タイトル: | 公開特許公報(A)_水中油型乳化化粧料 |
出願番号: | 2013213957 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | A61K 8/63,A61K 8/98,A61Q 19/00 |
黒木 純子 JP 2015074646 公開特許公報(A) 20150420 2013213957 20131011 水中油型乳化化粧料 株式会社コーセー 000145862 黒木 純子 A61K 8/63 20060101AFI20150324BHJP A61K 8/98 20060101ALI20150324BHJP A61Q 19/00 20060101ALI20150324BHJP JPA61K8/63A61K8/98A61Q19/00 5 OL 14 特許法第30条第2項適用申請有り 平成25年8月7日にコーセー化粧品販売株式会社に試供サンプルを配布 4C083 4C083AA081 4C083AA082 4C083AA112 4C083AA122 4C083AB032 4C083AC012 4C083AC022 4C083AC102 4C083AC122 4C083AC351 4C083AC352 4C083AC432 4C083AC542 4C083AC792 4C083AD092 4C083AD112 4C083AD332 4C083AD352 4C083AD432 4C083AD491 4C083AD492 4C083AD571 4C083AD572 4C083CC05 4C083CC19 4C083DD33 4C083EE01 4C083EE06 4C083EE07 4C083EE17 本発明は水中油型乳化化粧料に関し、さらに詳細には、不飽和脂肪酸と、コレステロール又はフィトステロールとのエステル、ミツロウ1〜10質量%を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料であって、べたつきがなく、肌にハリ感を付与し、そのハリ感の持続性に優れ、さらには経時安定性が優れるという特徴を有する水中油型乳化化粧料に関するものである。近年、化粧料の用途機能は多様化しており、肌を美しくみせるという面において、美白効果や、保湿効果を付与するという目的だけでなく、肌のハリや弾力効果を目的としたものが提案されている。例えば、液体油及び固体脂を含む油性成分とカチオン性水溶性高分子を組合わせた化粧料(例えば、特許文献1参照)や、ステアリン酸ステアリルと炭化水素を組合わせて、即効性と持続性も兼ね備えた、肌へのハリ感の付与に優れる乳化化粧料が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、油溶性皮膜形成剤と揮発性の高い油剤を併用することで即効性のハリ感を付与することができ、高級アルコール、高級脂肪酸とN−長鎖アシルアミノ酸系界面活性剤を組合わせることで、即効性のハリ感を維持し、ハリ感の持続性、のびの良さやべたつきのなさといった使用性、使用感に優れ、保湿性を向上させることも知られている(例えば、特許文献3参照)。特開2009−286768号公報特開2010−235472号公報特開2013−136546号公報 しかし、特許文献1の技術では、固体脂と、カチオン性の水溶性高分子によりハリ感を付与しているが、比較的多くの固形油を配合する場合において、べたつき感のある使用感となる場合があった。 特許文献2の技術では、配合されるステアリン酸ステアリル等による即時的なハリ感を得ることは可能であるが、配合量によっては、固体油特有の適度なハリ感となりにくい場合や、ハリ感の持続性に優れない場合があった。 特許文献3の技術では、油溶性皮膜形成剤と揮発性の高い油剤、高級アルコール、高級脂肪酸とN−長鎖アシルアミノ酸系界面活性剤を併用することで持続性のハリ感を付与する場合、揮発性油剤が揮発することによって得られる即時性のハリ感はその揮発スピードが速すぎることによって強固な膜が形成されてしまい、使用感が満足のいくものではなかった。以上のような従来技術における課題等を勘案して、本発明においては、べたつきがなく、肌にハリ感を与え、さらにハリ感が持続するものであって、経時安定性も良好である水中油型乳化化粧料において開発することを目指した。 上記実情に鑑み、本発明者は鋭意研究の結果、肌へのハリ感を与えるものとして油剤が重要であることを見出し、なかでもミツロウが特に肌に対して適度なハリ感を付与するということ知見を見出した。そこでこの特徴を用いた技術として、特定量のミツロウを含有する技術を開発することとしたが、含有量によっては、ミツロウが製剤中で析出する場合があった。そこでミツロウを含有しても製剤安定性を向上させる必要があり、その組合わせる成分としてミツロウと相溶して安定性を向上させることが可能なものとして種々検討した結果、不飽和脂肪酸の構造を有する油剤が好ましいことを見出し、なかでも、不飽和脂肪酸と、コレステロール又はフィトステロールとのエステルを含有させることにより、ミツロウの析出が抑制されるだけでなく、驚くべきことに不飽和脂肪酸と、コレステロール又はフィトステロールとのエステルが元来有していたべたつき等も同時に解消させることが可能となることがわかった。