タイトル: | 公表特許公報(A)_毒ヘビの咬傷に対する解毒剤 |
出願番号: | 2013520275 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 35/58,A61P 39/02 |
サタナッシ,ダヴィード JP 2013532654 公表特許公報(A) 20130819 2013520275 20110721 毒ヘビの咬傷に対する解毒剤 サタナッシ,ダヴィード 513015832 SATANASSI,David 前田・鈴木国際特許業務法人 110001494 サタナッシ,ダヴィード IT MI2010A001348 20100722 A61K 35/58 20060101AFI20130723BHJP A61P 39/02 20060101ALI20130723BHJP JPA61K35/58A61P39/02 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW IB2011053256 20110721 WO2012011071 20120126 16 20130318 4C087 4C087AA01 4C087AA02 4C087BB32 4C087CA50 4C087MA16 4C087MA52 4C087MA56 4C087MA66 4C087NA14 4C087ZC37 本願発明は、ヘビの毒を少量(ホメオパシー的量(homoeopathic dose))を有する組成物と、毒ヘビの咬傷に対する解毒剤としての使用に関する。 毒ヘビとしても知られている「毒ヘビ(Ophidians)」は、3つの系統:ナミヘビ科(Colubrids)、コブラ科(Elaphids)、クサリヘビ科(Viperids)に分類することができる。 クサリヘビ科は、二つの亜科:厳密な意味でのクサリヘビ亜科とマムシ亜科とにさらに分類できる。すべてのクサリヘビは、有毒である。 毒は、「体外消化」を可能にするために進化した。実際、典型的に毒ヘビは、獲物全体を咬み切ったり、もしくは咀嚼したりすることなく飲み込む。これらを行う必要性から、唾液腺の分泌液をタンパク質分解性の酵素反応を有する物質へと変化させ、これが、作られる量としても濃度としても致死レベルまで達したのである。 ヘビの毒は、異なる機能を持つ多くの有毒物質を含んでいる。特に、これらの有毒物質は、局所作用を持つ酵素でもよく、全身性、神経毒性、血管作用性、もしくは血液性の活性を有していてもよい。 「局所作用」を有する毒素は、「筋壊死」毒素と全身性作用(もしくはミオグロビン尿素毒素)を有する毒素とにわけることができ、これらはホスホリパーゼであり、これは毒が注入された箇所に激しくさらに耐え難い痛みを引き起こす。 神経毒性作用は、コブラ科(コブラ、マンバ、サンゴヘビ、およびオーストラリアウミヘビ)のほとんどの毒に存在するα―ニューロトキシンと共に進行する。これらは、シナプス後抑制の状態を作ることによりニコチンレセプターとのアセチルコリンの交換を阻害して作用する。 しかしながら、シナプス前部に作用するニューロトキシンは、運動末端部から放出するアセチルコリンを変化させるため、二つの正反対の症状が起きる:媒体の放出を阻害、もしくはそれの放出を促進させるということが起きる。しかしながら、全体的な影響としては、まったく同じであり、筋神経の相互作用のブロックが起きる。 β−ニューロトキシンは、A2型のホスホリパーゼ酵素であり、毒ヘビの毒の中で最も有毒な成分である。 心筋系に作用する毒素は、心臓に対して顕著な指向性を有しており、このことから「心臓毒」と定義され、これらは心筋繊維に直接に作用して脱分極させる。 ヘビの毒に含まれる主な酵素は、コリンエステラーゼ、フィブリノゲン−凝集酵素/トロンビン、フォスファターゼ、フォスタティダーゼ(Phostatidase)、ヒアルロン酸分解酵素、出血因子、血液凝集の促進因子、血液凝固の阻害因子、ホフォリパーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、タンパク質分解性、血管作用性および/または抗凝血性酵素などが含まれる。