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タイトル:公表特許公報(A)_室温での溶解のためのアクロモペプチダーゼの使用
出願番号:2013500151
年次:2013
IPC分類:C12Q 1/68,C12N 15/09


特許情報キャッシュ

ダニエル ヒリゴス リサ エム.ケラー サマー ラマダン ジェイミー コーディ トビン ジェイ.ヘリヤー JP 2013521804 公表特許公報(A) 20130613 2013500151 20110315 室温での溶解のためのアクロモペプチダーゼの使用 ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー 595117091 BECTON, DICKINSON AND COMPANY 特許業務法人 谷・阿部特許事務所 110001243 ダニエル ヒリゴス リサ エム.ケラー サマー ラマダン ジェイミー コーディ トビン ジェイ.ヘリヤー US 61/314,318 20100316 C12Q 1/68 20060101AFI20130517BHJP C12N 15/09 20060101ALI20130517BHJP JPC12Q1/68 AC12N15/00 A AP(BW,GH,GM,KE,LR,LS,MW,MZ,NA,SD,SL,SZ,TZ,UG,ZM,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD,RU,TJ,TM),EP(AL,AT,BE,BG,CH,CY,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,FR,GB,GR,HR,HU,IE,IS,IT,LT,LU,LV,MC,MK,MT,NL,NO,PL,PT,RO,RS,SE,SI,SK,SM,TR),OA(BF,BJ,CF,CG,CI,CM,GA,GN,GQ,GW,ML,MR,NE,SN,TD,TG),AE,AG,AL,AM,AO,AT,AU,AZ,BA,BB,BG,BH,BR,BW,BY,BZ,CA,CH,CL,CN,CO,CR,CU,CZ,DE,DK,DM,DO,DZ,EC,EE,EG,ES,FI,GB,GD,GE,GH,GM,GT,HN,HR,HU,ID,IL,IN,IS,JP,KE,KG,KM,KN,KP,KR,KZ,LA,LC,LK,LR,LS,LT,LU,LY,MA,MD,ME,MG,MK,MN,MW,MX,MY,MZ,NA,NG,NI,NO,NZ,OM,PE,PG,PH,PL,PT,RO,RS,RU,SC,SD,SE,SG,SK,SL,SM,ST,SV,SY,TH,TJ,TM,TN,TR,TT,TZ,UA,UG,US,UZ,VC,VN,ZA,ZM,ZW US2011028494 20110315 WO2011115975 20110922 20 20121115 4B024 4B063 4B024AA11 4B024AA20 4B024CA01 4B024CA11 4B024HA12 4B063QA01 4B063QA18 4B063QA19 4B063QQ03 4B063QQ06 4B063QR16 4B063QR32 4B063QR35 4B063QR62 4B063QS12 4B063QS25[背景技術]関連出願の相互参照 本出願は、参照により本明細書に組み込まれている、2010年3月16日に出願された米国特許仮出願第61/314,318号明細書の出願日の利益を主張するものである。 いくつかの種のグラム陽性菌は既知の病原体である。黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、およびストレプトコッカス・アガラクティエ(Streptococcus agalactiae)は、哺乳動物における特に悪性感染症の根本的原因であることが知られている2種類の細菌である。これら病原体の検出は、診断および治療の成功にとって重要である。 病原菌を検出するのに有用な多くの方法が存在し、そのいくつかは、細菌細胞壁の溶解に依存する。溶解後、核酸は、その後細胞成分から抽出され、下流プロセス、例えばPCRで増幅される。次に、核酸の有無が感染指標として使用される。 グラム陽性菌の溶解は、一部にはその細胞壁の構造に起因して特に困難である。グラム陰性菌およびグラム陽性菌のいずれも、その細胞壁内にペプチドグリカン層を含む。この層は、ペプチド架橋により架橋したグリカン鎖から構成される。しかし、グラム陽性菌では、ペプチドグリカン層内の架橋の量、厚さ、および程度はより広範に渡る。(例えば、非特許文献1参照)。このより堅牢なペプチドグリカン層は、グラム陽性菌が酵素的に溶解するのを難しくしている。 溶菌酵素アクロモペプチダーゼは、グラム陽性菌の有効な溶解薬である。しかし、これは欠点がないわけではない。アクロモペプチダーゼは、確かにグラム陽性菌の細胞壁を有効に溶解させるが、その活性がある時間が経過した後停止しなければ、さらに下流分析、例えばPCRを行うのに必要なその他の重要な細胞構成成分を溶解させ続ける。 