タイトル: | 公開特許公報(A)_化粧料組成物 |
出願番号: | 2013263559 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/19,A61K 8/89,A61K 8/88,A61K 8/81,A61K 8/86,A61Q 1/00 |
清水 桃子 ロマン・タション JP 2015120640 公開特許公報(A) 20150702 2013263559 20131220 化粧料組成物 ロレアル 391023932 村山 靖彦 100108453 志賀 正武 100064908 渡邊 隆 100089037 実広 信哉 100110364 清水 桃子 ロマン・タション A61K 8/19 20060101AFI20150605BHJP A61K 8/89 20060101ALI20150605BHJP A61K 8/88 20060101ALI20150605BHJP A61K 8/81 20060101ALI20150605BHJP A61K 8/86 20060101ALI20150605BHJP A61Q 1/00 20060101ALI20150605BHJP JPA61K8/19A61K8/89A61K8/88A61K8/81A61K8/86A61Q1/00 18 OL 28 1.テフロン 本発明は、ベージュ色を有する少なくとも1種の小サイズ干渉顔料、少なくとも1種のシリコーンエラストマー、及び、吸油能を有する少なくとも1種のフィラーを含む化粧料組成物、特に液状化粧料組成物の形態の化粧料組成物に関する。 毛穴及びしわ等の皮膚の起伏の欠点が目立つのは、皮膚の隆起部等の明るい領域と皮膚の毛穴等の暗い領域とのコントラストゆえである。光散乱は、この明度差を減少させることができ、艶消し及びぼかし効果により得られてもよい。フィラー吸油能と不揮発性油含有量との間の良好なバランスが、艶消し効果を提供してもよい。光散乱特性を有するフィラーの導入が、ぼかし効果を提供してもよい。 或いは、例えばしみにより引き起こされる皮膚の色の欠点を隠蔽するため、光散乱及び吸収特性が強力な顔料の量を化粧料組成物において増加させてもよい。しかしながら、顔料等の小粒子は回避されるべきである。なぜなら、それらは毛穴及びしわの内側に蓄積し、その可視性を高める傾向にあるからである。結論として、毛穴等の隠蔽のための化粧料組成物は、強力な吸油能を有するフィラー、光散乱特性を有するフィラー及び好ましくは少量の顔料を含有すべきである。しかしながら、上の化粧料組成物は、毛穴、しみ、しわ等の可視性を減少させ、皮膚の欠点を被覆し、均質な皮膚の色調を提供する十分な化粧効果を、状況に応じて提供できないかもしれない。EP 242 219EP 285 886EP 765 656特開昭61-194009米国特許第5538793号米国特許出願公開第2004-175338号EP 0 542 669EP 0 787 730EP 0 787 731WO 96/08537The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月International Standard ISO 5794/1(appendix D)Brinker C.J.及びScherer G.W.、Sol-Gel Science、ニューヨーク、Academic Press、1990年Van de Hulst, H.C.著、「Light Scattering by Small Particles」、第9章及び第10章、Wiley、ニューヨーク、1957年 本発明の目的は、毛穴、しみ、しわ等の可視性を減少させることができ、皮膚の欠点を被覆でき、均質な皮膚の色調を提供できる化粧料組成物を提供することである。上の化粧効果は、長期間持続することが好ましい。 本発明の目的は、生理学的に許容される媒体中に、 (i)ベージュ色及び30μm未満の平均粒径を有する少なくとも1種の干渉顔料、 (ii)少なくとも1種のシリコーンエラストマー、好ましくは非乳化性シリコーンエラストマー、及び (iii)1ml/g以上の吸油能を有する少なくとも1種のフィラーを含む化粧料組成物、特に液状化粧料組成物の形態である化粧料組成物により達成できる。 真珠箔顔料又は真珠光沢剤等の干渉顔料は、1から200、好ましくは5から100、より好ましくは10から50のアスペクト比を有するプレートの形態であってもよい。 真珠箔顔料又は真珠光沢剤等の干渉顔料は、1μmから20μmの間、好ましくは1μmから15μmの間、より好ましくは1μmから10μmの間の平均粒径を有することが好ましい。 真珠箔顔料又は真珠光沢剤等の干渉顔料は、好ましくは、マイカ、タルク、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、合成フッ素金雲母又はそれらの混合物から構成される、少なくとも1種のプレートタイプコア、及び、少なくとも1種の金属酸化物、好ましくは二酸化チタン、酸化鉄又はそれらの混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含む、複合粉末であることが好ましい。 好ましい一実施形態において、前記ベージュ真珠箔顔料又は真珠光沢剤は、少なくとも1種のマイカのプレートタイプコア、並びに、二酸化チタン及び酸化鉄の混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含む。 真珠箔顔料又は真珠光沢剤等の干渉顔料は、本発明による化粧料組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは0.3質量%から10質量%、より好ましくは0.5質量%から5質量%範囲の量で存在していてもよい。 本発明による化粧料組成物中のシリコーンエラストマーは、ゲル又は粉末の形態の非乳化性シリコーンエラストマーであることが好ましい。 シリコーンエラストマーは、本発明による化粧料組成物中に、組成物の総質量に対して、1質量%から30質量%、好ましくは1.5質量%から20質量%、より好ましくは2質量%から10質量%範囲の量で存在していてもよい。 1ml/g以上の吸油能を有するフィラーは、シリカ、シリル化シリカ(特に疎水性シリカエアロゲル粒子)、ポリアミド(特にナイロン-6)粉末、アクリルポリマー、とりわけポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート、ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート又はエチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマーの粉末、パーライト、炭酸マグネシウム、及び、それらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。 疎水性シリカエアロゲル粒子は、500から1500m2/g、好ましくは600から1200m2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(SM)、及び、1から1500μm、より一層良好には1から1000μm、好ましくは1から100μm、特に1から30μm、より好ましくは5から25μm、より一層良好には5から20μm、更により一層良好には5から15μmの範囲の平均体積直径(D[0.5])として表されるサイズを有していてもよい。 疎水性シリカエアロゲル粒子は、湿潤点で測定される、5から18ml/g、好ましくは6から15ml/g、より好ましくは8から12ml/gの範囲の吸油能を有していてもよい。 疎水性シリカエアロゲル粒子は、0.04から0.10g/cm3、好ましくは0.05から0.08g/cm3の範囲の充填密度ρを有していてもよい。 疎水性シリカエアロゲル粒子は、トリメチルシリル基により、好ましくはINCI名シリル化シリカで表面修飾されていてもよい。 1ml/g以上の吸油能を有するフィラーは、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%の範囲、好ましくは0.3質量%から15質量%の範囲、優先的には0.5質量%から10質量%の範囲の量で存在していてもよい。 本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種の追加の着色剤、特に少なくとも1種の追加の着色顔料、例えば金属酸化物、好ましくは二酸化チタン及び/又は酸化鉄を、干渉顔料以外に更に含んでいてもよい。この場合、干渉顔料の追加の顔料に対する質量比は、1:1から1:20、好ましくは1:1から1:15、より好ましくは1:1から1:10、より一層好ましくは1:1から1:8であってもよい。 本発明はまた、本発明による上の化粧料組成物の少なくとも1つの層を皮膚、特に顔面の皮膚に適用する工程を含む化粧方法に関する。この場合、化粧料組成物は、ファンデーション等のメイクアップ製品として適用されてもよい。この化粧方法は、皮膚の欠点、特に毛穴及び/又はしみの可視性を減少させ、毛穴及び/又はしみの隠蔽効果を長期持続させることが意図されていてもよい。 本発明はまた、ベージュ色及び平均粒径30μm未満を有する少なくとも1種の干渉顔料、好ましくは少なくとも1種のマイカのプレートタイプコア、並びに、二酸化チタン及び酸化鉄の混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含み、好ましくは1μmから10μmの間の平均粒径を有するベージュ真珠光沢剤の、皮膚の欠点、特に毛穴及び/又はしみの可視性を減少させる作用剤としての化粧使用にも関する。 