タイトル: | 公表特許公報(A)_リスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシンによる併用療法 |
出願番号: | 2013514386 |
年次: | 2013 |
IPC分類: | A61K 31/155,A61K 31/16,A61K 47/38,A61K 47/12,A61P 43/00,A61P 25/18,A61P 25/28 |
アーマー,ジェームス シー. JP 2013528226 公表特許公報(A) 20130708 2013514386 20110610 リスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシンによる併用療法 シャイア エルエルシー 507055017 稲葉 良幸 100079108 大貫 敏史 100109346 アーマー,ジェームス シー. US 61/353,858 20100611 A61K 31/155 20060101AFI20130611BHJP A61K 31/16 20060101ALI20130611BHJP A61K 47/38 20060101ALI20130611BHJP A61K 47/12 20060101ALI20130611BHJP A61P 43/00 20060101ALI20130611BHJP A61P 25/18 20060101ALI20130611BHJP A61P 25/28 20060101ALI20130611BHJP JPA61K31/155A61K31/16A61K47/38A61K47/12A61P43/00 121A61P25/18A61P25/28 AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2011039976 20110610 WO2011156710 20111215 26 20130121 4C076 4C206 4C076BB01 4C076CC01 4C076EE31 4C076EE32 4C076FF31 4C206AA01 4C206AA02 4C206GA16 4C206GA23 4C206HA31 4C206KA15 4C206MA02 4C206MA04 4C206MA72 4C206NA12 4C206ZA15 4C206ZC75 本発明は、注意欠陥多動性障害(ADHD)単独療法に対する準最適な(suboptimal)応答を有する子供及び大人を治療することに関する。より具体的には、本発明は、患者に徐放性グアンファシン組成物をリスデキサンフェタミン組成物と併用して投与することを含む、患者のADHDを治療する方法に関する。 注意欠陥多動性障害(ADHD)は、持続的な様式の発達上不適切な不注意、衝動性、及び多動性を特徴とする不均一な神経行動学的障害である。この障害は、他の合併疾患の存在下で生じることが多い。ADHDの診断は、疾病及び関連保健問題の国際統計分類、第10改訂(ICD−10(登録商標))基準、又は精神障害の診断及び統計マニュアル、第4版−テキスト改訂(DSM−IV−TR(登録商標))基準(アメリカ精神医学界2000)のいずれかを適用する医療専門家によって行なわれる。少なくとも6カ月間持続するADHDの症状は、別の精神障害では説明することができない、少なくとも2つの環境(例えば、社会、学校、又は職場)において年齢に適した機能性を妨げることが示されなければならない。DSM−IV−TR基準によれば、3つのADHD亜型:多動性/衝動性型、不注意型、又は複合型がある。ADHD亜型、性別、及び合併障害の存在によって、ADHDを有する個体は、特定の年齢層内でもかなり異なり得る。 ADHDは、幼少期の最も一般的な神経発達障害の1つであり、そのため、罹患率が幅広く研究されている。文献に報告されている率は様々に異なる。しかしながら、圧倒的多数の差異は、方法論的な違いによるものであると考えられる。方法論的な違いに応じて調整した場合、18歳以下の子供における全世界でのADHD罹患率は、5.3%と推定することができる。北アメリカとヨーロッパと世界の他の地域の間でのADHD罹患率の有意差は、102の研究と171,756名の対象を含む、このメタ回帰分析で検出されなかった(Polanczyk et al., Am J Psych. 2007;164(6):942-48)。 ADHDの正確な病因は不明である。幅広い研究により、神経伝達物質欠損(Arnsten et al., Arch Gen Psych. 2001;53(5):448-55)、遺伝的性質(Arnsten 2001; Brown K, Neuroscience, 2003;301(5630):160-1)、環境(Kahn et al., J Pediatr. 2003;143(1):104-10)、及び周産期合併症(Bhutta et al., JAMA 2002;288(6):728-37)の全てが要因となり得ることが示唆されている。ADHDの有効な薬物治療の作用機序は、シナプスにおける神経伝達物質(特に、ノルエピネフリン及び/もしくはドーパミン、又はそれらの前駆体)のレベルを、その放出を促進して、その再取込みを減少させるか、又は後シナプス受容体に結合して、それを活性化させるかのいずれかによって上昇させることであると仮定されている(Kratochvil et al., Expert Opin Pharmacother. 2003;4(7):1165-74; Wang et al., Cell 2007;129(2):397-410)。 メチルフェニデート及びアンフェタミンなどの精神刺激薬は、1937年以来、ADHD及びその診断的前駆症状を含む、子供の行動の問題を扱うために使用されている(Wilens and Biederman, Psychiatr Clin North Am. 1992;15(1):191-222)。ADHD児に関する集学的治療研究の共同グループ(The Multimodal Treatment Study of Children with ADHD Cooperative Group)により、ADHDの中長期の治療(14カ月)については、効果が認められるまで精神刺激薬治療(メチルフェニデートHCl)の用量を調節した後に月1回訪問することが、行動療法単独、及び投薬治療に含まれるルーチンの地域ケアよりも優れていることが示された(The MTA Cooperative Group, Arch Gen Psych. 1999;56(12):1073-86)。 精神刺激薬の有効性にもかかわらず、準最適な応答を有する患者もいれば(Olfson, Am J Manag Care, 2004;10(suppl 4):S117-24)、副作用、並びに場合により、最適用量に達するその能力を制限するいくつかの一般的な合併症(例えば、食欲不振、チック、及び不眠症)を悪化させる患者もいる。 グアンファシンは、ADHDの治療に承認されている選択的α2作動薬である。