タイトル: | 特許公報(B1)_板状集積型球状酸化亜鉛粒子、それらの製造方法、化粧料及び放熱性フィラー |
出願番号: | 2013528414 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | C01G 9/02,A61K 8/27,A61Q 17/04 |
末田 学 橋本 充央 寺部 敦樹 真柄 光一郎 JP 5365763 特許公報(B1) 20130920 2013528414 20130308 板状集積型球状酸化亜鉛粒子、それらの製造方法、化粧料及び放熱性フィラー 堺化学工業株式会社 000174541 八木 敏安 100120019 末田 学 橋本 充央 寺部 敦樹 真柄 光一郎 JP 2012051789 20120308 20131211 C01G 9/02 20060101AFI20131121BHJP A61K 8/27 20060101ALI20131121BHJP A61Q 17/04 20060101ALI20131121BHJP JPC01G9/02 AC01G9/02 BA61K8/27A61Q17/04 C01G 9/00〜9/02 CAplus/REGISTRY(STN) JSTPlus(JDreamIII) 特開2008−254990(JP,A) 特開2012−025619(JP,A) 特開平04−280814(JP,A) 特開平06−024743(JP,A) 国際公開第2010/050139(WO,A1) 7 JP2013056462 20130308 23 20130621 相田 悟本発明は、板状集積型球状酸化亜鉛粒子、それらの製造方法、化粧料及び放熱性フィラーに関する。化粧品用途において、酸化亜鉛粒子は日焼け止めの紫外線遮蔽剤として平均粒子径100nm以下の超微粒子のものが使用されている。しかし、ファンデーション用としては紫外線遮蔽用の超微粒子酸化亜鉛は滑り性を悪化させるため殆ど使用されていない。そのため滑り性を付与するためにタルク、マイカ、硫酸バリウム等の板状粒子を配合するのが一般的である。しかし、これらの板状粒子には紫外線遮蔽効果がないため、紫外線遮蔽性を付与するために、滑り性を阻害しない程度の微量の微粒子酸化亜鉛や微粒子酸化チタン、あるいは有機紫外線吸収剤を併用せざるを得ない。一方、針状粒子が集積したイガグリ状の酸化亜鉛は特許文献1、2のものが公知である。また、針状粒子が集積したウニ状の酸化亜鉛粒子は特許文献3のものが公知である。しかし、これらの酸化亜鉛粒子は針状粒子が集積したものであって、板状粒子が集積したものではない。また、板状粒子が集積したまりも状の酸化亜鉛粒子は特許文献4のものが公知である。しかし、当該粒子は粒子径が不揃いであり、粒度分布がシャープな酸化亜鉛粒子にはなっていない。また、球状の酸化亜鉛は特許文献5〜8のものが公知である。しかし、当該粒子は板状粒子が集積した球状の酸化亜鉛粒子ではない。本発明の酸化亜鉛粒子は良好な滑り性と優れたソフトフォーカス効果(いわゆる下地をぼかす効果)と紫外線遮蔽性を併せ持った板状集積型球状酸化亜鉛粒子である。従来技術において、このような良好な滑り性、優れたソフトフォーカス効果、超微粒子の酸化亜鉛に匹敵する優れた紫外線遮蔽性という3つの機能を兼ね備えた酸化亜鉛粒子はこれまでに知られていなかった。特開2008−254989号公報特開2008−254991号公報特開2004−115325号公報特開2008−254990号公報特開平6−24743号公報特開2004−142999号公報特開平11−49516号公報特開2009−249226号公報本発明は上記問題点に鑑み、化粧料原料、放熱性フィラー等の用途に適した板状集積型球状酸化亜鉛粒子及びその製造方法を提供することを目的とするものである。本発明は、メジアン径が0.01μm以上、粒度分布におけるD90/D10が5.0以下であることを特徴とする板状集積型球状酸化亜鉛粒子である。上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、亜鉛塩水溶液をアルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、上記工程(1)は親水性分散剤存在下で行う方法によって得られたものであることが好ましい。上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、MIU(平均摩擦係数)が1.0以下であることが好ましい。本発明は、亜鉛塩水溶液をアルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、上記工程(1)は親水性分散剤存在下で行うことを特徴とする上述した板状集積型球状酸化亜鉛粒子の製造方法でもある。本発明は、上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする化粧料でもある。本発明は、上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする放熱性フィラーでもある。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、良好な滑り性及び優れたソフトフォーカス効果を有することから、化粧料への配合に適したものである。また、多くの粒子が集合した形状であることから、粒子間の放熱性能が高まることが期待され、放熱性フィラーとしても優れた性能が期待される。図1は、実施例1の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図2は、実施例1の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。なお、図1よりも高倍率の写真である。図3は、実施例1の酸化亜鉛粒子のX線回折のスペクトルを示す図である。図4は、実施例2の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図5は、実施例3の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図6は、実施例4の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図7は、実施例5の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図8は、実施例5の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。なお、図7よりも高倍率の写真である。図9は、比較例1の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図10は、比較例2の酸化亜鉛粒子の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。