鋭意検討の結果、本発明者らは、30μm未満の平均粒径を有する、真珠箔顔料又は真珠光沢剤等の少なくとも1種のベージュ干渉顔料の使用が、少なくとも1種のシリコーンエラストマー及び1ml/g以上の吸油能を有する少なくとも1種のフィラーと組み合わせて、毛穴及びしみ等の皮膚の欠点の可視性を効果的に減少させ、とりわけしみの可視性を減少させ、ナチュラル効果とともに、優れたコンシーリング化粧効果を提供することができることを見出した。 したがって、本発明による化粧料組成物は、 (i)ベージュ色及び30μm未満の平均粒径を有する少なくとも1種の干渉顔料、 (ii)少なくとも1種のシリコーンエラストマー、好ましくは非乳化性シリコーンエラストマー、及び (iii)1ml/g以上の吸油能を有する少なくとも1種のフィラーを含む。 本発明による化粧料組成物は、毛穴、しみ、しわ等の可視性を減少させることができ、皮膚の欠点を被覆でき、均質な皮膚の色調を提供できる。したがって、上記の化粧料組成物を使用する本発明による化粧方法は、上記の化粧効果を提供できる。上記の化粧効果は、長期間、例えば1日中持続できる。 特定の一実施形態において、本発明は、しみの可視性を減少させることができる。 以降、本発明による化粧料組成物及び本発明による化粧方法をそれぞれ、詳細に説明する。[化粧料組成物] 本発明による化粧料組成物は、生理学的に許容される媒体中に、 (i)ベージュ色及び30μm未満の平均粒径を有する少なくとも1種の干渉顔料、 (ii)少なくとも1種のシリコーンエラストマー、好ましくは非乳化性シリコーンエラストマー、及び (iii)1ml/g以上の吸油能を有する少なくとも1種のフィラーを含む。 本発明による化粧料組成物は、液状化粧料組成物の形態であることが好ましい。 上の「液状」という用語は、本明細書において、自重で流動しない固形組成物とは対照的に、室温、例えば25℃で自重でも流動可能な組成物を意味する。(干渉顔料) 本発明による化粧料組成物は、ベージュ色及び30μm未満の平均粒径を有する少なくとも1種の干渉顔料を含む。 「干渉顔料」という表現は、干渉現象、例えば、単層又は異なる屈折率を有する複数の層、特に高及び低屈折率の一連の層により反射される光の間の干渉現象により、色を生成可能な顔料を意味する。 干渉顔料は複層構造を有していてもよく、複層とは、単層で被覆された基材から形成される構造、又は、少なくとも2層若しくは更に数層の連続層で被覆された基材から形成される構造のいずれかを意味することが意図される。例として、干渉顔料は、異なる屈折率を有する4層超の層を含んでいてもよい。干渉顔料の層は、任意選択でコアを囲んでいてもよく、コアは任意選択でプレート様の形状を呈してもよい。 干渉顔料は、1から200、好ましくは5から100、より好ましくは10から50のアスペクト比を有するプレートの形態であってもよい。 本発明による干渉顔料は、30μm未満の平均粒径を有する。平均粒径は、レーザー粒度計、例えばMalvern社製の機器Mastersizer 2000(登録商標)及び/又はBrookhaven Instrument Corporation社製の機器BI90+(登録商標)で体積平均粒径として測定されてもよい。 干渉顔料は、1μmから20μmの間、好ましくは1μmから15μmの間、より好ましくは1μmから10μmの間の平均粒径を有することが好ましい。かかる小さい粒径は、ナチュラルメイクアップ効果を有する毛穴及びしみに対する効果の向上(サテンの外観)のために好ましい。 干渉顔料は、好ましくは、マイカ、タルク、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、合成フッ素金雲母又はそれらの混合物から構成される、少なくとも1種のプレートタイプコア、及び、少なくとも1種の金属酸化物、好ましくは二酸化チタン、酸化鉄、又は、それらの混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含む、複合粉末であることが好ましい。 好ましい一実施形態において、本発明によるベージュ干渉顔料は、マイカから構成される少なくとも1種のプレートタイプコア、並びに、少なくとも二酸化チタン及び酸化鉄を含む少なくとも1種のコーティングを含む。 真珠光沢剤(真珠箔顔料)が、干渉顔料の例である。 「真珠光沢剤」という用語は、任意の形態の着色粒子を意味し、任意選択で、ある種の軟体動物の殻で生成されるように虹色であってもよく、又は、合成され、光学干渉により「真珠光沢」着色効果を示す。 真珠光沢剤の例として、真珠光沢顔料、例えば酸化鉄で被覆されたマイカ二酸化チタン、酸化クロムで被覆されたマイカ二酸化チタン、有機着色剤、特に上述のタイプの有機着色剤で被覆されたマイカ二酸化チタン、及び、オキシ塩化ビスマスをベースとする真珠光沢顔料が挙げられる。それらはまた、表面上に金属酸化物及び/又は有機着色物質の少なくとも2層の連続層を重ね合わせたマイカの粒子であってもよい。 本発明によれば、干渉顔料、例えば真珠箔顔料は、ベージュ色を有している。 - 本発明に従って使用されるベージュ干渉顔料は、好ましくは、白色背景上で、C.I.E. L*C*h表色系で50<L*<100、15<C*<35及び30<h<90を有するベージュ基調色、並びに - 黒色背景上で、C.I.E. L*C*h表色系で50<L*<100、及び、0<C*<15(任意のhの値)を有する非飽和反射色、並びに - 好ましくは平均粒径1μから15μm、好ましくは1μmから10μmの間により特徴付けられてもよい。 - より好ましい一実施形態において、本発明に従って使用されるベージュ干渉顔料は、白色背景上で、C.I.E. L*C*h表色系で70<L*<90、15<C*<30及び40<h<80を有するベージュ基調色、並びに - 黒色背景上で、C.I.E. L*C*h表色系で50<L*<75、及び、2<C*<10(任意のhの値)を有する非飽和反射色、並びに - 好ましくは平均粒径1μmから15μm、好ましくは1μmから10μmの間により特徴付けられてもよい。 干渉顔料の色は、比色計、例えばNikon Minolta CM-700d比色計(標準光源D65/10°)で、白色又は黒色背景が0.2mg/cm2の粉末(干渉顔料)で覆われる条件下で測定でき、測定された色は、C.I.E. L*C*h表色系を使用して特徴付けることができ、「L*」は明度を表し、「C*」は彩度を表し、「h」は色相を表す。 本発明のための干渉顔料、好ましくは真珠箔顔料又は真珠光沢剤の例として、マイカ/二酸化チタン/酸化鉄、例えばMerck社により市販のColorona(登録商標) Oriental Beige、及びEckart社により市販のPrestige(登録商標) Soft Beigeの名称の製品が挙げられる。 真珠箔顔料又は真珠光沢剤等の干渉顔料は、皮膚の隆起部等の皮膚の明るい領域に適用されるとその基調色を、しみ等の皮膚の暗い領域に適用されるとその反射色を示すことができる。したがって、ベージュ基調色及び非飽和反射色を有する干渉顔料は、しみを明るくしてその可視性を減少させる一方で、ナチュラルな色の被覆を提供できる。 干渉顔料は、本発明による化粧料組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは0.3質量%から10質量%、より好ましくは0.5質量%から5質量%範囲の量で存在していてもよい。(シリコーンエラストマー) 本発明による化粧料組成物はまた、少なくとも1種のシリコーンエラストマーを含む。 好ましい一実施形態において、シリコーンエラストマーは、非乳化性シリコーンエラストマーである。 非乳化性シリコーンエラストマーは、ゲル又は粉末の形態であってもよい。 「オルガノポリシロキサンエラストマー」又は「シリコーンエラストマー」は、本発明による化粧料組成物を増粘し、その適用特性を改善すること可能にする。それは適用後に非常に穏やかな艶消しされた感覚を提供し、とりわけ皮膚への適用に有利である。エラストマーは、ゲル又はソフトパウダーである。 「オルガノポリシロキサンエラストマー」又は「シリコーンエラストマー」という表現は、粘弾性、とりわけスポンジ又は柔軟な球体の稠度を有する、柔軟で変形可能なオルガノポリシロキサンを意味する。その弾性係数は、この物質を変形に耐えるものとし、制限された伸展性及び収縮性を有するものとする。この材料は、伸展後にその原形を回復できる。 それは、より具体的には、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーである。 したがって、オルガノポリシロキサンエラストマーは、とりわけ白金触媒の存在下における、ケイ素に結合する少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンの、及び、ケイ素に結合するエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンの架橋付加反応によって;又は、とりわけ有機スズの存在下における、ヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合する少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとの間の脱水素架橋縮合反応によって;又は、ヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンの、及び、加水分解性オルガノポリシランの架橋縮合反応によって;又は、とりわけオルガノペルオキシド触媒の存在下における、オルガノポリシロキサンの熱架橋によって;又は、ガンマ線、紫外線若しくは電子ビーム等の高エネルギー放射線を介するオルガノポリシロキサンの架橋によって得られてもよい。 