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タイトル:公表特許公報(A)_ピリチオン及び鉄キレート化剤を含むパーソナルケア組成物
出願番号:2013536873
年次:2013
IPC分類:A61K 8/49,A61Q 19/00,A61Q 5/00


特許情報キャッシュ

ジェイムズ ロバート シュウォルツ チャールズ ウィンストン サウンダース ロバート スコット ヤングクイスト ケーシー パトリック ケリー ジェフリー ケネス ドムジック ロビー リン ルーカス シュ チュン JP 2013542944 公表特許公報(A) 20131128 2013536873 20111028 ピリチオン及び鉄キレート化剤を含むパーソナルケア組成物 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 590005058 曾我 道治 100110423 梶並 順 100111648 大宅 一宏 100122437 飯野 智史 100161115 ジェイムズ ロバート シュウォルツ チャールズ ウィンストン サウンダース ロバート スコット ヤングクイスト ケーシー パトリック ケリー ジェフリー ケネス ドムジック ロビー リン ルーカス シュ チュン US 61/407,754 20101028 A61K 8/49 20060101AFI20131101BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20131101BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20131101BHJP JPA61K8/49A61Q19/00A61Q5/00 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN US2011058313 20111028 WO2012058557 20120503 18 20130425 4C083 4C083AC542 4C083AC772 4C083AC851 4C083AC852 4C083AC931 4C083AC932 4C083BB45 4C083CC02 4C083CC31 4C083EE23 本発明は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、有効量の鉄キレート化剤と、を含む、パーソナルケア組成物を目的とする。 抗ふけ活性剤としての亜鉛ピリチオン(ZPT)の抗真菌作用の作用機序(MOA)は、鉄キレート化が生物活性の主要要因であることを立証している。これらの及び似たような観察に基づくと、適切な鉄キレート化剤をZPTと組み合わせて使用することは、大幅により効果的な抗ふけ製剤を開発することの重要な見識である。 亜鉛ピリチオン(ZPT)は、シャンプー及びその他の処置に共通して使用される抗ふけ活性物質である。抗真菌戦略として鉄をキレート化することの重要性など、力学的作業(Mechanistic work)はその処置の要素を提供した。鉄キレート化剤の活性に影響を及ぼし得ると判明したその他のパラメーターには、ZPTとの適合性に関する要素であり得る疎水性(比較的低い亜鉛親和性が必要とされる)が挙げられる。 ZPTのMOAに対する新しい理解を利用して抗ふけ活性を増大させることにより、本発明は、優れた抗ふけ性能を有する組成物及び製品を実現させる。 本発明は、有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、有効量の鉄キレート化剤と、を含み、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、1以下の分画阻害物質濃度を有する、パーソナルケア組成物を目的とする。 本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、以下の説明により、よりよく理解されると考えられる。 本発明は、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、構成成分又は制限事項のいずれも含むこと、これらからなること、又はこれらから本質的になることができる。 特に断らない限り、比率、部及び比は全て、本発明の組成物の総重量に基づく。提示された成分に関するこのような重量は全て、活性物質の濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれる可能性があるキャリア又は副生成物は含まない。 以下では、本発明の様々な実施形態の構成成分及び/又は工程を、任意に加えてもよいものを含めて、詳細に記載する。 引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。 特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。 特に記載のない限り、全ての温度は摂氏である。 特に指摘される場合を除き、分量、百分率、部分、及び割合を含む全ての量は、「約」という言葉により修正されると理解され、量は有効数字を示すことを意図しない。 特に指定される場合を除き、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、「1つ以上の」を意図する。 本明細書において「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が含まれる。本発明の組成物及び本発明の方法/プロセスは、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、構成成分、工程、又は制限事項のいずれをも含むこと、これらからなること、及びこれらから本質的になることができる。 本明細書において「有効な」とは、処置する症状の著しく好ましい改善をもたらすのに十分高い対象活性物質の量を意味する。対象活性物質の有効量は、処置する特定の症状、症状の重さ、処置期間、併用している処置の性質及び同様の要因により変化する。 本明細書において、「パーソナルケア組成物」とは、漂白、着色、染色、コンディショニング、育毛、除毛、成長遅延、洗髪、スタイリングなどの、毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)を処置するための製品及び/又はその処置に関する方法、デオドラント及び制汗剤、パーソナルクレンジング、カラー化粧品、皮膚(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)の処置に関する製品及び/又は方法、例えばクリーム、ローション、及び局所的に適用する消費者用のその他の製品の塗布、並びに毛髪、皮膚、及び/又は爪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)の外見を向上させるための経口投与物質、並びに剃毛に関する製品及び/又は方法を意味する。 A.鉄キレート化剤類 本発明において、鉄キレート化剤類は、以下の特徴を有し得るが、これらに限定されない。 1.第1鉄(鉄II)又は第2鉄(III)のいずれかの形態の鉄イオンに対する親和性、 2.2以上の配位座数を有する記述1(上述)の材料(配位座数とは、鉄イオンに結合する分子の群の数である)、 3.記述2のサブセットである化学的記載: a.天然材料又は合成(例えばDFO、DFT)材料のいずれか、 b.以下の化学的部類の物質: i.カテコール類及びフェノール類 ii.ヒドロキサメート類(デスフェリオキサミン(DFO)) iii.チオヒドロキサメート類 iv.ヒドロキシピリドン類(CP20、ピロクトン、シクロピロックス、HP−101) v.ヒドロキシチオピリドン類 vi.ヒドロキシピリジンチオン類 vii.アミノカルボキシレート類(EDTA、DTPA) viii.ピリジン類(2,2’−ビピリジン、1,10−フェナトリン、TPEN) ix.ヒドロキシカルボキシレート類 x.アロイルヒドラゾン類(PIH) xi.ヒドロキシキノリン類(8−ヒドロキシキノリン) xii.ヒドロキシピロン類(マルトール、エチルマルトール) xiii.ヒドロキシチオピロン類 及びこれらの化学的部類の組み合わせを表す分子。 Arch Chemicals,Inc.