タイトル: | 特許公報(B2)_圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法 |
出願番号: | 2013187289 |
年次: | 2014 |
IPC分類: | G01N 33/24,E02D 1/02 |
ソン インソン キム ジョンチャン JP 5544443 特許公報(B2) 20140516 2013187289 20130910 圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法 コリア インスティチュート オブ ジオサイエンス アンド ミネラル リソースズ 506081530 杉村 憲司 100147485 福尾 誠 100161148 吉澤 雄郎 100169823 ソン インソン キム ジョンチャン KR 10-2012-0100488 20120911 20140709 G01N 33/24 20060101AFI20140619BHJP E02D 1/02 20060101ALI20140619BHJP JPG01N33/24 CE02D1/02 G01N 33/24 E02D 1/02 特開2000−009631(JP,A) 特開2000−081378(JP,A) 徳永朋祥 ほか,流体圧力・歪の同時計測による透水係数及び貯留係数の求め方について,応用地質,2001年,第42巻第4号,208−213頁 10 2014055500 20140327 14 20130910 赤坂 祐樹 本発明は、岩石サンプルの透水係数と比貯留係数を測定するに際しての不確実性を減少させる技法に関する。 地下水資源や石油資源を開発するに際して、各種の埋立地の汚染拡散防止のため、又は、深層地下貯蔵敷地の地下岩石環境を調査するため、また、その他の様々な土木工事などの場合において、地盤調査は必須であり、その中でも代表として、岩盤の透水性や貯留性に対して測定する必要があった。 ここで、岩盤の透水性とは、岩盤内の空隙を介して互いに連結される流路に沿って発生する流体の流動容易性をいい、前記流路による流動は、引力や圧力差などによる抵抗を受けるため、透水性は、岩盤や地層によって異なることがある。 また、貯留性とは、岩盤内の空隙を介して互いに連結される流路に沿って流体が注入される場合の、流体の貯蔵能力に対する岩石の特性をいい、流体に加えられる位置エネルギーや運動エネルギーの変動がなければ、流体は、移動することなく、停止した状態を保持することになる。 一般に、流体(代表的には、水)が、地下岩盤層又は地層(以下、'岩盤層'と称する)内に流入又は流出される時、この流体の圧力拡散は、主に、岩盤を成す岩石や、該当岩盤層の透水性又は貯留性の影響を受けることと知られている。 この際、岩盤層の透水性や貯留性は、流体の流入・流出場所の予測、及び流体の時間による変化(拡散)を予測することにおいて、必ず必要なパラメータである。 これらの岩盤層の透水性と貯留性は、地下の自然状態で起こることであり、現実的には、実際の透水性や貯留性を正確に把握することは不可能であるため、通常、実験室での水理試験により、必要とするデータを得る。 これらの透水性や貯留性を測定する方法は、多数あるが、岩盤層を成す岩石が緻密で不透水性を有する場合、測定時間を減らすため、殆ど、測定用岩石サンプルに圧力パルスを加えるパルス崩壊(過度)法を用いる。 このような実験室内の水理試験により、目的岩盤層を成す岩石サンプルの水理的特性を示す代表的な値としての透水係数(hydraulic conductivity)と貯留係数(storage coefficient)とを算出することができる。 ここで、前記透水係数は、水が通過する速度、つまり、通過した距離を、時間で除した値と定義され、この透水係数の値が小さければ小さいほど、地下岩盤層での流体(水)の流動が難しいとことを意味する。 また、前記貯留係数は、単位水頭の変化により、単位面積当りの帶水層から流入又は流出される水の量と定義される。 一方、比貯留係数(Specific storage、specific storativity)は、帶水層内での単位体積当りの単位水頭の上昇又は降下により、この帶水層から流入又は流出される水の量(体積)と定義され、この比貯留係数に帶水層の厚さを掛けると、貯留係数を求めることができる。 従来のパルス崩壊法は、比貯留係数を0と仮定し、透水係数だけを測定するか、圧力曲線を逆算して、透水係数と比貯留係数を求めていた。 