生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_カプセル充填用組成物
出願番号:2013224495
年次:2015
IPC分類:A61K 47/46,A61K 9/48,A61K 47/28,A61K 47/24,A61K 47/44,A61K 47/10


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酒井 智文 奥原 康英 伊藤 幸彦 JP 2015086152 公開特許公報(A) 20150507 2013224495 20131029 カプセル充填用組成物 株式会社ファンケル 593106918 長谷部 善太郎 100122954 山田 泰之 100162396 酒井 智文 奥原 康英 伊藤 幸彦 A61K 47/46 20060101AFI20150410BHJP A61K 9/48 20060101ALI20150410BHJP A61K 47/28 20060101ALI20150410BHJP A61K 47/24 20060101ALI20150410BHJP A61K 47/44 20060101ALI20150410BHJP A61K 47/10 20060101ALI20150410BHJP JPA61K47/46A61K9/48A61K47/28A61K47/24A61K47/44A61K47/10 4 OL 8 4C076 4C076AA53 4C076AA58 4C076BB01 4C076DD37 4C076DD63 4C076DD70 4C076EE54 4C076EE55 4C076EE58 4C076FF21 本発明は、粉末成分を安定に分散するカプセル充填のための米糠抽出物含有組成物に関する。 米糠は玄米を精白する際に出る果皮、種皮、胚芽などの部分のことである。米糠には種々の有用な成分が含有されている。代表的な成分として、フィチン酸、イノシトール、フェルラ酸、γ−オリザノール、食物繊維、蛋白質、ビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンE、ミネラルなどを例示することができる。これらの成分を利用した米糠の抽出物配合食品や飲料が提案されている。 一方、油性溶剤に植物由来のワックス類を配合してなる基剤に、粉末成分又は水溶性成分を均一に分散してなる軟カプセル剤充填用組成物が知られている(特許文献1:特開2002−161029号公報)。特開2002−161029号公報 粉末成分を混合したとき、粉末成分を安定に分散させている米糠抽出物を提供することを本発明の課題とする。 本発明の主な構成は、次のとおりである。(1)アシル化ステロール配糖体を2.7〜4.1質量%、γ−オリザノールを1.4〜2.1質量%、ステアロ・オレオ・レシチン換算で、リン脂質を18〜28質量%含有し、加水分解したときに、加水分解前の質量に対して20〜30質量%のリノール酸、24〜37質量%のオレイン酸、11〜17質量%のパルミチン酸、1.7〜2.6質量%の植物ステロールを含有する米糠抽出物とワックス類と粉体を含有することを特徴とするカプセル充填用の組成物。(2)ワックス類がミツロウである(1)に記載の組成物。(3)粉体がβクリプトキサンチンである(1)に記載の組成物。(4)(1)〜(3)のいずれかに記載の組成物を内包するカプセル製剤。 米糠抽出物中に配合した粉体の均一な混合状態が維持された米糠抽出物を含む組成物が提供される。この組成物は、カプセル充填適性に優れている。 本発明の組成物に含有される米糠抽出物にはアシル化ステロール配糖体が含まれている。天然物から得られるアシル化ステロール配糖体は、通常混合物である。アシル化ステロール配糖体の構成糖は主にグルコースである。 また構成ステロールはβ−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロール等である。アシル化は主にグルコースの6位が、脂肪酸によってアシル化されており、構成脂肪酸は主にリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸であることが明らかになっている(帯大研報,10,(1977)507〜514)。 本発明に用いられる米糠抽出物は、アシル化ステロール配糖体を2.7〜4.1質量%含有する。 本発明に用いられる米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体の含有量の測定は以下の方法により行うことができる。(1)米糠抽出物を適量秤取し、クロロホルム/メタノール混液(クロロホルム:メタノール=2:1)を加え、メスフラスコにてメスアップする。(2)(1)で得られた溶液は成分濃度に応じて適宜希釈し、分析用試料溶液とする。(3)標品はEsterified Steryl Glucoside(フナコシ)とし、高速液体クロマトグラフ法によりアシル化ステロール配糖体の濃度を算出する。