生命科学関連特許情報

タイトル:公表特許公報(A)_レシチン担体小胞とその作製方法
出願番号:2013516565
年次:2013
IPC分類:B01J 13/00,A61K 9/127,A61K 9/133,A61K 9/10,A61K 9/08,A61K 47/24,A61K 47/34,A61K 47/10,A61K 9/14,B01J 13/20,B01F 17/42,A23L 1/29,B01J 13/04


特許情報キャッシュ

クリスピン ジー.エス.イーリー ドナルド エフ.ホジスン JP 2013539402 公表特許公報(A) 20131024 2013516565 20110623 レシチン担体小胞とその作製方法 ブライトサイド イノベーションズ,インコーポレイティド 512330776 青木 篤 100099759 石田 敬 100077517 福本 積 100087871 古賀 哲次 100087413 渡辺 陽一 100117019 中島 勝 100141977 池田 達則 100138210 クリスピン ジー.エス.イーリー ドナルド エフ.ホジスン US 61/357,959 20100623 B01J 13/00 20060101AFI20130927BHJP A61K 9/127 20060101ALI20130927BHJP A61K 9/133 20060101ALI20130927BHJP A61K 9/10 20060101ALI20130927BHJP A61K 9/08 20060101ALI20130927BHJP A61K 47/24 20060101ALI20130927BHJP A61K 47/34 20060101ALI20130927BHJP A61K 47/10 20060101ALI20130927BHJP A61K 9/14 20060101ALI20130927BHJP B01J 13/20 20060101ALI20130927BHJP B01F 17/42 20060101ALI20130927BHJP A23L 1/29 20060101ALI20130927BHJP B01J 13/04 20060101ALI20130927BHJP JPB01J13/00 BA61K9/127A61K9/133A61K9/10A61K9/08A61K47/24A61K47/34A61K47/10A61K9/14B01J13/02 KB01F17/42A23L1/29B01J13/02 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2011001124 20110623 WO2011162818 20111229 29 20130219 4B018 4C076 4D077 4G005 4G065 4B018LE02 4B018LE03 4B018LE04 4B018MD10 4B018MD48 4B018MD69 4B018ME13 4B018ME14 4B018MF02 4B018MF06 4B018MF08 4C076AA13 4C076AA16 4C076AA19 4C076AA20 4C076AA30 4C076CC23 4C076CC29 4C076CC32 4C076CC35 4C076DD09Q 4C076DD37 4C076DD63H 4C076EE23Q 4C076FF21 4C076FF36 4C076GG41 4D077AA02 4D077AA03 4D077AA04 4D077AA08 4D077AA09 4D077AA10 4D077AB13 4D077AC01 4D077DD04X 4D077DD08X 4D077DD32X 4D077DD63X 4G005AA07 4G005AB14 4G005BA20 4G005BB06 4G005BB08 4G005BB09 4G005BB11 4G005BB24 4G005DB02X 4G005DB05X 4G005DB12W 4G005DB21X 4G005DB22X 4G005DB23X 4G005DB24X 4G005DB25X 4G005DB27X 4G005DC15X 4G005DC26X 4G005DC56Z 4G005DD05W 4G005DD07W 4G005DD24W 4G005DE02X 4G005EA01 4G005EA02 4G005EA03 4G005EA05 4G005EA06 4G005EA08 4G065AA01 4G065AB03X 4G065AB07X 4G065AB10X 4G065AB12X 4G065AB19X 4G065AB26X 4G065AB33X 4G065AB35X 4G065AB36X 4G065BA07 4G065BA15 4G065BB01 4G065BB06 4G065CA11 4G065DA01 4G065DA02 4G065DA03 4G065DA04 4G065DA06 4G065EA01 4G065EA03 4G065EA10 4G065FA03 関連出願の相互参照 当該出願は、2010年6月23日付で出願された米国特許仮出願番号第61/357,959号に対して優先権とその利益を主張し、参照によってその全体を本明細書中に援用する。 技術分野 この出願は、レシチン担体組成物及びレシチン担体組成物の作製方法を対象としている。 技術的な背景 有効成分の分散と安定化が、水性環境においてそれらの所望の化合物を保存したり、取り扱ったりするために望まれる。分散のための一般的に使用される方法には、乳濁液が含まれ、そしてそこでは、有効成分の液滴は、界面活性剤によって、又は所望の化合物をナノ粒子へと挽き、若しくは剪断し、そのナノ粒子を界面活性剤に分散することによって分散及び安定化している。しかしながら、これらの界面活性剤乳濁液は多くの場合安定しておらず、そのうえ、界面活性剤には、毒性があるか、又は味が良くないなどの望ましくない特性があるかもしれず、そして/あるいは、その分散液は見た目が濁っている。これらの特性は、これらの乳濁液を摂取のための有効成分の分散に適さないものにしている。 リン脂質と他の膜形成脂質は、水性環境における輸送のための有効成分のカプセル化に幅広く使用される。特に、リン脂質二重層小胞は、乾燥リン脂質が水溶液中で水和されるときに形成され、その結果、水性区画で区切られた多重膜小胞(MLVs)として知られている短縮性多重リン脂質二重層を作り出す。リン脂質はまた、単膜小胞(UVs)を形成するように操作されることもある。これらの単膜小胞は、多重膜小胞と共に−−20〜100nmの範囲の平均直径を持つ小単層小胞(SUV);150〜1,000nmの範囲の平均直径を持つ大単膜小胞(LUVs);及び150〜5,000nmの範囲の平均直径を持つ多重膜小胞(MLVs)の3つのタイプに分類できる。 リン脂質のホスファチジルコリン(PC)は、一般的に規定された量のホスファチジルグリセロールなどの荷電脂質の付加がある、市販のリン脂質小胞の基本的成分である。レシチンは、様々な量のトリグリセリドや、脂肪酸や、炭水化物などの他の物質と結合した、その大部分がホスファチジルコリン(PC)、ホスファチジルエタノールアミン(PE)、及びホスファチジルイノシトール(PI)であるアセトン不溶性ホスファチドを含む溶媒抽出油の水和によって動物又は植物起源から得られた混合物である。 レシチンは、リン脂質二重層(Keller, B.C, 2001, Trends in Food Science Technology, 12, 25-31)の調製に使用されるホスファチジルコリンの一般的に使用される起源である。リン脂質小胞の分散能力と安定性が小胞内のホスファチジルコリンの量に依存していることが指摘されているので、高いPC含有量の混合脂質(すなわち、80%超のPC)がリン脂質小胞担体を形成するのに使用される。クルクミン化合物をカプセル化するための分散型リポソームを形成するのにより低いPC含有量を使用する試みがなされたが、それらの試みはクルクミンをカプセル化した分散型小胞に至らなかった。Takahashi et al. J. of Oleo Sci., 2007, 56, 35-42(低いPC含有量を有するリポソームを作製することを試みた)及びTakahashi et al. J. of Agr. and Food Chem., 57, 9141-9146(低いPC含有量のリポソームが機能しなかったことを示し、そして実証した)を共に参照によって本明細書中に援用する。 多くのプロトコールでは、ホスファチジルコリンの高い含有量(すなわち、総脂質含有量の80%超のPC)を得るためにアセトン抽出と、それに続くエタノール抽出、そして最終的な液体クロマトグラフィーステップを使用する脱油法によって、ホスファチジルコリンがレシチンから単離される。リン脂質小胞の加水分解を抑制するために、イオン性バッファーが使用されて、小胞環境のpHを制御及び維持される(Vernooij, E., et al., Journal of Controlled Release, 2002, 79, 299-303)。しかしながら、高いPC含有量のレシチンは作製に費用がかかり、そして、特定の有機溶媒を必要とする方法が、その組成物を食用に望ましくないものにする。この点で、最小限の成分しか使用しない、有効成分の安定した分散液、及び毒性溶媒又は高価な高いPC含有量の脂質混合物を必要としない方法を提供することが、リン脂質小胞担体にとって必要である。 概要 本発明のいくつかの実施形態において、安定した均一分散液を含む組成物には、膜と水相を持つ小胞であって、約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を持つレシチンを含む小胞、及びその小胞の膜中に組み込まれている有効成分が含まれ;そして安定した均一分散液にはまた、調整水も含まれる。いくつかの実施形態において、調整水は、100ppm未満の硬イオン、及び/又は1センチメートルあたり20マイクロシーメンス未満の電気伝導度を有する。いくつかの実施形態において、小胞は、約120nm未満の体積加重平均直径を有する。他の実施形態において、小胞の膜はリン脂質二重層である。 安定した均一分散液は、透明な分散液であってもよい。