から供給されるN−ヒドロキシ−6−オクチルオキシピリジン−2(1H)オン、エタノールアミン塩、(HP−101)は、N−ヒドロキシピリドン類の一部である。N−ヒドロキシピリドン類は、6位にて遊離酸としてのアルキルエーテル置換基類(substitutions)、エタノールアミン塩類、及び金属塩類、例えば亜鉛、N−ヒドロキシ−6−オクチルオキシピリジン−2(1H)オン、亜鉛塩を有する。アルキルエーテル置換基は、長さが2〜22個の炭素であり、線状又は分枝状のいずれかである。 Akzo−NobelからのEDDHA及びEDDHMAなどの材料の亜鉛塩類に関しては、定比性は、1:1又は2:1の亜鉛対配位子であってよい。キレート化剤類EDDHA、EDDHMAは、それらの全ての異性体類を含むことを意図する。用語EDDHAにより含まれるキレート化剤類の非限定例には、o,o−EDDHA(エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシフェニル酢酸)、及びo,p−EDDHA−エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシフェニル酢酸)−N’−(4−ヒドロキシフェニル酢酸)が挙げられ、キレート化剤EDDHMAの例には、o,o−EDDHMA−エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)、及びo,o’−EDDHMA−エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)−N’−(2−ヒドロキシ−6−メチルフェニル酢酸)が挙げられる。 B.ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩 一実施形態では、本発明は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含んでもよい。血小板状及び針晶構造などの、いかなる形態の多価金属のピリチオン塩類も用いてよい。一実施形態では、本明細書で用いるための塩には、多価金属類のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物、更なる実施形態では亜鉛から形成されるものが挙げられる。更なる実施形態では、本明細書で使用されるのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリチオン」又は「ZPT」として知られている)、更に別の実施形態では、小板状粒子の形態のZPTであり、この粒子は最大約20μmの平均寸法を有し、一実施形態では、最大約5μmの平均寸法を有し、更に別の実施形態では、最大約2.5μmの平均寸法を有する。 ピリジンチオン抗菌剤及び抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。 ZPTを本明細書の抗菌組成物中の抗菌粒子として使用すると、付加的な効果である育毛若しくは再生が促進若しくは調節される場合があり、又はその両方である場合があり、又は脱毛が減少若しくは抑制される場合があり、又は毛髪がより濃く見える若しくはより豊かに見える場合があることが更に考えられる。 亜鉛ピリチオンは、米国特許第2,809,971号に記載のように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(すなわちピリチオン酸)又はそれらの可溶性の塩と、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛)とを反応させて、亜鉛ピリチオン沈殿物を形成させることによって生成できる。 諸実施形態は、約0.01%〜約5%のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と約0.01%〜約5%の鉄キレート化剤と、を含み、更に一実施形態では、それぞれを約0.1%〜約2%含む。 ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、1:10〜10:1の範囲であることができる。 C.疎水性 本発明の一実施形態では、鉄キレート化剤は疎水性である。物質が菌類の細胞膜を越えてその効果を発揮する確率を増大させるために、十分な疎水性が必要とされる。AlogPは、物質の疎水性の評価基準となり得るが、これは化学的フラグメントの方法を基に計算される。数字が正であるほど分子は疎水性であり、膜の透過性を高めるためには、その最小値が必要とされると考えられている。孤立分子の固有の疎水性をAlogPとして計算できる。荷電基を有する物質は、はるかに疎水性が小さい傾向があり、更には極めて水溶性になることが多い。 分子が荷電(特にアニオン性)され、細胞透過性であるほど疎水性でない傾向がある場合、方法としては、特定の金属イオン塩類を作ることにより荷電を中和して、疎水性及び膜透過性を増大させることである。log Pを計算するためのアルゴリズムは、金属塩類には有効ではないため、そのような違いは測定されなければならない。親アニオン性物質の十分な疎水性のためには、金属配位子の割合は、荷電中性錯塩が得られるほど十分であるべきである。更に、使用される金属は、細胞に入ったら鉄などの金属類によって容易に置き換えることができるようなものでなければならない。その結果、望ましい金属塩類は、配位子に対して鉄よりも低い親和性を有するべきであり、この点においては亜鉛塩類が特に好ましいが、他の塩類も結合が鉄ほど強くない限り可能である。 本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、鉄キレート化剤を含み、この鉄キレート化剤は、金属塩である。本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤は、亜鉛塩類、カルシウム塩類、銀塩類、ニッケル塩類、マグネシウム塩類、バリウム塩類、ビスマス塩類及びこれらの混合物からなる群から選択される金属塩である。また、本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤は、亜鉛の金属塩である。 本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤は、0.4以上のAlogP値を有し、一実施形態では0.5以上のAlogP値を有し、更なる実施形態では0.6以上のAlogP値を有し、更に別の実施形態では0.7以上のAlogP値を有する。 D.鉄親和性−log K1 配位子と金属(この場合は鉄)との間の結合の強さを、鉄親和性と呼ぶことができる。理論に束縛されるわけではないが、最小の鉄親和性を満たす物質は、鉄細胞代謝を妨害する可能性を有し、それによって、細胞生理に圧力を加えている他の物質と組み合わされたときに抗菌活性を増大させる。 金属(M)と配位子(L)との間の親和性は、以下の均衡を説明する段階的結合定数K1により測定することができる。 親和性定数は、対数(log K1)として都合よく表されており、この数の大きさが大きいほど、金属(この場合は鉄イオン)と配位子との間の結合が強い。 本発明の一実施形態では、抗真菌活性を実証するために、log K1>3.5であり、更なる実施形態ではlog K1>3.7であり、更に別の実施形態ではlog K1>3.8である。 E.固有の抗マラセチア効力−IC50 IC50値は、成長阻害を起こす阻害物質濃度であり、培養物の光学密度は、未処置の対照の1/2増加した。 マラセチアに対する試験材料の成長阻害特性を測定するために、我々は以下のプロトコルを実施した。我々は、マラセチアフルフールを100mlのmDixon媒質内で培養した(1リットルに付き:36gの麦芽抽出物(Difco 0186−17)、20gの牛胆汁(Fluka 70168)、10mLのTween 40(Aldrich 27435−6)、6gのペプトン(Difco 0118−17)、2mlのオレイン酸(Baker 2114−01)、及び2mlのグリセロール(Sigma G−7893)。1N HCl(Baker 562−2)を使用して、pHを6.0に調節する。媒質をオートクレーブし、次いで0.1g/mlのクロラムフェニコールを5ml加える。 31°で振とうしながらインキュベートすることにより、出発培養物を調製する。遠心分離により細胞(5mlの培養物)を収集し、50mlの新しいmDixon媒質内に懸濁させる。