトリウム(湿重量の70%)。BP−70+ショウガ+ピペリン:植物脂肪(湿重量の30%)+5%のショウガ+5%のピペリンで保護した酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。グループB:感染したが未処置の動物;グループC:BP−70で処置した未感染動物:グループD:BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した未感染動物;グループE:BP−70で処置した動物;グループF:BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した動物。ボックスの四角領域は全測定値の50%に及び、ボックス内部の水平線はサンプルの平均を表わし、垂直線はボックスの値の外にあった測定値の50%を表す。星印は、p<0.05の値を備えた統計的有意性を示す。遺伝子発現の相対的なレベルは、グループaの各遺伝子の発現と比較した、各遺伝子の発現を示している。感染したが未処置の動物(グループB)と比較して、感染してBP−70+ショウガ+ピペリンで処置された動物のグループ(グループF)における、遺伝子IL−1β、IL−2、IL−8、IL−10、CD3γδ、LITAF、および、RNFSF15の発現の(Y軸)相対的なレベル。BP−70+ショウガおよびピペリン:植物性脂肪(湿重量の30%)+5%のショウガ+5%のピペリンで保護した酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。ボックスの四角領域は全測定値の50%に及び、ボックス内部の水平線はサンプルの平均を表わし、垂直線はボックスの値の外にあった測定値の50%を表す。星印は、p<0.05の値を備えた統計的有意性を示す。遺伝子発現の相対的なレベルは、グループBの各遺伝子の発現のレベルと比較した、各遺伝子の発現を示している。感染したが未処置の動物(グループB)と比較して、感染してBP−70またはBP−70+ショウガ+ピペリンで処置した動物のグループ(グループE)における、遺伝子TNFSF15の発現の相対的なレベル(Y軸)。BP−70:植物油(湿重量の30%)で保護した酪酸ナトリウム(湿重量の70%)。BP−70+ショウガ+ピペリン:植物脂肪(湿重量の30%)+5%のショウガ+5%のピペリンで保護した酪酸ナトリウム(湿重量の60%)。ボックスの四角領域は全測定値の50%に及び、ボックス内部の水平線はサンプルの平均を表わし、垂直線はボックスの値の外にあった測定値の50%を表す。星印は、p<0.05の値を備えた統計的有意性を示す。遺伝子発現の相対的なレベルは、グループBの各遺伝子の発現のレベルと比較した、各遺伝子の発現を示している。 本発明の目的の1つは、両方とも植物油および/または植物性脂肪で部分的にコーティングされた、植物由来の少なくとも1つの活性成分と有機酸塩の組み合わせを含む、動物用飼料添加物について言及する。 好ましい実施形態では、本発明の添加物は、有機酸が以下のリスト:酪酸、乳酸、クエン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、酢酸、および、その他のいずれかから選択され、酪酸が好ましい、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、有機酸塩がリスト:ナトリウム、カルシウム、第二銅塩、および、カリウムのいずれかから選択される、ことを特徴とする。本発明に記載の動物用飼料添加物中の有機酸塩の比率は、最終生成物の湿重量の30%〜70%の間で変動してもよく、好ましくはその割合は60%である。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、好ましい塩がナトリウム塩であり、好ましい有機酸が酪酸である、ことを特徴とする。したがって、酪酸のナトリウム塩は本発明の好ましい添加物中にある。