生命科学関連特許情報

タイトル:特許公報(B2)_菌体破砕物及びその配合物
出願番号:2013520572
年次:2014
IPC分類:C12N 1/20,A23K 1/16,A23L 1/30,A61K 35/74,A61P 3/00


特許情報キャッシュ

杣 源一郎 稲川 裕之 河内 千恵 JP 5511112 特許公報(B2) 20140404 2013520572 20120614 菌体破砕物及びその配合物 有限会社バイオメディカルリサーチグループ 500315024 杣 源一郎 390025210 中村 和男 100110191 杣 源一郎 稲川 裕之 河内 千恵 JP 2011132743 20110614 20140604 C12N 1/20 20060101AFI20140515BHJP A23K 1/16 20060101ALI20140515BHJP A23L 1/30 20060101ALI20140515BHJP A61K 35/74 20060101ALI20140515BHJP A61P 3/00 20060101ALI20140515BHJP JPC12N1/20 CA23K1/16A23L1/30 ZA61K35/74 DA61P3/00 C12N 1/20 A23K 1/16 A23L 1/30 A61K 35/74 A61P 3/00 CAplus/REGISTRY/MEDLINE/BIOSIS(STN) JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII) 特開2004−262773(JP,A) 特許第2526733(JP,B1) 特開2004−250346(JP,A) 国際公開第2007/061102(WO,A1) 稲川裕之他,健康志向性食品素材としてのグラム陰性菌リポ多糖(LPS)の可能性,New Food Industry,2009年,Vol. 51, No. 5,p. 37-42 河内千恵他,免疫増強および自然治癒力強化を特徴とする安全安心な糖脂質素材の開発,食品工業,2010年12月30日,2011年1月30日号,p. 52-61 社団法人日本生化学会編,第10章 細胞破壊,新生化学講座17 微生物実験法,1992年,p. 173-178 稲川裕之他,マクロファージネットワークに基づいた食経験を持つグラム陰性菌リポ多糖の機能性食品素材(IP-PA1)への新,日本補完代替医療学会誌,2007年,Vol. 4, No. 2,p. 79-90 6 JP2012065173 20120614 WO2012173163 20121220 15 20131115 濱田 光浩 本発明は、感染防除効果や成長促進効果を増強する微生物菌体破砕物、及びその配合物に関する。 すべての生物は生まれながらにして生体に備わっている異物(健康な自己には存在しない物質:死んだ細胞、変性した生体分子、侵入微生物、がん細胞など)を認識し排除する機構である自然免疫を持っている。このことから、自然免疫が健常に働いていれば、健康な状態であり、自然免疫が何らかの原因により健常に働いていない状態は不健康と言える。自然免疫が正常に機能しないことから推測される疾患としては、感染症、代謝病、老化促進、がん、不妊症、認知症、アレルギー性疾患などがあげられる。 自然免疫が正常に働かない最大の原因はストレスである。物理的または精神的なストレスであっても自然免疫を抑制する。ストレスにより自然免疫の中心的細胞であるマクロファージが抑制される。原因は明らかではないが、その機構の一つとしては、ストレスにより誘導されるグルココルチコイドやプロスタグランジン、カテコールアミンなどがマクロファージの活性化を抑制することがあげられる。ストレスは多くの疾病の原因となっていると考えられているが、ストレスの低減は現代社会にあって困難であるため、これを回避できる方策が求められる。 ストレスによる自然免疫の抑制を回避する方法として、我々は自然免疫の中心的細胞であるマクロファージの活性化に着目している。マクロファージの活性化能を指標として、自然免疫の活性化を制御すると、ストレスによる自然免疫抑制を回避することができ、その結果として感染症の増悪化や、がんの転移促進などを予防できる(非特許文献1)。また、異物を識別して貪食し、排除するマクロファージを活性化することで、異物の排除能が高まり、細菌やウイルスに対する感染症の予防することが出来るし、炎症を抑制し、組織修復をするマクロファージを活性化することで、炎症が原因である生活習慣病に対しても予防効果がある。その他に、代謝病、老化促進、がん、不妊症、認知症、アレルギー性疾患などの予防効果もある。 これまでもっとも良く知られている自然免疫を活性化する日常に利用されている食品素材はプロバイオティクスとして知られている生菌群である。プロバイオティクスは、ヨーグルトやサプリメントなどに含まれている生菌として提供されている。菌種としては大腸菌、乳酸菌、バチルス菌などがある(非特許文献2)。 かつては、免疫を活性化する作用は、生菌として摂取され、その後に腸内で増殖することが必要であると考えられ、死菌では効果が無いか極めて低いとの考えられていた(非特許文献2)。