そして、これらの成分を含有する水中油型乳化化粧料とすることにより、特定量のミツロウを含有する場合にも、経時安定性を向上させることがを可能となり、本発明を完成させるに至った。 すなわち本発明は、次の成分(A)、(B);(A)不飽和脂肪酸と、コレステロール又はフィトステロールとのエステル(B)ミツロウ 1〜10質量%を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料に関するものである。 成分(A)と成分(B)の含有質量割合B/Aが、=0.4〜20であることを特徴とする水中油型乳化化粧料に関するものである。 さらに、成分(C)オレイン酸と一価の脂肪族アルコールとのエステルを含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料に関するものである。 さらに成分(D)としてリン脂質を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料に関するものである。 25℃での粘度が2000mPa・s以下の油が、水中油型乳化化粧料における全油量に対して50質量%以下であることを特徴とする水中油型乳化化粧料に関するものである。 本発明の水中油型乳化化粧料は、べたつきがなく、肌にハリ感を付与し、そのハリ感の持続性に優れ、さらには経時安定性に優れるものである。 以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に具体的に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。 本発明に用いられる成分(A)は、不飽和脂肪酸と、コレステロール又はフィトステロールとのエステルであり、本発明においては、おもにハリ感の持続性に効果が期待できるものである。 前記不飽和脂肪酸の炭素数は、特に限定されるものではなく、脂肪酸組成における不飽和基の数や位置は、いずれであってもよい。また脂肪酸を構成する炭素数としても特に限定されるものではないが、好ましくは8〜30、より好ましくは8〜22である。前記不飽和脂肪酸としては、例えば、ラノリン脂肪酸、リシノール酸、オレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、リノール酸等から選ばれる1種又は2種以上のものが挙げられる。また脂肪酸は合成されたものでも、天然由来のものでもいずれにおいても用いることができる。なお天然由来のものとしては、混合脂肪酸が多いが、例えば、マカデミアナッツ油脂肪酸、ナタネ油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸、オリーブ油脂肪酸等の植物性油脂等が挙げられる。 このような成分(B)の不飽和脂肪酸コレステロールエステルとして、例えば、ラノリン脂肪酸コレステリル、リシノール酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、オレイン酸ジヒドロコレステリル、マカデミアナッツ脂肪酸コレステリル等が挙げられる。この例示のうち、一種又は二種以上を用いることができる。 このような成分(B)の不飽和脂肪酸フィトテロールエステルとして、例えば、ラノリン脂肪酸フィトステリル、リシノール酸フィトステリル、オレイン酸フィトステリル、オレイン酸ジヒドロフィトステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)等が挙げられる。この例示のうち、一種又は二種以上を用いることができる。 前記不飽和脂肪酸コレステロールエステルまたは不飽和脂肪酸フィトテロールエステルは、含有することによりハリ感持続性の向上が期待できる成分である。中でもマカデミアンナッツ油脂肪酸コレステリル、オレイン酸フィトステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリルであると、良好なハリ感及び経時安定性に優れるため好ましい。 成分(A)の市販品の例としては、YOFCO MAC(日本精化社製)、PLANDOOL-MAS(日本精化社製)、ライステロールエステル(築野ライスファインケミカルズ社製)等が挙げられる。 本発明の水中油型乳化化粧料に用いられる成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、肌のハリ感の持続性だけでなく、経時安定性などの点を考慮すると、好ましくは0.01〜20質量%(以下、単に「%」と記す)であり、より好ましくは0.1〜10%であり、さらに好ましくは、1〜5%である。 