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、有機酸の塩が好ましくは最終生成物の湿重量の60%の濃度である、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、植物由来の活性成分が、好ましくは精油であり、リスト:ショウガ、ピペリン、オレガノ、チモール、ニンニク、カルバクロール、シンナムアルデヒド、および/または、それらの組み合わせに含まれるいずれかから選択されることができ、その組み合わせは好ましくは得る、ショウガとピペリンである、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、植物性の活性成分が好ましくは最終生成物の湿重量の1%〜20%の比率であり、好ましくは、その比率は最終生成物の湿重量の10%である、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、ショウガとピペリンの精油の組み合わせが好ましくは5%のショウガ油および5%のピペリン油である、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、植物油および/または植物性脂肪による、有機酸塩と植物由来の活性成分との組み合わせの部分的なコーティングは、最終生成物の湿重量のほぼ30%〜60%の間にあり、好ましくは該コーティングは30%である、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、有機酸塩と植物由来の活性成分の組み合わせを部分的にコーティングする植物油および/または植物性脂肪が、パームステアリンおよびパーム脂肪酸留出物(PFAD)のカルシウム石鹸から選択され、好ましくはパームステアリンである、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、塩が好ましくは有機酪酸のナトリウム塩であり、植物由来の活性成分が好ましくは精油の組み合わせ、好ましくはショウガとピペリンの精油からなり、植物油および/または植物性脂肪のコーティングは好ましくはパームステアリンである、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、本発明の添加物は、酪酸ナトリウムの濃度が好ましくは60%であり、ショウガとピペリンの精油の組み合わせの濃度が好ましくは10%であり、パームステアリンのコーティングは好ましくは30%である、ことを特徴とする。 別の好ましい実施形態では、ショウガとピペリンの精油の組み合わせは、好ましくは5%のショウガ油および5%のピペリン油からなる。 本発明に記載の他の目的は、動物、好ましくは、ニワトリ、ウサギ、および、ブタの成長促進剤としての動物用飼料の上記添加物の使用について言及する。 本発明に記載される他の目的は、免疫反応の調節物質として、上記の添加物を与えた家畜のための動物用飼料における使用について言及する。別の好ましい実施形態では、免疫反応の調節は、以下のサイトカインのいずれかをコードする遺伝子の発現における変化:IL−1β、IL−2、CD3γδの発現の増加、および/または、TNFSF15の発現の減少を含む。 本発明に記載の別の目的は、グラム陽性菌、好ましくはクロストリジウム属の細菌、さらに好ましくはウェルシュ菌と、グラム陰性菌、好ましくは腸内細菌科の細菌、さらに好ましくは、エイメリア科およびクリプトスポリジウム科の原生動物のような場合の原生動物を含むサルモネラ、エシェリキア、カンピロバクターの属との両方の成長を阻害する、殺菌剤としての、上記の添加物を与えた家畜のための動物用飼料における使用について言及する。 以下に記載される例の目的は、本発明を例証することであるが、本発明の範囲を限定するものではない。実施例1.壊疽性腸炎で引き起こされ、様々な飼料添加物で処置されたブロイラーにおける肉眼で見える組織学的な病理学検査 従来は、本発明に記載の様々な処置グループに分布される年齢に達したブロイラーが使用された(hybrid Babolna、Babolna、Hungary)。太らせるためにニワトリによる様々な例が行われたが、本発明に記載された動物の成長を強化するとともに天然の殺細菌作用を含む飼料添加物は、例えば、ブタ、ウサギ、ヒツジ、ウシなどの飼育のための任意の他のタイプで使用され得る。 ブロイラーには、薬物を含まずタンパク質が豊富な(25%の魚粉)従来の食餌を与えた。この飼料は、抗コクシジウム薬(ヒトおよび/または動物のコクシジウム症の処置または予防に役立つ薬剤)を含んでいなかった。動物は、水を飲むことへの制限はなく、1m2当たり30匹の動物の密度でケージ内で飼育した。