好ましくは、オルガノポリシロキサンエラストマーは、例えば特許出願EP-A-295 886に記載のとおり、とりわけ白金触媒(C)の存在下における、それぞれケイ素に結合する少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサン(A)の、及び、ケイ素に結合する少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサン(B)の架橋付加反応により得られる。 特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下における、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンの、及び、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンの反応により得られてもよい。 化合物(A)は、オルガノポリシロキサンエラストマーの形成のためのベース試薬であり、架橋は、触媒(C)の存在下における、化合物(A)と化合物(B)との付加反応により行われる。 化合物(A)は、特に、それぞれの分子中の異なるケイ素原子に結合する少なくとも2つの水素原子を含有するオルガノポリシロキサンである。 化合物(A)は、任意の分子構造、とりわけ直鎖状若しくは分枝鎖状構造又は環状構造を有していてもよい。 化合物(A)は、とりわけ化合物(B)と相溶性であるように、25℃で1から50000センチストークの範囲の粘度を有していてもよい。 化合物(A)のケイ素原子に結合する有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、オクチル等のアルキル基;2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル等の置換アルキル基;フェニル、トリル、キシリル等のアリール基;フェニルエチル等の置換アリール基;及びエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基等の置換一価炭化水素系基であってもよい。 したがって、化合物(A)は、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルヒドロシロキサンコポリマー、及び、ジメチルシロキサン-メチルヒドロシロキサン環状コポリマーから選択されてもよい。 化合物(B)は、有利には、少なくとも2つの低級アルケニル基(例えばC2〜C4)を含有するジオルガノポリシロキサンであり、低級アルケニル基は、ビニル、アリル及びプロペニル基から選択されてもよい。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子の任意の位置にあってもよいが、好ましくは、オルガノポリシロキサン分子の末端に位置する。オルガノポリシロキサン(B)は、分枝鎖状、直鎖状、環状又は網状構造を有していてもよいが、直鎖状構造が好ましい。化合物(B)は、液状の状態からゴム状態を範囲とする粘度を有していてもよい。好ましくは、化合物(B)は、25℃で少なくとも100センチストークの粘度を有する。 上述のアルケニル基の他に、化合物(B)中でケイ素原子に結合する他の有機基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル又はオクチル等のアルキル基;2-フェニルエチル、2-フェニルプロピル又は3,3,3-トリフルオロプロピル等の置換アルキル基;フェニル、トリル又はキシリル等のアリール基;フェニルエチル等の置換アリール基;及びエポキシ基、カルボン酸エステル基又はメルカプト基等の置換一価炭化水素系基であってもよい。 オルガノポリシロキサン(B)は、メチルビニルポリシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するメチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、及び、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルシロキサン-メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選択してもよい。 特に、オルガノポリシロキサンエラストマーは、白金触媒の存在下における、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンの、及び、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルハイドロジェンポリシロキサンの反応により得られてもよい。 有利には、化合物(B)中のエチレン性基の1分子当たりの数と、化合物(A)中のケイ素原子に結合する水素原子の1分子当たりの数との和は、少なくとも5である。 化合物(A)は、化合物(A)中のケイ素原子に結合する水素原子の総量と、化合物(B)中のすべてのエチレン性不飽和基の総量との間の分子比を、1.5/1から20/1の範囲とする量で添加することが有利である。 化合物(C)は架橋反応のための触媒であり、とりわけ担体上のクロロ白金酸、クロロ白金酸-オレフィン錯体、クロロ白金酸-アルケニルシロキサン錯体、クロロ白金酸-ジケトン錯体、白金黒及び白金である。 触媒(C)は、好ましくは、清浄な白金金属として、化合物(A)及び(B)の総量の1000質量部当たり、0.1質量部から1000質量部、より一層良好には1質量部から100質量部の量で添加される。 エラストマーは、有利には、非乳化性エラストマーである。 「非乳化性」という用語は、親水性鎖を一切含有せず、特にポリオキシアルキレン単位(とりわけポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレン)又はポリグリセリル単位を一切含有しないオルガノポリシロキサンエラストマーを特徴付ける。したがって、本発明の特定の一実施形態によれば、本発明の化粧料組成物は、ポリオキシアルキレン単位及びポリグリセリル単位を含まないオルガノポリシロキサンエラストマーを含む。 非乳化性エラストマーは、とりわけ特許EP 242 219、EP 285 886及びEP 765 656並びに特許出願特開昭61-194009に記載されている。 使用できる非乳化性エラストマーには、より具体的には、信越化学工業株式会社によりKSG-6、KSG-15、KSG-16、KSG-18、KSG-41、KSG-42、KSG-43及びKSG-44の名称で販売されているもの、並びに、Dow Corning社によりDC 9040及びDC 9041の名称で販売されているもの、並びに、General Electric社によりSFE 839の名称で販売されているものが含まれる。 使用できる球状非乳化性エラストマーには、Dow Corning社によりDC 9040、DC 9041、DC 9509、DC 9505及びDC 9506の名称で販売されているものが含まれる。 一実施形態において、オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、少なくとも1種の炭化水素系油及び/又は1種のシリコーン油に含まれるエラストマーオルガノポリシロキサンから形成されたゲルの形態で運ばれる。これらのゲル中で、オルガノポリシロキサン粒子は、非球状粒子であることが多い。 ゲル形態の好ましい非乳化性シリコーンエラストマーとして、INCI名製品ジメチコンクロスポリマー、例えばDow Corning社製DC9041、DC9045を挙げることができる。 別の一実施形態において、オルガノポリシロキサンエラストマー粒子は、粉末の形態で運ばれる。 粉末形態の好ましい非乳化性シリコーンエラストマーとして、INCI名製品ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、例えばDow Corning社製DC9506及びDC9701、並びに、信越化学工業株式会社製KSG6を挙げることができる。 別の一実施形態において、本発明の化粧料組成物は、シリコーン樹脂で被覆された少なくとも1種のシリコーンエラストマー粉末を含む。シリコーンエラストマー粉末は球状であり、とりわけ上述の非乳化性エラストマーを合成するプロセスを介して得られる。シリコーンエラストマー粉末は、シリコーン樹脂で被覆される。 好ましい一実施形態によれば、例えば参照により本明細書にその内容が組み込まれる米国特許第5538793号に記載のとおり、シリコーン樹脂はシルセスキオキサン樹脂でもよい。シリコーン樹脂に被覆されたかかるエラストマー粉末は、とりわけ、信越化学工業株式会社によりKSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104及びKSP-105の名称で販売されている。かかる粉末は、INCI名ジメチコンシルセスキオキサンクロスポリマーに相当し、特にビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサンクロスポリマーである。好ましいシリコーン樹脂に被覆されたエラストマー粉末として、KSP100を使用できる。 シリコーンエラストマー粒子は、80以下(とりわけ5から80の範囲)、好ましくは65以下(とりわけ5から65の範囲)のJIS-A硬度を有していてもよい。JIS-A硬度は、日本工業標準調査会により確立された方法JIS K 6301 (1995)により測定される。 特に、シリコーンエラストマー粒子は、0.1から500μm、好ましくは3から200μm、より一層良好には10から20μmの平均サイズを有していてもよい。これらの粒子は、球状、平板状又は非晶の形状でよく、好ましくは球状の形状であってもよい。 オルガノポリシロキサンエラストマー又はシリコーンエラストマーは、本発明の化粧料組成物中に一般に、前記組成物の総質量に対して、1質量%から30質量%、好ましくは1.5質量%から20質量%、より好ましくは2質量%から10質量%の範囲の活性物質(=乾燥物質)の含有量で存在する。