図11は、比較例3の市販の酸化亜鉛粒子であるLPZINC−2の走査型電子顕微鏡写真を示す図である。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、板状粒子が球状に集積することによって、集積した粒子が全体として球状の形状となった酸化亜鉛粒子であり、さらに、シャープな粒度分布を有する酸化亜鉛粒子でもある。このような特異的な形状と、シャープな粒度分布を有することによって、酸化亜鉛の有する紫外線遮蔽効果に加え、優れたソフトフォーカス効果、良好な粉体感触が得られることを見出すことにより、本発明を完成したものである。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、メジアン径が0.01μm以上である。このような粒子径のものとすることで、滑り性、放熱性等の性能が良好な粒子とすることができる。メジアン径は、0.05μm以上であることがより好ましく、0.1μm以上であることが更に好ましく、0.2μm以上であることが特に好ましい。また、メジアン径の上限は特に限定されるものではないが、100μm以下であることが好ましく、50μm以下であることがより好ましく、20μm以下であることが更に好ましく、10μm以下であることが特に好ましい。なお、本明細書においてメジアン径は、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側が等量となる径をいい、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750(堀場製作所社製)によって測定された値である。また、本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、針状の粒子が球状に集積したものではなく、板状の粒子が球状に集積したものである。このような板状の粒子が集積したものは、低摩擦性、高い放熱性等の性能を有するものであることから、化粧料添加剤、放熱性フィラー等として好適に使用することができる。なお、本発明の酸化亜鉛粒子が板状の粒子が集積したものであることは、X線回折の測定によって板状方向である(002)面が発達したものであることを確認することによって、明らかとすることができる。針状の粒子が集積したものである場合は、X線回折の測定結果が異なる結果となる。本発明の酸化亜鉛粒子は、X線回折における酸化亜鉛の板状面方向のピーク強度:I(002)と柱状方向のピーク強度:I(100)のピーク強度比:I(002)/I(100)が0.8以上であることが好ましい。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、D90/D10が5.0以下である。なお、D10、D90はそれぞれ、粒子径の分布を測定することによって得られる値である。D10とは体積基準での10%積算粒径、D90とは体積基準での90%積算粒径であることを意味する。これらの値は、上記メジアン径と同様の方法によって測定された値である。上記D90/D10は、4.5以下であることがより好ましい。D90/D10が5.0以下である板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、放熱性フィラーとして使用した場合にフィラー同士の接点及びフィラー同士の密着性が増すことにより、少ない充填量でも熱伝導のパーコレーションを形成し、優れた放熱性能を発揮することができる等の点で好ましいものである。本発明の酸化亜鉛粒子は、MIU(平均摩擦係数)が1.0以下であることが好ましい。本明細書におけるMIU(平均摩擦係数)は、実施例において詳述した方法によって測定されたものである。MIU(平均摩擦係数)が1.0を超える酸化亜鉛粒子は、化粧料に配合した際に滑り性が悪くなるという点で使用感において劣るものである。上記MIU(平均摩擦係数)は、0.8以下であることがより好ましい。本発明の酸化亜鉛粒子は、MMD(摩擦係数の平均偏差)が0.02以下であることが好ましい。本明細書におけるMMD(摩擦係数の平均偏差)は、本明細書において詳述した方法によって測定されたものである。MMD(摩擦係数の平均偏差)が0.02を超える酸化亜鉛粒子は、化粧料に配合した際にざらつきを生じるという点で使用感において劣るものである。上記MMD(摩擦係数の平均偏差)は、0.015以下であることがより好ましい。本発明の酸化亜鉛粒子は、BET比表面積が10m2/g以上であることが好ましい。上記範囲のものとすることで、抗菌性や収斂作用という効果において特に好適な性能を有するものである。上記BET比表面積は、12m2/g以上であることがより好ましく、14m2/g以上であることが更に好ましい。本発明の酸化亜鉛粒子は、BET比表面積/メジアン径の比が4以上であることが好ましい。本発明の酸化亜鉛粒子は、その特異的な形状によって、メジアン径に対してBET比表面積が大きいものにすることが容易である。上記範囲内のものとすることで、取り扱い性が良好な酸化亜鉛粒子でありながら、酸化亜鉛が有する抗菌性や収斂作用といった効果を最大限に引き出すことができるという点で好ましいものである。上記BET比表面積/メジアン径の比は、5以上であることがより好ましく、10以上であることが更に好ましい。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、その製造方法を特に限定するものではないが、例えば、亜鉛塩水溶液を、アルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、当該工程(1)は親水性分散剤存在下で行うものである製造方法によって得ることができる。このような板状集積型球状酸化亜鉛粒子の製造方法も本発明の一つである。上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子の製造方法においては、亜鉛塩水溶液とアルカリとの反応における結晶析出時に、親水性分散剤を添加しておくことにより、親水性分散剤の分散効果に加えて、生成粒子表層の反応点に親水性分散剤が吸着することで粒子成長速度を一定にする効果を利用したものである。本発明者らは、これにより、従来にはない粒度分布のシャープな板状集積型球状酸化亜鉛粒子を調製することができることを見出した。このような製造方法においては、亜鉛塩水溶液を原料として使用する。原料として使用される亜鉛塩としては特に限定されず、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、酢酸、シュウ酸及び脂肪酸の亜鉛塩、並びに、その他の有機酸亜鉛塩等を挙げることができる。