寝具、飲水、および、飼料の装置は、事前にオートクレーブ内で殺菌された。気温は当初32±4°Cに設定され、動物が成長するとともに24±4°Cまで減らされた。 壊疽性腸炎を引き起こすために、これらの動物に、アルファ毒素産生性のタイプである、ウェルシュ菌(ATCC 13124)の菌株を接種させた。この菌株は、Anaerocult A(Merck、ダルムシュタット、ドイツ)を活用する嫌気的条件で24時間、37°Cの温度で補強クロストリジウム培地(BD、MD、米国)で培養させた。その後、これらの細菌培養物を遠心分離機にかけ(3000g、10分、5°C、Universalの遠心分離機320R、Hettichの遠心機)、得られたペレットは、無菌のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)の溶液で再懸濁された。ウェルシュ菌液定量(titre)は、3−4x108コロニー形成単位/ml(CFU/ml)であった。素因因子が存在する場合、壊疽性腸炎は臨床的症状を示すだけである。したがって、これらの動物は、弱毒生ワクチンParacox5(登録商標)(Ceva−Phylaxia)と、ウェルシュ菌Aとによるワクチン接種によって、コクシジウムに経口感染した。 表1は、本発明で使用される感染プロトコルおよび接種を示す。簡潔に言えば、動物は、ガンボロ病または感染性の滑液包炎疾患(炎症性腸疾患)の予防注射を受けた。これは、感染性の滑液包炎疾患ウィルス(IBDV)によって引き起こされた若鶏の感染力の強い疾患で、通常、生後3−6週間の動物の免疫抑制および死亡を特徴とする。適度な免疫抑制を引き起こし、かつ、壊疽性腸炎に苦しみやすくするよう動物を誘発するために、この疾患に対するワクチン(CEVAC gumbo LR、Ceva−Phylaxia)を16日目の水中に投与した。次に、それらに、18、19、20、および、21日目に、一日三度(8:00、12:00および16:00)、2mLのウェルシュ菌懸濁液(6.8x108 CFU)を、鼻腔チューブを通って経口で接種させた。19日目に、コクシジウムによる感染を引き起こし、かつ、動物を臨床疾患にかかりやすくするために、さらに、それらに対して、弱毒性ウイルスワクチンParacox5(登録商標)(Ceva−Phylaxia)を正常よりも10倍多い投与量を与えた。Paracox5(登録商標)ワクチンは、鶏に対して病原性であるコクシジウムの早発性の菌株に由来する胞子になった胞子形成オーシストを含む弱毒性ウイルスワクチンであり、アイメリアアセルブリナ、アイメリアブルネッティ(brunetti)、アイメリアマキシマ、アイメリア属可鍛鋳鉄、アイメリアネカトリックス(necatrix)、アイメリアプラエコックス(praecox)、および、アイメリアテネラである。対照動物はガンボロ病疾患に対するワクチンとParacox5(登録商標)ワクチンでも処置された。 この現在の例におけるブロイラー(n=24)は、3つのグループに分けられた(12匹の動物/グループ(表2))。ニワトリはすべて表1に示された日にガンボロ病に対するワクチンとParacox5(登録商標)ワクチンで処置された。各グループの動物はすべて、ウェルシュ菌A(6−8x108 CFU)に経口で感染させた。対照グループの動物は、添加物を加えることなく、記載された基本の食餌を与えられた。対照的に、他方の動物のグループは、本発明に記載の1.5g/kgの濃度の飼料添加物(ショウガとピペリンを含む酪酸ナトリウム。両方の活性成分は植物性脂肪、特にパームステアリンの30湿重量%でコーティングされた)を含む食事を与えられた。用いられた酪酸ナトリウムは、BP−70と呼ばれるNorel S.A.からの組成物であり、これに対して、Ventos S.A.(バルセロナ スペイン)から得られたショウガ(CAS 84696−15−1)(5湿重量%)と、Sensient Fragances S.A.(グラナダ,スペイン)から得られたピペリン(5湿重量%)の精油が加えられた。BP−70は、酪酸ナトリウムの湿重量の70%と、植物性脂肪の湿重量の30%からなる。植物性脂肪の30%は、酪酸ナトリウム全体のおよそ43%を保護し、したがって、生成物BP−70は、30%の保護された酪酸ナトリウムと、40%の保護されていない酪酸ナトリウムからなると記載され得る。