タイトル: | 公開特許公報(A)_気相分解エッチング装置、気相分解エッチング方法、処理装置および処理方法 |
出願番号: | 2013184335 |
年次: | 2015 |
IPC分類: | G01N 33/00,G01N 31/00 |
弓削 豊 JP 2015052476 公開特許公報(A) 20150319 2013184335 20130905 気相分解エッチング装置、気相分解エッチング方法、処理装置および処理方法 キヤノン株式会社 000001007 大塚 康徳 100076428 高柳 司郎 100112508 大塚 康弘 100115071 木村 秀二 100116894 下山 治 100130409 永川 行光 100134175 弓削 豊 G01N 33/00 20060101AFI20150220BHJP G01N 31/00 20060101ALI20150220BHJP JPG01N33/00 DG01N31/00 Y 14 1 OL 13 2G042 2G042AA01 2G042BC00 2G042CA03 2G042CB06 2G042DA03 2G042EA20 2G042FA01 2G042FA04 2G042FB01 2G042HA10 本発明は、気相分解エッチング装置、気相分解エッチング方法、処理装置および処理方法に関する。 半導体デバイスの製造分野において、シリコン基板の表面上の金属不純物が、リーク不良や酸化膜耐圧不良、更にはライフタイム低下などのデバイス特性に影響を及ぼすことが知られている。更に、CMOSセンサやCCDセンサなどのイメージセンサでは、シリコン基板表面上の金属不純物汚染のみならず、受光部が形成される部分、即ちシリコン基板の表層部分の極微量の金属不純物が白傷発生の原因となりうる。 近年、シリコン基板の表層部分を気相分解エッチングし、その後に残る残渣を回収し、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析法)で定量分析する方法が提案されている(特許文献1および2参照)。特開平06−213805号公報特開2000−035424号公報 シリコン基板の表層部分を気相分解エッチングすると、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)およびフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)が生成されうる。そして、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)およびフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)は、金属元素の定量のために使用される処理液に取り込まれてしまう。この処理液をプラズマ質量分析装置(ICP−MS)で分析するのであるが、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)やフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)が存在すると、分析精度が低下する。 本発明は、定量分析の精度を高めるために有利な技術を提供することを目的とする。 本発明の1つの側面は、気相分解エッチング装置に係り、前記気相分解エッチング装置は、チャンバと、前記チャンバの中でシリコン部材を支持するための支持部と、前記支持部によって支持された前記シリコン部材を加熱するための加熱部と、前記チャンバの中にシリコンに対して酸化性を有する酸化性ガスを供給するための第1供給部と、前記チャンバの中にフッ化水素ガスを供給するための第2供給部と、前記チャンバの中のガスを排出するための排出部と、を備え、前記加熱部によって前記シリコン部材が加熱され、前記第1供給部から前記酸化性ガスが前記チャンバに供給され、前記第2供給部から前記フッ化水素ガスが前記チャンバに供給されることによって前記シリコン部材が気相分解されている状態で、前記排出部によって前記チャンバからガスが排出される。 本発明によれば、定量分析の精度を高めるために有利な技術が提供される。本発明の例示的実施形態の気相分解エッチング装置の概略構成を示す図。(a)はH2SiF6と(NH4)2SiF6を含む処理液をプラズマ質量分析装置で分析した時の信号強度変化(感度低下)を示す図(比較例1)、(b)はH2SiF6と(NH4)2SiF6を含む処理液に酸を加え、加熱によりH2SiF6と(NH4)2SiF6を昇華させ、希酸を使って金属を収集し、プラズマ質量分析器で分析した時の信号強度変化(感度変化)を示す図(比較例2)、(c)はシリコン部材を気相分解エッチングし、シリコン部材の表層の不純物(金属)をプラズマ質量分析器で分析した時の信号強度変化(感度変化)を示す図。