細胞(290μl)を深いポリプロピレンプレート(Beckman 267007)内で阻害物質(10μl)と混合し、半透過性の膜(Excel Scientific BS−25)で密閉する。プレートをHeidolph Titramax 100上で31°にて一晩激しく振とうさせる。湿度を高めるために、水に浸した精製綿をプレートの上方に設置する。培養物のいくらか(200μl)をCostar 3596プレートに移し、光学密度(600nm)が測定される。 対照として、未処置のマラセチアフルフールの光学密度を、一晩のインキュベーション後に測定する。別の対照として、出発培養物の光学密度を測定する。これらの光学密度の差が、マラセチアフルフールの成長量を表す。 F.分画阻害物質濃度(FIC) 分画阻害物質濃度(FIC)は、抗菌相互作用を評価するための従来からの手法である。本発明の一実施形態では、FICを使用して、組織培養設定における抗マラセチア活性に対する2つの化学物質類の組み合わせ効果を判断する。 I.方法の概要: 1.各FICアッセイを2回行う。 2.低濃度のマラセチアフルフール7982細胞を96ウェルプレートの各ウェルに植菌する。 3.化学物質#1(我々のアッセイでは、これは常にZPT)を、最終濃度12.5ppmから始まって0ppmで終わるように、右から左にプレートの各列を横切って滴定する(2x濃度減少)。 4.化学物質#2を、最終濃度400ppm又は800ppm(効力に応じて)から始まって0ppmで終わるように、プレートの各行を下に向かって滴定する(2x濃度減少)。 5.プレートを33℃、RH60%で2日間、攪拌しながらインキュベートする。 6.次いで、分光光度計を使用して光学密度(OD)を測定する。 II.データ分析: 1.OD<=0.6であるなら成長の阻害が判定され(これは、ウェルでの成長が、可能である最大濃度の少なくとも50%に達しなかったことを示す)、ウェルは「−」で印される。 2.OD>0.6であるなら、成長の阻害がないことが判定され、ウェルは「+」で印される。 3.成長を阻害する化学物質#1の最低濃度値(単独で、及び化学物質#2の効力を促進させる化学物質#1の最低濃度の両方)が判定される(付録1を参照)。 4.同様に、成長を阻害する化学物質#2の最低濃度(単独で、及び化学物質#1の効力を促進させる化学物質#2の最低濃度の両方)が判定される(付録1を参照)。 5.以下の計算を使って、2つのプレートのFIC値を算出する。 6.次いで、平均FIC値を出し、2つの化学物質の組み合わせ効果を、以下の表に従って分類する。 付録1: 以下は、仮定的なFICを解釈するプロセスの例であるが、全ての数値は、試験された化学物質の最終濃度を100万分の1の単位で表している。 II.1節に記される指示に従い、各ウェルは「+」又は「−」のいずれかが印されている。横線のウェルは、化学物質#2単独の最低値を表す(左に読むと400.00とある)。対角線のウェルは、化学物質#1の効力を促進させる化学物質#2の最低値を表す(左に読むと3.13とある)。点が描かれたウェルは、化学物質#1単独の最低値を表す(下に読むと6.25とある)。縦線のウェルは、化学物質#2の効力を促進させる化学物質#1の最低値を表す(下に読むと0.20とある)。 II.5節に記される指示に従い、以下の等式によりFIC値を計算する。 (0.20/6.25)+(3.13/400.00)=0.04 II.1節に記される指示に従い、このプレートは再現して行うことができ、ここでは同じ結果が得られたと仮定する。 II.5節に記される指示に従い、以下の等式により平均FIC値を計算する。 (0.04+0.04)/2=0.04 II.6節に記される指示に従い、平均FIC値を0.04とすると、これら2つの化学物質の組み合わせ効果は相乗であると判定される。 (1)Akzo−Nobelより (2)Arch Chemicals,Inc.より *分画阻害濃度、FIC≦0.5は相乗活性を表し、0.5<FIC≦1.0は付加を表す(1.0超のFICは、中性又は拮抗のいずれか)。参考文献:R.Bharadwajら、Indian J Pharmacol 2003,35,220。 表1の疎水性及び鉄親和性のデータは、固有の抗真菌効力の減少するおおよその順に並べられている(IC50として測定)。固有の抗真菌効力は、別の抗真菌剤と組み合わされたときに相乗的又は付加的な抗菌利益のいずれかを有する可能性の予測因子として用いられている。 表1のデータは、相当量の単独での抗真菌活性を得るためには、疎水性及び鉄親和性の両方のパラメーターが特定の最低基準を満たさなければならないことを明らかに示している。例えば、化学的に関連した1,10−フェナントロリン及び2,9−ジメチルフェナントロリンは、実質的に異なる固有の抗真菌効力を有するが、これは、2,9−ジフェニルフェナントロリンが親フェナントロリン分子よりもかなり低い鉄親和性を有するためであると解釈することができる。 EDTAなどの非常に一般的な鉄キレート化剤類は、効果的ではないことが観察されているが、これは、理論に束縛されるわけではないが、鉄結合の作用が起こると考えられている部位である細胞への透過性を制限する可能性のある非常に低い疎水性のためであり得ることに留意されたい。 表2の付加及び相乗データを評価すると、この例では亜鉛ピリチオンとの非常に強い相互作用があり、組み合わせの抗真菌効力を高めることができることが明らかである。これらの例では、物質によっては、その物質の特定の金属塩類を作ることによってかなり改善できることが明らかになる。例えば、マルトール(表1から)は親水性すぎて、単独では効果的な抗真菌物質ではない。しかしながら、その亜鉛塩は、相当疎水性であり(AlogPでは計算できない)、亜鉛ピリチオンの活性を高めることができるようにする(表2を参照。FIC 0.1)。 アニオン性鉄結合物質は、一般に、より疎水性になる可能性を有し、それにより、それらの物質の特定の金属塩類を作ることによって、細胞の透過性を高める。亜鉛が最も好ましいが、カルシウム、マグネシウム及びバリウムなどの他の金属類が可能である。 本発明の1実施形態では、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせは、1以下の分画阻害物質濃度を有する。また、鉄キレート化剤は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と組み合わせて、1以下の分画阻害物質濃度を有する本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせは、0.5以下の分画阻害物質濃度を有する。 分画阻害物質濃度に関する更なる情報は、AN INVITRO STUDY TO EVALUATE THE SYNERGISITC ACTIVITY OF NORFLOXACIN AND METRONIDAZOLE,R.Bharadwajら,Indian J Pharmacol 2003,35:220〜226に見られる。 本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、界面活性剤を更に含んでもよい。更なる実施形態では、本発明の組成物は、洗浄性界面活性剤を含んでもよい。洗浄界面活性剤成分は、組成物に洗浄性能を提供するために含まれる。そして、洗浄性界面活性剤成分は、アニオン性洗浄性界面活性剤、双極性若しくは両性洗浄性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む。このような界面活性剤は、本明細書に記載される必須成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、又はさもなければ過度に製品の安定性、審美性若しくは性能を損なうべきではない。本明細書の組成物に用いられる好適なアニオン性洗浄性界面活性剤成分には、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジング組成物に用いるために既知のものが挙げられる。アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、同第2,396,278号及び同第3,332,880号に記載されている。組成物中の、例えば、アニオン性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び泡立ち性能を提供するのに十分であるべきであり、通常は約5%〜約50%の範囲である。