生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_改良されたリンカーを有するアマトキシン複合体
出願番号:2013530619
年次:2013
IPC分類:C07K 7/64,A61P 35/00,A61P 35/02,A61K 38/00,A61K 47/48,C07K 16/28


特許情報キャッシュ

ヤン アンデール ベルナー ジモン クリストフ ミュラー JP 2013544231 公表特許公報(A) 20131212 2013530619 20110929 改良されたリンカーを有するアマトキシン複合体 ハイデルベルク ファルマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング 505348522 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 渡辺 陽一 100117019 中島 勝 100141977 武居 良太郎 100150810 ヤン アンデール ベルナー ジモン クリストフ ミュラー EP 10012573.1 20100930 C07K 7/64 20060101AFI20131115BHJP A61P 35/00 20060101ALI20131115BHJP A61P 35/02 20060101ALI20131115BHJP A61K 38/00 20060101ALI20131115BHJP A61K 47/48 20060101ALI20131115BHJP C07K 16/28 20060101ALI20131115BHJP JPC07K7/64A61P35/00A61P35/02A61K37/02A61K47/48C07K16/28 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,RW,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,QA,RO,RS,RU,RW,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN EP2011004875 20110929 WO2012041504 20120405 45 20130329 4C076 4C084 4H045 4C076AA95 4C076CC27 4C076EE59 4C076FF68 4C084AA01 4C084AA02 4C084AA03 4C084BA01 4C084BA17 4C084BA24 4C084BA41 4C084BA42 4C084DA41 4C084NA05 4C084NA13 4C084NA14 4C084ZB261 4C084ZB271 4H045AA10 4H045AA30 4H045BA09 4H045BA15 4H045BA31 4H045BA40 4H045BA54 4H045CA30 4H045CA40 4H045DA55 4H045DA75 4H045EA20 4H045FA10 本発明は、腫瘍治療に関する。一態様において、本発明はアマトキシンと、尿素部分を含むリンカーにより結合された標的結合部分、例えば、抗体との複合体であって、癌の治療において有用である複合体に関する。さらなる態様において、本発明は斯かる複合体を含む医薬組成物に関する。 アマトキシンは、8個のアミノ酸から成る環状のペプチドである。それは、タマゴテングタケ(Amanita phalloides)キノコから単離又は合成的に調製することができる。アマトキシンは哺乳類細胞のDNA依存性RNAポリメラーゼIIを特異的に阻害し、それにより影響を受けた細胞の転写及びタンパク質生合成もまた抑制する。細胞中の転写の抑制は、成長及び増殖を停止する。共有結合ではないが、アマニチンとRNA-ポリメラーゼIIとの間の複合は、非常に堅固である(KD = 3 nM)。斯かる酵素からのアマニチンの解離は非常に緩慢なプロセスであり、よって影響を受けた細胞は回復が困難である。転写の抑制が非常に長く続く場合、細胞はプログラム細胞死(アポトーシス)を受けるであろう。 腫瘍治療のための細胞毒性部分としてのアマトキシンの使用は、1981年に既に、ジアゾ化を通してTrp(アミノ酸4;図1)のインドール環に結合されたリンカーを使用して、抗Thy 1.2抗体をα-アマニチンに結合することによって研究が行われていた(Davis & Preston、Science 1981、213、1385-1388)。 欧州特許出願第1 859 81 1号A1(November 28、2007公開)には、β-アマニチンのアマトキシンアミノ酸1のγ C原子が、直接、すなわち、リンカー構造なく、アルブミン又はモノクローナル抗体HEA125、OKT3、又はPA-1に結合される複合体が記載される。さらに、乳癌細胞(MCF-7)、バーキットリンパ腫細胞(Raji)、及びT-リンパ腫細胞(Jurkat)の増殖へのこれらの複合体の抑制効果が示された。要素、例えば、アミド、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、尿素、チオ尿素、炭化水素部分等を含むリンカーの使用が提案されたが、斯かるコンストラクトは実際には示されておらず、例えば、アマトキシン上に付着部位が供されること等以上の詳細な説明はない。 アマトキシンは分子量の大きな生体分子担体、例えば、抗体分子等に結合される場合に相対的に無毒性であり、生体分子担体が切断された後にのみその細胞毒性活性を発現することは周知である。特に肝細胞に関してアマトキシンの毒性を考慮すると、標的腫瘍治療のためのアマトキシン複合体が、血漿中で投与後に非常に安定した状態であり、標的細胞における内部移行後にアマトキシンの遊離が生じることは非常に重要である。これに関連して、複合体安定性の微小な改良は、治療域及び治療アプローチのためのアマトキシン複合体の安全性に関して飛躍的な結果を有する可能性がある。 従って、血漿中で安定であり、それにより非標的細胞への有害な副作用が最小化される標的結合部分アマトキシン複合体が、先行技術において非常に必要であった。 第一の態様において、本発明は、リンカーLを通してアマトキシンに結合された標的結合部分を含む複合体であって、ここでリンカーLが、(i)アマトキシンアミノ酸1のγ C原子、特にアミド結合;(ii)アマトキシンアミノ酸3のδ C原子に結合される酸素原子、特にエステル結合、エーテル結合又はウレタン結合;又は(iii)アマトキシンアミノ酸4の6' C原子、特にアマトキシンアミノ酸4の6' C原子に結合される酸素原子;を通してアマトキシンに結合され、いずれの場合にも、リンカーLが尿素部分を通して標的結合部分に結合される複合体に関する。 第二の態様において、本発明は、本発明の複合体を含む医薬組成物に関する。 他の態様において、本発明は、(i)アマトキシンアミノ酸1のγ C原子、特にアミド結合;(ii)アマトキシンアミノ酸3のδ C原子に結合される酸素原子、特にエステル結合、エーテル結合若しくはウレタン結合;又は(iii)アマトキシンアミノ酸4の6' C原子、特にアマトキシンアミノ酸4の6' C原子に結合される酸素原子;を通してアマトキシンに結合されるリンカーLを含む、アマトキシン複合分子であって、いずれの場合にも、リンカーLが、カルバミン酸誘導体-NH-C(O)-X(式中、Xは、標的結合部分の一級アミンと置換できる脱離基である)を含む、アマトキシン複合分子に関する。 さらに他の態様において、本発明は、本発明の複合体を合成するための方法であって、本発明のアマトキシン複合分子を、一級アミノ基を含む標的結合部分と反応させる工程を含む方法に関する。図1は、異なるアマトキシンの構造式を示す。太字数字(1〜8)は、アマトキシンを形成している8個のアミノ酸の標準的なナンバリングを指定する。アミノ酸1、3及び4中の原子の標準的な指定(ギリシャ文字α〜γ、ギリシャ文字α〜δ、及び1'〜7'の番号、各々)もまた示される。図2は、72時間のインキュベーション後の、BrdUアッセイにおける、SKOV-3細胞上の異なるリンカー部分を使用した、異なるアマニチンハーセプチン複合体の細胞毒性活性を示す。図3は、72時間のインキュベーション後の、BrdUアッセイにおける、SK-BR-3細胞上の異なるリンカー部分を使用した、異なるアマニチンハーセプチン複合体の細胞毒性活性を示す。図4は、72時間のインキュベーション後の、BrdUアッセイにおける、NCI-N87細胞上の異なるリンカー部分を使用した、異なるアマニチンハーセプチン複合体の細胞毒性活性を示す。図5は、72時間のインキュベーション後の、BrdUアッセイにおける、MDA-MB231細胞上の異なるリンカー部分を使用した、異なるアマニチンハーセプチン複合体の細胞毒性活性を示す。図6は、最長14日間の血漿中のインキュベーション後に、異なるリンカー部分を使用した、異なるアマニチンハーセプチン複合体から放出されたアマニチンの量を示す。図7は、最長14日間の血漿中のインキュベーション後に、異なるリンカー部分を使用した、異なるアマニチンハーセプチン複合体から放出されたアマニチンの量を示す。図8は、血漿インキュベーション前後の、BrdUアッセイにおける、SKOV-3細胞上での異なるリンカー部分を使用した異なるアマニチンハーセプチン複合体の細胞毒性活性の比較を示す。図9は、SKOV-3異種移植モデルにおける、インビボ(in vivo)での、異なるリンカー部分を使用した、2つの異なるアマニチンハーセプチン複合体の活性の比較を示す。本発明の詳細な説明 本発明を以下に詳細に記載する前に、本明細書中に記載される特定の方法、プロトコール及び試薬は変更可能であり、よって本発明はこれらに限定されない、と理解すべきである。本明細書中の用語は単に特定の実施形態を記載する目的であり、本発明の範囲を限定することを意図するものではなく、本発明の範囲は添付の請求項によってのみ限定されると理解すべきである。他に特に記載しない限り、本明細書中の全技術及び科学用語は、当業者に一般的に理解される同一の意味を有する。 好ましくは、本明細書中の用語は、「A multilingual glossary of biotechnological terms: (lUPAC Recommendations)」、Leuenberger、H.G.W、Nagel、B. and Kolbl、H. eds.(1995)、Helvetica Chimica Acta、CH-4010 Basel、Switzerland)、に記載される通り定義される。 以下の本明細書及び請求項を通して、文脈上別の解釈が必要な場合を除き、用語「含む」、及び変化形、例えば、「含む」及び「含む」等は、所定の数又は工程又は数又は工程の群を含み、任意の他の数又は工程又は数又は工程の群を排除しないことを示すと理解されたい。 本明細書を通して複数の文献が記載される。本明細書中の上記又は下記の文献(特許、特許出願、科学出版物、製造者の説明書、説明書、GenBank受入番号配列寄託等、全て含む)はそれぞれ、その全体が各特許法下で可能な限り参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で考察される刊行物は、本出願の出願日前の刊行物の開示のためにのみ提供され、本発明が先行発明を理由として前記開示に先行しないと解されるべきではない。 本発明をさらに記載する。以下に、本発明の異なる態様をより詳細に記載する。定義される各態様は、明らかに逆を示さない限り、任意の他の態様と組み合わせることができる。特に、好ましい又は有利なものとして示される任意の特徴は好ましい又は有利なものとして示される任意の他の特徴と組み合わせることができる。 第一の態様において、本発明は、リンカーLを通してアマトキシンに結合される標的結合部分を含む複合体であって、リンカーLが、(iv)アマトキシンアミノ酸1のγ C原子、特にアミド結合;(v)アマトキシンアミノ酸3のδ C原子に結合される酸素原子、特にエステル結合、エーテル結合又はウレタン結合;又は(vi)アマトキシンアミノ酸4の6' C原子、特にアマトキシンアミノ酸4の6' C原子に結合される酸素原子;を通してアマトキシンに結合され、いずれの場合にも、リンカーLが尿素部分を通して標的結合部分に結合される、複合体に関する。 本発明において、用語「複合体」とは、共有結合により結合する少なくとも2つの異なる分子を含む分子を意味する。 本明細書において、用語「標的結合部分」とは、特異的に標的分子又は標的エピトープに結合することができる任意の分子又は分子の部分を意味する。