タイトル: | 公開特許公報(A)_ガルシニア・コラ抽出物または画分を含む抗糖化剤 |
出願番号: | 2013237673 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | A61K 8/97,A61Q 19/00 |
セブリーヌ デルブレ シルビー モレル パスケール リションム アレクシス カルティオ トゥール JP 2014101365 公開特許公報(A) 20140605 2013237673 20131118 ガルシニア・コラ抽出物または画分を含む抗糖化剤 ユニバーシティ アンジェ 513290532 ラボラトワ シゲタ 513290543 高岡 亮一 100114775 セブリーヌ デルブレ シルビー モレル パスケール リションム アレクシス カルティオ トゥール FR 1261090 20121121 A61K 8/97 20060101AFI20140509BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20140509BHJP JPA61K8/97A61Q19/00 13 5 OL 25 4C083 4C083AA111 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AC012 4C083AC062 4C083AC072 4C083AC112 4C083AC122 4C083AC231 4C083AC232 4C083AC352 4C083AC392 4C083AC422 4C083AC472 4C083AC841 4C083AC842 4C083AC902 4C083AD042 4C083AD092 4C083AD212 4C083AD242 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD412 4C083AD662 4C083BB41 4C083CC02 4C083EE12 本発明は、ガルシニア・コラ抽出物または画分を含む抗糖化剤に関する。同様に、本発明は、タンパク質、特に、皮膚の加齢に関与する皮膚タンパク質の糖化、特にコラーゲンの糖化を阻害するための本発明に係る抗糖化剤の使用に関する。同様に、本発明は、皮膚タンパク質の糖化、特にコラーゲンの糖化を阻害するための化合物の活性を判定する方法に関する。 従来技術 非酵素的糖化反応は、褐変反応とも呼ばれ、1912年にMaillardにより最初に報告された(C. R. Acad. Sci. 1912, 154, 66−67)。より詳細には図1に示されるように、この反応は、糖およびタンパク質を還元し、糖化最終産物、より一般的には、「終末糖化産物(AGE)」と呼ばれる複合物を生成するカスケード反応である。 メイラード反応で観察される糖化は、例えば、グルコース、フルクトース、またはリボースなどの糖に関与する非酵素的プロセスであり、例えば、リジンまたはアルギニンなどのアミノ酸残基、特には、あるタンパク質のアミノ酸残基の一級アミンと反応してシッフ塩基を形成する。アマドリ転移と呼ばれる分子の転移の後に、一連の反応、特に、酸化および環化の反応によりこの転移が引き起こされ、AGEを形成する。この後半の反応の産物は、例えば、ピラリン、ペントシジン、クロスリン、Nε(2−カルボキシエチル)−リジン(CEL)、グリオキサール−リジンダイマー(GOLD)、メチルグリオキサール−リジンダイマー(MOLD)、3DG−ARGイミダゾロンまたはバースパーリジンA、B、Cである。 生物学的な観点から、タンパク質の糖化現象は、組織の加齢を増強する。したがって、その含有量が時間と共に一定の間隔で増加するAGEの存在によってタンパク質の糖化現象がキャラクタライゼーションされる。タンパク質の架橋結合がこのプロセスにより誘導され、この構造およびそれによる機能の変質を引き起こす。さらに、AGEが、それらの特異的な受容体またはRAGEと相互作用する際に、ROS(活性酸素種)の産生が増加することとなり、これにより、特に、NF−κBなどの転写因子の活性化を引き起こすこととなる。多くの細胞において、NF−κBにより調節される遺伝子転写により、炎症プロセスおよび病理学的な変化が誘導される(Alexiou et al. Curr. Med. Chem., 2010, 17, 2232−2252; Brownlee Nature, 2001, 414, 813−820; Ferchichi et al. Phytochemistry, 2012, 78, 98−106; Srikanth et al. Neurobiol. Aging, 2011, 32, 763−777)。 AGEが形成されることにより、加齢が進行し、異なる病理症状が加速する(V. P. Reddy et al. Drug Discov. Today 2006, 11, 646)。特に、AGEは、弾性の損失、乾燥、菲薄化、しみの存在、硬化、およびしわの存在などの一般的な皮膚の加齢現象の原因となり得る損傷を引き起こす。この皮膚の場合、皮膚の加齢の原因であるコラーゲン繊維の糖化が主な原因である。 AGEの形成を阻害し、および/またはそれらを破壊することのできる分子(「終末糖化産物阻害剤および/または破壊剤」−AGEIB)は、活性化粧剤、特に加齢に対抗する化粧剤として適した候補である。これらの分子は、 ジカルボニル産物(メチルグリオキサール、グリオキサール、1−デオキシグルコソン、3−デオキシグルコソン)へとグルコールまたはリボースなどの糖を還元する酸化を阻害し、または転移後アマドリジカルボニル産物へのアマドリジカルボニル産物の酸化を阻害することによる機構と、 グリオキサール、メチルグリオキサール、1−デオキシグルコソン、3−デオキシグルコソン、または転移後アマドリ産物(例えば、アミノグアニジン、カテキン、プロシアニジン)であるジカルボニル産物を補足することによる機構と、 転移後アマドリ産物を破壊することによる機構と、の3つの機構により、抗AGE活性を発揮する(Peng et al. Food Funct. 2011, 2, 289,図1)。