本組成物での使用に好適な他のアニオン性、双性イオン性、両性又は任意の追加の界面活性剤の非限定例は、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents(2002 Annual,M.C.Publishing Co.発行)、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。 更なる実施形態では、本発明の組成物は、局所適用組成物の形態であり得、これは局所用キャリアを含む。一実施形態では、局所用キャリアは、形成される組成物の種類に応じて、従来の広範囲のパーソナルケアキャリアから選択される。適合性のあるキャリアを適切に選択することによって、このような組成物を、コンディショニングトリートメント、洗浄製品、例えば毛髪及び/又は頭皮シャンプー、ボディウォッシュ、ハンドクリーナ、水が不要な手の消毒剤/洗剤、顔の洗剤、デオドラント、及び同類のものを含む日常の皮膚用又は毛髪用製品の形態で調製することが検討される。 任意成分が、物理的及び化学的に本明細書に記載された必須成分と適合し、又はそうでなければ製品の安定性、審美性若しくは性能を過度に損なわなければ、本発明の組成物は、ヘアケア又はパーソナルケア製品における使用に既知の1つ以上の任意成分を更に含んでもよい。このような任意成分の個々の濃度は、約0.001%〜約10%の範囲であってよい。 組成物に用いる任意成分の非限定例としては、カチオン性ポリマー類、カチオン性界面活性剤類、コンディショニング剤類(炭化水素油類、脂肪酸エステル類、シリコーン類)、抗ふけ剤類、懸濁剤類、粘度調整剤類、染料類、不揮発性溶媒類又は希釈剤類(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤類、起泡増進剤類、追加の界面活性剤類又は非イオン性補助界面活性剤類、殺シラミ剤類、pH調整剤類、香料類、防腐剤類、キレート剤類、タンパク質類、皮膚活性剤類、日焼け止め剤類、UV吸収剤類、ビタミン類、ミネラル類、草本/果物/食品抽出物類、スフィンゴ脂質誘導体類又は合成誘導体、及び粘土が挙げられる。任意成分の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993及びCTFA Cosmetic Ingredient Dictionary,3rd edition(Estrin,Crosley,及びHaynes編)(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.(1982))に見られる。 本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法はそれぞれ、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。 本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。 以上、本発明の特定の実施形態を例示、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行い得る点は、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのような全ての変更及び改変を添付の特許請求の範囲において網羅するものとする。 a)有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、 b)有効量の鉄キレート化剤又は鉄をキレート化する物質と、を含み、 前記鉄キレート化剤と前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、1以下の分画阻害物質濃度を有する、パーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が疎水性である、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、0.4以上のAlogP値を有する、請求項1又は2に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、log K1>3.5である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が亜鉛ピリチオンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が銅ピリチオンである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、第1鉄(鉄II)又は第2鉄(III)のいずれかの形態の鉄イオンに対する親和性を有する材料、2以上の配位座数を形成する第1鉄(鉄II)又は第2鉄(III)のいずれかの鉄イオンに対する親和性を有する材料、カテコール類及びフェノール類、ヒドロキサメート類、チオヒドロキサメート類、ヒドロキシピリドン類、ヒドロキシチオピリドン類、ヒドロキシピリジンチオン類、アミノカルボキシレート類、ピリジン類、ヒドロキシカルボキシレート類、アロイルヒドラゾン類、ヒドロキシキノリン類、ヒドロキシピロン類、ヒドロキシチオピロン類、並びにこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、天然キレート化剤、合成キレート化剤、及びこれらの混合物を含む群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、金属塩、好ましくは亜鉛塩、カルシウム塩、銀塩、ニッケル塩、マグネシウム塩、バリウム塩、ビスマス塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される金属塩であり、より好ましくは前記鉄キレート化剤が、亜鉛の金属塩である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が、0.01%〜5%で存在する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、0.01%〜5%で存在する、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤と前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、0.5以下の分画阻害物質濃度を有する、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 本発明は、有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、有効量の鉄キレート化剤又は鉄をキレート化する物質と、を含み、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、1以下の分画阻害物質濃度を有する、パーソナルケア組成物を目的とする。


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特許公報(B2)_ピリチオン及び鉄キレート化剤を含むパーソナルケア組成物

生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_ピリチオン及び鉄キレート化剤を含むパーソナルケア組成物
出願番号:2013536873
年次:2015
IPC分類:A61K 8/49,A61K 8/58,A61K 8/44,A61Q 19/00,A61Q 5/00


特許情報キャッシュ