本願の好ましい標的結合部分は、(i)抗体又はその抗原結合性フラグメント; (ii)抗体様タンパク質;及び(iii)核酸アプタマーである。本発明における使用に適した「標的結合部分」は、典型的には、40 000 Da(40 kDa)又はそれ以上の分子量を有する。 本明細書において、第一の化合物(例えば、抗体)の第二の化合物(例えば、抗原、例えば、標的タンパク質等)に対する解離定数KQが、100 μΜ又はそれ未満、好ましくは、50 μΜ又はそれ未満、好ましくは、30 μΜ又はそれ未満、好ましくは、20 μΜ又はそれ未満、好ましくは、10 μΜ又はそれ未満、好ましくは、5 μΜ又はそれ未満、より好ましくは、1 μΜ又はそれ未満、より好ましくは、900 nM又はそれ未満、より好ましくは、800 nM又はそれ未満、より好ましくは、700 nM又はそれ未満、より好ましくは、600 nM又はそれ未満、より好ましくは、500 nM又はそれ未満、より好ましくは、400 nM又はそれ未満、より好ましくは、300 nM又はそれ未満、より好ましくは、200 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、100 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、90 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、80 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、70 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、60 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、50 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、40 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、30 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、20 nM又はそれ未満、さらに好ましくは、10 nM又はそれ未満の場合に、第一の化合物は、第二の化合物に「特異的に結合する」と考える。 本願の用語「標的分子」及び「標的エピトープ」とは各々、標的結合部分によって特異的に結合される抗原及び抗原のエピトープを各々意味する。好ましくは、標的分子は、腫瘍関連抗原、特に、非腫瘍細胞の表面と比較して増加濃度で且つ/又は異なる立体配置で1又は2以上の腫瘍細胞型の表面上に存在する抗原又はエピトープである。好ましくは、1又は2以上の腫瘍細胞型の表面上に存在するが、非腫瘍細胞の表面上に存在しない抗原又はエピトープである。特定の実施形態において、標的結合部分は、HER-2/neu又は上皮細胞接着分子(EpCAM)のエピトープに特異的に結合する。他の実施形態において、抗原又はエピトープは、好ましくは自己免疫疾患に関与する細胞上に発現される。特に、斯かる実施形態において、標的結合部分はIL-6受容体(IL-6R)のエピトープに特異的に結合する。 本明細書において、用語「抗体又はその抗原結合性フラグメント」とは、免疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的に活性な部分、すなわち、免疫上特異的に抗原を結合する抗原結合部位を含む分子を意味する。また、例えば、標的分子、例えば、標的タンパク質Her-2/neu又はEpCAMに特異的に結合するファージ提示法を含む技術を介して選択される免疫グロブリン様タンパク質もまた含まれる。本発明の免疫グロブリン分子は、免疫グロブリン分子の任意の型(例えば、IgG、IgE、IgM、IgD、IgA及びIgY)、クラス(例えば、lgG1、lgG2、lgG3、lgG4、lgA1及びlgA2)又はサブクラスとすることができる。本発明の使用に適した抗体及びその抗原結合性フラグメントは、ポリクローナル、モノクローナル、一価、二重特異性、ヘテロ複合体、多選択性、ヒト、ヒト化(特に、CDR移植)、脱免疫化、又はキメラ抗体、一本鎖抗体(例えば、scFv)、Fab断片、F(ab')2断片、Fab発現ライブラリーによって産生される断片、二重特異性抗体又は四重特異性抗体(tetrabodies)(Holliger P. et al.、1993)、ナノボディ、抗イディオタイプ(抗Id)抗体(例えば、本発明の抗体への抗Id抗体を含む)、並びに前述の任意のエピトープ結合断片を含むが、それらに限定されない。 一部の実施形態において、抗原結合性フラグメントは、本発明のヒト抗原結合抗体断片であり、Fab、Fab'及びF(ab')2、Fd、一本鎖Fvs(scFv)、一本鎖抗体、ジスルフィド-結合Fvs(dsFv)及びVL又はVH領域を含む断片を含むが、それらに限定されない。一本鎖抗体を含む抗原結合抗体断片は、可変領域単独又は次の: ヒンジ領域、CL、CH1、CH2、及びCH3領域の全体又はその一部と組み合わせて可変領域を含むことができる。本発明は、可変領域のヒンジ領域、CL、CH1、CH2、及びCH3領域との任意の組み合わせもまた含む抗原結合性フラグメントもまた含む。 本発明で使用可能な抗体は、鳥類及び哺乳類を含む任意の動物起源由来とすることができる。好ましくは、抗体は、ヒト、ゲッ歯類(例えば、マウス、ラット、モルモット、又はウサギ)、ニワトリ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ウシ、ウマ、ロバ、ネコ、又はイヌ起源由来である。抗体がヒト又はマウス起源であることが特に好ましい。本明細書において、「ヒト抗体」とは、例えば、Kucherlapati & Jakobovits等の米国特許第5,939,598号に記載される通り、ヒト免疫グロブリンのアミノ酸配列を有する抗体、及びヒト免疫グロブリンライブラリーから単離される抗体、或いは1又は2以上のヒト免疫グロブリンを遺伝子導入した動物由来であり内因性免疫グロブリンを発現しない抗体を含む。 用語「抗体様タンパク質」とは、標的分子に特異的に結合する操作されたタンパク質(例えば、ループの突然変異誘発による)を意味する。 典型的には、斯かる抗体様タンパク質は、タンパク質スキャフォールドに両端において結合された少なくとも1つの可変ペプチドループを含む。斯かる二重構造制限は、抗体に匹敵するレベルまで、抗体様タンパク質の結合親和性を非常に増大する。可変ペプチドループの長さは、典型的には、10〜20個のアミノ酸から成る。スキャフォールドタンパク質は、良好な溶解特性を有する任意のタンパク質とすることができる。好ましくは、スキャフォールドタンパク質は、小分子球状タンパク質である。抗体様タンパク質は、制限なくアフィボディ(affibodies)、アンチカリン(anticalin)、及び設計アンキリン反復タンパク質を含む(Binz et al. 2005)。抗体様タンパク質は、突然変異の大型のライブラリー由来、例えば、大型のファージ提示法ライブラリーから選択することができ、通常の抗体と類似し、単離できる。また、抗体様結合タンパク質は、球状タンパク質中の表面露呈残部の組み合わせ突然変異誘発によって得られる。 用語「核酸アプタマー」とは、インビトロ(in vitro)での選択又はSELEX(試験管内進化法)の反復を介して操作された、標的分子に結合する核酸分子を意味する(Brody and Gold、2000を参照)。核酸アプタマーは、DNA又はRNA分子とすることができる。アプタマーは、修飾、例えば、修飾ヌクレオチド、例えば、2'-フッ素-置換ピリミジン等を含むことができる。 本明細書において、化合物の「化学誘導体」(又は端的に: 「誘導体」)とは、化合物と類似だが、化合物に存在しない少なくとも1つの化学基を含み、且つ/又は化合物に存在する少なくとも1つの化学基が欠如する、化学構造を有する種を意味する。誘導体に対してその化合物は、「親」化合物として知られる。典型的には、「誘導体」は、1又は2以上の化学反応段階で親化合物から産生することができる。 本明細書において、化合物の「類似体」は、構造上化合物に関連するが同一ではなく、少なくとも化合物の1つの活性を示す。類似体に対して斯かる化合物は、「親」化合物として知られる。上記活性は制限なく: 他の化合物への結合活性; 抑制活性、例えば、酵素抑制活性; 毒性効果; 活性化活性、例えば、酵素活性化活性を含む。類似体が斯かる活性を親化合物と同程度まで提示することは必要でない。化合物が親化合物の活性の少なくとも1 %(より好ましくは、少なくとも5%、より好ましくは、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも20%、より好ましくは、少なくとも30%、より好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%)程度まで関連した活性を提示する場合、本願で類似体と見なされる。従って、本明細書中の「アマトキシンの類似体」とは、図1に示されるα-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、及びアマヌリン酸(amanullinic acid)のいずれか1つと構造上関連し、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、及びアマヌリン酸の少なくとも1つと比較して、哺乳類RNAポリメラーゼIIに対する抑制活性の少なくとも1%(より好ましくは、少なくとも5%、より好ましくは、少なくとも10%、より好ましくは、少なくとも20%、より好ましくは、少なくとも30%、より好ましくは、少なくとも40%、より好ましくは、少なくとも50%)を提示する化合物を意味する。本発明の使用に適した「アマトキシンの類似体」は、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、又はアマヌリン酸のいずれか1つよりも、哺乳類RNAポリメラーゼIIに対してさらに強い抑制活性を提示することができる。抑制活性は、50%抑制が生じる濃度(IC50値)を定量することによって測定できる。哺乳類RNAポリメラーゼIIに対する抑制活性は、細胞増殖に対する抑制活性を測定することによって間接的に測定できる。細胞増殖の抑制の測定に適したアッセイは、実施例に記載される。 「半合成類似体」とは、出発原料として自然源(例えば、植物原料、細菌培養物、又は細胞培養物)由来の化合物を使用して化学合成によって得られた類似体を意味する。典型的には、本発明の「半合成類似体」は、テングタケ科のキノコから単離される化合物を出発原料として合成される。一方、「合成類似体」とは、小分子(典型的には、石油化学)構成要素からいわゆる全合成によって合成される類似体を意味する。通常、生物学的過程の補助なしに斯かる全合成は行われる。 本明細書において、「アプタマー複合体」とは、上記選択肢の標的結合部分が核酸アプタマー(iii)である、標的結合部分毒素複合体を意味する。 本発明において「リンカー」とは、2つの成分を結合している分子を意味し、成分はそれぞれ、リンカーの一端に結合されている。リンカーは、2つの成分間の距離を増大し、これらの成分間、例えば、本願の場合標的結合部分とアマトキシンとの間等の立体障害を減少する。リンカーの不存在下で、アマトキシンの標的結合部分への直接結合は、RNAポリメラーゼIIと相互作用するアマトキシンの能力を減少する可能性がある。特定の実施形態において、リンカーは骨格に1〜30原子(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30原子)の連続鎖を有し、すなわち、リンカーの長さは、アマトキシン部分と標的結合部分との間の原子又は結合の数によって測定される最短連結として定義され、リンカー骨格の一面は、アマトキシンと反応し、他面は標的結合部分と反応している。本発明において、リンカーは好ましくは、任意に置換されたC1-20-アルキレン、C1-20-ヘテロアルキレン、C2-20-アルケニレン、C2-20-ヘテロアルケニレン、C2-20-アルキニレン、C2-20-ヘテロアルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アラルキレン、又はヘテロアラルキレン基である。リンカーは、1又は2以上の構造要素、例えば、カルボキサミド、エステル、エーテル、チオエーテル、ジスルフィド、尿素、チオ尿素、炭化水素部分等を含むことができる。