これらの酵素のいくつかは、すべてのヘビに共通しており、反対にいくつかは特定のヘビに典型的なものがある。 毒は、ヘビに咬まれた瞬間に歯を介して接種され、この歯は、管牙類の毒ヘビでは、中空のシリンジ状になっていて、獲物の組織に深く入り効果的に接種できるようになっている。 クサリヘビは、一咬みで、平均で5〜25mgの毒(乾燥状態の毒に換算して)を注入することができる。例えば、約20kgの平均的な犬の致死量は、おおよそ3.5mgである。このような状況で、咬まれた犬の60〜70%は死んでしまう。 ヘビの咬傷に続き、クレアチンキナーゼレベルの変化が観察される。この酵素の数値は、最大閾値と比較して3倍になることもあり、咬傷に起因する筋肉の痛みを示し、さらに運動機能のダメージからくる嗜眠が結果的に引き起こされる。 咬まれてから数時間後には、大量のミオグロビン尿が観察され、これは、咬まれたことに対する典型的でさらに病原性の反応である。既往症を伴う大量のミオグロビン尿は、たとえその現場を目撃していなくても、医者に、毒ヘビによる毒が作用していると推測させる。 咬まれた人の体重、健康状態、および咬傷の場所が、毒ヘビの咬傷による致死率に大きく影響する。 毒ヘビに咬まれたことにより死亡率が上がる原因の可能性の一つとして、特に動物の死亡率に関しては、個体の反応性に起因している。実際、毒ヘビ咬まれた後には、死につながるほど強いアレルギー症状が起きることがよくある。 毒ヘビの咬傷には、高度免疫血清が歴史的に使われてきた。 高度免疫血清は、例えばクサリヘビ等の毒ヘビの毒を、このような治療用に用意された健康な馬に接種することにより得られる。 適切な時間の免疫反応の後、血清を得るために、馬から全血が採取される。 皮下もしくは直接静脈内にIgGを接種することで、毒を不活化して毒の影響に対抗できるようにし、もしくはより正確には、毒を構成しているポリペプチド鎖に化学的に結合し、これによって、毒が認識されるようにし、そしてマクロファージに捕まって毒の免疫複合体が消化されることにより不活化される。 抗血清は、馬由来の精製四価抗ヘビ毒血清として入手でき、もしくは牛由来のF(ab)抗体のフラグメントとして入手できる(しかし、後者は継続的に利用するには高価すぎる)。 ヨーロッパのクサリヘビ四種類に対して作用する精製四価抗ヘビ毒血清は、咬傷を見つけることができれば皮下に投与され、もしくは静脈内に投与される。 投与が早ければ早いほどその効き目がある。咬まれた時から経過した時間と最初の応急所によって、血清による治療は、数分から数時間の範囲で効果が表れる。 しかしながら、血清は、心臓病を有する患者には推奨できず、もしくは馬および/牛に対するアレルギーのある人もしくは喘息もしくはアレルギー症状が過去に出たことのある人(現在、人口の25%ほど)には推奨できない。 毒ヘビの咬傷による毒に対する解消法として高度免疫血清を利用することの困難性と限界は、以下の領域にある:1)血清を製造する難しさ、および2)血清を投与した後のアナフィラキシーショックなどの副作用などである。アナフィラキシーショックは、死に至ることもあり、毒ヘビの咬傷と同じくらい危険である。 血清の投与は、必ず専門の技術者により行われなければならず、さらに、アナフィラキシーショックの可能性に対応できる施設で行われなければならない。 高度免疫血清の代わりとして、咬傷の箇所に、電気泳動的なプロセスを介して毒を中和できる静電機器を利用することもできる。 しかしながら、この方法の効果は、化学的にはまだ証明されていない。さらに、この方法は、簡単には見つからない毒の接種ポイントである咬傷の場所を特定できなければいけないという限界がある。 本願発明の根本にある技術的課題は、上述の公知の技術における限界を解消できる咬傷の毒に対する治療を特定することである。 該分野において、すでにある方法とは異なり、簡単に製造および実施でき、さらに安全な方法が望まれている。すなわち、アナフィラキシーショックなどの危険は副作用がない方法が望まれている。 