しかし、近年では生菌だけでなく、死菌にも免疫賦活効果があることがわかってきた(非特許文献3)。例えば、乳酸菌死菌は免疫を活性化する食品用素材として、現在広く日本でも利用されている。死菌でも効果が現れる機構としては、菌体成分が免疫を活性化するため、生菌でも死菌でも同じ作用を示すとされている(非特許文献4)。 菌体由来成分でマクロファージ(や自然免疫)を活性化する物質としては、リポ多糖、リポタイコ酸、リポアラビノマンナン、ペプチドグリカン、フラジェニン、リポプロテイン、ムラミルジペプチド、プロテオグリカン、非メチル化シトシン・グアニン配列を含む遺伝子、βグルカンなどがある。これらの菌体成分は、マクロファージや好中球、樹状細胞、ナチュラルキラー細胞、B-1細胞、粘膜上皮細胞などの自然免疫系細胞が持つトル様受容体(TLR)や、NOD様受容体(Nucleotide binding oligomerization domain-like receptor:NLR)、C型レクチン受容体(CLR)等に認識される(非特許文献5)。その結果、これらを取り込んだ自然免疫系細胞は活性化する。なお、これらの認識は細胞の外膜上で行われる他、細胞内に取り込まれて小胞(エンドソーム、ファゴソーム)や、タンパク質複合体(インフラマソームなど)で認識されている。すなわち、これらの菌体成分は自然免疫活性化物質として有用性があると考えられるが、実際に、感染防除効果や成長促進効果等があることが示されている(特許文献1,2)。 しかしながら、リポ多糖、リポタイコ酸、リポアラビノマンナン、ペプチドグリカン、フラジェニン、リポプロテイン、ムラミルジペプチド、プロテオグリカン、非メチル化シトシン・グアニン配列を含む遺伝子などは菌体から精製するか、合成することで調整出来るが、その費用は極めて高い。上記成分は1mgあたり数万円で販売されている。そのため、予防食品や健康維持サプリメントとしての実用化は費用の点から困難である。 一方、生菌体や死菌体は、菌体成分の精製物よりは遙かに安価に製造できる。しかし、実際に使用される菌体量は多い。例えば、乳酸菌死菌乾燥重量で150mg/kg体重(人あたりすると約1g: 1 trillion cells)という多量が使用されている(非特許文献6)。そのため、安価に生菌体や死菌体の効果を高めることができれば、著しいコストダウンが達成出来る。 これまで、100℃で10分間処理した後に遠心分離して得た死菌体を物理的または酵素的に破砕することで、効果が高まることが報告されている(特許文献3)。その効果はバチラス・サチラス(グラム陽性菌)、ブレビバクテリウム・ラクトファーメンタム(グラム陽性菌)を破砕することにより5分の1量にしても同等の効果が得られるが、ストレプトコッカス・サーモフィラス(グラム陽性菌)、ラクトバチラス・アシドフィラス(グラム陽性菌)、ストレプトマイセス・タナシエンシス(グラム陽性菌)には2分の1程度の効果である。以上はすべてグラム陽性菌であるが、この報告では、大腸菌(グラム陰性菌)には菌体と菌体破砕物がLPS単独よりも高い効果を達成するということは示されているが、菌体破砕物が菌体よりも効果が認められるのは一部のグラム陽性菌に限定されている。 細菌はグラム染色性の違いによってグラム陽性菌とグラム陰性菌は分けられるが、この染色性の違いは細胞壁(ペプチドグリカン層)の厚さの違いに起因している。グラム陽性菌は細胞壁(ペプチドグリカン層)が厚く、グラム陽性菌は薄い。そのため、グラム陽性菌は、グラム染色の過程で色素の脱色が厚い細胞壁により阻害され色素が残る。一方、グラム陰性菌はペプチドグリカン層が薄く、脱色されるため、グラム染色されない(非特許文献7)。グラム陽性菌のペプチドグリカンは乾燥重量の90%にも及び、グラム陰性菌の10%よりも遙かに多い(非特許文献8)。 細菌細胞壁のペプチドグリカンはペプチドと糖からなる極めて巨大な高分子物質であり、細胞の形態、強度を保持させる強固な物質である(非特許文献8)。細胞から抽出したペプチドグリカンや、ペプチドグリカンを分解して得られるムラミルジペプチドは免疫系細胞の細胞表面のデクチン1受容体や、NOD-1、 NOD-2、TLR2などを介して自然免疫系細胞を活性化できる。 一方、グラム陰性菌はグラム陽性菌に無い細胞外膜が存在し、そこにリポ多糖(lipopolysaccharide: LPS)が存在する。リポ多糖はリピドAと呼ばれる脂質に、複数種の糖からなる糖鎖が結合した構造をとる。糖鎖部分は、コア多糖と呼ばれる部分と、O抗原と呼ばれる部分から構成される。リポ多糖のリピドA部分は、細胞外膜の脂質層に入り込んでいる。リポ多糖の生物活性は免疫細胞の細胞表面のToll様受容体4 (TLR4)、MD-2、CD14を介して細胞を活性化する(非特許文献9,10)。以上のことから、グラム陽性菌とグラム陰性菌は構造が全くことなり、このことが、グラム陽性菌で効果がある菌体処理でも、グラム陰性菌には効果が得られない結果になっていると考えられる。 ところで、グラム陽性菌の主要な免疫活性化物質はペプチドグリカンであるが、ペプチドグリカンはグラム陽性菌だけでなく、グラム陰性菌も存在する。また、ペプチドグリカンはLPSに比べて免疫活性する能力は著しく低い。このことから、グラム陰性菌はグラム陽性菌よりも免疫賦活作用がきわめて高いと考えられる。