ショウガとピペリンの精油は、酪酸ナトリウムと同じ割合までコーティングされた。飼料添加物はすべてスペインのNorel、SAによって供給された。動物の体重は、1、4、7、10、14、18、および、21日目の実験中に測定された。25日目にはすべての動物を殺処分した。 図1は、既に17日目にして、つまり、ウェルシュ菌Aによる感染の前日に、BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した動物のグループ(グループB)が、感染したが飼料添加物では処置しなかった対照グループ(グループA)と比較して、体重の増加が見られたことを示している(p=0.002)。その後、動物の殺処分の1日前である24日目に、この研究の動物のグループの各々について別の体重分析が行なわれた。図2によると、同様に17日目の体重分析(図1)と同様に、この分析は、BP−70+ショウガ+ピペリンで処置したグループが、感染したが任意の飼料添加物で処置されなかった対照動物グループよりも著しく高い体重増加を示している(p=0.001)ことを実証した。 次に、組織病理学的分析は、動物の各グループの様々な器官:肝臓、脾臓および遠位の空腸から集められたサンプルで行なわれた。新鮮なサンプルはその後の分析で使用されるまで、保存のために10%のホルマリンにすぐに漬けられた。顕微鏡的病変は、Gholamiandehkordiらの方法(2007)に従って分類された(小偏差:0=陰性;1=腸の炎症;2=粘膜の巣状壊死(1.2cm)または退行性変化(脂肪質な見た目);3=不規則な壊死(3−4cm)、および、4=壊死の拡散)。腸炎(一般に組織球性リンパ腫)の存在も顕著であった。 図3は、感染したが添加物では処置しなかった動物の対照グループと比較した、BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した動物のグループ(グループB)で見られた肉眼で見える病変の重症度の比較を示している。図3に示されるように、グループB(BP−70+ショウガ+ピペリン)は、対照グループよりも著しく低いスコア(p=0.001)を示した。したがって、これらの結果は、BP−70+ショウガ+ピペリンによる処置(グループB)が、感染を示したが任意のタイプの添加物で処置しなかった対照動物(グループA)と比較して、ウェルシュ菌Aに感染したブロイラーで見られた肉眼に見える病変を著しく減少させたことを実証している。 したがって、本発明の例は、ともに植物性脂肪で部分的にコーティングされた本発明に記載の飼料添加物、すなわち、酪酸ナトリウムおよび植物精油(ショウガおよびピペリン)が、感染の兆候を示したがこの添加物で処置されなかった対照動物グループ(グループA)と比較して、ウェルシュ菌Aの接種によって引き起こされた人工的な壊疽性腸炎にかかっているがこの添加物で処置された動物の体重の著しい増加をもたらすことを実証している。この例は、任意の添加物で処置しなかった対照動物グループ(グループA)と比較して、本発明の添加物で処置された動物のグループ(グループB)から抽出されたサンプルが示した病変、主に(ウェルシュ菌Aによる感染によって引き起こされた)腸の病変の改善も実証している。実施例2.壊疽性腸炎に苛まされていて様々な飼料添加物で処置されたブロイラーの腸管関連リンパ組織(GALT)の免疫反応の測定 GALTの免疫反応を測定するために、6つのグループ(6匹の動物/グループ(表3))に分けられたブロイラー(n=48)を用いて、別の実験が行なわれた。例1と同様に、すべてのトリは、表1に示されたすべての日にGumboroおよびParacox5(登録商標)のワクチンで処置された。グループA、CおよびDは、ウェルシュ菌Aに感染していないブロイラーからなるが、グループB、EおよびFは、ウェルシュ菌Aに経口で感染した(6−8x108 CFU)ブロイラーブロイラーからなった。動物の基本的な食餌は、例1に記載されたものと同じであったが、様々な飼料添加物で補足された:(i)飼料中の1.5g/kgのBP−7(グループCおよびE)、(ii)飼料中の1.5g/kgのBP−70+ショウガ+ピペリン(グループDおよびF)。すべての飼料添加物は、Norel、SA(マドリッド スペイン)によって供給された。 トリは22日目に殺処分され、腸のサンプルは、メッケル憩室と腸骨領域の間のおよそ5cmの長さの空腸から得られた。