ジェイムズ ロバート シュウォルツ チャールズ ウィンストン サウンダース ロバート スコット ヤングクイスト ケーシー パトリック ケリー ジェフリー ケネス ドムジック ロビー リン ルーカス シュ チュン JP 5746357 特許公報(B2) 20150515 2013536873 20111028 ピリチオン及び鉄キレート化剤を含むパーソナルケア組成物 ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー 590005058 曾我 道治 100110423 梶並 順 100111648 大宅 一宏 100122437 飯野 智史 100161115 ジェイムズ ロバート シュウォルツ チャールズ ウィンストン サウンダース ロバート スコット ヤングクイスト ケーシー パトリック ケリー ジェフリー ケネス ドムジック ロビー リン ルーカス シュ チュン US 61/407,754 20101028 20150708 A61K 8/49 20060101AFI20150618BHJP A61K 8/58 20060101ALI20150618BHJP A61K 8/44 20060101ALI20150618BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150618BHJP A61Q 5/00 20060101ALI20150618BHJP JPA61K8/49A61K8/58A61K8/44A61Q19/00A61Q5/00 IPC A61K 8/00− 8/99 A61Q 1/00−90/00 特開2006−045126(JP,A) 特開2006−045127(JP,A) 特表2010−524888(JP,A) 特表2005−524690(JP,A) 特表2003−503333(JP,A) 特開2007−284459(JP,A) 特表2005−535667(JP,A) 特表2010−534063(JP,A) 特開2007−223917(JP,A) 特表2005−526111(JP,A) 特表2001−516359(JP,A) 国際公開第03/088965(WO,A1) 14 US2011058313 20111028 WO2012058557 20120503 2013542944 20131128 14 20130425 池田 周士郎 本発明は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、有効量の鉄キレート化剤と、を含む、パーソナルケア組成物を目的とする。 抗ふけ活性剤としての亜鉛ピリチオン(ZPT)の抗真菌作用の作用機序(MOA)は、鉄キレート化が生物活性の主要要因であることを立証している。これらの及び似たような観察に基づくと、適切な鉄キレート化剤をZPTと組み合わせて使用することは、大幅により効果的な抗ふけ製剤を開発することの重要な見識である。 亜鉛ピリチオン(ZPT)は、シャンプー及びその他の処置に共通して使用される抗ふけ活性物質である。抗真菌戦略として鉄をキレート化することの重要性など、力学的作業(Mechanistic work)はその処置の要素を提供した。鉄キレート化剤の活性に影響を及ぼし得ると判明したその他のパラメーターには、ZPTとの適合性に関する要素であり得る疎水性(比較的低い亜鉛親和性が必要とされる)が挙げられる。 ZPTのMOAに対する新しい理解を利用して抗ふけ活性を増大させることにより、本発明は、優れた抗ふけ性能を有する組成物及び製品を実現させる。 本発明は、a)有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、b)有効量の鉄キレート化剤とを含み、b)がEDDHMA亜鉛塩、マルトール亜鉛塩、EDDHA亜鉛塩、ベンゾヒドロキサム酸亜鉛塩、チオマルトール亜鉛塩、又は1,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−ピリドン亜鉛塩から選択され、EDDHMA亜鉛塩が、o,o−EDDHMA(エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)、又はo,o’−EDDHMA(エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)−N’−(2−ヒドロキシ−6−メチルフェニル酢酸)から選択され、EDDHA亜鉛塩が、o,o−EDDHA(エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシフェニル酢酸)、及びo,p−EDDHA(エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシフェニル酢酸)−N’−(4−ヒドロキシフェニル酢酸)から選択され、及び鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、1以下の分画阻害物質濃度を有する、パーソナルケア組成物を目的とする。 本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲で完結するが、本発明は、以下の説明により、よりよく理解されると考えられる。 本発明は、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、構成成分又は制限事項のいずれも含むこと、これらからなること、又はこれらから本質的になることができる。 特に断らない限り、比率、部及び比は全て、本発明の組成物の総重量に基づく。提示された成分に関するこのような重量は全て、活性物質の濃度に基づいており、したがって市販材料に含まれる可能性があるキャリア又は副生成物は含まない。 以下では、本発明の様々な実施形態の構成成分及び/又は工程を、任意に加えてもよいものを含めて、詳細に記載する。 引用される全ての文献は、その関連部分において参照により本明細書に組み込まれるが、いずれの文献の引用もそれが本発明に関連する先行技術であることの容認として解釈されるべきではない。 特に記載のない限り、全ての比率は重量比である。 特に記載のない限り、全ての温度は摂氏である。 特に指摘される場合を除き、分量、百分率、部分、及び割合を含む全ての量は、「約」という言葉により修正されると理解され、量は有効数字を示すことを意図しない。 特に指定される場合を除き、冠詞「a」、「an」、及び「the」は、「1つ以上の」を意図する。 本明細書において「含む」とは、最終結果に影響を与えない他の工程及び他の成分を追加できることを意味する。この用語には、「からなる」及び「から本質的になる」という用語が含まれる。本発明の組成物及び本発明の方法/プロセスは、本明細書に記載した発明の必須要素及び制限事項、並びに本明細書に記載した追加若しくは任意の成分、構成成分、工程、又は制限事項のいずれをも含むこと、これらからなること、及びこれらから本質的になることができる。 本明細書において「有効な」とは、処置する症状の著しく好ましい改善をもたらすのに十分高い対象活性物質の量を意味する。対象活性物質の有効量は、処置する特定の症状、症状の重さ、処置期間、併用している処置の性質及び同様の要因により変化する。 本明細書において、「パーソナルケア組成物」とは、漂白、着色、染色、コンディショニング、育毛、除毛、成長遅延、洗髪、スタイリングなどの、毛髪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)を処置するための製品及び/又はその処置に関する方法、デオドラント及び制汗剤、パーソナルクレンジング、カラー化粧品、皮膚(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)の処置に関する製品及び/又は方法、例えばクリーム、ローション、及び局所的に適用する消費者用のその他の製品の塗布、並びに毛髪、皮膚、及び/又は爪(ヒト、イヌ、及び/又はネコ)の外見を向上させるための経口投与物質、並びに剃毛に関する製品及び/又は方法を意味する。 A.鉄キレート化剤類 本発明において、鉄キレート化剤類は、以下の特徴を有し得るが、これらに限定されない。 1.第1鉄(鉄II)又は第2鉄(III)のいずれかの形態の鉄イオンに対する親和性、 2.2以上の配位座数を有する記述1(上述)の材料(配位座数とは、鉄イオンに結合する分子の群の数である)、 3.記述2のサブセットである化学的記載: a.天然材料又は合成(例えばDFO、DFT)材料のいずれか、 b.以下の化学的部類の物質: i.カテコール類及びフェノール類 ii.ヒドロキサメート類(デスフェリオキサミン(DFO)) iii.チオヒドロキサメート類 iv.ヒドロキシピリドン類(CP20、ピロクトン、シクロピロックス、HP−101) v.ヒドロキシチオピリドン類 vi.ヒドロキシピリジンチオン類 vii.アミノカルボキシレート類(EDTA、DTPA) viii.ピリジン類(2,2’−ビピリジン、1,10−フェナトリン、TPEN) ix.ヒドロキシカルボキシレート類 x.アロイルヒドラゾン類(PIH) xi.ヒドロキシキノリン類(8−ヒドロキシキノリン) xii.