そのため、グラム陰性菌体を安価に効果を増幅させる方法が確立できれば、グラム陽性菌よりもきわめて効率のよい免疫活性化素材を製造することが可能である。 そこで、われわれは、低コストでグラム陰性菌の菌体の免疫活性化効果を高めるグラム陰性菌破砕物を作製することを鋭意努力したところ、ついに5から30分の1で菌体と同等の効果が得られる破砕物を作成することに成功した。特許第4043533号公報特開平6−217712号公報特許第2526733号公報Takeru Nakamoto, et al., Treatmentsfor the activating macrophages that reduces surgical stress and postoperative mortalitiesfrom bacterial infections and tumor metastases. in vivo 21: 357-364 (2007)R. Herich,M. Levkut, Lactic acid bacteria, probiotics and immune system. Vet. Med.-Czech,47, 169-180, 2002.Elisa OVintini1, and Marcela S Medina1, Host immunity in the protective response to nasalimmunization with a pneumococcal antigen associated to live and heat-killedLactobacillus casei. BMC Immunology, 12: 46, 2011Adams CA,Nutrition Research Review, 2010, 23 (1), 37-46. またはAdrianaA Pedroso and Margie D Lee, Poultry Informed Professional, 114, 1-4, 2010.ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/Toll様受容体)Takamitsu T, et al., Effect ofa cell preparation of Enterococcus faecalis strain EC-12 on digesta flow andrecovery from constipation in a pig model and human subjects. Microbial Ecologyin Health and Disease. 17, 107-113, 2005.ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/グラム染色)ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/ペプチドグリカン)ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/リポ多糖)ウィキペディア(http://ja.wikipedia.org/wiki/リピドA)Takashi Nishizawa, et al.,Homeostasis as regulated by activated macrophage. I. Lipopolysaccharide (LPS)from wheat flour: Isolation, purification and some biological activities. Chem.Pharm. Bull. 40: 479-483 (1992) 本発明は、上記課題に鑑み、感染防除効果や成長促進効果のあるグラム陰性菌の菌体由来の自然免疫活性化物質を、低コストで実用性のある微生物菌体破砕物、その配合物及び医薬品を提供することを目的とする。 本発明の菌体破砕物は、グラム陰性菌を培養し、該グラム陰性菌の菌体を加熱後に物理的に破砕することにより得られ、該菌体の免疫活性化成分を含む前記加熱以後のすべての成分を含み、分子量20000以下のLPSを有効成分として含むことを特徴とする。 また、前記グラム陰性菌が大腸菌、セラチア菌、エロモナス菌、ラーネラ菌、エンテロバクター菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌、パントエア菌、又は酢酸菌であることが望ましい。 また、本発明の菌体破砕物の配合物は、前記菌体破砕物が配合されている医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、機能性食品、浴用剤、飼料、ペット用食品又は動物用医薬品であることを特徴とする。 また、本発明の菌体破砕物の配合物は、前記菌体破砕物が配合されている肥料、堆肥又は植物用医薬品であることを特徴とする。 また、前記配合物は、成長促進、免疫活性化、生活習慣病、がん若しくはアレルギー性疾患の予防、感染防除、又はストレス抵抗性を目的としたものであることが望ましい。 また、前記配合物は、成長促進、免疫活性化、感染防除、又はストレス抵抗性を目的としたものであることが望ましい。 