前臨床研究に基づき、グアンファシンの作用機序は、背外側前頭前野皮質(DLPFC)に対する効果によるものと仮定されており、この背外側前頭前野皮質で、グアンファシンは、後シナプスα2A−アドレナリン受容体におけるノルエピネフリンの効果を増強し(Arnsten et al., Arch Gen Psych. 1996;53(5):448-55)、局所的な脳血流量を増加させて(Avery et al., Neuropsychopharmacol. 2000;23(3):240-9)、ADHD患者の認知及び行動を改善すると考えられている。しかしながら、正確な作用機序は不明である。動物で見られるDLPFCに対する効果は、ベースライン時及び1mgの即放性グアンファシン投与後にスキャンされた正常な大人のヒトにおける最近の機能的磁気共鳴画像研究でも立証された(Clerkin et al.Biol Psych. 2009;66(4):307-12)。若い無傷のアカゲザルにおける遅延応答性能をグアンファシンで改善することができることも示されている(Franowicz and Arnsten, Psychopharmacol. (Berl) 2002;162(3):304-12)。 即放性グアンファシン処方薬の評価から、即放性グアンファシンの処方薬の42%が精神刺激薬とともに処方されていることが明らかになった(IMS 2009)。徐放性グアンファシンHClは、2009年9月にINTUNIV(登録商標)として承認された。 本発明は、ADHD単独療法に対する準最適な応答を有する子供及び大人を治療する問題に対処するものである。より具体的には、本発明は、患者に徐放性グアンファシン組成物をリスデキサンフェタミン組成物と併用して投与することを含む、患者の注意欠陥多動性障害(ADHD)を治療する方法を含む。 本発明の一態様では、徐放性グアンファシン組成物は、1日に1回経口投与される。さらに、徐放性グアンファシン組成物は、朝に又は夜に投与することができる。本発明によれば、徐放性グアンファシン組成物の投薬量は、1mg、2mg、3mg、又は4mgであり得る。さらに、本発明の一実施形態では、本発明は、徐放性グアンファシン組成物の投薬量が、0.05mg/kg/日〜0.12mg/kg/日であり得ることを提供する。別の実施形態では、本発明は、徐放性グアンファシン組成物の投薬量が、0.05mg/kg/日〜0.14mg/kg/日であり得ることを提供する。 本発明の一実施形態では、リスデキサンフェタミン組成物は、メシル酸リスデキサンフェタミンを含む。さらなる実施形態では、リスデキサンフェタミン組成物は、メシル酸リスデキサンフェタミン、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含む。本発明によれば、リスデキサンフェタミンは、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、又は70mgの単一日用量で投与することができる。 本発明は、徐放性グアンファシン組成物が、塩酸グアンファシン、ヒプロメロース、及びメタクリル酸コポリマーを含み得ることを提供する。 本発明の一実施形態では、患者は子供である。別の実施形態では、患者は青年である。さらなる実施形態では、患者は大人である。単独の及びリスデキサンフェタミン(VYVANSE(登録商標))と組み合わせた徐放性グアンファシン(SPD503、INTUNIV(登録商標))の投与後の経時的な平均グアンファシン濃度を示すグラフである。単独の及びSPD503と組み合わせたVYVANSE(登録商標)の投与後の経時的な平均d−アンフェタミン濃度を示すグラフである。単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後の経時的な平均リスデキサンフェタミン濃度を示すグラフである。詳細な説明: 薬力学的な薬物・薬物相互作用は、2つの薬物が共投与されるときに生じ、一方又は両方の薬物の代謝、吸収、組織及び/もしくは血清結合、分布、又は排除の変化を引き起こすことがある。グアンファシンは、CYP3A4によって代謝されることが知られている。リスデキサンフェタミンはCYP450系によって代謝されず、この系の誘導因子でも阻害因子でもない。定義: 「有害事象」(AE)とは、医薬製品を投与された臨床試験対象における任意の有害な医療上の出来事であり、これは、必ずしも治療との因果関係を有するものではなかった。 「治療中に発生した有害事象」(TEAE)とは、治療期間中に発生又は悪化したAEである。 「治療中に発生しなかった有害事象」とは、治療前の期間又は治療後の期間に発生したAEである。 「Cmax」は、最大血漿濃度である。 「Tmax」は、Cmaxまでの時間である。 「AUC0−∞」は、無限大にまで外挿された血漿濃度対時間曲線下面積である。 「T1/2」は、見かけの最終半減期である。 「CL/F」は、見かけの経口用量クリアランスである。 「Vz/F」は、見かけの分布容積である。徐放性グアンファシン: 塩酸グアンファシンは、2−アドレナリン受容体作動薬である。塩酸グアンファシンの化学名は、N−アミジノ−2−(2,6−ジクロロフェニル)アセトアミド一塩酸塩であり、その分子量は282.55である。 塩酸グアンファシンの化学構造は、下記のものである: 本発明による徐放性グアンファシン製剤は、好ましくは、塩酸グアンファシン、ヒプロメロース、及びメタクリル酸コポリマーを含む。実施例に記載されている研究で投与された徐放性グアンファシンは、Shire Pharmaceuticalsによって提供された徐放性塩酸グアンファシン(INTUNIV(登録商標))であった。リスデキサンフェタミン: 本発明によるリスデキサンフェタミン製剤は、好ましくは、メシル酸リスデキサンフェタミン、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含む。実施例に記載されている研究で投与されたリスデキサンフェタミンは、VYVANSE(登録商標)(Shire Pharmaceuticals)であった。VYVANSE(登録商標)は、メシル酸リスデキサンフェタミンである。 リスデキサンフェタミンの化学構造は、下記のものである:投薬量及び投与 本発明のリスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシンの好ましい投与経路は、経口である。他の投与経路には、直腸、舌下、及び任意の他の経粘膜経路が含まれる。リスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシンは、個別の剤形、例えば、錠剤又はカプセル剤として投与することができる。本発明によれば、リスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシンは、単一投薬単位、例えば、リスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシンを含む錠剤として一緒に投与することができる。