タイトル: | 公表特許公報(A)_ハートワーム感染を抑制するための組成物 |
出願番号: | 2013522213 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 31/7048,A01K 29/00,A61P 33/10,A61K 9/00,A61D 7/00 |
フォルゲ、パトリック カルトサトス、ヴァッシリオス ワラン、ステファン JP 2013540693 公表特許公報(A) 20131107 2013522213 20110729 ハートワーム感染を抑制するための組成物 セヴァ サンテ アニマレ 513024281 CEVA SANTE ANIMALE 井関 勝守 100121728 田中 米藏 100129997 フォルゲ、パトリック カルトサトス、ヴァッシリオス ワラン、ステファン US 61/369,434 20100730 A61K 31/7048 20060101AFI20131011BHJP A01K 29/00 20060101ALI20131011BHJP A61P 33/10 20060101ALI20131011BHJP A61K 9/00 20060101ALI20131011BHJP A61D 7/00 20060101ALI20131011BHJP JPA61K31/7048A01K29/00A61P33/10A61K9/00A61D7/00 Z AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW EP2011063102 20110729 WO2012013782 20120202 18 20130329 4C076 4C086 4C076AA94 4C076BB31 4C076BB36 4C076CC34 4C076DD37 4C076DD41 4C076EE03 4C076EE07 4C076EE26 4C076EE48 4C076EE53 4C076FF31 4C076FF67 4C076FF68 4C086AA01 4C086AA02 4C086EA14 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA63 4C086MA70 4C086NA10 4C086NA12 4C086ZB39 4C086ZC61 本発明は、動物被検体におけるハートワーム疾患感染を抑制するための改良された駆虫性組成物に関する。本発明は、このような改良された組成物に関する投与の新しい経路および新しい組み合わせも提供する。 ハートワームは、蚊の刺咬により宿主から宿主へ蔓延する寄生性蛔虫(特に、犬糸状虫(Dirofilaria immitis)および犬皮膚糸状虫(Dirofilariarepens))である。固有宿主は、イヌであるが、ネコ、オオカミ、コヨーテ、キツネ、および白イタチ、アシカなどの他の動物、ならびに、ウシおよびヒトさえ感染し得る。寄生虫は、一般に、「ハートワーム」と呼ばれる。なぜなら、その生活周期の成虫繁殖期は、その宿主の主に右心室に存在し、そこで何年間も生きることができるからである。ハートワーム感染は、宿主にとって重篤な疾患となることがある。蚊が感染した動物を刺咬した場合、ミクロフィラリア(microfilariae)と呼ばれる幼虫ハートワームは、この蚊の系に入る。2週間以内に、該ミクロフィラリアは、蚊の内部で感染幼虫に成長する。これらの感染幼虫は、蚊が次に吸血する際に、別の動物へ伝染し得る。幼虫は、犬の循環系に入ると、成長し、犬の心臓へ移動し、心臓において成虫になり、増殖する。「ミクロフィラリア」と呼ばれるディロフィラリア幼虫は、宿主の循環系の至るところを移動し、そこで感染宿主を吸う蚊により摂取される可能性がある。ディロフィラリアの生活周期は、摂取されたミクロフィラリアが蚊の内部において感染幼虫に成長したところで完了する。犬において幼虫が成虫にまで成長するには約180日かかる。 犬糸状虫は、成虫のオス(12cm〜20cm)で最長20cm、成虫のメス(25cm〜31cm)で最長31cmに達し、平均直径1mmの白い糸状の蛔虫として存在する。これらは、比較的滑らかな角皮を特徴とする。ハートワームは、低い寄生中量(<50匹)で犬の肺動脈において主に見出される。高い寄生虫量(>50匹)での感染では、ハートワームは右心室、右心房に達し、場合によっては大静脈に達することもある。初期反応は、肺小動脈の膨張および血液凝固を含む。犬の心臓の肺動脈および右心室におけるハートワーム寄生虫の物理的存在、および、結果として生じる組織の破壊は、ストレスまたは激しい運動の条件下においては致命的であり得る呼吸および循環の問題を引き起こす。肺高血圧症および右側うっ血性心不全が結果として生じることがある。有意な程度まで血流に詰まるまでには多数のハートワームが必要なので、ハートワームは、臨床兆候が出るまでに最長2年または3年の間、心臓内に存在し得る。疾患が進行するにつれて、肺組織が破壊されて咳が悪化する可能性があり、肝臓および腎臓損傷がこれらの臓器への血流量の低下により起こり得る。もし治療しなければ、ハートワーム疾患は死につながる可能性がある。成虫ハートワームが交尾して幼虫ハートワームを産出した後、感染した犬が未感染の蚊により刺咬されると、ミクロフィラリアがこの蚊に伝染し、サイクルが再び始まる。