試料温度を顕著に上昇させることは、アクロモペプチダーゼの溶解活性を停止させる1つの方法である。この温度上昇、あるいはヒートスパイクとして知られているものは、この酵素のあらゆる溶解活性を止める。しかし、この種類の熱を生み出すシステムの作製は高価であり、顕著な複雑性を診断プラットフォームに付加する。本発明は、ヒートスパイクをなくすことと、アクロモペプチダーゼの溶解活性を停止させる抽出方法を使用することとによりこれらの困難を克服する。米国特許出願第11/785,144号明細書米国特許出願第11,979,713号明細書Mahalanabis et al., Cell lysis and DNA extraction of gram-positive and gram negative bacteria from whole blood in a disposable microfluidic chip, Lab Chip, 9, 2811-17 (2009) 本発明は、溶解薬としてアクロモペプチダーゼを使用して核酸を生体試料から抽出する方法を提供する。1つの実施形態では、抽出は、生体試料から開始する。生体試料は、細胞成分を含有するが、その他の構成成分も有する場合がある。生体試料は、次にアクロモペプチダーゼと組み合わされ、室温で溶解される。本明細書で使用する場合、溶解とは、機械的または非機械的外部手段による細胞壁および細胞膜の破壊として定義される。本明細書に記載されている方法は、機械的手段を使用せずに溶解を実現する。さらに別の実施形態では、試料は、18℃と22℃との間の特定の温度で溶解される。 さらなる実施形態では、試料は、アクロモペプチダーゼ、および10%リン酸緩衝化生理食塩水(「PBS」)溶液と組み合わされる。PBS溶液は、生体試料に対して等張性の環境を提供し、試料内の細胞成分の生存能力を維持するのを支援し、pHレベルが制御された低塩環境をさらに提供する。PBS溶液に加え、本発明のさらなる実施形態は緩衝液として、Amies培地、Stuarts培地、およびトリスEDTAを利用する。 溶解後、試料は酸化第二鉄に添加され、核酸が磁場を使用して試料から抽出される。抽出後、核酸は次に増幅され、試料中のグラム陽性菌の有無が検出される。本発明により検出されるグラム陽性菌のうちには、黄色ブドウ球菌およびストレプトコッカス・アガラクティエがある。さらに、本発明の方法は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)を標的とするのに有用である。折り取られ、試料チューブ内に放置され得る先端部を有する試料スワブを利用する、本発明の1つの実施形態を示す図である。折り取られ、試料チューブ内に放置され得る先端部を有する試料スワブを利用する、本発明の別の実施形態を示す図である。生体試料を保持する能力を有するテーパ付きの底部を備える円筒形の試料チューブを利用する、本発明の1つの実施形態の斜視図である。生体試料を保持する能力を有する円筒形の試料チューブを利用する、本発明の別の実施形態の側面図である。生体試料を保持する能力を有する円筒形の試料チューブの下面図である。生体試料を保持する能力を有するテーパ付きの底部を備える円筒形の試料チューブを利用する、Aに沿った図2の断面を示す図である。生体試料を保持する能力を有する円筒形の試料チューブを利用する、本発明の別の実施形態の側面図である。試料チューブを密封するための貫通可能なキャップを利用する、本発明の第3の実施形態の斜視図である。試料チューブを密封するための貫通可能なキャップを利用する、本発明の1つの実施形態の平面図である。試料チューブを密封するための貫通可能なキャップを利用する、本発明の1つの実施形態を示す側面図である。2つの密封膜を備える試料チューブを密封するための貫通可能なキャップを利用する、Bに沿った図3の断面を示す図である。 本明細書に記載されているのは、溶解特性を有する酵素を使用して細胞を溶解させる方法である。あらゆる種類の細胞が、述べられている方法により溶解され得る。好ましい実施形態では、グラム陽性菌の細胞が溶解される。しかし、グラム陽性菌およびグラム陰性菌の両方が、本発明の方法を使用して溶解され得る。この方法は、核酸を溶解した細菌から抽出することを企図する。抽出された核酸は、次に当業者に公知の目的(すなわち、核酸が抽出される標的物の診断および検出)で使用される。診断および検出の目的で核酸を使用することは周知であるので、標的核酸の単離および検出のためのアッセイ等について、本明細書では詳細に記載されていない。好ましい実施形態では、標的核酸はDNAである。 あらゆる細菌の細胞が、本明細書に記載されている方法を使用して溶解可能である。したがって、本発明は、幅広い細菌(bacerial)種の診断および検出に有用である。本発明で有用な細菌種の例として、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)およびストレプトコッカス・アガラクティエ(GBS)が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書に記載されている方法により検出可能な細菌のその他の種は、クラミジアトラコマチス(Chlamydia trachomatis)および淋菌(Neisseria gonorrhoeae)である。 