安定した均一分散液はまた、安定剤、例えば、ポリソルベート又はポリオキシエチレンアルキルエーテルなどを含んでもよい。 いくつかの実施形態において、安定した均一分散液はまたアルコールを含んでいてもよく、そしてそのアルコールは、短鎖脂肪族アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノールの異性体又はブタノールの異性体であってもよい。 いくつかの実施形態において、有効成分は脂溶性化合物であり、そしてその脂溶性化合物とは、嗅覚物質(olfactants)、天然エキス、精油、着色料、ビタミン、ビタミン塩、薬理学的に活性なビタミン代謝物、薬理学的に活性なビタミン代謝物の塩、植物化学物質、油溶性酸、油溶性アルコール、必須脂肪酸、ツキミソウ油(primrose oil)、ベニバナ油、魚油、海洋生物からの脂質、シクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス性化合物、抗生物質、カロテノイド、ステロイドホルモン、フラボノイド、タンパク質、酵素、補酵素、塗料、インク、及び農薬からの少なくとも1つであり得る。 他の実施形態において、組成物には、約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、及び有効成分を含む小胞が含まれ;そして組成物にはまた、調整水も含まれる。いくつかの実施形態において、小胞の膜はリン脂質二重層である。組成物はまた、安定剤、例えば、ポリソルベート又はポリオキシエチレンアルキルエーテルを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、組成物はまた、アルコールを含んでいてもよい。 さらに他の実施形態において、組成物には、約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを含む均一混合物が含まれている。均一混合物はまた、調整水を含んでいてもよく、そしてそれは、レシチンに対して約10重量%以下の量で存在し得る。均一混合物はさらに、油を含んでいてもよい。重量均一混合物のアルコールは、レシチンに対して約50重量%以下の量で存在し得る。 さらに他の実施形態において、小胞担体組成物の製造方法には、調整水中で80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを水和して、膜と水相を持つレシチン小胞を形成すること;そしてレシチン小胞の膜中に有効成分を組み入れて、膜内添加したレシチン小胞を形成することが含まれる。 小胞担体組成物のこの製造方法には、有効成分を組み込む前に、レシチン小胞を処理して、レシチン単膜小胞を作製することをさらに含んでもよく、そしてその処理は、均一化又は高剪断混合を含むこともできる。いくつかの実施形態において、調整水はアルコールを含んでいてもよい。 この方法は、水和前にレシチンに、又は有効成分の組み込み前若しくは組み込み後に、レシチン小胞に、安定剤を加えることをさらに含んでいてもよい。この方法は、レシチン小胞の膜中への有効成分の組み込み後に、膜内添加したレシチン小胞のサイズに低減するために膜内添加したレシチン小胞を処理することをさらに含んでいてもよく、そしてその処理は均一化又は高剪断混合を含んでいてもよい。 いくつかの実施形態において、小胞担体組成物のこの製造方法は、組成物を固体まで乾燥させる、及び/又は組成物をクリーム又はペーストに組み込むことをさらに含む。 さらに他の実施形態において、膜及び水相を持つ小胞担体組成物の製造方法は、約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合して、均一な液体混合物を形成すること;そしてその均一な液体混合物を調整水で水和して、有効成分がレシチン小胞の膜中に組み込まれたレシチン小胞を形成すること、を含む。 小胞担体組成物のこの製造方法はまた、約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールの混合を伴った油との混合、及び/又は調整水との混合中に加熱することを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、調整水は、レシチンに対して最大約10重量%まで提供され得る。いくつかの実施形態において、アルコールは、レシチンに対して約50重量%以下の量で提供される。いくつかの実施形態において、この方法はまた、均一な液体混合物の水和後に、レシチン小胞を処理してレシチン単膜小胞を作製することも含み、そしてその処理は、均一化又は高剪断混合を含んでいてもよい。 さらに他の実施形態において、均一組成物を形成する方法は、共に80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを、有効成分及びアルコールと混合することを含み、そしてそのアルコールはレシチンに対して約50重量%以下の量で提供され得る。この方法は、80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンと、有効成分及びアルコールとの混合を伴った、調整水との混合をさらに含んでいてもよく、そしてその調整水はレシチンに対して最大約10重量%まで提供され得る。 さらに他の実施形態において、小胞担体組成物の製造方法は、調整水中で約80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを水和して、膜と水相を持つレシチン小胞を形成し;そして有効成分をレシチン小胞の膜中に組み込んで膜内添加したレシチン小胞を形成することを含む。いくつかの実施形態において、この方法のレシチンはホスファチジルグリセロールを含んでいてもよい。 いくつかの実施形態において、この方法の有効成分は、シクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス性化合物、抗生物質、カロテノイド、ステロイドホルモン、フラボノイド、酵素、及び補酵素から成る群から選択される医薬的有効成分である。 いくつかの実施形態において、この方法は、有効成分を組み込む前に、レシチン小胞を処理してレシチン単膜小胞を作製することをさらに含み、そしてそれの処理は均一化と高剪断混合を含んでいてもよい。 いくつかの実施形態において、この方法は、水和前にレシチンに、又は有効成分の組み込み前若しくは組み込み後にレシチン小胞に、安定剤を加えることをさらに含む。この方法はさらに、レシチン小胞の膜中への有効成分の組み込み後に、膜内添加したレシチン小胞を処理して膜内添加したレシチン小胞のサイズを低減することを含んでいてもよい、そしてその処理は均一化と高剪断混合を含んでいてもよい。 さらに他の実施形態において、膜及び水相を持つ小胞担体組成物の製造方法は、80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合して、均一な液体混合物を形成し;そしてその均一な液体混合物を調整水で水和して、そのレシチン小胞の膜中に有効成分が組み込まれたレシチン小胞を形成することを含む。いくつかの実施形態において、この方法のレシチンは、ホスファチジルグリセロールを含んでいてもよい。 いくつかの実施形態において、この方法の有効成分は、シクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス性化合物、抗生物質、カロテノイド、ステロイドホルモン、フラボノイド、酵素、及び補酵素から成る群から選択される医薬的有効成分である。 いくつかの実施形態において、この方法は、80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールの混合を伴った、油との混合中、及び/又は調整水との混合中に加熱することをさらに含む。いくつかの実施形態において、調整水はレシチンに対して最大約10重量%まで提供される。いくつかの実施形態において、アルコールはレシチンに対して最大約50重量%以下まで提供される。 いくつかの実施形態において、この方法は、均一な液体混合物の水和後に、レシチン小胞を処理して、レシチン単膜小胞を作製することをさらに含み、そしてその処理は均一化又は高剪断混合を含んでいてもよい。本発明の実施形態による、調整水と(左から右に)0%、10%、20%、30%、40%又は50%のエタノール中、水和レシチン担体小胞内に分散させた魚油組成物の写真である。本発明の実施形態による、図1Aに示した魚油組成物の混濁度を表すグラフである。本発明の実施形態による、図1Aに示した魚油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明の実施形態による、調整水と(左から右に)0%、10%、20%、30%、40%又は50%のエタノール、及びポリソルベート中、水和レシチン担体小胞内に分散させた魚油組成物の写真である。本発明の実施形態による、図2Aに示した魚油組成物の混濁度を計測するグラフである。本発明の実施形態による、図2Aに示した魚油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明の実施形態による、ポリソルベートを含む又は含まない調整水及び30%のエタノール中、水和レシチン担体小胞内に分散された魚油組成物の写真である。本発明の実施形態による、調整水とポリソルベート中、水和レシチン担体小胞内に分散させた精油組成物のt=0とt=12か月における写真である。本発明のある実施形態による、図4Aに示したt=0における精油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明のある実施形態による、図4Aに示したt=12か月における精油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明のある実施形態による、調整水と安定剤中、水和レシチン担体小胞内に分散させたオキアミ油組成物の写真である。本発明のある実施形態による、図5Aに示したオキアミ油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明のある実施形態による、調整水と30%のイソプロピルアルコール中、水和レシチン担体小胞内に分散させた魚油組成物の写真である。