腸部分は縦にカットされ、100U/mlペニシリンおよび100μg/mlストレプトマイシン(Fischer Scientific)を含有する氷で冷やしたPBSを用いて3時間洗浄された。粘液層は無菌のスライドガラスでこすられ、腸組織は製造業者の取扱説明書に従ってRNAのその後の抽出のために、1mlの氷のように冷たいTRizol(Invitrogen)にすぐに浸した。サンプルはホモジナイズされ、処置まで−80°Cで維持された。 動物の壊疽性腸炎による感染を引き起こし、表3に記載の様々な添加物による処置の各々の効果を比較した後に、炎症反応と免疫反応を評価するために、定量的PCR(qRT−PCT)の技術によって、様々なサイトカインの発現レベルの変化を評価した。分析されたサイトカインは、以下の通りであった。インターロイキン1β(IL−1β)、インターロイキン2(IL−2)、インターロイキン8(IL−8)、および、インターロイキン10(IL−10)、CD3γδ受容体、リポ多糖類によって引き起こされた腫瘍壊死因子アルファ係数(LITAF)、および、腫瘍壊死因子(TNFSF15)のスーパーファミリーの因子15。参照として使用される対照遺伝子は、グリセルアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)およびβ−アクチンであった。言及された遺伝子の各々に使用されたプライマーが、表4に示される。インターロイキン1、2、8および10は、細胞および体液性免疫反応にとって不可欠な、インターロイキン・ファミリーのメンバーである。CD3受容体(分化3のクラスター)は、すべてのT細胞に見られる標的受容体であり、LITAFは、LPS誘導の後に放出されるTNFファミリーのサイトカインであり、および、TNFSF15は内皮細胞中にあり、免疫系の細胞の増殖、分化およびアポトーシスにも関与する。 分析された遺伝子の発現レベルにおける、上記の処置グループの各々によって示された有意差を分析するために、分散分析検査が用いられた。 本発明の例に記載された様々な動物グループに投与された飼料添加物によって与えられる免疫調節物質効果を実証するために、ウェルシュ菌に感染した、または、ウェルシュ菌感染していない、上記の添加物のいくつかで処置された感染を示さなかった動物グループCおよびDは、未処置および未感染の対照動物グループ(グループA)と比較された。同様に、添加物BP−70またはBP−70+ショウガ+ピペリンでそれぞれ処置し、壊疽性腸炎を示した動物グループEおよびFは、ウェルシュ菌に感染したが本発明に記載された添加物では処置しなかった動物のグループ(グループB)と比較された。 まず、飼料添加物の天然の免疫調節物質効果を分析するために、ウェルシュ菌Aに感染しなかった動物(グループA)の未処置対照グループで分析されたサイトカインの発現のレベルは、ウェルシュ菌Aに感染していないが飼料添加物BP−70で処置された動物のグループ(グループC)とBP−70+ショウガ+ピペリンで処置されたグループ(グループD)と比較された。 図4A、BおよびCは、飼料添加物:BP−70およびBP−70+ショウガ+ピペリンの、遺伝子IL−1β、IL−2、IL−8、IL−10、CD3γδ、LITAF、および、TNFSF15の発現レベルに対する免疫調節物質効果を示す。処置したグループCおよびEにおけるこれらの遺伝子の相対的な発現比は、未処置の動物(グループA)のそれと比較された。いずれのグループもウェルシュ菌Aには感染していなかった。図4は、BP−70(グループC)による処置が、分析された遺伝子の発現レベルのなんの変化も引き起こさなかったことを示している。分析された遺伝子の発現プロファイルの主要な変化は、飼料添加物BP−70+ショウガ+ピペリンによる処置(グループD)により生じた(図4B)。調査された遺伝子の3つは、未処置の動物対照グループ(グループA)と比較して、BP−70+ショウガ+ピペリンを受け取った動物(グループD)で過剰に発現された。これらの遺伝子は、IL−1β(p=0.028)、IL−2(p=0.026)、および、CD3γδ(p=0.011)であった。分析された遺伝子の1つであるTNFSF15は、過少発現(p=0.004)を示した。この過少発現は同様に、未処置で未感染の対照グループの動物(グループA)を、本発明に記載の添加物(BP−70+ショウガ+ピペリン)で処置した感染動物のグループ(グループF)と比較すると、再度生じた(図4C)。