上記亜鉛塩としては、これらのうち一種、又は、複数を使用することができる。上記亜鉛塩水溶液は、例えば、上記亜鉛塩を0.001〜4.0mol/lの濃度で水に溶解したものを使用することができる。上記亜鉛塩水溶液は、本発明の目的を阻害しない範囲において、水混和性有機溶媒等のその他の成分を添加するものであってもよい。上記アルカリ水溶液に含まれるアルカリ成分としては特に限定されず、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等を挙げることができる。アルカリ水溶液の濃度は、0.002〜40.0mol/lであることが好ましい。また、pHが10.0〜14.0の範囲内であることが好ましい。上記アルカリ水溶液は、本発明の目的を損なわない範囲でアルカリ水溶液、親水性分散剤以外の成分を含有するものであってもよい。上記アルカリ水溶液の添加量は、亜鉛イオン1モルに対してアルカリ成分2〜10モルの割合であることが好ましい。このような割合とすることで、板状集積型球状形状という特徴的な形状の酸化亜鉛粒子が得られるという点で好ましいものである。また、アルカリ水溶液の添加量は、亜鉛イオン1モルに対してアルカリ成分2〜8モルの割合であることがより好ましく、アルカリ成分3〜6モルの割合であることが更に好ましい。上記工程(1)における中和の方法は特に限定されず、例えば、上記アルカリ水溶液を容器中で攪拌し、そこに亜鉛塩水溶液を添加する方法、亜鉛塩水溶液を容器中で攪拌し、そこに上記アルカリ水溶液を添加する方法、マグネットポンプ及び/又はローラーポンプを使用して2つの溶液を一定の割合で混合する方法等を挙げることができる。上記親水性分散剤としては特に限定されないが、例えば、ポリカルボン酸またはその塩、アルキルスルホン酸またはその塩、アルキルベンゼンスルホン酸またはその塩、ナフタレンスルホン酸またはその塩、ポリエーテルアルキルスルホン酸またはその塩、アルキルベタイン、ポリエーテルまたはその誘導体、ポリエーテルアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルケニルフェニルエーテル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエーテルソルビタン脂肪酸エステル、ポリエーテル脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリエーテル硬化ヒマシ油、ポリエーテルアルキルアミン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、多価アルコール類、アルキル変性多価アルコールなどが挙げられる。アニオン系、カチオン系、ノニオン系のどれを使用しても構わないが、水の硬度や電解質の影響を受けにくく、他の様々な界面活性剤と併用できるという扱い易い性質を持っているノニオン系のものが好ましい。また、HLB値は10.0〜20の範囲のものとすると、親水性分散剤が水に充分に溶解し、親水性分散剤の分散効果に加えて、生成粒子表層の反応点に親水性分散剤が吸着することで粒子成長速度を一定にすることができるという点で好ましい。上記親水性分散剤は、2種以上を併用するものであってもよい。なお、本明細書においてHLB値は、グリフィンの式HLB=(分散剤の親水基部分の式量の総和/分散剤の分子量)×(100/5)によって得られた値である。上記親水性分散剤の添加方法としては特に限定されず、反応進行時に系中に親水性分散剤が存在するものであればよい。例えば、上記亜鉛塩水溶液に混合させてから反応を行うものであっても、上記アルカリ水溶液中に混合するものであってもよい。また、別途親水性分散剤溶液を調製し、3成分を同時に混合しながら反応させる方法であってもよい。上記親水性分散剤は、水溶液全量に対して0.1〜20重量%の濃度で含まれることが好ましい。上記工程(1)における反応温度は特に限定されず、例えば、10〜110℃で行うことができる。反応によって得られた酸化亜鉛粒子は、濾過、水洗、乾燥等の通常の処理を行うことができる。また、このようにして得られた酸化亜鉛粒子は、必要に応じて粉砕、篩による分級等を行ってもよい。篩による分級方法としては、湿式分級、乾式分級等を挙げることができる。なお、本発明の製造方法によれば、焼成などの熱分解の工程を経ることなく、直接酸化亜鉛粒子を得ることができるという利点も有する。ただし、結晶性をより高めるなどの目的で焼成を行ってもよい。本発明の酸化亜鉛粒子は、表面処理を施したものであってもよい。表面処理としては特に限定されず、有機ケイ素化合物、有機アルミ化合物、有機チタン化合物、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、金属石ケン、多価アルコール又はアルカノールアミンから選ばれる表面処理剤による表面処理等を挙げることができる。このような表面処理剤は、上記酸化亜鉛粒子の粒子径に応じて、適宜処理量を設定することができる。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、化粧料の配合成分として使用することができる。このような化粧料も本発明の一部である。上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、滑らかな感触を有し、紫外線遮蔽性においても優れた性能を有するものであるから、化粧料において好適に使用することができる。本発明の化粧料としては、ファンデーション、化粧下地、アイシャドウ、頬紅、マスカラ、口紅、サンスクリーン剤等を挙げることができる。本発明の化粧料は、油性化粧料、水性化粧料、O/W型化粧料、W/O型化粧料の任意の形態とすることができる。なかでも、特にファンデーション、化粧下地、アイシャドウ等のメイクアップ化粧料において特に好適に使用することができる。本発明の化粧料は、上記混合物を構成する成分以外に、化粧品分野において使用することができる任意の水性成分、油性成分を併用するものであってもよい。上記水性成分及び油性成分としては特に限定されず、例えば、油分、界面活性剤、保湿剤、高級アルコール、金属イオン封鎖剤、天然及び合成高分子、水溶性及び油溶性高分子、紫外線遮蔽剤、各種抽出液、無機及び有機顔料、無機及び有機粘土鉱物等の各種粉体、金属石鹸処理又はシリコーンで処理された無機及び有機顔料、有機染料等の色剤、防腐剤、酸化防止剤、色素、増粘剤、pH調整剤、香料、冷感剤、制汗剤、殺菌剤、皮膚賦活剤等の成分を含有するものであってもよい。具体的には、以下に列挙した配合成分の1種又は2種以上を任意に配合して常法により目的の化粧料を製造することが可能である。