本発明のある実施形態による、図6Aに示した30%のイソプロピルアルコール中の魚油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明のある実施形態による、調整水と5%のイソブチルアルコール中、水和レシチン担体小胞内に分散させた魚油組成物の写真である。本発明のある実施形態による、図7Aに示した5%のイソブチルアルコール中の魚油組成物から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明の実施形態による、(1)精油(カルバクロール)とポリソルベート;(2)精油;及び(3)レシチンのみ(精油なし)を持つ水和レシチン担体小胞の組成物の写真である。本発明のある実施形態による、精油とポリソルベートを持つ図8Aの組成物(1)から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明のある実施形態による、精油を持つ図8Aの組成物(2)から得た粒度分布データを示すグラフである。本発明のある実施形態による、レシチンのみを持つ図8Aの組成物(3)から得た粒度分布データを示すグラフである。 詳細な説明 本発明の態様において、水和レシチン担体小胞(HLCV)組成物は、多くても約80w/w%のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンと調整水を含む。調整水は、レシチンを水和させてHLCVを形成する。いくつかの実施形態において、HLCVは、その中に分散させた少なくとも1種類の有効成分を持ち得る。しかしながら、いくつかの実施形態において、HLCV組成物は、有効成分のHLCV分散液を形成し、且つ、調整水中での適切な水和を確実にするのを助けることができるアルコールを含む。他の実施形態において、HLCV組成物は、1若しくは複数の安定剤をさらに含む。いくつかの実施形態において、有効成分は、均一な液体混合物中でアルコールの有無にかかわらずレシチンにより可溶化される。本発明の他の実施形態は、HLCV組成物と均一混合物質を作製する方法に向けられる。 本発明の他の態様において、水和レシチン担体小胞(HLCV)組成物は、本質的に、膜と水相を持つ小胞、及び調整水から成る。これらの実施形態において、用語「から本質的に成る」は、以下で規定されるその用語の意味の範囲内において、小胞でないレシチン粒子及びレシチンベースの粒子(又はナノ粒子)の組成物の一般的な不存在を指す。しかしながら、これらの実施形態は、前後に記載した実施形態と同じ小胞を含み、そしてそれは、以下で記載した方法のいずれでも作製できる。また、これらの実施形態は、さらに、以下に記載した有効成分、及び/又は他の成分(例えば、安定剤、アルコール、及び/又は油)のいずれかを含むこともできる。実際には、非小胞レシチンベースの材料(例えば、非小胞レシチン粒子及びナノ粒子、及び/又は非小胞レシチンでコートされた有効成分のナノ結晶)の組成物内の存在を一般的に除くこと以外、これらの実施形態には、前後に記載した実施形態と同じ組成物であってもよい(をさせて、それらは、同じ材料や方法を使用することで作製されてもよく、そして同じ有効成分、及び他の成分、例えば、アルコール、安定剤、油などを含んでいてもよい)。 この開示による、有効成分を分散するレシチンの使用は、摂取される化合物にとって有用性があり、そしてこれだけに限定されるものではないが、農業、園芸、栄養補給食品、医薬(疾患の診断、処置、及び緩和向け)、化粧品及びパーソナルケア製品、香料及び着色料、環境復旧、無機及び複合材料、塗料及びインク、触媒の分野、及び低価格の天然分散剤が望まれるその他の分野を含めた他の多くの領域においてもまた有用性のあるものである。本願発明のすべての実施形態において、水溶性物質を含めたその他の作用物質が、所定の適用における使用のためにそれらの適合性を高めるために、例えば、栄養製品の保存期限を改善するためのアスコルビン酸などの水溶性抗酸化剤の添加のように、任意に水和レシチン担体小胞分散液に任意に添加され得ることが企図される。特定の添加剤の選択は当業者にとってすぐにわかる。 本願発明の態様は、食物、飲料、及び栄養補助食品を含めた消費者製品、並びに有効な商業化が高度なPCレシチン(すなわち、80w/w%超のホスファチジルコリンを有するレシチン)の使用を不可能にる原材料費に依存している他の適用における幅広い使用に関して費用対効果に優れた様式で水不溶性物質や部分的水不溶性物質を可溶化するための、大量の食物用又は工業用グレードレシチンの使用を提供する。 本明細書中に使用されるとき、レシチンとは、Joint World Health Organization/United Nations Food Safety Agency Evaluation Committee for Food Additives (JECFA). (Food and Agriculture Organization of the United Nations, Food and Nutrition Paper 52, "Compendium of Food Additive Specifications" (FNP 52), Addendum 2 (1993))で規定されるように、溶媒抽出油の水和によって動植物起源から得られた複合混合物と規定される。前記文献の全体を参照によって本明細書中に援用する。この複合混合物は、主にホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、及びホスファチジルイノシトールを含めたアセトン不溶性ホスファチド、並びに少量のトリグリセリド、脂肪酸、及び炭水化物が含まれる。 本明細書中に使用されるとき、小胞とは、膜を形成する脂質成分と水相を持つ組成物と規定される。いくつかの実施形態において、膜を形成する脂質成分はリン脂質二重層膜である。また、この開示及び請求項を通じて使用されるとき、用語「小胞」と「ビヒクル」は互換的に使用される。 本明細書中に使用されるとき、有効成分とは、小胞内に組み込まれるために選択される、及び組み込まれることができるあらゆる化合物を指す。例えば、いくつの実施形態において、有効成分は、以下で議論するように、多くの両親媒性化合物を含めて脂溶性であることができる。 脂溶性化合物は、水に比べて、脂肪、油、脂質、及び有機溶媒、例えばエタノールや、メタノールや、エチルエーテルや、アセトンや、クロロホルムや、ベンゼンなどに可溶性である。それらの構造物の範囲内で、脂溶性化合物は、親水性部分、例えばステロール内のヒドロキシル基や長鎖脂肪酸内のカルボン酸基などを含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、脂溶性化合物は、小胞の膜を形成する脂質成分と共に組み込まれる。いくつかの実施形態において、脂溶性化合物は、約0〜約8の範囲のlogP値を有し、ここで、より高いlogP値は高い脂溶性に対応する。ある他の実施形態において、脂溶性有効成分は、約2〜約7のlogP値範囲を有する。 本明細書中に使用されるとき、「脂溶性化合物」と「脂溶性有効成分」という用語は、互換的に使用され、水に比べて、有機溶媒、脂肪、及び油により大きい溶解性を有する化合物を指す。「脂溶性」という用語はまた、多くの両親媒性化合物を包含し、そして両親媒性化合物は疎水性領域と親水性領域の両方を持つ化合物を含む。実際には、分子は、例えばステロール内のヒドロキシル基や長鎖脂肪酸内のカルボン酸基などの水を好む(親水性)残基を含み得る。これは、それに関して本願発明の実施形態が水性分散液形成のための組成物と方法を提供する多くの(生物学的)活性種に関して当てはまる。そのような場合、その分子もまた、両親媒性と記載され得る。本願発明の方法と組成物は、そのように記載され得るもの、及び水和レシチンビヒクル二重層内に分散することができるものを包含し;いくつかの実施形態を実施例に示した。一般に、両親媒性分子は、それらの親水部分が極性表面と結合し、疎水性部分が二重層内部のリン脂質のアシル鎖に向けられている状態で、二重層の両方の部分に配置される。 本明細書中に使用されるとき、分散液とは、通常大量の水性溶液中に一様に広げられたレシチンベースの相の分散を指す。さらに、本明細書中で使用されるとき、分散液は、目に見える相分離、例えば、小胞が沈殿又はクリーム分離(すなわち、凝集物がそれぞれ混合物の底に沈下するか若しくは上部に浮かび上がる)によって集合及び分離するとき、又は組み込まれた脂溶性材料が小胞と分離し、そして目に見える集合体を形成するときなど、によって明らかにされる物理的不安定に苦しむことがないのであれば、安定である。すなわち、有効成分を含まないHLCVの安定した分散液中では、分散液中の小胞の実質的にすべてが目に見える集塊なしに分配される。先に議論した小胞の安定性に加えて、有効成分を含む安定した組成物に関して、有効成分は小胞に適切に結合されたままである。例えば、脂溶性化合物がHLCV分散液に組み込まれるのであれば、脂溶性化合物の疎水領域は、リン脂質小胞膜の無極性領域に結合する(接触する)。HLCV分散液に組み込まれている親水性部分を持つ脂溶性化合物を含む組成物に関して、脂溶性化合物の親水性領域は極性領域に関連し、そして、疎水領域はリン脂質小胞膜の無極性領域に関連する。従って、組み込まれた有効成分を持つ安定したHLCVはまた、組成物中に存在している実質的にすべての有効成分が、小胞膜に結合している/小胞膜に組み込まれていることを意味する。その膜中に有効成分を持つ小胞担体はまた、「添加した」担体小胞とも呼ばれ、そして大量の水性溶液中での凝集又は分解から化合物を安定させるために有効成分が小胞のリン脂質膜中に組み込まれていることを特に指している。従って、リン脂質膜環境中に取り込まれ、そのため水性溶媒中に分散している有効成分は、他の環境(例えば、食物、飲料、胃腸又は消化管)中において安定している。 本明細書中に使用されるとき、調整水とは、100ppm未満の硬イオンを持つ、そしていくつかの実施形態において、60ppm未満の硬イオンを持つ水と規定される。硬イオンは水の硬度を生じ、そして水で一般的に見られる遊離硬イオンは、カルシウム及びマグネシウムイオンである。