タイトル: | 公開特許公報(A)_MDI二量体の製造方法 |
出願番号: | 2013234184 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | C07D 229/00,B01J 31/02,C07B 61/00 |
アンドレアス カプラン JP 2014097983 公開特許公報(A) 20140529 2013234184 20131112 MDI二量体の製造方法 エーエムエス−パテント アクチェンゲゼルシャフト 510022808 特許業務法人みのり特許事務所 110000475 アンドレアス カプラン EP 12192416.1 20121113 C07D 229/00 20060101AFI20140502BHJP B01J 31/02 20060101ALI20140502BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140502BHJP JPC07D229/00B01J31/02 102ZC07B61/00 300 15 OL 11 4G169 4H039 4G169AA06 4G169AA15 4G169BA21A 4G169BA21B 4G169BC26A 4G169BD03A 4G169BD06A 4G169BD06B 4G169BD07A 4G169BD15A 4G169BE13A 4G169BE13B 4G169BE26A 4G169BE38A 4G169BE38B 4G169CB25 4H039CA42 4H039CL11 本発明は、得られるMDI二量体が高純度で存在することによって識別される、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体(MDI二量体)の製造方法に関する。本発明に係る方法によって製造されたMDI二量体は、本質的にMDIも尿素誘導体も含まないことによって識別される。さらに、本発明は、対応するMDI二量体に関し、ポリウレタンの架橋剤としてのその使用にも関する。 4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体(MDI二量体)は、既知である。当該4,4'-MDI二量体は、CAS No.17589-24-1を有する。 MDI二量体の製造方法は、日本ポリウレタン工業株式会社の特開平09−328474号によってすでに知られている。この方法の場合、MDIはまず酢酸エチルに溶解され、触媒と混合される。その後、MDI二量体は24時間後に濾過によって取り出される。しかしながら、特開平09−328474号から明らかなように(実施例3参照)、反応生成物は、81%以下のMDI二量体を含むだけである。前記日本の文献によって得られたMDI二量体は、それゆえ、MDI単量体または尿素誘導体も高い比率で有する。そのようなMDI二量体は、それゆえ、制限された方法においてのみ、ポリマーのための架橋剤としても適切である。 しかしながら、多くの用途のため、特にポリマーの架橋剤としての使用のためには、4,4'-MDI二量体が高純度で存在することが重要である。特に、ポリウレタンの架橋剤としての使用のために、MDI単量体および尿素誘導体を含まない4,4'-MDI二量体を利用可能にしたいという要求が存在する。そのような用途のためには、前記MDI二量体が、容易に保存でき、均一な粒子サイズで利用できることも重要である。特開平09−328474号公報 ここから出発し、本発明の目的は、高純度の生成物をもたらす4,4'-MDI二量体の製造方法を利用可能にすることである。それによって、前記4,4'-MDI二量体が、MDI単量体および尿素誘導体を含まないことを目的とする。さらに、本発明は、対応する4,4'-MDI二量体およびポリウレタンの架橋剤としての前記4,4'-MDI二量体の使用も含む。 前記方法に関して、本発明は、請求項1の特徴によって達成され、MDI二量体に関して、請求項10の特徴によって達成される。従属請求項は、有利な発展を明らかにする。請求項15では、本発明に係る使用が言及される。図1は、本発明に従って製造され、工程e)後に粉砕されたMDI二量体の粒径分布を示すグラフである。 本発明に係る方法は、最初の工程a)において、すでに触媒を含む溶媒であって、4,4-メチレンビス(フェニルイソシアネート)の溶媒として適切であるように選択された溶媒を提供することによって区別される。