これらの産物はAGE破壊剤である。 同様に、抗AGE分子は、抗酸化物、すなわち、活性酸素種(ROS)を補足することができ、またはフェントン反応に関与する金属カチオン(例えば、ポリフェノール)と複合することができる分子であってもよい。しかしながら、抗酸化活性のない、または弱い抗酸化活性を有する分子または抽出物が、抗AGEとなり得る。同様に、抗酸化活性の大きさおよび抗AGE活性の大きさの間に相関関係は存在しない。 アミノグアニジン、ケルセチン、ガルシノール、ベンフォチアミン、ピリドキサミン、エルゴチオネイン、レスベラトロール、クルクミン、カルノシン、ルチンまたはグアニジンなどのいくつかの天然または合成の活性剤は、抗糖化の効果があることが知られている。同様に、コーンフラワー、緑茶またはタイムの抽出物またはオトギリソウ科またはツツジ科などの植物からの抽出物を使用してもよい。 しかしながら、上述のAGEIBは、皮膚の加齢に関与する皮膚タンパク質に有意な抗糖化活性を有してはいない。さらに、この植物の抽出物の場合、供給、作製コスト、および生物多様性の保存といった問題が、この利点を限定し得る。 したがって、皮膚の加齢に効果的であり、非毒性であり、入手しやすい新規AGEIBと、環境にやさしいその利用法とを見出す必要がある。 この必要性を考慮して、本出願人は、皮膚の加齢に対抗する際に効果的な抗AGE分子を同定するために、植物分子および抽出物の抗AGE活性を選択および評価する手段を発見する必要性に直面していた。 この化合物の抗AGE活性を、モノクローナル抗体を使用した免疫化学的試験により判定することができる。しかしながら、これらの試験は、高速スクリーニングに適合するためには、コストが高く、かつ困難であるという欠点を有する。 同様に抗AGE活性を判定する酵素的試験を使用する。この種の試験では、AGEの形成を促進する条件下でRNaseの不活性化の評価が行われる。しかしながら、この試験は、皮膚タンパク質に特異的ではなく、皮膚タンパク質の糖化に関連した皮膚の加齢現象を示すものではない。 同様に、AGEの形成の阻害を、再構築した皮膚または皮膚外移植片上で評価することができる。しかしながら、この方法は、急速または高速スクリーニングと両立するものではない(Pageon et al. Exp. Gerontol. 2008, 43, 584−588)。 抗AGE活性を評価するために、特定のAGE、特にべスペルシン、場合によってはペントシジンの特異的蛍光検出に基づく方法が、広く使用される。これら試験において、ウシアルブミンは、多様な糖、糖化剤(グルコース、フルクトース、リボース)を含むため、モデルタンパク質として使用される。これらの試験は、ほぼ皮膚に近いpHで、アルブミン、糖、および試験されるAGEIBを含む溶液中での蛍光により、AGEを検出することを含む。多くの場合、この試験を7〜30日の範囲の期間にわたって実施する。近年、アルブミンおよびリボースを使用し、24時間以内に行われた試験が開発された(Derbre et al. Anal. Bioanal. Chem. 2010, 398, 1747−1758)。しかしながら、アルブミンは、皮膚に存在しないタンパク質である。この結果、この種の試験により同定した化合物は、活性を阻害することが立証されたアルブミンの糖化が実証するものであるが、このことは皮膚に存在するタンパク質での活性を予測するものではない。 したがって、皮膚糖化タンパク質に対抗し、その結果として皮膚の加齢に対抗するために、分子および/または植物抽出物の抗AGEの活性を選択し評価することが可能となる新規方法が望まれている。同様に、この新規方法は、急速に行われ、自動化可能であり、かつ高速スクリーニングと互換可能でなければならない。 本出願人により予想される解決策は、試験タンパク質として、コラーゲンなどの加齢に関与することが知られている特徴的な皮膚タンパク質を使用した新規の蛍光定量方法を開発することである。コラーゲンは多くのリジン残基を含み、糖化に非常に強い感度を有するため、試験化合物として特に有用である。 出願人の知識によると、抗糖化活性を評価するためのコラーゲンの使用において、以下の2つの例のみが報告されている。 −形成されるペントシジンの蛍光検出でAGEIBの活性を判定するための試験における非可溶性I型コラーゲンおよびグルコースの使用(Urios et al. Eur. J. Nutr. 2007, 46, 139−146)。このペントシジンの形成を、インキュベーションしてから28日後に、CLHPにより測定する。この試験により同定されるコラーゲン上のAGEIBは、糖尿病を有する患者の血管合併症の発達を予防することを意図する。 −同様の条件下(懸濁したI型コラーゲンおよびグルコース)で、このAGE、特にペントシジンの蛍光を形成し、インキュベーションしてから16日後に評価した(Cervantes−Laurean et al. J. Nutr. Biochem. 2006, 17, 531−540)。上述の研究のように、同定したAGEIBは、特に糖尿病を有する患者に働きかけてもよい。 したがって、これらのコラーゲンの試験は長期(1〜4週間)にわたる。さらに、これらの試験に使用される水性緩衝液中にコラーゲンが溶解しないため、自動的なピペット操作が不可能である。したがって、これらの条件は、薬学産業および化粧品産業により探索される急速かつ高速であるスクリーニングに適していない。 それゆえ、本出願人は、皮膚タンパク質、特にコラーゲン、コラーゲン化合物および/または植物抽出物上の糖化阻害活性を判定することができる急速かつ自動可能な新規の方法を開発した。本発明の方法により、24時間以内に結果を入手し、かつインキュベーションの前に、酸媒体中に溶解したコラーゲンを使用することが可能となる。本発明の方法は、植物抽出物から得た分子を含む、混合物中の純粋な分子の活性を比較することが可能となる。 本発明の方法を実施することにより、植物の抽出物の抗糖化活性を評価することが可能となる。特に、本出願人は、ガルシニア・コラ抽出物がコラーゲン上で非常に強い抗糖化阻害活性を有することを実証した。