調整水とは、水が処理なしであろうと(すなわち、「軟」水)、処理が必要であろうと、低減されたレベルの遊離硬イオンしか持たない水を指す。硬度は、例えばASTM法D1126「水の硬度に関する標準試験方法」に記載のものなどのEDTA滴定法によって計測される。硬度を下げる処理はキレート化を含んでいてもよい。当然のことながら、軟水(すなわち、約100ppm未満の硬イオンの硬度を有する水)は、この開示の目的のための調整水であると見なされる。いくつかの実施形態において、水には本質的にバッファーイオンが含まれておらず、他の実施形態において、水は、電気伝導度が1センチメートルあたり20マイクロシーメンスであるように、蒸留、脱イオン化、逆浸透又は同様の技術で精製された。バッファーイオンは、それらのpHの変化に抵抗するもの、例えばリン酸、クエン酸、酢酸、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノイオンである。本発明の実施形態は、水の質が最終的な分散液及びレシチン小胞の安定性に影響することを認識する。不安定な小胞、及び/又は(安定していても)広い若しくは偏ったサイズ分布を有する小胞を持つ組成物は、濁った(混濁した)分散液をもたらす可能性がある。従って、安定剤の添加又は存在が必要とされていなくても、安定剤の不存在下、HLCVが白色化を起こす可能性は、逆に水の純度に依存している、すなわち、水の純度が高いほど白色化の可能性が減少する。 水和レシチン担体小胞(HLCV) 本発明の実施形態は、1若しくは複数の有効成分が組み込まれた水和レシチン担体小胞に向けられる。HLCVは、低いPC含有量を有するレシチンと調整水(CW)を使用することで調製される。 低いPC含有量を有するレシチン HLCVを作製するのに使用されるレシチンは、低いPC含有量を有する。本明細書中に使用されるとき、低いPC含有量を持つレシチンとは、非脱油(未精製)レシチンから約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンまでに及ぶレシチンを意味する。実際には、いくつかの実施形態において、レシチンは、80w/w%を含まない、それ以下のPC含有量を有する。例えば、HLCV分散液は、米国食品医薬品局によって安全食品認定(Generally Regarded As Safe)(GRAS)として列挙されたものを含めた消費向けに許容され得る既知の食品グレード材料から調製できる。従って、本発明の実施形態には、ホスファチジルコリン含有量が約20〜約80w/w%の食品グレードのレシチンがある。他の実施形態において、レシチンは、約20〜約70w/w%のホスファチジルコリン含有量を有する。他の実施形態において、レシチンは、約20〜約60w/w%のホスファチジルコリン含有量を有する。他の実施形態において、レシチンは、約20〜約50w/w%のホスファチジルコリン含有量を有する。他の実施形態において、レシチンは、約20〜約40w/w%のホスファチジルコリン含有量を有する。他の実施形態において、レシチンは、約20〜約30w/w%のホスファチジルコリン含有量を有する。いくつかの実施形態において、ホスファチジルコリン含有量が約20〜約25w/w%である、脱油されていないレシチンが使用される。 有効成分 脂溶性な有効成分の制限されることのない例には:(以下により詳細に記載される)嗅覚物質、例えば天然及び合成の香料や精油など;香味化合物及び味覚修飾物質、例えばリンゴ、オレンジ、及びレモンからの天然エキスや精油など(キャリアオイルを伴うそのような化合物の組み合わせを含む);着色剤、例えばポルフィリンベースの大員環など;ビタミン、例えばビタミンA、D、E、及びKやそれらの薬理学的活性代謝物、塩、及び化合物、例えば、ビタミンD、ビタミンEアセテート、及びビタミンAパルミテートなど;植物化学物質、例えば植物ステロールや、精油、例えばβ−シトステロール、イソフラボン、クルクミノイド、及びポリフェノール化合物など;油溶性酸及びアルコール、例えばラクチル酸など、必須脂肪酸、例えばリノール酸やリノレン酸、エイコサペンタエン酸(20:5 n−3)及びドコサヘキサエン酸(22:6 n−3)、並びにそれらの天然起源、例えばツキミソウ油や、ベニバナ油や、魚油など;薬物、例えばシクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス薬、抗生物質及び他の薬物クラスの脂溶性のメンバーなど;カロテノイド、例えばβ−カロテンやリコペンなど;ステロイドホルモン、例えばエストロゲンや、エストラジオールや、コルチゾンなど;フラボノイド、例えばレスベラトールなど;タンパク質、酵素、補酵素、及びたくさんの他の脂溶性生物活性化合物、が挙げられる。しかしながら、化合物が、食物、飲料、薬、及び栄養補助食品の特定のクラスの脂溶性成分に限定されないことは、当業者にとって明らかである。 本明細書中に使用されるとき、精油とは、植物からの揮発性芳香化合物を含む濃縮された疎水性の液体である。精油は、特徴的な香料を運ぶことを超えて共通の特定の化学特性を有する群であるとは限らない。それらは、嗅覚物質や着香料としてその利用について周知であり、伝統薬の中で幅広い有用性が見られる(世界保健機構によって規定される伝統薬は、健康の維持管理、及び身体的及び精神的な病気の予防、診断、改善又は処置に使用される異文化に特有の理論、信念、及び経験に基づく知識、技能、及び実施を指す)。 アルコール いくつかの実施形態において、HLCV組成物はアルコールを含む。いくつかの実施形態において、アルコールは、HLCVを形成するためのレシチンの水和のための調整水に加えられる。他の実施形態において、有効成分がレシチン組成物中に容易に可溶化されないのであれば、アルコールの添加が、均質な液体混合物中の有効成分の可溶化を改善できる。本発明の実施形態によると、アルコールは短鎖アルコールである。短鎖アルコールの例には、メタノール、エタノール、プロパノールの異性体、及びブタノールの異性体が含まれる。有効成分の可溶化を容易にするのに必要なアルコールの量は、アルコールのタイプと特定の有効成分に依存するので、当業者によって経験的に決定されることができる。 いくつかの実施形態において、均一な液体混合物を形成するためにレシチン中への有効成分の溶解を助けるために加えられたアルコールは、レシチンと有効成分の総重量に対して約5〜約50重量%のアルコールの範囲で提供される。レシチン及び有効成分の組成物へのアルコールの添加は、本明細書中に議論するように、加熱の有無や、油の添加の有無に関係しないものであり得る。 いくつかの実施形態において、アルコールはレシチンの水和のための調整水に加えられる。いくつかの実施形態において、追加のアルコールは、脂肪族短鎖アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、又はブタノール)である。アルコールの量は、変化する可能性があり、そして(単数若しくは複数の)有効成分の特性に依存する。例えば、レシチンの水和のために、最大で合計40%v/vのアルコールがHLCV組成物中に存在することができる。 いくつかの実施形態において、分散液は、標準的な工業的方法によって、例えば、粉末、顆粒又はケーキの形態に乾燥させる。 安定剤 本発明の他の実施形態において、HLCV組成物は、さらに、少なくとも1種類の安定剤を含む。安定剤の制限されることのない例には、ポリソルベート(ポリオキシエチレンソルビタンモノエステル)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(PAE)などが含まれる。安定剤の添加は、任意であり、一般に、HLCV内に分散させる(単数若しくは複数の)有効成分の特性に依存する。いくつかの適用のために、ポリソルベート又はPAEの添加が安定性を高めることもある。そのため、ポリソルベート又はPAEの必要性は、当業者によって経験的に決定される。 本明細書中に使用されるとき、ポリソルベートという用語には、脂肪酸を用いてモノエステル化されたポリオキシエチレン誘導体化ソルビタン(ソルビトールの誘導体)から得られた油状液体である乳化剤群が含まれる。PAE群の分子は、HLCVの摂取に関係しない適用における使用に好適である。摂取に関係しない適用に関して、ポリソルベートを含む及び/又は用いる本明細書中に記載の方法や組成物において、好適なPAEをポリソルベートと置換してもよいのかは、当業者にとって容易に明らかである。 本発明のポリソルベート含有HLCVは、検出できるような苦味がなく、透明度の維持によって実証されるように、水、多くのジュース、及び他の飲料中への希釈、低温殺菌、及び保管に対して安定している。以下のポリソルベートは、使用できる、制限されることのない例である:ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン(20)モノパルミテート、及びモノステアレート。いくつかの実施形態において、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(すなわち、ポリソルベート80)、又はポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートが使用される。ポリソルベートの有効量は、既知の方法を使用して決定できる。いくつかの実施形態において、例えば、ポリソルベートは、ポリソルベート対レシチンの約1:3〜約1:20のモル比にて使用される。他の実施形態において、ポリソルベートは、約1:5〜1:10のモル比にて使用される。他の実施形態において、ポリソルベートは、約1:7〜1:9のモル比で使用される。モル比を決定する目的のために、レシチンの分子量は800であると仮定する。 HLCVの調製方法 本発明の実施形態は、水和レシチン担体小胞(HLCV)の調製方法に向けられる。いくつかの実施形態において、そこに添加されている少なくとも1種類の有効成分を含むHLCVは、いずれの有機溶媒、アルコール又はその他のものを使用せずに調製される。しかしながら、いくつかの実施形態において、他の又は追加の有機溶媒は必要としない又は使用されないが、HLCVの作製を容易にするために、アルコールが使用されてもよい。