従来技術による透水係数と比貯留係数を求める方法の第1の問題点は、各パラメータがある程度の不確実性(uncertainty)を有しているかについては、全く提示していないことである。 すなわち、実験室での水理試験時に測定された圧力には、必ず実験誤差が存在するため、最終的に求めた透水係数と比貯留係数共に、どの程度の不確実性を有することになることを免れられないが、従来技術では、これに関するデータを提示していないことで、実験の信頼度を全く分かることができなかった。 第2の問題点は、実験誤差によるパラメータの不確実性が、実験システム(上流池と下流池の大きさ)(上流池と下流池は、図1において、それぞれ符号10と20ご参照)により変わるが、どの条件下で前記パラメータを求めているか、分からないことである。 第3の問題点は、水理試験の構成条件により、各パラメータ間の不確実性が互いに影響する場合が発生することがあるが、この場合、いずれか1つのパラメータの不確実性が分からない場合、他のパラメータの不確実性も分からないことである。 既存の透水係数と比貯留係数を求める方法は、以上の問題点に対する解決策を全く提示していなかった。 一方、本発明に関連する先行技術文献としては、下記のような非特許文献(論文)がある。(1) Brace, W.F., J.B. Walsh, and W.T. Frangos, Permeability of granite under high pressure, J. Geophys. Res. 1968 73 2225-2236.(2) Hsieh, P.A., J.V. Tracy, C.E. Neuzil, J.D. Bredehoeft, and S.E. Silliman, A transient laboratory method for determining the hydraulic properties of tight rocks-I. Theory, Int. J. Rock Mech. Min. Sci. & Geomech. Abstr. 1981 18 245-252.(3) Wang, H. F., and D. J. Hart, Experimental error for permeability and specific storage from pulse decay measurements, Int. J. Mech. Min. Sci. Geomech. Abstr. 1993 30, 1173-1176.(4) Zhang, M., M. Takahashi, R.H. Morin, and T. Esaki, Evaluation and application of the transient-pulse technique for determining the hydraulic properties of low-permeability rocks-Part 2: Experimental application, Geotechnical Testing Journal 2000b; 23, 091-099. それで、本発明の一目的は、各パラメータが有した不確実性に関連するデータを明確に提示することにより、実験の信頼度を高めることである。 また、本発明の他の目的は、どの実験条件下でそれぞれのパラメータを求めたかを明らかにして、実験誤差によるパラメータの不確実性を明確にすることである。 本発明の更に他の目的は、各パラメータの不確実性が互いに影響する場合にも、各パラメータの不確実性を明確にすることである。 上述した本発明の目的を解決するための本発明の望ましい一実施例による圧力パルス-崩壊試験における不確実性減少技法は、筐体内部のスリーブ内に岩石サンプルを位置させる段階と、前記岩石サンプルの左右側にそれぞれ、エンドプラグと多孔性ディスクを装着して、前記岩石サンプルを固定する段階と、前記固定した岩石サンプルの多孔性ディスクの軸方向の外側にそれぞれ、上流池と下流池を連結する段階と、前記上流池と前記下流池にそれぞれ、圧力測定センサを取り付ける段階と、閉圧力システムを形成するように、前記スリーブ内に位置した前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加える段階と、前記閉圧力システム内の前記岩石サンプルに、前記上流池を介して圧力パルスを加える段階と、前記圧力パルスが崩壊しながら得られた圧力パルスの変動から、透水係数と比貯留係数を求める段階とを含むことを特徴とする。 