生命科学関連特許情報

タイトル:公開特許公報(A)_抗菌剤、歯周病予防剤及びペット用口腔用組成物
出願番号:2013200093
年次:2015
IPC分類:A61K 36/23,A61P 31/04,A61P 1/02,A61K 47/36,A61K 47/10,A61K 47/14,A61K 47/34


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下津浦 勇雄 窪田 真理 JP 2015067539 公開特許公報(A) 20150413 2013200093 20130926 抗菌剤、歯周病予防剤及びペット用口腔用組成物 ライオン商事株式会社 597036477 小島 隆司 100079304 重松 沙織 100114513 小林 克成 100120721 石川 武史 100124590 正木 克彦 100157831 下津浦 勇雄 窪田 真理 A61K 36/23 20060101AFI20150317BHJP A61P 31/04 20060101ALI20150317BHJP A61P 1/02 20060101ALI20150317BHJP A61K 47/36 20060101ALI20150317BHJP A61K 47/10 20060101ALI20150317BHJP A61K 47/14 20060101ALI20150317BHJP A61K 47/34 20060101ALI20150317BHJP JPA61K35/78 NA61P31/04A61P1/02A61K47/36A61K47/10A61K47/14A61K47/34 6 OL 15 4C076 4C088 4C076AA07 4C076AA09 4C076AA25 4C076AA71 4C076BB01 4C076BB22 4C076BB36 4C076CC16 4C076CC31 4C076DD09 4C076DD26 4C076DD38 4C076DD41R 4C076DD43 4C076DD45R 4C076DD46 4C076DD67 4C076EE23 4C076EE30 4C076EE32 4C076EE36 4C076FF52 4C088AB41 4C088AC05 4C088CA03 4C088MA13 4C088MA28 4C088MA57 4C088NA09 4C088NA14 4C088ZA67 4C088ZB35 4C088ZC61 本発明は、Porphyromonas gulaeに対する抗菌剤、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤、ペット、特にイヌやネコに適用されるペット用口腔用組成物に関するものである。 イヌやネコ等にもヒトと同様に、歯周病等の様々な口腔トラブルが発生している。ヒトとペットでは全く口腔内環境が異なるため、口腔内に存在する細菌叢は異なる。また、嗜好性の悪いものはペットが受け付けず、ペットへの口腔用組成物の使用においては、嗜好性が重要であること、ペットはうがいをせず飲み込むため、高い安全性が求められ、使用方法がヒトは異なる。このため、ヒトの口腔用組成物の技術がそのままペットに応用することができない場合も多い。以上のことから、ペット歯周病等の口腔用トラブルに対処する抗菌剤、歯周病予防剤、さらにペットの嗜好性にも優れる口腔用組成物が望まれていた。特開2007−320926号公報特開2013−67585号公報特開2010−43016号公報 本発明は上記事情に鑑みなされたもので、Porphyromonas gulaeに対する抗菌剤、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤、イヌやネコの歯周病の原因菌に対して優れた抗菌作用を有すると共に、ペットの嗜好性にも優れる口腔用組成物を提供することを目的とする。 近年、イヌやネコの歯周病の原因菌は、ヒトで知られるPorphyromonas gingivalisとは別の種の細菌である、Porphyromonas gulaeであることが判明した。本発明者らは、明日葉抽出物がPorphyromonas gulaeに対して顕著な抗菌作用(生育抑制効果)を有することを知見した。また、明日葉抽出物液はペットの嗜好性に合わないことから、特定のカラギーナン、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸及びその塩から選ばれる1種以上を併用することで、ペットの嗜好性をも満足させ、服用性が向上することで、Porphyromonas gulaeに対する抗菌効果、ペットの歯周病予防効果がより期待できることを知見し、本発明をなすに至ったものである。なお、明日葉抽出物を含有する口腔用組成物としては(特許文献1,2)等が挙げられる。しかしながら、明日葉抽出物が、ヒトの口腔内には存在せず、イヌやネコ等のペットの口腔内に存在するPorphyromonas gulaeに対して抗菌作用を有すること、ペットの歯周病予防に効果を示すことは知られておらず、本発明者らの新知見である。 従って、本発明は下記を提供する。