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タイトル:公開特許公報(A)_ラジカル重合性ポリエーテルの製造方法
出願番号:2013188007
年次:2014
IPC分類:C07C 67/29,C07C 69/54,C08G 65/04,C07B 61/00


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新納 洋 JP 2014088364 公開特許公報(A) 20140515 2013188007 20130911 ラジカル重合性ポリエーテルの製造方法 三菱レイヨン株式会社 000006035 新納 洋 JP 2012222898 20121005 C07C 67/29 20060101AFI20140418BHJP C07C 69/54 20060101ALI20140418BHJP C08G 65/04 20060101ALI20140418BHJP C07B 61/00 20060101ALN20140418BHJP JPC07C67/29C07C69/54 ZC08G65/04C07B61/00 300 6 OL 12 4H006 4H039 4J005 4H006AA02 4H006AC43 4H006AC48 4H006AC92 4H006BA51 4H006BM10 4H006BM71 4H006BP10 4H006KA30 4H039CA61 4H039CF90 4J005AA02 4J005AA09 4J005AA14 4J005BA00 4J005BB02 4J005BD04 本発明は、(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルの製造方法及び該製造方法により製造された(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルに関する。 従来より、(メタ)アクリル酸グリシジルは、他の(メタ)アクリル酸エステルとラジカル共重合することで、反応性エポキシ部位を側鎖に有しており、この反応性部位を利用して、後架橋による機械特性向上や耐溶剤性向上、または各種有機酸と反応させることで新たな官能基の導入させることなどが提案されている。一方、(メタ)アクリル酸グリシジルのエポキシ部位を開環重合させたポリマーは、ポリエーテル側鎖にラジカル重合部位を有するため、ラジカル重合性単量体と容易にラジカル共重合が可能であり、重合性組成物用のポリマーとして、重合後のポリエーテルによる各種物性改質などに有用である。エポキシ部位の開環重合は、各種有機酸、1、2級アミン化合物などの活性水素化合物を有する化合物を添加することで行う方法が知られている。また、アルコールと反応させる場合には、触媒として活性水素を有さないピリジンのような芳香族アミンやトリエチルアミンなどの3級アミンを使用する方法が知られている。 具体的には、非特許文献1には、(メタ)アクリル酸グリシジルをトリメチルシリルトリフラートを開始剤として開環重合することで、ラジカル重合性ポリエーテルを製造する方法が開示されており、製造されたポリエーテルは光ラジカル重合が可能であることも開示されている。更に、シクロヘキセンオキシドとの開環共重合体も開示されている。また、非特許文献2には、(メタ)アクリル酸グリシジルをアルミニウム化合物とアンモニウム塩との複合錯体を開始剤として開環重合することで、ラジカル重合性ポリエーテルを製造する方法が開示されている。また、ラジカル重合性部位を有さないグリシジルエーテルとの開環共重合体も開示されている。一方、アルコールとエポキシ化合物との反応について、触媒として芳香族もしくは3級アミンを使用することが知られている。具体的には、特許文献1には、フッ素アルコールとグリシジルエーテル化合物との反応が開示されており、反応には触媒として芳香族もしくは3級アミンが使用されている。更には、アルコールとエポキシの添加量比によって、ポリエーテルの重合度を制御できることも開示されている。特許文献2には、特許文献1同様にグリシジルエーテル化合物へのエポキシ部位の開環によるアルコール付加体が開示されており、触媒としてアミン化合物が開示されている。US3470258特開平10−175902号公報Eur.Polym.J.,2008,44,106Macromolecules,2011,44,6356 非特許文献1で使用されている触媒は、水分で加水分解しやすいため、取り扱いが難しく、得られるポリエーテルの分子量も反応系の水分により、変動しやすいなどの課題があった。非特許文献2で使用されている触媒は、反応機構上、ポリエーテル末端にハロゲンが存在してしまうため、製造されたポリエーテルの耐候性などの耐久性に課題があった。特許文献1、2で開示されている方法では、芳香族もしくは3級アミンが触媒として使用されているが、本発明者が鋭意検討した結果、(メタ)アクリル酸グリシジルのような(メタ)アクリル酸骨格を有する場合、アミン化合物が存在すると反応系が着色してしまうという課題があることを見出した。また、アミン化合物の使用量が多くなるにつれて、得られるポリエーテルの分子量が低下するという課題も見出した。 本発明の目的は、反応時の着色を抑制し、更にはポリエーテルの高分子量化も可能でかつ重合反応時の取り扱いが容易な(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルの製造方法及び該製造方法より製造された(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルを提供することである。 本発明者らは鋭意検討した結果、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルのエポキシ部位の開環重合に対して、フッ素アルコールと触媒であるアミン化合物を所定の添加量と添加比にすることで、反応液の着色を抑制し、かつポリエーテルの低分子量化を抑制可能なラジカル重合性ポリエーテルの製造方法を及び該製造方法で製造された(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルを提供することが可能であることを見出した。 