本発明によれば、一酸化窒素産生誘導能を示す本菌体破砕物は、健康食品、医薬品、スキンケア製品、入浴剤、甲殻類や貝類、魚類、家禽類、畜産動物、ペット類の感染防除用飼料、成長促進飼料添加物として有効である。また、これらの飼料添加物に使われる形状としては、液体、固形飼料、練り餌、ペット用サプリメントなどとして有効に使用することができる。 以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。本発明者らは鋭意研究をすすめた結果、グラム陰性菌の菌体を簡単な処理により、未破砕の菌体、精製LPSや精製ペプチドグリカン、精製DNA単独よりも、強力な免疫活性化誘導能を示すことを発見し、本発明を完成したものである。 グラム陰性菌は通常の栄養素で培養後、菌体を培養物から分離してもよい。グラム陰性菌で、LPSを含むものであれば特に細菌の種類は限定されない。例えば、大腸菌、サルモネラ菌、エロモナス菌、アシネトバクター、プロテウス菌、セラチア菌、百日咳菌、エルシニア菌、ナイセリア菌などでもよい。特に、食に用いられているグラム陰性細菌である、酢酸菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌、パントエア菌、エンテロバクター菌などは食経験がある点で望ましい。また、これらの食経験のあるグラム陰性菌のLPSの主要な分子量は20000以下である。 菌体はそのまま、もしくは、加熱殺菌後、菌体を機械的に破砕処理する。破砕処理は低温下で非酵素的に行うことが望ましい。細胞の破砕は顕微鏡下で確認可能であり、破砕細菌は90%以上であり、ほぼ100%が好ましい。破砕に高圧を用いる場合には、冷却下に破砕することが望ましく、冷却は20℃以下、より望ましくは4℃以下がよい。破砕に細菌を凍結させて行う方法は冷却の点で好ましい。高圧破砕する場合は400psi以上がよい。 自然免疫活性化の評価方法としては、プライミング作用(一次刺激物質によって誘導される作用)が可能である。プライミング作用とは、それ自身では明確な作用を誘導しないが、そのプロセスが引き続く刺激(二次刺激)によって誘導される作用を有意に増幅する作用と定義される。この場合に誘導される作用は、種々の生物学的な応答として見る事が出来る。例えば、腫瘍壊死因子(TNF)誘導、インターロイキン(IL)-1α誘導、IL-1β誘導、一酸化窒素誘導、活性酸素誘導、がん細胞障害作用、などである。プライミング作用により誘導される状態がプライミング段階(状態)であり、この状態では、ストレス抵抗性、感染防除作用、がん転移抑制作用などが得られる(非特許文献1)。例えば、一次刺激としてインターフェロンγをマウスに投与し、3時間後に二次刺激としてリポ多糖を投与し、その1時間後の血清中の腫瘍壊死因子の量を測定すると、一次刺激の存在によって3倍から10倍程度に腫瘍壊死因子の濃度が増加する。この場合に一次刺激単独では、血清中に腫瘍壊死因子量は健常状態で検出できる範囲である。この場合のインターフェロンγを一次刺激物質(プライマー)と呼び、リポ多糖を二次刺激物質(トリガー)と呼ぶ。生物学的応答はトリガー投与で血液中に誘導された腫瘍壊死因子となる。 同様に、細胞を使ってプライミング作用を調べることが出来る。細胞は主に自然免疫の中心的細胞であるマクロファージを用いることが出来る。マクロファージは全身にくまなく分布する細胞である。マクロファージは異物を識別し排除する機能を持つが、環境に適合して性格を変える能力があるため、存在する組織ごとにマクロファージの性格が異なるが、異物に対する排除機能はすべてのマクロファージが持っているため、脳のマイクログリア、肺の肺胞マクロファージ、肝臓のクッパ-細胞、皮膚のランゲルハンス細胞、腹腔マクロファージ、血液由来の単球、骨髄細胞などの組織単離細胞や株化細胞が利用出来る。例を上げれば、マクロファージ細胞株(RAW246.7、J774.1、THP-1、NR8383)や、腹腔マクロファージ、末梢血単球、骨髄細胞を分化誘導したマクロファージなどにインターフェロンγなどのプライマーを加えて培養し、その後にトリガーとして、OK-432(ピシバニール、溶連菌製剤、中外製薬)、LPS、乳酸菌死菌体などを加える。培養上清中に誘導されたTNFやIL-1β、活性酸素、一酸化窒素などを測定することでプライミング作用を評価出来る。また、マクロファージ細胞内に誘導される腫瘍壊死因子、やIL-1β、誘導性一酸化窒素合成酵素の転写RNA産生量を定量的に測定することでも評価出来る。このプライミングする能力(プライミング活性)を指標とすることで、グラム陽性菌やグラム陰性菌の成分であるリポ多糖あるいはリポタイコ酸あるいはリポアラビノマンナン、ペプチドグリカン、フラジェニン、リポプロテイン、ムラミルジペプチド、プロテオグリカン、非メチル化シトシン・グアニン配列を含む遺伝子などが、混在する物質であっても、自然免疫活性化能の指標としてプライミング作用を評価出来る。 