[1].(A)明日葉抽出物を有効成分として含有するPorphyromonas gulaeに対する抗菌剤。[2].(A)明日葉抽出物を有効成分として含有する、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤。[3].[1]記載の抗菌剤又は[2]記載の歯周病予防剤を有効成分として含有するペット用口腔用組成物。[4].さらに、(B)カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸及びその塩から選ばれる1種以上を含有する[3]記載のペット用口腔用組成物。[5].さらに、(C)グリセリン又はプロピレングリコールを含有する[3]又は[4]記載のペット用口腔用組成物。[6].さらに、(D)ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する[3]〜[5]のいずれかに記載のペット用口腔用組成物。 本発明によれば、Porphyromonas gulaeに対する抗菌剤、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤、イヌやネコの歯周病の原因菌に対して優れた抗菌作用を有すると共に、ペットの嗜好性にも優れる口腔用組成物を提供することができる。 以下、本発明について詳細に説明する。 本発明は、(I)(A)明日葉抽出物を有効成分として含有するPorphyromonas gulaeに対する抗菌剤、(II)(A)明日葉抽出物を有効成分として含有する、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤を提供する。 明日葉(セリ科シシウド属)抽出物の、抽出部位、抽出溶媒、抽出方法等特に限定されず、公知の方法が採用できる。また、根、葉、茎を切断した際に出る液を乾燥させて使用することもできる。明日葉抽出物は、後述する試験例の結果からも明らかであるように、Porphyromonas gulaeに対する抗菌作用を有し、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防をすることができる。 明日葉抽出物は、そのまま又は水に希釈する等して使用することができ、その他の成分を配合して製剤化することもできる。(III)口腔用組成物 本発明の(I)Porphyromonas gulaeに対する抗菌剤、又は(II)Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤は、これを含有する口腔用組成物とすることができる。口腔用組成物としては、医薬品、医薬部外品、その他口腔内で用いられるものが含まれる。 抗菌剤又はペットの歯周病予防剤の配合量は、明日葉抽出物(固形分、シクロデキストリン等の固形添加物を含まない純分)として、口腔用組成物中0.0004〜3質量%が好ましく、0.002〜1.5質量%がより好ましい。Porphyromonas gulae対する抗菌効果の点から0.0004質量%以上とすることが好ましく、(A)明日葉抽出物の溶解性の点から、3質量%以下が好ましい。(B)カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸及びその塩 本発明の口腔用組成物には、カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸及びその塩から選ばれる1種以上を配合することが好ましい。これらは2種以上併用することがさらに好ましい。この特定の高分子化合物を(A)明日葉抽出物と組み合わせることで、ペットの嗜好性が向上し、口腔内に組成物をいれても嫌がることなく、本発明の口腔用組成物を容易にペットに適用することができる。 (B)成分の配合量は、口腔用組成物中0.01〜5質量%が好ましく、0.05〜3質量%がより好ましい。嗜好性の点から0.01質量%以上とすることが好ましく、5質量%を超えると、口腔内でべたついて使用性に影響を与えるおそれがある。ジェル、ペースト状の組成物とする場合は0.2〜5質量%が好ましく、スプレー用の組成物とする場合は0.01〜1質量%が好ましく、シート等の含浸液の組成物とする場合は0.01〜2質量%が好ましい。(C)グリセリン又はプロピレングリコール 本発明の口腔用組成物には、グリセリン又はプロピレングリコールをさらに配合することが好ましい。(C)成分を配合することにより、(A)成分の配合安定性が向上する。 (C)成分の配合量は、口腔用組成物中2〜60質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。(A)明日葉抽出物の溶解性の点から2質量%以上が好ましく、嗜好性の点から60質量%以下が好ましい。(D)ポリグリセリン脂肪酸エステル ポリグリセリン脂肪酸エステルを配合することにより、(A)明日葉抽出物を組成物中に溶解して配合し、泡を立てずに口腔内の汚れを洗浄除去することができる。ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、炭素数8〜16、特に10〜14、とりわけ12〜14の脂肪酸と、平均重合度5〜12、とりわけ8〜10のポリグリセリンとのエステルが用いられる。例えば、カプリル酸ポリグリセリル、ラウリン酸ポリグリセリル、ミリスチン酸ポリグリセリル、パルミチン酸ポリグリセリル等が挙げられる。ポリグリセリン脂肪酸エステルは1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。 (D)成分の配合量は、口腔用組成物中0.1〜2質量%が好ましく、0.3〜1質量%がより好ましい。(A)明日葉抽出物の溶解性の点から0.1質量%以上が好ましく、2質量%を超えると使用時に泡立ちが生じ、使用性に影響を与えるおそれがある。 本発明の口腔用組成物には、上記成分の他に、本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせ、常用量を必要に応じて配合することができる。任意成分としては、界面活性剤、研磨剤、結合剤、湿潤剤、香料、酸味料、着色剤、pH調整剤、保存料・防腐剤、有効成分、甘味剤、粘稠剤等が挙げられる。以下に任意成分の具体例を示すが、本発明の組成物に配合可能な成分はこれらに制限されるものではない。 界面活性剤としては、上記(D)ポリグリセリン脂肪酸エステルの他に、通常口腔用組成物に配合されるものであれば特に制限なく使用できる。界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性、両性界面活性剤等が挙げられる。 非イオン界面活性剤として、糖又は糖アルコールの脂肪酸エステルであるショ糖脂肪酸エステル、マルトース脂肪酸エステル、マルチトール脂肪酸エステル、マルトトリイトール脂肪酸エステル、マルトテトレイトール脂肪酸エステル、マルトペンタイトール脂肪酸エステル、マルトヘキサイトール脂肪酸エステル、マルトヘプタイトール、脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ラクトース脂肪酸エステル、ラクチトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロック共重合体、グリセリンエステルのポリオキシエチレンエーテル、アルキロールアミド等が挙げられる。上記脂肪酸は炭素数12〜18のものを用いることが好ましい。アニオン界面活性剤として、N−アシルアミノ酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキル硫酸塩等が挙げられる。具体的には、アルキル鎖の炭素数が10〜16のα−オレフィンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、N−ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、N−パルミトイルグルタミン酸ナトリウム等のN−アシルグルタミン酸ナトリウム、N−ラウロイルサルコシンナトリウム、N−ミリストイルサルコシンナトリウム等のN−アシルサルコシンナトリウム、N−ラウロイルメチルタウリンナトリウム、N−ミリストイルメチルタウリンナトリウム等のN−メチル−N−アシルタウリンナトリウム等が挙げられる。両性界面活性剤としては、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、ラウリルメチルアミノ酢酸ベタイン等が挙げられる。 界面活性剤としては、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤が好ましく、口腔粘膜刺激性等使用感の面から、非イオン界面活性剤が好ましい。特に糖又は糖アルコールの脂肪酸エステルがより好ましい。界面活性剤を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.01〜3質量%が好ましい。 研磨剤としては、結晶性シリカ、非晶性シリカ、シリカゲル、アルミノシリケート等のシリカ系研磨剤、ゼオライト、リン酸水素カルシウム無水和物、リン酸水素カルシウム2水和物、ピロリン酸カルシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、炭酸マグネシウム、第3リン酸マグネシウム、ケイ酸ジルコニウム、第3リン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、第4リン酸カルシウム、合成樹皮系研磨剤等が挙げられる。研磨剤を配合する場合の配合量は、口腔用組成物中1〜40質量%が好ましく、2〜20質量%が好ましい。 結合剤としては、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、キサンタンガム、アラビアガム、グアーガム、ローカストビーンガム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。結合剤を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.01〜2質量%が好ましい。 