(1ml/g以上の吸油能を有するフィラー) 本発明による化粧料組成物はまた、1ml/g以上の吸油能を有するフィラーを含む。上の本発明によるフィラーは、油又は液状脂肪質、例えば皮脂を(皮膚から)吸収及び/又は吸着する能力を有する。 この油を吸収するフィラーはまた、有利には、300m2/g以上、好ましくは500m2/g超、優先的には600m2/g超、とりわけ1500m2/g未満のBET比表面積を有していてもよい。 BET比表面積は、The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月に記載され、International Standard ISO 5794/1(appendix D)に対応するBET(Brunauer-Emmet-Teller)法により決定する。BET比表面積は、粉末の総比表面積に対応する(したがって微細孔を含む)。 したがって、本発明による検討中のフィラーは、1ml/g以上、好ましくは1.5ml/g以上、とりわけ1.5ml/gから20ml/gの範囲、又は更には1.5ml/gから15ml/gの範囲の油吸収量を有することを特徴とする。好ましくはそれは、2ml/g以上、とりわけ2ml/gから20ml/gの範囲、又は更には2ml/gから15ml/gの範囲の油吸収量を有する。 この油吸収量は、フィラーにより吸収及び/又は吸着される油の量に相当し、以下に記載の方法に従って湿潤点を測定することにより特徴付けることができる。フィラーの油吸収量の測定方法: 粉末の油吸収量は、規格NF T 30-022に記載の粉末の油吸収量を決定する方法に従って測定する。これは、湿潤点の測定による、フィラーの利用可能な表面上に吸着される油の量に相当する。 約0.5gから5gの間の量m(グラム単位)の粉末(この量は粉末の密度に依存する)をガラスプレートに置き、次に、イソノナン酸イソノニルを滴下添加する。 4から5滴のイソノナン酸イソノニルの添加後、スパチュラを使用してイソノナン酸イソノニルをフィラーに練り込み、イソノナン酸イソノニルと粉末の集合体が形成されるまでイソノナン酸イソノニルを添加し続ける。この時点で、イソノナン酸イソノニルを1滴ずつ添加し、次に、混合物をスパチュラで磨りつぶす。堅く滑らかなペーストが得られたら、イソノナン酸イソノニルの添加を中止する。このペーストは、ひび割れること又は塊を形成することなしに、ガラスプレート上に広げることができなければならない。次に、使用したイソノナン酸イソノニルの体積Vs(mlで表す)を記録する。 油吸収量は、Vs/m比に相当する。 本発明による検討中の油吸収フィラーは、有機性又は無機性であってもよい。 1ml/g以上の吸油能を有するフィラーは、より具体的には、シリカ、シリル化シリカ(特に疎水性シリカエアロゲル粒子)、ポリアミド(特にナイロン-6)粉末、アクリルポリマー、とりわけポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート、ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート、又はエチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマーの粉末、パーライト、炭酸マグネシウム、及び、それらの混合物から選択されてもよい。 当業者は、上述の物質の中から、1ml/g以上、好ましくは1.5ml/g以上、より好ましくは2ml/g以上の油吸収量を有するフィラーを選択すると考えられ、これらはこの点において本発明における使用に好適である。 有利には、吸油粉末は、疎水性処理剤で被覆された粉末であってもよい。 疎水性処理剤は、とりわけ、ステアリン酸等の脂肪酸;ジミリスチン酸アルミニウム、水素化された獣脂グルタメートのアルミニウム塩等の金属石鹸;アミノ酸;N-アシルアミノ酸又はそれらの塩;レシチン、チタン酸イソプロピルトリイソステアリル、無機ワックス、及び、それらの混合物から選択することができる。 N-アシルアミノ酸は、8から22個の炭素原子を含有するアシル基、例えば、2-エチルヘキサノイル、カプロイル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイル、ステアロイル、又はココイル基を含んでいてもよい。これらの化合物の塩は、アルミニウム塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、ジルコニウム塩、亜鉛塩、ナトリウム塩又はカリウム塩であってもよい。アミノ酸は特に限定されず、それは例えば、リシン、グルタミン酸又はアラニンであってもよい。 「アルキル」という用語は、とりわけ、1から30個の炭素原子を含有する、好ましくは5から16個の炭素原子を含有するアルキル基を意味する。 本発明によるフィラーの例、すなわち1ml/g以上、好ましくは1.5ml/g以上の油吸収量を有するフィラーは以下に記載され、それらの油吸収量値は、前述のプロトコルに従って測定される。 挙げられるシリカ粉末には、 - 多孔質シリカミクロスフェア、とりわけ、旭硝子株式会社によりSunsphere(登録商標)H53及びSunsphere(登録商標)H33(油吸収量は3.70ml/gに等しい)、Kobo社によりMSS-500-3Hの名称で販売されているもの、 - ポリジメチルシロキサン被覆非晶質シリカミクロスフェア、とりわけSA Sunsphere(登録商標)H33の名称で販売されているもの(油吸収量は2.43ml/gに等しい)、 - シリル化シリカ粉末、とりわけDow Corning社によりDow Corning VM-2270 Aerogel Fine Particlesの名称で販売されている疎水性シリカエアロゲル粒子(油吸収量は10.40ml/gに等しい)、 - 非晶質中空シリカ粒子、とりわけKobo社によりSilica Shellsの名称で販売されているもの(油吸収量は5.50ml/gに等しい)、及び - 無機ワックスで表面処理された沈降シリカ粉末、例えば、ポリエチレンワックスで処理された沈降シリカ、とりわけEvonik-Degussa社によりAcematt OR 412の名称で販売されているもの(油吸収量は3.98ml/gに等しい)が含まれる。 挙げられるアクリルポリマー粉末には、 - 多孔質ポリメチルメタクリレート(INCI名メチルメタクリレートクロスポリマー)、例えばSensient社によりCovabead LH85の名称で販売されているスフェア、 - Cardinal Health Technologies社によりMicrosponge 5640(油吸収量は1.55ml/gに等しい)の名称で販売されている多孔質ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートスフェア、及び - エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマー粉末、とりわけDow Corning社製Polytrap(登録商標)6603の名称で販売されているもの(油吸収量は6.56ml/gに等しい)が含まれる。 挙げられるポリアミド粉末には、 - ナイロン-6粉末、とりわけ宇部興産株式会社によりPomp610の名称で販売されている製品(油吸収量は2.02ml/gに等しい)が含まれる。 とりわけ挙げられるパーライト粉末は、World Minerals社によりOptimat 1430 ORの名称で販売されている製品(油吸収量は2.4ml/gに等しい)である。 とりわけ挙げられる炭酸マグネシウム粉末は、Buschle & Lepper社によりTipo Carbomagelという商品名で販売されている製品(油吸収量は2.14ml/gに等しい)である。 特に好ましい吸油フィラーは、シリカ及びシリル化シリカ粉末、より具体的には、旭硝子株式会社によりSunsphere(登録商標)H33の名称、Dow Corning社によりDow Corning VM-2270 Aerogel Fine Particlesの名称で販売されている製品、ナイロン-6粉末及び多孔質ポリメチルメタクリレート(INCI名メチルメタクリレートクロスポリマー)、例えばSensient社によりCovabead LH85の名称で販売されているスフェアである。 特定の一実施形態において、1ml/g以上の吸油能を有するフィラーは、疎水性シリカエアロゲル(シリル化シリカ)である。 シリカエアロゲルは、シリカゲルの液状成分を空気で置き換えることによって(乾燥することによって)得られる多孔質物質である。 これらは一般に、ゾル-ゲル法を介して液状媒体中で合成され、次に、通常は超臨界流体(最も一般的に使用されるのは超臨界CO2)の抽出により乾燥される。このタイプの乾燥により、孔及び物質の収縮を回避することができる。ゾル-ゲル法及び様々な乾燥方法が、Brinker C.J.及びScherer G.W.、Sol-Gel Science、ニューヨーク、Academic Press、1990年に詳細に記載されている。 本発明において使用できる疎水性シリカエアロゲル粒子は、500から1500m2/g、好ましくは600から1200m2/g、より一層良好には600から800m2/gの範囲である、単位質量当たりの比表面積(SM)と、1から1500μm、より一層良好には1から1000μm、好ましくは1から100μm、特に1から30μm、より好ましくは5から25μm、より一層良好には5から20μm、更により一層良好には5から15μmの範囲である、平均体積直径(D[0.5])として表されるサイズを有していてもよい。 一実施形態によれば、本発明において使用できる疎水性シリカエアロゲル粒子は、1から30μm、好ましくは5から25μm、より一層良好には5から20μm、更により一層良好には5から15μmの範囲である、平均体積直径(D[0.5])で表されるサイズを有していてもよい。 