リンカーは、これらの構造要素の2つ又は3つ以上の組み合わせもまた含むことができる。これらの構造要素はそれぞれ、1度のみならず、例えば、2、3、4、5、又は6回リンカー中に存在することができる。一部の実施形態において、リンカーはジスルフィド結合を含むことができる。リンカーは、単一工程又は2又は3以上の後続工程において、アマトキシン及び標的結合部分に結合されなければならない、と理解されたい。そのために存在し得るリンカーは、好ましくは近位及び遠位末端に2つの基を有することができ、それらは(i)結合される成分の1つに存在する基、好ましくは、アマトキシン又は標的結合ペプチド上の活性化基と共有結合を形成できる、又は(ii)アマトキシン上の基と共有結合を形成するよう活性化されている又は活性化できる。従って、化学基はリンカーの遠位末端及び近位末端に位置し、斯かるカップリング反応の結果、例えば、エステル、エーテル、ウレタン、ペプチド結合等であることが好ましい。 本発明において、用語「アマトキシン」とは、テングタケ属から単離されWieland, T. and Faulstich H(Wieland T, Faulstich H., CRC Crit Rev Biochem. 1978 Dec;5(3): 185-260)に記載される8個のアミノ酸から成るあらゆる環状ペプチドを含み、さらに、天然化合物の基本構造に従って構成要素から構築される、そのあらゆる化学誘導体; さらにそのあらゆる半合成類似体; さらにそのあらゆる合成類似体(環状、8個のアミノ酸)、さらに、ヒドロキシル化アミノ酸の代わりに非ヒドロキシル化アミノ酸を含むあらゆる合成又は半合成類似体、さらに、チオエーテルスルホキシド部分がスルフィド、スルホンと置換されている、又は硫黄と異なる原子、例えば、アマニチンのカルバ類似体の場合炭素原子と置換されている、あらゆる合成又は半合成類似体を含み、いずれの場合にも、任意の斯かる誘導体又は類似体は、哺乳類RNAポリメラーゼIIを阻害することによって機能上活性がある。 機能上、アマトキシンは、哺乳類RNAポリメラーゼIIを阻害するペプチド又はデプシペプチドと定義される。好ましいアマトキシンは、上記リンカー分子又は標的結合部分と反応できる官能基(例えば、カルボキシル基、アミノ基、ヒドロキシル基、チオール又はチオール捕捉(capturing)基)を有するアマトキシンである。特に本発明の複合体に適したアマトキシンは、図1に示されるα-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、及びアマヌリン酸、及びその塩、化学誘導体、半合成類似体、及び合成類似体である。本発明の使用に特に好ましいアマトキシンは、α-アマニチン、β-アマニチン、及びアマニンアミドである。 本発明において、用語「尿素部分を通して標的結合部分に結合」とは、標的結合部分が-NH-C(O)-NH-基を通して直接リンカーに結合される、リンカーと標的結合部分との間の結合を意味する。 本発明の特定の実施形態において、複合体は、次の構造:アマトキシン-γC(O)-NH-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分;アマトキシン-δC-O-C(O)-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分;アマトキシン-δC-O-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分;アマトキシン-δC-O-C(O)-NH-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分;及びアマトキシン-6'C-O-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分、の1つから選択される構造を有する。 本発明の特定の実施形態において、標的結合部分は、標的結合部分に存在するアミノ基を通してリンカーLに結合され、ここで斯かるアミノ基は尿素部分の一部を形成する。 本発明の特定の実施形態において、アマトキシンは、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、又はアマヌリン酸、又はその塩又は類似体から選択される。 本発明の特定の実施形態において、リンカーLは、1又は2以上の基、特に:アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アラルキレン、及びヘテロアラルキレン基、のリストから選択される、1、2又は3個の基を含み、ここで、各基は任意に独立して置換することができる。 用語「アルキレン」とは、1〜10個の炭素原子を有する基を含む、1〜20個の炭素原子を有する、二価の直鎖飽和炭化水素基を意味する。特定の実施形態において、アルキレン基は、低アルキレン基とすることができる。用語「低アルキレン」とは、1〜6個の炭素原子、特定の実施形態において、1〜5又は1〜4個の炭素原子を有するアルキレン基を意味する。アルキレン基の例は、メチレン(-CH2-)、エチレン(-CH2-CH2-)、n-プロピレン、n-ブチレン、n-ペンチレン、及びn-ヘキシレンを含むが、それらに限定されない。 用語「アルケニレン」とは、2〜20の炭素原子を有する二価の直鎖基であって、炭素炭素結合の少なくとも1つが二重結合であり、一方他の結合は単結合又はさらなる二重結合とすることができる基を意味する。本明細書中、用語「アルキニレン」とは、2〜20の炭素原子を有する基であって、少なくとも1つの炭素炭素結合が三重結合であり、一方他の結合は単結合、二重結合又はさらなる三重結合とすることができる基を意味する。アルケニレン基の例は、エテニレン(-CH=CH-)、1-プロペニレン、2-プロペニレン、1-ブテニレン、2-ブテニレン、3-ブテニレン等を含む。アルキニレン基の例は、エチニレン、1-プロピニレン、2-プロピニレン等を含む。 本明細書において、「シクロアルキレン」は、任意の安定した単環又は多環系の一部である二価の環を意味することを目的とし、ここで斯かる環は3〜12の炭素原子を有するが、ヘテロ原子を有さず、斯かる環は完全に飽和されている。用語「シクロアルケニレン」は、任意の安定した単環又は多環系の一部である二価の環を意味することを目的とし、ここで斯かる環は3〜12の炭素原子を有し、ヘテロ原子を有さず、斯かる環は少なくとも一部が不飽和である(任意のアリーレン基は除く)。シクロアルキレンの例は、シクロプロピレン、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロヘキシレン、及びシクロヘプチレンを含むが、それらに限定されない。シクロアルケニレンの例は、シクロペンテニレン及びシクロヘキセニレンを含むが、それらに限定されない。 本明細書において、用語「ヘテロシクロアルキレン」及び「ヘテロシクロアルケニレン」とは、任意の安定した単環又は多環系の一部である二価の環を意味することを目的とし、ここで斯かる環は3〜約12の原子を有し、斯かる環は炭素原子及び少なくとも1つのヘテロ原子、特にN、O及びSから成る群から独立して選択される少なくとも1つのヘテロ原子から成り、ヘテロシクロアルキレンは完全に飽和された斯かる環を意味し、ヘテロシクロアルケニレンは、少なくとも一部が不飽和である環(任意のアリーレン又はヘテロアリーレン環を除く)を意味する。 用語「アリーレン」とは、任意の安定した単環又は多環系の一部である二価の環又は環系を意味することを目的とし、ここで斯かる環又は環系は3〜20の炭素原子を有するが、ヘテロ原子を有さず、「4n+2」π電子ルールによって定義されるように斯かる環又は環系は芳香族部分から成り、フェニレンを含む。 本明細書において、用語「ヘテロアリーレン」とは、任意の安定した単環又は多環系の一部である二価の環又は環系を意味し、ここで斯かる環又は環系は3〜20の原子を有し、斯かる環又は環系は、「4n+2」π電子ルールによって定義されるように芳香族部分から成り、炭素原子及び1又は2以上の窒素、硫黄、及び/又は酸素ヘテロ原子を含む。 本発明において、用語「置換」とは、示される原子の通常の価数、又は置換された基の適した原子の価数を超えず、置換が安定した化合物を生じるという条件で、リンカーの骨格に存在する1又は2以上の水素が示される選択肢の基の1つと置き換えられていることを示すことを目的とする。用語「任意に置換」とは、本明細書中、リンカーが、本明細書で定義される1又は2以上の置換基と非置換又は置換であることを意味することを目的とする。置換基がケト(又はオキソ、すなわち、=0)基、チオ又はイミノ基等の場合、リンカー骨格原子上の2つの水素は置換されている。代表的な置換基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、アシル、アロイル、ヘテロアロイル、カルボキシル、アルコキシ、アリールオキシ、アシルオキシ、アロイルオキシ、ヘテロアロイルオキシ、アルコキシカルボニル、ハロゲン、(チオ)エステル、シアノ、ホスホリル、アミノ、イミノ、(チオ)アミド、スルフヒドリル、アルキルチオ、アシルチオ、スルホニル、硫酸、スルホン酸、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、アジド、ハロアルキル、誘発性ペルフルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル等)、ハロアルコキシ、アルキルスルファニル、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルスルホニルアミノ、アリールスルホノアミノ、ホスホリル、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸、アルキルカルボキシ、アルキルカルボキシアミド、オキソ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ(任意には、例えば、アルキル、アリール、又はヘテロアリールによって一又は二置換)、イミノ、カルボキサミド、カルバモイル(任意に一又は二置換、例えば、アルキル、アリール、又はヘテロアリールによる)、アミジノ、アミノスルホニル、アシルアミノ、アロイルアミノ、(チオ)ウレイド、アリールチオ)ウレイド、アルキル(チオ)ウレイド、シクロアルキル(チオ)ウレイド、アリールオキシ、アルアルコキシ(aralkoxy)、或いは-O(CH2)n-OH、-O(CH2)n-NH2、-O(CH2)nCOOH、-(CH2)nCOOH、-C(O)O(CH2)nR、-(CH2)nN(H)C(O)OR、又は-N(R)S(O)2R{式中、nは1-4であり、Rは独立して水素、-アルキル、-アルケニル、-アルキニル、-シクロアルキル、-シクロアルケニル、-(C-結合-ヘテロシクロアルキル)、-(C-結合-ヘテロシクロアルケニル)、-アリール、及び-ヘテロアリールから選択される(多置換が可能である)}を含む。当業者は、置換基、例えば、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキル等、又は官能基、例えば、-OH、-NHR等は、適切な場合に置換できる、ことを理解するであろう。当業者はまた、適切な場合に、置換部分も置換できることを理解するであろう。 本発明の特定の実施形態において、リンカーL、特に段落[0042]又は[0081]に示されるリンカーLは: アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロアルキレン、ヘテロアルケニレン、ヘテロアルキニレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アラルキレン、及びヘテロアラルキレン基のリストから選択されるm基を含む。かかるリストの各基は、任意に独立して置換でき、リンカーはさらに、次の部分: ジスルフィド(-S-S-)、エーテル(-O-)、チオエーテル(-S-)、アミン(-NH-)、エステル(-O-C(=O)-又は-C(=O)-O-)、カルボキサミド(-NH-C(=O)-又は-C(=O)-NH-)、ウレタン(-NH-C(=O)-O-又は-O-C(=O)-NH-)、及び尿素部分(-NH-C(=O)-NH-)の1つから独立して選択されるn部分を含み、ここでm = n+1である。特定の実施形態において、mは2であり、nは1である、又はmは3であり、nは2である。