ハートワームの生活周期は、約6か月である。ハートワーム寄生虫は、ヒトにおける局所的な肺、肝臓、目、および皮膚の病変の原因であることも示されている(Hamilton, R.G., et al., Exper. Parasitol, 56:298-313 (1983))。 犬糸状虫、および/または、犬皮膚糸状虫によるハートワーム疾患は、安全で非常に効果的且つ便利な予防薬が過去20年間利用可能であるにもかかわらず、世界の多くの場所でイヌおよび他の動物(ネコ、ウシ、ヒト、ギニーピッグ(guinea porcine)、および白イタチ)において重篤な疾患および死さえ引き起こし続けている。さらに、寄生虫および媒介生物である蚊は、以前には報告されていなかったエリアへ広がり続けている。このような寄生虫の抑制は、ヒトおよび動物の健康法の重要な観点として長い間認識されている。感染を抑制するための多数の代替物が使用されているにもかかわらず、これらは、活性の制限された範囲、反復治療の必要性(順守の欠如)、および、珍しいケースでは寄生虫の抵抗力を含む様々な問題を抱えている。 現在は、治療的処置のために、2つのヒ素系誘導体、つまり、重篤な副作用を伴う古い薬剤であるシアセタルサミド(Abbott laboratories社により販売されているCaparsolate(登録商標))、および、比較的最近の薬であり、副作用がより少ないメラルソミン・ジヒドロクロライド(Merial社により販売されているImmiticide(登録商標))しか臨床的に感染させた犬に利用できない。 予防的化学療法については、犬におけるハートワーム疾患を防止するための2つの代替法:クエン酸ジエチルカルバマジンの連日投与、または大環状ラクトンの月1回投与が可能である。 多数の大環状ラクトンが商品化されており、例えば、Merial社によってIvomec(登録商標)またはHeartgard(登録商標)の名称で販売されているイベルメクチン、ドラメクチン(PfizerAnimal Health社によって販売されているDectomax(登録商標))、モキシデクチンおよびアバメクチン(Merial社によって販売されているAvomec(登録商標))がある。 また、6か月を超えて一回量の持続的防御能を提供する、皮下注射されるモキシデクチン含浸脂質ミクロスフェアの持続放出製剤は、Moxidectin SR(登録商標)、ProHeart6(登録商標)、またはGuardian SR(登録商標)の名称でFort Dodge社によって販売されている。しかしながら、この製品は、安全性に関する問題により2004年9月に米国市場から自主的に引き上げられ、現在は、リスク最小化および制限された配布プログラムの下でFDAにより再び許可されている。 イベルメクチンは、米国特許第4,199,569号明細書に記載のように2つの相同性化合物、22,23−ジヒドロアベルメクチンB1a(H2B1a、80%以上)および22,23−ジヒドロアベルメクチンB1b(H2B1b、20%以下)の混合物からなる。本発明は、前記混合物の使用に関する。 イベルメクチンは、動物におけるハートワームを含む、様々な蠕虫腸内寄生虫の治療のために販売されている。現在認可されているHeartgard(登録商標)の咀嚼錠は、体重1キログラムにつき6.0mcg(2.72mcg/lb)のイベルメクチンの推奨最小用量レベルで月1回の間隔で経口投与される。Heartgard(登録商標)は、異なる体重の犬のために3つの有効性成分含量(68mcg、136mcg、および272mcg)で入手可能である。ブタ、ウシ、ヒツジ、およびウマなどの他の種については、イベルメクチンは、10mg/mlおよび2.7mg/mlの注射用の形態;0.153パーセントおよび1.87パーセントのペースト形態;10mg/mlの液状経口形態で入手可能である。 しかしながら、高い血漿中総イベルメクチン濃度は、犬の神経系の疾患に対する危険因子と考えられる。イベルメクチンを体重(bw)1kg当たり0.5mgおよび2.0mgで経口投与したビーグル犬における36日間の研究において、血漿中のH2B1aの濃度は、第2日目と第8日目との間に劇的に増加し、約3週間の後に定常状態に達した。用量を4倍増加すると、血漿レベルは平均8倍増加した。このような高い血漿レベルは、犬において副作用を引き起こすことが観察されている。ビーグル犬では、散瞳が中毒性の最も感知しやすい指標であった。より深刻な兆候は、運動失調および振戦を含んでいた。死の前に昏睡状態が起こった。コリー犬の約30%は、(薬の非推奨使用からの報告から推測される通り)イベルメクチンに対して非常に敏感であった。ビーグル犬(4/性別/群)での14週間の経口研究において、1.0mg/kgbwおよび2.0mg/kgbwで散瞳およびわずかな体重減少が観察された。2.0mg/kgbwの群における4匹の犬は、振戦、運動失調、食欲低下、および脱水症を起こし、研究の終了前に殺された。無影響量(NOEL)は0.5mg/kgbwであった。コリーが最も頻繁に影響を受ける犬であることが報告されている。 ヒトおよびいくつかの動物種において、おそらく、p−糖タンパク質の発現変化または機能がイベルメクチンの脳内濃度を上昇させ、重篤な神経毒性を生じさせる、ということが知られている。イベルメクチンについての通常投与計画の結果、治療された動物は長期間効力を発揮し続ける比較的大容量の薬を必然的に受ける。