単位質量当たりの比表面積は、The Journal of the American Chemical Society、第60巻、309頁、1938年2月に記載され、The International Standard ISO 5794/1(appendix D)に対応するBET(Brunauer-Emmett-Teller)窒素吸収法を介して決定できる。BET比表面積は、検討中の粒子の総比表面積に相当する。 疎水性シリカエアロゲル粒子のサイズは、Malvern社製MasterSizer 2000装置等の市販の粒度計を使用して、静的光散乱により測定されてもよい。データは、Mie散乱理論に基づいて処理される。等方性粒子に適したこの理論は、非球状粒子の場合に、「有効な」粒径の決定を可能にする。この理論はとりわけ、Van de Hulst, H.C.著、「Light Scattering by Small Particles」、第9章及び第10章、Wiley、ニューヨーク、1957年なる刊行物に記載されている。 有利な一実施形態によれば、本発明で使用される疎水性シリカエアロゲル粒子は、600から800m2/gの範囲である1質量単位当たりの比表面積(SM)、及び、5から20μm、より一層良好には5から15μmの範囲である平均体積直径(D[0.5])として表されるサイズを有する。 本発明で使用される疎水性シリカエアロゲル粒子は、有利には、0.04から0.10g/cm3、好ましくは0.05から0.08g/cm3の範囲の充填密度ρを有していてもよい。 本発明の文脈において、充填密度として知られるこの密度は、以下のプロトコルに従って評価してもよい。すなわち、 40gの粉末をメスシリンダーに注ぎ入れ、次にそのメスシリンダーをStampf Volumeter社製Stav 2003装置に置き、次にメスシリンダーを2500回の連続充填動作にかけ(この操作は2つの連続した試験間の体積差が2%未満になるまで繰り返す)、次に充填した粉末の最終体積Vfを直接メスシリンダー上で測定する。充填密度は、この場合40/Vfであるm/Vf比(Vfはcm3で表され、mはgで表される)によって決定される。 一実施形態によれば、本発明で使用できる疎水性シリカエアロゲル粒子は、5から60m2/cm3、好ましくは10から50m2/cm3、より一層良好には15から40m2/cm3の範囲である、単位体積当たりの比表面積SVを有していてもよい。 単位体積当たりの比表面積は、以下の関係式によって与えられる。すなわち、 SV=SM*ρであり、式中、上で定義したとおり、ρはg/cm3で表される充填密度であり、SMはm2/gで表される単位質量当たりの比表面積である。 好ましくは、本発明による疎水性シリカエアロゲル粒子は、湿潤点で測定される、5から18ml/g、好ましくは6から15ml/g、より一層良好には8から12ml/gの範囲の吸油能を有していてもよい。 湿潤点で測定される吸油能は、Wpと記され、均質なペーストを得るために100gの粒子に添加される必要のある水の量に相当する。 これは、湿潤点法、又は、規格NF T 30-022に記載の粉末の油吸収量を決定する方法に従って測定される。これは、湿潤点の測定による、粉末の利用可能な表面上に吸着される、及び/又は、粉末により吸収される油の量に相当し、以下に説明する。すなわち、 粉末の量m=2gをガラスプレート上に置き、次に油(イソノナノン酸イソノニル)を滴下添加する。4から5滴の油を粉末に添加後、スパチュラを使用して混合し、油と粉末との集合体が形成されるまで油の添加を続ける。この時点で、油を1滴ずつ添加し、次に、混合物をスパチュラで磨りつぶす。堅く滑らかなペーストが得られたら、油の添加を中止する。このペーストは、ひび割れること又は塊を形成することなしに、ガラスプレート上に広げることができなければならない。次に、使用した油の体積Vs(mlで表す)を記録する。 油吸収量は、Vs/m比に相当する。 本発明に従って使用できる疎水性シリカエアロゲル粒子は、好ましくはシリル化シリカタイプ(INCI名:シリル化シリカ)である。 「疎水性シリカ」という用語は、その表面がシリル化剤、例えばハロゲン化シラン、例えばアルキルクロロシラン、シロキサン、特にジメチルシロキサン、例えばヘキサメチルジシロキサン又はシラザンで処理されて、OH基がシリル基Si-Rn、例えばトリメチルシリル基で官能化される任意のシリカを意味する。 シリル化によって表面修飾された疎水性シリカエアロゲル粒子の調製に関しては、文献US7470725を参照できる。 特に、INCI名シリル化シリカの、トリメチルシリル基で表面修飾された疎水性シリカエアロゲル粒子が使用されると考えられる。 本発明において使用できる疎水性シリカエアロゲル粒子として、挙げられる例には、Dow Corning社によりVM-2260又はVM-2270(INCI名:シリル化シリカ)の名称で販売されているエアロゲルであり、その粒子は、約1000ミクロンの平均サイズ及び600から800m2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積を有する。 また、挙げることができるのは、Cabot社によりAerogel TLD 201、Aerogel OGD 201、Aerogel TLD 203、及び、ENOVA AEROGEL MT 1100の参照名で販売されているエアロゲルである。 より具体的には、Dow Corning社によりVM-2270(INCI名:シリル化シリカ)の名称で販売されているエアロゲルが使用されると考えられるのであり、その粒子は、5〜15ミクロンの範囲の平均サイズ及び600から800m2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積を有する(油吸収量は1080ml/100gに等しい)。 有利なことに、本発明による中空粒子は、少なくとも一部が疎水性シリカエアロゲル粒子、好ましくは500から1500m2/g、好ましくは600から1200m2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(SM)、及び、1から1500μm、より一層良好には1から1000μm、好ましくは1から100μm、特に1から30μm、より好ましくは5から25μm、より一層良好には5から20μm、更により一層良好には5から15μmの範囲の平均体積直径(D[0.5])として表されるサイズを有するものから形成される。 本発明による中空粒子、特に疎水性シリカエアロゲル粒子の使用はまた、有利なことに、組成物によりケラチン物質、特に皮膚上に付与される化粧特性の残存性の改善を可能にする。 1ml/g以上、好ましくは1.5ml/g以上の油吸収量を有するフィラーは、本発明による組成物中に、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%の範囲、好ましくは0.3質量%から15質量%の範囲、優先的には0.5質量%から10質量%の範囲の含有量で存在していてもよい。 特に、吸油能の点で非常に効率的な疎水性シリカエアロゲル粒子について、それらは、組成物の総質量に対して、0.1質量%から5.0質量%、好ましくは0.1質量%から3.0質量%、より好ましくは0.1質量%から2.0質量%の範囲の量で存在していてもよい。(生理学的に許容される媒体) 前述の成分の他に、本発明による化粧料組成物は、生理学的に許容される媒体を含む。 「生理学的に許容できる媒体」という用語は、本発明による組成物を皮膚に適用するのに特に好適である媒体を意味することが意図される。 生理学的に許容される媒体は、一般に、組成物が適用される支持体の性質、及び、組成物がパッケージされる形態にも適合される。 本発明による化粧料組成物は、分散液又はエマルジョンであってもよい。 分散液は、水相又は油相として作製してもよい。 エマルジョンは、油性及び/又は水性連続相を有していてもよい。かかるエマルジョンは、例えば逆相(W/O)エマルジョン又は順相(O/W)エマルジョン、或いは多相エマルジョン(W/O/W又はO/W/O)であってよい。 エマルジョンの場合、逆相(W/O)エマルジョンが好ましい。(水相) 本発明による化粧料組成物は、水相を含むことができる。 水相は、水を含む。本発明における使用に好適な水は、フローラルウォーター、例えば、コーンフラワーウォーター、及び/又は、ミネラルウォーター、例えば、Vittel水、Lucas水若しくはLa Roche Posay水、及び/又は、湧き水であってもよい。 水相はまた、(室温:25℃で)水混和性有機溶媒、例えばエタノール又はイソプロパノール等、2個から6個の炭素原子を含むモノアルコール;とりわけ、グリセロール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール又はジエチレングリコール等、2個から20個の炭素原子、好ましくは2個から10個の炭素原子、優先的には2個から6個の炭素原子を含むポリオール;モノ、ジ又はトリプロピレングリコール(C1〜C4)アルキルエーテル、モノ、ジ又はトリエチレングリコール(C1〜C4)アルキルエーテル等、(とりわけ3個から16個の炭素原子を含む)グリコールエーテル、並びに、それらの混合物を含んでいてもよい。 水相はまた、安定剤、例えば、塩化ナトリウム、二塩化マグネシウム又は硫酸マグネシウムを含んでいてもよい。 水相はまた、水相と相溶性である任意の水溶性又は水分散性化合物、例えば、ゲル化剤、フィルム形成ポリマー、増粘剤又は界面活性剤、及び、それらの混合物を含むことができる。 特に本発明による化粧料組成物は、組成物の総質量に対して、1質量%から80質量%、とりわけ5質量%から50質量%、より具体的には10質量%から45質量%の範囲の含有量で水相を含んでいてもよい。 