特定の実施形態において、リンカーは2又は3個の非置換アルキレン基、1又は2個の、非置換アルキレン基に結合しているジスルフィド、エーテル、チオエーテル、アミン、エステル、カルボキサミド、ウレタン又は尿素部分を各々含む。 特定の実施形態において、リンカーL、特に[0042]に示されるリンカーLは、C、O、N及びSから独立して選択される2〜20個の原子、特に2〜16個の原子、より特に5〜14個の原子、さらに特に6〜12個の原子の直鎖である。特定の実施形態において、直鎖中の少なくとも原子の60%は、C原子である。特定の実施形態において、直鎖中の原子は、単結合によって結合される。 特定の実施形態において、直鎖中のC原子は独立して任意に置換されたメチレン基(-CH2-)の一部である。特に、斯かる実施形態において、任意の置換基はハロゲン及び6-アルキル、特にメチルから独立して選択される。 特定の実施形態において、リンカーL、特に[0042]又は[0081]に示されるリンカーLは、次のリンカー、アマトキシン側-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)3-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)4-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)5-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)6-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)7-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)8-標的結合部分側、アマトキシン側-(CH2)9-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)10-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)11-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)12-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)16-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-S-S-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)3-S-S-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-S-S-(CH2)3-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)3-S-S-(CH2)3-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)4-S-S-(CH2)4-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-CMe2-S-S-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-S-S-CMe2-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-O-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-標的結合部分側、アマトキシン側: -(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-O-(CH2)2-標的結合部分側、の基から選択される。 本発明の特定の実施形態において、標的結合部分は、特異的に、腫瘍細胞上に存在するエピトープに結合する。 本発明の特定の実施形態において、標的結合部分は、特異的にHer-2/neu又は上皮細胞接着分子(EpCAM)のエピトープに結合する。 本発明の特定の実施形態において、標的結合部分は: 抗体又はその抗原結合性フラグメント、抗体様タンパク質、及び核酸アプタマーから成る群から選択される。 本発明の特定の実施形態において、抗体又はその抗原結合性フラグメントは、二重特異性抗体、四重特異性抗体、ナノボディ、キメラ抗体、脱免疫化抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体から選択される。 本発明の特定の実施形態において、抗原結合性フラグメントは、Fab、F(ab')2、Fd、Fv、一本鎖Fv、及びジスルフィド結合Fvs(dsFv)から成る群から選択される。 特定の実施形態において、抗体は、ハーセプチン又はHEA125、又はハーセプチン又はHEA125の抗原結合性フラグメントを含む抗体断片である。 特定の実施形態において、1つ以上のアマトキシン分子が1つの標的結合部分に結合される。複合体中のアマトキシンの数の増加は、毒性もまた増大するであろう。従って、特定の実施形態において、アマトキシンに対する標的結合部分の比は、1標的結合部分に対して、2〜15アマトキシン分子、特に2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、又は15である。抗体二量体、例えば、IgG等の場合、比の算出の目的のため、二量体は1つの標的結合部分と見なす。 本発明の特定の実施形態において、複合体は、医薬としての使用のためである。 本発明の特定の実施形態において、複合体は、患者における癌の治療のためである。斯かる癌は、膵癌、胆管細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胃癌、腎癌、悪性黒色腫、白血病、及び悪性リンパ腫から成る群から選択される。 本明細書において、「患者」とは、本明細書中の標的結合部分毒素複合体の処理から利益を得る任意の哺乳類又は鳥とすることができる、ことを意味する。好ましくは、「患者」は、実験動物(例えば、マウス又はラット)、家畜(例えば、モルモット、ウサギ、ニワトリ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ラクダ、ウシ、ウマ、ロバ、ネコ、又はイヌを含む)、又はヒトを含む霊長類から成る群から選択される。「患者」はヒトであることが特に好ましい。 本明細書において、疾患又は疾病の「治療」、「治療」又は「治療」とは、次の:(a)疾病の重症度の軽減; (b)治療される疾病に特有の症状の進行の制限又は防止; (c)治療される疾病に特有の症状の悪化の抑制; (d)疾病に以前に罹患した患者における、斯かる疾病の再発の制限又は防止;及び(e)以前に疾病症状を示した患者における、斯かる症状の再発の制限又は防止、の1又は2以上を達成することを意味する。 本明細書において、治療は、本発明の複合体又は医薬組成物の患者への投与を含むことができ、「投与」はインビボ(in vivo)での投与、及び生体外(ex vivo)での組織、例えば、静脈移植片等への直接投与を含む。 特定の実施形態において、本発明の複合体の治療上有効量が使用される。 「治療上有効量」とは、目的を達成することに十分である治療薬の量である。所定の治療薬の有効量は、例えば、要素、薬剤の性質、投与経路、治療薬を受ける動物のサイズ及び種類、及び投与目的等によって変化する。各個体の場合における有効量は、当技術分野で確立された方法の当業者によって経験的に決定することができる。 第二の態様において、本発明は、本発明の複合体、さらに、1又は2以上の医薬的に許容される希釈剤、担体、賦形剤、フィラー、結合剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、吸着剤; 及び/又は保存剤を含む医薬組成物に関する。 「医薬的に許容される」とは、連邦又は州政府の規制当局によって認可される、或いは米国薬局方又は動物、特にヒトにおける使用のための他の一般的に認められる薬局方に列記されることを意味する。 特定の実施形態において、医薬組成物は、全身に投与される医薬の形態で使用される。これは、非経口形態を含み、注射可能な他のもの及び注入剤を含む。注射可能形態は、アンプルの形態で、又はいわゆる使用できる状態の注射可能な、例えば、使用できる状態のシリンジ又は使い捨てのシリンジとして製剤される、或いはそれとは別に複数回の吸引(withdrawal)用に穿刺式(puncturable)フラスコ中で製剤される。注射可能形態の投与は、皮下(s.c)、筋内(i.m.)、静脈内(i.v.)又は皮内(i.e.)投与の形態とすることができる。特に、各々適した注射製剤を、結晶の懸濁剤、溶液、ナノ粒子又はコロイド分散系、例えば、ヒドロゾルとして製造することが可能である。 注射可能製剤は、さらに、濃縮物として製造でき、水性等張希釈剤で溶解又は分散できる。注入剤はまた、等張液、脂肪性エマルジョン、リポソーム製剤及びマイクロエマルジョンの形態で調製できる。注射可能剤と同様に、注入製剤もまた希釈用の濃縮物の形態で調製できる。注射可能製剤はまた、入院患者及び外来治療患者両者において、例えば、ミニポンプによって連続注入剤の形態で適用できる。 非経口製剤に、例えば、アルブミン、血漿、増量剤、界面活性物質、有機希釈剤、pHに影響する物質、複合物質またはポリマー物質を、特に、タンパク質またはポリマーに対して本発明の標的結合部分毒素複合体の吸着に影響する物質として加えることが可能であるか、あるいは、材料、例えば注射装置またはパッケージング材料、例えばプラスチックまたはガラスに対して本発明の標的結合部分毒素複合体の吸着を減少させる目的で、それらを加えることもできる。 本発明の標的結合部分毒素複合体は、非経口剤中のマイクロ担体又はナノ粒子、例えば、ポリ(meth)アクリル酸、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリアミノ酸又はポリエーテルウレタンベースの細かく分散された粒子に結合させることができる。非経口製剤は、例えば、本発明の標的結合部分毒素複合体が前記医薬品に、微細分散、分散および懸濁のそれぞれの形態で、あるいは結晶の懸濁剤として導入される場合、「複数単位原理(multiple unit principle)」に基づいて、あるいは、本発明の標的結合部分毒素複合体が、後に移植される製剤、例えば錠剤またはロッド中に封入される場合、「単一単位原理(single unit principle)」に基づいてデポー調製物として変更することもできる。単一単位および複数単位製剤のこれらの植込錠又はデポー医薬は、いわゆる生分解性ポリマー、例えば、乳酸及びグリコール酸のポリエステル、ポリエーテルウレタン、ポリアミノ酸、ポリ(meth)アクリル酸又は多糖から構成されることが多い。 非経口剤として製剤化される、本発明の医薬組成物の製造中に添加される補助剤及び担体は、好ましくは、滅菌水(aqua sterilisata)、pH値影響物質等、例えば、有機又は無機酸又は塩基並びにその塩、pH値調節用緩衝物質、等張化用物質、例えば、塩化ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、グルコース及びフルクトース、界面活性剤(tensides)及び界面活性剤(surfactants)、各々、及び乳化剤、例えば、ポリオキシエチレンソルビタンの脂肪酸の部分エステル(例えば、Tween(登録商標))又は、例えば、ポリオキシエチレンの脂肪酸エステル(例えば、Cremophor(登録商標))、脂肪油、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油又はヒマシ油、脂肪酸の合成エステル、例えばオレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピルおよび中性油(例えば、Miglyol(登録商標))、ならびにポリマー補助剤、例えば、ゼラチン、デキストラン、ポリビニルピロリドン、有機溶媒の溶解性を増加する添加剤、例えば、プロピレングリコール、エタノール、Ν,Ν-ジメチルアセトアミド、プロピレングリコール又は複合体形成物質、例えば、クエン酸及び尿素、保存剤、例えば、安息香酸ヒドロキシプロピルエステル及びメチルエステル、ベンジルアルコール、抗酸化剤、例えば、亜硫酸ナトリウム及び安定剤、例えば、EDTAである。 