併用療法では、組合せの各々の活性成分の投薬量及び投与頻度は、独立に制御することができる。例えば、1つの活性成分を1日に3回投与することができる一方で、第2の化合物を1日に1回投与することができる。これらの化合物は、1回の投与で両方の化合物が送達されるように、一緒に製剤化することもできる。 本発明による徐放性グアンファシン及びリスデキサンフェタミンを含む投薬単位は、2種の活性剤を含むための任意の従来形態、例えば、二層錠、マトリクスを含む固体剤形、ビーズの集団を含むカプセルの形態であることができる。 徐放性グアンファシンの投薬量は、0.5mg〜10mgであることができる。特定の実施形態では、徐放性グアンファシンの投薬量は、0.5mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、又は10mgである。徐放性グアンファシン投薬は、1回の日用量で又は分割用量で投与することができる。本発明の一実施形態では、1日の投薬量は、4mgである。さらなる実施形態では、1日の投薬量は、0.05mg/kg〜0.08mg/kg又は0.09〜0.12mg/kgである。 リスデキサンフェタミンの投薬量は、1mg〜100mgであることができる。特定の実施形態では、リスデキサンフェタミンの投薬量は、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、15mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、又は100mgである。リスデキサンフェタミン投薬は、1用量で又は分割用量で投与することができる。したがって、例えば、リスデキサンフェタミンは、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、又は70mgの単一日用量で投与することができる。 したがって、徐放性グアンファシン及びリスデキサンフェタミンを含む単位剤形の場合、投薬量は、例えば、20mgのリスデキサンフェタミン及び2mgの徐放性グアンファシンであることができる。活性成分(リスデキサンフェタミン及び徐放性グアンファシン)の各々の好適な投薬量の任意の組合せも、本発明によって好適である。 特許請求された組合せの各々の化合物の投薬量は、投与方法、治療される疾患、疾患の重症度、疾患を治療するのか、又は予防するのかということ、並びに治療される人の年齢、体重、及び健康を含むいくつかの因子によって決まる。 本発明の一態様では、徐放性グアンファシンを、患者の現在のリスデキサンフェタミンによるADHD治療に追加する。したがって、例えば、リスデキサンフェタミンに対する準最適な応答を有する患者は、1mg/日の徐放性グアンファシンを始め、忍容性及び応答に基づいて、最大4mg/日まで漸増させる。この例では、患者は、最大投薬量で維持される。 本発明の一態様では、リスデキサンフェタミンと徐放性グアンファシンとの組合せを患者に投与して、注意欠陥多動性障害(ADHD)を治療する。患者は、例えば、大人のヒト、ヒトの青年(13〜17歳)、又はヒトの子供(例えば、6〜12歳)であることができる。本発明の一実施形態では、リスデキサンフェタミンと徐放性グアンファシンとの組合せを投与して、単剤治療に対して非応答性又は部分応答性であったADHDのヒトを治療することができる。別の実施形態では、リスデキサンフェタミンと徐放性グアンファシンとの組合せを投与して、他のADHD療法の副作用に苦しんでいたヒトを治療することができる。さらなる実施形態では、リスデキサンフェタミンと徐放性グアンファシンの組合せを、ADHDに対する第一選択の治療としてヒトに投与することができる。医薬組成物 本発明の医薬組成物は、任意の適切な量の活性成分を任意の好適な医薬担体物質中に含むことができる。組成物は、例えば、錠剤、カプセル剤、丸薬、散剤、顆粒、懸濁液、乳濁液、溶液、ハイドロゲルを含むゲル、ペースト、軟膏、クリーム、硬膏、飲薬、浸透圧による送達デバイス、坐剤、浣腸剤、注射剤、インプラント、スプレー、又はエアロゾルの形態であることができる。医薬組成物は、従来の薬務に従って製剤化することができる(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th edition, 2000, ed. A. R. Gennaro, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkを参照されたい)。 組合せ中の各々の活性成分は、当技術分野で公知である種々の方法で製剤化することができる。例えば、成分を一緒に又は別々に製剤化することができる。したがって、成分を、薬剤の同時又はほぼ同時投与のために一緒に製剤化することができる。そのような共製剤化される組成物としては、同じ丸薬、カプセル剤などに入れて一緒に製剤化されるリスデキサンフェタミンと徐放性グアンファシンとを含むことができる。異なる薬剤に対して異なる製剤化戦略を用いることによって、各々の薬剤の薬物動態プロファイルを好適に一致させることができる。 個々に又は別々に製剤化された成分をキットとして一緒に包装することができる。さらに、単位用量キットは、組成物の調製及び投与の指示書を含むことができる。キットは、1人の患者用の単回使用単位用量、特定の患者用の(一定の用量での、もしくは治療が進行するにつれて、個々の化合物の効力が異なり得る)複数回使用として製剤化することができるか、あるいは、キットは、複数の患者への投与に好適な複数用量を含むことができる(「バルク包装」)。キットの構成要素は、紙パック、ブリスターパック、ボトル、チューブなどの中にまとめることができる。 剤形は、当技術分野で周知の方法に従って製造することができる。いくつかの好ましい方法を以下に記載する。二層錠 組合せの各々の活性成分に対して異なる独自の造粒を行ない、2種の活性成分を二層プレス機で圧縮して、単一の錠剤を形成させる本発明の組合せについて、二層錠を製剤化することができる。マトリクス剤形 本明細書で使用されるマトリクスという用語は、医薬技術分野におけるその周知の意味で与えられている、すなわち、活性剤がその中に組み込まれている固体材料である。溶解媒体に曝露されたとき、活性剤が抜け出せるように、固体材料中にチャネルが形成される。本発明の一実施形態による剤形は、コーティングされた又はコーティングされていないマトリクスの形態であることができる。コーティングは、例えば、単独のリスデキサンフェタミンを含むことができ、マトリクスそれ自体は、例えば、単独の又はリスデキサンフェタミンと組み合わせた徐放性グアンファシンを含むことができる。 当業者は、マトリクス材料を、所望の溶解プロファイルを提供し得る多種多様な材料から選ぶことができることを理解するであろう。