ここで、前記透水係数と比貯留係数を求める段階は、計算で得た透水係数と比貯留係数の計算値と、前記圧力測定センサで得た前記圧力パルスの変動測定値の差の和、又は、その平均値を示した目的関数のグラフから、このグラフ内の等高線の最小値を示す座標値を読み出し、この最小値を、前記岩石サンプルの透水係数と比貯留係数と決めることができる。 また、前記スリーブの材質は、ゴムであることが望ましい。 更に、前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加える段階は、流体流入空間に流体を供給し、圧力を加えて行われることができる。 また、封圧及び軸圧を加える前記流体は、オイルであることが望ましい。 上述した本発明の目的を解決するための本発明の望ましい他の実施例による圧力パルス-崩壊試験における不確実性減少技法は、筐体内部のスリーブ内に岩石サンプルを位置させる段階と、前記岩石サンプルの左右側にそれぞれ、エンドプラグと多孔性ディスクを装着して、前記岩石サンプルを固定する段階と、前記固定した岩石サンプルに、上流池と下流池を連結する段階と、前記上流池と前記下流池にそれぞれ、圧力測定センサを取り付ける段階と、前記上流池の大きさを調節するための2つのバルブを離隔して位置させる段階と、前記スリーブ内に位置した前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加えて、閉圧力システムを形成する段階と、前記閉圧力システム内の前記岩石サンプルに、前記上流池を介して圧力パルスを加える段階と、前記圧力パルスが崩壊しながら得られた圧力パルスの変動から、透水係数と比貯留係数を求める段階とを含むことを特徴とする。 ここで、前記透水係数と比貯留係数を求める段階は、計算で得た透水係数と比貯留係数の計算値と、前記圧力測定センサで得た前記圧力パルスの変動測定値の差の和、又はその平均値を示した目的関数のグラフから、このグラフ内の等高線の最小値を示す座標値を読み出し、この最小値を、前記岩石サンプルの透水係数と比貯留係数と決めることが望ましい。 また、前記圧力パルスを加える段階は、前記離隔した2つのバルブをそれぞれ制御して、前記上流池の大きさが調整された状態で、前記上流池を介して圧力パルスを加えることが望ましい。 ここで、前記圧力パルスを加える段階を複数回繰り返して得た目的関数のグラフを重畳して表示することにより、前記岩石サンプルの前記透水係数と比貯留係数の不確実性を減少させることができる。 また、前記スリーブの材質はゴムであることが望ましい。 更に、前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加える段階は、流体流入空間に流体を供給して、圧力を加えて行われることができる。 また、封圧及び軸圧を加える前記流体は、オイルであることが望ましい。 本発明によると、実験誤差による透水係数と比貯留係数の不確実性を提示することができるので、実験の信頼度を評価することができる。 また、本発明によると、実験条件が明確になるので、実験を行う前に、簡単なシミュレーションを行って最適の実験システムを設計することができ、従って、パラメータ間の不確実性が互いに影響しない境界条件を提示して、不確実性を減少させることができる。 更に、本発明によると、水理試験中、パラメータ間の不確実性が互いに影響する場合にも、他の実験によって、パラメータの1つの不確実性を制限することができるので、水理試験の結果が更に正確になる。図1は、岩石サンプルの透水係数と比貯留係数を測定するための、本発明による圧力パルス-崩壊試験で用いた三軸-コアホルダ装置の概略断面図である。図2は、目的関数のグラフと関連する測定誤差(Error)とを同時に示す図であって、ここで、測定誤差は、圧力パルス大きさとの割合を示す。図3は、相互に影響する目的関数のグラフと関連する測定誤差とを同時に示す図である。図4は、3回にかけての水理試験から得られたそれぞれの目的関数を重畳した時の目的関数の、グラフにおける透水係数と比貯留係数の不確実性を示す図である。 本発明の利点及び特徴、そして、これらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている実施例を参照すると、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下で示される実施例に限るものではなく、互いに異なる様々な形態で具現され、単に、本実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者に、発明の範疇を完全に知らせるために提供され、本発明は、請求の範囲の範疇により定義されるだけである。 