グラム陰性菌として、大腸菌(Escherichia coli)、パントエア菌(Pantoea agglomerans)、セラチア菌(Serratia ficaria)、エロモナス菌(Aeromonas hydrophila)、ラーネラ菌(Rahnella aquatilis)、エンテロバクター菌(Enterobacter cloacae)、キサントモナス菌(Xanthomonas campestris)、ザイモモナス菌(Zymomonas mobilis)は通常の細菌培養用の寒天培地に塗り広げ、37℃で培養を行う。寒天培地としては例えば、標準寒天培地やブレインハートインフュージョン寒天培地等を用いることが出来る。出現した一つのコロニーをとり、通常の液体培地、例えばトリプトソーヤブロスやニュートリエントブロス(ベクトンディキンソン)を適当な培養フラスコ、例えば3リットル坂口フラスコなどを用いて行うことが可能である。37℃にて一晩、振盪培養を行った。培養後に、遠心分離操作(2000g、10分)で菌体を沈殿させて各菌体を回収した。 大腸菌のサンプルを作製した。1gの各菌体を10mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に分散した(生菌分散液)。特許文献3においては、培養菌(生菌)の懸濁液を加熱後に集菌しており(5欄、20〜22行、この菌体の処理方法を「従来型」と呼ぶ)、この場合、加熱後に集菌することによって菌体の一部の成分が失われていると考えられる。これに対して、本発明は、菌体を加熱後に破砕すると共に、菌体の免疫活性化成分を含む加熱以後のすべての成分を含む菌体破砕物を提供するものである。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、遠心分離器で沈殿を回収し、PBSで再懸濁し、加熱死菌を調製した(従来型加熱死菌体)。・生菌分散液にホルマリンを0.5%になるように添加し、室温で1時間保存して殺菌した後、遠心分離器で沈殿を回収し、ホルマリンを除去して、PBSで再懸濁し、非加熱死菌を調製した(非加熱死菌体)。・生菌分散液をオートクレーブで100℃、10分加熱した後に、そのままの加熱菌体をホモジネート(ポリトロンホモジナイザー)処理により菌体を破砕した(ホモジネート破砕菌体)。・生菌分散液をオートクレーブで100℃、10分加熱した後に、そのままの加熱菌体を30尾分間、超音波処理し、菌体を破砕した(超音波破砕菌体)。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、そのままの加熱菌体を4℃に冷却して高圧細胞破砕装置(2000psi)で破砕処理した(高圧破砕菌体)。破砕の程度は生物顕微鏡下で1000倍の倍率で観察し、菌の形態がほぼ残っていないこと(95%以上の破砕)を確認した。 パントエア菌のサンプルを作製した。1gの各菌体を10mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に分散した(生菌分散液)。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、遠心分離器で沈殿を回収し、PBSで再懸濁し、加熱死菌を調製した(従来型加熱死菌体)。・生菌分散液にホルマリンを0.5%になるように添加し、室温で1時間保存して殺菌した後、遠心分離器で沈殿を回収し、ホルマリンを除去して、PBSで再懸濁し、非加熱死菌を調製した(非加熱死菌体)。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、遠心分離器で沈殿を回収し、PBSで再懸濁し、4℃に冷却して高圧破砕装置(コンタクトシステムズ社製、2000psi)で破砕した(従来型前処理高圧破砕菌体)。・生菌分散液をオートクレーブで100℃、10分加熱した後に、遠心分離器で沈殿を回収し、その後、沈殿をPBSで分散し、ホモジネート(ポリトロンホモジナイザー)処理した(従来型前処理ホモジネート処理菌体)。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、そのままの加熱菌体を4℃に冷却して高圧細胞破砕装置(2000から20000psi)で破砕処理した(高圧破砕菌体)。破砕の程度は生物顕微鏡下で1000倍の倍率で観察し、菌の形態がほぼ残っていないこと(95%以上の破砕)を確認した。・生菌分散液をオートクレーブで100℃、10分加熱した後に、そのままの加熱菌体をホモジネート(ポリトロンホモジナイザー)処理により菌体を破砕した(ホモジネート破砕菌体)。 各処理した菌体は寒天培地を用いて増殖菌がないこと(死んでいること)を確認した。なお、本明細書において、「死菌」は、死んでいるが、菌体の構造や形態(例えば、球菌なら球形、桿菌なら円柱形)が基本的に維持されている状態のものを言い、本発明によって破壊処理された菌は、菌体の形態が維持されていない状態のものを言う。 LPSの精製は従来法に基づいて抽出精製を行った(1992CPB-I)。 セラチア菌、エロモナス菌、ラーネラ菌、エンテロバクター菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌は次のサンプルを作製した。1gの各菌体を10mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に分散した(生菌分散液)。