本発明の例示的実施形態の処理装置の構成を示す図。本発明の例示的実施形態の処理方法を示す図。チャンバ内に存在しうるガスの分子量、ガス比重、沸点を示す図。 以下、添付図面を参照しながら本発明をその例示的な実施形態を通して説明する。なお、この明細書において、上、下、高さなどの表現は、鉛直方向を基準とする。 図1は、本発明の1つの実施形態の気相分解エッチング装置100の構成を模式的に示している。気相分解エッチング装置100は、チャンバ1と、チャンバ1の中でシリコン部材14を支持するための支持部11と、支持部11によって支持されたシリコン部材14を加熱するための加熱部13とを備えている。シリコン部材14は、典型的には円形のシリコンウエハである。チャンバ1は、例えば円筒形を有しうる。加熱部13は、例えば、ヒータと、温度センサとを含み、温度センサによって検出される温度と目標温度とに基づいてヒータをフィードバック制御するように構成されうる。加熱部13は、少なくともヒータおよび温度センサが支持部11に配置されうる。 支持部11は、例えば、真空吸着または静電吸着によってシリコン部材14を吸着するように構成されうる。支持部11は、シリコン部材14などを金属等の不純物で汚染することを防止しうる材料で構成されうる。支持部11は、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂、あるいは、支持部11は、テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体で構成されうる。加熱部13のヒータおよび温度センサには、分析対象となる金属等の不純物が含まれうる。そこで、加熱部13のヒータおよび温度センサは、例えば、フッ素系樹脂でコーティングした上でカーボン製等の容器に封じ込められ、支持部11の内部に封じ込められている。 気相分解エッチング装置100は、支持部11および昇降機構19を備えうる。昇降機構19は、シリコン部材14をチャンバ1の中に搬入し、チャンバ1の中からシリコン部材14を搬出し、シリコン部材14の位置を調整するために、支持部11を昇降させる。シリコン部材14を気相分解エッチングするときは、昇降機構19によって支持部11が第1位置に位置決めされうる。支持部11にシリコン部材14を支持させたり、支持部11から処理済みのシリコン部材14を取り去ったりするときは、昇降機構19によって支持部11が前記第1位置より低い第2位置に位置決めされうる。支持部11が第1位置にあるとき、チャンバ1は、支持部11とともに昇降機構19によって昇降される底部密閉部材12によって密閉されうる。 気相分解エッチング装置100はまた、シリコンに対して酸化性を有する酸化性ガスをチャンバ1の中に供給するための第1供給部7と、フッ化水素ガスをチャンバ1の中に供給するための第2供給部8と、チャンバ1からガスを排出するための排出部5とを備える。酸化性ガスは、例えば、窒素酸化物(NOx)またはオゾンでありうる。フッ化水素ガスは、例えば、フッ化水素酸(20〜50%)から蒸発またはバブリングで発生されうる。第1供給部7および/または第2供給部8は、チャンバ1に不活性ガスを充填する際に、チャンバ1の中に不活性ガスを供給するように構成されてもよい。あるいは、気相分解エッチング装置100は、チャンバ1に不活性ガスを充填する際に、チャンバ1に不活性ガスを供給する他の供給部を備えていてもよい。 加熱部13によってシリコン部材14が加熱され、第1供給部7から酸化性ガスが供給され、第2供給部8からフッ化水素ガスが供給されてシリコン部材14が気相分解されている状態で、排出部5によってチャンバ1からガスが排出される。 第1供給部7は、チャンバ1に設けられた1又は複数の第1供給孔16を通してチャンバ1の中に酸化性ガスを供給し、第2供給部8は、チャンバ1に設けられた1又は複数の第2供給孔17を通してチャンバ1の中にフッ化水素ガスを供給する。典型的には、複数の第1供給孔16が放射状に配置されうる。また、典型的には、複数の第2供給孔17が放射状に配置されうる。第2供給孔17は、第1供給孔16よりも高い位置に配置されうる。第2供給孔17には、第1供給孔16よりも比重が重いガスが供給されうる。排出部5は、チャンバ1の内面ISと支持部11の側面SSとの間の空間、および、支持部11の下に設けられた排出口6を通してチャンバ1の中のガスを排出しうる。 