即ち本発明は、触媒としてアミン化合物(C)0〜1.5質量部(ただし、(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対し)の存在下、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部にフッ素アルコール(B)20〜200質量部を反応させて、開環重合させる、(メタ)アクリロイル骨格を有する重合性ポリエーテルの製造方法である。 また、本発明の一様態は、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部にフッ素アルコール(B)20〜200質量部を反応させて、開環重合させる、(メタ)アクリロイル骨格を有する重合性ポリエーテルの製造方法である。また、本発明の一様態は、フッ素アルコール(B)が、炭素数が2〜10であり、炭素原子に結合しているフッ素原子数が2〜10であり、かつα炭素もしくはβ炭素にフッ素原子が少なくとも1つ以上結合したフッ素アルコール(B)である前記の製造方法である。また、本発明の一態様は、フッ素アルコール(B)が、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールである前記の製造方法である。また、本発明の一態様は、前記の製造方法で製造された(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルである。また、本発明の一様態は、触媒としてアミン化合物(C)0〜1.5質量部存在下、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部とラジカル重合性骨格を有さないグリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格からなる化合物(D)1〜10000質量部とフッ素アルコール(B)20〜10000質量部を反応させて、開環重合させる、前記の製造方法である。 本発明によれば、反応時に着色させることなく、かつ触媒であるアミン化合物の使用量を抑制することで、ポリエーテルの分子量の向上が可能な(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルの製造方法を提供できる。また、得られた(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルは、ラジカル重合性単量体と混合することで、重合性組成物とすることができ、ラジカル重合することで得られる重合体組成物の各種物性改善させるのに有用である。実施例2で合成されたメタクリロイル基を有するラジカル重合性ポリエーテルの1H−NMRスペクトルである。実施例2で合成されたメタクリロイル基を有するラジカル重合性ポリエーテルの化学構造である。 本発明で用いるグリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)は、(メタ)アクリル酸エステルのエステル部位にグリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有していればよく、特に限定されるものではない。 グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)としては、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(2−オキシラン−2−イルメトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸(3−オキシラン−2−イルメトキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸(4−オキシラン−2−イルメトキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イルメチルなどが挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 これらの中では、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イルメチルが好ましい。 本発明で用いるフッ素アルコール(B)は、炭素数2〜10、炭素原子に結合しているフッ素原子数2〜10でかつα炭素もしくはβ炭素にフッ素原子が少なくとも1つ以上結合したフッ素アルコールであればよく、限定されるものではない。フッ素アルコール(B)としては、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン−1−オール、2,2,3,3−テトラフルオロプロパン−1−オール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロプロパン−2−オール、などが挙げられ、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールがより好ましい。フッ素アルコールの使用量としては、特に制限するものではないが、通常、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対して20〜1000質量部が好ましく、より好ましくは30〜200質量部である。本発明で用いるアミン化合物(C)は、活性水素を有さない3級アミン化合物もしくは芳香族アミンであればよく、限定されるものではない。 アミン化合物としては、トリエチルアミン、1,8−ジアザ−ビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールなどが挙げられる。アミン化合物(C)の使用量としては、特に制限するものではないが、ラジカル重合性ポリエーテルの分子量を増大することができる点及び着色を低減できる点で、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対して0〜1.5質量部が好ましく、0〜1質量部がより好ましく、0質量部が更により好ましい。 本発明では、フッ素アルコール(B)を用いる。フッ素アルコール(B)の酸性度が高いため、着色の原因となる触媒を低減することができる。 ラジカル重合性骨格を有さないグリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格からなる化合物(D)は、前記(メタ)アクリル酸エステル(A)とは異なり、ラジカルに対して重合性を示さない骨格からなるグリシジル化合物やシクロヘキセン化合物であればよく、限定されるものではない。