好ましい実施形態において懸濁剤として本発明の医薬組成物を製剤化する場合、本発明の標的結合部分毒素複合体の沈殿を防止するための増粘剤、又は、沈渣の再懸濁能を保証するための界面活性剤及び多価電解質、及び/又は複合体形成剤、例えば、EDTAが添加される。活性成分と様々なポリマーとの複合体を達成することもまた可能である。斯かるポリマーの例は、ポリエチレングリコール、ポリスチレン、カルボキシメチルセルロース、Pluronics(登録商標)又はポリエチレングリコールソルビット脂肪酸エステルである。本発明の標的結合部分毒素複合体は、包接化合物の形態で、例えば、シクロデキストリンと共に、液体製剤に取り込むこともまたできる。特定の実施形態において、分散剤はさらなる補助剤として添加できる。凍結乾燥物(lyophilisate)の製造に、スキャフォールド剤、例えばマンニット、デキストラン、ショ糖、ヒトアルブミン、乳糖、PVP又は種々のゼラチンを使用できる。 さらなる態様において、本発明は、膵癌、胆管細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胃癌、腎癌、悪性黒色腫、白血病、又は悪性リンパ腫の治療のための、それを必要とする患者における方法を対象とし、患者への本発明の複合体又は医薬組成物の有効量の投与を含む。 他の態様において、本発明は、本発明の複合体の合成のための中間体としてのアマトキシン複合分子に関し、当該アマトキシン複合分子は、(i)アマトキシンアミノ酸1のγ C原子、特にアミド結合;(ii)アマトキシンアミノ酸3のδ C原子に結合される酸素原子、特にエステル結合、エーテル結合又はウレタン結合;又は(iii)アマトキシンアミノ酸4の6' C原子、特にアマトキシンアミノ酸4の6' C原子に結合される酸素原子;を通してアマトキシンに結合されるリンカーLを含み、いずれの場合にも、リンカーLが、カルバミン酸誘導体-NH-C(O)-X(式中、Xは、標的結合部分の一級アミンと置換できる脱離基である)を含む。 一実施形態において、アマトキシン複合分子は、次の構造:(i)アマトキシン-γC(O)-NH-L-NH-C(O)-X;(ii)アマトキシン-δC-O-C(O)-L-NH-C(O)-X;(iii)アマトキシン-δC-O-L-NH-C(O)-X;(iv)アマトキシン-δC-O-C(O)-NH-L-NH-C(O)-X;及び(v)アマトキシン-6'C-O-L-NH-C(O)-X、の1つから選択される構造を有する。 特定の実施形態において、アマトキシンは、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、又はアマヌリン酸、或いはその塩又は類似体から選択される。 特定の実施形態において、リンカーLは、任意に置換されたアルキレン、ヘテロアルキレン、アルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アラルキレン、又はヘテロアラルキレン基である。 特定の実施形態において、リンカーLは、次の部分: ジスルフィド、エーテル、アミン、エステル、カルボキサミド、ウレタン、及び尿素部分、の1つから選択される部分を含む。 特定の実施形態において、官能基Xは: -tブチルオキシ、-スクシンイミジルオキシ、-1-O-スクシンイミジルオキシ-3-スルホナート(-スルホ-NHS)、-O-(4-ニトロフェニルオキシ)、-O-(3-ニトロフェニルオキシ)、-O-(2,4-ジニトロフェニルオキシ)、-O-(2,4-ジクロロ-6-ニトロフェニルオキシ)、-ペンタフルオロフェニルオキシ、-ペンタクロロフェニルオキシ、-O-(2,4,5-トリクロロフェニルオキシ)、-O-(3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル)、-O-(エンド-1 -ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシミド-1-イル)、-1-フタルイミドイルオキシ、-1-ベンゾトリアゾリルオキシ、-1-(7-アザ-ベンゾトリアゾリル)オキシ)、及び-N-イミダゾリル、から選択される。 さらなる態様において、本発明は、本発明のアマトキシン複合体を合成するための方法に関し、本発明のアマトキシン複合分子を、一級アミノ基を含む標的結合部分と反応させる工程を含む。 以下に、本発明を非限定的実施例によってより詳細に説明する。実施例1α-アマニチンハーセプチン抗体複合体Her-DSC-30.0134の合成1.1 6'-NH-boc-(6-アミノヘキシル)-α-アマニチンHDP 30.0132の合成 アルゴン下及び室温で、真空乾燥したα-アマニチンを、900 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)中に30.00 mg(32.6 μmol)、溶解した。カリウムtert-ブチレート3.66 mg(32.6 μmol)及び73.18 mg(261 .2 μmol、8当量)のNH-Boc-アミノヘキシルブロミド(Fuka 89171 )を添加した。室温で6時間後、反応混合物を、DMSO中の50 μlの0.33 M酢酸溶液でpH = 5まで酸性化した。揮発性物質を真空内で蒸発させ、1000 μlメタノール中に残渣を溶解し、20 mlのジエチルエーテルで希釈した。沈殿物を回収し、1000 μlメタノール中に取り出した。斯かる溶液を、1000 μlの水で希釈し、LaPrep-HPLC:(カラム: Kromasil 100-C18、250 mm x 20 mm、10 pm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出)上での精製のために使用した。溶媒A: 95%水: 5% メタノール : 0.05% トリフルオロ酢酸溶媒B: 10%水: 90% メタノール : 0.05% トリフルオロ酢酸勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-40 min 0% A 19.8分の保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 粉末15.9 mg(43% 収率)。MS: 1 1 19(M+H+); 1 141(M+Na+)1.2 6'-(-6-アミノヘキシル)-α-アマニチンHDP 30.0134の合成 9.90 mg(8.85 μmοΙ)の6'-NH-boc-6-アミノヘキシル-α-アマニチン HDP 30.0132を、250 μlのトリフルオロ酢酸中に溶解した。反応混合物をアルゴン下で環境温度で撹拌した。2分後、酸を真空内で20℃で除去し、残渣を乾燥した。未精製アマニチンエーテルをLaPrep-HPLC上で精製した。 (カラム: Kromasil 100-C18、d = 10 mm、10 pm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 6 ml/min、λ = 295 nmでの検出)。溶媒A: 95%水: 5% メタノール : 0.05% トリフルオロ酢酸溶媒B: 10%水: 90% メタノール : 0.05% トリフルオロ酢酸勾配: 0-5 min 100% A; 5-25 min 50% A; 25-30 min 0% A; 30-35 min 0%A ; 35-40 min 100% A、40-45 min 100% A 同一保持時間(14.5 min)での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 9.10 mg(99% 収率)の白色粉末。MS: 1019(M+H+); 1041(M+Na+)1.3 HDP 30.0134 抗体誘導体Her-DSC-30.0134の合成スキーム1 スキーム1(及び実施例に示される他のスキーム)において、ハーセプチンは、ハーセプチン抗体タンパク質の残りの部分を表しているR3及びR4と共に、1つのリジン側鎖を示している模式的な式によって表される。1.3.1 異なる毒素ペイロードでの、6'-(-6-アミノヘキシル-6-ヒドロキシサクシニミジル)-α-アマニチン-ハーセプチン複合体Her-DSC-30.0134の合成(表2) 5.00 mgの6'-(-6-アミノヘキシル)-α-アマニチンHDP 30.0134を、538 μlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。室温でのアルゴン下及び撹拌下で、DMF中のジヒドロキシスクシンイミドカーボネート(DSC)の18.6 μlの溶液(100 μl DMF中、2.56 mg)と10.0 μlのトリエチルアミンをすみやかに添加した。反応混合物を室温で撹拌した。12時間後、60 mlの低温のジエチルエーテルを添加した。α-アマニチン-6'-(-6-アミノヘキシル-6-ヒドロキシサクシニミジルカーボネート)の沈殿物を回収し、数回ジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥した。残存している固体を750 μl DMFに取り出した(溶液A)。 114.0 mg ハーセプチンを、19.0 mlのリン酸緩衝食塩水(PBS、pH = 7.4)に溶解した(溶液B)。表2 ハーセプチン溶液の3つの試料を、α-アマニチン-6'-(-6-アミノヘキシル-6-ヒドロキシサクシニミジルカーボネート)溶液の異なる量で処理する: 3つのハーセプチンアマニチン-リンカー溶液を4℃で14時間振盪し、それぞれSephadex G-25ゲル濾過クロマトグラフィー(XK-16カラム; 2 ml/min)によって分離した。G-25カラムを、500 ml PBS溶液、pH = 7.4で予洗した。Her-DSC-30.0134複合体画分をUV吸収によって検出した。タンパク質濃度をRotiQuant-Assay(Carl Roth; Germany)によって測定した。ハーセプチンのアマニチンペイロードを、A = 280 nm及びA = 310 nmでのUV吸収測定によって測定した。実施例2 α-アマニチンハーセプチン抗体複合体Her-DSC-30.0256の合成2.1 1-イソシアナート-6-BocNH-アミノヘキサンHDP 30.0247の調製 2.50 g(11.56 mmol)NH-Boc-1, 6-ヘキサメチレンジアミン(Aid rich 79229)を、35 mlジクロロメタンに溶解した。水中の35 mlの飽和NaHCO3溶液を添加した。1.143 g(3.85mmol)ビス-(トリクロロメチルカーボネート(triphosgene)の添加後、反応混合物を勢いよく0℃で30分間撹拌した。有機層を分離し、水性相を15 mlジクロロメタンで3回抽出した。結合有機相をMgSO4中で乾燥し、蒸発させた。油性残渣を、Kugelrohrオーブン中で150℃且つ0.59 mbarで分画した。2.23 g(80%)の透明油 MS: 242(M+)2.2 δ-O-(NH-boc-6-アミノヘキシルカルバモイル)-α-アマニチンHDP 30.0253の合成 アルゴン雰囲気下で、13.43 mg(14.6 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、1000 μlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。7.08 mg(29.2 μmol)のNH-Boc-6-イソシアナートアミノヘキサン及び18.46 mg(29.2 μmol)のジブチルジラウリルスタネートを添加し、反応混合物を環境温度で撹拌した。23時間後、さらなる13.43 mg(14.6 μmol)のNH-Boc-6-イソシアナートアミノヘキサンを添加した。52時間後、反応混合物を200 μlメタノールで加水分解し、蒸発させ乾燥させた。残渣を1200 μlのDMSOに溶解し、LaPrep-HPLC(カラムKromasil 100-C18、10 μlτι、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出)上で精製した。溶媒A: 95%水: 5% メタノール溶媒B: 5% 水: 95% メタノール勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25- 27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 同一保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 9.06 mg(53% 収率)の白色固体。