この最初の工程の場合には、さらに、前記作業ができるだけ低い温度で、すなわち、25℃より高く最大45℃の温度で、不活性ガス雰囲気中で行われることが必要である。 次の工程b)では、融解された及び/又は溶解された4,4-メチレンビス(フェニルイソシアネート)、すなわちMDIが、撹拌下で添加される。その後、生成物が沈殿し始める。 続いて、反応は、その後、不活性化剤の添加によって中断される(工程c)。この工程の場合には、反応を止めた後、撹拌がある期間の間行われ続けることが非常に重要である。この期間は、0.5〜1.5時間の範囲内である。 この工程の後で、前記MDI二量体は、前記溶媒から分離され(工程d)、工程e)において精製される。 本発明に係る方法では、したがって、上述した工程a)からe)の正確な順序が厳密に維持されることが特に重要である。それに関して、前記反応の管理(特に、温度レベルに関する)は、特に重要である。工程a)に示されるように、25℃より高く45℃以下の範囲の温度が、維持されることが必須である。 それに関して、工程a)における温度が30〜40℃に維持されることが望ましい。 融解された及び/又は溶解されたMDIの添加は、液滴による添加が望ましい。 触媒を含む溶媒の準備(供給)は、不活性ガス雰囲気下で行われ、前記不活性ガスは、窒素、アルゴン及び/又はヘリウムから選択される。好ましくは、これらの不活性ガスの含水量は、最大で0.01体積%、好ましくは最大で0.005体積%に調整される。 工程a)に係る溶液に含まれる適切な溶媒は、第3級ホスフィン、アミノ置換ホスフィン、イミダゾール、グアニジン、3位もしくは4位が置換されたピリジン、3位および4位が置換されたピリジン、環状アミジン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素あるいはそれらの混合物から選択される。 触媒として使用されるものには、好ましくは、第3級の、脂肪族もしくは混合された脂肪族-芳香族のホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリス(N,N-ジアルキルアミノ)ホスフィン、ジアルキルイミダゾール、4-N,N-ジアルキルアミノピリジン、3位および4位においてN原子で置換され、および、炭素セグメント−好ましくは2成分の(binary)、飽和した炭素セグメント-で結合されたピリジン、あるいはそれらの混合物がある。 触媒として特に好ましく使用されるものには、トリス(N,N-ジアルキルアミノ)ホスフィン、1,2-ジアルキルイミダゾール、4-N,N-ジアルキルアミノピリジン、あるいはそれらの混合物がある。 触媒として特に非常に好ましく使用されるものには、トリス(N,N-ジメチルアミノ)ホスフィン、トリス(N,N-ジエチルアミノ)ホスフィン、4-N,N-ジメチルアミノピリジン、4-N,N-ジエチルアミノピリジン、1,2-ジメチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾールあるいはそれらの混合物がある。 ホスフィン(phosphine)は、ホスファン(phosphane)もしくはホスホラン(phosphorane)とも称される。 前記反応を止める(工程c)ための不活性化剤として、それ自体が一般的な全ての不活性化剤を使用することができる。このような例として、強酸、酸塩化物、酸無水物あるいはアルキル化剤が挙げられる。 不活性化剤として好ましく使用されるものには、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、リン酸、クロロギ酸、塩化ベンゾイル、ジメチルカルバミド酸塩化物、無水酢酸、無水コハク酸、硫酸ジメチル、ヨウ化メチル、トルエンスルホン酸メチルエステルあるいはそれらの混合物がある。 塩化ベンゾイルが不活性化剤として特に好ましく使用される。 溶媒からのMDI二量体の分離(工程d)は、固液分離のための機械的分離方法の一つであるいは複数の組み合わせで達成される。好ましくは、前記少なくとも一つの機械的分離方法は、沈降、濾過、遠心分離およびサイクロンによる分離からなる群より選択される。 沈降の場合、前記分離は、重力あるいは遠心力によって達成できる。 濾過の場合、前記分離は、重力、遠心力あるいは圧力差によって達成できる。圧力差は、低圧(減圧)あるいは高圧を関与させることができる。 