本発明のいくつかの実施形態において、HLCV組成物を形成する方法には、調整水中で低いPC含有量を有するレシチンを水和し、そして処理し、それに続いて少なくとも1種類の有効成分を添加することが含まれる。本発明の他の実施形態において、有効成分は、最小量の水と一緒に、低いPC含有量のレシチン及びアルコールと混合されて、(小胞の形成なしに)均一液相を形成し、それに続いて分散小胞を形成する水和と処理がなされる。他の実施形態において、その中に有効成分が分散したHLCV組成物の形成方法には、調整水中で高いPC含有量(すなわち、80w/w%超のホスファチジルコリン)を有するレシチンを使用することが含まれる。 レシチンの水和 いくつかの実施形態において、低いホスファチジルコリン含有量を有するレシチンは、調整水にさらすことで水和されて、CW中に分散された水和レシチン担体小胞を形成する。本発明の実施形態において、レシチンは、加工段階(例えば、均一化、超音波処理、マイクロ流動化、高剪断混合など)を実施するのに十分な調整水を用いて水和される。実際には、任意の乾燥又は更なる配合ステップの前に、HLCV分散液は、重量によって少なくともレシチンと同じくらい多量の調整水を含む(すなわち、少なくとも1:1のCW対レシチンの比)。いくつかの実施形態において、例えば、レシチンは、(重量によって)3倍容の水対1倍容のレシチンを用いて水和され得る。他の実施形態において、レシチンは、重量によって最大4倍容の水対1倍容のレシチン、又は5倍容の水対1倍容のレシチンを用いて水和され得る。他の実施形態において、レシチンは、5倍容超の水対1倍容のレシチンを用いて水和され得る。これらの実施形態において、CWとレシチンの相対量は、レシチン単独に関連する。 他の実施形態において、レシチンは、少なくとも1種類の有効成分の存在下で水和される。これらの実施形態において、レシチン対有効成分の比は、重量により、少なくとも1:1であり、そして一般に、最大約5:1であり得る。しかしながら、当業者に明白な商業的又は実用的な制約を課される以外にこの比に対する特定の上限は存在しない。これらの実施形態において、調整水は、重量により、約3:1〜約5:1の範囲のCW対レシチンの合計及び有効成分の比で提供される。これは、有効成分がレシチンに関して最大1:1の比で提供される場合に必要である。例えば、レシチンと有効成分の総重量が200〜250mg(レシチン+有効成分)であるときに、CWの量は1ml(1000mg)になり得る。レシチン又はレシチンと有効成分に対する調整水の量は、一般に、その組成物の最終的な所望の適用のための任意の更なる製造又は製作ステップに関してHLCV組成物と有効成分の所望の濃度によって制限されるだけであることは、当業者には明らかである。 HLCV内への有効成分の添加 いくつかの実施形態において、HLCV組成物は調製されて(すなわち、レシチンは水和され、次いで、処理される)、少なくとも1種類の有効成分の添加前に分散小胞を形態した。(単数若しくは複数の)有効成分を添加する前のHLCVの形成方法は、有効成分が水和レシチン小胞組成物中に容易に可溶化されるように、有効成分が液体である(例えば、それが、調整水の沸点又は調整水とアルコール混合物の沸点までの温度にて液体である)とき、最も効果的である。処理後に(すなわち、前もって形成した小胞に)有効成分を加えるこれらの方法は、精油、脂溶性フレーバ化合物、及び脂溶性成分を持つ香味料複合混合物のような成分に特に好適である。この方法は、(例えば、均一化又は高剪断混合によって)処理されて、添加前にUVを形成したHLCVに最も効果的である。従って、有効成分が水和レシチン組成物中に組み込まれ、次いで、有効成分が「前もって形成された」レシチン小胞に加えられる。先に述べたように、有効成分の溶解性は、アルコール、加熱、又はそれらのいずれかの組み合わせの追加を必要とする可能性もある。難溶解性を有する有効成分が、少量で加えられるのであれば、時間をかけてゆっくり小胞組成物に組み込まれるであろうことは、当業者にとって明らかである。分散HLCV内への組み込みの程度が、水相中への能動的な溶解の速度と時間の両方に依存することもまた、当業者に知られている。アルコールや加熱の助けなしに、約4.5未満のlog Kow(すなわち、オクタノール:水の分配係数)を有する有効成分は、妥当な時間以内に多分は組み込まることはない。しかしながら、4.5以上のlog Kowを有する有効成分は、より急速に組み込まれる場合がある。加熱及び/又はアルコールによって促進した場合も含めて、そのような有効成分の溶解性は、当業者によって経験的に決定できる。 安定剤は、処理前又は処理後にレシチン組成物に加えることができる。いくつかの実施形態において、安定剤は、処理後にHLCV組成物に加えられる。他の実施形態において、レシチンと安定剤の混合物は、処理前にCW中で水和される。 HLCVへの有効成分の添加に続いて、混合物は、高剪断混合又は均一化によって処理されて、その中に有効成分が組み込まれたHLCVを持つ分散組成物を形成する。 透明度 本発明の更なる態様は、レシチン担体分散液のサイズ分布が、分散液が本質的に光学的に透き通る(すなわち、透明な)ように操作されることができる。本明細書中に本発明を説明する目的のために、分散液粒子の平均直径とサブミクロン領域(<1,000nm)の構造を、一般に、サイズの単峰型分布についての体積加重平均直径として規定する。小胞の体積加重平均直径は、いずれの既知の技術でも測定できる。例えば、体積加重平均直径は、電子顕微鏡又は動的光散乱を使用して測定される。平均小胞サイズを測定すると、小胞は、これだけに限定されるものではないが:超音波処理、マイクロ流動化、及び高圧均一化を含めた当該技術分野で周知の標準的な方法を使用することでサイズを小さくできる。 いくつかの実施形態において、その中に有効成分を持ち、且つ、本発明の方法で調製されたレシチン担体小胞は、分散液の状態で透き通った(透明な)ままである。透明性は、透光性より高い透明度を指す。この透明度は、粒子の平均直径が約120nm未満、好ましくは100nm未満、より好ましくは80nm未満である分散液を作り出すことによって達成される。さらに、サイズの分布には、曇りを引き起こすより大きい直径の少数の粒子が含まれ、そしてそれが白色化として現れることもある。本願発明を説明する目的のために、こうしたより大きい粒子の存在は、これ以降、混濁度とも呼ばれる、曇り又はかすみによって定量できる。透明な分散液は低い混濁度を有するものである。そのような混濁度の定量化は、例えば、比濁度計を使用することで実施され得る。分散液の混濁度は、既知の混濁度の標準に対して表され得る。直径が光の波長より著しく小さいものであっても、サブミクロン粒径による光の散乱によって引き起こされた混濁度は、粒度と波長の両方を含めた多変数の複雑な関数である。一般により大きい粒子の、存在下、すなわち、混濁度(白色化、曇り、かすみ)を引き起こすものは、より長い波長での散乱によって明らかにされる。この光の散乱が、水性分散液について観察された混濁度(すなわち、透明性の欠如)をもたらす。相対混濁度の定量的尺度は、従来のUV/可視光スペクトロメーターを使用することで計測される800、860、及び/又は900nmの相対吸光度である。よって、分散液の不安定性によって起こされた混濁度は、所望の範囲内の吸光分光法によって容易に定量される。 分散した有効成分の有無にかかわらずHLCV組成物は、望ましくは透明であるか又はほとんど透明であり得るが、透明度は本発明のどの実施形態の要件でもない。例えば、組成物が食品に加えられることを意図するならば、溶液中でのその透明性は通常関係しないため、小胞サイズを小さくする必要がないこともある。しかしながら、組成物が透明又は半透明な飲料に加えられることを意図するならば、望ましくは、例えば、曇り又は混濁度が消費者の期待を満たすように調整され得る。 均一な液体混合物 いくつかの実施形態において、有効成分は、水和前にレシチンに加えられる。これらの実施形態において、有効成分は、室温にてレシチンベース混合物中に溶解されてもよくて、そしてそれはまたアルコールを含んでいてもよく、且つ、それはまた最小量の調整水及び/又は油を含んでいてもよい。いくつかの実施形態において、均一な液体混合物中のレシチンの重量は、その均一な液体混合物中のいかなる他の単一成分よりも大きい。すなわち、レシチンはその他のすべての成分を合わせたより多くてはいけないが、但し、その量はいかなる他の単一成分よりも多い。このように、レシチンは、均一な液体混合物のための溶媒として使用されてもよい。いくつかの有効成分が、加熱によってより容易に可溶化し得る。そのため、いくつかの実施形態において、有効成分は、レシチンと混合され、そしてアルコール、最小量のアルコール、油を含んでもよく、そして高い温度にて混合されてもよい。例えば、加熱温度は約60℃〜約80℃の範囲で選択される。所望の温度は、組成物の有効成分と成分の特性を考慮して当業者によって決定され得る。例えば、加熱温度は、組成物の様々な成分によって決まる組成物の沸点を超えてはいけない。当業者によって理解されるとおり、加熱温度は、最も低い沸点を持つ組成物の成分の沸点を超えてはいけない。例えば、アルコールがレシチン組成物中に存在しているなら、そのとき、最も高い所望の加熱温度は(一般に、最も低い沸点を有する成分になる)アルコールの沸点を超えてはいけない。いくつかの実施形態において、レシチン及び少なくとも1種類の有効成分は、小胞形成の前に最初に均一な液体混合物中に溶解される。 例として、植物フィトステリンは100℃を超える融解温度を有する(例えば、β−シトステロールは136〜140℃のTmpを有する)ので、そのため、植物フィトステリンは小胞が形成された後では、効率的にHLCV組成物中に組み込まれない。従って、本発明のいくつかの実施形態において、その中に分散した少なくとも1種類の有効成分を持つ組成物は、最初にレシチンと一緒に有効成分を溶解して、単一相の均一な液体混合物を形成することによって調製される。いくつかの実施形態において、アルコールは、レシチン中に有効成分が可溶化するのを助けるために加えられる。いくつかの実施形態において、(重量によりレシチンに対して)最大約50%のアルコールがレシチンと有効成分の混合物に加えられる。