ヒドロキシピロン類(マルトール、エチルマルトール) xiii.ヒドロキシチオピロン類 及びこれらの化学的部類の組み合わせを表す分子。 Arch Chemicals,Inc.から供給されるN−ヒドロキシ−6−オクチルオキシピリジン−2(1H)オン、エタノールアミン塩、(HP−101)は、N−ヒドロキシピリドン類の一部である。N−ヒドロキシピリドン類は、6位にて遊離酸としてのアルキルエーテル置換基類(substitutions)、エタノールアミン塩類、及び金属塩類、例えば亜鉛、N−ヒドロキシ−6−オクチルオキシピリジン−2(1H)オン、亜鉛塩を有する。アルキルエーテル置換基は、長さが2〜22個の炭素であり、線状又は分枝状のいずれかである。 Akzo−NobelからのEDDHA及びEDDHMAなどの材料の亜鉛塩類に関しては、定比性は、1:1又は2:1の亜鉛対配位子であってよい。キレート化剤類EDDHA、EDDHMAは、それらの全ての異性体類を含むことを意図する。用語EDDHAにより含まれるキレート化剤類の非限定例には、o,o−EDDHA(エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシフェニル酢酸)、及びo,p−EDDHA−エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシフェニル酢酸)−N’−(4−ヒドロキシフェニル酢酸)が挙げられ、キレート化剤EDDHMAの例には、o,o−EDDHMA−エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)、及びo,o’−EDDHMA−エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)−N’−(2−ヒドロキシ−6−メチルフェニル酢酸)が挙げられる。 B.ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩 一実施形態では、本発明は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を含んでもよい。血小板状及び針晶構造などの、いかなる形態の多価金属のピリチオン塩類も用いてよい。一実施形態では、本明細書で用いるための塩には、多価金属類のマグネシウム、バリウム、ビスマス、ストロンチウム、銅、亜鉛、カドミウム、ジルコニウム及びこれらの混合物、更なる実施形態では亜鉛から形成されるものが挙げられる。更なる実施形態では、本明細書で使用されるのは、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(「亜鉛ピリチオン」又は「ZPT」として知られている)、更に別の実施形態では、小板状粒子の形態のZPTであり、この粒子は最大約20μmの平均寸法を有し、一実施形態では、最大約5μmの平均寸法を有し、更に別の実施形態では、最大約2.5μmの平均寸法を有する。 ピリジンチオン抗菌剤及び抗ふけ剤は、例えば、米国特許第2,809,971号、同第3,236,733号、同第3,753,196号、同第3,761,418号、同第4,345,080号、同第4,323,683号、同第4,379,753号、及び同第4,470,982号に記載されている。 ZPTを本明細書の抗菌組成物中の抗菌粒子として使用すると、付加的な効果である育毛若しくは再生が促進若しくは調節される場合があり、又はその両方である場合があり、又は脱毛が減少若しくは抑制される場合があり、又は毛髪がより濃く見える若しくはより豊かに見える場合があることが更に考えられる。 亜鉛ピリチオンは、米国特許第2,809,971号に記載のように、1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオン(すなわちピリチオン酸)又はそれらの可溶性の塩と、亜鉛塩(例えば、硫酸亜鉛)とを反応させて、亜鉛ピリチオン沈殿物を形成させることによって生成できる。 諸実施形態は、約0.01%〜約5%のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と約0.01%〜約5%の鉄キレート化剤と、を含み、更に一実施形態では、それぞれを約0.1%〜約2%含む。 ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩を有する実施形態では、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、1:10〜10:1の範囲であることができる。 C.疎水性 本発明の一実施形態では、鉄キレート化剤は疎水性である。物質が菌類の細胞膜を越えてその効果を発揮する確率を増大させるために、十分な疎水性が必要とされる。AlogPは、物質の疎水性の評価基準となり得るが、これは化学的フラグメントの方法を基に計算される。数字が正であるほど分子は疎水性であり、膜の透過性を高めるためには、その最小値が必要とされると考えられている。孤立分子の固有の疎水性をAlogPとして計算できる。荷電基を有する物質は、はるかに疎水性が小さい傾向があり、更には極めて水溶性になることが多い。 分子が荷電(特にアニオン性)され、細胞透過性であるほど疎水性でない傾向がある場合、方法としては、特定の金属イオン塩類を作ることにより荷電を中和して、疎水性及び膜透過性を増大させることである。log Pを計算するためのアルゴリズムは、金属塩類には有効ではないため、そのような違いは測定されなければならない。親アニオン性物質の十分な疎水性のためには、金属配位子の割合は、荷電中性錯塩が得られるほど十分であるべきである。更に、使用される金属は、細胞に入ったら鉄などの金属類によって容易に置き換えることができるようなものでなければならない。その結果、望ましい金属塩類は、配位子に対して鉄よりも低い親和性を有するべきであり、この点においては亜鉛塩類が特に好ましいが、他の塩類も結合が鉄ほど強くない限り可能である。 本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、鉄キレート化剤を含み、この鉄キレート化剤は、金属塩である。本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤は、亜鉛塩類、カルシウム塩類、銀塩類、ニッケル塩類、マグネシウム塩類、バリウム塩類、ビスマス塩類及びこれらの混合物からなる群から選択される金属塩である。また、本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤は、亜鉛の金属塩である。 本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤は、0.4以上のAlogP値を有し、一実施形態では0.5以上のAlogP値を有し、更なる実施形態では0.6以上のAlogP値を有し、更に別の実施形態では0.7以上のAlogP値を有する。 D.鉄親和性−log K1 配位子と金属(この場合は鉄)との間の結合の強さを、鉄親和性と呼ぶことができる。理論に束縛されるわけではないが、最小の鉄親和性を満たす物質は、鉄細胞代謝を妨害する可能性を有し、それによって、細胞生理に圧力を加えている他の物質と組み合わされたときに抗菌活性を増大させる。 金属(M)と配位子(L)との間の親和性は、以下の均衡を説明する段階的結合定数K1により測定することができる。 親和性定数は、対数(log K1)として都合よく表されており、この数の大きさが大きいほど、金属(この場合は鉄イオン)と配位子との間の結合が強い。 本発明の一実施形態では、抗真菌活性を実証するために、log K1>3.5であり、更なる実施形態ではlog K1>3.7であり、更に別の実施形態ではlog K1>3.8である。 E.固有の抗マラセチア効力−IC50 IC50値は、成長阻害を起こす阻害物質濃度であり、培養物の光学密度は、未処置の対照の1/2増加した。 マラセチアに対する試験材料の成長阻害特性を測定するために、我々は以下のプロトコルを実施した。我々は、マラセチアフルフールを100mlのmDixon媒質内で培養した(1リットルに付き:36gの麦芽抽出物(Difco 0186−17)、20gの牛胆汁(Fluka 70168)、10mLのTween 40(Aldrich 27435−6)、6gのペプトン(Difco 0118−17)、2mlのオレイン酸(Baker 2114−01)、及び2mlのグリセロール(Sigma G−7893)。