材料としては、例えば、ポリビニルアルコールなどの1種以上のゲル形成ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのヒドロキシプロピルアルキルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのヒドロキシアルキルセルロースを含むセルロースエーテル、グアーガム、キサンタンガム、及びアルギネートなどの天然又は合成ゴム、並びにエチルセルロース、ポリビニルピロリドン、脂肪、ワックス、Carbopol(登録商標)(Noveon IP Holdings, Corporation)シリーズのポリマー、メタクリル酸コポリマー、及びメタクリレートポリマーなどのポリカルボン酸又はポリカルボン酸エステルを含むことができる。 マトリクス投薬を作成する方法は当技術分野で周知であり、所望の放出溶解プロファイルをもたらすそのような投薬を作成する任意の公知の方法を用いることができる。そのような方法の1つは、固体ポリマー材料と活性成分の組合せと1種以上の薬学的に許容可能な賦形剤の混合物を含み、これらは、後にブレンドされ、制御放出錠剤コアの中で圧縮される。そのような錠剤コアを、二層錠、プレスコート錠、又はフィルムコート錠としてさらなる加工に用いることができる。 コーティングを錠剤コアの外側に添加して、最終的な剤形を産生することができる。そのようなコーティングを錠剤コアにスプレーコーティングすることができる。コーティングを、プレスコーティング法を用いて塗布することもできる。プレスコーティング技術は当技術分野で公知であり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、Tingらの米国特許第6,372,254号に記載されている。 さらに、放出成分の製剤化は、当技術分野で周知であるような適切な造粒法で行なうことができる。湿式造粒では、結合剤(ポリマー)の溶液を撹拌しながら混合粉末に添加する。粉末塊を、この塊が湿った雪又はブラウンシュガーの粘稠度を有するまで、結合溶液で湿潤させる。湿った粒状材料をふるい装置に通す。製粉工程からの湿った材料を、それを温度制御容器中に入れることによって乾燥させる。乾燥させた後、粒状材料の粒径を、それをふるい装置に通すことによって減少させる。滑沢剤を添加し、その後、最終ブレンドを圧縮して、マトリクス剤形にする。 流動床造粒では、不活性材料及び/又は活性剤の粒子を、上昇気流を用いて垂直カラム中で浮遊させる。粒子を浮遊させている間、溶液状態の一般的な造粒材料をカラム中に噴霧する。制御された一連の条件下で粒子が徐々に蓄積され、錠剤造粒がもたらされる。乾燥、及び滑沢剤の添加後、造粒材料は圧縮準備完了となる。 乾式造粒では、活性剤、結合剤、希釈剤、及び滑沢剤をブレンドし、圧縮して錠剤にする。圧縮された大型錠剤を、ふるい装置で望ましいメッシュスクリーンに通して粉砕する。さらなる滑沢剤を粒状材料に添加し、穏やかにブレンドする。その後、この材料を圧縮して錠剤にする。粒子ベースの剤形 本発明の即放性剤形/制御放出剤形は、医薬粒子の形態を取ることもできる。この剤形は、活性成分の所望の投薬を送達するのに十分な比で制御放出粒子と組み合わせた即放性粒子を含むことができる。制御放出粒子は、即放性粒子をコーティングすることによって産生することができる。 粒子は、粒子を作製するためのいくつかの周知の方法のいずれかによって産生することができる。即放性粒子は、活性剤の組合せ及び崩壊剤を含む。好適な崩壊剤には、例えば、デンプン、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、カルシウムカロボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルデンプン、及び微結晶性セルロースが含まれる。 上述の成分に加えて、制御放出マトリクスは、好適な量の他の材料、例えば、医薬分野で慣習的である希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤(flavorant)、及び流動促進剤を含むこともできる。これらの追加材料の量は、所望の製剤に所望の効果を提供するのに十分である。粒子を組み込んだ制御放出マトリクスは、医薬分野で慣習的である希釈剤、滑沢剤、結合剤、造粒助剤、着色剤、香味剤、及び流動促進剤などの好適な量のこれらの他の材料を、必要に応じて、微粒子の最大約75重量%の量で含むこともできる。 粒子は、医薬分野で公知の標準的な構造を取ることができる。そのような構造には、例えば、マトリクス粒子、薬物層を有するノンパレイル(non-pareil)コア、及びその表面に多重層を有する活性コア又は不活性コアが含まれる。制御放出コーティングをこれらの構造のいずれかに添加して、制御放出粒子を生成させることができる。 本明細書で使用される粒子という用語は、約0.01mm〜約5.0mm、好ましくは約0.1mm〜約2.5mm、より好ましくは約0.5mm〜約2mmの直径を有する顆粒を意味する。当業者は、本発明による粒子がこのサイズ範囲内の任意の幾何学的形状であることができ、粒子の統計的分布の平均が上に列挙した粒子サイズの範囲内に含まれる限り、それらは、本発明の意図される範囲内に含まれると考えられることを理解するであろう。 1種以上の放出修飾剤の添加によって、本発明の制御放出製剤からの治療活性成分の放出にさらに影響を与えることができる、すなわち、該放出を所望の速度に調整することができる。放出修飾剤は、有機又は無機であることができ、また、使用環境でコーティングから溶解させるか、抽出するか、又は浸出させることができる材料を含むことができる。孔形成剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの1種以上の親水性材料を含むことができる。放出修飾剤は、半透性ポリマーを含むこともできる。特定の好ましい実施形態では、放出修飾剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ラクトース、ステアリン酸金属塩、及びこれらの混合物から選択される。 一実施形態では、経口剤形は、カプセル内に有効量の上記の粒子を含むように調製される。例えば、溶解押出粒子は、摂取され、胃液に触れたときに有効な制御放出用量を提供するのに十分な量でゼラチンカプセルに入れることができる。別の実施形態では、標準技術を用いる従来の錠剤化装置を用いて、好適な量の粒子を圧縮して経口錠にする。錠剤(圧縮及び成形)、カプセル剤(硬ゼラチン及び軟ゼラチン)、並びに丸薬を作製するための技術及び組成物は、参照により本明細書に組み込まれる、Remington's Pharmaceutical Sciences, Arthur Osol, editor, pp. 1553 1593 (1980)にも記載されている。関連成分を混合し、混合物を粒状化することによって、粒子を作製することができる。得られる粒子を乾燥させ、選別し、所望のサイズを有する粒子を薬物製剤化に用いる。放出制御粒子 本発明の放出制御粒子は、摂取され、胃液及び腸液に触れたときに、活性成分をゆっくりと放出する。