このことは、同様に、治療のすぐ後には動物は非常に高濃度のイベルメクチンをその血流に有しており、この濃度は、残りの期間に漸減するということを意味している。 さらに、現在販売されているイベルメクチン製剤には使用にいくつかの注意を伴う。全米フィラリア協会(American Heartworm Society; AHS)は、いくつかの大環状ラクトン、特にイベルメクチンの安全網(すなわち遡及効果)および成虫駆除特性を認識している。しかしながら、ハートワーム陽性の使役犬は、重篤な血栓塞栓症を発症し、死ぬリスクにより晒されるかもしれない。運動を非常に制限した状態での、悪化した放射線および心エコー画像は、このような治療が禁忌であることを示唆している。さらに、無症状の犬においてさえ、それは、一層の注意を払って、4〜6か月毎に少なくとも1回獣医師による検査をする場合にのみ投与したほうがよい。同様に、イベルメクチンは、他の犬種よりもその神経毒性に敏感なコリーおよび関連のシェパード犬においては注意を払って使用しなければならない。 したがって、上記の問題を克服するため、ハートワームの根絶におけるアベルメクチンの効果を上げるため、および、この薬のより予測可能な性能を提供するために、アベルメクチンの、より正確には、比較的低い最大血漿中濃度のイベルメクチンの向上した吸収およびバイオアビアビリティを可能にする剤形についての技術が必要である。 さらに、本発明は、投与が比較的簡単で、且つ、6か月以上少なくとも12か月以下の長期間に亘って有効血漿中濃度を維持することのできる新しい製剤を提供することを目的とする。一般的に、局所適用が望ましい。なぜなら、多くの製剤は、局所使用される場合は十分に安全であるが、内服的に使用する場合は十分に安全ではないからである。しかしながら、種々の局所医薬製剤の開発は、多数の欠点をもたらしている。いくつかの製剤は、動物に大量に与えることが要求される。このことは、かなりの混乱を引き起こす可能性があり、悪臭につながり得る。その上、局所製剤の用量が大きな体積であるならば、動物がそれを簡単に振り落す可能性があり、それにより、製剤の効果が低減される。また、動物が屋内愛玩動物である場合、製剤にヒトが接触しても安全であるべきだというさらなる厄介な問題がある。さらに、製剤は、家具、カーペットなどを染色しないものでなければならない。最終的に、たとえ安全だとしても、局所製剤は、刺激性であってはならず、または、発疹、抜け毛、もしくは他の不都合な副作用につながってはならない。 したがって、従来技術の欠点を克服する内部寄生虫および外部寄生虫の抑制、および/または、治療のための改良した製剤が必要である。本発明は、本明細書において、このような改良した製剤を提供する、特に、局所施用に適しており、最も好ましくは、イベルメクチンを単独で、または、外部寄生虫または内部寄生虫に関する少なくとも1つの薬剤と併用して搬送することのできる、首輪、首輪ストリップ、メダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、ならびに剥離式フィルム、または、スポットオンもしくはポアオンの形態であり、これにより、少なくとも6〜12か月の間、内部、および/または、外部寄生虫に対する長期有効作用をもたらす。 本発明は、さらに、愛玩動物および家畜に投与するために、首輪、首輪ストリップ、メダル、ならびに、首輪の付属物、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、または、剥離式フィルム、または、スポットオンもしくはポアオンの形態として製剤されていることが最も好ましいイベルメクチンに関する。これらの改良された製剤は、比較的低い薬物濃度で有効血漿中レベルを比較的速く達成し、貯蔵時に安定性があり、皮膚耐性および良好な経皮送達特性を示す。また、これらの製剤は、従来の製剤の二次的有害反応のリスク無く、6か月以上12か月以下の間、寄生虫に対する長期防御能を提供する。好ましい製剤は、短くとも年2回、最長で年1回投与される首輪、首輪ストリップ、またはメダルである。 本発明は、例えばディロフィラリア症などのハートワーム感染を抑制する方法であって、犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を低減するための有効量のイベルメクチンを含有する組成物を動物被検体に投与することを含み、該イベルメクチン組成物は、短くとも年2回、最長で年約1回局所的に投与される方法を提供する。 本発明は、被検体における犬糸状虫、および/または、犬皮膚糸状虫を低減するために十分な感染防御量のアベルメクチンを、従来のアベルメクチン製剤により得られる血漿中アベルメクチン濃度に対して比較的低いアベルメクチンの血漿中濃度で投与することによって、ハートワーム感染を抑制する改良された方法を提供する。 さらに、本発明は、従来のアベルメクチン製剤に対して比較的低い血漿中濃度で、ハートワーム感染を抑制するための有意な殺寄生虫活性を有するアベルメクチン製剤を提供する。これらの製剤は、使用が安全であり、従来の製剤の多くの共通の有害な副作用を回避している。 さらに、本発明は、ハートワーム感染の抑制に有効であり得る有効量のアベルメクチンを含有する局所製剤を提供する。