1N HCl(Baker 562−2)を使用して、pHを6.0に調節する。媒質をオートクレーブし、次いで0.1g/mlのクロラムフェニコールを5ml加える。 31°で振とうしながらインキュベートすることにより、出発培養物を調製する。遠心分離により細胞(5mlの培養物)を収集し、50mlの新しいmDixon媒質内に懸濁させる。細胞(290μl)を深いポリプロピレンプレート(Beckman 267007)内で阻害物質(10μl)と混合し、半透過性の膜(Excel Scientific BS−25)で密閉する。プレートをHeidolph Titramax 100上で31°にて一晩激しく振とうさせる。湿度を高めるために、水に浸した精製綿をプレートの上方に設置する。培養物のいくらか(200μl)をCostar 3596プレートに移し、光学密度(600nm)が測定される。 対照として、未処置のマラセチアフルフールの光学密度を、一晩のインキュベーション後に測定する。別の対照として、出発培養物の光学密度を測定する。これらの光学密度の差が、マラセチアフルフールの成長量を表す。 F.分画阻害物質濃度(FIC) 分画阻害物質濃度(FIC)は、抗菌相互作用を評価するための従来からの手法である。本発明の一実施形態では、FICを使用して、組織培養設定における抗マラセチア活性に対する2つの化学物質類の組み合わせ効果を判断する。 I.方法の概要: 1.各FICアッセイを2回行う。 2.低濃度のマラセチアフルフール7982細胞を96ウェルプレートの各ウェルに植菌する。 3.化学物質#1(我々のアッセイでは、これは常にZPT)を、最終濃度12.5ppmから始まって0ppmで終わるように、右から左にプレートの各列を横切って滴定する(2x濃度減少)。 4.化学物質#2を、最終濃度400ppm又は800ppm(効力に応じて)から始まって0ppmで終わるように、プレートの各行を下に向かって滴定する(2x濃度減少)。 5.プレートを33℃、RH60%で2日間、攪拌しながらインキュベートする。 6.次いで、分光光度計を使用して光学密度(OD)を測定する。 II.データ分析: 1.OD<=0.6であるなら成長の阻害が判定され(これは、ウェルでの成長が、可能である最大濃度の少なくとも50%に達しなかったことを示す)、ウェルは「−」で印される。 2.OD>0.6であるなら、成長の阻害がないことが判定され、ウェルは「+」で印される。 3.成長を阻害する化学物質#1の最低濃度値(単独で、及び化学物質#2の効力を促進させる化学物質#1の最低濃度の両方)が判定される(付録1を参照)。 4.同様に、成長を阻害する化学物質#2の最低濃度(単独で、及び化学物質#1の効力を促進させる化学物質#2の最低濃度の両方)が判定される(付録1を参照)。 5.以下の計算を使って、2つのプレートのFIC値を算出する。 6.次いで、平均FIC値を出し、2つの化学物質の組み合わせ効果を、以下の表に従って分類する。 付録1: 以下は、仮定的なFICを解釈するプロセスの例であるが、全ての数値は、試験された化学物質の最終濃度を100万分の1の単位で表している。 II.1節に記される指示に従い、各ウェルは「+」又は「−」のいずれかが印されている。横線のウェルは、化学物質#2単独の最低値を表す(左に読むと400.00とある)。対角線のウェルは、化学物質#1の効力を促進させる化学物質#2の最低値を表す(左に読むと3.13とある)。点が描かれたウェルは、化学物質#1単独の最低値を表す(下に読むと6.25とある)。縦線のウェルは、化学物質#2の効力を促進させる化学物質#1の最低値を表す(下に読むと0.20とある)。 II.5節に記される指示に従い、以下の等式によりFIC値を計算する。 (0.20/6.25)+(3.13/400.00)=0.04 II.1節に記される指示に従い、このプレートは再現して行うことができ、ここでは同じ結果が得られたと仮定する。 II.5節に記される指示に従い、以下の等式により平均FIC値を計算する。 (0.04+0.04)/2=0.04 II.6節に記される指示に従い、平均FIC値を0.04とすると、これら2つの化学物質の組み合わせ効果は相乗であると判定される。 (1)Akzo−Nobelより (2)Arch Chemicals,Inc.より *分画阻害濃度、FIC≦0.5は相乗活性を表し、0.5<FIC≦1.0は付加を表す(1.0超のFICは、中性又は拮抗のいずれか)。参考文献:R.Bharadwajら、Indian J Pharmacol 2003,35,220。 表1の疎水性及び鉄親和性のデータは、固有の抗真菌効力の減少するおおよその順に並べられている(IC50として測定)。固有の抗真菌効力は、別の抗真菌剤と組み合わされたときに相乗的又は付加的な抗菌利益のいずれかを有する可能性の予測因子として用いられている。 表1のデータは、相当量の単独での抗真菌活性を得るためには、疎水性及び鉄親和性の両方のパラメーターが特定の最低基準を満たさなければならないことを明らかに示している。例えば、化学的に関連した1,10−フェナントロリン及び2,9−ジメチルフェナントロリンは、実質的に異なる固有の抗真菌効力を有するが、これは、2,9−ジフェニルフェナントロリンが親フェナントロリン分子よりもかなり低い鉄親和性を有するためであると解釈することができる。 EDTAなどの非常に一般的な鉄キレート化剤類は、効果的ではないことが観察されているが、これは、理論に束縛されるわけではないが、鉄結合の作用が起こると考えられている部位である細胞への透過性を制限する可能性のある非常に低い疎水性のためであり得ることに留意されたい。 表2の付加及び相乗データを評価すると、この例では亜鉛ピリチオンとの非常に強い相互作用があり、組み合わせの抗真菌効力を高めることができることが明らかである。これらの例では、物質によっては、その物質の特定の金属塩類を作ることによってかなり改善できることが明らかになる。例えば、マルトール(表1から)は親水性すぎて、単独では効果的な抗真菌物質ではない。しかしながら、その亜鉛塩は、相当疎水性であり(AlogPでは計算できない)、亜鉛ピリチオンの活性を高めることができるようにする(表2を参照。FIC 0.1)。 アニオン性鉄結合物質は、一般に、より疎水性になる可能性を有し、それにより、それらの物質の特定の金属塩類を作ることによって、細胞の透過性を高める。亜鉛が最も好ましいが、カルシウム、マグネシウム及びバリウムなどの他の金属類が可能である。 本発明の1実施形態では、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせは、1以下の分画阻害物質濃度を有する。また、鉄キレート化剤は、ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と組み合わせて、1以下の分画阻害物質濃度を有する本発明の更なる実施形態では、鉄キレート化剤とピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせは、0.5以下の分画阻害物質濃度を有する。 分画阻害物質濃度に関する更なる情報は、AN INVITRO STUDY TO EVALUATE THE SYNERGISITC ACTIVITY OF NORFLOXACIN AND METRONIDAZOLE,R.Bharadwajら,Indian J Pharmacol 2003,35:220〜226に見られる。 本発明の一実施形態では、パーソナルケア組成物は、界面活性剤を更に含んでもよい。更なる実施形態では、本発明の組成物は、洗浄性界面活性剤を含んでもよい。洗浄界面活性剤成分は、組成物に洗浄性能を提供するために含まれる。そして、洗浄性界面活性剤成分は、アニオン性洗浄性界面活性剤、双極性若しくは両性洗浄性界面活性剤、又はこれらの組み合わせを含む。このような界面活性剤は、本明細書に記載される必須成分と物理的及び化学的に適合すべきであるか、又はさもなければ過度に製品の安定性、審美性若しくは性能を損なうべきではない。本明細書の組成物に用いられる好適なアニオン性洗浄性界面活性剤成分には、ヘアケア又は他のパーソナルケアクレンジング組成物に用いるために既知のものが挙げられる。アニオン性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第2,486,921号、同第2,486,922号、同第2,396,278号及び同第3,332,880号に記載されている。