標的細菌の有無について、本明細書に記載されている方法により試験される試料は、任意の従来の方法を使用して採取され、決して試料の供給源に限定されない。あらゆる可能な細菌供給源が、本明細書に記載されている方法により分析可能である。 試料採集は、従来の手段、例えばスワブ、採血、尿試料等により可能である。1つの好ましい実施形態では、試料は膣直腸スワブから取得可能である。別の好ましい実施形態では、細菌試料は、鼻腔スワブから取得可能である。試料は、尿、精液、喀痰、血液、唾液、粘液、糞便、またはヒトもしくは動物に由来する任意のその他の組織もしくは体液から、上記従来の採取方法のいずれかを使用して採取可能である。 本発明のその他の実施形態では、試料は水および土壌試料を含むが、これらに限定されない環境から採取可能である。かかる試料は、スワブ等の上記の従来の方法を使用して採取される。水および土壌に加えて、任意の表面または物体が、当技術分野において公知の方法によりスワブで拭き取られ、本明細書に記載されている方法により分析され得る。本発明者らは、本発明の実施形態を使用して環境全体にわたる様々な場所での細菌の存在を検出することを企図する。これには、カウンター、ドアノブ、自動車のハンドルなどの物体の表面、浴室表面、および当業者が細菌を含むと考えることができる環境内の任意のその他の物理的場所等の表面が含まれるが、決してこれらに限定されない。 記載されている方法では、検出用試料からの抽出を目的として、アクロモペプチダーゼを使用して細菌を溶解させて核酸を生物から遊離させる。核酸は、試料中の標的細菌の存在を表すシグネチャー指標である。アクロモペプチダーゼは、塩分増加に対して感受性であることが公知であるので、下記に詳細に記載されている特定のステップが、アクロモペプチダーゼを使用して溶解のための試料を取得および調製するのに好適に採用される。 1つの実施形態では、検体は採取および輸送デバイスにより採取される。輸送デバイスの1つの例は、図2に示されている。輸送デバイスは、湿ったスワブが使用されて標的生物、例えばMRSA、GBS等を含有する可能性のある試料を採取するシステムである。 本発明の1つの実施形態は、図1および図1Aで示されているスワブを使用する。湿ったスワブ採取デバイスの目的は、オンサイト試料採取を容易にすること、および採取された生物の生存能力を引き延ばすことである。スワブそのものは、スワブ試料を取得するように構成された先端部103を有する。先端部103は、当業者に一般的に公知の手段により設計され得る。スワブは、試料部位をスワブで拭き取った後、例えば鼻腔をスワブで拭き取った後、採取部位で採取部分が折り取られて輸送チューブ201内に収まり得るように穿孔101を備えることもできる。 輸送チューブ201は、図2、図2A、図2B、図2C、および図2Dに示されている。チューブ201は、形状が一般的に円筒形であり、開口部202および試料空間211を備えることができる。チューブ201は、ネジ山がその上に配置されていてもよい最上部203、および底部207を備える。1つの実施形態では、底部207は、テーパ部209を有し得る。 スワブがその中に保持される輸送チューブ201は、図3、図3A、図3B、および図3Cに示す通り、貫通可能なキャップ301を受容するように構成されていてもよい。採取後、スワブは折られてチューブ201内に収まり、チューブ201は、貫通可能なキャップにより密閉される。 1つの好ましい実施形態では、貫通可能なキャップ301は、キャップ301を手で握ることを容易にするための盛り上がった突起部303が軸方向に配置されて構成されている。キャップ301は、キャップ301をチューブ201のネジ山205に確実に取り付けるために、ネジ受け(305)も備え得る。好ましい実施形態では、キャップ301は、エアロゾル化および汚染を低減するための上部膜307および下部膜309を備え得る。本発明の譲受人に譲渡された特許文献1および特許文献2が参考として本明細書に組み込まれており、両文献は、本明細書に詳細に記載されていない、本発明の譲受人に譲渡された貫通可能なキャップの構造および設計ならびにそれらの使用方法について記載している。 好ましくは、チューブ内に収納された輸送培地は、可能性がある将来の培養ために生存能力を保存するように選択される。1つの好ましい実施形態では、輸送培地は、10%リン酸緩衝化生理食塩水(「PBS」)溶液である。本明細書で述べられているように、この溶液は細胞成分の生存能力を維持するのを支援し、またアクロモペプチダーゼ溶解に有利な、pHが制御された低塩環境も提供する。試料は溶解および検出のために輸送培地から抽出されるので、試料と共に抽出される輸送培地が、溶解を妨害しない、あるいはこれに悪影響を及ぼさないことが重要である。 特に、ヒト体液の特性と類似した特性を有する輸送培地が、細胞の完全性および生物の生存能力を保存するのに有用である。