本願発明は、毒ヘビ由来の毒を少なくとも一つ有する組成物により上述の問題を解決し、さらに前記組成物は、連続動的活性法(Sequential kinetic activation method)に従い水性媒体に希釈されていることを特徴とする。 さに、本願発明は、前記組成物を毒ヘビの咬傷による毒に対する解毒剤としての使用に関する。該解毒剤は、動物用および人間用の両方に使用できる。 本願発明の好ましい実施形態では、該組成物は、ヘビの毒腺から抽出された毒液を少なくとも一つ有する。好ましくは、少なくとも一つの毒液は、種々の毒ヘビから抽出された2〜10の毒液の混合液であり、より好ましくは3〜6の毒液の混合液である。 さらに好ましくは、少なくとも一つの毒液は、咬傷を与えた毒ヘビの毒を含有している。 少なくとも一つの毒液は、アスプクサリヘビ(Vipera aspis)(Asp Viper)、ブッシュマスター(Lachesis mutus)、コブラ(Naja tripudians)、シンリンガラガラヘビ(Timber rattlesnake)(Crotalus horridus)、ハナダカクサリヘビ(Crotalus horridus)、ラッセルクサリヘビ(Vipera russel)、Agkistrodon anctarticus、マルオアマガサ(Bungarus faciatus)、Botrops lanceolatus、ガボンアダー(Bitis gabonica)、マンバ属(Dendroaspis sp)、Elaps corallines、ブッシュマスター(スルクク(Surukuku)もしくはTrigonocephalus lachesis)、およびキングコブラ(Naja tripudians)の一群から選択される少なくとも一つのヘビから抽出される。 好ましくは、少なくとも一つの毒液は、アスプクサリヘビ(Asp Viper)、シンリンガラガラヘビ(Crotalus horridus)、ブッシュマスター(スルククもしくはTrigonocephalus lachesis)、およびキングコブラ(Naja tripudians)の一群から選択される少なくとも一つのヘビから抽出した毒液である。 本願発明のさらに好ましい実施形態では、少なくとも一つの毒液はクサリヘビから抽出した毒液である。 他の実施形態では、少なくとも一つの毒液は、アスプクサリヘビ(Asp Viper)、シンリンガラガラヘビ(Crotalus horridus)、ブッシュマスター(スルククもしくはTrigonocephalus lachesis)、およびキングコブラ(Naja tripudians)から抽出した毒液の混合物である。 前記抽出された毒液は、水性媒体に希釈され、好ましくは等張液に希釈され、よりこのましくは生理溶液に希釈される。 前記希釈は、「連動動的活性(S.K.A.)」と呼ばれるテクニックを使って行われる。この希釈プロトコルは、当該分野においては、公知であり、「低用量」もしくはホメオパシー的量と呼ばれる量に到達するまで有効成分のいくつもの希釈と「活性化」(例えば、撹拌/振とうなどの手段で)を含んでいる。 本願発明の内容において、毒液を希釈するのに好ましく利用される該プロトコルは、ハーネマン式である。このプロトコルは、物質、この場合は毒液、を好ましくは水もしくは生理溶液などの溶液内で繰り返し希釈する。該毒液は、各工程において100倍に希釈することができる。 各希釈の後、サンプルを100回ほど撹拌する。特に、該撹拌は、ハーネマン式溶解においては、振とう(Succession)と呼ばれる。 各遷移工程の後、希釈した各サンプルの約100分の1をさらに約100回希釈する。希釈の後は、上述のように振とうが行われる。 希釈と振とうの工程は、何回でも行える。例えば、希釈‐振とう(S.K.A.プロトコルにしたがって)を9回行うことを9センテシマルハーネマン(9CH)と定義し、希釈‐振とうを30回行うことを30センテシマルハーネマン(30CH)と定義し、希釈‐振とうを200回行うことを200センテシマルハーネマン(200CH)と定義する。 ハーネマン式希釈プロトコルを使用すると、希釈−振とうの種々に段階において、オリジナルの毒の分子が依然として存在することが観察されている。