これらの配合成分の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であれば特に限定されない。上記油分としては特に限定されず、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、カカオ脂、ヤシ油、馬油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、流動パラフィン、オゾケライト、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等を挙げることができる。上記親油性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等のソルビタン脂肪酸エステル類、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α´−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等の(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル類、モノステアリン酸プロピレングリコール等のプロピレングリコール脂肪酸エステル類、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル等を挙げることができる。親水性非イオン界面活性剤としては特に限定されず、例えば、POEソルビタンモノオレエート、POEソルビタンモノステアレート、POEソルビタンテトラオレエート等のPOEソルビタン脂肪酸エステル類、POEソルビットモノラウレート、POEソルビットモノオレエート、POEソルビットペンタオレエート、POEソルビットモノステアレート等のPOEソルビット脂肪酸エステル類、POEグリセリンモノステアレート、POEグリセリンモノイソステアレート、POEグリセリントリイソステアレート等のPOEグリセリン脂肪酸エステル類、POEモノオレエート、POEジステアレート、POEモノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等のPOE脂肪酸エステル類、POEラウリルエーテル、POEオレイルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POE2−オクチルドデシルエーテル、POEコレスタノールエーテル等のPOEアルキルエーテル類、POEオクチルフェニルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、POEジノニルフェニルエーテル等のPOEアルキルフェニルエーテル類、プルロニック等のプルアロニック型類、POE・POPセチルエーテル、POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POPモノブチルエーテル、POE・POP水添ラノリン、POE・POPグリセリンエーテル等のPOE・POPアルキルエーテル類、テトロニック等のテトラPOE・テトラPOPエチレンジアミン縮合物類、POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油、POE硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE硬化ヒマシ油マレイン酸等のPOEヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体、POEソルビットミツロウ等のPOEミツロウ・ラノリン誘導体、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等のアルカノールアミド、POEプロピレングリコール脂肪酸エステル、POEアルキルアミン、POE 脂肪酸アミド、ショ糖脂肪酸エステル、POE ノニルフェニルホルムアルデヒド縮合物、アルキルエトキシジメチルアミンオキシド、トリオレイルリン酸等を挙げることができる。その他の界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン、高級アルキル硫酸エステル塩、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン、アルキルエーテル硫酸エステル塩等のアニオン界面活性剤、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキル四級アンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩、POEアルキルアミン、アルキルアミン塩、ポリアミン脂肪酸誘導体等のカチオン界面活性剤、及び、イミダゾリン系両性界面活性剤、ベタイン系界面活性剤等の両性界面活性剤を安定性及び皮膚刺激性に問題のない範囲で配合してもよい。上記保湿剤としては特に限定されず、例えば、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、胆汁酸塩、dl−ピロリドンカルボン酸塩、短鎖可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イザヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物等を挙げることができる。上記高級アルコールとしては特に限定されず、例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等の直鎖アルコール、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等の分枝鎖アルコール等を挙げることができる。金属イオン封鎖剤としては特に限定されず、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸等を挙げることができる。上記天然の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子を挙げることができる。半合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子等を挙げることができる。合成の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、40,000、60,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体等の共重合系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等を挙げることができる。無機の水溶性高分子としては特に限定されず、例えば、ベントナイト、ケイ酸AlMg(ビーガム)、ラポナイト、ヘクトライト、無水ケイ酸等を挙げることができる。