議論したように、いくつかの実施形態において、最小量の調整水が、レシチンとアルコールの混合物における有効成分の可溶化を助けるために加えられ得る。例えば、レシチンの重さに対して10重量%(w/w)未満の調整水が加えられ得る。過剰の水が単一相の形成を妨げることは、当業者にとって明らかである。レシチンとの均一な液体混合物の形成をさらに促進するために、有効成分は(必要であれば、加熱しながら)まず油中に溶解され得る。 いくつかの実施形態において、有効成分は、レシチンにおける可溶化を容易にするために、まず油中に溶解されて、均一な液体混合物を形成し得る。例えば、有効成分は、まず、無極性の、天然油などの疎水性担体物質中に溶解され、次いで、HLCV組成物と混合され得る。油中の有効成分の溶解はまた、加熱、及び/又はアルコールの添加と組み合わせられてもよい。油の例には、植物、例えばダイズ、トウモロコシ、オリーブ、ヒマワリ、キャノーラ、オリーブから抽出されたトリグリセリド種子油が含まれる。油にはまた、魚油又はオキアミ油などの動物油、及び精油も含まれる。精油には、これだけに限定されるものではないが:シトロネラ、クローブの葉、ユーカリ、グレープフルーツ、レモン、ライム、ハッカ/ミント、オレンジ、オレガノ、ペパーミント、スペアミント、ハッカク、タンゼリン、ティーツリー、タイム及びウインターグリーンの油が含まれ、そして実施形態には、これらの油の一次化学成分、例えばチモール、カルバクロール、リモネン、メントール、カルボン、サリチル酸メチル、シネオール、シトラナール(citranal)、ピネン、及びテルピネン−4−オールの使用が含まれる。 均一な液体混合物は、その後、CW中で混合されながら水和されて、小胞を形成する。いくつかの実施形態において、言い換えれば、短鎖アルコールがレシチン含有混合物中に十分な量でまだ存在していないのであれば、短鎖アルコールがCW中に加えられる。十分な量の短鎖アルコールが、少なくとも約5v/v%、且つ、約40v/v%以下の最終レシチン水和溶液濃度を提供するアルコール以上である。いくつかの実施形態において、アルコールの最終レシチン水和溶液濃度は、約20%v/v〜約30%v/vである。レシチンの水和は、レシチンを含む均一な液体混合物が流動状態を維持する温度にて実施される。 水和によるHLCVの形成の後に、HLCVは均一化又は高剪断混合によって処理されて、HLCV組成物中に組み込まれた有効成分の分散液を形成する。 高いPC含有量を有するレシチンからのHLCV 本発明の更なる実施形態において、HLCV組成物の製造方法は、高いPC含有量(すなわち、80%w/w超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン)を有するレシチンを使用する。この方法において、高いPC含有量のレシチン(又はその代わりに、実質的に純粋なホスファチジルコリン)が、低いPC含有量のレシチンにおける有効成分の可溶化に関して本明細書中に開示された方法の1つに従って有効成分と混合される。また、水和及び処理後の有効成分の添加に関して、又は水和前に均一な液体混合物を形成することによる、本明細書中に記載した方法、並びに中間組成物はまた、高いPC含有量のレシチンを使用したHLCVの調製にも適切である。そのようなHLCVは医薬応用における使用に好適である。実際には、これらの実施形態において、レシチンは、医薬用途に許容され得るような高いPC含有量を有する。例えば、これらの実施形態において、HLCVは、吸入又は注射可能な製品のために重量により90w/w%以上のPCを有する。 生体内における配合物の所望の性能のために、他の精製したリン脂質が必要に応じて加えられてもよい。いくつかの実施形態において、非経口使用のためのプロポフォールの医薬的に許容され得る配合物は、調整水中でホスファチジルコリンとホスファチジルグリセロールから成るアルコール混合物を水和し、続いて高圧ホモジナイザを用いて均一化し、次いで、プロポフォールとインキュベーションすることによって作製され得る。 任意に、例えばポリソルベートなどの医薬的に許容され得る安定剤が、水和又は処理後に加えられてもよい。レシチンのために本明細書中に開示された有機溶媒を含まない加工法もまた、医薬的に許容され得るホスファチジルコリンにとって適切である。レシチンと他の成分の均一な液体混合物に基づく代替法は、均一な液体混合物を作り出すのに必要であれば最小量の調整水(リン脂質に対して最大10%w/w)の添加を伴って、低いPC含有量のレシチンの実施形態に関して記載したものに相当するホスファチジルコリン−アルコール混合物中に可溶性であるそれらの医薬的有効成分と共に使用されてもよい。本明細書中に記載したように、有効成分は、まず、必要であれば加熱しながら、例えば脂肪酸(その中で、脂肪酸は同じものであっても混合されていてもよい)のトリグリセリドエステルなどの医薬的に許容され得る油中に溶解され得る。 更なる処理、精製 HLCVの形成に続いて、組成物は、所望されるようにさらに処理される。例えば、小胞サイズを小さくするために、分散液は、高剪断混合又は高圧均一化にかけられる。実現可能であれば、アルコールの存在下で同じ成分により実施される対応するサイズ低減工程の実施と比較して、サイズ低減に必要とされるエネルギーは、アルコールの不存在によって低下する。低エネルギー処理は、低い工程エネルギーコスト及び幅広い処理装置を使用する能力をもたらす商業利益となることである。例えば、アルコールの存在下、より大きなサイズ低減が所定のエネルギー入力に対して達成される;場合によっては、これはHLCVの光学的に透明な体裁の製造を可能にするが、そのような光学的透明性はアルコールの不存在下で達成可能でないかもしれない。 本明細書中に開示されるHLCV組成物は、例えば、噴霧乾燥又は凍結乾燥などのいずれかの標準的な工業的乾燥方法によって、固体、、例えば粉末、フレーク若しくはケーキなどに乾燥されるか、あるいは又はそれに続いてペースト又はクリームに組み込まれることができる。追加的な更なる加工ステップには:組成物のpHの調整、保存料若しくは抗微生物剤の添加、又は組成物の味を良くするための香味料の添加、を含むこともできる。 適用 本発明の実施形態によるHLCV分散液は、非分散有効成分を本質的に含まない(すなわち、HLCV組成物中にいったん分散されると、有効成分は、実質的に分散されたままで、そして分散液からほとんど沈殿しない)。いくつかの実施形態において、本発明のレシチン小胞組成物は、界面活性剤(例えばレシチンなどの)によって安定化された非二重層固形ナノ粒子のナノ乳濁液や分散液とは異なる。 本願発明の特定の実施形態の組成物、中間体溶液、及び製造方法は、比較的安価な食品グレードのレシチン、具体的には、約80重量%未満のPC含有量を有するレシチンを使用することで水不溶性物質の水性ベースの分散液を提供する。 いずれかの適用に制限されないが、本発明の特定の実施形態によるHLCVは、その分散液が水、ジュース、及び他の飲料中の希釈、低温殺菌、及び保管に対して物理的に安定しているので、飲料又は栄養補助食品に使用され得る脂溶性有効成分の実質的に透明な水性分散液を作製するのに使用され得る。脂溶性成分には抗酸化剤(例えば、ビタミンE)を含むことができる。分散液は、濃縮され、粉末に乾燥され、そして所望の適用によって必要に応じて再水和される。本発明の組成物及び方法はまた、食品グレードの材料、例えば米国食品医薬品局によって一般に安全と認められる食品として適用において既に認定されたものの使用も開示する。 本願発明のHLCV組成物は、食品及び飲料業界で広く用いられる従来の装置を使用して処理できる。水和レシチン担体ビヒクルの成分は比較的安価である。加えて、担体への食物/飲料/栄養補助食品成分の添加は、関連消費者と他の製品における使用のために費用対効果が高い処方を得るレベルまで高めることができる。 本発明のHLCV分散液は、事実上、真の溶液として振る舞うので、経口的に消費されるか又は他の形で口腔内に入る製品となり得るか、あるいはそういった製品の製造に利用され得る。本願発明のいくつかの組成物の特有の利益は、それらが、最終製品に使用されるように原則的に光学的に透明であり、そして保存、いくつかのジュースや他の飲料への添加、及び低温殺菌中のような高温暴露によってもその透明性を維持する水性分散液を提供するということである。いくつかの実施形態において、レシチンベースのマトリックスはまた、水不溶性物質の高い化学的安定性、例えば、酸化に対する耐性を提供し、且つ、これらの物質の望ましくない臭気と味、及び乏しい食感を阻害することができる。特定の脂質は、それら自体、例えばホスファチジルコリン、特に海洋生物、例えばオキアミなどから得られた脂質、が一般に好まれる食物又は栄養補助食品成分であると見なされる。本明細書中に記載したHLCV、中間体、及び調製方法が任意にこれらの脂質を用いることができることは、明らかである。 以下の実施例は、例証を目的として提供されているにすぎないので、本願の範囲又は中身を制限することはない。 実施例1−1.魚油(オメガ−3配合物)のHLCV分散液 20gの魚油(EPAX 1050)、30gのレシチン(Cargill Lecigran)、0.5gのビタミンE、及び4mlのエタノールを、ボトル内で合わせた。混合物を、溶液が外観上均一になるまで65℃に加熱しながら約60分間混合した。この混合物を、65℃に加熱した250mlの精製水に加え、そして5分間混合した。この水和魚油レシチン分散液の50mlのサンプルを、約0、10、20、30、40、及び50%(v/v)のエタノールを含む分散液を作り出すのに好適な体積のエタノールと組み合わせた。加えたエタノールの量を測定する目的のために、(均一レシチン相からの)既に存在しているわずかな体積は無視した。このシリーズ内の各分散液を、約600bar及び65℃の入口温度での4回の通過によって均一化した(Niro Soavi NS1001Lホモジナイザ)。そして、ディアスポラを、調整水中で約3mg/ml魚油に希釈した。図1Aはこれらの分散液の写真を示す。これらの分散液の混濁度は、図1Bに示したように800と900nmで計測した。