本発明に用いられる成分(B)のミツロウは、ミツバチの巣から得られた蝋であるが、具体的には、ミツバチの巣から蜂蜜を取り除いた残渣より、加圧圧搾や溶媒抽出等により採取されるものである。該ミツロウを漂白精製したサラシミツロウとして用いることもできる。ミツロウは、オウロウとも呼ばれるものであり、主成分は、パルミチン酸ミリシル、セロチン酸ミリシル等である。得られる条件(時期、場所、ミツバチの種、採取方法等)によって、融点が異なるものであるが、概ね60〜68℃のものである。このような成分(B)の市販品の例としては、例えばWHITE BEES WAXS(三木化学社製)、ビーズワックス S(クローダジャパン社製)、精製ミツロウCY−100(横関油脂工業社製)、BEESWAX WHITE GRANULES ORGANIC(Kyoto Natural Factory社製)等がある。 本発明の水中油型乳化化粧料に用いられる成分(B)の含有量は、化粧料塗布直後の肌にハリ感を付与させるために、1〜10%であり、2〜5%がより好ましい。 成分(B)は含有することにより、肌にハリ感を付与することが期待されるが、この含有量が10%より多くなると、肌のハリ感が硬くなり不自然に感じる場合がある。加えて、成分(B)は、融点の高い固形脂であるため、析出する可能性があり、使用感に問題が生じる場合がある。また、1%より少なくなると、十分なハリ感の効果が得られないことがある。 一方、既述した成分(A)の含有量は、特に限定されるものではないが、化粧料塗布時に、肌にべたつきを感じる場合がある。しかしながら、成分(A)と成分(B)を特定比率で含有させることにより、成分(A)によるべたつき及び、成分(B)による硬いハリ感を軽減し、肌がべたつかず適度に柔らかいハリ感を長時間付与させることができるだけでなく、成分(B)が水中油型乳化化粧料中に析出することなく、経時安定性が良好となる。 このような成分(A)と成分(B)の含有質量割合B/Aとしては、好ましくは0.4〜20であり、1〜5であるとより好ましい。 本発明に用いられる成分(C)のオレイン酸と一価の脂肪族アルコールとのエステルは、本発明においては、おもにべたつき感のなさを向上させる効果がある。一価の脂肪族アルコールについては特に限定されるものではないが、特にべたつき感のないものとして、炭素数は好ましくは1〜20、特に好ましくは1〜8である。具体的には、オレイン酸エチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸オレイル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることが出来る。 成分(C)の市販品の例としては、CLEARBRIGHT E−81S(日油社製)、SR CRODAMOL OO(クローダジャパン社製)等がある。 本発明にはさらに肌のハリ感とべたつき感のなさを向上させるために、成分(D)リン脂質を含有することが好ましい。リン脂質は生体由来脂質であり、生体適合性、皮膚の保湿性、皮膚を保護する性質を有することから化粧料原料として使われているものであれば特に限定されるものではない。なお、本発明においては、リン脂質は、水中油型乳化化粧料の乳化剤として使用することも可能である。成分(D)は、前記成分(A)、(B)の肌へのハリ感効果に加えて、成分(D)としてのハリ感付与効果も期待できることから特に好ましいものとすることができる。 このようなリン脂質としては、特に記載した場合を除き、グリセリン又はスフィンゴシンを中心骨格として脂肪酸とリン酸が結合し、さらにリン酸にアルコールがエステル結合した構造をもつものをいう。リン脂質を構成する脂肪酸としては、炭素数7〜22の飽和及び不飽和カルボン酸が挙げられる。リン脂質を構成するアルコールとしては、窒素が含まれることが多く、このような例としては、コリン、エタノールアミン、イノシトール、セリン等がある。本発明には、天然の大豆や卵黄から抽出した大豆レシチン、卵黄レシチン及び/又はこれらを水素添加した水素添加レシチン、水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチンや合成リン脂質など、一般にリン脂質として知られるものが使用できる。より詳細には、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジン酸、及びホスファチジルイノシトール等を好ましく用いることができる。これらの中から、一種又は二種以上を用いることができる。例えば水素添加大豆リン脂質、水素添加卵黄リン脂質、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリン等が挙げられ、リン脂質より脂肪酸基が一つ外れたリゾリン脂質でも良く、これを水素添加した水素添加リゾリン脂質であってもよい。