生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_下部尿路疾患治療剤
出願番号:2013208646
年次:2015
IPC分類:A61K 31/4704,A61P 13/02,A61P 13/10,A61P 13/08,A61K 9/08


特許情報キャッシュ

上田 朋宏 舟橋 康人 JP 2015071569 公開特許公報(A) 20150416 2013208646 20131003 下部尿路疾患治療剤 株式会社N.M.A 512028976 高橋 剛 100096758 高橋 雅和 100114845 高橋 友和 100148781 上田 朋宏 舟橋 康人 A61K 31/4704 20060101AFI20150320BHJP A61P 13/02 20060101ALI20150320BHJP A61P 13/10 20060101ALI20150320BHJP A61P 13/08 20060101ALI20150320BHJP A61K 9/08 20060101ALI20150320BHJP JPA61K31/4704A61P13/02A61P13/10A61P13/08A61K9/08 5 2 OL 11 特許法第30条第2項適用申請有り 平成25年8月1日 http://www.ics.org/Abstracts/Publish/180/000145.pdf 平成25年8月1日 インターナショナル コンティネンス ソサエティ 2013バルセロナ プログラムブック 平成25年8月29日 インターナショナル コンティネンス ソサエティ 2013バルセロナ シーシーアイビー センター コンヴェンションズ インターナショナル デ バルセロナ 平成25年8月28日 http://nbs20.umin.jp/program_oral.pdf 平成25年8月28日 第20回日本排尿機能学会プログラム・抄録集 日本排尿機能学会発行 平成25年9月21日 第20回日本排尿機能学会 静岡県コンベンションアーツセンター 4C076 4C086 4C076AA12 4C076BB11 4C076CC17 4C086AA01 4C086AA02 4C086BC28 4C086MA01 4C086MA04 4C086MA17 4C086MA66 4C086NA14 4C086ZA81本発明は、下部尿路疾患、特に間質性膀胱炎の治療剤に関する。 下部尿路障害は下部尿路機能に関する異常の総称であり、下部尿路障害に起因する症状である下部尿路症状は、主に蓄尿症状(頻尿や尿意切迫感など)、排尿症状(尿勢低下や尿線分割など)、及び排尿後症状(残尿感や排尿後尿滴下など)の3種類に大別される。また、下部尿路症状には排尿痛、膀胱痛、及び尿道痛などの下部尿路痛、排尿筋過活動、及び排尿困難などが含まれ、下部尿路障害に際して血尿が認められることがある。下部尿路障害の原因となる疾患(下部尿路疾患)としては、前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺症、膀胱頸部硬化症、過活動膀胱、慢性膀胱炎、間質性膀胱炎、膀胱痛症候群などが挙げられる。 これらのうち、特に間質性膀胱炎(Interstitial Cystitis)は、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱不快感及び膀胱痛などの症状を呈する、尿路感染症や他の明らかな病的状態が認められない難治性疾患である。女性により多く発症するが、性別・年齢を問わず発症し、患者数は我国では25万人以上、米国では100万人以上と推定されている。しかし、間質性膀胱炎の定義や診断基準に関しては未だ世界的な統一された見解が示されておらず、膀胱痛症候群(Bladder pain syndrome:BPS)、過敏性膀胱症(Hypersensitive bladder syndrome :HBS)といわれることもある。また、非感染性慢性前立腺炎(chronic nonbacterial prostatitis)は、前立腺の炎症が慢性的に続いている状態で、慢性前立腺炎の90%を占める疾患である。間質性膀胱炎と併発することが多く、陰嚢部などの鈍痛や不快感、また頻尿、排尿時痛、残尿感などの排尿症状である。射精前後に痛みの症状を呈する等、間質性膀胱炎に類似している。