以下、添付の図面を参照して、本発明の望ましい実施例による圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法について、詳しく説明をする。 まず、本発明による圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法で用いた水理試験装置の構成について説明する。 図1は、三軸-コアホルダ装置の概略断面図である。 前記三軸-コアホルダ装置500は、大きく、上部と、本体部と、下部とに分けられ、図面では、左側部分が下部を示し、右側部分が上部を示している。 本発明の圧力パルス崩壊試験で用いられる岩石サンプル100は、筐体4のスリーブ40内に位置しており、図1から分かるように、スリーブ40の両方が少し広がっているシリンダ状で形成されていることが望ましい。 前記スリーブ40は、ゴム材質からなることが望ましいが、後述する封圧(confining pressure)を加えることにおいて、この封圧が岩石サンプル100に適切に伝達されることができる構成であれば、他の材料を使っても構わない。 前記岩石サンプル100は、本体部のスリーブ40内で順に、上下部軸方向に配置された上側部エンドプラグ(end plug)12及び下側部エンドプラグ22によって、1次的に固定され、前記上側部エンドプラグ12及び下側部エンドプラグ22の上下部軸方向の外側において、多孔性ディスク30、35によって、2次的に固定され、この多孔性ディスク30、35の上下部軸方向の外側において、上側部ホルダ8と下側部ホルダ8’によって、最終的に固定されて位置している。 ここで、上下部軸方向とは、図面における右側及び左側方向をそれぞれ意味する。 また、上側部エンドプラグ12と下側部エンドプラグ22は、流体による腐食、又は耐久性などを考えて、ステンレスで形成することが望ましい。 三軸-コアホルダ装置500の上部には、外部からの圧力パルスPが伝達される上流池10、 前記上流池10内の圧力パルスPを測定するための上流側圧力測定器80、前記上流池10の大きさを調節(制御)するための2つのバルブ90、95が、適当な間隔を置いて離隔して形成されている。 また、装置の上部には、本体部内の岩石サンプル100の外側の多孔性ディスク35を固定するための上側部エンドプラグ12を、その軸方向の外側で更に固定する上側部ホルダ8と、前記上側部ホルダ8を取り囲む上側部ホルダ保持部2と、上側部ホルダ8と上側部ホルダ保持部2との間の空間bに連結された上側部流体供給口60とが、それぞれ形成されている。 ここで、上流池10と下流池20の位置は、逆に形成されてもよく、前記2つのバルブ90、95は、上流池10の大きさだけでなく、下流池20の大きさを調節するように設置されることもできる。 また、三軸-コアホルダ装置500に軸圧(axial pressure)を加えるためには、本体部に岩石サンプル100を位置させた後に、前記上側部流体供給口60を介して、所定の粘度を有する流体、望ましくは、オイルを流体流入空間bに供給し、この供給されるオイルの圧力によって、前記上側部ホルダ8が図面の左側方向に迫り出しながら、岩石サンプル100に所望する軸圧を加えることができる。 この際、前記上側部流体供給口60の外部には、オイルを加圧して供給することができるオイル加圧部(図示せず)が形成されていることが望ましい。 本発明の三軸-コアホルダ装置500の本体部には、内部に岩石サンプル100が位置するスリーブ40と、前記スリーブ40内において、前記岩石サンプル100を両方で支持する多孔性ディスク30、35と、前記多孔性ディスク30、35をそれぞれ支持する上側部エンドプラグ12及び下側部エンドプラグ22と、前記スリーブ40の外側の流体流入空間а、及び前記流体流入空間аに流体を供給して封圧を供するための本体部流体供給口50、50とが配置されている。 ここで、前記封圧の形成に用いられる流体は、軸圧の形成に用いられた所定の粘度を有するオイルと同一のオイルであることが望ましく、上側部流体供給口60でのように、その外側に、オイル加圧部(図示せず)が形成されていることが望ましい。 本発明の三軸-コアホルダ装置500の下部には、上部側の上流池10に対応する構成の下流池20、前記下流池20の下側部端部に取り付けられ、装置500内の圧力を測定するための下流側圧力測定器70、岩石サンプル100の下部軸方向の外側に形成された下側部エンドプラグ22を固定保持するための下側部ホルダ8’、及び下側部ホルダ8'を取り囲む下側部ホルダ保持部2'が配置されている。 