市販品の水素添加リン脂質の例としてはレシノール S−10、レシノール S−10E、レシノール S−10M、レシノール S−10EX、レシノール S−PIE(日光ケミカルズ社製)、COATSOME NC−21(NOF社製)、Phospholipon100H、Phospholipon90H、Phospholipon80H、Phospholipon90G(Phospholipid社製)等がある。水素添加リゾリン脂質の例としては、LP70H(日本精化社製)、SLP−ホワイトリゾH、SLP−LPC 70H(辻製油社製)等がある。 本発明の水中油型乳化化粧料に用いられる成分(D)の含有量は、塗布時のべたつきの軽減の点や、水中油型乳化化粧料における効果の点から、0.5〜5%であり、1〜3%がより好ましい。 本発明の水中油型乳化化粧料は、上記必須成分を含有してなるものであるが、これらの成分以外にもさらに化粧料の経時安定性を向上させるものとして、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することが好ましい。ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、汎用されている非イオン型の界面活性剤で、酸化エチレンの付加モル数の違いによりいくつかの種類が存在するが、本発明においては、特にその酸化エチレン付加モル数を限定するものではなく、通常5〜100モルの酸化エチレンを付加させたものであればよく、より好ましくは、10〜60モルの酸化エチレンを付加させたものであり、さらには20〜40モルの酸化エチレンを付加させたものが好ましい。 本発明の水中油型乳化化粧料は、油性成分として、上記(A)〜(C)を含有することを特徴としているものであり、ハリ感の効果や、ハリ感の効果を持続させるためには、25℃での粘度が2000mPa・s以下の油が、水中油型乳化化粧料における全油量に対して50質量%以下であることが好ましい。なおここでいう粘度は、25℃恒温槽に24時間放置したものを単一円筒回転式粘度計(芝浦システム社製)を用いて、3号ローターで1分間に6回転の速さで1分間回転させた際に測定した値を意味する。このような範囲にすることで、さらに肌にハリ感を付与することができる。 本発明は水中油型乳化化粧料であり、水を含むものである。ここで水は、本発明の水中油型乳化化粧料の分散媒体として用いられるものであり、通常化粧料に用いられるものであれば特に限定されないが、例えば精製水、蒸留水、イオン交換水、水道水等があげられる。特に限定されるものではないが、含有量としては、水中油型乳化化粧料において20〜60%がより好ましい。 本発明の水中油型乳化化粧料には、上記した必須成分の他に通常の化粧料に使用される成分、例えば、水溶性高分子、アルコール類、水等の水性成分、界面活性剤、紫外線吸収剤、保湿剤、酸化防止剤、美容成分、防腐剤、香料等を本発明の効果を損なわない範囲で適宜含有することができる。 本発明の水中油型乳化化粧料の製造方法は、特に限定されるものではないが、成分(A)〜(D)および必要に応じて他の添加剤等を混合したものに、水と必要に応じて任意成分を混合したものを添加し、乳化させて得ることができる。 本発明の水中油型乳化化粧料は、特に限定されないが、形状として液状、ゲル状、乳液状、クリーム状、半固形状、固形状のものが挙げられる。また、製品形態としては、洗顔フォーム、洗顔クリーム、クレンジング、マッサージ料、パック、化粧水、乳液、クリーム、美容液、化粧下地、日焼け止めなどの皮膚用化粧料、ファンデーション、白粉、アイシャドウ、アイライナー、マスカラ、アイブロウ、コンシーラー、口紅、リップクリーム等の仕上げ用化粧料、ヘアミスト、シャンプー、リンス、トリートメント、ヘアトニック、ヘアクリーム、ポマード、チック、液体整髪料、セットローション、ヘアスプレー等の頭髪用化粧料などを例示することができる。この中でも、肌にハリを与える効果を実感しやすいという点から、顔に塗布する乳液が本発明の効果が発揮されやすい水中油型乳化化粧料である。またその使用方法としては、手に適量取って使用する方法、不織布等に含浸させて使用する方法等が挙げられる。 このようにして得られた本発明の水中油型乳化化粧料は、べたつきがなく、肌にハリ感を付与し、さらにはハリ感の持続性にも優れ、経時安定性も良好であるという特徴がある。 以下に実施例をあげて本発明を詳細に説明する。尚、これらは本発明を何ら限定するものではない。 本発明品1〜19および比較品1〜7:水中油型乳化化粧料(乳液) 表1〜4に示す組成および下記製造方法にて乳液を調整した。化粧品評価専門パネル20名により、各試料を適量顔に塗布した後、べたつき感のなさ、肌のハリ感(塗布直後)、肌のハリ感持続性(塗布5時間後)の各項目について、以下に示す評価基準により評価判定し、結果を併せて表1〜4に示した。また、経時安定性についても、下に示す評価基準により、評価判定し、結果を併せて表1〜4に示した。(製造方法)A:成分(1)〜(19)を室温にて均一に混合し、70℃に加熱する。B:成分(20)〜(21)を70℃に加熱し、Aに添加し乳化する。C:Bを冷却した後に成分(22)〜(25)を添加混合し、乳液を得た。