(4)高速液体クロマトグラフ法による分析条件 分析装置:HPLC 移動相A:メタノール:水 = 95:5(v/v) 移動相B:クロロホルム = 100(v/v) ポンプ:Model 582 solvent delivery system 分析カラム:LiChrospher Si60(5μm) HPLC−Cartridge(MERCK) 検出器:荷電化粒子検出器(コロナ ダイオネクス社) Injection Volume:20μL カラムオーブン:40℃(FLO社 model 502) 分析時間:40min 脱泡装置:uniflows Degasys Ultimate DV3003 流速:1mL/min グラジェント条件 以下に示すとおり 0−15分 移動相A:1% → 25%、移動相B: 99% → 75% 15−20分 移動相A:25% → 90%、移動相B: 75% → 10% 20−25分 移動相A:90%、 移動相B: 10% 25−30分 移動相A:90% → 1%、 移動相B: 10% → 99% 30−40分 移動相A:1%、 移動相B: 99% 本発明に用いられる米糠抽出物は、γ−オリザノールを1.4〜2.1質量%含有する。 γ−オリザノールは、米糠の脂質に含有されるフェルラ酸とステロールのエステルを意味し、フェルラ酸24−メチレンシクロアルテニル、フェルラ酸シクロアルテニル、フェルラ酸カンペステリル、フェルラ酸β−シトステリル等の混合物である。 本発明に用いられる米糠抽出物中のγ−オリザノールの含有量は、高速液体クロマトグラフィーにて、逆相カラムを用い、紫外線検出器で検出することができる。 本発明に用いられる米糠抽出物は、ステアロ・オレオ・レシチン(ステアロイルオレオイルホスファチジルコリン)換算でリン脂質を18〜28質量%含有する。 本発明に用いられる米糠抽出物中のリン脂質の含量はモリブデンブルー吸光光度法により、リンの濃度を測定し、ステアロ・オレオ・レシチン量に換算して求めることができる。具体的には、米糠抽出物からFolch法で脂質を抽出し、灰化後、モリブデンブルー吸光光度法により、リンの濃度を測定する。 本発明に用いられる米糠抽出物は、加水分解したときに、加水分解前の質量に対して20〜30質量%のリノール酸、24〜37質量%のオレイン酸、11〜17質量%のパルミチン酸を含有する。 加水分解後のリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸の量は、以下の方法により測定できる。米糠抽出物に0.5mol/L水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加えてケン化し、三フッ化ホウ素メタノール錯体メタノール溶液を添加してメチルエステル化する。ヘキサンと飽和食塩水を加えて脂肪酸のメチルエステル化物を分配抽出し、ガスクロマトグラフィーで水素炎イオン検出器を用いて定量分析することができる。 本発明に用いられる米糠抽出物は、加水分解したときに、加水分解前の質量に対してアシル化ステロールに由来する1.7〜2.6質量%の植物ステロールを含有する。植物ステロールの主成分は、β−シトステロール、スチグマステロール、カンペステロールである。 加水分解後の植物ステロールの量は、以下の方法により測定できる。米糠抽出物に塩化ナトリウム水溶液、ピロガロール−エタノール溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化カリウムを順次加えて、ケン化する。塩化ナトリウム水溶液とヘキサン、酢酸エチル混液を添加して、不ケン化物を分配抽出する。不ケン化物からシリカカートリッジカラムを用いて植物ステロール画分を分離し、植物ステロール画分中の植物ステロールをガスクロマトグラフィーで水素炎イオン検出器を用いて定量分析する。 本発明に用いられる米糠抽出物の抽出方法としては、溶媒抽出法、超臨界抽出法、カラムクロマトグラフィー等が挙げられる。 また、具体的な抽出操作を以下に示す。<抽出方法> 市場に流通している米糠を選別した後に、ノルマルヘキサンなどの溶媒を用いて脱脂する。得られた油、脱脂糠等の粗原料を蒸留装置により脱溶媒し、さらにノルマルヘキサン、アセトン、エタノール、水などの溶媒によって抽出する。かくして得られた抽出液を、脱溶剤装置を用いて再度脱溶剤することで米糠抽出物を得ることができる。 前記の米糠抽出物に10質量%以下のワックス類を配合することによって、粉体を混合したときに、粉体は米糠抽出物中に均一な分散状態を維持することが可能となり、有効成分の配合濃度を維持しながらカプセルに充填することができる。なお本発明の組成物を内包するカプセルは公知のカプセルであればどのようなカプセル外殻であっても適用可能であるが、好ましくはゼラチンを主原料とするソフトカプセルが好ましい。 米糠抽出物に配合するワックス類としては、ミツロウ、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、レシチンなどが挙げられる。 