例えば、遅延性コーティングの厚さを増加又は減少させることによって、すなわち、上部コーティングの量を変化させることによって、本発明の製剤の制御放出プロファイルを変化させることができる。その後、得られる固体放出制御粒子を、摂取され、環境液、例えば、胃液、腸液、又は溶解媒体に触れたときに、有効な制御放出用量を提供するのに十分な量でゼラチンカプセルに入れることができる。粒子に疎水性又は親水性材料の水分散液を上部コーティングして、放出プロファイルを修飾することができる。疎水性材料の水分散液は、有効量の可塑剤、例えば、クエン酸トリエチルを含むことができる。Aquacoat(登録商標)(FMC Corporation)又はSurelease(登録商標)(Colorcon, Inc., West Point, Pa., U.S.A)などの、エチルセルロースの予め製剤化された水分散液を用いることができる。 疎水性材料は、アルキルセルロース、アクリル酸及びメタクリル酸ポリマー及びコポリマー、シェラック、ゼイン、水素化ヒマシ油、水素化植物油、又はこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。特定の実施形態では、疎水性材料は、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレート、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミンコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メタクリル酸無水物)、ポリメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリ(メタクリル酸無水物)、及びグリシジルメタクリレートコポリマーを含むが、これらに限定されない、薬学的に許容可能なアクリルポリマーである。代わりの実施形態では、疎水性材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの1種以上のヒドロキシアルキルセルロースなどの材料から選択される。ヒドロキシアルキルセルロースは、好ましくは、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又は好ましくは、ヒドロキシエチルセルロースなどのヒドロキシ(C1〜C6)アルキルセルロースである。本経口剤形中のヒドロキシアルキルセルロースの量は、とりわけ、望ましい活性剤の正確な割合によって決定され、約1%〜約80%まで様々に異なり得る。 コーティングが疎水性ポリマーの水分散液を含む本発明の実施形態では、疎水性ポリマーの水分散液中の有効量の可塑剤の含有は、膜の物理的特性をさらに改善することができる。例えば、エチルセルロースは、比較的高いガラス転移温度を有し、通常のコーティング条件でフレキシブル膜を形成しないので、コーティング材料として用いる前にエチルセルロースを可塑化する必要がある。通常、コーティング溶液に含まれる可塑剤の量は、膜形成剤の濃度に基づき、例えば、ほとんどの場合、膜形成剤の約1重量パーセント〜約50重量パーセントである。しかしながら、可塑剤の濃度は、好ましくは、特定のコーティング溶液及び適用方法を用いた注意深い実験の後に決定される。 エチルセルロースの好適な可塑剤の例には、セバシン酸ジブチル、フタル酸ジエチル、クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、及びトリアセチンなどの水不溶性可塑剤が含まれるが、他の水不溶性可塑剤(例えば、アセチル化モノグリセリド、フタル酸エステル、ヒマシ油など)を用いてもよい。本発明のアクリルポリマーの好適な可塑剤の例には、クエン酸トリエチルNF XVI、クエン酸トリブチルなどのクエン酸エステル、フタル酸ジブチル、及び場合により、1,2−プロピレングリコールが含まれるが、これらに限定されない。Eudragit(登録商標)RL/RS(Rohm Pharma)ラッカー溶液などのアクリル膜から形成された膜の弾性を増強させるのに好適であることが分かっている他の可塑剤には、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、フタル酸ジエチル、ヒマシ油、及びトリアセチンが含まれる。クエン酸トリエチルは、エチルセルロースの水分散液のための好ましい可塑剤である。 エチルセルロースの市販の水分散液の1つは、エチルセルロースを水不混和性有機溶媒に溶解させ、その後、エチルセルロースを、界面活性剤及び安定化剤の存在下、水中で乳化させることによって調製されるAquacoat(登録商標)(FMC Corporation)である。サブミクロンの液滴を生成させるホモジナイゼーションの後、有機溶媒を真空下で蒸発させて、疑似ラテックスを形成させる。可塑剤は、製造フェーズの間、疑似ラテックスに組み込まれない。したがって、疑似ラテックスをコーティングとして用いる前に、Aquacoat(登録商標)が好適な可塑剤と混合される。 エチルセルロースの別の水分散液は、Surelease(登録商標)(Colorcon, Inc., West Point, Pa., U.S.A.)として市販されている。 一実施形態では、アクリルコーティングは、Eudragit(登録商標)という商標名でRohm Pharmaから市販されているものなどの、水分散液の形成で用いられるアクリル樹脂ラッカーである。さらなる実施形態では、アクリルコーティングは、Eudragit(登録商標)RL 30 D及びEudragit(登録商標)resu 30 Dという商標名でRohm Pharmaから市販されている2種のアクリル樹脂ラッカーの混合物を含む。Eudragit(登録商標)RL 30 D及びEudragit(登録商標)resu 30は、四級アンモニウム基の含有量が少ないアクリル酸エステルとメタクリル酸エステルとのコポリマーであり、アンモニウム基と残りの中性(メト)アクリル酸エステルとのモル比は、Eudragit(登録商標)RL 30中1:20、及びEudragit(登録商標)resu 30 D中1:40である。平均分子量は、約150,000ダルトンである。Eudragit(登録商標)RL/RS(Rohm Pharma)混合物は、水中及び消化液中で不溶性であるが、それらから形成されるコーティングは、水溶液及び消化液中で膨潤性及び透過性である。 望ましい溶解プロファイルを有する制御放出製剤を最終的に得るために、Eudragit(登録商標)RL/RS分散液を任意の所望の比で一緒に混合することができる。当然、当業者は、他のアクリルポリマーも使用し得ることを認識しているであろう。様々なアクリル樹脂ラッカーの相対量を変化させることによって溶解プロファイルを修飾することに加えて、最終産物の溶解プロファイルを、例えば、遅延性コーティングの厚さを増加又は減少させることによって修飾することもできる。 