組成物中の、例えば、アニオン性界面活性剤成分の濃度は、所望の洗浄及び泡立ち性能を提供するのに十分であるべきであり、通常は約5%〜約50%の範囲である。本組成物での使用に好適な他のアニオン性、双性イオン性、両性又は任意の追加の界面活性剤の非限定例は、McCutcheon’s,Emulsifiers and Detergents(2002 Annual,M.C.Publishing Co.発行)、及び米国特許第3,929,678号、同第2,658,072号、同第2,438,091号、同第2,528,378号に記載されている。 更なる実施形態では、本発明の組成物は、局所適用組成物の形態であり得、これは局所用キャリアを含む。一実施形態では、局所用キャリアは、形成される組成物の種類に応じて、従来の広範囲のパーソナルケアキャリアから選択される。適合性のあるキャリアを適切に選択することによって、このような組成物を、コンディショニングトリートメント、洗浄製品、例えば毛髪及び/又は頭皮シャンプー、ボディウォッシュ、ハンドクリーナ、水が不要な手の消毒剤/洗剤、顔の洗剤、デオドラント、及び同類のものを含む日常の皮膚用又は毛髪用製品の形態で調製することが検討される。 任意成分が、物理的及び化学的に本明細書に記載された必須成分と適合し、又はそうでなければ製品の安定性、審美性若しくは性能を過度に損なわなければ、本発明の組成物は、ヘアケア又はパーソナルケア製品における使用に既知の1つ以上の任意成分を更に含んでもよい。このような任意成分の個々の濃度は、約0.001%〜約10%の範囲であってよい。 組成物に用いる任意成分の非限定例としては、カチオン性ポリマー類、カチオン性界面活性剤類、コンディショニング剤類(炭化水素油類、脂肪酸エステル類、シリコーン類)、抗ふけ剤類、懸濁剤類、粘度調整剤類、染料類、不揮発性溶媒類又は希釈剤類(水溶性及び非水溶性)、真珠光沢助剤類、起泡増進剤類、追加の界面活性剤類又は非イオン性補助界面活性剤類、殺シラミ剤類、pH調整剤類、香料類、防腐剤類、キレート剤類、タンパク質類、皮膚活性剤類、日焼け止め剤類、UV吸収剤類、ビタミン類、ミネラル類、草本/果物/食品抽出物類、スフィンゴ脂質誘導体類又は合成誘導体、及び粘土が挙げられる。任意成分の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993及びCTFA Cosmetic Ingredient Dictionary,3rd edition(Estrin,Crosley,及びHaynes編)(The Cosmetic,Toiletry,and Fragrance Association,Inc.,Washington,D.C.(1982))に見られる。 本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきでない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法はそれぞれ、記載された値及びその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味するものとする。 本発明の「発明を実施するための形態」で引用した全ての文献は、関連部分において本明細書に援用するが、いずれの文献の引用もそうした文献が本発明に対する先行技術であることを容認するものとして解釈されるべきではない。本書における用語の任意の意味又は定義が、参照により組み込まれた文献における同一の用語の任意の意味又は定義と相反する限りにおいては、本書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。 以上、本発明の特定の実施形態を例示、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び改変を行い得る点は、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲に含まれるそのような全ての変更及び改変を添付の特許請求の範囲において網羅するものとする。 a)有効量のピリチオン又はピリチオンの多価金属塩と、 b)有効量の鉄キレート化剤と、を含み、 b)がEDDHMA亜鉛塩、マルトール亜鉛塩、EDDHA亜鉛塩、ベンゾヒドロキサム酸亜鉛塩、チオマルトール亜鉛塩、又は1,2−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−ピリドン亜鉛塩から選択され、 EDDHMA亜鉛塩が、o,o−EDDHMA(エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)、又はo,o’−EDDHMA(エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシ−4−メチルフェニル酢酸)−N’−(2−ヒドロキシ−6−メチルフェニル酢酸)から選択され、 EDDHA亜鉛塩が、o,o−EDDHA(エチレンジアミン−N,N’−ジ(2−ヒドロキシフェニル酢酸)、又はo,p−EDDHA(エチレンジアミン−N−(2−ヒドロキシフェニル酢酸)−N’−(4−ヒドロキシフェニル酢酸)から選択され、及び 前記鉄キレート化剤と前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、1以下の分画阻害物質濃度を有する、パーソナルケア組成物。 前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が亜鉛ピリチオンである、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。 前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が銅ピリチオンである、請求項1記載のパーソナルケア組成物。 前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩が、0.01%〜5%で存在する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤が、0.01%〜5%で存在する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤と前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との組み合わせが、0.5以下の分画阻害物質濃度を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記b)がEDDHMA亜鉛塩又はEDDHA亜鉛塩から選択され、且つ定比性が、1:1又は2:1の亜鉛対配位子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記a)が1−ヒドロキシ−2−ピリジンチオンの亜鉛塩(ZPT)である、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記ZPTが、小板状粒子の形態であり、且つ該粒子が最大20μmの平均寸法を有する、請求項8に記載のパーソナルケア組成物。 前記粒子が最大5μmの平均寸法を有する、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。 前記粒子が最大2.5μmの平均寸法を有する、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。 前記鉄キレート化剤と前記ピリチオン又はピリチオンの多価金属塩との比は、1:10〜10:1の範囲である、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記パーソナルケア組成物が、界面活性剤を更に含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。 前記パーソナルケア組成物が、5%〜50%の範囲の濃度であるアニオン性界面活性剤を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。


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