本明細書において得られる組成物は、他の製剤に比べて、結果の出る速度を上げ、再発を減らすためにも有効である。首輪、首輪ストリップ、またはメダルが、有効量または感染防御量のイベルメクチンを含有していることが好ましい。 本発明に係る局所製剤は、首輪、首輪ストリップ、メダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、剥離式フィルム、または、スポットオンもしくはポアオンの形態であってもよい。 本発明に係る製剤、すなわち、首輪、首輪ストリップ、またはメダルは、短くても年2回、最長で年1回投与されればよい。 さらに、本発明は、犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を抑制するためのイベルメクチンなどの有効量のアベルメクチンを単独で、または、少なくとも1つの外部寄生虫もしくは内部寄生虫(抑制)剤と併用して含有する駆虫剤の組み合せを提供する。 定義 本明細書中で使用される場合、アベルメクチンは、知られている最も可能性のある駆虫性、殺虫性、および殺ダニ性の化合物を指す。イベルメクチン、アバメクチン、ドラメクチン、エプリノメクチン、およびセラメクチンを含むいくつかのアベルメクチンが開発されている。本明細書に係る組成物、局所製剤、および方法においてはイベルメクチンを使用することが好ましい。 「従来のアベルメクチン製剤」は、Merial社によって販売される咀嚼錠Heartgard(登録商標)、Heartgard(登録商標)10mg/mlおよび2.7mg/mlの注射用の形態;0.153パーセントおよび1.87パーセントのペースト形態、および10mg/mlの液体経口形態を指す。 「被検体」または「動物被検体」は、例えば、愛玩動物などのハートワームに関連する症状を発症し得る任意の動物を指す。イヌ科動物は、本発明の好ましい被検体であろう。被検体は、典型的には非ヒト哺乳類であり、本明細書において言及される任意のこのような動物であればよい。 「ハートワーム」は、一般的には、その生活周期の最終的繁殖期の間は宿主の心臓内に典型的に住み着く蛔虫を含んでいてもよい。いくつかの特定のハートワームは、犬糸状虫および犬皮膚糸状虫、ならびに、任意の他の類似の、同じ綱または亜綱の蠕虫を含んでいてもよい。 本明細書において使用される「組み合わせ」は、物理的に、化学的に、および/または、それ以外の場合は適切に互いに結合させて所望の結果を出す2つ以上の要素または化合物を広く含んでいてもよい。組み合わせの両構成要素は、同時または順番に投与されてもよく、個別の剤形であっても、または、同じ剤形の一部であってもよい。 本明細書において使用される「抑制する」は、犬糸状虫および犬皮膚糸状虫、ならびに任意の他の類似の、同じ綱または亜綱の蠕虫の低減、治療、根絶、および/または、予防を広く含む。 したがって、本発明は、既存の治療の不利点および制約を克服する、アベルメクチン、特にイベルメクチンの改良された製剤を開発することを目的とし、感染を治療、および/または、抑制する方法、ハートワーム感染しやすい多くの種に亘って有効な反応を生じるように簡単且つ安全に投与できる投与計画および製剤を提供する。 現在認可されているイベルメクチンの用量は、経口で約6mcg/kgまたは皮下で200mcg/kgである。それ自体6mcg/kgで投与されたイベルメクチンは、生後1か月のディロフィラリア幼虫を効果的に殺すことができるということが一般的に報告されている。Cunningham CPら(Am. J. Vet. Res., 2006, 67)は、この有効率は、血漿中の0.2ng/mL以上のイベルメクチンであろうという証拠を示した。 背景技術は、有効性を維持し、向上した安全性プロファイルを示しつつ、従来のイベルメクチン製剤の投与により結果として生じる有効濃度に対して比較的低い有効濃度の活性イベルメクチン薬を提供するイベルメクチンの方法または製剤を教示も示唆もしていない。発明者らは、驚くべきことに、血漿中の約0.1ng/mLのイベルメクチンで有効率を確立した。したがって、本発明の製剤は、寄生虫により引き起こされる感染症に対する首輪、ストリップ首輪、またはメダル製剤に、長期の、例えば、少なくとも6か月の防御能を提供する。 したがって、好ましい実施形態では、本発明は、動物被検体における犬糸状虫、および/または、犬皮膚糸状虫を低減する治療有効量または感染防御量のイベルメクチンを、Cunningham CPら(Am. J. Vet. Res., 2006, 67)によって定義されるような従来のイベルメクチン製剤によって得られる血漿中イベルメクチン濃度に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度で投与することにより、ハートワーム感染症を抑制する方法を提供する。好ましい一実施形態において、該比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、0.2ng/mL未満もしくは0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mLから0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または、約0.1ng/mLである。