この点において、10%PBS溶液を使用することが好ましく、本明細書で述べられている輸送デバイスは、いかなる特定の輸送培地の使用にも拘束されない。したがって、任意の従来の輸送培地が、これまでに記載したように細胞の生存能力を保存する基準を満たす限り、本発明と共に使用するのに適するものと考えられる。かかる輸送培地は、当業者にとって周知であり、本明細書では詳細に記載されていない。その他の輸送培地として、Stuarts培地、Amies培地、およびトリスEDTA(「TE」)を挙げることができるが、これらに限定されない。上記の塩分およびpH環境を有する環境を形成するために、これらの培地を希釈することが好ましい。本明細書で述べられているように、等張性の環境を形成する培地は、最適な溶解環境を提供し得る。 上記の通り、生理食塩水の含量が高いと、アクロモペプチダーゼの溶解活性が阻害される。特定の低い生理食塩水培地、例えば上記のものは、アクロモペプチダーゼの活性を保存する。1つの好ましい実施形態では、輸送培地は、上記の10%PBS溶液の溶液である。この希釈溶液は、0.023mMのリン酸二水素カリウム、0.629mMのリン酸水素二カリウム、14.5mMの塩化ナトリウム、および水を混合することにより調製される100%PBS溶液を使用して調製される。別の実施形態では、10%から50%のStuarts培地が使用される。表1はStuarts培地の構成成分を示す。 さらに別の好ましい実施形態では、10%から50%のAmies培地が使用可能である。表2は100%Amies培地の組成を表す。 部分的には、PBS、Amies培地、Stuarts培地、およびTEは、ヒト体液に見出される環境と類似した等張性の環境を提供するので、これらは酵素的溶解、特にアクロモペプチダーゼ溶解と関連して有用な緩衝液である。 さらに別の好ましい実施形態では、試料および上記の培地を含む採取チューブは、これが、標的核酸の存在について、または任意のさらなる分析について試料をアッセイするデバイス内に直接配置可能であるように構成されている。これは、輸送培地と溶解環境との間の相乗作用の必要性を強調する。採取チューブ内の試料中の生物が溶解した後、チューブは自動化された抽出および標的核酸の有無についてのアッセイのためのツール内に直接配置され得る。1つのかかるツールは、(Becton Dickinson、Sparks、MD)から市販されているViper(商標)XTRプラットフォームである。 本明細書に記載されている1つの実施形態は、細菌試料を酵素的に溶解させること、DNAを試料から抽出すること、および抽出された細菌DNAを診断手順においてその後使用することを提供する。やはり上記したように、好ましくはリシルエンドペプチダーゼとしても公知のアクロモペプチダーゼ(「ACH」)が、溶菌酵素として使用されて、細菌である黄色ブドウ球菌、およびストレプトコッカス・アガラクティエを溶解させる。アクロモペプチダーゼは、溶菌特性、およびタンパク質分解特性を有する。アクロモペプチダーゼは、全般的な溶菌薬として有用であるが、その他の溶菌酵素、例えばリゾチームに対して耐性のグラム陽性生物を溶解させるのに特に有用である。この耐性は、グラム陽性菌の細胞壁中に存在するが、グラム陰性菌には存在しない化学物質に関連すると考えられている。そのようにいわれているが、本明細書に記載されている方法は、アクロモペプチダーゼによる溶解に限定されず、任意の酵素的溶解薬、例えばリゾチームを使用して実践可能である。 アクロモペプチダーゼは、細菌試料と共に、37℃から50℃の範囲の温度でインキュベートしたときに有効な溶解性酵素であることが公知である。しかし、アクロモペプチダーゼ等のリゾチームは、その持続したタンパク質分解活性が、抽出された核酸のその後の診断および検出に悪影響を及ぼすので、溶解後不活性化されなければならない。溶解活性の休止を実現する手段として、アクロモペプチダーゼのタンパク質分解作用を停止させるために、ヒートスパイクを試料に実施することが挙げられる。本発明のために、「ヒートスパイク」とは、試料温度を約95℃に上昇させることとして定義される。ヒートスパイクを提供する1つの従来の手法は、試料がその上に配置されているブロックを95℃に5分間加熱することである。 試料が溶解したら、核酸は試料成分の残りの部分から抽出可能である。本明細書に記載されている方法では、当技術分野において公知の核酸抽出の任意の機構が、有用なものと考えられる。かかる機構は周知されており、本明細書では詳細に記載されていない。1つの好ましい実施形態では、抽出はViper(商標)XTR上で実施される。Viper(商標)XTRは、FOX粒子を使用して、KOHおよびその他の構成成分を含有する抽出溶液から非選択的に核酸を抽出することを兼備する。 溶解、抽出溶液、および物理的条件の間の相互作用は複雑であり、互いに依存している。これらの環境では、溶解が終了するところと、抽出が開始するところとの間の正確な線引きは困難である。また、溶解溶液が抽出機構に与える効果も十分に理解されていない。