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、遠心分離器で沈殿を回収し、PBSで再懸濁し、加熱死菌を調製した(従来型加熱死菌体)。・生菌分散液を100℃、10分加熱した後、そのままの加熱菌体を4℃に冷却して高圧細胞破砕装置(2000〜20000psi)で破砕処理した(高圧破砕菌体)。破砕の程度は生物顕微鏡下で1000倍の倍率で観察し、菌の形態がほぼ残っていないこと(95%以上の破砕)を確認した。 各処理した菌体は寒天培地を用いて増殖菌がないこと(死んでいること)を確認した。 酢酸菌(Acetobacter aceti, Gluconobacter cerinus)は通常の酢酸菌選択培地、例えば農大改変寒天培地(2%グルコース、1%グリセロール、2%エタノール、1.5%酵母エキス、1%ポリペプトン、寒天)に塗り広げ、30℃で培養を行う。出現した一つのコロニーをとり、農大改変寒天培地やニュートリエントブロスを適当な培養フラスコ、例えば3リットル坂口フラスコなどを用いて行うことが可能である。30℃にて3日間、振盪培養を行った。培養後に、遠心分離操作(2000g、10分)で菌体を沈殿させて酢酸菌を回収した。菌数は、血球計算盤等で測定した。1gの酢酸菌体を10mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に分散し(菌体分散液)、オートクレーブで120℃20分加熱後にホモジネート処理、30分間超音波処理、高圧細胞破砕装置(15000psi)で破砕処理をそれぞれ行った。高圧細胞破砕処理菌体は9mlのPBSを添加した。また、菌体分散液にフェノールを0.1%またはホルマリンを0.5%になるように添加し、室温で1時間保存して殺菌した後、遠心分離器で沈殿を回収し、フェノールまたはホルマリンを除去して、PBSで再懸濁し、非加熱酢酸菌死菌を調製した。また、従来法として、菌体分散液を100℃10分で加熱処理後、遠心分離器で沈殿を回収し、水で分散した酢酸菌死菌を調製し、さらに、この菌を30分間超音波処理した。各処理した酢酸菌は農大改変寒天培地を用いて死んでいることを確認した。 酢酸菌1gを10mlのリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に分散し、これを100℃、10分加熱した後、そのままの加熱菌体を4℃に冷却して高圧細胞破砕装置(20,000psi)で破砕処理した(高圧破砕菌体)。破砕の程度は生物顕微鏡下で観察し、菌の形態がほぼ残っていないこと(95%以上の破砕)を確認した。 菌体は農大改変寒天培地を用いて増殖菌がないこと(死んでいること)を確認した。大腸菌およびマクロファージ細胞活性化実験:一酸化窒素産生能評価 大腸菌およびパントエア菌体の各種処理によるマクロファージ活性化能を一酸化窒素産生能で評価した。マクロファージはリポ多糖あるいはリポタイコ酸あるいはリポアラビノマンナン、ペプチドグリカン、フラジェニン、リポプロテイン、ムラミルジペプチド、プロテオグリカン、非メチル化シトシン・グアニン配列を含む遺伝子などで刺激を受けると、マクロファージ内で一酸化窒素合成酵素が誘導され、その結果、一酸化窒素を産生する。一酸化窒素は活性化ガスの一種であり、細菌やウイスル、がん細胞などに対して障害活性を示すため、活性化マクロファージの異物排除の実行分子として働く。その一酸化窒素は不安定であって亜硝酸に変異するため、その亜硝酸を測定した。 大腸菌の従来型加熱死菌体、ホモジネート破砕菌体、超音波破砕菌体、高圧破砕菌体(2000psi)をそれぞれについて菌体重量として、20ng/ml, 200ng/ml, 2μg/ml, 20μg/mlになるように調製した。RAW246.7細胞は10%牛胎児血清を添加下RPMI1640培地で、炭酸ガスインキュベータで培養した。初期濃度5万個/mlで培養を開始し、約200万個/mlに増殖したところで、初期濃度に調製し直し、培養を継代した。実験にはRAW細胞を5万個/0.1ml/ウェル (96 ウェル培養用プレート)に入れ、これに調製したサンプルを各0.1mlずつウェルに入れて最終濃度で10ng/ml, 100ng/ml, 1μg/ml, 10μg/mlとして、24時間培養を行い、培養上清を回収した。 マクロファージ活性化能は、本試験で誘導される一酸化窒素の代謝産物である亜硝酸の濃度をグリエス試薬で測定した。1μg/mlの濃度でマクロファージ(RAW246.7細胞)を刺激した24時間(24時間)後の培養上清中の亜硝酸量が10μMになる場合にその物質のマクロファージ活性化能を1単位(unit/ml)とする。任意のサンプルのマクロファージ活性化能は、希釈任意サンプルが誘導する亜硝酸濃度を求め、片対数グラフにサンプル濃度(対数)と亜硝酸濃度をプロットし、10μMの亜硝酸を誘導するサンプル濃度を推定する。この濃度が1μg/mlになるための倍数を求めて、これをマクロファージ活性化単位とする。例えば、あるサンプルが100ng/mlで10μMの亜硝酸を誘導する濃度であったら、1μg/ml÷100ng/ml=10となり、このサンプルは10単位のマクロファージ活性化能であるとする。結果 各処理大腸菌サンプルの各濃度の産生亜硝酸濃度を表1に示した。