特に、これは、9センテシマルハーネマンから12希釈の希釈溶液まで確認されている。 例えば、9CH希釈溶液内のオリジナル毒液の残量は、1mlの組成物において0.000000000000000001グラムの毒液がある。 本願発明の一概念によれば、以下の毒液の少なくとも一つのハーネマン9CH、30CHもしくは200CH希釈溶液の同量部を混ぜることができる:ブッシュマスター(Laches M.)、シンリンガラガラヘビ(Crotalus H.)、コブラ(Naja Trip、アスプクサリヘビ(Vipera Aspis)。 例えば、前記毒液をそれぞれ0.25mlずつ混ぜてもよい。本願発明の一実施形態では、該組成物は、経口、筋肉内もしくは腹腔内経由で投与されてもよい。好ましくは、前記組成物は、皮下投与される。 皮下投与の場所は、好ましくは毒が注入された場所であり、すなわちヘビの咬傷がある場所である。 投与の薬理学的量は、本願発明の組成物の一以上の個別用量(Individual doses)を接種することを含む。好ましくは、投与には、3〜10分おきにホメオパシー的量を3〜4回連続して接種することを含む。 他の実施形態においては、投与には、咬まれた後、3〜7日間の間、一日につきホメオパシー的量を2〜3回接種することを含む。(実施例1) ヘビの咬傷からの毒に由来する症状に可能な限り対応することを目的に、本願発明の組成物は、以下のヘビの毒液を混合することにより調製された:アスプクサリヘビ(Asp Viper)、シンリンガラガラヘビ(Crotalus horridus)、ブッシュマスター(スルククもしくはTrigonocephalus lachesis)、およびキングコブラ(Naja tripudians)である。 毒液は、ヘビの毒腺を、「ミルカー(milkers)」と呼ばれる特殊な容器に抽出することにより得られた。 毒液は、それぞれにつき希釈/振とうプロトコル(S.K.A.プロトコル、連続動的活性)が行われた後にのみ混合された。 特に、各毒液は、200CHに希釈された。該組成物は、上述のハーネマンプロトコルに従い、等張溶液の中で製造された。希釈の後、4つの組成物を混合し、投与する組成物を得た。本願発明の組成物の投与経由としては、治療する患者によって様々である。該方法に調整を加える一方で、該組成物は、特に犬や猫などの動物に投与された:具体的には、137匹の犬と3匹の猫。 該組成物は、皮下投与された。本願発明の組成物の等張溶液1ミリリットルの容量が2か所に皮下投与された:一番目は、ヘビの毒の接種された場所に投与;二番目は、胸部の皮下に(同時に)投与した。 症状の部分的完解を示す医学的所見が見られなかったり、もしくは前記症状が悪化(心臓循環系の機能不全、高体温、青白いもしくはチアノーゼ粘膜など)が見られた場合は、三回目の投与もその前の投与から10分後に投与されることが推奨される。 医師の助言のもと、症状が減少するまで該組成物の次の容量が投与された。特に、ヘビに咬まれた動物においては、ヘビ咬まれてから7日間、12時間おきに一日につき2回投与が行われた。 最初の投与の後、最寄の動物病院にかかる必要があり、引き続き酸中和剤(乳酸加リンガー溶液)で治療を続け、患者が自然に排尿し、さらに、通常の体温に戻るまで観察した。 投与した組成物は、機能の回復と、症状の完解を30分から最も深刻な症例においては2週間ほどの間で明らかな結果を見せた。 (実施例2) 本願発明の目的である組成物が、141匹の犬と3匹の猫の皮下に投与された。特に、73%の個体において、ヘビの咬傷が明らかであり、27%において、毒ヘビの咬傷による医学的所見が観察された。 診察において、以下の指標が観察された:心臓循環系の機能不全(84%の症例がこの症状を示した)、ショック(60%がこの症状を示した)、疲労および衰弱(98%がこの症状を示した)、血圧の低下、弱くさらに早い脈(98%がこの症状を示した)、もしくは緩徐呼吸などである。 8匹の動物を典型的な抗ショック療法の後(静脈注入とコルチゾンの抗ショック用量に基づいて)、本願発明の方法により8匹の動物が処置されたが、なにも効果がなく、むしろ著しく悪化した。 