いずれの理論にも縛られることなく、本発明のガルシニア・コラ抽出物に存在するビフラボノイドは、同定したコラーゲンの抗糖化活性に大きな役割を果たす。 ガルシニア・コラとは、多くのアフリカ諸国、特にナイジェリアにおいて栽培される植物であり、この果実および種は栄養学的に価値がある。栽培地では、ガルシニア・コラを主に薬用植物として使用する。特に、気管支炎、喉頭炎、経口感染症、疝痛、赤痢、および頭痛を治療するための伝統的な薬物としてガルシニア・コラ抽出物を使用する。引用した状態だけでなく、眼疾患および肝疾患、バクテリア感染症およびウイルス感染症、または変形性関節症を治療するためのこの植物の有効性を、様々な研究から実証することが可能である(Iwu et al. J. Ethnopharmacol. 1987, 21, 127−138, Farombi et al. Int. J. Environ. Res. Public Health 2011, 8, 2533−2555, Adefule−Ositelu et al. Middle East Afr. J. Ophthalmol. 2010, 17, 88−83, Adegbehingbe et al. J. Orthop. Surg. Res. 2008, 3, 34)。 驚くべきことに、本出願人は、ガルシニア・コラ抽出物が抗糖化活性を有することを見出した。本出願人の知識によると、抗糖化剤、特に、皮膚の加齢に対抗することを目的として使用したガルシニア・コラ抽出物を含む組成物は、これまで報告されていない。は、糖化最終産物の形成を引き起こすカスケード反応の概略を示す。は、本発明によるガルシニア・コラの種のエタノール抽出物のHPLC−UV−MSプロファイルである。は、本発明による異なる抽出物のクロマトグラムを示す。は、本発明による抽出物の抗AGE活性を示すグラフである。は、美容上活性剤および純粋な分子と比較した、本発明によるガルシニア・コラのエタノール抽出物の、コラーゲン抗AGE活性を示すグラフである。 ガルシニア・コラ抽出物 第1の態様によると、本発明は、ガルシニア・コラ抽出物を含む抗糖化剤に関する。一実施形態において、このガルシニア・コラ抽出物は、ガルシニア・コラの種、果実、外果実、葉、樹皮、木部、または根から得られ、好ましくは、ガルシニア・コラの種から得られる。好都合に実施するため、まず、抽出したガルシニア・コラ部を乾燥する。好ましくは、この抽出物を、乾燥したガルシニア・コラの種から得る。好ましい実施形態において、抽出の前にガルシニア・コラの種を乾燥して細砕する。 一実施形態において、ガルシニア・コラ抽出物を含む本発明に係る抗糖化剤は、少なくとも1つのビフラボノイドを含み、好ましくは、GB1、GB1a、GB2、コラフラバノンから選択される。一実施形態によれば、このガルシニア・コラ抽出物は、ビフラボノイドを多く含み、好ましくは、GB1、GB1a、GB2、およびコラフラバノンから選択される少なくとも1つのビフラボノイドを多く含む。一実施形態によれば、ビフラボノイドを多く含む抽出物は、290nmでのHPLC−UVによりアッセイしたGB2の等価物において表される5%超の濃度、好ましくは、GB2において表される40%超の濃度のビフラボノイドを含む。 同様に、一実施形態において、ガルシニア・コラは、ガルシン酸を含む。 第1の実施形態において、この抽出物は液体である。第2の実施形態において、この抽出物は乾燥抽出物である。 抽出プロセス 第2の態様によると、本発明は、同様に、植物、好ましくはガルシニア・コラの種から活性剤を抽出するプロセスにも関し、植物材料を準備して抽出し、好ましくは乾燥し、および/または好ましくは細砕して溶媒と接触させ、その後、高温および高圧で抽出することを含む。 第1の好ましい実施形態によれば、この抽出物は、圧力下での抽出により得られ、好ましくはビュッヒの高速抽出器を使用した抽出により得られる。この抽出方法により、溶媒の消費を低減させ、抽出速度を加速させることが可能である。この方法において、好ましくは、高速および高温で、この溶媒を抽出したマトリックスを含む抽出容器へと導入する。高温で行うことにより、抽出溶媒に対象となる基質が溶解しやすくなり、このマトリックスの脱着速度が加速する。この実施形態において、抽出のために使用した溶媒は、水、アルコール、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、アセトン、酢酸エチル、またはこれらの溶媒の混合物である。好ましい実施形態において、このアルコールは、メタノールまたはエタノール、好ましくはエタノールである。好ましい実施形態において、この抽出溶媒は、水‐アルコールの混合物、好ましくは、水−エタノールの混合物であり、この2つの溶媒は、好ましくは1:1の調製である。別の実施形態において、この溶媒は酢酸エチルである。好ましくは、40〜200℃、好ましくは、50〜150℃、より好ましくは、80〜120℃、よりさらに好ましくは、100℃前後の範囲の温度でこの抽出を実施する。この実施形態において、50〜150バール、好ましくは、80〜120バール、より好ましくは100バール前後でこの抽出を実施する。好ましくは、2〜5つの周期、好ましくは2および20分の間、好ましくは2分〜10分の間続行する3つの周期の抽出を実施する。 一実施形態において、複数の連続した抽出を実施する。一実施形態において、異なる溶媒を用いて複数の連続した抽出を実施する。 第2の好ましい実施形態において、この抽出は、超臨界抽出、好ましくは、溶媒として超臨界CO2の存在下での超臨界抽出である。 第3の好ましい実施形態において、この抽出は、亜臨界抽出、好ましくは溶媒として亜臨界水の存在下での亜臨界抽出である。 一実施形態において、本発明の液体状または乾燥したビフラボノイドを多く含む抽出物を提供するために、この抽出の終わりに、抽出物を部分的にまたは完全に蒸発させる。この抽出収率は、3%m/mであり、好ましくは、この抽出収率は、10および15%m/mの間である。 この抽出装置は、例えば、解離装置、ソックスレー型装置、超臨界もしくは亜臨界の抽出器、または速度の速い溶媒抽出装置などの当業者に知られている従来の抽出装置とすることができる。 