治療活性剤をコーティングしたスフェロイド又はビーズを、例えば、治療活性剤を水に溶解させ、その後、溶液を基材、例えば、ノンパレイル18/20ビーズにWusterインサートを用いて噴霧することによって調製することができる。任意選択により、ビーズへの活性剤の結合を助けること、及び/又は溶液を着色することなどのために、ビーズをコーティングする前に追加の成分も添加する。例えば、着色剤(例えば、Colorcon社から市販されているOpadry(登録商標))とともに又は着色剤なしでヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む産物を溶液に添加し、この溶液をビーズ表面への塗布の前に(例えば、約1時間)混合することができる。その後、得られるコーティングされた基材、この例ではビーズに、任意選択によりバリア剤を上部コーティングして、治療活性剤を疎水性制御放出コーティングから分離する。好適なバリア剤の例は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含むバリア剤である。しかしながら、当技術分野で公知の任意の膜形成剤を用いることができる。バリア剤は、最終産物の溶解速度に影響を及ぼさないことが好ましい。 放出速度を変化させて、本発明による溶解速度を得るために、本発明による即放性粒子に制御放出コーティングをコーティングしてもよい。プレスコート拍動性(pulsatile)剤形 本発明の別の実施形態では、活性成分組合せを、活性剤と親水性ポリマーと疎水性ポリマーの圧縮ブレンドを含有する即放性成分によって実質的に被覆された、活性成分と1種以上のポリマーの圧縮ブレンドを含有する制御放出成分を用いる経口投与に好適なプレスコート拍動性薬物送達系を介して投与する。即放性成分は、好ましくは、活性剤と、ポリマーが水性媒体に曝露したときに速やかに崩壊するような崩壊特性を有する1種以上のポリマーの圧縮ブレンドを含む。 制御放出成分は、好ましくは、親水性ポリマーと疎水性ポリマーとの組合せを含む。この実施形態では、投与すると、親水性ポリマーは溶けてなくなり、制御放出成分の構造を弱らせ、疎水性ポリマーは水の透過を遅らせ、薬物送達系の形状を維持するよう助ける。 本発明によれば、「ポリマー」という用語は、水性環境(例えば、水)に接触したとき、膨潤するか、ゲル化するか、分解するか、又は浸食する、単一又は複数のポリマー物質を含む。例には、アルギン酸、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、コロイド状二酸化ケイ素、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、グアーガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、メチルセルロース、微結晶性セルロース、ポラクリリンカリウム、粉末状セルロース、アルファデンプン、アルギン酸ナトリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプン、エチルセルロース、ゼラチン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリメタクリレート、ポビドン、アルファデンプン(pregelatinized starch)、シェラック、及びゼイン、並びにこれらの組合せが含まれる。 本明細書で使用される「親水性ポリマー」という用語は、例えば、カルボキシメチルセルロース、天然ゴム、例えば、グアーガム又はアカシアゴム、トラガカントゴム又はキサンタンゴム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルセルロース、及びポビドンのうちの1つ又は複数を含み、このうち、ヒドロキシプロピルメチルセルロースがさらに好ましい。「親水性ポリマー」という用語は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、ヒドロキシエチルメチルセルロース、カルボキシポリメチレン、ポリエチレングリコール、アルギン酸、ゼラチン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、ポリホスファジン、ポリオキサゾリジン、ポリ(ヒドロキシアルキルカルボン酸)、アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属、アルギン酸カラギネート、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸ナトリウム、又はこれらの混合物を含むこともできる。 薬物送達系の疎水性ポリマーは、カルボマー、カルナウバワックス、エチルセルロース、パルミトステアリン酸グリセリル、水素化ヒマシ油、水素化植物油1型、微結晶性ワックス、ポラクリリンカリウム、ポリメタクリレート、又はステアリン酸から選択される1種以上のポリマーを含むが、これらに限定されない、本発明の目的を達成する任意の疎水性ポリマーであることができ、このうち、水素化植物油1型が好ましい。疎水性ポリマーは、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸コポリマー、メチルメタクリレートコポリマー、エトキシエチルメタクリレート、シアノエチルメタクリレート、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、メタクリル酸アルキルアミドコポリマー、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(メチルメタクリレート)コポリマー、ポリアクリルアミド、アミノアルキルメタクリレートコポリマー、ポリ(メタクリル酸無水物)、及びグリシジルメタクリレートコポリマーを含むが、これらに限定されない、薬学的に許容可能なアクリルポリマーを含むことができる。さらに、アクリルポリマーは、陽イオン性、陰イオン性、又は非イオン性ポリマーであってもよく、また、アクリレート、メタクリル酸又はメタクリル酸エステルから形成されるメタクリレートであってもよい。ポリマーはまた、pH依存性であってもよい。 本発明はまた、経口投与に好適なプレスコート拍動性薬物送達系を調製する方法を提供する。この方法は、有効量の活性成分、又は薬学的に許容可能なその塩、及びポリマーを組み合わせて、即放性成分を形成させる工程;有効量の活性剤、又は薬学的に許容可能なその塩、及び親水性ポリマーと疎水性ポリマーの組合せを組み合わせて、制御放出成分を形成させる工程;並びに制御放出成分をプレスコーティングして、即放性成分を実質的に被覆する工程を含む。 一実施形態は、有効量の活性成分、又は薬学的に許容可能なその塩、及びポリマーを組み合わせて、即放性成分を形成させる工程、並びに即放性成分をプレスコーティングして、制御放出成分を実質的に被覆する工程をさらに含む。