これらのうち3個体については、咬まれてから48時間以上後に、本願発明の組成物により治療した。ショック状態に陥った時には輸血およびコルチゾンにより治療されたにも関わらず(0.5/20 mg/kg、 2/3 回数/日数)、該動物は、ビリルビン血症の増加、果粒球増加症、貧血、高尿素窒素血症の増加、クレアチンアネミア(creatininaemia)、GOT,GPT、およびCKなどの血液学的異常に関連した非常に深刻な状態に陥った。これらの状態は、毒液の作用による結果であることは明らかだった。 さらに、ヘマトクリットの値は20%以下であり、血液量を元に戻し、結果的に低酸素状態から起きる代謝性アシドーシスを低下させるために型の一致したドナーからの全血の輸血を必要とした。 4個体は、死亡した。最初の個体は、咬まれてから72時間で死亡した。この患者は、特別な検査をなにも受けなかった。最初の2時間は、なんの治療も受けずに(自宅で)死亡した。 2番目の個体は、飼い主が自発的に関与したが、ヘビに咬まれてから72時間後に安楽死させることを選んだ。 3番目の個体は、特殊なケースで、緊急プロトコルに対して激しい反応を見せ、その後病院で死亡した。特に、この動物は、応急処置から4時間、ヘビに咬まれてから5時間で死亡した。 4番目の個体は、深刻な状態においての治療で良好な反応をみせたが、自宅での治療に飼い主が関心を示さなかったために死亡した。結果的に、ヘビに咬まれたことよる毒の後の緊急の検査に持ち込まれた117匹の犬と3匹の猫は、本願発明の目的である組成物を投与すると、完全で継続した症状の完解を示した。 本願発明の組成物は、したがって、解毒剤としての効果を示している。特に、咬まれてから、12時間後から最長で2週間後まで効果があることを示している。 これに対して、ヘビ咬まれてから12時間後に、高ヘビ毒血清を推奨される用量および処理で治療した個体は、症状の完解を示すことなく死亡した。 緊急の検査に持ち込まれた犬は、以下の急性の症状を示した:心臓循環機能不全:(血圧の急激な低下、頻脈、失神、早くて回数の多い脈、緩徐呼吸、92%の個体);38.5℃以下で下限が35.5℃の体温の低下;心臓循環系の機能不全からの当然の結果としても、もしくは接種箇所での強い痛みの結果として、歩行困難、脊髄ろう、カタトニー、始めに臀部で続いてすべての骨格筋の力の喪失;胃腸系の症状、咬まれた箇所が顔もしくは口−唇領域に近ければ近いほどひどくなる流涎、20%の症例では嘔吐、消化した量および質とは無関係な下痢;神経学的症状:眼瞼下垂症および兎眼、黒内症、瞳孔不同症、眼振、一時的な失明の場合には散瞳(最長72時間、2%)、まばたきの遅れ、痙攣性発作、昏睡状態、昏睡状態と交互に起こる興奮状態、舌下垂、ホーナー症候群、治療した個体の18%が自己受容性および侵害受容性の姿勢反射の遅れなどをしめした。 最初の12時間において、尿路症状としては、うっ血および尿量過少症(68%)から尿路閉塞があった。 局所的な症状としては、接種した箇所での局所的浮腫(60%)、腫張、皮膚および真皮への毒の作用の特徴である赤みが時間の経過と共に紫色になる;浮腫は、120時間ほど続くこともあり、もしくは後になって表れることもあり、もしくは一以上の箇所を咬まれている時には、別の接種箇所でも表れる;咬まれた個体のうち34%が、接種箇所においてバクテリアの感染を起こしており、被包層での酵素によるタンパク質分解による二次的侵入を伴う微生物由来の浸出液を伴っている。 死亡しない場合および/または従来の処理が行われた場合における慢性的な症状としては、以下がある:ミオグロビン尿症、血尿、溶血もしくは非溶血性の貧血、血液の凝固性低下を伴う凝血因子の「消費」と呼ばれる利用による凝血の遅れ、前および後の500以上の肝臓ビリルビン値を伴う著しい黄疸、フィブリノゲンの変化、食欲不振、嘔吐、肝機能不全、代謝性アシドーシス、呼吸困難、20以下のヘマトクリット値、15000以上30000以下の顆粒白血球、頻呼吸、クスマウル呼吸、腎不全、高尿素窒素血症およびクレアチンのそれぞれ70および4mg/dl以上の増加、心筋細胞および血液の分解の直接的な影響による一次的および二次的心臓循環系の機能不全、貧血、黄疸、広範囲におよび浮腫、尿路閉塞、および低酸素症などである。 