非感染性慢性前立腺炎の患者は男性に限定されるが、間質性膀胱炎よりも患者数は多く、70〜100万人といわれている。間質性膀胱炎や非細菌性慢性膀胱炎の原因としては、肥満細胞の活性化、グリコサミノグリカン層異常、尿路上皮における細胞増殖阻害、自己免疫、神経原性炎症、一酸化窒素代謝、毒性物質、低酸素状態などが考えられているが、明確な原因は未だ特定されていない。間質性膀胱炎では膀胱の非特異的な慢性炎症を伴うことが多いが、ステロイド等の抗炎症剤は本疾患及び本疾患の動物モデルに有効性を示さないことから、炎症そのものが本疾患における頻尿などの症状を引き起こしているのではないと考えられている。これら疾患の原因が未だ不明であることから治療薬の開発を困難としている。現在治療に用いられている薬物としては、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、シメチジン、抗生物質、ステロイド、ペントサン・ポリサルフェートなどがあるが、いずれも対症療法であり、有効な治療方法とはなっていない。唯一原因療法として期待されるものにトシル酸スプラタストがあるが、その効果は未だ十分ではない。このように、間質性膀胱炎は他の膀胱炎等と異なり、抗生物質や抗菌剤を使用しても効果がない。間質性膀胱炎は大変な激痛を伴うにもかかわらず、現時点で有用な治療薬がない状況であり、最終的に膀胱摘出を行わざるを得ない症例も存在する。そのため、多くの患者がこれらの症状で日常生活が著しく障害されたままとなっている。なお、間質性膀胱炎は診断自体も難しく、かつ激痛を伴うものであったため、本発明者は、間質性膀胱炎の患者の負担を軽減すべく、電流知覚閾値検査装置(CPT装置)に接続されて使用され、尿道に挿入されて膀胱内を診断可能な間質性膀胱炎診断用カテーテル(特許文献1)、間質性膀胱炎を診断する方法(特許文献2)、間質性膀胱炎の診断に使用される尿道保護器具(特許文献3)などを発明してきた。しかし、上述の通り、有用な治療薬が存在しない。米国特許第7,338,480号公報米国特許第8,010,185号公報特許第5175988号 そこで、本発明の課題は、下部尿路障害、特に間質性膀胱炎に効果のある新たな治療薬及び治療方法を提供することを目的とする。上記課題を解決するため、本発明の下部尿路疾患治療剤は、有効成分がレバミピドであることからなる。また、有効成分が2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸またはその塩であることからなる。さらに、本発明の製剤は、2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸またはその塩および膀胱用製剤担体を含有することからなる。好ましくは、製剤が液状又は懸濁状の製剤、又は注射剤であることからなる。さらに、本発明は間質性膀胱炎治療剤を製造するためのレバミピドまたはその医薬的に許容される塩の使用、間質性膀胱炎の治療に使用するためのレバミピドまたはその医薬的に許容される塩、間質性膀胱炎の患者に、治療上の有効量のレバミピドまたはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする間質性膀胱炎の治療方法を含む。さらに、本発明は間質性膀胱炎以外の下部尿路障害にも有用な治療薬及び治療方法を含む。すなわち、本発明者等は、鋭意研究の結果、現在胃潰瘍や点眼薬として使用されているレバミピドが下部尿路疾患、特に間質性膀胱炎の治療に効果があること、及び他の膀胱炎の治療に有効であることを発見し、本発明を完成させたものである。レバミピド(rebamipide)は、下記式(I)[式中、Rはハロゲン原子を意味し、該カルボスチリル骨格上の置換位置は3位または4位であり、またカルボスチリル骨格の3位と4位間の結合は1重結合または2重結合を示す]で示されるカルボスチリル誘導体であって、2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸の一般名である。そして、レバミピドは、胃潰瘍や急性胃炎に有用な錠剤として、またドライアイの自覚症状の改善に有用な点眼薬として利用され既に販売されている(WO97/13515など)。