そのように言われているが、本明細書で開示されているのは、アクロモペプチダーゼを使用する室温溶解を可能にする、溶解条件と抽出条件との特に有利な組合せである。この組合せにより、アクロモペプチダーゼが溶解にもたらす完全な利益が得られ、アクロモペプチダーゼが抽出された核酸に与える負の効果が回避される。本出願人らは、特定の理論に拘束されるつもりはないが、出願人らは、アクロモペプチダーゼを使用して室温溶解し、続いてKOHおよびこれとともに使用されるその他の抽出溶液構成成分中の酸化第二鉄粒子を使用して非選択的に核酸を抽出することによって、特に有利な溶解および抽出プロトコールが提供されると考える。この好ましい実施形態は、アクロモペプチダーゼが抽出される核酸に与える負の効果が回避されるのであれば、その他の抽出プロトコールを本明細書に記載されている室温アクロモペプチダーゼ溶解と共に使用することを排除するものではない。代替の抽出プロトコールの選択について調査は、当業者の能力範囲内に十分にある。 本明細書に記載されている方法の1つの態様では、アクロモペプチダーゼを伴うインキュベーション、それに続く酸化第二鉄(Fe2O3)(「FOX」)粒子を用いる核酸抽出が、室温で実施される。インキュベーションおよび抽出の期間に、試料温度および周囲温度は、いずれも室温である。本明細書で使用する場合、「室温」とは、約16℃から約22℃の範囲内の温度として定義される。あるいは、アクロモペプチダーゼによる溶解は、室温よりも高い温度で実施可能である。しかし、これらのより高い温度での溶解はあまり好ましくない。 試料中のアクロモペプチダーゼの濃度を高めれば、より低い温度で溶解を生じさせることができる。しかし、アクロモペプチダーゼの濃度が高いほど、分析をより困難にするおそれがあり、より長いインキュベーション時間を必要とする場合がある。本明細書に記載されている方法によれば、ヒートスパイク無しに室温でインキュベーションおよび抽出を行うと、これまでに遭遇した付随的困難を伴わずに、より高い濃度のアクロモペプチダーゼを使用できるようになる。その結果、インキュベーション時間がより短くなり、使用可能な核酸収量がより多くなる可能性がある。 試料中の細胞の溶解に続いて、核酸は溶解した試料の残りの部分から抽出される。抽出は酸化第二鉄(Fe2O3)(「FOX」)粒子を細菌試料に導入して実施される。FOX粒子は、溶解した試料の負に荷電したDNAに結合する。次に磁石が、結合したDNAを引き付けるように試料に適用され、溶離液が従来の手段により除去される。この抽出手順は、DNAを溶解した細菌から抽出するのに上首尾である。FOX粒子は、BD Viper(商標)システムで核酸を抽出するのに使用される。 DNAが抽出されたら、診断および検出の目的でさらなる分析が実施可能である。下流分析の例としてポリメラーゼ連鎖反応、ゲル電気泳動等が挙げられるが、これらに限定されない。試料からの標的核酸抽出の有無について生体試料を生物学的に試験するためのプラットフォームとして、BD Viper(商標)システムが挙げられる。 実施例でのプロトコール 下記の実施例では、溶解させその後DNAを細菌から抽出するのに必要な条件が調査された。下記の実施例すべてに存在する2種類の細菌生物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(「MRSA」)、ATCC#43300、亜種アウレウ・ローゼンバッハ(aureus Rosenbach)、およびストレプトコッカス・アガラクティエ(「GBS」)、ATCC#12973(ATCCによって分類菌株(typing strain)V8と命名されている)であった。リゾチーム、すなわちアクロモペプチダーゼ(「ACH」)(Wako Chemicals USAより入手)が、溶解薬として下記の実施例すべてで使用された。 MRSAおよびGBS(まとめて「細菌試料」)に対するACHの溶解効果を実証するために、細菌試料が、異なる濃度のアクロモペプチダーゼと組み合わされ、異なる時間、室温でインキュベートされた。 下記の実施例それぞれについて、7.5×104CFU/mlの生物が、各実施例に記載されているその他の構成成分と組み合わされた。構成成分および条件が、溶解および核酸抽出に与える効果を調べた。 核酸抽出が、酸化鉄(FOX)技術を利用してBD Viper(商標)システム上で実施された。BD Viper(商標)システムは市販されており、その操作については本明細書では詳細に記載されていない。最初に、溶解した細菌試料を、BD Viper(商標)システム内に配置した。細菌試料を、細菌DNAを含む溶解した細菌の核酸のヌクレオチド断片に結合するFOX粒子と組み合わせた。次に試料を磁場に供して、結合した核酸を試料の他の部分から単離した。磁場による単離後、試料の他の成分を除去した。次にPCRために調製する際に、核酸成分をFOX粒子から溶離させた。ACHの溶解作用を停止させるのに、インキュベーションプロセスの期間で、ヒートスパイクは採用されなかった。 溶解手順およびその後のDNA抽出の結果は、サイクル閾値(「Ct」)により測定された。