別の好ましい一実施形態では、前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約5%〜95%、特に好ましい血漿中濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約50%である。 別の一実施形態では、本発明は、被検体におけるハートワーム感染を抑制するための組成物であって、従来のイベルメクチン製剤に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度で有効であり、従来の製剤と比較して低減された副作用プロファイルを示す組成物を提供する。好ましい一実施形態では、前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、0.2ng/mL未満もしくは0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mLから0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または、約0.1ng/mLである。別の好ましい一実施形態では、前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約5%〜95%、特に好ましい血漿中濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約50%である。 本発明は、被検体における犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を抑制するための新しい活性組成物であって、アベルメクチン、好ましくはイベルメクチンと、少なくとも1つの他の外部寄生虫または内部寄生虫(抑制)剤との組み合わせを含む活性組成物も提供する。前記組成物は、用量、期間、または局所形態を含む、他の組成物について本明細書に記載の用法で投与され、使用されればよい。 本発明の製剤は、造形品を介して投与されることが好ましい。造形品は、とりわけ、首輪、首輪ストリップ、メダル、ポンプ、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、剥離式フィルム、または、スポットオンもしくはポアオンの形態である。 既存の治療オプション、例えば、月1回投与される咀嚼錠、長期、すなわち6〜12か月の作用を有する注射用の懸濁液と比較した場合、本局所製剤は、簡単に与えることができ、侵襲的ではないという特徴を有し、侵攻性溶剤を何ら含まず、長期間作用性を有している。また、特定の珍しいケース、例えば中毒性、他の治療または手術との両立不能性といった任意の問題があるならば、治療を簡単に中断してもよい。注射用の製品の場合では、治療の中断は不可能である。本発明に係る製剤は、短くとも年2回、最長で年1回動物被検体に投与されることが好ましい。 さらに、本発明の首輪は、他の市販されている首輪、ストリップ、またはメダルと比べた場合、市販されているものは、外部抗寄生虫剤しか含んでおらず、全身作用を有するアベルメクチン、および好ましくはイベルメクチンなどの感染を能動的に抑制する薬剤、および/または、内部寄生虫に対して作用する薬剤は欠如しているという点で新しいものである。 本発明の組成物は、6か月以上12か月以下の期間において0.2ng/mL未満もしくは0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mLから0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または約0.1ng/mLである血漿中濃度を達成するために十分な量のイベルメクチンを含む、首輪、首輪ストリップもしくはメダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、剥離式フィルムの形態、または、スポットオンおよびポアオンの形態であればよい。 首輪、ストリップ、またはメダルを製造するために、ポリビニル樹脂、ポリウレタン、ポリアクリラート、エポキシ樹脂、セルロース、セルロース誘導体、ポリアミド、およびポリエステルが既知の方法で使用され、これらは、アベルメクチン、および特にイベルメクチンと十分に両立し得る。これらのポリマーは、バンドに成形される際に裂けないように、または、砕けないように、十分な強度と柔軟性とを有しているほうがよい。これらは、通常の損耗および裂傷に対して耐性があるように、十分に長持ちするものでなければならない。さらに、これらのポリマーは、成形された首輪の表面へ活性成分を十分に移動させることができなければならない。特に固体ポリビニル樹脂、すなわち、ビニル二重結合の重合体によって形成される重合生成物は、これらの要件を満たしている。典型的なビニル樹脂は、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニル−酢酸ビニル、およびポリフッ化ビニルなどのハロゲン化ポリビニル;ポリアクリル酸メチルおよびポリメタクリル酸メチルなどのポリアクリラートおよびポリメタクリレートエステル;ならびに、ポリスチレンおよびポリビニルトルエンなどのポリビニルベンゼン誘導体である。 適切な可塑剤を、首輪、首輪ストリップ、またはメダルを作成するために使用してもよい。