ガルシニア・コラ抽出画分および分画プロセス 第3の態様によると、本発明は、GB1、GB1a、GB2、およびコラフラバノンからなる群から選択される少なくとも1つのビフラボノイドを多く含むガルシニア・コラ画分を含む抗糖化剤であって、290nmでのHPLC−UVによりアッセイしたGB2の等価物において表される5%超の濃度、好ましくは20%超、より好ましくは40%超の濃度の総ビフラボノイドを含む点で特徴付けられる抗糖化剤にも関する。 第1の実施形態によれば、この画分は、上述のガルシニア・コラ抽出分画プロセスを実施することにより、または本発明の抽出プロセスにより得られ、固体担体上の順相液体クロマトグラフィー、固体担体上の逆相液体クロマトグラフィー、大気圧液体クロマトグラフィー、中圧液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、カウンターカレントクロマトグラフィー、またはこれらの方法の組み合わせによりこの分画が行われる。 第2の実施形態によれば、この画分は、上述の抽出物を含む溶液のポリアミド上での濾過による得られる。この種の濾過により、抽出物中に存在するすべてまたはいくらかのタンニンを除去することにより、ビフラボノイド画分を濃縮することができる。一実施形態において、この濾過に使用した溶液は、アルコール性であり、好ましくは、エタノール溶液である。 第3の実施形態によれば、本発明の画分を、沈殿により得る。 一実施形態において、本発明の画分は、乾燥した画分である。 特定の実施形態において、クロマトグラフィー、好ましくは、極性溶出剤、好ましくはジクロロメタンおよびメタノールの混合物を用いるシリカゲルクロマトグラフィーによる分画によりガルシニア・コラ抽出物の異なる画分を得る。この実施形態において、この画分は、例えば、GB1、GB1a、GB2、もしくはコラフラバノンなどのビフラボノイド、ガルシン酸、ポリオール、フラボノイド、糖、またはタンニンを多く含む。 本発明に係る抗糖化剤を含む組成物 本発明は、本発明のガルシニア・コラ抽出物または本発明のガルシニア・コラ画分を含む抗糖化剤を含む組成物にも関連する。一実施形態において、本発明の組成物は、この組成物の総重量に対して0.1〜2重量%の本発明のガルシニア・コラ抽出物を含む。別の実施形態において、本発明の組成物は、この組成物の総重量に対して、0.1〜2重量%の本発明のガルシニア・コラ画分を含む。 一実施形態において、本発明の組成物は、美容用組成物であって、ガルシニア・コラ抽出物またはガルシニア・コラ画分を含み、好ましくは美容上の基剤または美容上許容可能な油であってもよい美容上許容可能なキャリアーを共に含む、美容用組成物である。一実施形態によれば、本発明の組成物は、この組成物および美容上許容可能なキャリアーの総重量に対して0.1〜2重量%の本発明のガルシニア・コラ抽出物を含む。一実施形態において、この美容上の基剤は、少なくとも1つの整合性のある因子、少なくとも1つの皮膚軟化薬、少なくとも1つの界面活性剤、および少なくとも1つの保存剤またはこれら化合物の混合物を含む群から選択した少なくとも1つの化合物を含む。 一実施形態において、本発明の組成物は、シア脂抽出物(シアバター)、ジベヘン酸グリセリル、セテアリルアルコール、イリッペ脂、ウンデシレン酸グリセリルまたはトリベヘニンなどの整合性のある因子、杏仁油、ロサ・ルビギノーサの種の油、ミリスチン酸オクチルドデシル、ヤシアルキル、カプリル/カプリン酸トリグリセリド、またはジカプリン酸プロパンジオールなどの皮膚軟化薬、ステアリン酸グリセルなどの乳化剤、ヤシのグリセリドなどの界面活性剤、コーンスターチなどの濃厚剤、安定剤、グリセリンまたはジグリセリンなどの湿潤剤、キサンタンゴムなどのゲル化剤、香料、グルコノラクトン、安息香酸ナトリウム、ベンジルアルコール、またはデヒドロ酢酸などの保存剤、色素、水酸化ナトリウムなどのpH調節剤、またはこれら化合物の混合物を含む群から選択した少なくとも1つの化合物をも含む。 一実施形態において、この組成物は、同様に、トコフェロールなどの抗酸化剤、UVフィルター、皮膚弛緩薬、抗糖化剤、脂肪分解剤、抗刺激剤、トレハロース、ヒアルロン酸ナトリウム、ダマスクローズウォーターなどの水和剤、ライムギの抽出物、Chondrus Crispus抽出物またはアロエベラ葉肉の葉搾汁粉末、抗細菌剤、抗菌剤、抗真菌剤、抗アレルギー剤、抗生剤、抗アクネ剤、ビタミンなどの栄養剤、美白剤、フィチン酸などのキレート剤、ポリ乳酸またはラウロイルリシンなどの感触剤(feel agent)、またはこれら化合物の混合物を含む群から選択される化合物をも含む。 一実施形態において、本発明の組成物は、トコールまたはその塩の誘導体の1つを含むものではない。別の実施形態において、本発明の組成物は、トコトリエノールまたはその塩の誘導体の1つを含むものではない。別の実施形態において、本発明の組成物は、トコフェロールまたはその塩の誘導体の1つを含むものではない。 一実施形態によれば、本発明の組成物は、美容用組成物で一般的に使用され、かつ当業者に知られている化合物をも含む。 一実施形態において、本発明の組成物は、溶液、乳液、懸濁液、またはペーストの形体である。1つの特定の実施形態において、本発明の組成物は、美容上の基剤および水を含み、油中水または水中油の乳液の形体である 一実施形態において、この組成物は、局所的な投与形体である。この実施形態において、本発明の組成物は、例えば、クリーム、ミルク、美容液、マスク、水性ゲル、ポマード、ローション、乳液、フォーム、懸濁液、またはペーストなどの局所投与に従来使用されるいずれかの形体であってもよい。 一実施形態によれば、本発明の組成物は、標準的な保存条件下で少なくとも1年間安定である。 本発明のガルシニア・コラ抽出物、画分、および/または組成物の使用 本発明は、タンパク質、好ましくは皮膚タンパク質、より好ましくはコラーゲンの糖化を阻害するための本発明のガルシニア・コラ抽出物、画分および/または組成物の使用にも関連する。 この上述のガルシニア・コラ抽出物または組成物は、皮膚の加齢を予防および/または対抗するための抗糖化剤として使用される。 