別の実施形態では、組み合わせる工程は、当技術分野で認識されている方法に従って、ブレンディング、湿式造粒、流動床造粒、又は乾式造粒によって行なうことができる。リポソーム製剤 本発明の組合せの一方又は両方の活性成分を投与用のリポソーム担体に組み込むことができる。リポソーム担体は、3つの一般的なタイプの小胞形成脂質成分から構成される。第一のものは、リポソーム中の小胞構造の大部分を形成する小胞形成脂質を含む。通常、これらの小胞形成脂質は、疎水性部分及び極性頭部基部分を有し、かつ(a)リン脂質によって示されるように、水の中で二層小胞を自然に形成することができるか、又は(b)その疎水性部分が二層膜の内部疎水性領域と接触し、その極性頭部基部分が膜の外部極性表面に向かう、脂質二重層へと安定に組み込まれる、任意の両親媒性脂質を含む。 このタイプの小胞形成脂質は、好ましくは、2つの炭化水素鎖、通常、アシル鎖と、極性頭部基とを有するものである。このクラスに含まれるのは、2つの炭化水素鎖が、通常、約14〜22炭素原子長であり、様々な不飽和度を有する、ホスファチジルコリン(PC)、PE、ホスファチジン酸(PA)、ホスファチジルイノシトール(PI)、及びスフィンゴミエリン(SM)などのリン脂質である。そのアシル鎖が種々の飽和度を有する上記の脂質及びリン脂質は、市販で入手するか、又は公表されている方法に従って調製することができる。本発明に含めることができる他の脂質は、糖脂質、及びコレステロールなどのステロールである。 第二の一般的な成分は、組成物中でポリマー層を形成するポリマー鎖で誘導体化される小胞形成脂質を含む。第二の一般的な小胞形成脂質成分として使用することができる小胞形成脂質は、第一の一般的な小胞形成脂質成分について記載されたもののうちのいずれかである。リン脂質などの、ジアシル鎖を有する小胞形成脂質が好ましい。例示的なリン脂質の1つは、活性化ポリマーへのカップリングに好都合である反応性アミノ基を提供する、ホスファチジルエタノールアミン(PE)である。例示的なPEはジステアリルPE(DSPE)である。 好適なポリマーは、誘導体化された脂質ポリエチレングリコール(PEG)、特に、1,000〜15,000ダルトン、より具体的には、2,000〜10,000ダルトン、最も具体的には、2,000〜5,000ダルトンの分子量を有するPEG鎖である。好適であり得る他の親水性ポリマーには、ポリビニルピロリドン、ポリメチルオキサゾリン、ポリエチルオキサゾリン、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミド、ポリメタクリルアミド、及びポリジメチルアクリルアミド、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、並びにヒドロキシメチルセルロース又はヒドロキシエチルセルロースなどの誘導体化セルロースが含まれる。 さらに、特に、PEG断片を含む、これらのポリマーのブロックコポリマー又はランダムコポリマーが好適であり得る。例えば、米国特許第5,013,556号に記載されているような、PEGなどの親水性ポリマーで誘導体化された脂質を調製する方法が周知である。 任意選択である、第三の一般的な小胞形成脂質成分は、ターゲッティング部分が、アンカー中のポリマー鎖を介してリポソームに固定されている脂質アンカーである。さらに、ターゲッティング基は、ターゲッティング部分の生物学的活性が失われないような形で、ポリマー鎖の遠位末端に位置付けられている。脂質アンカーは、リポソーム二重層表面の外層に脂質を固定する働きをする疎水性部分、ポリマーの内部末端が共有結合している極性頭部基、及びターゲッティング部分への共有結合のために活性化される又は活性化され得る遊離(外部)ポリマー末端を有する。 リポソームを形成させる際に用いられる脂質成分は、約70〜90パーセントの小胞形成脂質、1〜25のパーセントポリマー誘導体化脂質、及び0.1〜5パーセントの脂質アンカーというモル比で存在することができる。例示的な製剤の1つは、50〜70モルパーセントの非誘導体化PE、20〜40モルパーセントのコレステロール、その遊離末端にターゲッティング部分へのカップリングのための化学反応基を有する0.1〜1モルパーセントのPE−PEG(3500)ポリマー、PEG3500ポリマー鎖で誘導体化された5〜10モルパーセントのPE、及び1モルパーセントのα−トコフェロールを含む。 本発明のリポソーム製剤は、少なくとも1種の表面活性剤を含む。本明細書に記載の組合せの製剤化に有用な好適な表面活性剤には、以下のクラスに属する化合物が含まれる:ポリエトキシル化脂肪酸、PEG−脂肪酸ジエステル、PEG−脂肪酸モノエステル及びジエステル混合物、ポリエチレングリコールグリセロール脂肪酸エステル、アルコール−油エステル交換産物、ポリグリセリル化脂肪酸、プロピレングリコール脂肪酸エステル、プロピレングリコールエステルとグリセロールエステルの混合物、モノグリセリド及びジグリセリド、ステロール及びステロール誘導体、ポリエチレングリコールソルビタン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、糖エステル、ポリエチレングリコールアルキルフェノール、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、低級アルコール脂肪酸エステル、並びにイオン性界面活性剤。実施例1 42名の健康な成人(18〜45歳)を対象としたオープンラベル、無作為化、単一施設、第3相、クロスオーバー、薬物・薬物相互作用試験を実施した。対象は、3種の単一経口用量処置:4mgの徐放性グアンファシン、50mgのリスデキサンフェタミン、及び4mgの徐放性グアンファシンを50mgのリスデキサンフェタミンと組み合わせて享受した。対象は、各処置の間に7日間の休薬期間を含む3つの治療期間を経験した。薬物動態の結果: 徐放性グアンファシンとの併用療法後のグアンファシンと単独の徐放性グアンファシン後のリスデキサンフェタミンの幾何平均比の90%信頼区間(CI)は、AUC0−t及びAUC0−αについて、生物学的同等性の標準区間の0.80〜1.25に収まった。リスデキサンフェタミンと組み合わせた徐放性グアンファシン後のグアンファシンCmaxと単独の徐放性グアンファシン後のグアンファシンの幾何平均比の90%CIは、生物学的同等性の標準区間の上限を7%超過した。 グアンファシンCmaxは、リスデキサンフェタミンと共投与したとき、19%増加した。 徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミン後のd−アンフェタミンと単独のリスデキサンフェタミン後のd−アンフェタミンの幾何平均比の90%CIは、Cmax、AUC0−t、及びAUC0−∞について、区間(0.80,1.25)に収まった。 対象の43%が、少なくとも1回の治療中の有害事象(TEAE)を報告した。どのTEAEも予想外のものではなかった。最も多く報告されたTEAEは目まいであった。