湿潤剤としては、ソルビット等の糖アルコール、ポリエチレングリコール、エチレングリコール、還元でんぷん糖化物等の1種又は2種以上を使用できる。湿潤剤を配合する場合は、口腔用組成物中5〜40質量%が好ましく、10〜30質量%がより好ましい。 香料としては、天然香料、合成香料等の油脂香料や粉末香料を1種又は2種以上を使用するのが好ましいが、特に限定されない。香料としては、天然香料、合成香料等の油脂香料や粉末香料を1種又は2種以上使用するのが好ましいが、特に限定されない。例えば、天然香料として、マスティック油、パセリ油、アニス油、ユーカリ油、ウィンターグリーン油、カシア油、メントール油、スペアミント油、ペパーミント油、レモン油、コリアンダー油、オレンジ油、マンダリン油、ライム油、ラベンダー油、ローレル油、カモミール油、カルダモン油、キャラウェイ油、ベイ油、レモングラス油、パインニードル油、ネロリ油、ローズ油、ジャスミン油、イリスコンクリート、アブソリュートペパーミント、アブソリュートローズ、オレンジフラワー、シトラス油、ミックスフルーツ油、ストロベリー油、シナモン油、クローブ油、グレープ油等が挙げられる。 単品香料としては、青葉アルコール、カルボン、アネトール、サリチル酸メチル、シンナミックアルデヒド、リナロール、リナリールアセテート、リモネン、メントン、メンチルアセテート、ピネン、オクチルアルデヒド、シトラール、プレゴン、カルビールアセテート、アニスアルデヒド、エチルアセテート、エチルブチレート、アリルシクロヘキサンプロピオネート、メチルアンスラニレート、エチルメチルアンスラニレート、バニリン、ウンデカラクトン、ヘキサナール、エチノンアルコール、プロピルアルコール、ブタノール、イソアミルアルコール、ヘキセノール、ジメチルサルフェイド、シクロテン、フルフラール、トリメチルピラジン、エチルラクテート、エチルリオアセテート等が挙げられる。単品香料及び/又は天然香料も含む調合香料として、ストロベリーフレーバー、アップルフレーバー、バナナフレーバー、パイナップルフレーバー、グレープフレーバー、マンゴーフレーバー、メロンフレーバー、トロピカルフルーツフレーバー、スイカフレーバー、バターフレーバー、ミルクフレーバー、ヨーグルトフレーバー、フルーツミックスフレーバー、ハーブミントフレーバー等が挙げられる。また、香料の形態は、精油、抽出物、固形物、又はこれらを噴霧乾燥した粉体でもよい。香料を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.001〜15質量%が好ましく、0.001〜10質量%がより好ましい。 酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸等の有機酸が挙げられる。酸味料を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.001〜5質量%が好ましい。 着色剤としては、ベニバナ赤色素、クチナシ黄色素、クチナシ青色素、シソ色素、紅麹色素、赤キャベツ色素、ニンジン色素、ハイビスカス色素、カカオ色素、スピルリナ青色素、クマリンド色素等の天然色素や赤色3号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、緑色3号、青色1号等の法定色素、リボフラビン、銅クロロフィンナトリウム、二酸化チタン等が挙げられる。着色剤を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.00001〜3質量%が好ましい。 pH調整剤としては、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸とそのナトリウム塩やカリウム塩、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム等のリン酸塩、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩等が挙げられる。pH調整剤を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.01〜5質量%が好ましい。 保存料・防腐剤としては、安息香酸及びその塩、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン等のパラベン類(パラオキシ安息香酸エステル)、ソルビン酸及びその塩、エチレンジアミン四酢酸塩、塩化ベンザルコニウム等が挙げられる。保存料・防腐剤を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.01〜5質量%が好ましい。 (A)成分以外の有効成分としては、フッ素化合物、クロルヘキシジン、トリクロサン、塩化セチルピリジニウム、グルコン酸亜鉛、クエン酸亜鉛等の殺菌又は抗菌剤、縮合リン酸塩、エタンヒドロキシジホスフォネート等の歯石予防剤、トラネキサム酸、グリチルリチン2カリウム塩、β−グリチルレチン酸、アラントイン等の抗炎症剤、ヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリド等の歯牙コーティング剤、デキストラナーゼ、ムタナーゼ、アミラーゼ、リゾチーム、溶菌酵素、プロテアーゼ、セルラーゼ、グルカナーゼ、リパーゼ、オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、ラッカーゼ等の酵素剤、ラクトフェリン、抗体等の機能性蛋白質、塩化ナトリウム等の収斂剤、硝酸カリウム等の知覚過敏抑制剤、水溶性ポリリン酸塩、アラニン等を本発明の効果を損なわず、薬剤学的に許容できる範囲で使用できる。 甘味剤としては、例えば、ステビア、スクラロース、サッカリン、アスパルテーム、アセスルファムカリウム、ネオヘスペリジンヒドロカルコン、グリチルリチン、ペリラルチン、p−メトキシシンナミックアルデヒド、ソーマチン、甘草等が挙げられる。甘味剤を配合する場合の量は、口腔用組成物中0.001〜3質量%が好ましい。 本発明の組成物が液体製剤の場合は、溶剤として水や、エタノール、プロパノール等の炭素数3以下の低級アルコール等を配合し得る。水の配合量は口腔用組成物中20〜99.9質量%が好ましく、低級アルコールを配合する場合の含有量は1〜20質量%が好ましい。 本発明の口腔用組成物は、(A)成分、(B)成分及び任意成分を混合することにより得ることが出来るが、例えば、(B)成分と、(A)成分及び(C)成分の混合液とを、水等の溶媒に混合して撹拌し、これに(D)成分を練合することにより調製することができる。 口腔用組成物の25℃におけるpHは4.0〜9.0が好ましく、5.0〜8.0がより好ましい。ペースト状の組成物とする場合の25℃におけるpHは5.5〜9.0が好ましく、スプレー用の組成物とする場合は4.5〜8.5が好ましく、シート等の含浸液の組成物とする場合は4.5〜8.5が好ましい。 また、口腔用組成物の25℃における粘度は、使用性の点から、ブルックフィールド型粘度計を用いて測定した場合、1〜50,000mPa・sが好ましく、5〜20,000mPa・sがより好ましい。ジェル、ペースト状の組成物とする場合の25℃における粘度は10〜50,000mPa・sが好ましく、スプレー用の組成物とする場合は1〜1,000mPa・sが好ましく、シート等の含浸液の組成物とする場合は1〜500mPa・sが好ましい。 本発明の口腔用組成物は、ペット、特にイヌ又はネコの口腔内に適用されるものである。使用方法としては、まず歯面、歯茎、歯と歯の間、歯と歯茎の間等に口腔用組成物を塗布する。塗布方法としては、飼育者の指で塗布する方法、歯ブラシ、綿棒、適宜形状のガーゼ、シート、又は歯磨き用の玩具あるいはロープ等の用具を用いて塗布する方法、ノズル等が取り付けられた容器、スプレー等の容器に組成物を充填し、直接塗布する方法等が挙げられる。塗布後に、飼育者の指、上記用具を用いて、歯の表面、歯と歯の間、歯と歯茎の間をこすり磨きして清掃してもよい。なお、上記用具には、塗布・含浸等により、口腔用組成物が予め用具に取り付けられたセットでもよく、塗布直前に用具に口腔用組成物をつけてよい。また、液状組成物を原液もしくは飲用水に混ぜることによって投与することもできる。 本発明の口腔用組成物は、Porphyromonas gulaeに対する抗菌用口腔用組成物、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防用口腔用組成物とすることもできる。 以下、試験例、実施例及び比較例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものではない。なお、特に明記のない限り、組成物の「%」は「質量%」である。 [試験例]〈イヌの歯周病菌Porphyromonas gulaeへの抗菌作用〉試験液の調製:明日葉抽出物(CHALSAP−P8:日本生物.科学研究所、茎抽出物に賦形剤としてシクロデキストリンを全体の70〜80%を含有、なお試験例及び実施例中の明日葉抽出物の量はシクロデキストリンを全体の70〜80%を含む固形分量を記載した)、緑茶抽出物(太陽化学(株)サンフェノン90S)、シクロデキストリン0.1g(対照)を10%エタノール水溶液50mLに溶解して2,000ppm溶液を調製し、評価濃度の2倍の水溶液となるように水に希釈した。 2倍濃度のTHB(Todd Hewitt Broth)に6ppmヘミン及び1ppmメナジオンを添加した培地を、培地:試験液=1:1(体積比)の割合で混合した後に、前日より37℃にて嫌気培養しておいたPorphyromonas gulaeを1%添加し、37℃にて嫌気培養を3日間行った。下記の判定基準で「○」の場合を良好な生育抑制効果とした。なお、菌が生育しなかった最少の濃度を最小生育阻止濃度とした。[判定基準]○:菌の生育が認められなかった×:菌の生育が認められた 上記結果からも明らかであるように、抗菌剤として公知の緑茶抽出物は、イヌの歯周病菌Porphyromonas gulaeへの抗菌作用が不十分であるのに対し、本発明の明日葉抽出物は優れた抗菌作用を有していた。