どの可塑剤を使用するべきかは、樹脂および可塑性材に対する樹脂の適合性に依存している。適切な可塑剤は、例えば、硬化ヒマシ油、オクチルドデカノール、植物性油脂(すなわち、ヤシ油など)、リン酸トリクレシルなどのリン酸のエステル、フタル酸ジメチルおよびフタル酸ジオクチルなどのフタル酸のエステル、ならびに、アジピン酸ジイソブチルなどのアジピン酸のエステルである。他のエステル、例えば、アゼライン酸、マレイン酸、リシノール酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、オレイン酸、セバシン酸、ステアリン酸、およびトリメリト酸のエステル、ならびに、複合直鎖状ポリエステル、高分子可塑剤、およびエポキシ化大豆油も使用してもよい。可塑剤の量は、全組成物の約10重量%から50重量%、好ましくは、20重量%から45重量%である。 首輪、首輪ストリップ、またはメダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、ならびに剥離式フィルムは、組成物の基本的な特性を変えることなく、安定剤、潤滑剤、増量剤、および着色剤などの更なる成分も含んでいてもよい。 適切な安定剤は、首輪、首輪ストリップ、またはメダルを紫外線および押出成形などの加工時の不都合な劣化から保護する抗酸化剤および薬剤である。エポキシ化大豆油などの少数の安定剤は、二次的な可塑剤としてもさらに機能する。 使用される潤滑剤は、例えば、油、ワックス、ステアリン酸塩、ステアリン酸、および低分子量のポリエチレンである。 着色剤は、動物に対する使用が認可されており、且つ、溶解または懸濁させることのできる、全ての着色剤である。アジュバントは、イソプロピルミリステート、ペラルゴン酸ジプロピレングリコール、シリコーン油、脂肪酸エステル、トリグリセリド、および脂肪族アルコールなどの拡散油でもある。抗酸化剤は、カリウムメタ重亜硫酸塩、アスコルビン酸、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、およびトコフェロールなどの亜硫酸塩類またはメタ重亜硫酸塩類である。 本発明の首輪、首輪ストリップ、またはメダルの製造時の加工方法の選択は、首輪材料の流体力学特性ついての技術基盤および所望の首輪の形状に依存している。加工方法は、加工技術または成形の種類に応じて調整されてもよい。加工技術において、加工は、加工時の連続的な流体力学条件に従って分類されてもよい。 これらによれば、粘着性首輪材料については、鋳込、加圧成形、注入、および被覆が考えられ、弾粘性ポリマーについては、射出成形、押出成形、カレンダー加工、圧延、および任意に鋳ばり取りが考えられる。成形の種類によって分類する場合、本発明の成形首輪は、鋳込、嵌め込み、加圧成形、射出成形、押出成形、カレンダー加工、スタンピング、屈曲、カッピングなどによって製造されてもよい。 好ましい首輪、首輪ストリップ、メダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢または体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、ならびに剥離式フィルムは、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)と混合されたエチレン/酢酸ビニル(EVA)共重合体を含む高分子マトリックスで構成されていてもよい。該高分子マトリックスは、0.66未満の重量比で活性組成物に投入されている。このようにして得られた首輪、ストリップ、メダルなどは、動物被検体の毛と本製剤とが確実に密接し、続いて、殺内部寄生虫剤としてのイベルメクチンが動物の血流に浸透するように動物被検体に投与、すなわち、取り付けて適用されればよい。 別の一実施形態によると、イベルメクチンを、所定の特定用量のイベルメクチンを1または複数の時点で塗布する装置によって動物の皮膚へ搬送してもよい。イベルメクチンは、装置によって持続的に投与されるのではなく、イベルメクチンの投与について本明細書に記載の時点に準拠した時点で投与されることが好ましい。該装置は、典型的には動物に取り付けられており、好ましくは、本明細書において言及される搬送手段の任意のもの、例えば、首輪に組み込まれている。該装置は、イベルメクチンをイベルメクチンの貯蔵部から動物の皮膚へ搬送するミニポンプを備えていることが好ましい。該装置は、要求された時にイベルメクチンを投与するようにミニポンプを動かすことができる制御手段を備えていてもよい。 本発明によると、首輪、首輪ストリップ、メダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢または体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップ、フィルム、および剥離式フィルムの剤形は、単回で(例えば、一回量として)または、分散した時点で(例えば、分割量として)投与されてもよい。剤形を分散した時点で投与する場合、分割量の別々の投与の間隔は、数か月、好ましくは6か月毎から少なくとも12か月であればよい。実際に、例えば首輪、首輪ストリップ、またはメダルでのイベルメクチンの投与は、6か月以上約12か月までの期間、寄生虫に対する長期の防御能を提供する。 