治療レジメン間で、TEAEの種類、発生率、又は重症度の違いはなかった。 重篤な有害事象(SAE)は報告されなかった。試験中、心電図(ECG)、臨床検査パラメータ、又は身体検査に対する臨床的に意義のある変化はなかった。脈拍数、血圧、及び立位でのバイタルサインの変化に対する全体的な効果は、各々の薬物を単独投与して以前に観察されたものと一致していた。グアンファシン薬物動態の結果: 単独の及びリスデキサンフェタミンと組み合わせた徐放性グアンファシンの投与後のグアンファシン血漿濃度のまとめを表1に提供する: 単独の及びリスデキサンフェタミンと組み合わせた徐放性グアンファシンの投与後の平均グアンファシン血漿濃度を図1に示す。単独の徐放性グアンファシンの投与後の平均グアンファシン血漿濃度は、リスデキサンフェタミンとの共投与後の平均グアンファシン血漿濃度よりも低かった。 単独の及びリスデキサンフェタミン(VYVANSE(登録商標))と組み合わせた徐放性グアンファシン(SPD503)の投与後のグアンファシン薬物動態パラメータのまとめを表2に示す: 単独の徐放性グアンファシンの経口投与後、最大血漿濃度が、用量投与後6時間の中央値で観察された。リスデキサンフェタミンと組み合わせて投与したときのグアンファシンのCmaxは、単独で投与した時よりも高かった。グアンファシンCmaxは、生物学的同等性の標準範囲を7%外れていた。d−アンフェタミン薬物動態の結果: 単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後のd−アンフェタミン血漿濃度のまとめを表3に示す: 単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後の平均d−アンフェタミン血漿濃度を図2に示す。単独のリスデキサンフェタミンの投与後の平均d−アンフェタミン血漿濃度は、徐放性グアンファシンとの共投与後の平均d−アンフェタミン血漿濃度と本質的に同一であった。 単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後のd−アンフェタミン薬物動態パラメータのまとめを表4に示す: 単独のリスデキサンフェタミンの経口投与後、d−アンフェタミンの最大血漿濃度は、投与後4時間の中央値で観察された。リスデキサンフェタミンと徐放性グアンファシンとの共投与は、d−アンフェタミンの薬物動態プロファイルを変化させなかった。単独で及び徐放性グアンファシンと組み合わせて投与されたリスデキサンフェタミンの重量正規化CL/F及び重量正規化Vz/Fは、2つの処置の間で本質的に同じであった。リスデキサンフェタミン薬物動態の結果: 単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後のリスデキサンフェタミン血漿濃度のまとめを表5に示す: 単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後の平均リスデキサンフェタミン血漿濃度を図3に示す。単独のリスデキサンフェタミンの投与後の平均リスデキサンフェタミン血漿濃度は、徐放性グアンファシンとの共投与後の平均リスデキサンフェタミン血漿濃度と本質的に同一であった。 単独の及び徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミンの投与後のリスデキサンフェタミン薬物動態パラメータのまとめを表6に示す:薬物動態に関する結論: リスデキサンフェタミン投与と組み合わせた徐放性グアンファシン投与後のグアンファシンと単独での徐放性グアンファシン投与後のグアンファシンとの幾何平均比の90%CIは、AUC0−t及びAUC0−∞について、区間(0.80,1.25)に収まった。 リスデキサンフェタミン投与と組み合わせた徐放性グアンファシン投与後のグアンファシンCmaxと単独での徐放性グアンファシン投与後のグアンファシンとの幾何平均比の90%CIは、生物学的同等性の標準区間を7%超過した。 グアンファシンCmaxは、リスデキサンフェタミンと共投与したとき、19%増加した。 徐放性グアンファシンと組み合わせたリスデキサンフェタミン後のe−アンフェタミンと単独のd−アンフェタミンとの幾何平均比の90%CIは、Cmax、AUC0−t、及びAUC0−∞について、区間(0.80,1.25)に収まった。有害事象: 表7は、AEのまとめである。どの対象も、試験からの離脱をもたらすSAE、重度のAE、又はAEを示さなかった。0112 表8は処置によるTEAEを示す:生化学: 治療群において生化学的結果に臨床的に意義のある違いはなかった。 本明細書で引用された特許、公開特許出願、及び非特許刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。 患者の注意欠陥多動性障害(ADHD)を治療する方法であって、前記患者に徐放性グアンファシン組成物をリスデキサンフェタミン組成物と併用して投与することを含む、方法。 前記徐放性グアンファシン組成物が1日に1回経口投与される、請求項1に記載の方法。 前記徐放性グアンファシン組成物の投薬量が、1mg、2mg、3mg、又は4mgである、請求項2に記載の方法。 前記徐放性グアンファシン組成物の投薬量が、0.05mg/kg/日〜0.12mg/kg/日である、請求項2に記載の方法。 メシル酸リスデキサンフェタミンを含む、請求項1に記載の方法。 前記徐放性グアンファシン組成物が、朝に又は夜に投与される、請求項1に記載の方法。 前記徐放性グアンファシン組成物が、塩酸グアンファシン、ヒプロメロース、及びメタクリル酸コポリマーを含む、請求項1に記載の方法。 前記リスデキサンフェタミンが、20mg、30mg、40mg、50mg、60mg、又は70mgの単一日用量で投与される、請求項1に記載の方法。 前記リスデキサンフェタミン組成物が、メシル酸リスデキサンフェタミン、微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムを含む、請求項1に記載の方法。 前記患者が子供である、請求項1に記載の方法。 前記患者が青年である、請求項1に記載の方法。 前記患者が大人である、請求項1に記載の方法。 前記患者が、徐放性グアンファシン組成物なしのADHD治療に対して準最適な応答を有していた、請求項1に記載の方法。 前記治療が、前記患者のADHDに対する第一選択治療である、請求項1に記載の方法。 患者の注意欠陥多動性障害(ADHD)を治療する方法であって、前記患者にリスデキサンフェタミン組成物を徐放性グアンファシン組成物と併用して投与することを含む、方法。 本発明は、注意欠陥多動性障害(ADHD)単独療法に対する準最適な応答を有する子供及び大人を治療することに関する。より具体的には、本発明は、患者のADHDを治療する方法であって、患者に徐放性グアンファシン組成物をリスデキサンフェタミン組成物と併用して投与することを含む、方法に関する。【選択図】図1