MS: 1 161(M+H+); 1 183(M+Na+)δ-O-(6-アミノヘキシルカルバモイル)-α-アマニチンHDP 30.0256の合成 9.06 mg(7.8 μmol)のHDP 30.0253を、250 μlのトリフルオロ酢酸に溶解し、2分間環境温度で撹拌した。反応混合物を蒸発させ、乾燥させ、残渣を1.5 mlのアセトニトリルで2度共蒸発(co-evaporated)させた。固体をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 20 mm、アセトニトリル/水、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95% 水: 5% アセトニトリル。溶媒B: 5% 水: 95% アセトニトリル。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20- 25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 保持時間12-17分での画分を回収し、蒸発させ白色固体を得た。 8.75 mg(95% 収率)。MS:(1061 M+H+); 1083(M+Na+)2.4 HDP 30.0256抗体誘導体Her-DSC-30.0256の合成スキーム22.4.1 HDP-30.0256ハーセプチン複合体Her-DSC-30.0256[3.3]の合成 1.00 mgのHDP 30.0256を、108 μlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。室温でアルゴン下及び撹拌下で、DMF(2.56 mg in 100 μl DMF)中のジヒドロキシスクシンイミドカーボネート(DSC)の10.0 μlの溶液と、2.0 μlのトリエチルアミンとをすみやかに添加した。反応混合物を、室温で撹拌した。一晩のインキュベーション後に、30mlの低温のジエチルエーテルを添加した。沈殿物を回収し、数回ジエチルエーテルで洗浄し真空中で乾燥した。残存している固体を143 μlのDMFに取り出した(溶液A)。12.0 mgのハーセプチンを、6.0 mlのリン酸緩衝食塩水(PBS、pH = 7.4)に溶解した(溶液B)。溶液A及び溶液Bを混合した。ハーセプチンアマニチン-リンカー溶液を、4℃で14時間振盪し、Sephadex G-25ゲル濾過クロマトグラフィー(XK-16カラム; 2 ml/min)によって分離した。G-25カラムを500 ml PBS溶液、pH = 7.4で予洗した。Her-DSC-30.0256複合体画分を、UV吸収によって検出した。タンパク質濃度を、RotiQuant-Assay(Carl Roth; Germany)によって測定した。ハーセプチンのアマニチンペイロードを、A = 280 nm及びA = 310 nmのUV吸収の測定によって測定した。各ハーセプチン分子に関する3.3 アマニチン分子の毒素ペイロードを、算出した。実施例3D-アマニチンハーセプチン抗体複合体Her-DSC-30.0304の合成3.1 BocNH-ヘキサメチレンジアミノ-K-アマニチンアミドHDP 30.0299 アルゴン下で、4.65 mg(5.05 mol)の真空乾燥したβ-アマニチンを、1000 μlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。DMF中の100 μlのBocNH-ヘキサメチレンジアミンの0.15 M溶液と、DMF中の100 μlのジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の0.15 M溶液を、環境温度で添加した。DMF中の0.30 Mのベンゾトリアゾール-1-イル-オキシトリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスファート(PyBOP)の100 μlの溶液の最終添加後に、反応混合物を20時間撹拌し100 μlの水で加水分解した。反応混合物を蒸発させ、真空内で乾燥させ、残渣を1000 μlのジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。精製をLaPrep-HPLC上で行った:カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5- 20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 同一保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 4.45mg(80% 収率)の白色固体。MS: 1 119 M+H+; 1141 M+Na+3.2 6'-ヘキサメチレンジアミノ-β-アマニチンアミドHDP 30.0304 4.14 mg(3.70 μmol)のBocNH-ヘキサメチレンジアミノ-β-アマニチンアミドHDP 30.0299を、500 μlのトリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、2分間撹拌した。過剰TFAを真空内で蒸発させ、残渣を1000 μlアセトニトリルの2回量と共に共蒸発させた。残存している固体をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、A = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5- 20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 同一保持時間13.43-14.02分での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。残渣を2000 μlの水に取り出し、溶液を液体窒素で凍結させ、一晩凍結乾燥させた。 4.00 mg(95% 収率)の白色の泡。MS: 1018(M+H+); 1041(M+Na+)3.3 HDP 30.0304抗体誘導体Her-DSC-30.0304の合成スキーム3 3.3.1 HDP-30.0304ハーセプチン複合体Her-DSC-30.0304[4.7]の合成 1.33 mg HDP 30.0304を、144 μlの乾燥ジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。アルゴン下及び撹拌下で室温で、DMF中の13.4 μlのジヒドロキシスクシンイミドカーボネート(DSC)溶液(100 μl DMF中、2.56 mg)と、2.6 μlのトリエチルアミンをすみやかに添加した。反応混合物を室温で撹拌した。12時間後、30 mlの低温のジエチルエーテルを添加した。沈殿物を回収し、数回ジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥した。残存している固体を、200 μl DMFに取り出した(溶液A)。12.0 mgハーセプチンを、4.0 mlリン酸緩衝食塩水(PBS、pH = 7.4)に溶解した(溶液B)。溶液A及び溶液Bを混合した。ハーセプチンアマニチン-リンカー溶液を、4℃で14時間振盪し、Sephadex G-25ゲル濾過クロマトグラフィー(XK- 6カラム; 2 ml/min)によって分離した。G-25カラムを500 mlのPBS溶液、pH = 7.4で予洗した。Her-DSC-30.0304複合体画分を、UV吸収によって検出した。タンパク質濃度を、RotiQuant-Assay(Carl Roth; Germany)によって測定した。ハーセプチンのアマニチンペイロードを、A = 280 nm及びA = 310 nmでのUV吸収の測定によって測定した。各ハーセプチン分子に関する4.7アマニチン分子の毒素ペイロードを算出した。実施例4アマニチン-ハーセプチン複合体の他の構造実施例5インビトロ(in vitro)での異なるHER2-良性及びHER2-悪性腫瘍細胞株へのハーセプチン-アマニチン複合体の細胞毒性 Her-DSC-30.0134、Her-DSC-30.0256、Her-エステル-30.0001、Her-DCC-30.0252及びHer-DCC-30.0127の細胞毒性活性を、インビトロ(in vitro)で、HER2良性腫瘍細胞株SKOV-3(ovar)、SK-BR-3(乳房)、NCI-N87(胃)及びHER2悪性腫瘍細胞株MDA-MB231(乳房)及び化学発光BrdU取り込みアッセイ(Roche Diagnostics)で評価した。細胞生存率を、インキュベーションの72時間〜96時間後に、異なる濃度のハーセプチン-アマニチン複合体で37℃且つ5% CO2で、BMG Labtech Optimaマイクロプレートリーダーにおいて、抗BrdU-HRP抗体での固定且つ透過性細胞の測定によって測定した。用量反応曲線のEC50値を、Graphpad Prism 4.0ソフトウェアによって算出した(図2 - 5)。インビトロ(in vitro)での血漿中のハーセプチン-アマニチン複合体の安定性5.1 血漿インキュベーション後のアマニチンの遊離 35 μΜのハーセプチン-アマニチン複合体を、ウォーターバス中、37℃で、マウス血漿中で最長14日間インキュベートした。試料を異なる時点で回収し、ELISA方法によって遊離された低分子アマニチン化合物に関して分析した。従って、遊離されたアマニチン及びアマニチン代謝物を、異なる時点で80% EtOHで抽出した。溶液を5分間の10.000 gの遠心分離によってクリアにし、上清を-70℃で保存した。白色Lumitrac(Greiner)マイクロウェルプレートを、ウサギ抗アマニチン抗血清で一晩4℃でコーティングした。プレートをPBS中の3% BSAで1時間37℃でブロックし、3回0.05% Tween/PBSで洗浄した。所定の濃度のアマニチン試料及びアマニチン溶液を、1% BSA/PBS中の1 nMビオチニル-アマニチンと混合し、コーティングしたウェル中で1時間37℃でインキュベートした。ウェルを3回0.05% Tween/PBSで洗浄した。ストレプトアビジン-HRP(Sigma-Aldrich)ストック溶液(PBS 中1 mg/ml)を、3% BSA/PBS中で1 : 1000に希釈し、50 μlを各ウェルに添加した。37℃での1時間のインキュベーション後に、ウェルを3回0.05% Tween/PBSで洗浄した。50 μlのルミノール溶液(Applichem)を、各ウェルに添加し、発光シグナルをBMG Labtech Optimaリ−ダーによって測定した。遊離されたアマニチン化合物の量を、直線回帰によって算出した(図6〜7)。5.2 血漿インキュベーション後の細胞毒性活性 ハーセプチン-アマニチン複合体を、37℃のウォーターバスで、ヒト血漿中で最長11日間インキュベートした。試料を異なる時点で回収し、インビトロ(in vitro)でHER2良性SKOV-3細胞への残存している細胞毒性効力に関して、化学発光BrdU取り込みアッセイ(Roche Diagnostics)によって分析した。ハーセプチン-アマニチン複合体の異なる濃度での、37℃、5% CO2でのインキュベーションの72時間後に、BMG Labtech Optimaマイクロプレートリーダーにおいて、抗BrdU-HRP抗体での固定及び透過性細胞の測定によって細胞生存率を測定した。用量反応曲線のEC50値を、Graphpad Prism 4.0 ソフトウェアによって算出した(図8)。HER2良性癌細胞によるマウス異種移植モデルにおける、ハーセプチン-アマニチン複合体の抗腫瘍性活性 6週齢のインタクトメスBALB/c nu/nu胸腺欠損マウスを購入し(Janvier)、ランダムに8匹のマウスの3つの群に分けた。2.5 x 106 SKOV-3細胞をs.c.でそれぞれのマウスの側腹部に注射した。腫瘍接種の19日後に50 pg/kgの用量でハーセプチン-アマニチン複合体を一度i.v.で注射し、一方負の対照群にはビヒクル(NaCl緩衝剤)を注射した。パラメータ、例えば、生存、体重及び腫瘍サイズ等を記録した(図9を参照)。実施例6: さらなるα-アマニチン-リンカー化合物HDP 30.0353、HDP 30.0354、HDP 30.0355、HDP 30.0409、HDP 30.0410、HDP 30.0411及びHDP 30.0412の調製6.1 アマニチン-リンカーHDP 30.0353 6.1.1 6'-(NH-boc-6-アミノ-3,4-ジチア-ヘキシル)-α-アマニチンHDP 30.0341の合成 6.78 mg(7.38 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを500 μlジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。