紫外線遮蔽剤としては特に限定されず、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線遮蔽剤;ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線遮蔽剤;アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線遮蔽剤;オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート等のケイ皮酸系紫外線遮蔽剤;2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3− カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線遮蔽剤;3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5− メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等を挙げることができる。その他薬剤成分としては特に限定されず、例えば、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸DL−α−トコフェロール、アルコルビン酸リン酸マグネシウム、2−O−α−D−グルコピラノシル−L−アスコルビン酸、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類;エストラジオール、エチニルエストラジオール等のホルモン;アルギニン、アスパラギン酸、シスチン、システイン、メチオニン、セリン、ロイシン、トリプトファン等のアミノ酸;アラントイン、アズレン等の抗炎症剤、アルブチン等の美白剤、;タンニン酸等の収斂剤;L−メントール、カンフル等の清涼剤やイオウ、塩化リゾチーム、塩化ピリドキシン等を挙げることができる。各種の抽出液としては特に限定されず、例えば、ドクダミエキス、オウバクエキス、メリロートエキス、オドリコソウエキス、カンゾウエキス、シャクヤクエキス、サボンソウエキス、ヘチマエキス、キナエキス、ユキノシタエキス、クララエキス、コウホネエキス、ウイキョウエキス、サクラソウエキス、バラエキス、ジオウエキス、レモンエキス、シコンエキス、アロエエキス、ショウブ根エキス、ユーカリエキス、スギナエキス、セージエキス、タイムエキス、茶エキス、海藻エキス、キューカンバーエキス、チョウジエキス、キイチゴエキス、メリッサエキス、ニンジンエキス、マロニエエキス、モモエキス、桃葉エキス、クワエキス、ヤグルマギクエキス、ハマメリスエキス、プラセンタエキス、胸腺抽出物、シルク抽出液、甘草エキス等を挙げることができる。上記各種粉体としては、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、酸化チタン被覆ガラスフレーク等の光輝性着色顔料、マイカ、タルク、カオリン、セリサイト、二酸化チタン、シリカ等の無機粉末やポリエチレン末、ナイロン末、架橋ポリスチレン、セルロースパウダー、シリコーン末等の有機粉末等を挙げることができる。好ましくは、官能特性向上、化粧持続性向上のため、粉末成分の一部又は全部をシリコーン類、フッ素化合物、金属石鹸、油剤、アシルグルタミン酸塩等の物質にて、公知の方法で疎水化処理して使用してもよい。また、本発明に該当しない他の酸化亜鉛粒子を混合して使用するものであってもよい。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、放熱性フィラーとして使用することもできる。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、単独での使用、他の放熱性フィラーとの併用のいずれの方法とすることもできる。単独での使用、他の放熱性フィラーとの併用使用に関わらず、本発明の放熱性フィラーを樹脂組成物、グリース組成物等の放熱性組成物の全量に対して、10〜90体積%の割合で使用することが好ましい。また、本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、粒子径が異なる放熱性フィラーと組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用することができる放熱性フィラーとしては特に限定されず、例えば、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属シリコン、ダイヤモンド等を挙げることができる。更に、上述した丸み状酸化亜鉛粒子以外の酸化亜鉛と組み合わせて使用することもできる。組み合わせて使用する放熱性フィラーは、球状、針状、棒状、板状等の任意の形状を有するものであってよい。上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、樹脂と混合した放熱性樹脂組成物として使用することができる。この場合、使用する樹脂は、熱可塑性樹脂であっても熱硬化性樹脂であっても良く、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド、ポリイミド、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ素樹脂、ポリメタクリル酸メチル、エチレン・アクリル酸エチル共重合体(EEA)樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルイミド、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS)樹脂、液晶樹脂(LCP)、シリコーン樹脂、アクリル樹脂等の樹脂を挙げることができる。本発明の放熱性樹脂組成物は、(1)熱可塑性樹脂と板状集積型球状酸化亜鉛粒子とを溶融状態で混練することによって得られた熱成型用の樹脂組成物、(2)熱硬化性樹脂と上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子とを混練後、加熱硬化させることによって得られた樹脂組成物、(3)樹脂溶液又は分散液中に上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子を分散させた塗料用の樹脂組成物であっても良い。本発明の放熱性樹脂組成物が熱成型用の樹脂組成物である場合、用途によって樹脂成分を自由に選択することができる。例えば、熱源と放熱板に接着し密着させる場合には、シリコーン樹脂やアクリル樹脂のような接着性が高く硬度の低い樹脂を選択すれば良い。