専門評価者20名に、本発明品1〜19および比較品1〜7の各試料を塗布し、(1)使用中のべたつきのなさ、(2)肌のハリ感(塗布直後)及び(3)ハリ感の持続性(塗布5時間後)について、アンケートを行い、以下の基準で評価した。(1:使用中のべたつきのなさ)(a)4段階評価基準(評価) ◎:塗布後の肌に、べたつき感がないと答えた評価者が16名以上。 ○:塗布後の肌に、べたつき感がないと答えた評価者が12〜15名。 △:塗布後の肌に、べたつき感がないと答えた評価者が8〜11名。 ×:塗布後の肌に、べたつき感がないと答えた評価者が7名以下。(2:肌のハリ感(塗布直後))(b)4段階評価基準(評価) ◎:塗布後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が16名以上。 ○:塗布後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が12〜15名。 △:塗布後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が8〜11名。 ×:塗布後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が7名以下。(3:ハリ感の持続性(塗布5時間後))(c)4段階評価基準(評価) ◎:塗布5時間経過後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が16名以上。 ○:塗布5時間経過後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が12〜15名。 △:塗布5時間経過後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が8〜11名。 ×:塗布5時間経過後の肌に、ハリ感があると答えた評価者が7名以下。(4:経時安定性)調製した試料の経時安定性の評価については、5℃の恒温槽に1ヶ月保管した各試料を、倍率100倍、露光時間1/200sにて正立型顕微鏡(オリンパス社製)を用いて偏光下にて観察した。偏光下では、ミツロウが水中油型乳化化粧料中に析出した場合、白色の光輝物として観察されるので、ミツロウの析出の有無を、以下の4段階判定基準に従って評価した。なお、比較品4及び5については、ミツロウの比較成分での評価結果である。(d)4段階評価基準(評価) ◎:白色の光輝物が全く観察されない。 ○:不明瞭な白色の光輝物がわずかに観察される。 △:不明瞭な白色の光輝物が全体に観察される(結晶光輝物はない)。 ×:明瞭な白色の結晶光輝物が観察される。本発明品1〜19の水中油型乳化化粧料は、べたつきがなく、肌のハリ感(塗布直後)、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定性にも優れるものであった。これに対して、成分(A)を含有しない比較品1では、肌のハリ感(塗布直後)、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定性において、劣るものとなった。また成分(B)を含有しない比較品2は、使用中にべたつきを生じ、肌のハリ感(塗布直後)及びハリ感の持続性(塗布5時間後)の評価が低かった。これらの結果から、本発明において成分(A)、成分(B)は必須の成分であり、このどちらかが欠けても発明の効果が得られないことが示された。さらに成分(A)の代わりにワセリンを増量した比較品3においては、使用中のべたつきが生じ、かつ肌のハリ感(塗布直後)、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定性で劣るものであった。また、成分(B)と融点が近い成分であるキャンデリラロウやコメヌカロウを含有した比較品4、5は、使用中のべたつきのなさ、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定性で劣るものとなった。これは、成分(B)が成分(A)のべたつきを軽減し、ハリ感(塗布直後)及びハリ感の持続性(塗布5時間後)を良好にするが、ミツロウと融点が類似している他の固形油では、本発明の効果が得られないことが示された。成分(B)量が少ない比較品6では、べたつきのなさ、肌のハリ感(塗布直後)において、発明品より劣るものとなった。これは成分(B)の含有量が少ないと、成分(A)のべたつきのなさを改善できず、また肌のハリ感(塗布直後)においても不十分なものになることによる。また、成分(B)量が多い比較品7では、肌のハリ感(塗布直後)は、優れたものとなったが、べたつきのなさ、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定性において、発明品より劣るものとなった。これは成分(B)の含有量が多いと、肌のハリ感(塗布直後)は良好となるが、成分(B)による使用中のべたつきが生じ、ハリ感の持続性及び経時安定性が劣ることによる。