気相分解エッチング装置100は、更に、チャンバ1の中の空間を、第1供給孔16が連通した第1空間S1と、第2供給孔17が連通した第2空間S2とに仕切るバッフルプレート25を備えてもよい。バッフルプレート25は、第1空間S1と第2空間S2とを連通させる複数の孔を有する。第1空間S1に供給されたフッ化水素ガスは、バッフルプレート25(の複数の孔)を介して第2空間S2に供給される。バッフルプレート25は、シリコン部材14に供給されるフッ化水素ガスを均一に分配するために有利である。バッフルプレート25と支持部11との間には、整流板15が配置されうる。整流板15は、例えば、シリコン部材14と等しいサイズの開口を有しうる。 第1供給部7からチャンバ1の中に供給される酸化性ガスによってシリコン部材14が酸化され、シリコン部材14の一部が酸化シリコンに変化する。該酸化シリコンは、第2供給部8からチャンバ1の中に供給されるフッ化水素ガスと反応しながら気相分解エッチングされ、四フッ化ケイ素(SiF4)および水蒸気(H2O)として昇華する。ここで、気相分解エッチングにより生じた四フッ化ケイ素(SiF4)は、速やかにチャンバ1の外に排出されないと、フッ化水素ガス(HFガス)と再反応してゲル状のヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を生成する。 気相分解エッチングによって生成される四フッ化ケイ素(SiF4)は、図5に示したとおり、チャンバ1内に存在しうる他のガスより重い。よって、排出部5に接続される排出口6の上端6Uは、シリコン部材14の上面20の高さ以下の高さ、例えば、支持部11の上面よりも下に配置されることが好ましい。このような構成は、気相分解エッチングによって生成される四フッ化ケイ素(SiF4)を速やかにチャンバ1の外に排出するために有利である。これにより、四フッ化ケイ素(SiF4)がフッ化水素ガス(HFガス)と再反応してゲル状のヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)を生成することが防止される。また、加熱部13によってシリコン部材14を加熱することによっても四フッ化ケイ素(SiF4)とフッ化水素ガス(HFガス)との再反応によるヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)の生成を抑制することができる。 チャンバ1、第1供給部7、第2供給部8、バッフルプレート25などは、酸化性ガスおよびフッ化水素ガスによる腐食や、シリコン部材14の汚染の可能性が低い材料で構成されることが好ましい。そのような材料としては、例えば、(a)ポリテトラフルオロエチレン、(b)テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体、を挙げることができる。 以下、図1に示す気相分解エッチング装置によるシリコン部材14の気相分解エッチング方法を例示的に説明する。 まず、排出部5によってチャンバ1の中のガスを排出しながら、第1供給部7および第2供給部8からチャンバ1の中に不活性ガス(例えば、窒素ガス)を供給する。これにより、チャンバ1の中から空気や水蒸気が追い出され、チャンバ1の中が不活性ガスで満たされる。 次に、昇降機構19によって支持部11が下方の第2位置まで駆動され、その状態で、支持部11の上にシリコン部材14が置かれる。ここで、シリコン部材14は、支持部11の上に置かれるだけでもよいし、真空吸着または静電吸着によって支持部11に吸着されてもよい。 次に、昇降機構19によって支持部11が上方の第1位置まで駆動される。このとき、チャンバ1は、支持部11とともに昇降機構19によって昇降される底部密閉部材12によって密閉される。 次に、加熱部13によってシリコン部材14が加熱される。一例において、シリコン部材14は、その表面温度が120℃〜160℃の範囲の温度になるように加熱されうる。 その後、第1供給部7によって第1供給孔16を通してチャンバ1の中に酸化性ガスが供給される。酸化性ガスは、例えば、窒素酸化物(NOx)またはオゾンであることが好ましいが、以下では、酸化性ガスとして二酸化窒素(NO2)を使用した例を説明する。図5には、チャンバ1に供給され、または、チャンバ1の中で発生しうるガスが例示されている。二酸化窒素(NO2)やオゾン(O3)は、空気(Air)や窒素(N2)より重く、空気中や窒素中では下方向に向かって流れる性質がある。整流板15は、この特性を利用したもので、整流板15が設けられることで酸化性ガスが効率よくシリコン部材14の表面に導かれる。 次に、第2供給部8によって第2供給孔17を通してチャンバ1の中にフッ化水素ガス(HFガス)が供給される。