別の一実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は無水であってもよい。 無水組成物は、組成物の総質量に対して、5質量%未満の水、組成物の総質量に対して、特に3質量%未満、とりわけ2質量%未満、より具体的には1質量%未満の水を含んでいてもよい。 より具体的には、無水組成物は水を含まなくてもよい。(脂肪相) 本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種の液状及び/又は固体脂肪相を含んでいてもよい。 一実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は、エマルジョンの形態である。 特に、本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種の液状脂肪相、とりわけ下記の少なくとも1種の油を含んでいてもよい。 「油」という用語は、室温(20〜25℃)及び大気圧で液状形態である任意の脂肪質を意味する。 本発明による化粧料組成物は、液状脂肪相を、組成物の総質量に対して、1から90質量%、好ましくは5から80質量%、特に10から70質量%、より具体的には20から50質量%の範囲の含有量で含んでいてもよい。 本発明による化粧料組成物の調製に好適な脂肪相は、炭化水素系油、シリコーン油、フルオロ油又は非フルオロ油、又はそれらの混合物を含んでいてもよい。 油は揮発性であっても不揮発性であってもよい。 それらは、動物、植物、無機又は合成由来のものであってもよい。 「不揮発性油」という用語は、皮膚又はケラチン繊維上に、室温及び大気圧で残存する油を意味する。より具体的には、不揮発性油は、厳密に0.01mg/cm2/min未満の蒸発速度を有する。 この蒸発速度を測定するために、試験される15gの油又は油性混合物を、25℃の温度に温度調節され、50%の相対湿度に湿度測定で調節された約0.3m3の大きなチャンバー内にある天秤上に配置された直径7cmの結晶皿内に置く。液体は、撹拌せずに自由に蒸発させ、一方で、前記油又は前記混合物を含む結晶皿の上に垂直に配置した送風機(Papst-Motoren社、参照名8550N、2700rpmで回転)で換気を行い、送風機の羽根は、結晶皿の底部から20cm離して結晶皿の方に向ける。結晶皿に残存する油の質量を、一定の間隔をおいて測定する。蒸発速度は、単位面積(cm2)及び単位時間(分)当たりで蒸発した油のmgで表される。 「揮発性油」という用語は、室温及び大気圧で皮膚又は唇に接触して、1時間未満で蒸発できる任意の非水性媒体を意味する。揮発性油は、室温で液状である化粧用揮発性油である。より具体的には、揮発性油は、0.01から200mg/cm2/min(上下限を含む)の間の蒸発速度を有する。 本発明の目的では、「シリコーン油」という用語は、少なくとも1つのケイ素原子、とりわけ少なくとも1つのSi-O基を含む油を意味する。 「フルオロ油」という用語は、少なくとも1つのフッ素原子を含む油を意味する。 「炭化水素系油」という用語は、主に水素原子及び炭素原子を含有する油を意味する。 油は、例えばヒドロキシル基又は酸基の形態で、酸素原子、窒素原子、硫黄原子及び/又はリン原子を任意選択で含んでいてもよい。(揮発性油) 揮発性油は、8個から16個の炭素原子を含有する炭化水素系油、とりわけC8〜C16分枝状アルカン(イソパラフィンとしても知られる)、例えば、イソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても知られる)、イソデカン及びイソヘキサデカン(例えば、商品名Isopar(登録商標)又はPermethyl(登録商標)で販売されている油)から選択してもよい。 使用できる揮発性油には、揮発性シリコーン、例えば揮発性直鎖状又は環状シリコーン油、とりわけ8センチストーク(cSt)(8×10-6m2/s)以下の粘度を有し、とりわけ2個から10個のケイ素原子、特に2個から7個のケイ素原子を含有するものが含まれ、これらのシリコーンは、任意選択で1個から10個の炭素原子を含有するアルキル基又はアルコキシ基を含む。本発明に用いることができる揮発性シリコーン油として、とりわけ、5cSt及び6cStの粘度を有するジメチコン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン及びドデカメチルペンタシロキサン、及び、それらの混合物が挙げられる。 一実施形態によれば、本発明の化粧料組成物は、組成物の総質量に対して、1から80質量%、又は、更には5から70質量%、又は、更には10から60質量%、とりわけ15から50質量%の揮発性油を含んでいてもよい。(不揮発性油) 不揮発性油は、とりわけ不揮発性炭化水素系の、フルオロ油及び/又はシリコーン油から選択してもよい。 とりわけ挙げられる不揮発性炭化水素系油には、 - ペルヒドロスクアレン等の動物由来の炭化水素系油、 - 植物由来の炭化水素系油、例えば、フィトステアリルエステル、例えば、フィトステアリルオレエート、フィトステアリルイソステアレート及びラウロイル/オクチルドデシル/フィトステアリルグルタメート(味の素株式会社、Eldew PS203)、グリセロールの脂肪酸エステル、特に、脂肪酸がC4〜C36、とりわけC18〜C36の鎖長を有することができるものから形成されたトリグリセリドであり、これらの油は場合によって直鎖状又は分枝状、飽和又は不飽和であり、とりわけ、ヘプタン酸又はオクタン酸トリグリセリド、シア油、アルファルファ油、ケシ油、冬カボチャ油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライ麦油、ククイ油、トケイソウ油、シアバター、アロエベラ油、甘扁桃油、桃核油、落花生油、アルガン油、アボカド油、バオバブ油、ルリヂサ油、ブロッコリー油、キンセンカ油、椿油、キャノーラ油、ニンジン油、ベニバナ油、亜麻油、ナタネ油、綿実油、ココナッツ油、髄種子油、小麦胚芽油、ホホバ油、ユリ油、マカダミア油、トウモロコシ油、メドフォーム油、セイヨウオトギリソウ油、モノイ油、ヘイゼルナッツ油、杏仁油、クルミ油、オリーブ油、月見草油、パーム油、ブラックカラント種油、キーウィ種子油、グレープシード油、ピスタチオ油、冬カボチャ油、カボチャ油、ジャコウバラ油、ゴマ油、ダイズ油、ヒマワリ油、ヒマシ油及びスイカ種子油、及び、それらの混合物、或いはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社により販売されているもの又はDynamit Nobel社によりMiglyol 810(登録商標)、812(登録商標)及び818(登録商標)の名称で販売されているものであってもよい、 - 無機又は合成由来の直鎖状又は分枝状炭化水素、例えば、流動パラフィン及びその誘導体、ワセリン、ポリデセン、ポリブテン、水素化ポリイソブテン、例えばParleam、並びに、スクアラン、 - 10個から40個の炭素原子を含有する合成エーテル、 - 合成エステル、例えば式R1COOR2の油であり、式中、R1は1個から40個の炭素原子を含有する1つの直鎖状又は分枝状の脂肪酸残基を表し、R2は1個から40個の炭素原子を含有する、とりわけ分枝状である炭化水素系鎖を表し、但しR1鎖及びR2鎖における炭素原子数の和は10以上であるという条件である。エステルは、とりわけアルコールの脂肪酸エステル、例えばオクタン酸セトステアリル、イソプロピルアルコールエステル、例えばミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、パルチミン酸エチル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、ステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソステアリル、ステアリン酸オクチル等、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、ヒドロキシステアリン酸オクチル、アジピン酸ジイソプロピル、ヘプタノエート、及び、とりわけヘプタン酸イソステアリル、オクタン酸、デカン酸又はリシノール酸アルコール又はポリアルコール、例えばジオクタン酸プロピレングリコール、オクタン酸セチル、オクタン酸トリデシル、2-エチルヘキシル4-ジヘプタノエート、パルミチン酸2-エチルヘキシル、安息香酸アルキル、ジヘプタン酸ポリエチレングリコール、プロピレングリコール2-ジエチルヘキサノエート、及び、それらの混合物、C12〜C15アルコールベンゾエート、ラウリン酸ヘキシル、ネオペンタン酸エステル、例えばネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、ネオペンタン酸オクチルドデシル、イソノナン酸エステル、例えばイソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル及びリンゴ酸ジイソステアリルから選択することができる、 - ポリオールエステル及びペンタエリスリトールエステル、例えばテトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、 - ジオールダイマー及び二酸ダイマーのエステル、例えば、日本精化株式会社により販売され、米国特許出願公開第2004-175338号に記載されているLusplan DD-DA5(登録商標)及びLusplan DD-DA7(登録商標)、 - ジオールダイマー及び二酸ダイマーのコポリマー、及び、それらのエステル、例えば、ジリノレイルジオールダイマー/ジリノール酸ダイマーコポリマー及びそれらのエステル、例えばPlandool-G、 - ポリオール及び二酸ダイマーのコポリマー、及び、それらのエステル、例えば、Hailuscent ISDA又はジリノール酸/ブタンジオールコポリマー、 - 室温で液状であり、12個から26個の炭素原子を含有する分枝状及び/又は不飽和炭素系鎖を有する脂肪族アルコール、例えば、2-オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノール及び2-ウンデシルペンタデカノール、 - C12〜C22高級脂肪酸、例えば、オレイン酸、リノール酸又はリノレン酸、及び、それらの混合物、 - 2つのアルキル鎖が場合によって同一である又は異なっている炭酸ジアルキル、例えば、Cognis社によりCetiol CC(登録商標)の名称で販売されている炭酸ジカプリリル、 - 特に約400から約10000g/mol、特に約650から約10000g/mol、特に約750から約7500g/molの範囲、より具体的には約1000〜約5000g/molの範囲のモル質量を有する高モル質量の油。