上記レバミピドの医薬的に許容される塩としては、生理的または薬学的に許容される種々の塩が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トロメタモール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、メグルミン等と共に形成した塩が挙げられる。本発明の治療薬は、レバミピドまたはその塩を有効成分とし、一般的な医薬製剤の形態に調製される。例えば、通常使用される充填剤、増量剤、結合剤、付湿剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤などの希釈剤あるいは賦形剤を用いて調製される。この医薬製剤の形態としては、液剤、注射剤、懸濁剤、錠剤、散剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、エアロゾール剤など公知の様々な形態が挙げられるが、下部尿路疾患、特に間質性膀胱炎の治療にあたっては膀胱に直接注入することが好ましいために、液剤、懸濁剤、又は注射剤の形態であることが望ましい。注射剤として調製される場合には、液剤、乳剤または懸濁剤として調製される。通常の注射剤と同様に殺菌されて無菌化され、かつ血液と等張であるのが好ましい。液剤、乳剤および懸濁剤の形態に関して使用される希釈剤としては、一般的に公知又は慣用されているものを使用できる。例えば水、エトキシ化イソステアリルアルコール、エチルアルコール、プロピレングリコール、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類などを使用できる。また、食塩、ブドウ糖、グリセリンを使用して等張性の溶液を調製しても良い。また、必要であれば溶解補助剤、緩衝剤、無痛化剤、保存剤、着色剤などを使用することが可能である。溶解補助剤は、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレングリコールエーテル類、ポリエチレングリコール高級脂肪酸エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレン脂肪酸エステルなどである。緩衝剤は、例えばリン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、硼酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、イプシロンアミノカプロン酸、グルタミン酸ナトリウムなどである。抗酸化剤は、例えば亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸などである。防腐剤は、例えばクロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、フェニル水銀塩、チメロサル、フェネチルアルコール、メチルパラベン、プロピルパラベンなどである。等張化剤は、例えば食塩、ブドウ糖、D−マンニトール、グリセリンなどである。溶解剤は、N−メチルグルカミンなどである。pH調整剤は、例えば水酸化ナトリウム、塩酸などである。本発明は、懸濁液(点眼薬)として市販されている形態を使用することが可能である。懸濁液(点眼薬)は、レバミピドを滅菌蒸留水など基剤と混合し、滅菌処理して製造される。また、公知又は慣用されている溶解補助剤、緩衝剤、防腐剤、等張化剤、pH調整剤などが必要に応じて配合される。市販されている具体的な形態としては、有効成分として1ml中にレバミピドを20mg含む。また、ポリビニルアルコール(部分けん化物)、クエン酸ナトリウム水和物、塩化ナトリウム[等張化剤]、塩化カリウム[等張化剤]、塩酸[pH調整剤]、水酸化ナトリウム[pH調整剤]、精製水を添加物として含み、pHは5.5〜6.5、浸透圧比は0.9〜1.1(生理食塩液に対する比)である。このような懸濁液(例えば、20ml程度)を、患者の膀胱の状況などに応じて、注射器やカテーテルなどを介して膀胱に必要量注入して使用する。ただし、間質性膀胱炎の治療に効果のある限り、形態、濃度、使用回数、投与量は上記の形態のみに限定されるものではなく、患者の膀胱の状況などに応じて適宜選択することが可能である。実施例1に記載の患者の、治療前の膀胱の写真である。実施例1に記載の患者の、治療後の膀胱の写真である。実施例2に記載の患者の、治療前の膀胱の写真である。実施例2に記載の患者の、治療後の膀胱の写真である。