すなわち本結果から、成分(B)は特定の含有量が必要であることが示された。実施例2:水中油型乳化化粧料(目元用クリーム)(成分) (%)1.水添レシチン 22.ポリオキシエチレン(20)硬化ヒマシ油 0.53.濃グリセリン 104.1,3−ブチレングリコール 55.オレイン酸フィトステリル 16.ミツロウ(融点62℃) 27.オレイン酸エチル 38.水添ポリイソブテン 29.流動パラフィン 110.オリーブ油 311.精製水 残量12.シラカバエキス 0.113.ビャクダンエキス 0.114.カルボキシビニルポリマー 115.水酸化ナトリウム 0.3516.アルカリゲネス多糖体 0.0117.ポリビニルアルコール 4(製造方法)A:成分(1)〜(10)を室温にて均一に混合し、70℃に加熱する。B:成分(11)を70℃に加熱し、Aに添加し乳化する。C:Cを40℃まで冷却した後に成分(12)〜(17)を添加し目元用クリームを得た。 実施例2の目元用クリームは、べたつきがなく、肌のハリ感(塗布直後)、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定のいずれの項目においても優れるものであった。実施例3:水中油型乳化化粧料(マッサージクリーム)(成分) (%)1.水添レシチン 22.ジグリセリン 103.マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 14.オレイン酸オレイル 55.ミツロウ(融点63℃) 26.流動パラフィン 27.メドゥフォーム油 28.精製水 残量9.アルキル変性カルボキシビニルポリマー 110.トリエタノールアミン 適量11.1,3−ブチレングリコール 512.ヒアルロン酸 0.113.加水分解コラーゲン 0.114.ムコ多糖 0.115.チョウジエキス 0.1(製造方法)A:成分(1)〜(7)を室温にて均一に混合し、70℃に加熱する。B:成分(8)〜(11)を70℃に加熱し、Aに添加し乳化する。C:Cを40℃まで冷却した後に成分(12)〜(15)を添加しマッサージクリームを得た。実施例3のマッサージクリームは、べたつきがなく、肌のハリ感(塗布直後)、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定のいづれの項目においても優れるものであった。実施例4:水中油型乳化化粧料(日焼け止めクリーム)(成分) (%)1.水添レシチン 22.濃グリセリン 103.1,3−ブチレングリコール 53.マカデミアナッツ脂肪酸フィトステリル 14.ミツロウ(融点65℃) 1.55.オレイン酸エチル 16.メトキシケイ皮酸エチルヘキシル 76.テトライソステアリン酸ジグリセリル 57.ジメチルポリシロキサン(*2) 28.スクワラン 89.精製水 残量10.アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 (*1) 111.トリエタノールアミン 適量12.カラギーナン 1(*2)SH200C FLUID 6CS(東レ・ダウコーニング社製)(製造方法)A:成分(1)〜(8)を室温にて均一に混合し、70℃に加熱する。B:成分(9)〜(11)を70℃に加熱し、Aに添加し乳化する。C:Cを40℃まで冷却した後に成分(12)を添加し日焼け止めクリームを得た。実施例4の日焼け止めクリームは、べたつきがなく、肌のハリ感(塗布直後)、ハリ感の持続性(塗布5時間後)及び経時安定のいずれの項目においても優れるものであった。(A)不飽和脂肪酸と、コレステロール又はフィトステロールとのエステル(B)ミツロウ 1〜10質量%を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料。成分(A)と成分(B)の含有質量割合が、B/A=0.4〜20であることを特徴とする請求項1記載の水中油型乳化化粧料。さらに、成分(C)オレイン酸と一価の脂肪族アルコールとのエステルを含有することを特徴とする請求項1又は2のいずれかの項記載の水中油型乳化化粧料。さらに成分(D)としてリン脂質を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの項記載の水中油型乳化化粧料。25℃での粘度が2000mPa・s以下の油が、水中油型乳化化粧料における全油量に対して50質量%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの項記載の水中油型乳化化粧料。 【課題】 べたつきがなく、肌にハリ感を付与し、そのハリ感の持続性に優れ、さらには経時安定性に優れることを特徴とする水中油型乳化化粧料に関する。【解決手段】次の成分(A)及び(B);(A)コレステロール又はフィトステロールと、不飽和脂肪酸とのエステル(B)ミツロウ 1〜10質量%を含有することを特徴とする水中油型乳化化粧料であることを特徴とする水中油型乳化化粧料。【選択図】なし