例えば、(メタ)アクリロイル基のようなビニル基を有さない化合物が挙げられる。ラジカル重合性骨格を有さないグリシジル骨格を有する化合物としては、脂肪族多価アルコール又はそのアルキレンオキサイド付加物のグリシジル骨格を有する化合物であればよく、特に限定されるものではないが、モノグリシジル骨格を有する化合物が好ましい。モノグリシジル骨格を有する化合物としては、アルキル基またはアルケニル基を有するポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族モノグリシジルエーテル化合物、脂肪族アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族モノグリシジルエーテル化合物、脂肪族及び芳香族カルボン酸とグリシドールからなるエステルであるグリシジルエステルなどが挙げられる。アルキル基またはアルケニル基を有する前記ポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル類としては、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ピロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジピロピレングリコールモノアルキルエーテル、トリピロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリピロピレングリコールモノアルキルエーテルなどが挙げられる。脂環式モノグリシジルエーテルとしては、炭素数が6〜9の飽和型環式アルカン基を有する脂環式アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂環式モノグリシジルエーテル化合物などが挙げられる。また、前記脂環式アルコール類としては、シクロヘキサノールなどが挙げられる。芳香族モノグリシジルエーテル化合物としては、芳香族アルコール類とエピクロルヒドリンとの反応で得られた芳香族モノグリシジルエーテル化合物がなどが挙げられる。また、前記芳香族アルコール類としては、フェノール、メチルフェノール、エチルフェノール、n−プロピルフェノール、イソプロピルフェノール、n−ブチルフェノール、ベンジルアルコール、t−ブチルフェノール、キシレノール、ナフトールなどが挙げられる。脂肪族または芳香族モノグリシジル化合物としては、脂肪族ジカルボン酸モノアルキルエステルまたは芳香族ジカルボン酸モノアルキルエステルとエピクロルヒドリンとの反応で得られた脂肪族モノグリシジル化合物または芳香族モノグリシジル化合物などが挙げられる。 グリシジルエステルとしては、脂肪族カルボン酸のエステルであるグリシジルアセテート、グリシジルプロピオネート、グリシジルブチレート、グリシジルステアレートなどが挙げられ、これらの化合物を使用することで、ラジカル重合性ポリエーテルのガラス転移温度を低下させることが可能である。また、芳香族カルボン酸のエステルであるグリシジルベンゾエート、グリシジル−4−tert−ブチルベンゾエートなどが挙げられる。ラジカル重合性骨格を有さないシクロヘキセンオキシド化合物としては、シクロヘキセンオキシド、1,2:8,9ジエポキシリモネン、3,4−エポキシシクロヘキセニルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキセンカルボキシレートなどが挙げられ、これらの化合物を使用することで、ラジカル重合性ポリエーテルのガラス転移温度の向上と吸水特性の改善が可能である。。ラジカル重合性骨格を有さないグリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格からなる化合物(D)は、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対して、1〜10000質量部使用するのが好ましく、1〜1000質量部使用することがより好ましい。反応温度は、室温〜100℃が好ましく、ラジカル重合性官能基の重合を抑制するために、室温〜50℃がより好ましい。 反応するときには、適宜、有機溶媒で希釈してもよい。有機溶媒の使用量は、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対して、0〜1000質量部使用するのが好ましく、0〜500質量部使用することがより好ましい。有機溶媒としては、重合後の(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルが溶解するものであればよく、特に限定されるものではないが、アセトン、メタノール、エタノール、ジエチルエーテルなどが好ましい。 以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これらの実施例に限定されるものではない。(1)1H−NMRスペクトル 化合物の構造を1H−NMRスペクトルにより確認した。 測定溶媒にCDCl3、基準物質にテトラメチルシランを用い、核磁気共鳴装置(JNM EX−270:日本電子(株)製)を使用して測定した。測定温度は室温、積算回数は16回で測定した。(2)分子量測定 重合体の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)を、ポリスチレンをスタンダードとして、GPC(HLC−8220:東ソー(株)製、カラム:TSK−GEL SUPER H−4000とTSK−GEL SUPER H−2000の直列接続)により測定した。 溶離液:テトラヒドロフラン(THF)、測定温度:40℃、流速:0.6mL/分の条件で測定した。[実施例1] 攪拌機を備えたセパラブルフラスコに、メタクリル酸グリシジル(三菱レイヨン(株)社製)5.0g(0.035mol)、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(セントラル硝子(株)社製)6.0g(0.036mol)を仕込み、室温で2週間攪拌させた。反応後、反応液の粘度が上昇していることを確認し、また、反応液に着色は見られなかった。反応後、アセトン20mlを添加して反応液を希釈し、希釈した溶液をシクロヘキサン200mlに少しずつ滴下して、再沈を行った。白色の析出物をろ過、回収し、室温で一晩、真空乾燥させた。白色固体2.5g(収率50%)を得た。得られた白色固体について、1H−NMRを測定した結果を以下に示す。