一実施形態において、本発明の抗糖化剤および/または組成物は、皮膚の加齢の第1の兆候が開始される前に使用される。別の実施形態において、本発明のガルシニア・コラ抽出物、画分および/または組成物は、皮膚の加齢の第1の兆候が表れた後に使用される。 一実施形態において、この抗糖化剤および/または組成物は、1日に1〜2回投与される。一実施形態において、本発明のガルシニア・コラ抽出物、画分および/または組成物は、朝および/または夕方に投与される。定期的なマッサージにより本発明の組成物を塗布することに利点がある。 本発明は、美容上処置方法にも関連し、より詳細には、皮膚の加齢に対抗するために、本発明の美容用組成物を対象に皮膚に塗布する際の、皮膚の加齢を予防および/または限定するための方法にも関連する。 基質活性を阻害するコラーゲン糖化の判定方法 本発明は、ある基質の活性を阻害するタンパク質の糖化を判定するための方法にも関連する。一実施形態において、本発明の方法により、皮膚タンパク質、好ましくはコラーゲンの糖化を阻害する潜在力のある基質を判定することができる。1つの効果のある抗AGE活性剤の研究手法において、別のタンパク質、例えばアルブミンを使用したスクリーニング試験の結果から得た基質の抗AGE活性は、異なるタンパク質上のAGEの形成に関して同一の基質の性質を阻害することを予測するものではないため、このスクリーニング試験の開発が必要とされていた。したがって、アルブミンがコラーゲンなどの皮膚タンパク質と異なる化学構造を有するため、これら2つのタンパク質で形成したAGEは異なるものであり、結果として、この形成を阻害する分子も異なる。 一実施形態において、本発明の方法により試験した基質は、化合物、化合物の混合物、または抽出物、好ましくは植物の抽出物である。 一実施形態によれば、本発明の方法は、 試験される糖および基質の存在下で、タンパク質、好ましくはコラーゲンをインキュベーションするステップと、 形成された糖化産物により発光した蛍光、好ましくはペントシジンなどのマーカーの蛍光を測定するステップと、を含む。 一実施形態において、このタンパク質は、コラーゲン、好ましくは、I型コラーゲンである。I型コラーゲンは、脊椎動物のコラーゲンの90%前後を含み、特に皮膚、特には真皮に存在する。好ましい実施形態において、標的となるタンパク質は、仔牛の皮膚コラーゲンである。 一実施形態によれば、本発明の方法において、リボースを糖として使用した。このリボースを使用すると、AGE、より詳細にはペントシジンをより急速に形成することができる(Grandhee et al., J. Biol. Chem. 1991, 266, 11649−11653)。 本発明の方法は、皮膚タンパク質の糖化を予防する活性剤を同定することに適している。本出願人は、本発明の、水性媒体中に溶解しているI型コラーゲン上の抗糖化活性を同定するための方法が、先行技術の方法よりはるかに優れていることを示した。したがって、I型コラーゲンタンパク質は、皮膚タンパク質の化合物の抗糖化活性を判定するためのアルブミンよりも良質なモデルである。さらに、水性媒体中に溶解するI型コラーゲンを選択することにより、出願人は、インキュベーションの時間を少なくすることができた。さらに、糖、すなわちリボースを選択することにより、コラーゲンに関する従来技術の方法よりもはるかに速い方法を行うことが可能となった。最終的に、この方法は自動化することができ、急速または高速スクリーニングを可能とした。 一実施形態において、このタンパク質は、水性溶媒、好ましくは水性酸溶媒、さらに好ましくは酢酸中に溶解する。一実施形態において、この酸溶媒は、0.1〜1N、好ましくは0.1Nの範囲の濃度を有する。 一実施形態において、好ましく試験を実施するために使用されるタンパク質溶液は、0.1%の濃度を有する。好ましい実施形態において、このタンパク質溶液は、0.1Nの酢酸中に0.1%の仔牛の皮膚のI型コラーゲンを有する。 一実施形態において、この糖は、リボース、グルコース、フルクトース、またはこの混合物から選択され、好ましくは、この糖はリボース、さらに好ましくはD−リボースである。 第1の実施形態において、試験されるタンパク質、糖、および基質は、緩衝用水溶液、好ましくは、6〜8.5の範囲のpH、より好ましくは7.4のpHの溶液中に置かれる。一実施形態において、この緩衝溶液は、リン酸緩衝液、好ましくは、pH7.4のリン酸緩衝液である。この実施形態において、この溶液はインキュベートされる。好ましくは、このインキュベーションのステップは、24〜72時間、好ましくは24時間前後の間続行する。 第2の実施形態において、タンパク質、糖、およびリン酸緩衝液を含む、事前にインキュベートされた溶液に、好ましくは、少なくとも1日、および好ましくは少なくとも1日の間、試験される基質を添加する。 一実施形態において、このインキュベーションのステップを、15〜60℃の範囲、好ましくは37℃で実施する。一実施形態において、このインキュベーション溶液は、0.001〜10%、好ましくは、0.01〜1%の範囲のタンパク質濃度を有する。一実施形態において、このインキュベーション溶液は、0.01M〜1M、好ましくは、0.1〜0.5Mの範囲の糖濃度を有する。一実施形態において、このインキュベーション溶液は、0.01〜10%の範囲内の試験される基質の濃度を有する。このインキュベーション溶液は、6〜168時間、好ましくは20および30時間の間、より好ましくは24時間前後で行われる。 一実施形態において、蛍光分光計、好ましくはテカンMagellanソフトウェアによるテカン インフィニットM200蛍光分光計により蛍光測定を実施する。 一実施形態において、本発明の方法を自動化することができる。特定の実施形態において、この自動化を、Derbreら(Anal. Bioanal. Chem. 2010, 398, 1747−1758)により記述される方法を適合することにより、実施する。特に、本発明の方法を、96ウェルプレートを使用して実施することができる。 好ましい実施形態において、試験されるI型コラーゲン、リボース、および基質を、37℃、pH7.4のリン酸緩衝液中でインキュベートする。