上部においては、上側部ホルダ8と上側部ホルダ保持部2との間に連通した流体流入空間(b)が形成されているが、これに対して、下部では、下側部ホルダ8’と下側部ホルダ保持部2'との間に、連通空間が形成されていない。 一方、前記三軸-コアホルダ装置500には、上側部ホルダ8と上側部ホルダ保持部2との間、上側部ホルダ保持部2と筐体4との間、及び筐体4と下側部ホルダ保持部2'との間には、適切な数の流体封止用O−リング6、6、6、6が設けられていることが望ましい。 また、上側部ホルダ保持部2と筐体4、筐体4と下側部ホルダ保持部2’、及び下側部ホルダ8’と下側部ホルダ保持部2’はそれぞれ、螺合されることが望ましく、特に、下側部ホルダ8’と下側部ホルダ保持部2’との螺合は、岩石サンプル100に加えられる流体の軸圧を適切に調節する機能を行う。 すなわち、上述したように、スリーブ40内に岩石サンプル100を位置させ、装置500の設置が終了した後に、上側部流体供給口60から流体を供給することで、一定の軸圧を形成することができるが、所望する軸圧を形成するためには、最終的に、下側部ホルダ8’と下側部ホルダ保持部2’との間の螺合を用いて、調整することができる。 次に、本発明の三軸-コアホルダ装置500に、封圧を与える構成について説明する。 スリーブ40内に岩石サンプル100を位置させ、装置500の設置が終了した後に、本体部流体供給口50、50を介して流体を供給し、このように供給された流体は、シリンダ状スリーブ40の同心円方向の外側でスリーブ40を加圧して、岩石サンプル100に最終的な封圧を供することになる。 ここで、封圧と軸圧の形成順番は、ほぼ同時に進行することが望ましい。 また、前記封圧の形成に用いられる流体は、軸圧の形成に用いられる所定粘度のオイルと同一のオイルであることが望ましく、上側部流体供給口60でのように、その外側に、オイル加圧部(図示せず)が形成されていることが望ましい。 以下では、上述したように、図1の三軸-コアホルダ装置500に岩石サンプル100を固定した構成を参照して、本発明の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法について説明することにする。 三軸-コアホルダ装置500に、岩石サンプル100を固定した後、岩石サンプル100の上流側と下流側の両側にそれぞれ、上流池10と下流池20とを連結し、前記上流池20には、ポンプ(図示せず)を連結して、圧力パルス(P)を加えられるように用意する。 以後に、上述したように、岩石サンプル100に軸圧と封圧を加えることで、閉圧力システムを形成し、前記ポンプにより生成される圧力パルスPを、上流池10に加える。 時間が経過しながら、上流池10と下流池20の圧力パルスに変動が発生(崩壊)するようになるが、上流側圧力測定器80と下流側圧力測定器70とによって、パルスの圧力変動を示す曲線を求めた後、これを逆算して、岩石サンプル100の透水係数と比貯留係数を求める。 岩石サンプル100の透水係数と比貯留係数は、圧力の変動曲線から直接測定されることではなく、測定値と理論値のカーブフィッティング法を用いて求め、測定値と計算値の差が一番小さい場合に予測された2つのパラメータを、該当岩石サンプル100のパラメータと決める。 上流池と下流池の圧力(puとpd)の理論的な変動曲線は、下記の数1により得られる。 前記数1は、パルス圧力Pで定常化した式である。 ここで、α = SsAL/Su、β = Sd/SsAL、そして、τ = kt/(SsL)である。 АとLはそれぞれ、試料の断面積、及び長さ、SuとSdはそれぞれ、上流池と下流池の圧縮記憶常数(compressive storage)、Ssは、比貯留係数、kは、透水係数、tは、パルスが発生した時点からの時間であり、Φmは、下記数2の解である。 このようにし計算して得た計算値と、本発明による水理試験での測定値の差の和(あるいは、平均値)を、目的関数(Objective function)とし、図2及び図3に示しているように、横軸に透水係数を取り、縦軸に比貯留係数を取る関数(グラフ)として表すことができる。 一方、透水係数と比貯留係数が目的関数の最小値を含む範囲での目的関数を求めた後、この目的関数が一番小さい際の座標値(最小値)を等高線から読み出し、岩石サンプル100の測定値としての透水係数と比貯留係数と決める。 