本明細書で使用される場合、サイクル閾値とは、蛍光が一定の閾値を超えるときのフラクショナルサイクル数(fractional cycle number)として定義される。サイクル閾値は、試料中に臨床的に有意な量の核酸が存在することを示す陽性指標を判定するための周知の技術であり、本明細書では詳細に記載されていない。 MRSAの場合、サイクルは、抽出されたDNA試料の温度を95℃に15秒間上昇させ、続いて59℃に60秒間曝露することから構成された。GBSの場合、サイクルは、抽出されたDNA試料の温度を、95℃に15秒間上昇させ、続いて56℃に60秒間曝露することからなった。MRSAおよびGBSそれぞれについて45サイクル実施した。サイクル閾値を上回る蛍光読み取り値に対応するサイクル数がCtである。 Ct値が30未満であれば、試料中に大量の標的核酸が存在することを示した。本明細書に記載されている実施例のために、30〜35の間のCt値は、中等度から低い陽性反応を表し、良好な結果と考えられた。35と45との間のCt値は、弱い反応を表した。これは、最低量のDNAしか試料から抽出されなかったことを示す。45を超えるCt値は、DNAが検出不能である試料を表した。(実施例1)室温溶解 MRSAおよびGBS細菌を、培地内で増殖させ、次に1×TE(10mMトリス/1mM EDTA)溶液1mLを含む個々の試験管内で希釈して、溶液中の細菌濃度約7500CFU/mLを得た。したがって、試料は標的生物を含有するようにスパイクされた。 ACHを1×TEに溶解させ、そして希釈済みの細菌試料と組み合わせた。各試料中のACH濃度は、1.01U/μLから5.05U/μLの範囲であった。細菌およびアクロモペプチダーゼの得られた懸濁液を、10分から30分の範囲で22℃または37℃のいずれかの温度でインキュベートした。細菌の試料各1mL中のACHの最終濃度は、約1000Uから約5000Uの範囲であった。 インキュベーションに続いて、本明細書に記載されているプロトコールに従って、BD Viper(商標)システムを使用して、ゲノムDNAを含む核酸を抽出した。抽出後、PCRを実施して抽出されたDNAを増幅した。 抽出後速やかに、ABI 7500配列検出システム(Applied Biosystems)上でPCRを実施した。下記の成分を含有する各試料に対して、50uLのPCR反応を行った:200uMのdNTP(デオキシリボヌクレオチド3リン酸);2UのFastStart Taqポリメラーゼ;0.9uMの右および左のプライマー(ルーティング04738403001);0.25uMの標的特異的分子ビーコン;および60nMのROX(参照色素)、すべて市販のPCR緩衝液(Roche)中]。 MRSAおよびGBSを含有する試料においてPCRの期間で使用された熱プロファイルは、以下の通りであった:50℃で2分間;95℃で10分間;ならびに95℃で15秒間および59℃で1分間の45サイクル。 増幅に続いて、試験されたすべての試料は、35.0未満のCt値を有した。これらのCt値は、MRSAおよびGBSのDNAが、ACHによる室温溶解に続くFOX技術により、溶解を停止させるためにヒートスパイクを実施せずに抽出され得ることを明らかにした。(実施例2)より広い範囲のACH濃度を用いる室温溶解 細菌試料を、本明細書に記載されているプロトコールに従って調製し、1×TEの溶液を使用して希釈して、約7500CFU/mLの濃度を得た。 希釈された細菌を含有する試料を、最終濃度が3000Uから7000Uとなるように、3.03U/uLから7.07U/uLのACHの濃度の範囲で1×TEに溶解したアクロモペプチダーゼの溶液と組み合わせた。細菌およびアクロモペプチダーゼを含有する試料を、溶解を可能にするために室温で20分間インキュベートした。 インキュベーションに続いて、本明細書に記載されているプロトコールに従って、BD Viper(商標)システムを使用して、ゲノムDNAを含む核酸を抽出した。抽出後、PCRを実施して抽出されたDNAを増幅した。 ABI 7500配列検出システム(Applied Biosystems)上でPCRを実施した。50uLのPCR反応を各試料に対して行った[200uMのdNTP、2UのFastStart Taqポリメラーゼ、0.9uMの右および左のプライマー、0.25uMの標的特異的分子ビーコン、60nMのROX、すべて市販のPCR緩衝液(Roche)中]。MRSAに使用された下記の熱プロファイルは、50℃で2分間;95℃で10分間;95℃で15秒間、59℃で1分間の45サイクルであった。GBSに使用された下記の熱プロファイル:50℃で2分間;95℃で10分間;95℃で15秒間、および56℃で1分間の45サイクル。 4000から6000UのACHを用いて溶解した試料から、最良の結果が得られた。これらの試料のすべてから、35.0未満のCt値が得られ、これによってFOX抽出技術と組み合わせたとき、幅広い範囲のACH濃度を利用する室温溶解が実行可能であることが示された。