本発明の放熱性樹脂組成物が塗料用の樹脂組成物である場合、樹脂は硬化性を有するものであっても、硬化性を有さないものであっても良い。塗料は、有機溶媒を含有する溶剤系のものであっても、水中に樹脂が溶解又は分散した水系のものであっても良い。上記板状集積型球状酸化亜鉛粒子を放熱性フィラーとして使用する場合、鉱油又は合成油を含有する基油と混合した放熱性グリースとして使用することもできる。このような放熱性グリースとして使用する場合は、合成油としてα−オレフィン、ジエステル、ポリオールエステル、トリメリット酸エステル、ポリフェニルエーテル、アルキルフェニルエーテル等が使用できる。また、シリコーンオイルと混合した放熱性グリースとして使用することもできる。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、放熱性フィラーとして使用する場合、その他の成分を併用して使用することもできる。併用して使用することができるその他の成分としては、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化アルミニウム等の金属酸化物、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、窒化チタン、金属シリコン、ダイヤモンド等の酸化亜鉛以外の放熱性フィラー、樹脂、界面活性剤等を挙げることができる。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、より粒子径が小さい酸化亜鉛粒子及び他の放熱性フィラーと組合わせて使用することで、より優れた放熱性能を得ることができる。組み合わせて使用する粒子径が小さい酸化亜鉛粒子及び他の放熱性フィラーは、球状、針状、棒状、板状等の形状を有するものであることが好ましい。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、上述した化粧料や放熱性フィラーの他に、ゴムの加硫促進剤、塗料・インキ用顔料、フェライトやバリスタ等の電子部品、医薬品等の分野においても使用することができる。以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。(実施例1)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)31.3gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう調製した水酸化ナトリウム水溶液758mlに、TW−O120V(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB値14.9)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液を10秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が1.11μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−5600(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図1に示した。また、より高倍率で撮影した電子顕微鏡写真を図2に示した。また、得られた粒子をX線回折装置UltimaIII(リガク社製)で分析した。得られたX線回折のスペクトルを図3に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(実施例2)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化カリウム(キシダ化学社製、純度:85%)50.0gを水に溶解して水酸化カリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう調製した水酸化カリウム水溶液758mlに、TW−O120V(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB値14.9)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化カリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液を10秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が1.05μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−5600(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図4に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(実施例3)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)31.3gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう調製した水酸化ナトリウム水溶液758mlに、TW−O120V(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB値14.9)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液をローラーポンプを用いて300秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が1.00μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図5に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(実施例4)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)23.8gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が0.8mol/lとなるよう調製した水酸化ナトリウム水溶液758mlに、TW−O120V(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB値14.9)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液をローラーポンプを用いて600秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が1.02μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