更なる好ましい実施形態では、これらの量の化合物は、他の外部寄生虫または内部寄生虫の抑制剤と組み合わせてもよい。 特別な一実施形態では、本発明は、被検体におけるハートワーム感染の抑制に有用なキットを提供する。このキットは、従来のイベルメクチン製剤により得られる血漿中イベルメクチン濃度に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度で、任意には外部寄生虫(ダニ、ノミなど)または内部寄生虫(蛔虫、鉤虫など)との組み合わせで、動物被検体における犬糸状虫、および/または、犬皮膚糸状虫の感染を低減または抑制する用量のイベルメクチンを含み、媒介物と、寄生虫感染の治療についての説明書とを任意に含んでいる。 実施例 実施例1:イベルメクチンを含む首輪の製剤および試験 以下の表1に挙げたような0.45%のイベルメクチンを含む以下の二種類の首輪を準備した。 表1: 試験のために、2匹の成犬に0.45%の首輪を少なくとも120日付けた。各グループから0日目(D0)から120日目(D120)に頸静脈において採取した、血漿中のイベルメクチンの濃度を表2にng/mLの単位で表す。 表2:首輪0.45%を付けた犬 実施例2:ディロフィラリア症感染試験 この試験のために、7匹の成犬を2つの群、すなわち、実施例1に記載のイベルメクチン首輪を付ける4匹の犬の第1群と、何の治療も受けない3匹の犬の第2対照群とに分ける。 これら7匹の犬は、2mLの75犬糸状虫L3幼虫を、首輪を最初に付けてから120日目(D120)に皮下注射により抗原投与された。ディロフィラリア抗原投与(D120)後、150日目(D270)、195日目(D315)、または240日目(D360)に、犬糸状虫のElisa検出試験(犬のハートワーム抗原試験キット、PetChek(登録商標)HTWM PF-Idexx)によって行われた血清テストにより、犬糸状虫感染を解析した。D315およびD360の血清テストは、150日目に首輪を取り外した後に行った。対照の犬の検死により、蠕虫の半数は肺動脈に居り、半数は心臓に居たことが分かった。 感染結果は、実施例1の首輪を付けた犬が抗原投与後D270、D315、およびD360に犬糸状虫感染していないことを示した。 ハートワーム感染を抑制する方法であって、 犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を抑制するために、有効量のイベルメクチンを含有する組成物を、非ヒト動物被検体に投与することを含み、 前記イベルメクチン組成物は、短くとも年2回、最長で年約1回局所的に投与される方法。 請求項1に記載の方法において、 前記組成物は、首輪、首輪ストリップ、メダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、ならびに剥離式フィルム、スポットオンの形態、または、ポアオンの形態で投与される方法。 請求項1または2に記載の方法において、 前記非ヒト動物被検体は、犬などの愛玩動物である方法。 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法において、 前記組成物は、6か月以上約12か月以下の間、0.2ng/mL未満、0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mLから0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または約0.1ng/mLのイベルメクチンの血漿中濃度を動物において達成するのに十分な量のイベルメクチンを含む方法。 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法において、 犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を抑制するための有効量のイベルメクチンを、従来のイベルメクチン製剤により得られる血漿中イベルメクチン濃度に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度で含む組成物を前記被検体に投与することを含む方法。 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法において、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約5%〜95%である方法。 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法において、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約50%である方法。 前記請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法において、 前記比較的低い血漿中濃度は、6か月以上約12か月以下の間、0.2ng/mL未満、0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mLから0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または約0.1ng/mLである方法。 