測定結果から、得られた白色固体が(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルであるポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)であることを確認した。また、一部のメタクリロイル基には、フッ素アルコールが付加しており、ラジカル重合性ポリエーテル中のメタクリロイル基とフッ素アルコール付加体のモル比は、92:8であった。1H−NMR 1.94(s;3H),3.0−4.8(m;5H),5.61(s;1H),6.13(s;1H)また、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールがメタクリロイル基に付加した骨格由来のプロトンのピークも確認された。1H−NMR 1.2(m),1.35(m)また、得られた白色固体の分子量測定により、数平均分子量(Mn)5100、重量平均分子量(Mw)17000、Mw/Mn3.3であった。更に、得られた(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルは、メタクリル酸メチル、メタクリル酸トリシクロデカニル、メタクリル酸ヘキサルオロイソプロピルなど(メタ)アクリル酸エステルに良好な溶解性を示した。[実施例2] 触媒としてトリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)0.05gを添加し、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールの代わりに2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール(東京化成工業(株)社製)4.8gを使用したこと以外は、実施例1と同様に行った。反応後の反応液の粘度の上昇を確認し、また、着色もないことを確認した。白色固体2.3g(収率46%)を得た。得られた白色固体について、1H−NMRを測定した結果を以下に示す。図1は、1H−NMRスペクトルである。測定結果から、得られた白色固体が(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルであるポリ(3−メタクリロキシプロペンオキシド)であることを確認した。また、スペクトルから図2に示す化学構造のように、メタクリロイルの一部にもフッ素アルコールが付加していることが確認され、ラジカル重合性ポリエーテル中のメタクリロイル基とフッ素アルコール付加体のモル比は、80:20であった。1H−NMR 1.94(s;3H),3.0−4.8(m;5H),5.61(s;1H),6.13(s;1H) また、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルがメタクリロイル基に付加した骨格由来のプロトンのピークも確認された。1H−NMR 1.2(m),1.35(m)また、得られた白色固体の分子量測定により、数平均分子量(Mn)3700、重量平均分子量(Mw)6700、Mw/Mn1.8であった。[実施例3]触媒としてトリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)0.05gを添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。反応後の反応液の粘度の上昇が見られ、反応液の着色もみられなかった。しかしながら、反応液をシクロヘキサンに滴下したところ、析出しなかった。反応液をそのまま1H−NMRを測定した結果を以下に示す。目的物のピーク以外に未反応のメタクリル酸グリシジル中のグリシジル由来のピーク(2.67(s;1H),2.85(s;1H),3.26(m;1H))も確認された。1H−NMR 1.94(s;3H),3.0−4.8(m;5H),5.61(s;1H),6.13(s;1H)また、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールがメタクリロイル基に付加した骨格由来のプロトンのピークも確認された。1H−NMR 1.2(m),1.35(m)また、得られた反応液の分子量測定により、数平均分子量(Mn)1100、重量平均分子量(Mw)1300、Mw/Mn1.2であった。[実施例4]メタクリル酸グリシジルの添加量を2.5gとし、更に式(1)に示すメタクリル酸7−オキサビシクロ[4.1.0]ヘプト−3−イルメチル((株)ダイセル社製 製品名サイクロマーM100)2.5gを添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。反応後の反応液の粘度の上昇が見られ、反応液の着色もみられなかった。反応液をそのまま1H−NMRを測定した結果を以下に示す。(1)1H−NMR 1.4−1.91(m),1.94(s;3H),3.0−4.8(m),5.54(s;1H),5.61(s;1H),6.10(s;1H),6.13(s;1H)また、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールがメタクリロイル基に付加した骨格由来のプロトンのピークも確認された。1H−NMR 1.2(m),1.35(m)また、得られた反応液の分子量測定により、数平均分子量(Mn)2440、重量平均分子量(Mw)5550、Mw/Mn2.3であった。[実施例5] メタクリル酸グリシジルの添加量を2.5gとし、更に(2)式に示すR−グリシジルブチレート(東京化成工業(株))2.5gを添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。反応後の反応液の粘度の上昇が見られ、反応液の着色もみられなかった。反応液をそのまま1H−NMRを測定した結果を以下に示す。(2)1H−NMR 0.96(s),1.24(s),2.34(s),3.0−4.8(m),5.61(s;1H),6.13(s;1H)また、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールがメタクリロイル基に付加した骨格由来のプロトンのピークも確認された。1H−NMR 1.2(m),1.35(m)また、得られた反応液の分子量測定により、数平均分子量(Mn)1640、重量平均分子量(Mw)4050、Mw/Mn2.5であった。