水/ DMSO(1 :1)の18.67 mg(59.02 μmol、8当量)のNH-boc-アミノ-3,4-ジチア-ヘキシルブロミドと、73.8 μl(7.38 μmol、1当量)LiOH(0.1 M)を、アルゴン下で添加した。1、3.5、4.5、6.5及び8時間後、さらなる等量の0.1 M LiOH溶液を添加した。未精製反応混合物を、LaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 10 mm、メタノール /水(0.05% TFA)、流速: 6.5 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。溶媒B: 10%水: 90% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 20.8-21.4分の保持時間での画分を回収し、溶媒を真空中で蒸発させた。 1.29 mg(15% 収率)の白色固体。MS: 1 154 M+H+6.1.2 6'-O-(-6-アミノ-3,4-ジチア-ヘキシル)-α-アマニチン HDP 30.0353の合成 1.29 mg(1 .12 μmol)の6'-O-(-6-アミノ-3,4-ジチア-ヘキシル)-α-アマニチンHDP 30.0341を、200 μlトリフルオロ酢酸(TFA)に溶解した。反応混合物をアルゴン下、環境温度で撹拌した。1分後、トリフルオロ酢酸を1000 μlトルエンで希釈し、蒸発乾燥させた。温度は20℃を超えるべきでない。このプロセスを1000 μlトルエン及び1000 μlアセトニトリルで反復した(2x)。未精製α-アマニチンエーテルをLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 10 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 6.5 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。溶媒B: 10%水: 90% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。勾配: 0-5 min 100% A; 5-25 min 50% A; 25-30 min 0% A; 30-35 min 0% A; 35-40 min 100% A、40-45 min 100% A。 16.1 -17.0分の保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。残渣を水中で凍結乾燥した。 0.39 mg(30% 収率、TFA塩)の黄色固体。MS: 1054 M+H+6.2 アマニチン-リンカーHDP 30.03546.2.1 6'O-(NH-boc-7-アミノ-4,5-ジチア-ヘプチル)-α-アマニチンHDP 30.0349の合成 5.67 mg(6.17 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、250 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。19.00 mg(58.00 μmol、9.3当量)のNH-boc-7-アミノ-4、5-ジチア-ヘプチルブロミドHDP 30.0345を、室温、アルゴン雰囲気下で添加した。水/ DMSO(1 :1)中の61.7 μl(6.10 μmol、1当量)の0.1 M LiOHをすみやかに添加した。反応混合物を3.5時間撹拌し、水/ DMSO(1 :1)中のさらなる10 μl(13.00 mg; 39.7 μmοΙ; 6.3当量)NH-boc-7-アミノ-4,5-ジチア-ヘプチルブロミドHDP 30.0345及び61.7 μl 0.1 M LiOHを添加した。8時間後、未精製反応混合物をLaPrep-HPLC上で精製した: カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。溶媒B: 10%水: 90% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-30 min 0% A; 30-35 min 100% A; 35-40 min 100% A。 19.4-21.0分の保持時間での画分を回収し、室温で蒸発乾燥させた。 4.83 mg(67% 収率)の白色粉末。MS: 1168 M+H+6.2.2 6'O-(7-アミノ-4,5-ジチア-ヘプチル)-α-アマニチンHDP 30.0354の合成 4.83 mg(4.13 μmοΙ)6'O-(NH-boc-7-アミノ-4,5-ジチア-ヘプチル)-α-アマニチンHDP 30.0349を、200 μl トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解した。反応混合物を1分間アルゴン下で撹拌し、環境温度で蒸発乾燥させた。残渣を1000 μlトルエン及び1000 μl アセトニトリルで共蒸発させた。残存している固体をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 10 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 6.5 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。溶媒B: 10%水: 90% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 17.1-17.5分の保持時間での画分を回収し、蒸発させた。残渣を水中で凍結乾燥した。 0.36 mg(7.0% 収率、TFA塩)の黄色固体。MS: 1068 M+H+6.3 アマニチン-リンカー HDP 30.03556.3.1 6'O-(NH-boc-7-アミノ-3,3-ジメチル-4,5-ジチア-ヘプチル)-α-アマニチンHDP 30.0350の合成 5.67 mg(6.17 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、250 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。アルゴン下で、水/ DMSO(1 :1)中の18.00 mg(51.62 μmοΙ、9.8当量)のNH-boc-7-アミノ-3,3-ジメチル-4,5-ジチア-ヘプチルブロミドHDP 30.0348及び61.7 μl(6.10 μmol、1当量)の0.1 M LiOHを添加した。2時間後、反応混合物を繰り返し10 μl(12.00 mg; 34.4 μmol; 5.6当量)のNH-boc-7-アミノ-3,3-ジメチル-4,5-ジチア-ヘプチルブロミドHDP 30.0345及び61.7 μlの0.1 M LiOHで処理した。8時間後、混合物をDMSOで希釈し、LaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。溶媒B: 10%水: 90% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-30 min 0% A; 30-35 min 100% A; 35-40 min 100% A。 20.5-21.0分の保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 0.51 mg(7% 収率; 転換α-アマニチンに基づく48% 収率)。MS: 1 196 M+H+6.3.2 6'O-(7-アミノ-3,3-ジメチル-4,5-ジチア-ヘプチル)-α-アマニチン HDP 30.0355の合成 0.51 mg(0.43 μmol)HDP 30.0350を、200 μl トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、1分間環境温度で撹拌した。トリフルオロ酢酸を1000 μl トルエンで希釈し、20℃で蒸発乾燥させた。斯かるプロセスを1000 μlトルエン及び1000 μlアセトニトリルで反復した(2x)。反応混合物をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μηι、250 mm x 10 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 6.5 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。溶媒B: 10%水: 90% メタノール、0.05% トリフルオロ酢酸。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 18.2-18.6分の保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。残渣を水中で凍結乾燥した。 0.15 mg(27% 収率、TFA塩)の黄色固体。MS: 1096 M+H+6.4 アマニチン-リンカーHDP 30.04096.4.1 6'O-(NH-boc-12-アミノ-ドデシル)-α-アマニチンHDP 30.0404の合成 6.67 mg(7.26 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、250 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。水/ DMSO(1 :1)中の21 .00 mg(58.10 μmοΙ、8当量)のNH-boc-12-アミノ-ドデシルブロミドHDP 30.0383及び72.6 μl(7.26 μmol、1当量)の0.1 M LiOHを添加した。6時間後、36.5 μlの0.1 M LiOH を添加し、2時間後に混合物をDMSO中の72.6 μlの0.1 M酢酸溶液でクエンチした。未精製反応生成物をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 22.0-22.7分の保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 5.96 mg(68% 収率)の白色固体。MS: 1202 M+H+6.4.2 6'-O-(12-アミノドデシル)-α-アマニチン HDP 30.0409の合成 5.96 mg(4.96 μmol)HDP 30.0404を200 μl トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、1分環境温度で撹拌した。反応混合物を1000 μl トルエン及びアセトニトリルで共蒸発させ、残存している固体をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、アセトニトリル / 水、流速: 26 ml/min、A = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% アセトニトリル。溶媒B: 5%水: 95% アセトニトリル。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 保持時間18.6-19.2分での画分を回収し、蒸発させた白色固体を得た。 6.03 mg(99% 収率、TFA塩)。MS: 1102 M+H+6.5 アマニチン-リンカー HDP 30.04106.5.1 6'O-(NH-boc-11-アミノ-3,6,9-トリオキサ-ウンデシル)-α-アマニチンHDP 30.0405の合成 6.67 mg(7.26 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、250 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。水/ DMSO(1 :1)中の20.51 mg(58.10 μmol、8当量)のNH-boc-11-アミノ-3,6,9-トリオキサ-ウンデシルブロミドHDP 30.0391及び72.6 μl(7.26 μmol、1当量)の0.1 M LiOHを添加した。反応を環境温度、アルゴン雰囲気下で行った。6時間後に、さらなるLiOH塩基(0.5当量)を添加した。