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法において、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、0.2ng/mL未満である方法。 非ヒト動物被検体におけるハートワーム感染を抑制する際に使用するための獣医用医薬品組成物であって、 前記組成物は、首輪、首輪ストリップ、メダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、剥離式フィルム、またはスポットオンもしくはポアオンの形態などの成形品の形態であり、有効量のイベルメクチンを含有し、短くとも年2回、最長で年約1回局所的に投与される組成物。 請求項10に記載の組成物において、 前記スポットオンまたはポアオンの形態で投与され、 要求時点においてのみ前記組成物を前記動物の皮膚へ投与することのできるミニポンプを備える手段により好ましくは投与される組成物。 請求項10または11に記載の組成物において、 前記被検体は、犬などの愛玩動物である組成物。 請求項10〜12のいずれか1項に記載の組成物において、 犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を抑制するために十分な有効量のイベルメクチンを、従来のイベルメクチン製剤により得られる血漿中イベルメクチン濃度に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度で含む組成物。 請求項10〜13のいずれか1項に記載の組成物において、 従来のイベルメクチン製剤に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度にするのに十分な有効量のイベルメクチンを含有する組成物。 請求項13および請求項14のいずれか1項に記載の組成物において、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約5%〜95%である組成物。 請求項15に記載の組成物において、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約50%である組成物。 請求項10〜16のいずれか1項に記載の組成物において、 6か月以上約12か月以下の間、0.2ng/mL未満、0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mL〜0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または、約0.1ng/mLであるイベルメクチンの血漿中濃度を動物被検体において達成するために十分な量のイベルメクチンを含有する組成物。 請求項17に記載の組成物において、 前記比較的低い血漿中濃度は、6か月以上約12か月以下の間、約0.1ng/mLである組成物。 請求項10〜18のいずれか1項に記載の組成物において、 他の外部寄生虫および/または内部寄生虫剤を含有し、 犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を治療、および/または、防止するために、任意に前記イベルメクチンが治療有効量の他のアベルメクチンに置換されてもよい組成物。 非ヒト動物被検体におけるハートワームの寄生虫感染を治療、および/または、防止するためのキットであって、 従来のイベルメクチン製剤によって得られる血漿中イベルメクチン濃度に対して比較的低いイベルメクチンの血漿中濃度で、犬糸状虫および/または犬皮膚糸状虫の感染を抑制するための有効量のイベルメクチンと、 前記被検体における治療、および/または、予防のための説明書とを含むキット。 請求項20に記載のキットにおいて、 外部寄生虫および/または内部寄生虫に関する抑制剤を媒介物と共に任意にさらに含むキット。 請求項20および請求項21のいずれか1項に記載のキットにおいて、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約5%〜95%であるキット。 請求項22に記載のキットにおいて、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、従来のイベルメクチン製剤の約50%であるキット。 請求項20〜23のいずれか1項に記載のキットにおいて、 前記比較的低い血漿中イベルメクチン濃度は、6か月以上約12か月以下の間、0.2ng/mL未満であるか、0.15ng/mLに達していないか、0.1ng/mLから0.15ng/mLの範囲に亘っているか、または約0.1ng/mLであるキット。 請求項24に記載のキットにおいて、 前記比較的低い血漿中濃度は、約0.1g/mLであるキット。 本発明は、愛玩動物および家畜に投与するためのイベルメクチン製剤に関する。これらの製剤は、従来の製剤の二次的副作用のリスク無しで、ディロフィラリア寄生虫に対する長期防御能を提供する。好ましい製剤は、短くとも年2回、最長で年約1回投与される、首輪、首輪ストリップ、またはメダル、首輪の付属品、耳タグ、四肢もしくは体の一部に取り付けるバンド、粘着性のストリップおよびフィルム、ならびに、剥離式フィルム、または、スポットオンもしくはポアオンの形態である。【選択図】なし