図6に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(実施例5)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)31.3gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう調製した水酸化ナトリウム水溶液758mlに、TW−O120V(花王社製、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、HLB値14.9)2.125gを添加してよく混合した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液と、上記酢酸亜鉛水溶液とを、それぞれローラーポンプを用いて120秒間かけて2700rpmの回転速度で回転しているマグネットポンプの内部に送液することにより混合し、混合後の反応液を2700rpmで5分間撹拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が2.72μmの板状集積型球状酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−6510A(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図7に示した。また、より高倍率で撮影した電子顕微鏡写真を図8に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(比較例1)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化ナトリウム(キシダ化学社製、純度:98%)31.3gを水に溶解して水酸化ナトリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう水酸化ナトリウム水溶液758mlを調製した。続いて、上記水酸化ナトリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液を10秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が4.12μmの板状集積型の不定形の酸化亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−5600(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図9に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(比較例2)酢酸亜鉛二水和物(キシダ化学社製、純度:98%)32gを水に溶解して酢酸亜鉛二水和物としての濃度が1.26mol/lとなるよう酢酸亜鉛水溶液116mlを調製した。また、水酸化カリウム(キシダ化学社製、純度:85%)50.0gを水に溶解して水酸化カリウムとしての濃度が1.0mol/lとなるよう水酸化カリウム水溶液758mlを調製した。続いて、上記水酸化カリウム水溶液を攪拌機で300rpmの回転速度で攪拌し、そこに上記酢酸亜鉛水溶液を10秒で添加混合して30分間攪拌することで反応を進行させた。反応終了後、ろ過、水洗、乾燥することにより、メジアン径が3.05μmの板状集積型の不定形の酸化酸亜鉛粒子を得た。得られた粒子のサイズ・形態を走査型電子顕微鏡JSM−5600(日本電子社製)で観察した。得られた電子顕微鏡写真を図10に示した。また、得られた粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(比較例3)LPZINC−2(堺化学工業社製、メジアン径:1.63μm)について実施例と同様の評価を行った。電子顕微鏡写真を図11に示した。また、粒子の物性、及び塗膜の物性の評価結果を表1に示した。(評価方法)(X線回折のスペクトル、得られた粒子の組成)図3に示すX線回折のスペクトル、及び表1における得られた粒子の組成は、銅管球をもつX線回折装置UltimaIII(リガク社製)により分析した結果を示したものである。これらの結果から、実施例のものについては酸化亜鉛が得られていることが明らかである。図3から、実施例1の酸化亜鉛粒子は酸化亜鉛の板状面;(002)面のピーク強度;I(002)が大きく検出され、I(002)/I(100)の値が大きくなっていることから、板状面方向への結晶成長が進んだ酸化亜鉛粒子であることが明らかである。(メジアン径及びD10、D90、D90/D10)本明細書において、メジアン径、D90及びD10は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置LA−750(堀場製作所社製)によって測定した値である。実施例、比較例の酸化亜鉛粒子0.5gを、ヘキサメタりん酸ナトリウムとしての濃度が0.025重量%のヘキサメタりん酸ナトリウム水溶液50mlに分散したスラリー用いて測定を行った。測定の前に、スラリーを超音波ホモジナイザーUS−600T(日本精機製作所社製)を用いて2分間超音波分散し、測定時の循環速度を15、超音波分散時間を3分、超音波強度を7として測定を行った。実施例及び比較例の酸化亜鉛の相対屈折率を1.5として測定を行った。本明細書におけるメジアン径とは、体積基準での50%積算粒径、D90とは、体積基準での90%積算粒径、D10とは、体積基準での10%積算粒径を意味する。粒度分布のシャープさの指標として、D90/D10の比を算出する。この値が大きい程粒度分布がブロードであることを意味し、この値が小さい程粒度分布がシャープであることを意味する。(MIU(平均摩擦係数))表1のMIU(平均摩擦係数)は、上記実施例、比較例で得られる酸化亜鉛粒子をKES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)で測定した値である。スライドガラスに25mm幅の両面テープを貼り、粉体を載せ、化粧用パフで伸ばし、KES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)によりMIU(平均摩擦係数)を測定した。摩擦測定荷重25gf、表面測定試料移動速度1mm/sec、測定距離範囲20mmの条件で測定を行った。センサーとしては、シリコーン接触子(人間の指を想定した凹凸が施されたシリコーンゴム製の摩擦子)を用いた。MIU(平均摩擦係数)の値が小さい程、滑り性が良く滑り易いことを意味する。(MMD(摩擦係数の平均偏差))表1のMMD(摩擦係数の平均偏差)は、上記実施例、比較例で得られる酸化亜鉛粒子をKES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)で測定した値である。