前記最小値の座標から遠くなると、目的関数の値が増加し、この際の目的関数の値は、圧力測定値の誤差(Error)を表す。 この誤差は、図2の右側において、棒グラフで示している。 ここで、測定誤差が大きくなるほど、つまり、誤差を示している棒グラフの上側に行くほど、各パラメータの不確実性も大きくなる。 この目的関数のグラフを用いると、圧力測定値から、透水係数と比貯留係数の不確実性が分かる。 具体的に考察してみると、図2において、測定誤差の平均値が圧力パルスの2%である場合、目的関数が、グラフの中央で明るいグレイ部分で表示される。 この場合、透水係数(Permeability)の不確実性は、約−20〜60%であり、比貯留係数の不確実性は、約−30〜60%となる。 図2の内容を概略的に整理すると、本発明の一構成は、岩石サンプルに軸圧と封圧を加え、前記岩石サンプルに上流池と下流池を連結し、この状態で、外部からの圧力パルスを加える圧力パルス崩壊試験法を用いて得た透水係数と比貯留係数をそれぞれ、横軸と縦軸に示した目的関数のグラフから、この等高線の最小値を示す座標値を読み出し、これを前記岩石サンプルの透水係数と比貯留係数と決める構成であることが分かる。 次に、図3は、相互に影響する不確実性を表している目的関数を示す図である。 図3では、不確実性が相互に影響する場合を示しており、図から分かるように、実験誤差を示す等高線が楕円形を呈し、少し傾斜した姿勢を示している。 この場合、パラメータのある不確実性を既に分かっている場合と比較して、パラメータのいずれか1つの不確実性を分からない場合、他のパラメータの不確実性が非常に大きくなる。 例えば、比貯留係数の不確実性が0である場合、透水係数の不確実性は、20%程度であるが、比貯留係数の不確実性が分からない場合、透水係数の不確実性は、ずっと大きくなる。 この場合、図2と図3の目的関数を重畳して表示すると、比貯留係数の不確実性が制限されるため、透水係数の不確実性も非常に制限されて、2つのパラメータの不確実性を減少させることができる。 これについては、図4を参照して説明する。 図2及び図3の目的関数を重畳したグラフを得るためには、境界条件の異なる2以上の実験が必要である。 このために、図1に示している三軸-コアホルダ装置500の上流池10に形成した2つのバルブ90、95を用いて、前記上流池10の大きさを異にして調整し、互いに異なる境界条件での実験を複数回繰り返した後に、この実験結果を重畳して解析すると、不確実性をかなり減らすことができる。 すなわち、境界条件を異にする一連の実験を多数回行い、各実験の不確実性を重畳してから共通集合を表示すると、一回実験した場合と比較して、不確実性を確実に減らすことができる。 このようにすると、図3に示しているように、不確実性が互いに影響する場合の実験においても、他の実験により、ある1つのパラメータの不確実性を制限することができ、全体システムの測定不確実性を低くすることができるようになる。 図4に示しているように、3回にかけての水理試験から得られた目的関数を重畳した時の目的関数のグラフにおける透水係数と比貯留係数の不確実性を、グラフの中央で四角形で表現するようになると、1回の水理試験結果だけを使用した場合と比較して、不確実性が大幅減少していることが分かる。 図3及び図4の内容を概略整理すると、本発明の他の構成は、境界条件を変えながら、圧力パルス崩壊試験を繰り返して得た目的関数のグラフを重畳して共通集合を表示することにより、岩石サンプルの透水係数と比貯留係数の不確実性を減少させる構成であることが分かる。 以上、一部、例えば、本発明の望ましい実施例による圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法について説明したが、このような説明は、例示に過ぎず、本発明が属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、以上の説明から本発明を多様に変形して実施するか、本発明に等しい実施を行うことができるということをよく理解するだろう。