〈イヌの歯周病菌Porphyromonas gulaeへの抗菌作用〉試験液の調製:下記組成の口腔用組成物を10%エタノール水溶液50mLに溶解して2,000ppm溶液を調製し、40ppm(0.004%)の水溶液となるように水に希釈した。 2倍濃度のTHB(Todd Hewitt Broth)に6ppmヘミン及び1ppmメナジオンを添加した培地を、培地:試験液=1:1(体積比)の割合で混合した後に、前日より37℃にて嫌気培養しておいたPorphyromonas gulaeを1%添加し、37℃にて嫌気培養を3日間行った。下記の判定基準で「○」の場合を良好な生育抑制効果(抗菌作用)とした。なお、菌が生育しなかった最少の濃度を最小生育阻止濃度とした。[判定基準]○:菌の生育が認められなかった×:菌の生育が認められた 明日葉抽出物とアルギン酸ナトリウム、ペクチン、カラギーナン、ジェランガムと併用した場合にも、Porphyromonas gulaeへの抗菌作用が発揮されることを確認した。 [実施例1〜16、比較例1,2] (B)成分又はカルボキシメチルセルロースと、(A)明日葉抽出物及び(C)グリセリン及び/又はプロピレングリコールの混合液とを、水に混合して10分間撹拌した後に、(D)ポリグリセリン脂肪酸エステルを5分間練合することにより、下記表に示す組成の口腔用組成物5kg調製した。得られた組成物について下記評価を行った。結果を表中に併記する。[嗜好性] イヌの飼い主が、飼いイヌの口腔内(左右の頬側の奥歯)に、1日2回組成物を塗布した後に、飼い主がイヌを観察した。1日目に比較例1の組成物で試験した後、2日目以降に比較例2及び実施例の組成物を1日に付き1種類評価した。評価は、比較例1塗布後と比較して下記の基準で評価した。10名の評点の平均から、下記判定の基準で「○」又は「◎」の場合を良好な嗜好性と判定した。〈基準〉4点:嗜好性が非常に優れていた3点:嗜好性がやや優れていた2点:嗜好性が同じレベルであった1点:嗜好性が悪かった〈判定基準〉◎:平均点が3.5点以上4.0点以下○:平均点が3.0点以上3.5点未満△:平均点が2.0点以上3.0点未満×:平均点が1.0点以上2.0点未満[明日葉抽出物の溶解性] 口腔用組成物を調製した後、調合釜の上部、中央部、底部の3ヵ所から組成物を10g抜き取り、白紙の上に塗り広げて明日葉抽出物の溶解度を目視判定した。下記判定基準で「○」の場合を良好な溶解性とした。〈判定基準〉○:完全に溶解していた×:不溶物の存在が認められた 上記例で使用した原料を下記に示す。明日葉抽出物:(株)日本生物.科学研究所製 CHALSAP−P8アルギン酸ナトリウム:キミカ(株)製 キミカアルギンI−3ペクチン:CPケルコ社製 ペクチンカラギーナン:CPケルコ社製 カラギーナンジェランガム:CPケルコ社製 ケルコゲルカルボキシメチルセルロース:ダイセル化学工業(株)製 CMCダイセルグリセリン:坂本薬品(株)製 グリセリンプロピレングリコール:旭硝子(株)製 プロピレングリコールポリグリセリン脂肪酸エステル(モノラウリン酸デカグリセリン):太陽化学(株)製 サンソフトM−12J 下記に処方例を示す。 上記ジェル状組成物をチューブ状の容器に充填した。使用方法は、このチューブから組成物を指に取り、イヌやネコの歯面、歯茎、歯と歯の間、歯と歯茎の間等に口腔用組成物を塗布する。また、ガーゼや歯ブラシ等の用具に付けて口腔内に塗布することもできる。 上記スプレー組成物をスプレー容器に充填した。使用方法は、口腔内にスプレーして、イヌやネコの歯面、歯茎、歯と歯の間、歯と歯茎の間等に口腔用組成物を塗布する。 使用方法は、シート剤含浸液組成物をシートに含浸させた後に、該シートを指に巻いて、イヌやネコの歯面、歯茎、歯と歯の間、歯と歯茎の間等に口腔用組成物を塗布する。 (A)明日葉抽出物を有効成分として含有するPorphyromonas gulaeに対する抗菌剤。 (A)明日葉抽出物を有効成分として含有する、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤。 請求項1記載の抗菌剤又は請求項2記載の歯周病予防剤を有効成分として含有するペット用口腔用組成物。 さらに、(B)カラギーナン、ペクチン、ジェランガム、アルギン酸及びその塩から選ばれる1種以上を含有する請求項3記載のペット用口腔用組成物。 さらに、(C)グリセリン又はプロピレングリコールを含有する請求項3又は4記載のペット用口腔用組成物。 さらに、(D)ポリグリセリン脂肪酸エステルを含有する請求項3〜5のいずれか1項記載のペット用口腔用組成物。 【課題】Porphyromonas gulaeに対する抗菌剤、Porphyromonas gulaeに起因するペットの歯周病予防剤、イヌやネコの歯周病の原因菌に対して優れた抗菌作用を有すると共に、ペットの嗜好性にも優れる口腔用組成物を提供する。【解決手段】(A)明日葉抽出物を有効成分として含有するPorphyromonas gulaeに対する抗菌剤。【選択図】なし


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