粒子径分布測定を、Microtrac(USA)「Nanotrac 150」動的光散乱施設を使用し、780nm固体レーザーで作動させ、そして反射光強度変動の制御された標準法(ドップラーシフト)分析を実施することで周囲温度にて得た。組成物の小胞の体積加重平均直径を示した(図1C)。示しているように、体積荷重分布を95%通過直径と一緒にプロットする(ここで、小胞の95%はこの直径より小さい)。体積加重平均直径は30%のエタノールにて最小である(約28nm)。 実施例1−2. HLCVオメガ−3分散液を、1.0gのポリソルベート80を加えたことを除いて、実施例1−1のように作製する。0、10、20、30、40、及び50%エタノールにてポリソルベートを含むこれらのオメガ−3配合物それぞれの写真を、図2Aに示す。これらの配合物に関する混濁度と、動的光散乱からの粒度分布データを、図2B及び2Cにそれぞれ示す。示しているように、最も小さい体積加重平均直径は、30%のエタノールにて、ポリソルベートを含む、約35nmである。図3は、ポリソルベートを含む又は含まない30%のエタノールによるこれらのオメガ−3配合物を並べた写真を示す。 実施例2.精油のHLCV分散液 10gのレシチン(Lecigran、Cargill又はUltralec、ADM)を、100mlの蒸留水中で混合しながら水和し、次いで、Niro Soavi NS1001Lホモジナイザを通り抜ける約400barでの6回の通過により室温にて均一化して、HLCVを形成する。ポリソルベート80を、5:1のレシチン:ポリソルベートの重量比にて混合しながら加えた。そして、分散液を蒸留水を使用して200mlに希釈した。精油:チモール(0.7g)、ユーカリプトール(1.0g)、サリチル酸メチル(0.65g)、及びメントール(0.46g))を加え、そして混合して、これらの精油の基本的に透明な水性分散液を得た。得られた分散液を、0.2ミクロンフイルターを通して濾過した。透明な分散液を希釈し、そして甘味料を加えて、エタノールを含まない精油マウスウォッシュを得た。精油分散液の2つのサンプルの写真を図4Aに示す、一つが新たに調製したもの(t=0)であり、そして一つが室温にて12カ月(t=12月)保存したものである。これらのサンプルに関するNanotrac粒度分布解析の結果を図4B及び図4Cに示す。体積加重平均直径は、いずれの場合にも37(+/1)nmであると決定された。比較のために、図4はキュムラント(分布ヒストグラム上に重ねたシグモイドカーブ)を示し;2つのサンプルに関するサイジングデータは本質的に区別がつかない。 実施例3.レモン油のHLCV分散液 5gレシチン(Lecigran、Cargill又はUltralec、ADM)を、100mlの調整水中で混合しながら水和し、次いで、Niro Soavi NS1001Lホモジナイザを通り抜ける65℃の入口温度にて約400barの圧力での4回の通過により均一化した。ポリソルベート80を、5:1のレシチン:ポリソルベートの重量比で混合しながら加えた。レモン油を、5:1のレシチン:レモン油の重量比にて加え、そして混合して、レモン油のHLCV分散液を得た。基本的にの透明な得られた溶液を0.2ミクロンのフイルターを通して濾過した。 実施例4.飲料中のレモン油のHLCV分散液 6gのレシチン(Lecigran、Cargill又はUltralec、ADM)を、100mlの蒸留水中で混合しながら水和し、次いで、Niro Soavi NS1001Lホモジナイザを通り抜ける65℃の入口温度にて約400barの圧力での4回の通過により均一化した。1.2gのポリソルベート80を、5:1のレシチン:ポリソルベートの重量比で混合しながら加えた。レモン油を、5:1のレシチン:レモン油の重量比で加え、そして混合した。混合後に、分散液を、同じホモジナイザを通す同条件での4回の通過により再び処理した。基本的に透明な得られた分散液を0.2ミクロンのフイルターを通して濾過することもできる。透明な分散液を、ショ糖とクエン酸の溶液に加えてレモン風味の飲料を作製した。 実施例5.植物ステロールのHLCV分散液 10gのレシチン(Lecigran、Cargill又はUltralec、ADM)と2gの植物ステロール(Cardioaid、ADM又はCorowise、Cargill)を、11mlの90%エタノール中に約70℃にて溶解し、5:1レシチン:ステロールの重量比を得た。全成分を溶解した時点で、溶液を混合しながら蒸留水に加え、続いて、約600barにてAPV Rannie 7.30.VHホモジナイザ内を通す6回の通過により65℃の入口温度にて均一化して、植物ステロールHLCVを作り出した。 実施例6.水性飲料中のHLCV 実施例1−1のHLCV分散液を、室温で混合しながら5:1のレシチン:ポリソルベートの重量比にてポリソルベート80と組み合わせた。そして、分散液を、スポーツ飲料中に希釈して、魚油を含む透明な(低い濁度の)水性飲料を作り出した。 実施例7.海洋生物の脂質 20gのオキアミ油(ナンキョクオキアミ(Euphausia superba)から抽出した油)、30gのレシチン(Cargill Lecigran)、0.5gのビタミンE、1.0gのポリソルベート80、及び4mlの無水エタノールをボトル内で組み合わせた。混合物を、溶液が外観上均一になるまで65℃に加熱しながら約60分間混合した。この混合物を、65℃に加熱した400mlの精製水に加え、そして5分間混合した。分散液を、約600bar及び65℃の入口温度にてNiro Soavi NS1001Lホモジナイザを6回通過させて均一化した。得られた分散液は、半透明であり、且つ、オキアミ油のピンク色の特徴を有していた。このオキアミ油HLCV組成物の写真と粒径データを図5A及び5Bにそれぞれ示す。体積加重平均直径が64nmであることがわかった。 実施例8.エタノール、イソプロピルアルコール又はイソブチルアルコール中の魚油 20gの魚油(EPAX 1050)、30gのレシチン(Cargill Lecigran)、0.5gのビタミンE、1.0gのポリソルベート80、及び4mlのエタノールをボトル内で組み合わせた。いずれの場合にも、組成物を、溶液が外観上単相性になるまで65℃に加熱しながら約60分間混合した。これらの混合物を、65℃に加熱した250mlの精製水に加え、そしてそれを5分間混合した。水和魚油及びレシチン分散液の50mlのサンプルを、追加の精製水及びアルコールと組み合わせて、100mlの全体積中、約30%(v/v)のエタノール、30%(v/v)のイソプロピルアルコール、又は5%(v/v)のイソブチルアルコール中の水和分散液を作り出す。各分散液を、約600bar及び65℃の入口温度にてNiro Soavi NS1001Lホモジナイザを4回通して均一化した。分散液を、精製水で約3mg/ml魚油まで希釈した。イソプロピルアルコール魚油HLCV組成物の写真と粒径データを、図6A〜6Bにそれぞれ示す。このイソブチルアルコール魚油HLCV組成物の写真と粒径データを、図7A〜7Bにそれぞれ示す。図3は、30%エタノールのサンプルの外観を示す。 実施例9−1.精油:カルバクロール(ポリソルベートなし) 10gのレシチン(Cargill lecigran)を、65℃に加熱した200mlの精製水中に希釈した。分散液を、混合し、そして10分間水和し、次いで、約550bar及び65℃の入口温度にてNiro Soavi NS1001Lホモジナイザを6回通して均一化した。この分散液に、1gのカルバクロールを加え、その溶液を65℃に維持し、且つ、1時間混合し、次いで、室温に冷まし、そしてHLCV内にカルバクロールの分散液を得た。 実施例9−2.精油:カルバクロール(ポリソルベートあり) 均一化後に1gのポリソルベート80を加え、そしてその分散液を10分間撹拌し、続いて、65℃にて1時間混合しながら1gのカルバクロールを加えたことを除いて、カルバクロールのHLCV組成物を実施例9−1にあるように作製した。そして、分散液を、混合しながら室温に冷まして、HLCV内にカルバクロールの分散液を得た。 実施例9−3.精油:レシチン対照 実施例9−1にあるようなHLCV組成物を、カルバクロールの添加なしに調製した。 図8Aは、実施例9−1、9−2(2)及び9−3(3)からのHLCV組成物の写真である。ポリソルベート80(1)を用いて調製したカルバクロールのサンプルは、外観上レシチン対照(3)と非常に類似している。いくらか透明でないが、ポリソルベート80(2)を含まないカルバクロールサンプルの外観は、ポリソルベート80の必要なしにHLCV内のカルバクロールの完全分散をはっきりと実証している。図8B、8C、及び8Dは、実施例9−1(1)、9−2(2)、及び9−3(3)からの粒径データをそれぞれ示し、そしてそれに関して、体積加重平均直径は、それぞれ56nm、97nm、及び37nmであった。図8Cは、ポリソルベートが使用されていないときに、いくつかのより大きい直径の粒子を伴う偏った分布の存在が示唆される−−これは、図8Aに見られる低い透明度と、(体積による)より大きい平均直径の両方によく対応している。しかしながら、動的レーザー光散乱によるサブミクロン粒子サイズ決定が平均粒径を量的に実証するのに好適であるが、平均に関する粒径の分布における類似点と相違点を質的にだけ決定することに留意するのが重要である(すなわち、ヒストグラムプロットは相違点を明らかにするが、詳しい情報を提供するために頼ってはいけない)。 実施例及び図面を通じて議論され、そしてその中で例示されるとおり、低いPC含有量を有するHLCVは、調整水(そしてアルコール及び/又は安定剤も含むこともできる)の存在下で有効成分を添加され、分散型組成物を形成する。図1A、2A、3、4A、5A、6A、7A及び8Aの写真は、図1C、2C、4B、4C、5B、6B、7B、8B、8C、及び8Dの対応する粒径データによって支持されるように、HLCV内に添加された有効成分の開示された実施例を示す。 本発明を、特定の代表的な実施形態を参照することで例示及び説明したが、当業者は、説明した実施形態に対して、以下の請求項で規定した本発明の要旨や範囲から逸脱することなく、様々な修飾及び変更が加えられることを理解する。 膜及び水相を持つ小胞であって: 約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、及び 前記小胞の膜中に組み込まれた有効成分、を含む小胞;並びに 調整水、を含む安定した均一分散液を含む組成物。 