フッ化水素ガスは、空気や窒素より軽いので、窒素(N2)等のキャリアガスによって運ばれうる。 シリコン部材14の表面は、二酸化窒素(NO2)によって、以下の化学反応式(1)で示されるように酸化されて、酸化膜(SiO2膜)が形成される。 Si+2NO2→SiO2+N2 ・・・(1) シリコン部材14の表面に形成された酸化膜(SiO2膜)は、フッ化水素ガス(HF)によって、以下の化学反応式(2)で示されるように気相分解される。 SiO2+4HF→SiF4+2H2O ・・・(2) 化学反応式(1)、(2)で示される化学反応の繰り返しによって、シリコン部材14の表面が気相分解エッチングされる。ここで、水蒸気(H2O)は、チャンバン1の中が水の沸点より高い温度に維持されているので、液化することなく反応室より排出される。また、シリコン部材14のエッチングは、シリコン部材14の表面が120℃以上の温度に維持されるので、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)およびフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)が形成されることはない。 酸化性ガスおよびフッ化水素ガス(HFガス)の生成に関しては特に制約はない。ただし、酸化性ガスおよびフッ化水素ガスの中に含まれる金属を極限まで抑え込むには、超高純度分析用試薬またはこれに準じる純度の電子工業用薬品を、超高純度に精製した窒素ガス(N2)によりバブリングし、蒸気化したものが望ましい。また、酸化性ガスとフッ化水素ガスは、同様のメカニズムでシリコン部材14のエッチングが可能であれば、適宜変更することができる。 所定の深さまで気相分解エッチングが進んだら、フッ化水素ガス(HFガス)の代わりに窒素ガス(N2)が第2供給部8からチャンバ1に供給される。また、二酸化窒素ガス(NO2)の代わりに窒素ガス(N2)が第1供給部7からチャンバ1に供給される。これにより、チャンバ1の中のガスが窒素ガスによって置換される。チャンバ1の中のガスが窒素ガスで置換されたら、加熱部13による加熱が停止される。 次に、昇降機構19によって支持部11が下方の第2位置まで駆動され、その状態で、支持部11の上からシリコン部材14が取り去られる。シリコン部材14の表面には、気相分解エッチングによってエッチングされた表層部分の中に含有されていた不純物(金属)が残っている。 シリコン部材14の表面から分析対象となる不純物(金属)を収集する方法は、既知の方法で良い。収集のための処理液としては、数W%のフッ化水素酸(HF)や過酸化水素水(H2O2)溶液が知られている。不純物の収集の後、処理液を誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)等の分析装置で分析する。 図3には、本発明の1つの実施形態の処理装置300が模式的に示されている。処理装置300は、前述の気相分解エッチング装置100と、分析装置200とを備えている。分析装置200は、例えば、誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP−MS)等の質量分析装置を含みうる。分析装置200はまた、シリコン部材14の表面から分析対象となる不純物(金属)を収集するユニットを含みうる。該ユニットは、分析装置200とは別体として設けられてもよい。処理装置300は、気相分解エッチング装置100から分析装置200にシリコン部材14を搬送する搬送部150を備えうる。 図4には、処理装置300において実施される処理方法が示されている。エッチング工程S1では、上記の気相分解エッチング装置100によってシリコン部材14の表層部分を気相分解エッチングする。収集工程S2では、エッチング工程S1で表層部分を気相分解エッチングされたシリコン部材14から不純物を収集する。分析工程S3では、収集工程S2で収集された不純物を分析装置200によって分析する。 本実施形態によれば、表層部分が気相分解エッチングされたシリコン部材から不純物を収集した処理液には、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)およびフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)が混入しない。よって、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)およびフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)を昇華させるために酸を添加したり、加熱したりしなくてよい。 