この実施形態によると、この記録は、上清のサンプリングをすることのない直接的なものであり、ペントシジンAGEは、それぞれλex=370nmおよび/または335nmの励起に対してλem=440nmおよび/または385nmで定量化される。 本発明の方法は、基質タンパク質、好ましくはコラーゲンの糖化の終末の50%(IC50)を、糖、好ましくはD−リボースにより阻害することのできる基質濃度を判定することができる。 定義 本発明における用語を以下に定義する。 「抗糖化剤」は、タンパク質、好ましくは皮膚タンパク質、特にはコラーゲンなどの真皮のタンパク質の糖化を阻害または限定する分子、混合物、または抽出物に関する。抗糖化剤(またはAGEIB)は、終末糖化産物(またはAGE)の形成を阻害または限定する。 「抽出物」は、ある溶媒により植物または動物の基質を枯渇させて生じる溶液を濃縮することにより得られる調製物を示す。 「乾燥抽出物」は、90%超、好ましくは、95%超の溶媒が除去されており、10%未満、好ましくは5%未満の残留溶媒を含む抽出物を意味する。 「抽出収率」は抽出により得られる物質の質量および抽出した物質の初期の質量の間の比率を意味する。 「乾燥物質」は、この物質から水を除去した際の残存産物を意味する。より詳細には、本発明において、この乾燥物質は、乾燥され、10%未満、好ましくは6%未満の水を含む植物の物質を意味する。 「画分」は、抽出物の分画から生じ、抽出物から分離した一部を意味する。 「乾燥画分」は、90%超、好ましくは、95%超、さらに好ましくは98%超の溶媒が除去されているか、または、10%未満、好ましくは、5%未満、さらにより好ましくは2%未満の溶媒を含む画分を意味する。 「超臨界抽出」は、超臨界液中に抽出した基質を選択的に溶解するために、圧縮容器中の超臨界液と接触させて混合物を置くことにより、基質の混合物から基質を抽出する作用を意味する。この対象となる基質を有する超臨界液を、気体の形体をもたらす分離器へと移し、それにより、対象となる基質を分離することができる。 「超臨界CO2」は、30.95℃より高い温度、73.8バールより高い圧力の共溶媒と任意に混合したCO2を意味する。 「超臨界H2O」は、 温度が水の臨界温度(Tcritical=101℃)未満であり、かつ圧力が水の臨界圧力(Pcritical=221bars)より高く、 温度が臨界温度(Tcritical=101℃)より高く、かつ圧力が水の臨界圧力(Pcritical=221bars)未満であるような温度および圧力条件下の水を意味する。 「美容上許容可能」は、毒性、刺激作用、またはアレルギー反応などの有害作用がないものであり、皮膚と接触して使用することができる。 「キャリアー」は、対象とする成分と混合し、あるいはこの成分を溶解する物質を意味する。 「美容上の基質」は、親油性化合物を含む美容上許容可能なキャリアーを意味する。 「前後」は、ある数に対して、公称値であるこの数のおおよそ10%を意味する。 「kolaviron」は、事前に脱脂したガルシニア・コラの極性抽出(例えば、アルコールまたはアセトン)により、得られるビフラボノイドの混合物を意味する。この混合物は、主にGB1、GB2、およびコラフラバノンの3つのビフラボノイドを構成する。 「トロロクス等価」または「TE」は、得られた濃度で試験した基質と同一の活性を有するトロロクス(すなわち、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸)の濃度である。この結果は、産物のグラム当たりμmolのトロロクス等価で表される。 「美容用組成物」は、ヒトの身体の様々な表面部分、特には表皮、髪および毛管系、爪、唇および外性器、または歯および口腔粘膜と接触して、もっぱらまたは主に、この部分を清潔にし、この部分に芳香を提供し、この部分の外観を修正し、保護し、身体の匂いを良好な条件に保ち、もしくは修正することを目的としてこれらの体に置かれるように意図した組成物である。 本発明において、このパーセンテージ(%)は、この抽出物、材料または関連する主要組成物の総重量と比較した重量パーセンテージである。 本発明は、以下の実施例に鑑みて容易に理解され、本実施例は、本発明を限定的に示すものではない。 実施例1:本発明によるガルシニア・コラ抽出物の調製 材料および方法 1つは、トーゴからのものであり、もう一方は、由来が知られていない2つのガルシニア・コラのバッチを試験した。この2つのバッチは、同一のHPLC−UV−MSプロファイルを有している。 溶媒として水、エタノール、および水/エタノール(50/50)の混合物を使用して、 抽出細胞:120ml(0.3〜0.9mmの粒に仕上げられた量) 温度:100℃ 圧力:100バール 収集ビン:240ml 溶媒でのすすぎ:1分 気体でのすすぎ:1分の条件下で、ビュッヒの高速抽出器で抽出を実施した。 この圧力抽出サイクルを、以下の表に従って実施した。 綿での濾過後、回転蒸発装置(50℃)でこの抽出物を蒸発させて異なる乾燥抽出物を得た。 さらに、「kolaviron」抽出物(GB1、GB1a、GB2、コラフラバノン)を、Farombi et al. Int. J. Env. Res. Public Health, 2011, 8, 2533−2555により記述したプロトコルにより実施し、わずかに、 シクロヘキサンによる抽出(脱脂)と、 アセトンによる残存物の抽出と、 アセトンならびに水および酢酸エチルの間の抽出物の液体/液体分配により得られた抽出物の蒸発と、 GB1、GB1a、GB2、およびコラフラバノンといったビフラボノイドを多く含む抽出物である、Kolaviron(HPLC、TLCプロファイル)に対応する抽出と、のように、修正した。 この抽出物の収率を以下に示す。 抽出物のHPLC分析(図2参照) 使用したHPLCの条件は、 Waters 2695(登録商標)分離モジュール Photodiode Array Detector Waters(登録商標)2996検出器 ソフトウェア:Empower(登録商標) サンプル:H20/MeOH(50/50)の混合物中に5mg/mlで、20μlで注入した。 