本発明に用いる粉体としては、βクリプトキサンチン、糖転移ヘスペリジン、コエンザイムQ10、α−リポ酸、GABA、ビタミン類、ミネラル類、アミノ酸、いちょう葉、ヒアルロン酸、コラーゲン、ヒハツエキス、ビルベリーエキス、ショウガエキス、乳酸菌末、食物繊維、納豆菌培養エキス末、紅麹末、ウコンエキス、大豆イソフラボン、大豆サポニン、マリアアザミエキスなどが挙げられる。 本発明に用いるカプセルとしては、ゼラチン、グリセリン等を組合わせた皮膜が一般的である。カプセル被膜に配合できる他の成分として、カラメル、カラギーナン、寒天、アルギン酸、ペクチン、セルロース誘導体、セルロース、デキストリン、リン酸ナトリウム、デンプン、ソルビトール、トレハロース等の糖質などが挙げられる。 以下に、参考例、実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。<参考例1:米糠抽出物の調製(溶媒抽出)> 市場に流通している米糠を選別し胚乳や異物を除いた米糠を得た。得られた選別済みの米糠10kgに対して50Lのノルマルヘキサンを用い脱脂した。この脱脂作業を1回繰り返し、脱脂米糠を得た。得られた脱脂米糠から蒸留装置により溶媒を除去した。得られた脱脂米糠8kgに対し、50Lの割合でエタノールを用いて70±3℃にて1時間還流しながら抽出した。これを3回繰り返し、得られた抽出液について、脱溶剤装置を用いてエタノールを除去した。米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体、γ−オリザノール、ステアロ・オレオ・レシチン換算のリン脂質の濃度並びに、加水分解前の質量に対する、加水分解後のリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、植物ステロールの濃度を表1に示す。<参考例2:米糠抽出物の調製(溶媒抽出)> 市場に流通している米糠を選別し胚乳や異物を除いた米糠を得た。得られた選別済みの米糠10kgに対して50Lのノルマルヘキサンを用い脱脂した。この脱脂作業を3回繰り返し、脱脂米糠を得た。得られた脱脂米糠から蒸留装置により溶媒を除去した。得られた脱脂米糠8kgに対し、50Lの割合でアセトンを用いて50±3℃にて1時間還流しながら抽出した。これを3回繰り返し、得られた抽出液について、脱溶剤装置を用いてアセトンを除去した。米糠抽出物中のアシル化ステロール配糖体、γ−オリザノール、ステアロ・オレオ・レシチン換算のリン脂質の濃度並びに、加水分解前の質量に対する、加水分解後のリノール酸、オレイン酸、パルミチン酸、植物ステロールの濃度を表1に示す。<粉体混合安定性試験> 粉体としてβクリプトキサンチンを15質量%配合した米糠抽出物を調製し、粉体の分散安定性を確認した。 表2の処方の通り、各原料を秤量後、70℃以上で加温溶解・撹拌し、均一になったのちに、直径10mmのマイクロチューブに1.0ml分注した。 マイクロチューブを40℃条件下に1日静置し、油分と固形分の分離の様子を目視観察した。均一に混合しているものを「○」、分離傾向が見られたものを「△」、分離したものを「×」と評価した。 参考例1の米糠抽出物を用いた実施例1、実施例2の組成物は、紛体のβクリプトキサンチンを安定に分散することができた。一方参考例2の米糠抽出物を用いた比較例1,2の粗組成物はβクリプトキサンチンの粉末を安定に分散させることができなかった。 したがって、参考例1の米糠抽出物とミツロウの組み合わせは、カプセルに均一な組成で粉体を分散させた液体を充填する目的に適していることが明らかとなった。 なお、ミツロウの配合量を10%を超えて配合させた場合は、カプセルへの充填に際し、粘度が高くなりすぎて不適であった。 アシル化ステロール配糖体を2.7〜4.1質量%、γ−オリザノールを1.4〜2.1質量%、ステアロ・オレオ・レシチン換算で、リン脂質を18〜28質量%含有し、加水分解したときに、加水分解前の質量に対して20〜30質量%のリノール酸、24〜37質量%のオレイン酸、11〜17質量%のパルミチン酸、1.7〜2.6質量%の植物ステロールを含有する米糠抽出物とワックス類と粉体を含有することを特徴とするカプセル充填用の組成物。 ワックス類がミツロウである請求項1に記載の組成物。 粉体がβクリプトキサンチンである請求項1に記載の組成物。 請求項1〜3のいずれかに記載の組成物を内包するカプセル製剤。 【課題】 粉末成分を混合したとき、粉末成分を安定に分散させている米糠抽出物を提供する。【解決手段】 アシル化ステロール配糖体を2.7〜4.1質量%、γ−オリザノールを1.4〜2.1質量%、ステアロ・オレオ・レシチン換算で、リン脂質を18〜28質量%含有し、加水分解したときに、加水分解前の質量に対して20〜30質量%のリノール酸、24〜37質量%のオレイン酸、11〜17質量%のパルミチン酸、1.7〜2.6質量%の植物ステロールを含有する米糠抽出物とワックス類と粉体を含有することを特徴とするカプセル充填用の組成物。 【選択図】なし


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