(実施例3)2レベルのACH濃度を用いる室温溶解および生物レベルの力価測定 増殖培地によりMRSAおよびGBS試料を調製し、次に試料を5つの異なる試験レベルに希釈した。試料を1×TEで下記のレベルに希釈した:75000、35000、7500、5000、および1000CFU/mL。アクロモペプチダーゼを1×TEに溶解させた。希釈した細菌試料を、最終ACH濃度3000Uまたは5000Uとなるように、3.03または5.05U/uLのいずれかの濃度で溶解したアクロモペプチダーゼの溶液と組み合わせた。細菌試料およびアクロモペプチダーゼを、22℃で20分間インキュベートした。 インキュベーションに続いて、本明細書に記載されているプロトコールに従って、BD Viper(商標)システムを使用して、ゲノムDNAを含む核酸を抽出した。抽出後、PCRを実施して抽出されたDNAを増幅した。 ABI 7500配列検出システム(Applied Biosystems)上でPCRを実施した。50uLのPCR反応を各試料に対して行った[200uMのdNTP、2UのFastStart Taqポリメラーゼ、0.9uMの右および左のプライマー、0.25uMの標的特異的分子ビーコン、60nMのROX、すべて市販のPCR緩衝液(Roche)中]。 MRSAに使用された下記の熱プロファイルは、50℃で2分間;95℃で10分間;95℃で15秒間、59℃で1分間の45サイクルであった。GBSに使用された下記の熱プロファイル:50℃で2分間;95℃で10分間;95℃で15秒間、56℃で1分間の45サイクル。 全標的レベルの全試料を検出し、Ct値は27.5から36.2の範囲であった。結果から、試験されたACH濃度のいずれの間においても実際的な差異は認められなかった。Ct値によって、複数のACH濃度を利用する室温溶解が、FOX抽出技術と組み合わせたとき実行可能であり、当技術分野において公知の分析、例えばPCRを実施するのに十分なDNAの量をもたらしたことが示されている。(実施例4)周囲温度抽出データ TE緩衝液中のGBSおよびMRSA生物の試験を、実施例2に記載されている方法により実施した。この実験では、アクロモペプチダーゼを使用して、37℃で30分間、生物を溶解させた。実験対象のサブセットは、95℃で5分間、ヒートキルを受け、続いてFeOを用いる抽出を受けた。別のサブセットは、ヒートキル無しにFeO抽出を受け、生物の最後のサブセットは、何らの抽出無しにPCR反応に直接進んだ(しかし、ヒートキル有りおよびヒートキル無しの両方で)。対照として、別の試料セットは溶解されず、ヒートキルに供されないが、抽出および分析に供された。下記の表3および4は、GBSおよびMRSAの結果をそれぞれ示す。表3および4に示す通り、各サブセットは2回の反復操作を受けた。この反復操作は、「rep1」および「rep2」と名付けて示されている。次に、各反復操作について、2回のPCRを実施した。サイクル閾値(「Ct」)を表3および4に示す。すべての試料について、より低いCtは、DNAの元の試料からの回収率がより高いことを示した。抽出を受けなかった試料では、溶解後、各試料についてPCRを直接実施した。 表3および4に示す通り、37℃で30分間溶解しヒートキル無しに抽出された生物は、ヒートキルを受けた生物と類似した結果を有した。平均Ctカウント35未満は、いずれも陽性回収率とみなされた。表3および表4の両方に示す通り、溶解せずヒートキルに供されなかった生物は、GBSについて39を上回るCtカウントを有し、MRSAについて34.5を上回るCtカウントを有した。溶解せずヒートキルに供されなかった生物を使用して、実験群がDNAを試料生物から抽出するのに実際に有効であることが示された。 GBSおよびMRSAの両方の場合について、ヒートキルに曝露されなかった溶解した生物の平均Ctカウントは、ヒートキルに曝露された溶解した生物と本質的に同等であった。これらの結果から、臨床的に有用な量のDNAが、アクロモペプチダーゼを用いて細菌から上首尾に抽出され、ヒートキル無しにFeOを用いて抽出され得ることが示される。 本明細書の本発明は、特定の実施形態を参照しながら記載されているが、かかる実施形態は、本発明の原理および用途を説明するに過ぎないことを理解されたい。したがって、例示的な実施形態に対して非常に多くの改変をなすことができ、添付の特許請求の範囲により定義された本発明の精神および範囲から逸脱せずに、その他の構成も考案可能であることを理解されたい。 試料中に存在する場合、核酸を標的細菌から抽出する方法であって、 a)細胞成分を含む生体試料を室温で溶解させるステップであって、前記生体試料が、アクロモペプチダーゼと組み合わされるステップと、 b)酸化第二鉄粒子を前記生体試料と組み合わせるステップであって、前記溶解した試料からの核酸が、前記酸化第二鉄に結合するステップと、 c)前記酸化第二鉄粒子に結合した核酸を前記生体試料から磁気的に分離するステップとを含むことを特徴とする方法。 前記核酸は、磁場を使用して前記生体試料から抽出されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記酸化第二鉄粒子は、コーティングされていないことを特徴とする請求項2に記載の方法。 