前記濾過は、減圧濾過、ロータリーディスクフィルター、ドラムフィルター、リーフフィルター、プレートフィルター、バンドフィルター、スクリュークリアランスフィルター、フィルタープレス、メンブランフィルタープレス、バンドプレスあるいはそれらの組み合わせによって達成できる。 前記遠心分離は、固体壁スクリューコンベヤー遠心分離機、ディスク遠心分離機、ロータリーディスク遠心分離機、トレーリング-ブレード(trailing-blade)遠心分離機、プッシュタイプ遠心分離機、ボウル遠心分離機、デカンター(decanter)遠心分離機、セパレータあるいはそれらの組み合わせによって達成できる。 サイクロンによる分離の場合、液体サイクロンが好ましく使用される。 工程e)に引き続いて、最先端ですでに知られているようにして、MDI二量体の乾燥を行うことができ、好ましくは真空あるいは不活性ガス流中で12〜24時間、40℃〜60℃にて実行される。特に好ましくは、前記乾燥は、真空下で12〜20時間、40℃〜50℃にて行われる。 好ましくは、MDI二量体は、工程e)の後で乾燥される。 本発明に係る方法のために適切な溶媒は、MDI単量体を前述した反応温度で、すなわち25℃より高く45℃以下にて、完全に溶解できる溶媒である。溶媒の含水量は、最大で0.04重量%である必要があり、好ましくは最大で0.02重量%、特に好ましくは最大で0.01重量%である。 溶媒の例として、アセトン、N-メチルピロリドン、ベンゼン、酢酸エチル、アセトリニトリル、ニトロメタン、ケロシン、オクタンあるいはそれらの混合物が挙げられる。 本発明者は、酢酸エチルが溶媒として特に適切であることを示すことができた。本発明に係る方法の場合、好ましくは、MDI二量体の精製の際、前記反応のために使用されるものと同じ溶媒を用いて、作業が行われる。従って、好ましくは、酢酸エチルがMDI単量体のためおよび精製工程のための両方で使用される。 さらに、本発明は、上述した方法に従って製造できる4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体に関する。本発明に係るMDI二量体は、本質的にMDI単量体を含まないことによって識別される。本質的にMDI単量体を含まないとは、前記MDI二量体が、1重量%未満の、好ましくは0.5重量%未満の、特に好ましくは0.1重量%未満の、非常に好ましくは0.08重量%未満のMDI単量体を含むことであると理解される。本発明に係るMDI二量体は、さらに、紫外線検出器および質量検出器を備えたHPLC-MS(高速液体クロマトグラフ質量分析法)を用いて検出できる生成物(三量体、四量体、五量体、あるいはさらに大きい多量体など)の割合がない。本発明に係るMDI二量体は、本質的に尿素誘導体も含まない。本質的に尿素誘導体を含まないとは、前記MDI二量体が、10重量%未満の、好ましくは7重量%未満の、特に好ましくは4重量%未満の、非常に好ましくは2重量%未満の尿素誘導体を含むことであると理解される。 本発明に係る高純度のMDI二量体は、本発明によって、好ましくは粉末の形態で利用可能となる。さらに、前記MDI二量体は、工程d(得られたMDI二量体の溶媒からの分離)および得られたMDI二量体の溶媒を用いた精製(工程e)の後、粉末の平均粒径d50が、1〜4μmの間、好ましくは〜2μmの範囲で存在するように粉砕するプロセスにかけられてもよい。 本発明に係る高純度のMDI二量体は、特に、ポリマーのための架橋剤として、特に、発泡-および絶縁材料(たとえば、ソフト-、ハード-あるいは完全な発泡体として)を製造するための、あるいは、市販品(たとえば、座席、鋳造用樹脂、塗料用樹脂、シーリング材、接着樹脂あるいは合成皮革および布地補助用のコーティング材など)用の非発泡性固体あるいはゴム弾性材料を製造するためのポリウレタンの架橋剤として好適である。本発明に係るMDI二量体は、極めて高い反応性を有し、結果として、架橋後に優れた機械的特性を有する最終生成物をもたらすことが示された。 本発明は、一般的な実施形態と特別な製造例を参照して、また図1も参照して、以下により詳細に説明される。 図1は、本発明に従って製造され、さらに工程e)後に粉砕されたMDI二量体の粒径分布を示す。図1から明らかなように、このケースにおけるMDI二量体は、非常に狭い粒度分布を有する。上述したように、高純度形態のMDI二量体は、非常に微細な粒度分布との組み合わせで、ポリウレタンの架橋剤として特に好適である。