本発明において使用できる高モル質量の油としては、とりわけ、 親油性ポリマー 総炭素数が35から70の範囲の直鎖状脂肪酸エステル、 ヒドロキシル化エステル、 芳香族エステル、 C24〜C28分枝状脂肪酸又は脂肪族アルコールエステル、 シリコーン油、 植物由来の油、及び それらの混合物から選択される油が挙げられる、 - 任意選択で部分的に炭化水素系及び/又はシリコーンフルオロ油、例えば、文献EP-A-847 752に記載のフルオロシリコーン油、フルオロポリエーテル及びフルオロシリコーン、 - シリコーン油、例えば、不揮発性直鎖状又は環状ポリジメチルシロキサン(PDMS);ペンダントであって又はシリコーン鎖の末端にあって、2個から24個の炭素原子を含有する、アルキル、アルコキシ又はフェニル基を含む、ポリジメチルシロキサン;フェニルシリコーン、例えば、フェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサン及び2-フェニルエチルトリメチルシロキシシリケート、並びに - それらの混合物が含まれる。 特定の一実施形態によれば、本発明による化粧料組成物の脂肪相は、揮発性化合物のみを含有できる。 (追加の着色剤) 本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種の追加の着色剤を含んでいてもよい。 本発明の組成物中の追加の着色剤の量は一般に、組成物の総質量に対して、0質量%から20質量%、特に、組成物の総質量に対して、0.5質量%から15質量%の範囲であると考えられる。 本発明による化粧料組成物は、化粧料組成物中で従来使用されている無機又は有機顔料、脂溶性又は水溶性染料、特殊な光学効果を有する物質、及び、それらの混合物から選択される少なくとも1種の追加の着色剤を組み込んでもよい。特定の一実施形態において、組成物は、追加の顔料を着色剤として含んでいてもよい。 「顔料」という用語は、白色又は有色の、無機性又は有機性の粒子を意味すると理解されるべきであり、これは水溶液に不溶性で、結果として得られる皮膜を着色する、且つ/又は不透明にするように意図されている。 本発明で使用できる無機顔料として、金属酸化物、例えば酸化チタン、酸化ジルコニウム又は酸化セリウム、及び、酸化亜鉛、酸化鉄又は酸化クロム、フェリックブルー、マンガンバイオレット、ウルトラマリンブルー及びクロム水和物が挙げられる。本発明の特定の一態様によれば、無機顔料は、酸化鉄及び酸化チタン、及び、それらの混合物から選択されると考えられる。 それはまた、例えばセリサイト/ブラウン酸化鉄/二酸化チタン/シリカタイプであってもよい構造を有する顔料でもあってもよい。かかる顔料は例えば、Chemicals and Catalysts社によりCoverleaf NS又はJSの参照名で販売されており、30の領域にコントラスト比を有する。 着色剤はまた、例えば酸化鉄を含有するシリカミクロスフェア等のタイプであってもよい構造を有する顔料を含んでいてもよい。この構造を有する顔料の例は、三好化成株式会社によりPC Ball PC-LL-100 Pの参照名で販売されている製品であり、この顔料は、黄色酸化鉄を含有するシリカミクロスフェアから構成されている。 本発明において使用できる有機顔料のうちには、カーボンブラック、D&C型顔料、コチニールカルミンベース又はバリウム、ストロンチウム、カルシウム若しくはアルミニウムベースのレーキ、或いは文献EP 0 542 669、EP 0 787 730、EP 0 787 731及びWO 96/08537記載のジケトピロロピロール(DPP)が挙げられる。 本発明による化粧料組成物は、水溶性又は脂溶性染料を含んでいてもよい。脂溶性染料は、例えば、スーダン赤色、DC赤色17号、DC緑色6号、β-カロテン、ダイズ油、スーダン茶色、DC黄色11号、DC紫色2号、DC橙色5号、及び、キノリンイエローである。水溶性染料は例えば、ビートルートジュース及びカラメルである。 一実施形態によれば、本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種の追加の顔料、例えば金属酸化物、好ましくは二酸化チタン及び/又は酸化鉄を、上述の干渉顔料以外に更に含むことができる。追加の二酸化チタンの場合、干渉顔料の追加の顔料に対する質量比は、1:1から1:20、好ましくは1:1から1:15、より好ましくは1:1から1:10であってもよい。(フィラー) 本発明による化粧料組成物は、少なくとも1種のフィラーを含んでいてもよい。 フィラーは、有機性又は無機性であり、とりわけ追加の艶消し効果又は被覆特性、及び/又は、滲出に関する改善した安定性及び適用後の耐移り特性をそれに付与することを可能にしてもよい。 「フィラー」という用語は、組成物の媒体中で不溶性で分散している形態の、任意の形状の無色又は白色固体粒子を意味すると理解されるべきである。無機性又は有機性のこれらの粒子は、組成物に形(body)又は剛性を与え、且つ/又は、化粧に柔らかさ及び均一性を与えることができる。 本発明による化粧料組成物において使用されるフィラーは、ラメラ状、球形又は球状の形態であってもよく、繊維の形態又はこれらの定義された形態の間の任意の他の中間形態であってもよい。 本発明によるフィラーは、表面を被覆されていてもされていなくてもよく、特にシリコーン、アミノ酸、フルオロ誘導体又は組成物中でのフィラーの分散性及び相溶性を促進する任意の他の物質で表面処理されていてもよい。 挙げられる無機フィラーの例には、タルク、マイカ、シリカ、カオリン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ヒドロキシアパタイト、ガラス又はセラミックマイクロカプセルが含まれる。 挙げられる有機フィラーの例には、ポリエチレン粉末又はポリメチルメタクリレート粉末、ポリテトラフルオロエチレン(テフロン)粉末、ラウロイルリシン、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンコポリマー粉末(東色ピグメント株式会社製Plastic Powder)、シリコーン樹脂ミクロビーズ(例えば、GE東芝シリコーン株式会社製Tospearl)、天然又は合成微粉化ワックス、8個から22個の炭素原子、好ましくは12個から18個の炭素原子を含有する有機カルボン酸に由来する金属石鹸、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸リチウム、ラウリン酸亜鉛又はミリスチン酸マグネシウム、及び、ポリウレタン粉末、特にトリメチロールヘキシルラクトンを含むコポリマーを含む架橋ポリウレタン粉末が含まれる。それは特に、ヘキサメチレンジイソシアネート/トリメチロールヘキシルラクトンポリマーであってもよい。かかる粒子は、とりわけ、例えば、東色ピグメント株式会社製Plastic Powder D-400(登録商標)又はPlastic Powder D-800(登録商標)の名称で市販されているもの、及び、それらの混合物である。(添加剤) 特定の一実施形態において、本発明による化粧料組成物は、親水性溶媒、親油性溶媒、油、及び、それらの混合物から選択される少なくとも1種の成分を更に含んでいてもよい。 本発明による化粧料組成物はまた、例えば、ゴム、アニオン性、カチオン性、両性又は非イオン性界面活性剤、シリコーン界面活性剤、樹脂、増粘剤、構造化剤、例えばワックス、分散剤、酸化防止剤、エッセンシャルオイル、保存剤、香料、中和剤、殺菌剤、紫外線遮断剤、ビタミン、保湿剤、皮膚軟化剤又はコラーゲン保護剤等の化粧活性剤、及び、それらの混合物から選択される、検討中の分野において通常使用される任意の添加剤を含んでいてもよい。 本発明による化粧料組成物中に存在する添加剤の性質及び量を、所望の化粧特性及びその安定性特性が添加材により影響を受けないよう調整することは、当業者にとって常法の範囲内である。 本発明の化粧料組成物は、皮膚メイクアップ製品、特にファンデーション、熱間硬化ファンデーション製品、ボディメイクアップ製品、コンシーラー、アイシャドー又はリップスティックの形態であってもよい。それは、無水ゲルの形態、スティック若しくは棒の形態、又は、軟質のペーストの形態であってもよい。 本発明の化粧料組成物は、ケア組成物、特に日焼け止め組成物であってもよい。 好ましくは、本発明による化粧料組成物は、流体プライマー又は流体ファンデーションの形態である。 特定の一実施形態において、本発明の化粧料組成物は、好ましくはエマルジョンの形態である。[化粧方法] 本発明はまた、化粧方法にも関する。 本発明による化粧方法は、上述の本発明による化粧料組成物の少なくとも1つの層を皮膚、特に顔面の皮膚に適用する工程を含む。 本発明による化粧方法において、化粧料組成物は、ファンデーション等のメイクアップ製品として適用されてもよい。