LiChrospherカラム100 RP18(150×4.6mm、5μm、アジレント・テクノロジー) 勾配:以下の表(流速:1ml/分) GB2の抽出物の等価物の測定 検量線 0.125mg/mL、0.25mg/mL、0.5mg/mLおよび1.0mg/mLの濃度の20μlのGB2のメタノール溶液を、上述のHPLC中に注入した。(290mmでの)GB2に対応する曲線のピークより下の領域を、Empower ソフトウェアにより各濃度を計算した。GB2のピーク領域の関数として、濃度を示す検量線を図に表し、この等価物を判定した。 上述の0.5および1.0mg/mlの濃度でのガルシニア・コラの抽出物をHPLC中に注入した後に、抽出物のGB2における等価物を測定した。この抽出物中のビフラボノイドに対応するピーク領域の合計を、Empower ソフトウェアにより計算した。この抽出物中の総ビフラボノイド濃度を、検量線により決定した。 質量分析 Esquire 3000 PLUS ion trap(Bruker)およびデータ分析ソフトウェアにより質量分析を行った。 実施例2:本発明によるガルシニア・コラの抽出物の調製 実施例1において得られる200mgの未加工のエタノール抽出物をシリカゲル(100%のジクロロメタンから100%のMeOHの勾配による、フラッシュカラム)上で分画し、 F1=ガルシン酸 F2=GB1、GB1a、GB2、コラフラバノン F3=GB1、GB1a、GB2、コラフラバノン+ポリオール F4=ポリオールを多く含む画分といった4つの画分を得た。 結果 ドラーゲンドルフ試薬、マイヤー試薬、およびブーシャルダー試薬を使用して、この抽出物中にアルカロイドがないことを検証した。同様に、展開剤としてドラーゲンドルフ試薬を使用して、TLCを実施した。この試薬により発達する部分はなく、抽出物中にアルカロイドがないことを確認した。 254nmでのクロマトグラフィーのプロファイルにより、kolavironが存在することを本質的に示す(図2)。HPLC−MSにより、トコトリエノール、ガルシン酸と同じく、UV、アルファ酸、フムロンおよび酸化物誘導体で検出することのできないいくつかの化合物を同定(TIC)することが可能となった。7.2分(m/z529)でのピークは、ポリオール型誘導体に対応することができる。 ガルシニア・コラの水性エタノールおよびハイドロエタノール抽出物は、同様のクロマトグラフィーのプロファイルを有する(図3)。しかしながら、kolavironは、このエタノール抽出物中の定量よりも大きい状態で存在する潜在力があるとされる。この存在は、ガルシン酸(トコトリエノール)およびポリオールであるとNMRで示唆される極性化合物の3つの抽出物が存在する。 実施例3:エタノール抽出物‐ビフラボノイドを多く含む抽出物の物理化学的調製 総ポリフェノールアッセイ このエタノール抽出物をHPLC−UVによって定量化することにより(抽出基準として使用した純粋なビフラボノイドGB2の等価物において表される290nmでの定量化により)、48%のビフラボノイドを含むことを示した。同一の方法を使用する際に、この水性抽出物は、5%のビフラボノイドを含む。 抽出物の物理化学的データ 濃い紫色(Violet−brown)の抽出物。 水、MeOH、EtOH、DMSOに可溶。 UVスペクトル:290nm 融点:168℃(Kopfler bank) 実施例4:本発明によるガルシニア・コラ抽出物を含む美容用組成物:フェイスクリーム 以下の組成物を有する油中水乳液を作製した。 実施例5:I型コラーゲン上のAGEの形成の同定および抗AGEの判定 本発明による方法‐リボースの存在する溶液中の仔牛の皮膚コラーゲン上での抗AGE活性 仔牛の皮膚コラーゲン(0.1mg/ml)およびリボース(0.5M)を、Greiner bio−oneの、黒色の底を備えた96ウェルプレート中の37℃、pH7.4のリン酸緩衝液(100μl)の中でインキュベートした。アミノグアニジン(1mg/mL、DMSO 10%)などのAGE形成阻害剤の存在下で同一の実験を行った。以下の、AGE形成阻害剤(1mg/mL、DMSO 10%)を有したコラーゲン(0.1mg/mL)またはAGE形成阻害剤(1mg/mL、DMSO 10%)を有していないコラーゲン(0.1mg/mL)を含む、37℃、pH7.4の50mMのリン酸緩衝液である対照溶液をインキュベートした。このインキュベート後に、ペントシジン型AGE(λexc335nmおよびλem385nm)の蛍光を、Magellanのソフトウェア(テカン)で制御したInfinite M200装置(テカン)で測定した。 実施例6:溶解したコラーゲン上での本発明の方法の自動化および統計信頼度 実施例5に記述した溶液中の仔牛の皮膚コラーゲン上での抗AGE活性を測定する方法を、Derbre et al. in Anal. Bioanal. Chem. 2010, 398, 1747−1758により記述した方法により自動化した。 複製することなく高速スクリーニングを実施する試験の質およびその潜在力を、Zhangら(Zhang et al., J. Biomol. Screen. 1999, 4, 67−73)により記述した因子Z´の計算により評価した。 仔牛の皮膚コラーゲン(0.1mg/ml)および0.5Mのリボースを使用したスクリーニング試験の質を評価するために、以下の式により、SN比(S/N)、SBノイズ比(S/B)、分離バンドおよび統計因子Z’を含む統計パラメータを計算した。 式であって、式中、は、標準偏差(σ)および最大値(c+)および最小値(c-)のシグナルの平均値(μ) この結果を以下に示す。 このSBノイズ比(S/B)があまり高くないことが得られた結果により示された。少ない分散結果により、因子Z´と同じくSBノイズ比(S/B)は非常に良好なものであった。この因子Z´は0.5より大きく、このことにより、複製を回避することができる。 したがって、本発明の方法の結果により、Z’>0,5の単一濃度での高速スクリーニングが可能となる。 