未刺激のRAW246.7細胞の培養上清は亜硝酸検出限界2.8〜3.1μMであった。各処理大腸菌体の各濃度の亜硝酸濃度から10μMの亜硝酸濃度を誘導する菌体濃度を片対数グラフにプロットして求めると、従来法による大腸菌死菌(従来型加熱死菌体で500ng/mlとなり、2unitであったが、ホモジネート破砕菌体は16ng/ml (62.5unit)、超音波破砕菌体は58ng/ml(17.2unit)であり、高圧破砕菌体は200ng/ml (5unit)となった。すなわち、この結果から、同じ大腸菌の菌体由来であっても、処理によりマクロファージ活性化能が2.5倍〜31倍も効果が高くなることが明らかである。 次に、パントエア菌を用いて、従来型加熱死菌体、非加熱死菌体、従来型前処理高圧破砕菌体、従来型前処理ホモジネート処理菌体、高圧破砕菌体(20000psi)、ホモジネート破砕菌体を調整し、それぞれについて菌体重量として、2ng/ml, 20ng/ml, 200ng/ml, 2μg/ml, 20μg/mlになるように希釈した。RAW246.7細胞は10%牛胎児血清を添加下RPMI1640培地で、炭酸ガスインキュベータで培養した。初期濃度5万個/mlで培養を開始し、約200万個/mlに増殖したところで、初期濃度に調製し直し、培養を継代した。実験にはRAW細胞を5万個/0.1ml/ウェル (96 ウェル培養用プレート)に入れ、これに調製したサンプルを各0.1mlずつウェルに入れて最終濃度で1ng/ml, 10ng/ml, 100ng/ml, 1μg/ml, 10μg/mlとして、24時間培養を行い、培養上清を回収した。結果 未刺激のRAW246.7細胞の培養上清の亜硝酸を亜硝酸産生量0μMとし、各処理パントエア菌サンプルの各濃度の産生亜硝酸濃度を表2に示した。各サンプルが10μMの亜硝酸を誘導する菌体濃度を片対数グラフにプロットして各サンプルのユニット数を求めて表2に示した。従来型加熱死菌体で400ng/mlとなり、2.5unitであったが、従来型前処理高圧破砕菌体、従来型前処理ホモジネート破砕菌体は300ng/ml (3.3unit)、非加熱死菌体は185ng/ml (5.4unit)であり、ホモジネート破砕菌体は44ng/ml (23unit)、高圧破砕菌体は12ng/ml (83unit)となった。この結果から、従来型加熱死菌体を基準にして、相対比を求めることが出来るので、表2にまとめた。従来型の処理でも、1.3倍程度の能力向上(1.3分の1で同等の効果が出る)が認められた。一方、従来型の処理をせずに菌体をホモジネート破砕または高圧破砕すると9.2〜33.2倍の著しい能力向上がみられた。 最も効果の高かったパントエア菌の高圧細胞破砕処理について破砕圧2000psi, 5000psi, 10000psi, 20000psiについて処理を行い、上記例と同様にRAW246.7細胞からの一酸化窒素産生能を評価した。従来型加熱死菌体を基準にして、相対比を求め、表4にまとめた。従来型加熱死菌体を基準にすると、高圧破砕の圧力は2000〜20000psiで8.5から21.2倍の能力向上がみられたが、圧力に対する効果の変化は少なく、この範囲ではすべて使用可能であった。 パントエア菌以外のグラム陰性菌として、大腸菌、セラチア菌、エロモナス菌、ラーネラ菌、エンテロバクター菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌、酢酸菌を用いて、高圧破砕菌体のマクロファージ活性化能の評価を行った。 実施例1で調整した大腸菌、セラチア菌、エロモナス菌、ラーネラ菌、エンテロバクター菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌、酢酸菌を、従来型加熱死菌体と高圧破砕菌体それぞれ作製した。各サンプルについて菌体重量として、2ng/ml, 20ng/ml, 200ng/ml, 2μg/mlになるように調製した。なお、酢酸菌のみは2μg/ml, 20μg/ml, 200μg/ml, 2mg/mlで調整した。RAW246.7細胞は10%牛胎児血清を添加下RPMI1640培地で、炭酸ガスインキュベータで培養した。初期濃度5万個/mlで培養を開始し、約200万個/mlに増殖したところで、初期濃度に調製し直し、培養を継代した。実験にはRAW細胞を5万個/0.1ml/ウェル (96 ウェル培養用プレート)に入れ、これに調製したサンプルを各0.1mlずつウェルに入れて最終濃度で1ng/ml, 10ng/ml, 100ng/ml, 1μg/ml, 10μg/ml(酢酸菌は1μg/ml, 10μg/ml, 100μg/ml, 1mg/ml)として、24時間培養を行い、培養上清を回収した。実施例2と同様に、未刺激のRAW246.7細胞の培養上清の亜硝酸を亜硝酸産生量0μMとし、各処理グラム陰性菌サンプルの各濃度の産生亜硝酸濃度から、各サンプルが10μMの亜硝酸を誘導する菌体濃度を片対数グラフにプロットして各サンプルのユニット数を求めて表5に示した。大腸菌、セラチア菌、エロモナス菌、ラーネラ菌、エンテロバクター菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌、酢酸菌共に従来型加熱死菌体よりも本発明の菌体処理により5.9倍から16.9倍の著しい効果が認められた。