500 : 三軸-コアホルダ装置2 : 上側部ホルダ保持部2' : 下側部ホルダ保持部4 : 筐体6 : O−リング8 : 上側部ホルダ8' : 下側部ホルダ10 : 上流池20 : 下流池12 : 上側部エンドプラグ22 : 下側部エンドプラグ30、35 : 多孔性ディスク40 : スリーブ50 : 本体部流体供給口60 : 上側部流体供給口70 : 下流側圧力測定器80 : 上流側圧力測定器90、95 : バルブ100 : 岩石サンプルP : 圧力パルスа、b : (流体流入)空間 筐体内部のスリーブ内に岩石サンプルを位置させる段階と、 前記岩石サンプルの左右側にそれぞれ、エンドプラグと多孔性ディスクを装着して、前記岩石サンプルを固定する段階と、 前記固定した岩石サンプルの多孔性ディスクの軸方向外側にそれぞれ、上流池と下流池を連結する段階と、 前記上流池と前記下流池にそれぞれ、圧力測定センサを取り付ける段階と、 閉圧力システムを形成するように、前記スリーブ内に位置した前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加える段階と、 前記閉圧力システム内の前記岩石サンプルに、前記上流池を介して圧力パルスを加える段階と、 前記圧力パルスが崩壊しながら得られた圧力パルスの変動から、透水係数と比貯留係数を求める段階とを含み、 前記透水係数と比貯留係数を求める段階は、 計算で得た透水係数と比貯留係数の計算値と、前記圧力測定センサで得た前記圧力パルスの変動測定値の差の和、又は、その平均値を示した目的関数のグラフから、このグラフ内の等高線の最小値を示す座標値を読み出し、この最小値を、前記岩石サンプルの透水係数と比貯留係数と決めることを特徴とする圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記スリーブの材質は、ゴムであることを特徴とする請求項1に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加える段階は、 流体流入空間に流体を供給して圧力を加えることを特徴とする請求項1に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記流体は、オイルであることを特徴とする請求項3に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 筐体内部のスリーブ内に岩石サンプルを位置させる段階と、 前記岩石サンプルの左右側にそれぞれ、エンドプラグと多孔性ディスクを装着して、前記岩石サンプルを固定する段階と、 前記固定した岩石サンプルに、上流池と下流池を連結する段階と、 前記上流池と前記下流池にそれぞれ、圧力測定センサを取り付ける段階と、 前記上流池の大きさを調節するための2つのバルブを離隔して位置させる段階と、 前記スリーブ内に位置した前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加えて、閉圧力システムを形成する段階と、 前記閉圧力システム内の前記岩石サンプルに、前記上流池を介して圧力パルスを加える段階と、 前記圧力パルスが崩壊しながら得られた圧力パルスの変動から、透水係数と比貯留係数を求める段階とを含み、 前記透水係数と比貯留係数を求める段階は、 計算で得た透水係数と比貯留係数の計算値と、前記圧力測定センサで得た前記圧力パルスの変動測定値の差の和、又は、その平均値を示した目的関数のグラフから、このグラフ内の等高線の最小値を示す座標値を読み出し、この最小値を、前記岩石サンプルの透水係数と比貯留係数と決めることを特徴とする圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記スリーブの材質は、ゴムであることを特徴とする請求項5に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記圧力パルスを加える段階は、 前記離隔した2つのバルブをそれぞれ制御して、前記上流池の大きさが調整された状態で、前記上流池を介して圧力パルスを加える段階であることを特徴とする請求項5に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記圧力パルスを加える段階を複数回繰り返して得た目的関数のグラフを重畳して表示することにより、前記岩石サンプルの前記透水係数と比貯留係数の不確実性を減少させることを特徴とする請求項7に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記岩石サンプルに軸圧と封圧を加える段階は、 流体流入空間に流体を供給して、圧力を加えることを特徴とする請求項5に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。 前記流体は、オイルであることを特徴とする請求項9に記載の圧力パルス崩壊試験における不確実性減少技法。