上述の症状は、ヘビに咬まれてから48時間後に治療した動物にみられた。本願発明の組成物で治療されたこれらの症状は、ヘビに咬まれてから5日後から2週間後を超えない範囲で生命にかかわる指標で現れた。ヘマトクリット、赤血球および血小板の完全な回復には、貧血に誘発される自然な造血と関係して30日以上を要した。 メスの2個体、それぞれ5歳のロマーニョ・ウォータードッグと7歳のゴールデンレトリーバーは、妊娠中にヘビに咬まれた。 本願発明の目的である組成物により治療され、前者は、妊娠1カ月であり、後者は妊娠2週目であった。治療は、双方の個体において、奇形および催奇性などの影響がなかったことを示した。 実際、2個体のメスにおいては、妊娠は好ましい状態に回復され、どちらも顕著な異常のない子犬を出産した。さらに、生まれた子犬は、困難性、未熟性および低体重などの医学的所見をなにも示さなかった。 エコーによる検査では、出産予定日の1週間前において好ましい状態であることが確認され、出産も自然に行われた。 特に、臓器の発達に催奇性の影響を最も受ける胎児期において咬まれた二番目のメス犬は、医学的所見、先天性欠損もしくは異常をなにも示さなかった。このメス犬は、自然分娩だった。 コルチゾンによる治療であれば、中絶、再吸収もしくは二次的子宮炎を誘発していたであろうことは明白である。 「限定」もしくはボーダーラインと考えられる排出を通ってもしくは向かっていくことから、ヘビ毒の分布代謝がいかに相対的毒性を有しているかが顕著な観察として報告されるべきことである。妊娠中のメスにおいて、この代謝は、毒液のトロピズムと関連している臓器になんの影響もなかった。 血液学的変化および、したがって胎児にダメージを与える可能性のある、肝臓または腎臓へのダメージは観察されず、もしくは血液組成の変化、アルブミン/グロブリン比の変化、原形質タンパク質などに影響はなかった。 本願発明に係る組成物の解毒剤としての使用は、毒に対する反応を変調できることと、「知的に」異化作用を行えることを示しており、それにより毒性から臓器と血液組成物を保護して胎児へのダメージと中絶を防いでいる。 実際、最初のメス犬の場合、7月におきたヘビに咬まれたことによる大きな激しい反応は(非常に大きいヘビであったこと、したがって咬傷も非常に毒性が強かったということに加えて)、ひどい無気力状態、運動失調、一般的な疲労、一次的な失明および72時間の最も激しかった昏睡などを伴う主に神経学的なものであった。 しかしながら、典型的な、肝臓や腎臓などの症状はなく、黄疸、ミオグロビン尿症、などの所見もほぼもしくは全く見られなかった。 これは、完全な毒性(全量注入したこと)と、相対的な毒性(毒液の量に対して、解毒剤成分の「自然治癒力」に対して変調する能力によって反応が個別化している、換言するとダメージの影響を少なくする方向に反応が個別化している)との違いを示めしている。 二番目の妊娠したメス犬の場合においても、胎児に影響はなかった。 7匹の子犬は、産まれた時もしくは50日後において、胎児期のストレスに起因する変化もなく、遺伝的異常も見られなかった。 この場合、毒ヘビからのダメージはすぐに治療され、局所的腫れや浮腫、若干の倦怠などを伴う局所的な目に見える痕跡だけが残り、統計上は典型的に報告されている臓器の症状はなかった。 咬まれてから72時間後に、飼い主の不注意による治療の中断により、症状が少し再発したが、組成物の投与により、最終的には咬傷の影響を抑えた。 前述の例と同じように、継続中だった妊娠に対して、毒液が作り出しか、もしくは治療が変化させたかまたは「置換」したか、絶対的毒性を「相対的」毒性の症状に変化させた。 一般的な回復という意味での最も良好な結果は、解毒剤の介入が最も早くに行われたときにみられ、ショック状態の中断、腎臓のフィルター機能の能力、食欲および神経学的症状のないことなどは、投与の後1時間で医学的に表れた。 