また、表層部分が気相分解エッチングされたシリコン部材から不純物を収集した処理液をそのままプラズマ質量分析装置(ICP−MS)で分析できるので、従来のように酸を添加する場合における酸中の不純物の影響を受けない。よって、シリコン部材の表層部分に存在する不純物(金属)を高感度に定量分析することができる。 表層部分が気相分解エッチングされたシリコン部材から不純物を収集するための処理液は、上記の例に限定されず、例えば硝酸、塩酸または硫酸であってもよいし、他の薬液であってもよい。 分析装置200は、シリコン部材の表層部分の汚染に応じて適宜選択することができる。通常は、シリコン部材の表層部分の汚染物としては、金属、種々のパーティクルが含まれる。ここで、金属には、金属原子のみならず、種々の金属イオン、金属錯体、塩等が含まれる。金属の種類についても特に限定はない。具体的には、汚染若しくは分析されるべき金属として、例えば、クロム、鉄、ニッケル、銅、亜鉛、モリブデン、タングステンが挙げられる。分析装置200は、例えば、フレームレス原子吸光分析装置であってもよい。 図2(c)には、本実施形態に従って、シリコン部材を気相分解エッチングし、シリコン部材の表層の不純物(金属)をプラズマ質量分析器で分析した時の信号強度変化(感度変化)が示されている。測定回数に依存した感度の変化は認められない。 一方、図2(a)には、比較例1として、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)とフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)を含む処理液をプラズマ質量分析装置で分析した時の信号強度変化(感度変化)が示されている。比較例1では、排出部5および加熱部13を備えない気相分解エッチング装置でシリコン部材14の表層部分を気相分解エッチングした後に、処理液を使ってシリコン部材14の表面から不純物を収集しプラズマ質量分析装置で分析した。処理液には、ヘキサフルオロケイ酸(H2SiF6)およびフルオロケイ酸アンモニウム((NH4)2SiF6)を構成するSiが含まれ、このSiがNi、Ti、Cu等と干渉し定量分析の妨げとなる。更に、処理液中のSiが、プラズマ質量分析装置のサンプリングコーンおよびスキマーコーンに付着し、プラズマ質量分析装置の感度低下を招き定量分析性能に影響を与える。図2(a)に示されるように、測定回数に応じてプラズマ質量分析装置で得られる信号強度、即ち感度が低下する。 この対策として、H2SiF6と(NH4)2SiF6を含む処理液に酸を加え、加熱によりH2SiF6と(NH4)2SiF6を昇華させ、希酸を使って金属を収集し、プラズマ質量分析器で分析を行う方法が考えられる。図2(b)には、比較例2として、このような方法におけるプラズマ質量分析装置の信号強度変化(感度変化)が示されている。比較例2では、測定回数に応じた信号強度変化(感度変化)は認められない。しかしながら、処理液に酸を加えることにより当該酸に不純物として含まれる金属量が金属定量分析における検出下限を下回る可能性があり、測定が出来ない可能性がある。 本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。 チャンバと、 前記チャンバの中でシリコン部材を支持するための支持部と、 前記支持部によって支持された前記シリコン部材を加熱するための加熱部と、 前記チャンバの中にシリコンに対して酸化性を有する酸化性ガスを供給するための第1供給部と、 前記チャンバの中にフッ化水素ガスを供給するための第2供給部と、 前記チャンバの中のガスを排出するための排出部と、を備え、 前記加熱部によって前記シリコン部材が加熱され、前記第1供給部から前記酸化性ガスが前記チャンバに供給され、前記第2供給部から前記フッ化水素ガスが前記チャンバに供給されることによって前記シリコン部材が気相分解されている状態で、前記排出部によって前記チャンバからガスが排出される、 ことを特徴とする気相分解エッチング装置。 チャンバと、 前記チャンバの中でシリコン部材を支持するための支持部と、 前記支持部によって支持された前記シリコン部材を加熱するための加熱部と、 前記チャンバの中にシリコンに対して酸化性を有する酸化性ガスを供給するための第1供給部と、 前記チャンバの中にフッ化水素ガスを供給するための第2供給部と、 前記チャンバの中のガスを前記チャンバに設けられた排出口を通して排出するための排出部と、を備え、 前記排出口の上端は、前記シリコン部材の上面の高さ以下の高さに位置する、 ことを特徴とする気相分解エッチング装置。 