混合物を8時間後に、DMSO中の72.6 μlの0.1 M 酢酸溶液でクエンチし、LaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 18.1-18.6分の保持時間での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 4.68 mg(54% 収率)の固体。MS: 1194 M+H+6.5.2 6'O-(11-アミノ-3,6,9-トリオキサ-ウンデシル)-α-アマニチンHDP 30.0410の合成 4.68 mg(3.92 mol)のHDP 30.0405を200 μl トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、1分間環境温度で撹拌した。反応混合物をトルエン及びアセトニトリルで共蒸発させ、未精製固体をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/ min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 保持時間18.6-19.2分での画分を回収し蒸発させた。残存している固体を水中で凍結乾燥させた。 2.44 mg(52% 収率、TFA塩)。白色粉末 MS: 1102 M+H+6.6 アマニチン-リンカーHDP 30.04116.6.1 6'O-(NH-boc-16-アミノ-ヘキサデシル)-α-アマニチンHDP 30.0406の合成 6.67 mg(7.26 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、750 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。24.00 mg(58.10 μmol、8当量)のNH-boc-16-アミノ-ヘキサデシルブロミドHDP 30.0398を室温、アルゴン下で添加した。水/ DMSO(1 :1)中の72.6 μl(7.26 μmol、1当量)の0.1 M LiOHを添加し、反応混合物を50℃まで加熱した。6時間後に、さらなるLiOH塩基(36.5 μl)を添加し、反応混合物を8時間後にDMSO中の72.6 μlの0.1 M酢酸溶液でクエンチした。凝固反応混合物を、DMSOで希釈し、LaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/ min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 23.4-24.1分の保持時間での画分を回収し溶媒を蒸発させた。 4.41 mg(48% 収率)の白色固体。MS: 1258 M+H+6.6.2 6'O-(16-アミノ-ヘキサデシル)-α-アマニチンHDP 30.0411の合成 4.41 mg(3.50 μmol)のHDP 30.0406を、200 μl トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、2分間環境温度で撹拌した。反応混合物を2回1000 μlトルエン及び1000 μlアセトニトリルで共蒸発させ、固体残渣をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 20.5-21.2分の保持時間での画分を回収し蒸発させた。残渣を水中で凍結乾燥した。 2.44 mg(52% 収率、TFA塩)。MS: 1 102 M+H+6.7 アマニチン-リンカーHDP 30.04126.7.1 6'O-(NH-boc-2-アミノ-エチル)-α-アマニチン HDP 30.0317の合成 20.00 mg(21 .8 μmol)の真空乾燥したα-アマニチンを、900 μlの乾燥ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した。DMSO中の100.0 μl(21 .8 μmol、1当量)のカリウム-t-ブチレートの0.218M溶液及び39.00 mg(174.1 μmol、8当量)NH-boc-2-アミノエチルブロミド(Flukaから得られた)を室温で添加した。4及び6時間後に、さらなる1及び2等量のカリウム-t-ブチレート及びNH-boc-2-アミノエチルブロミドを添加した。混合物を23時間後にDMSO中の72.6 μlの0.1 M酢酸溶液でクエンチし、LaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 pm、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 保持時間13.2-14.5分での画分を回収し、溶媒を蒸発させた。 3.86 mg(16% 収率)の白色固体。MS: 1062 M+H+6.7.2 6'O-(2-アミノ-エチル)-α-アマニチンHDP 30.0412の合成 3.86 mg(3.36 μmol)HDP 30.0317を200 μl トリフルオロ酢酸(TFA)に溶解し、2分間室温で撹拌した。反応混合物を1000 μl トルエン及び1000 μl アセトニトリルで共蒸発させ、固体をLaPrep-HPLC上で精製した:カラム: Kromasil 100-C18、10 μlτι、250 mm x 20 mm、メタノール/水(0.05% TFA)、流速: 26 ml/min、λ = 295 nmでの検出。溶媒A: 95%水: 5% メタノール。溶媒B: 5%水: 95% メタノール。勾配: 0-5 min 100% A; 5-20 min 0% A; 20-25 min 0% A; 25-27 min 100% A; 27-35 min 100% A。 保持時間20.5-21.2分での画分を回収し、蒸発させた。残渣を水中で凍結乾燥した。 1.54 mg(44% 収率、TFA塩)の白色固体。MS: 962 M+H+ リンカーLを通してアマトキシンに結合される標的結合部分を含む複合体であって、該リンカーLが、(i)アマトキシンアミノ酸1のγ C原子、特にアミド結合;(ii)アマトキシンアミノ酸3のδ C原子に結合される酸素原子、特にエステル結合、エーテル結合若しくはウレタン結合; 又は、(iii)アマトキシンアミノ酸4の6' C原子、特にアマトキシンアミノ酸4の6' C原子に結合される酸素原子;を通してアマトキシンに結合され、いずれの場合も、該リンカーLが尿素部分を通して標的結合部分に結合される、複合体。 前記複合体が、次の構造: (i) アマトキシン-γC(O)-NH-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分;(ii) アマトキシン-δC-O-C(O)-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分;(iii) アマトキシン-δC -O-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分; (iv) アマトキシン-δC-O-C(O)-NH-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分; 及び(v) アマトキシン-6'C-O-L-NH-C(O)-NH-標的結合部分、の1つから選択される構造を有する、請求項1に記載の複合体。 前記標的結合部分が、該標的結合部分に存在するアミノ基を通してリンカーLに結合され、ここで該アミノ基が前記尿素部分の一部を形成する、請求項1又は2に記載の複合体。 前記アマトキシンが、α-アマニチン、β-アマニチン、γ-アマニチン、ε-アマニチン、アマニン、アマニンアミド、アマヌリン、又はアマヌリン酸(amanullinic acid)から、又はそれらの塩若しくは類似体から選択される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の複合体。 前記リンカーLが、任意に置換された、アルキレン、ヘテロアルキレン、アルケニレン、ヘテロアルケニレン、アルキニレン、ヘテロアルキニレン、シクロアルキレン、ヘテロシクロアルキレン、アリーレン、ヘテロアリーレン、アラルキレン、又はヘテロアラルキレン基である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の複合体。 前記リンカーLが、次の部分: ジスルフィド、エーテル、アミン、エステル、カルボキサミド、ウレタン、及び尿素部分、の1つから選択される部分を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の複合体。 前記標的結合部分が、腫瘍細胞上に存在するエピトープに特異的に結合する、特に前記標的結合部分が、上皮細胞接着分子(EpCAM)のエピトープに特異的に結合する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の複合体。 前記標的結合部分が: (i)抗体又はその抗原結合性フラグメント; (ii)抗体様タンパク質;及び、(iii)核酸アプタマー、から成る群から選択される、請求項1〜7のいずれか1項に記載の複合体。 前記抗体又はその抗原結合性フラグメントが、二重特異性抗体、四重特異性抗体(tetrabody)、ナノボディ、キメラ抗体、脱免疫化(deimmunized)抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体から選択される、請求項8項に記載の複合体。 前記抗原結合性フラグメントが、Fab、F(ab')2、Fd、Fv、一本鎖Fv、及びジスルフィド結合Fvs(dsFv)から成る群から選択される、請求項8又は9に記載の標的結合部分毒素複合体。 医薬としての使用のための、請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合体。 患者における癌の治療のための請求項1〜11のいずれか1項に記載の複合体であって、 該癌が、膵癌、胆管細胞癌、乳癌、結腸直腸癌、肺癌、前立腺癌、卵巣癌、胃癌、腎癌、悪性黒色腫、白血病、及び悪性リンパ腫から成る群から選択される、複合体。 請求項1〜10のいずれか1項に記載の複合体、並びに1又は2以上の医薬的に許容される希釈剤、担体、賦形剤、フィラー、結合剤、潤滑剤、滑剤、崩壊剤、吸着剤; 及び/又は保存剤をさらに含む、医薬組成物。 (i)アマトキシンアミノ酸1のγ C原子、特にアミド結合;(ii)アマトキシンアミノ酸3のδ C原子に結合される酸素原子、特にエステル結合、エーテル結合若しくはウレタン結合;又は(iii)アマトキシンアミノ酸4の6' C原子、特にアマトキシンアミノ酸4の6' C原子に結合される酸素原子;を通してアマトキシンに結合されるリンカーLを含む、アマトキシン複合分子であって、いずれの場合も、リンカーLが、カルバミン酸誘導体-NH-C(O)-X(式中、Xは、標的結合部分の一級アミンと置換できる脱離基である)を含む、アマトキシン複合分子。 Xが:-tブチルオキシ、-スクシンイミジルオキシ、-1-O-スクシンイミジルオキシ-3-スルホナート(-スルホ-NHS)、-O-(4-ニトロフェニルオキシ)、-O-(3-ニトロフェニルオキシ)、-O-(2,4-ジニトロフェニルオキシ)、-O-(2,4-ジクロロ- 6-ニトロフェニルオキシ)、-ペンタフルオロフェニルオキシ、-ペンタクロロフェニルオキシ、-O-(2,4,5-トリクロロフェニルオキシ)、-O-(3,4-ジヒドロ-3-ヒドロキシ-4-オキソ-1,2,3-ベンゾトリアジン-3-イル)、-O-(エンド-1-ヒドロキシ-5-ノルボルネン-2,3-ジカルボキシミド-1-イル)、-1-フタルイミドイルオキシ、-1-ベンゾトリアゾリルオキシ、-1-(7-アザ-ベンゾトリアゾリル)オキシ、及び-N-イミダゾリル、から選択される、請求項14に記載のアマトキシン複合分子。 請求項1〜12のいずれか1項に記載の複合体を合成するための方法であって、請求項14又は15に記載のアマトキシン複合分子を、一級アミノ基を含む標的結合部分と反応させる工程を含む、方法。 本発明は、腫瘍治療に関する。一態様において、本発明は、アマトキシンと、尿素部分を含むリンカーにより結合された標的結合部分、例えば、抗体の複合体であって、癌の治療において有用である複合体に関する。さらなる態様において、本発明は斯かる複合体を含む医薬組成物に関する。


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