スライドガラスに25mm幅の両面テープを貼り、粉体を載せ、化粧用パフで伸ばし、KES−SE摩擦感テスター(カトーテック社製)によりMMD(摩擦係数の平均偏差)を測定した。摩擦測定荷重25gf、表面測定試料移動速度1mm/sec、測定距離範囲20mmの条件で測定を行った。センサーとしては、シリコーン接触子(人間の指を想定した凹凸が施されたシリコーンゴム製の摩擦子)を用いた。MMD(摩擦係数の平均偏差)の値が小さい程、ざらつき感が少なく滑らかさが高いことを意味する。表1のBET比表面積(m2/g)は、全自動BET比表面積測定装置Macsorb(Mountech社製)により測定した値である。(塗膜の作成1)上記実施例、比較例で得られる酸化亜鉛粒子2g、ワニス10g(アクリディック A−801−P DIC社製)、酢酸ブチル5g(試薬特級 和光純薬工業社製)、キシレン5g(純正特級 純正化学社製)、ガラスビーズ38g(1.5mm ポッターズ・バロティーニ社製)を容積75mlのマヨネーズ瓶に入れ、良くかき混ぜた後、ペイントコンディショナー5410型(RED DEVIL社製)に固定し、90分間振動を与えて分散処理することにより塗料を作成した。次に、作成した塗料をスライドガラス(縦・横・厚み=76mm・26mm・0.8〜1.0mm 松浪硝子工業社製)の上に少量滴下し、バーコーター(No.579 ROD No.6 安田精機製作所社製)で塗膜を作成した。作成した塗膜を20℃で12時間乾燥した後、全光線透過率1、全光線透過率2、平行光線透過率1、平行光線透過率2の測定に用いた。(全光線透過率1、全光線透過率2、平行光線透過率1、平行光線透過率2)本明細書において、全光線透過率1(%)、全光線透過率2(%)、及び平行光線透過率1(%)、平行光線透過率2(%)は、作成した塗膜を分光光度計V−570(日本分光社製)で測定した値である。なお、全光線透過率1(%)の値は波長310nmにおける全光線透過率の値、全光線透過率2(%)の値は波長350nmにおける全光線透過率の値、平行光線透過率1(%)の値は波長500nmにおける平行光線透過率の値、平行光線透過率2(%)の値は波長700nmにおける平行光線透過率の値である。全光線透過率1(%)の値が小さいほど、UVBの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味し、全光線透過率2(%)の値が小さいほど、UVAの波長の紫外線に対する紫外線遮蔽効果が高いことを意味する。また、平行光線透過率1(%)、平行光線透過率2(%)の値が大きいほど、可視光透明性が高いことを意味する。(塗膜の作成2)試料0.05g、KF−96−1000cs(信越シリコーン社製)0.8gを、研究用オートマチックフーバーマーラー(東洋精機製作所社製)を用いて、回転速度100rpm、10(lb)の荷重をかけながら50回転混練し、混練物をガラス板の上に数滴滴下し、1milアプリケーター(東洋精機製作所社製)を用いて塗膜を作成した。作成直後の塗膜を用いて全光線透過率3(%)、拡散光線透過率(%)、ヘーズ(%)の測定を行った。 (ヘーズ)上記の作成直後の塗膜の全光線透過率3(%)、拡散光線透過率(%)をヘーズメーターHM−150型(村上色彩技術研究所社製)を用いて測定し、ヘーズ(%)を求めた。ヘーズ(%)は、拡散光線透過率/全光線透過率3×100により算出されたものである。ヘーズ(%)の値が大きいほど、ソフトフォーカス効果(いわゆる下地をぼかす効果)が大きいことを意味し、例えば、化粧料のファンデーション用途に適したものであることを示す。なお、全光線透過率測定はJIS K 7361、ヘーズ測定はJIS K 7136に準拠したものである。表1の結果から、本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、シャープな粒度分布を有することが明らかである。また、優れた粉体感触、優れたソフトフォーカス効果、高い紫外線遮蔽性を併せ持つ酸化亜鉛粒子であることが明らかである。特に、中和反応時に親水性分散剤を添加することで得られる実施例1〜5の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、中和反応時に親水性分散剤を使用しなかった比較例1、2の板状集積型の不定形の酸化亜鉛粒子よりも粒度分布がシャープなものとなり、更にその特異な形状に由来する優れた粉体感触と優れたソフトフォーカス効果を有することが明らかである。また、比較例3のようなメジアン径が実施例と同程度の不定形の酸化亜鉛粒子に対し、よりシャープな粒度分布、優れた粉体感触、優れたソフトフォーカス効果、高い紫外線遮蔽性を有するものであることが明らかである。本発明の板状集積型球状酸化亜鉛粒子は、化粧品成分、放熱性フィラー等として使用することができる。メジアン径が0.01μm以上、粒度分布におけるD90/D10が5.0以下であることを特徴とする板状集積型球状酸化亜鉛粒子。亜鉛塩水溶液をアルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、前記工程(1)は親水性分散剤存在下で行う方法によって得られたものである請求項1記載の板状集積型球状酸化亜鉛粒子。MIU(平均摩擦係数)が1.0以下である請求項1又は2に記載の板状集積型球状酸化亜鉛粒子。以下の測定方法によって測定された塗膜のヘーズ(%)が40%以上である請求項1、2又は3に記載の板状集積型球状酸化亜鉛粒子。(酸化亜鉛粒子0.05g、シリコーンオイル0.8gを、研究用オートマチックフーバーマーラーを用いて、回転速度100rpm、10(lb)の荷重をかけながら50回転混練し、混練物をガラス板の上に数滴滴下し、1milアプリケーターを用いて塗膜を作成した。作成直後の塗膜について、ヘーズを測定した)亜鉛塩水溶液をアルカリ水溶液で中和する工程(1)を有し、前記工程(1)は親水性分散剤存在下で行うことを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の板状集積型球状酸化亜鉛粒子の製造方法。請求項1、2、3又は4に記載の板状集積型球状酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする化粧料。請求項1、2、3又は4に記載の板状集積型球状酸化亜鉛粒子を含有することを特徴とする放熱性フィラー。【課題】化粧料原料、放熱性フィラー等の用途に適した板状集積型球状酸化亜鉛粒子及びその製造方法を提供する。【解決手段】メジアン径が0.01μm以上、粒度分布におけるD90/D10が5.0以下である板状集積型球状酸化亜鉛粒子。【選択図】図2