前記加熱部によって前記シリコン部材が加熱され、前記第1供給部から前記酸化性ガスが前記チャンバに供給され、前記第2供給部から前記フッ化水素ガスが前記チャンバに供給されることによって前記シリコン部材が気相分解されている状態で、前記排出部によって前記チャンバからガスが排出される、 ことを特徴とする請求項2に記載の気相分解エッチング装置。 前記第1供給部は、前記チャンバに設けられた第1供給孔を通して前記チャンバの中に前記酸化性ガスを供給し、前記第2供給部は、前記チャンバに設けられた第2供給孔を通して前記チャンバの中に前記フッ化水素ガスを供給し、 前記排出部は、前記チャンバの内面と前記支持部の側面との間の空間を通して前記チャンバの中のガスを排出する、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の気相分解エッチング装置。 前記第2供給孔は、前記第1供給孔よりも高い位置に配置されている、 ことを特徴とする請求項4に記載の気相分解エッチング装置。 前記チャンバの中の空間を、前記第1供給部が連通した第1空間と、前記第2供給孔が連通した第2空間とに仕切るバッフルプレートを更に備え、前記シリコン部材は、前記第2空間に配置され、 前記第1空間に供給された前記フッ化水素ガスは、前記バッフルプレートを介して前記第2空間に供給される、 ことを特徴とする請求項5に記載の気相分解エッチング装置。 前記加熱部は、前記支持部の中に組み込まれている、 ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の気相分解エッチング装置。 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の気相分解エッチング装置と、 前記気相分解エッチング装置によってエッチングされた前記シリコン部材の表面に存在する不純物を分析する分析装置と、 を備えることを特徴とする処理装置。 チャンバの中において、シリコン部材を加熱するとともに、前記チャンバの中に、シリコンに対して酸化性を有する酸化性ガスと、フッ化水素ガスとを供給し、これにより前記シリコン部材を気相分解エッチングしながら、前記チャンバの中からガスを排出する、 ことを特徴とする気相分解エッチング方法。 前記チャンバに設けられた第1供給孔を通して前記チャンバの中に前記酸化性ガスが供給され、前記チャンバに設けられた第2供給孔を通して前記チャンバの中に前記フッ化水素ガスが供給され、 前記チャンバからのガスの排出は、前記チャンバの内面と前記シリコン部材を支持する支持部の側面との間の空間を通してなされる、 ことを特徴とする請求項9に記載の気相分解エッチング方法。 前記第2供給孔は、前記第1供給孔よりも高い位置に配置されている、 ことを特徴とする請求項10に記載の気相分解エッチング方法。 前記チャンバの中の空間は、バッフルプレートによって、前記第1供給孔が連通した第1空間と、前記第2供給孔が連通した第2空間とに仕切られ、前記シリコン部材は、前記第2空間に配置され、 前記第1空間に供給された前記フッ化水素ガスは、前記バッフルプレートを介して前記第2空間に供給される、 ことを特徴とする請求項11に記載の気相分解エッチング方法。 前記酸化性ガスは、窒素酸化物を含む、 ことを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の気相分解エッチング方法。 請求項9乃至13のいずれか1項に記載の気相分解エッチング方法に従ってシリコン部材をエッチングするエッチング工程と、 前記エッチング工程でエッチングされた前記シリコン部材の表面に存在する不純物を収集する収集工程と、 前記収集工程で収集された不純物を分析する分析工程と、 を含むことを特徴とする処理方法。 【課題】、定量分析の精度を高めるために有利な技術を提供する。【解決手段】気相分解エッチング装置は、チャンバと、前記チャンバの中でシリコン部材を支持するための支持部と、前記支持部によって支持された前記シリコン部材を加熱するための加熱部と、前記チャンバの中にシリコンに対して酸化性を有する酸化性ガスを供給するための第1供給部と、前記チャンバの中にフッ化水素ガスを供給するための第2供給部と、前記チャンバの中のガスを排出するための排出部と、を備え、前記加熱部によって前記シリコン部材が加熱され、前記第1供給部から前記酸化性ガスが前記チャンバに供給され、前記第2供給部から前記フッ化水素ガスが前記チャンバに供給されることによって前記シリコン部材が気相分解されている状態で、前記排出部によって前記チャンバからガスが排出される、ことを特徴とする気相分解エッチング装置。【選択図】図1