マウスを用いたプライミング作用測定 大腸菌体を用いたマウス静脈内投与によるTNF産生におけるプライミング作用の誘導及びその用量依存性についての実験方法は我々が確立した方法を用いた(非特許文献11)。 陰性対照は生理食塩水を投与した。従来法として、従来型加熱死菌体、従来型前処理高圧破砕菌体を用いた。試験品としては、高圧破砕菌体、超音波処理菌体、ホモジネート破砕菌体を用いた。試験検体投与量群は3匹のC3H/Heマウスを試験に用いた。 トリガーとして、OK-432(ピシバニール;中外製薬)を用いた。OK-432は注射用生理食塩水を終濃度5KE/ml(1KEは0.1mg)になるように加え懸濁した。プライマー(プライミング誘導剤)として用いる各試験液及びコントロール群の生理食塩水は静脈内に0.2mlを投与した。投与3時間後に、トリガー(TNF誘導剤)としてOK-432懸濁液をマウスあたり1KE/0.2mlを静脈内投与した。その2時間後に採血し、37℃で30分加温の後遠心分離による血清を得た。血清中のTNF量の測定は市販のELISAキット(Biolegend社製)を用いて実施した。 プライミング作用は、インターフェロン-γ(日本ロッシュ)の0.2μgによって増幅されるOK-432 1KEが誘導するTNFの増幅倍数の1/2を基準とした。任意のサンプルを複数の濃度に調製し、これをプライマーとしてマウスに静脈投与し、3時間後にトリガーとして投与したOK-432により誘導されるTNFから、OK-432単独で誘導されるTNFの増幅倍率を求める。任意のサンプルのプライミング作用の程度(プライミング活性)は以下の方法で求める。片対数グラフに任意のサンプル濃度(対数)とTNF増幅倍率をプロットし、インターフェロン-γのTNF誘導倍率の1/2を与える最小のサンプル濃度を推定する。このサンプル濃度が0.1μgになるための倍数を求めて、これをプライミング活性単位とする。例えば、あるサンプルが10ng(0.01μg)で0.1μgのインターフェロン-γで誘導されるTNFの倍率の1/2の濃度であったら、0.1μg÷10ng=10となり、このサンプルは10単位のプライミング活性があるとする。結果 インターフェロン−γとOK−432で誘導される血清中のTNF量を表6に示した。OK−432の1KEを単独投与した場合の血清中のTNF量は125pg/mlであった。インターフェロン−γの0.1μgをマウスに1μg静脈投与した後に、OK−432を投与した場合のTNF濃度は950pg/mlであった。従って、インターフェロン−γの0.1μgのTNFの増幅倍率は950÷125=7.6倍であった。この1/2の3.6倍のTNF増幅倍率となる最小濃度を与える各処理菌体サンプルの濃度を調べた。各処理菌体サンプルの投与量とOK−432により誘導される血清中のTNF量の結果を表7に示した。また、従来型加熱死菌体に比べて、処理方法がどの程度活性化能を増強するか示すために従来型加熱死菌体のTNF誘導能(unit数)を1としたときの各サンプルで相対値も表7に示した。従来型加熱死菌体では34ng(2.9unit)、従来型前処理高圧破砕菌体は27ng(3.7unit)、高圧破砕菌体は0.80ng(125unit)、超音波処理菌体は2.1ng(48unit)であり、ホモジネート破砕菌体は6.5ng(15unit)となった。すなわち、この結果から、同じ大腸菌の菌体由来であっても、従来処理法では1.3倍で差が無かったが、本開発処理法によりマクロファージ活性化能が5倍〜43倍も効果が高くなることが明らかである。 明細書、特許請求の範囲及び図面を含む2011年 6月14日に出願の日本特許出願2011−132743の開示は、そのまま参考として、ここにとり入れるものとする。 本明細書で引用したすべての刊行物、特許及び特許出願は、そのまま参考として、ここにとり入れるものとする。 グラム陰性菌を培養し、該グラム陰性菌の菌体を加熱後に物理的に破砕することにより得られ、該菌体の免疫活性化成分を含む前記加熱以後のすべての成分を含み、分子量20000以下のLPSを有効成分として含むことを特徴とする菌体破砕物。 前記グラム陰性菌が大腸菌、セラチア菌、エロモナス菌、ラーネラ菌、エンテロバクター菌、キサントモナス菌、ザイモモナス菌、パントエア菌、又は酢酸菌であることを特徴とする請求項1記載の菌体破砕物。 請求項1又は2記載の菌体破砕物が配合されている医薬品、医薬部外品、化粧品、食品、機能性食品、浴用剤、飼料、ペット用食品又は動物用医薬品であることを特徴とする菌体破砕物の配合物。 請求項1又は2記載の菌体破砕物が配合されている肥料、堆肥又は植物用医薬品であることを特徴とする菌体破砕物の配合物。 成長促進、免疫活性化、生活習慣病、がん若しくはアレルギー性疾患の予防、感染防除、又はストレス抵抗性を目的としたものであることを特徴とする請求項3記載の配合物。 成長促進、免疫活性化、感染防除、又はストレス抵抗性を目的としたものであることを特徴とする請求項4記載の配合物。


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