前記調整水が、100ppm未満の硬イオンを有する、請求項1に記載の組成物。 前記調整水が、1センチメートルあたり20マイクロシーメンス未満の電気伝導度を有する、請求項1に記載の組成物。 前記小胞が、約120nm以下の体積加重平均直径を有する、請求項1に記載の組成物。 前記小胞の膜が、リン脂質二重層である、請求項1に記載の組成物。 前記組成物が、透明な分散液である、請求項1に記載の組成物。 安定剤をさらに含む、請求項1に記載の組成物。 前記安定剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項7に記載の組成物。 アルコールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。 前記アルコールが、6個以下の炭素を持つ脂肪族アルコールである、請求項9に記載の組成物。 前記アルコールが、メタノール、エタノール、プロパノールの異性体、及びブタノールの異性体から成る群から選択される脂肪族アルコールである、請求項10に記載の組成物。 前記有効成分が、脂溶性化合物である、請求項1に記載の組成物。 前記脂溶性化合物が、嗅覚物質、天然エキス、精油、着色料、ビタミン、ビタミン塩、薬理学的に活性なビタミン代謝物、薬理学的に活性なビタミン代謝物の塩、植物化学物質、油溶性酸、油溶性アルコール、必須脂肪酸、ツキミソウ油、ベニバナ油、魚油、海洋生物からの脂質、シクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス性化合物、抗生物質、カロテノイド、ステロイドホルモン、フラボノイド、タンパク質、酵素、補酵素、塗料、インク、及び農薬から成る群から選択されるものの少なくとも1つである、請求項12に記載の組成物。 約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、及び 有効成分、を含む小胞;並びに調整水、を含む組成物。 前記小胞が、リン脂質二重層である、請求項14に記載の組成物。 安定剤をさらに含む、請求項14に記載の組成物。 前記安定剤が、ポリソルベート又はポリオキシエチレンアルキルエーテルである、請求項14に記載の組成物。 アルコールをさらに含む、請求項14に記載の組成物。 約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン; 有効成分;及び アルコール、から成る均一混合物を含む組成物。 調整水をさらに含む、請求項19に記載の組成物。 前記調整水が、レシチンに対して約10重量%以下の量で存在している、請求項20に記載の組成物。 油をさらに含む、請求項19に記載の組成物。 アルコールが、レシチンに対して約50重量%以下の量で存在している、請求項19に記載の組成物。 小胞担体組成物の製造方法であって: 調整水中で80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを水和して、膜と水相を持つレシチン小胞を形成すること;そして 前記レシチン小胞の膜内に有効成分を組み込み、膜内添加したレシチン小胞を形成すること、を含む方法。 有効成分を組み込む前に、レシチン小胞を処理してレシチン単膜小胞を作製することをさらに含む、請求項24に記載の方法。 前記レシチン小胞の処理が、均一化又は高剪断混合を含む、請求項25に記載の方法。 前記レシチン小胞内への有効成分の組み込みが、加熱を含む、請求項24に記載の方法。 前記調整水が、アルコールをさらに含む、請求項24に記載の方法。 水和前にレシチンに安定剤を加えるか、あるいは、有効成分の組み込み前又は組み込み後にレシチン小胞に安定剤を加えることにより、安定剤を包含することをさらに含む、請求項24に記載の方法。 レシチン小胞の膜中への有効成分の組み込み後に、膜内添加したレシチン小胞を処理して、膜内添加したレシチン小胞のサイズを低減することをさらに含む、請求項24に記載の方法。 前記レシチン小胞の処理が、均一化又は高剪断混合を含む、請求項30に記載の方法。 前記組成物を、固体まで乾燥させることをさらに含む、請求項24に記載の方法。 前記組成物を、クリーム又はペースト内に組み込むことをさらに含む、請求項24に記載の方法。 膜と水相を持つ小胞担体組成物の製造方法であって: 約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合して、均一な液体混合物を形成すること;そして 前記均一な液体混合物を調整水を用いて水和して、レシチン小胞の膜中に有効成分が組み込まれたレシチン小胞を形成すること、を含む方法。 約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールの混合中に、加熱することをさらに含む、請求項34に記載の方法。 80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合しながら、油を混合することをさらに含む、請求項34に記載の方法。 約80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合しながら、調整水を混合することをさらに含む、請求項34に記載の方法。 前記調整水を、レシチンに対して最大で約10重量%まで加える、請求項37に記載の方法。 前記均一な液体混合物の水和後に、レシチン小胞を処理してレシチン単膜小胞を作製することをさらに含む、請求項34に記載の方法。 前記レシチン小胞の処理が、均一化又は高剪断混合を含む、請求項39に記載の方法。 前記アルコールが、レシチンに対して約50重量%以下の量で存在している、請求項34に記載の方法。 均一組成物の形成方法であって: 80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを、有効成分及びアルコールと混合すること、を含む方法。 80w/w%以下のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを、有効成分及びアルコールと混合しながら、調整水を混合することをさらに含む、請求項42に記載の方法。 前記調整水を、レシチンに対して最大約10重量%まで加える、請求項43に記載の方法。 前記アルコールが、レシチンに対して約50重量%以下の量で存在している、請求項42に記載の方法。 小胞担体組成物の製造方法であって: 約80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチンを調整水中で水和して、膜と水相を持つレシチン小胞を形成すること;そして 前記レシチン小胞の膜中に有効成分を組み込み、膜内添加したレシチン小胞を形成すること、を含む方法。 前記レシチンが、ホスファチジルグリセロールをさらに含む、請求項46に記載の方法。 前記有効成分が、シクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス性化合物、抗生物質、カロテノイド、ステロイドホルモン、フラボノイド、酵素、及び補酵素から成る群から選択される医薬的有効成分である、請求項46に記載の方法。 有効成分を組み込む前に、レシチン小胞を処理してレシチン単膜小胞を作製することをさらに含む、請求項46に記載の方法。 前記レシチン小胞の処理が、均一化又は高剪断混合を含む、請求項49に記載の方法。 水和前にレシチンに安定剤を加えるか、あるいは、有効成分の組み込み前又は組み込み後にレシチン小胞に安定剤を加えることにより、安定剤を包含することをさらに含む、請求項46に記載の方法。 レシチン小胞の膜中への有効成分の組み込み後に、膜内添加したレシチン小胞を処理して、膜内添加したレシチン小胞のサイズを低減することをさらに含む、請求項46に記載の方法。 前記レシチン小胞の処理が、均一化又は高剪断混合を含む、請求項52に記載の方法。 膜と水相を持つ小胞担体組成物の製造方法であって: 80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合して、均一な液体混合物を形成すること;そして 均一な液体混合物を調整水を用いて水和して、有効成分がレシチン小胞の膜中に組み込まれたレシチン小胞を形成すること、を含む方法。 前記レシチンが、ホスファチジルグリセロールをさらに含む、請求項54に記載の方法。 前記有効成分が、シクロスポリンA、プロポフォール、脂溶性プロテアーゼインヒビター、抗レトロウイルス性化合物、抗生物質、カロテノイド、ステロイドホルモン、フラボノイド、酵素、及び補酵素から成る群から選択される医薬的有効成分である、請求項54に記載の方法。 80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールの混合中に、加熱することをさらに含む、請求項54に記載の方法。 80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合しながら、油を混合することをさらに含む、請求項54に記載の方法。 80w/w%超のホスファチジルコリン含有量を有するレシチン、有効成分、及びアルコールを混合しながら、調整水を混合することをさらに含む、請求項54に記載の方法。 前記調整水を、レシチンに対して最大で約10重量%まで加える、請求項54に記載の方法。 均一な液体混合物の水和後に、レシチン小胞を処理して、レシチン単膜小胞を作製することをさらに含む、請求項54に記載の方法。 前記レシチン小胞の処理が、均一化又は高剪断混合を含む、請求項61に記載の方法。 前記アルコールが、レシチンに対して約50重量%以下の量で存在している、請求項54に記載の方法。 水和レシチン担体小胞組成物は、分散した組成物を形成するために、有効成分の組み込みのための調整水中にレシチン由来の膜形成脂質小胞を含む。水和レシチン担体小胞の作製方法には、約80% w/w以下のホスファチジルコリンを持つレシチンを調整水の存在下で使用することが含まれる。


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