それによって、非常に高い反応性が、一方では高純度に起因して、他方では前記粒度分布に起因して、確立される。さらに、上述したように、MDI二量体は、優れた貯蔵性を有し、それゆえ、ポリウレタンの架橋剤として特に好適である。 MDI二量体の製造は、30〜40℃で、水を排除した不活性雰囲気の下、溶液中で行われる。溶解された触媒を含む溶媒が、そこにセットされる。さらに、撹拌下、0.5〜3時間内で、融解もしくは溶解されたMDIが液滴の状態で添加される。前記添加が約半分済んだ後、生成物が沈殿し始める。液滴の添加終了後、さらに1〜4時間前記反応温度にて撹拌が行われる。その後、前記反応は、不活性化剤の添加によって中断され、添加後、さらに0.5〜1.5時間、前記反応温度にて撹拌が行われる。このバッチは、室温まで冷めた後、減圧下でガラスもしくはセラミックのフリット(frit)を通して濾過され、続いて、溶媒で少なくとも2度洗浄される。真空あるいは不活性ガス流中で、40〜60℃で12〜24時間、乾燥が行われる。 このようにして製造されたMDI二量体は、紫外線検出器や質量検出器を備えたHPLC-MSによって検出できる、三量体も、四量体も、五量体も、より大きい多量体も含まない。 不活性ガスとして使用されるものには、窒素、アルゴンまたはヘリウムがあり、その含水量は最大で0.01体積%である。 前記溶媒は、含水量0.04重量%以下まで乾燥される。 前記反応のために使用される融解MDIは、最大で60℃、好ましくは45〜55℃で融解される。前記MDI二量体中のMDI単量体の含量の測定 MDI単量体は、MDI二量体から抽出され、抽出物中でエタノールを用いて誘導体化される。 MDI二量体は、このために、マグネチックスターラによる撹拌下、23℃で5時間、50mlの丸底フラスコ中で、25mlの酢酸エチルで抽出される。前記抽出物は、濾過され、濾液は50mlのメスフラスコ中に移される。その後、抽出物は、エタノールで50mlまで満たされ、23℃で30分間静置され、濾過され、上清がガラスフラスコに移される。 このプロセスは、低初期重量(1mlの酢酸エチルあたり1mgのMDI二量体)および高初期重量(1mlの酢酸エチルあたり25mgのMDI二量体)で行われる。 抽出物中のMDI単量体の濃度の測定は、外部標準の方法に従って、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)で行われる。 HPLC装置として、ウォーターズ社(Waters Corp.)のAcquity UPLCが使用され、カラムとして、ウォーターズ社のBEH C18(長さ10.0cm、内径2.1mm、充填物の粒径1.7μm)が使用された。流速0.4ml/分のアセトニトリル/水の勾配混合物が、溶出剤としての役割を果たす。検出は、254nmの波長でUV検出器を用いて行われる。 MDIが外部標準として使用される。少なくとも3つの初期重量が秤量され、50mlの酢酸エチル/エタノール(1/1:vol/vol)中に溶解され、上清が移される。較正直線がウォーターズ社のsoftware Empower 2を用いて作成される(少なくとも0.999の相関係数を持たなければならない)。 重量%によるMDI単量体の含有量は、以下の式によって算出される: アセトニトリル、エタノールおよび酢酸エチルが、純度p.a.(解析用)で使用される。水は2度蒸留された水である。 三回の測定値の算術平均が表示される。MDI二量体の純度の決定 MDI二量体の純度は、ピークの一致が質量によってもたらされる、UV検出器および質量検出器を備えたHPLC-MS(高速液体クロマトグラフィー質量分析)を用いて決定される。MDI二量体の純度は、面積%(% by area)で示され、全てのピークの総面積は、100面積%になる。表示された値は、三回の測定値の算術平均である。 前記目的のために、10mgのMDI二量体が、23℃にて、5mlのテトラヒドロフランと5mlのメタノールの混合物中に、溶解され、さらに30分間静置され、その後、メタノールを用いた誘導体化のために、濾過され、ガラスフラスコに上清が移される。 HPLC装置として、ウォーターズ社のAcquity UPLCが使用され、カラムとして、ウォーターズ社のBEH C18(長さ10.0cm、内径2.1mm、充填物の粒径1.7μm)が使用される。溶出剤として、アセトニトリル/水-勾配混合物が使用される。