下記実施例の全ての患者は、内視鏡的に間質性膀胱炎と診断され、かつ日本で唯一認可されている膀胱水圧拡張術も無効であり、痛みが持続している患者である。具体的には、4%キシロカイン単剤、又は4%キシロカイン20ml+アミカシン100ml+サクシゾン300mgを注入しても、痛みが持続している患者である。治療の内容は、ムコスタ(登録商標)点眼薬を28本使用し、約8ccを注射器に入れ、カテーテルを使用して膀胱内に注入したものである(1時間以上)。80歳(男性) 平成24年4月9日初診主訴は蓄尿時膀胱痛及び尿道痛、非細菌性慢性前立腺炎を併発某市立病院において膀胱水圧拡張術を行うも再発膀胱痛が強いため、平成25年7月24日及び31日に上記治療を行った。その結果、現在まで痛みが消失。膀胱潰瘍も内視鏡写真で容易に視認できるほど明らかに改善した(図1及び図2)。副作用は見受けられなかった。79歳(女性) 平成24年4月2日初診 平成25年7月26日、29日、30日、31日、8月2日、3日の6回上記治療を行った。その結果、現在まで痛みが消失。膀胱潰瘍も膀胱潰瘍も内視鏡写真で容易に視認できるほど明らかに改善した(図3及び図4)。副作用は見受けられなかった。74歳(男性) 平成24年6月11日初診非細菌性慢性前立腺炎を併発平成25年7月29日に上記治療を行った。その結果、現在まで痛みが消失。副作用は見受けられなかった。以上の通り、これまで難病とされ確かな治療方法が存在しない間質性膀胱炎について、いずれも治療に効果があったことが明白である。さらに、併発していた非細菌性慢性前立腺炎についても治療効果が見受けられた。なお、診断及び膀胱注入にあたっては、上述の本発明者の過去の発明を使用することにより、患者の痛みなく行うことが可能である。したがって、診断から治療まで、患者の負担なく行うことが可能となった。また、治療前には患者に内容を説明するとともに文書で同意を得た。さらに、本発明の膀胱炎への効果についてラット慢性膀胱炎モデルを使用して実験を行った。方法12週齢雌性SDラットを用い、isoflurane麻酔下にcyclophosphamide(150mg/kg)を腹腔内投与し、直後にレバミピド(1mMまたは10mM、300μL)またはvehicleを膀胱注入し、1時間仰臥位を保持した。(1)2日後に覚醒下膀胱内圧測定(生食灌流速度0.04ml/min)を行った。(2)2日後に膀胱を摘出し、H&E染色を行い、炎症の程度をスコア化した。(3)膀胱組織中の炎症性サイトカインであるTNFα、IL-6とIL-1βをRT-PCRにて、炎症マーカーであるMPOをELISAにて計測した。結果(1)膀胱内圧試験ではコントロールに比べ(22.4±2.3 min)、CYP群で排尿間隔の短縮を認め(10.7±0.7 min)、レバミピド群では容量依存的に排尿間隔の延長を認めた(1mM群;14.4±2.1 min、10mM群21.1±2.5 min)。(2)粘膜下の浮腫、炎症細胞の浸潤はCYP群で有意に高く、レバミピド群において有意に軽減された。(3)膀胱組織中のTNFα、IL-6、IL-1β、MPOはCYP群で有意に高く、レバミピド群で上昇が抑制された。結論レバミピドの膀胱注入により膀胱の炎症は抑制され、排尿間隔の延長を認めた。上記のとおり、本発明は間質性膀胱炎のみならず、非細菌性慢性膀胱炎や他の膀胱炎にも有効であり、慢性膀胱炎、前立腺肥大症、前立腺炎、前立腺症、膀胱頸部硬化症、過活動膀胱等を含む下部尿路疾患に有効であると解される。したがって、これら疾患に対する新たな治療薬及び治療方法を提供するものである。有効成分がレバミピドであることを特徴とする下部尿路疾患治療剤。有効成分が2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸またはその塩であることを特徴とする膀胱炎治療剤。慢性膀胱炎、非細菌性慢性前立腺炎、又は間質性膀胱炎の治療剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療剤。2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸またはその塩および膀胱用製剤担体を含有する膀胱に適用する製剤。液状の製剤又は注射剤であることを特徴とする請求項4に記載の製剤。 【課題】下部尿路疾患、特に間質性膀胱炎に効果のある新たな治療薬及び治療方法を提供すること。