遺伝子IL−1βおよびIL−2の過剰発現は、免疫反応カスケードの活性化を意味し、増殖の刺激およびリンパ球の成熟を引き起こす。これらの観察は、総T細胞の増加を表わすCD3γδの遺伝子発現の増加によって確認された。 図5は同様に、ウェルシュ菌Aに感染したまたは感染していない、本発明の例に記載の添加物の各々によって処置された動物のグループ(グループC〜F)と、ウェルシュ菌Aに感染したがこれらの添加物では処置しなかった動物の対照グループ(グループB)の各々における、分析されたサイトカイン:IL−1β、IL−2、IL−8、IL−10、CD3γδ、LITAF、および、TNFSF15の各々の発現レベルを示している。図5は、BP−70+ショウガ+ピペリンによる処置(グループE)が、食餌で添加物を与えられなかった対照の未感染の動物グループ(グループA)と、飼料中に添加物を与えられなかった感染した動物グループ(グループB)との両方と比較して、遺伝子TNFSF15の過少発現を引き起こしたことを実証している。第2に、壊疽性腸炎にかかっていた上記の添加物で処置されたグループE(BP−70)およびF(BP−70+ショウガ+ピペリン)の動物に与えられた飼料添加物によってもたらされる免疫調節物質効果は、ウェルシュ菌に感染したが本発明に記載のこれらの添加物では処置されなかった動物のグループに関して分析された。 図6は、ウェルシュ菌Aに感染したが本発明の例で使用される添加物を与えられなかった対照動物のグループ(グループB)における遺伝子IL−1β、IL−2、IL−8、IL−10、CD3γδ、LITAF、および、TNFSF15の発現レベルと比較して、ウェルシュ菌Aに感染して本発明に記載の飼料添加物(BP−70+ショウガ+ピペリン)で処置された動物のグループ(グループF)におけるこれらの遺伝子の発現レベルを示す。この分析は感染の進化におけるこれらの添加物の効果を分析するために行なわれた。図6は、未処置の対照グループ(グループB)と比較して、サイトカインIL−2の発現レベルの著しい増加があったことを示している。さらに、BP−70+ショウガ+ピペリンで処置した動物のグループは、未処置の動物の対照グループ(グループB)と比較して、TNFSF15の発現レベルの減少を示した。 同様に、図7は、感染したが未処置だった動物の対照グループ(グループB)と比較して、感染してBP−70+ショウガ+ピペリンで処置された動物のグループ(グループF)におけるサイトカインTNFSF15の発現レベルを示している。BP−70+ショウガ+ピペリンによる処置(グループF)は、対照グループ(グループB)と比較して、TNFSF15の過少発現を引き起こした。 本発明の例に示された結果に従って、BP−70+ショウガ+ピペリンによる処置により本発明で例証された酪酸ナトリウム+精油による処置は、免疫反応に対する重要な調節作用を示すことができ、サイトカインIL−1β、IL−2、および、CD3γδをコードする遺伝子の発現の増加と、サイトカインTNFSF15をコードする遺伝子の発現の減少を引き起こし、ウェルシュ菌Aによって引き起こされた人工感染に対する保護効果を与える。 さらに、例1で示される結果で実証されるように、本発明に記載の添加物による処置は、この処置にさらされる動物の体重増加の上昇を引き起こし、ウェルシュ菌Aによる感染の結果としてこれらの動物によって示された組織学的な病変の重症度を低下させることができる。(参考文献一覧) 1. 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Sci. 2004, 83:69*74. 植物由来の少なくとも1つの活性成分と有機酸塩の組み合わせを含む、動物用飼料添加物であって、 前記組み合わせは、植物油および/または植物性脂肪で部分的にコーティングされる、ことを特徴とする動物用飼料添加物。 有機酸塩は、酪酸、プロピオン酸、ギ酸、乳酸、クエン酸、ラウリン酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸、および、酢酸のいずれかから選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の動物用飼料添加物。 