UV検出器が254nmで稼働し、質量検出器SQはESIモード(Electro-Spray-Ionisation mode)とする。 アセトリニトリル、メタノールおよびテトラヒドロフランが、純度p.a.(解析用)で使用される。水は、2度蒸留された水である。4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体の製造例 反応装置は、ベース放出弁、スターラー、グラウンド・カバー、3つの滴下漏斗、2つのその二重壁、前記ベース放出弁に接続された一つのG4フリットおよび真空ポンプを備えた、二重壁の円筒状の反応容器(体積1L)からなる。 前記装置は、真空(30mbar)および窒素で三回交互に不活性にされる。MDI二量体の全ての製造は、窒素流下で行われる。 35℃に温度コントロールされた反応容器中に、1.0gの4-N,N-ジメチルアミノピリジンが溶解された500mlの酢酸エチルが、滴下漏斗によって導入され、反応容器中で35℃に温度コントロールされる。 50℃の循環エアオーブンで融解された130.0gのMDIが、50℃に温度コントロールされた滴下漏斗を経て、撹拌下、45分以内で添加される。それにより、反応混合物の温度が35℃に保たれることが確実になる。添加が約半分終わった後、生成物が沈殿し始める。 MDI添加に引き続いて、撹拌が35℃でさらに2時間行われる。 その後、5ml酢酸エチル中に溶解された、1.27gの塩化ベンゾイルが、35℃に温度コントロールされた滴下漏斗を経て、撹拌下、10分以内で添加され、さらに15分間撹拌される。 続いて、このバッチは23℃に冷まされ、G4フリットを通して550mbarで濾過される。生成物は、それぞれ100mlの酢酸エチルで2回洗浄され、16時間、50℃・30mbarで乾燥される。収量:120.5g すなわち、前記MDI初期重量に対して92.7重量%前記生成物は、以下を含む 0.07重量%のMDI単量体* 99.5面積%のMDI二量体、誘導体化** 0.5面積%の尿素二量体、誘導体化** * 抽出とその後のHPLCによって測定 ** HPLC-MSによって測定、面積%(% by area)で表示 4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体(MDI二量体)の製造方法であって、 a)25℃より高く45℃以下で、不活性ガス雰囲気で、4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)(MDI)のための触媒を含む溶媒を準備する工程、 b)0.5〜3時間の間、撹拌下で、融解された及び/又は溶解されたMDIを添加する工程、 c)不活性化剤を添加する工程、ここで、前記所定の反応温度にて0.5〜1.5時間の間さらに撹拌が行われる、 d)得られたMDI二量体を前記溶媒から分離する工程、および、 e)前記溶媒を用いて前記得られたMDI二量体を精製する工程を含む方法。 工程a)において、30℃〜40℃の範囲の温度が維持され、且つ、前記融解された及び/又は溶解されたMDIが液滴で添加されること(工程b)を特徴とする、請求項1に記載の方法。 前記不活性ガスが、窒素、アルゴン及び/又はヘリウムから選択され、その含水量が最大で0.01体積%、特に0.005体積%であることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。 前記触媒が、第3級ホスフィン、アミノ置換ホスフィン、イミダゾール、グアニジン、3位もしくは4位が置換されたピリジン、3位および4位が置換されたピリジン、環状アミジン、五フッ化アンチモン、三フッ化ホウ素およびそれらの混合物からなる群より選択され、好ましくは、第3級の、脂肪族のもしくは混合された脂肪族-芳香族のホスフィン、トリアルキルホスフィン、トリス(N,N-ジアルキルアミノ)ホスフィン、ジアルキルイミダゾール、4-N,N-ジアルキルアミノピリジン、3位および4位においてN原子で置換され、且つ、炭素セグメント、特に2成分の、飽和した炭素セグメント-で結合されたピリジンおよびそれらの混合物からなる群より選択され、特に好ましくは、トリス(N,N-ジアルキルアミノ)ホスフィン、1,2-ジアルキルイミダゾール、4-N,N-ジアルキルアミノピリジンおよびそれらの混合物からなる群より選択され、非常に好ましくは、トリス(N,N-ジメチルアミノ)ホスフィン、トリス(N,N-ジエチルアミノ)ホスフィン、4-N,N-ジメチルアミノピリジン、4-N,N-ジエチルアミノピリジン、1,2-ジメチルイミダゾール、1,2-ジエチルイミダゾールおよびそれらの混合物からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。 