本願発明の組成物による治療の速さとタイミングの良さから、治療がすばやく行われれば、毒液の影響をいかに少なく、そしてほぼ影響をなくすことができるかが分かる。 このことから、この治療が、すばやい使用による緊急的な医薬品として特殊な位置にあることは明白である。 毒ヘビから抽出した毒液を少なくとも一つ有する組成物であって、前記毒液が、連続動的活性法(Sequential Kinetic Activation method)により水性媒体に希釈されている組成物。 少なくとも一つの前記毒液は、毒ヘビの2〜10の毒液の混合物であり、より好ましくは3〜6の毒液の混合物である請求項1に記載の組成物。 少なくとも一つの前記毒液は、クサリヘビ(Vipera aspis)(Asp viper)、ブッシュマスター(Lachesis mutus)、コブラ(Naja tripudians)、シンリンガラガラヘビ(Timbe rattle snake)(Crotalus horridus)、ハナダカクサリヘビ(Vipera ammodytes)、ラッセルクサリヘビ(Vipera russel)、Agkistrodon anctarticus、マルオアマガサ(Bungarus fasciatus)、Botrops lanceolatus、ガボンアダー(Bitis gabonica)、マンバ属(Dendroaspis sp)、Elaps corallines、ブッシュマスター(Bushmaster)(スルクク(Surukuku)もしくはTrigonocephalus lachesis)、およびキングコブラ(Asian king cobra)(Naja tripudians)の一群から選択される毒ヘビから抽出される請求項1もしくは2に記載の組成物。 前記毒ヘビは、好ましくは、クサリヘビ(Vipera aspis)(Asp viper)、シンリンガラガラヘビ(Timbe rattle snake)(Crotalus horridus)、ブッシュマスター(Bushmaster)(スルクク(Surukuku)もしくはTrigonocephalus lachesis)もしくはキングコブラ(Asian king cobra)(Naja tripudians)の一群から選択される請求項3に記載の組成物。 少なくとも一つの前記毒液は、「連続動的活性」と呼ばれる希釈と活性のプロトコルの手段により希釈される請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。 前記プロトコルは、前記水性媒体において前記毒液を希釈し、前記希釈液を撹拌(振とう)する連続した工程をいくつも有する請求項5に記載の組成物。 前記連続した工程は、9〜200回の希釈を有し、好ましくは9、30もしくは200回の希釈を有する請求項6に記載の組成物。 前記毒液は、水溶液に希釈され、好ましくは等張溶液に希釈され、さらに好ましくは生理的溶液に希釈される請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。 医薬品もしくは解毒剤としての使用する請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。 毒ヘビによる咬傷、このましくはクサリヘビによる咬傷による毒に対する治療として使用する請求項9に記載の組成物。 ヒトもしくは動物に利用する請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。 【課題】本願発明は、毒ヘビ由来の少なくとも一つの毒を低用量で有する組成物に関し、前記組成物は、連続動的活性方法に従い水性媒体に希釈されていることを特徴とする。さらに、本願発明は、毒ヘビ咬傷に起因する毒に対する解毒剤としての使用に関する。【解決手段】本願発明は、毒ヘビ由来の毒を少なくとも一つ有する組成物により上述の問題を解決し、さらに前記組成物は、連続動的活性法(Sequential kinetic activation method)に従い水性媒体に希釈されていることを特徴とする。【選択図】なし