間質性膀胱炎は、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱不快感及び膀胱痛などの症状を呈し、尿路感染症や他の明らかな病的状態が認められない原因不明の難治性疾患である。【解決手段】下部尿路疾患治療剤の有効成分がレバミピドであることからなる。また、下部尿路疾患治療剤を製造するためのレバミピドまたはその医薬的に許容される塩の使用、間質性膀胱炎の治療に使用するためのレバミピドまたはその医薬的に許容される塩、間質性膀胱炎の患者に、治療上の有効量のレバミピドまたはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする間質性膀胱炎の治療方法を含む。【選択図】図220131119A1633000283上記のとおり、本発明は間質性膀胱炎のみならず、非細菌性慢性膀胱炎や他の膀胱炎にも有効であり、慢性膀胱炎、前立腺肥大症、非細菌性慢性前立腺炎、前立腺炎、前立腺症、膀胱頸部硬化症、過活動膀胱等を含む下部尿路疾患に有効であると解される。したがって、これら疾患に対する新たな治療薬及び治療方法を提供するものである。20131213A16333全文3有効成分がレバミピドであることを特徴とする下部尿路疾患治療剤。有効成分が2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸またはその塩であることを特徴とする膀胱炎治療剤又は前立腺炎治療剤。間質性膀胱炎、慢性膀胱炎、又は非細菌性慢性前立腺炎の治療剤であることを特徴とする請求項1又は2に記載の治療剤。2−(4−クロルベンゾイルアミノ)−3−(2−キノロン−4−イル)プロピオン酸またはその塩および膀胱用製剤担体を含有する膀胱に適用する製剤。液状の製剤又は注射剤であることを特徴とする請求項4に記載の製剤。A1633000033これらのうち、特に間質性膀胱炎(Interstitial Cystitis)は、頻尿、尿意亢進、尿意切迫感、膀胱不快感及び膀胱痛などの症状を呈する、尿路感染症や他の明らかな病的状態が認められない難治性疾患である。女性により多く発症するが、性別・年齢を問わず発症し、患者数は我国では25万人以上、米国では100万人以上と推定されている。しかし、間質性膀胱炎の定義や診断基準に関しては未だ世界的な統一された見解が示されておらず、膀胱痛症候群(Bladder pain syndrome:BPS)、過敏性膀胱症(Hypersensitive bladder syndrome :HBS)といわれることもある。また、非細菌性慢性前立腺炎(chronic nonbacterial prostatitis)は、前立腺の炎症が慢性的に続いている状態で、慢性前立腺炎の90%を占める疾患である。間質性膀胱炎と併発することが多く、陰嚢部などの鈍痛や不快感、また頻尿、排尿時痛、残尿感などの排尿症状である。射精前後に痛みの症状を呈する等、間質性膀胱炎に類似している。非細菌性慢性前立腺炎の患者は男性に限定されるが、間質性膀胱炎よりも患者数は多く、70〜100万人といわれている。A1633000083 そこで、本発明の課題は、下部尿路疾患、特に間質性膀胱炎に効果のある新たな治療薬及び治療方法を提供することを目的とする。A1633000113さらに、本発明は間質性膀胱炎治療剤を製造するためのレバミピドまたはその医薬的に許容される塩の使用、間質性膀胱炎の治療に使用するためのレバミピドまたはその医薬的に許容される塩、間質性膀胱炎の患者に、治療上の有効量のレバミピドまたはその医薬的に許容される塩を投与することを特徴とする間質性膀胱炎の治療方法を含む。さらに、本発明は間質性膀胱炎以外の下部尿路疾患にも有用な治療薬及び治療方法を含む。A1633000123すなわち、本発明者等は、鋭意研究の結果、現在胃潰瘍や点眼薬として使用されているレバミピドが下部尿路疾患、特に間質性膀胱炎の治療に効果があること、及び他の膀胱炎や前立腺炎の治療に有効であることを発見し、本発明を完成させたものである。A1633000283上記のとおり、本発明は間質性膀胱炎のみならず、非細菌性慢性膀胱炎や他の膀胱炎、非細菌性慢性前立腺炎にも有効であり、慢性膀胱炎、前立腺肥大症、非細菌性慢性前立腺炎、前立腺炎、前立腺症、膀胱頸部硬化症、過活動膀胱等を含む下部尿路疾患に有効であると解される。


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