特定の一実施形態において、本発明による化粧料組成物はメイクアップ製品として適用されてもよい。 特定の一実施形態において、本発明による化粧方法は、皮膚の欠点、特に毛穴及び/又はしみの可視性を減少させ、有利なことに、毛穴及び/又はしみの隠蔽効果を長期持続させることが意図されている。 本発明を、実施例によって、より詳細に説明することにする。しかしながら、これら実施例が本発明の範囲を限定するものとは解釈すべきでない。 Table 1(表1)に示す成分の量についての数値はすべて、活性原料としての「質量%」に基づく。(実施例1及び比較例1) Table 1(表1)に示す実施例1及び比較例1による以下の組成物を、Table 1(表1)に示す油相を形成する成分を合わせて混合し、ワックスが溶解するまで60〜80℃に加熱し、油相内に顔料及びフィラーを分散させ、次にTable 1(表1)に示す水相を形成する成分を添加することによる乳化へと進むことにより調製した。 真珠箔顔料(マイカ-二酸化チタン-酸化鉄)は、ベージュ色及び約8μmの平均粒径を有するプレートタイプ干渉顔料であった。 シリル化シリカの吸油能は、約10ml/gであった。 実施例1による化粧料組成物(マイカ/二酸化チタン/酸化鉄を伴う)及び比較例1(二酸化チタンを伴う)を、専門家の評価により試験し、以下の化粧効果を評価した。すなわち、毛穴隠蔽、しみ隠蔽、全体の被覆、及び、色の均質性である。試験では、0.1gのそれぞれの化粧料組成物を10人の異なる専門家の被験者の顔面の半分に適用し、2つの化粧料組成物の間の差異を観察する。 結果を下のTable 2(表2)に示す。 上の試験結果は、実施例1による化粧料組成物が、毛穴隠蔽及びしみ隠蔽、並びに、全体の被覆、色の均質性、及び、全体のナチュラルな外見の観点において、比較例1よりも良好な化粧効果を示したことを示す。とりわけ、「全体のナチュラルな外見」の観点において、実施例1は、不自然に白っぽい仕上がりをもたらすことなく、よりナチュラルなメイクアップの仕上がりを達成した。 実施例1及び比較例1による化粧料組成物をまた、機器での評価により試験し、以下の化粧効果を試験した。すなわち、しみの色、しみの密度、及び、しみの面積である。試験では、0.1gのそれぞれの化粧料組成物を10人の異なる被験者の顔面に適用し、上の顔面への適用前後のしみの色及び面積を散光条件下でビデオカメラにより測定し、測定した色を、「L*」が明度を表し、「C*」が彩度を表し、「h」が色相を表す、C.I.E. L*C*h表色系を使用して特徴付けた。 結果を下のTable 3(表3)に示す。 Table 3(表3)における「しみの密度」という用語は、しみの数/皮膚の単位面積を意味する。 上の試験結果は、実施例1による化粧料組成物が、比較例1よりも有意に良好な、しみに対するブライトニング効果及びしみの大きさを減少させる傾向を示したことを示す。 上の結果から、本発明による化粧料組成物が、毛穴及びしみの可視性を減少させることができ、皮膚の欠点を被覆でき、均質な皮膚の色調を提供できることは明らかである。上の化粧効果は、長期間持続できる。 同様の結果が、Colorona(登録商標) Oriental BeigeをPrestige(登録商標) Soft Beige干渉顔料と置き換えたときに得られる。 生理学的に許容される媒体中に、 (i)ベージュ色及び30μm未満の平均粒径を有する少なくとも1種の干渉顔料、 (ii)少なくとも1種のシリコーンエラストマー、好ましくは非乳化性シリコーンエラストマー、及び (iii)1ml/g以上の吸油能を有する少なくとも1種のフィラーを含む、液状化粧料組成物。 ベージュ干渉顔料が、1から200、好ましくは5から100、より好ましくは10から50のアスペクト比を有するプレートの形態である、請求項1に記載の化粧料組成物。 ベージュ干渉顔料が、1μmから20μmの間、好ましくは1μmから15μmの間、より好ましくは1μmから10μmの間の平均粒径を有する、請求項1又は2に記載の化粧料組成物。 ベージュ干渉顔料が、好ましくは、マイカ、タルク、アルミナ、シリカ、硫酸バリウム、窒化ホウ素、オキシ塩化ビスマス、合成フッ素金雲母又はそれらの混合物から構成される、少なくとも1種のプレートタイプコア、及び、少なくとも1種の金属酸化物、好ましくは二酸化チタン、酸化鉄又はそれらの混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含む、ベージュ真珠光沢剤である、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 ベージュ真珠光沢剤が、少なくとも1種のマイカのプレートタイプコア、並びに、二酸化チタン及び酸化鉄の混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含む、請求項4に記載の化粧料組成物。 干渉顔料が、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%、好ましくは0.3質量%から10質量%、より好ましくは0.5質量%から5質量%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項1から5のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 シリコーンエラストマーが、ゲル又は粉末の形態の非乳化性シリコーンエラストマーである、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 シリコーンエラストマーが、組成物の総質量に対して、1質量%から30質量%、好ましくは1.5質量%から20質量%、より好ましくは2質量%から10質量%の範囲の量で組成物中に存在する、請求項1から7のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 1ml/g以上の吸油能を有するフィラーが、シリカ、シリル化シリカ(特に疎水性シリカエアロゲル粒子)、ポリアミド(特にナイロン-6)粉末、アクリルポリマー、とりわけポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート、ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレート又はエチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマーの粉末、パーライト、炭酸マグネシウム、及び、それらの混合物からなる群から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 疎水性シリカエアロゲル粒子が、500から1500m2/g、好ましくは600から1200m2/gの範囲の単位質量当たりの比表面積(SM)、及び、1から1500μm、より一層良好には1から1000μm、好ましくは1から100μm、特に1から30μm、より好ましくは5から25μm、より一層良好には5から20μm、更により一層良好には5から15μmの範囲の平均体積直径(D[0.5])として表されるサイズを有する、請求項9に記載の化粧料組成物。 疎水性シリカエアロゲル粒子が、トリメチルシリル基により表面修飾され、好ましくはINCI名シリル化シリカである、請求項9又は10に記載の化粧料組成物。 1ml/g以上の吸油能を有するフィラーが、組成物の総質量に対して、0.1質量%から20質量%の範囲、好ましくは0.3質量%から15質量%の範囲、優先的には0.5質量%から10質量%の範囲の量で存在する、請求項1から11のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 干渉顔料以外に少なくとも1種の追加の顔料、好ましくは二酸化チタンを更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の化粧料組成物。 干渉顔料の追加の顔料に対する質量比が、1:1から1:20、好ましくは1:1から1:15、より好ましくは1:1から1:10、より一層好ましくは1:1から1:8である、請求項13に記載の化粧料組成物。 請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧料組成物の少なくとも1つの層を皮膚、特に顔面の皮膚に適用する工程を含む化粧方法。 化粧料組成物が、ファンデーション等のメイクアップ製品として適用される、請求項15に記載の化粧方法。 皮膚の欠点、特に毛穴及び/又はしみの可視性を減少させ、毛穴及び/又はしみの隠蔽効果を長期持続させることが意図されている、請求項15又は16に記載の化粧方法。 ベージュ色及び平均粒径30μm未満を有する少なくとも1種の干渉顔料、好ましくは少なくとも1種のマイカのプレートタイプコア、並びに、二酸化チタン及び酸化鉄の混合物を含む少なくとも1種のコーティングを含み、好ましくは1μmから10μmの間の平均粒径を有するベージュ真珠光沢剤の、皮膚の欠点、特に毛穴及び/又はしみの可視性を減少させる作用剤としての化粧使用。 【課題】毛穴、しみ、しわ等の可視性を減少させることができ、皮膚の欠点を被覆でき、均質な皮膚の色調を提供できる化粧料組成物を提供すること。【解決手段】本発明は、生理学的に許容される媒体中に、(i)ベージュ色及び30μm未満の平均粒径を有する少なくとも1種の干渉顔料、(ii)少なくとも1種のシリコーンエラストマー、好ましくは非乳化性シリコーンエラストマー、及び(iii)1ml/g以上の吸油能を有する少なくとも1種のフィラーを含む、液状化粧料組成物に関する。本発明による化粧料組成物は、毛穴、しみ、しわ等の可視性を減少させることができ、毛穴、しみ及びしわ等の皮膚の欠点を被覆でき、均一(均質)な皮膚の色調を提供できる。【選択図】なし