前記不活性化剤が、強酸、酸塩化物、酸無水物あるいはアルキル化剤からなる群より選択され、好ましくは、クロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、パーフルオロブタンスルホン酸、リン酸、クロロギ酸、塩化ベンゾイル、ジメチル カルバミド酸クロライド、無水酢酸、無水コハク酸、硫酸ジメチル、ヨウ化メチル、トルエンスルホン酸メチルエステルおよびそれらの混合物からなる群より選択され、特に好ましくは塩化ベンゾイルであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。 工程d)における反応生成物の分離が、固液分離のための一つあるいは複数の機械的分離方法の組み合わせによって行われ、前記機械的分離方法が、好ましくは沈降、濾過、遠心分離およびサイクロンによる沈殿からなる群より選択されることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。 工程e)の後、乾燥が、好ましくは真空もしくは不活性ガス流中で40℃〜60℃にて、12〜24時間行われることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。 前記溶媒が、アセトン、N-メチルピロリドン、ベンゼン、酢酸エチル、アセトリニトリル、ニトロメタン、ケロシン、オクタンおよびそれらの混合物からなる群より選択され、特に好ましくは酢酸エチルであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。 前記溶媒の含水量が、好ましくは最大で0.04重量%、特に好ましくは最大で0.02重量%、非常に好ましくは0.01重量%であることを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法によって得られる4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体(MDI二量体)であって、1重量%未満の、好ましくは0.5重量%未満の、特に好ましくは0.1重量%未満の、非常に好ましくは0.08重量%未満のMDI単量体を含むことを特徴とする、MDI二量体 三量体、四量体、五量体あるいはさらに大きい多量体のようなオリゴマー生成物を含まないことを特徴とする、請求項10に記載のMDI二量体。 本質的に尿素誘導体を含まないこと、特に尿素誘導体が10重量%未満、好ましくは7重量%未満、特に好ましくは4重量%未満、非常に好ましくは2重量%未満であることを特徴とする、請求項10または11に記載のMDI二量体。 前記MDI二量体が、粉末形態で存在することを特徴とする、請求項11または12に記載のMDI二量体。 前記粉末の平均直径d50が、1〜4μm、特に〜2μmの範囲に調節されることを特徴とする、請求項10〜13のいずれか1項に記載のMDI二量体。 請求項10〜14のいずれか1項に記載のMDI二量体の使用であって、ポリマー用の架橋剤、特に発泡-および絶縁材料(例えば、ソフト-、ハード-もしくは完全な発泡体として)を製造するための、あるいは市販品(例えば、座席、鋳造用樹脂、塗料用樹脂、シーリング材、接着樹脂あるいは合成皮革および布地補助用のコーティング剤など)のための非発泡性固体あるいはゴム弾性材料を製造するためのポリウレタン用の架橋剤としての使用。 【課題】ポリマーの架橋剤としての使用のため、高純度で、容易に保存でき、均一な粒子サイズで利用できる4,4'-メチレンビス(フェニルイソシアネート)二量体(MDI二量体)の製造方法の提供。【解決手段】25℃より高く45℃以下で、不活性ガス雰囲気で、MDIのための第3級ホスフィン、アミノ置換ホスフィン、イミダゾール、グアニジンなどの触媒を含むアセトン、N-メチルピロリドン、ベンゼン等の溶媒を準備する工程にを経て、融解された及び/又は溶解されたMDIを添加する工程、不活性化剤を添加する工程、得られたMDI二量体を溶媒から分離する工程、さらに溶媒を用いて前記得られたMDI二量体を精製する工程を含む方法。【選択図】なし