[比較例1]触媒としてトリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)0.1gを添加したこと以外は、実施例1と同様に行った。反応後の反応液の粘度の上昇が見られ、反応液の着色もみられなかった。しかしながら、反応液をシクロヘキサンに滴下したところ、析出しなかった。反応液をそのまま1H−NMRを測定した結果を以下に示す。目的物のピーク以外に未反応のメタクリル酸グリシジル中のグリシジル由来のピーク(2.67(s;1H),2.85(s;1H),3.26(m;1H))も確認された。1H−NMR 1.94(s;3H),3.0−4.8(m;5H),5.61(s;1H),6.13(s;1H)また、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールがメタクリロイル基に付加した骨格由来のプロトンのピークも確認された。1H−NMR 1.2(m),1.35(m) また、得られた反応液の分子量測定により、数平均分子量(Mn)500、重量平均分子量(Mw)600、Mw/Mn1.2でほとんど分子量が増加していないことが確認された。[比較例2]触媒としてトリエチルアミン(東京化成工業(株)社製)0.05gを添加したこと、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール(セントラル硝子(株)社製)0.6g使用したこと以外は実施例1と同様に行った。反応後の反応液の粘度の上昇がほとんど見られず、また反応液が黄色に呈色した。反応液をそのまま1H−NMRを測定した結果を以下に示す。目的物のピーク以外に未反応のメタクリル酸グリシジル中のグリシジル由来のピーク(2.67(s;1H),2.85(s;1H),3.26(m;1H))も確認された。1H−NMR 1.94(s;3H),3.0−4.8(m;5H),5.61(s;1H),6.13(s;1H)また、得られた反応液の分子量測定により、数平均分子量(Mn)400、重量平均分子量(Mw)500、Mw/Mn1.3でほとんど分子量が増加していないことが確認された。 実施例1〜5で明らかなように、本発明の(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルの製造方法は、反応液の着色が抑制され、かつアミン化合物の使用量が少ないほど、高い分子量のポリエーテルを得られることが確認された。更に、実施例1で示すように、ポリエーテル中にフッ素アルコール由来の骨格も導入されているため、各種メタ(アクリル)酸エステルとの相溶性も良好であった。比較例1は、添加したアミン量が多いため、反応後の分子量の増加がみられず、不良であった。また、比較例2は、フッ素アルコールの使用量が少ないため、反応後の分子量の増加がみられず、また反応液が黄色に着色したことから不良であった。 本発明の(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルの製造方法及び該製造方法で得られた(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルは、フッ素アルコールを使用することで簡便に製造でき、また得られたラジカル重合性ポリエーテルは着色もなく、各種(メタ)アクリル酸エステルに対して溶解性も良好であるため、透明樹脂用のラジカル重合性組成物用の重合体として好適である。 触媒としてアミン化合物(C)0〜1.5質量部(ただし、(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対し)の存在下、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部にフッ素アルコール(B)20〜200質量部を反応させて、開環重合させる、(メタ)アクリロイル骨格を有する重合性ポリエーテルの製造方法。触媒0〜1.5質量部(ただし、(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対し)の存在下、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部にフッ素アルコール(B)20〜200質量部を反応させて、開環重合させる、(メタ)アクリロイル骨格を有する重合性ポリエーテルの製造方法。 フッ素アルコール(B)が、炭素数が2〜10であり、炭素原子に結合しているフッ素原子数が2〜10であり、かつα炭素もしくはβ炭素にフッ素原子が少なくとも1つ以上結合したフッ素アルコール(B)である請求項1または2に記載の製造方法。フッ素アルコール(B)が、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノールである請求項3に記載の製造方法。触媒としてアミン化合物(C)0〜1.5質量部存在下、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)並びにラジカル重合性骨格を有さないグリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格からなる化合物(D)の合計1〜100質量部とフッ素アルコール(B)20〜200質量部を反応させて開環重合させる、重合性ポリエーテルの製造方法請求項1〜5いずれかに記載の製造方法で製造された(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテル。 【課題】 グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステルを開環重合により、(メタ)アクリロイル骨格を有するラジカル重合性ポリエーテルを製造する際に、着色と分子量低下を抑制された製造方法を提供すること。【解決手段】 触媒としてアミン化合物(C)0〜1.5質量部(ただし、(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部に対し)の存在下、グリシジル骨格及び/またはシクロヘキセンオキシド骨格を有する(メタ)アクリル酸エステル(A)100質量部にフッ素アルコール(B)20〜200質量部を反応させて、開環重合させる、(メタ)アクリロイル骨格を有する重合性ポリエーテルの製造方法。【選択図】なし


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