有機酸塩は、ナトリウム、カルシウム、第二銅塩、および、カリウムのいずれかから選択される、ことを特徴とする請求項1に記載の動物用飼料添加物。 有機酸塩は好ましくは酪酸のナトリウム塩である、ことを特徴とする請求項1乃至3に記載の動物用飼料添加物。 有機酸塩の比率は好ましくは湿重量の30%〜70%であり、より好ましくはその比率は60%である、ことを特徴とする請求項1乃至4に記載の動物用飼料添加物。 植物由来の活性成分は好ましくは、ショウガ、ピペリン、オレガノ、チモール、カルバクロール、シンナムアルデヒド、ニンニク、および/または、それらの組み合わせのいずれかから選択される精油である、ことを特徴とする請求項1に記載の動物用飼料添加物。 植物由来の活性成分は好ましくは、ショウガとピペリンの精油の組み合わせである、ことを特徴とする請求項6に記載の動物用飼料添加物。 植物由来の活性成分は好ましくは、湿重量の1%〜20%の濃度であり、好ましくは、その濃度は湿重量の10%である、ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の動物用飼料添加物。 ショウガとピペリンの好ましい濃度は、5湿重量%のショウガ油および5湿重量%のピペリン油である、ことを特徴とする請求項7または8に記載の動物用飼料添加物。 植物油および/または植物性脂肪による、有機酸塩と植物由来の活性成分との組み合わせの部分的なコーティングは、湿重量のほぼ30%〜60%の間であり、より好ましくは前記部分的なコーティングは30%である、ことを特徴とする請求項1に記載の動物用飼料添加物。 有機酸塩と植物由来の活性成分の組み合わせを部分的にコーティングする植物油および/または植物性脂肪は、パームステアリンおよびパーム脂肪酸留出物(PFAD)のカルシウム石鹸から選択される、ことを特徴とする請求項10に記載の動物用飼料添加物。 有機酸塩は好ましくは有機酪酸のナトリウム塩であり、植物由来の活性成分は好ましくはショウガとピペリンの精油の組み合わせであり、植物油および/または植物性脂肪のコーティングは好ましくはパームステアリンを含む、ことを特徴とする請求項1乃至11に記載の動物用飼料添加物。 酪酸ナトリウムの濃度は好ましくは湿重量の60%であり、ショウガとピペリンの精油の組み合わせの濃度は好ましくは湿重量の10%であり、パームステアリンのコーティングは好ましくは湿重量の30%である、ことを特徴とする請求項12に記載の動物用飼料添加物。 ショウガの濃度は湿重量の5%であり、ピペリンの濃度は湿重量の5%である、ことを特徴とする請求項13に記載の動物用飼料添加物。 成長促進剤としての、請求項1乃至14の動物用飼料添加物の使用。 動物は、好ましくは、ニワトリ、ウサギ、および、ブタである、ことを特徴とする請求項15に記載の動物用飼料添加物の使用。 動物用飼料を与えた家畜における免疫反応の調節物質としての、請求項1乃至14の動物用飼料添加物の使用。 免疫反応の調節は、以下のサイトカインのいずれかをコードする遺伝子の発現における変化:IL−1β、IL−2、CD3γδの発現の増加、および/または、TNFSF15の発現の減少を含む、ことを特徴とする請求項17に記載の動物用飼料添加物の使用。 動物用飼料添加物を与えた家畜における殺菌剤としての、請求項1乃至14の動物用飼料添加物の使用。 殺菌作用はグラム陽性菌およびグラム陰性菌に、および、原生動物に及ぼされる、ことを特徴とする請求項19に記載の動物用飼料添加物の使用。 本発明は、植物由来の少なくとも1つの活性成分、好ましくは精油と、有機酸塩の組み合わせに関し、該組み合わせは、前記活性成分が消化工程中に胃の酵素によって消化されるのを防ぐ植物性脂肪および/または植物油で部分的に保護される。短鎖の酸、好ましくは酪酸のナトリウム塩が好ましい。好ましい精油は、ショウガ、ピペリン、オレガノ、ニンニク、チモール、カルバクロール、シンナムアルデヒド、および/または、その組み合わせのいずれかである。植物性脂肪および/または植物油によって部分的に保護された、精油と組み合わされた有機酸塩は、動物の成長のための強力な促進剤または刺激物として、前記動物に存在する病原菌を制御するための有機的な殺菌剤として、および、その免疫反応の調節物質として用いられる。【選択図】なし 配列表


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