実施例7:本発明によるガルシニア・コラ抽出物の抗AGE活性の判定 仔牛の皮膚コラーゲン Kolaviron抽出物において得られた中間体抽出物と同様に水性抽出物をコラーゲン上で試験した(図4)。この水性抽出物(トーゴからのバッチのGKTEおよび起源が知られていないバッチのGKTE)は、Kolaviron(IC50=0.10mg/mL)の濃度と同様の活性である、IC50=0.16mg/mLの良好な抗糖化活性を有する。このGB2ビフラボノイドは、さらに良好な抗AGE活性(IC50=0.03mg/mL)を示す。種の外被上で実施した抽出により、この外被(GKT teg)が抗糖化活性を有さないことが示す。 このエタノール抽出物により、仔牛皮膚コラーゲンのアルブミン上での抗糖化活性およびその抗酸化作用に対する潜在力を評価した(以下の表を参照)。このエタノール抽出物は、(それぞれ0.16および0.10mg/mlのIC50を有する)kolavironの活性と実質的に同様の活性を有する。ガルシニア・コラ抽出物中に存在するポリオールは、仔牛の皮膚コラーゲン上で抗糖化活性を有さないのに対し、ガルシン酸は、抗糖化活性を有するが、kolavironの活性には劣るものであった。同様に、この抽出物は、使用した2つのモデル(DPPHおよびORAC)上での高い抗酸化の潜在力を有した。すなわち、これらの同一のモデル上の水性ガルシニア・コラ抽出物よりも高く活性した。 ガルシニア・コラのエタノール抽出物およびその構成物の抗酸化の潜在力および抗糖化活性 ある分子が、抗酸化活性および抗AGE活性の両方を有してもよいが、この溶液は、まったく系統的ではないことが、表1のデータから観察することが可能である。ある化合物の抗酸化活性および抗AGE活性の間に直接的な相関関係がないことがのみを示すことができる。例えば、アミノグアニジンは、DPPHおよびORAC試験による抗酸化活性を有していないが、アルブミンおよびコラーゲン上での抗AGE活性を有する。 さらに、アルブミンの糖化に関する分子の抗AGE活性およびコラーゲン糖化に関する分子のAGE活性の間にも相関関係はなかった。例えば、バルムの水性抽出物、バルムのエタノール抽出物、およびセイヨウオトギリソウの水性抽出物は、DPPHおよびORAC試験によると、高い抗酸化活性を有し、同様にアルブミン上で抗AGE活性を有するが、コラーゲン上での抗AGE活性は観察されなかった。 プロシアニジンB2の場合も同様であった。 しかしながら、セイヨウオトギリソウのエタノール抽出物は、DPPHおよびORAC試験によると、抗酸化活性ならびにアルブミンおよびコラーゲン上の抗AGE活性を有する。 結果として、本発明の水性抽出物およびエタノール抽出物は、アミノグアニジンおよびケルセチンよりも高い活性を示し、これにより、抗AGE試験の基準となった。 GB1、GB1a、GB2、およびコラフラバノンを含む群から選択される少なくとも1つのビフラボノイドを多く含むガルシニア・コラ抽出物を含む抗糖化剤であって、290nmでのHPLC−UVによりアッセイしたGB2等価物で表される、5%超、好ましくは20%超、より好ましくは40%超の総ビフラボノイド濃度を含む、抗糖化剤。 前記抽出物が、ガルシン酸を含むことを特徴とする、請求項1に記載の抗糖化剤。 前記抽出物が、ガルシニア・コラの種を抽出することにより得られることを特徴とする、請求項1または2に記載の抗糖化剤。 前記抽出物が乾燥していることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の抗糖化剤。 ガルシニア・コラを抽出するためのプロセスであって、抽出を目的として、40〜200℃の温度および50〜150バールの圧力で溶媒により抽出する前に、前記ガルシニア・コラの一部、好ましくは種を乾燥したのち、砕粉する、プロセス。 前記分画を、固体担体上の順相液体クロマトグラフィー、固体担体上の逆相液体クロマトグラフィー、大気圧液体クロマトグラフィー、中圧液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー、フラッシュクロマトグラフィー、カウンターカレントクロマトグラフィー、またはこれらの方法の組み合わせにより実施する、請求項5に記載の抽出プロセスにより得られるガルシニア・コラ抽出物の分画プロセス。 前記分画が、請求項5に記載の抽出プロセスにより得られる液体抽出物をポリアミド上で濾過するステップを含む、請求項5に記載の抽出プロセスにより得られるガルシニア・コラ抽出物の分画プロセス。 GB1、GB1a、GB2、およびコラフラバノンを含む群から選択される少なくとも1つのビフラボノイドを多く含むガルシニア・コラ画分を含む抗糖化剤であって、290nmでのHPLC−UVによりアッセイしたGB2等価物で表される、5%超、好ましくは20%超、より好ましくは40%超の総ビフラボノイド濃度を含み、請求項6または7に記載のプロセスにより得られる、抗糖化剤。 前記画分が乾燥していることを特徴とする、請求項8に記載の抗糖化剤。 美容上許容可能なキャリアーを共に含む、請求項1〜4のいずれか1項または請求項8または9のいずれか1項に記載の抗糖化剤を含む美容用組成物。 美容的処置方法であって、皮膚の加齢に対抗するために、対象の皮膚に請求項10に記載の美容用組成物を適用する、美容的処置方法。 試験した糖および基質の存在下でのコラーゲンをインキュベーションするステップと、 前記形成した糖化産物により発した蛍光、好ましくは、ペントシジンの蛍光を測定するステップと、を含む、前記基質の活性を阻害するコラーゲン糖化の判定方法。 インキュベーションの前に、水性溶媒、好ましくは酸溶媒、より好ましくは酢酸に前記コラーゲンを溶解させる、請求項12に記載の基質活性を阻害するコラーゲン糖化の判定方法。 【課題】加齢に伴う皮膚蛋白質、特にコラーゲンの糖化による、終末糖化産物(AGE)を形成を阻外する、化合物、及び活性を判定する方法の提供。【解決手段】ビフラボノイドを多く含むガルシニア・コラの抽出物又は画分を含む組成物の、タンパク質の糖化、特に、皮膚の加齢に関与する皮膚コラーゲンの糖化を阻害するための使用。同様に、皮膚タンパク質の糖化、特に、コラーゲンの糖化を阻害するための化合物の活性を判定するための方法。【選択図】図5