前記生体試料は、緩衝液と組み合わされることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記緩衝液は、前記生体試料に対して等張性の環境を形成することを特徴とする請求項4に記載の方法。 前記緩衝液は、前記細胞成分の生存能力を維持することを特徴とする請求項4に記載の方法。 前記緩衝液は、pHが制御された低塩環境を形成することを特徴とする請求項4に記載の方法。 前記緩衝液は、10%リン酸緩衝化生理食塩水溶液、Amies培地、Stuarts培地、およびトリスEDTAからなる群より選択されることを特徴とする請求項5に記載の方法。 前記標的細菌は、グラム陽性菌であることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記標的グラム陽性菌は、黄色ブドウ球菌、およびストレプトコッカス・アガラクティエからなる群より選択されることを特徴とする請求項9に記載の方法。 前記生体試料は、尿、精液、喀痰、血液、唾液、粘液、および糞便から本質的になる群から採取されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記生体試料は、環境から採取されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 前記生体試料は、水または土壌から採取されることを特徴とする請求項12に記載の方法。 前記試料は、環境に見出される任意の物体表面から採取されることを特徴とする請求項12に記載の方法。 生体試料中に存在する場合、標的グラム陽性微生物の核酸を抽出する方法であって、 a)細胞成分を含む生体試料を室温で溶解させるステップであって、前記生体試料が、アクロモペプチダーゼおよび10%リン酸緩衝化生理食塩水溶液と組み合わされるステップと、 b)酸化第二鉄粒子を前記生体試料と組み合わせるステップであって、存在する場合、前記溶解した生体試料からの核酸が、前記酸化第二鉄に結合するステップと、 c)前記酸化第二鉄粒子に結合した核酸を前記生体試料から磁気的に分離するステップとを含むことを特徴とする方法。 前記標的グラム陽性微生物は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)であることを特徴とする請求項15に記載の方法。 室温は、約18℃から約22℃の範囲内にあることを特徴とする請求項15に記載の方法。 生体試料中に存在する場合、標的微生物の有無を検出する方法であって、 a)生体試料をアクロモペプチダーゼと組み合わせるステップであって、前記生体試料が、少なくとも細胞成分を含むステップと、 b)前記生体試料の前記細胞成分の少なくとも一部分を約18℃から約22℃の温度で溶解させるステップと、 c)酸化第二鉄粒子を前記生体試料と組み合わせるステップと、 d)存在する場合、前記溶解した細胞成分からの核酸を前記酸化第二鉄粒子の少なくとも一部に結合させるステップと、 e)磁場を使用して核酸を前記生体試料から単離するステップであって、前記核酸が存在する場合、前記標的微生物の前記細胞成分からの核酸を含むステップと、 f)存在する場合、前記標的微生物の前記細胞成分からの前記単離された核酸を増幅するステップと、 g)前記標的微生物の核酸の有無を検出するアッセイを実施するステップと、 h)前記アッセイにおいて検出された前記標的微生物の核酸の前記有無に基づき、標的微生物の有無を判定するステップとを含むことを特徴とする方法。 前記標的微生物は、グラム陽性菌であることを特徴とする請求項18に記載の方法。 前記グラム陽性菌は、黄色ブドウ球菌、およびストレプトコッカス・アガラクティエからなる群より選択されることを特徴とする請求項19に記載の方法。 前記生体試料は、10%リン酸緩衝化生理食塩水溶液、Amies培地、Stuarts培地、およびトリスEDTAからなる群より選択される緩衝液と組み合わされることを特徴とする請求項18に記載の方法。 前記生体試料は、少なくともステップb)からステップe)について、約18℃から約22℃の温度に維持されることを特徴とする請求項18に記載の方法。 生体試料中のグラム陽性菌の有無を検出する方法。生体試料は、任意の哺乳動物から取得可能であり、少なくとも細胞成分を含有する。試料は、アクロモペプチダーゼ等の酵素的溶解薬と組み合わされ、室温で溶解される。次に、酸化第二鉄が、アクロモペプチダーゼを含有する試料に添加される。磁場が試料に適用され、核酸が細胞成分から抽出される。標的核酸は、存在する場合、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)等の技術を使用して増幅され、次にグラム陽性菌の有無を検出するのに使用される。黄色ブドウ球菌、およびストレプトコッカス・アガラクティエは、本発明の方法により検出される標的細菌の例である。


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